634第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/14(水) 22:28:37.84EJ4DpSvq0 (4/6)

一寸間が空き……今まで沈黙していた椎名さんが答えた。


椎名「私達の中で、答えを出せる者は居ない」ボソッ・・・

固法「え」キョトン・・・

音無「まぁそうだな。俺らのリーダーは淡希だし、淡希の言う事に従うよ」コクッ・・・

直井「音無さんがそう言うなら、僕もそういう事で」コクッ・・・

立華「私も、結弦の言うとおりに」コクッ・・・


誰一人自分の意見を言わない。


音無「多分、他の連中も同じだぞ。皆淡希に従うだろうな」ハハハ

姫神「……まるで他人任せ。他力本願」ジー・・・

結標「ハァ……ま、そういう事よ」ハハハ・・・

白井「何が如何いう事ですの? 意味が分かりませんわ……まったくもって、私の質問に応えていません!」キッ・・・

結標「だからさっき答えたじゃない。悩み中で、コイツらと相談して決めるって」コクッ・・・

白井「はぐらかさないで下さいませ!」バンッ!


机を叩き立ち上がる白井さん。対称に、結標さんは不動のまま不敵の真顔。
攻撃するのではないかと警戒した椎名さんがクナイを構えたのを見て、固法さんが白井さんを宥めた。


結標「じゃあさ……逆に聞くけど、何でそんな事聞くのかしら?」ジー・・・

白井「は?」ピタッ・・・

結標「その答え、急がなきゃダメなの? 焦り過ぎじゃない?」グデェ・・・

白井「何を、言ってますの……その気があるのか無いのか答えるだけでしょうに」キッ・・・

結標「……ハァ」ヤレヤレ・・・


結標さんは面倒臭そうに腕を組み、声を荒げる白井さんに、まるで幼稚園児を微笑ましく見守る様な目を向け、告げた。


結標「要は……敵が、欲しいんじゃないの?」フフッ・・・

白井「……はい?」キョトン・・・

結標「そうにしか聞こえないもの。今の貴女、私が何を言っても悪者にしようとするでしょう」ジー・・・

白井「な……そ、んな事」グッ・・・

結標「私が『敵にはならない』っつっても、貴女は『嘘を言うな!』って無理矢理自己解決しようとしてたんじゃない? 違う?」チラッ・・・

白井「し、しません!」タラー・・・

直井「結標さんの言うとおりですね。付け加えれば深層心理で『願わくば敵である事』を心待ちしてましたよ。嬉しそうにね」コクッ・・・

白井「そ、そんな事があるものですか!」ギッ・・・

結標「白井さん……正義の味方(ヒーロー)が、悪役(ヴィラン)の登場を願ったら余も末よ。それは幼稚園児の理屈だわ」ジー・・・

白井「っ!!」ギリッ・・・


その逆はあっても、平和を脅かす存在を風紀委員が願ってはならない……確かにそうだろう。




635第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/14(水) 22:57:04.07EJ4DpSvq0 (5/6)

誰も、何も言わなかった。固法さんすら白井さんを擁護しなかった……出来なかった。
白井さんを論破するかの如く言い放った結標さんの確信は誰もが正しく思えた。

多分、言った本人……白井さんも悔いてる筈。下唇を噛むその表情で理解できる。


姫神「……本当に。そう思ってる?」チラッ・・・

香焼「え」キョトン・・・

姫神「……貴方なら分かるかと思ったけど。その反応からして。分からなかったみたい」フーン・・・

香焼「何、が」ポカーン・・・


視線を白井さんに移す。


姫神「……いいえ。貴女は間違ってない」ジー・・・

一同『は?』キョトン・・・

結標「秋沙、何言ってるの?」ハァ・・・

姫神「これが。悔いてる顔? 違う……口惜しいだけ。歯痒いだけ」ジー・・・

白井「…………、」ギリリ・・・


如何いう意味だ。


姫神「確かに。彼(直井)の言った事は正しい。多分。深層心理まで読み取れるクラスの。能力者みたいだし」チラッ・・・

直井「……ええ、一応大能力者(レベル4)です」コクッ・・・

姫神「白井さんも。それは認めてる筈」ジー・・・

音無「ええっと……何言ってるんだ? その子は淡希っていう悪者を望んでたんだろ? だったらそれは悪い事じゃないのか?」フム・・・

姫神「……言葉で説明出来ない。でも白井さんは。『分かってる』」コクッ・・・

結標「……何を」ジー・・・


全員の視線が一つに集まる。


白井「……ええ。確かに、私は貴女が敵である事を望んでいますわ」コクッ・・・

固法「し、白井さん」タラー・・・

白井「でもそれは……正義の味方だとか悪者だとか、そんなのじゃありませんの」ジー・・・

結標「……へぇ」フーン・・・

白井「兎に角……私は貴女を許容できない」キッ・・・


全員がキョトン状態。理解してるのは本人と姫神さんだけだった。


白井「……予想通り、貴女は何も変わってません。それだけは分かりました」スッ・・・

結標「人間はそう易々と変わらないわよ」ジー・・・

白井「……そういう態度が、嫌いですの」グッ・・・

結標「貴女のそういう所が好きよ、白井さん」フフッ・・・


先程から変わらぬやり取り……だが、僕も何となく分かってきた。




636第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/14(水) 23:44:05.72EJ4DpSvq0 (6/6)

多分、彼女達は互いに引かれ合ってる。共感……共振してるとでも言うのだろうか。


姫神「……分かった?」ジー・・・

香焼「何となくっすけど」コクッ・・・


彼女らの『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』は非常に近い位置に在る。
それが何なのかは本人達のみが知るモノ。ただ『テレポーター』として存在している以上、似た世界を視ている筈だ。
だが一方は都市に従ずる一介の風紀委員、他方元だが都市に反するレジスタンスのリーダー。

互いに好き合ってれば、または嫌悪し合っていればこうはならなかったのだろう。


姫神「クドい。60点」ジー・・・

香焼「はぁ」ポリポリ・・・

姫神「理屈じゃない。大体合ってる。けど。精神論で語るのも間違い」ジー・・・

香焼「……何で分かるんすか?」タラー・・・

姫神「見える。ただそれだけ……なんちゃって」フッ・・・

香焼「……ふむ」ジー・・・

姫神「ん……意外。貴方。呆けないんだ」ジー・・・


軍覇の言ってた事……『原石理論』を思い出した。彼彼女らは視てるモノが違う、と。見えないものが視える、と。


姫神「……ま。そんな事は良いとして。淡希。もう少し真面目に。答えなきゃ駄目」ジー・・・

結標「んー真面目なんだけど……いや、ホントよ。まだ迷ってるの」チラッ・・・

白井「…………、」ジトー・・・

結標「ハァ……目標も無いまま行動出来ないでしょう。そういう事よ」ヤレヤレ・・・


先延ばしという訳か。だが、白井さんはまだ不服な御様子。


結標「正直、今度動くとしたら真面目にコイツらの意見も取り入れたいの。だけど、コイツらは『私の言うとおりにー』とか言うし」ハァ・・・

固法「それじゃあ近郊線よ。答えが出ないままね……あと、それって組織として成り立ってないわ」フム・・・

結標「当たり前じゃない。私が組織だなんて思ってないし」サラッ・・・

白井「は?」キョトン・・・

結標「前の時は、私が行動したら勝手に連いてきた連中だもの。いつの間にか組織規模になってた」グデェ・・・

香焼・固法・白井・姫神『…………、』ポカーン・・・

音無「まぁこういうヤツなんだ」ハハハ・・・

直井「カリスマなんですよ、彼女の」ヤレヤレ・・・


では如何して、目的が無い筈のこの集団がバラバラにならない……というのは野暮な考えか。
彼らは純粋に、淡希さんに陶酔しているのだろう。それがいつしかコミュニティとなった『だけ』か。恐ろしい人だな。




637第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 00:33:52.242btBrYgd0 (1/12)

それで、結局のところ……結論は?


結標「まぁはっきり言って欲しいなら、今は御上(都市)に刃向かう気は無いわ」フフッ

白井「……『今』は、ですのね?」ジー・・・

結標「ええ……何れ、私かもしくはメンバーが主義主張を出せば、貴女の望みも無きにしも非ずよ」ニヤリ・・・

固法「む、結標さん!」タラー・・・

結標「ふふっ。だって、公言して欲しかったんでしょう? じゃないと納得しないものね」クスクス・・・

白井「……何だかんだ言って私の『予感』通りになった訳ですね」ジー・・・

結標「ま、これもハッキリ言っておくと……私はまだ恨んでるわよ。多分、此処に居るメンバーは全員そう」コクッ・・・

白井「まだそんな腑抜けた事を!」ガタッ!!

結標「だけど安心なさい……あの時、貴女が言った事は正しいわ。悔しいけど正論。不幸を能力の所為にしてたのは確かね」ボー・・・

メンバー『…………、』ジー・・・

結標「何故自分が、如何してこんな力が……そんな事はもう考えない。この力を使うのは私自身だもの……そうでしょう? 白井さん」チラッ・・・

白井「……ええ」コクッ・・・


なら、何故まだ捨て切らない。


結標「それと、御上に不服があるのとは別モノよ。貴女達だって分かるでしょう?」ジー・・・

白井「……何を」ジー・・・

結標「御坂美琴……他には誰かしら? ああ、貴女達は『木原』にも関わっていたんでしょう」チラッ・・・

白井「テレスティーナの事を言っていますの? それとも、那由他さんの事を?」フム・・・

結標「どっちもよ……テレスティーナの方は加害者として。サイボーグ小学生は被害者として」コクッ・・・

白井「……え?」キョトン・・・

固法「っ! 結標さん! 止めて!」キッ・・・


立ち上がり結標さんの言動を遮る固法さん。何があった?


結標「え……まさか……知らないの?」チラッ・・・

固法「……お願い。言わないで」コクッ・・・

白井「先輩? え……何の話ですの?」ポカーン・・・


正直、僕らも付いていけないんですが。


結標「そう……だけど、分かった……白井さん。貴女は視野が狭いわ」ジー・・・

白井「な、何を」ピタッ・・・

結標「……これ以上は言えない。聞きたければ先輩さんに聞きなさい」チラッ・・・

白井「……先輩?」ジー・・・

固法「白井さん……いずれ、ちゃんと話すから」ジー・・・

白井「…………、」ムゥ・・・

香焼「……えっと」ポカーン・・・

結標「香焼くんにも分かり易く言うと……絹旗最愛とか、土御門みたいに『実験台(モルモット)』になった。または、したって事よ」ボソッ・・・

香焼「っ……、」タラー・・・


この街の裏……というか、一部の狂人(大人・科学者)の犠牲者達という事か。




638第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 01:05:18.402btBrYgd0 (2/12)

結標さんは一度大きな溜息を吐き、再度白井さんを見た。


結標「それじゃあ分かり易い輩で言うと……木原幻生って科学者は知ってる?」ジー・・・

白井「ええ。先進教育局木原研究所所長、胤河製薬特別顧問、鎚原病院木原研究室教授、他にも多数の役職を持っていた科学者」コクッ・・・

結標「そうね。著名な科学雑誌とか能力開発誌、医学専門書を見れば大抵名前が載ってる男よ」コクッ・・・

白井「しかしその実、絶対能力進化(レベル6シフト)実験を行っていた狂科学者ですの」ジー・・・

結標「流石にそのくらいは知ってる訳ね……じゃあ良いわ」コクッ・・・チラッ・・・


扉の方を見遣る結標さん。


結標「今、あそこ(扉前)で聞き耳立ててるヤツらは……殆どそういった馬鹿な大人の玩具にされた連中よ」ジトー・・・

扉前『なっ!!?』ギョッ・・・

白井「…………、」チラッ・・・

結標「そして、此処に居る4人も……私も」ジー・・・

直井「……貴女は大概、プライバシーを守る気無いですよね」ハァ・・・

結標「あら、別に良いでしょう。このくらい」フフッ


『このくらい』で済ませる辺りが結標さんの図太さ。いや、もう割り切ってるのか。


結標「傷の舐め合いやってる悲劇のヒーロー・ヒロイン気取ってるって言いたいなら言っても良いわよ」チラッ・・・

白井「……いえ」フイッ・・・

姫神「私は思うけど」サラッ・・・

結標「秋沙は色々あり過ぎんのよ。アンタと比べないで……兎角、そんな連中が御上に恨み辛み憎悪の心を抱かない訳ないでしょ」ハハハ

白井「…………、」ムゥ・・・


白井さんも悩んでいる様子。


結標「……ま、でもそれもちょっと薄れちゃったんだけどね。此処に居る馬鹿ップル2人の所為で」チラッ・・・ジトー・・・

音無「い、いや、俺見るなよ……なぁ」ポリポリ・・・

立華「別に。私達、悪い事した訳じゃないから」コクッ・・・

固法「……何をなさったんですか?」チラッ・・・

音無「いや、その……そういうのの為だけに戦うのは、悲しいだろって」ムゥ・・・

立華「宛ら、亡霊だったもの。皆ね」フフッ・・・

結標「くっ……言ってくれるじゃない」アハハ・・・


良かった……此処には『救い』があったのか。道理で結標さんは最愛程すれてない訳だ。


立華「でも、私も彼女達に救われた。これも事実」コクッ・・・

音無「まぁ最初は敵だったからな……ただ、アレは目的をハッキリ言わなかった奏が悪いんだぞ」チラッ・・・

立華「……反省してるわ」ポリポリ・・・

結標「イチャつくな馬鹿共……兎角私達はそういう境遇の人間を受け入れ続けるわ。勿論それ以外にもウェルカムね」コクッ・・・


『被害者の会』みたいなモノか。別に悪くは無いと思うが……武装している以外は。




639第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 01:25:42.252btBrYgd0 (3/12)

全員がこの話題はもう良いだろうと思っている中、未だ一人微妙な顔をしている白井さん。まだ納得しないのか。


白井「……でも」ムゥ・・・

結標「白井さん……分かって頂戴。みんな、貴女みたいに強い訳じゃないの」スッ・・・

白井「そんな、事……私だって、まだまだですわ」フイッ・・・

結標「いいえ。貴女は私の中では屈指のレベルの強さよ……能力的にも、精神的にもね」テクテク・・・


淡希さんは白井さんを認める。だけど、白井さんは淡希さんを認めない。


白井「……今居る仲間を救う為に、研究所などを強襲した事は?」ジー・・・

結標「さぁ。有るかもしれないし、無いかもしれない。でも、もししていたとしても悔いは無いわ」フフッ

白井「犯罪でも?」ジー・・・

結標「糞喰らえよ。法が全てじゃないわ……あぁ正式な手順を追って如何こうしろって事?」フーン・・・

直井「例えば、それが理事会直轄の研究施設だったら如何します? 正式な手順を踏んも突っ撥ねられるだけです」ジー・・・

結標「白井さん……この街は、腐ってるわ。全てとは言わない。でも大半の科学者は外道を行ってる」テクテク・・・

香焼「だから……必要悪」ボソッ・・・

結標「ふふっ。流石香焼くん。良い事言うじゃない」ニヤリ・・・


しかし……それは私(わたくし)でするものじゃない。


結標「……でも、例えどんな場合でも、貴女は私の敵になるのでしょうね」ハァ・・・

白井「…………、」コクッ・・・

結標「ええ……それで良いわ。それでこそ私の理解者(好敵手)。真っ直ぐだけを行く人が居なきゃね」フフフッ

姫神「……馬鹿淡希」ジトー・・・


その笑みは……『最後』に、裁いてくれる人がいるという安心感か。


結標「安心して。行動を起す時は何らかの形で宣戦布告するから。全力で止めてみせなさい」ジー・・・

白井「無論ですわ」ジー・・・

結標「ふふふっ……あ、でもそれ以外では仲良くしましょうよー。ガミガミし合うのは好きじゃないもの」クスクス・・・

白井「……お断りしますの」ケッ・・・

結標「じゃあ……偶に模擬戦の相手するくらいなら?」ニヤリ・・・

白井「……場所と使用武器によっては、考えますの」フンッ・・・

結標「さっすがぁ♪」ハハハ


これも一種の『愛』の形なのかもしれない……相当歪んでるけど。とりあえず一件落着か。




640第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 01:59:15.612btBrYgd0 (4/12)

 ――一方その頃、街中にて・・・・・



  ざわざわ・・・ガヤガヤ・・・・・



御坂「…………、」ジー・・・

一方通行「…………、」グデェ・・・

御坂「……だあああああああぁっ!!」ビリビリビリビリッ!!

一方通行「うっせェボケェ!! 叫ぶなド阿呆!!」ウガー!

御坂「だって場所分かんないんだもんっ!!」ウギギィ・・・

一方通行「馬鹿。バカ。ばーか」ジトー・・・

御坂「喧しい! てかアンタも結標淡希探しに出て来たんでしょ! 何で居場所知らないのよ!」ギロッ・・・

一方通行「知らねェから探し歩いてたンだろ駄阿呆が」ケッ・・・

御坂「つっかえない! ホント使えないわねっ」チッ・・・

一方通行「お、ま……ホント良い性格してるわァ。姉妹揃ってそっくりだぜ」ジトー・・・

御坂「褒め言葉として受け取っといてやるわよ……てかホントに何処居るのよぉ」ウウゥ・・・

一方通行「だから知らねっつってンだろォが……帰って良いか?」ハァ・・・

御坂「逃げたら殺す。物理的にじゃなくて社会的に殺す」キッ・・・

一方通行「外道。マジ外郎……てかその前にテメェ殺すぞ糞女(アマ)」ジトー・・・

御坂「……ふんっ!!」ガシッ!!

一方通行「ちょ、オマ!? 何でチョーカー掴んでンだ!?」ギョッ・・・

御坂「打ち止めから聞いたわ。不意打ちしてコレ、握りればあの人一発! って……ね!」フッハッハッハッ!!

一方通行「糞ガキいいいいいィっ!!」ウギャー!!

御坂「ねぇ……コレ、握り潰して良い? もしくは電撃流してショートさせても良い?」ニヤリ・・・

一方通行「…………、」ダラダラ・・・

御坂「良いから黙って言う事聞きなさい! じゃなきゃ……ふふふっ」ジトー・・・

一方通行「……オメェ碌な死に方しねェよ」ハァ・・・

御坂「何言っても無駄よ。さ、行くわよ」グイッ!

一方通行「オマっ!? 犬のリードみてェに引っ張ンじゃねぐぼォっ!!」グエッ・・・

御坂「なーにー? 聞こえなーい」ズルズル・・・






浜面「ん? アレ、第一位と第三位じゃね?」ジー・・・

滝壺「……お忍びデート?」キョトン・・・

浜面「にしては堂々と主従プレイしてるみたいだけど……って、滝壺さん? 何写メってんの?」タラー・・・

滝壺「『第一位と第三位の秘密の関係激写なぅ』……OK。ツブヤイッターに上げたよ」ニヤリ・・・

浜面「……知ーらね」タラー・・・




641第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 02:22:36.082btBrYgd0 (5/12)


 パッパー・・・ブーン・・・ブロロロォ・・・ガヤガヤ・・・・・


御坂「……んで? 私達は如何すりゃ良いのよ」チラッ・・・

一方通行「だからそれを俺に聞くなっつゥの!」ウガー!

御坂「何か案出しなさいよ! 第1位でしょ! 超能力者(レベル5)でしょう! 天才なんでしょ!」ギロッ・・・

一方通行「テメェだって超能力者だろォが! ハァもゥ……何でテメェと漫才やンなきゃなンねェンだよ」グデェ・・・

御坂「まったく、我儘ね……あ、そうだ。初春さんに電話しよう」Pi!

一方通行「鼻っからそうしとけっつの」タラー・・・

御坂「……あ、もしもし。初春さん」Prrrr・・・・

初春『うわぁやっぱり掛ってきちゃいました』Pi!

御坂「何それ?」ジトー・・・

初春『い、いえ……それで、何ですか?』タラー・・・

御坂「結標淡希の居場所教えて」サラッ・・・

初春『駄目です』キッパリ!

御坂「何でよ!」ジトー・・・

初春『非常事態があるまで待機でしょう! 忘れたんですか?』ハァ・・・

御坂「きっと非常事態よ! 全然連絡来ないもの!」フンッ・・・

初春『……先程連絡着ました。無事、会談中だそうですよ』ヤレヤレ・・・

御坂「うぇ?!」ギョッ・・・

初春『この調子だと何事も無く帰れそう、だとか……つまりお疲れ様でした、御坂さん。さっさと帰って来て下さいね』フフッ

御坂「ぐっ……まだだ! まだ終わらないわ! 物語は最後の最後まで何があるか分からないモノなのよ!」キリッ!

初春『(面倒臭ぇ)……じゃあ第一位さんだけでも戻して下さい。打ち止めちゃんが騒いでます』ミサカハミサカモミサカッテミサカネ!

御坂「駄目よ」ムゥ・・・

初春『え?』ポカーン・・・

御坂「今手ぇ放したら絶対仕返しされるから」チラッ・・・

一方通行「分かってンなら最初っからすンじゃねェ!!」ギロッ・・・

初春『ええっと……じゃあもう2人で戻ってくれば良いんじゃないですかねぇ! 仲良くお手々繋いで!』ンモー!

御坂「だから駄目なのよ! 黒子立がピンチなんでしょ!」ムンッ

初春『うわぁこの人話聞いてないです……もぅ責任取りませんよ』グデェ・・・

御坂「さっすがぁ♪」ニパー!

一方通行「オイ馬鹿やめろ。言うンじゃねェ!」ダラダラ・・・

初春『場所は三沢塾の―――』Pi!

御坂「OK! 把握したわ! 行くわよ忠犬鈴科号! 場所は三沢塾!! 此処から近いわ!」ダダダダッ!

一方通行「だから引っ張るなああああああァ!!」アbbbbbbbb・・・・




初春「―――○○通り分校、舎……って、切っちゃった……ま、多分本校ビル行っちゃうけど皆さんの邪魔にならないなら良っか」ハハハ・・・

打ち止め「ねーえー! 御姉様とあの人はまだ帰って来ないのー!? ってミサカはミサカは騒いでみるー!」ジタバタッ!

初春「うーん……2人は……ランデブー? してますよ」ハハハ

打ち止め「ほぁあああああああぁっ!!?」 Σ(( ゚д゚))"!!?




642第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 02:41:30.832btBrYgd0 (6/12)

 ―――とある翌々日、PM05:00、学園都市第7学区、とある大通り、旧三沢塾分校舎内・・・・・







一つ目の用件が思いの外長引いてしまった為、一度休憩を挟んで、僕達の用件に移る。

因みに、白井さんはもう興味無しといった風で、呑気に紅茶を啜っていた。他のメンバーさんも身内話という事で空気を呼んで捌けている。
ただ固法さんは『中立』という立場で間に入る様だ。淡希さんの言い分次第だろう。


結標「さて、と……貴方達の方は……まぁ予想はついてるわよ。再三電話掛けて来てたしね」フフッ

姫神「なら。何故出ないの?」ジトー・・・

結標「……さぁ」ボー・・・


先程とは一転、アンニュイな表情。


香焼「……淡希さん、何故黙って出て行ったんすか?」ジー・・・

結標「黙ってじゃないわ。書き置きしたもの」チラッ・・・

香焼「詭弁っす。それだけじゃ貴女は月詠さんに筋を通した事にならない」フイッ・・・

結標「…………、」ジー・・・

姫神「直接顔を合わせて。別れを告げるのが寂しいからなんて。腑抜けた事。抜かさないで」ギロッ・・・

結標「……悪い?」ボー・・・

姫神「っ……馬鹿な事を」ジー・・・


自分可愛さに月詠さんを泣かせた、か。


香焼「……如何して?」ジー・・・

結標「色々あったのよ……分かってとは言わないわ」ボー・・・

香焼「月詠さんが嫌いになったとか、オンボロには住みたくないとか――」

結標「冗談ッ!!」バッ・・・

香焼「――……、」ピタッ・・・

結標「っ……違う。そうじゃない……冗談でも、小萌は嫌いになれない」フイッ・・・


真剣。


結標「ゴメン……兎に角、引き戻そうって考えなら無駄――」

姫神「……土御門くん」ジー・・・

結標「――……なっ!?」ギョッ・・・

香焼「……やっぱり」ハァ・・・


あの道化師め……後でカオリ姉さんに『犯人はやっぱ身内でした』と電話しよう。




643第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 03:13:47.312btBrYgd0 (7/12)

固まる淡希さんへ追い打ちを掛ける様に、姫神さんは続けた。


姫神「何を。言われた?」ジー・・・

結標「い……べ……つ、に」タラー・・・

姫神「『いつまで居候やってんだ? 先生に迷惑掛けんじゃねぇ、この糞女!』……そんな。感じ?」ジー・・・

結標「っ……、」タラー・・・

姫神「しかも言われたのは。先生が風邪を引いた日。もしくは。その前後……違う?」ジー・・・

結標「ちが、ぅ……わ」フルフル・・・


明らかに動揺している。


姫神「違わない。だって。私と彼が。貴女について話をしたのが。その日前後」ジー・・・

結標「そ、な……ち、違うわよ! 私は私の意志で!」バッ!

姫神「……そう」ジトー・・・


冷ややかな目を向ける姫神さん。あくまで冷静だが……内心、彼女と土御門に対する怒りでいっぱいだろう。


姫神「じゃあ。何故。出て行ったのか。『色々』とか『訳アリで』とか。曖昧な事言って誤魔化さず。答えて」ジー・・・

結標「っ……そ、れは」タラー・・・

姫神「……何?」ジー・・・

結標「私が……寄生虫で……ぐぅたらで……迷惑しか、掛けないから」シュン・・・

姫神「…………、」ピキッ・・・

結標「私は……小萌に何もしてあげられないのに、邪魔ばっかして、害になってて……それで……っ」ジー・・・

姫神「貴女の……意思じゃない」ギリリ・・・


そう……それは土御門の押し付け。


姫神「あの人が。見返りを求める様な人に。見える? だったら。貴女の目は。伽藍の粉いモノ」ジー・・・

結標「……でも!」グッ・・・

姫神「ハァ……呆れる」ジトー・・・


僕に目線を振る姫神さん。まったくもって同意見だから、何も言う事が無いのだが。


白井「……バカバカしい」フンッ・・・

結標「っ……貴女は、関係無いでしょう」ギロッ・・・

白井「ええ、実に如何でも良い。茶番にすら思えますの」テクテク・・・ガチャッ・・・


カップを持ったまま、他のメンバーさん達が居る職員室へ退出しようとする白井さん。


白井「……貴女は、やっぱり変わってない。愚痴愚痴グチグチと逃げてばかり」フンッ・・・

結標「っ」グッ・・・

白井「そんな姿じゃ、誰も連いて来ませんわよ……自称カリスマさん」ガチャッ・・・テクテク・・・


言うだけ言って消えて行った……辛辣だが、彼女の言う事も正しい。




644第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 03:39:47.702btBrYgd0 (8/12)

暫く無言だった。いや、この無言こそ全て。
口に出さずとも既に淡希さんの本音は分かっている。本当は、まだ月詠さんと一緒に居たいのだ。
だけど彼女は人に流され易い。そのくせ頑固だから性質が悪い。しかし自由人。でも人を引き付けるチカラは持ってる。

よくよく考えればかなり厄介な性格だな。


固法「……ねぇ結標さん」チラッ・・・

結標「…………、」ジー・・・

固法「此処は、アナタにとってどんな場所?」ジー・・・

結標「……え」キョトン・・・

固法「人を使えて気楽? それともリーダーとして重責を課せられる?」ジー・・・

結標「……分かんないわよ」ムゥ・・・

固法「何でもいい。教えて」コクッ・・・


一寸悩み、答える。


結標「……大変だけど、楽しいわ」ジー・・・

固法「そう。じゃあ、香焼くんの家は?」チラッ・・・

香焼「え?」キョトン・・・

結標「……カオスってるけど、面白いわね」フッ・・・

固法「ええ。私もそう思うわ」フフッ


まぁ確かに……家主としては些か忙しいけど。


固法「それじゃあ……月詠先生の家は?」ジー・・・

結標「っ」ピタッ・・・

固法「貴女にとって、どんな場所?」コクッ・・・

結標「……言わせ、ないで」グッ・・・

固法「言わなきゃダメ」ジー・・・

結標「っ……言えない」ギリリ・・・


悲痛の表情。言葉にする事で、決心が揺らぐのが怖いのだろう。


固法「……十分よ。通じたわ」コクッ・・・

結標「…………、」ジー・・・

固法「結標さん。貴女が……自分が自分で居られる場所は、何処に在る?」ジー・・・

結標「自分が、自分で?」キョトン・・・

固法「うん。貴女の『居場所』よ……勿論、一つとは限らないわ」フフッ

結標「…………、」ジー・・・


それが、此処であり(何故か)僕の家であり……そして月詠さんの家か。




645第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 04:04:54.962btBrYgd0 (9/12)

固法さんは微笑み、告げる。彼女は強要しない。


固法「貴女の葛藤は理性的なモノよ。人の為を思っての事。貴女がそれを正しいと思うなら反論しない」コクッ・・・

結標「…………、」ジー・・・

固法「でも、我慢するのはきっと辛いわ……居場所があるなら、そこに帰りなさい。幸い、貴女には沢山帰る場所がある」フフッ

結標「……でも」ムゥ・・・

固法「ずっと居ろなんて言わない。でも偶に、遊びに行ってみたら? そのくらいなら良いんじゃないかしら」コクッ・・・


成程。一時だけでも、か……徐々に心を戻そうという作戦らしい。


結標「……っ」グッ・・・

固法「駄目かしら? これなら月詠先生が困る訳じゃないし、逆に教え子が遊びに来てくれた感覚で嬉しいんじゃないかな」コクッ・・・

結標「で、も……っ……駄目」フルフル・・・

固法「……そう」ハァ・・・


そこまで、怖いか。何を恐れている。


結標「これは……私の我儘なのよ。その方が、小萌は助かるのよ!」ギッ・・・

姫神「憐れな女……どうせ。彼が言った口八丁の。善意紛いに騙されて。意固地になってる」ジー・・・

結標「違う! 私の意志よ! 私がそうしたいからそうしたの……だから私は此処に居るのよ!」ギリッ・・・

香焼「……淡希さん」ジー・・・

姫神「チッ……じゃあ。もういい。せめて。小萌先生に。謝罪して。今回の件でまた。心労掛けてる」ジトー・・・

結標「っ……手紙、送るから……もう良いでしょう」シュン・・・

香焼・姫神・固法「「「…………、」」」ハァ・・・


もう、何を言っても無駄か。
皮肉だが、流石陰陽博士……『呪い』の扱いは一級品だな。あのグラサン道化師め。

一度時間を置いた方が良いのではと固法さんと視線を合わせる。しかし、姫神さんは合わせない。


姫神「そう。分かった……じゃあ。私も我儘を言う」ジー・・・

香焼・固法・結標「「「え」」」キョトン・・・

姫神「首輪付けて。縄で縛って。気絶させて。引き吊ってでも。連れて帰る。今日は元々。そのつもりで来た」ジー・・・

香焼・固法「「なっ!?」」ギョッ・・・


場が凍る。温厚に見える姫神さんからそんな台詞が出るなんて、誰も思いもしなかった。


結標「あ、アンタ……何言ってんのよ?」タラー・・・

姫神「……もう一度。言わなきゃ駄目? 貴女を。小萌先生の家に。連れ帰るって。言った」ジー・・・

結標「あ、秋沙が……は、はははは。い、いやぁ……面白い冗談ね」タラー・・・

姫神「……冗談。じゃない」ガシッ

香焼「え」ビクッ・・・


何故、僕の肩を掴んでいるのでせうか?




646第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 04:34:00.032btBrYgd0 (10/12)

至って真面目な姫神さん。乾いた苦笑を浮かべる淡希さん。今の状況に戸惑う固法さん。
そして、何故か……淡希さんの方に押し出された僕。何これ?


姫神「淡希」ジトー・・・

結標「な、何よ」ジー・・・

姫神「決闘」ジトー・・・

香焼・固法・結標「「「はぁ!?」」」ポカーン・・・


その一言と同時に、扉から、窓から、天井から、床下から、戸棚から……色んな所からメンバーさん達が身を乗り出してきた。
『おい、決闘だってよ!』とか『あわきんと!? 無茶だぜ!』とか『はい倍率は、あわきん<9:1>黒髪嬢ちゃん、だぞ!』とか聞こえる。


結標「ちょ、ちょっと……いやいやいや……アンタ、何言ってるか分かってんの?」タラー・・・

姫神「勿論。小萌先生の為。だから」キリッ・・・

結標「……勝負にならないわよ。アンタ、弱いじゃん」ハァ・・・

香焼「そ、そうっすよ。淡希さん、希少能力者とはいえ戦闘向きじゃないんすから」ハラハラ・・・

固法「えっと、何か格闘技でもやってるからそんな豪語するのかしら」タラー・・・

姫神「……私は。ズブの素人」ムンッ・・・

香焼「いやいや。威張る所じゃないっすよ」ハァ・・・

結標「ったく……冗談言わないでよ……とりあえず、帰りなさい。あと、間違っても小萌連れて来ないでよ。門前払いに―――」

姫神「誰が。私が相手するなんて。言った?」ジー・・・

結標「―――したく、な……へ?」キョトン・・・


嫌な予感しかしない。


姫神「ん」グイッ・・・


僕を突き出す……一同、再び、唖然。


香焼「な……なんでさああああぁっ!!?」ギョッ・・・

結標「……横暴だわ」タラー・・・

固法「ひ、姫神さん。流石にそれは」タラー・・・

香焼「ちょ、姫神さん! 何でこんな事を!?」ダラダラ・・・

姫神「戦いなさい。先生の為。私達の為……そして。淡希の為に」ジー・・・


土御門の『呪い』と、戦えという事か。


香焼「え……ぅ……えっと……い、いやでも、やっぱりそういうのは」チラッ・・・

結標「……良いわ。受けて立つ」ジー・・・

香焼「ほら、淡希さんだってこう言ってまぁあんだって?」ハッ!?

結標「……秋沙。後悔するんじゃないわよ」フンッ・・・

姫神「吠えてなさい」フンッ・・・

香焼「うぇ!? お、ちょ!? ぐっ……あーめん!」キョロキョロ・・・オドオド・・・ウワーン!


周りを見るも……助けが居ない。もう皆勝手に盛り上がってる。
白井さんは『やっぱ茶番ですの』とか如何でも良さそうにそっぽ向いてるし、固法さんは苦笑してお手上げのジェスチャーしてるし。

こうして『決闘』とかいう馬鹿な流れになってしまった……―――




647SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/15(木) 04:42:34.06fA8G9b4Wo (1/2)

ちょっと昔の雰囲気に戻ってうれしいでござる
投稿中失礼


648第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 05:12:19.992btBrYgd0 (11/12)

 ――一方その頃、三沢塾本校ビルにて・・・・・


  シーン・・・・・


御坂「……やけに静かね」キョロキョロ・・・

一方通行「いや、お前今普通に不法侵入してっかンな。一応売りビルだかンな、此処」タラー・・・

御坂「ビビってんじゃないわよ。女のくせに」ジトー・・・

一方通行「テメェの目と耳は節穴ですかァ?! 今更俺の事女扱いしてンのは初期段階で女性設定してるSSくらいだっつの!」ウガー!

御坂「訳分かんない事ばっか言わないの。安心なさい。電子ロック解除すんのと共に、電脳ハックして監視カメラ止めてるから」テクテク・・・

一方通行「能力の無駄遣い! 電脳ハック? それ何て公安Q課!? それとも○モイカネ!?」ハァ!?

御坂「オモイ●ネとか言わないの。年齢がばれるわよ……あ、メガ◎ンもそうか」フムフム・・・

一方通行「いやツッコめよ! それこそ何訳分かンない事言ってンのよ、とか、メタい事言わないで、とか言うモンだろォが!」ギャーギャー!

御坂「はいはい、五月蠅い五月蠅い……しかし、こうも広いと探すの疲れるわね。二手に分かれ……ちゃ駄目ね」フム・・・

一方通行「チッ。帰ろうと思ったのによォ……何でテメェそういう無駄なとこだけ頭切れンだ?」ハァ・・・

御坂「とりあえず悪者は高いとこか低いとこに居るものよね……どっちだと思う?」チラッ・・・

一方通行「話聞いてねェし」チッ・・・

御坂「会話の一方通行ね……誰が上手い事言えなんつった!」グイッ!!

一方通行「ンもォどォでも良ィですよォ……マジ面倒臭ェ女。あと一々興奮してチェーカー引っ張ンなよォ」グデェ・・・

御坂「あ、ごめん。さて……真面目に如何する?」ジー・・・

一方通行「ハァ……監視カメラジャック出来ンなら見付けられるンじゃねェのか?」ヤレヤレ・・・

御坂「その手があったか。流石私」テクテク・・・

一方通行「……後で、有る事無い事三下に話しとこう」ジトー・・・

  Pipppp・・・ウォン・・・・・


???『―――……ぃ……ントに……―――ばれな…………また……勘弁―――』ggg・・・

???『――……丈夫だ……――――――……此処から…………れば……―――いに、ナパー・弾が……―――』ggg・・・

???『――――――が、結社は…………薬も手に……―――れで理・会相手……ぅ渉…………――易い』ggg・・・


     Pi!

御坂「何か、映ったわね……黒尽くめの集団。30~40人くらいかしら? 明から様に悪者ですよ的な連中ね。武器持ってるし」ジー・・・

一方通行「……なァ。今のって絶対ェ結標と関係無――」タラー・・・

御坂「絶っっっ対に! 結標淡希と悪の一味よね!」キラキラキラ・・・

一方通行「――ェ……えー」ジトー・・・

御坂「行くわよ! やっぱ予想通り結構上の階だったわ! 殲滅よ、殲滅! あ、でもまず優先は人質4人の救出よ」コクッ・・・

一方通行「おま……マジな顔して……本気で、それ、言ってンのか?」ダラダラ・・・

御坂「当たり前でしょ! こっから先は真剣勝負よ……手も放してあげるわ。真面目に付き合いなさい……でも、殺しは駄目よ」ジー・・・

一方通行「マジボケ程面倒なモンは無ェ。そン時の俺はそう思った」ボー・・・

御坂「何現実逃避してんのよ! 完っ璧銃とか爆弾とかロケット弾持ってたでしょう! 討伐対象じゃない!」グッ・・・

一方通行「……結標は?」タラー・・・

御坂「だーかーらー! きっと結標淡希は特別席みたいなとこに坐してワイングラス片手にニヤニヤしてんでるのよ!」フンッ・・・

一方通行「どンな悪役イメージだっつの……あ、でも結標なら想像付く」タラー・・・

御坂「御託は此処までよ……さぁ、行きましょう! レッツパアァリイイイィッ!!」バッ!!

一方通行「……あァ糞ったれェ! 何で姉妹揃って暴走ン面倒見なきゃなンねェんだよおおおォ!!」ウガアアァッ!! カチッ・・・ブンッ!!


649VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/15(木) 05:19:43.652btBrYgd0 (12/12)

うい、此処まで……余談だけど『原石』ってゲッター線とかNTとか、何かそんな感じのイメージがする。
というか、見直してみると独自解釈凄ぇなぁと大反省。黒子とあわきんが、アムロとシャア的なノリになってた……だから行間で憂さ晴らし!

次だけど『決闘』は如何しよう。黒子の戦闘も見たいですか? 香焼だけで良い?
ぶっちゃけあんまり戦闘描写自信無いんだよね……あ、一番自信無いのはエッチ描写。だって書いた事ないもん☆


兎に角、寝ます! おやすみ!ノシ”




650SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/15(木) 05:36:17.68fA8G9b4Wo (2/2)


一方通行がキャラ崩壊しているがそれは気にしないでおく


651SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/15(木) 09:10:09.49vK9ZdyDDO (1/1)

>>エッチ描写

(;゚Д゚)え?








( ;゚ Д ゚ ) え?


652SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/15(木) 09:37:47.59AvXPYQk0o (1/1)


行間もさりげに陰謀の影が見え隠れしてるなww


653SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/15(木) 14:13:26.17TGl3XnNDO (1/1)

乙! あわきんと黒子と姫神のNT的なアレ把握ww あと美琴ちゃんと一通さんがイキイキしていて何よりですww

決闘は香焼だけで良いよー


そういえば、これでやっと、あわきんアフター出来ますね! 寝落ち待ってますよ ^^


654SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/15(木) 17:25:12.10Nl75YTiIO (1/2)

エロを書かずにして上達は望めないと思うの

まあどうしても無理ならあわきんかミコっちゃんのラッキースケベでも可


655SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/15(木) 19:46:50.59ebw/oa6AO (1/1)

でも土御門が正しいよね


656VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/15(木) 19:58:14.51ToD0hfgC0 (1/9)

こんばんわ。みんなスケベだねぇw


・キャラ崩壊は仕様です! 特に超能力者は人格破綻します★

・確かに土御門が正しいです。でも皆が皆それで納得しませんから・・・


そんじゃボチボチ投下!




657第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 20:34:13.95ToD0hfgC0 (2/9)

 ―――とある翌々日、PM05:30、学園都市第7学区、とある大通り、旧三沢塾分校舎横・おんぼろ屋内テニスコート・・・・・







成り行きで、トンデモない展開になってしまった。

僕は戸惑う間もなく淡希さん他一同に、旧分校の横に在る都市営のテニスコートに案内された。
そこはテニスコートが二つ分しかなく、外装内装共にボロボロ、おまけに管理人すら居ないときている。


白井「……此処は、運営していますの?」キョロキョロ・・・

直井「一応。ただ最早理事会の管理から離れていますよ。多分、忘れ去られているのでしょう」コクッ・・・

岩沢「都市創設当初からある建物らしいからね。立地も微妙な所だし、買い手もいない」ハハハ


入口のガラスは無残にも壊されている。警備システムすら作動しないのか。


松下「俺らが破った訳じゃないさ。とうの昔からこうだったみたいだぞ。因みに、監視カメラすら動いてないらしい」ジー・・・

固法「……それで、運営してるっていうの」タラー・・・

結標「利用する為の券売機だけ生きてるわ。まぁ何処に提出する訳でもないけど」テクテク・・・


しかし、律義に団体券を買う淡希さん。それを窓口にチョコンと置いた。
よくよく見ると何枚か溜まって山になっている。使用する時は一々お代を払ってるのか。偉いな。


姫神「守銭奴の淡希が。よくもまぁ。御利口に」ジトー・・・

結標「うっさい。あ、竹山君。今の経費で出してね。2000円よ」チラッ

竹山「分かっていますよ」ヤレヤレ・・・

結標「やっぱ。守銭奴」ハァ・・・


さておき、全員で奥へ進む。そこにはテニスコート……というより、網が張ってないので多目的ホールの様な場所が広がっていた。


姫神「……此処で。決闘?」チラッ・・・

結標「そうよ」コクッ・・・

香焼「……テニス勝負で」タラー・・・

結標・姫神「「馬鹿じゃないの?」」ジトー・・・


馬鹿は貴女達だ畜生! 何で決闘……というより、喧嘩なんかするんだ。しかも僕が代理っておかしいですよ?


姫神「私。非戦闘員」ムンッ

香焼「だから威張らないで下さいって……ねぇ淡希さん。やっぱり止めましょうよ」チラッ・・・

結標「香焼くん。私、貴方のそういうウジウジしたところ、嫌いよ」ポンッ・・・

香焼「くぅ……固法さん、白井さん」チラッ・・・

白井「御勝手に」シレッ・・・

固法「あはは……大怪我しない程度にね」タラー・・・


何でこう、僕の周りは女性の方が物騒なの? 




658第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 21:09:01.56ToD0hfgC0 (3/9)

それから色々言い訳したのだが、決闘する流れからは逃れられなかった。
というか、決闘って何を如何するきなのだ?


結標「キチンとルールくらい決めるわよ。殺試合にするつもりはないもの……でしょ? 秋沙」チラッ・・・

姫神「当たり前」コクッ・・・

香焼「でも……それならテニスとかスポーツでも」ウーン・・・

結標「駄目よ。私テニス出来ないもの」キッパリ・・・


近くにテニスコートがあって、しかも常連のくせにそれを抜かしますか?


結標「それじゃあルールだけど……―――」


・能力(魔術)の使用はOK
・銃の使用はNG
・屋内コート内:縦30m×横30m×高約20m、は全て使用可能
・相手が気絶、または戦意喪失により戦闘続行不可となった場合に勝敗決定


結標「―――こんな感じでOK?」チラッ・・・

白井「殺しもNGですの。貴女なら能力次第で如何とでも人を殺せるでしょうに」ジトー・・・

結標「そのくらい分かってるわ。審判は……直井君と椎名、あと白井さん。頼めるかしら」ジー・・・

直井・椎名「「…………、」」コクッ・・・

白井「私? 先輩の方が良いのでは?」キョトン・・・

結標「駄目よ……ソイツ、多分少し血が出たくらいで止めるでしょう」チラッ・・・

固法「流血沙汰になるくらいなら最初からさせません」キッパリ・・・

結標「……ほら」フゥ・・・


いや、僕も固法さんと同意見なんだけど。


白井「……そうですね。骨折くらいまでは見逃しますわ」コクッ・・・

香焼・固法「「白井さん!?」」ギョッ・・・

結標「さっすが話が分かるわね♪ そんじゃあこのルールで決定よ」フフッ・・・

直井「それでは10分後、開始としよう。ギャラリーは二階に上がれ。2人は準備を」コクッ・・・

姫神「私。彼のセコンドに入るから。一緒に下に居る」チラッ・・・

香焼「姫神さん!?」ギョッ・・・

姫神「代理させといて。オズオズ隠れたり。しない」ジー・・・

結標「ふふっ。流石良い根性してるわね。じゃあ私は……奏。セコンドお願い」チラッ・・・

立華「……了解」コクッ・・・


こうして、本格的に戦う羽目になった……一体如何しろっていうんだよ。




659第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 21:37:43.54ToD0hfgC0 (4/9)

互いに広いリングサイドの対角で、決闘の準備をする。
ルール通り、戦意喪失したら負けという時点で既に僕は負けているのだが……それを言うと姫神さんが静かに怒る。


姫神「……上条くんは。男女平等に。殴る」ジトー・・・

香焼「上条さんと比べないで下さい! 自分は彼ほど強くないっす」タラー・・・

姫神「魔術師のくせに?」ジー・・・

香焼「ハァ……いや、貴女が見てきた魔術師が強すぎるだけっすよ」タラー・・・


土御門にステイル、オリアナさん、そして稀代の狂人錬金術師:アウレオルス=イザード。誰も彼も『天才』以上の魔術師だ。
それに比べたら僕は……オケラ程度。


姫神「……でも。魔術師は。能力者相手に。優位。違う?」ジー・・・

香焼「それはまぁ秘匿性の問題上、優位っすけど」ウーン・・・

姫神「なら。問題無い。勝ちなさい」ジー・・・

香焼「無茶苦茶な……いや、そう問題じゃなくて」タラー・・・

姫神「理由が無ければ。戦えない。と? なら。さっきも言った通り。小萌先生と。淡希の為に。戦いなさい」コクッ・・・

香焼「だからって、争わなくても」ムゥ・・・

姫神「女みたいなヤツ……あの子はもう。言葉じゃ分からない」ジー・・・


対角サイドで、立華さんと何やら相談してる淡希さんを見遣る。


姫神「目を。覚まさせてやりなさい」チラッ・・・

香焼「……ハァ」タラー・・・


一寸、悩んだ末……携帯を取り出す。


香焼「ちょっと待ってて下さい……――」Pi!

姫神「電話?」キョトン・・・

香焼「―――……あ、夜分遅くすいません。任務お疲れ様っす」Prrrr・・・・

神裂『いえ、先程終えた会議が終わったところです……如何しました』Pi!


メキシコで任務中の姉さんに電話。時差的に今は……午前1時半くらいだろう。


香焼「先程メールで送った通り……淡希さんを見つけました」コクッ・・・

神裂『ええ、読みました。やはり土御門の所為でしたね……安心して下さい。此方は私と上条当麻で「お話」しましたから』ニヤリ・・・

香焼「ありがとうございます。それで実は……―――」


 少年説明中.....


香焼「―――……という状況で」ハァ・・・

神裂『ふむ……では、吸血殺し(ディープブラッド)……いえ、姫神さんに替わって下さい』ジー・・・

香焼「え?」キョトン・・・

神裂『お願いします』コクッ・・・


よく分からないが、言われた通り姫神さんに携帯を渡した。




660第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 21:59:20.96ToD0hfgC0 (5/9)

姫神さんも、何故自分に電話を渡されるのかと戸惑った様子を見せたが、姉からだと伝えるとすぐに電話に出た。


姫神「もしもし」Pi!

神裂『こんばんは、姫神秋沙。この度は土御門が馬鹿な真似をして申し訳ありません』ペコッ

姫神「……いえ。彼も色々考えての事だと。思う」ハァ・・・

神裂『ええ。だけど……誰が如何見ても余計な事でしたね』フゥ・・・

姫神「そして。あの子はそれを。真に受け過ぎた」コクッ・・・

神裂『……決闘、ですか』ジー・・・

姫神「あの子を。土御門くんの呪縛から。救う為」ジー・・・

神裂『……そう』フム・・・


探せば、他の手段がある筈。


姫神「無理。あの子は。一度方針を決めたら。成功するか。大失敗するまで。止まらない性格」ジー・・・

神裂『…………、』ムゥ・・・

姫神「弟さん。借りる」ジー・・・

神裂『……香焼に、戻して下さい』ハァ・・・


再度電話を替わる。


香焼「……もしもし」コクッ・・・

神裂『香焼……自分では決められないから、私に電話したのですね』ジー・・・

香焼「……ごめんなさい」コクッ・・・

神裂『まぁ仕方ありません。貴方は意味も無く人を、ましてや女性を殴れないでしょうから……でもね、香焼』ジー・・・

香焼「…………、」ジー・・・

神裂『貴方は課せられているのですよ……これが、一種の「試練」でしょうね』コクッ・・・


試練?


神裂『無論、救心や希望を背負っているという意味もあります。しかし、貴方がこの先進む道には同じ様な選択肢が多々現れるでしょう』

香焼「如何いう事っすか」タラー・・・

神裂『絹旗さんを救うには、この道を避けられません』キッパリ・・・


頭の中に衝撃が走った。


神裂『彼女と結標さんを比べるのは些か失礼ですが……それでも彼女の場合は、最悪、殺し合いになるでしょう』コクッ・・・

香焼「…………、」グッ・・・

神裂『傷付ける勇気を持ちなさい。無論、殺しではありませんよ。必要最小限の攻撃で、相手を助けなさい』ジー・・・


やらなきゃ……駄目か。


神裂『では、香焼……女教皇(プリエステス)として命令です―――』


彼女を、救え。




661第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 22:29:20.46ToD0hfgC0 (6/9)

 ―――一方その頃、旧三沢塾本校ビルにて・・・・・



 ズガーン! ドゴーン! バゴーン! ズババババッ!!



黒尽くめA「て、敵襲ううううぅ!! 敵が来たぞおおおおぉ!!」ウワアアアァ!!

黒尽くめB「なんだとっ!? この計画……『炸裂★ナパームパーティー!』プロジェクトがばれる筈は無いのに!!?」ギョッ・・・

黒尽くめC「チィ! 敵は何人だ!? 風紀委員か!? それとも警備員!? まさか暗部じゃあるまい!」ダラダラ・・・

黒尽くめD「敵の数は……なん……だと……っ?!」タラー・・・

黒尽くめB「如何した!? そんなに数が多いっていうのか!? 私達の人数を越える人員を今都市は割けない筈なのに!!?」グッ・・・

黒尽くめD「下っ端の報告によると……ふ、2人」ボソッ・・・

黒尽くめ's『ハァ!?』ポカーン・・・

黒尽くめC「か、監視カメラは如何した!? 何故侵入に気付けない!?」ダラダラ・・・

黒尽くめE「じゃ、ジャックされています! カメラだけではありません! 電子類全てです!」アタフタ・・・


  ギャーギャー! モウダメダー! オシマイダー! タスケテカーチャンッ!


黒尽くめ長「沈まれぃ!!!」ガンッ!!

黒尽くめ's『っ!!? ぼ、ボス!?』ピタッ・・・

黒尽くめ長「何をそんなに怯える必要がある! 俺らは最強の科学結社『X=クメ(クローズ粂)団』だぞ! 例え超能力者が来ようと――」

黒尽くめE「か、監視カメラが一つ動きました! ヤツら、此方に挨拶する様です!」Pi!

黒尽くめ長「――平気……何!? 自ら身を晒し宣戦布告という訳か……ふざけおって! すぐ映せ!」バッ!


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

下っ端①『うぎゃあああぁあbbbbbbbbbbbbbbbbbbっ!!?』ビリビリビリビリ・・・

下っ端②『ひぃいぎいいいいぃっ!! ほ、骨がぁ!! 骨がああぁ!!』バキバキ・・・

下っ端③『あ、悪魔だ……悪魔が来たああああぁっ!!』ウギャアアァ・・・

下っ端④『ぼ、ボスっ!! 助けぶぼらばっ!!?』ベコンッ!!

御坂『喧しいわよ。早くリーダー呼びなさいよ』フンッ・・・ビリビリ・・・

一方通行『だから今テメェが踏み付けた野郎、頭呼ぼうとしてたじゃねェか』ハァ・・・

御坂『うっさい……あ、カメラ此処ね! こらああぁ! 結標淡希! 隠れてないで正々堂々出てきなさい!』ギロッ・・・

一方通行『だから絶対ェ此処に居ねェって……おっと』キュイイィン・・・・バシュッ!!

下っ端⑤『うぎゃああぁっ!! かた、肩がああぁっ!! ひいいいぃ!!』ジタバタ・・・

一方通行『るっせェな、オイ。テメェで撃った銃弾だろォが。男ならピーピーギャーギャー泣くなっつゥの』ヤレヤレ・・・

御坂『ちょっと五月蠅いわよ! 少し黙ってて! あーこほんっ……兎に角、早く出てきなさい!! あと人質解放しなさい!』ダンッ!!

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


黒尽くめ's『…………、』ダラダラ・・・

黒尽くめF「な、なぁ。アレって……超能力者じゃ……しかも、2人も」ダラダラ・・・チラッ・・・

黒尽くめ's『』チーン・・・

黒尽くめ長「きゃ……キャパシティダウン持ってこおおおおぉいっ!!」ウギャアアァッ!!

黒尽くめE「だ、駄目です! 先手を打たれて館内音響システムが壊されています!!」ダラダラ・・・

黒尽くめ長「\(^o^)/」オワタ・・・




662第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 22:56:05.41ToD0hfgC0 (7/9)

 ――一寸後・・・・・


御坂「この部屋にヤツらが居るのね。良い? 第一優先は人質の安全よ。その後結標淡希をケチョンケチョのビーリビリにしてやる」チラッ・・・

一方通行「まァ俺らを攻撃してた連中の首脳陣は居るだろォな……ンもォ好きにしろ。俺が何言ったって聞きやしねェンだし」ハァ・・・

御坂「ふふっ。ま、頑張った御褒美として帰りにクレープでも買ってあげるわ」クスクス・・・

一方通行「なァ。何でそこで無駄にフラグ建てンだ? 今のワザとだろ?」ジトー・・・

御坂「あ、ばれた? 一度やってみたかったの」テヘッ♪

一方通行「くたばれ」ジトー・・・

御坂「酷っ! アンタってホンっトにゲスぃ性格してるわよね」フンッ・・・

一方通行「どの口言いますかァ? 人を散々盾代わりにしといてよォ。てか、戦闘中くらいチェーカーから手ェ放せっつの!」ハァ・・・

御坂「放したら逃げるでしょ? 例えこの状況下であっても」ジトー・・・

一方通行「あァ全っ力で逃げるねェ。テメェの全身の血管大爆発させた後にな」ケッ・・・

御坂「アンタそれ本気で言ってるの?」ジトー・・・

一方通行「本気で言ってたら此処まで付いてきてねェよ」ジトー・・・

御坂・一方通行「「…………、」」ジー・・・

御坂「だ……駄目よ! 貴方には奥さんが居るじゃない!! 私の妹という奥さんが!!」アタフタ・・・///

一方通行「だあああァかあああああァらああああああァボケンなよォ!! ツッコンで下さいっつってンだよおおおォ!!」ウギャアアァッ!!

御坂「つ、突っ込むとか突っ込まないとか言わないでよ……変態」ジトー・・・///

一方通行「あのさァ!!? え? 何? 俺の言語中枢の演算狂ってっからコイツと会話出来ねェの?! 俺正常だよなァ!?」ウググゥ・・・

御坂「大丈夫よ。今は私がアンタの脳味噌をジャックしてるもの……コイツでね!」スッ・・・ ← <チェーカーを握った手>

一方通行「シスタアアアアアアアアアァズッ!! 助けろおおおおおおおおおおおォ!!」ウガアアァ!!

御坂「五月蠅いわよ! 敵前真っ只中なのよ!? アンタ馬鹿じゃない?」ジトー・・・

一方通行「……てェゐ!」ベシッ!

御坂「あ痛ぁ! た、叩いたわね!!」ギロッ・・・

一方通行「……流れ弾だ」フンッ・・・

御坂「あったまキた! 握り潰してやるわ!」グッ!!

一方通行「…………、」ジー・・・

御坂「……に、握り潰すわよ!」グイッ!

一方通行「……やれよ」ジー・・・

御坂「え」ピタッ・・・

一方通行「潰してみろっつってンだ」グイッ・・・

御坂「つ、潰しちゃうわよ……ホントに! 潰すからね!」タラー・・・

一方通行「さっさとしろよ」ドンッ!!

御坂「あ、ぅ……な、何よ」ドキドキ・・・///

一方通行「……ケッ」チッ・・・


  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


黒尽くめ長「現状報告!」チラッ・・・

黒尽くめD「そ、それが……第一位が第三位に……壁ドンしてます。でも逆に第三位が第一位の首輪? を握ってます」タラー・・・

黒尽くめE「なんか、修羅場っぽいけど第三位の顔が何故か赤いです。とても気拙い雰囲気です」タラー・・・

黒尽くめ's『ハァ!?』ポカーン・・・



663SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/15(木) 23:01:11.25Nl75YTiIO (2/2)

なんだろ…某動画の上琴漫才が頭に浮かんだw


664第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 23:17:10.41ToD0hfgC0 (8/9)

黒尽くめB「ボ、ボス! 空気を読まない感じですが今がチャンスです!」チラッ・・・

黒尽くめ長「そ、そうだな……この対人ナパーム砲の餌食にしてくれる!」ガチャンッ!!

黒尽くめA「で、出た! ボスの対人ナパーム砲! 直線状に放出される圧縮された高熱ガスが人に当たった瞬間燃え広がるバズーカ!」ジー・・・

黒尽くめC「出力の調整はマックスです! 壁ごとブチ抜けます!」コクッ・・・

黒尽くめ長「よしっ! それじゃあファイヤアアアアァッ!!」ボゴオオオオォ!!



 ボガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァ・・・・・・・・...・・・・・・・・キュイイイイィンッ!!



黒尽くめ's『え』ピタッ・・・



 くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこききくこくくけくかきくこけくけくきくきくきこきかかか―――――



黒尽くめ's『……え』タラー・・・



一方通行「――……あのよォ。今、マジで説教中なンだわ」テクテク・・・

御坂「うるさい、ばーか……アンタが言う事聞かないから悪いんだもん」ムスー・・・

一方通行「テメェはガキか? 妹みてェな事言うな」ジトー・・・

御坂「……ばーか」ムスー・・・

一方通行「それ以外喋ンな、ガキ。これからテメェはガキだ、ガキ」テクテク・・・

御坂「……言えるわ、ぼけぇ」ムスー・・・

一方通行「屁理屈を……あのなァ。別にこンな真似しなくても懇切丁寧に頼まれりゃ付いてくるかもしンねェンだ。分かるか?」ジトー・・・

御坂「……あほぉ」ムスー・・・

一方通行「『お願いします一方通行さん。仲間を助けたいので付いてきて下さい』……簡単だろ? 何でバイオレンスな手段取ンだ?」ジー・・・

御坂「……おかまぁ」ムスー・・・

一方通行「ふんっ」グー・・・バッ!

御坂「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」アタフタ・・・

一方通行「……糞っ。調子狂う」ハァ・・・


黒尽くめ's『……えっと』ダラダラ・・・


御坂「……だって、アンタ、普通に言ったら付いてきてくれないじゃん」ムスー・・・

一方通行「あァ付いて行かねェ。こンな馬鹿な事する女について行く気なンねェ」ジトー・・・

御坂「…………、」ムスー・・・

一方通行「ったく……あ、これ返すわ」ヒョイッ!


黒尽くめ's『うぇ!?』ギョッ!!



  ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァ・・・・・...





665第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/15(木) 23:51:20.49ToD0hfgC0 (9/9)

    ―――はたまた一寸後・・・・・


 ピーポーパーポー・・・・・黒尽くめ's『』チーン・・・ピーポーピーポー




黄泉川「ビルで大爆発があったって聞いてみりゃアンタらが居たときたじゃん……慈善活動じゃん? アンタにしては珍しい」フフッ・・・

一方通行「うっせ……成り行きだ」フンッ・・・

黄泉川「あぁ……御坂の御蔭か。成程成程」ニヤニヤ・・・

御坂「……え」キョトン・・・

黄泉川「御坂がコイツ引っ張って事件解決手伝わせてくれたんでしょ? いやぁ感謝感謝」ハハハ

一方通行「違ェっつのババァ」フンッ・・・

黄泉川「照れるな照れるな。まぁ街をナパームで焼き尽くす計画建ててたとかいうからなぁ……ホント感謝じゃん」ポンッ・・・

御坂「……え? あーぱーむーん?」キョトン・・・

一方通行「ナパームだ、ナパーム。何だそれ?」タラー・・・

御坂「あ、いや……って! 黒子達は!? あと結標淡希は何処!?」バッ!!

黄泉川「は? 白井? 結標淡希?」ポカーン・・・

一方通行「……おま、まだ気付いてなかったとか」タラー・・・

黄泉川「えっと……白井は来てないじゃん。結標は……アレでしょ。最近小萌先生の家から家出した家出『家出少女』」コクッ・・・

御坂「え……え?」チラッ・・・

一方通行「だァかァらァ! 俺は再ッッッ三言いましたァ!! 此処に居る訳無ェだろ!」ギロッ・・・

御坂「うっ……あぅ……で、でも三沢塾って」ダラダラ・・・

一方通行「三沢は三沢でも分校合わせりゃ都市ン中に10件は在るっつゥの……ほンッッと馬鹿だな」チッ・・・

御坂「」チーン・・・

一方通行「ケッ……おい、黄泉川」チラッ・・・

黄泉川「んー? なーにー? あ。安心するじゃん。ウチの連中(黄泉川家)には内緒にしとくから」ニヤニヤ・・・

一方通行「意味が分からない……じゃねェよ! 糞……第7学区にある三沢の分校舎って何処だ? 何件在る?」フンッ・・・

御坂「……え」キョトン・・・

黄泉川「5件くらいかなぁ……あ、でも廃校舎混ぜれば7件じゃん」コクッ・・・

一方通行「その廃校舎って何処だ?」ジー・・・

黄泉川「二隣の大通りと、北部……第1学区に近いとこに一件じゃん。でも何で?」キョトン・・・

一方通行「……近い方だろォな」クルッ・・・テクテク・・・

黄泉川「あ、ちょ、アンタ一応重要参考人なんだけど!」アタフタ・・・

一方通行「……テメェの手柄にしろ。家賃代わりだ」フンッ・・・テクテク・・・

黄泉川「え、あ、じゃあ貰うじゃん」コクッ・・・

御坂「軽っ! じゃなくて……ちょっと待ちなさいよ!」タラー・・・パタパタ・・・

一方通行「……付いてくンなし」ケッ・・・

御坂「ふんっ……感謝なんかしないんだからね、とか言わないんだからね! とか言って貰いたんだろうけど言わないわよ!」テクテク・・・グイッ・・・

一方通行「…………………え? それって感謝してなくね? 解釈出来ねェ日本語使うンじゃねいぇって! 裾引っ張ンな!!」ヨロヨロ・・・

御坂「うっさい! 黙って付いてこい!」グイグイッ・・・

一方通行「……やっぱ面倒臭ェ女」ヤレヤレ・・・


黄泉川「『第一位と第三位のお忍び継続なぅ』……イッヒッヒッ! 各所からツブヤイッターで呟かれてる噂は本当だったじゃん!」ニヤニヤ・・・



666第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/16(金) 00:18:18.9005AJv+EP0 (1/7)

 ―――とある翌々日、PM06:00、学園都市第7学区、とある大通り、旧三沢塾分校舎横・おんぼろ屋内テニスコート・・・・・






時間になった。セコンドと共に、ホール中央に歩み寄る。


直井「ルールの確認は必要か?」チラッ・・・

結標「要らないわよ」コクッ・・・

直井「そうか。因みに、ギャラリー! 流れ弾等は自力で何とかしろ! 怖いなら見るなよ!」ジー・・・

一同『はーい』ビシッ


といっても、防球用のネットだけなのだが大丈夫なのか?


椎名「問題無い。皆我が身を守る術くらい持っている」コクッ・・・

結標「あと、アンタら! 間違っても手ぇ出すんじゃないわよ……出したら殺す」ギロッ・・・

日向「出さねぇよ。決闘なんだろ」フフッ

さわ子「淡希ー! アンタに全額賭けたんだから勝ちなさいよー!」ハハハ

TK「Me too,Yeah!!」ビシッ!

遊佐「因みに、オッズは変わらず<9:1>です」コクッ・・・

野田「オイ誰だ! あのガキに賭けたヤツぁ!!」ギロッ・・・


何か上は楽しそうだな。これから物騒な事始まるのに。


直井「ではセコンドは所定の位置に……ん? 立華さん?」チラッ・・・

立華「私は彼女(姫神さん)の横に居る」コクッ・・・

姫神「え?」キョトン・・・

結標「私が頼んだのよ。秋沙、防衛手段ないでしょ。奏の近くに居なさい」コクッ・・・

姫神「……彼女の?」チラッ・・・

結標「安心なさい。馬鹿な真似はしないわ。それに、その子私達の中で一番強いし」フフッ


見た目的に一番か弱そうなんだけど……まぁ人は見た目に因らないしな。最愛もそうだし。


白井「尚、私と椎名さんはホール端対角上に立ちます。直井さんはお二人の前です」コクッ・・・

結標「了解よ……さ、準備は良いわよね」フフッ

香焼「……その前に」スッ・・・

結標「へ?」キョトン・・・


僕は、淡希さんに……携帯を差し出した。




667第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/16(金) 00:19:37.8505AJv+EP0 (2/7)

すません、風呂!


>>663
白ご○ふさん面白いですよね



668SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 00:34:03.55ZSJqQJ/do (1/1)

めっちゃ広まっとるww


669第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/16(金) 01:03:15.5105AJv+EP0 (3/7)

 ※ただまそ。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


一同、皆、総キョトン。


結標「……何?」ポカーン・・・

香焼「姉さんっす」スッ・・・

結標「……五和が?」キョトン・・・

香焼「んな訳無いでしょう……カオリ姉さんっすよ」コクッ・・・


一瞬苦い顔をした。もしかして受け取らないのかと思ったが……ゆっくり受け取り、電話に出た。


結標「……こんにちわ」Pi!

神裂『其方も既に、こんばんはの時間でしょう……お久しぶりですね』コクッ・・・

結標「……何かしら?」フンッ・・・

神裂『ごめんなさい』ペコッ・・・

結標「え」キョトン・・・

神裂『自分の物差しだけで世界を見るな、と……土御門に言って聞かせました』コクッ・・・

結標「っ!!? あ、アンタ……ど、何処に……ってか、何で」タラー・・・

神裂『今メキシコのチワワに居ます。土御門も一緒ですよ。仕事が無ければ私も其方に赴きたかったのですが……彼が代表です』コクッ・・・

結標「め、メキシコ……アフリカに居るの!?」キョトン・・・


淡希さん……メキシコは中米ですよ。


神裂『……でも、しかし……土御門は謝りませんでした。何故か、分かりますか?』ジー・・・

結標「あ……ぅ」コクッ・・・

神裂『私も、彼の話を聞いて……少々ガッカリしました。彼が怒るのも仕方ありませんね』ジー・・・

結標「…………、」タラー・・・

神裂『ですが……それでも、私は、私達は……貴女に戻って欲しい』

結標「都合……良過ぎんのよ」ギリッ・・・


確かに、そう思う。


神裂『善意なのでしょうね。その葛藤は人間として正しい。そして、彼女の元から離れると決めた貴女の決断は崇高なものです』コクッ・・・

結標「だったら! もう……構わないでよ」グッ・・・

神裂『嫌です』キッパリ・・・

結標「な……意味、分かんない」タラー・・・

神裂『お節介焼きなんですよ。我が家は特にね……』フフッ

結標「っ……ホント、馬鹿みたい」グッ・・・


流石長姉殿。僕とでは重みが違う。




670第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/16(金) 01:18:43.9505AJv+EP0 (4/7)

一寸の無言の後、淡希さんが口を開いた。


結標「……貴女の弟、ボコボコにするわよ」チラッ・・・

香焼「…………、」ジー・・・

神裂『ええ、構いませんよ……出来るものなら』フフッ

結標「それから……勝ったら、彼を私達のチームに貰おうかしら」ニヤリ・・・

一同『なっ!!?』ギョッ・・・


トンデモ発言。


結標「だってそうでしょう? 私が勝った時の賞品が無いもの……ねぇ」フフフ・・・

神裂『人をモノの様にトレード品にするのは、些か野蛮です』ジトー・・・

結標「あら、其方だって……私の今の心を無視して、連れ帰ろうとしてるのよ?」ジー・・・

香焼・姫神・固法「「「…………、」」」タラー・・・


それとこれとは違う気がするのだが……横暴だ。


神裂『良いでしょう』コクッ・・・

結標「ふふふ……良いってよ。香焼くん」ニヤリ・・・

香焼「なっ!?」ギョッ・・・

神裂『彼に……此処で負ける程度では、救える者も救えませんよ……そう伝えて下さい』フフッ・・・

結標「っ……弟想いね。まったく、アンタら大概シスコン&ブラコンだわ」クスクス・・・

神裂『失礼な。共に暮らす家族が大事じゃない訳無いでしょう……月詠さんの気持ちと同じです』ジー・・・

結標「……そう。それじゃ、切るわよ」フフフ・・・Pi!


姉さん、何で……茫然する僕に淡希さんは告げた。


結標「今の私に負けるくらいなら『殺人人形』とかは救えないってさ。まったく……私がアイツより弱いみたいな言い方じゃない」フフッ・・・

香焼「っ……、」グッ・・・

結標「安心なさい。私のモノになれば、あんなガキ余裕でブッ倒せるくらい強くしてあげるから」ニヤリ・・・

香焼「……勝ってから、言って下さい」ギロッ・・・

結標「ふふふ……やっと火が点いたわね。あ、ついでに秋沙も貰うから」クスクス・・・

姫神「ついで……ふふ。ふふふふふ……ほざけ。淡希……香焼くん。負けたら……呪うから」ジトー・・・


もう、引くに引けなかった……やるしかない。




671第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/16(金) 01:38:38.8505AJv+EP0 (5/7)

セコンド・審判が位置につき、合図を待つだけとなる。


結標「あ、その前に……香焼くん」チラッ・・・

香焼「え?」

結標「……ふっ!」シュバッ・・・

香焼「え……おわっ」ポカッ・・・


側頭部に何かが当たった。これは……テニスボール?


結標「コルク抜きとか釘とか刃物は使わない。代わりに……コレらを使う」バラバラバラ・・・

香焼「はい?」ポカーン・・・

野田「で、出た!! あわきんの弾幕地獄だ!!」ギョッ・・・

固法「え……何それ?」ポカーン・・・

音無「淡希の周りを見てみろ」ジー・・・


テニスコートなのに、様々な種類のボールがある。
野球の硬球軟球、ソフトボール、サッカー(フットサル)、バスケット、バレー、ゴルフ、中にはスーパーボールまで。


固法「な、何でそんなにバラバラなモノが」タラー・・・

大山「僕達が遊ぶからですよ」ハハハ

高松「まぁ多目的ホール代わりだからね」コクッ・・・

白井「……流石、ホームグランド。準備相応という訳ですのね」キョロキョロ・・・

藤巻「一番痛いのはアレ……ボーリングの玉だ」ジー・・・

固法「ぼっ!? だ、駄目駄目! 結標さん、ソレ使っちゃダメだからね!」キッ!!

結標「うーん……香焼くん的に如何?」チラッ・・・

香焼「構いません」コクッ・・・

結標「だってさ」ハハハ

固法「っ……白井さん! 判定早めにしなきゃ駄目よ」タラー・・・

白井「はいはい……旦那は喧嘩好きの癖に、奥方はハト派ですの」ヤレヤレ・・・


しかし、何故そんな事を教えたのだ?


結標「……貴方の、得物は」ジー・・・

香焼「…………、」タラー・・・


一番迷ってた所だ。短刀(暗器)類を使うべきか、鋼糸(ワイヤー)と『この身』だけで戦うべきか。
正直いって、使いたくない。風紀委員2人の手前というのもあるが……刃物は彼女を傷つける。


結標「言っとくけど……武器と『海原みたいな能力(魔術)』無しで勝てると思わないでね」ジトー・・・


そんな事、百も承知だ。だがそれでも……迷うモノは迷う。




672第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/16(金) 02:11:11.3905AJv+EP0 (6/7)

固法さんと白井さんの方を見る。
多分、固法さんには僕が暗器を隠し持ってる事ばれてるんだろうけど、白井さんが居るので黙っててくれてる筈だ。
しかし、一度公開してしまえば……白井さんに言い訳は出来ない。


結標「安心なさい……一応、記憶改竄のスペシャリストが居るから。第5位程じゃないけどね」チラッ・・・ボソッ・・・

直井「…………、」コクッ・・・

結標「あと、直井くん! もし彼の心覗いても、黙ってなきゃ駄目よ」ジー・・・

直井「あくまで公平に、ね」フフッ


読心能力者か……携帯アプリのスタンガン(※対みさきち用)使おうかなぁ。魔術云々見られるのはヤバいし。


結標「大丈夫よ。口は固いから。それに……能力者(私達)じゃ『魔術(それ)』を理解出来ないんでしょ?」ニヤッ・・・

香焼「……ええ」コクッ・・・

結標「そんじゃ準備は良いわね。直井くん、合図を」コクッ・・・

直井「了解。では双方、審判とは逆の対角に位置に……このテニスボールが落ちたらスタートだ」スッ・・・


距離をおけるのは助かる。尤も、彼女の座標移動(ムーブポイント)にとって、距離は無いに等しいが……それでも足掻ける。


竹山「ふむ……しかし、彼はそれほどの能力者なのですか? 淡希さんが決闘を受け入れるなんて相当ですよ」ジー・・・

固法「……彼は、無能力者(レベル0)よ」ジー・・・

一同『え!?』キョトン・・・


辺りがざわめく。そりゃ普通の無能力者(ザコ)が相手だったら驚くだろう。


ゆい「し、椎名さんみたいにビュンビュン凄いとか?」タラー・・・

固法「よく分からない……彼女のお姉さんは凄いんだけどね。超能力者の第4位がタメ張れるって言ってたくらいだから」ジー・・・

遊佐「……麦野沈利と?」ビクッ・・・

岩沢「でも、アイツじゃないんだろう?」ジー・・・

固法「だから未知数なのよ……私もこれが初見」ジー・・・

松下「でもさっき、力馬鹿の野田さんのハルバート投躑を止めたぞ?」ジー・・・

高松「ああ。如何やって止めたかは分からないが……アレを受け止められるのは、俺らの中じゃ天使……立華だけだ」ジー・・・

白井「…………、」フム・・・


そう……これで、僕が何者なのか2人に知れてしまう。


直井「ではなるべく正々堂々と……は無理だろうが、節度を持って喧嘩しろ」チラッ・・・チラッ・・・

香焼・結標「「…………、」」コクッ・・・

直井「行くぞ―――」スッ・・・


ボールが上がり、地面に落ちる。もう始まってしまう。僕の作戦は……―――




673VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/16(金) 03:22:29.9805AJv+EP0 (7/7)

すいません。中途半端ですが今日は此処まで。


・アンケート! 香焼の戦い方について。


①短刀代わりに警棒2本、体術、魔術、鋼糸(ワイヤー)を使用。ただし、攻撃魔術は使わない。

②ナイフ・暗器類、体術。魔術、鋼糸を使用。攻撃魔術も使う。

③↑+『七教七刃もどき』も使用(五和の様に『切断』や『七方向から』『弾丸スピード』は無理。
                      精々深く『裂き』『三方向から』『鞭スピード』を『一回』までしか出せない)



因みに、コンディションは……


・体術:先輩達仕込みの格闘術・蛇(17600号)仕込みのCQCもどき等使用。しかもチョコマカ動く。暗器類全部外せば1.3倍速くなる。

・鋼糸:魔力を通せば『七教七刃もどき』や魔術防壁、複雑な網張り可能。通さなくても拘束捕縛、スパイダーウォーク、簡易な網張り可能。

・得物:儀礼短刀2本、暗器・投躑ダガー42本、魔力生成銃剣(バヨネット)魔力が続く限り、靴に仕込み刃。 ← これでも軽装備。

・魔力:『七教七刃もどき』を全力で3回放てる。ただし、他の動作に魔力を回す事を考えれば全力1回。 ← 五和なら5発は撃てる。

・魔術:鋼糸やナイフ・体術と組み合わせない限り、基本全力パンチと同じくらいの威力の魔術弾しか出せない。
     暗示や発火等の基礎魔術も低レベル。しかし気配遮断は修行中なので、そこそこ使える。だが正直、純粋な魔術師としては雑魚。


……魔術・能力抜きならまぁまぁ強い。でも使用すれば魔術師相手なら雑魚、能力者相手なら相手次第ってな感じです。
簡単にいえば、建宮・五和の方が3倍強い。神裂なら5倍以上は強いイメージ。特化してるのは『潜入』だけ。ただし『カミやん病』患者。

最後ので、大分補正掛りますねw

勝手な設定終わり。香焼の最終形態(?)はNARUTOのテンテンとか天上天下の圓円(まわりまどか)みたいなイメージでいました。
『天上天下』と『まわりまどか』、気になったらググってね。



とりあえず質問意見感想罵倒御指摘(特に設定)アンケ協力お願いします。そんじゃまた次回! ノシ”




674SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 03:43:15.21vCrhDF/bo (1/1)

>>1乙!

アンケは記憶改竄可能らしいので③で全力戦闘がみたい




675SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 04:20:01.97FDLt8+mno (1/1)

ここは普通に全力で抗ってもらいたいところ


676SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 10:23:04.92aAq/HS4So (1/1)

俺も>>675と同じく全力で戦って欲しいので3で

というか、手加減して勝てる相手じゃねーぞワン焼君


677SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 14:16:15.966QAggy2DO (1/1)

>>1乙

①やろうとして、できるわきゃねぇぇぇぇだろ!(CV子安)状態
結果③をやらざるを得ないとか?


678SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 16:06:20.519Wlsm8T20 (1/1)

ここは出し惜しみせず3で行っちゃいましょう!
というか出し惜しみする余裕なんて無いでしょ


679SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 17:37:30.48g17XEolDO (1/1)

乙! 徐々に行間サイドが近づいてるww
それにしても、こんな非常時でも絹旗が出てくるとは……コレも愛ですか?

アンケは③。ところでこのSSでは『あわきん自身』が空間移動できるんですか?


680SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 19:34:30.68wTpeFssIO (1/1)


とりあえず香焼の勝利条件はあわきんのサラシをいかにして取っ払うかだな


681SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/16(金) 23:34:29.227zVLb3Gd0 (1/1)

③で
ギャラリー(主に佐天さん)の反応が楽しみ


682SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/18(日) 12:03:16.24A9b6eRF+o (1/1)

ところで今更だけど657の守銭奴うんぬんの発言って
結標と姫神の表記を間違っていないかね?


683SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 10:11:42.53uM+5BT+IO (1/1)

③しかないでっしゃろ?



684SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 20:33:51.97hR2ztwsx0 (1/1)

③やーーーー!!!


685VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/19(月) 21:23:50.67hN8TWIG20 (1/5)

こんばんわ。ちょっと最近色々忙しい。年末進行と私情・・・・・特に男女間の問題ってややこしいね・・・

アンケは圧倒的に③ですねw


>>677・・・それ、良いね!

>>682・・・結標「やっぱ。守銭奴」ハァ・・・  ⇒  これが姫神の台詞ですね。すいません!


そんじゃボチボチスタート! 安価も出すよ!



686第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/19(月) 21:40:53.68hN8TWIG20 (2/5)

 ―――とある翌々日、PM06:10、学園都市第7学区、とある大通り、旧三沢塾分校舎横・おんぼろ屋内テニスコート・・・・・






―――ボールが落ちる5秒前。淡希さんは既に軍用の懐中電灯を取り出している。
彼女の能力で注意すべきは大きく二つ。

・武器(今回はボール)を飛ばしてくる事。
・僕自身が飛ばされる事。

彼女自身も単体で空間移動出来るらしいが、何らかの理由でそれをしない。
それが悠々と出来たら超能力者(レベル5)級の脅威だろうが……今回はそれを考慮しない。

因みに、僕自身が何処かに飛ばされる事については危険視しない。例え高さ20m上に放り出されても『如何にか出来る』からだ。
問題は……スピード予測が出来ないボール類。特にボーリングの玉とゴルフボール、野球の硬球、バスケットボールは脅威だ。


香焼(もうボールが落ちる!)スッ・・・


鋭利なモノを飛ばされる心配はないが、頭上に落とされたりしたら痛いじゃ済まないモノがある以上、手加減は危険か。
淡希さんの手は……未だ懐中電灯を構えているだけで、分からない。

だったら僕は……―――


①様子見をする為、ダガーの準備。ボールが飛んできたら迎撃。

②初っ端鋼糸(ワイヤー)を使って天井と壁に回避。

③開幕、七教七刃。



                      >>688




687SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 21:49:17.14fhQgLY9DO (1/1)

②!


688SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 21:50:01.43OU+Ht78Co (1/1)




689第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/19(月) 22:33:49.12hN8TWIG20 (3/5)

―――初手で、墜とす。



 ポンッ・・・・・



ボールが落ちた。
瞬時に、人があまり溜っていない場所を見極め術式を展開させる。


香焼「ッッ―――左奥の皆さん! 手前に走って!!」グググ・・・

メンバー『へ?』キョトン・・・


もう止まらない。淡希さんの右下、頭上、前方から鋼糸(ワイヤー)を集めて―――


結標「馬鹿じゃないの?」ブンッ!!

香焼「―――え、ガっ!!?」ゴンッ!!


―――KOを狙った。僕は今確実に鋼糸を放とうとした。
だが気付いたら目の前に淡希さんが居て、気付いたら淡希さんの右足が目の前にあって、そして気付いたら……左胴体が蹴られてた。

一体、何が起こったのか、分からない。


結標「痛たた……そのパーカー堅いわね……あのさぁ。開幕早々何するつもりか分からないけど、ボーっとしてるなんて阿呆の所業よ」ジトー・・・

香焼「ゲホッ……何、が」タラー・・・

結標「しかも上の連中に叫ぶなんて意味不明な真似を……やる気ある?」ジー・・・

香焼「…………、」ダラダラ・・・

結標「何されたか分からないって顔ね。簡単よ。突っ立ってた香焼くんを私の目の前に『移動』させて蹴ったの。それだけ」フンッ・・・


抜かった。格闘では自分が上手と驕ってしまった。


日向「あっちゃー……馬鹿だなぁ。あわきんが女だからって普通の喧嘩が出来ないと余裕かましたか?」ジー・・・

竹山「松下五段や椎名さんの様に武術の心得は無いとはいえ、それなりに強いですからね」ジー・・・


なるほど……だが、所詮は女性の蹴りだ。不意打ちだったのでそこそこ痛かったが、その程度。
女教皇様や五和レベルの格闘家ならいざ知らず、これならまだまだ持ち堪えられる。急いで態勢を立て直し、格闘戦の準備を―――


結標「ハァ……椎名レベルの相手に組み付く訳無いじゃない」フンッ・・・ブンッ!!

香焼「―――あれ? っておわっ!!?」パッ・・・


―――した瞬間、壁際に戻された。前言撤回だ。僕自身が飛ばされるのは危険極まりない。


白井「……点で雑魚ですの」ジトー・・・

椎名「今の所は、な……浅はかなり」ジー・・・

直井「…………、」フム・・・

立華「……何か見たの?」チラッ・・・

直井「訳も無く、突っ立ってた訳ではない様だ……しかし『アレ』は何だ?」ジー・・・

姫神「何を覗き見たかは分からないけど。考えても無駄。貴方には……いえ。私達には理解し得ない『モノ』」ジー・・・


直井は、その読心能力で香焼が初手に何をしようとしていたかは理解出来た。
しかしその『用途』やら『使用法』やらはまるで分からなかった。まさにタネの無い『手品(マジック)』を見せられた様だ。




690第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/19(月) 23:10:07.07hN8TWIG20 (4/5)

結標淡希は直井の表情を見て、何となく理解した。
香焼が初手にしようとしていた事は多分、ちょいとタメが必要な『必殺技』みたいなモノだろう。

多分それを喰らったら、自分は一発KO。更に周りに被害が及ぶ程の『何か』であったに違いない。


結標「やっぱ……怖いわね」フフフ・・・


自分(能力者)が知り得ない『何か』。あの小さな少年がそれを駆使する。
少年は再度態勢を立て直し、此方に向き合ってきた。


香焼「…………、」ジー・・・

結標「でもやっぱり、甘いわよ。殺す気で来なさい。私も……殺す気でいくから」ニヤリ・・・

香焼「……口数が多いっすよ」ジー・・・

結標「抜かすわ……ねっ!!」ブンッ!!


懐中電灯(ライト)を振う。刹那、香焼の頭上からバスケットボール。
出所不明、回避不能の砲丸投射。確実に当たった……誰もがそう考えた。しかし―――


香焼「っ!!」バッ!!


―――避けた。死角から迫る砲丸を、サイドステップで避けた……ボールが虚しくバウンドする。


高松「なっ!? は、速い……というより、何で反応出来たんだ?」キョトン・・・

藤巻「……やっぱ身のこなしは、椎名レベルだったな」ジー・・・


今度は結標の方が理解出来ない。アレは人間である以上、避ける事が出来ない筈の攻撃。
直井の様に此方の意志を先読み出来たり、奏や椎名の様な規格外の人間なら避けれよう。彼に当て嵌まるのは……多分、後者か。


結標「……どうやって、避けたのかしら? ご教授願いたいわね」ジー・・・

香焼「…………、」ジー・・・

結標「話す気無し、か……まぁ正しいけどさ。じゃあ……こういうのはっ!」ハハハ・・・バババッ!!


今度は四方からの投射。
先読み出来る直井でも身体が追い付かず当たるし、奏や椎名でも切り払い無しでは防ぎえない技だ。


香焼「っ……、」バッ!!

一同『なっ!!?』ギョッ・・・


今度こそ……と思いきや、ボールが全て彼に当たる直前で止まった。


立華「直井くん。何か分かった?」チラッ・・・

直井「いや、その……『障壁』を張ったという事は分かった」ジー・・・

立華「念導力(サイキック)? 風力障壁(エアーブラインド)? それとも他の能力?」ジー・・・

直井「……どれでもない」タラー・・・

立華「え?」ポカーン・・・

姫神「だから。私達には。理解できない『何か』。考えるだけ無駄」ジー・・・

立華・直井「「…………、」」タラー・・・


直井に分かった事はワイヤーの様なモノを身の周りに展開させた事だけだった。
しかし普通それだけでは足止め程度にはなっても、あの様にピタリと止まったりしない筈……訳が分からない。




691第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/19(月) 23:35:48.87hN8TWIG20 (5/5)

一方、香焼は悩んだ。これでは身は守れても決定打に欠ける。
予め鋼糸で魔力防壁(バリア)を張っていれば殆どのボールは防げる。だが速かったり重かったりするボールには対応できない。


結標「……チィ!」バババッ!!


今度は立て続けに乱射してきた。数発避けた後……動き回る事にする。


固法「なるほど。動けば座標を固定出来ないって考えた訳ね」ジー・・・

音無「……でも、淡希にそれは通じないぜ。というか逆効果かもしれない」ジー・・・

固法「え?」チラッ・・・


移動ルートを予測し、その場所にボールを打つけたり落としたり出来ない訳が無い。
仮にも『座標移動』の大能力者(レベル4)だ。その程度の事お手のモノ。


結標「そう……ならっ!!」バッ!!


走る香焼の目の前にソフトボール。距離はほぼ0。そのスピードで走って居れば確実に額に直撃―――


香焼「グッ!!」バッ・・・ブンッ!!

一同『ハァ!?』ギョッ・・・


―――何を考えたか右方に腕を振った香焼。そんな事をしても直撃は免れない。
しかし……直角に、右へ曲った。しかもスピードを落とさずにだ。


直井「今のは分かった」ジー・・・

立華「何?」チラッ・・・

直井「ワイヤーだ。壁を見ろ」ジー・・・


彼が曲った右方の壁を見る……何かが刺さっていた。


結標「……やっと、出したわね」ニヤリ・・・

香焼「…………、」フゥ・・・


短刀(ダガーナイフ)。それに目には見えないくらいのワイヤーが括ってある。


直井「だが理解出来ない。質量重量を考えれば、ナイフが抜ける筈だ」ジー・・・

姫神「私達は。何事も物理演算で済ませてしまう。でも。『彼ら』はそういう『理屈』じゃ収まらない」ジー・・・

立華「……彼ら?」チラッ・・・

姫神「あ……何でも無い」タラー・・・


なるべく出したくは無かったが、使ってしまった。ふいに、白井さんの方を見る。


白井「…………、」ジトー・・・

香焼「……あはは」タラー・・・

結標「ったく……だから気にしないで使いなさいっての。本っ当にブチ殺すわよ」ジトー・・・

香焼「ええっと」チラッ・・・

白井「……今日見た事は、忘れますの」ヤレヤレ・・・


と言われても、やはり気が引ける。だが出してしまったモノは仕方が無い……次からはナイフも使う。




692第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/20(火) 00:05:06.103OtMmBZ+0 (1/10)

改めて、短刀を構える。今度は此方から接近戦を仕掛けさせて貰おう。組み入ってしまえば此方のモノだ。如何とでも出来る。


結標「さぁて……それじゃあ次はエグいのしようかしらね……来なさい、甘ちゃん坊や」ニヤリ・・・

香焼「…………、」バッ・・・


駆ける。目に見える範囲のボールを避け、直前に出てくる罠(ボール)を緊急回避し、そして―――


結標「ほれっ」スッ・・・

香焼「―――ギ、が……アぅっ!!?」ズキンッ・・・ズサァ・・・


―――今度は……何を、された? 以上に脇腹が痛い。


結標「何もしないどいてあげるから、服の下、見てみなさい」フフフ・・・

白井「……グロい真似を」タラー・・・

固法「な、何したの?」タラー・・・

野田「……あわきんの本領だ。てか、空間移動能力者のチート中のチート技だろ」ジー・・・

固法「え……あ!」ピタッ・・・


急いで左脇腹を擦る。そこには『何か』が……埋まっていた。

白井黒子も犯罪者への脅し文句で『心臓に鉄針を撃ち込む』と告げる事がある。
相手を殺す事になるので実際には心臓にブチ込むなんて所業を行わないが……強敵の場合には、仕方なく足や手に撃ち込んだりはする。


結標「因みに、ゴルフボールよ。皮膚の表面くらいかしら? 良かったわね。内臓とかじゃなくて」ニヤリ・・・

香焼「っ……狙った訳じゃないんすね」タラー・・・

結標「当たり前じゃない。チョコマカ動く回る貴方相手、正確に表面狙える筈無いわ。とりあえず『体内』狙ったのよ」フフフ・・・

香焼「…………(本気で、殺される)」ゾッ・・・

結標「安心なさい。頭と上半身に高低座標(ポイント)は合わせないから……でも、骨に入ったりしたら……ねぇ」ニヤリ・・・

固法「や、止めなさい! 白井さん、止めて!」チラッ・・・

白井「……彼次第ですの」フンッ・・・

結標「だってよ。降参する?」ニヤリ・・・

固法「降参とかじゃなくて、大怪我する決闘なんて許せる筈が無いでしょう!」タラー・・・

香焼「続け、ます……い”ッ!! つ……ふぅ」グッ・・・ブシャッ・・・

一同『っ!!?』ギョッ・・・


彼は左脇腹を……切開した。コロンと……血濡れたゴルフボールが転がる。
香焼は急いで簡易な治癒魔術と痛覚遮断術式を展開させ、向き直る。


結標「うわぁ……やっといて何だけど、痛くないの?」タラー・・・

香焼「…………、」ジー・・・スチャッ・・・

結標「あのさぁ……口数少ないのは正しいんだろうけど、続行確認の為にも喋ってくれない?」ハァ・・・

香焼「……超痛いっす……でも、頭が冴えました」ジー・・・

結標「もしかして真正のマゾ?」タラー・・・

香焼「……御想像に」ジー・・・


見るからに痛々しいが、彼の顔は平然としていた。それが恐ろしい……だが、嬉しくもある。




693第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/20(火) 00:46:06.573OtMmBZ+0 (2/10)

そこからは一方的だった。

結標がボールを乱射し、先程の様な罠を仕掛ける。香焼はそれを切り払い、紙一重で躱す。
近付こうとしても近づけない。たとえ、もう少しの距離まで近付いても彼自身が『座標移動』で後ろに戻される。

治癒魔術を用いて入るが出血は酷いままだし、スタミナだって限られてる筈。
もし香焼がもう少し高位の魔術師だったり回復魔術に特化していたら、即座に治せただろう。しかし、所詮は三流。


岩沢「……こりゃ酷いわね」タラー・・・

松下「ああ。後は審判がいつ止めるかを待つだけか」ジー・・・

固法「もう早く止めてよ!」チラッ・・・

白井・椎名・直井「「「…………、」」」ジー・・・


彼が戦意を失っていない以上、止める必要はなかった。現に動いている。
殆どの人間が固法や松下と同じ意見を持つ中……数名は、疑問を抱いていた。

まずは対戦相手の結標。それから審判3人。そしてセコンド2人。

審判3人と奏の疑問は『何故動けるのか?』だ。これは魔術を知らない彼らには理解し得ない事。
逆に結標と姫神は魔術を『何でもアリのチートパワー』と捉えている節があるので、気にも留めない。

そして、それとは別にこの2人が抱いている疑問は『何故攻撃しないか』である。
魔術師(何でもアリ)であれば攻撃手段なんぞ幾らでもあろう。回避の為に短刀を投げたりしているが直接結標を狙ったりはしない。


結標・姫神((まだ……甘えを))ジトー・・・


故に、血を流しながら戦う彼を決して憐れなどとは思わなかった。寧ろ、腹が立つ。

さておき、それを抜きにしても全員共通の疑問があった。『何故避けれるか?』だ。
一方的に見えるこの戦いだが、実際は結標の攻撃を殆ど避けたり切り払ったりしている。
先程大ダメージを負わせたも然りだ。寸前の所で、立ち止まったり、直角回避している。


椎名「何故、避けられる?」ジー・・・

白井「他のもそうですけど、アレは特に視覚予測出来ない攻撃でしょうに」フム・・・


白井黒子はその脅威を誰よりも知っている。自身の鉄針も避けられた事は無いというのに……何故だ?


立華「これも、理解出来ない『何か』なのかしら?」チラッ・・・

姫神「……分からない。でも。こればっかりは。先読み読心でもしなきゃ。多分無理な筈」ジー・・・

立華「彼が読心してる可能性は?」チラッ・・・

直井「それは無いな。僕に容易に心を読まれる様なヤツだ」ジー・・・


その通り、読心魔術なんて高位中の高位魔術を香焼が使える訳が無い。では、如何してか。


直井「……勘、だろうな」タラー・・・

姫神・立華「「え?」」ポカーン・・・

直井「先程から彼の心を読んでいるが、『体内座標移動』に関しては勘で避けている。しかも殆ど当たってる」タラー・・・

立華「……淡希の手(ライト)の動きや目線、クセを掴んでとかではなく?」タラー・・・

直井「君は彼女の手の動きやクセだけで座標を特定出来るか? 無理だろう……勘なんだよ、アレは」タラー・・・


結標が持つ軍用の警棒電灯(ライト)。所詮アレは補助具に過ぎない。
実際ライトの光は何処までも伸びるし、手を振るえば何処に罠を張ったかなんて特定出来る訳も無い。

もしクセがあったとしても即座に反応発見するのは不可能だ。
しかし……『偶然』たる『勘』が全て当たるのは、それはもう『必然』である。
故に避けられる『確証』があるので『勘』を信じるのだろう。




694第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/20(火) 01:18:52.033OtMmBZ+0 (3/10)

不可解過ぎる『勘』に理由を欲した直井は、姫神の方を見て……尋ねた。


直井「あまり、こういうのは好ましい行為じゃないが……彼の『深層』を見て良いかい?」チラッ・・・

姫神「…………、」ジトー・・・

直井「無論、余計な個所までは覗かない。この『勘』に関する事だけだ。今使用しているコレについてなら、比較的浅い所にあるだろう」ジー・・・

姫神「……他言無用」コクッ・・・


勿論門外不出だ。許可が出たので……彼の『勘』についての『深層』を覗かせて貰った……―――



   <回想>


アニェーゼ「―――待ちやがれってんですよぉ!! わんこーーーーーーヤギィイイイッ!!」ブンッ!!

香焼「うぎゃあああぁっ!! 止めてよおおおおぉ!!」ヒョイッ!!

アニェーゼ「てめぇ、避けんじゃねえぇですよおぉっ!! 大人しく潰されろってんです!!」フンッ!!

香焼「な、何でだよっ!! 当たったら危ないどころじゃ済まないだろっ!! うわっ!!」シュンッ!!


 ズドンッ!! バギィンッ!! ズゴゴゴッ!! ガゴンッ!! バリーンッ!! ガガガガッ!!


アニェーゼ「ぐぬぬぅ……生意気なぁ……死ねええええぇっ!! 死にやがれってんです!!」ゴガンッ!!

香焼「再三謝っただろおおぉ!! 大して悪くないのにさぁああぁっ!! おわぁっ!!?」ゴロンッ!!

アニェーゼ「うるさいうるさいうるさーーーーーいっ!! 黙ってボコボコにされろってんですよおおおぉっ!!」グルンッ!!


 ドッカーン!! ギジジジッ!! バリバリバリ・・・ズドーンッ・・・・・


レッサー「あーあ……こりゃ酷いですね」ハハハ・・・

サーシャ「うわぁ……食堂が地獄です。第一の質問ですが、コーヤギー、今回は何をしでかしたんですか?」タラー・・・

アンジェレネ「えっとねぇ……コォヤギくんがアニェーゼちゃんに渡す漫画間違えたの」アハハ・・・

サーシャ「それだけで?」ポカーン・・・

アンジェレネ「いや、普通の漫画だったら良かったんだけど……建宮達に渡す様な漫画で」アハハ・・・

サーシャ「え?」キョトン・・・

レッサー「察し悪いですねぇ……要はえっちぃシーンとかも入ってるアダルティックな漫画だったんですよ。濡れ場です。濡・れ・場」ニヤリ・・・

サーシャ「……あー」ポリポリ・・・///


 ズギャギャギャギャギャギャギャッ!! ガリガリガリガリッ!!


香焼「ちょ、3人とも見てないで助けてよおおおおぉ!!」ビエエエェンッ!!

アニェーゼ「当たれぇっ!! 当たれってんですよおおおぉっ!! 避けんなあああぁっ!!」ブンブンブンッ!!

香焼「うわあああああぁんっ!!」タッタッタッタッ!!


  <回想中断>



直井「……何だ、これ」タラー・・・

姫神・立華「「え?」」キョトン・・・


色んな意味で理解出来ない『何か』が見えた。




695第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/20(火) 01:49:53.863OtMmBZ+0 (4/10)

姫神と奏が何を見たのか問うて来たのだが、ぶっちゃけ言葉に困る。何と言って良いか分からない。


直井「ま、待ってくれ……もう少しだけ見てみる」ジー・・・


再び、相変わらず走り回る香焼を覗いた……―――



  <回想再開>


 ゴンッ!! ガンッ!! ズドンッ!! バギンッ!! ゴリリリッ!!


サーシャ「―――やれやれ……第一の観測ですが、アニェーゼ、割と本気で怒ってますね」タラー・・・

アンジェレネ「最初は『蓮の杖(ロータスワンド)』使う程じゃなかったんだけど、コォヤギくんが言い訳したり逃げ回るから」アハハ・・・

サーシャ「……相変わらず沸点が低い」ハァ・・・

レッサー「これだからエロに耐性無いドS気取りのお嬢ちゃんは。私ならコウヤギと一緒にそれ読んでムフフなんですけどねぇ」ハハハ

アンジェレネ「レッサーちゃんも大概口だけだけどねー。実際押されると弱いですし」ハハハ

レッサー「ぐっ……そ、そんな事無いですよ。そりゃもう私のテクに掛ればビンビンがギュンギュンでアタフタな!」タラー・・・

サーシャ「はいはい。内心純情少女(ピュアガール)お疲れ様です……それにしても第一の疑問ですが、このやり取り何回目ですか?」タラー・・・

アンジェレネ「24回目。あ、『杖』取り出したのは丁度10回目かな!」ハハハ

サーシャ「うわぁ……第一の意見ですが、もう完全に慣れてますね。コーヤギー……不可視の『座標攻撃』避けてますよ」タラー・・・

レッサー「身体が覚えちゃったんでしょう……ハッ! いつの間にかアニェーゼに調教されていた!? わ、私も負けてられません!」グヌヌゥ・・・

アンジェレネ「でもレッサーちゃん……毎回コォヤギくんに、尻尾掴まれて逆に調教されてるよね?」ジトー・・・

レッサー「んななななんぁっ!? そ、そんな事ありませんっ!! わ、私は超ド級のSです! こ、コウヤギはMでしょう!?」アタフタ・・・

サーシャ「いや、第一の反論&客観ですが……レッサーに対しては結構Sですよ。しかも『ド』が付くくらいに」チラッ・・・

レッサー「くっ……悔しい、ですっ」グヌヌゥ・・・

アンジェレネ「でも、感じちゃうんでしょう? 『ビクンビクンッ』って」ニヤリ・・・

レッサー「そ、そそしょしょんな訳にゃ、無いでしょおおぉ!!」ダラダラ・・・///

サーシャ「レッサー……第二の意見ですが、超動揺してますね。そんなに此処(尻尾)が良いんですか?」フフフ・・・スッ・・・

レッサー「さ、触るなぁ!!」ギョッ・・・

アンジェレネ「えいっ☆」ギュッ!

レッサー「ひゃあぁっ!!?」ビクンッ・・・

アンジェレネ「ふふふふ……コォヤギくんの『熱いの(魔力)』気持ち良かったですって認めないとぉ……ふふふふ」ニヤリ・・・

レッサー「お、鬼! アンタら鬼畜です!!」ウギャアアァッ!!

サーシャ「第三の意見ですが、サディストはアンジェレネだけですよ。私は……って、ちょ!? コーヤギー! こっち来た!!?」ギョッ・・・

アン・レッサー「「うぇ!?」」ギョッ・・・


 ―――エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド・ベオーズス・ユル・・・・・


香焼「ど、退けてえええぇっ!! アニェーゼが壊れたあああぁっ!! 逃げろおおおおぉ!!」ドドドドッ!!

アンジェレネ「う、わ……その詠唱は!!?」ギョッ・・・

レッサー「あ、アンジェレネ! 尻尾離して下さい!! 逃げられませんって!!」アタフタ・・・

サーシャ「あー……第一の傍観ですが、この詠唱、私の魔術障壁でも避けられませんよ」ダラダラ・・・


 ―――スヴュエル・カノ・オシェラ・ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・・・・・




696第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/20(火) 02:16:08.313OtMmBZ+0 (5/10)

アニェーゼ「―――ベオークン・イル……覚悟は、出来てやがりますよねぇ?」ゴゴゴゴゴ・・・

香焼「み、皆、食堂から離れろおおおおぉ!!」ウワアアァッ!!

アン・レッサー・サーシャ「「「ぎゃあああぁっ!!」」」ダダダダッ!!


 キュイイイイイイイイイィン・・・・・


アニェーゼ「……エクスゥウウゥ―――」グイッ・・・

ステイル「やれやれ、疲れた……ん? 何だこの有り様は……って、香焼? また貴様か」ハァ・・・

香焼「おま、邪魔すんなああああぁっ!!」ドンッ!!

アンジェレネ「うわあああぁっ!! ステイルくんが壁になってつっかえましたああぁっ!!」キャー!

レッサー「こ、この木偶の坊おおおおおぉ!!」ピギャアアァッ!!

サーシャ「……神は、死んだ」チーン・・・

ステイル「は? って……え」チラッ・・・ダラダラダラ・・・・・



アニェーゼ「……○ロオオォジョオオオオォンッ!!」ブンッ!!

一同『ちょ、待―――』


 ちゅどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ・・・・・―――


  <回想終了>



―――……何だ、こりゃ。


直井「か、彼は……何者なんだ!?」ダラダラ・・・

立華「直井君?」チラッ・・・

姫神「……忘れた方が。身の為」ジー・・・

直井「え、い、や……訳が、分からない」ダラダラ・・・


とりあえず、今見た事を2人に話した。


立華「……念導力ではないの?」タラー・・・

直井「念導力であんなに強力な爆発は起こせない……というか、あの修道服の少女達は何者だ!? 何だあの破廉恥なコスプレ集団」ダラダラ・・・

姫神「そこに突っ込んだら負け」コクッ・・・


しかし彼が『勘』を信じる理由が分かった。彼にとって『座標攻撃』は日常茶飯事なのだ。
つまり……結標は、知らずの内に不利条件だったのだ。


立華「な、慣れの御蔭? 信じられないのだけど」タラー・・・

直井「しかし、彼は本能的に空間攻撃を……しかも『真に見えない座標攻撃』までも回避できる様になっている」ダラダラ・・・


そう……香焼は、幸か不幸か『アニェーゼ=サンクティス』という沸点の低いドSな友人の御蔭で耐性が付いていたのだ。
科学(物理攻撃)と魔術(エーテル攻撃)の違い。だが結局のところ、座標で攻撃される事には変わりない為、慣れている。

結標とアニェーゼの違いは大きく3つ。
・結標は物理的なモノであれば『殆どのモノ』を移動させられる。それが人間や自分自身であっても可能。
・アニェーゼは物理的な移動は不可能だが、その他に『四大元素』全てを扱える天才魔術師(アベレージ・ワン)なので実際色々出来る。
・後は単純に性格の問題。香焼に対して熱くなるアニェーゼと、クールになる結標。ぶっちゃけどっちも面倒。

ただ、暴走してドデカい一発出さない結標の方は決定打に欠ける。尤も、一向に短刀投躑をしない香焼も勝ち目は無いのだ。




697第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/20(火) 02:37:42.773OtMmBZ+0 (6/10)

さておき、今の話を聞いた姫神と先程からヒョイヒョイ避けられる結標は腹が立っていた。


結標「……何故、攻撃しない」ギリッ・・・


攻撃したくない訳ではないらしい。実際難とか近寄ってくるのを見る限り、如何しても接近戦がしたい様だ。
だがそれが不可解。彼の得物が短刀である事は既に周知。普通は投躑(ダガー)を用いる筈だ。

ふと……一度、大きく彼を飛ばしたところで、ボールの乱射を止めた。


結標「……何のつもり? まさかダーツが下手とかそういう理由じゃないんでしょう?」ギロッ・・・

香焼「…………、」ハァハァ・・・

結標「答えなさい! これじゃあずっと平行線なのよ!」グヌヌゥ・・・

香焼「……ふぅ」ジー・・・

姫神「……香焼くん」ジー・・・

香焼「…………、」チラッ・・・

姫神「もしかして。貴方……まだ。迷ってる?」ジー・・・


刃物は……人を傷つける。しかし、格闘戦なら加減が出来る。


直井「っ……何て、甘い」タラー・・・

白井「あら……存外、風紀委員向きの性格ですのね」クスクス・・・

結標「っ……秋沙。この子、勝負にならないわ」チラッ・・・

姫神「……はぁ」ポリポリ・・・

香焼「……じゃあ、僕の勝ちっす」ジー・・・

一同『え?』ポカーン・・・


いきなり、何を言う。


香焼「審判! 彼女は戦意喪失しましたよ」ジー・・・

白井・椎名「「なっ」」タラー・・・

直井「き、君は……トンチ合戦がしたいのか」タラー・・・

結標「い、良い度胸……してんじゃない」ピキピキ・・・

姫神「……その屁理屈なら。端っから戦う気の無い。貴方の不戦勝」ヤレヤレ・・・

香焼「自分はありましたよ。現に向かって行ってました」コクッ・・・

立華「詭弁ね」タラー・・・


いきなり喋り出したかと思えば……馬鹿げた事を。


結標「……如何したら、貴方は本気を出すの?」ジー・・・

香焼「自分はいつだって本気っす」ジー・・・

結標「何処がよ! 逃げ回ってるだけじゃない! 偶に私に近付いて、短刀壁に投げたり天井に向かって投げたりするだけで―――」ギロッ・・・


気付けば至るところにワイヤーだらけ―――


結標「―――……あ」ピタッ・・・


―――気付いた時には……遅かった。




698第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/20(火) 03:22:13.383OtMmBZ+0 (7/10)

結標は……『蜘蛛の巣』の中に居た。


直井「な……ただ逃げ回っていただけじゃなかったのか」タラー・・・

立華「これじゃあ淡希は身動き取れないわね」ジー・・・

椎名「……浅はかなり」タラー・・・


元々結標は移動しながら戦うタイプではない。自分を『基点』にして戦うタイプだ。故に……余裕を持ってその場に留まり過ぎれば、こうなる。


結標「っ……で、でも、今までと何ら変わりないわ。今まで通りボールを乱射して弾幕張ってれば―――」


 シュッ・・・・・


結標「―――……え」パシュッ・・・

一同『なっ!?』ギョッ・・・


羽織っているだけだった結標のブレザーが……後方に吹っ飛んだ。上部後方のワイヤーに引っ掛かりユラユラ揺れている。
よく見ると、裾と腕の部分に風穴(刺し傷跡)の様なモノが空いていた。


香焼「誰が……甘ちゃんで?」スッ・・・

結標「ふ……ふふふっ」ニヤリ・・・


両手には6本のダガー。


香焼「……自分は弱いから、絡め手とか使わないと格上には勝てないんすよ」テクテク・・・

結標「あら? 一勢攻転した途端に饒舌になるのね?」ブツッ・・・


だったらワイヤーを切れば良い。名前通り『鋼糸』故に素手や軍用ライトでは切れないが、座標移動を用いれば無理矢理引き千切れる。
とりあえず邪魔な真横のワイヤーの上にボーリングの玉を乗せ、強引に切った―――刹那、まったくの反対方向からナイフが飛んできた。
慌ててそれを彼の方に座標移動させる。これで彼の足に風穴が……え。


野田「だ、ダガーが……消えた?」キョトン・・・

香焼「咄嗟の反応は流石っす。今の仕掛け(ワイヤートラップ)は初歩中の初歩とはいえ、普通じゃ対応出来ないっすよ」フフフ・・・

結標「え? あ、いや……ちょ……今、私、ナイフ『返した』わよね」タラー・・・

香焼「ええ。戻ってきましたよ」フフフ・・・


尤も……『折り紙』を媒体とした魔力生成の銃剣(バヨネット)なので、主導権を奪われた時点で魔力を遮断すれば『紙』に戻る。


香焼「何で消えたかは教えられませんね……ただワイヤーを切れば、今のが飛んできますよ」ニヤリ・・・

結標「な、なら何度でも返してやるわ!」ギロッ・・・

香焼「じゃあその間に……もっとワイヤー張りますね」シュバッシュバッ・・・ストンッストンッ・・・


結標の足元と途方も無い四方八方に、鋼糸と折り紙を括ったナイフを投げる。そしてその鋼糸の他方端は香焼が持ったままである。
片一方のワイヤーが切れたと同時に銃剣(折り紙)に魔力が籠り、刃が飛んでくる仕様だ。

結標は一度にワイヤーを何本も切れなかった。理由は単純。
まずはボーリングの玉がそこまで多い訳ではないから。そして、予測不能の方向から飛んでくるダガーをそう何本も同時に対処出来ない。
彼女が戸惑う間にも香焼は幾多もの鋼糸を張り巡らせる。


結標「……っ」タラー・・・

白井「あらら……ま、『私なら』逃げる事が出来ますけど、貴女は如何するのでしょうねぇ」ニヤリ・・・


蜘蛛の巣に絡まった虫。網に掛った魚。籠から出られない鳥……そんな心境だった。



699第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/20(火) 04:07:47.063OtMmBZ+0 (8/10)

セコンド側に姫神秋沙は複雑だった。彼の意図を理解したからこそ、複雑だった。
自分が知り得る魔術師というモノは、もっと派手で優雅に戦っていたと思う。

だが彼は違った。ド派手にナイフと砲丸の弾幕戦を行うでもなく、華麗に斬撃を飛ばす訳でもない。
無論、罠を用いる魔術師も知っている。だがそれはあの『錬金術師』の様に事前の準備があってこそ。
戦いの最中にこんな馬鹿な真似は、彼だってしない。

しかし香焼は……地道に、せこく、ジワジワと、搦め手を用いて……まるで無能力者の様に戦った。


姫神「本気で……手加減。した」ジー・・・


圧倒的な力量で敵を屈服させる訳でもなく、地味に相手を追い詰めた。
なるほど、戦法としてはそういうのもあるのだろう。だが……これだけ優位に立てるのであれば、簡単に彼女を追い詰められた筈だ。


立華「そうね……淡希を、直接狙っていればだけど」コクッ・・・

直井「態々降伏させようとしている。確かに、遠回りで馬鹿げているよ」ハァ・・・

姫神「そう……それが。貴方の『救い』なのね」ジー・・・


極力、無傷で、敵を倒す。なんて……矛盾。しかしそれが彼なりの『教義』の解釈なのだ。
気付けば、手持ちの鋼糸が残り4本になる程のワイヤートラップを敷いていた。


香焼「……如何します?」ジー・・・

結標「っ……ふんっ!」ブンッ!!


無駄な足掻きと知りながら、ボールを香焼に投射する。だがやはり……避けられ、撃ち落とされる。
しかも今度は曲芸紛いの―――ワイヤー渡りまで用い出した。


白井「器用ですのね」フフフ・・・

椎名「……出来る」ジー・・・


『平面』の戦闘だけではない。彼は『空間』を移動できる様になった。更に厄介。
こうなった原因は二つ。彼が『対座標攻撃』に慣れていた事。そして……彼に『巣』を作る時間を与え過ぎた事だ。

だがしかし……これでも尚……彼は攻撃しない。


香焼「降参して下さい! 貴女の負けっす。もう動けないでしょう……戦闘不能です」ジー・・・

結標「……阿呆抜かさないで。私はまだ傷一つ負ってないわよ。此処から動けなくてもボールは乱射出来るわ」ギリッ・・・

香焼「当たりませんよ」ジー・・・

結標「嘗めた事を……だったらこの勝負は引き分けよ」チィ・・・


引き分けじゃ意味が無い。しかしこれ以上は戦いたくない。実のところ、魔力は空っぽに近い。
最初に『七教七刃』を失敗させたのが痛かった。実際、あそこで圧倒出来ていれば搦め手を使う必要も無かったのだが……まぁ結果論か。

均衡する最中、ふと……後ろから声が聞こえた。


立華「……淡希」ジー・・・

一同『っ!』チラッ・・・

立華「セコンドとしてアドバイス、というより叱咤よ……いつまで『飛ばない』気? 嘗められっ放しで良いの?」ジー・・・

結標「っ……、」タラー・・・

立華「飛びなさい……何かあったら私がすぐ助ける。間違って乱雑解放(ポルターガイスト)起しても、私が皆を守るから」コクッ・・・

結標「奏……あはは……まぁその、ありがと……お言葉に甘えるわ」ハハハ・・・ギロッ・・・


刹那、目の色が変わった。籠の中に居た小鳥が、猛禽類になった様な目……底知れぬプレッシャー。




700第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/20(火) 04:32:33.053OtMmBZ+0 (9/10)

彼女は一度大きく深呼吸した。そして―――


結標「―――」シュンッ・・・

香焼・白井「「なっ!!?」」ギョッ・・・


―――消えた。


結標「―――フンっ!!」ゲシッ!!

香焼「え? あ……ぃ、ガァッ!!」ゴリッ・・・


背後から蹴られた。


音無「……飛んだか」ジー・・・

日向「ああ……飛んだな」ジー・・・

固法「なっ……出来ない筈じゃ!?」ギョッ・・・

ゆい「んー……危険、ってだけで出来ない訳じゃないですよ」コクッ・・・


座標移動ではない。自身の……単体ジャンプ(空間移動)。
今の蹴りでワイヤーに引っ掛かりながら地面に落されてしまった。一方、淡希さんは元々僕が居た方に着地している。


香焼「痛つつ……、」チラッ・・・

結標「―――っ……ハァ……ハァ」ダラダラ・・・


一度のテレポートでかなり精神を削っているらしい。


結標「ふぅ……形勢、逆転ね」ニヤリ・・・

香焼「…………、」ジー・・・

結標「さぁ、今度こそ武器使わなきゃ勝てないでしょう?」フフフ・・・


御名答。ワイヤートラップ様に使える鋼糸は余ってないし、魔力も残り少ない。
だがしかし……また新たな小細工を考えれば問題無い。


結標「そう……じゃあ、こういうのは」ヒュンッ・・・


相変わらずの砲丸乱射。しかし、先程までと状況が違う。今僕が居るのは自分で作った『巣』の中……高速で動き回れない。
だけど、今の僕は三次元に動け―――


結標「でも、さっきより遅いから予測は容易い……ドラァっ!!」シュンッ・・・ゲシッ!!

香焼「い、ギぃッ!!」ズサァ・・・


―――る筈だった……しかし、甘かった。
目の前に彼女の足がある。つまり……蹴られる。考えた時にはもう遅い。側頭部に激痛。トゥーキックがモロに入った。

幸運だったのは、彼女が『体内座標攻撃』をしなかった事。今されていたら確実に負けていた。


結標「甘いわ。だから結局、こうなるんじゃないの? 本気の手加減の『驕り』なんて、良い茶番ね」ジトー・・・

姫神「自業自得……まったくもって。その通り」ジー・・・


何とか意識を立て直し、彼女と向き合う。案の定、距離は近い。
こうなったら一か八か、僕自身に座標を合わされるのを回避しつつ、彼女と取っ組み……接近戦に持ち込むしかない。

再度乱射されるボールの中、僕は前に踏み込んだ……―――




701VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/20(火) 04:44:30.773OtMmBZ+0 (10/10)

はい、此処まで。やっぱ戦闘描写苦手だ。逆にアニェーゼ達の下りを書いてて、楽しくてしょうがないw

色々ツッコミ所は多いと思いますが、御了承を。


Q.あわきんがこんなに圧倒される訳無いじゃん!
A.対魔術師相手(理解不明な相手)&『香焼とアニェーゼの関係』

Q.香焼やってる事って雑魚魔術師なの? 何か凄く強そうに見えたけど?
A.ステイルなら開幕早々消し炭にしてるし、神裂・五和なら神速・瞬歩・縮地で当て身して倒せてます


とりあえず今回は『100%のあわきん』に対して手加減しては勝てない、という場面までです。
でも色々質問御指摘意見反論下さい。直せる部分は直していきます。

次回は短いけどナイフ使わせます。絶対に。そんじゃ……眠い。おやすみ。 ノシ”




702SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 04:54:44.13KSmVrKn9o (1/1)

乙!


703SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 09:57:54.86LAxxKl4DO (1/1)

乙。アニー→コーヤギ→レッサーの流れで調教か……kwwsk!

しかしまぁ甘ちゃんだなぁ。第8小隊の隊長さんより甘い……それが美点でもあるんだろうけど
カミやん病と神裂の教えのハイブリッドだから、こうなのかな?


704SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 19:24:24.81xZNe7raeo (1/1)

本編より行間が気になるww


705SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/20(火) 21:40:44.87m4QXY4jn0 (1/1)

私ミコト、今テニスコートの前にいるの


706VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/23(金) 18:55:47.10bFHl++E20 (1/9)

こんばんわ。ボチボチ書くよ。


707第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/23(金) 19:27:58.04bFHl++E20 (2/9)

 ―――とある翌々日、PM06:30、学園都市第7学区、とある大通り、旧三沢塾分校・・・<電磁通行side>・・・


   カツカツカツ・・・・・


御坂「此処ね……そんじゃあ一発!」ピンッ!!

一方通行「あァ此処だな……って、止めろド阿呆! 挨拶代わりに超電磁砲(レールガン)ブッ放そォとしてンだボケェ!!」パシッ!!

御坂「あ。コイン掴んだ!? 何してんのよ!」ジトー・・・

一方通行「何が『何してンのよ!』だァ!? テメェさっきの件、まっっっったく反省してねェだろ?」ギロッ・・・

御坂「ぐっ……で、でもさぁ。黒子達が捕まってるかもしれないんだし」タラー・・・

一方通行「だったら尚更だろォが駄阿呆。超電磁砲で建物貫く途中に人質居たら元も子もねェっつゥの」ハァ・・・

御坂「そ、そのくらい分かってるわよ! だから威嚇射撃って事で……玄関壊す程度に」タラー・・・

一方通行「事大袈裟にして警備員に取っ捕まりてェならそうしろ」フンッ

御坂「……じゃあアンタ何か良い案あんの?」ジトー・・・

一方通行「……とりあえず、表は閉まってる。どっか開いてそうな場所から入るしかないだろォな」カツカツ・・・

御坂「中入るの?」ムゥ・・・

一方通行「寧ろそっちの方が事荒立てずに済む。テメェと違って俺はタカ派じゃねェンだよ」カツカツ・・・

御坂「わ、私だって平和主義者よ!」グヌヌ・・・

一方通行「どの口言うか……まァ確認しとくが、俺は結標を取っ捕まえて帰れりゃ良い。テメェは?」チラッ・・・

御坂「……え?」キョトン・・・

一方通行「……あのよォ」ハァ・・・

御坂「え、あ、いや、冗談よ! 冗談……黒子達がピンチだから助ける! ついでに結標淡希をボコる!」グッ・・・

一方通行「あっそ。てか気になってたンだが……マジで、テメェの後輩達ピンチなのか?」カツカツ・・・

御坂「え? うん……多分。詰め所に連絡着てないって言うし」タラー・・・

一方通行「それ、いつの時点よ」ジトー・・・

御坂「え……あ」ピタッ・・・

一方通行「……もし捕まってなかったら如何すンの」ハァ・・・

御坂「うっ……あ、貴方様の、お、お手伝いとして」ダラダラ・・・

一方通行「要らね。帰れ」フンッ・・・

御坂「ぐっ! い、いーやーだー! 連れてってー!」ガシッ!!

一方通行「うっっっっっぜェ! お前、打ち止め(妹)よりウザい!」ウワァ・・・

御坂「……だって、無駄骨はヤダもん」モジモジ・・・

一方通行「知ったこっちゃねェし……って、いい加減裾放せボケ!!」ブンブンッ!!

御坂「……アンタ」ジトー・・・

一方通行「あン?」ジトー・・・

御坂「……実は、もうバッテリー残ってないでしょ。あと何回能力使える?」ジトー・・・

一方通行「…………、」ピタッ・・・

御坂「マジで私の事うっとおしかったら、能力で弾いたり何なりしてるもんねー」グッ・・・

一方通行「……だから、何だ?」タラー・・・

御坂「ふっふっふっ……しょうがないなぁ。私がボディガードして上げるわ。感謝なさい!」ニカッ!!

一方通行「有難迷惑極まりないンですけどォ……ってぐえっ!!? ちょ、チョーカー引っ張ンな!!」ズルズル・・・




708第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/23(金) 19:49:48.05bFHl++E20 (3/9)


 カツカツカツ・・・・・


御坂「……此処の裏口、開いてるわ」Pi・・・

一方通行「あっそ」ジトー・・・

御坂「ノリ悪いわね……行くわよ!」テクテク・・・グイッ

一方通行「……はァ」カツカツ・・・


 シーン・・・・・


御坂「妙ね……人が居ない……恐れをなして逃げたのかしら?」キョロキョロ・・・

一方通行「……俺らが来る事を事前に把握してたってか? そりゃ無ェな……まァまたハズレ引いたンじゃね」ハハハ

御坂「え……マジ?」ダラダラ・・・

一方通行「可能性としては大だな……ただ」ジー・・・

御坂「何よ……って、え?」ジー・・・

一方通行「……そこの部屋だ」クイッ・・・ガチャッ・・・

御坂「部屋に……銃器?!」ギョッ・・・

一方通行「……アジトってのは確実だ。結標のチームか如何かは分からねェけどよォ」スッ・・・

御坂「この武器の数……やっぱアイツ、またテロ紛いの事を企ててるんじゃ」グッ・・・

一方通行「だから分からねェって……っ……止まれ」スッ・・・

御坂「え」ピタッ・・・

一方通行「足音だ……隠れろ」コクッ・・・


 テクテクテク・・・・・


大山「はぁ……あわきん達の決闘長引き過ぎだよ。あの少年、何であんなに持ち堪えるのかなぁ」テクテク・・・

入江「さぁ。男の子の意地ってヤツじゃないかなぁ」フフフ・・・

関根「私達がお茶菓子持って帰る前に終わってなきゃ良いけどね」クスクス・・・


御坂(ん……どうやら、アタリね。でも決闘? 何それ?)チラッ・・・

一方通行(さァな……だが、アイツら捕まえりゃ結標の居場所が割れンだろ)ニヤリ・・・

御坂(……そうね)ニヤリ・・・


 ガンッ!!


大山・入江・関根「「「っ!!?」」」ビクッ!!

御坂「……動くな」スッ・・・ビリビリ・・・

大山「え、あ、な、何!?」アタフタ・・・

入江「し、侵入者!?」ダラダラ・・・

一方通行「悪ィがテメェらの質問に応える義務は無ェ。だが……テメェらにはゲロって貰うぜ」バンバンバンッ!!

関根「ひゃあっ!?」ペタン・・・

御坂「ちょっとアンタ。幾ら威嚇ったって、か弱そうな女の子に向かって発砲する事無いでしょう」ジトー・・・

一方通行「超電磁砲スタンバってるテメェよかマシだろ……まァンな事ァ些細だな……さァ色々聞かせて貰うぜィ」ジトー・・・ニヤリ・・・




709第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/23(金) 20:22:16.52bFHl++E20 (4/9)

 ―――とある翌々日、PM06:40、学園都市第7学区、とある大通り、旧三沢塾分校舎横・おんぼろ屋内テニスコート・・・・・






誰が如何見ても『拷問』だった。
先程の様にボールが乱射され、香焼が避けて打ち落とす作業に変わりはない。だが立ち位置が決定的に違う。
鋼糸(ワイヤー)の網(巣の中)に嵌まっていた結標は空間移動によって、香焼が立っていた位置に。香焼はその逆。網に絡まった状態。

再度反対側にも網を張ろうとワイヤーをセットしようとするも、早い段階でそれを切られてしまっては無為に終わる。


香焼「ぐっ……ハァハァ」ダラダラ・・・

結標「ホラホラ! 止まったら当たるわよ!」シュッ・・・

香焼「ッ! くっ……っそ」グルンッ・・・バッ!!


確かに、攻撃が当たらなければ結標にも勝ち目は無いのだが、それも時間の問題。
常時全力で動いている香焼のスタミナは限界に来ている筈。加え、魔力も殆ど残っていない。


結標「いい加減、攻撃してきたら如何? ナイフ、まだ沢山余ってるんでしょ?」ニヤリ・・・

香焼「…………、」タタタタッ・・・

結標「不利になると話さない、かぁ……器が知れるわね」フフフ・・・


香焼は攻撃しない。だがその理由は彼が『甘いから』の他に、もう一つだった。
放ったダガーナイフを彼女が座標移動させる可能性がある。それがもし自分の方へ返されたらボールとは違い……致命傷になる。
加え、とんでもない方向に移動させられて、間違ってギャラリーに当たる最悪の場合も考えられる。

故に……如何しても、接近戦で片を付けたいのだ。


香焼(だけど……近付けない)ダラダラ・・・


近付けば、自分自身が飛ばされる。自分が張った動き辛い網の方へ戻される。


姫神「……自分で。自分を。苦しめた結果」ジー・・・

直井「しかし、勝算が無い訳ではない様だ……現に、ボールを見れば分かる」ジー・・・

立華「……ナイフで裂ける類の玉は、壊して回ってるわね」コクッ・・・


空気を入れるタイプのボールは殆ど裂き墜としている。
ただボーリングの玉やゴルフボールなどはまだまだ残ったままだ。だが……それで十分。


香焼「っ……ぐっ!!?」ゴンッ・・・

結標「あら、ボーリングの玉に当たっちゃった?」ニヤリ・・・

香焼「ゲホゲホッ……ごほっ」ヨロヨロ・・・

結標「大丈夫? お腹直撃したように見えたけど」フフフ・・・

香焼「はぁはぁ……っ……まだ、動ける」ギッ・・・

結標「ふふっ……その目、嫌いじゃないわ」

香焼「っ……もう……ボールは、殆ど無いっす」ジー・・・

結標「だから? 後は貴方のスタミナ切れを待てば私の勝ちよ」ニヤリ・・・

香焼「それは……自分も同じっすよ」グイッ・・・


結標とて、能力を多用すれば疲れる筈。現に一度『単体ジャンプ』をした時点でかなりの精神力を削った。
しかしそれでも……香焼の方が厳しい状況下に置かれていた。




710第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/23(金) 20:52:59.86bFHl++E20 (5/9)

優勢になった自分達のリーダーの活躍に声援も大きくなるギャラリー。
だが、数名……中でも一人……いい加減にして欲しいと冷ややかな目でこの決闘を見遣っている。


固法「…………、」ジー・・・

音無「ん……まぁ、その……なんだ」チラッ・・・

固法「馬鹿ね……ふざけてる」ジー・・・

音無「確かに、風紀委員のアンタからすりゃそうだろう……俺も実際、こういう馬鹿な騒ぎは好きじゃないよ」コクッ・・・

固法「…………、」ジー・・・


審判を任された後輩を見る。何故、彼女は止めない。


白井「…………、」フンッ・・・


そんな先輩の視線に気付かない訳がない。今すぐ止めろとでも言いたそうな目。
しかし……それは無理な相談だ。今止めるのは些か野暮だし、それに……自分はあの少年を好かない。


白井「彼は……自分に制限を掛けて、その状態を本気と謳い……それで負けて後悔するタイプですわ」ジトー・・・

椎名「浅はかなり」ジトー・・・


半ば呆れた目で決闘を見守る……ふと、彼の側頭部にゴルフボールが当たった。
軽い脳振頭を起したのだろう。その場に膝をついた。


結標「……審判。そろそろ、じゃない?」チラッ・・・

直井「……彼次第ですね」コクッ・・・

香焼「ハァ……ハァ……っ!」ギロッ・・・

白井「……続行ですの」ハァ・・・

固法「っ!! 白井さん! 止めなさい!!」バンッ!

白井「先輩……口を出さないで。見たくなければ外でお待ちを」コクッ・・・

固法「っ……姫神さん!」ギリッ・・・

姫神「戦ってもらう。勝って貰わなきゃ。困る……それに。彼は。本気を出してない」ジトー・・・


故に、結標は……姫神は腹が立つ。


香焼「げほっ……本気、っすよ」ヨロヨロ・・・

結標「……これ以上は、死ぬわよ」ジトー・・・

香焼「淡希さんこそ……本気、出してないんじゃないっすか」ゲホゲホッ・・・

結標「ええ、出す必要がないもの。私達の差は歴然じゃない」ジー・・・


持久戦になれば、魔力とスタミナを酷使させる香焼が不利に決まっていた。


結標「もしかして、まだ私と接近戦出来るかも……とか思っちゃってるの? しないし、させないわよ」フンッ・・・

香焼「…………、」ダラダラ・・・

結標「香焼くんはこのまま逃げ回り、そんでボールでフルボッコ喰らって……疲労困憊満身創痍で負けるのよ」フフフ・・・

香焼「……負けません」グッ・・・

結標「吠えるわね……そろそろ、流石にウザいわ」ジトー・・・


香焼が結標に取り付く。そうすれば形勢逆転……だが、そうする為には色々エネルギーが足りない。




711第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/23(金) 21:26:48.72bFHl++E20 (6/9)

魔力が欲しい。体力は魔力で補える。痛覚や疲労を遮断し、身体を酷使すれば良いだけの事。

天草式の術式は『マナ』を『オド』に変換させる事を得意とする。だがそれは特定の条件を揃えてこそである。
正直、この廃屋は『マナ』が溜らない。故に、少ない『オド』のみで戦わねばならないのだ。


直井「まな? おど? ふむ……RPGの様な事を考えてるのか」ポカーン・・・

姫神「だから。幾ら頭の中を読んでも。私達には理解出来ない……え?」キョトン・・・

直井「如何した?」チラッ・・・

姫神「オド……魔力切れ。か」ジー・・・

立華「まりょくきれ?」ポカーン・・・


短い期間だが、アウレオルスと過ごしていた姫神には魔術の基礎的な知識はある。
『マナ』と『オド』は基礎中の基礎。彼がそれを考えてるという事は……答えは一つ。ガソリンが足りないのだ。


姫神「仕方ない……セコンドとして。働くしかない」スッ・・・

直井「え? ひ、姫神さん?! 何処へ?」ポカーン・・・

姫神「審判。淡希。タイム」テクテク・・・

一同『え?!』ギョッ・・・


立ち上がるなり、有無を言わさず決闘の最中に歩み寄る姫神。一同総キョトン。


結標「ちょ、秋沙!? アンタ何してんの!?」タラー・・・

姫神「タイム。セコンドとして働く」チラッ・・・

結標「い、いやいやいや……直接出向くセコンドとか馬鹿じゃない!?」ギョッ・・・

姫神「別に。攻撃したきゃ。していい」テクテク・・・

結標「うっ……い、良いわ。そのくらいのハンデ。さっき私も奏に助けられたし」タラー・・・


あまりに非常識。突飛押しも無さ過ぎる行動に審判も戸惑う。だが誰より戸惑っているのは……香焼。


香焼「っ……姫神、さん」チラッ・・・

姫神「無様……情けない」フンッ・・・

香焼「……これが、自分の戦いっす」グッ・・・

姫神「それは独り善がり。『俺カッケー!』で済ませてるだけ。貴方以外誰も納得しない戦い」ジトー・・・


だが……譲れない。


姫神「頑固過ぎる……まぁ良い。勝算。ある?」ジー・・・

香焼「……近づければ」タラー・・・

姫神「それが出来ないのは。周知の事実。誰が見ても分かる。どうやったら。それが出来るのか。聞いてる」フンッ・・・


魔力が欲しい。もう一度、七教七刃を放てれば……或いは。


姫神「魔力があれば。攻撃する?」ジー・・・

香焼「……彼女自身には当てません。でも、それで近付ける筈」コクッ・・・

姫神「もし。近付けなかったら……魔法なり。ナイフなり。何使ってでも。勝ちなさい」ジー・・・


何を言ってるのか……理解できない。




712第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/23(金) 21:38:32.03bFHl++E20 (7/9)

大体、魔力が無いから困ってるのに、その問いかけは―――


姫神「黙れ」ゲシッ!

香焼「ゲフっ!? がぁッ!」ゲホゲホッ!

一同『っ!?』ギョッ・・・


―――……突然、僕の喉に手刀を入れる姫神さん。


結標「ちょ、あ、秋沙!?」タラー・・・

姫神「淡希。今。戦わせるから。待ってて……っ」ガリッ・・・

固法「ひ、姫神さん!?」ギョッ・・・

立華「自分の指を……噛んだ」タラー・・・


指から血が出ている。そして―――


姫神「マジカル……どーぴんぐっ!!」ゲシッ!!

香焼「ゴボぉッ!!?」ブチュッ!!

一同『はぁ!?』ギョッ・・・


―――血が流れている指を、香焼の口の中にブチ込んだ。


結標「な、何してんのよ!?」アタフタ・・・

白井「あ、新手のプレイですか?」タラー・・・

岩沢「随分と、まぁ……危ないアレだねぇ」タラー・・・

ゆい「先輩、ああいうのってカニバリズムって言うんですよね?」チラッ・・・

日向「い、いや、違うと思うぞ」タラー・・・

遊佐「……吸血プレイ」ジー・・・


全員ドン引きしていた。


姫神「……させとけば良い。貴方だけ。この行為の意味が。分かれば良い」タラー・・・

香焼「っ」グッ・・・


口の中に、血の味が広がる。


姫神「香焼くん……1滴。数百万円。分かってる?」ニヤリ・・・


やっと、意味が分かった。


姫神「そう……じゃあちゃんと。舐めなさい。負けたら。借金数億」フフフ・・・

香焼「はい……ありがとう、ございます」チュウッ・・・

直井「え……うぇっ?!」タラー・・・

立華「何か分かった、の……って、あぅ?!」タラー・・・///


ドン引きからの……驚愕恐怖。
強引に突っ込まれた姫神の指を……いつの間にか、従順に……吸っていた。




713第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/23(金) 22:36:54.09bFHl++E20 (8/9)

  <回想>


ステイル「―――『吸血殺し(ディープブラッド)』の血?」ジー・・・

サーシャ「ええ。第一の興味です。非常に考え深い」チラッ・・・

ステイル「ふむ……言葉通り、吸血鬼・吸血種を殺す血だ。その吸血鬼が居るか居ないかとかの問答は勘弁してくれよ。ややこしい」コクッ・・・

サーシャ「第一の補足です。『吸血種(ヤツら)』については、英国の人間よりイタリアの人間に聞いた方が良いでしょう」チラッ・・・

アニェーゼ「トップシークレットですよ。てか、サーシャ……そっちについては色々知ってんでしょう?」ニヤリ・・・

サーシャ「……さぁ」フフフ・・・

ステイル「やれやれ……話はそれだけか?」チラッ・・・

サーシャ「あ、では第二の疑問です……彼女の血を、正常な人間が吸った場合は如何なるのでしょうか?」ジー・・・

ステイル「如何もならん。感染症の危険があるだけだ。あ、梅毒とかエイズじゃないぞ。彼女はそういう病気は持ってない」コクッ・・・

レッサー「あららん? 主教補佐殿は何でもお見通しですかぁ? 3サイズとかも知っちゃってるんですかぁ?」ニヤニヤ・・・

ステイル「知ったから何だ。興味無い……あ、アンジェレネ。そんな目で見るな」サラッ・・・

サーシャ「ふむ……では第三の疑問です」ジー・・・

ステイル「まだあるのか?」タラー・・・

サーシャ「多分、ラストですよ……その血を我々魔術師が飲んだら、如何なるのですか?」ジー・・・

アンジェレネ「か、カニバリズムですか?」タラー・・・

サーシャ「いえ、そういう考えではなく……マグヌス?」ジー・・・

ステイル「……それは多分、アウレオルスが試した手だろうね」コクッ・・・

アニェーゼ「例の、黄金錬金?」フム・・・

レッサー「だろうねって、随分あやふやな答えですねぇ。聞き出して無いんですか? それか実験したりとか」ジー・・・

ステイル「聞き出す前に記憶を消した。加えて、彼女の血で実験だの何だのしようとすると、五月蠅い輩が居るからな」ハァ・・・

アンジェレネ「あはは、なるほど……確かにグーパン喰らっちゃいますね」タラー・・・

サーシャ「では……第四の質問です。マグヌス、貴方の仮説を聞かせて下さい。多分私と同じだと思いますが、一応」チラッ・・・

ステイル「……彼女の『血』は、僕ら魔術師にとって劇物だろうね。仮説としては3つか」コクッ・・・

サーシャ「まず、魔力の塊である……これは私も同意見です」コクッ・・・

ステイル「ああ。神秘性の高い彼女の血は、例え1滴であっても、莫大な魔力値を表すだろう……という仮説1」フム・・・

アニェーゼ「ま、マジですか? それが本当なら色んな魔術師から狙われますよ」キョトン・・・

ステイル「劇物だと言っただろう……起源からして人間の血とは違う。それを人道ならざる魔道の魔術師が吸う」コクッ・・・

レッサー「え……ま、まさか魔力のオーバーフローで死ぬ、とか?」アハハ・・・

ステイル「有り得なくもない。それが仮説2……そして魔術師が吸った場合、最悪『死徒』化。これが仮説3だ」タラー・・・

アンジェレネ「そ、それじゃあ吸血殺し自体が死徒って事になっちゃうんじゃ」タラー・・・

ステイル「いや、分からない。正直、彼女の血は謎が多過ぎる。それを詳しく調べた筈の魔術師は……既に廃人さ」ハハハ・・・

サーシャ「第一の常識ですが……体液交換は魔力を満たせる。相手が魔術師じゃなくとも、然り、と」フム・・・

ステイル「故に、神裂やシルビアら聖人。それから異様な魔力(神の力)を有するサーシャ自身の血……あとは……ふむ」ジー・・・チラッ・・・

アニェーゼ「うっわぁ……今絶対エロぃ事考えやがりました! 変態! 変態主教補佐! セクハラです! こっち見んなってんです!」ジトー・・・

ステイル「喧しい。貴様が変態だ……まぁ何だ。貴様の血も『鍵』の素質がある為、神秘性は高い……つまり」コクッ・・・

サーシャ「第一の解答です。神秘性の高い体液(血)=高魔力の塊=『吸血殺し』も然り、ですね」フム・・・

ステイル「そうなるだろう。ま、そんなに単純な話じゃ済まない筈だが……一時でも、魔力は満タンになる筈だよ―――」


  <回想終了>



714第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/23(金) 23:49:28.95bFHl++E20 (9/9)

どのくらい、そうしていたか分からない。

どのくらい、それを傍観していたか分からない。

どのくらい、その行為を続けていたのかは分からない。


結標「ちょ……あ、アンタ達」ダラダラ・・・///


止めようと思った。だけど誰も、その異常な行為を止められない。


香焼「ん……ぁ……ぅ」レロ・・・チュプッ・・・

姫神「…………、」ジー・・・


艶かしい音が響き渡る。少年が少女の指を舐め、指から滴る血を啜る。
まるで、赤子が母親の母乳を欲する様にも見え……映画で見る吸血鬼が婦女の首筋から血を吸う様に見える。


姫神「……んっ」ピクッ・・・

香焼「あ……んぅ……あぁ」ジュル・・・チュルルッ・・・


因みに、ギャラリーは唖然としつつも……如何しても見てしまう。


ゆい「ほ、ほわぁ……何なんですか、あれ」カアアァ///

日向「ゆ、ユイ! 見るな!」アタフタ・・・///

高松「な、何してんだよ、あれ……戦いの最中だろ」タラー・・・

さわ子「うわぁ……エっロぃわね」ジー・・・///

松下「……竹山。何で録画してんだ?」チラッ・・・

竹山「先程から録画してましたよ……まぁアレです。不可解な行動が起きたので其方を集中的に撮っているだけです」キリッ・・・

野田「不謹慎なヤツ……ってか、オイ! 直井! 椎名! 止めろよ! 審判だろ!」バッ!!


しかし、審判陣も対応に困っていた。


椎名「……淡希」チラッ・・・

結標「と、止めてよ! 私だって意味分かんないんだから」アタフタ・・・

白井「しかし……いや、何とも」タラー・・・

立華「……直井くん。あの行動に意味はあるの?」ジー・・・

直井「……分からない。あるらしい、けど、理解出来ない」タラー・・・


当たり前だ。姫神と香焼本人も、これに意味があるかどうか理屈で分かっていないのだ。
ただ可能性を信じているだけ。そしてその可能性が……確信に変わったからこそ、香焼は舐め続けている。


結標「あ、秋沙! いい加減にしないとボーリングの玉ぶつけるわよ!」ムキー!

姫神「……香焼くん。そろそろ。良いんじゃない?」チラッ・・・

香焼「あ……はぃ」ヌチャ・・・ハァハァ・・・


血と涎が混じり、糸を引く。姫神は急いで指を拭い、常備している絆創膏を指に張った。


姫神「身体に。変化は無い?」ジー・・・


今の所は無い。口の中が鉄臭いだけだ。それにしても……甘ったるい感じがした。何となく、吸血鬼がやみつきになる理由が分かる。




715第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 00:07:53.40LeAx7eMv0 (1/18)

身体の疲れは取れていない。だが、やはり……魔力値に変化があった。


姫神「……どのくらい溜った?」ジー・・・

香焼「多分……満タンっす。オーバーフローしそう」トローン・・・

姫神「そ。相性が良かったみたい」フフフ・・・

香焼「あ、相性?」ポカーン・・・

姫神「アウレオルス(あの人)が言ってた事だけど……吸血者の起源に。少しでも吸血に関する事があれば。灰になる」ジー・・・

香焼「っ!?」ギョッ・・・

姫神「アウレオルスは。試しに少し吸った……今の貴方と同じ反応だった」コクッ・・・


なるほど……危険な賭けだったのか。


香焼「って……それ分かってて無理矢理血を吸わせたんすか!?」ギョッ・・・

姫神「ウジウジしてた罰。でも。結果的に大成功」ヴイッ!

香焼「…………、」サー・・・


一気に血の気が引いた。


姫神「それじゃあ……ブチのめしなさい」チラッ・・・

香焼「え……あ」キョトン・・・

姫神「そういう『契約』。破棄したら。この事。土御門くんに告げ口するから」ジトー・・・

香焼「へ……えぇ!?」ギョッ・・・


それは拙い。第一級の秘匿物たる姫神の『血』を啜ったのだ。それがばれれば……クビじゃ済まないだろう。


香焼「ず……ズルいっすよ!」アタフタ・・・

姫神「何とでも言うといい。とりあえず。これで勝てるんでしょう?」ジー・・・

香焼「……多分」コクッ・・・

姫神「そう……手段は貴方の勝手。でも。さっきみたいに。魔力を無駄にしたら……分かってる?」ギロッ・・・


逃げ続けるのは止めろ、という事。


姫神「……負けたら。あの子の思うが儘。終わる」ジー・・・

香焼「分かってますよ、それくらい」コクッ・・・

姫神「分かってない……そろそろ。あの子を助けなさい。何の為に。私が貴方に賭けたと思ってる?」ジー・・・

香焼「え」キョトン・・・

姫神「多分。上条くんでも無理。あの子を救えるのは。小萌先生と。貴方だけ……だから。賭けてる」グッ・・・

香焼「……何故」キョトン・・・

姫神「鈍感な貴方自身には。分からない……でも。そういう事。私や淡希には。分かる事」コクッ・・・


抽象的過ぎて理解出来ない。


姫神「じゃあ。言葉をぶつけなさい。貴方はそっちの方が。合ってる……セコンドとして。最後のアドバイス」テクテク・・・


よく分からない。だが……出来る限り、戦う。




716第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 00:26:34.35LeAx7eMv0 (2/18)

姫神さんが所定の位置に戻り、再び、2人は向き合った。


結標「……随分と、待たせてくれるじゃないの。しかも訳分かんないモンを見せつけてくれて」イライラ・・・

香焼「すいません」テクテク・・・


距離にして15m程。審判は再開と見て、全体を見渡せる位置へ移動。


結標「それで、さっきの短時間で何をしてたのかしら? まさか本当に指チュパしてただけ?」フンッ・・・

香焼「…………、」ジー・・・

結標「答えられない、と……まぁ良いわ。言った所でどうせ私にゃ理解出来ないんでしょうから」ジー・・・

香焼「すいません」ペコッ・・・

結標「何で謝るのよ」ハァ・・・


いつの間にかフッ飛ばした筈のブレザーを羽織っている淡希さん。


結標「……今度こそ、まともに戦ってくれるのよね?」ジー・・・


姫神さんの言葉を思い出す。『言葉』をぶつけろ。


香焼「その前に……何故、自分らは戦ってるんすか?」ジー・・・

結標「今更ね。私を無理矢理小萌んとこに戻そうとしてるから、決闘になってるんでしょう」ジトー・・・

香焼「……無理、矢理」ジー・・・

結標「……何よ」フンッ・・・


思い出した。


香焼「……そうか。それが、分からなかった」コクッ・・・

結標「何一人で納得してんのよ……それより、さっさと始めましょう。直井くん、また適当にボール投げて」チラッ・・・

直井「では……これを」スッ・・・


割れたソフトボールの片割れを拾い、上に放った。


結標「悪いけど、私多少キレてるから……さっきより乱射させるわよ」グイッ・・・

香焼「…………、」スッ・・・

結標「……ふんっ!!」シュバッ!!

香焼「―――」グイッ・・・


半球が……―――……落ちた。


結標「テェヤァ……って、あ、れ?」キョトン・・・

白井・椎名「「速い!?」」ギョッ・・・


いきなり横に捌けた香焼。元居た場所に虚しく落ちる硬球ら。そして……網の方に駆け出すと―――


一同『え!?』タラー・・・


―――天井に向かって、駆け出した。




717第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 01:10:38.64LeAx7eMv0 (3/18)

 <――一方その頃、電磁通行・・・・・>


  カツカツカツ・・・・・


御坂「―――……本当に此処に居るんでしょうね?」ジトー・・・

大山「い、居るけど……穏便にって約束だよ!」アタフタ・・・

御坂「アイツ次第よ。アンタらの話が嘘って可能性だって捨てきれない以上わね」グイッ・・・

入江「ほ、本当だよぉ」タラー・・・

関根「私達、アンタらみたいに卑怯じゃないもん!」アタフタ・・・

御坂「……別に卑怯じゃないでしょ」フンッ・・・

一方通行「卑怯でも何でも良い。さっさと行くぞ」カツカツ・・・

御坂「あ、ちょ……ほら、アンタらもサクサク歩きなさい」ジトー・・・

大山「……はぁ。僕達叱られるかなぁ」タラー・・・

入江「れ、超能力者2人相手に如何しろっていうのぉ?」ハァ・・・

関根「無抵抗無抵抗無抵抗……ひぅ!」ビクッ・・・

御坂「正直に話して何もしなけりゃ気害加えないって言ってるでしょ」ヤレヤレ・・・


 カツカツカツ・・・・・


一方通行「……オイ、どっちだ」チラッ・・・

入江「こ、コートで決闘中だから……上のギャラリー席に行って貰えると助かります」タラー・・・

御坂「じゃあコートで」テクテク・・・

大山「ちょ、待って!」ダラダラ・・・

一方通行「待てコラ」ガシッ・・・

御坂「ぐへっ……は、謀ったわね!? 裏切るの!? この下郎!!」ズテンッ!

一方通行「喧しい……二階行くぞ。案内しろ」チラッ・・・

大山「え、あ、はい」キョトン・・・

関根「あ、待って下さい!」ビシッ

一方通行「あン?」ジー・・・

関根「……そこで、券を」チラッ・・・

 ~~券売機~~

一方通行「……え?」キョトン・・・

関根「遊観料のチケットです。一人100円になります」コクッ・・・

一方通行「……あの、よォ」タラー・・・

御坂「あ、アンタら立場分かってんの!?」ビリビリ・・・

入江「で、でも規則ですし……皆お金払ってますから」コクッ・・・

一方通行「……知らね」カツカツ・・・

大山「ま、待って下さい! 淡希さんに怒られますよ! 百円払えばすぐですから!」アタフタ・・・

一方通行「あのよォ……なああああああああァンでェタカが100円如きでアーダコーダ言われなきゃなンねェンだ!!」ウガー!

御坂「五月蠅いわねぇ。私券買ったから先行くわよ」テクテク・・・

一方通行「ちょ、オマ!? こういう時だけ何故駄々こねねェンだ!? 意味分かンねェ! え? 俺が間違ってンの? は!?」ハァ・・・




718第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 01:36:02.26LeAx7eMv0 (4/18)

 ―――とある翌々日、PM07:00、学園都市第7学区、とある大通り、旧三沢塾分校舎横・おんぼろ屋内テニスコート・・・・・





確かに、コート内全てを用いて戦って良いルールだ。
だがそれはあくまで空間(三次元)を使って戦う結標の為に敷かれたルールだった筈。
香焼は平面(二次元)で動き回るモノだと、誰もが思っていた。


直井「―――いや、これは、何とも」タラー・・・

立華「さっきからワイヤーの上走りまわってたとはいえ……これは困ったわね」アハハ・・・


天井。


結標「くっ……考えたわね」タラー・・・

香焼「―――」


鉄骨の上を動き回る香焼。これではボールを乱射出来ない。
有効なのは『体内座標攻撃』だけだが……それは相変わらず避けられる。勘だけで避け切ってるのだから堪ったもんじゃない。


椎名「これでは……チョイチョイ見失うな」タラー・・・

白井「常時彼の位置を把握しているのは透視能力持ってる先輩くらいでしょうね」タラー・・・


彼が移動する時、物音がしないのだ。それだけではない……気配も無い。
これは殺気云々で戦う暗部経験者にとっては辛いところ。


直井「宛ら、忍者・暗殺者(アサシン)だな」フム・・・


何の因果か……土御門や海原に教わった戦い方。


結標「っ……でも、攻撃しないんじゃさっきと同じよ」ギリリ・・・

香焼「―――」


簡単に声を出したり、攻撃してしまっては位置がばれる。その手には乗らない。


姫神「今頃。トラップ作りでもしてる筈」ジー・・・

直井「だろうね」

立華「今淡希に出来る事は……鉄骨の間に無駄撃ちする事くらいかしら」


だが、それも慎重に行わねばなるまい。最悪、ボールが鉄骨の間に挟まってしまって落ちて来なくなる。
そうなると一々面倒な作業を踏む羽目になるだろう。


結標「くっ……じれったい」グヌヌゥ・・・


審判を除けば、フィールドに結標一人。しかも何も起こらない……傍から見れば異様な光景。


一方通行「……何してンだ?」ジー・・・

御坂「さぁ。てか黒子も何してんの? あ、先輩までギャラリー混じってるし」チラッ・・・

一同『え!?』バッ・・・


極自然に、変なの2人(と、首根っこ掴まれてる大山・入江・関根)がギャラリーに混じっていた。




719第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 01:55:18.67LeAx7eMv0 (5/18)

超能力者二名の乱入。これは色々動揺する。


白井「うぉ!? お姉さま!?」ギョッ・・・

御坂「うぃ」ビシッ

固法「う、初春さん……抑えきれなかったのね」ハァ・・・

結標「ちょ、あ、アンタ!? 何しにきたのよ!!」ダラダラ・・・

一方通行「あン? どの口言うかボケ……無断で仕事休みやがってよォ」ジトー・・・


話がややこしくなる。如何したモノか。


結標「チッ……アンタら、話は後よ! 牛乳眼鏡! あの2人何とかしなさい!」チラッ・・・

固法「はぁ……えっと、何でこうなってるか説明するから」テクテク・・・

御坂「知ってます。決闘でしょう。だったら手は出すような野暮な真似しませんよ」ジー・・・

一方通行「ケッ。随分とまァ殊勝な事言いますねェ。さっきまでのテメェとは思えねェな」ハンッ

御坂「うっさい。私はいつだって優雅でエレガントなのよ」フンッ・・・


白井と固法と第一位が『嘘を言うな』みたいな目で見てる。


固法「……じゃあ、一方通行くんも?」チラッ・・・

一方通行「知ってっけど黙ってみてる必要性が無ェ」フンッ・・・

御坂「バッテリー残ってない癖に」ボソッ・・・

一方通行「ぐっ……ま、まァ精々下ンねェ茶番劇見させて貰うとしますかァ」タラー・・・


結標に視線を降ろす。


結標「……何よ」ジトー・・・

一方通行「いや……何と戦ってンだ?」キョロキョロ・・・

御坂「そういえば、そうね」キョロキョロ・・・

結標「見りゃ分かんでしょ」ハァ・・・

電磁通行「「見ても分からない」」キッパリ・・・


彼女の目の前に『敵』がいません。


固法「はぁ……上よ」クイッ・・・

御坂「え? 上って……何処です?」ポカーン・・・


目視は不可能だろう。今香焼の位置を完全に把握してるのは固法だけ。


結標「うがああぁっ!! いい加減姿現しなさいよ!! これじゃ戦いなんないじゃない!!」ムギギィ!

香焼「……そろそろ、出ますよ」スッ・・・

御坂「おわぁ!? 天井に逆立ちしてるわ!?」ギョッ・・・

一方通行「アレ、お前も俺も出来ンだろ。鉄骨磁石にしたり、重力ベクトル逆にすりゃ可能じゃね」ジー・・・

御坂「あぁ。それもそうね」コクッ・・・


会話の次元が違う。香焼は鉄骨周りに魔力を通した鋼糸を敷き詰めたからこそ、これが出来るのだ。彼らの様に意図も容易く出来たりしない。




720第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 02:37:21.94LeAx7eMv0 (6/18)

さておき、身を現した香焼へ向けてさっさく一発ボーリング玉をブチ込む結標。
だが、軽く避けるだけで重力落下。地の利は香焼に在る。

それではと、香焼に直接座標を合わせて地に落とそうとしたのだが……天井を走り回り出した。これでは簡単に捉えられない。


結標「あぁもぅ……それでも、貴方が攻撃して来なきゃ何も変わらないでしょう!」ジトー・・・

香焼「ええ……そろそろ、しますよ」ジー・・・

結標「…………、」フンッ・・・


丁度真上辺り。


香焼「淡希さん……自分は、ずっと考えてました」テクテク・・・

結標「何よ今更」シュバッ・・・

香焼「っと……何で淡希さんが逃げたのか」ヒョイッ・・・

結標「……は?」キョトン・・・


意味が分からない。何から逃げたのだ?


香焼「……貴女は今、戦ってる今が楽でしょう」ジー・・・

結標「言いたい事が理解出来ないんだけど……さっ!」ブンッ!!

香焼「ふっと……他の事、考えずに済むから、楽なんでしょう?」カキンッ・・・

結標「……あのさぁ。戦いの最中に、余計な事色々考えてる方が変でしょうに」ジトー・・・


確かに。だが……それだからこそだ。


香焼「貴女は、逃げたいから戦った。月詠さんの事や、土御門から言われた事を考えたくないから戦ってる!」テクテク・・・

結標「……だから、何よ」ギロッ・・・

香焼「それだけだ! それだけなんだよ! 貴女の戦ってる理由は! だから重みがない……だから、戦いたくないんす」ジー・・・

姫神「……だから。躊躇ってた。と」ムゥ・・・


『だから』尽くし。意味の無い戦いが出来ない男。


香焼「貴女だって、この戦いは意味がないって分かってる筈だ!」キッ・・・

結標「でしょうね。決闘なんてモノは、ただの喧嘩の延長みたいなモンよ」フンッ

香焼「違う、そうじゃない……貴女は、本当は何もかも分かってる筈なんす!」ジー・・・

結標「……は?」キョトン・・・


声を荒げる。


香焼「自分の言いたい事は、さっき三人が言ってくれたと思ってた。自分もそれで良いと思ってた」フルフル・・・

結標「……何よ。だから何なのよ」ギリッ・・・

香焼「でも、そうじゃないんだ! 白井さんの時、貴女は『自分が如何したら良いか分からない』から皆で決めるって言った!」コクッ・・・

結標「そうよ。それの何が悪いの」ジー・・・

香焼「良いとか悪いとか、そういうのじゃない……貴女がこの組織に居続けるっていう事自体が答えなんでしょう」コクッ・・・

結標「っ……馬鹿じゃないの」チッ・・・


ギャラリーが首を傾げた……ただし、幹部陣数名は彼の言葉に納得した。




721第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 03:01:13.08LeAx7eMv0 (7/18)

固法さんが言った……『居場所』の問題だ。
この『チーム』も彼女の居場所である以上、やりたい事だとか何だとかは関係無い。

やりたい事があって行動起こしたら勝手に皆が付いてきた。ただそれだけなら、目的終了と同時に解散させればいい。
だが彼女はしなかった。つまり……このチームを自分の『居場所』と定めたからだろう。

そこに目的だの主義だのは関係無い。そういう意味で、白井さんの訪問は無駄だったと言えよう。


結標「……居る事が、答え? 何それ……訳分かんない」ジトー・・・

香焼「人は居場所に、理由を求めたりしないでしょう……そういう事っす」コクッ・・・

結標「それと、戦いと、何が関係あるのよっ!!」ブンッ!!

香焼「っ……、」クルッ・・・


結標の攻撃は当たらない。彼自身への座標も中々定まらない。


香焼「月詠さんの下に、帰りたくない……そんなの嘘だ」ジー・・・

結標「っ……黙りなさい」ギロッ・・・

香焼「土御門から言われて……それを切っ掛けに、貴女が誇大解釈してしまった……姫神さんが言った様に、確かにこれは呪いだ」ジー・・・

結標「黙れっ!!」ブンッ!!

香焼「黙りませんよ!! 貴女の善意とやらは、誰も幸せにならない!!」スタッ・・・

結標「五月蠅あああああぁい!!」ガガガガッ!!


最早ボールだけではなく、其処ら辺に落ちてるモノを乱射させる。


香焼「自分が居なくなれば最善? 月詠さんの負担が減る? 自分が我慢すれば良いだけの事?」スタタタ・・・

結標「五月蠅いのよ!! 関係無いでしょう! 私が居なくなって、小萌が新しい居候を見つける……これで万事解決じゃない!」グググッ・・・

香焼「ありますよ! 如何してそういう極端な……直線的な考えしか出来ないんすか!!」シュバッ・・・

結標「だって……私は邪魔なのよ!! 私が居なきゃ小萌は!!」グッ・・・


姫神「……小萌先生は?」ジー・・・


結標「小萌、は……楽に」タラー・・・


姫神「彼女は。泣いてる」ジー・・・


結標「それは、一時、で」タラー・・・


姫神「今でも探し回ってる。多分。貴女を見つけるまで。ずっと」ジー・・・


結標「でも……次の子を、見つけたら、私は、お払い箱に」グッ・・・


姫神「ならない。先生は。そんな中途半端な事はしない。少なくとも。一度に3人4人は預かる」ジー・・・


結標「…………、」ピタッ・・・


姫神「貴女の。自分が本当にやりたい事を。見つけるまで……先生は。貴女を見放したり。しない……いえ。出来ない」ギロッ・・・


結標「……ぁ」ジー・・・


彼女の動きが……止まった。仕掛けるなら、今しかない。




722第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 03:31:08.12LeAx7eMv0 (8/18)

瞬時、香焼は結標の真上から飛び降りた。


立華「っ! 淡希、真上!!」バッ!

結標「え、あ……っ!!」ブンッ!!


急いで彼を転移させる……が距離感が掴めない故、座標が固定出来ない。
やっとの思いで移動させたと思いきや……飛んだのはパーカーだけ。


結標「良―――くっ!!?」ギョッ・・・

立華「淡希! 逃げなさい!!」タラー・・・

香焼「遅いっ!!」スタッ!!


完璧に手の届く位置。これなら掴める。


結標「嘗め……るなぁっ!!」ブンッ!!

香焼「…………、」カキンッ・・・

結標「あ……っ!!」グッ・・・


警棒代わりにもなる軍用電灯(ライト)をナイフで弾き飛ばす。
結標は急いで格闘に移ろうとしてが……もう遅い。

羽織っているだけのブレザーを器用に掴まれ、そのまま手も出せず大外刈り。


結標「ぐっ!!」ドスンッ!!

香焼「審判! 自分の勝ちだ!」チャキッ・・・


彼女に跨り、首元にナイフを立てる。


白井「……私は、決定打かと」チラッ・・・

椎名「……同じく」コクッ・・・

直井「……立華(セコンド)」チラッ・・・

立華「……彼女次第よ」ジー・・・

姫神「ええ。あの子はまだ負けてない……第一。これ以上。香焼くんが攻撃しないって分かってる」フンッ・・・


香焼のセコンドたる貴女が言うか、みたいな目を向けられた。


結標「っ……刺しなさいよ。多分私が怪我の一つでもしない限り、止めないわよ……ふんっ」ギロッ・・・クイッ・・・

香焼「動くな……これは殺試合じゃない。だからもう終わりっすよ」ジー・・・スチャ・・・

結標「動くわよ。刺さないって分かり切ってるもの……ほらっ」ブンッ・・・


香焼に直接、体内座標攻撃を仕掛ける。結標の跨った状態では避けようもあるまい。だが彼は大きく避け……態勢を整えた。


結標「良いの? 簡単に逃がしちゃって」フンッ・・・

香焼「良いんすよ。逃がしてませんから」クイッ・・・

結標「え……きゃあぁっ!!?」ゴロンッ!!

野郎共『おおおぉ!?』ギョッ・・・


突如、結標が『蝦剃り』体勢になった。よくよく見ると鋼糸で身体を縛ってある。
胸とか尻とか、非常に際どい状態……ついでに野郎共も視線釘付け状態。




723VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/24(土) 04:59:00.77LeAx7eMv0 (9/18)

 ねむ、い


             うま





724SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/24(土) 10:53:41.79qa6K7ozAO (1/1)

なんか姫神にイラッときた


725SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/24(土) 13:06:50.77A2+dly7Io (1/1)

なんか最近こんなんばっかだから
久しぶりにほのぼの?とした奴が見たくなってきた


726SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/24(土) 14:22:43.70SdPHhQano (1/1)

電磁通行がほのぼのしてんじゃんww
あわきんおっぱい期待


727VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/24(土) 20:15:48.24LeAx7eMv0 (10/18)

こんばんわ・・・バイト前まで書こうかな・・・


728第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 20:47:01.89LeAx7eMv0 (11/18)

鋼糸が結標の身体に巻き付く。引き離そうとしても、並の力で引き千切れるモノではない。
日頃、馬鹿姉達を縛っている(?)香焼にとって捕縛術はお手のモノだ。


結標「ちょ!? や、止めて……解きなさいよ!」アタフタ・・・///

香焼「解きません。降参して下さい」グイッ・・・

結標「ひゃぁ!!」ギュウゥ・・・


動けば動く程に絞まっていく。純粋な技術たる捕縄術と、魔術たる拘束術式(バインド)の二枚掛け。


高松「き、際どい……サラシ、ずれてないか?」マジマジ・・・

松下「うらやま……けしからん!」フンヌー!

野田「こ、ごらあああぁっ!! 糞ガキいいぃ!! あわきんに何て真似してくれてんだああぁ!!」ギラギラ・・・

日向「……竹山。後で焼いたの回して」ボソッ・・・

藤巻「俺も……幾らだ?」チラッ・・・

竹山「一枚2,500円で如何です?」キランッ・・・

ゆい「死ね!! 先輩、死ね!! 13回くらい死んでください!!」ゲシゲシッ!!

TK「It's Fantastic!!」カシャッ!

さわ子「こらあぁ! 野郎共! 見てんじゃねぇ!!」ガンッ!!

音無「いや、まぁでも一応戦いだしさぁ」ポリポリ・・・

岩沢「音無……奏と直井が睨んでるよ」タラー・・・


何故か上が騒がしいが……無視無視。そろそろ降参して欲しいのだが。


香焼「……淡希さん、お願いします」コクッ・・・

結標「く、ぁ……い、やだ」ギュウウゥ・・・

香焼「……絞めますよ」クンッ・・・


肉を切らない寸前の所まで締上げる。同時に、淡希さんの悲鳴が上がった。


白井「……エグい真似を」タラー・・・

椎名「三本のワイヤーで『小目掛け』と『直伸腕縛り』か……逃れられまい」フム・・・

直井「……終わったな」コクッ・・・

姫神・立華「「…………、」」ジー・・・


脱出は不可能。刃物無しじゃ五和だって逃げ切れない。


御坂「えっと……SM勝負だった、とか?」モジモジ・・・///

一方通行「……なァ。コイツって基本こうなのか?」チラッ・・・

固法「えっと……たまーに、何処か抜けてるとこはあるけど」アハハ・・・

一方通行「あっそ……まァしかし、茶番だな」フーン・・・

固法「……そうかもね」ハァ・・・

御坂「真面目な話、色々疑問があるんですけど……香焼くんって、あんなに強いの?」ジー・・・

固法「……良く分からない。でも、考えは改まったかも」ジー・・・


流石、神裂の弟分。ギリギリの戦いではあったが、並ではないという事だろう。




729第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 21:20:56.52LeAx7eMv0 (12/18)

結標の悲鳴が上がる中、三人の審判が顔を合わせる。
香焼に攻撃する気が無いとはいえ、これは如何見ても結標の戦闘不能状態。結果は見えた。


直井「立華、良いね?」チラッ・・・

立華「……むぅ」ジー・・・

姫神「私も……腑に落ちない。でも……仕方ない」ジー・・・


姫神は未だに、香焼の甘っちょろい考えに賛同できない。
立華は立華で考える所がある。


香焼「……審判!」ギロッ・・・

白井「ええ。私は認めましょう」コクッ・・・

椎名「同意」コクッ・・・

結標「ま、だ……よっ!!」ンギギィ・・・

直井「結標……君はもう戦闘不能だ」ジー・・・

結標「まだ、よっ!!」ギチギチ・・・


無理矢理捕縛から逃れようと全身に力を込める。だが、虚しくも、それは痣となるだけ。
少年の顔は至って真剣。こんなもので、こんな形で、負ける……これで、負けるのか。
ふと……顔を上げた。そして……とある顔が目に入った。


一方通行「―――」ジー・・・


見下した目。短く口が動いた。


結標「な……『情けねェな』……ですって……ッ」ギリリ・・・


確かに、此処までの流れを見ていない彼にとって……結標の今の姿は無様に他ならないだろう。
いや、結果そうなったのだ。無様以外の何物でもない。


結標「っ……、」スゥ・・・

香焼「ん……諦めてくれましたか」ジー・・・


急に大人しくなる結標。だが、言葉を発するまで縄は解かない。


結標「ええ……そうね……私が馬鹿だった」コクッ・・・

香焼「…………、」ジー・・・

結標「ほんとは、全部分かってた……私は小萌から離れたくないんだって事」ボソッ・・・

固法「……結標さん」ジー・・・


本音の吐露。


結標「でもね、土御門(アイツ)の言ってる事は正しいのよ……所詮、私は日蔭者。小萌は真逆の指導者さん」ジー・・・

香焼「だから、相容れないと? それは違う……分かってる筈だ! 現に貴女は今まで過ごせて来れた!」ギリッ・・・

結標「ええ。でも『最悪』が無いとも限らない」チラッ・・・

御坂「アイツ……馬鹿ね。貴方に何かを求めてるわよ」チラッ・・・

一方通行「……俺はそンなに甘かねェよ」ジトー・・・


日向だとか日陰だとか、そう考えだした時点で……その人の人生はマイナスへ向かってしまう。



730第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 21:46:05.62LeAx7eMv0 (13/18)

つまり、この論争に『悪』は居なかった。ただ『迷い』だけがあったのだ。
本音が正しいとも限らない。正論で納得出来る訳じゃない……だからこそ、この戦いで答えを出して貰いたかった。


姫神「他力本願……でも。それしか方法を知らない。いや。その方法すらも。踏ん切りが付かなかった」ジー・・・


だからこそ、姫神は煽った。発破を掛けたのだ。


結標「でもね……私にとって、此処も居場所なのよ」ジー・・・

メンバー『…………、』コクッ・・・

香焼「それは……分かりました」ジー・・・


結束は固い。メンバーの支えが結標である以上、それを無理矢理奪おうとは思わない。


香焼「だけど、それとこれとは別っす! そのくらいの理解はあるでしょう」コクッ・・・

結標「…………、」チラッ・・・


誰も、結標を拘束したりしない。


日向「……別に、淡希の住む場所まで指定出来ないよ」コクッ

岩沢「ま、元々自由気ままなヤツだってのはメンバー全員把握済みさ」フフッ

野田「ずっと此処に居てくれるならそれに越した事ぁ無ぇけどよ……それがあわきんの本心じゃねぇなら何ともなぁ」フンッ 


全員が頷く。


音無「淡希。お前の好きにしろ。こんな時まで適当なメンバーだが……お前が本心で動かない方がもっと嫌だぞ」コクッ・・・

立華「誰も貴女を縛ってない。自分を縛ってるのは自分、でしょ」フフッ

結標「……アンタ達」ジー・・・


要するに……戻りたい場所に帰れ、と。


結標「ったく……薄情モンね」フフフ・・・

直井「僕らは端っから拘束してる気は無かった。分かってるだろう? まぁ君も君で優柔不断が過ぎるけどな」クスクス・・・

香焼「……良い仲間じゃないっすか」フフッ

結標「……当たり前でしょう。誰がリーダーやってっと思ってんの」ニヤリ・・・

香焼「そうっすね……じゃあ、決着という事で―――」

結標「あ、それはヤダ」キッパリ・・・

香焼「―――……は?」キョトン・・・

一同『え?』ポカーン・・・


この期に及んで何を言う。


結標「……負けるのは、嫌よ」フンッ

香焼「で、でも……審判が」チラッ・・・

結標「……帰ってやるけど、でも負けんのはヤダ」ジトー・・・

香焼「えー」タラー・・・


何その我儘。というか無駄な足掻きすら出来ない状態でよくそんな事をほざくものだ。




731第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 22:21:09.86LeAx7eMv0 (14/18)

もはや戯言にしか聞こえないが、話は続いた。


結標「……貴方は甘いわ」ジー・・・

香焼「負け惜しみにしか聞こえないっす」ジー・・・

結標「そうね。実際私はこうやって捕まって行動不能……でも、これが窒素装甲にも通じる?」ジー・・・

香焼「……関係無いでしょう」チッ・・・

結標「いいえ。アイツはこのワイヤー程度、引き千切れるわ」コクッ・・・

香焼「……関係無い」ギリッ・・・


最愛は、関係無い。


結標「……今のままでは、貴方はアイツにボロ負け。それで終わりよ」コクッ・・・

香焼「そんなの、分かりませんよ」ジー・・・

結標「分かるわよ……あの姉の下に居続ける限りは、その甘さは拭えない」フフッ・・・

香焼「それこそ、関係無いっす!」ギリッ・・・

結標「貴方は、やっぱり私の下で戦うべきよ」ジー・・・

香焼「お断りします」キッパリ・・・

結標「矯正が必要だって、自分でも分かってるんじゃない?」ジトー・・・


必要無い。僕はこの教義を完(まっとうする)。


結標「……無理矢理でも、そうさせなきゃ駄目ね」チラッ・・・

香焼「貴女は既に負けてるんだ。その条件は当て嵌まりませんよ」フンッ

結標「……そう」ハァ・・・


ふと、セコンドサイドの方を向いた。


結標「……奏」チラッ・・・

立華「……これ以上は危険よ」ジー・・・

結標「だから……後は任せる」コクッ・・・

立華「はぁ……好きになさい。皆は私が守ってあげるわ」フフフ・・・

結標「あんがと」ニヤリ・・・


何を―――


結標「最後の悪足掻き(テスト)よ……私を倒しなさい……ッッッ」グッ・・・


―――消えた。


白井「っ!? まさか!?」ギョッ・・・

一方通行「……ほォ」フーン・・・

御坂「え……嘘!? アイツ飛べるの!?」ギョッ・・・

固法「に、2回目をするの!?」タラー・・・


何処に消えた?




732第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 22:35:27.35LeAx7eMv0 (15/18)

一寸の間……そして―――


結標「―――お望み通り、格闘してあげるッ!!」ゲシッ!!

香焼「ぐっ!!」ゴンッ!!


―――二回目の空間移動(テレポート)。かなりの負担が掛る筈。
にも拘らず、初撃を放った後……また飛んだ。


香焼「……っ!!」ゴキッ!!

結標「―――遅い!」ブンッ!!


三回目。傷口(左脇腹)を蹴られた。


姫神「……空間移動の乱用。大丈夫?」チラッ・・・

直井「拙いよ……トラウマというモノは完全に克服できるモノではないからな」タラー・・・

立華「……直井くん。私そろそろ動くから、後よろしく」スッ・・・

直井「乱雑解放(ポルターガイスト)、始まったか」ジー・・・


四回目、五回目の空間移動……と同時に、周囲のモノが不規則に動き出した。


香焼「っ!? あ、淡希さん! 止めて下さい!! 危険っす!」グッ・・・

結標「―――ッ……黙って……ぅ……戦えっ!!」ゲシッ!!

香焼「チィ!!」グッ・・・


遂に、ボールやら何やらが縦横無尽に浮かび始めた。そして……爆ぜる。


白井「―――ちょ、結標さん! 止めなさい! 周りへの被害が!」シュンッ!!

椎名「っ……大丈夫」チラッ・・・

白井「……え」チラッ・・・


ギャラリーの方を見る。


音無「うをっ!? ボーリングの玉が降ってきた!?」ビクッ・・・

松下「音無! 頭を低くして下手に動くな!」バッ!!

ゆい「流石淡希さん……って、あれ? これ能力じゃないの?」キョトン・・・

日向「ユイ! 危ないから立つな……って、前! 前だ!」ギョッ・・・

ゆい「へ? あ」ピタッ・・・


ゴルフボールの嵐が少女に襲いかかる。が、しかし―――


立華「ディレィ……ディストーション」カキンッ!!

ゆい「……ふぇ?」ポカーン・・・

音無「奏!」チラッ・・・

立華「大丈夫……でも動かないで一ヶ所に塊ってて貰えると助かるわ。守り易いから……ハンドソニック」ザシュッ・・・

音無「お、おぅ……ありがとう」ハハハ・・・


―――純白の翼を生やした少女が、メンバーを守っていた。




733第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 22:58:41.55LeAx7eMv0 (16/18)

傍から見ていた超能力者2人は、その少女の姿に唖然とする。


一方通行「……あの女、何モンだ?」ジー・・・

御坂「絶対超能力者以上の動きしてるわよ」ビジバジ・・・

固法「確かに気になるけど……御坂さん、器用ね。電磁バリア張りながら会話って」アハハ・・・

御坂「一度張っちゃえばオートなんで……それより、あの子」ジー・・・


肉眼で視認できる動きという事は、単純に高速移動か。
しかし何らかの力場(バリア)やソニックウェーブを発している所を見る限る、普通の能力者ではないと見える。

何より……あの『翼』。


一方通行「……天使、か」ジー・・・

御坂・固法「「え」」キョトン・・・

一方通行「いや……何でもねェ」フンッ・・・


見ていて不可解……そして不愉快だった。


姫神「彼女の御蔭で。淡希は全力を出せるみたい」ジー・・・

直井「ええ。我々の中で、立華は一番強い」コクッ・・・

姫神「……何者?」チラッ・・・

直井「さぁ……だけど、僕らは彼女を『天使』と呼んでいた。彼女はあまり過去の事を話さないからな」ジー・・・

姫神「貴方は。覗かなかったと?」フーン・・・

直井「覗いても……おっと……分からなかった。多分、打ち明けたのは音無さんくらいだろう」フフフ・・・


別にリーダーが最強とは限らない。色々ありつつも、彼女もまた結標を慕う一人のメンバー。ただそれだけ。
さておき……戦っている2人は、時間の問題だった。


結標「―――……ッ」ダラダラ・・・

香焼「ハァ……ハァ……っ」ギッ・・・


ボロボロの香焼。そして嫌な汗を掻いている結標。両者ともにかなりの疲弊。
多分、香焼がこのまま持ち堪えれば結標が勝手に自滅するだろう。しかし捨て身の結標の攻撃は嵐の如くだ。


結標「―――う、ぇ……ッ……いい加減……ナイフ、使いなさいよ」ダラダラ・・・

香焼「っ……必要無いっす」ギリッ・・・

結標「捕まえられないでしょう……っ……私の事」ダラダラ・・・

香焼「……捕まえます」グッ・・・


空間移動というモノは、高速移動と違い『気配』がない。故に動きを読めない。
座標攻撃に慣れている香焼だが、直接身体を打つけてくるヒット&アウェイ戦法は初めての戦いだ。


姫神「……迷っているのは。彼の方」ジー・・・

直井「そのようだ」ハァ・・・

姫神「……私の血が。無駄になるかも」ジトー・・・


この期に及んで尚、手加減……腹立たしい事この上ない。




734第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/24(土) 23:18:19.04LeAx7eMv0 (17/18)

暫く、結標の尽力空間移動が続く。それが長引く程に乱雑解放が酷くなる。既に建物全体が軋んでいる程だ。
多分香焼は結標の気絶を待っているのだろうが……彼女は気絶してでも、戦い続けるだろう。

見るに見かねた姫神は香焼に檄を飛ばす。


姫神「……淡希は。全力を出してる! 何故貴方は。全力を出さない!?」ギロッ・・・

香焼「ッ……ぐっ……全力……出してます、よ」ヨロヨロ・・・

姫神「嘘! 失礼極まりない。戦い方!」ジトー・・・


武人としてはそうかもしれない。しかし、それでも……僕は武人じゃない。


姫神「淡希の苦しそうな姿と。周りの被害が。分からない?」チッ・・・

香焼「っ」チラッ・・・

結標「―――」ダラダラ・・・


顔色が悪くなっている淡希さん。そして、天井の鉄骨が外れかかってるコート内。


姫神「タイムアップなんて。狙わないで……貴方の手で。引導を渡しなさい」ジー・・・

香焼「…………、」グッ・・・

姫神「目の前に。救いが必要な人が。居る……見えないの!?」バンッ!!


吠えた。珍しく感情的に。


香焼「…………、」タラー・・・

結標「―――ギ……ぁ……ッ」ガンッ!!


最早、何処に空間移動しているかも定まっていない。


姫神「撃ちなさい! 誰も救わぬまま。終わる気なの?!」ギリッ・・・

香焼「ふぅ……っ」スチャッ・・・

姫神「撃てえええぇ!!」ガァアアァ!!

香焼「う……ぁ……あああああぁ!!」グイッ!!


魔力生成の銃剣(バイヨネット)を、構える。


結標「―――っ……撃……ち……さぃ」ボソッ・・・

香焼「っっ!!」スッ・・・

結標「もぅ……甘ちゃん(アマチュア)は……卒業、しよ」クスッ・・・

香焼「い……あ、わき……さっ!!」ブンッ!!


一投。そして―――


結標「―――」ザシュ・・・

一同『っ!!?』ピタッ・・・

香焼「あ……あぁ」ペタン・・・


―――……全てが、止(終)まった。




735VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/24(土) 23:21:10.33LeAx7eMv0 (18/18)

はい、此処まで。次回で四話終わります。

なんか戦闘でgdgdになったなぁ……ユニコーン見直したのが悪かったと思う。

因みに、五話は『ルチア・浦上・フロリス』話だよ。全然英国編やってなかったからなぁ。


それじゃあ……メリークリスマス。良い夜を! ノシ”




736SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 04:56:11.56UF224DFDO (1/1)

乙……撃てませえええぇん、てかww

久しぶりの英国編、楽しみにしてるぜぃ!


737SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 09:31:16.14854HAbzUo (1/1)

姫神さんが嫌な方向にキャラ崩壊しまくってんぞ
今んとこ4話が一番微妙かも…


738SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 14:26:52.69aU+Qy+j3o (1/1)

上に同意だな
変に戦闘絡ませないで
ほのぼのとした奴をのんびり書いていくほうが>>1にはあってる気がする

あと>>1のエロ描写はちょっと好きだったりする


739SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/25(日) 21:27:07.35QuUh0leAO (1/1)

乙!


740SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/26(月) 12:25:03.26YslRVE5e0 (1/1)

姫神さんマジDQN、つーか基本的に全編通してチンピラが多くて微笑ましい

>>1はそういうの好きなん?


741VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/27(火) 23:00:11.70zMQgJ9NY0 (1/3)

こんばんわ。ボチボチ投下。


・姫神さんを目立たせたいあまりに変な方向へ行ったのは確かです。だけど……あんまり悔いはない!

・エ、ロ・・・・・・? そんなの書いた覚えないなぁ……

・DQN、チンピラ好きですよ。クローズ系・湘南系とか大好きです。


そんじゃ書きます。




742第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/27(火) 23:20:47.56zMQgJ9NY0 (2/3)

 ―――とある翌々日、PM09:00、学園都市第7学区、とある大通り、旧三沢塾分校舎内・・・・・







決闘から小一時間後……敗者が目を覚ました。


結標「……ん」スッ・・・

姫神「動かないで」ピタッ・・・

結標「秋沙……えっと、あれ?」キョトン・・・


自分が何故校舎内(此処)に居るのか、何故気絶していたのか分かってない模様。


結標「……負けたのよね」ハァ・・・

姫神「…………、」コクッ

結標「そう……最後の方まったく覚えてない」ハハハ・・・


今淡希さん以外で部屋に居るのは、姫神(私)と岩沢さんと遊佐さんだけだ。
白井さんや固法さん……香焼くん達には別室で待機して貰っている。


岩沢「最後、アンタのセコンドちゃんが止めに入ったのよ」テクテク・・・

結標「え?」キョトン・・・

遊佐「彼が放った短刀が、淡希さんの眉間に刺さりそうになりました」コクッ

結標「……え」ギョッ・・・

姫神「淡希。最後の最後は。乱雑解放(ポルターガイスト)だけ起して。突っ立ってるだけだったから。恰好の的」ジトー・・・

結標「……うぇ!?」バッ・・・


慌てて自分の額を擦る。だが外傷は無い。


岩沢「だから止めに入ったって言ったろ。奏が坊やの短刀掴んで、そんでそのままアンタの事気絶させたのよ」ハァ・・・

結標「か、奏が……そう」タラー・・・

遊佐「あのまま放っておいたら乱雑解放が止まりませんでしたから、正しい判断かと」コクッ

結標「……感謝ね」ホッ・・・


ホッと胸を撫で下ろし、立ち上がろうとする。だが……未だヨロヨロ状態。


姫神「当たり前。疲労困憊。おまけに酷い筋肉痛。暫く能力は使えない」ジー・・・

結標「……歩けりゃ十分よ。皆は何処? 職員室?」チラッ・・・

遊佐「はい。そのまま待っていて貰えれば彼らを呼んできますよ」コクッ

結標「結構。私は敗者でしょう」ヨロヨロ・・・

岩沢「ったく……肩貸すよ」ヤレヤレ・・・

結標「悪いわね」フフッ・・・

姫神「…………、」ジー・・・


救護室にいた4人全員で、職員室へ移動した。




743第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/27(火) 23:52:52.29zMQgJ9NY0 (3/3)

一寸後、職員室に移る。何だか異様な空気だった。
超能力者2人と白井さんが来客用の椅子に深々と座り、ピリピリオーラを放っている。
メンバー達が襲ってくるかもしれないと警戒しているのだろうか。誰もそんな気など無いのに……皆怖がって近付こうとしない。

他方、3人に呆れつつ妙にフレンドリーな固法さん。これはこれで違和感がある。


遊佐「失礼します」ガララッ

一同『っ!』バッ・・・

結標「……心配掛けたわね」トコトコ・・・

野田「あ、あわああわあ、あわ、あわあわああわわわわきんっ!! だ、大丈夫なのか!?」アタフタ・・・

結標「多分問題無いわ」ヨロヨロ・・・


主任席に移動し腰を掛け、白井さん達に向き直る。


結標「さ、てと……早速疑問。何でアンタと御坂さんが居るの?」チラッ・・・キョトン・・・

メンバー『っ!?』ギョッ・・・


敢えて誰もツッコまなかった事を堂々と尋ねるリーダーさん。


御坂「何よ? 居ちゃ悪い?」ジトー・・・

固法「悪い」キッパリ・・・

白井「悪いですの」キッパリ・・・

御坂「ぐ、ぬ……ちょ、黒子達は私の味方でしょう!」バッ・・・

固法「私は、命令があるまで、詰所から出るなと……言ったわよね?」ジトー・・・

白井「申し訳ありませんが、今回は弁護する気は毛頭ございませんよ」サラッ・・・

御坂「えっとぉ……うぇい」ダラダラ・・・


何をしに来たのか、まったくもって不明な第3位さん。では筆頭さんは?


一方通行「…………、」フンッ・・・

結標「……笑いに来た、と」フフッ・・・

一方通行「さァ。もう如何でも良い」ボー・・・

御坂「あ、コイツ仕事でアンタが居ないと寂しいから迎えに来たんだってさ」チラッ・・・


場が、凍った。数秒間が空き……ゲンコツ一発。


御坂「痛あああぁいっ!! なぁにすんのよ!」バンッ!!

一方通行「だあああァれがンな馬鹿な事言いましたかァ!?」ギロッ!!

御坂「アンタが言ったんでしょ! 『結標が居ねェと、俺ァ駄目だ……』ってぅ痛たたたたったぁっ!! 抓るなああぁ!!」ムギャー!

一方通行「し・ご・と・が! 大変だっつったンだろォが!! アイツの分まで俺がやらにゃなンなくなっから!」ウガー!

白井「ちょ! お姉さまの柔肌になんて真似を!!」アタフタ・・・

一方通行「テメェもコイツの頬引っ張れ!! 保護者として反省させろ!!」ギュウウゥ・・・

白井「そんな真似出来る筈、が……うわあああぁ! 手が勝手にいいいぃ!! はうわぁっ!!」モミモミモミモミ・・・ゴンッ!!

御坂「何処触ってんのよ変態!!」ゲシッ!!


とりあえず、ラブラブなのか。




744第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 00:22:59.514d6+nZOj0 (1/15)

場違いな三人はさておき、淡希はメンバーと固法さんの方に視線を送った。


結標「悪い。負けちゃった」ハハハ・・・

音無「良いよ。別にお前は超人って訳じゃないしな」コクッ

日向「とりあえず、相変わらず強いなってのは思い知らされたけどよ」ハハハ

結標「はいはい……あ、奏。ありがとね」チラッ・・・

立華「ううん。約束通りになっただけ」コクッ

岩沢「約束?」キョトン・・・

立華「もし空間移動(テレポート)を使う事になって『限界』が来たら……皆を守って私を止めろって」ジー・・・


予め空間移動を使わざるを得ない事を予見していたのか。


結標「あはは……因みに、6回までは数えてたんだけど、私何回飛べた?」ジー・・・

立華「11回。随分持ったんじゃないかしら」フフッ・・・

結標「そうね」ポリポリ・・・


トラウマも徐々に軽減してきているらしい。


結標「……さて、そんじゃ本題だけど」チラッ・・・

音無「やっぱ『家』から此処(アジト)に通う、か?」フフッ・・・

結標「ええ、そうさせて貰う。悪いわね」ペコッ

直井「構わないさ。今までだってそうだった。僕達の中にも通いの輩は居る」コクッ

松下「あわきんの好きにしてくれ。な、野田」チラッ・・・

野田「……ふんっ」コクッ

藤巻「良いってよ」クスクス・・・

結標「あらら。野田にまで追い出されちゃったわ」ハハハ


満場一致で『リーダーの好きにしてくれ』だそうだ。相変わらず他力本願なチーム。


結標「ありがとう……あとは、甘ちゃん坊やに……って、あれ? そういえば香焼くんは?」キョロキョロ・・・

姫神「そういえば。此処に入った時から。見てない」ジー・・・

竹山「彼なら電話するといって出て行ってから、戻って来ていませんよ」コクッ

高松「もしかして、あわきんと顔を合わせるのが気拙いから帰ったとか」チラッ・・・

大山「あはは……ありえるかも」タラー・・・


普段の彼ならありえないが、彼女を『殺し損ねた』今の彼なら、それはあり得る。
淡希をふと、固法さんに目線を送った。

彼女は無言で……天井を指差した。


結標「そう……秋沙。悪いけどもうちょい付き合って」チラッ・・・

姫神「……がってん」コクッ

結標「アンタらは此処で待ってなさい。私と秋沙だけで行くわ」テクテク・・・


私達2人は……屋上へ向かった。




745SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/28(水) 02:58:51.10BhVE6QGIO (1/1)

寝落ちかな


746第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 03:16:45.024d6+nZOj0 (2/15)

本来立ち入り禁止の屋上。だが、叱るべき大人が管理している施設では無いので、メンバー達が好き勝手出入りしている。
彼も、誰も居なかった此処を見つけ、誰にも聞かれぬ様電話していたのだろう。

しかし煙と何とかは高いとこが好きと聞くが……彼はその何とかだろうか。態々貯水タンクの横まで上がってる。


結標「まったく……何黄昏てんだか」ハァ・・・

姫神「あの子。精神シャープっぽい」ジトー・・・

結標「やれやれ。あそこまで上がるの面倒なんだけどなぁ」ジー・・・

斉藤「能力で引き寄せれば良いだろう」ジー・・・


何か……変な人が居る。


結標「斉藤さん、此処に居たの?」タラー・・・

斉藤「俺はいつも屋上に居るぞ。あ、今はウォッチャー斉藤だから」グッ

結標「はいはい。あー、今からあの子と大事な話あるから中入ってて。人に聞かれたくないの」コクッ

斉藤「承知した」テクテク・・・


変な人。


結標「彼は気にしないで。私もよく分かんないの」ハァ・・・

姫神「はぁ……それより」チラッ・・・

結標「……呼んで、降りてくると思う?」フム・・・

姫神「さぁ。貴女は如何か分からないけど。多分。あの子の中では。気拙いんじゃないかと」ジー・・・

結標「……ったく」スッ・・・


能力使うなと言ったにも関わらず、軍用ライトを取り出す淡希。仕方あるまい。
腕を一振りして……目の前に彼を召喚する。


香焼「―――……ぁ」ピタッ・・・

結標「はぁい……って、もしかして泣いてたの?」タラー・・・

香焼「い、いえ! そんな事……、」グシグシ・・・

姫神「分かり易い子」フッ・・・


淡希と目を合わせず、口も開かない香焼くん。やはり微妙な空気だった。
しかしこのまま黙ってても意味が無いので、近場のベンチに移動し、彼を中心に挟んで無理にでも口を開かせる方針に。


結標「さて……私を迎えに来た筈の貴方が、逆に迎えに来られて如何すんのよ」ハァ・・・

香焼「……すいません」ジー・・・

姫神「淡希。約束通り。帰ってくれるって」コクッ

香焼「……はい」ジー・・・

結標「あのさぁ。気拙いのは分かるけど、アレは止むを得ない事だし、第一、貴方が撃ってなかったら決着どころか被害が広まってたわ」コクッ

香焼「…………、」ジー・・・

姫神「何か言ったら如何?」ジトー・・・

香焼「……何を言ったら良いのか、分かりません」ジー・・・

結標・姫神「「ハァ」」タラー・・・


分かってはいるが、納得できない、腑に落ちないといった不満の御様子。自分で撃ったくせに……この期に及んで我儘な子だ。




747第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 03:49:30.904d6+nZOj0 (3/15)

  <香焼side>



言葉が、浮かばない。


結標「勝ったけど、不服?」フム・・・

香焼「……分かりません」ジー・・・

結標「やれやれ。負けた私の立場が無いわね」ハハハ

香焼「……勝ちとか負けとか、そういうんじゃない」ジー・・・


自分でも分からない。
確かに、僕は彼女を止めなければならなかった。結果としてそれは成功した。
だがしかし、それでも……僕は彼女を殺しそうになった。


結標「そりゃまぁ話聞かされた時はゾッとしたわね。まさかヘッドショット狙うなんてね」クスクス・・・

香焼「殺しそうに! なったっす……死にそうになったんすよ」ジー・・・

結標「日常茶飯事よ。実力あって、運が良いから死なないの」フフッ

姫神「運って」チラッ・・・

結標「運よ。廻り合わせ。じゃなきゃ白井さんとか一方通行(アイツ)にあった頃に……いや、研究所居た頃に死んでるもの」フフフ・・・


死生観が、違う。


結標「潔癖症ね。何はともあれ、貴方の勝ち。それで良いじゃない」コクッ

香焼「…………、」ジー・・・

結標「ハァ……『過程』で、私を殺してしまった事を悔いてるの?」

香焼「悔いない筈が無いっす」ボソッ・・・

結標「良く分からない子。海原とか土御門は簡単に殺るわよ。香焼くんも同類なんでしょう?」ジー・・・

香焼「同類なんかじゃない!」グッ・・・


僕と彼らでは志(教義)が違う。


結標「私には違いが良く分かんないけど……不殺(ころさず)ねぇ」フーン・・・

姫神「この子が特例。他の魔じゅ……同類達は。殺しを躊躇わない筈」コクッ

香焼「躊躇いますよ! 躊躇わない訳無いでしょう……少なくとも、姉さん達は躊躇います」ギリッ・・・

結標「貴方が異常なんだと思うわ。仮にも裏の人間なんでしょ」チラッ・・・

香焼「そうっすけど……でも」ジー・・・


裏だから殺しをしなくちゃならないなんて道理は無い。


結標「じゃあ、何故頭を狙ったの?」ジー・・・

香焼「……分かりません」グッ・・・

結標「適当放ったらそうなった?」

香焼「分かりませんよ……自分でも何で足とか肩とか狙わなかったのか、悩んでるんす」ウルウル・・・

結標「……そう」ジー・・・


言い訳になるかもしれないが、我武者羅だった。
何処を狙えば相手が止まるかと考えた時、ふと浮かんだのが四肢動体ではなく……頭だった。ただそれだけだ……それが、問題なのだ。




748第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 04:09:37.274d6+nZOj0 (4/15)

咄嗟に浮かんだにしては、危険すぎる思考。まるで土御門や海原さんの様な考え。


結標「そりゃアイツらに師事受けてんだからそうなるんじゃないの?」フーン・・・

香焼「一線は守るって決めていました。彼らに師事を受けつつも、彼らの様にはならないぞって」ギリッ・・・

結標「無理よ。そんな器用な真似出来る訳無いじゃない。アレの師事って事は暗殺者になる為の訓練だもの」コクッ

香焼「それでも……嫌なんす」ボー・・・

姫神「それでもとか。でもが。多過ぎ。人生そんなに。甘くない」フンッ・・・


御尤もだ。しかし、だけど、嫌なモノは嫌なのだ。


結標「……何にしろ、貴方は『処女』を切った。半分だけどね」フフフ・・・

香焼「っ」グッ・・・

結標「その初めての相手が私ってのは、微妙に嬉しいかな……おめでとう。甘ちゃん坊や」クスクス・・・

香焼「……そんな」ギリッ・・・

姫神「淡希。言い方が。卑猥」ジトー・・・


分からない。殺していたのは事実。でも死んでないのも事実。


結標「でも……『死』とか『殺し』が実感出来たでしょう。良い収穫じゃない。私もそれを教えたかったのよ……君にね」ポンッ・・・

香焼「っ……うぅ」ポロポロ・・・

結標「やれやれ。泣くんじゃない」ナデナデ・・・

姫神「どっちが敗者か。分からない」ハァ・・・


僕だって、分からない・勝ったのに負けた気分だ。


結標「本当はこの『実感』をもう少し丁寧に教えたいから、貴方をスカウトし続けてるんだけど……負けちゃったからなぁ」ハハハ

香焼「もぅ……嫌っす」ポロポロ・・・

結標「そうよね。貴方は甘くて……優しいもんね」フフフ・・・

香焼「うぅ……っ……優しく、ない」ポロポロ・・・

結標「いいえ。人を殺して、泣けるって事は優しい証拠よ。染まり切った輩は二度と泣けなくなる」ギュッ・・・

姫神「…………、」ジー・・・


じゃあ僕は、泣けなくなるのか。


結標「この気持ちを永遠に忘れなければ、泣けるわよ。そして、如何に『不殺』を極めるか……『私達』に見せて頂戴」ポンッ・・・

香焼「っ……でも」グスッ・・・

姫神「気にするのは良い。でも。気に病むのは駄目。淡希を殺させたのは。私」コクッ

香焼「ち、がぅ」フルフル・・・

姫神「いいえ。私。貴方に発破を掛け続けた。最悪の事態も考慮せずに」チラッ・・・

結標「……そうかもね。タカ派の秋沙が悪いのよ」クスクス・・・

香焼「違います……っ……そんな、責任を擦り付ける様な真似……うぅ……出来ません」フルフル・・・

姫神「無理矢理『血(魔力)』を飲ませて(供給して)戦わせた。これで半殺し分」コクッ


それじゃあ、姫神さんが全部持って行く事になる。そんな責任を押し付けられない。




749第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 04:38:27.694d6+nZOj0 (5/15)

僕の話が面白かったのか、余程面白い顔をしていたのか分からないが、姫神さんは微笑んだ。
そして淡希さんの顔を見て、一寸間を空け……夜空を見た。


姫神「『殺しに染まり切った輩は二度と泣けなくなる』……成程。確かに」ジー・・・

結標「……秋沙?」チラッ・・・

姫神「地球から……人間の目で見える星の数は。大体7500個くらい」ジー・・・

香焼「え」キョトン・・・

姫神「……そのくらい『死』に染まれば。涙も出ない」フフフ・・・

香焼・結標「「っ……、」」タラー・・・


この人は……そうか。


姫神「淡希が殺した人間の数なんて。私からすれば。屁みたいなもの。ましてや香焼くんなら。塵芥程度」ジー・・・

香焼「……姫神、さん」ジー・・・

姫神「だから……淡希の分は。私のカウント。その代わり―――」ジー・・・


淡希さんの顔をみた後、僕の顔を見て……苦笑する。


姫神「―――今日。貴方が吸い。血肉となった。私の『血』は……1万近くの人。じゃないけど。命を殺した『血』……忘れないで」コクッ


スケールが大き過ぎる。


結標「そうね……でも、秋沙。そういう突飛をしもない事をサラッと言わないで。心臓に悪いわ」タラー・・・

姫神「てへっ」ペロッ♪

結標「ったく……まぁそういう事よ。経験だと思って割り切りなさい。今日貴方は私と秋沙から死を学んだ。OK?」ポンッ・・・

香焼「…………、」ジー・・・

結標「はぁもうウジウジ考えるな! 貴方のそういうとこ、嫌いよ。理屈で考えないの」メッ!

香焼「割り切るのは、無理っす」ムゥ・・・

姫神「それで良い。悩むのを止めた瞬間から。鬼になる。考えるのを止めた瞬間から。機械になる」コクッ

香焼「……はい」ジー・・・


多分、僕は一生悩み続けるだろう。


結標「でしょうね。だけど、そういうところに……皆惹かれるのよ。私も……あの『N2爆弾』も」ギュゥ・・・

香焼「あ……ぅ」モジモジ・・・

結標「あらら。さっきまでワンワン泣いてたのに、今になって照れてやんの」ナデナデ・・・フフフ・・・

香焼「え、あ、その……すいません」ダラダラ・・・///

姫神「……淡希。まだ熟れてない子どもに。手を出すのは。駄目」ハァ・・・

結標「ふふふ。唾付けとくだけよ。2,3年後の為にね」クスクス・・・

姫神「ハァ……2,3年後は。多分。まんま上条くんになる」ジトー・・・

香焼「なれませんよ!」アタフタ・・・///

姫神「その曖昧さと。甘さが無くなったら。上条くんみたいなモノ……あ。身長が足りない」フフフ・・・

香焼「ぐっ……あと、20cmは伸びますよ!」ウガー!


そうして暫く2人にからかわれた後、僕らは下へ戻って……帰り支度を始めた。




750第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 05:34:50.124d6+nZOj0 (6/15)

 ―――とある翌々日、PM09:50、学園都市第7学区、とある大通り、旧三沢塾分校舎内・・・・・







それでは帰る前に、と淡希さんはメンバーの皆さんに挨拶した。


結標「そんじゃまぁ今まで通りって事で」コクッ

直井「また気が向いたらふらっと現れるという事だな」フンッ・・・

結標「そゆ事。あとは適当にやりたい事思い浮かんだら連絡するから」チラッ・・・

白井「……何故私を見るんですの」ジトー・・・

結標「心配しなくても、ちゃんと白井さんに宣戦布告してあげるからね」クスクス・・・

日向「態々敵に塩送るんかい」ハハハ・・・

結標「だって約束しちゃったんだもん」フフフ・・・


好敵手、か。


結標「じゃ、直井くん。後は宜しく。奏も引き続き頼むわよ」コクッ

立華「分かってる。此処は私が守るから、安心して」フフッ

結標「ええ……おやすみ、みんな」テクテク・・・

メンバー『おやすみー!』ノシ”


帰路に着く。ところで……この後、皆は如何するのだろう。
僕と姫神さんは淡希さんと一緒に月詠さんの家に向かうが、白井さん達は?


白井「私は寮に帰りますの」コクッ

御坂「私も……って、あ!? 寮監!!」ダラダラ・・・

白井「……私は風紀委員の仕事で遅れると、報告しました。お姉さまは知りません」サラッ・・・

御坂「」チーン・・・


真っ白になる御坂さん。あの様子だと多分、帰ったら死より恐ろしい事になるんだろう。


固法「私も帰るわ。もう詰め所の初春さんも帰ってる筈だし」コクッ

電磁通行「「あ」」ピタッ・・・

結標「どったの?」キョトン・・・

一方通行「……いや」タラー・・・

御坂「……その」タラー・・・


歯切れが悪い物言い。まぁ大体何の事か見当は付く。


固法「はぁ……因みに、打ち止めちゃんは那由他ちゃんが迎えに来てくれました」ジトー・・・

一方通行「うっ……ど、何処居ンだ? 黒妻(オマエ)んとこか?」タラー・・・

固法「ちゃんと黄泉川先生のマンションまで帰ったって」ヤレヤレ・・・


やっぱり打ち止めちゃんを置き去りにしっ放しだったか。色々拙いな。




751第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 05:57:57.454d6+nZOj0 (7/15)

脂汗をダラダラ流す2人へ、追い打ちとばかりに告げる固法さん。


固法「あと、伝言……『アナタ、御姉様……話があるので2人ともマンション来なさい! ってミサカはミ(ry』だそうよ」ハハハ・・・

一方通行「……あ、それじゃあ今日バイトあるンでこの辺で」ガシッ!!

御坂「…………、」ダラダラ・・・

一方通行「……離せよ」タラー・・・

御坂「今、打ち止め、機嫌、最悪。私一人、ヤダ。行きたくない」ガタガタ・・・

一方通行「何で片言なってンだっつの! てか、嫌なら行く必要無ェだろ!」タラー・・・

御坂「行かなきゃ行かないでもっと険悪な感じになるでしょ! 早めに解決しなきゃアカンでしょ!」ギャーギャー!


せやな。


白井「まぁ……妹の急用で帰れませんと言えば、幾分、寮監にも言い訳が付くでしょうね」チラッ・・・

御坂「ほれ見ろ!」バッ!!

一方通行「何を見ろってンだ! あァもォ……いや、てか悪ィのテメェだろ。誤解される様な出発の仕方、テメェが」ハァ・・・

御坂「うっさい! タクシー拾ってさっさと帰るわよ!」ズルズル・・・

一方通行「あがががががっ……誰か、止めろ……ぐべっ!」ゴチンッ・・・


そういえばバッテリー切れらしい。あーめん。


結標「……やれやれね」ハァ・・・

白井「あの方も、お姉さまが本音をぶつけられる数少ない殿方ですからね……それでは私もこの辺で」チラッ

香焼「あ、はい。今日はありがとうございました」ペコッ

白井「貴方に頭を下げられる謂れはありませんの……無論、今日の事は内密にしておきますわ」チラッ・・・

香焼「そうして貰えると……助かります」タラー・・・

白井「佐天さん達にばれると何かと厄介なのでしょう? まぁ……その力を悪用しない事を信じます」ジー・・・


勿論、この魔術(力)は『救い』の為だけに使う。


固法「……じゃあ私も此処で」コクッ

白井「あら? 先輩のアパートはもっと先じゃ……あ、そういえば今日は明日も休日でしたね。丁度風紀委員もお休みですしぃ」ジー・・・ニヤニヤ・・・

固法「……だから、何よ」グヌヌ・・・

結標「あぁ。アイツん家か」ハハハ


彼氏さんか。


姫神「ふーん……にゃんにゃん? 何回。にゃんにゃん? ホテル? それとも彼ん家?」ニヤリ・・・

固法「し、しないわよ!」カアアァ///

結標・白井「「絶対嘘だ」」ニヤニヤ・・・

固法「ぐっ~~~~~~~ッッ!! 知らない!! 帰る!!」スタスタスタ・・・

結標「学生ん内はちゃんと避妊なさいよー。まだ祝儀なんて渡したくないからねー」ハハハ

固法「馬鹿!! 最っ低!! 変っ態!!」グヌヌゥ・・・///


半ばキレ気味で去っていった固法さん。そりゃまぁこんだけからかわれれば怒るわな。
一方楽しげに半笑いを浮かべる白井さんも寮の方へ帰って行った。それじゃあ僕らも……戻ろう。月詠さんの家に。




752第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 06:16:56.414d6+nZOj0 (8/15)

 ―――とある翌々日、PM10:30、学園都市第7学区、とあるオンボロアパート(月詠宅)・・・・・






数分歩き、見慣れたオンボロ荘に到着。月詠さんの車も置いてある。


結標「…………、」ジー・・・

姫神「淡希。今更行かないは。無し」チラッ・・・

結標「分かってるわよ……だけど、ね」ジー・・・


気持ちは分かる。僕も喧嘩して家出した時は、似た心境だ。
まぁ僕の場合は大抵アイツら(五和&浦上)が悪いんだけど。


姫神「安心して。香焼くんも。ついていく」チラッ・・・

香焼「え? 姫神さんは?」キョトン・・・

姫神「私は此処でお別れ。上条くんに。インデックスの事。頼まれてるから。そろそろ行かなきゃ」テクテク・・・

結標「あ、秋沙」ジー・・・

姫神「……身から出た何とやら。最後の最後まで。私の力を借りちゃダメ」コクッ

結標「……ありがと」ペコッ

姫神「アラフラ海風DXジャンボマンゴーパフェ一杯で」フフッ・・・


それ一杯3,500円するヤツじゃ……とツッコもうとしたが、もう居なかった。
僕と結標さん2人っきり。またもや気拙い。


結標「……えっと」ポリポリ・・・

香焼「あ、あはは」ポリポリ・・・

結標「……行く?」タラー・・・

香焼「……行きましょうか」タラー・・・


錆付いた階段を上り、月詠さんの部屋に。


結標「……先、入ってくれないかしら」ジー・・・

香焼「はい」コクッ


インターフォンを鳴らす……数秒後、気の抜けた感じで『は~い』という声が返って来た。


月詠「はいは~い……どなたなのれすかぁ?」ガチャッ・・・

香焼「酒臭っ! あ、えっと……こんばんは」タラー・・・

月詠「ふぁあぁ! 香焼ちゃんなのれす!」ギュッ・・・

香焼「あ、ちょっと……もぅ」ハァ・・・

月詠「今日はれすねぇ……んもー自棄酒なのれすぅ! 一緒に呑みましょ~」ニヘヘェ・・・

香焼「自分未成年っすよ」ヤレヤレ・・・

月詠「私の酒が呑めないっていうんれすかぁ!!」ウガー!


普段なら酔ってっても絶対言わない様な事を口走ってる。
少々部屋の中を覗かせて貰ったが、凄い量の空き缶と空きビンだ。寂しさからお酒に逃げたらしい……仕方ないな。




753第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 06:33:11.134d6+nZOj0 (9/15)

僕にへばり付く月詠さんを見るに見かねて、淡希さんが歩み寄ってきた。


結標「…………、」カツカツ・・・

月詠「んー……あるぇ? おかしいなぁ……結標ちゃんが見えちゃってます! 先生、少し呑み過ぎたかなぁ」アハハハ・・・

結標「……そうね。呑み過ぎよ」コクッ

月詠「あはは、やっぱり……声まで聞こえちゃいましたぁ」ハハ・・・ハ・・・

香焼「……月詠さん」ジー・・・


幻想なんかじゃない。現実だ。


月詠「……あ、れ」ポカーン・・・

結標「中、入るわよ……って、酒くっさぁ……あーあー煙草もこんなに喫っちゃって」ヤレヤレ・・・

月詠「……結標、ちゃん」ジー・・・

結標「香焼くん。悪いけどゴミ袋持ってきて。トイレ脇にある赤い方」テクテク・・・

香焼「はい」ガサガサ・・・

月詠「……え」キョトン・・・


状況が呑み込めないのも無理は無い。いきなり過ぎる。


月詠「……結標、ちゃん?」ジー・・・

結標「何よ」セカセカ・・・

月詠「…………、」ボー・・・

結標「暇なら小萌も手伝いなさい。ってかコレ、アンタが出したゴミの山でしょ」ハァ・・・

月詠「……うぅ」ウルウル・・・

結標「ちょっと聞いてるの……ってうわぁ!!」ドサッ!!


淡希さんに抱き着く月詠さん。そのまま床に倒れ込んだ。


結標「こ、小萌?」タラー・・・

月詠「う、うぅ……うわあああああああぁんっ!! うぇええええええぇんっ!! 結標ちゃあああああぁんっ!!」ビエー!

結標「な、泣かないでよ! 近所迷惑でしょ!」アタフタ・・・

月詠「わぁああああぁんっ! 帰ってきたあああぁっ!! ふぇええええぇんっ!!」ビエー!

結標「も、もぅ……はぁ」ポンッ・・・ギュウゥ・・・


優しく、抱擁。


結標「……ごめんね」コツン・・・

月詠「うぅ……許しません、よ」グズグズ・・・ギュウウゥ・・・

結標「あはは……困ったわ」チラッ・・・

香焼「……自分は片付けやっと来ますよ」フフッ

結標「ありがと……小萌、お茶淹れるから少し落ち着こ」クスッ・・・

月詠「えぅ……っ……、」コクッ・・・


これじゃあどっちが子どもか分からないな……容姿は元より。
とりあえず僕は空気を読んで部屋の片づけを続けよう。




754第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 07:12:19.614d6+nZOj0 (10/15)

一服した後、2人は卓上に向かい合って座っていた。
僕は未だに部屋の掃除を……というか、この人どんだけ呑んだり喫ったるしてるんだ? ゴミ袋足りないぞ。


結標「……何から言って良いか、分からないわね」ハハハ・・・

月詠「まず、聞かせて下さい……何故、出て行ったのですか?」ジー・・・

結標「……私が居ない方が、小萌は楽かと思った」ジー・・・

月詠「とんだ勘違いを」ハァ・・・

結標「そうみたいね。部屋を見れば分かる。他人には嫌って程入り込むくせに、自分の事はからっきしだもんね」クスクス・・・

月詠「そ、そういう問題じゃないのです!」ムググ・・・


淡希さんは垢抜けて飄々とした感じだ。


結標「ええ、分かってる……でも私が迷惑掛けてたのは本当でしょう」ジー・・・

月詠「掛けて貰って結構なのです。その為の『先生』なのですから」ジー・・・

結標「……そう」ボー・・・


この人の器量は、僕らが思っている何倍も大きい。


月詠「結標ちゃん……もし、貴女が真剣にやりたい事を見つけたのであれば、先生は止めません」ジー・・・

結標「…………、」ジー・・・

月詠「でも、未だに見付けられないのでしょう? というか、普段の生活を見るにやりたい事を見つける気があるのか如何かさえ」ジトー・・・

結標「あはは……こんな時まで説教?」タラー・・・

月詠「……失礼。でも、そう見えたって事は見付けてる筈が無いって事なのですよ」コクッ

結標「……そうね。私はまだ、自分が何したいのか分かってない」ボー・・・


淡希さんに限らず、この街の多くの若者が抱えている悩みだ。


結標「だけど……私は小萌に、面倒掛けたくないって、思っちゃった」ムゥ・・・

月詠「馬鹿な事を……子どもがそんなに殊勝な事を考える必要はありません。5年早いのです」ハァ・・・

結標「……ごめん」ペコッ・・・

月詠「……反省している様なので、多くは言いません。どうやら香焼くんが代わりに説教してくれたみたいですからね」チラッ・・・


僕だけじゃない。彼女の友人達が解決したのだ。


月詠「ただし、その自覚があるなら規則正しい生活を初めてみて下さい。それから……自分探しもね」フフッ

結標「……努力するわ」ポリポリ・・・

月詠「ええ……それじゃあ話は終わりなのです。あ、2人ともご飯食べましたか? お鍋にうどんが残っている筈なのです」チラッ・・・


カセットコンロの中に……微妙に残ったうどんがある。


月詠「シスターちゃんが『ご飯喰わせろー』って幽鬼の様に現れてお鍋にしたんですけど……そっちは全部食べられちゃいました」ハハハ・・・

結標「あの暴食魔人か」ハァ・・・

香焼「まぁ……御飯だけ早炊きすればオジヤ作れますから」ハハハ・・・

月詠「それじゃあレトルトのご飯出しちゃって下さい。私もお腹空いちゃったのですぐ食べましょう」ヘヘヘ


という訳で、3人仲良くオジヤパーティ。淡希さんの悩みも、いつの間にかすっかり消え去ってしまった様だった。




755第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 07:28:13.204d6+nZOj0 (11/15)

それからオジヤを食べ、月詠さんはすぐ横になった。まるで泣き疲れた赤子の様に。
ではそろそろ僕もお暇しよう。


結標「……泊まっていかないの?」ジー・・・

香焼「野暮っすよ」フフッ

結標「別に……小萌、寝ちゃったし」チラッ・・・

月詠「すぅ……くぅ」Zzz...


しっかり傍に居てあげて下さい。


結標「……そう、ね」ポリポリ・・・

香焼「僕も、家がありますから」コクッ

結標「でも、今日は誰もいないんでしょ……泊まってって良いわよ」スッ・・・

香焼「……今日は遠慮します」フフッ

結標「そう……あーあ、ふられちゃった」クスクス・・・


そういう事じゃないっての。


結標「……アンタの姉貴達にも感謝ね」コクッ

香焼「いえいえ。自分らは単なるお節介っすから」クスクス・・・

結標「……ありがと」ペコッ

香焼「お気になさらず……それより、僕こそ―――」ペコッ

結標「謝らないで」ピタッ・・・

香焼「―――ごめ、ん……、」ジー・・・


これ以上は、月詠さんに対して失礼か。


結標「……それは抜きにしても、必ず借りは返すわ」ギュッ・・・

香焼「わっ……ちょ、もぅ」ポリポリ・・・///

結標「……んー、抱きたいとかそういう要望も、今ならアリよ?」ニヤリ・・・

香焼「抱きません」ハァ・・・///

結標「つれないわねぇ。据え膳食わねば何とやらって知らない?」フフフ・・・

香焼「女性を据え膳と思う様な男になりたくないっす」ムゥ・・・

結標「そう……立派よ」チュッ・・・


額に……柔らかい感触。


結標「他意は無いわ。純粋に、感謝の気持ち」ナデナデ・・・

香焼「あ、ぅ」モジモジ・・・///

結標「ふふふ……それじゃあ、またね。今度、五和達が居る時にお邪魔するから」ノシ”

香焼「……はい」ハハハ・・・

結標「一応、貴方からも説得しといてね……それじゃあ、おやすみ」クスクス・・・


おやすみなさい……良い夢を。




756第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 07:56:02.324d6+nZOj0 (12/15)

 ―――とある数日後、PM06:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・



   にゃーん・・・・・



神裂「―――……それで、その後彼女は?」フム・・・

香焼「多少、夜型から昼型に改善してるみたいっすよ。仕事の日は仕方ないみたいっすけど」コクッ

五和「ハァ……一段落ね。安心しました」ホッ・・・

浦上「それにしても土御門も野暮な真似しましたよネ」ハァ・・・

神裂「彼の日常と彼女の日常が交差してしまった故に、生じた事故です。ドチラが悪いとは言えませんよ」コクッ

五和「それでもですよ……家から出てけなんて」ムゥ・・・

香焼「自分はしょっちゅうオマエに言ってるけどな」ジトー・・・

五和「それは、ほら。コウちゃんのは愛があるし」ムンッ

香焼「は?」ジー・・・

五和「え?」キョトン・・・

香焼「…………、」ジトー・・・

五和「……あるぇ」タラー・・・

浦上「まぁまぁ……とりあえず、交差したからには思いが強い方が勝つんでしょうネ」ピシッ

神裂「ええ。今回は偶々土御門が前半リードして、後半結標さんが巻き返した形となっただけです」コクッ

五和「むぅ……でも、なんか納得いきません」ポリポリ・・・

神裂「もしこの先、彼が義妹と離れろと命令が下った場合……同じ様な事が起きると思いますよ」フフフ・・・

香焼「そうかもしれませんね……、」コクッ・・・

五和「ふむ……それはさておき……ちょっと疑問点が」チラッ・・・

香焼「何だよ」ムゥ・・・

浦上「香焼、魔力値跳ね上がってない? 魔力値というか、魔力色もですけど……対馬さんくらいるヨ」タラー・・・

香焼「え? そ、そうっすか」ポカーン・・・

五和「私が知り得る限り、天草式の魔力じゃない……もしかして誰か(何か)と『契約』したの?」ジトー・・・

香焼「契、約……ぁ」ピタッ・・・

神裂・五和「「…………、」」ジトー・・・

浦上「因みにぃ、契約の方法は様々ですがぁ、最もポピュラーなのは『体液交換』な訳でしてぇ……つまりはぁ」フフフフ・・・

香焼「ちょ、待、え、うをぃ!?」アタフタ・・・

五和「コウちゃんっ!! 貴方一体誰とせ、セ、せく、セック……にゃんにゃん! 交わったの!! 白状なさい!」ガシッ!!

神裂「香焼……貴方が決めた女性なら駄目とは言いませんが、せめて先に紹介して貰いたかったですね」ハァ・・・

香焼「ね、姉さん!? ちょ、飛躍し過ぎっす!」タラー・・・

五和「誰だあああぁ!! コウちゃんの貞操奪ったのはああぁ!! レッサーか! アニェーゼか! まさかの結標さんかああぁ!!」ウガー!!

浦上「いやいや、やっぱ最愛ちゃんって可能性も……あ、でも魔力色まで変えるなら相手魔術師か。じゃあカルテッ娘ですネ」フフフ・・・

神裂「責任は取らねばいけませんよ。先方の保護者にも挨拶しないと……そ、それより、その……ちゃんとデキましたか?」モジモジ・・・///

香焼「ムッツリ! ああぁもう! 違うって……でも、説明出来ない……うがああぁ!! あんまりだああぁ!!」フコーダー・・・


もあい「にゃーん」オワレ!






757第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 08:18:41.424d6+nZOj0 (13/15)

        <おまけ!>


 ―――三沢塾分校を後にし、黄泉川宅にて・・・・・


一方通行「…………、」タラー・・・

御坂「…………、」タラー・・・


打ち止め「…………、」ゴゴゴゴ・・・


芳川「ねぇ、アレ何してんの?」チラッ・・・

番外個体「もやし(アイツ)とオリジナルが最終信号の前に正座してる」タラー・・・

黄泉川「んー……説教? 修羅場? まぁそんな感じじゃん」ハハハ

芳川・番外個体「「は?」」ポカーン・・・


打ち止め「……ねぇ」ボソッ・・・

一方通行「っ!」ビクッ・・・

御坂「は、はい……何でしょうか。妹様」ダラダラ・・・

打ち止め「……御姉様とアナタは、私を捨て置いて何処に言ってたの? ってミサカはミサカは問い詰めてみたり」ジトー・・・

御坂「え、と……だから、その、再三申しています様に、結標淡希の捜索にですね」タラー・・・

打ち止め「へぇ……嘘だッ!! ってミサカはミサカは激怒してみたり!!」バンッ!!

一方通行「……嘘じゃねェし」ボソッ・・・

打ち止め「ほぉ、しらばっくれると……じゃあコレを見ろ! ってミサカはミサカは携帯を突き着けてみたり!」バッ!

御坂「えっと、ツブヤイッター? え……こ、これは!?」ギョッ・・・

一方通行「ン……ハァ!? 俺と第三位が堂々白昼街中デートだァ?!」ギョッ・・・


番外個体「あ、それミサカも見たわ」コクッ・・・

芳川「そういえば皆で騒いでてお祭り騒ぎだったわね。私も愛穂から知らされた時は驚いたわ」ハッハッハッ


一方通行「じょ、冗談キツいンですけどォ!! 何思って俺がコイツみてェなアバズレと付き合わなきゃならねェンだ!」ダラダラ・・・

御坂「あばず、今は我慢……ら、打ち止め。そんなデマ信じる訳無いわよね。私がこんな都市伝説クネクネ男とデートする訳無いでしょ」タラー・・・

一方通行「クネクネって街中じゃ……じゃなかった。コイツの言うとおり、結標探しに行ってただけだ! テメェだって知ってンだろ」ハァ・・・

打ち止め「私は……2人に騙されたのだ。ってミサカはミサカは絶望と嫉妬と怒りに飲み込まれてみたり」グヌヌヌゥ・・・

一方通行「ちょ、マジ番外個体みてェな事言ってンぞ」アタフタ・・・

御坂「打ち止め! 信じなさい! 私が妹の旦那を取る様な、そんな昼ドラ的危険なアクション起すと思う!?」タラー・・・

一同(起しそうだなぁ)タラー・・・

打ち止め「……もう良い。分かった」トコトコ・・・ヨイショッ・・・

一方通行「お、おい。リュックなンか背負って何する気だ」チラッ・・・

打ち止め「アナタと御姉様が反省するまで、ミサカは実家に帰らせて貰います。ってミサカはミサカは淡々と告げてみる」サラッ・・・

一同『えっ!?』キョトン・・・

黄泉川「ら、打ち止め? 実家って……何処じゃん?」タラー・・・

打ち止め「実家は実家です……それではアデュー、ってミサカはミサカは家出してみる」テクテク・・・バタンッ・・・

一同『…………、』タラー・・・

番外個体「……あ、2人とも口から煙みたいなの出してらぁ」ハハハ




758第四話―――月詠「結標ちゃんは・・・居ません」 香焼「え?」2011/12/28(水) 08:44:19.324d6+nZOj0 (14/15)


  ―――???・・・・・


打ち止め「―――……絶っっっ対に、反省するまで帰らないもん! ってミサカはミサカはブチ切れてみたり!」プンスカ!

黒妻「で、此処(ウチ)来た訳ねぇ……くっだらね」ハァ・・・

打ち止め「クロヅマ! 娘が不倫されたの怒るの普通でしょう! ってミサカはミサカは何故か微妙に汗ばんでるシーツを叩いてみる」バンッ!

固法「ら、打ち止めちゃん。そういう事言わないで貰えるかなぁ……恥ずかしいから」アハハ・・・///

打ち止め「ふぇ?」ポカーン・・・

黒妻「いや、まぁ……不倫ねぇ」ポリポリ・・・

打ち止め「んもー! これだから男の人って! ミィなら分かるでしょう! ってミサカはミサカは何故か薄着のミィに尋ねてみる!」ムンッ!

固法「だからそういう事言わないで欲しいなぁ……恥ずかしい」ハァ・・・

打ち止め「恥ずかしいならミサカも脱ぐから真面目に答えてよ! ってミサカはミサカは脱ぎながら詰め寄ってみたり!」ヌギヌギ・・・

固法「あぁもう私が着るから! えっと……浮気はしてないと思うわよ。2人ともちゃんと結標さんの所に来たし」ポリポリ・・・

打ち止め「……まぁじで?」ピタッ・・・

固法「うん。その場でちゃんと目的も言ってたし……本当に結標さん探しに来ただけじゃないかな」ポンッ・・・

打ち止め「うっ……で、でも御姉様は」タラー・・・

固法「御坂さんはああいう性格だし……それでも私達がピンチだと思って駆け付けてくれた節もあるわ」ナデナデ・・・

打ち止め「……むぅ」ジー・・・

黒妻「はぁ……まぁアレだ。男の馬鹿な行動目ぇ瞑ってやんのも、良妻の役目じゃねぇか」カチッ・・・フゥ・・・

打ち止め「りょ、良妻!? ミサカ、良妻なの!?」グイッ・・・

固法「うん、良妻良妻。だからそろそろ帰ろうか。黄泉川さん呼んであげるからね」ナデナデ・・・

打ち止め「う、うーん……でも、まぁ……どの面下げて帰れと申すか、ってミサカはミサカは悩んでみたり」ハァ・・・

黒妻「まぁ……確かに」ハハハ・・・

打ち止め「クロヅマ、ミィ……今晩泊めてね♪ ってミサカはミサカは皺くちゃシーツのベットにダイブしてみたり!!」ドーン!

固法「だからそういう事言わないで……って、はぁ」ドヨーン・・・

黒妻「あははは……今晩はお預けって事で」ポリポリ・・・

固法「ハァ……生理前だったのに……前戯で終わった……超消化不良」グデーン・・・



打ち止め「すぅ……くぅ」ムニャムニャ・・・



固法「……ハァ」ジー・・・ナデナデ・・・

黒妻「ん? そんなにシたいの?」ケケケッ

固法「ばーか……それにしても、浮気かぁ」チラッ・・・

黒妻「……何だよ」タラー・・・

固法「別にぃ。先輩の場合飲み屋とかクラブとかキャバクラとかデリヘルとかの名刺見つかっても『仕事』で片付くからなぁ」ジトー・・・

黒妻「い、行かねぇよ……多分」ボソッ・・・

固法「……じゃあ、私に携帯見せられます?」ジー・・・

黒妻「そ、それは……色んな意味でパス。じょ、女性関係じゃなくて……色々」タラー・・・

固法「ふんっ、信じてやります……おやすみなさい。私、打ち止めちゃんとベットで寝ますから、先輩床に寝て下さいね」ゴロンッ・・・

黒妻「……おぅふ」ヤレヤレ・・・




759VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2011/12/28(水) 08:49:59.434d6+nZOj0 (15/15)

はい、第四話終わりです。また無駄に長かったなぁ……戦闘シーン省いても良かったかなぁ。

固法さんが何しようとしてたか? 嫌だなぁ……KENZENなレスリングです!


さて次回は何か特別な要望が無ければ浦上話です。安価も取るかも。
メインはルチア・フロリス・浦上かな……そこでドンチャン予定。微エロ程度なら入れようか。


じゃあ例の如く質問意見感想罵倒指摘リクエスト等々、宜しくお願いします。それではまた次回! ノシ”




760SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/28(水) 09:41:18.74L8zlDiyDO (1/1)

乙! 早くニャンニャンを書く作業に入るんだ! 可能ならそろそろ……あわきんアフターをだなぁ!

さておき、やっと英国編かぁ。今回都市編ばっかだったからなぁ。
どんな話になるか分からんけど、次回も楽しみにしてるぜぃ!


761SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/28(水) 11:29:01.94824bvvSAO (1/1)

一寸で笑う


762SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/28(水) 12:05:59.57od8YOcQIO (1/1)

乙でした
今回は俺の姫神も活躍できたことだし(ある意味香焼とのフラグも立ったっぽい?)まあまあ良回だった
ただ後日談みたいなのがなかったので若干消化不良…
とりあえずしばらく出てきそうにない土御門、姫神、電磁通行がこの後どうなったのか簡単でいいから教えてほしいかも(後日談あるなら書いてもいいのだけどチラッ)

さて次回はようやく英国編…なんだか中途半端なメンツだなw
こいつらがメインだとある意味予想がつかないから楽しみっす


763SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2012/01/01(日) 16:30:06.71dcGGj3EAO (1/1)

あけおめ


764VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2012/01/05(木) 01:13:22.51E/g1WxJ00 (1/3)

こんばんわ、お久しぶりです。それから、あけましておめでとうございます。

今回は予告だけ。メインをルチア・フロリス・浦上にしていました。
一応、プロットは出来ているので早ければ明日にも書き始められるのですが、先に『4,5話』ちょこっとやった方が良いかな?

もしくは何かリクエストがあれば書いて下さい。無い様なら予定通り進行……下のアンケートに協力してね。


①予定通りに!

②短く4,5話!

③他にリクエストがあれば書いて下さい!


それでは早ければ明日に! ノシ”




765以下、あけまして2012/01/05(木) 01:15:58.66nNLPv9nPo (1/1)

おかえりあけおめ
余裕あれば②で


766以下、あけまして2012/01/05(木) 01:51:11.19sIaubRh2o (1/1)

あけおめー
②はどっちでも
③はサローニャかサンドリオン出せたら出してほしいなーなんて
ただシリアスとかになりそうなら出さなくてもいいけど


767以下、あけまして2012/01/05(木) 02:45:07.75i2lKCTy9o (1/1)

あけおめです。
個人的には②を希望
色々な話が見たいです


768以下、あけまして2012/01/05(木) 04:59:25.68rQ++Mf5jo (1/1)

いいおねショタだった乙!

このごろシリアス多めだから
カルテッ娘あたりに出てほしいなー

つーわけで③


769VIPにかわりまして建宮がお送りするのよな2012/01/05(木) 22:33:45.93E/g1WxJ00 (2/3)

こんばんわ。とりあえず②をちょこっと書いちゃいます。

結標&小萌先生、それから>>762さんの要望と天草家を書こうかな。それでは投下!



770第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/05(木) 23:24:54.33E/g1WxJ00 (3/3)

 ―――数日後の休日、PM06:30、学園都市第7学区、とあるオンボロアパート(月詠宅)・・・・・


  にゃーん・・・・・


神裂「―――急に押し掛けて申し訳ありません。一度、私だけで顔を出そうかと思ってまして」ペコッ・・・

月詠「―――いやはや、先日はご迷惑を」ペコッ・・・

神裂「いえ、月詠さんに非はありませんよ。今回の件は結標さんにとっての越えなければならないハードル、みたいなモノだと思ってますから」

月詠「ハードル、ですか……そうかもしれませんね」フム・・・

もあい「んな?」キョトン・・・

神裂「……ところで、結標さんは?」チラッ・・・

月詠「『バイト』と言っていたのです。多分、12時(天辺)回ってから帰るかと」ハハハ・・・

神裂「土御門の……あ、いえ、そういう話では無く」フルフル・・・

月詠「え?」ポカーン・・・

神裂「生活です。自堕落だったのでしょう? 改善されましたか?」ジー・・・

月詠「あ、そっち。えぇまぁ……少しずつですが」ポリポリ・・・

神裂「バイト云々の関係上、就寝起床時間については難しい所でしょうけど、何も無い日はどのくらいの時間に?」フム・・・

月詠「決まった就寝時間はありませんが……そうですね。一日8時間以上寝なくなったのですよ。夜型行動については仕方ないかと」クスクス・・・

神裂「ほぉ、それはそれは。家事の方は?」ジー・・・

月詠「元々、掃除洗濯ゴミ出しは分担してやっていたのです。でも最近は『全部私に任せろー』ってな感じで、張り切っちゃってます」ウフフッ

神裂「やはり心境の変化でしょうね。三日坊主にならなければ良いですが」フフフッ

月詠「不思議なモノなのですよ。別人……とは言いません。結標ちゃんは元々気を配れる子ですから」ジー・・・

神裂「……総合的に見て、プラスになったと」フッ・・・

月詠「まぁ料理以外は、ですね。変に空回りして『今日は私が料理当番よ!』とか言い出しちゃって……気持ちは凄く嬉しいのですよ」タラー・・・

神裂「ははは、成程……まるで子どもですね」クスクスッ

月詠「子ども……うーん、何て言ったらいいのか……兎に角、過保護になっちゃったのですよ。私、大人なのに」アハハ・・・

神裂「過保、護? ふむ。彼女は先日の風邪の一件を自分の所為だと思い込んでますからね」タラー・・・

月詠「だからプラスっちゃプラス。でもオーバーの類なのです……しかしまぁ空回りしていますが気持ちは伝わっているのですよ」コクッ

神裂「まるで出戻りの親孝行ですね……ああ、成程」クスクスッ

月詠「何なのです?」キョトン・・・

神裂「孝行したいと思った時には、親……恩師が居ない。今、貴女と暮らすこの時間に未練を残したくないのでしょう」コクッ

月詠「……確かに、いずれは此処を出て行きますからね」フフッ・・・

神裂「彼女は選んだ。他人に何と言われようとも、今の日常を横臥しようと……答えを見つけるまで」チラッ・・・

月詠「懐いてくれた、という意味では嬉しい限りなのです。私も彼女を教え子として愛しています……しかし指導者としては何とも」フルフル・・・

神裂「大丈夫でしょう。今の言葉からでも貴女が俯瞰できている事は分かる。そういった点、流石大人ですね」コクッ

月詠「褒められたのやら何なのやら……逆に、神裂ちゃんは子どもらしく無いのですよ」ジー・・・

神裂「歳相応では無いと自負しています。私は逆に俯瞰しない目線を覚えたい……ですが、これが存外難しい」ハハハ・・・

月詠「そうですね。人との距離程難しいモノはありませんよ……時に、それは主に上条ちゃんの事なのですか?」ニヤリ・・・

神裂「ぶっはぁっ!!? な、なんでっ!!? い、いやいやそうではなく仲間内等の事を」アタフタ・・・///

月詠「ふふふふ。そういう部分は歳相応に乙女なのですよ。安心して下さい。先生は中立ですから全員を応援しているのですよ」ニヤニヤ・・・

もあい「なー」フシフシ




771第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 00:09:27.380mj4mss30 (1/12)

神裂「わ、私のそういう話は良いのです! そ、それより貴女と結標さんの話を」アタフタ・・・

月詠「私ですか? まぁこの歳だから結婚は考えますけど……実家も見合い写真送ってきますし。でも、私は恋愛結婚願望なのです」ハァ・・・

月詠「流石にこの歳なので処女では無いので男性が怖いとかは言いませんけど……って神裂ちゃん、固まって如何しちゃったのですか?」キョトン・・・

神裂「え……結、婚……適齢……年齢……しょ、しょ、しょ……うぇ?」タラー・・・

月詠「私[ピーーー]歳なのですよ。あ、でもそんなに広めないで下さいね。恥ずかしいのです」アハハ・・・

月詠「神裂ちゃんはしっかりしてますし、大学生さんなのでこういう話はしますけど……って、だから何で固まってるのです?」ホェ?

神裂「い、いやいやいや……まぁ確かに『その手』の趣味の人間はいますけど……えー!?」ダラダラ・・・

月詠「あ、元彼の話なのですか? 確かに体格見た目はこんなんですけど、ちゃんと『する事』出来ますし実際―――」コクコクッ

神裂「す、ストップ! それ以上はアウト!!」ビシッ

月詠「―――は……ほー。神裂ちゃん、想像以上にウブなのですねぇ」ニヤニヤ・・・

神裂「い、いやいや! だからそういう問題じゃなくて……ほら! 結標さんの!」アタフタ・・・

月詠「結標ちゃんの本命ですか? うーん、そうですねぇ」ジー・・・

神裂「ちいいいぃがああああぁくうううぅてええええぇ!! 恋愛如何こうじゃなくてっ!!」ダラダラ・・・

月詠「多分、黄泉川先生のお家の第一位ちゃんだとは思うのですけど……最近一歩引いてるんですよねぇ。ああ見えて臆手で」ハァ・・・

神裂「話聞いてます?!」タラー・・・

月詠「ほら、最近第一位ちゃんも上条ちゃん並に女の子侍らせてるじゃないですかー。だから諦めちゃってる節が……ねぇ」ポリポリ・・・

神裂「……はぁ」タラー・・・

月詠「あ、そういう点、神裂ちゃんと似てるのです。『あの人の幸せを第一に』……駄目なのですよー! そういうのを臆手にしちゃー」メッ!

神裂「だ、だああああぁかああああぁらああああぁ!! んもぉ……話聞いて下さいって」グデェ・・・

月詠「でも香焼ちゃんは、なーんか恋愛対象として見てない感じなのです。可愛がってはいますけど、やはり年下過ぎるからでしょうか」チラッ・・・

神裂「そりゃまぁ5つ程も離れてますし……じゃなくてっ!!」バンッ!!

月詠「あ、でも結標ちゃんと香焼ちゃんがちょいと危ない関係なるのは十分に有り得ると思えますよ……多分、2,3年後くらいに」フフフ・・・

神裂「さ、させませんっ!! あの子はそういう不貞な事は嫌うタイプです!!」ガタッ!

月詠「さっきからちょいちょい喰い付きますね……ま、香焼ちゃんも男の子ですからねー」フフフフ・・・

神裂「わ、私が許しません! そんな事をするようになったらルチアの言うとおり去勢させます!」グヌヌゥ・・・

月詠「きょ、去勢って、随分物騒な」タラー・・・

神裂「コホンッ……兎も角、そういう話ではなくですね……今後の結標さんの、に・ち・じょ・うっ! についてですよ」ハァ・・・

月詠「はいはい。とりあえず肉体的には勿論、精神的にも健康になるんじゃないでしょうか」コクッ

神裂「トラウマについては?」ジー・・・

月詠「同様に良い方へ向かってますよ。完全に消え去ったりはしませんが、ちょっとやそっとの事で引き起こしたりはしないかと」コトッ

神裂「ふむ、では問題無しですね……料理以外は」ハハハ・・・

月詠「あははは……まぁでも……一番の課題が残ってるのです」ボー・・・

神裂「……彼女自身の答え、やりたい事、ですか?」フム・・・

月詠「ええ……この街の子ども達に『夢』を持たせるのは至難の業なのです。現実主義者が多過ぎる」ジー・・・

神裂「超能力などというSF的なチカラを使うのに?」フム・・・

月詠「故に、なのですよ。彼らは『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』という科学主義に従順過ぎる。強度が高ければ尚なのです」ハァ・・・

神裂「しかし、それを活かした職業につければ幸いなのでは」ジー・・・

月詠「職業上の適材適所……聞こえは良いかもしれませんが、そこには自分の意志と自由が無い」ハァ・・・

神裂「ふむ。ですが、最終的に安定出来れば……と考えてしまうのは、行けない事でしょうか」チラッ・・・

月詠「『安定するから公務員が良いや』と考える子ども達ばかりのコミュニティを作ったら……それはさぞ味気無いものでしょうね」ボー・・・



772第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 01:03:15.780mj4mss30 (2/12)

もあい「なぅ」コロコロ・・・


月詠「今まさに日本がそれですが……学園都市の子ども達は、それに近いまた別の何か、なのですよ」ジー・・・

神裂「……如何いう意味です?」キョトン・・・

月詠「今から言う事は、あくまで理想論なのですよ……自分の能力を正しく・楽しく・適して・幸せに用いて、仕事にする」コクッ

神裂「……ふむ」ジー・・・

月詠「しかし、そんな理想を達成できた卒業生は5%も居ません。さて、何故でしょう」ジー・・・

神裂「理想と現実のギャップ……いや、社会の狭さですか?」ジー・・・

月詠「それも正解。でも、一番は先程言った通り『理想』以前の段階なのです。子ども達には『理想(夢)』がありません」ハァ・・・

神裂「……夢、ですか」ムゥ・・・

月詠「確かに夢を忘れるという事は大人になっていくという事なのですよ。だけど、忘れる夢すらない……悲しい事なのです」ジー・・・

神裂「しかし『自分だけの現実』とは、自己の理想の体現では無いのですか?」ジー・・・

月詠「神裂ちゃん……能力(チカラ)は『理想(夢)』の体現ではありません。『幻想(利便)』の体現です。あくまで道具で、目的じゃない」

神裂「……ん」ジー・・・

月詠「確かに……『筋ジストロフィの子どもを助けたい』という目的で、正しく『電撃使い』という道具を手に入れた。という話もあります」

神裂「それは雑誌で見ました。確か、第三位の」フム・・・

月詠「故に彼女は都市の象徴なのです。超能力者(レベル5)だからってのも勿論の事、夢を実現させようとしている……その姿が眩しい」コクッ

神裂「……結標さんは?」ジー・・・

月詠「結標ちゃんは強力で便利な能力(道具)を持っています。しかし『何故その能力が自分に?』と考えている……いたのです」ムゥ・・・

神裂「その話は……はい、以前香焼から聞きました」ジー・・・

月詠「だから余計悩んでいるのです。多分、並の子ども達より『答え』が見え難い筈でしょう」

神裂「自己否定の闇ですか。本で読んだ事があります。確か役者タイプの人間と」フム・・・

月詠「そうですね。いっそ、能力(道具)抜きで目的(やりたい事)を見つけて欲しいのですよ」ハハハ・・・

神裂「ん? そういうのは容易いのではないかと思いますが……違うのですか」ポリポリ・・・

月詠「存外難しいものなのです。都市に限らず、日本の子ども達は特に……夢を聞かれて大学名を答える様な国なのですよ」ハハハ・・・

神裂「……何とも」タラー・・・

月詠「ですから……私が預かった子達には、須らく素敵な夢を持って貰いたいのですよ。どんなに時間が掛ってもね」フフッ・・・

神裂「応援程度しか出来ませんが……頑張って下さい。それも確かに『救いの手』だと思います」コクッ

月詠「救い、なのですか? まぁそうですね……上から目線みたいな言い方でちょっとアレですけど」ハハハ

神裂「恥じる事は無いでしょう。貴女のその考えは間違いなく教職者の鑑と成り得るモノだ」コクッ

月詠「お、大袈裟なのです……兎に角、目の前の子が道に迷っていたら案内してあげるでしょう。それが交番か、目的地かは別として」コクッ

神裂「世の中には見捨てる人間が……あまつさえ、拐す人間さえもいます。私も貴女の様な指導者になりたいものです」フフフ・・・

月詠「ふふっ、御世辞が御上手なのです。それにしても、神裂ちゃんは教育学部か教職志望なのですか?」チラッ・・・

神裂「え、あ、まぁそんな感じです」アハハ・・・

月詠「やっぱり、どうも指導者の在り方について模索してる感じでしたから。相談乗りますよ」フフフッ

神裂「あははは……ま、まぁ今は大丈夫です……とりあえず、結標さんが再度良い方向に進んだ様で安心しました」コクッ

月詠「いえいえ、まだまだこれからなのです。ただ、今回分かった事として……神裂ちゃん」ジー・・・

神裂「はい」コクッ

月詠「結標ちゃんにも、お友達は居るみたいです……支えていって上げて欲しい」フッ・・・

神裂「勿論です。出来得る限り、皆で応援します……同様に、我々も彼女に助けられていますからね―――」コクッ




773第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 02:53:23.740mj4mss30 (3/12)

 ―――数日後の休日、PM09:30、学園都市第7学区、とある仮眠室(レストハウス)・・・・・






土御門「―――……以上だ。次回までに此処の振り付けを覚えて来い」クイッ

海原「分かりました」クネクネ・・・

一方通行・結標「「…………、」」ボー・・・

土御門「違う、海原。そこはピポットを……って、オイ。テメェら」チラッ・・・

一方通行「あン?」ピクッ

土御門「ちゃんと話聞いてたのか?」ジトー・・・

結標「あー……何の話? 今度の箱根旅行の件? 慰安旅行だから全部経費で降りるのよね?」ボー・・・

土御門「違ぇよ! そんな話一寸もしてねぇっつの! 勝手に行ってこい!」ガンッ

結標「はいはい」グデェ・・・

土御門「この糞女……まるで聞いてねぇ」ジトー・・・

海原「まぁまぁ。久しぶりに集まったのに喧嘩しないで下さいよ……一方通行(アナタ)も、シャキっとしてくださいね」チラッ・・・

一方通行「……ァー」グデーン・・・

結標「ぅー……、」グドーン・・・

土御門「駄目だコイツら。樹海に放置された40年前の人形みたいになってやがる」ハァ・・・

海原「ハハハハ……ところで、貴方達……先の一件の騒動にケリは付いたのですか?」チラッ・・・

土御門・海原「「…………、」」ピタッ・・・

一方通行「……ばーか」ジトー・・・

海原「あらら……未だタブーだった、と?」タラー・・・ボソッ

土御門「…………、」ジー・・・

結標「……ねぇ」ジー・・・

土御門「兎角、以上だ。さっき言った通りにしてこいよ。俺は帰る」テクテクテク・・・ガチャ・・・バタン・・・

一方通行「海原MKY……あ、知ってっか? 『MKY』ってのはァ『マジ気持ち悪いよー』の略なンだぜ」フンッ・・・

海原「いや、違いますよ。何処でそんな間違った知識……って、まだ普通のKYの方が良かった。気持ち悪いって……酷っ」タラー・・・

結標「アンタ、言われ慣れてるでしょうに」フンッ

海原「それを言うのは主に貴方達三名ですけどね……ところで……如何するんですか?」ジー・・・

結標「……アンタが気にする事じゃないわよ」ジー・・・

海原「気になりますよ。職場の空気が工場用排水路みたいな感じですもの」ハァ・・・

結標「ちゃんと、解決するわよ。少し待ってなさい……それより、こっちは大丈夫なの?」チラッ・・・

一方通行「あにァ?」ポカーン・・・

海原「呂律回ってませんけど……廃人みたいな顔がイツにも増して酷くなってます」タラー・・・

一方通行「あー……もォ如何でも良ィやーって」ハッハッハッ・・・

結標「いつもなら『五月蠅ェ108回くらい死ね気持ち悪い海原気持ち悪い』とか言うのに、今日は反論すらしない……末期ね」ムゥ・・・

海原「……結標、さん?」ン?

結標「やれやれ……御宅のおチビの問題? それとも第三位との件?」ジー・・・

一方通行「どっちも……噂が、止まらねェ……この前、三下にまで『おめでとう』って……なァ」グデーン・・・

海原「あらら……貴方は兎も角、御坂さんが可哀想ですね」フムフム・・・




774第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 03:24:02.160mj4mss30 (4/12)

結標「あら。彼女の問題だから躍起になってコイツの事殺そうとするのかと思いきや、案外冷静なのね」フーン・・・

海原「まぁスネーク(17600号)を通して全部見てましたからね。無論、貴女の決闘も見てましたよ」フフフ・・・

一方通行「んなぁ!?出刃亀野郎ォ……てか事の真相知ってンなら弁護してくれっつゥの!!」ギャース!

海原「でも御坂さんと街中を楽しそうに歩いてたのは事実ですし。無性にイラついたので助けません、ええ、助けません」フフフ・・・

一方通行「やっぱ千回くらいくたばってくれねェかなァ」ジー・・・

結標「ハァ……でも、打ち止め帰って来たんでしょう? 牛乳眼鏡(ウシチチママ)が言ってたわよ」テクテク・・・

一方通行「だから気拙いンだ……いっそ黒妻(チンピラ)ンとこで預かってくれてれば良いモノを」ハァ・・・

海原「あー……冷戦状態?」アハハ・・・

一方通行「あァ……その状況楽しんでる馬鹿(番外個体)も居るし」ジトー・・・

結標「ふーん……で? 具体的には?」ストン・・・グリグリ・・・

一方通行「肩に顎グリすンなっつの……どンな感じかっつゥと―――」


  <回想>


一方通行「―――……黄泉川。おかわり」スッ・・・

打ち止め「そうやってまた私(ミサカ)に頼まず別の女の人に頼る……私はもう用済みなのね、ってミサカはミサカはボヤいてみる」ボソボソ・・・

一方通行・黄泉川・芳川「「「…………、」」」タラー・・・

一方通行「え……あ、あー。肩凝ってンだよなァ。後でマッサージしてくれる人居ねェかなァ」グイグイッ・・・チラッ

打ち止め「…………、」チラッ・・・ムスー・・・

芳川「ほ、ほら。打ち止め。こういう時こそ貴女の役目よ」アハハハ・・・ボソッ

打ち止め「所詮、私は便利屋なのね……ってミサカは冷徹に食事を続けてみたり」モグモグ・・・

黄泉川「うわぁ……ちょっと、番外個体。いつもみたいに横やり入れるじゃんよ。今はそのタイミングじゃん」タラー・・・ボソッ

番外個体「えー、仕方ないなぁ……それじゃ最終信号に代わって、ミサカがお風呂で垢すりマッサージとかしちゃおっかnボゴォっ!!」ガンッ!!

芳川「食事中よっ……言葉、選びなさいっ」ギリギリ・・・

一方通行「……ちょ、丁度良い体重のヤツに背中とかマッサージしてもらいてェなァ」チラチラッ・・・

打ち止め「…………、」モグモグ・・・

黄泉川「ほ、ほら。打ち止め。これまたチャンスよ」チラッ・・・

打ち止め「御姉様にでもしてもらえば? お互いにマッサージしあえば良いんじゃない? ってミサカはミサカは淡々と告げてみる」モグモグ・・・

一方通行「」チーン・・・

番外個体「ぷふー! おねーたま(オリジナル)もまだまだ怒られてやんのー。だっせー」クスクスクス・・・

芳川「ら、打ち止め。そろそろ機嫌直して頂戴。貴女だって本当は誤解だって分かってるんじゃ」スッ・・・

打ち止め「ごちそうさま」バンッ

一同『っ!?』ギョッ・・・

打ち止め「……ふんっ」カチャカチャ・・・トコトコ・・・ジャブジャブ・・・キュッ

一同『…………、』ダラダラ・・・

打ち止め「……何見てるの? 私の顔に何か付いてる? ってミサカはミサカは無言で私を見遣ってくる4人に尋ねてみる―――」ジトー・・・


 <回想終了>


一方通行「―――……こんな感じ」ハァ・・・

結標・海原「「うわぁ」」タラー・・・




775第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 03:50:08.600mj4mss30 (5/12)

一方通行「兎にも角にも、否定的な事しか言わねェ。あと近付くと離れる。ヌルッと離れる。磁石みたいに」タラー・・・

結標「それもう反抗期突入しちゃったんじゃないの?」ハハハ

一方通行「いや、だったらまだマシだろ……そういうンじゃなく……最近、何か怖いンだ」タラー・・・

海原「怖い、ですか? 具体的には如何いった風に」フム・・・

一方通行「……これ」スッ・・・

海原「ん……携帯、ですよね。別段何も……む? 着信ですよ」ジー・・・

結標「アンタ、律義にサイレントマナーにしてるのね。それバイブすらならないから気付かないじゃない」フーン・・・

一方通行「仕方ないンだよ……コレ見ろ」Pi!

海原「着信履、歴、が……っっ!!?」ギョッ・・・

結標「い、1~3分置きに……黄泉川宅から? 急用なんじゃないの? 早く出て上げた方が」ムッ・・・

一方通行「…………、」フルフル・・・

海原「ま……まさか!?」タラー・・・

一方通行「ン……今、また掛って来た。ハンズフリースピーカーにすっから聞いてろ」Pi!

結標・海原「「うっ」」ダラダラ・・・


一方通行「……俺だ」Pi!

????『…………、』ビジ・・・バジ・・・

一方通行「……糞ガキ。いい加減にしねェと俺だけじゃなく黄泉川までキレっぞ」ハァ・・・

????『…………、』ピィ・・・ガガガ・・・

一方通行「あの、なァ」ポリポリ・・・

????『…………、』ジジジ・・・ミサ・・・カ・・・

一方通行「チッ……切るぞ」Pi!

????『……――』ビィイィ・・・・プツンッ


一方通行「……てな感じだ」ハァ・・・

海原「む、無言電話ですか」タラー・・・

結標「てかアンタよく怒鳴らないわね」フーン・・・

一方通行「暖簾に腕押しってヤツだ……って、ほら。また着た」スッ・・・

海原「っ……か、掛ける度、無言電話、ですか?」ゾッ・・・

一方通行「おゥ……しかもこのガキ、俺だけじゃなく超電磁砲(オリジナル)の方にも同じ事してるらしい」ハァ・・・

結標「あちゃー……御坂さんもかぁ。まぁこの件に関しての元凶は彼女だから自業自得かしら」アハハ・・・

一方通行「元凶ってなァオマエの事だろボケ……って、また電話だ」ハァ・・・

海原「ん? ちょっと御待ちを……今度は別の人からですよ」ジー・・・

一方通行「え」バッ・・・

海原「御坂さん御本人からのコールですね。羨ましい……死ねばいいのに」ニコニコ・・・

一方通行「うわァ。コイツもコイツで面倒臭ェのに……代われるモンなら代わってやンぞ」ジトー・・・

結標「はいはい……で、如何すんの? 出るの? 出ないの?」ジー・・・

一方通行「……出るしかねェだろ」タラー・・・

海原「またハンズフリーにしてくださいね」ワクワク・・・

一方通行「ハイハイ……そんじゃ出っぞ」Pi!




776第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 04:14:06.580mj4mss30 (6/12)

一方通行「……何だ」カチッ

御坂『うわあああああああああああああああああああああぁんっ!!』ビギャー!

一方通行・結標・海原「「「…………、」」」キーン・・・

御坂『らあああああずうううううどおおおおおおおおだあああああああ』ビエー!

一方通行「……いや、俺に言われても」タラー・・・

御坂『何どがじでよおおおおぉ』ビエーン!

一方通行「だから、俺に言うな」ハァ・・・

御坂『だっでぇ! だっでぇええええぇ!! 風紀委員の支部でもおおおおぉ!!』ウワーン!

一方通行「は?」キョトン・・・

海原「支部というと……例の第177支部ですか?」フム・・・

結標「牛乳眼鏡の所ね……え? アイツ居るのに?」キョトン・・・

御坂『打ち止め怖いよおおおおおぉ!!』ピギャー!

白井『お姉さま!! 五月蠅いですの!! あ、寮監様すいませぶぎゃっ!!』コキャッ・・・

一方通行「お、落ち着け……落ち着いて話せ」タラー・・・

御坂『うぅ……支部で、支部でね……―――』グスン・・・


  <回想>


固法「…………、」チラッ・・・

白井「…………、」チラッ・・・

初春「…………、」チラッ・・・

佐天「…………、」チラッ・・・

春上「…………、」チラッ・・・


御坂「……うっ」ダラダラ・・・

打ち止め「…………、」ジトー・・・


初春「あ、あの……打ち止めちゃん、何してるんですか? ずっと無言で御坂さんの背後に立ってますけど」タラー・・・

固法「……さぁ」タラー・・・

白井「というかまだ喧嘩、か如何か微妙なラインですけど、あの2人、険悪な感じですの?」タラー・・・

佐天「えっと、良く分かんないけど……ら、打ち止めちゃーん。ちょっと外に買い物行かない?」ニコニコ・・・

春上「さ、佐天さん! 今は駄目なの!」アタフタ・・・

打ち止め「…………、」ギロッ・・・

佐天「うっ……あ、あはははは……何でもないよー」ダラダラ・・・

打ち止め「…………、」スッ・・・ジトー・・・

御坂「……あ、あの……妹様」ダラダラ・・・

打ち止め「…………、」ジトー・・・

御坂「私、その……トイレに」スッ・・・テクテク・・・

打ち止め「…………、」トコトコ・・・

御坂「ぐっ……何故付いてくるのでせうか?」ダラダラ・・・

打ち止め「…………、」ジトー・・・




777第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 04:33:16.090mj4mss30 (7/12)

初春「うわぁ。トイレまで付いてった」タラー・・・

白井「えっと……というか、何故小姉さまが此処に」タラー・・・

固法「さぁ。『此処に居れば御姉様が現れるから』だそうよ。目的は分からない」ハハハ・・・

春上「一方的に怒ってるみたいだけど……何も言わないの。それが余計恐怖なの」タラー・・・

佐天「しかもずっと背後に立ってる。何処に移動しても……何このホラー映画」タラー・・・

固法「まぁあの子なりに考える所があるんでしょ。あ、戻ってきた」チラッ・・・


御坂「……あぅ」テクテク・・・

打ち止め「…………、」トコトコ・・・

御坂「……み、みんなー。何してるのかなー? こっちおいでー」ヒクヒク・・・

一同『…………、』フルフル・・・

御坂「ぐっ……ちょ、わ、私体調優れないから、今日は帰ろうかなぁ」アハハハ・・・

打ち止め「…………、」スッ・・・ビリビリ・・・

御坂「うをっ!?」ギョッ・・・

初春「あ……ドアのロックが自動で」チラッ・・・

佐天「に、逃がさない気かぁ」タラー・・・

御坂「ら……打ち止め、さん?」ギギギギ・・・

打ち止め「…………、」ジトー・・・

固法「はぁ……御坂さん、とりあえず座りなさい」ヤレヤレ・・・

御坂「うぇ!?」ギョッ・・・

固法「打ち止めちゃんも、気が済んだら止める筈だから……そうでしょ?」チラッ・・・

打ち止め「…………、」ジトー・・・

御坂「……ず、ずっと……こうしてろと?」ダラダラ・・・

打ち止め「…………、」ジトー・・・

白井「お姉さまが虎の前の兎みたいですの……って、あら? 初春。ドアに反応が」チラッ・・・

初春「え? あ、誰か居る見たいですね。打ち止めちゃんが軽くセキュリティショートさせちゃったんで気付きませんでした」ジー・・・

固法「器物破損よ、まったく……えっと……最愛ちゃんと那由他ちゃんね。手動で開けないと」スッ・・・

打ち止め「…………、」スッ・・・ビビビ・・・

一同『っ!!?』ギョッ・・・


絹旗「およ? 開きました。もう少しで破るとこでしたよ」ウィーン・・・

那由他「姉さん物騒ですよ……ってあら? 何の儀式?」ジー・・・

固法「いらっしゃい。申し訳無いけど、打ち止めちゃんは本日無言デーみたいよ」ハァ・・・

初春「今、お茶淹れますからそこに座ってて下さい」テクテク・・・

那由他「どうも。んー、しかし……超電磁砲の頭なんて見て何してるの? 面白いものでもあった?」キョロキョロ・・・

打ち止め「…………、」スッ・・・ビシッ・・・

一同『っ!?』ギョッ・・・

絹旗「超電磁砲に指差してる? んー……何でしょう。超気になります」ジー・・・

那由他「どれどれ」ジー・・・

打ち止め「…………、」ジトー・・・

御坂(ふ、2人増えた!!)ダラダラ・・・



778第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 04:59:34.080mj4mss30 (8/12)

 <回想終了>


御坂『―――ってな感じで……ずっと無言なのよ』ウルウル・・・

一方通行「俺も似た様なモンだっつの」ハァ・・・

御坂『うぅ……責任取ってよぉ!!』ビリビリ・・・

一方通行「だああァかああァらああァ!! 俺も被害者だっつってンだボケ!」グヌヌ・・・

御坂『じゃあ如何しろっていうのよ! 頼りの先輩は『多分、もうちょっとで解決する』としか言わないし!』ギリリ・・・

一方通行「だから知らねェっつってンだよ……面倒臭ェ姉妹だなァ」ジトー・・・

御坂『っ!! アンタねぇ……何でそんな他人事なのよ! アンタの責任でしょう!! アンタ保護者でしょう!!』バンッ!!

一方通行「おま、だから、俺の話聞いてっか!? 俺も対応困ってンだよ!!」ガンッ!!

御坂『あーもぅ! 男って如何してこう無責任なの!? ふざけないでよ! 私は真面目に相談してるのに!』ビジバジ・・・

一方通行「テメェこそ冷静なって話聞きやがれ! さっきから言ってっ事同じだぞ、オイ」ハァ・・・

御坂『アンタが真面目に話聞かないからでしょう! これから如何するのって、聞いてるのに……何よ! その曖昧な答えは!!』バンッ!!

一方通行「この、ガキゃ」ピキッ・・・

海原「ど、どうどう……御坂さんも落ち着いてください。これじゃ娘の教育方針で喧嘩になった馬鹿夫婦ですよ」アタフタ・・・

結標「やれやれ、ヒステリック状態の女は同じ事何十回でも繰り返して言うわよ。兎に角打開策提示しなさいな」ハァ・・・

一方通行「チッ……俺らもアイツの事無視るしかないンじゃねェの」ケッ

御坂『そんなの根本的な解決にならないでしょ! どうしてそんな適当な事!』ムググ・・・

一方通行「ハァ!? さっきっからピーピーギャーギャーよォ……じゃあテメェが提示してみろボケナスがァ!!」ガンッ!!

御坂『っ……わ、分からないから……アンタに相談してるんでしょ』アタフタ・・・

一方通行「だから俺も分かンねェって返した! ンで無理矢理提示すりゃ何だオイ……調子乗ンなよ糞女ァ!!」ダンッ!!

御坂『だ、だって、ぅ……わ、私もぅ……如何して良いのか……ううぅ……ねぇ』ウウゥ・・・

一方通行「テメェは泣く為に態々電話したのか? あァ?! 黙ってねェで答えろ馬鹿姉がァ!!」チッ・・・

海原「ちょ、ちょっと……言い過ぎですよ」タラー・・・

結標「アンタも女の扱い下手ねぇ」タラー・・・

御坂『う、ぅ……っ……だって……ふぇええええええぇんっ!!』ウワーン!

一方通行「っ!!」ギリッ・・・

海原「ま、拙い……と、とりあえず一旦切りましょうね。ね! 結標さん……携帯奪って!」スッ・・・

結標「やれやれ……もしもし。御坂さん? また後で掛け直すから、とりあえず落ち着きなさい」Pi!

御坂『うわああああぁん!! びえええぇ―――』プツン・・・


一方通行「……ケッ」フンッ・・・

海原「これはまた……結構深刻ですね」タラー・・・

結標「まぁあのおチビ次第なんだろうけど……あ、そうだ。海原、アンタ『MNW』で情報ゲット出来ないの?」チラッ・・・

海原「出来ない事も無いですが……運営たる打ち止めが自分や一方通行のログインを許すかどうか」ウーン・・・

結標「物は試しよ。駄目だったらプロスネークに聞くでも良し。やってやんなさい。愛しの御坂さんのピンチよ」ハァ・・・

海原「……はぁ」トコトコ・・・カチッ・・・

一方通行「ンの糞アマァ……マジ一遍引っ叩かねェと分からねェみてェだなァオイ」ギリギリ・・・

結標「アンタはいつまでもイラついてないの。大人になりなさいっつーの」ポンッ

一方通行「……くそっ」ギリギリ・・・

海原「此処(仮眠室)のPCからならページ開けると思……あ、ログインも出来ましたよ……はい、どうぞ」スッ・・・



779第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 05:37:20.620mj4mss30 (9/12)

結標「……MNWってこんなにゴダゴダしてるのね。処理大丈夫なの?」タラー・・・

海原「今開いてるのはプライベート板です。仕事用は仕事用でしっかり固定してあるので大丈夫らしいですよ」コクッ

一方通行「……ンで? 何処見りゃ良いンだ?」ジー・・・

海原「多分、運営たる打ち止めに関するスレッドや本人が建てたスレッドなら結構な勢いで伸びてるかと」ジー・・・

結標「……にしても、訳分かんないスレ多いわね。何よ『第七位が掃除機に吸込まれながら爆発する画像下さい』って」タラー・・・

海原「第七位コラシリーズですね。結構人気ですよ……あ、この『【絶対に】電磁通行と幼女【許されない】』っての怪しいですね」カチッ・・・


 ~~~~~~~~~~~~~~~~


9.【絶対に】電磁通行 その3【許されない】


381 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka11035
いや、てかデートじゃないって分かってるのにそこまでキレるとか・・・

382 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10032
実に如何でもいい というかこの流れ何回目だっつの

383 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka14478
つーか当の運営様はこのスレ放置して何か計画してんだべ?

384 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka19999
でもあのお子様馬鹿だよなぁ
もう如何したら良いか分からないから私達に行動決めさせるとかw

385 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka17843
仕事用ならいざ知らず、此処の住人に決めさせるって事は





安価も同然なのに

386 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10036
んで今は反省して自問中なんだろ?
てか知ってる? マジ泣きしたってよw

387 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka11035
あちゃー……kwsk!

388 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka17600
今日の夕方4時頃 風紀委員第177支部にて

打ち止めの無言の圧力&窒素装甲と木原サイボーグの質問攻めで泣いた

389 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10036
>>388
スネークさんオッスオッス!

390 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10032
>>388
御姉様ェ……


三人幼女に囲まれ、一人は無言 二人は質問攻め……何それ怖い

391 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka19090
黒妻家の娘は鬼畜やでぇ


んで、その質問の内容は?

392 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka17600
「何で打ち止めちゃんに超睨まれてるんですか?」
「今度はどんな悪い事仕出かしたんですか?」
「あ、第一位との噂って本当ですか!? 超気になるんですけど!」
「それ! 私も気になってた! 教えて下さいよぉ、このこのぉ」

※このタイミングで運営がソファを蹴る → 一同困惑 → 
幼女組、無言で御姉様の後頭部を見詰め出す → 5分後くらいに泣いた




780第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 05:59:22.300mj4mss30 (10/12)

393:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka14562
え げ つ な い

394:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka20000
セロリたんならその状況下で絶頂迎える筈!! 

「ぬふゥ! 幼女に視姦されてるゥ!!」って!!

395:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka11111
てかマジで黒妻家の長女次女タイミング悪いな

396:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka17043
んー……そろそろ黄泉川氏とか固法氏が介入しても良いと思う


>>394
今日も絶好調だな

397:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka14510
>>394
死ね



普通に 死 ね

398:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka13832
>>397
春子は春子で通常営業だなw

399:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka17843
>>397
オマエは暗黒の世界に帰れ →【仁義なき】上条派vsセロリ派論争56戦目【闘い】

400:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10453
まあ、何にしろ……運営の調子がオカシイのが続いてる
それ結構困るんだよね

MNWだけじゃなく、色々不備生じてるっしょ?

401:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka11111 
多少は我慢したれ
まぁ長引き過ぎたらちと問題だが

402:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka19090
てか正直、運営は運営で後に引けなくなってるだけだと思うんだけど
実際、今にでも仲直りしたくてしょーがないんでしょ? うずうずしてんでしょ?

403:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10032
じゃあもうさ……



同じ様に浮気すれば良いんじゃないの、あの幼女もさ

404:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka15555
>>403
!!?

405:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka11035
>>403
>>403
>>403
>>403

406:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka11111
>>403
おま……何それ?

407:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka11035
アレが浮気出来るタマか?



あ、今なら何でも仕出かしそうだな

408:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10032
お前ら反応はやすぎ。あと何故そんなに喰い付く?
コーヒーふいたし



781第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 06:14:26.820mj4mss30 (11/12)

409:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka16784
>>403
良いアイデアだ 衝撃的だな




だが、肝心の運営が居ないので、無意味だ

410:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka20001
いるよ

411:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10032
言ってみただけ、だ……え





412:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka17600
>>410


413:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10039
>>410
ど、ども

414:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka19090
えっと……見ての通りですよ

415:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka20001
分かった


私も浮気すれば良いんだね?

416:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka16553
>>415
い、いやぁそりゃどーかと……話ややこしくなるだけかなぁって

417:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka11035
というか運営、浮気の意味……は知ってるか


浮気する相手居るの?

418:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10032
まさか上条さんとか言わないよな

419:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka20001
あ、そっか。あの人なら御姉様にも復讐出来るし一石二鳥だね

ナイス10032号! \(>ω<)ノシ”

420:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10453
妹(10032号)おおおおおおおおおおぉ!!

421:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka11111
こんのボケナスがああああああぁ!!

422:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10032


423:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10032


424:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka10032


425:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします:ID:misaka19090
無言投下すんなカス

オマエまじ何とかしろよ? オマエの責任な


 ~~~~~~~~~~~~~~~~


一方通行・結標・海原「「「…………、」」」タラー・・・



782第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/06(金) 06:39:03.270mj4mss30 (12/12)

結標「え、と……その」ポリポリ・・・

一方通行「ど、どどどどどどどどどっどっどどどどっどどォ!!?」ガタガタガタガタ・・・

海原「落ち着いて下さい! 先手を打ってしまえば此方のモノです。すぐ上条さんに相談して下さい」チラッ・・・

一方通行「そ、そォだな」アタフタ・・・

結標「御坂さんには黙っておいた方が良いわね。多分、この話を聞いたら卒倒するわ」タラー・・・

海原「まったく……こうなったらやはり第三者に介入してもらうしかありませんね」ジー・・・

結標「同感ね。黒妻家か黄泉川家がベターでしょうけど……はぁ」グデェ・・・

一方通行「オイ、三下話中なンですけどォ!!」アタフタ・・・

海原「むっ……もしや」タラー・・・

一方通行「……えー」タラー・・・

結標「もぅさぁ……幻想殺しに賭けるってのもアリじゃないの?」ジトー・・・

一方通行・海原「「っ!?」」ギョッ・・・

結標「アンタや御坂さんじゃ解決できないし、牛乳や黄泉川さんは傍観徹底してるみたいだし」フムフム・・・

一方通行「で、でもよォ」タラー・・・

海原「……仕方ありませんね。彼に限って最終個体に手を出す様な真似はしない筈です」コクン・・・

一方通行「…………、」タラー・・・

結標「ウジウジ言ってないで覚悟決めなさい。日時とか特定する為にバックアップするから……主に海原が」クイッ

海原「へぃへぃ」グデェ・・・

一方通行「……はァ」タラー・・・




 ******************************







はい、今日は此処まで。次回電磁通行&打ち止めの決着! そして土御門と姫神!
なるべくさっさと終わらせて次に行くよ。それじゃまた次回! ノシ”




783VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)2012/01/06(金) 12:29:59.23rWZb10IAO (1/1)

最終個体ってなにさ


784VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/06(金) 14:54:16.88lkPiW+HIO (1/1)


打ち止めの一連の行動はMNWが原因かw
そして打ち止め上ヤン病を侮りすぎてるぞ…w


785VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2012/01/08(日) 14:26:55.67pn/1tD4Qo (1/1)

ぜひとも次にくる英国編ではアンジェレネの出番を増やして欲しい

出番が少なくて禁断症状でそうだ


786第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/08(日) 23:31:10.55QEWB/OCx0 (1/2)

こんばんわ。ボチボチ書きます。

・最終個体 → 最終信号 です、すいません!

・そういえば今回全っ然英国編やってねーとか・・・マジ反省!

そんじゃ投下!



787第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/08(日) 23:53:55.10QEWB/OCx0 (2/2)

 ―――数日後の翌日、PM00:30、学園都市第7学区、とある喫茶店・・・・・



   ガヤガヤ・・・ざわざわ・・・・・



土御門「―――……はぁ」グデェ・・・

半蔵「……あの、よぉ」ハァ・・・

土御門「あん?」ジトー・・・

半蔵「急に呼び出して、野郎二人で昼食、しかも何も喋らず辛気臭い顔……何の虐めだ、こりゃ」ジトー・・・

土御門「うっせ」グデェ・・・

半蔵「いやいやいやいや。怒りたいのは俺の立場だかんね? しかもオマエ学校じゃねぇの?」ジー・・・

土御門「学校居たくねぇからこうやってふけてんだろぉよ。てか今日は半ドンだ」グデェ・・・

半蔵「意っ味分からん……仕事の話やら何やらならまだしも、え? 何が目的? まさかマジで飯だけ?」キョトン・・・

土御門「っせぇ」ボソッ・・・

半蔵「……っかああああぁ!! 面倒臭ぇ!」グデェ・・・

土御門「やっかましいわ! 黙ってろ!」ギロッ・・・

半蔵「帰る」スッ・・・

土御門「帰んな!!」バッ!!

半蔵「面倒臭っ! コイツ面倒臭っ!!」タラー・・・

土御門「……良いから帰んなし」ハァ・・・

半蔵「溜息吐きたいのはコッチだっつの……もしオマエが美少女キャラだったら沈黙すら優美なのになぁ」グデェ・・・

土御門「悪かったなぁムサい野郎で!」フンッ・・・


 オマタセシマシター! ツキミドリアトBランチ、サラダバースープバーガ2ツヅツニナラマース!


半蔵「……んで?」モグモグ・・・

土御門「…………、」モグモグ・・・

半蔵「沈黙すんならマジ帰るぞ。もしくは雲川呼ぶ」サラッ・・・

土御門「死ね」ギロッ・・・

半蔵「えっと、雲川のメアドはっと」カチカチ・・・

土御門「すいません。マジ止めて下さい」ダラダラ・・・

半蔵「……ハァ」ジトー・・・

土御門「あーもぅ……何て言うか……色々やんたくなった」ハァ・・・

半蔵「……んで、俺に相談っと? 俺らそんな御友達関係だっけ?」フーン・・・

土御門「テメェは利益無い限りコッチの腹探らないし、何より俺が気を使わないで済むから楽だ」フンッ

半蔵「言いたい事は分かるが……何かキモい」タラー・・・

土御門「うっせ! この前プライベートに資金運用の相談乗っただろ! その借り返すと思え!」グヌヌゥ・・・

半蔵「はいはいプライベートね……プライベート?」ポカーン・・・

土御門「……悪いかよ」ジトー・・・

半蔵「いや……え? あ、いや……うーん? だったら俺じゃなくさぁ。幻想殺しとか学校のダチとかの方が」ポカーン・・・

土御門「そーゆう『プライベート』な相談なんだっつの。テメェは俺にとって私情でも仕事でも無いグレーラインな立場だろ」ケッ!

半蔵「あ、そゆ事……じゃあ尚キモい……あーはいはい。ちゃんと話聞いてやっから睨むな」ヤレヤレ・・・



788第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/09(月) 00:18:41.47CNSevb5U0 (1/8)

半蔵「……んで? その『プライベート』っていうのは?」モグモグ・・・

土御門「……何て言うか、日常(プライベート)と仕事とのイザコザで生じた問題だ」ムゥ・・・

半蔵「ふむふむ……まさか『本家』とオマエと義妹(実家)の事か?」モグモグ・・・

土御門「いや、そっちはまだ問題無ぇ。単なる学校生活と仕事だ」ジー・・・

半蔵「へぇ。つっても、オマエ仕事多過ぎっからどの枠か分かんねぇけど……ざっくり話せや」モグモグ・・・

土御門「……暗部のと、学校生活だな」ジー・・・

半蔵「例のグループさんね。英国じゃない方、と……んで?」ムシャムシャ・・・

土御門「結標……知ってるな?」モグモグ・・・

半蔵「ああ、俺らのチームの5分の1潰した女だろ。あの半裸姉ちゃん」モグモグ・・・

土御門「アイツの問題だ……問題だった」モグモグ・・・

半蔵「んー……もしかして……一回くらいヤっちゃったとか?」グッ・・・

土御門「ぶふっ!! て……死ね」ジトー・・・

半蔵「あははは。怒るなや。んで?」ジー・・・

土御門「糞っ……あの女、今居候してんだ。それが俺の担任の家」ハァ・・・

半蔵「ほぉ。アイツ、最近自分のチーム立て直したって聞いてたからソッチに住んでんのかと思ってたわ」モグモグ・・・

土御門「……そうしてくれれば助かるんだけどにゃ」ハァ・・・

半蔵「いやぁ、あのチーム面倒なんだぞ。力有るくせに何処の派閥にも付かない……っと、今その話は良いとして……それで?」ジー・・・

土御門「喧嘩した」フンッ・・・

半蔵「……あー」ポリポリ・・・

土御門「…………、」モグモグ・・・

半蔵「んー」タラー・・・

土御門「…………、」モグモグ・・・

半蔵「……成程」ティンッ!

土御門「本当に分かったのかにゃ?」タラー・・・

半蔵「大体分かった。要は互いの日常(プライベート)に双方が足突っ込んでたから生じた問題だろ?」フーン・・・

土御門「相変わらず頭の回転早ぇな」ハハハ

半蔵「伊達に軍師キャラやってねぇよ。んで『俺の担任から手を引け&私の家主居候関係に指図すんな』的な感じか」モグモグ・・・

土御門「……うぃ」モグモグ・・・

半蔵「んでんで、喧嘩なってるから気拙い。どっちも引かないからややこしい。仕事にも影響出る、と?」ジー・・・

土御門「いや、決着はついたんだぜぃ」クイッ・・・

半蔵「あ?」ポカーン・・・

土御門「ついたんだが……だから、その……色々」タラー・・・

半蔵「……事後の方が気拙い、と?」ジトー・・・

土御門「…………、」コクッ・・・

半蔵「うわぁやっぱオマエ面倒臭ぇ」タラー・・・

土御門「うっせぇな! 十も承知だボケ」フンッ・・・

半蔵「やれやれだ……結局、何を相談したいんだ……って、どうせその相談も曖昧なんだろうな。どーすりゃ良い? とかだろ?」ハァ・・・

土御門「……分かってんなら聞くな」タラー・・・

半蔵「やっぱ、ある意味郭より面倒臭いな。文献でしか知らないけど、陰陽術師ってメンヘラだってのは本当だな」ハハハ

土御門「忍者だってメンヘラ多いだろうが! ったく……こんな馬鹿話しに来たんじゃねぇんだけどにゃぁ」グデェ・・・



789第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/09(月) 00:50:57.60CNSevb5U0 (2/8)

 ―――数日後の翌日、PM02:00、学園都市第7学区、とある公園(『窓のないビル』付近)・・・・・





一方通行「―――……ハァ」チラッ・・・ドヨーン・・・

御坂「……ちょっと。私の顔見て盛大な溜息吐かないでよ」ジトー・・・

一方通行「いや、何で来てンの」ジトー・・・

御坂「そりゃアンタ『こんなメール』来りゃ来ない訳にもいかないでしょ!! ほらっ―――」バッ!!


 『御姉様! ミサカは明日浮気します! ってミサカはミサカはドヤ顔で携帯打ちながら公言してみたり♪』


御坂「アンタもそういうメール来たから此処居るんでしょ! んで私に見つかった次第でございましょ!」ビシッ

一方通行「うわァエグい。うわァウザい」タラー・・・

御坂「安心なさい。誰と浮気する気か知らないけどね……姉としてそんな不埒な真似見す見す捨て置けないわよ!」フンッ・・・

一方通行「あ、知らないンだ……うン、じゃあ帰った方が心の為だぞ」タラー・・・

御坂「ほわぃ? 訳がワカメよ」ポカーン・・・

一方通行「……それよか、一人か?」タラー・・・

御坂「ノンノンノン。実は遠くから妹(10032号)も見てるわ……ほら、そっちの繁み」チラッ・・・

一方通行「ン?」チラッ・・・


御坂妹「……………、」ビシッ!


一方通行(……そりゃまァこの状況を作った発起人ですからねー)タラー・・・

御坂「アンタは一人なの? 黄泉川さんとか番外個体とか来てないの?」チラッ・・・

一方通行「この状況を楽しみそうな頭緩ンだアイツら連れて来るかってェの……(ま、他に二人程来てるがな)」チラッ・・・


海原「……また彼は意図せずとも御坂さんと2人きりに」ブツブツブツ・・・

御坂蛇(17600号)「師匠(マスター)、非常に気持ち悪い……とミサカは望遠レンズを覗きつつ傍目でキモい師匠に毒づきます」ジトー・・・


御坂「あっそ……それより、本当に此処で合ってるのかしら。打ち止め現れないわよ」キョロキョロ・・・

一方通行「場所も時間も合ってる。というか多分、相手は来てる」ジー・・・

御坂「え、嘘?! 何処何処!?」キョロキョロ・・・

一方通行(此方の事情は何も知らずベンチにのンびり座ってるテメェの想い人、ウニ頭くンですよォ)ジトー・・・

御坂「ぐぬぬぅ……何処のドイツ人か知らないけど……発覚次第市中引き回しした後、全裸で風車に括りつけて輪してやる!」ビリビリ・・・

一方通行「……出来るモンならな」フンッ・・・

御坂「やっちゃるわい! って、あ! 来た! 打ち止め来た! ん? 男の方、も、出、てき……だぁ……っ!?」アタフタ・・・

一方通行「……ン」ジー・・・


打ち止め「――――!」トコトコ・・・

上条「――――」ノシ

打ち止め「――――♪」ギュッ!

上条「――――、」ハハハ・・・


御坂「」チーン・・・

一方通行「予想通り過ぎる反応をどォも」ハァ・・・



790第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/09(月) 01:26:52.20CNSevb5U0 (3/8)

 ―――数日後の翌日、PM03:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・



   ジャージャー・・・がやがや・・・・・



香焼「……んー」ボー・・・

絹旗「如何したんですか? そんな超腑抜けた顔して」ジー・・・

香焼「あ、いや……何でもない」ボー・・・

姫神「適当に。何でもないって答えを返す時点で。腑抜けてる」ジトー・・・

香焼「……いや、色々ツッコむのが面倒になって」ハァ・・・

浦上「ツッコみ役やめた香焼なんて豆腐とひき肉入ってない豆腐ハンバーグみたいなモノだヨ」モグモグ・・・

香焼「せめてどっちかは残して欲しいな。原型無いだろ、それ」ハァ・・・

絹旗「うーん……とりあえず……アンタ誰ですか?」チラッ・・・

香焼「今更!? 2時間くらい一緒に居たよね!?」タラー・・・

姫神「……姫神秋沙。永遠の16歳。そして魔女っ子。そういう貴女は?」ビシッ

香焼「姫神さん、その自己紹介色々痛いっす」タラー・・・

絹旗「絹旗最愛です。香焼と同い年の超12歳。そして超大能力者の美少女ちゃんです」ペコッ

香焼「こっちも痛い! ってか超付け過ぎて何を越えてるんだか分からない!! 超のゲシュタルト崩壊!」アタフタ・・・

浦上「あ、いつもの香焼だネ」ハハハ

もあい「にゃー」フシフシ・・・

香焼「……はぁ」グデェ・・・

絹旗「ふむふむ。まぁその超姫神さんとやらは、何故この家に? 五和さんか浦上さんのお友達ですか?」ポカーン・・・

姫神「私は『アレ』の友達。貴女は?」クイッ

絹旗「私は香焼の超友達兼超SPです」キッパリ・・・

香焼「超S,P……は?」ポカーン・・・

姫神「成程成程。超SP」フムフム・・・

絹旗「ええ。香焼超弱っちぃので私が守ってやってるんですよ。私超強いですから」ハハハ

香焼「……駄目だ。軽く電波飛んでるよ」ハァ・・・

絹旗「ところで……『アレ』が来てるのは今に始まった事じゃありませんが、今日はまた何で台所に?」チラッ・・・


結標「―――うぇ!? えっと……こっちの粉かしら?」アタフタ・・・

五和「―――そっちじゃなくて、というか粉じゃなくて味噌ですよ! 味噌汁に粉使わないでしょ」タラー・・・


姫神「……料理習いに。花嫁修業的なアレ?」ビシッ

絹旗「なっ……こ、香焼!!」ギロッ・・・ガシッ・・・ブンブンッ!!

香焼「な、何で睨むのさ……って揺らららららすすすすすななななぁbbbbbbb!!」アタフタ・・・

浦上「にゃははは。最愛ちゃんも料理御勉強しないとネー」ハハハ

香焼「何勘違いしてるか分からないけど、花嫁修業じゃなくて……ええっと」ウーン・・・

姫神「やれやれ……居候で。家主に料理作らせてばかりだから。自分もしっかり手伝いたいって」ジー・・・

絹旗「ああ、成程……ふーん。それはまぁ超しゅしょーな事ですね」マジマジ・・・

もあい「んなー」コクコクッ

香焼「ささささささいいいいいいああああああいいいいいいいっ!! 離してえええぇ!!」ガクガクガクガク!!



791第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/09(月) 02:16:37.23CNSevb5U0 (4/8)


 にゃーん・・・・・


絹旗「―――って、私達が毒味させられる訳なんですか」ハァ・・・

結標「本っ当に失礼な事しか言わないわね、このチンチクリンガールは」ジトー・・・

姫神「でもまぁ……ふむふむ。見た目。臭いは。合格点。別段悪い点は。見つからない」ジー・・・

浦上「そりゃ8割方お姉が作ってましたからネ」ハハハ

結標「こ、こら! 余計な事言うな!」アタフタ・・・

五和「あはは。でも、真面目にメモしてましたし重要な個所は手伝って貰いましたから」フフッ

絹旗「ふーん……それじゃあ……はい」スッ・・・

香焼「何故自分の前に出すの?」エ・・・

絹旗「超毒味です」ジー・・・

結標「味見って言いなさいよ!」ムギギ・・・

姫神「しかも。さっき自分でSP語っておきながら。守護対象に。毒味させるとか」ハハハ

五和「ええっと……大丈夫よ?」タラー・・・

香焼「何故疑問符?! もぅ……とりあえず、頂きますけど……じゃあこのムニエルから」スッ・・・


 にゃーん・・・・・


香焼「……ん」モグモグ・・・

結標「……ど、どう?」ドキドキ・・・

香焼「……うん。十分美味しいっすよ」モグモグ・・・

結標「お、おぉ!」キラキラ・・・

絹旗「超御世辞に決まってますよ」ジー・・・

香焼「いやいや……これなら月詠さんに出せると思います」フフッ

結標「そ、そう! それなら……ふふっ」キラキラ・・・

姫神「あらあら」クスクス・・・

浦上「ふーん……じゃあこの味噌汁(?)をドーゾ」スッ・・・

香焼「あ、うん……って……何か白いの浮いてますけど」ピタッ・・・

姫神「……粉っぽい」ジー・・・

浦上「うん。それ粉ですネ」ジー・・・

絹旗「超粉です」ジー・・・

もあい「みー」ジトー・・・

結標「え、あ、その……た、多分大丈夫よ?」タラー・・・

五和「え、ええ。ちょっと無駄にとろみ付いちゃってるけど、味噌汁っちゃ味噌汁だから」アハハ・・・

香焼「……ん」ズズズ・・・

浦上「……阿片粉」ボソッ・・・

姫神「……人骨粉」ボソッ・・・

絹旗「……超結晶」ボソッ・・・

香焼「ボホァっっ!!」ゲホゲホッ!!

結標「んなモン入れるかあぁ!! 片栗粉だっつーの!!」ウガー!!

五和「あははは……まぁそれでも有り得ないんですけどねぇ」タラー・・・



792第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/09(月) 03:01:38.46CNSevb5U0 (5/8)

  ――一寸後・・・・・



香焼「―――……ごちそうさまでした」ゲフッ・・・

浦上「結局、香焼一人で全部食べ切ったネ」ハハハ

絹旗「超お手柄です。後でカップゼリーを買ってあげましょう」グッ

姫神「じゃあ私は。雪見まんじゅう。買ってあげる」コクッ

結標「アンタら大概失礼ね」グヌヌゥ・・・

五和「あははは……まぁこれで一応月詠さんに食べさせられるよって事で。カオリ姉さん居ればもう少し的確に教えれたんですけど」コクッ

結標「あ、うん。そうね……メモ見ながら頑張る」グッ・・・

絹旗「……ところで、如何して急にこんな事しようと思い立ったんですか?」ジー・・・

結標「何でアンタに教えにゃならんのよ」フンッ

姫神「喧嘩後の。超ラブラブ期間ってヤツ」フフフ・・・

絹旗「え? あーうん……何となく分かりました」フムフム・・・

結標「あ、秋沙! 余計な事言うな! てか、それいつかは終わるみたいな言い方じゃないの!」ムキー!

姫神「それはまぁ。いつかわ終わる。というか。いつまでも居座ってちゃ。ダメ。分かってる?」ジトー・・・

結標「うっ……わ、分かってるわよ。モラトリアムなの。モラトリアム」フンッ

絹旗「うわぁ。横文字使って賢さアピールしてますけど超アホっぽいです。超学生ニートの言い訳です」ニシシ!

香焼「さ、最愛!」アタフタ・・・

結標「ぐっ……ホンっト、いけすかないガキね」ジトー・・・

五和「こらこら喧嘩しないの。ところで……他にも色々大丈夫なんですか?」チラッ・・・

結標「え?」フム・・・

浦上「ほら。土御門」ボソッ・・・

姫神「…………、」ジー・・・

結標「ああ……まぁ私はもう気にしてないわよ。素直に身から出た錆だって反省してるし」コクッ

絹旗「……ふぇ?」キョトン・・・

香焼「あー、最愛。そろそろ外行こうか。もあい連れて公園行こうよ」スッ・・・チラッ・・・

絹旗「あ、はい―――」チラッ・・・フーン・・・

結標「……何か気ぃ使わせたわね。半ば香焼くんも当事者なのに」ポリポリ・・・

五和「まぁコウちゃんはそれが取り得でもありますから……で?」チラッ・・・

結標「んー……いや、アイツの方が気後れ? 気拙い? 兎に角、珍しく殊勝に負い目みたいなモン感じてるっぽくてさぁ」ハァ・・・

浦上「ありゃりゃ。そりゃまた稀有な事が」ヘー・・・

結標「御蔭で仕事……バイト内まで気拙くなってて……秋沙的に如何よ」チラッ・・・

姫神「……彼。馬鹿だから」サラッ・・・

五和・結標「「……は?」」キョトン・・・

浦上「えっとぉ……それって如何いう意味ですカ?」ニャハハ・・・

姫神「普段。馬鹿を装ってるフリして。実は暗躍してるクールガイ。を気取ってる。馬鹿……要するに。単なる馬鹿」フンッ

五和「あー……はい?」タラー・・・

姫神「人間。『服』を着てない状態が。真の姿。つまり。アレは馬鹿阿呆の類」サラッ・・・

結標「んーと……秋沙、ゴメン。アンタの言い回し含み在り過ぎ且つ偶に解読不能な日本語使うから分からない。もっと分かり易く」タラー・・・

姫神「……要は。マジでシスコン状態の。土御門くんが。本物って事。おk?」ハァ・・・



793第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/09(月) 03:52:34.76CNSevb5U0 (6/8)

結標「まぁ、えっと……ん?」チラッ・・・

五和「い、いや、私見られても」タラー・・・

浦上「……不思議な能力だの、武器だの、そういうの関係無しに、素の状態の人間って事ですカ」ジー・・・

姫神「そういう事」コクッ

結標「それは分かった。でもだから何なのっていう。アイツが馬鹿なのは百も承知だけど、秋沙が意図する馬鹿の意味が分からないわ」ポカーン・・・

姫神「……彼。自分の事になると。弱いタイプ」フンッ

五和「え?」キョトン・・・

姫神「仕事とか何とかは。他者他人を理由に働けるし。動ける。でもプライベートは。自分の事」コクッ

浦上「ふむふむ。つまり、とりわけプライベート色が濃い今回の問題はぶっちゃけパニクってますヨって?」ホー・・・

姫神「そう。だから。馬鹿。解決法を知らない。簡単な事なのに。盛大に悩む」ヤレヤレ・・・

五和「でも、上条さんとか姫神さんとか他にも多くの学友さん達が居るんじゃ」ム・・・

姫神「今回の件を知っているのは私と上条くんだけ。しかも。2人とも彼の意見に対立した」チラッ・・・

五和「……ほ、他にも誰かしら」ウーン・・・

姫神「居ない。彼。ぶっちゃけ。友達少ない……ううん。『いない』と思う」ジー・・・

結標「は? い、いや、アンタとか幻想殺しとか」タラー・・・

姫神「ま。あの無粋なグラサン着けてる限りは。上っ面の関係。だから……『道化』だなんて。揶揄される」フンッ

五和「そういえば……英国の方でも、カオリ姉さんやステイル神父の前でも……絶対外さない」タラー・・・

浦上「いやいや、というか居るんですカ? あのグラサンの下をマジマジと見た事ある人は」タラー・・・

姫神「義妹くらいじゃない?」サラッ・・・

五和・浦上・結標「「「納得!」」」ビシッ

姫神「しかも多分。ベットの上でだけ。それ以外全部道化……もしかしたら。私達が知らない。心許せる相手も居るかもしれないけど」ジー・・・

五和・結標「「お、おぅ」」ゴクリ・・・

浦上「まぁ土御門の近親相姦疑惑は今に始まった事じゃありませんからネ」ハハハ・・・

姫神「だから。ベットの上で。言葉通り。慰めてもらうしかないんじゃない? まったく。情けない。男のくせに」ヤレヤレ・・・

五和「で、でもまぁ推測でしょう……実際はそんなそんな……ねぇ」タラー・・・///

結標「そ、そうね。し、しても同衾くらいなんじゃ」アハハ・・・///

姫神「……淡希も。普段豪語するくせに。こういう時ばっか。ウブだこと」フフフ・・・

五和「ほ、ほら! 今さっき姫神さんが言った『私達の知らない心許せる相手』ってのが居て、そういう人に相談してる可能性だって!」コクッ

浦上「ま、無きにしも非ずですネ。だけど結局、それも推測に過ぎませんけど」フンフンッ

結標「と、とりあえずさぁ……えっと、私から言える事があるなら言ってみるわよ。一応私の方がお姉さんだし」アハハ・・・

姫神「……そういえば。淡希。私の一つ上だった。すっかり忘れてた。まるで先輩の貫禄が無い。あまりのオーラの無さ」ジトー・・・

結標「う、うっさいわね! アンタもこの前見たでしょ! これでも結構カリスマあるんだから!」ムググゥ・・・

姫神「自分で。カリスマ(笑)とか言うヤツは。大抵かませ」フフフ・・・

結標「ホンっト腹立つ後輩ね! アンタも!」ムキー!

浦上「あ、結標さん。お姉と同学年(五和の本年齢[ピーーー]歳)だったんですネ。忘れてました」ハハハ

五和「え、あ、うん。そうですね。如何学年ですか……うん」ジー・・・

結標「な、何よ」タラー・・・

姫神「御淑やか。且つ清楚系で家庭的。且つナイスバディ(且つ多少腹黒)……淡希。勝ち目無い」ジー・・・

結標「う、五月蠅あああああぁい!! わ、私だって……私だってえええぇ!!」ムギャー!

もあい「なー」コロコロ・・・



794第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/09(月) 05:22:12.36CNSevb5U0 (7/8)

 ―――数日後の翌日、PM04:30、学園都市第7学区、セブンスミスト・・・・・



  ざわざわ・・・ガヤガヤ・・・・・



御坂妹『―――此方、シスター1。現在目標は雑貨店内をウロウロしています。とミサカはオーバーコールをします』Pi!

御坂蛇『―――此方、スネーク7。現在目標は彼を荷物持ちにさせて自由奔放好き放題やってる、オーバー』Pi!

海原『―――此方、ゴースト9……そろそろ休憩しませんか? おーばー』ハァ・・・

御坂春子(14510号)『―――こ、此方スプリング00。何で私まで駆り出されているのでしょうか? 非番なのに……オーバー』ハァ・・・

御坂丸(10039号)『―――此方、ラウンド3。ぶっちゃけ夜勤明けはシンドイんですけど……てか妹の尻拭いの手伝いって……オーバー』ハァ・・・

御坂.jp(13577号)『―――此方、ジャパン77。え? これ無銭奉仕なんですか? 嘘でしょう? オーバー』チラッ・・・

御坂漢子(14889号)『―――此方、ダンディ05。妹、報酬の件は? 今回は誰持ちなんですか? オーバー』ジー・・・

御坂緑(19090号)『―――此方、グリーン99……妹、黙らないで下さい。何か言いなさい……オーバー』ジトー・・・

御坂妹『……こ、今回の一件は』タラー・・・

妹達『うんうん』ジー・・・

御坂妹『そ、その……妹達というかMNWの危機管理の問題でもある故、無償で働くのが、その……当然ではなかろうかとミサカは』ダラダラ・・・

御坂丸『お疲れっしたー! と、ミサカは望遠鏡投げ捨てて帰路に着きます』テクテク・・・

御坂.jp『私も帰ります。あ、御坂丸。クレープでも買って帰りましょう、とミサカは提案します』テクテク・・・

御坂緑『じゃ、じゃあミサカも! 待って下さい』アタフタ・・・


  ゾロゾロ・・・ミサカモミサカモ・・・・・


御坂妹『ちょ、おまえら!!』タラー・・・

御坂蛇『これ予見してた5's(15555号)の言ってた通りになった……ミサカ的にはそっちの方が腹が立つ』ハァ・・・

御坂漢子『だからアイツ来なかったんですね。正直、ミサカも帰りたいのだが……春子は?』ハァ・・・

御坂春子『え、あ、その……うーん』モジモジ・・・チラッ・・・

御坂蛇『ソイツは専ら上位個体じゃなく別の男(一方通行)を監視してる。さっきからずっとな……とミサカは心底呆れます』ハァ・・・

御坂春子『うぇ!? そ、そんな事にゃいでしよ』ダラダラ・・・///

御坂妹『……残ってくれるだけまだ良いです。後はこれだけ?』キョロキョロ・・・

御坂漢子『多分な……と、ヤツが帰る訳無かったか』ジー・・・

御坂蛇『ん……あぁ。ジェバンニとアラスカの』ジー・・・

御坂ジェバンニ(12345号)『―――此方、ストレート5。運営様に呼ばれればいつでも出ます。オーバー』Pi!

御坂アラスカ(18456号)『―――此方、ダイス456。右に同じく。オーバー』Pi!

御坂蛇『運営ラブ組はそりゃ残るだろう……それにアラスカは来るとこまで来ちゃってるし、とミサカは苦笑します』フッ・・・

御坂春子『ジェバンニ。もし呼ばれたら出て行くの? 上条さんの前でも? とミサカは疑問を尋ねます』タラー・・・

御坂ジェバンニ『お望みとあらば。どんな逆境でさえ、とミサカは返答します』サラッ・・・

御坂妹『そ、そうですか。流石ですね……まぁこれだけ居れば安心かと』フム・・・

御坂アラスカ『……もう一人……いや、二人居ます。とミサカは密告します』ボソッ・・・

妹達『え?』キョトン・・・

御坂宿無(19296号)『―――……居ちゃダメですか? とミサカは皆の視覚に入らない場所から応答します』ファァアァ・・・・・

御坂蛇『うげっ!? ホームレス!!?』タラー・・・

御坂アラスカ『あとは管理人(18413号)も何処かに居る様です。ミサカ達の回線に割り込む気は無い様ですけどね』Pi!



795第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/09(月) 05:47:17.61CNSevb5U0 (8/8)

御坂妹『ま、まぁ助かります。というかこれだけ居ればミサカが居る必要無い気がする』ハハハ・・・

御坂春子『妹が発端でしょう! ちゃんと責任持って最後まで面倒見なさい』ムンッ・・・

御坂妹『む、むぉ』タラー・・・

御坂漢子『ほぉ。春子に言われる様じゃ妹も末ですね』ククク・・・

御坂蛇『まったく……おっと、師匠。如何しました?』Pi!

海原『如何したもこうしたも……やる気あります? というか僕も帰りたい』ハァ・・・

御坂妹『蛇師匠(スネークマスター)。そこはほら、御姉様(オリジナル)が関わっているという事でどうか』ハハハ・・・

海原『……やれやれ』タラー・・・

御坂蛇『それより……上位個体と彼は何処に?』チラッ・・・

御坂ジェバンニ『屋上へ向かう様です。多分、着ぐるみショーに喰い付いたかと』ジー・・・

御坂妹『了解……時に、御姉様+1は?』チラッ・・・

御坂春子『追い駆けている様子。てか御姉様ちゃっかり買い物してるしいいいぃ!! 狡いいいいいぃ!!』ムキー!!

海原『……同感です、一方通行』ジトー・・・

御坂漢子『アンタらはアンタらだが……御姉様方も御姉様方。あんな行動するから写メ撮られて流される』ヤレヤレ・・・

御坂妹『確かに……兎に角、ミサカ達も追跡しましょう。彼に限って間違いは無いとは思いますが……念の為』ムンッ

御坂アラスカ『では各々のルートに接触しない様に……また後ほど!』スッ・・・

妹達『了解!』スッ・・・

海原『……無駄に修錬された無駄の無い無駄な追跡』ハァ・・・


 ざわざわ・・・ガヤガヤ・・・・・


御坂「―――う、ぐぬぬぅ……打ち止めめぇ……あんだけ好き勝手引っ張り回しおってぇ」ムキー!

一方通行「オマエ、人の事言える? なァこの荷物の量何? しかも悪質なまで少女趣味……よく恥じらい無しに買えンな」タラー・・・

御坂「アンタ一緒なら買えるわよ。羞恥心なんてないでしょ」フンッ

一方通行「うわァコイツ人のカード使って買い物しといて、その言い草……やっぱテメェら姉妹だよ」ケッ・・・

御坂「うっさい! アンタがピーピーギャーギャーワンワンニャーニャーポグホーン五月蠅いから見失ったじゃない!」キョロキョロ・・・

一方通行「ぽ、ぽぐほ……アイツらなら屋上行ったぞ」ヤレヤレ・・・

御坂「え、マジ? そんじゃ急いで先回りよ! ほら、階段ダッシュ!!」シュバッ!

一方通行「…………、」モゥイヤ・・・




 ****************************




すいません。一度寝ます。起きたら続き書く。次こそ終わらせる! オーバー!




796VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/09(月) 06:11:49.86jzxnXd2IO (1/1)

乙、ゆっくり休め


797VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/09(月) 20:34:52.13EAEZ3834o (1/1)


一方美琴サイドがカップル通り越して熟年夫婦みたいに思えてきた


798VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北)2012/01/09(月) 22:02:45.75NB3/f7eAO (1/1)

一寸で笑う


799第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 01:13:41.51X4Bcymtx0 (1/12)

おはよう・・・今何時? とりあえず投下! 今回で終わらす!



800VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2012/01/10(火) 01:26:22.706XrcKqr2o (1/3)

デレ御門かわいい

しかし姫神ちゃん
あんまりひどいこと言ってやんなや
土御門かわいそうやん


801第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 01:44:02.26X4Bcymtx0 (2/12)

 ―――数日後の翌日、PM05:30、学園都市第7学区、とある喫茶店・・・・・



   がやがや・・・ざわざわ・・・・・



土御門「―――だから俺の立場としては……って、オマエ聞いてんの?」チラッ・・・

半蔵「……あ?」ボケー・・・

土御門「……てめぇ」ジトー・・・

半蔵「いやいやいや……だって流石に永遠と同じ愚痴ループされてもよぉ……しかももう此処に6時間近く居るぞ」タラー・・・

土御門「だから何だ。料金変わらねぇよ」フンッ

半蔵「そういう問題じゃない……てか、結局オマエは如何したいわけだ?」ハァ・・・

土御門「それが分からんっつってんだにゃ」ジー・・・

半蔵「ったく……まぁそりゃ話聞く限りはどっちも悪かない。敢えて言うならその女拾った先公が悪い」ヤレヤレ・・・

土御門「そりゃ無ぇだろ。あの人は無関係だぜぃ」ムッ・・・

半蔵「無関係な筈なのに微妙な位置に立ってるから尚性質が悪い。違うか?」ジー・・・

土御門「ん……でも、しゃーねぇだろ。そういう先生なんだから」ムゥ・・・

半蔵「だからそれに関しては何も言えねぇよ。てか、結標淡希もオマエも、何も言わなきゃ良いだけだった」チラッ・・・

土御門「……それは?」フム・・・

半蔵「要するにだ。ガキの喧嘩だろ? どっちがその先公から愛されてるか、愛してっかっつー意地の張り合い」ジトー・・・

土御門「はぁ?!」キョトン・・・

半蔵「色んなモン取っ払って考えりゃそれしか残んねぇよ。しかも……聞けばオマエが一人占めしたかったから、だろ?」ジー・・・

土御門「なっ!?」タラー・・・

半蔵「馬鹿みてぇだ……まぁオマエが答え出せねぇっつーなら教えてやる」グデェ・・・

土御門「な、何を」タラー・・・

半蔵「単純に、謝れば済むだけの話だろ。何意地張ってんだ?」フンッ

土御門「んなっ!? い、いや、オマエさっき俺も悪くないっつったろ?」ジー・・・

半蔵「悪い悪くないの問題じゃねぇの。こういう時、女って生き物は確実に根に持つ。だから『とりあえず』謝んの」ハァ・・・

土御門「ば、馬鹿じゃねぇの!? んな訳分からん理由で頭下げるなんてなぁ」ジトー・・・

半蔵「その『意地』が邪魔だって……普段クール気取ってるくせにこういう時はガキだな、オマエ」ヤレヤレ・・・

土御門「…………、」ムゥ・・・

半蔵「……ま、多分アッチはアッチで反省してる部分もあっから、どっちが先に大人になるかじゃねぇの」スッ・・・

土御門「……俺が、ガキだと?」ジー・・・

半蔵「俺もガキ、オマエもガキ、結標淡希もガキ。皆ガキ。だから大抵の事は謝れば収束する」トントンッ

土御門「…………、」ムゥ・・・

半蔵「後はオマエ次第って事。ま、最初と何も変わらずだな。電話すんならさっさとしちまえ。面と向かうと言えねぇモンだぞ」ヒヒヒッ

土御門「……ふんっ」ガタッ・・・

半蔵「お? 漸く帰るか。長かったー」グデェ・・・

土御門「……ワリカン」チラッ・・・

半蔵「はぁ!? オマエマジ外道!!」タラー・・・

土御門「冗談だぜぃ……まぁ、うん。適当にやってみる……あんがとよ」テクテク・・・

半蔵「……へぃへぃ。オマエもツンデレだねぇ」ヤレヤレ・・・



802第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 02:16:48.36X4Bcymtx0 (3/12)

 ―――数日後の翌日、PM06:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・





香焼・絹旗「「―――ただいまー」」ガチャッ・・・トコトコ・・・

もあい「にゃー」タタタタッ・・・

浦上「おや? おチビ共がお腹空かせて帰って来たみたいですネ」チラッ・・・

五和「はいはーい……って、うわぁ。何故にそんな泥んこ?」タラー・・・

絹旗「いやぁその……蛇口が超ドッカーンって」アハハハ・・・

香焼「小学生くらいの子ども達が猫に集まって来て、それで水風船で遊んでたら……こんな感じに」アハハハ・・・

結標「よくそんな幼稚園児みたいな遊びを」ヤレヤレ・・・

絹旗「超違いますぅ! 幼稚園児は直径1m近い水風船なんかで遊べませんよーだ」ヘーン!

浦上「最愛ちゃん、そういう問題じゃなくて……というかどんな水風船ですカ」タラー・・・

五和「まぁまぁ。とりあえず、二人とも。先にお風呂入ってきちゃって」サラッ・・・

香焼「あ、うん……ってうぇ!?」ピタッ・・・

姫神「……おぅ。わっふるわっふる?」チラッ・・・

絹旗「ぼゎあぃ!? にゃ、にゃにゃにゃにゃにゃにを!? お、お風呂!? こ、香焼も!!?」ギョッ・・・///

結標「あらら? 二人で一緒に入るの? 楽しそうね。私も一緒にいこうかしら」フフフッ

香焼「みゅ、結標さんっ!!? い、いやいやいやいや!?」アタフタ・・・///

絹旗「お、おおお、おおおおお、おふ、おふふ、おふ、風呂!? い、今から!?」カアアァ///

五和「ん? シャワーの方が良かった? あ、そうだ。ついでに(もあいも)洗ってあげて」キョトン・・・

絹旗「あ、ああああ、あ、あわ、あわあわ、あわ、洗いっこなんて、そ、そんな、ちょ、ちょちょちょ、超、超々々々々恥ずかしい真似は」///

香焼「こ、ここお、このぉ馬鹿姉ええええぇ!!」///

もあい「にゃー」キョトン・・・

姫神(何この。ツッコミ不在の。カオス空間)ハハハ・・・

浦上「仕方ないから私がツッコみますケド……誰も二人一緒に入れなんて言ってませんヨ。増せガキさん達」フフフ・・・

絹旗「んにゃんですとぉ!?」カアアァ///

姫神「えっと。この子は普段から。ちょい抜けてる?」ジー・・・

浦上「因みに、洗ってっていうのはもあいの事でしょ。流石のお姉も二人で洗いっこしろなんて言わないですヨ」ハハハ

香焼「う、ぐっ」カアアァ///

姫神「こっちはこっちで……まぁ思春期だし。仕方ない」フフフフ・・・

五和「あははは……とりあえず、どっちか先に入っちゃってね。ご飯は出来てるから」コクッ

香焼「う、うん……それじゃ最愛先に良いよ。自分後からもあい洗わないといけないし」チラッ・・・///

絹旗「わ、私がもあい洗いますから先どうぞ」チラッ・・・///

香焼・絹旗「「…………、」」モジモジ・・・///

姫神「この空気。いつもの事?」チラッ・・・

浦上「あははは。まぁ……年が近い男の子女の子ですカラ」フフフ・・・

結標「ふーん……そんじゃあ香焼くん、先一緒に入りましょうか」ガシッ・・・ズルズル・・・

絹旗「ちょ!? こ、この超淫売女ああぁ!! 香焼の貞操脅かすんじゃないですよおおおぉ!!」ウガー!! バタバタッ!!

香焼「へ……おうぇ!!? ちょ、最愛、引っ張らない、でって……うぎゃああぁ!! 千切れるよおおおぉ!!」ウガアアァ!!

姫神「これは……カミやん病の所為か」チラッ・・・ハァ・・・



803第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 03:35:00.46X4Bcymtx0 (4/12)


  にゃーん・・・・・


姫神「―――結局。貴方は服だけ着替えた訳?」ジー・・・

香焼「……だって、結標さんが入るって言うんですもん」ジトー・・・

結標「別に香焼くんに裸見られたって恥ずかしくないし、香焼くんの裸見ても恥ずかしくないわよ」サラッ・・・

五和「そういえば結標さんも、小さい子お風呂に入れるの手伝ってるって言ってましたね」チラッ・・・

結標「ええ。ウチのメンバーがよく小学校の低学年とか拾ってくるから、人手足りない時は手伝ってるわ」ヤレヤレ・・・

浦上「拾ってくるって……子どもを? それって誘拐じゃ」タラー・・・

結標「無論任意同行よ。というか、ほら……あまり宜しくない場所から『助け出した子ども達』とか、ね」ボソッ・・・

五和「成程……ま、コウちゃんもそのくらいの子どもと同じ感覚って訳だね」ニシシ!

香焼「自分はもう中学生っすよ。何でこう、結標さんもだし、五和やカオリ姉さんも自分を子供扱いするのかな」ハァ・・・

浦上「中一なんてまだまだ子どもでしょ」ハハハ

姫神「……それより。絹旗さんは。何故ソファの上で膝抱えて。黙ってる?」チラッ・・・

絹旗「……うー」ジトー・・・

結標「やれやれ……まだ怒ってるの? ほんっと、ガキねぇ」ジー・・・

香焼「いやいや。自分と入らないからって最愛と一緒に風呂入るって如何なんすか?」タラー・・・

結標「いや、お湯勿体無いじゃん。あと今日銭湯行かずに済むし」コクッ

絹旗「そ、それだけの為に……私は」ガーン・・・

結標「大丈夫よ。その内ブラ必要なくらいは大きくなるし、下も生えるから」サラッ・・・

香焼「ぶぼはぁっ!!」ゲホゲホッ!

絹旗「ッッッ~~~~~~~~~~~~~~っっ!!! し、死ねえええェ!! 死ンでくださいよおおおォ!!」グオンッ!!

五和「ちょ、さ、最愛ちゃん! 此処室内!!」アタフタ・・・

結標「やれやれ、このくらいで暴れるなってーの……ほい、『転移』」ヒョイッ・・・

絹旗「うがああァ―――」シュンッ・・・

浦上「あ。最愛ちゃんが消えた」キョトン・・・

香焼「ちょ、あ、淡希さあああぁん!!」アタフタ・・・

結標「大丈夫よ。多分、ベランダにぶら下がってるから」クイッ

もあい「なー」トコトコ・・・カリカリ・・・

絹旗『―――あああぁ……あ、え? ってぇ!! ちょ、う、うわ、うわああぁ!! ちょ、超高い!! 超落ちるうううぅ!!』ウギャー!!

香焼「さ、最愛!!」ウワアアァ!!

結標「あはははは。おもろー。アンタと私とじゃ相性的に私が有利でしょってあ痛っ」ベシッ!

姫神「大人げない。この馬鹿」ジトー・・・

五和「あーえっと……とりあえず、最愛ちゃん助けたらご飯出しましょうね」ポリポリ・・・

浦上「お姉はあくまで冷静ですネ。ところで御二人も食べて行きますヨネ?」チラッ・・・

結標「あ。私は此処で作ったヤツ、家で小萌と喰うから帰るわ。さっき五和にタッパー借りたし」コクッ

姫神「いつの間に……じゃあ私も」スッ・・・

結標「ああ、私に気ぃ使わないで食べてきなさいよ。此処で喰えば食費浮くんだし。浦上ちゃん、良いんでしょ?」チラッ・・・

浦上「OKですヨー」ウンウンッ

姫神「それじゃ。お言葉に甘える。ところで。淡希……いい加減。助けてあげるべき。あの子。宙ぶらりんで。パニクってる」チラッ・・・

結標「あ、忘れった」ハハハ



804第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 04:49:07.73X4Bcymtx0 (5/12)


 みゃー・・・・・


絹旗「―――フシャアアアァ!!」ギロッ・・・

結標「そんな睨まないでよ。もう帰るから」アハハ

絹旗「ぐるるるるるるるるっ!!」ギリギリ・・・

姫神「淡希。自業自得。一発くらい。殴られるべき」ウンウン・・・

結標「この子に一発殴られたら頭と胴体が『さよなら』しなくちゃなんなくなるのよ」ハハハ・・・

香焼「最愛。許してあげなよ。きっと今度何か差し入れ持ってきてくれる筈だから」チラッ・・・

結標「まぁそのくらいなら……何だっけ。カップゼリーが好きなのよね? じゃあ御歳暮とかに貰うヤツ持ってきてあげるから」ポンポンッ

絹旗「触らないで下さい、超さらし女!」グルルルゥ・・・

結標「はいはい。ったく……香焼くんにパンツ見られたからってそこまで怒らなくても良いじゃない。どうせ普段から見られてるんでしょ」ハァ・・・

香焼・絹旗「「ハァ!!?」」カアアァ///

五和「だから、そういう一言が多いんですって」ハァ・・・

姫神「いいから。さっさと帰るべき。そろそろ小萌先生。帰ってくる時間」チラッ・・・

結標「あ、そうね。それじゃあお邪魔しました。二人とも、喧嘩しちゃ駄目よ」テクテク・・・

絹旗「私はアンタに超腹立ってんですよーだっ!!」ムギャー!

浦上「二人の事小学校低学年くらいにしか思ってないんでしょうネ」ハハハ・・・

絹旗「あの女超本気で、いっぺんシメないと分からないみたいですね……今度超ひぃひぃ言わせてやりますよ」ジトー・・・

香焼「……とりあえずご飯食べましょう。話はそれから、ね」チラッ・・・

絹旗「……はぁ」グデェ・・・

五和「うんうん。あ、因みに夕飯も結標さんとの共同作です。豆腐ハンバーグですよー」テクテク・・・

姫神「……私。五和さんが作ったヤツで」チラッ・・・

絹旗「わ、私も! あの女が作ったのを食べて死にたくないです!!」アタフタ・・・

五和「死なないって……まぁ彼女が作った分は自分で持ちかえったから……あ、一個残ってた」ピタッ・・・

浦上「じゃあそれ香焼の」タラー・・・

香焼「なんでさ!?」タラー・・・

五和「あー……コウちゃんがコレ食べないと、カオリ姉さんが食べる事になるかなぁ」アハハ・・・

香焼「ぐっ……し、仕方ない……失敗してないんだろうな」チラッ・・・

五和「うん……ちょっと豆腐と挽き肉に問題あるけど」タラー・・・

香焼「は!?」キョトン・・・

五和「いや、材料足りなかったから普通にミートボール風豆腐ハンバーグになってる」ポリポリ・・・

香焼「……た、食べられれば良いや」ハァ・・・

絹旗「超どんまいです。あ、もしマジでヤバかったら残して、今度暴食シスターにでも喰わせてみましょう」フフフ・・・

香焼「多分普通に何でも喰うよ、アレは」タラー・・・

五和「何でも良いから、手を洗って来なさい。さっさと食べましょう」スッ・・・

もあい「みー」コロコロ・・・




805第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 05:13:22.68X4Bcymtx0 (6/12)


 ―――一方、結標・帰り途・・・・・


結標「――ふんふふ、ふんふふ、ふんふーふ~ん♪」トコトコ・・・

結標「自分で味見したけど、我ながら驚く程の上達っぷりね。まぁ今までが悲惨過ぎたんだけど」ハハハ・・・

結標「さーてと。面倒だからタクシー拾っちゃおうかしら……って、あら? メール?」チラッ・・・

結標「……土御門? うそぉ、もしかして今から仕事とか? 勘弁してよ」グデェ・・・カパッ・・・

 『暇な時電話しろ』

結標「んー……何か仕事って感じじゃないわね。もしかして……まぁたこの前の事かしら」ハァ・・・

結標「いつまで引っ張ってんのよ。女々しいヤツね……仕方ない……電話してやるか」Pi!


 Prrrr・・・・・


結標「もしもーし」Pi!

土御門『……おぅ』Pi!

結標「何よ」テクテク・・・

土御門『いや、その……今センセの家か?』タラー・・・

結標「だったら何よ。仕事?」ヤレヤレ・・・

土御門『仕事の事じゃない。良いから何処に居る?』サラッ・・・

結標「何処って……第7学区の北部かしら。もう少しでバスかタクシー拾おうかと思ってた所」テクテク・・・

土御門『そうか……あの、よぉ』ポリポリ・・・

結標「何? はっきりしないわね」ハァ・・・

土御門『…………、』ジー・・・

結標「何よ、この前の件? もう解決したじゃない。相互不干渉。これでOK。それとも別の話?」ッタク・・・

土御門『…………、』ジー・・・

結標「あーもしもーし……何か話せコラっ!」ムギギ・・・

土御門『…………、』ジー・・・

結標「こ、の……もう切るわよ」フンッ

土御門『……待て』ボソッ・・・

結標「あん?」ジトー・・・

土御門『その、だ……あー』ポリポリ・・・

結標「……何」ハァ・・・

土御門『にゃー……うん……色々、だなぁ』ポリポリ・・・

結標「色々?」フム・・・

土御門『……悪かった』ボソッ・・・

結標「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」ピタッ・・・

土御門『……じゃあな』Pi!

結標「あ。ちょ……切った」ジー・・・

結標「…………、」ボー・・・

結標「今、アイツ……謝った? え……私に? 嘘……あの天邪鬼道化師が、私に!?」キョトン・・・

結標「…………、」ジー・・・

結標「……明日は、きっと、黒い雨が降るわね」タラー・・・



806VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2012/01/10(火) 05:37:13.056XrcKqr2o (2/3)

デレ御門キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!



807第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 05:37:38.44X4Bcymtx0 (7/12)

 ―――数日後の翌日、PM06:30、学園都市第7学区、とある公園(イカれ自販機在中)・・・・・


  シーン・・・・・


御坂「―――ねぇ! もう最終下校時刻過ぎてるんだけどー! 打ち止めなんでまだ帰らないのよ!」ムギギ・・・

一方通行「知らねェよ。てかあのガキにそういう時間感覚求めンな。アイツは正真正銘のニートなンだっつの」ハァ・・・

御坂「でもぉ!! あのウニ頭がああぁ!!」ウギギギィ・・・

一方通行「それも知らンがな! 俺に聞くな! そういえばオマエ門限大丈夫なのか?」チラッ・・・

御坂「迷子の妹を捜索してますって書き置きしてきた」グッ!

一方通行「多分そりゃ、アウトじゃねェか?」タラー・・・

御坂「大丈夫よ! 寮監も半ば門限に私が帰る事諦め出したし……って、あ! 当麻が立った!」ガシッ!

一方通行「○ララみてェに言うなっつの。あと一々胸倉掴むなボケ」グラグラ・・・


打ち止め「――――、」ジー・・・

上条「――――?――――……、」ポリポリ・・・

打ち止め「―――!―――!!」グッ・・・

上条「……―――――、」ポンッ・・・

打ち止め「…………、」ムゥ・・・


御坂「な、何を話してるの? ちょっとアンタ聞こえないの? 集音マイクの能力で」チラッ・・・

一方通行「俺を何でも屋みたく言うけどなァ、そンな能力持ってませンから。仮に出来たとしても絶対ェやらン」フンッ

御坂「薄情者め……あ、続き話し出した」ジー・・・


打ち止め「――――!!」バッ・・・

上条「……――――?」チラッ・・・

打ち止め「――――、」チラッ・・・

上条「――――?――――……――――、」ジー・・・

打ち止め「――――!」ビシッ!


御坂「……あるぇ? 私の目、おかしくなったかなぁ……打ち止めがこっち指差してる」タラー・・・

一方通行「オカシイのは元からだが……俺にもそう見えるって事ァ、そういう事なンだろォよ」タラー・・・

御坂「……これ、如何いう状況?」タラー・・・

一方通行「チョイ待て……オイ、海原。如何なってやがる?」Pi!

海原『あー……何か色々ヤバいみたいですよ』タラー・・・

一方通行「何がだ?」キョトン・・・

海原『スネークが言うには……ジェバンニとアラスカが向こうに着いたそうです』アハハ・・・

一方通行「……つまり?」ダラダラ・・・

海原『自分達がつけている事が、あのお嬢さんへ……既に筒抜けですね』ハハハ・・・

一方通行「うそォ……まァじでェ?」ダラダラ・・・

御坂「ちょ! ど、どっどどどどどどっどっ! 如何しよう! ふ、二人が! こっち歩いてきた!!」ウギャアアァ!!

一方通行「」チーン・・・

海原『あーえっと……幸運を』Pi!

一方通行「……に、逃げ! って、テメェ! 掴むなァ! ちょ、マジ……あーもォ駄目だわコレ」ハァ・・・



808第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 05:59:37.68X4Bcymtx0 (8/12)


 わおーん・・・・・


打ち止め「…………、」ゴゴゴゴゴ・・・・


一方通行「…………、」ダラダラ・・・

御坂「……あ、あの」タラー・・・

打ち止め「今、御姉様に発言権は無いよ。ってミサカはミサカは宣告してみる」ジトー・・・

御坂「うっ」タラー・・・

上条「あー、その……打ち止めさんや」ポンッ・・・

打ち止め「ね? 言った通りだったでしょ? この二人、私に内緒でデートして、剰出刃亀みたいな真似して楽しんで!」ムギギィ・・・

御坂「そ、それは違……むがっ!」ベシッ!

打ち止め「御姉様五月蠅いからそれ噛んでなさい! ってミサカはミサカはガムテープを丸めたヤツを突っ込んでみたり」グイッ!

上条「じ、地味にエグい」タラー・・・

一方通行(流石姉妹)タラー・・・

打ち止め「……ふんっだ。もう良いもん。私決めたからってミサカはミサカは宣言してみる」ジトー・・・

御坂「ふぁふふぁ?」ジー・・・

打ち止め「これから二人は私の『他人』です。ってミサカはミサカは冷ややかに告げてみたり」ジトー・・・

電磁通行「「」」ガーン・・・

上条「お、おいおい。打ち止め。ちょっと落ち着け。二人の言い分も聞かないと」ハァ・・・

打ち止め「だって現行犯だもん! しかも二回目! ミサカはミサカは憤怒を通り越して呆れてみる」ジトー・・・

一方通行「だ、だからそりゃテメェの考えてる様な付き合いじゃなくてだなァ」ハァ・・・

打ち止め「スズシナ(仮)さんは黙ってて下さい! 今はミサカとこの人が話してるのです!」ギロッ・・・

一方通行「」スズ・・シナ・・・

上条「マジで他人行儀か……いや、でもな。見たモノが全てじゃないんだぞ。考えあっての行動かもしれない」ジー・・・

打ち止め「…………、」ジー・・・

御坂「ふ、ふが! ふががが!」コクコクッ・・・

打ち止め「御姉(オリz)……ミコトさんは私からこのひ……スズシナ(仮)さんを引き離して逃走したんですよ」トミサカハミサカハ・・・

御坂「」ミコト・・・サン・・・

上条「それはあくまでオマエの主観だよ。なぁ打ち止め。二人の言い分を聞かせて貰いたいな」チラッ・・・

打ち止め「え」ピタッ・・・

上条「オマエの話を聞く限りではこの二人(主に御坂)が悪いのは分かったが、それもオマエ一人の考えだ」ジー・・・

打ち止め「う、うーん……でも」ムゥ・・・

上条「大丈夫だ。聞いた後でオマエを怒ったりしないから安心しろ」ポンッ・・・

打ち止め「……絶対だよ」ジー・・・

電磁通行「「…………、」」ジー・・・

上条「はいはい。さて、と……それじゃあ話を聞かせて下さいな。御二人さん」ヤレヤレ・・・




809第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 06:26:49.15X4Bcymtx0 (9/12)

 ―――一寸後・・・・・



上条「―――ふむふむ……成程」ジー・・・

打ち止め「……如何?」チラッ・・・

電磁通行「「…………、」」タラー・・・

上条「少なくとも、一方通行は被害者」サラッ・・・

一方通行「デスヨネー」ホッ・・・

御坂「何でよ! 私だって無罪放免でしょうが!」ウガー!

上条「いや、まぁその……御坂はそういうヤツだし」ハハハ・・・

御坂「こんにゃろめぇ……後で覚えてなさい」ンギギィ・・・

打ち止め「……でも、結局二人は私の事を」ジトー・・・

御坂「ら、打ち止め。だから私達はそういう関係じゃなくて……あれはホント、ネット上のデマだから」アタフタ・・・チラッ・・・

上条「何故そこで上条さんを見るんですか? いや、別に御似合いだと思うぞ」キョトン・・・

御坂「」シュウウゥ・・・

一方通行「うっわァ……色ンな意味でキツいンですけど、その発言。第三位(コイツ)消えそうだし」タラー・・・

上条「え? んーとりあえず……打ち止めが本当に怒ってる理由は付き合ってるとか不倫だとかそういうアレじゃないみたいだぞ」サラッ・・・

電磁通行「「え」」ピタッ・・・

打ち止め「あ、わわ! い、言わなくて良いから! ってミサカはミサカは急いで貴方の口を塞いでみる!」アタフタ・・・

上条「おっとっと。でもなぁ打ち止め。キチンと言わないと分からないぞ? 唯でさえ三人複雑な関係なっちゃってるのに」ジー・・・

打ち止め「……むぅ」ジー・・・

一方通行「……オイ、糞ガキ。如何いうこった?」ジトー・・・

打ち止め「…………、」モジモジ・・・

上条「……狡いんだとさ」ポンッ・・・

御坂「そ、それは再三言ってたけど」タラー・・・

上条「嫉妬とかそういうんじゃなくて、大好きなオマエら二人だけが楽しそうにしてて、自分ハブられた事がだってよ」ジー・・・

電磁通行「「な」」ピタッ・・・

打ち止め「…………、」モジモジ・・・

上条「打ち止めとしたら、オマエら二人が仲良くしてくれる分には嬉しい限りなんだぞ。分かってるか?」ヤレヤレ・・・

一方通行「そ、それは……、」タラー・・・チラッ・・・

御坂「……そ、そうなの」チラッ・・・タラー・・・

打ち止め「…………、」コクン・・・

上条「だけど二人は会う度喧嘩するか、もしくは二人だけで消えるかばかり……そりゃ打ち止めも悲しいだろ」ジー・・・

電磁通行「「…………、」」ジー・・・

上条「確かに、色々複雑な背景あるからギクシャクするのも分かる。でも……少しは打ち止めの気持ちも考えてやれよ」ハァ・・・

一方通行「……だが」ジー・・・

上条「勿論、オマエらが打ち止め嫌いだからハブってる訳じゃないってのは分かってる。寧ろ打ち止めの『為』にって言いたいんだろ?」チラッ・・・

一方通行「ン」ジー・・・

上条「だからだよ。それが、打ち止めからすりゃ余計な御世話さ。コイツは唯二人に混ざりたいだけなんだって」ジー・・・

御坂「……打ち止め」ジー・・・

打ち止め「…………、」ポリポリ・・・



810第四,五話―――五和「それで結局?」 結標「・・・・・き、規則正しいわよ」2012/01/10(火) 06:54:39.71X4Bcymtx0 (10/12)

打ち止め「……ミサカも」ジー・・・

電磁通行「「っ」」チラッ・・・

打ち止め「ミサカも……私も、やり過ぎたかなって……迷惑掛け過ぎたかなって」モジモジ・・・

一方通行「打ち止め……、」ジー・・・

打ち止め「でも、二人は……どうしても丁度良い関係にならないから……ミサカは困って」ムゥ・・・

御坂「それは……その……ごめん」ペコッ・・・

打ち止め「よく御姉様が、突然この人を引っ張り出すけど……ホントは私も一緒に連れてって貰いたいなぁって」モジモジ・・・

上条「いや、それは御坂が(頭)おかしいだけだけど……要は寂しいんだろ」ジー・・・

電磁通行止め「「「…………、」」」ジー・・・

上条「ハァ……いや、何て言うか……不器用だな」ポリポリ・・・

電磁通行止め「「「……え」」」チラッ・・・

上条「こういう時は『今度の休みに三人で何処かに遊びに行こう』って、それだけ言えば解決だろ?」ニカッ!

御坂「あ、う……えっと」チラッ・・・

打ち止め「……うん」ジー・・・ギュッ・・・

御坂「……アンタは」チラッ・・・

一方通行「……ケッ」ハァ・・・

上条「OKだってよ。良かったな、打ち止め」フフッ

打ち止め「……うん! ありがと!」ニカッ!

御坂「……頼むから、少しは愛想良くしてよ?」ボソッ・・・

一方通行「チッ……普通にしてる」ハァ・・・

上条「さてさて。それじゃ上条さんは値引き惣菜を籠に詰める時間帯なのでそろそろ御暇しますよっと」トコトコ・・・

打ち止め「あ、そういえば貴方は一緒に遊びに行かないの? ってミサカはミサカは提案者さんに尋ねてみたり」チラッ・・・

上条「ん? いや、折角だからオマエらだけで言ってこうぉ!?」ギョッ・・・

一方通行「テメェも一緒に来いいいいィっ!!」ギリギリ・・・

上条「い、いやいや、三人でって話纏まったのに俺入ったら」タラー・・・

一方通行「俺一人じゃあの暴走電気姉妹止められねェンだよおおおォ!!」ボソボソ・・・

上条「……だ、第一位様に止められない女性を無能力者の上条さんが止められる訳が」アタフタ・・・

一方通行「おいィ! 第三位ィ! コイツも一緒に行っても良いよなァ!!」バッ!!

御坂「うぇ!?」ギョッ・・・

上条「あー、えっと、あからさまに動揺してるって事は嫌なんじゃ」タラー・・・

御坂「いいいい、い、嫌じゃない! い、嫌じゃないけど……その、えっと……ど、どうしてもって言うなら付いてきても良いわ」アタフタ・・・

上条「じゃあ行かない」ハァ・・・

御坂「え……ぁ、うん」ショボーン・・・

一方通行「空気読んでくれええええェェ!!」ガクガクガクガク!!

上条「なななななななんんんんんでででででででっ!!?」ガクンガクンッ!

打ち止め「やれやれ……御姉様も素直じゃないね、ってミサカはミサカは相変わらずのツンデレっぷりに呆れてみる」ヤレヤレ・・・

一方通行「兎に角『イエス』と言いやがれ!!」ギロッ・・・

上条「きょ、強制!? あーもぅ……不幸だ」イエス・・・

打ち止め「わーい。良かったね、御姉様」ニシシ・・・

御坂「あ、うん……って、え、あ、えっと……しょ、しょうがないわね! 特別よ!」アハハハ!