◆1otsuV0WFc さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16594748.html
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1:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/20(火) 23:32:15.50:P+a7l/T/o (1/10)
┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
┃ -イ.ー┬‐ | ーチ‐ || |! ーナ ̄| ト-、 | |! / || || ┃
┃. │ _| レ _ノ `"⌒) o ,__,,」 ノ´ 、ノ .| 丿 /^\ .o .o ━┛
. ̄
――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。
――かもしれない……。
~前回までのあらすじ~
召喚士、戦士、魔道士、盗賊からなる4人の冒険者達。
彼らは5年もの間、世界中で地上をを暗黒へと変える
魔王軍と戦い、幾多の勝利を掴み、人々を救ってきた。
今回の敵は東の魔王マーラ。はたして勝算は……?
◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html
◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html
◆絵とかのあぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/
◆雑談スレ(オマケみたいなSSがあったりするとかしないとか)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301828985/
◆前スレ(その34)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1322122521/
┏━ ノ ー‐ j ji |l| _,,,,,_ ji ji i i! ,_,,xz .|l| |l| ┃
┃ -イ.ー┬‐ | ーチ‐ || |! ーナ ̄| ト-、 | |! / || || ┃
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――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。
――かもしれない……。
~前回までのあらすじ~
召喚士、戦士、魔道士、盗賊からなる4人の冒険者達。
彼らは5年もの間、世界中で地上をを暗黒へと変える
魔王軍と戦い、幾多の勝利を掴み、人々を救ってきた。
今回の敵は東の魔王マーラ。はたして勝算は……?
◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html
◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html
◆絵とかのあぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/
◆雑談スレ(オマケみたいなSSがあったりするとかしないとか)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301828985/
◆前スレ(その34)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1322122521/
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ…」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
2:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/20(火) 23:32:59.55:P+a7l/T/o (2/10)
◆過去ログ(その1~33)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292945466/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298556181/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300871942/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303216728/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305623043/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308493316/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312161458/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315821180/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318927989/
◆過去ログ(その1~33)
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http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292945466/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298556181/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300871942/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303216728/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305623043/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308493316/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312161458/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315821180/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318927989/
3: ◆1otsuV0WFc:2011/12/20(火) 23:33:37.27:P+a7l/T/o (3/10)
――忍。決して表に出る事はなく、影に徹する存在。
それを始めて白日の下へと導き出したのが『藤蔵』の存在である。
藤蔵がいつより存在し、どれ程派生したかは不明瞭であるが、
八代当主の際に帝の御庭番。そして十三代当主の際に大名への資格を取りつけ、
十四代目にしてついに、大名と相成った。その反面、影と呼ばれる藤蔵一族の裏の顔は、
藤蔵がだいみょうとして世に輝いた時と同じくして、滅びた。いや、自ら破滅への道を歩んだ。
後の十五代当主はその事態を危惧していたが、己の命を賭しても、止める事は出来なかった。
妹は兄を見殺しにしたも同然の藤蔵を出奔し、流浪の身と相成った。
あれから5年。藤蔵は変わった。忍も変わった。しかし、変わらぬものが1つある。
それは、忍の魂とも言うべきもの。『守るべき者の為には、死をも厭わない』。
帝に忠誠を尽くした、雷遁の忍は、帝を守るべくして死んだ。
忍に死はつきもの。忍もまた武士であり、東方に生きる侍なのである。
彼らは言う。死を以って勝利を得られるのであれば、喜んで命を尽くすと。
――武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり。
――忍。決して表に出る事はなく、影に徹する存在。
それを始めて白日の下へと導き出したのが『藤蔵』の存在である。
藤蔵がいつより存在し、どれ程派生したかは不明瞭であるが、
八代当主の際に帝の御庭番。そして十三代当主の際に大名への資格を取りつけ、
十四代目にしてついに、大名と相成った。その反面、影と呼ばれる藤蔵一族の裏の顔は、
藤蔵がだいみょうとして世に輝いた時と同じくして、滅びた。いや、自ら破滅への道を歩んだ。
後の十五代当主はその事態を危惧していたが、己の命を賭しても、止める事は出来なかった。
妹は兄を見殺しにしたも同然の藤蔵を出奔し、流浪の身と相成った。
あれから5年。藤蔵は変わった。忍も変わった。しかし、変わらぬものが1つある。
それは、忍の魂とも言うべきもの。『守るべき者の為には、死をも厭わない』。
帝に忠誠を尽くした、雷遁の忍は、帝を守るべくして死んだ。
忍に死はつきもの。忍もまた武士であり、東方に生きる侍なのである。
彼らは言う。死を以って勝利を得られるのであれば、喜んで命を尽くすと。
――武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり。
4: ◆1otsuV0WFc:2011/12/20(火) 23:34:25.07:P+a7l/T/o (4/10)
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
~第五十六部~
召喚士「行けっ!コカトリス!!」
~第五十六部~
5: ◆1otsuV0WFc:2011/12/20(火) 23:35:13.37:P+a7l/T/o (5/10)
~東方、橋の下~
戦士「……っりゃあ!!」
フオンッ…ンンンン
と「おぉ……っ、お見事」
戦士「いや、これじゃあまだ全ての力が伝わってねぇ。もっと早く正確に抜かねぇと」カシャッ
鬼丸「朝っぱらから元気だな」ザッ
戦士「鬼丸」
鬼丸「今日だっけか? 出発」
戦士「ああ。お前も行けるよな?」
鬼丸「グハハッ、いつでも絶好調よ!」
戦士「そういや、召喚士から話は聞いたよな?」
鬼丸「ああ。昨日の晩に来た。とは言っても、俺も詳しいわけじゃねぇからなぁ」
戦士「そっか」
鬼丸「とにかく役に立ちそうな事は伝えたぜ!」
戦士「助かるよ、相棒!」
~東方、橋の下~
戦士「……っりゃあ!!」
フオンッ…ンンンン
と「おぉ……っ、お見事」
戦士「いや、これじゃあまだ全ての力が伝わってねぇ。もっと早く正確に抜かねぇと」カシャッ
鬼丸「朝っぱらから元気だな」ザッ
戦士「鬼丸」
鬼丸「今日だっけか? 出発」
戦士「ああ。お前も行けるよな?」
鬼丸「グハハッ、いつでも絶好調よ!」
戦士「そういや、召喚士から話は聞いたよな?」
鬼丸「ああ。昨日の晩に来た。とは言っても、俺も詳しいわけじゃねぇからなぁ」
戦士「そっか」
鬼丸「とにかく役に立ちそうな事は伝えたぜ!」
戦士「助かるよ、相棒!」
6: ◆1otsuV0WFc:2011/12/20(火) 23:35:53.34:P+a7l/T/o (6/10)
~帝の城~
名代「上様、まもなくご出兵の支度が整いまする」
帝「うむ。手筈は任せる」
名代「はい。家老殿、問題御座いませんね?」
家老「正面の大通りは万全じゃ。そのまま大橋を抜けて、都を離れるぞ」
青年兵「大橋? 進路は西ではないのですか?」
名代「民の手前もありますから」
家老「左様。皆々は上様の凛々しいお姿を拝みたくて、集っておるわけじゃからな」
名代「それに西へ兵を進めなどすれば、民が警戒するでしょうからね」
青年兵「なるほど……っ。今回の戦いはあくまで、北ですからね」
名代「はい。余計な波風は立てぬ方が良い、と言う事ですよ」
青年兵「お見それ致しました。それでは私達も準備を整え、大橋にて待っております」
帝「宜しく頼むぞ」
青年兵「こちらこそ。それでは」スッ
帝「いよいよ……だな」
~帝の城~
名代「上様、まもなくご出兵の支度が整いまする」
帝「うむ。手筈は任せる」
名代「はい。家老殿、問題御座いませんね?」
家老「正面の大通りは万全じゃ。そのまま大橋を抜けて、都を離れるぞ」
青年兵「大橋? 進路は西ではないのですか?」
名代「民の手前もありますから」
家老「左様。皆々は上様の凛々しいお姿を拝みたくて、集っておるわけじゃからな」
名代「それに西へ兵を進めなどすれば、民が警戒するでしょうからね」
青年兵「なるほど……っ。今回の戦いはあくまで、北ですからね」
名代「はい。余計な波風は立てぬ方が良い、と言う事ですよ」
青年兵「お見それ致しました。それでは私達も準備を整え、大橋にて待っております」
帝「宜しく頼むぞ」
青年兵「こちらこそ。それでは」スッ
帝「いよいよ……だな」
7: ◆1otsuV0WFc:2011/12/20(火) 23:36:37.16:P+a7l/T/o (7/10)
~東の城~
西方参謀「おっ、あれか!」
ザッザッザッザッザッ
槍侶「総本山より救援に参りました! 宜しくお願い致します!」
南方参謀「あらぁ! スキンへッドでなかなかカワイイじゃない~」
槍侶「!?」
僧兵長「失礼ですが、此方の指揮官はおられるかな?」
西方参謀「東方先生ー呼んでるぞぉ……ヒック」
東方参謀「儂はここだぁー! ここにおるっ!」ヒュバッ
クルクルクルッ…スタッ
僧兵「お、おぉ……っ」
東方参謀「本国の東方参謀と申す。共に戦おうではないか、同士諸君よ」
僧兵長「ど、どうも」
南方参謀「今日中に物資の搬入終えてよっ。出航は夜なんだから」
東方参謀「総本山の皆も、船の中で休まれるが良い」
槍侶「はっ。ありがとうございます」
~東の城~
西方参謀「おっ、あれか!」
ザッザッザッザッザッ
槍侶「総本山より救援に参りました! 宜しくお願い致します!」
南方参謀「あらぁ! スキンへッドでなかなかカワイイじゃない~」
槍侶「!?」
僧兵長「失礼ですが、此方の指揮官はおられるかな?」
西方参謀「東方先生ー呼んでるぞぉ……ヒック」
東方参謀「儂はここだぁー! ここにおるっ!」ヒュバッ
クルクルクルッ…スタッ
僧兵「お、おぉ……っ」
東方参謀「本国の東方参謀と申す。共に戦おうではないか、同士諸君よ」
僧兵長「ど、どうも」
南方参謀「今日中に物資の搬入終えてよっ。出航は夜なんだから」
東方参謀「総本山の皆も、船の中で休まれるが良い」
槍侶「はっ。ありがとうございます」
8: ◆1otsuV0WFc:2011/12/20(火) 23:37:16.28:P+a7l/T/o (8/10)
~旅籠~
男隊員「おっしゃあ、そんじゃ行くかぁ……ヒャハハ!」
魔道士「女将さん、長々とお世話になりました!」
女将「全員、無事に帰ってくるんよ? 美味しい物作って、待ってますから」
隊長「必ずや無事に帰ってきます!」
男隊員「空回りすんなよ?」
隊長「誰にモノを言ってんだてめぇは!」ギリギリッ
男隊員「いてぇーっ!!」
女将「うふふふふっ」
格闘家「副司令が戻って来ましたよ」
青年兵「もう間もなく出発です。大橋にて東方軍と合流致しましょう」
戦士「おっしゃ! いくぜ」
盗賊「ああ」
召喚士「それでは行ってきます」
女将「ほんと、気ぃ付けてな……っ!」
魔道士「はぁい! えへへっ!」
~旅籠~
男隊員「おっしゃあ、そんじゃ行くかぁ……ヒャハハ!」
魔道士「女将さん、長々とお世話になりました!」
女将「全員、無事に帰ってくるんよ? 美味しい物作って、待ってますから」
隊長「必ずや無事に帰ってきます!」
男隊員「空回りすんなよ?」
隊長「誰にモノを言ってんだてめぇは!」ギリギリッ
男隊員「いてぇーっ!!」
女将「うふふふふっ」
格闘家「副司令が戻って来ましたよ」
青年兵「もう間もなく出発です。大橋にて東方軍と合流致しましょう」
戦士「おっしゃ! いくぜ」
盗賊「ああ」
召喚士「それでは行ってきます」
女将「ほんと、気ぃ付けてな……っ!」
魔道士「はぁい! えへへっ!」
9: ◆1otsuV0WFc:2011/12/20(火) 23:38:13.41:P+a7l/T/o (9/10)
テクテクテクテク
戦士「召喚士と魔道士は、大橋でお別れだな」
召喚士「魔王マーラ、強敵だと思うけど……頑張って!」
盗賊「そちらもな。また、都で会おう」
魔道士「はいっ! 藤蔵の皆さんにも宜しくお伝え下さいっ!」
青年兵「特遊はここから北の城でしたよね?」
隊長「ああ。旗本殿らと合流の後、直に北の城へ向かう」
戦士「んで残る俺らが藤蔵行きだな」
盗賊「ああ」
青年兵「東も今頃、動き出している頃でしょうね」
戦士「結局、女侍達の手掛かりはなかったな」
召喚士「うん。船で国外に出た形跡はないから、まだ東方に居るとは思うんだけど……」
魔道士「うーん。どうなんでしょうねぇ」
盗賊「奴らも賊だ。都や東方情勢を把握していないとは思えんがな」
青年兵「国軍が都を離れれば姿を見せるかもしれませんね」
召喚士「そうだね。でもまぁ、協力してくれるって決まったわけじゃないし、現有戦力で考えないとね」
テクテクテクテク
戦士「召喚士と魔道士は、大橋でお別れだな」
召喚士「魔王マーラ、強敵だと思うけど……頑張って!」
盗賊「そちらもな。また、都で会おう」
魔道士「はいっ! 藤蔵の皆さんにも宜しくお伝え下さいっ!」
青年兵「特遊はここから北の城でしたよね?」
隊長「ああ。旗本殿らと合流の後、直に北の城へ向かう」
戦士「んで残る俺らが藤蔵行きだな」
盗賊「ああ」
青年兵「東も今頃、動き出している頃でしょうね」
戦士「結局、女侍達の手掛かりはなかったな」
召喚士「うん。船で国外に出た形跡はないから、まだ東方に居るとは思うんだけど……」
魔道士「うーん。どうなんでしょうねぇ」
盗賊「奴らも賊だ。都や東方情勢を把握していないとは思えんがな」
青年兵「国軍が都を離れれば姿を見せるかもしれませんね」
召喚士「そうだね。でもまぁ、協力してくれるって決まったわけじゃないし、現有戦力で考えないとね」
10: ◆1otsuV0WFc:2011/12/20(火) 23:38:58.10:P+a7l/T/o (10/10)
~大橋~
鬼丸「おーう。出発かぁ?」
戦士「ああ。もうじき上様達も来るみたいだぜ」
鬼丸「それでか。見ろよ、この人の数……」
男「いよいよ、おお戦だそうじゃ!」ワイワイ
女「この戦で平和になるかもしれないんだろっ? 頑張って欲しいねぇ」ワイワイ
召喚士「みんな、上様の出陣する姿を見送りにきたんだね」
魔道士「こういうところは、本国と一緒なんですね」
隊長「味方の士気も上がるし、民への鼓舞にもなるしな。一石二鳥だ」
魔道士「なるほどですね~」
男「おぉっ! おいでなすったぞ!」ワイワイワイ
女「上様ぁ!!」ワイワイワイ
絢爛なる甲冑ち馬の装飾を施し、大通りの中央を悠然と進む帝。
脇に備える旗本衆や名代の姿も凛々しく映り民はただただ感嘆の息を漏らす。
表情明るく闊歩する一同ではあるが、よく見ると指先は震え、緊張を押し込めていた。
大橋で待ち受ける本国の一同を目にすると、帝はようやく、心の底より笑顔を見せた。
~大橋~
鬼丸「おーう。出発かぁ?」
戦士「ああ。もうじき上様達も来るみたいだぜ」
鬼丸「それでか。見ろよ、この人の数……」
男「いよいよ、おお戦だそうじゃ!」ワイワイ
女「この戦で平和になるかもしれないんだろっ? 頑張って欲しいねぇ」ワイワイ
召喚士「みんな、上様の出陣する姿を見送りにきたんだね」
魔道士「こういうところは、本国と一緒なんですね」
隊長「味方の士気も上がるし、民への鼓舞にもなるしな。一石二鳥だ」
魔道士「なるほどですね~」
男「おぉっ! おいでなすったぞ!」ワイワイワイ
女「上様ぁ!!」ワイワイワイ
絢爛なる甲冑ち馬の装飾を施し、大通りの中央を悠然と進む帝。
脇に備える旗本衆や名代の姿も凛々しく映り民はただただ感嘆の息を漏らす。
表情明るく闊歩する一同ではあるが、よく見ると指先は震え、緊張を押し込めていた。
大橋で待ち受ける本国の一同を目にすると、帝はようやく、心の底より笑顔を見せた。
11:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 00:58:45.58:+UPnMGjAO (1/2)
>>1乙!
そして新スレおめ
このスレでもよろしく
>>1乙!
そして新スレおめ
このスレでもよろしく
12:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 01:01:47.06:0IRL8jKAo (1/2)
>>1乙
いま追いついた!クライマックスをリアルタイムで読めるなんて最高!
>>1乙
いま追いついた!クライマックスをリアルタイムで読めるなんて最高!
13:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 01:19:03.29:uqAL2LaDO (1/1)
まだ序盤だぜ?
まだ序盤だぜ?
14:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 01:44:55.88:jiYqNMjL0 (1/1)
>>1 おつ
いっつもあり!
>>1 おつ
いっつもあり!
15:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 01:52:00.31:0IRL8jKAo (2/2)
>>13
100スレで終わりだっけか
>>13
100スレで終わりだっけか
16:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 02:23:41.88:2GOoTL1DO (1/1)
100スレで取り敢えずプロローグが終わる予定
100スレで取り敢えずプロローグが終わる予定
17:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 06:00:44.01:Xnqbh0pb0 (1/2)
新スレおめ!
1000スレは続くに決まってんだろjk
新スレおめ!
1000スレは続くに決まってんだろjk
18:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 12:14:46.38:fs3YRqkDO (1/1)
1~100スレ プロローグ
101~250スレ 前半
251~650スレ 中盤
651~900スレ 後半
901~1000スレ エピローグ後日談等
こんな感じか
あと20年は読んでいられそうだな
1~100スレ プロローグ
101~250スレ 前半
251~650スレ 中盤
651~900スレ 後半
901~1000スレ エピローグ後日談等
こんな感じか
あと20年は読んでいられそうだな
19:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 13:30:24.88:vbnB7PKPo (1/1)
>>12
最初からクライマックスな件
>>12
最初からクライマックスな件
20:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 15:23:52.91:a21wLNYq0 (1/2)
>>18
栗本薫になってもいいのよ?
>>18
栗本薫になってもいいのよ?
21:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 17:28:36.46:L1W/mr8DO (1/1)
>>1おつん
>>15-18
鬼畜ww
続いて欲しいと思うがいったい>>1は何年生きなきゃいけないんだ。
>>1おつん
>>15-18
鬼畜ww
続いて欲しいと思うがいったい>>1は何年生きなきゃいけないんだ。
22: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:45:12.99:0qGF7Iupo (1/16)
帝「待たせたか?」
盗賊「いえ、我らも今しがた、来たところに御座いまする」
帝「さて、参ろうか。皆の馬を此れへ」
旗本「御意に」
本国の面々が合流すると、飾られた華に異彩が加えられ、なお一層の趣を見せる。
男「ほんに、上様が先頭に立たれてからというもの、東方も変わっただなぁ」
女「いんや。あの異人さん達のお陰さね。異国の力は凄いもんだねぇ」
晴れ姿を一目見ようと集った民の期待を一身に背負い、帝は都を後にした。
パッカパッカパッカ…
名代「このまま北側の関所を抜け、御用邸まで馬を飛ばしまする」
魔道士「ゴヨーテー?」
盗賊「上様の別荘といったところだ」
男隊員「どうしていちいち、そんな回りくどい事を?」
旗本「先に名代様も述べたように、西へ出兵した事を悟らせぬ為に御座いまする」
名代「それともう一つ……」
帝「待たせたか?」
盗賊「いえ、我らも今しがた、来たところに御座いまする」
帝「さて、参ろうか。皆の馬を此れへ」
旗本「御意に」
本国の面々が合流すると、飾られた華に異彩が加えられ、なお一層の趣を見せる。
男「ほんに、上様が先頭に立たれてからというもの、東方も変わっただなぁ」
女「いんや。あの異人さん達のお陰さね。異国の力は凄いもんだねぇ」
晴れ姿を一目見ようと集った民の期待を一身に背負い、帝は都を後にした。
パッカパッカパッカ…
名代「このまま北側の関所を抜け、御用邸まで馬を飛ばしまする」
魔道士「ゴヨーテー?」
盗賊「上様の別荘といったところだ」
男隊員「どうしていちいち、そんな回りくどい事を?」
旗本「先に名代様も述べたように、西へ出兵した事を悟らせぬ為に御座いまする」
名代「それともう一つ……」
23: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:45:56.15:0qGF7Iupo (2/16)
~御用邸~
戦士「なるほど。着替えか」
名代「上様を白昼堂々、外で着替えさせるなど出来ませぬからな」
魔道士「どうして着替えちゃうんですか? 立派な鎧なのに……」
旗本「あれは民へ向けた馬揃えも兼ねた行事用のものですから」
青年兵「なるほど。軍事パレードですね。確かにあの威風堂々たるや、民も安心するでしょう」
東方司令「見た目のみに重点を置いた甲冑であったというわけだな」
ザッザッザ
帝「待たせたな。それでは参ると致そうか」
青年兵「ではこれより、作戦を開始したいと思います」
隊長「旗本殿、俺らは先日のルートで北の城でいいな?」
旗本「御意に。隊長殿ら私より経験豊富な事は明白。従うまでです」
隊長「それじゃ、特遊と旗本衆は北の城へ向かう。行くぞ」
男隊員「最北で会おうぜ……ヒャハハ」
女隊員「朱雀チームはまた、都で再会ッスよ!」
~御用邸~
戦士「なるほど。着替えか」
名代「上様を白昼堂々、外で着替えさせるなど出来ませぬからな」
魔道士「どうして着替えちゃうんですか? 立派な鎧なのに……」
旗本「あれは民へ向けた馬揃えも兼ねた行事用のものですから」
青年兵「なるほど。軍事パレードですね。確かにあの威風堂々たるや、民も安心するでしょう」
東方司令「見た目のみに重点を置いた甲冑であったというわけだな」
ザッザッザ
帝「待たせたな。それでは参ると致そうか」
青年兵「ではこれより、作戦を開始したいと思います」
隊長「旗本殿、俺らは先日のルートで北の城でいいな?」
旗本「御意に。隊長殿ら私より経験豊富な事は明白。従うまでです」
隊長「それじゃ、特遊と旗本衆は北の城へ向かう。行くぞ」
男隊員「最北で会おうぜ……ヒャハハ」
女隊員「朱雀チームはまた、都で再会ッスよ!」
24: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:46:39.65:0qGF7Iupo (3/16)
魔道士「頑張って下さいねっ!」
格闘家「そちらも、お気を付けて」
ザザッ…ドドッドドッドドッ…
青年兵「ではこちらも行きましょうか」
戦士「おう。藤蔵までは盗賊に任せておけば問題ないな」
盗賊「ああ」
鬼丸「相棒の相棒っ!」
召喚士「!?」
鬼丸「昨日も言ったけどよ、神野悪五郎は人の心を巣食って生きてる妖だ」
召喚士「……はい」
鬼丸「今ある体も死んだ人間の怨念からなってる。まずはそれを何とかすりゃあ勝てる」
召喚士「ありがとう。やってみるよ」
鬼丸「本体はクソ弱えぇから安心しなっ! グハハハッ!」
青年兵「召喚士さんなら何も心配は要りません。また、都で会いましょう!」
召喚士「うん! お互い、頑張ろう!」
魔道士「頑張って下さいねっ!」
格闘家「そちらも、お気を付けて」
ザザッ…ドドッドドッドドッ…
青年兵「ではこちらも行きましょうか」
戦士「おう。藤蔵までは盗賊に任せておけば問題ないな」
盗賊「ああ」
鬼丸「相棒の相棒っ!」
召喚士「!?」
鬼丸「昨日も言ったけどよ、神野悪五郎は人の心を巣食って生きてる妖だ」
召喚士「……はい」
鬼丸「今ある体も死んだ人間の怨念からなってる。まずはそれを何とかすりゃあ勝てる」
召喚士「ありがとう。やってみるよ」
鬼丸「本体はクソ弱えぇから安心しなっ! グハハハッ!」
青年兵「召喚士さんなら何も心配は要りません。また、都で会いましょう!」
召喚士「うん! お互い、頑張ろう!」
25: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:47:25.99:0qGF7Iupo (4/16)
ザッ…ドドッドドッドドッ…
帝「さて、残るは我らか」
名代「まずはこのまま、戦士殿の申していた西の寺へと向かいます」
召喚士「そこで情報収集ですね」
名代「新たな手掛かりはないと思いますが、直に聞くのは人伝よりも確かですから」
東方司令「確かに」
帝「ついでに休息地にもなるしな。では参ろうか」
魔道士「はいっ」
召喚士「傍から見れば、たったの5人かもしれません。でも決して弱くはありません」
東方司令「当たり前だ。ボクがいるんだからな」
魔道士「そうですよっ。みんなの力を合わせれば……きっと勝てます!」
帝「うむ。その通りだ」
名代「召喚士殿、断じて無理はなさらぬように」
召喚士「……はい」
名代の見透かしたかのような声に、召喚士は頼もしさを感じつつも、申し訳なく思った。
ザッ…ドドッドドッドドッ…
帝「さて、残るは我らか」
名代「まずはこのまま、戦士殿の申していた西の寺へと向かいます」
召喚士「そこで情報収集ですね」
名代「新たな手掛かりはないと思いますが、直に聞くのは人伝よりも確かですから」
東方司令「確かに」
帝「ついでに休息地にもなるしな。では参ろうか」
魔道士「はいっ」
召喚士「傍から見れば、たったの5人かもしれません。でも決して弱くはありません」
東方司令「当たり前だ。ボクがいるんだからな」
魔道士「そうですよっ。みんなの力を合わせれば……きっと勝てます!」
帝「うむ。その通りだ」
名代「召喚士殿、断じて無理はなさらぬように」
召喚士「……はい」
名代の見透かしたかのような声に、召喚士は頼もしさを感じつつも、申し訳なく思った。
26: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:47:52.99:0qGF7Iupo (5/16)
~夕刻、藤蔵~
カァーッ…カァーッ
この時期ともなると日の入りは早く、辺りは既に黒く染まり始めていた。
鴉や梟などの声が活気付き始めた中、疾走する馬蹄の音が藤蔵の屋敷へと近づく。
ドドッドドッドドッ…ドドォ
青年兵「こ、ここが……藤蔵っ」
戦士「でかい屋敷だろ。俺も初めて来た時はビックリしたぜ」
青年兵「名代様の屋敷にも驚きましたが……これは最早、城ですね」
盗賊「そんな事はないぞ」
戦士「うん、城だな」
鬼丸「こりゃ立派な城だ」
盗賊「……」ピクッ
呆れ顔の盗賊であったが一転、険しい表情へと移り変わり、背後を振り向いた。
盗賊「よけろっ!」
戦士「!?」
~夕刻、藤蔵~
カァーッ…カァーッ
この時期ともなると日の入りは早く、辺りは既に黒く染まり始めていた。
鴉や梟などの声が活気付き始めた中、疾走する馬蹄の音が藤蔵の屋敷へと近づく。
ドドッドドッドドッ…ドドォ
青年兵「こ、ここが……藤蔵っ」
戦士「でかい屋敷だろ。俺も初めて来た時はビックリしたぜ」
青年兵「名代様の屋敷にも驚きましたが……これは最早、城ですね」
盗賊「そんな事はないぞ」
戦士「うん、城だな」
鬼丸「こりゃ立派な城だ」
盗賊「……」ピクッ
呆れ顔の盗賊であったが一転、険しい表情へと移り変わり、背後を振り向いた。
盗賊「よけろっ!」
戦士「!?」
27: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:48:44.14:0qGF7Iupo (6/16)
盗賊以外の3人が飛ぶと、すかさずクナイが木陰より鬼丸めがけて放たれた。
鬼丸「むっ!」
シュバッ…キキイィン
盗賊の放つクナイが、鬼丸へと迫るクナイを空中で相殺し、叩き落した。
見慣れた一同にはいとも容易い所業にこそ見えるが、到底、並の者には出来ぬ行いである。
盗賊「こやつは敵ではない。お主らも知っておるだろう」
スタッ
風忍「……姫?」
水忍「それにお仲間の方々と……お、鬼丸か?」
鬼丸「おいおい、勘弁してくれっつーの」
戦士「お久し振りっす」
水忍「話は伺っている。さ、一先ずは屋敷へ」
風忍「鬼丸、お主……随分と雰囲気が変わったな」
鬼丸「そうかぁ?」
水忍「ん? そちらの御仁は初めてお見かけするようだが」
盗賊以外の3人が飛ぶと、すかさずクナイが木陰より鬼丸めがけて放たれた。
鬼丸「むっ!」
シュバッ…キキイィン
盗賊の放つクナイが、鬼丸へと迫るクナイを空中で相殺し、叩き落した。
見慣れた一同にはいとも容易い所業にこそ見えるが、到底、並の者には出来ぬ行いである。
盗賊「こやつは敵ではない。お主らも知っておるだろう」
スタッ
風忍「……姫?」
水忍「それにお仲間の方々と……お、鬼丸か?」
鬼丸「おいおい、勘弁してくれっつーの」
戦士「お久し振りっす」
水忍「話は伺っている。さ、一先ずは屋敷へ」
風忍「鬼丸、お主……随分と雰囲気が変わったな」
鬼丸「そうかぁ?」
水忍「ん? そちらの御仁は初めてお見かけするようだが」
28: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:49:23.65:0qGF7Iupo (7/16)
青年兵「本国国軍、青年兵と申します」
風忍「これはどうも。若いようだが、姫の部下かな?」
戦士「おいおい、これでも今回の戦いにおける司令官だぜ?」
風忍「……は?」
タッタッタッタッタッ
火忍「ひいいぃぃめええぇぇぇぇ――」
ゲシッ!!
侍女「姫ーっ!! おかえりなさ~いっ!!」ギュウウゥゥ
盗賊「……ただいま」
火忍「人を足蹴にしてんじゃねぇ! 姫ならいざ知らずよぉ!」
侍女「変な趣味発揮してないで、早くお客様を案内しなさいよ」
火忍「……ちっ」スタッ
戦士「世話になるぜ」
火忍「うるせぇ。調子に乗んなよコラ!」
戦士「……?」
青年兵「本国国軍、青年兵と申します」
風忍「これはどうも。若いようだが、姫の部下かな?」
戦士「おいおい、これでも今回の戦いにおける司令官だぜ?」
風忍「……は?」
タッタッタッタッタッ
火忍「ひいいぃぃめええぇぇぇぇ――」
ゲシッ!!
侍女「姫ーっ!! おかえりなさ~いっ!!」ギュウウゥゥ
盗賊「……ただいま」
火忍「人を足蹴にしてんじゃねぇ! 姫ならいざ知らずよぉ!」
侍女「変な趣味発揮してないで、早くお客様を案内しなさいよ」
火忍「……ちっ」スタッ
戦士「世話になるぜ」
火忍「うるせぇ。調子に乗んなよコラ!」
戦士「……?」
29: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:50:13.26:0qGF7Iupo (8/16)
~藤蔵、屋敷内~
青年兵「……」ソワソワ
戦士「鬼丸は?」ソワソワ
青年兵「外で待つそうです」ソワソワ
戦士「……そか」ソワソワ
カラッ
戦士「っ!!」
盗賊「……何をびっくりしている」
戦士「うっせぇ」
盗賊「間もなく父様もお見えになるそうだ。しばし待たれよ」
青年兵「はい」
盗賊「侍女、茶菓子を振舞え。堅苦しい場にはしたくない」
侍女「はいなっ」
青年兵「な、なんだか盗賊さん……雰囲気が違いますね……」ソワソワ
戦士「ああ。やっぱり自分の家だと素が出るんだろうな」ソワソワ
~藤蔵、屋敷内~
青年兵「……」ソワソワ
戦士「鬼丸は?」ソワソワ
青年兵「外で待つそうです」ソワソワ
戦士「……そか」ソワソワ
カラッ
戦士「っ!!」
盗賊「……何をびっくりしている」
戦士「うっせぇ」
盗賊「間もなく父様もお見えになるそうだ。しばし待たれよ」
青年兵「はい」
盗賊「侍女、茶菓子を振舞え。堅苦しい場にはしたくない」
侍女「はいなっ」
青年兵「な、なんだか盗賊さん……雰囲気が違いますね……」ソワソワ
戦士「ああ。やっぱり自分の家だと素が出るんだろうな」ソワソワ
30: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:51:01.35:0qGF7Iupo (9/16)
…
風忍「御館様、お成りになられまする」
ザッ…スタスタスタ
御館様「面を上げい」
盗賊「ご無沙汰をしておりまする。御健勝にて、何よりで御座いまする」
御館様「お主等もな。して、此度の戦においての指揮官が居ると聞いたが」
青年兵「はっ。本国国軍を預かっております、青年兵と申しまする」
御館様「随分と若いな。年は幾つだ?」
青年兵「はい。25になります」
御館様「盗賊と同年か」
盗賊「彼の者、才器において指揮官に相応しく、文武優れたるや右に並ぶ者なしに」
御館様「であろうな。一国の、ましてやこの国の大事を担うのであるからな」
青年兵「ありがとうございます!」
御館様「先ずは此度の戦について、概略を聞かせて貰おうか」
青年兵「はっ、早速」
…
風忍「御館様、お成りになられまする」
ザッ…スタスタスタ
御館様「面を上げい」
盗賊「ご無沙汰をしておりまする。御健勝にて、何よりで御座いまする」
御館様「お主等もな。して、此度の戦においての指揮官が居ると聞いたが」
青年兵「はっ。本国国軍を預かっております、青年兵と申しまする」
御館様「随分と若いな。年は幾つだ?」
青年兵「はい。25になります」
御館様「盗賊と同年か」
盗賊「彼の者、才器において指揮官に相応しく、文武優れたるや右に並ぶ者なしに」
御館様「であろうな。一国の、ましてやこの国の大事を担うのであるからな」
青年兵「ありがとうございます!」
御館様「先ずは此度の戦について、概略を聞かせて貰おうか」
青年兵「はっ、早速」
31: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:51:56.14:0qGF7Iupo (10/16)
…
御館様「成程、大方理解した。ご苦労である」
青年兵「はっ」
盗賊「御館様、西の神野悪五郎なる妖、伺った事は御座いまするか?」
御館様「西の妖は存ぜぬ」
盗賊「左様ですか……」
青年兵「シンノアクゴロウさえ居なければ、全軍を北へ向けられたのですが……」
御館様「聞く限り、同時に倒すようだが、同時でなくばならぬのか?」
青年兵「はい。それには事情が御座いまして……」
魔王マーラと神野悪五郎の関連性。そして結界の件。
青年兵の重い口調で語られるそれらを、御館様はただ無言で耳へ入れている。
御館様「成程。結界と龍脈に関連性があったとはな」
青年兵「恐らく、魔王マーラを討てば、結界は脆弱となるは明白です」
御館様「さすれば、神野悪五郎が都へと攻め入る可能性もあるわけか」
青年兵「はい」
…
御館様「成程、大方理解した。ご苦労である」
青年兵「はっ」
盗賊「御館様、西の神野悪五郎なる妖、伺った事は御座いまするか?」
御館様「西の妖は存ぜぬ」
盗賊「左様ですか……」
青年兵「シンノアクゴロウさえ居なければ、全軍を北へ向けられたのですが……」
御館様「聞く限り、同時に倒すようだが、同時でなくばならぬのか?」
青年兵「はい。それには事情が御座いまして……」
魔王マーラと神野悪五郎の関連性。そして結界の件。
青年兵の重い口調で語られるそれらを、御館様はただ無言で耳へ入れている。
御館様「成程。結界と龍脈に関連性があったとはな」
青年兵「恐らく、魔王マーラを討てば、結界は脆弱となるは明白です」
御館様「さすれば、神野悪五郎が都へと攻め入る可能性もあるわけか」
青年兵「はい」
32: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:52:42.24:0qGF7Iupo (11/16)
御館様「事情は把握した。確かに、結界が薄れておるのは感じられる」
戦士「そうなんですか?」
御館様「藤蔵にも結界は張られておる。しかし、あの鬼丸とやらが踏み入れたであろう」
盗賊「……確かに」
御館様「それに……」
盗賊「……?」
言うべきか迷った御館様であったが、いずれ接触する公算は高く、あえて素直に話を続けた。
御館様「先日な、兄様が訪ねてきおったわ」
盗賊「――――っ!?」
御館様「奴もまた、妖となろうとも、この東方の為に命を尽くすつもりのようだ」
盗賊「兄様が……っ、やはり東方へ……」
御館様「単独で北へ向かうと申しておった。何れは共に戦う事もあろう」
盗賊「……はい」
御館様「その時は……いや、東方の為に力を尽くせよ」
盗賊「……有難う御座りまする」
御館様「事情は把握した。確かに、結界が薄れておるのは感じられる」
戦士「そうなんですか?」
御館様「藤蔵にも結界は張られておる。しかし、あの鬼丸とやらが踏み入れたであろう」
盗賊「……確かに」
御館様「それに……」
盗賊「……?」
言うべきか迷った御館様であったが、いずれ接触する公算は高く、あえて素直に話を続けた。
御館様「先日な、兄様が訪ねてきおったわ」
盗賊「――――っ!?」
御館様「奴もまた、妖となろうとも、この東方の為に命を尽くすつもりのようだ」
盗賊「兄様が……っ、やはり東方へ……」
御館様「単独で北へ向かうと申しておった。何れは共に戦う事もあろう」
盗賊「……はい」
御館様「その時は……いや、東方の為に力を尽くせよ」
盗賊「……有難う御座りまする」
33: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:53:49.77:0qGF7Iupo (12/16)
~西の寺~
名代「建物が見えますな。あれでしょうか」ドドッドドッ
帝「そのようだな」ドドッドドッドドッ
ドドォ…パッカパッカパッカ
魔道士「凄い……っ。崖に面して建物が……」
名代「まさかこのような所に寺があるなど、思いもよりませんでした」
帝「全くだな。さて行ってみるとしよう。その石段より上れそうだ」
魔道士「召喚士さん、行きましょっ」
召喚士「はい」
僅かな紅葉を残し、既に枝のみとなった木々に囲まれ、ひっそりとした石段が遥か上へと続く。
東方司令「しかし長い階段だな……。上るだけで疲れてしまう」
帝「こんな時に言うのも何だが、私は風情があって好きだぞ?」
魔道士「ひえぇ……っ、しんどい~」
召喚士「頑張って下さいっ、見えてきましたからっ」
名代「着きましたぞ、ここが西の寺か……」
~西の寺~
名代「建物が見えますな。あれでしょうか」ドドッドドッ
帝「そのようだな」ドドッドドッドドッ
ドドォ…パッカパッカパッカ
魔道士「凄い……っ。崖に面して建物が……」
名代「まさかこのような所に寺があるなど、思いもよりませんでした」
帝「全くだな。さて行ってみるとしよう。その石段より上れそうだ」
魔道士「召喚士さん、行きましょっ」
召喚士「はい」
僅かな紅葉を残し、既に枝のみとなった木々に囲まれ、ひっそりとした石段が遥か上へと続く。
東方司令「しかし長い階段だな……。上るだけで疲れてしまう」
帝「こんな時に言うのも何だが、私は風情があって好きだぞ?」
魔道士「ひえぇ……っ、しんどい~」
召喚士「頑張って下さいっ、見えてきましたからっ」
名代「着きましたぞ、ここが西の寺か……」
34: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:54:57.59:0qGF7Iupo (13/16)
~西の寺、本堂~
坊主「いやはや、まさか上様直々にお越し頂けるとは……恐悦至極で御座います」
帝「いや住職、此方こそ急な訪問ですまんな」
坊主「いえいえ、このような奇特な場所へ来て頂けるだけでも光栄で御座います」
東方司令「……」
坊主「それで、お越しになられましたのは、神野悪五郎の件ですかな?」
名代「如何にも。先日、友人二人が住職の世話になり、話を伺ったと」
坊主「二人? 六人ではなかったですかな?」
召喚士「あ、女侍さん達を交えると6人ですね」
坊主「折角お越し頂いたものですが、先日お話した以外には特に何も……」
帝「構わぬ。己の耳で聞いておきたいのだ」
坊主「……?」
名代「我らはこれより、神野悪五郎を討伐しにゆくのです」
坊主「な、何と……っ」
名代「この事、どうかご内密に願いますぞ」
~西の寺、本堂~
坊主「いやはや、まさか上様直々にお越し頂けるとは……恐悦至極で御座います」
帝「いや住職、此方こそ急な訪問ですまんな」
坊主「いえいえ、このような奇特な場所へ来て頂けるだけでも光栄で御座います」
東方司令「……」
坊主「それで、お越しになられましたのは、神野悪五郎の件ですかな?」
名代「如何にも。先日、友人二人が住職の世話になり、話を伺ったと」
坊主「二人? 六人ではなかったですかな?」
召喚士「あ、女侍さん達を交えると6人ですね」
坊主「折角お越し頂いたものですが、先日お話した以外には特に何も……」
帝「構わぬ。己の耳で聞いておきたいのだ」
坊主「……?」
名代「我らはこれより、神野悪五郎を討伐しにゆくのです」
坊主「な、何と……っ」
名代「この事、どうかご内密に願いますぞ」
35: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:56:01.64:0qGF7Iupo (14/16)
…
帝「ふむ。直に聞けて良かった。感謝する」
坊主「多少でもお力になれたのならば、それに越した事は御座いませぬよ」
名代「召喚士殿、今の話を伺って、どうお考えで?」
召喚士「そうですね。鬼丸の話と照らし合わせても先ず優先すべきは思念体の開放」
東方司令「……」
召喚士「シンノが剣聖という方を媒介にしているのならば、まずはそれを開放しないと」
名代「まさか剣聖そのものとは……。これは厄介な話だな」
東方司令「剣聖とはそんなにも強いのか?」
名代「ええ。恐らく近年においては東方一と言える使い手でしょう」
帝「……っ」
東方司令「なら安心だな。ボクは世界で2番目の使い手だ」
魔道士「本当ですか……?」
東方司令「お師匠の次に強い! お師匠が世界一なんだからボクが2番目だよ」
召喚士「……」
…
帝「ふむ。直に聞けて良かった。感謝する」
坊主「多少でもお力になれたのならば、それに越した事は御座いませぬよ」
名代「召喚士殿、今の話を伺って、どうお考えで?」
召喚士「そうですね。鬼丸の話と照らし合わせても先ず優先すべきは思念体の開放」
東方司令「……」
召喚士「シンノが剣聖という方を媒介にしているのならば、まずはそれを開放しないと」
名代「まさか剣聖そのものとは……。これは厄介な話だな」
東方司令「剣聖とはそんなにも強いのか?」
名代「ええ。恐らく近年においては東方一と言える使い手でしょう」
帝「……っ」
東方司令「なら安心だな。ボクは世界で2番目の使い手だ」
魔道士「本当ですか……?」
東方司令「お師匠の次に強い! お師匠が世界一なんだからボクが2番目だよ」
召喚士「……」
36: ◆1otsuV0WFc:2011/12/21(水) 17:56:53.07:0qGF7Iupo (15/16)
名代「と、ともかく……神野悪五郎を解放する手段を考えねばなりませぬな」
召喚士「ええ。最悪、コカトリスで身動きを封じる事が出来れば……時間は稼げます」
魔道士「効きますかね?」
召喚士「おそらくシンノは奴と同じようなものでしょう」
魔道士「……?」
召喚士「ネクロマンサー。実体を持たないけれど、実体があるかのように動ける」
魔道士「……っ」
召喚士「だとすれば、不死ですが攻撃を続ければ魔力を消耗するはずですし……」
名代「石化させしてしまえば、身を封じる事が可能、と」
召喚士「はい」
東方司令「あとは最悪、五行か?」
魔道士「……その時は」
召喚士「五行は使いませんよ。ただ最終手段の時には名代さん」
名代「申したはずです。断じて無理はなさらぬようにと」
召喚士「……分かってます」
名代「と、ともかく……神野悪五郎を解放する手段を考えねばなりませぬな」
召喚士「ええ。最悪、コカトリスで身動きを封じる事が出来れば……時間は稼げます」
魔道士「効きますかね?」
召喚士「おそらくシンノは奴と同じようなものでしょう」
魔道士「……?」
召喚士「ネクロマンサー。実体を持たないけれど、実体があるかのように動ける」
魔道士「……っ」
召喚士「だとすれば、不死ですが攻撃を続ければ魔力を消耗するはずですし……」
名代「石化させしてしまえば、身を封じる事が可能、と」
召喚士「はい」
東方司令「あとは最悪、五行か?」
魔道士「……その時は」
召喚士「五行は使いませんよ。ただ最終手段の時には名代さん」
名代「申したはずです。断じて無理はなさらぬようにと」
召喚士「……分かってます」
37:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 18:01:39.39:0qGF7Iupo (16/16)
師走最後の追い込みでござる。来週からは少しペース上げられるかな…
それではまた!多数のご支援まことに感謝っ!ノシ
>>11>>14
こちらこそありがとーございます!
>>12
ありがとーございます!尻すぼみにならぬよう頑張ります!
>>13>>15-21
ありがたいけどありがたくねーっす!
師走最後の追い込みでござる。来週からは少しペース上げられるかな…
それではまた!多数のご支援まことに感謝っ!ノシ
>>11>>14
こちらこそありがとーございます!
>>12
ありがとーございます!尻すぼみにならぬよう頑張ります!
>>13>>15-21
ありがたいけどありがたくねーっす!
38:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 18:19:28.75:a21wLNYq0 (2/2)
>>1乙!
>>1乙!
39:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 19:15:32.64:Rgf9YWgAO (1/1)
>>1乙
ゴルリンからしばらく…とうとうと金が喋りだしたな…
なんて、今更誤字をいちいち指摘しないのが俺の良いところ
>>1乙
ゴルリンからしばらく…とうとうと金が喋りだしたな…
なんて、今更誤字をいちいち指摘しないのが俺の良いところ
40:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 19:17:07.94:iVqmtzDvo (1/1)
前スレ1000も>1も乙!!
前スレ1000も>1も乙!!
41:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 19:40:51.90:8Im8gDhK0 (1/1)
>>1おつ!
>>1おつ!
42:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 20:52:14.89:EHNncVvl0 (1/1)
いちおつ
アスタロスが東方では全力出せないってことは
召喚獣も全力を出せないってことなのか…?
いちおつ
アスタロスが東方では全力出せないってことは
召喚獣も全力を出せないってことなのか…?
43:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 21:21:15.63:5IXOG7tco (1/1)
>>1乙!
もはやこのコカトリス読む日課
終わらなくていい
でも完結はしてほしい
>>1乙!
もはやこのコカトリス読む日課
終わらなくていい
でも完結はしてほしい
44:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 21:56:01.12:+UPnMGjAO (2/2)
>>43
禿げ同
>>1が毎日更新してくれるおかげだな
>>43
禿げ同
>>1が毎日更新してくれるおかげだな
45:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 22:05:20.90:rTK3yNN0o (1/1)
召喚獣は場所関係ないだろ
まして初めて東方で召喚されるわけでもないんだし
召喚獣は場所関係ないだろ
まして初めて東方で召喚されるわけでもないんだし
46:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 22:08:32.59:9U1An8m6o (1/1)
誤字から生まれた藤蔵も大きくなったもんだ
誤字から生まれた藤蔵も大きくなったもんだ
47:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 23:14:39.21:Xnqbh0pb0 (2/2)
>>1おつんつんつんつん
>>1おつんつんつんつん
48:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 23:27:51.01:ycirRm5wo (1/1)
>>39
誤字も物語の重要な要素
だから前スレでいないはずの南方司令がオカマ口調で喋っていたとしても誰も指摘しなかっただろ
>>39
誤字も物語の重要な要素
だから前スレでいないはずの南方司令がオカマ口調で喋っていたとしても誰も指摘しなかっただろ
49:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/21(水) 23:58:06.66:1woXzOzWo (1/1)
>>48
そもそも藤蔵自体が…
>>48
そもそも藤蔵自体が…
50:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 07:49:31.83:Py2ZeX8IO (1/1)
藤蔵って誤字なの?
本来なら何になるはずだったんだ
藤蔵って誤字なの?
本来なら何になるはずだったんだ
51:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 07:59:42.63:OFd0sOUYo (1/1)
盗賊
とうぞく
とうぞう
藤蔵
盗賊
とうぞく
とうぞう
藤蔵
52:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 09:33:25.61:aE/yZ29oo (1/1)
┏(・ω・┓)┓ガササッ
┏(・ω・┓)┓ガササッ
53: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:15:17.03:NBhbkqyro (1/19)
名代にとって、召喚士との付き合いは、さしょど長くはない。だが、薄くはない。
共に死地を乗り越えれば、時にそれは数年以上の信頼を築く事すらある。
だからこそ名代は、召喚士の意図を大いに汲み取っていた。
名代「切り札は、召喚士殿の4属性召喚士に、私の式神を合体させる気ですね?」
召喚士「……五行ではないですから、命にかかわるものじゃないですよ」
名代「だが4行。召喚士殿の負担を考慮すれば、確実に安全とは言い難き事です」
召喚士「でもっ、シンノアクゴロウは不死です。万が一、思念体の開放が出来ない場合は……」
名代「五行詠唱。魔道士さん……ですか」
召喚士「彼女に五行を使わせるわけにはいかないんです。そうなれば切り札は……」
名代「……」
召喚士「大丈夫です。俺は死にませんよ」
名代「……?」
召喚士「予言で出てましたから。俺は死なないって」
名代「予言、ですか」
召喚士「ええ、だから安心して下さい。必ずうまくいきます」
そんなやりとりがあったのは寺の住職との会談直後。女性人が入浴へと向かった最中であった。
名代にとって、召喚士との付き合いは、さしょど長くはない。だが、薄くはない。
共に死地を乗り越えれば、時にそれは数年以上の信頼を築く事すらある。
だからこそ名代は、召喚士の意図を大いに汲み取っていた。
名代「切り札は、召喚士殿の4属性召喚士に、私の式神を合体させる気ですね?」
召喚士「……五行ではないですから、命にかかわるものじゃないですよ」
名代「だが4行。召喚士殿の負担を考慮すれば、確実に安全とは言い難き事です」
召喚士「でもっ、シンノアクゴロウは不死です。万が一、思念体の開放が出来ない場合は……」
名代「五行詠唱。魔道士さん……ですか」
召喚士「彼女に五行を使わせるわけにはいかないんです。そうなれば切り札は……」
名代「……」
召喚士「大丈夫です。俺は死にませんよ」
名代「……?」
召喚士「予言で出てましたから。俺は死なないって」
名代「予言、ですか」
召喚士「ええ、だから安心して下さい。必ずうまくいきます」
そんなやりとりがあったのは寺の住職との会談直後。女性人が入浴へと向かった最中であった。
54: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:15:54.91:NBhbkqyro (2/19)
カポーン
東方司令「…………っ」
魔道士「東方司令さんも一緒に入りましょうよ~っ」
帝「そうだぞ。何時もの様に、背中を流してくれ」
東方司令「いえっ、今日は……すみません……」
帝「ああ。あの日か」
魔道士「ごめんなさい、気を遣わなくて」
東方司令「違うっ! あ、いえ……お構いなく」
魔道士「……?」
東方司令(そうだよ、思い出した。あの魔道士とかいう子……前国王の落胤じゃないかっ!)
魔道士「上様~っ。お背中流しまする~!」
帝「ち、ちとくすぐったいぞ……馬鹿者っ」
東方司令「東方の王に……本国の王女。そんな状況で私が一緒に入るなど……)
魔道士「上様……とっても綺麗……っ」
帝「……や、やめぬか……もうっ」
東方司令「……それよりもボクが死ぬ。多分」
カポーン
東方司令「…………っ」
魔道士「東方司令さんも一緒に入りましょうよ~っ」
帝「そうだぞ。何時もの様に、背中を流してくれ」
東方司令「いえっ、今日は……すみません……」
帝「ああ。あの日か」
魔道士「ごめんなさい、気を遣わなくて」
東方司令「違うっ! あ、いえ……お構いなく」
魔道士「……?」
東方司令(そうだよ、思い出した。あの魔道士とかいう子……前国王の落胤じゃないかっ!)
魔道士「上様~っ。お背中流しまする~!」
帝「ち、ちとくすぐったいぞ……馬鹿者っ」
東方司令「東方の王に……本国の王女。そんな状況で私が一緒に入るなど……)
魔道士「上様……とっても綺麗……っ」
帝「……や、やめぬか……もうっ」
東方司令「……それよりもボクが死ぬ。多分」
55: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:16:31.01:NBhbkqyro (3/19)
…
召喚士「あーいい湯だったぁ」
名代「それでは召喚士殿、私は先に失礼致しまする」
召喚士「あ、はい。おやすみなさい!」
テクテクテク
召喚士「召喚士さんっ」
召喚士「魔道士さん、まだ……寝ないんですか?」
魔道士「何だか、なかなか眠れなくて」
召喚士「分かります。寺ってなんだか雰囲気が……それに独特の臭いが苦手で……ははっ」
魔道士「それもありますけど……」
召喚士「……?」
魔道士「盗賊さん……大丈夫ですよね……?」
召喚士「予言……ですか?」
魔道士「はい……」
召喚士「俺は信じてますよ、戦士を。信じる思いはきっと力になります。だから信じましょう」
魔道士「そうですよね。盗賊さんは強いですし、戦士さんだって強いですもん。大丈夫ですよね!」
…
召喚士「あーいい湯だったぁ」
名代「それでは召喚士殿、私は先に失礼致しまする」
召喚士「あ、はい。おやすみなさい!」
テクテクテク
召喚士「召喚士さんっ」
召喚士「魔道士さん、まだ……寝ないんですか?」
魔道士「何だか、なかなか眠れなくて」
召喚士「分かります。寺ってなんだか雰囲気が……それに独特の臭いが苦手で……ははっ」
魔道士「それもありますけど……」
召喚士「……?」
魔道士「盗賊さん……大丈夫ですよね……?」
召喚士「予言……ですか?」
魔道士「はい……」
召喚士「俺は信じてますよ、戦士を。信じる思いはきっと力になります。だから信じましょう」
魔道士「そうですよね。盗賊さんは強いですし、戦士さんだって強いですもん。大丈夫ですよね!」
56: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:16:58.29:NBhbkqyro (4/19)
~藤蔵~
盗賊「……」
戦士「よっ。心配か? 暗い顔して」
盗賊「戦士……」
戦士「心配だろうけどさ、大丈夫だって」
盗賊「うん。分かっているよ」
戦士「前にゲーデが言ってた。生への渇望、運命は変えられるってな」
盗賊「生への渇望……」
戦士「生きたいって思いが運命を変えるんだ。最後まで諦めちゃならねーんだよ」
盗賊「生きたいという思い……そうだな。それに戦士が居れば大丈夫だよね」
戦士「お、おう……っ」
盗賊「あ……」
戦士「……と、とにかくだ! 俺が……守るかんよ!」
盗賊「うん。宜しく」
戦士「じゃあ寝るわっ! 明日からは頑張ろうぜ!」
盗賊「……おやすみ」
~藤蔵~
盗賊「……」
戦士「よっ。心配か? 暗い顔して」
盗賊「戦士……」
戦士「心配だろうけどさ、大丈夫だって」
盗賊「うん。分かっているよ」
戦士「前にゲーデが言ってた。生への渇望、運命は変えられるってな」
盗賊「生への渇望……」
戦士「生きたいって思いが運命を変えるんだ。最後まで諦めちゃならねーんだよ」
盗賊「生きたいという思い……そうだな。それに戦士が居れば大丈夫だよね」
戦士「お、おう……っ」
盗賊「あ……」
戦士「……と、とにかくだ! 俺が……守るかんよ!」
盗賊「うん。宜しく」
戦士「じゃあ寝るわっ! 明日からは頑張ろうぜ!」
盗賊「……おやすみ」
57: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:17:25.85:NBhbkqyro (5/19)
カコーン
御館様「何か不届きな声が聞こえたな」
侍女「そうですか? ししおどし以外には何も聞こえませんけど」
御館様「……幻聴か」
侍女「御館様も御年を召されましたからねぇ~」
御館様「たわけが。冗談も程々にせい」
侍女「うふふっ。でも御館様、今回は大人しくしていて下さいね」
御館様「……」
侍女「上様や名代様からも、御館様は待機、と強く言われておりますからね」
御館様「分かっておる。それが藤蔵当主としての務めだ」
侍女「此処の事は私達にお任せ下さいませ。それよりもやはり、心配なのは……」
御館様「北の連中か?」
侍女「姫も居るし、皆……無事ならいいんですけど……」
御館様「奴らも付いておる。心配は無用。それよりも己の身を案じるが良い」
侍女「そうですよね」
御館様「……」
カコーン
御館様「何か不届きな声が聞こえたな」
侍女「そうですか? ししおどし以外には何も聞こえませんけど」
御館様「……幻聴か」
侍女「御館様も御年を召されましたからねぇ~」
御館様「たわけが。冗談も程々にせい」
侍女「うふふっ。でも御館様、今回は大人しくしていて下さいね」
御館様「……」
侍女「上様や名代様からも、御館様は待機、と強く言われておりますからね」
御館様「分かっておる。それが藤蔵当主としての務めだ」
侍女「此処の事は私達にお任せ下さいませ。それよりもやはり、心配なのは……」
御館様「北の連中か?」
侍女「姫も居るし、皆……無事ならいいんですけど……」
御館様「奴らも付いておる。心配は無用。それよりも己の身を案じるが良い」
侍女「そうですよね」
御館様「……」
58: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:18:00.63:NBhbkqyro (6/19)
~北の城~
ドドッドドッドドッ
男隊員「随分と賑やかだな」
旗本「篝火の数が尋常ではないな。何かあったのやも……」
ドドッドドッドドッ
旗本「都よりの救援である。城主殿に面会を所望致す!」
足軽「旗印は……旗本様かっ! これは良い所に来て下すった!」
格闘家「まるで戦闘中かのような慌しさですね」
隊長「……あながち、そうなのかもしんねーな」
ガチャガチャガチャッ
城主「よくぞ来てくれた旗本殿! おぉっ! それに貴殿は……隊長殿かっ!」
隊長「ヤマタノオロチ以来だな。それで、この騒ぎはどうした?」
女隊員「ま、まさか……魔王軍が!?」
城主「いや、もっとタチが悪い話でござる。蜂起に略奪に一揆……何と言い表せば良いか……」
旗本「まさか、東の残党が蜂起をしたと?」
城主「東だけではござらぬ。かつての北の残党や賊徒。妖と手を組んでおる連中も……」
~北の城~
ドドッドドッドドッ
男隊員「随分と賑やかだな」
旗本「篝火の数が尋常ではないな。何かあったのやも……」
ドドッドドッドドッ
旗本「都よりの救援である。城主殿に面会を所望致す!」
足軽「旗印は……旗本様かっ! これは良い所に来て下すった!」
格闘家「まるで戦闘中かのような慌しさですね」
隊長「……あながち、そうなのかもしんねーな」
ガチャガチャガチャッ
城主「よくぞ来てくれた旗本殿! おぉっ! それに貴殿は……隊長殿かっ!」
隊長「ヤマタノオロチ以来だな。それで、この騒ぎはどうした?」
女隊員「ま、まさか……魔王軍が!?」
城主「いや、もっとタチが悪い話でござる。蜂起に略奪に一揆……何と言い表せば良いか……」
旗本「まさか、東の残党が蜂起をしたと?」
城主「東だけではござらぬ。かつての北の残党や賊徒。妖と手を組んでおる連中も……」
59: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:19:29.46:NBhbkqyro (7/19)
…
パチッ…バチバチッ
旗本「賊に残党に……僧侶もか」
城主「此度の戦で上様の下へ総本山が回った事で、敵対する宗派が一斉に蜂起したのだ」
旗本「くそっ! 敵は妖だと言うのに、忍玄武娘同士が足を引っ張ってどうするかっ!ダンッ
城主「この事態、予想はしていた。その為に、東側の藤蔵へも要請はしておいたのじゃ」
男隊員「藤蔵? どういうこった?」
城主「北へ兵を回せば、都や東の城は手隙となり、しかも距離も離れておる」
隊長「なるほど。反逆者やクーデターを起こしやすいって事か」
城主「その為に此処と藤蔵で中央を担うつもりであったが、なにぶん数が多すぎる……っ」
旗本「平和なようにみえて、実際はこの有様か……」
城主「ともかくじゃ、これでは北の兵は動かせぬ。それどころか足りないくらいで御座る」
隊長「いいよ。あんたらは東方の人間だ。東方の為に戦ってくれ」
旗本「隊長殿っ!?」
隊長「魔王は俺らが引き受ける。東方を1つにまとめあげる事が、お前さん達の仕事だよ」
城主「……っ」
…
パチッ…バチバチッ
旗本「賊に残党に……僧侶もか」
城主「此度の戦で上様の下へ総本山が回った事で、敵対する宗派が一斉に蜂起したのだ」
旗本「くそっ! 敵は妖だと言うのに、忍玄武娘同士が足を引っ張ってどうするかっ!ダンッ
城主「この事態、予想はしていた。その為に、東側の藤蔵へも要請はしておいたのじゃ」
男隊員「藤蔵? どういうこった?」
城主「北へ兵を回せば、都や東の城は手隙となり、しかも距離も離れておる」
隊長「なるほど。反逆者やクーデターを起こしやすいって事か」
城主「その為に此処と藤蔵で中央を担うつもりであったが、なにぶん数が多すぎる……っ」
旗本「平和なようにみえて、実際はこの有様か……」
城主「ともかくじゃ、これでは北の兵は動かせぬ。それどころか足りないくらいで御座る」
隊長「いいよ。あんたらは東方の人間だ。東方の為に戦ってくれ」
旗本「隊長殿っ!?」
隊長「魔王は俺らが引き受ける。東方を1つにまとめあげる事が、お前さん達の仕事だよ」
城主「……っ」
60: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:20:22.88:NBhbkqyro (8/19)
…
隊長「それじゃ俺らはこのまま北へ向かう」
旗本「大丈夫ですか?」
隊長「一度行ってるからな。まぁ何とかなるさ」
城主「すまぬ隊長殿……っ」
隊長「構わないさ。吉報を待っていてくれ。そして、あんた達の吉報も待ってるぞ」
旗本「早々に鎮圧し、駆けつける所存にて!」
格闘家「それでは」
グイッ
男隊員「さぁいよいよだ。他の連中に遅れちゃあ特遊の示しガつかねぇぜ……ヒャハハ!」
女隊員「行くッスよぉー!」
城主「法螺貝に陣太鼓を打ち鳴らせ!隊長殿らを盛大に見送るのだ!」
ドドッドドッドドッ
男隊員「本当に道は分かってんだろうなぁ!?」
隊長「星の位置は前回覚えた。それに一度進んだ道は二度と忘れん。お前と一緒にするな」
たった4人の特遊は、騎馬を飛ばし、徐々に白みを増してゆく北へとひたすら駆けて行った。
…
隊長「それじゃ俺らはこのまま北へ向かう」
旗本「大丈夫ですか?」
隊長「一度行ってるからな。まぁ何とかなるさ」
城主「すまぬ隊長殿……っ」
隊長「構わないさ。吉報を待っていてくれ。そして、あんた達の吉報も待ってるぞ」
旗本「早々に鎮圧し、駆けつける所存にて!」
格闘家「それでは」
グイッ
男隊員「さぁいよいよだ。他の連中に遅れちゃあ特遊の示しガつかねぇぜ……ヒャハハ!」
女隊員「行くッスよぉー!」
城主「法螺貝に陣太鼓を打ち鳴らせ!隊長殿らを盛大に見送るのだ!」
ドドッドドッドドッ
男隊員「本当に道は分かってんだろうなぁ!?」
隊長「星の位置は前回覚えた。それに一度進んだ道は二度と忘れん。お前と一緒にするな」
たった4人の特遊は、騎馬を飛ばし、徐々に白みを増してゆく北へとひたすら駆けて行った。
61: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:21:11.17:NBhbkqyro (9/19)
~次の日、東の海上~
西方参謀「うっほおぉ、寒みぃ~っ!!」
東方参謀「常日頃から酒が入っておるくせに情けない」
西方参謀「それとこれとは話が別だ……ヒック」
南方参謀「このまま北上すれば魔王のアジトなのよね……?」
槍侶「そう伺っております」
東方参謀「その前に最北の砦なる場所で他の者らと合流だ」
西方参謀「そっからは険しい道のりなんだよな? んで、船頭は見つかったのかい?」
南方参謀「そうよ。船が最新鋭だとしても舵取りがいないんじゃあどうしようもないわよ?」
東方参謀「それは任せてある。手掛かりがあると本人たっての希望だ」
西方参謀「ならいいけどよ……ヒック」
南方参謀「今のところ魔物の気配もないし、順風満帆てとこかしらね」
東方参謀「いつ敵が来るとも限らぬ。警戒は怠ってはならぬぞ」
槍侶「承知しております」
西方参謀「合流は明朝。順風満帆とは言ったが向かい風だし、慎重に遂行しようぜ……ヒック」
南方参謀「ええ、そうしましょう」
~次の日、東の海上~
西方参謀「うっほおぉ、寒みぃ~っ!!」
東方参謀「常日頃から酒が入っておるくせに情けない」
西方参謀「それとこれとは話が別だ……ヒック」
南方参謀「このまま北上すれば魔王のアジトなのよね……?」
槍侶「そう伺っております」
東方参謀「その前に最北の砦なる場所で他の者らと合流だ」
西方参謀「そっからは険しい道のりなんだよな? んで、船頭は見つかったのかい?」
南方参謀「そうよ。船が最新鋭だとしても舵取りがいないんじゃあどうしようもないわよ?」
東方参謀「それは任せてある。手掛かりがあると本人たっての希望だ」
西方参謀「ならいいけどよ……ヒック」
南方参謀「今のところ魔物の気配もないし、順風満帆てとこかしらね」
東方参謀「いつ敵が来るとも限らぬ。警戒は怠ってはならぬぞ」
槍侶「承知しております」
西方参謀「合流は明朝。順風満帆とは言ったが向かい風だし、慎重に遂行しようぜ……ヒック」
南方参謀「ええ、そうしましょう」
62: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:21:49.65:NBhbkqyro (10/19)
~藤蔵~
土忍「準備は出来ましたか?」
盗賊「ああ、こちらはいいぞ」
戦士「鬼丸、お前は?」
鬼丸「いつでもいいぜ」
風忍「ではこのまま真っ直ぐ、北上致します」
侍女「みんな気を付けてね……っ」
水忍「侍女、お前も俺達の帰るこの藤蔵を、しっかり守るのだぞ」
侍女「分かってます」
ザッザッザッ
火忍「御館様……!?」
御館様「お前等はこの藤蔵が誇る、最高の忍だ」
盗賊「……っ」
御館様「存分に力を発揮し、そして生きて再び藤蔵へと帰って来い。命令である」
盗賊「はっ。必ずや」
風忍「よし、それでは行くぞっ!」
~藤蔵~
土忍「準備は出来ましたか?」
盗賊「ああ、こちらはいいぞ」
戦士「鬼丸、お前は?」
鬼丸「いつでもいいぜ」
風忍「ではこのまま真っ直ぐ、北上致します」
侍女「みんな気を付けてね……っ」
水忍「侍女、お前も俺達の帰るこの藤蔵を、しっかり守るのだぞ」
侍女「分かってます」
ザッザッザッ
火忍「御館様……!?」
御館様「お前等はこの藤蔵が誇る、最高の忍だ」
盗賊「……っ」
御館様「存分に力を発揮し、そして生きて再び藤蔵へと帰って来い。命令である」
盗賊「はっ。必ずや」
風忍「よし、それでは行くぞっ!」
63: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:22:57.22:NBhbkqyro (11/19)
~西の寺~
帝「住職、大変世話になったな」
坊主「此方こそ。まさか上様にご来訪頂けるなどと思いもよらぬ事で御座います」
召喚士「いよいよ、剣聖の屋敷へ出発ですね」
魔道士「はい……っ」
坊主「拙僧から心ばかりでは御座いまするが、これを……」コトッ
東方司令「これは?」
魔道士「えぇと、コンブにクリに……アワビですか?」
名代「打ち鮑にかち栗、昆布……出陣式における三献の儀ですな」
坊主「左様。敵に打ち勝ち、喜ぶ。語呂合わせですが縁起物です」
帝「有り難く頂戴しよう。確か、南を向くのであったか?」
名代「簡略ですが一応、形だけでも行うと致しましょうか」
本堂の隅に立てかけられた床机へ腰掛け、南を向いた帝。
その左右に名代、東方司令、召喚士、魔道士、座り、坊主が膳を帝の前へと運ぶ。
帝はまず鮑を口に含むと、一同は酒代わりに茶を一度飲み干し、栗、昆布と同様に続ける。
三献を終えたところで一同が立ち上がり、帝の声に合わせ、威勢良く掛け声を放った。
~西の寺~
帝「住職、大変世話になったな」
坊主「此方こそ。まさか上様にご来訪頂けるなどと思いもよらぬ事で御座います」
召喚士「いよいよ、剣聖の屋敷へ出発ですね」
魔道士「はい……っ」
坊主「拙僧から心ばかりでは御座いまするが、これを……」コトッ
東方司令「これは?」
魔道士「えぇと、コンブにクリに……アワビですか?」
名代「打ち鮑にかち栗、昆布……出陣式における三献の儀ですな」
坊主「左様。敵に打ち勝ち、喜ぶ。語呂合わせですが縁起物です」
帝「有り難く頂戴しよう。確か、南を向くのであったか?」
名代「簡略ですが一応、形だけでも行うと致しましょうか」
本堂の隅に立てかけられた床机へ腰掛け、南を向いた帝。
その左右に名代、東方司令、召喚士、魔道士、座り、坊主が膳を帝の前へと運ぶ。
帝はまず鮑を口に含むと、一同は酒代わりに茶を一度飲み干し、栗、昆布と同様に続ける。
三献を終えたところで一同が立ち上がり、帝の声に合わせ、威勢良く掛け声を放った。
64: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:23:46.40:NBhbkqyro (12/19)
…
ザシャッ…パッカパッカ
坊主「皆様のご無事を、微力ながらこの地より祈らせて頂きましょう」
名代「世話になりました。それでは、失礼」
帝「行くぞっ」
東方司令「はい」
グイッ…ドドッドドッドドッ
帝「まずは剣聖の屋敷手前、3里の所まで一気に進むとしよう」
名代「はっ。神野悪五郎が動くやもしれませぬ。警戒はお忘れなきよう」
魔道士「はいっ!」
ピクッ
東方司令「……?」
名代「どうか致しましたか?」
東方司令「……いや、何でもない」
帝「妖だとしても捨て置けい。どうせこの時間では人前に姿を現さぬ」
東方司令「はい」
…
ザシャッ…パッカパッカ
坊主「皆様のご無事を、微力ながらこの地より祈らせて頂きましょう」
名代「世話になりました。それでは、失礼」
帝「行くぞっ」
東方司令「はい」
グイッ…ドドッドドッドドッ
帝「まずは剣聖の屋敷手前、3里の所まで一気に進むとしよう」
名代「はっ。神野悪五郎が動くやもしれませぬ。警戒はお忘れなきよう」
魔道士「はいっ!」
ピクッ
東方司令「……?」
名代「どうか致しましたか?」
東方司令「……いや、何でもない」
帝「妖だとしても捨て置けい。どうせこの時間では人前に姿を現さぬ」
東方司令「はい」
65: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:24:32.55:NBhbkqyro (13/19)
ドドッドドッドドッ…
サル「……馬?」
イヌ「西へ向かってたね。何かあるね?」
キジ「西は無法地帯って言ってたさー。どうせ悪党か何かさ」
女侍「……」ザッザッ
サル「おいおい待てっつーの」
女侍「ついて来いなんて言った覚えはないよ」
キジ「別に俺らが好きで付いて行ってるだけさー」
イヌ「そうね。お頭の事は関係なく、好き勝手にやってるだけね」
女侍「ああそうかい」
サル「んで、寺に戻ってどうしようってんだ?」
女侍「屋敷に行くのさ」
サル「そんなお宝が大切なのか? 今回ばかりは命に関わるぜ?」
女侍「あたいにとっちゃあ命を賭ける価値のあるお宝なのさ」
サル「……ふーん。気~になっちゃうねこれまた」
女侍「……」
ドドッドドッドドッ…
サル「……馬?」
イヌ「西へ向かってたね。何かあるね?」
キジ「西は無法地帯って言ってたさー。どうせ悪党か何かさ」
女侍「……」ザッザッ
サル「おいおい待てっつーの」
女侍「ついて来いなんて言った覚えはないよ」
キジ「別に俺らが好きで付いて行ってるだけさー」
イヌ「そうね。お頭の事は関係なく、好き勝手にやってるだけね」
女侍「ああそうかい」
サル「んで、寺に戻ってどうしようってんだ?」
女侍「屋敷に行くのさ」
サル「そんなお宝が大切なのか? 今回ばかりは命に関わるぜ?」
女侍「あたいにとっちゃあ命を賭ける価値のあるお宝なのさ」
サル「……ふーん。気~になっちゃうねこれまた」
女侍「……」
66: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:25:14.48:NBhbkqyro (14/19)
ザッザッザッ
坊主「……おや、お主等まだこの近くにおったのか?」
女侍「今、出て行った馬はなんだい?」
坊主「さてのぅ」
女侍「とぼけるんじゃあないよっ。まさか、剣聖の屋敷へ行ったんじゃあないだろうね?」
坊主「もしそうだとしても、お主には関係のない事であろうよ」
女侍「関係あるね。あたいはこれから剣聖の屋敷に行くんだよ」
坊主「何っ!? 先日、妖におそわれたばかりではないのか!?」
女侍「だからこそ行くのさ。借りは必ず返すのがあたいの主義なのさ」
坊主「……むぅ」
女侍「だから一般人や冷やかしみたいな連中がいたら邪魔になるのさ」
坊主「……それであれば、力を貸してやるが良い」
女侍「何だって?」
坊主「先程、西へ向かった面々はな、神野悪五郎を討伐する為の者らじゃよ」
女侍「!?」
坊主「内密にと言われていたが、向かう先が同じではどうせ鉢合わせるだろうしな」
ザッザッザッ
坊主「……おや、お主等まだこの近くにおったのか?」
女侍「今、出て行った馬はなんだい?」
坊主「さてのぅ」
女侍「とぼけるんじゃあないよっ。まさか、剣聖の屋敷へ行ったんじゃあないだろうね?」
坊主「もしそうだとしても、お主には関係のない事であろうよ」
女侍「関係あるね。あたいはこれから剣聖の屋敷に行くんだよ」
坊主「何っ!? 先日、妖におそわれたばかりではないのか!?」
女侍「だからこそ行くのさ。借りは必ず返すのがあたいの主義なのさ」
坊主「……むぅ」
女侍「だから一般人や冷やかしみたいな連中がいたら邪魔になるのさ」
坊主「……それであれば、力を貸してやるが良い」
女侍「何だって?」
坊主「先程、西へ向かった面々はな、神野悪五郎を討伐する為の者らじゃよ」
女侍「!?」
坊主「内密にと言われていたが、向かう先が同じではどうせ鉢合わせるだろうしな」
67: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:25:49.96:NBhbkqyro (15/19)
女侍「誰だい、誰が向かったのさ」
坊主「……上様じゃ」
女侍「――――っ!?」
坊主「それと名代殿。あとは異国の武者であったな。男が一人と女子が二人」
女侍「国軍か? どんな奴だった?」
坊主「まだ若い連中じゃったな。男は召喚士、女子の一人は魔道士と申しておったが」
女侍「……あいつらかい」
坊主「顔馴染みか?」
女侍「軍の連中でないなら、いや……妖退治でしかも上様とはねぇ……」
坊主「いかに強いと言えどたかが五人、どうか力になってやってくれ」
女侍「言われないでもなってやるさ。あたいだってやらなきゃならないんだからねぇ」
坊主「無理はするなよ。お主、賊徒と申しておったが……とても悪党には」
女侍「余計なお世話さ。ま、死んだら経の一つでも唱えておくれ」
坊主「……」
女侍「それと、妖を退治したら頼みたい事があるんだ。ま、それは帰ってきてからでいいかねぇ」
坊主「……?」
女侍「誰だい、誰が向かったのさ」
坊主「……上様じゃ」
女侍「――――っ!?」
坊主「それと名代殿。あとは異国の武者であったな。男が一人と女子が二人」
女侍「国軍か? どんな奴だった?」
坊主「まだ若い連中じゃったな。男は召喚士、女子の一人は魔道士と申しておったが」
女侍「……あいつらかい」
坊主「顔馴染みか?」
女侍「軍の連中でないなら、いや……妖退治でしかも上様とはねぇ……」
坊主「いかに強いと言えどたかが五人、どうか力になってやってくれ」
女侍「言われないでもなってやるさ。あたいだってやらなきゃならないんだからねぇ」
坊主「無理はするなよ。お主、賊徒と申しておったが……とても悪党には」
女侍「余計なお世話さ。ま、死んだら経の一つでも唱えておくれ」
坊主「……」
女侍「それと、妖を退治したら頼みたい事があるんだ。ま、それは帰ってきてからでいいかねぇ」
坊主「……?」
68: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:26:32.17:NBhbkqyro (16/19)
…
ザッザッザッ
サル「おっ、戻ってきたぞ」
イヌ「どうだったね?」
女侍「さっきの連中はコカトリスの召喚連中と、東方の王様だとさ」
キジ「!?」
サル「な、何だってんだよおい……っ」
イヌ「お頭、やっぱり何か隠してるね?」
女侍「隠してようがなんだろうが、あんたらには関係のない事だろう?」
イヌ「ま、それもそうね」
キジ「何だろうが、お頭についてくだけさー」
サル「てか屋敷な」
女侍「勝手にしな。どうなっても知らないからね」
イヌ「死ぬ時は死ぬ時ね。今日であれ明日であれ、10年後であれ死ぬね」
女侍「……分かったような事、言うんじゃないよ」
サル「よ~やく笑ったな。それでいい、そうでなきゃらしくね~ぜ! ん~ふふふふっ!」
…
ザッザッザッ
サル「おっ、戻ってきたぞ」
イヌ「どうだったね?」
女侍「さっきの連中はコカトリスの召喚連中と、東方の王様だとさ」
キジ「!?」
サル「な、何だってんだよおい……っ」
イヌ「お頭、やっぱり何か隠してるね?」
女侍「隠してようがなんだろうが、あんたらには関係のない事だろう?」
イヌ「ま、それもそうね」
キジ「何だろうが、お頭についてくだけさー」
サル「てか屋敷な」
女侍「勝手にしな。どうなっても知らないからね」
イヌ「死ぬ時は死ぬ時ね。今日であれ明日であれ、10年後であれ死ぬね」
女侍「……分かったような事、言うんじゃないよ」
サル「よ~やく笑ったな。それでいい、そうでなきゃらしくね~ぜ! ん~ふふふふっ!」
69: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:26:58.76:NBhbkqyro (17/19)
…
ドドドッドドドッ…
名代「上様、そろそろかと」
帝「うむ、そうだな」
ドドォ
名代「ここより三里程の所に、剣聖の屋敷跡があると思われます」
地図を広げ召喚士らに見せる名代は下馬し、周囲をぐるりと見渡した。
名代「妖の気配は特になさそうですね。しかし何があるか分かりませぬ」
そう言うと、懐より取り出した2枚の札を右手で構えると、前方へと投げ飛ばした。
シュバッ……ボンッ!!
天狗「……」
雪女「……ふふっ」
名代「天狗と雪女に上空から偵察させましょう。頼むぞ」
ババッ…ヒュウウゥゥゥゥ
帝「さて、ここからは徒歩で前進だな」
東方司令「ボクが先頭を行きます。上様はボクの傍から離れぬよう」
…
ドドドッドドドッ…
名代「上様、そろそろかと」
帝「うむ、そうだな」
ドドォ
名代「ここより三里程の所に、剣聖の屋敷跡があると思われます」
地図を広げ召喚士らに見せる名代は下馬し、周囲をぐるりと見渡した。
名代「妖の気配は特になさそうですね。しかし何があるか分かりませぬ」
そう言うと、懐より取り出した2枚の札を右手で構えると、前方へと投げ飛ばした。
シュバッ……ボンッ!!
天狗「……」
雪女「……ふふっ」
名代「天狗と雪女に上空から偵察させましょう。頼むぞ」
ババッ…ヒュウウゥゥゥゥ
帝「さて、ここからは徒歩で前進だな」
東方司令「ボクが先頭を行きます。上様はボクの傍から離れぬよう」
70: ◆1otsuV0WFc:2011/12/22(木) 18:34:17.18:NBhbkqyro (18/19)
ザッザッザッ…
東方司令「……」
帝「……」
魔道士「……っ」
召喚士「……んっ」
名代「どうし――」
バシュンッ!!
天狗「――――っ!!」ボンッ!!
名代「天狗っ!!」
東方司令「きたかっ。どこだ……?」チャキッ
召喚士「行けっ、コカト――」
神野「そう身構えんなや。わいと戦いにきたんやろ?」
ゴゴゴゴゴゴ…
召喚士「――っ!?」ゾクゥッ!!
背後の岩に腰掛ける神野悪五郎は、にたりと笑い、ゆっくりとした口調で語った。
ザッザッザッ…
東方司令「……」
帝「……」
魔道士「……っ」
召喚士「……んっ」
名代「どうし――」
バシュンッ!!
天狗「――――っ!!」ボンッ!!
名代「天狗っ!!」
東方司令「きたかっ。どこだ……?」チャキッ
召喚士「行けっ、コカト――」
神野「そう身構えんなや。わいと戦いにきたんやろ?」
ゴゴゴゴゴゴ…
召喚士「――っ!?」ゾクゥッ!!
背後の岩に腰掛ける神野悪五郎は、にたりと笑い、ゆっくりとした口調で語った。
71:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 18:39:51.69:NBhbkqyro (19/19)
今日はここまでにて失礼致します!
ご支援いつもありがとうございます!それでは!ノシ
こちらこそもはや誤字と投下は日課になってしまいましたね…ごめんなさい
今日はここまでにて失礼致します!
ご支援いつもありがとうございます!それでは!ノシ
こちらこそもはや誤字と投下は日課になってしまいましたね…ごめんなさい
72:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 18:42:05.91:ZUz7zSTDO (1/1)
乙!
今日は誤字おおかったな
クリスマスで浮かれてんのかリア充めww
乙!
今日は誤字おおかったな
クリスマスで浮かれてんのかリア充めww
73:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 18:48:48.72:yXXwGjLDO (1/1)
いちおつ!
忍玄武娘って人間の打ち間違いだよな…?wwww
いちおつ!
忍玄武娘って人間の打ち間違いだよな…?wwww
74:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 19:36:30.06:ubbCtF5AO (1/1)
>>1乙
誤字かわいい
ドジっこかわいい
>>1乙
誤字かわいい
ドジっこかわいい
75:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 19:43:57.17:QbRSu8N1o (1/2)
略して誤字っこ
略して誤字っこ
76:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 19:45:32.44:gntsJZxVo (1/1)
忍玄武娘wwww
乙乙!
忍玄武娘wwww
乙乙!
77:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 20:12:24.91:QbRSu8N1o (2/2)
忍者ごっこしてる玄武娘想像してテンション上がってきた
オマケ期待だな
忍者ごっこしてる玄武娘想像してテンション上がってきた
オマケ期待だな
78:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 21:49:42.72:BAiyB4sro (1/1)
1乙
召喚士「召喚士さんっ」
は笑ったw
モテなくて一人で話てる男を想像したわ
1乙
召喚士「召喚士さんっ」
は笑ったw
モテなくて一人で話てる男を想像したわ
79:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/22(木) 21:53:07.13:5a9YYR0J0 (1/1)
いちおつ
忍玄武娘…か、かわいい
いちおつ
忍玄武娘…か、かわいい
80:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 00:18:19.48:2P2p4Z4AO (1/1)
>>1おつ
>>1おつ
81:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 00:34:11.22:vYDGzOU70 (1/1)
>>1かわいすぐる///
おつんつんつん
>>1かわいすぐる///
おつんつんつん
82:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 11:55:19.55:xpAek98Io (1/1)
忍玄武娘レギュラー化きぼんwwwwww
忍玄武娘レギュラー化きぼんwwwwww
83:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 12:07:01.62:U9LlWrmvo (1/1)
84:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 12:53:39.74:bj7yO4pIO (1/1)
空気読めない>>83は氏ねよ……
空気読めない>>83は氏ねよ……
85:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 13:40:30.77:X+3lteCIO (1/1)
>>84同意
おまおれ
>>84同意
おまおれ
86:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 19:12:23.88:A7x97GpB0 (1/1)
>>84>>85
お前が読め
気持ち悪いんだよくずwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>84>>85
お前が読め
気持ち悪いんだよくずwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
87:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 19:48:11.24:0z+2LfhAO (1/1)
>>83-86
ちっさいドングリが背比べかい?
>>83-86
ちっさいドングリが背比べかい?
88:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 19:53:37.87:UyJqCo2eo (1/1)
空気読めないってなんだよ・・・独占欲強すぎじゃないか
空気読めないってなんだよ・・・独占欲強すぎじゃないか
89:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 20:07:28.74:g2/EsoCAO (1/1)
こっちが荒れるぐらいならあっちが荒れた方がいいです、はい
こっちが荒れるぐらいならあっちが荒れた方がいいです、はい
90:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/23(金) 22:37:46.23:4+RnKH3co (1/1)
本スレの独特の臭い
本スレの独特の臭い
91:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/24(土) 02:29:48.11:stZIN6aAO (1/1)
久しぶりに来たら
まだやってて、驚いた
>>1すげーな
そして相変わらずの誤字wwwwww
なんだか安心したww
久しぶりに来たら
まだやってて、驚いた
>>1すげーな
そして相変わらずの誤字wwwwww
なんだか安心したww
92:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/24(土) 09:10:47.73:b2MqQ36Do (1/1)
妹「お兄ちゃんって落ち込んだ時どうする?」
俺「んー、別に何も。寝るかな」
妹「ふーん・・」
俺「どうした?何かあったか?」
俺「ううん、ちょっとね」
俺「何だよ水くさいな、言ってみろよ」
俺「う、うんとさ・・・」
俺「おう」
俺「お兄ちゃん、この間一緒に歩いてた人、彼女?」
俺「・・・は?」
俺「前学校の近くで話してたじゃん」
俺「ああ・・・あいつか。なわけないだろ、ただのクラスメートだよ」
俺「ほんと?」
俺「嘘言ってどうすんだよ」
俺「そっか」
俺「てかそんな話はいいんだよ。落ち込んでたんじゃなかったのか?」
俺「ううん、それならいいんだ!えへへ」
俺「おかしな奴だな」
俺「ふふ♪お兄ちゃんに彼女なんてできるわけないよね、よく考えたら。」
俺「こらこら、失礼だぞ」
これ思い出した
妹「お兄ちゃんって落ち込んだ時どうする?」
俺「んー、別に何も。寝るかな」
妹「ふーん・・」
俺「どうした?何かあったか?」
俺「ううん、ちょっとね」
俺「何だよ水くさいな、言ってみろよ」
俺「う、うんとさ・・・」
俺「おう」
俺「お兄ちゃん、この間一緒に歩いてた人、彼女?」
俺「・・・は?」
俺「前学校の近くで話してたじゃん」
俺「ああ・・・あいつか。なわけないだろ、ただのクラスメートだよ」
俺「ほんと?」
俺「嘘言ってどうすんだよ」
俺「そっか」
俺「てかそんな話はいいんだよ。落ち込んでたんじゃなかったのか?」
俺「ううん、それならいいんだ!えへへ」
俺「おかしな奴だな」
俺「ふふ♪お兄ちゃんに彼女なんてできるわけないよね、よく考えたら。」
俺「こらこら、失礼だぞ」
これ思い出した
93:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/24(土) 11:22:31.24:2LrWwFrDO (1/1)
誤爆かと
誤爆かと
94:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/24(土) 19:04:25.29:2r3ZVcpT0 (1/1)
ここで>>1が一言
↓
ここで>>1が一言
↓
95:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/24(土) 20:06:50.25://hsr6qqo (1/1)
メリークリトリス!!
メリークリトリス!!
96:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/24(土) 21:52:04.19:Ct6gU2fTo (1/1)
/ ̄ \
__0⌒> ヽ
/ ∩⊂ニニニ⊃∩
/ | ノ ヽ
| / ● ● | >>1乙&メリークリクマース!
| | ( _●_) ミ
| 彡、 |∪| 、`\
| / __ ヽノ /´> )
\ (___) / (_/
\ | /
 ̄ ̄| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
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__0⌒> ヽ
/ ∩⊂ニニニ⊃∩
/ | ノ ヽ
| / ● ● | >>1乙&メリークリクマース!
| | ( _●_) ミ
| 彡、 |∪| 、`\
| / __ ヽノ /´> )
\ (___) / (_/
\ | /
 ̄ ̄| /\ \
| / ) )
∪ ( \
\_)
97: ◆1otsuV0WFc:2011/12/24(土) 23:30:03.17:JJdx3jqIo (1/5)
帝「な……っ」
東方司令(馬鹿な……っ! コイツ、いつから……っ)
神野「まぁそう固い顔すんなや。いきなり襲い掛かったりせぇへんて」
魔道士「し……召喚士さん……っ」
召喚士「ええ……」
ザッ
召喚士(……こいつがシンノアクゴロウ)
神野「ま、正々堂々と勝負しようや」
召喚士(……強い。色々な魔物と戦ってきたから分かる)
神野「ん~? 五人か。こないだの連中は居ないみたいやなぁ」
名代「お主、神野悪五郎とお見受けする」
神野「ああそうや。如何にもわいが神野悪五郎や」
名代「一つお伺いしたい。貴方の目的は何です?」
神野「んなもんあらへん。わいは自由に生きてるだけや」
名代「そうですか。ならば倒すしかありませんね」
帝「な……っ」
東方司令(馬鹿な……っ! コイツ、いつから……っ)
神野「まぁそう固い顔すんなや。いきなり襲い掛かったりせぇへんて」
魔道士「し……召喚士さん……っ」
召喚士「ええ……」
ザッ
召喚士(……こいつがシンノアクゴロウ)
神野「ま、正々堂々と勝負しようや」
召喚士(……強い。色々な魔物と戦ってきたから分かる)
神野「ん~? 五人か。こないだの連中は居ないみたいやなぁ」
名代「お主、神野悪五郎とお見受けする」
神野「ああそうや。如何にもわいが神野悪五郎や」
名代「一つお伺いしたい。貴方の目的は何です?」
神野「んなもんあらへん。わいは自由に生きてるだけや」
名代「そうですか。ならば倒すしかありませんね」
98:>>96ありがとうございまーす! ◆1otsuV0WFc:2011/12/24(土) 23:30:45.70:JJdx3jqIo (2/5)
ピクッ
神野「ほぉ、わいを倒す? 言うてくれるやないか」
名代「その為に来たのです」
神野「自由に生きてるだけや言うてるのに、酷い話やなぁ」
名代「自由に生きられたのでは困るのですよ」
神野「何やとぉ……?」
召喚士「この地上は人の住む場所だ。お前は帰るべき場所へ帰ってくれ」
神野「……」ポリポリ
召喚士「そうでなくば、俺達は……」
神野「あのな」
召喚士「……」
神野「地上とか地上じゃないとかそんなん関係あらへん」
召喚士「何?」
神野「あんさんも色んな奴と戦ってきたんやろ?」
召喚士「何が言いたい」
ピクッ
神野「ほぉ、わいを倒す? 言うてくれるやないか」
名代「その為に来たのです」
神野「自由に生きてるだけや言うてるのに、酷い話やなぁ」
名代「自由に生きられたのでは困るのですよ」
神野「何やとぉ……?」
召喚士「この地上は人の住む場所だ。お前は帰るべき場所へ帰ってくれ」
神野「……」ポリポリ
召喚士「そうでなくば、俺達は……」
神野「あのな」
召喚士「……」
神野「地上とか地上じゃないとかそんなん関係あらへん」
召喚士「何?」
神野「あんさんも色んな奴と戦ってきたんやろ?」
召喚士「何が言いたい」
99: ◆1otsuV0WFc:2011/12/24(土) 23:31:29.65:JJdx3jqIo (3/5)
神野「人が住むとか地上とか関係あらへん。強いモンが生き残る。そやろ?」
東方司令「じゃあ力でねじ伏せればいいんだな?」
神野「あんたらさー、さっきからそんなん言うてるけど……勝てんの?」
ヒュバッ!!…キイイィィィィン
神野「……」
東方司令「なかなか早いじゃないか」
神野「……ナメとんのかわれぇ」ピキッ
東方司令「それにいい刀だ。お前にはもったいないな」
神野「――っ」ピキピキピキッ
召喚士「東方司令さんっ!」
東方司令「来ないなら、こちらから行くぞ」
神野「殺すッ!!」
ブオンッ!!…ガキイイィィン
東方司令「……そんなものか」
神野「アァ!?」
神野「人が住むとか地上とか関係あらへん。強いモンが生き残る。そやろ?」
東方司令「じゃあ力でねじ伏せればいいんだな?」
神野「あんたらさー、さっきからそんなん言うてるけど……勝てんの?」
ヒュバッ!!…キイイィィィィン
神野「……」
東方司令「なかなか早いじゃないか」
神野「……ナメとんのかわれぇ」ピキッ
東方司令「それにいい刀だ。お前にはもったいないな」
神野「――っ」ピキピキピキッ
召喚士「東方司令さんっ!」
東方司令「来ないなら、こちらから行くぞ」
神野「殺すッ!!」
ブオンッ!!…ガキイイィィン
東方司令「……そんなものか」
神野「アァ!?」
100: ◆1otsuV0WFc:2011/12/24(土) 23:33:01.15:JJdx3jqIo (4/5)
東方司令「剣を使うからどんなものかと思ったが……」
ググッ
神野「……ッ!?」
東方司令「ああそうか。媒体がどーのこーの言ってたなぁ」
グググッ
東方司令「所詮は借り物の剣術と……刀とって事か」
神野「何やァ……お前ッ!?」
東方司令「覚えとけ。ボクは世界で2番目に強い剣の使い手だ」
神野「――ッ!!」
ザシュウウゥゥゥゥ
魔道士「斬った……っ!?」
帝「……い、いやっ」
東方司令「……っ」
神野「もう終わりか?」
召喚士「傷口が元通りに!? やはり駄目か……っ」
東方司令「剣を使うからどんなものかと思ったが……」
ググッ
神野「……ッ!?」
東方司令「ああそうか。媒体がどーのこーの言ってたなぁ」
グググッ
東方司令「所詮は借り物の剣術と……刀とって事か」
神野「何やァ……お前ッ!?」
東方司令「覚えとけ。ボクは世界で2番目に強い剣の使い手だ」
神野「――ッ!!」
ザシュウウゥゥゥゥ
魔道士「斬った……っ!?」
帝「……い、いやっ」
東方司令「……っ」
神野「もう終わりか?」
召喚士「傷口が元通りに!? やはり駄目か……っ」
101: ◆1otsuV0WFc:2011/12/24(土) 23:35:09.85:JJdx3jqIo (5/5)
ズグググッ
神野「世界で二番目ねぇ」
グググッ
東方司令「な……っ!?」
神野「それ、所詮……人間での話しやろ?」
サクッ
東方司令「ぐっ!」
神野「井の中の蛙、大海を知らずっちゅー話や」
魔道士「東方司令さん!」
東方司令「かすり傷だ。大丈夫」
名代「召喚士殿、やはり全力でいくしかありませんね」
召喚士「ええ。そうしましょう!」
神野「ん? なんや、まだやんのか?」
召喚士「ああ。これからが本番だ!」
神野「なんやまだ準備運動やったんかい。勿体ぶってくれるやないかい……」
ズグググッ
神野「世界で二番目ねぇ」
グググッ
東方司令「な……っ!?」
神野「それ、所詮……人間での話しやろ?」
サクッ
東方司令「ぐっ!」
神野「井の中の蛙、大海を知らずっちゅー話や」
魔道士「東方司令さん!」
東方司令「かすり傷だ。大丈夫」
名代「召喚士殿、やはり全力でいくしかありませんね」
召喚士「ええ。そうしましょう!」
神野「ん? なんや、まだやんのか?」
召喚士「ああ。これからが本番だ!」
神野「なんやまだ準備運動やったんかい。勿体ぶってくれるやないかい……」
102:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 02:18:28.39:DA/MZ6CAO (1/1)
>>1おつ
更新は嬉しいがクリスマスくらい休めばいいのに
>>1おつ
更新は嬉しいがクリスマスくらい休めばいいのに
103:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 02:53:33.17:j/iupzsB0 (1/1)
いちおつ
めりくり!
いちおつ
めりくり!
104:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 02:54:12.78:aX3JOZMDO (1/2)
>>1乙
メリークリトリス
召喚士が強気だと別人みたい
>>1乙
メリークリトリス
召喚士が強気だと別人みたい
105:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 07:59:19.04:nRsQcviH0 (1/1)
>>1乙!&メリークルシミマス!
>>1乙!&メリークルシミマス!
106:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 14:41:26.85:V4NqrIuJ0 (1/2)
>>1乙
メリーコカトリス!いつもご苦労様
>>1乙
メリーコカトリス!いつもご苦労様
107:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 14:41:50.66:V4NqrIuJ0 (2/2)
>>1乙
メリーコカトリス!いつもご苦労様
>>1乙
メリーコカトリス!いつもご苦労様
108:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 14:50:57.84:thA136kEo (1/1)
クリスマスに時間あるひとみたいで安心した
といっていいのかどうか
クリスマスに時間あるひとみたいで安心した
といっていいのかどうか
109:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 17:30:55.10:Z54cQSjz0 (1/1)
メリークリトリス!
クリスマスイブくらい休んでいいのよ?
更新は凄くうれしいけれども
メリークリトリス!
クリスマスイブくらい休んでいいのよ?
更新は凄くうれしいけれども
110:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 17:34:06.07:UCbqcrobo (1/1)
察せ、というやつでは
察せ、というやつでは
111: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:14:28.12:6J84pd6zo (1/46)
察せ。今日はクリスマスだから特別編ですよ!↓
察せ。今日はクリスマスだから特別編ですよ!↓
112: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:15:01.83:6J84pd6zo (2/46)
しとしとしと
名無し「うーっ、こんな寒い中仕事なんぞ……したかねぇんだよなくそっ」
文句を言いながら一軒の屋敷へと入っていくのは、一人のワーカー。
名無し「ういーす。さっむ……とりあえず、何か暖かいモン飲ませてくれぇ」
雇い主「てめぇで勝手に飲みなっ。飲ませてやるだけ在り難く思うんだね」
ぶっきらぼうに答えた長い金髪の女は、彼の雇い主であった。
名無し「へいへい。んで、仕事だったらお断りだぜ」
雇い主「仕事以外に、あんたを招いたりすると思うかい?」
名無し「へっへ。もうじきクリスマスだからな。てっきりお誘いかと思ったよ」
眼鏡を外しながら本を閉じ、椅子から立ち上がった雇い主は、
暖炉で暖めていたポットに手を伸ばし、コーヒーを入れる名無しの元へ近づく。
雇い主「ほれ、依頼だよ。一仕事してきなっ」
名無し「はぁ~あ。んで、いつだい?」
雇い主「クリスマスの晩だ。どうせ暇なんだ、スケジュールが埋まって良かったなぁ」
名無し「……けっ、余計なお世話だっつーの!」
しとしとしと
名無し「うーっ、こんな寒い中仕事なんぞ……したかねぇんだよなくそっ」
文句を言いながら一軒の屋敷へと入っていくのは、一人のワーカー。
名無し「ういーす。さっむ……とりあえず、何か暖かいモン飲ませてくれぇ」
雇い主「てめぇで勝手に飲みなっ。飲ませてやるだけ在り難く思うんだね」
ぶっきらぼうに答えた長い金髪の女は、彼の雇い主であった。
名無し「へいへい。んで、仕事だったらお断りだぜ」
雇い主「仕事以外に、あんたを招いたりすると思うかい?」
名無し「へっへ。もうじきクリスマスだからな。てっきりお誘いかと思ったよ」
眼鏡を外しながら本を閉じ、椅子から立ち上がった雇い主は、
暖炉で暖めていたポットに手を伸ばし、コーヒーを入れる名無しの元へ近づく。
雇い主「ほれ、依頼だよ。一仕事してきなっ」
名無し「はぁ~あ。んで、いつだい?」
雇い主「クリスマスの晩だ。どうせ暇なんだ、スケジュールが埋まって良かったなぁ」
名無し「……けっ、余計なお世話だっつーの!」
113: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:15:48.20:6J84pd6zo (3/46)
こぽこぽこぽっ……ことっ
名無し「んで、依頼主は?」
雇い主「北のさ、川沿いの村……知ってるかい?」
名無し「あぁ。でもあそこは魔王軍に襲われて、壊滅したんじゃなかったっけか?」
雇い主「いんや。今でも数人が暮らしてるよ」
名無し「無事なのか?」
雇い主「みたいだね。ま、生き残りも数人だろうけど」
名無し「んで、魔物退治か? 村の再興か?」
雇い主「ん」
名無し「手紙? ワークショップ経由じゃねぇのか……」
かさっ
雇い主「依頼主は村の少女。両親は魔物に殺され、今は一人住まいみたいだね」
名無し「おいおい……っ、何だよこれっ!」
雇い主「ま、詳しい話は直に行って聞いてくれ」
名無し「……ったく、馬車代あとで請求すっからな!」
こぽこぽこぽっ……ことっ
名無し「んで、依頼主は?」
雇い主「北のさ、川沿いの村……知ってるかい?」
名無し「あぁ。でもあそこは魔王軍に襲われて、壊滅したんじゃなかったっけか?」
雇い主「いんや。今でも数人が暮らしてるよ」
名無し「無事なのか?」
雇い主「みたいだね。ま、生き残りも数人だろうけど」
名無し「んで、魔物退治か? 村の再興か?」
雇い主「ん」
名無し「手紙? ワークショップ経由じゃねぇのか……」
かさっ
雇い主「依頼主は村の少女。両親は魔物に殺され、今は一人住まいみたいだね」
名無し「おいおい……っ、何だよこれっ!」
雇い主「ま、詳しい話は直に行って聞いてくれ」
名無し「……ったく、馬車代あとで請求すっからな!」
114: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:28:19.07:6J84pd6zo (4/46)
ぱっかぱっかぱっか……
御者「着きましたぜ旦那」
名無し「おう。ちょいとまけてくれ」
御者「そうはいきませんよ、こっちも商売ですから」
名無し「……高けぇなぁ。請求できっかなこれ」
すたっ
名無し「んで、少女ってのはどこに住んでんだ?」
てくてくてく
名無し「……つーかこれ、人……住んでんのか?」
馬車を降りると広がる川沿いの村。とても人が住んでいるような気配はない。
名無し「えーと、とにかく一軒一軒あたってくしかねぇか」
煙突の煙や明かりを目印に、訪ねること数軒目……。
がちゃっ
少女「……はい」
名無し「依頼主の少女ってのはあんたかい?」
ぱっかぱっかぱっか……
御者「着きましたぜ旦那」
名無し「おう。ちょいとまけてくれ」
御者「そうはいきませんよ、こっちも商売ですから」
名無し「……高けぇなぁ。請求できっかなこれ」
すたっ
名無し「んで、少女ってのはどこに住んでんだ?」
てくてくてく
名無し「……つーかこれ、人……住んでんのか?」
馬車を降りると広がる川沿いの村。とても人が住んでいるような気配はない。
名無し「えーと、とにかく一軒一軒あたってくしかねぇか」
煙突の煙や明かりを目印に、訪ねること数軒目……。
がちゃっ
少女「……はい」
名無し「依頼主の少女ってのはあんたかい?」
115: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:28:44.20:6J84pd6zo (5/46)
少女「ワーカーの人?」
名無し「ああそうだ。ほれ、これ……あんたがよこした手紙だろ?」
少女「……入って」
名無し「おう」
すたすたすた
名無し「……これまた、立派なおうちだこと」
少女「魔物が来るまではちゃんとした家だったんだよ。これでもね」
名無し「気の毒なこったな。引っ越さねぇのか?」
少女「おんなお金ないし、頼る人もいない」
名無し「……そか」
少女「何か飲む?」
名無し「何かあんのか?」
少女「裏の草むらで取れた、ハーブを煮たやつなら」
名無し「ご馳走だな。そんじゃ遠慮なく貰おうか」
少女「そこ、座って待ってて」
少女「ワーカーの人?」
名無し「ああそうだ。ほれ、これ……あんたがよこした手紙だろ?」
少女「……入って」
名無し「おう」
すたすたすた
名無し「……これまた、立派なおうちだこと」
少女「魔物が来るまではちゃんとした家だったんだよ。これでもね」
名無し「気の毒なこったな。引っ越さねぇのか?」
少女「おんなお金ないし、頼る人もいない」
名無し「……そか」
少女「何か飲む?」
名無し「何かあんのか?」
少女「裏の草むらで取れた、ハーブを煮たやつなら」
名無し「ご馳走だな。そんじゃ遠慮なく貰おうか」
少女「そこ、座って待ってて」
116: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:29:39.33:6J84pd6zo (6/46)
こぽこぽこぽ……
名無し「んで、依頼ってのはなんだ?」
少女「お父さんとお母さん」
名無し「あん?」
少女「お父さんとお母さん……連れてきて」
名無し「死んだんじゃねーのか?」
少女「……うん」
名無し「じゃあ無理な相談だな。俺には不可能だ」
少女「いいよ、代わりでも」
名無し「あん?」
少女「もうすぐクリスマスでしょ? お父さんとお母さんと……家族で過ごしたいの」
名無し「死んだ人間は生き返ったりしねぇ。諦めな」
少女「だからっ、代わりでも……いいの」
名無し「あのなぁ、代わりったってそんなんどこにいるんだよ?」
少女「おじさんでもいいよ。お父さんになってよ」
こぽこぽこぽ……
名無し「んで、依頼ってのはなんだ?」
少女「お父さんとお母さん」
名無し「あん?」
少女「お父さんとお母さん……連れてきて」
名無し「死んだんじゃねーのか?」
少女「……うん」
名無し「じゃあ無理な相談だな。俺には不可能だ」
少女「いいよ、代わりでも」
名無し「あん?」
少女「もうすぐクリスマスでしょ? お父さんとお母さんと……家族で過ごしたいの」
名無し「死んだ人間は生き返ったりしねぇ。諦めな」
少女「だからっ、代わりでも……いいの」
名無し「あのなぁ、代わりったってそんなんどこにいるんだよ?」
少女「おじさんでもいいよ。お父さんになってよ」
117: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:30:26.09:6J84pd6zo (7/46)
名無し「ぶっ!」
少女「……汚いなぁ」
名無し「お前が変な事ぬかすからだろっ!」
少女「誰でもいいのっ! お父さんとお母さんと……過ごしたいのよ」
名無し「はぁ」
少女「無理?」
名無し「無理」
少女「ワーカーは、どんな仕事でもしてくれるんじゃなかったの?」
名無し「それとこれとは話が別。んじゃ、ハーブ湯うまかったぜ。じゃあな」
すくっ……すたすたすた
少女「……う……っ、うくっ」
名無し「……」
少女「……ふ……うぅっ」
名無し「だあぁっ、もう! 泣くなっつーの!」
少女「じゃあ連れてきてくれる!?」
名無し「ぶっ!」
少女「……汚いなぁ」
名無し「お前が変な事ぬかすからだろっ!」
少女「誰でもいいのっ! お父さんとお母さんと……過ごしたいのよ」
名無し「はぁ」
少女「無理?」
名無し「無理」
少女「ワーカーは、どんな仕事でもしてくれるんじゃなかったの?」
名無し「それとこれとは話が別。んじゃ、ハーブ湯うまかったぜ。じゃあな」
すくっ……すたすたすた
少女「……う……っ、うくっ」
名無し「……」
少女「……ふ……うぅっ」
名無し「だあぁっ、もう! 泣くなっつーの!」
少女「じゃあ連れてきてくれる!?」
118: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:31:55.23:6J84pd6zo (8/46)
てくてくてく
名無し「ったく、ガキのくせに嘘泣きとかマセた真似しやがってくそ」
てくてくてく
名無し「しかし、代理の両親なんぞどうすっかな……」
てくてくてく
名無し「適当にボランティア募って、数合わせすっか?」
てくてくてく
名無し「でもそれじゃアイツが納得しねーだろうし、何より人攫いなんかマズイしなぁ」
てくてくてく
名無し「……っておいおい」
ぴたっ
名無し「馬車帰らせちまって……歩いて帰れってのか!?」
がくっ
名無し「はぁ、こりゃ依頼でがっぽり貰わんと割りにあわんぜ……てかアイツ金ねぇとかぬかしてなかったか?」
てくてくてく
名無し「ったく、ガキのくせに嘘泣きとかマセた真似しやがってくそ」
てくてくてく
名無し「しかし、代理の両親なんぞどうすっかな……」
てくてくてく
名無し「適当にボランティア募って、数合わせすっか?」
てくてくてく
名無し「でもそれじゃアイツが納得しねーだろうし、何より人攫いなんかマズイしなぁ」
てくてくてく
名無し「……っておいおい」
ぴたっ
名無し「馬車帰らせちまって……歩いて帰れってのか!?」
がくっ
名無し「はぁ、こりゃ依頼でがっぽり貰わんと割りにあわんぜ……てかアイツ金ねぇとかぬかしてなかったか?」
119: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:32:43.41:6J84pd6zo (9/46)
~雇い主の屋敷~
がちゃっ
雇い主「おや、随分と遅かったね」
名無し「おい、服脱げ」
雇い主「……は?」
名無し「ベッドインだ。早くしろ」
ばきぃっ!
名無し「いってぇな!」
雇い主「気でも狂ったかおのれは」
名無し「仕方ねぇだろ。依頼主の為だ」
雇い主「意味が分からん。細部に渡り説明しろ」
名無し「だからあのな……」
……
雇い主「ふぅん。それじゃさっさと両親を探してくれば良かろうに」
名無し「簡単にいたら苦労しねーんだよ。だから俺とお前がベッドイ――」
~雇い主の屋敷~
がちゃっ
雇い主「おや、随分と遅かったね」
名無し「おい、服脱げ」
雇い主「……は?」
名無し「ベッドインだ。早くしろ」
ばきぃっ!
名無し「いってぇな!」
雇い主「気でも狂ったかおのれは」
名無し「仕方ねぇだろ。依頼主の為だ」
雇い主「意味が分からん。細部に渡り説明しろ」
名無し「だからあのな……」
……
雇い主「ふぅん。それじゃさっさと両親を探してくれば良かろうに」
名無し「簡単にいたら苦労しねーんだよ。だから俺とお前がベッドイ――」
120: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:33:14.78:6J84pd6zo (10/46)
ばきっ! どかっ!
名無し「――――っ」
雇い主「発想が大胆すぎる。もう少し頭を回転させろ」
名無し「……ちっ、覚えてがれくそっ」
ばたんっ……てくてくてく
名無し「仕方ねぇ。ひとまず本国にでも行ってみっか」
がちゃっ
名無し「……何だよ」
雇い主「忘れもんだ」
ぽいっ……ばさっ
名無し「……!?」
雇い主「馬車代。請求すんだろ?」
名無し「へぇ~っ。意外と優しいじゃねぇか」
雇い主「貴様とベッドインするくらいなら安いものだ」ばたんっ
名無し「……あっそ」
ばきっ! どかっ!
名無し「――――っ」
雇い主「発想が大胆すぎる。もう少し頭を回転させろ」
名無し「……ちっ、覚えてがれくそっ」
ばたんっ……てくてくてく
名無し「仕方ねぇ。ひとまず本国にでも行ってみっか」
がちゃっ
名無し「……何だよ」
雇い主「忘れもんだ」
ぽいっ……ばさっ
名無し「……!?」
雇い主「馬車代。請求すんだろ?」
名無し「へぇ~っ。意外と優しいじゃねぇか」
雇い主「貴様とベッドインするくらいなら安いものだ」ばたんっ
名無し「……あっそ」
121: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:33:40.43:6J84pd6zo (11/46)
~本国~
名無し「来たはいいけど、別にツテがあるわけでもなし」
すたすたすた
名無し「ひとまずはここ、ワークショップにて情報を。これワーカーの基本っちゅー話」
がちゃっ
店員「いらっしゃいませ」
名無し「お、なかなかカワイ子ちゃんね。俺と子作りしない?」
店員「……ありがとうございましたー」
名無し「ジャスタモーメントオオォォ!!」
店員「冷やかしなら怖い人呼びますよ?」
名無し「あのさ、ちょっと厄介な依頼受けちまってよ、手助けが必要なんだ」
店員「依頼補助ですか? 場合によっては手数料が発生しますよ?」
名無し「嫌だねぇ。人助けだと思ってさ、なんとかタダで受けてくんねーか?」
店員「内容によります」
名無し「実はよ……」
~本国~
名無し「来たはいいけど、別にツテがあるわけでもなし」
すたすたすた
名無し「ひとまずはここ、ワークショップにて情報を。これワーカーの基本っちゅー話」
がちゃっ
店員「いらっしゃいませ」
名無し「お、なかなかカワイ子ちゃんね。俺と子作りしない?」
店員「……ありがとうございましたー」
名無し「ジャスタモーメントオオォォ!!」
店員「冷やかしなら怖い人呼びますよ?」
名無し「あのさ、ちょっと厄介な依頼受けちまってよ、手助けが必要なんだ」
店員「依頼補助ですか? 場合によっては手数料が発生しますよ?」
名無し「嫌だねぇ。人助けだと思ってさ、なんとかタダで受けてくんねーか?」
店員「内容によります」
名無し「実はよ……」
122: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:34:41.29:6J84pd6zo (12/46)
……
店員「……うっ、うぅ~。いいお話ですねぇ……っ!」
名無し「だろっ? なっ、ここは少女の夢を叶える為にもさ、なにとぞタダで――」
店員「手数料はEランクですね。お支払い願います」
名無し「……世知辛い世の中だねこれ」
店員「でも、そんな奇特な人……居ないと思いますよ?」
名無し「だろうねぇ。飛びついてくるのなんて、せいぜい人攫いくらいでしょーよ」
店員「そこはワークショップの名にかけて、身分の証明出来るちゃんと人を厳選します!」
名無し「来ればね」
店員「ていうかぁ、名無しさんが務めたらいいじゃないですか」
名無し「だからさー。俺がモテる風貌に見える?」
店員「見えません」
名無し「キッパリ言うなっつの。でも嫌いじゃないぜそういうの。だから俺と子作り――」
店員「ありがとうございましたー!」
名無し「……じゃ……頼んだよ……はぁ」
……
店員「……うっ、うぅ~。いいお話ですねぇ……っ!」
名無し「だろっ? なっ、ここは少女の夢を叶える為にもさ、なにとぞタダで――」
店員「手数料はEランクですね。お支払い願います」
名無し「……世知辛い世の中だねこれ」
店員「でも、そんな奇特な人……居ないと思いますよ?」
名無し「だろうねぇ。飛びついてくるのなんて、せいぜい人攫いくらいでしょーよ」
店員「そこはワークショップの名にかけて、身分の証明出来るちゃんと人を厳選します!」
名無し「来ればね」
店員「ていうかぁ、名無しさんが務めたらいいじゃないですか」
名無し「だからさー。俺がモテる風貌に見える?」
店員「見えません」
名無し「キッパリ言うなっつの。でも嫌いじゃないぜそういうの。だから俺と子作り――」
店員「ありがとうございましたー!」
名無し「……じゃ……頼んだよ……はぁ」
123: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:35:28.57:6J84pd6zo (13/46)
……
名無し「なぁ、養子の話があんだけどさ……」
男「うちは子供が28人もいるんだ。無理無理」
名無し「あ……そ」
……
名無し「ねぇ、俺と結婚しないっ!?」
女「鏡見てもの言えこのアホーッ!」どかっ
名無し「うひぃーっ!」
……
名無し「じつはさーこんな少女が居てねぇー」
おばさん「そんなん無理だよぉ。孤児院にでも行ったらどうだい?」
名無し「……はぁ、話聞いてくれてあんがとさん」
……
名無し「もうすっかり日も落ちちまった……。こりゃ今日は出直しだな」
――「ねぇねぇオジサンっ!」
……
名無し「なぁ、養子の話があんだけどさ……」
男「うちは子供が28人もいるんだ。無理無理」
名無し「あ……そ」
……
名無し「ねぇ、俺と結婚しないっ!?」
女「鏡見てもの言えこのアホーッ!」どかっ
名無し「うひぃーっ!」
……
名無し「じつはさーこんな少女が居てねぇー」
おばさん「そんなん無理だよぉ。孤児院にでも行ったらどうだい?」
名無し「……はぁ、話聞いてくれてあんがとさん」
……
名無し「もうすっかり日も落ちちまった……。こりゃ今日は出直しだな」
――「ねぇねぇオジサンっ!」
124: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:36:11.29:6J84pd6zo (14/46)
名無し「あん?」
カワイコ「私、カワイコって言うんだけどさー」
名無し「金ならねーぜ、他あたりな。まっ、タダなら相手してやってもいいけどな!」
カワイコ「私がそんな女に見えるわけぇ~? ひっどーい!」
名無し「じゃあ何だってんだよ」
カワイコ「オジサンさ、なんか養子を貰ってくれる人、探してるんだって?」
名無し「おぉっ!? そうなんだよ! 心当たりあるのか!?」
カワイコ「まぁね~」
名無し「ぜひ紹介してくれっ!」ぎゅっ
カワイコ「手は握らなくていいから……っ。紹介してあげるよ」
名無し「助かるぜっ! あ……身分はちゃんとした奴だよな……?」
カワイコ「もっちろん! ちゃんとしてるっていうか~」
名無し「あん?」
カワイコ「まぁいいからっ、とにかく付いてきてっ!」
名無し「おうよ!」
名無し「あん?」
カワイコ「私、カワイコって言うんだけどさー」
名無し「金ならねーぜ、他あたりな。まっ、タダなら相手してやってもいいけどな!」
カワイコ「私がそんな女に見えるわけぇ~? ひっどーい!」
名無し「じゃあ何だってんだよ」
カワイコ「オジサンさ、なんか養子を貰ってくれる人、探してるんだって?」
名無し「おぉっ!? そうなんだよ! 心当たりあるのか!?」
カワイコ「まぁね~」
名無し「ぜひ紹介してくれっ!」ぎゅっ
カワイコ「手は握らなくていいから……っ。紹介してあげるよ」
名無し「助かるぜっ! あ……身分はちゃんとした奴だよな……?」
カワイコ「もっちろん! ちゃんとしてるっていうか~」
名無し「あん?」
カワイコ「まぁいいからっ、とにかく付いてきてっ!」
名無し「おうよ!」
125: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:36:39.12:6J84pd6zo (15/46)
~富豪の家~
名無し「……」ぽかーん
カワイコ「何してるの~? こっちよ、早くー」
名無し「お、おう。ってか……すっげぇ金持ちなんじゃないのこれ?」
カワイコ「そうだよ~。すっごいお金持ちなんだよこの家」
名無し「お前んちじゃ……ないよな?」
カワイコ「残念だけどね~」
名無し「……っ」
てくてくてく……こんこんっ
召使い「はい」かちゃっ
カワイコ「今晩はっ。富豪次男君、居ますか?」
召使い「……少々お待ちを」
名無し「なんか嫌そうな顔してたぞ今の奴」
カワイコ「大丈夫大丈夫っ。気にしないで~」
名無し「……ふぅん」
~富豪の家~
名無し「……」ぽかーん
カワイコ「何してるの~? こっちよ、早くー」
名無し「お、おう。ってか……すっげぇ金持ちなんじゃないのこれ?」
カワイコ「そうだよ~。すっごいお金持ちなんだよこの家」
名無し「お前んちじゃ……ないよな?」
カワイコ「残念だけどね~」
名無し「……っ」
てくてくてく……こんこんっ
召使い「はい」かちゃっ
カワイコ「今晩はっ。富豪次男君、居ますか?」
召使い「……少々お待ちを」
名無し「なんか嫌そうな顔してたぞ今の奴」
カワイコ「大丈夫大丈夫っ。気にしないで~」
名無し「……ふぅん」
126: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:37:08.75:6J84pd6zo (16/46)
……
富豪三男「やぁやぁ、待たせたね~」
カワイコ「もう~っ。おっそーい」
名無し「こいつが……?」
富豪三男「こいつとか、失礼なオッサンだなおい」
名無し「……」
富豪三男「オッサンさぁ、ガキを貰ってくれる奴、探してるんだって?」
名無し「ガキってお前な……」
がちゃんっ!
富豪三男「ゴチャゴチャうっせぇなー。どうせテメーがどっかで作ってきたガキかなんかだろ?」
名無し「……あ?」
富豪三男「テメーの面倒引き受けてやるって言ってんだからよ、大人しくご好意に甘えろっての」
カワイコ「ぎゃはははっ」
名無し「あのさ、聞きてーんだけどよ。何で養子探してんだ?」
富豪三男「もうすぐよ~クリスマスじゃん?」
……
富豪三男「やぁやぁ、待たせたね~」
カワイコ「もう~っ。おっそーい」
名無し「こいつが……?」
富豪三男「こいつとか、失礼なオッサンだなおい」
名無し「……」
富豪三男「オッサンさぁ、ガキを貰ってくれる奴、探してるんだって?」
名無し「ガキってお前な……」
がちゃんっ!
富豪三男「ゴチャゴチャうっせぇなー。どうせテメーがどっかで作ってきたガキかなんかだろ?」
名無し「……あ?」
富豪三男「テメーの面倒引き受けてやるって言ってんだからよ、大人しくご好意に甘えろっての」
カワイコ「ぎゃはははっ」
名無し「あのさ、聞きてーんだけどよ。何で養子探してんだ?」
富豪三男「もうすぐよ~クリスマスじゃん?」
127: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:37:44.72:6J84pd6zo (17/46)
名無し「……?」
富豪三男「俺のダチにさぁ、モテない男がいるんだよね~」
カワイコ「そうそうっ。あいつマジでウケるよねぇ~♪」
富豪三男「しかもだぜ? モテねーくせにロリコンなの。ぎゃっはははは!」
カワイコ「超ありえないよね~! まじ変態すぎるんだけど~!」
名無し「…………」
富豪三男「だからさー、サンタさんになってやろうかと思って」
名無し「……話が……読めねぇ」
富豪三男「オッサンさー、アホ? その辺から攫ってきたら犯罪になっちまうだろーがよ!」
名無し「……」
富豪三男「だからよー。そいつと養子縁組させりゃあ家族。何ヤッてもオッケー!」
カワイコ「あんたってさぁ、超頭イイよねぇ~♪」
富豪三男「いくら欲しい? 俺もソイツも金ならあるからよ」
名無し「……はぁ、俺もとことんツイてねーよなぁ」
富豪三男「あん?」
名無し「……?」
富豪三男「俺のダチにさぁ、モテない男がいるんだよね~」
カワイコ「そうそうっ。あいつマジでウケるよねぇ~♪」
富豪三男「しかもだぜ? モテねーくせにロリコンなの。ぎゃっはははは!」
カワイコ「超ありえないよね~! まじ変態すぎるんだけど~!」
名無し「…………」
富豪三男「だからさー、サンタさんになってやろうかと思って」
名無し「……話が……読めねぇ」
富豪三男「オッサンさー、アホ? その辺から攫ってきたら犯罪になっちまうだろーがよ!」
名無し「……」
富豪三男「だからよー。そいつと養子縁組させりゃあ家族。何ヤッてもオッケー!」
カワイコ「あんたってさぁ、超頭イイよねぇ~♪」
富豪三男「いくら欲しい? 俺もソイツも金ならあるからよ」
名無し「……はぁ、俺もとことんツイてねーよなぁ」
富豪三男「あん?」
128: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:38:30.43:6J84pd6zo (18/46)
名無し「邪魔したな」
すたすたすた
富豪三男「おいおい。養子の話は――」
名無し「俺が探してんのはなぁ、奴隷売買の相手じゃないんでな」
富豪三男「はぁ!? おいテメー! ちょっと待てよ」
名無し「無駄足だった……。この時間返してくれっつーのもう……」
富豪三男「待てっつってんんだろーが!」
カワイコ「ちょっと……っ!?」
ばたんっ! すたすたすた……
名無し「ま、やっぱこうなるわな。本国も腐ったモンだよ全く」
かちっかちっ しゅぼっ!
名無し「……ぷあぁ~。先代の時は、もう幾分かマシだったんだがねぇ」
口元に咥えた煙草の煙を、空から降って来た白い粉がふわりと掻き消した。
名無し「……あーあ、雪かよ。どこまでもツイてねーったらありゃしないわ」
寒さに肩をすくめ、名無しは街角の古びた素泊まりの宿へと消えて行った。
名無し「邪魔したな」
すたすたすた
富豪三男「おいおい。養子の話は――」
名無し「俺が探してんのはなぁ、奴隷売買の相手じゃないんでな」
富豪三男「はぁ!? おいテメー! ちょっと待てよ」
名無し「無駄足だった……。この時間返してくれっつーのもう……」
富豪三男「待てっつってんんだろーが!」
カワイコ「ちょっと……っ!?」
ばたんっ! すたすたすた……
名無し「ま、やっぱこうなるわな。本国も腐ったモンだよ全く」
かちっかちっ しゅぼっ!
名無し「……ぷあぁ~。先代の時は、もう幾分かマシだったんだがねぇ」
口元に咥えた煙草の煙を、空から降って来た白い粉がふわりと掻き消した。
名無し「……あーあ、雪かよ。どこまでもツイてねーったらありゃしないわ」
寒さに肩をすくめ、名無しは街角の古びた素泊まりの宿へと消えて行った。
129: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:39:10.17:6J84pd6zo (19/46)
名無し「邪魔したな」
すたすたすた
富豪三男「おいおい。養子の話は――」
名無し「俺が探してんのはなぁ、奴隷売買の相手じゃないんでな」
富豪三男「はぁ!? おいテメー! ちょっと待てよ」
名無し「無駄足だった……。この時間返してくれっつーのもう……」
富豪三男「待てっつってんんだろーが!」
カワイコ「ちょっと……っ!?」
ばたんっ! すたすたすた……
名無し「ま、やっぱこうなるわな。本国も腐ったモンだよ全く」
かちっかちっ しゅぼっ!
名無し「……ぷあぁ~。先代の時は、もう幾分かマシだったんだがねぇ」
口元に咥えた煙草の煙を、空から降って来た白い粉がふわりと掻き消した。
名無し「……あーあ、雪かよ。どこまでもツイてねーったらありゃしないわ」
寒さに肩をすくめ、名無しは街角の古びた素泊まりの宿へと消えて行った。
名無し「邪魔したな」
すたすたすた
富豪三男「おいおい。養子の話は――」
名無し「俺が探してんのはなぁ、奴隷売買の相手じゃないんでな」
富豪三男「はぁ!? おいテメー! ちょっと待てよ」
名無し「無駄足だった……。この時間返してくれっつーのもう……」
富豪三男「待てっつってんんだろーが!」
カワイコ「ちょっと……っ!?」
ばたんっ! すたすたすた……
名無し「ま、やっぱこうなるわな。本国も腐ったモンだよ全く」
かちっかちっ しゅぼっ!
名無し「……ぷあぁ~。先代の時は、もう幾分かマシだったんだがねぇ」
口元に咥えた煙草の煙を、空から降って来た白い粉がふわりと掻き消した。
名無し「……あーあ、雪かよ。どこまでもツイてねーったらありゃしないわ」
寒さに肩をすくめ、名無しは街角の古びた素泊まりの宿へと消えて行った。
130: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:39:45.33:6J84pd6zo (20/46)
~北方、川沿いの村~
がちゃっ
名無し「ういーす」
少女「見つかった!?」
名無し「そーカンタンに見つかってたまるかって~の」どかっ
少女「じゃあ頑張ってね」つんっ
名無し「あのなぁ~。これでも結構、頑張ってんだよ俺?」
少女「飲み物ならもうないわよ」
名無し「はぁ!?」
少女「昨日で全部飲み終えちゃったもの」
名無し「マジかよ……」
少女「また春に会いましょう」
名無し「ノー! 俺は今すぐに会いたい!」
少女「じゃあ買ってきて。勿論、おじさんのお金で」
名無し「あのなー、俺だって貧乏なんですよ?」
~北方、川沿いの村~
がちゃっ
名無し「ういーす」
少女「見つかった!?」
名無し「そーカンタンに見つかってたまるかって~の」どかっ
少女「じゃあ頑張ってね」つんっ
名無し「あのなぁ~。これでも結構、頑張ってんだよ俺?」
少女「飲み物ならもうないわよ」
名無し「はぁ!?」
少女「昨日で全部飲み終えちゃったもの」
名無し「マジかよ……」
少女「また春に会いましょう」
名無し「ノー! 俺は今すぐに会いたい!」
少女「じゃあ買ってきて。勿論、おじさんのお金で」
名無し「あのなー、俺だって貧乏なんですよ?」
131: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:40:33.23:6J84pd6zo (21/46)
少女「だってうち、お金ないもん」
名無し「……へいへい、行ってきますよ。んで、何が飲みてぇんだ?」
少女「本当っ!? えっとねぇ……じゃあ紅茶っ♪」
名無し「はーいはい。んじゃ大人しく待ってろよ」
少女「おじさん大好きっ! ありがとーっ!」
名無し「ったく、調子のいい奴だなおい」
ばたんっ てくてくてく
名無し「んで、どこに行くか。本国はヤダし……北の港言ってみっか」
~北の港~
男「よってらっしゃい見てらっしゃい! クリスマス特価の大バーゲンセールだよ!」
名無し「どこもかしこもクリスマス……。ま、賑やかでいいけどねぇ」
すたすたすた
名無し「お、ここだな」
がちゃっ
店員「いらっしゃいませ」
少女「だってうち、お金ないもん」
名無し「……へいへい、行ってきますよ。んで、何が飲みてぇんだ?」
少女「本当っ!? えっとねぇ……じゃあ紅茶っ♪」
名無し「はーいはい。んじゃ大人しく待ってろよ」
少女「おじさん大好きっ! ありがとーっ!」
名無し「ったく、調子のいい奴だなおい」
ばたんっ てくてくてく
名無し「んで、どこに行くか。本国はヤダし……北の港言ってみっか」
~北の港~
男「よってらっしゃい見てらっしゃい! クリスマス特価の大バーゲンセールだよ!」
名無し「どこもかしこもクリスマス……。ま、賑やかでいいけどねぇ」
すたすたすた
名無し「お、ここだな」
がちゃっ
店員「いらっしゃいませ」
132: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:41:38.33:6J84pd6zo (22/46)
名無し「紅茶をくれ。えーっと……ウマいけど安いやつ」
店員「これなんてどうです?」
名無し「高いな。もっと安いやつ」
店員「じゃあこれは?」
名無し「高い高い。もっと安くてウマいのあんだろ」
店員「……じゃあ……これ」
名無し「ああ、それでいいや。100gぶんくれ」
店員「100g……ですか?」
名無し「文句あるの? あ、あと領収書ね」
店員「こ、これで領収書ぉ~?」
名無し「んだよ、文句あんのかよ。こっちだってなぁ、生活がかかってんだよ」
店員「……はいどうぞ」
どんっ
名無し「ま、おりるか分かんねー領収書だけどな。あんがとさんっ!」
店員「はいどうも」
名無し「紅茶をくれ。えーっと……ウマいけど安いやつ」
店員「これなんてどうです?」
名無し「高いな。もっと安いやつ」
店員「じゃあこれは?」
名無し「高い高い。もっと安くてウマいのあんだろ」
店員「……じゃあ……これ」
名無し「ああ、それでいいや。100gぶんくれ」
店員「100g……ですか?」
名無し「文句あるの? あ、あと領収書ね」
店員「こ、これで領収書ぉ~?」
名無し「んだよ、文句あんのかよ。こっちだってなぁ、生活がかかってんだよ」
店員「……はいどうぞ」
どんっ
名無し「ま、おりるか分かんねー領収書だけどな。あんがとさんっ!」
店員「はいどうも」
133: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:42:25.25:6J84pd6zo (23/46)
がちゃっ てくてくてく
名無し「はぁ、とりあえずこれで帰るか」
~♪
名無し「吟遊詩人か。いいね、クリスマスソングってのもさ」
~♪
名無し「おっ、姉ちゃん! 俺と結婚しない!?」
女「はぁ!? ワーカー呼びますよ!」
名無し「ひゃあっ、怖い怖い……うははは!」
女「何なのよもうっ!」
~北方、川沿いの村~
名無し「ふふんふ~ん。ふふ~」
ざざっ
名無し「――――!?」
タッタッタッタッタッ バンッ!
名無し「チクショウ!! おぉーい!!」
がちゃっ てくてくてく
名無し「はぁ、とりあえずこれで帰るか」
~♪
名無し「吟遊詩人か。いいね、クリスマスソングってのもさ」
~♪
名無し「おっ、姉ちゃん! 俺と結婚しない!?」
女「はぁ!? ワーカー呼びますよ!」
名無し「ひゃあっ、怖い怖い……うははは!」
女「何なのよもうっ!」
~北方、川沿いの村~
名無し「ふふんふ~ん。ふふ~」
ざざっ
名無し「――――!?」
タッタッタッタッタッ バンッ!
名無し「チクショウ!! おぉーい!!」
134: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:43:49.81:6J84pd6zo (24/46)
バタンッ! タッタッタッタッタッ……
名無し「魔王軍の連中か……っ。無事でいてくれ!」
タッタッタッ ズザァ
名無し「……はぁ……はぁ……はぁっ」
オーガ「……あ? 何だぁテメェ――」
ザシュウウゥゥゥゥ!!
オーガ「オ……オ……オガガ」
ドサッ
名無し「人が居ただろ。そいつら……どうした」
ワーウルフ「オーガ……一撃で……っ」
名無しどうしたかって聞いてんだよぉ!!」
ズバシュウウゥゥ!! ドシャッ
ゴブリン「ななっ、何人かは食ったけど……あとは知ら――」
ザシュッ!!
名無し「…………っ」
バタンッ! タッタッタッタッタッ……
名無し「魔王軍の連中か……っ。無事でいてくれ!」
タッタッタッ ズザァ
名無し「……はぁ……はぁ……はぁっ」
オーガ「……あ? 何だぁテメェ――」
ザシュウウゥゥゥゥ!!
オーガ「オ……オ……オガガ」
ドサッ
名無し「人が居ただろ。そいつら……どうした」
ワーウルフ「オーガ……一撃で……っ」
名無しどうしたかって聞いてんだよぉ!!」
ズバシュウウゥゥ!! ドシャッ
ゴブリン「ななっ、何人かは食ったけど……あとは知ら――」
ザシュッ!!
名無し「…………っ」
135: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:44:52.90:6J84pd6zo (25/46)
カランッ
名無し「冗談……だよな……」
ふらっ よろよろよろ……
名無し「……紅茶、買って来たんだぜ」
かちゃっ そ~っ
名無し「……?」
少女「……おじさんっ!?」
名無し「お……おぉ……っ!!」
少女「おじさーん!!」
たったったっ だきっ!
名無し「無事だったかぁ!! ったく、心配したぜおい……!!」
少女「少年くんがこの家に隠れてろって。助けてくれたのっ」
名無し「……?」
少女「このおうちの人っ! いっつも助けてくれるんだよ!」
そろーっ てくてくてく
カランッ
名無し「冗談……だよな……」
ふらっ よろよろよろ……
名無し「……紅茶、買って来たんだぜ」
かちゃっ そ~っ
名無し「……?」
少女「……おじさんっ!?」
名無し「お……おぉ……っ!!」
少女「おじさーん!!」
たったったっ だきっ!
名無し「無事だったかぁ!! ったく、心配したぜおい……!!」
少女「少年くんがこの家に隠れてろって。助けてくれたのっ」
名無し「……?」
少女「このおうちの人っ! いっつも助けてくれるんだよ!」
そろーっ てくてくてく
136: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:45:26.98:6J84pd6zo (26/46)
名無し「……おう。もう出てきていいぜ」
少年「ひっ!」
名無し「お前さんが助けてくれたんだってな。この子」
少年「……っ」
少女「少年くんも一人ぼっちでね、それで……」
少年「いきなりっ、魔物が来て……っ! 僕、慌てて少女ちゃんと隠れてえぇ!」
名無し「おーおー。怖かったな、もう安心していいぞ。魔物はみ~んな逃げてったぜ」
少女「良かったぁ~。おじさんも無事?」
名無し「おう。剣の腕前を披露するまでもなかったわ。うはははっ!」
少年「おじさんの剣……なんか、かっこいいね!」
名無し「そうか?」
少年「十字架みたい。おじさん……強いの?」
名無し「いんや。おじさんは貧乏ワーカー。ビックリするくらい弱い」
少女「そうなの? なんだ、てっきり強いのかと思った」
名無し「弱い弱い。だから少年っつたか? お前がこの子を守ってやってくれよ!」
名無し「……おう。もう出てきていいぜ」
少年「ひっ!」
名無し「お前さんが助けてくれたんだってな。この子」
少年「……っ」
少女「少年くんも一人ぼっちでね、それで……」
少年「いきなりっ、魔物が来て……っ! 僕、慌てて少女ちゃんと隠れてえぇ!」
名無し「おーおー。怖かったな、もう安心していいぞ。魔物はみ~んな逃げてったぜ」
少女「良かったぁ~。おじさんも無事?」
名無し「おう。剣の腕前を披露するまでもなかったわ。うはははっ!」
少年「おじさんの剣……なんか、かっこいいね!」
名無し「そうか?」
少年「十字架みたい。おじさん……強いの?」
名無し「いんや。おじさんは貧乏ワーカー。ビックリするくらい弱い」
少女「そうなの? なんだ、てっきり強いのかと思った」
名無し「弱い弱い。だから少年っつたか? お前がこの子を守ってやってくれよ!」
137: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:46:17.12:6J84pd6zo (27/46)
……
少女「ん~いい匂いっ♪」
少年「本当に……いいの?」
少女「うんっ! おじさんのオゴリだもん! ねー?」
名無し「……はい」
少年「そ、それじゃあいただきます……っ」
ごくっ
少女「はぁ~。美味し~い♪」
名無し「だろー? 高かったんだぜぇ?」
少女「嘘くさーい」
名無し「おいっ!」
少年「あはははっ」
名無し「……良かった。やっと笑顔になったな」
少年「うん。ありがとう、おじさん」
名無し「うははっ、俺ぁなーんもしてねぇって……お?」
……
少女「ん~いい匂いっ♪」
少年「本当に……いいの?」
少女「うんっ! おじさんのオゴリだもん! ねー?」
名無し「……はい」
少年「そ、それじゃあいただきます……っ」
ごくっ
少女「はぁ~。美味し~い♪」
名無し「だろー? 高かったんだぜぇ?」
少女「嘘くさーい」
名無し「おいっ!」
少年「あはははっ」
名無し「……良かった。やっと笑顔になったな」
少年「うん。ありがとう、おじさん」
名無し「うははっ、俺ぁなーんもしてねぇって……お?」
138: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:47:17.46:6J84pd6zo (28/46)
がたっ てくてくてく
名無し「こりゃあ……ハープか?」
少年「あ、うん。お父さんの形見」
名無し「へぇ。そういや今日、吟遊詩人がクリスマスソング奏でてたなぁ」
少女「え~っ、いいなぁ。私も聞きたかった~」
少年「あっ、そ……それじゃ僕が弾いてあげる!」
名無し「おぉっ! 弾けるのか!?」
少年「でも久々だから……ちょっと練習させて」
少女「あっ! それじゃあさ、クリスマスの夜……パーティーしようよ!」
少年「パーティー?」
少女「そっ♪ おじさんがね、新しいお父さんとお母さんを連れてきてくれるのっ♪」
名無し「…………」ずずー
少女「ねっ、おじさん!」
名無し「え、えーと……はい」
少女「楽しみだなぁ~♪ えへへへ~っ」
がたっ てくてくてく
名無し「こりゃあ……ハープか?」
少年「あ、うん。お父さんの形見」
名無し「へぇ。そういや今日、吟遊詩人がクリスマスソング奏でてたなぁ」
少女「え~っ、いいなぁ。私も聞きたかった~」
少年「あっ、そ……それじゃ僕が弾いてあげる!」
名無し「おぉっ! 弾けるのか!?」
少年「でも久々だから……ちょっと練習させて」
少女「あっ! それじゃあさ、クリスマスの夜……パーティーしようよ!」
少年「パーティー?」
少女「そっ♪ おじさんがね、新しいお父さんとお母さんを連れてきてくれるのっ♪」
名無し「…………」ずずー
少女「ねっ、おじさん!」
名無し「え、えーと……はい」
少女「楽しみだなぁ~♪ えへへへ~っ」
139: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:48:08.41:6J84pd6zo (29/46)
……
名無し「まずいまずいまずい。あっという間にクリスマスイーヴ!」
ばんっ!!
名無し「おいっ、俺と性交――」
ばしゃっ!
名無し「あっぢいいいいぃぃぃぃ!!」
がたんっ! ごろごろごろごろっ
雇い主「何だお前は? 盛りのついた犬か」
名無し「ぎゃああぁぁ!! 領収書が水浸しいいぃぃぃぃ!!」
雇い主「うーん……金額が見えん。これは却下だな」ぽいっ
名無し「ノオオオオォォォォ!!」
雇い主「それでどうした? ギブアップか?」
名無し「ギブ出来るもんならしてーよ全くよぉ」すたすた
雇い主「ん? 鎧なんぞ持ち出してどうした?」
名無し「たまには気合い入れねーとさ。明日はクリスマスなんだし」
……
名無し「まずいまずいまずい。あっという間にクリスマスイーヴ!」
ばんっ!!
名無し「おいっ、俺と性交――」
ばしゃっ!
名無し「あっぢいいいいぃぃぃぃ!!」
がたんっ! ごろごろごろごろっ
雇い主「何だお前は? 盛りのついた犬か」
名無し「ぎゃああぁぁ!! 領収書が水浸しいいぃぃぃぃ!!」
雇い主「うーん……金額が見えん。これは却下だな」ぽいっ
名無し「ノオオオオォォォォ!!」
雇い主「それでどうした? ギブアップか?」
名無し「ギブ出来るもんならしてーよ全くよぉ」すたすた
雇い主「ん? 鎧なんぞ持ち出してどうした?」
名無し「たまには気合い入れねーとさ。明日はクリスマスなんだし」
140: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:48:51.45:6J84pd6zo (30/46)
雇い主「仮装か?」
名無し「ま、そんなとこね。うははっ」
がちゃがちゃっ
雇い主「とにかく、頑張れよ」
名無し「へいへい。言われんでも頑張りますよー」
すたすたすた がちゃっ
雇い主「……北で魔王軍が暴れてる。気を付けろよ」
名無し「ああ。聖なる夜だ、魔王軍にとっちゃ面白くねー日だろうしな」
雇い主「……」
名無し「それじゃあな。良いクリスマスを」ばたんっ
雇い主「…………っ」
てくてくてくてく
名無し「さーて。結局父母は見つからず。困ったねぇ」
てくてくてくてく
名無し「とりあえず、お父さんだけでガマンして貰えっかねぇ」
雇い主「仮装か?」
名無し「ま、そんなとこね。うははっ」
がちゃがちゃっ
雇い主「とにかく、頑張れよ」
名無し「へいへい。言われんでも頑張りますよー」
すたすたすた がちゃっ
雇い主「……北で魔王軍が暴れてる。気を付けろよ」
名無し「ああ。聖なる夜だ、魔王軍にとっちゃ面白くねー日だろうしな」
雇い主「……」
名無し「それじゃあな。良いクリスマスを」ばたんっ
雇い主「…………っ」
てくてくてくてく
名無し「さーて。結局父母は見つからず。困ったねぇ」
てくてくてくてく
名無し「とりあえず、お父さんだけでガマンして貰えっかねぇ」
141: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:49:58.14:6J84pd6zo (31/46)
~北方、川沿いの村~
名無し「メリークリスマース!!」がちゃっ
少女「お父さんとお母さんは!?」
名無し「じゃーん!!」ひょこん
猫「にゃーん」ぴょこんっ
少女「……何これ」
名無し「猫です」
少女「見れば分かります」
名無し「お母さん……猫」
少女「猫ですね」
名無し「猫です」
少女「…………」
名無し「…………」
少年「お待たせー! あ……あれ……っ?」がちゃっ
猫「にゃーん」
~北方、川沿いの村~
名無し「メリークリスマース!!」がちゃっ
少女「お父さんとお母さんは!?」
名無し「じゃーん!!」ひょこん
猫「にゃーん」ぴょこんっ
少女「……何これ」
名無し「猫です」
少女「見れば分かります」
名無し「お母さん……猫」
少女「猫ですね」
名無し「猫です」
少女「…………」
名無し「…………」
少年「お待たせー! あ……あれ……っ?」がちゃっ
猫「にゃーん」
142: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:50:37.67:6J84pd6zo (32/46)
……
名無し「悪かったって! なっ? せめてお父さんは俺が務めてやっからさ!」
少女「むぅ~」
名無し「ほれっ、今日は紅茶の他に……なんとチキンもある!」
少女「……」ちらっ
名無し「それにそれにっ、じゃーん! イチゴの乗っかったケーキだ!」
少女「……」ぱあぁっ
名無し「なっ、だからスネてないで楽しくパーティー……」
少女「……しょーがないなぁ。じゃあ許してあげ――」
名無し「伏せろっ!!」
がくんっ どさっ!
少女「い、痛いよっ! 許すって言った……」
名無し「静かにしてろ。少年、明かりを消して……お前もこっちに来い!」
少年「えっ!? あ、うん……っ!」ふっ
名無し「いいか? 何があっても絶対に……外へ出るんじゃあないぞ」
……
名無し「悪かったって! なっ? せめてお父さんは俺が務めてやっからさ!」
少女「むぅ~」
名無し「ほれっ、今日は紅茶の他に……なんとチキンもある!」
少女「……」ちらっ
名無し「それにそれにっ、じゃーん! イチゴの乗っかったケーキだ!」
少女「……」ぱあぁっ
名無し「なっ、だからスネてないで楽しくパーティー……」
少女「……しょーがないなぁ。じゃあ許してあげ――」
名無し「伏せろっ!!」
がくんっ どさっ!
少女「い、痛いよっ! 許すって言った……」
名無し「静かにしてろ。少年、明かりを消して……お前もこっちに来い!」
少年「えっ!? あ、うん……っ!」ふっ
名無し「いいか? 何があっても絶対に……外へ出るんじゃあないぞ」
143: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:51:13.38:6J84pd6zo (33/46)
少女「へっ!?」
名無し「俺が帰ってくるまで……絶対に出るな! 分かったな!」
少年「おっ、おじさん!!」
バタンッ! タッタッタッタッ……
少女「な、何……っ!? 何なの……っ?」
少年「多分、魔物だ。おじさん……魔物に気付いて……」
少女「だ、大丈夫かな……?」
少年「大丈夫だよきっと。だから、おじさんの帰りを待とう!」
少女「……う、うんっ! そうだよね!」
タッタッタッ ザザッ
名無し「……悪いけどよ、こっから先は立ち入り禁止だ」
コボルト「あん?」
名無し「今日はクリスマス。聖なる夜に汚らわしい奴らがウロついちゃいかんだろ」
コボルト「ナメてんのかてめぇ!!」
名無し「うははははっ! ナメるのは女の――」
少女「へっ!?」
名無し「俺が帰ってくるまで……絶対に出るな! 分かったな!」
少年「おっ、おじさん!!」
バタンッ! タッタッタッタッ……
少女「な、何……っ!? 何なの……っ?」
少年「多分、魔物だ。おじさん……魔物に気付いて……」
少女「だ、大丈夫かな……?」
少年「大丈夫だよきっと。だから、おじさんの帰りを待とう!」
少女「……う、うんっ! そうだよね!」
タッタッタッ ザザッ
名無し「……悪いけどよ、こっから先は立ち入り禁止だ」
コボルト「あん?」
名無し「今日はクリスマス。聖なる夜に汚らわしい奴らがウロついちゃいかんだろ」
コボルト「ナメてんのかてめぇ!!」
名無し「うははははっ! ナメるのは女の――」
144: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:51:49.51:6J84pd6zo (34/46)
ザッザッザッ……
ガーゴイル「間違いナイ。コイツです!!」
名無し「ちっ、やっぱり取り逃がした奴がいたか」
ガーゴイル「コイツがオーガやゴブリン達ヲ――」
デュラハン「黙っていろ。貴様か、魔王軍に楯突く人間は」
名無し「アホー。人間はみんな魔王軍に楯突いて生きてんだっつーの」
デュラハン「ほざけ。力量も分からぬカスが……ッ」
ジャキッ
名無し「……デュラハン如きが笑わせるぜ」スゥッ
ガーゴイル「貴様ァ!! デュラハン様に如きとは――」
スッ
ガーゴイル「……?」
デュラハン「……待て。貴様、その剣……見覚えがあるぞ」
名無し「ほぉー。そいつは光栄だ」
デュラハン「そ、そうだ……思い出したっ! あの剣は確か――」
ザッザッザッ……
ガーゴイル「間違いナイ。コイツです!!」
名無し「ちっ、やっぱり取り逃がした奴がいたか」
ガーゴイル「コイツがオーガやゴブリン達ヲ――」
デュラハン「黙っていろ。貴様か、魔王軍に楯突く人間は」
名無し「アホー。人間はみんな魔王軍に楯突いて生きてんだっつーの」
デュラハン「ほざけ。力量も分からぬカスが……ッ」
ジャキッ
名無し「……デュラハン如きが笑わせるぜ」スゥッ
ガーゴイル「貴様ァ!! デュラハン様に如きとは――」
スッ
ガーゴイル「……?」
デュラハン「……待て。貴様、その剣……見覚えがあるぞ」
名無し「ほぉー。そいつは光栄だ」
デュラハン「そ、そうだ……思い出したっ! あの剣は確か――」
145: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:52:45.24:6J84pd6zo (35/46)
ビュオッ!! ザシュウウゥゥゥゥ!!
ガーゴイル「……エッ?」バタッ
デュラハン「そ、そうだ! 聖王とか言う人間の王の護衛……っ」
名無し「先代の事まで知ってんのかよ。あんた、長生きだね」
ざっざっざっ
デュラハン「そうだっ! 聖王を守る……聖なる騎士団<ホーリーナイト>」
名無し「聖王に仕えしホーリーナイトが騎士団長、名無し。かつてはそう呼ばれてた事もある」
デュラハン「――――ッ!!」
名無し「ま、聖王亡き今や、聖騎士団も解体され……しがないワーカーだけどな」
デュラハン「クゥ……ッ!!」
名無し「生憎この、十字架剣は錆び付いちゃあいないぜぇ?」
コボルト「デ……デュラハン様ッ、どうなさい――」ドンッ
デュラハン「おっ、お前らがいけぇ! 俺を……俺を守れぇ!!」
コボルト「――!?」
ザシュッ!!
ビュオッ!! ザシュウウゥゥゥゥ!!
ガーゴイル「……エッ?」バタッ
デュラハン「そ、そうだ! 聖王とか言う人間の王の護衛……っ」
名無し「先代の事まで知ってんのかよ。あんた、長生きだね」
ざっざっざっ
デュラハン「そうだっ! 聖王を守る……聖なる騎士団<ホーリーナイト>」
名無し「聖王に仕えしホーリーナイトが騎士団長、名無し。かつてはそう呼ばれてた事もある」
デュラハン「――――ッ!!」
名無し「ま、聖王亡き今や、聖騎士団も解体され……しがないワーカーだけどな」
デュラハン「クゥ……ッ!!」
名無し「生憎この、十字架剣は錆び付いちゃあいないぜぇ?」
コボルト「デ……デュラハン様ッ、どうなさい――」ドンッ
デュラハン「おっ、お前らがいけぇ! 俺を……俺を守れぇ!!」
コボルト「――!?」
ザシュッ!!
146: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:53:33.49:6J84pd6zo (36/46)
名無し「次ぃ!!」
ワーウルフ「ヒ……ヒイィ――」
ズバシュッ!!
名無し「次いいぃぃ!!」
デュラハン「ダ、ダメだ!! 退――」
ヒュオッ
デュラハン「――――!!」
名無し「逃がすかよ、この……ボケ!!」
ヒュバッ!! ザッシュウウゥゥゥゥ!!
名無し「……ふーっ」すたっ
ザッザッザッ
名無し「村にまでは立ち入らせずに済んだ、か」
ブンッ ばさばさっ
名無し「ったく、汚れちま――」
ゾクゥッ!! ズゴゴゴゴゴゴ……
名無し「次ぃ!!」
ワーウルフ「ヒ……ヒイィ――」
ズバシュッ!!
名無し「次いいぃぃ!!」
デュラハン「ダ、ダメだ!! 退――」
ヒュオッ
デュラハン「――――!!」
名無し「逃がすかよ、この……ボケ!!」
ヒュバッ!! ザッシュウウゥゥゥゥ!!
名無し「……ふーっ」すたっ
ザッザッザッ
名無し「村にまでは立ち入らせずに済んだ、か」
ブンッ ばさばさっ
名無し「ったく、汚れちま――」
ゾクゥッ!! ズゴゴゴゴゴゴ……
147: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:54:05.47:6J84pd6zo (37/46)
名無し(……な、何だ……この気配……っ)
ズゴゴゴゴゴゴゴ……
名無し(振り向けねぇ……っ! 声も……出せないだとぉ!?)
ベルゼブブ「我が部下を悉く一撃か。大したものだな」
名無し「――――!?」
ベルゼブブ「そうだな、褒美をくれてやるとしようか」
キュイイイイィィィィ……
ベルゼブブ「この村に、大切な人間が居るのだろう?」
名無し「……め……ろっ」
ベルゼブブ「安心せよ。余は慈悲深いのだ」
イイイイィィィィ……
ベルゼブブ「村の人間は生かしてやる。代わりに、貴様の命を頂こう」
名無し「……んだよ」
グググッ
ベルゼブブ「ん?」
名無し(……な、何だ……この気配……っ)
ズゴゴゴゴゴゴゴ……
名無し(振り向けねぇ……っ! 声も……出せないだとぉ!?)
ベルゼブブ「我が部下を悉く一撃か。大したものだな」
名無し「――――!?」
ベルゼブブ「そうだな、褒美をくれてやるとしようか」
キュイイイイィィィィ……
ベルゼブブ「この村に、大切な人間が居るのだろう?」
名無し「……め……ろっ」
ベルゼブブ「安心せよ。余は慈悲深いのだ」
イイイイィィィィ……
ベルゼブブ「村の人間は生かしてやる。代わりに、貴様の命を頂こう」
名無し「……んだよ」
グググッ
ベルゼブブ「ん?」
148: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:55:06.81:6J84pd6zo (38/46)
名無し「な、んだよ……っ。そんな……安いモンで……いいんかよ」
ベルゼブブ「余と目を合わせて正常で居られるとは、大した精神力だな」
名無し「俺の命と引き換えに……アイツら助けて……くれるんだな……っ」
ベルゼブブ「二度も言わせるな。余は慈悲深いと申したであろう」
名無し「……そうか……良か――」
ブツッ
ベルゼブブ「……見えるか? これが貴様の心臓だ」
名無し「…………」
ベルゼブブ「美味とは思えぬが、確かに頂いたぞ」ゴクン
名無し「…………」
ベルゼブブ「では、メリークリスマス」フッ
名無し「……――」ザシャッ
しとっ しとしとしとっ
名無し「――――」
しとしとしとしと……
名無し「な、んだよ……っ。そんな……安いモンで……いいんかよ」
ベルゼブブ「余と目を合わせて正常で居られるとは、大した精神力だな」
名無し「俺の命と引き換えに……アイツら助けて……くれるんだな……っ」
ベルゼブブ「二度も言わせるな。余は慈悲深いと申したであろう」
名無し「……そうか……良か――」
ブツッ
ベルゼブブ「……見えるか? これが貴様の心臓だ」
名無し「…………」
ベルゼブブ「美味とは思えぬが、確かに頂いたぞ」ゴクン
名無し「…………」
ベルゼブブ「では、メリークリスマス」フッ
名無し「……――」ザシャッ
しとっ しとしとしとっ
名無し「――――」
しとしとしとしと……
149: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:56:01.82:6J84pd6zo (39/46)
……
少女「……遅いね……っ」
少年「……うん」
猫「にゃーん」
がたっ
少女「あっ! 猫ちゃん!?」
猫「にゃーん」かりかりかりっ
がちゃっ! ざっざっざっざっ……
少女「どうしよう!? 猫ちゃんが外に……っ」
少年「出ちゃダメだよっ!」
少女「だって……猫ちゃん……っ」
少年「……ちょっとだけ、ちょっとだけだよ!」
少女「うんっ!」
がばっ! たったったったったっ
少年「……猫ちゃーん」ひそひそ
……
少女「……遅いね……っ」
少年「……うん」
猫「にゃーん」
がたっ
少女「あっ! 猫ちゃん!?」
猫「にゃーん」かりかりかりっ
がちゃっ! ざっざっざっざっ……
少女「どうしよう!? 猫ちゃんが外に……っ」
少年「出ちゃダメだよっ!」
少女「だって……猫ちゃん……っ」
少年「……ちょっとだけ、ちょっとだけだよ!」
少女「うんっ!」
がばっ! たったったったったっ
少年「……猫ちゃーん」ひそひそ
150: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:57:01.21:6J84pd6zo (40/46)
ざっざっざっざっ…… ぴたっ
少年「……猫……ちゃん?」
猫「にゃーん」
少年「何か……倒れてる……」
少女「ねぇっ、猫ちゃんいた?」
少年「……お、おじ……さん?」
ざっ ざっ ざっ ざっ
少女「――――!!」
少年「ひっ、ひいいぃぃぃぃ!!」
どさっ ガタガタガタガタッ
猫「にゃああぁぁん」ぺろっ
少年「おじ……おじさ……血ぃ!!」
少女「おじさんっ!! おじさんっ!?」
名無し「――――」
しとしとしとしと……
ざっざっざっざっ…… ぴたっ
少年「……猫……ちゃん?」
猫「にゃーん」
少年「何か……倒れてる……」
少女「ねぇっ、猫ちゃんいた?」
少年「……お、おじ……さん?」
ざっ ざっ ざっ ざっ
少女「――――!!」
少年「ひっ、ひいいぃぃぃぃ!!」
どさっ ガタガタガタガタッ
猫「にゃああぁぁん」ぺろっ
少年「おじ……おじさ……血ぃ!!」
少女「おじさんっ!! おじさんっ!?」
名無し「――――」
しとしとしとしと……
151: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:58:03.24:6J84pd6zo (41/46)
……
少女「ひっ、ひぐっ! ひぐぅ!」
少年「…………っ」
ざっざっざっ
ワーカー「搬入、終わりやしたぜ」
雇い主「ご苦労さん」
ワーカー「いいぞっ、先に運び出せぇ!」
がらっ ごとごとごとっ……
少女「ひうっ、うっ……うぅっ!」
雇い主「大変だったね」
少年「……おじさん……がっ」
雇い主「残念だけどね。あのおじさんは、二人を守って死んだよ」
少女「うああああぁぁぁぁ!!」ぼろぼろぼろっ
少年「おじさんにっ、聞いて……欲しくてぇ……っ!」
雇い主「……さ、行こう」
……
少女「ひっ、ひぐっ! ひぐぅ!」
少年「…………っ」
ざっざっざっ
ワーカー「搬入、終わりやしたぜ」
雇い主「ご苦労さん」
ワーカー「いいぞっ、先に運び出せぇ!」
がらっ ごとごとごとっ……
少女「ひうっ、うっ……うぅっ!」
雇い主「大変だったね」
少年「……おじさん……がっ」
雇い主「残念だけどね。あのおじさんは、二人を守って死んだよ」
少女「うああああぁぁぁぁ!!」ぼろぼろぼろっ
少年「おじさんにっ、聞いて……欲しくてぇ……っ!」
雇い主「……さ、行こう」
152: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:58:53.98:6J84pd6zo (42/46)
少年「……っ?」
雇い主「今日からあんたら二人の面倒は、私が見るからさ」
少女「うああぁぁっ!! ひぐっ!! ひ……っく!!」
雇い主「お父さんは死んじまったけどさ、今日から私が二人の母親になる」
少女「うああああぁぁぁぁ!!」
少年「ひっぐううぅぅぅぅ……っ!」
雇い主「さ、だから行こう。なくのはもう終わり」
ざっざっざっ
ワーカー「魔王ベルゼブブの仕業かもしれん」
雇い主「!?」
ワーカー「心臓を抉り取られている。聖戦の際と一緒だ」ぼそぼそ
雇い主「……流石のホーリーナイトも、魔王には勝てない……か」
ワーカー「この村はもう放棄した方がいい。全員避難させるぞ」
少女「……うっく、うぅ……っ」
雇い主「……さ、馬車に乗っておくれ。この村を離れるよ」
少年「……っ?」
雇い主「今日からあんたら二人の面倒は、私が見るからさ」
少女「うああぁぁっ!! ひぐっ!! ひ……っく!!」
雇い主「お父さんは死んじまったけどさ、今日から私が二人の母親になる」
少女「うああああぁぁぁぁ!!」
少年「ひっぐううぅぅぅぅ……っ!」
雇い主「さ、だから行こう。なくのはもう終わり」
ざっざっざっ
ワーカー「魔王ベルゼブブの仕業かもしれん」
雇い主「!?」
ワーカー「心臓を抉り取られている。聖戦の際と一緒だ」ぼそぼそ
雇い主「……流石のホーリーナイトも、魔王には勝てない……か」
ワーカー「この村はもう放棄した方がいい。全員避難させるぞ」
少女「……うっく、うぅ……っ」
雇い主「……さ、馬車に乗っておくれ。この村を離れるよ」
153: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 20:59:57.37:6J84pd6zo (43/46)
……
ワーカー「他の村人も全員避難させた。あとはあんたらだけだ」
雇い主「ああ。すぐに行くよ」
少女「…………っ」
猫「にゃーん」ぺろぺろ
ざっざっざっ グサッ
雇い主「この十字架剣が、あいつの墓標代わりだ……」
少年「おじさんっ! 俺っ、絶対に……聞かせるからぁ!」
少女「……うっ、うぅーっ!」
少年「立派な吟遊詩人になって……聞かせるからあぁ!!」
少女「さ……よなら……っ、おじ……お父さああぁぁん!!」
雇い主「……また、降ってきちまったね」
空から舞う天使の羽の様な白い雪が、誰も居なくなった村の中央に刺さる、
十字架を模した剣の上へと、次々と、ゆっくりと、時間をかけて降り積もる。
そこはもう、今となっては、ただ一人を除いて知らぬ場所……。
……
ワーカー「他の村人も全員避難させた。あとはあんたらだけだ」
雇い主「ああ。すぐに行くよ」
少女「…………っ」
猫「にゃーん」ぺろぺろ
ざっざっざっ グサッ
雇い主「この十字架剣が、あいつの墓標代わりだ……」
少年「おじさんっ! 俺っ、絶対に……聞かせるからぁ!」
少女「……うっ、うぅーっ!」
少年「立派な吟遊詩人になって……聞かせるからあぁ!!」
少女「さ……よなら……っ、おじ……お父さああぁぁん!!」
雇い主「……また、降ってきちまったね」
空から舞う天使の羽の様な白い雪が、誰も居なくなった村の中央に刺さる、
十字架を模した剣の上へと、次々と、ゆっくりと、時間をかけて降り積もる。
そこはもう、今となっては、ただ一人を除いて知らぬ場所……。
154: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 21:00:51.81:6J84pd6zo (44/46)
……
しとしとしとしと……
詩人「……」
眼鏡「どうしたんだい? ぼーっとして」
詩人「この時期になるとね、ちょっと昔の事を思い出してね」
眼鏡「昔……数百年前かい?」
詩人「さぁ。どのくらい前だったかな」
眼鏡「今日はクリスマスか。みんな楽しそうじゃないか」
詩人「そうだね」
眼鏡「折角だ。何か聞かせておくれよ。、君の歌を」
詩人「……ああ。そうしよう」
~♪
眼鏡「……良い曲だね。何て曲だい?」
詩人「……ホーリーナイト、さ」
しとしとしとしと……
……
しとしとしとしと……
詩人「……」
眼鏡「どうしたんだい? ぼーっとして」
詩人「この時期になるとね、ちょっと昔の事を思い出してね」
眼鏡「昔……数百年前かい?」
詩人「さぁ。どのくらい前だったかな」
眼鏡「今日はクリスマスか。みんな楽しそうじゃないか」
詩人「そうだね」
眼鏡「折角だ。何か聞かせておくれよ。、君の歌を」
詩人「……ああ。そうしよう」
~♪
眼鏡「……良い曲だね。何て曲だい?」
詩人「……ホーリーナイト、さ」
しとしとしとしと……
155: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 21:01:51.54:6J84pd6zo (45/46)
……
ぱちっ
――「……ん? まーたあの変な夢か」
もぞもぞっ
――「何だってんだかなぁ。全く、胸lクソ悪い夢だぜホント……」
ぴくっ
――「……んっ、何だ?」
ザッ
――「人間か? 何でこんな所に人間が……まぁいい」
ブワッ
――「人間なら、俺と専属契約を結ばせよう。そうすりゃあ……」
バシュッ!!
――「人間界へ降りられる。あの変な夢も……分かるかもなっ!」
ドシュウウゥゥゥゥ!!
――「どーれ、どんなツラか……見てやるとすっかぁ!!」
……
ぱちっ
――「……ん? まーたあの変な夢か」
もぞもぞっ
――「何だってんだかなぁ。全く、胸lクソ悪い夢だぜホント……」
ぴくっ
――「……んっ、何だ?」
ザッ
――「人間か? 何でこんな所に人間が……まぁいい」
ブワッ
――「人間なら、俺と専属契約を結ばせよう。そうすりゃあ……」
バシュッ!!
――「人間界へ降りられる。あの変な夢も……分かるかもなっ!」
ドシュウウゥゥゥゥ!!
――「どーれ、どんなツラか……見てやるとすっかぁ!!」
156: ◆1otsuV0WFc:2011/12/25(日) 21:05:08.22:6J84pd6zo (46/46)
シュイイィィン
――「人間か?」
召喚士「!?」
ユニコーン「……失せろ。お前に用ではない」
――「……ケッ。この俺に偉そうな口を利くじゃあないか」
召喚士「あ、あの……」
ユニコーン「放っておけ。お前は早くクジャタの下へ……」
――「クジャタ?あぁ、契約でもしにいくのか?」
召喚士「……」
――「あんなヤツぁ放っておいて、俺と契約しねぇかい?」
ユニコーン「……」
――「魔力、腹いっぱい食わせてくれよ!」
ユニコーン「戯れが過ぎるぞ、ケツァルコアトル」
召喚士「……!?」
ケツァルコアトル「ウハハハハッ!!」
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 ~番外編、完~
シュイイィィン
――「人間か?」
召喚士「!?」
ユニコーン「……失せろ。お前に用ではない」
――「……ケッ。この俺に偉そうな口を利くじゃあないか」
召喚士「あ、あの……」
ユニコーン「放っておけ。お前は早くクジャタの下へ……」
――「クジャタ?あぁ、契約でもしにいくのか?」
召喚士「……」
――「あんなヤツぁ放っておいて、俺と契約しねぇかい?」
ユニコーン「……」
――「魔力、腹いっぱい食わせてくれよ!」
ユニコーン「戯れが過ぎるぞ、ケツァルコアトル」
召喚士「……!?」
ケツァルコアトル「ウハハハハッ!!」
召喚士「行けっ!コカトリス!!」 ~番外編、完~
157:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 21:09:08.67:G+c1UOrAO (1/1)
なんつーフラグを…
>>1乙!!
なんつーフラグを…
>>1乙!!
158:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 21:11:11.09:aX3JOZMDO (2/2)
>>1乙
また>>1が殺したと思ったら
クリスマスに向けてこんな伏線張っていたなんて…
>>1乙
また>>1が殺したと思ったら
クリスマスに向けてこんな伏線張っていたなんて…
159:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 21:14:14.02:Quhi09Aho (1/1)
>>1おつ
まさかここにつながるとは思わなかったな……
>>1おつ
まさかここにつながるとは思わなかったな……
160:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 21:21:44.70:8tjAoRsFo (1/1)
ケツアナルなんとかさんにそんな過去が…
ケツアナルなんとかさんにそんな過去が…
161:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 21:36:05.72:pPIoDdNno (1/1)
いちおつ
少年がのちの詩人?
つか、眼鏡さん久しぶりだ
いちおつ
少年がのちの詩人?
つか、眼鏡さん久しぶりだ
162:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 21:59:43.35:f0BgWmgro (1/1)
いい話かと思ったら想像以上に良い話だった
いい話かと思ったら想像以上に良い話だった
163:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 22:16:43.44:aRhT0rEco (1/1)
少女ちゃんはどうなったよおおおおお
少女ちゃんはどうなったよおおおおお
164:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 22:41:51.67:aHTkSMcs0 (1/1)
ケツアナルッココホルさん…
ケツアナルッココホルさん…
165:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/25(日) 23:43:51.06:0sCNCkBDO (1/1)
ケツアナルさん…(;_;)
ケツアナルさん…(;_;)
166:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 00:12:08.06:r80lJx9SO (1/1)
聖王、ベルゼ、村、詩人、けつぁる
どでかい伏線になったなもう最高
聖王、ベルゼ、村、詩人、けつぁる
どでかい伏線になったなもう最高
167:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 00:34:29.43:e+hMazYpo (1/1)
詩人って何歳。
詩人って何歳。
168:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 01:01:55.40:HWykzRbIo (1/2)
お前ら2年連続出演のデュラハンさんディスってんの?
去年は絶望的な恐ろしさで何とか相討ちで済んだのに
一年経ったらサイバイマン程度の扱いとかもうね…
お前ら2年連続出演のデュラハンさんディスってんの?
去年は絶望的な恐ろしさで何とか相討ちで済んだのに
一年経ったらサイバイマン程度の扱いとかもうね…
169:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 01:21:41.20:Am6T3J/ho (1/3)
だれもディスってねえじゃねえか
だれもディスってねえじゃねえか
170:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 01:22:21.61:Am6T3J/ho (2/3)
だれもディスってねえじゃねえか
だれもディスってねえじゃねえか
171:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 01:23:25.30:Am6T3J/ho (3/3)
なんか連投してたすまん
なんか連投してたすまん
172:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 01:34:58.19:zNq8vpyZ0 (1/1)
いちおつ
泣いた…少女は神話のままでしょ
いちおつ
泣いた…少女は神話のままでしょ
173:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 01:56:42.71:RNRAI/bAO (1/1)
>>1おつ
ケツァルコアトル調べたら平和の神で、人身犠牲に反対して都を追い出されたみたいな話があったが、話の中で人身売買に反対してる話入れたのはそういうことか
>>1おつ
ケツァルコアトル調べたら平和の神で、人身犠牲に反対して都を追い出されたみたいな話があったが、話の中で人身売買に反対してる話入れたのはそういうことか
174:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 05:54:28.44:72N7/2bAO (1/1)
ああ、聖なる夜(Holy Night)と聖騎士(Holy Knight)を掛けたのか。
ああ、聖なる夜(Holy Night)と聖騎士(Holy Knight)を掛けたのか。
175:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 07:17:35.73:WNO1wZ2DO (1/1)
>>1乙っす
もうケツ穴さんバカにできないな……
>>1乙っす
もうケツ穴さんバカにできないな……
176:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 08:01:43.59:u380vmkgo (1/1)
BUMPのKだな
BUMPのKだな
177:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 09:33:40.04:n3QyI6hso (1/1)
たしか前回の番外編もKが元ネタになってた話になってたよな
たしか前回の番外編もKが元ネタになってた話になってたよな
178:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 11:01:13.05:Xj5ao3mzo (1/1)
前回は郵便屋さんの話だったよな、あれも今回のも良かった!
最初、幼女とお父の過去編かとおもったら全然違ったwwwwww
>>1おつ
前回は郵便屋さんの話だったよな、あれも今回のも良かった!
最初、幼女とお父の過去編かとおもったら全然違ったwwwwww
>>1おつ
179:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 11:34:40.11:H3ONsoq7o (1/1)
誰か、ケツァルコアトルが白虎でコカトリスが朱雀であることに、都合の良い解釈つけてくれ。
どっちも蛇+鳥、で身体的特徴に差を感じないから違和感が…
誰か、ケツァルコアトルが白虎でコカトリスが朱雀であることに、都合の良い解釈つけてくれ。
どっちも蛇+鳥、で身体的特徴に差を感じないから違和感が…
180:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 12:35:05.79:xVanIDmt0 (1/1)
ケツ穴とクリトリスは全然違うだろ?
そういうことだ
ケツ穴とクリトリスは全然違うだろ?
そういうことだ
181:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 12:36:55.95:1mTPm72AO (1/1)
>>1乙
奇 才 現 る
>>1乙
奇 才 現 る
182:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 13:03:26.97:HWykzRbIo (2/2)
>>179
ケツ穴は羽が生えた蛇
コカは鳥の尻尾が蛇
ベースの違いなんじゃね?
まあ蛇ベースは青龍っぽい気もするけど
>>179
ケツ穴は羽が生えた蛇
コカは鳥の尻尾が蛇
ベースの違いなんじゃね?
まあ蛇ベースは青龍っぽい気もするけど
183:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 13:52:17.69:74S7MD1Go (1/1)
↓ここで>>1が颯爽登場
↓ここで>>1が颯爽登場
184:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 14:20:06.42:B6oKVN1Ro (1/1)
│ _、_
│ ヽ( ,_ノ`)ノ ヒャッホウ!!
│ へノ /
└──────────→ ω ノ
おらっしゃあぁぁ!!! >
│ _、_
│ ヽ( ,_ノ`)ノ ヒャッホウ!!
│ へノ /
└──────────→ ω ノ
おらっしゃあぁぁ!!! >
185:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 16:45:17.77:4n5CpkSDO (1/1)
>>1乙
ケツ穴祭に乗り遅れた
>>1乙
ケツ穴祭に乗り遅れた
186: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:54:19.69:PmV7ryl3o (1/24)
名代「召喚士殿」
召喚士「……はい」
神野「何の合図か知らんけどなぁ、束になろうが無駄な事やでぇ!!」
バシュッ!!
神野「使役する前に、死ねやコラ――」
召喚士「……スフィンクス」
ズアァッ!!
神野「……っにぃ~!?」
スフィンクス「ふいうち……地面からぱーんちっ!!」
バッゴオオォォォォン!!
神野「ゴハアアァァーッ!」
名代「「オン・バザラダトバン・オン・アミリタ・テイゼイカラウン・ノウボウ・
アカーシャキャリバヤ・オン・アリキャマリボリ・ソワカ・オン・
アラハシャノウ・オン・サンマヤ・サトバンオン・バザラ・タラマ・
キリク・オン・サンザンサク・ソワカ・ノウマクサマンダ・バザラダン・
センダマカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン!」
バシュウウゥゥゥゥ
名代「毘沙門天よっ、妖を滅するのだ!」
名代「召喚士殿」
召喚士「……はい」
神野「何の合図か知らんけどなぁ、束になろうが無駄な事やでぇ!!」
バシュッ!!
神野「使役する前に、死ねやコラ――」
召喚士「……スフィンクス」
ズアァッ!!
神野「……っにぃ~!?」
スフィンクス「ふいうち……地面からぱーんちっ!!」
バッゴオオォォォォン!!
神野「ゴハアアァァーッ!」
名代「「オン・バザラダトバン・オン・アミリタ・テイゼイカラウン・ノウボウ・
アカーシャキャリバヤ・オン・アリキャマリボリ・ソワカ・オン・
アラハシャノウ・オン・サンマヤ・サトバンオン・バザラ・タラマ・
キリク・オン・サンザンサク・ソワカ・ノウマクサマンダ・バザラダン・
センダマカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン!」
バシュウウゥゥゥゥ
名代「毘沙門天よっ、妖を滅するのだ!」
187:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 17:54:40.81:xZuLlhU30 (1/1)
詩人…
おいペニス、早くケツ穴さん結ばれろアッー
詩人…
おいペニス、早くケツ穴さん結ばれろアッー
188: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:54:49.56:PmV7ryl3o (2/24)
ドズウウゥゥゥゥン
スフィンクス「おぉーっ! かっこいい!」
毘沙門天は使役されるや否や、すぐさまスフィンクスの一撃により中に浮いた
神野悪五郎を勢いそのままに地面へと叩き落した。
神野「げ……っふうぅ!!」
ズドオオォォォォン!!
名代「……さて、無傷かそれとも」
召喚士「多少でもダメージを負ってくれていれば……いいんですけどね」
帝「……っ」
東方司令「上様」
帝「……?」
東方司令「上様はボクが斬りかかった直後の隙を」
帝「承知した」
ゴトッ パラパラパラッ
神野「……やるやんけ。人間共ォ」
名代「どうやら……無傷のようですね……っ」
ドズウウゥゥゥゥン
スフィンクス「おぉーっ! かっこいい!」
毘沙門天は使役されるや否や、すぐさまスフィンクスの一撃により中に浮いた
神野悪五郎を勢いそのままに地面へと叩き落した。
神野「げ……っふうぅ!!」
ズドオオォォォォン!!
名代「……さて、無傷かそれとも」
召喚士「多少でもダメージを負ってくれていれば……いいんですけどね」
帝「……っ」
東方司令「上様」
帝「……?」
東方司令「上様はボクが斬りかかった直後の隙を」
帝「承知した」
ゴトッ パラパラパラッ
神野「……やるやんけ。人間共ォ」
名代「どうやら……無傷のようですね……っ」
189: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:55:28.51:PmV7ryl3o (3/24)
神野「……かぁ~っ、ぺっ!」
ゴシゴシ
神野「人間の記憶っちゅーのは、面倒なもんやなぁ」
魔道士「……っ」
神野「強ければ強い程、痛みっちゅーモンを知っとる」
召喚士「強いから痛みを知っているんだ」
神野「そらおかしいやろ。強けりゃあ痛みを味わう必要ないっちゅー話や」
召喚士「人間だからさ」
神野「あん?」
召喚士「人間だから、己に対する痛み、他人を痛み、それを知っているんだ!」
神野「ますますよー分からんなぁ」ポリポリポリ
ドウッ!!
神野「もうええわっ! 殺す!」
召喚士「行けっ! コカトリ――」
神野「誰がまた、正面から突っ込むかっちゅーねん!」
召喚士「!?」
神野「……かぁ~っ、ぺっ!」
ゴシゴシ
神野「人間の記憶っちゅーのは、面倒なもんやなぁ」
魔道士「……っ」
神野「強ければ強い程、痛みっちゅーモンを知っとる」
召喚士「強いから痛みを知っているんだ」
神野「そらおかしいやろ。強けりゃあ痛みを味わう必要ないっちゅー話や」
召喚士「人間だからさ」
神野「あん?」
召喚士「人間だから、己に対する痛み、他人を痛み、それを知っているんだ!」
神野「ますますよー分からんなぁ」ポリポリポリ
ドウッ!!
神野「もうええわっ! 殺す!」
召喚士「行けっ! コカトリ――」
神野「誰がまた、正面から突っ込むかっちゅーねん!」
召喚士「!?」
190: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:56:12.68:PmV7ryl3o (4/24)
名代「側面には回りこませぬ!」
神野「そやろなぁ」
魔道士「召喚士さんっ!!」
召喚士「背後っ!? 早い――」
神野「なかなかいい媒介や。かつてない速さやで……」
東方司令「だが、その腕前は東方じゃあ2番目だ」
神野「――ッ!?」
ザシュッ!! ビュオッ!! ブンッ!!
神野「こ……んのっ」
東方司令「悪いけど、こっちは常日頃から巨大な剣を振り回してるんだ」
神野「……くっ……ぬぅ!」
東方司令「接近戦なら……慣れてる」
ザシュウウゥゥゥゥ
神野「わいが二番やとぉ!? なら、東方一は誰や!!」
東方司令「後ろ」
神野「……あん?」
名代「側面には回りこませぬ!」
神野「そやろなぁ」
魔道士「召喚士さんっ!!」
召喚士「背後っ!? 早い――」
神野「なかなかいい媒介や。かつてない速さやで……」
東方司令「だが、その腕前は東方じゃあ2番目だ」
神野「――ッ!?」
ザシュッ!! ビュオッ!! ブンッ!!
神野「こ……んのっ」
東方司令「悪いけど、こっちは常日頃から巨大な剣を振り回してるんだ」
神野「……くっ……ぬぅ!」
東方司令「接近戦なら……慣れてる」
ザシュウウゥゥゥゥ
神野「わいが二番やとぉ!? なら、東方一は誰や!!」
東方司令「後ろ」
神野「……あん?」
191: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:56:42.97:PmV7ryl3o (5/24)
ビュオッ
帝「やあぁっ!!」
神野「な……っ!?」
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
帝「かわされた……!?」
東方司令「いや、当たりました。お見事」
ズザザザアアァァ
神野「……ククッ、右手掠めただけやないかい」
スグッ
神野「……?」
召喚士「様子がおかしい……っ」
神野「……貴様ッ、何やその刀はぁ!!」
帝「……」
神野「答えんかいダボッ! その刀……何をしたぁ!」
魔道士「ど、どうしたんでしょうか……?」
名代「分かりません。上様の……天叢雲剣を嫌っているようにみえますね」
ビュオッ
帝「やあぁっ!!」
神野「な……っ!?」
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
帝「かわされた……!?」
東方司令「いや、当たりました。お見事」
ズザザザアアァァ
神野「……ククッ、右手掠めただけやないかい」
スグッ
神野「……?」
召喚士「様子がおかしい……っ」
神野「……貴様ッ、何やその刀はぁ!!」
帝「……」
神野「答えんかいダボッ! その刀……何をしたぁ!」
魔道士「ど、どうしたんでしょうか……?」
名代「分かりません。上様の……天叢雲剣を嫌っているようにみえますね」
192: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:57:09.91:PmV7ryl3o (6/24)
ズググッ
神野「やってくれるやないかい……人間ッ!」
召喚士「ダメージが、ダメージを与えているのか!?」
魔道士「上様の剣が……っ」
名代「天叢雲剣に、何か秘密が……?」
神野「再生出来んだけの話や。力が衰えたわけやない」
東方司令「それはア安心した。思いの外、大した事ないから終わりかと思った」
神野「……」ピキッ
ドウッ!!
神野「調子ぃ乗んなやボケェーッ!!」
東方司令「むっ」
ガキイイィィィィ
神野「ハハッ、力はわいのが上やなぁ……!!」
東方司令「手加減してやっいれば、調子に乗るな」
神野「アァ!?」
東方司令「そんな一撃を振り下ろしたら、側面がガラ空きだぞ?」
ズググッ
神野「やってくれるやないかい……人間ッ!」
召喚士「ダメージが、ダメージを与えているのか!?」
魔道士「上様の剣が……っ」
名代「天叢雲剣に、何か秘密が……?」
神野「再生出来んだけの話や。力が衰えたわけやない」
東方司令「それはア安心した。思いの外、大した事ないから終わりかと思った」
神野「……」ピキッ
ドウッ!!
神野「調子ぃ乗んなやボケェーッ!!」
東方司令「むっ」
ガキイイィィィィ
神野「ハハッ、力はわいのが上やなぁ……!!」
東方司令「手加減してやっいれば、調子に乗るな」
神野「アァ!?」
東方司令「そんな一撃を振り下ろしたら、側面がガラ空きだぞ?」
193: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:58:01.46:PmV7ryl3o (7/24)
ズザァ
帝「はぁっ!!」
神野「――!?」
ザシュウウゥゥゥゥ
帝「また避けたか……っ」
東方司令「逃げ足は速いね。ボクよりは」
ジャッ
神野「……はぁ」
帝「……」
神野「二人も同時に相手するのは敵わんわぁ。止めや、止め」クルッ
東方司令「それがいいだろうな。どうせ勝てないんだし」
神野「はいはい。ほな、さいなら」ザッザッザッ
東方司令「……さ、上様。ボクらも引き揚げましょう」
神野「んなワケあるかボケエエェェ!!」グアッ
スフィンクス「じゃんじゃじゃーん!!」
神野「何ィーッ!?」
ズザァ
帝「はぁっ!!」
神野「――!?」
ザシュウウゥゥゥゥ
帝「また避けたか……っ」
東方司令「逃げ足は速いね。ボクよりは」
ジャッ
神野「……はぁ」
帝「……」
神野「二人も同時に相手するのは敵わんわぁ。止めや、止め」クルッ
東方司令「それがいいだろうな。どうせ勝てないんだし」
神野「はいはい。ほな、さいなら」ザッザッザッ
東方司令「……さ、上様。ボクらも引き揚げましょう」
神野「んなワケあるかボケエエェェ!!」グアッ
スフィンクス「じゃんじゃじゃーん!!」
神野「何ィーッ!?」
194: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:58:27.45:PmV7ryl3o (8/24)
バッゴオオォォォォン!!
神野「ぐく……っ」
ドンッ
神野「は……っ!!」
コカトリス「この数相手に……」
ワイバーン「勝てるとでも……」
スキュラ「思っているのか?」
グリフォン「もし思っているのなら……」
ペガサス「バーカバーカ!!」
ブリュンヒルデ「ですわよ」
毘沙門天「…………」
召喚士「全員……突撃ぃーっ!!」
名代「一気に攻め立てよっ!」」
神野「ぬ……う……がああぁぁーっ!!」
ズガガガガッ!! ドドドドッ!! ズッガオオォォォォン!!
召喚士「……これで、どうだっ」
バッゴオオォォォォン!!
神野「ぐく……っ」
ドンッ
神野「は……っ!!」
コカトリス「この数相手に……」
ワイバーン「勝てるとでも……」
スキュラ「思っているのか?」
グリフォン「もし思っているのなら……」
ペガサス「バーカバーカ!!」
ブリュンヒルデ「ですわよ」
毘沙門天「…………」
召喚士「全員……突撃ぃーっ!!」
名代「一気に攻め立てよっ!」」
神野「ぬ……う……がああぁぁーっ!!」
ズガガガガッ!! ドドドドッ!! ズッガオオォォォォン!!
召喚士「……これで、どうだっ」
195: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:59:01.98:PmV7ryl3o (9/24)
シュウウゥゥゥゥ
魔道士「……っ」
ゴトッ ザシャッ
名代「無傷……っ」
召喚士「いや、見た目だけであって、魔力は消費しているはずです」
神野「あーしんど。なんやねんこの数。それに……」コキコキッ
帝「……」
神野「その刀、厄介やなぁ。何を施してんねん」
帝「何もしてはおらぬ」
神野「んなわけあるかいっ。ほな何でわいが元通りにならへんねん」
名代「知った事ではない。それに答える義務も無い」
神野「はいはい。もうええわ」
召喚士「くっ」ジャリッ
神野「もうええ言うとるやろが!!」ビリビリビリッ!!
帝「……っ」
召喚士「ど、どういう……」
シュウウゥゥゥゥ
魔道士「……っ」
ゴトッ ザシャッ
名代「無傷……っ」
召喚士「いや、見た目だけであって、魔力は消費しているはずです」
神野「あーしんど。なんやねんこの数。それに……」コキコキッ
帝「……」
神野「その刀、厄介やなぁ。何を施してんねん」
帝「何もしてはおらぬ」
神野「んなわけあるかいっ。ほな何でわいが元通りにならへんねん」
名代「知った事ではない。それに答える義務も無い」
神野「はいはい。もうええわ」
召喚士「くっ」ジャリッ
神野「もうええ言うとるやろが!!」ビリビリビリッ!!
帝「……っ」
召喚士「ど、どういう……」
196: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 17:59:43.33:PmV7ryl3o (10/24)
神野「まとめて相手したる。本気でな」
東方司令「本気? じゃあ何か? 今まで手を抜いていたとでも?」
神野「それ以前の問題や。わいですらない」
東方司令「……は?」
神野「わいの……神野悪五郎の本体……見せたるわ!!」
ズゴゴゴゴゴゴゴッ
東方司令「な……っ!!」
名代「ま、まさか……こんな……っ」
ゴゴゴゴゴゴ!! シュウウゥゥゥゥ
魔道士「……?」
帝「……あまり……変わったようには見えぬな」
魔道士「ええ……っ」
後方に控える帝と魔道士がそう発した時には、前方の3人が動き始めていた。
それは神野悪五郎に対する戦闘行為ではなく、逃亡の為の動作であった。
神野「……」
正面で5人を見つめる、冠装束姿の高貴な風貌をした青白い人間が、にたりと笑った。
神野「まとめて相手したる。本気でな」
東方司令「本気? じゃあ何か? 今まで手を抜いていたとでも?」
神野「それ以前の問題や。わいですらない」
東方司令「……は?」
神野「わいの……神野悪五郎の本体……見せたるわ!!」
ズゴゴゴゴゴゴゴッ
東方司令「な……っ!!」
名代「ま、まさか……こんな……っ」
ゴゴゴゴゴゴ!! シュウウゥゥゥゥ
魔道士「……?」
帝「……あまり……変わったようには見えぬな」
魔道士「ええ……っ」
後方に控える帝と魔道士がそう発した時には、前方の3人が動き始めていた。
それは神野悪五郎に対する戦闘行為ではなく、逃亡の為の動作であった。
神野「……」
正面で5人を見つめる、冠装束姿の高貴な風貌をした青白い人間が、にたりと笑った。
197: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:00:23.07:PmV7ryl3o (11/24)
名代「召喚士殿ぉ!!」
召喚士「はいっ!!」
このやりとりは神野悪五郎と初めて召喚獣、式神を会わせた際にも発した合図。
この合図は何も互いのタイミングを合わせるといった類のものではない。
言わば意思の疎通。両者の思惑は合致し、即ち、退却路を作る為の確認である。
召喚士「スフィンクス!!」
名代「毘沙門天っ、雪女!」
ゴウッ!! バッシュウウゥゥゥゥ
神野「……はっ」
ボンッ!!
名代「!?」
神野「ははっ……ははははっ、ハーッハッハッハッハ!!」
ボンッ!! バッシュウウゥゥゥゥ
魔道士「し、召喚獣が……次々と……っ」
神野「ハーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」
大声で笑う妖、神野悪五郎は、周囲に近づく召喚獣を刹那の内に次々と葬ってみせた。
名代「召喚士殿ぉ!!」
召喚士「はいっ!!」
このやりとりは神野悪五郎と初めて召喚獣、式神を会わせた際にも発した合図。
この合図は何も互いのタイミングを合わせるといった類のものではない。
言わば意思の疎通。両者の思惑は合致し、即ち、退却路を作る為の確認である。
召喚士「スフィンクス!!」
名代「毘沙門天っ、雪女!」
ゴウッ!! バッシュウウゥゥゥゥ
神野「……はっ」
ボンッ!!
名代「!?」
神野「ははっ……ははははっ、ハーッハッハッハッハ!!」
ボンッ!! バッシュウウゥゥゥゥ
魔道士「し、召喚獣が……次々と……っ」
神野「ハーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」
大声で笑う妖、神野悪五郎は、周囲に近づく召喚獣を刹那の内に次々と葬ってみせた。
198: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:01:02.37:PmV7ryl3o (12/24)
召喚士「がは……っ」ガクンッ
魔道士「召喚士さんっ!?」
名代「は、早すぎて……何をしているのかさえ見えぬ……っ」
神野「ハーッハッハッハッハッハ……」ピタッ
帝「く……っ」
神野「分かったか? わいの本当の力」
東方司令「……ハッタリなんかじゃなかったわけだね……っ」
神野「分かって貰えたんなら、ええよ」スーッ
魔道士「くうっ!」
神野「動くな」ピタッ
魔道士「……っ」
神野「それとも、先に殺して欲しいんか?」
東方司令「でりゃあぁーっ!!」ビュオッ
神野「おっそ……」ヒュンッ
東方司令「――っ!?」
神野「寝とれ」
召喚士「がは……っ」ガクンッ
魔道士「召喚士さんっ!?」
名代「は、早すぎて……何をしているのかさえ見えぬ……っ」
神野「ハーッハッハッハッハッハ……」ピタッ
帝「く……っ」
神野「分かったか? わいの本当の力」
東方司令「……ハッタリなんかじゃなかったわけだね……っ」
神野「分かって貰えたんなら、ええよ」スーッ
魔道士「くうっ!」
神野「動くな」ピタッ
魔道士「……っ」
神野「それとも、先に殺して欲しいんか?」
東方司令「でりゃあぁーっ!!」ビュオッ
神野「おっそ……」ヒュンッ
東方司令「――っ!?」
神野「寝とれ」
199: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:01:48.87:PmV7ryl3o (13/24)
バギャッ!! ズシャアアァァァァ
東方司令「か……かは……っ」ドサッ
帝「東方司令――っ!」
神野「殺してない。殺したら……おもろないもんなぁ」
帝「貴様ぁーっ!!」
名代「毘沙門天!」ゴウッ
帝「!?」
名代「上様っ、退却します」
帝「何!?」
魔道士「召喚士さんっ、立てますか!?」
召喚士「な、何とか……っ」
名代「東方司令殿は私が」グイッ
神野「毘沙門天か……大層なモン使役しよって」
毘沙門天「……」
グググッ ググッ
名代「うまく押さえ込んでいるな。今のうちに退きましょう」
バギャッ!! ズシャアアァァァァ
東方司令「か……かは……っ」ドサッ
帝「東方司令――っ!」
神野「殺してない。殺したら……おもろないもんなぁ」
帝「貴様ぁーっ!!」
名代「毘沙門天!」ゴウッ
帝「!?」
名代「上様っ、退却します」
帝「何!?」
魔道士「召喚士さんっ、立てますか!?」
召喚士「な、何とか……っ」
名代「東方司令殿は私が」グイッ
神野「毘沙門天か……大層なモン使役しよって」
毘沙門天「……」
グググッ ググッ
名代「うまく押さえ込んでいるな。今のうちに退きましょう」
200: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:02:26.84:PmV7ryl3o (14/24)
タタッ
神野「逃がさへんでぇ!!」
毘沙門天「……」ズンッ
神野「邪魔すんなやああぁぁ!!」
バギャッ!! ドゴオオォォォォ!!
魔道士「突破されましたっ!」
召喚士「とにかく、馬の所まで……急ぎましょう!」
神野「ハーッハッハッハッハッハッハッハ!! 待てやコラァ!!」
名代「このままでは間に合わないか……っ」
召喚士「……っ」
ザッ
魔道士「召喚士さん!?」
神野「諦めたかぁーっ!?」
召喚士「行けっ、クジャタ!!」
シュイイィィィィン ドッズウウゥゥゥゥン
神野「!?」
タタッ
神野「逃がさへんでぇ!!」
毘沙門天「……」ズンッ
神野「邪魔すんなやああぁぁ!!」
バギャッ!! ドゴオオォォォォ!!
魔道士「突破されましたっ!」
召喚士「とにかく、馬の所まで……急ぎましょう!」
神野「ハーッハッハッハッハッハッハッハ!! 待てやコラァ!!」
名代「このままでは間に合わないか……っ」
召喚士「……っ」
ザッ
魔道士「召喚士さん!?」
神野「諦めたかぁーっ!?」
召喚士「行けっ、クジャタ!!」
シュイイィィィィン ドッズウウゥゥゥゥン
神野「!?」
201: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:02:58.12:PmV7ryl3o (15/24)
クジャタ「……ゴオオォォォォ!!」
バヒュウウゥゥゥゥ!! ドッドオオォォォォ!!
神野「な、なん……竜巻ィ!?」
召喚士「今のうちにっ」
タタッ ザザザザッ
帝「見えたぞっ」
名代「このまま結界まで、一気に駆け抜けましょう!」
東方司令「ぐ……くっ」
帝「大丈夫か!?」
東方司令「このボクが……まさか一撃で倒れるとは……っ」
グイッ ドドッドドッドドッ……
神野「ガアアアアァァァァ!!」
バシュウウゥゥゥゥ!!
クジャタ「……」
神野「何やお前ェ! 見ない顔やな――」
フッ
クジャタ「……ゴオオォォォォ!!」
バヒュウウゥゥゥゥ!! ドッドオオォォォォ!!
神野「な、なん……竜巻ィ!?」
召喚士「今のうちにっ」
タタッ ザザザザッ
帝「見えたぞっ」
名代「このまま結界まで、一気に駆け抜けましょう!」
東方司令「ぐ……くっ」
帝「大丈夫か!?」
東方司令「このボクが……まさか一撃で倒れるとは……っ」
グイッ ドドッドドッドドッ……
神野「ガアアアアァァァァ!!」
バシュウウゥゥゥゥ!!
クジャタ「……」
神野「何やお前ェ! 見ない顔やな――」
フッ
202: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:03:33.01:PmV7ryl3o (16/24)
神野「……」ピキキッ
ドドッドドッドドッ……
召喚士「召喚解除しました。これで足止めはなくなった……」
名代「では次なる手を打ちましょうか」
帝「どうするつもりだ?」
名代「……」ポイッ
バシュウウゥゥ
座敷「……?」
名代「召喚士殿、合図と同時に座敷を消して下さい」
召喚士「……?」
名代「私が奴の足を止めます」
グイッ ドドッドドッドドッ
魔道士「名代さんっ!?」
召喚士「そうかっ、座敷の能力は使役した者との場所を入れ替える事……っ」
帝「しかし、危うすぎやしないか?」
召喚士「ええ。タイミングを間違えば名代さんが……」
神野「……」ピキキッ
ドドッドドッドドッ……
召喚士「召喚解除しました。これで足止めはなくなった……」
名代「では次なる手を打ちましょうか」
帝「どうするつもりだ?」
名代「……」ポイッ
バシュウウゥゥ
座敷「……?」
名代「召喚士殿、合図と同時に座敷を消して下さい」
召喚士「……?」
名代「私が奴の足を止めます」
グイッ ドドッドドッドドッ
魔道士「名代さんっ!?」
召喚士「そうかっ、座敷の能力は使役した者との場所を入れ替える事……っ」
帝「しかし、危うすぎやしないか?」
召喚士「ええ。タイミングを間違えば名代さんが……」
203: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:04:08.22:PmV7ryl3o (17/24)
東方司令「ボ、ボクが斬る……」
召喚士「……大丈夫ですか?」
東方司令「迷惑をかけたからな。それに、命ある限り……剣はまだ振るえる!」
ドドッドドッドドッ……
名代「……むっ」
神野「見つけたでぇ! あんさん一人かいっ、ツイとらんなぁー!!」
名代「それは貴様の方かもしれぬぞっ」
神野「大層な自信やないかいっ!」
名代「さぁ、追いつけるかな?」
神野「……さっきまでの速さと……思うなよぉ!!」
ドウッ!!
名代「――っ!?」
神野「死ねええぇぇ!!」
ザッシュウウゥゥゥゥッ!!
神野「……?」
ボンッ
東方司令「ボ、ボクが斬る……」
召喚士「……大丈夫ですか?」
東方司令「迷惑をかけたからな。それに、命ある限り……剣はまだ振るえる!」
ドドッドドッドドッ……
名代「……むっ」
神野「見つけたでぇ! あんさん一人かいっ、ツイとらんなぁー!!」
名代「それは貴様の方かもしれぬぞっ」
神野「大層な自信やないかいっ!」
名代「さぁ、追いつけるかな?」
神野「……さっきまでの速さと……思うなよぉ!!」
ドウッ!!
名代「――っ!?」
神野「死ねええぇぇ!!」
ザッシュウウゥゥゥゥッ!!
神野「……?」
ボンッ
204: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:05:13.80:PmV7ryl3o (18/24)
座敷「……むぅー」
バシュッ ヒラヒラヒラッ
神野「……ブッ殺す!!」
ドドッドドッドドッ……
名代「……ふーっ。うまくいきましたね。お見事です」
召喚士「結界の推定位置まで……えっと、あと少しですね」
魔道士「このまま逃げ切れればいいんですけど……」
ピクッ
召喚士「……っ!?」
東方司令「バ、バカな……っ!!」
ヒュオオォォォォ
神野「ええ加減にせぇよコラァ!!」
帝「追いつかれるぞ!」
召喚士「……仕方ない」
魔道士「待って!」
召喚士「!?」
座敷「……むぅー」
バシュッ ヒラヒラヒラッ
神野「……ブッ殺す!!」
ドドッドドッドドッ……
名代「……ふーっ。うまくいきましたね。お見事です」
召喚士「結界の推定位置まで……えっと、あと少しですね」
魔道士「このまま逃げ切れればいいんですけど……」
ピクッ
召喚士「……っ!?」
東方司令「バ、バカな……っ!!」
ヒュオオォォォォ
神野「ええ加減にせぇよコラァ!!」
帝「追いつかれるぞ!」
召喚士「……仕方ない」
魔道士「待って!」
召喚士「!?」
205: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:06:20.72:PmV7ryl3o (19/24)
魔道士「私が……やりますっ!」
召喚士「魔道士さんっ!?」
魔道士「……はあぁ」
ゴゴゴゴゴゴ……
神野「あん……? 何やこの感――」
ドッドオオォォォォン!! バゴゴゴゴオオォォォォ!!
神野「んな――ッ!!」
帝「じ、地面が捲り上がって……」
魔道士「まだまだぁーっ!!」
神野「じゃかあしぃ!! こんなん飛べば――」
ドッドオオォォォォン!! ゴアオオオオォォォォ!!
神野「ぐぶおおぉぉ!!」
東方司令「今度は突風……というか、風の壁だなもはや」
神野「んな……子供騙しでええぇぇ!!」
ジャキッ バシュウウゥゥゥゥ
召喚士「な、何だっ!?」
魔道士「私が……やりますっ!」
召喚士「魔道士さんっ!?」
魔道士「……はあぁ」
ゴゴゴゴゴゴ……
神野「あん……? 何やこの感――」
ドッドオオォォォォン!! バゴゴゴゴオオォォォォ!!
神野「んな――ッ!!」
帝「じ、地面が捲り上がって……」
魔道士「まだまだぁーっ!!」
神野「じゃかあしぃ!! こんなん飛べば――」
ドッドオオォォォォン!! ゴアオオオオォォォォ!!
神野「ぐぶおおぉぉ!!」
東方司令「今度は突風……というか、風の壁だなもはや」
神野「んな……子供騙しでええぇぇ!!」
ジャキッ バシュウウゥゥゥゥ
召喚士「な、何だっ!?」
206: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:06:53.05:PmV7ryl3o (20/24)
名代「風が……吸収されていますよっ!?」
東方司令「あの刀だ! 刀が魔法を吸い取っている……っ!」
神野「妖刀……ナメんなやぁ!!」
魔道士「くぅーっ!」
神野「ハーッハッハッハッハッハッハ!! さぁさぁっ、万事休すや!!」
帝「こうなっては最早、戦うしかないな」
名代「……いえっ」
帝「……?」
召喚士「俺達の勝ちです。ひとまずは……ですけど」
帝「何……?」
神野「ヌッ……ガアアアアァァァァ!!」
ドドドッドドドッドドドッ……
神野「――――ッ」
ビタァッ!!
神野「……結界の事、知ってたんやなぁ」
召喚士「……残念だけどね」
名代「風が……吸収されていますよっ!?」
東方司令「あの刀だ! 刀が魔法を吸い取っている……っ!」
神野「妖刀……ナメんなやぁ!!」
魔道士「くぅーっ!」
神野「ハーッハッハッハッハッハッハ!! さぁさぁっ、万事休すや!!」
帝「こうなっては最早、戦うしかないな」
名代「……いえっ」
帝「……?」
召喚士「俺達の勝ちです。ひとまずは……ですけど」
帝「何……?」
神野「ヌッ……ガアアアアァァァァ!!」
ドドドッドドドッドドドッ……
神野「――――ッ」
ビタァッ!!
神野「……結界の事、知ってたんやなぁ」
召喚士「……残念だけどね」
207: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:08:21.64:PmV7ryl3o (21/24)
バチバチバチィッ!!
神野「本体で触れる事が出来る位まで弱まっとる」
名代「……」
神野「お前ら人間が龍脈消してくれたお陰や。感謝するで」
魔道士「……っ」
神野「ほな、今日はここまでや。次は逃がさへんでぇ……覚悟しときやッ!!」
バシュッ……ドウッ!!
東方司令「……消えた、か」
帝「何とか、生き長らえたな」
召喚士「敵の力量も分かりましたしね」
名代「ええ。一先ずは、かろうじてですが、予定通りかと」
東方司令「なるほど」
魔道士「……?」
東方司令「上様をこんな危険な前線に引っ張り出して、どうするつもりかと思っていたが……」
帝「予めこの結果を利用する上での作戦だったわけだな」
召喚士「そうでなくば、一国の主を危険な目になんて遭わせられませんよ……」
バチバチバチィッ!!
神野「本体で触れる事が出来る位まで弱まっとる」
名代「……」
神野「お前ら人間が龍脈消してくれたお陰や。感謝するで」
魔道士「……っ」
神野「ほな、今日はここまでや。次は逃がさへんでぇ……覚悟しときやッ!!」
バシュッ……ドウッ!!
東方司令「……消えた、か」
帝「何とか、生き長らえたな」
召喚士「敵の力量も分かりましたしね」
名代「ええ。一先ずは、かろうじてですが、予定通りかと」
東方司令「なるほど」
魔道士「……?」
東方司令「上様をこんな危険な前線に引っ張り出して、どうするつもりかと思っていたが……」
帝「予めこの結果を利用する上での作戦だったわけだな」
召喚士「そうでなくば、一国の主を危険な目になんて遭わせられませんよ……」
208: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:08:56.59:PmV7ryl3o (22/24)
…
魔道士「野宿ですかぁ!?」
東方司令「仕方ないだろう。仕掛けてしまった今、奴を野放しには出来ん」
名代「左様。我ら以外が西へ立ち入る可能性もありますから」
召喚士「見張りも兼ねて、と言う事ですね」
魔道士「……そうですよね……はぁ」
名代「申し訳御座いません。我らはともかく、女子にこのような仕打ちを……」
帝「構わぬ。一度戦場へ赴けば、泥に塗れ、血と汗を流しながら生きるものだ」
魔道士「……そ、その通りです!」
東方司令「おい」
召喚士「ではひとまず、西に拓けた辺りでテントを……」
ピクッ
召喚士「!?」
東方司令「どうした……?」
召喚士「いやっ、気配が……でも魔物じゃない――」
ガサガサッ
…
魔道士「野宿ですかぁ!?」
東方司令「仕方ないだろう。仕掛けてしまった今、奴を野放しには出来ん」
名代「左様。我ら以外が西へ立ち入る可能性もありますから」
召喚士「見張りも兼ねて、と言う事ですね」
魔道士「……そうですよね……はぁ」
名代「申し訳御座いません。我らはともかく、女子にこのような仕打ちを……」
帝「構わぬ。一度戦場へ赴けば、泥に塗れ、血と汗を流しながら生きるものだ」
魔道士「……そ、その通りです!」
東方司令「おい」
召喚士「ではひとまず、西に拓けた辺りでテントを……」
ピクッ
召喚士「!?」
東方司令「どうした……?」
召喚士「いやっ、気配が……でも魔物じゃない――」
ガサガサッ
209: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 18:10:00.13:PmV7ryl3o (23/24)
魔道士「きゃああぁぁ!!」
ザッ
女侍「……ん?」
召喚士「あ……っ」
魔道士「えっ?」
サル「おぉっ! いたいたっ!」
召喚士「女侍さんっ!!」
女侍「……あんたら、神野悪五郎と戦うんだって?」
召喚士「てかもう戦ってきました」
女侍「まさか倒したのかいっ!?」
帝「いや、倒すには至っておらぬ」
女侍「……あ、あんたぁ……まさか」
名代「……この御方はな」
帝「名代、隠さずとも良い」
女侍「やっぱり……っ」ザザッ
サル「お、おいおい……っ、急にかしこまってどうしたんだよっ?」
魔道士「きゃああぁぁ!!」
ザッ
女侍「……ん?」
召喚士「あ……っ」
魔道士「えっ?」
サル「おぉっ! いたいたっ!」
召喚士「女侍さんっ!!」
女侍「……あんたら、神野悪五郎と戦うんだって?」
召喚士「てかもう戦ってきました」
女侍「まさか倒したのかいっ!?」
帝「いや、倒すには至っておらぬ」
女侍「……あ、あんたぁ……まさか」
名代「……この御方はな」
帝「名代、隠さずとも良い」
女侍「やっぱり……っ」ザザッ
サル「お、おいおい……っ、急にかしこまってどうしたんだよっ?」
210:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 18:12:29.30:PmV7ryl3o (24/24)
とりあえずここまでにて!また後で来ますです!
番外編の感想&ご支援ありがとうございます!
ここからは伏線を消化しきれるかの勝負っ!それではまた後ほど!ノシ
とりあえずここまでにて!また後で来ますです!
番外編の感想&ご支援ありがとうございます!
ここからは伏線を消化しきれるかの勝負っ!それではまた後ほど!ノシ
211:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 19:31:51.35:NyDB6qeDO (1/1)
乙アナルコアトル
乙アナルコアトル
212:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/26(月) 20:42:54.23:1hqHhoZf0 (1/1)
いちおつ
天叢雲剣は三種の神器か
いちおつ
天叢雲剣は三種の神器か
213: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 23:41:15.22:H6KRvBdvo (1/8)
…
サル「上様ああぁぁぁぁ!?」
イヌ「上様って、東方で一番偉い人ね?」
キジ「まさか女で……こんなに美人だとは驚いたさー!」
魔道士「図が高いですよっ、なーんて」
帝「こらこら、やめぬか」
女侍「しかし、上様まで参戦とは……よっぽど人手不足みたいだねぇ」
召喚士「……否定は出来ません」
女侍「おや? ところで残りの2人と国軍の連中はどうしたのさ?」
召喚士「魔王マーラ討伐へ向かいました」
女侍「別行動かい」
サル「てか、同時撃破なのかよっ!?」
名代「事情はややこしいが、そういう事になります」
召喚士「女侍さん。話は戦士から聞きました」
女侍「んー?」
召喚士「そうか、力を貸して貰えませんでしょうか……っ」
…
サル「上様ああぁぁぁぁ!?」
イヌ「上様って、東方で一番偉い人ね?」
キジ「まさか女で……こんなに美人だとは驚いたさー!」
魔道士「図が高いですよっ、なーんて」
帝「こらこら、やめぬか」
女侍「しかし、上様まで参戦とは……よっぽど人手不足みたいだねぇ」
召喚士「……否定は出来ません」
女侍「おや? ところで残りの2人と国軍の連中はどうしたのさ?」
召喚士「魔王マーラ討伐へ向かいました」
女侍「別行動かい」
サル「てか、同時撃破なのかよっ!?」
名代「事情はややこしいが、そういう事になります」
召喚士「女侍さん。話は戦士から聞きました」
女侍「んー?」
召喚士「そうか、力を貸して貰えませんでしょうか……っ」
214: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 23:41:45.38:H6KRvBdvo (2/8)
女侍「……」
魔道士「皆さんの力があれば、頼もしい限りですっ!」
サル「……だってさ」
女侍「全く、仕方ないねぇ~。嫌だけど、とても断れる状況じゃあないねこりゃ」
イヌ「最初から手伝うつもりだったのに、何言ってるね?」
女侍「五月蝿いねお前はっ!!」
テクテクテク
東方司令「……ん?」
キジ「!?」
サル「国軍……っ!」
東方司令「ん? 何だお前ら?」
サル「い、いやっ! 何でもねぇっ!」
キジ「コイツ、知らないみたいさー」
イヌ「じゃあ気にする事ないね」
東方司令「……?」
召喚士「はっ、ははは……」
女侍「……」
魔道士「皆さんの力があれば、頼もしい限りですっ!」
サル「……だってさ」
女侍「全く、仕方ないねぇ~。嫌だけど、とても断れる状況じゃあないねこりゃ」
イヌ「最初から手伝うつもりだったのに、何言ってるね?」
女侍「五月蝿いねお前はっ!!」
テクテクテク
東方司令「……ん?」
キジ「!?」
サル「国軍……っ!」
東方司令「ん? 何だお前ら?」
サル「い、いやっ! 何でもねぇっ!」
キジ「コイツ、知らないみたいさー」
イヌ「じゃあ気にする事ないね」
東方司令「……?」
召喚士「はっ、ははは……」
215: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 23:42:51.77:H6KRvBdvo (3/8)
…
女侍「なるほどねぇ。そんなにまで強いのかい」
召喚士「……強いです」
サル「でもよぉ、そんな無敵のバケモン……倒す方法はあんのか?」
名代「まずは剣聖の思念体を排除する事です」
女侍「……」
キジ「何でさ? 剣聖モードの時のが弱いんじゃないのさ?」
名代「形状で言えばそうですが、剣聖の記憶を基に、剣技があると思われます」
サル「なるほどねぇ~。そいつは難儀な話です事」
召喚士「まずは奴の攻撃を弱体化させましょう」
東方司令「ああ。奴の本体と剣聖とやらの剣術は最悪の組み合わせだ」
帝「……ふむ」
召喚士「せめて刀だけでも破壊出来ればいいんですけど……」
女侍「いや、どうだろうねぇ」
魔道士「……?」
女侍「剣聖の剣術が身に付いてるんだろ? だったらちょいと厄介かもしれないよ」
…
女侍「なるほどねぇ。そんなにまで強いのかい」
召喚士「……強いです」
サル「でもよぉ、そんな無敵のバケモン……倒す方法はあんのか?」
名代「まずは剣聖の思念体を排除する事です」
女侍「……」
キジ「何でさ? 剣聖モードの時のが弱いんじゃないのさ?」
名代「形状で言えばそうですが、剣聖の記憶を基に、剣技があると思われます」
サル「なるほどねぇ~。そいつは難儀な話です事」
召喚士「まずは奴の攻撃を弱体化させましょう」
東方司令「ああ。奴の本体と剣聖とやらの剣術は最悪の組み合わせだ」
帝「……ふむ」
召喚士「せめて刀だけでも破壊出来ればいいんですけど……」
女侍「いや、どうだろうねぇ」
魔道士「……?」
女侍「剣聖の剣術が身に付いてるんだろ? だったらちょいと厄介かもしれないよ」
216: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 23:43:57.70:H6KRvBdvo (4/8)
召喚士「どういう事ですか?」
女侍「無刀取り」
帝「無刀取り……?」
女侍「剣聖が作り上げた、最高の剣術さ」
東方司令「待て。無刀取りとはまさか……っ」
サル「知ってんのか?」
東方司令「刀を持たずして相手を制するという幻の奥義……っ」
女侍「へぇ、本国にまで伝わってたのかい」
召喚士「それを、剣聖が使うと……?」
女侍「使うって言うか、剣聖が編み出したものだしねぇ」
魔道士「ど、どんな技なんです?」
女侍「技……っていうか、相手の刀をぶんどるだけさ」
帝「ぶん取る……」
女侍「相手が斬るモーションを起こしたと同時に、超神速で懐に飛び込み……」
クイッ
女侍「相手の刀をもぎ取るのさ」
召喚士「どういう事ですか?」
女侍「無刀取り」
帝「無刀取り……?」
女侍「剣聖が作り上げた、最高の剣術さ」
東方司令「待て。無刀取りとはまさか……っ」
サル「知ってんのか?」
東方司令「刀を持たずして相手を制するという幻の奥義……っ」
女侍「へぇ、本国にまで伝わってたのかい」
召喚士「それを、剣聖が使うと……?」
女侍「使うって言うか、剣聖が編み出したものだしねぇ」
魔道士「ど、どんな技なんです?」
女侍「技……っていうか、相手の刀をぶんどるだけさ」
帝「ぶん取る……」
女侍「相手が斬るモーションを起こしたと同時に、超神速で懐に飛び込み……」
クイッ
女侍「相手の刀をもぎ取るのさ」
217: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 23:44:50.93:H6KRvBdvo (5/8)
名代「な、なんという……っ」
女侍「並大抵の奴にとっては、命を捨てるにも等しい荒業さね」
東方司令「しかしその剣聖にとっては、起死回生の奥義……というわけか」
女侍「そういうこった」
召喚士「それにシンノの身体能力が加われば……」
東方司令「モーションどころか手首の反応だけで懐に飛び込まれるな」
帝「おれでは打つ手なしではないか……」
名代「刀を奪えば攻撃方法は魔法か召喚獣や式神の類のみ」
召喚士「かと言って、刀を奪わなければ……」
魔道士「……斬られてしまいますっ」
名代「そもそもあの刀、妖刀などと申していた……」
魔道士「何か……ご存知ですか?」
名代「いえ。ただ……古来より妖の持つ刀は呪われていると……」
東方司令「……」
名代「妖の刀を人が持てば、たちまちその呪いにより副作用をもたらすと」
名代「な、なんという……っ」
女侍「並大抵の奴にとっては、命を捨てるにも等しい荒業さね」
東方司令「しかしその剣聖にとっては、起死回生の奥義……というわけか」
女侍「そういうこった」
召喚士「それにシンノの身体能力が加われば……」
東方司令「モーションどころか手首の反応だけで懐に飛び込まれるな」
帝「おれでは打つ手なしではないか……」
名代「刀を奪えば攻撃方法は魔法か召喚獣や式神の類のみ」
召喚士「かと言って、刀を奪わなければ……」
魔道士「……斬られてしまいますっ」
名代「そもそもあの刀、妖刀などと申していた……」
魔道士「何か……ご存知ですか?」
名代「いえ。ただ……古来より妖の持つ刀は呪われていると……」
東方司令「……」
名代「妖の刀を人が持てば、たちまちその呪いにより副作用をもたらすと」
218: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 23:46:40.53:H6KRvBdvo (6/8)
魔道士「それじゃあ刀も奪えないんですかっ!?」
名代「いえっ、それが奴の持つ刀とは限りませんが……」
帝「しかし、神野悪五郎の手を封じるには、刀を奪う以外に方法はないな」
召喚士「……こうなったら」
東方司令「ボクがいく」
召喚士「!?」
東方司令「刀を奪う役目は、ボクに任せろ」
召喚士「し、しかし……っ」
東方司令「1度も2度も変わらん。どうせ呪われた身体だ」
召喚士「……えっ?」
東方司令「お前はボクを見て、不思議に思わないのか?」
召喚士「ま、まさか……っ」
東方司令「お師匠に聞いているんだろう? 魔剣の事……」
魔道士「それじゃあ……東方司令さんも……っ!」
東方司令「そうさ。ボクの身体は魔剣の呪いによって、成長が止まったままなのさ」
魔道士「それじゃあ刀も奪えないんですかっ!?」
名代「いえっ、それが奴の持つ刀とは限りませんが……」
帝「しかし、神野悪五郎の手を封じるには、刀を奪う以外に方法はないな」
召喚士「……こうなったら」
東方司令「ボクがいく」
召喚士「!?」
東方司令「刀を奪う役目は、ボクに任せろ」
召喚士「し、しかし……っ」
東方司令「1度も2度も変わらん。どうせ呪われた身体だ」
召喚士「……えっ?」
東方司令「お前はボクを見て、不思議に思わないのか?」
召喚士「ま、まさか……っ」
東方司令「お師匠に聞いているんだろう? 魔剣の事……」
魔道士「それじゃあ……東方司令さんも……っ!」
東方司令「そうさ。ボクの身体は魔剣の呪いによって、成長が止まったままなのさ」
219: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 23:51:18.48:H6KRvBdvo (7/8)
…
名代「それでは神野悪五郎退治は先頭に召喚士殿と私」
召喚士「はい」
名代「上様、女侍殿は中軸にて待機。神野の動きを見て行動を」
帝「うむ」
女侍「はいはい」
名代「後方には残りの皆様。援護をお願い致します」
サル「頑張ろうぜ、魔道士ちゃんっ」
魔道士「はいっ!」
イヌ「腕が鳴るね」ゴキゴキッ
キジ「久々の強敵さー」
名代「そして最後に東方司令殿」
東方司令「奴の刀だろ。任せろ」
名代「明日はとにかく、奴wの弱体化を目指して戦いましょう」
召喚士「……はい!」
…
名代「それでは神野悪五郎退治は先頭に召喚士殿と私」
召喚士「はい」
名代「上様、女侍殿は中軸にて待機。神野の動きを見て行動を」
帝「うむ」
女侍「はいはい」
名代「後方には残りの皆様。援護をお願い致します」
サル「頑張ろうぜ、魔道士ちゃんっ」
魔道士「はいっ!」
イヌ「腕が鳴るね」ゴキゴキッ
キジ「久々の強敵さー」
名代「そして最後に東方司令殿」
東方司令「奴の刀だろ。任せろ」
名代「明日はとにかく、奴wの弱体化を目指して戦いましょう」
召喚士「……はい!」
220: ◆1otsuV0WFc:2011/12/26(月) 23:54:27.72:H6KRvBdvo (8/8)
…
ザッザッザッ
女侍「……何か用かい?」
東方司令「お前、随分と剣聖について詳しいな」
女侍「……」
召喚士「そういえばそうですね……」
東方司令「何か、あるのか?」
女侍「……私……は」
サル「そういや、この前からずっとそうだよな」
女侍「あたいはねっ、剣聖の屋敷へ忍び込む為に、ずっと研究してたのさっ」
帝「……」
女侍「ま、無駄になっちまったけどねぇ。さ、明日は早いんだろう? もう寝るよ」
スタスタスタスタ……
魔道士「女侍さん、何か変……ですね」
召喚士「……俺達も今日はもう寝ましょう」
…
ザッザッザッ
女侍「……何か用かい?」
東方司令「お前、随分と剣聖について詳しいな」
女侍「……」
召喚士「そういえばそうですね……」
東方司令「何か、あるのか?」
女侍「……私……は」
サル「そういや、この前からずっとそうだよな」
女侍「あたいはねっ、剣聖の屋敷へ忍び込む為に、ずっと研究してたのさっ」
帝「……」
女侍「ま、無駄になっちまったけどねぇ。さ、明日は早いんだろう? もう寝るよ」
スタスタスタスタ……
魔道士「女侍さん、何か変……ですね」
召喚士「……俺達も今日はもう寝ましょう」
221:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 00:37:02.06:Zzo7xwNDO (1/1)
奴wwwwww
奴wwwwww
222:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 00:53:56.65:xGLxc31to (1/1)
奴がバカにされてる
奴がバカにされてる
223:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 02:39:46.46:RnvyhMmAO (1/1)
これは…ww
これは…ww
224:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 02:40:04.71:qVwr8pOAO (1/1)
>>1おつ
>>1おつ
225:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 03:43:03.86:T0MwE9RDO (1/2)
>>1乙
奴w
ピキピキピキッ
>>1乙
奴w
ピキピキピキッ
226:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 08:32:16.29:UC6BeOSDO (1/1)
>>1乙
年末に熱い展開きてるなー
名代に草生やされたらすげーイラッとしそうwwww
急に気温下がったし身体には気をつけてなー
>>1乙
年末に熱い展開きてるなー
名代に草生やされたらすげーイラッとしそうwwww
急に気温下がったし身体には気をつけてなー
227:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 08:59:20.30:ayXCj4uZo (1/1)
名代だけは余裕を感じさせるな
1乙です
名代だけは余裕を感じさせるな
1乙です
228:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 09:41:11.89:oPMcgJsDO (1/2)
まさか名代がvipperだったとはな…
まさか名代がvipperだったとはな…
229:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 12:42:50.34:1G6DjMYKo (1/2)
上様の俺発言もなかなかww
上様の俺発言もなかなかww
230: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:21:55.52:96ZSS+TYo (1/30)
ヒュウウウウゥゥゥゥ……
男隊員「ぐおぉ……っ、さっぶい゛い゛ぃぃ!!」
ドザザッ ドザザッ ドザザッ
格闘家「馬の足取りも重くなってきましたね」
隊長「うーむ」
女隊員「どうしたッスかぁ!?」
隊長「真っ白で何も見えん」
男隊員「おいっ! まさか迷ったんじゃねぇだろうな!?」
隊長「んなわけあるか、アホ。お前と一緒にするな」
男隊員「んなこと言ってもよぉ、もうかなり駆けてんぞぉ!」
隊長「おーおー。そうだったそうだった」
格闘家「……」
隊長「この平野で戦ったんだっけか。じゃあもうちょいだな、もう着くぞ」
男隊員「マジかっ!」
女隊員「やったッス! 寒くて死にそうッスよ」
隊長「……そんなに寒いか?」
ヒュウウウウゥゥゥゥ……
男隊員「ぐおぉ……っ、さっぶい゛い゛ぃぃ!!」
ドザザッ ドザザッ ドザザッ
格闘家「馬の足取りも重くなってきましたね」
隊長「うーむ」
女隊員「どうしたッスかぁ!?」
隊長「真っ白で何も見えん」
男隊員「おいっ! まさか迷ったんじゃねぇだろうな!?」
隊長「んなわけあるか、アホ。お前と一緒にするな」
男隊員「んなこと言ってもよぉ、もうかなり駆けてんぞぉ!」
隊長「おーおー。そうだったそうだった」
格闘家「……」
隊長「この平野で戦ったんだっけか。じゃあもうちょいだな、もう着くぞ」
男隊員「マジかっ!」
女隊員「やったッス! 寒くて死にそうッスよ」
隊長「……そんなに寒いか?」
231: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:22:31.33:96ZSS+TYo (2/30)
ドザザッ ドザザッ ドドォ
隊長「見ろ。ここが最北の塔だ」
男隊員「ひいぃ寒い寒いっ! ちゃっちゃと暖を取ろうぜ……ヒャハハ」
隊長「おい、魔物が中にいるかもしれんだろ」
ゾクッ
格闘家「……何か……いるっ!?」
男隊員「えっ――」
シュバッ……ピタッ!!
男隊員「……あ、怪しいモンじゃねぇ……っ」
影忍「……人間か」
男隊員「は、早くその物騒なモンを引っ込めてくれ」
影忍「すまんな」スッ
女隊員「な……何者ッスか……?」
格闘家「人間ではない……っ!?」
影忍「待て。確かに人ではないが、味方だ」
隊長「……本当か?」
ドザザッ ドザザッ ドドォ
隊長「見ろ。ここが最北の塔だ」
男隊員「ひいぃ寒い寒いっ! ちゃっちゃと暖を取ろうぜ……ヒャハハ」
隊長「おい、魔物が中にいるかもしれんだろ」
ゾクッ
格闘家「……何か……いるっ!?」
男隊員「えっ――」
シュバッ……ピタッ!!
男隊員「……あ、怪しいモンじゃねぇ……っ」
影忍「……人間か」
男隊員「は、早くその物騒なモンを引っ込めてくれ」
影忍「すまんな」スッ
女隊員「な……何者ッスか……?」
格闘家「人間ではない……っ!?」
影忍「待て。確かに人ではないが、味方だ」
隊長「……本当か?」
232: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:22:57.20:96ZSS+TYo (3/30)
…
隊長「なるほど。ネクロマンサーか」
影忍「ああ。アンデッドと化したが、精神までは乗っ取れなかったようだな」
男隊員「現実離れした話だ事」
影忍「だが現実の事よ」
女隊員「じゃあ、魔物だけど人間って事ッスか?」
男隊員「何を言ってんだお前は」
影忍「この体は借り物にすぎん。本体はまた、別の所にある」
隊長「魔王城か」
影忍「察しが良いな。その通りだ」
隊長「確かネクロマンサーの人形にゃ2タイプあったよな?」
影忍「俺の様な、あくまで借り物の体を元にした人形と……」
隊長「本体を直接改造した、人形……」
影忍「どちらも不死だが、前者は何度でも作り、蘇らせる事が出来る」
格闘家「後者は?」
影忍「一度きりではあるが、性能をフルパワーで利用する事が可能」
…
隊長「なるほど。ネクロマンサーか」
影忍「ああ。アンデッドと化したが、精神までは乗っ取れなかったようだな」
男隊員「現実離れした話だ事」
影忍「だが現実の事よ」
女隊員「じゃあ、魔物だけど人間って事ッスか?」
男隊員「何を言ってんだお前は」
影忍「この体は借り物にすぎん。本体はまた、別の所にある」
隊長「魔王城か」
影忍「察しが良いな。その通りだ」
隊長「確かネクロマンサーの人形にゃ2タイプあったよな?」
影忍「俺の様な、あくまで借り物の体を元にした人形と……」
隊長「本体を直接改造した、人形……」
影忍「どちらも不死だが、前者は何度でも作り、蘇らせる事が出来る」
格闘家「後者は?」
影忍「一度きりではあるが、性能をフルパワーで利用する事が可能」
233: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:23:28.23:96ZSS+TYo (4/30)
男隊員「どちらにせよ厄介だって事にゃ変わりねぇよな……ヒャハハ」
隊長「ネクロマンサー……」
影忍「東方で何か動くかと思っていたが、特に動きはないようだ」
隊長「アイツなら西に来たよ」
影忍「何……?」
隊長「交戦したが……圧倒された。今は恐らくだが、北に逃げたと思う」
影忍「下手に関わらぬ方が身の為よ。奴は戦闘を快楽か何かと勘違いしている」
ザッ
格闘家「どこへ?」
影忍「一階より上には藤蔵の結界が張ってある。其方で休むが良い」
男隊員「おぉ、そいつは助かる」
隊長「どうりで見張りがいないわけだ」
女隊員「影忍さんは行かないッスか?」
影忍「この体では結界より先へは入れぬ。気にするな」
女隊員「……っ」
隊長「それじゃお言葉に甘えて、上で外の連中を待つとしようか」
男隊員「どちらにせよ厄介だって事にゃ変わりねぇよな……ヒャハハ」
隊長「ネクロマンサー……」
影忍「東方で何か動くかと思っていたが、特に動きはないようだ」
隊長「アイツなら西に来たよ」
影忍「何……?」
隊長「交戦したが……圧倒された。今は恐らくだが、北に逃げたと思う」
影忍「下手に関わらぬ方が身の為よ。奴は戦闘を快楽か何かと勘違いしている」
ザッ
格闘家「どこへ?」
影忍「一階より上には藤蔵の結界が張ってある。其方で休むが良い」
男隊員「おぉ、そいつは助かる」
隊長「どうりで見張りがいないわけだ」
女隊員「影忍さんは行かないッスか?」
影忍「この体では結界より先へは入れぬ。気にするな」
女隊員「……っ」
隊長「それじゃお言葉に甘えて、上で外の連中を待つとしようか」
234: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:24:25.01:96ZSS+TYo (5/30)
ザッ スタスタスタ
男隊員「しっかし、ここまで魔物との遭遇はなかったな」
女隊員「その代わり、人間の反乱とかはあったッスけどね」
男隊員「魔王軍の連中も警戒してんのかもな……ヒャハハ」
バチィッ!!
男隊員「何の音だ?」
格闘家「……隊長、どうしました?」
隊長「ん、ああ……。何でもない」
女隊員「……?」
隊長「お前らは上で休んでいろ」
格闘家「隊長は?」
隊長「影忍と共に、下で見張りを務める」
格闘家「それなら俺が……」
隊長「構わん。今のうちに休んでおけ」
男隊員「そんじゃお言葉に甘えて。隊長職も大変っすね……ヒャハハ!」
格闘家「……」
ザッ スタスタスタ
男隊員「しっかし、ここまで魔物との遭遇はなかったな」
女隊員「その代わり、人間の反乱とかはあったッスけどね」
男隊員「魔王軍の連中も警戒してんのかもな……ヒャハハ」
バチィッ!!
男隊員「何の音だ?」
格闘家「……隊長、どうしました?」
隊長「ん、ああ……。何でもない」
女隊員「……?」
隊長「お前らは上で休んでいろ」
格闘家「隊長は?」
隊長「影忍と共に、下で見張りを務める」
格闘家「それなら俺が……」
隊長「構わん。今のうちに休んでおけ」
男隊員「そんじゃお言葉に甘えて。隊長職も大変っすね……ヒャハハ!」
格闘家「……」
235: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:25:13.69:96ZSS+TYo (6/30)
…
ザッザッザッ
影忍「どうした? 休まんのか?」
隊長「あまり休んでいると、実戦の際に身体が鈍るからな」
影忍「そうか」
隊長「なぁ」
影忍「ん?」
隊長「その、ネクロマンサーにアンデッド化されちまうと、結界を突破出来ねーのか?」
影忍「ああ。本国の結界石も然り、魔物と同様だ」
隊長「ふぅん。そいつは不便なもんだな」
影忍「まぁな。仕方あるまい。それが何か?」
隊長「……いや、別に」
影忍「そうか」スクッ
隊長「どこか行くのか?」
影忍「最後の下準備があるのでな。先に失礼する」
隊長「そうか。ま、気を付けてな」
…
ザッザッザッ
影忍「どうした? 休まんのか?」
隊長「あまり休んでいると、実戦の際に身体が鈍るからな」
影忍「そうか」
隊長「なぁ」
影忍「ん?」
隊長「その、ネクロマンサーにアンデッド化されちまうと、結界を突破出来ねーのか?」
影忍「ああ。本国の結界石も然り、魔物と同様だ」
隊長「ふぅん。そいつは不便なもんだな」
影忍「まぁな。仕方あるまい。それが何か?」
隊長「……いや、別に」
影忍「そうか」スクッ
隊長「どこか行くのか?」
影忍「最後の下準備があるのでな。先に失礼する」
隊長「そうか。ま、気を付けてな」
236: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:25:49.21:96ZSS+TYo (7/30)
…
女隊員「……おっ、日の出っすよ」
男隊員「もうそいろそろ外の連中も到着すんじゃねーかな」
格闘家「あれ、船じゃないですか?」
男隊員「……間違いねぇ。国軍の船だ!」
女隊員「迎えに行くッスよ!」
タタッ タッタッタッタッタッ
隊長「……ん、どうした?」
女隊員「船が着いたッスよ!」
隊長「来たか」
ザッ テクテクテクテク
隊長「ご苦労さん。優雅な船旅はどうだった?」
西方参謀「寒くて酒が進んだよ。がははっ」
隊長「そいつは何よりだな」
青年兵「ここが最北の塔ですか」
隊長「ああ。上には結界、地下は最北の地への通路だそうだ」
…
女隊員「……おっ、日の出っすよ」
男隊員「もうそいろそろ外の連中も到着すんじゃねーかな」
格闘家「あれ、船じゃないですか?」
男隊員「……間違いねぇ。国軍の船だ!」
女隊員「迎えに行くッスよ!」
タタッ タッタッタッタッタッ
隊長「……ん、どうした?」
女隊員「船が着いたッスよ!」
隊長「来たか」
ザッ テクテクテクテク
隊長「ご苦労さん。優雅な船旅はどうだった?」
西方参謀「寒くて酒が進んだよ。がははっ」
隊長「そいつは何よりだな」
青年兵「ここが最北の塔ですか」
隊長「ああ。上には結界、地下は最北の地への通路だそうだ」
237: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:26:52.96:96ZSS+TYo (8/30)
南方参謀「盗賊ちゃん達はまだ来てないの?」
男隊員「みてーだな。藤蔵に立ち寄ったから、もうちょいかかるんじゃねーか?」
西方参謀「ひとまずこの地で、待つとしようかねぇ……ヒック」
東方参謀「物資の最終確認と、編制や陣形の再確認を忘れぬように」
国軍兵「はっ!」
槍侶「不死の山中に勝るとも劣らない雪ですね」
僧兵長「うむ。しかしこの程度の雪ならば慣れておる。心配であったが問題なさそうだな」
西方参謀「頼もしい限りだ事……ヒック」
テクテクテク
女隊員「皆さんが総本山の方ッスね! ヨロシクッス!」
槍侶「――っ!?」
女隊員「……ど、どうしたッスか? 東方は挨拶で握手しないッスか……?」
槍侶「い、いえいえいえっ! すすっ、すみまします……っ!」
ゴシゴシゴシッ ギュッ
女隊員「女隊員ッス。ヨロシ――」
槍侶「よよよっ、よろよろ……よろろー」ヨロヨロッ
南方参謀「盗賊ちゃん達はまだ来てないの?」
男隊員「みてーだな。藤蔵に立ち寄ったから、もうちょいかかるんじゃねーか?」
西方参謀「ひとまずこの地で、待つとしようかねぇ……ヒック」
東方参謀「物資の最終確認と、編制や陣形の再確認を忘れぬように」
国軍兵「はっ!」
槍侶「不死の山中に勝るとも劣らない雪ですね」
僧兵長「うむ。しかしこの程度の雪ならば慣れておる。心配であったが問題なさそうだな」
西方参謀「頼もしい限りだ事……ヒック」
テクテクテク
女隊員「皆さんが総本山の方ッスね! ヨロシクッス!」
槍侶「――っ!?」
女隊員「……ど、どうしたッスか? 東方は挨拶で握手しないッスか……?」
槍侶「い、いえいえいえっ! すすっ、すみまします……っ!」
ゴシゴシゴシッ ギュッ
女隊員「女隊員ッス。ヨロシ――」
槍侶「よよよっ、よろよろ……よろろー」ヨロヨロッ
238: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:27:36.12:96ZSS+TYo (9/30)
…
ドドッドドッドドッ
戦士「おい盗賊、寄り道ってどこに行くんだよ」
火忍「最北の塔までそう遠くないな。妖は居ないみてぇだ」
風忍「ああ。しかし姫はどこへ向かっておるのだ?」
盗賊「……見えたっ、あの村だ!」
戦士「……村?」
~最北の村~
盗賊「……確か、ここだ」バサッ
海女「……?」
盗賊「ご無沙汰してます。その節はどうも」
海女「……あ……れ!? えっと確か……盗賊ちゃんだったっけか!?」
盗賊「お元気そうで何より」
海女「あんたこそあれから元気だったかい!? 良かったよぉ本当に!」
スクッ
海女「おーい! あんたぁ、おとっつあーん! ちょいと来ておくれー!」
…
ドドッドドッドドッ
戦士「おい盗賊、寄り道ってどこに行くんだよ」
火忍「最北の塔までそう遠くないな。妖は居ないみてぇだ」
風忍「ああ。しかし姫はどこへ向かっておるのだ?」
盗賊「……見えたっ、あの村だ!」
戦士「……村?」
~最北の村~
盗賊「……確か、ここだ」バサッ
海女「……?」
盗賊「ご無沙汰してます。その節はどうも」
海女「……あ……れ!? えっと確か……盗賊ちゃんだったっけか!?」
盗賊「お元気そうで何より」
海女「あんたこそあれから元気だったかい!? 良かったよぉ本当に!」
スクッ
海女「おーい! あんたぁ、おとっつあーん! ちょいと来ておくれー!」
239: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:28:38.77:96ZSS+TYo (10/30)
…
老人「おぉ、あの時の娘さんじゃったかい」
漁師「元気そうで何よりだ!」
盗賊「皆さんもお元気そうで、一安心しました」
海女「それで、今日はどうしたんだい?」
漁師「村は見ての通り、以前よりずーっと良くなったよ!」
老人「妖怪もほとんど来なくなったし、何より賊の類も上様の兵がやっつけてくれるからのぅ」
盗賊「それは良かった」
漁師「あんたらのお陰だよ! 恩はいつでも返すから、困った事があったら言ってくれ!」
盗賊「……あの」
漁師「ん?」
ズザッ
盗賊「どうか、私達にお力を貸して頂きたい!」
海女「そ、そんな頭なんて下げないでおくれよ……っ!」
老人「私達ってのは……どういう……」
盗賊「皆、顔を見せよ」
…
老人「おぉ、あの時の娘さんじゃったかい」
漁師「元気そうで何よりだ!」
盗賊「皆さんもお元気そうで、一安心しました」
海女「それで、今日はどうしたんだい?」
漁師「村は見ての通り、以前よりずーっと良くなったよ!」
老人「妖怪もほとんど来なくなったし、何より賊の類も上様の兵がやっつけてくれるからのぅ」
盗賊「それは良かった」
漁師「あんたらのお陰だよ! 恩はいつでも返すから、困った事があったら言ってくれ!」
盗賊「……あの」
漁師「ん?」
ズザッ
盗賊「どうか、私達にお力を貸して頂きたい!」
海女「そ、そんな頭なんて下げないでおくれよ……っ!」
老人「私達ってのは……どういう……」
盗賊「皆、顔を見せよ」
240: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:29:43.20:96ZSS+TYo (11/30)
…
老人「……っ」
漁師「あ……あぁ……っ」
海女「ま、まさか……盗賊ちゃんが……藤蔵……藤蔵の……っ」
風忍「姫が話された通り、我らはこれより魔王討伐へと向かう最中なのだ」
盗賊「この先、最北へは船で行かねばならぬ」
漁師「へ、へへーっ!!」
盗賊「船はあるのだが、優秀な舵取りが居ない。そこでなのだが……」
青年兵「なるほどっ。この方達の力をお借りするわけですね……!」
盗賊「あなた達の実績は以前に体感している。どうか、お力を貸して頂きたいのです」
海女「こんなんで良ければっ、喜んで差し出しますぅ!!」
漁師「勿論ですっ!! 死ぬ気でやらせて頂きますっ!!」
老人「いつ死んでも良い身じゃっ、上様や姫様の為に喜んで!!」
盗賊「あの……そんなに畏まられても……」
漁師「ど、どうかこれまでのご無礼は水にお流し下さいませぇ!!」
盗賊「……はぁ」
…
老人「……っ」
漁師「あ……あぁ……っ」
海女「ま、まさか……盗賊ちゃんが……藤蔵……藤蔵の……っ」
風忍「姫が話された通り、我らはこれより魔王討伐へと向かう最中なのだ」
盗賊「この先、最北へは船で行かねばならぬ」
漁師「へ、へへーっ!!」
盗賊「船はあるのだが、優秀な舵取りが居ない。そこでなのだが……」
青年兵「なるほどっ。この方達の力をお借りするわけですね……!」
盗賊「あなた達の実績は以前に体感している。どうか、お力を貸して頂きたいのです」
海女「こんなんで良ければっ、喜んで差し出しますぅ!!」
漁師「勿論ですっ!! 死ぬ気でやらせて頂きますっ!!」
老人「いつ死んでも良い身じゃっ、上様や姫様の為に喜んで!!」
盗賊「あの……そんなに畏まられても……」
漁師「ど、どうかこれまでのご無礼は水にお流し下さいませぇ!!」
盗賊「……はぁ」
241: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:30:25.19:96ZSS+TYo (12/30)
…
土忍「これで船頭も確保した。後は……行くのみ」
戦士「ったく、先に言っておけよな」
盗賊「だって、確証はなかったし……」
鬼丸「まぁよ、上手くいったわけだし、最北の塔へ急ごうぜ」
漁師「それじゃあ、行ってくる」
海女「頑張ってね! 姫様、どうか宜しくお願い致します……っ!」
盗賊「……うん。任せて」
火忍「……ん? なんだガキ、何か用か?」
少女「お姉ちゃん……?」
盗賊「……!!」
テクテクテク
盗賊「久し振り。元気?」
少女「うんっ! お姉ちゃんも元気?」
盗賊「ああ元気だ。そうだ、またお菓子をあげよう。ほら……みんあで分けて食べるんだぞ」
少女「わぁっ! こんなにいっぱい!? ありがとーっ!!」
…
土忍「これで船頭も確保した。後は……行くのみ」
戦士「ったく、先に言っておけよな」
盗賊「だって、確証はなかったし……」
鬼丸「まぁよ、上手くいったわけだし、最北の塔へ急ごうぜ」
漁師「それじゃあ、行ってくる」
海女「頑張ってね! 姫様、どうか宜しくお願い致します……っ!」
盗賊「……うん。任せて」
火忍「……ん? なんだガキ、何か用か?」
少女「お姉ちゃん……?」
盗賊「……!!」
テクテクテク
盗賊「久し振り。元気?」
少女「うんっ! お姉ちゃんも元気?」
盗賊「ああ元気だ。そうだ、またお菓子をあげよう。ほら……みんあで分けて食べるんだぞ」
少女「わぁっ! こんなにいっぱい!? ありがとーっ!!」
242: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:31:13.58:96ZSS+TYo (13/30)
タッタッタッタッ
戦士「あんな量、どこに隠してたんだお前は」
盗賊「……秘密だ」
風忍「それでは参りましょう」
盗賊「うん」
ザッ パッカパッカパッカ…
土忍「しっかり捉まっておれ」
老人「へ、へいぃっ!」
戦士「なんつーかさ」
盗賊「……ん?」
戦士「何の変哲もない小さな村なんだけど、のどかでみんなが笑って暮らしてた」
盗賊「……ああ」
戦士「いい村だな。ぜってぇ、守ってやらねーとなっ!」
盗賊「無論だ。その為にも……魔王マーラを討つ」
鬼丸「おうよ! やってやろうぜ……相棒!」
戦士「ああ、やってやるさ!」
タッタッタッタッ
戦士「あんな量、どこに隠してたんだお前は」
盗賊「……秘密だ」
風忍「それでは参りましょう」
盗賊「うん」
ザッ パッカパッカパッカ…
土忍「しっかり捉まっておれ」
老人「へ、へいぃっ!」
戦士「なんつーかさ」
盗賊「……ん?」
戦士「何の変哲もない小さな村なんだけど、のどかでみんなが笑って暮らしてた」
盗賊「……ああ」
戦士「いい村だな。ぜってぇ、守ってやらねーとなっ!」
盗賊「無論だ。その為にも……魔王マーラを討つ」
鬼丸「おうよ! やってやろうぜ……相棒!」
戦士「ああ、やってやるさ!」
243: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:31:59.20:96ZSS+TYo (14/30)
~最北の塔~
格闘家「……!? 来ましたっ、来ましたよ!」
ドドッドドッドドッ ドドォ
戦士「すまねぇ、遅くなった!」
隊長「いや、問題ない」
テクテクテクテク
盗賊「途中で船頭を連れてきた。この者らなら、渡航も問題ない」
漁師「ひっ、ひえぇ……」
南方参謀「それは助かるわぁ。それでは早速、軍船へ」
老人「へ、へいっ!」
男隊員「これで討伐対は全員、揃ったわけか」
隊長「途中で魔物はいたか?」
戦士「いや、いなかった。そっちは?」
女隊員「こっちも遭遇しなかったッスよ」
東方参謀「海上もだ。不気味な程、静かなものよ」
青年兵「すると考えられる事は1つ。魔王軍は……最北に集結している」
~最北の塔~
格闘家「……!? 来ましたっ、来ましたよ!」
ドドッドドッドドッ ドドォ
戦士「すまねぇ、遅くなった!」
隊長「いや、問題ない」
テクテクテクテク
盗賊「途中で船頭を連れてきた。この者らなら、渡航も問題ない」
漁師「ひっ、ひえぇ……」
南方参謀「それは助かるわぁ。それでは早速、軍船へ」
老人「へ、へいっ!」
男隊員「これで討伐対は全員、揃ったわけか」
隊長「途中で魔物はいたか?」
戦士「いや、いなかった。そっちは?」
女隊員「こっちも遭遇しなかったッスよ」
東方参謀「海上もだ。不気味な程、静かなものよ」
青年兵「すると考えられる事は1つ。魔王軍は……最北に集結している」
244: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:32:30.11:96ZSS+TYo (15/30)
鬼丸「簡単でいいぜ。まとめてブチのめしゃいいんだからよ」
火忍「鬼丸の言う通りだ。手間がかからなくていいわ」
戦士「それで、あとは船で向かうだけか?」
隊長「塔から繋がる通路経由でもいけると聞いたが」
風忍「それはやめておいた方が良いかもしれませぬ」
隊長「……?」
戦士「その奥は龍脈だ。ヤマタノオロチがいた所だよ」
格闘家「!?」
水忍「見ておきたいのであれば構いませぬが、物見遊山には危険すぎますぞ」
男隊員「ここは素直に、船で渡るのが定石のようだなこりゃ……ヒャハハ!」
青年兵「では、出航準備を進めましょう」
戦士「いざ、最北……マーラのもとへってか」
盗賊「……東方の……魔王」
最北の塔へと集った魔王討伐軍。これより本国の軍船にて渡航を開始する・
目指すは地理すらも分からぬ最北の地、魔王マーラの居城である。
鬼丸「簡単でいいぜ。まとめてブチのめしゃいいんだからよ」
火忍「鬼丸の言う通りだ。手間がかからなくていいわ」
戦士「それで、あとは船で向かうだけか?」
隊長「塔から繋がる通路経由でもいけると聞いたが」
風忍「それはやめておいた方が良いかもしれませぬ」
隊長「……?」
戦士「その奥は龍脈だ。ヤマタノオロチがいた所だよ」
格闘家「!?」
水忍「見ておきたいのであれば構いませぬが、物見遊山には危険すぎますぞ」
男隊員「ここは素直に、船で渡るのが定石のようだなこりゃ……ヒャハハ!」
青年兵「では、出航準備を進めましょう」
戦士「いざ、最北……マーラのもとへってか」
盗賊「……東方の……魔王」
最北の塔へと集った魔王討伐軍。これより本国の軍船にて渡航を開始する・
目指すは地理すらも分からぬ最北の地、魔王マーラの居城である。
245: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:33:04.15:96ZSS+TYo (16/30)
~西の平野~
召喚士「さて、行きましょうか」
魔道士「はいっ!」
サル「朝になって弱体化してくれてりゃいいけどなぁ」
名代「過剰な期待はせぬ方が宜しいですよ」
帝「頼むぞ、皆の者」
女侍「上様の為ならば」
キジ「なんかお頭、おかしいさー」
イヌ「自分の故郷の偉い人だからね」
召喚士「東方司令さん、準備はいいですか?」
東方司令「いつでも」
名代「それでは一気に、屋敷まで向かいましょう」
魔道士「今回は屋敷まで一気にですか?」
名代「前回、馬を使った事が分かっているでしょうから、馬を潰されては危険です」
召喚士「馬はここへ置いて行くわけですね」
名代「左様。今日は数も多いですし、徒歩にて進みたいと思います」ザッ
~西の平野~
召喚士「さて、行きましょうか」
魔道士「はいっ!」
サル「朝になって弱体化してくれてりゃいいけどなぁ」
名代「過剰な期待はせぬ方が宜しいですよ」
帝「頼むぞ、皆の者」
女侍「上様の為ならば」
キジ「なんかお頭、おかしいさー」
イヌ「自分の故郷の偉い人だからね」
召喚士「東方司令さん、準備はいいですか?」
東方司令「いつでも」
名代「それでは一気に、屋敷まで向かいましょう」
魔道士「今回は屋敷まで一気にですか?」
名代「前回、馬を使った事が分かっているでしょうから、馬を潰されては危険です」
召喚士「馬はここへ置いて行くわけですね」
名代「左様。今日は数も多いですし、徒歩にて進みたいと思います」ザッ
246: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:33:37.69:96ZSS+TYo (17/30)
スタスタスタ
名代「――っ!?」
神野「おはようさん」
帝「な……っ!!」
神野「どうせ結界に逃げるんや。直ぐ外で待ってた方が利口やろ?」チャキッ
名代「しまっ――――」
神野「まずは一人~」ビュオッ
コカトリス「させるか馬鹿めがっ!!」
神野「何ぃーッ!?」
バシュウウゥゥゥゥ!! ゴゴオオォォォォ!!
召喚士「悪いけど、ずっと監視はしてたから」
神野「石化……ッ、くそっ! 左手が動かん……」
名代「助かりましたっ!」
召喚士「今日こそお前を……倒す」
神野「楽しませてくれるやんかぁ……!」
ブチブチブチィ!! ドサッ
スタスタスタ
名代「――っ!?」
神野「おはようさん」
帝「な……っ!!」
神野「どうせ結界に逃げるんや。直ぐ外で待ってた方が利口やろ?」チャキッ
名代「しまっ――――」
神野「まずは一人~」ビュオッ
コカトリス「させるか馬鹿めがっ!!」
神野「何ぃーッ!?」
バシュウウゥゥゥゥ!! ゴゴオオォォォォ!!
召喚士「悪いけど、ずっと監視はしてたから」
神野「石化……ッ、くそっ! 左手が動かん……」
名代「助かりましたっ!」
召喚士「今日こそお前を……倒す」
神野「楽しませてくれるやんかぁ……!」
ブチブチブチィ!! ドサッ
247: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:34:36.07:96ZSS+TYo (18/30)
サル「み、自ら左手をもぎ取りやがったぜ……っ」
神野「思念体なんや。直ぐに再生くらい出来るわボケ」
召喚士(石化は……するのかっ。それならば……)
ザッ ジャリッ
神野「今日は数も増えてるみたいやな。感心感心」
女侍「この前は世話になったね」
神野「この前? よう分からんが世話してやったんなら、感謝せぇや」
女侍「なめるんじゃあないよっ! その身体……見るのも苦痛だ、姿を現しな!」ダンッ
神野「威勢がええやんか。いいねぇ~もっとや、もっとかかってこんかいっ!」
東方司令「望み通り……相手してやる!」タンッ
イヌ「キジっ、こっちも援護ね!」
キジ「了解さー!」
キュイイィィィィ……ドドオオォォォォン!!
名代「上様、お気を付け下されよ」
帝「ああ、分かっておる」
神野「ハハッ、その程度かいな! 遠慮は要らんでぇ!」
サル「み、自ら左手をもぎ取りやがったぜ……っ」
神野「思念体なんや。直ぐに再生くらい出来るわボケ」
召喚士(石化は……するのかっ。それならば……)
ザッ ジャリッ
神野「今日は数も増えてるみたいやな。感心感心」
女侍「この前は世話になったね」
神野「この前? よう分からんが世話してやったんなら、感謝せぇや」
女侍「なめるんじゃあないよっ! その身体……見るのも苦痛だ、姿を現しな!」ダンッ
神野「威勢がええやんか。いいねぇ~もっとや、もっとかかってこんかいっ!」
東方司令「望み通り……相手してやる!」タンッ
イヌ「キジっ、こっちも援護ね!」
キジ「了解さー!」
キュイイィィィィ……ドドオオォォォォン!!
名代「上様、お気を付け下されよ」
帝「ああ、分かっておる」
神野「ハハッ、その程度かいな! 遠慮は要らんでぇ!」
248: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:35:26.93:96ZSS+TYo (19/30)
ザザーン
漁師「な、なんちゅう船だよ……っ!」
老人「長生きはするもんじゃのぅ。こんなとんでもない船に乗る事が出来るとは……」
東方参謀「それでどうなのだ? このまま進めば良いのか?」
老人「しばらくは問題ないですじゃ」
漁師「ただこの先に、海流があるから、注意するのはそこですわ」
青年兵「海流ですか」
老人「西側と東側から潮が流れとるでな。それが丁度、ぶつかり合うんっじゃよ」
漁師「そいつが厄介で、漁師はそこから先へ進めないんでさぁ」
隊長「何かあるのか?」
老人「東西からぶつかった海流はそのまま北へと流れ込みまずでなぁ」
漁師「きっと最北には、無数の魚がいるんじゃねぇかって、昔から言われとるんです」
戦士「じゃあ、魔王を倒して平和になったら、漁も楽になるな!」
南方参謀「船の技術だって、本国から東方へドンドン行き渡ってるしねっ」
老人「もしそうならば、楽しみで仕方ないわい」
漁師「だわなぁ。そうすりゃたーんと魚獲って、いい暮らしが出来るかもなぁ!」
ザザーン
漁師「な、なんちゅう船だよ……っ!」
老人「長生きはするもんじゃのぅ。こんなとんでもない船に乗る事が出来るとは……」
東方参謀「それでどうなのだ? このまま進めば良いのか?」
老人「しばらくは問題ないですじゃ」
漁師「ただこの先に、海流があるから、注意するのはそこですわ」
青年兵「海流ですか」
老人「西側と東側から潮が流れとるでな。それが丁度、ぶつかり合うんっじゃよ」
漁師「そいつが厄介で、漁師はそこから先へ進めないんでさぁ」
隊長「何かあるのか?」
老人「東西からぶつかった海流はそのまま北へと流れ込みまずでなぁ」
漁師「きっと最北には、無数の魚がいるんじゃねぇかって、昔から言われとるんです」
戦士「じゃあ、魔王を倒して平和になったら、漁も楽になるな!」
南方参謀「船の技術だって、本国から東方へドンドン行き渡ってるしねっ」
老人「もしそうならば、楽しみで仕方ないわい」
漁師「だわなぁ。そうすりゃたーんと魚獲って、いい暮らしが出来るかもなぁ!」
249: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:36:28.28:96ZSS+TYo (20/30)
~海流~
ドドドドドドオオォォ
女隊員「うわ……っ!!」
ガシッ
槍侶「大丈夫……だだっ、だいだい……だだだ」
女隊員「ありがとーッス!」
西方参謀「甲板にいる連中は船内へ入れ! 波に攫われんぞぉ!」
ザッパアアァァァァン
戦士「すっげぇなこりゃ……っ」
土忍「これが噂の海流か」
火忍「おい、テメーら何とかしてこいよ」
水忍「お前に言われんでも、そのつもりだ」
風忍「水、私はあくまで補佐のみだからな」
スタスタスタ
漁師「あ、あんたら……危ないぞぉ!」
盗賊「大丈夫。任せておいてくれ」
~海流~
ドドドドドドオオォォ
女隊員「うわ……っ!!」
ガシッ
槍侶「大丈夫……だだっ、だいだい……だだだ」
女隊員「ありがとーッス!」
西方参謀「甲板にいる連中は船内へ入れ! 波に攫われんぞぉ!」
ザッパアアァァァァン
戦士「すっげぇなこりゃ……っ」
土忍「これが噂の海流か」
火忍「おい、テメーら何とかしてこいよ」
水忍「お前に言われんでも、そのつもりだ」
風忍「水、私はあくまで補佐のみだからな」
スタスタスタ
漁師「あ、あんたら……危ないぞぉ!」
盗賊「大丈夫。任せておいてくれ」
250: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:37:00.27:96ZSS+TYo (21/30)
漁師「……?」
ザッ
風忍「風遁……奥義っ!」
水忍「水遁……奥義!」
風忍「疾風――――」
水忍「――――怒濤っ!!」
ゴアッ!! ドッドオオオオォォォォン!!
南方参謀「きゃあっ!!」
老人「お、おぉ……っ、これは大竜巻……っ」
風忍「海流が渦巻き荒れるならば……」
水忍「その逆を渦巻く竜巻を作り上げ、力を弱めるのみよっ!」
ゴオオオオォォォォ
僧兵長「おぉっ! 荒れた海流が大人しくなり始めたぞっ!」
風忍「……ふーっ。どうやらうまくいったようだな」
水忍「さぁ、今のうちに突き進んでくれ」
東方参謀「よぅし、海路の案内は任せるぞ! このまま前進だ!」
漁師「お任せ下さい! 俺らにとっちゃあ庭みてぇなもんでさぁ!」
老人「海に生まれ海に育ち、海と共に歩んだ人生……理解はしてるつもりじゃっ!」
漁師「……?」
ザッ
風忍「風遁……奥義っ!」
水忍「水遁……奥義!」
風忍「疾風――――」
水忍「――――怒濤っ!!」
ゴアッ!! ドッドオオオオォォォォン!!
南方参謀「きゃあっ!!」
老人「お、おぉ……っ、これは大竜巻……っ」
風忍「海流が渦巻き荒れるならば……」
水忍「その逆を渦巻く竜巻を作り上げ、力を弱めるのみよっ!」
ゴオオオオォォォォ
僧兵長「おぉっ! 荒れた海流が大人しくなり始めたぞっ!」
風忍「……ふーっ。どうやらうまくいったようだな」
水忍「さぁ、今のうちに突き進んでくれ」
東方参謀「よぅし、海路の案内は任せるぞ! このまま前進だ!」
漁師「お任せ下さい! 俺らにとっちゃあ庭みてぇなもんでさぁ!」
老人「海に生まれ海に育ち、海と共に歩んだ人生……理解はしてるつもりじゃっ!」
251: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:37:57.45:96ZSS+TYo (22/30)
~剣聖の屋敷~
ザッ
くの一「……ここが、そうなの?」
女剣士「ああ。私の家……だった場所だ」
くの一「……」
女剣士「君の故郷と同じさ。もう滅んだ場所さ」
くの一「そう……」
女剣士「中に入ろう」
スタスタスタスタ
女剣士「中は比較的、荒れてはいないみたいだな」
くの一「ここに何か、あるの?」
女剣士「……あればいいけど」
スタスタスタ……ザッ
女剣士「ここが道場だったとこ。懐かしいな」
くの一「……」
~剣聖の屋敷~
ザッ
くの一「……ここが、そうなの?」
女剣士「ああ。私の家……だった場所だ」
くの一「……」
女剣士「君の故郷と同じさ。もう滅んだ場所さ」
くの一「そう……」
女剣士「中に入ろう」
スタスタスタスタ
女剣士「中は比較的、荒れてはいないみたいだな」
くの一「ここに何か、あるの?」
女剣士「……あればいいけど」
スタスタスタ……ザッ
女剣士「ここが道場だったとこ。懐かしいな」
くの一「……」
252: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:38:43.15:96ZSS+TYo (23/30)
……――
女剣士『やぁーっ!!』バシッバシッ
女侍『そんなんじゃ私には勝てないよっ!』
女剣士『……くぅっ』
女侍『ほらほらっ、もう終わりかい?』バシィッ!!
女剣士『……参りました……っ』
女侍『ふふっ。でも、強くなったね』
女剣士『姉上もますますお強くなられた……。こんな事では父上になど到底勝てぬ』
女侍『私ですら父上には勝てないんだ。まだまだだって事』スッ
女剣士『……精進します』
女侍『さ、休憩にしようか』
テクテクテク
剣聖『頑張っているな、二人共』
女剣士『父上……』
剣聖『お前等はまだ若い。焦る事はないよ……はっはっは!』
……――
女剣士『やぁーっ!!』バシッバシッ
女侍『そんなんじゃ私には勝てないよっ!』
女剣士『……くぅっ』
女侍『ほらほらっ、もう終わりかい?』バシィッ!!
女剣士『……参りました……っ』
女侍『ふふっ。でも、強くなったね』
女剣士『姉上もますますお強くなられた……。こんな事では父上になど到底勝てぬ』
女侍『私ですら父上には勝てないんだ。まだまだだって事』スッ
女剣士『……精進します』
女侍『さ、休憩にしようか』
テクテクテク
剣聖『頑張っているな、二人共』
女剣士『父上……』
剣聖『お前等はまだ若い。焦る事はないよ……はっはっは!』
253: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:39:19.22:96ZSS+TYo (24/30)
…
女剣士『父上が……罪人……!?』
女侍『そんな馬鹿な話があるものかっ!』ダンッ!!
老人『しかし都では、既に剣聖様の罪が決定し……打ち首と……っ』
門弟『何てこった……っ。これでは剣聖家はお終いだ』
女侍『ど、どこへ行くのだお前ら……っ!』
門弟『巻き添えは御免です。世話になりました』
女剣士『待っ――』
スタスタスタスタ
老人『お二人も……此処を立ち去り下され』
女侍『何を馬鹿な事を……』
老人『強盗殺人は剣聖様のみならず、一族死罪の恐れ有り……』
女剣士『――っ!!』
老人『どこか……そうじゃ、手の届かぬ本国などに身を潜めて下さいませ!』
女侍『馬鹿な……そんな……馬鹿なっ!!』
…
女剣士『父上が……罪人……!?』
女侍『そんな馬鹿な話があるものかっ!』ダンッ!!
老人『しかし都では、既に剣聖様の罪が決定し……打ち首と……っ』
門弟『何てこった……っ。これでは剣聖家はお終いだ』
女侍『ど、どこへ行くのだお前ら……っ!』
門弟『巻き添えは御免です。世話になりました』
女剣士『待っ――』
スタスタスタスタ
老人『お二人も……此処を立ち去り下され』
女侍『何を馬鹿な事を……』
老人『強盗殺人は剣聖様のみならず、一族死罪の恐れ有り……』
女剣士『――っ!!』
老人『どこか……そうじゃ、手の届かぬ本国などに身を潜めて下さいませ!』
女侍『馬鹿な……そんな……馬鹿なっ!!』
254: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:40:07.05:96ZSS+TYo (25/30)
…
女剣士『……姉上』
女侍「私は信じぬ。父上が……そんな真似をするなんて』
女剣士『私だって……』
女侍『必ずこの手で……父上の無罪を、父上の無念を晴らしてみせる』
女剣士『姉上……っ。私もです、共に父上の無念を――』
女侍『いや、私一人でいい。お前は剣の道を捨てて、女として生きるんだ』
女剣士『何を……』
女侍『それがお前にとっての幸せ。さぁ、ここでお別れだ』
女剣士『姉上っ!? 嫌ですっ!! 私は姉上と……』
女侍『……すまぬっ』
バシィ!!
女剣士『あ……ねう……え……?』
ヨロッ……ドサッ
女侍『……さらばだ、女剣士』
…
女剣士『……姉上』
女侍「私は信じぬ。父上が……そんな真似をするなんて』
女剣士『私だって……』
女侍『必ずこの手で……父上の無罪を、父上の無念を晴らしてみせる』
女剣士『姉上……っ。私もです、共に父上の無念を――』
女侍『いや、私一人でいい。お前は剣の道を捨てて、女として生きるんだ』
女剣士『何を……』
女侍『それがお前にとっての幸せ。さぁ、ここでお別れだ』
女剣士『姉上っ!? 嫌ですっ!! 私は姉上と……』
女侍『……すまぬっ』
バシィ!!
女剣士『あ……ねう……え……?』
ヨロッ……ドサッ
女侍『……さらばだ、女剣士』
255: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:40:59.49:96ZSS+TYo (26/30)
――……
くの一「どうしました?」
女剣士「……いや、ちょっと昔の事を思い出してな」
くの一「そうですか……」
女剣士「この掛け軸だ。この裏に……」ペラッ
くの一「隠し部屋……ですか?」
女剣士「いや、からくりがある」
カチッ……ゴゴゴゴゴゴ……
女剣士「この取っ手を引くと、次なる仕掛けが姿を見せる」
くの一「……?」
女剣士「こっちだ」
スタスタスタスタ
くの一「……庭、ですか?」
女剣士「このししおどしの水が、先程のからくりで引く様になっている」
くの一「何か……あります」
――……
くの一「どうしました?」
女剣士「……いや、ちょっと昔の事を思い出してな」
くの一「そうですか……」
女剣士「この掛け軸だ。この裏に……」ペラッ
くの一「隠し部屋……ですか?」
女剣士「いや、からくりがある」
カチッ……ゴゴゴゴゴゴ……
女剣士「この取っ手を引くと、次なる仕掛けが姿を見せる」
くの一「……?」
女剣士「こっちだ」
スタスタスタスタ
くの一「……庭、ですか?」
女剣士「このししおどしの水が、先程のからくりで引く様になっている」
くの一「何か……あります」
256: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:49:02.14:96ZSS+TYo (27/30)
女剣士「ししおどしの中にある仕掛けを引くと」
グイッ……ガゴンッ!!
くの一「音がしました」
女剣士「裏手にある蔵が開錠したのだ。行こう」
スタスタスタ……
くの一「あっ、蔵ってあれですか?」
女剣士「そうだ」
くの一「あれ? でも……開錠していないですよ?」ガチャガチャッ
女剣士「お前、鍵は開けられるか?」
くの一「……いえ」
女剣士「……忍や賊まがいの事をやっていたのではないのか?」
くの一「……すみません」
女剣士「まぁいい。離れていろ」スッ
くの一「……?」
女剣士「はああぁぁーっ!!」
女剣士「ししおどしの中にある仕掛けを引くと」
グイッ……ガゴンッ!!
くの一「音がしました」
女剣士「裏手にある蔵が開錠したのだ。行こう」
スタスタスタ……
くの一「あっ、蔵ってあれですか?」
女剣士「そうだ」
くの一「あれ? でも……開錠していないですよ?」ガチャガチャッ
女剣士「お前、鍵は開けられるか?」
くの一「……いえ」
女剣士「……忍や賊まがいの事をやっていたのではないのか?」
くの一「……すみません」
女剣士「まぁいい。離れていろ」スッ
くの一「……?」
女剣士「はああぁぁーっ!!」
257: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:51:57.99:96ZSS+TYo (28/30)
ガシュッ!! キイイィィィィン!!
くの一「刀が……っ!!」
女剣士「ちっ、ナマクラめ。まぁいい……どうせすぐに手に入る」
くの一「へっ?」
パキンッ……ゴトッ
女剣士「錠は壊せたようだ。中に入ろう」
ギイイィィッ
女剣士「黴臭いな……っ」
くの一「でもいい事じゃないですか? 誰も入っていない証拠」
女剣士「だな」
スタスタスタ
くの一「あっ! 床が開いている……!?」
女剣士「先程の開錠とはこれの事だ。真の蔵はこの下にある」
くの一「随分と手が込んでますね」
女剣士「それだけ貴重なものだからな」
ガシュッ!! キイイィィィィン!!
くの一「刀が……っ!!」
女剣士「ちっ、ナマクラめ。まぁいい……どうせすぐに手に入る」
くの一「へっ?」
パキンッ……ゴトッ
女剣士「錠は壊せたようだ。中に入ろう」
ギイイィィッ
女剣士「黴臭いな……っ」
くの一「でもいい事じゃないですか? 誰も入っていない証拠」
女剣士「だな」
スタスタスタ
くの一「あっ! 床が開いている……!?」
女剣士「先程の開錠とはこれの事だ。真の蔵はこの下にある」
くの一「随分と手が込んでますね」
女剣士「それだけ貴重なものだからな」
258: ◆1otsuV0WFc:2011/12/27(火) 17:52:47.60:96ZSS+TYo (29/30)
くの一「……?」
スタッ テクテクテクテク……
くの一「……えほっ。埃っぽいですね……っ」
女剣士「父上が閉ざして以来、誰も立ち入る事がなかったのであろうな」
テクテクテク……ザッ
女剣士「……あった」
くの一「これは……刀?」
女剣士「ああそうだ。ただの刀ではない」
くの一「……」
女剣士「剣聖家に伝わる、天下五剣の一つ……三日月宗近」
くの一「――っ!!」
女剣士「父上、不肖ながら女剣士……拝借致します」
カチャッ
くの一「これを……手に入れる為に来たんですね」
女剣士「今となっては父上の形見だしな。それにこの先、戦う敵は強い奴らばかりだろう」
くの一「……?」
スタッ テクテクテクテク……
くの一「……えほっ。埃っぽいですね……っ」
女剣士「父上が閉ざして以来、誰も立ち入る事がなかったのであろうな」
テクテクテク……ザッ
女剣士「……あった」
くの一「これは……刀?」
女剣士「ああそうだ。ただの刀ではない」
くの一「……」
女剣士「剣聖家に伝わる、天下五剣の一つ……三日月宗近」
くの一「――っ!!」
女剣士「父上、不肖ながら女剣士……拝借致します」
カチャッ
くの一「これを……手に入れる為に来たんですね」
女剣士「今となっては父上の形見だしな。それにこの先、戦う敵は強い奴らばかりだろう」
259:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 18:00:57.06:96ZSS+TYo (30/30)
ひとまずこれにて。また後でちょっとだけ投下出来るかも…
今日もご支援ありがとでしたー!それでは!ノシ
~オマケ~
カタカタカタッ
名代「フヒッ、今日もvipで糞スレ立てるで御座るよ……フヒヒ」
カタカタカタ
名代「えぇと……『神野悪五郎って雑魚だろwwww』、っと」
カタカタカタ
名代「フヒヒッ、しかしどいつもこいつも詰まらぬスレばかりで御座……むっ!?」
『上様の破廉恥画像撮ったったwwww』
名代「……殺す!!」
カタカタカタ
名代「えぇと……『通報しますた。貴様は殺す』、っと」
『何、顔真っ赤にしてんだよwwww お前、名代じゃね?wwww』
名代「…………」カチンッ
カタカタカタッ
名代「スレストしてやる……ブツブツ」
ひとまずこれにて。また後でちょっとだけ投下出来るかも…
今日もご支援ありがとでしたー!それでは!ノシ
~オマケ~
カタカタカタッ
名代「フヒッ、今日もvipで糞スレ立てるで御座るよ……フヒヒ」
カタカタカタ
名代「えぇと……『神野悪五郎って雑魚だろwwww』、っと」
カタカタカタ
名代「フヒヒッ、しかしどいつもこいつも詰まらぬスレばかりで御座……むっ!?」
『上様の破廉恥画像撮ったったwwww』
名代「……殺す!!」
カタカタカタ
名代「えぇと……『通報しますた。貴様は殺す』、っと」
『何、顔真っ赤にしてんだよwwww お前、名代じゃね?wwww』
名代「…………」カチンッ
カタカタカタッ
名代「スレストしてやる……ブツブツ」
260:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 18:03:41.49:R9f5+BML0 (1/1)
1乙!!
1乙!!
261:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 18:08:16.62:gFMqoQmYo (1/1)
>>259
やめろwwwwwwww
>>259
やめろwwwwwwww
262:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 18:12:47.99:1G6DjMYKo (2/2)
名代さんなにしてんすか
名代さんなにしてんすか
263:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 19:39:59.48:kDQlGN7DO (1/1)
>>1乙っす
お菓子は胸の谷間に仕込んでたんですねわかります
>>1乙っす
お菓子は胸の谷間に仕込んでたんですねわかります
264:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 20:17:16.82:eco7FRkk0 (1/1)
名代さん…
名代さん…
265:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 20:29:11.57:oPMcgJsDO (2/2)
名代wwwwwwwwww
名代wwwwwwwwww
266:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 20:47:46.89:/Faw5+JQ0 (1/1)
いちおつ
隊長…まさかと思ってたけどそうだったのか……
おまけワロタwwww
いちおつ
隊長…まさかと思ってたけどそうだったのか……
おまけワロタwwww
267:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 21:30:00.35:zWsFxzlNo (1/1)
名代のイメージが意図も簡単に崩れたわwwwwww
名代のイメージが意図も簡単に崩れたわwwwwww
268:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/27(火) 23:27:48.89:T0MwE9RDO (2/2)
>>1乙
名代はんなにしてはるんすか
>>1乙
名代はんなにしてはるんすか
269:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 01:25:53.49:qC40b57AO (1/1)
>>1おつ
>>1おつ
270:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 10:56:30.24:BnjZLnMC0 (1/1)
いちおつ!
名代ェ…
いちおつ!
名代ェ…
271:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 16:27:15.31:geEM6SSoo (1/1)
>>1乙
たった1レスで名代さんのキャラブレイクが華麗に決まったな
>>1乙
たった1レスで名代さんのキャラブレイクが華麗に決まったな
272: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:40:23.20:uWmaIYFeo (1/23)
~龍脈跡地~
影忍「……」
ザッザッザッ
影忍「……雷」
空洞内に響き渡る水の滴る音と風の通る音。勿論、影忍以外の気配は全くない。
激しい戦闘を容易に想像させる、辺り一面へと付着している血痕。
その中で影忍は、一箇所の黒ずんだ地面を見付け、そこで足を止めた。
影忍「……っ」
撫でるように地面の炭を 右手の指で擦り、それはすぐさま、握り拳へと変わる。
人間であった頃の記憶、弟のように後を追ってきた雷忍の姿が思い浮かぶ。
影忍「幸せなのかもしれないな。戦場で心身共に逝けたのだから」
自身の魔族化と重ね合わせ、影忍は自嘲地味にそう呟いた。
影忍「……さて、もう間もなくだろうか」
スクッ ザッザッザッ……
影忍「もうしばしの辛抱だ。だから待っておれ……雷」
~龍脈跡地~
影忍「……」
ザッザッザッ
影忍「……雷」
空洞内に響き渡る水の滴る音と風の通る音。勿論、影忍以外の気配は全くない。
激しい戦闘を容易に想像させる、辺り一面へと付着している血痕。
その中で影忍は、一箇所の黒ずんだ地面を見付け、そこで足を止めた。
影忍「……っ」
撫でるように地面の炭を 右手の指で擦り、それはすぐさま、握り拳へと変わる。
人間であった頃の記憶、弟のように後を追ってきた雷忍の姿が思い浮かぶ。
影忍「幸せなのかもしれないな。戦場で心身共に逝けたのだから」
自身の魔族化と重ね合わせ、影忍は自嘲地味にそう呟いた。
影忍「……さて、もう間もなくだろうか」
スクッ ザッザッザッ……
影忍「もうしばしの辛抱だ。だから待っておれ……雷」
273: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:43:22.97:uWmaIYFeo (2/23)
~最北端~
国軍兵「陸地が見えてまいりましたぁーっ!」
青年兵「よし、船を岩壁に寄せて、上陸の準備を!」
漁師「荒れてはいるが波は一定の流れっ、このまま焦らず寄せて下せぇ!」
行軍兵「了解っ!」
隊長「……何か見えるか?」
格闘家「いえ、特に何も」
男隊員「本当に、こんな所に魔王がいんのかぁ?」
南方参謀「それは間違いないみたいだけど、どこかに身を潜めてるのかしら?」
西方参謀「魔王様がかぁ? 冗談キツイぜ……ヒック」
老人「よぉしっ、もうちょい……そう、そこじゃ! よーし、うまくいったわい!」
ドドオオォォォォン
国軍兵「上陸可能です!」
青年兵「よし。それでは上陸開始っ!」
槍侶「さぁ、行きましょう!」
~最北端~
国軍兵「陸地が見えてまいりましたぁーっ!」
青年兵「よし、船を岩壁に寄せて、上陸の準備を!」
漁師「荒れてはいるが波は一定の流れっ、このまま焦らず寄せて下せぇ!」
行軍兵「了解っ!」
隊長「……何か見えるか?」
格闘家「いえ、特に何も」
男隊員「本当に、こんな所に魔王がいんのかぁ?」
南方参謀「それは間違いないみたいだけど、どこかに身を潜めてるのかしら?」
西方参謀「魔王様がかぁ? 冗談キツイぜ……ヒック」
老人「よぉしっ、もうちょい……そう、そこじゃ! よーし、うまくいったわい!」
ドドオオォォォォン
国軍兵「上陸可能です!」
青年兵「よし。それでは上陸開始っ!」
槍侶「さぁ、行きましょう!」
274: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:44:40.48:uWmaIYFeo (3/23)
ザッ ザッザッザッザッ
戦士「だだっ広い陸地に、1本の川だけ」
盗賊「その先にも水辺が見えるな」
戦士「対岸か?」
風忍「いや、あれは湖のようだな」
火忍「湖?」
水忍「……おかしい」
火忍「あん?」
水忍「なぜこの寒さと雪で、この川と湖は凍っておらぬのだ?」
土忍「……確かにそうだな。これは、何かあると見て良かろう」
戦士「青年兵っ!」
青年兵「……?」
戦士「ちょっと来てくれ!」
ザッザッザッ
青年兵「何でしょう?」
ザッ ザッザッザッザッ
戦士「だだっ広い陸地に、1本の川だけ」
盗賊「その先にも水辺が見えるな」
戦士「対岸か?」
風忍「いや、あれは湖のようだな」
火忍「湖?」
水忍「……おかしい」
火忍「あん?」
水忍「なぜこの寒さと雪で、この川と湖は凍っておらぬのだ?」
土忍「……確かにそうだな。これは、何かあると見て良かろう」
戦士「青年兵っ!」
青年兵「……?」
戦士「ちょっと来てくれ!」
ザッザッザッ
青年兵「何でしょう?」
275: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:46:40.27:uWmaIYFeo (4/23)
…
青年兵「言われてみれば不自然ですね」
東方参謀「すると、湖に何かあるという事か?」
南方参謀「その可能性は高いって事よね……」
隊長「よし、特遊で探りを入れるとしよう」
西方参謀「いいのか?」
隊長「それが仕事だ。行くぞ」
男隊員「へいへい。おたくらは設営でもしててくんろ。ヒャハハ!」
シュバッ ザザザザザザッ……
風忍「本国の方々ばかりに申し訳ない。我らも……」
青年兵「いえ、ここは特遊に任せましょう。手を空いている者は設営を」
東方参謀「軍船を拠点に、陣を敷けい」
青年兵「残りの者は周囲の警戒を怠らぬように!」
鬼丸「おう。任しとけ!」
僧兵長「総本山の者らは、炊き出しの準備を進めるぞ」
…
青年兵「言われてみれば不自然ですね」
東方参謀「すると、湖に何かあるという事か?」
南方参謀「その可能性は高いって事よね……」
隊長「よし、特遊で探りを入れるとしよう」
西方参謀「いいのか?」
隊長「それが仕事だ。行くぞ」
男隊員「へいへい。おたくらは設営でもしててくんろ。ヒャハハ!」
シュバッ ザザザザザザッ……
風忍「本国の方々ばかりに申し訳ない。我らも……」
青年兵「いえ、ここは特遊に任せましょう。手を空いている者は設営を」
東方参謀「軍船を拠点に、陣を敷けい」
青年兵「残りの者は周囲の警戒を怠らぬように!」
鬼丸「おう。任しとけ!」
僧兵長「総本山の者らは、炊き出しの準備を進めるぞ」
276: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:47:15.78:uWmaIYFeo (5/23)
ザザザザッ ズザッ
男隊員「大体よ、藤蔵がいんだから俺らが出張る必要もねーわけだ」
女隊員「それもそうッスねぇ」
隊長「藤蔵はこの先、大事な人達だ」
男隊員「何だそりゃ? 俺達なら大事じゃねぇってのか?」
隊長「魔王討伐に対しての力量を考えたらそうだろ」
男隊員「……」
隊長「西での事を忘れたのか? 俺を含めて特遊は……」
ピクッ
格闘家「……かなりの数ですね」
隊長「湖畔か? 降りになっててよく見えねぇな」
女隊員「……うわ」
格闘家「……?」
男隊員「な、なんだぁー!?」
隊長「っ!!」
ザザザザッ ズザッ
男隊員「大体よ、藤蔵がいんだから俺らが出張る必要もねーわけだ」
女隊員「それもそうッスねぇ」
隊長「藤蔵はこの先、大事な人達だ」
男隊員「何だそりゃ? 俺達なら大事じゃねぇってのか?」
隊長「魔王討伐に対しての力量を考えたらそうだろ」
男隊員「……」
隊長「西での事を忘れたのか? 俺を含めて特遊は……」
ピクッ
格闘家「……かなりの数ですね」
隊長「湖畔か? 降りになっててよく見えねぇな」
女隊員「……うわ」
格闘家「……?」
男隊員「な、なんだぁー!?」
隊長「っ!!」
277: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:48:39.70:uWmaIYFeo (6/23)
ドドドドドドッ……
火車「人間じゃ人間じゃあー!」
朧車「ウッヒヒヒヒヒィ~」
女隊員「ぎゃあぁ!! 化物ッスよおおぉぉ!!」
男隊員「なっ、何だあいつら……怖えぇ!!」
ダダッ
泥田坊「田を返せぇ~」
男隊員「知らねぇよ! こっちくんなっ!」
女隊員「わーわーわーっ!!」
バッゴオオォォォォン!!
格闘家「隊長っ!」
隊長「迎撃には数で分が悪い。シロハチあげろ。んでそのまま後退する」
格闘家「了解です!
バシュシュシュシュシュシュシュシュッ!!
隊長「奴は……まだ居ないか」
ドドドドドドッ……
火車「人間じゃ人間じゃあー!」
朧車「ウッヒヒヒヒヒィ~」
女隊員「ぎゃあぁ!! 化物ッスよおおぉぉ!!」
男隊員「なっ、何だあいつら……怖えぇ!!」
ダダッ
泥田坊「田を返せぇ~」
男隊員「知らねぇよ! こっちくんなっ!」
女隊員「わーわーわーっ!!」
バッゴオオォォォォン!!
格闘家「隊長っ!」
隊長「迎撃には数で分が悪い。シロハチあげろ。んでそのまま後退する」
格闘家「了解です!
バシュシュシュシュシュシュシュシュッ!!
隊長「奴は……まだ居ないか」
278: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:50:27.21:uWmaIYFeo (7/23)
国軍兵「発光弾です!」
東方参謀「合図は?」
国軍兵「白の。特遊が魔物と遭遇の様相!」
青年兵「全軍出陣! 陣形は鶴翼のまま、中央に別働隊を配置せよ!」
戦士「中央は俺らが担うぜ」
盗賊「ああ」ジャキッ
南方参謀「東方軍、総本山、国軍を分ける事なく、平等に配置してっ!」
西方参謀「いいかぁ? こっからは互いの連携が重要だ。国や軍の関係なく……協力しろよっ」
僧兵長「宜しく頼むぞ」
国軍兵「こちらこそ! 私は魔道兵ですので援護はお任せ下さい!」
足軽「ならば総本山と俺が、前面で仕掛けると致そう!」
青年兵「進めぇ!!」
若き指揮官の号令を合図に、左右を突出した様な形で陣を組んだ魔王討伐軍が出陣。
数こそこれまでの戦いに比べると少ないものの、高揚する士気や結束力は類を見ない。
それはひとえに、海上の船と言う隔離された空間で寝食共にしたからこそのものであった。
国軍兵「発光弾です!」
東方参謀「合図は?」
国軍兵「白の。特遊が魔物と遭遇の様相!」
青年兵「全軍出陣! 陣形は鶴翼のまま、中央に別働隊を配置せよ!」
戦士「中央は俺らが担うぜ」
盗賊「ああ」ジャキッ
南方参謀「東方軍、総本山、国軍を分ける事なく、平等に配置してっ!」
西方参謀「いいかぁ? こっからは互いの連携が重要だ。国や軍の関係なく……協力しろよっ」
僧兵長「宜しく頼むぞ」
国軍兵「こちらこそ! 私は魔道兵ですので援護はお任せ下さい!」
足軽「ならば総本山と俺が、前面で仕掛けると致そう!」
青年兵「進めぇ!!」
若き指揮官の号令を合図に、左右を突出した様な形で陣を組んだ魔王討伐軍が出陣。
数こそこれまでの戦いに比べると少ないものの、高揚する士気や結束力は類を見ない。
それはひとえに、海上の船と言う隔離された空間で寝食共にしたからこそのものであった。
279: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:51:21.88:uWmaIYFeo (8/23)
ダダダダッ
男隊員「しっつけぇなこの!」
キュイイィィィィ ドドオオォォォォン
泥田坊「あっぢいいぃぃ!!」
女隊員「あっ! 他のみんながこっちに向かってるッスよぉ!」
隊長「合流後に即、反転! 中央を割って、一気に突き進むぞ!」
格闘家「了解っ」ボキボキッ
ザザザザザザッ
火忍「正面っ! 妖がわんさか居やがるぜぇ」
土忍「さぁ、我らの出番よ」
ズザァッ
土忍「土遁……砂塵!」
ブワッ バシュシュシュシュウウゥゥゥゥ
戦士「な、何だぁ!?」
盗賊「砂塵は砂煙で、視界を遮断する技だ」
ダダダダッ
男隊員「しっつけぇなこの!」
キュイイィィィィ ドドオオォォォォン
泥田坊「あっぢいいぃぃ!!」
女隊員「あっ! 他のみんながこっちに向かってるッスよぉ!」
隊長「合流後に即、反転! 中央を割って、一気に突き進むぞ!」
格闘家「了解っ」ボキボキッ
ザザザザザザッ
火忍「正面っ! 妖がわんさか居やがるぜぇ」
土忍「さぁ、我らの出番よ」
ズザァッ
土忍「土遁……砂塵!」
ブワッ バシュシュシュシュウウゥゥゥゥ
戦士「な、何だぁ!?」
盗賊「砂塵は砂煙で、視界を遮断する技だ」
280: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:53:39.07:uWmaIYFeo (9/23)
戦士「なるほど……魔物の気配を感じ取って、斬りかかりゃいいわけだなっ!」
ズザッ ガキイイィィィィン!!
戦士「……!?」
鬼丸「相棒っ、俺だ! 俺!」
戦士「す、すまねぇ! 魔物の気配が……」
鬼丸「グハハッ! まぁ仕方ねぇか!」
戦士「鬼丸はちょっと退がっとけ! 砂塵が晴れるまで後方で待機しろい!」
鬼丸「ったく、しゃーねぇな」
盗賊「はあぁーっ!」ザシュッ
槍侶「ふんっ!!」ドズッ!!
火忍「……っりゃ!!」
キイイィィィィン
火忍「……おわっ!? す、すまねぇ!!」
隊長「この砂埃だからな。気にするな」
火忍「……お、おうっ」
戦士「なるほど……魔物の気配を感じ取って、斬りかかりゃいいわけだなっ!」
ズザッ ガキイイィィィィン!!
戦士「……!?」
鬼丸「相棒っ、俺だ! 俺!」
戦士「す、すまねぇ! 魔物の気配が……」
鬼丸「グハハッ! まぁ仕方ねぇか!」
戦士「鬼丸はちょっと退がっとけ! 砂塵が晴れるまで後方で待機しろい!」
鬼丸「ったく、しゃーねぇな」
盗賊「はあぁーっ!」ザシュッ
槍侶「ふんっ!!」ドズッ!!
火忍「……っりゃ!!」
キイイィィィィン
火忍「……おわっ!? す、すまねぇ!!」
隊長「この砂埃だからな。気にするな」
火忍「……お、おうっ」
281: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:54:16.45:uWmaIYFeo (10/23)
スタッ
水忍「何をしているのだお前は」
火忍「いやっ、だってよ……」
火車「ウシャシャシャシャー!!」ゴウッ
水忍「水遁……水竜巻!」
ドゴオオオオォォォォ!!
水忍「火を使う奴はどいつもこいつも、手間がかかるものよ」
火忍「何だとこらぁ!!」
盗賊「遊んでいないで早く行くぞ」
タンッ
火忍「は、はいっ!」
土忍「何をにやけておる。気持ち悪い」
火忍「だってよぉ、姫の……ますます凛々しくなられたお姿っ!」
水忍「そうだな。これがお前の見納めになるかもしれぬしな」
火忍「縁起でもねぇ事いうな!」
スタッ
水忍「何をしているのだお前は」
火忍「いやっ、だってよ……」
火車「ウシャシャシャシャー!!」ゴウッ
水忍「水遁……水竜巻!」
ドゴオオオオォォォォ!!
水忍「火を使う奴はどいつもこいつも、手間がかかるものよ」
火忍「何だとこらぁ!!」
盗賊「遊んでいないで早く行くぞ」
タンッ
火忍「は、はいっ!」
土忍「何をにやけておる。気持ち悪い」
火忍「だってよぉ、姫の……ますます凛々しくなられたお姿っ!」
水忍「そうだな。これがお前の見納めになるかもしれぬしな」
火忍「縁起でもねぇ事いうな!」
282: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:55:03.11:uWmaIYFeo (11/23)
ズザアァ
青年兵「位でよっ、ワイバーン!」
シュイイィィィィン バシュウウゥゥゥゥ!!
格闘家「はっ!!」バゴォッ!!
女隊員「おい……っしょおおぉぉぉぉ!!」
ドッゴオオオオォォォォン!!
隊長「正面は突破したぞ! 魔物どもを左右に追いやれ!」
男隊員「中央がガラ空きになんぞ!」
隊長「その為の別働隊だろ。いいからそのまま進め!」
格闘家「別働隊……」
ドドドドオオォォォォ
戦士「前衛が中央突破したみてーだな」
盗賊「我らも続くぞ」
鬼丸「おうよっ!」
青年兵「怯むなっ! 敵はさほど強くはないぞ、力で押し切るのだ!」
ズザアァ
青年兵「位でよっ、ワイバーン!」
シュイイィィィィン バシュウウゥゥゥゥ!!
格闘家「はっ!!」バゴォッ!!
女隊員「おい……っしょおおぉぉぉぉ!!」
ドッゴオオオオォォォォン!!
隊長「正面は突破したぞ! 魔物どもを左右に追いやれ!」
男隊員「中央がガラ空きになんぞ!」
隊長「その為の別働隊だろ。いいからそのまま進め!」
格闘家「別働隊……」
ドドドドオオォォォォ
戦士「前衛が中央突破したみてーだな」
盗賊「我らも続くぞ」
鬼丸「おうよっ!」
青年兵「怯むなっ! 敵はさほど強くはないぞ、力で押し切るのだ!」
283: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:55:32.75:uWmaIYFeo (12/23)
ドドドドドド……
西方参謀「いやはや、立派な指揮官になられちまいましたなぁ……ヒック」
南方参謀「何だか、初めて会った頃のウブな青年兵くんが懐かしいわぁ」
西方参謀「んで、準備はいいかい? 東方先生」
東方参謀「早く撃てぃ! とっくに準備出来ておるわぁ!」
西方参謀「ほんじゃま、いきますか」
南方参謀「風行でいい?」
キュイイィィィィ
東方参謀「超級――」
西方参謀「発射ぁーっ!!」
バッゴオオオオォォォォン!!
僧兵長「な、何事っ!?」
国軍兵「東方先生の必殺技です!」
東方参謀「ぬううぅぅりゃああああぁぁぁぁーっ!!」ボボボボボボッ
僧兵長「す、凄いな……っ。己の身に法力を纏い、突撃しているのか……っ」
ドドドドドド……
西方参謀「いやはや、立派な指揮官になられちまいましたなぁ……ヒック」
南方参謀「何だか、初めて会った頃のウブな青年兵くんが懐かしいわぁ」
西方参謀「んで、準備はいいかい? 東方先生」
東方参謀「早く撃てぃ! とっくに準備出来ておるわぁ!」
西方参謀「ほんじゃま、いきますか」
南方参謀「風行でいい?」
キュイイィィィィ
東方参謀「超級――」
西方参謀「発射ぁーっ!!」
バッゴオオオオォォォォン!!
僧兵長「な、何事っ!?」
国軍兵「東方先生の必殺技です!」
東方参謀「ぬううぅぅりゃああああぁぁぁぁーっ!!」ボボボボボボッ
僧兵長「す、凄いな……っ。己の身に法力を纏い、突撃しているのか……っ」
284: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:56:03.47:uWmaIYFeo (13/23)
ドッドッドドドドドドッ!!
東方参謀「爆発っ!!」
カッ!! ズッドオオオオオォォォォン!!
火忍「……すっげ」
風忍「湖までの道が開けたな」
青年兵「このまま行きましょう」
戦士「周りの魔物は?」
青年兵「軍団長クラスはいないようです。後続にお任せしましょう」
盗賊「……そうだな」
青年兵「あくまで討伐軍は、魔王が標的です。極力、消耗は避けたいところです」
戦士「それもそうだな」
鬼丸「ガハハッ! この程度の妖なら、何ら心配はねぇよ」
槍侶「私も行きますっ!」
僧兵長「槍侶!」
槍侶「僧兵長様っ、ここは頼みましたよ!」
ドッドッドドドドドドッ!!
東方参謀「爆発っ!!」
カッ!! ズッドオオオオオォォォォン!!
火忍「……すっげ」
風忍「湖までの道が開けたな」
青年兵「このまま行きましょう」
戦士「周りの魔物は?」
青年兵「軍団長クラスはいないようです。後続にお任せしましょう」
盗賊「……そうだな」
青年兵「あくまで討伐軍は、魔王が標的です。極力、消耗は避けたいところです」
戦士「それもそうだな」
鬼丸「ガハハッ! この程度の妖なら、何ら心配はねぇよ」
槍侶「私も行きますっ!」
僧兵長「槍侶!」
槍侶「僧兵長様っ、ここは頼みましたよ!」
285: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:56:42.32:uWmaIYFeo (14/23)
ザザッ タッタッタッタッタッ……
僧兵長「全く、困った奴だ」
僧兵「まぁ、槍侶ならば心配無用でしょう」
僧兵長「技量はな。しかし、精神がまだ未熟ゆえ……他の迷惑とならねば良いが……」
ドザアアァァァァ!!
足軽「海からもきやがったでぇ!!」
海坊主「……ぬううぅぅぅぅん」
僧兵長「まずいっ! 船をやられては一大事だぞ!」
国軍兵「船を守れぇ! 船なくしては、勝っても帰れんぞ!」
バシュシュシュシュッ!!
弓兵「船外へは決して出ぬように!」
老人「ひっ、ひいいぃぃ!!」
漁師「……ほ、本当に大丈夫なんだなっ!?」
弓兵「俺達を信じてくれ! あんたらの為にも勝って、絶対に連れて帰るからよっ!」
漁師「わ、分かった! 頑張ってくれ!」
ザザッ タッタッタッタッタッ……
僧兵長「全く、困った奴だ」
僧兵「まぁ、槍侶ならば心配無用でしょう」
僧兵長「技量はな。しかし、精神がまだ未熟ゆえ……他の迷惑とならねば良いが……」
ドザアアァァァァ!!
足軽「海からもきやがったでぇ!!」
海坊主「……ぬううぅぅぅぅん」
僧兵長「まずいっ! 船をやられては一大事だぞ!」
国軍兵「船を守れぇ! 船なくしては、勝っても帰れんぞ!」
バシュシュシュシュッ!!
弓兵「船外へは決して出ぬように!」
老人「ひっ、ひいいぃぃ!!」
漁師「……ほ、本当に大丈夫なんだなっ!?」
弓兵「俺達を信じてくれ! あんたらの為にも勝って、絶対に連れて帰るからよっ!」
漁師「わ、分かった! 頑張ってくれ!」
286: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:57:10.51:uWmaIYFeo (15/23)
ズザッ ザシュウウゥゥ!!
隊長「湖畔か。確かに湖も凍っている様子はないな」
格闘家「この気候で、おかしな話ですね」
男隊員「何かあるとしか思えね――」
ザザッ……スタッ
戦士「到着っ!」
盗賊「……ん、どうした?」
女隊員「な……なんスかこれ……っ」
隊長「……バカなっ」
シュタタッ
土忍「どうかしたのか?」
スタスタスタ……
戦士「何を覗き込んでるんだ? 湖の中に何か……」
盗賊「……何だ……あれは!!」
戦士「城だ……城が……湖の中にあるぞ!!」
ズザッ ザシュウウゥゥ!!
隊長「湖畔か。確かに湖も凍っている様子はないな」
格闘家「この気候で、おかしな話ですね」
男隊員「何かあるとしか思えね――」
ザザッ……スタッ
戦士「到着っ!」
盗賊「……ん、どうした?」
女隊員「な……なんスかこれ……っ」
隊長「……バカなっ」
シュタタッ
土忍「どうかしたのか?」
スタスタスタ……
戦士「何を覗き込んでるんだ? 湖の中に何か……」
盗賊「……何だ……あれは!!」
戦士「城だ……城が……湖の中にあるぞ!!」
287: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:57:47.90:uWmaIYFeo (16/23)
~西の平原~
神野「ひゃーっはっはっはっは!! なんやぁ、こんなモンかいな!!」
東方司令「ちっ、しぶとい奴だな」
神野「嬢ちゃんこそ、世界ニやなかったんか?」
東方司令「……殺す!」シュバッ
キィンッ キィンッ キィンッ ガキイイィィン!!
神野「でもま、言うだけの事はあるわぁ」
東方司令「ほざいてろっ!!」
サル「ダメだなあのチビッコ、頭に血が昇ってやがる」
召喚士「いや、東方司令さんはそこまで愚かな人じゃありませんよ」
サル「そうかぁ?」
召喚士「きっと引きつけて、刀を奪うつもりなんでしょう」
名代「ならば加勢を」
召喚士「……しかし、召喚獣や式神では間合いを取られてしまう可能性が……」
魔道士「魔法援護もそうですね……っ」
~西の平原~
神野「ひゃーっはっはっはっは!! なんやぁ、こんなモンかいな!!」
東方司令「ちっ、しぶとい奴だな」
神野「嬢ちゃんこそ、世界ニやなかったんか?」
東方司令「……殺す!」シュバッ
キィンッ キィンッ キィンッ ガキイイィィン!!
神野「でもま、言うだけの事はあるわぁ」
東方司令「ほざいてろっ!!」
サル「ダメだなあのチビッコ、頭に血が昇ってやがる」
召喚士「いや、東方司令さんはそこまで愚かな人じゃありませんよ」
サル「そうかぁ?」
召喚士「きっと引きつけて、刀を奪うつもりなんでしょう」
名代「ならば加勢を」
召喚士「……しかし、召喚獣や式神では間合いを取られてしまう可能性が……」
魔道士「魔法援護もそうですね……っ」
288: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:58:15.56:uWmaIYFeo (17/23)
ザッザッ
女侍「あたいが行くよ」
召喚士「女侍さん?」
女侍「あの娘の援護すりゃいいんだろ? だったら適任さね」
イヌ「援護するね」
女侍「あんたらもギリギリまで待ってな。ヘタに手出しして逃げられたらどうすんのさ」
キジ「でも、危険さ~」
女侍「そんなもんは百も承知の上だろ。あたいよりも上様の護衛をしてなっ」タンッ
キィンッ キィンッ キィンッ ヒュオンッ
神野「ようかわすやないけっ。ちっこい体が幸いしたなぁ」
東方司令「ごちゃごちゃと……五月蝿い! 本当に殺してやろうかっ!」
ババッ!!
女侍「お楽しみの最中悪いけどさ、あたいも混ぜてくれよ♪」
神野「なんや、一人増えただけやないか」
女侍「女二人に囲まれて、両手に華でいいじゃないか。ふふっ」
ザッザッ
女侍「あたいが行くよ」
召喚士「女侍さん?」
女侍「あの娘の援護すりゃいいんだろ? だったら適任さね」
イヌ「援護するね」
女侍「あんたらもギリギリまで待ってな。ヘタに手出しして逃げられたらどうすんのさ」
キジ「でも、危険さ~」
女侍「そんなもんは百も承知の上だろ。あたいよりも上様の護衛をしてなっ」タンッ
キィンッ キィンッ キィンッ ヒュオンッ
神野「ようかわすやないけっ。ちっこい体が幸いしたなぁ」
東方司令「ごちゃごちゃと……五月蝿い! 本当に殺してやろうかっ!」
ババッ!!
女侍「お楽しみの最中悪いけどさ、あたいも混ぜてくれよ♪」
神野「なんや、一人増えただけやないか」
女侍「女二人に囲まれて、両手に華でいいじゃないか。ふふっ」
289: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 17:59:06.28:uWmaIYFeo (18/23)
ビュオッ!!
神野「なかなか早いやないか。でも、ガキンチョに負けとるでぇオバハン」
女侍「誰がババアだ!!」
東方司令「誰がガキだこらぁ!!」
ビュンッ!! ブオッ!! シュバッ!!
魔道士「な、何だかだんだんと……ヒートアップしてませんか?」
召喚士「……き、気のせいですよきっと」
ババババババッ!! ビュオンッ!!
神野「なんやつまらんなぁ。本体出すまでもないわな」
東方司令「なっ!?」
神野「おねんねしときぃ!!」
バギャッ!! ドザザザザアアァァ
東方司令「ぐく……っ」
帝「東方司令っ!」
東方司令「……」ブンブン
帝「!?」
ビュオッ!!
神野「なかなか早いやないか。でも、ガキンチョに負けとるでぇオバハン」
女侍「誰がババアだ!!」
東方司令「誰がガキだこらぁ!!」
ビュンッ!! ブオッ!! シュバッ!!
魔道士「な、何だかだんだんと……ヒートアップしてませんか?」
召喚士「……き、気のせいですよきっと」
ババババババッ!! ビュオンッ!!
神野「なんやつまらんなぁ。本体出すまでもないわな」
東方司令「なっ!?」
神野「おねんねしときぃ!!」
バギャッ!! ドザザザザアアァァ
東方司令「ぐく……っ」
帝「東方司令っ!」
東方司令「……」ブンブン
帝「!?」
290: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 18:00:02.64:uWmaIYFeo (19/23)
名代「やはり東方司令殿、本気ではないようですね」
帝「ああ。今、間違いなく……目で合図を送っていた……っ」
ヒュバッ!!
神野「次はこっちや!」
女侍「くぅっ!!」
ビュオッ……キイイィィィィン!!
女侍「な――っ!!」
クルクルクルッ……ザスッ
神野「刀を失ってもーたなぁ」ザッザッザッ
イヌ「お頭――」
バッ!!
サル「まだだ。この程度でやられるタマかよ」
キジ「……っ」
神野「さーてさて、とどめ……刺させて貰うでぇ!!」
ブオンッ!!
名代「やはり東方司令殿、本気ではないようですね」
帝「ああ。今、間違いなく……目で合図を送っていた……っ」
ヒュバッ!!
神野「次はこっちや!」
女侍「くぅっ!!」
ビュオッ……キイイィィィィン!!
女侍「な――っ!!」
クルクルクルッ……ザスッ
神野「刀を失ってもーたなぁ」ザッザッザッ
イヌ「お頭――」
バッ!!
サル「まだだ。この程度でやられるタマかよ」
キジ「……っ」
神野「さーてさて、とどめ……刺させて貰うでぇ!!」
ブオンッ!!
291: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 18:00:43.10:uWmaIYFeo (20/23)
神野「……?」
女侍「……」
神野(……コイツ、何でこんな目の前に居るんや……ッ?)
女侍「真剣白刃取りなんて一か八かの技、実戦じゃあ不向きさねぇ」
神野(そうや。わいが振り下ろした瞬間、懐に飛び込んできて……)
ツツーッ
魔道士「血がっ!」
女侍「額をかすめただけさ。平気平気っ」グググッ
神野(そして……両腕を捕まれた……!?)
女侍「手首握られるとさ、固定させて動かせないだろ?」
神野「くっ!」
女侍「逃がしゃしないよっ! このまま刀……ぶん取って――」
ザシュッ!! ボトボトッ
女侍「……!?」
名代「……う、腕……がっ」
神野「……?」
女侍「……」
神野(……コイツ、何でこんな目の前に居るんや……ッ?)
女侍「真剣白刃取りなんて一か八かの技、実戦じゃあ不向きさねぇ」
神野(そうや。わいが振り下ろした瞬間、懐に飛び込んできて……)
ツツーッ
魔道士「血がっ!」
女侍「額をかすめただけさ。平気平気っ」グググッ
神野(そして……両腕を捕まれた……!?)
女侍「手首握られるとさ、固定させて動かせないだろ?」
神野「くっ!」
女侍「逃がしゃしないよっ! このまま刀……ぶん取って――」
ザシュッ!! ボトボトッ
女侍「……!?」
名代「……う、腕……がっ」
292: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 18:01:13.51:uWmaIYFeo (21/23)
ポタポタポタッ
神野「……う……ぐああぁぁ!!」
女侍「あんたぁ……」
チャキッ
東方司令「刀に触れてはいないだろうな?」」ギロッ
女侍「残念。せっかくこの美貌が、死ぬまで保てると思ったのにねぇ」
東方司令「ふざけるな!! 不老など不幸以外の何でもない!!」
女侍「冗談さね。そう怒りなさんなって……ふふっ」
神野「わいの……腕ぇ……ッ!」
女侍「あんたのじゃあないだろ! 剣聖の腕さ!」
東方司令「魔剣は確かに頂いた。これで貴様が振るう武器はない」
神野「あんまり調子こくなよ……人間風情がァ……!!」
召喚士「今だっ!」
名代「一旦木綿!」ボンッ
魔道士「やあぁっ!!」
ポタポタポタッ
神野「……う……ぐああぁぁ!!」
女侍「あんたぁ……」
チャキッ
東方司令「刀に触れてはいないだろうな?」」ギロッ
女侍「残念。せっかくこの美貌が、死ぬまで保てると思ったのにねぇ」
東方司令「ふざけるな!! 不老など不幸以外の何でもない!!」
女侍「冗談さね。そう怒りなさんなって……ふふっ」
神野「わいの……腕ぇ……ッ!」
女侍「あんたのじゃあないだろ! 剣聖の腕さ!」
東方司令「魔剣は確かに頂いた。これで貴様が振るう武器はない」
神野「あんまり調子こくなよ……人間風情がァ……!!」
召喚士「今だっ!」
名代「一旦木綿!」ボンッ
魔道士「やあぁっ!!」
293: ◆1otsuV0WFc:2011/12/28(水) 18:01:43.88:uWmaIYFeo (22/23)
ドッドオオォォォォン!! ゴアアァァァァ!!
神野「小賢しいっ! たかが突風……」
ピシッ ピキピキッ
神野「な、何や……? おいコラァ! 風に何を細工――」
コカトリス「こんな手に引っ掛かるとは、久々に清々しいな」
神野「ッ!!」
一旦木綿「そうらっ」
ギュルギュルギュルッ!!
神野「何やこらっ、離せ! 離さんかワレェ!!」
一旦木綿「構わんよ。このまま石化しておくれ」
コカトリス「遠慮はせんぞ」
神野「離せ言うとるやろがああぁぁ!!」
コカトリス「やかましいな。まずはその口から封じてやろう」
神野「何をほざ――――」ゴオオォォォォ……
コカトリス「……ふっ、おもわず全身、石化してしまったわ」
ドッドオオォォォォン!! ゴアアァァァァ!!
神野「小賢しいっ! たかが突風……」
ピシッ ピキピキッ
神野「な、何や……? おいコラァ! 風に何を細工――」
コカトリス「こんな手に引っ掛かるとは、久々に清々しいな」
神野「ッ!!」
一旦木綿「そうらっ」
ギュルギュルギュルッ!!
神野「何やこらっ、離せ! 離さんかワレェ!!」
一旦木綿「構わんよ。このまま石化しておくれ」
コカトリス「遠慮はせんぞ」
神野「離せ言うとるやろがああぁぁ!!」
コカトリス「やかましいな。まずはその口から封じてやろう」
神野「何をほざ――――」ゴオオォォォォ……
コカトリス「……ふっ、おもわず全身、石化してしまったわ」
294:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 18:02:20.31:uWmaIYFeo (23/23)
ひとまずこれまで!失礼致します!
本日もご支援ありがとうでしたっ!ではまた!ノシ
ひとまずこれまで!失礼致します!
本日もご支援ありがとうでしたっ!ではまた!ノシ
295:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 18:08:22.88:9by6ryBAO (1/1)
乙
コカトリスさん久々のまともな活躍ですね!
乙
コカトリスさん久々のまともな活躍ですね!
296:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 18:20:30.70:1Jo6EhQSO (1/2)
コカwwさんノリノリでござる^^
コカwwさんノリノリでござる^^
297:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 18:55:20.38:hucy+rcAO (1/1)
コカさんがゴエモンに見える
コカさんがゴエモンに見える
298:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 19:26:08.93:mrHLEZ9AO (1/1)
隊長…
隊長…
299:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 20:17:45.39:dXWKbwrZo (1/1)
コカさんわろた
コカさんわろた
300:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 21:09:07.37:+BRs01VDO (1/1)
コカさんが小物じみた台詞を……
コカさんが小物じみた台詞を……
301:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 21:56:15.28:aLRNdjVI0 (1/1)
いちおつ
水中の城か…洞窟からしか入れないのかな
いちおつ
水中の城か…洞窟からしか入れないのかな
302:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 22:27:32.56:Xo+cBfx3o (1/1)
山に埋もれた城に続いて湖に沈んだ城か
山に埋もれた城に続いて湖に沈んだ城か
303:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 22:43:31.53:cM9ZkMtV0 (1/1)
火山の頂上にも城みたいなのがなかったっけか?
火山の頂上にも城みたいなのがなかったっけか?
304:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 22:45:50.86:c2Slq+xbo (1/1)
じゃぁ次は天空の城だな
じゃぁ次は天空の城だな
305:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 23:04:12.22:0RvYDx+ao (1/1)
めがああああああああああああ
めがああああああああああああ
306:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 23:19:13.99:Fkw5azqyo (1/1)
>>304
バルス
アンラマンユ様だけ城を持ってないね、皆城に住むなんて律儀ですな
>>304
バルス
アンラマンユ様だけ城を持ってないね、皆城に住むなんて律儀ですな
307:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/28(水) 23:47:36.77:1Jo6EhQSO (2/2)
>>303南方の牛魔王かな
アンラマンユは火山の天然要塞か
>>303南方の牛魔王かな
アンラマンユは火山の天然要塞か
308:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 00:05:35.40:J0G/io9oo (1/1)
城は力の象徴だからな
最強だと自負しているアンマにそんなものは必要ないんだろう
城は力の象徴だからな
最強だと自負しているアンマにそんなものは必要ないんだろう
309:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 01:40:44.08:j7u8FVoAO (1/1)
>>1おつ
>>1おつ
310: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 16:51:52.14:krtCj8Yoo (1/13)
~最北端、湖~
青年兵「確かに、城に見えますね」
東方参謀「一体どういう事だ?」
西方参謀「不自然だなぁ。水没するような地形でもねぇし、何より……」
隊長「水の存在だな。何故、凍りつかずに流れ続けているのか」
盗賊「結論は?」
青年兵「どう考えても、魔王マーラの仕業としか思えませんね」
戦士「だとしてもだ、水の中に城って……まさかあの城の中にいるんじゃないだろうな?」
男隊員「どうやって入れってんだよ……。息が持たずに水死体になる事、間違いないぜ」
火忍「おら水、てめぇの出番だろうがよ」
水忍「あのな、これだけの水量を簡単に出来るわけなかろう」
風忍「先程使った、疾風怒濤の倍か、いやそれ以上の労力を費やすな……」
火忍「何でもいいからさっさと――」
サアアァァァァ
盗賊「……何だ?」
~最北端、湖~
青年兵「確かに、城に見えますね」
東方参謀「一体どういう事だ?」
西方参謀「不自然だなぁ。水没するような地形でもねぇし、何より……」
隊長「水の存在だな。何故、凍りつかずに流れ続けているのか」
盗賊「結論は?」
青年兵「どう考えても、魔王マーラの仕業としか思えませんね」
戦士「だとしてもだ、水の中に城って……まさかあの城の中にいるんじゃないだろうな?」
男隊員「どうやって入れってんだよ……。息が持たずに水死体になる事、間違いないぜ」
火忍「おら水、てめぇの出番だろうがよ」
水忍「あのな、これだけの水量を簡単に出来るわけなかろう」
風忍「先程使った、疾風怒濤の倍か、いやそれ以上の労力を費やすな……」
火忍「何でもいいからさっさと――」
サアアァァァァ
盗賊「……何だ?」
311: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 16:53:48.87:krtCj8Yoo (2/13)
ドッバアアアアァァァァン!!
格闘家「!?」
ドザザザザザザアアァァァァ……
女隊員「み、水が……割れて……」
南方参謀「見てあれっ!! 橋が架かってるわよっ!!」
西方参謀「さぁてどうする? 司令官さんよぉ……ヒック」
青年兵「行くしかないでしょう。この機を逃すのは凡夫の所業です」
男隊員「言ってくれるじゃねぇか。ヒャハハ!」
隊長「こりゃ、進むしかなさそうだな」
東方参謀「それでは各自、突入開始!!」
ダダッ タッタッタッタッ
水忍「……」
火忍「どしたぁ?」
水忍「この水の割れ方……」
風忍「ああ。まるで疾風怒濤の如くだな。いやしかし、これほどの威力……使いこなせる者など……」
ドッバアアアアァァァァン!!
格闘家「!?」
ドザザザザザザアアァァァァ……
女隊員「み、水が……割れて……」
南方参謀「見てあれっ!! 橋が架かってるわよっ!!」
西方参謀「さぁてどうする? 司令官さんよぉ……ヒック」
青年兵「行くしかないでしょう。この機を逃すのは凡夫の所業です」
男隊員「言ってくれるじゃねぇか。ヒャハハ!」
隊長「こりゃ、進むしかなさそうだな」
東方参謀「それでは各自、突入開始!!」
ダダッ タッタッタッタッ
水忍「……」
火忍「どしたぁ?」
水忍「この水の割れ方……」
風忍「ああ。まるで疾風怒濤の如くだな。いやしかし、これほどの威力……使いこなせる者など……」
312: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 16:54:41.65:krtCj8Yoo (3/13)
…
ドドオオオオォォォォ
影忍「……上手くいったか」
ピクッ
影忍「!?」
スウゥッ
影忍「妖……ではないようだな」チャキッ
アスタロス「……排除する」
影忍「貴様、ベルゼブブの……」
ドウッ!!
影忍「――っ!!」
ギイイィィィィン!! ズザザッ
影忍「問答無用か」
アスタロス「排除。それが……我が主の命令」
影忍「連中が無事、侵入するまで……少し相手をしてやるか」
…
ドドオオオオォォォォ
影忍「……上手くいったか」
ピクッ
影忍「!?」
スウゥッ
影忍「妖……ではないようだな」チャキッ
アスタロス「……排除する」
影忍「貴様、ベルゼブブの……」
ドウッ!!
影忍「――っ!!」
ギイイィィィィン!! ズザザッ
影忍「問答無用か」
アスタロス「排除。それが……我が主の命令」
影忍「連中が無事、侵入するまで……少し相手をしてやるか」
313: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 16:55:42.10:krtCj8Yoo (4/13)
…
タッタッタッタッタッ
戦士「このまま城に突入出来そうだな!」
土忍「門は目の前だな。このまま何事もなく進めば良いが……」
ゴゴゴゴゴゴ……
火忍「へっ、そうもいかねぇみたいだなっ」
青年兵「水が戻ります! 急いで城の中へ!」
戦士「急ぐ……って、どうすりゃいいんだよ!」
鬼丸「とにかく突っ込むっきゃねぇだろうよ!」
東方参謀「ぬうぅ!」
青年兵「……強行突破します! 門へ総攻撃ぃ!」
男隊員「う……っおおぉぉぉぉ!!」
火忍「ぶち破れええぇぇ!!」
バッゴオオオオォォォォン!!
鬼丸「うお……っと!」
…
タッタッタッタッタッ
戦士「このまま城に突入出来そうだな!」
土忍「門は目の前だな。このまま何事もなく進めば良いが……」
ゴゴゴゴゴゴ……
火忍「へっ、そうもいかねぇみたいだなっ」
青年兵「水が戻ります! 急いで城の中へ!」
戦士「急ぐ……って、どうすりゃいいんだよ!」
鬼丸「とにかく突っ込むっきゃねぇだろうよ!」
東方参謀「ぬうぅ!」
青年兵「……強行突破します! 門へ総攻撃ぃ!」
男隊員「う……っおおぉぉぉぉ!!」
火忍「ぶち破れええぇぇ!!」
バッゴオオオオォォォォン!!
鬼丸「うお……っと!」
314: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 16:57:18.13:krtCj8Yoo (5/13)
ドザザッ
戦士「いってぇ……」
盗賊「ここは……城内か?」
隊長「にしちゃあ……だだっ広いだけで、何もねぇな」
女隊員「ど、どういう事なんスかねぇ」
西方参謀「とにかく、進むしかねぇわな……ヒック」
青年兵「ここからは細心の注意を」
南方参謀「分かっているわ。それよりも……」
チラッ
南方参謀「帰路……どうするのよ……っ」
隊長「帰りの事より今の事だろ」
東方参謀「そうだな。そもそも無事に帰れる保証もない」
南方参謀「嫌な事……言わないでよっ」
青年兵「さぁ、進みますよ。宜しいですか?」
戦士「おう! 行くっきゃねぇよな、道は……前にしかねぇんだからよ」
ドザザッ
戦士「いってぇ……」
盗賊「ここは……城内か?」
隊長「にしちゃあ……だだっ広いだけで、何もねぇな」
女隊員「ど、どういう事なんスかねぇ」
西方参謀「とにかく、進むしかねぇわな……ヒック」
青年兵「ここからは細心の注意を」
南方参謀「分かっているわ。それよりも……」
チラッ
南方参謀「帰路……どうするのよ……っ」
隊長「帰りの事より今の事だろ」
東方参謀「そうだな。そもそも無事に帰れる保証もない」
南方参謀「嫌な事……言わないでよっ」
青年兵「さぁ、進みますよ。宜しいですか?」
戦士「おう! 行くっきゃねぇよな、道は……前にしかねぇんだからよ」
315: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 16:58:27.22:krtCj8Yoo (6/13)
~西の平原~
コカトリス「それで、どうするのだ?」
サル「今のところ……ただの石像と化しちまったわけだなぁ」
召喚士「下手に触らない方がいいですよ」
名代「これで終わったとは思えませぬが……」
帝「だな。あれ程の強さを誇っておったくせに、これで終いとは……」
召喚士「コカトリス、手ごたえは?」
コカトリス「貴様は感じなかったのか?」
召喚士「いや、感触があったからこそ不思議だなと思って……」
魔道士「思念体って、アンデッドと同じような感じなんですか?」
召喚士「ええ。でもアンデッドの時とは若干、違うような感触が……」
キジ「どうするさー?」
女侍「いっその事、このままブチ壊しちまうのがいいんじゃないかい?」
名代「……そうですね。やってみましょうか」
召喚士「では、お願いします」
~西の平原~
コカトリス「それで、どうするのだ?」
サル「今のところ……ただの石像と化しちまったわけだなぁ」
召喚士「下手に触らない方がいいですよ」
名代「これで終わったとは思えませぬが……」
帝「だな。あれ程の強さを誇っておったくせに、これで終いとは……」
召喚士「コカトリス、手ごたえは?」
コカトリス「貴様は感じなかったのか?」
召喚士「いや、感触があったからこそ不思議だなと思って……」
魔道士「思念体って、アンデッドと同じような感じなんですか?」
召喚士「ええ。でもアンデッドの時とは若干、違うような感触が……」
キジ「どうするさー?」
女侍「いっその事、このままブチ壊しちまうのがいいんじゃないかい?」
名代「……そうですね。やってみましょうか」
召喚士「では、お願いします」
316: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 16:59:04.96:krtCj8Yoo (7/13)
ザッ
東方司令「……はあっ!」
女侍「ふんっ!」
ズガシュッ!! ドッゴオオォォォォ!!
魔道士「やった……っ!!」
パラパラッ コトッ……
帝「……何も……起きないな」
名代「どういう事なのでしょうか?」
テクテクテク ガシッ
サル「……なーなー、コカトリスっちの石化ってのはさ、普通の石にするもんなのかい?」
召喚士「え……っ?」
サル「ほれっ」ポイッ
召喚士「……!?」
イヌ「どう見ても普通の石ころね」
召喚士「ま……さか……っ!!」
ザッ
東方司令「……はあっ!」
女侍「ふんっ!」
ズガシュッ!! ドッゴオオォォォォ!!
魔道士「やった……っ!!」
パラパラッ コトッ……
帝「……何も……起きないな」
名代「どういう事なのでしょうか?」
テクテクテク ガシッ
サル「……なーなー、コカトリスっちの石化ってのはさ、普通の石にするもんなのかい?」
召喚士「え……っ?」
サル「ほれっ」ポイッ
召喚士「……!?」
イヌ「どう見ても普通の石ころね」
召喚士「ま……さか……っ!!」
317: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 16:59:36.15:krtCj8Yoo (8/13)
ババッ!!
魔道士「ど、どうしました!?」
召喚士「やはり思念体を倒しても意味はないんだ……っ」
名代「あくまで、本体を捉えねば意味がないと?」
召喚士「石化の中身は空っぽです」
東方司令「ならば奴は、どこへ行ったのだ?」
サル「どっかに潜んでやがるのかっ!?」
帝「いや、奴は思念体になる事を嫌がっていた節がある」
キジ「そうなのさ?」
帝「でなくば勿体ぶって、思念体などという媒介を使う意味がない」
召喚士「なるほど……っ。つまりシンノアクゴロウは今……」
名代「剣聖の屋敷、ですね」
召喚士「結界を利用して戦う方法は無理みたいですね」
東方司令「いいよ。次は確実に仕留める」チャキッ
女侍「いつまでも剣聖を語らせやしないよ……っ!」
ババッ!!
魔道士「ど、どうしました!?」
召喚士「やはり思念体を倒しても意味はないんだ……っ」
名代「あくまで、本体を捉えねば意味がないと?」
召喚士「石化の中身は空っぽです」
東方司令「ならば奴は、どこへ行ったのだ?」
サル「どっかに潜んでやがるのかっ!?」
帝「いや、奴は思念体になる事を嫌がっていた節がある」
キジ「そうなのさ?」
帝「でなくば勿体ぶって、思念体などという媒介を使う意味がない」
召喚士「なるほど……っ。つまりシンノアクゴロウは今……」
名代「剣聖の屋敷、ですね」
召喚士「結界を利用して戦う方法は無理みたいですね」
東方司令「いいよ。次は確実に仕留める」チャキッ
女侍「いつまでも剣聖を語らせやしないよ……っ!」
318: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 17:40:52.03:krtCj8Yoo (9/13)
~最北端、湖の城~
ザッザッザッザッ
火忍「進めど進めど、何も無し」
男隊員こりゃ空振ったかねぇ……ヒャハハ」
隊長「いや待て、何だあれは……!?」
ザッ
槍侶「階段のようですね」
格闘家「上りと下り、二つの階段がありますね」
盗賊「どうする?」
東方参謀「ここは3手に分かれるとしようか」
戦士「3手?」
青年兵「上と下、そしてこのフロアの3つです」
戦士「あぁそうか、このフロアにもまだ何かあるかもしれねーよな」
南方参謀「それで、どう分かれるの?」
青年兵「そうですね……」
~最北端、湖の城~
ザッザッザッザッ
火忍「進めど進めど、何も無し」
男隊員こりゃ空振ったかねぇ……ヒャハハ」
隊長「いや待て、何だあれは……!?」
ザッ
槍侶「階段のようですね」
格闘家「上りと下り、二つの階段がありますね」
盗賊「どうする?」
東方参謀「ここは3手に分かれるとしようか」
戦士「3手?」
青年兵「上と下、そしてこのフロアの3つです」
戦士「あぁそうか、このフロアにもまだ何かあるかもしれねーよな」
南方参謀「それで、どう分かれるの?」
青年兵「そうですね……」
319: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 17:41:27.41:krtCj8Yoo (10/13)
…
火忍「はっはっは! 良い編制だ!」
水忍「騒ぐでない。遊びではないんだぞ」
風忍「我らはこのまま、上へむかいます」
土忍「……宜しいですな?」
盗賊「ああ、勿論だ」カチャッ
青年兵「藤蔵の5名はこのまま上の階へ。次は……僕らですね」
男隊員「俺らは下だな。どうか魔王がいませんように……ヒャハハ」
女隊員「どうせ戦うんス。そんなの関係ないッスよ」
格闘家「女隊員さんの言う通りです。誰であろうと、敵は倒す」ボキボキッ
鬼丸「賛成だ! グハハッ!」
戦士「盗賊、予言の事……」
盗賊「分かっている。藤蔵の面々だ、心配は一切ないさ」
戦士「……ああ。それじゃ、また後で会おうぜ」
盗賊「……うん」
…
火忍「はっはっは! 良い編制だ!」
水忍「騒ぐでない。遊びではないんだぞ」
風忍「我らはこのまま、上へむかいます」
土忍「……宜しいですな?」
盗賊「ああ、勿論だ」カチャッ
青年兵「藤蔵の5名はこのまま上の階へ。次は……僕らですね」
男隊員「俺らは下だな。どうか魔王がいませんように……ヒャハハ」
女隊員「どうせ戦うんス。そんなの関係ないッスよ」
格闘家「女隊員さんの言う通りです。誰であろうと、敵は倒す」ボキボキッ
鬼丸「賛成だ! グハハッ!」
戦士「盗賊、予言の事……」
盗賊「分かっている。藤蔵の面々だ、心配は一切ないさ」
戦士「……ああ。それじゃ、また後で会おうぜ」
盗賊「……うん」
320: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 17:42:02.37:krtCj8Yoo (11/13)
東方参謀「残るは我らか」
西方参謀「このまま真っ直ぐ進むぞ。ま、何もないかもしれんがなぁ……がははっ!」
南方参謀「宜しく頼むわねっ!」
槍侶「は、はいっ!」
隊長「……それじゃ行くか」
青年兵「くれぐれも無茶はなさらないで下さい」
戦士「分かってるよ。魔王マーラが居ても、全員が揃うまでは極力、待機してるさ」
男隊員「出来りゃいいけどなぁ。軍団長クラスがいたらどーすんだ?」
鬼丸「そん時ゃそん時だ。押してでも通る!」
槍侶「ですね」
戦士「お、そうだ。槍侶っつったっけ?」
槍侶「はい」
戦士「あんた相当の使い手だ。これ、持っててくれよ」スッ
槍侶「……これは?」
戦士「ゾディアック。いいか? 決して魔力を込めて使ったりするなよ?」
東方参謀「残るは我らか」
西方参謀「このまま真っ直ぐ進むぞ。ま、何もないかもしれんがなぁ……がははっ!」
南方参謀「宜しく頼むわねっ!」
槍侶「は、はいっ!」
隊長「……それじゃ行くか」
青年兵「くれぐれも無茶はなさらないで下さい」
戦士「分かってるよ。魔王マーラが居ても、全員が揃うまでは極力、待機してるさ」
男隊員「出来りゃいいけどなぁ。軍団長クラスがいたらどーすんだ?」
鬼丸「そん時ゃそん時だ。押してでも通る!」
槍侶「ですね」
戦士「お、そうだ。槍侶っつったっけ?」
槍侶「はい」
戦士「あんた相当の使い手だ。これ、持っててくれよ」スッ
槍侶「……これは?」
戦士「ゾディアック。いいか? 決して魔力を込めて使ったりするなよ?」
321: ◆1otsuV0WFc:2011/12/29(木) 17:43:18.60:krtCj8Yoo (12/13)
槍侶「魔力……とは?」
南方参謀「えっ!? もしかして……魔力ないの!?」
西方参謀「ないというより、文化が違うからなぁ。遣い方を知らんのかもしれんな」
南方参謀「でもっ、東方にだって本国のワーカーやら魔法使える人、来てるでしょ」
槍侶「総本山は隔離された空間なので、下界の事はあまり詳しく……」
東方参謀「成程な。ならば知らぬのも同意出来る」
女隊員「つまり、格闘家くんと同じって事ッスか?」
男隊員「今はな。だが、槍侶クンはこいつと違って、素質があるかもしれん」
格闘家「……」
隊長「ゾディアックある以上、今は無理に会得しない方が身のためだな」
青年兵「ええ。威力は桁外れですが、死に直結しますよ」
槍侶「……っ!?」
戦士「安心しろ! 魔力がない限りは五行もゾディアック内だけに留まるからよ」
槍侶「は、はぁ……」
青年兵「さぁ準備は良いですね? それでは……行きましょう!」
槍侶「魔力……とは?」
南方参謀「えっ!? もしかして……魔力ないの!?」
西方参謀「ないというより、文化が違うからなぁ。遣い方を知らんのかもしれんな」
南方参謀「でもっ、東方にだって本国のワーカーやら魔法使える人、来てるでしょ」
槍侶「総本山は隔離された空間なので、下界の事はあまり詳しく……」
東方参謀「成程な。ならば知らぬのも同意出来る」
女隊員「つまり、格闘家くんと同じって事ッスか?」
男隊員「今はな。だが、槍侶クンはこいつと違って、素質があるかもしれん」
格闘家「……」
隊長「ゾディアックある以上、今は無理に会得しない方が身のためだな」
青年兵「ええ。威力は桁外れですが、死に直結しますよ」
槍侶「……っ!?」
戦士「安心しろ! 魔力がない限りは五行もゾディアック内だけに留まるからよ」
槍侶「は、はぁ……」
青年兵「さぁ準備は良いですね? それでは……行きましょう!」
322:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 17:44:14.51:krtCj8Yoo (13/13)
今日は短めですみません…
夜はちょっとこれないので、また明日!
それでは失礼致しました!ご支援感謝です!ノシ
今日は短めですみません…
夜はちょっとこれないので、また明日!
それでは失礼致しました!ご支援感謝です!ノシ
323:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 17:59:24.08:/eED4VnAO (1/1)
>>1 乙
>>1 乙
324:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 20:05:56.83:uw6+XiFMo (1/1)
槍侶が覚醒しませんように・・・
槍侶が覚醒しませんように・・・
325:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 20:18:54.97:nJDsBu61o (1/1)
>>1
乙
>>1
乙
326:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 20:33:19.68:MDAtv8v70 (1/1)
いちおつ
いちおつ
327:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 23:11:54.61:ZQ83G/ZVo (1/1)
>>1乙
青年兵は戦士と盗賊の仲を知ってるんだっけ?
だとしたら予言の内容わかってて別編成とか嫌がらせに思えるわ
>>1乙
青年兵は戦士と盗賊の仲を知ってるんだっけ?
だとしたら予言の内容わかってて別編成とか嫌がらせに思えるわ
328:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/29(木) 23:59:41.81:5mBt9EzS0 (1/1)
んな感情論で司令官やってられんよ
んな感情論で司令官やってられんよ
329:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 00:24:45.92:NlPqc5jZo (1/1)
なんだかんだいってもまだ青いしありうる
なんだかんだいってもまだ青いしありうる
330:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/30(金) 01:46:09.05:agJJ7QxAO (1/1)
>>1おつ
単純に気心しれて連携とりやすいメンバーで編成したんだろう
>>1おつ
単純に気心しれて連携とりやすいメンバーで編成したんだろう
331:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b):2011/12/31(土) 02:57:25.58:6HMNitvSO (1/1)
チームワークと実力なら藤蔵衆といた方が盗賊安全な気がする
チームワークと実力なら藤蔵衆といた方が盗賊安全な気がする
332:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2011/12/31(土) 17:17:54.45:smJVDXVeo (1/1)
もしもの時は火がいうわなにをする
もしもの時は火がいうわなにをする
333: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 22:54:44.17:K/ad3YEPo (1/18)
~剣聖の屋敷~
女剣士「……さて、都に戻るとしようか」
くの一「でも、酷いものですね……」
女剣士「ん?」
くの一「いやその……屋敷もこんな惨状ですし何より……」
女剣士「賊が入ったおであろうな。まぁ仕方のない事さ。そうだろう?」
くの一「……」
女剣士「下手な同情は要らんぞ。それが必然な事だろう」
くの一「そう……ですか」
女剣士「……さ、早く都へ戻って私達も出来る事をしよう」
くの一「……?」
女剣士「影忍が言っていただろう? 間もなく魔王討伐が始まると」
くの一「あ……っ」
女剣士「お互い東方を離れた身ではあるが故郷。東方の為にも戦おうじゃないか」
くの一「……はい。そう、そうですよね」
~剣聖の屋敷~
女剣士「……さて、都に戻るとしようか」
くの一「でも、酷いものですね……」
女剣士「ん?」
くの一「いやその……屋敷もこんな惨状ですし何より……」
女剣士「賊が入ったおであろうな。まぁ仕方のない事さ。そうだろう?」
くの一「……」
女剣士「下手な同情は要らんぞ。それが必然な事だろう」
くの一「そう……ですか」
女剣士「……さ、早く都へ戻って私達も出来る事をしよう」
くの一「……?」
女剣士「影忍が言っていただろう? 間もなく魔王討伐が始まると」
くの一「あ……っ」
女剣士「お互い東方を離れた身ではあるが故郷。東方の為にも戦おうじゃないか」
くの一「……はい。そう、そうですよね」
334: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 22:55:35.40:K/ad3YEPo (2/18)
…
テクテクテク……
女剣士「……」
くの一「……」
女剣士「なぁ」
くの一「……」
女剣士「お前は何故、影にいたのだ?」
くの一「……好きで居たわけじゃ……ありません」
女剣士「……」
くの一「両親も知らぬ、捨て子。生まれた時より影に拾われ、影ですから」
女剣士「……そうか」
くの一「別にいいんです。拾われねば……死んでいたかもしれませんから」
女剣士「もし……さ、もし前はこの戦いの後、生き延びたら……」
ピクッ
くの一「……!?」
…
テクテクテク……
女剣士「……」
くの一「……」
女剣士「なぁ」
くの一「……」
女剣士「お前は何故、影にいたのだ?」
くの一「……好きで居たわけじゃ……ありません」
女剣士「……」
くの一「両親も知らぬ、捨て子。生まれた時より影に拾われ、影ですから」
女剣士「……そうか」
くの一「別にいいんです。拾われねば……死んでいたかもしれませんから」
女剣士「もし……さ、もし前はこの戦いの後、生き延びたら……」
ピクッ
くの一「……!?」
335: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 22:56:59.66:K/ad3YEPo (3/18)
女剣士「私が行く」チャキッ
くの一「いえ、私も行きます」スッ
女剣士「誰だっ! 姿を見せろ」
くの一「……っ」
テクテクテクテク
女剣士「――――っ!!」
くの一「……人?」
女剣士「ち……父上……!?」
くの一「えっ!?」
女剣士「いやっ、父上は……でも何故っ」
くの一(……この感じ、人じゃない……?)ザッ
女剣士「父上なのですかっ!? それとも……」
ヒュンッ!!
女剣士「!?」
くの一「危ないっ!!」
女剣士「私が行く」チャキッ
くの一「いえ、私も行きます」スッ
女剣士「誰だっ! 姿を見せろ」
くの一「……っ」
テクテクテクテク
女剣士「――――っ!!」
くの一「……人?」
女剣士「ち……父上……!?」
くの一「えっ!?」
女剣士「いやっ、父上は……でも何故っ」
くの一(……この感じ、人じゃない……?)ザッ
女剣士「父上なのですかっ!? それとも……」
ヒュンッ!!
女剣士「!?」
くの一「危ないっ!!」
336: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 22:57:38.56:K/ad3YEPo (4/18)
ザシュウウゥゥゥゥッ!!
女剣士「くの一いいぃぃ!!」
ドサッ……ツツーッ
女剣士「お前っ、どうして……っ」
くの一「無事……良か……った……」
女剣士「くの一……っ」
くの一「良か……」
女剣士「貴様……ぁ!! 父上ではない……何者だ!!」
ザッザッザッザッ
神野「ほぉ、さっきの奴らとはまた別かいな」
女剣士「!?」
神野「ったく、次から次へとキリないなぁ」
女剣士「……貴様は一体、何者だと聞いている!」
神野「答えなあかんの?」
女剣士「なっ!?」
ザシュウウゥゥゥゥッ!!
女剣士「くの一いいぃぃ!!」
ドサッ……ツツーッ
女剣士「お前っ、どうして……っ」
くの一「無事……良か……った……」
女剣士「くの一……っ」
くの一「良か……」
女剣士「貴様……ぁ!! 父上ではない……何者だ!!」
ザッザッザッザッ
神野「ほぉ、さっきの奴らとはまた別かいな」
女剣士「!?」
神野「ったく、次から次へとキリないなぁ」
女剣士「……貴様は一体、何者だと聞いている!」
神野「答えなあかんの?」
女剣士「なっ!?」
337: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 22:58:20.79:K/ad3YEPo (5/18)
神野「あんさんにゃ関係ないやろ。わいの名前なんて」
女剣士「ある。何故、父上の姿をしている!」
神野「父上? ああ、そういう事」スウゥッ
女剣士「……?」
神野「ふぅん、なるほどなるほど。女剣士っちゅーんか」
女剣士「!?」
神野「あー奇術でも何でもあらへんよ。媒介の記憶を深く手繰っただけや」
女剣士「媒介……だと?」
神野「しっかしまぁ、大切な娘なのに随分と深くに仕舞い込んだもんやなぁ」
女剣士「貴様……父上に何をしたぁ!!」
神野「勘違いすんなや。わいはこの、剣聖って奴の思念を勝手に使うてるだけや」
女剣士「思念? 使っている……?」
神野「ま、説明しても分からへんよなぁ」スゥッ
女剣士「……どういう事だ! 父上は……っ」
神野「もうええやろ。とりあえず……」
神野「あんさんにゃ関係ないやろ。わいの名前なんて」
女剣士「ある。何故、父上の姿をしている!」
神野「父上? ああ、そういう事」スウゥッ
女剣士「……?」
神野「ふぅん、なるほどなるほど。女剣士っちゅーんか」
女剣士「!?」
神野「あー奇術でも何でもあらへんよ。媒介の記憶を深く手繰っただけや」
女剣士「媒介……だと?」
神野「しっかしまぁ、大切な娘なのに随分と深くに仕舞い込んだもんやなぁ」
女剣士「貴様……父上に何をしたぁ!!」
神野「勘違いすんなや。わいはこの、剣聖って奴の思念を勝手に使うてるだけや」
女剣士「思念? 使っている……?」
神野「ま、説明しても分からへんよなぁ」スゥッ
女剣士「……どういう事だ! 父上は……っ」
神野「もうええやろ。とりあえず……」
338: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 22:59:01.27:K/ad3YEPo (6/18)
ジャキッ
神野「邪魔や。死んどきぃ」
女剣士「父上……にぃ……」
ザッザッザッ
女剣士「父上に何をしたぁ!!」
神野「しつこいやっちゃなぁ!」ダンッ!!
ビュオッ!! キイイィィィィン!!
神野「……やるやないか」
女剣士「父上の……太刀筋……」
神野「言うたやろっ! わいはこの媒介を使うてるってなァ!!」
女剣士「私でも……かわせた……」
神野「突っ立てるだけなら、このまま殺らせて貰うでぇ!」
女剣士「かわせるわけ……ないだろうがっ!!」
神野「あぁ!?」
女剣士「父上の剣はこんなに……生ぬるいものではない!!」
ジャキッ
神野「邪魔や。死んどきぃ」
女剣士「父上……にぃ……」
ザッザッザッ
女剣士「父上に何をしたぁ!!」
神野「しつこいやっちゃなぁ!」ダンッ!!
ビュオッ!! キイイィィィィン!!
神野「……やるやないか」
女剣士「父上の……太刀筋……」
神野「言うたやろっ! わいはこの媒介を使うてるってなァ!!」
女剣士「私でも……かわせた……」
神野「突っ立てるだけなら、このまま殺らせて貰うでぇ!」
女剣士「かわせるわけ……ないだろうがっ!!」
神野「あぁ!?」
女剣士「父上の剣はこんなに……生ぬるいものではない!!」
339: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 22:59:46.12:K/ad3YEPo (7/18)
神野「だったらどうだって言うんやァ!!」
女剣士「父上を……返せええぇぇ!!」
神野「――ッ!?」
ザシュッ!! ヒュンッ!!
女剣士「父上ぇ!! 私です……女剣士……」
神野「じゃかあしい!!」
女剣士「父上ぇ!!」
神野「もう終わりかぁ!? こんなんかすり傷にもならへんでぇ!!」
女剣士「父上ええぇぇぇぇ!!」
神野「ひゃーっはっはっはっはっは!!」
フオンッ!! ドズッ……スググッ
女剣士「…………かは……っ」
神野「くっくっく、生温い言うとった割に、このザマや」
女剣士「父上……ぇ……」
神野「この姿相手じゃあ本気で斬りかかれないみたいやなぁ」
神野「だったらどうだって言うんやァ!!」
女剣士「父上を……返せええぇぇ!!」
神野「――ッ!?」
ザシュッ!! ヒュンッ!!
女剣士「父上ぇ!! 私です……女剣士……」
神野「じゃかあしい!!」
女剣士「父上ぇ!!」
神野「もう終わりかぁ!? こんなんかすり傷にもならへんでぇ!!」
女剣士「父上ええぇぇぇぇ!!」
神野「ひゃーっはっはっはっはっは!!」
フオンッ!! ドズッ……スググッ
女剣士「…………かは……っ」
神野「くっくっく、生温い言うとった割に、このザマや」
女剣士「父上……ぇ……」
神野「この姿相手じゃあ本気で斬りかかれないみたいやなぁ」
340: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:00:53.52:K/ad3YEPo (8/18)
女剣士「父……」
神野「じゃ、終いにさせて貰うわ。客、待たせてるんでなぁ」スッ
女剣士「……っ」ポタポタポタッ
神野「ほんじゃ、お疲れさんっ♪」チャキッ
女剣士「……ぇ。父上ええええぇぇぇぇ!!」
神野「ひゃーっはっはっはっはっは――――」
ビュオッ!!
女剣士「…………っ」
神野「…………」
女剣士「……?」
神野「……な、何や!? 体……動かへん……!?」
女剣士「父……上?」
神野「阿呆かっ!! 思念体やぞ!? 意識なんかあるはずないやんか!!」
女剣士「父上……っ!! 父上なのでしょう!?」
神野「くっ! こんの……何が起きとるんやクソがぁ!!」
女剣士「父……」
神野「じゃ、終いにさせて貰うわ。客、待たせてるんでなぁ」スッ
女剣士「……っ」ポタポタポタッ
神野「ほんじゃ、お疲れさんっ♪」チャキッ
女剣士「……ぇ。父上ええええぇぇぇぇ!!」
神野「ひゃーっはっはっはっはっは――――」
ビュオッ!!
女剣士「…………っ」
神野「…………」
女剣士「……?」
神野「……な、何や!? 体……動かへん……!?」
女剣士「父……上?」
神野「阿呆かっ!! 思念体やぞ!? 意識なんかあるはずないやんか!!」
女剣士「父上……っ!! 父上なのでしょう!?」
神野「くっ! こんの……何が起きとるんやクソがぁ!!」
341: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:01:44.08:K/ad3YEPo (9/18)
女剣士「父上っ! どうか、どうか剣を収め下さいませ……!」
神野「んな事あるはずない……。思念体が意志を持つなどそんな阿呆な……」グググッ
女剣士「父上……ぐくっ」ポタタッ
神野「……どいつもこいつも……頭に来るわ」
女剣士「……っ」
神野「もうええ。動かへんなら、わいが直々に殺したる」
女剣士「!?」
神野「たかが手負いの二匹、一瞬で終わらせたるわ」
女剣士「二……?」クルッ
くの一「……はぁ、はぁ……っ!」
女剣士「くの一!!」
くの一「私……だって……」
神野「ヒャーハッハッハッハッハ!! 死ね!!」
グワッ!!
女剣士「っ!!」
女剣士「父上っ! どうか、どうか剣を収め下さいませ……!」
神野「んな事あるはずない……。思念体が意志を持つなどそんな阿呆な……」グググッ
女剣士「父上……ぐくっ」ポタタッ
神野「……どいつもこいつも……頭に来るわ」
女剣士「……っ」
神野「もうええ。動かへんなら、わいが直々に殺したる」
女剣士「!?」
神野「たかが手負いの二匹、一瞬で終わらせたるわ」
女剣士「二……?」クルッ
くの一「……はぁ、はぁ……っ!」
女剣士「くの一!!」
くの一「私……だって……」
神野「ヒャーハッハッハッハッハ!! 死ね!!」
グワッ!!
女剣士「っ!!」
342: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:02:28.61:K/ad3YEPo (10/18)
くの一「……!!」
ググッ……ググググッ……ピタッ
神野「……ええ加減にせぇよ」
女剣士「……?」
神野「何で本体になれへんねや!! 邪魔すんなぼけぇ!!」
くの一「な……何が……」
女剣士「……っ」
神野「思念体の分際で……わいを抑えつけるつもりかぁ!!」
――『逃げろ、女剣士』
女剣士「――っ!?」
神野「邪魔……すんなああぁぁぁぁ!!」
バチィッ!! ズゴゴゴゴゴ
くの一「くう……っ」
女剣士「逃げるぞ」
くの一「へっ!?」
くの一「……!!」
ググッ……ググググッ……ピタッ
神野「……ええ加減にせぇよ」
女剣士「……?」
神野「何で本体になれへんねや!! 邪魔すんなぼけぇ!!」
くの一「な……何が……」
女剣士「……っ」
神野「思念体の分際で……わいを抑えつけるつもりかぁ!!」
――『逃げろ、女剣士』
女剣士「――っ!?」
神野「邪魔……すんなああぁぁぁぁ!!」
バチィッ!! ズゴゴゴゴゴ
くの一「くう……っ」
女剣士「逃げるぞ」
くの一「へっ!?」
343: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:03:22.94:K/ad3YEPo (11/18)
女剣士「動けるよな? 早くっ!!」
くの一「逃げ……? えっ、は……はい!」
女剣士「……ありがとう……父上」
ババッ タタタタッ
神野「……逃がすかよ、このボケがぁ!!」
女剣士「先に行けっ!!」
くの一「えっ!?」
女剣士「この屋敷の事は分かっている! 何とか時間を稼ぐ!」
くの一「……う、うん!」タタッ
神野「自分が犠牲になろうってかぁ? 素敵やん」
女剣士「そこに居ると、危険だぞ?」
神野「あ?」
女剣士「カラクリが多くてな」クイッ
神野「ああぁぁ!?」
ズガッ!! ドッズウウゥゥゥゥン!!
女剣士「動けるよな? 早くっ!!」
くの一「逃げ……? えっ、は……はい!」
女剣士「……ありがとう……父上」
ババッ タタタタッ
神野「……逃がすかよ、このボケがぁ!!」
女剣士「先に行けっ!!」
くの一「えっ!?」
女剣士「この屋敷の事は分かっている! 何とか時間を稼ぐ!」
くの一「……う、うん!」タタッ
神野「自分が犠牲になろうってかぁ? 素敵やん」
女剣士「そこに居ると、危険だぞ?」
神野「あ?」
女剣士「カラクリが多くてな」クイッ
神野「ああぁぁ!?」
ズガッ!! ドッズウウゥゥゥゥン!!
344: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:04:11.01:K/ad3YEPo (12/18)
女剣士「言い忘れてた。このスイッチを押すと、そこに天井から巨大な岩が落ちてくるんだ」
スッ
女剣士「もう聞こえてないか」
ザッ タッタッタッタッタッ
神野「…………」
バッゴオオォォォォン!! パラパラパラッ
神野「……殺す」
タッタッタッタッタッ
女剣士「くの一!」
くの一「早くこちらへ!」ズイッ
女剣士「ここまで来れば……」
くの一「あぁ!?」
女剣士「もう来たのか、早い!」
神野「ひゃーっはっはっはっは!! 見つけたでぇ!!」
女剣士「くそっ、やはり戦うしか……」
女剣士「言い忘れてた。このスイッチを押すと、そこに天井から巨大な岩が落ちてくるんだ」
スッ
女剣士「もう聞こえてないか」
ザッ タッタッタッタッタッ
神野「…………」
バッゴオオォォォォン!! パラパラパラッ
神野「……殺す」
タッタッタッタッタッ
女剣士「くの一!」
くの一「早くこちらへ!」ズイッ
女剣士「ここまで来れば……」
くの一「あぁ!?」
女剣士「もう来たのか、早い!」
神野「ひゃーっはっはっはっは!! 見つけたでぇ!!」
女剣士「くそっ、やはり戦うしか……」
345: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:04:55.75:K/ad3YEPo (13/18)
神野「そのまま……死ねええぇぇ!!」
ズドオオォォォォ!!
神野「ハアアァァァァ!?」
スフィンクス「じゃじゃーん! 下からふいうち……だぶるぱーんちっ!!」
神野「――っ!?」
ズギャアッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!
くの一「こ、これは……っ」
ドドッドドッドドッ……
召喚士「人がいる……!?」
魔道士「あっ!! あれって……女剣士さんに……くの一さん!?」
女剣士「まさか……う、上様っ!?」
帝「女剣士か。血が出ているようだが、大事ないか!?」
ドドォッ スタッ
名代「二人とも怪我を……。しかし傷は深くはないようですね」
召喚士「シービショップとユニコーンで治療します!」
神野「そのまま……死ねええぇぇ!!」
ズドオオォォォォ!!
神野「ハアアァァァァ!?」
スフィンクス「じゃじゃーん! 下からふいうち……だぶるぱーんちっ!!」
神野「――っ!?」
ズギャアッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!
くの一「こ、これは……っ」
ドドッドドッドドッ……
召喚士「人がいる……!?」
魔道士「あっ!! あれって……女剣士さんに……くの一さん!?」
女剣士「まさか……う、上様っ!?」
帝「女剣士か。血が出ているようだが、大事ないか!?」
ドドォッ スタッ
名代「二人とも怪我を……。しかし傷は深くはないようですね」
召喚士「シービショップとユニコーンで治療します!」
346: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:05:51.06:K/ad3YEPo (14/18)
ガラガラッ ゴトッ
神野「……あー。なんやこう、沸々とこみ上げてくるわなぁ」
東方司令「女剣士、奴と戦っていたのか?」
女剣士「あいつは……何なんです!? 父上……なのですか?」
サル「父上?」
女剣士「剣聖。あの姿……私の父、剣聖の姿です」
魔道士「えぇっ!?」
召喚士「女剣士の父が……剣聖……!?」
女剣士「……ああ。しかし父上のようで父上でない。なんと言えばいいか」
召喚士「あれは思念体。あの魔物が作り上げた幻に過ぎません」
名代「貴方のお父上が屋敷に残した記憶から作り上げているのです」
女剣士「!?」
イヌ「だからこそ奴はまた、ここに戻ってきたわけね?」
キジ「でないと刀が使えないさー」
神野「……ひゃーっはっはっはっはっは!!」
ガラガラッ ゴトッ
神野「……あー。なんやこう、沸々とこみ上げてくるわなぁ」
東方司令「女剣士、奴と戦っていたのか?」
女剣士「あいつは……何なんです!? 父上……なのですか?」
サル「父上?」
女剣士「剣聖。あの姿……私の父、剣聖の姿です」
魔道士「えぇっ!?」
召喚士「女剣士の父が……剣聖……!?」
女剣士「……ああ。しかし父上のようで父上でない。なんと言えばいいか」
召喚士「あれは思念体。あの魔物が作り上げた幻に過ぎません」
名代「貴方のお父上が屋敷に残した記憶から作り上げているのです」
女剣士「!?」
イヌ「だからこそ奴はまた、ここに戻ってきたわけね?」
キジ「でないと刀が使えないさー」
神野「……ひゃーっはっはっはっはっは!!」
347: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:06:52.48:K/ad3YEPo (15/18)
召喚士「……」
神野「ああその通りや。この剣聖ってのはそりゃあ強い。お気に入りや」
女剣士「貴様ぁ……っ」
神野「今まで使こうた体の中でも最っ高に強い。ええ感じや」
帝「貴様に利用される筋合いはない」
神野「はぁ?」
帝「剣聖の魂を、貴様如きが汚してはならぬのだ」
神野「言うやないか、小生意気なガキ」
帝「貴様に言われても、何とも思わんな」
神野「……あ?」
帝「所詮、自分では何も出来ぬ雑魚だからな」
神野「……」
帝「本体ですらない貴様に言われても、何も感じぬ」
神野「……」ピキピキピキィ
ゴアッ!!
召喚士「……」
神野「ああその通りや。この剣聖ってのはそりゃあ強い。お気に入りや」
女剣士「貴様ぁ……っ」
神野「今まで使こうた体の中でも最っ高に強い。ええ感じや」
帝「貴様に利用される筋合いはない」
神野「はぁ?」
帝「剣聖の魂を、貴様如きが汚してはならぬのだ」
神野「言うやないか、小生意気なガキ」
帝「貴様に言われても、何とも思わんな」
神野「……あ?」
帝「所詮、自分では何も出来ぬ雑魚だからな」
神野「……」
帝「本体ですらない貴様に言われても、何も感じぬ」
神野「……」ピキピキピキィ
ゴアッ!!
348: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:07:54.67:K/ad3YEPo (16/18)
神野「じゃかあしい!! ごちゃごちゃ言うなやボケがぁ!!」
帝「口では勝ち目がないようだな。では、得意の力でねじ伏せてみせたらどうだ?」
神野「ああ、構わへん。望み通り…力でねじ伏せたるわ」
ゴゴゴゴゴゴ……
召喚士「きますよっ! 戦闘準備!」
魔道士「はいっ!」
東方司令「次は……倒す」
神野「……後悔しても……遅いぞ」
ゴゴオオォォォォ
サル「や、やっぱり言うだけあって……すげぇ気配だな……っ」
神野「……ハッ!」
フッ
魔道士「消え――――」
バスッ
召喚士「……えっ?」
神野「じゃかあしい!! ごちゃごちゃ言うなやボケがぁ!!」
帝「口では勝ち目がないようだな。では、得意の力でねじ伏せてみせたらどうだ?」
神野「ああ、構わへん。望み通り…力でねじ伏せたるわ」
ゴゴゴゴゴゴ……
召喚士「きますよっ! 戦闘準備!」
魔道士「はいっ!」
東方司令「次は……倒す」
神野「……後悔しても……遅いぞ」
ゴゴオオォォォォ
サル「や、やっぱり言うだけあって……すげぇ気配だな……っ」
神野「……ハッ!」
フッ
魔道士「消え――――」
バスッ
召喚士「……えっ?」
349: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:08:29.88:K/ad3YEPo (17/18)
ポタポタポタッ……ドサッ
イヌ「キジ!?」
サル「……おい、何でキジが倒れてんだよ……っ」
東方司令「……嘘だろ!?」
魔道士「な、何がどうし――」
フッ
名代「がは……ぁ!!」ドグッ!!
帝「名代!!」
東方司令「奴だっ! 超スピードで移動している!!」
召喚士「スフィンクス、ゴーレム、ガードを!」
東方司令「左ぃ!!」
女剣士「えっ――――」
神野「死ね」ブンッ
ガッキイイィィィィン!!
神野「……?」
ポタポタポタッ……ドサッ
イヌ「キジ!?」
サル「……おい、何でキジが倒れてんだよ……っ」
東方司令「……嘘だろ!?」
魔道士「な、何がどうし――」
フッ
名代「がは……ぁ!!」ドグッ!!
帝「名代!!」
東方司令「奴だっ! 超スピードで移動している!!」
召喚士「スフィンクス、ゴーレム、ガードを!」
東方司令「左ぃ!!」
女剣士「えっ――――」
神野「死ね」ブンッ
ガッキイイィィィィン!!
神野「……?」
350: ◆1otsuV0WFc:2011/12/31(土) 23:09:10.41:K/ad3YEPo (18/18)
女剣士「……えっ?」
ザシャッ
神野「邪魔すんなや……ボケ」
女剣士「……っ」
ググッ
女侍「やらせないよ」
女剣士「!?」
神野「ほんなら、まとめて殺したるわ」
女侍「いい加減に……その姿をやめろぉ!!」
女剣士「ま……さか……」
女侍「二度と、剣聖を語るなああぁぁ!!」
グルンッ ザッシュウウゥゥゥゥ!!
神野「……何やとぉ……ッ!?」ズザァ
女剣士「ま……さか……っ、姉上……!?」
女侍「……」
女剣士「……えっ?」
ザシャッ
神野「邪魔すんなや……ボケ」
女剣士「……っ」
ググッ
女侍「やらせないよ」
女剣士「!?」
神野「ほんなら、まとめて殺したるわ」
女侍「いい加減に……その姿をやめろぉ!!」
女剣士「ま……さか……」
女侍「二度と、剣聖を語るなああぁぁ!!」
グルンッ ザッシュウウゥゥゥゥ!!
神野「……何やとぉ……ッ!?」ズザァ
女剣士「ま……さか……っ、姉上……!?」
女侍「……」
351:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2011/12/31(土) 23:57:49.68:+bmyWerQo (1/1)
今年はお世話になりましたおまえら
>>1来年もよろしく
今年はお世話になりましたおまえら
>>1来年もよろしく
352:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 00:00:28.50:i89Klcyao (1/1)
あけおめ1おつ
あけおめ1おつ
353:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 00:05:53.24:WGp0QpASO (1/1)
あけまして1おつ!
あけまして1おつ!
354:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 00:07:21.21:uiaGpGCHo (1/1)
新年キター
>>1乙デス
新年キター
>>1乙デス
355: ◆1otsuV0WFc:2012/01/01(日) 00:13:32.35:nVwqIJlto (1/2)
昨年も大変お世話になりました!
色々あった2011年。本当に大変でした…
今年はとにかく、明るく楽しい年である事をお祈り致します!
皆様も1年間、楽しく頑張りましょう!
今年も宜しくですっ!!ノシ
昨年も大変お世話になりました!
色々あった2011年。本当に大変でした…
今年はとにかく、明るく楽しい年である事をお祈り致します!
皆様も1年間、楽しく頑張りましょう!
今年も宜しくですっ!!ノシ
356:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 00:26:16.25:7kvfV1mAO (1/1)
おめでとう、>>1
今年も宜しく!!
おめでとう、>>1
今年も宜しく!!
357:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 00:40:00.05:gFIaLXpDO (1/1)
>>1乙!
あけましておめでとう
今年もよろしく
>>1乙!
あけましておめでとう
今年もよろしく
358:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 00:46:25.15:c1+QcQkto (1/1)
おめことよろ!
今年も引き続き楽しいSSをよろしくお願いします!
おめことよろ!
今年も引き続き楽しいSSをよろしくお願いします!
359:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 01:29:14.69:XSRctTIoo (1/1)
トシコシダー!
トシコシダー!
360:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 02:05:17.40:CEIeSgH70 (1/1)
いちおつ あけおめ!
今年もよろしく
いちおつ あけおめ!
今年もよろしく
361:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 05:51:28.99:ZvFyFp6DO (1/1)
>>1あけおめことよろ
>>1あけおめことよろ
362:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 06:18:42.13:Ga5aRS5oo (1/1)
あけおめこ!
>>1おつんぽ!
あけおめこ!
>>1おつんぽ!
363:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 08:14:04.05:or0D/v5Co (1/1)
あけましておめでとー
あけましておめでとー
364:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 08:24:54.72:/9DsOfvRo (1/1)
そういえばこのスレ初めての年越しで、あけおめが100レスくらいあって凄いビックリしましたわ
そういえばこのスレ初めての年越しで、あけおめが100レスくらいあって凄いビックリしましたわ
365:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 08:50:45.28:Eo0/MW2to (1/1)
>>1
あけおめことよろ
>>1
あけおめことよろ
366:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 09:41:39.45:Qg7nSvYIO (1/1)
いちおつ、あけおむ
いちおつ、あけおむ
367:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 11:51:22.23:7UUIhV3AO (1/1)
>>いちおつあけおめ
>>いちおつあけおめ
368:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 14:00:09.06:JlqS/Fy6o (1/1)
いちおめ
いちおめ
369:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 14:15:30.82:Cyjt2rJDO (1/1)
あけまして>>1乙ございます
今年も>>1乙お願いします
あけまして>>1乙ございます
今年も>>1乙お願いします
370:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 15:34:03.74:cHmZInzYo (1/1)
あけおめ~
今年もここにお世話になります。
あけおめ~
今年もここにお世話になります。
371:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 17:14:50.53:fOhhjpLAO (1/1)
あけおめことよろ
今年も楽しみにしてる
あけおめことよろ
今年も楽しみにしてる
372:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 17:33:56.65:wSiL9ZgDO (1/1)
1乙~あけおめ!
1乙~あけおめ!
373:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 17:56:36.29:nVwqIJlto (2/2)
沢山のあけおめ有難うございます!
急遽、実家へ帰る事になってしまい次の更新は3日になりそうで…
ほんと申し訳ありません…改めて今年も宜しくです!
~オマケ~
盗賊「新年……」
魔道士「あけましておめでとうございます!」
戦士「今年はあれか、辰年だっけな」
召喚士「そうだね。去年はほんと色々とあったから、今年はきっと幸せな1年に……」
戦士「辰年ってのは龍だよな? じゃあ召喚士は関係ねぇか」
魔道士「そうですねぇ。朱雀ですからね」
召喚士「こ、今年はきっと……みんなが幸せで元気な1年に……」
盗賊「あれだな、どうせなら……青年兵や青龍士官の方が良かったな」
召喚士「みんなが……幸せ……」
戦士「だなぁ。青龍先生が生きていれば、バシっと締めてくれるんだろうけどなぁ」
魔道士「確かにっ! あ、召喚士さんじゃ頼りないとかそういう事ではなくって……」
召喚士「幸……せ……」
沢山のあけおめ有難うございます!
急遽、実家へ帰る事になってしまい次の更新は3日になりそうで…
ほんと申し訳ありません…改めて今年も宜しくです!
~オマケ~
盗賊「新年……」
魔道士「あけましておめでとうございます!」
戦士「今年はあれか、辰年だっけな」
召喚士「そうだね。去年はほんと色々とあったから、今年はきっと幸せな1年に……」
戦士「辰年ってのは龍だよな? じゃあ召喚士は関係ねぇか」
魔道士「そうですねぇ。朱雀ですからね」
召喚士「こ、今年はきっと……みんなが幸せで元気な1年に……」
盗賊「あれだな、どうせなら……青年兵や青龍士官の方が良かったな」
召喚士「みんなが……幸せ……」
戦士「だなぁ。青龍先生が生きていれば、バシっと締めてくれるんだろうけどなぁ」
魔道士「確かにっ! あ、召喚士さんじゃ頼りないとかそういう事ではなくって……」
召喚士「幸……せ……」
374:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 18:46:44.67:Nh9mXf0DO (1/1)
召喚士 怒りのバハムートか
帰省乙
召喚士 怒りのバハムートか
帰省乙
375:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 19:49:03.00:Tp190vKQ0 (1/1)
召喚士のサラマンダー、怒りの青龍進化
召喚士のサラマンダー、怒りの青龍進化
376:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/01(日) 22:56:13.47:JgZth/J4o (1/1)
サラマンダーよりはやーい
サラマンダーよりはやーい
377:SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b):2012/01/02(月) 09:55:05.70:xuqTX4nwo (1/1)
…魔導士追い討ちしちゃったwwwwww
…魔導士追い討ちしちゃったwwwwww
378: ◆1otsuV0WFc:2012/01/02(月) 22:44:10.90:OIj4Oeouo (1/6)
~最北端、城の地下~
ザッザッザッ
戦士「……」
青年兵「戦士さん」
戦士「ん?」
青年兵「その、すみません」
戦士「……?」
青年兵「盗賊さんの事……」
戦士「ああ、別に構やしねぇよ」
青年兵「……」
戦士「お前がベストだと思った編成を組んだんだ。私事で文句言える立場じゃねぇし」
青年兵「……戦士さん」
戦士「それに、藤蔵の連中といた方が、正直生存率は高いと思う」
青年兵「そう……ですか?」
戦士「少なからずあの連中と行動を共にしてきたが、藤蔵は異常だ」
~最北端、城の地下~
ザッザッザッ
戦士「……」
青年兵「戦士さん」
戦士「ん?」
青年兵「その、すみません」
戦士「……?」
青年兵「盗賊さんの事……」
戦士「ああ、別に構やしねぇよ」
青年兵「……」
戦士「お前がベストだと思った編成を組んだんだ。私事で文句言える立場じゃねぇし」
青年兵「……戦士さん」
戦士「それに、藤蔵の連中といた方が、正直生存率は高いと思う」
青年兵「そう……ですか?」
戦士「少なからずあの連中と行動を共にしてきたが、藤蔵は異常だ」
379: ◆1otsuV0WFc:2012/01/02(月) 22:44:47.46:OIj4Oeouo (2/6)
青年兵「……」
戦士「盗賊の為ならば、命を平気で捨てる。そんな連中だ」
鬼丸「武士道ってやつだな」
青年兵「ブシドー……」
戦士「主を守る為ならば、己の命さえ投げ出す、そんな覚悟だ」
男隊員「奴らにとって、盗賊は守るべき主ってわけだ」
戦士「そういう事。俺の戦い方じゃあ、どうしてもあいつを戦力として考えちまう」
女隊員「文化の違いッスかねぇ……」
戦士「ともかく、連中が魔王とぶつかっても、そのまま交戦に入る可能性は低い」
格闘家「ベストは、こっちで魔王と鉢合わせれば――」
ドオオオオォォォォン!!
男隊員「何の音だ!?」
女隊員「この先ッスね!」
青年兵「行きましょう。戦闘準備を」
戦士「おう」ジャキッ
青年兵「……」
戦士「盗賊の為ならば、命を平気で捨てる。そんな連中だ」
鬼丸「武士道ってやつだな」
青年兵「ブシドー……」
戦士「主を守る為ならば、己の命さえ投げ出す、そんな覚悟だ」
男隊員「奴らにとって、盗賊は守るべき主ってわけだ」
戦士「そういう事。俺の戦い方じゃあ、どうしてもあいつを戦力として考えちまう」
女隊員「文化の違いッスかねぇ……」
戦士「ともかく、連中が魔王とぶつかっても、そのまま交戦に入る可能性は低い」
格闘家「ベストは、こっちで魔王と鉢合わせれば――」
ドオオオオォォォォン!!
男隊員「何の音だ!?」
女隊員「この先ッスね!」
青年兵「行きましょう。戦闘準備を」
戦士「おう」ジャキッ
380: ◆1otsuV0WFc:2012/01/02(月) 22:45:17.69:OIj4Oeouo (3/6)
ザッ スタスタスタ
鬼丸「さーて、魔王さんのおでましか? グハハッ!」
格闘家「この先、何かいますね」
戦士「……ああ、でけぇ威圧だ。だがこいつは」
ザッ
戦士「魔王じゃねぇ。1度、この威圧は感じた事がある!」
男隊員「……何だアイツは?」
女隊員「人……じゃないッスね」
鬼丸「妖怪でもねぇな、何モンだ?」
戦士「……ベルゼブブの手下だ。気をつけろ!」
青年兵「!?」
クルッ ザッザッザッ
アスタロス「……別人。逃がしたか」
青年兵「何……?」
アスタロス「……だが、邪魔者は……排除する」スゥッ
ザッ スタスタスタ
鬼丸「さーて、魔王さんのおでましか? グハハッ!」
格闘家「この先、何かいますね」
戦士「……ああ、でけぇ威圧だ。だがこいつは」
ザッ
戦士「魔王じゃねぇ。1度、この威圧は感じた事がある!」
男隊員「……何だアイツは?」
女隊員「人……じゃないッスね」
鬼丸「妖怪でもねぇな、何モンだ?」
戦士「……ベルゼブブの手下だ。気をつけろ!」
青年兵「!?」
クルッ ザッザッザッ
アスタロス「……別人。逃がしたか」
青年兵「何……?」
アスタロス「……だが、邪魔者は……排除する」スゥッ
381: ◆1otsuV0WFc:2012/01/02(月) 22:45:48.86:OIj4Oeouo (4/6)
~城、一階~
西方参謀「……こりゃあ空振りかねぇ……ヒック」
南方参謀「油断出来ないわよ? でも、本当に何もないわねぇ」
隊長「……そうでもねぇぜ。正面見てみ」
東方参謀「!?」
バサッバサッ……バサァ
ヤタガラス「何や、わんさか来おったでぇ」
隊長「……お前か。会えてよかったぜ」
槍侶「妖……っ!」チャキッ
夜行「……ヒヒッ。俺を知ってるのかぃ?」
隊長「忘れたとは言わせねぇぞ」チャキッ
夜行「ヒヒッ、知らないねぇ」
隊長「……ま、いいさ。覚える必要はねぇ」
夜行「……あん?」
隊長「今度こそ貴様を倒す。悪いが……覚悟しろ」
~城、一階~
西方参謀「……こりゃあ空振りかねぇ……ヒック」
南方参謀「油断出来ないわよ? でも、本当に何もないわねぇ」
隊長「……そうでもねぇぜ。正面見てみ」
東方参謀「!?」
バサッバサッ……バサァ
ヤタガラス「何や、わんさか来おったでぇ」
隊長「……お前か。会えてよかったぜ」
槍侶「妖……っ!」チャキッ
夜行「……ヒヒッ。俺を知ってるのかぃ?」
隊長「忘れたとは言わせねぇぞ」チャキッ
夜行「ヒヒッ、知らないねぇ」
隊長「……ま、いいさ。覚える必要はねぇ」
夜行「……あん?」
隊長「今度こそ貴様を倒す。悪いが……覚悟しろ」
382: ◆1otsuV0WFc:2012/01/02(月) 22:46:38.15:OIj4Oeouo (5/6)
~城、二階~
火忍「なぁ」
土忍「何だ」
火忍「俺、すっげーやな予感がするんだよな」
風忍「まぁ……そうだな」
水忍「下とは打って変わって、豪華絢爛な装飾の数々」
盗賊「これは……」
火忍「どうみても、魔王様の間ってやつだよな」
土忍「どうする?」
風忍「この扉の向こうに、魔王がいるかもしれない」
水忍「一度、引き返した方が良いのではないか?」
火忍「まだ魔王かどうか分からんだろうが。開けてからにすんぞ」
盗賊「魔王相手に、逃げ切れるかどうかだな」
風忍「……とにかく、開けてみましょうか」
盗賊「ああ。魔王か否か、まずは確認だ」
~城、二階~
火忍「なぁ」
土忍「何だ」
火忍「俺、すっげーやな予感がするんだよな」
風忍「まぁ……そうだな」
水忍「下とは打って変わって、豪華絢爛な装飾の数々」
盗賊「これは……」
火忍「どうみても、魔王様の間ってやつだよな」
土忍「どうする?」
風忍「この扉の向こうに、魔王がいるかもしれない」
水忍「一度、引き返した方が良いのではないか?」
火忍「まだ魔王かどうか分からんだろうが。開けてからにすんぞ」
盗賊「魔王相手に、逃げ切れるかどうかだな」
風忍「……とにかく、開けてみましょうか」
盗賊「ああ。魔王か否か、まずは確認だ」
383: ◆1otsuV0WFc:2012/01/02(月) 22:47:58.00:OIj4Oeouo (6/6)
ガチャッ ギイイイイィィィィ
火忍「割と普通に開いたな」
土忍「……居るな」
水忍「ああ。居る」
ザッザッザッ
風忍「……人間のようだが、ま……間違いなく妖だっ」
火忍「な、なんだよこの殺気はよぉ……っ!」ズザッ
土忍「……どうやら……大当たりのようだなっ」
水忍「大当たり? 大外れの間違いであろう……っ!」
盗賊「貴様が、魔王マーラか?」
ドンッ!!
マーラ「……んふふ。ここまでよぉーく、来れたねぇ」
盗賊「……っ」
マーラ「まさかこのアタシを、倒しにきたなんて言うんじゃないだろうねぇ?」
盗賊「やはり貴様が……魔王マーラ!!」
ガチャッ ギイイイイィィィィ
火忍「割と普通に開いたな」
土忍「……居るな」
水忍「ああ。居る」
ザッザッザッ
風忍「……人間のようだが、ま……間違いなく妖だっ」
火忍「な、なんだよこの殺気はよぉ……っ!」ズザッ
土忍「……どうやら……大当たりのようだなっ」
水忍「大当たり? 大外れの間違いであろう……っ!」
盗賊「貴様が、魔王マーラか?」
ドンッ!!
マーラ「……んふふ。ここまでよぉーく、来れたねぇ」
盗賊「……っ」
マーラ「まさかこのアタシを、倒しにきたなんて言うんじゃないだろうねぇ?」
盗賊「やはり貴様が……魔王マーラ!!」
384:以下、あけまして、おめでとうございます:2012/01/02(月) 23:45:09.11:MFL5e8GIO (1/1)
このグループが魔王とかちあうのかよ…
このグループが魔王とかちあうのかよ…
385:以下、あけまして、おめでとうございます:2012/01/03(火) 00:25:53.39:zlt2Fr/U0 (1/1)
いちおつ
更新ありがたいけど ゆっくり休んでくれ
いちおつ
更新ありがたいけど ゆっくり休んでくれ
386:以下、あけまして:2012/01/03(火) 11:08:42.80:UubYS7NIO (1/1)
盗賊が風前の灯
盗賊が風前の灯
387:以下、あけまして:2012/01/03(火) 21:42:00.31:IJQyTOfAO (1/1)
>>1おつ
>>1おつ
388: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:18:38.09:boPts1dto (1/11)
~剣聖の屋敷~
バシィッ!! ザザァ
神野「邪魔すんなや。順番に相手してやる」
女侍「……」
女剣士「……嘘……っ」
女侍「……ちっ」ツツーッ
女剣士「姉上……なの……?」
女侍「退がれっ!!」
女剣士「っ!!」
神野「邪魔すんなら、お前から先に殺したるでぇ!!」
女剣士「姉上――」
神野「ひゃーっはっはっは――」
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
召喚士「そうはさせないよ」
神野「……小僧」
~剣聖の屋敷~
バシィッ!! ザザァ
神野「邪魔すんなや。順番に相手してやる」
女侍「……」
女剣士「……嘘……っ」
女侍「……ちっ」ツツーッ
女剣士「姉上……なの……?」
女侍「退がれっ!!」
女剣士「っ!!」
神野「邪魔すんなら、お前から先に殺したるでぇ!!」
女剣士「姉上――」
神野「ひゃーっはっはっは――」
ザッシュウウゥゥゥゥ!!
召喚士「そうはさせないよ」
神野「……小僧」
389: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:19:48.27:boPts1dto (2/11)
ググッ
ブリュンヒルデ「動くだけ無駄よ」
神野「何やとぉ?」
ヒュバッ!! グサグサドグッ!!
神野「……ッ」
グリムゲルデ「お姉様1人だと思ったら、大間違いよっ!」
ジークルーネ「さぁ、これで身動きは封じたわよ!」
ワルキューレのスピアによって串刺しとされた神野悪五郎は、やや顔を曇らせた。
その横で左肩より血を流し直立する女侍の下へ、女剣士が素早く駆け寄った。
女剣士「姉上ぇ!!」
バシッ!!
女剣士「……!?」
女侍「何だいアンタは? 気安く触るんじゃあないよ」
女剣士「姉……上?」
女侍「アンタ、姉と勘違いしてるみたいだけどさ……悪いが、人違いだね」
ググッ
ブリュンヒルデ「動くだけ無駄よ」
神野「何やとぉ?」
ヒュバッ!! グサグサドグッ!!
神野「……ッ」
グリムゲルデ「お姉様1人だと思ったら、大間違いよっ!」
ジークルーネ「さぁ、これで身動きは封じたわよ!」
ワルキューレのスピアによって串刺しとされた神野悪五郎は、やや顔を曇らせた。
その横で左肩より血を流し直立する女侍の下へ、女剣士が素早く駆け寄った。
女剣士「姉上ぇ!!」
バシッ!!
女剣士「……!?」
女侍「何だいアンタは? 気安く触るんじゃあないよ」
女剣士「姉……上?」
女侍「アンタ、姉と勘違いしてるみたいだけどさ……悪いが、人違いだね」
390: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:21:05.50:boPts1dto (3/11)
ズザッ
イヌ「お頭っ! 無事ね!?」
女侍「こんなもん、かすり傷さ。それよりもキジは無事なんだろうね?」
イヌ「今、サルが止血してるね。急所は外してるね」
女侍「そりゃ何よりだ。さぁて、やられっぱなしは性に合わないからねぇ」
スクッ
女侍「それじゃ行くよ。ハナっから全力さね!」
イヌ「了解ね」バキバキッボキッ
女侍「サル! キジ!」
シュバッ スタッ
サル「一撃で決めんぞぉ~! しくんなよっ!」
キジ「さっきの分は……百倍返しさー!」
女侍「……ふーっ」チャキッ
女剣士「姉上……っ」
女侍「……」
ズザッ
イヌ「お頭っ! 無事ね!?」
女侍「こんなもん、かすり傷さ。それよりもキジは無事なんだろうね?」
イヌ「今、サルが止血してるね。急所は外してるね」
女侍「そりゃ何よりだ。さぁて、やられっぱなしは性に合わないからねぇ」
スクッ
女侍「それじゃ行くよ。ハナっから全力さね!」
イヌ「了解ね」バキバキッボキッ
女侍「サル! キジ!」
シュバッ スタッ
サル「一撃で決めんぞぉ~! しくんなよっ!」
キジ「さっきの分は……百倍返しさー!」
女侍「……ふーっ」チャキッ
女剣士「姉上……っ」
女侍「……」
391: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:21:57.45:boPts1dto (4/11)
ゴゴゴゴゴゴ……
神野「……じゃかあしい」
シュヴェルトラウテ「マスター!!」
ブリュンヒルデ「召喚士様っ、このままでは……っ」
召喚士「分かってる。女侍さん、召喚解除しますよ!」
女侍「ああ。いつでもいいよ」
サル「バカッ! さっきのスピードでこられたら付加が間に合わ――」
神野「大人しく……寝てろやボケェ!!」
召喚士「くぅっ!! 召喚解除します!!」
フッ
神野「ヒャーッハッハッハッハッハッハッハッハッハァ!!」
ドウンッ!! バシュンッ
東方司令「上えぇーっ!!」
サル「んのやろおおぉぉ!!」
ビュオッ!! ガッキイイィィィィン!!
ゴゴゴゴゴゴ……
神野「……じゃかあしい」
シュヴェルトラウテ「マスター!!」
ブリュンヒルデ「召喚士様っ、このままでは……っ」
召喚士「分かってる。女侍さん、召喚解除しますよ!」
女侍「ああ。いつでもいいよ」
サル「バカッ! さっきのスピードでこられたら付加が間に合わ――」
神野「大人しく……寝てろやボケェ!!」
召喚士「くぅっ!! 召喚解除します!!」
フッ
神野「ヒャーッハッハッハッハッハッハッハッハッハァ!!」
ドウンッ!! バシュンッ
東方司令「上えぇーっ!!」
サル「んのやろおおぉぉ!!」
ビュオッ!! ガッキイイィィィィン!!
392: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:24:12.77:boPts1dto (5/11)
女剣士「姉上の邪魔は……させないっ!!」ギリギリッ
神野「……どけええぇぇ!!」
バゴォッ!! ダンッ!!
女剣士「あぐ……っ!!」
魔道士「女剣士さんっ!!」
神野「ヌアアァァァァーッ!!」
女侍「はあぁーっ!!」
バキイイィィィィン!! クルクルクルッ
イヌ「刀がやられたねっ!!」
神野「とどめええぇぇ!!」
女剣士「姉上……ぇ」
ググッ
女剣士「姉上ぇ!!」
ブンッ!!
女侍「……!?」
女剣士「姉上の邪魔は……させないっ!!」ギリギリッ
神野「……どけええぇぇ!!」
バゴォッ!! ダンッ!!
女剣士「あぐ……っ!!」
魔道士「女剣士さんっ!!」
神野「ヌアアァァァァーッ!!」
女侍「はあぁーっ!!」
バキイイィィィィン!! クルクルクルッ
イヌ「刀がやられたねっ!!」
神野「とどめええぇぇ!!」
女剣士「姉上……ぇ」
ググッ
女剣士「姉上ぇ!!」
ブンッ!!
女侍「……!?」
393: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:24:58.90:boPts1dto (6/11)
パシッ
女侍「こ……れはっ、三日月!?」
女剣士「どうか……父上を……父上……を」
帝「女剣士!!」
名代「し、召喚士殿……っ。彼女の回復を……」ズズッ
召喚士「すみません!」ダダッ
神野「刀が変わったところでええぇぇ!!」
女侍「お前に……この刀は壊せないよぉ!!」
ガキイイイイィィィィン!!
神野「ッ!!」
サル「イヌ!!」
イヌ「分かってるね!!」
ビュオッ バキィッ!!
神野「ぐぬっ、だがこんな蹴り……効かへんでぇ」
サル「そんなん百も承知だっつの。全ては……この為よ」
パシッ
女侍「こ……れはっ、三日月!?」
女剣士「どうか……父上を……父上……を」
帝「女剣士!!」
名代「し、召喚士殿……っ。彼女の回復を……」ズズッ
召喚士「すみません!」ダダッ
神野「刀が変わったところでええぇぇ!!」
女侍「お前に……この刀は壊せないよぉ!!」
ガキイイイイィィィィン!!
神野「ッ!!」
サル「イヌ!!」
イヌ「分かってるね!!」
ビュオッ バキィッ!!
神野「ぐぬっ、だがこんな蹴り……効かへんでぇ」
サル「そんなん百も承知だっつの。全ては……この為よ」
394: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:27:11.14:boPts1dto (7/11)
そう言うとサルは、臭いの付いた煙幕を地面へと叩きつける。
神野「――!?」
ほんの僅か一瞬ではあるが、これにより神野悪五郎は女侍の気配を見失う。
その隙が好機を生む。神野悪五郎が次に気付いた時には、左右に壁が出来ていた。
イヌが地面を両拳で殴りつけた威力で、土が隆起し、妖の左右に壁を作ったのだ。
更に土壁は上空をも覆い、それはまるでトンネルのような空間が出来上がる。
トンネルの入り口で構えるは、名刀、三日月宗近を携えた女侍。
その背後から脇腹を左手で押さえながら、キジが凄まじい量の雷を右手に帯びている。
サル「んじゃ、いくぞ!」
再び声と共に玉をトンネルへと投げ込むサル。しかし今度は煙幕玉ではない。
玉はトンネル内ですぐさま激しい閃光と轟音を放ち、神野悪五郎の視界と耳を遮った。
神野「小賢しいわああぁぁ!!」
しかしそこは神野悪五郎、僅かの内に視覚、聴覚、嗅覚を捨て、触角のみで女侍を捉える。
だが、お構いなしとばかりに女侍はトンネルの中で待ち構える敵めがけ、地面を蹴った。
それを追うように、キジの手元からおびただしい雷の魔法が解き放たれた。
そう言うとサルは、臭いの付いた煙幕を地面へと叩きつける。
神野「――!?」
ほんの僅か一瞬ではあるが、これにより神野悪五郎は女侍の気配を見失う。
その隙が好機を生む。神野悪五郎が次に気付いた時には、左右に壁が出来ていた。
イヌが地面を両拳で殴りつけた威力で、土が隆起し、妖の左右に壁を作ったのだ。
更に土壁は上空をも覆い、それはまるでトンネルのような空間が出来上がる。
トンネルの入り口で構えるは、名刀、三日月宗近を携えた女侍。
その背後から脇腹を左手で押さえながら、キジが凄まじい量の雷を右手に帯びている。
サル「んじゃ、いくぞ!」
再び声と共に玉をトンネルへと投げ込むサル。しかし今度は煙幕玉ではない。
玉はトンネル内ですぐさま激しい閃光と轟音を放ち、神野悪五郎の視界と耳を遮った。
神野「小賢しいわああぁぁ!!」
しかしそこは神野悪五郎、僅かの内に視覚、聴覚、嗅覚を捨て、触角のみで女侍を捉える。
だが、お構いなしとばかりに女侍はトンネルの中で待ち構える敵めがけ、地面を蹴った。
それを追うように、キジの手元からおびただしい雷の魔法が解き放たれた。
395: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:28:23.17:boPts1dto (8/11)
バッシュウウゥゥッ!!
女侍「はああぁぁぁぁ!!」
神野「返り討ちやああぁぁ!!」
女剣士「姉上ええぇぇ!!」
女侍(父上、どうか……どうか……っ!)
神野「ヒャーッハッハッハッハッハッハハハハハハハ!!」
女侍「この刻だけもいい……私を……)
神野「ハハハハハハ――」
女侍「私を……思い出してぇ!! 父上っ!!」
神野「……な、んでやねん……なんでやねん!?」
ビタァッ!!
神野「だから何でっ、思念体が言う事効かんねん!!」
女侍「ありがとう……父上……っ!」
神野「思念体が意志を持つなど……あ、ありえへん」
女侍「剣聖流……最終奥義……土竜!!」
バッシュウウゥゥッ!!
女侍「はああぁぁぁぁ!!」
神野「返り討ちやああぁぁ!!」
女剣士「姉上ええぇぇ!!」
女侍(父上、どうか……どうか……っ!)
神野「ヒャーッハッハッハッハッハッハハハハハハハ!!」
女侍「この刻だけもいい……私を……)
神野「ハハハハハハ――」
女侍「私を……思い出してぇ!! 父上っ!!」
神野「……な、んでやねん……なんでやねん!?」
ビタァッ!!
神野「だから何でっ、思念体が言う事効かんねん!!」
女侍「ありがとう……父上……っ!」
神野「思念体が意志を持つなど……あ、ありえへん」
女侍「剣聖流……最終奥義……土竜!!」
396: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:31:47.63:boPts1dto (9/11)
……――
女侍「モグラ……ですか?」
剣聖「ああ、そうだ」
女侍「何だか、あまり強そうではありません」
剣聖「そうか? しかし剣術として学ぶ部分も、人間として学ぶ部分もあるのだぞ」
女侍「モグラからですか?」
剣聖「土竜はな、目が見えぬ。これは剣の道において、心眼に通ずるものがある」
女侍「はぁ」
剣聖「そして地に暮らす土竜のように、ひっそりと剣の道を極めてゆくのが儂の夢だ」
女侍「父上……」
剣聖「女子であるお主らまで巻き込んでしまって、本当に済まないな」
女侍「良いのです父上。私は、剣聖家の子ですから」
剣聖「女侍……」
女侍「父上と共に、剣聖家の……剣の道を極めたいと思いまする」
剣聖「いつの日かお前には、きちんと礼が言いたいものよ」
女侍「その時までには、父上を越えてみせまする!」
……――
女侍「モグラ……ですか?」
剣聖「ああ、そうだ」
女侍「何だか、あまり強そうではありません」
剣聖「そうか? しかし剣術として学ぶ部分も、人間として学ぶ部分もあるのだぞ」
女侍「モグラからですか?」
剣聖「土竜はな、目が見えぬ。これは剣の道において、心眼に通ずるものがある」
女侍「はぁ」
剣聖「そして地に暮らす土竜のように、ひっそりと剣の道を極めてゆくのが儂の夢だ」
女侍「父上……」
剣聖「女子であるお主らまで巻き込んでしまって、本当に済まないな」
女侍「良いのです父上。私は、剣聖家の子ですから」
剣聖「女侍……」
女侍「父上と共に、剣聖家の……剣の道を極めたいと思いまする」
剣聖「いつの日かお前には、きちんと礼が言いたいものよ」
女侍「その時までには、父上を越えてみせまする!」
397: ◆1otsuV0WFc:2012/01/03(火) 23:33:16.69:boPts1dto (10/11)
――……
三日月宗近が女侍の手より放たれる。眩い輝きの中、彼女は確かに見た。
女侍「――っ!?」
剣聖『……有難う、女侍――』
女侍「父上……父上ええぇぇ!!」
神野「バ……バカ……なああぁぁ!!」
ズザザアァ!!
女侍「……っ」
放たれた刃が止まる事はなかった。剣聖の姿をした神野悪五郎は、
三日月宗近の抜刀により真っ二つと化し、光の中へと溶け込んでゆく。
神野「こん……な……はずは……」
居合いを終えた女侍は神野悪五郎を斬ると、その反対側へと抜ける。
土の壁を抜け、再び三日月宗近を鞘へと仕舞い込んだ女侍はそっと呟いた。
女侍「……ありがとう……父上」
頬を伝った雫は、汗か涙か、それは女侍以外の誰にも分からなかった。
――……
三日月宗近が女侍の手より放たれる。眩い輝きの中、彼女は確かに見た。
女侍「――っ!?」
剣聖『……有難う、女侍――』
女侍「父上……父上ええぇぇ!!」
神野「バ……バカ……なああぁぁ!!」
ズザザアァ!!
女侍「……っ」
放たれた刃が止まる事はなかった。剣聖の姿をした神野悪五郎は、
三日月宗近の抜刀により真っ二つと化し、光の中へと溶け込んでゆく。
神野「こん……な……はずは……」
居合いを終えた女侍は神野悪五郎を斬ると、その反対側へと抜ける。
土の壁を抜け、再び三日月宗近を鞘へと仕舞い込んだ女侍はそっと呟いた。
女侍「……ありがとう……父上」
頬を伝った雫は、汗か涙か、それは女侍以外の誰にも分からなかった。
398:以下、あけまして:2012/01/03(火) 23:40:39.51:boPts1dto (11/11)
明日からは通常モードで頑張ります!!
それではおやすみなさい!年末年始もご支援ありがとーです!ノシ
明日からは通常モードで頑張ります!!
それではおやすみなさい!年末年始もご支援ありがとーです!ノシ
399:以下、あけまして:2012/01/03(火) 23:42:19.43:NHeVqzeDO (1/1)
乙ましておめでとうございます。
乙ましておめでとうございます。
400:以下、あけまして:2012/01/04(水) 01:45:10.88:wIMxvXyH0 (1/1)
いちおつ
剣聖の思念体は解放出来たかな…?
いちおつ
剣聖の思念体は解放出来たかな…?
401:以下、あけまして:2012/01/04(水) 07:23:26.82:46BnlyRzo (1/2)
おついち
おついち
402:以下、あけまして:2012/01/04(水) 15:21:20.14:4uaWjQDSO (1/1)
おつです。
疑問なんですが、なんで皇太子には魔法の付加が出来ないのに、格闘家には付加出来るんですか?
おつです。
疑問なんですが、なんで皇太子には魔法の付加が出来ないのに、格闘家には付加出来るんですか?
403:以下、あけまして:2012/01/04(水) 15:22:30.60:0x7IgxHoo (1/1)
そんな描写あったっけ?
そんな描写あったっけ?
404:以下、あけまして:2012/01/04(水) 15:23:58.23:dTz1mnAIO (1/1)
ない
そしてあっちでやれ
ない
そしてあっちでやれ
405: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 17:57:20.22:T0d6Eq/vo (1/23)
カシャンッ
女侍「……っ」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴゴゴゴゴゴ……
帝「何と言う……威力かっ」
東方司令「まさか……これ程の奴がいるとは……っ」
サル「どうでぇ!」
イヌ「完璧に捉えたね」
タッタッタッ
召喚士「女剣士さんっ!」
ユニコーン「このまま治療するよっ!」
女剣士「あ、姉上は……?」
召喚士「姉……?」
女剣士「無事……みたいだな」
女侍「キジッ、生きてるかい?」
キジ「当たり前さー。お頭より先には死ねないさー」
カシャンッ
女侍「……っ」
ドッドオオオオォォォォン!! ゴゴゴゴゴゴ……
帝「何と言う……威力かっ」
東方司令「まさか……これ程の奴がいるとは……っ」
サル「どうでぇ!」
イヌ「完璧に捉えたね」
タッタッタッ
召喚士「女剣士さんっ!」
ユニコーン「このまま治療するよっ!」
女剣士「あ、姉上は……?」
召喚士「姉……?」
女剣士「無事……みたいだな」
女侍「キジッ、生きてるかい?」
キジ「当たり前さー。お頭より先には死ねないさー」
406: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 17:58:11.72:T0d6Eq/vo (2/23)
ドドオオオオォォォォ……
魔道士「……い、一撃で凄い威力……っ」
東方司令「やや強引とは言え、魔法付加があるからな」
魔道士「……?」
東方司令「土行と金行。しかも土による壁で相手の進路を防ぎ、
その内部に雷を発する事で、威力を高めている。理に適った攻撃方法だ」
魔道士「なるほど……っ」
東方司令「炎は自身が発したという事か。合体三行プラス、回避不能の物理攻撃」
魔道士「これなら……」
東方司令「さて、問題は効いたかどうか」
次第に晴れる煙。土のトンネルはそのほとんどが吹き飛ばされ、砂埃を巻き上げている。
それらとサルの煙幕が晴れ、景色は平常を取り戻したが……。
召喚士「な……っ!?」
帝「……居ない!!」
名代「思念体は開放されたと見て良さそうですね」
召喚士「ええ。ここからが本番ですよ……!」
ドドオオオオォォォォ……
魔道士「……い、一撃で凄い威力……っ」
東方司令「やや強引とは言え、魔法付加があるからな」
魔道士「……?」
東方司令「土行と金行。しかも土による壁で相手の進路を防ぎ、
その内部に雷を発する事で、威力を高めている。理に適った攻撃方法だ」
魔道士「なるほど……っ」
東方司令「炎は自身が発したという事か。合体三行プラス、回避不能の物理攻撃」
魔道士「これなら……」
東方司令「さて、問題は効いたかどうか」
次第に晴れる煙。土のトンネルはそのほとんどが吹き飛ばされ、砂埃を巻き上げている。
それらとサルの煙幕が晴れ、景色は平常を取り戻したが……。
召喚士「な……っ!?」
帝「……居ない!!」
名代「思念体は開放されたと見て良さそうですね」
召喚士「ええ。ここからが本番ですよ……!」
407: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 17:58:40.99:T0d6Eq/vo (3/23)
~最北端の城、二階~
ズザッ
盗賊「!?」
風忍「お下がり下さい、姫」
鼻筋辺りまで黒い布を引き上げて覆う風忍は、そう言いながら盗賊の前へと立つ。
火忍、水忍、土忍の三名も、風忍とほぼ同時に、同様の行動を取っていた。
マーラ「ふぅーん。その小娘が大将かいっ」
風忍「ここは、貴様の城か?」
マーラ「よくもまぁ人間如きが、土足で踏み入ってくれたものさ」
火忍「水中に城とは風情ってもんを感じねぇな」
マーラ「アタシの竜宮城にケチつけようってのかい!」
土忍「これでは妖すら入れぬ有様であろう。墓穴を掘ったな」
マーラ「人間ってのは何でも数を揃えれば良いと思っている。馬鹿な話だよ」
火忍「んだとぉ!」
水忍「火、冷静になれ。単体とは限らぬぞ」
~最北端の城、二階~
ズザッ
盗賊「!?」
風忍「お下がり下さい、姫」
鼻筋辺りまで黒い布を引き上げて覆う風忍は、そう言いながら盗賊の前へと立つ。
火忍、水忍、土忍の三名も、風忍とほぼ同時に、同様の行動を取っていた。
マーラ「ふぅーん。その小娘が大将かいっ」
風忍「ここは、貴様の城か?」
マーラ「よくもまぁ人間如きが、土足で踏み入ってくれたものさ」
火忍「水中に城とは風情ってもんを感じねぇな」
マーラ「アタシの竜宮城にケチつけようってのかい!」
土忍「これでは妖すら入れぬ有様であろう。墓穴を掘ったな」
マーラ「人間ってのは何でも数を揃えれば良いと思っている。馬鹿な話だよ」
火忍「んだとぉ!」
水忍「火、冷静になれ。単体とは限らぬぞ」
408: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 17:59:08.36:T0d6Eq/vo (4/23)
マーラ「安心なさいな、此処にはアタシしか居ないよっ」
土忍「などと言いつつ、挟撃するつもりなのであろう?」ススッ
マーラ「疑り深い連中だねぇ、ヤダヤダ。この部屋はアタシだけの部屋」
盗賊「……っ」
マーラ「こうやってお前らみたいな餌を、他の妖に譲るだなんて……勿体ないじゃあないか!」
風忍「くっ!」
マーラ「どうせ城外には逃げられない。さぁ、覚悟を決めるんだねぇ」ズイッ
盗賊「こうなったら……」
火忍「土、姫を頼むぞ」
土忍「承知」ズザッ
風忍「用意はいいな? いくぞっ!」
水忍「水遁……水飛沫!!」
ドドオオォォォォン!! ドッバアアァァン!!
マーラ「この程度の水で、このアタシが倒――」
水忍の放った水飛沫を振り払うマーラの眼前に、一切の人影は無かった。
マーラ「安心なさいな、此処にはアタシしか居ないよっ」
土忍「などと言いつつ、挟撃するつもりなのであろう?」ススッ
マーラ「疑り深い連中だねぇ、ヤダヤダ。この部屋はアタシだけの部屋」
盗賊「……っ」
マーラ「こうやってお前らみたいな餌を、他の妖に譲るだなんて……勿体ないじゃあないか!」
風忍「くっ!」
マーラ「どうせ城外には逃げられない。さぁ、覚悟を決めるんだねぇ」ズイッ
盗賊「こうなったら……」
火忍「土、姫を頼むぞ」
土忍「承知」ズザッ
風忍「用意はいいな? いくぞっ!」
水忍「水遁……水飛沫!!」
ドドオオォォォォン!! ドッバアアァァン!!
マーラ「この程度の水で、このアタシが倒――」
水忍の放った水飛沫を振り払うマーラの眼前に、一切の人影は無かった。
409: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 17:59:36.32:T0d6Eq/vo (5/23)
タタタタッ
風忍「なかなか良い芝居だったぞ、火」
火忍「だろ~?」
水忍「何だ、てっきりいつもの如く、頭に血が昇っておったのかと思ったぞ」
火忍「何だとぉ!!」
土忍「姫、降ろしますぞ」スクッ
盗賊「何故、退いたのだ?」
土忍「何故とは如何に? 我らの役目は魔王を倒す事」
盗賊「だからっ」
土忍「この人数で魔王を倒せるとお思いか?」
盗賊「……っ!!」
土忍「もしそうならば、それは姫の思い上がりも甚だしい」
風忍「そもそも忍の本筋とは、敵情視察が第一」
水忍「その点で申せば、状況はかなり把握出来た」
火忍「ああ。魔羅の野郎、魔王にしちゃ浅はかだな」
タタタタッ
風忍「なかなか良い芝居だったぞ、火」
火忍「だろ~?」
水忍「何だ、てっきりいつもの如く、頭に血が昇っておったのかと思ったぞ」
火忍「何だとぉ!!」
土忍「姫、降ろしますぞ」スクッ
盗賊「何故、退いたのだ?」
土忍「何故とは如何に? 我らの役目は魔王を倒す事」
盗賊「だからっ」
土忍「この人数で魔王を倒せるとお思いか?」
盗賊「……っ!!」
土忍「もしそうならば、それは姫の思い上がりも甚だしい」
風忍「そもそも忍の本筋とは、敵情視察が第一」
水忍「その点で申せば、状況はかなり把握出来た」
火忍「ああ。魔羅の野郎、魔王にしちゃ浅はかだな」
410: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:00:06.75:T0d6Eq/vo (6/23)
土忍「逆に自信の現れやもしれぬぞ」
盗賊「どういう事だ?」
風忍「魔羅はまず、二階に己しか居らぬと申しました」
盗賊「!?」
風忍「更に配下の数は少なく、他の階に居る可能性が高い」
水忍「城外に出られるとは、やはり湖の水は元通り、この城を覆っているという事か」
土忍「帰路の事は後でいい。とにかく一度、城外への脱出も無理という事だな」
火忍「ついでに言うと、この城は竜宮城って名前らしいな」
水忍「待てよ、そうするとやはりあの時、二つに分かれた水は人為的なものなのか……」
風忍「疾風怒濤に近い、と言うか等しいあれは……」
土忍「だが、あれ程の疾風怒濤はお主等とて困難」
火忍「……いや、一人いる」
水忍「そうかっ! 若……!!」
盗賊「兄様……?」
水忍「あ……っ」
土忍「逆に自信の現れやもしれぬぞ」
盗賊「どういう事だ?」
風忍「魔羅はまず、二階に己しか居らぬと申しました」
盗賊「!?」
風忍「更に配下の数は少なく、他の階に居る可能性が高い」
水忍「城外に出られるとは、やはり湖の水は元通り、この城を覆っているという事か」
土忍「帰路の事は後でいい。とにかく一度、城外への脱出も無理という事だな」
火忍「ついでに言うと、この城は竜宮城って名前らしいな」
水忍「待てよ、そうするとやはりあの時、二つに分かれた水は人為的なものなのか……」
風忍「疾風怒濤に近い、と言うか等しいあれは……」
土忍「だが、あれ程の疾風怒濤はお主等とて困難」
火忍「……いや、一人いる」
水忍「そうかっ! 若……!!」
盗賊「兄様……?」
水忍「あ……っ」
411: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:00:33.12:T0d6Eq/vo (7/23)
…
火忍「別に、隠していたわけではないのですっ!」
風忍「申し訳御座いませぬ。もっと早くに報告すべきでした」
盗賊「別にいいよ。兄様とは何度も会っているし、事情は分かっているから」
水忍「そう……でしたか」
盗賊「つまり、兄様もこの城へ来ている可能性があるという事だな?」
土忍「それ以外には考えられませぬな」
盗賊「合流出来れば、大きな戦力になる事、間違いないのだがな」
水忍「若は単独で動くと申されておりました。無理に接触する事もないでしょう」
盗賊「うん……」
火忍「……なぁ」
水忍「どうした?」
火忍「階段、こんな長かったっけか?」
盗賊「言われてみれば……」
風忍「……まさか」
…
火忍「別に、隠していたわけではないのですっ!」
風忍「申し訳御座いませぬ。もっと早くに報告すべきでした」
盗賊「別にいいよ。兄様とは何度も会っているし、事情は分かっているから」
水忍「そう……でしたか」
盗賊「つまり、兄様もこの城へ来ている可能性があるという事だな?」
土忍「それ以外には考えられませぬな」
盗賊「合流出来れば、大きな戦力になる事、間違いないのだがな」
水忍「若は単独で動くと申されておりました。無理に接触する事もないでしょう」
盗賊「うん……」
火忍「……なぁ」
水忍「どうした?」
火忍「階段、こんな長かったっけか?」
盗賊「言われてみれば……」
風忍「……まさか」
412: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:01:00.35:T0d6Eq/vo (8/23)
~竜宮城、一階~
夜行「ヒヒッ、この俺を倒すたぁ……大きく出たねぇ」スゥーッ
槍侶「……刀身が長いな」
隊長「案ずるな。お前の手にしてるものは何だ? 槍と思えば慣れたもんだろ」
槍侶「……ご尤も。感謝致します」スッ
隊長「参謀ズ! 援護頼むぞ!」
東方参謀「勝手に変な名を付けるでないわ!」
西方参謀「奴ぁ不死タイプだが、頭部に核があるらしい……ヒック」
南方参謀「つまり頭部のみ、一転集中で狙えばいいって事ね」
東方参謀「そう簡単に、うまくいくとは思えないがな」
ヤタガラス「夜行、ほなやったりぃ!!」
夜行「ヒヒッ、言われんでも……やりますよぉ」
ドウンッ!! ガギギギギイイィィ!!
夜行「いやはや、相変わらずいい反応だねぇ」
隊長「覚えてんじゃねぇか、てめぇ……っ!」
~竜宮城、一階~
夜行「ヒヒッ、この俺を倒すたぁ……大きく出たねぇ」スゥーッ
槍侶「……刀身が長いな」
隊長「案ずるな。お前の手にしてるものは何だ? 槍と思えば慣れたもんだろ」
槍侶「……ご尤も。感謝致します」スッ
隊長「参謀ズ! 援護頼むぞ!」
東方参謀「勝手に変な名を付けるでないわ!」
西方参謀「奴ぁ不死タイプだが、頭部に核があるらしい……ヒック」
南方参謀「つまり頭部のみ、一転集中で狙えばいいって事ね」
東方参謀「そう簡単に、うまくいくとは思えないがな」
ヤタガラス「夜行、ほなやったりぃ!!」
夜行「ヒヒッ、言われんでも……やりますよぉ」
ドウンッ!! ガギギギギイイィィ!!
夜行「いやはや、相変わらずいい反応だねぇ」
隊長「覚えてんじゃねぇか、てめぇ……っ!」
413: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:01:31.87:T0d6Eq/vo (9/23)
夜行の長刀を、隊長が鋸状の刃をした剣で綺麗に捌き、遮る。
直後、数合打ち合う両者の下に、槍侶がゾディアックを手に乱入した。
槍侶「多対一、済まぬが卑怯と思いたくば思うが良い。参る!」
夜行「いいねぇ。サシじゃあ面白味も無い程、手応えないからねぇ」
隊長「勝手にほざいてろ!」
槍侶「はあぁーっ!!」シュババババッ!!
隊長の斬撃、そして槍侶の激しい乱れ突きをいとも容易くかわす夜行。
槍侶(何と……っ! 言うだけの事はある)
隊長「槍使いっ、背後から狙え!」
槍侶「御意っ!」
ババッ!1
槍侶「ぬりゃああぁぁーっ!!」
ドババババババッ!!
夜行「やるねぇ。でも、人間と違ってぇ……見なくとも分かるんだよこちとら」
槍侶の突きを悉くかわす夜業は、正面の隊長を見つめたまま言い放つ。
夜行の長刀を、隊長が鋸状の刃をした剣で綺麗に捌き、遮る。
直後、数合打ち合う両者の下に、槍侶がゾディアックを手に乱入した。
槍侶「多対一、済まぬが卑怯と思いたくば思うが良い。参る!」
夜行「いいねぇ。サシじゃあ面白味も無い程、手応えないからねぇ」
隊長「勝手にほざいてろ!」
槍侶「はあぁーっ!!」シュババババッ!!
隊長の斬撃、そして槍侶の激しい乱れ突きをいとも容易くかわす夜行。
槍侶(何と……っ! 言うだけの事はある)
隊長「槍使いっ、背後から狙え!」
槍侶「御意っ!」
ババッ!1
槍侶「ぬりゃああぁぁーっ!!」
ドババババババッ!!
夜行「やるねぇ。でも、人間と違ってぇ……見なくとも分かるんだよこちとら」
槍侶の突きを悉くかわす夜業は、正面の隊長を見つめたまま言い放つ。
414: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:02:04.42:T0d6Eq/vo (10/23)
槍侶「こ……んのぉ!!」
夜行「うーむ。しかしこれじゃあ、こっちから仕掛けられないねぇ……ヒヒッ」
槍侶の突きが上段から徐々に下段へと移行する。
夜行は体を揺らす挙動から、今度は足元でステップを踏むようにかわす挙動へと変えた。
隊長「……」
夜行「……むっ、これはなかなかやるねぇ」
速度が増したところで夜行はたまらず跳躍し、上空へと回避した。
隊長「今だぁ!!」
すかさず、隊長の剣が夜行の頭部をめがけて真っ直ぐに突き放たれた。
ビュオッ!! フッ!!
隊長「――っ!?」
夜行「甘いよねぇ。移動なんざ……一瞬で出来ちまうのさぁ」スタッ
槍侶「後ろ――」
夜行「遅い遅い……ヒヒッ」
隊長「ちいぃっ!!」
槍侶「こ……んのぉ!!」
夜行「うーむ。しかしこれじゃあ、こっちから仕掛けられないねぇ……ヒヒッ」
槍侶の突きが上段から徐々に下段へと移行する。
夜行は体を揺らす挙動から、今度は足元でステップを踏むようにかわす挙動へと変えた。
隊長「……」
夜行「……むっ、これはなかなかやるねぇ」
速度が増したところで夜行はたまらず跳躍し、上空へと回避した。
隊長「今だぁ!!」
すかさず、隊長の剣が夜行の頭部をめがけて真っ直ぐに突き放たれた。
ビュオッ!! フッ!!
隊長「――っ!?」
夜行「甘いよねぇ。移動なんざ……一瞬で出来ちまうのさぁ」スタッ
槍侶「後ろ――」
夜行「遅い遅い……ヒヒッ」
隊長「ちいぃっ!!」
415: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:02:30.58:T0d6Eq/vo (11/23)
ドズッ!!
隊長「――っ!!」
夜行「まずは、一人目かな」
南方参謀「隊長ぉーっ!!」
西方参謀「仕方ねぇ! 援護だ援護ぉ!」
キュイイイィィィィ……ドッドオオォォォォン!!
東方参謀「ぬおおりゃああぁぁ!!」
バッゴオオォォォォン!!
南方参謀「逃げたわよっ、上っ!!」
西方参謀「わーってらぁ! お前さんは隊長を頼む!」
南方参謀「了解っ!」
東方参謀「飛ぶぞ!」
槍侶「はいっ!」
ババッ!!
夜行「今度は空中戦かい?」
ドズッ!!
隊長「――っ!!」
夜行「まずは、一人目かな」
南方参謀「隊長ぉーっ!!」
西方参謀「仕方ねぇ! 援護だ援護ぉ!」
キュイイイィィィィ……ドッドオオォォォォン!!
東方参謀「ぬおおりゃああぁぁ!!」
バッゴオオォォォォン!!
南方参謀「逃げたわよっ、上っ!!」
西方参謀「わーってらぁ! お前さんは隊長を頼む!」
南方参謀「了解っ!」
東方参謀「飛ぶぞ!」
槍侶「はいっ!」
ババッ!!
夜行「今度は空中戦かい?」
416: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:02:59.20:T0d6Eq/vo (12/23)
東方参謀「ぬあぁぁぁぁ!!」
槍侶「でっりゃああぁぁぁぁ!!」
無数に繰り出される当方参謀の拳と槍侶の突き。
左右よりその猛攻を受けた夜行だが、先程同様、攻撃は一向に当たる気配はない。
ズババババババッ!! ビュオンッ!!
夜行「ヒヒッ、無駄無駄ぁ」
タタッ……ザッ
南方参謀「隊長っ、大丈夫!?」
隊長「ん、ああ。ちょいと油断しただけだ」ググッ
南方参謀「油断……って、腹部直撃したじゃない! いいから――」
隊長「寝てる場合かよ……っ。あれじゃダメだ」ザッ
南方参謀「ちょっ……」
隊長「空中戦は不利だ! 地上で迎え撃つぞ!」
南方参謀「!?」
夜行「ほぉ、まだ生きていたかい。ヒヒッ、こりゃあちょっとは楽しめそうだねぇ」
東方参謀「ぬあぁぁぁぁ!!」
槍侶「でっりゃああぁぁぁぁ!!」
無数に繰り出される当方参謀の拳と槍侶の突き。
左右よりその猛攻を受けた夜行だが、先程同様、攻撃は一向に当たる気配はない。
ズババババババッ!! ビュオンッ!!
夜行「ヒヒッ、無駄無駄ぁ」
タタッ……ザッ
南方参謀「隊長っ、大丈夫!?」
隊長「ん、ああ。ちょいと油断しただけだ」ググッ
南方参謀「油断……って、腹部直撃したじゃない! いいから――」
隊長「寝てる場合かよ……っ。あれじゃダメだ」ザッ
南方参謀「ちょっ……」
隊長「空中戦は不利だ! 地上で迎え撃つぞ!」
南方参謀「!?」
夜行「ほぉ、まだ生きていたかい。ヒヒッ、こりゃあちょっとは楽しめそうだねぇ」
417: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:03:29.84:T0d6Eq/vo (13/23)
ズガガガガッ
東方参謀「ちぃっ」
槍侶「くっ」
スタッ
夜行「人間は不便だねぇ、飛ばなくてよ」
西方参謀「なぁーに、次に飛んだ時にゃあ五行の矢でイチコロよ……ヒック」
夜行「何ィ?」
西方参謀「ま、いつでも隙あらば額に命中させっけどなぁ」
夜行「ヒヒッ、そいつは怖いねぇ……」
西方参謀(んなもん持っちゃいねぇけどな。あればどれ程、楽な事かよ……ヒック)
隊長「降りてくるぞ。今度は3人で包囲する」
東方参謀「はああぁぁ……」ゴゴゴゴゴゴ……
槍侶「……っ」チャキッ
南方参謀「何でよ……っ」
隊長「行くぞっ!」ダンッ!!
ズガガガガッ
東方参謀「ちぃっ」
槍侶「くっ」
スタッ
夜行「人間は不便だねぇ、飛ばなくてよ」
西方参謀「なぁーに、次に飛んだ時にゃあ五行の矢でイチコロよ……ヒック」
夜行「何ィ?」
西方参謀「ま、いつでも隙あらば額に命中させっけどなぁ」
夜行「ヒヒッ、そいつは怖いねぇ……」
西方参謀(んなもん持っちゃいねぇけどな。あればどれ程、楽な事かよ……ヒック)
隊長「降りてくるぞ。今度は3人で包囲する」
東方参謀「はああぁぁ……」ゴゴゴゴゴゴ……
槍侶「……っ」チャキッ
南方参謀「何でよ……っ」
隊長「行くぞっ!」ダンッ!!
418: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:04:00.19:T0d6Eq/vo (14/23)
南方参謀「あれだけの攻撃で……何で……っ」
隊長「うりゃああああぁぁぁぁ!!」
南方参謀「何でっ、一滴の血も流してないのよおぉ!!」
夜行「流石に……癪だねぇ」
槍侶(もっとだ、俺には出来るはずだ……っ!)
ババババッ
槍侶「もっと早く……もっと早く、もっと早くもっと早くもっと早く! 早く早く早く早く!)
ババババババババババッ
槍侶「早くううぅぅーっ!!」
チッ!!
夜行「――ッ!?」
隊長「隙ありぃ!!」
槍侶の乱れ突きが更に速度を増し、たった一度ではあるが、突きが腰の辺りをかすめた。
夜行は驚きのあまり、一瞬だけ上半身を硬直してしまった。隊長はそれを見逃さなかった。
ただ一点、頭部のみを狙う隊長の斬撃が夜行に迫る。 だが、夜行は笑っていた。
南方参謀「あれだけの攻撃で……何で……っ」
隊長「うりゃああああぁぁぁぁ!!」
南方参謀「何でっ、一滴の血も流してないのよおぉ!!」
夜行「流石に……癪だねぇ」
槍侶(もっとだ、俺には出来るはずだ……っ!)
ババババッ
槍侶「もっと早く……もっと早く、もっと早くもっと早くもっと早く! 早く早く早く早く!)
ババババババババババッ
槍侶「早くううぅぅーっ!!」
チッ!!
夜行「――ッ!?」
隊長「隙ありぃ!!」
槍侶の乱れ突きが更に速度を増し、たった一度ではあるが、突きが腰の辺りをかすめた。
夜行は驚きのあまり、一瞬だけ上半身を硬直してしまった。隊長はそれを見逃さなかった。
ただ一点、頭部のみを狙う隊長の斬撃が夜行に迫る。 だが、夜行は笑っていた。
419: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:04:31.25:T0d6Eq/vo (15/23)
西方参謀「罠だぁ!!」
夜行「ヒヒッ、遅いよ」
ザシュウウゥゥゥゥ
隊長「……っ!!」
夜行の長刀は、切先で隊長の首を完璧に捉え、水平に斬った。
南方参謀「隊長おぉーっ!!」
ガクンッ ググググッ
夜行「……あ?」
隊長「……ぉぉぉぉおお」
夜行「何だとぉ!?」
隊長「だっりゃああああぁぁぁぁ!!」
ギュバッ!! バッキイイィィィン!!
隊長「まだだっ! まだ……終わりじゃねぇぞ!」
槍侶「隊長……殿……!?」
隊長「武器は破壊したぁ! このまま叩き込めぇ!」
西方参謀「罠だぁ!!」
夜行「ヒヒッ、遅いよ」
ザシュウウゥゥゥゥ
隊長「……っ!!」
夜行の長刀は、切先で隊長の首を完璧に捉え、水平に斬った。
南方参謀「隊長おぉーっ!!」
ガクンッ ググググッ
夜行「……あ?」
隊長「……ぉぉぉぉおお」
夜行「何だとぉ!?」
隊長「だっりゃああああぁぁぁぁ!!」
ギュバッ!! バッキイイィィィン!!
隊長「まだだっ! まだ……終わりじゃねぇぞ!」
槍侶「隊長……殿……!?」
隊長「武器は破壊したぁ! このまま叩き込めぇ!」
420: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:05:01.55:T0d6Eq/vo (16/23)
ダッ!!
夜行「……お前さん、どうもおかしいねぇ」
刃を半分に叩き割られた長刀を再び身構えながら、夜行は呟く。
更には空中をくるくると舞う切先を左手で掴むと、丁度二刀流の様な形と相成った。
クルクルクルクルッ……パシィ!!
夜行「お前さんもしや、お仲間かな?」
隊長「何をゴチャゴチャとぉ!!」
ブオッ!! ヒュンヒュンッ
東方参謀「ぬりゃああぁぁぁぁ!!」
ゴアァッ!! ドドドドドドッ!!
槍侶「せいああぁぁぁぁーっ!」
ビュババババババッ!!
夜行「甘ぇ甘ぇ、そんなものかよ――」
西方参謀「1人忘れてんぜ、何とかさんよ」
夜行「!?」
ダッ!!
夜行「……お前さん、どうもおかしいねぇ」
刃を半分に叩き割られた長刀を再び身構えながら、夜行は呟く。
更には空中をくるくると舞う切先を左手で掴むと、丁度二刀流の様な形と相成った。
クルクルクルクルッ……パシィ!!
夜行「お前さんもしや、お仲間かな?」
隊長「何をゴチャゴチャとぉ!!」
ブオッ!! ヒュンヒュンッ
東方参謀「ぬりゃああぁぁぁぁ!!」
ゴアァッ!! ドドドドドドッ!!
槍侶「せいああぁぁぁぁーっ!」
ビュババババババッ!!
夜行「甘ぇ甘ぇ、そんなものかよ――」
西方参謀「1人忘れてんぜ、何とかさんよ」
夜行「!?」
421: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:05:30.62:T0d6Eq/vo (17/23)
西方参謀「直接、炎が効かなくともさぁ……足元が焼けて自由を奪われると……」
ドドオオオオォォォォン!! ゴッゴオオォォォォ!!
西方参謀「そう簡単に、回避出来ねぇよなぁ!」
夜行「ヒヒッ」
隊長「だっらああぁぁ!!」
東方参謀「どどんっ!!」
槍侶「いえああぁぁぁぁ!!」
ズガガガガガガッ!! メキメキメキメキイィ!!
夜行「ぐ……ぬぅ!!」
バッゴオオォォォォン!! ドガシャアアァァ……
西方参謀「いよぉーし! ふっ飛ばしたぞ!」
南方参謀「……っ」
西方参謀「おいおい少しは喜べよ」
南方参謀「何で……なのよ……っ」
西方参謀「あん?」
西方参謀「直接、炎が効かなくともさぁ……足元が焼けて自由を奪われると……」
ドドオオオオォォォォン!! ゴッゴオオォォォォ!!
西方参謀「そう簡単に、回避出来ねぇよなぁ!」
夜行「ヒヒッ」
隊長「だっらああぁぁ!!」
東方参謀「どどんっ!!」
槍侶「いえああぁぁぁぁ!!」
ズガガガガガガッ!! メキメキメキメキイィ!!
夜行「ぐ……ぬぅ!!」
バッゴオオォォォォン!! ドガシャアアァァ……
西方参謀「いよぉーし! ふっ飛ばしたぞ!」
南方参謀「……っ」
西方参謀「おいおい少しは喜べよ」
南方参謀「何で……なのよ……っ」
西方参謀「あん?」
422: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:06:01.55:T0d6Eq/vo (18/23)
ズダンッ
隊長「……ふーっ」
槍侶「……」
東方参謀「お主、傷は?」
隊長「傷? ああ、問題ないようだ」スリスリ
東方参謀「上手く避けたようだな。一瞬、首を刎ねられたかと思ったぞ」
隊長「ああ。無意識ながらかろうじて助かったみたいだ」
槍侶(……違うっ。隊長殿は間違いなく、妖の一撃を食らっていたはずだ……っ!)
東方参謀「手応えはあったが、多少はダメージを与えておるか……」
隊長「いや、今の攻撃は全て胴体部分にいった。おそらく無傷だろうな」
槍侶(しかし合点がいかぬ。どうやって無傷で……法力か何かか?)
隊長「おい、槍侶殿」
槍侶「は、はいっ!」
隊長「お前さんはどっちが効果的だと思う?」
槍侶「えっ!? あ、すみません……もう一度、宜しいですか?」
ズダンッ
隊長「……ふーっ」
槍侶「……」
東方参謀「お主、傷は?」
隊長「傷? ああ、問題ないようだ」スリスリ
東方参謀「上手く避けたようだな。一瞬、首を刎ねられたかと思ったぞ」
隊長「ああ。無意識ながらかろうじて助かったみたいだ」
槍侶(……違うっ。隊長殿は間違いなく、妖の一撃を食らっていたはずだ……っ!)
東方参謀「手応えはあったが、多少はダメージを与えておるか……」
隊長「いや、今の攻撃は全て胴体部分にいった。おそらく無傷だろうな」
槍侶(しかし合点がいかぬ。どうやって無傷で……法力か何かか?)
隊長「おい、槍侶殿」
槍侶「は、はいっ!」
隊長「お前さんはどっちが効果的だと思う?」
槍侶「えっ!? あ、すみません……もう一度、宜しいですか?」
423: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:06:31.00:T0d6Eq/vo (19/23)
東方参謀「つまり、頭部を徹底的に総攻撃するか……」
隊長「頭部と胴部をバランスよく攻撃して、相手の集中を拡散するかだ」
槍侶「お任せ致します。実戦経験は初めてなもので」
東方参謀「そうか。ではこちらで決めるとしよう。隊長が決めればよい。ワシらはそれに合わせよう」
西方参謀「どうすっかねぇ……ヒック」
隊長「先程までの確立で言えば、後者だな」
東方参謀「だろうとは思ったが、そうなると最低でも1人は危険が付きまとうぞ?」
西方参謀「頭部への仕留め役か……ヒック」
隊長「俺が行く。奴には借りもあるし」
南方参謀「ちょっと!」
隊長「ま、とどめ貰っちまって悪いけどな。俺もこの功績でいよいよ司令部入りかもな」
槍侶「隊長殿……」
隊長「おいおい、やるまえからそんな顔すんなよ。縁起でもねぇ」
槍侶「……っ」
南方参謀「……隊長、あなたは」
東方参謀「つまり、頭部を徹底的に総攻撃するか……」
隊長「頭部と胴部をバランスよく攻撃して、相手の集中を拡散するかだ」
槍侶「お任せ致します。実戦経験は初めてなもので」
東方参謀「そうか。ではこちらで決めるとしよう。隊長が決めればよい。ワシらはそれに合わせよう」
西方参謀「どうすっかねぇ……ヒック」
隊長「先程までの確立で言えば、後者だな」
東方参謀「だろうとは思ったが、そうなると最低でも1人は危険が付きまとうぞ?」
西方参謀「頭部への仕留め役か……ヒック」
隊長「俺が行く。奴には借りもあるし」
南方参謀「ちょっと!」
隊長「ま、とどめ貰っちまって悪いけどな。俺もこの功績でいよいよ司令部入りかもな」
槍侶「隊長殿……」
隊長「おいおい、やるまえからそんな顔すんなよ。縁起でもねぇ」
槍侶「……っ」
南方参謀「……隊長、あなたは」
424: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:07:00.83:T0d6Eq/vo (20/23)
バッゴオオォォォォン!! ガラガラガラッ
夜行「あぁー」コキッコキッ
隊長「第2ラウンドだ。準備はいいな?」
東方参謀「今回で決めるぞ!」
槍侶「……はい」
ヤタガラス「はぁー。見てられんわ全く」バサッバサッ
夜行「文句言うなら手伝ったらどうだい?」
ヤタガラス「何度も言わせんなや。こっちゃ非戦闘要員なんや」
夜行「ヒヒッ、ご大層なこって」
隊長「いくぞ!」
西方参謀「どーれどれ、火力最大で援護――」グイッ
南方参謀「待って!」
西方参謀「んだよ!」
南方参謀「隊長、おかしいと思わないの!? さっきから一滴の血も流していないのよ!?」
西方参謀「そりゃ良い事じゃねぇか……待て、今……なんつった……?」
バッゴオオォォォォン!! ガラガラガラッ
夜行「あぁー」コキッコキッ
隊長「第2ラウンドだ。準備はいいな?」
東方参謀「今回で決めるぞ!」
槍侶「……はい」
ヤタガラス「はぁー。見てられんわ全く」バサッバサッ
夜行「文句言うなら手伝ったらどうだい?」
ヤタガラス「何度も言わせんなや。こっちゃ非戦闘要員なんや」
夜行「ヒヒッ、ご大層なこって」
隊長「いくぞ!」
西方参謀「どーれどれ、火力最大で援護――」グイッ
南方参謀「待って!」
西方参謀「んだよ!」
南方参謀「隊長、おかしいと思わないの!? さっきから一滴の血も流していないのよ!?」
西方参謀「そりゃ良い事じゃねぇか……待て、今……なんつった……?」
425: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:07:30.24:T0d6Eq/vo (21/23)
ダンッ!!
夜行「ヒヒッ!!」
隊長「でっりゃああぁぁ!!」
ズガガガガッ!! ドガガガガガガッ!!
西方参謀「待て待て、あれだけやりあって……無傷だってのか!?」
南方参謀「傷はあったわ。でも、血を流してないのよ!」
隊長「回り込めぇ!」
東方参謀「はああぁぁぁぁ!!」
槍侶「……っ!!」バシュシュッ!!
南方参謀「おかしいと思わない!? 隊長、何かあったんじゃないのっ!?」
西方参謀「……っ」
言われて思い返せば、見に覚えがないわけではなかった。
西方参謀「あのヤロー……そういやイブリースん時も確か……」
ズガッシャアアァァァァ!!
西方参謀「!?」
ダンッ!!
夜行「ヒヒッ!!」
隊長「でっりゃああぁぁ!!」
ズガガガガッ!! ドガガガガガガッ!!
西方参謀「待て待て、あれだけやりあって……無傷だってのか!?」
南方参謀「傷はあったわ。でも、血を流してないのよ!」
隊長「回り込めぇ!」
東方参謀「はああぁぁぁぁ!!」
槍侶「……っ!!」バシュシュッ!!
南方参謀「おかしいと思わない!? 隊長、何かあったんじゃないのっ!?」
西方参謀「……っ」
言われて思い返せば、見に覚えがないわけではなかった。
西方参謀「あのヤロー……そういやイブリースん時も確か……」
ズガッシャアアァァァァ!!
西方参謀「!?」
426: ◆1otsuV0WFc:2012/01/04(水) 18:08:05.35:T0d6Eq/vo (22/23)
ゴトッ……ヨロヨロ
隊長「……ぺっ。流石に……強いじゃねぇかよ」
西方参謀「お、おいっ!」
隊長「何をボサっとしてやがんだテメーらは! さっさと援護しろ!」
西方参謀「……お、おう」
隊長「でっりゃああぁぁ!!」バシュッ
南方参謀「ちょっと……っ!」
西方参謀「もういい。今は戦闘中だぞ! 援護に集中しろ!」
南方参謀「……っ」
西方参謀「何かあったとしてもだ、アイツはああやって動き回ってる。問題はねぇはずだろ!」
南方参謀「……分かってる……わよっ!」
西方参謀「そんじゃあ行くぞ! お前は風で俺の火を援護しろ!」
南方参謀「……了解っ!!」
隊長「はああぁぁーっ!!」
夜行「ヒヒッ、さぁさぁ……もっとかかってきなよぉ!」ガキイイィィィィン!!
ゴトッ……ヨロヨロ
隊長「……ぺっ。流石に……強いじゃねぇかよ」
西方参謀「お、おいっ!」
隊長「何をボサっとしてやがんだテメーらは! さっさと援護しろ!」
西方参謀「……お、おう」
隊長「でっりゃああぁぁ!!」バシュッ
南方参謀「ちょっと……っ!」
西方参謀「もういい。今は戦闘中だぞ! 援護に集中しろ!」
南方参謀「……っ」
西方参謀「何かあったとしてもだ、アイツはああやって動き回ってる。問題はねぇはずだろ!」
南方参謀「……分かってる……わよっ!」
西方参謀「そんじゃあ行くぞ! お前は風で俺の火を援護しろ!」
南方参謀「……了解っ!!」
隊長「はああぁぁーっ!!」
夜行「ヒヒッ、さぁさぁ……もっとかかってきなよぉ!」ガキイイィィィィン!!
427:以下、あけまして:2012/01/04(水) 18:09:23.28:T0d6Eq/vo (23/23)
それではひとまずここまでにて!
ご支援ありがとうでしたっ!それでは!ノシ
それではひとまずここまでにて!
ご支援ありがとうでしたっ!それでは!ノシ
428:以下、あけまして:2012/01/04(水) 18:17:30.98:5K0S1fxDO (1/1)
新たな恋の予感
乙
新たな恋の予感
乙
429:以下、あけまして:2012/01/04(水) 18:19:17.51:46BnlyRzo (2/2)
たあいちょお……
たあいちょお……
430:以下、あけまして:2012/01/04(水) 19:08:00.10:BAHoMXfAO (1/1)
>>1乙
遅なりましたがあけましておめでとう
今から休日分を一気に読ませてもらっちゃったりしちゃったりしちゃいます
>>1乙
遅なりましたがあけましておめでとう
今から休日分を一気に読ませてもらっちゃったりしちゃったりしちゃいます
431:以下、あけまして:2012/01/04(水) 22:12:09.99:HxKD+V+10 (1/1)
いちおつ
ヤタガラスは非戦闘要員か
何か隠してそうで不気味
いちおつ
ヤタガラスは非戦闘要員か
何か隠してそうで不気味
432:以下、あけまして:2012/01/05(木) 01:31:01.66:3+Ze/LTDO (1/1)
>>1乙!頑張れ!
結界通れない描写とかあったし隊長は自身の事に気づいてるんだよな…
盗賊の予言の事もあるし色々と不安だ…
>>1乙!頑張れ!
結界通れない描写とかあったし隊長は自身の事に気づいてるんだよな…
盗賊の予言の事もあるし色々と不安だ…
433:以下、あけまして:2012/01/05(木) 02:15:55.26:fmkNqGuAO (1/1)
>>1おつ
サンドウィッチたんは隊長の何が気に入って助力したのか
>>1おつ
サンドウィッチたんは隊長の何が気に入って助力したのか
434:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/05(木) 07:01:40.56:9KBg80Bdo (1/1)
隊長が影忍と同じ状態になっただけなのか
それともネクロマンサーがいつでも操れる状態なのか
隊長が影忍と同じ状態になっただけなのか
それともネクロマンサーがいつでも操れる状態なのか
435:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県):2012/01/05(木) 20:46:25.53:UYoQPMsco (1/1)
ヒント:ブチャラティ
ヒント:ブチャラティ
436:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/06(金) 04:41:56.07:uI0wgP+DO (1/1)
復活してたのか
復活してたのか
437: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:31:16.64:Aftj95dAo (1/38)
~剣聖の屋敷~
コオオォォォォ……
サル「どこ行きやがったぁ!?」
名代「全員、中央に!」
召喚士「背を合わせて、四方からの攻撃に備えましょう」
ザザッ
東方司令「上様は中央へ」
帝「うむ」
キジ「さぁ、どっから来るさー」
ゾクゥッ!!
女侍「上ぇーっ!!」
女剣士「上だっ!!」
魔道士「――!?」
召喚士「スフィンクス!!」
スフィンクス「はいよ-っ! ちたいくう、げいげきぱーんちっ!」
~剣聖の屋敷~
コオオォォォォ……
サル「どこ行きやがったぁ!?」
名代「全員、中央に!」
召喚士「背を合わせて、四方からの攻撃に備えましょう」
ザザッ
東方司令「上様は中央へ」
帝「うむ」
キジ「さぁ、どっから来るさー」
ゾクゥッ!!
女侍「上ぇーっ!!」
女剣士「上だっ!!」
魔道士「――!?」
召喚士「スフィンクス!!」
スフィンクス「はいよ-っ! ちたいくう、げいげきぱーんちっ!」
438: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:31:54.06:Aftj95dAo (2/38)
ギュバッ!! ドッゴオオォォォォン!!
スフィンクス「へっへーん。どうだ…………」
召喚士「スフィンクス……?」
ズズズズッ グニュウウゥゥゥゥ
スフィンクス「――っ!?」
魔道士「ス、スフィンクスの姿が……変わ……」
スフィンクス「ど、どうしたというのだ……これはっ、我が姿がどんどん老いて……」
ズギャッ!!
神野「……クックク」
スフィンクス「召喚士ぃ! 解除せよっ、このままで我が身諸共っ、貴様の魔力をも――」
召喚士「くっ!」
バシュッ シュウウゥゥゥゥ
サル「な、何がなんだってんだ……っ?」
神野「生あるもの必ず死が訪れる。死への道程、即ちそれこそ……老いたるもの」
召喚士「神野悪五郎……本体だなっ!!」
ギュバッ!! ドッゴオオォォォォン!!
スフィンクス「へっへーん。どうだ…………」
召喚士「スフィンクス……?」
ズズズズッ グニュウウゥゥゥゥ
スフィンクス「――っ!?」
魔道士「ス、スフィンクスの姿が……変わ……」
スフィンクス「ど、どうしたというのだ……これはっ、我が姿がどんどん老いて……」
ズギャッ!!
神野「……クックク」
スフィンクス「召喚士ぃ! 解除せよっ、このままで我が身諸共っ、貴様の魔力をも――」
召喚士「くっ!」
バシュッ シュウウゥゥゥゥ
サル「な、何がなんだってんだ……っ?」
神野「生あるもの必ず死が訪れる。死への道程、即ちそれこそ……老いたるもの」
召喚士「神野悪五郎……本体だなっ!!」
439: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:32:29.16:Aftj95dAo (3/38)
目の前に現れた長上下の高貴な出で立ち。しかしながら下半身は透き通り、
足の先に至っては、長袴の途中より、背景と溶け込んだかの如く消えていた。
名を呼んだ召喚士以外の者にとっても、それが人間でない事は一目であった。
いや、このような場に突如現れたのだから、その時点で分かっていたのかもしれない。
だからこそ咄嗟に臨戦態勢へと移行する一同であったが、その表情は困惑に溢れていた。
召喚士(何を……したんだ……?)
神野「恐れ、戸惑い、驚愕、そんな表情を見るのは実に心地良い」
魔道士「くっ……!」
ザッザッザッ
神野「思念体を解かれてしまって、折角の剣術も使えなくなってしまったなぁ」
名代「……っ」
ザッザッザッ
神野「今度こそ完全なる本体で、相手をしてあげましょう」
召喚士「来ますよっ!!」
イヌ「分かってるね!」
目の前に現れた長上下の高貴な出で立ち。しかしながら下半身は透き通り、
足の先に至っては、長袴の途中より、背景と溶け込んだかの如く消えていた。
名を呼んだ召喚士以外の者にとっても、それが人間でない事は一目であった。
いや、このような場に突如現れたのだから、その時点で分かっていたのかもしれない。
だからこそ咄嗟に臨戦態勢へと移行する一同であったが、その表情は困惑に溢れていた。
召喚士(何を……したんだ……?)
神野「恐れ、戸惑い、驚愕、そんな表情を見るのは実に心地良い」
魔道士「くっ……!」
ザッザッザッ
神野「思念体を解かれてしまって、折角の剣術も使えなくなってしまったなぁ」
名代「……っ」
ザッザッザッ
神野「今度こそ完全なる本体で、相手をしてあげましょう」
召喚士「来ますよっ!!」
イヌ「分かってるね!」
440: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:33:16.87:Aftj95dAo (4/38)
ヒュッ!!
神野「んー、堪りませんねぇ」
魔道士「――っ!!」
神野「頂きます」
ズザァ!! ビュオッ!!
東方司令「させるかっ」
神野「……それは妖刀、村正ではありませんか」
東方司令「貴様などには勿体ないからな。ボクがありがたく頂くよ」
神野「おやおや、勝手ですねぇ。しかし妖刀、人が持てば災いが降りかかりますよぉ?」
東方司令「残念だったな」
神野「……?」
東方司令「ボクはとっくに、魔剣の呪いにかかっているのさ」
神野「呪い? ほぉ、災厄ありてなおも健在。逞しい限りであるなぁ」
東方司令「ごちゃごちゃ五月蝿い奴だな。めんどくさい」
神野「対話は好みませぬか。それは残念」
ヒュッ!!
神野「んー、堪りませんねぇ」
魔道士「――っ!!」
神野「頂きます」
ズザァ!! ビュオッ!!
東方司令「させるかっ」
神野「……それは妖刀、村正ではありませんか」
東方司令「貴様などには勿体ないからな。ボクがありがたく頂くよ」
神野「おやおや、勝手ですねぇ。しかし妖刀、人が持てば災いが降りかかりますよぉ?」
東方司令「残念だったな」
神野「……?」
東方司令「ボクはとっくに、魔剣の呪いにかかっているのさ」
神野「呪い? ほぉ、災厄ありてなおも健在。逞しい限りであるなぁ」
東方司令「ごちゃごちゃ五月蝿い奴だな。めんどくさい」
神野「対話は好みませぬか。それは残念」
441: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:34:40.60:Aftj95dAo (5/38)
召喚士「東方司令さんっ、気を付けて下さい!」
東方司令「分かっている。……女剣士!」
女剣士「!?」
東方司令「この刀を使え!」ブンッ
女剣士「これは、お姉様の……」ガシャッ
東方司令「ボクはこれでいい。今度は本体だ、思い切っていくぞ」
女剣士「……はいっ」
女侍「やれやれ。アタイもいくとするかね」ポリポリ
帝「これで前衛は四名。何とかなりそうだな」ザッ
名代「上様っ!」
帝「無茶はせぬ。しかし黙って指を咥えておるわけにはいかぬであろう」
名代「……っ」
帝「それに、どうも奴はこの刀を嫌っておるようだしな」チャキッ
名代「召喚士殿、申し訳ないが私は上様の護衛に全力を注ぎまする」
召喚士「了解です。こちらの援護は魔道士さんと俺、そして……」
召喚士「東方司令さんっ、気を付けて下さい!」
東方司令「分かっている。……女剣士!」
女剣士「!?」
東方司令「この刀を使え!」ブンッ
女剣士「これは、お姉様の……」ガシャッ
東方司令「ボクはこれでいい。今度は本体だ、思い切っていくぞ」
女剣士「……はいっ」
女侍「やれやれ。アタイもいくとするかね」ポリポリ
帝「これで前衛は四名。何とかなりそうだな」ザッ
名代「上様っ!」
帝「無茶はせぬ。しかし黙って指を咥えておるわけにはいかぬであろう」
名代「……っ」
帝「それに、どうも奴はこの刀を嫌っておるようだしな」チャキッ
名代「召喚士殿、申し訳ないが私は上様の護衛に全力を注ぎまする」
召喚士「了解です。こちらの援護は魔道士さんと俺、そして……」
442: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:36:00.69:Aftj95dAo (6/38)
ジャリッ
サル「んふふふふっ。こ~いう緊迫した場面って……苦手なんだよなぁ」
イヌ「何をゴチャゴチャいってるね」
キジ「お頭、こっちはいつでもいいさー」
くの一「……くっ」カチャッ
召喚士「魔道士さん、ちょっと大変だとは思いますけど……」
魔道士「はいっ、付加と後方支援ですね! 大丈夫、どっちもいけますっ!」
神野「いやいや、自信に満ち溢れた表情だ。これは困りました」
召喚士(女侍さん達や女剣士さん達が加わった事で、手数は整った……)
神野「いやはや、各々方の困り顔を拝見したいのですがねぇ」
召喚士(問題はさっきの能力だ。あれは一体……何だったんだ?)
神野「仕方ない。力ずくにて拝むと致しましょうか。クックク」
召喚士(スフィンクスは言った……『老い』。確かにスフィンクスの姿が変化して……」
神野「なぁに、死にはしませんよ。ですが、死に近づくと言うものです」
召喚士(……老い? 死への道程……? ま、まさか……っ)
ジャリッ
サル「んふふふふっ。こ~いう緊迫した場面って……苦手なんだよなぁ」
イヌ「何をゴチャゴチャいってるね」
キジ「お頭、こっちはいつでもいいさー」
くの一「……くっ」カチャッ
召喚士「魔道士さん、ちょっと大変だとは思いますけど……」
魔道士「はいっ、付加と後方支援ですね! 大丈夫、どっちもいけますっ!」
神野「いやいや、自信に満ち溢れた表情だ。これは困りました」
召喚士(女侍さん達や女剣士さん達が加わった事で、手数は整った……)
神野「いやはや、各々方の困り顔を拝見したいのですがねぇ」
召喚士(問題はさっきの能力だ。あれは一体……何だったんだ?)
神野「仕方ない。力ずくにて拝むと致しましょうか。クックク」
召喚士(スフィンクスは言った……『老い』。確かにスフィンクスの姿が変化して……」
神野「なぁに、死にはしませんよ。ですが、死に近づくと言うものです」
召喚士(……老い? 死への道程……? ま、まさか……っ)
443: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:37:05.13:Aftj95dAo (7/38)
バッ!!
召喚士「接近戦はダメだっ!!」
神野「もう遅いですよぉ、クックク!」
東方司令「むっ!?」
妖刀村正の間合いへと完全に入り込んだ神野悪五郎。それを改めて確認する必要もなく、
東方司令はいつものように得物を振り下ろす。が、村正は空振り、空を斬った。
東方司令「――っ!?」
神野「申し上げませんでしたか? 移動など体躯の挙動は不要、精神のみで行える」スッ
東方司令(後ろ――っ!)
分かってはいても神野悪五郎の速度は早く、とても追いつけない。
振り向きざまに右手で首を掴まれた東方司令の瞳に、うっすら笑みを浮かべる妖が映った。
神野「良い表情だぁ。それですよそれっ」
ズズズズッ……ズギュウウゥゥゥゥ!!
東方司令「――――!!」
神野「クックク……」
バッ!!
召喚士「接近戦はダメだっ!!」
神野「もう遅いですよぉ、クックク!」
東方司令「むっ!?」
妖刀村正の間合いへと完全に入り込んだ神野悪五郎。それを改めて確認する必要もなく、
東方司令はいつものように得物を振り下ろす。が、村正は空振り、空を斬った。
東方司令「――っ!?」
神野「申し上げませんでしたか? 移動など体躯の挙動は不要、精神のみで行える」スッ
東方司令(後ろ――っ!)
分かってはいても神野悪五郎の速度は早く、とても追いつけない。
振り向きざまに右手で首を掴まれた東方司令の瞳に、うっすら笑みを浮かべる妖が映った。
神野「良い表情だぁ。それですよそれっ」
ズズズズッ……ズギュウウゥゥゥゥ!!
東方司令「――――!!」
神野「クックク……」
444: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:37:39.53:Aftj95dAo (8/38)
東方司令「……くくっ」
神野「……?」
東方司令「お前の技、ボクには通用しないみたいだな」
神野「一体……っ、何をしてくれました?」
東方司令「言っただろ、僕は魔剣で呪われてるってなぁ!」
ヒュオッ!!
神野「……ッ」ツツーッ
東方司令「朱雀、お前の見立ては?」
召喚士「……恐らく、寿命を早めるか何かかと思いましたが……っ」
東方司令「ボクは無事だ。つまり……」
神野「ぬっ!?」
東方司令「命までは奪えないっ!!」ビュオッ!!
神野「……洞察力が宜しいですねぇ。あまり心地良い気は致しませんが」
くの一「つまり……どういう事……?」
召喚士「奴の能力は触れる事で、肉体に何らかの影響を及ぼすと考えられます」
東方司令「……くくっ」
神野「……?」
東方司令「お前の技、ボクには通用しないみたいだな」
神野「一体……っ、何をしてくれました?」
東方司令「言っただろ、僕は魔剣で呪われてるってなぁ!」
ヒュオッ!!
神野「……ッ」ツツーッ
東方司令「朱雀、お前の見立ては?」
召喚士「……恐らく、寿命を早めるか何かかと思いましたが……っ」
東方司令「ボクは無事だ。つまり……」
神野「ぬっ!?」
東方司令「命までは奪えないっ!!」ビュオッ!!
神野「……洞察力が宜しいですねぇ。あまり心地良い気は致しませんが」
くの一「つまり……どういう事……?」
召喚士「奴の能力は触れる事で、肉体に何らかの影響を及ぼすと考えられます」
445: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:38:08.88:Aftj95dAo (9/38)
神野「……」
召喚士「それは恐らく、スフィンクスの言っていた……老い」
神野「……クックク」
召喚士「触れた対象者の肉体を強制的に老いさせる能力ではないかと」
神野「凄いものだ。驚き、称え、感嘆を覚えます」
女侍「つまり、アタイが突っ込んでたら……ババアになっちまってたわけかい。おぉ怖い怖い」
帝「……っ」
神野「各々方、慎重でよかったですね。奇遇か意図か、前衛は全て女性でいらっしゃる」
女剣士「……だから、何だ」
神野「お年を召したら、大変でしょう? クックク」
東方司令「君、ツイてなかったな」
神野「……と、申されますと?」
東方司令「生憎、ボクは不老だ。その技は効かないよ」
神野「なんとっ!? 不老っ、老いないと申されるのか!」
東方司令「バケモノじみた呪いがこんな所で役立つとはね。人生、何があるか分からんな」
神野「……」
召喚士「それは恐らく、スフィンクスの言っていた……老い」
神野「……クックク」
召喚士「触れた対象者の肉体を強制的に老いさせる能力ではないかと」
神野「凄いものだ。驚き、称え、感嘆を覚えます」
女侍「つまり、アタイが突っ込んでたら……ババアになっちまってたわけかい。おぉ怖い怖い」
帝「……っ」
神野「各々方、慎重でよかったですね。奇遇か意図か、前衛は全て女性でいらっしゃる」
女剣士「……だから、何だ」
神野「お年を召したら、大変でしょう? クックク」
東方司令「君、ツイてなかったな」
神野「……と、申されますと?」
東方司令「生憎、ボクは不老だ。その技は効かないよ」
神野「なんとっ!? 不老っ、老いないと申されるのか!」
東方司令「バケモノじみた呪いがこんな所で役立つとはね。人生、何があるか分からんな」
446: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:39:33.65:Aftj95dAo (10/38)
神野「たかが人間が……そのような境地に辿り着くとは些か不愉快」
召喚士「東方司令さん!」
東方司令「ああ。ボクを起点に戦うとしよう」
神野「痛みを伴わず引導を渡してやろうかと考慮致しましたが……」
ゴゴゴゴゴゴ……
神野「命への冒涜、苦痛を伴って……地獄へ落ちるが宜しい」
サル「くんぞぉ!!」
召喚士「行けっ! ゴーレム!!」
シュイイィィィィン
神野「味わったでしょう、人間でなくともそれは対象!」
ギュイイィィィィ!!
ゴーレム「――グ……ゴオオォォォォ!!」
召喚士「駄目だっ、やはり力がどんどん落ちてゆく……っ」
名代「召喚獣や式神の方が、顕著に出るのやもしれませんっ」
召喚士「確かに……っ。魔力を利用している分、力の衰えはそれに比例するのか……」
神野「たかが人間が……そのような境地に辿り着くとは些か不愉快」
召喚士「東方司令さん!」
東方司令「ああ。ボクを起点に戦うとしよう」
神野「痛みを伴わず引導を渡してやろうかと考慮致しましたが……」
ゴゴゴゴゴゴ……
神野「命への冒涜、苦痛を伴って……地獄へ落ちるが宜しい」
サル「くんぞぉ!!」
召喚士「行けっ! ゴーレム!!」
シュイイィィィィン
神野「味わったでしょう、人間でなくともそれは対象!」
ギュイイィィィィ!!
ゴーレム「――グ……ゴオオォォォォ!!」
召喚士「駄目だっ、やはり力がどんどん落ちてゆく……っ」
名代「召喚獣や式神の方が、顕著に出るのやもしれませんっ」
召喚士「確かに……っ。魔力を利用している分、力の衰えはそれに比例するのか……」
447: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:40:08.09:Aftj95dAo (11/38)
東方司令「理屈は分からんが、とにかくボクに援護を集中しろっ!」
召喚士「了解です!」
魔道士「やあぁっ!!」
ドッドオオォォォォン!!
神野「ぬっ!? 刀に炎を付随して攻撃とは……っ」
東方司令「魔法剣は初めてか? だったら……存分に味わうがいいっ!」
魔道士「もうひとつ!!」
ドッドオオォォォォン!! ゴオオォォォォ!!
神野「今度は炎と風ですかっ、これは堪りませんねぇ」
東方司令(しかしあの魔道士とか言う小娘、凄いものだな……っ)
魔道士「やあぁーっ!!」
東方司令(ボクと共闘するのは初めてに近いはず。にも関わらず……)
神野「仕方ありません、他の手段も考慮せねばならぬとは……」ズザァ
東方司令(完璧に魔法付加をこなしている。才能かそれとも……王家の血と言うやつか)
神野「致し方なし。これは姿を変えてでも、攻撃に転ずるしかありませんねぇ」
東方司令「理屈は分からんが、とにかくボクに援護を集中しろっ!」
召喚士「了解です!」
魔道士「やあぁっ!!」
ドッドオオォォォォン!!
神野「ぬっ!? 刀に炎を付随して攻撃とは……っ」
東方司令「魔法剣は初めてか? だったら……存分に味わうがいいっ!」
魔道士「もうひとつ!!」
ドッドオオォォォォン!! ゴオオォォォォ!!
神野「今度は炎と風ですかっ、これは堪りませんねぇ」
東方司令(しかしあの魔道士とか言う小娘、凄いものだな……っ)
魔道士「やあぁーっ!!」
東方司令(ボクと共闘するのは初めてに近いはず。にも関わらず……)
神野「仕方ありません、他の手段も考慮せねばならぬとは……」ズザァ
東方司令(完璧に魔法付加をこなしている。才能かそれとも……王家の血と言うやつか)
神野「致し方なし。これは姿を変えてでも、攻撃に転ずるしかありませんねぇ」
448: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:41:19.46:Aftj95dAo (12/38)
~竜宮城、地下~
戦士「ぐはっ!」
ギャギャッ!! ズザザアアァァ
戦士「……ぺっ」
男隊員「だいじょぶか?」
戦士「ああ。しかしあいつ……全く攻撃を受け付けねぇ!」
女隊員「表面に防御壁があるような、そんな感じッスよ」
格闘家「ええ。直接、奴にまで攻撃が届いてません」
青年兵「……っ」
アスタロス「……人間は……排除する」
男隊員「排除排除ウルセェな! さっさとやってみろや!」
格闘家「しかし妙と言えば妙ではありますね」
戦士「何がだ?」
青年兵「先程より、一向に攻撃してくる気配はない……」
戦士「……構うかよ、だったら今のうちにぶっ倒しちまおうぜ」
~竜宮城、地下~
戦士「ぐはっ!」
ギャギャッ!! ズザザアアァァ
戦士「……ぺっ」
男隊員「だいじょぶか?」
戦士「ああ。しかしあいつ……全く攻撃を受け付けねぇ!」
女隊員「表面に防御壁があるような、そんな感じッスよ」
格闘家「ええ。直接、奴にまで攻撃が届いてません」
青年兵「……っ」
アスタロス「……人間は……排除する」
男隊員「排除排除ウルセェな! さっさとやってみろや!」
格闘家「しかし妙と言えば妙ではありますね」
戦士「何がだ?」
青年兵「先程より、一向に攻撃してくる気配はない……」
戦士「……構うかよ、だったら今のうちにぶっ倒しちまおうぜ」
449: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:42:00.54:Aftj95dAo (13/38)
男隊員「んな簡単に行く話かよ」
女隊員「だから何とかする方法を考えてるんじゃないッスか!」
青年兵「戦士さんの言う通りです。攻撃に転じる前に始末した方がいいでしょう」
男隊員「……」
青年兵「あまり体力を消耗したくはない。僕らの目的は別にあるはずです」
男隊員「そうだったな。俺達ゃ魔王マーラを討伐しにきたんだったわな……ヒャハハ!」
格闘家「どうします?」
青年兵「最も楽なのは逃走ですが、出来ればここで倒しておきたいのが本音です」
女隊員「魔王と合流されたら厄介ッスもんね」
鬼丸「だがよ、他の連中も心配だぜ……」
青年兵「ええ、そうですよね。なので作戦はこうです」
格闘家「……」
青年兵「これより短時間、全力で戦います」
男隊員「もしそれで倒せなかった時にゃあ……」
青年兵「一度ここを離れ、他の方々と合流致します」
男隊員「んな簡単に行く話かよ」
女隊員「だから何とかする方法を考えてるんじゃないッスか!」
青年兵「戦士さんの言う通りです。攻撃に転じる前に始末した方がいいでしょう」
男隊員「……」
青年兵「あまり体力を消耗したくはない。僕らの目的は別にあるはずです」
男隊員「そうだったな。俺達ゃ魔王マーラを討伐しにきたんだったわな……ヒャハハ!」
格闘家「どうします?」
青年兵「最も楽なのは逃走ですが、出来ればここで倒しておきたいのが本音です」
女隊員「魔王と合流されたら厄介ッスもんね」
鬼丸「だがよ、他の連中も心配だぜ……」
青年兵「ええ、そうですよね。なので作戦はこうです」
格闘家「……」
青年兵「これより短時間、全力で戦います」
男隊員「もしそれで倒せなかった時にゃあ……」
青年兵「一度ここを離れ、他の方々と合流致します」
450: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:42:44.68:Aftj95dAo (14/38)
格闘家「了解です」
鬼丸「分かりやすくていいぜっ、なぁ相棒!」ガシッ!!
戦士「……ああ。さっさと片付けて……他の奴らと合流すんぞ」
鬼丸「とか言って、本当はあの盗賊とかって娘が心配なんだろ~?」
男隊員「妬けるねぇ……ヒャハハ!」
戦士「だったら何だよ」
格闘家「……」
戦士「好きな女と戦地で離れて、心配じゃねぇ奴がいんのかよ」
女隊員「せ、戦士くん……っ!?」
鬼丸「グハハッ! 悪かったよ相棒!」
戦士「冷やかしてねぇで、目の前の敵をさっさと叩くぞ!」
鬼丸「おうよ! お前の真っ直ぐな本気は俺も受け取ったぜ!」
格闘家「頼もしい限りですね」
青年兵「ええ。だが、故に危うい……」
格闘家「……?」
格闘家「了解です」
鬼丸「分かりやすくていいぜっ、なぁ相棒!」ガシッ!!
戦士「……ああ。さっさと片付けて……他の奴らと合流すんぞ」
鬼丸「とか言って、本当はあの盗賊とかって娘が心配なんだろ~?」
男隊員「妬けるねぇ……ヒャハハ!」
戦士「だったら何だよ」
格闘家「……」
戦士「好きな女と戦地で離れて、心配じゃねぇ奴がいんのかよ」
女隊員「せ、戦士くん……っ!?」
鬼丸「グハハッ! 悪かったよ相棒!」
戦士「冷やかしてねぇで、目の前の敵をさっさと叩くぞ!」
鬼丸「おうよ! お前の真っ直ぐな本気は俺も受け取ったぜ!」
格闘家「頼もしい限りですね」
青年兵「ええ。だが、故に危うい……」
格闘家「……?」
451: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:43:23.13:Aftj95dAo (15/38)
ジャリッ ギュオオォォォォ!!
戦士「でっりゃああぁぁーっ!!」
ガゴオオォォォォン!! ジジジジッ
戦士「ぐ……くっ」
アスタロス「吹き飛べ」
ガカァ!! ドシャアアァァ
鬼丸「相棒っ!」
戦士「……大丈夫っ、攻撃は大した事ねぇ」
女隊員「あの見えないシールドを何とかしないといけないッスね」
戦士「青年兵っ、どうすりゃいい!」
青年兵「何となく掴めてはいますが、まだ確証はありません」
格闘家「攻撃を続けますか?」
青年兵「お願いします。出来れば一斉攻撃で」
男隊員「それで掴めるんだなぁ!?」
青年兵「はいっ。やってみせます」
ジャリッ ギュオオォォォォ!!
戦士「でっりゃああぁぁーっ!!」
ガゴオオォォォォン!! ジジジジッ
戦士「ぐ……くっ」
アスタロス「吹き飛べ」
ガカァ!! ドシャアアァァ
鬼丸「相棒っ!」
戦士「……大丈夫っ、攻撃は大した事ねぇ」
女隊員「あの見えないシールドを何とかしないといけないッスね」
戦士「青年兵っ、どうすりゃいい!」
青年兵「何となく掴めてはいますが、まだ確証はありません」
格闘家「攻撃を続けますか?」
青年兵「お願いします。出来れば一斉攻撃で」
男隊員「それで掴めるんだなぁ!?」
青年兵「はいっ。やってみせます」
452: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:43:57.40:Aftj95dAo (16/38)
男隊員「その言葉を信じて、全員でかかるぞ!」
女隊員「てか、元から指揮官は青年兵くんなんだから逆らえないッス」
戦士「鬼丸、お前は右側からあたれ!」
鬼丸「おう!」
格闘家「はああぁぁ……っ!!」
ズギャッ!! バッゴオオォォォォン!!
アスタロス「……無駄だ」
ジジジジッ バキィッ!!
格闘家「ぐっ」ズザァ
青年兵(……やはりそうだ)
戦士「おるああぁぁ!!」ビュオッ!!
鬼丸「でやああぁぁーっ!」シュバッ!!
ジジジジッ……ドドォッ!!
青年兵(あのシールドは、奴が意図したものではない)
男隊員「付加すんぞぉ!」
男隊員「その言葉を信じて、全員でかかるぞ!」
女隊員「てか、元から指揮官は青年兵くんなんだから逆らえないッス」
戦士「鬼丸、お前は右側からあたれ!」
鬼丸「おう!」
格闘家「はああぁぁ……っ!!」
ズギャッ!! バッゴオオォォォォン!!
アスタロス「……無駄だ」
ジジジジッ バキィッ!!
格闘家「ぐっ」ズザァ
青年兵(……やはりそうだ)
戦士「おるああぁぁ!!」ビュオッ!!
鬼丸「でやああぁぁーっ!」シュバッ!!
ジジジジッ……ドドォッ!!
青年兵(あのシールドは、奴が意図したものではない)
男隊員「付加すんぞぉ!」
453: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:44:37.39:Aftj95dAo (17/38)
女隊員「よろしく……ッスううぅぅ!!」
グアッ!!……ドッズウウウウゥゥゥゥン!!
アスタロス「……諦めて……死ね」
ジジジジッ バギャアアァァッ!!
男隊員「分かったかぁ!?」
青年兵「……ええ。確信しました」
格闘家「……」グイッ
青年兵「あれは自動的に発動するタイプのようです」
戦士「んじゃ、攻撃しようがないってのか?」
青年兵「いえ。但し、通じるかどうか……」
戦士「四の五の言ってる場合かよっ! やるしかねぇだろ!」
鬼丸「相棒の言う通りだ。やらなきゃ何も始まらねぇ。失敗を恐れてどうすんだよ」
男隊員「魔物のくせに良い事言うじゃねぇか! その通りだ……ヒャハハ!」
格闘家「青年兵様は師匠に代わる指揮官です。あなたの命令に誤りはありません」
女隊員「そうッス。どーんと構えて、私達が何とかするッスよ!」
女隊員「よろしく……ッスううぅぅ!!」
グアッ!!……ドッズウウウウゥゥゥゥン!!
アスタロス「……諦めて……死ね」
ジジジジッ バギャアアァァッ!!
男隊員「分かったかぁ!?」
青年兵「……ええ。確信しました」
格闘家「……」グイッ
青年兵「あれは自動的に発動するタイプのようです」
戦士「んじゃ、攻撃しようがないってのか?」
青年兵「いえ。但し、通じるかどうか……」
戦士「四の五の言ってる場合かよっ! やるしかねぇだろ!」
鬼丸「相棒の言う通りだ。やらなきゃ何も始まらねぇ。失敗を恐れてどうすんだよ」
男隊員「魔物のくせに良い事言うじゃねぇか! その通りだ……ヒャハハ!」
格闘家「青年兵様は師匠に代わる指揮官です。あなたの命令に誤りはありません」
女隊員「そうッス。どーんと構えて、私達が何とかするッスよ!」
454: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:45:10.10:Aftj95dAo (18/38)
青年兵「皆さん……っ」
戦士「てわけだからよ。早速、作戦を言ってくれ」
青年兵「……はい」
男隊員「待て! 奴が仕掛けてくるぞ!」
アスタロス「排除する」
シュバッ!! ズドドドドドッ!!
鬼丸「何だこりゃあ!?」
男隊員「魔力を弾にして飛ばしてるんだっ! 触れると手痛いぞ!」
戦士「んなもん、よけるまでもねぇ!」
バシイイィィィィ!!
格闘家「盾で……吹き飛ばした!?」
女隊員「す、凄いッス……!」
戦士「俺が引きつける、早く策を!」ドドドドッ
青年兵「奴のシールドは自動的に発動します。それも、それぞれの属性に合わせてです」
鬼丸「どういう意味だぁ?」
青年兵「皆さん……っ」
戦士「てわけだからよ。早速、作戦を言ってくれ」
青年兵「……はい」
男隊員「待て! 奴が仕掛けてくるぞ!」
アスタロス「排除する」
シュバッ!! ズドドドドドッ!!
鬼丸「何だこりゃあ!?」
男隊員「魔力を弾にして飛ばしてるんだっ! 触れると手痛いぞ!」
戦士「んなもん、よけるまでもねぇ!」
バシイイィィィィ!!
格闘家「盾で……吹き飛ばした!?」
女隊員「す、凄いッス……!」
戦士「俺が引きつける、早く策を!」ドドドドッ
青年兵「奴のシールドは自動的に発動します。それも、それぞれの属性に合わせてです」
鬼丸「どういう意味だぁ?」
455: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:45:51.67:Aftj95dAo (19/38)
青年兵「例えば炎で攻撃すれば、シールドも炎を付加し、中和するのです」
男隊員「おいおい……嘘だろっ」
青年兵「そうする事で威力を無と化し、攻撃を防いでいると思われます」
戦士「洞察眼とかそんなレベルじゃねぇぞおい……」
男隊員「確実なんだろうな?」
青年兵「ボクはそう思います。通常の魔力による障壁などとはどうみても違いますから」
格闘家「はああぁぁーっ!!」
鬼丸「おるぁ!!」ズガシュッ!!
ジジジジッ バゴオオォォ!!
戦士「確かに……何か無理矢理止められてるとか、そんな感覚だな」
男隊員「付加でも物理攻撃でも無理。んで、何が通じるんだ? 召喚獣か?」
青年兵「効くとは思えませんが、試す価値はあると思います」
女隊員「それじゃ他に――」
ドシャアアァァ!!
格闘家「く……っ」ググッ
青年兵「例えば炎で攻撃すれば、シールドも炎を付加し、中和するのです」
男隊員「おいおい……嘘だろっ」
青年兵「そうする事で威力を無と化し、攻撃を防いでいると思われます」
戦士「洞察眼とかそんなレベルじゃねぇぞおい……」
男隊員「確実なんだろうな?」
青年兵「ボクはそう思います。通常の魔力による障壁などとはどうみても違いますから」
格闘家「はああぁぁーっ!!」
鬼丸「おるぁ!!」ズガシュッ!!
ジジジジッ バゴオオォォ!!
戦士「確かに……何か無理矢理止められてるとか、そんな感覚だな」
男隊員「付加でも物理攻撃でも無理。んで、何が通じるんだ? 召喚獣か?」
青年兵「効くとは思えませんが、試す価値はあると思います」
女隊員「それじゃ他に――」
ドシャアアァァ!!
格闘家「く……っ」ググッ
456: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:46:36.73:Aftj95dAo (20/38)
男隊員「俺が代わる。格闘家はここにいろ」ダッ!!
格闘家「すみません……っ」
女隊員「……それじゃ他に、何が通用するんスか?」
青年兵「他属性による同時攻撃です」
戦士「そうかっ! シールドが自動なら2つの属性は同時に防げないはずだよな!」
格闘家「同時……攻撃ですか?」
女隊員「そんなの、可能なんスか……?」
戦士「……?」
青年兵「理論的にはそういう事です」
戦士「おいおい、何を悲観的になって――」
ズザザザザアアァァ
鬼丸「終わったか!?」
戦士「もうちょいだ。んじゃ次は俺が……」
女隊員「私が行くッス! 戦士さんはここに!」ダダッ
戦士「お、おう」
男隊員「俺が代わる。格闘家はここにいろ」ダッ!!
格闘家「すみません……っ」
女隊員「……それじゃ他に、何が通用するんスか?」
青年兵「他属性による同時攻撃です」
戦士「そうかっ! シールドが自動なら2つの属性は同時に防げないはずだよな!」
格闘家「同時……攻撃ですか?」
女隊員「そんなの、可能なんスか……?」
戦士「……?」
青年兵「理論的にはそういう事です」
戦士「おいおい、何を悲観的になって――」
ズザザザザアアァァ
鬼丸「終わったか!?」
戦士「もうちょいだ。んじゃ次は俺が……」
女隊員「私が行くッス! 戦士さんはここに!」ダダッ
戦士「お、おう」
457: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:47:27.31:Aftj95dAo (21/38)
青年兵「戦士さん」
戦士「ん?」
青年兵「同時攻撃と言いましたが、同時に攻撃するわけではありません」
戦士「あ、ああ。分かって……」
青年兵「同時に攻撃をあてるのです」
戦士「……おい、つまり」
青年兵「刹那の狂いもなく、ほぼではありません。完全に同時となる攻撃を叩き込む」
戦士「……無理だ! んなもん不可能に等しいだろっ!」
青年兵「ええ、そうです。でも戦士さん、不可能ではありません。不可能に等しいんです」
戦士「あのな、天才とかならいざ知らず、誰がそんなトンデモな離れ業――」
ドシャッ!! ゴロゴロゴロッ
男隊員「いってぇ……っつーかよぉ、まだか?」
女隊員「あっちの攻撃、威力はないけど地味~に効くんスよね……っ」スリスリ
青年兵「僕も召喚士さんとなら同時攻撃出来る気はしますが……ここはやはり……」スッ
鬼丸「……あん?」
青年兵「戦士さん」
戦士「ん?」
青年兵「同時攻撃と言いましたが、同時に攻撃するわけではありません」
戦士「あ、ああ。分かって……」
青年兵「同時に攻撃をあてるのです」
戦士「……おい、つまり」
青年兵「刹那の狂いもなく、ほぼではありません。完全に同時となる攻撃を叩き込む」
戦士「……無理だ! んなもん不可能に等しいだろっ!」
青年兵「ええ、そうです。でも戦士さん、不可能ではありません。不可能に等しいんです」
戦士「あのな、天才とかならいざ知らず、誰がそんなトンデモな離れ業――」
ドシャッ!! ゴロゴロゴロッ
男隊員「いってぇ……っつーかよぉ、まだか?」
女隊員「あっちの攻撃、威力はないけど地味~に効くんスよね……っ」スリスリ
青年兵「僕も召喚士さんとなら同時攻撃出来る気はしますが……ここはやはり……」スッ
鬼丸「……あん?」
458: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:48:11.71:Aftj95dAo (22/38)
青年兵「戦士さんと鬼丸さんにやって頂くしかないでしょう」
戦士「俺と……鬼丸!?」
鬼丸「ほぉ」
青年兵「お2人は何度か戦ってらっしゃるようですし、何より心から通じ合っている」
戦士「だったら男隊員と女隊員でも……」
男隊員「そりゃ無理だな。俺とコイツじゃ身体能力が違いすぎる」
女隊員「そうッス。ヤワな男隊員じゃあタイミング合わないッスよ」
男隊員「……それに、どうやら心も通じ合ってねぇみたいだわ」
格闘家「何年も一緒なのに……」
戦士「とりあえず理解はしたけどよ、何をどうすりゃいいんだ!?」
青年兵「何も策はありません。ただ無心で、同時攻撃を仕掛けて下さい」
戦士「……っ」
男隊員「どうせなら他属性の付加をブチ込んだ方が効果ありそうだ。出来るか?」
鬼丸「他属性? どういうこっちゃ……?」
戦士「……ああ。分かったよ」
青年兵「戦士さんと鬼丸さんにやって頂くしかないでしょう」
戦士「俺と……鬼丸!?」
鬼丸「ほぉ」
青年兵「お2人は何度か戦ってらっしゃるようですし、何より心から通じ合っている」
戦士「だったら男隊員と女隊員でも……」
男隊員「そりゃ無理だな。俺とコイツじゃ身体能力が違いすぎる」
女隊員「そうッス。ヤワな男隊員じゃあタイミング合わないッスよ」
男隊員「……それに、どうやら心も通じ合ってねぇみたいだわ」
格闘家「何年も一緒なのに……」
戦士「とりあえず理解はしたけどよ、何をどうすりゃいいんだ!?」
青年兵「何も策はありません。ただ無心で、同時攻撃を仕掛けて下さい」
戦士「……っ」
男隊員「どうせなら他属性の付加をブチ込んだ方が効果ありそうだ。出来るか?」
鬼丸「他属性? どういうこっちゃ……?」
戦士「……ああ。分かったよ」
459: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:49:29.04:Aftj95dAo (23/38)
ゴゴゴゴゴゴ
男隊員「んじゃ俺らが奴の気を引く。その間に頼むぞ!」
女隊員「頼りにしてるッスよ! 戦士くんならやれるッス!」
格闘家「はあぁーっ!」シュバッ!!
アスタロス「……無駄だ」
ジジジジッ ドゴオオォォォォ!!
格闘家「……ぐくっ」
戦士「格闘家……っ」
格闘家「成功するまで……何度だって、援護しますから」グググッ
戦士「……っ」
青年兵「攻撃完了と同時に、すぐさま回避して下さい」グッ
鬼丸「回避だぁ?」
青年兵「シールドが解けた瞬間、僕のバハムートで奴を直接攻撃します」ゴゴゴゴ……
戦士「了解っ。鬼丸、お前は……雷でいいか?」
鬼丸「おうよっ。お前こそ雷切じゃなくていいのかよ?」
ゴゴゴゴゴゴ
男隊員「んじゃ俺らが奴の気を引く。その間に頼むぞ!」
女隊員「頼りにしてるッスよ! 戦士くんならやれるッス!」
格闘家「はあぁーっ!」シュバッ!!
アスタロス「……無駄だ」
ジジジジッ ドゴオオォォォォ!!
格闘家「……ぐくっ」
戦士「格闘家……っ」
格闘家「成功するまで……何度だって、援護しますから」グググッ
戦士「……っ」
青年兵「攻撃完了と同時に、すぐさま回避して下さい」グッ
鬼丸「回避だぁ?」
青年兵「シールドが解けた瞬間、僕のバハムートで奴を直接攻撃します」ゴゴゴゴ……
戦士「了解っ。鬼丸、お前は……雷でいいか?」
鬼丸「おうよっ。お前こそ雷切じゃなくていいのかよ?」
460: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:50:08.47:Aftj95dAo (24/38)
ズイッ
戦士「俺にはこれがある」
鬼丸「炎の斧か!!」
戦士「しくじるなよ?」
鬼丸「なぁに、コイツがある限り……しくじったりしねぇよ」
戦士「……籠手?」
鬼丸「雷忍が言ったんだ。頼む……てなぁ」ギュゥ
戦士「……そうだったな」
鬼丸「約束通り、藤蔵の連中に指南は受けた!」
ドンッ!! バチバチバチバチイイィィ
鬼丸「鬼の雷は……ちょいとやばいぜぇ?」
戦士「……青年兵っ! 後は任せたぜ!」
青年兵「必ず……倒します!」
戦士「行くぞぉ!!」
鬼丸「おうよっ!!」
ズイッ
戦士「俺にはこれがある」
鬼丸「炎の斧か!!」
戦士「しくじるなよ?」
鬼丸「なぁに、コイツがある限り……しくじったりしねぇよ」
戦士「……籠手?」
鬼丸「雷忍が言ったんだ。頼む……てなぁ」ギュゥ
戦士「……そうだったな」
鬼丸「約束通り、藤蔵の連中に指南は受けた!」
ドンッ!! バチバチバチバチイイィィ
鬼丸「鬼の雷は……ちょいとやばいぜぇ?」
戦士「……青年兵っ! 後は任せたぜ!」
青年兵「必ず……倒します!」
戦士「行くぞぉ!!」
鬼丸「おうよっ!!」
461: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:52:16.97:Aftj95dAo (25/38)
~竜宮城、二階~
火忍「くそっ、どうなってやがんだよっ!」ドンッ
土忍「これは、魔王にまんまとやられたかもしれんな」
盗賊「……っ」
風忍「出口は見当たらず、ましてや術までも使えぬ。これではどうしようもない」
水忍「だからとて、何時までも此処にいるというわけにはいかぬ」
火忍「それもそ――」
ドズッ
火忍「……な……ん!?」
土忍「火、お前は目障りだ。ここで死ね」
火忍「――!?」ガクッ
風忍「姫……」
盗賊「!?」
火忍「な……にしてやが……」
水忍「まだ生きているのか。まぁ良い、そこで見ていろ」ザッザッ
~竜宮城、二階~
火忍「くそっ、どうなってやがんだよっ!」ドンッ
土忍「これは、魔王にまんまとやられたかもしれんな」
盗賊「……っ」
風忍「出口は見当たらず、ましてや術までも使えぬ。これではどうしようもない」
水忍「だからとて、何時までも此処にいるというわけにはいかぬ」
火忍「それもそ――」
ドズッ
火忍「……な……ん!?」
土忍「火、お前は目障りだ。ここで死ね」
火忍「――!?」ガクッ
風忍「姫……」
盗賊「!?」
火忍「な……にしてやが……」
水忍「まだ生きているのか。まぁ良い、そこで見ていろ」ザッザッ
462: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:52:55.59:Aftj95dAo (26/38)
火忍「何なん……」
風忍「お前がいとおしくて堪らない、姫が陵辱される様をな」シュルッ
火忍「――――っ!?」
土忍「大人しくしろ。もう逃げる事すら出来ぬのだ」
盗賊「はっ、離せ!! お前ら……一体どうしたというのだっ!!」
風忍「そこで転がっているガキにも見えるように嬲ってやれ」
盗賊「やめろおおぉぉ!!」
ダンッ!!
盗賊「がふ……っ!!」
土忍「もがけば苦しむだけだ。大人しく諦めよ」グググッ
火忍「これは……幻だ……」
盗賊「いやああぁぁぁぁ!!」
火忍「現実じゃねぇ……そうだ、幻なんだ……っ!」
盗賊「――――」
火忍「こんな事あるわけねぇだろっ! ふざけんなくそぉ! やめろやああぁぁ!!」
火忍「何なん……」
風忍「お前がいとおしくて堪らない、姫が陵辱される様をな」シュルッ
火忍「――――っ!?」
土忍「大人しくしろ。もう逃げる事すら出来ぬのだ」
盗賊「はっ、離せ!! お前ら……一体どうしたというのだっ!!」
風忍「そこで転がっているガキにも見えるように嬲ってやれ」
盗賊「やめろおおぉぉ!!」
ダンッ!!
盗賊「がふ……っ!!」
土忍「もがけば苦しむだけだ。大人しく諦めよ」グググッ
火忍「これは……幻だ……」
盗賊「いやああぁぁぁぁ!!」
火忍「現実じゃねぇ……そうだ、幻なんだ……っ!」
盗賊「――――」
火忍「こんな事あるわけねぇだろっ! ふざけんなくそぉ! やめろやああぁぁ!!」
463: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:53:34.45:Aftj95dAo (27/38)
…
土忍「……何だ?」
マーラ「おや、お前一人かえ?」
土忍「――!?」ザッ
マーラ「そう身構えずとも、近こう寄れ」
土忍「……他の者らをどうした!」チャキッ
マーラ「ほれ、よう見てみい」
土忍「――っ!!」
マーラ「顔や胴体がなくとも、衣服で分かるであろう?」
土忍「貴……様ぁ……!!」
マーラ「慌てるでない。ほれ、これも見てみい」スッ
土忍「……な……んだ」
マーラ「小さな足よの。他は一口で喰ろうてしまったわ。そう、お前の娘じゃ」
土忍「あ……あぁ……ああああぁぁぁぁ!!」
マーラ「もがけ、苦しめ、喘げ、嘆け、深い絶望と悲しみの狭間で死ぬが良い。ほっほっほっほっ!」
…
土忍「……何だ?」
マーラ「おや、お前一人かえ?」
土忍「――!?」ザッ
マーラ「そう身構えずとも、近こう寄れ」
土忍「……他の者らをどうした!」チャキッ
マーラ「ほれ、よう見てみい」
土忍「――っ!!」
マーラ「顔や胴体がなくとも、衣服で分かるであろう?」
土忍「貴……様ぁ……!!」
マーラ「慌てるでない。ほれ、これも見てみい」スッ
土忍「……な……んだ」
マーラ「小さな足よの。他は一口で喰ろうてしまったわ。そう、お前の娘じゃ」
土忍「あ……あぁ……ああああぁぁぁぁ!!」
マーラ「もがけ、苦しめ、喘げ、嘆け、深い絶望と悲しみの狭間で死ぬが良い。ほっほっほっほっ!」
464: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:54:07.76:Aftj95dAo (28/38)
…
盗賊「……く…うぅっ!!」
ギチッ…
忍「くっくくく!そう縛られておっては…身動きとれまい!」
盗賊「ひ、卑怯な真似を…っ!」
忍「卑怯…?くっくく…。忍に卑怯などあるものか!」
盗賊「……っ」
忍「ほら、お仲間もあのザマよ…」
戦士「………ぅ」
盗賊「戦士っ!!」
忍「くっくくく…安心せい。気を失っておるだけよ…」
盗賊「戦士を…戦士を離せっ!」
忍「それはまだ出来ぬ相談よ…」
盗賊「何だと!?」
忍「これから始まる余興に…付き合って貰わんとならんからな…!見物客としてっ!」
…
盗賊「……く…うぅっ!!」
ギチッ…
忍「くっくくく!そう縛られておっては…身動きとれまい!」
盗賊「ひ、卑怯な真似を…っ!」
忍「卑怯…?くっくく…。忍に卑怯などあるものか!」
盗賊「……っ」
忍「ほら、お仲間もあのザマよ…」
戦士「………ぅ」
盗賊「戦士っ!!」
忍「くっくくく…安心せい。気を失っておるだけよ…」
盗賊「戦士を…戦士を離せっ!」
忍「それはまだ出来ぬ相談よ…」
盗賊「何だと!?」
忍「これから始まる余興に…付き合って貰わんとならんからな…!見物客としてっ!」
465: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:55:06.79:Aftj95dAo (29/38)
…
水忍「……?」
風忍「他の三人はどうした?」
水忍「いや、分からぬ。一瞬の内に居なくなった……っ」
風忍「……嫌な予感がするな」
水忍「予感ではなく、もう始まっているのかもしれないぞ」
風忍「!?」
スゥッ
女「うふふっ」
少女「ここは竜宮城。心ゆくまで御寛ぎ下さいませ」
風忍「……そうきたか」
女「うふふっ。色男なんですね、もうお分かりとは」シュルシュル
水忍「二人同時に幻術へ引き込むとは、大したものだな」
風忍「ああ。流石は魔王と言ったところか」
少女「小難しい話は止しにして、さぁ……どうぞ」
…
水忍「……?」
風忍「他の三人はどうした?」
水忍「いや、分からぬ。一瞬の内に居なくなった……っ」
風忍「……嫌な予感がするな」
水忍「予感ではなく、もう始まっているのかもしれないぞ」
風忍「!?」
スゥッ
女「うふふっ」
少女「ここは竜宮城。心ゆくまで御寛ぎ下さいませ」
風忍「……そうきたか」
女「うふふっ。色男なんですね、もうお分かりとは」シュルシュル
水忍「二人同時に幻術へ引き込むとは、大したものだな」
風忍「ああ。流石は魔王と言ったところか」
少女「小難しい話は止しにして、さぁ……どうぞ」
466: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:55:44.75:Aftj95dAo (30/38)
風忍「生憎、我らは忍でな」
水忍「この手の惑わしは通用せん」
女「惑わし? うふふっ、これは現実」
少女「ほら、触れれば柔いし、求めればもっと――」
ザシュッ!!
水忍「悪いな。もし現実であったならば……魔王と共に居た事を悔やんでくれ」
風忍「幾らでも償いはするさ。死した後にな」
バシュッ!!
女「……ふふっ、冷たいお人です事」
少女「躊躇無く……人を斬るなんて、ね」
水忍「それが忍。それが……藤蔵だ」
風忍「小賢しい真似はよせ、魔羅。我らには幾ら施しようとも通じはせぬ」
ブゥン……バチュンッ!!
水忍「視界が開けたか」
風忍「やはり幻術。さて、他の三人は無事であろうか」
風忍「生憎、我らは忍でな」
水忍「この手の惑わしは通用せん」
女「惑わし? うふふっ、これは現実」
少女「ほら、触れれば柔いし、求めればもっと――」
ザシュッ!!
水忍「悪いな。もし現実であったならば……魔王と共に居た事を悔やんでくれ」
風忍「幾らでも償いはするさ。死した後にな」
バシュッ!!
女「……ふふっ、冷たいお人です事」
少女「躊躇無く……人を斬るなんて、ね」
水忍「それが忍。それが……藤蔵だ」
風忍「小賢しい真似はよせ、魔羅。我らには幾ら施しようとも通じはせぬ」
ブゥン……バチュンッ!!
水忍「視界が開けたか」
風忍「やはり幻術。さて、他の三人は無事であろうか」
467: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:57:01.03:Aftj95dAo (31/38)
…
盗賊「……くあ……う……っく」
忍「…………」
ドサッ コロコロコロ……
盗賊「……?」
ブゥン……バチュンッ!!
盗賊「……はっ!」
影忍「……気をしっかり保たぬか、たわけ」
盗賊「兄……様……!?」
影忍「まんまと幻術になど嵌りおって。他の奴らはどうした?」
盗賊「……分かりませぬ」
影忍「魔王はこの上か?」
盗賊「はい。しかしっ、ここは一度……退いて」
影忍「無論だ。手数が揃ったところで……お前を屠る!!」
盗賊「!?」
…
盗賊「……くあ……う……っく」
忍「…………」
ドサッ コロコロコロ……
盗賊「……?」
ブゥン……バチュンッ!!
盗賊「……はっ!」
影忍「……気をしっかり保たぬか、たわけ」
盗賊「兄……様……!?」
影忍「まんまと幻術になど嵌りおって。他の奴らはどうした?」
盗賊「……分かりませぬ」
影忍「魔王はこの上か?」
盗賊「はい。しかしっ、ここは一度……退いて」
影忍「無論だ。手数が揃ったところで……お前を屠る!!」
盗賊「!?」
468: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:58:25.25:Aftj95dAo (32/38)
ザシュウウゥゥゥゥ!!
盗賊「あ……あぁ……っ」
チャキッ
土忍「姫、お気を確かに!」
盗賊「……土?」
土忍「火! お前も無事だろうな?」
火忍「魔王の野郎……ナメた幻見せてくれるじゃねぇかよ……っ!」ザッ
盗賊「何が……どうなって……」
タタタタッ ザザッ
風忍「皆、無事だな?」
土忍「ああ。しかし姫の精神が不安定だ。いち早く、他の者と合流を――」
ズッガアアアアァァァァ!!
水忍「何事だっ!?」
火忍「上の階が崩壊してやがるぞ!」
風忍「ちぃ……っ!!」
ザシュウウゥゥゥゥ!!
盗賊「あ……あぁ……っ」
チャキッ
土忍「姫、お気を確かに!」
盗賊「……土?」
土忍「火! お前も無事だろうな?」
火忍「魔王の野郎……ナメた幻見せてくれるじゃねぇかよ……っ!」ザッ
盗賊「何が……どうなって……」
タタタタッ ザザッ
風忍「皆、無事だな?」
土忍「ああ。しかし姫の精神が不安定だ。いち早く、他の者と合流を――」
ズッガアアアアァァァァ!!
水忍「何事だっ!?」
火忍「上の階が崩壊してやがるぞ!」
風忍「ちぃ……っ!!」
469: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:59:11.24:Aftj95dAo (33/38)
ゴゴゴゴゴゴ……
マーラ「このあたしから、逃げられると思うかい?」
土忍「!?」
火忍「てんめぇ……っ!!」
風忍「落ち着けっ! 逃げるが勝ちよ!」
水忍「姫っ! 立てますか!?」
盗賊「あ、うん……っ」
マーラ「逃がしゃしないよおぉーっ!」
土忍「魔羅よ、感謝するぞ」
マーラ「何ぃ?」
土忍「貴様の幻術で、我が術の力が大いに昂っておるわ!」
ドッゴオオオオォォォォン!!
マーラ「ヌゥッ!? 砕いた地面を押し上げ……」
土忍「しばしそこで、地団駄踏んでいるが良い」シュバッ!!
マーラ「……きいいぃぃ!」ピキピキッ
ゴゴゴゴゴゴ……
マーラ「このあたしから、逃げられると思うかい?」
土忍「!?」
火忍「てんめぇ……っ!!」
風忍「落ち着けっ! 逃げるが勝ちよ!」
水忍「姫っ! 立てますか!?」
盗賊「あ、うん……っ」
マーラ「逃がしゃしないよおぉーっ!」
土忍「魔羅よ、感謝するぞ」
マーラ「何ぃ?」
土忍「貴様の幻術で、我が術の力が大いに昂っておるわ!」
ドッゴオオオオォォォォン!!
マーラ「ヌゥッ!? 砕いた地面を押し上げ……」
土忍「しばしそこで、地団駄踏んでいるが良い」シュバッ!!
マーラ「……きいいぃぃ!」ピキピキッ
470: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 17:59:58.91:Aftj95dAo (34/38)
~竜宮城、一階~
ドドオオォォォォ……
南方参謀「な、何の音……!?」
西方参謀「いいからこっちに集中しろいっ!」
隊長「ぬああぁぁ!!」
バキィッ!! ズザザザザアアァァ
槍侶「隊長殿っ!!」
隊長「いいから俺を囮に使え! 攻撃を続けるんだ!」
槍侶「……は……はいっ」チャキッ
隊長(長引けば長引くほど不利。攻撃を仕掛け続ければ……)
夜行「ヒヒッ、もう息切れかぃ?」
隊長(どこかで必ず……隙を見せるはずだっ!)
夜行「そろそろ仕上げるとするかねぇ」
東方参謀「やかましいっ!!」
バゴオオォォォォッ!! ドザザッ
~竜宮城、一階~
ドドオオォォォォ……
南方参謀「な、何の音……!?」
西方参謀「いいからこっちに集中しろいっ!」
隊長「ぬああぁぁ!!」
バキィッ!! ズザザザザアアァァ
槍侶「隊長殿っ!!」
隊長「いいから俺を囮に使え! 攻撃を続けるんだ!」
槍侶「……は……はいっ」チャキッ
隊長(長引けば長引くほど不利。攻撃を仕掛け続ければ……)
夜行「ヒヒッ、もう息切れかぃ?」
隊長(どこかで必ず……隙を見せるはずだっ!)
夜行「そろそろ仕上げるとするかねぇ」
東方参謀「やかましいっ!!」
バゴオオォォォォッ!! ドザザッ
471: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 18:00:35.93:Aftj95dAo (35/38)
夜行「……全く、あっちからこっちから大変なこった……ヒヒッ」
東方参謀「これはキリがないな」
隊長「ああ。もっと接近する必要がある」
東方参謀「肉を切らせて骨を絶つ……か」
隊長「俺が行く。あとは何とかしてくれや」
東方参謀「貴様……っ」
隊長「あんたら3人の魔法なら、槍使いの坊主を援護出来るはずだ」
東方参謀「死ぬ気か?」
隊長「まっぴらゴメンだ。俺にはまだまだ、やる事があるんでな」
東方参謀「……承知した。ならば行くぞ!」
隊長「槍侶!!」
槍侶「は、はいっ!」
隊長「……頼んだぞ!」
ダンッ!!
夜行「ただ突っ込むばかりでは芸がない。それじゃあ猪と同じだねぇ……ヒヒッ!」
夜行「……全く、あっちからこっちから大変なこった……ヒヒッ」
東方参謀「これはキリがないな」
隊長「ああ。もっと接近する必要がある」
東方参謀「肉を切らせて骨を絶つ……か」
隊長「俺が行く。あとは何とかしてくれや」
東方参謀「貴様……っ」
隊長「あんたら3人の魔法なら、槍使いの坊主を援護出来るはずだ」
東方参謀「死ぬ気か?」
隊長「まっぴらゴメンだ。俺にはまだまだ、やる事があるんでな」
東方参謀「……承知した。ならば行くぞ!」
隊長「槍侶!!」
槍侶「は、はいっ!」
隊長「……頼んだぞ!」
ダンッ!!
夜行「ただ突っ込むばかりでは芸がない。それじゃあ猪と同じだねぇ……ヒヒッ!」
472: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 18:01:30.09:Aftj95dAo (36/38)
~剣聖の屋敷~
帝「な……っ」
くの一「い、猪……!?」
神野「まずはこの姿、止められますかなぁ?」
ドウッ!!
東方司令「ぐ……ぬううぅぅ!!」
ギャリギャリギャリッ……バギャッ!!
女剣士「お姉様っ!」
東方司令「朱雀、止めろ! 人の手では手間だ!」
召喚士「了解いいぃぃ!!」
シュイイィィィィン!!
オルトリンデ「1枚……ぐへぇっ!」ドンッ!!
ジークルーネ「ちょっとぉ! もっとふんばりなさいよおおぉぉ!」ドカァッ!!
サル「ダメだぁ……次々と破られてんぞ」
ロスヴァイセ「8枚目の……壁ええぇぇ!!」ドギャッ!!
~剣聖の屋敷~
帝「な……っ」
くの一「い、猪……!?」
神野「まずはこの姿、止められますかなぁ?」
ドウッ!!
東方司令「ぐ……ぬううぅぅ!!」
ギャリギャリギャリッ……バギャッ!!
女剣士「お姉様っ!」
東方司令「朱雀、止めろ! 人の手では手間だ!」
召喚士「了解いいぃぃ!!」
シュイイィィィィン!!
オルトリンデ「1枚……ぐへぇっ!」ドンッ!!
ジークルーネ「ちょっとぉ! もっとふんばりなさいよおおぉぉ!」ドカァッ!!
サル「ダメだぁ……次々と破られてんぞ」
ロスヴァイセ「8枚目の……壁ええぇぇ!!」ドギャッ!!
473: ◆1otsuV0WFc:2012/01/06(金) 18:31:22.58:Aftj95dAo (37/38)
神野「さぁ、お前で最後ですよっ!」
ブリュンヒルデ「止めるううぅぅぅぅ!!」
ズギャッ!! ギギギギイイィィィィッ!!
魔道士「止ま……」
召喚士「……らないっ!!」
ブリュンヒルデ「ふえぇ……っ!!」バシュンッ!!
神野「あと一人くらいでしたけぇ。クックク……」
女剣士「これでラストだ」チャキッ
神野「なっ――」
ザッシュウウウウゥゥゥゥ!1
サル「おぉっ、あの巨体を一撃で……っ」
イヌ「何か、似てるね」
キジ「……?」
イヌ「あのコの剣、お頭に似てるね」
女侍「……ふん、バカだねぇ。東方の剣術なんでどれも似たようなものさ」
神野「さぁ、お前で最後ですよっ!」
ブリュンヒルデ「止めるううぅぅぅぅ!!」
ズギャッ!! ギギギギイイィィィィッ!!
魔道士「止ま……」
召喚士「……らないっ!!」
ブリュンヒルデ「ふえぇ……っ!!」バシュンッ!!
神野「あと一人くらいでしたけぇ。クックク……」
女剣士「これでラストだ」チャキッ
神野「なっ――」
ザッシュウウウウゥゥゥゥ!1
サル「おぉっ、あの巨体を一撃で……っ」
イヌ「何か、似てるね」
キジ「……?」
イヌ「あのコの剣、お頭に似てるね」
女侍「……ふん、バカだねぇ。東方の剣術なんでどれも似たようなものさ」
474:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/06(金) 18:32:54.19:Aftj95dAo (38/38)
沢山に見えて昨日の分もあるので少しですね…すみません
ちょっと忙しくなっていまったのでこれにて失礼致します!
ご支援ありがとうございます!そいではっ!ノシ
沢山に見えて昨日の分もあるので少しですね…すみません
ちょっと忙しくなっていまったのでこれにて失礼致します!
ご支援ありがとうございます!そいではっ!ノシ
475:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/06(金) 18:34:10.86:LyTZuALDO (1/1)
おつんぽ!
おつんぽ!
476:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/06(金) 20:46:40.21:1rXTrpSA0 (1/1)
おつんつん~
おつんつん~
477:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/06(金) 21:41:58.70:9HgAJQ5IO (1/1)
おつんこ
おつんこ
478:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2012/01/06(金) 21:54:19.08:FEVZkXR2o (1/1)
あっちのスレの分まで回収するとは…
あっちのスレの分まで回収するとは…
479:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2012/01/07(土) 00:27:58.21:IxoSE3c40 (1/1)
いちおつ
隊長危ういな
いちおつ
隊長危ういな
480:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/01/07(土) 02:22:22.54:zDWhIf3AO (1/1)
>>1おつ
>>1おつ
481:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2012/01/07(土) 08:44:48.48:5Q2fT14AO (1/1)
>>1毎度乙んつん
>>1毎度乙んつん
482:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/01/07(土) 11:15:04.64:+14sdrjzo (1/1)
ふぇえ・・・ワルキューレかわいいよぅ
>>1乙!
ふぇえ・・・ワルキューレかわいいよぅ
>>1乙!
483: ◆1otsuV0WFc:2012/01/07(土) 23:51:42.82:Z2mAl7mqo (1/8)
神野「お……のれぇ……ッ」
バガアアァァァァ!!
サル「んだぁ!? イノシシが割れたぞぉ」
神野「姿を変えるのが一度と、言いましたかぁ!」
ガオンッ!! ズザァ
魔道士「い、犬……!?」
神野「この獰猛な牙から……逃れられますかねぇ!」ババッ!!
サル「イヌッ! 犬にはイヌだ!」
イヌ「意味分からないね」ザッ
神野「ヒャーッハッハッハッハッハ!!」
イヌ「でも、犬の特性は分かり易くていいね」
神野「!?」
バゴオオォォォォン!! ドッゴオオォォォォ!!
女剣士「じ、地面が……針の様に……っ」
魔道士「物凄い威力です……っ」
神野「お……のれぇ……ッ」
バガアアァァァァ!!
サル「んだぁ!? イノシシが割れたぞぉ」
神野「姿を変えるのが一度と、言いましたかぁ!」
ガオンッ!! ズザァ
魔道士「い、犬……!?」
神野「この獰猛な牙から……逃れられますかねぇ!」ババッ!!
サル「イヌッ! 犬にはイヌだ!」
イヌ「意味分からないね」ザッ
神野「ヒャーッハッハッハッハッハ!!」
イヌ「でも、犬の特性は分かり易くていいね」
神野「!?」
バゴオオォォォォン!! ドッゴオオォォォォ!!
女剣士「じ、地面が……針の様に……っ」
魔道士「物凄い威力です……っ」
484: ◆1otsuV0WFc:2012/01/07(土) 23:52:30.15:Z2mAl7mqo (2/8)
~北方、三途の川~
犬「クゥーン! クゥーン」タタッ
眼鏡「……?」
魔法剣士「どうした? 何かあったのか?」
眼鏡「西側からまた、魔王軍が進軍し始めたらしい。それに……」
魔法剣士「……それに?」
眼鏡「……いや、何でもないよ。西側の対処にあたろうか」
ジュニア「しっかし、犬の言葉を理解してんだから、すげぇよな~」
眼鏡「理解というか、犬は利口だからね。心を通わせれば必然と分かるものさ」
ジュニア「ふぅん。人間相手でも難しいってのに、やっぱすげぇよ……ハッハ!」
賢者「理解するのは自分自身だけで十分さ……ふぅ」
ジュニア「……あそ」
魔法剣士「さて、急いだ方がいいだろう。行くぞ」
ジュニア「おうよ!」
眼鏡(……ネクロマンサー。まだ、何かするつもりなのか……っ)
~北方、三途の川~
犬「クゥーン! クゥーン」タタッ
眼鏡「……?」
魔法剣士「どうした? 何かあったのか?」
眼鏡「西側からまた、魔王軍が進軍し始めたらしい。それに……」
魔法剣士「……それに?」
眼鏡「……いや、何でもないよ。西側の対処にあたろうか」
ジュニア「しっかし、犬の言葉を理解してんだから、すげぇよな~」
眼鏡「理解というか、犬は利口だからね。心を通わせれば必然と分かるものさ」
ジュニア「ふぅん。人間相手でも難しいってのに、やっぱすげぇよ……ハッハ!」
賢者「理解するのは自分自身だけで十分さ……ふぅ」
ジュニア「……あそ」
魔法剣士「さて、急いだ方がいいだろう。行くぞ」
ジュニア「おうよ!」
眼鏡(……ネクロマンサー。まだ、何かするつもりなのか……っ)
485: ◆1otsuV0WFc:2012/01/07(土) 23:53:30.93:Z2mAl7mqo (3/8)
~東方、剣聖の屋敷~
ドゴゴゴゴッ!!
神野「こんなものでええぇぇ!!」
イヌ「遅いね」バッ!!
神野「正面からっ、馬鹿ですか!!」ガパァッ
イヌ「……ん」スッ
ガギイイィィィィ!!
帝「腕を食われたっ!?」
名代「……いやっ! あれは……わざと食わせた……っ!?」
神野「……ッ」ギリギリッ
イヌ「あ、言ってなかったね。土行の魔法使えるなら、拳に付加する事も可能ね」ニヤリ
神野「あ……がが……ッ」ボロッ
イヌ「そんじゃ、このまま吹き飛ぶね」
ギュバッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!
イヌ「……おぉっ、ちょっとふっ飛ばし過ぎたね」
~東方、剣聖の屋敷~
ドゴゴゴゴッ!!
神野「こんなものでええぇぇ!!」
イヌ「遅いね」バッ!!
神野「正面からっ、馬鹿ですか!!」ガパァッ
イヌ「……ん」スッ
ガギイイィィィィ!!
帝「腕を食われたっ!?」
名代「……いやっ! あれは……わざと食わせた……っ!?」
神野「……ッ」ギリギリッ
イヌ「あ、言ってなかったね。土行の魔法使えるなら、拳に付加する事も可能ね」ニヤリ
神野「あ……がが……ッ」ボロッ
イヌ「そんじゃ、このまま吹き飛ぶね」
ギュバッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!
イヌ「……おぉっ、ちょっとふっ飛ばし過ぎたね」
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