1VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/04(水) 16:03:50.157qz63VwDO (1/1)

■SS製作者スレにて企画された「オリジナル同士でクロスしてみようぜ」から派生したスレです。

共作と言う以外は普通のSSスレとなんら変わりがないので、いつものノリで書き込むべし。

Q.誰得?

A.俺得。

Q.参加したいんだけど

A.オリジナルクロス連絡用スレex14.vip2ch.com



2VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/05/04(水) 16:05:25.93uJkmWa8wo (1/3)

■参加者・目次について

書き手の人が書き終わるたびに目次を付けてくれてるので、そのレスを読んで確認してください。

■既にクロスされたSS
オリジナルSS総合スレhttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294926157/
にて、3人が投下しています。

書き手:艦長「漂流中なう」http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303057214/
 ×
クロス先:幼女「そこのおとこ!ちょっとやらせなさい!」http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1297/12977/1297775355.html
オリジナルSS総合スレの>>427->>450にて掲載

幼女「そこのおとこ!ちょっとやらせなさい!」
 ×
艦長「漂流中なう」
オリジナルSS総合スレ>>371->>416

女「ねえ、ちょっと」http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1295/12954/1295445894.html
 ×
幼女「そこのおとこ!ちょっとやらせなさい!」
オリジナルSS総合スレ>>471->>503


3VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/05/04(水) 16:08:09.24uJkmWa8wo (2/3)

>>1に不備があったので失礼しました。

■オリジナルSSクロススレ【書き手連絡用】■
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304490718/


4VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/05/04(水) 16:13:12.50uJkmWa8wo (3/3)

テンプレ終了。
コンビが決まるまで、>>2のSSを読んでお待ちください。
ただの幼女スレだがな。


5VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/04(水) 20:29:12.85hUqNItcK0 (1/1)

オリジナル総合から離れて2つ新たにスレ立てることになったんだな。

長く続けてくれ。

とりあえず乙!そしてあげ


6VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/05(木) 03:27:44.05ZZFK3bw7o (1/1)

おつおつ


7VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/05(木) 18:29:13.05MkK0d9TDO (1/1)

乙!


8 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:14:38.96+lCoa5IAO (1/18)

◆ackVh57YJ. さんの作品幼女「ゆーたっ!」「ぼくは魔法使いだよ」
  ×
◆Oamxnad08kの作品 女「ねえ、ちょっと」

のクロス作品です。

・『幼女「ゆーたっ!」~』分が多目です
・女「ねえ、~ の男女は平行世界の男女と思っていただければ
世界は違いますが性格は同じです

初めてなので、先に謝ります。ごめん



9 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:15:04.04+lCoa5IAO (2/18)

ルー、妹、ぼくたちの三人は町へ出ていた

はぐれないようにルーと手を繋いでおく

妹「むー……羨ましい」

「え?」

妹「ううん」

妹が少しすねたように唇を尖らせた

さすがに手を繋ぐような年じゃないと思うんだけど

幼女「ゆーたっ!るーね、あっちがみたい!」

「ほらほら、ダメだよルー。迷子になっちゃうよ」

ルーがはしゃぐのも無理はないか

通路の両側には様々な店が並んでいる


怪しげな書店、ショーウインドウを飾るカラフルな薬品、あと何かの店などなど

じっくり見て回ったらとても一日は足りないだろう



10 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:15:33.28+lCoa5IAO (3/18)

妹「あ、お兄ちゃんとルーちゃん、ちょっと待ってて」

何かを思い出したのか、妹がぴたりと止まる

「どうしたの?」

妹「買わなきゃいけない本忘れてたの」

指差したのは書店

たまたま通りがかって思い出したらしい

「そっか。ここで待ってるよ」

妹「うん」トトト

妹を見送った後、近くにベンチがあったのでそこに座る

なぜかルーは膝の上に乗ってきた

ミリア(人が多いだの)

(ここら辺で一番大きな町だからね。どうかした?)

ミリア(わらわは、あまり人が多いのは好きではない)

その分狙われる可能性も大きくなるかららしい


11 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:16:00.86+lCoa5IAO (4/18)

先日の出来事を考えると気持ちは分からなくもない

この前、ルーとミリアを狙う人たちが学校に侵入した

もしもあの人たちが組織の人間だったなら、またルー達は狙われる

「……あんまり、現実感ないなあ…」

ルー「? ゆーた、どうしたの?」

ルーが不思議げに見上げてくる

「ううん、なんでもないよ」ナテナデ

優しく頭を撫でてみた

髪の毛がふわふわして気持ちいい


12 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:16:52.12+lCoa5IAO (5/18)

?「あのぅ…」

しばらくルーを撫でていたらふいに頭上から声がかかった

見上げると地図を片手に困ったような女の人

女の人「ここら辺詳しくなくてね…この店ってどうやったらいけるかな」

言いながら地図を指先でトントンと叩く

最近来た人なのかな

複雑な道なので迷ってしまったみたいだ




13 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:17:41.30+lCoa5IAO (6/18)

「ここを右にいって、さらに左です」

ルー「みぎー!ひだりー!」

ルーが楽しそうに反復する

がつんとルーの頭が顎に当たってちょっと痛かった

その様子を見て、女の人はくすりと笑う

女の人「そう、ありがとう。お礼にはい、飴」

どこから取り出したのか、二つ飴を渡された

りんごとみかん

思ったよりも普通だった

女の人「“またね”、お兄さん」

それだけ言って、さっさと彼女は視界から消えてしまった

「……またね?」

残されたのは飴二つ



14 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:18:16.66+lCoa5IAO (7/18)

(……これ、平気かな)

ミリア(毒は入ってないようだの)

(なら大丈夫かな)

特に怪しいとは思わなかったし

「りんごとみかん、どっちがいい?」

幼女「みかん!」

みかんの飴の封を切って、ルーの口のなかに放り込む

歯と飴がふれあう音が鼓膜に響く

妹「お待たせー。あれ?なに食べてるの?」

「貰い物の飴。食べる?」

妹「いいの?」

「うん」

りんごの飴を渡すと妹は嬉しそうに口に含んだ

それはそれは、平和でのどかな午前中だった


15 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:18:54.19+lCoa5IAO (8/18)



裏通り

少年に教わった道をとことこと女は通る

そして曲がり角に待ち合わせしている男を発見した

女「お待たせ、シュヴァイン君」

シュヴァインと呼ばれた男はパタンとそれまで読んでいた本を閉じた

男「迷ったんですか?」

女「うん」

男「年をとると痴呆があいだだだだだ」グリグリ

女「んー?よく聞こえないわ」グリグリ

シュヴァインのこめかみを拳でぐりぐりと刺激する

なんともその場にそぐわない光景だった


16 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:20:07.77+lCoa5IAO (9/18)

二人の周りには五、六人の人間がぐったり倒れていた

狐やら猫やら、動物のお面をつけたものたち

状況から見るに、シュヴァインが片付けたのだろう

男「雑魚ならいけますが……ある程度、魔法が強いともう無理です」

どこから出したのか、ナイフを手に持って女の前で振る

それはぼんやり光をまとっていた

男「こいつはあくまでも、補助のための魔法ですから」

女「そうね。おっ」

何を思い付いたのか、側で転がる人間からお面をひっぺがす

それを目の前へかかげて観察するようにそれを見た

女「ふむふむ」

どこか満足げ

女「出来る限りの障害は始末しましょう」

男「はい」



17 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:21:07.55+lCoa5IAO (10/18)

女「しかし、こういうときに魔法が使えれば良かったと思うわ」

お面をお祭りのように頭の横に付けながら女がため息をついた

いやもしかしたらお祭り気分なのかもしれない

男「ないものは仕方ありませんよ」

女「あるのは妄想力だけね」

男「自慢にもなりませんね。俺も同じですが」

女「ふふ」

男「ははは」

お互い爽やかに自虐しあう

そして顔を引き締めて女が歩き出す

女「さて、行くわよ。シュヴァイン君」

男「はい先輩」

女「今回はなかなか厄介な依頼だからね」

会話をしながら、彼女達は表通りへ歩く



18 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:21:36.59+lCoa5IAO (11/18)



妹「いっぱい買ったね」

「うん」

荷物を持っている腕がすっぽぬけそうだ

重いのを持つのがぼくのやくめだとはいえ、少し辛い

食料や生活用品などが手提げに大量に入っている

ルー「るーもなにかもつ!」

妹「ふふ、ルーちゃんは偉いね。でも大丈夫だよ」

妹とルーは仲良く話し合っている

「このまま何も起きないといいんだけど」

何となく呟いた独り言

ミリアが律義に返事をした

ミリア(残念ながら、そうはいかないみたいだの)

「え?」


19 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:22:56.05+lCoa5IAO (12/18)

広場に紛れるように、お面をつけた人たちがいる

……あれ、隠れてるつもりなのかな

とりあえず逃げないと

「ねえ」

妹「どうしたのお兄ちゃん」

「不審者がいる。逃げよう」

そっと、バレないように道を逸れる

妹も空気を読んでついてくる

「おいで、ルー」

ルー「?」

最後にルーもとことこついてくる

よし、あとはこのままこっそり帰れば


20 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:23:22.52+lCoa5IAO (13/18)

うさぎお面「逃がすか」

「うわぁ!?」

いきなり目の前にウサギをつけた不審者がいた

不審者もいいところだ!

妹が構えるが、彼女は回復専門だ

僕は結晶を作り出すぐらい

応用すれば戦えるけど、周りは人が多いし当たったら危ない

どうしよう…

と、

?「寝ない子誰だ!」

謎の叫び声と共に今度はタヌキのお面をつけた男の人が出てきた

そしてそのままウサギの股間を蹴りあげる

痛かった。今のは痛かった


21 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:29:29.22+lCoa5IAO (14/18)

タヌキお面「ついてこい!」

タヌキに言われるのはいささか空気が抜けるけど

今は、どんなに怪しくてもこの人についてってみよう

「……行こう!」

妹とルーを先に行かせて、ぼくも重い荷物を我慢しながら走る

「いったい、誰、なんですか?」タッタッ

走りながら聞く

タヌキお面の人は後で、とだけ言った

ミリア(……このタヌキ……)

(どうか、した?)

ミリア(一切の魔法を使えない人間だの)

「え?」



22 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:33:34.63+lCoa5IAO (15/18)

どういうこと、と聞こうとする

それよりも早く前方から声がかかった

タヌキお面「あの建物に入るぞ!」

妹「は、はい!」

「はい」

ルー「おにごっこ!」

何故かあらかじめ開けられていたドアに飛び込む

全員が入ったとたんにバタンとドアが閉まった

荷物を置いて、息を整える

?「また会っちゃったね」

先ほど聞いた声

ドアを閉めたのだろうその人物の顔を見る

犬だった


23 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:37:30.19+lCoa5IAO (16/18)

「どなたですか」

?「ごめん、お面を取り忘れたわ」

スイッとお面を取ると、やはり先ほどの女の人だった

妹は目を白黒させて僕らを見比べている

女の人「私の名前はポワソン。よろしく」

そしてタヌキのお面を被ってた男の人がポワソンさんの側へと寄る。

男の人「その後輩の、シュヴァイン」

ルー「るーっていうの!で、ゆーたといもうと!」

ルーが自己紹介を手早く終わらせてくれた




24 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:41:22.16+lCoa5IAO (17/18)

ポワソン「とある人物から聞いてるわ」

とある人物?ちょっと引っかかった

「あなたたちは何ですか?」

シュヴァ「探偵」

さらりと言われた

探偵って…あの人探しとかの職業?

ポワソン「そのとある人物から依頼が来てね」

またとある人物か。誰なんだろう


ポワソン「君らを守るって依頼がね」




25 ◆Oamxnad08k2011/05/05(木) 22:42:09.07+lCoa5IAO (18/18)

長くなりそうなので今日はここまで
うーん…勇者くんの地の文が難しい


26 ◆ackVh57YJ.2011/05/05(木) 22:51:30.04lUmb9LOQ0 (1/1)

うおおおおお胸熱!!!!
なんだかシュヴァイン君とポワソンさんがかっこよく見えるっ!!乙!



27VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/06(金) 13:35:47.21bjcXoV+DO (1/1)

乙。支援


28 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:26:57.16KxZTss5AO (1/10)

「事情は良く分かりませんが…僕らを守るように誰かに言われたんですか?」

ポワソン「そーそー、頭良いわね」

シュヴァ「先輩が頭悪いんじゃあいたたたた!!」グリグリ

ガッとこめかみに拳を押し当ててグリグリし始めた

どうやら言ってはいけないことを言ってしまったらしい

動作が慣れきっているのか恐ろしい

ミリア(不安だの…)

先行きを案じてか不満げな声だった

でもまあ、そこそこ強そうには見えるんだけど

妹「あの」

忘れかけていた妹が挙手した

妹「せめてお買い物袋…家に置きにいきたいのですが」


29 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:27:25.30KxZTss5AO (2/10)

シュヴァ「そうか。買い物袋を持ったまま戦えないな」

戦う前提なのか

ルー「るーね、おうちかえるー!」

ポワソン「じゃあ一回帰ろうか」

いいのか

ミリアと同じく少しばかり不安を抱えた

でも荷物を置きに家に帰るのは賛成なので立ち上がる

そういえばここ、誰の家なんだろう

全く生活感がないのだけれど

注意を払いながらそっとドアを開ける

幼女「男!よきんちょうはもらったぞ!」ダダダ

男「この世界で使えるわけねぇだろうが!!」ダダダ

…………


30 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:27:53.53KxZTss5AO (3/10)

変なの見ちゃった

妹「…お兄ちゃん?」

もう少し待って、と手で合図する

一度ゆっくりとドアを閉め、数秒立ってまた開ける

人通りのない静かな道だった

うん、さっきのは見間違えだ。疲れてたんだ

「幻覚だ幻覚」

ミリア(今のはどうみても幻覚じゃないむぐっ)

否定するペンダントを、押さえて黙らす

すぐに熱くなって来たので手を離した

「すみません。行きましょう」

ポワソン「う、うん」

ルー「おうち!」

妹「どうしちゃったのお兄ちゃん…」


31 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:29:16.36KxZTss5AO (4/10)

他を探しているのかお面集団はいなかった

慎重に歩いていく

妹「二人は付き合っているんですか?」

ポワソン「うふふ気になっちゃう?」

妹「あ、思わせ振りですね」

ルー「おもわせぶり!」

あまり後ろが慎重じゃないけど

「ここまで来ればすぐそこが家で…」

ウサギお面「見つけたぞ!」

また不審者に遭遇した

シュヴァ「もう、お嬢さん。早く帰りなさい」

ウサギお面「誰がお嬢さんだ!潰れてねーよ!」

シュヴァ「はは、冗談のキツイ」

ウサギお面「あー!!まずはお前から消してやる!」

なに怒らせてるんだ

ウサギお面は何かを唱えると、ぼうっと手の平から炎が出た

対してシュヴァインさんはナイフを構えるだけ

無謀にも程がある


32 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:29:58.11KxZTss5AO (5/10)

ルー「あのひと、あぶないよっ」

ポワソン「大丈夫。だからあなた達は荷物を置いてきて」

ルー「でもやけどしちゃうよ?」

ポワソン「乙女心がヤケドしちゃうよりかはマシよ」

何いってんだこの人

ともあれ、足止めをしてくれてるみたいなので妹とルーを促してその場をさる

叫び声と物の壊れる音が背中から響いた

振り返るとほこりが舞っていて状況がよく見えない

安否が気になるけど、これ以上は留まれない

出来るだけ急ぎ足でぼくらは帰路についた


33 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:31:08.18KxZTss5AO (6/10)



ポワソン「すっごいほこり」ゲホゲホ

シュヴァ「気をつけて下さい。『彼女』は油断できませんよ」

ウサギお面「だから女じゃないんだってば!」

出てきたのはあっさりと挑発にのったウサギお面

どうも思ったように事が進まずイライラしてるようだ

ウサギお面「仲良く丸焼きにしてやるよ!」

再び炎が二人を狙う

シュヴァインはナイフを構えた

それはやはりぼんやり光をまとっていた

ウサギお面「そんなんで防げるのかよ!」

そして炎はナイフに当たり――跳ね返った

防げた

ウサギお面「なぁ!?」

驚愕したときには時すでに遅し


34 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:34:18.54KxZTss5AO (7/10)



なんとか家にたどり着けた

「妹」

買い物袋をおいて話しかける

妹「なに、お兄ちゃん」

「家にいてくれないか?」

案の定、妹は怒りを露にした

妹「なんで?私だけ逃げるってこと?」

「違うんだ」

「どうもぼくとルーが狙われてるみたい」

「わざわざ妹を引っ張りだして怪我をさせたくない」

「分かってくれる?」

理解はしてくれないだろう

そっと肩へ手を置き、目をみて話した

妹はなにかを迷っていたみたいだったけど「分かった」と承諾した

妹「ちゃんと帰ってきてね。ルーちゃんは?」

「危ないだろうけど、いっしょに行く」

ルー「?」

妹「そう……行ってらっしゃい」

行ってきます


35 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:34:45.52KxZTss5AO (8/10)



シュヴァ「…ナイフの魔翌力が弱まってきてます」

服が焼けて全裸の男の前で軽い会議をしていた

ポワソン「仕方がない仕方がない、一休み一休み」

シュヴァ「休まないで下さい」

ポワソン「それはともあれ。そろそろボスが来るんじゃないかな」

シュヴァ「もうですか?」

ポワソン「うい。ほらそこ」

指差された場所にはハムスターのお面を被った恐らくは男

ハムスター「ずいぶんとやってくれたようだな」

感情のこもっていない声だった

ハムスター「お礼に、死をあたえてやる」

にやり、とポワソンたちは笑った

そんな脅しなど通用しないというように

男女「とっとと来いハム太郎」

買い言葉はアレだが


36 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:35:12.50KxZTss5AO (9/10)

ミリア「勇者よ」

「なに?」

ミリア「あの者たちは魔翌力を持っていない」

先ほどの説明を始めるらしい

「つまり、魔法を使えないってことだよね」

ミリア「うむ。……どう戦うんかの?」

疑問だった

「……さあ」

それはぼくも知らないんだけど

切札でもあるのかな

ルーが話しかけてきた

ルー「ね、ゆーたもたたかうんだよね?」

「うん、たぶん」

ルー「えへへ。たたかうゆーたもかっこいいよ」

…ルーのために頑張るか


37 ◆Oamxnad08k2011/05/06(金) 23:36:20.08KxZTss5AO (10/10)

あれっ長いぞ
すいません、体調が崩れてここまでです明日完結

やりかけの時に他の人が投下はまずいのかな


38 ◆ackVh57YJ.2011/05/06(金) 23:46:24.16r1CdmLEi0 (1/1)

乙、お体にお気をつけて!

やっぱ読みづらくなっちゃうでしょうね……
ぼくのスレ糞短いんでそっち書いてますから、ごゆっくりおねがいします!!

わりと妹の出番が多くて安心しました


39VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/07(土) 00:47:53.907I6K4GqDO (1/1)

乙!体に気を付けてください。


40 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:12:53.66qpCvAZ/AO (1/10)



ポワソン「大事な人の為に戦う。かっこいいわね」

シュヴァ「いきなりなんですか」

ポワソン「電波受信したのよ」

シュヴァ「さいでか」

若干自分の先輩の未来を案じた

25で電波っ娘は痛いと思うのだが言わないでおこう

シュヴァ「おや」

ゆらり、と二人の視界に何かが入ってきた

狐お面「………」

無言で彼らの足元でモザイク無しに全裸で倒れているウサギお面を見た

狐お面「…………」

無視した


41 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:13:26.57qpCvAZ/AO (2/10)

ポワソン「あれ?またボス?」

シュヴァ「あれですよ、倒しても倒しても出てくるクッパみたいなもんです」

ポワソン「世界観壊すネタはやめようね」

言いつつも警戒を怠らない

狐お面「……幼女は、どこだ」

ポワソン「知らんわロリコン」

狐お面「……」

狐お面が抗議をあげようとしたとき

上空から大量の小さな結晶が降ってきた

双方、慌ててよけり

振り替えると、ゆーたと言われた少年とルーと名乗った幼女二人が立っていた




42 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:14:19.05qpCvAZ/AO (3/10)



危なそうな雰囲気だったので細かな結晶を作り出して落とした

このさい全裸で倒れている人は無視しよう

「狐お面の人、あなたの目的は?」

狐お面「………その子供とペンダントだ」

やっぱりか

冷や汗が背中をつたう

ルーとミリアはなんとかして守らなくては

「いやです」

落ちている結晶ですぐにはこっちにこれないはず

それまでに決着をつけないと

狐お面「………ならば奪うまで」

ぼそりとそういって、狐お面の人は指先からビームのようなものを出した

しまった飛び道具の可能性も考えるべきだった

当然、というべきかそれはぼくらに向かう



43 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:14:58.16qpCvAZ/AO (4/10)

「っ」

巨大な結晶を作り出して一時的なバリアにつかう

すぐに結晶は粉々になってしまった

何度も作っていては時間ロスだ

結晶を出す前に当たるだろう

ミリア「こうなったら……」

「ダメだよ」

即座に否定する

ルーも、ミリアの力も今回だけでも使わない

ミリア「しかし、ではどう戦う?」

「まあ………うん」

なんて痛い指摘なんだろう

ポワソン「だから、言ってるでしょ」

会話を聞いていたのか、彼女が突然話し出した

ポワソン「ある人物に君たちを守るように依頼されたの」

ポワソン「今回ばかりは、頼りなさいよ。お姉さんたちに」

シュヴァ「いやもうお姉さんといえる年」ゴツン

今のは、今のは痛かった



44 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:15:25.58qpCvAZ/AO (5/10)

ルー「おねーたんも、たたかうの?」

ポワソン「うん」

ミリア「無理ではないかの?魔法をつかえるのか?」

ポワソン「うん、無理」

………

断言しちゃった

「じゃあ、どうやって…」

シュヴァ「ほんとですよ、どうやって?」

狐お面「………興味有り」

ポワソン「みんなひでぇなあオイ!」



45 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:20:20.42qpCvAZ/AO (6/10)

集中攻撃を受けてポワソンさんは若干涙目になる

狐お面「……」

狐お面の人は、これ以上の会話は不利益と感じたのか再び魔法を唱える

「……っく」

だめだ、間に合わない

目前にせまる驚異

ルーを庇うように抱き締めた

ザッとポワソンさんがぼくの前に立ちはだかった

「ちょ、危ないですよ!」

彼女は何も言わず、ポケットから小さな手鏡を取り出した

そしてビームの向かう先に鏡の位置を微調整させ、構えた

狐お面「そんなもので何を――」

あとの言葉は聞こえなかった

ビームがそっくり跳ね返って、周りの建物が砕け散ったからだ


46 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:23:26.76qpCvAZ/AO (7/10)

「………跳ね返した?」

ルー「すごーい」

ミリア「なにがなにやらわからない」

シュヴァ「俺空気なんですけど」

口々に好きなことを言い合う

道が抉られていた

あんなものぼくらに撃ったのか……

ポワソン「あ」

彼女が手に持っていた手鏡は、ぼろりと砕けた

また涙目になったのも加えておく


47 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:27:07.82qpCvAZ/AO (8/10)

こうして、良く分からないままに事は終幕した

シュヴァ「これからも頑張れよ。ゆーた君」

それだけを言って彼らは去った

なんだったんだろう、マジで

ルー「ゆーた、おなかすいた」

「そうだね。帰ろうか」

ルーの手を引いて、ぼくらは妹の待つ家へと歩く



48 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:36:26.61qpCvAZ/AO (9/10)



人形に向かって、女は喋りかける

女「ねえ」

『やぁ、どうだった?僕の依頼は』

人形がしゃべった

女「なんとかこなしたわよ、“お姉ちゃん”」

『そうか、良かったよ。ああそうだ、あれに込めた魔法はどうだった?』

女「すごいわね。ある程度のものを跳ね返したわ」

『そうだろう』

女「……でさ、聞きたいんだけどね」

『?』

女「あの手鏡、弟がくれたやつなの…」

『……あ、あはは』

女「あなたまさか、壊れるって知ってた?」

『………………』

長い長い沈黙のあと

『…………うん』

女「よぉぉぉぉぉし!!今からそっち行くわよ!!」

『ごめん!怒らないでくれるかな!!』

人形相手にめちゃくちゃ起こり出す先輩をみながら、その後輩の男はため息を吐いた

年をとると切れやすくなりますよね、という言葉を飲み込んで



おしまい


49 ◆Oamxnad08k2011/05/07(土) 23:38:00.87qpCvAZ/AO (10/10)

終わりです
すいません、うちのポワソンがでしゃばりました
こんな駄作ですが、◆ackVh57YJ. さんの作品はこれの比にならないぐらい凄いです

ありがとうございました


50 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:43:35.71V1tiJFAt0 (1/17)

これから投下するぼくに対してのこのプレッシャーっ……!?
常人の比ではない……!

お疲れ様でした。次はぼくのです
はじめに言っておきますがなんかどっちのキャラも崩壊してます。はい、すいません

では~NOW LOADING……


51 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:46:53.43V1tiJFAt0 (2/17)

※シュヴァイン君とポワソンさんはまだ付き合っていない設定です
・学園襲撃も起こっておりません

・シュヴァイン君→男 ポワソンさん→女 ルー→幼女 名無しの括弧がゆーたくんです



女「「くくっ……どうした言ってみろよ、こいつが欲しいんだろ?」」

女「そういって俺はジーンズを下げ、その黒光りする一物を妹に見せ付けた」

女「「い、いやぁ……恥ずかしいよぉ、お兄ちゃん……」」

女「妹は頬を赤らめて抵抗する、だがその双眸はしっかと俺の[ピー]を凝視していた」

女「「いいのか? ちゃんと言わないと、お兄ちゃんは何して欲しいのかわからないなぁ」」

女「体を官能的に震わせて、熱っぽい息を吐きながら太ももを擦り合わせている妹に俺は軽い悪戯を仕掛けた」

女「「だっ、めぇ……! 指じゃ、いやぁ……」更なる快感に妹は身をよじる」

女「必死に体を抑えようとする妹に対して、俺は妹の秘境……いまだ誰にも蹂躙されたことのない」

女「女体の神秘が詰まった花つぼみをその手で「っておいぃっ!?」

女「何よ、せっかくいいところだったのに」

男「何がいいところだったんですか、いやまあ否定はしませんけども」

女「シュヴァイン君も私の嬌声、もっと聞きたかったでしょう?」

男「ええ、そうですけど。ガチすぎて逆に怖かったですよ」

男「ナレーションと男女の役分けが完璧すぎて軽く勃ちました」

女「それはよかったわ」

所長「のっけから遊んでないで、仕事してくれないかな?」

女「いいじゃない、探偵なんて肩書きなんだし」



52 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:47:21.49V1tiJFAt0 (3/17)


所長「やめてよねっ!? なんでお客さんの前でそんなこと言うの!」

男「……客? どうしたんですか所長、ついに幻覚でも見え始めたんですか」

所長「違うよっ!? どうしてあからさまに仕事から逃避しようとするのっ!?」

女「ああ、もううるさいわね達磨にするわよ」

所長「やめてーっ! 達磨はトラウマなんだよ!」

男「ハハハ、所長を達磨にして、手羽先にリボンなんか付けてあげたいですね」

女「そうね、所長には赤が似合うと思うわ」

男「大丈夫、世話は俺らがしてあげますから」

女「おトイレの世話は任せといてね」

所長「」ガクブル

同僚「おい、いい加減にしとけよ、ちっちゃい子もいるんだぞ」

幼女「あはは! ゆーたっ! あのひとたち、おもしおいね!!」

「こ、こら……ルー、指差しちゃ駄目だよ」

女「あらーん? それは私たちを見ちゃいけないってことかしらん」

女「そうよねぇ、私たちなんか見てたら、悪い子になっちゃうものねぇ」

男「先輩、なんか微妙にキャラ変わってます」

「いいい、いえ、別にそういうわけじゃ、なくてですね」

所長「ふふ、きみかわいいね……仕事なんて放っといて、お茶しない?」

同僚「所長までなに言ってんだっ!? あと少年逃げてーっ!!」ガタッ!



53 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:48:07.51V1tiJFAt0 (4/17)


閑話休題。

同僚「はぁーっ……はぁーっ……」

男「ぐっ……がぁ、はっ……」

同僚「シュヴァイン……お前もまた……強敵(とも)だった……(何の仕事だったかな)」

男「ポワソンさん……俺、さきに逝ってます……(どうしてこうなったんだろ……)」

女「シュヴァイン君! お願い! しっかりしてぇっ!!(なにやってるんだっけ)」

所長「もうやだこのひとたち」

幼女「~~♪~~♪さ~いしよ~はまう~♪まう~かいて~まう~♪」ゴリゴリ

「何なんだろうこの人たち……ルーを向こうへ連れて行ったはいいけれど」

「まったく話が進まないっ……!!」

閑話休題できてないし!

ミリア「情けないのう……この程度で憔悴するとは……」

「うっ……だって仕方ないじゃないか……年上の人ばっかだし」

女「だーれが年増だってぇ!?」

「ひぃっ」

男「……うん? ちょっと待て、さっき誰と話してたんだ」

「へっ? あ……えと、これです」ジャラッ

ミリア「だっ、誰が『これ』だっ!! 貴様はわらわを愚弄する気かっ!!」

男「へえ、こいつはたまげた……喋る石なんてあるんだな」

「詳しくはぼくも分からないんですけど、ミリア……この喋ってる子の名前です」

「ミリアが言うには、ミリアは精霊でこの石に力を宿してるらしいんです」



54 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:48:53.96V1tiJFAt0 (5/17)


女「それは興味深い話ね、喋る無機物なんて私、ソーディアンしか持ってないもの」

男「えっ! 持ってるんですか!?」

女「ちなみにカルネ君の人格を写したものよ」

男「どんだけ弟を溺愛すれば気が済むんですか」

同僚「……それで? 依頼ってのはその石について?」

ミリア「わらわを石呼ばわりするなというにっ!!」

「いえ、この石のことはいいんです……それより」

ミリア「おいっ! 貴様っ!! 聞いておるのかっ!?」

「この街に、魔法学園があるの、知ってますよね?」

所長「うん、有名だからね」

男「ああそこなら俺も行ったことありますよ」

女「そうなの? で、どうだった?」

男「ええ、校長室に挨拶しに行ったら爺に光の矢放たれたんで、レールガン撃って逃げました」

「えぇぇっ!?」

女「へえ、大変だったのね。怪我なかった?」

男「かすり傷でしたけどね、背中に十文字の傷跡負わされただけでした」バサッ

女「うーん、この程度なら唾付けとけば大丈夫よ」

所長「はっはっは、シュヴァイン君はドジだなぁ」

同僚「もう駄目だ……所長はツッコミの仕事をも投げ出してしまった」



55 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:50:22.01V1tiJFAt0 (6/17)


ニ度目の閑話休題

「もう……また戻しますよ? えと、どこまで話しましたっけ」

女「私が婚約を結ぶにはどうすればいいか、ってところだったわね」

「してませんよっ!! そんな話題、欠片もしてなかったじゃないですかっ!」

男「まあ落ち着け少年、そうかっかしてもいいことないぞ」

「……腑に落ちません」

同僚「すまない、我慢してくれ」

「……はぁ、もう単刀直入に言います」

女「単刀直入って何だか卑猥ね、誰かさんの短小包茎を彷彿とさせるけど」

男「ほほほ包茎ちゃうわっ!!」

女「あら? シュヴァイン君のこと言ったんじゃないんだけど。短小は否定しないのね」

「…………ぼくが通っている魔法学園でとある事件が起こっているんです」

「その事件をあなたたちに解決してもらいたいんです」

ミリア「うむ、よく我慢したの、それでこそわらわの勇者」

男「へぇ~、仕事か~」

女「それは大変ねー」

所長「ちゃんと聞こうね」

同僚「して、その事件とは?」

「―――が、なくなるんです」

所長「えっ?」

「―――――から揚げが、無くなるんです」

「「「な、なんだってぇ~」」」

幼女「~~♪お~は~よ~お~♪か~び~はらぺこだ~♪」ゴリゴリ

男「うまっ!? なにこれほんとにカービィ!?」



56 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:51:08.55V1tiJFAt0 (7/17)


…………

――魔法学園、中庭。

男「さて……例によって俺たちの出番って訳ですけど」

女「どこから捜していこうかなー」

「奴等はいつも昼頃にやってくるんです……」ガクブル

男「まぁそうだろうな?」

女「まって、決め付けるのはまだ早いわ」

男「なっ……なにか気づいたことでもあるんですか?」

女「ふふん、当たり前じゃない……私を誰だと思っているの」

女「一度見抜いた真実は絶対に逃さないっ!! 至高にして孤高の探偵!」

女「しかしその姿は25歳彼氏無し独身の孤独な女っ……! その名はっ!」

女「だけどたまには寂しい夜もあるの、でもそんな時はワインを片手に一人優雅なときを過ごす! その正体こそが!」

女「それでもむぐっ!?」

男「長いです先輩」

女「なによぅ……せっかくいいところだって言うのに」ウルウル

男「目を潤ませても駄目です」

女「ぶー……」

男「頬を膨らませても駄目です……それに似合わあたたたたた」グリグリ

女「まだ行けるもの! 賞味期限きれてないものーっ!!!」ゴリゴリ

幼女「うー……るーのかあーげ、もうとあえないよね……?」

「うん、大丈夫だよ。あのお姉さんたちが悪い奴等をやっつけてくれるからね」

幼女「ほんと? でも、あのひとたち、あそんでばっかい……」

「そんなことないよ、あれでちゃんと悪い奴等を探してるんだよ」ニコッ

幼女「へぇっ! ねーたんたち、すおいんだねっ!!」



57 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:51:36.94V1tiJFAt0 (8/17)


男「あたたたたたたたほあたぁ」グリグリ

女「へっ!? ああ、うんそうよ、お姉さんたちにまっかせなさいっ!!」ドン

幼女「うんっ!!」

男「何も思いついてないくせに……」

女「にこにこ」

男「にこにこって口に出す人はじめほあたたああああああっ!?」グリグリグリ

女「さ、いきましょ! おー!!」

「おー」

幼女「おーっ!!」

女「シュヴァイン君、いつまで寝てるの」

男「へんじがない ただのしかばねのようだ」

「ここにお墓を立てよう」

幼女「あははっ! るーもたてうー!!」



58 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:52:09.27V1tiJFAt0 (9/17)




男(ほんとに埋められた、おもに先輩によって)パッパッ

「まぁそれはいいとしてですね、何か思いついたんですか」

ミリア(……もうすっかり慣れっこになってしもうたの)

(やぶさかではあるけどね)

女「ふふん、よく聞いてくれたわね」

男「ほんとですかぁ?」

女「ほんとよぅ……シュヴァイン君は疑り深いんだから、だから童貞って言われるのよ」

男「どどどど童貞ちゃうわっ!? あと言われてませんからねっ!?」

「あの、そういう言葉連呼するのやめてもらえませんか……」

幼女「どーてー! どーてー!」

「ああっ! ルー! やめなさいっ」

女「遅からず早からず、いずれは知ることになるのよ……」

「妙に達観して言わないでください」

男「少年、それが大人になるって言うことだ」

「ぼくらはそんな風にして大人の階段を登りたくありませんっ!!」

幼女「ち~ちよ~♪ この~なあ~い~♪ ど~て~のため~~♪」

「ああああっ!! もう違うけどそれでいいやっ!!」

ミリア(落ち着け……)

(はい)ハァハァ



59 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:52:44.53V1tiJFAt0 (10/17)


「で、そろそろ本題に戻ってくれませんかね」

男「お、少年。妙に悟ったような顔をしているな」

「ふふ、これが大人になるってことなんですね」

女「何だかキャラが変わり始めているわ……二週間耐久オナ禁に似た禁断症状の前触れね」

女「仕方ないから私の推理を聞かせてあげる」

男「先輩が珍しく真面目だっ……!」

女「茶化さないの……、まず一つ」

女「犯人はから揚げが大好物ね、ふふん」

男「……期待した俺が馬鹿でした、そんなの当たり前じゃないですか……」

女「シュヴァイン君、人の話は最後まで聞くように」

女「おかしいと思わない? 他人のから揚げをぶん取るようなふてぇ輩が」

女「から揚げが好きすぎて仕方ない輩が」

女「何故弁当を盗まないのか」

女「もう一度言うわ、おかしいと思わない?」

男「……それは確かにそうですね、おかしいですよ」

「……熱狂的に、集中的にから揚げだけを狙う犯人が」

「昼前までに弁当を奪わない理由……ですか」

女「そんなものないわよね? 好きなものなら常時口に入れておきたいもの」

「それはないですよ」

男「いや、それはないです」

女「えっ?」



60 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:53:29.69V1tiJFAt0 (11/17)


「まぁそこは一つの矛盾点ですよね」

男「おかしいとは思うが、そんな大層な点じゃないと思うぞ……」

男「……そうだな、たとえば動物か魔物の仕業で……」

「いえ、それはありません。魔法学園には賢者様自らが魔よけの結界を張っていますから」

「魔物はおろか、動物にだって入る余地はありませんよ」

男「ふむ……そうか、なら人間の仕業って言う線が大きいな」

女「そうね……他人のから揚げクンを奪って食べる、そんな悪行、ただの人間には出来ないわよ」

女「きっと心無い犯人なのね」

男「から揚げぐらいでひどい言われようですね」

幼女「かあーげ! るーのかあーげ! とあえたんだよ!!!」

男「あー、わかったわかった。俺がちゃんと犯人捕まえてやるからさ」

幼女「うんっ! やくそくだよっ!!」

男「おう、約束だ」

(なんだかんだでいい人たちっぽいよね)

ミリア(ふん、そうだといいが、の)



61 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:54:23.93V1tiJFAt0 (12/17)




「さて、あとはお昼時になるまで待つだけです」

女「そういえば、どうしてきみは授業を受けないの?」

「あぁ……えーっと」

男「そういえばのついでに。少年、消えたから揚げ事件の解決を」

男「少年が俺たちに依頼しにきたのは何故なんだ」

「それは適当です、探偵なんて事業をしているのはあなたたちのところくらいしかありませんでしたし」

女「適当なんだ……」

「……ぼくがこの事件を任されたのには……ある重要な出来事が関係してくるんです」

幼女「くぅ……くぅ……」

男「重要な……」

女「出来事……?」ゴクリ

「それは……その、大変言いづらいんですけど」

男「言いたくないことなら、言わなくてもいい」

女「そうよ、これは仕事だもの、必要以上のことを言う必要はないわ」

ミリア「…………」

「すみま……せん……」

ミリア「ええいっ!! 女々しい奴だの!」

ミリア「重要も何もあるかっ!! 要するにこやつは、このしょうもない事件を解決するため」

ミリア「多数決で責任を持たされただけのことだの!!」

男「……は?」

女「それって」

「み、みりあ~……」

ミリア「こやつは虐められておったのだよ、なんとも情けない……そんなのだからむごごご」

「…………あはは」ググッ

ミリア「むが、や、やめいそのようなところをさ、触るなどっ!! 破廉恥きわまりなもごもご」



62 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:55:08.73V1tiJFAt0 (13/17)


男「少年も、苦労しているんだな」

「そっ、そんな眼でみないでくださいっ!……下手な慰めなんて、いりませんよ」

女「泣きたいときは泣いていいのよ……」ダキッ

「へっ!? えっ!? あっ、やっ、そのっ!」アタフタ

?「お、お兄ちゃん!! こ、こんなところにいたのねっ……て」トットッ

「い、妹!? どうしてここにっ」

女「あら、妹さん?」

「ええ、そうです」

妹「…………さっき、この人がお兄ちゃんに抱きついてた……」

女「……え?」

妹「そんなのぜったいゆるせないよだっておにいちゃんはわたしのなんだものそうよねおにいちゃんさっきのはうそだよねあはははははそうよあたりまえじゃないおにいちゃんがうわきなんてするわけないものねえおにいちゃん?どうしたのおにいちゃんなんとかいってよねえねえねえねえねえ」

「お、落ち着いて妹ォ!!」ガシッ

妹「はっ!?」

妹「あ、お兄ちゃんおはよう」

「うん、おはよう。もう昼も近いけどね」

男「ア、アハハハ、少年の妹さんはとんだ寝ぼすけさんだなぁアハハハハ」

男(やべえ、めっちゃ怖かった)

女「面白い子ね」

男「面白い子で済ませられるんですね」

「で、どうしたの?」

妹「うん……それがね」



63 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:57:40.06V1tiJFAt0 (14/17)




――魔導士の研究室

「これ……は」

男「ひどい、ですね……」

女「……」

様々な棚に鎮座する液体の詰まったフラスコ、試験管

ビンの中に薬品漬けにされた生物だっている

このいつ来てもなれないような、この嫌な臭いはまさしく魔導士さんの研究室

その中心部にいつも立っている魔導士さん

だがそこにいつもの微笑は浮かんでいなかった

「どう、して……こんなことに……っ!」

ミリア「……はぁ」

女「一気に事件っぽくなってきたわね」

男「先輩……」

綺麗な赤に彩られた白衣

紅白でおめでたいなんて、冗談でも言えない

その赤に沈んでいる人物は、まごうことなく魔導士さん

近くには割れた2個のフラスコが、誰にも手を付けられずに放置されている

女「これは……ダイイングメッセージ?」

ポワソンさんが指差すは、文字通り――その名の通り、血塗られたメッセージ

男「そのようですね、……な……すーん? どういう意味なんでしょうか」



64 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:58:34.80V1tiJFAt0 (15/17)


「なすーん……ですか」

女「だけど、これはほんとにひどいわね」

女「人が一人、死ぬなんて……から揚げくんめ……!」

男「いつから犯人の名前はから揚げくんになってるんですか」

「魔導士さんっ……! クソっ! から揚げ君、こんな外道な奴だったなんて……!」

男「ああ、なんかもういいや」

ミリア「……貴様等、よく見てみろ」

「えっ?」

ミリア「これは……赤い液体だの……」

ミリア「恐らく、自作の薬を誤って使用してしまい、昏倒」

ミリア「その拍子で赤い液体をぶちまき、ダイイングメッセージを残した」

男「なるほど、この人はから揚げ君を見たって可能性もあるんですかね」

ミリア「そうなるかの、から揚げ君を偶然発見し、驚いて薬を誤用した可能性が高い」

女「なるほど……おのれから揚げ君!!!!!」

男「なるほど、先輩まったく理解してませんね」

「許すまじから揚げ君ですね」

男「少年、そろそろ現実に目を向けろ」

キャーッ!!!

ミリア「っ!? 外のようだの!」

「か、から揚げ君かなっ!?」

女「ふふ、ここであったが百年目! この私、探偵ポワソンが月に代わってお仕置きしてくれる!」

男「年齢的に無理だから負けフラあだだだだだだだだ」グリグリ



65 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:59:11.65V1tiJFAt0 (16/17)




女生徒「わ、わたしのから揚げがっ!!」

男「大丈夫かっ!?」

女「か、から揚げ君はどこにっ!?」

女生徒「お弁当食べてたら……急にわたしのから揚げが浮いて……!」

女生徒「あっちに飛んでいったんです!」

「から揚げが浮いている……?」

「まさか」

ミリア「何かわかったのかの?」

男「俺も、なんとなくだがわかった気がする」

女「もしかして……! 茄子の妖精さんっ!?」

男「先輩はもう少し、年並みな考えをしてあだだだ」

「やってる場合じゃないです! から揚げ君に逃げられてしまいますよっ!?」

ミリア「ええい、放っておけ、それより検討はついたのだろう?」

ミリア「貴様がはやく捕まえてみせぬか!」

「で、でも……」

ミリア「でもではない!! 貴様がやらずに誰がやるのだ!」

「…………」チラッ

「……オーケイ、わかったよ。やってみる」

男「おいまて少年、何故俺たちのほうを見てから決意を固めた」

「皆、離れてっ!」



66 ◆ackVh57YJ.2011/05/07(土) 23:59:52.03V1tiJFAt0 (17/17)


ぼくはシュヴァインさんの言葉を受け流し、拳サイズの結晶を作り出した

そして思い切り握りつぶす

もともと強度を弱く生成したので、それはいとも容易く砕け散り

数多の結晶片へと姿を変えた

「たぁっ――!」

それを全力で―――から揚げ君がいると思しき場所の上空へ、ばら撒いた

コツンッ

?「っ……!?」

「ポワソンさん! そこですっ!」

女「まっかせてっ!!」ブゥン

ポワソンさんはぼくの声に、はじけるように答えて飛び出した

その手に握られていたのは……一本の剣

青年『姉さん、もう少し左』

女「おっけー! よっと」ガキンッ

男「えっ!? ソーディアンって本物なのかよっ!?」

女「当たり前よ、私が今までに嘘ついたことある?」

男「いや、うーん……どうでしたっけ……」

女「信用ないわね」

?「…………ちっ、邪魔が入ったか」シュゥウ

女「さぁ、観念しなさい。大人しくお縄についてもらうわ」

徐々に、から揚げ君の姿があらわになっていく

「お前はっ……!? (茄子だ……)」

男「誰だ! 名を名乗れ! から揚げ君!(ほんとに茄子だった)」

女「……っ!?(なにあれ、私服? 茄子みたい)」

?「…………俺の名はローグ……全てのから揚げを食い尽くす男だ」

そこには

紫色の服で塗り固められた、黒髪のから揚げ君の姿があった



67 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 00:00:47.558m5zVbbi0 (1/10)



男「クソッ! どこだ!」ダッダッ

俺たちがローグというから揚げ君を逃がしてしまってから5分は経過している

はやくしないと、奴に全てのから揚げを奪われてしまう

その塗り替えようのない真実に俺は焦っていた

いや、塗り替えようはあるのだろう。俺たちが奴を捕まえれば

男「最後のガラスーをぶちやーぶれー!!」ガシャーン

生徒「な、なんだぁっ!?」

男「ま、間違えましたっ!」ガシャーンッ

男「みなれーたけーしきを蹴り出ーしてー!!」

男「世界が勝手に回転するー!」ガシャーンッ

生徒「きゃあああっ!?」

男「日常をとーびーこえー!! お邪魔しましたぁっ!」ガシャーンッ



68 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 00:01:40.828m5zVbbi0 (2/10)



女「はぁ……はぁ……やっと追い詰めたわ……から揚げ君」

ローグ「…………なかなかやるな」ギュッ

青年『姉さん、気をつけて! あいつ、まだ奥の手を隠してる』

女「ふふ、カルネ君。隠しているのは私たちも、でしょ」

ローグと名乗った茄子は黒光りする円錐状のランスを握り締め

ポワソンはそのソーディアン……カルネの人格を写したソレを強く握り締めた

女「さきに、こっちから行かせてもらうわっ! <イラプション>ッ!!」

ソーディアンが光り、ポワソンは晶術と呼ばれる魔法を使う

ローグのすぐ真下の地面が赤く赤熱し、灼熱の火炎が襲い掛かる

それは避けようのない事実であり、結果であったはずだった

だがそれは、ローグのランスでの一撃により

呆気なく消滅することになった

女「なっ……!?」

ローグ「……ふ、<グラビティ>」

女「きゃぁっ!」

青年『ぐっ……ね、姉さん!』

それは即ち……光も逃がさぬ暗黒の超←重↓力↑

虚空より降り注ぐその暗黒の超←重↓力↑は、ポワソンの体を押さえつけるのに十分なほどであった

「……っ!! ポワソンさんっ!!」

ぼくが辿りついたのは、そんな状況下のことであった

ローグ「…………」

そう、ポワソンさんが動きを封じられている時点で

ぼくに抗う術などないのだと、しかと見せ付ける形でぼくは登場した

それは幸運でもあったのだろう、無駄な足掻きをせずに済んだのだから



69 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 00:02:23.248m5zVbbi0 (3/10)





なーんて、以前のぼくなら考えてたかもね

「……その人を、離せ!!」シュウッ

大きく深呼吸して、ぼくは声帯がおかしくなるほどに力いっぱい叫んだ

ミリア「ふん……」

ミリアは満足気に鼻を鳴らし

ローグ「……小僧、やるか」

ローグは殺気を放つ

「ああ、やるよ……」

ローグ「ふん、負けるとしって抗うか」

「……オーケイ、負けようが死のうが構わないしどっちだっていい。だけどね」

口からでまかせ、死ぬことなんて怖くない、嘘

どちらも受け止められる、だけど、だけど、だけどっ!

ローグ「ならば……その身にしっかりと焼き付けるがいい」

「お前なんかに、ぼくの……ぼくらの物語を終わらせる権利なんか、ないんだっ!!」

ローグ「死の恐怖をな」

怖い怖い怖い怖い怖い怖い

だけど、死にたくないっ!!

ローグが突進してくる、だけどぼくに身軽にかわすほどの能力は、備わっていない

ならばどうするか

ローグ「っ……!」



70 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 00:03:31.688m5zVbbi0 (4/10)


ぼくはその場に瞬時に伏せ、何とかランスの突きをやり過ごす

そしてすぐさま次の動作へと移る、伏せた状態のまま両手で地面を叩き

上に伸ばすように結晶を生成、だがぼくの生成スピードなんて神速でもなければ高速にすら届かない

ローグは後ろに下がって避ける、それは必然であり運命だ

「はぁ――っ!!」ブンッ

そしてそれは

予測済みだ

生成した瞬間、足で中ほどから折った結晶を、そのまま掴んで遠心力によって撃ち出す

先の尖った結晶は直線の軌道を描いてローグの眼前へと迫った

相手は、懐に潜られるのが苦手なランス使い

そして何故かわからないが闇属性の魔法を使って、その欠点をカバーする

ローグ「<グラビティ>」

ぼくを散々舐めきっていたのだろう、ガードが追いつかずに魔法を放ち

暗黒の超←重↓力↑によってぼくの結晶は地面へと墜落

光も逃がさぬ暗黒の超←重↓力↑、万物に働く重力が相手では

流石のぼくの一噛みも通用しない

別にそれでも構わない

目的は別だ



71 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 00:04:01.768m5zVbbi0 (5/10)


ローグ「何っ――」

「捕まえ……たっ!!」パキッ

撃ち出した結晶に身を隠し、攻めよったぼくは

ローグの腕を掴むことに成功した

ランスを持った利き手は、瞬く間に結晶化し、しばらくの間だが使い物にならなくなった

「……ぼくの仕事は終わりましたよ、そろそろ出てきたらどうですかっ!?」

ぼくは両の手を使って刀身……柄、1mほどの結晶の剣を作ってほうり投げた

男「空も飛べなかった名もないヒーローは名前を手にする~!!」ガシャーンッ

女「シュヴァイン君っ!?」

青年『やれやれ……ずっと見てたんですか』

男「やるじゃないか、少年。見直したぞ」パシッ

「そりゃ、どうも」

ぼくはそういって、その場に尻餅を着いた

ローグ「……く、俺としたことが、油断した」

ローグ「だが、利き手が使えなくなったところで、お前たちを倒すことなど容易い」

男「悪いけど、その前に説教させてもらう」

男「お前は何故、他人のから揚げを盗み食いするなんてこと、したんだ」

ローグ「…………お前たちには分かるまい」



72 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 00:05:15.158m5zVbbi0 (6/10)


男「分からないかもな、だけど好きすぎるって気持ちは痛いほどわかる」

男「俺だって、友達が俺の好きなエロゲーの好きなキャラを攻略していたら」

男「そっと電源ボタンを押すだろう」

(ねーよ……)

ミリア(言うな……)

男「だけど、それで何になる?」

ローグ「何を……言っている」

男「他人の好きなものも独占して、自分だけで愛でて、何になるって言ってんだよ!!」

男「製作者さんだってな、多くの人にそのキャラを愛してもらいたいんだ!!!」

男「から揚げを作った人だって……自分が思いを込めて作った相手に食べてもらいたいだろう?」

ローグ「…………」

男「お前は今まで食べたから揚げの数を、覚えているか?」

ローグ「…………いや」

男「俺だって、いままで落としてきたヒロインの数は覚えていない」

男「だがな、そのときに消えていった俺の子供たちの気持ちと、ヒロインたちの気持ちは」

男「今もしっかりと俺の中に残ってるんだよ」

ローグ「っ……!」

男「だから……お前の食べてきたから揚げに込められた気持ちも、無駄になんかできねえよな」

ローグ「あぁっ……! あぁ……!!」

男「さぁ、来いよ。お前の気持ち、俺が確かめてやる―――ッ!」

ローグ「うお、ぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお―――ッ!」




73 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 00:06:00.498m5zVbbi0 (7/10)


…………………

男「って言う夢を見たんです」

女「……」

所長「……」

同僚「……」

所長「そうだね、シュヴァイン君、今日は非番。帰ってゆっくりしていいよ」

同僚「そうだな、それがいい。最近、ロクな仕事がなかったからな、疲れてるんだろう」

女「さーって、私も仕事あるから、行くわね。じゃあ、お大事に。シュヴァイン君」

所長「あ、もしもし、はい、探偵事務所です……依頼ですか――はい」

同僚「…………」カタカタカタ

女「いってきまーっす」

男「ちょっと!? 待ってくださいよ! 何で先輩も真面目に仕事してるんですかーっ!!!」



74 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 00:06:59.988m5zVbbi0 (8/10)

……

チュンチュンッ

「……ふふっ」

ミリア「む……どうしたのだ、気持ち悪い」

「な、そこまで言うことないんじゃないかな」

ミリア「気持ち悪いものは気持ち悪いのだ。何か変な夢でも見たのかの」

ガチャッ

幼女「ゆーたーっ!! おっはおー!!!」ボスンッ

「ぐふっ!?」

「お、おはよう、ルー……」

幼女「ごはんだよっ!! きょおもげんきに がっこういこーっ!!」

「うん、そうだね」

ミリア(……? 今日はやけに乗り気ではないか)

(ふふ、ちょっとね……)

幼女「えへへっ!!」ナデナデ

その日見た夢は、とてもハチャメチャで

突っ込みどころ満載の

ズタボロのコメディだったけど

ぼくには、ぼくにとっては、充実した夢だった

きっと、あの人たちとぼくらが出会っていた世界もあるのだろう

そのときはまた、仲良くしてください。ぼくの、友達



75 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 00:10:37.768m5zVbbi0 (9/10)

終わった!
凄いごっちゃごちゃでしたけど、楽しかったです
強制終了させなきゃもっとひどいことになってかもしれません

◆Oamxnad08kさん、今回はありがとうございました。また機会があれば是非!!




76 ◆Oamxnad08k2011/05/08(日) 00:15:10.01Mrrduq7AO (1/1)

お疲れさまでした

まさかのオチwwww
真のヒロインはから揚げだったんですね!


77VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/08(日) 00:34:36.028V5wXpZDO (1/2)

読む人向け目次

女「ねえ、ちょっと」http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1295/12954/1295445894.html
×
幼女「ゆーたっ!」「ぼくは魔法使いだよ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304091994

>>8-49(書き手:探偵の人)

>>51-75(書き手:ゆーたの人)


78VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/08(日) 00:35:41.228V5wXpZDO (2/2)

二人ともお疲れさまでした。楽しかったです。


79VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県)2011/05/08(日) 01:05:04.14p9sceXT00 (1/1)

これは、乙と、言わざるを、得ない!

それとからあげ。


80 ◆ackVh57YJ.2011/05/08(日) 08:26:14.628m5zVbbi0 (10/10)

>>77
ああ、目次忘れてました、ありがとうございます


81VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/05/08(日) 08:54:16.40KB4HERDAo (1/1)

乙!


82VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)2011/05/09(月) 22:43:56.18YwW0P7rjo (1/1)

ただいま、当スレッドでは参加者を募集しています。
と言うか、常に募集しています。

「やってやるぜ!」と言う豪気な方はテンプレを参考にスレに魂を込めて書き込みをお願いします。

■現在の参加希望者リストは

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304490718/

の>>100を参照となっております。


83VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/05/13(金) 23:44:33.23Z+pjCBGWo (1/1)

幼女「メイドひろった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305294466/

幼女「そこのおとこ!ちょっとやらせなさい!」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1297/12977/1297775355.html

×

勇者「惚れた」魔王「え」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300755911/

のクロス始めました。
長くなりそうなのでさらにスレ増やしちゃったけど、しっかり更新しますのでよろしくお願いします。


84 ◆rHuwTJzOS62011/05/27(金) 22:43:49.02zAhIneI10 (1/1)

自分、◆rHuwTJzOS6が執筆中のSS
勇者「惚れた」魔王「え」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300755911/

◆t7gfNpKsyEさんの完結済SS
幼女「そこのおとこ!ちょっとやらせなさい!」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1297/12977/1297775355.html

で、クロスSS始めました。

長さとか色々な事情で、新スレ立てちゃいました。
新スレは、

【幼女と閻魔と男と】勇者「惚れた」魔王「え」番外編【クロス】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306502164/

です。


85◇Oamxnad08k2011/05/28(土) 17:24:14.74mM0rNWJAO (1/7)

勝手にクロス

女「ねえ、ちょっと」を書いてるただの馬鹿ですこんにちは
現、幼女「メイドひろった」スレの幼女さん達を勝手に借りました
ほんとすいませんすいませんでも先っぽだけでも!


86◇Oamxnad08k2011/05/28(土) 17:28:59.34mM0rNWJAO (2/7)

幼女「ドンドンパフパフドンパフ」

幼女2「たんていじむしょさいねんしょうのコムギと」

幼女「男のよめ、幼女の」

幼女二人「ようじょトーク!!」

幼女2「さあはじまりましたようじょトーク」

幼女「ラジオでもないし、いったい誰に向かって話してるのかぎもんだな」

幼女2「それはいってはだめだとおもいます」


87◇Oamxnad08k2011/05/28(土) 17:34:10.71mM0rNWJAO (3/7)

幼女2「ところでようじょ(と書いてありす)ちゃん」

幼女「どうした」

幼女2「どうしておとこ(と書いて零一)さんのおうちにいるんですか?」

幼女「愛してるからだ」

幼女2「あいってすごいですね!いつもおとこさんとなにしてすごしてるんですか?」

幼女「毎ばん男とあんなことやこんなことをしているな」

幼女2「よくわからないですがたのしそうですね!」

幼女「そうだろう」

男「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁ!!」

幼女「おお男」

幼女2「ひゃあ!?」


88◇Oamxnad08k2011/05/28(土) 17:37:44.03mM0rNWJAO (4/7)

男「一体何を吹き込んでいるんだお前はっ!」

幼女「何って、事実をだ」

男「事実じゃねえよ!どこが事実なんだっ!」

幼女「愛だけが、真実」

男「なんかカッコいいこと言ってるんじゃねえよ!」

幼女2「えっと……」

男「ああ、すまなかったな。うちの幼女が…」

幼女「うちの!うちのってことはよめ認定か!」

男「喧しいわっ!どう考えたらそうなるんだ!」


89◇Oamxnad08k2011/05/28(土) 17:44:00.52mM0rNWJAO (5/7)

男「とにかく探したんだぞ」

幼女「探して…くれたのか…」テレッ

男「べ、べつに心配だったからで」

幼女「ツンデレ化してるぞ」

幼女2「おふたりとも、とてもなかよしですね」

男「そうか?」

幼女「そうだろう!男と二人なら何もこわくない」

男「むしろこっちが怖いです」

幼女2「そうなんですか」


90◇Oamxnad08k2011/05/28(土) 17:48:18.18mM0rNWJAO (6/7)

男「もうじき暗くなってくるから帰らないと」

幼女2「そうですね」

幼女「そして暗い中でいんらんを!」

男「しないからな」

幼女「しょぼん」

幼女2「じゃあ、あたしはさきにかえります」

幼女「気をつけてな」

幼女2「ありがとう」

幼女2「ああそれから」クル

男「ん?」

幼女2「うわきちょうさはぜひたんていじむしょに」ニコ

幼女「ふふ、分かっているじゃないか」ニヤ

男「もうお前らなんなの?」


91◇Oamxnad08k2011/05/28(土) 17:48:54.48mM0rNWJAO (7/7)

おしまい。
やっぱり自分はロリコンだった。


92なすーん [なすーん] なすーん ()

                     __        、]l./⌒ヽ、 `ヽ、     ,r'7'"´Z__
                      `ヽ `ヽ、-v‐'`ヾミ| |/三ミヽ   `iーr=<    ─フ
                     <   /´  r'´   `   ` \  `| ノ     ∠_
                     `ヽ、__//  /   |/| ヽ __\ \ヽ  |く   ___彡'′
                      ``ー//   |_i,|-‐| l ゙、ヽ `ヽ-、|!  | `ヽ=='´
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