◆IgJDZoCsoc さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16594447.html
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◆3dKAx7itpI さんの作品一覧
http://s2-d2.com/archives/16594626.html
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1: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:32:09.18:F25Xy5fYo (1/14)
このSSは、とある魔術の禁書目録に出てくるキャラクター、一方通行(アクセラレータ)を中心とした
もうあまりほのぼのとは言えない感じの二次創作物です。
一方通行「フラグ・・・ねェ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285654962/
↓
一方通行「フラグ・・・・・・なのかァ?」 風斬「そうですよ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1289310136/
↓
一方通行「フラグ・・・・・・じゃねェだろ」 エイワス「まだそんな事を言っているのか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294928027/
↓
一方通行「フラグ・・・・・・だろォな」 垣根「ち・・・・・・くしょ・・・・・・う」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295564748/
↓
一方通行「フラグだと? って事ァ」 レッサー「私はあなたが好きって事です♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298041227/
↓
一方通行「そンなフラグはヘシ折ってやる」 ヴェント「・・・・・・あ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300453744/
↓
一方通行「いいか、フラグってのはなァ」 ガブリエル「vbhti素敵apfrgt」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303132992/
上記のスレからの続きとなっています。もしお暇でしたら、ご一読を。
以下、留意点など。
・投下は基本的に三日以内です、多分。そしてかなり気まぐれに投下するので質悪いです。
・第三次世界大戦は終結。その後のお話です。
・キャラ崩壊しまくりな上に、設定も弄りまくっています ←これ一番重要、ご注意ください。
・地の文が多めになってきました。
・誤字脱字のバーゲンセール。発見した方は厳しく指摘してやってください
・書き溜めはありますが恐らく速攻で尽きます・・・・・・
このSSは、とある魔術の禁書目録に出てくるキャラクター、一方通行(アクセラレータ)を中心とした
もうあまりほのぼのとは言えない感じの二次創作物です。
一方通行「フラグ・・・ねェ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285654962/
↓
一方通行「フラグ・・・・・・なのかァ?」 風斬「そうですよ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1289310136/
↓
一方通行「フラグ・・・・・・じゃねェだろ」 エイワス「まだそんな事を言っているのか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294928027/
↓
一方通行「フラグ・・・・・・だろォな」 垣根「ち・・・・・・くしょ・・・・・・う」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295564748/
↓
一方通行「フラグだと? って事ァ」 レッサー「私はあなたが好きって事です♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298041227/
↓
一方通行「そンなフラグはヘシ折ってやる」 ヴェント「・・・・・・あ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300453744/
↓
一方通行「いいか、フラグってのはなァ」 ガブリエル「vbhti素敵apfrgt」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303132992/
上記のスレからの続きとなっています。もしお暇でしたら、ご一読を。
以下、留意点など。
・投下は基本的に三日以内です、多分。そしてかなり気まぐれに投下するので質悪いです。
・第三次世界大戦は終結。その後のお話です。
・キャラ崩壊しまくりな上に、設定も弄りまくっています ←これ一番重要、ご注意ください。
・地の文が多めになってきました。
・誤字脱字のバーゲンセール。発見した方は厳しく指摘してやってください
・書き溜めはありますが恐らく速攻で尽きます・・・・・・
モバP「泰葉からチョコもらった時の話?」
絵里「なんとかストロガノフ!」穂乃果「そう、カレーです」
タマ「ニャー」タラオ「タマ口臭いですぅ!」タマ「!!!!!!!」
玲音「風邪を引いてしまったようだ…」
苗木「霧切さん、この蝶ネクタイつけてみてよ」
2: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:33:12.16:F25Xy5fYo (2/14)
【超今更の登場人物紹介・『天使同盟』の構成員】
【一方通行(アクセラレータ)】
本作の主人公にして『天使同盟(アライアンス)』のリーダー。第三次世界大戦終結後、大天使ミーシャ=クロイツェフになぜか好かれてしまい、
その後の生活はほぼミーシャと共に過ごしている。すき焼き屋で風斬氷華とフラグを立てると同時に
『天使同盟』を結成。酒の勢いとノリで結成したこの組織が、後に全世界を揺るがすとんでもない同盟になることは、
その時の彼には予想も出来なかった。ちなみに、この本作では結構な数の女性とフラグを立てている。
【ミーシャ=クロイツェフ】
『神の力(ガブリエル)』。本作のヒロインにして『天使同盟』の顔。第三次世界大戦終結後、
なぜか一方通行に懐いてしまい生活を共にすることになる。身長ニメートル以上、
全身をすべすべとした白の布で覆い、顔のパーツを全て凹凸で再現しているその姿はまさに異形。
しかし彼女の仕草にはどこか可愛らしい一面も見られる。ような気がする。一方通行からはガブリエルと呼ばれている。
【風斬氷華(ヒューズ=カザキリ)】
『天使同盟』の清涼剤にして唯一、常識を持ち合わせている女の子。でも最近はそんな事なくなってきた。
すき焼き屋の一件で一方通行に特別な感情を抱く事になる。キレるとエイワスですら手が付けられなくなる。
アルコールが入ると脱衣属性が追加される上に酒癖の悪さは天下一品。
基本的には誰に対しても敬語で、レッサー以外には『さん』付けで名前を呼ぶ。ミーシャの事は『天使さん』。
超絶鈍感クソ野郎こと一方通行相手に唯一『女性』を意識させた女傑。最もフラグらしいフラグが立っている。
【エイワス】
『天使同盟』のジェネラルマネージャーにして最強の聖守護天使。霊的存在。銀河系宇宙の悪鬼。
アレイスター=クロウリーに必要な知識を全て授けた大馬鹿野郎。ある時は巨乳のパツ金ねーちゃん。
シリアスパートもそうだが、特にギャグパート時のエイワスは全宇宙最強の存在。出来ない事がない。
『天使同盟』結成に興味を持ったため、垣根帝督というお土産を手に彼らに接触した。
その瞬間、『天使同盟』の命運は決まってしまったのかもしれない。ドラコ=アイワズという偽名をよく使う。
男にもなれるらしいが、現時点でそのような描写はなく、また需要もない。
【垣根帝督】
学園都市第二位の超能力者(レベル5)、『未元物質(ダークマター)』。イケメンホストかぶれ。
現時点では彼が最後の『天使同盟』構成員である。イジラれ役。すぐ死ぬ。
本作で最も死亡フラグを積み重ねてきている男。しかしそれらを全て跳ね除けている彼は
実は不死身なのではないかと囁かれている。あとすぐ死ぬ。でもたまに本気でかっこいい一面を見せる。
一方通行とのデートにおいて自らの心の内を暴露。以降はミーシャを守るために彼らと行動を共にする。
実は彼、この本作で三人ほどちゃんとしたフラグを立てている。
【超今更の登場人物紹介・『天使同盟』の構成員】
【一方通行(アクセラレータ)】
本作の主人公にして『天使同盟(アライアンス)』のリーダー。第三次世界大戦終結後、大天使ミーシャ=クロイツェフになぜか好かれてしまい、
その後の生活はほぼミーシャと共に過ごしている。すき焼き屋で風斬氷華とフラグを立てると同時に
『天使同盟』を結成。酒の勢いとノリで結成したこの組織が、後に全世界を揺るがすとんでもない同盟になることは、
その時の彼には予想も出来なかった。ちなみに、この本作では結構な数の女性とフラグを立てている。
【ミーシャ=クロイツェフ】
『神の力(ガブリエル)』。本作のヒロインにして『天使同盟』の顔。第三次世界大戦終結後、
なぜか一方通行に懐いてしまい生活を共にすることになる。身長ニメートル以上、
全身をすべすべとした白の布で覆い、顔のパーツを全て凹凸で再現しているその姿はまさに異形。
しかし彼女の仕草にはどこか可愛らしい一面も見られる。ような気がする。一方通行からはガブリエルと呼ばれている。
【風斬氷華(ヒューズ=カザキリ)】
『天使同盟』の清涼剤にして唯一、常識を持ち合わせている女の子。でも最近はそんな事なくなってきた。
すき焼き屋の一件で一方通行に特別な感情を抱く事になる。キレるとエイワスですら手が付けられなくなる。
アルコールが入ると脱衣属性が追加される上に酒癖の悪さは天下一品。
基本的には誰に対しても敬語で、レッサー以外には『さん』付けで名前を呼ぶ。ミーシャの事は『天使さん』。
超絶鈍感クソ野郎こと一方通行相手に唯一『女性』を意識させた女傑。最もフラグらしいフラグが立っている。
【エイワス】
『天使同盟』のジェネラルマネージャーにして最強の聖守護天使。霊的存在。銀河系宇宙の悪鬼。
アレイスター=クロウリーに必要な知識を全て授けた大馬鹿野郎。ある時は巨乳のパツ金ねーちゃん。
シリアスパートもそうだが、特にギャグパート時のエイワスは全宇宙最強の存在。出来ない事がない。
『天使同盟』結成に興味を持ったため、垣根帝督というお土産を手に彼らに接触した。
その瞬間、『天使同盟』の命運は決まってしまったのかもしれない。ドラコ=アイワズという偽名をよく使う。
男にもなれるらしいが、現時点でそのような描写はなく、また需要もない。
【垣根帝督】
学園都市第二位の超能力者(レベル5)、『未元物質(ダークマター)』。イケメンホストかぶれ。
現時点では彼が最後の『天使同盟』構成員である。イジラれ役。すぐ死ぬ。
本作で最も死亡フラグを積み重ねてきている男。しかしそれらを全て跳ね除けている彼は
実は不死身なのではないかと囁かれている。あとすぐ死ぬ。でもたまに本気でかっこいい一面を見せる。
一方通行とのデートにおいて自らの心の内を暴露。以降はミーシャを守るために彼らと行動を共にする。
実は彼、この本作で三人ほどちゃんとしたフラグを立てている。
3: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:33:50.73:F25Xy5fYo (3/14)
少々お待ちを
少々お待ちを
4: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:48:18.37:F25Xy5fYo (4/14)
――――――――――――――――――――――
断続的に続く低い震動にもそろそろ慣れてきた頃だった。
ステイル=マグヌスと神裂火織、そしてヴェントはほぼ同時に"ある異変"に気づく。
「・・・・・・。 なんだ・・・・・・?」
ステイルは辺りを見回す。彼の目に映るのは相変わらず、崩れ落ちた数々のビルや
『回収部隊』のファイブオーバーと『未元物質(ダークマター)』の仮面の兵士達。
そしてその軍勢の死屍累々。
それ以外に異変が起きている所などなかった。
にも関わらず、ステイルは漠然と"変化している空間"を感じ取っていた。
彼は口に咥えていた煙草を指で挟み、それを魔術によって炎剣へと変える。
その炎剣を振るい、こちらに迫ってくる『回収部隊』を薙ぎ払う。
背後から鼓膜が吹き飛びそうな轟音を吐き出しながらファイブオーバーがガトリングレールガンを
射出してきたが、ステイルは辛うじてそれを避けると返す刀で炎剣を振るって撃破した。
――――――――――――――――――――――
断続的に続く低い震動にもそろそろ慣れてきた頃だった。
ステイル=マグヌスと神裂火織、そしてヴェントはほぼ同時に"ある異変"に気づく。
「・・・・・・。 なんだ・・・・・・?」
ステイルは辺りを見回す。彼の目に映るのは相変わらず、崩れ落ちた数々のビルや
『回収部隊』のファイブオーバーと『未元物質(ダークマター)』の仮面の兵士達。
そしてその軍勢の死屍累々。
それ以外に異変が起きている所などなかった。
にも関わらず、ステイルは漠然と"変化している空間"を感じ取っていた。
彼は口に咥えていた煙草を指で挟み、それを魔術によって炎剣へと変える。
その炎剣を振るい、こちらに迫ってくる『回収部隊』を薙ぎ払う。
背後から鼓膜が吹き飛びそうな轟音を吐き出しながらファイブオーバーがガトリングレールガンを
射出してきたが、ステイルは辛うじてそれを避けると返す刀で炎剣を振るって撃破した。
5: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:49:17.58:F25Xy5fYo (5/14)
周囲にいる神裂とヴェントを見ると、やはりステイルと同じように
戸惑いを隠せないという表情を浮かべていた。
(何かがこの学園都市の一角に入り込んできている・・・・・・? だが何が?
人間・・・・・・特に魔術師なら僕らでもそれを察知できるはずだ)
ステイルが抱いた違和感は、白の絵の具を溶かした水の中にどす黒い墨を一滴垂らしたような、
そんなニュアンスのものだった。
白い水がこの学園都市という世界なら、黒い墨はその外部から滲むように入り込んできた"何か"。
しかもその黒い墨は、じわじわと拡散していってるような気さえした。
だが三人は漠然とそう捉えているだけで正体までは見当もつかない。
ジュバッ、と物が溶ける音がした。
ファイブオーバーが頭から真っ二つに焼き切れる。
中の仮面の兵士ごと左右に開いて倒れたファイブオーバーの先にいたのは垣根帝督だった。
周囲にいる神裂とヴェントを見ると、やはりステイルと同じように
戸惑いを隠せないという表情を浮かべていた。
(何かがこの学園都市の一角に入り込んできている・・・・・・? だが何が?
人間・・・・・・特に魔術師なら僕らでもそれを察知できるはずだ)
ステイルが抱いた違和感は、白の絵の具を溶かした水の中にどす黒い墨を一滴垂らしたような、
そんなニュアンスのものだった。
白い水がこの学園都市という世界なら、黒い墨はその外部から滲むように入り込んできた"何か"。
しかもその黒い墨は、じわじわと拡散していってるような気さえした。
だが三人は漠然とそう捉えているだけで正体までは見当もつかない。
ジュバッ、と物が溶ける音がした。
ファイブオーバーが頭から真っ二つに焼き切れる。
中の仮面の兵士ごと左右に開いて倒れたファイブオーバーの先にいたのは垣根帝督だった。
6: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:50:23.80:F25Xy5fYo (6/14)
「・・・・・・これで何匹目だ?」
「・・・・・・・・・・・・知るかよ。 いちいち数えてたら・・・・・・、キリ、ねえぞ・・・・・・」
ステイルが言葉を投げかけるも、垣根は返事をすることさえ億劫そうだった。
全身は魔術の使用の反動による自分の血で真っ赤に染まっており、『回収部隊』から受けた攻撃は彼を確実に衰弱させていた。
誰の目から見ても、これ以上の戦闘続行は不可能判断できる。
神裂が顔をしかめて垣根に忠告する。
「・・・・・・能力者が魔術を使用すれば死に及ぶ危険があると、イギリスであれほど注意したのに・・・・・・。
その上これほどの長時間の戦闘、もうこれ以上は危険すぎます。 あなたは下がっていてください」
「うる、せえな・・・・・・、つか馬鹿かよテメェは。 ヤツらの狙いはこの俺なんだぞ?
俺が戦線離脱したところで・・・・・・、あいつらはストーカーみてえに俺を追ってくるだけだ」
「・・・・・・これで何匹目だ?」
「・・・・・・・・・・・・知るかよ。 いちいち数えてたら・・・・・・、キリ、ねえぞ・・・・・・」
ステイルが言葉を投げかけるも、垣根は返事をすることさえ億劫そうだった。
全身は魔術の使用の反動による自分の血で真っ赤に染まっており、『回収部隊』から受けた攻撃は彼を確実に衰弱させていた。
誰の目から見ても、これ以上の戦闘続行は不可能判断できる。
神裂が顔をしかめて垣根に忠告する。
「・・・・・・能力者が魔術を使用すれば死に及ぶ危険があると、イギリスであれほど注意したのに・・・・・・。
その上これほどの長時間の戦闘、もうこれ以上は危険すぎます。 あなたは下がっていてください」
「うる、せえな・・・・・・、つか馬鹿かよテメェは。 ヤツらの狙いはこの俺なんだぞ?
俺が戦線離脱したところで・・・・・・、あいつらはストーカーみてえに俺を追ってくるだけだ」
7: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:51:48.36:F25Xy5fYo (7/14)
「しかし・・・・・・」
「なぁに、まだ俺は戦えるさ。 "こいつ"でな」
と、話し込んでいるうちに。気付けば『回収部隊』は一〇〇以上の数で垣根達の周囲に出現していた。
彼ら四人で相当の数を撃破したはずだが、一体あと何体相手にすればこの地獄は終わるのか。
しかし垣根の表情には焦燥でも諦めでもなく、今まで隠していた手品の種を披露する時のような
意地の悪い笑みが浮かんでいた。
そして彼は呟く。
「えーっと・・・・・・。 世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ」
(MTWOTFFTOIIGOIIOF)
それを聞いたステイルの心臓が跳ね上がる。まさか、と彼は周りに潜む『回収部隊』の事など
気にもかけず垣根の言葉を聞き続ける。
「しかし・・・・・・」
「なぁに、まだ俺は戦えるさ。 "こいつ"でな」
と、話し込んでいるうちに。気付けば『回収部隊』は一〇〇以上の数で垣根達の周囲に出現していた。
彼ら四人で相当の数を撃破したはずだが、一体あと何体相手にすればこの地獄は終わるのか。
しかし垣根の表情には焦燥でも諦めでもなく、今まで隠していた手品の種を披露する時のような
意地の悪い笑みが浮かんでいた。
そして彼は呟く。
「えーっと・・・・・・。 世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ」
(MTWOTFFTOIIGOIIOF)
それを聞いたステイルの心臓が跳ね上がる。まさか、と彼は周りに潜む『回収部隊』の事など
気にもかけず垣根の言葉を聞き続ける。
8: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:53:03.26:F25Xy5fYo (8/14)
「それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり。
(IIBOLAIIAOE)
それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり。
(IIMHAIIBOD)
その名は炎、その役は剣。
(IINFIIMS)
顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ」
(ICRMMBGP)
神裂の目も驚愕によって見開かれた。彼女は垣根がぶつぶつと呟いている言葉の意味を知っている。
そしてステイルもその言葉の意味を知っている。いや、知っているどころの騒ぎではない。
その言葉は、その呪文は、ステイル自身も戦闘時に頻繁に口にする呪文だ。
『未元物質』の兵士が翼を広げて垣根に突進してくる。
それを合図にするように、垣根は咆哮してその名を叫んだ。
「『魔女狩りの王(イノケンティウス)』!!!!!」
「それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり。
(IIBOLAIIAOE)
それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり。
(IIMHAIIBOD)
その名は炎、その役は剣。
(IINFIIMS)
顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ」
(ICRMMBGP)
神裂の目も驚愕によって見開かれた。彼女は垣根がぶつぶつと呟いている言葉の意味を知っている。
そしてステイルもその言葉の意味を知っている。いや、知っているどころの騒ぎではない。
その言葉は、その呪文は、ステイル自身も戦闘時に頻繁に口にする呪文だ。
『未元物質』の兵士が翼を広げて垣根に突進してくる。
それを合図にするように、垣根は咆哮してその名を叫んだ。
「『魔女狩りの王(イノケンティウス)』!!!!!」
9: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:54:46.11:F25Xy5fYo (9/14)
垣根が叫ぶと同時、彼のすぐ側で局地的な爆風が発生した。
不可思議の法則を含むその爆風は飛び込んできた『未元物質』の兵士を
片っ端から薙ぎ払い、そして垣根自身も吹き飛んでしまう。
垣根の魔術によって出現したそれは、人の形をしていた。
それは真紅に燃え盛る炎に包まれており、その炎の中にはドロドロの黒い重油のような塊が蠢いている。
しかし完璧に行使出来てはいないのか、時折その形が歪む様を確認できた。
『魔女狩りの王(イノケンティウス)』。
それはステイル=マグヌスという炎の術式を操る魔術師が最も得意とし、最強の切り札でもある
魔術だった。
「ば、かな・・・・・・」
ステイルはそんな自分の切り札をも行使してしまった"能力者"に対し、一種の畏怖すら抱いた。
ルーンの基礎魔術だけならまだいい。炎剣も、何らかの措置があれば能力者でも使用できるかもしれない。
垣根が叫ぶと同時、彼のすぐ側で局地的な爆風が発生した。
不可思議の法則を含むその爆風は飛び込んできた『未元物質』の兵士を
片っ端から薙ぎ払い、そして垣根自身も吹き飛んでしまう。
垣根の魔術によって出現したそれは、人の形をしていた。
それは真紅に燃え盛る炎に包まれており、その炎の中にはドロドロの黒い重油のような塊が蠢いている。
しかし完璧に行使出来てはいないのか、時折その形が歪む様を確認できた。
『魔女狩りの王(イノケンティウス)』。
それはステイル=マグヌスという炎の術式を操る魔術師が最も得意とし、最強の切り札でもある
魔術だった。
「ば、かな・・・・・・」
ステイルはそんな自分の切り札をも行使してしまった"能力者"に対し、一種の畏怖すら抱いた。
ルーンの基礎魔術だけならまだいい。炎剣も、何らかの措置があれば能力者でも使用できるかもしれない。
10: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:56:43.05:F25Xy5fYo (10/14)
だがこの『魔女狩りの王』だけは話が違いすぎる。その辺の素人が、その辺の魔術師でも、
ここまで容易く扱えてしまうような安い魔術ではない。
ステイルは自身以外の者が顕現させたイノケンティウスを見て、激しい違和感を覚えた。
ゴッッ!!と、鈍器を物凄い勢いで射出する音が背後から聞こえた。
さっきから一人黙々と『回収部隊』を殲滅しているヴェントの『女王艦隊』が
氷で構成された巨大な錨を発射している音だった。
ヴェントは口から大量の血を吐き出しながらイノケンティウスを操る垣根を、呆れた目で見ながら問いかける。
「アンタ、魔術師だったの? 学園都市から来た能力者だって自分で言ってたじゃない」
「・・・・・・今日付けで、能力者兼魔術師だクソったれ・・・・・・。 ゲホッ・・・・・・!!!
今みてえに・・・・・・血反吐ぶちまけながら必死で習得したんだぞ? スゲーだろ・・・・・・。
まぁ・・・・・・、このイノケンさんは今日が初めてだけどな、まぁまぁの出来だろ? "センセイ"」
そんな言葉でステイルに声をかける垣根の視線は、もうステイルの方を向いていなかった。
どこを見ているのか分からないほどに彼は焦点が定まっていない。
その目からもダラダラと血が涙のように溢れ出しており、地についている足は酒に酔ったかのように
フラフラとあちこちに移動している。
だがこの『魔女狩りの王』だけは話が違いすぎる。その辺の素人が、その辺の魔術師でも、
ここまで容易く扱えてしまうような安い魔術ではない。
ステイルは自身以外の者が顕現させたイノケンティウスを見て、激しい違和感を覚えた。
ゴッッ!!と、鈍器を物凄い勢いで射出する音が背後から聞こえた。
さっきから一人黙々と『回収部隊』を殲滅しているヴェントの『女王艦隊』が
氷で構成された巨大な錨を発射している音だった。
ヴェントは口から大量の血を吐き出しながらイノケンティウスを操る垣根を、呆れた目で見ながら問いかける。
「アンタ、魔術師だったの? 学園都市から来た能力者だって自分で言ってたじゃない」
「・・・・・・今日付けで、能力者兼魔術師だクソったれ・・・・・・。 ゲホッ・・・・・・!!!
今みてえに・・・・・・血反吐ぶちまけながら必死で習得したんだぞ? スゲーだろ・・・・・・。
まぁ・・・・・・、このイノケンさんは今日が初めてだけどな、まぁまぁの出来だろ? "センセイ"」
そんな言葉でステイルに声をかける垣根の視線は、もうステイルの方を向いていなかった。
どこを見ているのか分からないほどに彼は焦点が定まっていない。
その目からもダラダラと血が涙のように溢れ出しており、地についている足は酒に酔ったかのように
フラフラとあちこちに移動している。
11: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 16:58:53.72:F25Xy5fYo (11/14)
こんな状態になっても戦い続ける垣根の闘志を見た『回収部隊』達から、息を呑む声が漏れた。
完全に垣根に気圧されている。
もはや『未元物質』の仮面でどう演算しようとも、今の垣根を討ち倒す手段が得られなかった。
もちろん神裂やヴェントはその隙を見逃さない。天草式の女教皇は手に携える七天七刀で
『未元物質』の兵士を斬り倒していく。三人の魔術師は垣根から『未元物質』の性質を説明されている。
なので仮面や黒のコスチュームの僅かな隙間を縫って確実に敵を斬り伏せていく事が出来るのだ。
「―――――『唯閃』」
独自の呼吸法で魔力を精製し、極限にまで強化した肉体から織り成す最強の抜刀術は、
魔力という未知の法則に対応出来ていない仮面の兵士を一瞬で戦闘不能にしてしまう。
ヴェントはさらに簡素な作業で『回収部隊』を駆逐していった。
霊装の力で呼び出した『女王艦隊』の砲台から氷の錨を射出する。
正確に『未元物質』の仮面に命中させ、確実に『回収部隊』の数を減らしていった。
もちろん、『回収部隊』もただ受けに回っているだけではない。
仮面の兵士は『未元物質』による魔術とはまた違う未知の法則で攻撃を仕掛けるのだが、
最悪なことにあちらには『未元物質』のオリジナルにしてスペシャリスト、垣根帝督がいる。
こんな状態になっても戦い続ける垣根の闘志を見た『回収部隊』達から、息を呑む声が漏れた。
完全に垣根に気圧されている。
もはや『未元物質』の仮面でどう演算しようとも、今の垣根を討ち倒す手段が得られなかった。
もちろん神裂やヴェントはその隙を見逃さない。天草式の女教皇は手に携える七天七刀で
『未元物質』の兵士を斬り倒していく。三人の魔術師は垣根から『未元物質』の性質を説明されている。
なので仮面や黒のコスチュームの僅かな隙間を縫って確実に敵を斬り伏せていく事が出来るのだ。
「―――――『唯閃』」
独自の呼吸法で魔力を精製し、極限にまで強化した肉体から織り成す最強の抜刀術は、
魔力という未知の法則に対応出来ていない仮面の兵士を一瞬で戦闘不能にしてしまう。
ヴェントはさらに簡素な作業で『回収部隊』を駆逐していった。
霊装の力で呼び出した『女王艦隊』の砲台から氷の錨を射出する。
正確に『未元物質』の仮面に命中させ、確実に『回収部隊』の数を減らしていった。
もちろん、『回収部隊』もただ受けに回っているだけではない。
仮面の兵士は『未元物質』による魔術とはまた違う未知の法則で攻撃を仕掛けるのだが、
最悪なことにあちらには『未元物質』のオリジナルにしてスペシャリスト、垣根帝督がいる。
12: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 17:00:10.23:F25Xy5fYo (12/14)
事前に『未元物質』の情報を得ていた魔術師たちはこの短時間で物の見事に『未元物質』に対応し、
大勢の『回収部隊』を前に完璧な立ち回りで応戦しているのだ。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおォォッッ!!!!!!!!」
垣根の叫びに応じるように、彼の呼び出したイノケンティウスが激しく燃え盛る。
その怪物が腕を振るうだけで炎剣とは比較にならないほどの爆熱が発生し、
建造物の位置や地形などを考慮した完璧な陣形を展開しているはずの『回収部隊』を
その地形ごと焼き払っていく。
垣根のイノケンティウスを見て呆けていたステイルもようやく我に返り、
自らが第一九学区に仕込んだルーンを使用して同じようにイノケンティウスを顕現させる。
一体でも驚異であるイノケンティウスが、更に追加でもう一体。
超能力者と魔術師が織り成す、灼熱の魔王の二重奏。
もはや『回収部隊』は為す術がなかった。戦意を喪失し動きが緩慢になるが、
垣根帝督は容赦をしない。
『星の欠片』消滅まで残り三〇分も無くなった頃、『回収部隊』はついに垣根の前に現れなくなった。
事前に『未元物質』の情報を得ていた魔術師たちはこの短時間で物の見事に『未元物質』に対応し、
大勢の『回収部隊』を前に完璧な立ち回りで応戦しているのだ。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおォォッッ!!!!!!!!」
垣根の叫びに応じるように、彼の呼び出したイノケンティウスが激しく燃え盛る。
その怪物が腕を振るうだけで炎剣とは比較にならないほどの爆熱が発生し、
建造物の位置や地形などを考慮した完璧な陣形を展開しているはずの『回収部隊』を
その地形ごと焼き払っていく。
垣根のイノケンティウスを見て呆けていたステイルもようやく我に返り、
自らが第一九学区に仕込んだルーンを使用して同じようにイノケンティウスを顕現させる。
一体でも驚異であるイノケンティウスが、更に追加でもう一体。
超能力者と魔術師が織り成す、灼熱の魔王の二重奏。
もはや『回収部隊』は為す術がなかった。戦意を喪失し動きが緩慢になるが、
垣根帝督は容赦をしない。
『星の欠片』消滅まで残り三〇分も無くなった頃、『回収部隊』はついに垣根の前に現れなくなった。
13: ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 17:07:15.91:F25Xy5fYo (13/14)
今日の投下は以上です。
相変わらず次スレを立てるタイミングがよく分からないのですが、
これで大丈夫でしたでしょうか?何か迷惑がかかっていたらごめんなさい。
そんなわけで新スレ、一応このSSはこのスレで終わる予定です。
終わる・・・・・・はずです。多分。終わらなかったらもうどうしようもないな・・・・・・
次回更新は三日以内。
それでは、新スレでもよろしくお願いします。ありがとうございました!
前スレは様子見て、あれでしたら私が適当に埋めておきます。
今日の投下は以上です。
相変わらず次スレを立てるタイミングがよく分からないのですが、
これで大丈夫でしたでしょうか?何か迷惑がかかっていたらごめんなさい。
そんなわけで新スレ、一応このSSはこのスレで終わる予定です。
終わる・・・・・・はずです。多分。終わらなかったらもうどうしようもないな・・・・・・
次回更新は三日以内。
それでは、新スレでもよろしくお願いします。ありがとうございました!
前スレは様子見て、あれでしたら私が適当に埋めておきます。
14:次回予告はここまでです。 ◆3dKAx7itpI:2011/05/21(土) 17:07:56.14:F25Xy5fYo (14/14)
【次回予告】
『あるんだよ、俺にはまだ"とっておき"ってやつがな・・・・・・。 ロシアで・・・・・・、
魔術訓練合格祝いとかでエイワスのヤツから貰ったもんがあるんだが・・・・・・。
こいつを使えば俺はまだ魔術で暴れられる・・・・・・あいつらを駆除出来るんだ』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督
『ofugcnbkshg蹂躙jvdngjr続行fjkcnbg』
―――――――――――自我の崩壊と堕落が渦巻く悪魔・ミーシャ=クロイツェフ
『・・・・・・ったく、天使でも悪魔でも、そのやンちゃっぷりは変わンねェな。
おとなしくしてろ』
―――――――――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)
『(・・・・・・何、あれ・・・・・・? 私と、一方通行さんと、天使さん以外に・・・・・・"何か居る")』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華
【次回予告】
『あるんだよ、俺にはまだ"とっておき"ってやつがな・・・・・・。 ロシアで・・・・・・、
魔術訓練合格祝いとかでエイワスのヤツから貰ったもんがあるんだが・・・・・・。
こいつを使えば俺はまだ魔術で暴れられる・・・・・・あいつらを駆除出来るんだ』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督
『ofugcnbkshg蹂躙jvdngjr続行fjkcnbg』
―――――――――――自我の崩壊と堕落が渦巻く悪魔・ミーシャ=クロイツェフ
『・・・・・・ったく、天使でも悪魔でも、そのやンちゃっぷりは変わンねェな。
おとなしくしてろ』
―――――――――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)
『(・・・・・・何、あれ・・・・・・? 私と、一方通行さんと、天使さん以外に・・・・・・"何か居る")』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 17:09:32.78:mkp74rzXo (1/1)
W乙!
そろそろ一方さんに何かが起こりそうな予感がするぜ
W乙!
そろそろ一方さんに何かが起こりそうな予感がするぜ
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/05/21(土) 17:10:08.86:T5hVcWWqo (1/1)
いちおつ
ていとくんがかっこよすぎる
人物紹介だとすぐ死ぬとか書かれてるのにw
いちおつ
ていとくんがかっこよすぎる
人物紹介だとすぐ死ぬとか書かれてるのにw
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/05/21(土) 17:11:03.81:izgQm0m+0 (1/1)
乙
次回予告がすごく気になる・・・というか、予告のていとくんの発言ww
乙
次回予告がすごく気になる・・・というか、予告のていとくんの発言ww
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 17:11:47.34:LXnwxaQGo (1/1)
乙です
それにしても垣根に死亡フラグしかたってない(((°д°;)))
乙です
それにしても垣根に死亡フラグしかたってない(((°д°;)))
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/21(土) 17:11:48.67:M3XVuKczo (1/1)
超乙!
ていと君はまだとっておきがあるのか
超乙!
ていと君はまだとっておきがあるのか
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 17:14:35.51:6KHga/h9o (1/1)
乙おつ
1から読みはじめってやっと追いついたと思ったらリアルタイム遭遇ラッキー
めっちゃ楽しいですありがとう
これからは日々楽しみに読み進めていくのか・・・wktk
乙おつ
1から読みはじめってやっと追いついたと思ったらリアルタイム遭遇ラッキー
めっちゃ楽しいですありがとう
これからは日々楽しみに読み進めていくのか・・・wktk
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 17:31:53.34:P5METR8Eo (1/1)
乙
何故だろう、アレイスターがかませにしか見えない
乙
何故だろう、アレイスターがかませにしか見えない
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 18:11:47.96:UrYhR6Wg0 (1/1)
乙
スレタイ見てしばらく釣りかと思ったけどそんなことはなかった
乙
スレタイ見てしばらく釣りかと思ったけどそんなことはなかった
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 18:13:32.72:zZH+9g290 (1/1)
スレ立てと更新乙!
次の一方さんと風斬がどうミーシャと戦うのか楽しみだ
スレ立てと更新乙!
次の一方さんと風斬がどうミーシャと戦うのか楽しみだ
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県):2011/05/21(土) 18:24:07.11:WTTEE3//0 (1/1)
いちおつ
このスレで終わりか…感慨深いものがあるな
いちおつ
このスレで終わりか…感慨深いものがあるな
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 18:24:45.56:TL+8pQjZ0 (1/1)
乙です
このなかにどなたかイノケンさんを召還した垣根を描くことのできる
絵描き様はいらっしゃいますでしょうかー?
乙です
このなかにどなたかイノケンさんを召還した垣根を描くことのできる
絵描き様はいらっしゃいますでしょうかー?
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 18:27:08.45:tk+7YT5to (1/1)
乙!
イノケンさんキタ━━━( ゚∀ ゚)━━━!!
乙!
イノケンさんキタ━━━( ゚∀ ゚)━━━!!
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 18:40:17.50:Ua/tXJyDO (1/1)
>>1おーーつ!
ていとくんのとっておき・・・しかし今ここで使ってしまっていいのか?
『あの夢』のことを考えると・・・
1回しか使えないとは限りませぬが
>>1おーーつ!
ていとくんのとっておき・・・しかし今ここで使ってしまっていいのか?
『あの夢』のことを考えると・・・
1回しか使えないとは限りませぬが
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 18:50:43.08:ltrwgddDO (1/1)
乙!
やっとリアルタイムでみれた!
乙!
やっとリアルタイムでみれた!
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方):2011/05/21(土) 18:59:37.37:lasFfErCo (1/1)
驚異…脅威…胸囲!
おっぱい!
驚異…脅威…胸囲!
おっぱい!
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2011/05/21(土) 19:46:01.63:hwlUUDpLo (1/1)
スレタイの最終回臭がヤバイ
スレタイの最終回臭がヤバイ
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/05/21(土) 20:19:46.56:PYcl5z3q0 (1/1)
そんなフラグはあれだ、そげぶだ
そんなフラグはあれだ、そげぶだ
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/21(土) 20:22:28.24:13SIh4+IO (1/1)
"誰か居る"って、エイワスがいってた最後の1人か
"誰か居る"って、エイワスがいってた最後の1人か
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/05/21(土) 20:58:14.18:cP2XMPrh0 (1/1)
神「ちょwww人間おもすれーwwww」
みたいな感じで見てるんだな
神「ちょwww人間おもすれーwwww」
みたいな感じで見てるんだな
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/05/22(日) 00:10:01.09:Mf9PpE4P0 (1/1)
今回がラスト? そんな幻想は俺たちがぶち殺す!
乙です!
今回がラスト? そんな幻想は俺たちがぶち殺す!
乙です!
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/22(日) 00:32:13.57:DT6zMpm90 (1/1)
もうセト本人が出てきちゃっても驚かない
もうセト本人が出てきちゃっても驚かない
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県):2011/05/22(日) 00:47:55.03:8quVfIg10 (1/1)
この垣根を是非ともいのいちさんに描いて頂きたいな・・・・・・
この垣根を是非ともいのいちさんに描いて頂きたいな・・・・・・
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方):2011/05/22(日) 02:01:13.66:dnyOyYsQo (1/1)
>>35
セト「粉砕 玉砕 大喝采 ワハハハハー」
ですね
>>35
セト「粉砕 玉砕 大喝采 ワハハハハー」
ですね
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方):2011/05/22(日) 02:28:20.61:/tsurr13o (1/1)
セト「魔術『滅びの爆裂疾風弾』を発動!」
☆「ぬわーーーーーっ!」
こうか
セト「魔術『滅びの爆裂疾風弾』を発動!」
☆「ぬわーーーーーっ!」
こうか
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 07:53:22.79:Z8Mz4zQP0 (1/1)
>>37
そこは「俺はどっちでもいいけど」だろ
>>37
そこは「俺はどっちでもいいけど」だろ
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/22(日) 10:13:58.64:gmrP9frD0 (1/2)
乙!!
イノケンさんキターーーーーーーーーー!!!!!!
乙!!
イノケンさんキターーーーーーーーーー!!!!!!
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 10:29:53.42:VcR6kn/SO (1/1)
イノケン2体と女王艦隊に
大量のEqu.DarkMatterって
世界の終わりみたいな絵面だな
いや、実際に世界の終わりかwwww
イノケン2体と女王艦隊に
大量のEqu.DarkMatterって
世界の終わりみたいな絵面だな
いや、実際に世界の終わりかwwww
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方):2011/05/22(日) 13:59:45.92:900T1A/P0 (1/1)
ていとくんが大活躍するのはいいけど、イノケンさんを取られたら
ステイルさんのアイアンティディがwwww
ていとくんが大活躍するのはいいけど、イノケンさんを取られたら
ステイルさんのアイアンティディがwwww
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/05/22(日) 16:11:25.58:tdeOSh1ao (1/1)
一人一人では単なる火だが、二つ合わされば炎となるってコーチが言ってた
一人一人では単なる火だが、二つ合わされば炎となるってコーチが言ってた
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 16:30:26.84:D67jc53P0 (1/1)
やっと追いついたぞクソが!面白すぎるだろうが!早く続きをくれえええ!
やっと追いついたぞクソが!面白すぎるだろうが!早く続きをくれえええ!
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 16:45:42.95:rog2U7Bz0 (1/1)
>>43合体したイノケンティウスをただのイノケンティウスと思わないでよっ!
ていとくんとステイルの心がこもってるんだから」
>>43合体したイノケンティウスをただのイノケンティウスと思わないでよっ!
ていとくんとステイルの心がこもってるんだから」
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 17:34:43.39:pO1dLBLA0 (1/1)
イノケン「フラグ・・・なのかぁ?」イノケン「・・・///」
こういうことですねわかります
イノケン「フラグ・・・なのかぁ?」イノケン「・・・///」
こういうことですねわかります
47: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:13:28.04:OT7UuePSo (1/25)
こんにちわ!こんばんわ、ですかね?
投下しに来ました。
新スレ早々たくさんのレスをありがとうございます!
非常に嬉しく、そしてモチベーションも上がります。
なるべくこのスレで終わらせられるよう頑張りますので、よろしくお願いします。
つかいい加減終わらないと本気で呆れますよね・・・・・・マジで。
まずは垣根帝督サイドをほんの少し。彼がエイワスから貰った『褒美』とは。
そして一方通行&風斬氷華vs悪魔。一方通行を悩ませる異変が大きくなっていきます。
そんなあらすじでした。では行きます!
こんにちわ!こんばんわ、ですかね?
投下しに来ました。
新スレ早々たくさんのレスをありがとうございます!
非常に嬉しく、そしてモチベーションも上がります。
なるべくこのスレで終わらせられるよう頑張りますので、よろしくお願いします。
つかいい加減終わらないと本気で呆れますよね・・・・・・マジで。
まずは垣根帝督サイドをほんの少し。彼がエイワスから貰った『褒美』とは。
そして一方通行&風斬氷華vs悪魔。一方通行を悩ませる異変が大きくなっていきます。
そんなあらすじでした。では行きます!
48: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:14:17.26:OT7UuePSo (2/25)
『回収部隊(アンチツヴァイ)』が垣根たちの前に姿を現さなくなっても、
彼らはしばらく警戒を解くことはなかった。
そして完全に『回収部隊』の気配がしなくなった事を察知した四人は
それぞれの武器を収めて一息つく。さっきまでの雰囲気とは一転、
彼らのいる一角はずっと続いている震動を除けばすっかり静けさを取り戻していた。
「垣根帝督!!」
初行使であるイノケンティウスをいきなり実戦で使用した垣根は、既に身も精神もズタボロだった。
顕現させたイノケンティウスを消した瞬間、垣根は抵抗することなく地面に倒れ伏せる。
ステイルは焦燥しながら垣根の側に駆け寄った。
「垣根」
「・・・・・・ああ? あ、ああ・・・・・・んだよ、張り合いのねえヤツら。
まだ何匹か残ってんだろうが・・・・・・どこいった?」
「怖じ気づいたんじゃないの? さっきまでのヤツらの勢いが止まってる。
多分、アンタが魔術を使用するって点がよっぽどイレギュラーだったんでしょうね」
『回収部隊(アンチツヴァイ)』が垣根たちの前に姿を現さなくなっても、
彼らはしばらく警戒を解くことはなかった。
そして完全に『回収部隊』の気配がしなくなった事を察知した四人は
それぞれの武器を収めて一息つく。さっきまでの雰囲気とは一転、
彼らのいる一角はずっと続いている震動を除けばすっかり静けさを取り戻していた。
「垣根帝督!!」
初行使であるイノケンティウスをいきなり実戦で使用した垣根は、既に身も精神もズタボロだった。
顕現させたイノケンティウスを消した瞬間、垣根は抵抗することなく地面に倒れ伏せる。
ステイルは焦燥しながら垣根の側に駆け寄った。
「垣根」
「・・・・・・ああ? あ、ああ・・・・・・んだよ、張り合いのねえヤツら。
まだ何匹か残ってんだろうが・・・・・・どこいった?」
「怖じ気づいたんじゃないの? さっきまでのヤツらの勢いが止まってる。
多分、アンタが魔術を使用するって点がよっぽどイレギュラーだったんでしょうね」
49: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:15:28.29:OT7UuePSo (3/25)
やれやれ、とヴェントはため息をついて目についたビルの瓦礫に座り込む。
その崩れたビルの頂上には神裂がいた。聖人である彼女の視力は八.〇。
肉眼でも一キロメートル程度先の景色なら鮮明に視界に収めることが出来る。
その馬鹿げた視力を用いて、神裂は周囲を見張っていたのだが。
「・・・・・・どうやら、本当にもう『回収部隊』が攻めてくるという事は無さそうですね。
垣根帝督の話では敵の数は一五〇〇。 まだ数百程度の勢力くらいは残っていそうですが・・・・・・」
「一方通行や風斬氷華。 ミーシャ=クロイツェフやアレイスター=クロウリーの状況は?」
ステイルが新たな煙草を吹かしながら質問する。
「私達ほどの魔術師が同時にここで戦闘を行いましたからね。
この辺一帯はそれはもう見通しのいい景色になっていますよ。
・・・・・・ただ、やはり私が視界に収められる限界の範囲にはまだ建物が残っています。
申し訳ありませんが、一方通行達の様子までは確認できません」
「おいおい、お前・・・・・・どんだけ視力良いんだよ・・・・・・。 やっぱ・・・・・・、
年季が入ってると視力も鍛えられるもんなのかぁ・・・・・・?」
「私は聖人だっつっただろこのド素人が。 もう一回『唯閃』ぶちかまされてえか?」
やれやれ、とヴェントはため息をついて目についたビルの瓦礫に座り込む。
その崩れたビルの頂上には神裂がいた。聖人である彼女の視力は八.〇。
肉眼でも一キロメートル程度先の景色なら鮮明に視界に収めることが出来る。
その馬鹿げた視力を用いて、神裂は周囲を見張っていたのだが。
「・・・・・・どうやら、本当にもう『回収部隊』が攻めてくるという事は無さそうですね。
垣根帝督の話では敵の数は一五〇〇。 まだ数百程度の勢力くらいは残っていそうですが・・・・・・」
「一方通行や風斬氷華。 ミーシャ=クロイツェフやアレイスター=クロウリーの状況は?」
ステイルが新たな煙草を吹かしながら質問する。
「私達ほどの魔術師が同時にここで戦闘を行いましたからね。
この辺一帯はそれはもう見通しのいい景色になっていますよ。
・・・・・・ただ、やはり私が視界に収められる限界の範囲にはまだ建物が残っています。
申し訳ありませんが、一方通行達の様子までは確認できません」
「おいおい、お前・・・・・・どんだけ視力良いんだよ・・・・・・。 やっぱ・・・・・・、
年季が入ってると視力も鍛えられるもんなのかぁ・・・・・・?」
「私は聖人だっつっただろこのド素人が。 もう一回『唯閃』ぶちかまされてえか?」
50: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:16:16.56:OT7UuePSo (4/25)
ぴくぴくとこめかみを引きつらせながら神裂は腰の七天七刀に手をかける。
しかしそれを見ても垣根はただ弱々しく笑うだけで、何の行動も起こさなかった。
予想外のリアクションに神裂の顔が曇る。
「・・・・・・本当に大丈夫ですか? 垣根帝督。 ミーシャの捜索は一旦中止して
今すぐにでも病院に向かった方がいいと思います。 私の知人にも一人、
能力者でありながら魔術を使う者がいますが、あなたほど甚大な反動を被っている姿は見たことがありません。
女子寮で魔術の話をしたときにあなたはやたら魔術に関して食いついていましたが、その事で
ルチアがえらく心配していましたよ? 『あの男は必ず無茶を起こす』、と。 ・・・・・・その通りでしたね」
「・・・・・・・・・・・・あの小姑、そんな事言ってたのかぁ・・・・・・」
浅い呼吸を繰り返しながらヘラヘラと笑う垣根に、魔術師の三人は呆れるしかなかった。
こんな見るも無残な姿になってまで、なぜ彼は魔術という力を使って戦うのか。
ステイルがその事について言及してみようかと思っていると、
「さて、と」
ぴくぴくとこめかみを引きつらせながら神裂は腰の七天七刀に手をかける。
しかしそれを見ても垣根はただ弱々しく笑うだけで、何の行動も起こさなかった。
予想外のリアクションに神裂の顔が曇る。
「・・・・・・本当に大丈夫ですか? 垣根帝督。 ミーシャの捜索は一旦中止して
今すぐにでも病院に向かった方がいいと思います。 私の知人にも一人、
能力者でありながら魔術を使う者がいますが、あなたほど甚大な反動を被っている姿は見たことがありません。
女子寮で魔術の話をしたときにあなたはやたら魔術に関して食いついていましたが、その事で
ルチアがえらく心配していましたよ? 『あの男は必ず無茶を起こす』、と。 ・・・・・・その通りでしたね」
「・・・・・・・・・・・・あの小姑、そんな事言ってたのかぁ・・・・・・」
浅い呼吸を繰り返しながらヘラヘラと笑う垣根に、魔術師の三人は呆れるしかなかった。
こんな見るも無残な姿になってまで、なぜ彼は魔術という力を使って戦うのか。
ステイルがその事について言及してみようかと思っていると、
「さて、と」
51: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:16:54.64:OT7UuePSo (5/25)
ガバっと。急に垣根は仰向けの体勢から勢い良く体を持ち上げた。
突然の行動に三人は目を点にする。
「・・・・・・急にどうしたの? 魔術の使い過ぎで頭やられちまったか」
「まだ仕事が残ってんだろうがよ。 『回収部隊』はまだ全滅してねえ」
どうやら彼は『回収部隊』の残存勢力を全て殲滅する気でいるらしい。
身体中から血を滴らせている状態で無茶を起こそうとする垣根に、三人の魔術師は『とある少年』の姿を重ねる。
「・・・・・・あなたがこれ以上の戦闘を続けるのは無謀を通り越して馬鹿です。
残りの勢力が出てきたら私達で応戦しますから、あなたはここからどうにかして
脱出し、急いで病院に向かって――――――」
「・・・・・・『回収部隊』のクソどもは・・・・・・、この第一九学区の地下にいる」
ガバっと。急に垣根は仰向けの体勢から勢い良く体を持ち上げた。
突然の行動に三人は目を点にする。
「・・・・・・急にどうしたの? 魔術の使い過ぎで頭やられちまったか」
「まだ仕事が残ってんだろうがよ。 『回収部隊』はまだ全滅してねえ」
どうやら彼は『回収部隊』の残存勢力を全て殲滅する気でいるらしい。
身体中から血を滴らせている状態で無茶を起こそうとする垣根に、三人の魔術師は『とある少年』の姿を重ねる。
「・・・・・・あなたがこれ以上の戦闘を続けるのは無謀を通り越して馬鹿です。
残りの勢力が出てきたら私達で応戦しますから、あなたはここからどうにかして
脱出し、急いで病院に向かって――――――」
「・・・・・・『回収部隊』のクソどもは・・・・・・、この第一九学区の地下にいる」
52: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:17:49.31:OT7UuePSo (6/25)
神裂の忠告を遮って垣根は言った。
「まだ多分、一〇〇以上の勢力が地下で蠢いてんだ。 ・・・・・・ゴキブリみてえにな。
気持ち悪い、そんな害虫共は駆除しなきゃならねえ・・・・・・、あいつらが出てきた原因も
俺にあるしな。 テメェらが出しゃばる必要はねえんだよ」
「だがその体でどう戦うんだ? 君の『未元物質』とやらはアイツらには通用しないんだろう?
まさかまだ魔術を使って戦おうだなんて言うつもりじゃないだろうね」
「あるんだよ、俺にはまだ"とっておき"ってやつがな・・・・・・。 ロシアで・・・・・・、
魔術訓練合格祝いとかでエイワスのヤツから貰ったもんがあるんだが・・・・・・。
こいつを使えば俺はまだ魔術で暴れられる・・・・・・あいつらを駆除出来るんだ」
焦点の定まってない、虚ろな目で垣根は薄く笑う。
彼の言っている事が理解出来ない一同だったが、垣根がおもむろにズボンのポケットから
取り出した『それ』を見て、ステイルは戦慄した。
神裂の忠告を遮って垣根は言った。
「まだ多分、一〇〇以上の勢力が地下で蠢いてんだ。 ・・・・・・ゴキブリみてえにな。
気持ち悪い、そんな害虫共は駆除しなきゃならねえ・・・・・・、あいつらが出てきた原因も
俺にあるしな。 テメェらが出しゃばる必要はねえんだよ」
「だがその体でどう戦うんだ? 君の『未元物質』とやらはアイツらには通用しないんだろう?
まさかまだ魔術を使って戦おうだなんて言うつもりじゃないだろうね」
「あるんだよ、俺にはまだ"とっておき"ってやつがな・・・・・・。 ロシアで・・・・・・、
魔術訓練合格祝いとかでエイワスのヤツから貰ったもんがあるんだが・・・・・・。
こいつを使えば俺はまだ魔術で暴れられる・・・・・・あいつらを駆除出来るんだ」
焦点の定まってない、虚ろな目で垣根は薄く笑う。
彼の言っている事が理解出来ない一同だったが、垣根がおもむろにズボンのポケットから
取り出した『それ』を見て、ステイルは戦慄した。
53: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:18:22.78:OT7UuePSo (7/25)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・垣、根。 それは・・・・・・・・・・・・!?」
「さあな。 名前とかは知らねえが・・・・・・これで魔術が使えるんだろ?」
ステイルの顔にどっと汗が吹き出る。
垣根帝督が今まさに手で弄んでいるそれは、かつての第三次世界大戦の首謀者が使用していた霊装。
「・・・・・・・・・・・・『自動書記(ヨハネのペン)』の・・・・・・、遠隔制御霊装・・・・・・!!?」
ステイルが干上がった喉で何かを叫んだが、もう遅かった。
何も知らない垣根帝督はその霊装に魔力を込める。
そして――――――。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・垣、根。 それは・・・・・・・・・・・・!?」
「さあな。 名前とかは知らねえが・・・・・・これで魔術が使えるんだろ?」
ステイルの顔にどっと汗が吹き出る。
垣根帝督が今まさに手で弄んでいるそれは、かつての第三次世界大戦の首謀者が使用していた霊装。
「・・・・・・・・・・・・『自動書記(ヨハネのペン)』の・・・・・・、遠隔制御霊装・・・・・・!!?」
ステイルが干上がった喉で何かを叫んだが、もう遅かった。
何も知らない垣根帝督はその霊装に魔力を込める。
そして――――――。
54: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:19:30.10:OT7UuePSo (8/25)
――――――――――――――――――――――
ここでひとまず『一方通行』、という人物像について再確認しておきたい。
その少年は一体どのような人物か?
一方通行を知っている人間に彼のイメージを聞けば、恐らく大半は『恐怖』、『暴虐』、『化物』など
あまり良くないイメージを抱いていることだろう。
彼と親しい関係を持つ人物に聞けば『お人好し』、『根は優しい』など意外な一面を持っている人間だという
イメージも抱いているかもしれない。
だが今回は彼の内面にではなく、外見について復習しておきたい。
「ofugcnbkshg蹂躙jvdngjr続行fjkcnbg」
「ぐ、がッ・・・・・・!!!」
ミーシャ=クロイツェフという『悪魔』による翼の攻撃で吹き飛ばされる一方通行を、
あろうことか風斬氷華は遠くかに佇んで見ているだけという愚行を犯していた。
天使でさえ、人間がどれだけ束になっても敵わない存在だというのに、今一方通行が
相手にしているのは天使の暴走、悪魔だ。
――――――――――――――――――――――
ここでひとまず『一方通行』、という人物像について再確認しておきたい。
その少年は一体どのような人物か?
一方通行を知っている人間に彼のイメージを聞けば、恐らく大半は『恐怖』、『暴虐』、『化物』など
あまり良くないイメージを抱いていることだろう。
彼と親しい関係を持つ人物に聞けば『お人好し』、『根は優しい』など意外な一面を持っている人間だという
イメージも抱いているかもしれない。
だが今回は彼の内面にではなく、外見について復習しておきたい。
「ofugcnbkshg蹂躙jvdngjr続行fjkcnbg」
「ぐ、がッ・・・・・・!!!」
ミーシャ=クロイツェフという『悪魔』による翼の攻撃で吹き飛ばされる一方通行を、
あろうことか風斬氷華は遠くかに佇んで見ているだけという愚行を犯していた。
天使でさえ、人間がどれだけ束になっても敵わない存在だというのに、今一方通行が
相手にしているのは天使の暴走、悪魔だ。
55: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:20:30.30:OT7UuePSo (9/25)
学園都市の技術で作られた人工天使、風斬氷華は本物の天使にも負けず劣らずの力を秘めている。
そんな彼女と学園都市最強の超能力者、一方通行が共闘することでようやく悪魔の足元に辿りつけるかどうか
といったところだ。
しかし風斬氷華は戦闘に参加し、一方通行と共に悪魔と戦う事も忘れてポカンとした表情を浮かべていた。
彼女の目は、常に悪魔ではなく一方通行の方に向かっている。
「・・・・・・っく。 風斬、何やってンだ!!?」
「・・・・・・あ、え、・・・・・・す、すみません!」
一方通行がボーッと突っ立っている風斬に吠えた。
別に怒っているわけではない。悪魔を相手に同じ場所に留まり続けるという行為が
危険過ぎるため、警告しているだけだ。
しかし風斬は怒鳴られたにも関わらず、そのまま悪魔と交戦する一方通行を視線で追う。
(・・・・・・・・・・・・気のせい、じゃないよね?)
学園都市の技術で作られた人工天使、風斬氷華は本物の天使にも負けず劣らずの力を秘めている。
そんな彼女と学園都市最強の超能力者、一方通行が共闘することでようやく悪魔の足元に辿りつけるかどうか
といったところだ。
しかし風斬氷華は戦闘に参加し、一方通行と共に悪魔と戦う事も忘れてポカンとした表情を浮かべていた。
彼女の目は、常に悪魔ではなく一方通行の方に向かっている。
「・・・・・・っく。 風斬、何やってンだ!!?」
「・・・・・・あ、え、・・・・・・す、すみません!」
一方通行がボーッと突っ立っている風斬に吠えた。
別に怒っているわけではない。悪魔を相手に同じ場所に留まり続けるという行為が
危険過ぎるため、警告しているだけだ。
しかし風斬は怒鳴られたにも関わらず、そのまま悪魔と交戦する一方通行を視線で追う。
(・・・・・・・・・・・・気のせい、じゃないよね?)
56: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:21:17.03:OT7UuePSo (10/25)
風斬氷華が抱く一方通行の外見のイメージは『白』だった。
外見年齢にそぐわない白い髪、雪のように綺麗な白い肌。そして今も背中から生やしている白い翼。
人物によっては『黒』のイメージもあるかもしれない。彼が戦闘時に現出させる黒翼は
見る者全ての眼球に焼きつくほどの印象を与える。
(一方通行さんは気付いていない? そんな、だってあんなに・・・・・・)
だが、今現在の風斬の目に映っている一方通行は、いつもと少し様子が違っていた。
もちろんその白い肌は相変わらずだが、頭髪に違和感を感じる。
たまに、ほんの一瞬ではあるが、彼の頭髪が『赤』、もしくは『紅』色に見える時がある・・・・・・気がするのだ。
一方通行の眼は確かにいつも紅く輝いているが、頭髪は違う。赤ではないはずだ。
しかも風斬の目に映っている赤は、頭髪が染まっていくというようなものではなく、
『"別の赤い何か"が一方通行と重なり、ブレて、その時少しだけ確認できる』、というものだった。
風斬氷華が抱く一方通行の外見のイメージは『白』だった。
外見年齢にそぐわない白い髪、雪のように綺麗な白い肌。そして今も背中から生やしている白い翼。
人物によっては『黒』のイメージもあるかもしれない。彼が戦闘時に現出させる黒翼は
見る者全ての眼球に焼きつくほどの印象を与える。
(一方通行さんは気付いていない? そんな、だってあんなに・・・・・・)
だが、今現在の風斬の目に映っている一方通行は、いつもと少し様子が違っていた。
もちろんその白い肌は相変わらずだが、頭髪に違和感を感じる。
たまに、ほんの一瞬ではあるが、彼の頭髪が『赤』、もしくは『紅』色に見える時がある・・・・・・気がするのだ。
一方通行の眼は確かにいつも紅く輝いているが、頭髪は違う。赤ではないはずだ。
しかも風斬の目に映っている赤は、頭髪が染まっていくというようなものではなく、
『"別の赤い何か"が一方通行と重なり、ブレて、その時少しだけ確認できる』、というものだった。
57: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:22:15.24:OT7UuePSo (11/25)
「あ、一方通行さん・・・・・・!」
どう考えても気のせいではない事を確信した風斬は一方通行に声をかけるが、
悪魔の放つ神の如き猛攻に応じるだけで精一杯なのか、返事は返ってこない。
風斬自身も本当はこんなところでおとなしくしてないで一方通行に加勢するのが一番なのだが、
(・・・・・・何、あれ・・・・・・? 私と、一方通行さんと、天使さん以外に・・・・・・"何か居る")
そう、風斬がさっきからずっと見続けているのは、実は一方通行ではなかった。
かと言って、それはミーシャでもない。
何かが居る、としか表現しようがなかった。黒いもやもやとした煙のような・・・・・・影のような、
そんな不明瞭な"何か"が確実にこの場にいる。
人ではない、しかし獣でもなければ自分のようなAIMの塊でもないし、天使や悪魔でもない。
ただ、それは真っ赤な髪で真っ赤な眼を持っており、それ以外は『黒』で統一されている。これだけはハッキリと確認できた。
しかもそれは、
(天使さんとの戦闘が始まった頃から・・・・・・? 詳しくは分からないけど、さっきからずっと、)
その黒と紅の何かは、まるで一方通行の影であるように、彼の背後にぴったりと寄り添っていた。
「あ、一方通行さん・・・・・・!」
どう考えても気のせいではない事を確信した風斬は一方通行に声をかけるが、
悪魔の放つ神の如き猛攻に応じるだけで精一杯なのか、返事は返ってこない。
風斬自身も本当はこんなところでおとなしくしてないで一方通行に加勢するのが一番なのだが、
(・・・・・・何、あれ・・・・・・? 私と、一方通行さんと、天使さん以外に・・・・・・"何か居る")
そう、風斬がさっきからずっと見続けているのは、実は一方通行ではなかった。
かと言って、それはミーシャでもない。
何かが居る、としか表現しようがなかった。黒いもやもやとした煙のような・・・・・・影のような、
そんな不明瞭な"何か"が確実にこの場にいる。
人ではない、しかし獣でもなければ自分のようなAIMの塊でもないし、天使や悪魔でもない。
ただ、それは真っ赤な髪で真っ赤な眼を持っており、それ以外は『黒』で統一されている。これだけはハッキリと確認できた。
しかもそれは、
(天使さんとの戦闘が始まった頃から・・・・・・? 詳しくは分からないけど、さっきからずっと、)
その黒と紅の何かは、まるで一方通行の影であるように、彼の背後にぴったりと寄り添っていた。
58: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:23:18.39:OT7UuePSo (12/25)
悪魔の掌が一方通行に照準を向ける。
その瞬間、既に悪魔の攻撃は放たれていた。
速い、とかそういうレベルで表現出来る速度ではなかった。目視して回避できる攻撃じゃない。
予兆や勘を利用して避けるという手も使ってみたが、なぜか悪魔の攻撃はそれらを全て予想して計算し、
確実に一方通行に攻撃が当たるように設定しているとしか思えなかった。
『神の力(ガブリエル)』は伝達の御使い。予兆、勘などといった第六感をデコイとして加工し、無効化させる。
そして放たれる攻撃は、結局五感を頼って回避しなければならないのだが。
「く、っそ・・・・・・!!!」
一方通行は第六感を捨て、ベクトル操作を使用して周囲の空気を常に感知している状態を保つ。
その空気の流れから読み取れる微妙な変化を察知し、悪魔の攻撃を避けるという手段に出たのだが
それでもギリギリだった。悪魔の放つ未知の攻撃は何度も彼の体を掠める。ダメージは確実に蓄積されていった。
悪魔の掌が一方通行に照準を向ける。
その瞬間、既に悪魔の攻撃は放たれていた。
速い、とかそういうレベルで表現出来る速度ではなかった。目視して回避できる攻撃じゃない。
予兆や勘を利用して避けるという手も使ってみたが、なぜか悪魔の攻撃はそれらを全て予想して計算し、
確実に一方通行に攻撃が当たるように設定しているとしか思えなかった。
『神の力(ガブリエル)』は伝達の御使い。予兆、勘などといった第六感をデコイとして加工し、無効化させる。
そして放たれる攻撃は、結局五感を頼って回避しなければならないのだが。
「く、っそ・・・・・・!!!」
一方通行は第六感を捨て、ベクトル操作を使用して周囲の空気を常に感知している状態を保つ。
その空気の流れから読み取れる微妙な変化を察知し、悪魔の攻撃を避けるという手段に出たのだが
それでもギリギリだった。悪魔の放つ未知の攻撃は何度も彼の体を掠める。ダメージは確実に蓄積されていった。
59: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:23:57.31:OT7UuePSo (13/25)
「oaguc滅xapqoub」
「pyvbs終vmergi」
「cmsbk続行vmpneb」
(来るッ・・・・・・!!!)
が、悪魔が仕掛けてきたのは掌からの放射ではなく、背中から伸びる黒紫の水晶。
一〇〇以上に及ぶ禍々しい翼が一方通行の息の根を止めようと全方位から襲いかかってくる。
目を見開く一方通行の視界が闇一色に染まった時、
ガガガギャギャギャッッ!!!! と悪魔の翼を更に包みこむように
光の翼が黒紫の水晶を屠っていった。
「ごめんなさい、出遅れました」
風斬はそのまま悪魔に向かって飛翔し、悪魔の顔面に飛び蹴りを浴びせた。
音速以上の速度慣性が付与された蹴りをまともに喰らった怪物はそのまま数百メートル以上も吹き飛んだ。
何棟ものビルを薙ぎ倒しながら地面を転がる悪魔を見て、風斬は悲痛の表情を浮かべる。
「oaguc滅xapqoub」
「pyvbs終vmergi」
「cmsbk続行vmpneb」
(来るッ・・・・・・!!!)
が、悪魔が仕掛けてきたのは掌からの放射ではなく、背中から伸びる黒紫の水晶。
一〇〇以上に及ぶ禍々しい翼が一方通行の息の根を止めようと全方位から襲いかかってくる。
目を見開く一方通行の視界が闇一色に染まった時、
ガガガギャギャギャッッ!!!! と悪魔の翼を更に包みこむように
光の翼が黒紫の水晶を屠っていった。
「ごめんなさい、出遅れました」
風斬はそのまま悪魔に向かって飛翔し、悪魔の顔面に飛び蹴りを浴びせた。
音速以上の速度慣性が付与された蹴りをまともに喰らった怪物はそのまま数百メートル以上も吹き飛んだ。
何棟ものビルを薙ぎ倒しながら地面を転がる悪魔を見て、風斬は悲痛の表情を浮かべる。
60: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:24:44.50:OT7UuePSo (14/25)
「あの、一方通行さん・・・・・・」
「なンだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
風斬は舐めるように一方通行の全身を見る。見られている本人は何がなんやらという顔をしている。
今の一方通行にはあの不気味な『影』は見当たらない。気のせいではないはずだが、とりあえず一方通行に
悪影響のようなものは出ていないようだ。
と、不意に一方通行の前から風斬の姿が消えた。遅れて地面が噴火したような音が耳に飛び込んでくる。
「風斬ッ!!」
「あの、一方通行さん・・・・・・」
「なンだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
風斬は舐めるように一方通行の全身を見る。見られている本人は何がなんやらという顔をしている。
今の一方通行にはあの不気味な『影』は見当たらない。気のせいではないはずだが、とりあえず一方通行に
悪影響のようなものは出ていないようだ。
と、不意に一方通行の前から風斬の姿が消えた。遅れて地面が噴火したような音が耳に飛び込んでくる。
「風斬ッ!!」
61: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:25:28.09:OT7UuePSo (15/25)
爆発音がした方を向くと、ビルの瓦礫と一緒に風斬がぐったりと倒れていた。
反対側に首を向けるとそこにはついさっき風斬に蹴り飛ばされたはずの悪魔が不気味に佇んでいた。
「oduxfjw残存勢力defjjwa一gtsnbv」
悪魔が地面を踏み込んで風斬に向かって突進する。踏み込まれた地面は深く陥没した。
一方通行は背中の白い翼を前面に盾のように展開して悪魔の前に立ち塞がり応戦する。
翼に触れるか触れないかのところで急停止した悪魔は掌を天にかざした。
バキバキバキッ!!!、と氷が軋むような音を上げて虚空から翼と同じ素材の剣が出現した。
一秒もかけず出現させたその水晶を手でつかみ、一方通行に天の一撃を振り落とす。
第一位の展開した白の翼が濡れた和紙のようにあっさりと引き裂かれたが、
「fkgjgms消失vkgtjwvm」
そこに一方通行の姿は無かった。破れた布団から飛び出たように白い羽根が宙に舞っている。
爆発音がした方を向くと、ビルの瓦礫と一緒に風斬がぐったりと倒れていた。
反対側に首を向けるとそこにはついさっき風斬に蹴り飛ばされたはずの悪魔が不気味に佇んでいた。
「oduxfjw残存勢力defjjwa一gtsnbv」
悪魔が地面を踏み込んで風斬に向かって突進する。踏み込まれた地面は深く陥没した。
一方通行は背中の白い翼を前面に盾のように展開して悪魔の前に立ち塞がり応戦する。
翼に触れるか触れないかのところで急停止した悪魔は掌を天にかざした。
バキバキバキッ!!!、と氷が軋むような音を上げて虚空から翼と同じ素材の剣が出現した。
一秒もかけず出現させたその水晶を手でつかみ、一方通行に天の一撃を振り落とす。
第一位の展開した白の翼が濡れた和紙のようにあっさりと引き裂かれたが、
「fkgjgms消失vkgtjwvm」
そこに一方通行の姿は無かった。破れた布団から飛び出たように白い羽根が宙に舞っている。
62: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:26:15.53:OT7UuePSo (16/25)
背中に強い衝撃が走った。怪しく輝く悪魔の翼が粉々に砕かれていた。
悪魔が首を後ろに回そうとするが、その前に頭を何者かに掴まれてしまった。
「・・・・・・ったく、天使でも悪魔でも、そのやンちゃっぷりは変わンねェな。
おとなしくしてろ」
一方通行は悪魔の頭を掴んだまま腕力のベクトルを操作して思い切り振りかぶった。
悪魔の頭が地面に激突し、ゴム鞠のように跳ねる。
それで終わりではない。一方通行は白の翼を聖剣のように変形させ、追撃を仕掛ける。
即座に体勢を整えた悪魔がすかさず反撃に出ようとするが、前方から強い力を感じた。
見ると、先ほど戦闘不能にしたはずの人工天使が眩く輝く剣を握ってこちらに飛翔している。
片方の手に携える剣で一方通行を、もう片方の掌で風斬氷華に放出攻撃を実行しようとしたが、数瞬遅かった。
「叩き込めェェ!!!!!!!」
風斬の剣が悪魔の体を斜め一直線に切り裂くのと、一方通行の翼が悪魔の背に突き込まれたのは同時だった。
背中に強い衝撃が走った。怪しく輝く悪魔の翼が粉々に砕かれていた。
悪魔が首を後ろに回そうとするが、その前に頭を何者かに掴まれてしまった。
「・・・・・・ったく、天使でも悪魔でも、そのやンちゃっぷりは変わンねェな。
おとなしくしてろ」
一方通行は悪魔の頭を掴んだまま腕力のベクトルを操作して思い切り振りかぶった。
悪魔の頭が地面に激突し、ゴム鞠のように跳ねる。
それで終わりではない。一方通行は白の翼を聖剣のように変形させ、追撃を仕掛ける。
即座に体勢を整えた悪魔がすかさず反撃に出ようとするが、前方から強い力を感じた。
見ると、先ほど戦闘不能にしたはずの人工天使が眩く輝く剣を握ってこちらに飛翔している。
片方の手に携える剣で一方通行を、もう片方の掌で風斬氷華に放出攻撃を実行しようとしたが、数瞬遅かった。
「叩き込めェェ!!!!!!!」
風斬の剣が悪魔の体を斜め一直線に切り裂くのと、一方通行の翼が悪魔の背に突き込まれたのは同時だった。
63: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:27:14.76:OT7UuePSo (17/25)
前後からの尋常ではない威力を挟み撃ちで喰らった悪魔は体をガクガクと痙攣させる。
そのまま吹き飛ぼうにも前と後ろには一方通行と風斬氷華がいるためなかなかその場から離脱できない。
キリキリ・・・・・・と二つの力が更に深く切り込まれていく。膨張していくエネルギーに耐えられなくなった悪魔は、
「fxnpsqi散mmclvkv」
自身の体の中にある、かつて『天使の力(テレズマ)』と呼ばれるエネルギーだった"どす黒い"オーラを
全て周囲に爆散させた。
墨より黒く、闇より深い黒の衝撃波は一方通行と風斬を巻き込み、周囲数キロに渡って広がっていった。
「が・・・・・・ァ・・・・・・ッ!!?」
「きゃっ!!」
前後からの尋常ではない威力を挟み撃ちで喰らった悪魔は体をガクガクと痙攣させる。
そのまま吹き飛ぼうにも前と後ろには一方通行と風斬氷華がいるためなかなかその場から離脱できない。
キリキリ・・・・・・と二つの力が更に深く切り込まれていく。膨張していくエネルギーに耐えられなくなった悪魔は、
「fxnpsqi散mmclvkv」
自身の体の中にある、かつて『天使の力(テレズマ)』と呼ばれるエネルギーだった"どす黒い"オーラを
全て周囲に爆散させた。
墨より黒く、闇より深い黒の衝撃波は一方通行と風斬を巻き込み、周囲数キロに渡って広がっていった。
「が・・・・・・ァ・・・・・・ッ!!?」
「きゃっ!!」
64: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:27:59.74:OT7UuePSo (18/25)
風斬の方は間に合った。悪魔がエネルギーを拡散させる寸前に一方通行は風斬の体を押して突き飛ばしたのだ。
ベクトル操作によって風斬の体は恐らく爆破の範囲内から逃れることが出来たはずだ。
しかし一方通行自身は間に合わなかった。翼を展開させて身を守ったにも関わらず体を襲ってきた衝撃は
全身の骨が砕け散らないのが不自然なくらいの威力だった。
地面を何度も跳ねた一方通行は口から大量に血を吐き出し、気道を確保する。
遠くのほうで轟音が鳴り響いてきた。風斬と悪魔が激突しているのだろう。
(はァ・・・・・・ちくしょう、今までも何度もあの馬鹿とじゃれ合ってきたが・・・・・・
いざこォして本気でやりあってみると、改めてあいつの化物っぷりを再確認出来たな。
・・・・・・だがあいつを"倒す"必要はねェンだ。 あいつを・・・・・・救えれば・・・・・・)
一方通行は乱れた呼吸を整え、戦闘音が鳴っている方を見やる。
(・・・・・・待ってろよ)
口元の血を拭い、戦場へ駆けるために一歩踏み出したところで、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
風斬の方は間に合った。悪魔がエネルギーを拡散させる寸前に一方通行は風斬の体を押して突き飛ばしたのだ。
ベクトル操作によって風斬の体は恐らく爆破の範囲内から逃れることが出来たはずだ。
しかし一方通行自身は間に合わなかった。翼を展開させて身を守ったにも関わらず体を襲ってきた衝撃は
全身の骨が砕け散らないのが不自然なくらいの威力だった。
地面を何度も跳ねた一方通行は口から大量に血を吐き出し、気道を確保する。
遠くのほうで轟音が鳴り響いてきた。風斬と悪魔が激突しているのだろう。
(はァ・・・・・・ちくしょう、今までも何度もあの馬鹿とじゃれ合ってきたが・・・・・・
いざこォして本気でやりあってみると、改めてあいつの化物っぷりを再確認出来たな。
・・・・・・だがあいつを"倒す"必要はねェンだ。 あいつを・・・・・・救えれば・・・・・・)
一方通行は乱れた呼吸を整え、戦闘音が鳴っている方を見やる。
(・・・・・・待ってろよ)
口元の血を拭い、戦場へ駆けるために一歩踏み出したところで、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
65: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:29:03.46:OT7UuePSo (19/25)
一方通行は動きを止めた。今すぐにでも風斬の援護に向かわなければならないのだが、
第一位の怪物はそれよりこの"違和感"を優先した。
また、あれだ。あの粘つくような視線が一方通行を突き刺している。
一方通行はゆっくりと後ろを振り向くが、そこに映ったのは無残な姿に成り果てた街並みだけだった。
相変わらず視線は感じる。さっき感じたものよりも強く感じる。
『監視』、という雰囲気の視線ではなかった。どちらかと言えば『観察』の方が近い。
何者かは知らないが、上から見られているような高圧的な視線に彼は不愉快そうな表情を浮かべる。
この視線と似たようなものを感じたことがあった。あの金髪の怪物も、こんな目で自分を見ていた気がする。
(・・・・・・あの野郎と同類の何かか? 考えられねェが・・・・・・)
そのまましばらく一方通行は動きを止めて周囲を警戒したが、結局何かが現れるというような事は無かった。
しかし、彼を見つめる視線はより一層強くなっていた。息遣いまで聞こえるような気さえした。
遠くから聞こえてくる轟音が激しくなった。一方通行は視線の正体についての考察は一度放棄し、
悪魔と交戦を続ける風斬を助けるために背中から翼を噴出させて飛翔する。
『ゲーム』開始から一時間四〇分が経過していた。
一方通行は果たして気がついているのだろうか。
自分が噴出させている背中の白い翼が、根元から徐々に黒く染まっていっている事に。
一方通行は動きを止めた。今すぐにでも風斬の援護に向かわなければならないのだが、
第一位の怪物はそれよりこの"違和感"を優先した。
また、あれだ。あの粘つくような視線が一方通行を突き刺している。
一方通行はゆっくりと後ろを振り向くが、そこに映ったのは無残な姿に成り果てた街並みだけだった。
相変わらず視線は感じる。さっき感じたものよりも強く感じる。
『監視』、という雰囲気の視線ではなかった。どちらかと言えば『観察』の方が近い。
何者かは知らないが、上から見られているような高圧的な視線に彼は不愉快そうな表情を浮かべる。
この視線と似たようなものを感じたことがあった。あの金髪の怪物も、こんな目で自分を見ていた気がする。
(・・・・・・あの野郎と同類の何かか? 考えられねェが・・・・・・)
そのまましばらく一方通行は動きを止めて周囲を警戒したが、結局何かが現れるというような事は無かった。
しかし、彼を見つめる視線はより一層強くなっていた。息遣いまで聞こえるような気さえした。
遠くから聞こえてくる轟音が激しくなった。一方通行は視線の正体についての考察は一度放棄し、
悪魔と交戦を続ける風斬を助けるために背中から翼を噴出させて飛翔する。
『ゲーム』開始から一時間四〇分が経過していた。
一方通行は果たして気がついているのだろうか。
自分が噴出させている背中の白い翼が、根元から徐々に黒く染まっていっている事に。
66: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:30:23.82:OT7UuePSo (20/25)
――――――――――――――――――――――
第一九学区の地下通路は迷路のように入り組んだ構造になっていた。
普段は下水道として使用されているのだが、住人がいなくなった今では機能していない。
代わりに、第一九学区の地下には『回収部隊(アンチツヴァイ)』の残存勢力がいた。
ファイブオーバーに搭乗している『未元物質(ダークマター)』の仮面をつけた兵士で構成された
対第二位専用特殊部隊。
地上でほぼ全ての勢力が垣根帝督他、魔術師によって殲滅されたため
今地下に残っているのはわずか一〇〇と少し。最初の一五〇〇に比べたら何とも頼りない数まで減っていた。
(・・・・・・どうなっている。 予定と違うじゃないか。 大体、・・・・・・)
その残存勢力の中に、ファイブオーバーに乗り込んでいない仮面の兵士がいた。
彼は地下通路の壁に背を預け、精も根も尽きたような顔でしゃがみこんでいた。
この兵士は一番最初に『回収部隊』として垣根帝督と接触した男だった。
――――――――――――――――――――――
第一九学区の地下通路は迷路のように入り組んだ構造になっていた。
普段は下水道として使用されているのだが、住人がいなくなった今では機能していない。
代わりに、第一九学区の地下には『回収部隊(アンチツヴァイ)』の残存勢力がいた。
ファイブオーバーに搭乗している『未元物質(ダークマター)』の仮面をつけた兵士で構成された
対第二位専用特殊部隊。
地上でほぼ全ての勢力が垣根帝督他、魔術師によって殲滅されたため
今地下に残っているのはわずか一〇〇と少し。最初の一五〇〇に比べたら何とも頼りない数まで減っていた。
(・・・・・・どうなっている。 予定と違うじゃないか。 大体、・・・・・・)
その残存勢力の中に、ファイブオーバーに乗り込んでいない仮面の兵士がいた。
彼は地下通路の壁に背を預け、精も根も尽きたような顔でしゃがみこんでいた。
この兵士は一番最初に『回収部隊』として垣根帝督と接触した男だった。
67: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:31:25.42:OT7UuePSo (21/25)
男は手に持っているGPSに似た機械の画面を睨みつけるように見つめる。
何度も同じスイッチを押し、何度も地上の状況を確認したが、結果は同じだった。
全滅。実際はまだこの地下に勢力は残っているため全滅という表現は正しくないが、
たった一人の少年を討つだけの任務にも関わらず『回収部隊』の勢力は著しく低下している。
全滅という表現は、そういう意味では正しいかもしれない。
(・・・・・・大体、なんだあれは。 未知の法則だと・・・・・・!? 『未元物質』を行使する
超能力者が・・・・・・未知の法則を手に入れているとは・・・・・・ワケがわからない。
上層部から送られた資料にはあんな力についての説明は記載されていなかったぞ・・・・・・。
我々が使用している『未元物質』でも対応出来ない法則・・・・・・)
男は頭をバリバリと掻き乱し、手に握っていたGPSを乱暴に叩きつけた。
GPSが粉々になった音が地下通路に反響し、周りのファイブオーバー達がこちらを向いてくるが、
彼は微塵も気にしない。
(クソったれ・・・・・・!!! それになんだ、あの妙な連中は・・・・・・!!
『魔術師』・・・・・・だの何だのとほざいていたが・・・・・・やはりそうなのか)
男は手に持っているGPSに似た機械の画面を睨みつけるように見つめる。
何度も同じスイッチを押し、何度も地上の状況を確認したが、結果は同じだった。
全滅。実際はまだこの地下に勢力は残っているため全滅という表現は正しくないが、
たった一人の少年を討つだけの任務にも関わらず『回収部隊』の勢力は著しく低下している。
全滅という表現は、そういう意味では正しいかもしれない。
(・・・・・・大体、なんだあれは。 未知の法則だと・・・・・・!? 『未元物質』を行使する
超能力者が・・・・・・未知の法則を手に入れているとは・・・・・・ワケがわからない。
上層部から送られた資料にはあんな力についての説明は記載されていなかったぞ・・・・・・。
我々が使用している『未元物質』でも対応出来ない法則・・・・・・)
男は頭をバリバリと掻き乱し、手に握っていたGPSを乱暴に叩きつけた。
GPSが粉々になった音が地下通路に反響し、周りのファイブオーバー達がこちらを向いてくるが、
彼は微塵も気にしない。
(クソったれ・・・・・・!!! それになんだ、あの妙な連中は・・・・・・!!
『魔術師』・・・・・・だの何だのとほざいていたが・・・・・・やはりそうなのか)
68: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:32:20.97:OT7UuePSo (22/25)
男は聞いたことがあった。この世界には科学だけでは解明できない、いわゆる『オカルト』と呼ばれる
法則が蔓延っている勢力があると。
それは魔術と呼ばれ、近い未来、この学園都市は全勢力を動員してその勢力と戦争を起こそうとしていると。
先日の第三次世界大戦はその前哨戦のようなものだと、聞いたことがあった。
(その戦争が・・・・・・この状況の事だとでも言うつもりか・・・・・・ふざけている・・・・・・!!!)
垣根帝督の討伐は断念しよう。男はハッキリと心に誓った。
もはや『未元物質』を以てしてもファイブオーバーを出撃させようとも、あの男には通用しない。
垣根帝督だけではない、彼の周りには今、意味不明のイレギュラーが複数存在している。
しかもそいつらは全て垣根帝督の味方だ。イレギュラーにイレギュラーが重なるというこのふざけきった茶番。
付き合う道理はなかった。任務を果たせなければ『回収部隊』は"上"から何らかの処罰を受けるだろうが、
知った事ではなかった。 地上に出て嬲り殺されるより、まだこの地下で息を潜めていたほうがいい。
そう思っているのは彼だけではない、他の『回収部隊』の構成員も全員が同じ気持ちだった。
彼らは地上の騒ぎが完全に収まるまで、金輪際ここから動かないと覚悟を決めた。
男は聞いたことがあった。この世界には科学だけでは解明できない、いわゆる『オカルト』と呼ばれる
法則が蔓延っている勢力があると。
それは魔術と呼ばれ、近い未来、この学園都市は全勢力を動員してその勢力と戦争を起こそうとしていると。
先日の第三次世界大戦はその前哨戦のようなものだと、聞いたことがあった。
(その戦争が・・・・・・この状況の事だとでも言うつもりか・・・・・・ふざけている・・・・・・!!!)
垣根帝督の討伐は断念しよう。男はハッキリと心に誓った。
もはや『未元物質』を以てしてもファイブオーバーを出撃させようとも、あの男には通用しない。
垣根帝督だけではない、彼の周りには今、意味不明のイレギュラーが複数存在している。
しかもそいつらは全て垣根帝督の味方だ。イレギュラーにイレギュラーが重なるというこのふざけきった茶番。
付き合う道理はなかった。任務を果たせなければ『回収部隊』は"上"から何らかの処罰を受けるだろうが、
知った事ではなかった。 地上に出て嬲り殺されるより、まだこの地下で息を潜めていたほうがいい。
そう思っているのは彼だけではない、他の『回収部隊』の構成員も全員が同じ気持ちだった。
彼らは地上の騒ぎが完全に収まるまで、金輪際ここから動かないと覚悟を決めた。
69: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:33:14.65:OT7UuePSo (23/25)
実際、その判断は正しいだろう。前述したとおり、今回の任務はあまりにもイレギュラーが過ぎる。
"ただの学園都市第二位"なら恐らく彼らは任務を遂行出来ていたはずだ。
しかしまず最初に発生したイレギュラー、垣根帝督が『魔術』という力を行使し、『回収部隊』を
大幅に撃破してしまったこと。
そしてもう一つのイレギュラー、垣根帝督を援護する魔術師達の出現。
こんな不運が重なってしまっては任務の遂行など到底不可能だ。
だから、
「ん?」
天井から砂埃が落ちてきたかと思った次の瞬間、直径数メートルもの光の柱が
地下通路を貫き、『回収部隊』の残存勢力の何十パーセントかを一瞬で蒸発させ、
地上の方から獣のような咆哮が轟き、
その咆哮が垣根帝督のものだと知った時、男は今度こそ垣根帝督という少年に関わった事を後悔した。
実際、その判断は正しいだろう。前述したとおり、今回の任務はあまりにもイレギュラーが過ぎる。
"ただの学園都市第二位"なら恐らく彼らは任務を遂行出来ていたはずだ。
しかしまず最初に発生したイレギュラー、垣根帝督が『魔術』という力を行使し、『回収部隊』を
大幅に撃破してしまったこと。
そしてもう一つのイレギュラー、垣根帝督を援護する魔術師達の出現。
こんな不運が重なってしまっては任務の遂行など到底不可能だ。
だから、
「ん?」
天井から砂埃が落ちてきたかと思った次の瞬間、直径数メートルもの光の柱が
地下通路を貫き、『回収部隊』の残存勢力の何十パーセントかを一瞬で蒸発させ、
地上の方から獣のような咆哮が轟き、
その咆哮が垣根帝督のものだと知った時、男は今度こそ垣根帝督という少年に関わった事を後悔した。
70: ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:44:08.24:OT7UuePSo (24/25)
Q. 一方通行が赤髪になったら『炎髪灼眼』になっちゃうじゃないですかー。
って思われた方もいるかもしれませんねww私はあの作品は読んでないので知らないんですが。
ただ一方通行の髪が赤く変色しているわけではないので、炎髪灼眼ファンの方々はご安心ください。
そんなわけで、今日はここまでです。
垣根帝督が大変ヤバい状況になってきました。今までもそうでしたが、今回もヤバいです。
あれ使ったらインデックスもヤバいはずですが・・・・・・果たして。
一方通行と風斬氷華、そして悪魔の戦闘も激しくなってきました。
文章力がアレなので激しい戦闘描写が伝わってるかどうかは微妙ですが・・・・・・。
次回更新は三日以内。
それでは、今回もありがとうございました!
Q. 一方通行が赤髪になったら『炎髪灼眼』になっちゃうじゃないですかー。
って思われた方もいるかもしれませんねww私はあの作品は読んでないので知らないんですが。
ただ一方通行の髪が赤く変色しているわけではないので、炎髪灼眼ファンの方々はご安心ください。
そんなわけで、今日はここまでです。
垣根帝督が大変ヤバい状況になってきました。今までもそうでしたが、今回もヤバいです。
あれ使ったらインデックスもヤバいはずですが・・・・・・果たして。
一方通行と風斬氷華、そして悪魔の戦闘も激しくなってきました。
文章力がアレなので激しい戦闘描写が伝わってるかどうかは微妙ですが・・・・・・。
次回更新は三日以内。
それでは、今回もありがとうございました!
71:次回予告はここまでです。 ◆3dKAx7itpI:2011/05/22(日) 18:44:56.13:OT7UuePSo (25/25)
【次回予告】
『ぎ、ぎゃは、ぎゃはァはははっはははははははは!!!!!! が、ァ・・・・・・!!
か、け、警告・・・・・・ッ、 "第禁章第二節"・・・・・・!!!! ぐ、ぅ、「自動書記」に
正体不明の法則が介入・・・・・・、ただ、ちに・・・・・・、』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督
『(ふ、ざけンじゃねェぞ・・・・・・!! 『天体制御(アストロインハンド)』だったか・・・・・・、
宇宙空間にある星を動かす馬鹿げた魔術は使えねェンじゃなかったのかよ!?)』
―――――――――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)
『あ、一方通行さんから・・・・・・離れてください!! これ以上彼に付き纏わないで・・・・・・!!!』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華
『命令名「一掃」――――――投下』
―――――――――――自我の崩壊と堕落が渦巻く悪魔・ミーシャ=クロイツェフ
【次回予告】
『ぎ、ぎゃは、ぎゃはァはははっはははははははは!!!!!! が、ァ・・・・・・!!
か、け、警告・・・・・・ッ、 "第禁章第二節"・・・・・・!!!! ぐ、ぅ、「自動書記」に
正体不明の法則が介入・・・・・・、ただ、ちに・・・・・・、』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督
『(ふ、ざけンじゃねェぞ・・・・・・!! 『天体制御(アストロインハンド)』だったか・・・・・・、
宇宙空間にある星を動かす馬鹿げた魔術は使えねェンじゃなかったのかよ!?)』
―――――――――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)
『あ、一方通行さんから・・・・・・離れてください!! これ以上彼に付き纏わないで・・・・・・!!!』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華
『命令名「一掃」――――――投下』
―――――――――――自我の崩壊と堕落が渦巻く悪魔・ミーシャ=クロイツェフ
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/22(日) 18:46:10.14:gmrP9frD0 (2/2)
女子寮で両手をあわせて垣根の無事を祈ってるルチア・・・かわいすぎるだろ!!!//////
女子寮で両手をあわせて垣根の無事を祈ってるルチア・・・かわいすぎるだろ!!!//////
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 18:49:54.84:rY4vCHog0 (1/1)
>>1乙
初めてリアルタイムで遭遇できました。
垣根君はどうして自分の命を削りたがるんだろう。
>>1乙
初めてリアルタイムで遭遇できました。
垣根君はどうして自分の命を削りたがるんだろう。
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 19:44:03.59:Q9V4IddDO (1/1)
>>1乙だァ!
ていとくん、もう死亡フラグどころじゃないでしょこれ
このままじゃ予知夢通りに…
運命はやはり変えられないのか?
>>1乙だァ!
ていとくん、もう死亡フラグどころじゃないでしょこれ
このままじゃ予知夢通りに…
運命はやはり変えられないのか?
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/05/22(日) 19:53:53.69:F1CWkD4AO (1/1)
>>1乙
>>73
そりゃあ彼と死亡フラグとは切っても切り離せないものだからな
>>1乙
>>73
そりゃあ彼と死亡フラグとは切っても切り離せないものだからな
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 20:01:54.59:jY/D42e0o (1/1)
乙
もしやこの物語のテーマであるフラグってのは垣根の死亡フラグのことだったのか
乙
もしやこの物語のテーマであるフラグってのは垣根の死亡フラグのことだったのか
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 20:27:17.65:BqN5qH34o (1/1)
乙
まさかの自動書記きちゃったよ……
ルチアたん可愛いよハスハスとか言ってる場合じゃなかったわ
みんな死亡フラグ立ちすぎだ
乙
まさかの自動書記きちゃったよ……
ルチアたん可愛いよハスハスとか言ってる場合じゃなかったわ
みんな死亡フラグ立ちすぎだ
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 20:39:43.88:1Gh49Cpxo (1/1)
乙
自動書記のくだりはビックリしてガチで声が出たww
乙
自動書記のくだりはビックリしてガチで声が出たww
79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/05/22(日) 21:15:17.70:0Qiocd7I0 (1/1)
乙
前スレ、前々スレ読み返して自動書記遠隔制御霊装がプレゼントかなとは思っていたけれど
まさか本当にやるとは思わなかった
乙
前スレ、前々スレ読み返して自動書記遠隔制御霊装がプレゼントかなとは思っていたけれど
まさか本当にやるとは思わなかった
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 21:32:19.23:1N22KCXN0 (1/1)
乙なのでございますよー
垣根すごいことになっとる あかん・・・
そういや自動書記は設定された奴の自我を奪って
設定された奴の周りの障害を無差別に排除する
警報システムみたいなものだよね?
ってことは自動書記が解除されない限り垣根は・・・
乙なのでございますよー
垣根すごいことになっとる あかん・・・
そういや自動書記は設定された奴の自我を奪って
設定された奴の周りの障害を無差別に排除する
警報システムみたいなものだよね?
ってことは自動書記が解除されない限り垣根は・・・
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県):2011/05/22(日) 22:11:09.52:/uG84r7w0 (1/1)
もう何がどうなっとるのかさっぱり分からん。
もう何がどうなっとるのかさっぱり分からん。
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 22:19:57.68:bIy48+2Ho (1/1)
考えるんじゃない
感じるんだ
考えるんじゃない
感じるんだ
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 22:22:00.37:PfzYRyRBo (1/1)
わけわかめ
わけわかめ
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 22:36:56.58:82Ywh4Yyo (1/1)
神話知ってれば半分くらいはわかるな
あとはノリ
神話知ってれば半分くらいはわかるな
あとはノリ
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 22:48:37.39:ZXQfRjty0 (1/1)
乙
垣根の死亡フラグがやべぇ
次回予告見る前は
イ、インデックスー!
って感じだったのに次回予告見たら
か、垣根ー!
ってなってしまった
一方さんの翼はどうなってしまうのか…
乙
垣根の死亡フラグがやべぇ
次回予告見る前は
イ、インデックスー!
って感じだったのに次回予告見たら
か、垣根ー!
ってなってしまった
一方さんの翼はどうなってしまうのか…
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 23:07:49.72:MOBbVOmDO (1/1)
一方さんに荒ぶるコロンビアさんが憑いてるのか?
そんな天使で大丈夫か?
一方さんに荒ぶるコロンビアさんが憑いてるのか?
そんな天使で大丈夫か?
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/05/23(月) 01:35:25.92:67MSf5ip0 (1/1)
乙乙
さっすがに自動書記遠隔操作霊装なんぞを使おうもんならステイルが黙ってないと思うんだがなぁ
トリプルイノケンの時もフィアンマにブチ切れてたし・・・
インデックス守るためなら気合で大陸のひとつくらい
沈めちゃうくらいの気持ちで居る子なのに、ていとくんよく使えたな
一流魔術師が雁首そろえてるのに肉体回復のひとつも施してあげないのも不自然だし、謎が深まるぜ
あと予告風斬さんマジ正妻
乙乙
さっすがに自動書記遠隔操作霊装なんぞを使おうもんならステイルが黙ってないと思うんだがなぁ
トリプルイノケンの時もフィアンマにブチ切れてたし・・・
インデックス守るためなら気合で大陸のひとつくらい
沈めちゃうくらいの気持ちで居る子なのに、ていとくんよく使えたな
一流魔術師が雁首そろえてるのに肉体回復のひとつも施してあげないのも不自然だし、謎が深まるぜ
あと予告風斬さんマジ正妻
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/23(月) 01:46:32.16:7bVVE4eP0 (1/2)
一流の魔術師が一冊目を通しただけでも血を吐くような知識が、
能力者である垣根の元に103000冊分も入ってくることになるんだよな。
……何回目の死亡フラグだ!?
一流の魔術師が一冊目を通しただけでも血を吐くような知識が、
能力者である垣根の元に103000冊分も入ってくることになるんだよな。
……何回目の死亡フラグだ!?
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県):2011/05/23(月) 09:16:56.07:HulscpUuo (1/2)
状況が酷すぎて逆に生存フラグにしか見えない
状況が酷すぎて逆に生存フラグにしか見えない
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/05/23(月) 16:37:23.94:d7VGUqsSo (1/1)
マジおつですの
>>89
死んだと思ったライバルがラスボス戦で駆けつけるパターンか
マジおつですの
>>89
死んだと思ったライバルがラスボス戦で駆けつけるパターンか
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県):2011/05/23(月) 17:20:05.21:HulscpUuo (2/2)
この技を使ったら死ぬかもしれん
この技を使って生きていた奴はいない
とかはだいたい生存フラグなんだよね
この技を使ったら死ぬかもしれん
この技を使って生きていた奴はいない
とかはだいたい生存フラグなんだよね
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/23(月) 18:58:03.33:/mHKEqe00 (1/1)
まあとりあえず垣根は生きるんだよな
…な?な?
まあとりあえず垣根は生きるんだよな
…な?な?
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/23(月) 19:25:13.83:eqhlQ3lS0 (1/2)
・・・垣根はイイ奴だったな・・・・・・
・・・垣根はイイ奴だったな・・・・・・
94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/23(月) 19:42:03.74:bT2I2sg30 (1/2)
垣根……お前の事は忘れない……
垣根……お前の事は忘れない……
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/05/23(月) 19:57:56.69:L3nEPOFG0 (1/1)
垣根……無茶しやがって……
垣根……無茶しやがって……
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/05/23(月) 20:04:12.80:gwiJ9pnC0 (1/1)
垣根ぇ・・・うぅ・・
垣根ぇ・・・うぅ・・
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/23(月) 20:12:39.00:OUhJTYsIO (1/1)
垣根は人の話を聞かない奴だったからなあ
垣根は人の話を聞かない奴だったからなあ
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/23(月) 21:08:09.69:eqhlQ3lS0 (2/2)
・・・垣根の野郎・・・!先に逝きやがって・・・・・・
・・・垣根の野郎・・・!先に逝きやがって・・・・・・
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/23(月) 21:22:48.16:7bVVE4eP0 (2/2)
『死亡フラグ』の具体例
・ここは俺に任せろ!後で必ず追いつく!
・垣根
・俺、この戦争から生きて帰ったら結婚するんだ……
・死ぬな?お前は誰に物言ってんだ
・ていとくん
・俺を置いて先に行け!
・ハ、はははははッ!力が、力が漲って来るッッッ!
・『垣根帝督』という存在
『死亡フラグ』の具体例
・ここは俺に任せろ!後で必ず追いつく!
・垣根
・俺、この戦争から生きて帰ったら結婚するんだ……
・死ぬな?お前は誰に物言ってんだ
・ていとくん
・俺を置いて先に行け!
・ハ、はははははッ!力が、力が漲って来るッッッ!
・『垣根帝督』という存在
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/23(月) 22:08:18.36:bT2I2sg30 (2/2)
>>99
不自然に多いだろwww
…………あれ?
ひょっとしてコレ世界の真理か……?
>>99
不自然に多いだろwww
…………あれ?
ひょっとしてコレ世界の真理か……?
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県):2011/05/24(火) 02:52:36.11:QGhG5+hX0 (1/1)
生と死の垣根に提督の如く君臨するから垣根帝督なんだ
生と死の垣根に提督の如く君臨するから垣根帝督なんだ
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 03:09:21.65:M8lJMRqoo (1/1)
>>101
ちょっとなにいってるかわかんない。
>>101
ちょっとなにいってるかわかんない。
103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府):2011/05/24(火) 04:08:19.19:fIQZ+K5Oo (1/1)
>>101
ちょっとかっこいいと思ってしまった
>>101
ちょっとかっこいいと思ってしまった
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 07:40:13.31:S5ZlKgfDO (1/1)
>>87
ステイルが使える治癒魔術なんて火傷を治すくらいだし、インデックス方式のは時間かかるし、
神裂が治癒魔術使える描写はないしヴェントはそういう魔術が使えない体質だし
こいつらが皆で手を取り合って垣根を回復させるほうが不自然じゃないか?
もう自動書記使っちまったから後の祭りだが
>>87
ステイルが使える治癒魔術なんて火傷を治すくらいだし、インデックス方式のは時間かかるし、
神裂が治癒魔術使える描写はないしヴェントはそういう魔術が使えない体質だし
こいつらが皆で手を取り合って垣根を回復させるほうが不自然じゃないか?
もう自動書記使っちまったから後の祭りだが
105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/24(火) 08:50:14.12:cCuQUQY80 (1/2)
むしろねーちんクラスが使えない方が不自然な気がするけどまあどっちでもいいや
回収部隊の残党を抑えるのが先決だったんだよきっと
むしろねーちんクラスが使えない方が不自然な気がするけどまあどっちでもいいや
回収部隊の残党を抑えるのが先決だったんだよきっと
106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2011/05/24(火) 17:23:17.13:tsBn9kQ+0 (1/1)
>>1 お疲れ様です!ついにスレタイからセリフが消えた・・・・
あとニコ動の某禁書MADで天使同盟ってコメントがあって微笑んでしまったのは俺だけ?
>>1 お疲れ様です!ついにスレタイからセリフが消えた・・・・
あとニコ動の某禁書MADで天使同盟ってコメントがあって微笑んでしまったのは俺だけ?
107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 17:55:27.49:mfYXFKm/P (1/2)
荒れるだろうからさっさと1レスで終わらせるとニコ厨[ピーーー]
荒れるだろうからさっさと1レスで終わらせるとニコ厨[ピーーー]
108: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:09:16.85:Pe+S46b2o (1/24)
こんばんわ、ゴールデンタイムに投下です。
回復魔術云々についてですが、まず>>1がステイルが回復魔術なんてものを使えることを完全に失念していました。
まあそれに結局垣根が遠隔制御霊装を使うことは決定していたので回復なんてさせても意味ないかなーなんて・・・・・・
すんません、相変わらず適当で・・・・・・。
さて、今回はそんな垣根帝督サイドから投下を始めます。
一〇万三〇〇〇冊の前には如何に学園都市暗部でもまるで歯が立たないようです。
それではいきます。
こんばんわ、ゴールデンタイムに投下です。
回復魔術云々についてですが、まず>>1がステイルが回復魔術なんてものを使えることを完全に失念していました。
まあそれに結局垣根が遠隔制御霊装を使うことは決定していたので回復なんてさせても意味ないかなーなんて・・・・・・
すんません、相変わらず適当で・・・・・・。
さて、今回はそんな垣根帝督サイドから投下を始めます。
一〇万三〇〇〇冊の前には如何に学園都市暗部でもまるで歯が立たないようです。
それではいきます。
109: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:11:50.36:Pe+S46b2o (2/24)
――――――――――――――――――――――
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!」
特撮映画に登場する怪物でも、こんな咆哮は出さない。
学園都市全域に響き渡るその号哭は、信じられないことに人間の喉から発せられている声だった。
人間の喉の機能にも限界はある。だがこの咆哮はそんな限界などぶち破って発せられているとしか思えなかった。
学園都市第二位の超能力者。垣根帝督は全身から激しく出血を起こしながら尚も叫び続ける。
「あ、ァああああああああァァァあああァァァァああああああああああああァァァあああああ!!!!!!!!」
「ぐ、ぅ・・・・・・!!! よせ、垣根帝督!!!」
垣根の近くにいた魔術師、ステイル=マグヌスが必死に叫んで彼を止めようとするが、
一〇万三〇〇〇冊という大容量の原典の知識が頭に流れ込んでいる垣根の前では、
ステイルの叫びも小鳥のさえずりにしかならなかった。
――――――――――――――――――――――
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!」
特撮映画に登場する怪物でも、こんな咆哮は出さない。
学園都市全域に響き渡るその号哭は、信じられないことに人間の喉から発せられている声だった。
人間の喉の機能にも限界はある。だがこの咆哮はそんな限界などぶち破って発せられているとしか思えなかった。
学園都市第二位の超能力者。垣根帝督は全身から激しく出血を起こしながら尚も叫び続ける。
「あ、ァああああああああァァァあああァァァァああああああああああああァァァあああああ!!!!!!!!」
「ぐ、ぅ・・・・・・!!! よせ、垣根帝督!!!」
垣根の近くにいた魔術師、ステイル=マグヌスが必死に叫んで彼を止めようとするが、
一〇万三〇〇〇冊という大容量の原典の知識が頭に流れ込んでいる垣根の前では、
ステイルの叫びも小鳥のさえずりにしかならなかった。
110: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:13:02.17:Pe+S46b2o (3/24)
『自動書記(ヨハネのペン)』。魔道図書館『禁書目録(インデックス)』に仕掛けられたその魔術に
外部から干渉出来る禁断の霊装を握り締め、垣根は狂ったように魔術を連発していく。
垣根の眼球は真っ赤に輝いていた。その眼球には魔方陣が浮かび上がっており、
目と連動して動く魔方陣と同時に、辺り一帯の空間に大きな裂け目が発生していた。
その裂け目から射出される光の柱、『竜の息吹(ドラゴンブレス)』は容赦なく地下に潜んでいた
『回収部隊』を塵にしていく。『回収部隊』は地下約五〇〇メートルという深度に位置していたが、
『竜の息吹』の前ではその程度、壁にすらなっていなかった。
「こ、こんな・・・・・・まさか・・・・・・どうして・・・・・・!?」
その光景を神裂火織は体を震わせながらしばし呆然と眺めていた。
かつて、彼女はステイルと共に目の前の光景を見たことがある。インデックスという、同じイギリス清教に
所属する仲間が放った『竜の息吹』で、とある悲劇が起きた。
その悲劇が、また繰り返されるとでもいうのか。
『自動書記(ヨハネのペン)』。魔道図書館『禁書目録(インデックス)』に仕掛けられたその魔術に
外部から干渉出来る禁断の霊装を握り締め、垣根は狂ったように魔術を連発していく。
垣根の眼球は真っ赤に輝いていた。その眼球には魔方陣が浮かび上がっており、
目と連動して動く魔方陣と同時に、辺り一帯の空間に大きな裂け目が発生していた。
その裂け目から射出される光の柱、『竜の息吹(ドラゴンブレス)』は容赦なく地下に潜んでいた
『回収部隊』を塵にしていく。『回収部隊』は地下約五〇〇メートルという深度に位置していたが、
『竜の息吹』の前ではその程度、壁にすらなっていなかった。
「こ、こんな・・・・・・まさか・・・・・・どうして・・・・・・!?」
その光景を神裂火織は体を震わせながらしばし呆然と眺めていた。
かつて、彼女はステイルと共に目の前の光景を見たことがある。インデックスという、同じイギリス清教に
所属する仲間が放った『竜の息吹』で、とある悲劇が起きた。
その悲劇が、また繰り返されるとでもいうのか。
111: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:13:49.74:Pe+S46b2o (4/24)
「ステイル!!!」
「分かっている・・・・・・!!!」
『自動書記』状態の垣根の前ではステイルも神裂もただの雑魚同然と化してしまうが、
だからと言ってこのまま彼を放置するわけにもいかない。
特にステイルにとってはあれほど忌々しい霊装も存在しない。
「あなたも!!! 垣根帝督を止めてください!!」
「・・・・・・遠隔制御霊装。 そうか、フィアンマの野郎が使ってたのと同じ・・・・・・!!!」
神裂に声をかけられたヴェントは『女王艦隊』の砲身を全て垣根に向ける。
だが意味があるとは思えなかった。魔道図書館の全ての知識を手に入れた化物の前に、
通常の魔術で対抗出来るとは考えられなかった。
実際、その通りだった。垣根は口元を三日月のように引き裂き、狂気の笑みを浮かべながら、
「ステイル!!!」
「分かっている・・・・・・!!!」
『自動書記』状態の垣根の前ではステイルも神裂もただの雑魚同然と化してしまうが、
だからと言ってこのまま彼を放置するわけにもいかない。
特にステイルにとってはあれほど忌々しい霊装も存在しない。
「あなたも!!! 垣根帝督を止めてください!!」
「・・・・・・遠隔制御霊装。 そうか、フィアンマの野郎が使ってたのと同じ・・・・・・!!!」
神裂に声をかけられたヴェントは『女王艦隊』の砲身を全て垣根に向ける。
だが意味があるとは思えなかった。魔道図書館の全ての知識を手に入れた化物の前に、
通常の魔術で対抗出来るとは考えられなかった。
実際、その通りだった。垣根は口元を三日月のように引き裂き、狂気の笑みを浮かべながら、
112: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:14:52.35:Pe+S46b2o (5/24)
「ぎ、ぎゃは、ぎゃはァはははっはははははははは!!!!!! が、ァ・・・・・・!!
か、け、警告・・・・・・ッ、 "第禁章第二節"・・・・・・!!!! ぐ、ぅ、『自動書記』に
正体不明の法則が介入・・・・・・、ただ、ちに・・・・・・、」
ガシャアアアアアアアアン!!!!!!、というけたたましい音が炸裂した。
垣根が背中から一二枚、数百メートル以上もの『未元物質』の翼を現出させた音だった。
しかもその翼は、いつもの『未元物質』とは異なっていた。
「ぎ、ぐ・・・・・・ごぼっ。 だ、第禁章第一九節・・・・・・!!!! 『聖ジョージの聖域』に
不可思議の法則の介入を・・・・・・か、確認・・・・・・!!! 受諾、許可、融合を・・・・・・、を、お、
おおおおあああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!」
『未元物質』の翼はこの世の全ての光を飲み込んだのかというように発光する。
太陽が地上に舞い降りてきたかと錯覚するほどの光を放つ翼に、三人は目を背ける他なかった。
「喰らえええええええええええええええええええええッッ!!!!!!!」
三人の魔術師はあまりの光量に目を疑うことすら出来なかった。
ただ確実に分かったことは、垣根が現出させた背中の一二枚の翼から、
一斉に『竜の息吹(ドラゴンブレス)』が発射されたことだけだった。
「ぎ、ぎゃは、ぎゃはァはははっはははははははは!!!!!! が、ァ・・・・・・!!
か、け、警告・・・・・・ッ、 "第禁章第二節"・・・・・・!!!! ぐ、ぅ、『自動書記』に
正体不明の法則が介入・・・・・・、ただ、ちに・・・・・・、」
ガシャアアアアアアアアン!!!!!!、というけたたましい音が炸裂した。
垣根が背中から一二枚、数百メートル以上もの『未元物質』の翼を現出させた音だった。
しかもその翼は、いつもの『未元物質』とは異なっていた。
「ぎ、ぐ・・・・・・ごぼっ。 だ、第禁章第一九節・・・・・・!!!! 『聖ジョージの聖域』に
不可思議の法則の介入を・・・・・・か、確認・・・・・・!!! 受諾、許可、融合を・・・・・・、を、お、
おおおおあああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!」
『未元物質』の翼はこの世の全ての光を飲み込んだのかというように発光する。
太陽が地上に舞い降りてきたかと錯覚するほどの光を放つ翼に、三人は目を背ける他なかった。
「喰らえええええええええええええええええええええッッ!!!!!!!」
三人の魔術師はあまりの光量に目を疑うことすら出来なかった。
ただ確実に分かったことは、垣根が現出させた背中の一二枚の翼から、
一斉に『竜の息吹(ドラゴンブレス)』が発射されたことだけだった。
113: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:15:50.41:Pe+S46b2o (6/24)
冗談のような光景だった。
垣根帝督が背中の翼から放った『竜の息吹』が、四方八方に飛んでいく。
一閃でも宇宙空間まで到達出来る射程距離を持つ殺人光線が、ステージレーザーライトのように
無茶苦茶な方向へと射出されていく。
ビルや地面が閃光によって無と化していく。そしてそれらは瞬時に光り輝く白い羽根へと変化した。
ステイルや神裂、ヴェントが『竜の息吹』で消し飛ばなかったのは奇跡でしかなかった。
咄嗟の判断でその場に伏せた事で辛うじて難を逃れていた。
(・・・・・・学園都市は・・・・・・!!?)
ランダムな方向へ射出された『竜の息吹』によって学園都市そのものが吹き飛んでしまったのではないかと
ステイルは顔に冷や汗を浮かべながらゆっくりと伏せた顔を上げる。
そして彼は更に驚愕する。
あらぬ方向に飛んでいった『竜の息吹』は、第一九学区周域に展開されている光のカーテンに衝突すると、
それを貫くことなく霧散してしまった。
冗談のような光景だった。
垣根帝督が背中の翼から放った『竜の息吹』が、四方八方に飛んでいく。
一閃でも宇宙空間まで到達出来る射程距離を持つ殺人光線が、ステージレーザーライトのように
無茶苦茶な方向へと射出されていく。
ビルや地面が閃光によって無と化していく。そしてそれらは瞬時に光り輝く白い羽根へと変化した。
ステイルや神裂、ヴェントが『竜の息吹』で消し飛ばなかったのは奇跡でしかなかった。
咄嗟の判断でその場に伏せた事で辛うじて難を逃れていた。
(・・・・・・学園都市は・・・・・・!!?)
ランダムな方向へ射出された『竜の息吹』によって学園都市そのものが吹き飛んでしまったのではないかと
ステイルは顔に冷や汗を浮かべながらゆっくりと伏せた顔を上げる。
そして彼は更に驚愕する。
あらぬ方向に飛んでいった『竜の息吹』は、第一九学区周域に展開されている光のカーテンに衝突すると、
それを貫くことなく霧散してしまった。
114: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:17:39.09:Pe+S46b2o (7/24)
(馬鹿な・・・・・・!? 全てを無に帰する『竜の息吹』を完全に無効化しているだと・・・・・・!?
・・・・・・なんなんだあの壁は。 出現した時から分かってはいたが、とても十字教の知識だけで
説明できる代物じゃない・・・・・・)
"生きる時代が違う"ステイルには、自分の目で見た光景が到底理解出来なかったが、
今はとりあえずあの光のカーテンのおかげで学園都市の他学区にまで被害が及ぶことはないと
前向きに考え直す。
と、
「ひ、ひ・・・・・・ひぃ・・・・・・!!!!」
垣根帝督がいる場所の向こう側から、そんな悲鳴のような声が聞こえた。
『竜の息吹』の乱射が止まった雰囲気を察知して、三人は声のした方を見る。
そこには彼らを襲撃した仮面の兵士、『回収部隊』の一人が四つん這いになって
必死に垣根の前から姿を消そうとしていた。
「ば、化物・・・・・・!!! 頼む、もう我々は貴様に一切関わらないと誓う!!
だから見逃してくれ・・・・・・頼む・・・・・・!!!」
(馬鹿な・・・・・・!? 全てを無に帰する『竜の息吹』を完全に無効化しているだと・・・・・・!?
・・・・・・なんなんだあの壁は。 出現した時から分かってはいたが、とても十字教の知識だけで
説明できる代物じゃない・・・・・・)
"生きる時代が違う"ステイルには、自分の目で見た光景が到底理解出来なかったが、
今はとりあえずあの光のカーテンのおかげで学園都市の他学区にまで被害が及ぶことはないと
前向きに考え直す。
と、
「ひ、ひ・・・・・・ひぃ・・・・・・!!!!」
垣根帝督がいる場所の向こう側から、そんな悲鳴のような声が聞こえた。
『竜の息吹』の乱射が止まった雰囲気を察知して、三人は声のした方を見る。
そこには彼らを襲撃した仮面の兵士、『回収部隊』の一人が四つん這いになって
必死に垣根の前から姿を消そうとしていた。
「ば、化物・・・・・・!!! 頼む、もう我々は貴様に一切関わらないと誓う!!
だから見逃してくれ・・・・・・頼む・・・・・・!!!」
115: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:18:38.47:Pe+S46b2o (8/24)
その男は最初に『回収部隊』として垣根帝督に接触した仮面の兵士だった。
あの『竜の息吹』の連射から逃れたところを見ると、かなりの運を持っているようだ。
しかし、『回収部隊』の生き残りはもう彼を含めても残り僅かだった。残りの『回収部隊』は
垣根の『竜の息吹』で数秒も経たず瞬殺されている。残りの勢力が今どこにいるのか、
地下で生き埋めになっているのか、確認をする暇などあるわけがなかった。
「頼む・・・・・・!!! 私の方からも貴様には今後一切関与しないよう
他の暗部にも手配しておく・・・・・・! そうなれば貴様はこの学園都市での平和な生活を
約束されたようなものだ、だから私に攻撃するのは・・・・・・!!」
小悪党のテンプレみたいなセリフを吐き続ける男を、垣根は血のように赤い魔方陣が
浮かんだ目で見つめる。その顔には大量に撒き散らされた血反吐と、
「頼む・・・・・・!!」
その男は最初に『回収部隊』として垣根帝督に接触した仮面の兵士だった。
あの『竜の息吹』の連射から逃れたところを見ると、かなりの運を持っているようだ。
しかし、『回収部隊』の生き残りはもう彼を含めても残り僅かだった。残りの『回収部隊』は
垣根の『竜の息吹』で数秒も経たず瞬殺されている。残りの勢力が今どこにいるのか、
地下で生き埋めになっているのか、確認をする暇などあるわけがなかった。
「頼む・・・・・・!!! 私の方からも貴様には今後一切関与しないよう
他の暗部にも手配しておく・・・・・・! そうなれば貴様はこの学園都市での平和な生活を
約束されたようなものだ、だから私に攻撃するのは・・・・・・!!」
小悪党のテンプレみたいなセリフを吐き続ける男を、垣根は血のように赤い魔方陣が
浮かんだ目で見つめる。その顔には大量に撒き散らされた血反吐と、
「頼む・・・・・・!!」
116: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:19:12.27:Pe+S46b2o (9/24)
魔道図書館の知識を全て手に入れた『魔神』だけが浮かべられる笑みが貼りつけてあった。
「だ、『未元物質』の法則の合算に成功・・・・・・。 新たな術式を・・・・・・構、成。
・・・・・・第、禁章、・・・・・・最終節・・・・・・、『父よ、御手に私の霊を委ねます』。
完全発動準備完了・・・・・・」
「や、やめろ・・・・・・、やめろおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
「これが『未元物質(ダークマター)』だ。 ・・・・・・垣根帝督をナメるなよクソども」
垣根帝督の右手から真紅の芯が通った純白の光線が発射された。
『ゲーム』開始から一時間四五分。
学園都市に、垣根帝督という名の魔神が圧倒的に君臨していた。
魔道図書館の知識を全て手に入れた『魔神』だけが浮かべられる笑みが貼りつけてあった。
「だ、『未元物質』の法則の合算に成功・・・・・・。 新たな術式を・・・・・・構、成。
・・・・・・第、禁章、・・・・・・最終節・・・・・・、『父よ、御手に私の霊を委ねます』。
完全発動準備完了・・・・・・」
「や、やめろ・・・・・・、やめろおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
「これが『未元物質(ダークマター)』だ。 ・・・・・・垣根帝督をナメるなよクソども」
垣根帝督の右手から真紅の芯が通った純白の光線が発射された。
『ゲーム』開始から一時間四五分。
学園都市に、垣根帝督という名の魔神が圧倒的に君臨していた。
117: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:21:17.58:Pe+S46b2o (10/24)
――――――――――――――――――――――
間一髪だった。
悪魔と交戦している一方通行と風斬氷華は突然飛んできた謎の光の柱を間一髪のところで避けていた。
光の柱は街の建造物を薙ぎ払い、瞬く間に灰にしていく。
灰になった建造物が淡く輝く『光の羽』と化した。
あまりにも儚く、そして美しく輝く無数の羽を見た二人は思わず天使を意識してしまう。
風斬は無数の羽の内の一つを手に取ろうとして、
「触るなァ!!!」
突然、一方通行が怒号を発した。
風斬はビクッと肩を震わせて掌に乗る直前だった羽から遠ざかる。
「ご、ごめんなさい・・・・・・」
「・・・・・・いや、すまねェ。 だがこの羽には一切触れるな。 今は
悪魔との戦闘に意識を集中させろ」
「? ・・・・・・は、はい」
――――――――――――――――――――――
間一髪だった。
悪魔と交戦している一方通行と風斬氷華は突然飛んできた謎の光の柱を間一髪のところで避けていた。
光の柱は街の建造物を薙ぎ払い、瞬く間に灰にしていく。
灰になった建造物が淡く輝く『光の羽』と化した。
あまりにも儚く、そして美しく輝く無数の羽を見た二人は思わず天使を意識してしまう。
風斬は無数の羽の内の一つを手に取ろうとして、
「触るなァ!!!」
突然、一方通行が怒号を発した。
風斬はビクッと肩を震わせて掌に乗る直前だった羽から遠ざかる。
「ご、ごめんなさい・・・・・・」
「・・・・・・いや、すまねェ。 だがこの羽には一切触れるな。 今は
悪魔との戦闘に意識を集中させろ」
「? ・・・・・・は、はい」
118: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:23:24.70:Pe+S46b2o (11/24)
それは一方通行にも分からなかった。なぜだかは分からないが、本能が語りかけてくる。
『この光の羽には絶対に触れてはならない』、と。
さっきの猛獣のような雄叫びは誰の声だったのか、光の柱はどこからの攻撃だったのか、そしてこの羽は何なのか。
第一位の脳に次々と疑問が湧きでてきたが、一方通行はそれらを全て払拭した。
今はそんな原因不明の現象を気にかけている場合ではない。
ジャキャッッ!!!! と甲走った音が鳴った。
かつてミーシャ=クロイツェフという名で呼ばれていた『悪魔』の背から生えている
黒紫の水晶の翼が二人に向けられた音だ。
メチャクチャに荒らされまくった地上は、もはや足の踏み場もない。
三者は空中戦を繰り広げていた。
一方通行は首元にある電極チョーカーのバッテリーの調子を確かめる。まだ充分残量があるが、決して油断は出来ない。
悪魔を相手にバッテリーの節約などをしていてはあっという間に死に至ってしまう。
能力は常に全開で、全力で戦わなければ"天使"は救えない。
それは一方通行にも分からなかった。なぜだかは分からないが、本能が語りかけてくる。
『この光の羽には絶対に触れてはならない』、と。
さっきの猛獣のような雄叫びは誰の声だったのか、光の柱はどこからの攻撃だったのか、そしてこの羽は何なのか。
第一位の脳に次々と疑問が湧きでてきたが、一方通行はそれらを全て払拭した。
今はそんな原因不明の現象を気にかけている場合ではない。
ジャキャッッ!!!! と甲走った音が鳴った。
かつてミーシャ=クロイツェフという名で呼ばれていた『悪魔』の背から生えている
黒紫の水晶の翼が二人に向けられた音だ。
メチャクチャに荒らされまくった地上は、もはや足の踏み場もない。
三者は空中戦を繰り広げていた。
一方通行は首元にある電極チョーカーのバッテリーの調子を確かめる。まだ充分残量があるが、決して油断は出来ない。
悪魔を相手にバッテリーの節約などをしていてはあっという間に死に至ってしまう。
能力は常に全開で、全力で戦わなければ"天使"は救えない。
119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/24(火) 19:25:23.30:iaWvX0oG0 (1/2)
うオオおォい!!!!!
ていとくん壊れってっぞ!!!!!!
うオオおォい!!!!!
ていとくん壊れってっぞ!!!!!!
120: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:27:37.95:Pe+S46b2o (12/24)
そして風斬氷華の体にも限界が訪れ始めていた。それも当然、天使とずっと交戦していた一方通行や、
本来行使出来るはずのない魔術を無理を押して使用し続けた垣根に隠れて目立っていないが、
実は『天使同盟(アライアンス)』の中で最も熾烈な戦闘をしていたのはこの風斬氷華という人工天使だった。
まず最初に戦った相手が魔術サイド最強の魔術師、アレイスター=クロウリーだというのが不運だった。
一回戦で為す術も無くボロボロにされ、そこからヴェントという魔術師の援護を得てアレイスターと連戦。
そのまま休む間もなく暴徒と化した天使、『悪魔』との戦い。
本来ならば彼女の体はとっくに結晶化し、この世から消え去っていただろう。そんな彼女を支えているのは
ミーシャ=クロイツェフという『仲間』を救いたいという一心だけだった。
風斬は隣にいる一方通行に目を向ける。彼女は先ほど、一方通行の身に起きている異変を目撃していたのだが、
(・・・・・・やっぱり、気のせいじゃない)
一方通行を凝視していると、ふとした所で彼の全身が黒い霧に包まれたようになり、紅い眼と紅い髪だけが
怪しく発光しているという姿になる。まるで映画のフィルムの合間合間に違う彼の姿のコマを入れたような現象。
おまけに、彼の背中から生える純白の翼と、頭上に出現している輪がどんどん黒ずんできているのが確認できた。
・・・・・・一方通行本人が全く気付いていなさそうなのが、その異変の不気味さを際立たせる。
だが今は気にしていられない。とにかく目の前にいる悪魔の中から天使を救い出さなければならない。
しかも今回は第三次世界大戦の時のように後方のアックアや上条当麻の支援は一切存在しない。
一方通行と二人で、たった二人で悪魔を討ち、天使を救い出さなければならないのだ。
そして風斬氷華の体にも限界が訪れ始めていた。それも当然、天使とずっと交戦していた一方通行や、
本来行使出来るはずのない魔術を無理を押して使用し続けた垣根に隠れて目立っていないが、
実は『天使同盟(アライアンス)』の中で最も熾烈な戦闘をしていたのはこの風斬氷華という人工天使だった。
まず最初に戦った相手が魔術サイド最強の魔術師、アレイスター=クロウリーだというのが不運だった。
一回戦で為す術も無くボロボロにされ、そこからヴェントという魔術師の援護を得てアレイスターと連戦。
そのまま休む間もなく暴徒と化した天使、『悪魔』との戦い。
本来ならば彼女の体はとっくに結晶化し、この世から消え去っていただろう。そんな彼女を支えているのは
ミーシャ=クロイツェフという『仲間』を救いたいという一心だけだった。
風斬は隣にいる一方通行に目を向ける。彼女は先ほど、一方通行の身に起きている異変を目撃していたのだが、
(・・・・・・やっぱり、気のせいじゃない)
一方通行を凝視していると、ふとした所で彼の全身が黒い霧に包まれたようになり、紅い眼と紅い髪だけが
怪しく発光しているという姿になる。まるで映画のフィルムの合間合間に違う彼の姿のコマを入れたような現象。
おまけに、彼の背中から生える純白の翼と、頭上に出現している輪がどんどん黒ずんできているのが確認できた。
・・・・・・一方通行本人が全く気付いていなさそうなのが、その異変の不気味さを際立たせる。
だが今は気にしていられない。とにかく目の前にいる悪魔の中から天使を救い出さなければならない。
しかも今回は第三次世界大戦の時のように後方のアックアや上条当麻の支援は一切存在しない。
一方通行と二人で、たった二人で悪魔を討ち、天使を救い出さなければならないのだ。
121: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:28:42.41:Pe+S46b2o (13/24)
「・・・・・・もォすぐだ。 俺達grlならaojdやれる」
「はい」
キッと表情を引き締め、手に携える剣をしっかりと握り、二人は悪魔に突進しようとした。
だが、
「・・・・・・kadiwbefuzwrktawpyrdhwANCTDGwgjiebdzdfspbPQNXkefjfpuwamyib・・・・・・」
それは今までにない言葉だった。いや、あまりにもノイズが混じりすぎて言葉なのかどうかも
判断できないが、
「sdkfhg夜の召喚をdoimadej実行・・・・・・」
一方通行と風斬の背中に、氷点下を彷彿とさせる悪寒が走った。
彼らは瞬時に悪魔の行っている事を理解する。
空が瞬いた。
気がついた時には、学園都市の空に『夜』が訪れていた。
「・・・・・・もォすぐだ。 俺達grlならaojdやれる」
「はい」
キッと表情を引き締め、手に携える剣をしっかりと握り、二人は悪魔に突進しようとした。
だが、
「・・・・・・kadiwbefuzwrktawpyrdhwANCTDGwgjiebdzdfspbPQNXkefjfpuwamyib・・・・・・」
それは今までにない言葉だった。いや、あまりにもノイズが混じりすぎて言葉なのかどうかも
判断できないが、
「sdkfhg夜の召喚をdoimadej実行・・・・・・」
一方通行と風斬の背中に、氷点下を彷彿とさせる悪寒が走った。
彼らは瞬時に悪魔の行っている事を理解する。
空が瞬いた。
気がついた時には、学園都市の空に『夜』が訪れていた。
122: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:31:50.85:Pe+S46b2o (14/24)
予兆すら無かった。あるとしたら、悪魔が凹凸だけで表現されている口を動かして呟いていた言葉だけだろうか。
学園都市の空を覆った夜は、空に向かって大量の黒い塗料をぶちまけたように一瞬で拡がっていった。
「xjbyrsturyyjgjrpusegikpfauntiuzefkxcttzmnffiunjb・・・・・・、」
その夜空に、魔方陣をいくつも重ね合わせたような光の放物線が浮かび上がる。
更にその上空で、キラキラと何かが瞬いていた。
それは、星。
(ふ、ざけンじゃねェぞ・・・・・・!! 『天体制御(アストロインハンド)』だったか・・・・・・、
宇宙空間にある星を動かす馬鹿げた魔術は使えねェンじゃなかったのかよ!?)
確かにそう、エイワスがそんな事を言っていた気がする。
だが現にこうして『天体制御』は使用された。使えないのではなかったのかとエイワスに
クレームを突きつけている暇など無い。
予兆すら無かった。あるとしたら、悪魔が凹凸だけで表現されている口を動かして呟いていた言葉だけだろうか。
学園都市の空を覆った夜は、空に向かって大量の黒い塗料をぶちまけたように一瞬で拡がっていった。
「xjbyrsturyyjgjrpusegikpfauntiuzefkxcttzmnffiunjb・・・・・・、」
その夜空に、魔方陣をいくつも重ね合わせたような光の放物線が浮かび上がる。
更にその上空で、キラキラと何かが瞬いていた。
それは、星。
(ふ、ざけンじゃねェぞ・・・・・・!! 『天体制御(アストロインハンド)』だったか・・・・・・、
宇宙空間にある星を動かす馬鹿げた魔術は使えねェンじゃなかったのかよ!?)
確かにそう、エイワスがそんな事を言っていた気がする。
だが現にこうして『天体制御』は使用された。使えないのではなかったのかとエイワスに
クレームを突きつけている暇など無い。
123: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:32:49.97:Pe+S46b2o (15/24)
だがここで一方通行はある事に気付く。この『天体制御』によって星の位置は大きく変化したのではないか。
だとしたら、太陽に接触しつつある『星の欠片』は、消滅の危機を逃れたのではないか。
悪魔の気紛れによるこの大魔術で、天使の消滅というバッドエンドを迎えずに済んだのではないか、と。
そんな一方通行の脳裏を過ぎった甘い考えは、すぐに吹き飛ばされる事になる。
「命令名『一掃』――――――投下」
馬鹿だ、と一方通行は自分を殴り飛ばしたくなった。
あの夜空の瞬きを忘れたとは言わせない。あれはかの第三次世界大戦時、天使と交戦した際に
ミーシャ=クロイツェフが放った、一方通行の『反射』をも軽々と突き破る究極の天罰。
神戮。半径二、三キロ程に設定された領域に、灼熱の炎の矢が一方通行と風斬氷華を殲滅するために降り注がれる。
だがここで一方通行はある事に気付く。この『天体制御』によって星の位置は大きく変化したのではないか。
だとしたら、太陽に接触しつつある『星の欠片』は、消滅の危機を逃れたのではないか。
悪魔の気紛れによるこの大魔術で、天使の消滅というバッドエンドを迎えずに済んだのではないか、と。
そんな一方通行の脳裏を過ぎった甘い考えは、すぐに吹き飛ばされる事になる。
「命令名『一掃』――――――投下」
馬鹿だ、と一方通行は自分を殴り飛ばしたくなった。
あの夜空の瞬きを忘れたとは言わせない。あれはかの第三次世界大戦時、天使と交戦した際に
ミーシャ=クロイツェフが放った、一方通行の『反射』をも軽々と突き破る究極の天罰。
神戮。半径二、三キロ程に設定された領域に、灼熱の炎の矢が一方通行と風斬氷華を殲滅するために降り注がれる。
124: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:35:41.16:Pe+S46b2o (16/24)
そう、仮にこの『天体制御』で『星の欠片』の消滅が免れたとしても、
「あ、・・・・・・」
「風斬ィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!」
自分たちが死んでしまっては元も子もないのだ。
一方通行は何かを考える前には、既に風斬に向かって飛翔しそのまま彼女を抱きとめて地上へ向かっていた。
風斬を下にして覆い被さるような体勢になる。そして一方通行の背中に、地上に、容赦なく流星群が叩き込まれた。
『反射』では神戮に対抗出来ない。ならばせめて、と一方通行は地面に手をつけベクトルを操作する。
背中にミサイル並の塊が数千万以上降り注いでも、地殻が捲れ上がろうと、せめて風斬だけは守ろうと
地面から決して剥がされぬように必死でベクトルを操った。
白い翼を最大まで展開するが、それでも全ての攻撃を防ぐことは出来なかった。
痛みにもがく余裕もない。奥歯が砕けるんじゃないかという程に彼は歯を食いしばって風斬を守る。
そう、仮にこの『天体制御』で『星の欠片』の消滅が免れたとしても、
「あ、・・・・・・」
「風斬ィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!」
自分たちが死んでしまっては元も子もないのだ。
一方通行は何かを考える前には、既に風斬に向かって飛翔しそのまま彼女を抱きとめて地上へ向かっていた。
風斬を下にして覆い被さるような体勢になる。そして一方通行の背中に、地上に、容赦なく流星群が叩き込まれた。
『反射』では神戮に対抗出来ない。ならばせめて、と一方通行は地面に手をつけベクトルを操作する。
背中にミサイル並の塊が数千万以上降り注いでも、地殻が捲れ上がろうと、せめて風斬だけは守ろうと
地面から決して剥がされぬように必死でベクトルを操った。
白い翼を最大まで展開するが、それでも全ての攻撃を防ぐことは出来なかった。
痛みにもがく余裕もない。奥歯が砕けるんじゃないかという程に彼は歯を食いしばって風斬を守る。
125: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:36:33.39:Pe+S46b2o (17/24)
やがて、神戮は終わった。後に残ったのはロシアの時と同じ乱暴に耕されたような街の風景と、
風斬に覆い被さったまま動かなくなった一方通行だけだった。
「あ、・・・・・・一方通行、さん・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・怪、我は・・・・・・ねェかよ・・・・・・?」
瞳に涙を浮かべて至近距離にある一方通行の顔を見る風斬。彼は既に瀕死の状態へと追い込まれていた。
それでも悪魔は一切の容赦をしない。対象が完全に消滅するまで、何度でも神戮を叩き込む。
「第yj二波fard攻pdpc撃bh準備開始。 zgirbb『一掃』wt再投kosuvs下kcfmまでryhacf残りcghfj三〇秒uijbhwjzwgaj」
「・・・・・・・・・・・・ッ」
風斬は息を呑んだ。悪魔が放ったあまりにも無慈悲な言葉にではない。
上に覆い被さっている一方通行越しに見える夜空が再び瞬いたから、でもない。
覆い被さっている一方通行のすぐ後ろ。
そこに、風斬が先程からずっと目撃している紅い髪と眼をした黒い影が、こちらを見て笑っていたからだ。
やがて、神戮は終わった。後に残ったのはロシアの時と同じ乱暴に耕されたような街の風景と、
風斬に覆い被さったまま動かなくなった一方通行だけだった。
「あ、・・・・・・一方通行、さん・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・怪、我は・・・・・・ねェかよ・・・・・・?」
瞳に涙を浮かべて至近距離にある一方通行の顔を見る風斬。彼は既に瀕死の状態へと追い込まれていた。
それでも悪魔は一切の容赦をしない。対象が完全に消滅するまで、何度でも神戮を叩き込む。
「第yj二波fard攻pdpc撃bh準備開始。 zgirbb『一掃』wt再投kosuvs下kcfmまでryhacf残りcghfj三〇秒uijbhwjzwgaj」
「・・・・・・・・・・・・ッ」
風斬は息を呑んだ。悪魔が放ったあまりにも無慈悲な言葉にではない。
上に覆い被さっている一方通行越しに見える夜空が再び瞬いたから、でもない。
覆い被さっている一方通行のすぐ後ろ。
そこに、風斬が先程からずっと目撃している紅い髪と眼をした黒い影が、こちらを見て笑っていたからだ。
126: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:37:51.81:Pe+S46b2o (18/24)
「あ、一方通行さん、後ろ・・・・・・!!」
「krcswe風斬・・・・・・、いいovwfかァ、よく聞psvけ・・・・・・」
黒い影は吐き気を催すほどの醜悪な笑みを浮かべながら一方通行を抱きしめるようにまとわりついている。
影の頭部・・・・・・だろうか。そこに当たる部分から流れる紅い髪が、一方通行の頭に重なっている。
それを伝えようとした風斬だったが、一方通行の弱り切った声に遮られた。
「ggz俺の・・・・・・事は、wm捨て置け・・・・・・。 kik次にあいrzeつがd『星』dpをjs降らせgfたらdtmfe
すぐにここから抜け出してtr悪魔をhxtbgrf連れて攻撃の範囲yc外xaからyk脱出fwgwndしろdxyg・・・・・・」
「・・・・・・? え・・・・・・?」
何を言っているのかほとんど聞き取れなかった。なぜ今ここで、一方通行の言葉にノイズが走る?
風斬は一方通行にまとわりつく紅と黒の影を睨みつける。
「俺はmdrgiいい、死ンでも・・・・・・nfiqwpあのクソapfjhry天使さえ救えれば・・・・・・。
だから・・・・・・オマエはofcs行け・・・・・・」
「あ、一方通行さんから・・・・・・離れてください!!」
「あ、一方通行さん、後ろ・・・・・・!!」
「krcswe風斬・・・・・・、いいovwfかァ、よく聞psvけ・・・・・・」
黒い影は吐き気を催すほどの醜悪な笑みを浮かべながら一方通行を抱きしめるようにまとわりついている。
影の頭部・・・・・・だろうか。そこに当たる部分から流れる紅い髪が、一方通行の頭に重なっている。
それを伝えようとした風斬だったが、一方通行の弱り切った声に遮られた。
「ggz俺の・・・・・・事は、wm捨て置け・・・・・・。 kik次にあいrzeつがd『星』dpをjs降らせgfたらdtmfe
すぐにここから抜け出してtr悪魔をhxtbgrf連れて攻撃の範囲yc外xaからyk脱出fwgwndしろdxyg・・・・・・」
「・・・・・・? え・・・・・・?」
何を言っているのかほとんど聞き取れなかった。なぜ今ここで、一方通行の言葉にノイズが走る?
風斬は一方通行にまとわりつく紅と黒の影を睨みつける。
「俺はmdrgiいい、死ンでも・・・・・・nfiqwpあのクソapfjhry天使さえ救えれば・・・・・・。
だから・・・・・・オマエはofcs行け・・・・・・」
「あ、一方通行さんから・・・・・・離れてください!!」
127: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:39:11.03:Pe+S46b2o (19/24)
風斬はもう一方通行の言葉など聞いてはいなかった。自分は死んでもいいからお前だけは、
みたいなことを言っていた気がするが冗談ではない。
一方通行の言葉がおかしくなっているのは全て黒い影のせいだと決めつけ、風斬は影に向かって憤慨する。
「離れて・・・・・・!!! これ以上彼に付き纏わないで・・・・・・!!!」
黒い影は風斬の言葉に取り繕わなかった。『知った事か』、と暗に言われているような気がした。
風斬は黒い影から一方通行を引き剥がすように彼の細い体を力強く抱きしめる。
一方通行の背中の翼と頭上の輪は、ほとんど黒一色に染まっていた。
そして、
「命令名『一掃』――――――投下」
夜空の瞬きが一層強くなる。無慈悲に生命を狩り取る星の雨が、一方通行にトドメを刺そうと降り注いできた。
それでも、風斬は最後まで一方通行から離れようとはしなかった。
風斬はもう一方通行の言葉など聞いてはいなかった。自分は死んでもいいからお前だけは、
みたいなことを言っていた気がするが冗談ではない。
一方通行の言葉がおかしくなっているのは全て黒い影のせいだと決めつけ、風斬は影に向かって憤慨する。
「離れて・・・・・・!!! これ以上彼に付き纏わないで・・・・・・!!!」
黒い影は風斬の言葉に取り繕わなかった。『知った事か』、と暗に言われているような気がした。
風斬は黒い影から一方通行を引き剥がすように彼の細い体を力強く抱きしめる。
一方通行の背中の翼と頭上の輪は、ほとんど黒一色に染まっていた。
そして、
「命令名『一掃』――――――投下」
夜空の瞬きが一層強くなる。無慈悲に生命を狩り取る星の雨が、一方通行にトドメを刺そうと降り注いできた。
それでも、風斬は最後まで一方通行から離れようとはしなかった。
128: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:39:56.69:Pe+S46b2o (20/24)
「か、ざきり・・・・・・・・・・・・」
「一方通行さん、私・・・・・・」
風斬は何かを伝えようとしたが、それは叶わなかった。神戮が炸裂し、凄まじい爆発音が学園都市に響き渡る。
神戮は容赦なく接触した対象物を粉々に破砕し、呆気なく無に帰してしまった。
ただし、神戮が炸裂したのは地上から遥か遠く。一〇〇〇メートル以上の上空で起きていた。
「・・・・・・・・・・・・!! ・・・・・・、・・・・・・・・・・・・。 え・・・・・・?」
「か、ざきり・・・・・・・・・・・・」
「一方通行さん、私・・・・・・」
風斬は何かを伝えようとしたが、それは叶わなかった。神戮が炸裂し、凄まじい爆発音が学園都市に響き渡る。
神戮は容赦なく接触した対象物を粉々に破砕し、呆気なく無に帰してしまった。
ただし、神戮が炸裂したのは地上から遥か遠く。一〇〇〇メートル以上の上空で起きていた。
「・・・・・・・・・・・・!! ・・・・・・、・・・・・・・・・・・・。 え・・・・・・?」
129: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:40:35.15:Pe+S46b2o (21/24)
ギュッと瞼を閉じていた風斬は恐る恐る目を開ける。
自分の体の上にいる一方通行に目立った変化はない。ボロボロの瀕死状態とはいえ、五体満足だった。
彼にまとわりついていた忌々しい黒い影も、今だけは姿が見当たらない。
しばらくして、上空から何かが降ってきた。それは赤い瓦礫だった。元がなんなのか分からないほど
原型を留めず粉々に破壊されている。神戮によって砕けたものが落ちてきたのだろう。
でも、何が?悪魔の放った神戮は、地上に居る一方通行と風斬を始末するために放ったものであるはずだ。
神戮は上空で炸裂していた。風斬は一方通行を抱えたままゆっくりと体を起こして空を見上げる。
夜になっていたはずの空が、真っ赤に染まっていた。
神戮を発動した悪魔も、何事かと空を見上げている。その真っ赤に染まった空はまるで
複雑な模様のようにも見え、それはゆっくりと動いているのが確認できた。
ギュッと瞼を閉じていた風斬は恐る恐る目を開ける。
自分の体の上にいる一方通行に目立った変化はない。ボロボロの瀕死状態とはいえ、五体満足だった。
彼にまとわりついていた忌々しい黒い影も、今だけは姿が見当たらない。
しばらくして、上空から何かが降ってきた。それは赤い瓦礫だった。元がなんなのか分からないほど
原型を留めず粉々に破壊されている。神戮によって砕けたものが落ちてきたのだろう。
でも、何が?悪魔の放った神戮は、地上に居る一方通行と風斬を始末するために放ったものであるはずだ。
神戮は上空で炸裂していた。風斬は一方通行を抱えたままゆっくりと体を起こして空を見上げる。
夜になっていたはずの空が、真っ赤に染まっていた。
神戮を発動した悪魔も、何事かと空を見上げている。その真っ赤に染まった空はまるで
複雑な模様のようにも見え、それはゆっくりと動いているのが確認できた。
130: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:41:48.59:Pe+S46b2o (22/24)
だがそれは、模様などではなかった。よく見るとその赤い何かは人工物だということが分かる。
「何・・・・・・あれ・・・・・・?」
「・・・・・?」
妙に静まり返った雰囲気を怪訝に思った一方通行も、浅い呼吸を繰り返しながら空を見上げた。
彼の視界に映ったのは、赤いハンググライダーのような航空機の大群と、その隙間から見えるわずかな夜空。
そして、上空から拡声器でも使っているのか。妙に響く大きな声が聞こえてきた。
『防御術式でガチガチにコーティングした「グリフォン=スカイ」が一撃で粉々だし。
まったく・・・・・・母上にどー言い訳すればいいの。 これ一機でいくらすると思ってるんだ』
おてんばな小娘が放つような、独特の声だった。その声を、一方通行と風斬は聞いたことがあった。
だがそれは、模様などではなかった。よく見るとその赤い何かは人工物だということが分かる。
「何・・・・・・あれ・・・・・・?」
「・・・・・?」
妙に静まり返った雰囲気を怪訝に思った一方通行も、浅い呼吸を繰り返しながら空を見上げた。
彼の視界に映ったのは、赤いハンググライダーのような航空機の大群と、その隙間から見えるわずかな夜空。
そして、上空から拡声器でも使っているのか。妙に響く大きな声が聞こえてきた。
『防御術式でガチガチにコーティングした「グリフォン=スカイ」が一撃で粉々だし。
まったく・・・・・・母上にどー言い訳すればいいの。 これ一機でいくらすると思ってるんだ』
おてんばな小娘が放つような、独特の声だった。その声を、一方通行と風斬は聞いたことがあった。
131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/24(火) 19:43:40.12:iaWvX0oG0 (2/2)
風斬・・・///
風斬・・・///
132: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 19:45:21.16:Pe+S46b2o (23/24)
ここまでです。
『竜の息吹』が地下にいる回収部隊の大半を殲滅してしまいましたが、
地面に向かって竜の息吹なんて発射したらどうなるんでしょう?地球がヤバいことになりそうなんですが。
・・・・・・まぁ、気にしない方向で。
一方通行と風斬も間一髪のところで助かったようです。
次回は新たな助っ人と共に悪魔に挑みます。
次回予告は無しです。
ではまた、三日以内にお会いしましょう。
ありがとうございました!失礼します。
ここまでです。
『竜の息吹』が地下にいる回収部隊の大半を殲滅してしまいましたが、
地面に向かって竜の息吹なんて発射したらどうなるんでしょう?地球がヤバいことになりそうなんですが。
・・・・・・まぁ、気にしない方向で。
一方通行と風斬も間一髪のところで助かったようです。
次回は新たな助っ人と共に悪魔に挑みます。
次回予告は無しです。
ではまた、三日以内にお会いしましょう。
ありがとうございました!失礼します。
133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県):2011/05/24(火) 19:46:41.35:aIg+Uzrjo (1/1)
ババア!ババアじゃないか!
ババア!ババアじゃないか!
134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 19:50:55.36:htwooNv+o (1/1)
\キャーリササマー/
\キャーリササマー/
135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東):2011/05/24(火) 19:52:53.13:JU/66y4AO (1/1)
>>133の全次元が切断されかねない
そしてゴールデン乙!
赤いのっていうとステイルかフィアンマか赤い騎士さんしか思い付かんな
>>133の全次元が切断されかねない
そしてゴールデン乙!
赤いのっていうとステイルかフィアンマか赤い騎士さんしか思い付かんな
136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/24(火) 19:57:42.19:dcn73Zrxo (1/2)
垣根君が俺の厨二心をくすぐってやまない
垣根君が俺の厨二心をくすぐってやまない
137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 20:00:37.77:Qpx6Khz90 (1/1)
乙!
垣根は一体どうなってしまうんだ
最後のほうで自我を取り戻していたような、いなかったような
結局一方さんの影をちらついてるのはなんなんだ?
赤いのはグリフォン=スカイなのか?
乙!
垣根は一体どうなってしまうんだ
最後のほうで自我を取り戻していたような、いなかったような
結局一方さんの影をちらついてるのはなんなんだ?
赤いのはグリフォン=スカイなのか?
138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/24(火) 20:04:33.42:dcn73Zrxo (2/2)
セトさん怖いです
セトさん怖いです
139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/05/24(火) 20:05:30.89:LeiHW8eg0 (1/1)
乙です
乙です
140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県):2011/05/24(火) 20:05:50.38:vqIfAZXJ0 (1/1)
垣根君は自動初期状態でも若干の意思表示ができるのかな?
なんかそれっぽいことしゃべっていたし。
そして>>1乙
垣根君は自動初期状態でも若干の意思表示ができるのかな?
なんかそれっぽいことしゃべっていたし。
そして>>1乙
141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 20:25:22.92:mfYXFKm/P (2/2)
乙
垣根さんが月光蝶使えるようになってしまった
乙
垣根さんが月光蝶使えるようになってしまった
142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 20:44:31.23:cqgfRMlIO (1/1)
ドラゴンブレスって「竜王の殺息」じゃなかったっけ?
ドラゴンブレスって「竜王の殺息」じゃなかったっけ?
143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/24(火) 20:59:52.24:cCuQUQY80 (2/2)
エイワスと☆のケンカで地球がヤバいと思ってたら別の奴らの方が先にブチ壊しにかかってた
エイワスと☆のケンカで地球がヤバいと思ってたら別の奴らの方が先にブチ壊しにかかってた
144: ◆3dKAx7itpI:2011/05/24(火) 21:02:10.99:Pe+S46b2o (24/24)
>>142
なんてこったい。全部脳内変換お願いします、申し訳ねえ・・・・・・
>>142
なんてこったい。全部脳内変換お願いします、申し訳ねえ・・・・・・
145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東):2011/05/24(火) 21:21:08.00:XNCPc0jAO (1/1)
キャーリサ様ー!
最強現地妻同盟きたよオォォォ
キャーリサ様ー!
最強現地妻同盟きたよオォォォ
146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県):2011/05/24(火) 21:34:30.18:sYJmEj1/0 (1/1)
ここでキャーリサ?! 風斬vsキャーリサのメインヒロイン対決勃発か??
ここでキャーリサ?! 風斬vsキャーリサのメインヒロイン対決勃発か??
147:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 21:35:15.50:BnHZXoPFo (1/1)
乙
ていとくんマジていとくん
乙
ていとくんマジていとくん
148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 21:38:38.10:Mhs7jQ2e0 (1/1)
いいねいいね最ッ高だねェェェ!!!
この戦場チートしかいねえぜェェェ!!!
いいねいいね最ッ高だねェェェ!!!
この戦場チートしかいねえぜェェェ!!!
149:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 21:39:58.15:vrnYRIyDO (1/1)
あばばばばばばばば(汗)か、垣根…さん?やめて…もうやめて…誰か彼を助けて
一方・風斬ペアはライバルもとい希望がキター
とにかく皆が笑っていてくれる結末を祈りながら乙
あばばばばばばばば(汗)か、垣根…さん?やめて…もうやめて…誰か彼を助けて
一方・風斬ペアはライバルもとい希望がキター
とにかく皆が笑っていてくれる結末を祈りながら乙
150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県):2011/05/24(火) 21:40:41.87:9MONvfpl0 (1/1)
こういう仲間が次々に現れる展開はテンプレと分かってても燃えるなぁ。
こういう仲間が次々に現れる展開はテンプレと分かってても燃えるなぁ。
151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/25(水) 00:25:08.01:hY7C00Ra0 (1/1)
キャーリサアネゴキターーー
それにしてもちゃんと生きている垣根がイメージできない。
キャーリサアネゴキターーー
それにしてもちゃんと生きている垣根がイメージできない。
152:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/05/25(水) 00:41:13.56:qewt1Xte0 (1/1)
>>1乙! 垣根がKAKINEXに見えるよ!
>>1乙! 垣根がKAKINEXに見えるよ!
153:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/25(水) 20:13:19.26:3N81al7a0 (1/1)
誰か、誰でもいいから、垣根を、友達を助けてやってくれぇぇぇぇええぇェぇェェェ!!!!!!
誰か、誰でもいいから、垣根を、友達を助けてやってくれぇぇぇぇええぇェぇェェェ!!!!!!
154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 20:46:27.20:Cf52NTSZ0 (1/1)
乙
安心の垣根生存率
乙
安心の垣根生存率
155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県):2011/05/25(水) 22:11:46.01:vCKEMax30 (1/1)
おつおつ
垣根なら例え死んでも、「まだ建てるべき死亡フラグがある」とか言って蘇るよ
おつおつ
垣根なら例え死んでも、「まだ建てるべき死亡フラグがある」とか言って蘇るよ
156:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/05/25(水) 22:18:10.55:hvkStsVm0 (1/1)
垣根をもう殺さないで
平穏な日々をあげて
垣根をもう殺さないで
平穏な日々をあげて
157:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海):2011/05/25(水) 22:57:49.19:n+XxUr4AO (1/1)
垣根ぇぇえええええぇぇえぇぇえ!!!!!!!!!!!!
垣根ぇぇえええええぇぇえぇぇえ!!!!!!!!!!!!
158:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県):2011/05/25(水) 23:09:30.08:QsIJFYTm0 (1/1)
キャーリサ様!!
キャーリサ様!!ウォォォォォ!!
キャーリサ様!!
キャーリサ様!!ウォォォォォ!!
159:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/26(木) 06:47:45.30:nUGwnSRH0 (1/1)
大丈夫だよ垣根。私は無能力者だから、超能力者の垣根をきっと守ってみせる。
大丈夫だよ垣根。私は無能力者だから、超能力者の垣根をきっと守ってみせる。
160:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県):2011/05/26(木) 17:46:35.50:UhdUgf/t0 (1/1)
某エースもびっくりの生存率(垣根
某エースもびっくりの生存率(垣根
161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 21:09:37.55:jHN7xPqa0 (1/1)
乙!垣根・・・(泣)
この戦場を見て、ここの>>1は
とてつもなく偉大なSS作者だと気付いた
KY発言でごめんけど
この人みたいな偉大な人に追いつけるかわからないけど、
今度SS書いてみようかな
乙!垣根・・・(泣)
この戦場を見て、ここの>>1は
とてつもなく偉大なSS作者だと気付いた
KY発言でごめんけど
この人みたいな偉大な人に追いつけるかわからないけど、
今度SS書いてみようかな
162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/05/26(木) 21:20:05.42:WlILVqMf0 (1/1)
乙
きた!メインキャーリサ様来た!これでかつる!
瞬間移動能力者が11次元を移動中に全次元切断したらどうなるのかなって誰もが考える剣持ってる人きた!
>>140
「自分だけの現実」でもって発動する超能力の融合に成功したのが大きいんじゃ?
インさんみたいに意識を自動書記に奪われてただの器にされてたんじゃ超能力使えないし。
ってかペンデックスがあんなべらぼうな魔術を使えるのは普段は魔翌力を自動書記のランにそなえて貯めてるからだったよな
それと同等以上の魔術を連発って流石に垣根やばくないか、魔翌力は生命エネルギーだろおい・・・
融合って言うくらいだからAIM⇔魔翌力の回路でも出来てるのかな
乙
きた!メインキャーリサ様来た!これでかつる!
瞬間移動能力者が11次元を移動中に全次元切断したらどうなるのかなって誰もが考える剣持ってる人きた!
>>140
「自分だけの現実」でもって発動する超能力の融合に成功したのが大きいんじゃ?
インさんみたいに意識を自動書記に奪われてただの器にされてたんじゃ超能力使えないし。
ってかペンデックスがあんなべらぼうな魔術を使えるのは普段は魔翌力を自動書記のランにそなえて貯めてるからだったよな
それと同等以上の魔術を連発って流石に垣根やばくないか、魔翌力は生命エネルギーだろおい・・・
融合って言うくらいだからAIM⇔魔翌力の回路でも出来てるのかな
163: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 22:57:53.41:Ptx+XsDNo (1/26)
こんばんわ、いつも沢山のレスをありがとうございます。
今日の分を投下していこうと思います。
前回、悪魔による神戮でブッ殺寸前まで追い詰められた一方通行と風斬。
しかしそこに颯爽と現れた華麗なる助っ人とは。
みたいな感じで。それでは続きをどうぞ!
こんばんわ、いつも沢山のレスをありがとうございます。
今日の分を投下していこうと思います。
前回、悪魔による神戮でブッ殺寸前まで追い詰められた一方通行と風斬。
しかしそこに颯爽と現れた華麗なる助っ人とは。
みたいな感じで。それでは続きをどうぞ!
164: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 22:58:53.86:Ptx+XsDNo (2/26)
真っ赤な航空機に誰かが立っている。その人物は、極めて当然な行動だと言わんばかりに
何の躊躇もなく航空機から飛び降りた。
そして、
ゴシャアアアアアアッ!!、という痛烈な打撃音と共に、悪魔の頭に容赦ない一撃を浴びせた。
不意の一撃を喰らった悪魔は一直線に地上に吹き飛び地面に激突する。
悪魔に攻撃した何者かが、一方通行達の下へふわりと降り立った。
「・・・・・・・・・・・・オ、マエ・・・・・・」
「あーあー、いい男が台無しだし。 てゆーか何なのその『黒い翼』は。
実はお前、天界から追放された堕天使でしたなんてオチじゃないだろーな」
その"女"の服装は各所に赤いレザーがあしらわれた、一見ボンテージとも思える燃えるように真っ赤なドレスを着込んでいた。
髪は金髪。豪快な笑顔を浮かべるその顔は非常に整った顔立ちだ。
手には宝石の欠片のようなものが握られており、そこから閃光の剣が伸びている。
さらにそのドレスにも、飾りのように同じ閃光の剣が一〇本ほど腰から後方へと流れている。
カーテナ=セカンド。その欠片。英国王室に代々伝わるその霊装を操れるものなど、限られていた。
真っ赤な航空機に誰かが立っている。その人物は、極めて当然な行動だと言わんばかりに
何の躊躇もなく航空機から飛び降りた。
そして、
ゴシャアアアアアアッ!!、という痛烈な打撃音と共に、悪魔の頭に容赦ない一撃を浴びせた。
不意の一撃を喰らった悪魔は一直線に地上に吹き飛び地面に激突する。
悪魔に攻撃した何者かが、一方通行達の下へふわりと降り立った。
「・・・・・・・・・・・・オ、マエ・・・・・・」
「あーあー、いい男が台無しだし。 てゆーか何なのその『黒い翼』は。
実はお前、天界から追放された堕天使でしたなんてオチじゃないだろーな」
その"女"の服装は各所に赤いレザーがあしらわれた、一見ボンテージとも思える燃えるように真っ赤なドレスを着込んでいた。
髪は金髪。豪快な笑顔を浮かべるその顔は非常に整った顔立ちだ。
手には宝石の欠片のようなものが握られており、そこから閃光の剣が伸びている。
さらにそのドレスにも、飾りのように同じ閃光の剣が一〇本ほど腰から後方へと流れている。
カーテナ=セカンド。その欠片。英国王室に代々伝わるその霊装を操れるものなど、限られていた。
165: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 22:59:45.95:Ptx+XsDNo (3/26)
「き、キャーリサ・・・・・・さん・・・・・・?」
「おー、久しぶりだな風斬。 ・・・・・・って、お前も翼か。 何、流行ってるの?
今度母上にお願いして私に天使の知識をご教授願おうかな」
英国『王室派』の第二王女、キャーリサ。
『天使同盟』として最初に訪問したイギリスで出会った、かけがえの無い仲間がそこにいた。
キャーリサは手に持つカーテナをひゅんひゅんと振り回し、意地の悪そうな笑顔で言った。
「き、キャーリサ・・・・・・さん・・・・・・?」
「おー、久しぶりだな風斬。 ・・・・・・って、お前も翼か。 何、流行ってるの?
今度母上にお願いして私に天使の知識をご教授願おうかな」
英国『王室派』の第二王女、キャーリサ。
『天使同盟』として最初に訪問したイギリスで出会った、かけがえの無い仲間がそこにいた。
キャーリサは手に持つカーテナをひゅんひゅんと振り回し、意地の悪そうな笑顔で言った。
166: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:01:13.34:Ptx+XsDNo (4/26)
「ここに来たのは私だけじゃないの。 ほれ、」
ピッと人差し指を空に向けるキャーリサに釣られて、一方通行と風斬は上を見る。
更に一人、いや二人の人影がゆっくりと地上に降りてきているところだった。
一人はいかにも英国紳士のような出で立ちの中年の男。もう一人は屈強な肉体に、馬鹿げたサイズの
大剣を肩に担いでいる。
「・・・・・・ウィリアムに、フルンティングのオッサン・・・・・・?」
「なぜわざわざ霊装の名で呼ぶ。 以前に『騎士団長(ナイトリーダー)』という役職名を名乗っただろうが」
「久しいのである、『天使同盟』」
英国『騎士派』のトップに君臨する『騎士団長』。そして元『神の右席』所属の魔術師、後方のアックア。
どれもこれも少し前にあったばかりの顔ぶれだったが、なぜか非常に懐かしく思えた。
「ここに来たのは私だけじゃないの。 ほれ、」
ピッと人差し指を空に向けるキャーリサに釣られて、一方通行と風斬は上を見る。
更に一人、いや二人の人影がゆっくりと地上に降りてきているところだった。
一人はいかにも英国紳士のような出で立ちの中年の男。もう一人は屈強な肉体に、馬鹿げたサイズの
大剣を肩に担いでいる。
「・・・・・・ウィリアムに、フルンティングのオッサン・・・・・・?」
「なぜわざわざ霊装の名で呼ぶ。 以前に『騎士団長(ナイトリーダー)』という役職名を名乗っただろうが」
「久しいのである、『天使同盟』」
英国『騎士派』のトップに君臨する『騎士団長』。そして元『神の右席』所属の魔術師、後方のアックア。
どれもこれも少し前にあったばかりの顔ぶれだったが、なぜか非常に懐かしく思えた。
167: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:02:45.17:Ptx+XsDNo (5/26)
呆気にとられる一方通行と風斬を無視して騎士団長は尋ねる。
「英国を出てからの『天使同盟』のその後や、一方通行の背にある"黒翼"・・・・・・。
君達とアレイスター=クロウリーの関係、そしてこの現状・・・・・・。
聞きたいことは山ほどあるが、それは全て後日聞かせてもらおう。 キャーリサ様、どうします?」
「んー・・・・・・、とりあえずお前たちは散れ。 相手は天使だ、いくら『グラストンベリ』で
私達を強化しよーと天使相手じゃ大した意味はないし。 なんか"手紙"に書いてあっただろ、
垣根帝督とかいう男を援護するために勢力を分散させろって。 敵は天使やアレイスターだけじゃ
無さそーなの」
「了解」
「了解しました」
キャーリサの言葉を受けた騎士団長とアックアは素早く移動し、一方通行達の前から姿を消した。
と、急に目の前の地面が爆発する。そこには背中の翼を禍々しく展開させた悪魔が膨大な殺気を放ちながら佇んでいた。
「お前たちは・・・・・・まだ戦えるの? だったら共同戦線だし」
「は、はい・・・・・・!」
呆気にとられる一方通行と風斬を無視して騎士団長は尋ねる。
「英国を出てからの『天使同盟』のその後や、一方通行の背にある"黒翼"・・・・・・。
君達とアレイスター=クロウリーの関係、そしてこの現状・・・・・・。
聞きたいことは山ほどあるが、それは全て後日聞かせてもらおう。 キャーリサ様、どうします?」
「んー・・・・・・、とりあえずお前たちは散れ。 相手は天使だ、いくら『グラストンベリ』で
私達を強化しよーと天使相手じゃ大した意味はないし。 なんか"手紙"に書いてあっただろ、
垣根帝督とかいう男を援護するために勢力を分散させろって。 敵は天使やアレイスターだけじゃ
無さそーなの」
「了解」
「了解しました」
キャーリサの言葉を受けた騎士団長とアックアは素早く移動し、一方通行達の前から姿を消した。
と、急に目の前の地面が爆発する。そこには背中の翼を禍々しく展開させた悪魔が膨大な殺気を放ちながら佇んでいた。
「お前たちは・・・・・・まだ戦えるの? だったら共同戦線だし」
「は、はい・・・・・・!」
168: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:04:43.40:Ptx+XsDNo (6/26)
予期せぬ助っ人に歓喜の笑みを見せながら風斬が応える。
キャーリサがどの程度の実力を持っているのかは知らないが、さっきの悪魔への攻撃からして
充分に頼れる存在だと理解できた。
「天使・・・・・・いや、あれは悪魔か。 悪魔の神戮は上空に敷いた大量の『グリフォン=スカイ』で
どーにかするしかないの。 一応あれでも盾にはなる、神戮の軌道さえ逸らせりゃ投下範囲外に
避難できる猶予くらいは生まれるだろーし。 『グラストンベリ』については説明する必要ないか」
「・・・・・・オマエ、なンでここに・・・・・・?」
「そーいう話は全部後だ。 どーやらのんびりと茶を飲みながら会話するよーな暇は
お前らのとこの可愛い悪魔ちゃんが与えてくれそーにないの」
キャーリサは空いていた手にもう一本カーテナの欠片を握りながら言う。
「うさぎ。 お前が何であの天使にそこまで執着するのかわからないけど・・・・・・、
あんな状態になったミーシャ=クロイツェフでも救いたいんだろう?」
予期せぬ助っ人に歓喜の笑みを見せながら風斬が応える。
キャーリサがどの程度の実力を持っているのかは知らないが、さっきの悪魔への攻撃からして
充分に頼れる存在だと理解できた。
「天使・・・・・・いや、あれは悪魔か。 悪魔の神戮は上空に敷いた大量の『グリフォン=スカイ』で
どーにかするしかないの。 一応あれでも盾にはなる、神戮の軌道さえ逸らせりゃ投下範囲外に
避難できる猶予くらいは生まれるだろーし。 『グラストンベリ』については説明する必要ないか」
「・・・・・・オマエ、なンでここに・・・・・・?」
「そーいう話は全部後だ。 どーやらのんびりと茶を飲みながら会話するよーな暇は
お前らのとこの可愛い悪魔ちゃんが与えてくれそーにないの」
キャーリサは空いていた手にもう一本カーテナの欠片を握りながら言う。
「うさぎ。 お前が何であの天使にそこまで執着するのかわからないけど・・・・・・、
あんな状態になったミーシャ=クロイツェフでも救いたいんだろう?」
169: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:05:46.55:Ptx+XsDNo (7/26)
一方通行は応えることも頷くこともしなかった。しかしそれがキャーリサへの返答になっていた。
「ふふ。 少し嫉妬するし」
そんな言葉と同時、キャーリサは地を蹴って一瞬で悪魔の懐へと飛び込む。
悪魔も新たな敵の出現に戸惑うことなく、冷静に、端的に状況を把握した。
新たな障害が出現したなら、ただそれを破壊すればいいだけの事。
ズンッッッと低い震動が起き、第二王女と悪魔が激突する。
かつての戦争でミーシャ=クロイツェフと対峙した経験を持つ彼女だからこそ、こうして
堂々と悪魔にも立ち向かっていける。
「一方通行さん・・・・・・」
「・・・・・・オマエが言ってた、『皆が支えてくれてる』って言葉。
なるほど、実際目の当たりにしてみると、ありがたみがまるで違うな」
一方通行は応えることも頷くこともしなかった。しかしそれがキャーリサへの返答になっていた。
「ふふ。 少し嫉妬するし」
そんな言葉と同時、キャーリサは地を蹴って一瞬で悪魔の懐へと飛び込む。
悪魔も新たな敵の出現に戸惑うことなく、冷静に、端的に状況を把握した。
新たな障害が出現したなら、ただそれを破壊すればいいだけの事。
ズンッッッと低い震動が起き、第二王女と悪魔が激突する。
かつての戦争でミーシャ=クロイツェフと対峙した経験を持つ彼女だからこそ、こうして
堂々と悪魔にも立ち向かっていける。
「一方通行さん・・・・・・」
「・・・・・・オマエが言ってた、『皆が支えてくれてる』って言葉。
なるほど、実際目の当たりにしてみると、ありがたみがまるで違うな」
170:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 23:05:50.92:MYeihsMm0 (1/2)
>>161
貴様ぁ気付くのが遅いぞ!!
………この人ホントに天才だよな…
SS書くなら応援するぞ、頑張れ
途中でめげたら駄目だぞ
後、>>1乙でした!!
垣根ェ…
>>161
貴様ぁ気付くのが遅いぞ!!
………この人ホントに天才だよな…
SS書くなら応援するぞ、頑張れ
途中でめげたら駄目だぞ
後、>>1乙でした!!
垣根ェ…
171: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:06:36.76:Ptx+XsDNo (8/26)
一方通行は白から黒に変色した翼を爆発させるように展開し、再び戦闘態勢に突入した。
風斬もそれに習い、いつの間にか消滅していた雷光の剣を掌に現出させてしっかりと握る。
「obvj行くぞllawh」
「はい。 ・・・・・・ッ!?」
風斬はギョッとした表情で一方通行の方に視線を向ける。
聞き間違いだと思いたかったが、やはり今の一方通行の声にはノイズが混じり込んでいた。
そしてやはり、彼の背後には例の黒い影が、一方通行と同調するように重なって――――。
『ゲーム』開始から一時間四八分。悪魔が発動した『天体制御』の影響で『星の欠片』の消失時間は不明。
ついに、この舞台にすべての役者が揃った。
終焉の時は近い。
一方通行は白から黒に変色した翼を爆発させるように展開し、再び戦闘態勢に突入した。
風斬もそれに習い、いつの間にか消滅していた雷光の剣を掌に現出させてしっかりと握る。
「obvj行くぞllawh」
「はい。 ・・・・・・ッ!?」
風斬はギョッとした表情で一方通行の方に視線を向ける。
聞き間違いだと思いたかったが、やはり今の一方通行の声にはノイズが混じり込んでいた。
そしてやはり、彼の背後には例の黒い影が、一方通行と同調するように重なって――――。
『ゲーム』開始から一時間四八分。悪魔が発動した『天体制御』の影響で『星の欠片』の消失時間は不明。
ついに、この舞台にすべての役者が揃った。
終焉の時は近い。
172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 23:08:00.25:MYeihsMm0 (2/2)
>>170は無視でお願いします。
リロードしてなかった……orz
後、リアルタイム遭遇マジうれしい
>>170は無視でお願いします。
リロードしてなかった……orz
後、リアルタイム遭遇マジうれしい
173: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:08:53.73:Ptx+XsDNo (9/26)
――――――――――――――――――――――
知識の海に飛び込んだような感覚だった。そこに身を沈めるだけで、森羅万象全ての知を得ることが出来ると確信した。
味わったことのない感覚だった。全身を駆け巡る細胞と神経の一つ一つが研ぎ澄まされていく感覚。
出来ない事などもう何も無い。今の自分は最強にして最高。究極。無敵だと思えた。
これが、『禁書目録』。
ロシアでの魔術訓練で見事に合格した垣根帝督は、エイワスから褒美としてある霊装を受け取っていた。
エイワス曰く、それを使えば自分の望む全てのものが得られるとの事。
「ハッ・・・・・・、ハッ・・・・・・はぁ・・・・・・」
その通りだった。この『自動書記(ヨハネのペン)』の遠隔制御霊装は凄まじい効力を秘めていた。
仕組みなどは一切知らないが、ダイヤル錠・・・・・・とでも言えばいいのか。リング状の液晶には
数字ではなくアルファベットが羅列してある。
そいつを少し回すだけで、頭の中にあらゆる魔術の知識が、色濃い知識が、滝のように流れてくる。
知識だけではない、その魔術の使い方、応用、効果、知りたいと思った情報は即座に脳にインプットされていった。
――――――――――――――――――――――
知識の海に飛び込んだような感覚だった。そこに身を沈めるだけで、森羅万象全ての知を得ることが出来ると確信した。
味わったことのない感覚だった。全身を駆け巡る細胞と神経の一つ一つが研ぎ澄まされていく感覚。
出来ない事などもう何も無い。今の自分は最強にして最高。究極。無敵だと思えた。
これが、『禁書目録』。
ロシアでの魔術訓練で見事に合格した垣根帝督は、エイワスから褒美としてある霊装を受け取っていた。
エイワス曰く、それを使えば自分の望む全てのものが得られるとの事。
「ハッ・・・・・・、ハッ・・・・・・はぁ・・・・・・」
その通りだった。この『自動書記(ヨハネのペン)』の遠隔制御霊装は凄まじい効力を秘めていた。
仕組みなどは一切知らないが、ダイヤル錠・・・・・・とでも言えばいいのか。リング状の液晶には
数字ではなくアルファベットが羅列してある。
そいつを少し回すだけで、頭の中にあらゆる魔術の知識が、色濃い知識が、滝のように流れてくる。
知識だけではない、その魔術の使い方、応用、効果、知りたいと思った情報は即座に脳にインプットされていった。
174: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:09:53.29:Ptx+XsDNo (10/26)
でも、情報が絶え間なく焼き付いていくその脳が、
ドロドロと、濃硫酸に浸したかのように溶けていっている気がして。
・・・・・・・・・・・・毒?
そういえば、レッサーが言っていた気がする。常人が原典の知識を得ると、毒に侵されると。
「ご、ぼっ・・・・・・・・・・・・」
バシャシャシャシャ・・・・・・と、壊れた蛇口のように口から血を吐き続ける。
垣根の全身は真っ赤に染まりきっていた。どこからの出血なのか分からないほどに
彼の体は紅に染まっていた。
「・・・・・・。 垣根、その霊装をこっちに渡すんだ」
でも、情報が絶え間なく焼き付いていくその脳が、
ドロドロと、濃硫酸に浸したかのように溶けていっている気がして。
・・・・・・・・・・・・毒?
そういえば、レッサーが言っていた気がする。常人が原典の知識を得ると、毒に侵されると。
「ご、ぼっ・・・・・・・・・・・・」
バシャシャシャシャ・・・・・・と、壊れた蛇口のように口から血を吐き続ける。
垣根の全身は真っ赤に染まりきっていた。どこからの出血なのか分からないほどに
彼の体は紅に染まっていた。
「・・・・・・。 垣根、その霊装をこっちに渡すんだ」
175: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:11:27.66:Ptx+XsDNo (11/26)
極めて険しい表情のステイルが何かを言っているが、垣根にはもう聞こえない。聞き取れない。
脳が完全に原典による汚染にやられている。まともな思考も出来なくなっていた。
廃人になっていないほうが不自然なくらいに、垣根は『禁書目録』を行使し過ぎた。
ステイルは憤怒していた。同時に、心配もしていた。人の身である垣根帝督が原典を使用したことによる汚染侵食度も気になったが、
それ以上にステイルは"とある少女"の方が気掛かりでならなかった。
インデックス。垣根帝督が持っている霊装を使えば、彼女の体に深刻な負担が生じて意識不明になってしまう。
前例があるからそれは知っていた。第三次世界大戦時、遠隔制御霊装を右方のフィアンマが使用したことによって
彼女は散々な目に遭っている。
「・・・・・・垣根帝督」
「・・・・・・・・・・・・れで、・・・・・・倒・・・・・・」
「?」
ステイルの言葉は届いていない。代わりに、垣根は何か独り言をブツブツと呟いていた。
目から、耳から、鼻から、口から、ダラダラと血を垂れ流しながら独り言を呟く彼の姿は異様としか言えない。
視線もどこを向いているのか分からない。そもそも視力が機能しているのかも分からないような状態に見える。
極めて険しい表情のステイルが何かを言っているが、垣根にはもう聞こえない。聞き取れない。
脳が完全に原典による汚染にやられている。まともな思考も出来なくなっていた。
廃人になっていないほうが不自然なくらいに、垣根は『禁書目録』を行使し過ぎた。
ステイルは憤怒していた。同時に、心配もしていた。人の身である垣根帝督が原典を使用したことによる汚染侵食度も気になったが、
それ以上にステイルは"とある少女"の方が気掛かりでならなかった。
インデックス。垣根帝督が持っている霊装を使えば、彼女の体に深刻な負担が生じて意識不明になってしまう。
前例があるからそれは知っていた。第三次世界大戦時、遠隔制御霊装を右方のフィアンマが使用したことによって
彼女は散々な目に遭っている。
「・・・・・・垣根帝督」
「・・・・・・・・・・・・れで、・・・・・・倒・・・・・・」
「?」
ステイルの言葉は届いていない。代わりに、垣根は何か独り言をブツブツと呟いていた。
目から、耳から、鼻から、口から、ダラダラと血を垂れ流しながら独り言を呟く彼の姿は異様としか言えない。
視線もどこを向いているのか分からない。そもそも視力が機能しているのかも分からないような状態に見える。
176: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:12:57.47:Ptx+XsDNo (12/26)
ステイルは注意深く彼の言葉に耳を傾けてみる。
「・・・・・・・・・・・・この、力があれば・・・・・・守れ、る。 う、ぅ・・・・・・倒せ・・・・・・る・・・・・・。
だから、・・・・・・謝ってるだ、ろ・・・・・・・・・・・・。 "さっきからうるせえなこのガキ"・・・・・・」
「何だ? 何を言っている」
「・・・・・・守らなきゃ、俺」
瞬間、垣根は勢い良く『未元物質』の翼を展開させ飛翔し、あっという間にその場から姿を消してしまった。
「垣根!! クソッ・・・・・・!!!」
「ステイル、あなたは垣根帝督を追ってください。 後始末は私達でつけておきます」
「後始末?」
気がついた時には、ステイル達の周囲には『回収部隊』の残存勢力が姿を現していた。
垣根帝督の『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』から奇跡的に逃れたのだろう。
彼がいなくなった瞬間に現れたところから見ると、『回収部隊』は本来の目的を棄て、魔術師に狙いを切り替えたらしい。
「彼の事、よろしく頼みますよ。 事はあの子にも関わっているのですから」
「・・・・・・分かっているさ」
言って、ステイルも垣根を追うためにその場を後にした。
残ったのは神裂火織とヴェントだけ。たった二人で残りの『回収部隊』を相手にしなければならない。
ステイルは注意深く彼の言葉に耳を傾けてみる。
「・・・・・・・・・・・・この、力があれば・・・・・・守れ、る。 う、ぅ・・・・・・倒せ・・・・・・る・・・・・・。
だから、・・・・・・謝ってるだ、ろ・・・・・・・・・・・・。 "さっきからうるせえなこのガキ"・・・・・・」
「何だ? 何を言っている」
「・・・・・・守らなきゃ、俺」
瞬間、垣根は勢い良く『未元物質』の翼を展開させ飛翔し、あっという間にその場から姿を消してしまった。
「垣根!! クソッ・・・・・・!!!」
「ステイル、あなたは垣根帝督を追ってください。 後始末は私達でつけておきます」
「後始末?」
気がついた時には、ステイル達の周囲には『回収部隊』の残存勢力が姿を現していた。
垣根帝督の『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』から奇跡的に逃れたのだろう。
彼がいなくなった瞬間に現れたところから見ると、『回収部隊』は本来の目的を棄て、魔術師に狙いを切り替えたらしい。
「彼の事、よろしく頼みますよ。 事はあの子にも関わっているのですから」
「・・・・・・分かっているさ」
言って、ステイルも垣根を追うためにその場を後にした。
残ったのは神裂火織とヴェントだけ。たった二人で残りの『回収部隊』を相手にしなければならない。
177: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:14:09.44:Ptx+XsDNo (13/26)
神裂火織は七天七刀を構えなおし、『回収部隊』との最後の戦闘に備える。
目で確認できるファイブオーバーは五機。恐らくまだどこかに残存勢力が潜んでいるはずだ。
チラリと横にいるヴェントを見る。彼女はじっと夜に装飾された空を見上げていた。
「・・・・・・あれも、アンタらが呼んだお客さん?」
「?」
神裂もヴェントに習って空を見上げる。さっきまでの不気味な黒とは一転、
現在の空は赤く染まっていた。
否、それは染まっているのではなく、空中に赤い絨毯を敷いたように流れている。
「・・・・・・あれは、『グリフォン=スカイ』!? イギリスの攻城戦用移動要塞がなぜ学園都市に・・・・・・?
まさか、『王室派』まで動いているというのですか? この『天使同盟』が発端の件で・・・・・・」
「『天使同盟』の影響力くらい、アンタも知ってるんじゃないの?」
神裂火織は七天七刀を構えなおし、『回収部隊』との最後の戦闘に備える。
目で確認できるファイブオーバーは五機。恐らくまだどこかに残存勢力が潜んでいるはずだ。
チラリと横にいるヴェントを見る。彼女はじっと夜に装飾された空を見上げていた。
「・・・・・・あれも、アンタらが呼んだお客さん?」
「?」
神裂もヴェントに習って空を見上げる。さっきまでの不気味な黒とは一転、
現在の空は赤く染まっていた。
否、それは染まっているのではなく、空中に赤い絨毯を敷いたように流れている。
「・・・・・・あれは、『グリフォン=スカイ』!? イギリスの攻城戦用移動要塞がなぜ学園都市に・・・・・・?
まさか、『王室派』まで動いているというのですか? この『天使同盟』が発端の件で・・・・・・」
「『天使同盟』の影響力くらい、アンタも知ってるんじゃないの?」
178: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:15:19.60:Ptx+XsDNo (14/26)
言われるまでもなかった。神裂火織もヴェントも、『天使同盟』という世界の価値観を根本から
ひっくり返しかねない馬鹿げた組織と直に接触している。
彼らなら、例え英国王族だろうがなんだろうが動かせても不思議ではないと思わせる何かを持っている。
もしかしたら、『神』すら微笑むかもしれない。神裂は自分でも馬鹿な考えだと思ったが、
彼女の知らないところでその考えは的中することになる。
と、
「おい!!!」
「ッ!?」
一瞬の隙を突いてファイブオーバーの数機がガトリングレールガンを発射してきた。
神裂火織は聖人である。垣根帝督達と合流する前にもこの『回収部隊』と何度か交戦したが、
このガトリングレールガンは聖人の肉体を持つ神裂にすら手痛いダメージを負わせる威力を持ち合わせていた。
常人がガトリングレールガンを浴びれば数瞬も経たず肉片になる威力だ。
それを耐え切れる神裂も化物といえば化物だが、それでも無傷というわけにはいかなかった。
よって、今この瞬間の攻撃は避けきれないと覚悟を決め歯を食いしばったのだが、
言われるまでもなかった。神裂火織もヴェントも、『天使同盟』という世界の価値観を根本から
ひっくり返しかねない馬鹿げた組織と直に接触している。
彼らなら、例え英国王族だろうがなんだろうが動かせても不思議ではないと思わせる何かを持っている。
もしかしたら、『神』すら微笑むかもしれない。神裂は自分でも馬鹿な考えだと思ったが、
彼女の知らないところでその考えは的中することになる。
と、
「おい!!!」
「ッ!?」
一瞬の隙を突いてファイブオーバーの数機がガトリングレールガンを発射してきた。
神裂火織は聖人である。垣根帝督達と合流する前にもこの『回収部隊』と何度か交戦したが、
このガトリングレールガンは聖人の肉体を持つ神裂にすら手痛いダメージを負わせる威力を持ち合わせていた。
常人がガトリングレールガンを浴びれば数瞬も経たず肉片になる威力だ。
それを耐え切れる神裂も化物といえば化物だが、それでも無傷というわけにはいかなかった。
よって、今この瞬間の攻撃は避けきれないと覚悟を決め歯を食いしばったのだが、
179: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:16:27.46:Ptx+XsDNo (15/26)
「ゼロにする」
コココココン☆ と、何とも間抜けでコミカルな音が聞こえた。
信じ難い事に、神裂の頭にガトリングレールガンの連射が直撃した音だった。
遅れて、直径一メートル近い金属砲弾が神裂の足元に重厚な音を立てて落ちる。
「?」
『?』
神裂も、そして『回収部隊』も呆気に取られてポカンとしてしまう。
他のファイブオーバーが慌てて、今度はヴェントに照準を向けてガトリングレールガンを発射するが、
「それは先ほど"ゼロにした"はずだが?」
結果は同じだった。ヴェントの頭に直撃した、戦車なら三、四台程度縦に裂いて爆砕出来る威力の金属砲弾は
ヴェントの頭を吹き飛ばすことなく、虚しい音を立てて地面に転がる。
あまりに不可思議な現象を前に次のアクションが起こせない『回収部隊』がもたついていると、
「ゼロにする」
コココココン☆ と、何とも間抜けでコミカルな音が聞こえた。
信じ難い事に、神裂の頭にガトリングレールガンの連射が直撃した音だった。
遅れて、直径一メートル近い金属砲弾が神裂の足元に重厚な音を立てて落ちる。
「?」
『?』
神裂も、そして『回収部隊』も呆気に取られてポカンとしてしまう。
他のファイブオーバーが慌てて、今度はヴェントに照準を向けてガトリングレールガンを発射するが、
「それは先ほど"ゼロにした"はずだが?」
結果は同じだった。ヴェントの頭に直撃した、戦車なら三、四台程度縦に裂いて爆砕出来る威力の金属砲弾は
ヴェントの頭を吹き飛ばすことなく、虚しい音を立てて地面に転がる。
あまりに不可思議な現象を前に次のアクションが起こせない『回収部隊』がもたついていると、
180: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:17:41.69:Ptx+XsDNo (16/26)
ガシャンッ!!! と、ファイブオーバーの数機がまとめて薙ぎ払われた。
とてつもない力で振るわれた何かによって、ファイブオーバーは不自然な形で歪んでしまう。
「ソーロルムの術式・・・・・・、やはりあなたでしたか。 騎士団長」
「こんな形で貴女に再会するとはな。 女教皇(プリエステス)」
神裂の背後から現れた金髪の男、騎士団長は柔和な笑みを浮かべながら悠々と歩いて来る。
彼が発動した『ソーロルムの術式』によってガトリングレールガンの攻撃力が無効化されていたのだ。
そして、ついさっきファイブオーバーをまとめて吹き飛ばした大剣を担ぐ男を見て
ヴェントは大きく目を見開き驚いた。
「・・・・・・はぁ? アンタ、アックア? 何でアンタまでこんなところに来るのよ」
「む?」
アックアは周囲を警戒しながらヴェントの方に歩み寄る。
前方のヴェント、後方のアックア。この学園都市という科学の街で、元『神の右席』は
奇妙な邂逅を果たした。はずなのだが、
ガシャンッ!!! と、ファイブオーバーの数機がまとめて薙ぎ払われた。
とてつもない力で振るわれた何かによって、ファイブオーバーは不自然な形で歪んでしまう。
「ソーロルムの術式・・・・・・、やはりあなたでしたか。 騎士団長」
「こんな形で貴女に再会するとはな。 女教皇(プリエステス)」
神裂の背後から現れた金髪の男、騎士団長は柔和な笑みを浮かべながら悠々と歩いて来る。
彼が発動した『ソーロルムの術式』によってガトリングレールガンの攻撃力が無効化されていたのだ。
そして、ついさっきファイブオーバーをまとめて吹き飛ばした大剣を担ぐ男を見て
ヴェントは大きく目を見開き驚いた。
「・・・・・・はぁ? アンタ、アックア? 何でアンタまでこんなところに来るのよ」
「む?」
アックアは周囲を警戒しながらヴェントの方に歩み寄る。
前方のヴェント、後方のアックア。この学園都市という科学の街で、元『神の右席』は
奇妙な邂逅を果たした。はずなのだが、
181: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:18:41.35:Ptx+XsDNo (17/26)
「何者だ貴様? なぜ『後方』としての私の名を知っている?
・・・・・・女教皇と一緒である所をみると、貴様も天草式の魔術師であるか?」
「アンタ何言ってんの? 私よ、前方のヴェント。 ・・・・・・ま、別に忘れててもいいけど」
「・・・・・・ふむ? 確かにその舌先にぶら下がっている鎖や耳に取り付けてある銀のピアスは
『神の子』を十字架に縫い止める『釘』の属性、あの子が好んで使っていたものであるが・・・・・・」
「何よ?」
ふーむ・・・・・・とアックアにしては珍しい、顎に手を添えて首を傾げながら物を考えるという仕草をする。
そんな彼の様子を神裂も騎士団長も物珍しげに眺めていると、
「いや、しかしだな。 私の知っている前方のヴェントは"こんなに可愛さ溢れる少女"ではないのであるが。
ヴェントと言えば見ている方もキツいほどの濃い化粧に、属性の関係上仕方が無いとはいえ女っ気のない
真黄色の衣服。 そして声をかける者全てに等しく罵詈雑言を浴びせるという何とも憎たらしい少女であって、
決して貴様のような『異性に恋してイメチェンしてみました』みたいな、そんな格好はしておらゴボォッッ!!?」
メリッ!!グチャァッ!! と、あまり聞きたくない音が鳴り響く。
手に持っていた有刺鉄線付きのハンマーを、顔真っ赤なヴェントが思い切りアックアの頭に叩き込んだ音だった。
「何者だ貴様? なぜ『後方』としての私の名を知っている?
・・・・・・女教皇と一緒である所をみると、貴様も天草式の魔術師であるか?」
「アンタ何言ってんの? 私よ、前方のヴェント。 ・・・・・・ま、別に忘れててもいいけど」
「・・・・・・ふむ? 確かにその舌先にぶら下がっている鎖や耳に取り付けてある銀のピアスは
『神の子』を十字架に縫い止める『釘』の属性、あの子が好んで使っていたものであるが・・・・・・」
「何よ?」
ふーむ・・・・・・とアックアにしては珍しい、顎に手を添えて首を傾げながら物を考えるという仕草をする。
そんな彼の様子を神裂も騎士団長も物珍しげに眺めていると、
「いや、しかしだな。 私の知っている前方のヴェントは"こんなに可愛さ溢れる少女"ではないのであるが。
ヴェントと言えば見ている方もキツいほどの濃い化粧に、属性の関係上仕方が無いとはいえ女っ気のない
真黄色の衣服。 そして声をかける者全てに等しく罵詈雑言を浴びせるという何とも憎たらしい少女であって、
決して貴様のような『異性に恋してイメチェンしてみました』みたいな、そんな格好はしておらゴボォッッ!!?」
メリッ!!グチャァッ!! と、あまり聞きたくない音が鳴り響く。
手に持っていた有刺鉄線付きのハンマーを、顔真っ赤なヴェントが思い切りアックアの頭に叩き込んだ音だった。
182: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:19:49.89:Ptx+XsDNo (18/26)
――――――――――――――――――――――
(・・・・・・あれって、イギリスのクーデターの時に見た移動要塞だよな・・・・・・!?
グリフォン=スカイだったか。 なんであんな物が学園都市に・・・・・・?)
上条当麻は第一九学区の外周をなぞるようにぐるりと走っていた。
上空にはキャーリサ達が引き連れた攻城戦用移動要塞がカラスの群れのように
学園都市の空を横断している。
そしてその空は、今は『夜』に切り替わっていた。
(『天体制御(アストロインハンド)』・・・・・・、なんであの天使の術式が今ここで起きてんだよ!?
まさか第一九学区じゃ大天使が暴れまわってるってのか!? ちくしょう、何だか想像以上に
洒落にならない事態になってるじゃねえか!!)
ぜぇぜぇと荒い呼吸を繰り返しながら上条はひたすらに光のカーテンの側を駆け抜ける。
もちろん、何の目的もなく彼は走っているのではない。
上条当麻の前方、そこには銀髪のシスターが上条と同じように全力疾走していた。
彼はインデックスを追うために走り回っているのだ。
――――――――――――――――――――――
(・・・・・・あれって、イギリスのクーデターの時に見た移動要塞だよな・・・・・・!?
グリフォン=スカイだったか。 なんであんな物が学園都市に・・・・・・?)
上条当麻は第一九学区の外周をなぞるようにぐるりと走っていた。
上空にはキャーリサ達が引き連れた攻城戦用移動要塞がカラスの群れのように
学園都市の空を横断している。
そしてその空は、今は『夜』に切り替わっていた。
(『天体制御(アストロインハンド)』・・・・・・、なんであの天使の術式が今ここで起きてんだよ!?
まさか第一九学区じゃ大天使が暴れまわってるってのか!? ちくしょう、何だか想像以上に
洒落にならない事態になってるじゃねえか!!)
ぜぇぜぇと荒い呼吸を繰り返しながら上条はひたすらに光のカーテンの側を駆け抜ける。
もちろん、何の目的もなく彼は走っているのではない。
上条当麻の前方、そこには銀髪のシスターが上条と同じように全力疾走していた。
彼はインデックスを追うために走り回っているのだ。
183: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:20:50.10:Ptx+XsDNo (19/26)
「はっ・・・・・・はっ・・・・・・! おい、待てよインデックス!!」
「とうま、急いで!!」
インデックスが急に上条の側を離れて走りだしたのは、突然第一九学区から飛び出してきた
『光の柱』を見てからだった。
上条はその光の柱を見て悪寒が走っていた。あれは確か、第三次世界大戦でフィアンマが使用していた
『自動書記』の魔術の一種だったはずだ。
つまり今、第一九学区にいる誰かがあの忌々しい遠隔制御霊装を使用しているということになる。
しかし、
(・・・・・・だったら何でインデックスの体に何の異変も起きねえんだ? 今のインデックスには
確か『首輪』の保護がないから『自動書記』が外部から干渉されたらインデックスは意識を
失っちまうはずなんだけど・・・・・・)
それが理由で彼は戦場であるロシアに単身で乗り込んだのだ。
だからこそ、第一九学区で誰かがあの霊装を使用しているというのにインデックスに
何の異変も生じないというのはおかしな話だった。
「はっ・・・・・・はっ・・・・・・! おい、待てよインデックス!!」
「とうま、急いで!!」
インデックスが急に上条の側を離れて走りだしたのは、突然第一九学区から飛び出してきた
『光の柱』を見てからだった。
上条はその光の柱を見て悪寒が走っていた。あれは確か、第三次世界大戦でフィアンマが使用していた
『自動書記』の魔術の一種だったはずだ。
つまり今、第一九学区にいる誰かがあの忌々しい遠隔制御霊装を使用しているということになる。
しかし、
(・・・・・・だったら何でインデックスの体に何の異変も起きねえんだ? 今のインデックスには
確か『首輪』の保護がないから『自動書記』が外部から干渉されたらインデックスは意識を
失っちまうはずなんだけど・・・・・・)
それが理由で彼は戦場であるロシアに単身で乗り込んだのだ。
だからこそ、第一九学区で誰かがあの霊装を使用しているというのにインデックスに
何の異変も生じないというのはおかしな話だった。
184: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:21:49.91:Ptx+XsDNo (20/26)
次々と湧き上がる疑問に上条が頭を抱えていると、
「居た!! あの人なんだよとうま!!」
「!?」
インデックスはある場所で足を止め、光のカーテンの向こう側を見て指を差す。
上条がそちらの方に視線を向けた瞬間、ゴォッッ!!! と何かが凄まじいスピードで彼らの前を横切った。
その人影の背中からは、純白の天使の翼が生えていて。
「・・・・・・今の、もしかして天使か!?」
「違うんだよ、"彼"からは『天使の力(テレズマ)』は感じなかった。 ・・・・・・でも今の人が
私の中の一〇万三〇〇〇冊からどんどん情報を引き出してる・・・・・・!!」
インデックスの声は震えていた。見れば、彼女の碧眼には涙が溜まっていた。
次々と湧き上がる疑問に上条が頭を抱えていると、
「居た!! あの人なんだよとうま!!」
「!?」
インデックスはある場所で足を止め、光のカーテンの向こう側を見て指を差す。
上条がそちらの方に視線を向けた瞬間、ゴォッッ!!! と何かが凄まじいスピードで彼らの前を横切った。
その人影の背中からは、純白の天使の翼が生えていて。
「・・・・・・今の、もしかして天使か!?」
「違うんだよ、"彼"からは『天使の力(テレズマ)』は感じなかった。 ・・・・・・でも今の人が
私の中の一〇万三〇〇〇冊からどんどん情報を引き出してる・・・・・・!!」
インデックスの声は震えていた。見れば、彼女の碧眼には涙が溜まっていた。
185: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:23:07.46:Ptx+XsDNo (21/26)
「・・・・・・止めないと・・・・・・」
「インデックス・・・・・・」
「あの人の思考が、少しだけど私の頭にも流れてくる。 ・・・・・・あの人は
一〇万三〇〇〇冊の原典の力を使って大切な何かを守ろうとしてるんだよ・・・・・・。
でも、こんなの絶対間違ってる・・・・・・。 大切なものを想う強い気持ちがあるなら
こんな魔道書に頼らなくても絶対に守れるのに・・・・・・!!! このままじゃあの人、
『原典』の毒に侵されて・・・・・・私のせいで・・・・・・死んじゃうんだよ・・・・・・」
インデックスは光のカーテンに手をついて項垂れた。
表情は見えないが、ぽたぽたと彼女の瞳から雫が零れているのが窺える。
(・・・・・・馬鹿野郎)
上条当麻はギュッと右手を握り締め、さっき横切った誰とも知らぬ人間に
静かに怒る。
インデックスを泣かせた事による怒りだけではない、何かを守るという強い信念を持ち合わせていながら
『原典』というくだらない代物を使って我が身を省みず、という方法をとった事に怒っているのだ。
「・・・・・・止めないと・・・・・・」
「インデックス・・・・・・」
「あの人の思考が、少しだけど私の頭にも流れてくる。 ・・・・・・あの人は
一〇万三〇〇〇冊の原典の力を使って大切な何かを守ろうとしてるんだよ・・・・・・。
でも、こんなの絶対間違ってる・・・・・・。 大切なものを想う強い気持ちがあるなら
こんな魔道書に頼らなくても絶対に守れるのに・・・・・・!!! このままじゃあの人、
『原典』の毒に侵されて・・・・・・私のせいで・・・・・・死んじゃうんだよ・・・・・・」
インデックスは光のカーテンに手をついて項垂れた。
表情は見えないが、ぽたぽたと彼女の瞳から雫が零れているのが窺える。
(・・・・・・馬鹿野郎)
上条当麻はギュッと右手を握り締め、さっき横切った誰とも知らぬ人間に
静かに怒る。
インデックスを泣かせた事による怒りだけではない、何かを守るという強い信念を持ち合わせていながら
『原典』というくだらない代物を使って我が身を省みず、という方法をとった事に怒っているのだ。
186: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:24:06.02:Ptx+XsDNo (22/26)
(バッカ野郎が・・・・・・!!)
とにかくここで立ち止まっている暇はない。
上条はインデックスに早く今の馬鹿野郎を追うぞ、と声をかけようとして、
「・・・・・・上条当麻?」
「え?」
光の壁の向こうから、自分を呼ぶ声が聞こえた。
上条とインデックスは壁の向こう側から声をかけてきた人物を見て目を丸くする。
「す、ステイル!!? 何でお前、どうやって第一九学区に入ったんだよ!?」
上条の問いに赤い髪の魔術師は答えなかった。
ただ彼は肩で息をしながら、意識を失う事なくピンピンしているインデックスを
唖然とした表情で凝視するだけだった。
(バッカ野郎が・・・・・・!!)
とにかくここで立ち止まっている暇はない。
上条はインデックスに早く今の馬鹿野郎を追うぞ、と声をかけようとして、
「・・・・・・上条当麻?」
「え?」
光の壁の向こうから、自分を呼ぶ声が聞こえた。
上条とインデックスは壁の向こう側から声をかけてきた人物を見て目を丸くする。
「す、ステイル!!? 何でお前、どうやって第一九学区に入ったんだよ!?」
上条の問いに赤い髪の魔術師は答えなかった。
ただ彼は肩で息をしながら、意識を失う事なくピンピンしているインデックスを
唖然とした表情で凝視するだけだった。
187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 23:32:14.95:KKs2K/vCo (1/1)
…… これにしたらどうだ
…… これにしたらどうだ
188: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:34:55.52:Ptx+XsDNo (23/26)
以上です。
『グラストンベリ』自体は別に強化が施される効果はないですね、間違えました。
ついに第一九学区に役者が全員揃いました。
一方通行と風斬、キャーリサは悪魔と。神裂火織、騎士団長、ヴェント、アックアは回収部隊の残存勢力と。
ステイルは垣根帝督を追って。上条とインデックスは舞台に上がれないので役者ではないです。浜面たちも。
正確にはまだ全員揃ったとは言い難いですが、もうこれ以上第一九学区にキャラが増えることはないです、多分。
次回はステイルと上条のシーンから。アレイスターやエイワスにもカメラを向けます。
次回更新は三日以内。
それでは、今回もありがとうございました!
キャーリサ達は来るのちょっと遅かったですねー・・・・・・
以上です。
『グラストンベリ』自体は別に強化が施される効果はないですね、間違えました。
ついに第一九学区に役者が全員揃いました。
一方通行と風斬、キャーリサは悪魔と。神裂火織、騎士団長、ヴェント、アックアは回収部隊の残存勢力と。
ステイルは垣根帝督を追って。上条とインデックスは舞台に上がれないので役者ではないです。浜面たちも。
正確にはまだ全員揃ったとは言い難いですが、もうこれ以上第一九学区にキャラが増えることはないです、多分。
次回はステイルと上条のシーンから。アレイスターやエイワスにもカメラを向けます。
次回更新は三日以内。
それでは、今回もありがとうございました!
キャーリサ達は来るのちょっと遅かったですねー・・・・・・
189:次回予告はここまでです。 ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:35:29.18:Ptx+XsDNo (24/26)
【次回予告】
『いや・・・・・・なんかさ、昨日俺とインデックスが晩飯食おうとした時に訪ねてきたんだよ。
クイトって名前の魔術師が。 全身真っ白のローブ着てたから顔とかは見てないんだけど』
―――――――――――学園都市の無能力者(レベル0)・上条当麻
『クイト・・・・・・? ・・・・・・・・・・・・で、その魔術師は君たちに何の用件で現れたんだ』
―――――――――――イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』の魔術師・ステイル=マグヌス
『・・・・・・「汝の欲する所を為せ。 それが汝の法とならん」。 ・・・・・・この言葉の真意に辿り着かない限り、
たかが超能力者が・・・・・・私の、「セレマ」の意志を引き継げるものか!!!』
―――――――――――学園都市統括理事長・アレイスター=クロウリー
『一方通行は間もなく「ホルス」に足を踏み入れる。
そこから先がどうなるかは私にも分からないと言っているのだよ。
くくく・・・・・・どうだろうアレイスター。 わくわくしてこないかね?』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・エイワス
【次回予告】
『いや・・・・・・なんかさ、昨日俺とインデックスが晩飯食おうとした時に訪ねてきたんだよ。
クイトって名前の魔術師が。 全身真っ白のローブ着てたから顔とかは見てないんだけど』
―――――――――――学園都市の無能力者(レベル0)・上条当麻
『クイト・・・・・・? ・・・・・・・・・・・・で、その魔術師は君たちに何の用件で現れたんだ』
―――――――――――イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』の魔術師・ステイル=マグヌス
『・・・・・・「汝の欲する所を為せ。 それが汝の法とならん」。 ・・・・・・この言葉の真意に辿り着かない限り、
たかが超能力者が・・・・・・私の、「セレマ」の意志を引き継げるものか!!!』
―――――――――――学園都市統括理事長・アレイスター=クロウリー
『一方通行は間もなく「ホルス」に足を踏み入れる。
そこから先がどうなるかは私にも分からないと言っているのだよ。
くくく・・・・・・どうだろうアレイスター。 わくわくしてこないかね?』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・エイワス
190: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:38:27.15:Ptx+XsDNo (25/26)
>>187
ありがとうございます。そっちの方が読みやすいですかね?
でしたら結構時間かかりますが書き溜め分全てに修正を入れますが
>>187
ありがとうございます。そっちの方が読みやすいですかね?
でしたら結構時間かかりますが書き溜め分全てに修正を入れますが
191:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県):2011/05/26(木) 23:39:44.27:p8llYAG70 (1/1)
乙です
乙です
192:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/05/26(木) 23:41:28.23:QDGUkdGeo (1/1)
乙!
…は正直どっちでもいいや
上条さんが垣根にフラグ建てるかと思ったけどそんなことなかったぜ!
乙!
…は正直どっちでもいいや
上条さんが垣根にフラグ建てるかと思ったけどそんなことなかったぜ!
193:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 23:44:07.99:aPlLYE4To (1/1)
>>190
別に大丈夫だと思う
あと、もし修正するならメモ帳とかで置換使えば一瞬ですむ
>>190
別に大丈夫だと思う
あと、もし修正するならメモ帳とかで置換使えば一瞬ですむ
194:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海):2011/05/26(木) 23:44:28.49:vx/DV45AO (1/1)
>>190
そこまで気にすることじゃ無いと思いますよ
普通に読めますし
何かていとくんも一方さんもとんでもない事になってる
>>190
そこまで気にすることじゃ無いと思いますよ
普通に読めますし
何かていとくんも一方さんもとんでもない事になってる
195:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2011/05/26(木) 23:44:40.93:ImVyxPGSo (1/1)
乙
三点リーダーは……の方が読みやすいけど、確か最初の方で・・・・・・・でこれは統一するって決まってたんじゃなかったか
てかそこまで気にならないからおk
乙
三点リーダーは……の方が読みやすいけど、確か最初の方で・・・・・・・でこれは統一するって決まってたんじゃなかったか
てかそこまで気にならないからおk
196:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2011/05/26(木) 23:44:42.04:A3rYvP4L0 (1/1)
…は俺もどっちでも良いな。
一応、修正する気ならフリーのテキストエディタを落としてきて置換機能を使う手もある
…は俺もどっちでも良いな。
一応、修正する気ならフリーのテキストエディタを落としてきて置換機能を使う手もある
197:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/26(木) 23:46:40.52:TnoIYzeAO (1/1)
乙です。
前スレの
垣根の行動のせいでインデックスが泣く、みたいなくだりはここのことを言っていたんですかね?
乙です。
前スレの
垣根の行動のせいでインデックスが泣く、みたいなくだりはここのことを言っていたんですかね?
198: ◆3dKAx7itpI:2011/05/26(木) 23:48:07.31:Ptx+XsDNo (26/26)
貴重なご意見ありがとうございます!参考にさせていただきます。
では改めて、次回もよろしくお願いします。
貴重なご意見ありがとうございます!参考にさせていただきます。
では改めて、次回もよろしくお願いします。
199:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方):2011/05/26(木) 23:51:00.86:Hkvw7Nzjo (1/1)
乙!ヴェントちゃん可愛い!
乙!ヴェントちゃん可愛い!
200:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/05/26(木) 23:52:33.85:90GBixQAO (1/1)
乙
相変わらず熱いぜ
乙
相変わらず熱いぜ
201:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 23:56:41.21:jOKNWo9DO (1/1)
“・・・”は個人的には気にしてませんので>>1さんのやりやすい方で良いと思います
願わくば誰も泣かないハッピーエンドを…!
“・・・”は個人的には気にしてませんので>>1さんのやりやすい方で良いと思います
願わくば誰も泣かないハッピーエンドを…!
202:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/05/27(金) 00:02:58.67:glxShxJ/o (1/1)
乙
状況がひでえ
ていとくんとか燃え尽きそうだ
乙
状況がひでえ
ていとくんとか燃え尽きそうだ
203:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県):2011/05/27(金) 00:06:54.33:gR8+NAa60 (1/1)
ていとくンもう死んでるよね絶対コレ
ていとくンもう死んでるよね絶対コレ
204:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/27(金) 00:17:51.70:4Afa3D/mo (1/1)
フルチンのおっさんか!
って読んでしまったw
フルチンのおっさんか!
って読んでしまったw
205:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2011/05/27(金) 01:29:13.32:K0SyBezK0 (1/1)
>>1乙
垣根も一方さんもやばいことになっててうわああああってなる
あとウィリアムェ…
>>1乙
垣根も一方さんもやばいことになっててうわああああってなる
あとウィリアムェ…
206:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/27(金) 02:39:52.59:Su7oTbTmo (1/1)
乙!
インデックスが無事そうなのに一安心……してる場合じゃないな
しかし色々ヤバ気な中でもヴェントちゃん可愛いちゅっちゅっ
乙!
インデックスが無事そうなのに一安心……してる場合じゃないな
しかし色々ヤバ気な中でもヴェントちゃん可愛いちゅっちゅっ
207:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/27(金) 03:47:45.55:kEId6N4Io (1/1)
ていとくんのダークマターがステイル以下ってのが納得いかない
ていとくんのダークマターがステイル以下ってのが納得いかない
208:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2011/05/27(金) 03:50:43.33:sXW33Tpfo (1/1)
相性の問題だろ
ましてや相手はなんやかんや言ったところでパチモンだ
相性の問題だろ
ましてや相手はなんやかんや言ったところでパチモンだ
209:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東):2011/05/27(金) 06:55:20.27:vbAkvDTAO (1/1)
この時のためにエイワスがのーみそこねこねしてたのか
この時のためにエイワスがのーみそこねこねしてたのか
210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/27(金) 07:04:41.88:xvv5RTBL0 (1/3)
乙!!
アックアwwwwwwwww
乙!!
アックアwwwwwwwww
211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/27(金) 07:16:56.15:FxYz+o8So (1/1)
>>207
ステイルさんじゅうよんさいも一応天才設定なんだぞ!
本人が打たれ弱い以外はかなり強いはずなんだ!
>>207
ステイルさんじゅうよんさいも一応天才設定なんだぞ!
本人が打たれ弱い以外はかなり強いはずなんだ!
212:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/27(金) 11:31:04.68:P0chmI8SO (1/3)
まぁ、ステイルさんにガトリングレールガンを避ける事が出来るのかは疑問ですが
まぁ、ステイルさんにガトリングレールガンを避ける事が出来るのかは疑問ですが
213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/27(金) 11:31:53.69:P0chmI8SO (2/3)
まぁ、ステイルさんにガトリングレールガンを避ける事が出来るのかは疑問ですが
まぁ、ステイルさんにガトリングレールガンを避ける事が出来るのかは疑問ですが
214:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/27(金) 11:32:49.08:P0chmI8SO (3/3)
連投すまん
連投すまん
215:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/27(金) 12:38:15.24:iLkrix8SO (1/1)
自重しろゴミ屑
自重しろゴミ屑
216:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/27(金) 13:23:59.33:AIv/JpXs0 (1/1)
イノケンさんを盾にすれば大抵の攻撃は防げる……はず
てか、さすがにレールガン直撃ったら聖人でも死なないか
イノケンさんを盾にすれば大抵の攻撃は防げる……はず
てか、さすがにレールガン直撃ったら聖人でも死なないか
217:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/27(金) 17:14:47.21:kKqERtlIO (1/1)
>>216
モロに当たっても死にはしないけど重傷だな
今の所直撃はないしいいだろう
>>216
モロに当たっても死にはしないけど重傷だな
今の所直撃はないしいいだろう
218:161です:2011/05/27(金) 18:26:29.46:7eNwj28T0 (1/1)
>>161です
今日決意しました
俺・・SS書きます!
ここの>>1においつけるように頑張っていきます
そして最後に
>>170、あなたのおかげで勇気がわきました。
本当にありがとうございました!
>>161です
今日決意しました
俺・・SS書きます!
ここの>>1においつけるように頑張っていきます
そして最後に
>>170、あなたのおかげで勇気がわきました。
本当にありがとうございました!
219:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/27(金) 19:49:43.05:oQPfYpxT0 (1/1)
どうしてもフルティンと読んでしまう
脳が毒にやられてるな
どうしてもフルティンと読んでしまう
脳が毒にやられてるな
220:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/27(金) 21:00:27.63:xvv5RTBL0 (2/3)
ndjfaknksg219bhbdhkfbzj同意見nslkjgfnskdljnnk
ndjfaknksg219bhbdhkfbzj同意見nslkjgfnskdljnnk
221:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/27(金) 21:23:44.89:gAQlsgRP0 (1/1)
アックアは敵と戦う前に死んだな。
それにしてもていとくンまた死ぬのかな?
※219
ここに俺の仲間がいたwwwwwwwwww
よかった。フルティンと読んでしまうのが俺だけじゃなくてwwww
※218
おおマジですか。頑張ってください、応援します!
アックアは敵と戦う前に死んだな。
それにしてもていとくンまた死ぬのかな?
※219
ここに俺の仲間がいたwwwwwwwwww
よかった。フルティンと読んでしまうのが俺だけじゃなくてwwww
※218
おおマジですか。頑張ってください、応援します!
222:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/27(金) 21:31:52.83:qkfyCK45P (1/1)
最近ほんと臭くなったなここ
最近ほんと臭くなったなここ
223:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/27(金) 22:04:00.87:xvv5RTBL0 (3/3)
↑大丈夫だ、問題ない
↑大丈夫だ、問題ない
224:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/05/27(金) 22:47:40.09:FsSW9wPro (1/1)
乙、今回も面白!
うしおととらの最終戦を思い出した。
乙、今回も面白!
うしおととらの最終戦を思い出した。
225:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/27(金) 23:03:25.60:DjfPA1sp0 (1/1)
>>222
これがあればなにもこわくない
つ【消○力】
きっとお前んちトイレ壊れてるんだよ
いい意味でも悪い意味でもいろんな人が読んでくれてるってことだろ。きっと。
>>222
これがあればなにもこわくない
つ【消○力】
きっとお前んちトイレ壊れてるんだよ
いい意味でも悪い意味でもいろんな人が読んでくれてるってことだろ。きっと。
226: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 16:58:57.27:Ke7nglJHo (1/27)
そ、そりゃもうステイルも神裂もガトリングレールガンなんて
見てから昇竜余裕でしたってなもんでしょう・・・・・・うん・・・・・・
まあその、こんなところで死なれても困るのでそれでお願いします。
都合よくて申し訳ない。
そんなわけで投下しに来ました。
今回はステイル、上条、インデックスというこのSSでは珍しいキャラからのスタートになります。
遠隔制御霊装を使用されても無事だったインデックスを見たステイルは・・・・・・。
では、いきます。
そ、そりゃもうステイルも神裂もガトリングレールガンなんて
見てから昇竜余裕でしたってなもんでしょう・・・・・・うん・・・・・・
まあその、こんなところで死なれても困るのでそれでお願いします。
都合よくて申し訳ない。
そんなわけで投下しに来ました。
今回はステイル、上条、インデックスというこのSSでは珍しいキャラからのスタートになります。
遠隔制御霊装を使用されても無事だったインデックスを見たステイルは・・・・・・。
では、いきます。
227: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 16:59:35.94:Ke7nglJHo (2/27)
今頃インデックスは垣根帝督が『自動書記』の遠隔制御霊装を使用した事によって
第三次世界大戦時のようにぐったりと意識を失っていると思っていた。
だが彼女の側には上条当麻がいつでも居る。ステイルからすればそれはそれで腹ただしい事だったが、
彼がいるからインデックスについては任せておけると思っていた。
だからこそ、今自分の目の前で、自分と同じように肩で息をしているインデックスを見て
ステイルは呆気にとられるしかなかった。
「・・・・・・な、ぜ。 君は無事なんだ・・・・・・?」
「・・・・・・私のことなんてどうでもいいんだよ。 それより早くあの人を、
私の原典の渦に飛び込んでいる彼を・・・・・・」
「ステイル、『自動書記』の遠隔制御霊装を使ってるのは誰なんだ!?
あの霊装は俺が『幻想殺し』でぶち壊したはずなのに・・・・・・!!」
光のカーテンを挟んで会話をする三人。こうしている間にも垣根帝督は
原典の毒に侵されながらどこかへ移動している。
そんな彼の想いは、耐えず断片的にインデックスの頭の中に流れ込んでいた。
今頃インデックスは垣根帝督が『自動書記』の遠隔制御霊装を使用した事によって
第三次世界大戦時のようにぐったりと意識を失っていると思っていた。
だが彼女の側には上条当麻がいつでも居る。ステイルからすればそれはそれで腹ただしい事だったが、
彼がいるからインデックスについては任せておけると思っていた。
だからこそ、今自分の目の前で、自分と同じように肩で息をしているインデックスを見て
ステイルは呆気にとられるしかなかった。
「・・・・・・な、ぜ。 君は無事なんだ・・・・・・?」
「・・・・・・私のことなんてどうでもいいんだよ。 それより早くあの人を、
私の原典の渦に飛び込んでいる彼を・・・・・・」
「ステイル、『自動書記』の遠隔制御霊装を使ってるのは誰なんだ!?
あの霊装は俺が『幻想殺し』でぶち壊したはずなのに・・・・・・!!」
光のカーテンを挟んで会話をする三人。こうしている間にも垣根帝督は
原典の毒に侵されながらどこかへ移動している。
そんな彼の想いは、耐えず断片的にインデックスの頭の中に流れ込んでいた。
228: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:00:31.67:Ke7nglJHo (3/27)
「・・・・・・止めないと、絶対に・・・・・・!!」
「あ、おい!」
目元の涙をゴシゴシと拭い、インデックスは再び走りだした。
上条は制止しようとするがその前にステイルに聞いておかなければならないことがある。
「上条当麻、」
「おいステイル、何だってまたあのクソったれの霊装が使われてんだよ!?
さっき飛んでたあいつは何者なんだ? どこの魔術結社の魔術師なんだ!」
「・・・・・・君が知る必要はない。 なぜだか分からないが、あの子は無事だった。
それなら僕は彼を止めることだけに専念できる」
「知る必要はないってなんだよ!!! インデックスに関わることなんだぞ!!」
ダンッ!! と右手で光の壁を叩きながら激昂する上条。
相変わらず、右手の『幻想殺し』に反応して壁が壊れるということはなかった。
ステイルは煙草を吹かしながら努めて冷静になり、上条に返答する。
「・・・・・・止めないと、絶対に・・・・・・!!」
「あ、おい!」
目元の涙をゴシゴシと拭い、インデックスは再び走りだした。
上条は制止しようとするがその前にステイルに聞いておかなければならないことがある。
「上条当麻、」
「おいステイル、何だってまたあのクソったれの霊装が使われてんだよ!?
さっき飛んでたあいつは何者なんだ? どこの魔術結社の魔術師なんだ!」
「・・・・・・君が知る必要はない。 なぜだか分からないが、あの子は無事だった。
それなら僕は彼を止めることだけに専念できる」
「知る必要はないってなんだよ!!! インデックスに関わることなんだぞ!!」
ダンッ!! と右手で光の壁を叩きながら激昂する上条。
相変わらず、右手の『幻想殺し』に反応して壁が壊れるということはなかった。
ステイルは煙草を吹かしながら努めて冷静になり、上条に返答する。
229: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:01:56.60:Ke7nglJHo (4/27)
「あの子の頭の中に、霊装を使っている者の思考が漏れているはずだ。
後日、あの子から直接聞いてくれ。 僕の口からは何も言えない。
色々と面倒な事になりそうなんでね。 というか、むしろ僕のほうが
聞きたいくらいだよ。 どうやってあいつはあの霊装を・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・ッ!! ・・・・・・第一九学区で今なにが起きてんだ?
まだ夕方前後だってのに夜になってるのはそこに天使がいるからなんだろ?
もしかして誰かがそこに天使を呼び出して学園都市を攻めてきたとかか!?」
「・・・・・・今は全てを説明している時間はない」
ステイルの冷たく突き放すような言葉に上条は歯噛みする。
もはや自分たちは、少なくともインデックスは無関係ではなくなってしまったというのに。
尚もこの一連の騒ぎに一切関われない自分自身に腹がたつ。
垣根帝督を止めるためにその場を後にしようとしたステイルが、上条に尋ねた。
「一つ聞きたい。 前日・・・・・・いや、ここ数日でもいい。
君とあの子のどちらか、或いは両者に何か変わったことはなかったか?」
「あの子の頭の中に、霊装を使っている者の思考が漏れているはずだ。
後日、あの子から直接聞いてくれ。 僕の口からは何も言えない。
色々と面倒な事になりそうなんでね。 というか、むしろ僕のほうが
聞きたいくらいだよ。 どうやってあいつはあの霊装を・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・ッ!! ・・・・・・第一九学区で今なにが起きてんだ?
まだ夕方前後だってのに夜になってるのはそこに天使がいるからなんだろ?
もしかして誰かがそこに天使を呼び出して学園都市を攻めてきたとかか!?」
「・・・・・・今は全てを説明している時間はない」
ステイルの冷たく突き放すような言葉に上条は歯噛みする。
もはや自分たちは、少なくともインデックスは無関係ではなくなってしまったというのに。
尚もこの一連の騒ぎに一切関われない自分自身に腹がたつ。
垣根帝督を止めるためにその場を後にしようとしたステイルが、上条に尋ねた。
「一つ聞きたい。 前日・・・・・・いや、ここ数日でもいい。
君とあの子のどちらか、或いは両者に何か変わったことはなかったか?」
230: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:02:52.39:Ke7nglJHo (5/27)
「? どういう意味だ?」
「今、遠隔制御霊装を使っている彼はほぼ完全に『禁書目録』を掌握している。
あそこまで干渉してあの子に何の異変もないというのはあまりに不自然だ。
あの子自身に"何らかの処置を施しでもしない限り"は、ね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・、あ」
上条は自分たちの日常に介入してきた異変が無かったかと記憶を巡らせていると、
ある出来事を思い出した。あれは確か昨日だったか、突如として自分達の前に現れた謎の人物。
「・・・・・・クイト、だっけ」
「?」
「いや・・・・・・なんかさ、昨日俺とインデックスが晩飯食おうとした時に訪ねてきたんだよ。
クイトって名前の魔術師が。 全身真っ白のローブ着てたから顔とかは見てないんだけど」
「クイト・・・・・・? ・・・・・・・・・・・・で、その魔術師は君たちに何の用件で現れたんだ」
ステイルはあからさまに訝し気な表情を作ってみせる。
全身を白のローブで包んだ顔も見せない魔術師など、どうぞ怪しんでくださいと言っているようなものだ。
「? どういう意味だ?」
「今、遠隔制御霊装を使っている彼はほぼ完全に『禁書目録』を掌握している。
あそこまで干渉してあの子に何の異変もないというのはあまりに不自然だ。
あの子自身に"何らかの処置を施しでもしない限り"は、ね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・、あ」
上条は自分たちの日常に介入してきた異変が無かったかと記憶を巡らせていると、
ある出来事を思い出した。あれは確か昨日だったか、突如として自分達の前に現れた謎の人物。
「・・・・・・クイト、だっけ」
「?」
「いや・・・・・・なんかさ、昨日俺とインデックスが晩飯食おうとした時に訪ねてきたんだよ。
クイトって名前の魔術師が。 全身真っ白のローブ着てたから顔とかは見てないんだけど」
「クイト・・・・・・? ・・・・・・・・・・・・で、その魔術師は君たちに何の用件で現れたんだ」
ステイルはあからさまに訝し気な表情を作ってみせる。
全身を白のローブで包んだ顔も見せない魔術師など、どうぞ怪しんでくださいと言っているようなものだ。
231: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:03:57.87:Ke7nglJHo (6/27)
上条は慎重に当時の出来事を思い浮かべながら話を続ける。
「そいつはインデックスの頭にある一〇万三〇〇〇冊の魔導書に用があってきたって言ってた。
なんでも、フィアンマが使った遠隔制御霊装の負担の後遺症? みたいなのが残ってるから
それを治療しに来たって・・・・・・。 治療しないと後遺症によるが脳に至ってインデックスが
死んじまう・・・・・・みたいなことも言ってたと思う」
「・・・・・・・・・・・・後遺症?」
何の話だ、とステイルは頭に疑問符を浮かべる。
遠隔制御装置を使用された事によってインデックスの体に重大な負担が掛かる事は
ステイルも理解しているが、後遺症などという話は聞いたことがない。
口をはさむ前に、上条は更に話し続けた。
「俺は当然だけど、インデックスもそんな話は聞いたことないって言ってた。
クイトは『イギリス清教の中でもトップクラスの秘匿情報』だって言ってたっけ。
えっと・・・・・・、ろ、ローラ? って人とクイトしか知らされてない情報だって」
「待て、ローラ? イギリス清教?」
「ああ、クイトってイギリス清教の魔術師なんだってよ。 新入りの。
お前は知らないのかな?」
上条は慎重に当時の出来事を思い浮かべながら話を続ける。
「そいつはインデックスの頭にある一〇万三〇〇〇冊の魔導書に用があってきたって言ってた。
なんでも、フィアンマが使った遠隔制御霊装の負担の後遺症? みたいなのが残ってるから
それを治療しに来たって・・・・・・。 治療しないと後遺症によるが脳に至ってインデックスが
死んじまう・・・・・・みたいなことも言ってたと思う」
「・・・・・・・・・・・・後遺症?」
何の話だ、とステイルは頭に疑問符を浮かべる。
遠隔制御装置を使用された事によってインデックスの体に重大な負担が掛かる事は
ステイルも理解しているが、後遺症などという話は聞いたことがない。
口をはさむ前に、上条は更に話し続けた。
「俺は当然だけど、インデックスもそんな話は聞いたことないって言ってた。
クイトは『イギリス清教の中でもトップクラスの秘匿情報』だって言ってたっけ。
えっと・・・・・・、ろ、ローラ? って人とクイトしか知らされてない情報だって」
「待て、ローラ? イギリス清教?」
「ああ、クイトってイギリス清教の魔術師なんだってよ。 新入りの。
お前は知らないのかな?」
232: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:04:58.49:Ke7nglJHo (7/27)
知らないどころの騒ぎではなかった。ステイルは妙な頭痛を感じる。
イギリス清教?ローラ=スチュアート?トップクラスの秘匿情報?クイト?新入り?
上条が何を言っているのかさっぱり理解出来なかった。ボケているのかと疑った。
目の前にいる東洋人の男はさっきから何を言っている?
「・・・・・・それで、治療したのか」
「ああ、すげービックリしたよ。 クイトがいきなり自分の手をインデックスの頭に
"直接挿し込んでさ"。 なんか脳を弄って毒を取り除くって。 あ、治療は成功したぞ。
インデックスも喜んでたし、魔導書も全て揃ってるって言ってたからな」
「・・・・・・その治療というのは、魔術を使用して?」
「うん。 確か『貸出無料(アカシック・フリー)』だったっけ。
クイトにしか使えない魔術なんだって。 インデックスの毒を治療するためだけに
生み出された魔術らしいけど・・・・・・・・・・・・って、ステイル? おい、どうしたんだ?」
ステイルは危うく目眩で昏倒するところだった。目の前に敷かれた光のカーテンに思わず感謝する。
もしこの壁が無ければステイルは今頃、眼前にいるツンツン頭の大馬鹿野郎を骨も残さず焼き尽くしていたかもしれない。
上条の話を一通り聞き終えたステイルの結論は、
知らないどころの騒ぎではなかった。ステイルは妙な頭痛を感じる。
イギリス清教?ローラ=スチュアート?トップクラスの秘匿情報?クイト?新入り?
上条が何を言っているのかさっぱり理解出来なかった。ボケているのかと疑った。
目の前にいる東洋人の男はさっきから何を言っている?
「・・・・・・それで、治療したのか」
「ああ、すげービックリしたよ。 クイトがいきなり自分の手をインデックスの頭に
"直接挿し込んでさ"。 なんか脳を弄って毒を取り除くって。 あ、治療は成功したぞ。
インデックスも喜んでたし、魔導書も全て揃ってるって言ってたからな」
「・・・・・・その治療というのは、魔術を使用して?」
「うん。 確か『貸出無料(アカシック・フリー)』だったっけ。
クイトにしか使えない魔術なんだって。 インデックスの毒を治療するためだけに
生み出された魔術らしいけど・・・・・・・・・・・・って、ステイル? おい、どうしたんだ?」
ステイルは危うく目眩で昏倒するところだった。目の前に敷かれた光のカーテンに思わず感謝する。
もしこの壁が無ければステイルは今頃、眼前にいるツンツン頭の大馬鹿野郎を骨も残さず焼き尽くしていたかもしれない。
上条の話を一通り聞き終えたステイルの結論は、
233: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:06:09.03:Ke7nglJHo (8/27)
「上条当麻、とりあえずこれだけは言っておこう。 イギリス清教にクイトなどという名の
魔術師は存在しないし、『最大主教(アークビショップ)』しか把握していないような情報が
一魔術師に伝えられるわけがないし、『貸出無料』なんてふざけきった名前の魔術も存在しないし、
そもそも『禁書目録』の毒があの子自身を侵すはずがないだろうがこのクソったれがッ!!!!」
「え・・・・・・、え・・・・・・・・・・・・?」
ステイルは短くなった口の煙草を乱暴に投げ捨て、深くため息をつく。
そのため息には明らかに『呆れ』の意が含まれていた。
「騙されたんだよ君たちは。 そのクイトとかいうクソ詐欺師にね」
「そ、そんなはず・・・・・・、だってインデックス自身が言ってたんだぞ!?
『なんか頭がスッキリしたかも』とかって!! そ、それに・・・・・・
そう、だからこそ遠隔制御霊装を使われてもインデックスはああやって意識を失わずに
済んでるんじゃないのか? クイトの治療が無ければ今頃インデックスは・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
ステイルは未だにクイトを擁護する無能力者の言葉を右から左に受け流しながら
この状況を整理していく。
「上条当麻、とりあえずこれだけは言っておこう。 イギリス清教にクイトなどという名の
魔術師は存在しないし、『最大主教(アークビショップ)』しか把握していないような情報が
一魔術師に伝えられるわけがないし、『貸出無料』なんてふざけきった名前の魔術も存在しないし、
そもそも『禁書目録』の毒があの子自身を侵すはずがないだろうがこのクソったれがッ!!!!」
「え・・・・・・、え・・・・・・・・・・・・?」
ステイルは短くなった口の煙草を乱暴に投げ捨て、深くため息をつく。
そのため息には明らかに『呆れ』の意が含まれていた。
「騙されたんだよ君たちは。 そのクイトとかいうクソ詐欺師にね」
「そ、そんなはず・・・・・・、だってインデックス自身が言ってたんだぞ!?
『なんか頭がスッキリしたかも』とかって!! そ、それに・・・・・・
そう、だからこそ遠隔制御霊装を使われてもインデックスはああやって意識を失わずに
済んでるんじゃないのか? クイトの治療が無ければ今頃インデックスは・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
ステイルは未だにクイトを擁護する無能力者の言葉を右から左に受け流しながら
この状況を整理していく。
234: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:07:17.63:Ke7nglJHo (9/27)
(・・・・・・だが確かに、その『貸出無料』とかいうふざけた魔術は本物のようだ。
僕もこの目でしっかり見ている、遠隔制御霊装を使われても健康な状態を
維持しているあの子を。 『自動書記』の干渉を悟られないため・・・・・・か?
だとしたらクイトの正体は垣根帝督・・・・・・? いや、そもそも垣根はどうやって
あの遠隔制御霊装を手に入れたんだ。 一つは目の前のウニ頭が第三次世界大戦時に
破壊している。 もう一つの霊装は今も『最大主教』が保管して・・・・・・・・・・・・、)
ドクン、と。ステイルの心臓が一際大きく跳ね上がった。
顔からじわじわと脂汗が滲んでくるのがわかった。
『最大主教』、ローラ=スチュアートとクイトだけが知るトップシークレット。
それは嘘だ。間違いない。本当なのは、ローラとクイトが"繋がっている"ということ。
(垣根帝督は学園都市の人間だ。 恐らくクイトとして接触したのは垣根じゃない・・・・・・)
ならばそれは誰か。その時、ステイルの脳裏にはとある人物の顔が浮かび上がっていた。
『天使同盟』と接触した際、イギリス清教と協定を結ぶとか言ってローラと接触した『天使同盟』の構成員。
(・・・・・・だが確かに、その『貸出無料』とかいうふざけた魔術は本物のようだ。
僕もこの目でしっかり見ている、遠隔制御霊装を使われても健康な状態を
維持しているあの子を。 『自動書記』の干渉を悟られないため・・・・・・か?
だとしたらクイトの正体は垣根帝督・・・・・・? いや、そもそも垣根はどうやって
あの遠隔制御霊装を手に入れたんだ。 一つは目の前のウニ頭が第三次世界大戦時に
破壊している。 もう一つの霊装は今も『最大主教』が保管して・・・・・・・・・・・・、)
ドクン、と。ステイルの心臓が一際大きく跳ね上がった。
顔からじわじわと脂汗が滲んでくるのがわかった。
『最大主教』、ローラ=スチュアートとクイトだけが知るトップシークレット。
それは嘘だ。間違いない。本当なのは、ローラとクイトが"繋がっている"ということ。
(垣根帝督は学園都市の人間だ。 恐らくクイトとして接触したのは垣根じゃない・・・・・・)
ならばそれは誰か。その時、ステイルの脳裏にはとある人物の顔が浮かび上がっていた。
『天使同盟』と接触した際、イギリス清教と協定を結ぶとか言ってローラと接触した『天使同盟』の構成員。
235: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:08:20.50:Ke7nglJHo (10/27)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・エイワス・・・・・・・・・・・・!!!)
あの超次元存在ならやりかねない。出会った期間はごく短いが、それでもステイルは確信した。
垣根帝督に遠隔制御霊装を渡したのは間違いなくあのとんでもチート野郎だと。
「す、ステイル・・・・・・?」
「お人好しもそこまでいくと罪だよ、上条当麻。 ・・・・・・遠隔制御霊装の事は僕に任せておけ。
君はさっさとあの子を連れてここから離れるんだ」
「え、ちょ、おい!!!」
ステイルは言うだけ言うと、一目散に駆け出した。
後方から上条が何かを叫んでいたがステイルは無視してひたすら走り続けた。
ステイルは忌々しげに舌打ちをする。
この遠隔制御霊装の件の被害者はインデックスでも、ましてやまんまと騙された上条当麻でもない。
間違いなく、霊装を使っている本人。垣根帝督だったのだ。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・エイワス・・・・・・・・・・・・!!!)
あの超次元存在ならやりかねない。出会った期間はごく短いが、それでもステイルは確信した。
垣根帝督に遠隔制御霊装を渡したのは間違いなくあのとんでもチート野郎だと。
「す、ステイル・・・・・・?」
「お人好しもそこまでいくと罪だよ、上条当麻。 ・・・・・・遠隔制御霊装の事は僕に任せておけ。
君はさっさとあの子を連れてここから離れるんだ」
「え、ちょ、おい!!!」
ステイルは言うだけ言うと、一目散に駆け出した。
後方から上条が何かを叫んでいたがステイルは無視してひたすら走り続けた。
ステイルは忌々しげに舌打ちをする。
この遠隔制御霊装の件の被害者はインデックスでも、ましてやまんまと騙された上条当麻でもない。
間違いなく、霊装を使っている本人。垣根帝督だったのだ。
236: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:09:32.51:Ke7nglJHo (11/27)
――――――――――――――――――――――
アレイスターはひどく取り乱していた。どうしてここに来て、このタイミングで、と歯噛みする。
この戦いで『天使同盟』の連中を全て再起不能にし、後は歪み果てた『プラン』の修正をのんびりと行えば
それで全てが解決していたはずだった。
だがしかし、そこで"本命"である『セト』が『天使同盟』に肩入れをしてしまっては元も子もない。
虚数学区の方ならまだ修正可能範囲だった。しかし今、一方通行に"憑いている"のは間違いなく本物の『王』だ。
『セト』。アレイスター=クロウリーが最も崇拝している神は、この時だけは一方通行に微笑んだらしい。
「・・・・・・あなたは、最初からこうなることが分かって・・・・・・?」
「あれほどの存在だ。 むしろ今まで気がつかなかった君がおかしいのだよアレイスター。
私という存在を目の当たりにしておきながら、神の意向を予測出来なかった君に非がある。
なるほど、ならば『セト』が一方通行という純粋な存在に憑いた点も頷ける。 そうだろう?」
エイワスの背中から生えている光輝の翼がアレイスターを襲う。
その速度は二〇世紀最大の魔術師と謳われたアレイスターですら、目視出来ないものだった。
先程までのエイワスとはまるで動きが違う。今までは遊んでいたのかというほど、エイワスの攻撃は
凄まじいものになっていた。
よって、エイワスの翼はアレイスターの体を容赦なく引き裂く。
――――――――――――――――――――――
アレイスターはひどく取り乱していた。どうしてここに来て、このタイミングで、と歯噛みする。
この戦いで『天使同盟』の連中を全て再起不能にし、後は歪み果てた『プラン』の修正をのんびりと行えば
それで全てが解決していたはずだった。
だがしかし、そこで"本命"である『セト』が『天使同盟』に肩入れをしてしまっては元も子もない。
虚数学区の方ならまだ修正可能範囲だった。しかし今、一方通行に"憑いている"のは間違いなく本物の『王』だ。
『セト』。アレイスター=クロウリーが最も崇拝している神は、この時だけは一方通行に微笑んだらしい。
「・・・・・・あなたは、最初からこうなることが分かって・・・・・・?」
「あれほどの存在だ。 むしろ今まで気がつかなかった君がおかしいのだよアレイスター。
私という存在を目の当たりにしておきながら、神の意向を予測出来なかった君に非がある。
なるほど、ならば『セト』が一方通行という純粋な存在に憑いた点も頷ける。 そうだろう?」
エイワスの背中から生えている光輝の翼がアレイスターを襲う。
その速度は二〇世紀最大の魔術師と謳われたアレイスターですら、目視出来ないものだった。
先程までのエイワスとはまるで動きが違う。今までは遊んでいたのかというほど、エイワスの攻撃は
凄まじいものになっていた。
よって、エイワスの翼はアレイスターの体を容赦なく引き裂く。
237: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:10:17.75:Ke7nglJHo (12/27)
「が、ァァァああああああああああああああああああああああ!!!?」
「さて、どうするかね? このままだと君が開いた『セレマ教』は超能力者である一方通行が
引き継ぐことになりかねんぞ? くく、万が一にでもそうなれば愉快極まりないのだがな」
自分の体から出る血飛沫を顔に浴びながらアレイスターはエイワスの顔を睨む。
全身を覆うように展開していた絶対不可侵術式も、もはや役に立たないほどに弱体化していた。
「・・・・・・『汝の欲する所を為せ。 それが汝の法とならん』。 ・・・・・・この言葉の真意に辿り着かない限り、
たかが超能力者が・・・・・・、私の『セレマ』の意志を引き継げるものか!!!」
「『セト』がいる」
「・・・・・・・・・・・・ッ!!」
「確かに君の目指す『神浄』はその他からしてみれば大いなる意志かもしれない。
だが、私から言わせれば『神浄』など所詮はそんなものだ。 超能力者、魔術に関しての
知識が全く無い人間でも『セレマ』の意志に辿りつける。 そうなれば面白いとなぜ理解しない?
もっと発想を柔軟にしてみたまえ」
ふざけるな、とアレイスターは苦痛に顔を歪ませながら言う。普段の彼からは考えられない状態だった。
学園都市で、世界で、どれだけ大きな事が起きようともアレイスターの計画にヒビが入る事はなかった。
どれだけのイレギュラーが発生しようと、『プラン』自体の修正が困難になろうと、アレイスターは
必ず自分の計画を成就出来ると確信していた。
「が、ァァァああああああああああああああああああああああ!!!?」
「さて、どうするかね? このままだと君が開いた『セレマ教』は超能力者である一方通行が
引き継ぐことになりかねんぞ? くく、万が一にでもそうなれば愉快極まりないのだがな」
自分の体から出る血飛沫を顔に浴びながらアレイスターはエイワスの顔を睨む。
全身を覆うように展開していた絶対不可侵術式も、もはや役に立たないほどに弱体化していた。
「・・・・・・『汝の欲する所を為せ。 それが汝の法とならん』。 ・・・・・・この言葉の真意に辿り着かない限り、
たかが超能力者が・・・・・・、私の『セレマ』の意志を引き継げるものか!!!」
「『セト』がいる」
「・・・・・・・・・・・・ッ!!」
「確かに君の目指す『神浄』はその他からしてみれば大いなる意志かもしれない。
だが、私から言わせれば『神浄』など所詮はそんなものだ。 超能力者、魔術に関しての
知識が全く無い人間でも『セレマ』の意志に辿りつける。 そうなれば面白いとなぜ理解しない?
もっと発想を柔軟にしてみたまえ」
ふざけるな、とアレイスターは苦痛に顔を歪ませながら言う。普段の彼からは考えられない状態だった。
学園都市で、世界で、どれだけ大きな事が起きようともアレイスターの計画にヒビが入る事はなかった。
どれだけのイレギュラーが発生しようと、『プラン』自体の修正が困難になろうと、アレイスターは
必ず自分の計画を成就出来ると確信していた。
238: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:11:22.61:Ke7nglJHo (13/27)
今回も、『天使同盟』などというふざけきった集団を潰せばそれで終わるはずだったのに、
なぜ自分がこんな目に遭わなければならない?
口からボタボタと血を垂らすアレイスターを見ながら、エイワスは薄く笑う。
「もしかすると、今日この日こそが時代の節目なのかもしれないな。
これは私でも予想できん事だ。 『セト』の恩恵を受けた一方通行が
天使を救い、そしてどう行動するか。 人類を『ホルスの永劫』へ導くのは
君でも私でもなく、学園都市に住む一人の少年でしたというオチでも私は構わん」
「・・・・・・わ、私が五〇年以上の時を費やして生み出した『一方通行』が・・・・・・」
「そう。 一方通行は間もなく『ホルス』に足を踏み入れる。
そこから先がどうなるかは私にも分からないと言っているのだよ。
くくく・・・・・・どうだろうアレイスター。 わくわくしてこないかね?」
だがそれは、決して一方通行本人の意志ではない。
このまま彼が『セト』の恩恵を受けて次の時代に突入しても、それは操り人形が人形師の意志で
時代に放り投げられた事と同義だ。
アレイスターにはエイワスの心中が理解できなかった。
エイワスの言葉にいいように翻弄され、さっきまで互角だった戦いもこうして劣勢に立たされている。
このままでは『プラン』どころか、今この場でエイワスに殺されてしまう可能性も大いに考えられた。
かつて自分の目の前に降臨し、あらゆる知識を授けてくれた聖守護天使が、今は自分に牙を剥いている。
今回も、『天使同盟』などというふざけきった集団を潰せばそれで終わるはずだったのに、
なぜ自分がこんな目に遭わなければならない?
口からボタボタと血を垂らすアレイスターを見ながら、エイワスは薄く笑う。
「もしかすると、今日この日こそが時代の節目なのかもしれないな。
これは私でも予想できん事だ。 『セト』の恩恵を受けた一方通行が
天使を救い、そしてどう行動するか。 人類を『ホルスの永劫』へ導くのは
君でも私でもなく、学園都市に住む一人の少年でしたというオチでも私は構わん」
「・・・・・・わ、私が五〇年以上の時を費やして生み出した『一方通行』が・・・・・・」
「そう。 一方通行は間もなく『ホルス』に足を踏み入れる。
そこから先がどうなるかは私にも分からないと言っているのだよ。
くくく・・・・・・どうだろうアレイスター。 わくわくしてこないかね?」
だがそれは、決して一方通行本人の意志ではない。
このまま彼が『セト』の恩恵を受けて次の時代に突入しても、それは操り人形が人形師の意志で
時代に放り投げられた事と同義だ。
アレイスターにはエイワスの心中が理解できなかった。
エイワスの言葉にいいように翻弄され、さっきまで互角だった戦いもこうして劣勢に立たされている。
このままでは『プラン』どころか、今この場でエイワスに殺されてしまう可能性も大いに考えられた。
かつて自分の目の前に降臨し、あらゆる知識を授けてくれた聖守護天使が、今は自分に牙を剥いている。
239: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:12:39.51:Ke7nglJHo (14/27)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
思考を放棄したくなった。どうしてこうなったのかが分からない。
どこで躓いたのか。『天使同盟』を敵に回したことか、エイワスを作ってしまったことか、
学園都市を創立したことか、イギリスの片田舎で生き延びてしまったことか。
それらのどこかで自分は『セト』に見限られ、こんな状況に陥ってしまったというのか。
「学園都市の能力者は・・・・・・所詮『駒』だ」
「?」
アレイスターは呼吸を整え、魔術によって地面から生えている渦を巻いたような造形の塔の上で
悠然と佇んでいるエイワスを空中で見上げながら続けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
思考を放棄したくなった。どうしてこうなったのかが分からない。
どこで躓いたのか。『天使同盟』を敵に回したことか、エイワスを作ってしまったことか、
学園都市を創立したことか、イギリスの片田舎で生き延びてしまったことか。
それらのどこかで自分は『セト』に見限られ、こんな状況に陥ってしまったというのか。
「学園都市の能力者は・・・・・・所詮『駒』だ」
「?」
アレイスターは呼吸を整え、魔術によって地面から生えている渦を巻いたような造形の塔の上で
悠然と佇んでいるエイワスを空中で見上げながら続けた。
240: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:13:20.97:Ke7nglJHo (15/27)
「どういうわけか知らないが、一方通行という駒に『セト』が一時的に肩入れしているだけに過ぎん。
事が終われば『セト』は星幽界に還る。 私はそこからまたやり直せばいい」
「そうか。 ならば『駒』は『駒』で徹底すべきだったな。
君の作った駒がなまじ人間なだけに、意志を持つ駒は時に謀反を起こす」
「?」
「ほら、」
エイワスが顎を軽く動かして示す。アレイスターはゆっくりとエイワスが示した方向に首を動かした。
その時点では、アレイスターの視界に映ったのは天地がひっくり返ったように荒れ果てた第一九学区の景色だけだったが、
やがてそこから何かがこちらに猛スピードで飛んでくるのが分かった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・垣根、帝督・・・・・・?」
それが自分が作り上げた『第二候補(スペアプラン)』だと理解したときには、
既にアレイスターの頭の左半分が消し飛んでいた。
「どういうわけか知らないが、一方通行という駒に『セト』が一時的に肩入れしているだけに過ぎん。
事が終われば『セト』は星幽界に還る。 私はそこからまたやり直せばいい」
「そうか。 ならば『駒』は『駒』で徹底すべきだったな。
君の作った駒がなまじ人間なだけに、意志を持つ駒は時に謀反を起こす」
「?」
「ほら、」
エイワスが顎を軽く動かして示す。アレイスターはゆっくりとエイワスが示した方向に首を動かした。
その時点では、アレイスターの視界に映ったのは天地がひっくり返ったように荒れ果てた第一九学区の景色だけだったが、
やがてそこから何かがこちらに猛スピードで飛んでくるのが分かった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・垣根、帝督・・・・・・?」
それが自分が作り上げた『第二候補(スペアプラン)』だと理解したときには、
既にアレイスターの頭の左半分が消し飛んでいた。
241: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:16:31.09:Ke7nglJHo (16/27)
――――――――――――――――――――――
エイワスから貰ったダイヤル錠のような霊装を使ってからずっと、頭の中に幼い少女の声が響いていた。
『そんな物を使わなくてもあなたは大事な人達を守れる』、『私のせいであなたが傷ついてしまうのが我慢ならない』。
こんな感じの言葉が、垣根帝督の頭に繰り返し反響する。
垣根はこれまでの人生で、これほど慈愛に満ちた声を聞いたことがなかった。
この声の主が誰なのかは分からない。だがこの声の主は、嘘偽りなく垣根の事を『想っていた』。
原典の毒に蝕まれていく自分を、本気で心配してくれていることだけは、意識が朦朧としている垣根にも理解できた。
だがそれでも、垣根帝督は止まらなかった。
(・・・・・・守る、守る・・・・・・守る。 居場所を、あいつらを、学園都市を、全て・・・・・・。
これだけの力があれば守れる。 何もかも、この声の女も、全部、全部、全部、全部、全部、全部)
原典の毒は確実に垣根の脳に浸透していた。通常、人間が原典に触れると一瞬で廃人と化してしまう。
中身をチラッと見ただけでも、頭が破裂しそうな激痛が走る。そんなものを使い続けたら、数分も経たない内に
死に至るのが当たり前の原典だ。
垣根の場合はそれより酷い。彼は一〇万三〇〇〇冊という数の原典の毒をモロに浴びている。
フィアンマは汚染を『聖なる右』で抑えこんでいたが、垣根にそんな芸当は不可能だ。
――――――――――――――――――――――
エイワスから貰ったダイヤル錠のような霊装を使ってからずっと、頭の中に幼い少女の声が響いていた。
『そんな物を使わなくてもあなたは大事な人達を守れる』、『私のせいであなたが傷ついてしまうのが我慢ならない』。
こんな感じの言葉が、垣根帝督の頭に繰り返し反響する。
垣根はこれまでの人生で、これほど慈愛に満ちた声を聞いたことがなかった。
この声の主が誰なのかは分からない。だがこの声の主は、嘘偽りなく垣根の事を『想っていた』。
原典の毒に蝕まれていく自分を、本気で心配してくれていることだけは、意識が朦朧としている垣根にも理解できた。
だがそれでも、垣根帝督は止まらなかった。
(・・・・・・守る、守る・・・・・・守る。 居場所を、あいつらを、学園都市を、全て・・・・・・。
これだけの力があれば守れる。 何もかも、この声の女も、全部、全部、全部、全部、全部、全部)
原典の毒は確実に垣根の脳に浸透していた。通常、人間が原典に触れると一瞬で廃人と化してしまう。
中身をチラッと見ただけでも、頭が破裂しそうな激痛が走る。そんなものを使い続けたら、数分も経たない内に
死に至るのが当たり前の原典だ。
垣根の場合はそれより酷い。彼は一〇万三〇〇〇冊という数の原典の毒をモロに浴びている。
フィアンマは汚染を『聖なる右』で抑えこんでいたが、垣根にそんな芸当は不可能だ。
242: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:18:18.46:Ke7nglJHo (17/27)
にもかかわらず、彼はひたすらに戦っていた。『死』という究極の概念と必死に戦っていた。
原典の汚染に付き合っている暇など無いと、垣根はこの世の誰もが成し遂げられない事を
現在進行形で行っていた。
彼が原典の毒で死に至らない理由は誰も分からないだろう。本人にも分からないはずだ。
ただ彼は、『天使同盟』という自分の居場所を守りたいの一心で行動している。
『想い』だの『信念』だの、そんな曖昧なもので汚染に耐えられるわけがないのだが、そうとしか言い様がない。
垣根帝督は、もうほとんど本能の赴くままに動いていた。
(・・・・・・・・・・・・、見つけた)
空爆を数百回ほど受けたような第一九学区をひたすら飛翔していると、垣根の眼前に『目標』が見えた。
それは学園都市の人間を玩具のように扱う者。かつて自分自身の学園都市の『絶望』を見せつけてきた者。
それは、自分の居場所である『天使同盟』の存在を脅かす者。
「・・・・・・ア、レイ・・・・・・スター・・・・・・」
にもかかわらず、彼はひたすらに戦っていた。『死』という究極の概念と必死に戦っていた。
原典の汚染に付き合っている暇など無いと、垣根はこの世の誰もが成し遂げられない事を
現在進行形で行っていた。
彼が原典の毒で死に至らない理由は誰も分からないだろう。本人にも分からないはずだ。
ただ彼は、『天使同盟』という自分の居場所を守りたいの一心で行動している。
『想い』だの『信念』だの、そんな曖昧なもので汚染に耐えられるわけがないのだが、そうとしか言い様がない。
垣根帝督は、もうほとんど本能の赴くままに動いていた。
(・・・・・・・・・・・・、見つけた)
空爆を数百回ほど受けたような第一九学区をひたすら飛翔していると、垣根の眼前に『目標』が見えた。
それは学園都市の人間を玩具のように扱う者。かつて自分自身の学園都市の『絶望』を見せつけてきた者。
それは、自分の居場所である『天使同盟』の存在を脅かす者。
「・・・・・・ア、レイ・・・・・・スター・・・・・・」
243: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:19:18.78:Ke7nglJHo (18/27)
掠れた声で何かを呟いた垣根は、手に握っている『自動書記』の遠隔制御霊装のダイヤルを回す。
なぜか背中の『未元物質』が輝き始めた。科学の結晶であるはずの物質が、霊装に反応した。
『未元物質』と魔術の応用。垣根帝督は『禁書目録』と『未元物質』を組み合わせて使用するという
前人未踏の行為を安々とやってのけた。
そして『未元物質』の翼から放たれた『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』が、アレイスターの顔を掠める。
エイワスとの熾烈な戦闘で防御術式を大幅に消費していたため、アレイスターは垣根の攻撃に即座に対応出来なかった。
結果、アレイスターの顔の左半分はごっそりと削り取られてしまった。
「・・・・・・!?」
「・・・・・・・・・・・・アレイスター」
尚も垣根は止まらない。完全に致命傷を負ったはずのアレイスターが未だに生きていることに何の疑問も持たず、
垣根はアレイスターに向かって吠えた。
「アァレイスタァァァァァァァあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
掠れた声で何かを呟いた垣根は、手に握っている『自動書記』の遠隔制御霊装のダイヤルを回す。
なぜか背中の『未元物質』が輝き始めた。科学の結晶であるはずの物質が、霊装に反応した。
『未元物質』と魔術の応用。垣根帝督は『禁書目録』と『未元物質』を組み合わせて使用するという
前人未踏の行為を安々とやってのけた。
そして『未元物質』の翼から放たれた『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』が、アレイスターの顔を掠める。
エイワスとの熾烈な戦闘で防御術式を大幅に消費していたため、アレイスターは垣根の攻撃に即座に対応出来なかった。
結果、アレイスターの顔の左半分はごっそりと削り取られてしまった。
「・・・・・・!?」
「・・・・・・・・・・・・アレイスター」
尚も垣根は止まらない。完全に致命傷を負ったはずのアレイスターが未だに生きていることに何の疑問も持たず、
垣根はアレイスターに向かって吠えた。
「アァレイスタァァァァァァァあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
244: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:21:00.34:Ke7nglJHo (19/27)
超能力は使わなかった。魔術には頼らなかった。
垣根は血が滲み出るほど右手を握り締め、渾身の力を振るってアレイスターを殴り飛ばす。
地面から生えた塔に殴り飛ばされたアレイスターにそのまま馬乗りになり、一発、二発、何発も拳を放り込む。
「く、ゥァァァあああああああああああああああああああ!!!!!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ」
アレイスターもどうにかして抵抗しようとしたが垣根の力は予想以上に強く、なかなか引き剥がせない。
垣根は一心不乱に半分になったアレイスターの顔を殴り続けた。その姿はまるで駄々をこねる子供のようにも見えた。
何発殴ったかも分からなくなった頃、ようやく片腕が自由になったアレイスターは
魔術なのかも分からない未知の力を放って垣根帝督を吹き飛ばす。垣根はそのまま一〇〇メートル以上地面を転がっていった。
ドシャッ! と何かにぶつかる。垣根帝督を追って全力で走ってきたステイルだった。
彼は垣根のクッションになるように転がってきた垣根を両手で抱き止める。
「ぐっ・・・・・・! 垣根、しっかりしろ!!」
「が、は・・・・・・・・・・・・ァあ・・・・・・」
アレイスターの攻撃によるものなのか、垣根の脇腹は"爆ぜていた"。
皮膚が張り付いた肉が飛び散り、彼の脇腹から夥しい量の血が溢れ出している。
超能力は使わなかった。魔術には頼らなかった。
垣根は血が滲み出るほど右手を握り締め、渾身の力を振るってアレイスターを殴り飛ばす。
地面から生えた塔に殴り飛ばされたアレイスターにそのまま馬乗りになり、一発、二発、何発も拳を放り込む。
「く、ゥァァァあああああああああああああああああああ!!!!!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ」
アレイスターもどうにかして抵抗しようとしたが垣根の力は予想以上に強く、なかなか引き剥がせない。
垣根は一心不乱に半分になったアレイスターの顔を殴り続けた。その姿はまるで駄々をこねる子供のようにも見えた。
何発殴ったかも分からなくなった頃、ようやく片腕が自由になったアレイスターは
魔術なのかも分からない未知の力を放って垣根帝督を吹き飛ばす。垣根はそのまま一〇〇メートル以上地面を転がっていった。
ドシャッ! と何かにぶつかる。垣根帝督を追って全力で走ってきたステイルだった。
彼は垣根のクッションになるように転がってきた垣根を両手で抱き止める。
「ぐっ・・・・・・! 垣根、しっかりしろ!!」
「が、は・・・・・・・・・・・・ァあ・・・・・・」
アレイスターの攻撃によるものなのか、垣根の脇腹は"爆ぜていた"。
皮膚が張り付いた肉が飛び散り、彼の脇腹から夥しい量の血が溢れ出している。
245: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:22:35.65:Ke7nglJHo (20/27)
「ふ、危なかったなアレイスター。 今そこにいる君が『ホムンクルス』ではなかったら
惨めに寿命を延ばしてまで維持していた『君』は死んでいたぞ?」
顔の半分を失い、垣根帝督に何十発も殴られボロボロになったアレイスターを、
エイワスは無数に立ち並ぶ塔の上から文字通り見下して嘲笑っていた。
そんな嘲りなど無視してアレイスターはよろよろと立ち上がる。
遠くの方には垣根帝督がいた。今にもアレイスターに飛び掛からんとしているが、
それを背後に居るステイルによって抑えられている。
「よせ、垣根帝督! これ以上『禁書目録』を酷使したら・・・・・・」
興奮した獣のように暴れ回る垣根を羽交い締めにしてどうにか抑えているが、
垣根はステイルの事など見向きもせず、ひたすら前方にいる魔術師に向かって叫び続けた。
「テメェさえ、テメェさえいなけりゃこんな事にはならなかったんだ!!! 何で邪魔すんだよ!?
どうして人間をゴミみてえに扱えるんだ、どういう神経してたらそんな事が出来るんだよ!!?
テメェにそんな権限があんのか!! 学園都市の統括理事長だぁ? 知らねえんだよそんなもんは!!!」
「ふ、危なかったなアレイスター。 今そこにいる君が『ホムンクルス』ではなかったら
惨めに寿命を延ばしてまで維持していた『君』は死んでいたぞ?」
顔の半分を失い、垣根帝督に何十発も殴られボロボロになったアレイスターを、
エイワスは無数に立ち並ぶ塔の上から文字通り見下して嘲笑っていた。
そんな嘲りなど無視してアレイスターはよろよろと立ち上がる。
遠くの方には垣根帝督がいた。今にもアレイスターに飛び掛からんとしているが、
それを背後に居るステイルによって抑えられている。
「よせ、垣根帝督! これ以上『禁書目録』を酷使したら・・・・・・」
興奮した獣のように暴れ回る垣根を羽交い締めにしてどうにか抑えているが、
垣根はステイルの事など見向きもせず、ひたすら前方にいる魔術師に向かって叫び続けた。
「テメェさえ、テメェさえいなけりゃこんな事にはならなかったんだ!!! 何で邪魔すんだよ!?
どうして人間をゴミみてえに扱えるんだ、どういう神経してたらそんな事が出来るんだよ!!?
テメェにそんな権限があんのか!! 学園都市の統括理事長だぁ? 知らねえんだよそんなもんは!!!」
246: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:23:42.38:Ke7nglJHo (21/27)
それは『原典』の毒ではない。
垣根帝督の胸中にへばりついて蓄積していた、彼自身の毒。彼が学園都市で見た闇、絶望。
暗部という不安定な居場所に居ついて知った、この世のものと思えぬ『負』。
垣根はアレイスターが生み出したそんな『毒』を、ここにきて一気に吐き出した。
そして、
「どうして俺の居場所までテメェに奪われなきゃなんねえんだ!!! 何でテメェの『プラン』に従って
生きていかなきゃならねえんだよ!! 俺が一方通行に・・・・・・あいつらに出会ってから、俺はずっと
あいつらの側にいた。 あいつらは笑ってた。 いつもいつも笑ってた。 俺も笑った。 楽しくて、
楽しくてしょうがねえから心の底から笑った。 笑えたんだ!! そんなあいつらの笑顔まで、何で
テメェに奪われなきゃなんねえんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
唾と血糊をまき散らしながら垣根は激昂する。今まで溜まっていたアレイスターへの憎悪が
爆発した瞬間だった。
対するアレイスターは、何も答えない。自分に向かって恨み辛みを吐き出す垣根を黙って見据えるだけだった。
気がつけば、垣根の瞳からは血に混じって涙が流れていた。
アレイスターに対する怒りをぶつけても結局あの魔術師には何にもならない理不尽さに。
あまりにも非力過ぎる自分の力に。ようやく手に入れた安息の場所を守れもしない悔しさに。
それは『原典』の毒ではない。
垣根帝督の胸中にへばりついて蓄積していた、彼自身の毒。彼が学園都市で見た闇、絶望。
暗部という不安定な居場所に居ついて知った、この世のものと思えぬ『負』。
垣根はアレイスターが生み出したそんな『毒』を、ここにきて一気に吐き出した。
そして、
「どうして俺の居場所までテメェに奪われなきゃなんねえんだ!!! 何でテメェの『プラン』に従って
生きていかなきゃならねえんだよ!! 俺が一方通行に・・・・・・あいつらに出会ってから、俺はずっと
あいつらの側にいた。 あいつらは笑ってた。 いつもいつも笑ってた。 俺も笑った。 楽しくて、
楽しくてしょうがねえから心の底から笑った。 笑えたんだ!! そんなあいつらの笑顔まで、何で
テメェに奪われなきゃなんねえんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
唾と血糊をまき散らしながら垣根は激昂する。今まで溜まっていたアレイスターへの憎悪が
爆発した瞬間だった。
対するアレイスターは、何も答えない。自分に向かって恨み辛みを吐き出す垣根を黙って見据えるだけだった。
気がつけば、垣根の瞳からは血に混じって涙が流れていた。
アレイスターに対する怒りをぶつけても結局あの魔術師には何にもならない理不尽さに。
あまりにも非力過ぎる自分の力に。ようやく手に入れた安息の場所を守れもしない悔しさに。
247: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:25:28.11:Ke7nglJHo (22/27)
「・・・・・・俺はただ・・・・・・あいつらとこれからも一緒にいたいだけなのに・・・・・・
何でこんな目に遭わなくちゃならねえんだよ・・・・・・・・・・・・」
それは、アレイスターの『プラン』というレールに乗せられて失意と絶望の道を辿らされた
学園都市の住人の胸中を代弁した言葉だった。
普通に暮らしていきたい。ただそれだけを願うのに、なぜ血が流れるのか。なぜ誰かが涙を流さなければならないのか。
ありったけの毒を吐き終えた垣根はさっきまでの興奮から一転、糸の切れた操り人形のように
おとなしくなってしまった。背後にいたステイルがまさか、と焦燥したが彼はまだ息をしている。
やがて、アレイスターはゆっくりと半分になった口を開いた。
「・・・・・・君が『天使同盟』と共に笑顔で幸せに暮らしたいと願っているように、
私にも全てを棄ててでも成し遂げたい願いがあるのだよ」
言いながら、彼は右手に『衝撃の杖(ブラスティングロッド)』を握ると、ゆっくりと先端部を
一〇〇メートル以上先にいる垣根帝督に向けた。
ステイルの表情に更なる焦りが追加されるが、今ここで動けない垣根を捨て置いて逃げる事は出来ない。
「・・・・・・俺はただ・・・・・・あいつらとこれからも一緒にいたいだけなのに・・・・・・
何でこんな目に遭わなくちゃならねえんだよ・・・・・・・・・・・・」
それは、アレイスターの『プラン』というレールに乗せられて失意と絶望の道を辿らされた
学園都市の住人の胸中を代弁した言葉だった。
普通に暮らしていきたい。ただそれだけを願うのに、なぜ血が流れるのか。なぜ誰かが涙を流さなければならないのか。
ありったけの毒を吐き終えた垣根はさっきまでの興奮から一転、糸の切れた操り人形のように
おとなしくなってしまった。背後にいたステイルがまさか、と焦燥したが彼はまだ息をしている。
やがて、アレイスターはゆっくりと半分になった口を開いた。
「・・・・・・君が『天使同盟』と共に笑顔で幸せに暮らしたいと願っているように、
私にも全てを棄ててでも成し遂げたい願いがあるのだよ」
言いながら、彼は右手に『衝撃の杖(ブラスティングロッド)』を握ると、ゆっくりと先端部を
一〇〇メートル以上先にいる垣根帝督に向けた。
ステイルの表情に更なる焦りが追加されるが、今ここで動けない垣根を捨て置いて逃げる事は出来ない。
248: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:26:26.99:Ke7nglJHo (23/27)
「願いと願いがぶつかれば、それは大きな渦となる。 その渦中では様々な思惑がぶつかり合い、
噛み合い、喰いちぎり合い、屠っていく。 今ここで起きている事も、その一環に過ぎないんだ」
垣根はアレイスターの言葉など聞いていなかった。既に原典の汚染によって意識を失いかけている。
このままでは垣根もステイルもアレイスターの一撃で葬り去られてしまうところだが、
そんな様子を金髪の怪物が黙って見ているはずもなかった。
ゴゴォォォンッッ!!!!!! という轟音が鳴り響く。
エイワスが指を軽く下に向けただけで、偽装された夜空から音速の三〇倍以上の速度の天災が
アレイスターの胸を貫いた。
胸に歪な形の穴を空けたアレイスターは膝から崩れ落つ体を杖で支えながら歯を食いしばる。
「・・・・・・エイワス、"貴様"・・・・・・・・・・・・!!」
「ここから消えろ、ステイル=マグヌス。 垣根帝督を連れて」
「願いと願いがぶつかれば、それは大きな渦となる。 その渦中では様々な思惑がぶつかり合い、
噛み合い、喰いちぎり合い、屠っていく。 今ここで起きている事も、その一環に過ぎないんだ」
垣根はアレイスターの言葉など聞いていなかった。既に原典の汚染によって意識を失いかけている。
このままでは垣根もステイルもアレイスターの一撃で葬り去られてしまうところだが、
そんな様子を金髪の怪物が黙って見ているはずもなかった。
ゴゴォォォンッッ!!!!!! という轟音が鳴り響く。
エイワスが指を軽く下に向けただけで、偽装された夜空から音速の三〇倍以上の速度の天災が
アレイスターの胸を貫いた。
胸に歪な形の穴を空けたアレイスターは膝から崩れ落つ体を杖で支えながら歯を食いしばる。
「・・・・・・エイワス、"貴様"・・・・・・・・・・・・!!」
「ここから消えろ、ステイル=マグヌス。 垣根帝督を連れて」
249: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:27:31.09:Ke7nglJHo (24/27)
言われるまでもなくステイルは垣根に肩を貸し、彼を支えながらその場を後にしようとする。
だがその時、彼は一歩を踏み出す前にエイワスを親の仇を見るように睨みつけた。
「・・・・・・君が垣根に渡したんだろう? 『自動書記』の遠隔制御霊装を」
「だったら?」
エイワスは否定しなかった。そんな瑣末事を知られたところで何の問題も無いと言いたげな、
憎たらしい表情を浮かべるだけだった。もしかしたら垣根に遠隔制御霊装を渡していることすら
忘れているかもしれない。
「君のせいで垣根帝督は死の淵に追いやられ、君のせいで本来無関係だった上条当麻は巻き込まれ、
君のせいで・・・・・・僕が一番大切に想っているあの子は涙を流しているんだ」
言われるまでもなくステイルは垣根に肩を貸し、彼を支えながらその場を後にしようとする。
だがその時、彼は一歩を踏み出す前にエイワスを親の仇を見るように睨みつけた。
「・・・・・・君が垣根に渡したんだろう? 『自動書記』の遠隔制御霊装を」
「だったら?」
エイワスは否定しなかった。そんな瑣末事を知られたところで何の問題も無いと言いたげな、
憎たらしい表情を浮かべるだけだった。もしかしたら垣根に遠隔制御霊装を渡していることすら
忘れているかもしれない。
「君のせいで垣根帝督は死の淵に追いやられ、君のせいで本来無関係だった上条当麻は巻き込まれ、
君のせいで・・・・・・僕が一番大切に想っているあの子は涙を流しているんだ」
250: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:28:02.38:Ke7nglJHo (25/27)
ステイルが口に咥えている煙草の先端が異様に激しく燃え盛っていた。
まるで彼の憤りを如実に表しているかのように。
「アレイスターはどうなろうが構わないが・・・・・・、出来れば君はここで朽ち果ててくれると
僕としてはとても嬉しいんだけどね」
「そうか。 ならばステイル、君が私を討てばいい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・ふふ、さあ行きたまえ。 『茶会』はもうすぐ幕を閉じるぞ」
クソ、とステイルは毒づくと垣根を連れて今度こそその場を後にした。
残ったのは依然として冷笑を浮かべる聖守護天使と、目を覆いたくなるほどに
無残な姿で、しかし未だ健在している世紀の大魔術師だけとなった。
ステイルが口に咥えている煙草の先端が異様に激しく燃え盛っていた。
まるで彼の憤りを如実に表しているかのように。
「アレイスターはどうなろうが構わないが・・・・・・、出来れば君はここで朽ち果ててくれると
僕としてはとても嬉しいんだけどね」
「そうか。 ならばステイル、君が私を討てばいい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・ふふ、さあ行きたまえ。 『茶会』はもうすぐ幕を閉じるぞ」
クソ、とステイルは毒づくと垣根を連れて今度こそその場を後にした。
残ったのは依然として冷笑を浮かべる聖守護天使と、目を覆いたくなるほどに
無残な姿で、しかし未だ健在している世紀の大魔術師だけとなった。
251: ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:32:50.24:Ke7nglJHo (26/27)
ここまでです。
一応報告を。昨日、このSS本編の書き溜めがついに終わりました。
ですが恐縮なことに私も都合がありまして・・・・・・書き溜めが終わっても投下速度はいつも通り、となります。
どうかご了承いただけたらと思います。
あとは最終回まで突っ走っていくだけです。
よろしくお願いします。
次回も垣根帝督サイドのお話から始まります。一体誰が主人公なのやら・・・・・・。
それではまた、三日以内に。ありがとうございました!
ここまでです。
一応報告を。昨日、このSS本編の書き溜めがついに終わりました。
ですが恐縮なことに私も都合がありまして・・・・・・書き溜めが終わっても投下速度はいつも通り、となります。
どうかご了承いただけたらと思います。
あとは最終回まで突っ走っていくだけです。
よろしくお願いします。
次回も垣根帝督サイドのお話から始まります。一体誰が主人公なのやら・・・・・・。
それではまた、三日以内に。ありがとうございました!
252:次回予告はここまでです。 ◆3dKAx7itpI:2011/05/28(土) 17:33:27.84:Ke7nglJHo (27/27)
【次回予告】
『・・・・・・・・・・・・イン、デックス・・・・・・・・・・・・?』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督
『!! う、うん。 そうなんだよ、私がインデックス。 分かる・・・・・・?』
―――――――――――『禁書目録』を司るイギリス清教のシスター・インデックス
『・・・・・・・・・・・・いい加減にしろよテメェ!!!!
お前の事なんかこれっぽっちも知らない。 お前が一体どんな"魔術師"で、どんな人生を送ってきたかなんて、
"他人だった"俺には分からない。 けど、そんな霊装なんか使わなくったって守れるものはあるんだ!!』
―――――――――――学園都市の無能力者(レベル0)・上条当麻
【次回予告】
『・・・・・・・・・・・・イン、デックス・・・・・・・・・・・・?』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督
『!! う、うん。 そうなんだよ、私がインデックス。 分かる・・・・・・?』
―――――――――――『禁書目録』を司るイギリス清教のシスター・インデックス
『・・・・・・・・・・・・いい加減にしろよテメェ!!!!
お前の事なんかこれっぽっちも知らない。 お前が一体どんな"魔術師"で、どんな人生を送ってきたかなんて、
"他人だった"俺には分からない。 けど、そんな霊装なんか使わなくったって守れるものはあるんだ!!』
―――――――――――学園都市の無能力者(レベル0)・上条当麻
253:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/28(土) 17:34:45.24:l6xjBZ5Fo (1/1)
垣根さん…
ガブリエルが気になって仕方がない
書き溜めが終わったのかぁ もうすぐ終わりなんだなぁ
今日も乙!
垣根さん…
ガブリエルが気になって仕方がない
書き溜めが終わったのかぁ もうすぐ終わりなんだなぁ
今日も乙!
254:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/05/28(土) 17:37:36.87:ZyYbJdpDo (1/2)
これで上条死なないかなー
これで上条死なないかなー
255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県):2011/05/28(土) 17:37:37.09:rAfBu0Ug0 (1/1)
書き溜めが終わってもいつも通りの投下とは執筆速度速いな
しかしエイワス無双しすぎで結局エイワスの思いのまま感があるな
書き溜めが終わってもいつも通りの投下とは執筆速度速いな
しかしエイワス無双しすぎで結局エイワスの思いのまま感があるな
256:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/28(土) 17:38:13.77:biN8cLb+o (1/1)
>>255
俺も一瞬層勘違いしたが、書き終わったけどってことじゃないのか?
>>255
俺も一瞬層勘違いしたが、書き終わったけどってことじゃないのか?
257:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2011/05/28(土) 17:41:49.93:CeUXj2j0o (1/1)
>>252
乙。
なんか☆が益々小物臭・・・・・・いや
>>256
だわなー
ってかこの速度でこの長期間投下しててなんで書き溜め尽きなかったんだ
どんだけ書き溜めてたのかどんだけ速筆なのか
>>252
乙。
なんか☆が益々小物臭・・・・・・いや
>>256
だわなー
ってかこの速度でこの長期間投下しててなんで書き溜め尽きなかったんだ
どんだけ書き溜めてたのかどんだけ速筆なのか
258:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/05/28(土) 17:45:12.20:jTAnT8pp0 (1/1)
乙
その勢いで番外編も書いてくれ、いや書いてくださいお願いします
乙
その勢いで番外編も書いてくれ、いや書いてくださいお願いします
259:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県):2011/05/28(土) 17:49:40.11:LNrEeQAr0 (1/1)
上条さんの説教キタ!
その調子でていとくンの死亡フラグという幻想をぶち殺してください
上条さんの説教キタ!
その調子でていとくンの死亡フラグという幻想をぶち殺してください
260:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 17:57:22.00:lkpWWhuDO (1/1)
Dボゥイ(ダークマター的な)さん…天使同盟のみんなはガブリエルを助けたいのと同じくらい、あなたがこんな姿になってしまうのを望んでないと思うんだ…
>>1
書き溜め終わりご苦労様でした。最後まで見届けさせてもらいます
Dボゥイ(ダークマター的な)さん…天使同盟のみんなはガブリエルを助けたいのと同じくらい、あなたがこんな姿になってしまうのを望んでないと思うんだ…
>>1
書き溜め終わりご苦労様でした。最後まで見届けさせてもらいます
261:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 18:05:17.07:VvQp1ZTq0 (1/1)
今までていとくんがここまでかっこいいスレはあっただろうか?
あと、一方の黒翼は『セト』と関係ないの?上条の能力についての考察スレで見たけど一方の黒翼はまだオシリスの劫にあるルシフェルの力って書いてあったけど・・・・
今までていとくんがここまでかっこいいスレはあっただろうか?
あと、一方の黒翼は『セト』と関係ないの?上条の能力についての考察スレで見たけど一方の黒翼はまだオシリスの劫にあるルシフェルの力って書いてあったけど・・・・
262:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 18:05:24.86:7Y7XflMIO (1/1)
書き溜めが尽きたんじゃなくて終わったのか、最初わからんかった。
ガブリエルが出てる珍しいスレだと思ってこれを見た時からついにここまで来たのか。もう>>1乙しか言えない、ただただ楽しみにしてる。
書き溜めが尽きたんじゃなくて終わったのか、最初わからんかった。
ガブリエルが出てる珍しいスレだと思ってこれを見た時からついにここまで来たのか。もう>>1乙しか言えない、ただただ楽しみにしてる。
263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/28(土) 18:11:10.01:1bOoh3dH0 (1/1)
なんで上条やインデックスは原典を使うことを否定するの?
なんで上条やインデックスは原典を使うことを否定するの?
264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/05/28(土) 18:33:29.10:94WLI4SNo (1/1)
乙
泣くな垣根
きっとうまくいくさ
乙
泣くな垣根
きっとうまくいくさ
265:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 18:45:40.91:4LqV18sDP (1/1)
乙
上条さん舞台の縁の下ぐらいにはなったな
乙
上条さん舞台の縁の下ぐらいにはなったな
266:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県):2011/05/28(土) 18:52:35.33:HJrCGwoe0 (1/1)
おつおつ
垣根強すぎわろち
>>263
その二人は闇咲オルソラあたりの事件で、魔道書の原典が悲劇しか生まないってわかってるからじゃね?
おつおつ
垣根強すぎわろち
>>263
その二人は闇咲オルソラあたりの事件で、魔道書の原典が悲劇しか生まないってわかってるからじゃね?
267:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 18:57:44.57:xP7rQleHo (1/1)
乙
どうしよう本当に垣根がかっこいい
乙
どうしよう本当に垣根がかっこいい
268:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県):2011/05/28(土) 19:13:26.14:yxJ3hCYh0 (1/1)
ふむ、残念だが乙としか形容できないな
ふむ、残念だが乙としか形容できないな
269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/05/28(土) 20:01:53.84:3OiZlgEAO (1/1)
>>1乙、熱いな
>>1乙、熱いな
270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 20:04:58.68:znuDrxMN0 (1/1)
>>1乙
く、くそ・・・
すぐ死ぬていとくんなんかに涙を消費する日がこようとは
>>1乙
く、くそ・・・
すぐ死ぬていとくんなんかに涙を消費する日がこようとは
271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県):2011/05/28(土) 20:25:15.61:MMl+QdrHo (1/1)
垣根がどうやってインフレについていくのか気になってたけど禁書目録は予想外すぎた
エイワスが渡したアイテムもてっきり魔術でついた怪我を修復する物かとばかり
垣根がどうやってインフレについていくのか気になってたけど禁書目録は予想外すぎた
エイワスが渡したアイテムもてっきり魔術でついた怪我を修復する物かとばかり
272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 20:28:34.31:4yHfMCNJ0 (1/1)
乙
垣根のせいで泣いちまうじゃねぇか…
そしてやっと上条さんとインデックスの出番が来たか
茶会が終わるってことはこのスレももうすぐ終わりってこと…なのか?
乙
垣根のせいで泣いちまうじゃねぇか…
そしてやっと上条さんとインデックスの出番が来たか
茶会が終わるってことはこのスレももうすぐ終わりってこと…なのか?
273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 20:32:37.26:Mlb9FnGB0 (1/1)
>>1乙
ていとくん、主人公の風格を醸し出しているぜ
このままその主人公オーラで死亡フラグをたたき折ってくれ
>>1乙
ていとくん、主人公の風格を醸し出しているぜ
このままその主人公オーラで死亡フラグをたたき折ってくれ
274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 20:50:00.48:K+ZsQ8qwo (1/1)
何故一方通行メインの話だと上条さんがウザく思えるのか
逆ならそうでもないのに
何故一方通行メインの話だと上条さんがウザく思えるのか
逆ならそうでもないのに
275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/28(土) 20:56:16.78:Lx/tPJ2DO (1/1)
誰を主観にして見るかによってすべてが決まる………つまりこの話に上条さんは出てきてはいけない人なのだ
誰を主観にして見るかによってすべてが決まる………つまりこの話に上条さんは出てきてはいけない人なのだ
276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/05/28(土) 20:59:49.19:0JbA7KPB0 (1/1)
綺麗なていとくん頑張れ超頑張れ
インさんと上条さんとすているさんじゅうよんさいも超頑張れ
あとフェードアウトしてる正妻風斬さんと一通さんも超頑張れ
>>254は[ピーーー]
綺麗なていとくん頑張れ超頑張れ
インさんと上条さんとすているさんじゅうよんさいも超頑張れ
あとフェードアウトしてる正妻風斬さんと一通さんも超頑張れ
>>254は[ピーーー]
277:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽):2011/05/28(土) 21:17:55.14:NLvWDcxAO (1/1)
>>274
まぁこれは天使同盟の物語で
上条さんの物語ではないからだろうな
>>274
まぁこれは天使同盟の物語で
上条さんの物語ではないからだろうな
278:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/28(土) 22:00:08.33:+9AR/d7co (1/1)
次回予告の台詞だけで上条ウザいと思ってしまった
どうしても好きになれん
次回予告の台詞だけで上条ウザいと思ってしまった
どうしても好きになれん
279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県):2011/05/28(土) 22:30:16.58:Q0PDQZBk0 (1/1)
別にウザイとか、好きになれないとかは個人感情だから構わんが、そんなんはチラシの裏にでも書いとけ
そのキャラを好きな奴もいるし、作者さんのモチベも下がる
別にウザイとか、好きになれないとかは個人感情だから構わんが、そんなんはチラシの裏にでも書いとけ
そのキャラを好きな奴もいるし、作者さんのモチベも下がる
280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/05/28(土) 22:54:35.76:ZyYbJdpDo (2/2)
作者さん(笑)
作者さん(笑)
281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/28(土) 23:44:36.28:xGckwVuH0 (1/1)
お前等、何を勘違いしているんだ
主人公でないスレでの上条さんの役割は、パワーアップアイテムなんだぜ?
つまりこれはそげぶからの主人公補正解禁フラグなのだよ!頑張れていとくん!
お前等、何を勘違いしているんだ
主人公でないスレでの上条さんの役割は、パワーアップアイテムなんだぜ?
つまりこれはそげぶからの主人公補正解禁フラグなのだよ!頑張れていとくん!
282:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/29(日) 01:59:34.24:XOFZev81o (1/1)
いちおつ
>>281
つまり原典の毒だけそげぶして更なる垣根無双が始まるわけか
いちおつ
>>281
つまり原典の毒だけそげぶして更なる垣根無双が始まるわけか
283:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/05/29(日) 02:17:55.24:DeXFCWKY0 (1/1)
垣根が・・・垣根がぁぁぁぁぁああああ・・・
もう、彼に平和を与えてくれよ『セト』
垣根が・・・垣根がぁぁぁぁぁああああ・・・
もう、彼に平和を与えてくれよ『セト』
284:VIPにかわりましてNIPPERがお送ってやらァ:2011/05/29(日) 08:28:53.84:rJbs3ux60 (1/1)
>>282
なにそれ無敵
第一位と第二位がパワーアップしすぎて
二位と三位の差がどれだけ広がってるか予測付かない
>>282
なにそれ無敵
第一位と第二位がパワーアップしすぎて
二位と三位の差がどれだけ広がってるか予測付かない
285:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/05/29(日) 13:10:25.18:OFKohvYOo (1/1)
それより垣根の立てた3本のフラグのうちの一本がステイルさんじゅうよんさいだったとは誰が予想できただろうか
それより垣根の立てた3本のフラグのうちの一本がステイルさんじゅうよんさいだったとは誰が予想できただろうか
286:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/29(日) 23:46:47.92:WJT8pJMF0 (1/1)
結局、せっかく立てたたった三本のフラグさえフラグ一級建築士さんに
そげぶしてもらう代償として根こそぎ吸い取られちゃうって訳よ。
結局、せっかく立てたたった三本のフラグさえフラグ一級建築士さんに
そげぶしてもらう代償として根こそぎ吸い取られちゃうって訳よ。
287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県):2011/05/30(月) 12:40:14.70:Vuk3kj6D0 (1/1)
三本のフラグ・・・一本足とステイルと死亡フラグか
奪われてもよくね?
三本のフラグ・・・一本足とステイルと死亡フラグか
奪われてもよくね?
288:結局、VIPにかわってNIPPERがお送りするわけよ:2011/05/30(月) 15:28:45.13:3QZCTgay0 (1/1)
いやていとくんの僅かなフラグだ。
大切にしないと。
いやていとくんの僅かなフラグだ。
大切にしないと。
289:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/30(月) 21:17:33.23:zWGOLKzSO (1/1)
乙
書き溜め終わった=……!
楽しみに待ってます
乙
書き溜め終わった=……!
楽しみに待ってます
290: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:33:34.99:QDba7KYho (1/17)
>>263
何かを守るのは結構ですがそれと引換に死んじゃあ元も子もねーだろ!的な感じです
闇咲の件もありますし
こんばんわ、今日も投下しにきました。
書き溜めが終わったというのは、つまり【完】まで書き終えたというわけです。
わかりにくくてすみません。
なのでなるべく更新スペースを上げたいのですがなかなか上手くいかないですね・・・・・・
それではいきます!
>>263
何かを守るのは結構ですがそれと引換に死んじゃあ元も子もねーだろ!的な感じです
闇咲の件もありますし
こんばんわ、今日も投下しにきました。
書き溜めが終わったというのは、つまり【完】まで書き終えたというわけです。
わかりにくくてすみません。
なのでなるべく更新スペースを上げたいのですがなかなか上手くいかないですね・・・・・・
それではいきます!
291: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:34:04.60:QDba7KYho (2/17)
――――――――――――――――――――――
エイワス達が居た場所から離れてそのまましばらく歩いていると、
不意に垣根がステイルの腕を振り払った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・アレイ、・・・・・・スター・・・・・・」
「垣根、意識が戻ったのか?」
あれだけ原典を開き、閲覧し、行使したにも関わらず、垣根帝督は意識を取り戻していた。
いや、意識はあるにはあるが未だ朦朧としている。相変わらず目の焦点は合っていないし
血塗れの口から漏れる言葉は耳を澄まさなければ聞き取れないほどに不明瞭だった。
だがそれでも自分の足で歩けている限り、いよいよ垣根も化物だとステイルは背筋を凍らせる。
彼も長い期間魔術サイドに身を預けているが、あれほど原典を使用して尚生きている例は聞いたことがなかった。
「霊装を僕に渡せ。 あの仮面の軍隊も出てくる気配がないし、
それ以上原典を酷使する理由はない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・、駄目、だ」
――――――――――――――――――――――
エイワス達が居た場所から離れてそのまましばらく歩いていると、
不意に垣根がステイルの腕を振り払った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・アレイ、・・・・・・スター・・・・・・」
「垣根、意識が戻ったのか?」
あれだけ原典を開き、閲覧し、行使したにも関わらず、垣根帝督は意識を取り戻していた。
いや、意識はあるにはあるが未だ朦朧としている。相変わらず目の焦点は合っていないし
血塗れの口から漏れる言葉は耳を澄まさなければ聞き取れないほどに不明瞭だった。
だがそれでも自分の足で歩けている限り、いよいよ垣根も化物だとステイルは背筋を凍らせる。
彼も長い期間魔術サイドに身を預けているが、あれほど原典を使用して尚生きている例は聞いたことがなかった。
「霊装を僕に渡せ。 あの仮面の軍隊も出てくる気配がないし、
それ以上原典を酷使する理由はない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・、駄目、だ」
292: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:34:51.01:QDba7KYho (3/17)
弱々しい声だったが、それでも強い意志が窺えた。
どうやら遠隔制御霊装を使ってまだ何かをやらかそうとしているらしい。
これ以上原典を行使し続ければ待っているのは掛け値なく『死』。
魔術サイドに属し、『自動書記』と正面から相対したことのあるステイルだからこそ分かることだった。
口で言っても無駄だと悟ったステイルは半ば強引に垣根の手から霊装を毟り取ろうとしたが、
『未元物質』の翼で突き飛ばされてしまった。断固として霊装を手放さないつもりらしい。
『禁書目録』の全知全能を手に入れ、原典に"魅せられた"かと危惧したステイルだったが、
垣根の表情を見る限りではそんな様子ではなかった。
彼の表情はまるで、一種の覚悟を決めたかのような―───―。
「ステイル!!」
と、そこで不意に遠方からステイルを呼ぶ声が聞こえてきた。
声のした方を見るとそこは既に第一九学区の端。光のカーテンが敷かれている場所だ。
そのカーテンの向こう側で、上条当麻とインデックスがこちらを不安げに見つめていた。
弱々しい声だったが、それでも強い意志が窺えた。
どうやら遠隔制御霊装を使ってまだ何かをやらかそうとしているらしい。
これ以上原典を行使し続ければ待っているのは掛け値なく『死』。
魔術サイドに属し、『自動書記』と正面から相対したことのあるステイルだからこそ分かることだった。
口で言っても無駄だと悟ったステイルは半ば強引に垣根の手から霊装を毟り取ろうとしたが、
『未元物質』の翼で突き飛ばされてしまった。断固として霊装を手放さないつもりらしい。
『禁書目録』の全知全能を手に入れ、原典に"魅せられた"かと危惧したステイルだったが、
垣根の表情を見る限りではそんな様子ではなかった。
彼の表情はまるで、一種の覚悟を決めたかのような―───―。
「ステイル!!」
と、そこで不意に遠方からステイルを呼ぶ声が聞こえてきた。
声のした方を見るとそこは既に第一九学区の端。光のカーテンが敷かれている場所だ。
そのカーテンの向こう側で、上条当麻とインデックスがこちらを不安げに見つめていた。
293: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:35:29.70:QDba7KYho (4/17)
「ステイル、そいつか!? 『自動書記』の霊装を使ってるやつは!!」
「・・・・・・まったく、相変わらず最悪のタイミングで出くわすね君は。
とっととここから去れと確かに言ったはず――――――」
「お願い!!! もうやめて!!」
ステイルと上条の会話に割り込んで叫んだのは白い修道服を着たシスターだった。
インデックスは光の壁に手をつけながら必死で垣根に声をかける。
「それが一体どんな霊装なのか、あなただって知らないわけじゃないでしょ・・・・・・?
そんな物を使わなくったって、大切なものは守れるんだよ! あなたが何かを
必死に守ろうとしているのは分かってる。 あなたの想いはその霊装を通して
ほんの少しだけど私にも伝わってるから・・・・・・・・・・・・」
垣根は自分が話しかけられている事にすら気付いていなかった。
視界はぼやけ、聴覚は機能しているのかどうかもわからない。耳からも大量に出血しているため、
耳の穴の中で血が固まって音が聞き取りにくくなっているのかもしれない。
「ステイル、そいつか!? 『自動書記』の霊装を使ってるやつは!!」
「・・・・・・まったく、相変わらず最悪のタイミングで出くわすね君は。
とっととここから去れと確かに言ったはず――――――」
「お願い!!! もうやめて!!」
ステイルと上条の会話に割り込んで叫んだのは白い修道服を着たシスターだった。
インデックスは光の壁に手をつけながら必死で垣根に声をかける。
「それが一体どんな霊装なのか、あなただって知らないわけじゃないでしょ・・・・・・?
そんな物を使わなくったって、大切なものは守れるんだよ! あなたが何かを
必死に守ろうとしているのは分かってる。 あなたの想いはその霊装を通して
ほんの少しだけど私にも伝わってるから・・・・・・・・・・・・」
垣根は自分が話しかけられている事にすら気付いていなかった。
視界はぼやけ、聴覚は機能しているのかどうかもわからない。耳からも大量に出血しているため、
耳の穴の中で血が固まって音が聞き取りにくくなっているのかもしれない。
294: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:36:12.70:QDba7KYho (5/17)
でも、それでも、目の前にいる誰かが自分の事を本気で心配してくれてる事だけは分かった。
そして垣根はふと、エイワスの言葉を思い出す。
『「禁書目録(インデックス)」、という言葉を覚えておくといい。 "アレ"は今も学園都市に存在しているだろう』
「・・・・・・・・・・・・イン、デックス・・・・・・・・・・・・?」
「!! う、うん。 そうなんだよ、私がインデックス。 分かる・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・インデックス・・・・・・」
でも、それでも、目の前にいる誰かが自分の事を本気で心配してくれてる事だけは分かった。
そして垣根はふと、エイワスの言葉を思い出す。
『「禁書目録(インデックス)」、という言葉を覚えておくといい。 "アレ"は今も学園都市に存在しているだろう』
「・・・・・・・・・・・・イン、デックス・・・・・・・・・・・・?」
「!! う、うん。 そうなんだよ、私がインデックス。 分かる・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・インデックス・・・・・・」
295: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:37:20.38:QDba7KYho (6/17)
呪文のように何度も銀髪の修道女の名を呼ぶ垣根に、ステイルと上条は眉をひそめて訝しむ。
上条は『遠隔制御霊装を使っておきながら、なぜこの男はインデックスを知らなかったのか?』と疑問に思った。
ステイルは『なぜ学園都市に住む人間がインデックスという言葉を知っている?』と頭を悩ませた。
答えはどちらも、『垣根帝督が科学サイド人間だから』、で説明できる。
インデックスという言葉だけは知っている。なぜならそれは科学サイドでない存在から耳にしているから。
インデックスが何なのかは知らない。なぜなら彼は科学サイドの人間だから。
困惑する二人を無視して、インデックスは諭すように垣根に話しかける。
「あなたはもう充分に戦ったんだよ・・・・・・。 だからお願い、もうこれ以上私の魔導書のせいで
傷つかないで・・・・・・・・・・・・。 私のせいで誰かが苦しむなんて、もう沢山なんだよ・・・・・・」
ポロポロと大粒の涙を流しながらインデックスは懇願した。
正直、今の垣根帝督の姿は見ていられなかった。あらゆる箇所からの夥しい出血。
汚染の影響からか目は虚ろで、そのおぼつかない足取りはゴーストタウンを徘徊するゾンビのようにも見える。
誰がどう見たって、今の垣根は三途の川に片足を突っ込んでいる状態だった。
呪文のように何度も銀髪の修道女の名を呼ぶ垣根に、ステイルと上条は眉をひそめて訝しむ。
上条は『遠隔制御霊装を使っておきながら、なぜこの男はインデックスを知らなかったのか?』と疑問に思った。
ステイルは『なぜ学園都市に住む人間がインデックスという言葉を知っている?』と頭を悩ませた。
答えはどちらも、『垣根帝督が科学サイド人間だから』、で説明できる。
インデックスという言葉だけは知っている。なぜならそれは科学サイドでない存在から耳にしているから。
インデックスが何なのかは知らない。なぜなら彼は科学サイドの人間だから。
困惑する二人を無視して、インデックスは諭すように垣根に話しかける。
「あなたはもう充分に戦ったんだよ・・・・・・。 だからお願い、もうこれ以上私の魔導書のせいで
傷つかないで・・・・・・・・・・・・。 私のせいで誰かが苦しむなんて、もう沢山なんだよ・・・・・・」
ポロポロと大粒の涙を流しながらインデックスは懇願した。
正直、今の垣根帝督の姿は見ていられなかった。あらゆる箇所からの夥しい出血。
汚染の影響からか目は虚ろで、そのおぼつかない足取りはゴーストタウンを徘徊するゾンビのようにも見える。
誰がどう見たって、今の垣根は三途の川に片足を突っ込んでいる状態だった。
296: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:39:40.13:QDba7KYho (7/17)
だが例え棺桶に収まる寸前の状態でも、垣根帝督は
「・・・・・・・・・・・・すまねえ、な」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
そう言って、笑うだけだった。
ただしその笑みは邪悪なものでも、嘲笑でもない。
普段の彼からは想像もつかない、優しい、少年のような柔和な笑みだった。
「ど、うして・・・・・・・・・・・・?」
「もう・・・・・・手に入れちまったから。 あいつらを、あのクソボケ共を守れる方法が・・・・・・。
誰だかは知らねえが、お前のおかげで・・・・・・俺は居場所を守れる。 だから・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・いい加減にしろよテメェ!!!!」
垣根に向かって吠えたのは上条だった。
ミシ・・・・・・と右手から軋む音がするほど拳を握り締め上条は激昂する。
だが例え棺桶に収まる寸前の状態でも、垣根帝督は
「・・・・・・・・・・・・すまねえ、な」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
そう言って、笑うだけだった。
ただしその笑みは邪悪なものでも、嘲笑でもない。
普段の彼からは想像もつかない、優しい、少年のような柔和な笑みだった。
「ど、うして・・・・・・・・・・・・?」
「もう・・・・・・手に入れちまったから。 あいつらを、あのクソボケ共を守れる方法が・・・・・・。
誰だかは知らねえが、お前のおかげで・・・・・・俺は居場所を守れる。 だから・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・いい加減にしろよテメェ!!!!」
垣根に向かって吠えたのは上条だった。
ミシ・・・・・・と右手から軋む音がするほど拳を握り締め上条は激昂する。
297: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:42:05.77:QDba7KYho (8/17)
「お前の事なんかこれっぽっちも知らない。 お前が一体どんな"魔術師"で、どんな人生を送ってきたかなんて、
"他人だった"俺には分からない。 けど、そんな霊装なんか使わなくったって守れるものはあるんだ!!
インデックスを、こんな小さな女の子を泣かせなくても守れる方法があるんだよ!! 『自動書記』を
ほいほい使いこなしちまうほどの強さがあるなら、魔道書なんかに頼らなくたって他の道を示せるはずじゃねえか!!!」
「・・・・・・、」
「そんな数ある可能性を全部放棄して、泣いてまでお前を止めようとするインデックスの意志も無視して、
それでもまだそんなくだらねえオモチャに頼って大切なものを守ろうって言うんなら・・・・・・!!!
まずはそのふざけた幻想を・・・・・・・・・・・・、・・・・・・・・・・・・ッッ!!! クソッ!!!!」
ゴッ!! と上条は異端の力が宿るその右手を思い切り不可思議な光の壁に叩きつける。
もちろん"『幻想殺し』程度"では、この強固な壁はビクともしない。
目の前にいる"自分と同じような馬鹿野郎"を、本当なら今すぐぶん殴ってやりたいのに、
それが出来ない非力で無力な自分が腹ただしくてしょうがなかった。
「お前の事なんかこれっぽっちも知らない。 お前が一体どんな"魔術師"で、どんな人生を送ってきたかなんて、
"他人だった"俺には分からない。 けど、そんな霊装なんか使わなくったって守れるものはあるんだ!!
インデックスを、こんな小さな女の子を泣かせなくても守れる方法があるんだよ!! 『自動書記』を
ほいほい使いこなしちまうほどの強さがあるなら、魔道書なんかに頼らなくたって他の道を示せるはずじゃねえか!!!」
「・・・・・・、」
「そんな数ある可能性を全部放棄して、泣いてまでお前を止めようとするインデックスの意志も無視して、
それでもまだそんなくだらねえオモチャに頼って大切なものを守ろうって言うんなら・・・・・・!!!
まずはそのふざけた幻想を・・・・・・・・・・・・、・・・・・・・・・・・・ッッ!!! クソッ!!!!」
ゴッ!! と上条は異端の力が宿るその右手を思い切り不可思議な光の壁に叩きつける。
もちろん"『幻想殺し』程度"では、この強固な壁はビクともしない。
目の前にいる"自分と同じような馬鹿野郎"を、本当なら今すぐぶん殴ってやりたいのに、
それが出来ない非力で無力な自分が腹ただしくてしょうがなかった。
298: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:46:22.33:QDba7KYho (9/17)
「とうま・・・・・・」
「ちくしょう・・・・・・何でだよ!!! それを使い続けたらどうなるか分かってるんだろ!!?
死ぬんだぞ!!! テメェが大切なものを守って、死んで!!! 残された人が喜ぶとでも
思ってんのかよ!! お前の想いは絶対に間違っちゃいない、でもやり方が間違ってる!!
俺は今までそんな馬鹿を沢山見てきた!!! 目ェ覚ませよヒーロー!! お前はこんなところで
死んでいいような人間じゃねえだろうがぁ!!!!」
「・・・・・・、は・・・・・・」
ふらふらと、今にも倒れそうな挙動で垣根は歩み始めた。
上条とインデックスがいる方向とは全く逆の方向へと。
「ま、待って・・・・・・お願いだから待って欲しいんだよ・・・・・・」
「く、ゥ・・・・・・!!! ステイル!!! その馬鹿の目を覚ましてやってくれよ!!
俺じゃ・・・・・・俺なんかじゃ駄目だ。 舞台に上がれもしない"脇役"じゃ、そのヒーローを
止められねえ・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・くっ・・・・・・」
「とうま・・・・・・」
「ちくしょう・・・・・・何でだよ!!! それを使い続けたらどうなるか分かってるんだろ!!?
死ぬんだぞ!!! テメェが大切なものを守って、死んで!!! 残された人が喜ぶとでも
思ってんのかよ!! お前の想いは絶対に間違っちゃいない、でもやり方が間違ってる!!
俺は今までそんな馬鹿を沢山見てきた!!! 目ェ覚ませよヒーロー!! お前はこんなところで
死んでいいような人間じゃねえだろうがぁ!!!!」
「・・・・・・、は・・・・・・」
ふらふらと、今にも倒れそうな挙動で垣根は歩み始めた。
上条とインデックスがいる方向とは全く逆の方向へと。
「ま、待って・・・・・・お願いだから待って欲しいんだよ・・・・・・」
「く、ゥ・・・・・・!!! ステイル!!! その馬鹿の目を覚ましてやってくれよ!!
俺じゃ・・・・・・俺なんかじゃ駄目だ。 舞台に上がれもしない"脇役"じゃ、そのヒーローを
止められねえ・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・くっ・・・・・・」
299: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:48:10.96:QDba7KYho (10/17)
もはやステイルにはどうしたらいいか判断出来なかった。
本来の彼なら例えここで垣根を殺してでも霊装を奪う選択をとっていただろう
だが同時に、本来絶対に間違っている方法で大切なものを守るという垣根の意志が、ステイルにはよく理解できる。
かつて彼が、最も大切な存在であるインデックスを、最低な方法で守り続けていた過去があるからこそ、
ステイルは垣根をあと一歩のところで抑止出来ずにいた。
垣根に対する怒りと共感がステイルの胸中でせめぎ合う。
上条とインデックスの叫びを背で受けながら、垣根は虫のさえずりのような小さい声で言った。
「・・・・・・・・・・・・『汝の欲する所を為せ、それが汝の法とならん』」
「な、に?」
その言葉を聞いてステイルは息が詰まった。なぜ科学サイドの人間が『法の書』に記されている言葉を知っているのか、と。
垣根はエイワスが所持していた『法の書』に目を通したことがある。そこに書かれていた言葉の意味がわからず、
その時はすぐに思考を放棄した。
もはやステイルにはどうしたらいいか判断出来なかった。
本来の彼なら例えここで垣根を殺してでも霊装を奪う選択をとっていただろう
だが同時に、本来絶対に間違っている方法で大切なものを守るという垣根の意志が、ステイルにはよく理解できる。
かつて彼が、最も大切な存在であるインデックスを、最低な方法で守り続けていた過去があるからこそ、
ステイルは垣根をあと一歩のところで抑止出来ずにいた。
垣根に対する怒りと共感がステイルの胸中でせめぎ合う。
上条とインデックスの叫びを背で受けながら、垣根は虫のさえずりのような小さい声で言った。
「・・・・・・・・・・・・『汝の欲する所を為せ、それが汝の法とならん』」
「な、に?」
その言葉を聞いてステイルは息が詰まった。なぜ科学サイドの人間が『法の書』に記されている言葉を知っているのか、と。
垣根はエイワスが所持していた『法の書』に目を通したことがある。そこに書かれていた言葉の意味がわからず、
その時はすぐに思考を放棄した。
300: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:49:32.10:QDba7KYho (11/17)
だが、
「・・・・・・今なら、分かる気がする。 あの言葉の、意味・・・・・・が・・・・・・、・・・・・・ごぼっ・・・・・・!!」
垣根は口から大量の血を吐き出した。それを見たインデックスが思わず短い悲鳴を上げる。
涙を流しながら青ざめているインデックスに向かって、垣根は最後にこう告げた。
「ごめんな・・・・・・。 ありがとう、インデックス」
そして二度と、垣根はインデックス達へ目を向ける事はなかった。
ステイルも壁の向こうで捲し立てている彼らを名残惜しそうに見るが、『幻想殺し』でも壊せない
壁が立ちはだかっていてはどうすることも出来ない。彼はゆっくりとした足取りで垣根に近付く。
だが、
「・・・・・・今なら、分かる気がする。 あの言葉の、意味・・・・・・が・・・・・・、・・・・・・ごぼっ・・・・・・!!」
垣根は口から大量の血を吐き出した。それを見たインデックスが思わず短い悲鳴を上げる。
涙を流しながら青ざめているインデックスに向かって、垣根は最後にこう告げた。
「ごめんな・・・・・・。 ありがとう、インデックス」
そして二度と、垣根はインデックス達へ目を向ける事はなかった。
ステイルも壁の向こうで捲し立てている彼らを名残惜しそうに見るが、『幻想殺し』でも壊せない
壁が立ちはだかっていてはどうすることも出来ない。彼はゆっくりとした足取りで垣根に近付く。
301: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:50:37.20:QDba7KYho (12/17)
「・・・・・・ステイル。 俺を、一方通行と・・・・・・ミーシャのところへ連れてけ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうするつもりだ」
「"守る手段"は・・・・・・俺が肩入れしてやる。 だから"実行"は・・・・・・あのクソ野郎に託す。
・・・・・・一〇万三〇〇〇冊ってのはすげえなぁ・・・・・・この絶望的な状況に、光明を照らしてくれやがった」
「何か方法があるのか?」
「ああ。 ま、これで失敗したら・・・・・・そん時はインデックスの前でお前が俺の首を飛ばせ」
ステイルはしばし思考した。その気になれば恐らく垣根帝督から無理やり霊装を奪える。
そうすれば垣根がこれ以上死に近付くことはないし、インデックスもきっと安心してくれる。
あの子がまた、笑顔に戻ってくれる。そう考えたステイルは、
「・・・・・・ステイル。 俺を、一方通行と・・・・・・ミーシャのところへ連れてけ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうするつもりだ」
「"守る手段"は・・・・・・俺が肩入れしてやる。 だから"実行"は・・・・・・あのクソ野郎に託す。
・・・・・・一〇万三〇〇〇冊ってのはすげえなぁ・・・・・・この絶望的な状況に、光明を照らしてくれやがった」
「何か方法があるのか?」
「ああ。 ま、これで失敗したら・・・・・・そん時はインデックスの前でお前が俺の首を飛ばせ」
ステイルはしばし思考した。その気になれば恐らく垣根帝督から無理やり霊装を奪える。
そうすれば垣根がこれ以上死に近付くことはないし、インデックスもきっと安心してくれる。
あの子がまた、笑顔に戻ってくれる。そう考えたステイルは、
302: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:51:27.80:QDba7KYho (13/17)
「分かった、・・・・・・手を貸そう。 君を一方通行の下へ連れて行く」
「いい、のかよ?」
苦渋の決断だった。ステイルは自分とはこれほど馬鹿で愚かな男だったのか、と自覚する。
だが、それでも、
「その代わり、全てが終わったら君を一〇万三〇〇〇発ぶん殴らせろ」
「おいおい、そんなに殴られたらイイ男が台無しになっちまう」
今だけはこの男に助力しようと、断腸の思いで決意する。
『ゲーム』開始から二時間が経過。本来なら『星の欠片』はとっくに消失しているであろう時間。
垣根帝督は仲間を守るため、命を賭けて前へ進む。
「分かった、・・・・・・手を貸そう。 君を一方通行の下へ連れて行く」
「いい、のかよ?」
苦渋の決断だった。ステイルは自分とはこれほど馬鹿で愚かな男だったのか、と自覚する。
だが、それでも、
「その代わり、全てが終わったら君を一〇万三〇〇〇発ぶん殴らせろ」
「おいおい、そんなに殴られたらイイ男が台無しになっちまう」
今だけはこの男に助力しようと、断腸の思いで決意する。
『ゲーム』開始から二時間が経過。本来なら『星の欠片』はとっくに消失しているであろう時間。
垣根帝督は仲間を守るため、命を賭けて前へ進む。
303: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:53:03.15:QDba7KYho (14/17)
――――――――――――――――――――――
ズズン・・・・・・と派手な震動が起きた。
垣根帝督とステイルが立ち去った後、その場にあったいくつもの塔が大地に飲み込まれていった。
巨大なマンホールのようにポッカリと口を開けていた第一九学区の地面に、新たな足場が出現する。
「・・・・・・まあ、こんなものか。 気分はどうかねアレイスター? 必要なら小休止を挟もうか?」
「・・・・・・・・・・・・必要ない。 くだらん気遣いをどうもありがとう、我が守護神よ」
ドーム一個分ほどの大きさに広がった新たな大地に、エイワスとアレイスターが乗り込む。
エイワスは普段どおりの佇まいだったが、アレイスターは明らかにいつもと異なっていた。
エイワスとの戦闘でいつも着用している緑色の手術衣はボロボロになり、身体中に出来た裂傷から
じわりと血が滲んでいる。胸には雷に貫かれたような大きな穴が空いており、穴の周囲は軽く焦げていた。
アレイスターの顔は半分消し飛んでいる。垣根帝督の『竜王の殺息』という究極の不意打ちを喰らった事によって。
これでまだ動けるというのだから不思議でしょうがない。だが注目すべきはそんな所ではなかった。
アレイスターの表情。いつもの感情が読めないフラットな表情は、今や見る影もない。
エイワスに対して向けられるは、明らかな『憎悪』、『憤怒』。そして、
――――――――――――――――――――――
ズズン・・・・・・と派手な震動が起きた。
垣根帝督とステイルが立ち去った後、その場にあったいくつもの塔が大地に飲み込まれていった。
巨大なマンホールのようにポッカリと口を開けていた第一九学区の地面に、新たな足場が出現する。
「・・・・・・まあ、こんなものか。 気分はどうかねアレイスター? 必要なら小休止を挟もうか?」
「・・・・・・・・・・・・必要ない。 くだらん気遣いをどうもありがとう、我が守護神よ」
ドーム一個分ほどの大きさに広がった新たな大地に、エイワスとアレイスターが乗り込む。
エイワスは普段どおりの佇まいだったが、アレイスターは明らかにいつもと異なっていた。
エイワスとの戦闘でいつも着用している緑色の手術衣はボロボロになり、身体中に出来た裂傷から
じわりと血が滲んでいる。胸には雷に貫かれたような大きな穴が空いており、穴の周囲は軽く焦げていた。
アレイスターの顔は半分消し飛んでいる。垣根帝督の『竜王の殺息』という究極の不意打ちを喰らった事によって。
これでまだ動けるというのだから不思議でしょうがない。だが注目すべきはそんな所ではなかった。
アレイスターの表情。いつもの感情が読めないフラットな表情は、今や見る影もない。
エイワスに対して向けられるは、明らかな『憎悪』、『憤怒』。そして、
304: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:55:48.07:QDba7KYho (15/17)
「『嫉妬』か。 このまま七つの大罪でもコンプリートしてみるか?
君のように意志が強力な人間では、煉獄でも浄化出来ないかも知れんがね」
「"それも挑発か"?」
「忠告だよ。 まさかとは思うが、このまま私が君を見捨てるだなんて可能性に
縋っているのではないだろうな? 安心しろ、"それはない"」
それは、何があってもここからアレイスターを逃がすつもりはないという、
エイワスからの宣戦布告だった。
『天使同盟』の面々がこれを聞いていたら、下手をすればアレイスターに同情していたかもしれない。
エイワスの口から出る『絶対に逃がさない』という言葉の恐ろしさがどれほどのものか、少なくとも
『天使同盟』のリーダーはよくご存知だろう。
アレイスターはふぅー・・・・・・と大きく息をつく。
顔が半分無くなっているため、呼吸をするたびに彼の口元から奇妙な音が聞こえていた。
その半分になってしまった顔で、アレイスターは微笑を浮かべる。
この時、初めてエイワスは不可解そうな顔を見せた。
「『嫉妬』か。 このまま七つの大罪でもコンプリートしてみるか?
君のように意志が強力な人間では、煉獄でも浄化出来ないかも知れんがね」
「"それも挑発か"?」
「忠告だよ。 まさかとは思うが、このまま私が君を見捨てるだなんて可能性に
縋っているのではないだろうな? 安心しろ、"それはない"」
それは、何があってもここからアレイスターを逃がすつもりはないという、
エイワスからの宣戦布告だった。
『天使同盟』の面々がこれを聞いていたら、下手をすればアレイスターに同情していたかもしれない。
エイワスの口から出る『絶対に逃がさない』という言葉の恐ろしさがどれほどのものか、少なくとも
『天使同盟』のリーダーはよくご存知だろう。
アレイスターはふぅー・・・・・・と大きく息をつく。
顔が半分無くなっているため、呼吸をするたびに彼の口元から奇妙な音が聞こえていた。
その半分になってしまった顔で、アレイスターは微笑を浮かべる。
この時、初めてエイワスは不可解そうな顔を見せた。
305: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:57:24.49:QDba7KYho (16/17)
「どうやらあなたは本気で『天使同盟』側につくつもりのようだ。
私のことも、ここで殺してしまってもそれはそれで一興だと考えているのだろう」
「ならばどうする?」
「覚悟を決めたよ、エイワス」
ズグンッッッ!!!!!! と空間がひどく歪む音がした。
アレイスターの周囲にある景色が別の絵の具をそれぞれ混ぜ合わせたようにぐにゃりと渦を巻いている。
そして、アレイスターは歌うように呟いた。
「――――――――Perdurabo093」
「どうやらあなたは本気で『天使同盟』側につくつもりのようだ。
私のことも、ここで殺してしまってもそれはそれで一興だと考えているのだろう」
「ならばどうする?」
「覚悟を決めたよ、エイワス」
ズグンッッッ!!!!!! と空間がひどく歪む音がした。
アレイスターの周囲にある景色が別の絵の具をそれぞれ混ぜ合わせたようにぐにゃりと渦を巻いている。
そして、アレイスターは歌うように呟いた。
「――――――――Perdurabo093」
306: ◆3dKAx7itpI:2011/05/30(月) 23:58:56.08:QDba7KYho (17/17)
その言葉を聞いたエイワスの表情は、信じられないことに『驚愕』一色に染め上がっていた。
アレイスターが放った言葉は呪文でも呪詛でも何でもない。
魔術師なら誰もが持っている『魔法名』。アレイスターの『Perdurabo093』の意味は『我、耐え忍ばん』。
アレイスター=クロウリーは学園都市創設以来、初めて"純粋なる魔術師"として君臨した。
「"久しぶりだな"、エイワス。 私は『黄金夜明(S∴M∴)』所属の魔術師、アレイスター=クロウリーという者だ」
「っ。 くく・・・・・・」
次にエイワスが浮かべた感情は『歓喜』と『追慕』だった。
かつてエジプトに訪れていた若りし頃の、言ってしまえば"全盛期"のアレイスターを前に、
エイワスは体を駆け巡る震えを感じた。
遅れて、大地がズズズズズズズ・・・・・・!!!! と震え始めた。
まるでエイワスの歓喜の震えに呼応するように。大地が、地球という惑星が魔術師アレイスターの
再帰を祝福しているかのように。
その言葉を聞いたエイワスの表情は、信じられないことに『驚愕』一色に染め上がっていた。
アレイスターが放った言葉は呪文でも呪詛でも何でもない。
魔術師なら誰もが持っている『魔法名』。アレイスターの『Perdurabo093』の意味は『我、耐え忍ばん』。
アレイスター=クロウリーは学園都市創設以来、初めて"純粋なる魔術師"として君臨した。
「"久しぶりだな"、エイワス。 私は『黄金夜明(S∴M∴)』所属の魔術師、アレイスター=クロウリーという者だ」
「っ。 くく・・・・・・」
次にエイワスが浮かべた感情は『歓喜』と『追慕』だった。
かつてエジプトに訪れていた若りし頃の、言ってしまえば"全盛期"のアレイスターを前に、
エイワスは体を駆け巡る震えを感じた。
遅れて、大地がズズズズズズズ・・・・・・!!!! と震え始めた。
まるでエイワスの歓喜の震えに呼応するように。大地が、地球という惑星が魔術師アレイスターの
再帰を祝福しているかのように。
307: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 00:00:24.43:yRnDv3tco (1/42)
黄金の輝きを放つオーラを纏うアレイスターは、エイワスとは対照的に極めて無表情だった。
そして間髪を入れず先制攻撃を放つ。
「ソロモン七十二柱序列第一〇位、『ブエル』の召喚を実行する」
(・・・・・・ッ。 半物質化"魔法"―――――)
エイワスはすかさず反撃に出ようとしたが、一瞬早くアレイスターの攻撃が始まった。
ブエルの召喚を実行したアレイスターの背後に、星が現出する。
否、それは星ではなく、五つの触手を持った星型の『異形』だった。
続けて、ゴキィィィィィィン!!!!!!! と甲走った音が鼓膜を貫く。
まるで不可視のナイフでケーキをブロック状に切り取ったように、空間そのものが"ズレた"。
ここまでの一連の流れは、一秒にも満たなかった。
ズレた空間の範囲内には、エイワスの上半身も含まれていた。
エイワスは出遅れた事を悟ると一言、普段の調子で呟く。
「ああ。 "いかんなこれは"」
「隔離しろ」
切り取られた空間が虚空に取り除かれた。
空間の"切り取り"に巻き込まれたエイワスの上半身は、雪が溶けるような静けさと共にこの世から綺麗サッパリ消失した。
黄金の輝きを放つオーラを纏うアレイスターは、エイワスとは対照的に極めて無表情だった。
そして間髪を入れず先制攻撃を放つ。
「ソロモン七十二柱序列第一〇位、『ブエル』の召喚を実行する」
(・・・・・・ッ。 半物質化"魔法"―――――)
エイワスはすかさず反撃に出ようとしたが、一瞬早くアレイスターの攻撃が始まった。
ブエルの召喚を実行したアレイスターの背後に、星が現出する。
否、それは星ではなく、五つの触手を持った星型の『異形』だった。
続けて、ゴキィィィィィィン!!!!!!! と甲走った音が鼓膜を貫く。
まるで不可視のナイフでケーキをブロック状に切り取ったように、空間そのものが"ズレた"。
ここまでの一連の流れは、一秒にも満たなかった。
ズレた空間の範囲内には、エイワスの上半身も含まれていた。
エイワスは出遅れた事を悟ると一言、普段の調子で呟く。
「ああ。 "いかんなこれは"」
「隔離しろ」
切り取られた空間が虚空に取り除かれた。
空間の"切り取り"に巻き込まれたエイワスの上半身は、雪が溶けるような静けさと共にこの世から綺麗サッパリ消失した。
308: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 00:02:09.62:yRnDv3tco (2/42)
――――――――――――――――――――――
キャーリサは第三次世界大戦でミーシャ=クロイツェフと交戦した経験がある。
今と同じように大量のカーテナ=セカンドの欠片を装備して、本物の大天使と
互角に渡り合うほどの激戦を繰り広げた。
結果としては敗北した、と言えるかもしれない。カーテナの力を最大限に使用しても
ミーシャには傷ひとつ負わせることは敵わなかった。
だが問題はそこではない。彼女の数ある経験値でも目を見張るのは、天使と交戦して生き残ったという結果だ。
いくらカーテナで天使長としての力を肉体に降ろして強化したところでキャーリサは生身の人間だ。
ただの『人間』が真っ向から『天使』と衝突して生き残るなど、もはや"あってはならない"と言っても過言ではない。
だがキャーリサは見事にその偉業をやってのけた。
だから、今回の対悪魔も生き残る自身はあった。
こうして、実際に悪魔という未知の存在と真正面から衝突するその瞬間までは。
(こ、いつ―――――――!!?)
――――――――――――――――――――――
キャーリサは第三次世界大戦でミーシャ=クロイツェフと交戦した経験がある。
今と同じように大量のカーテナ=セカンドの欠片を装備して、本物の大天使と
互角に渡り合うほどの激戦を繰り広げた。
結果としては敗北した、と言えるかもしれない。カーテナの力を最大限に使用しても
ミーシャには傷ひとつ負わせることは敵わなかった。
だが問題はそこではない。彼女の数ある経験値でも目を見張るのは、天使と交戦して生き残ったという結果だ。
いくらカーテナで天使長としての力を肉体に降ろして強化したところでキャーリサは生身の人間だ。
ただの『人間』が真っ向から『天使』と衝突して生き残るなど、もはや"あってはならない"と言っても過言ではない。
だがキャーリサは見事にその偉業をやってのけた。
だから、今回の対悪魔も生き残る自身はあった。
こうして、実際に悪魔という未知の存在と真正面から衝突するその瞬間までは。
(こ、いつ―――――――!!?)
309: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 00:03:41.58:yRnDv3tco (3/42)
鞭が空気を破裂させる音が鳴り響いた。だがそれは鞭ではなく、悪魔が振り抜いた蹴りによる音。
ただの蹴りが音速以上の速度で飛んでくる。そこに悪魔自身の攻撃力が加算されることによって、
カーテナ程度では軽減しきれないほどのダメージがキャーリサを襲った。
五〇〇メートル以上後方へ吹き飛ばされたキャーリサはそれでも素早く体勢を整えなおす。
そのタイムラグですら悪魔相手には命取りなのだが、キャーリサは何も一人で悪魔と相対しているわけではない。
「qpohn回避pofkogis行動」
「はああああああああああああああああああッッ!!!!!!!」
雷鳴にも似た轟音が鳴ると同時、悪魔の頭に閃光の一撃が振りかかる。
風斬氷華。学園都市で作られたAIM拡散力場の集合体にして科学の人工天使が、
"大切な友達を救うために大切な友達に容赦なく光剣の矛先を振るう"。
キャーリサはこの人工天使と共同戦線を張る事で、辛うじて悪魔との戦闘を続行できていた。
風斬と悪魔の剣と背中の翼が幾度と無く交錯する。断続的に発生する空気の震えを感じながら
キャーリサは口元の血を拭い、周囲を見回した。
鞭が空気を破裂させる音が鳴り響いた。だがそれは鞭ではなく、悪魔が振り抜いた蹴りによる音。
ただの蹴りが音速以上の速度で飛んでくる。そこに悪魔自身の攻撃力が加算されることによって、
カーテナ程度では軽減しきれないほどのダメージがキャーリサを襲った。
五〇〇メートル以上後方へ吹き飛ばされたキャーリサはそれでも素早く体勢を整えなおす。
そのタイムラグですら悪魔相手には命取りなのだが、キャーリサは何も一人で悪魔と相対しているわけではない。
「qpohn回避pofkogis行動」
「はああああああああああああああああああッッ!!!!!!!」
雷鳴にも似た轟音が鳴ると同時、悪魔の頭に閃光の一撃が振りかかる。
風斬氷華。学園都市で作られたAIM拡散力場の集合体にして科学の人工天使が、
"大切な友達を救うために大切な友達に容赦なく光剣の矛先を振るう"。
キャーリサはこの人工天使と共同戦線を張る事で、辛うじて悪魔との戦闘を続行できていた。
風斬と悪魔の剣と背中の翼が幾度と無く交錯する。断続的に発生する空気の震えを感じながら
キャーリサは口元の血を拭い、周囲を見回した。
310: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 00:04:37.00:yRnDv3tco (4/42)
(・・・・・・・・・・・・、うさぎは・・・・・・?)
キャーリサが共同戦線を張っているのは風斬氷華だけではなかった。
学園都市最強の超能力者にして、ある意味この騒動の一番の原因とも言える少年、一方通行。
その華奢な背中から漆黒の双翼を生やす怪物が、さっきからこの戦闘に参加していないことにキャーリサが気付いた。
悪魔との戦闘は世界大戦の時と内容がほぼ同じだった。ギリギリのところで拮抗しているものの、
徐々にではあるが確実に体力と命を消耗し続けているのはキャーリサ達だけだ。悪魔に対しては
致命的なダメージはやはり与えられない。
風斬もこのまま悪魔と戦っていればいずれ深刻な一撃を喰らい、戦闘不能に陥ってしまう。
だから今だけは、一人でも多くの戦力が欲しいところだった。
「風斬! あのうさぎが居なくなってるの! どこに消えた!?」
「え・・・・・・!? さっきまで一緒に戦っ・・・・・・きゃああっ!!!!」
「クッソ・・・・・・!!」
会話中も風斬は悪魔への警戒心を解くことはなかった。にもかかわらず一体どこに隙があったのか、
悪魔は恐ろしい反射速度で風斬の猛攻を突破すると返す刀で黒紫の翼を振るい、風斬を退ける。
(・・・・・・・・・・・・、うさぎは・・・・・・?)
キャーリサが共同戦線を張っているのは風斬氷華だけではなかった。
学園都市最強の超能力者にして、ある意味この騒動の一番の原因とも言える少年、一方通行。
その華奢な背中から漆黒の双翼を生やす怪物が、さっきからこの戦闘に参加していないことにキャーリサが気付いた。
悪魔との戦闘は世界大戦の時と内容がほぼ同じだった。ギリギリのところで拮抗しているものの、
徐々にではあるが確実に体力と命を消耗し続けているのはキャーリサ達だけだ。悪魔に対しては
致命的なダメージはやはり与えられない。
風斬もこのまま悪魔と戦っていればいずれ深刻な一撃を喰らい、戦闘不能に陥ってしまう。
だから今だけは、一人でも多くの戦力が欲しいところだった。
「風斬! あのうさぎが居なくなってるの! どこに消えた!?」
「え・・・・・・!? さっきまで一緒に戦っ・・・・・・きゃああっ!!!!」
「クッソ・・・・・・!!」
会話中も風斬は悪魔への警戒心を解くことはなかった。にもかかわらず一体どこに隙があったのか、
悪魔は恐ろしい反射速度で風斬の猛攻を突破すると返す刀で黒紫の翼を振るい、風斬を退ける。
311: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 00:05:28.17:yRnDv3tco (5/42)
(この野郎・・・・・・、これが悪魔か。 天使の時より攻撃性が増してるし。
大戦時には『帰還』という目的があったが、今のミーシャにはそれがない。
ただ単純に目に映るものは皆殺しにするだけの暴走ロボット・・・・・・。 むしろタチが悪くなってるの)
天界から追放された暴徒の首が不気味に回る。悪魔の視線の先にはキャーリサが居た。
自我を失った悪魔に、イギリスで『王室派』と過ごした楽しい数日間の記憶など存在しない。
故に、背中の翼は慈悲の欠片も見せずキャーリサに照準を合わせる。
(チッ! まだ回復が―――――)
ガクガクと自分の意志とは関係なく震える膝を何とか動かそうとするが、まるで言う事を聞かない。
風斬もキャーリサを援護しようとボロボロの体を起こそうとするが、アレイスターとの連戦が祟って
なかなか次の行動に移れないでいた。
ここで走馬灯でも走り出したら笑ってやる、とキャーリサが覚悟をきめたところで、
水を打ったような静寂。原因は、電池切れでも起こしたかのような悪魔の突然の停止だった。
(この野郎・・・・・・、これが悪魔か。 天使の時より攻撃性が増してるし。
大戦時には『帰還』という目的があったが、今のミーシャにはそれがない。
ただ単純に目に映るものは皆殺しにするだけの暴走ロボット・・・・・・。 むしろタチが悪くなってるの)
天界から追放された暴徒の首が不気味に回る。悪魔の視線の先にはキャーリサが居た。
自我を失った悪魔に、イギリスで『王室派』と過ごした楽しい数日間の記憶など存在しない。
故に、背中の翼は慈悲の欠片も見せずキャーリサに照準を合わせる。
(チッ! まだ回復が―――――)
ガクガクと自分の意志とは関係なく震える膝を何とか動かそうとするが、まるで言う事を聞かない。
風斬もキャーリサを援護しようとボロボロの体を起こそうとするが、アレイスターとの連戦が祟って
なかなか次の行動に移れないでいた。
ここで走馬灯でも走り出したら笑ってやる、とキャーリサが覚悟をきめたところで、
水を打ったような静寂。原因は、電池切れでも起こしたかのような悪魔の突然の停止だった。
312: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 00:06:49.93:yRnDv3tco (6/42)
「・・・・・・・・・・・・?」
「あ・・・・・・」
風斬が思わず声を漏らす。悪魔の背後、一〇〇メートル以上に渡って伸びている水晶の翼で確認しにくいが、
彼女は確かに見た。悪魔の背後にゆらりと、まるで影のように佇む彼の姿を。
「うさぎ! お前どこ行って――――・・・・・・・・・・・・、・・・・・・!?」
「あ、・・・・・・・・・・・・一方、通行・・・・・・さん・・・・・・」
風斬とキャーリサは悪魔という、ただでさえ異形過ぎる存在を目にしているというのに、
二人は『この世のものとは思えない存在』を見る目を悪魔の背後に送っていた。
悪魔は振り向かない。キャーリサに目掛けて翼を構えたまま、時間が凍りついたように動かない。
悪魔の背後に居たのは、さっきまで行方をくらましていた一方通行。
ただし、
「・・・・・・・・・・・・?」
「あ・・・・・・」
風斬が思わず声を漏らす。悪魔の背後、一〇〇メートル以上に渡って伸びている水晶の翼で確認しにくいが、
彼女は確かに見た。悪魔の背後にゆらりと、まるで影のように佇む彼の姿を。
「うさぎ! お前どこ行って――――・・・・・・・・・・・・、・・・・・・!?」
「あ、・・・・・・・・・・・・一方、通行・・・・・・さん・・・・・・」
風斬とキャーリサは悪魔という、ただでさえ異形過ぎる存在を目にしているというのに、
二人は『この世のものとは思えない存在』を見る目を悪魔の背後に送っていた。
悪魔は振り向かない。キャーリサに目掛けて翼を構えたまま、時間が凍りついたように動かない。
悪魔の背後に居たのは、さっきまで行方をくらましていた一方通行。
ただし、
313: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 00:08:52.98:yRnDv3tco (7/42)
「・・・・・・なんだ、あの黒いのは。 うさぎ、お前・・・・・・"その化物はどこから連れてきたの"」
一方通行の頭上。いや、もはや彼の全身を覆うように漂うその黒い影。
それは彼以上に怪しく輝く紅い眼を持ち、頭部と思われる部分からは血よりも紅い髪が流れていた。
そしてその口はまるで、夜空に浮かぶ真っ赤な三日月のように引き裂かれていた。
その三日月が不気味に形を歪ませる。三日月から満月のように真ん丸になったその大きな口は、
そのまま彼を頭から飲み込んで――――――。
「やめ、て・・・・・・・・・・・・・・・・・・やめて・・・・・・!!!!」
人工天使の声が悲鳴が反響した。
黒い"神"は、応じなかった。
「・・・・・・なんだ、あの黒いのは。 うさぎ、お前・・・・・・"その化物はどこから連れてきたの"」
一方通行の頭上。いや、もはや彼の全身を覆うように漂うその黒い影。
それは彼以上に怪しく輝く紅い眼を持ち、頭部と思われる部分からは血よりも紅い髪が流れていた。
そしてその口はまるで、夜空に浮かぶ真っ赤な三日月のように引き裂かれていた。
その三日月が不気味に形を歪ませる。三日月から満月のように真ん丸になったその大きな口は、
そのまま彼を頭から飲み込んで――――――。
「やめ、て・・・・・・・・・・・・・・・・・・やめて・・・・・・!!!!」
人工天使の声が悲鳴が反響した。
黒い"神"は、応じなかった。
314: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 00:16:27.60:yRnDv3tco (8/42)
ここまでです。七つの大罪に『憎悪』なんてないですけどねー
やっと天使救出に合流する垣根。
いよいよ本気を出したアレイスター。
/ワス。
そんで何かヤバいことになってる一方通行と・・・・・・。
もうイミフすぎると思われてる方もいるでしょうが、まあ何かとんでも展開が繰り広げられてるんだな
程度に認識していただければお楽しみいただけるかと思います。すみません
次回更新は三日以内。
それでは、ありがとうございました!
次回、『神浄』です。
ここまでです。七つの大罪に『憎悪』なんてないですけどねー
やっと天使救出に合流する垣根。
いよいよ本気を出したアレイスター。
/ワス。
そんで何かヤバいことになってる一方通行と・・・・・・。
もうイミフすぎると思われてる方もいるでしょうが、まあ何かとんでも展開が繰り広げられてるんだな
程度に認識していただければお楽しみいただけるかと思います。すみません
次回更新は三日以内。
それでは、ありがとうございました!
次回、『神浄』です。
315:次回予告はここまでです。 ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 00:17:09.63:yRnDv3tco (9/42)
【次回予告】
『でも、天使によって引き起こされたものじゃない・・・・・・。 天使より、もっと上位の・・・・・・・・・・・・』
―――――――――――『禁書目録』を司るイギリス清教のシスター・インデックス
『・・・・・・・・・・・・なんだ、このふざけた現象は。 もはや天使を救うとか、そんな話ではなくなっているぞ。
クソッ、エイワスめ・・・・・・。 手紙に書いてあった『十字教の終焉』とはこの事を指していたのか・・・・・・!?』
―――――――――――イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』の魔術師・ステイル=マグヌス
『ちょ、ちょっと待ってよ。 これ、体から魔力が漏れていってない?
この黒い霧、私達の体からどこかに魔力を運んでやがるわよ』
―――――――――――ローマ正教、禁断の組織『神の右席』の元一員・前方のヴェント
『この世に現存する全ての魔術師を滅ぼし「神」という源を「浄化」し、神に隷属するオシリスの時代が終わる』
―――――――――――世界最強最悪の大魔術師・アレイスター=クロウリー
【次回予告】
『でも、天使によって引き起こされたものじゃない・・・・・・。 天使より、もっと上位の・・・・・・・・・・・・』
―――――――――――『禁書目録』を司るイギリス清教のシスター・インデックス
『・・・・・・・・・・・・なんだ、このふざけた現象は。 もはや天使を救うとか、そんな話ではなくなっているぞ。
クソッ、エイワスめ・・・・・・。 手紙に書いてあった『十字教の終焉』とはこの事を指していたのか・・・・・・!?』
―――――――――――イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』の魔術師・ステイル=マグヌス
『ちょ、ちょっと待ってよ。 これ、体から魔力が漏れていってない?
この黒い霧、私達の体からどこかに魔力を運んでやがるわよ』
―――――――――――ローマ正教、禁断の組織『神の右席』の元一員・前方のヴェント
『この世に現存する全ての魔術師を滅ぼし「神」という源を「浄化」し、神に隷属するオシリスの時代が終わる』
―――――――――――世界最強最悪の大魔術師・アレイスター=クロウリー
316:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/05/31(火) 00:20:10.31:UDkDBdI0o (1/1)
乙!
乙!
317:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 00:20:48.36:HjppzBd8o (1/1)
マジ乙です!
マジ乙です!
318:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 00:22:05.91:YpgXTTrjo (1/1)
こんなとんでもアレイスターを追い詰めた昔の魔術師すげぇ
こんなとんでもアレイスターを追い詰めた昔の魔術師すげぇ
319:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 00:22:47.26:XkP7ZlAA0 (1/2)
乙!!
何やら物凄いことになってきたな…。
そしてまさかのそげぶ不発
乙!!
何やら物凄いことになってきたな…。
そしてまさかのそげぶ不発
320:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 00:28:50.32:MnXl3kcso (1/1)
垣根くん頼むからどうにか天使ちゃんとアクセラレータを救ってくれよ…
垣根くん頼むからどうにか天使ちゃんとアクセラレータを救ってくれよ…
321:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 00:32:30.80:bcCD8rPi0 (1/1)
>/ワス
…えええぇぇぇぇぇ…
>/ワス
…えええぇぇぇぇぇ…
322:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 00:44:34.87:e4YrJGjd0 (1/1)
フレ/ワス
フレ/ワス
323:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 00:52:42.80:X0UwMnye0 (1/2)
ちょっとしか出てないインデックスがヒロインに見えた
垣根とステイルのコンビいいな
ちょっとしか出てないインデックスがヒロインに見えた
垣根とステイルのコンビいいな
324:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 00:58:41.29:fy366sXDO (1/2)
いろいろありすぎて皆さん気づいてないようなので…
一方さんがマミったー!?
天使同盟みんなでキャッキャッウフフして頃が懐かしい乙
いろいろありすぎて皆さん気づいてないようなので…
一方さんがマミったー!?
天使同盟みんなでキャッキャッウフフして頃が懐かしい乙
325:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/05/31(火) 01:05:38.82:0JMWMRCe0 (1/1)
ガブリエルがくしゃみで地面抉ってたときからは想像もつかない展開
ガブリエルがくしゃみで地面抉ってたときからは想像もつかない展開
326:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県):2011/05/31(火) 01:25:49.50:uOG7p6fQ0 (1/1)
上条さんあっさり退場したな。
やっぱこの物語じゃ上条さんは脇役なのか。
>322
ちょwwwwwwwwどこと合体してやがるwwwwww
上条さんあっさり退場したな。
やっぱこの物語じゃ上条さんは脇役なのか。
>322
ちょwwwwwwwwどこと合体してやがるwwwwww
327:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県):2011/05/31(火) 01:57:08.58:W2LBMRjE0 (1/1)
あまりにも垣根がかっこよすぎて心が震えた
あまりにも垣根がかっこよすぎて心が震えた
328:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 03:30:13.24:dafjvyt80 (1/2)
もうこれ主かまちーなんじゃね?
もうこれ主かまちーなんじゃね?
329:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽):2011/05/31(火) 06:44:25.76:aqRsU+IAO (1/1)
/ワスwwwwww
/ワスwwwwww
330:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県):2011/05/31(火) 07:41:38.92:fY8w1LE90 (1/2)
>>328
かまちーなら無駄に本編に使えるネタを使うはずがないだろう。
50巻のネタバレをしているし。
>>328
かまちーなら無駄に本編に使えるネタを使うはずがないだろう。
50巻のネタバレをしているし。
331:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 07:51:46.77:WYFQxBMSO (1/2)
乙
上条さんはいつも通りだなあ
乙
上条さんはいつも通りだなあ
332:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県):2011/05/31(火) 08:39:25.58:g3MqBhY3o (1/1)
ボロクソの垣根ぶん殴るとか[ピーーー]気まんまんじゃねえかwwwwwwwwwwwwwwww
ボロクソの垣根ぶん殴るとか[ピーーー]気まんまんじゃねえかwwwwwwwwwwwwwwww
333:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 08:45:11.39:JlOtY3SIO (1/1)
俺の知ってる垣根がこんなにカッコイイ訳がない
俺の知ってる垣根がこんなにカッコイイ訳がない
334:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/05/31(火) 09:06:06.02:B1kWEmxNo (1/1)
>>332
ビンタ程度で済んでくれると信じたい
>>332
ビンタ程度で済んでくれると信じたい
335:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 15:28:51.00:fy366sXDO (2/2)
>>334
轟!!と音を立てノーバウンドで十数メートル吹っ飛ばせる程のビンタですねわかります
>>334
轟!!と音を立てノーバウンドで十数メートル吹っ飛ばせる程のビンタですねわかります
336:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 17:05:32.66:1G99+kmY0 (1/2)
なんだよ・・少し目を離したすきに天使同盟では上半身を消す遊びが流行ってんのか
>>335
そして首が飛ぶんだな。ばらばらだよww
なんだよ・・少し目を離したすきに天使同盟では上半身を消す遊びが流行ってんのか
>>335
そして首が飛ぶんだな。ばらばらだよww
337:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 17:40:34.73:1G99+kmY0 (2/2)
まちがえたwwばればれだった。スマソ
まちがえたwwばればれだった。スマソ
338:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 18:18:28.53:0AFdjJNT0 (1/1)
乙
アレイスターの魔法名で鳥肌たったよ
すごすぎる
乙
アレイスターの魔法名で鳥肌たったよ
すごすぎる
339:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 19:02:16.91:qKu9TVgf0 (1/1)
乙
垣根がかっこよすぎて惚れそう
エイワスが食われ一方さんがマミられ大変だな
ところでアレイスターの魔法名って何て読むの?
乙
垣根がかっこよすぎて惚れそう
エイワスが食われ一方さんがマミられ大変だな
ところでアレイスターの魔法名って何て読むの?
340:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 19:05:02.24:VJalhYDZo (1/1)
>>339
ペルデュラボー。wikipediaでアレイスター調べてみ
>>339
ペルデュラボー。wikipediaでアレイスター調べてみ
341:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 19:59:52.60:oM5ZTz7ko (1/1)
中二なのはVi Veri…の方だけど、かっこいいのはPerdurabo
中二なのはVi Veri…の方だけど、かっこいいのはPerdurabo
342:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 20:01:57.15:VyJ0C92go (1/2)
なのはは関係ないだろ!!
続き期待してまし
なのはは関係ないだろ!!
続き期待してまし
343:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 20:06:33.65:tth6VaFIO (1/1)
>>342
何言ってんだお前?
>>342
何言ってんだお前?
344:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 20:12:05.30:VyJ0C92go (2/2)
まさかマジレスされるとは思わなかった
これ以上スレの無駄遣いしないように書き込むのは止めます
まさかマジレスされるとは思わなかった
これ以上スレの無駄遣いしないように書き込むのは止めます
345: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:10:00.43:yRnDv3tco (10/42)
>>341
そうですね、中二病的には『Vi Veri Vniversum Vivus Vici(我、真理の力もて生きながらに宇宙を征服せり)』の方が
いいんですけど、長すぎる上にアレンジしづらすぎるのがネックでしたので『Perdurabo』にしました。
われ耐え忍ばん、という意味は後々意味が通じてくるからちょうどいいかなと思って。
こんばんわ、今日も投下をさせていただきます。
さて前回、ついに黒い影に飲み込まれてしまった一方通行。
その黒い影の正体とは?そしてミーシャの運命は!?
無理やり盛り上げようとしてますが、虚しいだけですね……
ではいきます。今回、かなり私個人の稚拙な妄想が爆発しておりますのでご注意を。
>>341
そうですね、中二病的には『Vi Veri Vniversum Vivus Vici(我、真理の力もて生きながらに宇宙を征服せり)』の方が
いいんですけど、長すぎる上にアレンジしづらすぎるのがネックでしたので『Perdurabo』にしました。
われ耐え忍ばん、という意味は後々意味が通じてくるからちょうどいいかなと思って。
こんばんわ、今日も投下をさせていただきます。
さて前回、ついに黒い影に飲み込まれてしまった一方通行。
その黒い影の正体とは?そしてミーシャの運命は!?
無理やり盛り上げようとしてますが、虚しいだけですね……
ではいきます。今回、かなり私個人の稚拙な妄想が爆発しておりますのでご注意を。
346: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:11:09.38:yRnDv3tco (11/42)
――――――――――――――――――――――
突然の出来事だった。キャーリサを加え、さらに激化する悪魔との戦闘に集中していた最中にそれは起きた。
フッ、と。停電が起きたように一方通行の周囲の景色が瞬時に『闇』に包まれた。
一方通行達と悪魔が織り成す演劇を急遽中止するかのように、黒の幕が降ってきたような感覚。
『?』
一方通行は周囲を見回す。右も、左も、地面も、空も、何もかもが真っ黒で、何もかもが真っ暗で。
ただ、自分の姿だけはハッキリと見えた。視線を落として両手を見る。
傷だらけだった。悪魔との激しい戦闘によって、『反射』を常に発動しているにも関わらず
その手はボロボロになっていた。
そんな傷だらけの一方通行の手に、
そっと、誰かの手が重なった。周囲は闇に覆われていたが、それでもその手が黒い何かであることが分かった。
――――――――――――――――――――――
突然の出来事だった。キャーリサを加え、さらに激化する悪魔との戦闘に集中していた最中にそれは起きた。
フッ、と。停電が起きたように一方通行の周囲の景色が瞬時に『闇』に包まれた。
一方通行達と悪魔が織り成す演劇を急遽中止するかのように、黒の幕が降ってきたような感覚。
『?』
一方通行は周囲を見回す。右も、左も、地面も、空も、何もかもが真っ黒で、何もかもが真っ暗で。
ただ、自分の姿だけはハッキリと見えた。視線を落として両手を見る。
傷だらけだった。悪魔との激しい戦闘によって、『反射』を常に発動しているにも関わらず
その手はボロボロになっていた。
そんな傷だらけの一方通行の手に、
そっと、誰かの手が重なった。周囲は闇に覆われていたが、それでもその手が黒い何かであることが分かった。
347: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:12:21.69:yRnDv3tco (12/42)
『な、ンだ? 誰だオマエ・・・・・・』
一方通行は続けて喋ろうとしたが、その時背後から彼の口元にまたしても手が伸びてきた。
その手は――恐らく――人差し指を立て、彼の唇にそっと触れる。黙っていろ、とでも言いたげに。
なぜか、そんな些細な挙動を受けただけで一方通行は一切声を発することが出来なくなってしまった。
『――――――、――――――――――――・・・・・・――――ッ』
世界に存在するどの黒よりも黒いその両手が、一方通行の手に重なる。
時には指を絡ませ、時には彼の手の甲を優しく撫で、時には彼の頬を指先でツツー・・・・・・と摩る。
一方通行の肩に何かが降りた。見ると、それは紅い絹のような糸。
それが糸ではなく、背後に居る何者かの髪であることに気付くのに、大した時間は掛からなかった。
吐き気も、鳥肌も、恐怖も、畏怖も、背筋が凍りつくようなあの感覚も、何も感じなかった。
ただただ不思議だった。この現象が何なのか、学園都市最高の頭脳を以てしても解明できなかった。
『な、ンだ? 誰だオマエ・・・・・・』
一方通行は続けて喋ろうとしたが、その時背後から彼の口元にまたしても手が伸びてきた。
その手は――恐らく――人差し指を立て、彼の唇にそっと触れる。黙っていろ、とでも言いたげに。
なぜか、そんな些細な挙動を受けただけで一方通行は一切声を発することが出来なくなってしまった。
『――――――、――――――――――――・・・・・・――――ッ』
世界に存在するどの黒よりも黒いその両手が、一方通行の手に重なる。
時には指を絡ませ、時には彼の手の甲を優しく撫で、時には彼の頬を指先でツツー・・・・・・と摩る。
一方通行の肩に何かが降りた。見ると、それは紅い絹のような糸。
それが糸ではなく、背後に居る何者かの髪であることに気付くのに、大した時間は掛からなかった。
吐き気も、鳥肌も、恐怖も、畏怖も、背筋が凍りつくようなあの感覚も、何も感じなかった。
ただただ不思議だった。この現象が何なのか、学園都市最高の頭脳を以てしても解明できなかった。
348: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:13:12.53:yRnDv3tco (13/42)
とりあえず体は動くようなので一歩、足を踏み出してみる。
ズブリ・・・・・・と沼に足を突っ込んでしまったような感触が一方通行を襲う。
足元に視線を落とすと、自分の足が真っ黒な重油のような海に絡め取られているのが見えた。
もう片方の足も同様に、一方通行を奈落の底へ引きずり込まんとどんどん沈んでいく。
『―――――――ッ!? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
慌てて足を引き上げた一方通行は、そこで喉が干上がった。
ドロドロの闇から引き上げた自分の足に、無数の小さな黒い腕が蜘蛛の巣のようにまとわりついていたからだ。
身を屈めてその忌々しい腕を振り払おうとするが、今度はさっきから背後にいる赤髪の何者かの腕が
彼の首に回った。そのおかげで一方通行は身動きが取れなくなってしまう。
首元のチョーカーのスイッチを入れるが、信じられないことにうんともすんとも言わなかった。
能力が使えない。
自分の背後にいるこのクソ野郎は、自分を"飲み込もうとしている"。
立て続けに起きる意味不明の現象を目の当たりにした一方通行が出した結論は、残念ながら"正解"だった。
とりあえず体は動くようなので一歩、足を踏み出してみる。
ズブリ・・・・・・と沼に足を突っ込んでしまったような感触が一方通行を襲う。
足元に視線を落とすと、自分の足が真っ黒な重油のような海に絡め取られているのが見えた。
もう片方の足も同様に、一方通行を奈落の底へ引きずり込まんとどんどん沈んでいく。
『―――――――ッ!? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
慌てて足を引き上げた一方通行は、そこで喉が干上がった。
ドロドロの闇から引き上げた自分の足に、無数の小さな黒い腕が蜘蛛の巣のようにまとわりついていたからだ。
身を屈めてその忌々しい腕を振り払おうとするが、今度はさっきから背後にいる赤髪の何者かの腕が
彼の首に回った。そのおかげで一方通行は身動きが取れなくなってしまう。
首元のチョーカーのスイッチを入れるが、信じられないことにうんともすんとも言わなかった。
能力が使えない。
自分の背後にいるこのクソ野郎は、自分を"飲み込もうとしている"。
立て続けに起きる意味不明の現象を目の当たりにした一方通行が出した結論は、残念ながら"正解"だった。
349: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:14:08.93:yRnDv3tco (14/42)
だが時既に遅し。いつの間にか地面の闇は膝より上まで迫っていた。漆黒の海から伸びてくる腕の数も
さっきまでは数十程度だったのが、今は軽く一〇〇〇を越えている。一方通行の白い人影が無数の黒い腕で
覆い隠され見えなくなっていく。
どれだけもがいても闇からは逃れられなかった。むしろ暴れる分、より一層ひどく闇が絡みついてくる。
こんなところで油を売っている暇はない。こうしている今だって、風斬とキャーリサが悪魔を相手に
死を覚悟して戦っているのだ。こんな闇に飲まれている場合ではない。
頭ではそう理解しているのだが、肝心の体が闇に抗えない。
闇は一方通行の首まで到達していた。何とも不吉なことに、一方通行の脳裏に走馬灯が走る。
こんな意味のわからない事象で、自分は死んでしまうのか。
ここまで追い詰められた一方通行は逆に憤りを感じ、頭の先まで闇に飲まれる寸前、
渾身の力を振り絞って首を回し背後に向いた。自分をこんな目に遭わせるクソったれのツラを拝むために。
そして、一方通行は確かに見た。
神が神を屠るというヴィジョンを。
そこで一方通行の意識は完全に断絶された。
だが時既に遅し。いつの間にか地面の闇は膝より上まで迫っていた。漆黒の海から伸びてくる腕の数も
さっきまでは数十程度だったのが、今は軽く一〇〇〇を越えている。一方通行の白い人影が無数の黒い腕で
覆い隠され見えなくなっていく。
どれだけもがいても闇からは逃れられなかった。むしろ暴れる分、より一層ひどく闇が絡みついてくる。
こんなところで油を売っている暇はない。こうしている今だって、風斬とキャーリサが悪魔を相手に
死を覚悟して戦っているのだ。こんな闇に飲まれている場合ではない。
頭ではそう理解しているのだが、肝心の体が闇に抗えない。
闇は一方通行の首まで到達していた。何とも不吉なことに、一方通行の脳裏に走馬灯が走る。
こんな意味のわからない事象で、自分は死んでしまうのか。
ここまで追い詰められた一方通行は逆に憤りを感じ、頭の先まで闇に飲まれる寸前、
渾身の力を振り絞って首を回し背後に向いた。自分をこんな目に遭わせるクソったれのツラを拝むために。
そして、一方通行は確かに見た。
神が神を屠るというヴィジョンを。
そこで一方通行の意識は完全に断絶された。
350: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:15:04.41:yRnDv3tco (15/42)
――――――――――――――――――――――
その時、垣根帝督を止めることが出来ず途方に暮れていた上条当麻とインデックスは確かに見た。
「・・・・・・な、なんだありゃ・・・・・・!? つか、また地震が・・・・・・!!!」
「あれって・・・・・・天使? いや違う、"そんなちっぽけなものじゃない"。
でも、まさか、そんな・・・・・・」
二人は不気味に揺れる大地や、辺りを漂う『黒い粒子のようなもの』という不可思議な現象を全て無視して
空を見上げた。
上空一〇〇〇・・・・・・二〇〇〇、それよりもっと上の、遙か先の空に。
『禁書目録』の知識でも読み取れないような文字が浮かんだ『輪』が出現していた。
インデックスはそれを最初、天使の頭上に出現する輪と思ったが、すぐに否定した。
今現在浮かんでいる輪は天使のそれとは規模も力も『格』が違いすぎた。
そもそも、それが果たして『輪』なのかどうかも分からない。なぜならあまりにもその輪が巨大すぎて
端が確認できないからだ。
――――――――――――――――――――――
その時、垣根帝督を止めることが出来ず途方に暮れていた上条当麻とインデックスは確かに見た。
「・・・・・・な、なんだありゃ・・・・・・!? つか、また地震が・・・・・・!!!」
「あれって・・・・・・天使? いや違う、"そんなちっぽけなものじゃない"。
でも、まさか、そんな・・・・・・」
二人は不気味に揺れる大地や、辺りを漂う『黒い粒子のようなもの』という不可思議な現象を全て無視して
空を見上げた。
上空一〇〇〇・・・・・・二〇〇〇、それよりもっと上の、遙か先の空に。
『禁書目録』の知識でも読み取れないような文字が浮かんだ『輪』が出現していた。
インデックスはそれを最初、天使の頭上に出現する輪と思ったが、すぐに否定した。
今現在浮かんでいる輪は天使のそれとは規模も力も『格』が違いすぎた。
そもそも、それが果たして『輪』なのかどうかも分からない。なぜならあまりにもその輪が巨大すぎて
端が確認できないからだ。
351: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:16:11.46:yRnDv3tco (16/42)
そしてその輪なのか魔方陣なのか定かではない『現象』から、『天使の力(テレズマ)』が矮小に思えてしまう程の
エネルギーがビリビリと空気を伝って広がっている。
「い、インデックス・・・・・・何なんだあれ?」
「わ、分からないんだよ。 でも、天使によって引き起こされたものじゃない・・・・・・。
天使より、もっと上位の・・・・・・・・・・・・」
天使よりも上位の存在に位置するもの。
それを聞いた上条の頭には、ある一つの単語が浮かんでいた。
――――――――――――――――――――――
その時、垣根帝督に肩を貸しながら一方通行達の下に向かっていたステイル=マグヌスも
インデックス達と同じように空に出現した輪を見上げていた。
「・・・・・・・・・・・・なんだ、このふざけた現象は。 もはや天使を救うとか、そんな話ではなくなっているぞ。
クソッ、エイワスめ・・・・・・。 手紙に書いてあった『十字教の終焉』とはこの事を指していたのか・・・・・・!?」
そしてその輪なのか魔方陣なのか定かではない『現象』から、『天使の力(テレズマ)』が矮小に思えてしまう程の
エネルギーがビリビリと空気を伝って広がっている。
「い、インデックス・・・・・・何なんだあれ?」
「わ、分からないんだよ。 でも、天使によって引き起こされたものじゃない・・・・・・。
天使より、もっと上位の・・・・・・・・・・・・」
天使よりも上位の存在に位置するもの。
それを聞いた上条の頭には、ある一つの単語が浮かんでいた。
――――――――――――――――――――――
その時、垣根帝督に肩を貸しながら一方通行達の下に向かっていたステイル=マグヌスも
インデックス達と同じように空に出現した輪を見上げていた。
「・・・・・・・・・・・・なんだ、このふざけた現象は。 もはや天使を救うとか、そんな話ではなくなっているぞ。
クソッ、エイワスめ・・・・・・。 手紙に書いてあった『十字教の終焉』とはこの事を指していたのか・・・・・・!?」
352: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:18:38.22:yRnDv3tco (17/42)
と、不意にステイルの体から力が抜けた。足元がふらつき、危うく垣根を巻き添えに倒れてしまいそうになる。
(・・・・・・・・・・・・な、馬鹿な!? マズい、これは僕の魔力が・・・・・・!!?)
掌を見ると、小刻みに自分の体が震えているのが確認できた。そしてその全身から
微量にではあるがどんどん魔力が漏れていっている。穴が空いたタンクから無尽蔵に流れるガソリンのように、
漏洩を止めようにも体が勝手に魔力をどこかへ放出しているので止めようがない。
同様に、垣根帝督の体から。そして彼の持つ『自動書記』の遠隔制御霊装からも
魔力が留まることなく漏れ出していた。漏れた魔力は黒い霧となり、どこかへ向かって流れていく。
だが、
(・・・・・・魔力が流れていく方向へ進めば、恐らく天使の所へ辿りつけるはずだ。
この不可解な現象、中心には間違いなく天使と一方通行がいる・・・・・・)
ふらつく頭をなんとか支えながら、ステイルは歩を速めて漏れていく自分の魔力を吸い込む黒い霧を追っていった。
と、不意にステイルの体から力が抜けた。足元がふらつき、危うく垣根を巻き添えに倒れてしまいそうになる。
(・・・・・・・・・・・・な、馬鹿な!? マズい、これは僕の魔力が・・・・・・!!?)
掌を見ると、小刻みに自分の体が震えているのが確認できた。そしてその全身から
微量にではあるがどんどん魔力が漏れていっている。穴が空いたタンクから無尽蔵に流れるガソリンのように、
漏洩を止めようにも体が勝手に魔力をどこかへ放出しているので止めようがない。
同様に、垣根帝督の体から。そして彼の持つ『自動書記』の遠隔制御霊装からも
魔力が留まることなく漏れ出していた。漏れた魔力は黒い霧となり、どこかへ向かって流れていく。
だが、
(・・・・・・魔力が流れていく方向へ進めば、恐らく天使の所へ辿りつけるはずだ。
この不可解な現象、中心には間違いなく天使と一方通行がいる・・・・・・)
ふらつく頭をなんとか支えながら、ステイルは歩を速めて漏れていく自分の魔力を吸い込む黒い霧を追っていった。
353: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:19:30.85:yRnDv3tco (18/42)
――――――――――――――――――――――
『回収部隊(アンチツヴァイ)』の残存勢力も、残すところあと僅か。
垣根帝督の討伐任務を放棄して魔術師との戦闘に目的を切り替えた『回収部隊』は、
神裂火織、ヴェント、アックア、騎士団長という錚々たるメンバーによって
ほぼ全滅状態に追い込まれていた。
ガラクタと化したファイブオーバーから這いずるように脱出した『回収部隊』の一人、
『未元物質』の仮面の男が声を震わせながら、魔術師には目もくれず上空の輪と辺りを漂う大量の黒い霧に視線を配る。
『ひ、ひ・・・・・・・・・・・・。 どうなってんだ、これもお前らの仕業か!? お前ら一体・・・・・・、
なんなんだよちくしょう・・・・・・!!!』
仮面を装着しているため表情は窺えないが、確認するまでもなく仮面の兵士はこの非科学的現象を前に
青ざめた顔をしているのだろうと容易に想像できる。
なぜならその『回収部隊』の残存勢力を軒並みに撃破している魔術師の四人ですら、
突如発生したこの現象に戸惑いを隠せないでいたからだ。
神裂が腰に七天七刀を収めながら口を開く。
――――――――――――――――――――――
『回収部隊(アンチツヴァイ)』の残存勢力も、残すところあと僅か。
垣根帝督の討伐任務を放棄して魔術師との戦闘に目的を切り替えた『回収部隊』は、
神裂火織、ヴェント、アックア、騎士団長という錚々たるメンバーによって
ほぼ全滅状態に追い込まれていた。
ガラクタと化したファイブオーバーから這いずるように脱出した『回収部隊』の一人、
『未元物質』の仮面の男が声を震わせながら、魔術師には目もくれず上空の輪と辺りを漂う大量の黒い霧に視線を配る。
『ひ、ひ・・・・・・・・・・・・。 どうなってんだ、これもお前らの仕業か!? お前ら一体・・・・・・、
なんなんだよちくしょう・・・・・・!!!』
仮面を装着しているため表情は窺えないが、確認するまでもなく仮面の兵士はこの非科学的現象を前に
青ざめた顔をしているのだろうと容易に想像できる。
なぜならその『回収部隊』の残存勢力を軒並みに撃破している魔術師の四人ですら、
突如発生したこの現象に戸惑いを隠せないでいたからだ。
神裂が腰に七天七刀を収めながら口を開く。
354: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:20:52.89:yRnDv3tco (19/42)
「魔方、陣? いや、これは・・・・・・。 ・・・・・・、」
「ちょ、ちょっと待ってよ。 これ、体から魔力が漏れていってない?
この黒い霧、私達の体からどこかに魔力を運んでやがるわよ」
ヴェントの言葉に一同は驚愕した。カーテナによる『天使の力』の供給で最大まで強化されていたはずの
騎士団長のフルンティングが、ただのロングソードの姿に戻っている。ヴェントが呼び出した『女王艦隊』の
氷の帆船が、音もなく虚空に消えていく。魔術によって肉体強化を施していたアックアも体の力が抜けていき、
全長三.五メートル、総重量二〇〇キロの大剣『アスカロン』を担げなくなってしまった。
そしてあろうことか、神裂火織の肉体に宿る聖人の力ですら、黒い霧に吸い込まれ運ばれていた。
しかし彼女は努めて冷静になり、提案する。
「・・・・・・この辺りにはもう『回収部隊』に戦闘を続ける勢力は残っていないと判断します。
この黒い霧を追ってみましょう。 恐らくこの現象を引き起こした張本人がいるはずです」
「魔方、陣? いや、これは・・・・・・。 ・・・・・・、」
「ちょ、ちょっと待ってよ。 これ、体から魔力が漏れていってない?
この黒い霧、私達の体からどこかに魔力を運んでやがるわよ」
ヴェントの言葉に一同は驚愕した。カーテナによる『天使の力』の供給で最大まで強化されていたはずの
騎士団長のフルンティングが、ただのロングソードの姿に戻っている。ヴェントが呼び出した『女王艦隊』の
氷の帆船が、音もなく虚空に消えていく。魔術によって肉体強化を施していたアックアも体の力が抜けていき、
全長三.五メートル、総重量二〇〇キロの大剣『アスカロン』を担げなくなってしまった。
そしてあろうことか、神裂火織の肉体に宿る聖人の力ですら、黒い霧に吸い込まれ運ばれていた。
しかし彼女は努めて冷静になり、提案する。
「・・・・・・この辺りにはもう『回収部隊』に戦闘を続ける勢力は残っていないと判断します。
この黒い霧を追ってみましょう。 恐らくこの現象を引き起こした張本人がいるはずです」
355: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:21:55.17:yRnDv3tco (20/42)
そう言って神裂は尻餅をついてガタガタと体を震わせている『未元物質』の兵士を
眼光を光らせて睨みつける。
それを受けた男は顔に装着していた仮面を投げ捨て、一目散に逃げ去ってしまった。
普通ならここで新たな『回収部隊』が攻めてくる可能性を考慮し警戒するところだが、事態はもうそれどころではない。
自身の魔力を容赦なく吸い込んで運んでいる黒い霧を追おうと一歩足を踏み出したところで、
「待て。 ・・・・・・空の様子がおかしい」
騎士団長の言葉を聞いて三人は再び上空を見上げた。空の様子がおかしいのは今に始まった事ではない。
悪魔の『天体制御』によって夜空が出現したかと思えば、イギリスからやって来た大量のグリフォン=スカイが
川の流れの如く夜空を覆い尽くし、極めつけは現在進行形で天空に浮かぶ妙な文字が蠢く輪。
だが四人が今見ている現象は、それらが全て茶番であるかのような現実味のない現象だった。
「・・・・・・・・・・・・空が、裂けてる・・・・・・?」
そう言って神裂は尻餅をついてガタガタと体を震わせている『未元物質』の兵士を
眼光を光らせて睨みつける。
それを受けた男は顔に装着していた仮面を投げ捨て、一目散に逃げ去ってしまった。
普通ならここで新たな『回収部隊』が攻めてくる可能性を考慮し警戒するところだが、事態はもうそれどころではない。
自身の魔力を容赦なく吸い込んで運んでいる黒い霧を追おうと一歩足を踏み出したところで、
「待て。 ・・・・・・空の様子がおかしい」
騎士団長の言葉を聞いて三人は再び上空を見上げた。空の様子がおかしいのは今に始まった事ではない。
悪魔の『天体制御』によって夜空が出現したかと思えば、イギリスからやって来た大量のグリフォン=スカイが
川の流れの如く夜空を覆い尽くし、極めつけは現在進行形で天空に浮かぶ妙な文字が蠢く輪。
だが四人が今見ている現象は、それらが全て茶番であるかのような現実味のない現象だった。
「・・・・・・・・・・・・空が、裂けてる・・・・・・?」
356: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:23:53.51:yRnDv3tco (21/42)
――――――――――――――――――――――
魔術師、アレイスター=クロウリーは複雑な心境を抱えながら裂け目が出来た空を見上げていた。
『衝撃の杖』を片手で弄びながら黄金の光を纏う彼の姿は、まるでその裂け目を『次なる時代』へ
導く門を開く神の召使のようにも見える。
だが、この現象を引き起こしているのはアレイスターではない。
「・・・・・・信じられんことだが、エイワスの言葉は真実だったか。 『セト』が現世に降臨した」
遠くの方で咆哮が轟いた。人間でもなければ天使でも悪魔でもない、そのそれにも該当しない存在が
発した咆哮だった。その叫びに呼応するように、楕円形の巨大な裂け目から黒い雷が炸裂する。
音はなかった。雷とはまず光が放たれ、そこから少し遅れて雷鳴が響くものだが、それすら起きなかった。
黒い閃光は世界から音という概念を吹き飛ばし、上空に浮かんでいたグリフォン=スカイを一瞬で塵芥に変え、
地面に激突し拡散していく。
その威力はエイワスが第一九学区全周囲に施した光のカーテンを余裕で貫通するほどだった。
学園都市全域に深刻な揺れが発生する。どう考えても被害は学園都市だけに収まるものではなかった。
今頃、全世界のニュースでこの異常事態が報道されていることだろう。
――――――――――――――――――――――
魔術師、アレイスター=クロウリーは複雑な心境を抱えながら裂け目が出来た空を見上げていた。
『衝撃の杖』を片手で弄びながら黄金の光を纏う彼の姿は、まるでその裂け目を『次なる時代』へ
導く門を開く神の召使のようにも見える。
だが、この現象を引き起こしているのはアレイスターではない。
「・・・・・・信じられんことだが、エイワスの言葉は真実だったか。 『セト』が現世に降臨した」
遠くの方で咆哮が轟いた。人間でもなければ天使でも悪魔でもない、そのそれにも該当しない存在が
発した咆哮だった。その叫びに呼応するように、楕円形の巨大な裂け目から黒い雷が炸裂する。
音はなかった。雷とはまず光が放たれ、そこから少し遅れて雷鳴が響くものだが、それすら起きなかった。
黒い閃光は世界から音という概念を吹き飛ばし、上空に浮かんでいたグリフォン=スカイを一瞬で塵芥に変え、
地面に激突し拡散していく。
その威力はエイワスが第一九学区全周囲に施した光のカーテンを余裕で貫通するほどだった。
学園都市全域に深刻な揺れが発生する。どう考えても被害は学園都市だけに収まるものではなかった。
今頃、全世界のニュースでこの異常事態が報道されていることだろう。
357: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:25:45.21:yRnDv3tco (22/42)
当然、アレイスターはそのような瑣末事に気を配ったりはしない。
「あの空間の亀裂が地球という惑星全域に拡がった時、星幽界は成り、ホルスは訪れる。
・・・・・・私は一方通行に感謝すべきなのか、それとも嫉妬すべきなのか」
「尊敬するべきじゃないのかね? 『セト』が親愛の情を抱く人間だ。
一体『セト』が一方通行のどこに好感を持ったのかは私でさえも定かではないが、
これで君のプランは完全に破綻してしまったな」
背後から掛かる声を聞いて、アレイスターはフッと笑う。
そこには『ブエル』によって上半身を粉々にされたはずのエイワスの姿があった。
金髪の怪物は何事もなかったかのようにそこに現出していた。
ただし、思わず見惚れてしまうその金髪は土埃で汚れ、ひどく乱れている。
AIM拡散力場で構成されたその体も至る部分が欠損しており、時折ノイズが走ったように
エイワスの全身がブレていた。
「・・・・・・尊敬? 破綻? あなたにしては珍しく見当違いな発言だな、エイワス。
一方通行は私がこの時のために作ったパーツに過ぎん。 『セト』は私が作り上げた
"作品"を痛く気に召さり、一方通行という肉の器に降臨したまでだよ」
当然、アレイスターはそのような瑣末事に気を配ったりはしない。
「あの空間の亀裂が地球という惑星全域に拡がった時、星幽界は成り、ホルスは訪れる。
・・・・・・私は一方通行に感謝すべきなのか、それとも嫉妬すべきなのか」
「尊敬するべきじゃないのかね? 『セト』が親愛の情を抱く人間だ。
一体『セト』が一方通行のどこに好感を持ったのかは私でさえも定かではないが、
これで君のプランは完全に破綻してしまったな」
背後から掛かる声を聞いて、アレイスターはフッと笑う。
そこには『ブエル』によって上半身を粉々にされたはずのエイワスの姿があった。
金髪の怪物は何事もなかったかのようにそこに現出していた。
ただし、思わず見惚れてしまうその金髪は土埃で汚れ、ひどく乱れている。
AIM拡散力場で構成されたその体も至る部分が欠損しており、時折ノイズが走ったように
エイワスの全身がブレていた。
「・・・・・・尊敬? 破綻? あなたにしては珍しく見当違いな発言だな、エイワス。
一方通行は私がこの時のために作ったパーツに過ぎん。 『セト』は私が作り上げた
"作品"を痛く気に召さり、一方通行という肉の器に降臨したまでだよ」
358: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:27:02.25:yRnDv3tco (23/42)
アレイスターが負った垣根帝督に吹き飛ばされた頭の欠損や、エイワスに貫かれた胸の孔は完全に修復されていた。
かつて世にその名を知らしめた伝説の魔術師にかかれば、その程度の傷など容易に修復できるものなのか。
『ブエル』召喚後、上半身を消失させられたエイワスは即座に再生し、しばらくアレイスターと戦闘を行ったが、
まるで歯が立たなかった。アレイスターは全盛期の力をフルに使いこなし、自分に必要な知識を全て授けた
聖守護天使を圧倒していた。
その余裕からか、エイワスの指摘にも余裕の笑みを返しながらアレイスターは続ける。
「そして私のプランも何も問題はない。 間もなく私は、いや、我々人類は『神浄』に至る。
今頃、『セト』はオシリスを葬っているだろう。 オシリスを葬る。 つまり、
この世に現存する全ての魔術師を滅ぼし『神』という源を『浄化』し、神に隷属するオシリスの時代が終わる。
私はホルスの到来を見届け、一方通行の器に降臨した『セト』と共に星幽界を完成させ、
君臨し続ける。 人が神を隷属する時代は終焉を迎え、人が未来永劫神となりて存在し続けるのだ」
アレイスターが負った垣根帝督に吹き飛ばされた頭の欠損や、エイワスに貫かれた胸の孔は完全に修復されていた。
かつて世にその名を知らしめた伝説の魔術師にかかれば、その程度の傷など容易に修復できるものなのか。
『ブエル』召喚後、上半身を消失させられたエイワスは即座に再生し、しばらくアレイスターと戦闘を行ったが、
まるで歯が立たなかった。アレイスターは全盛期の力をフルに使いこなし、自分に必要な知識を全て授けた
聖守護天使を圧倒していた。
その余裕からか、エイワスの指摘にも余裕の笑みを返しながらアレイスターは続ける。
「そして私のプランも何も問題はない。 間もなく私は、いや、我々人類は『神浄』に至る。
今頃、『セト』はオシリスを葬っているだろう。 オシリスを葬る。 つまり、
この世に現存する全ての魔術師を滅ぼし『神』という源を『浄化』し、神に隷属するオシリスの時代が終わる。
私はホルスの到来を見届け、一方通行の器に降臨した『セト』と共に星幽界を完成させ、
君臨し続ける。 人が神を隷属する時代は終焉を迎え、人が未来永劫神となりて存在し続けるのだ」
359: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:28:30.77:yRnDv3tco (24/42)
「科学技術で構成した擬似星幽界、か。 誰かが維持していなければ
あんな蜃気楼のような紛い物はあっという間に虚無と化してしまうぞ」
「・・・・・・私が君臨すると言った。 知っているくせに惚けたような質問をするなよ、エイワス」
それが、アレイスターの『プラン』。彼が寿命を引き伸ばしてまで進めた神への道。
『第一候補(メインプラン)』の一方通行に『セト』が降臨した事で、結局はアレイスターの計画通りに事は進んでいた。
「まあ、それでも完全ではないがな」
アレイスターは尚も拡大を続ける『神浄』を達成感溢れる笑顔で見つめながら、
「私が作った星幽界の維持にはやはりあなたという私が作った"人形"が必要である上に、
今の空を見れば分かるが、あの『神浄』はひどく不安定だ。 本来の『神浄』なら
まず裂け目などという歪なもので現出したりはしない。 これもやはり『幻想殺し』無しで
無理やり開いてしまったことにあるな。 まあ・・・・・・あまり欲が過ぎてもいけない」
「科学技術で構成した擬似星幽界、か。 誰かが維持していなければ
あんな蜃気楼のような紛い物はあっという間に虚無と化してしまうぞ」
「・・・・・・私が君臨すると言った。 知っているくせに惚けたような質問をするなよ、エイワス」
それが、アレイスターの『プラン』。彼が寿命を引き伸ばしてまで進めた神への道。
『第一候補(メインプラン)』の一方通行に『セト』が降臨した事で、結局はアレイスターの計画通りに事は進んでいた。
「まあ、それでも完全ではないがな」
アレイスターは尚も拡大を続ける『神浄』を達成感溢れる笑顔で見つめながら、
「私が作った星幽界の維持にはやはりあなたという私が作った"人形"が必要である上に、
今の空を見れば分かるが、あの『神浄』はひどく不安定だ。 本来の『神浄』なら
まず裂け目などという歪なもので現出したりはしない。 これもやはり『幻想殺し』無しで
無理やり開いてしまったことにあるな。 まあ・・・・・・あまり欲が過ぎてもいけない」
360: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:30:31.54:yRnDv3tco (25/42)
「今の私は『天使同盟』の構成員だぞ? 君が作った擬似星幽界の維持に私が貢献するとでも?」
「だろうな。 かといってこのまま私とあなたが戦えばあなたは消滅し、本末転倒となってしまう」
「ふ。 さりげに勝利宣言をする君のなんと可愛らしいことか」
だから、とアレイスターは『衝撃の杖』の先端部をエイワスに向けて言った。
「あなたを『聖母ベイバロン』として私が迎え入れる事にした。 あなたをソーマと化して
私自身に降ろせば、十中八九『幻想殺し』を使用せずとも『神浄』へ完全な状態で到達できる。
私の中であなたを封印していれば、星幽界の維持も可能になるだろう」
それを聞いたエイワスはしばしの間沈黙していたが、やがて我慢を堪えきれなかったのか
プッと吹き出して笑い声を上げた。
そんなエイワスの様子を見ても、アレイスターの表情に変化はなかった。
「くくく、ふふふふふふふ・・・・・・・・・・・・。 私が『緋色の女』になるのか、君の。
これは愉快極まりない。 私と情交を行う事で『神浄』は成り、星幽界の維持も
可能になると。 くっははははは・・・・・・、その発想は無かったな」
「そう言うなよ。 私はあなたに尊崇の念を抱いていると同時、好意も抱いているんだぞ?
純粋に、一人の女性として・・・・・・な」
「っ」
「今の私は『天使同盟』の構成員だぞ? 君が作った擬似星幽界の維持に私が貢献するとでも?」
「だろうな。 かといってこのまま私とあなたが戦えばあなたは消滅し、本末転倒となってしまう」
「ふ。 さりげに勝利宣言をする君のなんと可愛らしいことか」
だから、とアレイスターは『衝撃の杖』の先端部をエイワスに向けて言った。
「あなたを『聖母ベイバロン』として私が迎え入れる事にした。 あなたをソーマと化して
私自身に降ろせば、十中八九『幻想殺し』を使用せずとも『神浄』へ完全な状態で到達できる。
私の中であなたを封印していれば、星幽界の維持も可能になるだろう」
それを聞いたエイワスはしばしの間沈黙していたが、やがて我慢を堪えきれなかったのか
プッと吹き出して笑い声を上げた。
そんなエイワスの様子を見ても、アレイスターの表情に変化はなかった。
「くくく、ふふふふふふふ・・・・・・・・・・・・。 私が『緋色の女』になるのか、君の。
これは愉快極まりない。 私と情交を行う事で『神浄』は成り、星幽界の維持も
可能になると。 くっははははは・・・・・・、その発想は無かったな」
「そう言うなよ。 私はあなたに尊崇の念を抱いていると同時、好意も抱いているんだぞ?
純粋に、一人の女性として・・・・・・な」
「っ」
361: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:32:15.41:yRnDv3tco (26/42)
エイワスの中にあったわずかな感情のようなものが爆発した。
アレイスターの思わぬ告白を受けた金髪の怪物はその場に座り込み、腹を抱えて大笑いしてしまった。
一体どこから湧いてでたのか、目尻に溜まった涙を拭ってエイワスは滅茶苦茶な状況になっている空を仰いでただ笑った。
「面白い。 やはり君は愉快だなアレイスター=クロウリー。 しかし私が言うのもおかしなものだが、
告白するならもう少しムード作りを勉強してからにするべきではなかったか?」
「怠っていた」
「くくくくく・・・・・・・・・・・・。 いやしかし本当に面白い、私は一体どこで君とフラグを立てたのか。
私がエジプトのカイロでローズに降りたときかね? だとするなら君の眼中には既にローズでなく
この私しか入っていなかったということになる。 これはひどい、君は元来浮気性な傾向があるからなぁ」
「君と出逢い、知識を授かってからというもの、私の頭にはいつもあなたの顔が浮かんでいた。
言っておくが今まで私が『緋色の女』として何人もの女と重なったのは、あなたに会うためだったんだ。
私が科学に身を委ねたのも、思えばそれが理由かもしれない。 科学の力でこうして今のあなたを
作り出すためにね。 こういう事象を、世間では運命と呼ぶのではないか?」
「くっふふ・・・・・・私を笑い死にさせるつもりか? 世間ではそれを『ストーカー』と呼ぶのだよ」
けらけらと、端から見れば本当にただの女の子にしか見えなくなる仕草をしながらエイワスは笑い続ける。
大地が断続的に揺れ続け、世界が謎の黒い霧に覆われ、上空にはこの世の終わりというタイトルをつけて美術館に
展示できそうなほど不気味な裂け目が出来ているという状況で交わされた二人の会話は、狂っているとしか思えない内容だった。
一頻り笑い終えたエイワスに、アレイスターが真剣な顔つきで尋ねる。
エイワスの中にあったわずかな感情のようなものが爆発した。
アレイスターの思わぬ告白を受けた金髪の怪物はその場に座り込み、腹を抱えて大笑いしてしまった。
一体どこから湧いてでたのか、目尻に溜まった涙を拭ってエイワスは滅茶苦茶な状況になっている空を仰いでただ笑った。
「面白い。 やはり君は愉快だなアレイスター=クロウリー。 しかし私が言うのもおかしなものだが、
告白するならもう少しムード作りを勉強してからにするべきではなかったか?」
「怠っていた」
「くくくくく・・・・・・・・・・・・。 いやしかし本当に面白い、私は一体どこで君とフラグを立てたのか。
私がエジプトのカイロでローズに降りたときかね? だとするなら君の眼中には既にローズでなく
この私しか入っていなかったということになる。 これはひどい、君は元来浮気性な傾向があるからなぁ」
「君と出逢い、知識を授かってからというもの、私の頭にはいつもあなたの顔が浮かんでいた。
言っておくが今まで私が『緋色の女』として何人もの女と重なったのは、あなたに会うためだったんだ。
私が科学に身を委ねたのも、思えばそれが理由かもしれない。 科学の力でこうして今のあなたを
作り出すためにね。 こういう事象を、世間では運命と呼ぶのではないか?」
「くっふふ・・・・・・私を笑い死にさせるつもりか? 世間ではそれを『ストーカー』と呼ぶのだよ」
けらけらと、端から見れば本当にただの女の子にしか見えなくなる仕草をしながらエイワスは笑い続ける。
大地が断続的に揺れ続け、世界が謎の黒い霧に覆われ、上空にはこの世の終わりというタイトルをつけて美術館に
展示できそうなほど不気味な裂け目が出来ているという状況で交わされた二人の会話は、狂っているとしか思えない内容だった。
一頻り笑い終えたエイワスに、アレイスターが真剣な顔つきで尋ねる。
362: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:33:32.10:yRnDv3tco (27/42)
「返答を聞かせてくれ、エイワス。 私の『スカーレット』となり共に星幽界を顕現し続けてくれるのか否か。
あまり乱暴なことは言いたくないが、多少強引な方法であなたをソーマにすることも出来る。
だが出来ればそんな方法をとるのは避けたい。 私の願いを受け入れ、両者同意の下で儀式を完成させたいのだ」
エイワスはゆっくりと起き上がり、尻についた砂埃を軽く手で払う。
アレイスターが冗談でこんな事を言う人間ではないということを、エイワスは理解していた。
この魔術師は昔から、変なところで純粋だった。エイワスが授けた『法の書』の知識を
疑うことなく頭に取り入れ、欲しいものがあれば何を犠牲にしてでも手に入れる。
自身のプランを完遂させるためにわざわざ寿命を延長させるほどの人間だ。
あらゆる点で歪んでいて、しかしその芯は赤子よりも純粋。
それがアレイスター=クロウリーという人間だという事を、他でもないエイワスだけは理解している。
そんなエイワスがアレイスターに送った言葉は、至極簡素なものだった。
「ごめんなさい」
謝罪。
ただしそれは頭を下げて丁寧に言うのではなく、あくまで悠然とした佇まいで
腕を組み、誰がどう見ても上から目線での謝罪だった。
「返答を聞かせてくれ、エイワス。 私の『スカーレット』となり共に星幽界を顕現し続けてくれるのか否か。
あまり乱暴なことは言いたくないが、多少強引な方法であなたをソーマにすることも出来る。
だが出来ればそんな方法をとるのは避けたい。 私の願いを受け入れ、両者同意の下で儀式を完成させたいのだ」
エイワスはゆっくりと起き上がり、尻についた砂埃を軽く手で払う。
アレイスターが冗談でこんな事を言う人間ではないということを、エイワスは理解していた。
この魔術師は昔から、変なところで純粋だった。エイワスが授けた『法の書』の知識を
疑うことなく頭に取り入れ、欲しいものがあれば何を犠牲にしてでも手に入れる。
自身のプランを完遂させるためにわざわざ寿命を延長させるほどの人間だ。
あらゆる点で歪んでいて、しかしその芯は赤子よりも純粋。
それがアレイスター=クロウリーという人間だという事を、他でもないエイワスだけは理解している。
そんなエイワスがアレイスターに送った言葉は、至極簡素なものだった。
「ごめんなさい」
謝罪。
ただしそれは頭を下げて丁寧に言うのではなく、あくまで悠然とした佇まいで
腕を組み、誰がどう見ても上から目線での謝罪だった。
363: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:34:50.57:yRnDv3tco (28/42)
「拒否、か。 何がどうあってもここで私を討つのか、エイワス」
「君は何かを勘違いしている。 我々『天使同盟』がここに来た理由はただ一つ、
ミーシャ=クロイツェフの奪還だ。 『神浄』だの『セト』だの『星幽界』だの・・・・・・、
『天使同盟』には一切関係の無い事ではないか。 そんな"くだらん事に"かまけているほど
我々も暇じゃない。 さっさと『天使同盟』のヒロインを連れ戻し、それでハッピーエンドさ」
「・・・・・・・・・・・・ッ」
空気が一変する。アレイスターが明確な殺意を放っていた。
彼を包む黄金の輝きが一層激しくなる。その輝きはエイワスが放つそれよりも強力なものだった。
決別。かつてアレイスターが命の恩人であるカエル顔の医者と決別したように、
エイワスともまた、永遠に決別するときがきたのかもしれない。
「・・・・・・非常に残念だよ、エイワス。 結局私は、全てを手放さなければ
ならない運命にあるというわけか。 ここで君を討たねばならんとは・・・・・・」
「ていうかね」
ひどく軽い口調でエイワスは言った。
「拒否、か。 何がどうあってもここで私を討つのか、エイワス」
「君は何かを勘違いしている。 我々『天使同盟』がここに来た理由はただ一つ、
ミーシャ=クロイツェフの奪還だ。 『神浄』だの『セト』だの『星幽界』だの・・・・・・、
『天使同盟』には一切関係の無い事ではないか。 そんな"くだらん事に"かまけているほど
我々も暇じゃない。 さっさと『天使同盟』のヒロインを連れ戻し、それでハッピーエンドさ」
「・・・・・・・・・・・・ッ」
空気が一変する。アレイスターが明確な殺意を放っていた。
彼を包む黄金の輝きが一層激しくなる。その輝きはエイワスが放つそれよりも強力なものだった。
決別。かつてアレイスターが命の恩人であるカエル顔の医者と決別したように、
エイワスともまた、永遠に決別するときがきたのかもしれない。
「・・・・・・非常に残念だよ、エイワス。 結局私は、全てを手放さなければ
ならない運命にあるというわけか。 ここで君を討たねばならんとは・・・・・・」
「ていうかね」
ひどく軽い口調でエイワスは言った。
364: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:35:42.22:yRnDv3tco (29/42)
「私にはもう、他に好きな人間がいるんだ。 素敵だぞ"彼"は。
君より純粋で、君より熱血で、君より愚かで、君より可愛い」
「嫉妬で狂いそうになるな」
「それと、」
ヂヂヂヂヂヂッッッ!!!!! という奇妙な音を放ちながら、エイワスが背中の翼を肥大化させていく。
それと同時に、アレイスターはエイワスの体に起き始めた変化に気付き眉をひそめた。
「この私を討つ、だと? あまり私を見くびるなよ"坊や"」
音もなく、エイワスの体が緩やかに浮かび上がった。
アレイスターにはそれが、上空に出現した巨大な裂け目に導かれる一人の美しい『女神』のように見えた。
黄金に輝く魔術師は黄金に輝く聖守護天使を見上げながら漠然と思う。
エイワスもいよいよ本気で仕掛けてくる、と。
化物と化物の戦いは、ついに佳境へ突入する。
「私にはもう、他に好きな人間がいるんだ。 素敵だぞ"彼"は。
君より純粋で、君より熱血で、君より愚かで、君より可愛い」
「嫉妬で狂いそうになるな」
「それと、」
ヂヂヂヂヂヂッッッ!!!!! という奇妙な音を放ちながら、エイワスが背中の翼を肥大化させていく。
それと同時に、アレイスターはエイワスの体に起き始めた変化に気付き眉をひそめた。
「この私を討つ、だと? あまり私を見くびるなよ"坊や"」
音もなく、エイワスの体が緩やかに浮かび上がった。
アレイスターにはそれが、上空に出現した巨大な裂け目に導かれる一人の美しい『女神』のように見えた。
黄金に輝く魔術師は黄金に輝く聖守護天使を見上げながら漠然と思う。
エイワスもいよいよ本気で仕掛けてくる、と。
化物と化物の戦いは、ついに佳境へ突入する。
365: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:37:04.55:yRnDv3tco (30/42)
――――――――――――――――――――――
「こちらC部隊、現在第七学区のファミリーサイドを捜索中」
『了解。 こちらL部隊。 第二一学区の貯水ダムを捜索中。 ・・・・・・、
作業員は確認できず。 全作業員は避難されたと思われる』
『了解。 こちらA部隊。 第一三学区の捜索作業を終了。
全住民の避難を確認。 ・・・・・・、了解。 I部隊から連絡、第五学区にて
避難が完了していない施設を発見。 応援に向かってくれ』
「了解。 ・・・・・・、第七学区のファミリーサイドの捜索を終了。
住人は全て避難されたと思われる。 I部隊の応援に向かう」
『了解。 ――――・・・・・・、――――――』
ザザッザザザザザッ、と無線から聞こえるノイズが
4LDK高級マンションの廊下に反響する。
金属がカチカチとぶつかる音と何人かの人間の足音が忙しなく鳴り響いた後、
第七学区のファミリーサイドには再び気味が悪いほどの静音が蘇った。
――――――――――――――――――――――
「こちらC部隊、現在第七学区のファミリーサイドを捜索中」
『了解。 こちらL部隊。 第二一学区の貯水ダムを捜索中。 ・・・・・・、
作業員は確認できず。 全作業員は避難されたと思われる』
『了解。 こちらA部隊。 第一三学区の捜索作業を終了。
全住民の避難を確認。 ・・・・・・、了解。 I部隊から連絡、第五学区にて
避難が完了していない施設を発見。 応援に向かってくれ』
「了解。 ・・・・・・、第七学区のファミリーサイドの捜索を終了。
住人は全て避難されたと思われる。 I部隊の応援に向かう」
『了解。 ――――・・・・・・、――――――』
ザザッザザザザザッ、と無線から聞こえるノイズが
4LDK高級マンションの廊下に反響する。
金属がカチカチとぶつかる音と何人かの人間の足音が忙しなく鳴り響いた後、
第七学区のファミリーサイドには再び気味が悪いほどの静音が蘇った。
366: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:38:06.02:yRnDv3tco (31/42)
「・・・・・・・・・・・・おっけー。 警備員は行っちゃったみたいだよ」
「・・・・・・ふう、ちょっとドキドキしたかもってミサカはミサカは
こんな状況であるにも関わらず不謹慎な発言をしてみたり」
「子供の頃、よく友達と夜の学校とかでやったわこんな遊び」
全住人が避難したはずのマンションの一室から、そんな会話が聞こえてきた。
一三階にある部屋の中からだ。
その部屋の表札には『黄泉川』と書かれたネームプレートが嵌め込まれている。
だが現在、この部屋の主である黄泉川愛穂は不在だった。
黄泉川の部屋に潜んで警備員をやり過ごした打ち止め(ラストオーダー)、番外個体(ミサカワースト)、芳川桔梗の三人は
玄関のドアに取り付けてあるドアスコープから廊下の様子をし、警備員が完全に居なくなった事を確認すると
すかさずリビングに戻り、高級感溢れるソファに腰を降ろして一息つく。
「愛穂に見つかったら説教じゃ済まないわね」
「あの人も警備員として外に出回ってんでしょ? ミサカ達は避難を終えたって
黄泉川には連絡してあるし、GPS対策として最終信号(ラストオーダー)が持ってた
ガキっぽいデザインのケータイ、避難民の誰かのポケットに放り込んだんでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・おっけー。 警備員は行っちゃったみたいだよ」
「・・・・・・ふう、ちょっとドキドキしたかもってミサカはミサカは
こんな状況であるにも関わらず不謹慎な発言をしてみたり」
「子供の頃、よく友達と夜の学校とかでやったわこんな遊び」
全住人が避難したはずのマンションの一室から、そんな会話が聞こえてきた。
一三階にある部屋の中からだ。
その部屋の表札には『黄泉川』と書かれたネームプレートが嵌め込まれている。
だが現在、この部屋の主である黄泉川愛穂は不在だった。
黄泉川の部屋に潜んで警備員をやり過ごした打ち止め(ラストオーダー)、番外個体(ミサカワースト)、芳川桔梗の三人は
玄関のドアに取り付けてあるドアスコープから廊下の様子をし、警備員が完全に居なくなった事を確認すると
すかさずリビングに戻り、高級感溢れるソファに腰を降ろして一息つく。
「愛穂に見つかったら説教じゃ済まないわね」
「あの人も警備員として外に出回ってんでしょ? ミサカ達は避難を終えたって
黄泉川には連絡してあるし、GPS対策として最終信号(ラストオーダー)が持ってた
ガキっぽいデザインのケータイ、避難民の誰かのポケットに放り込んだんでしょ?」
367: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:39:34.77:yRnDv3tco (32/42)
「回収するのが面倒なのだけれど」
「いやいや回収してもらわないと困るのだ、ってミサカはミサカはジト目でヨシカワを睨んでみる」
打ち止め、番外個体、芳川の三人はミーシャ=クロイツェフが学園都市に『墜落』してきた時、
警備員の黄泉川愛穂に先導されて地下のシェルターに避難するよう言われていたのだが、
打ち止めと番外個体が同時に『あの人(第一位)の匂いがする(ってミサカはミサカは以下略)』と言い出し、
自分としてはこんな面倒極まりなさそうな事態には首を突っ込みたくないと思っていた芳川は
仕方なく二人に付き添ってこんな逃走犯紛いな真似事をさせられていた。
と、突然窓がビリビリと不安を煽るように震えた。さっきから断続的に続いている
『黒い雷』が天からの叫びの如く鳴り響いたためだ。
打ち止めはササッとお腹を手で隠してガラス張りの扉の向こう側に見える、この世のものとは思えない景色を眺める。
「・・・・・・最終信号、多分あの黒い雷はおヘソを取ったりしないと思うわよ」
「回収するのが面倒なのだけれど」
「いやいや回収してもらわないと困るのだ、ってミサカはミサカはジト目でヨシカワを睨んでみる」
打ち止め、番外個体、芳川の三人はミーシャ=クロイツェフが学園都市に『墜落』してきた時、
警備員の黄泉川愛穂に先導されて地下のシェルターに避難するよう言われていたのだが、
打ち止めと番外個体が同時に『あの人(第一位)の匂いがする(ってミサカはミサカは以下略)』と言い出し、
自分としてはこんな面倒極まりなさそうな事態には首を突っ込みたくないと思っていた芳川は
仕方なく二人に付き添ってこんな逃走犯紛いな真似事をさせられていた。
と、突然窓がビリビリと不安を煽るように震えた。さっきから断続的に続いている
『黒い雷』が天からの叫びの如く鳴り響いたためだ。
打ち止めはササッとお腹を手で隠してガラス張りの扉の向こう側に見える、この世のものとは思えない景色を眺める。
「・・・・・・最終信号、多分あの黒い雷はおヘソを取ったりしないと思うわよ」
368: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:40:19.86:yRnDv3tco (33/42)
「普通の雷もヘソなんか取らねーっつの。 つかミサカ達の司令塔のクセに雷が怖いってどうなのかな」
「雷の音ってなんだかあの人に怒られてるみたいでつい反応しちゃうのってミサカはミサカは
ちょっと抱きついただけで雷みたいに怒るあの人の顔を思い出してみたり」
「それじゃまるで第一位が故人みたいだね。 ひゃっは」
打ち止めに習うように番外個体と芳川もベランダに続く扉から不気味な空を見上げた。
この三人の中で打ち止めと番外個体だけは『普通ではない空』を過去に一度、目撃したことがある。
ロシアの雪原で見た、黄金色の空。そこから降りかかった恐ろしい力は危うく一方通行の命を刈り取るところだった。
よって、番外個体はともかく打ち止めは普通ではない空に対してあまり良い印象を抱いていなかった。
「裂け目がさっきよりデカくなってるね。 あの処女膜みたいな裂け目から何か飛び出してくんのかな」
「私個人の意見を言わせてもらうと、どう考えてもあの空は『世界終了のお知らせ』なんだけど」
「・・・・・・・・・・・・多分、あの人が大きく関わってるんだと思う、ってミサカはミサカは
あの黒い雷や黒い霧とあの人のイメージを結んでみたり」
それは番外個体も芳川も薄々感づいていた。
十中八九、今日の午後二時頃から続いているこの世紀末な騒ぎは同じ同居人である白髪の少年が一枚噛んでいる、と。
「普通の雷もヘソなんか取らねーっつの。 つかミサカ達の司令塔のクセに雷が怖いってどうなのかな」
「雷の音ってなんだかあの人に怒られてるみたいでつい反応しちゃうのってミサカはミサカは
ちょっと抱きついただけで雷みたいに怒るあの人の顔を思い出してみたり」
「それじゃまるで第一位が故人みたいだね。 ひゃっは」
打ち止めに習うように番外個体と芳川もベランダに続く扉から不気味な空を見上げた。
この三人の中で打ち止めと番外個体だけは『普通ではない空』を過去に一度、目撃したことがある。
ロシアの雪原で見た、黄金色の空。そこから降りかかった恐ろしい力は危うく一方通行の命を刈り取るところだった。
よって、番外個体はともかく打ち止めは普通ではない空に対してあまり良い印象を抱いていなかった。
「裂け目がさっきよりデカくなってるね。 あの処女膜みたいな裂け目から何か飛び出してくんのかな」
「私個人の意見を言わせてもらうと、どう考えてもあの空は『世界終了のお知らせ』なんだけど」
「・・・・・・・・・・・・多分、あの人が大きく関わってるんだと思う、ってミサカはミサカは
あの黒い雷や黒い霧とあの人のイメージを結んでみたり」
それは番外個体も芳川も薄々感づいていた。
十中八九、今日の午後二時頃から続いているこの世紀末な騒ぎは同じ同居人である白髪の少年が一枚噛んでいる、と。
369: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:41:42.62:yRnDv3tco (34/42)
「ミサカも第一位の中二臭い黒翼は見てるからねー。 この黒い霧と黒雷は
あの人の黒翼に酷似してる」
「今、『こく』って何回言った?」
芳川の戯言を無視して番外個体はテレビのリモコンを手に取る。
学園都市中に謎の黒い霧が蔓延している状況で電波が届くかどうか微妙なところだったが、
番外個体の予想とは裏腹にテレビ画面はいつもの調子で三人に番組を提供した。
番外個体はあらゆる局にチャンネルを合わせたが、まだ午後四時頃だというのに
やっている番組はどこもかしこもニュース速報ばかりだった。
『・・・・・・繰り返しお伝えします。 今日の午後四時前後、突如として上空に出現した
「奇怪な文字のようなもの」と黒い霧は、日本全土に留まらず世界各国で目撃されています。
原因や出元は一切不明で、各国首脳はG8を行って問題の究明と解決の糸口を模索する方針を示しており・・・・・・』
『・・・・・・黒い雷による人的被害や家屋の倒壊等といった被害は報告されておらず、
また断続的に続く小さな地震による津波の影響は無いとされていますが、依然として・・・・・・』
『アメリカではこの現象を「海底火山の異常噴火」によるものであると発表しており、
その際に吹き出た黒煙がこの黒い霧の正体だと報道しています。 しかしそれだけでは
「空の裂け目」や黒い雷の説明はできず、アメリカは更に調査を・・・・・・・・・・・・』
『はい、繋がりました。 えー、こちら現場はですね、あ、ご覧になれますでしょうか。
あの空ですねー。 午後四時前、突然日本全土が夜空に覆われまして、はい、・・・・・・
あ、はい。 そうです、空間に浮かび上がった奇妙な文字や裂け目は関東上空を中心に
拡がっていってまして、あっという間に世界全体の空を覆ってしまったというわけなんですね。
えー、気象庁の報告によりますと・・・・・・・・・・・・』
「ミサカも第一位の中二臭い黒翼は見てるからねー。 この黒い霧と黒雷は
あの人の黒翼に酷似してる」
「今、『こく』って何回言った?」
芳川の戯言を無視して番外個体はテレビのリモコンを手に取る。
学園都市中に謎の黒い霧が蔓延している状況で電波が届くかどうか微妙なところだったが、
番外個体の予想とは裏腹にテレビ画面はいつもの調子で三人に番組を提供した。
番外個体はあらゆる局にチャンネルを合わせたが、まだ午後四時頃だというのに
やっている番組はどこもかしこもニュース速報ばかりだった。
『・・・・・・繰り返しお伝えします。 今日の午後四時前後、突如として上空に出現した
「奇怪な文字のようなもの」と黒い霧は、日本全土に留まらず世界各国で目撃されています。
原因や出元は一切不明で、各国首脳はG8を行って問題の究明と解決の糸口を模索する方針を示しており・・・・・・』
『・・・・・・黒い雷による人的被害や家屋の倒壊等といった被害は報告されておらず、
また断続的に続く小さな地震による津波の影響は無いとされていますが、依然として・・・・・・』
『アメリカではこの現象を「海底火山の異常噴火」によるものであると発表しており、
その際に吹き出た黒煙がこの黒い霧の正体だと報道しています。 しかしそれだけでは
「空の裂け目」や黒い雷の説明はできず、アメリカは更に調査を・・・・・・・・・・・・』
『はい、繋がりました。 えー、こちら現場はですね、あ、ご覧になれますでしょうか。
あの空ですねー。 午後四時前、突然日本全土が夜空に覆われまして、はい、・・・・・・
あ、はい。 そうです、空間に浮かび上がった奇妙な文字や裂け目は関東上空を中心に
拡がっていってまして、あっという間に世界全体の空を覆ってしまったというわけなんですね。
えー、気象庁の報告によりますと・・・・・・・・・・・・』
370: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:43:02.07:yRnDv3tco (35/42)
第三次世界大戦と同じく、否、第三次世界大戦の時よりも世間はざわめいていた。
普段は映画しか垂れ流していないチャンネルや、ケーブルテレビでさえも
この異常現象の特番を放送している始末だった。
番外個体と芳川が無表情でそのニュース番組を見る中、打ち止めだけが
不安げな顔つきでそわそわと落ち着きのない仕草をしている。
「あれだけ大きな戦争が終わった矢先にこれ、か。 もうこの世界は一回全部
取り壊してリセットしちゃった方がいいんじゃないのかにゃーん?」
番外個体のシャレになってない言葉に、しかし二人は応じない。
彼女はムスッとした表情を作ってソファの上にリモコンを放り投げる。
芳川は一方通行達がイギリス帰りに買ってきたイギリス煎餅なるものを
――こんな状況にも関わらず――ボリボリと食べながら二人に尋ねた。
「で、わざわざ警備員の目を盗んでまで避難を拒否したあなた達の目的は何?」
第三次世界大戦と同じく、否、第三次世界大戦の時よりも世間はざわめいていた。
普段は映画しか垂れ流していないチャンネルや、ケーブルテレビでさえも
この異常現象の特番を放送している始末だった。
番外個体と芳川が無表情でそのニュース番組を見る中、打ち止めだけが
不安げな顔つきでそわそわと落ち着きのない仕草をしている。
「あれだけ大きな戦争が終わった矢先にこれ、か。 もうこの世界は一回全部
取り壊してリセットしちゃった方がいいんじゃないのかにゃーん?」
番外個体のシャレになってない言葉に、しかし二人は応じない。
彼女はムスッとした表情を作ってソファの上にリモコンを放り投げる。
芳川は一方通行達がイギリス帰りに買ってきたイギリス煎餅なるものを
――こんな状況にも関わらず――ボリボリと食べながら二人に尋ねた。
「で、わざわざ警備員の目を盗んでまで避難を拒否したあなた達の目的は何?」
371: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:44:21.62:yRnDv3tco (36/42)
打ち止めと番外個体は一度だけ目を合わせた。同じ遺伝子で作られているクローンだから故なのか、
二人が抱いている気持ちは全く同じだった。
「・・・・・・あの人に会いに行きたい、ってミサカはミサカは懇願してみる」
「一方通行に? 彼は今、・・・・・・どこにいるのかしら。 とにかく日本にはいないと思うけど」
「さっきのミサカ達の話聞いてた? 第一位は間違いなく日本に、っつか学園都市に帰ってきてる。
ミサカは確証出来ないけど第一位ファンクラブ第一号の最終信号がそう言ってんだから間違いないっしょ」
番外個体のふざけた言葉に打ち止めはポッと顔を赤らめるが、彼女はそんな滑稽な理由で
あの最大級危険地帯第一九学区に行きたいと言っているわけではない。
あの時の、一〇月九日の時のように、また一方通行が深い闇に閉ざされている。
打ち止めはそれを確信した上で彼に会いに行きたいと願っているのだ。
芳川はあからさまに気怠げな態度を見せつけながら唸った。
打ち止めと番外個体は一度だけ目を合わせた。同じ遺伝子で作られているクローンだから故なのか、
二人が抱いている気持ちは全く同じだった。
「・・・・・・あの人に会いに行きたい、ってミサカはミサカは懇願してみる」
「一方通行に? 彼は今、・・・・・・どこにいるのかしら。 とにかく日本にはいないと思うけど」
「さっきのミサカ達の話聞いてた? 第一位は間違いなく日本に、っつか学園都市に帰ってきてる。
ミサカは確証出来ないけど第一位ファンクラブ第一号の最終信号がそう言ってんだから間違いないっしょ」
番外個体のふざけた言葉に打ち止めはポッと顔を赤らめるが、彼女はそんな滑稽な理由で
あの最大級危険地帯第一九学区に行きたいと言っているわけではない。
あの時の、一〇月九日の時のように、また一方通行が深い闇に閉ざされている。
打ち止めはそれを確信した上で彼に会いに行きたいと願っているのだ。
芳川はあからさまに気怠げな態度を見せつけながら唸った。
372: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:45:36.01:yRnDv3tco (37/42)
「うーん・・・・・・第一九学区に彼がねぇ。 今も各学区には警備員が
配備されてるはずよ。 そんな簡単に向かえるかしら?」
「珍しくノリ気じゃん。 もう第一九学区に向かう前提なんだね」
「まぁ、今回ばかりは面倒臭がってられないわよ。 あの子がこんな事を引き起こしてる
って言うなら、保護者である私が止めなきゃいけないでしょう」
「おーおー、天下のニート様が保護者ヅラですか。 さすが『絶対能力進化(レベル6)』実験に
携わっていた狂人なだけのことはある」
「・・・・・・じ、自分に甘いだけよ。 私は」
ともかく、これで決まった。三人はこの大騒動の真っ只中である第一九学区に向かう。
打ち止めはエリザリーナ独立国同盟製のフッカフカのコートに身を包み、
番外個体と芳川桔梗は"念のために"軽装備の銃器を用意する。
「うーん・・・・・・第一九学区に彼がねぇ。 今も各学区には警備員が
配備されてるはずよ。 そんな簡単に向かえるかしら?」
「珍しくノリ気じゃん。 もう第一九学区に向かう前提なんだね」
「まぁ、今回ばかりは面倒臭がってられないわよ。 あの子がこんな事を引き起こしてる
って言うなら、保護者である私が止めなきゃいけないでしょう」
「おーおー、天下のニート様が保護者ヅラですか。 さすが『絶対能力進化(レベル6)』実験に
携わっていた狂人なだけのことはある」
「・・・・・・じ、自分に甘いだけよ。 私は」
ともかく、これで決まった。三人はこの大騒動の真っ只中である第一九学区に向かう。
打ち止めはエリザリーナ独立国同盟製のフッカフカのコートに身を包み、
番外個体と芳川桔梗は"念のために"軽装備の銃器を用意する。
373: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:46:08.07:yRnDv3tco (38/42)
「もし仮にこれで第一位が全く何の関係も無かったら、ミサカ達犬死にだね」
「死ぬ前提で話を進めないでもらえるかしら? まったく・・・・・・私はこんな
銃なんか持って潜入行動をとるキャラじゃないっつーに・・・・・・」
「そん時はひたすら逃げる!! ってミサカはミサカは一刻も早くあの人に会いたいがために
バタバタと足踏みしてみたり!」
フンスッ、と鼻息を荒げるちっこいお姉さんを見て番外個体は失笑した。
芳川も正直本気で行きたくないのだが、彼女は彼女でやはり一方通行の事が気に掛かるのか、
クローン二人に同行する事を決意する。
『ゲーム』開始から既に二時間以上が経過。もはやこの茶会に時間の経過など意味は無くなっている。
三人は『家族』である学園都市最強の超能力者に無事出会えるのだろうか。
「もし仮にこれで第一位が全く何の関係も無かったら、ミサカ達犬死にだね」
「死ぬ前提で話を進めないでもらえるかしら? まったく・・・・・・私はこんな
銃なんか持って潜入行動をとるキャラじゃないっつーに・・・・・・」
「そん時はひたすら逃げる!! ってミサカはミサカは一刻も早くあの人に会いたいがために
バタバタと足踏みしてみたり!」
フンスッ、と鼻息を荒げるちっこいお姉さんを見て番外個体は失笑した。
芳川も正直本気で行きたくないのだが、彼女は彼女でやはり一方通行の事が気に掛かるのか、
クローン二人に同行する事を決意する。
『ゲーム』開始から既に二時間以上が経過。もはやこの茶会に時間の経過など意味は無くなっている。
三人は『家族』である学園都市最強の超能力者に無事出会えるのだろうか。
374: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:52:22.79:yRnDv3tco (39/42)
Q. このSSでの『神浄』とは?
A. セトの降臨により発動。器は『第一候補(メインプラン)』の一方通行。
セトの顕現によってまず全世界中の魔術師、及び神殿、聖域、霊装に込められた
魔力を吸収し枯渇させる。これによって世界から魔力は無くなり、事実上
神に隷属するという形の十字教は終演を迎える。
空に出現した巨大な裂け目は今ある世界を全て『星幽界』で上書きするための現象。
これによりアレイスターの目論む新たな『界』の誕生は実現し、現存する常識が
全て塗り替えられる。神に隷属するのではなく、人間が神そのものになる時代。
十字教ではなくセレマ教の時代。それが『ホルス』。
セレマ教とはアレイスターがカイロでエイワスと接触し法の書を完成させた時に
開いた、法の書を聖典とする十字教に代わる新たな宗教。
星幽界とは、とある魔術の禁書目録でいう虚数学区。
セトが出現し世界中の魔術的概念、魔術師を滅ぼす→セトがオシリスを殺す。
後始末として星幽界でホルス(黄金の鷹)として君臨する予定のアレイスターが
セトを一方通行ごと始末すれば『ホルスの永劫』は成される。
星幽界の完全な現出には本来、上条当麻の『幻想殺し』が必要になるわけだが、
それをアレイスターはエイワスを『聖母ベイバロン』として迎えることで
自身の限界を超越し、自らが『幻想殺し』の代わりを努めようとする。
かなり無茶苦茶な手段のためホルスの到来がかなり遅れる事になる。
セトがなぜ急に現れたかは、上条当麻や一方通行、ミーシャ=クロイツェフ、
ヒューズ=カザキリ、エイワスといった重要な素材がかなり近しい場所に集まったから……とか
色々ありますけど正直私もこの辺は適当にしか考えてません……申し訳ないです。
ちなみに、このSSで出てきたセトが果たして『虚数学区から生み出された偶像』なのか
『正真正銘本物の神』なのかは不明瞭にしてあります。地の文では一応神と表記させて
もらってますが………神とかもう何か馬鹿馬鹿しくて書きにくいったらないですね……。
Q. つまりどういうことだってばよ?
A. そんなことよりさっさと天使救出しようぜ。
そんな感じで、今日の投下はお終いです。
妄想全開でお送りしたわけですが……こんなものに付き合ってくれた方がいらっしゃったら、
もう本当に頭が上がりません。マジでありがとうございます。
『神浄』については意味が分からないだろうと思って上記のように捕捉させていただきました。
あくまで私個人の解釈です。他SSでも『神浄』は出てくるらしいのですが、多分そっちの方がそれっぽいと思います。
次回更新は三日以内。
それでは、ここまでお付き合いいただき改めてありがとうございました!
Q. このSSでの『神浄』とは?
A. セトの降臨により発動。器は『第一候補(メインプラン)』の一方通行。
セトの顕現によってまず全世界中の魔術師、及び神殿、聖域、霊装に込められた
魔力を吸収し枯渇させる。これによって世界から魔力は無くなり、事実上
神に隷属するという形の十字教は終演を迎える。
空に出現した巨大な裂け目は今ある世界を全て『星幽界』で上書きするための現象。
これによりアレイスターの目論む新たな『界』の誕生は実現し、現存する常識が
全て塗り替えられる。神に隷属するのではなく、人間が神そのものになる時代。
十字教ではなくセレマ教の時代。それが『ホルス』。
セレマ教とはアレイスターがカイロでエイワスと接触し法の書を完成させた時に
開いた、法の書を聖典とする十字教に代わる新たな宗教。
星幽界とは、とある魔術の禁書目録でいう虚数学区。
セトが出現し世界中の魔術的概念、魔術師を滅ぼす→セトがオシリスを殺す。
後始末として星幽界でホルス(黄金の鷹)として君臨する予定のアレイスターが
セトを一方通行ごと始末すれば『ホルスの永劫』は成される。
星幽界の完全な現出には本来、上条当麻の『幻想殺し』が必要になるわけだが、
それをアレイスターはエイワスを『聖母ベイバロン』として迎えることで
自身の限界を超越し、自らが『幻想殺し』の代わりを努めようとする。
かなり無茶苦茶な手段のためホルスの到来がかなり遅れる事になる。
セトがなぜ急に現れたかは、上条当麻や一方通行、ミーシャ=クロイツェフ、
ヒューズ=カザキリ、エイワスといった重要な素材がかなり近しい場所に集まったから……とか
色々ありますけど正直私もこの辺は適当にしか考えてません……申し訳ないです。
ちなみに、このSSで出てきたセトが果たして『虚数学区から生み出された偶像』なのか
『正真正銘本物の神』なのかは不明瞭にしてあります。地の文では一応神と表記させて
もらってますが………神とかもう何か馬鹿馬鹿しくて書きにくいったらないですね……。
Q. つまりどういうことだってばよ?
A. そんなことよりさっさと天使救出しようぜ。
そんな感じで、今日の投下はお終いです。
妄想全開でお送りしたわけですが……こんなものに付き合ってくれた方がいらっしゃったら、
もう本当に頭が上がりません。マジでありがとうございます。
『神浄』については意味が分からないだろうと思って上記のように捕捉させていただきました。
あくまで私個人の解釈です。他SSでも『神浄』は出てくるらしいのですが、多分そっちの方がそれっぽいと思います。
次回更新は三日以内。
それでは、ここまでお付き合いいただき改めてありがとうございました!
375:次回予告はここまでです。 ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 22:53:18.86:yRnDv3tco (40/42)
【次回予告】
『何が神だ、馬鹿馬鹿しい。 神は人間が生み出した偶像なの、実際に存在するはずがない・・・・・・!!』
―――――――――――英国三派閥の一つ『王室派』第二王女・キャーリサ
『(AIMを操作出来ない・・・・・・。 学園都市の、いや、全世界に広がっているAIMを掌握され、た?)』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・風斬氷華
【次回予告】
『何が神だ、馬鹿馬鹿しい。 神は人間が生み出した偶像なの、実際に存在するはずがない・・・・・・!!』
―――――――――――英国三派閥の一つ『王室派』第二王女・キャーリサ
『(AIMを操作出来ない・・・・・・。 学園都市の、いや、全世界に広がっているAIMを掌握され、た?)』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・風斬氷華
376:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 22:57:20.66:X0UwMnye0 (2/2)
すげぇな乙
アレイスターとエイワスのやりとりにきゅんとしてしまった。
すげぇな乙
アレイスターとエイワスのやりとりにきゅんとしてしまった。
377:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 22:57:24.41:BTPAV2xco (1/1)
乙
よくわからんがつまり一方通行マジ天使ってことだな
乙
よくわからんがつまり一方通行マジ天使ってことだな
378:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 22:58:31.17:eR9tHocDO (1/1)
>>1おつ!
一方通行さん頑張れ!
>>1おつ!
一方通行さん頑張れ!
379:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 22:59:14.13:HGItsReOo (1/1)
乙
つまりフラグ、というわけだな
乙
つまりフラグ、というわけだな
380:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 23:00:31.73:WYFQxBMSO (2/2)
乙
まさかの初遭遇だったからじっくり読んだけどやっぱりアレイスターさんは憎めないなあ
乙
まさかの初遭遇だったからじっくり読んだけどやっぱりアレイスターさんは憎めないなあ
381:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 23:13:01.51:XkP7ZlAA0 (2/2)
乙
…うん、とりあえず打ち止めマジ天使
乙
…うん、とりあえず打ち止めマジ天使
382:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東):2011/05/31(火) 23:13:31.46:NESaWRmAO (1/1)
超乙!
それと頭悪くてすまんのだが
今までの「神に祈りを捧げ魔術を行使していた時代」ってのが「神に隷属する時代」「オシリスの時代」で、
《「セトを一方通行を器として降臨させる」「世界中の魔翌力を一気に吸い取る」「星幽界(=虚数学区)に地上を書き換える」》《》内が「神浄」で、
「神浄」によって、「神に祈りを捧げ魔術を行使する時代」を終わらせ、その後の世界にアレイスターが「ホルス」と呼ばれるようになって君臨するよって事だよね?
上条さんはどこで必要になるはずだったのか?っていうことと
なんでセトの器が一方通行じゃ無いといけなかったのか?っていうことがわからない
お暇な誰か教えて
超乙!
それと頭悪くてすまんのだが
今までの「神に祈りを捧げ魔術を行使していた時代」ってのが「神に隷属する時代」「オシリスの時代」で、
《「セトを一方通行を器として降臨させる」「世界中の魔翌力を一気に吸い取る」「星幽界(=虚数学区)に地上を書き換える」》《》内が「神浄」で、
「神浄」によって、「神に祈りを捧げ魔術を行使する時代」を終わらせ、その後の世界にアレイスターが「ホルス」と呼ばれるようになって君臨するよって事だよね?
上条さんはどこで必要になるはずだったのか?っていうことと
なんでセトの器が一方通行じゃ無いといけなかったのか?っていうことがわからない
お暇な誰か教えて
383:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2011/05/31(火) 23:15:40.75:BuJo346K0 (1/1)
乙
乙
384: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 23:23:17.41:yRnDv3tco (41/42)
>>382
正確には上条の中の人が虚数学区の展開に必要不可欠というわけです。
具体的にどう幻想殺しを使うかはハッキリ言ってこの物語にはあまり関係ないので
書いてません。つかその辺はもうよくわかりません。
一方通行は一三巻の時点でAIM拡散力場の設定入力を施されているので
セトの器には最適だった、という妄想です。だから翼も黒いのかなーって。
粒子加速器としての本質を使えばセトとして存在出来るから第一候補なんて呼ばれてる、というこれもまた妄想です。
まあその、あまり気にしないでください。そんなことより打ち止めが可愛かったでしょう?
>>382
正確には上条の中の人が虚数学区の展開に必要不可欠というわけです。
具体的にどう幻想殺しを使うかはハッキリ言ってこの物語にはあまり関係ないので
書いてません。つかその辺はもうよくわかりません。
一方通行は一三巻の時点でAIM拡散力場の設定入力を施されているので
セトの器には最適だった、という妄想です。だから翼も黒いのかなーって。
粒子加速器としての本質を使えばセトとして存在出来るから第一候補なんて呼ばれてる、というこれもまた妄想です。
まあその、あまり気にしないでください。そんなことより打ち止めが可愛かったでしょう?
385:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 23:29:04.08:3GrR/0mDO (1/1)
乙。なんだか原作のネタバレを盛大にくらってる気がしないでもないぜ
そうだな、打ち止め可愛かったな!あとアレイスターが何だか憎めなくなってきた、あれだけくたばれって思っていたのに
乙。なんだか原作のネタバレを盛大にくらってる気がしないでもないぜ
そうだな、打ち止め可愛かったな!あとアレイスターが何だか憎めなくなってきた、あれだけくたばれって思っていたのに
386:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 23:29:13.75:dafjvyt80 (2/2)
ベイバロンという単語に見覚えがあったからググってみたらやはりベイベロンか
黒魔術的な、背徳性のある闇の聖母にして聖なる象徴にまで昇華された娼婦であり
かのバベルの塔によって神への挑戦を試みたというバビロンの地に由来する
☆のむっつりすけべー
ベイバロンという単語に見覚えがあったからググってみたらやはりベイベロンか
黒魔術的な、背徳性のある闇の聖母にして聖なる象徴にまで昇華された娼婦であり
かのバベルの塔によって神への挑戦を試みたというバビロンの地に由来する
☆のむっつりすけべー
387:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海):2011/05/31(火) 23:35:15.96:Hhff2c1AO (1/1)
一方通行←セト
↑
エイワス
↑
アレイスター
今回の話をまとめると、こういうことですね
いやあ甘酸っぱい青春の物語ですなあ
一方通行←セト
↑
エイワス
↑
アレイスター
今回の話をまとめると、こういうことですね
いやあ甘酸っぱい青春の物語ですなあ
388:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/05/31(火) 23:37:12.65:IYTc813Ao (1/1)
壮大になってきたが…とりあえず☆さんドンマイ
黄泉川一家の面々が久しぶりに見れて可愛かったです
乙!
壮大になってきたが…とりあえず☆さんドンマイ
黄泉川一家の面々が久しぶりに見れて可愛かったです
乙!
389:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/31(火) 23:38:32.62:hR4R2SXUo (1/1)
>>387
その甘酸っぱい青春で地球がヤバイんだけどなwww
>>387
その甘酸っぱい青春で地球がヤバイんだけどなwww
390:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2011/05/31(火) 23:48:14.05:ODKKuWFo0 (1/1)
まさかエイワスがマジで一方通行ラブだったとは…またラブでコメってくれないかなー
まさかエイワスがマジで一方通行ラブだったとは…またラブでコメってくれないかなー
391:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県):2011/05/31(火) 23:53:16.93:fY8w1LE90 (2/2)
>>384
上条の能力考察スレではちなみに一方さんの黒翼はまだオシリスの劫にあるルシフェルの力、だからエイワスには及ばないながらも強い力を持っていた と書いてあったけどこのスレ的には関係ないんだよな?
とりあえず乙
>>384
上条の能力考察スレではちなみに一方さんの黒翼はまだオシリスの劫にあるルシフェルの力、だからエイワスには及ばないながらも強い力を持っていた と書いてあったけどこのスレ的には関係ないんだよな?
とりあえず乙
392: ◆3dKAx7itpI:2011/05/31(火) 23:58:36.89:yRnDv3tco (42/42)
>>391
そうですね。本来この時期には絶対に出てくるはずのないセトが出てきたのも、
演出を派手にするために半ば強引に登場させたからですので。
今回は都合よくセトにしただけで、本当はまだルシフェルに留まってないとおかしいです。
あんだけ長々と説明しておいて恐縮ですが、このスレ的に関係ないのは間違いありません。
さっさと終わらせて本題に入るようにしておりますので、どうかもう少しお待ちください。
ミーシャには申し訳ないな……早く助けてあげないと
>>391
そうですね。本来この時期には絶対に出てくるはずのないセトが出てきたのも、
演出を派手にするために半ば強引に登場させたからですので。
今回は都合よくセトにしただけで、本当はまだルシフェルに留まってないとおかしいです。
あんだけ長々と説明しておいて恐縮ですが、このスレ的に関係ないのは間違いありません。
さっさと終わらせて本題に入るようにしておりますので、どうかもう少しお待ちください。
ミーシャには申し訳ないな……早く助けてあげないと
393:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/06/01(水) 00:08:54.69:SMg5ASaao (1/1)
いやぁ内容が濃すぎて言葉にできないぜ
最初からずっとスレ見てたよ>>1
ラストスパート頑張ってくれ
いやぁ内容が濃すぎて言葉にできないぜ
最初からずっとスレ見てたよ>>1
ラストスパート頑張ってくれ
394:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/01(水) 00:30:24.21:97Dm91F10 (1/1)
案外エイワスが好きなのって垣根なんじゃと思ってしまった。
案外エイワスが好きなのって垣根なんじゃと思ってしまった。
395:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県):2011/06/01(水) 00:48:19.50:chJ5RuuQ0 (1/1)
こんな世界中を巻き込む痴話喧嘩は嫌だwwwwww
こんな世界中を巻き込む痴話喧嘩は嫌だwwwwww
396:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/06/01(水) 00:50:31.90:pPajsr9To (1/1)
俺だよ
俺だよ
397:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/01(水) 01:18:24.41:4Hqyhl7DO (1/1)
お前だったのか
お前だったのか
398:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方):2011/06/01(水) 01:20:09.98:cE8M/a/So (1/3)
また騙されたな
また騙されたな
399:結局、VIPにかわってNIPPERがお送りするわけよ:2011/06/01(水) 02:27:43.75:JXQc+Q3C0 (1/3)
乙
くそっ、風邪のせいで見るのが遅れた。
乙
くそっ、風邪のせいで見るのが遅れた。
400:結局、VIPにかわってNIPPERがお送りするわけよ:2011/06/01(水) 02:28:11.58:JXQc+Q3C0 (2/3)
乙
くそっ、風邪のせいで見るのが遅れた。
乙
くそっ、風邪のせいで見るのが遅れた。
401:結局、VIPにかわってNIPPERがお送りするわけよ:2011/06/01(水) 02:28:47.57:JXQc+Q3C0 (3/3)
乙
くそっ、風邪のせいで見るのが遅れた。
乙
くそっ、風邪のせいで見るのが遅れた。
402:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/01(水) 07:20:31.25:JPTGxBfao (1/2)
>>399-401どォした、落ち着けよ
>>1乙でした続き舞ってる
>>399-401どォした、落ち着けよ
>>1乙でした続き舞ってる
403:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/06/01(水) 07:51:24.62:ktx41szAO (1/1)
乙
四角関係の甘酸っぱい痴話喧嘩で地球がヤバいな
乙
四角関係の甘酸っぱい痴話喧嘩で地球がヤバいな
404:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽):2011/06/01(水) 08:54:53.85:Yfd2CcOAO (1/1)
すまんなアレイ☆
エイワスは俺が好きらしい
すまんなアレイ☆
エイワスは俺が好きらしい
405:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2011/06/01(水) 15:03:34.88:L9NYK3Wd0 (1/1)
☆「ブエル、>>404を隔離しろ」
☆「ブエル、>>404を隔離しろ」
406:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方):2011/06/01(水) 16:35:15.26:SAuc3UANo (1/1)
大丈夫だ、すでに>>404は404だから
大丈夫だ、すでに>>404は404だから
407:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/06/01(水) 17:15:34.43:LXSSvmfAO (1/1)
ここから垣根の夢にどう繋がるのかwktk
ここから垣根の夢にどう繋がるのかwktk
408:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/01(水) 17:23:07.56:oXMo6rfB0 (1/2)
>>340
ありがとう。助かった
>>1乙
話の展開が難しくなってきたな…
垣根も魔翌力吸われてんのか?
吸われてたらマジでやばくないか?
>>340
ありがとう。助かった
>>1乙
話の展開が難しくなってきたな…
垣根も魔翌力吸われてんのか?
吸われてたらマジでやばくないか?
409:新しい世界から僕がお送りしてやるッ!:2011/06/01(水) 18:01:28.23:vE3NxUY30 (1/1)
くそ、俺は修学旅行のせいで見るのが遅れたぜ
くそ、俺は修学旅行のせいで見るのが遅れたぜ
410:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方):2011/06/01(水) 21:22:14.67:cE8M/a/So (2/3)
垣根と打ち止めが交差するとき伝説が始まる
ミ\ _,,-‐'' ̄`''- 、,_ /彡
ミ \ /:::::::::::::::::__;;;;;;;;;`ヽ/ 彡
ミ \ |:::::::::/ / 彡
ミ \ |::::::::::| / 彡
ミ \ |::::::::/ / 彡
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ミ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||::|| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄彡
ミ____ \ |.|::::|.| / ____彡
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/ / |〕 帝凍庫クン .|| ´\ \
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r、 |/ ! ヽ, || \ \ ,、
) `ー''"´ ̄ ̄ / | `ヽ.___´, j.| ミ \  ̄` ー‐'´ (_
とニ二ゝソ____/ 彡..| `ニ´ i| ミ |\____(、,二つ
| 彡...|´ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄`i| ミ |
\彡 | .|| ミ/
|〕 常識は通用しねぇ ||
| ..||
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. マ::::::::::::::::::::/_,,-‐'' ̄`''- 、,
. \:::::::::::::://:::::::::::::::::__;;;;;;;;;`ヽ
|:::::::::::/ /:::::::::::/ `''ヾ、
|::::::::/|/::::::/ ヽ
. .-'"´ `丶、 ):::::|/::::::ノ
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l:::::::/ マト/ __,. --──一ァ ┌‐┐
|::::::l -‐ヽ\::/:: :: :: :: ::<´__ ノ
\_ヽ , ::´:: ::/: :: :: \:: ヽ:: :: :: :: `::<
/:: :: :: :: :: :: ::: :: :: :: :: :: :: ::、 : 寸=一 _|_
_,ィ彡 :: :: ::′:: :: :: :: :: :: :ヽ:: :ト、:: ;ハ /|
 ̄ ̄/:: :: :: :: |:: :: :: :/ :/ヽ::.::.Ⅳハ ∨: ∧
/ : :: :: :: :;|: :: :::/|:7 .i :: :| マ:}`.V:: ::.i |
/ : :: :: :: r‐く|:: ::./ .l/__ | :: :|__N }: ト::| |
ー─一ァ:: ::{⌒)! ::/ ,ィf卞ト |/l/{灯iヽ/!:ノ リ |
厶イ人ゝj / 圦:::ツ {:::ツ }ルヘ{
> 笊 j/:;ゝx:x _' x:x丿
* / :||: : ': : :> ._(_ノ_,. イ } *
/ .: :||: : :_ : /´ノ // : : /
/ .: :: ||: : : : : : : : : //;ノ: ./
* / . :/: }`ー──一' 》': : :/
., .,. , ′ . : :/=≠辷=ニ二ニ=彳:.:../
, . : : /:: :: :: :: :: :: :: :: :: :;イ.: : {__
:;. 〈  ̄ ` ー- ::_;: -─‐ 寸.:/、 i i ト、 ':,':,':,
`,ー-.. .. ..____,.、ヽヽヽ}⌒ー'ーヘ′
/:; :: :: :: :/: : . . `┴┴ヘ: : : : . } ゛"
: ; : /: {:: ::_::_;:′: : : : : . }: : : : ノ 、,、, ゛"゛ .;:;:;:;.
厶:: :;イ: : : : : : : _: : : -‐: . . /: ;. <:、:、
ゝ-: -‐: ´: : : : : :_:x≦=‐ "゛ ゛゙゛゙ .,.,.,.,. "゛"゛
ム: : : :Tニて:´: : 〔_
三迅 : : マニニ}: : : :マニニ__ .;:;:;.
三王存 : : : 迂迅、:、:、マ≡ニ= 凹_i_i_凹
=三王企zzzz生 企企企三二 ,、,、 ┌ヘ_}┐ )))
垣根と打ち止めが交差するとき伝説が始まる
ミ\ _,,-‐'' ̄`''- 、,_ /彡
ミ \ /:::::::::::::::::__;;;;;;;;;`ヽ/ 彡
ミ \ |:::::::::/ / 彡
ミ \ |::::::::::| / 彡
ミ \ |::::::::/ / 彡
ミ \ |::::| / 彡
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ミ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||::|| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄彡
ミ____ \ |.|::::|.| / ____彡
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彡/ │ ../ | '叨¨ヽ `ー-、 || \ | \ ミ
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厶:: :;イ: : : : : : : _: : : -‐: . . /: ;. <:、:、
ゝ-: -‐: ´: : : : : :_:x≦=‐ "゛ ゛゙゛゙ .,.,.,.,. "゛"゛
ム: : : :Tニて:´: : 〔_
三迅 : : マニニ}: : : :マニニ__ .;:;:;.
三王存 : : : 迂迅、:、:、マ≡ニ= 凹_i_i_凹
=三王企zzzz生 企企企三二 ,、,、 ┌ヘ_}┐ )))
411:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2011/06/01(水) 22:31:36.69:i/iHT238o (1/1)
更なる進化を遂げたか・・・!帝督・D・垣根!
更なる進化を遂げたか・・・!帝督・D・垣根!
412: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:41:37.12:fpRPrYGKo (1/27)
>>408
ややこしい話になってしまい申し訳ないです。
すぐに終わりますのでしばしお待ちを。その間はただ感じてください
と、無責任な発言をしながら今日も投下していきます。
久しぶりに一方通行パート。天使以上の化物の登場でさらにカオスな展開に
それではいきます
>>408
ややこしい話になってしまい申し訳ないです。
すぐに終わりますのでしばしお待ちを。その間はただ感じてください
と、無責任な発言をしながら今日も投下していきます。
久しぶりに一方通行パート。天使以上の化物の登場でさらにカオスな展開に
それではいきます
413: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:43:14.86:fpRPrYGKo (2/27)
――――――――――――――――――――――
蛇に睨まれた蛙、などという比喩表現ではもはや収まりのつかない状況だった。
風斬氷華もキャーリサも、そしてあろうことか悪魔までもが
現世に降臨したそれをただ唖然と見つめるしかなかった。
世界中に漂う黒い霧の中で、ただそれだけが人の形をしていた。
まるで人の影がそのまま立体的に浮かび上がっているようにも見える。
紅い頭髪に紅い眼、背中からは宇宙空間まで届いていそうな長さの黒翼を背負っている。
樹形図のように複雑に絡み合うその翼は、何百という数にまで及んでいた。
それは、かつて一方通行と呼ばれる一人の人間だった。
だがその彼の面影は今はもう見受けられない。白い髪も白い肌も、
今はすべて上から塗りつぶされている。
黒の象徴。星幽界の支配神。『セト』。
――――――――――――――――――――――
蛇に睨まれた蛙、などという比喩表現ではもはや収まりのつかない状況だった。
風斬氷華もキャーリサも、そしてあろうことか悪魔までもが
現世に降臨したそれをただ唖然と見つめるしかなかった。
世界中に漂う黒い霧の中で、ただそれだけが人の形をしていた。
まるで人の影がそのまま立体的に浮かび上がっているようにも見える。
紅い頭髪に紅い眼、背中からは宇宙空間まで届いていそうな長さの黒翼を背負っている。
樹形図のように複雑に絡み合うその翼は、何百という数にまで及んでいた。
それは、かつて一方通行と呼ばれる一人の人間だった。
だがその彼の面影は今はもう見受けられない。白い髪も白い肌も、
今はすべて上から塗りつぶされている。
黒の象徴。星幽界の支配神。『セト』。
414: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:44:06.72:fpRPrYGKo (3/27)
十字教が蔓延る時代を喰らい尽くし、新たな時代への道を示す王。
一般的に崇められている『神』という存在とは違う位置に属している、最古の神。
一方通行という依代に降臨した神はゆっくりと首を動かし、荒廃した第一九学区の街並みを興味深そうに見渡す。
「・・・・・・・・・・・・ドラコ=アイワズだったか。 あんにゃろー、手紙に記してあった内容は
これの事を意味していたとでもいうの・・・・・・?」
「?」
足を引きずってセトから遠ざかるキャーリサの独り言を聞き、風斬氷華は眉をひそめた。
「あ、あの・・・・・・一方通行さんに何が起きたのか、分かるんですか?」
「あれはもう一方通行じゃないの。 なら何なのかと問われたら・・・・・・」
ビルの残骸に背を預けながら、キャーリサは眉間に皺を寄せて言った。
十字教が蔓延る時代を喰らい尽くし、新たな時代への道を示す王。
一般的に崇められている『神』という存在とは違う位置に属している、最古の神。
一方通行という依代に降臨した神はゆっくりと首を動かし、荒廃した第一九学区の街並みを興味深そうに見渡す。
「・・・・・・・・・・・・ドラコ=アイワズだったか。 あんにゃろー、手紙に記してあった内容は
これの事を意味していたとでもいうの・・・・・・?」
「?」
足を引きずってセトから遠ざかるキャーリサの独り言を聞き、風斬氷華は眉をひそめた。
「あ、あの・・・・・・一方通行さんに何が起きたのか、分かるんですか?」
「あれはもう一方通行じゃないの。 なら何なのかと問われたら・・・・・・」
ビルの残骸に背を預けながら、キャーリサは眉間に皺を寄せて言った。
415: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:45:16.96:fpRPrYGKo (4/27)
「・・・・・・口にするにも荒唐無稽な事だが、『神』としか言い様がないし。
十字教に生きる私がこんな事を言ってしまうのもあれだが・・・・・・何が神だ、馬鹿馬鹿しい。
神は人間が生み出した偶像なの、実際に存在するはずがない・・・・・・!!」
「神・・・・・・・・・・・・」
唐突にそんなワードを放たれても風斬としてはイマイチ実感が沸かなかった。
なぜなら、ついさっきまでその神とやらは間違いなく一方通行という、風斬氷華にとって大事な存在の人間だったのだから。
科学の結晶体と言っても過言ではない風斬の立場から言わせれば、あの神とさっきまで戦っていた悪魔の違いが
よく分からなかった。適当な言葉にするなら『どっちもどっち』、というのが風斬の本音だった。
だが、そんな風斬の見当違いな思い込みはすぐに雲散されることになった。
セトが一歩、足に該当する部位を大地へ踏み出す。
たったそれだけ、人間なら絶対に誰もがやったことのあるその行為だけで、不気味な震動が地面を走った。
体の大きさ自体は一方通行とほぼ変わらないはずの体躯から発せられるとは思えない震動だった。
そして風斬は我が目を疑う。
つい先程まで鬼神の如く大暴れしていたあの大悪魔が一歩、セトと同じように足を動かした。
「・・・・・・口にするにも荒唐無稽な事だが、『神』としか言い様がないし。
十字教に生きる私がこんな事を言ってしまうのもあれだが・・・・・・何が神だ、馬鹿馬鹿しい。
神は人間が生み出した偶像なの、実際に存在するはずがない・・・・・・!!」
「神・・・・・・・・・・・・」
唐突にそんなワードを放たれても風斬としてはイマイチ実感が沸かなかった。
なぜなら、ついさっきまでその神とやらは間違いなく一方通行という、風斬氷華にとって大事な存在の人間だったのだから。
科学の結晶体と言っても過言ではない風斬の立場から言わせれば、あの神とさっきまで戦っていた悪魔の違いが
よく分からなかった。適当な言葉にするなら『どっちもどっち』、というのが風斬の本音だった。
だが、そんな風斬の見当違いな思い込みはすぐに雲散されることになった。
セトが一歩、足に該当する部位を大地へ踏み出す。
たったそれだけ、人間なら絶対に誰もがやったことのあるその行為だけで、不気味な震動が地面を走った。
体の大きさ自体は一方通行とほぼ変わらないはずの体躯から発せられるとは思えない震動だった。
そして風斬は我が目を疑う。
つい先程まで鬼神の如く大暴れしていたあの大悪魔が一歩、セトと同じように足を動かした。
416: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:46:09.58:fpRPrYGKo (5/27)
しかし、セトと違う点はその一歩が"後ろ"に移動しているという事だけ。
「え・・・・・・?」
ガラス細工が軋むような音が聞こえてきた。風斬が悪魔を注意深く観察すると、
悪魔の全身が小刻みに震えて背中の水晶の翼がぶつかり合う音だという事が分かった。
それだけで、今の悪魔の心境を知る事が出来た。
悪魔は、目の前に現れた神を恐れていた。
神の手から離れ、自我を失い、暴走という道を選択してしまったはずの悪魔が、ハッキリと畏怖の意を顕にしていた。
そしてその恐怖心が伝染したかのように、気付けば風斬とキャーリサの体も微妙ながら震えていた。
自分の意志とは無関係に、まるでセトに"分からされた"ように。
動いたら死ぬ。言葉はなくとも、暗にそう示されているような感覚に陥る。
「―――――――――・・・・・・・・・・・・、・・・・・・・・・・・・――――――――――――、・・・・・・、――――――――」
セトが何かを口走った、"ようにも見えた"。声はしなかった。
口も動いていなかったどころか、そもそも口に当たる部位も黒い霧で覆われているため確認できない。
悪魔でさえ、大天使ミーシャ=クロイツェフでさえノイズは走るものの何らかの言語は声に出せるというのに、
『神の言葉』は"神以下"の存在には届かなかった。届くことすら許されないとでもいうのか。
しかし、セトと違う点はその一歩が"後ろ"に移動しているという事だけ。
「え・・・・・・?」
ガラス細工が軋むような音が聞こえてきた。風斬が悪魔を注意深く観察すると、
悪魔の全身が小刻みに震えて背中の水晶の翼がぶつかり合う音だという事が分かった。
それだけで、今の悪魔の心境を知る事が出来た。
悪魔は、目の前に現れた神を恐れていた。
神の手から離れ、自我を失い、暴走という道を選択してしまったはずの悪魔が、ハッキリと畏怖の意を顕にしていた。
そしてその恐怖心が伝染したかのように、気付けば風斬とキャーリサの体も微妙ながら震えていた。
自分の意志とは無関係に、まるでセトに"分からされた"ように。
動いたら死ぬ。言葉はなくとも、暗にそう示されているような感覚に陥る。
「―――――――――・・・・・・・・・・・・、・・・・・・・・・・・・――――――――――――、・・・・・・、――――――――」
セトが何かを口走った、"ようにも見えた"。声はしなかった。
口も動いていなかったどころか、そもそも口に当たる部位も黒い霧で覆われているため確認できない。
悪魔でさえ、大天使ミーシャ=クロイツェフでさえノイズは走るものの何らかの言語は声に出せるというのに、
『神の言葉』は"神以下"の存在には届かなかった。届くことすら許されないとでもいうのか。
417: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:47:38.71:fpRPrYGKo (6/27)
と、何かが崩れるような音がした。
風斬が見ると、キャーリサがどこか具合の悪そうな青ざめた顔をしながら
膝を折って屈んでいた。
「キャーリサさん・・・・・・!?」
「チッ、あの黒いの・・・・・・私から魔力を吸い取ってやがるし・・・・・・!!
・・・・・・カーテナもダメか、これじゃただの石の欠片だ。 この調子だと
太平洋に置いてある『グラストンベリ』も、全世界の魔術師も軒並み・・・・・・」
ボンヤリとした、夜景に飛び交う蛍の光のような粒がキャーリサの体から
漏れ出していた。その光は全てセトに向かって緩やかに漂い、吸収されている。
この時点でキャーリサは完全に戦闘能力を失ってしまった。
天使長の力による肉体強化の恩恵を失った今のキャーリサが悪魔との戦闘にもつれ込めば
彼女は一瞬で肉塊にされてしまうだろう。
だが今警戒すべき点はそこではない。セト。あの黒の化身が次にどんなアクションを起こすのか、
風斬もキャーリサもそこだけに意識を向けていた。
セトは相変わらず首を忙しなく動かし、辺りの様子を見渡していた。
その姿は突然飼育ケースに放りこまれて途方に暮れる小動物の仕草を思わせる。
神はすぐ近くにいる悪魔やキャーリサ、風斬氷華には全く目もくれなかった。
セトにとって彼女たちは、ただの背景の一部に過ぎないとでも言うのだろうか。
だが少なくとも、風斬氷華にとってはそんなセトの挙動は不気味でしかなかった。
さっきまで人間だったはずの一方通行が、何の間違いかこのような化物になってしまった
事に若干の憤りすら感じていた。
と、何かが崩れるような音がした。
風斬が見ると、キャーリサがどこか具合の悪そうな青ざめた顔をしながら
膝を折って屈んでいた。
「キャーリサさん・・・・・・!?」
「チッ、あの黒いの・・・・・・私から魔力を吸い取ってやがるし・・・・・・!!
・・・・・・カーテナもダメか、これじゃただの石の欠片だ。 この調子だと
太平洋に置いてある『グラストンベリ』も、全世界の魔術師も軒並み・・・・・・」
ボンヤリとした、夜景に飛び交う蛍の光のような粒がキャーリサの体から
漏れ出していた。その光は全てセトに向かって緩やかに漂い、吸収されている。
この時点でキャーリサは完全に戦闘能力を失ってしまった。
天使長の力による肉体強化の恩恵を失った今のキャーリサが悪魔との戦闘にもつれ込めば
彼女は一瞬で肉塊にされてしまうだろう。
だが今警戒すべき点はそこではない。セト。あの黒の化身が次にどんなアクションを起こすのか、
風斬もキャーリサもそこだけに意識を向けていた。
セトは相変わらず首を忙しなく動かし、辺りの様子を見渡していた。
その姿は突然飼育ケースに放りこまれて途方に暮れる小動物の仕草を思わせる。
神はすぐ近くにいる悪魔やキャーリサ、風斬氷華には全く目もくれなかった。
セトにとって彼女たちは、ただの背景の一部に過ぎないとでも言うのだろうか。
だが少なくとも、風斬氷華にとってはそんなセトの挙動は不気味でしかなかった。
さっきまで人間だったはずの一方通行が、何の間違いかこのような化物になってしまった
事に若干の憤りすら感じていた。
418: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:48:36.75:fpRPrYGKo (7/27)
あの神とやらは、間違いなく今まで一方通行に付きまとっていた忌々しい黒い影の正体だ。
時折こちらを見ては怖気の走る笑みを振りまいてきたり、何度止めても一方通行から決して離れる
事のなかった、まるで悪霊のような影。
「よせよ風斬・・・・・・・・・・・・」
そんな風斬の様子を察知したのか、まだ何の行動も起こしていない風斬に向かってキャーリサが忠告した。
「いいか、アレは私達の手に負えるよーな存在じゃないの。
一方通行の肉体を勝手に使って降りてきたアレに憤りを感じるお前の気持ちも分かるが、
アレには絶対に手を出すな。 腹ただしーが、神にとっちゃ天使も人間も同じよーなもんだし」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・、」
風斬は応じない。キャーリサの忠告を無視して彼女は震える足を動かす。
一歩一歩、こっちの存在に気付いているのかも分からないセトに向かって歩んでいく。
「風斬・・・・・・!!!」
あの神とやらは、間違いなく今まで一方通行に付きまとっていた忌々しい黒い影の正体だ。
時折こちらを見ては怖気の走る笑みを振りまいてきたり、何度止めても一方通行から決して離れる
事のなかった、まるで悪霊のような影。
「よせよ風斬・・・・・・・・・・・・」
そんな風斬の様子を察知したのか、まだ何の行動も起こしていない風斬に向かってキャーリサが忠告した。
「いいか、アレは私達の手に負えるよーな存在じゃないの。
一方通行の肉体を勝手に使って降りてきたアレに憤りを感じるお前の気持ちも分かるが、
アレには絶対に手を出すな。 腹ただしーが、神にとっちゃ天使も人間も同じよーなもんだし」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・、」
風斬は応じない。キャーリサの忠告を無視して彼女は震える足を動かす。
一歩一歩、こっちの存在に気付いているのかも分からないセトに向かって歩んでいく。
「風斬・・・・・・!!!」
419: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:49:28.99:fpRPrYGKo (8/27)
憤りを感じているその胸中とは裏腹に、風斬の表情は『恐れ』一色に染まっていた。
それでも風斬は神に歩み寄っていく。ゆっくりと、確かに大地を踏みしめて。
そして、セトとの距離が残り二メートル辺りまで近付いた時、彼女の表情は『恐れ』から『懇願』に切り替わった。
「あ、の。 ・・・・・・・・・・・・」
「―――・・・・・・、・・・・・・・・・・・・」
グキ、グキグキグキと。声をかけてきた眼鏡の少女の方へ、神は不自然な動きで首を風斬の方へ向ける。
奇怪な神の動きを見た風斬はこんな状況にも関わらず、かつて一方通行とのデートで観に行ったホラー映画に出てきた
女性の悪霊を思い浮かべた。
目と目が合う。赤よりも朱よりも紅いその真紅の瞳は、映る物全てを血に染めてしまいそうだった。
頭の中の三角柱がガタガタと震える。全身から嫌な汗が吹き出ているのが分かる。
しかし風斬は臆しない。ただ彼女は、自分にとって大切な人を返して欲しいだけなのだから。
憤りを感じているその胸中とは裏腹に、風斬の表情は『恐れ』一色に染まっていた。
それでも風斬は神に歩み寄っていく。ゆっくりと、確かに大地を踏みしめて。
そして、セトとの距離が残り二メートル辺りまで近付いた時、彼女の表情は『恐れ』から『懇願』に切り替わった。
「あ、の。 ・・・・・・・・・・・・」
「―――・・・・・・、・・・・・・・・・・・・」
グキ、グキグキグキと。声をかけてきた眼鏡の少女の方へ、神は不自然な動きで首を風斬の方へ向ける。
奇怪な神の動きを見た風斬はこんな状況にも関わらず、かつて一方通行とのデートで観に行ったホラー映画に出てきた
女性の悪霊を思い浮かべた。
目と目が合う。赤よりも朱よりも紅いその真紅の瞳は、映る物全てを血に染めてしまいそうだった。
頭の中の三角柱がガタガタと震える。全身から嫌な汗が吹き出ているのが分かる。
しかし風斬は臆しない。ただ彼女は、自分にとって大切な人を返して欲しいだけなのだから。
420: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:51:17.97:fpRPrYGKo (9/27)
「あ、一方通行さんは・・・・・・まだ私達とやらなきゃいけない事があるんです。
大切な友達を・・・・・・天使さんを救わなきゃいけなくて・・・・・・。 その、
だから彼から・・・・・・離れて・・・・・・・・・・・・!!」
最後のほうは思わず口調が強くなる風斬。キャーリサもそんな彼女の愚行を止めようとはしたが、
セトとの距離が近いためか魔力の吸収量が尋常ではなく、麻痺したように体が動いてくれない。
「・・・・・・、・・・・・・・・・・・・――――――、――――、・・・・・・――――――――」
風斬の言葉は果たして神に届いたのか。セトはしばらく何の反応も示さなかった。
だがやがて、セトは風斬の顔に自分の顔を近づける。吐息がかかるほどの距離まで接近してきた
セトの顔に、一方通行の凶悪ながらもその奥にある優しさが窺えた顔の面影は微塵も残っていない。
天使のように目や鼻を型どる凹凸すらない、のっぺりとした黒い顔は、制作初期段階のドールの顔を連想させる。
「あ、一方通行さんは・・・・・・まだ私達とやらなきゃいけない事があるんです。
大切な友達を・・・・・・天使さんを救わなきゃいけなくて・・・・・・。 その、
だから彼から・・・・・・離れて・・・・・・・・・・・・!!」
最後のほうは思わず口調が強くなる風斬。キャーリサもそんな彼女の愚行を止めようとはしたが、
セトとの距離が近いためか魔力の吸収量が尋常ではなく、麻痺したように体が動いてくれない。
「・・・・・・、・・・・・・・・・・・・――――――、――――、・・・・・・――――――――」
風斬の言葉は果たして神に届いたのか。セトはしばらく何の反応も示さなかった。
だがやがて、セトは風斬の顔に自分の顔を近づける。吐息がかかるほどの距離まで接近してきた
セトの顔に、一方通行の凶悪ながらもその奥にある優しさが窺えた顔の面影は微塵も残っていない。
天使のように目や鼻を型どる凹凸すらない、のっぺりとした黒い顔は、制作初期段階のドールの顔を連想させる。
421: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:53:43.47:fpRPrYGKo (10/27)
と、その時。不可解な現象が彼女たちがいる場所で起きた。
不可解な現象などさっきからオンパレード状態で続いているが、今回のそれはやや曖昧で
風斬達もすぐには気付けなかった。
まるで専用メガネを着用せずに閲覧した3D映像のように、辺りの景色が二重にブレたのだ。
セトは何もしていない。何の仕草も見せていないが、その現象を引き起こしたのはこの黒の化身であることは
一目瞭然だった。そして、
「あ、れ・・・・・・?」
目眩が起きたように、風斬は突然膝をついた。頭を垂れ、背中の翼や頭上に浮かんだ輪は一瞬で溶け消え、
彼女は身動きひとつ取れなくなってしまう。
(AIMを操作出来ない・・・・・・。 学園都市の、いや、全世界に広がっているAIMを掌握され、た?)
それはつまり、虚数学区そのものをセトに掌握されたも同義。
神の御前で膝をつく風斬の姿はまるで、神に崇拝する信者のようにも見えた。
と、その時。不可解な現象が彼女たちがいる場所で起きた。
不可解な現象などさっきからオンパレード状態で続いているが、今回のそれはやや曖昧で
風斬達もすぐには気付けなかった。
まるで専用メガネを着用せずに閲覧した3D映像のように、辺りの景色が二重にブレたのだ。
セトは何もしていない。何の仕草も見せていないが、その現象を引き起こしたのはこの黒の化身であることは
一目瞭然だった。そして、
「あ、れ・・・・・・?」
目眩が起きたように、風斬は突然膝をついた。頭を垂れ、背中の翼や頭上に浮かんだ輪は一瞬で溶け消え、
彼女は身動きひとつ取れなくなってしまう。
(AIMを操作出来ない・・・・・・。 学園都市の、いや、全世界に広がっているAIMを掌握され、た?)
それはつまり、虚数学区そのものをセトに掌握されたも同義。
神の御前で膝をつく風斬の姿はまるで、神に崇拝する信者のようにも見えた。
422: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:54:51.55:fpRPrYGKo (11/27)
風斬とキャーリサをあっという間に無力化させてしまった星幽界の王は
骨が折れた時のような鈍い音を発しながら首を動かした。
セトの目線の先には、上空に現れた異様な裂け目。最初に出現した時より更に大きくなっている。
「――――――・・・・・・」
セトが大きく口を開けた。その仕草は喉から咆哮を轟かせているようにも見えるが、
やはり風斬達には神の声は届かない。
代わりに、セトのそんな仕草に応じるように上空から黒雷が連続して鳴り響いた。
地面に直接落雷してくることはなくとも、その黒雷の威力は空気を伝わって肌で感じることが出来る。
まさに、神の天罰。あんなものを喰らえば人間など一瞬で無と化してしまうだろう。
更によく耳を澄ましてみると、ピッピッピッピッ・・・・・・・・・・・・と極めて小さな電子音が鳴っている事が分かる。
音源はセトの腹部。一方通行が能力使用時に使う電極チョーカーからだった。
風斬達からは電極チョーカーのバッテリー残量が表示されている液晶画面は確認できなかったが、
セトが憑依した影響なのか、画面のデジタル数字が目まぐるしくランダムな数字に切り替わり続けていた。
それが意味する事は、現時点で一方通行の能力制限という枷が無くなり、無制限に能力を使用できるという事。
だがセトが一方通行の全てを支配している今となっては、そんな嬉しい特典も意味はない。
と、セトが正面に視線を移す。その先にいるのは先程から身動きひとつ取らない悪魔がいた。
悪魔。元天使。ミーシャ=クロイツェフ。
翼を一振りするだけで山一つを吹き飛ばせる力を持つ強大な存在も、
セトと比べたらなんと小さく見えることか。
神はそんなちっぽけな悪魔を凝視すると、
風斬とキャーリサをあっという間に無力化させてしまった星幽界の王は
骨が折れた時のような鈍い音を発しながら首を動かした。
セトの目線の先には、上空に現れた異様な裂け目。最初に出現した時より更に大きくなっている。
「――――――・・・・・・」
セトが大きく口を開けた。その仕草は喉から咆哮を轟かせているようにも見えるが、
やはり風斬達には神の声は届かない。
代わりに、セトのそんな仕草に応じるように上空から黒雷が連続して鳴り響いた。
地面に直接落雷してくることはなくとも、その黒雷の威力は空気を伝わって肌で感じることが出来る。
まさに、神の天罰。あんなものを喰らえば人間など一瞬で無と化してしまうだろう。
更によく耳を澄ましてみると、ピッピッピッピッ・・・・・・・・・・・・と極めて小さな電子音が鳴っている事が分かる。
音源はセトの腹部。一方通行が能力使用時に使う電極チョーカーからだった。
風斬達からは電極チョーカーのバッテリー残量が表示されている液晶画面は確認できなかったが、
セトが憑依した影響なのか、画面のデジタル数字が目まぐるしくランダムな数字に切り替わり続けていた。
それが意味する事は、現時点で一方通行の能力制限という枷が無くなり、無制限に能力を使用できるという事。
だがセトが一方通行の全てを支配している今となっては、そんな嬉しい特典も意味はない。
と、セトが正面に視線を移す。その先にいるのは先程から身動きひとつ取らない悪魔がいた。
悪魔。元天使。ミーシャ=クロイツェフ。
翼を一振りするだけで山一つを吹き飛ばせる力を持つ強大な存在も、
セトと比べたらなんと小さく見えることか。
神はそんなちっぽけな悪魔を凝視すると、
423: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:56:01.60:fpRPrYGKo (12/27)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・―――、――――――――――」
ピシ、ミシミシミシとガラスにヒビが入るような音を出しながら口元を歪ませて
嘲笑うような笑みを見せつける。
嘲笑うというより、それは哀れんでいるようにも見えた。
そしてそれが引き金となった。
「!!」
風斬とキャーリサの呼吸が止まる。悪魔は背中の水晶の翼を勢い良く展開させ、
何層にも別れたその羽根をセトの頭上目掛けて振り下ろした。
悪魔による神への反旗。聞いたことぐらいはあるかもしれない。堕天使ルシファーなどが特に有名だ。
信じ難いことに、その時点でセトはもう悪魔の方には視線を向けておらず、
悪魔の行動など全く無視して大地を揺らしながら再び歩き始めていた。
悪魔の一撃はそれだけで大地を別ち、空を消し飛ばし、海を割る。
そんな攻撃からあろうことか注意すら向けない神の行動は愚行でしかなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・―――、――――――――――」
ピシ、ミシミシミシとガラスにヒビが入るような音を出しながら口元を歪ませて
嘲笑うような笑みを見せつける。
嘲笑うというより、それは哀れんでいるようにも見えた。
そしてそれが引き金となった。
「!!」
風斬とキャーリサの呼吸が止まる。悪魔は背中の水晶の翼を勢い良く展開させ、
何層にも別れたその羽根をセトの頭上目掛けて振り下ろした。
悪魔による神への反旗。聞いたことぐらいはあるかもしれない。堕天使ルシファーなどが特に有名だ。
信じ難いことに、その時点でセトはもう悪魔の方には視線を向けておらず、
悪魔の行動など全く無視して大地を揺らしながら再び歩き始めていた。
悪魔の一撃はそれだけで大地を別ち、空を消し飛ばし、海を割る。
そんな攻撃からあろうことか注意すら向けない神の行動は愚行でしかなかった。
424: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:56:44.04:fpRPrYGKo (13/27)
愚行。
愚行を働いているのは、本当に神の方か?
大ホールに吊るしてある大量のガラスのシャンデリアが、一斉に破砕するような派手な音が響き渡った。
それは悪魔が背から生やしていた水晶の翼が、瞬く間に全て砕け散った音。
雨のように降り注いでくる翼の欠片は、まるで上空からばら蒔かれた宝石のように美しく煌めいていた。
「―――――――・・・・・・・・・・・・kptihxf不可解naiehguiya」
何が起こったのかは翼を全て根こそぎ砕かれた悪魔本人にも分からないようで、
悪魔は思わず頭上や背後に落ち着きなく首を向ける。
無論、風斬やキャーリサの仕業ではない。彼女たちは今、セトの行使する理解不能の力によって
攻撃はおろか指一本動かすことも出来ない状態なのだから。
ならば超遠距離からの遠隔攻撃?違う。悪魔に翼に何かが飛んできたような様子は見受けられなかった。
気がついたら、次の瞬間には、瞬きをした時には既に。翼が破壊された時の状況を表すには
そんな比喩表現がぴったりだった。
愚行。
愚行を働いているのは、本当に神の方か?
大ホールに吊るしてある大量のガラスのシャンデリアが、一斉に破砕するような派手な音が響き渡った。
それは悪魔が背から生やしていた水晶の翼が、瞬く間に全て砕け散った音。
雨のように降り注いでくる翼の欠片は、まるで上空からばら蒔かれた宝石のように美しく煌めいていた。
「―――――――・・・・・・・・・・・・kptihxf不可解naiehguiya」
何が起こったのかは翼を全て根こそぎ砕かれた悪魔本人にも分からないようで、
悪魔は思わず頭上や背後に落ち着きなく首を向ける。
無論、風斬やキャーリサの仕業ではない。彼女たちは今、セトの行使する理解不能の力によって
攻撃はおろか指一本動かすことも出来ない状態なのだから。
ならば超遠距離からの遠隔攻撃?違う。悪魔に翼に何かが飛んできたような様子は見受けられなかった。
気がついたら、次の瞬間には、瞬きをした時には既に。翼が破壊された時の状況を表すには
そんな比喩表現がぴったりだった。
425:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県):2011/06/01(水) 22:57:16.77:415IDOdI0 (1/1)
超乙。
まとめると、不思議世界到来。恋愛フラグ建築士の一方さん。死亡フラグ建築士のていとくん。初春マジ天使は俺の嫁。ってことだな。
超乙。
まとめると、不思議世界到来。恋愛フラグ建築士の一方さん。死亡フラグ建築士のていとくん。初春マジ天使は俺の嫁。ってことだな。
426: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:57:22.30:fpRPrYGKo (14/27)
「・・・・・・・・・・・・まさか、」
キャーリサが呟いたその言葉も、滑稽にしか聞こえない。
まさか、ではない。どう考えても、が正解だ。
セト。まるで何のアクションもとらなかった神が、恐らく何らかの攻撃で
悪魔の攻撃を無力化したのだ。
「命令名『一掃』kfaxerucz再投下までmvdvo残り五秒」
翼を失った悪魔が次にとった行動は、神戮による殲滅だった。
上空には依然として奇怪な文字のような記号と肥大化する一方の裂け目が出現しているため
星の瞬きは確認できない。
だが悪魔は確かに神戮の投下領域を神がいる場所一点に凝縮し、コマンドを実行している。
間違いなくあと数秒で、それこそ悪魔のような容赦のない蹂躙の礫がセトを襲うはずだ。
それでもセトは動じない。この神という存在に動じるなどという感情があるのかどうかも定かではないが、
セトは決して臆しなかった。亀より緩慢な速度で歩みを続けている。
「・・・・・・・・・・・・まさか、」
キャーリサが呟いたその言葉も、滑稽にしか聞こえない。
まさか、ではない。どう考えても、が正解だ。
セト。まるで何のアクションもとらなかった神が、恐らく何らかの攻撃で
悪魔の攻撃を無力化したのだ。
「命令名『一掃』kfaxerucz再投下までmvdvo残り五秒」
翼を失った悪魔が次にとった行動は、神戮による殲滅だった。
上空には依然として奇怪な文字のような記号と肥大化する一方の裂け目が出現しているため
星の瞬きは確認できない。
だが悪魔は確かに神戮の投下領域を神がいる場所一点に凝縮し、コマンドを実行している。
間違いなくあと数秒で、それこそ悪魔のような容赦のない蹂躙の礫がセトを襲うはずだ。
それでもセトは動じない。この神という存在に動じるなどという感情があるのかどうかも定かではないが、
セトは決して臆しなかった。亀より緩慢な速度で歩みを続けている。
427: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:58:31.45:fpRPrYGKo (15/27)
そんなセトとは対照的に風斬とキャーリサは焦燥していた。
直感だが次の神戮の設定範囲はほぼピンポイントで黒の化身に定められている。
だがそこで本当にセトへ神戮が炸裂した場合、実際には喰らわないものの衝撃波などは
確実に風斬やキャーリサをも巻き込んでしまうだろう。
セトによってカーテナの恩恵を失い、ただの人間と化しているキャーリサや、
AIM拡散力場をセトの説明不能の力で制御されてしまい、人工天使としての力を振るえない風斬が
そんなものに飲み込まれてしまったら当然、無事では済まない。
運が悪ければ即死してしまう恐れもある。
そんな彼女たちの事情など、暴徒である悪魔が考慮してくれるはずがなかった。
「命令名『一掃』――――――投下」
悪魔の力によって彩られた夜空から、容赦なく殺戮の豪雨が降り注いでくる。
上空に浮かぶ気味の悪い記号や裂け目が神戮を遮ってくれるのではと稚拙な考えも頭によぎったが、
どうやらそれらの現象にそんな効果は無いようで、神戮は普通に素通りしてきた。
「く、そ・・・・・・・・・・・・!!!」
キャーリサは思わず奥歯を噛み締めるが、そんな事をしても流星雨は止まりはしない。
神戮の壁となっていたグリフォン=スカイの大群もセトによる黒雷で全て蒸発してしまっている。
一方の風斬はガタガタになった地面にペタンとしゃがみ込んだまま、呆けた様子で
空を見上げているだけだった。彼女にはもう、神戮を避けたりするほどの力すら残っていない。
そんなセトとは対照的に風斬とキャーリサは焦燥していた。
直感だが次の神戮の設定範囲はほぼピンポイントで黒の化身に定められている。
だがそこで本当にセトへ神戮が炸裂した場合、実際には喰らわないものの衝撃波などは
確実に風斬やキャーリサをも巻き込んでしまうだろう。
セトによってカーテナの恩恵を失い、ただの人間と化しているキャーリサや、
AIM拡散力場をセトの説明不能の力で制御されてしまい、人工天使としての力を振るえない風斬が
そんなものに飲み込まれてしまったら当然、無事では済まない。
運が悪ければ即死してしまう恐れもある。
そんな彼女たちの事情など、暴徒である悪魔が考慮してくれるはずがなかった。
「命令名『一掃』――――――投下」
悪魔の力によって彩られた夜空から、容赦なく殺戮の豪雨が降り注いでくる。
上空に浮かぶ気味の悪い記号や裂け目が神戮を遮ってくれるのではと稚拙な考えも頭によぎったが、
どうやらそれらの現象にそんな効果は無いようで、神戮は普通に素通りしてきた。
「く、そ・・・・・・・・・・・・!!!」
キャーリサは思わず奥歯を噛み締めるが、そんな事をしても流星雨は止まりはしない。
神戮の壁となっていたグリフォン=スカイの大群もセトによる黒雷で全て蒸発してしまっている。
一方の風斬はガタガタになった地面にペタンとしゃがみ込んだまま、呆けた様子で
空を見上げているだけだった。彼女にはもう、神戮を避けたりするほどの力すら残っていない。
428: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 22:59:48.93:fpRPrYGKo (16/27)
そして神戮の対象に見事選ばれた最古の神、セトは―――――。
「・・・・・・、」
ヒュン、と。
背中から龍のように伸びている数百の黒翼の一本を、軽く振っただけだった。
それだけで、夜空から降り注いでいた数億という馬鹿げた数の破壊の礫は、
音もなく夜空に溶け込むように塵芥と成り果てた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
驚愕する暇などなかった。
続けざまに風斬達を襲ったのは、セトがほんの僅かに振るった黒翼の余波。
その余波はなぜか上空数百メートル辺りで発生していた。言葉や文字ではもう追いつかないほどの
凄まじい威力を放つその衝撃波は刹那の速度で拡大し、エイワスが施した光のカーテンを
粉々に破壊し尽くし、そのまま地球という惑星を何周も往復するほどのものだった。
そして神戮の対象に見事選ばれた最古の神、セトは―――――。
「・・・・・・、」
ヒュン、と。
背中から龍のように伸びている数百の黒翼の一本を、軽く振っただけだった。
それだけで、夜空から降り注いでいた数億という馬鹿げた数の破壊の礫は、
音もなく夜空に溶け込むように塵芥と成り果てた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
驚愕する暇などなかった。
続けざまに風斬達を襲ったのは、セトがほんの僅かに振るった黒翼の余波。
その余波はなぜか上空数百メートル辺りで発生していた。言葉や文字ではもう追いつかないほどの
凄まじい威力を放つその衝撃波は刹那の速度で拡大し、エイワスが施した光のカーテンを
粉々に破壊し尽くし、そのまま地球という惑星を何周も往復するほどのものだった。
429: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:01:40.17:fpRPrYGKo (17/27)
「?」
と、明らかに疑問の意を含むように首を傾げたのは他でもない、セトだった。
神は今行った黒翼のスイングによる二次災害が発生しないことに疑問を感じていた。
セトの予定通りだと、今の攻撃だけで地球の九八パーセントの地殻は吹き飛び、
光速に近い衝撃波は『ノアの箱舟物語』が茶番に思えるほどの津波を引き起こし、
学園都市を、日本を、世界を飲み込むはずだった。
だからこそ、世界どころか今自分がいる学園都市にすら大した被害が出ていないことに、
セトはただ純粋に疑問を感じていた。
全世界の大陸がめくれ上がり津波が起きるどころか、第一九学区を囲う光の壁が破壊された以外には
何の被害も出ていなかった。
しかしそれでも、神という圧倒的な存在を知らしめるには充分過ぎるパフォーマンスだったと言えるだろう。
一方通行ですら反射出来ない神戮を、上条当麻の『幻想殺し』ですらどうしようもない神戮を、
セトという神は呼吸をするかのように容易く一蹴してしまったのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「?」
と、明らかに疑問の意を含むように首を傾げたのは他でもない、セトだった。
神は今行った黒翼のスイングによる二次災害が発生しないことに疑問を感じていた。
セトの予定通りだと、今の攻撃だけで地球の九八パーセントの地殻は吹き飛び、
光速に近い衝撃波は『ノアの箱舟物語』が茶番に思えるほどの津波を引き起こし、
学園都市を、日本を、世界を飲み込むはずだった。
だからこそ、世界どころか今自分がいる学園都市にすら大した被害が出ていないことに、
セトはただ純粋に疑問を感じていた。
全世界の大陸がめくれ上がり津波が起きるどころか、第一九学区を囲う光の壁が破壊された以外には
何の被害も出ていなかった。
しかしそれでも、神という圧倒的な存在を知らしめるには充分過ぎるパフォーマンスだったと言えるだろう。
一方通行ですら反射出来ない神戮を、上条当麻の『幻想殺し』ですらどうしようもない神戮を、
セトという神は呼吸をするかのように容易く一蹴してしまったのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
430: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:02:34.54:fpRPrYGKo (18/27)
言葉も無かった。風斬もキャーリサも、そして悪魔も。
魂が抜けたような表情を浮かべながら呆然とする他なかった。
世界が違う。例えるなら野球を始めて三〇分くらいの少年が、メジャーリーガーの華麗なるプレイを
ただ見せつけられているようなものだ。
理解が追いつかない。抗う気も、降伏する気も起きない。畏怖も感じないし、頼もしいとも思えない。
ただ、神は君臨し続ける。圧倒的。天下無敵。強大無比。壮厳で、崇高に。
だが暴走の止まらない悪魔は現状の理解が出来ず、もはや討ち倒す事など絶対に不可能な
セトへ尚も牙を剥こうと駆け出す。
しかしその瞬間、突然見えない落石に押し潰されたかのように悪魔が地面に勢い良く倒れ伏せた。
網目模様のネットのように細かな亀裂が地面を走る。
セトが何らかの力を行使したのだろう。それ以外に説明のしようがない。
人間だろうが天使だろうが悪魔だろうが、神の前ではただ頭を垂れて崇めるだけ。
この先、誰もこの破壊神を止められないというのなら、
これですべて終わりだ。あとは悪魔も風斬もキャーリサも、全ての生物も、セトによってただ破壊されるのを待つだけ。
言葉も無かった。風斬もキャーリサも、そして悪魔も。
魂が抜けたような表情を浮かべながら呆然とする他なかった。
世界が違う。例えるなら野球を始めて三〇分くらいの少年が、メジャーリーガーの華麗なるプレイを
ただ見せつけられているようなものだ。
理解が追いつかない。抗う気も、降伏する気も起きない。畏怖も感じないし、頼もしいとも思えない。
ただ、神は君臨し続ける。圧倒的。天下無敵。強大無比。壮厳で、崇高に。
だが暴走の止まらない悪魔は現状の理解が出来ず、もはや討ち倒す事など絶対に不可能な
セトへ尚も牙を剥こうと駆け出す。
しかしその瞬間、突然見えない落石に押し潰されたかのように悪魔が地面に勢い良く倒れ伏せた。
網目模様のネットのように細かな亀裂が地面を走る。
セトが何らかの力を行使したのだろう。それ以外に説明のしようがない。
人間だろうが天使だろうが悪魔だろうが、神の前ではただ頭を垂れて崇めるだけ。
この先、誰もこの破壊神を止められないというのなら、
これですべて終わりだ。あとは悪魔も風斬もキャーリサも、全ての生物も、セトによってただ破壊されるのを待つだけ。
431: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:04:11.69:fpRPrYGKo (19/27)
――――――――――――――――――――――
「・・・・・・まったく、セトが何らかの行動を取るたびに逐一フォローしなければならない
こちらの身にもなってほしい。 危うく地球という私の大切な『ゲーム盤』が崩壊するところだったぞ。
やはり神ともなると、こんな矮小な惑星では舞台としては成り立たんか」
やれやれ、と首を横に振ってため息をつきながらエイワスは言った。
神戮を消し飛ばしたセトの一撃で深刻な余波が発生した際、セトが想定していた地球への
二次災害は発生しなかった。
エイワスがセトの放った余波を自身の力を行使し、『全力で』相殺したためだ。
それでも全くの被害ゼロ、とはいかなかった。神の一撃はエイワスが第一九学区全周囲に施した
光のカーテンを難なく破壊している。これで如何なる者も第一九学区へ足を踏み入れる事が可能となった。
エイワスとしては、それはとても面白くない事態だった。
ならばさっさと光のカーテンをもう一度展開してしまえばいいのだが――――。
「神の御前だぞエイワス。 口を慎みたまえ」
瞬間、左右の方向から何かがエイワスに向かって飛んできた。
それは黄金の翼。エイワスが背負っている青白く輝く翼よりも、更に神々しさを感じさせる翼。
――――――――――――――――――――――
「・・・・・・まったく、セトが何らかの行動を取るたびに逐一フォローしなければならない
こちらの身にもなってほしい。 危うく地球という私の大切な『ゲーム盤』が崩壊するところだったぞ。
やはり神ともなると、こんな矮小な惑星では舞台としては成り立たんか」
やれやれ、と首を横に振ってため息をつきながらエイワスは言った。
神戮を消し飛ばしたセトの一撃で深刻な余波が発生した際、セトが想定していた地球への
二次災害は発生しなかった。
エイワスがセトの放った余波を自身の力を行使し、『全力で』相殺したためだ。
それでも全くの被害ゼロ、とはいかなかった。神の一撃はエイワスが第一九学区全周囲に施した
光のカーテンを難なく破壊している。これで如何なる者も第一九学区へ足を踏み入れる事が可能となった。
エイワスとしては、それはとても面白くない事態だった。
ならばさっさと光のカーテンをもう一度展開してしまえばいいのだが――――。
「神の御前だぞエイワス。 口を慎みたまえ」
瞬間、左右の方向から何かがエイワスに向かって飛んできた。
それは黄金の翼。エイワスが背負っている青白く輝く翼よりも、更に神々しさを感じさせる翼。
432: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:06:18.73:fpRPrYGKo (20/27)
そして前方からは黄金に輝く炎の塊。人間が生み出した安っぽい紅蓮の焔ではなく、
まるで最高品質の金箔を何千何億も織り重ねたような芸術的とすら言える金色の炎。
それらの攻撃を、エイワスは避けられない。『避ける』という概念すら認めない。
『気付いた時には攻撃過程が終了している』。それはフィアンマが行使していた『振れば当たる』聖なる右の
上位互換とも言える攻撃。攻撃動作すら無い、気がついた時には金色の炎は対象を灰にしている。
結果、エイワスはアレイスター=クロウリーの攻撃をまともに浴びてしまう。
左右から挟みこむように迫ってきた翼に体を切断され、目の前から飛来してきた炎に焼き尽くされる。
アレイスターは空中からそれを優越に眺めていた。
「セトが降臨した事で『七二柱の悪魔』が召喚出来なくなってしまったが・・・・・・、
まぁそんな事はもういい。 まだ健在だろエイワス? 見てくれ、一方通行のおかげで、
セトのおかげで、私は"ホルスそのもの"として君臨できるまでに至ってしまった」
第一九学区には今、神が二体存在していた。
一つは言わずもがな、一方通行を今も取り込んでいる星幽界の王セト。
そしてもう一つは、
「『黄金の鷹』・・・・・・。 どれだけ待ち望んだことだろう。 とても気持ちが良いよ、
全てがクリアに感じる。 なるほど、これが神だと言うのなら人が神を崇め続ける
オシリスの時代に執着する気持ちも分かる。 だが我々人類はそこで満足してはいけない。
その更に先、自身が神として君臨することで『ホルスの永劫』は成るのだから」
そして前方からは黄金に輝く炎の塊。人間が生み出した安っぽい紅蓮の焔ではなく、
まるで最高品質の金箔を何千何億も織り重ねたような芸術的とすら言える金色の炎。
それらの攻撃を、エイワスは避けられない。『避ける』という概念すら認めない。
『気付いた時には攻撃過程が終了している』。それはフィアンマが行使していた『振れば当たる』聖なる右の
上位互換とも言える攻撃。攻撃動作すら無い、気がついた時には金色の炎は対象を灰にしている。
結果、エイワスはアレイスター=クロウリーの攻撃をまともに浴びてしまう。
左右から挟みこむように迫ってきた翼に体を切断され、目の前から飛来してきた炎に焼き尽くされる。
アレイスターは空中からそれを優越に眺めていた。
「セトが降臨した事で『七二柱の悪魔』が召喚出来なくなってしまったが・・・・・・、
まぁそんな事はもういい。 まだ健在だろエイワス? 見てくれ、一方通行のおかげで、
セトのおかげで、私は"ホルスそのもの"として君臨できるまでに至ってしまった」
第一九学区には今、神が二体存在していた。
一つは言わずもがな、一方通行を今も取り込んでいる星幽界の王セト。
そしてもう一つは、
「『黄金の鷹』・・・・・・。 どれだけ待ち望んだことだろう。 とても気持ちが良いよ、
全てがクリアに感じる。 なるほど、これが神だと言うのなら人が神を崇め続ける
オシリスの時代に執着する気持ちも分かる。 だが我々人類はそこで満足してはいけない。
その更に先、自身が神として君臨することで『ホルスの永劫』は成るのだから」
433: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:07:37.88:fpRPrYGKo (21/27)
ズズズ・・・・・・と。 黄金に煌くアレイスターの傍で、表現出来ない音がした。
何も無い虚空から出てきたそれは、鳥の頭。
それは隼頭。アレイスターが永い年月を掛けて成就した、現世の守護神ホルス。
虚空から頭を覗かせたホルスはそのままゆっくりと這い出てきた。
体型は巨大な鳥そのものに見える。体長はおよそ二〇メートル程だろうか。
だがその翼は常に大きさを変化させており、時には数メートル、時には数百メートル以上と極端だ。
全身に王族が嗜むような豪華絢爛な装飾が施されており、ただでさえ輝かしいその体の煌きを更に加速させている。
そして事態は、ますますアレイスターに都合の良い展開へと天秤を傾かせていた。
「セトがあなたの施した忌々しい壁を取り払ってくださったようだ。
これで外にいた『幻想殺し』もこの神域に入ることが出来る。
半ば諦めていたがこれで『幻想殺し』は再び私の下へ"還ってきてくれる"。
その時が、ホルス到来の真の瞬間だ。 一緒に祝ってほしいな、エイワス」
「っくく」
ゴォォッッ!! と、ホルスが放った黄金の焔が四散した。
そこから現れたのは何とも痛々しい姿でよろよろと佇むエイワスがいた。
「言っておくが、もう一度あの壁を展開出来るなどと思うなよ。
あれを展開させたあなたの目論見は分かっている。 ここに『幻想殺し』を
招き入れないようにするためだろう? ・・・・・・分からないな、ホルスに位置するあなたが、
なぜそうまでしてオシリスに拘るのか。 ホルスを独占したいなどという愚かな考えを
持っているわけではあるまい。 人が神を隷属する無様な姿を見て楽しみたいだけか?」
ズズズ・・・・・・と。 黄金に煌くアレイスターの傍で、表現出来ない音がした。
何も無い虚空から出てきたそれは、鳥の頭。
それは隼頭。アレイスターが永い年月を掛けて成就した、現世の守護神ホルス。
虚空から頭を覗かせたホルスはそのままゆっくりと這い出てきた。
体型は巨大な鳥そのものに見える。体長はおよそ二〇メートル程だろうか。
だがその翼は常に大きさを変化させており、時には数メートル、時には数百メートル以上と極端だ。
全身に王族が嗜むような豪華絢爛な装飾が施されており、ただでさえ輝かしいその体の煌きを更に加速させている。
そして事態は、ますますアレイスターに都合の良い展開へと天秤を傾かせていた。
「セトがあなたの施した忌々しい壁を取り払ってくださったようだ。
これで外にいた『幻想殺し』もこの神域に入ることが出来る。
半ば諦めていたがこれで『幻想殺し』は再び私の下へ"還ってきてくれる"。
その時が、ホルス到来の真の瞬間だ。 一緒に祝ってほしいな、エイワス」
「っくく」
ゴォォッッ!! と、ホルスが放った黄金の焔が四散した。
そこから現れたのは何とも痛々しい姿でよろよろと佇むエイワスがいた。
「言っておくが、もう一度あの壁を展開出来るなどと思うなよ。
あれを展開させたあなたの目論見は分かっている。 ここに『幻想殺し』を
招き入れないようにするためだろう? ・・・・・・分からないな、ホルスに位置するあなたが、
なぜそうまでしてオシリスに拘るのか。 ホルスを独占したいなどという愚かな考えを
持っているわけではあるまい。 人が神を隷属する無様な姿を見て楽しみたいだけか?」
434: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:10:26.07:fpRPrYGKo (22/27)
以前の覇気など今や見る影も無くなってしまう程弱り果てたエイワスを、
アレイスターは文字通り見下しながら言った。
それでも、エイワスがフラットな表情から垣間見せる余裕の笑みだけは未だに健在だった。
「独占欲・・・・・・支配欲・・・・・・おかしいな。 ホルスという神に昇華したはずの
君の口から、まだそんな薄汚い概念が出てくるとは」
「何?」
「考えてもみろ」
エイワスはホルスとして君臨したと豪語するアレイスターを哀れむようにため息をついて、
「上条当麻の『幻想殺し』や一方通行の『セト』が、本当にホルスの降臨を認めたならば、
とうの昔に『ホルスの永劫』は訪れている。 にも関わらず、現状は維持されたままだ。
何も変わっていない。 何時まで経っても上条当麻はここにやってこないし、
セトはアテもなくうろうろと街を徘徊して待ち惚けをくらっている始末。 なんだこれは、
まさかこれが君の望んでいた時代だとでも言うつもりかね?」
「・・・・・・・・・・・・どういう意味だ」
以前の覇気など今や見る影も無くなってしまう程弱り果てたエイワスを、
アレイスターは文字通り見下しながら言った。
それでも、エイワスがフラットな表情から垣間見せる余裕の笑みだけは未だに健在だった。
「独占欲・・・・・・支配欲・・・・・・おかしいな。 ホルスという神に昇華したはずの
君の口から、まだそんな薄汚い概念が出てくるとは」
「何?」
「考えてもみろ」
エイワスはホルスとして君臨したと豪語するアレイスターを哀れむようにため息をついて、
「上条当麻の『幻想殺し』や一方通行の『セト』が、本当にホルスの降臨を認めたならば、
とうの昔に『ホルスの永劫』は訪れている。 にも関わらず、現状は維持されたままだ。
何も変わっていない。 何時まで経っても上条当麻はここにやってこないし、
セトはアテもなくうろうろと街を徘徊して待ち惚けをくらっている始末。 なんだこれは、
まさかこれが君の望んでいた時代だとでも言うつもりかね?」
「・・・・・・・・・・・・どういう意味だ」
435:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県):2011/06/01(水) 23:13:02.47:f1LTeeoF0 (1/1)
まさかのリアル遭遇wwwwwwwwww
あとこのスレでは幻想殺しの正体は決まっていないの?
まさかのリアル遭遇wwwwwwwwww
あとこのスレでは幻想殺しの正体は決まっていないの?
436: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:13:47.55:fpRPrYGKo (23/27)
「・・・・・・・・・・・・どういう意味だ」
「そもそも何だ、君の傍らにいる"その鳥は"。 チャチなテレビ番組で報道された
珍獣か何かか? 南アフリカとかで目撃された黄金に輝く巨大な鳥とかか?
焼き鳥にしたら美味しそうだな、君さえよければ私達に振る舞って欲しいものだが」
「口を慎めと言ったはずだが? 自分で言っている事が分かっているのか。
ホルスを愚弄するということは、あなたの主であるクラアトを愚弄する事に繋がる。
あなたがどれだけ戯言をほざこうとも、間もなくホルスは訪れるのだ。
素材は揃った、あとは場所を第七学区にある『叡智の橋』に移すだけだ。
・・・・・・・・・・・・学園都市ではあれを『窓の無いビル』と呼称されていたかな」
「アレイスター。 大体、『ホルスの永劫』とは"そういう事ではない"。
ホルスとは確かに黄金の鷹のような姿で描かれている場合もあるが、
それがそのまま具現化してどうする。 違うなアレイスター、そうではないのだよ」
「世迷言を」
言いながら、しかしアレイスターは頭をわずかによぎる妙な違和感を感じていた。
確かにアレイスターの言うとおり、ホルスへ至る素材はこの学園都市に揃っていた。
一方通行のセトによって魔術師は間もなく滅びるだろうし、上条当麻の『幻想殺し』によって『神浄』は
安定ラインの軌道上に乗るはずで、新たなる『界』が開かれる裂け目も出現している。
にも関わらず、上条当麻は一向に第一九学区へ足を踏み入れて来ないし、
一方通行の肉体を依代にしたセトは人間や悪魔と戯れているだけだ。
全ての準備が整ったというのに、その引き金は引かれない。
「・・・・・・・・・・・・どういう意味だ」
「そもそも何だ、君の傍らにいる"その鳥は"。 チャチなテレビ番組で報道された
珍獣か何かか? 南アフリカとかで目撃された黄金に輝く巨大な鳥とかか?
焼き鳥にしたら美味しそうだな、君さえよければ私達に振る舞って欲しいものだが」
「口を慎めと言ったはずだが? 自分で言っている事が分かっているのか。
ホルスを愚弄するということは、あなたの主であるクラアトを愚弄する事に繋がる。
あなたがどれだけ戯言をほざこうとも、間もなくホルスは訪れるのだ。
素材は揃った、あとは場所を第七学区にある『叡智の橋』に移すだけだ。
・・・・・・・・・・・・学園都市ではあれを『窓の無いビル』と呼称されていたかな」
「アレイスター。 大体、『ホルスの永劫』とは"そういう事ではない"。
ホルスとは確かに黄金の鷹のような姿で描かれている場合もあるが、
それがそのまま具現化してどうする。 違うなアレイスター、そうではないのだよ」
「世迷言を」
言いながら、しかしアレイスターは頭をわずかによぎる妙な違和感を感じていた。
確かにアレイスターの言うとおり、ホルスへ至る素材はこの学園都市に揃っていた。
一方通行のセトによって魔術師は間もなく滅びるだろうし、上条当麻の『幻想殺し』によって『神浄』は
安定ラインの軌道上に乗るはずで、新たなる『界』が開かれる裂け目も出現している。
にも関わらず、上条当麻は一向に第一九学区へ足を踏み入れて来ないし、
一方通行の肉体を依代にしたセトは人間や悪魔と戯れているだけだ。
全ての準備が整ったというのに、その引き金は引かれない。
437: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:16:19.61:fpRPrYGKo (24/27)
「・・・・・・・・・・・・エイワス。 あなたが何か仕込んでいるのか」
「まさか。 君もそういうところは『天使同盟』の面々と同じだなぁ。
何でもかんでも私のせいにするなよ。 "この件に関しては私は一切関与していない"」
「この件、とは」
「上条当麻は自分の意志で決断した。 そして一方通行は―――――」
アレイスターの表情から、徐々に余裕が消えていくのが窺えた。
『まさか』、と『ありえない』、という言葉だけが彼の頭の中で渦のように蠢く。
「―――――神に屈するのではなく、神すらも眷属とする。 『天使同盟』の目的を忘れるな。
我々はただ、ミーシャ=クロイツェフを救出しにここへ来ただけだ」
アレイスター最大の誤算は次の二つ。
たった今起きた、上条当麻の信じがたい選択。
そして、人の身でありながら神に真正面から抗う決意をした、一方通行という名の少年。
この二人の少年の間に意思疎通のようなものは行われていないが、
二人の想いはこの時、偶然にもぴったり一致していた。
「・・・・・・・・・・・・エイワス。 あなたが何か仕込んでいるのか」
「まさか。 君もそういうところは『天使同盟』の面々と同じだなぁ。
何でもかんでも私のせいにするなよ。 "この件に関しては私は一切関与していない"」
「この件、とは」
「上条当麻は自分の意志で決断した。 そして一方通行は―――――」
アレイスターの表情から、徐々に余裕が消えていくのが窺えた。
『まさか』、と『ありえない』、という言葉だけが彼の頭の中で渦のように蠢く。
「―――――神に屈するのではなく、神すらも眷属とする。 『天使同盟』の目的を忘れるな。
我々はただ、ミーシャ=クロイツェフを救出しにここへ来ただけだ」
アレイスター最大の誤算は次の二つ。
たった今起きた、上条当麻の信じがたい選択。
そして、人の身でありながら神に真正面から抗う決意をした、一方通行という名の少年。
この二人の少年の間に意思疎通のようなものは行われていないが、
二人の想いはこの時、偶然にもぴったり一致していた。
438: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:23:17.81:fpRPrYGKo (25/27)
以上でーす。
>>435
漠然としか………。何せ材料が少なすぎて、私程度では明確に正体を解き明かすことなど出来ませぬ。
まあ神(笑)とかそういうのとはまた少し違う概念だろうとは思ってますけど、
とにかく材料が少なすぎるので無理に登場させても寒くなるだけかなー、と。
さて、アレイスター的には間もなくやってくるはずのホルスがちっともやってこず、
エイワスがまた嫌味に意味深な事を言ってきてイライラは募るばかりです。
一方通行と上条当麻の行動とは?ってな感じで続く……。
次回更新は三日以内。
それでは、今回もありがとうございました!
今回の次回予告、何だか勘違いしちゃいそうなセリフを選択してしまったなぁ……
以上でーす。
>>435
漠然としか………。何せ材料が少なすぎて、私程度では明確に正体を解き明かすことなど出来ませぬ。
まあ神(笑)とかそういうのとはまた少し違う概念だろうとは思ってますけど、
とにかく材料が少なすぎるので無理に登場させても寒くなるだけかなー、と。
さて、アレイスター的には間もなくやってくるはずのホルスがちっともやってこず、
エイワスがまた嫌味に意味深な事を言ってきてイライラは募るばかりです。
一方通行と上条当麻の行動とは?ってな感じで続く……。
次回更新は三日以内。
それでは、今回もありがとうございました!
今回の次回予告、何だか勘違いしちゃいそうなセリフを選択してしまったなぁ……
439:次回予告はここまでです。 ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:24:25.90:fpRPrYGKo (26/27)
【次回予告】
『(・・・・・・この右手で幻想をぶち殺すだけが、がむしゃらに首突っ込んで暴れ回るだけが戦いじゃないんだ)』
―――――――――――学園都市の無能力者(レベル0)・上条当麻
『"こっから先は一方通行だ"。 あのアホ天使を救うために助力してもらうぜ"三下"ァァァ!!!!!!!!』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)
【次回予告】
『(・・・・・・この右手で幻想をぶち殺すだけが、がむしゃらに首突っ込んで暴れ回るだけが戦いじゃないんだ)』
―――――――――――学園都市の無能力者(レベル0)・上条当麻
『"こっから先は一方通行だ"。 あのアホ天使を救うために助力してもらうぜ"三下"ァァァ!!!!!!!!』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)
440:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県):2011/06/01(水) 23:25:02.84:cY58XyQe0 (1/1)
>>1 おつ
>>1 おつ
441:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方):2011/06/01(水) 23:25:27.06:cE8M/a/So (3/3)
>>418の腹ただしーが、って腹だたしーが、じゃないのかなと
どうでもいいね、うん
乙
>>418の腹ただしーが、って腹だたしーが、じゃないのかなと
どうでもいいね、うん
乙
442:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県):2011/06/01(水) 23:27:05.51:xsruHkAUo (1/1)
超乙ですの
一方さんにとっては「計画通り」キリッ
って事なのか?
超乙ですの
一方さんにとっては「計画通り」キリッ
って事なのか?
443:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/01(水) 23:28:29.88:JPTGxBfao (2/2)
うっほほー乙
うっほほー乙
444:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/01(水) 23:32:59.87:oXMo6rfB0 (2/2)
1乙!
>>412
わー!
ややこしいとか言っちゃってごめんなさい
なにせ私の理解力が足りないばかりに
あまり理解しきれていないのです
申し訳ない
どうやら上条さんにもスポットライトが当たる時が来たようだ
1乙!
>>412
わー!
ややこしいとか言っちゃってごめんなさい
なにせ私の理解力が足りないばかりに
あまり理解しきれていないのです
申し訳ない
どうやら上条さんにもスポットライトが当たる時が来たようだ
445:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/06/01(水) 23:38:09.14:m/D6j5Ih0 (1/1)
乙
一方通行の言う“三下”っつうのが誰の事を指しているんだろう
乙
一方通行の言う“三下”っつうのが誰の事を指しているんだろう
446:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海):2011/06/01(水) 23:46:51.90:PTCrU7YAO (1/1)
アクセトレーラさんきた! これで勝つる!
アクセトレーラさんきた! これで勝つる!
447:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/01(水) 23:59:30.01:ztZWc4/N0 (1/1)
乙乙
胸熱な展開が続くぜ!
>神すらも眷属とする
…もしや、天使同盟最後の一人って…
乙乙
胸熱な展開が続くぜ!
>神すらも眷属とする
…もしや、天使同盟最後の一人って…
448: ◆3dKAx7itpI:2011/06/01(水) 23:59:37.25:fpRPrYGKo (27/27)
>>444
いえそんな、こんな都合の良い展開ばかり続いていれば理解できるわけないですよ
何たって私自身もよく分かってませんからねwwww何だよ上条の中の人って……
>>441
どうでもよくないです、ありがとうございます。またしても幼稚なミスを犯してしまった……
>>444
いえそんな、こんな都合の良い展開ばかり続いていれば理解できるわけないですよ
何たって私自身もよく分かってませんからねwwww何だよ上条の中の人って……
>>441
どうでもよくないです、ありがとうございます。またしても幼稚なミスを犯してしまった……
449:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/06/02(木) 00:20:27.82:i/evnkZAO (1/2)
セロリかっけーなww
セロリかっけーなww
450:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/06/02(木) 00:30:39.63:xOVXZzej0 (1/1)
勘違い?何を今更。
むしろ、いつも素敵な勘違いをさせてくれる台詞選びじゃないか
勘違い?何を今更。
むしろ、いつも素敵な勘違いをさせてくれる台詞選びじゃないか
451:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県):2011/06/02(木) 00:57:58.53:E3JXYxPz0 (1/1)
上条さんが……自重…………した……だと?
上条さんが……自重…………した……だと?
452:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/06/02(木) 01:08:45.52:OoVVBTYv0 (1/1)
上条さんはインデックスがブレーキかけたか、あるいは…俺の予想通りだとしたら嬉しいな
それにしてもセトさんこえーっす
上条さんはインデックスがブレーキかけたか、あるいは…俺の予想通りだとしたら嬉しいな
それにしてもセトさんこえーっす
453:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/06/02(木) 02:07:44.15:2RVVSjIxo (1/1)
わざわざKJさんを学園都市の~なんて紹介にしているのにセロリは天使同盟の~って紹介をしている
つまり俺…じゃなくてイケメンの浜面がかっこよく登場するフラグってことだ!
わざわざKJさんを学園都市の~なんて紹介にしているのにセロリは天使同盟の~って紹介をしている
つまり俺…じゃなくてイケメンの浜面がかっこよく登場するフラグってことだ!
454:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県):2011/06/02(木) 02:09:33.24:+CpVkofRo (1/1)
とりあえず乙
なんかもうクライマックスすぎてヤヴァイ
とりあえず乙
なんかもうクライマックスすぎてヤヴァイ
455:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/02(木) 07:32:46.09:I019+0LIO (1/2)
一方さん、まさか神を三下呼ばわりですかw
一方さん、まさか神を三下呼ばわりですかw
456:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/02(木) 11:48:19.01:/oA5KAkdo (1/1)
>>455
[ピーーー]、氏ねじゃなくて[ピーーー]
>>455
[ピーーー]、氏ねじゃなくて[ピーーー]
457:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/02(木) 12:05:17.71:I019+0LIO (2/2)
えっ
えっ
458:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/06/02(木) 12:24:05.07:LgJcT1xH0 (1/2)
自重する上条さんとか…
一体中に誰が入っているんだ
自重する上条さんとか…
一体中に誰が入っているんだ
459:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/06/02(木) 14:39:16.60:i/evnkZAO (2/2)
面白い構造になってきたなぁ
天使たちのリーダーが一方さんなら一方さんは神だな
神vs神の戦いですね
面白い構造になってきたなぁ
天使たちのリーダーが一方さんなら一方さんは神だな
神vs神の戦いですね
460:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県):2011/06/02(木) 19:05:03.37:uOH/kB9M0 (1/1)
/  ̄ ̄ \
/ ',
lイエア;,r─、イエアl
/l ー、,r- l 焼き鳥と申したか
. / /丶 ハ
. / / /` ー--‐ くヘ l
/ / /ムヘ /\/ヽ 〉l l
/ / /,/ ヽT) (Tハ l
〈_,/./ / , ヘ \_ノ ヘ,j
ヽ// / │ ',
∧ / | l
l ヽ │ │
│ │ l l | l l│
|==| ̄l ̄l ̄l ̄l ̄l´|
|==| ̄l ̄l ̄l ̄l ̄l´l
` ̄` ̄| | ̄ ̄| | ̄ ̄
⊂ニ二二> <二二ニ⊃
/  ̄ ̄ \
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lイエア;,r─、イエアl
/l ー、,r- l 焼き鳥と申したか
. / /丶 ハ
. / / /` ー--‐ くヘ l
/ / /ムヘ /\/ヽ 〉l l
/ / /,/ ヽT) (Tハ l
〈_,/./ / , ヘ \_ノ ヘ,j
ヽ// / │ ',
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` ̄` ̄| | ̄ ̄| | ̄ ̄
⊂ニ二二> <二二ニ⊃
461:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2011/06/02(木) 20:43:39.10:YfbZHFJJ0 (1/1)
>>458
うににきまってんじゃん
>>458
うににきまってんじゃん
462:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2011/06/02(木) 21:38:36.96:kAExkheD0 (1/2)
>>1 乙! もう続きが気になって仕方がないw というかもう原作抜いてますね(特に原作がつまらないとかそういう意味ではありませんが)
>>1 乙! もう続きが気になって仕方がないw というかもう原作抜いてますね(特に原作がつまらないとかそういう意味ではありませんが)
463: ◆3dKAx7itpI:2011/06/02(木) 22:37:57.41:66NvSJ9Fo (1/26)
こんばんわ、今日も投下しに来ました!
いつも沢山の支援レスを本当にありがとうございます。
さて前回、神(本物かどうかは不明として)の圧倒的な力に悪魔もエイワスもたじたじ。
だが肝心の神浄はやってこず、アレイスターも首を傾げるばかり。
上条当麻と一方通行は一体どこで何をやってんだ、と苛立ちを顕にします。
今回は早速、上条にカメラ向いたところから始まりです。
このSSではあまりいいところがない上条がとった行動とは……。
まあ、そんな感じで始まり始まり、です。 よろしくお願いします。
こんばんわ、今日も投下しに来ました!
いつも沢山の支援レスを本当にありがとうございます。
さて前回、神(本物かどうかは不明として)の圧倒的な力に悪魔もエイワスもたじたじ。
だが肝心の神浄はやってこず、アレイスターも首を傾げるばかり。
上条当麻と一方通行は一体どこで何をやってんだ、と苛立ちを顕にします。
今回は早速、上条にカメラ向いたところから始まりです。
このSSではあまりいいところがない上条がとった行動とは……。
まあ、そんな感じで始まり始まり、です。 よろしくお願いします。
464: ◆3dKAx7itpI:2011/06/02(木) 22:38:42.82:66NvSJ9Fo (2/26)
――――――――――――――――――――――
上条当麻とインデックスは腹が煮えくり返る程に忌々しかった光の壁が破壊された事で
もう何時でも第一九学区に入る事が可能であるにも関わらず、
第六学区と第一九学区を隔てる目に見えない境界線の前で佇んでいた。
「・・・・・・と、とうま? どうしたの? 何があったかは分からないけど、
ようやく壁が無くなったんだよ。 早くステイル達の所に向かって彼を止めないと・・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、」
そう、第一九学区の中では恐らく今も"あの男"が『自動書記』の遠隔制御霊装を使用して
原典の力を使っているはずだ。
理由はよくわからないが、今はあの霊装を使われてもインデックスには何の害もない。
だがアレを使い続けている茶髪の男には深刻な悪影響が及んでいる。
そんな馬鹿野郎は一刻も早く止めなければならない。
だから今すぐにでも、上条当麻は第一九学区に足を踏み入れなければならないはずなのだ。
――――――――――――――――――――――
上条当麻とインデックスは腹が煮えくり返る程に忌々しかった光の壁が破壊された事で
もう何時でも第一九学区に入る事が可能であるにも関わらず、
第六学区と第一九学区を隔てる目に見えない境界線の前で佇んでいた。
「・・・・・・と、とうま? どうしたの? 何があったかは分からないけど、
ようやく壁が無くなったんだよ。 早くステイル達の所に向かって彼を止めないと・・・・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、」
そう、第一九学区の中では恐らく今も"あの男"が『自動書記』の遠隔制御霊装を使用して
原典の力を使っているはずだ。
理由はよくわからないが、今はあの霊装を使われてもインデックスには何の害もない。
だがアレを使い続けている茶髪の男には深刻な悪影響が及んでいる。
そんな馬鹿野郎は一刻も早く止めなければならない。
だから今すぐにでも、上条当麻は第一九学区に足を踏み入れなければならないはずなのだ。
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とあるフラグの天使同盟(その2)
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