1VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/11/30(水) 19:14:20.196E6GU+5xo (1/1)

■前スレ
俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.11
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308021366/

■関連SSスレ
○京介「桐乃…お前に人生相談があるだが…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297644807/
○【俺の妹】高坂京介は落ち着かない
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1296372251/
○【俺妹SS】俺と妹が夫婦なわけがない!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300627984/
○黒猫「まったく、とんだクソゲーだわ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301808614/
○京介「妹たちに安価で悪戯する」
○桐乃「妹たち総出で兄貴に悪戯する」(現)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1321927800/
○【俺の妹】  願い   【序から始まる物語】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310480351/
○沙織「京介先輩」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305915497/
○京介「思えば遠くへ来たもんだ」(11/27に休止宣言)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1319390510/
○桐乃「読モをクビになっちゃった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1321278273/
○京介「俺が教師かぁ…。」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1321554401/

■まとめwiki
http://www43.atwiki.jp/vip_oreimo/

・鬱、エロ、NTR、オリキャラ、クロス作品の場合は、投下前に断り書きをしましょう
・完結させてからの投下が望ましいです。3回以上中断する場合は別スレを検討しましょう
・やむを得ず中断させた場合は、再開時に前回のものをアンカーで知らせてください
・前の作者の投稿から3時間程度の間隔をあけるのが望ましいです。無理な場合は一言断りましょう
・被り、苦情防止のために事前に投下時刻とカップリングを宣言しておくのもオススメ
・SS作家さんには惜しみない賞賛を
・>>980 を踏んだ人が次スレを立てましょう

感想や雑談などご自由に


2VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/11/30(水) 20:45:47.72DFfiIZsRo (1/1)

>>1おつ


3VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東)2011/11/30(水) 21:33:44.28cFs67aeAO (1/1)

>1のスレ立てがこんなに乙なわけがない

クリスマス、正月、バレンタインぐらいまではこのスレですごせそう。
うん、良さげな感じじゃん

新刊もその辺の予定だっけ?



4名無しNIPPER2011/11/30(水) 22:08:43.98Sa5XwBKAO (1/1)

>>1
おつ


5VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県)2011/12/02(金) 11:40:40.20R/aBEjZh0 (1/1)

>>1乙


6VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(沖縄県)2011/12/03(土) 21:44:38.29ExRdIgcNo (1/1)

妹がいるのにこの作品や妹SSにハマってしまった俺は病気か


7VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/03(土) 23:36:50.92tv++7UsnP (1/1)

>>1乙
12スレ目立ったのか
あのまま消えるんじゃないかとちょっと心配もしてたが
しかしこの先このスレが賑わうことがあるんだろうか
これもタブー()を犯した代償かね


8VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)2011/12/04(日) 02:09:37.29LsmIn2Q+0 (1/1)

>>1乙


9VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 11:28:32.979vRabgqEo (1/1)

前スレ>>1000
そんな悲しいこと言うなよ…


10VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 20:24:46.00klVXqXbbo (1/1)

>>1乙

前スレ>>999
桐乃スレ住民だけど同意。

7巻発売前は割と大らかな感じだったし、8巻発売までは原作の展開への危機感とか飢餓感とかがあって
キャラの心情を掘り下げた力作が多かったけど、最近はマンネリ化してる印象がある。
別に甘々なのも好きだけど、そればっかりというのもねえ。

色んなキャラが絡み合う話も最近は書きづらい空気かも。
表組限定、それもあやせと加奈子は決まった役回りでって感じだしね。
もうちょっと何とかならないものかなあ。


11VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府)2011/12/04(日) 20:37:41.80zDR9B4A/o (1/1)

もうゲームしか期待してねーや
加奈子出番すくねーし


12VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/12/04(日) 21:43:01.0166o1+4k6o (1/1)

何となく思うんだけど、スレの雰囲気ってのも大切なことなんじゃないかね。
以前はもっと投下しやすかったというか、誰でも思いつきで気軽に投下できたけど、
いつの間にかカプとかシチュエーションに厳しくなっちゃった気がする。

このままこのスレが、雑談スレで終わらないよう願わずにはいられない。


13VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東)2011/12/05(月) 00:18:34.50Or7LN2fAO (1/1)

また1000切ってるじゃないですかー

埋めネタor新スレ記念に、駅前通り中央公園のイルミネーションなんかを題材に書こうとするも
思った以上に話が膨らまなくて挫折。

毎年安定の綺麗さなんだけどなー……うーん、難しい



14VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/06(火) 01:26:38.70XPrYTuAco (1/1)

揶揄するつもりはないが、ここにSSが投下される可能性って、まだ残ってるのか?
個別スレの連載も一応は追っかけてるけど、一話読み切りの短編も読んでみたいです


15VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/06(火) 11:17:51.63zVEPQ6nDO (1/1)

しらんがな


16 ◆36m41V4qpU2011/12/07(水) 06:08:16.077lnMostn0 (1/4)

読み切り?の軽いので

他所でロック×あやせで書こうとしようとしたけど、
とてもそんな雰囲気じゃなかったからな。
京介×○○しか許されないから、組み合わせに限界はあるし
ネタ切れにもなる気がする。

って事で相変わらずの温い内容だけど、取り合えず後続に期待しつつ
切り込み隊長的な意味でうp




17 ◆36m41V4qpU2011/12/07(水) 06:10:57.917lnMostn0 (2/4)


赤ずきんちゃん(過去編)



「いちにぃ……ついてぇ……よぉ~~い、ど~ん」

僕は必死に走った、今日こそ、ぜったいに勝つんだ。
途中まで良い勝負だったと思う、だって目の前の先には手を振っている
キリちゃんだけしか見えなかったからさ。

だけど………最後の10メートルくらいになっちゃうと、いつもみたく…僕の目の前に
時計の振り子の様なぽにーてーる(これの呼び方はこの前教えて貰ったんだ)
が見える(その振り子がクルクル早く回るんだ)
必死に走ったけど、やっぱり、最後は、ぜんぜん追いつけなかった……。

ちょっと遅れてゴールした俺にちょっぴり息をきらせながら(でもぜんぜん余裕のある)
笑顔の女の子が近づいてくる。

「はぁはぁ……惜しかったね?きょうちゃん。あたし、もうちょっと負けそうだったな。
超ヤバイかった」

このぽにーてーるの女の子は俺のダチのまーちゃん。女なのにクラスで一番足が速いんだ。
それに、髪が長くってさ、顔とかも……………まぁそれは良いんだ

「ぜぇぜぇ……はぁはぁ……ちぇ………嘘つけよ!ぜんぜんまーちゃん余裕じゃん、
あ~女に負けるとか格好悪りぃなあ」

「なら、もう一回やってもいいよ、、あたしは何度も挑戦受けてあげて良いよ?」

「上等じゃん、こうなったら、ぜってぇ勝つまで何度でもやって………」

って言って気づいた、キリちゃんがこっちを見てモジモジしてるぞ


「あ~やっぱ今日は良いや、また明日な、まーちゃん!ほら、キリちゃん帰ろうっか?」

と言って、キリちゃんの手を取る、キリちゃんは何も言わないけど肯いた。
キリちゃんは俺の妹なんだけど、けっこう恥ずかしがり屋なんだ。
でもまーちゃんと遊ぶ様になって、、けっこう時間経ってる気がするんだけどなあ

「わかった。じゃぁきょうちゃんも、キリちゃんもまた遊ぼう、また明日ね」

まーちゃんはずっと手を振ってくれたけど、僕もキリちゃんと手を繋いでない方の手で
手を振ったけど、キリちゃんは関係無さそうにトボトボ歩いてた。

「ねぇ………キリちゃんさ、ちゃんと挨拶しないとダメだぞお、わかった?」

と言われて、キリちゃんは振り返ると一応軽く手を振ってた。
僕はよくやったって意味で、、キリちゃんの頭をよしよしと撫でてあげた。
これをやると、キリちゃんが喜ぶんだ

たぶん、僕がお母さんに怒られた時だか褒められた時に、いやぜったいに怒られた時だな
(いっつも怒られてるから、だいたいそうなんだ)に反省したら
良い子と言って頭を撫でて貰って、それの真似したのが始まりなんだな、たぶん

キリちゃんは素直だから、ちょっと大人しすぎだけど、良い子だからお母さんには
あんまり怒られない。
でも頭は撫でて欲しいみたいだから、僕が代わりに撫でてるんだ。

でもだけど、、変だけど、ふつうに頭撫でてもダメなんだ。
こういう時に、最後に頭撫でると嬉しいみたい。女心はとっても難しい(な)んだ。
でもキリちゃんが嬉しいと、僕も嬉しいからいつもやってるんだな



18 ◆36m41V4qpU2011/12/07(水) 06:13:18.437lnMostn0 (3/4)


ずっと黙って歩いて帰ってたけど、ときどきキリちゃんが
「きょう兄ちゃん」って言うから、僕が「何?キリちゃん」って言うけど。
何にも言わないから、逆に僕が「キリちゃん」って言って、「なに、きょう兄ちゃん?」
って言って、黙ってたら二人共笑い出した。

ほっぺを赤くさせてキリちゃんが笑い出すと、やっぱり、僕は何だか嬉しくなるんだ
まーちゃんとか、他の友達の前でももっと笑ってくれたら良いとか思ってるんだけど
でも、二人の時はいっつも笑ってくれるから、、いいっか

昨日も、手を繋いで帰ったし、今日も帰るし、明日もそうだし………(そ)したら、
僕はいつか、、まーちゃんに駈けっこで勝てるし、キリちゃんもまーちゃんの
前で笑えるって気がするから、、まぁ………これで、、いいっか

家に帰ってご飯食べて、風呂入って、やっと寝ようとした時にキリちゃんが枕を持って
僕の部屋に入ってきた。
ちょっと前まで一緒の部屋だったんだけど、最近、べつべつの部屋になったんだ。
僕は一人部屋で嬉しかったんだけど、キリちゃんは違うみたいなんだな

「きょう兄ちゃん、、いっしょにねる」

「キリちゃん部屋がべつべつになったから、ダメだよ、、わ(かった)」

と言いかけたけど、キリちゃんが、ほっぺを膨らませて、目に涙を溜めながら
泣きそうな顔になったので、最後まで言わなかった。
この顔をされちゃうと、僕はどうにも弱いんだ
何て言うのかな、心がドキドキして焦っちゃって、訳が分からなくなって不安になって
ようするに、僕まで泣きたくなってきちゃうわけなんだ

駈けっこでまーちゃん(女の子だ)に負けるだけでも、男のぷらいどが許さないのに
男の僕が泣くのはもっと格好悪い気がするん(の)だな

言い忘れたけど、お父さんにはよく"男なら○○"って言われる。
別にそれだけじゃないとは思うんだけど、とにかくキリちゃんが泣くのだけは
ぜったいにダメな気がするんだよ(もちろん僕が泣きそうになるのもね)

「あーあ~~分かったよお。でもお母さんに見つかると困るから。眠くなるまで
で良いかなあ?」

そうなんだ、お母さんは、、逆に約束を守れないとすごく怒るんだ。
ここが難しいところで、キリちゃんが嫌いなピーマンを僕がこっそり食べてあげた時、
お父さんには、どうやら僕が"男らしく"キリちゃんの為にやった事だから、あんまり
怒られなかったんだ(普段はすげぇ怖いんだけどね)けど………

でもお母さんは怒って、怒って、本当に怖かった。
だから、キリちゃんが泣くのは嫌だけど、お母さんに怒られるのも嫌………
あ~あ、キリちゃんのお兄ちゃんは、、これで、、けっこう、大変なんだ

「わかったぁ……おはなし、してほしい。きょう兄ちゃんのおはなし、がいい」
とキリちゃんは言った。



19 ◆36m41V4qpU2011/12/07(水) 06:15:51.157lnMostn0 (4/4)


お話と言うのは僕が適当に考えた作り話のことなんだ。
桃太郎が赤ずきんちゃんと結婚したり、、金太郎がシンデレラと結婚したり
浦島太郎が白雪姫と結婚したりする話で……何故かキリちゃんのお気に入りになっている。

半分は冗談で言ってたんだけど、あんまり、キリちゃんに悲しい(な)話
(途中だけ悲しくて、最後はめでたし、めでたしになっても)
を聞かせるのは嫌だったから
(キリちゃんはずっと入院とかしてたからな)
ずっと楽しい話ばっかり作って話した。

キリちゃんの中では、狼さんはとても気の良い奴だし、鬼も良い人になっちゃってるのだ。
まぁでもキリちゃんが楽しそうだから、それでもいいんだ、たぶん


「それで桃太郎と赤ずきんちゃんは、狼さんの紹介で鬼ヶ島に新婚旅行に………」

キリちゃんが目を輝かせて、まんまるほっぺも真っ赤になってるぞ

「…………………それからぁ?」

キリちゃんがあんまり可愛らしかったので、途中から自分の話の中の"赤ずきんちゃん"
をキリちゃんと思いながら、お話を続けた


「ってことで……………みんな笑顔でくらしましたとさ、めでたし、めでたし」

まぁずっ~~と、めでたし めでたし なわけだけど………ね


「あれ?キリちゃん、、寝ちゃったかあ?」

「………………」

「ほんとのホントに、寝ちゃったの?」


「………………」って黙ってたけど、頭をうん、うんってしてた。

まったく、もうっキリちゃんは………あ~あ、明日ぜったいに怒られるぞ、、、

でもけっきょく

「ほら、、寒くないようにちゃんと、お布団に入ってね」

キリちゃんのこの顔を見ちゃうとな、、、
だから怒られても、まぁいいっか…………


「うん、、おやすみなさぁい、、、お兄ちゃん」

病院のベットに寝てるキリちゃんよりも
僕のベットで、隣に寝てるくれるキリちゃんの方が100億マン倍嬉しいから………


「おやすみ、、キリちゃん」 

赤ずきんちゃんに、優しくする、親切な狼さんみたいな気分っていうのかなあ?
同じお布団で寝るけど、別に食べちゃわないで、こうやって……ただ暖めてあげてさ


キリちゃんがお話の中だけじゃなくても、"めでたし"、"めでたし"になる様に、、、


だから、どんなに怒られても、妹の為ならぜんぜん、へっちゃらなんだよ、、、
、、、、僕はね





おわり



20VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県)2011/12/07(水) 09:59:25.558Emxh/X/o (1/1)

乙でした。
過去編と云うことでキャラの呼び方が違うので、個人的に違和感が拭えない……。

連続した読点の記述は、使い方として著しく間違っているので、読みづらいので次から何とかして下さい。
ダブルクォーテーションも、全角できちんと左右が閉じるように記述した方が良いかと思います。


21VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/07(水) 16:13:50.44Xc/yMiNDO (1/1)

SS来たと思ったらゴミだった


22VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/07(水) 19:11:16.31pQDi4FWIO (1/1)

乙。
話自体は良かったけど、文を遮って挿入される丸カッコとか、形式的なところで読みづらかったかな。
その辺はきちんと国語のルールを守った方がいいよ。


23VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank)2011/12/07(水) 20:18:53.70gsR9WvXAo (1/1)

つまらんかった


24VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)2011/12/07(水) 20:50:37.495HkcJGFAO (1/1)

乙~


25VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/07(水) 21:01:10.80B2PS8Bh6o (1/1)

乙です
@wikiに載せるときは、フォーマットに従って「掲載順」のページに載せとかないと、
「作者別」や「カップリング別」だけだとそのうち深海に沈んでしまうよ


26SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 19:22:23.64VfXaekl+o (1/1)

来週のクリスマスイヴにあわせて投下しようと準備してる人っている?


27SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 00:04:11.32zV5Ik4SSo (1/1)

みんなクリスマスに向けて力を溜めてるんだよな
そうに違いない


28SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 00:16:54.93veRDOxqNo (1/1)

クリスマス当日の夜になってもSSが投下されないほうに100ペリカ


29SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 00:48:32.91lO0sconAO (1/1)

乏しい引き出しを漁ってクリスマスネタを探すか、それともインスピレーション任せで関係無い小ネタでも書くか

それが問題ナリよ



30SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 12:34:15.53FXHC61x7o (1/1)

過去のクリスマスSSでも読むか…


31SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 12:13:30.690aJW5Ciuo (1/1)

京介「そういや桐乃って…
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1323739681/


32SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/18(日) 02:43:30.57IRS7nDqJo (1/1)

高木「今日から我が765プロに所属することになった高坂桐乃君だ」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1324140472/


33SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:17:12.23yK69CPG+0 (1/9)

ブラコンな桐乃が大好きな俺が書いたssを投下してもいい?


34SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:22:30.05xXLGuQiDo (1/1)

ネクタイと靴下だけ装備して待ってる


35SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:26:52.80yK69CPG+0 (2/9)

我ながら駄作だけど投下



        俺の妹が酒乱でエロゲなわけがない




桐乃が寝ている。
まぁ、それは良いんだ、うん。寝てるだけならな。
だけど、だけど……場所は考えようぜ、桐乃よ。

時は夕方四時、俺は赤城と遊んで帰ってきた。本当はもっと遊ぶ予定だったのだが、赤城の奴に電話がかかってきて出たと思ったらいきなり「瀬菜ちゃんにおつかいを頼まれたぜ!ひぃぃやっふうぅぅぅ」と言って走り去っていってしまったのだ、まぁ俺が呼び止めたとしても無駄なのは目に見えて明らかだったのでしょうがなく予定を繰り上げて帰宅した。   
そして、帰宅してリビングでお茶を飲み、ホッと一息つくと自分の部屋に向かう。家の中が静かだから、桐乃はどっか行ったのか…とボンヤリの考えながら扉を開く。
徐々に見えてくる見慣れた部屋の中。趣味も殆ど無いと言っていいため、部屋の中は何も無いに等しい。
だから、本来そこに無い物、異物があったら一発で気付く筈だ。そう、気付く筈なんだ。
……だけど、俺は残念なことに何故か気付かなかった、いや、気付けなかった。だから俺は何も疑問も持たずにベッドに腰掛けたのだ。

ギシ…。フニ…………。……フニ?

桐乃のベッドじゃ絶対に鳴らなさそうな安いベッド特有の軋んだ音が鳴る。
そして何時もの布団の感覚を予想していた手が何か柔らかい物に触れる。

何だ? この感覚は。
疑問に思い、隣に視線を送る。


「……………」


俺はゆっくりと立ち上がる。そして泣きそうな顔で笑う。
心境? 分かりたいならこんな場面を想像してみろ、自分が妹が寝てる間に布団に潜り込み胸を揉みしだくところを。

そう、もう分かったと思うが、俺は桐乃の胸を鷲掴みにして揉んでしまった。
……桐乃が何故か俺のベッドで寝ているために。


何がどうなってか知らないが桐乃は俺の部屋で、俺のベッドで寝ていた。
気持ち良さそうに、スヤスヤと。
思わず桐乃から貸してもらった、いや、違うな、押し付けられたエロゲの中のワンシーンを思い出す、それは妹がお兄ちゃんの枕に顔を埋めてモフモフやっているシーンだ。

「バ、バカな」

俺は頭の中に沸いてきた一つの可能性を力の限り否定する。
だけど、否定すればするほどもう一つの疑問が頭に浮かび上がってきてしまう。

それは、何故桐乃がここで寝ているのか、だ。
だってそうだろう? なんで桐乃が俺の部屋に入る必要がある? ましてや俺の部屋のベッドで寝ないといけない理由なんて無いだろう?

じゃぁやっぱり俺の枕で………。

もう一度浮かんでくるエロゲのワンシーン。
俺は背筋を震わせると何とかしてこの考えを振り払おうと否定材料を頭の中で探し回る。
だが中々見つからず思わず後ろによろめいた。
嘘だろ? あの桐乃が俺の枕で……?

今度はエロゲのワンシーンでは無く、桐乃が『オナピーーーーーーー』しているところが思い浮かんでしまう。

一歩一歩後ろに下がっていく。
静かに、逃げるように俺は少しずつ桐乃から遠ざかっていく。
だけどそう上手くは行かなかった、途中、踵になにかがぶつかってしまったのだ。

――――――カランッ

軽い音が静かな部屋に響いた。一体何が!? と慌てて振り返るとそこには『お酒』の空き缶が転がっていた。
「……………」
思わず口をアングリと開けてしまう。

そうか、そうかそうか、そう言う事か。
俺はこめかみを押さえながらベッドに寝ている桐乃に視線を向けた。

この野郎、親父とかにばれない様に俺の部屋で酒飲んでやがったな?

基本、親父は俺達が居ない時に俺達の部屋は開けない。まぁ桐乃の18禁のゲームとか同人誌とかそういうとんでもない事が原因なら開けるけどな。
だから桐乃は俺が居ないから俺の部屋で飲んだくれていたってわけだ、親父は入ってこないし物も少なくて広い、とくりゃそりゃぁ文句無ぇだろうよ。


36SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:27:45.00yK69CPG+0 (3/9)


俺はヒクヒクとひくつく頬を抑えもせずに桐乃に近づいていく。気のせいだろうか? 桐乃の顔に若干汗が出ていると思うのは。
ベッドのすぐ傍まで着くと桐乃の被っている掛け布団を思い切り剥がし取った。

「……?」

何か一瞬桐乃の手が動いた気がする。
というかこいつは寝るときに手を背中に回すのだろうか?
俺は不自然な桐乃の寝姿に疑問を覚えながらも起こそうと手を桐乃の方へと近づけていった。






        ・・・・






桐乃視点。

何かが倒れたような物音がなって、私は手放していた意識を突然取り戻した。
ビクンッ、と体が跳ねる。

お、お父さんじゃ無いよね?

怖くなりながら薄目を開けると、現状を確認しようとした。
そこにお父さんは居なく、兄貴がいただけなのでちょっとだけ安心する。

まぁ兄貴だったらお父さんにチクッたりはしないだろう。
そう思って、ホッと一息つく。
別に寝ているふりをこのままする意味も無くなった。起き様とすると、何なんだろうか、兄貴が突然あたしの所に来て布団を思い切り剥ぎ取ってきたではないか。

ちょっとぉおお!? え? なに? もしかして強姦フラグ立っちゃった!!?

な、な、な、なんとかしなくっちゃ!!!
こんな所で処女を失っちゃうなんて冗談じゃない! ……い、いや、でも兄貴になら……ってこらあたし!? 何考えてんの!?
と、とにかく起きよう!

「………ッ!!」

体に力を入れた瞬間、兄貴がいきなり間近に迫ってきた。
勢い良くあたしの顔の横に置かれた手。
互いの息遣いすら聞こえる、ちょっと動けば触れ合ってしまう様な、そんな距離。

なな、な、な、ナニする気よぉおぉぉぉぉぉおおおおお!!



37SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:28:23.44yK69CPG+0 (4/9)

ドクンッ、と大きく心臓が跳ねた。
さっきまででも充分大きかったのに、心臓の音がまるで限界に挑戦しているかのようにもっと、もっとと大きくなっていった。

血液が勢い良く体中を駆け回り、顔や体が熱くなっていくのが分かった。

ちょ! マ、マジで? マジでする気なの!?

「っぶねぇ、思いっきりこけるとこだった…。これで桐乃になんかぶつかったら一瞬でボコボコにされるとこだったぜ。
おーい、桐乃ー、起きろー…っておい!!? なんじゃこりゃ!? なんでいきなり顔が真っ赤になってんだよ!?」

こ、こけるとこだった? え? それだけ? あたしに何かするためとかじゃなくて、ただこけてあんな体勢になったって事?

そこまで理解するとあたしはさらに顔を赤くした。自分のてんぱり具合への恥ずかしさと兄貴へのムカつきとで。
兄貴は急にあたしの顔が真っ赤になって驚いたのか、あたしの肩をガッシと掴んできた。ここまで来たらあたしも覚悟を決める。兄貴の顔が間近にあって恥ずかしくって赤面したなんて知られようものなら今のあたしは[ピーーー]る自信がある。
だから意地でもこのまま寝た振りをし通しす! それしかあたしの尊厳を守る手段は無いのだ。 そして無事に済んだ暁には思いっきり兄貴をこきつかってやる。いや、こきつかうどころかもっとドギツイ事をしてやろうか、逆さに吊るして鼻にコーラを流し込むとか。とにかくもう色々な罰ゲームをやらせてやる。

そう意気込むと出来る限り体から力を抜いて寝た振りをする。

「おーい、起きろっつってんだろ?」

ペチペチとおでこを叩いてくる兄貴。
拳骨でもくれてやろうか。
それでもなんとか自分を制して寝た振りを続行するも、どうやら兄貴が調子に乗り出したらしい

「……これってもしかしたら日頃の恨みを晴らすチャンスなんじゃね?」

なんて呟き始めたではないか。
うっわ、これやばくない?、マジで何されるか分かったものじゃないよ?

「……この匂い…、お袋め、また今日もカレーと味噌汁だな? ったく、一体どこでどう道を踏み外したらあんなアホな組み合わせになるんだか。 さらにこの時間から匂い始めるって事は今日は作り置きタイプだな? 」
そんなの今はどうでもいいのよぉおおおおおおおおお!!!!

「はぁ、なんで親父はお袋に頭があがんねぇんだ? あんだけ強面なのに、そしてあんなに強いのになんでなのか甚だ疑問で仕方がないね」

それが家の血筋なんじゃないの? そう言ってるあんただって充分優柔不断だからね? あたしの理不尽な命令もグチグチ文句言いながらも聞いてくれるし、なんだかんだ言って優しいし顔もよく見てみれば整っているし睫毛も以外に長いし足も結構長いし、…まぁ意外とモテてるみたいだし。本人は気付いてないっぽいけどね。



38SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:29:06.83yK69CPG+0 (5/9)


「はっきり言って親父は結構情けないな。俺だったら絶対にビシッと言って聞かせるね」
はい無理。確実無理。兄貴だったら渋々ながらも食って苦笑い気味に笑って「美味しいよ」って言うね。三日連続カレーでも文句を言えないね。
第一兄貴がそんなタイプならあたしがこんなに好きになるわけないじゃんねぇ? ………? ?? ??? !?

ボフンッッ

「おわぁっっ!!!!??? なんでまたいきなり真っ赤になってんだ!?」
ななな、なんで兄貴が好きなんて結論になんのよあたし!? 無し、さっきのやっぱり絶対無し!!

「ったく、びっくりさせやがってからに、こんなんじゃどっちが優位に立ってんだか分かりゃしねぇ。ここはビシッと悪戯してこっちが優位に立っているって事を分からせねぇとな」
一体誰に分からせるというのだろうか。

「よ、よし、何をやってやろうか……うん、何をやって………」
ゴクリ………

「次は何をやればいいんだぁ!? 全く思いつかん!!」
……おい、なによそれ、なんでそんな結論になるのよ。こんな可愛い妹が目の前にいるのになんで思いつくことが頭ペチペチとかだけって逆に失礼でしょ?

「……ていうか何で俺がこいつを起こさないといけねぇんだ? 段々面倒くさくなってきたな……」
なんて言いながらあたしから離れて地面にしゃがみこみ始める兄貴。どうやらお酒の空瓶とかを片付け始めたらしい。
この展開の方があたしのとしても良いんだろうけど、なんでだろうか? かなり気に食わない。

「取り敢えずどっか隠しとくか。桐乃が起きたら自分で始末させたらいいしな」
そう言ってベッドの下にガシャガシャと突っ込んでいく兄貴。

コンコン、コンコン。

「ほわぁぁぁ!!?」
「……京介? どうしたの?そんなに慌ててベッドに潜って。ていうかベッド何時もより膨らんでない?」
「べっ、べべべ、べつになにも? って、ていうかお袋! ノックしろっていつも言ってんだろ!?」
「はいはい、分かったわよ」
「分かってないからいつもノックしないんだろ!?」
「それと、桐乃が帰って来たら二人でカレーと味噌汁温めて食べてね。お父さんとお母さんはちょっと用事があるから」
「人の話をきけぇ!!」
「じゃぁよろしくね。……それと、あんまりハッスルしちゃ駄目よ。ポッ」

バタン…

「何がポッだ……」
 何がポッよ……

あたしの心の声と兄貴の声が見事にシンクロした瞬間だった。


39SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:29:44.60yK69CPG+0 (6/9)


「ま、まぁとにかくピンチは脱したな。桐乃が俺のベッドで寝てるところなんて見られたら確実に家を追い出されてたからな」
そうね、それはあたしにも簡単に想像できる。兄貴がお父さんに殴り飛ばされるところが。

そんな事を想像したからだろうか? あたしが冷や汗をかいていると何をしようとしたのだろうか、兄貴が体をモゾモゾと動かした。
ちょっ!? 兄貴、そんな所さわっちゃっ
「んッ……ふぅ」
「ぶぅぅっ」

思わず変な声が口から漏れてしまった。兄貴も驚いたらしく盛大に咽ている。

っていうか、今更だけど凄い格好なんじゃない? あたし達。
同じベッドに入っているだけあって下半身の肌のかなりの面積が兄貴と重なり合っていた。上半身は兄貴が腕を突っ張っているせいか別になんとも無いのだがそれでも問題は問題なのだ。
さらに上半身が重なっていないと言ってもやはりベッドなので些細な動きも互いに伝わってしまう。兄貴が腕を動かそうとしたらベッドはギシ…と悲鳴を上げるし、それがまた何故かエロく感じるし。
とにかくこの状況は兄妹としての境界線上のギリギリを彷徨っていると言っていい状況なのだ。
一歩間違えれば一気に境界線を越えて兄妹の壁も何もかもを飛び越えてしまうような状況なのだ。
心なしか兄貴の呼吸が荒くなってきている気がする。兄貴の腕の分距離は離れている筈なのに息遣いが聞こえてくるのだ。

ちょ……本当にやっちゃう気なの……? 兄妹なのに? それでいいの? 兄貴はそんな事をして幸せになれるの?

あたしは変な気になってしまい、数々の不安への疑惑に囚われていく。
ベッドが不意に大きく揺れた。それと同時にあたしの上にいた兄貴が遠ざかっていくの感じた。

「そんな不安そうな顔するなよ……」

ギシ……
もう一度ベッドが軋む。上にいた兄貴は横に移動して頬杖をついてあたしの頬をつついた。

「なんで寝てるのにそんな不安そうな顔すんだよ……何かあったなら俺に言えよ、俺を頼れよ、俺に泣き付けよ、俺に……心配かけろよ」

ふにふにとつつく兄貴の手が震え出した

「待ってるから、きっとお前が相談してくれるって、思って待ってるから。だってそうだろ? 俺達兄妹なんだから困った時に頼らなかったらうそだよな」
グスッ

兄貴が鼻を啜るのが聞こえてきた。
何勘違いしてんのよ……あたしが兄貴との関係の事で兄貴に相談したら、そんなの、駄目に決まってんじゃん。そんなの、辛いだけじゃん。

あたしも鼻がつんとして泣きそうになってしまう。

「待ってるからな」

兄貴はそう耳元で呟くと、あたしに小さくキスをして素早く離れていった。

それはあまりにも一瞬かつすんなりとやられたのであたしは反応が数秒間遅れた。言うなれば呆けていたのだ、頭がまるで機能していなく、まるで時が止まったかのようになにも考えれなくなっていた。
「カフッ」

全身の空気が抜けた瞬間だった。
駄目だ、これ、反則だ。反則……!!

呆けていた反動なのだろうか、今度は一気に脳が、心臓が活性化していく。ただし脳が活性化していると言っても正常な働きをしていかと聞かれればそれはしているとは答えられない、言葉を発しようとしてもまるで受け付けないのだ。

「カフッ…」

あたしはもう一度体中の空気を吐き出すと、少しずつ気を失っていった、兄貴のキスがどんだけ効いてんだよ! と自分に自分がツッコみたい。
そんな中、あたしが最後に見たのは兄貴だった。

一瞬だったんであたしの記憶が絶対に正しいとは言いがたいのだが、あたしの記憶がただしければ、最後に見た兄貴は首から顔まで真っ赤に染まっていた。ように感じた。
そんなあにきの表情を見たせいか、あたしはちょっと笑って瞼を完全に閉じたのだった。

もしかしたら、兄貴もあたしと同じ気持ちなんじゃないだろうか? という儚い希望を抱いて。


40SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:30:30.88yK69CPG+0 (7/9)







そこは二人きりの部屋、そこで誰かが最後にこう呟いたそうだ。

「ったく、何やってんだか……自制しろよな…俺」

首から先を真っ赤に染めて。



fin


41SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:32:21.89yK69CPG+0 (8/9)

いやぁ、相変わらずもうなんていうか自分の文才の無さに泣けてくる。
でも書いてて楽しかった。スラスラ書けた。

反省はしていない。


42SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 02:54:43.47cnevB/aAO (1/1)


こんな時間におっきしたのだがどうしてくれる


43SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 03:57:51.00LDkS4esIO (1/1)

桐乃かわえええええええ!!


44SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 07:20:41.90geenZ1c2o (1/1)

つまらん


45SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 07:24:43.66LAP21bpko (1/1)

桐乃はかわいいがなんで酒飲んでんだ?


46SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 07:36:51.567i3EpHPKo (1/1)

乙!朝から2828させてもらいました。
久々に正統派なブラコン桐乃SSを読めた気がするww


47SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 12:15:23.35qIfh9+0mo (1/2)

あやせ「ベッドの上ではお兄さんに逆らえない」 桐乃「」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1324224856/


48SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 13:35:42.69wohyELEAO (1/1)

桐乃が可愛いすぎてハゲそう


49SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 15:13:45.02qIfh9+0mo (2/2)

桐乃「げっ…エアコン壊れてる…」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1324247193/


50SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 22:13:45.22yK69CPG+0 (9/9)

>>45
まぁ酒飲むのなんてはっきり言って飲みたいから飲む、とかそんな理由だからね。歳とか関係無く中三、高校生ぐらいなら飲んでる奴は腐るほどいる、と俺は思ってる。

っていうか全盛期に比べて廃れたなぁ、ここ。
全然書き込まれないじゃん。昔だったら結構賑わってたのに^^;


51SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 03:27:34.01BUllgjnAO (1/1)

そりゃアニメ終わって9巻爆死じゃ人も減るわ


52SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 04:57:29.112KTbQsaIO (1/1)

爆死したのは黒猫派だけだろ


53SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 08:04:54.08sOeD24lH0 (1/1)

あやせ派の聖域ゲームにも不穏な陰もあるしな...


54SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 09:21:47.28Nx4NdHHdo (1/1)

黒猫殺したからこうなったんだろうに


55SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 12:08:03.63aQ9l+nuH0 (1/3)

あやせと桐乃が大好きな俺にとって原作は今でも神だけどなぁ


56SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 16:21:18.794ltSLv2+o (1/2)

黒猫とつきあうあたりから流れ最悪だったからなぁ
黒猫派以外には印象悪いし、あの結末はいろいろ喧嘩売ってるとしか


57SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 20:02:43.37j0o/mtvto (1/3)

『俺妹』というのは、黒猫が成長していく様を京介の目を通して描いた物語であってだなぁ……
というのは横に置いておいて、>>56のように捉える読者の方が多いんだろうね。
○○派というこだわりをなくして読んでみると、京介と黒猫が付き合う展開があったればこそ、
桐乃の優しさとか兄の京介を想う気持ちなんかが最大限に引き出されていると思うんだけどね。
まぁ、今更いいんだけどさ。


58SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 20:37:22.934ltSLv2+o (2/2)

ゴメン、俺黒猫苦手だったからそのへん出てたかもしれない
でもあのあたりの京介の行動や考えもひどかったとおもうんだよ
作中でも言ってたからそういうねらいだったんだろうけど
正直耐えられなかった


59SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 21:31:17.95aQ9l+nuH0 (2/3)

まぁとにかく嫉妬してたあやせはマジで可愛かったよね。天使だったよね。思い出すだけで萌えるよね。
って俺は思う。結局はそこにいきつくのだよ。俺は萌える事が出来ればそれでいい。


60SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 22:09:28.74j0o/mtvto (2/3)

桐乃が初めての夏コミで、文句をたれながらも京介のシャツの裾を掴んで歩いている場面や、
黒猫や沙織とエントリーした二度目の夏コミでは、ゲー研の仲間が陣中見舞いに来たときに仲間に入れなくて
独りPSPをいじくっている場面なんか、桐乃の本当の姿が垣間見えるようで、可愛くて切なくて悶える。

それに、ずっと自分の殻に閉じこもっていた黒猫が人間に恋をし告白するまでに成長できたのは、
何を隠そう桐乃と出会えたからに他ならない。……ちなみに、わたしは黒猫派。(8巻以降は糞猫派だが)


61SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 22:21:23.01fWKUNJRbo (1/1)

>>40
面白かった
こういうのが投下されるならまだここも捨てたもんじゃないな


62SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 22:40:16.19aQ9l+nuH0 (3/3)

>>61
楽しんでもらえて良かったよ^^

っていうかちょっと疑問に思ってるんだけど、ssまとめサイトのhttp://www43.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/66.htmlはどうやって作者別に纏めてんの?
俺も結構投下してきたんだけどまだ作者別の所に名前が出ない……
ちょっと期待してんのに…

誰か知ってる人いる?


63SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 22:58:34.20gJnTMFZAO (1/2)

作者別は14ページのほうでない?
それはそうと、自分で纏めるのが一番はやいと思われ
少し恥ずいかもしれないけどね

バカ!バカ!恥知らず!何やってんの自分あばばばはば
って悶死しかけるかもだけどね…うん



64SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 23:10:30.72j0o/mtvto (3/3)

>>62
作者別って、↓のこと?

  http://www43.atwiki.jp/vip_oreimo/pages/14.html

だったら、酉かコテを付けないと、文体で見分ける以外誰が書いたSSか見分けられないでしょ。
まとめwikiは誰でも編集できるから今からでも遅くは無い。
酉と一緒に自分のSSを書き出せば、誰かが編集してくれる。

>>63
加奈子とは、その後どうなったんですかっ?


65SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 23:23:28.31gJnTMFZAO (2/2)

>>64
たぶん今頃は、おこたでミカン食べながらマッタリしてるんじゃないかなあ…って
ベタなやり取り全開で室内温度を上昇させてるこってしょー

書けよとのツッコミはごめんなすって。



66SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 00:39:08.20xfnUJQEao (1/3)

>>62
最後に投下されたSSから遡って途中までざっと見ただけだけど、「fin]で終わってるし、
11レス目352、11レス目512も >>62さんだよね?

「fin」だけを頼りに同一人物としてまとめてしまっていいものかどうか……。

できれば、○○レス目△△△といった感じで挙げてもらえればまとめられるんだけど。
それと、酉かコテも一緒に付けてもらえると今後まとめやすい。


67SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 02:11:06.67JmJNEyhS0 (1/12)

>>62

酉とコテの付け方が……分からない^^;
また教えてくり。
けどスレとかの情報なら分かる

京介×桐乃

8スレ目101
9スレ目75 
11スレ目512

京介×あやせ

8スレ目65 

京介×桐乃×黒猫

8スレ目226

京介×加奈子×ブリジット

8スレ目866

こんな感じで……いいのかな?
それと、これ↓も一緒に出来る?

京介「モデル……?」

http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1302/13021/1302140065.html

何卒どうかよろしく…


68SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 11:14:51.580brj7M2AO (1/2)

さずがに酉ぐらいはググって調べようぜ


69SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 11:55:02.70JmJNEyhS0 (2/12)

調べてみたけど良く分からなくて……
酉ってトリップの事なの?


70SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 12:35:54.99Mf7FI0i7o (1/1)

酉とはトリップの事でござるよ


71kai662♯kai6622011/12/21(水) 12:43:23.22JmJNEyhS0 (3/12)

すまんな、無知で^^;

こんな感じ……かな?


72SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 13:03:48.52xfnUJQEao (2/3)

>>71
本スレに投下された分については、初出の 「8スレ目65氏」 として移動させましたとさ


73SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 13:26:08.87JmJNEyhS0 (4/12)

色々ありがとう、迷惑かけてすまん。



74SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 13:44:28.63xfnUJQEao (3/3)

>>71 これだけSS書いてて、いまさら酉とかコテとか……釣りじゃねぇだろうな?

コテ(固定ハンドル)=メール欄に入力した文字がそのまま表示される

酉(トリップ)=一種の暗号で、本人しか知らないトリップキーを入力することで変換後の文字が表示される
         トリップキーは本人しか知らないわけだから、本人だという証明にもなる……らしい

  メール欄に例えば、 #abcdefg と入力すると ◆v/rTh0HxaQ と変換されて表示される。
  (ここで入力した #abcdefg のことをトリップキーと呼び、頭の#は必ず半角小文字で入力する)

もし、◆oreimo/abc とか、◆Kanako.def のように任意に表示させたいトリップがあるなら、
トリップ検索ツールを使ってトリップキーを自分で探すか、トリップ検索スレ(下のURL参照)で検索人にさがしてもらう。

    ◆希望の7文字以下トリップはこちら◆
    http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/qa/1317247180/


75 ◆IUCKeGyg6E2011/12/21(水) 14:25:20.74JmJNEyhS0 (5/12)

こんな感じかな? 
それと釣りじゃないから安心してくれ。真面目に分からないm(_ _"m)ペコリ

合ってたら皆ありがとう。 なんか俺妹ssスレなのに訳分からなくさせて心からすまなく思っている。


76 ◆k4qYXRI5uY2011/12/21(水) 19:17:59.09JmJNEyhS0 (6/12)

えっと……
なんか空気わるくなっちゃったので、お詫びと言っちゃなんだけど、新しいssを書いてきたんだけど。
投下していい?


77SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 19:20:31.54/ifFs2Oho (1/1)

どうぞ


78 ◆k4qYXRI5uY2011/12/21(水) 19:22:13.64JmJNEyhS0 (7/12)

それじゃ、投下


79 ◆k4qYXRI5uY2011/12/21(水) 19:22:46.20JmJNEyhS0 (8/12)

私の気持ちが兄貴を好きなわけがない 改










はぁ、暇だなー

あたしはそう呟くと何もする事が無くバタンと机に突っ伏した。
ただパソコンの画面を見て好きなカップリングの小説を探すだけ。エロゲも全部やっちゃったし、ラノベも漫画もアニメも全部一通り見てしまったのでそれしかやる事が無いのだ。
マウスのクリック音とキーボードの打鍵音、その二つの無機質な音が部屋にやけに大きく響く。

早く兄貴帰ってこないかなーー

そんな考えが頭によぎるが自覚した瞬間、ちょっと頬を赤く染めて、頭を振ってその考えをかき消した。どうやら暇すぎて頭がまわらなくなってきてるらしい。
やがてパソコンも飽きて電源をおとした。

コトンと音をたてて私は顔を机にピッタリとつける
机はひんやりしててとても気持ちが良かった。
「気持ちいぃ」
思わずそんな声が漏れてしまう。

なんかしなきゃ寝ちゃいそう………。

閉じられそうになった瞼をムリヤリ開いて、何か気を紛らわせようとして、ふいに机の上に置かれていた白紙とペンに目が行った。
どうせやる事など無いのだ。
あたしはペンを手に取り白紙を手元に持って来た。

何の気なしに適当にペンを走らせる。
紙の上には知らず知らずの内にこう書いてあった。

『兄貴 好き?』

何故なのかなんて分からなかった。ただ単に体が勝手に、というやつだ。
それを見た瞬間私の脳は一瞬フリーズしたかと思うとまた動き出し、混乱した

な、な、な、何書いてんの!? あたし!! なんで兄貴なのよ!?

あたしはすぐに消しゴムを取り出し、書かれている事を消した。
消された頃には私は運動をした訳でもないのに肩で息をしていた

な、何動揺してんのよ!あたし!
そ、そう!きっと今さっきのは何かの間違いよ!、なんか兄貴っていう文字って書きやすいし、うん、きっとそれが理由に違いないわ!

ムリヤリそう決め付けると、頭を振って、ちょっとでも落ち着こうとする。
でも中々胸の動悸が治まる気配がない。どんだけ動揺してんのよあたし……、ていうか本当、何で『兄貴 好き?』なんて書いちゃったんだろう。どんだけ兄貴の事考えてんのよ、ボンヤリと書いただけで『兄貴 好き?』なんて言葉が出てくるのなんてよっぽどだ。

あたしは短く溜息をつくと、頭を冷やしにリビングに行こうと部屋を出た。息抜きに冷えた麦茶を飲みたい。
…だがそれがまずかったらしい。

あたしの家は自分の部屋からリビングに行くにはどうしても玄関の前を通らなくちゃならない、今回はそれが仇になった。
あたしが部屋を出てリビングの扉に手を掛けると、狙い済ましたかのように兄貴が玄関を開けて入ってきたのだ。
今さっきの事もあってかあたしの顔は一瞬で真っ赤になって、焦って兄貴のアソコに向かって思いっきり蹴りを入れてしまった。

我ながら照れ隠しでもやり過ぎだと思うのだが、これも体が勝手に…っていうやつだから仕方が無いという事にしておこう。

結果、兄貴は気絶してしまい。倒れて今私の前で寝ている。
さすがにそのままほっとく事はできないのでリビングのソファに寝かしてあげる。


80 ◆k4qYXRI5uY2011/12/21(水) 19:23:26.02JmJNEyhS0 (9/12)


「う……ん」

兄貴は最初の苦悶の表情が嘘のように静かに眠っていた
やっぱり……、以外とかっこいいよね、睫毛だって長いし、顔も意外と整っているし
私は思わず見惚れてしまった。今まで兄貴の顔をじっと見るなんて事は無かったため、兄貴の顔が意外と整っているなんて事を知る機会など無かったのだ。
こうやって見てみると、うん、やっぱり兄妹なんだなぁ。って思う。
地味に見えるのはあくまで地味な格好しかしないから。いわゆる光る原石という奴なのだろう、兄貴は。

そんなどうでも良い事を考えている自分に気ずく、すると私は兄貴の顔を憎らしげに見た。

あたしは兄貴の事でこんなに悶々とさせられるのに、兄貴の涼しげな寝顔を見てたらムカついてきたのだ。
なんでそんなに涼しげに寝てんのよ。
あんたは私の事どう思ってんのよ、どう見てんのよ。
なんで、そんなに優しいのよ、なんで……そんなに気になる様な事ばっかり言うのよ。
そんな兄貴に対する文句、小言があたしの中にあふれてくる。

そして何時の間にか、小言よりも兄貴の思い出が溢れてくる。
あたしの凡ミス、趣味がバレた時からの人生相談から始まる、兄貴の今までの、まぁ、格好良いんじゃない?……と思える姿。それに優しい、甘いような、そんな思い出すと胸がキュンとするような台詞。
そんな事を頬を火照らして思い返していた。


『別に?おかしくないんじゃねぇ?』

『お前がどんな趣味もってようが、俺は絶対バカにしたりしねえよ』

『桐乃―――俺に任せろ』

『…………何も言うな。………………お前はよく頑張ったよ』


言っていて恥ずかしくないんだろうか、と思う。けど、言われて嬉しかった、うん、やっぱり嬉しかった事だけは認める。
けどそんな事ばっかり言われて、いくら妹だからって、そんなの……気になるに決まってんじゃん。仕方無いでしょ、こんな気持ちになっちゃうのなんて、当たり前でしょ。

あたしは胸が熱くなるのを感じた。変だって事なんてとっくに分かってる。兄妹でこんなの変だってことはもう充分過ぎるぐらい分かっているのだ。
でも抑えられない、鼓動は勝手に早まるし、顔も勝手に赤くなる。

……どうしてくれんのよ。あんたのせいでしょ? いつもみたいに何とか……してよ。

あたしは兄貴の顔をジッと見つめる。どこまでも整った顔。息遣いさえも優しく聞こえる。
すると、兄貴は行き成り苦しげに眉を顰めはじめた。身を捩ってまるで何かを探るように手が宙を掻く。
どうしたのだろうか? そう思っていると兄貴の手がいきなりあたしの腕を掴んできた。そのまままるで暖かい毛布でも見つけたかのように抱きしめられる。
兄貴は満足そうに笑みを浮かべた。

ビックリして言葉を無くす。
きっと今のあたしを他人が見たらさぞかし心配するだろう、「どうしたの? 風邪ひいてるの?」とか「どうしたの? 体調悪いの?」とか、そんな風に話しかけられるに違いない。だってあたしは今、多分信じられないほど顔が赤いだろうから。自分でも自覚出来るほど、顔が熱いのだ。


81 ◆k4qYXRI5uY2011/12/21(水) 19:24:16.58JmJNEyhS0 (10/12)


ちょ……!! 兄貴!?

顔をこれでもかというほど赤くして驚いていると、その寝言が突然あたしの耳に届いた。


「桐、乃………、今、度……は、なんだよー」


目を見開いて兄貴の言葉があたしの中でやまびこのように鳴り響いた。
その意味をゆっくりと理解し、吟味し、余韻をあじわうと、あたしは体の力を抜いた。

どうやらこのシスコン兄貴は夢の中でも私の世話を焼いているらしい。今頃夢の中のあたしは兄貴に迷惑をかけて、兄貴は嫌な顔をしながらもその迷惑につきあっているのだろう。

「ふふ……、このシスコン、あ、に、き!」

自然に笑みが零れてしまう、いや、これは笑みなんて良いものじゃないな。
白状すると、あたしは思い切りニヤけていた。これでもかというくらい、ニヤけていた。

ったく、このシスコン兄貴
しょうがないからもうちょっとだけ世話になってあげる。

あたしはちょっと背伸びをして、兄貴を起さないように体を捩った。そして………静かに兄貴のオデコにキスをした
「今回だけ、うん………今回だけ。ちょっとだけなら、いいでしょ? 兄貴」

そう静かに呟くと、あたしはこみ上げてくる気恥ずかしさを隠すことが出来ずに元の位置に戻る。
プシュ~と頭から湯気を出しながら兄貴の胸に顔をこすり付けると、その行動も恥ずかしくてうずくまってしまう。

あたしは結局その後も悶々と過ごし、無事に寝ることが出来たのは、それから何十分も後になってからなのだった。


82 ◆k4qYXRI5uY2011/12/21(水) 19:25:16.63JmJNEyhS0 (11/12)







机の引き出しの奥。そこには今も大事にしまってある、紙がある。
そこには、あたしがだした質問に、あたしが答えた紙がある。

机の奥にしまっている紙にはこう書かれている。

『大好き』

それは無意識に書いてしまった、純粋な質問に対する、あたしの精一杯の答え。
きっと叶う事は無いのだろう。
けどやっぱり願ってしまう。

いつか兄貴とあたしの願いが重なりあう事を。

叶ったときにもう一度出そう、目一杯笑って取り出そう。
それまでは、悲しいけれど、ここで待ってもらおう。



取り出す日はいつなのか、何日後? 何年後? それとも、もうそんな機会は無いの?
それは誰にも分からない。
だけど取り出せることを信じて、あたしはそっと目を閉じて、今日という日にさよならを告げたのだった。





fin 


83 ◆k4qYXRI5uY2011/12/21(水) 19:27:03.36JmJNEyhS0 (12/12)

以前書いていたネタの改造ver
前書いていたのがあまりにも駄文だったため書き直して投下してみた。


84SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 20:11:32.377MO2CW+IO (1/1)

GJ!
桐乃の気持ちの描写が丁寧で良かったよ。
甘々過ぎず、でも桐乃派として2828できたww


85SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 20:59:25.960brj7M2AO (2/2)



いきなりトリップ変わっちゃってるが大丈夫か…?
いつも同じのを入れるんだよ


86SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 22:23:55.641FJH6hw20 (1/1)

いい文章だからこそミスが目立つなぁ
“気ずく”じゃなくて“気づく”ね
“「気」が「付(つ)く」”だから“気づく”


87SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/21(水) 23:06:25.832pPmqa9wP (1/1)

なんか9巻で桐乃の一人称時の心の中での京介の呼び方が「京介」で定着しちゃってるから
なんか新鮮な気持ちで読めた。乙


88SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/22(木) 01:20:19.99+QNxQaado (1/1)

稲妻だけイナズマが一般的だよなぁ
IMEの変換もイナヅマじゃ出ねぇ


89SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/22(木) 14:27:58.986hQ9g0PAO (1/1)

つまづく
つまずく

どっちでも変換可能


90SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/22(木) 21:11:54.74ilJx5Edbo (1/1)

>>67
まとめwikiへの編集だが、レス抽出してPCへコピって余計なレス削除して……
すまん、途中までやってみたが長すぎて断念した。
どなたか頼みます。

  京介「モデル……?」 http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1302/13021/1302140065.html


91SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/23(金) 06:47:28.27RvDHjoU60 (1/1)

桐乃かわいいよ桐乃


92SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/23(金) 23:57:10.82UlGJEe3no (1/1)

あやせ「彼女と別れたそうですね」京介「・・・」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1324649100/


93SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/24(土) 20:21:39.82hCcvYHU6o (1/1)

『俺妹SSスレ』って、何となく『北斗の拳』の世界を見ているようで感慨深い。
過去の繁栄は何処へやら、廃墟に建つ崩れ掛けの塔みたいな感じっていうか……。
それにしても、今夜は寒いな。雪が降りそうだぜ。


94SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 04:26:28.30RiJUgwUAO (1/1)

イブは投下なし


95SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 13:09:59.21ctFfz6AIO (1/1)

>>94
デートで忙しかったんだ。許せ。


96SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 18:07:46.96Kpv0TVMzo (1/1)

おいおいみんなクリスマスに向けて力を溜めていたんじゃないのか


97SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 18:30:15.04GWHSP7c/o (1/1)

もう、このスレには書き手がほとんどいないことに気づいたほうが……


98SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 23:47:26.62r1YbyRs8o (1/5)

あの夏、俺には、短い期間だったが恋人がいた。

その、付き合い始めて間もない彼女とすぐに別れる原因になったのは、
俺が「妹に彼氏ができるのが許せないシスコン兄貴」で、一方、妹の
桐乃の方も、「兄貴に彼女ができるのが耐えられないブラコン妹」
だったから、だった。

結局、俺は、「実の妹を一番に思いやる兄」でいようとして、その夏、
こんな俺でも好きになってくれた、初めて出来た彼女と、別れた。

俺は酷い言葉でののしられても、殴られた上で絶交されてもいい立場
だったと思うが、何故か彼女はそうせず、『まだ俺に好意があること』
だけをはっきりと告げ、元のポジション(=妹の親友)に戻ることを
宣言して、その場所から離れていった。


その時の事を思い出すたびに、あの時の判断はどうだったのか、他に
やり方はなかったのか、何度も思い悩む事になったが、兎にも角にも、
一つの物語は、この曲がり角で大きく曲がって、その先へと進んで
行く事になったのだ。


そのあと、少しして、俺をある場所に呼び出してきた「もと彼女」は、
以前と何も変らないような、でも、少しだけ何かがふっ切れたような、
とてもいい表情で、まっすぐに俺を見て、こう尋ねてきた。

「私を『妹』として愛せますか?」と・・・。


それから、あっという間の数年間。
俺は学生生活を終え、社会に出て一年目。
妹の桐乃は高校最後の学生生活の日々を送っている。
もう一人の俺の「妹」、あやせと同じクラスで。



99SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 23:50:09.43r1YbyRs8o (2/5)

「おーい、こっちだ」
「・・・あ、お兄さん!」

待ち合わせのオープンテラスのカフェ。年末も近く、さすがに気温は
低いが、電飾を施されたツリーの色とりどりの光の輝きで、それほど
寒いような気はしない。

「あれ? 桐乃は?」
先に席に座っていた俺の方に近付いて来るなり、そこにいるはずの、
もう一人の待ち合わせ相手の事を尋ねてきたあやせ。

「ああ、やっぱり体調が今イチなんだと。でも『大したこと無いから、
あんただけ行ってくれば』って言ってな。」
「ふうん。そうですか。ひょっとして、気を使われちゃいましたかね?」

「おまえもやっぱり、そう思うか?」
「はい。最近桐乃、『あやせはこのままでいいの?』とか言いますし」

「ああ、俺もこの間、『ねぇあんた、あやせの事はどうするの』って
聞かれたっけな。」

「気にする必要なんてないよ、って言ってるのに、ねぇ?」
「そうだな。」




100SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 23:51:42.01r1YbyRs8o (3/5)

そうだった。

あの夏の時点から、今まで俺にはずっと彼女がおらず、そのかわりに
可愛い妹が二人いる。


はじめは、あやせが何を言っているのか、俺には解らなかった。

あの夏、桐乃を介して出会った俺とあやせは、桐乃の与り知らぬ所で
彼氏彼女として付き合って、結果的に桐乃を苦しめ、寂しがらせた。

俺も、あやせも、そんな気は全く無かったが、初めて出来た相手との
デートの楽しさに酔っている間、どうしても他の事は忘れがちになり、
時間やお金にも限りはある訳だから、どうしても他の付き合いは悪く
なってしまう。

一般的には、妹<彼女 という図式になる訳で、世の中の多くの妹は
「そんなもの」と気に留めないかも知れないが、うちの妹様は違った。

そこが、言わば、前回の失敗であり、これを繰り返さない為に、俺は
「桐乃に彼氏が出来るまで彼女を作らない」宣言をし、桐乃が同様の
表明をしたために、いつの間にか、いかなる他人も入り込めない無限
ループが形成されたのだった。

俺だって、未来永劫それでいいとか、それで済むとは思っていない。
ただ、しばらくの間は、それでいい、と思っていた。


そこに、「私も妹になる」と来たあやせ。
はじめ、ついに俺はあやせを壊してしまったのか、と激しく後悔した。

思い込みが激し過ぎるとか、発想がぶっ飛び過ぎている時があるとか、
もの凄くクセはあるが、あやせはいい子だ。

理由を考えても思い当たらない、多分、理由以前のところで俺好みの
ルックスな訳だし、そういう外見だけじゃなく、言葉を正しく使って
礼儀正しく奇麗に喋るのは、そばで聞いているだけでも気持ちがいい。

つまらん事を言って怒らせるパターンも多かったが、だからこそ、か、
あやせの笑顔にはとてつもない魅力を感じていたように思う。
実際に付き合っていても、本当に楽しかったよな。

そんなあやせが、
「わたしを桐乃と同じように、妹として慈しむ事は出来ませんか?」
と言ってきたのだった。


101SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 23:54:37.51r1YbyRs8o (4/5)

正直、あやせに別れを切り出した俺としては、今後はどんな顔をして
あやせに会えばいいのか解らないでいたのだが、それでも、これから
姿を見ると避けあうような関係になるのだけは嫌だった。

償い、というのも何だが、幾らかでもあやせのためにしてやれる事が
あるならしてやりたい、とも思ったし、だから、どんな形になっても
あやせと付き合いが続くのは、良い方向への選択のような気がした。

後日、念のため麻奈実にも相談してみたが、「きょーちゃんのなかで、
もうこたえはでてるんでしょ? がんばれ、おにいちゃん!」などと
あっさり相談を打ち切られ、長々と別の話に付き合わされたな。


「なぁ、あやせ。『妹として』って言っても、おまえは実際に妹じゃ
ねぇし、具体的に、どう接すればいいんだ?」
そういう、当たり前といえば当たり前の、俺の質問に、

「いえ、何も。お兄さんが妹の桐乃にするように、一度、そう考えて
から接してくれればいいです。
ちなみに、わたしの方は、元々『桐乃みたいにお兄さんがいれば』
みたいな憧れが最初にあったので、そう思えばいいかな、と。
まぁ、それで、『結局あれは憧れだけだったのかな』とか、ちょっと
悩んじゃいましたけど、でも外から見た形なんて実はどうでもよくて、
大事なのは気持ちの中身なんじゃないかな、って。」

「あやせ・・・」

「『彼女』っていう、桐乃にはなれないポジションから奪い取ろうと
するんじゃなくて、桐乃と一緒に並んで、お兄さんを好きな気持ちで
いたい、って。それは許されるかも、って。そう、思いました。」

なんかちょっと泣きたくなる、ありがたい話だが、


「・・・でもな、桐乃と同じ気持ち、じゃないだろ?」

「同じですよ。人が人を好きになるんです。
お兄さんだって、桐乃の可愛いところ、桐乃の素敵なところ、幾つも
知ってますよね? もし、わたしと桐乃のポジションが入れ替わって
いたら、桐乃を彼女にしたくなりませんか?」

桐乃が、妹じゃなく、妹の友達だった場合?
・・・いや、確かに桐乃には、悔しいが、兄の俺でさえ尊敬せざるを
得ない面があるのは事実だし、妙に可愛い瞬間があるのも事実だ。
ここだけの話だが、いつだったかの、恋人偽装兄妹デートで浮かれた
瞬間が無かったとは言えない。
幸か不幸か、エロゲやオタク趣味みたいな共通の話題にも事欠かない
訳だし、案外付き合えるのかもしれんな。


102SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 23:58:13.59r1YbyRs8o (5/5)

「いや、それでも、妹は妹だろ。」

「確かに、妹とは、法律上で結婚はできません。でも、逆に言えば、
それだけじゃないですか。
妹と恋をして、妹と付き合って、その、ちゅーとか、したとしても、
どんな法律にも触れないんですよ?」

おまえは俺と桐乃にちゅーさせたいのかっ!

くそぅ、さぞかし気持ちいいだろうなっ!

「だから、お兄さん。どうしてもわたしを桐乃と一緒に並べられない
と言うのなら、一度彼女だったわたしを、『彼女いもうと』として、」

「か、かのじょいもうと、だと!? 何だ、その魅惑的な響きは!」

「そして、桐乃のことを『いもうと彼女』として」

「い、い、い、いもうと彼女!? ・・・いかん鼻血出て来た」

「タイプの違う二人の妹と仲良く付き合うのは、お兄さんの特技だと
聞きました。」

・・・いやいやいやいや、それは、ゲームの話だから!
しかもな、それって桐乃の調教?の結果じゃねぇかい。



「なぁ、それって、誰の入れ知恵なんだ?」
俺は、それが時々頭のおかしいあやせであっても、あやせ本人の考え
だけには見えなかったので、ちょっと意地が悪かったかもしれないが、
そう聞いた。

「ふふっ。」
あやせは少し笑って、
「わたし、お兄さんと桐乃とわたしの事を、いっぱい悩んで、悩んで、
考えて、考えて、色んな人に相談して、相談して、やっと辿り着いた
ゴールなんですよ。・・・こんな妹は、いりませんか?」

上目づかいで俺を見るあやせの瞳。
いっぱい悩んで、考えて、というのは、多分、嘘じゃないのだろう。
そうやって自分なりに苦しんで、あやせは今、俺の前にいるんだよな。


そして俺は片手を差し出しながら、あやせに頭を下げて言う事になる。

「妹から始めて下さい。お願いします。」

こんな間抜けな台詞を言う男、二人といねぇ。

そして、俺達は、兄妹になった。



103SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 00:00:35.03RgyWIAQxo (1/4)

それから、今まで、俺と桐乃とあやせは、三人でよく買い物や食事で
一緒に出かけたり、高坂家で団らんをするようになった。

以前にしていた恋人付き合いではなく、オープンそのもの付き合いだ。

あやせと二人きりになる瞬間は時々あるけど、彼氏彼女じゃないから
ちゅー、とかはしない。
(いや、元々、あやせが何度かしてくれただけなんだけどな)

『桐乃としない事はわたしともしない、桐乃とする事はわたしともする』
それがただ一つの約束ごとだった。


桐乃は、やはり、元々自分が別れさせた原因だと引け目を感じている
ところがあるみたいだったが、俺達の、というか、あやせの提案する
新しい関係をあっさり受け入れて、三人での予定をよく組んでくれる
ようになった。

まぁ、桐乃だって、ケンカ別れになったり、大きな遺恨を残しながら
あやせと付き合うのも辛い事だろうし、どうしようか悩んでいる所へ
あやせの方から寄ってきてくれた訳だから、悪くない選択だったのだ
と思う。

あいつらは、基本的に親友だし、お揃いやペアが大好きな年頃だし、
心配することも無かったな。



104SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 00:03:48.69RgyWIAQxo (2/4)

まぁ、そんなのが、ここ何年かの、俺達の風景だった。

今日は、やっぱり桐乃の立案で、クリスマスを祝して外で食事の予定
だったのだが、桐乃は少し熱が出たとやらで欠席。
あやせだけが、待ち合わせのカフェに現れた、と言う訳だ。

まぁ、こんな日に、両手に華で歩いていると刺されるかもしれんしな。

「どうします? って、聞くまでもないですよね、シスコンお兄さんは。」
「まぁ、おまえだって、俺が二人で行こう、とか言っても、さっさと
桐乃の看病に行くんだろ? 
まぁとりあえず、買うものだけ買って、急いで帰るか?」
「はい。じゃ、ケーキとチキンを適当に見繕って・・・」

自宅パーティーの為の買い物プランを立て始めるあやせ。
俺もカフェの会計のため俺は立ち上がり、そこでテーブルの上にある、
自分の小さな荷物に目が行く。

そうそう。今日は、これがあったんだ。

「あ、あやせ。これ」
「え? なんですか? ・・・これ、・・・わたしに?」

あさっての方を見ながら俺が渡す小箱を、不思議な顔で受け取った
あやせは、
「あの・・・開けますよ?」
「おう」

「・・・奇麗なシルバーリング。・・・あ、わたしの名前が入ってる、
ayase、って。」

「い、いちおう、俺の給料の3ヶ月分なんだぞ、それ」

「え、でも、お兄さん・・・、・・・そういう意味だったら、わたし
受け取れませんよ?」

「あ、違う、違う・・・訳でもない・・・か」

「どっちなんですか!」

「あ、あのな、安心しろ、ちなみに、もう一つの同じ箱は、桐乃用の
色違いだ。」

「お兄さん!あなた正気ですか!? 重婚か近親相姦か、どっちかに
して下さいよ!!」

「いや、どっちも駄目だろ」

「解ってたら、なんで! 大体、わたしが桐乃と結婚しようとしても、
あのアメリカでさえ、たった9つの州しか認めてくれないんですよ?」

「関係ねぇだろ。っていうか、調べるなよ、そんな事」


105SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 00:08:08.12RgyWIAQxo (3/4)

「・・・結局、何なんですか、これは。」

「いや、だからな。・・・これは、桐乃には、『もうちょっと家族で
いてくれ』という、シスコン兄貴の情けない告白だ。」

「・・・じゃぁ、わたしのは?」

「いつとかはっきり言えねぇけど・・・、俺が女の子を一人、本当の
家族にする時は、絶対おまえにするから、っていう・・・情けねぇか、
これも」


俺の情けない吐露を聞いて、あやせの表情が、ふっと緩んだように
見えた。
「・・・わかりました。もう、紛らわしいんですから。」


真面目なあやせのこと、俺の言い方次第で指輪を突っ返されるかとも
思ったんだが、

「おい、受け取るのか? 実質的な意味は同じ、って言ったんだぞ?
桐乃に聞いたけど、おまえ最近、告白されまくってるんだろ?」

「告白ですか? はい、結構受けますよ。でも、何か、響いて来ない
っていうか、どこか違うって言うか、そう感じる人ばかりで・・・。
やっぱり最初に付き合った人のインパクトが大き過ぎましたかね?」

「・・・あやせさん、セクハラは、ほどほどにな。」

「まぁ、『真心のこもったプロポーズをしてくれた人がいるので、』
と言ったら、大概、すぐに諦めてくれますけど」

「・・・今すぐ俺をライターであぶってくれ」

火の出そうな顔の俺を尻目に、周りのイルミネーションの光を利用し、
あやせは輝く指輪を色んな方向から眺めている。

「・・・と、とにかく、約束したからな、」
「はい。あ、じゃぁ、今日から、ちゅー解禁ですよ。・・・あ、でも、
もちろん、お兄さんが桐乃にも出来るなら、ですけど」

『桐乃としない事はわたしともしない』ってか。

「できるわけないだろが!」

「でもわたしは桐乃とちゅーできますからね、」

指輪を付けて、悪戯っぽくそう言ったあやせは、何年かぶりに、俺に
急接近して来て。
そして、ほっぺなのか、唇なのか、何とも判断にしにくい微妙な所を
さっと擦っていった。

こ、こんな人目のあるところで・・・。



106SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 00:12:01.81RgyWIAQxo (4/4)

店を出て、並んで買い物に行こうとする矢先、

「あ、わたしもお兄さんにプレゼントがあります。お揃いですよ?」
そう言って、あやせは、俺の顔を覗き込む。


お揃い、って、まさかあやせも、俺に銀色に光る指輪とかプレゼント
してくれる気だったのか、それは嬉し・・・

がちゃ。


俺の手には、確かに銀色に輝くリング状のものが装着されていた。
だが、これは断じて指輪とお揃いなどではない。

「あやせ・・・。何、これ」

「だから、お返しというか、お返事というか、サイズはどうですか?」

「ああ! ぴったりだよ! あつらえたようにな!!」

「それ、名前を入れて貰うの、すごく高かったんですよ?」

「名前入りの手錠とか、いらんわ!」

「わたしのモデルのお給料の、三ヶ月分なんですからね?」



fin

Merry X'mas でした。



107SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 00:43:03.48ipGXvYORo (1/1)

これからどう盛り上がるかと思ったら
手錠オチだったでござる


108SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 01:36:47.94AqypnWu/0 (1/1)

>>106乙

ナイスあやせをありがとうございます!


109SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 01:44:44.59m2STQHlqo (1/1)

つまらんなあ


110SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 07:38:29.73b8056reIo (1/1)

>>98-106
乙!
京桐あやせとか俺得すぎるww
あやせさんさりげなく同性婚とか調べてるしww
オチもしてやられたww

ただ京介と桐乃って3つ違いだよね?
京介が社会人1年目なら桐乃達は大学2年のはずじゃない?
楽しめただけにそこが気になった。


111SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 13:17:43.38l6F/JJoAO (1/4)

乙乙!
素敵なあやせSSでした


112SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 19:51:20.60pMrfQODGo (1/1)

とりあえず乙。
モデルの給料三ヶ月分の手錠って……。何だ、銀製とかなのか?
あやせの感性は突飛すぎて理解できないなぁ。
SSの内容も突飛すぎてついて行けなかったが。

最近あやせSSしか投下されないな。
まったくSSが投下されないよりはマシだが……。寂しいものだね。


113SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 22:33:59.01yrbnE+q9o (1/1)

桐乃や黒猫のSSが読みたければ、キャラスレに行けば選り取り見取りで揃ってる
加奈子や沙織、麻奈実やあやせのSSがお望みなら、これはもう自分で書くしかない
それにしても、何でこのスレって安易に書き手を貶すのか不思議でならない
SS速報VIPの『俺妹SS』の書き手なんか、今や絶滅危惧種に近い存在なのに……


114SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 22:38:02.09l6F/JJoAO (2/4)

感謝の気持ちが足りないよな
書いてくうちに皆上手くなるもんだよ

>>106
懲りずにまた書いてね


115SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 22:38:49.34l6F/JJoAO (3/4)

感謝の気持ちが足りないよな
書いてくうちに皆上手くなるもんだよ

>>106
懲りずにまた書いてね


116SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 22:39:43.85l6F/JJoAO (4/4)

すいません
ダブった


117SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/27(火) 03:00:55.54lfaFcNwM0 (1/1)

>>106乙
色々言われてるのはそれだけしっかり読まれてる表れ(?)だと思って
次回作もがんばってください


118SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/27(火) 12:53:20.72OLYvoXJDO (1/1)

>>106
手錠オチwwwwww


119SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/27(火) 18:50:13.01tTVBTvQSO (1/1)

投稿日時が

2011/12/24(土) 47:47:26.62 か

イブの日に投稿されてよかったよかった


120SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/27(火) 22:41:37.31VTm5bwIAO (1/1)

>>119
17歳と225ヶ月の人を連想した


121SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/28(水) 10:28:20.655OOj8P/70 (1/1)

久々に来たけどもうパート12
できてから丁度一年くらいか


122SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/28(水) 13:02:32.94NAM1pKhNo (1/1)

スレの死に目に会えてよかったな


123SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/28(水) 15:04:46.97Gpf59nr0o (1/1)

みんな正月に向けて力を溜めているのさ


1241062011/12/28(水) 16:19:17.94A3C4F5Wmo (1/1)

>>123  またそのパターンかいww

レス頂けた方、ありがとさんです。
誰もXデーに落とさないようだったので、なんとか当日中にと思って、
急遽手持ちのネタからでっち上げてみました。
やっぱりちゃんと見直さんといかんね。計算違いや誤字も山のようにww
まとめの方で訂正しときます。

原作8巻、あるいはその真裏にあるPSPあやせルート攻略失敗から
無限ループに陥る兄妹にどう尊重しながら間に割って入るか、と考え、
あやせは頭の中で動いたけど、黒猫は動かせんかったww 難しいww

ちなみに作者の脳内では、「彼女妹、妹彼女」作戦は黒猫の発案で、
ただ黒猫本人は桐乃と同ポジションになる方法論は理想の未来と
微妙に違うのでボツにしていて、そこに敵対ポジションながら真摯に
頭を下げ相談に来たあやせを認めて伝授した、という事になってます。

脳内で語らず作内で語れよ>俺


125SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/29(木) 05:58:06.67DNG/NbYAO (1/1)

意外と人いたんだな


126SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/29(木) 08:37:01.72VdKiuKk/o (1/1)

年末は、全身全霊本気出して掻く


127SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/29(木) 13:03:17.05CfgcsXcZo (1/1)

>>126
シャイニング垢擦りを思い出した


128SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2011/12/31(土) 18:13:13.34qVlTG2eAO (1/1)

今年も残すところあと数時間、なのに何このチキンレースみたいなレスのなさ
や、年末年始は何だかんだで皆多忙なんだよねと言い聞かせるのが無難なんだろうか

きたみたかいた。



129SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2011/12/31(土) 18:25:34.94GTrZxMQMo (1/1)

みんなバレンタインに向けて力を溜めているのさ


130SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2011/12/31(土) 19:15:32.049bUAhsCRo (1/1)

>>126のレスは俺なんで、マジで書いてるんだが何しろ遅筆なもんでね
除夜の鐘に間に合うかとも思ったけど、こりゃ初日の出も危うい状況……


131SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2011/12/31(土) 22:50:50.53fL7cpy1AO (1/1)

新年第一号ってことで


132SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/01(日) 04:14:50.442NSd+n4ko (1/1)

桐乃「ちょっと…き、着物姿ジロジロ見んな、キモいからっ…!」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1325346997/


133 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:40:18.88qAfCcF82o (1/20)


『黒猫』という文字を見るのもイヤな人もいるだろうから……注意書き。

題名:『ゆく年くる年』
出演:京介+桐乃    瞬間的に黒猫

投下:直ちに投下します 投下(19レス)


134 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:40:58.01qAfCcF82o (2/20)


十二月下旬ともなると、日を重ねるごとに寒さが厳しくなってきた。
今学期の成績もまずまずといったところで、今日から高校生活最後の冬休みに入った。
しかし、折角の休みだというのに、今にも雨が降り出しそうな生憎の空模様だ。
もしかすると、この辺りでも初雪が見られるかもしれない。

桐乃は、朝からどうも熱があるようだと言って、今は静かに部屋で休んでいる。
俺もこればかりはどうにも出来ず、昼にお袋が作ったお粥を持って行ってやったくらいだ。
本人も食欲はあると言うし、寝ていればその内に良くなるとは思うんだが……。
いずれにしても妹が体調を崩しているのに、兄貴の俺が外に遊びに行くわけにもいかねえ。

そういった事情で俺は、朝から部屋でネットを眺めながら時間を潰しているんだが、
どうしたことかパソコンの調子が悪くて何度も画面がフリーズしちまう。
パソコンも電気製品とはいえ叩けば直るというもんでもねえし、こうなったら仕方がない。

俺は部屋を出て桐乃の部屋の前に立つと、静かに扉を叩いた。

「……桐乃、俺だけど……入ってもいいか?」

程なくして桐乃の声が聞こえ、俺はそっと扉を開けて中へ入った。
部屋はエアコンの他に、お袋が持ち込んだ温風ヒーターと加湿器のせいでかなり蒸し暑い。
風邪のウイルスは乾燥に強く、高温多湿に弱いというから仕方がないんだろうけど、
それにしても常識とか限度があるんじゃねえかと思わんでもないが……。

「……ごめんな、寝てたんじゃねぇのか? 具合はどうよ」

「うん。……まだ熱っぽいけど、朝よりは少し良くなったかな。
 お母さんが作ってくれたお粥も美味しかったし、食欲はあるみたいだしね。
 何か用? 風邪だったらうつるといけなし、あんたは部屋に入らないほうが……」

熱のせいなのか、それとも植物園の温室のようなこの部屋のせいなのかは分からんけど、
桐乃は少しだけ顔を赤らめ、微かに笑いながら俺を見ていた。

俺の妹がこんなにしおらしいわけがない。


135 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:41:35.65qAfCcF82o (3/20)


珍しく弱々しい桐乃の態度に少し戸惑い、俺は言ってもいいものかどうか迷った。
しかし、桐乃にしても俺が様子を見に来ただけなんて思ってないだろうし、
ここはさり気ない会話で当初の目的を果たすまでだ。

「用ってほどのことじゃねぇんだけどさぁ、どうも俺のパソコンの調子が悪くってな。
 いやじゃなければ、桐乃のノーパソを貸してもらえねぇかなって、な」

「別に遠慮なんか要らないっての。
 昨日は遅くまで年賀状の印刷してたからプリンターが繋がったまんまだけど……
 プリンターケーブルの外し方わかる? あたしがやってあげられればいいんだけど」

「プリンターケーブルって、後に挿さってるケーブルだろ?」

「うん、そう」

桐乃って、兄貴の俺にこんなに親切なやつだったっけか?
掛け布団から赤い顔だけ出して笑ってるから、そう心配することもねぇんだろうけど。

俺が机の片隅に置かれたそれに気付いたのは、床にしゃがみコンセントからプラグを外し、
ノートパソコンに繋がったプリンターケーブルを外そうとしたときだった。
マスコットのような小さな金色のトロフィー。
プレートには、『千葉県中学校総合体育大会 女子 100M 優勝』の文字。

「――これ、夏の大会のときのか?」

「あ、うん……県総体のやつ」

「なんだか、優勝トロフィーにしちゃあ小さくねぇか?
 いや、こういうのは大きければいいってもんでもねぇけどさぁ」

「それはレプリカ。
 本物は、学校の校長室にあるガラスケースの中に飾ってあんの。
 公式の大会だし、選手個人には賞状とレプリカのトロフィーが渡されることになってんの」


136 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:42:15.08qAfCcF82o (4/20)


校長室の応接セットの脇にある大きなガラスケース。
その中に歴代の生徒達による部活動の成果が、堂々と収められているってわけだ。
今まで部活動なんかに興味も無かった俺には縁のない話だが、高校でゲー研に入ってみて、
そこで過ごした日々を形として残すのもいいもんだと、今更だが俺は思っていた。

「ふーん、そういうもんなんだ。
 レプリカでも成績は変わんねぇけど、どうせなら本物を呉れたっていいじゃんかなぁ」

「あたしはどっちでもかまわない。
 別に賞状やトロフィーが欲しくって、今まで陸上を続けてたわけじゃないし。
 それに、あたしが本当に欲しかったものは、そんな物じゃないし……」

桐乃はまどろむように半分だけ瞼を閉じて、何が可笑しいのか、また微笑んだ。
寝言を言っている人間に受け答えしちゃあいけねぇって都市伝説はあるが、
どうやら桐乃は寝ているわけでもなさそうだ。
それが証拠に、俺がもたもたとケーブルを外しているのを見て鼻で笑っていやがる。

「――やめたやめた。
 別に、それほどパソコンが必要だったってわけでもねぇしな。
 なぁ桐乃、おまえが賞状やトロフィーよりも欲しかったものって何なんだよ」

俺は外したプリンターケーブルを机の上に放り投げ、椅子を引いてどかっと座った。

「聞きたいの? 別に話してあげてもいいけど、聞くとあんた、大変なことになるよ」

「大変なことになるって、そう言われたら余計に聞きたくなるじゃねぇか」

「そうだね……。あんたがそう言うなら、話してみようかな。
 何だかあたしも、今日だけは誰かに聞いてもらいたい気分だし……」

桐乃は完全に瞼を閉じると、遠い記憶を手繰り寄せるかのようにゆっくりと話し始めた。
それは、俺と桐乃が、二人ともまだ小学生のときの話だった。

「……あんた、六年生のときの運動会って憶えてる?」


137 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:42:57.01qAfCcF82o (5/20)


俺が小学六年生だったとき、当然ながら桐乃は三年生なわけだ。
兄妹一緒の運動会はあれが最後だったし、そのときの記憶は俺にもあった。
しかし、記憶に残っていることと言っても、桐乃やお袋と一緒に食った昼飯だったり、
幼馴染の麻奈実が思ったよりも走るのが速かったりと、いわばどうでもいいことだけだった。

「あたしってさぁ、小さい頃は足が遅かったって、あんたには話したことがあるじゃん?
 だから、運動会なんて大嫌いだったんだけど、三年生のときだけは別なんだよね」

「……別って、何か特別なことでもあったのか?」

「100M走の順番が回ってきて、そのときもイヤだイヤだって思ってたんだけど、
 何となくゴールを見たら、あんたたち六年生が何人かゴールの横に立ってるじゃん。
 それを見て、あたし分かったんだ。
 あんたたちが、一位から三位までの子にリボンを付ける係りなんだってね」

桐乃に言われてみて、俺の記憶がうっすらと甦ってくる。
当時、俺たちが通っていた小学校には、当然のこと体育祭実行委員会なんてものはない。
普段からある委員会からそれぞれ数名ずつ指名され、運動会当日の係りになっていた。
放送委員は場内アナウンス、体育委員はその他諸々の雑用係りみたいな感じでな。

「……確かあのときって、俺は三位のヤツに黄色いリボンを付ける係りだった気がすんけど」

「あんたが手前から三人目に並んでたから、あたしもそうだと思った」

「そっか。……でも、あのとき桐乃は、確か……」

「足の遅いあたしが、一位や二位なんて初めっから無理な話じゃん?
 走るのなんて嫌いだったし、でも、あんたがリボンを付ける係りだって分かって……
 どうしてもあのとき、あたしは三位になりたかったの」


138 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:43:36.12qAfCcF82o (6/20)


桐乃は中盤からゴール間近まで、何とか三位の位置をキープしていた。
俺だって自分の妹が必死に走っている姿を見れば、自然と大声を上げて応援したさ。
しかし、結論から言ってしまえば、俺が桐乃にリボンを付けてやることは出来なかった。

「あたしも馬鹿だよね……。
 普段から走るのが苦手で練習もしないくせに、本番で早く走れるわけなんてないのに……」

桐乃は、ゴールまであと数メートルのところで足がもつれて転んじまったんだ。
俺は周りのヤツが騒ごうがそんなことには耳も貸さず、膝を擦りむいた我が妹を背負うと、
保健委員が待機する救護テントへ向かって駆け出したんだっけ。

「あんたってさぁ……あの頃からシスコンの気があったんだよね。
 お陰であのときの100M走で、あたしだけ三位どころかゴールすら出来なかったんだから」

「しっ、仕方ねぇじゃねえか! 俺だって、気が動転しちまったっていうか……」

「だからあんたは根っからのシスコンだって言うの」

あのときの件で、俺は桐乃からシスコンと言われようが構やしない。
妹が目の前で転んだのに、それを放って置いて悠長にリボンなんか付けていられるわけがねえ。
あのときの俺の行動は兄貴として正しかったと、今思い返しても断言できる。
しかし、桐乃は……

「……あたしは悔しかった。
 あんたに背負われて恥ずかしかったのもあるけど、それよりも……悔しかった」

「あのとき三位を逃したのは悔しいだろうけど、今はこうして優勝だって出来るじゃねぇか」

「ばーか。……ホントあんたって鈍いよね。そんなことで悔しかったんじゃないっての」

桐乃は瞼を閉じたまま小さく溜息を吐くと、また静かに話し始めた。

「あの日からあたしは、みんなには内緒で走る練習を始めたの。
 河原とか、中学校の裏にある公園とか、広い場所を見付けて走る練習をしたの」


139 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:44:29.91qAfCcF82o (7/20)


元々足の遅かったヤツが、そう簡単に早く走れるようになるわけじゃない。
桐乃の話では、四年生の運動会に目標を定めて何度も何度も走る練習を重ねたらしいが、
残念なことに結果は四位で終わったらしい。
一度決めたら絶対に途中で投げ出さない桐乃の性格は俺も知っている。
そのまた翌年の五年生の運動会では三位、六年生でついに一位を獲得したということだ。

俺はそんなことがあったとは知らず、桐乃から今初めて聞いて知った。
なぜなら、俺が小学校を卒業して以降、運動会を観に行くこともなかったからだ。
中学生ともなれば行動範囲は格段に広がるし、運動会に特に興味があったわけでもない。
それに、いつしか俺は、麻奈実と一緒に居ることが多くなっていたからさ。

「あたしは頑張ったのに、欲しかったものは、もうそこには無かった……。
 でも、卒業する頃には走るのが好きになって、中学に入ってから陸上部に入ったの」

瞼を閉じたままの桐乃の目から涙が滲み出し、一粒の雫が目尻からこぼれた。

俺も桐乃が中学で陸上部に入部したことは、お袋から聞いて知っていた。
桐乃は、自分がどんなに辛くても、それを他人にひけらかすようなヤツじゃない。
当時の俺は、桐乃が陰でどれほど頑張っていたかなんて気付きもしなかったし、
お袋から桐乃の自慢話を聞かされるたび、妹に劣等感さえ持ち始めるようになっていた。
俺と桐乃を比べても、元々の出来が違うんだってな。

「なぁ、陸上やってて辛かったことなんてなかったのか?」

「好きでやってるわけだし、辛かったことは他にも一杯あったから……」

「他にあるって?」

「それは……今度また……気が向いたらあんたに話してあげる」

桐乃は話し疲れたのか、小さな寝息を立てて眠ってしまった。
幾らか顔の赤味が薄れてきたように見えるのは、熱が下がってきた証拠かもしれない。
俺はそっと椅子から立ち上がって自分の部屋へ戻り、財布と上着を掴んで再び部屋を出た。

階段を下りてリビングを覗くと、お袋が相も変わらず韓流ドラマに見入っていた。
よくもまあ飽きないもんだと感心するよ。
俺は、お袋に近くまで買物に行って来るとだけ告げて外へ出た。


140 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:45:12.16qAfCcF82o (8/20)


翌日、俺は朝からどうにも身体がだるく熱もあって、今は静かに部屋で休んでいた。
食欲はまったくねぇし、昼にお袋が作ってくれたお粥を食ったくらいだ。
このまま寝ていれば、その内に良くなるとは思うんだが……。

そういえば、今日二十四日は、十二月のメインイベントであるクリスマス・イブ――
夏に黒猫に振られた俺にはまったく関係のない日だが、それでもやはり虚しい。
恋人がいるヤツは、今頃そわそわと出掛ける支度でもしているんだろう。
去年のイブは桐乃の携帯小説の取材に付き合わされたけど、今年はそれも無い。

ところで、俺の部屋には中学のときから使っている電気ストーブしか無くかなり寒い。
お袋が加湿器の代わりだと言って床に置いた熱湯が入ったバケツもすっかり冷えたようだ。
試しにそっと息を吐き出してみる。部屋の中だというのに吐息が白い。

「……凍死する前に、誰か見付けてくんねぇかなぁ」

俺が馬鹿なことを独り呟いていると、部屋の扉が勢いよく開いた。

「――ったく、何でよりによって今日熱なんか出してんのよ!」

桐乃の声はあからさまに俺を非難していたが、こればかりは俺だってどうしようもない。
元はといえば昨日の夕方、桐乃が眠った後に出掛けたのがいけなかったんだが。
案の定、俺が家に帰る頃には雪が降り始めていた。

「おまえはそう言うけどな、俺はおまえにイチゴを食わせてやりたくて……」

「もう、それが余計なことだっての。……でも、ありがと。イチゴおいしかった」

あのとき俺は、桐乃が小さい頃からイチゴが大好きだったことを思い出したんだ。
お袋も桐乃が風邪を引くと、決まってイチゴを食わせてやってたしな。
しかし、クリスマス目前のせいか、近所のスーパーでは既にイチゴは売り切れていた。
俺も意地になっちまって、駅前のデパートまで足を延ばした結果がこのザマさ。


141 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:45:49.58qAfCcF82o (9/20)


「――お袋は? また飽きもせず韓流ドラマでも見てんのか?」

「お母さんなら、ご近所の奥さんとクリスマス・パーティーだって言って出掛けたけど。
 ……多分ファミレスでご飯食べてから、その後は駅前のカラオケだと思う」

さすが俺のお袋だぜ。
息子が熱出して寝込んでるっていうのに、自分はクリスマス・パーティーときたもんだ。
大体、ご近所の奥さんも奥さんだ。専業主婦って、そんなにも暇なのかね。
今度道端で会ったら、俺の方から一言ご挨拶してやる。

「なぁ、桐乃は今年どうすんだ? 俺はこんなんだし、モデル事務所のパーティーでも?」

「一応それも考えてるんだけど……まだ分かんない」

「そっか、どっちにしろ出掛けるんだったら戸締りだけは頼むわ。
 俺は食欲もねぇし、今日はこのまま大人しく朝まで寝てることにすっから。
 それと悪いんだけどバケツのお湯――」

俺が、バケツのお湯を取り替えて呉れないかと言い掛けたときだった。
桐乃は少しムッとした表情で、勢いよく扉を開けて部屋を出て行ってしまった。
別に、桐乃が怒るようなことを言ったつもりはないんだが……。

暫くして、俺の部屋の扉が蹴っ飛ばされたかと思うと、階段を下りて行く足音が聞こえた。
やはり、今年はモデル事務所のクリスマス・パーティーに参加することにしたんだろう。
病人の俺なんかと一緒に居ても、桐乃だって面白くねぇだろうしな。

「お袋……桐乃は、間違いなくあんたの娘だよ」

俺は静けさを取り戻した部屋の中で、只ぼんやりと天井を眺めていた。
頭に浮かぶ事といえば、俺の人生で初めて出来た恋人、黒猫との出会いと別れ――
桐乃の表の親友、あやせ。……あいつにだけは、本当のことを話しておきたかったな……。

昼飯の後に飲んだ薬が効いてきたのか、俺はいつの間にかまどろみの中に落ちていった。


142 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:46:23.45qAfCcF82o (10/20)


何か物音がすると思った次の瞬間、扉を蹴破らんばかりの勢いで桐乃が部屋に入って来た。
確か桐乃は、モデル事務所のクリスマス・パーティーに行ったはずじゃ……。
そう思ったのも束の間――

「何であんたの部屋ってこんなに寒いのよ! それに、異常に乾燥してるんですケド」

「――いや、だからさっきバケツのお湯を替えて呉って……」

「馬鹿じゃないの! あたしの部屋に加湿器があるんだから、それ使いなさいよ」

俺は桐乃に怒られてるんだか、親切にされてるんだか分りゃしない。
それにしても、桐乃が口を開くたびに吐息が白くなるのは、この部屋の寒さを物語っていた。
まるで、お袋の好きな韓流ドラマをリアルで見ているようだ。
凍死する前に発見されてよかったぜ。

「今、あたしの部屋から温風ヒーターと加湿器持って来っから」

「それじゃおまえの部屋が――」

桐乃は俺の言うことには耳も貸さず、部屋を出ると温風ヒーターと加湿器を持って戻って来た。
部屋の真ん中あたりに温風ヒータを置き、バケツをどかして加湿器を部屋の隅に置く。
暫くすると微かな音を立てて、送風口から暖かな風が吹き出してきた。

「温風ヒーターって……何だか、涙が出そうなほど暖かいんだな」

「当たり前じゃん。今時、こんな古い電気ストーブなんて有り得ないっての!」

桐乃の勢いに押されたわけじゃねえが、部屋が暖まるにつれ、俺の頭も回転し始める。
モデル事務所のパーティーに行ったとばかり思っていた桐乃が、何で家に居るんだってな。
携帯を確認すると午後六時過ぎ、俺が眠っていたのは二時間くらいだったようだ。
再び桐乃は自分の部屋へ戻り、今度は折り畳み式のテーブルとクッションを持ち込んで来た。

「桐乃、そんなもの持って来て何をしようって……」

「――クリスマス・パーティーに決まってんじゃん」

兄妹二人だけのクリスマス・パーティーの始まりだった。


143 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:46:56.71qAfCcF82o (11/20)


テーブルの上には、桐乃が買ってきたフライドチキンやショートケーキが並べられている。
クリスマスケーキじゃないところが、桐乃らしいといえば言えなくもない。

「――あんなモン、夏から作って冷凍してあるなんて常識だっての」

と、言うことだ。

ベッドに横たわったままの俺には構わず、桐乃はシャンパンの栓を開け勝手に盛り上がる。
桐乃が楽しんでいるんだから俺がとやかく言うことじゃねえが、
体調を崩して寝ている俺にしてみれば、この上もなく迷惑なことなんだが……。

「あんたさぁ、あたしが昨日、熱のせいで変なこと喋っちゃったの覚えてんでしょ?」

「……変なことって、どんな?」

「ど、どんなって……小学校のときの運動会のこととか……。
 ――そんなことはどうでもいいっての!
 この際、あんたにもあたしに聞かれて恥ずかしいことを話してもらうかんね」

俺が桐乃に聞かれて恥ずかしいことなんか、自分から話すわけがねえ。
それに、俺が人に話すのも恥ずかしい話なんて、そう幾つも持ち合わせちゃいねえよ。
一つや二つ黒歴史がないことも無いが、そんなことは既に記憶の彼方だ。

「あんたなんか、生きてること自体が恥ずかしいんだからさぁ、幾らだってあるでしょ」

そこまで言われるんなら、話してやらないこともないが……。

「桐乃は小さかったけど憶えてるか?
 以前、クリームパンとチョコレートパンをくっ付けたような菓子パンがあったろ?」

「二色パンってやつでしょ?
 あたし昔から好きだったし、今でもコンビニなんかでときたま見掛けるけど……
 でも、何でそれがあんたが恥ずかしい事なの?」


144 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:47:41.66qAfCcF82o (12/20)


桐乃はチョコレートが入った方が大好きで、どっちか選ばせると必ずチョコの方を選ぶ。
俺が二色パンを半分に割ってやると、桐乃はお預けを喰らっていた子犬のようにパクついた。
しかし、それからが問題だった。
残ったクリームパンの方を俺が食べようとすると、桐乃は恨めしそうな目で俺を見るんだ。
結局のところ、クリームパンの方も桐乃が食べることになるわけだ。

「それはあんたが恥ずかしいんじゃなくて、あたしが恥ずかしい事じゃん!」

「いや、妹に菓子パン取られるってのは、兄貴としてはかなり恥ずかしいぞ」

俺と桐乃は、お互いに顔を見合わせて思わず吹き出した。
はっきり言ってどうでもいい話だったし、他人が聞いても分からない話かもしれん。
しかし、俺の胸は自然と熱くなる。
なぜなら、こうして再び桐乃と笑い合える日が来るとは思ってもみなかったからな。

桐乃がふと立ち上がって、窓のカーテンを細目に開けた。

「……どうした?」

「うん――。何だか寒いなぁと思ったら、雪が降ってるんだね。
 少し積もってきたけど、お母さん、大丈夫かなぁ……」

「――俺、お袋の携帯に掛けてみっから」

お袋の携帯電話に掛けてみると、あろうことか出たのはご近所の奥さんだった。
バックに聴こえてくるのは大音量の韓流歌謡曲と、お袋の歌声……。
俺はご近所の奥さんに丁重にご挨拶し、静かに携帯を切った。

「桐乃……お袋のことはもう忘れた方がいいぜ」

兄妹二人だけのクリスマス・パーティーは、ホワイトクリスマスで幕を閉じた。


145 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:48:24.65qAfCcF82o (13/20)


大晦日――我が家にとって、大掃除の最終期限でもある。
普段から俺の部屋は、頼みもしないのにお袋が掃除して呉れるお陰で案外と片付いている。
しかし、大晦日に限ってはお袋もそこまでは手が回らず、自分で掃除する他なかった。

俺と桐乃も朝から――と言いたいところだが、既に陽は落ちて外は真っ暗だった。
何しろ掃除を始めたのがつい今し方なんだから、当然といえば当然かも。
別にサボっていたわけじゃなく、受験生の身で冬コミに顔を出したのがいけなかった。
隣りの部屋からも、バタバタと大きな音が聞こえてくる。
あいつは俺と違って昔から物持ちだから、大掃除ともなると大変なんだろう。

ふと、机の上に無造作に置かれた同人誌に目が留まる。
桐乃と沙織、そして、かつて俺の恋人だった黒猫が今年の冬コミに出品した物だ。
俺は受験勉強があるからと適当な理由を付けて、同人誌の製作は辞退した。
桐乃は残念そうだったが、販売だけでも手伝ってと言って、俺を無理やり会場へ連れ出した。

「……あなたの妹って、あなたに似て相変わらずお節介を焼くのが好きなのね。
 私たち二人だけ残して沙織とお昼へ行ってしまうなんて、この私にどうしろというのよ」

「ま、まあな……。つか、新しい学校はどうよ?」

桐乃がどうしても俺を冬コミに連れて来たかった理由は、俺には初めから分かっていた。
あの日以来、俺を避けるようにしていた黒猫と、無理にでも会わせたかったんだろう。
俺のためなのか、それとも黒猫のためなのかまでは分からんけどな。
それにしても、久しぶりに見る黒猫は、やっぱり美人だ。

「……ええ、何とかやっているわ。嘘じゃないわよ。
 お節介などこかの誰かさんが、毎日のようにメールや電話をしてくるんですもの」

「毎日のようにって……桐乃が?」

「他に誰がいるのよ。
 ……どうせあんたには友だちなんか出来やしないんだから、とか、
 お昼は学校のトイレで独り寂しく食べてるんでしょ、とかね」

「それって、幾らなんでも酷くね?」

「私、桐乃がどんな性格なのか知っているわ。
 それに、桐乃も私の性格は十分に熟知しているのよ……」


146 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:49:07.70qAfCcF82o (14/20)


俺の知っている黒猫は、元々極度の恥ずかしがり屋で、寂しがり屋でもあった。
そして、俺と同じ高校へ通っていたときに見せた芯の強さと優しさも黒猫の持ち味である。
誰かが寄り添ってそっと背中を押してやるだけで、黒猫は一歩踏み出すことが出来る。

「――で、友達は出来たのか?」

「ええ、まだ数人だけど、仲良くしてもらっているわ。
 私が電話で友達が出来たと言ったら、桐乃が絶句した様子が手に取るように分かったわ。
 ……それから、安心してくれたこともね」

桐乃と沙織が昼飯から戻るまでの僅かの時間、俺と黒猫はお互いの想いを語り合った。
どんな話をしたのかは、この先も暫く俺の胸の内に収めておこうと思う。
今日は、思い切って冬コミに出掛けてみて本当に良かった。

階段を駆け上がる音がすると思った次の瞬間、勢いよく扉を開けて桐乃が部屋に入って来た。
そういや、いつの間にか隣の部屋が静かになった気がしていたんだが……。
そう思ったのも束の間――

「ねぇ! お母さんったら、また出掛けちゃったんだけど……」

「出掛けちまったって、お節料理とか年越しソバはどうすんだよ」

「お節料理は御重に詰めてもう用意してあった。
 それに、『緑のたぬき』がテーブルに置いてあったから、年越しソバは……」

「お袋のヤツ、子供たちだけで勝手に年を越せってか――それもインスタントかよっ!
 ……いいよ桐乃、俺がお袋の携帯に掛けてみっから」

親父は警察官という職業柄、年末年始は特に忙しく家に居たためしがない。
だから我が家では、正月といえば家族三人で過ごすことが普通だったんだが……。

お袋の携帯電話に掛けてみると、俺の予想した通り出たのはご近所の奥さんだ。
バックに聴こえてくるのは大音量の韓流歌謡曲と、お袋の歌声……。
俺はご近所の奥さんに丁重にご挨拶し、静かに携帯を切った。

「桐乃……お袋のことはもう忘れた方がいいぜ。
 それより、『緑のたぬき』食ってからでもいいけど、一緒に初詣に行かねえか?」


147 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:49:39.60qAfCcF82o (15/20)


日本三大八幡宮の一つにも数えられる鎌倉・鶴岡八幡宮――
まあこの際どうでもいいことだが、俺たちは京成、総武線、横須賀線を乗り継いで、
神奈川県鎌倉市にある鶴岡八幡宮へ来ていた。
家を出てから二時間ちょっと、除夜の鐘までには何とか間に合った。

「ねぇ、あんたが初詣に行くなんて、てっきり地元の神社かと思ったんだけど……。
 有名な所だからあたしだって文句はないけど、なんでここなの?」

「その内に分かると思うけど、おまえに見せてやりたいモンがあるんだ」

「あたしに見せたいモンって?」

「……だから、その内に分かるって。
 そんなことよりほら、除夜の鐘が聴こえてきたろ? そろそろ俺たちも参拝しようぜ」

といって簡単に参拝できるような場所じゃなかった。
俺たちの周りは、拝殿を目指す数千どころか数万人の初詣客で既にごった返している。
もしここで桐乃と逸れでもしたら、今度再会するのは自宅以外には有り得ねえ。

「桐乃――」

俺と桐乃はお互いの手を取って、巨大な群衆の波に飲み込まれていった。
目指す拝殿は、俺たちが並んだ最後尾の遥か数百メートル前方、階段を上り切った先にあった。
数十メートルおきに初詣客はロープで仕切られ、ロープが上がると整然とまた前進する。
よくこれで暴動が起きないもんだと思うが……まいいや、正月だもんな。

「な、何だかとっても凄いんですケド。
 あたしたち、ちゃんと参拝できるのかなぁ……」

「時間は掛かるかもしんねぇけど、確実に前進してることは間違いねえよ」


148 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:50:11.82qAfCcF82o (16/20)


俺たちはかなりの時間を人波に揉まれながら前進し、ようやく参拝を済ませた。
深夜の初詣なんか初めての経験だったが、桐乃はご機嫌のようだし……ま、いっか。

「ねぇ、あんたもあたしも今年は入試だし、御守りをもらっておきたいんだけど」

「そうだな。……今更神頼みってわけじゃねぇけど、折角来たんだしな」

初詣も済ませ、合格祈願の御守りも授かり、これで俺の目的の半分は達成したことになる。
後はこの寒さの中、桐乃が乗って来るかどうかだけなんだが……。
使い捨てカイロを服の下に忍ばせてあるとはいえ、この寒さに耐えられるかどうか。

「ねぇ、さっきあんた、あたしに見せたいモンがあるって言ってたけど……」

「ああ、ここからそう離れた所じゃねぇんだが……問題は、時間なんだよな」

桐乃の顔がパッと明るくなった。

「もしかして、初日の出? ねぇ、初日の出なんでしょ?」

「……まだ時間があるし、ファミレスでも入るか?」

「ねぇ、どこで見られるの? 周りはお寺ばっかなんですケド」

だめだ。俺の話なんか聞いちゃいねえ。
俺が地元の神社や、千葉県でも有数の成田山新勝寺を避けたのには理由があった。
桐乃に初詣の後、初日の出を見せてやりたかったんだ。

鎌倉の鶴岡八幡宮から一時間も歩くと、そこには由比ヶ浜と材木座海岸が広がっている。
海岸線の左手に横たわる三浦半島の端から昇る初日の出が見られる……はずだ。


149 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:50:58.30qAfCcF82o (17/20)


若宮大路を貫くように造られた段葛の参詣道は、参拝へ向かう初詣客で賑わっていた。
この時間に海岸へ向かう人は少なく、人波に逆らいながら歩かざるを得ない。

「桐乃、迷子になっちまうと後が面倒だから――」

今まで気付かなかったが、桐乃が手のひらを擦り合わせて息を吐き掛けている。

「おまえ、かたっぽの手袋どうしたんだよ」

「あ……うん。お参りしたとき外したんだけど、右手の方だけ落としたみたいでさぁ、
 人混みの中だったから見付かんなくて……」

桐乃の着て来たダウンジャケットは、ファッション性重視なのか表にポケットがない。
生憎と俺は手袋なんて使わない人間だし、両手をポケットに突っ込んで済ませる派だった。
近くにコンビニがあればいいんだが……。

「それじゃあ手が冷たいだろうが。
 コンビニなら手袋くらい売ってるだろうし、そこで買ってから行こうぜ」

「あ、でも、わざわざ買うのも勿体無いじゃん。
 そっ、それに……こうすればいいと思うんですケド」

「――なっ!」

桐乃は俺の着ているダウンジャケットのポケットに、自分の右手を無理矢理ねじ込んできた。
俺が、既にポケットに手を突っ込んでいるにもかかわらずだ。

「あんたが歩き辛いって言うなら別にいいから……」

「ばーか。……そんなこと気にしてねぇよ」

冷え切った右手を温めてやろうと、俺はゆっくりと桐乃の手を握った。
使い捨てカイロが時間を掛けて温まるように、桐乃の右手が少しづつ温まってくる。
俺たちは、人波に逆らいながら残りの若宮大路を黙って歩き続けた。


150 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:51:43.41qAfCcF82o (18/20)


海岸線に沿って走る国道を渡ると、少ないが既に人が集まっていた。
驚いたことに海岸の所々で焚き火がたかれ、初日の出を待つ人たちに暖を提供していた。
背中にKAMAKURAの文字が入った防寒着を着ているところを見ると、市の関係者かもしれない。
俺と桐乃は、まだ誰も居ない焚き火の一つに近付いて暖を取った。
天空には満天の星が煌いているし、今年の初日の出に問題はなさそうだ。

「……あたし、こんな日がまた来るなんて思ってもみなかった」

焚き火の炎に照らされ、桐乃の顔は火照ったように赤く染まっていた。
俯き加減で足元の砂を蹴り上げながら、ポツリポツリと呟くように話す桐乃。

「あたしが、中学に入った頃だったかなぁ……。
 何でだか分かんないけど、あんたがあたしに話し掛けて呉れなくなって……。
 ――あれ? あたし、兄貴に無視されてんのかなって。
 別にあんたに嫌われても困るわけじゃないし……それならそれでもいいやって思ってた。
 あたしには、初めっから兄貴なんか居なかったんだって思えばいいだけだし……。
 そうなんだけど……そうなんだけどさぁ……」

遠く離れて暮らす兄妹なら、そう思い込むことも可能かもしれない。
しかし、一つ屋根の下で暮らす俺たちに、そんなことが出来るわけもなかった。
親父は厳格な人で、親父が居るとき、食事は必ず家族一緒というのが決まりだったからな。
桐乃の隣りにはいつも俺が座っているわけだし、居ないと思う方が無理な話だった。

「お母さんはご近所の奥さんがどうしたとか、どうでもいい話ばっかしてるし、
 あんたはあんたで、お母さんの話なんか聞いてもないくせに無駄に相槌打ってるし……」

ポケットの中で繋いだ桐乃の手が、俺の手をギュッと握り締めた。

「……あたし、家の中でご飯のときが一番辛かった」


151 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:52:33.78qAfCcF82o (19/20)


桐乃は黙々と食うだけで、食事中に家族と話をすることはあまりしなかった。
俺も桐乃の性格が、どこか親父に似てきたからじゃねえかくらいにしか思わなかったし、
まさか、桐乃がそんなことを思っていたなんて、考えてもみなかった。

昔を想い起こしてみれば、俺にだって分かったはずなのに。
桐乃の頑固さや芯の強さは親父譲りでも、元来はもっと明るいヤツだったってな。
そして、桐乃が家の中で無口になっちまったのは、俺のせいだってことも。

「あたしの趣味があんたにバレてさぁ……
 どうせ、あんたはあたしのことなんか関心がないんだろうって思ったんだけど、
 あたしもどうしていいか分かんなくてさぁ、思い切ってあんたに相談したんだよね……」

東の空がわずかに白み始めて来たが、海はまだ暗く、西の方角は未だ暗闇の中だった。
元旦の海は穏やかで、小さな波音だけが耳に届く。
焚き火から時折聞こえるパチパチとはぜる音が、なぜか俺の心に突き刺さった。

「あたし、あのときあんたに人生相談とか言っちゃってさぁ……余裕がなかったんだよね。
 言っちゃってから、どうせあたしのこと馬鹿にするんでしょって思ったんだけど……」

「桐乃……。俺は、おまえのこと馬鹿になんかしねえって言ったろ」

「うん……うん、そうだよね。
 馬鹿にするどころか、お父さんに殴られたりとか……あやせに嫌われたりとか……。
 どうして……?」

「……俺が、おまえの兄貴だからじゃねえのか」

俺は、以前からずっと疑問に思っていたことがあった。
桐乃がなぜエロゲーに嵌まっちまったのかってな。それも、よりにもよって妹物なんかに。
イラストが可愛かったからなんて、あのとき桐乃は言ってたけど……。
答えは、意外と簡単なところにあったんだ。


152 ◆Koneko/8Oc2012/01/01(日) 23:53:29.85qAfCcF82o (20/20)


相模湾の西、三浦半島の影がはっきりと浮かんできた。
ほの暗かった水平線が徐々にオレンジ色に輝き、見る間にその輝きを増してくる。
桐乃は諦観したように、それでいてどこか楽しそうに呟いた。

「あんたなんか――兄貴なんか、好きになるんじゃなかった」

沈痛な響きを持つ言葉とは裏腹に、桐乃は晴れやかな顔でジッと海を見詰めている。
桐乃が見詰めるその先に見ているものは、朝焼けを伴って昇り来る初日の出なのだろうか。
それとも、俺と桐乃の未来なのか……。

俺はポケットの中で繋いだ桐乃の手をギュッと握り締めて、心の中で初日の出に誓った。
桐乃が俺を必要とする限り、何があろうともこの可愛い妹を守り抜いてやるってな。

「ねぇ兄貴、本当はあたしのこと好きなんでしょ。……いつから好きだったの?」

「おまえが生まれたときから――」

「……バカじゃん」


(元旦)


153SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/02(月) 00:10:31.69ZL1AzZB+o (1/1)

>>133-152
おつ!
鎌倉の描写がやたらリアルで情景が浮かんできたよ


154SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/02(月) 00:15:28.16g61wGsVIP (1/1)

>>152
乙です
最後にあえて兄貴呼びさせたのは含むところがあるのかなとも思ったけど
そこ以外は描写も細かくてすごくよかった


155SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/02(月) 00:52:45.74uABlUY0AO (1/1)

>>152
大作乙。
うまいこと言葉が出ないが、いいエピソードだな~
つられて桐乃を書きたくなってしまう

あと佳乃さんが非常に活き活きしていてよかったでふ。



156SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/02(月) 01:22:32.64zPrvL/bHo (1/1)

やべぇ、普通に読んでたww
おつかれさまー

もっと黒猫を絡ませていいのよ(チラッチラッ


157SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/02(月) 08:17:14.16tjF6lhhZo (1/1)

これはすげえ。
しみじみとした感じがすごく良かった。俺妹初期の雰囲気を思い出したよ。
乙でした。


158SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/02(月) 17:00:34.78vaeljfvDO (1/1)

良いわぁ…


159以下、あけまして、おめでとうございます2012/01/02(月) 23:43:52.11g7VmI5gAO (1/1)

久々に時節にマッチしたSSきたな
1年前に戻ったようで嬉しい
さぁ、次の方もこれに続いて!


160以下、あけまして、おめでとうございます2012/01/02(月) 23:53:28.03TDDHT8oQo (1/1)

…下手すると次はバレンタインの時期になるかもな


161以下、あけまして、おめでとうございます2012/01/03(火) 00:31:55.413/Z5/J4/o (1/2)

一年前の今頃、SS投下するのも順番待ちだったけどね……
ところで、まとめwiki訪問者100万人突破おめでとうございます


162以下、あけまして2012/01/03(火) 01:16:52.32wj0el9eAO (1/1)

ホントだ100万だ
10巻とゲームと(あれば二期と)で200の大台に弾みがつきますように、っと

一年前の名残は今も>1にあるね
個スレ分散してるけど、どこも各々のペースで続いてるし、ここがもう少し盛り返せば良い感じのバランスになりそ


163以下、あけまして2012/01/03(火) 15:24:07.79yCzctEVAO (1/1)

100万おめでと!


164以下、あけまして2012/01/03(火) 19:44:45.21Vh1Jon51o (1/2)

遅くなったが乙
二回も読み返しちまった


今日俺妹P(初回版)をゲットしたんだが、どのルートから始めようか?
順番とかオススメがあったら教えろください


165以下、あけまして2012/01/03(火) 19:46:10.02Vh1Jon51o (2/2)

あ、すまん。こんなところで出す話題じゃなかったな
忘れてくれ


166以下、あけまして2012/01/03(火) 19:53:06.11N100CzKco (1/1)

ここより人が多いゲームスレに行ったほうがいい


167以下、あけまして2012/01/03(火) 22:51:02.733/Z5/J4/o (2/2)

どうも ◆Koneko/8Oc です。
今回のSSの中に、致命的な間違いがあることに気付いた人はいるでしょうか?
相模湾の西は伊豆半島で、三浦半島は東だったってことに orz


168以下、あけまして2012/01/03(火) 23:03:44.10oJa/Jyc3o (1/1)

投下乙

書き溜めてるSSが、浮かんでるオチに持っていけなくて3ヶ月くらい放置してるな・・・
ポンポン作品出してる人ってほんと羨ましい

>>164を見て俺妹P続が発売したのかと思ったら前作のことか
発売日が2ヶ月近く違うから一瞬焦ったぜ
ちなみにあやせルートを最初にやると、他のシナリオはそんなに楽しめなくなると思っておいた方が良いかもね


169以下、あけまして2012/01/04(水) 23:18:45.20btQuLs8lo (1/1)

個別スレのひとつが、作者の書き込みがないまま三ヶ月経過したんで落ちたな
書き手がまた一人、『俺妹』のSSに見切りをつけたってわけか?


170以下、あけまして2012/01/05(木) 00:12:28.97dv0aIDuAO (1/1)

とは限らないさ。
残念には違いないが、引継ぎで立ったほうを応援しよう。
あの壊れかけ桐乃の再現は……困難だろうけど



171VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2012/01/06(金) 04:47:40.83uv5bnuDAO (1/1)

むしろ綺麗にまとまって終わった個別スレの方が少ない気がする


172VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/06(金) 21:45:41.82TsmtaMwho (1/1)

明日は1/7だから、七草粥でもネタに書いてみようかと思ったけど……間に合わなかった

「あやせが七草粥を作って持って来たって、桐乃から聞いたんだけど……
 何が入ってるんだ?」

「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、トリカブト……スズナ、スズシロ……ですけど。
 ――それが、どうかしたんですか?」

  ↑これを元に展開しようとしたけど、無理だった


173VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2012/01/07(土) 08:20:43.11eWlTz83AO (1/1)

バッドエンド一直線


174VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/07(土) 21:59:25.51+m7ItxDWo (1/1)

企画物:SSの中の登場人物と簡単なシチュ(またはストーリー)をください


175VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/07(土) 23:33:08.991cmLyNrn0 (1/1)

あやせと黒猫の、本気の修羅場が見てみたと呟いてみるテスト


176VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/08(日) 02:15:34.23EHQsp9N9o (1/1)

それ自虐で終わるだけじゃね


177VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/10(火) 23:40:40.37qVsdcrg90 (1/1)

>>176
自虐で終わってもいいじゃない。
どんなSSだろうとも、SSある方が他の人も投稿しやすいだろうし、
良いSS作品も出てくるんじゃない?


178以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2012/01/10(火) 23:57:40.243pdkHOJoo (1/1)

いいえ


179VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/11(水) 00:20:35.34rDcdPq5AO (1/1)

俺妹で修羅場ってのがそもそもハードル高い、しかも本気のときたら……想像しにくいなぁ

京介じゃなく桐乃をめぐる、のほうがまだイメージできる。
(それって修羅場ではない気もするけど)



180VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/11(水) 22:27:57.58k6nhtM0Zo (1/1)

>あやせと黒猫の、本気の修羅場が見てみたと呟いてみるテスト

テストってことだから、修羅場へ持っていくまでの序盤だけテストで投下しちゃマズイよな?
序盤どころか、今後の展開を臭わせる程度でしかないけど……


181VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2012/01/12(木) 18:17:29.60G0M16Irb0 (1/1)

いつ最新刊でるのか教えてくれ


182VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2012/01/12(木) 19:49:22.48cauCBL/AO (1/2)

久しぶりにここ来たわ。
10巻あれかな、ゲーム続編の話作ってて遅くなったとか
いつもこんな遅いっけ?


183VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/12(木) 19:54:45.75yEX3gZBw0 (1/1)

>>180
テストで投下しても良いと思うよ
むしろ、そんな感じでも投稿できる、それがSS板の醍醐味じゃない?


184VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/12(木) 20:15:40.184cmxmAnAO (1/2)

>10巻

4月以降らしいね。


185VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)2012/01/12(木) 22:22:09.394cmxmAnAO (2/2)

記憶喪失ネタもいいかもしんない。

夢から醒めきらないまま、そんなことを思ったものの、
意識がはっきりしてくるにつれて現実的な認識が否応なしに立ちはだかる。

「完璧にかぶってるじゃん……」

つい声に出してしまうあたり、動揺は大きかったらしい。

べつに二番煎じだとか気にするタイプでもないのだけど
ifにifを重ねるとか、もう誰の物語なのかその意義が疑わしくなりそうで立往生してしまう。


ヒロインが記憶喪失になって既存の関係性がリセットされて、元に戻らないとしたら、
それってキャラ崩しというかオリキャラ化と言っても過言でない…よね



186VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/12(木) 23:16:48.527B+gpKpuo (1/6)

>>180です
テストで投下してもスルーしてもらえそうだから、投下しちゃおっかなぁ
てか、黒猫とあやせを対決させるって、心情的に書きづらい……
どちらに軍配を挙げるかで結末が変わってくるし
区切りのいいところまで書いたので、続きを書きたい人がいたら御自由にどうぞ


187VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/12(木) 23:17:30.427B+gpKpuo (2/6)


冬休みが終わって桐乃はいつも通りに学校へ行ったが、俺は引き続いて今日も休みだ。
入試本番を直前に控え、俺の高校でも三年生は自由登校になったから自宅で勉強というわけ。
お袋は掃除洗濯と昼飯の支度を終えると、ご近所の奥さんのところへ遊びに行った。
別に俺に気を遣ったわけじゃねえだろうけど、俺も静かな方が勉強しやすいことは確かだ。

時計の針が午後一時を回り、お袋が作り置きした昼飯を食い終わったときだった。
家の前でバイクが一旦停まる音が聞こえたかと思うと、暫くするとまた遠ざかって行った。
今さら年賀状はねえだろうと思いながら、玄関を出てポストを覗くと一通の封筒が入っていた。
封筒の表には、ワープロで打たれた俺の家の住所と俺の名前だけ。

一見すると何の変哲もない普通の白い封筒だが、裏返して見ると差出人が書かれていない。
表の消印から市内から投函されたものだと分かるだけで、俺にはまったく心当たりがなかった。
封筒をいつまでも眺めていたところで埒が明かず、俺は思い切って開封してみることにした。

俺が訝しげに封筒の中身を引き抜くと、中に入っていたのは、たった一枚の写真だけだ。
桐乃と黒猫、そして俺と沙織の四人が並んで歩いている姿が写っている。
バックに写り込んでいる風景から、昨年の暮れ、冬コミの会場付近で撮られたものだと分かる。
いや、この場合は盗撮されたと言った方が適切かもしれねえな。

四人が一緒に写っているわけだから、撮ったのは俺たち以外の第三者しか有り得ない。
俺の家の住所を知っていて、俺たちと同じように冬コミに来ていた誰かの悪戯かもしれない。
どこの誰が、どんな意図があってこんな写真を俺に送って寄越したのか――

「――ふざけやがって!」

俺は、写真に込められた悪意に気付いて思わず吐き捨てた。
写真はかなり遠目から撮られたものだったから、俺も危うく見落とすところだった。
目を凝らして写真をよく見ると、桐乃が横を歩く黒猫に紙袋の中身を自慢げな顔で見せている。
そんな桐乃を無視するように、黒猫は少し後ろを歩く俺と沙織の方を振り向き――
黒猫の姿が後ろ姿に見えて、てっきり黒猫が振り返っていると思ったのは俺の見間違えだった。
あろうことか黒猫の顔だけが、黒いマジックで塗り潰してあったんだ。
それもきっちりと、丁寧にな。


188VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/12(木) 23:18:05.887B+gpKpuo (3/6)


俺はリビングのソファに寝そべって、あらためてその写真を眺めた。
写真の中の桐乃が紙袋を持っているところを見ると、冬コミの帰り道で撮られたに違いない。
俺は記憶の糸を手繰り寄せるように、瞼を閉じてあの日のことを思い浮かべた。

確かあのとき、俺たちとは反対側の道路に、エンジンを掛けたままの車が一台停まっていた。
それも、普通の乗用車じゃなくて、かなり大きめのワゴン車が停まっていたはずだ。
後部座席の窓はすべてスモークガラスで覆われ、人が乗っているかどうかも分からなかった。
しかし、俺にはその車の特徴にどことなく見覚えがあった。

かなり以前の話になるが、秋葉原UDXの駐車場で、俺は確かにあの車を見た記憶がある。
それは、あやせが加奈子の着替え用に用意したワゴン車――。
なぜこんな場所に、あのときのワゴン車が……。
そう俺が思ったとき、隣を歩く沙織がいきなり声を掛けてきたんだっけ。

「――京介氏。
 拙者、さっきから京介氏に話し掛けているのですが、拙者では御不満でござるか?」

「あ、いや、そうじゃなくて……すまねえ。
 ……沙織がどうとかじゃなくて、ちょっと、気になることがあったもんだからな」

「ほほう。拙者の美貌よりも気になることとは、京介氏も隅に置けませんなぁ」

この際、沙織は横に置いておくことにする。

東京ビックサイト周辺は、雑誌やテレビなんかの撮影でもよく利用されているようだ。
俺と桐乃が沙織たちの案内で初めて夏コミへ行ったときも、あの場所では撮影が行われていた。
そして、あのとき撮影していた雑誌のモデルの一人が、あやせだったってわけだ。

今回も偶然だろうが、ファッション誌か何かの撮影が行われていて、あやせもあの場所に居た。
となると、あのワゴン車の中にあやせが居なかったとは言い切れない。
そう考えれば、すべての辻褄が合うじゃねえか。
しかし、それでもなお疑問は残る。なぜ、黒猫の顔を真っ黒に塗り潰したのかってな。


189VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/12(木) 23:18:42.747B+gpKpuo (4/6)


昨年の夏の出来事があってから、俺はあやせと顔を合わせてはいなかった。
あやせが俺に相談を持ち掛けてくることもなくなったし、メールさえも来なくなった。
俺の携帯が着信拒否されているのは、これはもうお約束みたいなもんで……。

あやせから罵声を浴びせられたり、酷い目に遭うのはいつものことだから気にしていない。
しかし、俺があやせと今まで通り顔を合わせることが出来るかといえば疑問だった。
あのとき、あやせが俺に怒っていたのは事実だが、単にそれだけじゃないような気もする。
上手く言えねえけど、何か悔しそうというか、とても哀しそうな顔をしていた。
俺の記憶では、あやせがあのように哀しげな顔を見せたのは、多分これが二度目だ。

考えがまとまらぬままソファーに寝そべっていると、いつの間にか桐乃が学校から帰って来た。
こうなったら、あやせの動向を知るには、今は桐乃に訊いてみるしか方法がねえ。

「そういや……来月、高校入試だろ? あやせって、今でもモデルの仕事やってんのかなぁ」

「あやせは事務所に入ってるから、時々撮影があるみたいだけど、それがどうかしたの?」

「別にどうもしねぇけど、何となく思い出したもんだからさ」

俺があやせの名前を出した途端、俺を見る桐乃の顔が急に疑い深げな表情に変わった。
勘のいい桐乃のことだ。下手に深追いすると、逆に俺が墓穴を掘る恐れがある。
もし、今回の件があやせの仕業だったとしても、別に俺や黒猫に実害があったわけじゃない。
それなのに俺が大騒ぎして、わざわざ事を荒立てる必要もねえよな。


190VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/12(木) 23:19:08.297B+gpKpuo (5/6)


例の写真が俺に送られて来てから、数日後の土曜日のことだ。
その日の午後、冬コミ以来久しくしていた黒猫が俺にメールを送ってきた。
件名はなく本文のみで、俺に駅前のファミレスまで至急来るようにとの内容だった。
それも、ひらがなだらけの……。
あの几帳面な性格の黒猫が、こんなメールを俺に寄越すわけがない。
俺は何か嫌な予感がして、壁に掛けてあったダウンジャケットを羽織ると急いで家を出た。

しかし急いで家を飛び出したものの、俺の足は途端に止まった。
黒猫が、この俺にどこのファミレスに来いと言っているのか分からなかったからさ。
まさか引越し先の松戸ってことはないだろうし、考えられるのは、俺でも知っている店だろう。
俺は取り敢えず黒猫にメールを返信し、一番可能性が有り得そうな店へと急いだ。

「――いらっしゃいませ。御一人様ですか?」

「いや、もしかすると、友だちが先に来てるかもしれないんですが……」

ウエイトレスさんの笑顔に愛想笑いで応えながらも、素早く店内を見回す俺。
一番奥まった壁際のテーブルに、少し頬を紅潮させ緊張した顔で座っている黒猫が見えた。
黒猫は対面に座っている人物と話をしているらしく、俺には未だ気付いていないようだ。
俺はウエイトレスさんに事情を告げて、黒猫の居るテーブルへと近付いて行った。

黒猫もようやく俺に気付いたようで、少し安心したような顔になったのが見て取れる。
しかし、問題は黒猫と対面して話をしているヤツの方だった。
ある程度予想していたこととはいえ、まさか本当に黒猫を呼び出すとは……。

「――お待ちしていました」

「あ、いや……俺としては、あんまし待ってて欲しくなかったっつーか……」

黒髪ロングの美少女が二人も同席なんて、本来なら盆と正月が一緒に来たようなもんだが……。
しかし、今日のこの組み合わせは、俺にとって史上最悪の組み合わせだった。

「どうぞ、お兄さんは五更さんの隣りにお座りください」

「別に、新垣さんの隣に座ってもいいのよ」

「俺は隣のテーブルに座った方が…………すみません、冗談です」


191VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/12(木) 23:19:58.707B+gpKpuo (6/6)


結局、迷った挙句に俺はあやせの隣りに座ることにした。
黒猫の隣に座っても良かったが、それだと俺と黒猫が、あやせに尋問されているみたいだからな。
それに、何となくだが、俺はあやせと真正面から視線を合わせるのが怖かったのかもしれない。

俺が席に着くと、それを見計らったようにウエイトレスさんが注文を取りにやって来た。
駅まで急ぎ足で来たせいか、ダウンジャケットを脱いでも汗が噴き出しそうだ。

「……えーと、アイスコーヒーって注文できますか?」

ウエイトレスさんが俺の注文をハンディターミナルに入力していると、隣のあやせが口を開いた。

「すみませんが、鍋焼きうどんもお願いします」

「――鍋焼きうどんって、あやせが食うのか?」

「お兄さんが食べるに決まってるじゃないですか」

あやせは俺に鍋焼きうどんを食わせて、ここに暫く足止めを食らわせる気だ。
黒猫もそんなあやせの意図に気付いたらしく、口に手を当てて笑いを噛み殺していやがる。
俺はウエイトレスさんにこの窮状を目で訴えるが、彼女は軽く会釈をすると厨房へ戻って行った。
どうやら、この場に俺の味方はいないようだった。


(テスト)


192VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2012/01/12(木) 23:20:41.90cauCBL/AO (2/2)

京介が車の教習所かよう話とかあった?
もうすぐ免許とるから京介も高3だしって思って、合宿の方が面白そうだな 京介が家にいなくなるから


193VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2012/01/13(金) 00:00:46.05d0e9BUAAO (1/1)

ごめん途中だった?終わり?面白いから続きみたいな
どっちに軍配って言うなら無難に喧嘩両成敗じゃ駄目かな


194VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/13(金) 06:29:10.08USlc+mDz0 (1/1)

>>186
おもしろい。
てか、続きが気になる!
どっちに軍配をあげるか悩むなら、>>193のように、喧嘩両成敗か
ゲーム方式に、2つエンディング作るという手もあると思うよ。

続き、期待してます!


195VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/14(土) 19:48:27.59rcM2KwWDO (1/1)

>>191
イケるやん!


196VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/01/17(火) 03:33:27.45Y5BRUgxCo (1/1)

完結まで頑張って!


197VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/18(水) 23:48:22.85w1owpdWro (1/1)

総合といい個別といい、すべての俺妹SSの更新が止まってるのを見ると
これはこれで不思議な緊張感が漂うのは何でだろう?

本当は書きあがってるくせに、出し惜しみしてる書き手さんがいるんじゃない?(願望)


198VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/01/19(木) 00:07:52.634VpSSKH+o (1/1)

バレンタインに向けて力を溜めてるのさ


199VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/01/20(金) 03:47:01.52y4vAXLMro (1/1)

節分もあるしな


200VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/20(金) 17:51:41.90RPR47OnAo (1/1)


       *'``・* 。
        |     `*。
       ,。∩      *    もうどうにでもな~れ by 京介
      + (´・ω・`) *。+゚
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚


201VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2012/01/22(日) 02:38:47.31lFogZmfR0 (1/1)

アニメ第2期ってあるのかな?個人的にはあってほしいのだが…


202VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/22(日) 14:59:30.23We8zJSuU0 (1/1)

原作の8巻9巻で萎えたからアニメならもうアニメオリジナルのストーリーでやってくれって感じだな


203VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/22(日) 19:55:03.65zSQy+dYDO (1/1)

アマガミみたいなヒロインごとのオムニバス形式でいいんじゃね


204VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/23(月) 00:41:17.96PA2zNJ2AO (1/1)

それは見たい
が、公式がそういった売り出しかたを是とするか疑わしくもある。

過去例だと、アマガミもそうだけど、各ヒロインの並立ありきでないとオムニバスにはならないようだしなー
メイン(ダブル)ヒロインとか、主題とかに重きを置いてるラノベ原作のアニメ化だと難しい気がする。

俺妹ポータブルのアニメ化、とかならありかもしれんけど。
……ないか



205VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/23(月) 01:46:50.15wSGBvHFvo (1/1)

桐乃「ツイスター・・・ゲーム・・・?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327243352/


206VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/01/24(火) 00:14:11.83PUjyOZDy0 (1/1)

石崎「一緒に帰ろうぜ」

キリノ「で、でも……あたしはみんなにでかい口叩いてここにきたのに……やっぱり駄目だって、日本に逃げ帰れって……」

キリノ「できるわけないでしょッ!そんな情けないこと!あたしを誰だと思ってんの!」

石崎「……お前は札幌のフォワードだ!」

キリノ「……っ……意味の分からないこと言って……」

石崎「お前は札幌のフォワードだ!心配して何が悪い!調子悪いんだろ?点が取れないんだろ?だったら日本に戻ってこいよ!」

キリノ「そんなの関係ない!あたしは絶対に勝たなきゃいけないの!だから勝つ!」

石崎「出直せばいいじゃねえか。お前は焦りすぎだ。いったん帰って、調子を戻してからもう一度勝負すりゃいいじゃねーか?それじゃ駄目なのかよ」

キリノ「くどい!あたしは絶対帰らない!」

石崎「………」

ガバッ

キリノ「きゃっ!」

石崎「お前がいないと俺が寂しいんだよ!」

キリノ「あ、あんた……」




キリノ、2年ぶり復帰…札幌
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20120123-OHT1T00073.htm




207VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2012/01/26(木) 17:05:41.456W+ot0aS0 (1/1)

京介の高校って公立?私立?


208VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2012/01/26(木) 21:33:11.08PeyFkg0s0 (1/1)

>>207
京介は公立。


209VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/01/27(金) 14:23:17.24DJrjLWLlo (1/1)

ふとあるラノベ読んで思ったんだが
桐乃が京介に(ネトゲで)結婚してくれって言って京介が振り回される
こういうネタで何か書けねーかな・・・


210VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/27(金) 20:25:46.96jZAgBor9o (1/1)

キャラスレでやれ


211VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/27(金) 21:13:17.22QtP3ONdW0 (1/1)

>>210
君みたいな板(痛)奉行が、スレを衰退させるとなぜ気付かん。



212VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/27(金) 21:31:50.44GDyhTKC0o (1/1)

もうすぐ2週間も投下無しだからねぇ
なんでもかんでも>>210じゃ個別が無いキャラメインの話しか投下できんわ

妄想を文章にしてみようと思ってもなかなかうまくいかない
シチュは固まってるけど具体的に誰目線で語るのか、とか考えはじめると投げ出したくなる
即興とかで書いてる人は凄いよな


213VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/28(土) 08:17:57.32cIBeRLlSO (1/1)

京介「ふざけるなよ!兄妹でセックスして何が悪いんだ!」あやせ「」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327546771/l50


214VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/28(土) 11:49:41.14Wkpzs60go (1/1)

見に行こうとしたら落ちてた


215VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/29(日) 15:08:27.34Z9Fvf3aDO (1/1)

すぐ消える場所で立てる人って何考えてるのかわからん
後から知ったらどうすりゃいいんだ?
そういう人って自分でまとめWikiに載せることもしないし


216VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/01/29(日) 20:21:54.45fwE2qeUr0 (1/1)

>>215

検索項目に題名を入れてググれば、後からでも消えずに見れるよ。
とりあえず、調べてみよう!


217VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/30(月) 02:25:55.49qK8Tzh4No (1/2)

>>215
つ ログ速
2chの全ての板の過去スレが現行・dat落ち関係なしに見れる


218VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/30(月) 02:30:34.96qK8Tzh4No (2/2)

>>212
俺も去年の10月くらいからぼちぼち書き溜めてるけど、脳内のシチュを実際の文章にしようとするとうまく言葉にできなくてすぐに指が止まる


219VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/30(月) 22:16:44.25Dtr9nlYAO (1/1)

>>1……書くって、難しいね……

おもにストーリーラインとか〆とかが



220VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)2012/02/01(水) 10:19:17.73pE5m3X+b0 (1/3)

なぁ、質問していい?
瀬菜って京介の事なんて呼ぶか知ってる人いる?

知ってるんだったら教えろ下さい。お願いします。


221VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)2012/02/01(水) 10:20:19.18pE5m3X+b0 (2/3)

あ、それと京介が瀬菜の事を呼ぶときもお願いします。


222VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)2012/02/01(水) 12:22:27.59KpXW7A1AO (1/1)

>>220
高坂せんぱい
>>221
赤城
(心中、あるいは兄と区別するときは瀬菜)



223VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県)2012/02/01(水) 14:42:40.21pE5m3X+b0 (3/3)

>>222
ありがとう!
お礼が遅れてしまって申し訳ない。


224VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/02/03(金) 22:43:38.874XruVgtto (1/1)

桐乃「オニは?外!えいっ」

京介「いててっ!なんで俺に豆投げるんだよ」

桐乃「だってホラ、『オニ』は外でしょ?だから『お兄ぃ』は外!」(ドヤァ

京介「……」

桐乃「……なによ?」

京介「いやぁ、お前が俺のことを『お兄ぃ』なんて呼ぶのは新鮮だなって思ってよ」

桐乃「ち、違っ!そうじゃなくて、節分の鬼に掛けて言っただけで――」

京介「なぁ、もう一回言ってみてくれよ」(ニヤニヤ

桐乃「う、う、うっさいバカ!シスコン[ピーーー]っ!」

京介「ぐわっ!顔を狙うのは止めろっ……!」



こんな節分SS待ってる(´・ω・`)


225VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)2012/02/03(金) 23:09:53.865Qi9UQCco (1/1)

桐乃「私の兄貴がこんなに可愛いわけがない!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328212343/


226VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/02/04(土) 00:24:53.72SEIOTJDJ0 (1/1)

>>224
おい、続けろ


227VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/04(土) 03:53:47.56lVLj/GiDo (1/1)

VIPに投下される台本形式のSSも勢いがあって面白いけど……
そこそこ地の文があって、じっくりと読めるSSもって言ったら贅沢かな?
こっちは過疎り過ぎてて寂しい


228VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/02/04(土) 04:39:43.949M2azfEuo (1/1)

バレンタインにはたくさん投下されるさ


229VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)2012/02/04(土) 05:04:48.44eahb5a8zo (1/1)

沙織「もう鬼は嫌でござる……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328298832/


230VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/04(土) 05:05:49.71FQv7xYuSO (1/1)

沙織「もう鬼は嫌でござる……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328298832/l50


231VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/04(土) 12:49:35.38qRSkSw/xo (1/1)

>>229-230
おま結


232VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/06(月) 22:55:14.52+9Wt/I9Po (1/1)

京介「なんで俺の部屋にアイツの香水が?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328530101/


233VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/06(月) 23:51:20.46Ls+E2b09o (1/1)

>>3は、先の見通しが甘かったことを反省したほうがいいと思うの
このままだとバレンタインどころか……

ところで、総合向けにSSを書く書き手さんって生存してますか?


234VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/07(火) 00:00:35.05F/7zTqxKP (1/1)

統合向け、というか
桐乃SSを書けば桐乃スレへ、黒猫SS書けば黒猫スレへ、なんて風潮が出来上がっちゃってるような現状、
それ以外のキャラのSS書く人しかここに投下しない感じになってるし
長くなるようなものは個別でスレ立てたりもしてるしな

せっかく書いて投下したのに「○○いけ」なんていわれれば書く気も失せるってもんじゃねえの



23532012/02/07(火) 00:30:48.24fDsaphMAO (1/1)

な、名指し?
反省しましゅ…

書く気のあるひとは何人か居ると思うんだけど



236VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/02/08(水) 01:31:28.26GGRE/K5V0 (1/1)

別に、ここでキャラ別の長いSSあっても良いと思うんだけどなぁ。
「○○行け」って言ってる人は、ここを過疎化させるのが目的なのかなぁ…


237VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/08(水) 19:55:50.74RT3x2FaLo (1/1)

沙織バジーナ「京介殿今日もお口でいいでござるか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328693656/

前スレがあったみたいだけど自分は未確認


238VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/08(水) 22:16:24.595cNHio9vo (1/1)

書き手の皆さん、バレンタインイベントが目前ですが、SSの仕上がり具合はどーですか?
このイベントを逃すと、次のイベントは当分ないんじゃありませんか?
今なら100レスだろうが200レスだろうが、どんな長編SSでもOKです
ほんの数人の読み手のために、膨大な時間を浪費してみるのもいい思い出になりますよ

という冗談はさておき、最近はVIPにしか投下されなくなっちゃったね
やっぱ読者も多いし、反応がリアルタイムで伝わってくるのが作者にとってはいいのかね
VIPは台本形式がメインだけど、読者もその方がいいのかしら


239VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/08(水) 22:35:08.86+B1hJN5Bo (1/1)

あっちだと原作知らない人も見てくれる可能性があるから…かな?
それだとキャラの口調とか分からないから台本形式のが理解しやすいとか


240VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/02/08(水) 22:48:15.09nd3JlluRo (1/1)

VIPに投下される量が増えたわけでも無いし
単純にここから人が居なくなっただけじゃないの


241VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/10(金) 23:36:26.14q2fUHZnco (1/1)

取り敢えずバレンタインネタで書き始めたが
なんとか来年の2月14日までには仕上がりそうだよ


242VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/11(土) 00:36:31.59nwG11EVno (1/1)

期待してます


243VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/12(日) 21:56:52.97AUOPYNiWo (1/3)

最近ネタ切れなんで、何かSSのネタになるようなシチュがあれば……
言うだけじゃ申し訳ないから、たった2レスだけど投下します


244VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/12(日) 21:57:36.91AUOPYNiWo (2/3)


あやせから突然の呼び出しを受けたのは、日曜日の夕方のことだった。
いつもの公園へ行くと、あやせは俺の顔を見るなり笑顔になり、ベンチから立って駆け寄って来た。
俺があやせと会うのも久しぶりで、確か去年夏の悪夢のような出来事があって以来だ。

「急に呼び出したりして済みませんでした。
 でも、どうしてもお兄さんにお渡ししたい物があったもので……
 受け取っていただけますか?」

あやせがそっと差し出したそれは、きれいにラッピングされ、真っ赤なリボンまで掛けてあった。

「……これって、もしかしたらチョコじゃないのか?」

「はい、一応わたしの手作りなんです。
 お兄さんのお口に合えばいいんですが、何しろ初めてのことなんで自信がないんです」

あやせにはいつも酷い目に遭わせられていたが、やっぱ、あやせは俺のこと……。
今までの手錠も殴打も火炙りの刑も、すべてはあやせの不器用な愛情表現だったのかもしれん。

「俺、あやせから貰えるなんて思ってもいなかったから……なんてお礼を言ったらいいのか。
 ……でもさぁ、バレンタインチョコにしちゃあ、早くねぇか?
 今日はまだ12日だし、バレンタインデーってあさってだよなぁ?」

「誰がバレンタインデーのチョコだなんて言ったんですか?
 わたし、一言もお兄さんにバレンタインチョコだなんて言ってませんけど。
 でもでも、チョコであることに変わりはありませんから」


245VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/12(日) 21:58:13.61AUOPYNiWo (3/3)


チョコに変わりはないが、バレンタインチョコではないと言うあやせ。
俺があやせの言った言葉の意味を理解できずにいると、あやせはニッコリと笑って俺に言った。

「お兄さん、あまり細かいことは気にしないでください。
 それよりも溶けてしまうと、せっかくの手作りが台無しになってしまうので……」

「そ、そうだよな。せっかくあやせが作ってくれたのに、俺、なに馬鹿なこと言ってんだろうな」

公園でのあやせとの会話はそこまでで、あやせは最後に俺と握手をして帰って行った。
あやせから俺に握手を求めるなんて……。
それはともかくとして、あやせの気持ちは十分俺に伝わった。
俺はその後、どうやって家まで辿り着いたのかも憶えていないほど有頂天になっていた。

その日の夕飯は、お袋の定番であるいつものカレーだった。
俺は夕飯もそこそこに、速攻で風呂に入り終えると自分の部屋に閉じこもった。
これから寝るまでのひと時、ラブリーマイエンジェルあやせたんとの妄想タイムだ。
俺はあやせが着ているセーラー服のリボンを解くつもりで、チョコの包みに掛かっているリボンを解く。
続いてセーラー服のファスナー……じゃなくて、包み紙の端をそっとつまみあげると……。
おっ!? ご丁寧にメッセージカードが入ってるじゃねぇか。

『お兄さんへ
 今年は、桐乃からバレンタインチョコをもらえるかもなんて期待してませんか?
 この毒入りチョコを食べて、早く死んでください ♥』

さてどうするか。
こうなったら次回のSSネタとして、読者の判断に任せたほうがいいかもしれん。
今後の俺のとるべき道を示してもらえればありがたい。

(了)


246VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2012/02/12(日) 23:34:24.646aNu0/X4o (1/1)

食べるに決まってるだろ


247VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/13(月) 04:46:20.723D3XVXXCo (1/1)

>>243-245
乙!
食べた上で桐乃のチョコももらって、いつものドタバタコメディになる方向でww



248VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/16(木) 13:36:48.20MXRCtxhDO (1/2)

>>245


やっぱりあやせはあやせだったか。
続きがあるんですね、期待します!


249VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/16(木) 13:38:22.68MXRCtxhDO (2/2)

リハビリがてら、久しぶりに書きたい。
ネタをください。2月中に投下します。


250VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/16(木) 22:18:44.59ds4tOKmPo (1/1)

>>249
桐乃が麻奈実のことを一方的に嫌っているのは周知の事実
しかし、事実は小説より奇なりで、真相は小学生の頃のあやせが原因だった
みたいなのをお願いします

京介は、中学校の卒業を間近に控えた加奈子から、ある日突然の呼び出しを受ける
加奈子は手にした紙袋からあるものを取り出し、真剣な顔で京介にある頼み事を告げた
みたいなのでもいいです

円高に苦しむブリジットのパパが、彼女を残して突然の失踪
大好きなパパがいなくなったブリジットは、悲観のあまり幼女援交を決意する
しかし携帯で客を探すのは怖いので、実際に顔を見てから声を掛けようとと秋葉原へ出掛けた
たまたまブリジットが声を掛けた相手が京介だった
というのもありかな


251VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/16(木) 22:35:31.23//Cp8DE0o (1/1)

加奈子が実は京介の幼少期に一緒に遊んだ幼馴染だった
男のような格好と言動で気づかなかったということで
そんでふとしたきっかけで加奈子だけがそれに気づいて、京介にも自発的に気づいて欲しいので行動する的な

まぁよくあるネタです


252VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/18(土) 03:42:42.39WHuSvfHSO (1/1)

桐乃「京介とのキスが気持ちよすぎてやめられない」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329499579/l50


253VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/02/19(日) 02:51:45.38pEZdGjbpo (1/1)

>>245
遅くなったけど乙!


254VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県)2012/02/21(火) 03:31:54.63KJ8aCYFb0 (1/1)

沙織さんssは無いか。今振り返ってみると、「タイが曲がっていてよ」シリーズは本当に凄かったな。


255VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/22(水) 18:05:57.50wi2PZnXSO (1/1)

環境が落ち着いて来たんで久しぶりに書こうと思ったら口調が思い出せなくなってて愕然たる心境
瀬奈って「高坂先輩」と普通のですます調でいいんだっけ?今手元に原本がないんだ


256VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/22(水) 21:42:27.42bcFB/wEmo (1/1)

>>255
そうか……手元に原本がないのは残念だね
瀬奈の口調はですます調じゃなくて、語尾に『…だけれど』とか『…だわ』が付くことが多い
それと蛇足だが、服装はゴスロリまたは中学校のときのジャージだよ


257VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/22(水) 22:39:39.09SBLsNd6AO (1/1)

なんという狡猾な罠wwwwww

>>255
瀬「菜」だよ。奈はベルフェゴールのほう。

瀬菜っちの登場するSSを準備してる書き手が二人もいるなんて……胸熱



258VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/23(木) 01:05:30.32B2QxSXpSO (1/1)

>>256
五更さんステマやめてもらえますかね
一瞬本気で信じたよ

>>257
あ、ほんとだ単純な間違えで申し訳ない
てかSSWiki見たら表記上は「せんぱい」なのね
他に別に偏った口調はなかった覚えがあるが……


259VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/02/23(木) 01:18:19.39QePqyI+wo (1/1)

3月に出るゲームを買えばキャラの口調もバッチリ!


260VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/23(木) 08:05:26.91ChKLvsY8o (1/1)

原作者以外が書いたシナリオだとおかしいとこ多いけどね


261VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/23(木) 20:12:04.42Z336RpiKo (1/1)

ラブリーマイエンジェルのシナリオは三木らしい
個人的には桐乃義妹シナリオと加奈子シナリオに期待
彼方さんも出るみたいだし

あと原作は4月10日に最新刊発売

それまでは2次創作で耐え忍ぶしかなさそうだな


262 ◆Koneko/8Oc2012/02/26(日) 00:56:01.06eW/jd3bio (1/9)

ドタバタコメディってのは、どうもわたしには無理なようでした
>>245の続き……取り敢えず、これで完結します

8レス投下します

ネタを置いといてもらえれば、時間は掛かりますがまた書かせてください


263 ◆Koneko/8Oc2012/02/26(日) 00:56:44.38eW/jd3bio (2/9)


俺がつい先程まで、二次試験に向けて自分の部屋で勉強をしていたのは嘘じゃない。
しかし、一息入れようとキッチンへ降りて来て、いつもの癖で麦茶をひとくち口に含んだのがいけなかった。
穏やかな冬の午後、柔らかな日差しがリビングの大きな窓を通して、部屋一杯に広がっていたんだ。
何気にソファーに目をやると、レースのカーテン越しに射し込む光が、俺に優しく手招きをする。

俺は麦茶の入ったコップを手に持ち、その光に誘われるままソファーに腰を下ろしちまった。
一息入れたらすぐに部屋へ戻るつもりだったのに、いつの間にか俺は、夢とうつつを行き来していた。
桐乃がいつもこのソファーに座っているせいか、あいつが小さかった頃のことを夢に見ながら……。

「――ほら、鶴ができたぞ。……で、次は何を折ればいいんだ?」

「うーん……なんかさぁー、ツルには見えないんだけどぉー。
 でもいいや、じゃあね、次は……このかみふうせん」

俺が小学校の図書室から借りてきた『おりがみ教室』という本を、桐乃は小さな手でめくって指差した。
今じゃ考えられないことだが、俺たち兄妹にとって、当時はごく当たり前の風景だった気がする。
桐乃がまだ保育園に通っていたとき、あの頃の桐乃の可愛さといったら尋常じゃない。
俺が学校から帰るのを心待ちにしていて、ときには通学路の途中まで出て来て待っていたもんさ。

「おかえり、おにいちゃん」

だから、俺が帰り道に友達と一緒にいる姿を見掛けると、桐乃は少し不安そうな顔になる。
もしかしたら、今日は、自分と遊んでくれないんじゃないかって思ったんだろう。
俺の友達もそのあたりは察してくれていたようで、俺の肩を軽く押して帰って行った。
桐乃は、友達が角を曲がって見えなくなるのを確認すると、ようやく安堵した顔になったもんだ。

「――で、桐乃、今日は何して遊ぶんだ?」

遊んでくれると分かった途端、本当は嬉しいくせに、しかしそれを俺に悟られまいとして口ごもる。


264 ◆Koneko/8Oc2012/02/26(日) 00:57:17.04eW/jd3bio (3/9)


「桐乃、遠慮なんかすんな、俺は何をすればいいんだ?」

「あんた、そんなとこ座って、あたしに用を言い付けられんのずっと待ってたとか?
 もしかして、あんたってさぁ、生前はお使い犬かなんかだったんじゃないの」

俺がうっすらと瞼を開けると、そこには超短い制服のスカートから長い二本の足が伸びていた。
夢の中の幼い桐乃に声を掛けたつもりだったが、つい口を突いて声が出たらしい。
あの頃の素直で可愛かった桐乃は、立派に成長を遂げた後だった。

「じゃあーさぁー、このチョコ、お鍋でトロトロになるまで溶かしといてよ」

桐乃が俺の目の前に突き出した袋には、大きな板状のチョコレートが入っていた。
スーパーで買って来た製菓用のチョコレートだということだが、何でこの俺がそんなこと……。
待てよ。もしかすっと、俺のためにバレンタインチョコ!?
いやいやいや、俺が鍋でトロトロに溶かすまでやったら、あとは型に入れて冷やすだけじゃねえか。
桐乃から貰えるのは有り難いが、ほとんど俺の手作りチョコみたいなモンで、何か嬉しくねえ。

「俺が鍋でチョコを溶かしちまったら、桐乃は何をやるんだよ」

「何って、型に入れて冷やすに決まってんじゃん。
 本当はあんたなんかにやらせたくないんだけど、あたし、これから買物に行かなきゃなんないし。
 ラッピング用の可愛い包装紙とか、それにリボンも必要だしね」

「俺は別に、そんな可愛いラッピングなんて無くてもいいんだが……」

「ばかじゃん! 何か勘違いしてるようなんですケド。
 バ、バレンタインチョコなのに、何が悲しくてあたしがあんたにあげなきゃなんないのよ。
 ま、まぁ……あまったら、カケラくらい食べさせてやってもいいけど」


265 ◆Koneko/8Oc2012/02/26(日) 00:57:54.06eW/jd3bio (4/9)


俺はチョコのカケラで尻尾を振るようなマネなんかしねえし、ましてやお使い犬でもねえ。
しかし待てよ。桐乃が、俺以外にチョコを渡すような男って……いるのか?
桐乃の同級生の男? いや、桐乃に限ってそれはねえだろう。
じゃあ、モデル仲間の御鏡? いや、あいつは三次元の女の子には興味がないはずだ。

「な、なぁ桐乃。……バレンタインのチョコ、誰にやるつもりなんだよ」

「誰って、あやせとか加奈子とか、ランちんとかと交換するに決まって……。
 ――あっ、そっか。あんたさぁ、このあたしが誰にチョコをあげるか心配なんだ?
 妹が誰にチョコをあげるか気になるなんて……あんたって、本当にシスコンの鑑だよね」

桐乃は感心したように俺の顔を馬鹿にして見ていたが、俺はまったく別のことを考えていた。
明日になれば、桐乃は手作りバレンタインチョコをあやせにも渡すつもりだ。
あやせもまさか俺が陰で手伝ったなんて思いも寄らないだろうが、俺の生存は確かめるかもしれん。
何しろあやせは、俺に早く死ぬようにとメッセージカード付きのチョコを渡してきた張本人だ。

俺が今日も無事に生きているのは、何もあやせのチョコを食わなかったからじゃない。
昨夜、思い悩んだ末に俺はあやせから貰ったチョコを一口だけ食ってから、机の引き出しに仕舞った。
本当に毒が入ってるなんて思っちゃいねえが、あやせのことだから強力な下剤くらいなら……。

「あんた、あたしの言ったこと聞いてた?
 あたしが帰ってくるまでに、ちゃんとお鍋でチョコレート溶かしておきなさいよね」

「――ん? ああ、鍋で溶かしとけばいいんだろ」

取り敢えず、あやせのことは横に置いとくとして、今やるべきことは鍋でチョコレートを溶かす……。
――って、俺は桐乃の召使いかっての!


266 ◆Koneko/8Oc2012/02/26(日) 00:58:24.39eW/jd3bio (5/9)


桐乃は小一時間もすると、手に紙袋を提げてリビングへ現れた。
どうやら気に入ったラッピング用の包装紙が買えたらしく、かなりご機嫌のご様子だ。

「どう? ちゃんとチョコ、溶かしてある――って、あ、あんた、何やってんのよ!?」

「何やってるって、言われた通りに鍋で溶かしてるじゃねえか」

俺は、鍋で溶かしたチョコを得意げにお玉ですくって桐乃に見せた。
お袋が作るカレーと同じ要領で、ドロッというよりもサラッとしていて、中々の出来栄えだ。
ドロドロのカレーが好きな奴もいるだろうが、俺はこんな風にサラッとした感じの方が好きなのさ。
しかし、俺のドヤ顔とは対照的に、桐乃の顔はまたたく間に真っ赤に染まっていく。

「あんたまさか、お湯の中に直接チョコを入れたんじゃないでしょうね!」

「他にどうやって溶かすっていうんだよ。
 カレーのルーだって、肉や野菜をグツグツ煮込んでから入れるだろうが」

「カレーのルーって――チョコを溶かすときは、湯せんして溶かすに決まってんじゃん!」

「……湯せん? やっぱ、お湯で溶かすんじゃねーか」

俺が鍋をかき混ぜながら、桐乃から湯せんについて講義を受けたのは言うまでもない。
その後、桐乃は、俺がかき混ぜている鍋をジッと見ながら腕を組んで何やら考え込んでいた。
俺の額に汗が滲み出し、背中には冷たいものが流れる。

「ええっと、桐乃さん? これを型に流し込めばいいんだよな?」

「固まるとでも思ってんの?」

「……ちっとばかし水分が多いかと」

「とにかく火を止めて。……何かいい方法がないか考えてるから」


267 ◆Koneko/8Oc2012/02/26(日) 00:59:00.66eW/jd3bio (6/9)


こういうときに限って、時間は無駄に過ぎて行くもんだ。
桐乃はキッチンの椅子に腰を下ろし、テーブルに頬杖を突いて眉間にしわを寄せていた。
俺はというと、桐乃の命令で今も鍋の中のチョコレートを丹念にかき混ぜている。

「加奈子は、わけを話せば赦してくれるだろうけど……あやせはどうしよう」

「おまえが誠心誠意、土下座でもして謝れば、あやせだって赦してくれるんじゃ……」

「誰のせいでこんなことになったと思ってんのよ!!」

「そりゃあ、チョコを溶かすの失敗したのは俺のせいだけど、俺に頼んだおまえにだって――」

桐乃が、いきなり椅子から立ち上がった。
俺はてっきり殴られるものと覚悟したんだが、桐乃は通り過ぎて冷蔵庫の前で立ち止まった。
先程までの阿修羅の如き顔とは打って変わって、何やらニヤついているのが怖い。

「うぷぷ。……あたし、いいこと思い付いちゃった」

桐乃は冷蔵庫の扉を開け、中から牛乳パックを取り出した。

「牛乳なんかで、どうするつもりだ?」

「まあ見てなさいっての――」

俺が訝しげに見ていると、桐乃は再びコンロの火をつけて、鍋の中のチョコに牛乳を注いだ。
少し注いではかき混ぜ、また少し注いではかき混ぜる動作を何度も繰り返す。
鍋の中のチョコは、粘り気のあるカレールー状態から、次第にビチャビチャへと変化していった。
どう考えても、これは絶対に固まるわけがない。

「なぁ桐乃、これって……もしかして」

「あんたにも分かった? これは、あたし特製のホットチョコレート」


268 ◆Koneko/8Oc2012/02/26(日) 00:59:30.68eW/jd3bio (7/9)


バレンタインデー当日。
昨夜からの冷え込みは昼過ぎになっても変わらず、今にも雪が降ってきそうな生憎の空模様だった。
俺がつい先程まで、二次試験に向けて自分の部屋で勉強をしていたのは嘘じゃない。
しかし、あやせから再び呼び出しを受けた今、これまでの努力はすべて水泡に帰すかもしれねえ。

「さてと……殺されに行って来るか」

覚悟を決めていつもの公園に足を踏み入れても、そこにあやせの姿はなかった。
ポケットから携帯を取り出し時間を確かめ、俺はベンチに腰掛けて運命の時刻(とき)を待った。
冬の児童公園はいかにも殺風景で、かつてこの場所で繰り広げられたあやせとのバトルも今は昔。
空を見上げると、微かだが白いものが舞っているようにも見える。

「やっぱり生きていたんですね。わたしがあれほど忠告したのに……」

声に驚いて振り返ると、そこには冷酷な表情をしたあやせが立っていた。
あやせは、ポケットに突っ込んでいた右手をおもむろに出すと……

「これでも喰らえ! えいっ!」

「痛っ! いっ、いきなりなんてことすんだよ!」

あやせが投げ付けた物が俺の顔に当たって、地面に散らばった……ん?

「こっ、これはチロルチョコじゃねーか!」

あやせは再びポケットに手を突っ込むと、俺の顔をめがけてチロルチョコを投げ付けた。
俺は手で顔を覆いながら、散らばったチロルチョコを地面に這いつくばるようにして拾い集める。
他人が見たら不思議で異様な光景に見えるかもしれん。
しかし、誰が何と言おうが、今日は正真正銘のバレンタインデーだ。
どんな形であろうと、あやせからのバレンタインチョコであることに変わりはない。


269 ◆Koneko/8Oc2012/02/26(日) 01:00:22.44eW/jd3bio (8/9)


「お兄さんは、恥ずかしいとは思わないんですか?
 桐乃が、わたしや加奈子のために作ったバレンタインチョコを独り占めするようなマネをして」

「……ん? ちょっと待ってくれ、あやせ。
 桐乃が作ったバレンタインチョコを俺が独り占めしたって、どういうことだ?」

「この期に及んで、まだシラを切るつもりですか?
 お兄さんなんかチョコに当たって死んじゃえっ! えいっ!」

白を切るも何も、俺は桐乃が作ったバレンタインチョコを独り占めしたなんてことはない。
俺がチョコを溶かすのに失敗したのは事実だが、それは桐乃にも原因がある。
お菓子作りはおろか、料理だってろくにやったこともねえ俺に無理矢理やらせたんだからな。

結局、バレンタインチョコは牛乳を混ぜてホットチョコレートへと変身し、俺と桐乃の胃袋へと納まった。
桐乃も正直言ってお菓子作りは苦手だったらしく、俺の失敗をいいことに有耶無耶にしやがった。

「ちょ、ちょっと待てっての。
 桐乃は、あやせに何て言ったんだ? 俺がひとりで全部飲んじまったって言ったのか?」

「せっかく作ったバレンタインチョコを、お兄さんが勝手に食べちゃったって言ってました」

桐乃のヤツ、あやせに本当のことが言えないからって、全部俺のせいにしやがったな。
しかし、俺が本当のことを言えば、また桐乃とあやせの仲が悪くなりそうだし……。
面倒なことになる前に、俺が謝っちまった方が得策かもしれん。

「――あやせ、俺が悪かった!
 確かに、俺は桐乃がせっかく作ったバレンタインチョコを全部食っちまった。
 おまえの気が済むって言うなら、俺を煮るなり焼くなり好きにしてくれ」

「えいっ!」

「か、顔はなるべく避けてくれ!」

「えいっ!」

「痛っ!」


270 ◆Koneko/8Oc2012/02/26(日) 01:01:04.51eW/jd3bio (9/9)


虚しい攻防がしばらくの間続いた。
あやせのバレンタインチョコって、こんなにも痛い思いをしないと貰えないものなのだろうか。
俺のスタジャンのポケットが拾い集めたチロルチョコで一杯になった頃、あやせも弾が尽きたようだ。
それでも、あやせはポケットに手を入れたまま、悔しそうな顔で俺を睨み付ける。

「わたし、桐乃とは親友ですから……
 桐乃がお兄さんのことをどう思っているかなんて、口には出さなくても分かります。
 分かっていますけど……」

「あやせ……俺は……」

「――えいっ!」

あやせが最後に投げ付けたそれは俺の胸で跳ね返り、小さな音を立ててそのまま地面に落ちた。
明るい青い包装紙でラッピングされ、濃紺のリボンが丁寧に掛けられている。

「あやせ、これって……」

俺が拾い上げる間もなく、あやせは無言のまま駆け出して公園を出て行った。
あやせとの攻防の最中に降り出した雪は、いつしか公園の草木に薄っすらと積もり始めている。
何か言い掛けようとしたあやせの口元が、俺の脳裏にいつまでも残った。

家に帰って机の引き出しをそっと開け、先日あやせから渡された毒入りチョコ? と並べてみる。
今回のチョコも一口食べてみると、苦味の利いたビターチョコレートだった。
そして、これも予想していたことだが、あやせからのメッセージカードが添えられていた。

『お兄さんへ
 誠意を見せてください』

だってさ。

(了)


271VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/26(日) 03:05:53.01XxvpV/tyo (1/1)



投げ当てられたチロルチョコを必死になってかき集める京介・・・さすがと言うかなんと言うか、何でこんなに違和感ないんだろうな


272VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/02/26(日) 03:07:41.43GK0AM9vjo (1/1)

あやせバレンタインと一緒に節分もやってね?


273VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/02/26(日) 06:18:19.66QEefLMbY0 (1/1)

乙!

俺の嫁を此処まで可愛いく書ききるとは...



274VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/26(日) 17:05:54.35+QSgiftVo (1/1)

桐乃もあやせも可愛いなww 乙!


275VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/28(火) 16:40:41.06hzFoCFtDO (1/1)

やはりあやせは京介の嫁だな


276VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/29(水) 01:37:06.218KOHllHOo (1/1)

>>249
さて、そろそろPCの前で待機するとしようかね


277VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)2012/03/01(木) 20:08:14.23MkNuWSr0o (1/1)

>>270
 乙でした。
 桐乃が湯煎を知っているとは驚きの展開だった。
 ドラマCDのブックレットでは、チョコから石炭を錬成していたのに……。
 京介やあやせを始めとして、周囲は桐乃を傷つけないように間違いを指摘しそうにないのに(ある意味甘やかされているよね)、
どこで間違いに気が付いたんだろう?
 桐乃本人は、周囲のそんな状況も手伝って自分は何でもできると思い込んでいるようだけど、
だとすると間違いに気が付く要素がないんだよなぁ。


278VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/01(木) 21:45:52.500GLxHFoBo (1/2)

投下を待つ間、ちょっと自分語りなんかしてみる

>>277
SSを書くために、自分は○○派だとか、好きなキャラへの思い込みを出来るだけ排除して
原作を何度も何度も読み返すうちに、ふと思ったことがあります。
桐乃って、本当は自分自身の弱さにずっと以前から気付いていたんじゃないかってね。
それが、原作のどの部分を読んでいてそう思ったのかは内緒だけど……。

話は変わって、桐乃ファンの中には黒猫を毛嫌いする人がけっこういるようだけれど
やはり思い込みを排除して読み込むと、この二人に共通点が見えてくる気がします。
作中で、黒猫が瀬菜にゲーム作りの協力を求めるシーンの台詞の中に
それが垣間見える気がするのだけれど。

そんな私は黒猫派。


279VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)2012/03/01(木) 22:20:10.79tr1ACZMAO (1/1)

湯煎くらいは知ってるんじゃ……って、単なるイメージ先行でしかないわけだけど。

>>278
それだけ集中できるのはストイックですごいと思う。
自分は逆にSSを書くために原作情報を遮断するようになってしまった
旬な話題に乗れないのが少しさびしい(´・ω・`)


ときに、3ヶ月たって>1の関連スレがだいぶ変動した件。
告知来てないけどちょいちょい増えてきてるね。
ここへの投下が減りつつあるのはつまり独立の気運が高まってるってことかしら



280VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/01(木) 22:28:16.02QcY0t/XuP (1/1)

>>278
そりゃ黒猫派からすればヒロインに昇格できればラッキー、
出来なくてもサブだししょうがないですむしな
桐乃派からすれば今更ダブルヒロインとか冗談じゃないって話になるわけで
黒猫を毛嫌いしてる理由を人間性からだけだと思ったらそれは色々違うと思うよ
とりあえずスレチ発言ですまん


281VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/01(木) 23:10:29.610GLxHFoBo (2/2)

>>280
自分から黒猫派と言ったのはどうも蛇足だったようですまない

矛盾に聞こえるだろうけど、別に黒猫が桐乃を抑えてヒロインになる必要はない
この物語は、何と言っても京介と桐乃の物語なんだからね
最終的には二人が結ばれる(近親相姦的な意味ではなく)のが理想だし
実際そうあるべきだと思っている

原作は京介の視点からの一人称形式をとっているから
桐乃の心情なんかを十分に描写する上では多少なりとも無理がある
そこで、黒猫という別の登場人物を描くことによって
桐乃本来の可愛さや心の優しさなんかを表現しているのではないかと……

って、俺がいままで書いた桐乃SSでは、桐乃の可愛さがうまく書けてなかったようですまんね


282VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/02(金) 01:05:58.41+IQUR9Mjo (1/1)

黒猫vsあやせ!? 意外な組み合せに注目な人気シリーズ最新刊!

◆俺の妹がこんなに可愛いわけがない(10)
著/伏見つかさ イラスト/かんざきひろ 定価:620円

あのバカがしばらく一人暮らしをすることになった。受験勉強に集中するためってのと、あとひとつ、お母さんが最近あたしと京介の仲がよすぎることを変に疑ってるらしい……。
あたしと京介がそんな関係に――なんて、あるわけないじゃん!

で、まあ、責任の一端は、ちょっとだけあたしに……あるみたいだし、あいつもどうせコンビニのお弁当とかばっか食べそうだし、仕方ないから、あたしが面倒見てあげようかと思ったんだけど……。

ちょっとあんたたち、なに勝手に京介の家で引越し祝いパーティ開こうとしてんの!?発案者の地味子はいいとして、黒いのに沙織に、あやせに……加奈子まで! 
ていうか、あんたたち知り合いだったの!? えっ? 地味子と仲直り? そんなのあとあと! 
あーもー、ひなちゃんは言うこと聞かないし! こんなんじゃ京介が勉強に集中できないじゃん!


283VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/02(金) 21:49:25.10YTIYCRYzo (1/1)

しばらくはイベントらしいイベントもないなぁと思ってたら
明日が3月3日だったのを忘れていた。当然のごとくSSは間に合わん

高坂家:

京介「どうするよ、桐乃」

桐乃「別にいいじゃん。中学生にもなって、今さらひな祭りって言われてもねぇ」

新垣家:

あやせ「♪あかりをつけましょぼんぼりに~ お花をあげましょ桃の花~ ひっく……」


284VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/03/03(土) 05:39:13.65RSfGOhX2o (1/1)

高坂家

佳乃「いい加減どいて下さい! いつまで出しておくつもりですか!?」

大介「しまわせはせん! しまわせはせんぞおおお! 京介、死守だ! 死守うううう!」

京介「ディーフェンス! ディーフェンス!」

桐乃「今年もやってる……」


285VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/03(土) 08:20:53.30C/n9I6pjo (1/1)

行き遅れ狙いかwww


286VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/03/03(土) 15:44:32.35Nzs5eLZk0 (1/1)

死守じゃねぇwwwwww


287VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/04(日) 12:02:21.37CWyOAJik0 (1/1)

ワロタww気持ちはわかるけどwww


288VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/06(火) 22:32:50.995QLCZq+Zo (1/1)

来週は、ホワイトデーだったな。……別に大した意味はないんだが。


289VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/07(水) 02:12:04.06DFYDvfgQo (1/2)

>>284の意味がわからなくてしばらく悩んでたけど、やっと意味がわかった

>>288
今年の俺のバレンタインは母親のすーで売ってるエクレアだったぞ
どうでもいい話だけどな


290VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/03/07(水) 02:21:03.41Vyue2Cijo (1/1)

ホワイトデーにはバレンタインに投下されたSSの10倍の数が投下されるらしい


291VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/07(水) 03:54:24.31DFYDvfgQo (2/2)

つまり0じゃねーか

そろそろ時系列を無視したssが1つ書き上がりそうなんだが、最後のオチにもっていけない・・・
去年から書き始めて、短編にどんだけ時間掛けてんだよ俺


292VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/03/07(水) 07:40:20.66EMJtUNB1o (1/1)

黒猫「3月7日は花粉症記念日らしいわ」

桐乃「なにその悪趣味な記念日」

沙織「名付け親の頭の構造が知りたいものですな。とはいえ、記念日であるならばそれなりのお祝いをしなくては」

京介「やめろ! そんなアホな理由で俺の部屋を杉の盆栽で埋め尽くすな! ほら、そこの奴とか花粉が飛んでるって!」

桐乃・黒猫・沙織「」ササッ

京介「おまえらだけちゃっかりマスク用意してんじゃねえよ! 俺にもよこ……ぶえっくし!」



293VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:55:20.98Dw+dl5Jd0 (1/1)

久しぶりに来たけどここも結構過疎だね


294VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)2012/03/07(水) 22:35:57.03CMKQzcORo (1/1)

京介「ポケモン?」あやせ「はい」桐乃「その2!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331113979/


295VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/08(木) 00:23:27.49qXth/ZxVo (1/1)

VIPには投下されても、SS速報には久しく投下されず
やっぱ、読者の数が違うことが理由か? それとも台本形式はVIPの方がいいのか?


296VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)2012/03/08(木) 01:00:50.46vFwfQrgno (1/1)

京介「桐乃!人生相談乗ってくれ!」 桐乃「はぁ!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331135219/


297VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 09:35:50.75i56becMe0 (1/1)

>>295
あんまり考えたくはないが、そもそもこの作品自体が勢い下降してるからね
書き手はもちろん読み手ずいぶん減ってしまった感がある
ちなみに久しぶりに様子見てみたらエロパロは完全に壊滅してた


298VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/09(金) 12:56:58.92/BOCtPwSO (1/1)

だって俺沙織の話しか思い浮かばないし……


299VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県)2012/03/09(金) 16:14:08.65vqwPJARto (1/1)

>>298
その話は真のメインヒロインをみなさんに知らせることにおいてとても重要でござるよ


300VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県)2012/03/10(土) 04:19:23.88jh8gbCdCo (1/1)

桐乃「兄貴ッ…兄貴ィ…」ハアハア
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331305539/


301VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 23:47:21.230XUfSmSf0 (1/1)

求ム黒猫SS
……いや、この際BL以外なら何でもいいから読みたいな


302VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/10(土) 23:59:51.70gkxkZjRSO (1/1)

>>301
残念ですね……。
せんぱい総受けのBL大作投下する予定だったのになぁ~


303VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/11(日) 00:14:58.27ksp+mbCLo (1/1)

瀬菜ちゃんハウス


304VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/11(日) 00:28:33.68wE+Lsasbo (1/1)

>>301
7巻が発売されてから8巻が出るまでの間に書いていた黒猫SSがあるんだが……
8巻を読んで投下するのをやめた
黒猫と京介が別れるのは想定内だったけど、あまりの糞猫ぶりに呆れてやめたんだ
そんな私は黒猫派


305 ◆36m41V4qpU2012/03/11(日) 04:14:44.86uDge6EI/0 (1/5)

確かに、最近、黒猫のSSあんまり見かけないので
勢いでちょろっと書いてみた。
確かに、8巻の一番の被害者は黒猫の様な気もする。

そんな私は麻奈実厨
本当は麻奈実メインで書きたいが
好きなキャラだと書きにくいんだよな。


ってことで
京介×黒猫で


306 ◆36m41V4qpU2012/03/11(日) 04:18:44.04uDge6EI/0 (2/5)

……………とかく女は男を変えたがるもの

" Rescue Cat(禁止カード) VS Gem-Knight L.L."





「あの女とは別れて頂戴」


「へ?お、おまえ何を言って……ん……」

黒猫、京介の胸に飛び込み抱擁する。



あの時は………私は躊躇して、あなたが答えを言おうとした時、
言わせまいと愚かにも、『私は死ぬ』と言ったわ。
消極的に……でも、もう耐えられない。私はやっと分かったのよ………。
もう全て遅いかも知れない、もう手遅れかも知れない。
とっくの昔に全ての事は決していて、何も変えられないかもしれない。

それでも良い………あなたに捨てられて、拒絶されて、完全に見捨てられても良いわ。
その時は地獄に堕ちて、煉獄の炎に焼かれて灰になるだけ。

そんな事よりも、もう絶対に後悔はしたくない
……妥協、優柔、諦観、躊躇、 逡巡、尻込、未断、不断の現(うつつ)の
常世でそんな思いに駆られるのならば、

悠久の苦しみを味わった方がずっと良い。
未来永劫、悲しみ続けた方がずっと気が晴れる。
久遠の痛みに藻掻き、のたうち回り続ける事を望むわ。


もう私は何も我慢しない……私の全てを使って、あなたの全てを奪う


「………………」
京介、茫然として言葉が出てこない。




307 ◆36m41V4qpU2012/03/11(日) 04:20:55.06uDge6EI/0 (3/5)




フフ………良いのよ。
あなたが動けないなら、ずっと私があなたを羽交い締めにして、
きつく抱きしめて離れないだけなのだから。

あなたが声を出さないなら、
その口を塞いで……あなたの言葉を永遠に奪うだけなのだから。



黒猫が接吻しようとした瞬間、何とかそれを押しとどめる京介

「まぁ………おまえ……ちょっと………お、落ち着けよ?な?な?」



『落ち着け?』ですって?

私は落ち着いてるわよ。おかしいのはあなたの方………ねえ京介?
あなたは選ばなければならない。

私と魂を一にして融け合うか?それともあの女を選んで私を、私の魂を[ピーーー]のか?
あなたが選べるのは二つに一つ



「……………別れる事は、で、出来ない」

「……………あら、そう?分かったわ……さようなら、京介」



背を向けて走り出そうとする黒猫の手を思わず握りしめる京介

「おい!…………あの死ぬとか言うのは?!」


もうあなたには関係のない事でしょう?
私は全てを投げ出して、あなたを手に入れようとした。
あなたは私を拒絶した………これ以外に、他に何の答えがあると言うのよ。

私は全てを賭け、そしてその賭けに負けた。
私が出来る事は、私の愛が、思いが、心が、私の中の京介が嘘じゃなかったと
私の言葉が全て真実だったと証明する事だけ。
その事すら許されないならば、私は本当に傀儡の人形になってしまう。

あなたは自ら、私の魂に繋がる心の糸を切ったのよ。
もう私はあなたの操り人形じゃないわ、もうあなたの言葉にも、
あなたの何にも断じて影響されない。

だからさようなら……京介、私の愛しい人



308 ◆36m41V4qpU2012/03/11(日) 04:25:13.87uDge6EI/0 (4/5)


「だ、駄目だ、駄目だ、駄目だ……ダメだ、絶対にそんな事
認めるわけにはいかねぇ!!!!!!」


「離して頂戴」「………!」「だから離して!」「…………!!!!」

「だから離してって言ってるでしょ!離せ!、離せ!、離せ!!!」


「く、くろ………瑠璃!」 「?!」

「瑠璃………話を聞いてくれ」

「き、気安く名前を言わないで頂戴。もうあなたには関係ない人間の名前なのよ」


「俺は黒猫じゃねぇ、瑠璃………おまえに(と)話をしているんだ」

「い、良いわ………どうせ消えてなくなる身なのだから、最後に聞いてあげましょう」


「瑠璃、好きだ!」 「ちょ、ちょっと………す、す……」


「俺はおまえが好きだぜ」 「う、嘘、嘘………嘘つき……京介の嘘つき!」

「嘘じゃねぇ…………俺は瑠璃が一番好きだ」


じゃぁな、何で………何で最初からそう言ってくれなかったの?

わ、私……あなたが……京介が意地悪してるのかと思って…………



瑠璃号泣、京介……瑠璃を抱擁してほっぺにキス

「た、足りないわ、全然…………京介は、やっぱりあの女の方が好きなのでしょう?」

「いや、今はおまえの方が…………瑠璃の方が全然好きだぜ?」



309 ◆36m41V4qpU2012/03/11(日) 04:29:03.97uDge6EI/0 (5/5)



「い、今は?裏切り者………やっぱりあなたを先に殺してから私も死ぬわ……
京介の裏切り……うら………ぎり………もの」

再び抱擁して、今度は口に接吻


「これで納得したか?」

「か、勘違いしないで頂戴、これで認めたわけじゃ……納得なんて全くしたわけじゃ」


「瑠璃、瑠璃、瑠璃♪」

京介、子供の様に瑠璃に顔をすりつける


「京介、京介、京介……ァ…………ン…きょう……す……け……ン…」

瑠璃、同上 & 胸をクンカクンカ & 同上 & クンカクンカ……






「日向お姉さん、瑠璃お姉様は京介さんと何をやっているんのでしょう?」


「あ、あれはね………黒猫と瑠璃姉のどっち好きかって言うバカップルの……(略)」








おわり


310VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/03/11(日) 07:31:15.64r74mEQKOo (1/1)

なるほどこういうオチねwwww

シリアル展開かと思ったけど、全くそんな事なかったwwwwww


311VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/11(日) 08:55:06.56JLBEJCgw0 (1/1)

>>305
イラっとくるほどのバカップルだなwwwwwwwwww
乙でした

……なんなら麻奈実にも挑戦してみては?


312VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/11(日) 15:41:10.44szQTpymE0 (1/1)



神猫さんの出番はまだですか?


313VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/12(月) 16:37:17.75QxdKHf3ro (1/1)

桐乃「兄貴とお風呂」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331505522/


314VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/13(火) 22:57:10.21YrgpGQwWo (1/1)

あやせ「お兄さんとお風呂」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331614928/


315VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/14(水) 07:50:03.26+oMe9t+Mo (1/1)

黒猫「先輩とお風呂」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331673782/


316VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/15(木) 11:41:37.64vW+0L+Tbo (1/1)

沙織「京介殿とお風呂」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331759908/


317VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/15(木) 17:19:13.71NOGj/0AK0 (1/1)

10巻表紙のエプロンきりりんヤバいかわいい


318VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/15(木) 20:38:58.61rWjqtchZo (1/1)

もし、まとめwikiの訪問者数が500を切るような事態になったら
塩漬けになっているSSを取り出して、きれいさっぱり在庫処分といこうかね
春だし……引越しシーズン?


319ドネッキャオ2012/03/16(金) 17:09:07.11H5qR7a770 (1/1)

こりゃ


320VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2012/03/17(土) 09:04:49.07E5qRqgfX0 (1/1)

ってか書いてるとかここで宣言せんで良いから
物を上げたらイイんじゃないの




321VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 10:36:37.21l+AUzE900 (1/1)

このままでは次スレが必要ないという事態に


322VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/18(日) 18:58:45.47UeJ5rVgOo (1/1)

瀬菜「高坂先輩とお風呂」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332035195/


323VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/19(月) 22:03:11.52ldGPVa6n0 (1/1)

あんまり言いたかないけど、原作が半分オワコンみたいになっちゃってるから関連スレが過疎るのも仕方ないよね
特に8巻は否定意見の方が多かったみたいだし、何より次の9巻が空気だった
ゲームと10巻の発売時期はだいぶ遅いし、なんか色々タイミング逃しちゃった感ある


324VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/19(月) 22:45:46.15XUi66lYSO (1/1)

>>323
>あんまり言いたかないけど、原作が半分オワコンみたいになっちゃってるから関連スレが過疎るのも仕方ないよね

それだけは言っちゃダメだろ……
まあ確かに関連スレに関して言うなら目で見てわかるくらい勢い死んだけどな
アニメ終了と8巻ショックが大きかった思う


325VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/03/19(月) 22:53:30.71tbi+ldjzo (1/1)

8巻というよりも黒猫とどんな形にせよ1回くっついちゃった時点で問題
ああいうのはどうしても『誰か』に決まっちゃうと読者は減る
ましてやメインじゃないと尚更、その上あの8巻の展開じゃきついよ
ゲームがもっと早く出ればねぇ


326VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/03/19(月) 23:08:46.96aDcg5uxUo (1/1)

単にアニメが終わったからだろ


327VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/19(月) 23:42:31.98LYU3GoQxo (1/1)

『禁書』とか『けいおん!』もそうだけど、圧倒的に台本形式のSSが多いのに
それらと比べて、ここで投下される『俺妹』のSSって、地の文メインばっかじゃん
気力的、体力的に辛くなってきたんじゃないの?


328VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/19(月) 23:43:33.03OfeYexC/o (1/1)

黒猫が意味不明なキャラになったので書けなくなった


329VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/20(火) 00:15:02.8440VqcdZH0 (1/1)

>>325
それはあるな
あの展開だとどうしても未来的に黒猫√以外ありえない感じになっちゃたし書きにくいかもね


330VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/20(火) 00:57:37.58/geOqFeco (1/1)

ネタが熱いうちに書きなぐらず吟味してゲームのほうに逃げて原作は延期して
結局添削しすぎて熱の冷めた文章をまとめたものを売る
これじゃあ駄目だろうよ
月刊誌に掲載するために期限守って納得いかないまでも思いついたネタで作品にしたもののほうが人を引き付けるもんだ
桐乃や黒猫に代弁させてたプロ意識や作品作りの熱意ってものがさっぱりなくなっちまった


331VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/21(水) 08:38:17.02/iGWBjhl0 (1/1)

>>330
良い事言うねぇ



332VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/21(水) 11:55:37.65Ft8vPpTt0 (1/1)

黒猫と京介が付き合ったから他のカプ厨はみんなガッカリして、
更にそのあと破局したから結局黒猫厨もガッカリ
まさに一連の恋愛編は誰得な展開になってしまった


333VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/21(水) 13:25:55.937iLsEaWW0 (1/1)

つーか純粋に8巻9巻は面白くなかった


334VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/21(水) 23:54:08.27x0oa9p6Xo (1/1)

麻奈美「京ちゃんとお風呂」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332278657/


335VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2012/03/22(木) 01:05:58.56b+05PXVFo (1/1)

>>334
加奈子と日向が飛んでない?


336VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/03/22(木) 06:54:39.20QAMyyxSMo (1/1)

>>335
加奈子はあったはずだぞ


337VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/22(木) 16:09:38.51RsWORqNIo (1/1)

>>336
このスレに貼られてないって意味


338VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/03/24(土) 10:01:28.34bIit4fE/0 (1/1)

>>333
8巻は後半以外おもしろかったと思うぞ。


339VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 09:03:02.47oO7+583F0 (1/1)

単純にもうブームが去ったから盛り上がらないんだよ
ただそれだけの話

現時点で書き手は1人?2人?
読み手さえも実は数えるくらいしかいないんじゃないのか


340VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/25(日) 12:01:35.188PE+7MAAO (1/1)

潜在的にはプラスもう2,3人くらい?>書き手

320で厳しい指摘を受けてるけど、長いあいだ書いてる途中あるいは構想中なのを書き手に含めるかっていう…
はいゴメンナサイ

個別スレも、全体で見て1ヶ月に1,2ヶ所更新があれば…ぐらいになりつつあるね

もう皆ここに回帰集約してもいいんじゃまいかと思うこともたまにある



341VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/25(日) 18:43:02.19tLnQu5dlo (1/1)

rom専だがこのスレいつも見てるぞ


342VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/03/25(日) 22:42:38.524RolTI+7o (1/1)

潜伏してる読み手は沢山いると思うぞ。俺みたいに。


343VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/03/25(日) 23:23:18.10A+/beKx0o (1/1)

1年半くらい書いてなかったら書き方忘れちったよ
文章が出てこないww


344VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/26(月) 16:21:36.076qVPxSco0 (1/1)

この分じゃもうPart13はないかな……?


345VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/26(月) 19:35:34.41oJK5TqzCo (1/1)

進まねえな


346VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 00:19:17.88qg7OAiHZ0 (1/2)

次スレどころかこのスレが1000行く前に落ちるんじゃないかと思うが


347VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/27(火) 09:58:30.48d9cIeGQ7o (1/1)

京介「黒猫ッッ…黒猫おぉぉぉ」パンパン
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332785755/


348VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/27(火) 15:26:59.70tmAUTekZo (1/1)

春といえば卒業シーズンじゃないか
皆、このスレを踏み台にして旅立っていったんだよ
残された者のつとめは、淡々とスレを埋めるだけ……


349VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 22:09:39.08qg7OAiHZ0 (2/2)

むなしくも迫るhtml化
最後の投稿から2週間以上経ってるのか


350VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/28(水) 00:00:55.71kDARQs+D0 (1/1)

ぐぬぬ……


351VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/28(水) 11:11:02.39NVnNNvcSO (1/1)

>>346
むしろ500行けるかなってレベルだな
どっちにせよこのままだとPart.13は必要ないってことになるだろう


352VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 15:38:57.40aHKDwNCB0 (1/1)

この調子だと原作発売してもゲーム発売しても変わらないと思うな……


353VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/03/28(水) 19:32:43.28ORy/dzFoo (1/1)

時間が経ってアニメでブーストした効果が無くなったんだしまあ仕方ないわな
原作も9巻が丁度中休みの展開だったし


354VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/28(水) 20:03:44.27G2SLXph/o (1/1)

二期ないん?



355VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/28(水) 21:58:56.44wjQBQyiAO (1/1)

俺の妹スレがこんなにペシミスティックなわけが…

投下無くてもこんなに伸びてるのに



356VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/28(水) 23:35:46.26hu2gfgpyo (1/1)

俺妹SSの書き手って、社会人の比率がいくぶん高いんじゃなかろうか
そうなると、年度末の三月はSSを書いてる暇なんてないわな
春休み中の人っている?


357VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/29(木) 12:24:47.054kljST92o (1/1)

就活生だけど、ちまちま書いてるよ
最後のオチは思いついてるのに、そこにまで持っていく気力がわかない

9巻も個人的には良かったけど、SSの新しいネタにはなりにくいやつばっかだった気がする
ゲームで彼方さん出てくるっていうから期待してたのに、発売延期だしな・・・


358VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/30(金) 00:41:50.93YSaayGnHo (1/1)

京介「ポケモン?」あやせ「はい」桐乃「その3!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333020370/


359VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/30(金) 02:44:28.08lPRvT8Dwo (1/1)

4/10が待ち遠しい


360VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/30(金) 21:29:23.52B66H3se3o (1/1)

何も投下されないよりはマシかと思って、超~短いSSを書いてみた


『生と死を見つめて』

どうやら俺はベッドか、さもなければソファーの上にでも寝かされているようだった。
なぜ寝かされているのか、俺にもはっきりとした記憶は無かった。
混濁した意識の中で今わかることは、桐乃が俺の手を握り、ずっと泣いていることだけだ。
俺が声を出そうとすると、何かが腹の底から込み上げてきて邪魔をした。

俺の身に何が起こったのか、記憶の断片を手繰り寄せてみるが判然としない。
そもそも桐乃が泣いている理由がわからない。
ともかく俺は死んだわけでもなさそうだし、大怪我をしたわけでもなさそうだ。

「京介……」

温かみのある声だった。
俺は桐乃が、俺のことを“京介”と呼ぶのを初めて耳にした。
世間一般の兄妹でも、妹が兄貴を呼び捨てにすることはあるだろうが……とにかく温かかった。
うわずった声で桐乃が再び俺に声を掛けてきた。

「ごめんね。……本当にごめんなさい……京介」

なぜ桐乃が俺に謝る? 桐乃が、俺に何かしたというのか?
俺の思考は曖昧な記憶と相まって、ますます混乱するばかりだった。
腹の底から込み上げて来るものを無理やり押し退け、俺がもう一度声を出そうと試みたときだ。
打ち破らんばかりの勢いでドアが開く音が聞こえたかと思うと、聞き覚えのある声がした。
あやせだ。

「――桐乃! お兄さんの容態はどう?」

「うん。……少しは落ち着いてきたみたいなんだけど……。
 まだ意識が朦朧としてるみたいで、さっきからうわ言を言ってるんだけど……」

「すっごい汗かいてるけど、お兄さん大丈夫かなぁ……。
 あっ、それよりも、桐乃に頼まれたの買ってきたよ。これでよかったんだよね」

「ありがとうあやせ。
 このバカ、昔っからこの胃腸薬しか効かなくて」

胃腸薬という言葉に、俺の胃と脳ミソが敏感に反応した。
意識が少しずつ鮮明になり、断片化していた記憶も意味のある形へと変わってきた。
そういえば、今日はお袋が出掛けていて、昼飯は桐乃が作ったんだっけ。

(了)


361VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/03/30(金) 22:21:47.15zNB9MVVLo (1/1)

一体何を作ったんだww


362VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/30(金) 22:36:43.80zfrPEvYbo (1/1)

シリアスものかと思ったらオチwwww


363 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 00:51:03.47ieKxmdcF0 (1/19)

他所で書いた完結したネタの続きだけど、
ここの方が過疎ってるみたいだから投下

人それぞれ色々考え方があるが、
ハーレムルートはやっぱ書けないなぁ

何の問題もない状態で長々書くとか
俺ってどんだけあやせ好きなんだろう………



京介×あやせで


364 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 00:54:39.79ieKxmdcF0 (2/19)




"I've fallen in Love with Lovely my holy-fallen Angel"




付き合い初めて、約三ヶ月。


本当に一歩間違えると即Game overなトラップをやり過ごし、耐え難き暴言、暴力、
虐待を何とか堪え忍んだ。


俺の彼女の名前は新垣あやせ、俺が大学生になった時、
同時にあやせが高校生になった時、俺たちは付き合う事になった。

あやせに429回"ぶち殺しますよ"と言われ23回"死んでるやる"と絶叫され、
2回"好きです"と言われて俺らは恋人になった。
物理的に52回殴られて、5回死にかけた。

大学になったのをきっかけに一人暮らしを始めた俺の部屋に、
あやせが遊びにきてエロDVDを発見されて罰せられてたのだが、何とか仲直り出来た
                
               が

その後、突然桐乃が訊ねてきてあやせを無理やりクローゼットの中に隠して、
桐乃との恋人の様なやり取りを見せつけた後、風邪を引いて怒ったあやせの
命令で、あやせの家に俺が深夜に侵入して、何とか仲直りをした
      
              けれど

その後、今度は俺が風邪を引いたのをあやせが看病しに来てくれたが、
あやせが突然泣き出して、またもや危機になったのだが、何とか仲直りした直後の話だ。



そんなわけで


「はぁはぁ」
俺は息をきらせて、走っていた。

今日、あやせは加奈子の家に泊まると親には嘘をつき、俺の部屋に泊まる事に
なっ(てい)た。
あの真面目で優等生でお嬢様のあやせがまさかこんな門限破りの大胆な行動を取るとは
……
本当に女って生き物は、全く分からんもんである。


今は別に、また喧嘩して居なくなったあやせを探してるわけではない。
(そうそう、俺の可愛い彼女は怒り出すと失踪すると脅したりする。
さっきもそうやって脅されたが、実はクローゼットの中に隠れてた)

って事で俺の可愛い彼女は良い子にして部屋で待っている事だろう。



 「----------ただいま、あやせ」


 「京介さん----------おかえりなさい」



さきほどの俺(男)のロマン
(あやせに自分の家のカギを渡して、おかえりなさいと出迎えて欲しかったのだ。
家に帰れば可愛い嫁がいる…………男なら誰でも分かる野望だと思う。)は終わり、

いよいよ後生大事に、守り続けてきた童貞を
放り投げようとしたのだが………


365 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 00:56:47.55ieKxmdcF0 (3/19)


あやせが本日2回目の泣き顔だったので、ずっと抱きしめたまま頭を撫でていた。

「しっかし…………おまえ、最近よく泣くよな」


「ふ、ふん……誰かさんだって、さっきは赤ちゃんみたいに号泣してなかったですか?」


「あ、あれ~そ、そうだっけか?」

実際、そうだったのだが…………。


「『あやせが居ないと死ぬ、あやせ別れないでくれ、あやせが居ないとダメなんだぁ』」


「おい!んなことぁ言ってねぇだろ、捏造してんじゃーね」


「へぇ~違うんですか?ふぅ~ん、違うんですね?あ~あ、しょうがないですね……
あなたが違うと言うなら……わたしにも考えが。だって、だって違うんですもんね?
京介さんっ!」

「……………」

「だ、だって、だって……………ち、違うんでしょう?!!」

「ZZZZ」

俺は獰猛な熊に襲われた登山者のつもりで狸寝入りをかます。
しかし猛り狂っている俺の彼女は………

「『光っちゃう 蓄光+蛍光 プレーンタイプの薄型 うるおいゼリー加工による
潤滑作用』」

そうなのだ、熊に寝たふりするのは間違った知識なので、解決する筈もなく
あやせは俺がドラッグストアで風邪薬と共に大量に入手してきた……ブツを……
物色しながら大きな声で読み始めた

「ZZZZ?ちょ、ちょっと待って」

「『スゴうす うすうす オカモト…こ……』」

「だぁぁあ゛……あやせさん……だ、だから、ちょっと待って」

「小芝居に付き合ってくれとか言ってっ!あーあ、わたしにお留守番させておいて……
何でこんな物を大量に買い込んできっちゃってるんですか?あなたは……まったく………?
……?…はっ!ま、まさか………」


「な、なんだよ?」


「"男のロマン"って、これの事だったんですかっ?こ、これの事だったんですね!!」


「(ギク)……ち、ちげぇ……違うから!ほ、本当に家に帰った時におまえが居てさ、
出迎えてくれたら嬉しいと思ってたんだって、本当の本当だからさ」


「(ジー)ふ~ん、信じて良いのかなぁ?さっきは凄く素敵だと思ったのにぃ………
何だか、京介さんが単なるマニアに見えてきちゃいました、わたし」

「あやせが居ないと、俺は淋しい」

「え?」

「あやせ………絶対にぃ居なくならないでくれ!!!」

「………わ、分かりました」

「あ・や・せが居ないと、お、俺はダメなんだぁ!!!」


「もうぉ!分かったからっ………わ、わたしだって………そうっ……なんだ…もん」




366 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:00:54.24ieKxmdcF0 (4/19)


世の中のバカップルがやりそうな痴話喧嘩だった。
まぁしょうがない、馬鹿な事も情けない事もあやせの為にやるって決めたのだから。

こいつと付き合って分かった事がある、それは要するにあやせの愛に応えるには
それ以上の思いで受け止めてやるって、考えてみりゃ当然のことだ。


あやせに嘘をついたり、誤魔化したり、恥ずかしがったりしてはいけない。


あやせが不満なら、ちゃんと横にならんで、満足するまでこいつの声を聞いてやる。
あやせが不信なら、ちゃんと向き合って、納得するまで眼を見つめて話す。
あやせが不安なら、ちゃんと後ろから抱きしめて、安心するまで言葉をかけてやる。


そうやって……かなり遠回りして何とかやっとこ俺たちは"ちゃんとした"恋人同士
になれたんだ。

俺たちは

告白された時、あやせが突然した稚拙なファーストキスではない
喧嘩した時に、あやせに嬲られながらやられた乱暴な二度目のキスでもない
仲直りした時に、俺があやせの口を塞ぎながらやった用心の為に何度もしたキスでもなく
さっき別れそうになった時に、俺があやせを引き留めようとした懇願のキスでもなくて


どちらかから導いたわけでもなく、とても自然に思いを込めて唇を重ねた。

「なぁ…………あやせ…………」

自然な流れで、あやせの首筋を愛撫して服を脱がそうとしたのだが………

「ちょっと待って、、ください………。
わたし、あ、汗かいてるし………えっと………お、お風呂入っても良いですか?」


「え?ああ……………もちろん良いぜ」

覚悟を決めて迫った筈なのに、あやせに軽くいなされて拍子抜けする俺。

「後、もうひとつ……お願いが……あります。
あの、着替える服がないので……そちらもお借りしても大丈夫…ですか?」

あやせは高校の制服のままの格好で、、それはそれで可愛いのだが
流石にそのまま寝るわけにはいかないだろう。

「え、えっと…かなりベタだが…………着替えは俺のシャツと短パンで良いか?」

あやせのお泊まりは、突然の思いつき(多分)なので当然用意なんてしなかった。

「大丈夫ですよ、もちろん。逆に女物のパジャマなんか有ったら………テヘ♪
ふふ………どうなるか分かってますよね?~ね♪」

「ねぇから、安心しろ(汗)大体、俺の部屋泊まろうとする奴なんて恋人のおまえ以外に
いるわけねぇだろ?自分の彼氏を信用することをそろそろ………」


「でもでも、京介さんの部屋に遊びに来たのって桐乃だけじゃないですよね?」

ニコニコしながらあやせが俺に聞いてきた。

「え?゛」

あやせの笑顔………これも付き合ってから、最近ようやく実感した事なのだが
あやせの笑顔には………あやせと言うか多分、女の子の笑顔にはいつかの種類があるのだ。



367 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:03:06.52ieKxmdcF0 (5/19)


「あれあれ……おかしいなぁ。
お~い、京介さん……わたしの言ってる事聞こえてますかぁ?」

所作は可愛らしく、俺に近づきヒソヒソ話をする感じで優しく耳元で囁く

で、これは『素直に言いなさい、さもないと………』って笑顔だな。

「………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………ウン」

「ねぇねぇ………京介さんの声が聞きたいのになぁ……聞こえないですよぉ、
言葉を聞かせて欲しいのにぃ……もう意地悪さんですねっ(ぷい)」

これは『言い訳してみてください』って笑顔だな………

「や、やましい事は何も無いんだ。」


「そうなんだ。わたし、適当に言ったら当たっちゃいました。
ちょっと…わたしってエスパーみたいじゃないですか?偶然ってこわいですぅ(棒読み)」

これは普通に怒ってるな………やれやれ


「だ、黙っててごめん。か、か、か、隠してる……つ、つもりは………」

「ちょっと京介さん相変わらず、卑屈すぎますよね。ドン引きです、わたし。」


「お、怒ってないの?」

「ぜんぜん……怒ってないですよ。ただ聞いただけですし。」

「そ、そうか……あはは、そうだよな。」


「でも次からはちゃんと教えてくださいね……会っちゃダメなんてわたし、
言いませんから………分かりましたか?」

「ああ、もちろん分かったよ」

あやせは小指を俺の小指にかけて………

「じゃぁ約束してください………指切りしましょう?」

意外に(やっぱ)可愛い所があるなと思ったのもつかの間


「指切りげんまん、嘘付いたら……嘘付いたら、嘘付いたら……………
針千本、必ず、絶対、確実に、有無を言わさず、問答無用で飲~ます、指切った♪」

そう、あやせには絶対に嘘をついてはいけない、だって死ぬから。


「…………………し、しかし何で知ってたの、おまえ?」

「…………何ででしょうね?気になりますか?」

「そりゃちょっと気になるけどよ」

「ふ~ん、聞いちゃった後で後悔しても知りませんけど………実は盗………」


「やっぱ良いです……と、とにかく本当にやましい事はないからな!」

「はいはい、分かりましたよ。着替えるんだからあっち向いててください。
京介さんのエッチっ!」


「へいへい……んじゃ俺は風呂沸かしてくるわ。」


368 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:05:04.79ieKxmdcF0 (6/19)


先にあやせが入る事になり、と言うか今日一日随分長かったから忘れていたが
俺は風邪を引いてて、あやせに看病してもらっていたんだった。

「ねぇねぇ京介さんっ…………もしかして一緒に入りたかったりしますか?」

「俺は病人だぜ、入りたくたって風邪引いてるから無理だっての。」

「それは残念です………でも一緒に入れないからって覗かないでくださいね?」

「もし覗いたら?」

「指切りげんまん♪」

あやせの風呂を覗こうなんて思ってはいけない、だって…………



「フンフフフ~フフフ♪」

あやせはどこぞの風呂好きの女の子よろしく鼻歌?を口ずさみながら
身体を洗ってる様子

「あやせ……バスタオルはここに置いておくからな。」

「はい……有り難う御座います。あの………」

正直、あのあやせが自分ンちの風呂に入ってるのだ。
しかも今は自分の彼女なんだから、カギはかかってるだろうが悪戯で
風呂のドアを開け(るふりし)ようかな?なんてとちょっと迷ったが、
針を千本持って追っかけてくるあやせの姿を想像をして辞めた。


「ゆっくり湯につかってさ……今日の疲れを取ってくれよ」

「………………………はい」


早々に風呂近くから退散すると、俺はベットに身体を横たえた。
壁にはあやせの制服がかかっていた。

何だかんだで、あいつはまだ15歳の女の子なんだよな………そう考えると
取り留めのない漠然とした感情が俺の頭の中を通り過ぎる。


マジで今日一日長かった。
本当に色々有ったが、取り合えず状況は落ち着くべき所に落ち着いたのだろう。
マッタリおかゆを食べて、あやせの膝枕を楽しみ、いきなり泣かれて俺は混乱し
別れるとか失踪するとか大事(おおごと)になったが……今はちゃんと側に居てくれる。

桐乃の事だとか、黒猫の事だとか、麻奈実の事だとか………これも色々有ったのだが
仮に今日をもう一度やり直す事になっても、俺のする事は何一つ変わらない(筈だ)。


369 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:06:32.05ieKxmdcF0 (7/19)


そろそろ…………いい歳なのだから自分が選んだ選択に責任を持つ。
責任と言うよりも、誇りや自信と言うべきなのかも知れない。


『人生はセーブデータがひとつしかないエロゲーみたいなもの』なんだ。


そして俺はあやせを好きになり、お互いを求め合い愛し合ってしまった。
もう……都合の良いマルチエンドのハーレムルートは存在しない。

その事に気付かされるキッカケ………部屋にすみに置かれた、あやせが持ち歩いてる
大きなバックに、俺は眼をやった。


あやせが"儀式"だの"魔法"だの言って実行しようとした残骸がその中に封印されていた。

ブラウンのウィッグに、メイド服、メガネ………あやせは俺の為に、俺の全てを自分に
向けさせようとして………
"妹"になろうとし、"後輩"にもなろうとし、"幼馴染み"にさえなろうとした。

そんな馬鹿な真似までさせるほど、俺はあいつを追いつめて傷つけていた。


だから、俺はあやせを受け止めると覚悟した時に、ひとつしかないセーブデータを
チートで弄る様な真似は絶対に出来ない(してはいけない)んだと心に誓った。

自分の選択を中途半端に放り出して逃げ出せば結局、自分やあやせだけじゃない……
周りも傷つける事になるのだから。


散々あやせを泣かせて、やっと分かった当たり前の事実
おそらく同じくらい周りも傷つけてようやく導き出した真実


桐乃とデートした事、黒猫と遊んだ事、麻奈実と下校した時の事………
いまでも全てが懐かしくて、愛おしくて……大切な思い出。
絶対に忘れないように、記憶から失わないように、何度も何度も心に刻み続ける。

戻れない過去が永遠になり、今(現在)を精一杯生きる…………
これが色々、残念で力不足で鈍い俺がなんとかやっと手に入れた未来へと続く答え……


そんな事をぼんやり考えていた。
少し感傷的になっていたが、あやせには今の顔は見せられないなぁ……と。


俺は風邪薬を飲むと、風邪と疲労のせいで…………いつのまにか眠っていた。



370 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:08:25.22ieKxmdcF0 (8/19)


俺が目を覚ました時、意識はまだ混濁していたのだが………目の前には
何やら様子が変なあやせが座っていた。

薄目を開けてあやせの様子をうかがっていると、俺の彼女が一心不乱に
例の箱の説明書を熟読しているシュールな光景


苦笑しつつ聞き耳を立てていると、あやせの声が聞こえる。

「もしもし………加奈子……うん……えっとね……わたしの友だちの話なんだけどさぁ」

あいつ、何やってんだ?

「だ、だから畜光のなの……え?関係ない?そ、そうなの?(汗)
で、でもさ……蛍光とか書いてるしぃ……ご、極薄なんだよっ?!
え?違う、違うよ?何でわたしの事なわけないじゃん。
ちょっと本気で怒るよ?(動揺)」


俺の予想を斜め上、鋭角に超えるシュールを通り越して不条理な光景が展開されていた。

「へぇ~分かった、そうなんだ。明るいとダメなんだね。だから……超極薄ってぇ
わたしじゃないって何度言ってるでしょっ!いい加減にしないとぶち……いや……
も、もちろん感謝してるってば………分かったから(汗)あ、有り難う。
うんじゃぁ………またね」


茫然とあやせの異常行動を眺めていたのだが………薄目を開けていた視野が急に
暗くなり何も見えなくなる。

暫くすると、違和感がして下半身を軽く触られているのが分かったのだが……
あやせさん……俺の"ナニ"で何かしていた

「ちょっ………おまえ、な、な、何やってる……ん………のだ?」

「(ビクっ)ち、、違うんです、これは違うんです………ち、違うの……」

「ぎゃぇぇぇぇ、あ、あ、あやせ……ちょっと……い、痛いから、痛いから!!」


動揺したあやせが、まさに曲芸飛行しているパイロットが操作する
(俺の)操縦桿を乱暴で酷く扱かったせいで………もげそうになり、
俺は堪らず大声を出した。

「…………………ち、違うんで……す………」


371 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:09:26.44ieKxmdcF0 (9/19)


よく見れば、あやせは風呂からあがったばかりで、上気した顔に
赤い頬(まぁバツが悪そうな表情だから、それも原因かも知れないが)
身体はバスタオル一枚で、結い上げられた髪はまだ幾分濡れていた。

普段はそんなに気にしてないが、まぁ超美人な事だけは確かなのだが
化粧も何もしてないあやせの顔は幾分幼く見えて……………可愛いと言うか
普段のあやせとは違う種類の美少女に見えた。

「なんだよ、やる気満々ならそう言えっての。俺は…………いつでも……」

「…………ち………違う……もん………」

「照れなくても良いんだぜ?
コレは、そもそも半分はおまえが所有してる様なもんなんだからさ、すでに」

あ~この流れで俺もついに大人になるんだと期待していたのだが………


「(ぷい)」

あやせさん……何やらご不満のご様子である。


"あやせが不満なら、ちゃんと横にならんで、満足するまでこいつの声を聞いてやる。"


俺はベットから起きあがるとあやせの隣に座る。
なるべくエロい感じがしない様に気を付けながら、あやせの肩を抱き
自分の頬をまだ濡れているあやせの横髪につけた。

「どうした?あやせ、ほらほら………俺ら相性抜群のカップルなんだろ?」

俺は右手であやせの肩を抱きながら左手で髪を撫でながら言った。

こういう事やっても"セクハラですよっ!"とか"ぶち殺しますよ!"などと
言われなくなったんだなぁと思うと、やっぱり感慨深いもんだ。

と思っていたら………流石はあやせ、俺の予想外、想定外、奇想天外な答えが
帰ってきた。


372 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:11:16.31ieKxmdcF0 (10/19)


「せ、セクハラしなかった癖にっ!」 「え?それ……って……どういう……」

「わ、わたしが…………彼女がお風呂に入ってるのに全然気にしないで寝てるなんて、
いつもエッチな癖にっ、セクハラする癖にっ………わたしが期待……し……て……」

「あの…………あ、あやせさん?(ぽか~ん)」

「本当はカギだって掛けてなかったんだから!、わたし……ドキドキして
ずっとぉ~待ってて、ふやけるまで待ってて……むくむまで待っててっ……
京介………きょう(※あやせがデレたり、甘える時の京介の呼び方)の馬鹿!
鈍感!シスコン!」

シスコンは関係なくねぇか?と思いつつ


"あやせが不信なら、ちゃんと向き合って、納得するまで眼を見つめて話す。"


「あ・や・せ…………ごめんな。針千本にビビってへたれちまった………」

肩に回した手に力を入れてそのまま抱き寄せる。
あやせは何も言わなかった、ただ何となくせわしくて不安気な息遣いだけが
俺の耳に届いていた。

シャンプーの香りが(それは俺が普段使ってる筈ものだけど)、不思議と俺の鼻腔を
くすぐって……あやせの息遣いと混ざり合って、俺の心音も同時にせわしなく速くさせた。


そして突然、雷に撃たれたような衝撃を知覚する。
耐え難いほどの欲望………そして呼び方が違うだけで、多分同じものである筈の
あやせを愛しいと思う気持ちが俺を縦に貫いて……全身の神経を刺激する………。

でも、俺は段々分かり始める……それは雷みたいに突然降りかかった物じゃない

それは………こういう事だ

ただ優しく抱いてるだけでは全然足りない……
もっと強く、きつく抱きしめたい願望……
この欲望も忘れさせるほど、神経も麻痺させるほど、ただ痛いほど抱き寄せたい……
部屋に戻ってきた時から、俺がずっと耐えていた渇きであることに……。


373 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:12:34.31ieKxmdcF0 (11/19)


何とか理性を保ちつつ、俺は

「このままだと、また風邪引いちまうだろ……だからまず着替えよう、な?」

「誰かさんのせいで、お風呂で酔って……身体に力……入らないから……………。
怠くて……もう動きたくない…ン…です、わたし」

「なら……俺が着替え手伝ってやるからさ………」

いささか気が引けたが、着替えさせる為にあやせのバスタオルを脱がせようとしたのだが
当然と言うか予想通り、あやせに強く手を掴まれて静止させられる

「そ、そうか……いくら何でも子供じゃないんだから、自分で着替えるよな。
うん……んじゃ俺はコーヒー煎れてくるわ。おまえも紅茶飲む…だ…ろ……」

立ち上がろうとしてもあやせは手を離さず、それどころかその手に力を込めた。

「あなたが、わたしのスキンケア……手伝ってください………。
わたし……お仕事してるから、ちゃんと気を付けて時間かけてやってるの。
それに今日は、お風呂にずっと入ってたし……………」

「あの………?え、えっと……」

「これがお風呂上がりの習慣なんです……それとも京介さんはエッチだけど
意気地ないから…………わたしがずっとこのままの格好の方が嬉しいンですか?
むっつりスケベでヘタレですもんねっ!」

今はその"意気地"とやらを何とか押さえるのに必死なんだけどな………

「はいぃ…喜んで……手洗ってきます………」

あやせの指示通り、バックからケースに入ったスキンケアセットなるものを取り出す。
こいつ、着替えは用意してないのに……何でスキンケアセットは一式用意してるんだ?
と疑問が口から出そうになったが、そのまま飲み込んだ。


"あやせが不安なら、ちゃんと後ろから抱きしめて、安心するまで言葉をかけてやる。"


俺はバスタオル一枚のあやせの後ろに回り込み……ぎこちなく(もちろん心も身体もだ)
動揺したが……取り合えず、余計な事は言わないようにしてたっぷり化粧水をつけて

あやせの表情を鏡越しに見ながら……しっかし俺は何やってるんだろう?
あのまま風呂場を襲撃してたからこんな変な感じにはなってないだろうに………

あやせの言葉を素直に受け取らずに怒られる時、素直に受け取り過ぎて怒られる時……
お互いに気持ちは通じてるとは言え、やっぱ女の子の考えてる事はさっぱり分からない


374 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:14:26.69ieKxmdcF0 (12/19)


「こ、こんな感じで良いんでしょうか?あ、あやせ様………」

あやせの肌は俺が今までの人生の中で触ったモノの中で何よりも柔らかく、弾力があり
瑞々しく、、、あ~あ、、情けない、俺……掌や指先に意識を集中させれば
させるほど、自分の下半身もアレ?な感じになってくる。

そうなのだ、要するにあやせの肌は"気持ちいい"と表現するのが一番適切で、
正確なのだと理性と言うよりも、俺の身体と本能が分かり易く反応していた。


「もっとちゃんとやって………こうじゃなくて……こうっ……です。
ほら……優しくでもちゃんと力は入れてください………」


あやせは知ってか知らずか、上半身は俺の方にバスタオル一枚だけのほぼ裸体をあずけ、
下半身は明らかに臀部やら太ももを、、俺の、、、押しつけてくる。

下半身に気を取られて茫然としていた俺の手を、俺の指と指の間に自分の指を重ねて

「ほらァこうするんです………ほらぁ~ちゃんとあなたの愛情込めてください……」

「…………こう………だ……よ……な………?」

鏡の中のあやせと眼が合った。

媚態に満ちた、明らかに誘惑している表情の鏡の中のあやせ………
俺の知っているあやせの笑顔の種類の中で………もっとも魅惑的で、もっとも危険な
その表情を……笑みに吸い込まれる様にあやせの顔を愛撫していると……


俺はシスコン野郎だし、セクハラ先輩だし、俗物の破廉恥なオスって事は自覚している。
それでも自分では温厚で、それなりに?常識人で、自分の欲望は合法の範囲内で
押さえられると思っていた……

しかし俺は無意識に、本当に前後の記憶がなく……あやせに襲いかかろうとしていた。

「フフ……ダメ……です…よ。まだ……途中なんだからぁ、、京介さん。
わたし………あなたの為にずっと綺麗で居たいの。
だから……ダメ………ちゃんと最後まで……して……ください……ね?」

そうあやせが言ったのと同時に………あやせの胸を鷲づかみにしようとしていた
化粧水まみれの俺の手に………あやせは手錠をかけた。

あ~そういや………随分、久しい……この感覚………。
喧嘩して、あやせの家に深夜行った時、、ずっと手錠されるのは、
逮捕されるのは(性犯罪の)犯人役は俺だったのだ。

(が)あの時を境に……俺が刑事役になってた気がする。

あやせの俺への初めてのプレゼントが手錠だったとしたら、
俺の初めての贈り物は、俺がずっとあやせを受け止めると宣言して渡したのは
いささか風変わりなチョーカーだった。

バスタオル一枚のあやせがそれを身につけている筈もなく…………


375 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:20:39.73ieKxmdcF0 (13/19)


「ご、ごめん………あやせの為に一生懸命にするから……さ」

と言いつつ茫然自失………もう心は繋がってる、だから次は身体で繋がりたいと
あやせは言ったけど……手錠はプレイなら使っても良いなんて事も
言ってた気がする。

って事はこれはプレイなのか?

「うふ……素直で……良い子です。ほらぁ、次は乳液……これも滴るほど手につけて、
優しくマッサージしながら………」

確かに俺はあやせに手取り足取り、傀儡人形の如く……操られながらスキンケアを
している筈なのだが………反対に、バスタオル一枚の薄皮に包まれた柔らかい
あやせの肢体こそ……全身をつかって俺が愛撫されてる様な錯覚……でもなく

「ねぇ………あなた、、の、、、が……当たって痛いんですけど?」

「こっ…これは……違うんだ………ち……違う……」

まぁ何も違わないわけだが………

「『なんだよ、やる気満々ならそう言えっての。俺は…………いつでも……』」

さっき俺が言った台詞をそのまま再生するあやせ………


「……………あ、あやせ?」

「『照れなくても良いんだぜ?
コレは、そもそも半分はおまえが所有してる様なもんなんだからさ、すでに』」

ったく……俺が今まで経験した中で一番艶めかしくて、興奮する意趣返しなんだろ、
コレ。


あやせは最初に出会った時は清純なお嬢様で、次は例の桐乃のヲタバレでヤンデレ化し、
あやせに好きと言われた時は、極(ハイパー)超(スーパー)ヤンデレで、
お互いに気持ちが通じた途端にデレデレの最初は戸惑うくらいの、Mッ娘になったと
思っていたのだが……

そうなると………そうそう

『お尻が紅葉色になるまでぶっ叩かれましたけど……それもして欲しいコトですけど』

とかすら言ってた様な気がする。
まぁでも………今日は今は……久し振りのドS女王様の帰還なのかも知れない。

「ごめん……あやせ様……お、俺……もう我慢出来そうもない…から……なぁ?」

「きょう……は、わたしの事好きですか?」

「もちろん……滅茶苦茶好きだぜ……だ、だから………」

「だったら………わたしの事褒めてください……沢山、すごっぉ……くぅ…
たくさん………」

「すごく…可愛いよ……」

「全然…ダメっ!わたしの顔を見ながら、、ちゃんと乳液は塗ったまま……
です……よ?」

「すごく……可愛い……」

「『すごく……可愛い……あやせ』、ちゃんと名前つけて呼んで」

「あやせ……可愛い……よ。初めておまえのすっぴん見たけどさ…心からそう思う」

「可愛いだけ……ですか?」

「普段の(おま)あやせは大人っぽくて……美人でさ……モデルって感じだけど……
今のあやせは、自然と言うかちょっと幼い感じが可愛らしいと言うか………」


376 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:24:59.56ieKxmdcF0 (14/19)


「ふぅ~ん。きょうって………やっぱりロリコンだったんですねっ。
これって……普段よりも硬いですよね?変態……さっきも襲おうとしたでしょ?」

「今日初めて、おまえがロリっても可愛いって分かったけどさ………。
あやせが膝枕してくれたり……寝てる時にずっと側に居てくれた時にさ………
正直に言うわ……ちょっと母親みたいな感じで安心した……」

「……な゛………べ、別にそんなこと……言われても………嬉しくなんて……」

「俺は…………みなさんご存知、超のつくシスコンだけど…さ………
おまえと一緒に居ると、あやせの事を見てたり、話してたり、考えてたり……
想ってると……ロリコンでもマザコンでも良い様な気もしてくるんだよ」

「はぁー何なんですか?それぇ…………単に、シス・ロリ・マザコンさんの
変態カミングアウトにしかなってないですよ?」

「確かにそうだな、はは………でももう、俺はおまえを……上手に言えないなぁ……
とにかく、ロリコンやらマザコンとしてあやせが好きだ!」

「シスコンで、ロリコンで、マザコンの三重苦って………ふふふ…………
そっか……しょうがないですよね……だってあなたみたいな変態さんの相手は、
わたししか………居ないから。
だから京介さんが犯罪者にならない様に、わたしがずっと逮捕しててあ・げ・る」

「ああ………有り難う。でそろそろ………」

「あン…ぅ………まだ……ダメ…です…………ヘアケアもボディケアも残ってるしぃ」

「んじゃ、俺が…………ボデ……ィ……」

「はいっ……髪の方お願いしますぅ♪あっ………お目々は閉じててくださいね」

よっぽど押し倒そうかと考えたが……辞めた。
多分、俺が強引にすれば……言いなりになるのが分かっていたから。

純粋に可愛いから、あやせの自主性を重んじると言うと言葉は変だが
あやせの思い通りにしてやりたい愛情みたいなものが自分の中に拡がるのも分かる。

あやせの髪も肌同様……つるんとしていて……とても高そうな陶磁器の表面を
撫でている様な感触がした。

「それ椿オイルなんですよ。ジャンプーしてるみたいに指で……ァン………
京介さん……意外に上手です……素敵です……」

例によって薄目を開けて、どういう状況なのか覗こうか思ったのだが
視線の先の鏡にはあやせが挑発的な表情で待ちかまえていたので、あわてて眼を瞑る。

「しっかし女って本当に面倒くさいもんなんだな。風呂入る度にこんな事やってるん
だよな?」

「そうですよぉ……だから、簡単な気持ちで可愛いとか綺麗とか言わないでください。
言うなら本気で、照れずに、全力で言ってください……」

「ふぅむ………肝に命じておくわ」

「鏡見るのがお仕事みたいなものなんですけど……自分で可愛いとか綺麗って思って
わざと声に出すんです……そうすると"言霊"じゃないけど、ちゃんと良い影響がある
って話聞いたから………」

「じゃぁさ……時々、俺がこんな風にして……可愛いって言って良いかな?
さっきのも、その為だったんだよな?」

「アレは……単に言って欲しかっただけです。
でもそれって………わたしをお風呂上がりにして、バスタオル一枚にして
後ろからセクハラしたいって意味で間違いないですか?」


「セクハラしたいし、可愛いって言いたいんだよ、俺」

「ふぅ~ん……ふふ……」

「?」

「わたし、ちょっと寒くなってきちゃいました……ブルブル(自分の声で)」

「あ~そうだよな。よし、大体終わったから……俺あっち向いてるからさ。
着替えようぜ。」



377 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:28:00.11ieKxmdcF0 (15/19)


「京介さん、あたためて………ください」


「あたたたたためてて?」

「京介君……イイ子だからバンザイしましょう…ねぇ~ほらほら」

あやせにされた手錠を左側だけ外された………俺は言われたとおりにする。

「はい、はい………」

別に咎められたわけでもないのに、俺は何となく眼を閉じたまま
あやせが脱がす自分の服の衣擦れの音を、耳をそばだてて聞いていた。

「はい……よく出来ました。
暖かくなる様にギュッとしてくださいね……ギュゥ~っと……ですよ」

あやせが言い終わるよりも早く………俺はあやせを後ろから抱きしめていた。

「あやせ……何か色々良い香りがするなぁ………椿の匂いだけじゃない…何だろ?」

「薔薇の香りのボディーローション…………好きですか?」

「もちろん……あやせ、好きだ………」

「それは…もう知ってる…からァ…はぅ…そうじゃなくって…薔薇の……(はむ)……」

そろそろ我慢の限界だった俺は、強引にあやせの唇を奪う。

「あむ……はぅ……クチュ……ァ……はぁ……」

必死にお互いがお互いを求め合って………俺(あやせ)のたてた音が、唾液が、意識が
全部、融け合ってシンクロしながら互いの知性と理性を奪う。

何も考えられず、思い浮かばず……ただお互いの肌と肌を重ねて……あの時の渇きが
全てを支配して、本能だけでお互いを求め合った。


「ねぇ…ァ……きょうっ……ずっと…キスだ……け……キスだけで良いの?」

あやせの声が凄く遠くから聞こえた様な気がしたが、一瞬ぼんやりして
自分の欲望がしたい事がそれだけじゃなかった事を今更思い出した。

「あやせ……あやせ……あやせ……」

その言葉以外……全て忘れたように、何度も何度も愛しい彼女の名前を呼ぶ

「あなたに呼んで貰える自分の名前が………その響きが一番好きです。
だから凄く安心して、ホッとする…………今日はごめんなさい………。
わたし……ちょっと不安だったんです……だから今日、ちょっぴり意地悪したの。」

「どうして?俺がまた何かしたのか?」

「ううん……そうじゃない。多分……あなたに飽きられちゃうのが怖いの」

俺は本当にあやせが何を言っているのかさっぱり理解出来なかった。
当然、俺の顔もそういう表情をしていた………に違いない。

俺の顔を見て、安堵した後、あやせは少し淋しそうに笑った。


378 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:30:30.79ieKxmdcF0 (16/19)



きっとわたしの方が………………

『「あなたが居ないと、わたしは淋しい」』


『「きょう………絶対にぃ居なくならないで!!!」』


『「き・ょ・うが居ないと、、わたしはダメなんだからぁ!!!」』

なんです、きっと……


「じゃぁ俺と全く同じだ………やっぱり俺ら気が合う最高のカップルだな」

暫く、あやせは俺の胸の中で黙っていた。
本当に寒いのか、それとも違う理由なのか……小さい小鳥の様に、身体が震えていた。

憐憫と愛情………あやせと付き合うと決めた時……最初は単なる同情(の筈)だった。
でも今……凄く愛しくて、胸が締め付けられるこの気持ちはあの時と
何が違うのだろうか?

抱きしめるだけじゃ、どうしても足りない気がして俺は左の手錠をあやせにかけた。

心は繋がってる………でもやっぱり……まだまだ全然足りないんだ。
あやせが嫉妬したり、独占したりしたくなる気持ちがやっと分かった。

まるで重大な啓示でもあるかの様に荘厳で重苦しい雰囲気が辺りをつつむ
往々にして、あやせが思い詰めた後に出てくる言葉は、恐ろしいものばかりだった。


俺は微かに深呼吸する……大丈夫だ、あやせが何を言っても絶対に受け止める。

俺の人生がこの一瞬の逡巡とその刹那の覚悟の為だったと思えるくらい
俺の想いは堅牢で、決意は強固だった。

「あやせを愛してる。もう何があっても離さないから……だから安心しろ」

俺の言葉に促された様に、やっと、あやせは決心して口を開いた。


「わ、わたし、、もしかしてMかもしれません……」

「はい?」

「だ、だから……わたし……Mかも……Mだったりしたらどうしますか?」


「いや……知ってるけど?……あやせさん……ドMじゃないですか?」

「え゛?な、なんで……どっ、どうして知ってるんですかっ?」

「いや………だって」

『だって、尻叩かれて恍惚然な顔してたし、チョーカーを渡されてウットリしてたし
言葉攻めされるのも好きで、焦らされるの大好きじゃないですか?』

って言おうとしたが、あやせが真剣そのものなので言うのは辞めた。



379 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:34:14.59ieKxmdcF0 (17/19)


「べ、別にあやせがMッ娘でも何の問題もないぜ………」

「でも、でも………わたし……すごく不安で………イジメラレ…るのばっかり…だと………」

「へ?」

「飽きられてちゃうんじゃないかって…………心配で………怖くて………」

「だから………今日はちょっと女王様モードだったのか?」

コクリと一度大きく首を縦にふったあやせ

「だから俺がそれ以上しようとしても、拒否したとか?」

一瞬左右に振りそうになって、結局また肯いた。


「馬鹿野郎、俺があやせに飽きるわけねぇだろ!」


「だって……男の人って、一回手に入れたものは…………」



『……………………………………』

ある言葉をすぐに……直感的に思いついたけど、全く、ちっとも、一㍉も
言いたくないな、これは。

やれやれ…………相変わらず、俺の発想は品性の欠片もない。

でもしょうがない………これが俺のあやせへの愛情なんだから。
これがきっと俺の正直な偽らざる心の声なんだ。


思いっきり息を吸う………俺は出来る限りの大声を出して


「最初の一回だけなわけあるか!!!
あやせと一回やっただけで満足して、全部終わるわけないだろ!!!!
その後、何度も、何度も、何度もするに決まってるだろ!!!!
俺はあやせとずっと一生離れないんだ、文句あっか!!!」

「はぁー京介さん、わたしが今まで聞いた中で最低最悪の愛の告白ですね………。
デリカシーもセンスも全然無いし…………………」

「悪りぃ…………ごめん」

そりゃそうだ………これであやせが怒り始めても何の疑問もない。


でも…………わたしの答えも同じ…………だから…………

だから……覚悟してくださいね?

京介さんが、わたしを本気にさせたこと………
わたしを夢中にさせたこと…………
京介さんが、わたしの全てになってしまったってこと…………

全部、全部………キッチリ、責任取って貰いますから!


「ふむ………じゃぁ早速、覚悟決めて…………責任取るかな。
ほら………あやせ、こっちに来て………くれ」


380 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:36:42.92ieKxmdcF0 (18/19)


「あ、はい……京介さん……照明消してください…やっぱり……は、恥ずかしい…ので」

「お、おう」


「ハァハァ…ぅ……ン……き、京介さん、そこじゃない…ン…か……ら……」

「え゛?あぁぁ、う、う、う、うん」

「あ、焦らないで大丈夫…だから…ねぇ……だから…違う……もう少し…下……」

「……………?…………!」

「そっちじゃない…です……痛っ…ン……だから…下過ぎるからっ……」

「わ、分かってるよ!分かってます……………………」

「き、京介さん………そこ……おへそです……ちょっと……入らないからっ!!」

「!」  「もっと下!」  「!?」  「もう少し上!」  「??」

「だ、だからっ……どんだけマニアなんですか?!
わ、わたし初めてなのにぃ(怒)
そ、そんな所に、いきなり無理やり入れようとしないでくださいっ!!!!!」

「(´・ω・`)」

「ハァハァハァ…………ちょ、ちょっと落ち着きましょう…ねぇ?」

「・ω・`)」

「焦らなくても、ゆ、ゆっくりすれば……必ず出来るから…ねぇ……だから」

「・`)」

「京介さん?」

「)彡サッ 」

「ちょっと!何………逃げようとしてるんですかっ!どんだけヘタレなの、もうぉ!」

「す、すまん……ちょっと萎えちまった………」


「……………わ、分かりました。もう明かりを消さないで……良いです…から」

「へ?」

「男の人は視覚で興奮するんでしょ?恥ずかしい姿……いっぱい…いっぱい…
見せるから……全部………見て良いから……もう……だから逃げないで
逃げちゃ……ダメ…ダメ……だめ…なんだからっ!」

「あやせ………俺、多分、おまえのその声でも興奮出来ると思う」

と言いつつ、俺はあやせの耳元で何事か囁いた………。


「はァ……ぅ……今日だけですからねっ!もう絶対に絶対に言わないんだから!
こ、こんな美少女に……そ、そんな卑猥な事言わせて…………きょうの変態!
馬鹿………エッチ……鬼畜!!!」

「分かったから、早く言ってみてくれよ………焦らしプレイはもう良いからさ」

「京介さんの……………オチンチン………わ、わたしの……あン……もう言えません(汗)」

「あ~やっぱ、あやせ可愛いな………ダメだ……猛ってきた………」

その後、俺の中であやせに隠語を言わせる一大ブームが来るのだが
(そして一生続くのだが)……………それはまた別の話だ。


381 ◆36m41V4qpU2012/03/31(土) 01:38:50.99ieKxmdcF0 (19/19)


一夜明けて

「お早う御座います、京介さん」

「おはよう………あやせ………ちゃんと眠れたか?」

「はい………す、少し違和感はあ、あるんですけど………ぐっすり眠れました」

「おまえ、普段の俺の呼び方は"お兄さん"だってのが、"京介さん"になっただろ?
その後に、甘えるときは"きょう"だよな。」

「何が言いたいんでしょうか?」

「昨日は、特にあの時はさ……普通に呼び捨てたじゃん?」

「そ、そうでしたっけ?」

「ああ………『京介、もうイク』とか『京介にブチ殺されちゃうぅ』、痛てぇっ」

途中で殴られて、最後まで言えなかった。

「ごちゃごちゃうるさい……京介の馬鹿っ!わたしに何か文句あるの?」

「そうそう………それそれ!
俺ら恋人同士なんだし……………年上、年下とかは関係ないと思うんだ」

「つ、つまり?」

「あやせに、名前をちゃんと言って欲しいなぁってさ。
ついで敬語も辞めて………タメ口でも、俺としちゃ全然良いんだけどな」


「……………京介……の馬鹿、変態、シスコンのロリコン、ついでにマザコン
別れようとしたら、わたしを捨てようとしたら………ぶち[ピーーー]し…ま…………
必ずぶち[ピーーー]んだから!息の根を止めるてやるんだからっ!」


「う、うん……大体合ってるんだけど……内容が…アレだよね。
せっかく恋人同士が結ばれたのに、新しい朝を迎えた時に言う台詞じゃなくないか?」



あやせは暫く何事か考えていた様子だったが……最後には、最高の笑顔でこう言った。
やっぱり俺の天使には泣き顔よりも笑顔が似合うんだ。



「ねぇ京介、ほら…………もう一回しよ♪」









おわり


382VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/31(土) 05:11:44.923jTleofDO (1/1)


前の話ってのはどこにあるんだい?


383VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)2012/03/31(土) 06:31:20.53dFm36nC7o (1/1)




384VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/31(土) 11:08:28.28zKboHBAlo (1/1)

>>382
エロパロにあった
ttp://www15.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/219.html
一番下


385VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/04/01(日) 15:32:48.85n7gNzeXOo (1/2)

2期も来たしまた賑わう日も来るじゃろうか


386VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)2012/04/01(日) 16:21:01.11P7VVcpRko (1/1)

エイプリルフールネタじゃないのかアレ


387VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/04/01(日) 16:27:01.92n7gNzeXOo (2/2)

マジよ
三木もツイッターで言ってるしアニメ公式や原作公式も言ってるし


388VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/01(日) 17:30:29.95pzgljSYe0 (1/1)

二期キター!ヒャッハー!


389VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/04/01(日) 23:24:16.98DxMQLPKb0 (1/1)

二期決定はうれしいんだが、問題は原作のどこを拾ってつなげるかだな
一期の「三人手つなぎジャンプ」の糞エンドからつなぐのは難しいぞ


3902012/04/02(月) 07:53:54.65No90nogDo (1/1)

二期マジか


391VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/02(月) 09:57:42.34GVEWfxry0 (1/1)

中二病全開だった時聖書だった作品の外伝タイトルが頭に浮かんだ

「今さら期待はしてねえよ」


392 ◆Koneko/8Oc2012/04/02(月) 22:20:09.35egjDOl9mo (1/3)

ネタの段階でボツになったSSに、このさい無理にでもオチをつけて
10巻が発売される前に投下してしまおうかと……
まず手始めに、ほのぼの系を書こうと思いつつホラーっぽくなったSS
どっちにしろ中途半端で短いけど勘弁してください

『帰り道』

それは、桐乃と二人でコンサートへ出掛けた帰り道のことだった。
俺の横を並んで歩いていた桐乃が急に顔をしかめ、その場に立ち止まった。

「どうかしたのか?」

「あ、うん……ちょっとね。
 ハイヒールなんかあんま履いたことないから、靴擦れが出来ちゃったみたい」

「それじゃあ歩くの辛いだろ。俺がオンブしてやるよ」

言った俺自身が驚くほど、それは自然と俺の口を突いて出た言葉だった。
桐乃も一瞬凍り付いたようだったが、俺が背中を向けてしゃがみ込むと観念したらしい。

少し戸惑いながらも桐乃は、俺の背中に身を預け、首に手を回した。
背中に当たる弾力のある二つの突起物は、いつの間にか妹が成長していた証だった。
迂闊だったと言うべきかもしれん。

「……ありがと。でも……重いとか言ったら[ピーーー]かんね!」

「ばーか。俺を誰だと思ってんだっつーの」

「誰って、あんたはあたしの……お世話係り?」

「[ピーーー]ぞ!」

妹の胸が背中に当たったくらいのことで、この俺が動揺するわけがない。
だがしかし、そんな俺の心を見透かしたように、桐乃はしっかりと俺にしがみ付いてきた。
絶対に動揺なんかしてやるもんか……。

「……ねぇ、あたし、重くない?」

「軽かぁねーけど、重くもねーよ」

「そっか」


393VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/02(月) 22:20:39.40egjDOl9mo (2/3)


桐乃を背負ったまましばらく歩き、通学路の途中にある丁字路に差し掛かったときだった。
ますます俺の背中に身体を密着させて、桐乃が耳元で囁いた。

「ねぇ、本当に重くない?」

「ああ、重く……。いや、何だかさっきよりも重くなった気がしないでも……」

気のせいなんかじゃない。
背中に負ぶった桐乃は、どう考えても確かに重くなっていた。
ファッション雑誌の読モもやってて、スタイルだって抜群の桐乃がこんなに重いはずがない。
俺がいま背負っているのは、本当に桐乃なんだろうか? 俺は身の毛がよだつ感覚を覚えた。
重いとか言ったら[ピーーー]と言った桐乃の台詞が、ふと俺の脳裏をよぎる。

「……いま、重いって言ったよね。……あたしのこと、重いって」

「い、いや……俺は重いなんて一言も言ってねえよ。
 俺のオンブの仕方が悪いだけで……。
 なぁ桐乃……悪いんだけど、一旦降りてもらってもいいか?」

俺がそう頼み込むと、桐乃は声のトーンを落としボソボソと呟くように言った。

「あたしも降りたいんだけど……もう、降りられないんだよね」

「それはどういう……」

俺が顔だけ後へ向けると、桐乃の背中には、怒りに満ちた顔のあやせが負ぶさっていた。

(了)


394 ◆Koneko/8Oc2012/04/02(月) 22:30:48.89egjDOl9mo (3/3)

sagaを入れ忘れるとは……すっかり春だね
もう少しマトモなSSも書き溜めてあるので、週末には投下します


395VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/04/02(月) 22:43:10.22zwBhXRKlo (1/1)

>>392-393
いやああああ!
怖いいいいいいいww


396VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/02(月) 23:01:35.99vuMmS/jSO (1/1)

桐乃「…あいつがいなくなった」あやせ「えっ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333281255/l50


397VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/04(水) 16:25:15.42F0grQb880 (1/1)

>>394
面白かったww


398VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/06(金) 09:40:12.70fRovW3Vjo (1/1)

ここって台本形式のを投下していいんだっけか?


399VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/06(金) 09:55:31.48S2KEM1ODO (1/1)

過疎ってるしいいんじゃね


400VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/04/06(金) 13:38:47.8092hhTG2d0 (1/1)

ssならなんでもありなんじゃないの


401 ◆Koneko/8Oc2012/04/07(土) 01:36:24.19pB7WYHlgo (1/5)

途中で投げ出したネタを手直ししながら在庫放出します
今回も短いけど……春だし、桜も咲いたしね

『エヴァンゲリヲン 新俺妹版:はぁ?』


402 ◆Koneko/8Oc2012/04/07(土) 01:37:22.26pB7WYHlgo (2/5)


「――うわっ!」

とある休日の昼下がり、俺の股間に軽い衝撃が走った。
痛いという程でもなかったが、昼寝をしていた俺はいきなりの事だから驚くのも当然だ。
慌てて起き上がろうにも、俺の両手足はベッドに括り付けられているのか身動きが出来ない。
そのうえご丁寧なことに目隠しまでされていて、周りの状況がまったく分からない。
訳は分からないが、何とかこの状況を打破しようと身をよじると、頭の上の方で沙織の声がした。

「どうやら覚醒したようですな」

「あっ、本当だ。……うぷぷ、馬鹿がもがいてる」

桐乃の声だ。
そういえば桐乃のヤツ、今日は沙織たちが遊びに来るって言ってたっけ。
ということは、この場に黒猫も居るわけか。
黒猫は夏休みが終わると同時に俺と別れたが、桐乃とは今も仲良くやっているようだった。
それはともかくとして、一体これは何のプレイなんだよ。

「おい、桐乃! これはどういうことなんだよ」

桐乃の代わりに俺の質問に答えたのは沙織だった。

「京介氏、ご自分の胸に手を当ててよく考えてみてくだされ」

「手を当ててみろって、これじゃあ当てたくても当てらんねーじゃねえか」

「……先輩? 私からヒントをあげるわ」

やっぱりというか案の定というか、黒猫も居やがった。
つまり俺は、女子中高生三人が見下ろす中で、ベッドに大の字で括り付けられているわけだ。
何という羞恥プレイ、てかどうしてこうなった。

「黒猫、ヒントってどういうことだ? 俺がこんな目に遭ってるのは理由があるってか?」

「……あなた、沙織からDVDを借りているんじゃない?」


403 ◆Koneko/8Oc2012/04/07(土) 01:37:57.26pB7WYHlgo (3/5)


多分、あのアニメのDVDのことを言っているんだろう。
先々週の土曜日、沙織が俺ん家でアニメ鑑賞会を開くために持って来たDVDだ。
俺がパッケージを何気なく見て、『ガンダムの新しいヤツか?』と言ったのが沙織の癇に障ったらしい。
沙織が持って来たのは、エヴァなんとかというアニメらしいが、俺には何のことかさっぱりだった。

「……そろそろセカンドインパクトが起きるでござる」

「――うわっ!」

再び俺の股間に衝撃が走った。
どうやら今の感じからして、沙織がDVDケースを俺の股間に落としているらしい。
ジーパンならまだしも、薄手のチノパンだとDVDケースでも直撃に近く、もろに衝撃が伝わる。

「沙織! おまえは変態かっつーの!」

「拙者があれ程お勧めしたエヴァをまだ見ていないとは……これでもまだ甘いでござる」

「き、桐乃! 沙織を止めてくれ」

「止めたいんだけど、暴走した沙織は誰にも止めようがないんだよね」

「ありえねー」

借りたDVDをまだ見てなかっただけのことで、この仕打ちは有り得ないだろが。
しかし、桐乃が言ったように、沙織の暴走は止まるところを知らなかった。
沙織にとって股間へのDVD攻撃など、単なる終わりの始まり……序章に過ぎなかった。
俺はこの後、俺の人生でTOP10に入ること間違い無しの黒歴史を刻むことになる。

「それではきりりん氏、これから京介氏のズボンを脱がせますが……よろしいでござるな?」

「あ、あ、ああああたしは構わないけど……瑠璃は?」

「わ、わ、わわわわたしも構わないのだけれど……」

「俺が構うよ!」

「今回、京介氏の同意は不要でござる」


404 ◆Koneko/8Oc2012/04/07(土) 01:38:44.14pB7WYHlgo (4/5)


沙織が何のためらいもなく、俺のズボンのボタンに手を掛けた。
俺は当然のごとく激しく腰を振り抵抗を試みる。

「やっ、やめろ沙織!」

「――A.T.フィールド全開!!」

沙織が叫んだ次の瞬間、俺の腹部と股間に妙な開放感が訪れた。
辛うじてパンツまでは脱がされていないようだが、ファスナーが下がっていることは確実だ。
黒猫が、声を押し殺したように呟く。

「……無様ね。メインシャフトが丸見えだわ」

「このままターミナルドグマまで一気に行くでござる」

沙織の言葉を受けて、桐乃がややうわずった声で言った。

「ターミナルドグマって、リリスが隠されてるんだよね」

これが女子中高生の会話とは思えねえ。
桐乃の言ったターミナルドグマとか、リリスって一体何だ?
まさかパンツまで脱がすとは思えないが、暴走した沙織は何をしでかすか分かったもんじゃねえ。

俺は冷静になって、もう一度自分が置かれた状況を頭の中で整理した。
そもそも俺がこんな仕打ちを受けているのは、沙織から借りたDVDを見なかったことが原因らしい。
だったら、これからでも見ると約束すれば済むことじゃねえか。

「な、なぁ沙織……見るから、今すぐ借りたDVD見るから勘弁してくれ」

「京介氏、初めからそう言えば良かったのでござる」

沙織の口から赦しの言葉が出てホッとしたのも束の間、桐乃と黒猫が同時に叫んだ。

「えっ、沙織、あんたこの程度でこの馬鹿を赦しちゃうの?」

「――ありえないわ!」

沙織よりも、桐乃や黒猫の方が真の変態かもしれん。
すっかり仲裁役に回った沙織が二人をなだめる。


405 ◆Koneko/8Oc2012/04/07(土) 01:39:43.73pB7WYHlgo (5/5)


「きりりん氏、京介氏はきりりん氏の兄上でござるぞ。
 これ以上の辱めは、きりりん氏にとっても却って良い結果をもたらさないのでは……。
 それに黒猫氏、一時とはいえ、お二人はかつて恋人同士だったではござらぬか」

セカンドインパクトとか言いながら、俺の股間にDVDケースを落とした沙織が何を言いやがる。
だがしかし、俺がここで口を挟めばせっかくの沙織の説得も無駄になりかねない。
俺は、只黙って事の成り行きを見守るしかなかった。

しばらくして沙織の説得が功を奏したのか、渋々だが桐乃と黒猫が折れた。
とはいっても、この二人がそう易々と納得するはずもなかった。

「じゃ、じゃあさぁ、写メだけでも撮らせてよ」

「わ、私も撮っておこうかしら……」

携帯カメラのシャッター音が一度……そして二度……三度……もう数え切れん。
目隠しされているから三人には分からないだろうが、きっと俺の目には涙が浮かんでいただろう。
俺はそのとき、しみじみと思ったよ……。
もう俺はどうなってもいい。世界がどうなっても俺には関係がないってな。

「黒猫氏、そろそろアニメ鑑賞会を始めませんと。……きりりん氏もいつまでも撮っていないで」

「あら、もうそんな時間だったかしら」

「今日はこれくらいで勘弁してあげるか。……あやせ、コイツのこと後はよろしくね」

「――えっ! あ、うん……」

「げっ! あ、ああああやせも居たのか!?」

「お兄さん、ごめんなさい。……わたし、何も出来なかった……」

「いいんだあやせ、これでいいんだ……」

俺の人生これでオワタ\(^o^)/


(了)


406VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/07(土) 02:21:41.96Z2p+mclAO (1/1)

何がなんだかわからないwwwwww


407VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/08(日) 01:59:56.90YywNRBaDO (1/1)

どういうことなの…ww


408VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/08(日) 23:03:15.09o+XFu3Tpo (1/1)

いま、個別スレが7本ある中で、5本がローカルルールのHTML化基準に引っ掛かってるんだけど
このまま放っておくと、運営側によってHTML化される可能性がなきにしもあらず
せめて、生存報告だけでも欲しいというのは贅沢か?


409VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)2012/04/09(月) 00:36:43.96QayblxQAO (1/1)

>>408に補足
各個別スレの現状簡易まとめ

●問題なし(4/10)
・兄貴に悪戯する
・京介「ポケモン?
・京介「放課後ティータイム?
・落ち着かない

▲レスなし停止1ヶ月超(3/10)
・桐乃「もしも○○○
・京介「俺が教師かぁ…
・沙織「京介先輩

▼作者消息不明2ヶ月超(3/10)
・願い
・人生相談
・黒猫「まったく、


中断のは、支援が有効。少なくともスレがライブ状態なことを読者が支える余地あり。
下段のは、アウトライン。依頼スレで挙げられれば生存報告がない限り落ちる。



410VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/09(月) 14:10:52.74LVj5ToRDO (1/1)

エタったなら延命することに意味がない
生存報告してる人は書く気はあるのだろう


411VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/10(火) 16:33:08.40WOkyay2Xo (1/1)

今回の話の流れが最終回に向けての流れに思えたのは気のせいだと思いたい


412VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/04/11(水) 00:18:01.26NI3XcULn0 (1/1)

まあ、まて
まだあわてる時間じゃない


413VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/11(水) 09:50:00.92vCcaaARFo (1/1)

新刊読んで男同士のバカな会話もSSで読んでみたいと思ったけど、特に需要がなさそうだよな
長編でインターバルみたいな感じで入れるならともかく、短編でそれだけは誰得だって話


414VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/12(木) 22:12:45.29E+gfJIrs0 (1/1)

あやせモノで何か書こうかなぁ…
10巻読んだらなんか書きたくなってきた


415VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/13(金) 02:18:10.62j+IGlN9DO (1/2)

あの通い妻生活のあやせ視点が読みたい


416VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/04/13(金) 03:28:25.36TyG9cRK1o (1/1)

もし電車が遅れて日向が来るのが30分遅くなったら…!


417VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/13(金) 06:42:05.54zD/5oXNR0 (1/1)

>>416

今の京介さんだったらその位じゃ何も変わらないと思う・・・ぞ?


418VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/13(金) 11:41:34.53nK3XauQ70 (1/1)

>>414
がんがれ!
全裸待機しているんでヨロシク


419VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/13(金) 12:19:40.36hUggeOXYo (1/1)

・京介「俺が教師かぁ… ←作者消息不明2ヶ月超
・京介「ポケモン? ←更新休止のお知らせ
・黒猫「まったく、 ←スレ終了のお知らせ

段々寂しくなるな




420VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/13(金) 19:39:31.88j+IGlN9DO (2/2)

そのへんはハナから書き捨てみたいなもんだろ


421VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2012/04/13(金) 19:42:11.07HYKWHNoAO (1/1)

新刊読んで改めてすげえリア充だなあと思った


422VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/04/13(金) 21:30:00.31ryu4zxJko (1/1)

ポケモンは原作読んで補充するっていったしとりあえず大丈夫だろ


423 ◆XUsplk79ik2012/04/13(金) 22:25:35.96vRLaSHVSO (1/1)

10巻読み終わったので生存報告をば
色々浮気しててすまない……

沙織のキャラがわけわからんことになっててちと困惑気味だったり
まあ挿絵可愛かったからいいんだけどね(´・ω・`)
近々更新したいです


424VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/14(土) 00:21:47.53u22OT5Kd0 (1/1)

>>423

確かに沙織のキャラが良く解んない状態になっていたね
作者が沙織のキャラ作りに飽きて放り出したとは思いたくないけどね


425VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/14(土) 00:30:28.22wD/AcdqAo (1/1)

7巻を境に新刊が出るたびSSが減っていくような気がする
アニメの二期で盛り返せたらいいだけど、果たしてそれまで人がいるかどうか


426VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/14(土) 08:27:21.64W9KXge0v0 (1/1)

>>425

やっぱり8巻が(悪い意味で)エポックメーキングだったんだよ


427VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/15(日) 17:23:39.99xjzIPz0v0 (1/2)

アニメの二期っていつからだっけ?


428VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/15(日) 17:51:35.18HUUZRelm0 (1/1)

>>427

二期決定の発表があっただけで具体的な開始時期は未定


429VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/15(日) 18:05:26.59xjzIPz0v0 (2/2)

了解
おとなしく待つ


430VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/04/15(日) 22:40:33.53S+zDCqdM0 (1/1)

今まで無双していたとはいえ、最近の黒猫の扱いはひどいなwwww
今後はあやせSSが勢力拡大してくるかのかな


431VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2012/04/19(木) 01:33:33.14KGaULfca0 (1/1)

このスレ内においては常にあやせSSが
質、量ともにNo.1じゃないか


432VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2012/04/19(木) 01:37:49.88hiis40kqo (1/1)

>>430
次巻次第って言いたいが、切った人が戻ってくるのは難しいんでなんとも言えない
前例的な意味でも引き的な意味でも黒猫がいるからなあ…


433VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/19(木) 09:46:25.81lxIJw+N30 (1/1)

あやせモノ書いてたつもりが桐乃メインになりつつある
どうしてこうなった


434VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/19(木) 15:46:47.93bHLGhVxSO (1/1)

あやせ「い、一度したくらいでもう彼氏気取りですか!?このヘンタイ!
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334668429/l50


435VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)2012/04/19(木) 23:10:59.32EBnIlkD30 (1/1)

>>432
どちらかと言えば本編でそこまで目立たなかったキャラのSSが増える傾向にあるから、
桐乃や地味子のIFや黒猫の逆襲SSも期待できるかも

沙織は年がら年中不作だけど……。


436VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/19(木) 23:16:44.10soy05bDTP (1/1)

沙織は10巻でさらに扱いというか口調というかそういうのが難しくなったからなあ
オタクとお嬢が混じってしまって法則性がわからないとセリフが書けないね


437VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/20(金) 00:44:28.688JrvDGSSO (1/1)

沙織の口調はぶっちゃけ気分というかその場のノリで変えてるような
マジレスするとふさたんのキャラ付け失p(ry

まあそんなだから自分以外もじゃんじゃん沙織SS書くといいよ!よ!


438VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/20(金) 06:54:18.44v089xae20 (1/1)

沙織のキャラ付がアレだったり口調がアレだったりするのは
桐乃の表裏の友人がお互い知り合いになったのが原因だよね

今は過渡期だから最終的には姉の香織みたいになると予想して
キャラ作りするのもアリなんじゃないか?


439 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:21:45.59R1d3Hpy/0 (1/15)

10巻を読んで、やっぱり意外だったあやせ。
そしてまた結局、あやせを書いてる、自分。

ハーレム意地でもイヤだから、麻奈実の予言を採用。
でも麻奈実とあやせだったらどっち応援するか勝手に想像して
悩む今日この頃。


京介×あやせ +ついでに沙也佳ちゃん





440 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:23:53.42R1d3Hpy/0 (2/15)


「そんなあなたのことが好きです」

泣きながら そして優しい笑顔のまま あやせは言った。




"Cry for the Moon/Luna"




「お、俺……………」

「--------こ、答えは言わなくて………良いですから」

「え、えっと……」

「い、言わないでっ!今はまだ--------聞きたくないから」

「わ、わかった………」

あやせの真剣な言葉は、俺にそれ以上言わせる事を許さないほど……
俺を押しとどめるのに充分過ぎるくらい力強く、迫力があるものだった。

「ふふ------お兄さんでもちゃんと真剣な顔が出来る時ってあるんですね」

告白(告白だよな……これ、それ以外の言葉が思い浮かばない)した直後に
あやせは突然そう言った。


「お、おまえな……」

「わたし、今、お兄さんと初めて会った時のこと-------思い出してました。」


「この前話した………桐乃とドタバタやってた時のことだよな?」

あやせの考えてる事がさっぱり分からなかった。
あやせの気持ちは分かる……今更、誤解や勘違いは、流石の鈍い俺でもしない。


「あの時、桐乃の為に真剣なお兄さんの顔がわたし、一生懸命に頑張ってる
あなたの事がずっと気になってました」

「だって……前におまえの家に俺が来た時、それは違うって言ってた……よな?」

「『優しそうなお兄さんで良いなぁ、仲良くしたいなぁ。
でも今は全然違うっ!幻滅して----大っ嫌いッ!!』のことですか?」

俺は何度か首をコクコクとして肯く。

「はぁ-------わたし、お兄さんに嘘ついちゃってて-----ちょっぴり本当に
ちょっぴりだけ悪いと思ってたんですけど、その必要ないのかも?」

「だ、だからさ……その事は気にしなくて良いって」

「そういう意味で悪いって言ったんじゃありませんっ-------
やっぱりお兄さんが全部、全部-----悪いんですっ!!」

「な、何で?」

「うるさい、馬鹿、鈍感、愚鈍、俗物-----スケベ、変態、シスコン、鈍感っ!!!」


「で、でも俺のこと………す、好きなんだよな?」


「ぅっ……」

あやせは顔を上気させ、息は激しく吐きながら、両手で空気を抱きしめる様にして
肩を小さくしながら丸くなった。


あ~やっぱ、こいつメチャクチャ可愛い。
嫌われてる、嫌悪されてるって思われてても綺麗とは思ってたのだが、
俺はMじゃねぇから(やっと分かって頂けたかと思う)
それよりも…あやせに好きって言われて、その上照れちゃってる時の表情を
見せられる方が何倍も何十倍も可愛いって事がやっとわかったよ(当然の事だけどな)



441 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:25:38.18R1d3Hpy/0 (3/15)


「俺はさぁ………やっと近親相姦上等の変態兄貴のレッテルだけは矧がれたけど、
色々セクハラはしまくったしさ………だから、やっと普通かなって思ってたんだが」


暫くあやせは、不思議な表情を浮かべていたかと思うと、目を閉じて深呼吸した。
その後、決心したかの様に口を開いた。

「加奈子のライブの時に控え室で、わたしがお兄さんに顔を近づけた事に
何の意味があるか?-----ってあなた、聞きましたよね?」

「う、うん……………………………」

あやせの真剣な表情と熱い視線に威圧されて、上手く二の句が続かない


「あの時のこと、わたしには、ちゃんと-------ちゃんと意味があります」

「どんな意味が…………あ、あ、あったんだよ?」


あやせは桐乃に貰ったヘアピンを右手で触れながら
(この後-----あやせは何かある度に、この動作をやるようになった)


その動作は、まるで頭の中に浮かんでる言葉を必死に探してるみたいで

左手は胸の前で軽く握られ、その言葉が段々形になるにつれ自然にその
握られた左手が強くギュっと(本当に音がしそうなくらい)強く結ばれた

「意味ならあります------あの時も今も、ちゃんとした意味が」

俺の質問はスルーで、あやせはあの時みたいに……いや、明らかにあの時よりも
近く自分の顔を近づけてきた。

「………(ゴクっ)」

思わず、呑み込んだ生唾の音が不自然なくらい大きな音を出した。
でもあやせは特に気にする風もなく


「-------あの時、お兄さんは本当は何考えてました?」

「だ、だからおまえの胸をだな………」

言ってシマッタとも思ったが、あやせに嘘つく事がどうしても
セクハラ以上に悪い気がしたから、正直に言う。


「ブチ殺し------」  「ひぃ……(思わず目を閉じる)」

「ブチ殺し--------ません。ぶち殺しはしないけど……。
でも、でも、でもっ胸だけって答えは…………今はもう絶対嫌ですっ、わたし」

「すんません。緊張してたから……あんときの事はマジでよく覚えてないんだ」

「忘れてるなら----今思い出してくださいっ、これなら思い出せるでしょう?」

マジで顔近っ!
と言うか、逆に新たな緊張のせいで余計に記憶が飛ぶだろ、コレ


442 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:27:31.91R1d3Hpy/0 (4/15)


「俺は…………」

言いかけた所で、目の前にいるあやせの姿に目を奪われる。
あやせの顔と切ったばっかりのサラサラの黒髪が黄昏時の夕日に
照らされて朱くキラキラと輝いていた。


そして突然………初冬の太陽の不確かで、刹那的な光の気まぐれで
あやせの髪が朱色から色を失い……褐色になる。

あやせの整った顔とうまく馴染んだ髪とダッフルコートと見慣れた筈のヘアピン。

更に、夕日の悪戯は俺の目に、一瞬-----本当に瞬きするくらいの一瞬だけ、
その色を眩いほど輝く------黄色がかった赤銅色に変えさせた。

俺は息を呑む………俺の目の前で告白していたのは、本当は誰だったのか?

あやせに告白されてるってのに、なんつー錯覚起こしてるんだ、ったく。
こんな時にあいつの事なんて……どうして考えてるんだ、俺は。

気付くと…………重苦しい罪悪感。



俺はほぼ無意識のうちにあやせに

「…………わ、わからない」 

と言っていた。


「わ、わたしって-----お兄さんにとっては、そんなに魅力ないですか?」

あやせは泣き顔のまま、怒ってるって言うよりも悲しそうな………。
そうだ、俺は相も変わらずの大馬鹿野郎だ………
告白されて、気が動転してたが………ずっと、あやせは泣き顔だったんだ。

年下の女の子が勇気を出して、目に涙を溜めて、告白してるってのに、
俺は気の利かない間抜けさのまま………ぼぉーとしてて、てめぇの事しか
考えてなかった。


あやせはヘアピンに触れてずっと、何か言おうとしてたが……
結局何も言葉は出てこず………代わりに、潤んでいた双眼からとめどもなく
涙が溢れだした。

声こそださなかったが……口は『ワァー』と言う形のまま音も無く、
ただただ泣いていた。


「………す、すまん」

気が付くと土下座してたね、俺。

「もう良いですっ!!!謝られたら……。わたし、謝られる方が余計に惨めだから
もう良いから------」


と言いつつ、土下座してる俺の頭をガンガン本ぃ気(ほんいき)で踏みつける。

『危険なあやせ』の足音(フットスタンプ)だけが辺りに響いた

ドォ ドォ ドォ ドォ ドーン

「うぐ……うッ…………ち、違う…そ、そ、そう意味じゃ……グハッ」


早くッ頭上げてくださいっ!(ドン) ヘラヘラすんなッ! (ドンドン)
わたしの告白断った 癖にっ! わたしに 踏まれて 喜ぶ癖にっ! (ドン)
ブチ殺しますよ? 変態 変態 ど変態っ!(ドン)
お兄さん の 嘘 嘘つき 大嘘つき 裏切り者ッ!!  (ドーン)
もう [ピーーー]っ [ピーーー]ぇ 早く死んじゃぇ !!! (ドスン)


「……………ぐ」



443 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:28:51.05R1d3Hpy/0 (5/15)


ヤバイ、意識が……どうしてこうなった?
さっき、部屋を出る前に過去の自分と対話したのを思い出す。

過去の自分が語りかけてくる

『おい、おい大丈夫か?』 

イヤ、大丈夫じゃねぇだろ……確実に


『きょうちゃん』

麻奈実が優しい顔で笑みを浮かべている
ふぅ~、まったく……おまえの顔を見てると本当に落ち着くよ、麻奈実。


アレ?と言うかこれって走馬燈じゃねぇ?

確か、走馬燈ってのは…………人間が死ぬ時に一番思い出したい記憶なんだっけ?
あ~あ、俺………死


じゃなかった、走馬燈ってのは人間が死にそうな時に、どうにかして
助かる為に……その方法が無いか、脳が過去の記憶を高速で再生する事らしい
(って説もある)


『きょうちゃん、おといれに行って、ちゃんと手を洗った?』


『きょうちゃん、男の子でも……ちゃんとはんかちは持ってないとダメだよ~?』

そうだ、ハンカチ!
麻奈実、おまえ………走馬燈の中でも俺を助けてくれるんだな。

それとも------死ぬ時に一番見たい顔ってやっぱ・・・・まぁそれはいいや

まだ、取り合えず今は死ぬべき時ではない(筈)、(多分)。


って事で半分地面に顔がめり込みつつも、俺は何とかポケットからハンカチを
取りだして言った。

「あ、あ、あやせ………これで……涙……ふ、ふ……拭いて」



その後、俺とあやせは空っぽになった部屋に戻って、ぽつんと並んで座っていた。
あやせはあの通りだし、俺もこの様(ザマ)だし……取り合えず落ち着く為には
屋根がある場所が良いだろう。

まぁカギは今日中に大家に返せば良いわけだから、まだ時間の余裕はある。

べ、別に空き部屋にあやせを連れ込んで、何かしようなんて----少しも考えてないぜ。

実際(100パー)そういう雰囲気でも全くない。



444 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:30:30.07R1d3Hpy/0 (6/15)



「ご、ごめんなさい。お兄さん、わたし-----」

「い、いや……全然平気」


あやせは泣きやんだ様子だが、顔をこちらには向けてなかったので
どんな顔をしているのかを伺い知る事は(想像すら)出来なかった。


何もない部屋に夕日だけが差し込んでいた。

この部屋にあやせと二人で居ると、こいつが甲斐甲斐しく世話をしてくれた
光景が自然と思い浮かんだ。

それは……この部屋での様々な場面の-----様々な表情のあやせが写真みたいに、
アルバムみたいに俺の頭の中に焼き付いてるってことだろう。

ほんのちょっと前の記憶の筈なのに、黄昏色の光に着色されて、セピア色になった
あやせのイメージは、不思議と随分大昔の出来事だった様な感慨を俺に与えた。


その"懐かしさ"は多分、愛おしさって言い換えても良いものだ。


そうだ、あやせは乱暴だが、優しくて思いやりのある女の子ってことは

もう(十二分に)知ってる筈なんだ、。
もう(考えるまでもない)分かりきった事実だよな。


なのに、また感情の行き違いのせいで--------この部屋の最後に残る思い出が
あやせの泣き顔になるなんてのは………ぜってぇにダメだと思う。

「あの………あやせさ……さっきの話」

「もう------良いんです。何も聞きたくないっ!わたし、全部分かってますからっ」

「ちょっと、お願いだから…………もう一回こっち向いてくれよ。
本当にこの通り……お願いだから、な?」

俺の躊躇がない必死なお願いで、ようやくあやせは泣き腫らした目をこちらに向けた。

泣き顔の(極・超弩級美少女)女の子睨め付けられるって、すごくドキドキ
(ついでにゾクゾクも)するな、しかし

俺ってやっぱ変態なんだろうか?
あやせの前だと色々な意味で理性が揺らぐ気がする。


俺は内心の動揺を何とか隠しつつ、さっきあやせがしたみたいに思いっきり距離を縮める。

「あの時って言うか、今の俺の気持ち言うわ……やっぱ、あやせは可愛い」

「------嘘つき、うそつき、ウソツキ--------嘘つくな-----嘘ばっかり。
それは全部-------嘘っ! うそっ!! ウソっ!!!」


あ~あ、あやせがバーサーク(狂戦士)化しちゃってる。
桐乃の件以外で、こんなにぶち切れてるあやせを見たのは久し振り………だな。

もしも、俺があやせの彼氏やら旦那さんになって喧嘩とかしたらどうなるんだろう?
ふと、そんなイメージが頭に浮かんで身震いした。

ってか………今はそんな妄想をしてる場合じゃないんだよ、本当に俺は馬鹿か?
俺はどうも、あやせみたいな美人を目の前にすると色々余計な事を考えちまうタチらしい。

あやせに、いつもセクハラと言う名前のちょっかいをかけてたのって
こういうのが原因だよな、やっぱ。


445 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:32:26.28R1d3Hpy/0 (7/15)


「嘘じゃねぇよ。ほれ」


俺は携帯に保存していたあやせの写真を開いて見せた。
この写真はあの沙也佳ちゃんのサイトから保存したものだ。

「これ、筧さんのサイトの写真じゃないですか-----本当に全部保存してたんですか?」


「ああ、マジで俺の宝物だ」


「いかがわしい事に------つ、使ってないでしょうね?」

「ま、まだしてない」

「まだ--------って言いました?」

あやせ、顔怖いって


「じょ、冗談だから……そういうんじゃないんだ」

あやせが突然立ち上がって、「うごくせいぞう」みたいに足をあげたので
必死に弁明した。
次踏まれたら、ガチで『もう俺のライフは0よ』って話になりかねない。

あやせは俺と、俺の携帯を交互に何度か見ていたが………

「削除っと」 ピ♪

「ちょ、おま…………な、な、何て酷いことをぉ!!!」

「はぁ------簡単に騙されて、取り乱しちゃってみっともないですね。
いくら、わたしでも勝手に他人の携帯のデータ弄るわけないでしょうが………」

俺の動揺に対して-----呆れる7割、軽蔑2割、謎1割の顔で携帯を手渡してきた
あやせ。

「おいっ!マジで消してるんじゃねーか!!!」

まぁパソコンとUSBメモリーに二重に保管してるとかって言うのは辞めておこう。

「-----お兄さんって
言う事は基本的にかなり適当で---シスコンで
性格もすごく優柔不断だし-----エッチで
発言は超いい加減だし------変態だから、
だから----わたし、やっぱり信用出来ません」

なかなか鋭くキツイ事をサラリを言ってのける、あやせ。
何かさっき、こいつ俺のこと好きとか言ってなかったっけ?

まぁしょうがねぇ……まったくもって、その通りなんだから。

あやせの胸チラばっかり気にしてた罰みたいなもんだろう、結局
信用して貰う為には……………俺自らが本音でぶつかって、胸襟を開かないとな


「と、とにかく、勉強の合間に……これを見て息抜きしたし
あやせが俺の家に来る様になったら、おまえの可愛い顔を直接見て癒されたんだ。
も、もちろん……それだけじゃなくて、桐乃のお願いとは言っても
あやせが俺の為に一生懸命にお世話してくれたのもメチャクチャ感謝してる。
だから、改めて礼を言わせてくれ。
本当に有り難う、あやせ。」

謝罪じゃなくて、本当に100%感謝のつもりで頭を下げた。

「ど、どうも致しまして-------。
でもその事については、本当にお礼なんて言わなくても大丈夫です。
だってわたしが好きで、勝手にしたことですし-------------あっ」

「え?」


あやせの『あっ』って顔を、『え?』って顔になった俺が暫く眺めていた。



446 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:35:02.87R1d3Hpy/0 (8/15)


「それは--------それとして
ゴホン(咳払いしつつ)
と、とにかくお兄さん、わたしのこと------可愛いと言いましたね?」

「い、言いました」

「本当に------ウソ、偽りは無いですか?」

「…………ないよ、全然」


「あの--------その、えっと」

あやせがまたヘアピンを触って、恥ずかしそうにモジモジしている。


包丁を俺に突き付けていたホラーあやせと同じ人物にはとても見えないな。
俺はこいつの事をどれだけ分かってやれてるんだろう?

あやせだけじゃない、妹の事も、後輩の事も、幼馴染みの事も…………。


「ど、どうした?」

「わ、わ、わたし-----」

「焦らなくても大丈夫だよ。待っててやるから……ゆっくり落ち着いて」

「!」

「わ、わりぃ………」

俺は無意識に、本当に何の意識もせず………気付くと、あやせの頭に手をのせていた。
これじゃ、まるで桐乃に接してるみたいじゃねぇか。

"姉妹"なんて冗談を言ってたが、別に瓜二つってわけじゃないのに

慌てて、手を引っ込めようとしたが……あやせは手を引っ込めた距離の分だけ
俺に近づくと、有無も言わさずに俺の手に自分の手を重ねた。


「桐乃に------そんなに似てましたか、わたし?」

俺は、絶対にしてはならない間違いを起こしたことに気付く……。

あやせの声には一切の抑揚が無かった……。

あやせはもう恥ずかしがってなかった。
笑ってもいなかった。
泣いてもいない。
ほんとうに何もしてなかった。
表情も感情も消えていた。


…………ただ冷たい視線を俺に向けていた。
そして俺は、そんなあやせの顔を見て……身も心も凍てついた。



何故か、その時……随分前に黒猫に言われた言葉を思い出していた。

『私が女で、年下で悩みを抱えてそうだから。自分を頼ってくれそうだから、
気になってる。ただそれだけ』


『------------------------私はあなたの妹の代用品ではないわ』


今度は麻奈実の言葉

『あやせちゃんなら、みんなが笑って暮らせる様な家庭を----------------』



お兄さん

ねえ、お兄さんってば


「お・に・い・さ・んっ!!!!」


447 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:37:03.58R1d3Hpy/0 (9/15)


「ぎゃぁっぁぁぁ、こ、殺さないで…………い、命ばかりはお、お助けを」


「何で、あなたは一人で妄想して!どうして、いつも------いつも
わたしを冤罪被害者にしちゃうんですかっ?」

「あ、アレ?おまえ、いつの間に正気を取り戻したんだ?」

「失礼ですね-------なんなら続きしてあげても良いですよ?
『兄貴……………あたしのこと好き?』(桐乃の声真似)
とか耳元で囁いてあげましょうか?」

「ま、マジで勘弁してください……」

「はぁ-----お兄さんがシスコンなのはしょうがないですもんね。
まさか------告白してる女の子を妹扱いするとか鬼畜にもほどがありますけど」


「だ、だから………ごめん」

「ねぇ、お兄さん----わたしと仲直りしたいですか?」

「へ?え、………あ、ああ……もちろん」


「お詫びして--------ください。目を閉じて」

「…………………」

あやせは真剣な表情のまま……俺と握っていた筈の手をいつのまにか離し
今度は思いっきり、斜め上45度に振り上げていた。

この状態は、明らかに殴られるパターンなのだが、今回ばかりは
どうしても、あやせの言う通りにして良いものか?どうか迷う

「全然反省してないんですか?
わたしには別に、許して欲しくない--------とか?」

「反省は…………してる」

「----------------だったら、目を閉じて」

しょうがない………素直に目を閉じた。
別に殴られるのは、馴れてる。
殴られる事自体は………今はどうでも良い。
本当にぜんぜん……良い。




それよりも--------そんなことよりも



「今だけ、わたし---------」


不意に気配が近づいて通り過ぎる感覚が肌に触れる、刹那
-------女の子らしい良い匂いがした

「お姉さんよりも、黒猫さんよりも-----------あなたの事が好きです」


そして息遣いの囁きを聞き、不意に暖かい-----濡れた-----何かを(が)俺に……

「き、桐乃よりも------世界の中の誰よりも、あなたのことを愛しています」



       『「!!!」』


「………え?」

俺は自分(あやせ)自身の声が、まるで(あやせ)自分の声じゃない様な錯覚に
襲われながら何とか次の言葉を出そうとしたが………



448 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:40:29.48R1d3Hpy/0 (10/15)


「これで--------今日のところは許してあげます。
今はまだ、黒猫さんに踏み返されるのはわたしのプライドが許さないから。
桐乃やお姉さんのこともあるし--------だから、これで仲直りです」

「…………あ、ありがとう」

ずっと俺の手とギュッと握られた、次は大きく振り上げた手を、
最後にまた俺に差し出してきた。


戸惑いながら、あやせの手を握り握手する。


「--------でも」

「で、でも?」

あやせは握手した手に力を入れる………男の俺でも痛いくらい強く

「次にこんな事が起きたら---------」

そして、手の力に比例して語気も強める

「…………お、(起きたら)?」

あやせは俺に最後まで言わせず、今度は自分の人差し指を唇に立てる


         『しぃ………』



そして今度は、その指を俺の唇に優しく当てた


「お兄さんがその口で二度と言い訳を言えないように------します。
わたし、何があっても、絶対にっ-----絶対にッ許すつもりはありません」

「……………………」

あやせの人差し指は、まだ俺の唇の当たったままだったが……そんなもの無くても
俺はきっと口が聞けなかっただろう

「もう嘘つきたくないから------あなたにも、わたし自身にも。
だから--------黒猫さんに踏まれても構わないから、そうします--------
誰・に・何・さ・れ・て・も・良・い・か・ら・、そうします------必ず」

「……………………」


「------そんな顔しないでくださいっ」

「い、いや………………驚いた………だけだから」

「だったら今だけ------嘘でも良い、誤魔化しでも良い、同情でも、
憐れみでも良いから、わたしの質問に答(応)えてください」

「あ、あ、あやせ?」




    「お兄さんは------わたしのこの気持ちって迷惑ですか?」



               ***



お兄さんの困った顔
いつもなら-------こんな時じゃなかったら、わたしの嫌いじゃない顔。


嫌・い・じ・ゃ・な・い------じゃない。わたしの好きな顔。

でもあなたを困らせた、わたし自身は嫌い-------大嫌い。



449 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:42:05.95R1d3Hpy/0 (11/15)


本当は

こんな事 言うつもりじゃなかった。
こんな事 するつもりじゃなかった。


今日、家から出かける時に鏡の前で何度も-----何度も繰り返した

           『好き』という言葉

本当は、ただ聞いて欲しいだけだった……願いが叶えられなくても良かった。

それなのに-------
その筈だったのに、わたしはあなたの顔を見ていると、あなたの声を聞いていると
あなたの事を想うと………愚かなほど、滑稽なほど欲張りになる。


わたしの嘘を受け止めて、ダメな兄を演じてくれたあなたが好きだった。
いつも優しくて、わたしの事を見守ってくれた、あなたが愛しかった。

時々いい加減で、調子よくセクハラしてきても、あなたを嫌いになれなかった。

わたしの方を振り向いてくれなくても良い、他の人に夢中でも構わない……
ただ側に居て欲しかった……ずっと隣に並んで居たかった。


お兄さん、わたしは………最近よく "もしも"を考えます。
考えたくないのに、考えてしまうとてもイヤな--------『もしも』です。

もしも、わたし達が偶然、街で出会って運命的に恋に落ちていたら?
あなたが桐乃のお兄さんじゃなくて、わたしも桐乃の親友じゃなかったら?

お姉さんも黒猫さんも知り合いじゃなくて………ただあなたと二人っきりだったら?と。
そして最後にいつも自己嫌悪になります。

桐乃はわたしの目標で大好きな親友。
お姉さんはわたしの憧れで大切な人。
黒猫さんは尊敬出来て、きっと今よりも分かり合える人。

でも、わたしはあなたと何か(どんな大切なものでも)を天秤にかけたら
どんな理屈を掲げても、きっとお兄さんを選んでしまう。

自分で分かる------これが今日初めて、想いを伝えて確信したこと。
周りをどんなに傷つけても、わたしは必ずあなたを選ぶ。


だから、今日あなたに嫌われて良かった…………。

誰も傷つかずに、終われて良かった…………。

もう無意味で悲しい『もしも』を考える必要がなくなって良かった………。

『つもりじゃなかった』 『筈じゃなかった』 
そんな"嘘"をこれ以上重ねなくて済む様になって本当に-------本当に良かった。


…………さよなら





『お~い、あやせ……何勝手に帰ってるんだよ、こっちは待ってろって言っただろ?』

「……………」

『おまえ、今日……。えっと、あ………あ~分かった、分かった。変わるよ』

『きゃー変態ロリコン男に犯されるー。あやせちゃん助けてーーー』

『こら、てめぇ!本当に最近の小学生は………なんつー台詞吐くんだよ。
ってことであやせ早く来てくれ、俺がややこしい何か(条例)に巻き込まれる前に』



450 ◆36m41V4qpU2012/04/21(土) 05:43:52.33R1d3Hpy/0 (12/15)



「あ~|あやせちゃん、本当に来てくれたんだぁー。えへへ………こんばんは♪」

筧沙也佳さんは首から一眼レフを構えて、お兄さんと部屋で待っていた。

「あの、これって一体どういう?」


「えっと、その前にこれ………受け取ってくれよ」

お兄さんはおもむろに、高級な作りの少し大きめの箱をわたしに渡す。
"EBS"と言うロゴ……これは確か御鏡さんのブランドだった。

「これは俺個人からの感謝の印つーか。おまえにはよく切れる包丁も貰ったしさ。
家事やら何やらもしてくれたしさ。だから気持ちだよ、気持ち」

照れくさそうに、頬をかきながら、目も合わせずにお兄さんはぶっきらぼうに言った。


「あ~あ、物で釣るとか、どんだけ低俗な人なんだろうねーー。
あやせちゃん、この男には気を付けた方がイイよ、この人ってさ……」

「おいコラ!そこのストーカー小学生っ!」

「そのキーワード辞めてよぉ、あたし……正式にあやせちゃんにモデルになって
貰うんだから、今日もその為に門限破って出かけて来たしぃ」


この人は誰とでも仲良くなれるんですね
わたしが有無も言わさずに、問答無用で警察に付きだそうとしたのを制止して
自分の模試の直前に説教までして、仲直りまでさせて………
今は昔からの友だちだったみたいに接している………。

「だからさ、ちゃんと役割を果たしてくれよ?頼んだぜ!未来のカメラマン」

「そ、それは喜んでするし、超楽しみだけど………。
でもぉーあたしが、せっかく初めてする記念の撮影会が……何で、
あやせちゃんとあんたのツーショット写真撮影する話ってなってるのよぉ?」

「わ、わたしの質問に答えてくださいっ!!------何の話をしてるんですかッ?」

わたしの剣幕に押されて、沙也佳さんはお兄さんの背中に隠れた。


「あ~悪い、悪い……。
えっと………何かさ、ちょっとの間でも俺が住んだ家なわけじゃん?
一国一城の主って言うと古くさぇけどさ。
ここで俺は一生懸命に頑張って勉強した、色々な事を考えた!
それで、その時の気持ちをぜってぇ忘れたくねぇーなと思って。
自分を戒める意味でも記念に何か残しておきたいと思ったんだ。
あやせには世話になったから、ついでに一緒に写って欲しいなって思ってよ」


「それってさぁ、単にあやせちゃんと写真撮りたいってだけでしょーに。
女の子と一緒に写真に写りたいからって、よくそんなご大層な自分語り出来るよねぇ?」

「おまえと言う奴はっ!俺だけの理由じゃねぇーだろ?
イヤなら撮影係は即刻、解雇すんぞ?」

「ご、ごめんなさーい。
あんたがちょっとだけ良い人って認めてあげるから解雇は辞めてよー!
ぶっちゃけ邪魔でしかないけどぉ。しょーがないからぁ、一緒に写してあげるよぉ」

「--------あ、あの?」

本当に、お兄さんと沙也佳ちゃんは馴染んでいた。
わたしは取り残された気がして、少し淋しい気分になる。


「まぁ、とにかくその箱開けてくれよ。気に入って貰えると良いんだが」

わたしはまだ状況をよく把握出来ないまま、箱を開けた。
その中には"エタナーブルー・シスター"の最新作と思われるへアアクセサリの数々

コーム バンス シュシュ バレッタ カチューシャ

それは一目見れば分かる高級品であり、値段に負けないくらい素敵な作りの
全て"月"の形を象った『luna』というものだった。