1 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 10:40:36.41BBnwR1370 (1/61)

1スレ目 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1304/13045/1304506297.html

2スレ目 美琴「当麻♪」上条「なんだ、美琴」垣根「俺も仲間に入れて」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1305/13053/1305377166.html

3スレ目 上条「美琴、愛してる」美琴「私も♪」垣根「俺も♪」心理「ジャマしないの」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306063255/

4スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「えへへ//」垣根「速さが足りない」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306724889/

5スレ目 上条「放さないからな」美琴「うん♪」垣根「話さないからな」心理「しゃべりなさいよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307282872/

6スレ目 上条「抱きしめようか?」美琴「うん//」垣根「抱こうか?」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307709819/

7スレ目 上条「守り続けるからな」美琴「うん//」垣根「これがリア充です」心理「あなたもよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308139244/

8スレ目(番外編) 美琴「私の好きな人のことを、それ以上悪く言わないで!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308667506/

9スレ目 上条「結婚に必要な物は?」美琴「愛!」心理「お金」垣根「念のため三行半」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308992651/

10スレ目 上条「まずは!」美琴「そのふざけた!」心理「幻想を!」垣根「守るのこそ愛だ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309355502/

11スレ目 上条「マイホームか・・・」美琴「い、いいわね//」心理「そうね」垣根「欠陥住宅か」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309860801/

12スレ目 テクパトル「あの月はもう、空には出ない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310283821/

13スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「//」垣根「心理定規可愛いハァハァ」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310641032/

14スレ目 上条「恋といえば!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311066610/

15スレ目 上条「旅行かぁ・・・」美琴「どこ行く?」垣根「ヤっちゃうのか?」心理「黙って」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311506386/

16スレ目 上条「愛って何かな」美琴「守ること?」心理「信じること」垣根「疑い続けることさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311939697/

17スレ目 上条「始まった・・・」美琴「大覇星祭・・・」垣根「アナウンスは俺」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312451177/

18スレ目 上条「引き続き!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスも俺!」心理「もうイヤ・・・」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312969940/

19スレ目 上条「まだまだ続く!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはMeダヨ!」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313206497/

20スレ目 上条「そして終盤!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはワシじゃよ」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313568339/

21スレ目 上条「みこと!」美琴「とうま!」垣根「マン」心理「そこまでよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313987737/

22スレ目 上条「1に愛情!」美琴「2に愛情!」心理「3、4がなくて?」垣根「後藤さん」一同「誰だよ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1314/13145/1314512717.html

23スレ目 上条「海外旅行!」美琴「イギリス!」心理「ご飯がまずい」垣根「ひもじいよぉ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1315/13152/1315277970.html

24スレ目 上条「デートの定番は?」美琴「遊園地!」心理「映画館」垣根「特別な場所なんていらねぇさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316091462/

25スレ目 上条「熱い思いは!」美琴「止められない!」心理「燃える心は」垣根「バーニングハート!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316955436/

黒歴史 今日も学園都市には雨が降る
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1303/13037/1303730725.html




2 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 10:41:38.03BBnwR1370 (2/61)

キャラ紹介

上条・・・言わずとしれたそげぶマン
美琴の彼氏、第一の主人公であり、正義感溢れます
美琴をかなり愛しています

美琴・・・ヒロイン
可愛いです、可愛いです、可愛いです
ツンデレがデレデレになってますが、それもまた(ry
上条さんにメロメロ

垣根・・・本シリーズでおそらくもっとも愛されてるキャラクター
イケメルヘンからギャグまでなんでもござれ
心理定規と付き合ってます、フリーダム
たまにツッコミ

心理定規・・・垣根の嫁
ていとくんに踊らされながらも彼を支えます
おそらく、心理定規タンハァハァって方もいるかと、俺もそうだ
ホント、マスコットキャラ

エツァリ・・・本シリーズで地味なキャラの一人
ショチトルと付き合ってる変態ツッコミ

ショチトル・・・地味キャラだった一人
エツァリと付き合ってます、自称ドMの実際ドM
もはや、ボケキャラ

削板・・・熱い男
黒子の彼氏、地味なはずがわりとキャラが濃い

黒子・・・ですの
削板の彼女、でもお姉さまも相変わらず好きなのでご安心を

一方・・・歪みないセロリ
番外個体の彼氏、そしてロリコン、意外とまともになった

番外個体・・・一方の嫁
やっとセロリと付き合うことに、マジ可愛いよワースト
わりと奥手

テクパトル・・・ダークホース
途中でレギュラーになったにも関わらずていとくんとならび本シリーズの目玉に
こんなはずではなかった
美月こと19090号と恋人に、さまざまな苦難も乗り越えイチャイチャリア充、背中フェチ

19090号・・・テっくんの嫁
勝手に美月と名づけました
後悔はしてません
テクパトルと結ばれましたが未だに照れ屋さん、そしてエロい

20000号・・・変態
しかも、テっくんでヤったこともある変態 、たまに男前

14510号・・・セロリのことが好きな乙女
めちゃくちゃ乙女

10033号・・・セロリのことが好きな乙女
恋する乙女は強かった

御坂妹・・・可愛いです
なぜかツッコミに

17600号・・・やや遅れて合流した妹達
意外と男前、おっとこまえー

■■・・・名前が思い出せないキャラ
まさかの存在感、俺には理解できない
準レギュ、というかエツァリよりも輝いてる気がする

吹寄・・・垣根に告白、失恋するもやはり友達がいいと気づいた強いキャラ
まさかの準レギュ、そしてツッコミ、おっぱい吹寄

ウイーハルさん・・・違った、初春
削板、黒子の出番でたまに登場

13577号・・・かつて20000号に公開オ○ニーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
まさかの復活、でもトラウマは奥底に眠る

10039号・・・かつて20000号に公開オナ○ーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
お茶なら緑茶派らしい


3 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 10:42:21.58BBnwR1370 (3/61)

食蜂・・・レズ、美琴に恋してる
最近本当の友達が出来て喜んでいる

打ち止め・・・一方通行と番外個体の娘ポジション
しかし寝取りを企んでいるという噂もある

麦野・・・魅力的なはずなのにアイテムで唯一恋の香がしない
がんばれおばさ・・・お姉さん

絹旗・・・超可愛い超キュートな超ヒロイン
海原に淡い恋心を抱いている
絶賛パンチラ

浜面・・・リア充

滝壺・・・浜面の彼女
ときどき黒い、実は腕力が半端ない

フレンダ・・・空から帰ってきた我らがアイドルな訳よ!
美人でスレンダー、完璧なスタイルな訳よ!
ゴーグル男なんてす、好きじゃない訳よ!

ゴーグル・・・スクールの中で一番地味だった人
語尾が「~っす」とかいう、若者口調
なぜかフレンダと共にこの世に戻ってきた
冷え性


アレイスター・・・冷蔵庫
一体どうしてこうなったのか
最新式の家電

海原・・・絹旗にフラグを立てた男
本物
エツァリと鉢合わせしたら恐ろしいことになるはず






4 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 10:43:07.77BBnwR1370 (4/61)

スレ内容

上琴、未元定規がメインのギャグほのぼの

一方通行×番外個体
テクパトル×19090号
削板×黒子
エツァリ×ショチトル
浜面×滝壺
俺×サトリナ


何もおかしいところはない

サトリナさんは俺の嫁

ほのぼの、グダグダ、原作崩壊、キャラ崩壊、マンネリが嫌いな方はご覧にならないほうがいいかと


注意事項

速さが足りないコメは諸事情によりお控えいただけたら幸いです

たまに筋肉動画を貼ります、耐性がない人はそっと戻るボタンを





5VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/08(土) 10:43:55.81JN6JnNdAo (1/1)

と整えられた指先


6VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)2011/10/08(土) 11:06:21.53hCiyKSfW0 (1/1)

新スレ乙です


7VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2011/10/08(土) 11:25:40.402Zft5rhHo (1/1)

ついに題名に入ってきたか‥‥


8VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/10/08(土) 11:59:21.29IZL+/u6ho (1/1)

>>7
12スレ目 テクパトル「あの月はもう、空には出ない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310283821/



9 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:44:31.66BBnwR1370 (5/61)

ゴーグル「ちわっす」

垣根「よぉ」

心理「おはよう」

いつの間にか

それが当たり前になっていた

最初は、ただの同族感情だと思っていた

汚れた中にいれば自分の汚れた感情に気づかないと

だが違うのだ

ゴーグル男は、この二人が大好きだったのだ

いつも不機嫌そうにしながらも、面倒見のいい垣根

自分の女性に対する認識を変えてくれた心理定規

二人が大好きだった

初めて、心から人を好きになった




10 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:45:00.24BBnwR1370 (6/61)

居心地がよかった

ずっと三人でいたいと思った


平和が、好きになっていた

目的は薄れていた

だが

垣根「・・・ゴーグル馬鹿、お前は親とかいるのか?」

垣根がある日何気なく放った一言で思い出した

自分の目的を

自分がそもそも、学園都市に何をしに来たのかを

ゴーグル「知らないっす、いないっすよ」

そう答えた

彼に親はいない

家族は、二人だけだ




11 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:45:29.29BBnwR1370 (7/61)

ゴーグル(そうだ・・・殺さなきゃならない人間がいる)

なぜかそれだけは、消えることはなかった

肩の傷なんてもはや無いに等しかった

少しだけ切り傷のような跡があるだけだ

なのに

ゴーグル(俺を産んだあの女だけは)

殺さなければならない


ゴーグル「垣根さん、心理定規さん」

少し日にちを置いてから

ゴーグル男は切り出した

心理「何?改まった顔なんかして」

垣根「スクール脱退か?」

ゴーグル「違いますよ・・・ちょっと学園都市の外に行きたいんす」




12 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:45:55.21BBnwR1370 (8/61)

垣根「は?なんで」

ゴーグル「・・・一人、殺さなきゃならないヤツがいるんす」

心理「誰?」

ゴーグル「・・・俺を苦しめた人間っす」

垣根「・・・殺したいほどに憎いのか?」

ゴーグル「はい」

なぜ憎いのか

理由なんてなかった

ただ

ただ、自分を絶望の中に産み落としたあの女が憎かった

垣根「しゃあねぇな・・・手伝ってやるよ」

ゴーグル「あ、いや・・・俺だけが行ければ」

心理「辛気臭いこと言わないの」




13 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:46:21.39BBnwR1370 (9/61)

垣根「てめぇが殺したい人間は俺達にとっちゃ他人だ」

ゴーグル「ですから・・・」

垣根「だがてめぇは他人じゃないんだよ」

ゴーグル「垣根さん・・・」

心理「幸い、ここ最近は大きな仕事もないし・・・見張りの何人かを付ければ出られるんじゃないかしら」

ゴーグル「・・・ありがとうございます」

嬉しかった

自分の勝手な理由に付き合ってくれる二人の存在が

やっと手に入れた仲間だった

垣根「そのかわり、てめぇが確実に殺せ」

心理「・・・ゴーグル君、言っておくけど・・・学園都市の外での殺しは揉み消せないわよ?」

ゴーグル「分かってますよ」




14 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:46:49.13BBnwR1370 (10/61)

心理「・・・それでもやるのね?」

ゴーグル「はい」

垣根「・・・申請はしとくから任せろよ」

ゴーグル「ありがとうございます」

心理「さて・・・久しぶりの外に行けそうね」

垣根「ゴーグル馬鹿の用事が終わったらちょいとばかしふらついてみるか」

ゴーグル「いいっすね」

三人は笑っていた

そして、その日は来る

待ち望んだ日が

恐れていた日が


何年振りだろうか

ゴーグル男は故郷の地を踏んだ





15 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:47:15.90BBnwR1370 (11/61)

ゴーグル「・・・久しぶりっす」

垣根「相変わらず外は遅れてるな」

心理「ホント、呆れるくらいにね」

垣根「ったくよ・・・わざわざ注射したり書類書いたり、面倒だよな」

心理「仕方ないわよ」

ゴーグル「・・・帰ってきたんすね」

ゴーグル男は街を見回していた

あまり変わっていない

変わったのは彼自身だった

街が普通に見える

うらやましいとは思わなくなっていた

ゴーグル「・・・お二人はどうしますか?」




16 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:47:43.33BBnwR1370 (12/61)

垣根「着いていくさ」

心理「あなたのことも監視しないといけないもの」

ゴーグル「じゃあ・・・お願いします」

記憶に頼り、ゴーグル男は自分がかつて過ごしていた場所を目指す

近づいていく度に汗が流れる

気持ちが悪い

あの女に会わなければならない

恐怖なのか、怒りなのか

彼には分からなかった

一つのマンションの前で立ち止まる

垣根「きたねぇマンションだな」

心理「ここにあなたの憎い人物が?」




17 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:48:10.76BBnwR1370 (13/61)

ゴーグル「・・・行ってきます」

心理定規の問いには答えず、ゴーグル男があの部屋へ向かう

きっと、あの女はいるはずだ

一人で狂ったような生活をしているはずだ

だから

ゴーグル(殺さなければならない)

自分が狂った元凶

もっと優しい親の元に生まれたかった

そうすれば彼は普通に生きていけたのに

ゴーグル「・・・」

古臭いドアの前で立ち止まる

懐かしいとは感じない

忌ま忌ましいとは感じた




18 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:48:37.03BBnwR1370 (14/61)

ノックなんて必要ないだろう

鍵を叩き壊し、中に入る

そこには


「おー、よしよし・・・」

あの女がいた

一人の赤ん坊を抱えたあの女が


ゴーグル「・・・な・・・」

「ん?あ、あんた誰!?盗みにでも入ってきたの!?」

間違える訳が無い

これは、あの女だ

見た目は変わらない

声も、服装も




19 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:49:24.15BBnwR1370 (15/61)

だが、彼女が抱きしめているのはなんだ?

ゴーグル「・・・それは」

「誰なのよあんた!?」

ゴーグル「それはなんだ」

「答えなさいよ!通報するわよ!」

ゴーグル「・・・お前の子供か」

「く・・・出ていきなさいってば!」

ゴーグル「・・・」

怒りが湧いた

憎悪が湧いた

そして

悲しみが溢れた

この女がどうして赤ん坊を育てている?

優しく抱きしめ、愛を持って




20 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:49:50.23BBnwR1370 (16/61)

ゴーグル「クソババア」

「!お、お前まさか・・・」

ゴーグル「久しぶりだな」

ゴーグル男が女を睨みつける

この女に対してだけは、敬語なんて使いたくなかった

「何しに来たのよ!?帰ってよ・・・」

ゴーグル「それはお前の子供か」

「えぇそうよ!お前には関係ないでしょ!」

女な赤ん坊を庇うようにして座っている

庇う?

なぜ

ゴーグル「なんでお前は子供を育ててる」




21 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:50:18.29BBnwR1370 (17/61)

「はぁ!?この子は私の子なんだよ!当たり前じゃないか!」

女が叫ぶ

捨てたはずの子供が帰ってきたのがよほど信じられないのだろう

ゴーグル「・・・俺を捨てたのに、か?」

「お前なんていらなかったんだよ!」

ゴーグル「!」

「馬鹿な男とセックスして、偶然孕んだだけのお前なんか!」

ゴーグル「そんな理由で俺を捨てたのか・・・!」

「この子は好きな男との子供なんだよ!お前なんかとは違うんだ!」

ゴーグル「・・・」

ゴーグル男の瞳から何かが流れた

生まれなければよかった、なんて何度思ったか

生きるのが辛い、と何度思ったか




22 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:50:46.51BBnwR1370 (18/61)

それらは全て、この女の身勝手から始まったのに

自分は生まれてくることを選べなかったのに

死ぬことを選ぶ勇気さえなかったのに

この女は

この女は、自分を生まなければよかったなんて言っている

ゴーグル「な・・・」

「消えろよ!目障り・・・」

ゴーグル「ならなんで俺を産んだ!」

一歩、女に近づく

それだけで畳に亀裂が入った

「あ、当たり前だろ!?堕胎なんて金が掛かるから・・・」

ゴーグル「・・・殺す」

「!」




23 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:51:12.79BBnwR1370 (19/61)

ゴーグル「何が母親だ!何が愛した男との子供だ!」

「お前には分からないだろう!?お前みたいな子供、いらなかったんだよ!」

ゴーグル「・・・」

女の手の中にいる赤ん坊は眠っていた

母親の温もりを感じて、安心したように

ゴーグル「ふざけるな・・・」

怒りのままに、言葉を吐く

ゴーグル「ふざけるなぁ!」

思い切り拳を振り回す

怒りに任せたそれは、当たるはずもなかった

「ひっ!」

女は逃げた

ゴーグル男に背を向けて




24 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:51:43.92BBnwR1370 (20/61)

理性的でいられたならば、追い掛けるはずだった

なのに、彼はそうは出来なかった

ゴーグル「ちくしょう・・・」

力を手に入れたのに

あんな女一人さえ殺せなかった

自分は、力なんて手に入れてなかった

無力だった

何のために生まれてきたのか

生まれてきたのが間違いだったのか

頭の中で、悲しみが渦を巻く


心理「ゴーグル君?」

その悲しみに光を差し延べられるのは、大好きな二人の家族だけだった




25 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:52:14.17BBnwR1370 (21/61)

垣根「よう、てっきりやられたかと思ったぜ・・・女が駆けて行ったからな」

ゴーグル「・・・殺せなかった・・・」

拳に涙が落ちた

振り回した拳は、何も捕らえはしなかった

ゴーグル「なんで・・・力を手に入れたはずだったのに・・・」

心理「・・・」

心理定規が強く、彼を抱きしめた

感じたことのない、優しい温もりだった

心理「あなたは結局、優しいだけだったのよ」

ゴーグル「なんで・・・」

心理「泣きなさい、あなたにはそれをする権利があるの」

ゴーグル「・・・」




26 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:52:41.75BBnwR1370 (22/61)

ポロポロと涙が零れた

心理定規の腕の中で無様に泣いた

垣根はそれを笑ったりはしなかった

垣根「・・・長髪で赤ん坊を抱えたあの女がお前の憎い相手だな?」

ゴーグル「はい・・・」

垣根「行くぞ」

垣根がゴーグル男の手を引く

ゴーグル「行くって・・・」

垣根「あの女を殺すんだろ?てめぇが」

ゴーグル「・・・俺には無理でした」

垣根「・・・俺がやってやる」

ゴーグル「・・・なんでですか」




27 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:53:10.26BBnwR1370 (23/61)

垣根「いいか?てめぇはスクールの一員だ、スクールに恥をかかせるな」

ゴーグル「・・・すいません」

垣根「俺はスクールのリーダーだ・・・メンバーが失敗したら、その尻拭いをするんだよ」

ゴーグル「・・・あの女はどこに行ったんすか?」

垣根「安心しな、未元物質を体に付着させといた・・・こいつは一定周波を常に放っている」

ゴーグル「それを追うんすか」

垣根「あぁ」

垣根が首を鳴らす

垣根「だから早くしろ」

ゴーグル「・・・はい」

心理「大丈夫?」

ゴーグル「ありがとうございます・・・大丈夫っす」

垣根「さーて、どうやって揉み消そうかなっと」




28 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:53:39.72BBnwR1370 (24/61)

口調を明るくしながら垣根がつぶやく

だが、その瞳には明らかな憎悪が宿っていた


「はぁっ!はぁっ・・・」

女は、街中を走っていた

好きな男が出来たのは二年前だ

赤ん坊が出来たのは一年半前

やっと、やっと普通の幸せな生活を手に入れたのだ

それなのに、あのいらない子供が帰ってきた

あの顔を見るとかつての男を思い出す

気に入らなかった

自分は幸せになりたいのに







垣根「みーつけた」













29 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:54:14.08BBnwR1370 (25/61)

突然、前方から冷たい声が聞こえた

そこにいたのは若い青年だった

「ど、どいて!」

垣根「お前、あいつとどういう関係なんだよ」

「あ、あいつ・・・?」

ゴーグル「聞かなくていいっすよ、吐き気がします」

「!」

後ろに、いつの間にかゴーグル男が回っていた

心理「あらあら、最後の場所がこんな裏路地なんて可愛そう」

「ア、アンタ達はなんなのよ!?」

垣根「いやぁ、赤ん坊は殺さないぜ?その子に罪はないからな」

「なんなのよ一体!?」




30 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:54:56.69BBnwR1370 (26/61)

垣根「スクールだよ、覚える必要はないぜ」

つまらなそうに吐きながら、垣根が翼を広げる

垣根「ホントは学園都市の外じゃ能力は禁止なんだとさ」

「な・・・」

垣根「あぁしゃべるな、ムカつくから」

青年の背中から翼が生えている

それは異様な光景だった

まるで

そう、まるで死後の世界から迎えに来た使いのように

垣根「お前に怨みはない・・・なんて訳じゃないんだよ」

心理「あなたはゴーグル君を傷つけた、それだけで十分怨みの対象なのよ」

「や、やめて・・・許して!」




31 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:55:22.41BBnwR1370 (27/61)

垣根「許す?それは俺達に聞くことじゃねぇだろ」

女が縋るような表情でゴーグル男を見つめる

ゴーグル「許してくれ、っすか・・・」


ゴーグル「NOだ、クソババアが」

垣根「はーい残念」

垣根の翼が、女の右腕を削ぎ落とす

「ぎゃぁぁぁ!」

垣根「おいおい、豚だってもう少し静かに鳴くぜ」

そう言いながら、今度は耳を

「や、やめて!」

右腕がなくなったからか、赤ん坊が手からすり落ちた

垣根「・・・ほら、拾ってやれよ、最愛の子供なんだろ?」




32 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:56:06.57BBnwR1370 (28/61)


「いやぁ!」

女は、赤ん坊を拾い上げることなく逃げようと走り出す

垣根「・・・つくづくムカつくヤツだな」

その太ももの裏側を、垣根がえぐる

脂肪の塊が辺りに散らばった

「あ・・・あ・・・」

垣根「おいおい、まさかショックでしゃべれませんなんて言うんじゃないだろうな」

「助けて・・・」

心理「それを言う相手は誰?」

遠くから、心理定規が冷たく言い放つ

「助けて・・・」

ゴーグル「俺がそう言ったら・・・お前は助けないだろう?それと同じさ」

垣根「グッバイ、哀れなお母さん」

すぐに、女の鼻が無くなった


33 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:56:41.04BBnwR1370 (29/61)

「うぁぁぁ!」

垣根「ちっ・・・うるせぇな」

グシャリ、と左足が潰れる

「や、や・・・」

垣根「くだらないな」

ゴーグル「愛する男との子供、か」

心理「それならなんでさっき拾い上げなかったのかしらね」

ゴーグル「どうせお前は、その程度の人間なんだ・・・人に幸せなんて与えず、自分だけが幸せを得ようとする」

「助けて・・・」

垣根「黙れ」

ついに、垣根の翼が女の腹を貫いた

何か臓物のようなものが溢れ出す

「あ・・・」




34 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 13:58:51.25BBnwR1370 (30/61)

垣根「・・・俺達はな、こんなことを何度も繰り返してきた」

じっと女を見つめながら、垣根が語り出す

垣根「なんでこんなことを出来るか?狂ってるからさ」

「あ・・・いや・・・」

垣根「狂った原因は様々さ、金、女、地位、絶望」

心理「・・・ゴーグル君が狂ったのはあなたのせいなのよ」

「そんなこと知らないわよ・・・」

垣根「・・・知らない・・・だと?」

ピクリ、と垣根の眉が動く

「知らないわよそんなガキのこと!!何よ、何なのよ!!ずっと私を苦しめるつもり!?ずっと・・・」

垣根「黙れって言ってんだよ!!!」

垣根が女の体を翼で押さえつける

「あぁ!!」

垣根「てめぇは何が言いたい!?こいつが狂ったのはこいつが狂人だったからとでもほざく気か!!??あぁ!?」





35 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:02:26.99BBnwR1370 (31/61)

「そうじゃないか!!私はそこのガキなんて育ててないんだよ!?そんなヤツなんか他人なんだよ!何が私のせいで狂っただ、お前たちはただ頭がイカれてるガキじゃないか!!」

垣根「分かった風な口を利くんじゃねぇ!!!」

翼の下に倒れる女の体が、ミシリと音を立てる

垣根「狂ってる!?俺たちが好きでこんな人間になっただと!?ふざけんじゃねぇぞクソが!!!」

心理「・・・垣根」

垣根「ゴーグル馬鹿がなんで狂ったか分かるか!?誰かが正しい道を教えてやらなかったからだ!!」

垣根「心理定規がなんで狂ったか分かるか!?誰にも手を差し伸べてもらえなかったからだ!!!」

垣根「俺が・・・」


垣根「俺がなんで狂ったかもしらねぇくせに、調子乗るんじゃねぇよ!!!!」


バキバキ、と翼が音を立てる

怒りに震えているのだろうか

心理「やめなさい垣根、そんな人には何を言っても無駄よ」

垣根「・・・ちっ」





36 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:03:16.57BBnwR1370 (32/61)

翼で一度、女の体を打ち付けてから垣根が遠ざかる


垣根「・・・こいつはてめぇを殺すことにはなんら躊躇いなんてないんだよ」

ゴーグル男がゆっくりと女に近づく

もはや、女の顔には色が無かった

すぐにでも死にそうな表情だった

ゴーグル「・・・垣根さん、最後だけは俺にやらせてください」

垣根「あぁ」

垣根がゆっくりと女から離れる

ゴーグル「・・・幸せを奪われることは苦しいだろうな」

「・・・」

ゴーグル「・・・せめて」

「あ・・・」




37 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:03:49.08BBnwR1370 (33/61)

ゴーグル「せめて、生まれ変わったら・・・まともな人間になってくれよな」

女の口に銃を入れる

「・・・」

ゴーグル「・・・あばよ」

垣根にも心理定規にも聞こえないような声で、ゴーグル男はつぶやいた


ゴーグル「 」

一瞬、女が泣きそうな表情をした

そして次の瞬間にはその顔の上半分が吹き飛んだ


垣根「隠蔽工作も完璧っと」

一般人が聞けば背筋が凍るような台詞を、当たり前のように垣根が言う

心理「これでよかったの?」

ゴーグル「・・・はい」




38 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:04:14.20BBnwR1370 (34/61)

垣根「なぁ、結局あいつはなんだったんだ?」

ゴーグル「憎い相手っすよ」

心理「ふーん」

興味なさそうに心理定規が返事をする

垣根「あぁそうそう、帰るまでにもう少し時間、あるんだぜ」

心理「じゃ、この赤ん坊をどこかに預けた後は買い物の」

ゴーグル「・・・買い物っすか」

心理「いいじゃない、行くわよ」

心理定規が二人を引っ張る

ゴーグル(・・・)

抱きしめられた感触が忘れられなかった

ゴーグル(あれが・・・人の温もりなんすね)






39 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:04:58.80BBnwR1370 (35/61)

フレンダ「・・・お母さんを殺したの?」

ゴーグル「・・・はい」

フレンダ「・・・なんか、今のアンタからは想像できない訳よ」

ゴーグル「・・・イヤでしたか?」

フレンダ「暗部にいた人間なんてみんなそんなもんだから」

フレンダが苦笑する

ゴーグル「・・・俺は、あんな人間を知っているから・・・人と距離を置いてしまうんです」

フレンダ「そっか」

ゴーグル「・・・?どうしたんすか」

フレンダ「ううん」

フレンダがゴーグル男に近寄る

フレンダ「・・・ちょっと、いい?」




40 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:05:24.99BBnwR1370 (36/61)

ゴーグル「は・・・?」

ギュッ、とフレンダがゴーグル男を抱きしめる

ゴーグル「・・・何やってんすか」

フレンダ「・・・私はさ、アンタの家族な訳よ」

ゴーグル「!」

フレンダ「だから、温もりをあげたい」

ゴーグル「・・・もう十分もらってますよ」

フレンダ「ならよかった」

二人が顔を見合わせ、そして笑う

ゴーグル「そろそろ寝ましょうか、長くなりましたし」

フレンダ「うん」

フレンダがベッドに入り込む

ゴーグル「電気消しますよ」




41 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:05:55.95BBnwR1370 (37/61)

フレンダ「いいよー」

電気を消し、ゴーグル男も布団に入る

ゴーグル「・・・フレンダさん」

フレンダ「ん、何?」

ゴーグル「フレンダさんって優しいんですね」

フレンダ「当たり前な訳よ」

ゴーグル「・・・ありがとうございます・・・お休みなさい」

フレンダ「うん、お休み」


ゴーグル(・・・心理定規さんに抱きしめられたときと似てましたね)

ゴーグル(温かくて・・・なんか安心しました)

ゴーグル(・・・やっぱり)


ゴーグル(俺って冷え性なんすね)





42 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:07:54.13BBnwR1370 (38/61)


垣根「・・・眠いな」

1月3日の朝

垣根は、最悪の寝起きを体験していた

昨日の夜は吹寄や姫神とカラオケに行っていた

そこではなんかよくわかんない曲を歌った気がする

国歌とか

だが、途中からは記憶がないのだ

決して飲んだわけではない

多分、眠すぎて記憶がなかったのだろう

垣根「・・・にしても・・・」


垣根「なんで俺は電柱に登って眠ってるんだろうな」

地上8M

そんなところで、垣根は目を覚ましていた





43 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:10:04.27BBnwR1370 (39/61)

心理「・・・ねぇ」

隣の電柱から心理定規の声がする

垣根「・・・お前も登ってたのか」

心理「・・・おはよう」

垣根「おはよう・・・カラオケの帰りにここで寝たんだろうな」

心理「なんでカラオケの帰りに電柱に登って寝てるのよ」

垣根「バカと煙は高いところが好きなんだぜ」

心理「・・・めちゃくちゃ寒いんだけど」

垣根「標高が高いからだ」

心理「理由が明らかに違うわよね」

垣根「・・・っていうか、電柱にしがみついてるお前の絵ってシュールだよな」

心理「あなたこそシュールそのものよ」

垣根「・・・そうだな」

心理「・・・降りましょうよ」





44VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/10/08(土) 14:12:19.26wfsby2jq0 (1/1)

こんな季節にせみごっことか、さすがていとくん常識が通用しねぇ


45 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:13:04.05BBnwR1370 (40/61)

翼を広げ、心理定規を抱えながら垣根が地上へ降り立つ

垣根「・・・財布はある、服も着てる・・・」

心理「何か事件があったわけでもないわね」

垣根「・・・吹寄と姫神は俺たちをほっといたんだろうな」

心理「・・・そうね」

垣根「・・・最近さ、お前がボケキャラになってきてるのが不思議なんだ」

心理「ボケてないわよ」

垣根「・・・あっそう」

眠い目を擦りながら、二人は家へと向かう

ちなみに時刻は午前5時

人通りなんて皆無だ

それが唯一の救いだろう

さすがに、電柱にしがみついてコアラのように寝てる姿なんて見られたら生きていけない

垣根「・・・」

心理「・・・誰かに下から覗かれてたら、下着が丸見えだったわね」

垣根「世の中の男性諸君が今嘆いてるぜ・・・」

心理「はいはい・・・」





46 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:15:47.10BBnwR1370 (41/61)

垣根「眠いんだよ・・・」

心理「・・・私もよ・・・」

フラフラ、と二人が千鳥足で歩く

まるで酔っ払っているかのような感覚だ

さきほど翼を出したとき、正しく演算できたのが不思議に思える

それほど、二人は眠気に襲われていた

垣根「・・・コアラのマーチ」

心理「隠しコアラを探すのが好きよ・・・」

垣根「隠しコアラってなに?」

心理「たしか・・・ベトナム戦争で唯一生き残ったけど、国賊として日本に立ち入りを禁止された日本人の怨念がコアラになったらしいのよ・・・」

垣根「お前もう一人で漫談しろよ・・・」

心理「前閉めといたろ・・・」

垣根「マイナーなネタはやめようぜ・・・」





47 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 14:20:13.89BBnwR1370 (42/61)

心理「・・・眠い・・・」

コクコク、と心理定規の頭が揺れている

普段の落ち着いた雰囲気は、なかった

垣根「お前ってさ・・・素はかなり子供だよな」

心理「年相応よ・・・」

垣根「・・・そうか」

心理「・・・眠い・・・布団が恋しいわ・・・」

垣根「そういう新しいキャラを作ってファンを獲得しようなんて・・・最低の手法だぜ・・・」

心理「そんな発言はやめなさいよ・・・」

垣根「・・・眠いんだよ・・・」

心理「もう少しで家につくわよ・・・鍵はあるでしょうね?」

垣根「あるけどさ・・・もう取り出すのがめんどくせぇ・・・」

心理「そうね・・・・・・・・・なんでやねーん」

垣根「もうダメだ・・・心理定規が壊れた・・・」





48 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 15:07:20.47BBnwR1370 (43/61)

心理「・・・早く入りましょうよ」

垣根「はいはい・・・」

垣根が鍵を取り出し、家のドアを空ける

我が家の匂いがした

垣根「ただいま・・・」

心理「ただいま・・・」

二人はすぐさま、寝室へと向かう

垣根「・・・まだ、御坂の両親は来ないよな・・・?」

心理「当たり前でしょ・・・」

垣根「じゃあ・・・おやすみ・・・」

心理「おやすみ・・・」

先ほど起きたばかりなのに、二人はまた眠りに着いた





49 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 16:00:11.49BBnwR1370 (44/61)


上条「・・・おはよう」

美琴「おはよ・・・」

上条「いてて・・・」

頭の後ろのコブを押さえながら、上条が体を起こす

昨日のテクパトル弾によってできたコブだ

美琴「大丈夫?」

上条「なんとか・・・」

美琴「見せてごらん?」

美琴が上条の後ろに回る

美琴「うーん・・・たしかにちょっと腫れてる・・・」

上条「マジか・・・」

美琴「一応冷やす?」

上条「そうだな」

半日経ったが、あまり状況は変わっていない

かといって20000号を叱りつける気持ちにはならなかった





50 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 16:04:01.77BBnwR1370 (45/61)

上条「・・・美琴、看病してください・・・」

美琴「ちょっとの怪我じゃない」

美琴が濡れタオルをあてがってくる

上条「そうはいいましてもね・・・」

美琴「はぁ・・・わがままなんだから」

上条「甘えたいんだよ」

美琴「そ、それは嬉しいけど・・・」

上条「けど?」

美琴「・・・ご飯作らないと」

上条「うー・・・分かりました」

上条がしぶしぶ承諾する

美琴「甘えん坊さんなんだから・・・」

上条「いいだろ?」





51 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 17:15:20.87BBnwR1370 (46/61)

美琴「・・・私が昔甘えようとしたらバカにしたくせに」

上条「だ、だって・・・まだ美琴と付き合う前のときは互いになんか・・・」

美琴「・・・そうだけどさ」

上条「今は甘えてもらえると嬉しいですよ」

美琴「わ、分かってるわよ!」

美琴が顔を真っ赤にする

上条「さーて・・・今日は美鈴さんと旅掛さんも来るし」

美琴「・・・そうね」

上条「よし!!朝飯食ったら早速垣根の家に行きますか!!」

美琴「おー!!!」


朝食を済ませ、二人は垣根の家へ向かう

しかし、そこは眠気に包まれた恐ろしい館だった





52 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 17:19:52.42BBnwR1370 (47/61)


上条「・・・何度チャイムを鳴らしても、垣根は出てこなかった」

美琴「私達は、何か背筋に凍るものを感じて振り返った」

上条「そこにあるのは、沈黙」

美琴「広がっていたのは闇だけ」

上条「ほっと息を吐く、それはまるで悪魔を呼ぶ合図であるかのようだった」

美琴「次の瞬間には扉が開き・・・」


垣根「眠いんだよ!!!チャイム連打すんじゃねぇよ!!」

上条「おっす、おはよう」

美琴「眠れた?」

垣根「眠れた?じゃねぇ!!!このすがすがしい朝の音色をチャイムなんかで掻き消しやがって!!」

上条「何言ってんだお前・・・」

垣根「さっきの自分達の言ってたことを思い出せよ!!」

美琴「・・・」


美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」

垣根「とりあえずそこに立て」





53 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 17:28:55.95BBnwR1370 (48/61)

上条「悪い悪い・・・でも一応お前たちと迎えに行こうかなってさ」

垣根「・・・お前らの母親なんて知らないんだよ・・・」

美琴「えー、結構気にいってたんじゃないの?」

垣根「うるせぇやモロヘイヤ・・・」

上条「?」

垣根「・・・大体な・・・無理に起こされて心理定規が不機嫌なんだよ・・・」

上条「不機嫌な心理さん?」

美琴「あはは、なんか可愛いかも」

二人が拗ねている心理定規を想像する

枕を抱えて頬を膨らませていたら、それはもう可愛いだろう

垣根「・・・見てから言えよ」

垣根がリビングに二人を案内する

上条「おっす心理さんおは・・・」





54 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 17:38:55.87BBnwR1370 (49/61)

心理「・・・」シュッシュッ

上条「・・・あ、あの・・・何をされてるんでせう?」

心理「包丁を磨いでるのよ」

上条「・・・」

上条が無言のまま、心理定規から離れる

心理「知ってる?出刃包丁って切るって言うよりも叩ききるんですって・・・怖いわよね、骨なんて一瞬で叩ききるのよ?」

美琴「メ、心理定規・・・?」

心理「・・・美琴、ちょっとおいで」ニコッ

美琴「ひぃっ・・・」

心理「大丈夫・・・何もしないわよ・・・ね、おいで?」

美琴「ごめんなさいぃぃぃぃ!!!」

垣根「心理定規・・・眠いのは分かったから落ち着け」

心理「・・・分かったわよ」





55 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 20:10:44.05BBnwR1370 (50/61)

上条「そ、その・・・すいません」

心理「いいわよ別に」

心理定規が包丁をキッチンに戻し、ソファーに座る

しかしその顔は明らかに怒っている

垣根「あーあ・・・怒ってるぜホント」

美琴「ね、ねぇ・・・」

心理「・・・言っておくけど、眠いから怒ってるんじゃないのよ、チャイムを何度も鳴らされたから怒ってるの」

上条「な、なんでそれを怒る・・・」

心理「ん?何か言いましたか?上条さん」

上条「ごめんなさい敬語はやめて!!!」

垣根「はぁ・・・こっちは今から朝飯なんだよ」

コーヒーを注ぎながら垣根がつぶやく

美琴「・・・今起きたところだったの?」

垣根「あぁそうだよ・・・」





56 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 20:18:31.13BBnwR1370 (51/61)

上条「・・・なぁ、なんでこんなに時間に起きたんだ?」

上条が時計を見る

朝の9時

別に遅すぎるわけではないが、かといって決して早い時間ではない

垣根たちは普段ならこの時間には朝食を終わらせているはずだ

上条「・・・もしかして、カラオケで徹夜か?」

垣根「・・・正確には違う」

心理「途中で寝ちゃったみたいなのよ・・・」

美琴「寝た?カラオケで?」

垣根「詳しくは聞かないでくれ・・・」

コーヒーの苦さに顔をしかめながら、垣根が答える

いや、もしかしたらそれに顔をしかめているのではないのかもしれない

美琴「ねぇ・・・ちゃんと目を覚ましててよ?お母さん達は正午には着くみたいだし・・・」





57 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 20:29:52.88BBnwR1370 (52/61)

垣根「んー・・・あー・・・美鈴さんだっけか?美人は好きだぜ・・・」

垣根が眠そうな目を擦りながら溜め息をつく

心理「あら・・・妬けちゃうわね・・・」

美琴「眠そうね」

心理「・・・眠いのよ」

上条「・・・心理さんはしっかりしてるイメージだったのに・・・」

心理「イメージなんてそんなものよ・・・すぐに崩れるの」

垣根「あーあ・・・ちくしょう、4時間しか寝てねぇよ・・・」

美琴「徹夜も出来る年でしょ?」

上条「そうそう、寝れただけ・・・」

心理「美容に悪いの健康に悪いの精神衛生上悪いのよ」

上条「ご、ごめんなさい・・・」

心理「はぁ・・・美琴の頼みじゃなかったらキレてたわよ・・・」

垣根(怖いな・・・)





58 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 20:44:35.52BBnwR1370 (53/61)

上条「・・・垣根、俺もコーヒーもらっていいか?」

垣根「あぁいいけど・・・って、そのコブどうしたんだよ?」

垣根がしゃがんだ上条の頭にコブを見つける

上条「あぁ・・・派手にこけたんだ」

垣根「こけた?どこで」

上条「街中」

垣根「ま、街中でこけたとか・・・」プルプル

垣根が腹を抱えて笑い出す

美琴「ち、違うのよ!当麻はテクパトルに押しつぶされて・・・」

垣根「テクパトルに!?こりゃ面白いな!!!!!」

美琴「笑わないでよ!!!」

垣根「だっせぇよ!!なに!?テクパトル砲弾か!?」

上条「う・・・」

垣根「図星かよ!!!」ゲラゲラ





59 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 20:55:38.67BBnwR1370 (54/61)

上条「仕方ないだろ・・・」

垣根「何があったんだよ!!こりゃ傑作だな!」

心理「・・・で?なんでそんなことになったのよ・・・」

美琴「20000号がテクパトルを投げて・・・」

垣根「ひゃっひゃっひゃ!!こりゃすげぇな!!」

垣根がバンバンと膝を叩く

上条「・・・笑うなよ」

垣根「だってよ!砲弾喰らってコブ作るとか!!」

美琴「・・・仕方ないのよ」

上条「・・・テクパトルの体は重かった・・・」

垣根「そうだろ!?そうだろうとも!!!」

心理「あなた・・・笑い茸でも食べたの?」





60 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 21:16:15.61BBnwR1370 (55/61)

上条「・・・はぁ、眠いからって笑い上戸になるなよ・・・」

垣根「仕方ないだろ」

美琴「・・・垣根、顔洗ったら?」

垣根「めっちゃ洗いまくってるよ」

上条「なんだそりゃ」

垣根「眠いんだよ」

美琴「・・・まだ時間があるから、眠ったら?」

心理「そうね・・・そうしたいのだけど」

垣根「お前らがいるのに寝るのもな・・・」

上条「気遣わなくていいんだよ」

垣根「ありがたく受け取っとけ」

美琴「・・・なんか悪いわね」

上条「・・・今度礼でもするからさ」




61 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 21:26:01.05BBnwR1370 (56/61)

美琴「・・・にしても、ホントこの家は広いわね・・・」

上条「あぁ・・・うらやましいよな・・・」

心理「・・・美琴なら建てられるんじゃない?」

美琴「そうなんだけどさ・・・」

上条「俺が働いて建てるんだよ!!」

垣根「へぇ、プライドは高いな」

美琴「ポテンシャルも高いのよ!」

心理「でもね・・・理想だけじゃ夢を叶えるのは無理よ」

垣根「時には譲歩もしないとな」

美琴「・・・こんなに大きな家でなくてもいいのよ」

上条「そ、そうだよな!!ただの一軒家でいいんだよな!」

垣根「はー、夢が小さいなぁ・・・」





62 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 21:39:43.12BBnwR1370 (57/61)

上条「小さいなぁ・・・」

美琴「でも、それが当麻らしくていいじゃない」

垣根「そうかもな・・・はぁ」

上条「・・・いつまで眠そうにしてるんだよ・・・」

心理「垣根・・・あなた、もしかして低血圧?」

垣根「違いますぅ・・・ったく」

垣根が頭をかく

垣根「・・・はぁ、しっかし母親ねぇ・・・」

上条「ん?どうした」

垣根「・・・いんや、なんでもねぇよ」


垣根「・・・うらやましいもんだな」

美琴「?」





63 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 21:53:01.59BBnwR1370 (58/61)


ゴーグル(もう・・・なんでフレンダさんはこの起き方ばっかりなんすかね)

ゴーグル男は相変わらず床に寝ていた

そして、フレンダはまたまた彼の布団に忍び込んできていた

ぎゅっとゴーグル男を抱きしめながら

ゴーグル(いや・・・決してイヤではないんですけどね・・・)

はぁ、とゴーグル男は溜め息をつく

寒い朝にはこの温もりは嬉しいものだ

ゴーグル「・・・っていうか、なんで脚まで絡ませるんすかね」

脚も使って、がっちりとホールドしてきている

フレンダ「・・・」zzz

ゴーグル「・・・寝顔は相変わらず子供っぽすぎますね・・・」

フレンダ「・・・ん・・・」

ゴーグル「あ、おはようございます」





64 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 22:05:34.73BBnwR1370 (59/61)

フレンダ「・・・なんで私に抱きつかれてるの?」

ゴーグル「何もかも俺に悪い理由はないっすよね?」

フレンダ「・・・なんで私の寝顔をずっと見つめてる訳よ」

ゴーグル「・・・いや、だって視線の先にはすでにフレンダさんの顔が・・・」

フレンダ「・・・じっと見つめてこんなに興奮してた訳、ふーん」

ゴーグル「いや、これはただの朝のイベントっす」

フレンダ「最低!!押し付けてる訳よ!!!」

ゴーグル「ち、違います・・・っていうかなんで放してくれないんですか・・・」

フレンダ「・・・なんか眠くて・・・」

ゴーグル「はぁ・・・放してくださいよ」

フレンダ「眠くて起きたくない訳よ・・・」

フレンダがあくびをする




65 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 22:12:25.92BBnwR1370 (60/61)

ゴーグル「はぁ・・・分かりましたよ」

ゴーグル男が視線をそらす

フレンダ「・・・ねぇねぇ」

ゴーグル「なんすか」

フレンダ「こうやったら少しは胸も当たるでしょ!」

ゴーグル「ないもんがどうやって当たるんすか」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「痛い!!背中つねらないでください!!」

フレンダ「これがフレンダ様の怒りな訳よ!!」

朝の静かなはずのひと時

ゴーグル男とフレンダの朝は、騒がしい


ゴーグル「痛い!!フレンダさんもなんかあの女と同じ感じがしますよ!?」

フレンダ「これは愛ゆえの意地悪な訳よ!!」

ゴーグル「絶対にウソだぁぁぁぁいたぁぁぁい!!!!!!!!!!!!!!」





66 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/08(土) 22:17:08.35BBnwR1370 (61/61)

今日はここまで

最強の脚の持ち主といえばトム・プラッツ・・・

そしてもう一人

「テキサスタイタン」 ブランチ・ウォーレン

上半身は平均的ですが、下半身が異常なまでの肥大を見せます

カーフ、ふくらはぎも恐ろしい・・・

ロニーと同じジム出身で、まだまだ活躍の期待できるビルダーです

 


明日は夜バイトなので投下が少なくなります

ではおやすみなさい




67VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)2011/10/08(土) 22:23:58.24of69OWrNo (1/1)

乙すみなさい


68VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/08(土) 22:44:42.46u9TZlV6DO (1/1)

おやす美琴


69VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/10/09(日) 07:14:22.2356w+XYqXo (1/1)

>>53の不機嫌な心理定規タソ想像したらめっちゃ悶えた


70VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/10/09(日) 09:34:00.66kb1feg4jo (1/1)

心理定規かわいい


71VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/10/09(日) 09:59:36.71OncRVK8I0 (1/1)

言いたい事はこれだけだ
ゴーグル爆発しろ! 冷え性が悪化してフレンダに温められてろ!


72 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:03:27.53pEZi4Eac0 (1/54)

ゴーグル「・・・おはようございます」

浜面「おっす・・・どうした?朝から疲れた顔して」

ゴーグル「・・・フレンダさんのせいっすよ」

麦野「まーたあの子が何かやらかした?」

絹旗「もしかして襲われましたか?」

ゴーグル「んなんじゃないっす」

ゴーグル男が深くため息をつく

朝っぱらからフレンダと一騒動あったのだ

フレンダ「おっはよー!」

麦野「・・・アンタ、ゴーグル君に何したの?」

フレンダ「?なんもしてない訳よ」

滝壺「フレンダ、ゴーグルを困らせたらダメだよ」




73 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:03:58.56pEZi4Eac0 (2/54)

フレンダ「こ、困らせてなんかない訳よ!」

滝壺「でもゴーグルは困ってるみたい」

絹旗「フレンダ、何をしたんですか?」

フレンダ「な、なんも・・・」

ゴーグル「あぁいや・・・なんも悪いことはしてないんすよ」

フレンダ「そうな訳よ!」

絹旗「でもかなりゴーグルは困ってるみたいですよ?」

フレンダ「・・・そうなの?」

フレンダが泣きそうな顔でゴーグル男を見つめる

滝壺「・・・ゴーグル、女の子を泣かせるなんてはまづらみたいなことをしたらダメ」

浜面「あらら!?いつの間にか俺は悪者なんだな!」

滝壺「はまづらは私を泣かせるから」

浜面「泣かせてないからな!」




74 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:04:46.48pEZi4Eac0 (3/54)

麦野「はぁ・・・イチャイチャとしないでくれる?」

絹旗「浜面と滝壺さんはもう少し人目を憚ってほしいですね」

フレンダ「・・・にしても、二人が付き合うってのは意外だった訳よ」

浜面「そっか・・・お前は俺達の仲が進展する前に死んだからな」

滝壺「そうだったね」

フレンダ「・・・まぁ滝壺は一番まともだったけど」

麦野「私をまともじゃないって言いたいの?」

絹旗「超殺意が湧きますよ、フレンダ」

フレンダ「あぁあぁ、シャケ弁狂いと映画オタク・・・まともじゃない訳よ」

ゴーグル「フレンダさんもまともじゃないっすよ」

フレンダ「何!?アンタみたいな変人には言われたくない訳よ!」

ゴーグル「変人って・・・自覚はありますけど」




75 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:05:41.63pEZi4Eac0 (4/54)

滝壺「あ、はまづら・・・タバコなんて吸ったらダメだよ」

浜面「いいだろ・・・昔から吸ってたんだから」

滝壺「昔からって・・・それはもっと問題だよ、はまづら」

浜面「そ、そうか?」

麦野「喫煙すればカッコイイ、なんて子供の考えよ」

浜面「いや・・・そういうのじゃねぇんだよ」

絹旗「・・・じゃあニコチン中毒ですか、怖い怖い」

浜面「うるせぇな・・・」

ゴーグル「あ、俺ももらっていいっすか?」

浜面「ん、お前も吸うのか?」

滝壺「・・・ゴーグルがはまづらの道を進んじゃった」

ゴーグル「昔はたまに吸ってましたよ・・・」

フレンダ「うわ・・・中学生とかの頃?」




76 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:06:08.14pEZi4Eac0 (5/54)

ゴーグル「6つの時辺りには」

麦野「・・・よく健康を害さなかったわね」

ゴーグル「いえ・・・まぁたまにだったんで」

滝壺「・・・ゴーグルのイメージが変わった、ヤンキーだったんだね」

ゴーグル「う・・・」

フレンダ「・・・見損なった訳よ!タバコなんて・・・」

ゴーグル「でも酒飲むのと変わりませんよ」

麦野「酒なんて浜面しか飲まないわよ」

浜面「そうだけどさ・・・」

滝壺「はまづら、言い訳なんて情けない」

絹旗「・・・浜面は滝壺さんがいなかったらまだずっと荒んだ生活をしてたでしょうね」

麦野「感謝しなさいよね」




77 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:06:35.22pEZi4Eac0 (6/54)

浜面「はいはい・・・感謝してるさ」

ゴーグル「・・・はぁ、ちょっと換気扇の下まで行ってきますね」

浜面「え?なんで」

ゴーグル「煙の臭いがきついじゃないですか」

麦野「・・・浜面、これがせめてもの申し訳なさからくる答えだよ」

絹旗「・・・ゴーグル、あなたは超真面目ですね」

浜面「・・・悪かったな、俺は気遣いの出来ない人間だよ」

ゴーグル「んじゃ・・・行ってきます」

ゴーグル男が換気扇の下に移動する

フレンダ「あ、待って待って」

ゴーグル「ん?フレンダさんも来るんすか」

フレンダ「ヒマだから」




78 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:07:02.15pEZi4Eac0 (7/54)

ゴーグル「はぁ・・・それだけっすか」

フレンダ「・・・まぁまぁ、懐いてあげてるんだから感謝してよ」

ゴーグル「はいはい・・・」


浜面「・・・なんかいい感じだよな」

滝壺「・・・うん、カップルの予感」

麦野「そう?ゴーグル君は全くそのつもりはなさそうよ」

絹旗「フレンダはどうなんでしょうか?」

麦野「フレンダだけが知ってるわよ」

絹旗「・・・超応援したいですね」

麦野「お前は余裕があるからな・・・」

浜面「お前もがんばれよ」

麦野「うるさいわね・・・」





79 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:07:30.73pEZi4Eac0 (8/54)

ゴーグル「・・・はぁ、タバコなんてホント久しぶりっす」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・タバコ吸う男は嫌いっすか?」

フレンダ「・・・ちょっとイヤな訳よ」

ゴーグル「ご、ごめんなさい・・・」

フレンダ「あ・・・別にゴーグルがイヤなんじゃない訳よ」

ゴーグル「・・・でもたしかにタバコが好きな女性はあまりいないでしょうね」

フレンダ「なんか不健康だし・・・」

ゴーグル「・・・そうかもしんないっすね」

フレンダ「・・・ねぇ、ゴーグルはあんまりタバコは吸わないの?」

ゴーグル「本当に久しぶりっすよ・・・というかあんまりタバコは好きじゃないんすよ」

フレンダ「じゃあなんで吸ってるの?」

ゴーグル「・・・イヤな気分の時に吸ったら落ち着くんすよ」




80 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:08:02.22pEZi4Eac0 (9/54)

フレンダ「・・・イヤな気分だった訳、へぇ・・・」

ゴーグル「・・・そりゃ朝からあんな言い争いなんてしたら・・・」

フレンダ「ふーん、あぁそう・・・」

ゴーグル「楽しかったですけどね」

ゴーグル男がタバコをくわえながら笑う

フレンダ「・・・なんかタバコ、似合ってる訳よ」

ゴーグル「いい男には似合うんすよ」

フレンダ「冗談きつい訳よ」

ゴーグル「マジに受け止めないでくださいよ・・・」

フレンダ「・・・で?またなんか面白い話、聞かせてほしいんだけど」

ゴーグル「はぁ?なんでっすか」

フレンダ「だってアンタはタバコ吸ってるからいいけどさ・・・私はヒマなんだもん」




81 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:08:29.58pEZi4Eac0 (10/54)

ゴーグル「はいはい・・・じゃあ俺が心理定規さんに惚れてからあった・・・」

フレンダ「へぇ・・・そういう話をしたいんだ」

ゴーグル「いやまぁ冗談なんですが」

フレンダ「・・・別に聞いてもいい訳よ」

ゴーグル「・・・過去の話なんてあんまり面白くないんすけどね」

フレンダ「・・・ゴーグルの過去って不思議だから聞きたい訳よ」

ゴーグル「そうっすね・・・」

ゴーグル「たしかあれは・・・俺があの復讐を果たしてから3ヶ月くらいしてからでしたね」


ゴーグル「・・・はい?」

心理「だから、垣根のこと・・・なんか聞いてない?」

ゴーグル「垣根さんっすか?」

心理「最近・・・なんか妙に付き合い悪くない?」




82 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:09:01.49pEZi4Eac0 (11/54)

ゴーグル「そういえば・・・飲みに誘っても忙しいって」

心理「・・・彼女でも出来たのかしら」

ゴーグル「気になりますか?」

心理「気になるわよ」

ゴーグル「・・・尾行、してみますか?」

心理「あら・・・面白そうじゃない」

ゴーグル「やってみますか」

心理「いいわよ」

心理定規は垣根帝督を気にしていた

それは同僚としてではない

異性として、だ


ゴーグル「垣根さん、今日飲みに行きませんか?」

垣根「・・・忙しいんでな」




83 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:09:39.27pEZi4Eac0 (12/54)

ゴーグル「最近忙しいみたいっすね」

垣根「うるせぇな、こっちにも用事があるんだ」

ゴーグル「じゃあまたの機会に」

垣根「あぁ」

垣根はその日もすぐさま仕事を終え、すぐさま隠れ家を後にした


心理「・・・またね」

ゴーグル「さて・・・追いますか」

心理「えぇ」

垣根も一応は暗部に所属している人間だ

下手な尾行には気づかれてしまうだろう

ゴーグル「・・・となると、尾行じゃなければいいんすね」

心理「偶然同じ場所に、偶然同じ時間に訪れたってことにしときましょう」

心理定規がクスクスと笑う




84 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:10:24.72pEZi4Eac0 (13/54)

ゴーグル「さて・・・」

二人が垣根を追いかける


ゴーグル「・・・なんかホント、普通の世界も似合いますよね」

心理「・・・そうね」

ゴーグル「・・・あ、なんかキョロキョロしてますね」

心理「・・・まるでホントにまずいとこに行くみたいじゃない」

ゴーグル「・・・!走り出しましたよ!」

心理「落ち着いて・・・あの道は一本道なのよ」

ゴーグル「先回りしますか」

心理「えぇ」

二人が別のルートを使って垣根の先に回る

ゴーグル「なんか・・・こんな尾行なんて初めてっす」

心理「尾行は下部組織に任せればいいことだからね」




85 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:11:11.07pEZi4Eac0 (14/54)

ゴーグル「・・・しかしなかなか楽しいもんっすね」

心理「・・・そうね、こんなにドキドキする経験はないわ」

ゴーグル「・・・」

ゴーグル男が心理定規を見つめる

さっきまでは垣根を見つめていたから気づかなかった

だが、尾行というのは出来る限り体を隠さなければならない

もちろん、二人だって同じ場所に身を潜めている

ゴーグル(ち、近い・・・)

心理(・・・一体何をしているのかしら、垣根は)

ゴーグル(真剣な表情の心理定規さんも素敵っすね・・・)

心理(・・・もしかしてホントに女なのかしら)

そんな、全く違うことを考えながら二人は走っていた




86 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:11:42.58pEZi4Eac0 (15/54)

ゴーグル「・・・あ、いたいた」

心理「・・・あら?なんかこっちに近づいて・・・」


垣根「よぉ」

心理「!」

垣根「ダメだなぁお前ら・・・」

ゴーグル「き、気づいてたんすか!?」

垣根「尾行の一番危険なことは見つかることじゃねぇ」

心理「・・・追いかけているはずが、追い詰められることね」

ゴーグル「じゃあ・・・わざと一本道に入ったんすか」

垣根「お前らとは気づかなかったがな」

ゴーグル「でもよく・・・」

垣根「俺は尾行するのは慣れてないがな・・・されるのは慣れてるんだ」

ゴーグル「・・・あの」




87 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:12:23.24pEZi4Eac0 (16/54)


垣根「何をしてたかって?俺のプライベートに突っ込むな」

心理「・・・気になるのよ、コソコソされていたら」

垣根「・・・うるせぇな」

垣根がポケットから何かを取り出す

心理「何よそれ」

垣根「・・・ちょっとした書類だ」

心理「書類って・・・ただのメモ帳じゃない」

垣根「あぁそうよ」

ニヤニヤと垣根が笑う

ゴーグル「なんなんすか?」

垣根「・・・新しい仕事、お前らにも協力してもらわなきゃいけないし・・・話しとくか」

心理「あら、厄介な敵なの?」




88 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:12:57.68pEZi4Eac0 (17/54)

垣根「力はない、数がある」

心理「・・・スキルアウトね」

垣根「まぁそうなんだけどさ・・・そのスキルアウトが一部の無能力者に武器を調達させてるらしいんだ」

心理「・・・誇りもないのね」

垣根「スキルアウトが武器を調達・・・それをポストスキルアウト共が手伝っている」

心理「・・・あなたはそれで、何をしていたの?」

垣根「スキルアウトの隠れ家を視察してた」

心理「・・・視察?でももう二週間近くずっと・・・」

垣根「ヤツら、一々隠れ家を変えていたんだよ」

ゴーグル「・・・スキルアウトにそこまで資金はないはずっす」

垣根「そうだな・・・だが武器や隠れ家、そんなものを調達出来るほどのスキルアウトがいたら?」

心理「・・・それは統括理事会も黙ってないはずよ」

垣根「だろ?だがそれが実在するんだよ」




89 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:13:44.23pEZi4Eac0 (18/54)

ゴーグル「・・・スキルアウトにしては大きな勢力なんすか」

垣根「まぁそういう訳だから、下調べが必要だったんだよ」

心理「・・・どうして私達にも言わなかったの?」

垣根「分からないか?下調べには金が出ない、それにスクール全員を使用してどうする」

ゴーグル「そんなもの・・・下部組織にさせればよかったのでは・・・」

垣根「・・・俺はぼんくら共の目なんざ信用出来ないんだよ」

心理「・・・なるほど」

ゴーグル「・・・それで?何か分かりましたか?」

垣根「・・・ヤツらは隠れ家を転々としている、資金がかなりある、そして・・・」

心理「あら・・・まだ何か?」

垣根「いや・・・これは別にいいか」

垣根が首を鳴らす




90 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:14:20.60pEZi4Eac0 (19/54)

垣根「そろそろ帰るぞ、明日には仕事の正式な依頼が来るはずだ」

ゴーグル「分かりました」

心理「はぁ・・・楽しい尾行だと思ってたのに」

垣根「ゴーグル馬鹿と二人きりの尾行か、うらやましいな」

心理「あら、ヤキモチ?」

垣根「黙ってろ、俺はムカついてんだ」

心理「尾行なんてされたから?」

垣根「当たり前だ」

垣根が二人を睨みつける

心理「・・・帰って作戦でも立ててみる?」

垣根「立てられるならな」

ゴーグル「念には念を、っすよ」





91 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:15:32.81pEZi4Eac0 (20/54)

スキルアウト

無能力者の武装集団

大抵、統率もなくただ暴れるだけの集団だ

だが稀に、カリスマ性を持った人間が統率している場合がある

そのようなスキルアウトは、下手な能力者よりも高い戦闘力を持ってしまう

力では勝てなくても、数で圧してしまえばいいのだから

だがスキルアウトにも弱点はある

資金がないことが最も大きな理由だろう

無能力者というのは、あまり奨学金が出ない

そのため学園都市から出る奨学金で武装するのは難しい

では金を盗むのか

そう言われると、答えに詰まる集団がほとんどだ




92 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:16:17.72pEZi4Eac0 (21/54)

何しろATMは上手くやらなければ金にインクが撒き散らされて使い物にならなくなる

かといって人間から直接奪える額などたかがしれている

クレジットカードで武器は買えないし、携帯電話などでは以っての外だ

そのため、ほとんどのスキルアウトはどうにか裏ルートから手に入れた武器を使いまわすらしい

もちろん、武器だって年々劣化していくはずだ

戦闘力が段々と落ちていき、やがては自然消滅していく

スキルアウトなんてそんなもの

のはずなのだが


垣根「知ってるか?なんか最近、駒場とかいうヤツのとこが頭角を現してるんだってよ」

心理「・・・そこが今回の標的なの?」

垣根「違う、ただそういうスキルアウトもいるってことだ」

ゴーグル「・・・それで?相手の数は」




93 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:16:56.55pEZi4Eac0 (22/54)

垣根「200だ」

心理「200?スキルアウトがそんなに数を集めてるの?」

垣根「問題はな・・・そのメンバー全員が武装してるってことだ」

心理「・・・拳銃を持たれてると面倒ね」

垣根「はぁ・・・で、そいつらが統括理事会へのクーデターを企ててるんだとよ」

ゴーグル「まーた統括理事会のお守りっすか・・・」

垣根「面倒だよな、自分の身くらい自分で守れってのなー」

心理「・・・まぁあなたがいれば簡単よ」

垣根「残念、二カ所に別れてるんだよ」

心理「・・・ならあなたは一人ね」

ゴーグル「お、俺と心理定規さんっすか?」

心理「いいんじゃない・・・?私達はどこに?」




94 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:17:48.36pEZi4Eac0 (23/54)

垣根「あぁ・・・この学区だ」

ゴーグル「この学区?初めて聞きましたよ・・・そんなスキルアウトがいるなんて」

垣根「ヤツらだって馬鹿ばっかりじゃねぇんだ、隠蔽だってするだろう」

ゴーグル「・・・なるほど、面倒ですね」

心理「・・・でもスキルアウトにそんなことが出来るのね」

ゴーグル「・・・統括理事会からしたらかなりの恐怖でしょうね」

垣根「資金はどこから得てるか・・・その方法がもし誰にでも可能なら」

心理「全てのスキルアウトがこぞって武装を開始・・・さらには統括理事会、能力者への鬱憤晴らしをするでしょうね」

ゴーグル「治安云々じゃなくなる、残るのは少しの能力者だけ・・・」

心理「それはそれで楽しそうじゃない?」

垣根「楽しくねぇ・・・学園都市で過ごせなくなるんだ」

心理「ここで過ごしたいわけではないのだけど」




95 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:18:35.65pEZi4Eac0 (24/54)

垣根「どっちにしろ、金は必要だ」

垣根が地図を取り出す

垣根「ここだよここ」

心理「・・・たしかにこの学区ね」

垣根「・・・頼むぜ二人とも」

ゴーグル「・・・気を引き締めないといけないっすね」

心理「・・・そうね、垣根の能力では負けないでしょうけど」

垣根「・・・お前らは細心の注意を払え、作戦は任せる」

心理「えぇ・・・分かったわ」

ゴーグル「死なないように頑張りますよ」

垣根「武装しただけのスキルアウトに殺されるようなタマならここにはいねぇよ」

垣根が小さく笑ってから隠れ家のドアを開ける




96 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:19:09.53pEZi4Eac0 (25/54)

垣根「・・・俺は先に行ってくる」

心理「あら・・・同時進行じゃなくてもいいの?」

垣根「制限時間は今夜いっぱい・・・面倒だが、ヤツらは明日にはクーデターを起こすらしいんでな」

ゴーグル「じゃ、御武運を」

垣根「グッドラック」

手を振ってから垣根は立ち去った

残されたのは二人

心理「・・・困ったわね・・・垣根がいれば200人くらい簡単に殺せるのに」

ゴーグル「はぁ・・・行きませんか?早く終わらせたいです」

心理「えぇ・・・行きましょうか」

心理定規が拳銃を握る

ゴーグル「・・・必要なんすか?」





97 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:19:54.35pEZi4Eac0 (26/54)

心理「私の能力は人を殺すことには向かないから」

ゴーグル「・・・死なないでください」

心理「あなたもね」

二人も隠れ家を出発する

心理「・・・なんだか」

ゴーグル「はい?なんですか?」

心理「・・・少しイヤな予感がするわね」

ゴーグル「?」


心理「・・・へぇ・・・立派な建物に住んでるのね」

ゴーグル「・・・スキルアウトにはもったいないっすよね」

心理「・・・そうね」

今頃垣根は何をしているのか

そんなことを心理定規は考えていた




98 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:20:26.65pEZi4Eac0 (27/54)

心理「・・・行くわよ」

ゴーグル「了解」

作戦を開始したのは午後10時43分

なぜかその時間だけは覚えていた

ゴーグル「・・・なかなかしぶとい相手っすね」

心理「・・・私の能力とあなたの攻撃力があれば大丈夫・・・だと思ったんだけど」

ゴーグル「まさか・・・ここまで統率が取れているなんて」

二人が担当したのは69人がいる建物のほうだった

現在、殲滅が完了したのはわずかに14人

信じられなかった

ここまで仕事が遅くなるなんて思わなかった

ゴーグル「・・・能力、使えてますか?」




99 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:20:53.07pEZi4Eac0 (28/54)

心理「私の能力は何人にも同時に使えるものじゃないのよ・・・」

心理定規が敵を影から睨む

血眼になって二人を探しているようだ

ゴーグル「・・・二手に分かれたほうが早いかもしれませんね」

心理「こちらは拳銃・・・だけど」

ゴーグル「敵は拳銃を持っていますし、奪いながらやればいけるはずっす」

心理「あなたは大丈夫なの?」

ゴーグル「こいつは便利なんすよ」

頭につけたゴーグルを指差しながら、彼は走った

その走りも、早さが異常だった

心理「筋力底上げ・・・なんて面白いじゃない」

そんなことをつぶやいてから、心理定規も作戦に向かった





100 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:21:20.65pEZi4Eac0 (29/54)

フレンダ「・・・なんか・・・もっと心理定規に甘える話を聞かされると思ってた訳よ」

ゴーグル「・・・違いますよ・・・ここから先は心理定規さんに後から聞いた話も交えて話してみますよ」

フレンダ「・・・うん」

ゴーグル「なんか顔が段々と生き生きしてきてません?」

フレンダ「スクールはスクールでなかなか刺激的な仕事をしてた訳よ」

ゴーグル「・・・まぁこの後はただの俺の情けない話になりますね」

フレンダ「・・・聞きたい」

ゴーグル「なんかさらに生き生きしてませんか?」

フレンダ「・・・アンタの情けない話、聞かせて」

ゴーグル「はいはい・・・」


心理「・・・ちっ・・・ホント、面倒ね」

心理定規はスキルアウトの連中から逃げていた




101 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:21:47.70pEZi4Eac0 (30/54)

責めたのは自分からなので逃げていることに文句は言えない

だがいくらなんでも少女一人をスキルアウト18人が追いかける絵はひどいとしか言いようがなかった

心理「・・・」

「!な、なんだあいつはぁ!?」

「ん?どしたお前・・・」

「か、体が・・・」

「どうしたんだよ?」

「あいつ・・・あ、あいつは知らないヤツなんだよな!?」

「はぁ?」

「な、なんだか・・・知ってるヤツに感じるんだよ・・・」

「何言って・・・」


心理「・・・」




102 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:22:55.41pEZi4Eac0 (31/54)

パンパン、と乾いた音が鳴る

彼女の能力は心理定規

他人との感情的な距離を操れるのだ

スキルアウトの一人に能力を使用した

一人が立ち止まればたちまち隊列は崩れてしまう

統率の取れすぎた軍隊は、隊列を常に保たないと落ち着けないと言う

心理「ふーん・・・順調順調」

ゴーグル男が決して邪魔だったわけではない

だが二人が一緒にいれば全員を相手にしなければならないのだ

二手に別れればそれだけ敵は減る

心理(・・・面白いわね)

心理定規がクスクスと笑う




103 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:23:38.44pEZi4Eac0 (32/54)

「くそ・・・こっちはやられた!」

「ははは!面白いじゃねぇかよ!」

「おい落ち着け!あんま銃を振り回すな!」

心理「・・・」

心理(・・・敵は残り3人だけ)

もう少しでこちらの殲滅は終わる

心理(・・・さて、どうしましょうか・・・)

「いたいたぁ!」

心理「!?」

「お前はどこのスキルアウト・・・じゃねぇよな!能力使ってるみたいだもんなぁ!?」

スキルアウトの一人が拳銃を振り回してくる

心理「ちっ!」

もはや拳銃としては扱っていない




104 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:24:17.55pEZi4Eac0 (33/54)

心理「野蛮な男は嫌いよ!」

心理定規も拳銃で応戦しようとする

だが、それは男の振り回した拳銃に当たって弾き飛ばされてしまう

心理「しまっ・・・」

「ははは!よく見たら可愛い野郎じゃねぇかよ!」

心理(仕方ない・・・能力を・・・)

「あぁ!?なんかおかしな感じだねぇ、おーかーしーなー!感じだ!」

心理(・・・能力は効いてる)

「お前は俺の友達か!?はっは!傑作じゃねぇか、わざわざ裏切ったとはなぁ!」

心理(!こいつ狂っ・・・)

「死ねクソアマぁ!」

男が心理定規に向けて拳銃を撃つ

とは言ってもイカれた人間の銃撃だ




105 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:25:04.11pEZi4Eac0 (34/54)

まともに狙いなど定めていない

無駄撃ちというヤツだ

心理「・・・危ないわね」

「ははは!何も出来ないのか!?あぁ!?」

心理「言っておきなさい」

心理定規が扉の影に隠れる

心理(・・・ふん、あのバカは面倒ね・・・能力は効かない、拳銃も・・・落としたか)

一応代わりの拳銃は持っている

だがレディース用の拳銃なため、大した威力はない

心理(はぁ・・・どうしましょうか)

心理(・・・この拳銃だったら至近距離じゃなきゃ・・・)

「ざぁんねぇん!」

心理「!?」




106 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:25:43.24pEZi4Eac0 (35/54)

ガツン!という音と共に背中に衝撃が走った

心理「がはっ・・・」

撃たれた衝撃ではない

殴られたのだ

心理「ちっ・・・」

男の眉間に向けて弾き金を引く

がくん、とその頭がのけぞった

生死の確認は必要ない

するほどの余裕もなかった

背中に凄まじい痛みが走っていた

男が握っていたのは鉄パイプだ

それで思い切り殴られたらしい




107 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:26:50.61pEZi4Eac0 (36/54)

心理「最低・・・ね・・・」

痛みで意識が朦朧としてしまう

心理「・・・垣根は上手くしてるのかしら・・・」

気になったのは、ゴーグル男ではなかった


ゴーグル「いてて・・・なんでこうも弱いヤツに限って抵抗するんすかね」

ゴーグル男は手をフラフラと振り回していた

ちなみにすでに殲滅は終了させていた

周りには物言わなくなったスキルアウトの少年達が転がっていた

ゴーグル「心理定規さんは上手くやってますかね・・・」

心理「あら・・・終わらせみたいね」

ゴーグル「・・・?どうかしたんすか?」

心理「・・・ちょっとね」

ゴーグル「・・・いえ、ですが・・・」




108 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:27:42.32pEZi4Eac0 (37/54)

心理「・・・いいのよ、帰りましょう」

心理定規がくるりと向きを変える

ゴーグル「・・・ですが」

心理「いいから・・・帰りましょう」

ゴーグル「・・・はい」

心理定規の後をゴーグル男が追いかける

なぜか彼女は少し顔をしかめていた


ゴーグル「ってことです」

フレンダ「は?何それ?」

ゴーグル「いや・・・つまり垣根さんがそのあと傷薬を持って心理定規さんを手当てしたんですよ」

フレンダ「・・・ア、アンタ・・・心理定規を諦めたの?」

ゴーグル「・・・そりゃ諦めますよ・・・フラれた瞬間を見てたでしょ?」




109 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:28:14.68pEZi4Eac0 (38/54)

フレンダ「・・・でも」

ゴーグル「はぁ・・・怪我をわざわざ治されて、優しくされて・・・勝ち目なんてないっすよ」

フレンダ「かわいそう」

ゴーグル「失恋が辛いというよりも、失ったあとの周りからの同情が辛いんすよ」

ゴーグル男がため息をつく

フレンダ「・・・ねぇ、今は・・・私と心理定規、どっちが好きな訳よ」

ゴーグル「はい?なんでそんなこと聞くんすか」

フレンダ「き、気になったから!そりゃ友達としてだからね!」

ゴーグル「それなら・・・フレンダさん・・・でしょうかね」

フレンダ「!ホ、ホント!?それホント!?」

ゴーグル「ホントですよ」

フレンダ「・・・な、なんで?」




110 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:28:47.59pEZi4Eac0 (39/54)

ゴーグル「・・・心理定規さんはたしかに素敵ですけど近づけませんでしたから」

フレンダ「・・・私には近づけてる?」

ゴーグル「かなり身近・・・っていうか朝は抱き着かれてましたからね」

フレンダ「そ、それは仕方ないの!」

ゴーグル「でもなんか狙ってやってるみたいじゃないっすか」

フレンダ「な、何が悲しくてアンタに・・・」

ゴーグル「まぁ・・・なんかあったりとか」

フレンダ「何があった訳よ・・・」

ゴーグル「劣情?」

フレンダ「これからぶん殴る訳よ」

ゴーグル「・・・あの、マジで振りかぶらないでください」

フレンダ「・・・まぁ私を一番大切だって言ってくれたから許してあげる」




111 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:32:30.64pEZi4Eac0 (40/54)

ゴーグル「誰も一番大切とは言ってないっすよ・・・」

フレンダ「そんな風に言わなくていい訳よ!っていうか否定しないで!」

ゴーグル「・・・否定したくなりますよ・・・そりゃ」

フレンダ「あぁもう!なんなの!」

ゴーグル「やめて!背中つねらないで!」

フレンダ「最低!!頭からトマトジュースが湧き出て死ね!!」

ゴーグル「なんすかそりゃ・・・いやぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

フレンダ「このクソバカァ!!!タバコの火が頭に燃え移って死ねぇ!!」

ゴーグル「あぁ背中が痛い痛いから!!!」

ゴーグル男が悲鳴を上げる

フレンダとの話の結末は、いつもこうだった


ゴーグル「不幸ってやつっすね・・・」

フレンダ「何よぉ!!」




112 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:41:24.31pEZi4Eac0 (41/54)


垣根「・・・もういくつ寝ると・・・お正月・・・」

心理「今はお正月の真っ只中よ・・・」

上条「・・・そろそろ11時か・・・」

美琴「そうね・・・空港に向かわないと」

垣根「なぁなぁ、俺はここで待ってちゃダメ?」

美琴「それでもいいんだけどさ・・・」

上条「でも美鈴さんや旅掛さんとしても出迎えはたくさんのほうが・・・」

美琴「そうそう・・・」

心理「・・・私は行くわよ・・・」

垣根「えー・・・なんで・・・」

心理「美琴のお母さん達なのよ?面白い人たちじゃない」

垣根「・・・そうだなぁ・・・」





113 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 11:48:18.73pEZi4Eac0 (42/54)

上条「悪いな・・・」

垣根「よーし!!おっぱいのためだ!!おっぱいおっぱい!!!」

美琴「な、なんか垣根がテンションを上げ始めた・・・」

心理「じゃ、行きましょうか・・・」

心理定規が立ち上がる

心理「バスはもうすぐよ・・・急ぎましょう」

上条「おう!」

四人がバス停へと向かった


バスの揺れというのは、眠気を誘う

そんなわけで、心理定規と垣根はおねむなのだ

垣根「羊が飛んでるぜ・・・」

心理「綺麗だわ・・・空・・・」

垣根「・・・それは死亡フラグだ・・・」

上条(大丈夫かこの二人?)





114 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 12:00:27.53pEZi4Eac0 (43/54)

垣根「おっぱいっていい響きだな」

心理「・・・そうね」

上条「あの・・・寝てもいいだろ?空港までは30分あるし」

心理「そうね・・・」

心理定規が座席に体を預ける

垣根「じゃ・・・いい夢・・・」


「えー、みなさま!!右手に見えますのが学び舎の園でございます!!」

垣根「・・・あぁ?」

「学び舎の園には入ることは出来ませんが、あそこにはさまざまな有力校が・・・」

心理「・・・バスガイドなんてめずらしいわね」

垣根「そうだな」

上条「・・・そういえば、美琴って最近は寮に帰ってるのか?」





115 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 12:10:44.58pEZi4Eac0 (44/54)

美琴「ううん、最近は・・・」

垣根「はぁ?ちゃんと帰れよ」

心理「そうよ、寮の決まりは守りなさいな」

美琴「だ、だって・・・」

垣根「どうせ夜中に上条とバンバンやりたいんだろ・・・」

美琴「そ、それだけじゃないわよ!!」

上条「まぁ・・・でも寮には帰らないと・・・」

垣根「あー、寮で思い出した・・・」

上条「?なんだよ」

垣根「三学期始まったら、てめぇの学校に体験入学するからな」

上条「はぁ!?」

心理「安心しなさい、ただのお遊びだから」

上条「待ってくれよ!!おかしいだろそれ!!」




116 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 12:17:09.94pEZi4Eac0 (45/54)

心理「・・・落ち着いて・・・ていうか大声出さないで・・・」

美琴「で、でも・・・垣根がまたなんで?」

垣根「ヒマだからな・・・」

上条「そんな理由で俺の平和をぶち壊すのか!!信じられない!!!」

垣根「うるせぇバスガイドがなんかてめぇをうざったそうな顔で凝視してるぞ」

上条「悪かったな!」

垣根「・・・俺もこれから学生だぜ・・・おやすみ・・・」

美琴「・・・はぁ、垣根は勝手ね・・・」

心理「それが彼の魅力よ・・・やりたいことはやり通す」

上条「そんなもんかな・・・」

心理「じゃ、私も仮眠を取るから」

上条「おやすみなさい」

心理「寝顔は見てもいいけど、写真をばら撒くのはやめてね」

美琴「何よそれ・・・」





117VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2011/10/09(日) 12:18:58.97sCmEp/QAO (1/1)

心理タソの寝顔の写真なら買いますよ


118 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 12:34:14.05pEZi4Eac0 (46/54)

>>117 垣根がそっちに向かった


心理「・・・」zzz

垣根「・・・そげぶ・・・」

上条「スヤスヤ寝てるな・・・」

美琴「なんかイタズラしたくなっちゃうわよね」

上条「イタズラ?」

美琴「こっそり写真撮りましょうよ」

美琴がおなじみの、カエル携帯を取り出す

上条「おいおい・・・」

美琴「ふふん・・・スクープスクープ♪」

美琴が携帯を構えた

そのとき

ガシリ、と心理定規の腕が美琴の腕を掴んだ





119 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 12:39:13.30pEZi4Eac0 (47/54)

美琴「ひっ・・・!?」

心理「写真はダメって・・・言わなかった?」

美琴「ご、ごめんなさいごめんなさい!!!」

心理「・・・今度はダメよ・・・」

それだけ言って、心理定規は再び目を閉じる

美琴「当麻ぁ!」ウルウル

上条「よしよし・・・心理さんは怖いでちゅね・・・」

心理「何か言ったかしら?」

上条「あぁいやいや!!!」

心理「・・・はぁ、こんな状況で眠れる垣根がうらやましいわ・・・」

心理定規が薄目を開けて垣根を見る

垣根「・・・シャンパーニュの阿波踊り・・・」

心理「何を言ってるのよ・・・」

美琴(・・・阿波じゃない・・・)




120 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 12:42:42.96pEZi4Eac0 (48/54)

上条「はぁ・・・あと15分か」

心理「・・・そんな時間だけじゃ仮眠も取れないわね」

美琴「・・・心理定規、一つ聞いていい?」

心理「あら、何かしら」

美琴「心理定規って、天然なの?」

心理「どうして?」

美琴「だって靴下が裏返し」

心理「・・・」

心理定規が足元を見る

たしかに、ソックスが裏返しになっている

心理「・・・こ、これは・・・そうよ、ファッション・・・とか」

美琴「誤魔化せないわよ」

心理「・・・表も裏も同じデザイン・・・」

上条「心理さん、履き直してくれよ・・・」




121 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 12:45:51.49pEZi4Eac0 (49/54)

心理「恥ずかしいわね・・・」

心理定規がソックスを履き直す

美琴「大丈夫よ、誰だってあることだし」

上条「そうそう・・・でも心理さんってたしかに天然っぽいよな」

心理「そうかしら」

美琴「うん、だってたまに常識ないし」

心理「あなたには言われたくないわよ・・・」

美琴「・・・風邪ひいたときの心理定規は面白かったわね」

上条「あぁ、あったあった」

心理「・・・あれは頭がやられてたのよ・・・」

美琴「言い訳なんて出来ないわよ!」

心理「しーっ・・・大声は遠慮して」

心理定規が垣根を指差す




122 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 12:53:54.10pEZi4Eac0 (50/54)

垣根「・・・御坂のちっぱい・・・」

美琴「・・・ねぇ、殴っていい?」

心理「我慢して、寝言だから」

垣根「上条のヒモ・・・」

上条「・・・なぁ、起きてないよな?」

垣根「心理定規は・・・あれだ、うん・・・」

心理「な、何よ・・・」

垣根「・・・怖い」

心理「・・・」


心理「・・・ちょっとビンタしていいかしら?」

上条「落ち着いて」

美琴「そうよ、大人になりなさい」




123 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 13:03:42.87pEZi4Eac0 (51/54)

垣根「ん・・・おはよう」

心理「おはよう、そしてさようなら」

垣根「なに?なんか怒ってる?」

上条「垣根・・・お前は寝言で人を怒らせる能力者だ」

美琴「そうね・・・」

垣根「なに?怒ってんの?」

心理「怖いんでしょ?え?」

垣根「グレた」

上条「・・・ん、着いたぞ・・・」

上条が窓の外を見つめる

見覚えのある空港があった

上条(・・・そういえば、ここからイギリスに行ったり・・・振り回されまくった人生だったな・・・)




124 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 13:20:40.86pEZi4Eac0 (52/54)

美琴「?どうしたのよ」

上条「いろいろあった人生だなってさ・・・」

垣根「おいおい・・・そりゃ死ぬ前みたいじゃないか」

心理「過去を振り返るのは、残されてる人生よりも過ごした人生のほうが長くなった証拠なんですって」

上条「なに!?じゃあ俺はもう人生を半分以上終えてるの!?」

美琴「そんなことないわよ!!」

垣根「あーあー、骨は拾ってやる」

上条「イヤだから!!」

心理「上条君、死ぬ前に子供は作りなさいな」

上条「待って!?おかしいよね!?」

バスから降りた四人は、そんな話をしながら空港のロビーへ向かう

垣根「・・・遺伝子は大事だぜ」

上条「いきなりそれか!?」





125 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 13:31:17.92pEZi4Eac0 (53/54)

垣根「お、たしか・・・この便だったよな?」

心理「えっと・・・もうすぐ着くわね」

上条「そうだな・・・楽しみだ」

美琴「・・・はぁ、なんか緊張しちゃう」

上条「はは・・・ちょっと久しぶりなだけじゃないか」

垣根「ま、緊張するのは分かるな」

上条「だよな・・・」

四人が笑いあったとき、アナウンスが流れた

「○○便の到着は大気の不安定により、予定よりも1時間ほど遅れることになっております」

四人「・・・」


上条「・・・1時間、何しましょうか」

美琴「・・・不幸ね」






126 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/09(日) 13:32:37.37pEZi4Eac0 (54/54)

さて、これからバイトなのでここまで


美鈴と旅掛が大好きだ

あの夫婦はもうおかしいくらい好きだ


では行ってきます





127VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/09(日) 13:45:05.102St12V//0 (1/1)

面白いねぇ!続き気になるぜ!


128VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)2011/10/09(日) 17:56:22.56/XAvpI6O0 (1/1)

レッドブルのF1マシーンカッコいいよね


129VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/09(日) 18:02:38.00C9DxERI00 (1/1)

かなり今更なんだが
エツァリって今元の顔なの?
まだ海原だったらショチトルと一緒にいるところを絹旗にみられたら・・・



130VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/10/10(月) 09:58:05.65xWzvl/Ev0 (1/1)

元に戻ってるみたいな描写があったようななかったような
このシリーズだけで情報量多すぎて細かいとこまで覚えてられねぇ
エツァリだしな


131VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/10(月) 15:01:23.47Wz40KSNM0 (1/2)

うん、たぶんガチエツァリだと思うよ。。


132VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/10(月) 15:02:32.44Wz40KSNM0 (2/2)

うん、たぶんガチエツァリだと思うよ。。


133VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2011/10/10(月) 16:23:02.706qWBDKP6o (1/1)

>>131-132
大事なことなので(ry

海原顔じゃなくて元顔だよ


134 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 16:53:58.40hDeRyTG00 (1/61)

エツァリ、実は美琴に化けてます

ウソです

素顔に戻ってますよ


では続き

美琴「・・・1時間なんて簡単につぶせないわよね・・・」

上条「全く・・・垣根と心理さんは寝たらどうだ?」

心理「不特定多数に寝顔を見られたくはないわよ」

垣根「だよな・・・」

上条「でもさ・・・寝ないときついだろ?」

垣根「おっぱいを拝めば元気が出ます」

美琴「でもアンタって声フェチでしょ?」

垣根「声も好きなんだ」

心理「・・・なんなのそれは」

垣根「はぁ・・・しかし眠すぎる」

美琴「そんなに夜遅くまで歌ってたの?」

垣根「カラオケは時間を忘れるんだよな」




135 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 16:54:36.83hDeRyTG00 (2/61)

上条「まぁ分かるけどさ・・・」

美琴「・・・心理定規は垣根のストッパー役なのに」

上条「・・・そうそう」

心理「私だってはしゃぐときははしゃぐわよ」

垣根「実際昨日は熱唱してたしな」

心理「あら、悪かったかしら?」

垣根「いんや、可愛かったぜ」

心理「うれしいこと言ってくれるじゃない」

上条「はぁ・・・二人は仲良しだな」

心理「あなたたちも仲良しじゃない」

美琴「・・・垣根達はなんか夫婦みたいよね」

垣根「お前達は夫婦ってよりはカップルだからな」




136 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 16:55:17.91hDeRyTG00 (3/61)

上条「そっちのほうが似合ってるからさ」

垣根「まぁ・・・お前達はうらやましいけどな」

美琴「何度こんな話したかしらね」

垣根「そうだな」

心理「・・・ヒマね」

上条「適当になんか食べるか?」

美琴「そうね・・・空港って地味に美味しい料理店があるからね」

垣根「そうそう・・・スイーツもあるしな」

心理「はぁ・・・ヒマだから食べるっていうのはおばさんの考え方よ」

垣根「そうだけどさ、他にやることもないだろ?」

心理「・・・まぁいいわ、付き合ってあげる」

美琴「何食べたい?」




137 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 16:55:52.67hDeRyTG00 (4/61)

上条「うーん・・・昼飯だからラーメンとか」

垣根「まぁ、異議なし」

心理「いいわよ、あったまるし」

美琴「じゃあ行きましょう!」

空港の中にあるラーメン店に四人が入った



その頃、遥か空の上を飛んでる飛行機内では

美鈴「見て見てパパ!」

旅掛「どうした美鈴?」

美鈴「あんな下に雲が見える!」

旅掛「当たり前じゃないか!美鈴は可愛いなぁ!」

一組の夫婦が馬鹿みたいに騒いでいた

旅掛「美鈴、美琴に呼ばれるなんて初めてじゃないか?」




138 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 16:56:31.52hDeRyTG00 (5/61)

美鈴「うーん・・・そういえばそうかもね」

旅掛「嬉しくなるよな!」

美鈴「上条君にも会えるし・・・妹達にも会える!」

旅掛「ま、みんなに会うついでに買い物も出来るからな」

美鈴「学園都市の中はいろいろ面白い物が売ってるからね・・・」

旅掛「まぁ、フルに技術を使った電化製品なんかは買えないけどな」

美鈴「・・・たしか学園都市の中の技術を外に漏らさないためだっけ?」

旅掛「細かいことなんか考えないようにしようぜ」

美鈴「うん、せっかく久しぶりのデートだもんね!」

旅掛「ははは!そういや初めて二人で飛行機に乗ったのは修学旅行の時だったな!」

美鈴「えー・・・二人だったけどあれはクラスメイトもいたじゃない」

旅掛「・・・あの夜は楽しかったな・・・美鈴の部屋に忍び込んで・・・」




139 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 16:57:16.73hDeRyTG00 (6/61)

美鈴「あー、思い出した!パパったらあの時私の着替え覗いたんだよね!?」

旅掛「あ、あったあった・・・」

美鈴「あの時のパパは情けなかったな・・・誰でもいいから着替えを覗きたかった、なんて」

旅掛「いやいや、お前の着替えを見たかったんだ!」

美鈴「パパのエッチー!」

美鈴が肘で旅掛を小突く

旅掛「ははは!いやぁ、意外と覚えてるなぁ!」

美鈴「たしか修学旅行の三日目の遊園地では二人で勝手に行動したっけ?」

旅掛「したした、斎藤先生がなんかうるさかったな」

美鈴「そりゃ勝手に行動したんだから!」

ケラケラ、と美鈴が笑う

旅掛「・・・美鈴、あの観覧車で見た町並みは綺麗だったな・・・」




140 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 16:57:58.06hDeRyTG00 (7/61)


美鈴「あぁ・・・最高だったわね」

旅掛「あの時に俺が告白して・・・」

美鈴「えー、違うわよ!私が告白したんだって!」

旅掛「いんや!俺が告白した!」

美鈴「私!」

旅掛「・・・そういえば同時だった気もするな」

美鈴「二人で同時にだっけ?」

旅掛「・・・でもなんかこっ恥ずかしくてその時は付き合わなかったな」

美鈴「そうそう・・・なんでだろうね?」

旅掛「・・・多分気まずかったからじゃないか?」

美鈴「・・・幼なじみだったのが急に変わるのは・・・ね」

旅掛「・・・でも結局は付き合ったしな・・・」




141 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 16:59:11.61hDeRyTG00 (8/61)

美鈴「・・・初めてパパを家に呼んだときはドキドキしたな」

旅掛「・・・ファーストキスもちゃんと覚えてるな」

美鈴「・・・緊張したわよね」

旅掛「いやぁ!でもそれからはすんなり進んだな!」

美鈴「そうそう!」

旅掛「美鈴が美琴を妊娠してるって知った時は嬉しかったな」

美鈴「名前は楽器を入れようって言ったんだよね」

旅掛「綺麗な音色を奏でる琴!って選んだんだっけな」

美鈴「あと尊にも掛かってたわよね」

旅掛「男の子だとしても大丈夫な名前だしな!」

美鈴「そう?男の子にはきついんじゃないかな」

旅掛「いいじゃないか、なんならこれから・・・」




142 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 16:59:47.95hDeRyTG00 (9/61)

美鈴「もう!パパのエッチ!」

旅掛「ははは!そろそろ美琴も妹か弟が欲しいだろうからな!」

美鈴「そんなこと、美琴ちゃんは言わないわよ」

旅掛「美琴は謙虚だからな!」

美鈴「あ、でも私達に次の子供が出来るのと美琴ちゃんと上条君に子供が出来るのと、どっちが早いかしらね」

旅掛「ゆ、許さないからな!」

美鈴「でも上条君はああ見えて中々積極的だからなぁ・・・」

旅掛「まだダメだ!美琴はせめて・・・そう、18までは待ってほしいもんだ!」

美鈴「そんな要望なんて聞いてはもらえないわよ」

旅掛「よし!なら今日直接頼んでみるか!」

美鈴「ちょっと、やめなさいよ」

旅掛「ならば美鈴!先に俺達が子供を作るか!?」




143 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:00:48.71hDeRyTG00 (10/61)

美鈴「もー、パパったらそんな大声でそんなことを言わないでよ」

旅掛「よし!今日は楽しくなるぞ!」

美鈴「でも泊まるのは垣根君の家みたいなのよ?」

旅掛「!?そうなのか!?」

美鈴「うん、まぁ垣根君も面白い子だからいいんじゃない?」

旅掛「くーっ!まぁ部屋とベッドがあれば!」

美鈴「パパ、あんまり垣根君達の前でそんなこと言わないでよね?」

旅掛「・・・分かってるさ」

旅掛がため息をつく

まだ空港までは30分近く掛かるらしかった

旅掛「あぁ!早く美琴に会いたいな!!」

美鈴「うん!!」






144 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:02:01.42hDeRyTG00 (11/61)

美琴「えっと・・・私は味噌ラーメンで」

上条「俺は醤油ラーメン」

垣根「俺は豚骨醤油ね」

心理「塩ラーメンでお願い」

空港のラーメン店の中で四人はくつろいでいた

周りの客がチラチラと四人を見ている

それもそうだろう

四人はかなり有名な存在だ

正確にはそのうちの三人が、だが

超能力者の垣根と美琴

そして色々なところでフラグを建てたり不幸に巻き込まれたりすることで有名な上条

心理「はぁ・・・私は有名じゃなくてよかったわ」




145 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:02:49.28hDeRyTG00 (12/61)

美琴「なんで?」

心理「街で擦れ違う人に注目されるなんてイヤだもの」

上条「別に俺は有名じゃないんだけどな・・・」

垣根「いや、かなり有名だぜ」

美琴「・・・そう考えたら心理定規は身軽でいいわよね」

心理「どこに出かけても注目はされないもの」

上条「いや・・・心理さんなら他の意味で注目されそうじゃないか?」

心理「どういう意味よ?」

上条「・・・綺麗だからさ」

美琴「そうね・・・すれ違ったら振り返って見直されたりしない?」

心理「さぁ?私は振り返らないから分からないわよ」

垣根「御坂だって見た目は可愛いじゃねぇか」




146 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:03:28.64hDeRyTG00 (13/61)

美琴「見た目は・・・ね」

美琴が顔を引き攣らせる

垣根「中身はもう怖くてやってられねぇよ」

上条「そんなことないって・・・そりゃ普段はちょっとツンツンしてるけどさ」

美琴「そうよそうよ!ずっとツンツンしてるわけじゃないんだから!」

垣根「ふーん」

テーブルに備え付けられている漬け物を食べながら垣根が頷く

心理「・・・私ももらっていいかしら」

垣根「はいはい」

心理「これって醤油を付けて食べると美味しいわよね」

垣根「七味唐辛子付けるに限るだろ」

心理「そう?」




147 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:04:39.66hDeRyTG00 (14/61)

美琴「・・・なんか心理定規がそういう庶民的な話をしてるのが不思議よね」

上条「もしかしてさ、心理さんって良いとこの娘さんだったりする?」

心理「普通の血筋よ、大体家族なんてないから」

心理定規がため息をつく

心理「大体ね、私よりも美琴のほうがお嬢様じゃないかしら」

上条「でもさ・・・美琴はお嬢様って感じがしないだろ?いい意味でさ」

心理「・・・私は普通に振る舞ってるつもりなんだけど」

美琴「まぁまぁ・・・女らしいって意味で褒めてるのよ」

心理「あら、そうなの?」

垣根「常にフェロモンを振り撒くなんて馬鹿がやることだけどな」

心理「何よ、私はあなた以外にフェロモンを撒くつもりはないんだけど」

垣根「お前はいっつも誰かにちょっかい出すじゃんか」




148 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:05:45.22hDeRyTG00 (15/61)

美琴「それがまた魔性の女って感じなのよね」

上条「・・・心理さんのいたずらはマジにしちまう時があるからな」

心理「演技派かしら、私?」

垣根「そういうことを言ってんじゃ・・・っと、来た来た」

四人のもとにラーメンが運ばれて来る

心理「・・・じゃあ、いただきます」

上条「いただきます・・・」

垣根「美味しいな」

美琴「ん、チャーシューも美味しい」

垣根「・・・スープがこれまたいいな」

上条「はぁ・・・体が温まるな」

美琴「・・・ラーメンってなんだか懐かしい感じがするわよね」




149 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:06:24.60hDeRyTG00 (16/61)

上条「懐かしい・・・か、分かるよ」

心理「・・・屋台でラーメンを食べるのが好きだったわね」

垣根「昔はよく行ったな」

美琴「ゴーグルも混ぜて?」

垣根「あぁそうそう、あいつはいっつもチャーシュー麺だったな」

心理「しかもチャーシューだけ先に全部食べるのよね」

美琴「残すんじゃなくて?変わってるわね」

垣根「あいつはどっか人とズレて・・・っと、今はそんな話じゃねぇな」

上条「なぁ・・・垣根」

垣根「なんだよ」

上条「美鈴さんと旅掛さん・・・よろしくな」

垣根「あぁ・・・まぁ飲ませないようにするさ」




150 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:07:01.78hDeRyTG00 (17/61)

垣根が苦笑する

心理「・・・はぁ、なんだか緊張しちゃうわ」

垣根「あの二人が家に来るってのは信じられないよな」

心理「・・・正直、ただの赤の他人なのにね」

美琴「ひどいこと言わないでよ・・・一応二人にとっても知り合いでしょ?」

上条「そうそう・・・まぁ頼んだ立場で言えるもんじゃないけどな」

垣根「・・・てかさ、一番何がイヤかって絶対あの二人惚気るだろ」

上条「そこはほら、親子似た者同士」

垣根「それが困るんだよ!こっちとしては別にあの夫婦の馴れ初めとか興味ないし!」

美琴「じゃあなんで泊めてくれるのよ?」

垣根「そりゃ・・・あれだ」

心理「私達だって親の温もりってものを感じたいのよ」

上条「あ・・・」




151 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:07:37.89hDeRyTG00 (18/61)

心理「例えそれが本当の親じゃなくても・・・あなたたちの親なら、きっと素敵な人だから」

心理定規がチャーシューを頬張る

心理「あら、美味しいじゃない」

垣根「お口の中でとろけます、ってやつだよな」

心理「そうね」

美琴「・・・二人は親の顔とか覚えてないの?」

垣根「覚えてない、ってよりは忘れた、が正しいかな」

心理「覚えていたい過去ではないもの」

上条「でも・・・やっぱり恋しくなったりしないか?」

垣根「まともな親だったらな、でも俺達は愛された覚えもない」

心理「・・・必要ないわよ、冷たい親なんて」

美琴「・・・あのさ、お父さんとお母さんに甘えたかったら・・・甘えていいからね?」




152 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:08:56.74hDeRyTG00 (19/61)

垣根「はいはい、分かってるさ」

心理「でもやっぱり遠慮しちゃうわよ」

美琴「・・・でも、アンタ達にも知っていてもらいたいのよ」

心理「何を?」

美琴「親の温もりを・・・いつか二人も親になるはずだから」

垣根「俺達は親になったら、絶対子供を愛するって決めてんだぜ」

上条「いいじゃないか、しっかりした考えがあるなんて」

心理「私達の知らないことだからこそ、子供には知っていてほしいのよ」

美琴「私も・・・当麻との子供ならかなり溺愛するかも」

上条「俺だって毎日美琴と三人で風呂入るさ!」

美琴「お、お風呂・・・」

垣根「顔を赤くするな、ムカつくから」




153 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:11:14.68hDeRyTG00 (20/61)

心理「・・・子供の前で始めたりしないようにね」

上条「それくらいの分別はさすがにあるから・・・」

垣根「さて・・・食い終わったし、出ようか」

美琴「到着まで・・・あと15分ね」

垣根「そろそろロビーに戻るか」

上条「そうしときますか」

四人がラーメン店から出て、ロビーに戻る

便も予定通りに到着するようだった


美鈴「着陸の瞬間ってドキドキするよね!!」

旅掛「そうだな・・・でも俺は慣れてるから」

美鈴「パパのいけずー」

旅掛「はは!!でも美鈴と乗れたのは嬉しいぞ!」

美鈴「いやぁ、それほどでも!」





154 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:17:06.53hDeRyTG00 (21/61)

旅掛「お!着陸するぞ!」

美鈴「にゃっほい!!」

飛行機がゆっくりと滑走路に着陸する

長かった空の旅も、やっと終わりを迎えたのだ

美鈴「あー・・・長いようで短かった空の旅!」

旅掛「美鈴と乗れてよかったな・・・いっつもこんなだったら楽しいのに!」

美鈴「パパ、そんなこと言われてもどうしようもないよ」

旅掛「そこは冷たくツッコむの!?」

そんな若いカップルのようなやり取りをしながら、二人が空港のロビーへと向かう

外からの来客はあまりない

どちかといえば、物資の運搬やら中から外へと出かけた研究者達の帰宅が主だ

そのため、中の人間でない二人は少々不思議そうな目で見られる

旅掛「おー、大覇星祭以来だな」





155 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 17:25:10.44hDeRyTG00 (22/61)

美鈴「えっと・・・美琴ちゃんたちはどこかな?」

美鈴が辺りを見回す

しかし、美琴たちの姿は見えない

美鈴「ま、まさかお出迎えなし!?」

旅掛「どっかで買い物でもしてるんだろ」

美鈴「そうかな・・・」

旅掛「・・・ん?あれ、垣根君じゃないか」

美鈴「え、どこどこ?」

旅掛が指差す先には垣根がいた

ちょこん、と椅子に座っている


垣根(・・・みんながソフトクリームを食べると向こうに行って早5分)

垣根(・・・なんで俺はお留守番?っていうかもう飛行機着いてる時間だぞ・・・)





156 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 19:43:17.63hDeRyTG00 (23/61)

旅掛「おっす、垣根君じゃないか」

垣根「ん?あ、あぁ!!お久しぶりです・・・」

美鈴「やだなぁ、そんなよそよそしくしないでよー」

垣根「いや・・・久しぶりだから」

美鈴「あっはは!!まぁたしかに緊張するかもね!」

垣根(胸でけぇな・・・)

旅掛「それにしても、美琴たちは?君がいるなら来てない訳じゃないだろうけど」

垣根(・・・笑うたびにプルンプルン揺れてるよおい)

旅掛「おーい、垣根君」

垣根「ん?あぁ、今ソフトクリーム買いに行ってますよ」

美鈴「うっわ・・・親よりもソフトクリームのほうがいいわけか・・・」

垣根「どっちも乳が気になるんだな・・・」

美鈴「?なんか言った?」

垣根「いや、なんでも」





157 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 19:46:13.00hDeRyTG00 (24/61)

旅掛「・・・これで君もいなかったらホント涙目だったな」

垣根「それはそれで面白いけど」

旅掛「面白くないぞ」

垣根「・・・あ、帰ってきた」


美琴「当麻、なんで抹茶ソフトクリーム?」

上条「たまには大人な感じがいいんだよ」フフン

心理「抹茶で大人になれるのね」

上条「う・・・心理さんは普通のバニラだな」

心理「甘いものが好きだもの」

美琴「えー、チョコがいいわよ」

心理「チョコよりも素材の味を楽しめるバニラがいいわよ」

上条「いやいや、日本人ならお茶でしょう」


垣根(・・・何言ってんだあいつら)




158 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 19:48:22.15hDeRyTG00 (25/61)

旅掛「おーい、美琴!上条君!」

美琴「ん?なんだ、もう着いてたの」

美鈴「やっほー!久しぶりだね美琴ちゃん!」

美琴「・・・相変わらず元気そうね」

上条「どうも・・・」

旅掛「二人とも元気そうで安心したよ」

心理(私は?)

垣根(まずは親子の再会だろ)

心理(・・・ねぇねぇ、私は元気じゃダメなの?)

垣根(聞けよ)

美鈴「心理定規ちゃんだっけ?相変わらず色白ね」

心理「それは・・・褒めてるの?」

美鈴「女としてうらやましいわよ!!」




159 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 19:51:29.19hDeRyTG00 (26/61)

心理「あら・・・私としては胸のでかい美鈴さんのほうがうらやましいけど」

心理定規が美鈴の胸元を見つめる

もう服の上から分かるなんてレベルではない

吹寄やらオルソラやら、巨乳は何人か見てきた

しかし美鈴ほどの巨乳は他にはいないだろう

せいぜい、黄泉川が並ぶほどか

垣根「・・・それ、肩凝らないの?」

美鈴「凝るわよ・・・おかげで肩こりには慣れてるけど」

美琴「・・・」

美鈴「あ、なになに!?美琴ちゃんったら上条君のために大きくなりたい感じ!?」

美琴「ち、違うわよ!」

旅掛「美琴ぉ!!!中学生でそういうのは早いんじゃないかな!?」

垣根「現実を見ようぜ御坂父」

旅掛「なにぃ!?」




160 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 19:55:15.81hDeRyTG00 (27/61)

美琴「・・・とりあえず、垣根の家に向かいましょうよ」

垣根「そうそう、もう他のヤツらには連絡したし」

美鈴「おー、手際がいいね」

旅掛「テクパトル君は元気か?」

上条「元気ですよ」

美琴「就職も決まったのよ」

美鈴「へぇ・・・これは結婚一番乗りかな」

旅掛「まだ許さんからなぁ!!」

上条(・・・親バカすぎるだろ)

垣根「・・・結婚ねぇ」

心理「・・・就職したら、それは安心でしょうね」

美鈴「いやぁ、息子が一人増えちゃうね」

上条「もう結婚は決まってるのか・・・」




161 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 19:58:50.77hDeRyTG00 (28/61)

旅掛「じゃあ、行こうか」

垣根「言っとくけど、うるさくしたら追い出すからな」

美鈴「えー、私もぉ?」

垣根「巨乳は許す」

旅掛「てめぇ!!美鈴に色目使うとはいい度胸だ!!!」

垣根「巨乳はなぁ!!正義なんだよ!!」

旅掛「何ぃ!?」

垣根「あぁ!?」

美鈴「ねぇねぇ、上条君はなんで抹茶なの?」

上条「あ、それを聞くんですか」

美琴「美味しい?」

上条「あぁ、美味しいぞ」

心理「バニラがいいの」




162 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 20:03:22.39hDeRyTG00 (29/61)

旅掛「さーて、バスバス・・・」

上条「またバスか・・・」

美琴「いいじゃない、安いんだから」

上条「おぉ!!美琴の口から安さを気にする一言が!!」

垣根「所帯じみたな」

美琴「な、なによ」

垣根「いや、まるで主婦だ」

旅掛「主婦ぅ!?」

美鈴「パパ、落ち着いて」

旅掛「上条君!!まさか同棲してるとか言わないよな!?」

上条「いまさら!?」

旅掛「やっぱりしてるんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」




163 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 20:11:09.15hDeRyTG00 (30/61)

上条「はぁ・・・そんなに驚くことかな」

旅掛「当たり前だろ!?驚くよ俺は!?」

上条「あぁもう!!美鈴さんとアンタがしてるようなことは一通りしてますよ!!」

旅掛「な、なんてマニアックな!!」

上条「何してんだアンタらはぁ!?」

旅掛「よぉし!!教育しなおしてやる!!」

美琴「はぁ・・・ねぇお母さん」

美鈴「ん、なーに?」

美琴「・・・なんでこんな人と結婚したの?」

旅掛「こ、こんな人!?」

心理「あら、ダンディで素敵じゃない」

旅掛「だよなぁ!?」

心理「まぁ、ちょっと子供っぽいけどそこもいいと思うわ」

旅掛「君は分かってる!」




164 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 20:50:14.92hDeRyTG00 (31/61)

垣根「・・・ほら、バスが着いたぞ」

垣根が顎でバスを指す

美鈴「うーん!学園都市のバスって自動制御だっけ?」

垣根「そうそう、人間よりも安全なんだとよ」

美琴「たまに怖いけどね」

上条「急な事故に対応できるのか・・・とかな」

心理「出来るんじゃないの?じゃなきゃやらないわよ」

垣根「当たり前だろ、まぁ事故なんて起きないさ」

上条「俺は不幸なんだよ・・・」

垣根「知るか、ご愁傷様」

上条「殺すな!」

旅掛「でも外装は普通なんだよな」

心理「あら、見た目だけを磨くなんて愚の骨頂よ?」

旅掛「・・・難しい言葉だな」




165 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:01:07.85hDeRyTG00 (32/61)

垣根「・・・ほら、バスが着いたぞ」

垣根が顎でバスを指す

美鈴「うーん!学園都市のバスって自動制御だっけ?」

垣根「そうそう、人間よりも安全なんだとよ」

美琴「たまに怖いけどね」

上条「急な事故に対応できるのか・・・とかな」

心理「出来るんじゃないの?じゃなきゃやらないわよ」

垣根「当たり前だろ、まぁ事故なんて起きないさ」

上条「俺は不幸なんだよ・・・」

垣根「知るか、ご愁傷様」

上条「殺すな!」

旅掛「でも外装は普通なんだよな」

心理「あら、見た目だけを磨くなんて愚の骨頂よ?」

旅掛「・・・難しい言葉だな」




166 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:02:15.90hDeRyTG00 (33/61)

上条「・・・バスは運転手との会話とかが楽しいのにな」

美琴「修学旅行とかじゃヒマな時に話し込んだりするわね」

垣根「へぇ、そうなのか」

心理「楽しそうね」

旅掛「二人は修学旅行には行ってないのか」

垣根「色々とあって」

美鈴「ふーん」

心理「あら、深く追求してこないのね」

旅掛「そりゃな」

美鈴「別に深く聞くことでもないもん」

心理「・・・そうね」

旅掛(・・・学園都市には色々あるからな)

美鈴(インフルエンザか)




167 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:02:42.98hDeRyTG00 (34/61)

垣根「さーて・・・さっさと帰るか」

垣根が先頭になってバスに乗り込む

垣根「あ、俺美鈴さんの隣な」

美鈴「なになに?私が好きなの?」

垣根「巨乳、大好きっす」

美琴「垣根・・・心理定規が怒るわよ」

心理「じゃあ私は上条君の隣でいいわ」

上条「え!?ちょっと待って・・・」

心理「いいじゃない、美琴はお父さんの隣にいけば」

美琴「な、なんで・・・」

旅掛「カモーン美琴!久々の親子水入らずの時間だ!」

美琴「暑苦しい!」




168 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:03:10.77hDeRyTG00 (35/61)

心理「あら、うらやましい」

美琴「どこが!?」

上条「・・・心理さん、からかってるだろ」

美鈴「ねぇねぇ垣根君、垣根君は巨乳好きなの?」

垣根「そりゃもう、巨乳はいいもんだぜ」

心理「あなた声フェチじゃない」

垣根「胸が嫌いなヤツは男であっても漢じゃねぇ」

上条「なんだよそりゃ」

旅掛「美鈴!垣根君に触られないようにな!」

垣根「美鈴さーん」

垣根が美鈴の胸元に顔をうずめる

美鈴「おー、よしよし」




169 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:03:38.55hDeRyTG00 (36/61)

旅掛「てめぇぇぇぇぇ!」

心理「・・・垣根、辞めなさい」

垣根「えー、ムニムニして気持ちいいぜ?」

心理「・・・旅掛さんも怒ってるじゃない」

旅掛「そうだそうだ!心理定規ちゃんの胸に顔うずめるぞ!」

心理「それは間違ってるわ」

上条「はぁ・・・なんだよこのやり取り」

美琴「ため息が出るわ・・・」

上条「・・・美琴、今は我慢してくれないか?」

美琴「分かったわよ・・・」

旅掛「美琴!パパの隣に座って・・・」

美琴「あぁもう!パパとか言わないでよ!」




170 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:04:07.35hDeRyTG00 (37/61)


垣根「美鈴さん、揉ませてくれ」

美鈴「ダメダメ、パパが怒っちゃうじゃない」

垣根「えー」

心理「垣根」

垣根「いやいや、冗談だから」

心理「今度そんな冗談言ったら座席蹴るわよ」

垣根「なんだよその嫌がらせ・・・」

美琴「はぁ・・・ん?なんかお父さん香水の匂いが・・・」

旅掛「そ、そりゃ香水つけてるから・・・」

上条「もしかして加齢臭気にしてるんですか?」

上条の問いに、旅掛が一瞬怯む

旅掛「ち、違う違う!なんで俺がそんな・・・」




171 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:05:00.64hDeRyTG00 (38/61)

上条「だってそろそろそんな年齢でしょ」

美琴「そうなの?」

心理「あら、それはちょっと困るわね」

垣根「大人になるってイヤだな」

美鈴「パパ、仕方ないよ」

旅掛「違うんだって!」

垣根「朝布団から起き上がった時に変な臭いに気づいたり」

旅掛「あるある」

上条「加齢臭そのものじゃねぇか!」

美琴「お父さん・・・」

心理「仕方ないわよ旅掛さん、それを香水で紛らわすだけマシよ」

旅掛「うぅ・・・心理定規ちゃんは将来いい女になるぜ・・・」




172 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:05:42.16hDeRyTG00 (39/61)

垣根「現在進行形でいい女だろ?」

旅掛「おっと、そうだったな」

美鈴「えー、私より?」

旅掛「まさか!」

垣根「・・・心理定規のほうがいい女だろ」

旅掛「なにぃ!?」

垣根「はっはぁ!美鈴さんもいいがな!」

旅掛「貴様ぁ!」

上条「・・・はぁ、どっちも素敵な女性ですよ」

美琴「何よ!私は!?」

上条「あぁもう!ややこしくなるから待ってくれよ!」

美琴「ややこしいって何よ!?」




173 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:06:13.68hDeRyTG00 (40/61)

垣根「・・・よーし、じゃあ誰が一番いい女か決め・・・」

垣根がそこまで言って言葉を止める

上条「?どした垣根・・・」

垣根「・・・御坂、このバスの制御システムって・・・ハッキング出来るか?」

美琴「?出来るけどなんで?」

垣根「これってさ、俺の家の方面に向かうバスだったよな?」

旅掛「あぁ、それは間違いないはずだ」

垣根「全く逆方面に走ってるんだけど」

美鈴「え?」

垣根の言葉を聞いて、全員が外を見つめる

全くの逆方面

いや、それどころか

上条「な、なんか段々と道から逸れてきてないか!?」




174 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:06:50.59hDeRyTG00 (41/61)

大きな道を走るはずなのに、少しずつ狭い道へ向かっている

建物の間を抜けるかのように

上条「お、おい!トラブルじゃないか!?」

美鈴「ウソ!?」

美琴「待ってて!今ハッキングする・・・」

美琴が電磁波を放つ

美琴「!まずい!」

上条「な、なんだよ!?」

美琴「セキュリティだけは壊れてないのよ・・・ちょっと時間掛かっちゃう・・・」

心理「あら、でも時間なんて掛けられないわよ」

心理定規が外を見ながら呟く

心理「前方にビルがあるんだけど」

一同「はぁ!?」





175 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:09:30.29hDeRyTG00 (42/61)

心理「あと3分もすればぶつかるわよ」

垣根「あーあ、めんどくせぇ」

旅掛「こんなところで死ぬのかおい!?」

上条「あぁもう!!やっぱ上条さんは不幸だ!!」

美琴「そんなことより!!さっさとどうにかしないと・・・」

美鈴「も、もっとすごいこと出来るでしょ美琴ちゃん!?」

美琴「あのねぇ!!ハッキングは難しいし、かといって適当に磁力で止めるにも衝撃が・・・」

垣根「おーおー、困ってるねぇ」

上条「そうだ!!垣根なら・・・」

垣根「美鈴さん、止められたらおっぱいを揉ませてくれ」

美鈴「えぇー!?」

旅掛「それは許さんからなぁ!!」

上条「垣根、冗談言ってる場合かよ!?」




176 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:11:29.74hDeRyTG00 (43/61)

垣根「ちっ・・・分かったよ」

垣根がシートベルトを外す

心理「あら、どうするの?」

垣根「・・・適当にどっか捕まっとけよ」

上条「な、なんで?」

垣根「念のため」

垣根が窓を開ける

垣根「いって・・・この窓狭くないか?」

体をくぐらせ、半分ほどバスの外に出る

上条「頼むぞ・・・」

垣根「はいはーい」

垣根が翼を広げる

垣根「美鈴さぁん!!!せめて顔をうずめさせてなぁ!!」

心理「さっさとしなさいな」




177 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:14:23.31hDeRyTG00 (44/61)

垣根「よぉし!やってやんよ!」

バスの側面に垣根が飛び降りる

普通なら衝撃で脚でも折ってしまうだろう

だが彼は未元物質を用いて衝撃を緩和している

垣根「・・・てかつくづく上条といると不幸になるな・・・」

バスの中にいる上条には聞こえないはずだろう

だがなぜか、顔をしかめているようだった

垣根「あ、走り去っていく・・・」

バスの速度はかなり速いようだ

垣根「へぇ、ホントに制御システムがいかれてんのな」

垣根もすぐさま、その後を追う

翼を広げて低空を飛ぶため、若干周りの建物に気をつけなければならない





178 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:17:58.26hDeRyTG00 (45/61)

垣根「・・・よーし」

少しして、バスの前面に回りこむ

垣根の速度がそれほど速かったのだろう

垣根「ははは!!速さが足りない!!!」

中にいる5人はなにやら叫んでいる

心理定規だけは呆れたような顔をしているが

垣根「くらえよ!!!」

垣根が翼の先端をバスの頭に突きつける

垣根「おうおう、こりゃ困るな」

あまり強く止めると、中にいる5人が怪我をする

ゆっくりと止めなければならないのだ

垣根(めんどくせぇな・・・)

よくよく考えれば、美琴に強制的に全ての電気を止めさせればよかったのではないか






179 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:20:56.59hDeRyTG00 (46/61)

垣根(・・・あぁ、それのほうがよかったかもな・・・)

電気の供給を断てばよかったのだ

垣根「ま、いまさらどうでもいいか」

出来る限りソフトな感じにして、バスを止める

垣根「・・・よし、出来たー」

完全にバスを止めて悠々と中へ戻る


上条「お、お疲れ様・・・」

垣根「美鈴さーん」モフッ

美鈴「もうもう、甘えん坊さんだね」

旅掛「こらぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

心理「・・・」

垣根「?なんでしかめっ面なんだよ」





180VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/10(月) 21:22:20.55WkW9JI+9o (1/1)

やっぱりていとくんも母親のぬくもりが恋しいんだね…
なんだか涙が出てきたよ…


181 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:23:32.21hDeRyTG00 (47/61)

心理「・・・思い切り頭ぶつけたんだけど」

美琴「え、大丈夫?」

垣根「おー、そりゃ悪かったな」

心理「・・・」

旅掛「大丈夫か?」

心理「・・・思い切りぶつけたのよ、垣根」

垣根「で?」

心理「・・・撫でて」

垣根「はいはーい」

垣根が心理定規の頭を撫でる

美鈴「うわぁ・・・下手な甘え方だね」

心理「いいでしょ」





182 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:25:32.85hDeRyTG00 (48/61)

垣根「・・・なぁ、そんなことより大事なことがあるぜ」

上条「ん?なんだよ」

垣根「こっからどうやって帰るんだ?」

美鈴「・・・」

旅掛「・・・ここどこ?」

美琴「わ、私は知らないわよ?多分20学区・・・かしら」

垣根「あぁ?20って結構遠いぜ?」

心理「・・・バスは壊れたわね」

美鈴「・・・通報するの?」

上条「そりゃそうだけど・・・」

垣根「・・・警備員にでも頼めばいいかな」

美琴「・・・警備員をタクシーには出来ないでしょ」




183 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:28:03.57hDeRyTG00 (49/61)

垣根「いんや、いい警備員がいるんだ」

上条「へぇ・・・誰?」

垣根「まぁまぁ、いいから」

垣根が携帯を取り出す

垣根「あー、こちら垣根ー・・・あ?誰かって?誰って垣根だってば」

垣根「違う違う、それはジョナサンだ」

上条(なんだこいつ)

垣根「えっとね・・・自動制御のバスがぶっ壊れたんだけど」

垣根「そうそう、ここは・・・たしか20学区みたいだぜ」

垣根「あ?止めたんだよ」

垣根「いや、だから垣根だけど」

垣根「違うって、それはジャクリーンだよ」

心理「早くしなさいよ」





184 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:31:22.31hDeRyTG00 (50/61)

垣根「黄泉川いるか?」

垣根「おー、代わってくれよ」

垣根「・・・おう、黄泉川か?一方通行は元気か?」

垣根「ちげぇ、それはジャガイモだ」

美鈴「・・・ねぇ、早くしようよ」

垣根「あぁ・・・でさ、事情は聞いたか?」

垣根「そうそう、それで帰れなくなったんだけど」

垣根「は?駆けつけるけど送るのは無理?」

垣根「・・・冷蔵庫の上から三段目、そのヨーグルトの下」

垣根「おぉ、引き受けてくれるか!!」

旅掛(何か隠してるんだな)

上条(・・・へそくりか?)

垣根「じゃ、至急頼むぜ」

垣根がそれだけ言って通話を切る




185 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:34:41.75hDeRyTG00 (51/61)

上条「どうだって?」

垣根「オーケーだったぜ」

美鈴「よかったー・・・タクシーはあれだもんね」

美琴「なんか遠慮しちゃうわよね」

心理「・・・さて、少し時間があるでしょうけど・・・どうする?」

旅掛「・・・とりあえず、ここから離れたらどうだ?」

上条「はい?なんで・・・」

旅掛「・・・ガソリン、漏れてるから」

一同「・・・」

旅掛「あぁ、あとなんか火花も散ってるけど」

旅掛がバスの中部を指差す

バチバチ、と火花が散っていた





186 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:38:26.01hDeRyTG00 (52/61)

上条「・・・あの、なんかイヤな予感がするんですけど」

旅掛「奇遇だな、俺も」

美鈴「・・・ね、ねぇ・・・」

美琴「・・・に、逃げましょうか・・・」


心理「みんな、早く来なさいよー」


垣根「てめぇ!!先に逃げやがって!!」

旅掛「い、急いで離れるぞ!!!」

5人がすぐさま駆け出す

少し離れて、バスのほうを振り返ったのと同時

ドガァン、とベタな音と共に爆発が起きた


一同「あぁ!!不幸だぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」




187 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:42:41.54hDeRyTG00 (53/61)


フレンダ「ん・・・ぁっ・・・」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「ん・・・気持ちいい・・・」

ゴーグル「・・・あの、マッサージでそんな声を出さないでください」

フレンダ「・・・だって気持ちいいんだもん」

ゴーグル「そうっすか?」

フレンダ「ゴーグル、上手な訳よ」

二人は、フレンダの部屋にいた

ゴーグル「・・・垣根さんとか心理定規さんにしてましたから」

フレンダ「・・・そうなの?」

ゴーグル「パシリでしたから」

フレンダ「か、かわいそう・・・」





188 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:45:41.80hDeRyTG00 (54/61)

ゴーグル「さて・・・肩はこんなもので」

フレンダ「ん、じゃあ脚も頼む訳よ」

ゴーグル「・・・あの、直接触っていいんすか?」

フレンダ「ん、いい訳よ」

ゴーグル(まぁ・・・風呂も一緒に入ったわけですし)

ゴーグル男がフレンダの脚に触れる

一瞬、スベスベとした肌触りにドキリとしてしまう

ゴーグル(・・・これはなかなかですけどね)

そんな汚い感情を抑え、普通にマッサージしていく

ゴーグル「うわ・・・」

フレンダ「な、何?」

ゴーグル「かなり張ってますね・・・」





189 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:48:34.40hDeRyTG00 (55/61)

フレンダ「そりゃそうな訳よ」

ゴーグル「・・・不健康っすね」

フレンダ「そんなこと・・・ちょ、ちょっと!!!」

ゴーグル「はい?」

フレンダ「なんで太ももに触る訳よ!?」

ゴーグル「いや、そこもマッサージ・・・」

フレンダ「こ、ここも!?」

フレンダが顔を赤くする

ゴーグル「はぁ・・・じゃあ、ここは飛ばして・・・」

フレンダ「あ・・・ううん、いいから続けて・・・」

ゴーグル「?はぁ・・・」

フレンダ「・・・そ、その代わり変なとこ触ったら殺すから!!!」

ゴーグル「分かってますよ」





190 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:51:39.10hDeRyTG00 (56/61)

フレンダ「ん・・・ちょっとこしょばゆい」

ゴーグル「我慢してくださいよ」

フレンダ「あっ・・・」

ゴーグル「・・・変な声出さないでくださいよ」

フレンダ「・・・し、仕方ない・・・あっ・・・」

ゴーグル「・・・」


ゴーグル「あの、張りすぎっすよ」

フレンダ「!?な、何が!?」

ゴーグル「?太ももが」

フレンダ「あ、あぁ・・・」

ゴーグル「何が張ってるのを想像したんですか・・・」

フレンダ「なんでもない訳よ!!!!」





191 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:55:25.38hDeRyTG00 (57/61)

ゴーグル「・・・フレンダさんってかなり引き締まった体してますよね」

フレンダ「そりゃ・・・まぁ運動はしてるから」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「な、なに?」

ゴーグル「あぁいや・・・なんか健康的っすね」

フレンダ「へ、変なことしないでよ?」

ゴーグル「?何をするんすか?」

フレンダ「な、なんでもない・・・」

ゴーグル「・・・さて、脚も終わりっすね・・・」

フレンダ「・・・こ、この流れはまさか前面も・・・」

ゴーグル「いや・・・そんな官能的な展開はないっすよ」

フレンダ「そ、それはよかった訳よ!!!」

ゴーグル(?なんかおかしなテンションっすね)

フレンダ(ドキドキした・・・)





192 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:56:24.61hDeRyTG00 (58/61)

ゴーグル「・・・フレンダさんってかなり引き締まった体してますよね」

フレンダ「そりゃ・・・まぁ運動はしてるから」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「な、なに?」

ゴーグル「あぁいや・・・なんか健康的っすね」

フレンダ「へ、変なことしないでよ?」

ゴーグル「?何をするんすか?」

フレンダ「な、なんでもない・・・」

ゴーグル「・・・さて、脚も終わりっすね・・・」

フレンダ「・・・こ、この流れはまさか前面も・・・」

ゴーグル「いや・・・そんな官能的な展開はないっすよ」

フレンダ「そ、それはよかった訳よ!!!」

ゴーグル(?なんかおかしなテンションっすね)

フレンダ(ドキドキした・・・)





193 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 21:59:01.28hDeRyTG00 (59/61)

ゴーグル「さて・・・じゃあ次は何しますか?」

フレンダ「うーん・・・みんなと何かする?」

ゴーグル「言っときますけど、浜面さんと滝壺さんはデート、絹旗さんも出かけてますよ」

フレンダ「麦野がいる訳よ」

ゴーグル「・・・で?」

フレンダ「・・・何しよう」

ゴーグル「・・・とりあえず、麦野さんも遊ばないか誘ってみますか?」

フレンダ「そ、そうね」

二人がリビングへと向かう

だが忘れてはいけない

この二人はなんだかんだ麦野にトラウマを抱えているのだ


フレンダ・ゴーグル(・・・何すればいいのかな)





194 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 22:05:38.77hDeRyTG00 (60/61)

今日はここまで

では筋肉動画

最強の肩といえば、ケビンとこの人

BIG BADこと、「デニス・ウルフ」

肩の発達、締まったウェストから広がる背中

まさに逆三角形

オリバほどではないですが、かなり素晴らしい広がりを持っています

ジェイを倒すのは彼かビクター、誰もがそう思ってましたね

仕上がりがバキバキならすごいことになる選手です

 


ではおやすみなさい





195 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/10(月) 22:06:11.66hDeRyTG00 (61/61)

今日はここまで

では筋肉動画

最強の肩といえば、ケビンとこの人

BIG BADこと、「デニス・ウルフ」

肩の発達、締まったウェストから広がる背中

まさに逆三角形

オリバほどではないですが、かなり素晴らしい広がりを持っています

ジェイを倒すのは彼かビクター、誰もがそう思ってましたね

仕上がりがバキバキならすごいことになる選手です

 


ではおやすみなさい





196VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/10(月) 23:18:10.36ueDiioEw0 (1/1)

>>1乙です。。


197VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2011/10/10(月) 23:27:26.07JJwyVeIAO (1/1)

毎回タイトルだけ楽しんでいるボクだけどテクパトルが垣根「テクノブレイク」に見えて大変でした


198 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:37:12.55C49qJp8A0 (1/36)

上条「・・・不幸だ」

美琴「・・・なんなのよ全く・・・」

美鈴「あいたた・・・みんな、怪我してない?」

旅掛「俺は大丈夫だ・・・」

心理「私も大丈夫よ」

垣根「てめぇ・・・真っ先に逃げてやがったな」

心理「自分の身は自分で守りなさい」

上条「・・・はぁ、ホント不幸だ」

美琴「・・・あーあ、燃えてるわよ・・・」

垣根「とりあえず消火するか・・・」

垣根が翼を広げ、バタバタと羽ばたかせる

どのような物質なのか、それはすぐさま火を消してしまう




199 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:37:40.39C49qJp8A0 (2/36)

上条「便利だな」

旅掛「・・・不思議なもんだな」

垣根「俺の未元物質には常識が通用しねぇ」

美琴「・・・バス、もう修理も出来ないわね」

美鈴「ホント・・・こりゃなかなかな大惨事だね」

垣根「ん?警備員も来たみたいだな」

上条「は?まだ来てない・・・」

心理「来てるわよ、サイレンが鳴ってる」

美琴「・・・聞こえないけど」

垣根「はぁ?耳を澄ませよ・・・」

旅掛「・・・微かに聞こえるな」

美鈴「・・・聞こえないわよ?」




200 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:38:08.11C49qJp8A0 (3/36)

垣根「・・・旅掛さんには聞こえるんだな」

旅掛「・・・君達は聞こえるのか」

美琴「?」

垣根「さて・・・そろそろ来るから、状況を整理しとこうか」

上条「バスガス爆発」

垣根「黙れ」

心理「・・・とりあえず、制御不能になったバスを強制的に停車させたわね」

上条「ついでに言うと、あのバスには俺達以外乗客はいなかった」

美琴「・・・ハッキングを仕掛けちゃった、ってのもあるわよ」

垣根「・・・」

旅掛「正直、疑われても仕方ないよな」

美鈴「犯罪者!?」




201 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:38:34.62C49qJp8A0 (4/36)

心理「何言ってるのよ・・・大体犯罪者がなんで自爆するような羽目になるの?」

上条「そ、そうだよな!」

心理「何もやましいことなんてないでしょ」

旅掛「はぁ・・・しかし災難だよな」

美鈴「かなり低い確率だよね」

美琴「・・・学園都市のバスがこんなになるなんて、初めて聞いたわよ」

上条「・・・俺のせい?」

美琴「ち、違うわよ!」

心理「不幸なんて言い訳よ、実際は起きるか起きないかのどちらか」

上条「・・・二人とも・・・ありがとう」

旅掛「・・・お、来たみたいだぞ」

警備員の車両が近づいて来る




202 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:39:02.39C49qJp8A0 (5/36)

垣根「はぁ・・・説明はめんどくさいな」

垣根が首をグルグルと回す

美琴「じゃ、行きましょうか」


黄泉川「はぁ・・・なるほど、バスが予定外のコースに・・・」

垣根「そうそう、俺達は悪くないからな」

黄泉川「で?なんであんなふうに爆発してるじゃんか」

垣根「俺が止めたんだよ」

黄泉川「・・・それが原因で爆発したんじゃ・・・」

旅掛「いやいや、垣根君が止めてなかったらどうなってたか」

黄泉川「?こちらは?」

上条「あぁ、美琴の父親の・・・」

旅掛「御坂旅掛だ、こっちは美鈴」




203 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:39:29.37C49qJp8A0 (6/36)

美鈴「・・・私と同じくらいの胸囲・・・」

黄泉川「?よろしくじゃん」

心理「・・・で?私達はいつまでここに拘束されるのかしら」

黄泉川「一応、現場検証が終わるまでじゃん」

上条「な、何分くらい・・・」

黄泉川「2時間・・・くらいじゃん」

美琴「2時間も?」

美鈴「えー・・・最悪・・・」

黄泉川「まぁ・・・一応じゃんか」

垣根「いいだろ帰って」

黄泉川「ダメじゃん」

美琴「・・・あの、現場検証ってそんなに掛かるんですか?」

黄泉川「だって色々問題あるじゃんか」




204 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:39:59.39C49qJp8A0 (7/36)

上条「問題?」

黄泉川「学園都市のバスが故障なんてかなり珍しいことじゃんよ」

美鈴「・・・なるほど、データはしっかり集めたいわけか」

旅掛「そのデータ収集に俺達は付き合わされる、と」

黄泉川「どうにかしたいけど・・・これは仕方ないじゃん」

垣根「あーめんどくさいな」

黄泉川「・・・とりあえず、まず異変に気づいた時のことを詳しく」

上条「垣根が気づいたんだよな」

垣根「窓の外見てたら、段々違う方向に向かってるって気づいたんだよ」

黄泉川「でもそれまでは問題なく走っていた・・・」

美鈴「・・・なんか急に壊れたみたいね」

旅掛「・・・ホントついてないよな」





205 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:40:26.93C49qJp8A0 (8/36)

黄泉川「うーん・・・私は詳しくは分からないけど・・・」

心理「ま、完璧な技術なんてないのよ」

黄泉川「それはそうじゃん」

上条「・・・学園都市の開発部はいい顔しないだろうな」

垣根「どうせ俺達が何かをやらかしたってことにしたいのさ」

美鈴「え、そうなの?」

心理「当たり前じゃない、故障なんて印象が下がるだけ」

垣根「だが誰かに故障させられた、となれば逆だ」

旅掛「同情される立場だからな」

美琴「そんな理由だったのね・・・」

黄泉川「私としてもお偉いさんの考えには反対じゃん」

垣根「お前は悪くねぇさ、警備員としてはどっちみち調べるんだろ」





206 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:40:52.55C49qJp8A0 (9/36)

垣根が警備員の一人からスポーツドリンクを受け取る

垣根「とにかくこっちは寒いんだ、車両に乗せてもらっていいか?」

黄泉川「あぁ、気が利かなくて悪かったじゃん」

美琴「じゃ、失礼しますね」

美鈴「ふー・・・寒い寒い」

上条「・・・不幸だ」

そんなことを言いながら三人は車両に乗る

残った三人は、少しだけ見つめ合っていた

垣根「旅掛さん、アンタ何者なんだ」

旅掛「俺はただの親父さ」

心理「サイレンの音によく気づいたわね」

旅掛「何、職業柄サイレンはよく聞くんだよ」

垣根「どんな職業だよ」




207 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:41:38.40C49qJp8A0 (10/36)

旅掛「・・・俺からしたら、君達のほうが不思議だ」

心理「どうして?」

旅掛「俺より早くサイレンに気づいたからさ」

垣根「・・・耳がいいんでな」

心理「それに、警備員が来るってのも知ってたから・・・」

旅掛「・・・もう一つ、君達は、ガソリンが零れていると聞いたときに普通と違う反応をした」

心理「あら、何かしら」

旅掛「普通なら、ガソリンか火花を確認する」

垣根「そうしただろ」

旅掛「その前に君達は見たものがあった」


旅掛「バスの窓ガラス、そして自分達の立ち位置さ」

垣根「・・・」




208 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:42:08.12C49qJp8A0 (11/36)

旅掛「外国ではわりと爆弾テロがあるんで知ってるんだがな・・・バスでの爆発が怖いのは、爆発自体の威力が高いからじゃない」

心理「・・・」

旅掛「窓ガラスが飛び散るのが恐ろしいのさ」

垣根「爆発は一度避ければいい、だがガラスは降り注いでくるからな」

旅掛「君達こそ何者だい」

垣根「色々あるんだ、詳しくは言えない」

旅掛「・・・上条君はたしかアレイスターのメインプランらしかった」

垣根「・・・なんで知ってる」

旅掛「君はスペアプランだった」

垣根「・・・アンタ、裏の住人か?」

旅掛「まさか・・・大体、学園都市にはいないさ」

垣根「・・・ならなんで」





209 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:42:36.26C49qJp8A0 (12/36)

旅掛「妹達の実験、一方通行君のこと・・・ある程度は知ってるのさ」

心理「どうして?」

旅掛「俺の仕事は、世界に足りないものを示すことだ」

垣根「・・・」

旅掛「俺に足りなかった情報を手に入れただけだ」

垣根「・・・旅掛さん、一つ聞きたい」

旅掛「なんだい」

垣根「アンタは人を殺したことは?」

旅掛「ないさ、美鈴が悲しむからな」

垣根「・・・そうか」

垣根が小さく笑う

垣根「よかったよ、人殺しなんて好きにはなれないからな」




210 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:43:02.39C49qJp8A0 (13/36)

旅掛「君達はどうなんだ」

心理「・・・」

垣根「俺は過去の自分を好きになれなかった」

旅掛「今は」

垣根「それなりに好きだぜ」

旅掛「ならよかった」

旅掛も小さく笑う

旅掛「・・・君達を嫌いにならないで済んだよ」

垣根「・・・この話はやめようぜ」

旅掛「そうだな、俺はただの親父だ」

垣根「俺はただの青年、それでいいな」

旅掛「構わないさ」




211 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:43:33.88C49qJp8A0 (14/36)

心理「・・・みんなが待ってるわ、行きましょう」

旅掛「あぁ」

三人も警備員の車両へ近づく

垣根(・・・旅掛さん、アンタは世界に足りないものを示すらしいが)

垣根(・・・アンタ、口の堅さが足りないぜ)


美鈴「あれ?なんだ、遅かったね」

旅掛「いやぁ、美鈴の胸に顔をうずめたことを説教してたんだ!」

美鈴「えー、ホント?」

垣根「悪かったですぅ」

上条「いや、反省してないじゃないか」

美琴「あのね・・・友達の母親なんてアブノーマルもいいとこよ」

垣根「アブノーマルなほど燃えるんだ」

心理「辞めなさい」




212 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:44:03.75C49qJp8A0 (15/36)

旅掛「ははは!だが許さん!」

垣根「壁ってのはぶち壊すためにあるんだぜ!」

旅掛「上等じゃないか!」

二人が火花を散らしているところに黄泉川がやってきた

黄泉川「垣根、アンタはちょっとやり過ぎだったじゃん」

垣根「あぁ?あのまま行ってたらビルに突っ込んでたぜ」

黄泉川「限度があるじゃん、あのバスはかなり高い・・・」

垣根「うるせぇな、地獄行きのバスなんざさっさと廃止したほうがいいんだよ」

黄泉川「はぁ・・・お前、お偉いさんから文句言われるじゃん」

垣根「んなのは慣れっこだ」

美鈴「ねぇねぇ、そんなにバスって高いの?」

旅掛「多分、家を何個も建てられるぞ」

美鈴「わぁ・・・」




213 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:44:35.56C49qJp8A0 (16/36)

上条「それをあんなに壊したのか・・・俺達」

美琴「じ、事故だったじゃない!」

黄泉川「はぁ・・・今開発部の人間からお叱りの電話が来たとこじゃん」

黄泉川が後ろに立っている警備員の一人を指差す

何やらペコペコ頭を下げている

垣根「・・・ちょっと替わってもらえるか?」

黄泉川「・・・なんで」

垣根「警備員は仕事してるだけだ、あいつが謝る必要はねぇさ」

黄泉川「分かった、あんまり面倒は起こすなよ」

垣根「本音は」

黄泉川「ボロクソ言ってやるじゃん」

垣根「あいよ」




214 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:45:04.52C49qJp8A0 (17/36)

垣根が電話をひったくる

美琴(あーあ・・・)

旅掛(こりゃ面白いな)

垣根「こちら垣根だ」

『・・・話は聞いている、君が我が開発部のバスを破壊した張本人だな』

垣根「うるせぇよ、こちとら命守っただけだ」

『ふざけるな!あれは完璧に整備されている!』

垣根「はぁ?バスが整備不良なら開発者もネジ緩んでるのな」

『なっ・・・お前達が何かしたのではないか!?』

垣根「してませーん、する必要もねぇよ」

『大体な!ハッキングしようとしたらしいではないか!』

垣根「なんだよ、整備不良だったことが漏洩するってか?」




215 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:45:32.31C49qJp8A0 (18/36)

『き・・・貴様!調子に乗るなよ!』

垣根「はいはい、調子に乗ってるのはお前だよポンコツ」

『ポンコツだと!?』

垣根「いいか?俺は第二位だ」

『だ・・・そ、それがどうした!』

垣根「オーケー、分かった分かった」

『何がだ!』

垣根「俺が悪かったよ、お宅のバスは俺が破壊しました」

『そ、それでいいんだ!』

垣根「いやぁ、ちょっと先端に衝撃を加えれば停止・・・さらにはガソリン漏れ」

垣根「びっくりだな、万が一これから事故ったら大問題だ」

『そ・・・それは』




216 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:46:02.09C49qJp8A0 (19/36)

垣根「怖いよな、誰かがバスに向かって攻撃するかもしれないぜ?」

垣根「無いわけないさ、ここは学園都市だぜ?」

垣根「スキルアウトみたいな馬鹿達が面白半分で手当たり次第にバスを破壊し回ったりしてな」

垣根「それこそ笑い話だ、そんなに脆いバスなんざ誰も乗りたがらねぇ」

『くっ・・・言い逃れを・・・』

垣根「あぁあと・・・アレイスターって知ってるか?」

『は?』

垣根「知ってるだろ?」

『それが・・・』

垣根「あれな、俺の知り合いなんだわ」

『じょ、冗談は』

垣根「了解了解、ならありとあらゆる監視カメラの映像を確かめるか」





217 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:46:28.73C49qJp8A0 (20/36)

『車載している監視カメラは破壊されて・・・』

垣根「バスは自動制御、それを制御してる設備があるだろ?」

垣根「そこの情報を提示させてもいいんだぜ?」

『き、貴様にそんな権限は・・・』

垣根「アレイスターにはあるよな?あぁ?」

『・・・』

垣根「どうすんの?ここまで馬鹿にしといて実は隠蔽工作だったか?」

『そ、それは・・・』

垣根「あーもういい、今度は刑務所で会おうか」

『ど、どうすればいい!?』

垣根「・・・事故にしたほうがまだマシだぜ」

『く・・・それでは我が開発部は・・・』





218 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:47:03.48C49qJp8A0 (21/36)


垣根「自動制御のバスもまともに作れねぇのは開発部じゃねぇ、ただのサークル活動だ・・・中学校からやり直せよバーカ」

それだけ言って、垣根が通話を切る

美鈴「かっこよかったよ垣根君!」

心理「相変わらず、挑発が上手いわね」

旅掛「相手は今頃震えてるな」

美琴「えげつないわね・・・」

上条「はぁ・・・黄泉川先生もニコニコしてないで」

黄泉川「いやぁ、あまりにもいらつく相手だったから感謝じゃん」

垣根「なぁ、一件落着だし帰らせてくれよ」

黄泉川「そろそろ現場検証も終わるし・・・分かった」

黄泉川が運転席に乗り込む

垣根「道は・・・ここな」




219 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:48:54.49C49qJp8A0 (22/36)

垣根がカーナビに情報を打ち込む

黄泉川「よし、じゃあ行くじゃん」

かなりの安全運転で車両は進んでいく

上条「はぁ・・・やっと帰れる・・・」

美鈴「いやぁ、垣根君の家が楽しみだね!」

美琴「かなり広いわよ」

旅掛「そりゃ嬉しいな」

心理「・・・どうしたのよ垣根」

垣根「ちっ・・・安全運転はいいけどよ、チンタラ走りすぎだろ・・・遅いんだよ!!」


垣根「速さが足りない!」

一同「はいはい」

あはは、と一同が平和な笑いを巻き起こす

運転席の黄泉川は、そっとアクセルを全開にした




220 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:49:22.40C49qJp8A0 (23/36)



フレンダ「・・・ねぇ、麦野」

麦野「なんだよ」

フレンダ「なんかしようよー」

麦野「・・・お前らと何しろって言うんだよ」

アイテムの隠れ家

そのリビングで三人は見つめ合っていた

ゴーグル「・・・何かですよ」

麦野「・・・」

フレンダ「?どうしたの麦野」

麦野「いや・・・なんかお前の神経を疑うよ」

ゴーグル「なんでっすか」

麦野「・・・アンタもよ、ゴーグル」




221 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:49:48.95C49qJp8A0 (24/36)

ゴーグル「だからなんでっすか?」

麦野「・・・私がアンタ達に何したか覚えて・・・」

ゴーグル「だって終わったことをウダウダ言っても仕方ないっすよ」

麦野「でも・・・」

フレンダ「それにもう麦野は謝ってくれた訳よ」

ゴーグル「反省してる人を責めるなんて無理ですよ」

麦野「・・・ホント、馬鹿みたい」

ゴーグル「馬鹿って言われるのは慣れてます」

フレンダ「ゴーグル馬鹿だもんね」

ゴーグル「フレンダさんには言われたくないっす」

フレンダ「私は馬鹿じゃない訳よ!」

麦野「はいはい・・・アンタ達は仲良しね・・・」




222 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:50:16.01C49qJp8A0 (25/36)

フレンダ「な、仲良しなんかじゃ・・・」

ゴーグル「まぁフレンダさんはいい人ですから」

フレンダ「!ま、まぁアンタも悪くはない訳よ!」

麦野「あーあー、これで独り身は私だけか」

フレンダ「私だって独り身な訳よ!」

麦野「お前はゴーグル君を選んだじゃないか」

フレンダ「違うもん!私は麦野だけを・・・」

麦野「くっつくな!」

ゴーグル「・・・はぁ、お酒ありますか?」

麦野「?いきなりどうしたのよ」

ゴーグル「ちょっと飲みたいんですよ」

麦野「あるわよ・・・冷蔵庫の中に浜面のビールが」




223 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:50:44.67C49qJp8A0 (26/36)

ゴーグル「浜面さんのは飲めないっすよ」

麦野「・・・」

ゴーグル「?どうしたんすか」

麦野「お前は真面目なヤツだな・・・」

ゴーグル「いや、普通ですよ・・・」

フレンダ「ねぇ、お酒って美味しいの?」

ゴーグル「人によって感想は違いますよ」

フレンダ「ふーん・・・」

ゴーグル「フレンダさんはダメっすよ」

フレンダ「な、なんで!?」

ゴーグル「だって酔いそうじゃないっすか」

フレンダ「お酒って酔うためにある訳よ!」




224 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 18:51:28.16C49qJp8A0 (27/36)

麦野「やめなさいフレンダ」

ゴーグル「酔うのは構わないですけど絡まないで下さいよ?」

フレンダ「ふん!当たり前な訳よ!」

少し怒りながら、フレンダが冷蔵庫に向かう

持ってきたのはビールだ

フレンダ「じゃあ!派手に乾杯でもしちゃう訳よ!」

麦野「・・・私はちょっとだけだからな」

フレンダ「分かったから、かんぱーい!!」

麦野「・・・乾杯」

ゴーグル「はぁ・・・なんだかイヤな予感がします」

ゴーグル男はこの時、冗談で言ったつもりだった

まさかそれが現実になるなんて思いもしなかった

お酒というのは、人を狂わせるのである





225VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2011/10/11(火) 19:06:29.13cunRLlYAO (1/1)

誰かの陰謀から熱いバトルシリーズに突入するかと、ちょっと期待したのに整備不良で落ちかぁ


226VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/10/11(火) 20:30:16.701EZpqaHBo (1/2)

熱いバトルって……
第二位と三位に心理定規、能力者には幻想殺し
いざとなったら第一位とか魔術科学サイドのその他諸々
極めつけは学園都市の(一応)統括理事長であるアレイスター

誰が相手でも一瞬で終わるだろ


227 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 20:34:47.85C49qJp8A0 (28/36)

>>225 シリアスを期待しないでくださいw

>>1もそろそろこのシリーズでシリアス書きたいんですが、バトルの描写って難しいからイヤなんですよね・・・

死なせられるキャラもいないですし、そういうのは多分ないかと

ホント、シリアスは苦手

続きはお待ちを





228VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/10/11(火) 20:38:19.39s02wkHlw0 (1/2)

そっとアクセルを全開ってどうやるんだ


229 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 20:55:04.29C49qJp8A0 (29/36)

>>228 みんなにバレないように「そっと」アクセル全開です

速さが足りないって言われたんで

では続き


上条「・・・黄泉川先生・・・」

黄泉川「いやぁ、急いで帰りたいみたいだったからとばしたじゃんか」

垣根「・・・てめぇ、暴走したバスのほうがいくらかマシだったぞ・・・」

美琴「・・・おぇ・・・」

心理「・・・誰がトップガンの真似をしろって言ったかしら・・・」

垣根の家のすぐ近くの大通りで、一同はげっそりとしながら黄泉川を睨んでいた

美鈴「まぁさ・・・早く帰ってこれたからいいけどね」

旅掛「・・・ここから垣根君の家は近いのか?」

垣根「あぁ、まぁな」

黄泉川「じゃあ私はここらで帰るじゃん」

美琴「・・・ありがとうございました」

垣根(・・・お礼を言いたくない・・・)





230 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 21:09:17.48C49qJp8A0 (30/36)


上条「はぁ・・・疲れたな・・・」

美琴「うっわ・・・もう2時だよ・・・」

美鈴「・・・不幸だったね・・・」

心理「・・・はぁ、我が家が近づいてくる・・・」

旅掛「?あのでっかい家かい?」

垣根「おう、そうそう」

美鈴「おー・・・ここら一帯全部垣根君の土地?」

垣根「そうだけど」

美鈴「・・・すっげぇ」

旅掛「・・・これはかなりの豪邸だな・・・大統領でも住んでるのかよ・・・」

垣根「はっはぁ、俺の月収をナメたらダメだぜ」

旅掛「いいなぁ・・・」

美鈴「・・・ねぇねぇ、早く行こうよ!!!」

垣根「あぁ、ピョンピョン跳ねるたびにおっぱいが・・・」

心理「やめなさい」





231 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 21:18:28.53C49qJp8A0 (31/36)

垣根「さーて、じゃあ入るか」

上条「・・・何度来てもでかい家だよな・・・」

心理「あら、もう慣れちゃったわよ」

垣根「オープンセサミ!!」

垣根が鍵を開け、中へと入る

旅掛「ほぉ・・・内装も凝ってるんだな」

美鈴「オッシャレー!」

垣根「だろ?まぁ心理定規がうるさかったからな」

心理「中も凝らないとダメじゃない」

美琴「・・・当麻、私もこんな家がほしい」

上条「無理だから!!」

美琴「えー・・・」

垣根「ほら、さっさと歩く!!」

垣根がリビングのドアを開く


美鈴「うわぁ、パパ見て!!こんなおっきなテレビ初めて見た!!」

旅掛「ソファーでかいな!!」





232 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 21:23:38.20C49qJp8A0 (32/36)

上条「・・・当然の反応だよな・・・」

美琴「そんなに珍しいのかな?」

垣根「美鈴さん、好きなように回っていいぜ」

美鈴「ホント!?」

旅掛「俺は!?俺は!?」

垣根「まぁついでだしオッケー」

上条「・・・じゃ、垣根・・・二人をよろしくな」

美鈴「え、帰るの・・・?」

美琴「当たり前でしょ・・・さすがにずっとはいないわよ」

美鈴「だってだって!!まだ少ししか一緒にいないよ!?」

美琴「明日みんなを連れてくるから・・・」

旅掛「美琴のケチー」

美琴「はぁ・・・わがまま言わないの」





233 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 21:33:39.99C49qJp8A0 (33/36)

美鈴「・・・絶対明日来てよね!?」

美琴「うん、約束するわよ」

上条「じゃあ・・・垣根、心理さん、お願いするな」

心理「えぇ、任せて」

美琴「じゃ、また明日」

旅掛「気をつけて帰れよ」

上条「はーい」

二人が手を繋いで垣根宅から出て行く


旅掛「・・・」

垣根「・・・」

美鈴「ねぇねぇ垣根君、案内してよ」

垣根「はーい」

心理(・・・やけに美鈴さんにはなついてるわね)





234 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 21:41:31.78C49qJp8A0 (34/36)

垣根「こっちこっち」

美鈴「ん、じゃあパパは待っててね」

旅掛「え!?俺はダメなのか!?」

美鈴「心理定規ちゃんに案内してもらいなさい!」

旅掛「えー・・・」

心理「あら、不満なの?」

旅掛「いや・・・じゃあ二手に分かれて案内してもらうか」

美鈴「おー!!」

そうして、夫婦は別々になって家の中を案内してもらうことになった

広い家のため、かなり案内には時間が掛かるだろう


垣根(・・・ま、こういうのも悪くはないだろ)

垣根は一人、笑っていた




235 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 21:47:28.18C49qJp8A0 (35/36)

早いけど今日はここまで

ホントにマンネリすぎる・・・


シリアスもあんまり出来ないし、難しい

でも次スレ辺りはシリアスもやりたい気も

では筋肉動画

ミスターオリンピア

それはボディビルの世界一を決める大会

優勝者は2000万近い賞金を得ることができ、さらにそうなればスポンサーもかなりつきます

その2003年オリンピア

一時間以上ありますが、見てほしいシーンは主に二つ

23分辺りからのジェイ

そして、27分40秒辺りからのロニー

この年のロニーは伝説ですね・・・


なんでも、ステージ裏でジェイはロニーの体を見たらしいですが、その瞬間に「こりゃ勝てないな」と意気消沈したようです

ジェイもでかいですが、ロニーを見たらもう普通のビルダーに見えますね

  



オリンピア、面白いですよ

昔のビルダーのほうが綺麗だけども


明日は垣根君、美鈴に甘えるの巻

たぶん





236VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/10/11(火) 21:51:54.49s02wkHlw0 (2/2)

俺はゼーンが好きやな


237 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/11(火) 22:12:12.73C49qJp8A0 (36/36)

>>236 ゼーンは細いながらに美しさがありましたよね

あの時代はバキュームできるビルダーが多くてよかったです、ホント

まぁ一番はオリバが好きなんですけどね

オリバとゼーンの比較というか、共演というか

 


オリバの当時としては異常なデカさと、ゼーンの細さが分かりますね

二人とも偉大なチャンピオンです


ではおやすみなさい


そのマンネリをぶち殺す!!





238VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)2011/10/11(火) 22:14:05.98qRTJHc4V0 (1/1)

マンネリになったらカラオケだ!


239VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/10/11(火) 22:33:09.101EZpqaHBo (2/2)

マンネリでもいいじゃない、面白いんだもの


240VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/12(水) 04:06:09.726LhDgzWho (1/1)

乙なんだよ!


241 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 10:42:57.34KtHDDq580 (1/61)

美鈴「ねぇねぇ垣根君」

垣根「ん?なんだよ」

美鈴「これは何?」

垣根宅の中を散策していた美鈴

そんな彼女が何かを指差す

垣根「あぁ、これは・・・心理定規の香水棚だ」

美鈴「え、こんなに香水があるの!?」

垣根「あいつは香水好きだからな」

美鈴「すごーい!」

美鈴が顔をキラキラと輝かせる

垣根「使うなよな」

美鈴「ケチー」




242 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 10:42:57.18KtHDDq580 (2/61)

美鈴「ねぇねぇ垣根君」

垣根「ん?なんだよ」

美鈴「これは何?」

垣根宅の中を散策していた美鈴

そんな彼女が何かを指差す

垣根「あぁ、これは・・・心理定規の香水棚だ」

美鈴「え、こんなに香水があるの!?」

垣根「あいつは香水好きだからな」

美鈴「すごーい!」

美鈴が顔をキラキラと輝かせる

垣根「使うなよな」

美鈴「ケチー」




243 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:06:54.18KtHDDq580 (3/61)

垣根「・・・心理定規が怒ると怖いんだよ」

頭をかきながら垣根が答える

垣根「この前香水の瓶を一つ割っちゃってさ・・・あいつ泣きそうな顔して怒ってたんだぜ」

美鈴「あ、分かるよその気持ち」

垣根「分かるのかよ」

美鈴「だって大切にしてた香水が割られたら怒るわよー」

垣根「そういうもんかな」

よく分からん世界だな、と垣根は半ば呆れる

大体、割ってしまったなら新しく買えばいいではないか

美鈴「あ、これ何?階段があるけど」

垣根「地下室だよ・・・ワインセラーとかジムとかあるんだ」

美鈴「おぉ!ジムか、いいじゃん」



244 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:07:32.13KtHDDq580 (4/61)

垣根「アンタもジム好きなのか?」

美鈴「そりゃ、運動は大好きだよ!」

垣根「・・・テクパトルと気が合うぜ、美鈴さん」

美鈴「ん?ちょっと待って・・・ワインセラー?」

垣根「あぁ、地下室のほうがいいかと思ってな」

美鈴「垣根君って未成年じゃんか!」

垣根「堅いこと言うなよ・・・どうせ美鈴さんも高校とかで飲んでたろ?」

美鈴「私は真面目だからそんなことしなかったわよん!」

垣根「へぇ・・・」

美鈴「ねぇ、あっちには何があるの?」

垣根「あっちは・・・風呂とかだな」

美鈴「へぇ・・・どんなお風呂?」





245 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:08:02.81KtHDDq580 (5/61)

垣根「露天風呂・・・あといくつか浴槽にも種類あるぜ」

美鈴「ひゃー・・・一軒家とは思えないボリュームだね」

垣根「心理定規のヤツが風呂は充実させてほしい、って言うからさ」

美鈴「大好きなんだね、心理定規ちゃんのこと」

垣根「・・・好きじゃなきゃ一緒に住んだりしないさ」

美鈴「あ!顔真っ赤!」

垣根「赤くねーよ、次行こうぜ」

垣根が美鈴の手を引く

美鈴「おー、中々積極的だね」

垣根「巨乳は大好きだ、言ったろ?」

美鈴「なんで大好きなの?」

垣根「・・・母性の表れだからさ」





246 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:08:33.40KtHDDq580 (6/61)

美鈴「垣根君、母性のある人が好きなんだ」

垣根「あぁ、心理定規もかなりあるだろ?」

美鈴「ねぇ、お母さんに甘えたりはしないの?」

垣根「・・・なんでこんな年になって甘えなきゃ・・・」

美鈴「・・・垣根君、あなたもしかして・・・」




美鈴「・・・もしかして、お母さん・・・いないの?」

垣根「・・・なんでそう思ったんだよ」

美鈴「なんかさ、私に甘えるときぎこちなかったもん」

垣根「甘えるとき?」

美鈴「いきなり胸に顔うずめてきたり・・・ただ好きだ好きだ、って言ってきたり」

垣根「・・・アンタは美人だからだよ」

美鈴「心理定規ちゃんも、なんだか少しとっつきにくそうにしてたよ」

垣根「・・・緊張してたんじゃないか?」





247 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:09:05.01KtHDDq580 (7/61)

美鈴「・・・学園都市には置き去りって言われる子がいる、それは知ってるよ」

垣根「だったらなんだよ」

美鈴「・・・私さ、そういうのが悲しいんだ」

垣根「なんで」

美鈴「私は美琴ちゃんが大好きだから・・・親として、わりとよくしてあげてると思ってる」

垣根「あぁ、十分以上に」

美鈴「・・・そんな親がいないって・・・とても悲しいことだよ」

垣根「美鈴さん、同情ならよしてくれよ」

美鈴「同情じゃないよ、垣根君が心配なの」

垣根「・・・心配、か」

垣根が美鈴の目を見つめる

彼は母親を知らない

いや、知っていたかもしれないが忘れたのだ





248 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:09:31.40KtHDDq580 (8/61)

学園都市の暗部に堕ちるような人生

それは、母親が一因でもあったのだから

垣根(いや・・・それは責任転嫁だよな)

美鈴「・・・垣根君、今はパパもいないし、誰もいないんだよ?」

垣根「犯していいぜ、ってか?」

美鈴「垣根君」

垣根「・・・甘えろってか?無理に決まってるだろ」

垣根が手をヒラヒラと振る

垣根「・・・甘えてみても不自然だと言われる・・・俺はな、親への甘え方なんて分からない」

美鈴「・・・分かるようになればいいじゃない」

垣根「・・・美鈴さん、それは無理なんだ」

美鈴「私が本当の親じゃないから?」





249 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:09:57.15KtHDDq580 (9/61)

垣根「そうだな・・・」

美鈴「・・・親に・・・憧れたことはない?」

垣根「あるさ、道で擦れ違うヤツらが親の話をしてたり・・・」

垣根「・・・上条や御坂が、親のことを話してるのがうらやましかった」

美鈴「・・・」

そっと、美鈴が垣根を抱きしめる

垣根「お、胸がいい感触だな」

美鈴「・・・これが親の温もりなんだよ、垣根君」

垣根「・・・知らないさ」

美鈴「覚えられそう?」

垣根「・・・」

垣根が目を閉じる

彼が生まれたとき

彼の母親はこんなふうに、優しく抱きしめてくれたのだろうか





250 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:10:33.90KtHDDq580 (10/61)

今更確かめる術なんてない

もう、本当の母親には会えないのだから

目の前にいる人は本当の母親ではない

だが、愛情を持って接してくれている

垣根「・・・俺が御坂や上条の友達だから、こういうこと・・・してくれるのか?」

美鈴「違うよ・・・垣根君が・・・かわいそうだから」

垣根「・・・同情はいらないって言ったろ」

美鈴「・・・同情じゃないよ」

垣根「・・・なぁ、美鈴さん」

ぎゅっ、と垣根が美鈴の服を掴む

まるで離れないためかのように

垣根「・・・覚えたいんだ、この温もりを」





251 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:11:00.54KtHDDq580 (11/61)

美鈴「うん」

垣根「だからさ・・・もう少し抱きしめててくれよ」

美鈴「いいよ、しっかり覚えなさい」

垣根「あぁ」

垣根が美鈴の体に頭を預ける

こんなふうに、誰かに自分を預けるのは久しぶりだった

心理定規には預けたこともある

だが

母親には恐らく初めてだろう

垣根「・・・いいもんだな、母親ってのも」

美鈴「でしょ?悪くはないんじゃないかな」

垣根「全くだ」

垣根が目を開ける





252 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:11:48.18KtHDDq580 (12/61)

垣根「おー、目の前に大きな谷間があるってのはいいな」

美鈴「こらこら、エッチなことを言わないの」

垣根「・・・ありがとよ、もう大丈夫だ」

そっと美鈴から体を離す

美鈴「じゃ、また案内してもらっていいかな?」

垣根「あぁ、ついて来てくれよ」

垣根が美鈴の手を引っ張っていく

垣根(・・・あぁ、御坂のヤツが・・・超能力者なのにまともなのは・・・)


垣根(・・・きっと、こんな優しい親がいたからなんだな)

もしも

もしも自分にこんな優しい親がいたら

彼は変わった人生を送ったのだろうか

そんなこと、分かるわけがなかった 





253 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:16:29.40KtHDDq580 (13/61)


心理「・・・ねぇ、旅掛さん」

旅掛「なんだい」

心理「・・・あなた、アレイスターと知り合いなんだってね」

旅掛「ま、仕事柄な」

心理「・・・いつから?」

旅掛「忘れたさ」

心理「・・・そんな人間が外にいたなんて、にわかには信じられないわね」

旅掛「本当さ」

心理「・・・暗部の人間ではないのに、ね」

旅掛「君は暗部の人間だったのかい?」

心理「私だけじゃないわよ・・・垣根も」

旅掛「だったね」

旅掛がソファーに身を預ける

家の中探索なんて、するつもりはなかった





254 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:21:23.10KtHDDq580 (14/61)

心理「・・・この手で何人殺したのかしら」

旅掛「・・・世の中はそんなものさ」

心理「怖くない?人殺しと同じ部屋にいるのが」

旅掛「昔な、相手がテロリストだと知らずに地下鉄で談笑したことがあったよ」

心理「あら、図太いのね」

旅掛「そういうのには慣れてるのさ」

旅掛がタバコを取り出す

心理「あら、タバコ?」

旅掛「ん、嫌いかい?」

心理「嫌いじゃないけど、部屋に臭いが篭るのはイヤよ」

旅掛「はぁ・・・そりゃ残念」

ポケットにタバコを仕舞い、旅掛が心理定規の顔をじっと見つめる

旅掛「俺はね、世の中には善人なんていないと思っている」

心理「へぇ・・・」





255 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:26:01.78KtHDDq580 (15/61)

旅掛「善人なんて吐き気がするだけさ」

心理「あなたの奥さん・・・美鈴さんは?」

旅掛「限りなく善人に近い・・・それだけさ」

心理「悲しい人ね」

旅掛「気づいただけさ」

心理「イヤじゃないの?そんな世界が」

旅掛「違うのさ心理定規ちゃん」

旅掛が身を乗り出す

その顔はとても楽しそうだ

旅掛「いいか?俺がもし世界は善人だらけだと思ったとする」

心理「えぇ」

旅掛「だがな、それでも世界はなんら変わりはしないのさ」

心理「・・・」




256 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 11:31:34.11KtHDDq580 (16/61)

旅掛「どこかで紛争は起きるし、どこかで子供は殺される」

旅掛「世界はどうせ、そんな汚れたものなのさ」

心理「信じてみたいと思わないの?」

旅掛「信じてみたいと思うのは、そんな世界に絶望してるヤツだけだ」

心理「・・・あなたはしていないのね」

旅掛「俺の仕事は世界に足りないものを示すことさ」

心理「・・・それで?」

旅掛「世界が汚れている限り、俺の仕事はなくならない」

心理「・・・何かが常に足りないから?」

旅掛「そうあs」

ニヤニヤ、と旅掛が笑う

その笑みはどこか、子供が浮べるものに似ている





257 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 12:45:08.39KtHDDq580 (17/61)

心理「ふーん・・・仕事、ね」

旅掛「何か疑問かい?」

心理「・・・その仕事、儲けるの?」

旅掛「それなりにな」

心理「どうやって儲けてるのよ・・・」

旅掛「これでも、いろんな社長さんにアドバイスしてるんだぜ」

心理「へぇ・・・」

旅掛「おかげでちょっと面倒なこともあるけどな」

心理「お偉いさんと関わりを持つなんて勇気があるわね」

旅掛「いや・・・そうかな」

心理「私は関わりたくないもの」

旅掛「・・・君みたいな子供は関わらないほうがいいさ」

心理「あら、子供扱いはやめてよ」





258 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:27:47.75KtHDDq580 (18/61)

旅掛「・・・君は後悔したことがないか?」

心理「・・・何を?」

旅掛「そんな世界に飛び込んだことをさ」

心理「・・・後悔して何になるの?」

旅掛「・・・辛かっただろうと思ってな」

心理「・・・そう思ってくれるのはありがたいわ」

心理定規が苦笑する

彼女を心配してくれる大人が、この世の中にもいたのだ

心理「でもね、それは大きなお世話・・・と言っておくわ」

旅掛「ほう・・・なぜ?」

心理「私はあの世界の中にも居場所を見つけてたの・・・後悔はしてないと思ってるわ」

旅掛「・・・垣根君かい?」



259 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:45:06.86KtHDDq580 (19/61)

心理「・・・そうかもしれないわね」

旅掛「・・・それは失礼したな」

心理「でも、ありがとう」

旅掛「何がだい?」

心理「・・・あなたみたいな父親が欲しかったもの」

旅掛「・・・心配してくれる親かい?」

心理「・・・怒ってくれる親よ」

旅掛「怒ってはいないさ」

心理「あら、どこか怒ってるみたいだったのだけど」

旅掛「・・・君は鋭いな」

心理「人の心に関しては詳しいのよ」

旅掛「ほう・・・」

心理「・・・こんな話はやめましょう、雰囲気が悪くなるわ」


260 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:45:39.34KtHDDq580 (20/61)

旅掛「あ、あぁ」

心理「何よ、珍しそうな顔をして」

旅掛がじーっと心理定規を見つめる

なにやら不思議なものを見る目をしている

旅掛「君は大人びてるな・・・」

心理「あら、いまさら?」

旅掛「いや・・・美鈴よりも大人びてるぞ」

心理「そんなこと聞かれたら怒られるわよ」

旅掛「・・・そうかもな」

心理「・・・子供らしくないかしら?」

旅掛「いや、君みたいな子も悪くはないんじゃないか?」

心理「あら、嬉しい」





261 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:46:15.62KtHDDq580 (21/61)

ニコニコと心理定規が笑う

旅掛「あぁ、そういう顔は子供みたいに無邪気だけどな」

心理「・・・無邪気・・・ね、それは美琴や上条君にしか似合わないんじゃないの?」

旅掛「・・・子供はみんな無邪気なのさ、だから染まりやすい」

心理「・・・タバコ、吸ってもいいわよ」

旅掛「いいのかい?煙はイヤなんじゃ・・・」

心理「面白い話をしてくれた御礼よ」

旅掛「じゃ、一本だけ」

タバコを一本咥え、旅掛が火をつける

旅掛「はぁ・・・落ち着くな」

心理「あんまり吸いすぎないようにね」

旅掛「・・・そういうとこは美鈴と同じだ」





262 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:46:42.61KtHDDq580 (22/61)

心理「誰だって言うわよ・・・」

旅掛「・・・そうは言われてもな・・・」

心理「吸いたい気持ちは分かるけど」

旅掛「・・・肩身が狭い」

しょぼん、としながら旅掛が煙を吐く

その煙を見た心理定規は少し顔をしかめる

やはり、喫煙者は肩身が狭いのだ


美鈴「・・・垣根君、これは何?」

垣根「違う、それはちょっと・・・あれだ、心理定規とそういうときのために」

美鈴「・・・いや、ちゃんと用意してるのは偉いけどさ」

垣根「いや、違うんだ誤解なんだ」

美鈴「・・・こういうのはタンスに隠しときなさい」






263 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:47:10.20KtHDDq580 (23/61)

垣根「・・・はい」

美鈴の手には、「例のアレ」があった

それは垣根の最強装備だった

垣根「・・・み、美鈴さんもお一つどうですか!?」

美鈴「うーん・・・私とパパには必要ないもん」

垣根「」


垣根「これが世の中の夫婦だ!!もう子供ができてもいいんだ!!!」

美鈴「大丈夫?なんか混乱してるけど」

垣根「み、美鈴さんは・・・こういうのを必要としてないんだな!!」

美鈴「あ、この部屋は何?」

垣根「は、話を逸らした!?」

美鈴「・・・垣根君、こういうのは心理定規ちゃんと話しなさい」





264 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:47:46.75KtHDDq580 (24/61)

垣根「はーい・・・でな、これはCD置いてる部屋だよ」

美鈴「CDだけの部屋なの?」

垣根「おう、見るか?」

美鈴「見る見る!!」

勢い良く美鈴がドアを開ける

美鈴「うわー!!すごいすごい!!」

垣根「だろだろ?クラシックからヒップホップまで何でもござれだぜ」

美鈴「ん?このDVDは何?」

垣根「おう!!!これは見る価値あるぜ!!」

美鈴「?なんか自分で撮ったDVDみたいだね」

垣根「テレビであったのの録画なんだよ」

美鈴「?」





265 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:49:08.58KtHDDq580 (25/61)

垣根がDVDをデッキに入れ、再生させる

そこに映っていたのは

美鈴「お、美琴ちゃんだ!!」

バイオリンを持った美琴だった

そう、あの一端覧祭のビデオなのだ

垣根「これな、上条に向かって歌ってるんだよ」

美鈴「ん?垣根君と心理定規ちゃんもいるね」

垣根「手伝ってやったんだよ」

美鈴「ねぇねぇ、この曲何?」

垣根「おう、これこれ」

垣根がCDを差し出す

美鈴「ふーん・・・どんな歌詞なの?」

垣根「アイラブユーみたいな」

美鈴「おー!!美琴ちゃんも大胆だね!!」





266 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:52:46.44KtHDDq580 (26/61)

垣根「・・・こうやって見ると、懐かしいな・・・」

美鈴「2ヶ月も前じゃないじゃん」

垣根「・・・そうだけどさ」

美鈴「ふーん・・・あ、美琴ちゃんが歌いだした!」

垣根「上手いよな」

美鈴「うん!!かなり上手だね!!」

垣根「・・・これが愛の力だよ」

美鈴「いいなぁ・・・私もパパにすればよかったな」

垣根「こんなことは大人がしたらヘンだぜ・・・」

美鈴「えー、ロマンチックじゃん」

垣根(やっぱこの人も御坂の母親だな)

美鈴「へー・・・いいもん見ちゃった!」




267 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 16:56:23.17KtHDDq580 (27/61)

垣根「からかってやるなよ」

美鈴「ふっふーん、美琴ちゃんの弱みを握っちゃった!!」

垣根「おい・・・娘だろ・・・」

美鈴「これが、親の愛情だよ!!!」

垣根「いらねぇ!!そんな愛情いらねぇ!!」

美鈴「垣根君、次行こうよ」

垣根「切替早いなおい・・・」

美鈴「ねぇねぇ、他にはなんかないの!?」

垣根「うーん・・・テラスとか見るか?」

美鈴「テラスもあるの!?」

垣根「おう、綺麗だから見ようぜ」

美鈴「うん!!」





268 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 17:01:21.31KtHDDq580 (28/61)

垣根がテラスに美鈴を案内する

雪が降っている外の世界は、とても美しい

垣根「ほー、だんだん降ってきたな・・・」

美鈴「すごーい!!めちゃくちゃ景色が綺麗だ!!!」

美鈴が嬉しそうにはしゃぐ

垣根「あんまはしゃがないようにな」

美鈴「ねぇ、あそこに見えるのって常盤台中学!?」

垣根「んー?そうかもな」

美鈴「すごい!!!めっちゃ遠くまで見えるんだね!!」

垣根「ここは見晴らしがいいからな」

美鈴「すごいすごい!!」

垣根「・・・」

美鈴「?どうしたの垣根君」





269 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 17:10:43.05KtHDDq580 (29/61)

垣根「アンタは若々しいな」

美鈴「そりゃいろいろ気を遣ってるからね」

垣根「そうか」

垣根が美鈴の隣にそっと立つ

垣根「綺麗だよな、ここからの景色って」

美鈴「うん!!なんか特別な場所にいるみたい!!」

垣根「特別な・・・か」

垣根が目を細める

彼は、空からの景色を知っている

それはとても美しく、そしてあまりにも儚いものだ

垣根「・・・なぁ、美鈴さん」

美鈴「?どうしたの、神妙な顔になって」




270 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 17:13:17.40KtHDDq580 (30/61)

垣根「・・・アンタはさ、御坂のこと・・・大好きか?」

美鈴「?美琴ちゃんのこと?」

垣根「あぁ」

美鈴「大好きだよ、だって私の子供だもん」

垣根「そっか」

垣根が苦笑する

美鈴「・・・垣根君は・・・寂しい?」

垣根「昔は家族なんていなかった」

美鈴「今は?」

垣根「心理定規がいるんだ・・・あいつだけが俺の家族なんだよ」

美鈴「・・・心理定規ちゃんだけ・・・か」

垣根「他にはいない・・・それに、他にはいらない」

美鈴「・・・そうなんだ」

垣根「・・・親も、兄弟もいなかったこんな俺だぜ?他に何を望む?」





271 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 17:18:06.08KtHDDq580 (31/61)

美鈴「それって、結局は寂しいんじゃないの?」

垣根「・・・そうかもな」

美鈴「・・・今からでも、家族が・・・親が手に入るとしたら?」

垣根「・・・いらねぇ」

垣根が冷たく言い放つ

まるで自分に言い聞かせるかのように

垣根「俺は今でも満足さ、幸せな生活を手にしてる」

美鈴「・・・」

垣根「それにさ」

美鈴「それに?」

垣根「美鈴さんみたいな素敵な親の見本を知ってる・・・だから、普通の親じゃ満足できないさ」

美鈴「おー!嬉しいこと言ってくれるね!」





272 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 17:30:15.67KtHDDq580 (32/61)

垣根「・・・美鈴さん、アンタみたいな母親だったら・・・俺の人生はもっと変わってたかもな」

美鈴「?」

垣根「なんでもないさ、そろそろ寒くなったしリビングに帰ろうぜ」

美鈴「はーい」

美鈴が一足先に家の中に入る

垣根「・・・」

くるり、と振り返る垣根

彼は目を細めながら空を見つめる

垣根(・・・眩しい太陽だな)

垣根(・・・親・・・か)

うらやましい、と思ったことはあった

でも今は違う


垣根「さーて、酒でも飲んで忘れようかな」

そんなことを言ってから、垣根も家の中へと入っていく




273 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 20:07:20.21KtHDDq580 (33/61)


アイテムの隠れ家では、三人が酒を飲んでいた


フレンダ「・・・ねぇー、ゴーグルぅ・・・」

ゴーグル「・・・」

麦野「・・・酔ってるなこいつ」

ゴーグル「あの・・・まだ缶一本だけですよ」

フレンダ「ねぇねぇ・・・ゴーグル・・・」

ゴーグル「なんでにじり寄ってくるんですか・・・」

フレンダ「・・・ゴーグルは私のこと・・・嫌いなの?」ウルウル

ゴーグル「あぁもう!!麦野さん助けてくださいよ!!」

麦野「なんでアンタたちの間を取り持たなきゃならないのよ・・・」

ゴーグル「た、助けてくださいよ!!」

フレンダ「ねぇ・・・ゴーグルぅ・・・」

ゴーグル「あぁもう蕩けた視線はやめて!!」




274 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 20:16:07.41KtHDDq580 (34/61)

フレンダ「・・・んふふー・・・」

ゴーグル「・・・なんなんですかこのキャラ変貌は・・・」

フレンダ「・・・ねねねねね、ゴーグル」

ゴーグル「なんすか・・・」

フレンダ「なんでもなーい」

ゴーグル「あぁもうめんどくさい!!助けてくださいよ麦野さん!!」

麦野「見せ付けてくれるな・・・」

ゴーグル「違いますから!!」

ゴーグル男がフレンダの頭を押さえながら助けを求める

フレンダ「んー、痛いー」

ゴーグル「麦野さん!!お願いしますよ俺はこういう人は苦手なんですよぉ!!」

麦野「垣根とかは酔わなかったのかよ・・・」

ゴーグル「こんな酔い方はしませんよ!!」





275 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 20:23:19.97KtHDDq580 (35/61)

麦野「・・・フレンダ、やめなさい」

フレンダ「なんでー?」

麦野「・・・こいつダメだもう」

ゴーグル「はぁ・・・麦野さんは酔わないんですね」

麦野「当たり前でしょ・・・」

ゴーグル「・・・麦野さんみたいな女性はいいと思いますよ・・・」

麦野「ふーん、ありがとう」

フレンダ「ねぇー、私は?」

ゴーグル「あぁもう可愛いですよ!!!!」

フレンダ「うっわー、そーいう目で見てたんだー」

ゴーグル「なんですかこのめんどくさい人!?」

フレンダ「め、めんどくさい・・・」ジワッ

ゴーグル「な、泣かないでくださいよ!!」





276 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 20:34:19.42KtHDDq580 (36/61)

フレンダ「・・・ゴーグル・・・」

ゴーグル「わ、分かりましたよ!!!」

ゴーグル男がビールをフレンダに差し出す

ゴーグル「さぁ、もっと飲みましょう!!」

フレンダ「わーい!!」

フレンダが笑顔でビールを受け取る

それをグビグビと飲むのは、かなり面白い絵面だ

フレンダ「にゃはは!!美味しい訳よ!!!」

ゴーグル(あぁ・・・酔って寝てくれないっすかね・・・)

麦野(・・・ゴーグル君もちょっとかわいそうだね)

フレンダ「にゃはははは!!もっと飲んじゃう訳よ!!!」

フレンダがビールをまた手にする

もう、そこは無法地帯だった





277 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 20:56:32.32KtHDDq580 (37/61)

垣根「ただいまー」

美鈴「パパ、仲良くしてた?」

旅掛「おー!!お帰り美鈴!!」

心理「垣根、セクハラされちゃったわ」

垣根「旅掛さん、ちょっと外に出ようぜ」

旅掛「してないからな!!」

美鈴「パパ、垣根君にセクハラされちゃった」

旅掛「なんだとぉ!?」

垣根「ははは!!胸に顔を埋めただけだ!!」

旅掛「やりやがったなぁ!!」

垣根「ははは!!柔らかかったぞ!!!」




278 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 20:57:05.75KtHDDq580 (38/61)

垣根「ただいまー」

美鈴「パパ、仲良くしてた?」

旅掛「おー!!お帰り美鈴!!」

心理「垣根、セクハラされちゃったわ」

垣根「旅掛さん、ちょっと外に出ようぜ」

旅掛「してないからな!!」

美鈴「パパ、垣根君にセクハラされちゃった」

旅掛「なんだとぉ!?」

垣根「ははは!!胸に顔を埋めただけだ!!」

旅掛「やりやがったなぁ!!」

垣根「ははは!!柔らかかったぞ!!!」

旅掛「ふざけんなぁ!!!俺の女に手を出したな!!!」



279 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:03:21.73KtHDDq580 (39/61)

美鈴「もう、俺の女って言わないの!」

旅掛「いいじゃないか!!!だって俺の女だぞ!」

垣根「・・・旅掛さん、美鈴さんが引いてるぜ」

旅掛「なんだと!?」

心理「はぁ・・・美鈴さんの取り合いはやめなさい」

垣根「いいじゃねぇか!」

旅掛「心理定規ちゃん、男には譲れない戦いがあるんだぜ!!」

美鈴「私のために喧嘩はやめて!」

垣根「柔らかいおっぱいのためだ!!」

旅掛「美鈴は俺の嫁なんだよ!!何年も前からな!!」

垣根「その幻想をぶち殺す!!」

美鈴「いやぁ、垣根君は私のことも好きなんだねぇ」ニコニコ



280 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:05:08.83KtHDDq580 (40/61)

垣根「当たり前だろ!!巨乳が大好きなんだよ!!」

心理「垣根、私は怒ってるわ・・・えぇ、怒りに燃えてるわ」

垣根「ま、まぁ俺は心理定規が一番だぜ!!」

美鈴「えー、私はぁ?」

垣根「2番!!!2番でどうだ!?」

美鈴「やっほー!!パパ、イケメンの2番になった!!」

旅掛「そして俺の1番だ!!!」

美鈴「嬉しいよ、パパ!!!」

心理「垣根、ちょっと謝ってくれるかしら」

垣根「ジョークだよジョーク!!」

心理「へぇ・・・」

垣根「お、怒るなよ・・・」

垣根が心理定規をなだめる





281 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:07:42.15KtHDDq580 (41/61)

心理「私はね、垣根・・・浮気を疑ってるんじゃないのよ」

垣根「すいません・・・」

旅掛「まぁまぁ、垣根君も冗談でやったんだろ?」

美鈴「そんな!!遊びだったのね!!」

垣根「遊びなんかじゃないさ!!」

旅掛「垣根ぇ!!!」

心理「許さないわ」

垣根「ちげぇ!!今のはノリなんだよ!!!」

旅掛「ノリだろうが許せん!!」

垣根「あぁそうだ!!酒、酒飲もうぜ!!!」

美鈴「おー、いいね!!」

心理(誤魔化したわね・・・)





282 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:17:05.84KtHDDq580 (42/61)

垣根「さぁ!!ワインワイン!!」

美鈴「ひゃっほー!」

旅掛「お、いいな!!」

垣根がワインを開ける

美鈴「なになに!?赤?白?」

垣根「赤だぜベイビー!!」

美鈴「おぉ!!健康的ぃ!!」

旅掛「早速飲もうぜ!!」

心理「はぁ・・・ちょっと待って」

心理定規が美鈴の手を握る

美鈴「ん?なに?」

心理「・・・美琴はね、酒が弱かったのよ」

美鈴「え、美琴ちゃんに飲ませたことあるの?」

心理「それはいいのよ・・・」




283VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2011/10/12(水) 21:17:57.68TjB4vrBAO (1/1)

美鈴さんに酒だと…


284 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:22:27.50KtHDDq580 (43/61)

垣根「・・・美鈴さんってお酒・・・強い?」

美鈴「そりゃもう!!」

心理「あら、なら大丈夫・・・」

美鈴「弱いよ!!」

垣根「ダメじゃねぇか!!」

旅掛「いいじゃないか、酔っても」

心理「酔ったらダメよ・・・」

美鈴「私ね・・・酔ったら脱ぐタイプなんだ・・・」

垣根「飲ませよう!!!あぁ飲ませよう!!」

心理「騙されないの」

美鈴「・・・ねぇ、いいでしょ?」

垣根「分かったよ・・・その代わり旅掛さんが止めてくれよな」

旅掛「おう!」





285 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:26:39.44KtHDDq580 (44/61)

垣根「んじゃ分けるぞー」

垣根がグラスにワインを注いでいく

心なしか、美鈴のグラスには少なく注いでいる

美鈴「ねぇ、なんか少なくない?」

垣根「気のせい・・・」

美鈴「いっぱい飲んだらいっぱい脱いじゃうよ・・・?」

垣根「あぁもう!!脱げよ!?マジで脱いでくれよ!?」

心理「ダメよ、少なくしなさい」

垣根「ちぇー・・・」

旅掛「なかなかいいワインだな・・・」

垣根「そりゃ、安いのなんて飲んでられないだろ」

美鈴「カッコイー!」

垣根「じゃぁ・・・乾杯するか」





286 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:31:04.51KtHDDq580 (45/61)

美鈴「んじゃあ、みんなかんぱーい!!」

旅掛「乾杯!!!」

垣根(脱げよ・・・脱げよ!!)

心理(何か念じてるわね・・・)

美鈴「ぷはー!!美味い!!!」

旅掛「ほう、こりゃいいな!!」

二人が満足げにグラスを見つめる

その側面には、自分の顔が映っている

垣根「はぁ・・・そういえば、いつものメンバー以外で飲むのなんて珍しいな」

心理「というか、他の人とは飲めないじゃない」

美鈴「未成年だもんねー」

旅掛「はっはっは!!ホントはダメだぞ!!」

垣根「分かってるさ」





287 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:34:51.88KtHDDq580 (46/61)

美鈴「にゃっはー!!美味しい!!」

垣根「だろ?もっと飲もうぜ美鈴さん!!」

心理「あなた、脱がせようとしてるでしょ」

旅掛「残念だが、美鈴は脱ぐタイプじゃないぞ」

垣根「」

旅掛「めんどくさく絡むタイプだぞ」

心理「あら、それはよくあるタイプね」

美鈴「心理定規ちゃーん、垣根君のどんなとこが好きなのー?」

心理「あら、全部よ」

旅掛「おぉ!!あっついなぁ!!」

垣根「」

心理「いつまで黙ってるのよ」

垣根「・・・脱がない・・・だって・・・?」




288 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:39:51.02KtHDDq580 (47/61)

美鈴「いやぁ、脱がないよん!!」

垣根「ちくしょう!!じゃあ脱がせてやる!!」

旅掛「それは許さないからな!!!」

垣根「この高校生のドキドキを返して!?大人な女性に弄ばれたあの夏のひと時!!」

心理「冬よ」

旅掛「・・・垣根君、諦めて飲もうぜ」

垣根「ちくしょぉ・・・なんてこった・・・」

垣根が泣きそうな顔をしながらワインを飲む

垣根「ははは・・・こりゃ泣き酒だぜ・・・」

心理「何言ってるのよ」

垣根「ワインが目に染みたんだ・・・」

心理「痛い痛い」





289 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:43:03.94KtHDDq580 (48/61)

垣根「・・・そういや、旅掛さんは酔わないんだな」

旅掛「まぁ、仕事の付き合いとかでよく飲むからな」

美鈴「・・・女の子と・・・?」

旅掛「まさか、男ばっかなんだよ・・・」

美鈴「なんだぁ!!」

美鈴が安心したように旅掛に抱きつく

垣根「あぁ胸が胸が!!!」

心理「・・・垣根」

垣根「ん?抱きつきたいなら抱きついていいぞ」

心理「あら嬉しい」

心理定規がぎゅっと垣根に抱きつく

垣根「おぉ、胸はいいねぇ」

心理「・・・声フェチでしょ・・・」ハァ




290 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:45:35.05KtHDDq580 (49/61)

旅掛「ぷはー・・・浴びるように飲めるな」

垣根「たくさんあるからな」

美鈴「にゃっはー・・・垣根くぅん・・・」

垣根「おうなんだ!?」

美鈴「なんで垣根君は心理定規ちゃんと付き合ったのぉ?」

垣根「そりゃ・・・好きだからさ」

美鈴「もう、青いねぇ・・・」ニコニコ

垣根「青いかな?」

美鈴「そうやって、好きな人とただ前を見ていられるのは若い証拠だよ・・・」

垣根「・・・美鈴さんはどうなんだよ?」

美鈴「パパと見てるのは厳しい家計なんですよー・・・」

旅掛「おいおい・・・俺だってしっかり稼いでるぞ?」

美鈴「ありゃりゃ?そうだっけ?」





291 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:52:01.92KtHDDq580 (50/61)

旅掛「・・・まさか浪費してるんじゃ・・・」

美鈴「いやぁ、ほしいものは多いね!!」

旅掛「使ってるのか!」

美鈴「だ、だって・・・」ウルウル

旅掛「いやいや!!いいんだけどもさ!!」

垣根(なんか上条と御坂みたいだなこの二人)

心理(・・・上条君は将来旅掛さんみたいになるのね)

垣根(そうなったら・・・御坂は美鈴さんみたいになるのか?)

垣根がじーっと美鈴の胸元を見つめる

美琴があれになるのだろうか

垣根(ワーオ・・・東洋の神秘)

心理(驚いたような顔してどうしたのかしら)





292 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 21:54:27.62KtHDDq580 (51/61)

垣根「・・・美鈴さんは金遣い荒いのか?」

美鈴「そうでもないよ」

旅掛「・・・何に使ってるんだ?」

美鈴「えっとね・・・服と鞄と化粧品とジムと・・・」

旅掛「ず、ずいぶんと使ってるな・・・」

心理「あら、旅掛さんは使わせてもらってないの?」

旅掛「・・・財布のヒモは美鈴が握ってるんだよ・・・」

美鈴「だってパパに任せたら酒ばっかり飲みそうなんだもん」

旅掛「お、お前が言うのか・・・」

美鈴「なにさぁ」

旅掛「いやいや!!怒ってるんじゃないけどな!」

垣根(尻に敷かれてるな)





293 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:00:20.96KtHDDq580 (52/61)

旅掛「・・・美鈴・・・もう少し俺にもお小遣いを・・・」

垣根「旅掛さん・・・情けないぞ、そこはもっと強気に!!」

旅掛「そ、そうか?美鈴!!金よこせ・・・」

垣根「ダメだ!!愛をもっと表に出そう!!」

旅掛「あ、あぁ!!美鈴、今日も綺麗だな、お小遣いをくれないか!?」

垣根「いいぞ!!」


美鈴「ねぇねぇ心理定規ちゃん、もっと飲んでいい?」

心理「あら、注いであげるわよ」

美鈴「にゃっほー!!心理定規ちゃんに注がれちゃうぞ!!」

心理「はいはい、お母さん」ニコニコ

美鈴「おう、心理定規ォ!」


垣根・旅掛「聞いちゃいねー」





294 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:05:04.83KtHDDq580 (53/61)

心理「・・・美鈴さん、美琴が子供の頃の話、聞かせてくれない?」

美鈴「えっとね・・・カエルのぬいぐるみが壊れたとき、サンタさんに直して欲しいって言ったり・・・」

心理「あら可愛い」

美鈴「あとね、パパに料理作ったことがあってね・・・」

心理「へぇ、子供らしい」

美鈴「でもそれがめちゃくちゃヘタだったのよ!」アハハ!

心理「子供だからね・・・」クスクス

美鈴「我慢して食べるパパは面白かったよ!!」

旅掛「だって・・・美琴が作ったんだぞ!?」

美鈴「パパは美琴ちゃんが大好きだもんね!」

旅掛「あたぼうよ!!」

垣根「・・・手料理か・・・」

美鈴「?どしたの垣根くーん」





295 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:09:15.91KtHDDq580 (54/61)

垣根「あぁいや」

旅掛「?どうしたんだ?」

美鈴「心理定規ちゃんの手料理を思いだしたの?」

垣根「違う違う」

垣根が苦笑する

何かを言いたそうだが、恥ずかしくて言えないようである

垣根「・・・その・・・な」

心理「・・・ねぇ、美鈴さん」

美鈴「なーに?」

心理「・・・酔ってるのかしら?」

美鈴「ほどよくねー♪」

心理「・・・料理、作れない?」

垣根「!!」





296 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:13:38.85KtHDDq580 (55/61)

美鈴「ん?作って欲しいの?」

心理「えぇ、美鈴さんは料理上手なのかしら?」

美鈴「まぁ一人暮らしに近いし、いっつも作ってるよ?」

心理「私も教えて欲しいし・・・ダメかしら?」

美鈴「うん、いいよ!!」

美鈴がニコニコと笑う

心理「・・・これでよかったの?」コソッ

垣根「・・・ありがとよ」

心理「あなたの考えてることなら分かるわよ」

垣根「・・・あぁ」

旅掛「?どうかしたかい?」

垣根「いや、なんでも」





297 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:16:49.59KtHDDq580 (56/61)

美鈴「じゃあ、心理定規ちゃん!!」

心理「はい」

美鈴「垣根君のために美味しい料理を作ろうか!」

心理「あら、いいわね」クスクス

旅掛「俺は?」

美鈴「もちろん、パパのためでもあるわよ!!」

旅掛「久々の美鈴の手料理だな!!」

美鈴「うん、楽しみにしてて!」

女二人がキッチンへ向かう

垣根「・・・」

旅掛「君は美鈴の手料理が食べたかったのかい?」

垣根「・・・まぁな」

旅掛「へぇ・・・どうして?」





298 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:19:21.57KtHDDq580 (57/61)

垣根「・・・俺には母親なんていないからな」

旅掛「・・・一度でも、母親の料理ってのを食べてみたかったのか?」

垣根「・・・どうかな」

垣根がソファーに寝転がる

彼にも、本当は母親がいたのだろう

そして、きっと料理だって作ってくれたのだろう

それは、おそらく美味しかったのだろう

全部

全部推測に過ぎなかった

彼にはそんな記憶がないから

垣根「・・・母親の手料理なんて、夢のまた夢さ」

旅掛「・・・そうだな」




299 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:21:50.86KtHDDq580 (58/61)

垣根「・・・心理定規にも親はいない」

旅掛「義理の親もできない・・・か」

垣根「・・・くだらないよな、美鈴さんの手料理を求めるなんて」

旅掛「・・・俺は文句なんてないさ」

垣根「・・・寂しいだけだ、関係のない他人の手料理なんてさ」

旅掛「・・・なら、どうして君は嬉しそうなんだい?」

垣根「・・・そりゃ、嬉しいからさ」

旅掛「・・・そうか」

垣根「・・・なぁ、旅掛さん」

旅掛「なんだい」

垣根「・・・俺は・・・間違ってるのかな?母親の面影を誰かに求めるなんて」

旅掛「・・・間違ってるのかもな」





300 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:25:23.63KtHDDq580 (59/61)

垣根「そうだよな」

旅掛「でもな、君には母親の温もりが足りなかった」

垣根「・・・アンタの仕事、か」

旅掛「なら俺はそれを用意してやるだけさ」

旅掛がふっ、と笑う

旅掛「・・・それに、美鈴も楽しそうだからな・・・男の子はいないから」

垣根「・・・よかった」

旅掛「・・・さて、飲むか」

垣根「おう」



心理「ごめんなさいね、いきなり頼んだりして」

美鈴「ううん!!楽しいからいいよ!」

心理「・・・ありがとう」





301 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:28:37.74KtHDDq580 (60/61)

美鈴「こうやって誰かと用意するのも久しぶりだなぁ!」

心理「・・・」

美鈴「?どうしたの?」

心理「なんでもないわよ」

心理定規が垣根のほうをそっと見つめる

心理(・・・赤の他人・・・ね)

垣根は美鈴のことをそう言っていた

所詮、ただの知り合いなだけだと

心理(でもね・・・あなたと美鈴さんの距離単位は5なのよ)

美鈴「じゃ、作ろうか!!」

心理「えぇ」


心理(・・・その距離はね、親子のものなのよ・・・垣根)





302 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/12(水) 22:38:28.78KtHDDq580 (61/61)

今日のところは綺麗な感じで終われたはずだ!!

そういうことで、今日はここまで

垣根はあんま甘えなかったね・・・


では筋肉動画

アーノルドの全盛期は1975年

ではその時、オリンピアで2位だったのは誰か

「サージ・ヌブレ」

彼はステロイドを一度も使用したことがないそうな

比較的軽い重量を、完璧なフォームで用いることによりビルドアップを果たしたらしいですね・・・




70歳でこの肉体を保っていました

 


残念なことに、2011年4月19日、亡くなってしまわれましたね

本当に残念です


ではおやすみなさい

次スレもちょいちょい書き溜めてるところです

やや急展開ですが、1スレだけちょっとしたバトルものにしたくて

オリキャラを敵に使うのは嫌いですが、魔術側も描きたいし・・・

大変ですねww




303VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)2011/10/12(水) 23:00:10.16/ZPfJnyf0 (1/1)

さだのりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
また出てきてくれるのか!?
それともセルジオか!?
まさかまさかの第三勢力か!?


















サトリナ「カラオケネタ見たいよぉ」


304 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 10:27:04.97qHHcEjzi0 (1/63)


垣根「・・・」ウズウズ

旅掛「そんなに楽しみなのかい?」

垣根「だってさ・・・美鈴さんの手料理だろ?」

旅掛「俺も久しぶりだけどな」

垣根「美味しいのか?」

旅掛「そりゃもう!!!愛妻弁当とか昔は作ってくれたなぁ!!」

垣根「あぁ、今は愛が冷めたのか」

旅掛「違うもーん!!!料理が冷めちゃうからだもーん!!」

垣根「う、上手くなんかないからな!!」

旅掛「ははは!!悔しがるがいい!!!」

垣根「ちくしょぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」


心理「何叫んでるのかしら」トントン

美鈴「それでねー、ここにダシを入れます!!」




305 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 10:44:17.85qHHcEjzi0 (2/63)

心理「ふーん・・・これにダシをね・・・」

美鈴「でもねでもね、あんまり入れすぎてもダメなの!!パパはわりと薄味が好みだから!!」

心理「旅掛さんに作ってるわけじゃないんだけど」

美鈴「えー、そうなの?」

心理「・・・私は垣根に作ってるのよ」

美鈴「ついでだしパパにも愛を込めて!!」

心理「それはあなたの役目でしょ・・・」ハァ

美鈴「えー、だって心理定規ちゃんみたいな子の愛だったらパパ、大喜びだよ!?」

心理「浮気じゃないの、それ?」

美鈴「違うよ、心理定規ちゃんみたいな娘も欲しかったもん!!」

心理「・・・ありがとう」

心理定規が手元で切られていく野菜を見つめる

心理「・・・娘・・・ね」

美鈴「うん!!」





306 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 10:48:32.88qHHcEjzi0 (3/63)

心理「分かったわ、せっかくだから旅掛さんにも愛を込めて」

美鈴「おー!!ありがと!!」

心理「・・・ねぇ、美鈴さん」

美鈴「ん、何?」

心理「妹達のこと、聞いたんでしょ?」

美鈴「うん、聞いたよ」

トントン、とキッチンに小気味よい音が響く

心理「・・・どうだった?それを聞いて」

美鈴「そりゃ・・・美琴ちゃんが傷ついたのはイヤだったよ」

心理「・・・でしょうね」

美鈴「でもね、あの子達が生まれたのは一方通行君のおかげだったんでしょ?」

心理「・・・恨まないってこと?」

美鈴「恨み、そして感謝するんだよ・・・でも一方通行君はいい子だよ」

心理「・・・変わったのよ、彼も」




307 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 10:51:45.77qHHcEjzi0 (4/63)

美鈴「・・・私ね、妹達のことも大好きだよ」

心理「・・・不気味じゃない?同じ顔で・・・そして、ネットワークで記憶を共有していて」

美鈴「だって私の娘だよ?私や美琴ちゃんと同じ顔をしてるのは当たり前じゃん」

心理「・・・」

美鈴「それにさ、ネットワークで共有とか、軍事クローンとか・・・そんなことはどうでもいいんだ」

心理「どうして?」

美鈴「だってあの子達は、私をお母さんって呼んだんだよ?美鈴さん、でもなければあなた、でもない」

美鈴「・・・お母さん、って呼んでくれる娘達を可愛く思わないわけないじゃん!!」

美鈴が満面の笑みを浮べる

それがとても眩しかった

心理「・・・ふふ、あなたはホント理想の母親ね」

美鈴「嬉しいこと言ってくれるじゃない!!」




308 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 10:54:34.18qHHcEjzi0 (5/63)

心理「・・・私はね・・・あなたみたいな母親が欲しかったわ」

美鈴「私を母親と思ってもいいんだよ?」

心理「・・・やめとくわ、上条君や美琴と義理の家族なんて想像できないもの」

クスクス、と笑う二人

心理「それに魅力的なお誘いだけど・・・でも、甘えたくはないから」

美鈴「・・・甘えじゃないと思うけどなぁ」

心理「垣根を見なさいな」

美鈴「垣根君?」

心理「あなたの胸に飛び込んで・・・心のうちを曝け出して・・・」

心理「それでも、あなたの息子になりたいとは言わない・・・あなたみたいな母親が欲しかったとは言うけれど」

美鈴「・・・」

心理「・・・私達にとってね、家族の温もりを受けることは過去の話なのよ」

心理「・・・いまさら温もりを受けようなんて思わないわ」




309 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 10:57:10.62qHHcEjzi0 (6/63)

美鈴「・・・なんで?」

心理「・・・冷めてしまった私達にはね・・・温もりでさえ恐ろしいほどに熱いのよ」

心理「ヘタをしてしまえば、身を焦がすくらいに」

美鈴「・・・心理定規ちゃん、泣きたいの?」

心理「・・・料理がしょっぱくなるからやめとくわ」

心理定規が苦笑しながら、手を動かす

トントン、と野菜が切られていく

心理「・・・私はね・・・誰かに温もりを与えたいの」

美鈴「自分が温もりをもらえなかったから?」

心理「えぇ・・・誰かを幸せにすることが出来れば、こんな人生にも意味があると思えるから」

美鈴「心理定規ちゃんは美琴ちゃん達に温もりを与えてるよ?」

心理「えぇ、そうかもしれないわね」




310 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 10:59:11.96qHHcEjzi0 (7/63)

美鈴「・・・心理定規ちゃんは優しいんだね」

心理「・・・どうかしらね」

美鈴「優しくなきゃ、そんなことは言えないよ」

心理「優しく振舞ってるだけなのよ」

美鈴「どうして?」

心理「・・・人との距離を気にしてしまうから」

美鈴「ふーん」

心理「ふーん・・・ってね・・・」

美鈴「そんなの誰だってそうだよ?私だって人との距離を気にするし」

心理「・・・私はそれに敏感なのよ」

美鈴「でもさでもさ、それって素敵なことじゃんか」

心理「どうして?」

美鈴「じゃあなんで心理定規ちゃんは垣根君と一緒にいるの?」

心理「それは・・・」





311 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 11:02:29.13qHHcEjzi0 (8/63)

美鈴「垣根君とあなたの距離が近いからでしょ?」

心理「・・・そうよ」

美鈴「それはウソでもなんでもない、本当の近しい距離なんだよね?」

心理「・・・私はそう信じてる」

美鈴「そうやって信じられる人がいるならさ、周りなんて気にしなくていいよ」

心理「・・・そうはいかないのよ、私は人間だから」

美鈴「心理定規ちゃんの能力って私は素敵だと思うな」

心理「どこが?」

美鈴「騙されなくて済むから・・・本当の友達とだけ一緒にいられるでしょ?」

心理「騙されたいときもあるのよ?」

美鈴「そこは、みんなも同じ悩みだしさ」

心理「・・・美鈴さん」

美鈴「なに?」





312 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 11:04:18.30qHHcEjzi0 (9/63)

心理「あなた・・・ホントお人よしね」

美鈴「?どうしてどうして?」

心理「ホントに私のことを娘のように思ってるってことよ」

美鈴「??」

心理「さ、早くしないと二人が待ちくたびれちゃうわよ」

心理定規が手を早める

美鈴「ねぇ、どういうこと?」

心理「・・・なんでもないわ」

美鈴「えー、心理定規ちゃんのいけずー」

心理「ふふ・・・悪かったわね」

美鈴「教えないとくすぐっちゃうぞ!!」

心理「あら、出来るかしら?」フフン

美鈴「なにをーー!!!!」





313 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 11:06:22.08qHHcEjzi0 (10/63)


垣根「?なんかキッチンは騒がしいな」

旅掛「・・・なんかくすぐり合いしてるな」

垣根「早く作ってくれよなーー!!!」


美鈴・心理「はーい!!」


旅掛「まるでホントの親子みたいだな」

垣根「そうだな」

旅掛「君も混じりたいんじゃないのか?」

垣根「遠慮しとく、俺は苦手だからな」

旅掛「損な性格だな」

垣根「損でもいいんだよ、得なんて得ようとも思わない」

旅掛「はぁ・・・そうかい」

垣根「・・・一眠りするかな」

旅掛「俺も・・・」





314 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 11:31:02.20qHHcEjzi0 (11/63)

二人がそっと目を閉じる

それぞれの夢に落ちていく



旅掛「美鈴!もう生まれたって!?」

美鈴「うわ、おっそー・・・」

旅掛の夢は、美鈴が美琴を生んだときのものだった

旅掛「男!?女!?まさかオカマ!?」

美鈴「元気な女の子です!」

美鈴が抱きしめているのは、可愛い女の子だった

旅掛はそのとき、何かしらのとても大きな感情が生まれたのを覚えている

美鈴「名前はもちろん、美琴ちゃんだよ!」

旅掛「俺の娘かぁ!!美琴ー、パパでちゅよー!!」

美琴「ウワァァァァァァン!!!!」

美鈴「こらパパ、そんな大声出さない・・・」


旅掛「もうダメだ・・・反抗期だ、これだ第一次反抗期だぁぁぁ!!!」

美鈴「パパ、落ち込みすぎ」





315 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 11:36:26.81qHHcEjzi0 (12/63)

旅掛「美琴かぁ・・・これで俺も父親か・・・」

美鈴「・・・でもよく帰ってこれたわね」

旅掛「仕事なんていつだっていいんだよ」

美鈴「おー!!パパかっこいい!!」

旅掛「しっかし・・・実感が湧かないよなぁ・・・」

旅掛が赤ん坊美琴の寝顔を見つめる

旅掛「・・・この子にも・・・いつか彼氏ができるんだろうなぁ・・・」

美鈴「早すぎるわよパパ」

旅掛「ぐぁぁぁ!!そうなったらどうしよう!?」

美鈴「・・・よかった、これでやっとパパとの子供ができたんだね」

旅掛「おうよ」

ニコニコと笑う二人

ただ、美琴だけはなぜか泣いていた


旅掛「もしかして泣き虫さんかな?」

美鈴「ありゃー・・・夜泣きが心配だね」





316 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 11:41:57.87qHHcEjzi0 (13/63)


垣根「・・・心理定規、いるか?」

心理「あら、どうしたの?」

垣根の夢は、彼が帰ってきて一ヶ月ほどした頃のものだった

垣根「・・・いや、飯でも食いに行かないかと思ってさ・・・」

心理「デート?」

垣根「バーカ、なんで俺がてめぇとそんなことしなくちゃなんねぇんだよ」

心理「あら残念」

垣根「・・・行くのか?」

心理「もちろん」

あの日は、なんとなく垣根が出かけたい気分だったのだ

なんとなく


垣根「・・・うらやましいよな、世の中はそろそろクリスマスだとよ」

心理「あらそうね・・・そんな季節なんだ」

垣根「・・・メルヘンなこった」




317 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 11:44:01.27qHHcEjzi0 (14/63)

心理「・・・私達はどうするの?」

垣根「・・・?何が」

心理「クリスマスよ」

垣根「知るかよ・・・」

心理「・・・あなたがいるならそれでいいけど」

垣根「ちっぽけな幸せだな」

心理「あらそうかしら?」

垣根「・・・なぁ、心理定規」

心理「なに?」

垣根「・・・クリスマスのプレゼントくらいなら買ってやってもいいけど」

心理「・・・じゃ、お願いしようかしら」

垣根「あいよ」

あの日はたしか、なんとなく垣根がプレゼントをしたい気分だったのだ

ただ、なんとなく





318 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 11:48:39.22qHHcEjzi0 (15/63)


垣根「はぁ?なんだよそりゃ」

心理「だから、遊園地に行きたいのよ・・・」

垣根「今からか?」

心理「クリスマス辺りに・・・その約束がプレゼントってことでどう?」

垣根「いいけどさ・・・なんだよそりゃ」

心理「いいのよ・・・少なくとも、それでクリスマスまではあなたがいてくれるじゃない」

垣根「はー、俺のスケジュールの予約かよ」

心理「もしかして・・・予約で一杯かしら?」

垣根「残念、ちょうど予約待ちだったとこだ」

心理「よかった」

嬉しそうに心理定規が笑う

別に、心理定規とデートの約束がしたかったのではない

なんとなく、ヒマを潰したかっただけだった

本当に、なんとなく





319 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 11:50:28.95qHHcEjzi0 (16/63)

垣根「・・・」

心理「?どうしたのよ、メモ帳なんか取り出して」

垣根「一応メモっとくんだよ」

心理「あら、忘れるから?」

垣根「・・・そうだな」

なんとなく

なんとなく

垣根はあの日、ただなんとなくの連続で心理定規とデートの約束をした

垣根(・・・くっだらねぇな)

そう思いながら


彼は、クリスマスのスケジュールに書いてあった予定にそっと横線を引いた

その上から書き込まれたのは、なんとなく約束したデートの予定だった




320 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 13:08:26.77qHHcEjzi0 (17/63)


垣根「ん・・・おはようさん・・・」

旅掛「あぁ・・・いい夢だった・・・」

垣根「俺も・・・悪くはなかった・・・」


美鈴「よし!出来た!!」

心理「二人とも、ワイン片付けてー」


垣根「はいはい・・・」

旅掛「ちょうどいいタイミングで起きたみたいだな」

垣根「最悪のタイミングでもあるけどな・・・」

旅掛「片付けめんどくさい・・・」

二人が眠そうな顔をしながらワインとグラスを片付ける

垣根「えーっと・・・これでいいか?」

旅掛「いいんじゃないか・・・?片付いたし・・・」


美鈴「よーし、運ぼうか!!」

心理「はいはい」





321 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 13:13:03.83qHHcEjzi0 (18/63)

垣根「・・・お、美味しそうだな」

旅掛「ほう・・・味噌汁と米と玉子焼きと天ぷらと・・・お、肉じゃがじゃないか!」

美鈴「一杯作ったよん!」

心理「ほら、食べなさいな」

垣根「・・・じゃ、いただきまーす」

垣根が天ぷらを一口食べる

垣根「あぁうめぇ・・・」

心理「・・・ねぇ、どうして肉じゃがは食べないのよ」

垣根「楽しみは最後に・・・」

美鈴「パパ、あーん♪」

旅掛「あーん♪」

垣根(・・・うっぜぇ・・・)

心理(あら、美味しくできてるわね)

四人が食事を進めていく


旅掛「はぁ・・・こりゃ久々の美味しい料理だ・・・」




322 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 13:17:16.12qHHcEjzi0 (19/63)

美鈴「いつもは機内食とかなんだっけ?」

旅掛「そうそう・・・あと外国の飯はあんま口に合わないんだよ・・・」

心理「へぇ・・・それってきついわよね」

旅掛「そうなんだよ・・・」

垣根「・・・ん・・・誰か来た」

美鈴「ん?そうなの?」

垣根「・・・」

垣根がドアのほうを見つめる

その時、家のチャイムが鳴った

しかも何度も何度もピンポンピンポン鳴らしている

垣根「あぁもううっせぇ!!!」

心理「・・・誰かしら」

垣根「心当たりがあんだよ・・・」

垣根が青筋を浮べながら玄関へ向かう

彼は今、とても幸せな時間を過ごしていたのだ





323 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 13:21:45.14qHHcEjzi0 (20/63)

垣根「幸せな時間をぶち壊すヤツには天罰よ!!」

そんなことを言いながら、ドアを開き放つ


20000「遊びに来たぜ!!」

19090「お母さんが来ているんですよね!?」

御坂妹「お父さんもいると聞きましたが」

13577「お姉様の情報ですから間違いないですよね!!」

14510「さぁ!!入れてくださいよ!!」

テクパトル「悪いな垣根・・・こいつらいきなり飛び出して・・・」


垣根「お帰りくださーい」

垣根がドアを閉める

心のドアも完璧に閉める

南京錠も忘れない




324 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 13:25:29.21qHHcEjzi0 (21/63)

20000「開けろよこらぁ!!!」

17600「開けないならばコルトパイソンで・・・」

垣根「あぁもう分かりましたよ!!」

心の南京錠はコルトパイソンで打ち砕かれた

垣根「なんだよ!?なんなんだよ!?」

テクパトル「・・・悪いな」

10033「さぁ!!親子水入らずの時間です!!!」

10039「おじゃましまーす!!」

垣根のイヤそうな顔を無視して、妹達が家へと上がる


御坂妹「お母さん!!お父さん!!!」

旅掛「ん?おぉ、来たのか!!」

美鈴「にゃっほー」





325 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 14:54:54.73qHHcEjzi0 (22/63)

19090「お久しぶりです!!」

旅掛「いやぁ!!ホントだな!!」

美鈴「元気してた!?」

10039「それはもう!!」

20000「毎日性欲バンバン・・・」

御坂妹「やめなさい」

14510「お母さんとお父さんも元気でしたか?」

美鈴「もう元気も元気!!」

旅掛「いやぁ!!嬉しいなぁちくしょう!!」


テクパトル「・・・入れん」

17600「ミサカもだ」

垣根「ワイン飲むか?」

テクパトル「あぁ、ありがたくもらう」





326 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 14:58:06.83qHHcEjzi0 (23/63)

心理「・・・親子水入らずね」

美鈴「さーて!!みんな、明けましておめでとう!!」

ミサカ一同「おめでとうございます!!」

旅掛「少しだけど、お年玉もあるぞ!!」

ミサカ一同「いぇー!!!」


テクパトル「はぁ・・・美味いな」

17600「垣根よ、いや・・・わが友よ、美味いワインをありがとう」

垣根「・・・なんか疲れた」

心理「歳かなぁ・・・少し・・・少し疲れた」

垣根「頼むからお前はボケないでくれよ」

心理「ごめんなさいね」

テクパトル「・・・御坂家がほぼ勢ぞろいか」

垣根「上条たちと一方通行たちがいないけどな」





327 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:00:15.14qHHcEjzi0 (24/63)

テクパトル「義父さん、義母さん・・・明けましておめでとう」

美鈴「おー、テクパトル君も大きくなって!」

テクパトル「それはなんか違うぞ・・・」

旅掛「相変わらずガラが悪いな!!」

テクパトル「気にしてることを言わないでくれ・・・」

20000「ふっへへ!!相変わらずいろんなところが大きいね!!」

テクパトル「あとでお仕置きな」

20000「いやん//」

テクパトル「・・・」

20000「・・・」

テクパトル「悪いな・・・みんなにお年玉なんて」

旅掛「娘達だ、当たり前だろ」

美鈴「そうだよ、むしろ楽しいし!!」

テクパトル「・・・ありがとう」





328 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:02:17.24qHHcEjzi0 (25/63)

心理「・・・垣根、どうしたの?」

垣根「いーや、やっぱ親子は違うな・・・」

心理「・・・そりゃそうよ・・・」

17600「全くだな」

垣根「なんだよ、お前は混じらなくていいのか?」

17600「悪いが・・・あの中に飛び込んでいけるほどパワフルじゃないんだよ」

垣根「スネークがよく言うぜ・・・」

17600「あとでゆっくり話すつもりさ・・・」

心理「・・・何か引っかかるの?」

17600「・・・あいつら、テっくんのことを考えちゃいない」

垣根「テクパトルのことか?」

17600「ま・・・テっくんは気にしてないだろうがな」

心理「何か悪いことでもあるの?」





329 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:04:23.70qHHcEjzi0 (26/63)

17600「・・・本物の親にばっかりあんな風に甘えてもな」

垣根「まぁ・・・たしかに掌返しといえばそうかもな」

心理「でも仕方ないじゃない」

17600「悪気がない分・・・な」

17600号がワインを飲む

垣根「・・・テクパトルのヤツも喜んでるぞ?」

17600「ミサカたちのことを考えてくれてるのはありがたいがな」

心理「あなたはテクパトル君のことが大好きなのね」

17600「勘違いするなよ?あくまで親としてさ」

垣根「分かってる」

17600「・・・ミサカはな・・・テっくんも父親だと思ってるんだ」

心理「みんなそうじゃないかしら」

17600「・・・そうだな」





330 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:06:36.70qHHcEjzi0 (27/63)

垣根「複雑なのは分かるけどさ」

17600「・・・というか、みんなもうお年玉に集中してやがる」


美鈴「並んで並んで!!」

御坂妹「ミサカが一番お姉さんなのでミサカからです!!」

20000「はぁ!?ミサカこそ一番先だし!!」

19090「妹に譲るべきですよ!!」

10033「またまた、これだから末っ子とかは困ります」

20000「なにぃ!?」

旅掛「こらこら、ケンカするなよ」

美鈴「そうそう、みんな同じ額なんだから」

13577「ピン札がいいのです!!」

旅掛「全部ピン札だ!!」ババーン

ミサカ一同「お、おぉ・・・」キラキラ





331 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:08:44.71qHHcEjzi0 (28/63)

テクパトル「・・・楽しそうだな」

垣根「よぉ、寂しいのか?」

テクパトル「・・・なんというか、複雑だな」

心理「でも笑ってるじゃない」

テクパトル「そりゃ・・・あの二人がこいつらを子供として認めてるのが嬉しくてな」

17600「これだからテっくんは・・・」

テクパトル「なんだよ」

17600「なんでもないさ・・・ミサカも並ぶかな」

17600号が列に入る

御坂妹「17600号!!横取りは禁止です!!」

17600「うるせぇな、ケツの穴に鉛玉ぶち込んでサブウェイ作られたいか?」

御坂妹「ど、どうぞ」

19090(こ、怖いです・・・)





332 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:11:20.70qHHcEjzi0 (29/63)

美鈴「はい!えーっと・・・」

テクパトル「そいつは13577号だ」

美鈴「13577ちゃん!!」

13577「ありがとうございます!!」

旅掛「んーと・・・」

テクパトル「10033号だ」

旅掛「おー!!10033号!」

10033「ありがとうございます!!」

美鈴「ねぇねぇ、テクパトル君・・・この子は?」

テクパトル「19090号だ」

旅掛「お、彼女は特に覚えてますってかぁ!!!」

テクパトル(めんどくせぇぞこの親父)

19090「ありがとうございます!!」




333 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:14:37.91qHHcEjzi0 (30/63)

17600「・・・お年玉・・・か」

美鈴「あ、あなたは17600ちゃんだよね?」

17600「ん?分かるのか」

旅掛「一人だけ口調が違うからな」

ミサカ一同「!?」


御坂妹(なるほど・・・口調に特徴をつけるなんて思いもしませんでした!!)

20000(よーし、ミサカはルー口調になってみせる!!)

14510(・・・ヤンキーっぽい口調とかどうでしょうか)

10039(・・・萌えキャラっぽくいってみせます)

19090(・・・ミサカはこのままで)

御坂妹(あ、じゃあミサカはドジっこっぽく・・・)

テクパトル(・・・なんか考えてるぞこいつら)





334 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:17:43.67qHHcEjzi0 (31/63)

旅掛「さて・・・お年玉も配り終わったし・・・」

美鈴「みんな何かしたい?」

20000「ミーはマザーとファザーとトゥギャザーしたいぜ!!」

14510「うるせぇんだよド素人が!!!」

10039「ミサカは・・・パパとママとお出かけしたいな」キュルルルン

19090「肩揉みでもしましょうか?」

御坂妹「えっと・・・じゃ、じゃあ海に・・・って冬じゃん!!」

旅掛「テクパトル君・・・これはどういうことなんだろうな」

美鈴「えっと・・・盛大なドッキリ?」

テクパトル「気にするな、いつもの発作だ」

ミサカ一同「発作!?」

17600(・・・フォッサマグナ)

心理(17600号がニヤニヤしてるわね)

垣根(なんか怖い)





335 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:20:12.34qHHcEjzi0 (32/63)

旅掛「えっとだな・・・」

テクパトル「今から出かけるには少し遅くないか?」

御坂妹「えー・・・まだ13時ですよ?」

13577「テっくんの引きこもりー」

10033「いけずー」

20000「インポー」

テクパトル「とりあえず20000号、減点20だ」

20000(・・・思ったより減点が少ない・・・?)

20000「ま、まさかテっくんマジでイン・・・」

テクパトル「減点100な」

20000「」

美鈴「そうだね・・・今から出かけるのはめんどくさいし」

19090「では・・・どうしますか?」





336 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:23:46.35qHHcEjzi0 (33/63)

テクパトル「・・・義母さんたちはゆっくりしたいんじゃないか?」

美鈴「うん、今日はちょっと疲れちゃったし」

17600「・・・テっくん、仕事の報告とかは?」

テクパトル「おっと、そうだったな」

旅掛「あぁ、就職が決まったんだってな」

テクパトル「あれ、知ってたんだ」

美鈴「おめでとう!!これで19090号ちゃんをお嫁にもらっても大丈夫だね!」

19090「//」

ミサカ一同「テクパトルぅぅうううううううううううううううう!!!!!!!!!!!」

テクパトル「?まぁそうなるかもな」

17600「はぁ・・・お母さん、気が早いぞ」

美鈴「そうかな?」

旅掛「そうだそうだ!!!」

垣根「必死じゃねぇか」




337 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:27:40.45qHHcEjzi0 (34/63)

心理「・・・でも、就職が決まったなら安心よね」

テクパトル「まさか学園都市で働くとは思わなかったがな」

垣根「そりゃそうだろうな」

美鈴「テクパトル君は外国人だよね?」

テクパトル「あぁ・・・そうだけど」

旅掛「なるほどなぁ・・・だからガラが悪いんだ」

テクパトル「アンタは今世界を敵に回した」

御坂妹「ですがとっても優しいですよ?」

美鈴「はー!!そんなことは知ってるよ!」

垣根「あん?美鈴さんも誑されたか?」

テクパトル「誑してねぇよ!!!」

17600「毒牙に掛かったか」

テクパトル「掛けてねぇよ!」




338 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:36:05.20qHHcEjzi0 (35/63)

垣根「・・・美鈴さん・・・アンタは・・・アンタだけはセーフだと思ってたのに!!」

美鈴「いやぁ、綺麗って言われちゃったんだ」

19090「テっくん!!!!」

旅掛「母親に手を出すなんてアブノーマルだな!!!」

テクパトル「ちげぇよ!!!そりゃあれだ、いろいろあって・・・」

心理「苦し紛れね」

テクパトル「黙っててくれよ!!」

垣根「テクパトル・・・」

10039「引きました」

20000「仲良くなれそうだ」

19090「テっくん、ミサカは・・・し、信じてますよ?」

テクパトル「あぁもう!!美鈴さんアンタのせいだぞ!!」

美鈴「呼び方変わった!?」




339 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:44:45.93qHHcEjzi0 (36/63)

垣根「・・・ん?なんか話がずれてるぞ」

テクパトル「あ、あぁ・・・そうだな」

垣根「・・・で?テクパトルは結局どうなんだ?」

テクパトル「そうだなぁ・・・」

テクパトルが腕を組む

それだけでも腕とか胸がもっこもこと盛り上がる

旅掛(・・・何が面白いって、こんな男が女の子に振り回されてることだよな)

美鈴(こりゃ体力持て余しそうだね)

テクパトル「・・・19090号との結婚は前提として・・・みんなとも暮らすつもりだぞ」

御坂妹「さすがテっくんです!!」

20000「これでテっくんの息子ゲットだぜ!!」

テクパトル「ふざけんなよ・・・」

13577「冗談でもきついですよ20000号・・・」






340 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 15:51:16.83qHHcEjzi0 (37/63)

旅掛「・・・テクパトル君、言っておくが・・・結婚はあれだ、難しいぞ?」

テクパトル「分かってるさ・・・アンタたちを見てれば」

垣根「おっほ、逆襲・・・」

旅掛「お、俺たちは上手くいってるだろ!?」

テクパトル「はぁ・・・上手くいってるから困るんだよ・・・」

美鈴「うーん・・・でもテクパトル君はしっかりしてるし問題ないと思うけどな」

旅掛「そ、そうだけど・・・」

17600「安心しろお父さん、ミサカたちはずーっとお父さんの娘だ」

旅掛「そ、そうだよなぁ!!!」

14510「お姉様はもう義兄様と同棲してますけどね」

旅掛「」

17600(14510号・・・)

テクパトル(・・・減点20っと・・・)





341 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 16:02:22.77qHHcEjzi0 (38/63)

垣根「・・・旅掛さんはあんまり結婚してほしくないのか?」

旅掛「いや・・・結婚はしてほしいけどさぁ・・・」

旅掛がふっ、と苦笑する


旅掛「俺ってさ、美鈴と結婚するとき美鈴の父親にめーっちゃ焦らされたんだ、それを再現したくて」

テクパトル「再現すんな!!憂さ晴らしすんな!!」

19090「二代に渡っての嫌がらせですか!?」

美鈴「パパー、私のお父さんに似たらダメだって言ってるじゃない」

旅掛「テクパトル君、君を信用はしてる!!だがなぁ!!君もいずれ分かるさ!!父親の心理が・・・」


テクパトル「俺はなぁ!!父親になりたいんじゃない、19090号の夫になりたいんだよ!!」


19090「//」

旅掛「な・・・な・・・」

美鈴「おぉ・・・」






342 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 16:08:32.05qHHcEjzi0 (39/63)

旅掛「おーいいぞ!!ならば戦争だ!!」

テクパトル「やってやろうじゃないか!!」

美鈴「パパ!!!19090号ちゃんが悲しむでしょ!!!」

19090「お父さん!!」

旅掛「う・・・」

心理「旅掛さん、認めてあげなさいな・・・何も今すぐじゃないんだから」

旅掛「く・・・分かったよー」

旅掛が拗ねたように頬を膨らませる

美鈴「パパのいじけ虫ー」

旅掛「美鈴ー・・・頭を撫でてくれー」

美鈴「おー、よちよち」

旅掛「うぅ・・・」

テクパトル「・・・なんか上条たちみたいだな」

御坂妹「親子は似るんですね・・・」





343 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 16:15:44.92qHHcEjzi0 (40/63)

旅掛「・・・テクパトル君・・・娘たちをよろしく・・・」

テクパトル「な、なんで死ぬときみたいな台詞なんだ・・・」

旅掛「美鈴・・・悪かった・・・」

美鈴「パパー!!!」

20000「お父さん!!おとうさーん!!!!」

17600「垣根、クッキーないか?」

垣根「おぉ、あるぞ」

心理「あら、みんなで食べましょうよ」

御坂妹「ありがたいですね」

14510「クッキーです!!」


旅掛「・・・スルーされてるな」

美鈴「パパ、時として娘は冷たいんだよ?」

旅掛「うわぁん!!反抗期だぁ!!」

20000(なんだろう、なんか楽しいぞ)





344 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 17:33:04.83qHHcEjzi0 (41/63)

垣根「・・・妹達って甘いもの好きだよな」

御坂妹「お姉様が甘いもの好きですから」

10039「やはり血は争えないのですよ」

垣根「血なのか・・・」

17600「遺伝子は争えない、とは言わないさ」

垣根「いや・・・そうだけどさ」

美鈴「私も甘いもの好きだよ」

心理「あら、女の子は大抵そうじゃないかしら」

旅掛「美鈴もまだまだ若いな!!」

美鈴「もー、パパったら!!」

テクパトル「でも義母さんはホントに見た目若いよな」

美鈴「お、なになに?」

14510「始まりましたよ・・・天然誑し」




345 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 17:35:21.51qHHcEjzi0 (42/63)

テクパトル「た、誑してねぇよ・・・」

10039「いえ、これは誑しです」

19090「テっくん・・・ミサカは信じていますからね」

テクパトル「なんかデジャヴだぞ!?」

旅掛「テクパトル君といい上条君といい・・・」

美鈴「なんでミサカの血筋は誑しが好きなのかな?」

垣根「軽いんじゃないか?」

心理「失礼なこと言わないの」

10033「別に誑しが好きなんじゃありません!!」

17600「じゃあお前たちはテっくんと義兄様、どっちが好きだ?」

御坂妹「義兄様です」

19090「テっくんです!!」

20000「こ、これは4Pの予感!?」

17600「もう一人はセロリだろてめぇ」




346 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 17:39:00.32qHHcEjzi0 (43/63)

美鈴「ねぇ、20000号ちゃん」

20000「ん、なにお母さん」

美鈴「あんまり下ネタばっかり言ってたらダメだよ?」

20000「そ、そうなの!?」

旅掛「男は恥じらいを持つ女が好きなんだよ」

垣根「それはよく分かる」

テクパトル「同感だな」

20000「で、でも!!ショチトルとか番外個体は・・・」

テクパトル「あれは彼氏もおかしいんだよ」

19090「そうですよ」

20000「セロリたんを悪く言うな!!!」

美鈴「へぇ、20000号ちゃんは一方通行君が好きなんだ」

17600「こいつは誰でも好きになるけどな」




347 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 17:44:21.14qHHcEjzi0 (44/63)

旅掛「そうやって考えたら・・・20000号にも特徴はあるわけだな」

20000「そうそう、キャラだよキャラ」

心理「どうかしら」

20000「何を?」

美鈴「そうだ、テクパトル君はどうやって見分けてるの?」

テクパトル「ん?簡単だぞ」

テクパトルがくるりとミサカたちを見回す

テクパトル「まず、一番可愛いのが19090号だ」

旅掛「え、えっと・・・」

御坂妹「・・・それはテっくんにしか分からないですよ?」

テクパトル「そうだな・・・他のやつらよりも少しスレンダーなんだよ、19090号は」

14510「・・・そういえば、勝手にダイエットを・・・」

19090「う・・・」





348 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 17:51:48.52qHHcEjzi0 (45/63)

テクパトル「一番凛としてるのが17600号、変態が20000号・・・」

テクパトル「でな、こっからだが・・・14510号は少しアホ毛が残ってるんだ」

14510「あれ、そうなんですか?」

御坂妹「おや、そういえばそうですね」

テクパトル「寝相でも悪いのか?知らんけどな」

14510「へぇ・・・そうなんですか・・・」

テクパトル「でな、10033号は一人だけ腕を組むとき右腕が上になる・・・それと、目がみんなより少しだけ下にあるんだ・・・生活環境の違いでそうなるのかは知らないが」

御坂妹「し、下に・・・?」

19090「・・・わ、分かりません・・・」

テクパトル「10039号はおでこがみんなより少し広い・・・」

10039「この歳にしてはげかけてるんですか!?」

テクパトル「13577号は鼻がみんなより少しすっとしてる・・・」

旅掛「・・・わ、分からないぞおい・・・」





349 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 18:01:53.18qHHcEjzi0 (46/63)

テクパトル「?分からなかったか」

美鈴「よくテクパトル君は分かるわね・・・」

テクパトル「実際は雰囲気でも分かるんだけどな」

美鈴「雰囲気か・・・」

美鈴がじーっとミサカたちを見つめる

美鈴「・・・違う・・・かな?」

旅掛「俺にはわからんな・・・」

御坂妹「仕方ないですよ、遺伝子レベルで同じですから」

垣根「そうだな・・・」

心理「もっとこう、服装を変えてみたらどう?」

19090「ですが・・・そうなると、みんなでどんな服を着るか揉めますよ・・・」

20000「そうそう、オシャレなのがいいもん」

心理「結局はみんな似てるのね・・・」

美鈴「にゃー!!こりゃダメだー!!」





350 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 18:11:35.79qHHcEjzi0 (47/63)

テクパトル「・・・義父さんも義母さんも、あまり一緒にはいないからな」

10039「ですが、テっくんは早い段階から見分けてましたよね?」

テクパトル「ん?まぁ・・・そういうのは得意だったからな」

御坂妹「へぇ・・・」

19090「いいですね・・・ミサカたちは人の顔を覚えるのが苦手です」

14510「そうですね・・・」

垣根「みんなそうだろ」

心理「そう?私は得意だけど」

垣根「えー、見栄張っちゃって」

旅掛「・・・はぁ、娘の顔も覚えられないとはな」

旅掛が頭をかく

美鈴「んー・・・親として悲しいね」

13577「ミサカたちは別に構いませんよ?」





351 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 18:22:02.47qHHcEjzi0 (48/63)

旅掛「でもなぁ・・・」

垣根「親としては複雑なのか?」

美鈴「うーん・・・」

テクパトル「ま、仕方ないさ・・・酒酒っと」

テクパトルがワインを注ぐ

美鈴「お!!私も飲もうかな!!」

旅掛「俺も俺も!!」

テクパトル「あぁ、はい」

テクパトルがワインのボトルを手渡す

美鈴「じゃ、義理の息子とかんぱーい!!」

テクパトル「はぁ・・・乾杯」

旅掛「かんぱーい!!」

テンションの高い義理の親に振り回されるテクパトル

それを見つめるミサカと心理定規

一緒にワインを飲む垣根

少し異様な、でも幸せな光景だった






352 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 20:11:06.13qHHcEjzi0 (49/63)


フレンダ「すーきでっす、すーきでっすーこっこーろーからー!!!」

麦野(・・・酔ってるわね)

ゴーグル(・・・どうしてこうなってしまったんでしょうか・・・)

フレンダ「あーいしってーいーまーすーよとー!!!」

ゴーグル「あ、あのフレンダさん・・・」

フレンダ「なに!?今気持ちよく歌ってる訳よ!!!」

ゴーグル「そ、その・・・」

麦野「酔いすぎよ、フレンダ・・・」

フレンダ「酔ってないもん!!!」

ゴーグル「その反応が酔ってるんすよ・・・」

フレンダ「あーもー!!あっまーいーことーばのうらーにはー!!!」

ゴーグル「う、歌い続けるんすか・・・」




353 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 20:13:51.98qHHcEjzi0 (50/63)

フレンダ「・・・そういえば・・・絹旗はどうなった訳よ・・・」

ゴーグル「グデングデンに酔ってますね」

フレンダ「グデンデンデン!!!!!」

ゴーグル「麦野さん、絹旗さんは?」

麦野「・・・あいつは今日も海原ってのとデートだよ」

ゴーグル「・・・いい感じにいってますかね」

麦野「あぁ、そりゃもういい具合だろうね・・・」

ゴーグル「それはよかったっすね」

麦野「・・・よくないんだよ・・・」

ゴーグル「う・・・泣き上戸っすか?」

麦野「違うわよ・・・」

フレンダ「ダンシングオールナイト!!!こーとばにすれっばー!!!」

ゴーグル(・・・この二人めんどくさいっす・・・)





354 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 20:18:52.95qHHcEjzi0 (51/63)


絹旗「海原さん、今度はどこに行くんですか?」

海原「そうですね・・・」

二人はまだ正月で湧いている街中を歩いていた

絹旗「・・・超お祭りって感じですね」

海原「ははは・・・三が日ですからね」

絹旗「超人が多いです」

海原「そうですね・・・一旦人気のないところに行きたいですね」

絹旗「ふぇぇっ!?」

海原「?どうかされましたか?」

絹旗(人気のないところってことは・・・密室!?男女二人で密室といえばもうそういうことしか思いつきません!!あ、いや・・・公園とかかも・・・って公園!?外ですよ外!?まさかそんなマニアックな趣味を爽やかな顔の下に隠していたんでしょうか!?いえいえ、ただ単に私に気を遣ってるだけなら、きっと喫茶店とか・・・き、喫茶店!?まさか周りの客にバレないように恥ずかしいことしてみろよ的な展開なんでしょうか!?それこそ超変態さんではないですか!?いえいえ、海原さんに限ってそんなこと・・・ですが爽やか+変態という新しいキャラを作り出そうとしているならば・・・)

海原「あ、あの・・・」

絹旗「あ、じゃ、じゃあ行きましょうか!!!」

絹旗(やばい!!超やばいですよ普通にオーケーしちゃいましたよ!?)

海原「では・・・近くの公園にでも」

絹旗(外だぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)





355 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 20:21:08.30qHHcEjzi0 (52/63)


海原「はぁ・・・空が眩しいですね」

絹旗「・・・」

海原「?どうかされましたか?」

絹旗「あ、なんでもないですよ」

海原「?」

絹旗(・・・私は・・・なんという意味のない心配をしていたんでしょうか・・・)

絹旗が溜め息をつく

真っ白くなった溜め息が少し面白い

絹旗「・・・それにしても、ここは人気がないですね」

海原「みなさん街中に行っているはずですからね」

絹旗「・・・超のどかです」

海原「平和ですね・・・」

そう、平和だった





356 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 20:29:03.27qHHcEjzi0 (53/63)

空を鳥が飛んでいる

幸せそうな番の鳥だ

木々の葉っぱの間からは木漏れ日が見える

眩しく、そして美しい

もうそれは、何かの映画のような世界だった

だった、というのはそんな平和が簡単に崩れ去ったからだ

あるカップルの登場によって


エツァリ「ショチトル・・・あなたは本当に街中が嫌いなんですね」

ショチトル「だってうるさいじゃないか、人の声」

エツァリ「ですが・・・」


海原「」


エツァリ「」





357 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 20:34:11.31qHHcEjzi0 (54/63)

海原「あ、あなたはぁ!!!」

エツァリ「ど、どうしてここにあなたがいるんですか!?」

海原「ま、まさかまた自分を・・・」

エツァリ「ま、待ってください!!ちょっと事情を・・・」

絹旗「えっと・・・あの、海原さん?」

海原「絹旗さん、隠れてください!!」

絹旗「な、なんなんですか?」

エツァリ「くっ・・・聞いてください、自分はあなたたちを襲うつもりはありません!!」

海原「ならばその女性はなんなんですか!?」

エツァリ「ショチトルは自分の恋人・・・」

ショチトル「なぁなぁエツァリ・・・こいつ、お前が昔化けてたヤツだよな」

海原「その女性も仲間でしたか!!」

エツァリ「ち、違いますよ!!」





358 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 20:39:59.64qHHcEjzi0 (55/63)

海原「絹旗さん、この男は自分の腕の皮を剥いで・・・」

絹旗「!!海原さんを傷付けたんですか!?」

エツァリ「ま、待ってくださいって!!」

ショチトル「エツァリ、なんかこの二人やる気みたいだぞ?」

エツァリ「あなたたちが余計なことを言うから!!」

海原「余計・・・やはり、何か隠していることがあるんですね!?」

エツァリ「聞いてくださいよ!!!」

絹旗「くらえ!!」

話も聞かず、絹旗が右手をかざす

絹旗「・・・超!窒素パンチ!!!」

エツァリ「くっ・・・」

エツァリの顔面目掛けて、その拳が振り下ろされる

簡単に岩をも破壊する一撃だ


ショチトル「ふん、女戦士としてあるまじき行動だな」





359 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 20:44:39.34qHHcEjzi0 (56/63)

絹旗「!?」

絹旗の拳が炸裂する寸前、ショチトルが黒曜石のナイフを取り出す

絹旗(な、なんですかあれは!?)

不気味なものを感じた絹旗が、無理矢理後ろに飛ぶ

海原「あ、あれは自分の皮を剥いだ・・・」

エツァリ「ショチトル!!事を荒立てては・・・」

ショチトル「戦いに流儀などは必要ない・・・だがな!!」

黒曜石のナイフが跳ね返すのは金星の光

それはトラウィスカルパンテクートリの操る力

ショチトル「殺すことに限っては、私は流儀を語ろう!!」

絹旗(なんですか・・・あのナイフ・・・)


ショチトル「私は死体職人、ショチトルだ!!」




360 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 20:50:19.00qHHcEjzi0 (57/63)

ショチトル「トラウィスカルパンテクートリ!!!」

バガン!!と変な音を立てて、絹旗の足元の地面が崩れる

絹旗「くっ・・・」

海原「絹旗さん!!」

エツァリ「話を聞いてください!!自分はもうあんなことはしていません!!」

海原「何を言っているんですか!!ならばなぜ・・・」


エツァリ「デートです!!!!」


絹旗「・・・はい?」

海原「・・・は、はい?」

エツァリ「なんなんですか!?この有様は!?」

エツァリが青筋を浮べる

かなり怒っているようだ




361 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 21:15:59.22qHHcEjzi0 (58/63)

エツァリ「やっと手に入れた平穏を頭ごなしに否定される!!」

エツァリ「たしかに自分のしたことは間違っていました!!!」

エツァリ「ですが、かといって話しさえ聞いてもらえないほど自分は幸せであってはいけないんですか!?」

エツァリ「誰かに教えてもらった幸せを、自分が望んでいた幸せを!!!それを普通に楽しんではいけないんですか!?」

エツァリ「やっとの思いで手に入れたこの日常を!!!過去の過ちに塗りつぶされなければならないんですか!?」

絹旗「あ、えっと・・・」

海原「で、ですがならばなぜこんなところに・・・」

エツァリ「ここはショチトルが大好きなところなんですよ!!!」

海原「!!」

エツァリ「静かで好きだった、平和で好きだった、そして優しくて好きだった!!そんな場所です!!!」

ショチトル「エツァリ・・・」

エツァリ「いいですよ・・・自分の幸せを否定されるだけならば!!!」





362 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 21:21:50.55qHHcEjzi0 (59/63)

エツァリ「ですが一つ言わせてもらいます!!」

エツァリが二人を睨みつける

その瞳には、怒りがあった

エツァリ「自分が最も愛している女性を!!その人が大好きな場所を!!!!これ以上あなた達が壊してしまうというのならば、自分は喜んで敵になります!!!」

海原「・・・も、申し訳ない・・・そんな事情だったなんて」

エツァリ「・・・そちらの方には理解していただけるはずだ・・・自分がどれほど苦労してこの平穏を手に入れたのか」

絹旗「・・・ご、ごめんなさい・・・」

エツァリ「・・・いえ、理解してもらえるならば結構ですよ・・・自分もあなたにはひどいことをしましたから」

海原「しかし・・・あなたがまだ学園都市にいるとは・・・」

エツァリ「いろいろあったんですよ・・・っと、いけない」

ショチトル「エツァリ、ここは二人きりにはなれないようだぞ?」





363 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 21:35:39.13qHHcEjzi0 (60/63)

エツァリ「そうですね・・・では自分達はこれで」

ショチトル「じゃあな」

嵐が過ぎ去っていく

残されたのは、少し拍子抜けしたような二人だけだった

絹旗「・・・なんだか疲れました」

海原「自分もです・・・」

二人が空を見つめる

相変わらず、美しい空だ

海原「・・・一言、文句を言ってもいいでしょうか?」

絹旗「私もです・・・」


海原・絹旗「不幸だ・・・」

はぁ、と溜め息をつく

幸せというのは、簡単に崩れ、簡単に戻ってくるものなのだった





364 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 21:40:28.62qHHcEjzi0 (61/63)

さて、早いけど今日はここまで

筋肉動画はこちら

リー・プリーストのまとめ動画

若い頃からずーっとボディビルをしていたリー

1分20秒辺りのウィンクといい、イケメンですねぇ・・・

それで、体はマッチョ

おそろしや

彼の特徴は身長が低いことです(前にも言いましたが)

そして、背が低いのにも関わらず周りの選手に引けをとらない筋量

腕は太く、背中は厚く・・・

胸、腹筋も完璧

脚がもう少し精密さがあれば・・・という意見もありますが十分ではないでしょうか

彼はホントすごい選手ですよね

というかマジイケメン

ビルダー=暑苦しい

そんなイメージを吹き飛ばすイケメン

うらやましい

イケメン


ではおやすみなさい

次スレ・・・書き溜めないといかんね





365 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 21:41:54.13qHHcEjzi0 (62/63)

あ、動画はこちら







366 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/13(木) 21:41:54.14qHHcEjzi0 (63/63)

あ、動画はこちら







367VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/10/13(木) 22:37:53.72nCaof3w3o (1/1)

┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ


368VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/14(金) 00:08:56.105wnxNOdA0 (1/1)

>>1乙です。。


369VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県)2011/10/14(金) 00:25:42.05+HksXJkbo (1/1)

エツァリがこんなにしゃべったの初めてじゃね?


370VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)2011/10/14(金) 01:21:28.66Z+8UCOfu0 (1/1)

海原と居るとエツァリは目立つのか


371VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/14(金) 05:04:59.655IMDMZpZ0 (1/2)

疑問なんだが、何故妹達を作ったのかわからない。
一方通行のクローンを作ったほうが効率が良かったんじゃないか?
そのほうが人数も多くいらないだろうし。
原作読んでないのでここんとこよくわからないんだ。
知ってる人いたら教えてくれ。


372 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:23:38.941TITHF1+0 (1/84)

>>371 妹達の役目はLEVEL6を生み出すための捨て駒ではなく、全世界に電気的なネットワークを形成することだった

世界の監視のため

そして何より、電気的ネットワークにウィルスを流すことでヒューズ風斬を生み出すため

一方通行のクローンを作っても、結局出来るのは「触れたものの向きを操る」だけのクローン

それでは遠くにいるほかの個体とネットワークを形成するのは無理

そのため、遠くにいてもネットワークによってつながり、大きな一つの思念体となれる可能性のあった「電撃使い」の美琴のクローンが作られたわけなのです

本当はもっと細かいところもあったけど、ネタバレになるので

では続き





373 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:27:11.201TITHF1+0 (2/84)


垣根「・・・あの」

美鈴「にゃっはっはぁ!!にゃんぢゃいきゃきにぇきゅん!!!」

垣根「日本語をしゃべれよ!!ベロンベロンじゃねぇか!!」

旅掛「美鈴は酒に弱いからなぁ」

垣根「じゃあなんで飲ませたんだよ!!」

テクパトル「お前だろうが・・・」

心理「はぁ・・・美鈴さん、私が誰か分かる?」

美鈴「!!エ、エアロスミス!?」

心理「誰か男の人呼んできて」

垣根「美鈴さん・・・どうしてこんな姿に・・・」

御坂妹「お母さん・・・」

19090(・・・美月たちが酔っ払いやすいのは血筋ですね)




374 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:29:43.231TITHF1+0 (3/84)

14510「お母さん、お水をどうぞ」

美鈴「にょほっ!!ありがとう!!」

20000「・・・お母さん、ミサカ最近性欲が溜まってるんだ」

美鈴「にゃっははぁ!!発散しなさい!」

垣根「美鈴さん、脱いでください」

美鈴「タダでは脱がんよぉ!!!」

心理「脱がないで」

美鈴「じゃあ着るの?」

心理「何をよ・・・」

旅掛「美鈴、ちょっと休憩しようぜ」

美鈴「求刑?何年?」

旅掛「酔いすぎだ・・・でもそこが可愛いの!!!」

心理(ちっ・・・)




375 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:33:31.441TITHF1+0 (4/84)

垣根「はぁ・・・ところで、テクパトルの初仕事っていつなんだ?」

テクパトル「ん?明日だよ」

垣根「へぇ・・・」


垣根「・・・明日?」

テクパトル「あぁ」

13577「そ、そうなんですか?」

テクパトル「あぁ・・・だから今日はゆっくりしたかったのに・・・」

19090「ミサカたちが飛び出したから・・・」

10033「ご、ごめんなさい・・・」

テクパトル「あ、いや・・・いいんだけどさ」

旅掛「へぇ・・・もう初仕事なのか」

心理「でもホント中途半端な時期よね」

テクパトル「だよなぁ・・・どうせなら4月入社がよかったな」





376 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:35:54.821TITHF1+0 (5/84)

垣根「・・・テクパトル、無理するなよな」

心理「そうよ、19090号ちゃんたちが悲しむわよ」

テクパトル「分かってるさ」

10039「毎日肩揉みしてあげます!!」

御坂妹「ん、一人だけイメージアップを図るとはずるがしこい」

19090「ミサカは癒してあげますよ!!」

13577「では家事はミサカたちが!!」

20000「テっくん、性欲処理は任せな!!」

テクパトル「20000号以外はありがとう」

旅掛「くー!!愛されてるねぇテクパトル君!!」

バシバシと旅掛がテクパトルの背中を叩く

テクパトル「痛い痛い!!!強すぎんだよ!!」

美鈴「にゃっはー!!!」





377 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:41:07.711TITHF1+0 (6/84)

垣根「・・・ジムでの仕事かぁ」

心理「詳しくは何をやるの?」

テクパトル「ん?ジムに来る人を手伝ったり・・・サプリメントの販売だったり・・・」

旅掛「おー、なんか美鈴は好きそうだな」

美鈴「むにゅー、大好きだよテクパトル君!!!」

テクパトル「誤解を招く言い方はやめろ・・・」

心理「・・・削板はいっつも通いそうね」

テクパトル「ははは!!そりゃそうだろうな」

19090「ミサカもバイトしてみせますよ!!」

美鈴「ん?バイトすんの?」

19090「はい、テっくんのそばにいたいので!!」

旅掛「おー、若いなぁ」




378 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:46:14.361TITHF1+0 (7/84)

垣根「・・・バイトねぇ・・・」

テクパトル「お前もやってみたらどうだ?」

垣根「俺は3学期に学校の体験入学があるんだよ」

心理「そうそう、上条君の高校にね」

旅掛「お、そりゃ楽しそうだな」

14510「学校ですか・・・」

17600「あれは楽しそうだよな」

御坂妹「でも毎日勉強はめんどくさいですよ」

テクパトル「・・・いや、普通はそうだぞ?」

美鈴「私も大学のレポート終わらせないとなぁ・・・」

テクパトル「なんだ、義母さんは大学通ってるのか」

美鈴「ん?言ってなかったっけ?」

テクパトル「初耳だ」





379 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:50:00.821TITHF1+0 (8/84)

美鈴「こう見えても勉学に励むんだよ!!」

テクパトル「へぇ・・・」

垣根「だから若々しいんだな」

美鈴「垣根君に25点!」

垣根「しゃあこら!!パリだ!!パリだぁぁぁぁ!!!」

心理「何がよ・・・」

17600「大学か・・・」

テクパトル「でもさ、義母さんなら大学でもそこそこ人気なんじゃないか?」

美鈴「んー・・・何度かお食事に誘われたり」

旅掛「なにぃ!?」

美鈴「全部断ってるから安心しなさい!年下の男の子に奢られる趣味はないもん!」

旅掛「な、なんだよ・・・」

テクパトル(・・・そ、そういやこの義母さんいくつなんだ・・・)





380 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:53:47.751TITHF1+0 (9/84)

垣根「テクパトル・・・お前のお母さんはモテモテだ、お前と一緒でな」

テクパトル「俺はそうでも・・・っと、旅掛さんタバコ吸うのか?」

旅掛「ん?テクパトル君も吸うのかい?」

テクパトル「ん・・・いや、昔はたまに吸ってたが・・・」

美鈴「えー、体鍛えてるのにもったいないよ」

テクパトル「ほんのたまにだよ・・・今は吸ってないしな」

19090「テっくん、タバコはダメですよ?」

御坂妹「肺がんのリスクが高まります」

13577「体が煙臭くなりますよ?」

14510「歯にヤニが溜まりますし」

20000「家族からは鬱陶しがられるよ」

10039「高いし」

10033「そうですよ、テっくん」

旅掛「お、俺を見ながら言わないでぇ!!」




381 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 10:58:54.261TITHF1+0 (10/84)

テクパトル「はぁ・・・タバコは体に悪いからな」

旅掛「・・・テクパトル君まで敵に回った・・・」

心理「あら、たまに吸うならワイルドでいいんじゃない?」

旅掛「だ、だよな!?」

テクパトル「アンタヘビースモーカーだろ・・・指が黄色くなってるぞ」

旅掛「う・・・」

美鈴「やだー、パパったら煙くさーい」

垣根「きなくさーい」

20000「女くさーい」

旅掛「くぅ・・・喫煙者は肩身が狭いぜ・・・」

垣根「ま、世の中そうさ」

心理「・・・言っておくけど、この家では出来る限り吸わないでよね」

旅掛「さっきも言われた・・・」




382 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 11:06:26.681TITHF1+0 (11/84)


テクパトル「・・・さて、この家ってジムあったよな?」

垣根「おー、使うのか?」

テクパトル「ちょいとな」

テクパトルが体を伸ばしてから地下へ向かう

美鈴「いってらっしゃいー」

テクパトル「はいはい」


心理「・・・さて、残ったのはミサカの血筋と私達ね」

美鈴「いやー、こうやってると心理定規ちゃんと垣根君もミサカの血筋だね」

垣根「いや、ちげぇよ」

旅掛「さぁ、みんなじゃんじゃん飲もうぜ!!」

垣根「妹達は飲むなよな」

17600「・・・テっくんがいないとなんだか不安だ」




383 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 11:20:24.361TITHF1+0 (12/84)

垣根「さー!!飲め飲め!!」

19090「え、えっと・・・ミサカはテっくんの手伝いに行ってきます!!」

17600「・・・ミサカもだ、みんなは馬鹿騒ぎしててくれ」

垣根「はいはーい」

心理「じゃあ、またね」

19090「はい」



テクパトル「・・・なんでお前たちもいるんだ?」

17600「いやぁ、19090号がどうしてもテっくんといたいと言うからな」

19090「え、あ・・・」

テクパトル「んー・・・ま、ジムで働くならこういう雰囲気も慣れてたほうがいいのかもな」

テクパトルが辺りを見回す

マシンやらフリーウェイトやらがたくさん置かれている





384 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 11:38:32.211TITHF1+0 (13/84)

テクパトル「・・・でも垣根は鍛えてないみたいだけどな」

17600「わざわざ友人のために用意するとはなかなか太っ腹だよな」

テクパトル「ホントだよな」

19090「え、えっと・・・美月は何をすれば?」

テクパトル「とりあえずあれだな・・・やってるときの必死な顔は・・・見ないでくれよなっ!!」

テクパトルがバーベルの下に潜り込む

19090「あ、は、はい」

テクパトル「17600号もな」

17600「はいはい」

テクパトルがバーベルを上げ下げする

19090号にはよく分からない運動だ

19090「??」

17600「こりゃバーベルローイングってヤツだ、ジムでバイトするなら覚えとけ」

19090「ふぇー・・・」





385 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 11:45:58.381TITHF1+0 (14/84)

あっれ、バーベルローイングってバーベルの上に回り込むだ

まぁいいや




テクパトル「・・・疲れるよなちくしょう・・・」

17600「お疲れ様」

テクパトル「・・・人がいると唸り声を抑えないといけなくてきついんだよな」

19090「ご、ごめんなさい・・・」

テクパトル「あぁいや・・・ジムとかの話さ」

17600「・・・テっくんはジムで働きながらトレーニングもするのか?」

テクパトル「そうなるな・・・みんないい人たちだし、美月もすぐ慣れるさ」

19090「それはよかったです!」

テクパトル「・・・そういえば・・・削板はどうしてるかな」

19090「?今日もジムに行ってるんじゃないですか?」

テクパトル「どうだろうな・・・削板のことだから怠けてるってことはないだろうが」

テクパトルが再びバーベルを持つ

テクパトル「さーて!!また始めるか!!」





386 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:25:36.901TITHF1+0 (15/84)


削板「・・・寒いな」

削板は商店街を歩いていた

みんなは何をしているのだろうか

そんなことが気になってしまう

いつも一緒にいるわけにもいかないが、やはり友達の行動は気になってしまうのだ

黒子「そうですのね・・・たしかお姉さまのご両親が来られているようですの」

隣を歩く黒子は、普段と違って厚着をしている

布が擦れる感触が嫌いな彼女が、そんな服を着るのは珍しい

能力を使わないとき・・・つまり、プライベートのときにしか着ないのだ

黒子「・・・やはり三が日の間はお正月という気分ですの」

削板「そうだな・・・」





387 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:28:08.261TITHF1+0 (16/84)

黒子「軍覇さんはこの後何かご予定は?」

削板「特にないぞ?」

黒子「で、では・・・もう少し一緒にいられるんですのね」

削板「そうだな」

ニコ、と削板が笑う

ここ最近は、風紀委員の新年会やらなんやらで二人きりの時間というものがなかった

本当に久しぶりのデートなのだ

削板「・・・黒子、どこか行きたいか?」

黒子「そうですのね・・・わたくしは軍覇さんと一緒でしたら」

削板「俺もだな」

行く宛てもないため、二人は適当にうろつく

削板「・・・のどかだな」

黒子「えぇ・・・のどかですの」





388 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:30:38.981TITHF1+0 (17/84)

削板「・・・ん?あれ、上条たちじゃないか?」

黒子「?どこですの?」

削板「あれあれ」

削板が人混みの中を指差す

そこには、たしかに上条と美琴がいた

いや、正確にはもう一人余計なのが混じっていた


上条「・・・土御門、俺は部屋に帰って宿題をしたかったんだけどな」

土御門「にゃー、いいじゃねぇかカミやん、せっかくだし」

美琴「・・・寮の入り口で会ったからって・・・遊びに誘う?」

土御門「にゃー、ミコちん冷たいにゃー」

美琴「その呼び方やめてよ!!何よ、ニックネーム!?」

土御門「カミやんの彼女なら俺の彼女でもあるにゃー」

上条「おかしいからな・・・」

土御門「いや、しかし助かったにゃー・・・」





389 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:32:48.501TITHF1+0 (18/84)

上条「助かった?」

土御門「昨日青ピのバカと言い争いになってにゃー、カミやんにも聞いて欲しいんだぜよ」

上条「な、何の言い争いだよ・・・」

土御門「メイドはミニスカであってよいかどうかだにゃー!!」

上条「・・・は?」

美琴「えっと・・・それって言い争いになること?」

土御門「死活問題だぜよ!!」


削板「・・・えっと・・・なんだあれは?」

黒子「たしか上条さんのお友達の・・・」


上条「・・・メイドってのはサブカルチャーとしてのメイドか?」

土御門「・・・それはまぁ、どうなんだろ」

上条「それによって変わるだろ・・・」

土御門「どういうことだにゃー?」




390 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:35:02.101TITHF1+0 (19/84)

上条「だからさ・・・サブカルチャーとしてのメイドならいいんじゃないか?」

土御門「だよな!?なのに青ピのヤツ・・・」

上条「でも本職としてのメイドならダメだろ?」

美琴「あぁ、それは分かるわね」

土御門「・・・つまり俺たちの意見はどっちも間違ってなかった・・・?」

上条「そうそう、お前たちは間違ってないんだよ」

土御門「なんだ・・・俺たちってくだらないことで・・・」

美琴「いまさら?」


削板「・・・声、掛けるか?」

黒子「いえ・・・あの中に入るのは大変ですの」

削板「でもなんか面白そうなトリオだよな」

黒子「少し観察しますの」

削板「そうしようか」





391 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:37:11.681TITHF1+0 (20/84)

上条「・・・にしても、土御門・・・」

土御門「なんだにゃー」

上条「・・・やっぱり金のネックレスは外さないんだな」

土御門「俺のアイデンティティだからにゃー」

美琴「・・・もしかしてモテたいの?」

土御門「そ、そういうわけじゃないぜよ!?」

上条「・・・まだ童貞だもんな」

土御門「てめぇ!!彼女が出来てから調子に乗ってるな!?」

上条「だってさ、舞夏にも手は出せないし・・・」

土御門「え・・・義理の妹ってアウト?」

美琴「完璧にアウトよ」

土御門「・・・」



土御門「・・・あっれぇ・・・」

上条「おい」




392 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:39:28.221TITHF1+0 (21/84)

美琴「・・・土御門さん、そんなことじゃいつまでも彼女できないわよ?」

土御門「だ、だってこんなにオシャレしてるんだぜぃ!?」

上条「・・・オシャレってのは垣根のことを言うんだよ」

土御門「あれは元が違うぜよ・・・」

上条「いや・・・でもあんくらいがモテるんだぜ?お前じゃ・・・」

土御門「あぁもう!!カミやんはモテるからな!!」

上条「そ、そうか?」

美琴「・・・フラグを建てまくればいいのよ」

土御門「下手な鉄砲も・・・か」

上条「?なんだそりゃ」

美琴「・・・土御門さん、今年は彼女できるといいわね」

土御門「そうだにゃー・・・あ、そういえば」

上条「ん?なんだよ」





393 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:42:14.451TITHF1+0 (22/84)

土御門「青髪のヤツ・・・可愛い人を見つけたらしいんだぜよ」

上条「ふーん・・・見かけただけか?」

土御門「話したらしいぜよ」

上条「あいつが?意外とやるな・・・」

土御門「なんでもコートを着た大学生くらいの・・・茶髪ロングらしいぜよ」

上条「・・・あれ?」

美琴「・・・なんだか知ってる気がするんだけど」

土御門「・・・俺もたぶん知ってるんだにゃー・・・」

上条「・・・麦野さんだよな?」

美琴「・・・多分そうよね」

上条「あの野郎すげぇな・・・」





394 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:44:57.941TITHF1+0 (23/84)

美琴「そ、それで・・・土御門さんはどう思うの?」

土御門「うらやましいに決まってるぜよ!!」

上条「そりゃそうだよな・・・」

美琴「麦野さん・・・かなり美人だからね・・・」

土御門「あいつもリア充になったら俺は・・・」

上条「でもただ話しただけなんだろ?」

土御門「・・・それがにゃー・・・名前を聞かれたらしいんだぜよ」

上条「脈あり・・・か」

土御門「あー!!ムカつくぜよ!!」

美琴「お、落ち着いて」

土御門「ミコちん、誰かいい子はいないかにゃー!?」

上条「はぁ・・・佐天とか初春はどうなんだ?」

美琴「あ、そうよね」





395 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:47:55.481TITHF1+0 (24/84)

上条「土御門ってロリが好きなんだっけ?」

土御門「どっちかといえば」

美琴「じゃあ初春さんかな?」

土御門「えっと・・・たしかお花畑のヤツだにゃー?」

上条「そうそう・・・」

土御門「・・・あれはパス」

美琴「なんで?」

土御門「だってなんか俺みたいなタイプ苦手そうだぜよ」

上条「じゃあ佐天は?」

土御門「おっぱいでかい子だよな?」

美琴「その覚え方はどうなのよ?」




396 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:51:21.141TITHF1+0 (25/84)

土御門「あの子は可愛いからいいと思うぜよ」

上条「じゃあ会ってみたら?」

土御門「じゃあセッティングしてくれよ」

美琴「・・・合コンみたいな?」

土御門「そうそう」

上条「そうだな・・・今度でいいか?」

土御門「おう、出来ればあとは出来レースがいいぜよ」

上条「出来レース?」

土御門「合コンでよくやる手だにゃー」

美琴「それってなに?」

土御門「カップルを合コンに連れてくるんだにゃー」





397 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 12:55:45.551TITHF1+0 (26/84)

上条「それって意味なくないか?」

土御門「違うんだにゃー・・・」

上条「?」

土御門「自分とターゲットの子以外をカップルにすれば、必然的に自分とターゲットの子が結ばれるだろ?」

上条「あ、いや・・・」

土御門「仮にカップルが分裂すればそれはそれで面白い・・・」

美琴「さ、最低・・・」

土御門「どっちにしろ、俺は得する計算だぜよ」

上条「・・・なんかやる気なくすぞ・・・」

土御門「いいじゃねぇか、俺は彼女がほしいんだにゃー!」

美琴「はぁ・・・分かったわよ・・・いつがいい?」

土御門「そうだにゃー・・・あさってくらいなら」




398 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 13:00:53.351TITHF1+0 (27/84)

上条「はぁ・・・じゃ、一組はお前と佐天だな」

美琴「・・・あと二組いればいいかしら?」

土御門「おう、頼むぜよ」

上条「・・・はぁ、友達でもお前をフォローするつもりにはなれないな・・・」

土御門「ま、お礼はするぜよ?今からなんか奢るから」

美琴「あ、じゃあクレープ奢ってもらっていい?」

土御門「あぁ、いいぜよ」

三人はクレープ屋へ入っていく


削板「・・・なんか面白そうな話してたな」

黒子「土御門さん・・・」

削板「・・・応援してあげよう、俺は世界の不幸な人間の味方だ!!」

黒子「わたくしもですの!!」




399 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 13:05:54.471TITHF1+0 (28/84)

削板「・・・そろそろ春だもんなぁ」

黒子「土御門さんにも春が来るのでしょうか?」

削板「来るといいな!」

黒子「・・・わたくしたちも、春が続くといいですの」

削板「そうだな!!」

二人が顔を見合わせて笑う

削板「おっと!!俺たちもどっか行くか!!」

黒子「そうですのね・・・では何処に行きましょうか?」

削板「よし、じゃあ喫茶店にでも行こうか!!」

黒子「では行きますの!!」

手を繋ぎ、二人が歩いていく

とても幸せな二人

汚れを知らないカップルというのは珍しいものだった





400VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/14(金) 13:49:44.715IMDMZpZ0 (2/2)

>>371です
>>1返答ありがとうございます
捨て駒の印象しかなかったからかなり疑問に思ってました。
これでスッキリした。


401 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 14:59:55.121TITHF1+0 (29/84)


フレンダ「ゴーグルぅ・・・」ウルウル

麦野「はぁ・・・彼氏がほしいなぁ・・・」グビグビ

ゴーグル「・・・逃げたい」

ワインを飲んでいるのは三人

涙を飲むのは一人だけ

フレンダ「にゃはは・・・いい気分な訳よ・・・」

麦野「くっそ・・・なんで浜面は滝壺を選んだんだよ・・・」

ゴーグル「・・・そりゃ、滝壺さんみたいな人が好みだったんじゃ?」

麦野「んなこと分かってるんだよ・・・」グビグビ

フレンダ「・・・ゴーグル、私にも構って欲しい訳よ・・・」

ゴーグル「十分構ってますよ・・・」

フレンダ「冷たいー」

ゴーグル(・・・めんどくさいっすねぇ・・・)




402VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)2011/10/14(金) 15:04:26.83YTho+WMAO (1/1)

上条さんが佐天さんを呼び捨てにするのが、なんかすげぇ違和感…


403 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:17:38.251TITHF1+0 (30/84)

>>402 だって後輩ですし、なんか呼び捨てでもよさそうじゃないですか?

あの人神裂とかも呼び捨てだし・・・w


フレンダ「・・・ゴーグル、なんでゴーグルはゴーグルなの?」

ゴーグル「・・・あ、あの?」

麦野「ちっ・・・イチャイチャしやがって」

フレンダ「うらやましーい?」

麦野「・・・」

ゴーグル「イチャイチャじゃないっすよ・・・」

フレンダ「いけずー」

ゴーグル「いけずってなんすか!!ってか違いますよ!!」

麦野「・・・ゴーグル君、あんまり大声出さないで」

ゴーグル「あ、すいません」

フレンダ「・・・麦野には従う訳よ」





404 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:30:11.951TITHF1+0 (31/84)

ゴーグル「そりゃ年上ですから」

麦野「・・・アンタだけだ・・・そうやって私を尊敬してくれるのは」

ゴーグル「あ、どうも」

フレンダ「媚売っちゃって・・・」

ゴーグル「媚びてないっすよ」

フレンダ「媚びてる訳よ!!」

ゴーグル「はぁ・・・なんかフレンダさんって酔うとめんどくさいっすね」

フレンダ「・・・」ジワッ

ゴーグル「な、なんで涙浮べるんすか!?」

フレンダ「めんどくさいって・・・」

ゴーグル「前言撤回っす!!ウソですよウソ!!」

フレンダ「そ、そう?」ウルウル

ゴーグル(涙目上目遣いって・・・ちょっとドキってしますよね)

フレンダ「・・・ねぇゴーグル」





405 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:37:12.091TITHF1+0 (32/84)

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「・・・んーん、なんでもない」

フレンダがぷい、とそっぽを向く

ゴーグル「?」

麦野「あーあ・・・私も彼氏がほしいな・・・」

ゴーグル「・・・自分も彼女がほしいっすよ」

麦野「・・・ゴーグル君」

ゴーグル「はい、なんですか?」

麦野「・・・疎い男は嫌われるよ」

ゴーグル「・・・」


ゴーグル「もしかして、麦野さんは俺のこと・・・」

麦野「はぁ・・・違うっての」

ゴーグル「?」






406 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:44:21.921TITHF1+0 (33/84)


上条「はぁ・・・土御門に振り回されて2時間・・・」

美琴「・・・もうすっかり夕方ね」

上条「・・・どうする?帰るか」

美琴「そうね・・・明日はお父さんとお母さんにも構わないといけないし」

上条「帰ったら宿題だ・・・」

美琴「手伝うからがんばってね?」

上条「分かってるさ」

上条が深く溜め息をつく

上条「・・・どうなってるかな?美鈴さんと旅掛さん」

美琴「楽しくやってるといいわね」

はぁ、と美琴が溜め息をつく

垣根たちと美鈴たちが一緒にいると、なんとなくしっちゃかめっちゃかになっていそうだが





407 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:47:47.931TITHF1+0 (34/84)

上条「・・・そうだ、ついでに買い物・・・」

美琴「買い物?食材はあるじゃない」

上条「そうだけどさ・・・一応買いだめしとこうかって」

美琴「ふーん・・・」

二人が近くのスーパーへ向かう

上条「えっと・・・今日は何食べたいんだ?」

美琴「そうね・・・」

食材を見ながら二人がスーパーの中を回る

上条「あ、肉が安い」

すっと上条が肉に手を伸ばす

そのとき、誰かと手が重なった


吹寄「・・・あら」

上条「ん?吹寄か」





408 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:49:56.441TITHF1+0 (35/84)

吹寄「二人も今晩の食材を?」

美琴「じゃあ吹寄さんも?」

吹寄「正確には姫神とよ」

吹寄が後ろを指差す

なぜかじーっとふりかけを見つめている姫神がいた

上条「おーっす!!姫神!!」

姫神「・・・君は。あいさつというものがなっていない」

上条「う・・・こ、こんにちは?」

姫神「人が集中しているときに。話しかけないで」

上条「な、なんなんだよ・・・」

姫神「これ。のりたまかシャケか。迷ってるところ」

上条「は、はぁ」




409 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:52:45.181TITHF1+0 (36/84)

美琴「・・・もしかして、二人ってよく一緒にご飯食べるの?」

吹寄「えぇ、隣同士の部屋だし・・・」

上条「へぇ・・・知らなかった」

姫神「むしろ。上条君が女子寮について知ってるほうが怖い」

上条「それもそうだな」

美琴「あ、じゃあ家に来て一緒に食べない?」

姫神「・・・私は構わない」

吹寄「私もいいけど・・・上条、貴様はいいの?」

上条「やましいものなんてないしな」

上条が肩をすくめる

美琴「じゃあ・・・何食べるか話し合いましょうか」

吹寄「・・・そうね・・・あったまるものがいいわ」

姫神「・・・鍋?」

上条「大晦日に食べたろ・・・」





410 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:55:06.511TITHF1+0 (37/84)

美琴「・・・そうよね・・・」

吹寄「・・・そばも飽きたし・・・」

上条「肉があるなら・・・そうだな」

姫神「・・・あ。ハンバーグ」

上条「ハンバーグ?」

美琴「それってあったまるかしら?」

吹寄「まぁ・・・冷たくはないわね」

姫神「よし。決定」

上条「マジか・・・ハンバーグねぇ・・・」

姫神「味覚が子供とでも言いたいの?」

上条「滅相もない!!!」

美琴「・・・じゃあひき肉と・・・タマネギと」

吹寄「・・・デミグラスソースも買わないとね」




411 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:57:13.261TITHF1+0 (38/84)

美琴「じゃあ手分けして探しましょう」

吹寄「私はタマネギを探すわ」

姫神「私は。ソース」

上条「ひき肉はあるから・・・野菜でも探すか」

美琴「付けあわせね」

上条「おう」

四人がバラバラに散らばる

安いものを探すことに関しては、上条の得意分野だ

上条(・・・これは安いけど少し鮮度が落ちてるな)

上条(・・・いや、付け合せなら炒めるから問題ないな)

美琴(あ、ゲコ太ふりかけ買おうっと)

上条(・・・ニンジンもっと)





412 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 15:59:33.361TITHF1+0 (39/84)

上条「ん・・・ふりかけ・・・」

美琴「ゲコ太シールがついてくるの!!!!」

上条「・・・」

美琴「ダメ・・・?」ウルウル

上条「この前も買ったよな?」

美琴「・・・」

上条「シール、コンプしたんじゃなかったっけ?」

美琴「シークレットがあるのよ!!!」

上条「はぁ・・・分かったよ」

美琴「ありがと!!!」

美琴が飛び跳ねる

上条(・・・甘いよな・・・俺)

はぁ、と溜め息をつく上条

一方、姫神はソースを見つめていた





413 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:03:13.521TITHF1+0 (40/84)

姫神「・・・このソースは若干辛口」

姫神「こっちは甘口」

姫神「・・・みんなはどれがいいのか。分からない」

デミグラスソースならなんでもいい、なんて考え方はしない

彼女はじーっと成分表を見つめる

姫神「そこまでカロリーは変わらない」

姫神「・・・となると。やはり味の違い」

姫神「ここは。あえて辛口で」

辛口のソースを手に取る

姫神「・・・いや。二つを買うという選択肢もある」

甘口のほうも手に取る

姫神「・・・でも。そしたら上条君がうるさそう」





414 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:05:37.471TITHF1+0 (41/84)

上条は、無駄なものを買うと少し苦い顔をする男だろう

貧乏だから、しして節制が趣味だから

二つも買いました、なんてのは許されるだろうか

姫神(・・・どうしよう)

辛口が好きそうなのは姫神と上条

一方の美琴と吹寄は、甘口のイメージがある

親友である吹寄を取るか

かつての思い人である上条を取るか

なんか目立ってる美琴を取るか

姫神(・・・私の意見を取るべき)

辛口をぎゅっと握り締める

姫神(・・・甘党ならごめん)

そんなことを思いながら、彼女は一同のところへ戻る




415 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:08:16.361TITHF1+0 (42/84)


吹寄「・・・タマネギ・・・」

吹寄はタマネギを見比べていた

タマネギは血液をサラサラにする効果がある

出来れば、毎日食べたい食材だ

しかも生ならば辛口、炒めれば甘くなるのだ

まさに魔法の食材

付けあわせとしても、サラダのメインとしても使える

吹寄はタマネギが大好きだった

吹寄(・・・でも、ハンバーグに入れるなら大きいのじゃなくてもいいわよね)

出来る限り安いのを選ぶべきか

吹寄(・・・よし、安いのにしよう)

吹寄が一番安いタマネギを取る





416 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:10:41.181TITHF1+0 (43/84)


吹寄「・・・上条は相変わらず安いのを買うわね・・・」

姫神「・・・ふりかけ」

上条「それは美琴のだよ」

美琴「よし・・・あとはなにか?」

上条「そうだな・・・ハンバーグならこんなもんじゃないか?」

美琴「・・・そうね、じゃあこれで」

四人がレジへ向かう

上条(・・・俺の計算では全部で879円・・・)

上条(・・・所持金は880円)

上条(・・・だ、大丈夫・・・)


「884円になります」

上条「」


上条は頭が悪い





417 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:13:20.231TITHF1+0 (44/84)

3割引の計算を暗算でするのも苦手なのだ

上条(ど、どどどどどどどうしよう!?)

吹寄「じゃあ1000円でいいわよね」

横から吹寄が1000円札を差し出す

「116円のお釣りになります、ありがとうございました」

吹寄「じゃあ帰って・・・ってどうしたの上条?」

上条「・・・お、お前・・・なんで1000円札をポンと出せるの?」

吹寄「・・・貴様、もしかして財布の中身・・・」

上条「・・・今日・・・使いすぎたんだ・・・」

美琴「・・・当麻・・・」

姫神「・・・ちょっと。引いた」

上条「うるせぇ・・・」





418 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:16:26.281TITHF1+0 (45/84)

吹寄「ほら、さっさと・・・」

上条「ま、待てって!!なんか奢ってもらうみたいに・・・」

吹寄「いいわよこれくらい」

上条「・・・あ、あの・・・」

姫神「吹寄は。特別活動とかで貢献してるから少し奨学金が多い」

上条「初耳だぞおい!?」

吹寄「貴様より毎月1万多いだけよ」

上条「十分じゃねぇか!!」

美琴「へぇ・・・それじゃ少し余裕あるわよね」

吹寄「えぇ、そこの木偶の棒よりは」

上条「・・・はぁ」


上条「情けねぇ!!!不幸だ!!!!」

姫神「街中で。大声で叫ばないで」





419 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:23:26.551TITHF1+0 (46/84)


垣根「・・・うはぁ・・・」

垣根はソファーの上で寝転がっていた

テクパトル、17600号というストッパーをなくしたミサカたちは大暴れしていた

そして、その余波を受けたのだ

10033「お母さん!!!どうぞ!!」

10033号がワインを注ぐ

20000「お母さんの!!!ちょっといいとこ見てみたい!!!!」

御坂妹「そーれイッキ、イッキ!!!!」

他のミサカたちが盛り上げる

美鈴「よーし!!飲んじゃうぞ!!!」

グビグビ、と美鈴がワインをがぶ飲みする

旅掛「いいぞ美鈴!!!!」

旅掛はそれをさらに盛り上げる




420 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:25:52.371TITHF1+0 (47/84)

心理「・・・ワインはもっと上品に飲んで欲しいわね」

垣根「・・・くっそ・・・このテンションはなんだよ・・・」

13577「垣根!!次のボトルは!?」

垣根「・・・そこにある」

美鈴「じゃんじゃん持ってこい!!!」

14510「さすがです、お母さん!!!!」

旅掛「さすが俺の惚れた女だ!!!!」

美鈴「いやぁ!!」

照れたように頭をかく美鈴

別に、垣根はこの状況自体がいやなわけではない

問題は「彼」が帰ってきたときの反応が


テクパトル「疲れた・・・あ・・・?」

怖かったのだ





421 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:34:40.261TITHF1+0 (48/84)

垣根「お、お帰り・・・」

御坂妹「あ、いえ・・・その、テっくん!!」

10033「あ、汗を流してきたら・・・」

テクパトル「・・・なんだこれは」

テクパトルが顔を引きつらせる

美鈴がベロンベロンに酔っ払っている

周りのミサカたちはなんかワインのボトルを持っている

旅掛は顔が真っ赤だ

テクパトル「・・・心理定規・・・垣根、こっちに来い」

心理「はーい」

垣根「・・・あいよ」

14510「あ、あのテっくん・・・」

テクパトル「・・・とりあえずワインを置け」





422 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:40:33.421TITHF1+0 (49/84)

旅掛「こ、これはだな・・・」

美鈴「あ、えっとね・・・」

19090(・・・テっくんが修羅の顔になってます)

17600(・・・はぁ、頭が痛い)


テクパトル「てめぇら恥を知れ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

美鈴「ひぃっ!!」

テクパトル「親子水入らずの時間だと思ったらなんだ!?酒ばっかり飲みやがって!!!!」

旅掛「で、でもさ・・・」

テクパトル「いいか!?たしなむ程度なら文句は言わない、だがな!!!」

20000「テっくん、酔ってるときの情事って気持ちいいらしいよ」

テクパトル「後でウィリアム・テルな」

20000「」

美鈴「ご、ごめんなさい・・・」





423 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:43:05.491TITHF1+0 (50/84)

テクパトル「・・・分かった、もういいから片付けろ・・・」

御坂妹「ご、ごめんなさいテっくん・・・」

10039「その・・・」

テクパトル「・・・分かったから、な?」

テクパトルが怯える二人の頭を撫でる

20000「カッコイー!!惚れちゃいそうだぜテクパトル!!!」

テクパトル「誰か林檎持ってこい」

20000「」

17600「コルトパイソンならあるぜ」

19090「り、林檎もありますよ!?」

20000「みぎゃぁぁぁ!!!!」

他のミサカと旅掛、美鈴が片づけをする

一方、20000号はウィリアム・テルの刑を受けていた





424 ◆G2uuPnv9Q.2011/10/14(金) 16:44:06.351TITHF1+0 (51/84)

一旦休憩

次スレの書き溜め作ってるけど、なんかイマイチ

展開速いのは仕方ないよね?


ねねね?


・・・あんまりシリアスは得意じゃないしw