456VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:00:21.64Mz8X0xi50 (4/17)

ステイルが新しい敵との戦いを開始したころ、上条当麻はシスター部隊のリーダーであるアネェーゼのもとに急いでいた。
「いかせると思ってんのか?この猿が!」
ルチアの爆発する車輪が迫る
「くそっ」 
その声は両者から発せられたものだ。
かろうじて車輪をかわした上条は、自身の新たな敵と向き合う。
「異教徒が!ちょろちょろ逃げ回るだけのクズが!」
「そこをどけ。俺はてめえとおしゃべりするためにここにきたんじゃねえ。ぶちのめすぞ」
次にルチアから発せられた言語はもう日本語ではなかったが、敵意は十分上条に伝わった。
ここでもまた、戦いの火蓋がきって落とされる



457VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:03:48.52Mz8X0xi50 (5/17)

金貨の袋を避け続けるステイルの頭を占めていたのは二つの疑問
なぜステイルが一人になったところを狙ったのか?
どこから、どうやって敵は、ステイルの場所を特定しているのか?
一つ目の疑問の答えはすぐに導き出せた。敵が優秀な魔術師だからだ。
(この術式は先ほどの乱戦では一度も見ていない。
つまり、この魔術師本体は部隊の命令を無視したか、命令する立場の者だったのだろう。そして、注意深く『観察』して僕が一人残っているという事実から、
僕がこちらの作戦の重要な仕事をしていると判断したのだろう。)
ステイルは内心舌を巻いていた。
「ローマ正教はトップの言いなりになるロボットのような者ばかりと思っていたが、なかなか優秀な奴もいるんだな」
しかし、二つ目の疑問はなかなか厄介だ
(アウレオルスの時のような魔力探査の結界がない。すなわち敵は、
「視覚」または「聴覚」でこちらの位置を把握しているはず。
しかし建物の屋根を見渡しても人影はない。
この『袋』の動きを見る限り、正確に僕の位置をわかっていないようだが)
事実敵の攻撃は大雑把で、『ステイルがどこにいるか』しかわかっていないようだった。
突如ステイルは笑い出したい衝動にかられた。謎の答えが明らかになったためだ。
「真剣に禁煙について考える必要がありそうだ」
つぶやきながら、ステイルはタバコを投げ捨てた。



458VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:06:33.46Mz8X0xi50 (6/17)

ステイルを襲ってきた敵、アンジェレネはあせりを感じていた。
(わたしの術式に視覚はない。けど、触覚はあるから敵にあたれば手ごたえがある。
 今、どういうわけかはわからないけど、術式は敵にあたってない)
おそらく、タバコの煙で位置を把握していたことがばれたのだろう。
その結論を認めるのは恐ろしかったが、認めざるをえない。
(わたしの術式にしこんだ自動帰還システムを作動させるしかありません)
敵を自分にひきつけてしまうため、臆病な彼女は一瞬ためらった。
このまま自分だけ逃げれば助かるのだ。その事実が一瞬心をよぎる
(だけど、そのまま逃げ続けられる保障はどこにもない。
それに、シスタールチアやシスターアネェーゼを裏切るわけにはいかない!)
彼女は戦闘を続行することを決意した。



459VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:09:04.66Mz8X0xi50 (7/17)

爆破攻撃をかわした上条は、ルチアと向き合う。
「てめえの車輪は一回爆発したら再生まで次の攻撃ができねえ 
おとなしくしてりゃ一発ぶん殴るだけですむぜ」
「何勝った気になってんだ?このクソ虫が」
上条はルチアの言葉を聞いていなかった。あとはこのまま突っ込んで殴り飛ばすだけ…
突如、鋭い痛みが上条の肩を襲った。
「バカな、いったい」…
「ぶっ壊した車輪は『再生』できんだよ!一回見てるのに気づかないなんて、
 やっぱてめえは猿だ!蜂の巣になりな!」
肩に食い込んだ木片は、その『再生する力』で上条の体をルチアのもとへ運んでいく
さらに、ルチアの手元にはパーツが集まって車輪を再び形成している。
(まずい!このままでは奴の車輪に引き寄せられ、
爆破の直撃をさけることができない!)
直感か、はたまた論理的思考のもとで行ったのか。
それは本人にもわからなかったが、上条はとっさに右手で肩に刺さった破片に『触れ』た。
異能の力を打ち消した時の、あの独特の音をだし、再生術式は破壊される。
しかし、『爆発』と『再生』の術式は互いに干渉しない別の系統の力である。
つまり、再生術式を破壊しても爆破は止められない。
すんでのところでその事実に気づいた上条は、横っ飛びで、ルチアの攻撃軌道から離れた。
直後、まるでマシンガンでも発射かのようなスピードで木片がばら撒かれる。
一点に、一直線上に集中したその力を目の当たりにした上条は驚愕した。
(蜂の巣なんて生易しいものじゃねえ!あれをまともにくらったら…)
上条はその先を想像することを放棄した。考えてもしかたがない。
「…なんのつもりだてめえ」
敵のとった行動は、上条にこの言葉を口にださせるほど奇妙だったのだ。
ルチアは車輪の中心部を離れた場所に投げてしまっていた。



460VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:14:25.76Mz8X0xi50 (8/17)

上条は奇妙な疑問にでくわした時、ステイルもまた、ある疑問に悩まされていた。
タバコの煙で敵が自分の位置を把握していると悟り、タバコを捨てる。
敵はタバコに反応するが、なんらかの方法――ステイルはそれを『触覚』だとふんでいたが――で攻撃があたってないことを悟り、身を守るため霊装を自分のもとへ戻そうとする。ここまではステイルの予想通りだった。
しかし、主のもとへ戻ろうとする四つの霊装を追い、曲がり角を曲がったとき、
ステイルは敵を過小評価していたことを思い知らされる。
霊装が二つしかなかったのだ。ここから導きだされる答えは二通りである。
一つ目のパターン、敵はすぐ近くに潜んでおり、今見えている二つはダミーである
もう一つのパターン、姿が見えない二つの霊装はステイルを狙っており、ステイルは敵の射程距離内(目視確認できる距離)にいる
(敵の慎重さから考えて、おそらく前者だろう。
ダミーに期待するほど軽率なやつではないはず。だから今一番の問題は
『敵本体がどこにいて、どうやって攻撃をしかけてくるか』だ…)
「ここにいてはまずそうだ」ステイルは周囲を見回し、三方向を壁に囲まれた部分を探す。
そこなら攻撃がくる方向が一方向、多くても二方向にしぼれる。
どこから飛んでくるかわかれば、炎剣で切り捨てるなり、焼き払うなり、
いくらでも対処のしようがある。
そんなステイルの自信は、見事に打ち砕かれることになる。



461VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:15:48.45Mz8X0xi50 (9/17)

ルチアと向き合った上条は、奇妙な疑問の答えに気づかされることとなる。
ルチアは戦闘を放棄したわけでも、敵に降伏したわけでもない
ルチアと戦ったのはほんの短い間だが、それでも上条はこの事実に感づいていた。
では、なぜルチアは車輪を投げたのか? 答えはすぐに明らかになった。
そばに落ちていた木片を拾うと、ルチアは『再生』の魔術を使った。
「まさかこうするとは予想できなかっただろう? 所詮猿の頭じゃその程度!」
木片の『再生する力』は上条の体さえ運ぶかなりのスピードで運ぶことができるのだ。
彼より体重の軽いルチアは言うまでもない。車輪の中心部へと移動したルチアは
「てめえの能力は殴るだけ。距離さえとっちまえばこっちのもんだ!」
と言い放った。
上条の心を占めていたのは、悔しさなどではない。
それは閃き。ルチアの行動から、ある考え、勝利への確信が生まれたのだ。
(おもしろい…)
上条はルチアのもとへ走り出した。
その姿に変わった点は見られないが、彼の直情的な性格を知っている者は
違和感を感じただろう。
上条の走り方はまるで、羊を追い立てる牧羊犬のように大回りだったのだ。



462VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:19:24.24Mz8X0xi50 (10/17)

どうにか『袋小路』となっている場所を見つけたステイルは、早速カードを設置し、
炎の壁を作る。
(これで敵の攻撃できる範囲は上方向のみだ。来い!焼き払ってやる)
確かにアンジェレネは上空からの攻撃を画策していた。
しかし、それはステイルの予想をはるかに超えたものだった。
首を上方に向けたステイルは、目の前の光景が信じられなかった。
(まったく悪い冗談だ)
大きな売店の車がステイルの上方に浮かんでいた。
よく見ると、二本のロープで吊るされていた。
その先にはステイルが先ほどまで追っていた霊装が二つ。
さらに、車の上には、術者本体と思しき人影があった。
霊装を自分の手元に戻す前は、この車の上からステイルを捕捉していたのだろう。
(敵は自分の長所、短所を知り抜いている奴だ。あの霊装威力は高いが、
 あれほどの重量の物体をここまで持ってくるには、やはり時間がかかるだろう。
 つまり、自分の能力の特性から、敵がこの場所に来ることを見抜いていたのだ。)
確かに遊園地という場所の特性上袋小路となっている場所は限られていた。
しかし、ここで一つの疑問が浮かび上がる。
なぜ、敵は自分の姿をさらしているのか? 
そんな疑問が浮かんだが、考える余裕はなかった。
車がそのまま落下してきたのだ。アンジェレネがロープを切ったのだろう。
(クソッ どうする!?)
普段の彼ならば、イノケンティウスという心強い味方がそばに立つ。
この程度の物体など簡単にはらいのけることができるはずだ。
しかし、現在ステイルは、イノケンティウスが使えない。
炎を撃つことも考えたが、熱の破片が自身に降りかかり、
さらに大きなダメージとなるだろう。
ステイルの防御術式は、炎に特化しているが、熱に特化しているわけではなかった。
(少々危険だが、あれをやるしかない!)
ステイルは地面に向かって炎を噴出する。
圧倒的な熱で地面のアスファルトが溶け、内部で小さな爆発が起こり、
人間一人が入れる程の穴が空く。ただ常人よりかなり背の高いステイルには少し窮屈だ。
穴はかなりの熱を帯びていたが、降ってくる車に押しつぶされるよりはましだ。
(日本では、死者を火葬するっていうけど、それはこんな感じなのだろうか)
そんなことを考えながら穴に入り込む。
防御術式の上から伝わってくる熱や、何かがこげるような臭い(それがどこからくるのかステイルは知りたくなかった)を耐えて敵の攻撃をやり過ごす。
幸運なことに、売店によくある邪魔くさい装飾がなかったため、
ステイルは無傷で敵の攻撃を切り抜けることができた。さらに、敵の霊装が一つ、
地面と車の間に挟まって動けなくなっていた。
おそらくダメ押しでステイルを攻撃するつもりだったのだろう。
ステイルが炎剣で切り捨てたのはいうまでもない。



463VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:21:13.62Mz8X0xi50 (11/17)

ルチアは、追ってくる敵の動きに対して、爆撃攻撃をしかけ、
距離をつめられると車輪を投げて引き離す。という消耗戦のような作戦に出ていた。
体力では確かに上条のほうが有利であったが、ルチアは『再生術式』で移動できる。
さらに上条は、爆撃で飛んでくる木片を避けなければいけないのだ。
このまま戦闘を続けていれば自分に分がある。
少なくとも敵はアネェーゼにたどり着けない。
ルチアは勝利を確信していたが、一つ見逃していたことがあった。
『再生』で逃げる際、必ず上条のいる向きと反対方向へと進まなければならないのだ。
上条に向かっていけば、敵の得意とする近距離の射程に入ってしまう。
それはどうしても避けたいことだった。
そのため、ルチアは知らず知らずのうちに、上条に誘導されていたのだ。
今、ルチアがいる場所は、ステイルが追い込まれたのと同じような袋小路。
「もう逃げられねえぜ、てめえの負けだ」
そう言う上条だったが、彼も肩で息をしていた。
「ほざくんじゃねえ蛆虫野郎が」
言葉とともに木片を飛ばす。今まで惜しいところで避けられていたが…
「ぐっ!くそ…やっぱ痛え」
直撃ではなかったが、上条のわき腹には、破片がいくつか刺さっていた。
ルチアは完全に勝利を確信した。次の攻撃はかわせまい…
それでも敵は
「てめえの負けだ」
と、傷を負った体でルチアに迫っていく。
気に入らない。ルチアの心に浮かんだ言葉はまさにそれだ。
いいようのない不安感にかられたが、敵は殴るだけの能力、
再び距離をとればいいだけだ。
「なに追い詰めた気になってんだ?所詮猿知恵、車輪を屋根に投げりゃあすむってことに気づかないのか?」
敵は答えず、近くの柱をつかんでいた。
支えられて立っているのでやっとなのだろう。
(離れる必要はないかもしれないな)
そう思ったが、やはりルチアは車輪を屋根へと投げた。




464VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:23:43.78Mz8X0xi50 (12/17)

ステイルはアンジェレネが隣の建物に入る瞬間を見ていた。
(わざとらしい…自分から姿を見せにいっているようだった)
アンジェレネはいかなる理由でこの建物に入ったのか。
ステイルはこの答えに対して一つの結論にたどりついた。
「仲間を呼ぶつもりか!」
この建物に、仲間との通信があるのかもしれない。
しかし、今のこの混戦下において、仲間が応援にくるとは限らないだろう。
そもそも、アンジェレネが仲間を呼ぶつもりであれば、
はじめから彼女はそうしていただろう。
つまり、彼女一人では仲間を呼べないのだ。
しかし、ステイルが手をかせば?
アンジェレネを始末するためにこの建物を焼き払うことは容易だ。
だが、この建物が燃えてしまえば?煙をあげて焼け崩れる姿を敵が目撃したら?
敵はここにステイルがいることに気づくばかりか、ステイルが何か重要な作業を
それも、屋敷一つを焼き払ってでも守りたい何かを行っていると気づくだろう。
アンジェレネの勝利条件はステイルを倒すことではない。
ステイルを足止めし、数で劣る天草式を駆逐することが彼女の使命なのだ。
(クソッ 直接本体を叩くしかないか)
ステイルは建物の中に入った。
そのアトラクションは、『いわゆるお化け屋敷』であった。
中は深夜という時間帯ということもあり、昼間以上に暗い。
メインの電源は切られており、予備電源による明かりが頼りなさげに浮かんでいる。
(敵は目視で攻撃してくる。
この視界の悪さでは、かなり近づかない限り攻撃できないはずだ。)
いまだ、ステイルはアンジェレネの姿を捉えられずにいた。
敵の攻撃に備え、壁に背をつけて移動する。
位置を特定されないよう、魔術で明かりをつけてはいない。
『お化け屋敷』に入って、十数秒(ステイルにとってはもっと長かったが)
ほど経った時、
「何っ!いったいどうやって!?」
ステイルの視界に人影は見えず、さらにステイルは物音をたてるでもなく、
明かりを灯したわけでもない。
それにもかかわらず、敵は正確に攻撃してきたのだ。
(クソッ!肩をやられた!)
痛みによって湧き上がるうめき声をなんとかしてこらえる。
(敵は別の方法で位置を把握しているのか?)
ステイルは奥へと進むことにした。このままやられ続けるわけにはいかない。



465VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:25:17.56Mz8X0xi50 (13/17)

上条が柱によりかかっていたのは、ダメージを受けた体を支えていたわけではない。
これも作戦のうちなのだ。 上条の体には、先ほど受けた木片がまだ刺さっていた。
ルチアが『再生』を使えば、上条の体はルチアのもとへと引きずられてしまう。
それを避けるために柱をつかんでいたのだ。
「理解してなかったようだな。わざと攻撃を受けたのに気づかなかったのか?」
ルチアがある程度の高さまで進むと、上条は右手で刺さった木片に触れた。
「何ぃ!? 馬鹿な!?このクソ猿がぁ!」
『再生』の術式は一部を破壊すると全部が崩壊する。
先ほどの攻撃でそのことに気づいた上条は、わざとルチアの攻撃を受け、
さらに敵を空中へ逃げるよう仕向けたのだ。
「空中じゃ自由がきかねえよなぁ!」
上条は木片を握りしめたまま
「その幻想を…」
落下してきたルチアにこぶしを振り上げ
「ぶち殺す!」
水平に殴り飛ばした。
地面に落ちる寸前に殴り飛ばされたルチアは、それでも意識を失う直前まで
呪いの言葉を吐き続けた。
「急ぐか…」
上条はアネェーゼのもとへと走り出した。



466VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:26:03.96Mz8X0xi50 (14/17)

妙だな…そうか!)
ステイルは奥へ進むにつれ、敵の攻撃にある法則があることに気づいた。
(攻撃が正確になる場所と、そうでない場所がある。盲点だったよ 
このアトラクションには『暗視カメラ』がついていたのか)
『暗視カメラ』、このアトラクションの記念撮影や、迷子の捜索、
そして異常を点検するため、このアトラクションには
『暗視カメラ』が設置されていた。防犯目的なのだろうか、予備電源で動いていた。
(『暗視カメラ』で監視しているというならっ!)
ステイルはすさまじい強さを発する炎を作り出した。
『暗視カメラ』に急激に強い光をあてると、一時的に麻痺する。
インデックスを追い、学園都市に潜入する際の下調べで
ステイルにはこの知識があった。
さらにステイルは『お化け屋敷』に特殊なルーンをはっていた。
そのためこのアトラクションは現在、多少の炎では崩れにくくなっている。
ステイルは内部を照らし、周囲を焼き尽くす。
(これを忘れちゃいけないな)
ステイルはタバコを咥え火をつけた。




467VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:29:20.70Mz8X0xi50 (15/17)

アンジェレネは焦っていた。敵の行動は明らかに『暗視カメラ』に気づいている。
このままではアンジェレネがコントロールルームにいることもばれるだろう。
さらに、敵の炎は、屋敷の内部を焼くことはあっても、
炎が外に漏れることはなかった。
何を焼き、何を焼かないかはコントロールできるのだろう
実際ステイルは屋敷に防火のルーンを設置していた
このままではただ犬死するだけだ。
意を決したアンジェレネは、ステイルのいるフロアへ降りた。
周りは炎によって激しく照らされていた。敵の姿を捉えるのは簡単だ。
しかし、アンジェレネの霊装は、ステイルの体を突き抜けていった。
「蜃気楼だよ」
そうつぶやいたステイルは、アンジェレネの霊装を切り捨てる。
(まだ終わってない。霊装はあと二つある。タバコの煙から判断できる)
周囲では、さまざまなものが燃えていたため、煙で位置を捉えるのは難しかったが、
アンジェレネはやってのけた。
(あたれ!)
霊装を操作しようとしたアンジェレネだったが、
突然自分の体が動かないことに気づいた。
「一酸化炭素中毒だ。僕が伊達や酔狂でタバコを吸っていると思ったのかい?」
ステイルが吸っていたのはただのタバコではない。タバコ型の霊装だったのだ。
あれでこの毒ガスを防いでいるに違いない。
アンジェレネはその事実に気づいたが、どうすることもできなかった。




468VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:30:09.34Mz8X0xi50 (16/17)

「やれやれ、僕も甘くなったな。」
アンジェレネを追い詰めたステイルだったが、しかし止めを刺すことはなかった。
魔法名を聞いてない。そんな理由をこじつけたが、実際は、
(あの娘の顔が浮かんだ、いままでそんなことなかったのに)
敵が自分の守るべき少女に重なってしまったためだった。
アンジェレネを屋敷から運びだすと、ステイルは上条のもとへ急いだ。




469VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/03(土) 16:34:28.52Mz8X0xi50 (17/17)

これで、おしまいです。
ここまで読んでくださった方ありがとうございます。
ステイルらしい倒し方、ということで一酸化炭素中毒を考えました。
最初から一酸化炭素中毒で倒すようにもっていきました。
上条さんは、そげぶが他のことに使えないかなあと思ったので、ああなりました。
上条さんとルチアのキャラが壊れてるような気がしますが…

はじめに書くべきことだったのですが、ステイルは巨大イノケンティウスを準備しているため、イノケンさんが使えません
 時系列的には原作7巻、上条さん、ステイル、天草式がアネェーゼと戦っている時です。
上条さんはいったんシスター部隊に追い掛け回され、アネェーゼから引き離される。
天草のみんなとステイルのおかげで、手薄になった警備を突破する。
という前提条件があります。

順番が上下してしまい申し訳ありません
書き方についてはラノベ研究所を参考にさせてもらいました。
とてもおもしろくて役に立つサイトですね。
教えてくださってありがとうございます。
(もしこのSSを呼んでくださっているのなら)


470VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/03(土) 17:24:04.07uiC6rdEOo (1/1)


話自体は分かりやすくて良かった

ただ地の文と会話文が連続してると読みにくいから、

地の文地の文
地の文地の文

地の文地の文
地の文地の文

「会話」

「会話」

地の文地の文

みたいに適宜改行入れるといいかも


471VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/03(土) 18:19:50.90SjcGHRPS0 (1/1)

悪いが詰まりすぎてて読む気になれないですたい


472VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/03(土) 20:27:52.92iTsfEywDO (8/12)

3レスもらいます
(注意)姫神→上条


473VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/03(土) 20:28:18.49iTsfEywDO (9/12)



湿った髪をドライヤーで乾かすと、旋毛から毛先まで丁寧にブラッシングをした。
鏡を見ると、風呂上りだからか頬はうっすら赤く色付いている。
――私の何が悪いのだろうか、と姫神は小さく溜息を吐いた。
腰まである長い黒髪は艶やかであるし、顔立ちも華やかではないが決して悪くない。
けれど、やはり。

「……上条くんは派手な顔立ちの娘の方が。好きなのかな」

アピールしても気付かれていないだけかと思っていたが――あるいは、気付いていて無視をしているのかもしれない。
ここ最近勇気を出して誘っても、上条がその誘いに乗ることはなかった。
その理由も、ただ単に忙しいからかと思っていたが――。
考えまいとしてきた可能性に行着き、姫神は喉に熱い何かが込み上げてきたのを感じた。
上条の周りには自分と同じような女性が――もしかしたら女性だけじゃないかもしれない――たくさんいるのだろう。
親い友人である禁書目録を頭に思い浮かべると、すぐに首を振った。

(――駄目。こんな醜い嫉妬は。一番駄目)

鏡には情けない顔をした自分の姿があった。息を呑み込む。

「もし。もし明日――」


...





474VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/03(土) 20:28:48.88iTsfEywDO (10/12)



...


「あら? 今日は結んでるのね」

吹寄が珍しいといった表情で声を掛けてくる。
姫神が「少し気分を交えてみようと思って」と頷くと、にっこり笑って「可愛いわよ」と返してきた。

「ねぇ上条くんは?」
「上条当麻? あぁ……また遅刻じゃないかしら」
「そう……」
「用事でもあったの?」
「――うん。でも帰りまでに言えればいいから」

帰りまでに言えればいい。口にすると現実味が一気に増す。
溜息を吐きそうになったのを下唇を噛んで抑えた。

「どうしたの?」

気付くと吹寄の心配そうな瞳がこちらを覗きこんでいた。
慌てて手を顔の前で振った。

「大丈夫」



...


475VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/03(土) 20:29:25.42iTsfEywDO (11/12)



...


あっというまにHRが終り、生徒はバタバタと帰り支度を始めている。
青髪ピアスと笑いながら話していた上条を見つけると、すぅと息を吸い込んだ。
強く拳を握ると、爪が柔らかい肌に食い込むのを感じた。

「上条くん」
「ん? 姫神か。何だよ」
「あの……」

ちらと青髪ピアスを見ると――細い目でわかりにくかったが――パチリとウインクを送ってきた。

「ボクちょっと小萌先生に呼ばれとったんやったわ」
「はぁ? またかよ!」
「上やんに言われたないなぁ……。ま、そういことだから先帰っててくれてええで」
「わかったよ」

軽い足取りで教室を出ていく青髪ピアスを視界の端に収めていると、上条は姫神に向き直った。

「で?」
「あ。その……一緒に帰らない?」

すると上条はあー、と顎に指を置きながら目線を上にやった。
ずきりと胸が締め付けられるかのように思う。
目の奥がじわりと熱くなった。

(……やっぱり)

「そうだな。一緒に帰るか」
「え?」
「えって何だよ……。つかごめんな、最近忙しくてさ。姫神の誘い断ってただろ?」
「えっあっ……」
「とりあえず落ち着いたからさ。そうだインデックスに会ってくれよ。最近寂しがってたからさ」
「……うん」

口元が緩むのを感じる。
そして同時に、上条を見て思う。

「上条くんって。酷い人ね」
「何だよ断ってたのは悪かったって……」
「そうじゃなくて」

不満そうに唇を尖らせた上条に眉尻を下げる。
そんな彼を愛しく思いつつも――覚悟を決めたからといって、諦められたかはわからないけれど――、
そのきっかけすらくれない彼を憎らしくも思う。

「じゃあ何だよ……って、あぁそうだ姫神」
「何?」
「ポニーテール、似合ってるな」
(……本当に。酷い人)







476VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/03(土) 20:29:51.20iTsfEywDO (12/12)

おわり



477VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/03(土) 20:33:23.50SjcGHRPSo (1/1)

こたえーはいつもわーたしーのゆめにー




478VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)2011/12/03(土) 23:07:13.90HkuMq6pWo (1/1)

姫神ってネタにされやすいけど、彼女メインのSSってどれも良い味出してると思うんだ



479VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 00:30:28.15z86CqtsJo (1/7)

誰もこないなら12:35に投下します

とある物語のプロローグ?みたいな感じですが……


480VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 00:36:23.76z86CqtsJo (2/7)

秋が近い。

最近、御坂妹はそれを感じ取るようになっていた。
無意識と意識の狭間で。ただぼんやりと。

明確な根拠はない。
日中の気温は未だに真夏日と呼ばれる気温だ。夜だってまだ寝苦しい。夕立だってある。
熱に犯され、倒れてこの病院に運ばれて来る患者もいる。

それでも、と。
御坂妹は思う。ここには秋の吐息がある。秋がすぐそばに来ている。

耳を劈くばかりに鳴り響いていたセミが、何時の間にやら姿を消してしまったことに気づいたとき。熱気の中に存在する、確かな秋の冷気を肌で感じたとき。地面に落ちた葉を見たとき。
そして、かつては痛いと感じるほどの午後の斜陽が、柔らかいと感じたとき。
御坂妹は季節の変化を感じた。

彼女にとっての初めての季節の変化は、どこか切なくて、寂しくて。
次の季節が、まだ味わったことない、知識にしかない「秋」が楽しみで、待ち遠しくて。
それは出会いと別れが交錯する春のようで。

まだ出会ったことのない季節に期待と不安を抱きながら、少女はこの季節を過ごす。


481VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 00:36:56.97z86CqtsJo (3/7)

部屋に差し込むのは茜色に輝く夕方の斜陽。光が届く面をオレンジに、それ以外を黒色に塗り上げる
赤と黒の対比が部屋を覆う。

窓から伺えるのは今にまさにビルとビルの合間に沈もうとしている真夏の太陽と。
それに染め上げられた学園都市の近未来風の人工物。
昼間、空の碧を反射した壁面は今もまた空の色を忠実に再現している。
街全体が紺碧に彩られていた。


その窓から差し込む太陽の最後の輝きを身に受けながら、御坂妹は診察室に置かれた椅子に腰掛けていた。学園都市製の、磨き上げられた床が反射する光に多少目を細める。

そしてその光を背負うように御坂妹の前に立つ一人の人物。逆光で顔に影が落とされる。絵の具で塗りつぶされたかのようだ。御坂妹には輪郭しか見えない。

が、御坂妹にはその情報だけで十分だ。彼女はこの人物をよく知っている。
初老を超え、少しズングリとした、白衣をまとった彼。

『冥土帰し』と呼ばれる人物だった。




御坂妹は彼の手を何気なく見つめていた。老年期特有のツヤが失われてきたゴツゴツとした手。わずかに角ばったその手が、マウスを操作し、彼女の目の前の画面を変化させていく。
そこには彼女の知識で理解できるものもあれば、知識外のものもあった。画面を流れる文字列やら画像をこれまた何気なく見つめる。

この手でどれほどの生命を救ってきたのだろうか。
それら一連の動作を眺めながらふとした疑問が彼女の心の内に湧き上がる。
目の前でマウスを操作するその手、そして彼自身と、緑の手術着を着て治療室に入る彼がどうしても重ならない。
目の前にいるのは何の変哲もない老年期の男性だ。
そこらの老人と変わらない、その角ばった手が命を救えるようには思えない。

が、そんな疑問はすぐに立ち消える。
目の前で生命の奇跡を目撃したこともある。
自分自身、御坂妹本人だって現在進行形で彼に命を救われている立場の人間なのだから。
この自分が生きた証拠だろう。



命の恩人とか、そういう薄っぺらい言葉では形容できない気持ちが御坂妹にはあった。心の内に抱く思い。
まだここに来て二週間程度しか経っていない。それでも御坂妹は彼に絶対的な信頼を置いていた。彼は頼れる存在だった。この病院の中が心地よかった。初めて心安らぐ場所を作ってくれた彼だった。



482VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 00:37:22.67z86CqtsJo (4/7)

だから。
そんな感情を抱いていた御坂妹だからか。絶大なる信頼を置いていたからか。
目の前の医者が言った言葉が理解できない。
読み込めない。頭の中でいく度となく繰り返される言葉を飲み込む言葉ができない。

「……代理……演算ですか……とミサカはあなたにもう一度確認を取ります……」

言葉の『意味』なら理解できる。人の思考の補助をしろ、ということだろう。
が、『意味』に『中身』が伴わない。それが示すものが分からなかった。

代理演算
演算能力の補助
ミサカネットワーク
脳波
変換システム

様々な単語が頭のなかで反芻され、次第に飲み込まれていく。
そんな中で最後まで消化不良として残った単語。どんな酵素も働くことがなく、思考の渦に重く横たわるそれ。


『一方通行』

どうして自分が、妹達が。
自分を、妹達を殺し、殺し続けようとした人間の。
学園都市のピラミッドの最上部に君臨し、他者を蹂躙する彼の。
実験でいく度となく見た不吉な微笑を浮かべながら、無表情に人を殺して行く化け物の。

一方通行の脳の演算を補助しなければいけないのか。

そして。

どうして実験の事実を知っている、信頼を置いていた彼が、そんなことを言ってくるのか。

御坂妹には分からない。
心の中に渦巻くのは、憎悪や侮蔑、そして失念の気持ち。

人工的に冷やされた部屋の空気が気持ち悪く感じる。
夕方の斜陽が静寂が支配する診療室を照らしていた。


483VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 00:38:28.34z86CqtsJo (5/7)

ドアを閉める音が嫌に響いた。
音がリノリウムの床に反射し、小さくなっていく。
昼間の明るさとは打って変わって、間接灯で照らされた病院の廊下は薄暗く、気味が悪かった。そのわずかな灯が廊下の奥まで続いているのが余計に気味の悪さを助長する。


が、御坂妹がそれを気にする事はなかった。外からの不快感より中からの不快感の方が上回っている。
心の内をせめぎ合う感情はまとまる事なく、彼女を撫で回す。何とも言えぬ心情が御坂妹にはあった。

彼が昨日の夜遅くにここに運ばれて来たのは知っている。何が原因なのかも、そこに至る経緯も。
すべて、ミサカネットワークを介して送られてくる末妹の拙い、今にも途切れそうな映像から。


『……、分かってンだよ……』

頭の中で昨晩の声が再生される。一字一句たがわず、カセットテープを再生するように。
やがてノイズ混じりの映像が、ちょうど人の目の形の映像が始まる。

『目』の前に立つ、質素な黒いTシャツを着て、まるでこちらを守るように、こちらへの道をふさぐように手を伸ばす少年。かつての純白の髪は今は真紅に染まり、貫通した銃痕が見える。傷跡が痛々しく、立っているのが不思議だという状況。
それでも彼は立ち上がる。
こちらに背を向け、まっすぐに相手を見据えながら。
少年が叫ぶ。

『……クズだったとしてもさァ……このガキが、見殺しにされて良いって理由にはなンねェだろうが。俺達がクズだって事が、このガキが抱えてるモノを踏みにじっても良い理由になるはずがねェだろうが!』

それは叫びだった。彼の、一方通行の、もしかしたら彼の魂の。彼の本心だったのかもしれない。


彼が白衣を着た中年に飛びかかかるところで映像はブラックアウトした。
御坂妹は閉じていた目を開ける。目に映るのは先ほどより暗くなった病院の廊下と、これまた磨き上げられている床に映る自分の顔。

先ほどより心の内をめぐる感情の数は増えていた。同極の磁石のようにそれらは反発し、彼女の内部を刳り、傷つけていく。

御坂妹には分からなかった。
冥土帰しが自分に代理演算を依頼した理由も、一方通行の思考の補助しなければならない理由も。
行動の動機が。
彼が学園都市280万の頂点の能力を捨ててまで、末妹を救った理由が。

あの時、右手を離してさえいれば彼は助かっていたはずだ。一番単純な反射を機能させていれば、ものの一秒もかからずに済んだ話だ。
ウィルスコードの起動など、彼が手を降るだけで、幼女の命の消滅と共に解決する話だ。あの幼女に愛着があったのだとするなら、また作ってしまえばいい話だ。
どうせボタン一つで我々は作れる安っぽい存在なのだから。

かつての実験の時見た一方通行と、昨晩の彼は全く重ならない。寒気がするような微笑は、優しい微笑みに変わっていた。
自信にまみれ、才能の波に溺れていた彼の表情は弱々しく、まるで何かにすがりつきたそうにしていた。
群れを嫌い、孤独を好む一匹狼は、何かを懐かしむように寂しそうにしていた。

どちらも一方通行だし、『一方通行』ではなかった。彼が命を賭してまで救った理由が分からない。彼のあの態度の意味も、何もかも。
御坂妹には理解しがたいものだった。


484VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 00:39:14.27z86CqtsJo (6/7)

だからこそ。
御坂妹の心は波立ち、収まることがない。
心臓の鼓動が早い。体の中の血管の収縮運動が感じられる。動悸が激しい。

立つこともままならなくなり、御坂妹はその場に座り込んでしまう。スカートが捲り上がり、
太ももが露わになる。
が、それを気にすることもなく、彼女は壁に頭を預け、上を見上げた。

「……ミサカは……ミサカはどうしたらいいのでしょうか……」

返答を返す者などいない。すぐに静寂が彼女を包み込む。

「ミサカには……どうすることもできません……何もわかりません……どうしたらいいのかも……」

ここで演算補助するのは人道的かもしれない。このままじゃ彼は植物人間状態だ。動くことはもちろん、瞬きすら出来ない、考えることもできない、ただ生かされるだけの死ぬことを待つ存在になる。

が、ここで彼に救いの手を差し伸べるのは、すでにこの世にいない、欠番となった妹達への、そしてなによりクローンの自分達を許してくれた御坂美琴への、最大の侮辱だ。

彼女は自分達を救うために立ち上がり、ボロボロになり、精神を叩き折られ、絶望のどん底に叩き落とされた人物だ。
彼女をそこまで追い込んだ悪の根元を植物状態から救うために思考に手を貸す。
彼女は何と言うだろう。
死んでいった妹達は何と言うのだろう。

怒り?侮蔑?蔑み?諦め?

それらを引っ括めて、ごちゃ混ぜにして、凝縮したような感情を抱くだろう。


ふぅ、と。
彼女は息を吐き出す。数時間ぶりに呼吸をした気がした。肺の中の空気が循環する。初めてのこの場の空気が淀み、蒸されていることに気づいた。
それを自覚した途端、汗が噴き出す。

内の不快感を外の不快感が上回った。
ゆっくりと、体重を壁に預けながら立ち上がる。スカートの裾を気にして手で払うようにシワを伸ばす。わずかにホコリが舞う。
明かりの線上に舞うホコリを見ながら御坂妹は思案する。


「……ミサカネットワークに入ります……」

少しの時が過ぎ、ふと誰にともなくつぶやく。
同じ容姿形の、世界中に散らばる彼女らに聞こう、と。
投げやりでもあったし、民主主義的な考えでもあった。

自分一人では重すぎる。もしかしたら約1万人で背負うにもこの話は重すぎるだろう。
それでも一人よりはマシに違いない。

決断は早かった。

御坂妹はまるで何かを振り払うかのように大きく右足を踏み出す。
彼女の部屋までの道のりは遠かった。


485VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 00:40:55.59z86CqtsJo (7/7)

以上です


感じとしては

「あれ?なんで妹達は代理演算してんの?冥土帰しのいいなり?」

という疑問から生じたSSです
時系列的には9月1日からになります

続きはもしかしたらスレを立ててやるかもしれません

最後に
スレ汚し失礼しました


486VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 00:47:10.22bp88D2aSO (1/3)



なんだろうか、胸がぎゅりんってなった


487VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 00:49:05.67MpWxouhao (1/2)

がりゅん! ってなった! 乙

冥土帰し×御坂妹もいいなあと思いました


488VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(宮城県)2011/12/04(日) 01:13:42.659topx1jM0 (1/1)

すごくいいと思う


489VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道)2011/12/04(日) 02:08:22.75XWHN7j2P0 (1/1)

これは続きがあるなら期待


490VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県)2011/12/04(日) 02:55:53.96mdrWraVL0 (1/2)



一方「打ち止めの好きな所ォ?」ハァ?

美琴「そう、教えてほしいなーって思って」ウンウン

一方「そォか。遂にお前も打ち止めチャンの魅力に気付いたか」ソウカソウカ

美琴「頼むから一緒にしないで欲しい」

一方「そうだな、強いて言えば…」ウーン

美琴「言えば?」ウン?

一方「顔?」カナ?

美琴「……」エッ?

一方「やっぱ顔だなァ」ウンウン

美琴「・・・マジで言ってんの?」ワタワタ

一方「おォ」モチロン

美琴「私も同じ顔なんだけど…」オズオズ

一方「……」ジー

美琴「……」ビクッ

一方「お前はよォ…あれだ。完璧すぎるっていうか…」ウーン

美琴「  」ポカーン

一方「…うン、そンな感じだ」ウンウン

美琴「…な、何言ってんの?」カァァァァ

一方「いや、だからよォ、理想像過ぎるって言う感じだな。例えばよォ、ミロのヴィーナスとか見たって欲情しねェだろォ。あれは裸像で美人だとは思うけど、ゲイジュツって奴じゃねェか。要するに非の打ちどころが無さすぎる。アレみてアソコおっ勃てるヤツァいねェだろ?」ペラペラ

美琴「・・・・・・」ポカーン

一方「あァ。要するに、オマエは最早ゲージュツ品な訳だ。ゲイジュツってのを愛でる為には安易な愛情なンかじゃなく、高尚な知識と落ち着き、そして包容力が必要なンだよ。それと同じだ」ワカッタカ?

美琴「・・・・・・」ポー

一方「その点打ち止めチャンはだなァ、顔のラインが適度に緩んで表情も鋭くねェ。要するに作りが甘ェんだな。その隙が俺のココロを震わせるってェ訳だ」ウンウン

美琴「……・・・」ポッポー

一方「オイオイなんでスかその興味無さそうな面はァ。お前が聞いてきたンだろーが」オイコラ

美琴「ご、ごめん。でもなんか理解したら負けな気がして…」アセアセ

一方「ったく・・・ン、なンか顔赤ェぞ?どした?」アァ?

美琴「ななな、なんでもない。マジでなんでもないから」チガウッタラチガウンダカラ!

一方「なンでもねェヤツがンな顔赤くする訳ねェだろ。風邪でもひいたか?」サムクネェカ?

美琴「なんでもないって言ってるでしょ!ばーか!!」プンプン

一方「え!お、おォ、悪ィ・・・」ナンデオコッテンダ?

美琴「バイバイ!!」フーンダ

一方「お、おォ、ばいば・・・風のように走り去って行きやがった」ナンダァ?

一方「・・・・・・」ポツーン

一方「・・・仕方ねェ、打ち止めに会ってこっと」ヨミガワンチダナ




・・・という話を思いついたけれどたぶん続きを書くことは無い。


491VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県)2011/12/04(日) 03:03:32.183rZ8CaKao (1/1)

またまた御冗談を
続きを期待しい所ですよ


492VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 03:15:17.67qT0gBS1so (1/1)

先にCPの注意書きくらい書いてほしいんだが…


493VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県)2011/12/04(日) 03:21:47.47mdrWraVL0 (2/2)

すいません。1レスだからいいかな、と軽く見てました。反省してます。ageたのもごめんなさい。


494VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中国地方)2011/12/04(日) 04:33:02.19Z+6LVjS8o (1/1)

乙ー
>>492これ別にCPじゃなくね?


495VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)2011/12/04(日) 07:57:06.61GKEqW0Xgo (1/3)

>>492
注意が必要な程のCPでもNTでもないだろ…
カプ廚しねよ


496VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)2011/12/04(日) 11:26:52.12UrE4QRzZo (1/1)

どうでもいいけど、誰かヨミガワにツッコめよ


497VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 11:49:55.73bp88D2aSO (2/3)

>>496
わろた
今気づいた



498VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 13:09:29.02DW/PLy+DO (1/1)

投下時のageはいいんじゃないか?



499VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 13:54:35.566770HIRr0 (1/1)

おつ
悪くない、私は好きだぞ。


500VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 19:54:11.96K31DGi0io (1/1)

上条さんタとか思いついたけど
よく考えたらさんをつければ黄泉川さんタでも土御門さんタでも問題なかった


501VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 20:21:17.16yZ32FSaL0 (1/2)

遅ればせながら乙!
カップルっていう程いちゃついた訳でもないから気にする必要は無いと思うよ。
>>429みたいな上琴派か通行止め派は何処にでも出てくるから気にするな。


502VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 20:22:19.00yZ32FSaL0 (2/2)

>>429じゃなかったな、>>492だったな。



503VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 20:30:58.07PUh5J/ITo (1/1)

乙。
顔の好みって大事だよなwwwwww

>>501
最後の一文わざわざ言う意味あるのか?
どっちのカプ派でもなく単に苦手な人、もしくはルールに厳しい人の可能性もあるのに無駄に波風立てるなよ


504VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(空)2011/12/04(日) 20:36:15.76indWnlAr0 (1/1)

上琴厨の俺でもこのSSに>>492みたいに思わないよ・・・
カプ厨とかそれ以前の問題っつーか


505VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)2011/12/04(日) 20:44:03.67GKEqW0Xgo (2/3)

>>503
この程度で苦手なんて言われたらなにも書けねえよ
てかカプって言えるレベルでもねえだろが


506VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 21:07:16.43Py0Y7Zy/0 (1/2)

男女の組み合わせなら別に注意書きなんかいらないんじゃない?

濃厚な同性愛やエロとか、ゲテモノ食い、スカトロ、極端な鬱やグロ、NTR、オリキャラとか以外は注意書きいらなくない?


507VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 21:09:10.49MpWxouhao (2/2)

地雷が多い奴は大変だな


508VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)2011/12/04(日) 21:10:19.69o6vruHego (1/1)

>>506
>>490くらいならまだしも、嫌なカプは嫌だわ


509VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 21:16:26.08mpjl1G/G0 (1/8)

5レスほど頂いてもよろしでしょか グループのメンバー(アホ)の会議録です


510VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)2011/12/04(日) 21:16:43.71GKEqW0Xgo (3/3)

>>508
極端に人を選ぶもんじゃねーだろカプなんて
注意書きはあったほうがいいだろうけど、おめえの嫌なカプなんぞ知るか


511特攻暗部組織グループの会議目録2011/12/04(日) 21:17:48.12mpjl1G/G0 (2/8)

実験やテロや暗殺とかで慣らした俺たちは、卑劣な手でアレイ☆に弱みを握られてしまい、暗部組織グループとして働かさせられることとなった、しかし、手駒で終わるような俺たちじゃない、学園都市の裏をかくためなら汚れ仕事だってやってのける人でなし。不可能を可能にし巨大な悪を粉砕する、俺達、特攻暗部組織グループ!

「俺はリーダー、土御門元春。通称『陰陽博士』、陰陽術と諜報活動の名人!俺のような天才戦略家じゃなきゃ百戦錬磨の強者どものリーダーは務まらん!」

「自分は海原光貴。本名エツァリ。自慢のルックスに女の子はみんなイチコロです、変装かまして御坂さんの短パンから御坂さんの◯◯◯まで、なんでも揃えて見せますよ!」

「私は座標移動(ムーブポイント)の結標淡希、通称『あわきん』グループの紅一点、案内人としての仕事は能力と美貌でお手の物!」

「一方通行、通称『第一位』超能力の天才だ、エイワスでもぶん殴ってみせらァ、でも演算補助停止だけは勘弁なァ!」

俺たちは道理の通らぬ学園都市にあえて挑戦する、頼りになる神出鬼没の!

「「「「特攻暗部組織グループ!!」」」」


「裏の仕事がある時はいつでも言ってくれ」






~特攻暗部組織グループのとあるアジト~


土御門「と、今回の仕事はこんな感じだ、まぁ言ってしまえば余裕だろうな」


海原「確かに、これまでの仕事に比べれば拍子抜け…といった感じでしょうか」


一方「なんで俺らがそんなカスの相手しなきゃなんねェんですかァ?かったりィ」


結標「油断してると痛い目に遭うわよ」


土御門「で、問題はここからなんだが…」


今回の議題 ~義妹~


512特攻暗部組織グループの会議目録2011/12/04(日) 21:18:27.59mpjl1G/G0 (3/8)

土御門「俺はこのミッション、参加することが出来ん、お前らだけで実行してくれ」

一方「あァ!?てめェ、任務をサボりとは舐めたマネしてくれるじゃねェか!」

海原「待ってください一方通行さん、彼にも何か特別の事情があっての事でしょう!」

結標「そうよ、土御門が裏でいろいろ手を回してくれてるから、私たちも比較的動きやすくやれてるんじゃない」


一方「ちっ、せめてその理由くれェ明かしてもらうぞ」


土御門「舞夏と買い物」




一方「は?」




土御門「舞夏と…その日は舞夏と買い物に行くんだ…」


結標「(なんて…)」

海原「(清々しい微笑みなんだ…!)」


一方「…」カチッ

結標「気持ちは分かるけど!!痛いほど分かるけど落ち着いて!!」

一方「てめェ…そんなクソみてェな我儘が通じるような組織じゃねぇことくらい分かってんだろうが!」

海原「そうですよ!それだったら自分だって休みたいです!」

一方「そういうことじゃねェ!!」


土御門「何か勘違いしてるようだな、お前ら、いいか?リーダーは俺だ、すなわち俺がルール……」


土御門「本日をもってグループメンバーは義妹との予定を何より優先すべしだにゃー!!」

一方「こいつ人間のクズだわ」

結標「暗部だしね…」



513特攻暗部組織グループの会議目録2011/12/04(日) 21:19:22.63mpjl1G/G0 (4/8)


海原「ふ…ふ…ふふふははは!」



土結一「!?」


海原「……そういうことならば、自分もその日はお暇を頂いちゃいますかね…」


土御門「なにっ!?お前に義妹なんか…いや、まさか!?」



海原「そうです!!その日はそういえばちょうどショチトルの誕生日だったのでねぇ!」

結標「卑怯よ!あの娘は戸籍上ではあなたとは無関係じゃない!」

土御門「あぁそうだ!俺と舞夏は戸籍上でもきっちりとした義兄妹だぜい!!」

一方「つゥか、休みたいだけだろオマエ」

海原「ほう…ではあなたに自分とショチトルとの絆を、長年寄り添い、もはや一緒にいることが自然となった二人の絆を!否定できるのですか!?土御門さん!」

一方「無視か?」


土御門「はっ…!!……くっ、出来ない!!一人の義妹を愛する漢として…そんなことができるわけがない!!」

一方「馬鹿には聞こえないベクトルでも入力されてんの?俺の声」


土御門「あぁ、認めよう…ショチトルを海原光貴の義妹と認め、ルールにより義妹の誕生日を上位に、任務を下位に…」

海原「ふふ……ということで、今回は結標さんと一方通行さんだけで…「待ちなさい!!



514特攻暗部組織グループの会議目録2011/12/04(日) 21:20:05.38mpjl1G/G0 (5/8)


結標「結論を出すには早いわよ?」

土御門「ま…まさか、お前にも義妹が…っ!?」

海原「義妹どころか友達すらいなさそうな結標さんに!?」


結標「私の義妹…それは月詠小萌!私の居候先の家主よ!!」


土御門「む…無茶だ!!だって…だって年上だもん!!」

海原「確かにそれは無茶ですよ!!」


結標「ふ…愚か者どもめ……」

一方「いや、お前もな」

結標「私が小萌と一緒に外を出歩いていて…果たして何人の人が小萌のほうが年上でしかも家主で教師だなんて思うかしら?」

土御門「は……見える!俺にも見えるぞ!!ただでさえ容姿を気にしている小萌先生が…自分より年下の結標の妹に勘違いされ涙目になっている様が…っ!」


小萌『わ、私は結標ちゃんより年上で…どっちかっていうとお姉ちゃんなんですよ~!!』うるうる


土御門「ぐっはぁっアリだーーーーっ!!」

結標「Yes!!」


海原「くっ、リーダーである土御門さんが言うなら……それならば今回はもう一方通行さんだけで…」



一方「ちょっと待てェェ!!」


土御門「一方通行…義妹も居ない奴に仕事を休めると思うなよ」

海原「グループはそこまで甘い組織では……ないんですよ?」

結標「………その通りよ!」




515特攻暗部組織グループの会議目録2011/12/04(日) 21:20:34.41mpjl1G/G0 (6/8)



一方「ククク…忘れちゃいねェか?……俺の打ち止め(とっておき) をよォ…」


土結海「「「!!」」」











~窓の無いビル~


報告書: 新規則により任務は中止、グループ全員とその義妹達とで遊園地に行くこととする。


アレイ☆「………アホしかいないのか、グループには」




516VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 21:23:12.78mpjl1G/G0 (7/8)



以上、 完全に出落ちだけどね  ちょっと長かったかも…


517VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 21:33:44.91fq6izg2No (1/1)

一方通行の「ん」は片仮名な


518VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 21:34:10.23bp88D2aSO (3/3)



好きだよ、こういうの


519VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/04(日) 21:37:51.10Py0Y7Zy/0 (2/2)



欲を言えば紹介の時にモンキーも欲しかったけど、キャラ足りないもんな。
あと、一方通行の二人称はオマエね。


520VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/04(日) 21:43:36.95jBPemmR60 (1/1)



面白かった


521VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/04(日) 21:44:47.15mpjl1G/G0 (8/8)

>>517 >>519 Oh…… すいまそん


522VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県)2011/12/05(月) 00:05:39.85/inS4JDz0 (1/1)

どんまい


523VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/05(月) 00:53:46.76Nf3tCGaro (1/1)

乙乙

>>506
男女の組み合わせでも恋愛感情を捏造してるなら一言あると嬉しいって思うな、個人的な感覚だけど
禁書じゃないけど、「やおいじゃないから男女だからいいでしょ」って言うスタンスの
公式じゃない男女カプ厨に辟易することは結構ある
同性愛だろうが異性愛だろうが、原作に無い恋愛感情を捏造するのに変わりないから、
男女だったらいいとはあんまり思えないかなぁ

最初の数行で察してスルーもできるから、注意書き必須にしろーとまでは思わないけどね


524VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/05(月) 01:07:45.270H55FVjDO (1/1)

敏感な人のいるカプは表記推奨程度でいいんじゃない?
電磁通行とか上琴(も多いよね?)とか


525VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/05(月) 01:45:43.93raiLE7xAO (1/4)

2レスほど頂きます。それぞれがもし自分とは別の相手とのカップリングに萌えていたら、というネタのギャグです。


526VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/05(月) 01:48:26.31XC7z0tJao (1/1)

ネタの内容が現在の話題の皮肉でワロタ


527VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/05(月) 01:49:04.28raiLE7xAO (2/4)


イン「とうまーとうまー。今日はどこ行こっか」テクテク

上条「んー、あんま金かかるとこは無理だしなあ。ゲーセン……うーん」テクテク


美琴「ちょっとアンタたち!」


イン「!……短髪!」

上条「お。ようビリビリ」

イン「……何の用なのかな?」

美琴「べ、別に?見かけたから声かけただけよ!悪い?」

イン「そんなことは一言も言ってないんだよ。短髪はちょっと短絡的過ぎかも」

美琴「なんですって!?」

上条「お、おーい。会って早々ピリピリすんのやめません?」

イン「……本当は短髪はとうまとお話したくて話しかけたんじゃないのかな?」

美琴「は、はあ!?違うわよ!それよりアンタたち二人して仲良く歩いて……これからデ、デートでもするのかしら?」

上条「え?いや俺たちはただ遊びに……」

イン「そうだよって言ったら短髪はどう思うの?」

美琴「!?」

上条「えっ、ちょ、ちょっとインデックスさん!?」

美琴「それは……」









美琴(……嬉しいに決まってるじゃない!なに?ほんとにデートなの!?正式に上イン成立!?)

イン(動揺してる動揺してるwwwwヤキモチwwww上琴ktkrwwwwたwwぎwwwwるwwwwwwww)

美琴(やっぱ鈍感男×腹ペコシスターが至高よね!萌えるわ!)

イン「短髪。なんだったら短髪がこれからとうまとどこかお出掛けしてきたらどうかな?(上琴デートwwww俺得wwww過ぎwwww)」

美琴「何言ってんの、二人を邪魔する気なんかこれっぽっちもないわよ?
なんなら私がお金出してあげるからたまには何か美味しいものでも食べてきなさいよ(ペロッ!これは……餌付けイベントフラグ!“あーん”とかwwww王道wwww)」

イン「……」ニコッ

美琴「……」ニコッ


上条(え?なにこの状況。なんでこの二人イマイチ仲良くなれないんだかなあ……)




528VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/05(月) 01:53:02.31raiLE7xAO (3/4)



打ち止め「ねえねえあなた!さっきから暇そうにしてるよね?ってミサカはミサカは尋ねてみる」

一方通行「あァ?なンだ、まさかどっか行きてェとか抜かす気か?」

打ち止め「うん。ねえあなたもこの人とお出掛けしたいよね?番外個体!」

番外個体「え?」

一方通行「はァ?……オマエが行きたいンじゃねェのかよ」

打ち止め「ううん。たまにはあなたたち二人でデートしてきたらどうかな!
ってミサカはミサカは気を遣える大人の女アピールをしてみる!」

一方通行「デートだァ?なンで俺がコイツと……」

打ち止め「ダメなの?どうして?」ウルウル

一方通行「……」

打ち止め(……よっしゃ、ネタフリ完了!通行止めなんてもう出尽くしてるんだよ!
これからの時代はやっぱ番外通行wwですよwwwwねーwwwwww)

番外個体「ちょっとちょっと、ミサカの意思を無視して話進めないでくれる?
第一位とデートとか萎え過ぎてヤバイんだけど。それより最終信号が行ってくれば~?」

打ち止め「え?」

番外個体(……やっぱ基本は通行止め!これがミサカのジャスティス!
クール系一匹狼キャラ(笑)の心を開かせる天真爛漫系アホ毛幼女の構図とかwwwwマジwwwwごはん十杯いけるwwww)」

打ち止め「そんなあ。ミサカはいいから番外個体が行ってきなよ!
ってミサカはミサカはもしかして照れてるの?(ツンデレな末っ子wwwwテンプレwwww)」

番外個体「そんなわけないじゃん。最終信号こそミサカに遠慮してるんでしょ?いらない世話過ぎて迷惑なんだけど~。
(これはねだられて第一位がクレープとか買っちゃう展開!ほっぺについたクリーム舐めとられて恥ずかしがる最終信号!いいねいいね最っ高だね!)」

打ち止め「……」ニコッ

番外個体「……」ニコッ


一方通行(……なンでコイツら雰囲気ギスギスしてンだ?喧嘩でもしたのかァ?)








黄泉川(やっぱり芳川通行が一番じゃん!自堕落ミステリアス系な本当の大人の女と大人ぶってても実はまだまだ子供な一方通行!アダルトな恋の予感!)

芳川(フフ、体育会系巨乳美女に振り回されてだんだん明るい世界に感化されていく学園都市最強!美味し過ぎるわ!これからの時代は当然黄泉川通行ね!)




529VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/05(月) 01:56:12.31raiLE7xAO (4/4)

終わりです。特に皮肉るとかいうつもりはなくほんとにただの思いつきです、こういうの苦手な人いたらごめんなさい。既出ネタだったらもっとごめんなさい。




530VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/05(月) 02:23:10.22IhBHxDIno (1/1)

むしろどんどんやってくれたまへ

これで上条さんや一方さんがみこイン派や番外止め派だったりしたら一層素晴らしいな
そしてお互いwin-winな関係として3Pせいりt


531VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福島県)2011/12/05(月) 02:32:28.75Q4QWEFDGo (1/1)

乙!
なんだこれすげえ好みだ


532VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中国地方)2011/12/05(月) 03:20:46.59CjDgyOUHo (1/1)

乙、確かにどこかで見たネタな気はするけど面白かったよ
他パターンもぜひ…

>>523
それなら公式だと浜滝以外なくないか?
原作では上条さんも一方通行も誰かに恋愛感情なんて持ってないと思うけど
二人が誰かと付き合ってたりなんだりする話は全部恋愛感情の捏造と言えば捏造じゃん

まあ、異性同性メジャーマイナーにかかわらず
注意書きとかして保険打っとくのは悪くは無いと思うけどさ
オチが注意書きで判明しちゃうとかいう場合はともかく


533VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県)2011/12/05(月) 09:06:27.60EjQ4STId0 (1/1)


見方によっては>>528の一方通行さんがハブられているようにも……。



534VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/05(月) 09:18:39.74FHLy6NZPo (1/1)

一方さんが番外止めと黄泉芳に萌えてたら完璧だったな


535VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/05(月) 12:19:51.20PFc5H7Ye0 (1/1)

むぎのん百合ハーレムに萌える浜面と聞いて


536VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank)2011/12/05(月) 13:32:36.89Tbe16CdO0 (1/1)


カプ厨ってこんなかんじなのか…


537VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank)2011/12/05(月) 15:44:09.45dRhqfidoo (1/1)

浜滝派の麦のん
浜絹押しの滝壺
浜フレに萌える絹旗
浜麦が結局きてるフレンダ

こんな感じか
すっげえ牽制合戦だな


538VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中国・四国)2011/12/05(月) 15:46:58.61cqnx4BJAO (1/1)

必要悪の教会女子寮だとどうなってまうん?


539VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/05(月) 17:38:43.064dHxTU5AO (1/1)

>>538
オルソラ×アニェーゼ押しのシェリー
オルソラ×シェリー押しのアニェーゼ
アニェーゼ×シェリー押しのオルソラ
ルチア×アンジェレネ押しの他アニェーゼ部隊



神裂×洗濯機押しの他全員


540VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/05(月) 17:50:59.71J7BavGUb0 (1/1)

上条×土御門押しの吹寄…どっかで見たな


541VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道)2011/12/05(月) 18:09:03.548+3tM1FQ0 (1/1)

>>532
確かに公式カプって浜面×滝壺だけなんだよなあ……
その割りにこの2人メインのSSってあんまりないんだよなあ…萌え要素が足りないのか


542VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/05(月) 18:15:51.83iCVQb+zq0 (1/1)

>>541
原作であるのに二次でする必要性が薄いからじゃないかな?
禁書はキャラ数が凄いから、自分の好きな組み合わせを妄想できるのも利点だし。


543VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/05(月) 18:20:06.12bf4Zy/Y2o (1/1)

滝壺グループはSSのメインキャラの所で惚気けたりする役割


544VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)2011/12/05(月) 18:29:49.44aHkhn6G/o (1/1)

>>543
あとは、実は口ばっかりで純情な麦のんの代わりに性知識を披露する役目とか?www


545VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/05(月) 18:40:09.23GvC//76DO (1/1)

他キャラの恋愛アドバイザーとかな
浜滝がひたすらイチャイチャするSSとかも書きたいけどね


546VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区)2011/12/05(月) 19:18:10.48WAmLBi6Po (1/1)

えっとつまり上五を押す建宮さんは公式では上建ということに
あれ?


547VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/05(月) 20:15:25.71RAzTWHoSO (1/1)

どうしてこうなったww


548VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 02:28:04.38hnTlVpKAO (1/10)

>>527ー528の続きがなんとなく思い浮かんだんで投下します。
打ち止め→番外通行萌え
番外個体→通行止め萌え

という設定のギャグです。完全にキャラ崩壊してるので苦手な方は注意。




549VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 02:32:28.61hnTlVpKAO (2/10)


打ち止め「さあ早くこの人と出掛けてきなさい!ってミサカはミサカはこれは上位命令だよ!」

番外個体「なに言っちゃってんの?第一位は最終信号と出掛けたいに決まってるじゃん!」

打ち止め「あなたと!!」

番外個体「最終信号と!!」

打ち止め「……」ピリピリ

番外個体「……」ピリピリ


一方通行「……おい、オマエらいつまで仲良く喧嘩してンだ。どっかのネズミと猫か」

番外個体「はあ?違うし。これは正義を懸けた闘いだし。
(ミサカとばっか喋ってる最終信号にイライラしてるww独占欲やべぇwww萌えるwww)」

打ち止め「もうこの際白黒はっきりさせようよ!
あなた!あなたの選んだカップリングは何!?ってミサカはミサカは強く迫ってみたり!(まあ番外通行に決まってるんだけどねwww)」

番外個体「!!」

一方通行「カップ……リング……?」



一方通行(カップリング……カップルの現在進行形?カップル…『二つで一組になっているもの。一対。特に、男女の一組。夫婦・恋人どうしなど』。……あァ、なるほどな。そォいうことか)

一方通行「ちっと出掛けてくる」ガタッ

番外・止め「「えっ?」」

一方通行「……」カツカツ

<ガチャ バタン


番外個体「……え、なにこれ。どういうこと?」

打ち止め「カップリングのネタを振ってからあの人は出て行った……。
もしかして今から本命のところに向かって…?えっじゃあ相手は誰!?座標通行!?まさか電磁通行とか……」

番外個体「そんな!第一位は最終信号一筋のはず!」

打ち止め「違うよ!番外個体一筋だよ!ってミサカはミサカはそこだけは譲れない!」

番外個体「……」

打ち止め「……」


番外・止め「「……尾行開始、だね」」

~~~



一方通行「……」カツカツ

「……あら、貴方は」

一方通行「あ?」


番外個体「!あれは……!」コソコソ

打ち止め「まさか……」コソコソ


結標「一方通行じゃない。奇遇ね」

一方通行「……結標か」




550VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 02:36:46.82hnTlVpKAO (3/10)


打ち止め「ええ?ほんとに座標通行!?そんなあ……」

番外個体「なんでそんな発育のいい女なのさ!第一位のアイデンティティーはロリコンでしょ!?」


一方通行「なンだよ」

結標「元同僚に向かってなによその態度は。挨拶くらいいいでしょ?」

一方通行「ふン」

結標「……ねえ、ところで貴方に聞いて欲しいことがあるのだけど」

一方通行「あァ?」


打ち止め「!ま、まさか告白!?」

番外個体「ちくしょう!ちくしょう!一番身近に相手いるだろうが!ばっかじゃねえの?ばっかじゃねええええええのォ!?」

結標「私ね……気付いたの」






結標「ショタなんてもう古いわ!これからはおじ様の時代だってことにね!」バーン!

一方通行「」

打ち止め「」

番外個体「」



一方通行「……あ?」

結標「枯れ専!これこそ人類の希望!乳くさい子供なんてダメダメ、背中に哀愁漂うダンディズムこそ正義!男は六十歳からが本番なのよ!」

一方通行「………」

結標「あら、黙りこくってどうしたの?」

一方通行「オマエにドン引きしてンだよ」

結標「ああ、なるほど。貴方ロリコンだものね。中学生はババァ(笑)とか言ってる貴方にこの崇高な感情が理解出来るはずなかったわ」


番外個体「!!中学生はババア発言キタコレ!ほらやっぱ第一位はロリコンじゃん!フーゥ!」

打ち止め「ぐぬぬ……」


一方通行「ンなこと一言も言った覚えねェよ、捏造すンな。中学生でババアだったらオマエなンざミイラじゃねェか」

結標「はあ!?ちょっと、人をミイラ呼ばわりとか何様よ!?」

一方通行「だから呼んでねェ。オマエは全然若いだろォが」

結標「えっ…」

番外個体「えっ」

打ち止め「否定した!否定したよ!ほらやっぱりあの人はノーマルだ!つまりミサカは対象外!これで通行止めの可能性は消えた!」

番外個体「ぐっ…。いやまだ『ロリコンじゃねェ。好きになった相手がたまたまロリだっただけだ(キリッ』っていう道が!
でもあの女の反応……コレほんとに座標通行になっちゃうんじゃ」




551VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 02:39:57.22hnTlVpKAO (4/10)



結標「………駄目ね」

一方通行「は?」

結標「つまり私もまだまだガキ臭いお子様ってことじゃない。素敵なおじ様と釣り合うためにはもっとスレた女にならなきゃ……!」

一方通行「……」

打ち止め「……」

番外個体「……」

一方通行「……。もォイイ、オマエと話してると疲れるわ」

結標「ふん、それはこっちの台詞よ。私と会話したかったらあと五十歳年取ってから来なさい」

一方通行「あァそォ。じゃあもう帰れよショ……ジジコン」

結標「言われなくてもこれから水戸黄門の再放送見て黄門様に萌えるんだから帰るわよ。じゃあね」シュンッ

一方通行「……」

番外個体「……」

打ち止め「………これは流石に引くわ」


~~~


一方通行「……」カツカツ

「ん?おーい!」

一方通行「?」


打ち止め「!?なっ!」

番外個体「はあ!?」


垣根「よう。第一位じゃねえか」

一方通行「……なンだ、オマエかよ」

垣根「なんだよつれねえなあ。久しぶりの会瀬だってのに」

一方通行「はァ?」


打ち止め「えっ?えええええ!?まさかの垣一!?そっち!?そっちなの!?」

番外個体「……これはミサカも予想外だった」


一方通行「誤解招く発言してンじゃねェ。鳥肌立ったわ」

垣根「冗談だよ冗談。そうだよな、お前生粋のロリコンだもんな」

一方通行「オイ」


番外個体「!ほらほらほらー!やっぱ世間一般の認識じゃあの人はそういう人種だと思われてるんだよ!やっぱ通行止めが公式!」

打ち止め「くっ…!そんなバカな!」




552VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 02:42:07.60hnTlVpKAO (5/10)


一方通行「なンでどいつもコイツもそのネタ振ってくンだよ。イイ加減飽きて突っ込む気力も湧かねェわ」

垣根「なーんだ、つまんねえ。……ああそういやお前ん家もう一人女の子いたよな。番外個体ちゃんだっけ。そっちが本命?」

一方通行「あ?」

番外個体「は?」

打ち止め「!!キタキタキターーー!ほら結局今は番外通行がキてる訳よ!
ってミサカはミサカは思わず口調が変わるくらいテンションが上がっちゃったり!」

番外個体「ぐぬぬ……」

一方通行「ねェよ。アイツは妹みてェなモンだ」

垣根「え?そうなの?じゃあ俺狙ってもいい?」

一方通行「死ね」


打ち止め「ハイ、ヤキモチ頂きましたー!」

打ち止め「あの人は素直じゃないからホントは番外個体のことが大好きなのに“違う”って言っちゃうんだよ!
でもでもやっぱり他の人に盗られるのは許せないんだよね!ってミサカはミサカは番外通行の真髄を見た!」

番外個体「うぅ…まさかミサカが負けた…?あの人に好かれても嬉しくないのに……最終信号との絡みじゃなきゃ萌えないのに!」

垣根「なんでだよ、お前の彼女じゃないなら俺にもアタックする権利はあるだろ」

一方通行「ふざけンな、オマエみてェなチャラチャラした奴とくっついたらアイツが泣きを見るに決まってンだろォが」

垣根「信用ねえなあ。つーかなんだお前、それもう妹っつーより娘じゃん。完全に親目線じゃん」

一方通行「うるせェ。アイツはもっと真面目で堅実な奴ンとこに嫁がせる予定なンだよ」

垣根「親御さん(笑)」

一方通行「死ね」


打ち止め「…………」

番外個体「ぷっww完璧にミサカ第一位の恋愛対象外じゃん。どーんまーいww」


一方通行「ちなみに当然打ち止めもだ」

番外個体「…………」

打ち止め「どーんまーーいww」
番外個体「くっそぅ…。でもこれってつまり通行止めも番外個体もどっちもナシってこと?じゃあ第一位の本命って誰なのさ!」

垣根「ん、じゃあ俺はそろそろ行くわ。まあ番外個体ちゃんにはよろしく言っといてくれ」ヒラヒラ

一方通行「死ね」




553VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 02:46:53.34hnTlVpKAO (6/10)


~~~


一方通行「……」カツカツ

一方通行「ったくよォ……俺の周りは馬鹿しかいねェのか」ブツブツ


打ち止め「うーん、結局あの人はどこに向かってるんだろう?
ってミサカはミサカはあと考えられる相手はお姉さまか下位個体くらいしか思いつかないんだけど…。大穴であのシスターさんとか?」

番外個体「………。ねえ、今気付いたんだけどさ。第一位の本命が自分×誰かとは限らないんじゃないの?」

打ち止め「!?」


打ち止め「なん……だと……」


番外個体「例えば黄泉川×芳川とかお姉様×御坂妹とかに萌えてる可能性もなきにしもあらずだよね」

打ち止め「あの人百合厨だったの!?」

番外個体「あり得ないなんてことはあり得ない」

打ち止め「そ、そんな!じゃあもしかしてさっきミサカたちが言い争ってた時も内心では
『あはぎゃはっwwイイねイイねェ!番外止め最っっ高じゃねェかァァ!姉妹丼ひゃっふゥゥゥゥ~!!』とか思ってたかもしれないってこと!?」

番外個体「流石にそれはないと信じたい」

打ち止め「でもでもあり得ないなんてことはあり得ないし…ううー!
結局あの人推しのカプはなんなの!ってミサカはミサカは地団駄を……ん?あの人は…」

番外個体「え…」


上条「お。よお、一方通行」

一方通行「!三下……!」

上条「はは、偶然だな~」

一方通行「……ちょうどよかった。オマエに相談してェことがあったンだよ」

上条「うん?なんでせうか?」


打ち止め「……」

番外個体「……」

打ち止め「まさか上一だったとは……」

番外個体「クソ!クソ!ミサカにBL耐性があれば!そしたらこの状況に萌えられたのに!でもダメ!もうミサカは通行止めしか愛せない…!」


一方通行「……つゥかその前になンでそンなボロボロなンだよ。また不幸に巻き込まれたか?」

上条「いやあ、それが何故かさっきまで暴食シスターとビリビリ中学生が物凄い険悪ムードでさ。
なんとか宥めてたら今度は二人してよく分かんないかっぷりんぐ?の話しながら行っちゃったんだよ。それでようやく解放されて今帰る途中…」

一方通行「!?カップリング……!?」


一方通行「今確かにカップリングつったよな!?」

上条「え?ああうん。聞き慣れない単語だけど。一方通行は知ってるのか?」

一方通行「あァ。カップリングっつゥのはなァ……」




554VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 02:52:09.45hnTlVpKAO (7/10)


打ち止め(!キターーー!?)

番外個体(通行止め通行止め通行止め通行止め通行止め…)



一方通行「婚約指輪のことなンだよ!!!!」バーン!



打ち止め「……え?」

番外個体「……え?」

上条「え?」


一方通行「イイか、カップリングとはカップルにingがついた単語、すなわち現在進行形でカップルであるってことだ!
さらにカップルにリングを足した造語でもある。つまりエンゲージリングのことを指しているンだよ!!」

上条「な、なんだってーー!」

打ち止め「え?……え?」

番外個体「……」ポカーン


上条「ってことはインデックスと御坂は恋人同士……?しかも既に婚約指輪を買う算段まで立てているほどの仲!?」

一方通行「あァ。そォなるな」

上条「あいつらレズだったのか……。なるほど、仲が悪く見えたのも本当は喧嘩するほど仲がいいっていう…」

一方通行「……俺もそれで悩ンでンだ」

上条「えっ。もしかして相談ってそれか?」

一方通行「おォ。実はな、さっきウチのガキ共もカップリングが云々言っててよォ……」

上条「なんですと!?」


番外個体「おい、まさか」

打ち止め「待って待って待って、え、ちょ…」



一方通行「……多分アイツらデキてる」

打ち止め「」

番外個体「」


一方通行「決して同性愛を否定するわけじゃねェ。だがアイツらの場合血の繋がった姉妹な訳だし……
出来ればもっと生産性のある相手を見つけて欲しいンだよ。欲を言えば医者か弁護士の次男坊」

上条「一方通行…」


番外個体「おい。……おい」

打ち止め「ちくしょう、こんな、こんなはずじゃ…!ああもう!」ダッ

番外個体「あっ!」


打ち止め「あなた!」バッ

一方通行「!クソガキ!?まさか尾けてやがったのか!」

打ち止め「ごめんなさい!でもお願い、その誤解だけは解いて欲しいの!!ってミサカはミサカは頭を下げながら懇願してみる!」




555VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 02:59:36.67hnTlVpKAO (8/10)



一方通行「……どォいう意味だ」

打ち止め「あのね、カップリングは指輪のことじゃないの」

一方通行「え」

打ち止め「カップリングっていうのは……簡単に言うと好きなカップルの組み合わせってことなの。
ミサカはあなたが一体誰を好きなのか知りたかっただけで……だから番外個体とは絶対にそんな関係じゃないよ!ってミサカはミサカは断固否定の表明をしてみたり!」

一方通行「……そうだったのか」

上条(あ、じゃあインデックスと御坂も違うのか。なんだ……アレ?なんかちょっと残念なような……な、なんだこの気持ち)


打ち止め「それで……あなたが本当に好きな人を教えて欲しいんだけど
ってミサカはミサカはそれともほんとに百合好きだったり?」

一方通行「(百合…?)べ、別に俺はそォいうのは……」

打ち止め「本当に?コイツと一緒にいるとドキドキするとか、もしくはアイツとアイツが一緒にいるだけでキュンキュンするとかないの?」

一方通行「いや…俺は…」

打ち止め「……そっか」

一方通行「で、でも……」

打ち止め「!」

番外個体「!」



一方通行「でも俺は三下となら…その…///」ボソボソ

打ち止め「は?」

番外個体「え?」

上条「……はい?」


打ち止め「……ちょっと待って。あなた、それこそ生産性のないカプだと思うんだけどってミサカはミサ……ま さ か」







一方通行「………………。俺は女だ」

上・止め・番外「「「―――!!??」」」










垣根「上条×百合子ハァハァハァハァハァwwww」




556VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 03:02:17.86hnTlVpKAO (9/10)

終わり!

いろいろ酷い話でごめんなさい。あとあわきんだけ一歩未来を生きてるように見えるのは気のせいです。


557VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/06(火) 03:04:54.257jN5WbOA0 (1/1)

上百合とか俺得www

何気に自分×誰かが初という歪みっぷりwww
そして百合厨予備軍上条さんワロタ


558VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/06(火) 03:05:49.37scjR6neno (1/1)


時間あいてたけどもしかして書きながら投下?


559VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海)2011/12/06(火) 03:25:38.48hnTlVpKAO (10/10)

>>558
すみません、ちゃんと書いてから投下してたんですけど改行エラー出まくったり書き込んでる時に脱字に気付いて慌てて直したりしてたらこんな開いてしまいました…。申し訳ない!


560VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/12/06(火) 03:29:55.199k5nhMcCo (1/1)

乙!
上百合とかまともな男女カプのはずなのにおかしく見える世界の歪みっぷりw

あとジジ専なら、”セクシー奉行”大岡越前と”時刻表が刻む男の年輪”十津川警部も外せないぜ?


561VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中国・四国)2011/12/06(火) 08:42:59.54pqY+ZehAO (1/1)

だめだこの学園都市カプ厨しかいねえ乙

ジジ専なら小林桂樹の牟田刑事官が


562VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方)2011/12/06(火) 09:57:17.54l9Y4r+Hfo (1/1)

実は上条さんも女だというオチが待ってたり・・・



563VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(沖縄県)2011/12/06(火) 12:45:37.95otVhXKG/o (1/1)

第一位なのにちょっと頭弱い百合子可愛いww


564VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県)2011/12/06(火) 15:15:35.81DFXjQPCu0 (1/1)

それでも幻想殺しなら、幻想殺しならきっと何とかしてくれる!
そう思っていた時期が僕にもありました
まさか電磁禁書厨とはな…どちらが攻めかによるな


565VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/06(火) 15:50:18.02RJj7cFKDO (1/1)

百合には攻めも何もありません
あるのは女の子同士のキャッキャウフフです


566VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/06(火) 20:22:14.43viEkDd8Lo (1/1)

百合子が女と知った百合厨の上条さんは電磁通行や白白コンビに目覚めるんですね分かります


567VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/06(火) 22:31:49.97ap/ITv4L0 (1/2)

小ネタ一レス
ヘルシング×とある
微妙に禁書仕様に改変

※声優ネタに不快感をおぼえる方はごめんなさい。



568「言わせてみた。」2011/12/06(火) 22:32:19.62ap/ITv4L0 (2/2)

一方通行「しかしお前は夜を選ンだ いくらお前があの日の光を渇望しようとも
     もはやお前の体を蝕む光でしかねェ いいか言っておくぞ婦警 
     一度表の世界に背を向け暗部を歩き始めた者に日の光は二度と振り向きはしない!」

麦野「有象無象の区別なく、私の原子崩し(メルトダウナー)は許しはしないわ」

垣根「実を結ばぬ烈花のように死ね!蝶のように舞い、蜂のように死ね!」

神裂(マジギレモード)「小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋のスミでガタガタふるえて命乞いをする心の準備はOK?」

アレイスター「私は戦争が好きだ 私は戦争が好きだ 私は戦争が 大好きだ」

一方通行「さあどうした?まだ足がちぎれただけだぞ 
     かかってこい!能力を出せ!!大気を変化させろ!!足を再構築して立ち上がれ!!
     銃をひろって反撃しろ!!さあ夜はこれからだ!!お楽しみはこれからだ!!ハリー!ハリーハリー!ハリーハリーハリー!」

垣根「ひとりぼっちで生まれて……一人ぼっちで死ぬのか……畜生(ジーザス)ッ……」

――おまけ――

ビアージオ「我らは神の代理人 神罰の地上代行者 我らが使命は我が神に逆らう愚者をその肉の一片までも絶滅すること……Amen!」


569VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中国・四国)2011/12/07(水) 08:45:09.86zg56NFUAO (1/1)

おまけがやりたかったんだな乙


570VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北)2011/12/07(水) 11:22:56.82xj0I6yMAO (1/1)

もう一工夫ほしいんだよ乙


571VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県)2011/12/07(水) 21:18:02.157i3O9NGA0 (1/1)

婦警役が黄泉川か初春か…そこが問題だ乙


572VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/07(水) 21:41:16.54dIYf3/cF0 (1/12)

>>407-414を投下した者ですが、この前の番外通行未来設定の続編というか別視点のお話を投下してしまってもよろしいでしょうか?



573VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/07(水) 21:45:24.20dIYf3/cF0 (2/12)

途中で書き込んでしましました。
番外通行未来設定。恋愛感情捏造注意です。10レスくらい使わせて頂きます。


574VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋)2011/12/07(水) 21:45:43.46KGiQOIw0o (1/1)

かまわん、やれ


575ミサカ達の適正距離。2011/12/07(水) 21:47:55.60dIYf3/cF0 (3/12)


このミサカに“息子”という存在が自分にいることが不思議に思える。
こんなミサカが産み、育て、共に暮らす。
ドラマで母親が子供を抱き締めるシーンを鼻で笑って見ていた。
小説で子供が母親と他愛も無い喧嘩をするシーンで首を傾げていた。
そんなミサカが母親なのだ。

何かの冗談なのではないだろうか。


そう思いながら気が付けば6年が経っていた。



アイツは毎月会いに来る。
自分から来てくれとは言わない。
ただ、自分が電話をするとアイツは翌日やってくる。

「来て」とも「会いたい」とも「顔を見せて」とも言わない。

思い出したように電話を掛けてやると、仕事上不規則な生活を強いられている男の第一声は不機嫌な呻き声。
いい気味だと言ってやると、唸るように男の声が低くなる。
心地良さと高揚感に任せてからかい、口喧嘩のようなじゃれ合いを数分続ける。
そうするとアイツは翌日やってくるのだ。

ご丁寧に常に持参する手土産は、普段ミサカとウチの子が食べるのよりも0の数が一つ多いケーキの詰め合わせ。
熱した包丁で切り分けて息子と三人で食べる。

甘いものが苦手なヤツの分まで用意するのは当然嫌がらせだ。

息子の口の回りに付いたクリームを拭ってやりながら、小さくフォークで切り分け眉間に皴を寄せて口に運ぶ男をそっと盗み見ると胸の奥が温かくなる。
きっと、悪戯心が満たされているからだと、決め付けておく。




576ミサカ達の適正距離。2011/12/07(水) 21:50:46.57dIYf3/cF0 (4/12)



「医者ってそんなに儲かるんだ。どうせ金があるんだったら高級ホテルの宿泊券くらい持ってきなよ気が利かないな~勿論、ウチの子とミサカの二人分だけだよ?」

何か言いたげな顔はほんの一瞬、薄い唇から短く舌打ちを零すだけで会話を終わらせようとするのは変わらない。
こんな人相で患者に怖がられないのかが不思議で仕方が無い。
男の苦々しい表情の訳は知っている。
男からの養育費や生活費を断っているのは自分なのだ。
こんなケーキぐらいではコイツの気が済まないのだろう。


「言っておくけどさ、そういうのホント迷惑だから。負い目とかじゃなくて、貴方に飼育されるみたいじゃない。考えるだけでゾッとしちゃう」


自分のワガママであり、好き勝手やっているのは自分なのだからという言葉は言わない。
それは自分らしくないし、向こうも望んではいない。
何より、自分のやりたいことをやっているのに誰かへの依存の上にそれが成り立っているというのは好きじゃない。自分の力で成り立つからこそ、ワガママを通せる。
子供のような力技の理屈なのは今更だ。

アイツは家に来ると戸惑うようにおそるおそるあの子の頭を撫でる。
自分そっくりの真っ白な髪を、訝しげに見下ろしながらどう扱えばいいのかわからず途方に暮れるように。
傍若無人な嘗ての姿を存分に目の当たりにしてる身としては、小さな子供に困惑しきっているアイツの姿はミサカに備わり続ける嗜虐心を十分に満たしてくれる。




577ミサカ達の適正距離。2011/12/07(水) 21:52:18.02dIYf3/cF0 (5/12)



アイツが娘を連れてくる時は正直困る。

家に来るたびにアイツの袖を掴んだまま威嚇するように見上げてくるその少女が苦手だ。

その子はミサカがアイツの困る顔を堪能しているといつも鳶色の瞳で睨みつけてくる。

自分そっくりの鳶色の頭を何となく撫でてやろうとすると、少女は猫の子のようにするりとミサカの手から逃げていく。

可愛くない子だと思う。



当然だ、だってその子はミサカにそっくりなのだから。






578ミサカ達の適正距離。2011/12/07(水) 21:55:49.18dIYf3/cF0 (6/12)


子供達に留守を任せると二人で出かける。一時間か二時間。長いときは三時間を越す。
二人きりで出かけるといっても特別に何をするか決めているわけではない。
洒落たカフェでお茶をする訳でも、特集が組まれたデートコースを歩くのでもない。
ミサカの気まぐれにアイツが付き合うという形で気の向くままに歩くばかりだ。

公園のベンチでぼーっと過ごすこともあれば、真冬の誰もいない遊園地に足を運ぶこともある。

今日のように寒い日は、手近なホテルに足を運んで寝て終わる時もある。

ミサカもアイツも寒いのが嫌いなくせに、二人で出かけるときは買い食いばかりする。
人通りの少ない公園のベンチで、未だに美味さがわからぬ苦いばかりのコーヒーと、肉厚なホットドックを食べる。
わざとアイツの目の前でウインナーに舌を這わせてみたり、歯を立ててみたりする。
アイツは呆れたように軽く頭を小突いてくる。そしてミサカにとっては軽いジャブ程度の悪態をつく。

言葉にして出したことは一度も無いし、これからもきっと無いが、こんなじゃれ合いがミサカは多分好きだ。


互いに話すのは他愛ない近況報告。
暗黙の了解になっているのは、互いに自分からは聞かないということ。
彼はウチの子のことを、ミサカは向こうの子のことを。
それでも会話の端に登れば自ずと耳を傾けてしまうのは本能的な親としての性なのか、互いに抱く罪悪感なのかミサカにはわからない。

アイツの手が不意に頭に回されて抱き寄せられた。
熱い吐息が耳に掛かって、少し心音が早くなった気がする。
後頭部にある縫い跡を指でなぞる。
職業柄、触診を受けているような気がして、ムードも欠片もない。
そのまま、気分が盛り上がってったのかどうかはわからないが、壊れ物に触れるように髪を人差し指と中指でかきあげられた。




579ミサカ達の適正距離。2011/12/07(水) 21:56:31.68dIYf3/cF0 (7/12)



イヤだな。


昔のような嫌悪感や不快感が無く、ただ胸の奥をそっと引っ掻かれるような痛みが走る。
そんな自分がイヤで、そんな気持ちにさせる目の前の男がイヤだった。
不器用と臆病の塊だったのに随分と手馴れたものだ。なかなか女の髪に触れるのがサマになっている。


この六年の間に結構遊んだ?

そう言ってやると露骨に顔を顰めたので、僅かに溜飲が下がる。


イヤだな。


もう一度思った。
まるで、この男の恋人ヅラしたセリフだ。
自分から何もかも捨てておいて何を今更というのに。





580ミサカ達の適正距離。2011/12/07(水) 21:57:28.81dIYf3/cF0 (8/12)



ミサカは疲れることも煩わしいことも我慢することも嫌いだ。
アイツへの感情に、艶めいたものを自覚するようになってから同時に見出した結論。
どうやら自分が柄にも無く夢想したようなハッピーエンドは無理そうだという答え。
植えつけられた男への悪意を抽出するシステムは後遺症となって、男を嫌悪しようと、困らせようと常に心の秤を傾けるように働きかけ、自分がようやく手にした自分だけの感情との間の軋轢に自分が耐え続けられるとは思えなかった。諦めでも恐れでもなく、冷静に分析した予測であった。


自分の精神は自分が期待してた程強くはない。

それを耐えてでも側に居たいの、などというセリフは自分には逆さにひっくり返しても出て来ないし、気の利いたセリフで抱き締めてもらおうなどとこの男には期待も望んでもいない。
何より、そう思い詰めるだけの確信をあの頃の自分は持てなかった。
はじめて抱いた感情に付ける名には最後まで(仮)が付いていたし、この男にいたっては気づいてすらいない。
それでも望んだのは、浅ましい希望なのか、下卑た欲望なのかわからない。

嫌い、死ね、殺す、殺して、死にたい、死のう、憎い、気持ち悪い、消えろ。

その間に紛れ込ませるように呟いた「■している」と「■き」という自分の声は今でも耳の奥に沁み込んでいる。
汗と涙と熱で何もかもが溶けてわからなくなるような日を一ヶ月と一週間と十日過ごした結果はわかりやすい形で残った。



581ミサカ達の適正距離。2011/12/07(水) 22:00:35.34dIYf3/cF0 (9/12)



ミサカの中に生まれたミサカだけのアイツへの想いに付けるべき名。
それに確信がようやく持てた時には、隣りにいた男は消え、腕の中には彼そっくりの雪のような髪と肌を持った赤子がいた。


自分にそっくりの子が生まれたら殺そう。
彼にそっくりの子が生まれたら産もう。

男には告げず、自分ひとりでそう決めていた。
だから、もう一人を殺さなかったのは自分の譲歩であり、彼への感謝のつもりだった。
多分、誰にも理解出来ない形だっただろう。
彼だけは理解してくれると、期待していたのかもしれない。
消えたのは自分で、奪うように連れてきたのも、捨てて行ったのも自分だったが、何故か罪悪感は無く、ただ奇妙な安心感があった。
赤子が鳩の血のような紅い瞳を幾度も瞬かせるのを見て安心感は強くなり、そうして自分は街を出た。



「なァ……オマエさ、俺達と」


アイツの顔がすぐ近くにある。
くしゃりと眉を寄せて、目を細める癖、ホント嫌になるくらいあの子と同じ。
困って、無い物ねだりだってわかっててするあの子の顔と同じだ。
ミサカね、その顔結構好きだよ。
言ってあげないけど。





582ミサカ達の適正距離。2011/12/07(水) 22:01:16.55dIYf3/cF0 (10/12)


「何泣きそうな顔してるのさ。何、もしかしてショックだったりするのかな。第一位は仕事から疲れて帰ってきたら裸エプロンのミサカにおかえりのチューでもしてもらえる生活を妄想しちゃってたりするのかな。ばっかじゃねぇぇの?そんなのありえねーって!」

「オマエ」

「ミサカね、今の生活が凄く好き。折角鬱陶しいしがらみから離れて、気ままに自由に好き勝手に、それも貴方よりもずーっといい男と二人っきりで暮らしてるんだからさ。だから邪魔しないでよね。ミサカはさぁ……二人で、うん、二人がいいよ。あの子と二人、それだけで」





一緒には暮さない。

貴方があの子を持て余すのはわかるし、
ミサカもあの子を好きになれる自信が無いもん。

自分を好きになれない人間が、自分そっくりの存在を愛せるのか、試そうとする気は無い。





583俺達の適正距離。2011/12/07(水) 22:03:06.35dIYf3/cF0 (11/12)





マフラーと鳶色の髪に隠された白い肌が見たくて、猫のような柔らかな髪に触れた。
同情なのか、流されただけなのかわからなかった感情が昂ぶるのがわかる。


多分、俺はこの女のことが■きなンだ。


感情に突き動かされるように言いかけた言葉は嘲笑で遮られた。
その言葉は強がりだ。
すぐにわかる。
そして、自分が彼女の強がりに気づいている事を彼女もわかっている。
互いに互いの強がりから目を背ける。

『お父さんと私、二人がいいよ』

6歳になったばかりの娘が大人びた横顔でぽつりと呟いたのは、此処に来る途中のバスの中。
その言葉が今のアイツの言葉に重さなる。

言いたいことを言い終えて歩き出したアイツの後ろ姿を眺める。
その後ろ姿は、誰かに肩を抱かれなければ立っていられぬ程か弱くはなく、
その歩みは、誰かと腕を組む程甘えたものでもなかった。
強いて、あの後ろ姿に付け加えるとすれば、そっとあの手を握る小さな手だけだろうか。
だから、思い知らされてしまう。

コレが俺達が俺達らしいままでいられる一番正しい距離だと。




584VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/07(水) 22:05:30.51dIYf3/cF0 (12/12)

以上で投下終了です。
一人称を最後までミサカにすべきか悩みましたが、アイデンティティですからね。
長々と失礼いたしました。 それでは ノシ


585VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府)2011/12/07(水) 22:40:41.21VL8R+w6No (1/1)



適度な距離感っていいよね。


586VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県)2011/12/07(水) 22:45:53.45wuSI4Vfeo (1/1)

おつ

悲しいな。これが最大限の幸せなのだろうか。


587VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank)2011/12/08(木) 00:11:17.16F8ONsxF1o (1/1)

一方通行編と娘編も読んでみてぇ


588SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:40:09.06jfA6RdFf0 (1/31)

新刊発売日までに間に合った。32レス借りる。新約2~新約3の間の妄想SS。
cpは通行止め。


589SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:41:32.58jfA6RdFf0 (2/31)



……泣いていたな。


不測の事態でも潜り抜けた死線の数々から身に着けた冷徹な観察眼がそう教える。学園都市最強の超能力者、一方通行は一人になってしまった室内の天井を睨み付けながら、冷静に思考を費やしていた。
彼がいるのは、暫定保護者の立場でもある『警備員』である黄泉川愛穂のマンションに居候している自室と割り振られた一室である。あまり生活感を感じさせない小奇麗に片付いた空間で、虚空を睨み続けていた一方通行の口から声が迸った。

「クソがっ」

無意識に、小さく吐き出された汚い言葉。現状に対する行き場のない苛立ちから発せられた物だ。
いくら冷静に冷徹に物事を判断できようが、対処法が見つけなければ意味がない。これが血で血を洗う殺し合いならば話は違ったかもしれない。"暴力”というカデコリーに置いて誰よりも精通しているのが一方通行だったから。
だから今回の場合には、逆の結果を齎していた。彼が最も苦手とする分野のカデコリーだ。

人と人のコミュニケーション。心と心の触れ合い。
元から寡黙で、他者を拒絶する性質の彼にとっては最も苦手な分野の類だった。

(どォしろってンだ)

一方通行は忌々しげに表情を顰める。
一人ぼっちの自室。一人だけになってしまった空間。ここには先程まで一人の少女がいた。
打ち止めと呼称を与えられた、陽射しの下が似合い、人を温かく和ませる笑顔をいつも浮かべていて、消えない血と硝煙の臭いと死を纏った自分とは正反対の存在。そんな少女がこの部屋にいたはずだったのだが、今はいない。




590SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:42:33.46jfA6RdFf0 (3/31)


(あのクソガキは……泣いてたンだよな)

口論の末に、ドアも閉めずに飛び出していった後姿が脳裏を通り過ぎていった。頬を濡らす雫と、怒りと悲しみの感情を混ぜた金鳴り声が耳と瞼の裏に焼き付いて離れやしない。
飛び出していった……逃げられたのだ。
自分の声は聴きたくないと。自分の姿を視界に納めたくないと。どれだけ突き放そうが、拒絶の意思を示しても、頑として拒み続け離れようとしなかった相手から。

(どォすりゃいいンだよ)

こんな経験は初めてだった。
いつだって最後には、"一方通行”という人間を受け入れてくれた打ち止めが、向こうから拒絶してきたのだ。
まるで普段とは真逆の立居地に陥った一方通行は嘲りの笑みを零す。

「ザマァねェな」

たった一人の少女に拒絶されたぐらいでこの慌てよう。学園都市最強の超能力者が聞いて呆れるものだ。
誰かが知れば、こう評すことだろう。――弱くなったと。白熱し白濁し白狂していた化物ならば悩まず切り捨て、最強の頂きに君臨していただろうと。
下らねェな。
一方通行は一言で思考を切り捨てた。もはやそんなモノに興味も価値も見出せない。第三者からの評価など論外だ。
大事なのは一つ。
ただ打ち止めという少女を守りきるということだけ。その為だったら、ガラにもない事すらやると決めたのだから。
だから、

「悩んでても仕方ねェ。追いかける」

追いかけて誤解を解く。それ以外に選択肢は元よりないのだ。
ふと気づいた。立場が逆になったが変わらない物もあると。




591SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:43:56.41jfA6RdFf0 (4/31)


「いつだって振り回されるのは俺の方か」

もしくは両方か。あのクソガキも同じように困った事があるのだろうか。新しい疑問が浮かぶが、今は必要のない疑問ゆえにフタをする。
ギシッとスプリングの音が軋む音がベッドから鳴る。どう説得するか具体策までは導き出せていないが、行動は決まった一方通行は腰掛けていたベッドから立ち上がった。愛用している現代風の杖を握り締め、おそらくは外に飛び出していった打ち止めを追いかけるために自室を出ようとした所で、開けっぱなしになっていたドアから悪意に満ちた人物が通せんぼうするように、一方通行の前に立ちはだかった。

「なンの用だ」
「あなたの顔を覗きにきたの。今まで従順だった娘が反抗期になってお困りな親御さんの表情ってどんなのかなーって」
「暇な野郎だ」
「そんなこと言っちゃってー。内心じゃどうしようどうしようって慌てふためいてる癖に。この前テレビで観たドラマみたいかな。娘が授業参観に来て欲しいってお願いして、その日は会社があると断って泣かしちゃう親御さんと」

何かを比喩する物言いと、込められた嘲笑が一方通行の癇を煩わせる。忌々しいとはこの事か。
そもそも彼と打ち止めが喧嘩した理由というのが、一方通行がまた打ち止めから離れるという事から始まったのだった。

「大変だねぇ我侭な娘をもった親御さんは。最終信号を守るためにわざわざ動くってのに、それを理解して貰う所か、拒絶までされちゃうんだから」
「……オマエには関係ねェだろ。ややこしくなるから出てくンな」
「それは心外だなぁ。次の目的地はハワイだっけ?世界でも有名なリゾート地だし、ミサカ一度行ってみたいと思ってたんだよね」

来ンな、とそもそも連れて行く気なんか一切無い一方通行は言葉を挟もうとして、先に遮られた。

「そもそも八つ当たりはやめてよね一方通行。さすがにあの暢気な司令塔だって、理由も言わず黄泉川達と大人しくしてろなんて言われたら怒るに決まってるじゃん。それを私のせいにされるのは理不尽じゃない?」

確かに、それで失敗したとは一方通行も気付いている。
だからと言って懇切丁寧に全てを説明したからと言って、あの少女が納得するとは思えなかった。自分の為に危険な場所に行くと知ったら、間違いなく止めようとすることだろう。どうやっても打ち止めが泣くような未来しか見出せない。結局、行き着く先は同じなのではないか?




592SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:44:50.24jfA6RdFf0 (5/31)


「……理不尽なのはオマエらの方だ」

目の前の番外個体にしろ、怒って泣いて逃げ出した打ち止めにしろ、一方通行を困らせることに限っては超がつく一流だ。
なのに死んでも守りたい存在なんだから頭が痛い。

「いいから退け。クソガキを追うのに邪魔だ」
「えーいいじゃん。あんな我侭なお子様なんか放っておこうよ。それよりミサカと二人でハネムーンの準備しようぜ。それともミサカみたいな熟れた肉体より、未成熟な果実の方が第一位はお好みなのかな。この変態!!やっぱり小さいのが趣味なのね!!だからこのミサカの事は平気な顔で腕をへし折ったのか!!」
「……オマエ、その口閉じねェとおしゃぶりが上手なツラにしちまうぞ」
「いまだってあなたをイカせるぐらいにはテクニシャンなつもりだけど。なんなら試してみるペロペロペロペロって」

よしぶん殴ろう、と首筋に指を這わせようとして気付いた。
目の前の下品な女の様子がおかしい。おかしいのはいつもだが、どうやらそれ以外にも異常が見受けられる。
こちらをからかい遊んでフザけていたように思っていたのだが、何故か悪意という背徳感を満たすというためでなく、それ以外の不必要な必死さを感じるのだ。
具体的には顔を真っ赤にして、身体を「むずむずむずむずむずむずうずうずうずうずうずうずむずむずむずむずむずうずうずうずうずうずうずむずむずうずず――――ッ!!!!」と揺れていたりした。

「ほ、ほらっ!はっ、はやくミサカと準備しようぜ!ミサカと一緒にハネムーンの準備するううぅぅぅううううううううううう!!」

無言だった一方通行に痺れを切らしたのか、近づいてくると折れた腕をギブスで巻いたほうでアピールするように何度もぶつけてくる番外個体。
以前にも一度、似たような光景があったはずだ。

「何がしてェンだ、オマエ?」




593SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:45:35.87jfA6RdFf0 (6/31)




……数分後。



相手にしていられないと押し退けていった一方通行は考える。無駄な時間を過ごしたようだが、全てが無駄では無かったと。
不測の事態でも潜り抜けた死線の数々から身に着けた冷徹な観察眼は伊達じゃない。どうやらあのクソガキは、相当お怒りなのは間違いないとしても、早く追いかけて来いと思っているのは事実なのだとも。

心の片隅で、どこか救われた気がした一方通行は行動を開始する。どこに逃げたか分からない少女を探しにと。





「ミサカもう死にたい……」

第一位が居なくなり、ネットワークの影響から開放された番外個体の鬱を知りもせずに。



594SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:46:25.21jfA6RdFf0 (7/31)


――――


一方通行は陽射しの下を歩きながら、逃げ出していった少女を捜索していた。

学園都市は広いが当てが無い訳じゃない。所詮は子供の足だ、行動範囲は限られている。感情的になって飛び出したのもあって、綿密な計画があって逃げ出していった訳じゃない。基本的に金銭を所持していない打ち止めは、必要になるなら黄泉川や一方通行が面倒を見ている。今回の場合、そこまで冷静さがあったはずはないのだから交通機関を使う可能性も限りなくゼロだ。

(加えて……)

皮肉にも番外個体から入手したデーターもある。
ミサカネットワークという妹達のありとあらゆる脳内情報の集合体は、同時にネットワークそのものが巨大な『一つの意思』として振舞うのを一方通行は経験上知っていた。つまり番外個体のあの目的不明な行動は、逆算するとネットワークを統括する司令塔が『何で追いかけてこない。何で自分を引き止めない』という苛立ち等で構成された感情を抽出した結果なのだろうと推測できる。要約すると『構えよ』というとこだろうか?

(……ガキはガキか。ダダ捏ねてンじゃねェよ)

厳し気に引き締められていた口元が緩んだのに無自覚な彼は、そこのまま分析を重ねていく。
打ち止めは"一方通行”の全てを拒絶したわけじゃない。考えるのも小っ恥ずかしいが、追いかけられるのを、説得されるのを待っているはずだ。
もちろん、それだけじゃないだろう。
怒りは本物だ。悲しみも嘘じゃない。感情が一面性や二面性で表せる物じゃない。人を愛したからこそ、人を殺すなんて常軌を逸脱した殺人鬼なんて異常者が有り触れているのが世の中。……一方通行には愛は理解出来なかったが。

(裏路地や複雑な場所も除外していい。後は該当する条件を当て嵌めて、虱潰しに探せば見つけれる)

カツンカツンと現代風の杖が、心持ち速めの音を刻みながら捜索は続く。
公園。開けた空き地。売店。休憩所。
第一候補に挙がった順番に処理していきながら、一方通行は同時に観察していた。

自分が勝ち取った平和の光景を。

『新入生』という新たな『闇』は、間違いなく潜んでいる。だが、目に映る範囲は『闇』の臭いは感じられない。かつて、どこにいようが感じていた不穏感が払拭されている。
平和だ。平和だからこそ、

「ッチ」

派手な舌打ちが響いた。
気に食わない。その光景こそが彼を非情に苛立たせる。間違いなく『闇』は存続しているのに、かつては『暗部』の最深部で活動していた一方通行に動きを悟らせないのだ。




595SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:48:41.13jfA6RdFf0 (8/31)



勝ち得た光景は幻想だった。
マヤカシだ。仮初の平穏。今までと何が変わった?良い所、〇九三〇事件前と同列だ。

(それだけじゃねェ)

『闇』は学園都市内だけに留まらない。
外の世界。『超能力』とは違うベクトルの不可思議な力である『魔術』があり――『グレムリン』と名乗る連中が世界の裏側で暗躍している。
『ラジオゾンデ要塞』の事件は記憶に新しい。たった一人の人間を捜索するために、地球すら滅ぶ可能性を許容する性格破綻者の集団。これまで壮絶な殺し合い潰し合いを演じてきたのが、小さな社会での小競り合いに感じられるスケールの圧倒的な差。襲い掛かってきた徒労感と無気力感は嘘だと誤魔化せなかった。

――大海の中の井の蛙。

これが現状の己の立位置だと、学園都市最強の超能力者は吐き捨てた。

(情報が足りねェ。『闇』と手を切った今、必要な情報を手に入れるには己の目と足で稼ぐしかない)

何かが足りないのは解っている。
何かが欠けているのは知っている。

(何が足りないのか。何が欠けているのか。それも解らねェンじゃ、守ることすらも儘ならねェ)

それが一方通行の背を後押した。
レイヴィニア=バードウェイという魔術師がいる。年齢と外見の割りに知性に溢れ、上から目線で講釈する生意気な少女が放った言葉。




596SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:49:28.69jfA6RdFf0 (9/31)


(関係ねェよ。俺は俺のやりたいようにする。そこに他者の思惑なンかは挟む余地がない)

悪党に興味はない。善人になれたとすら思えない。好んでヒーローを目指そうと思えない。
ただ、守る。
一方通行にとって『大切』にしたいと思う者を守るだけだ。それ以上でも、それ以下でもない。どの道へ進むべきか、それすらも見定まっていない中途半端な状態だが、譲れない条件は存在する。

(その為にも……)

カツン、と杖が音を止めた。

「打ち止め……」

見つけた。
三箇所目の公園のベンチに、俯きながら居心地が悪そうに座っている。
人気が少ない寂れた公園だ。周囲には人影すらない。一方通行が進入した砂を踏む音に反応した打ち止めの小柄な体躯がビクッと揺れる。

(さァ……どォする)

見つけはした。
だが具体的な解決策は導き出せてはいない。こういうのは苦手だ。
それでも、

「面倒掛けさせンな。探したぞクソガキ」

一方通行は臆せず声を投げ掛けたのだった。



597SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:50:29.97jfA6RdFf0 (10/31)



――――


「帰ンぞ。打ち止め」

どう言葉をかけようと思って、結局は無難な言葉しか選べなかった。それでも彼としては気を使ったつもりなんだろう。ぶっきら棒に聴こえるかもしれないが、普段よりも幾分かは柔らかい響きを持って接している努力が垣間見れていた。

「……ヤダっ!ってミサカはミサカはあなたなんかの言葉は聴きたくないっ!!」
「――ッ」

枯れそうな声で叫ばれた。否、すでに枯れ尽くした後のひしゃげた掠れ声。逃げ出した後、どれだけ泣いていたのか。
否定しようもない拒絶に、一方通行は痛みを覚えたように表情を歪める。彼はそのことに気付かない。気付く余裕が無ないのかもしれなかったが。

「……なンで、オマエはそンなに嫌がンだよ」
「あなたこそ、あなたこそ何で気付いてくれないの、ってミサカはミサカは――ッ!」
「俺にどォして欲しいンだ?」
「……知らないもん、ってミサカはミサカはあなたが自分で考えてって言う」

一方通行は舌打ちするのは我慢した。
これだからガキは苦手なのだ。理屈や理屈が通じやしない。

「……本当に分からないの、ってミサカはミサカは疑問を投げてみる」
「……、全部説明すりゃ納得すンのか?」

だったら説明してやると一方通行は口を開く。痺れを切らしたのもあるし、番外個体と会話した際にも、これは不味かったと薄々感じてはいたのだから。
打ち止めは無言だった。何も反応を示さない。正解なのか不正解なのか。分かりやすいぐらいに分かる態度は完全に鳴りを潜めていた。





598SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:51:21.32jfA6RdFf0 (11/31)


一方通行は訥々と説明していく。

『魔術』、『第三次世界大戦の裏側』、『ラジオゾンデ要塞』、『その黒幕であるグレムリン』。
大まかに、だが些細な事も残さず説明していく。これだけ彼の口から、打ち止めという少女に語られた事はこれが初めてだろう。
必死だった。ここまで必死なのが彼自身にも理解できてはいない。いくら『守るべき存在』だとしても、ここまでアフターケアをする必要性は本来なら皆無だろう。
欠けたモノに、彼はまだ気付きはしない。


そして。説明を終わった――

「オマエらを――オマエを守るためだ、打ち止め」

――そう締めくくって。


「そっか……そうなんだ、ってミサカは理解したって言ってみる」
「そォだ。理解したンなら――」

――帰ンぞ、と続けようとした一方通行の言葉は、最後まで口にされる事は無かった。

「あン?いま、なンて言った?」
「あなたの言い分は分かった、でもミサカはミサカはイヤだって言ったの」
「あのなァ……」




599SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:52:28.84jfA6RdFf0 (12/31)



「大体、あなたはいつもそうだ、ってミサカはミサカは愚痴を漏らしてみる」

涙腺がまた緩みかけているのだろうか。
少女の瞳が不安定に揺れ始めていた。

「ミサカだって気付いてる、ってミサカはミサカはあなたがいつもミサカ達を守ってくれてるんだって」

出会ってからずっと。
いつだって、離れ離れで傍に居てくれない時でも。
少年は少女を守ってくれていた。そんな素振りすら見せずに、当たり前のように。

「あなたは優しいから、ってミサカはミサカはあなたに迷惑をかけたくないって思うの」

でも。
でもね。

「ミサカ……ミサカはおかしくなっちゃったのかな、ってミサカはミサカは今までは我慢できてたのに」

少女の目尻から一筋の雫が伝って、ポタッっと地面に染みを作った。
言葉の途中からベンチから立ち上がり、対面していたからその様子が一方通行にはよく分かった。

「もう無理だよ、ってミサカはミサカは素直にこの気持ちを吐露してみる」

少女は言う。
本心を、今まで何度も伝えてきて、だけど最後には我慢して折れてきただろう本心を。







600SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:53:35.85jfA6RdFf0 (13/31)



「あなたに危険なことをして欲しくない、ってミサカはミサカは心配してて」

「もうどこにもいかないで欲しい、ってミサカはミサカはずっと心細くなってて」

「ずっとずっとあなたと一緒にいたい、ってミサカはミサカはこれまでも思ってたのに」


それなのに。
それなのに。


「あなたはいつだってミサカ達を守ってくれるけど、ミサカの想ってる事なんて気付いてくれないんだ、ってミサカはミサカは訴えてみる!!」

強く叩きつけたような叫びだった。
堪えて抑えて耐えて、それでも溢れ出した想いの激情は、寂れた公園の端から端まで轟かせるぐらい響く。
我侭だという自覚は少女も持っている。だからこそ、これまでは締め付けられるような痛みを抱え込みつつも我慢していた。告げれば困ってしまうだろうから。今、目の前で言葉も無く呆然と立ち尽くす彼が想像していたイメージと重なっている。それを確認した少女は、ごめんなさいという言葉を思うが。

「あなたも一緒にいたい、ってミサカはミサカは初めてあなたが言ってくれた時嬉しかったのに。なのに……っ!!」

爆発してしまった感情に歯止めは利かなかった。
ごめんなさい、と謝るよりも責め立てる言葉が口から勝手に飛び出してきてしまう。




601SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:54:55.14jfA6RdFf0 (14/31)



「あなたは嘘つきだ、ってミサカはミサカはもう何を信じたらいいのか分からないもん!」

止まらない。言い過ぎだと後悔するけど止まらない。
本心からの言葉じゃないと打ち止めは後悔するも、もう何が本心なのかすら、そもそも何を伝えたかったのかすら失念していた。
悲しみや怒りが頂点に達すると、理屈や道理など突き抜けてしまう。遅かれ早かれ、誰だって一度は経験する事態であり。それが少女の場合は今回だけだった話である。
一方通行は無言だ。無言のまま、打ち止めを見据えたままで。

何も、言ってくれはしなかった。

慰めてくれるのを期待していたのだろうか。叱ってくれるのを望んでいたのだろうか。
ただ確かなのは。
彼は一言も与えてはくれなかったという事だけだった。

「もういいよ……ってミサカはミサカはうな垂れてみる」

思考がグルグルと渦を巻いていて方向性が定まらない。涙で霞んだ視界はボヤけて不鮮明。

「優しくなんかしてくれなくてもいい、ってミサカはミサカは変な期待なんか持たせないで欲しいって言う」

ああ終わった、と打ち止めは思った。
嫌われてしまったと思う。本当は真逆なのだ。もっと優しくして欲しいのに、どうしてこうなったのか。
理解できずとも、言葉は突き動かされるように放たれた。

「あなたなんか、ミサカはダイッキライだ!!」

また一筋、少女の悲しみの雫が零れ落ちていった。





602SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:56:05.30jfA6RdFf0 (15/31)


――――



(……痛ッてェーなァ)

凍結していた思考が回復してから、まず感じたのは痛みだった。
弾丸どころか、その気になれば核爆発すら難なく『反射』してかすり傷一つすら負わない一方通行は、胸をポッカリと――心臓ごと抉り取られたような感覚に襲われていた。

(あァ……本当に)

これまでに経験したことがない痛みだった。
物理的にも精神的にもだ。『反射』を突き抜けてくる化物共に傷を負わされようが、ここまでじゃなかった。悪意という嘲笑を投げてくる雑魚共の言葉など心に微塵とも響かなかった。
悪意という悪意を知り尽くした、痛みという痛みを与え与えられてきた筈の第一位でさえ知らない痛み。

(本当に……痛ッてェーなァ)

どうしてこんなに痛むのか。
どうしてこんなに――心が軋んでしまうのか。

(安くなったな俺も)

知らない痛みで当然。今まで知ろうとすらしなかったのだから。
知ろうともしなかったし、知っている相手はこの痛みを与えようとはしてこなかったから。
守られていたんだろう、きっと。
気付かなかったし、気付いても何かが出来たとは思えなかったが。そう、今のように。





603SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:57:19.80jfA6RdFf0 (16/31)



(親御さンか……マジで笑えねェ)

突き放していた少女に、いざ望みどおり突き放されただけでこの有様だ。笑えなかった。
昔の『無敵』を目指していた一方通行なら歯牙にもかけなかっただろう。昔の『悪党』を目指していた一方通行なら皮肉気に嗤いながら受け入れ陰ながら守っていただろう。
少し前までの――打ち止めに拒絶される――中途半端な立場になっていた一方通行も、同じように受け入れることが出来ると思っていた。やるべき事は変わらないと動じず前に進めると漠然と考えていたのだが。

どうやら。
違ったらしい。

(打ち止め……)

目の前には変わらず打ち止めがいる。
小さく喉を震わせながら嗚咽を零し、地面の染みは刻々と範囲を広げていっている。俯いている打ち止めの表情は一方通行から見えないし、向こうもこちらが見えていないはずだ。
一歩と半の距離が、凄まじく遠く感じた。手を伸ばせば届くのに、離れ離れであった時でも、ここまで距離が離れているとは感じなかったのに。
もう、何をやっても届かないと不安になってしまうぐらいの重さが一方通行の心に圧し掛かってきていた。

(認めてやるよ)

一方通行は微笑むような、苦虫を潰したような。両方を足して二で割ったような表情を浮かべた。
優しくも見えるし、苛立ったようにも見えるし、困ったようにも見えるし、諦めたようにも映る、無自覚の表情を。

(俺はオマエと一緒にいたいンだって)

それだけじゃない。その段階は、以前に通り過ぎたステージだ。
その一歩先を望んでいた。きっと、



604SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 21:59:48.27jfA6RdFf0 (17/31)


(オマエと一緒に、同じ時間って奴を共有したいンだ)

楽しいことも、辛いことも。
幸せなことも、不幸せなことも。
有意義なことも、下らないことも。

丸ごと全部。可能な限り味わってみたいと思ってしまった。
時には甘すぎて顔を顰めるかもだし、時には面倒と一蹴するかもしれない、時には疲れて溜息も吐き出したとしても。
一緒の時間を共有したいと、切に望んだ。

(だったら)

そうだ。
なにを迷う必要性がある?

(オマエは何をすべきが分かってンだろ『一方通行』)

手遅れにはまだ早すぎる。
気付けはしたのだ己の心に。だったら後は伝えるだけ。
もう届かないなんて重圧はこのまま何も伝えなかった場合の結果であって、行動に移した後には別の解答が用意されているはずだ。
所詮は幻想(サッカク)だ。イヤなら押し通ればいい。今までそうしてきたのだから。

(――いくか)

呆然。
混乱。
動揺。
苛立ち。
痛み。

幾通りの感情のプロセスを解析し終えた一方通行は――、

「勝手に話を終わらせてンじゃねェよ」

漸く弾き出した結論を胸に、沈黙の壁を打ち砕いた。





605SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:00:50.71jfA6RdFf0 (18/31)


――――



一方通行は静かに、だが微かに緊張を孕んだ声を発した。
結論が弾き出されたとは云え、苦手意識が消え去ったわけじゃない。今からが本番で、克服の一歩目だ。
誰しも初体験なんてそんな物だ。例外なんて有りやしない。だから多少の緊張はするし不安もある、それがよそよそしい態度として表に出力されたとしても、責めるのは酷というもの。

例え、泣いていた少女が声に反応して泣き面を晒して見上げれてば、何度目かも分からない不安を与えてしまったとしても。
一方通行を責めるのは酷というものだろう。

少女が不安や絶望に押し潰されそうであれば、少年も緊張や不安で一杯一杯だ。

片や、心無い罵倒をして自己嫌悪に沈み嫌われたと誤解し。
片や、どう自分の気持ちを伝えれば傷つけずに済むかと手探りな状態に必死で。

お互いに余裕がない。
気持ちは言葉にしなければ伝わらない。秘めているだけで伝わるなら、こんな事にはならかったのだから。
だから、

「オマエが本音を伝えたんだ。俺にだって言う権利はあンだろう」
「……」
「その……オマエが俺を嫌いなのはよく分かった」
「……っ」

打ち止めの喉元がグビリと蠢いた。
呻きに似た声無き声が、微かな音となって漏れる。



606SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:01:41.89jfA6RdFf0 (19/31)



「オマエの言い分も理解した……つもりだ」
「……」

必死に言葉を探していた。
傷つけないように細心の注意を払って、筋道が通った解り易い言葉遣いを。
でも何か違和感を覚える。
自分が言葉を発する度に、守りたい少女の不安度が増しているのは気のせいか?

(落ち着けよ一方通行。クールになれ。結論を急くな)

打ち止めに悟られないように、肺に新鮮な空気を送り込み自らの不安を外へと排出した。

「心配を掛けたのは……悪かった」
「……」

誠実さを持って、ゆっくりと言葉にしていく。
ガラじゃないのは認知してるが、そんな羞恥心や自尊心など犬にも食わせちまえ。

「そんなモンは本来は不要な白物だが……」

――いや、違ェ。こんな事を伝えたいンじゃねェ。
思わず飛び出した皮肉に思考が停止しかけるが、たどたどしくも軌道修正を試みる。

「迷惑って言ってンじゃねェから勘違いすンな」
「……」
「……感謝、してる」

感謝、なんて言葉を口にしたのはいつ以来振りだろうか。
皮肉と悪意をトッピングした意趣返しという意味合いならあったかもしれないが、字面通りの意味合いでは無かっただろう。
『一方通行』と名乗るようになってからは、本当の意味で初めてかもしれない。

「……」

一方通行を知る人物なら、驚愕間違いなしのレア中のレアな言葉だったのだが……打ち止めは無言だった。
ちゃんと聞いているのか不安になる。何も反応を示さないことに気持ちが萎えそうになった。自分は正しく伝えられているのだろうか?





607SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:02:32.90jfA6RdFf0 (20/31)



(知るかよ……クソったれ)

……黙るな。口を開き続けろ。
不安を薙ぎ払い、萎えそうになる自分を叱咤しつつ、

「嘘じゃねェ」
「……」
「本当だ」
「……」
「俺も……」
「……」
「俺も、オマエと、一緒に居たい」

一言、一言、区切り強調した宣言。
誤解も、曲解も許さない台詞だった。ストレートだ。

なのに。
だってのに。

「…………」

どうして反応をしてくれないのだろうか。
無言だ。目線は合わされず、言葉は交差せず、気持ちは絡み合いすらしない。
壁に向かって念仏を唱えている気分だ。

やはり駄目なのだろうか?
自分はどこまで行っても『一方通行』で……かつては誇りや矜持としていた孤高が、今や鬱陶しいほどまでに耳障りなノイズを発してくる。

「何か言ったらどォなンだ?」

打ち止めからの反応という切り口が欲しかったから、呼びかけという催促を行なった。
耐え切れず零した弱音だったかもしれないと、心の奥底で自嘲しつつも一方通行は返事を期待する。期待するしか無かった。




「ちゃんと聞いてるよ……、ってミサカはミサカは相槌をしてみる」





608SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:03:36.44jfA6RdFf0 (21/31)


――――


嬉しかった。
嬉しかった。

ここまで本音を聞けたのは初めてだったから。
自分の醜い言葉すら浅はかにも忘却の彼方へと押しやって。

嬉しかった。
嬉しすぎて、言葉が浮かばなかった。

でも。
一瞬だった。嬉しいのは間違いじゃないのに、それを覆い隠すほどの黒い黒いナニカが、全てを洗い流していった。

そんな言葉じゃ止められなかった。
そんな気持ちじゃもう止められなかった。

嬉しいけど、余計に辛くなってしまって。
間違いじゃないのに、正しいはずなのに、受け入れられなくて。

だって。
だって、ね?

期待して裏切られたらイヤだ。
あなたは優しいから、もしかしたらって期待しちゃう。

だから、だから。
聞きたくなかった。イヤだから……イヤだもん。
知ってる。
知ってるから。あなたのことなら、ぜんぶ知ってるから。言葉にしてくれたのは驚きだけど……だから嬉しくて、余計に辛い。
だって、
だって、ね……?


――あなたはそれでも行くんだよね。


知ってるから、その答えを聞きたくなかった。
優しくしないで欲しかった。期待を抱かせないで欲しかった。――希望なんか持たせないで欲しい。


「もうやめて!優しい言葉なんかミサカはミサカは聞きたくない――っ」


叫んでしまっていた。
理解不能。エラー。もう分からない。自分で自分が分からないし、信じたくもない。

だから、
背を向けて、逃げ出そうとした。また、逃げ出してしまった。




609SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:04:52.33jfA6RdFf0 (22/31)


――――



「もうやめて!優しい言葉なんかミサカはミサカは聞きたくない――っ」


頭にきた。
血が上って、視界が真っ白になるかと思った。
黙っていたかと思えば、拒絶という叫びを浴びせられた。順序だって離せよ頼むから。

そして、
今。

「――っ」

目の前では呆然としていたクソガキが後ずさっていた。
逃げようとしているのか。

ふざけるな。
ふざけンなよ、クソったれ。

また追いかけっこは勘弁だ。逃げられるのも御免被る。
怒りからか、スローモーションのように再生される景色の中、少女が後退りから、完全に背を向ける姿勢になるのを見せ付けられて――クソったれが。
もういい。
言葉じゃ駄目だと分かった。理解した。


「だから――」


言葉で駄目なら。
後は行動で示すまでだ。もう何だっていい。言葉も行動でも実力行使でもその他のナニかでも全部交えてでも。
絶対に解らせてやる!!



「――勝手に話を終わらせてンじゃねェえええええええええええ!!!!」








610SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:05:30.79jfA6RdFf0 (23/31)


――――


背を向けて遠ざかっていこうとする打ち止めに対して、一方通行は獣の反射で飛び掛っていた。
愛用の杖をかなぐり捨て、首筋のチョーカーにも触れもせず、ただただ全力で飛び掛っていた。

能力が封じられているのを危惧しての咄嗟の判断も含めてだが、どちらかというと本能的な反射行動だった。端的に言って頭に血が上っていた彼はブチ切れていたから、そこまで冷静に判断が出来たか怪しい。ただ逃がさないと。それだけの意思を持って飛び掛っていた。
不自由な肉体が、空を舞う。自由が効く右腕が限界まで伸びきり――逃げていく打ち止めの右肩を抱き込むようにして掴んだ。

「――ひゃっ?!」
「――っ」

打ち止めに怪我を負わせないように、抱き込むようにして己の身をクッションにした一方通行は、そのまま二人して地面を滑るようにして叩きつけられた。
痛そうな鈍い音が響くが、機転を利かせたファインプレーにより、打ち止めは驚いたぐらいで怪我はないようだった。その分、一方通行は背中から襲い掛かる衝撃に息を詰まらせていたが。

「や、やぁ、離して!ってミサカはミサカは――」
「――暴れンな、クソガキ!」

小柄な身のどこにそんな力があるのは謎だが、腕と脚を振り回して下敷きになってしまった一方通行から逃れようともがいていた。一方通行は阻止しようと、右手を少女の右肩上から左脇下に差し込むとガッチリとホールドする。上半身の動きをそれで阻害し、下半身の動きを妨害するために右足を少女の両太ももに絡めるようにしてガッチリと固定した。

「にゃ、にゃなななな、ってミサカはミサカはあなたはどこを触ってるのって動揺してみる!!」
「オマエが暴れるからだろォがァ!」

幸いにも、ここは寂れ朽ちた公園だ。
周囲には人っ子ひとり居やしない。どれだけ騒ごうが、例え白い凶悪な面構えをした男が、見るからに幼い少女に襲い掛かるような構図に見えたとしても問題はない。




611SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:06:19.36jfA6RdFf0 (24/31)



「ちょっ、そこは駄目、ってミサカはミサカは貞操の危機を感じてみたり!!」
「ふざけンなガキがマセたこと言ってンじゃねェ!!」
「ガキじゃないもん、ってミサカはミサカは反論してみるっ!」
「それがガキだって言ってンだよ、いいから暴れンなッ!」

逃げようとする打ち止め。押さえ込もうとする一方通行。
傍から見たら、恐ろしく絵的に拙い攻防は終わらない。決着よりも風紀委員や警備員が駆けつけるのが先かと臭わせる激しい攻防戦は、なんとか一方通行が優勢を維持しつつ続いた。

……どれくらい続いただろうか。
数十分の格闘の末、先に体力が尽きたのは打ち止めで、軍配が上がったのは一方通行だった。
二人とも服装は乱れ土に汚れてしまい、吐く息は荒く、打ち止めに限っては全身の疲労により小動物のように温かい腕に包まれてグッタリしていた。

「……」
「……」
「疲れた、ってミサカはミサカは恨みがましく言ってみたり」
「そォだな。俺もこんなのは一生ゴメンだ」
「……」
「……」
「離して、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
「却下だ。逃げンだろ?」
「……」
「……」
「逃げないもん、っミサカはミサカはだから離して」
「それでも却下だ。こンままでいい」

ぎゅっと抱き込む力が強くなった。
熱と熱がより強く感じられた。

「他の人に見られたら犯罪者扱いだよ、ってミサカはミサカは指摘してみたり」
「ふんっ。他は関係ねェ。俺とオマエの問題だ」
「そっか……、ってミサカはミサカは頷いてみる」
「そォだ」
「……温いね、ってミサカはミサカは……」
「あァ……」

求め続けて、何度も失いかけた温かさ。
今だって遠ざかっていっていた居心地の良い温かさが、二人の気持ちに安らぎを与えているのは否定できなかった。




612SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:07:39.25jfA6RdFf0 (25/31)



「ねぇ……、ってミサカはミサカは問いかけてみる」
「なンだ」
「質問していい、ってミサカはミサカは確認をしてみる」
「あァ」

「――あなたはそれでも行くんだよね、ってミサカはミサカは訊いてみる」
「そォだな。俺は、行く」

「やっぱり、ってミサカはミサカはあなたはそう言うと知ってた」
「よく分かってンじゃねェか」

温かい熱に包まれているはずなのに、どうしようもない寒さに身を震わせた打ち止め。
また傷つけたと気付いた一方通行は、不器用ながらも気遣うように強く抱きしめる。

「寂しいよ、ってミサカはミサカはあなたと一緒にいたいの」
「俺も、オマエと一緒に居たい」
「怖いの、ってミサカはミサカは危ないことするあなたを心配する」
「俺も、オマエが心配だ」
「それでも行くんだ、ってミサカはミサカはやっぱり理解できない」
「必要だからだ」
「泣くよ、ってミサカはミサカは警告してみたり」
「泣くな。困るだろ俺が」
「自分勝手だよね、ってミサカはミサカは頬を膨らませてみたり」
「オマエに言われたくねェよ」

平行線。
一緒に居たいはずなのに、どうしても重ならない一方通行の思い。

「そンなにオマエは一緒に俺と居たいのかよ」
「さっきから何度も言ってる、ってミサカはミサカは非難してみる」
「何で?」
「何でって、ってミサカはミサカは言葉に詰まってみたり」
「何で俺みてェな奴と一緒に居たいかが理解できねェ。俺は化物だぜ。人間としては欠陥品もイイとこだ」
「そんなことない、ってミサカはミサカは否定してみる」

化物なんかじゃない。欠陥品でもない。あなたは優しい人。
打ち止めは囁くように呟いて、前に回された頼りになる右の手の平に、小さい小さい手の平を重ね合わせた。
言葉は重ならないのに、思いは平行線なのに、この熱だけは一方通行じゃなく交じり合う。
不思議なものだ、と一方通行はほろ苦く笑みを浮かべてみせた。この笑みは少女にも、他にも、本人にさえ見られることは無かったが。




613SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:08:30.68jfA6RdFf0 (26/31)



「優しくねェよ俺は」

一方通行(ケッカンヒン)に、そんな感情はインストールされてはいない。
もし、もしも。こんな欠陥品から優しさなんて欠落物を見出せたとしたのなら。


――拾ってきてくれたンだろ。


どこかのお節介共が。『一方通行』になる前の、記憶からも消去された本来の名前の時に失ったはずの感情を拾ってきてくれたのだ。
生きている内にどこかに置き忘れてしまった感情を、せっせと欠片と欠片を拾い繋ぎ合わせて届けてきたのだ。
打ち止めが。
黄泉川が。
芳川が。
番外個体が。
他にも多くのお節介共が。
自分がどれだけ。突き放そうが、受け流そうが、我関せずを貫こうが。
頼んでもいないのに、強引に空白となった欠落部分に埋め込んでいって。血となり肉と馴染むまで注ぎ込んでいってくれて。
確かに。
もう一方通行(ケッカンヒン)は、ブリキ(アクイ)の人形(バケモノ)では無くなってしまったのかもしれない。
欠陥(キズ)が癒えて、大切な傷跡になってしまったように。




614SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:09:42.50jfA6RdFf0 (27/31)



「ずっと、一緒に居るか打ち止め」
「……嘘つき、ってミサカはミサカはどうせ行く癖にって言ってみる」
「嘘じゃねェ」

くだばっちまえ。

「打ち止め……オマエは俺の為なら傷ついてくれるか」
「あなたがそれで一緒にいてくれるなら、ってミサカはミサカは肯定してみる」
「だったらよォ……俺と離れ離れになってる間、傷ついとけ」

くだばっちまえよ。今は『オマエ』の出番じゃない。

「俺も離れ離れになってる間、一緒に傷ついてやるから」
「なにそれ、ってミサカはミサカは唖然としてみたり……」
「オマエが心配すンなら、俺も心配してやる」
「よく分からないけど、だ、だったらミサカが泣いてる時は、ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
「早めに帰宅できるように努力する」
「……微妙に納得いかない、ってミサカはミサカは釈然としなかったり」
「納得しとけ。もしオマエが俺と一緒に居たいンだったら、な」

それができれば。
それでいいんなら。

「離れ離れだろォが、なンだろうがァ、俺達は」

どこだって。
いつだって。

「一緒だ打ち止め。距離なンか関係ねェ。例え世界の裏側にいようが、俺達は通じ合ってる」

一方通行じゃない。打ち止めじゃない。
気持ちは通じ合うし、思いは打ち止まることなく、お互いの中で結びつく。
だから、くだばっちまえ。

今だけはくたばっちまえ――『一方通行』。






615SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:10:26.70jfA6RdFf0 (28/31)



「不満は」
「……もっと教えて欲しい、ってミサカはミサカは喜んでる時は?」
「一緒に喜んでやる」

今だけはありのままに。
どんなことだって、素直なキモチで言えるような気がした。
少しずつ注いで貰った感情という星屑を、元の持ち主にそっと返していくように。

「ミサカがあなたがダイキッライ、ってミサカがミサカが言ったら……?」
「ガキの我侭には慣れた」
「むぅー!ってミサカはミサカは大変ご立腹!」

そこには。
お天道様が輝いていた。燦々と煌く、守りたかった大切にしたかった温もりの導きが。
雨雲は通り過ぎ、最も似合う眩しいばかりの陽射しの少女。

「最後に一つだけ、ってミサカはミサカは教えてください」

え、とね。
躊躇は一瞬。少しばかりの臆病心と、溢れんばかりの期待心を乗せて。





「ミサカはあなたがスキ、ってミサカはミサカは伝えます」





616SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:11:07.23jfA6RdFf0 (29/31)


                       
                         「そォだな――」



                          その音色は、


         
                      「――俺も、オマエが、スキだ」


        
                    泣いてるような響きに、少女には聴こえた。
     






               「気をつけて、ってミサカはミサカは約束の証に指きりを要求する」


                       「約束だ。ちゃんと待ってろ」


                           「うん」






617終わり2011/12/08(木) 22:12:20.88jfA6RdFf0 (30/31)



――――


星空が広がる大海の空。
どこまでも、どこまでも吸い込まれそうな闇夜と、散りばめられた星屑が輝く下。

学園都市最強の超能力者である一方通行はいた。
彼は星空を見上げ、遥か遠い異境の地に思考を馳せる。

悪党に興味はない。善人になれたとすら思えない。好んでヒーローを目指そうと思えない。
中途半端で、優柔不断で、何者にすら成れていない己の立場。
そんな五里霧中に囚われ、前後不覚の身に陥っていた彼だったが、光明の道標を見つけたような気がしていた。

それは不確かであやふやな、形無きモノだったが。
間違いなく、尊ぶべき約束の誓い。今も色褪せず、欠如していた空白部分に、色濃く息づく芽吹き。



この道がどこに続いているのかの一端を掴めた気がした。
目指すべき目標と、その先の終着地点が。

「準備はいいのかい、親御さん」
「ついてくンのは勝手だが、足手纏いにはなンなよ」
「分かってるよ。最終信号とどんな『約束』をしたか知らないけど、このミサカが足手纏いになるはずないでしょ」

足手纏いにはならなくても、意図的に邪魔者になりそうではあるが。
強引についてくる事になった番外個体を尻目に、一方通行は歩き出す。

前方にはジェット機。次なる戦場へと案内する箱舟。
目的地はハワイ。
世界の裏を闊歩する住人達が暗躍する、次なるステージだ。


「行くぞ」
「はいはい」

新たな決意と誓いを胸に、
確かなる目標へと向かって、彼らは第一歩目を踏み出したのだった。








618SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:15:06.72jfA6RdFf0 (31/31)

長々とどうもでした。>>616が微妙にズレててショック。
新約3が二日後発売。すっげぇ楽しみ。実際どうなんだろうな。
では新約3妄想はこの辺で終了して。またどこかで。次は『アイテム』で一本かな。ではでは


619VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/08(木) 22:15:49.582jY1sMx50 (1/1)

乙。


620SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 22:52:22.023RRUSbcZo (1/1)

乙。アイテム編も待ってる。
これくらい丁寧にやってくれるかな…


621SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/08(木) 23:08:18.47XUq84vq8o (1/1)

おつ!
通行止めは難しいけどいざ書くと安定感があるよな
すげぇ良かった!癒された!
もう三巻発売なんだな、早いなあ


622SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 00:23:33.67OZNA/Mwgo (1/5)

ちょっと3レス程度使いますよ

久しぶりに、いんでっくすたんを見てたら頭に浮かんだもの


623SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 00:24:22.79OZNA/Mwgo (2/5)

イギリス清教女子寮内にあるシェリーの彫刻室。
この部屋は石を削る際に出る音が周りに響かぬよう防音処理が施されている。
周りへの配慮。
だが実際は、それだけが理由ではなかった。
絶対に周りには気づかれてはならぬ事。それを隠す為の防音処理。

気づかれてはならぬ事。
それは


シェリー「みっなみの~島にペンギンさん、きゅっ♪」カキカキ

 歌いながらのお絵かき!

シェリー「はっしるよ列車がしゅっしゅっしゅっ♪」カキカキ

シェリー「たってがみライオン、がおがおがー」カキカキ

アンジェレネ「………」

シェリー「おっきなロボット、ごーごーごー♪」

アンジェレネ「………」ジー

シェリー「あっおい車が、ぶーぶーぶー♪」




624SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 00:25:00.72OZNA/Mwgo (3/5)

--- 10分後 ---

シェリー「かっいじゅうが街で、ギャーギャーギャー」カキカキ

アンジェレネ「……♪」カキカキ

シェリー「ゴーレムがそれをドンドンドン♪」カキカキポキッ

シェリー「…あ……オイルパステルが……」

アンジェレネ「はい、これ新しいのです」

シェリー「ありがと、気が利くわね」

アンジェレネ「……♪」カキカキ

シェリー「さて、次は何を………え!!」ビクッ

アンジェレネ「……♪」カキカキ

シェリー「えと……あ、あんた、いつからいたの?」ダラダラ

アンジェレネ「お花、お花♪ 10分ぐらい前だったと思いますよ。 猫、子猫♪」カキカキ

シェリー「……その……歌とか……聴いてた?」ダラダラ

アンジェレネ「いーぬ、子猫、うっさっぎー♪ えぇ、聴いてましたよー♪」カキカキ

シェリー「……」orz



625SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 00:26:01.94OZNA/Mwgo (4/5)

アンジェレネ「ルチア、アニェーゼ、オッルソラ~♪」カキカキ

シェリー「……ねぇ、小シスター」

アンジェレネ「なんですかー?」カキカキ

シェリー「お、お願いだから、内緒にしててくれない……?」

アンジェレネ「別に構いませんませんよー♪ その代わりに」

シェリー「その代わり……?」ゴクリ

アンジェレネ「そっちで一緒に描かせてください」ゴソゴソ

シェリー「……それだけでいいの?」

アンジェレネ「♪」カキカキ

シェリー「……」

アンジェレネ「……続きは描かないんですか?」カキカキ

シェリー「そ、そうね……」

アンジェレネ「♪」カキカキ

シェリー「……ま、こういうのも偶にはかもね……」ナデナデ

アンジェレネ「く、くすぐったいですよ///」




ルチア「……」●rec



626SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 00:26:48.46OZNA/Mwgo (5/5)




sage忘れてたよ、ごめんよ


627SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 00:34:38.75LwgGimlSo (1/1)

このスレは基本的に&投下はむしろage推奨ですよ
しかしシェリーとアンジェレネとはまた新鮮な組み合わせありがたや


628SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 04:02:22.56S9pm+oaPo (1/1)

何これうたのおねえさん出来そうなくらい可愛い


629VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/09(金) 15:39:10.56HstdAf60o (1/1)

みんなシェリーの魅力をもっと知るべき


630SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 20:22:43.55ReqxRbKxo (1/4)

TV捏造ネタで3レスもらいます。



631SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 20:23:32.93ReqxRbKxo (2/4)

司会者『これが三十年前の平均的な日本人の顔です』

タレントA『エラ張ってるしぃ目も細いし釣りあがってるしぃ、歯並びが悪ーい』

司会者『しかし食生活の変化で、十年後は顎がこんなにも退化するんですよ』

タレントB『うそー! エイリアンみたーい』

イン「とーまとーま。日本のTVって堂々と人種差別していいの?」

上条「人種差別? 別に日本人の自虐だからいいんじゃねえか」

イン「だって現代日本人と違いすぎるんだよ」

上条「整形とかじゃねえのか?」

イン「とーまは日本のことを知らなさ過ぎるかも! 日本人は独自の価値観を持ってるんだよ」

上条「そのつまり……。どう言うこと?」

イン「不完全な物をありのまま受け入れる美学って言うのかな。昔から整形率が低いんだよ」

上条「でもTVで『日本は整形大国!』とか言ってるぞ?」

イン「整形の人口比は一位韓国1.36%二位ブラジル1.28%三位米国0.96%で日本は七位0.58%だね」

上条「日本も結構多いじゃねえか」

イン「日本在住の外国人も含まれるし、庶民の所得水準を考えると低いんだよ」

上条「ああ、だから日本が順位高いのか」


632SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 20:24:28.44ReqxRbKxo (3/4)

イン「それに日本人は体にメスを入れるのを嫌がる民族で、リフトアップやアンチエイジングが中年層に人気かも」

上条「そんなもんか?」

イン「日本人は『あの人整形してるんだよ』って言われたら『そうなんだ』って思うでしょ?」

上条「そうだな、別に差別とかはしねえけどさ」

イン「整形が少ない証拠かも。整形大国だと『だから何?』って気にすらしないんだよ」

上条「気にすること自体が少ない証拠か」

イン「そもそも日本人は丸みを帯びた面長で、目つきもお豆形の二重で垂れ目なんだよ」

上条「目が小さくて一重のイメージが強いけど、二重って多いのか?」

イン「一重は寒冷地方で眼球を守るために生じたもので、日本人は人種的に小さくないし二重が多いんだよ」

上条「顎とかエラはどうなんだ? 食生活の変化で最近は小顔になってるらしいけど」

イン「骨格の変化は何千年もかかるし、百年二百年で変化する訳がないんだよ」

上条「けど柔らかいもん食ってたら、ちょっとは衰えるんだろ?」

イン「アフリカ系アメリカ人も文化が急激に変化したけど、骨格の変化は個人差の枠を超えないかも」

上条「じゃあ歯並びの悪さはどうなんだ?」

イン「それは単に矯正しないだけかも。十字教圏の国は八重歯とかを『悪魔の牙』と禁忌して矯正するんだよ」


633SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 20:25:07.05ReqxRbKxo (4/4)

上条「話がそれたけど、国内の差とかないのか?」

イン「日本は北海道から沖縄まで、遺伝学的に比較的均一性の高い民族だよ」

上条「移民とか混血の可能性はどうなんだ?」

イン「混血は誤差の範囲で、移民とかの極端な違いは平均から除外するかも」

上条「じゃあ、あの顔は何人なんだよ」

イン「あの骨格や顔の特徴は朝鮮民族だね」

上条「お隣の国なんだから遺伝子的に近くねえのか?」

イン「ううん、遺伝子プールで言うなら大和民族と朝鮮民族は六割以上違うから別民族だよ」

上条「い、遺伝子プール……?」

イン「染色体グループも朝鮮民族はO3が多いけど日本人はO2b1が多いし、日本特有のD2系が少ないかも」

上条「せんしょくたい……?」

イン「日本は島国だから遺伝子的に隔離されてるんだよ。遺伝子の分類上はモンゴルと近いかも」

上条「そうなのか。でも何でTVで他国の平均顔を自国の平均顔って言うんだろうな?」

イン「それは謎なんだよ」





日本はいい物が多いのに、なんで日本のTVは捏造ばかりするの?
美味しい物いっぱいあるし、優しい人が多いし、永住したい。


634SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 20:31:58.23imW455tMo (1/1)


TV局に勤めてる人は在日朝鮮人が多いと聞いたことがある
韓流がごり押しされるのはその絡みだって言うね

外国の人かな?
日本は品行方正にしていればとても良い国ですぞ


635SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/09(金) 22:02:13.43uQu08m0po (1/1)

乙です
日本人は良く言や謙虚、悪く言や自虐的だよな
それを利用してマスゴミが、日本人は恥ずかしい、みたいな発言をしてやがる



636SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 01:34:13.73tL71172DO (1/6)

でも日本人って日本大好きだよな
何だかんだで


637SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 01:57:45.92tL71172DO (2/6)

1レスもらいます
メタ気味注意


638SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 01:58:36.51tL71172DO (3/6)


一方通行は真剣な顔立ちで鏡の前に立っていた。
何も自分の姿を見て悦に入ろう――というわけではない。


一方通行「あ、ぁー……ァー……んンンー」

一方通行「よしこんな、あー……ン。よしこンなもンか」


一方通行の特徴とは何か。
このキャラクターがやけに多い「とある魔術の禁書目録」の中で彼を特徴付けたものとは何か。
――そう、その独特な口調であった。


一方通行「ミサカはミサカは、よりはマシだけどよォ」チッ


打ち止めのことを思い出す。
あれも難儀な口調だ。
しかし最近は油断をしているのか自身のポジションが明確になってきたことからの慢心か――。


一方通行(あのガキ最近ではミサカはミサカは――を語尾に付けなくなってきやがった)

一方通行(しかもそれが受け入れられてるってどォいうことだよ)


一方通行は悔しそうに奥歯を噛み締める。
実際、限界なのだ。
ァィゥェォンだけを片仮名にする――、最初考え付いたときは「これだ!」と膝を叩いたものだが。


一方通行(無茶だろホントこれ)


――だってこんなに巻数が続くとは思ってなかったんだもん。

壁に頭を凭れていると、ガチャリという取っ手が降りる音と共に扉が開いた。


打ち止め「ねぇあなた! 準備できた? ってミサカはミサカはあなたと二人でお出掛けというワクワクを抑えきれずに飛び込んでみたり!」

一方通行「うっせェ黙れ!!」

打ち止め「えっ」

一方通行「オマエなンかなァ……ッ」ダンッ

打ち止め「ちょ、ちょっと壁叩かないで! 大丈夫?」

一方通行「それだよそれクソがァアアアア!!」



おわり






639SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 01:59:09.57tL71172DO (4/6)

おわり


640SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 04:44:11.20ySfs0gaZo (1/1)




641SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 05:35:43.60m5A9TGWg0 (1/1)

乙。
皆キャラ作ってるんだとしたらオルソラすごくね?



642SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 08:39:53.43E+UV4ku9o (1/1)

>>641
結構内面はヨゴレだと思う>オルソラ


643SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 09:21:40.93sJuHGwgy0 (1/2)


美琴がツンデレ作ってたらなんかやだなww

しかし実際口調って大変だね
今初めてSS書いてみてるけど、一生分「超」の字を使った気がする


644VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/10(土) 12:38:21.99wLgP2Dxmo (1/1)

凄いチョウチョ(超蝶々)を絹旗が見つけたら、

「あ、ちょうちょうちょうちょです!」になるのか


645SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 12:55:55.05ZzfUX8LAO (1/1)

超凄い蝶々を見つけました!くらいじゃねー?


646SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 13:32:00.93tL71172DO (5/6)

一応やたらに超をつける若者程度だしな
違和感がない程度だろ


647SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 13:51:45.38sJuHGwgy0 (2/2)

「種類がある」を「種類が超ある」ではなく「超種類がある」と言っちゃう絹旗なら、
蝶々がたくさんいるのを見て「超蝶々がいます」は言うと思う


648VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/10(土) 13:56:41.242h8y0HAXo (1/1)

浜面は超無能力者です! どっちだよ、みたいな感じか


649SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 14:29:33.37Urp5Qldfo (1/2)

>>645
凄い蝶々を超見つけました、じゃね?
絹旗の「超」はなんとなく動詞に付くイメージがある


650SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 14:32:49.35Urp5Qldfo (2/2)

>>647を考えると一つの文中で普通(ってのも変だけど)超が付く所じゃなく、別の所に付くって事か

連投スマソ


651SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 15:12:29.19tL71172DO (6/6)

>>650どっちかと言うとギャルの言葉を考えた方が早いかも
まぁ俺のギャル言葉のイメージが間違っていたらアレなんだが


652SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/10(土) 22:20:56.42DDUdbOa00 (1/1)

そもそもかまちーが感覚的に使ってるだけで
明確な定義や決まりは無いと思う訳よ


653SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 00:22:11.42XkmLxP9zo (1/1)

一応、ネタバレ解禁だよな……?
盛り上がりに欠けるねぇ。


654SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 00:28:33.44QMhDs4w3o (1/1)

ネタバレって今日3巻発売日だっけか?
忘れてた


655SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 00:34:08.18ltfqmIbO0 (1/1)

一方さんと美琴の会話にガッカリした


656SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 00:36:06.78alQklxIDO (1/1)

新訳入ってからずっと言われてんな>ガッカリした


657SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 01:02:28.14gW44tCcto (1/1)

>>655
おいぃぃぃ
その言葉だけで未読者の俺には…
でも遂に二人が邂逅すんのか…
でもがっかりなのか…


658SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 01:07:17.14qlcKKef8o (1/1)

一方さんのお前がそれ言っちゃうのぉ!?的発言はマジで引っ掛かったが、
それ以外は普通に面白かったし次が楽しみだぜよ


659SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 02:08:05.36793cCv9AO (1/8)

最も注目すべきは黒夜ちゃん。新約3巻のネタバレ含んだ投下はもうオッケー?


660SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 02:14:23.44793cCv9AO (2/8)

まあレスも無いし朝になると消しちゃうかもしんねえからささっと投下してく
>>1にもネタバレ解禁は翌日からってあるし大丈夫だよね……?
念のためネタバレ警告しとく


661※このSSは新約3巻のネタバレを含みます。新約3巻を読み終えてから目を通してください※2011/12/11(日) 02:16:30.99793cCv9AO (3/8)

※新約 3 巻のネ タ バ レを含みます※





一方通行「オイ、そこのチンピラ二人」

番外個体「あれあれ、ミサカまでチンピラ扱い?」

浜面「何?」

一方通行「ちィとばかし面白れェ情報が入ってなァ……黒夜を泣かせたらしいじゃねェか」

番外個体「えっ。あれってば確か、嫌がるクロちゃんを無理矢理押さえ付けて襲いかかった世紀末帝王HA・MA・DU・RAのせいじゃなかったっけ?」

浜面「変わり身早ぇ!? どっちかと言えば俺泣かされる立場だよ!?」

一方通行「ほォ……つまり悪いのは全部そこのチンピラ、だと」

浜面「やっぱり俺ぇ!? ちょっと待てよ第一位俺があのチビっ子の皮被った大怪獣に勝てると思ってんの!? そうだとしたらアンタの第一位ってば案外飾りじゃねーの!!」

番外個体「いやぁ、あの時のハマちゃんてばかっこよかったなぁ……油断しきっていた幼い女の子に背後から飛び掛かった時の形相なんて思い出しただけでも怖いぜー」

浜面「おかしい! あらゆる部分でそれはおかしいッッ! 平然と事実を捩曲げるなよ!? ああ早く滝壺に会いたい癒されたい抱きしめたい! 第一位に殺される前にッ!」


662※このSSは新約3巻のネタバレを含みます。新約3巻を読み終えてから目を通してください※2011/12/11(日) 02:16:57.62793cCv9AO (4/8)

※新約 3 巻のネ タ バ レを含みます※





一方通行「……で」

番外個体「ん?」

一方通行「そンな時にオマエは何をしてた?」

番外個体「げっ……そ、それがさぁハマちゃんったら用意周到でクロちゃんを襲う前にミサカを襲って来たんだよね!
あーあ怖かったなぁ貞操の危機感じたよ! あの目はマジだった!」

浜面「アンタほんと最低だよなッ!? 俺の中じゃ麦野とタメ張る極悪さだよそして滝壺違うんだコイツの言ってることは100%嘘だからね!!」

一方通行「……俺の知ってる話とは随分違ェンだけどなァ、番外個体?」

番外個体「はぇ? な、なんの事だろうかミサカわっかんなーい☆」

一方通行「悪りィが、当の本人が全部ゲロってンだよ」

番外個体「なァァにいぃいー!? あのおチビが第一位に泣きついたっていうの!?うわー信じられねー! あひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃ!!」

一方通行「当分笑えねェだろォからよォ、今のうちに精一杯笑っときな」

番外個体「ひゃっひゃ……ひゃ? 何? 第一位が、この私に、お仕置きでもするワケ? んー?」

一方通行「俺は手出ししねェよ。ただ、妹達だろォと行き過ぎた素行は正さねェといけねェ」


663※このSSは新約3巻のネタバレを含みます。新約3巻を読み終えてから目を通してください※2011/12/11(日) 02:17:35.76793cCv9AO (5/8)

※新約 3 巻のネ タ バ レを含みます※





番外個体「……えっと。ゴメン☆」

一方通行「もう遅ェ。スペシャルゲストだ」


上条「聞いたぞ、番外個体……」

番外個体「ぅげえ!?」

上条「なんでも、抵抗できねえ黒夜に対して泣くまでいたぶったらしいじゃねえか! 確かにアイツは悪党だ、だけどまだ十数歳の女の子だぞ!?」

番外個体「そ、それ言ったらミサカはまだ生まれ……」

上条「言い訳なんかするんじゃねえッ! あんな小さな女の子を泣くまで虐めて楽しいか!? 抵抗できねえ人間に対して暴力を振るうのがそんなに楽しい事なのかッ!?」

番外個体「えええええええええー!! ミサカ暴力振るってないじゃんちょっと第一位このヒーローに何吹き込んだの!?」

一方通行「いや、電撃も充分暴力だろ」

上条「いいぜ、お前がそんなことを楽しいって思ってるなら……まずはその幻想をぶち殺すッッ!」

番外個体「あいたー!? グーじゃなくてチョップで少し安心したけどやっぱり痛い! チョップって全力でやるもんじゃないでしょ痛ぁ!?」


黒夜(くっくっく……コイツのこの姿を見れただけ、第一位にプライド捨てて泣き付いただけあるってモンだ。ざまぁねえぜ)


664※このSSは新約3巻のネタバレを含みます。新約3巻を読み終えてから目を通してください※2011/12/11(日) 02:18:12.39793cCv9AO (6/8)

※新約 3 巻のネ タ バ レを含みます※





浜面「なんか知らねえ内に蚊帳の外放り出されてたぜ……、あれ。黒夜じゃん」

黒夜「気安く呼ンでンじゃねェぞチンピラ風情が」

浜面「ひぃッ!? 第一位との対応違いすぎねえ!?」

黒夜「うるせェ雑魚が。……そォいやァオマエとは約束があったよなァ」

浜面「や……約束?」

黒夜「ほら、アレだよアレ。七つでも九つでも無ェ……そう、八つ裂きにしてやるってヤツだ」

浜面「ぎゃああぁあッッッ!? 無表情でボンバーランス出してんじゃねえよ殺る気満々じゃねえか! やっぱり悪党だぜコイツまじ怖ぇ!」

黒夜「そォら覚悟決めやがれクソ野郎ォ!」

浜面「ちっ、ちくしょー! つい数時間前はびえびえ泣いてた癖になんだってんだー!?」

黒夜「……!」

浜面「闇とか新入生とかカッコイイ事ばっか言ってた割には案外涙脆いし、突然変身ポーズしだす……し……?」

黒夜「…………ひっ」

浜面「え、ちょいちょい待てよお前まさかこの状況で泣き出す訳? 今まさに人一人殺そうとしてる状況で突然泣き出す訳?」

黒夜「なっ……泣く訳、ねェだろォ…………!」


665※このSSは新約3巻のネタバレを含みます。新約3巻を読み終えてから目を通してください※2011/12/11(日) 02:19:08.99793cCv9AO (7/8)

※新約 3 巻のネ タ バ レを含みます※





浜面「だよなー焦ったぁ……闇の新入生がたかが変身ポーズしたり泣いたりしたのを思い出すだけで泣き出す訳ねえよなぁ。ふう」

黒夜「びっ……」

浜面「び?」

黒夜「――びええええええええええええええええええええええええん!! 何だよどいつもコイツもなんで私がこんな目に合うんだよデフォルトで人が閉じたトラウマこじ開けてんじゃねえよバカァびえええええええええええええええん!!」

浜面「うぉおぉおお!? な、なんだいきなり殺しに掛かって来たり泣いたり大忙しなヤツだな!? と、取り敢えず落ち着けって。そうだ、ホラ飴玉だぞ飴玉! い、いないいないバァー!?」

黒夜「バカにしすぎだろびえええええええええええええええええええええええええええええええええん!!! ぅああぁああああああああああああん!!」

浜面「逆効果ー!? ならええっとええっと――ん?」

上条「……浜面」

浜面「……嫌な予感マックスなんだけど、先に言っておくがこれは誤か」

上条「誤解だのなんだの関係ねえよ。女の子泣かしておいて男らしくねえな……歯ぁ食いしばれよ」

浜面「いやぁあぁああああぁああ――――!!!」


666↑新約3巻のネタバレ含むSSここまで↑2011/12/11(日) 02:21:49.87793cCv9AO (8/8)

↑新約3巻のネタバレ含むSSここまで↑


投下終了。俺はついに原作で一方通行が「もちろン」と言ったことに胸キュンした
ありがとうございましたー


667SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 02:28:28.68wTH8pZh8o (1/1)




668SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 06:23:08.52z9Z+bzb20 (1/1)

乙、浜面マジリアクション+ツッコミ王
上条ちゃんのパンチにもちゃんとリアクションしてあげるあたり
良い芸人根性だ


669SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 09:45:50.31R8jUqVuY0 (1/6)

新約三巻発売か、買いにいかなきゃなあ

ありがちなネタだけど4レスもらいます
一方+禁書、上条+打ち止めです


6702011/12/11(日) 09:47:11.85R8jUqVuY0 (2/6)

禁書「パートナー交換?」

打ち止め「なんだよってミサカはミサカは出来るだけ神妙にしてみる」

禁書「それはどういうこと?」

打ち止め「期間限定でパートナーを交換するっていう企画なんだよってミサカはミサカは再度説明をしてみたり。
もっと簡単に言うと交換お泊まり会?」

禁書「じゃあ、私があくせられーたの所に行って、らすとおーだーがとうまの所に来るんだね」

打ち止め「そういうこと!ってミサカはミサカは期待をこめて頷いてみる!」

禁書「でも、パートナー交換というくらいならはまづらも……」

打ち止め「それは深い(MNW人気投票)事情により無しになりましたってミサカはミサカはあんまり人気がなかった彼に同情しながらも
行くならあの人の所がいいからまあいいかななんて思ってみたり」

禁書「人気……?」

打ち止め「ううん、気にしないでってミサカはミサカは慌てて取り繕ってみる」

打ち止め「とにかく、どうかな?ってミサカはミサカは最近覚えた上目使いでお願いしてみたり」

禁書「うーん……」

打ち止め「あの人ならファミレスでメニュー表の一ページや二ページ普通に頼めるんだよね」ボソッ

禁書「……」ピクッ

打ち止め「ヨミカワが作ってくれるご飯とっても美味しいんだよなぁ」ボソッ

禁書「うーん、し、仕方ないんだよ。いたいけな少女の願いを叶えてあげるのも修道女の役目かもっ」ソワソワ

打ち止め「計画通りってミサカはミサカは某死神のノートの主人公ばりの不敵な笑みを浮かべてみる」ニヤリ





ピンポーン

一方通行「誰だよこんな真昼間に…」



ピンポーン

上条「はいはーい」パタパタ


ガチャ


打ち・禁書「パートナー交換かも!(だよこんにちはってミサカはミサカは元気に挨拶してみる!)
あとご飯も所望なんだよ!」


一方・上条「はいぃ?(ァ?)」




6712011/12/11(日) 09:48:38.93R8jUqVuY0 (3/6)



--一方通行と禁書目録

一方「おいコラ、開口一番飯要求ったァいい根性してるなァ?」イラッ

禁書「でも事実かも」

一方「三下はどォしたんだよ三下は」

禁書「今らすとおーだーが行ってるはずなんだよ」

一方「は?なんでクソガキが三下ンとこに行って……」

禁書「パートナー交換かも!おじゃましまぁす」ズカズカ

一方「いやだから意味がわからn勝手に入るな!コタツに入るな!」

禁書「お腹と背中がくっついてしまいそうなんだよあくせられーた!」バンバン

一方「フリーダムにも程ってもンがあるンだからなァ!?」



6722011/12/11(日) 09:54:54.90R8jUqVuY0 (4/6)

--上条と打ち止め
上条「えっと、打ち止め?なんでこんなところに?あ、とりあえず上がって。寒かっただろ」

打ち止め「おじゃましまぁすってミサカはミサカはちゃんと靴をそろえていい子なのをアピールしてみたり」

上条「ココアとか出してあげられたらいいんだけどな如何せん、上条さんの懐のお天気はは万年吹雪なので、お茶(出涸らし)くらいしか・・・」

打ち止め「ミサカは贅沢言わないよってミサカはミサカはあなたの家計を考えると同情を禁じえない状況なのを察してみる……」

上条「わかってくれるだけでもありがたいです。で、今日は俺に何かよう?」

打ち止め「一日泊めて欲しいのってミサカはミサカはお姉様には聞かせられない言葉を発してみたり」

上条「ええ!?いや、一方通行は…?」

打ち止め「あの人は大丈夫!ってミサカはミサカはサムズアップでしゅt」

電話<ピリリリリリリリ、ピリリリリリリリ、ピリリリリリリリ

上条「…鳴ってるけど」

打ち止め「気にしないでいいのってミサカはミサカはあえて発信者の名前は見ないで答えてみる」

電話<ピリリr

電話<シーン

上条「…(絶対一方通行だろいまの)」)

上条電話<ピリリリリリリリリ

上条「(このタイミングはでたくねええええええええ!!!って言ってる場合じゃないよな)」ゴクッ

上条電話表示<一方通行

上条「やっぱり…、もしm」

一方『三下ァァァァ!オマエこのシスターどうにかしろォォォォォ!あとそこにガキがいるだろ!かわれ!!!』

上条「ひいいいっってシス……、ええええ、まさかそっちに行ってるのか!?」

一方『あァパートナー交換だとかなんだとかワケわからねェ事言ってて話になンねェンだよ。ガキに代われ!』

上条「代われっていってるけど…?」

打ち止め「ミサカは貝です、ミサカは貝です、ミサカは貝ですって黙秘をつらい抜いてみる」

上条「でも、許可得ないで来たんだよな?やっぱりそれはまずいと思う。泊めるのは・・・まあ、よくはないけど・・・出来ないことはないしさ。な?」

上条電話<オイサンシタハヤクシロォ!オナカスイタンダヨー!!ウルセェソコノタナニナンカクイモンアルダロォ

打ち止め「…」シュン

上条「何か理由でもあるのか?」

打ち止め「ミサカたちはいろんなところに散らばってるのは知ってるでしょ?ってミサカはミサカは確認のために聞いてみたり」

上条電話<キイテンノカヨ!アクセラレータコレオイシイ アァヨカッタデスネェ

上条「ああ」

打ち止め「実験を止めてくれたあなたに会ってみたいっていう個体は沢山いて、でも学園都市にいるミサカも暇ではないから、たまにはミサカが願いを叶えてあげてもいいかなってミサカはミサカは理由を告白してみる」

上条電話<……チッ ドウシタノアクセラレータ ベツニ

上条「それで、来たのかぁ」

打ち止め「うん、今ミサカを通して各地のミサカがあなたを見てるよって感覚共有全開なのをアピールしてみたり」

上条「そうか…」ウーン

上条「一方通行?」

一方『全部聞こえてる。ガキに明日朝迎えに行ってやるって伝えとけあと手ェだs』

上条「上条さんにそんな趣味はありません!!!」

打ち止め「(本当は年に一回の全ミサカのミサカによる人気投票でつい一位になった人の所へ感覚共有しながらお泊りしにいくよって言っちゃったからなんだけど
言わないほうがいいよねってミサカはミサカは若干の罪悪感を感じながら大人の階段を一歩登ってみる)」



6732011/12/11(日) 09:56:02.89R8jUqVuY0 (5/6)

--一方通行と禁書目録

上条『そういうことで、打ち止めを預かるけど…その…』

一方「別に後で経費請求したりしねェよ」

上条『さすが第一位!ありがとうございますー!!!じゃあよろしく頼む!!!』

一方「今回だけだからなァ」プチッ

一方「…」クルッ

禁書「…」キタイシタメ

一方「ファミレス行くか…」

禁書「夢の全メニュー一度に制覇なんだよ!!」ワーイ

一方「厨房のスタッフ涙目にするつもりか…」ハァ


674SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 09:57:43.25R8jUqVuY0 (6/6)

場面で区切ったらバランス悪すぎたスマソ
口調って特徴的であればあるほど難しいなあ


675SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 11:16:29.95AzWw0g9SO (1/1)


面白かったよ


676SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 11:33:30.81pRxL/6gAO (1/1)

おーつ
続きを所望するんだよ!


677SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/11(日) 11:46:25.47yAFCj18Q0 (1/1)

人気投票、年に一回って初めてなんじゃねーかww


678SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 01:20:15.47YdPkPTDAO (1/12)

またしてもネタバレ含むSS投下
!と!!に使い分けてみたけどコレめんどくせえ


679※このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。未読の方は気をつけて※2011/12/12(月) 01:22:01.46YdPkPTDAO (2/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




番外個体「クーロにゃんっ」ガバッ

黒夜「ぃひぃッ!?」

番外個体「うわひでえ。いくらミサカでもそれだけ驚かれたら悲しいぜ?」

黒夜「あ、あああ当たり前だクソ野郎ッ! つーかクロにゃんってなんだよ馴れ馴れしすぎだろ!」

番外個体「えっえー? ばっちしなあだ名だと思うんだけどなー、……あそっか!」

黒夜「こ、今度は何を思い付きやがった……!」

番外個体「じゃっじゃーん。クロにゃんは猫耳が無いのにニャンコ呼ばわりされるのが嫌だったんだよねなら問題ない今すぐ着用させるからほれほれ☆」ズボッ

黒夜「ッテ、テメェまだ諦めて無かったのかよォ!? や、止めろ招き猫のポーズを取らすンじゃねェ私はサイボーグだぞ猫なンかじゃ……ッッ!」

番外個体「…………」

黒夜「ぐァあああッ!! なンで私が猫耳付けなきゃなンねェンだよどォ言う思考回路してンだよオマエはァ!!」

番外個体「…………」

黒夜「……? オ、オイ……何急に黙りこンでンだよ」

番外個体「……」

黒夜「せ、せめてなンか言えよテメェでやっといて無反――むぐ」

番外個体「――にゃん」

黒夜「……は?」

番外個体「語尾ににゃん付けろよ」


680※このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。未読の方は気をつけて※2011/12/12(月) 01:22:30.65YdPkPTDAO (3/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




黒夜「は、はァァァあああ!? え、は、はァァァァァァァァァあああああああああああああああ!!??」

番外個体「二回も言わせないで欲しいなぁだから語尾ににゃん付けろって」

黒夜「ふっ、ふざけンなクソ女ァ! 少し凄ンだ程度でこの私が屈服するとでもってぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃッッ!!」

番外個体「んー? クロにゃんは語尾がぎゃぎゃぎゃの方がいいのかにゃ?」

黒夜「ち、畜生私の体だってのに主導権が握られてやがるぎゃぎゃぎゃッ!!」

番外個体「やーんクロにゃんったらいきなりソーラン節踊り出すとかマジ有り得ねーあひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

黒夜「誰がさせてるとぎゃぎゃぎゃッッ!! ぐゥッ……オマエ気軽に私の四肢操ってるけどこれ地味に痛ェンだぞぎゃぎゃぎゃッ!」

番外個体「じゃあクロにゃんの語尾はぎゃぎゃぎゃ確定かなぁ」

黒夜「……ンだ……」

番外個体「え、何? 聞こえない」

黒夜「言ってやるっつってンだにゃンっらっしゃオラァァァああああ!!!!」

番外個体「……は?」

黒夜「……あ?――ぎゃぎゃぎゃぎゃああぁあッッ!!」

番外個体「っらしゃオラ?」ビリビリ

黒夜「……言ってッッ……やる……、にゃン……――ッッ!!!」


681※このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。未読の方は気をつけて※2011/12/12(月) 01:22:57.85YdPkPTDAO (4/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




番外個体「良く出来ましたクロにゃんってばかっわぃいー!」ダキッ

黒夜「ぐふゥッ! ンごンぐンがァンぎィィ!」

番外個体「おっといけねえ。お姉さんのおっぱい大きすぎてクロにゃん窒息死させるとこだった」

黒夜「っぷはァ! 自慢か!? 今のは私に対する自慢かコラァ!?」

番外個体「ぎゃぎゃぎゃがイイ?」

黒夜「お前マジ死なねェかなァにゃン!!」

番外個体「うんうん。ミサカの読み通りクロにゃんには猫耳+にゃん口調がめちゃくちゃ合ってるぜ。クロにゃんもそう思わない?」

黒夜「思わねェよクソったれにゃンッッ!」

番外個体「……その「にゃン」って言う時だけ凄むの止めない? 具体的に言うと眉に皺寄せて目を見開いたまま口角下げるのを」

黒夜「……」

番外個体「あれ? クーロにゃん?」

黒夜「…………(くくく、どうしてこんな簡単な事に気付かなかったんだ私は。とにかくコイツの前じゃ黙ってりゃいいっつーのォ! ははは、ざまぁみやがれクローンババババババババッッッ!!」

番外個体「クロにゃん返事しないし体で遊ぼうかな?」

黒夜「ごめババババンなバババさババババババいババババババ!!!!」


682※このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。未読の方は気をつけて※2011/12/12(月) 01:23:30.22YdPkPTDAO (5/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




黒夜「はァ……はァ……」

番外個体「いやークロにゃんで遊ぶと飽きないなあ格好の遊び相手ゲットしちゃったぜ☆」

黒夜「助けて……もォ誰でもイイから助けて……にゃン……」ピクピク

番外個体「そうだ、次はこれ歌ってもらおっかな」スッ

黒夜「あ……?」




黒夜「――――ンでッ!! ンでッ!! ンでッッッ!!
にゃあァァあああにゃーンでェェッッッッ!!!!
遊ンで遊ンで欲しいのォォおおおシッポのある女の子にはァァあああああ命令したってェ無駄だよォォォォああああああうえええええええええええええええん!!!!!!!!」

番外個体「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃつひゃっひゃっ!!!! 気持ち込めすぎだぜクーロにゃーんあひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

黒夜「びええええええええええええええん!!!! 死ねっつか殺されろ第一位にグチャグチャにされちまえびえええええええええン!!!!」

番外個体「……クロにゃん」

黒夜「びっ、ひっく……な、なんだよぉ今更慰めんじゃ……」

番外個体「語尾ににゃん付けろよ」

黒夜「びえっ――ぎゃぎゃぎゃ!!!!」

番外個体「ね☆」

黒夜「いつか……殺す……にゃ……ン」バタッ


683※このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。未読の方は気をつけて※2011/12/12(月) 01:24:04.08YdPkPTDAO (6/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




――――
―――

黒夜「はぁッ……はぁッ……クソ、酷ぇ目にあった……!」

浜面「あり? えーっと……こ、こんにちは……?」

黒夜「そしてさよォならァッ!!」ボンッ

浜面「ソッコー臨戦態勢ッ!? 俺何かしたっけ何もしてないよねっ!!」

黒夜「ちょっとストレス発散に付き合ってくンねェかなァはまちゃァァァン!?」

浜面「テメェのストレス発散に付き合ったら間違いなく死ぬよね!! 畜生、俺には帰りを待ってくれている愛しのマイエンジェルがいんだこんなトコで訳も分からず死ねるかよ!!」

黒夜「死ねやゴラァァァああああッッッッ!!!!」

浜面「よ、よっしゃ掛かってこいサイボーグ野郎俺の全身全霊をもって逃げ切ってやるぜコンチキショウッ!」

黒夜「あああああッッッッ!!!!」

浜面「うォォォォおおおおおお!!!!」

黒夜「ッッ…………!!!!」

浜面「うォォォおおお……お、お?」

黒夜「……ッッ……!!」

浜面「…………」

黒夜「…………」

浜面「……何してんの?」

黒夜「私が知るかよッッッ!!!!」

浜面「俺には荒ぶる鷹のポーズに見えるんだけど合ってる?」

黒夜「だから私が知るかよちくしょォォォォ!!!!」ブワッ


684※このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。未読の方は気をつけて※2011/12/12(月) 01:24:30.53YdPkPTDAO (7/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




番外個体「ったく、クロにゃんがいないと思ったらまさか男の子とイチャイチャしてたとはね」

浜面「えー……今のがイチャイチャに見えるなら俺と滝壺のはどんなレベルだよ……」

黒夜「とにかくこのポーズ解除させろクソ野郎ッ!」

番外個体「……クロにゃんさぁ」

黒夜「な……なンだよ」

番外個体「…………」スッ

黒夜「お、おい待てまさかテメェ――」

番外個体「語尾に。にゃん。付・け・ろ・よ」ゴニョゴニョ

黒夜「はっ、はァァああああッ!!? あのレベル0がいる前だぞテメェ今どンな無茶な欲求してるか分かってンのかあァ!?」

浜面「?」

番外個体「嫌なら体で遊んじゃうけど、クロにゃんがそれでいいなら☆」

黒夜「……ッ、はっ! あの屈辱的口調をコイツに聞かれるくらいならソーラン節でもコマネチでもやってやらァァァ!!」

番外個体「よーしじゃ早速M字開脚イッてみよーう!」

黒夜「ぎゃああァああァァあああーーーッッッッ!?」

浜面「ぶばっ!! お、おまっ、お前何やってんのこんな場所で!!」

黒夜「私じゃねェよ私じゃねェンだよォォォォおおおおおお!!!!」

番外個体「じゃ次はそのまま膝を抱えて仰向けになろっか☆」


685※このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。未読の方は気をつけて※2011/12/12(月) 01:25:00.17YdPkPTDAO (8/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




浜面「ぐっはぁぁあああーッッッ! ぶ、ぶはっ、はなっ、鼻血が……!!」ドクドク

番外個体「うわー……十二歳くらいの女の子見て鼻血出すとかねーわー……滝壺だっけ? チクっちゃおっかなー」

黒夜「死ね腐れ変態野郎がッ!! テメェ今に見てろこのクソクローンが帰ったらテメェをあの世に送ってやる!! そンで滝壺とか言うヤツにギッタギタのグッチャグチャにしたテメェを送り付けてやるよはーっはっはっはァ!」

浜面「おいこの子恥ずかしさのあまりバグってねえ!!? めちゃくちゃ怖い台詞高笑いしながら言ってくるんだけどー!」

番外個体「それも面白そうかなぁ? じゃミサカはこの辺でおいとま……」

浜面「帰っちゃらめえええええええ! 今の俺にはお前が必要なんだぁぁああ!!(黒夜対策的な意味で)」

番外個体「!! ……そ、そんな急な事言われてもミサカ困るし……」

浜面「え……おいおい、何急にしおらしくなってんの? ちょっと待てよなんで顔赤くして……」

番外個体「ミッ……ミサカもう帰るねっ! ばいばいっ!!」

浜面「えっ待って待ってよ待ってくれええええええええええ!! 俺を置いていかないでお願いッッ!!」

黒夜「……はァーまちゃァン……」


686※このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。未読の方は気をつけて※2011/12/12(月) 01:25:27.77YdPkPTDAO (9/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




浜面「よし落ち着け黒夜いや黒夜さんッ! どっちかと言うと俺は被害者であってお前も被害者だそしてあの第三位のクローンこそが加害者だ、つまりこれから始まるのは俺とお前が手を取り合って悪(番外個体)を撃破するって言う熱いストーリーであるべきだよなッ!! な!?」

黒夜「あァそォだな……」

浜面「あれ意外と物分かりが良い……?」

黒夜「これから始まるのは私がお前の手をもぎ取ってテメェをぶち殺すって言う超熱いストーリーであるべきだぜはァァァァまちゃァァァァああああンッッ!!!!」

浜面「やっぱりそうなるのかよチッキショーッッ!! ええい、レベル4程度の実力とは言え所詮は十二歳くらいの――うォォォォおおおおおッッ!!?」ズバァッ

黒夜「忘れてンじゃねェだろォなァ……お前と私は一度殺りあってンだ」

浜面「あ、あぶ、あ、危な、危ねえ……」ピクピク

黒夜「十二歳くらいのなンだってェあァコラァッ!!?」ビュンッ

浜面「う――おおおおおおォォォォおおお!!? 俺が何したって言うんだちっくしょォォォォおおおおおお!!!!」ダダダダ

黒夜「待てよクソ野郎ォォォォおおおッッ!!」ダダダダ


687※このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。未読の方は気をつけて※2011/12/12(月) 01:26:00.45YdPkPTDAO (10/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




一方通行「……ッチ。ギャアギャと騒がしい連中だ」

上条「あ、浜面がこっち来た」

一方通行「面倒くせェ……オマエの右手で充分だろ。俺ァ関与しねェぜ」

上条「えー……俺としても出来るだけ不幸な目には会いたく無いんだよなぁ」

一方通行「あの無能力者、俺らに気付いて涙と鼻水だらけの顔面をニヤけさせてやがる。オマエの出番だろ」

上条「いや、ここは一方通行の出番だと俺は思うね。上条さんみたいな無能力者にはとてもとても」

一方通行「……その無能力者に俺は倒されてンだよクソったれ」

上条「うっ……、はぁ。はいはい分かりましたよ、俺が止めて来ますよっと」

浜面「だーーずーーげーーでーー!!!!」

黒夜「逃げンなァァァァああああ!」

上条「いいぜ黒夜……お前が上条さんを面倒事に巻き込むって言うなら」

浜面「飛び込みバトンタァーッチ死ぬかと思った割とマジで!! ぜはっ、こひゅっ、だはぁっ……!!」

黒夜「いっ――!?」

上条「はいー幻想殺しー」

黒夜「やる気ねえなその癖に反則だろその力ぎゃふうッッ!!」



 ――番外個体のフラグを浜面が回収するのはまた別のお話だったりする。


688↑新約 3 巻のネ タ バ レを含むSSここまで↑2011/12/12(月) 01:28:12.93YdPkPTDAO (11/12)

↑新約 3 巻のネ タ バ レを含むSSここまで↑


二日連続で申し訳ねっす。新約3巻読み直す度悶えるわー
ありがとうございましった


689SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 01:29:24.38puH44gbLo (1/2)




690SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 01:38:29.81DvCTRQn0o (1/3)



黒夜ちゃンかわいいよ黒夜ちゃン
あと浜面が番外個体のフラグ回収なんてゆるせねえ


691SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 01:49:19.3190ynBx1mo (1/1)

乙ー

浜面×番外ってどう略せばいいんだ浜番?
フラグ回収のつづき期待


692SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 01:52:29.78nyPfZ6YAo (1/1)

       | -‐…‥‐-  .,,_
       i: : : : : : : : : : : : :`丶、
       l: : : : : : : : : : : : : : : : :\
       l: :/: : : : : : : : : : : : : : : ` 、     
       |/: : : /: /: :/: : : : : : : : : : : :'.     
┏━┓   |:,_:_:/|:〃 /:/ : : : : : : : : : : : :      
┃滝┃   〔_、{`刈、:|: | : : / : : : : : : : : :     
┃  ┃   i==ミぃW|/|: :/: : _j: : : : : : : :    
┃壺┃   :'⌒i 犲i  |/|: :_/ }: : : : : : : :    
┃  ┃  i:....ノ }}    .ノイ}`メ:i:| : : : : : :    
┃専┃  |ミ    _    =ミ: :从:| :i: : : :    
┃  ┃  l     i|{、_  '⌒i 狐Ⅸ/: : : :    
┃用┃  |  r   ミ{:.....ノ }}i|从 : : : : 
┗━┛  | _   ´    `弌 ノ代:八: : : : 
        〔_ `Y           '| / : : :、ト、| 
       ト .`’       / /|: : : : : :
       |        . イ-イ: :|: : : : : :|
 ??, /   _}├‐…=≦{:! : |: :|: |: : : : : :|
 { {'⌒¨´ ̄`'く_/ 从: :|: :|: |: : : i: : :
  `て¨i≧r‐ } _/ }iW|: :∧: |: : : |ト、
、_{'⌒¨´ ̄`ヾ     ∨八{ }:i|: : : ||
  `下≧zr‐ }}    \__ノ リ }: :リ  }
  ?? (⌒“ ̄`Y”,    ⌒て¨}ノイ .ノ'
   、(⌒¨⌒'〈、‘,      '.
  ? ? `で下.,__}} ‘.       }、
      {」 ,リ      .≠⌒i
     ?i | √}     |_/    }
     ?i 「 }八   ´}      ノ




693SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 03:24:09.82fxZi9+CDO (1/1)


浜面と番外とか新しいな
続きはよ


694VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/12(月) 07:27:36.55A4WPggED0 (1/1)

乙だが番外個体のフラグ回収したら許せねぇ。


695SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 07:46:24.70v9hVW61AO (1/1)

乙、この三人良いよな

フラグ回収マダー


696SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 07:50:54.99HTP1CT9h0 (1/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。

出かける前に新刊発売を記念して書きます
新キャラとか出てくるんでネタばれ注意


697SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 07:52:20.81HTP1CT9h0 (2/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。


番外個体「コタツは良いねぇ……ミサカ、生まれて初めてのコタツだけど」

打ち止め「ねぇねぇ、ミサカはミサカはミサカにミカンをむいてミカンを食べさせてくれる
      白いミカンの王子様が欲しいなってミサカはミサカはミカンは」

一方通行「ゲシュタルトになるからやめろ。つか白いミカンの王子様って何だよ、カラーチョイス間違ってンだろ」

黒夜「イルカになりてぇなあ…」

一方通行「諦めろ、オマエってイルカより頭悪そうだし」

黒夜「あァ!?」

番街個体「怒らない怒らない、はいランカちゃんのポーズ」

黒夜「キラッ☆……ッ!!」

一方通行「……何やってンだ?」

黒夜「違ェよ!コイツが勝手に!!」

番街個体「さてさて次はどんなポーズで遊んじゃおうかにゃあ?」

打ち止め「ミサカもミサカも!」

黒夜「やめろよ!寄ってたかって私を弄ぶなよォ!!」

一方通行(電撃使いも悪くねェな…)



698コタツトーク2011/12/12(月) 07:54:01.81HTP1CT9h0 (3/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。




ピンポーン♪


黒夜「おい、来客だぞ」

一方通行「あァ、打ち止め行って来い」

打ち止め「えー、ミサカはミサカはコタツと離れられないよお」

一方通行「サンタさンかもしれねェぞ?」

打ち止め「mjd!?ちょっと行ってくる!」

番街個体「手慣れたものだね、親御さん?」

一方通行「慣れっつーのは怖いもンだ」



サインお願いします

打ち止め「はいはーいってミサカはミサカはウサギさんのスタンプを押してみる」

ちょっ!



打ち止め「ねえねえ、宅配便だよ」

一方通行「そォか。どォせまた黄泉川か芳川の通販だろォな」

打ち止め「なんかね、すごく大きな」

番街個体「おちn(検閲により規制されました)」

打ち止め「タンスだったよ」



699コタツトーク2011/12/12(月) 07:55:31.94HTP1CT9h0 (4/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。


黒夜「結局はオマエがコタツから出る羽目になったなァ。良い気味だwww」

一方通行「何言ってやがる、テメェも手伝いやがれ」

黒夜「無茶言うなよ、私はか弱いサイボーグだぜ?」

一方通行「俺だってか弱い学園都市最強だ」

黒夜「ご自慢のベクトル操作で運べよ力持ちさン?」

一方通行「ベクトルってのはそういうもンじぇねェンだよ」

黒夜「石みたいに蹴って運べよ」

一方通行「部屋に傷が付くだろォが」

黒夜「やだ!絶対にコタツから出ないからな!私は出たくねェ!私は出たくねェ!!」

一方通行「絶対に出してやる」

黒夜「やめろよォ!出すなよォ!オマエ、12歳の少女にこンな事してタダで済むと思ってンのか!?」

一方通行「安心しろォ、ちゃんと外に出すからよォ!」

黒夜「やだあああああ!!!」

番外個体「なーんか卑猥だねぇ」

黒夜「ぐすっ…うええ…寒いよぉ…汚されたよぉ…」

一方通行「さァて、10秒で終わらせるぞクソッタレ」

番外個体「はいはいいってらっさいな早漏さん」

一方通行「テメェも手伝え!」ガシッ!

番外個体「いやああああああ寒いいいいい!!」



700コタツトーク2011/12/12(月) 07:56:37.39HTP1CT9h0 (5/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。


一方通行「ようやく運ンでこれた…っつーか、組立てじゃなくて最初から完成してンのかよこのタンス」

黒夜「うわああ寒ィィィ」モゾモゾ

番外個体「黒にゃん黒にゃんミサカを温めておくれよ」ぎゅっ!

黒夜「やめろ!ひっつくなよ!」

番外個体「つれないなぁ、ほら、あの白髪鬼畜野郎のせいで手がこぉんなに冷たくなってるんだよ」ピトッ

黒夜「冷てェッ!!!」


一方通行「あァ寒ィ…」モゾモゾ

打ち止め「ねぇねぇ、本を読んでほしいなってミサカはミサカはあなたにおねだりしてみる」

一方通行「ふざけろ、いくら俺が丸くなったからって、まだガキに絵本読んでやるよォなレベルには達してねェンだよ」

打ち止め「絵本じゃないよ?」

一方通行「絵本じゃなくてもダメだ」

打ち止め「シンデレラだよ?」

一方通行「だからなンだよ?」

打ち止め「ちなみに本当は怖いグリム童話の方」

一方通行「そンなもン読むンじゃねェよ…」



701コタツトーク2011/12/12(月) 07:57:54.11HTP1CT9h0 (6/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。


番外個体「そう言えばさ、グリム童話って本当はすげぇ怖い話なんでしょ?」

黒夜「性的描写もかなり露骨だしな。焼けた鉄の靴を履いて死ぬまで踊るシーンなンてたまらねェよなァ」

番外個体「何それ面白そうじゃん?」

一方通行「見ろ、あンな風になりたくねェだろ?」

打ち止め「うん」

番外個体「そう言えばシンデレラって、原作じゃどんな話なのかな?」

一方通行「何だ?ガラにもなく王子様だのガラスの靴だのに憧れてンのか?」

番外個体「まさか。むしろどんなグロい話なのか気になるってばよ」



サンドリヨン「話は全て聞かせてもらったわ!!」ダン!!

一方通行「……」バタン!! サンドリヨン「きゃっ!!」



打ち止め「ねぇ、今衣装ダンスから誰かが出てk」

一方通行「いや、気のせいじゃねェか?」

黒夜「いやいや、気のせいで済まそうとすんなよ。現実から目ェ背けねぇ勇気を持てよ」

一方通行「クソッタレ、絶対に面倒な展開になるだろォが。ここで何もなかったかの様に振舞っておけばこのまま平穏に全部終わるンだよ」

番外個体「嫌だねぇ、困ってる人が居ても見て見ぬふりをする事無かれ人間はさ」

一方通行「タンスの中に隠れてる変態を、俺は“困ってる人”にカウントするつもりはねェ」



702コタツトーク2011/12/12(月) 07:59:05.95HTP1CT9h0 (7/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。


サンドリヨン「ちょっと!急に閉めるから鼻ぶつけたじゃないの!」バタン!

一方通行「うるせェ!」バタン!

サンドリヨン「ひぎゃっ!」

打ち止め「……」

番外個体「……」

黒夜「……」

サンドリヨン「ちょっと!出してよ!出しなさいよ!!」ドンドン!!

打ち止め「ねぇ、かわいそうだから出してあげようよ…」

一方通行「ふざけンな、ここで甘やかしたら全てが破綻するだろォが」

サンドリヨン「出しなさい!!出せ!!出して!!出してください!!お願いだから出してください!!」ドンドンドン!!

番外個体「やったドン!」

黒夜「もう一発遊べるドン!」

サンドリヨン「太鼓の達人じゃないわよ!」ドン!!



―――――



一方通行「ったく、やっと静かになりやがった」

黒夜「ガムテープで施錠した方が良いんじゃね?」

番外個体「あ、笑っていいともの時間だ」



703コタツトーク2011/12/12(月) 08:00:23.86HTP1CT9h0 (8/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。


サンドリヨン「くらいよせまいよこわいよ…」

一方通行「じゃあ何でそンなとこに隠れてたンだよ…」

サンドリヨン「はぁ…記念すべき初登場は噛ませで終わったし、
        仲間だと思ってた人にはエグイやり方で気絶させられたし、
        せっかく逃げ延びてきたら利用させられただけだと知らされた上に垣根クンみたいな末路にされそうだし…」

サンドリヨン「私の人生ってなんなのかな?シンデレラみたいに報われる事なんて無いのかな?」


サンドリヨン「もういっそ…ここで死んじゃおうかな……あははは…」


一方通行「……」

番外個体「……出してやろうか」

一方通行「チッ…」



704コタツトーク2011/12/12(月) 08:02:02.92HTP1CT9h0 (9/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。


サンドリヨン「というわけでみなさん、ずばりシンデレラの話をしていましたね!?
        ……コタツあったかいなぁ♪ 私、日本に来たらコタツに入ってみたかったのよ」

黒夜「粗茶はテメェで淹れてこいよ」

番外個体「あ、ついでに煎餅持ってきて」

打ち止め「ミサカはミサカはイチゴオレね!」

一方通行「俺はコーヒーな」

サンドリヨン「あれ?普通逆じゃない?」

一方通行「招かれざる客だろォがテメェは」


―――――


サンドリヨン「さてさて、みなさんが気にしてるシンデレラの原作の話だけど」

番外個体「ああ、それもう良いよ。ぶっちゃけそこまで興味ないし」

サンドリヨン「えっ」

一方通行「打ち止めの教育に悪ィ影響を与えンな、殺すぞ?」

サンドリヨン「ちょっ、それじゃあ一体私は何のために出てきたのよ!?」

黒夜「バイバイ、タンスの中に帰っていいよ」

サンドリヨン「……何よ、どこへ行っても私はこんな悲惨な扱いなの?」

サンドリヨン「酷いよ…こんなの、あんまりだよ……」



705コタツトーク2011/12/12(月) 08:04:16.82HTP1CT9h0 (10/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。


サローニャ「はいはいちゃん! 悲しむ事はないよサンドリヨンちゃん!」ガラッ!

一方通行「とォっ!!」バタン!! サローニャ「ぎゃふっ!」



打ち止め「今度は下の引き出しから誰か出てきたよ?」

一方通行「何も出てきてねェ、引き出しから出てくる人間なンて存在しねェ」

番外個体「必死だなぁ…」

黒夜「なぁ、何か足元がもぞもぞするんだけど…」

サローニャ「ほいほいちゃん!サローニャちゃんのイリュージョンマジックちゃん♪」バサッ!

黒夜「ちょっ!どっから顔出してンだテメェは!」

番外個体「うわっ、黒にゃんが出産した!」

黒夜「ちげェよ!!」


サローニャ「めちゃくちゃ省力して本編に関係あるとこだけ説明するね!
       サンドリヨンちゃんの使った術式に、本人の22・5センチの靴幅に合せて相手の足を折ったり切断させるという
       エグい魔術があったよね? 原作でも継母が娘の足をハサミでちょん切って、
       無理矢理シンデレラが履いていた靴を履かせたという話があるの。
       サンドリヨンちゃんの術式には、実は原本の方のエピソードも含まれているという事なんですよ!」


サローニャ「かわいそうなサンドリヨンちゃんのために私が代りに説明ちゃんをしてあげました♪」

サンドリヨン「そ、それは私が説明しようとしてたのに!」

打ち止め「ねぇねぇ、何でミサカの耳を塞いでるの?何を話してたの?ってミサカはミサカは」

一方通行「危ねェ、打ち止めが不良になるところだったじゃねェか。つーか誰だテメェは?」

サローニャ「はいはいちゃん、私の名前は」

番街個体「えっと、たしかピンサロちゃんだっけ?」

サローニャ「ぶっ殺すぞド腐れちゃん?」



706コタツトーク2011/12/12(月) 08:07:36.25HTP1CT9h0 (11/12)

このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます。


サローニャ「さてさて、本編に帰るよサンドリヨンちゃん?」

サンドリヨン「イヤ!もう酷い扱いの本編には戻りたくないの!」

サローニャ「ダメだよ現実から逃げちゃ」

番外個体「なるほど、だからここに来たのか」

サンドリヨン「あなたは良いじゃない、上条勢力に加わるという展開もあり得そうだし。
        私なんてこのまま帰ったら本当にタンスかテーブルに……」

サローニャ「わがまま言わないの」ガシッ

サンドリヨン「いや! 私は戻りたくないの! いやああああああ!!」ズルズルズル

一方通行「こっちに来ても引きずられてやがるな…」

打ち止め「ちょっとかわいそうかも…」


サローニャ「それじゃあお暇させてもらうね、さよならちゃん♪」ズルズル


バタン!


一方通行「って、何でタンスの中に戻ってンだよ」

黒夜「あのタンスが異次元に繋がってるとか?」


ふふ…やっと二人きりになれたね、サンドリヨンちゃん…

ちょっとサローニャ?どこ触って…あんっ

狭いんだから仕方ないじゃない。それにしても、サンドリヨンちゃんって綺麗なお肌だよね、さすがはシンデレラを名乗るだけはあるわ

やっ、ダメ…そんなとこいじっちゃ…ああん…


一方通行「いい加減しろクソ野郎が!!!」ドガン!!




707コタツトーク2011/12/12(月) 08:09:29.30HTP1CT9h0 (12/12)

ここまで↑このSSは新約 3 巻のネ タ バ レを含みます

以上です
実はまだ新刊全部読んでません
朝っぱらから何を書いてるんだろうか俺は


708SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 10:51:03.20YdPkPTDAO (12/12)

乙!サローニャちゃん可愛すぎちゃん
サンドリヨンは垣根と仲良くなれそうだwwwwwwwwww


709SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 12:12:54.95WfmAf3pjo (1/1)

箪笥の方になったかw楽しそうだな乙!


710SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 16:40:02.414BGEaiYyo (1/6)

新訳よんできたわー
皆が言ってるよりがっかりはしなかったな
あっさり過ぎる邂逅だなぁとは思ったが、まあかまちーにはシリアス期待してないし
SSキャラに慣れてる奴らはやっぱ受け入れにくいのかな
美琴のサバサバした感じも、アクセラさんの言い草も、原作の2人としては全く違和感はなかったぜい


711SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 17:43:53.37WzFIDeUB0 (1/23)

30分以上たったので 投稿したいのですが、かまいませんね?
前回ステイルVS のやつを書いた者です。 書きかたを変えて、少し読みやすくなったとおもいます

タイトルはステイルVSエツァリです

前作、絶対等速VS一方通行の続きです。
簡単にいうと、絶対等速が、一通さんの隙をついて倒しちゃった話です。
本編と微妙に時間軸が異なり、海原はショチトル達の現状を知ってますが
原典は取り込んでません。
また、天草式が仲間になった後の話です。



712SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 17:48:53.32WzFIDeUB0 (2/23)

「一方通行をやったのは、お前だな」
病室で特にやることもなく寝ころんでいた絶対等速のもとに、一人の男が現れた。
金髪でサングラスをかけた長身の男だ。180センチはある。
おまえは誰だ、そんな疑問より先にわきあがったのは、

「いつからそこにいる?」

その男はまさに『現れた』と表現するほかないほど、
気配を感じさせずに近づいてきたのだ。

「そんなことはどうでもいい、一方通行をやったんだな?」
「そいつが誰かはしらねえが、白髪のガキとはやりあったな。ところでお前は誰なんだ?」

正確には『戦い』と呼べるほど立派なものではない。
一方通行のおごりのために生じた隙を、偶然つくことができただけだ。

「おまえは今まずい状態にある」

絶対等速の質問など、まるで聞こえなかったかのように男は話を続ける。

「おまえが倒した能力者『一方通行』は学園都市統括理事長の『プラン』
に組み込まれていた。お前には何のことかわからないと思うが、
この街をあげての機密プロジェクトだと考えろ。」
「つまり、その国家機密をおれが潰したから命を狙われている、と?」
「いや、そうじゃない。『プラン』にはスペアがある。
 お前が狙われている理由は、『プラン』にとってイレギュラーな存在だからだ」
「イレギュラー?」
「ああ」

その男の話によると、絶対等速は本来一方通行との戦いで死亡、
少なくとも敗走しなければならず、今現在絶対等速が生きていることは
『ありえない』ことで、調整のために死ななければならないらしい。

「そんな無茶苦茶が通るかよ あんた、おれを殺しにきたのか?」

絶対等速は鉄球に手を伸ばし、臨戦態勢にはいる。
男の話は信じられなかったが、一方通行の件で、いくら警戒してもしたりないと
絶対等速は考えた。

「もし、お前を殺すつもりなら、こんな風に長々話したりはしない」
「じゃあ、何しにきたんだ?」
「お前を助けに来た。『プラン』を実行されては困る連中がいるんだ」

学園都市の敵、そういった連中は絶対等速が計画をぶち壊してくれることを期待し
今の彼を助けようとしているらしい。

「この病院は、アレイスターの手の及ばない機関だ。ここにいるあいだは少なくとも安全
しかし、ここを出るとまずい」
「おれに、どうしろと?」
「退院はあさってだったな。すぐにこの街を出ろ。
護衛のためのエージェントはこちらで手配する」
有無を言わせぬ口調だった。

「エージェント…どんなやつだ」

拒否権がないことを悟った絶対等速は話をうながす。
「赤毛で長身の男だ。神父の格好をしていてバーコードのような刺青があれば間違いない」

(神父?)絶対等速の心に疑念がよぎる。(こいつはオレを担ごうとしてるのか?)

「おいおい冗談だろ?なんだって神父がエージェントなんだよ」
「それは…」

男はここで一呼吸おいた。説明すべきかどうか迷っているようだった。

「それは神父に聞いてくれ」

出し抜けに男はそう言った。

「その話でお前らが信じられると思うか?」

絶対等速の声は挑戦的だ。

「後悔したくなかったら、おとなしく言うことを聞くんだな。
 目が覚めたら監禁されていた、なんてのはごめんだろう?」

男そういい残して、現れた時と同じように部屋から立ち去った。
(何なんだあいつは…)
男の話は信じられない内容だったが、絶対等速は半ば信じかけていた。




713SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 17:51:21.16WzFIDeUB0 (3/23)

退院の日
その男(あとでわかったことだが、名は土御門といった)の指定した時刻は午前八時前後、ずいぶん早い時間だと絶対等速は思った。
この時間帯でなければならない理由があるのだろうか?
絶対等速はますます自分がだまされているような気がしたが
病院のロビーを出ると土御門の言っていたことが冗談ではないことに気づいた。
病院の正面の入り口に神父がたっていたのだ。それも、土御門の言っていた通りの。
身長は2メートル以上の長身、炎のような色の赤毛、そしてバーコードの刺青をしていた。

「あんたがエージェントか?」
「ああ。土御門――君が一昨日話した男だが――から話は聞いているだろう 
僕はステイル・マグヌス。君の護衛だ」

ステイルは自動操縦の乗用車を準備していた。これを使って脱出するらしい。

「ちょっと待ってくれよ。一体全体どうして神父のあんたがエージェントなんだ?」

土御門に話を聞いてからずっと疑問だったことを問いかけた。
目の前の神父は確かに長身だったが、細身で、とても腕っ節が強そうには見えなかった。
能力者であれば戦闘力は能力によるため体格は関係ないが(実際、彼が先日戦った
一方通行は、とても学園都市最強には見えない容姿だ)
しかし神父である必然性が理解できなかった。

「それは、移動しながら説明しよう。いずれ知らなければならないことだ。
早いほうがいい」

ステイルは乗用車に乗り込み行き先を設定、車が動きだすと話し始めた。



714SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 17:53:05.24WzFIDeUB0 (4/23)

「土御門から聞いていると思うが、僕たちは学園都市とは対極にある組織だ。
 具体的に何をやっているか、それを今から説明しよう」
そういってステイルは一枚のカードを取り出した。
ステイルがカードをふると、突然カードからライターのそれより大きく、
アルコールランプのものより小さい大きさの炎が現れた。

「これを見て君たち能力者はどう考える?」
「そりゃあ…あんたが発火能力者か、しゃれたライターを持ってるなと思うくらいだな」
「そうか、まあそれが当然の反応だろうな。 だが、どちらもはずれだ」

これを持て、と言ってステイルは絶対等速に一枚の護符を渡した。
「なんだこれ」
「それを今説明するよ。僕は発火能力を持っていない。テレパスもだ。」

絶対等速は何を言われているのかわからなかったが、
ステイルに促されて護符を懐に入れたとたん衝撃を受けた。

「テレパスだ…!」

頭の中に精神系能力者の手によるものと同じ、
精神の声とも呼ぶべきものが入ってきたのだ。

「あんた、多重能力者なのか?」
「いや、そうじゃない。カードや、その護符を能力者にして使っているんだ」

ステイルの話によると、彼らは人間以外のもの、カードやステッキなどだけでなく
体の動きや言葉のリズムまでを『能力者』にしているらしい。

「そんなことができるわけない。こいつらに脳はないだろう!?」

今まで当然と思っていた自分の常識が揺らぎ、思わず声を荒げる絶対等速。
それに対してステイルはこう返した。

「脳があれば異能の力が使えるなんて、それこそおかしな話じゃないか
 発火能力者は体にボイラーがあるのかい?電気使いは発電機を持ってるかい?
 永久機関とも呼ぶべき君の能力は、いったいどこから力を得ているんだい?
 いかに理屈をこねようとも、無から有を生み出している点では
僕らの力と同じじゃないか。」

ステイルの話しは筋が通っているように思えた。
それに学園都市における常識、能力は一人一つという観点から考えると
先ほどの現象は説明できない。
しかし、まだ絶対等速は納得できなかった。

「納得できないって顔だね。無理もないか…まあ外を見てごらん」

ステイルに促され、絶対等速は外を見る。
窓の外に移っていたのは信じられない光景だった。
何か異常な物があるのではない。その逆だ。周囲にはまさに人っ子一人いなかったのだ。
学園都市の人口の八割は学生だ。授業の時間には街から人影が消えるのは当然といえよう。
しかし、病院を出たのはかなり早い時刻だった。
本来ならこの時間帯、学生は通学路としてこの道を利用するはずなのだ。

「何をしたんだ!?」

もう絶対等速に疑いの心はなかった。
どんな能力でも、発火やテレパス、そしてこの謎の現象を一度に引き起こせるはずはない。
彼の服装もまた、何かの能力をもっているのだろう。

「人払い、と僕らは呼んでいるがね。普通の人間は無意識的に僕らに近づかなくなる。
気づくのは僕らと同じ『違う力を使う者』だけだ。
 学園都市には見つからないから、その点は安心してくれ。ただ…」
「ただ?」
「学園都市に敵対してるのは僕らだけじゃないんだ。この場合
『敵の敵は味方』というのは成り立たない。 君と僕らの場合と違ってね。」
「つまり、そいつらに狙われる可能性があるのか? 拉致されたり?」

ステイルはうなずいた。

「土御門は怪しいなりだが信用できる。少なくとも情報が漏れていることはないはずだ」

ステイルはそう言ったが、先ほどの発言から考えると
やはり敵襲を警戒しているようだった。
その時、

「妙だな…」

ステイルは何ゆえか車を止めた。



715SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 17:55:15.78WzFIDeUB0 (5/23)

海原光貴の顔を借りた偽者、彼は土御門と同じ暗部組織「グループ」に所属していた。
その組織にいるのは彼と土御門の他に、結標淡希という一人の女。
彼女は樹形図の設計者の残骸を回収し、外部へ渡そうとして失敗したという。
海原は直接聞いたわけではなかったが、彼女はそのとき
『白い人影』に邪魔されたらしい。
いまだ、それが誰なのか、何なのかはつかめてはいない。
海原にとってそれは重要な問題ではなかった。
彼が今最も関心があること、それは、
闇に堕ちたかつての仲間を救うことであった。


ショチトルとトチトリ、
海原がかつて所属していた組織に、いまだ縛られたままの二人の少女の名である。
海原が彼女達の現状――組織に『人形』として利用されていること――を知ったのは先日。
組織が自分の求めていた物ではないということはすでに悟っていたが、
彼女達をあのように利用するとは想像もできなかった。
組織を抜け出しておいて勝手だとは思うが、それでも海原は彼女達を救うことを決心した。
自分が身勝手だからといって彼女達を助けられない理由にはならないためだ。
しかし、そのためには組織と交渉する手段が必要だった。今海原は何ももっていいない…
そんな彼の耳に絶対等速の話が届いたのは三週間ほど前。
土御門が話していたのだ。彼は優秀なスパイだったが、
隠密行動ということであれば海原も決して劣ってはいないのだ。
この話を聞いてから海原がとった行動は大きくわけて二つ。
一つは土御門の電話に盗聴器を仕掛けること。学園都市で開発された最新式のもので
その道のプロでも仕掛けられていることに気づくのは困難な代物だ。
さらに土御門が連絡する相手が魔術師であることを容易に想像できる。
人払いを使うため、学園都市の人間にいくら聞かれても
どうにもならないという考えがあるのだろう。
さらに魔術的な盗聴に対しての防御は万全だった。
基本的に魔術師は『科学の力』という物を避けたがる傾向がある。
学園都市内で土御門の会話を盗聴し、行動できる者はいないように思われた…海原以外は。
彼は手段にこだわることはなかった。
二つ目は他の組織に暗部組織に邪魔させないようにすること。
海原が使う戦術の関係上、彼は他の暗部組織のメンバーがステイルの移動ルートに入ってこられると困ることになる。そのため彼は自身の変身能力を使い『メンバー』『ブロック』
『スクール』等の暗部組織に潜入、嘘の情報を流してばらばらの場所に誘い出した。
(これだけの下準備をしたんです。うまくいってくれないと困ります。)
海原は屋根の上で、ステイル達が自分の張った罠に飛び込んでくるのを待ち構えていた。




716SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 17:57:43.38WzFIDeUB0 (6/23)

「どうしたんだ、急に止まったりして」

車を停止させたステイルに絶対等速は問いかけた。

「おかしなことがおきてね…この車は自動操縦なんだが、人身事故を避けるために
周囲の人の数や分布を探知できるナビゲーションがついてるんだ。
人払いがある僕らには関係のない話だと思ってたんだが…」
「なんだこれ…」

ステイルが指し示したパネルを見ると、先ほどまで何の反応もなかったのが信じられないほど、大量の点が一箇所に集中していた。

「一体何が起きてるんだ?」
「わからない。敵の部隊が待ち構えてるのかと思ったんだが、
それにしては数が多すぎる。それに動きが不規則だ。一般人としか考えられない。」
「敵が一般人を装っているってのは考えられないのか?」
「そうするメリットが思いつかないね。普通に物陰から攻撃すればいいのに、
わざわざ一般人に化ける必然性が思いつかない」
「つまり、敵がただの一般人を何らかの方法で集めているってことか…」
「ああ、おそらく何か理由があるはずだ。
 敵の出方を探るために、君の力を借りたい」
「おとりになれってことか?」
「いや、そうじゃない」

ステイルの話によると、この自動操縦の乗用車はリアルタイムで外部のネットワークから情報を入手し、それをもとに行動するためハッキング等の被害をうけることがある。
それを手動で防ぐことができるようにするため、中に人が乗ってないと
起動することができないらしい。

「君の能力でこの車をこの人が集まっているエリアに進めてほしいんだ。
「別にかまわないが、それで何かわかるのか?」
「この車に人払いをかけておく。あの集まっている人間がこれに反応するか、しないか
 敵はどんな攻撃を仕掛けてくるか…それを確かめたい。」

絶対等速は複数のワイヤを取り出しより合わせて十分な長さにすると
乗用車の先に引っ掛けた。ワイヤの片側にはフックが着いているのだ。
さらに反対側には鉄球がついている。
絶対等速とは『投げた鉄球が、壊れるか能力を解除するまで進み続ける能力』である。
この状態で鉄球を投げれば、乗用車はワイヤに引かれ、受ける摩擦力の大きさに関らず
等速で進むこととなる。

「車を進めてくれ」

ステイルの合図で絶対等速は鉄球を投げた。



717SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:01:16.27WzFIDeUB0 (7/23)

絶対等速の力で移動した車が人のいるエリアに入ると、その周辺の人々は車を
避けるように動いた。
(人払いには反応しているな)
ステイルがそう思った瞬間、
からん、とあっけない音をたてて車がばらばらになった。

「何が起きたんだ?」

絶対等速がそうつぶやいたのも無理はない。
敵は、本来多くの整備士が重たい機械を使って行うような作業を
一瞬のうちにやってのけたのだ。
(いったいどんな能力をどう使ったらあんな真似ができるんだ?)
ステイルと絶対等速はすでに物陰に隠れていた。
敵がどうやって攻撃しているのかわからない状況でうかつに行動することはできない。




718SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:03:08.51WzFIDeUB0 (8/23)

(ステイル・マグナス慎重な男だ)

海原はビルの上から見下ろしていた。
彼の戦略の一つは、敵の人払いを利用する、というものだった。
海原は、ステイル達がどの出口で街から出るかは知っていたが、
どのルートを通るかはわからなかった。
しかしステイルは人払いを使っている。
自分が作ったこの『人が集まっている空間』に人払いを使ったものが入ると、
人はそれを避けるように動く。
つまり、この集まった人間は、敵の位置を探るセンサーとして利用できるのだ。
海原がこの空間をつくった理由はそれだけではなかったが…

(しかし、ここに人間が集まったことを何らかの方法で見抜き、車をおとりにするとは
 やはり護衛として選ばれたことはある)

自分の能力がばれるのは避けたかったが、
確実にステイルのみを攻撃できるようにするため
海原は敵の身を隠す可能性がある遮蔽物を破壊する作業に移った。




719SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:05:21.30WzFIDeUB0 (9/23)

「何かわかったか?」

絶対等速の口調からはまるで期待してないことがはっきりわかる。

「わかったことは二つだ。一つはこの人々に人払いは有効だということ
敵になんらかの方法で縛られているのかと思ったんだけど、それにしては動きに規則がなさすぎるから、その線は薄いだろう。
もう一つは、敵が目視で狙いをつけているということだ。
人払いであの車から人が離れてから攻撃したということは
トラップを仕掛けているのではなく、目視で狙いをつけているのだろう。」

ステイルの話は筋が通っていたが、依然としてこれからどうすれば良いか見えてこない。
ステイルは少し考えてから口を開いた。

「とりあえず物陰を伝って移動しよう」
「敵に狙い撃ちされるぞ!」
「その点はおそらく大丈夫だ。人の流れからこちらの位置を把握したということは
敵は離れた場所、高い場所から狙っているのだろう。
どのみち行動を起こさないとどうしようもない。」

絶対等速は不安だったが、ステイルの言うとおりこのままでは埒が明かない。
彼らは壁伝いに進み始めた。幸いこのあたりは一種の商店街であり
遮蔽物となるものはたくさんあった。
しかし、ある程度進むとステイルは舌打ちした。

「どうしたんだ?」
「敵のほうが一枚上手だったようだ。」

ステイルに促され、絶対等速は先を見る。彼らの身を隠してくれるはずだった屋根等々の遮蔽物は、無残にもバラされていた。

「少なくとも、敵が目視で攻撃しているという予想は正しかったみたいだ。
事前に対策をしているとはね」
苦々しげにステイルはつぶやいた。
と、そのとき

「あぶねえ!」

ステイル達が身を隠していた屋根が突如として崩れだしたのだ。
絶対等速は攻撃から逃れるため屋根の外へ踏み出そうとした。しかし―

「ここから動くな」

彼はステイルに引き戻された。なにをする、と絶対等速が問いかけるよりも先に、
ステイルは自身のもつ最強の魔術を行使した。

「魔女狩りの王!」




720SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:08:25.40WzFIDeUB0 (10/23)

長身なステイルをはるかにしのぐ巨大な体を持った炎の人影が現れる。
その身長は三メートル以上、手にはやはり巨大な十字架を持っている。
この巨人は、虫でもはらうかのように簡単に瓦礫を払いのけた。

「すげえ…けど何だってこんな目立つような技を使うんだ!?
敵に位置がばれちまうじゃねえか」
「すでにこちらの位置はばれている。見ろ、屋根の破壊は、
あるところまでは不規則なのにこの近辺は集中して攻撃してある。
破壊していく作業の中でこちらの位置を把握したのだろう。
そしてもう一つわかったことがある。
敵は直線でしか攻撃できないということだ。」

もし攻撃の軌道が変えられるのなら、位置がばれた時点でステイルは死んでいたはず。
それをせずにこの屋根を破壊したということは、
敵の能力には一直線、一度に一つしか攻撃できないという特性があるのだろう。

「けど、このままここにいたら狙い撃ちされるだけだ、なんとかしないと…」
「僕の魔女狩りの王があれば大丈夫だ。まあ見ていてくれ。」

敵の攻撃が再び飛んできたらしい。魔女狩りの王は一瞬で崩壊してしまった。
どこが大丈夫なんだ、と絶対等速はステイルに目を向ける。
しかしステイルの表情はまったく変わっていなかった。
そして次の瞬間、まるで何事もなかったかのように、魔女狩りの王は復活した。

「自動で再生するんだ。決して倒れない僕の最強の兵士さ」

そういうステイルはどこかうれしそうだった。

「けど困ったことになった。薄々気づいていると思うけど、この魔女狩りの王、
射程距離があるんだ」

ステイルは足元を指差した。大量のカードが設置されている。

「つまり、ここで敵を倒さないと、先に進めないってことか…
 射程距離は、このカードが置いてある範囲ってことでいいんだな。」

ああ、と短くステイルは答えた。

「僕の『炎を操る能力」は射程が短くてね。君の能力で、
あのあたりの屋根を攻撃してもらえないか。幸い弾には困らないだろう?」

先ほどの敵の攻撃で、あたりには、かつて屋根だった、大量の瓦礫が散乱していた。





721SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:09:39.29WzFIDeUB0 (11/23)

突如飛来した瓦礫の破片が、海原の顔をかすめる。
気づかれたかと思ったが、となりのビルにもランダムで飛んでいるため、
敵はおおまかな位置しかわかっていないらしい。
しかし、この調子で攻撃されれば、必ずダメージを負うだろう。
さらに、敵の使った魔術によってこちらの攻撃が遮断されている。
この猛攻で狙いをつけられないことがばれると、敵に逃げられてしまう可能性もある。

(プランBを実行しましょう)

海原はビルの非常階段を使って地上に降りた。



722SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:11:05.00WzFIDeUB0 (12/23)

「どうする、このまま攻撃を続ければ、敵は自分の対応に忙しくて、
こっちに対処する余裕はない。俺の能力で、空から学園都市を出るって事もできるぜ。」

絶対等速は鉄球を投げながらしゃべった。もちろん鉄球はワイヤで瓦礫とつながっている。

「いや、それはよしたほうがいい。」

ステイルの様子は、何か考えこんでいるようだった。

「学園都市は空から能力者が出入りするのを防ぐために、
熱源探知の防衛線を張ってるんだ。
人間の体温を感知して、機関銃をぶっ放してくる。実弾じゃあないだろうけどね。」

恐ろしい話だ、いくら死に至らないとはいえ、
空中にいる相手を撃ち落とすことに変わりはないのだ。
重傷は免れないだろう。
もっともどんな傷でも死なない限り治せる医者がこの街にはいるが…

「じゃあどうするんだ?」

「敵を無力化するまで安心できないね。何とか敵の位置が割り出せれば…
 それに、この人だかりがどうやってできているのか、
何のためにあるのかもまだ把握できてない」

何らかの力で集められたと思われる人々は、現在ステイル達から距離をとっている。
彼ら二人の周囲で得体の知れないことが立て続けに起こっているのだから当たり前だ。
すると、そのとき、絶対等速は人だかりの中に

『何か黒い物』を持った人間が顔をのぞかせているのに気づいた。
「伏せろ!」

自分より背の高いステイルを押し倒すのは難しかったが、絶対等速はやってのけた。
次の瞬間、乗用車をやった時と同じようなあっけなさで、
背後にあった建物の入り口、自動ドアがばらばらに分解した。

「敵はすでに地上に降りていた、ということか。 敵の姿は見えたか?」
「ああ、金髪で、髪の長い女子高生だった。日本人じゃないみたいだったな」

二人は周囲に目を向ける。人ごみの中に二人が探している人物は見つからない。
すると、また『黒い物』を持った人間が現れた。

「魔女狩りの王!」

いち早く気づいたステイルは、炎の巨人を盾にする。

「どういうことだ、今のは女子高生なんかじゃない、男の警備員のようだったぞ」
「まさか、敵は複数いるんじゃ…」

離れた位置にある人だかりから攻撃してくる敵、そして自身と絶対等速が目撃した
敵の姿の違い、これらからステイルは一つの答えを導きだした。

(敵は複数いるのか? いや、おそらくそうではない。
複数いるなら同時に攻撃してくるはずだ。 そして、この人だかり…
敵は何故人だかりを作ったのか?
その答えは…変身能力か!?
敵はなんらかの魔術で自身の姿を変えているに違いない!)




723SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:12:02.40WzFIDeUB0 (13/23)

わかったところでどうしようもなかった。

(まずはこの人だかりを何とかしなければ)

ステイルは絶対等速つれて、最も近い周囲から隠れられるような袋小路へと入った。
魔女狩りの王の射程ぎりぎりのところだ

「持久戦はまずい」

ステイルは唐突にこういった。

「僕らの仲間が、学園都市の外部でテレポートゲート、とでも言うべきものを持って
待機しているんだが、これは使える時間が限られていてね」
「つまり、早く敵を何とかしないと、この街から出られないってことか」

絶対等速の顔は焦りに満ちている。自分の命がかかっているのだから当然だ。

「どうすんだよ。敵は複数いるみたいだし…」
「いや、敵は一人さ。恐らく変身能力を使っているんだろう」

ステイルは断言できた。

「とにかく、あの人だかりを何とかしないことにはどうにもならない。
 けれど僕たちが彼らを直接傷つけたら、
学園都市と戦争になってしまう可能性もあるからうかつに攻撃することはできない」
「敵対してるんじゃないのか? ずいぶん平和主義なんだな
もっとでかい戦争みたいなことやってるのかと思ったんだが」
「そういう連中を止めるのも僕らの仕事さ。一枚岩じゃあないんだよ。僕らの組織は」
「そうか」

そうしてしばらく両者は黙り込む。すると突然、
何か閃いたかのように絶対等速は口を開いた。

「あそこにいた連中は、なんだか『出口のない迷路』に入れられたみたいな、
妙な焦りが顔に出てた。 あんた達が使う人払い、だったか?
それで、もし牢屋みたいな出入り口が一つしかない場所の、
出入り口から人を遠ざけたら、中にいる奴はどうなるんだ?」

「そりゃあ、出口に近づかなくなるから…
 そうか!!君は天才だよ。その妙な力がなければいい魔術師になれたろうに」

二人は、敵がどうやって人々を閉じ込めたのか理解した。
人払いとは、人を無意識的に仕掛けられた場所から遠ざける魔術だ。
人はその場所に近づかなくなるが、決して人そのものを消してしまうわけではない。
つまり、『人が出入りする場所』に人払いをしかけると、中にいる者はそこから出ることが
外にいる者はその中へ入ることができなくなる。
結果として、別の人払いで払われてその場所を離れようとしても、
その場にいるものは外へ出ることができないため、
人払いが効いていないかのようなエリアができるのだ。
敵はこの付近の人が出入りする通路に人払いをしかけていたのだった。

「今度はこちらから仕掛けるとしよう ひとついい作戦があるんだ」




724SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:12:53.55WzFIDeUB0 (14/23)

海原は敵が入っていった袋小路から離れた位置に立っていた。

(敵はルーンを使う。ということはうかつに踏み込めば黒こげになるでしょう
それに自分の能力は狭い場所や、接近戦には向いてません)

彼は慎重な男である。そうでなければ、スパイは勤まらないのだ。

(さて、彼らがどう出るか…)

そう思っていると、突然爆音がなり響いた。
敵はビルの側面を爆破したのだ。

(攻撃から逃れるため、でしょうか。それにしてはずいぶん派手に壊しますね)
怪訝に思ったが、敵の位置が、おおざっぱとはいえ把握できたのは幸運だ。
そう考え、海原は敵が入ったと思われる建物に、目を向ける。

(音の響き方、聞こえた方向から判断すると…あのブティック?)
敵が逃げ込んだ(と思える)建物、それはブティックだった。



725SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:13:45.41WzFIDeUB0 (15/23)

怪訝に思う海原をよそに、ステイル達は作業を進める。
使うのは、二つのマネキン。
一つは加工が必要なかった。絶対等速は、割と普通の体格だったためだ。
そしてもう一つ。このマネキンには随分と手の込んだ仕掛けがほどこされていた。
ステイルは、その炎の力でこのマネキンを部分的に溶かしたり、変性させたりして
体を、特に手足を伸ばす。さらに、腕、足胴体をパーツごとに切り分け、
その中に特殊なルーンを刻んだ。
これで、このマネキンを任意の条件で任意の温度で発熱させることができる。
そうして切り分けた二つのマネキンを、ステイルは神父服の中に隠した。

「準備はできた」




726SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:14:57.07WzFIDeUB0 (16/23)

海原はブティックから出たステイル達を目で追った。
彼らは、いつの間に上ったのか建物の屋上を移動していたのだ。

(何を考えてるかわかりませんが、決着は早くつきそうですね。
 屋根の上では移動できる場所は限られてきます。)

黒曜石のナイフを握り海原は笑みを浮かべた。
ステイル達は、屋根から飛び降り、どこかの路地裏に向かったようだ。

(絶対等速の能力でしょうか、けど位置は割れてますからね。)

さらに、海原にとって幸いなことに、人々がステイル達のいるあたりへ動き出した。

(人の流れを読む技術、というのはこういった状況で重宝するものです)

人ごみに紛れて攻撃するという戦術の特性上、海原はそういった技術に長けていた。



727SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:15:43.12WzFIDeUB0 (17/23)

ステイルは路地裏にたどり着くと、付近にルーンを設置した。

「僕がはなれてしばらくすると
この周囲を吹き飛ばす炎だ、巻き込まれないよう注意してくれ」
「ああ、わかってる。あんたも見つからないようにしてくれよ」

そういって二人は分かれた。




728SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:16:59.44WzFIDeUB0 (18/23)

突如立ち上る炎を見て海原は勝利を確信した。

(しびれを切らせて周囲を焼き払うことにしたんですか。
 ステイル・マグヌス、慎重な男だというのは過大評価でしたか)

そして、人の流れに乗って、(どういうわけか、周囲の人間はこの炎に近づいていた)
少しずつ路地裏に近づくと、そこから二つの影が飛び出した。
身長の大きいほうがステイルだろう、
絶対等速は学園都市防衛ラインが打ち落としてくれる。
そう考え、海原は長身のマネキンに狙いをしぼり、分解した。

(勝った!)

しかし、敵の作戦は海原の予想をはるかに超えていたのだった。




729SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:17:50.73WzFIDeUB0 (19/23)

海原が分解したもの、それは当然ダミーだ。
そしてステイルのダミー人形には、任意の条件で発熱するルーンが刻まれている。
その発熱する条件とは?
海原の手でダミーが分解された時だ。
この発熱するダミー人形に、学園都市防衛システムはどう判断を下すか。
一時的にだが、人が空を飛んでいるように感知されるのだ。

さらに絶対等速が、この人形を投げ、ステイルが周囲を焼き払った路地裏は比較的、
この防衛システムの正面になっている。
学園都市防衛システムから放たれた弾丸は、
海原の手で標的が破壊されてしまっているため、ばらばらになったダミーを攻撃するに
とどまらず。路地裏周辺まで弾丸をばら撒くこととなる。

さらに、路地裏には、ステイルが人払いを破壊したため、大量の人間がいる。
人に紛れて攻撃する海原も、当然その人だかりに含まれる。

そのため、学園都市防衛システムから放たれた弾丸は、
周囲の人間ごと、海原を攻撃することになるのだ。



730SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:18:54.02WzFIDeUB0 (20/23)

「ぐあっ!」

突如襲ってきた弾丸に海原は対処できなかった。
肩や足に被弾したそれは、威力を軽減してあるとはいえ、
運動能力を失わせるのには十分な威力だ。

「くそっ」

海原はナイフを使おうとしたが、目の前に、炎の巨人が立ちふさがる。
これまでか、と海原は死を覚悟したが、魔女狩りの王は攻撃してこなかった。
(射程距離か…命拾いした)

そう思っている間に、術者が離れすぎたせいか、魔女狩りの王は消滅した。




731SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:20:02.85WzFIDeUB0 (21/23)

「ぎりぎりだったぞ、危ないな」

どうにか無事だった絶対等速は路地裏のわき道を通っていたステイルに追いついた。

「敵はおそらく始末しただろうから安心していい 
それにこの分だと時間にも間に合いそうだ」

ステイルはそう言った。出口は目前だった。





732SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:21:06.31WzFIDeUB0 (22/23)

「ひどいやられ方をしたみたいね」

海原のもとに彼の同僚である結標淡希が現れた。

「ずいぶんと早いじゃないですか。それで、どうするんです?
裏切り者として、僕を始末するつもりですか?」
自分のやったことを思えば、彼女が来た理由はそれぐらいしか思いつかなかった。
土御門に直接手を下したわけではなかったが、会話を盗聴し、
その情報で彼の不利益となることをしたのだ。始末されて当然だ。
しかし、彼女は海原に手を下すことはなかった。
それどころか、逆に彼に手を差し伸べたのだ。

「いったいなんのつもりです?」
「別に、ただ、せっかく同じ『グループ』なんだから 
何も殺しあうことは無いんじゃない?殺せって命令も出てないわ」

一瞬、海原は目の前の女が何を言っているのか理解できなかった。

(自分は死ななくてもすむんでしょうか)

なんにせよ、助かるなら幸運だ。海原は結標の手を取った。
 




733SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:22:12.51WzFIDeUB0 (23/23)

これでおしまいです。
ストーリー的には浜面に起こったこともろパクリですね。
次は姫神とかで書こうと思ってますが、妄想設定が今以上にすさまじくなっているため
書こうかどうか迷ってます



734SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 18:29:05.594BGEaiYyo (2/6)

乙でした
単独のスレでやってた奴か?
それならそれでまた新しくスレ立ててやりゃいいんじゃねえかなぁ
文章力は相変わらずですね


735SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 19:23:06.95D+osgJcIo (1/2)



だが設定とか文章よりも、とにかく読みにくい。
・改行する場所がおかしくて、どこからどこまでが一文なのか分かりにくい。
・()や「」は『ここからここまでが会話(心の声)ですよ』ってのを示す物だから、その内部で改行しない。
 なぜなら誰が喋ってるのか分からなくなるから(ト書きは「」の前に名前付いてるから別)
・地の文も「。」で改行するのであって無意味に改行しない。
 なぜなら「この一文の終了は『。』ですよ」ってのを示す物だから。
・『……』や『――』は二つで一組。


736VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/12(月) 19:26:27.47EHz6Se/3o (1/2)

描写ではなく説明って感じか
戦闘内容云々には文句は付けないが、ひとつも燃えないな、感情移入できん

次に期待


737SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 19:38:00.692UAjj+Oko (1/3)


>>711で30分以上経ったって書いてるけど、最後のレスじゃなくて前の人が投稿したSSから30分だぞ?


738SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 20:58:13.38YDH9F1fXo (1/4)

三巻読んだ。
番外個体があの人あの人言うたびにニヨニヨしてもうた……

一方通行にもそろそろ春が来てもいいと思う。
ツンツン、ロリ以外の。


739VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/12(月) 21:02:24.30EHz6Se/3o (2/2)

レイヴァニア×一方通行を幻視したのは俺だけじゃないはずだ


740SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:04:05.95DvCTRQn0o (2/3)

>>739

  `¨ - 、     __      _,. -‐' ¨´
      | `Tーて_,_` `ー<^ヽ
      |  !      `ヽ   ヽ ヽ
      r /      ヽ  ヽ  _Lj
 、    /´ \     \ \_j/ヽ
  ` ー   ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´   `¨´
           ̄ー┴'^´


741SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:14:24.11mmFFBn3S0 (1/5)

俺も今読み終わった

一方通行と番外個体の発言にすごくがっかりしたんだが、俺だけのようだ

でも、空白の時間があったから何か書けそうな気がしてきた
書き溜めてこのモヤモヤは忘れよう


742SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:21:21.904BGEaiYyo (3/6)

あの発言は原作らしいっちゃあらしかった
でも正直あの2人の再開には一悶着欲しかった


743SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:23:14.498qa/HSiAo (1/4)

>>741
>一方通行と番外個体の発言にすごくがっかりしたんだが

多分同じ事思った人はそこそこいるとおもう
少なくともここに一人。


744SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:27:23.512UAjj+Oko (2/3)

愚痴スレに行けば山ほどいるぞ


745SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:32:37.84mmFFBn3S0 (2/5)

ああ、やっぱ俺だけじゃ無かったか

一方のお前だって加害者っての、お前が言うなすぐ氏ねって思ったし
番外の美琴sageは妹達の総意かと思ったら、旧約三巻の命をかけて救おうとした過去が霞んだ
ああ、こう妹達が思ってるから打ち止めは一方を頼ったのか、なんてうがった考えまでよぎるし

ところで、愚痴スレってどこ?


746SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:34:36.64DvCTRQn0o (3/3)

おいおいバレ解禁になってるとはいえ発売日直後にそういうのを本スレ以外で書くなよ
今回地方は12日発売のとことかも多いみたいなんだし


747SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:42:11.43mmFFBn3S0 (3/5)

>>746
すまんかった
愚痴スレってのを探しに行ってきます


748SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:45:20.562UAjj+Oko (3/3)
749SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 21:47:21.48mmFFBn3S0 (4/5)

>>748
超ありがとうございます


750SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:00:41.91oA+lATCAO (1/1)

まだ読んでないけど驚愕のキョンのような感じか?
こういうのって大抵ぼくのかんがえたryと違うからだよな

キャラsageに近いことは昔からずっとしてたけど慣れるものではないだろうし


751SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:04:34.86YDH9F1fXo (2/4)

小説の楽しみ方は人それぞれだな。
愚痴を言って楽しむのもあり、か。

原作に自分の願望と常識と法律を持ち出してしまえば、
多種多様な解釈が成り立つから論じるも無意味だ。

俺は自分でキャラクター像を押し付けて
好きなキャラを造りだし、その人物の幸せを勝手に願うとするか。

……久しぶりに、二次小説でも書いてみようかな。



752SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:32:21.614BGEaiYyo (4/6)

番外通行の発言にがっかりしたって言ってる奴は、2人のことを「実はいい人」なんて風に思ってたんだろう
原作見りゃ2人は悪人ってのはわかるはずだぜい
実際殺した妹達に負い目を感じてても、そのオリジナルには大した感情もってない様子
一方からしちゃ、妹達ならまだしもオリジナルには謝る必要なんぞ無いと思ってんだろうな
美琴の切り替え方も上条さん並だったが

…んなこといいつつ俺も、お前も加害者発言にはびっくりだったけど



753SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:34:25.28Q6WLZIYI0 (1/2)

あの発言はないよなぁ、納得できねえええええええ
某キャラも当初の尖った面影は今いずこ状態だしね…残念だわ
こんなモヤモヤしてる時はお気に入りのSSを読むに限る、そして自分でも書いてやる!


754SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:35:33.168qa/HSiAo (2/4)

一方さんの加害者発言は「一方さんはそんなおバカキャラじゃないだろ・・・」かな、どっちかってと
だってあの発言って一方さん視点からすりゃ、美琴が自主的にDNAマップ差し出したって認識な前提じゃなきゃ出てこない発言
つまり一方さん実験終わった後も勘違いしたままというお間抜けさ
勘違いしたままドヤ顔でお前も加害者(キリッ)と言ってしまうダークヒーローという醜態・・・


755SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:36:21.96mmFFBn3S0 (5/5)

>>753

  `¨ - 、     __      _,. -‐' ¨´
      | `Tーて_,_` `ー<^ヽ
      |  !      `ヽ   ヽ ヽ
      r /      ヽ  ヽ  _Lj
 、    /´ \     \ \_j/ヽ
  ` ー   ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´   `¨´
           ̄ー┴'^´



756SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:37:56.82T5k2Qh2L0 (1/5)

上条と一方通行が兄弟のIFモノ
おそらく一方通行は兄が上条だったら絶対能力進化実験はやってないと思うので、
なんだかんだで実験が垣根帝督に引き継がれた設定で3レスほど


757一方通行「兄ちゃン」2011/12/12(月) 22:38:24.60T5k2Qh2L0 (2/5)

垣根「ハッ、絶対能力者の座を蹴ってまでクローンの命を守ろうとするたぁな!腑抜けちまったか?一方通行?」

一方「そいつから手をどけろ、垣根帝督」

垣根「この『人形』からか?」

一方「……オマエ、今何つッた?」

垣根「『人形』って言ったんだよ、このクローンを」

一方「……ざけンな……」

垣根「あ?」

一方「ふざけンな!そいつらだって、立派な意思を持った『人間』だろォが!」

垣根「ほお、第一位サマは随分とハッピーな考え方をしてるんだなあ」

一方「……」ギリッ

垣根「まあ、お前のことは前から気に入らなかったんだ、この『人形』と一緒にお前も潰してやるよ、一方通行!」

一方「クソッ!」

垣根「おっと、動くなよ?お前がもし動いたら、俺の手が滑ってこいつを潰しちゃうかもなあ?」


758一方通行「兄ちゃン」2011/12/12(月) 22:38:52.83T5k2Qh2L0 (3/5)

上条(御坂から「一方通行を助けて!」って連絡があったんだけど、いったい何が……)

上条「!!」



一方「ッ!」

垣根「お前もさっさとクローンを見放して反撃すれば、こんな目に遭わなくて済むのになあ?一方通行?」

一方「……ッ!ぐァッ!」

垣根「いいねえその表情、最高だよ」



上条(一方通行!)

上条(……あいつ……!)


759一方通行「兄ちゃン」2011/12/12(月) 22:39:22.58T5k2Qh2L0 (4/5)

垣根「……ん?なんだ、誰かいるな」

上条「……俺の弟から手を離せ」

一方「……兄……ちゃン?」

上条「俺の弟から手を離せっつってんだよ」

垣根「俺を誰だかわかって言ってんのか?」

上条「学園都市第二位、超能力者垣根帝督」

一方「来るンじゃ……ねェ……」

上条「大丈夫だ、一方通行」

垣根「へえ、大した兄弟愛だなあ」

上条「……俺の弟に手を出した落とし前、きっちりつけてもらうぞ、垣根帝督!」


760一方通行「兄ちゃン」2011/12/12(月) 22:39:53.54T5k2Qh2L0 (5/5)

投下終り
よく考えたら破綻だらけだよなあ


761SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:41:10.17cXuO7PbJo (1/1)

一方と番外にがっかりって感想を良く聞くが、その2人の美琴への発言はこんなもんじゃね?
一方さんはぶっちゃけ妹達は大事だがオリジナルには興味ないってだけ
番外は、製造時点で一方さんに関心が向かうようにできてるんだし、オリジナルにありがたみなんて元々感じてないだろ
むしろ美琴が浮かれすぎてて気持ち悪かった
浮かれっぷりを見てた番外に「遊びに来たなら帰れば?」と排除されなかった分マシなくらい


762SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:44:00.30Q6WLZIYI0 (2/2)

>>760
乙乙!
兄弟ネタ良いね
続きがあるなら読んでみたいなぁ


763SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:47:23.83l6zkh6Tf0 (1/1)

>>760 乙

3巻は御坂一方和解SSの読みすぎで過度な期待してるだけだったんじゃねえのか
あの実験は皆加害者であり被害者だったと思う


764SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:49:31.75fRTmS9dSO (1/2)

>>760
乙乙


愚痴は他所でやれ


765SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:52:17.29D+osgJcIo (2/2)


>>760



全体的に旧キャラが物凄く丸くなって番外個体は一方サイドになったって認識でいいの?


766SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:52:51.334BGEaiYyo (5/6)

>>754
「騙されて」自主的に差し出した、のは間違ってねえし、実験を邪魔しにきた美琴を見た上でその勘違いは無いだろ
有るとしたら、美琴がもっと幼く、もっとレベルが低かった頃に騙し取られたってのを知らずに、今の年になってDNAマップを不注意に差し出した、と勘違いはしてるかもしれんな


767SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:57:50.898qa/HSiAo (3/4)

>>761
いや、直上に書いてある事無視して存在しない行間を読んでどうするよww
一方さんが美琴に対してどういうスタンスかは知らんが一方さんの立場から「美琴=加害者」と言うのはズレた解釈だって事だよww
番外についてはメタ発言に「えー」って思ったけどまあいっかって感じで俺は特に触れて無いのでどこにあったか知らない他所の意見を持ち出されても困りますです

>>763
美琴を加害者とするのは全然問題ないよ
但しそれをそうと言えるのは美琴本人の自虐視点と、美琴を姉とも救おうと努力してたとも思わない場合の妹達側くらいで、
目の前で妹達殺されて怒りながら特攻してきた美琴の姿や、風を起こした妹達の前に立ち塞がってみせた美琴の姿を見た筈の一方さんが言うのは相当頭悪いよねって事
前者は漫画超電磁砲にしか描かれてないにせよ、後者は確実に原作にもあったシーンだからこれ見てまだ一方さんが勘違いしてるんだとしたらちょっと考え足りない事になっちゃう
多分悪いのは一方さんじゃなくてキャラごとの視点を冷静に整理できてない作者なのかもしれないけど・・・

>>766
言葉足りなかったかもしれないけど、自分の言った勘違いは
>もっとレベルが低かった頃に騙し取られたってのを知らずに、今の年になってDNAマップを不注意に差し出した
の意味ね。
なので貴方とはこの件においてほとんど一緒の見解だと思う


768SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 22:59:13.06YDH9F1fXo (3/4)

子供だったから許される、騙されたから許される
って言うなら、一方通行も当てはまることになるが……


というか、愚痴は愚痴スレで言うべきだな。
ココは二次創作でキャラに萌える場所だってばよ!


769SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:00:03.278qa/HSiAo (4/4)

うあ、マジだ何やってんだおれすいません黙ります


770SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:03:13.324BGEaiYyo (6/6)

>>767
一方さんは、妹達以外にはそういう発言をするヤツだけどね
意外だったのは、一方の意識の中で、美琴が妹達関連にも、ロリにもはいってなかったことだわ


771SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:04:23.066KjRsjwAO (1/2)

>>760
おつ、好きなんで続けて欲しい


つーかかまちー的には旧約の因縁も対した話の材料にならなかったってことなんだろーよ
鬱陶しいからここで喚くなよもう


772SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:10:08.39YDH9F1fXo (4/4)

でも三巻の内容で盛り上がるのは、全く健全だと思うよ。
それが喩え愚痴っぽくなってしまったとしても、
新巻が出たのに過疎っていたらそれこそ悲しい……

何言われても、一方通行は矛盾したまま堂々と生きるんだろうな。
俺としては、


また幼女と戯れてるよこのモヤシ……


って言われる方が、一方さんとしてはキツそうだと思ったわww
……誰かあの幼女との二次小説お持ちの方いませんかー!?


773SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:22:46.68KKRd/Pls0 (1/4)

そんな流れを断ち切るように2レスほどいただきまっす

あわきん恋をするの巻


774とある暗部の恋物語2011/12/12(月) 23:23:58.25KKRd/Pls0 (2/4)


「はぁ…やーだなー」

最近はずっとこんな感じだ、もともと健康的な生活とは言いがたかったが
組織のリーダーやってた頃や、グループとして暗部間抗争を戦っていた時は
気だるさを感じる暇もなかったのだが、最近は学園都市全体が落ち着いてしまって
暗部としての仕事は量も質も子供のお使いレベル、
危険な仕事を続けるよりはマシなのは当然、しかしなんともハリの無い、年頃の女子としてどうなんだこれ。

「はぁ…出来れば恋人……それが無理ならお友達から…」

すでに行き遅れの四十代のような思考になってしまっている、
これじゃ第四位のことを馬鹿に出来ないではないか、
そもそも現在の交際範囲にマトモな男がいない、本当に一人足りともいないのだ。

まず土御門元春、論外だ、腹黒な性格も気に入らなければあの長い手足に身長も気に入らない、
断じてショタコンではないが自分より小ぶりなカワイイ系の男が好みだ、その点で論外(しかも変態(シスコン)だ)。

ついで一方通行、もちろん論外です、そもそも女性の顔をぶん殴る精神が信じられない、人間関係にたいする誠実さが欠落している、
そしてあの青白い肌、不健康そうな男は嫌いなのだ、結局は論外(しかも変態(ロリコン)だ)。

そして海原!海原光貴!! アイツだけは無い、背はある、胡散臭い、発言がなんだかいちいちイラッとする(何故だか)、
そして私に対して一番ショタコンショタコン言ってくるのだ、自分はシスコンでロリコンでストーカーの変態ハイブリッドの癖に。
というわけで奴は論外という土俵に立たせるのも他二人に失礼というレベルで論外。


「絶望的だなぁ…私の青春は……」


いっそこの会議用の隠れ家のドアの向こうがこう、いかにも青春真っ盛り的な学園になってて
小ぶりなカワイイ系でありながら誠実で健康的な男の子が校門前で待ってたりしないものでしょうか。

「……なんだそりゃ…しね私…アホか私…」


そしてがちゃりとドアノブを回し開いたその先には



「な…あ、結標、さん…」

「だ、誰!?」


その瞬間、その浅黒い肌の謎の少年は恐ろしいスピードで私を押しのけドアから出て行ってしまった、

冷静に考えれば侵入者、秘密であるはずの隠れ家に意図的に侵入し、あまつさえ私の本名も知っていた
危険人物、ということになる、だが何故か私はあの少年に対してそんな感情を抱くことが出来なかった。

いや、むしろ。


「(え、王子…様…的な…?)」

むしろ一目惚れでした。


775SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:25:38.80oD8QGnl0o (1/1)

新刊はむしろ番外個体の美琴いじりにイラッとした
「存在価値ない」と言うお前の方が存在意義が崩壊してるっつーの
単なる一方通行デレマンセー要員じゃねーか


776とある暗部の恋物語2011/12/12(月) 23:25:51.67KKRd/Pls0 (3/4)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「……い!……おい!聞いてるのか!」




「え!? あ、ごめんなさい…」

「さっきからずっとそんなんだなァ、オマエ」

駄目だ、さっきの彼が目に焼き付いてそっちに集中力が完全に奪い去られている、
これが心を奪われる、ということなのだろうか。
一瞬だったが目には鮮明に焼き付いている、あの誠実そうな目、健康そうな肌、
日本人ではなさそうだったがそんなことは問題ではない。

「……海原、お前もさっきから随分おとなしいな」

「え、い、いや、自分は至って普通ですよ?…結標さんはあれじゃないですか?また外から男児の声でも聞こえてきたんじゃないですか?」

またこの男は……さっきの彼なら絶対にそんなことは言わない、少し前の自分ならムキになるところだが、
今の私は違う、余裕を持って切り返すのだ。

「あんたはまたっ…ま、そんなこと言ってるから誰にも振り向いてもらえないんじゃない?

「せめてショートカットにして髪留めつけて茶髪にして中学生にもどって常盤台に編入してからいってくれません?不快なんで」

「うるさい!このストーカー!」

「ショタコンに言われたくないこと年間一位いただきましたー」

「この……っ」


「お前らラブコメを暗部にまで持ち込むなよ……」

「「誰がじゃ!」」


会議はムカつくが、これから会議に行くこと自体は楽しみになりそうだ、

いつかまた彼に出会えるかもしれないから。


777SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:29:02.95KKRd/Pls0 (4/4)

エっちゃんは海原より身長が低い、上条くらい、

ともなれば、というお話。

ラブコメむずかすぃぃぃぃ!しかも書いてる時なんか恥ずかしぃぃぃ!
今週のめだかボックスの人吉善吉の気持ち!


778SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:34:22.676KjRsjwAO (2/2)

>>777
乙!
あわきんとエツァリの絡み好きだー
愛より大切なものはないって腐(らせることに徳化してる)女子が言ってたし
続きが見たいんだよ!


779SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:44:25.37fRTmS9dSO (2/2)


続きを全裸待機してるぞ


780SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/12(月) 23:51:37.22puH44gbLo (2/2)




781SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 00:06:15.07IoNzy+6m0 (1/2)


切実に続きが読みたい
早くスレ立ての準備をするんだ!


782SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 00:11:33.211Fe5F09F0 (1/2)

うお、なんだこれ!
是非スレ立てて続きをお願いします頼みます拝みます


783SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 00:23:25.14wZ7ArI/AO (1/3)

もう一方通行はみこっちゃん目の前にしてテンパっちゃったおっちょこちょいでFA
おつおつ。エツァリがショタとは盲点だった


784SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 00:39:10.05TSS7lJ4po (1/4)

>>775
ネタいじりにマジ突っ込みいれんなよ…
でも、あの美琴さんなら上条さんのヒーローらしい傲慢をぶち殺してくれるはず


785SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 00:51:05.83Z3hZJF/Mo (1/2)

おつおつ!この組み合わせいいなwwww


そして新約愚痴は愚痴スレでな
感想もつけずに愚痴とか論外だぜい


786SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 01:48:25.77ueSq/zmDO (1/6)

1レス上姫もらいます


787SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 01:49:14.12ueSq/zmDO (2/6)



不幸だ。
いくら慣れているとはいえ、そう呟かずにはいられなかった。
最近では同情の視線すらも送られなくなった教室の机で、上条は一人突っ伏していた。
ぽんと肩を軽く叩かれ、視線を上げる。

「上条くん。大丈夫?」

「あぁ姫神か……」

「大変だったみたいだから」

「……おう。まさかやってきたものが全部お陀仏になってるとは思わなかったぜ」

「でも。認められて良かったね」

「小萌先生さまさまですよホント……でも点数は半分になるんだよな」

深くため息をつく。
それを見て姫神は思案するかのように顎に指を当てると、ぴんと悪戯めいた色を瞳に浮かばせた。

「ね。慰めてあげようか?」

「えっ」

バッと顔をあげると、姫神は口元に手をあてて微笑んでいた。

「……ふふ。冗談」

「何だよ……」

肩をおとす。
それを見て姫神は少し意外そうにすると、
頬をほんのりと赤らめ、上条の耳元に唇を寄せた。
聞こえるか聞こえないか、わからないくらいの声量で。

「冗談じゃなくても。いいんだけど」

「……えっ」







788SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 01:49:43.63ueSq/zmDO (3/6)

おわりんこ


789SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 02:45:57.62zbRtPd+S0 (1/4)

>>788
おつりんこ
原作で不憫キャラって救済したくなるよね。


愚痴の話題で愚痴スレ行けと言う人もいるけど、原作ありきの二次スレで愚痴るなは暴論だよ。
書いてる身としては原作で不憫だから救済SS作ろうとか、こう言う見方もあるんだとかネタの元にもなることもある。
割り込みは論外だけどね。


790SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 03:23:33.11jYQc15Qgo (1/1)

>>789
そうは言ってもここは「SS」スレでSS用の板な訳だ
禁書はラノベ板とかしたらばとか他にたくさん話すところあるし愚痴スレなんて丁寧にURLまで貼られてたじゃん

ネタ拾いたいならかまちースレ行けばここの数倍の量で議論されてるのに目的外使用で数レス消費する理由なくね?
ここで出てる愚痴なんて本スレでは5スレくらい前に出て一通り議論も終わったような干物ネタだぞ


791SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 03:35:30.73ueSq/zmDO (4/6)

おまえらもうちょっとソフトな言い方というものをだな



792SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 07:19:22.70EF7j3JKDO (1/1)

>>777
乙です

久しぶりにお粥座標見た
早くスレを建ててくださいお願いします


793SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 10:43:43.37CDOMwSbAO (1/2)

粥琴こいこい


794SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 11:25:50.31uIWKw7aDO (1/1)

一方通行はただのクズだし下手に持ち上げる信者がバカってことか


795SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 11:42:25.41wZ7ArI/AO (2/3)

総合スレに短編SS読みに来てるっつーのになんで愚痴だの中傷だの見なきゃなんねーんだ
いい加減専用スレ行け。こちとらSS読み書きしに来てるってのに雰囲気悪いったらありゃしねー


796SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 11:45:19.08qKeCKWTLo (1/1)

あの場面で揉められても困る


797SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 13:40:23.72zbRtPd+S0 (2/4)

関連話題であれば雑談が許されるスレで自分ルールを押し付けちゃ駄目よ。
愚痴だろうが「もう見ない」とか「○○死ね」じゃなく、きちんと理由つきで言ってる人のは真っ当な感想。
そもそもラノベ板もしたらばも外部サイトであって、こことは無関係。
気に入らない意見は排除とか、マンセーしか許されない国じゃあるまいし。


798SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 13:50:55.163U3nS5nZo (1/2)

気に入らない話題は誰しもあるけどそこで罵声吐いて追い出そうという書き込みそれ自体も空気悪くしてるからねぇ
ぐっと我慢してスルーして上手く他の話題に誘導するのがベターだと思う

ていうか新刊読んでそれをネタにすぐSS書ける人ってマジすげぇ
早いというか発想力っていうかフットワーク軽いってレベルじゃねーぞ乙です


799SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 13:53:10.69wZ7ArI/AO (3/3)

>愚痴だろうが「もう見ない」とか「○○[ピーーー]」じゃなく、きちんと理由つきで言ってる人のは真っ当な感想。

ここに来てる人間の大半は禁書好きで来てるんだから、愚痴だの中傷だのはここでやるような話じゃあるめえよ
そういうのをしたいなら専用スレがあるんだからそこで好きなだけしろって話。外部サイト行くの嫌だからSS板で愚痴りますーてか?そりゃおかしい


800SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 13:58:57.393U3nS5nZo (2/2)

沸点低いー
そうやって脳天即レスしてるからその話題続いてるんだけど分かってるのかいww
最後に書き込んで引き下がらせたら自分の勝ちとか思ってるようにしか見えない

そういう明らかに冷静さ欠いたレスがあると言ってることがどんなに正しくても
見てる者の心情の天秤は貴方と逆側にばかり傾くんで注意しようぜ・・・


801SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 14:01:05.57Z3hZJF/Mo (2/2)

投下されたものへの感想も付けずに話題が流れるくらいなら愚痴は外部でやって欲しいかな
そうでないなら適度に節度をもって、でしょう。
ここはSSを投下するばなんだから


802SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 14:15:15.85OHhMXwRDO (1/1)

>>1に感想や雑談、情報交換おkって書いてんだからいいじゃん

ただし投下に割り込むのはウンコ
スレチというより、マナー違反はただのウンコ

このウンコ野郎共


803SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 14:56:15.55CDOMwSbAO (2/2)

>>787
姫神のしっとり感が素晴らしい



おまえらつまらん議論はやめて姫神を愛でろよ


804SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 14:57:47.22TSS7lJ4po (2/4)

>>799
がっかりしたってのは中傷では無いでしょ
原作好きなうえでその点はがっかりってことよ
批判した奴をみんなアンチだと決めつけるのはどうかと思うね
SSスレで喚くなってのなら言い分も通るがね


805VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/12/13(火) 15:33:10.59nWE7zPtu0 (1/1)

殺伐としてる間に絹旗はもらっていきますねー


806SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 16:04:13.97I3R1wgGSO (1/1)

サローニャちゃんは俺がもらう


807SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 16:52:33.32TCXbOqKAO (1/1)

マンセーしか許されないのはおかしい云々言う人って批難と批判と批評の違いわかってない



808SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 17:26:13.816FZ9ZYLLo (1/2)

>>807
つか、そういうなら自分の意見すらも批判される覚悟あるはずだろ
じゃなきゃダブスタ


809SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 17:26:17.74OFIW2i0AO (1/1)

じゃ、ドラム缶人間もらいますわ


810SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 17:34:14.77IoNzy+6m0 (2/2)

>>787
能登ボイスで脳内再生余裕でした

みんな、原作にモヤモヤしたならSS書こうぜ!


811SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 18:31:02.05TSS7lJ4po (3/4)

>>807
レス見るかぎり原作を攻撃してるような発言はみられんけど?
落胆組の発言で不快にさせたなら謝るが


812SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 18:35:12.27ueSq/zmDO (5/6)

何でまだその話題を引っ張ろうとするんだ…



813SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 18:54:07.41fRRIXJ1Oo (1/3)

おまえらもっと姫神を愛でろよ


814SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 19:52:41.07+04AjLH70 (1/1)

こういうときに投下して空気入れ替えるための小ネタ作品いくつかストックしといたほうがいいのかね
そんなモチベーションでSS書くのはあまりいい気がしないけど


815SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 20:01:34.24e64oHz9AO (1/1)

ほっとけばよくね
愚痴る方も愚痴る方だし、かみつく方もかみつく方だ
が、結果としてこういう流れになるから
そもそもここではあまり愚痴らん方がいいんだよ


816SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 20:36:50.07ueSq/zmDO (6/6)

>ここではあまり愚痴らない方がいい
今回はこれの良い例になったということで



817SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 21:12:19.40zbRtPd+S0 (3/4)

ここは意見を言う自由が認められてて、それを阻害するのは押し付け。
なんで日本人って事なかれ主義で問題点を指摘するだけで叩く風潮なの?


818SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 21:30:43.076FZ9ZYLLo (2/2)

>>817
お前の発言に意見の言う権利も等しくあるんで、それを阻害するのも押し付けでしかない
あほなん?



819SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 21:49:23.64zbRtPd+S0 (4/4)

>>818
すまない、標準語しか習ってないから「意見の言う権利」と言うのが分からない。

何々が悪いや何々が不満は具体性のある論理的な意見や発言。
死ねや何処かに行けは論理性のない暴言や中傷。


820SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:08:57.731Fe5F09F0 (2/2)

「意見を言う権利」だろ、察してやれよ
不毛だからやめようよ
事無かれ主義は日本人の美徳という事にしといてくれ
俺は>>787のような姫神さんが見られたらそれでいい


821SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:11:08.93yjPBNrvAo (1/4)

>>788
乙乙

姫神ネタは意外と書く人少ないからもっと増えて欲しいね


822SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:12:14.71TSS7lJ4po (4/4)

          ∠ニ、ヽ
         ___)ノ
       /: : : : : : `ー.、                                  _,. -―‐- 、
      ノ://: / /: : :ヽ: :ヽ                               /  ,.  \  \
  -=≦: /://、_レイ:/|: : ∧: :}                               { / >―-ヽ  ヽ
   ___ノ: :V: !: N__j/ j/!/_ V八                                 <j 《       ヽ  ハ
  ´ ̄フ: :{ !∧ | ´ ` 、 ´ `{┌ヽ                            / ∧7T ‐ァ 、__》_  i
   -イ: : ノ>V (⌒ヽ  人}、〃`_                           / レヘト芯レヘ斗<  <  |
    -=≦_,.イ} ≧=-'⌒ヽ=-{{〃⌒ヽ                     /∧_j\!ゞ'  弋り八「 ̄ ,ノ!
     〉 r'´_〉 / /、ー-、  r ヽ、\                         } ,j_ぅ}:::::ヽ' ___,. イ∧   ト、
  ___/ 冫  } { ト、 \  \U-、_〉〉′                    _/_/_/:::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ\   \
. /    ヽ_// ヽ ! \ \  } 八´                     _{>::::::::::::::::::::|::/:::::::::〈{  | ヽ\    \
|     /  |   :ト、_,ヘ_ト、_メ、  ! \                    _,.≧:::::::::::::::::::j∧::「ヽ!::\__j :!  :}     \
|   ∠  レク  j_∧_j乂}トrゥ从ト、「 `                         />∧/jハ「レ'|7、::::::Y^V≧┤ ハ   __ヽ
八___/从ト〈〈} 八个‐″ ,ノ 、イ人! ヽ                      //j爪{厂,  {厂j/!:::::ミ、ノ< 〉   }___/   \
   \ _j∧_,厶イ人    _,  人   }                 //:〈 iニ八      j∧:::ハ「三V   /  ∧ ̄ ̄ヽ
    ≫=ヽ冫  }> 、 _´,.イ     ∧                / ∧ V三ニ ヽ ‐- ,. イ/Vニ /三ヽ  ∧_/ | i
   〃 /ヽ'   /ハ厂/   _,. <! ∧                   | :| ヽ∧三三三》´  く三三/三三ハ'  |   :! !
   {{ / | : \∧  \_,. イ  ∧ | : : |               | :|  |ヽ三三ニ《_ヽ /ヽ三/三三三:!  :ト、 :| |\
    冫 | : : : \\    ヽ{  !  :|\/!               \!  |三三三 ∧_{ }__,/ニ/∧三三ニ|  ∧\ | |\\_,
   /!  ! : : : : : >〉   八  |__ノ   |                ヽ. !三三三ニ 》 V /三=∧三ニ/、 :/ ト、j乂   ̄´
  /: {___ヽ__/V-'  __ /: :} ̄「: : \/!                      |三三ニO〃==V三三ニ!ヽ.∧ V   ! ヽ__ハ
  〈: : __/  ゝ--(_,ノ : /: : :ト、 : : : ∧        ,.≦≧=-、_     !三三三/ー――ヘ三三 !三三!、______} }>‐、
. /三ニヽ     ∧___/: : :∧ヽ : : ∧ |       〃三三ヽ三≧---|三三O《、_____|三 ∧三 ∧ \____,jノ-- 、 〉
/三三三\   /{ ヽ: : : : : : : : : :〉 \/  ハ         V三三三\三三ニ!三三ニ∧     /|三 | ∧ニ|三三三三三三ハ{ノ/
|三三三三 \{  \ \ ----/、    /: : }       V三三三三三ミ、:!三三三 |   / :!三 |三ヽ:!三三三三三三ニ}/
V三三三 ヽ三ヽ   !\__\/{: : : \_ /: :/〉        |三三三三三三∧三三三|  〈_ /三/三三|三三三三三三 /
. ヽ三三三=!三 |   |: : : // ヽ : : : / ̄ /-、        \三三三三ニ/三i三三三!    /ニ∧三/三三三三三三/
  |三三三=!三八  \/ : {   \_/ /三三\        \_三三三三:|三三三!    《ニ/三/三三三三三 >'´
  ヽ三三三}三三\__{: : :ヽ    /∠三三三三> 、       〉三三三ニ≧=ミ、》≦ニ≧V三三三三三三三/
  | \三 /ニV_三三三{\: : :\__/三三三三三}三三> 、     \三三三三三三《、r--、ニ》三三三三三三/
  |三≧≦三} `ー- ノニ/`ー―〈三三ニ=― /三三三ニヽ     \三三三三三 》 /三三三三三三三/
  |三三三三ハ    r1´三三/ | 「三三ニ /三三三/三}        |三三三三ニ/ {三三三三三三ニ/
  /三三三ニ/ニ》    冫ニ /三ニレィ´三三〈三三三/ニ/      |三三三ニ/ /∧三三三三三_/


823SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:16:17.36JpjV/8wco (1/1)

何がしたいの?
唐突にAA貼られてもそれこそ不快なんだが


824SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:25:55.93yjPBNrvAo (2/4)

なんでそんなにケンカ腰なんだお前らww


825SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:32:12.75eZmqjg8E0 (1/1)

そんなことよりオルソラさんの話しようぜ!


826SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:32:47.36pTAw+gISo (1/1)

>>825
おっぱい


827SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:39:56.33yjPBNrvAo (3/4)

オルソラのおっぱいを寝ぼけたアニェーゼがちゅーちゅーは最強


828SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:40:03.90fRRIXJ1Oo (2/3)

オルソラで一人称視点でちょっと書いてみたんだが、断念
ぶっちゃけ彼女特有の前後する発言を彼女視点で表現できない

どんな思考回路だとああいう会話になるんだ
だれか書いてみてくれ


829SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:51:12.05enKwgPmAO (1/1)

無理だろ……オルソラの思考回路再現とか
多分一番無理

次点はみさきちか青ピあたりかなと思うんだけど
土御門視点とかも難しそうかな


830SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 22:52:24.84yjPBNrvAo (4/4)

>>828
例えば上条さんと敵が使ってきた魔術について会話してる時に
(ああ、そういえば天草式の皆様が先日美味しいお寿司屋さんを見つけたとおっしゃっていたのでした。これはぜひともお伝えしておかなくては)
で、唐突に寿司屋の話題になり
(元々は件の魔術についてお話しているのでした。確かあれは……)
で、唐突に魔術の話題に戻る って感じなんじゃまいか

オルソラの会話が前後するのは基本的にある程度リラックスしてる時だけみたいだし


831SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 23:56:13.56b9mafHOVo (1/1)

バードウェイってどんな口癖だっけ?
……新キャラの特徴がわからずSSに手が出せん。


832SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/13(火) 23:59:33.02fRRIXJ1Oo (3/3)

>>829
ローラやアレイスターあたりの黒幕連中も無理だよな
裏側がある程度明らかにならないと無理、うすっぺらくて説得力がない

細かく考え始めると、黒子で書こうとするじゃん
能力の演算とか、どう表現するかでえらく迷う、迷うっても11次元の計算するわけにもいかんので、ボカすしかない
うああああってなる

>>830
ふむふむ、そんな感じか
……こんな感じか?


「ってオイ、どうして寿司屋の話になるんだよ! この状況で!」

 と、彼が慌てたように言葉を荒げる。そのオーバーな振る舞いに、思わず笑みがこぼれるのを止められない。
 上条当麻。彼はいつだって一生懸命だ、そんな彼だから、私は――――いけない、これ以上は。

「ああもう、オルソラは相変わらずだな。
 ……そうだな、貧乏学生の上条さんだけど―――この戦いが終わったら、その寿司屋さんに食いに行こうぜ」

 インデックスには内緒な、と悪戯に笑う彼の衒いのない笑みに、少しばかり鼓動が走るのを自覚する。
 ふたりきり、なんてある筈がない。禁書目録の少女を仲間はずれになんて、このひとがする筈がないのだ。
 
 そこで、不意に思い出す。
 そう、禁書目録たる彼女が不在の今、状況の解析は己の仕事だ。
 暗号解析は、私の領分。垂れ流しの詠唱など、物の数ではない。

 戦場にも私の役はある―――その事実に、心が踊る
 笑みが、深くなる

 愛する男の隣に、私は居る
 さあ、彼の力になろう

「敵の魔術師が使っているのは、おそらく灰被り姫の童話を利用したものなのでございますよ。
 おそらく彼女は、ロシア正教会の人間でございます」

「戻んの!? それは上条さんと寿司になんて行きたくないっていうアピールとか言わねえだろうな!? 泣くぞ!?」
 
 
……んん、わかんねえ!
設定のあれこれはともかく、アドバイスくれ



833SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 00:03:07.31plUEi5nco (1/3)

バードウェイはこれといって口癖はなかったような……まあ男言葉で偉そうに喋ってればそれっぽくなるんじゃね


834SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 00:06:08.82plUEi5nco (2/3)

>>832
セリフと心の声を分けずに敬語で全部書いた方がそれっぽくなるかもしれん


835SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 00:07:24.72sRcxNyG/o (1/4)

既存キャラの口調の書き分けが杜撰になってる気がする
ァィゥェォンとか語尾とかの記号的な部分以外の口調がどのキャラも大差なくなってね?


836VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/12/14(水) 00:09:08.88ZLHG81ajo (1/2)

>>835
そんなことが出来るくらいなら、最初から
ァィゥェォンとか、特殊語尾を使ってないと思うんだ


837SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 00:14:18.78GvZu2E7Io (1/2)

>>835
原作じゃ、美琴が若干壊れてたな


838SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 00:15:21.47sRcxNyG/o (2/4)

>>836
いや、それでも今まではそこそこ分けられてたよ
切れるとどのキャラも同じとかはあったけど普通の時は違ったと思うんだけど……


839SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 00:26:29.04plUEi5nco (3/3)

>>835
それ原作の話? それとも最近の禁書SSがって事?


840SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 00:29:14.98sRcxNyG/o (3/4)

>>839
原作
すまん紛らわしかったな


841インデックス大好き2011/12/14(水) 01:53:52.97JfUVwpSs0 (1/18)

スフィンクス『私の二人の主』

 はい。少しお目汚しですが投下させてもらいます。

 設定としてはフィアンマ戦の後。もし上条さんが死んでしまっていたら、という話です。

 それではどうぞ。






 私の名前はスフィンクス。学園都市のとある一室に住んでいたネコである。


 住んでいた、と表現するには有る理由がある。そう、私は今飼い主である少女と共にイギリスに住んでいるからだ。


 私の飼い主の名前は『インデックス』という。


 私を拾ってくれた心優しい少女。唯、彼女が本当の笑顔を見せてくれる日はもうないだろう。


インデックス「……とうまぁ………」


 彼女は今わたしを抱きしめて泣いている。


 私のもう一人の飼い主の名前を呼びながら。



      『上条当麻』


 これが私のもう一人の飼い主の名前。


 お人好しで、多くの人をひきつける魅力を持ち、他人の苦しみを放っておかなかった勇気ある少年。


 唯、彼はもういない。




842インデックス大好き2011/12/14(水) 01:56:21.94JfUVwpSs0 (2/18)


 フィアンマ、という者との戦いで彼は命を落としたようだ。

 今でも覚えている。

 一年前、私は彼女に抱えられて彼の葬儀に参列した

 多くの者が彼のために泣いていた。

 常盤台中学校の電撃使いが、学園都市最強の能力者が、小さな三つ編みをたくさん編んでいる少女が、くわがたみたいな髪の毛をした男が、髪の毛を端正にまとめた少女が、赤紙の巨大な少年が、奇妙なジーパンをはいた女性が、おでこが光っている長髪の女性が、明らかに幼稚園児にしか見えない小さな女性が、和服を着た美人が、青い髪とピアスが特徴的な少年が、悪魔のしっぽを生やした少女が、アロハシャツをきたサングラスの少年が、メイド服を着た少女が、その他数え切れない人が心の底から泣いていた。

 彼をころした『フィアンマ』と言う人物さえも彼のために泣いて居た。

 フィアンマは最後の最後で、彼に庇われたらしい。

 崩れ落ちるがれきから守られ、フィアンマは生き残り、彼は死んだ。

 フィアンマは彼女に頭を下げていた。

 どんな償いでもする。死んでもいい。そう言ったフィアンマに対して、彼女はいった。

インデックス「とうまは死ぬなんてそんなこと望んでいないんだよ。とうまは、とうまは……」

 そういって、彼女は泣きはじめた。

 そんな彼女をそっと常盤台の電撃使い――御坂美琴――は抱き寄せた。

 私は御坂美琴が泣いているのを見た。

 たぶん、彼女も、御坂美琴も、彼のことが好きだったのだろう。

 誰も彼女に声をかけることができなかったのは覚えている。

 記憶を失った後の彼と、誰よりも身近に居て、誰よりも長い時間居たのは彼女なのだから。

 私は悲しくなった。

 なんでこんな野良猫にも救いの手を述べた彼女が悲しまなくてはいけないのだろうか。

 なんで誰よりも優しかったあの少年が死ななくてはいけなかったのだろうか?

 私は神様とやらを憎んだ。




843インデックス大好き2011/12/14(水) 01:57:54.46JfUVwpSs0 (3/18)


 そして一年経ち、今に至る。

 彼女は心を閉ざしてしまった。

 奇妙なジーパンを履いている女性や、赤髪の男性が声をかけても、彼女は生返事しかしない。

 私をぎゅっと抱きしめて、悲しそうな顔をして『わかったんだよ』としか言わない。

???「あんた、大丈夫?」

 赤紙の男性が出て行った後、別の人物が入ってきた。

 その人物を見て、彼女は言う。

インデックス「あ、短髪なんだよ……」

 御坂美琴である。

御坂「ステイルさんからあんたがやばいって聞いてさ、来てあげたのよ」

 そう言うと、彼女の目から涙が流れる。

インデックス「ありがとう、短髪……」

 今、彼女が気を許しているのはもしかしたら私を除いたら御坂美琴だけなのかもしれない。

 同じ少年を好きになって、同じ想いを抱いているからこそ、彼女たちは分かり合っている。

御坂「ねぇ、インデックス」

インデックス「どうしたの、短髪?」

 横に座った御坂美琴が彼女に向かって話し出す。

御坂「私たちはこれからアレイスターを殺しに行く」

インデックス「!!?」

 彼女は御坂美琴の言葉に驚き、私を落としそうになる。

インデックス「短髪、何で!?」

 彼女の顔は蒼白だった。

インデックス「アレイスター・クロウリーに勝つなんて無理なんだよ! あの男は、最強の魔術師であり、最強の超能力者なんだよ?」

インデックス「何の為に?」

 彼女は必死に止めようとする。10万3千冊の知識をフルに使っても、勝てないと思ったのだろう。

御坂「決まってる」

 だけど、彼女の心からの心配の言葉を切り捨てて御坂美琴は言う。



御坂「あんたと、あのバカのために」




844インデックス大好き2011/12/14(水) 01:59:15.49JfUVwpSs0 (4/18)



インデックス「え?」

 彼女は戸惑う。目が丸くなっていた。

御坂「誰が言い出したってわけじゃない」

 戸惑っている彼女を尻目に、御坂美琴は淡々と言う。

御坂「だけど、みんながいつの間にか集まった」

御坂「この一年のあんたは見てられなかった」

御坂「ずっとあのバカのことばっかりで、心を痛めてるあんたは、学園都市のみんなが、イギリス清教のみんなが、天草十字凄教のみんなが、ローマ正教のみんなが、多くの人があのバカの死をのり越えていったのに、一人だけ止まったまんま」

御坂「今だからわかるけど、あのバカはあんたのために戦っていた」

御坂「あのバカはあんたを守ろうとしていた」

御坂「なのに、そのあんたが前に進めないならあのバカの死を侮辱したことになる」

御坂「みんながそう思った」

御坂「ステイルさん、神裂さん、アニェーゼさん、オルソラさん、シェリーさん、ルチアさん、アンジェレネさん、ローラさん、騎士団長さん、キャリーサさん、レッサーさん、アックアさん、ヴェントさん、フィアンマ、ワシリーサさん、サーシャさん、一方通行、黒子、打ち止め、番外個体、姫神さん、土御門さん、初春、佐天さん、青がみさん、垣根さん、心理定規さん、淡稀さん、エツァリ、ショチトルさん、麦野さん、滝壷さん、絹旗さん、浜面、その他数え切れない人が集まって、きめた」



御坂「アレイスターを殺そう、と」


インデックス「そん…な……。無駄なんだよ、あの化け物に勝てるわけないんだよ」

 そういって彼女は震える。

御坂「大丈夫。あのバカが残した絆がある」

 そういって御坂美琴は彼女の頭を優しく撫でて言った。


御坂「だからあんたは私たちの無事を祈っておきなさい」

 そして御坂美琴は去っていった。

 彼女はその後姿を唖然として見ていた。


 私が後に聞いた話によると、この会話の一ヶ月後にこの連合はアレイスターに戦いを挑んだらしい。

 しかし、私と彼女はそれから一ヶ月、この戦いの顛末を聞かなかった。

 一ヵ月間、全くこの戦いについての情報が出てこなかったからだ。
 


845インデックス大好き2011/12/14(水) 02:00:06.79JfUVwpSs0 (5/18)



 私たちがこの戦いの顛末を知るのは、御坂美琴によってである。


御坂「や、元気してた?」

 彼女独特の明るい声がして、彼女と私は振り向いた。

インデックス「―――――――! 短髪?」

 そこにいたのは、右目と右手を失った御坂美琴だった。

御坂「ただいま。勝ったよ」

インデックス「――――!」

 彼女は声にならない声を出してた。

御坂「ああ、私は大丈夫。一応、聞く? アレイスターとの話」

 そう御坂美琴が言うと、彼女はうなずいた。

御坂「まぁ、本当に奇跡のような偶然が重なって勝った、って感じかな。唯、こっちの被害も尋常じゃなかった」

 それを聞いて、彼女は息を飲む。

御坂「フィアンマが生命と引き換えに隙を作った。そして、そこからはほとんど特攻状態」

御坂「ステイルさん、神裂さん、アニェーゼさん、シェリーさん、ルチアさん、ローラさん、騎士団長さん、キャリーサさん、レッサーさん、アックアさん、フィアンマ、ワシリーサさん、サーシャさん、番外個体、姫神さん、青がみさん、垣根さん、心理定規さん、エツァリ、麦野さん、絹旗さん。ざっと言えるだけでこれぐらいは死んでいる」

インデックス「―――!!!」

 私も息を飲んだ。多くの彼の友人が死んだことになる。

御坂「でも勝った。私はこの通りだし、一方通行も左足を失った。そして、多くの人が死んだ。だけど私たちは、死んだやつらを含めても誰も後悔しない」

 そして、御坂美琴は彼女に笑顔でいった。

御坂「やっと、あいつに追いついた。やっとあんたに追いつけた。みんなそう思っている」

 彼女は無言でうつむいた。

御坂「あのバカは自分を犠牲にした。あんたはあのバカの気持ちを理解していた。私たちはやっと、あのバカとあんたに追いつけたって思っているのよ」

 そういって、御坂美琴は彼女に抱きついた。


御坂「ありがとう」

 その言葉に対して、彼女はぼそっと言う。

インデックス「短髪……私はそんなことを言われる資格はないんだよ」

インデックス「私は短髪たちのように先に進む勇気もなかったんだよ。だから……」




846インデックス大好き2011/12/14(水) 02:01:02.04JfUVwpSs0 (6/18)



 そういう彼女を御坂美琴はさらに強く抱きしめる。

御坂「自分を責めないで。そんなんであのバカが喜ぶと思ってるの?」

 そういうと、彼女は御坂美琴の腕の中で号泣した。





???「スフィンクスが死んで60年、なんだよ。ね、スフィンクス」

 イギリス郊外の庭に設置された椅子に、年老いた修道女が座っている。

 私の主様、インデックスである。

 ん? お前は誰かって?

 私はスフィンクスである。

 最も、私は彼と一緒にいたスフィンクスの十代後の子孫なのだが、私の主様は生まれる子猫皆にスフィンクスと名付け、私たちは父母からこの老修道女の過去を聞いて、彼女の心の拠り所となっているのだ。

インデックス「スフィンクス、とうまにあいたいよ……」

 そういって、私はこの老女にぎゅっと抱きしめられる。

 これは私の父母もされていたこと。

 彼女は『スフィンクス』と言う存在に、かつて彼女が愛した、いや、今も愛している少年と過ごした日々を思い出しているのだろう。

???「インデックスのおばぁちゃーん! 遊びに来たよ!」

インデックス「あ、久しぶりなんだよ、麻琴!」

 とととと、という足音をさせてくるのは麻琴という女子大学生。

 私の主様の友人で、昨年死亡した御坂美琴の孫だ。

???「はっ、まぁだげンきかぁ」

インデックス「うん、元気なんだよ、自由通行」

 黒いスーツに身を固めた、自由通行と呼ばれた少年は頭を掻きながら答える。

自由通行「そうかぁ、うちのじじぃもばばぁもぁンたの事心配してンぞ」

インデックス「一方通行も打ち止めも元気?」

自由通行「ぁぁ、げンきもげンき。この間も二人でゆぅぇンちにぃってたぜ」

インデックス「はは、あの二人らしいかも」




847インデックス大好き2011/12/14(水) 02:01:52.55JfUVwpSs0 (7/18)

この『自由通行』という少年は一方通行と打ち止めの孫だ。

 新たにつくりかえられた学園都市で、この二人は今現在の現役最高峰である。

インデクス「で、ふたりは何でここまできたのかな?」

 私の主様がそう聞くと、麻琴が答える。

麻琴「今から二人で学会に行ってくるんです。って、もう時間!? いくよ、自由通行! それでは、おばあちゃん! また今度!」

自由通行「ぉぃ、待て! ひっぱンじゃねェぞ、このさンしたがぁ!」

 そう言いながら、ふたりは大学の方へと走っていった。

 それを見て、私の主様は微笑みながら言う。

インデックス「あはは、なんか懐かしい感じがするんだよ」

 そういって、私の主様はお茶をのみ、ぼそっと言う。



インデックス「とうま、これがあなたが守りたかった世界なんだよね。私は、とりあえず頑張って生きてみているよ」


 そして、目からうっすらと涙を流しながら老修道女は言葉を紡ぐ。


インデックス「だから、死んだら迎えに来てね」

 その言葉を聞いて、私は父母から伝聞でしか聞いたことがない『上条当麻』の
ことを考える。

 そして私は思うのだった。

『上条当麻、あんたが生きていないことを私は恨む』

 本当に、猫の私から見ておこの世界は理不尽だ。

 こんな優しい私の主様を泣かせるのだから。



   FIN

これにて本編終了です。思う存分罵って下さい。



848SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 02:17:19.69my3LgNRao (1/7)



ただ、もうちょい人をしぼった方がよかったかも


849SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 02:24:05.19dYQl9kUao (1/2)



おおう…と思いながら読んでたのに自由通行で吹いた


850SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 02:26:10.67P8YRI7ZDO (1/1)

乙でしたー
感動だったけどハイブリッド連合には一体どうツッコめばいいのやらww


851SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 02:47:38.45CN08Kr6Mo (1/1)

ダメだ自由通行の読み方が気になって話の内容がとんだ


852SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/14(水) 02:55:51.37o/aNuj2oo (1/1)

フリーウェイとかアウトバーンだろうか?>自由通行


853インデックス大好き2011/12/14(水) 10:39:05.08JfUVwpSs0 (8/18)


 スフィンクス『私の二人の主』の蛇足編です


 御坂麻琴と自由通行(フリーパス)はロンドンのとある大学の中に入っていった。

???「やぁ、遅かったね。自由通行に電磁操作(コントローラー)。私は待ちくたびれた故」

自由通行「ぁぁ? がきンときから世話になったばばぁンところにぃってただけだぁ」

麻琴「全く、死後否定(デッドキャンセル)。貴方はあいも変わらずうるさいのね」

死後否定「ふん、祖父である冥途返しからの教訓故。『医者たるもの時間を厳守せよ』と幼い頃から言われている故」

自由通行「はぁン、故故ぅっさぃンですけど?」

死後否定「自覚はある故」

そう言いながら御坂麻琴、自由通行、死後否定の三人は大学の広い敷地内を歩く。

 彼らの目的は、とある大学医学部の最深部にある『眠った男』のところにいくことである。

麻琴「それにしても、本当に『あの人』は生き返るの」

死後否定「ああ、生き返る故。君の電磁操作は生体電気を操る電磁系統最強の能力、自由通行はそこにある障害物を無視してあらゆる物質を自由自在にベクトルをもたせて飛ばす透過系最強の能力故」

死後否定「祖父たる冥土返しと父たる生命維持(ライフキーパー)は待っていた故。麻琴、君の父親たる御坂幻の能力をもってしても、自由通行の父親たる通行止め(ストップ)を持ってしても、父をも超えた最強の陰陽師、土御門舞春を持ってしても、彼を生き返らせることは叶わなかった故」

 死後否定はそう言いながらも顔が緩んでいた。

 死後さえも否定すると言われた空前絶後の名医、死後否定は父祖三代にわたる患者を救えるという喜びに満ち満ちていたのである。

自由通行「でよぅ、この事実はいったぃ誰が知ってンだ?」

死後否定「決まっているゆえ。インデックス以外の『彼』の関係者は全員知っている故。君の祖父たる一方通行と、麻琴の祖母たる御坂美琴の意志により、彼女に下手なる希望を持たせるなと厳命された故」



854インデックス大好き2011/12/14(水) 10:40:37.86JfUVwpSs0 (9/18)


 そう言いながら、死後否定は祖父譲りのカエル顔をにやけさせる。

 ソフト父の墓前に、これでやっといい報告ができる。彼はそう思った。

死後否定「ここ故」

 三人はとある大学医学部の最深部に着いた。

麻琴「これが『最強のお人好し』、『世界を守り抜いた男』、『縁を繋いだ男』って言われたあの人?」

自由通行「ぁぁん? じじぃの話と違ぅじゃぁねーか。じじぃの話聴いてるとにンげン離れした活躍してる気がするンですけど?」

死後否定「はは、君の祖父たる一方通行は『彼』を心の底から尊敬していた故」

 死後否定はそう言いながら彼の患者を見る。



『幻想殺し』


 上条当麻は、そこに在りし日のまま横たわっていた。

麻琴「不思議なこともあるのね。北極海の海底で三十年間冬眠し続けていたなんて」

自由通行「ぁぁ、こいつ実はにンげンの皮被ったクマムシなンじゃぁねぇの?」

麻琴&死後否定「ぶふっ!」

 自由通行が言った冗談にふたりは吹いた。

 ここで少し話は横道にそれる。

 三十年前に上条当麻を北極海の海底で見つけたのは、浜面仕上だった。

 彼はアレイスターとの戦いで生き残った人間であるのだが、同時に彼は罪の意識に苛まれていた。

 本来死んでいるはずなのは自分だった。

 なのに、自分がアレイスターに殺されそうになったとき、二人の人間が浜面とアレイスターの間に立ちふさがった。

 麦野沈利と絹旗最愛である。

 彼が戸惑っていると、麦野沈利は笑顔で言った。

麦野「浜面、滝壷を幸せにしてやりな」

 絹旗最愛ははにかみながら言った。

絹旗「滝壺さんを超幸せにしてください。超化けて出ますよ」

浜面「――――!」

 浜面は声にならない叫びを上げた――と同時に、彼の体は結標淡稀によって座標移動された。

 あとで分かったのだが、麦野沈利が結標に頼んだらしい。

 結局、浜面を逃したあとに麦野と絹旗は死に、彼女たちが稼いだ時間を無駄にしないように、とレッサーと言う少女が命を散らし、初春と戦いの途中で現れた風斬が命がけで隙を作り、そこに一方通行と御坂美琴が止めを刺したのだった。




855インデックス大好き2011/12/14(水) 10:41:22.16JfUVwpSs0 (10/18)

 戦争後、浜面は泣いた。彼の恋人であり、後に伴侶となる滝壷も、何とも言えない顔で浜面を見ていた。

 彼女も泣きたかった。

 だけど、浜面はそれ以上に心を痛めていた。

 だから泣けない。

 滝壷に今できることはたったひとつ。

 彼の涙を受け入れることだった。

 そして、二人の月日も流れ、滝壷理后が浜面理后となり、彼らが良き父と母になったとき、浜面仕上は言った。

浜面「そうだ――あの馬鹿の死体を探してやろう」

 唐突に言ったにもかかわらず、彼女の妻は驚かなった。

滝壷「いってらっしゃい。そんな仕上げを応援している」

浜面「ありがとう、理后。沈利と最愛と不連雫と利徳と仕立は頼んだ」

 彼は娘三人に、嘗てのアイテムの死んだメンバーの名前をつけた。彼の妻もそれに賛成してくれた。

浜面フレメア「にゃあ、不連雫の世話は任せるのにゃ」

 そういう金髪の少女は、二人の養子となったフレンダの妹である。



856インデックス大好き2011/12/14(水) 10:42:14.92JfUVwpSs0 (11/18)


 そうして、浜面は北極海に潜り、上条当麻を発見した。

 彼はこれでやっとみんなが報われる。そう思ったと後に語る。

 そうして舞台は再びイギリスのとある大学に戻る。

死後否定「さて、準備はいい故? 学園都市レベル6のお二人さん故」

麻琴「わかってるっての。とりあえず、生体電気をぶち込んで、一人前の人間い仕立て上げればいいんでしょう?」

 御坂麻琴。学園都市に二人しかいないレベル6と謳われる彼女の能力は電磁操作。

 ありとあらゆる生物の生体電流を操作し、操作から筋力強化まで幅広く行える最強の電気使い。

自由通行「はン。わかってるっての」

 自由通行。祖父の一方通行の才能を色濃く受け継ぎ、物体透過とベクトルの能力を持ち合わせたもう一人のレベル6。

死後否定「もう一度確認で言う故。上条当麻は実質死んでいる故。しかし、適切な生体電流を流し、的確な位置にベクトルを与えて、適当な物質を与えたら生き返ることが祖父の研究で分かった故。二人とも――――覚悟は良いゆえか?」

 学園都市最強のふたりは同時に言う。

麻琴「もちろん!」
自由通行「もちろン!」

 そうして、死した英雄に命を与える戦いが始まった。