478VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 20:22:39.2487mUHiYAO (1/1)

>>474
懐かしいwwwwww
あの人もう書かないのかなぁ

>>1乙!


479VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 21:06:48.71HOR/2ioSO (1/1)

俺達の見ている召喚士一行は、下の世界の住人で
人助けしている一行は、上の世界の住人
ライフコッドで上と下の召喚士合体イベントがあるはず


480VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 21:21:09.84E2hlaUof0 (1/1)

あの人今年になってみてないな
でも雰囲気似ててどっちも好きだ


481VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 21:51:33.24eVEbviQDO (1/1)

徐々に内通者が特定されていくのがおもしろいな
今回のでもかなりわかるし
予想はよしますが


482VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 00:00:28.72W46fzUiTo (1/30)

凄い雪……明日大丈夫かな……

>>474-480
ごめんなさい。元ネタ全然分からない…
禁書も読んでないので同じく…
やっぱりみんな、考える事は一緒なんですねぇ
女記者は残念ですが……反省

>>481
ありがとうございます!ミスリードにご注意を…ふふふ。なんて

とりあえずオマケだけ…おやすみなさい!ノシ


483やべ…日付変わっちゃった……2011/02/15(火) 00:01:39.29W46fzUiTo (2/30)

~オマケ~

テクテクテク

メイド「殿下っ」

皇太子「ん、どうした?」

メイド「あ、あの……これをっ!」

召使い「あっ!ずるーい!私もーっ!」

皇太子「……おぉ、そうかそうか。今日はバレンタインデーであったか」

令嬢「あーら、殿下」

皇太子「これは、見目麗しく……」

令嬢「これ、余ってしまったので……宜しければどうぞっ」

皇太子「おや、私にですか?これはありがたい」

令嬢「べっ、別に貴方の為なんかじゃないんだからっ!」

タッタッタッタッタ

皇太子「……」

テクテクテクテク…カチャッ…パタン


484 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 00:02:35.86W46fzUiTo (3/30)

皇太子「……ふー」

ドサドサドサッ

皇太子「今年は外征に演説に、頑張ったからなぁ」

ヒョイヒョイヒョイッ

皇太子「さて、いただきま――」

ガチャッ

皇太子「…………」

エリート「……あっ、失礼しました」

皇太子「……構わん」

エリート「……あのこれ、良かったらどうぞ」

皇太子「ははっ、まさか君にそっちの気があったとはね……」

エリート「違います!貰った物です。こんなには食べ切れませんのでどうぞ!」

皇太子「……い、いいのか?こんなに沢山貰ってしまって」

エリート「ちゃんと歯は磨いて下さいね。では」

皇太子「……よし、来年も頑張るぞ」


485VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 00:03:19.17W46fzUiTo (4/30)

~オマケ2~

名代「何でしょうか…?」

帝「本国には『ばれんたいんでー』なるものがあるそうだな」

名代「……はぁ」

帝「我が国でも導入してみてはどうか?」

名代「何故です?全く魅力を感じませんが……」

帝「莫迦者っ!交易を開いたのだ、これからは多様な文化が流れてくるのだぞ!?」

名代「上様、お言葉ですが……」

帝「郷に入りては郷に従え――」

名代「ただ、ちょこれーとを食べたいだけなのでは?」

帝「従え……と……」

名代「ちなみにあの行事、女子が殿方にあげるものですぞ?」

帝「した……したが……し……」

名代「では、失礼します」

帝「し……おかし……ちょこ……」


486VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 00:04:00.29W46fzUiTo (5/30)

~オマケ3~

魔道士「召喚士さんっ!」

召喚士「は、はいっ」

魔道士「今日は何の日だか……知ってます?」

召喚士「えっと……バレンタインデーですか?」

魔道士「ピンポーンですっ!正解~っ!」

召喚士「ど、どうも」

魔道士「そして、召喚士さんの為に手作りチョコを作っちゃいましたっ///」

召喚士「えっ!?お、俺に……ですか!?」

魔道士「はいっ!食べて…くれます?」

召喚士「もちろんです!喜んで……!!」

魔道士「良かった~っ。作りすぎちゃって断られるかと思っちゃったぁ」

召喚士「まさか、断りませんよ――」

ドンッ!!

魔道士「はいっ!」


487VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 00:04:47.82DCPb5TaVo (1/1)

乙!

別の作者のSSで女記者のファンタジー物があってね
それの印象が強かったからだと思うよ


にしても、やっぱ皆ファンタジー物のSS好きなんだなぁww


488VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 00:05:00.46W46fzUiTo (6/30)

召喚士「…………」

魔道士「今年は気合入れて……等身大コカトリスチョコです///」

召喚士「…………」

魔道士「氷魔法で冷やしてあるので…しばらく解けませんから……」

召喚士「……えっと」

魔道士「食べて……下さいっ///」

召喚士「……い、いただきます」

魔道士「どうぞ!えへへっ!!」

モグモグ…パクパク

魔道士「どうです!?美味しいですかっ!?」

召喚士「ええ、とても……っ」

魔道士「もうっ、全部食べちゃって構いませんよっ!えへへ!」

~1時間後~

戦士「……何してんの?」

召喚士「……うっぷ。あと半分……半分……」


489VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 00:05:43.89W46fzUiTo (7/30)

~オマケ4~

南方参謀「いい、あんた達!今日はイベントデーだからしっかりね!」

青年子「何故……まだ働いてるのだろうか……」

召喚子「……うぅっ」

南方参謀「ほらっ、お客様が来たわよっ!いらっしゃいませ~っ」

東方司令「……」

南方参謀「あら、常連じゃない。今日はバレンタイニベントよぉ~?」

東方司令「……そ、そうなのか!?いやぁ、ボク…ラッキーだなぁ!」

青年子(絶対知ってた……)

召喚士(間違いなく知ってた……)

南方参謀「今日はお店のコから、特別に……」

青年子「はい、ど…どうぞ」

召喚子「受け取って…頂けますか?」

東方司令「……」

ブシューッ!!…バターンッ!!

南方参謀「きゃあ!チョコ食べてないのに鼻血噴いて倒れたわっ!ドクター呼んでー!」


490VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 00:14:28.72TW+gBg020 (1/2)


      γ⌒) )) もらいすぎて食べきれないお
      / ⊃__
   〃/ / ⌒  ⌒\
  γ⌒)( ⌒)  (⌒) \ ∩⌒)
 / _ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ
(  <|  |   |r┬(    / / ))
( \ ヽ \ _`ー‐'  /( ⌒)
               / /



491VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 00:16:54.72TW+gBg020 (2/2)


                     /´ ̄ ̄ ̄  ̄ ヽ
                    /           \
                       /:::::             \
 _______ +      /:::::::::                 ヽ
 |i:¨ ̄ ,、    ̄¨.: i       |:::::::::::                    |
 |i: /ヘ:\     :i|     _ |::.:. : :     ,,ノ:..:ヾ、       |
 .|i:〈`_、/´_`>.、  :i| ,.r:;'三ヽ:: :: . ー'"´   ,,、  ー‐‐,,     /`、
  |ii~~'、;'´`,'~,;~~~~:i|;イ:;:":::::::::::\;;。(ー一)   (ー一)。;:;:. /::::: ヽ
  |i`::;:':::::;::;:'::::::::::;.:i|`。⌒/7, -──~ 、(___人___,)"⌒;;::/::|:::::〆::\
  |i::::::;:':::::::::::::::::::::::i| ::::://,::::..    " ニニヽ、⌒ij~";_ ィ /:::::::|:::::〃::: : ヽ
─|`ー=====一 | ::::::|_|;;、:::.__y-ニニ'ー-ァ ゚‐─'───┴────── ‐
::::::`ー―――‐一´ ̄~   ̄       ̄



492VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 01:47:07.54mZ2AVjEIo (1/1)

>>491
  あの……落としものですよ?

         .∧__,,∧
        (´・ω・`)
         (つ夢と)
         `u―u´

  あなたのすぐ後ろに落ちていましたよ?



493VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 09:05:11.35lmAtnbADO (1/1)

それは人の手に触れれば消えてしまう、一片の雪にも似た清らかな輝きを放つのであった

         .∧__,,∧
        (´@ω@`)
         (つ儚と )
         `u―u´


494VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 09:22:00.175gObABNAO (1/1)

他のSSの話題とか出すなよ
作者だっていい気分しないだろ


495VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 09:44:08.91O5pkgkIIO (1/1)

別にここの女記者とは似てもにつかんだろ

昔、女記者って名前の主人公が
ナイフ一本でドラゴン倒したりして取材で活躍する

そんなSSがあっただけじゃん


496VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 09:47:35.78QT63fAPTo (1/1)

他のSSの話題出す

作者が興味引かれる

そのSS読む

書く時間削られる

投下が少なくなる

俺達涙目

かも?


497VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 09:50:10.092qMwmjXDO (1/2)

まあ違う作者のSSの話はよそでやったほうがいいよ


498VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 16:29:54.27hAivTJbDO (1/1)

控えればいいと思うんですがタイトルだけでも教えてくだしあ(>_<)


499VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 16:36:27.80WagI+PZ3o (1/1)

いい加減空気読めない自己主張ちゃんはスルーしろよ


500VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 17:34:20.32BoEQwxiAO (1/1)

>>498
ググれカス


501VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 19:00:19.092qMwmjXDO (2/2)

復活したみたいだねえ


502VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 21:58:34.17P8H7AkwAO (1/1)

今月は復活早かったな


503 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:04:16.08W46fzUiTo (8/30)

~受付~

タッタッタッタ

記者「朱雀先生!!」

召喚士「記者さん、お忙しいところすみません」

記者「いえいえ!どうしました!?また何かお話下さるとか…?」

召喚士「いや、えっとですね……」

戦士「昨日、取材の時に言ってた人助けの件なんだが…」

記者「人助け?あぁ、それがどうかしましたか?」

召喚士「どうも腑に落ちないんですよね」

記者「どういう意味でしょう?」

召喚士「確かに各地を旅していますが、感謝される程の事は――」

コツコツコツコツ…

受付嬢「……」

記者「ここではなんですから、場所を変えましょう」

召喚士「え、ええ…っ」


504 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:04:52.73W46fzUiTo (9/30)

~喫茶店~

記者「……成程。身に覚えがない……と?」

召喚士「ええ」

記者「しかしおかしいですね、取材では確かに朱雀先生方だと……」

魔道士「何か、似たようなパーティーと間違えたりしてるのでは?」

記者「似たようなパーティー。いますかね…?」

盗賊「…さぁ」

召喚士「宜しければ、どこでそのお話を聞いたのか教えて頂けませんか?」

記者「ええ。確か、北の街で取材しましたね」

魔道士「北の街……」

記者「はい。旅の商人や地元の名士やらですね」

召喚士「なるほど…。ちなみに取材はいつ頃に?」

記者「結構最近の話ですよ」

戦士「ふぅん」

召喚士「……」


505 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:05:27.07W46fzUiTo (10/30)



召喚士「すみません。色々とありがとうございました」

記者「いえいえ!」

戦士「それじゃ北の街に行ってみるか?」

魔道士「そうですね。ちょっと気になりますしね…」

召喚士「ええ」

記者「また、いい話があったら聞かせて下さい!」

召喚士「は、はい」

記者「今、記事も纏めて…近々掲載出来ると思いますので!」

召喚士「ど、どうも」

魔道士「それでは、失礼しますっ」

盗賊「…では」

記者「ええ!お気を付けて!!」

召喚士「記者さんも頑張って下さい」

記者「やははっ!ありがとうございます!!」


506 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:07:13.69W46fzUiTo (11/30)

テクテクテクテク

戦士「それじゃ北の街まで真っ直ぐ行くか」

召喚士「そうだね」

戦士「しっかし、改めて考えると…なんつーか……」

魔道士「何がですか?」

戦士「いやだってよ、自分が新聞に載るんだぜ?」

召喚士「でも普段、新聞読んでないよね?」

戦士「いや…そうだけどよ、想像つくか?」

盗賊「……つかんな。お尋ね者なら分かるが」

戦士「お前だって盗賊だったろうが!」

魔道士「確かに不思議な感じですよねぇ」

召喚士「ええ。まぁ、まだ載ったわけではないので…何とも言えませんけどね」

魔道士「楽しみに待ってましょう!」

盗賊「……楽しみじゃない」

召喚士「…は、ははっ」


507 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:08:49.29W46fzUiTo (12/30)

~北の街~

戦士「まずはどこから当たる?」

召喚士「もちろん基本は……」

戦士「酒場だな」

召喚士「ついでに商業地区も当たってみようか」

戦士「高級住宅街もだな」

召喚士「じゃあ地下闘技場や港もだな」

盗賊「…多すぎるな」

戦士「手分けして当たるとするか」

魔道士「あっ、じゃあ私…地下闘技場行ってみます!」

戦士「……」

魔道士「な、何ですか…っ?」

戦士「いや、別に……」

召喚士「それじゃ手分けして聞き込みしましょう。2時間後に時計台集合で」

盗賊「……了解」


508 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:09:19.70W46fzUiTo (13/30)

~住宅街~

召喚士「…大きな屋敷ばかりだなぁ」

テクテクテク

召喚士「あの、すみません」

セレブ「はい?」

召喚士「この辺りで名士の方はいらっしゃいますか?」

セレブ「名士ねぇ。ほとんどが別荘だしなぁ」

召喚士「そうですか」

セレブ「そこの丘を上がった所に、由緒ある家柄の名士が住んでるよ」

召喚士「ありがとうございます」

テクテクテク

召喚士「あそこか。行ってみよう」

テクテクテク…ザッザッ

小高い丘を登っていくと、赤い屋根の一際大きな家が見えてくる。

召喚士「…あれかぁ、でか……っ」


509 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:10:15.99W46fzUiTo (14/30)

コンコン

従者「……はい」

召喚士「あの、ワーカーの者ですが」

カチャッ

従者「……何でしょうか」

召喚士「こちらのご主人はいらっしゃいますか?」

従者「……何でしょうか」

召喚士「えっと、少しお伺いしたい事がありまして」

従者「……何でしょうか」

召喚士「……以前、朱雀先生に窮地を救われたと伺いまして」

従者「……それで?」

召喚士「その話を伺いたいのです」

従者「……お待ちを」

召喚士「……」

従者は一度、玄関の扉を閉め、しばらくの後、再び顔を出す。


510 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:11:56.90W46fzUiTo (15/30)

カチャッ

従者「……どうぞ」

召喚士「失礼します」

スタスタスタ

従者「……ここでお待ち下さい」

召喚士「……」

従者「……どうぞ、お掛け下さい」

召喚士「はい」

スッ

正面に下ろされたカーテンのような布。うっすらと透けて奥が見える。

するとそこへは、一つの人影らしきものが着座をした。

従者「……主人であられる、名士様です」

そう言うと従者は、脇よりカーテンの向こう側へと移動する。

召喚士「……?」

何か小声でやりとりが交わされ、従者が再び召喚士の下へと姿を見せた。


511 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:14:20.83W46fzUiTo (16/30)

召喚士「では、先日…本国からの帰路で魔物に襲われて……」

従者「……助けられた、という事のようです」

召喚士「それが、朱雀先生だったと…?」

従者「……そのようです」

召喚士「……」

従者「……以上で、宜しいでしょうか?」

召喚士「あの、最後に一つ」

従者「……何でしょうか?」

召喚士「私の顔に、見覚えはありますか?」

従者「……?」

ススッ…スタスタスタ

従者「……分からない、との事です」

召喚士「あちら側からは一応、見えているのですね。安心しました」

従者「……」

召喚士「それでは失礼致します。どうもありがとうございました」


512 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:15:35.71W46fzUiTo (17/30)



召喚士「では、お手間を掛けました」

従者「……いえ」

召喚士「名士さんは、人前にお姿を見せないので?」

従者「……はい。それが何か」

召喚士「い、いえ……では…っ」

テクテクテクテク

従者「……」

召喚士「…不思議な人もいるもんだ」

テクテクテク

召喚士(でもこれで、何となく俺達じゃないって気がしてきた)

テクテクテク

召喚士(あんな方なら一度居合わせば、忘れるはずがない)

テクテクテク…ザッ

召喚士「…あとは…他の情報次第、か」


513 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:16:23.25W46fzUiTo (18/30)

~商業地区~

戦士「……えぇと」

テクテクテク

戦士「うおっす」

武器屋「どうだい、ウチの武器は?」

戦士「まぁまぁだな。それより聞きたい事があるんだが」

武器屋「何だよ、客じゃねーのか」

戦士「まぁ聞いてくれ。朱雀先生って知ってるかい?」

武器屋「朱雀……あぁ、最近北で名を挙げてるっつーワーカーか」

戦士「……」

武器屋「何でもすげぇ召喚士なんだろ?」

戦士「あ、ああ」

武器屋「それによ、パーティー仲間も全員が一流だって話じゃねぇか」

戦士「……噂になってんのか?」

武器屋「ああ。最近よく耳にするからな」


514 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:17:55.07W46fzUiTo (19/30)

戦士「……ほぉ」

武器屋「この前もそこの角にある道具屋のジーサンが助けられたって……」

戦士「サンキュ!」

武器屋「あっ、おい!ほんとに何も買わねーのかよっ!?」

タッタッタッタ…ズザッ

戦士「……ういっす」

道具屋「いらっしゃい」

戦士「え…っと、悪いな。客じゃないんだ」

道具屋「はて、何でしょう?」

戦士「この前、朱雀先生に助けられたんだって?」

道具屋「おぉ、確かに助けられたわい!」

戦士「どんな奴だった?」

道具屋「どんなって……とにかく大きな鳥型の召喚獣を駆使して……」

戦士「コカトリス……!?」

道具屋「あ、そうそう。他にも仲間がおったなぁ」


515 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:21:10.85W46fzUiTo (20/30)

戦士「三人か?」

道具屋「そうじゃよ。よく知っておるな」

戦士「……」

道具屋「朱雀先生にファイターが男で……」

戦士「他二人が女か?」

道具屋「そうじゃそうじゃ。魔道士にもう一人はシーフかのぉ……」

戦士(……どういう事だ…?)

道具屋「とにかく、危ない所を助けて貰ったわい」

戦士「場所は?」

道具屋「…?」

戦士「助けて貰った場所は?」

道具屋「この街より北の、西方側に程近い所じゃ」

戦士「……ふぅん」

道具屋「な、何か…あったのかの?」

戦士「いやいやいいんだ、サンキュ!」


516 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:22:21.79W46fzUiTo (21/30)



戦士「…どういう事だ?」

スタスタスタ

戦士(聞いた感じ、全く俺達じゃねぇか……)

スタスタスタ

戦士(だが、俺らはそんな所へ行った記憶はねぇ)

スタスタスタ

戦士「……う~ん」

タッタッタッタッタ

魔道士「戦士さーん!」

戦士「おう、そっちはどうだった?」

魔道士「地下闘技場でも噂になってましたよ!」

戦士「情報は?」

魔道士「目撃者はいないみたいです。でも、街では結構噂になってるみたい」

戦士「……何なんだ一体…っ」


517 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:23:35.87W46fzUiTo (22/30)

~港~

盗賊「……」

トボトボトボ

盗賊(……声、かけ辛い)

トボトボ…

チンピラ「いよぉネーチャン。葬式帰りかい?」

盗賊「……私服だ」

ヤンキー「ふぅん。なんなら俺っちが流行の服でも買ってやるぜ?」

盗賊「…無用」

チンピラ「じゃあよ、どっか遊びに行こうぜ~?」

盗賊「…行かない」

ヤンキー「冷たいねぇ……」

ガッ

ヤンキー「黙ってついてくりいいんだよっ」

盗賊「……はぁ」


518 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:25:05.11W46fzUiTo (23/30)

グググッ

チンピラ「……ヘッヘ!大人しくしてりゃあ痛い目見ないって!」

ググググッ

ヤンキー「……っ!!」

盗賊「……」

チンピラ「おい、早く連れてけよ」

ヤンキー「ぐ……うぅ!!」

盗賊「…離さんと…このまま手首折るぞ」

パッ…ドサッ

チンピラ「へ……へっ?」

ヤンキー「……くっ!!」

タタッ

チンピラ「お、おいっ!?」

タタッ…タッタッタッタッタ…

盗賊「……」


519 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:27:25.98W46fzUiTo (24/30)

――「いやぁ、流石だねぇ。ハッハ!」

盗賊「……!?」

ザッザッザ

ジュニア「よっ!」

盗賊「……ジュニア…さん」

ジュニア「さん付けしなくていいよ。今日は一人か?」

盗賊「…まぁ。後で合流するけど」

ジュニア「そうか。まーた何か、厄介事に巻き込まれてるのかな?」

スッ…ツツーッ

ジュニア「そんな険しい顔してっと、カワイイお顔が台無しよん?ハッハ!」

盗賊「……顎をなぞるな」

ジュニア「……ハッハ!俺も手首へし折られちゃあ敵わんからな!」

盗賊「……」

ジュニア「どうだ最近は?頑張ってんのか?」

盗賊「……」


520 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:28:16.88W46fzUiTo (25/30)



ジュニア「ふぅん。なるほどねぇ」

盗賊「……」

ジュニア「別にいいんでないの?良い評判なんだしさ」

盗賊「…しかし、手柄を奪うのは…気が引ける」

ジュニア「……そういやぁ」

盗賊「…?」

ジュニア「西国が北の侵攻にお熱らしいぞ」

盗賊「…北?」

ジュニア「何でも、西高原国の跡地を城砦にするとかで」

盗賊「……」

ジュニア「この辺りのワーカーは、大体そこだろうなぁ」

盗賊「…なるほど」

ジュニア「もしかしたら、何か聞けるかもしれないぜ?」

盗賊「……ありがとう」


521 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:29:00.21W46fzUiTo (26/30)



ジュニア「んじゃ、またな」

盗賊「…会わないのか?」

ジュニア「ああ。ヨロシク言っておいてくれ」

盗賊「……」

ジュニア「悪いな。今はそんな気分じゃねーんだわ……ハッハ」

盗賊「…そうか」

ジュニア「俺は鉱山の町にいる。何かあれば、声をかけてくれや!」

盗賊「……うん」

ジュニア「デートのお誘いも大歓迎だぜ?ハッハ!!」

盗賊「……」

ジュニア「そんじゃな」

盗賊「…ありがとう」

ザッ…テクテクテクテク…

盗賊「……」


522 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:30:01.78W46fzUiTo (27/30)

~時計台~

戦士「おっ、来た来た」

魔道士「どうでしたかっ!?」

召喚士「一応、情報は手に入りましたよ。そちらは?」

魔道士「こっちも少しですねぇ」

戦士「あとは……お、帰ってきたか!」

テクテクテク

盗賊「…お待たせ」

召喚士「さて、ひとまず情報を整理しましょうか」

戦士「時間も時間だし、飯でも食いがてらにすっか!」

魔道士「そうしましょう!」

召喚士「それじゃ移動しましょうか」

盗賊「……ああ」

戦士「この前の所でいいよな?」

魔道士「はいっ!」


523 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:31:04.50W46fzUiTo (28/30)

~食事処~

戦士「んで、得た情報は?」

魔道士「私は大した情報も特に……」

召喚士「そうですか…」

魔道士「ただ、街でも何だか…噂にはなっているようです」

戦士「て事は、かなり活発的に動いてるって事だよな」

召喚士「やっぱり俺らじゃない可能性が高いね……」

戦士「俺の方は助けて貰ったって言う道具屋のジーサンに会ったぞ」

召喚士「どうだった?」

戦士「あった事もねぇし、やっぱり俺らじゃない線が強いと感じたな」

盗賊「……」

戦士「だが、腑に落ちねぇのは助けたワーカーの連中だ」

魔道士「何かあったんですか?」

戦士「特徴が俺らと完全に一致してんだよ」

召喚士「……?」


524 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:31:56.06W46fzUiTo (29/30)

戦士「男二人と女二人のパーティーで……」

盗賊「……」

戦士「でかい鳥を召喚する召喚士に、ファイタータイプの男……」

魔道士「……!?」

戦士「更には女魔道士とシーフタイプの女ときたもんだ」

召喚士「それって…完全に俺らじゃ……」

戦士「そうなんだよ。そこが不思議でしょうがねぇ」

魔道士「一体、何なんでしょうね…っ」

戦士「さぁな。んで、召喚士は?」

召喚士「おそらく記者さんが言っていた地元の名士に会ってきたよ」

盗賊「…それで?」

召喚士「本国から帰ってくる時、魔物に襲われて……」

戦士「助けられたと?」

召喚士「うん。しかもつい最近の話だって」

魔道士「……記憶に…ないですねぇ」


525 ◆1otsuV0WFc2011/02/15(火) 23:33:49.50W46fzUiTo (30/30)

戦士「……盗賊は?」

盗賊「…ジュニアに会った」

召喚士「えっ!?」

盗賊「…ただ、すぐ船で鉱山へ戻ったけどな」

戦士「んだよ、顔くらい見せてくれりゃいいのによ」

魔道士「ほんとですよねぇ」

盗賊「…ジュニアが言うには、北が活発だそうだ」

召喚士「北ですか?」

盗賊「…西国が西高原国に…拠点を築くらしいぞ」

戦士「ジーサンが助けられたってのも確か…西方寄りだって言ってたな」

召喚士「……」

魔道士「もしかして……」

召喚士「ええ、そこに何か、ヒントがあるのかもしれませんね」

戦士「…そうと分かりゃあ」

盗賊「……行くしかないな」


526 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 00:17:55.23XGAlkqiDo (1/1)

>>490-493
なんてこった…

>>494-500
まぁ構いませんけど、全然話題についていけないです…
漫画かアニメかゲームなら…何とか…

>>501-502
みたいですね!油断してましたww

てなわけで、おやすみなさい!ご支援感謝!ノシ

~オマケ~

幼女「はいっ!二人で作ったのー!」

剣士「ボクにかい!?ありがとうー!」

弓使い「……」

剣士「な、なにっ?」

弓使い「食べてみて……あ…」

剣士「…?」

弓使い「食べてみて!あ、あなたっ!」

剣士「!!」

弓使い「いいから、早く食べなさーいっ!」

幼女「えへへへ~」


527VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 00:37:52.49GRyMfx6AO (1/2)

>>1おつ

偽勇者PTとかダイの大冒険みたいだな


528VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 00:46:47.74ZhCGO1dBo (1/1)

セレブがセフレに見えた死にたい


529VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 01:20:03.02FZXvyEsro (1/1)

1おつおつ

女記者SSはこのスレからお勧めされたような気もするが

>>527
最終戦で“偽物の”偽勇者PTになるんですね
まぁこっちは初めから正義サイドか


530VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 02:43:51.36Cvc7mLi10 (1/1)

スレチって分かってるけどあの人には戻ってきて欲しいな
でも後半はアンチが凄く沸いて凹んでたから無理かな


531VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 04:45:31.78wntkwk+So (1/1)

1乙
いつも楽しませてもらってるよ


532VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 08:39:44.41HVbn/RgAO (1/1)

>>1乙

最近魔導師ちゃんを直視できない…いつからそんなに召還士方面へいってしまったんだ…
俺へのチョコレートはどこへ…
ああ、もう何もわからないこうなりゃもう左翼が勝っちゃえ


533VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 10:07:24.01vEmM/NjDO (1/2)

まぁどうしましょう





スタコラ


534VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 10:40:21.33rwXuZE5E0 (1/1)

スレチって前置きしてレスする奴なんなの?


535VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 12:06:11.69294+nBTDO (1/1)

>>529
されてた
こういうのもおもしろかったから読んでみ程度のは今までもあった
宣伝じゃないんだからそれに向けて過剰に反応しているやつがどうなのかって話
スルーしとけば良い話なのに突っ込むオレかっこいいみたいなのが増えてるよな
自分もss書くけど似た傾向の紹介されると参考になって嫌な思いはしないけど
だいたいssのスレが荒れる原因ってスルーできない古参が原因ってのが大半だしな



536VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 12:21:43.57tzaPJMhM0 (1/1)

1乙
偽というより、勝手にまわりが勘違いしてるだけかな?



537VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 12:35:01.51bVpvPkIGo (1/1)

古参()とかどうでもいいけどうざいもんはうざいそれだけ


538VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 12:42:42.688/GCZxkIO (1/2)

のんびり一の投下をまとうぜ

女記者のもにょもにょランキングを早々に期待した私はもう歪んてる


539VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 15:33:20.57krxPW8ODO (1/1)

>>535
反応する奴がいるからやめようって話なんだよ
こういう話している時点で俺もお前も同類なんだよ
この話は終わりにしてだまって続き待とうぜ


540VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 17:41:06.62x2Nmxbjao (1/1)

↓>>1登場


541VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 17:53:32.55zi+oI97No (1/1)

     |┃三  
     |┃          / ̄ ̄`ヽ :
     |┃         /. i /ヘ\ヽ\:
 ガラッ. |┃        ;| ! |/__.xト、L,_ ト}: な…
     |┃        ; |!ヘ cモリ  lモ!oV   なんなんですか?
     |┃三      ;| !|.ト" rっ ツ|.|、:  またなんですか?
     |┃        ,',ノ 斗ャ fて`Y  トミヽ   なんでまたあたしなんですか?
     |┃       / {トミトv|'´ゝ } ノノ:l }:
     |┃三   :/イ { ゝィVr-ヘト、 ! ハ
     |┃三   .  | !|Y⌒'ミ{ヾ=' | /イ|
     |┃        ヽ人   |!   /\ :    
     |┃          `'┬' トー'´  ヽ :   


542 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:10:46.26N71qCk69o (1/28)

~次の日~

四人は北の街を出発し、山岳地帯を北西へと進んでいた。

戦士「この辺りも結構、雪が積もってんなぁ」

召喚士「うん。でももうじき暖かくなるから、辛抱だね」

魔道士「早く暖かくなって欲しいですねぇ」

盗賊「…魔道士は痩せてるから寒いんだ」

魔道士「……盗賊さん、どーいう意味ですか?」

盗賊「…もっと太った方が…え?」

魔道士「ど・う・い・う・意味ですかぁ?」

盗賊「……ごめんなさい」

戦士「ほれ、遊んでないでさっさと行くぞー」

魔道士「はーい」

召喚士「そういえば、この辺りって来た事ないなぁ」

魔道士「言われてみればそうですねぇ」

戦士「俺もねぇわ」


543 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:11:14.93N71qCk69o (2/28)

召喚士「魔物っているのかな?」

戦士「あんまし依頼でも見ないよな」

盗賊「……でも…今は交戦中なんだろ?」

召喚士「…西高原国が解放されたからかな?」

魔道士「それはあるかもしれないですねぇ」

戦士「あー言われてみりゃ、魔王軍の領土だったもんなぁ」

召喚士「うん……」

戦士「つーかよ、あといくつ山を越えりゃいいんだよ……っ」

魔道士「道もないですからね……」

盗賊「…兎に角…進むしかないな」

召喚士「ですね」

戦士「しゃーねぇか。頑張るとしましょう!」

魔道士「しましょうっ!」

盗賊「…しましょう」

召喚士「ええ。しましょう!」


544 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:11:42.22N71qCk69o (3/28)

ほぼ半日以上を費やし、四人は大小複数の山を越え、そして下り、

ようやく西方側と思しき、砂混じりの平地へと辿り着いた。

戦士「はぁ、やっとアップダウンもおしまいか」

召喚士「すっかり暗くなっちゃったね…」

魔道士「どうしましょうか?」

召喚士「えぇと……」

バサッ

召喚士「地図を見る感じ、西高原国まではまだありそうですね」

盗賊「……」

戦士「しゃーねぇ。そこいらで野宿すっか」

魔道士「えぇ~っ」

戦士「仕方ねーだろ。それとも夜通し、西高原国まで歩くか?」

魔道士「それは…無理です……」

戦士「じゃあ諦めろ」

盗賊「…しかし、ここは見晴らしが良すぎるな」


545 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:12:14.59N71qCk69o (4/28)

召喚士「ですね。死角がないのはいい事ですけど」

戦士「もし囲まれたら不利だな」

召喚士「……よし、正面の山を背にしましょうか」

戦士「少し登った方がいいか」

盗賊「…ああ。見張りも楽だ」

魔道士「まだ登るんですか~?」

戦士「登るったって、大した標高でもないし、中腹までだよ」

魔道士「はぁい……」

召喚士「もう少しの辛抱ですよ、頑張りましょう!」

魔道士「…はいっ。くじけてなんかいられないですよね!」

戦士「そんじゃ登るぞー。盗賊、魔物の気配は?」

盗賊「…特になし」

戦士「……地質が結構柔らかいな。気を付けろよ」

召喚士「うん。戦士こそ気を付けてね」

縦列になり歩けそうな所を進んでいく四人。やがて中腹へと辿り着いた。


546 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:12:41.26N71qCk69o (5/28)

ザッザッザ…キョロキョロ

戦士「この辺が良さそうだな」

盗賊「…ああ」

召喚士「柔らかいのは下の方だけで良かったね」

盗賊「…だな」

戦士「……よい…っしょ」

コトッ…ガラガラッ

戦士「魔道士、火を頼む」

魔道士「はいっ、いきますよー」

ドドンッ…ボウッ…パチパチッ

戦士「よっしゃ、飯にしようぜ!」

魔道士「すぐに準備しますねっ」

盗賊「…見張ってるから休め」

召喚士「いや、俺が見張りますよ。盗賊さんこそどうぞ」

盗賊「……すまん」


547 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:13:07.57N71qCk69o (6/28)

メラメラッ…パチッ

魔道士「出来ましたよー!」

戦士「おほっ、美味そう~!」

盗賊「…いただきます」

魔道士「召喚士さんも冷めないうちにどうぞ~」

召喚士「先に食べてて下さい!見張ってますから!」

魔道士「……っ」

戦士「…熱っ!……はぁ、でも温まるなぁ」

盗賊「…うん」

魔道士「リゾットとハムと温野菜だけですけどね」

戦士「十分だよ!」

カチャカチャッ

盗賊「……?」

魔道士「…よしっ」

テクテクテク


548 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:13:34.78N71qCk69o (7/28)

魔道士「召喚士さんっ」

召喚士「…!?」

魔道士「はいっ、冷めちゃいますよ?」

召喚士「…わざわざすみません。ありがとうございます」

魔道士「私もこっちで食ーべよ!」

召喚士「あっ、じゃあ…これどうぞ」

ファサ

魔道士「い、いいですよっ!召喚士さんこそ寒そう……」

召喚士「いえいえ、これで温まりますから!」

カチャッ

召喚士「……んっ、美味しい!」

魔道士「…良かった。えへへ!」

盗賊「……」

戦士「あっちも…熱々ですなぁ」

盗賊「……ですなぁ」


549 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:14:00.51N71qCk69o (8/28)

パラッ

戦士「あん……?」

パラパラパラッ

戦士「…ちっ、砂埃かよ……」

カッ!!

盗賊「!?」

戦士「お、おいっ!今何か光っ――」

振ってきた砂埃を払いながら、山の上を見上げる戦士の目に、光が飛び込む。

ズウウゥゥン

召喚士「!?」

魔道士「な、何ですか!?今の揺れ……っ」

戦士「上だ!さっきから砂埃やら何か光ったりやら……」

ズウウゥゥン

召喚士「…行きましょう!!」

盗賊「…ああ!」


550 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:14:35.48N71qCk69o (9/28)

タッタッタッタッタ…ザザッ

戦士「なっ!?」

召喚士「あれは……ドラゴン!?」

盗賊「だけではない!地上を見ろっ!」

山の頂上部分は平らな作りとなっており、言わば切り株のような形状。

その上で何者かが無数の魔物と交戦状態に入っている。

戦士「……キマイラか。かなりいるな」

上空には1匹のドラゴン。地上には数匹のキマイラが唸りをあげている。

魔道士「どうしますっ!?」

召喚士「助けに入りましょう!」

戦士「おう!お前は右へ回れ!」

盗賊「了解!」

召喚士「魔道士さんは正面の援護へ!」

魔道士「はいっ!!」

数箇所で攻防が繰り広げられている中、召喚士達はその助太刀に入った。


551 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:15:01.85N71qCk69o (10/28)

ダッ!!…タッタッタッタッタ…

戦士「……ちっ」

キマイラ「グガアアァァ!!」

1匹のキマイラが近づく戦士に気付き、急遽襲いかかる。

戦士「どきやがれええぇぇ!!」

グワッ…ザシュウウゥゥ!!

瞬く間に振り下ろされた、雷切の稲妻がキマイラの頭部を襲う。

キマイラ「ギイイィアアァァーッ!!」

3本ある首のうち、鳥の形状をした1本がぽとりと地面へ落ちた。

戦士「……大丈夫か!?」

――「……お、お前っ!?」

戦士「……?」

振り向く戦士の顔がみるみる驚きに変わる。

戦士「……俺…っ!?」

戦士の瞳に飛び込んだその顔は、よく見覚えのある、即ち己の顔そのものだった。


552 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:15:28.60N71qCk69o (11/28)

ザザァ…タタタッ

盗賊「……はぁっ!!」

チュインッ!!…サクッ…ザシュッ!!

盗賊の素早い動きに翻弄され、キマイラは攻撃に転じる事は出来ない。

キマイラ「……グ…ウウゥゥ!」

盗賊「……っ!」

ジャラッ……ビュオッ!!

盗賊「雷遁……迅雷!!」

バシッ!!…ガカアアァァッ!!

首を締め付けた鎖を媒介に、激しい電流がキマイラを襲う。

キマイラ「ギギャアアァァーッ!!」

たまらず距離を取り、息を粗くするキマイラ。その隙に盗賊は人影に近づく。

タタッ…ザッ

盗賊「……!!」

その目に飛び込むは、同じ東方の出である小柄な女性であった。


553 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:19:40.54N71qCk69o (12/28)

タッタッタ…

魔道士「……!?」

目の前のキマイラが突如、炎に包まれる。

魔道士「魔法!?誰が……」

キマイラ「グガアアァァ!!」

魔道士「効いてない…っ、よぉし!」

炎を掻い潜り疾走するキマイラめがけ、魔道士は杖を突き出す。

魔道士「……いっけぇ!!」

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

キマイラ「――ッ!?」

大地を蹴るキマイラの足が、氷によりその動きを停止する。

――「……っ!!」

タッタッタ…ザザッ

魔道士「大丈――」

目の前の女魔道士を見つめた途端、魔道士の声が止まった。


554 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:21:56.07N71qCk69o (13/28)

タタタッ…ババッ…ズザァ

召喚士「……ドラゴンか」

上空で不気味な咆哮を繰り返すドラゴン。

咆哮を止めると、ドラゴンは岩場の向こうへと急降下する。

召喚士「人影!?……まずいっ!!」

ドラゴン「グカアアァァーッ!!」

地面めがけ降下を続けながら、ドラゴンの口内が赤く燃え盛る。

召喚士「ちぃっ!!」

岩場へと駆け寄る召喚士を余所目に、ドラゴンは口を大きく開いた。

ドラゴン「ゴアアァァ!!」

召喚士「……くそっ!」

ザッ

召喚士「行けっ!コカト――」

コカトリスの召喚と同時に、岩場の影から声が響き渡る。

――「……行けっ、フェニックス」


555 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:23:45.75N71qCk69o (14/28)

召喚士「え……っ?」

シュイイィィン…ズドドドドドド…

フェニックス「…………」

急降下を仕掛けたドラゴンが萎縮するのに時間は掛からなかった。

ドラゴン「――ッ!!」

吐き出した火炎の吐息を飲み込むように、フェニックスは上空へ羽ばたく。

召喚士「……!!」

方向を変える事もなく、フェニックスはドラゴンを突き抜け、夜空に輝いている。

ドジュウウゥゥッ!!

ドラゴン「カ……ァ……ッ」

召喚士「……っ」

黒煙を上げ焼け爛れるドラゴンは、かろうじて羽をばたつかせ、上空でもがく。

召喚士「……コカトリス!!」

コカトリス「おう!」

瀕死のドラゴンは石像と化し、地面へ叩きつけられると、粉々に散った……。


556 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:24:45.93N71qCk69o (15/28)

ザッザッザ

召喚士「……あなたでしたか」

ザッッザッザ…ザッ

召喚士「……同門さん!」

同門「……やはり貴様か」

テクテクテク

戦士「……お前だったのか…ドッペルゲンガー!」

偽戦士「…よぉ、オリジナル。元気そうじゃねぇか!」

タタッ…スタッ

盗賊「…お前は確か……」

くの一「…いつぞやの…同郷の者か?」

ザッ

魔道士「……ウ、ウィッチちゃん!?」

ウィッチ「魔道士……ちゃん!?」

合計8人。2つのパーティーは中央にて合流した。


557 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:26:23.32N71qCk69o (16/28)



戦士「…ようやく、全てが合点いったぜ」

偽戦士「何の話だ?」

魔道士「私達にそっくりなパーティーがいるって……」

ウィッチ「言われてみれば…似ているでございますね」

盗賊「…これで誤解も…解けるな」

くの一「誤解?」

召喚士「ええ。皆さんの功績が俺らのものと勘違いされているんですよ」

同門「……ふん、どうでもいい」

魔道士「よくないですよっ、皆さんの手柄なのに……」

偽戦士「功績があると何かあんのか?貰える金が増えるとかか?」

戦士「直接はねーけど、間接的には有利だぞ?」

召喚士「そうですよ。功績ランクが上がれば大きな依頼も増えますし」

ウィッチ「そうなんでございますか?」

召喚士「依頼主から直に来たりもするようになりますからね」


558 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:27:09.51N71qCk69o (17/28)

くの一「ふぅん」

魔道士「ほらっ、それに上位ランカーには毎年報奨が……」

盗賊「…あったな」

偽戦士「マジかよ!?そいつはオイシイな!」

戦士「でも、武器とかそんなんだぜ?」

偽戦士「武器なら願ってもねぇ話だな」

盗賊「…?」

偽戦士「オリジナルのお前と違って、俺はこれしかねぇからよ」

ドスッ

戦士「…ああ、ドワーフの斧か。そういやそうだな」

魔道士「ところで、皆さんはどういった経緯で……?」

ウィッチ「どう…って……」

偽戦士「俺はコイツにナンパされた」

ウィッチ「ちっ、違うでございますわ!てっきり戦士さんかと……」

戦士「あぁ、間違えたわけだ」


559 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:27:58.43N71qCk69o (18/28)

ウィッチ「お恥ずかしい限りでございます……」

召喚士「い、いや…間違えても仕方ないかと……」

偽戦士「そんで、その後コイツにナンパされた」

くの一「はぁ!?いい加減な事を言うな!!」

偽戦士「何だよ……」

くの一「貴様に恨みを晴らすべく、探し当てたのだろうがっ!」

戦士「怨み…?あぁー」

偽戦士「恨みって……」

くの一「今更忘れたとは言わせぬぞ、このど変態!」

偽戦士「ど変態ってお前……」

戦士「なぁ…頼むからさ、身を改めてくれよ。俺の為にも……」

召喚士「は、はは…っ」

魔道士「それで、最後に同門さんが仲間に……」

同門「ふざけるな。仲間になった覚えなどない」

盗賊「……」


560 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:31:17.55N71qCk69o (19/28)

同門「利害が一致しているから、一時的に共闘しているだけだ」

召喚士「同門さん……」

同門「いずれは離れる。お守りなどごめんだ」

ウィッチ「そ、そうなんでございますか……?」

戦士「ずっとパーティー組んでりゃいいじゃんか」

同門「足手まといだ」

盗賊「……」

召喚士「バランス取れてて、いいと思いますけどね」

同門「……貴様らを見て、余計にそう感じた」

召喚士「……っ」

偽戦士「全く、寂しい事言うなよなぁ」

同門「馴れ馴れしい。触るな」

偽戦士「…へいへい」

魔道士「…似てそうで……似てないですね」

召喚士「え、ええ……」


561 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:31:54.04N71qCk69o (20/28)

戦士「しかしよ、各地で大活躍みてぇじゃねーか」

偽戦士「へへっ、まぁな」

召喚士「凄い評判ですよ。北の街とか……」

ウィッチ「ほ、本当でございますか!?」

魔道士「うんっ。でも、私達の話になっちゃってるけど……」

召喚士「それをきちんと正したくて、該当者をさがしてたんですよ」

くの一「ふぅん」

召喚士「会えて良かったですよ。これで誤解を解ける……」

同門「さっきも言ったが、興味はない」

偽戦士「おいおい、俺らの功績…奪われてんだぜ?」

戦士「奪ったつもりはねぇよ。……形的にそうなったまでだ」

召喚士「ワークショップには登録してます?」

ウィッチ「はいでございます。結構、前にですけど……」

戦士「それって、お前個人の登録じゃないの?」

ウィッチ「え…?そうで…ございますけど……」


562 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:32:27.69N71qCk69o (21/28)

召喚士「!?」

魔道士「そ、それじゃあ駄目だよっ、ウィッチちゃん!」

ウィッチ「え…っ?」

召喚士「パーティーを組んだのなら、パーティーで申請を上げないと……」

ウィッチ「そ、そうなんでございますかっ!?」

戦士「……はぁ、駄目だなこりゃ」

召喚士「他の皆さんは申請しているんですか?」

くの一「ワークショップには行ったぞ」

盗賊「…登録は?」

くの一「した」

戦士「お前は?」

偽戦士「登録出来るわけねーだろ」

戦士「…それもそうだわな」

召喚士「同門さんは?」

同門「する必要ない」


563 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:32:57.05N71qCk69o (22/28)

盗賊「…………」

召喚士「……」

戦士「どうしようもねぇな、このパーティー」

魔道士「ドッペルゲンガーさんは駄目だとしても…同門さんはしないとですよ」

同門「……」

召喚士「そしたら、三人で構わないので、パーティーの申請もして下さい」

ウィッチ「そ、そうするでございます!」

くの一「それで、晴れて功績がつくのか?」

召喚士「はい。……って、今までの依頼は?」

ウィッチ「お金がなくなったら受ける感じでございます」

召喚士「……っ」

魔道士「ほとんどボランティアって事!?」

偽戦士「ははっ、そういう事になるな!」

盗賊「…馬鹿だな」

戦士「……あ、ああ」


564 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:33:29.53N71qCk69o (23/28)

召喚士「と、とにかく…きちんと申請した方がいいですよ」

偽戦士「分かった分かった。やっとくよ」

戦士「それから、依頼もこまめに受けろよ」

くの一「…ああ」

召喚士「そうすれば、ちゃんと功績も付きますから」

ウィッチ「はいでございますっ!」

盗賊「……」

同門「……」

戦士「あのさ、ところで…他のワーカーとかはいねぇのか?」

ウィッチ「他のワーカーでございますか?」

戦士「ああ。この辺は今、激戦区なんだろ?」

くの一「もう少し南へ向かえばいるぞ」

偽戦士「俺らは好き勝手暴れてるだけだからな」

盗賊「…なるほど」

召喚士「合流はしないのですか?」


565 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:35:05.33N71qCk69o (24/28)

同門「…邪魔なだけだ」

召喚士「……」

戦士「どうする?俺らは行ってみるか?」

魔道士「西国の城西というのも…気になりますね」

召喚士「うぅん…そうですね、ついでだし行くだけ行ってみましょうか」

魔道士「そうしましょう!」

盗賊「…行くか?」

ウィッチ「え、えっとぉ……」

偽戦士「行こうぜ!俺らも……」

同門「勝手に行け」

ザッザッザ…

召喚士「同門さん……」

ウィッチ「ど、どうしましょうでございます!?」

偽戦士「…しゃーねぇ。放っておくわけにゃいかんだろ」

召喚士「……」


566 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:35:59.59N71qCk69o (25/28)

ザッザッザ

魔道士「あ、あのぉ……」

偽戦士「行けたら行く!そんじゃな!」

戦士「…頑張れよ」

偽戦士「おう、この顔に恥じぬよう…頑張るわ!」

ザッザッザ…

ウィッチ「そ、それじゃあ……失礼しますでございます!」

魔道士「ウィッチちゃん、またね!」

ウィッチ「魔道士ちゃんも元気で……!」

ペコリ…タッタッタッタ…

盗賊「……」

くの一「…お前」

盗賊「…?」

くの一「……藤蔵の者か?」

盗賊「……何故だ?」


567 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:36:28.72N71qCk69o (26/28)

くの一「先程の雷遁、あれは藤蔵のものであった」

盗賊「……ああ、そうだ」

くの一「やはりそうか」

盗賊「…?」

くの一「…いや、何でもない」

ザッザッザ

盗賊「…お前は?」

くの一「……根だよ」

盗賊「…根?」

くの一「じゃあな、花」

ザッザッザ

盗賊「――っ!!」

戦士「…どした?」

盗賊「…あやつ、影の出自だ」

戦士「何!?」


568 ◆1otsuV0WFc2011/02/16(水) 18:37:25.13N71qCk69o (27/28)

召喚士「影って確か……」

盗賊「……」

戦士「まぁ、悪い奴ではなさそうだな」

盗賊「…ああ。影が全員、悪というわけでもあるまい」

魔道士「そうですよね…。黒マントからも足を洗ってくれたようですし…」

召喚士「ええ……」

魔道士「というか、行っちゃいましたね……」

盗賊「……」

戦士「あいつらにはあいつらの、俺らには俺らの道がある」

召喚士「うん。またいつか会えるよ」

魔道士「そうですね…。負けないように頑張りましょう!」

盗賊「…そうだな」

山の北側へ去り行く四人と、それを見送り南側へ歩く四人。

久々に旧知の仲と顔を合わせた四人。同じ様な環境にありながら、

また別の道を行く彼らに力を分けて貰い、更に南へと旅立つのであった。


569VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 18:41:55.72N71qCk69o (28/28)

今日はもう限界です…それでは失礼しますー
ご支援ありがとうございました!ノシ


570VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 18:45:16.65WiNIctZWo (1/2)



あの4人かwwwwwwww


571VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 18:53:35.30s4iFPkyQo (1/1)

乙!
なんだよ、知り合いじゃねーかww


572VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 19:59:18.56GRyMfx6AO (2/2)

>>1おつ

同門いるおかげでPTとしてのレベルがかなり高いな


573VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 20:03:08.16kipyqPoYo (1/2)

すげー!
何か感動した
>>1乙


574VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 20:04:42.62Hk/nBLEDO (1/1)

>>1乙!

完全に、くの一の存在を忘れてたぜ。
召喚士が、なんとか同門と仲良くなって、新しい朱雀召喚獣を手に入れられるといいなー


575VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 20:35:18.46YbQvRG8c0 (1/1)

>>1乙です

二人まではわかったんだけどなぁ…

くやしい…ビクンビクン


576VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 20:39:57.99FnhGf2Xxo (1/1)

ドッペルと同門までは予想してたけどくノ一とウィッチちゃんかー


577VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 20:47:16.711+sae0XAO (1/1)

一年近くスレ追ってて今更な感じの質問なんだが

西高原国←コレなんて読むの?


578VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 20:49:43.45WiNIctZWo (2/2)

「にし こうげん こく」って読んでる


579VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 20:55:55.13kipyqPoYo (2/2)

にしたかはらのくに


580VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 21:00:27.41vEmM/NjDO (2/2)

サイコーハラコク


581VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 22:19:47.638/GCZxkIO (2/2)

にしのたかまがはら


582VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 22:45:32.12pSRFnHtXo (1/1)

くのいちってドッペルにおっぱいモミモミされて戦士がビンタされたんだっけ
フェニックスのほうが主人公っぽいと思ったのは内緒でござる


583VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/16(水) 23:28:13.47F0NagFOAO (1/1)

>>1乙
まさかこの時の為に召喚士パーティー似を揃えたのか!?
西遊記一行といい、>>1の進化は止まらんなぁ


584 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 00:41:24.45NvP1sSQKo (1/9)

~本国、国軍本部~

近衛兵「ご苦労様です!」

大軍師「どうも」

カツカツカツカツ

大軍師「……おや、こちらにおいでとは珍しいですね」

コンコン…カチャッ

秘書官「両名、お見えになられました」

司令官「…すまないね。わざわざお呼び立てして」

大軍師「いえいえ、構いませんよ」

皇太子「こちらもだ。して、今日は何用かな?」

大軍師「私だけではなく、殿下も呼ばれたとなると……」

司令官「…ん。いよいよ始めようかと思ってね」

皇太子「…そうか」

大軍師「……だが、その前にやるべき事がある」

司令官「…ん、流石だね」


585 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 00:42:29.91NvP1sSQKo (2/9)

皇太子「やるべき事?」

司令官「そろそろ、終幕といこうじゃない」

大軍師「内通者を一掃…ですね」

皇太子「……成程」

大軍師「しかし、殿下まで動かれるのは危険かと」

司令官「勿論。殿下に動いて貰うつもりは最初からないよ」

皇太子「……?」

司令官「幾つか確認しておきたい事があってね」

皇太子「何かな?」

司令官「……その前に」

大軍師「……」

司令官「現状だけど、君は把握してる?」

大軍師「……込み入ったところまでは流石に」

司令官「…そう。殿下もいるしいい機会だ、整理しておこうか」

皇太子「すまないな」


586 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 00:43:01.56NvP1sSQKo (3/9)



大軍師「現在、左翼と右翼は緊迫状態にあります」

司令官「それも限界すれすれのね」

皇太子「……」

大軍師「今に始まった事ではありませんが、発端は議会。いや……」

司令官「……」

大軍師「首謀者が特殊遊撃に内通者を送り込んだ辺りからですね」

司令官「そうだね。ま、あの時はすぐに気付けて良かったよ」

大軍師「あの時はあちらも焦りを見せていましたからね」

皇太子「焦り?……あぁ、そうか」

大軍師「そういう事です。何としても外交を阻止したかった」

皇太子「しかし、予め分かっておらねば潜り込ませようもないぞ?」

大軍師「分かっていたのですよ」

皇太子「……まさか」

大軍師「そう、予言です。あの時ばかりは裏目に出ました」


587 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 00:44:07.32NvP1sSQKo (4/9)

皇太子「……っ」

司令官「西方との同盟、手段こそ不明だったけど…時期は分かっていた」

皇太子「そうであったか」

大軍師「当然、同盟ともなれば殿下直々に出向かうは必須」

皇太子「その護衛という事になれば、特遊が動くも当たり前か」

大軍師「マークはしていたのですが……」

皇太子「いや、構わん。それで?」

大軍師「以降、彼らはかなり焦りをみせておりますね」

皇太子「そこで付け入る隙が出来たわけか」

大軍師「ええ。ドッペルゲンガー事件と議会です」

司令官「あの辺りで、首謀者の一人は確実に掴めたよ」

大軍師「とは申しても、以前から可能性は限りなくあったわけですが……」

皇太子「……左大臣か」

司令官「…ん」

皇太子「しかし、左大臣一人が黒幕というわけではあるまい?」


588VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 00:45:02.47RgLL8MJJo (1/1)

この時間に投下だと・・・


589 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 00:45:20.19NvP1sSQKo (5/9)

大軍師「……流石ですね、我らもそう踏んでおります」

皇太子「まさか掴んでいるのか?」

司令官「左大臣を含め、少なくとも三名は首謀者としか考えられるね」

大軍師「一人は国軍内。もう一人は……」

皇太子「……本国か?」

大軍師「もしくは、外部司令部かはたまた……」

司令官「他国か。その一名だけはなかなか尻尾を見せなくてねぇ」

皇太子「魔物の可能性は?」

大軍師「ありますが、それはまた別の扱いです」

皇太子「……」

大軍師「国軍内の内通者はほぼ確定でしょう。そうですね?」

司令官「…ん、そうだね。餌に食いつきつつあるよ」

皇太子「餌……?」

大軍師「ここ最近、新聞を賑わせている事件…ご存知ですか?」

皇太子「ああ。特遊の内通者が……」


590 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 00:46:57.02NvP1sSQKo (6/9)

大軍師「あれをリークしたのは私です」

皇太子「!?」

大軍師「おそらく大抵の者は、左翼の陰謀と考えているでしょう」

皇太子「……っ」

大軍師「しかし、左翼や内通者にとっては違うのです」

司令官「軍内を混乱させるに容易な内容だが、裏を返せば……」

皇太子「内通者の意味を考えれば……そうだな」

大軍師「彼らにとっては大変不利な内容なのですよ」

皇太子「では、国軍内の事においては、任せて良いのだな?」

大軍師「はい。その為に私が呼ばれたのですからね」

司令官「…そういう事だね」

皇太子「すると最後の一人か……」

司令官「そこで殿下をお呼びしたわけだ」

皇太子「王宮内を探れと?」

司令官「…いや、それは大丈夫」


591 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 00:48:29.00NvP1sSQKo (7/9)

皇太子「……?」

司令官「陛下の事だよ」

皇太子「父の?」

司令官「容態はどう?」

皇太子「……魔力での延命も限界が近い。おそらくもって半年」

司令官「……」

皇太子「それが、何かあるのか?」

司令官「奴らはね、狙ってくるよ」

大軍師「後継者問題ですよ」

皇太子「……ああ」

大軍師「陛下崩御と同時に、動くつもりでしょう」

司令官「つまり、陛下が存命な内に、カタをつけなきゃいけないんだ」

皇太子「……時間がないな」

司令官「半年か、仕方ないね。半年以内に内通者を一掃するよ」

大軍師「……なかなか困難を極めますが、材料は揃いつつあります」


592 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 00:49:31.21NvP1sSQKo (8/9)

司令官「最後の内通者は今、特遊が調査に当たってる」

皇太子「……そうか」

司令官「さて、そして最後だ」

皇太子「……?」

司令官「君らに伝えておかねばならない事がある」

大軍師「何でしょう?」

司令官「……」

スッ…カチャッ…コトッ

皇太子「…久々に見たな。君の素顔も」

司令官「それはいい。問題はこっちだ」

大軍師「これは…?」

司令官「読んでみろ」

大軍師「…………!?」

皇太子「ば……馬鹿なっ!!」

司令官「これが真実だ。全てはあの日に隠された……真実」


593VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 00:54:32.80NvP1sSQKo (9/9)

>>570-576
あざざーす!予想通りな感じでしたかね?

>>577-581
お好きに読んで頂いてかまいませんよ
個人的には「えじぷと」って読んでます。嘘です

>>582-583
構想だけだと師匠死んだ時くらいですかね
肉付けしてようやく出せたって感じっす

では、おやすみなさい!ノシ
てか何でこんな時間まで起きてんだ…


594VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 01:17:24.66FTCUNdKAO (1/1)

>>1おつ

同門達だってのは予想つかなかったけど、思い返してみればウィッチ以外は最近の章になってから登場してきたしな。それを予想させないようにバラつかせて登場させてったのには恐れ入る


595VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 01:32:36.197Lvuxa7DO (1/1)

ドSが本領発揮でござる


596VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 01:38:30.15Fg+1fpS3o (1/1)


遅くに無理すんなよ
今週はあと二日ある…
俺もだがな…


597VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 01:39:36.60Q1iyUQVDO (1/2)

>>1乙っす~

続きが気になるううう


598VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 01:42:12.94pADHqilIo (1/1)

司令官は被り物を取ると性格が変わるのか


599VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 01:53:45.92J6QYgIZSO (1/1)

ああああああああああああ!!!
んもう!!!なにこのパラダイス伏線ちりばめ&回収はぁぁぁあああああ!!!
たまらねえ!たまらねえよ!!
なんなんだよこの王道感はよぉおおお!!!

胸熱・ときめき


600VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 02:06:41.354hyJ38Sp0 (1/1)

>>1乙!
司令官のイメージが、シャアの仮面を被った耳無芳一に。


601VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 13:41:09.16f786rIHDO (1/1)

あー、あの伏線やっと回収するのか。
なるほど後継者問題ねぇー


602VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 13:58:19.68ywajlKQDO (1/3)

や、やっと追い付いた……
予想厨が嫌われるのは承知しているが魔道士ちゃんが陰謀に巻き込まれない事を願うのみ
ドキがムネムネで先が気になりますぅ><


603 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:21:37.18/UeaVr+Zo (1/35)



大軍師「では、失礼致します」

司令官「……ん」

皇太子「……」

カツカツカツ…

大軍師「あ、そうでした」

司令官「……?」

大軍師「先日、最北の村にて…素晴らしい発見がありましたよ」

スッ

司令官「報告書かな?」

パラッ

司令官「……ふぅん」

大軍師「知る者はごく僅かです。無論、彼らにも言っておりません」

司令官「…そうだね、まだ伏せておいてよ。色々と使えそうだしさ」

大軍師「無論、そのつもりですよ」


604 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:23:43.59/UeaVr+Zo (2/35)

カツカツカツ…パタン

大軍師「顔色が優れませんが、大丈夫ですか?」

皇太子「君は強いな」

大軍師「…まさか。こう見えてもかなり動揺しておりますよ」

皇太子「……」

大軍師「それにしても驚きました」

皇太子「私もさ」

大軍師「いえ、まさか殿下がご存知ないとは……」

皇太子「存在は知っていても、誰かまでは知らなかったさ」

大軍師「成程。しかし、言われてみれば納得ですね」

皇太子「…ああ、道理で。全て繋がったよ」

大軍師「しかし、そうともなるとなかなか…面白い話ですねぇ」

皇太子「……私は逆だな。心配で叶わんよ」

大軍師「まぁ、今更言ったところで自重するとは思えませんけれどね……」

皇太子「……っ」


605 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:24:30.16/UeaVr+Zo (3/35)

テクテクテクテク…ザッ

大軍師「では、私はこれで」

皇太子「どこか行くのか?」

大軍師「辞令が出たばかりですので、色々と手続きです」

皇太子「成程」

大軍師「それと、新聞社へ行こうかと」

皇太子「……?」

大軍師「前回は弟に頼んだものでして、私も一度、直にお伺いしようかと」

皇太子「そうであったか。多忙だな」

大軍師「まぁ、半年しかありませんからね」

皇太子「……」

大軍師「殿下も何か、お考えのようで」

皇太子「ああ。そろそろこちらも動こうかと考えていてね」

大軍師「……と、いう事は」

皇太子「南東国との同盟だ」


606 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:25:00.78/UeaVr+Zo (4/35)

大軍師「……成程」

皇太子「それだけではないな。西方の王とも直に会わねばならんしな」

大軍師「東方との同盟締結も確か……」

皇太子「猶予はあと5ヶ月といったところか」

大軍師「そうなると最早、同盟とは言えませんな」

皇太子「今は同盟さ。しかし半年後には変わっているだろう」

大軍師「本国を仲介に、各国間でも同盟が結ばれ……」

皇太子「そうだ。それは即ち、連合という事になる」

大軍師「そして迎えるは……魔王討伐ですか」

皇太子「…出来過ぎだな。シナリオ通りと言う事か」

大軍師「ふっふ、どうなんでしょうね。私も全て知るわけではありませんので」

皇太子「そうなのか?」

大軍師「ええ。……早く、回復すると良いのですがねぇ」

皇太子「……彼女か?」

大軍師「はい。不可欠な存在ですよ……人類の未来においてね」


607 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:26:25.83/UeaVr+Zo (5/35)

~司令室~

司令官「……」

占い師「……」

司令官「調子はどう?」

占い師「変わりません」

司令官「…ん。それは残念だね」

占い師「いい加減、私を除隊に――」

司令官「出来ると思う?」

占い師「……っ」

司令官「これ以上、迷惑をかけたくない……とでも言うのかな?」

占い師「…予言の力なき私など、何も残ってはおりません……っ」

司令官「…それもそうだね」

占い師「相変わらず……正直な人」

司令官「……さっきね、話をしたんだ。大軍師がこんな物を置いて行ったよ」

占い師「……?」


608 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:32:15.08/UeaVr+Zo (6/35)

スッ

司令官「見てご覧、凄くないかい?」

占い師「……」

カサッ…パラパラッ

占い師「――っ!?」

バサッ!!

占い師「…………っ」

司令官「どう思う?」

占い師「こ……んな…事……っ」

司令官「でもこれ、本当かな。調査してみないとね」

占い師「……」

司令官「極秘事項だから、限られた誰かに頼むしかないけど」

占い師「……私……行きます」

司令官「……ん。そう言ってくれると思ってたよ」

返答の代わりに、占い師は小さく、俯きながら頷いた。


609 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:37:18.28/UeaVr+Zo (7/35)

~西高原国、城跡~

戦士「しっかし、昨晩はビックリしたな」

魔道士「本当ですよ。まさかあの四人が……」

召喚士「不思議な縁だよね」

戦士「同門がいるってのが、不思議でならねーが……」

召喚士「同門さんにも、色々と思うところがあるんじゃないかな」

盗賊「……」

召喚士「口ではああ言ってたけど、決して嫌なわけじゃなさそうだったし」

魔道士「そうですか?」

戦士「だってよ、あの手の奴は嫌ならとっとと離れてんだろ」

魔道士「……た、確かに」

盗賊「…仲間が…欲しかったのかな」

召喚士「そこまでは分かりませんが、いい事ですよ」

戦士「…おっ、見えてきたぜ!」

魔道士「本当だぁ~!」


610 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:38:27.77/UeaVr+Zo (8/35)

もう間もなく昼を迎えようという頃、四人の目には、

見覚えのある城跡の建造物が飛び込んできた。

盗賊「……懐かしいな」

召喚士「ええ」

戦士「……」

召喚士「戦士?」

戦士「ん、ああ。ちょっくら中入ってみっか」

魔道士「入れて貰えますかね?」

テクテクテク…

戦士「昼休憩かい?ご苦労さん」

スタスタ

西国兵「な、なんだいアンタ?」

戦士「ちょっと通して貰っていいかな?」

西国兵「駄目に決まっているだろ!」

戦士「何だよ、いいじゃねぇか」


611 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:39:18.48/UeaVr+Zo (9/35)

西国兵「は?」

魔道士「ちょっと戦士さん、無理言い過ぎですよ~」

召喚士「すみません。ちょっとここ、思い入れがありまして……」

西国兵「……?」

召喚士「あっ、いえいえ…いいんです!戦士、戻ろう!」

ザッザッザ

西国兵長「どうした?」

西国兵「あっ、隊長!何やら怪しい一味が……」

西国兵長「まさか…ここを寝床にしていた盗賊団か!?」

召喚士「ち、違います!俺らは……」

西国兵長「……おや?」

ザッザッザ…ジーッ

西国兵長「……もしや、あなた方はもしや…!?」

西国兵「ご存知なのですか?」

西国兵長「…間違いない!救世主様ではありませんか!」


612 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:40:06.04/UeaVr+Zo (10/35)

盗賊「!?」

召喚士「救世主って……」

西国兵長「この方々は、我が国の危機をお救い下さったのだぞ!?」

西国兵「……!!」

西国兵長「講義で習わなかったのか?」

西国兵「まさかあの……っ!?」

戦士「講義……」

魔道士「何だか、大変な事になっている気が……」

西国兵長「いやぁ、まさかこのような地で会うとは。さぁお入り下さいませ」

召喚士「…ど、どうも」

盗賊「…良かったな」

戦士「良かった…のか?」

西国兵「まさか皆様がそうであったとは…いざ知らず…申し訳ありません」

西国兵長「申し訳ありません。まだ新兵なものでご無礼を……」

召喚士「い、いえ…。気にしないで下さい…」


613 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:41:16.36/UeaVr+Zo (11/35)

~城跡、内部~

召喚士「へぇ~。結構改築も進んでいるんですね」

西国兵長「元が元ですからね」

召喚士「かなり強固で…大きな作りですよね」

西国兵長「西高原国の民を強制的に働かせ……新品を毟り取り……」

盗賊「……」

西国兵長「同じ西方の民の血が流れたと思うと…無念でなりません」

召喚士「その為にも有用に扱わなければなりませんね」

西国兵長「ええ。陛下も同様のお考えです」

召喚士「そういえば、王子は……」

西国兵長「それが、つい先日までこちらにいらしたのですが……」

魔道士「今はいないんですか?」

西国兵長「ええ。南で魔物が活発に活動し始めまして…」

戦士「大変だなぁ」

西国兵長「普段はそんな事ないんですが、誰かが踏み込んだのかもしれません」


614 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:42:04.09/UeaVr+Zo (12/35)

盗賊「…踏み込んだ?」

西国兵長「南の砂漠はサンドワームの棲みかですから」

召喚士「なるほど。そこに人間が立ち入ったと…」

西国兵長「奴らは自分から攻める事はありませんが……」

盗賊「…縄張りへ入れば…容赦しない、か」

魔道士「縄張り?」

盗賊「…えっと、テリトリーって事」

西国兵長「南の砦でワーカーを救助したという話がありますし」

召喚士「その人達か……」

戦士「…?」

召喚士「か……」

西国兵長「な、何か…?」

召喚士「い、いえ…。何でもないです」

盗賊「……魔法剣士達か…ボソッ」

召喚士「…ええ、おそらく……はは…っ」


615 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:42:40.59/UeaVr+Zo (13/35)

ザッザッザッザ

西国兵長「こちらですか?」

王宮内の地下へと足を運ぶ召喚士らを、不思議そうな目で見つめる西国兵長。

戦士「そうそう、ここだ。……流石に武器はもうないか」

西国兵長「全て西国へと運んでしまいましたからね」

戦士「そっか…」

西国兵長「もしご必要であれば、手配を致しますが……」

戦士「いやいや、そうじゃねぇんだ。気にしないでくれ!」

西国兵長「……は、はぁ」

魔道士「ここで、ドワーフさんと会ったんですよねぇ……」

召喚士「今にして思えば、。初めて出会った、良い魔物でしたね」

盗賊「…ああ」

ザッザッザ…キュポッ…バシャバシャバシャッ

戦士「…ジーサンよ、あれから俺…強くなったよな」

以前とは異なり閑散とした室内。戦士は手持ちの酒を床へと注いだ。


616 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:44:10.56/UeaVr+Zo (14/35)



戦士「ありがとよ。無理言って済まなかったな」

西国兵長「いえ、こちらこそ失礼を致しました」

西国兵「し、失礼致しましたっ!」

魔道士「気にしないで下さい~。えへへ!」

西国兵「…………」

西国兵長「ほらっ、しっかりと頭を下げろ」

グイッ

西国兵「わ、わぶっ!」

盗賊「……それでは」

召喚士「今度は、城砦が完成した時に来ますよ!」

西国兵長「お待ちしております!」

西国兵「そ、それでは…!!いってらっしゃいませっ!!」

魔道士「…えへへっ!行ってきます!!」

硬い表情で敬礼する西国兵を見て、魔道士も笑顔で敬礼を返した。


617 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 17:49:20.82/UeaVr+Zo (15/35)



召喚士「……もう夕方かぁ」

戦士「赤く染まって、いい景色だな」

魔道士「本当ですねっ、砂漠に反射して…赤みが増して……」

盗賊「…綺麗だな」

戦士「……なーんか、ちょっと気合入ったわ」

召喚士「うん。いい出会いもあったしね」

魔道士「そうですね!みんな、頑張ってますもんねっ」

盗賊「…さて、どうしようか」

戦士「魔王討伐までもう1年切ってんだな」

召喚士「そろそろ、最後の準備に取り掛かろっか」

盗賊「…そうだな。猶予は半年程度は欲しい」

魔道士「それじゃ、えっと……どうします?」

召喚士「ますは本国へ戻って、行動開始といきましょう!」

力強い叫び声と掲げた4本の右手。周囲と同様、夕日に染まり赤く色づいていた。



~第三十七部、完~


618VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 18:00:54.88gI0EB0+DO (1/1)

乙です。
ようやく現行まで追いつきました!頑張って下さい!


619VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 18:04:17.37wrCkofMDo (1/1)



>>613
>西国兵長「西高原国の民を強制的に働かせ……新品を毟り取り……」

おのれ、新品をむしり取るとはなんてことを…
中古を代わりに置いて行ったのかな?www


620VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 18:11:13.02BDi1gI/ho (1/1)

>>619
ばかっ!きっと珍品と言おうとしたんだよ!


621VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 18:11:34.24Q1iyUQVDO (2/2)

まて、清らかな乙女のことかもしれん
許すまじ


622VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 19:08:15.05/UeaVr+Zo (16/35)

やば……

× 西国兵長「西高原国の民を強制的に働かせ……新品を毟り取り……」
○ 西国兵長「西高原国の民を強制的に働かせ……金品を毟り取り……」

またも追い付いて下さった方々が…ありがとうございます!
一体どこから…てか、追い付かれないように頑張らねば…いそいそ↓続き


623 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:08:52.83/UeaVr+Zo (17/35)



召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    ~第三十八部~


624 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:09:23.54/UeaVr+Zo (18/35)

~数日後、本国~

魔道士「結局、色々と寄り道しちゃいましたね~」

戦士「まぁな」

召喚士「たまにはいいんじゃないかな?」

魔道士「戦士さんが武具に夢中になってるから~」

戦士「お前だって香辛料買い漁ってただろ!」

召喚士「ま、まぁまぁ……」

盗賊「…全く」

戦士「人の事言えねーぞ、食い物担当」

盗賊「へ、変な担当を押し付けるなっ!」

召喚士「あはははっ!……ん、何だろ?」

ガヤガヤガヤ…

戦士「街道沿いだな。まさかまた、出兵か?」

召喚士「でも、そんな動きは全然なかったけどなぁ」

魔道士「ちょっと見てみましょうか!」


625 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:09:50.82/UeaVr+Zo (19/35)

パッカパッカパッカ…

戦士「ごめんよ、通してくれ」

魔道士「すごい…人だかり…っ」

戦士「なぁ、何の騒ぎだ?」

男「知らんのか?殿下が出発なされるのさ!」

召喚士「出発…?」

男「南東国との同盟に赴くのさ!」

盗賊「!?」

戦士「同盟って……」

召喚士「…ついに、この時が…っ」

男「……?」

魔道士「じゃあこれで、本国と西国と東方と……」

召喚士「全ての国が一丸に……」

男「……あーっ!!」

召喚士「へ…!?」


626 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:10:28.71/UeaVr+Zo (20/35)

男「アンタら……っ!!」

戦士「な、何だよ…っ」

ガサッ!!

男「……あ、あの…あのっあのっ」

戦士「新聞か、どれ……ん?新聞?」

盗賊「……まさか」

召喚士「!?」

男「一面にでかでかと載っている…この顔が今、目の前にいぃ!!」

召喚士「い、いや……その……っ」

男「おぉい!巷で噂の朱雀先生がいたぞぉーっ!!」

戦士「うげっ!?」

盗賊「……っ!!」

召喚士「ま、まずい…!逃げましょう!!」

盗賊「ああっ!!」

魔道士「へっ!?きゃあぁ!!」


627 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:10:55.54/UeaVr+Zo (21/35)

タッタッタッタッタ…

盗賊「……撒いたか」

戦士「あっぶね……。勘弁してくれよ……」

召喚士「しまったな。まさかもう発行されてるなんて……」

戦士「これでうかうか、買い物も出来ませんな。朱雀センセイ!」

召喚士「やめてよ…っ。戦士だってそうじゃんか」

戦士「召喚士ほどじゃねーだろ。ある意味助かるぜ!はははっ!」

召喚士「もうっ」

盗賊「…しかし、あれでは敵わんぞ」

魔道士「ですね……」

召喚士「……ちょっと、相談しに行きましょうか」

魔道士「どこへです?」

召喚士「まぁ、今更…手遅れな感もありますが……」

盗賊「…新聞社か」

召喚士「ええ」


628 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:11:22.37/UeaVr+Zo (22/35)

~新聞社~

テクテクテクテク…

受付嬢「……っ!!」

召喚士「あ、あのぉ……」

受付嬢「アポイントはお持ちですかっ!?」

召喚士「い、いえ…っ」

受付嬢「でしたら、本日手続きをなされて……後日……」

ザッ…スタスタスタ

書家「ん?ありゃあ確か……」

召喚士「出来ればその、今日中に……」

書家「いよぉ!」

召喚士「!?」

書家「アンタ、朱雀先生だよなぁ?」

召喚士「え…!?あ、ま…まぁ」

書家「…ふーん」


629 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:11:52.63/UeaVr+Zo (23/35)

ジロジロジロ

召喚士「……あのっ」

書家「……もっとゴツイかと思ったが、女装とか似合いそうだな!くっくく!」

召喚士「っ!?」

ガシッ

書家「記者に用か?よし、案内したる。付いて来い!」

受付嬢「ちょっとぉ!?」

書家「怒るとカワイイお顔が台無しよん?くっくっく!」

スタスタスタ

召喚士「あの…肩組むの苦しいんですが……」

書家「…あっそお?じゃあこっちのかわいこちゃん達にしようかね」

魔道士「えっ!?」

召喚士「…いえ、やっぱいいです。組んでて下さい」

書家「…くっくっく!」

召喚士(……酒臭い)


630 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:12:19.42/UeaVr+Zo (24/35)

~報道局~

テクテクテク

書家「ほれ、入りなっ!」

召喚士「し、失礼します……」

戦士「…この手のノリの親父は利用価値がある。ボソボソッ」

魔道士「え、ええっ。なんとなく分かる気がします…ボソボソ」

書家「おーい、記者ぁ~」

女記者「鬼外出中っすよ!!」

正面に並ぶ机から手だけがひらひらと顔を出し、返事が聞こえた。

書家「あーん?外出だぁ?」

女記者「すぐ戻ると思うっすよ!!」

書家「編集長は?」

女記者「会議室で鬼会議中っすよおぉ!」

書家「何だよ、どいつもこいつもよ」

呆れ顔で頭を掻きながら、書家はすぐ傍にあるソファーへと寝転ぶ。


631 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:12:46.09/UeaVr+Zo (25/35)

ドサッ

書家「まぁ適当にかけて、待っててくれや」

召喚士「はぁ」

盗賊「……」

スッ

書家「……んで、今日は何の用だ?」

召喚士「ちょっと…新聞の事で……」

書家「ああ、見た見た!納得いかねーよなぁ」

召喚士「まぁ……」

書家「あれじゃあ面白みもへったくれもありゃしねぇよ!くっく!」

召喚士「へ…!?」

書家「笑える要素が全くない!あんな記事じゃあ後々の世に残――」

ガチャッ…スタスタスタ

記者「……ただい――朱雀先生!?」

召喚士「記者さん!」


632 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:13:16.18/UeaVr+Zo (26/35)



コポコポコポッ…コトッ

魔道士「ありがとうございます~」

記者「成程、よく似たパーティーの方々がいらしたのですか」

召喚士「ええ。出来れば誤解を解きたいのですが……」

記者「お詫びの掲載をする分には構いませんが…」

盗賊「……ズズーッ」

記者「皆さんの活躍は曲がりなりにも本物ですからね」

女記者「そうそう!いちいち直すなんて鬼面倒――」

戦士「…?」

女記者「ひゃああぁぁ!?」

魔道士「えっ?えっ!?」

女記者「皆さんが朱雀先生だったのですかああぁぁ!?」

記者「知らなかったの!?ってか君…居たの?」

女記者「こ、これは鬼失礼致しましたああぁぁ!!」


633 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:13:43.52/UeaVr+Zo (27/35)



女記者「記事の話題が鬼聞こえてきたので……」

書家「くっく!お前、ほんと面白い奴だな!」

記者「そうですか、以前に彼女を助けた経緯が…」

戦士「助けたっつーか、なんつーか……」

女記者「あの時は鬼助かりましたよおぉ!ありがとうございましたああぁぁ!」

戦士「あれから迷子にはなってねぇか?」

女記者「鬼バッチリっすよおぉ!何たって、泊まりこむ事にしましたからあぁ!」

書家「…やっぱお前、ただのバカだろ」

記者「と、とにかく…記事はあのままでいいと思いますよ」

魔道士「でもぉ……」

書家「いーや、俺は変えるべきだと思うぜ。もっと面白く甘美な――」

記者「先輩は黙っていて下さい!」

書家「……へいへい」

召喚士「は……ははは…っ」


634 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:14:21.25/UeaVr+Zo (28/35)



記者「とりあえず、お詫びの文章は掲載しておきますね」

召喚士「すみません。お手数をお掛けします」

書家「んじゃ、下まで送るわ」

記者「悪いですよ」

書家「気にすんな。どーせ俺も帰るからよ」

魔道士「それじゃ、失礼しました~」

女記者「こちらこそ!!また鬼来社して下さいねえぇ!!」

盗賊「…ど、どうも」

記者「また何か、情報があったら取材させて下さいね!」

戦士「……お手柔らかに頼むぜ」

召喚士「それじゃあ、失礼します」

スタスタスタ…

書家「アンタらも大変だねぇ。くっく!」

戦士「…お陰様でな」


635 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:14:55.15/UeaVr+Zo (29/35)

召喚士「書家さんも記者なんですか?」

書家「今はフリーだ」

魔道士「フリーですか?」

書家「毎日セコセコ働くんじゃなくて、特ダネをポーンと持ち込むのよ」

戦士「ほぉ」

書家「ま、昔居たコネで出入りさせて貰ってるってワケよ」

魔道士「なるほどですね~」

ガチャッ

編集長「おっと……」

書家「どーも」

編集長「まーたお前か!何かいいネタでもあんのか?」

書家「くっく!今は……なし!」

編集長「じゃあ帰れ、回れ右!」

書家「言われんでも帰るわい」

編集長「いいからどけっ!お客人の邪魔だ」


636 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:15:22.46/UeaVr+Zo (30/35)

テクテクテクテク…

召喚士「あ……っ!!」

大軍師「おや、珍しい所でお会いしますねぇ」

魔道士「大軍師さん!?」

戦士「そっちこそ…どうしたんだよ…っ?」

大軍師「この度、本部へ戻る事になりましてね…」

召喚士「そうだったんですかぁ」

盗賊「…でも、何でここに?」

大軍師「…ふっふ。まぁ色々と…悪巧みですよ」

編集長「知り合いかね?」

大軍師「例の朱雀先生ですよ」

編集長「っ!?……言われてみればその顔!!」

ズイッ

編集長「……しかし新聞より優男だな。あの絵師…クビ!!」

召喚士「!?」


637 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:15:49.62/UeaVr+Zo (31/35)



大軍師「では、お願いしますよ」

編集長「検閲次第ですが、こちらこそ色々と助かりましたわ」

大軍師「では、失礼します」

召喚士「それじゃ俺らも一緒に……」

ガシッ

召喚士「!?」

書家「……なぁ」

召喚士「は、はいぃ…?」

書家「アンタらさ、いずれはデカイ事するんだろ?ん?」

召喚士「デカイ事…って」

大軍師「しますよ。彼らは救世主ですからね」

戦士「そのフレーズはもういい」

書家「やっぱりか!じゃあ、ちょっくら頼みがあるんだけどよ?」

盗賊「…頼み?」


638 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:16:16.33/UeaVr+Zo (32/35)



魔道士「えぇーっ!?」

戦士「俺らを…か!?」

書家「そうそう!絶対売れるって!ベストセラー間違いなし!」

召喚士「……」

書家「悪い事は書かねーからさっ!なっ?なっ?」

魔道士「ど、どうしましょう……」

召喚士「ちょっとすぐには返答出来ないですよ…っ」

書家「えー!?じゃあ分かった。こうしてくれ」

戦士「あん?」

書家「他の奴には出させないでくれ。出すなら俺が書く!どうだ!?」

戦士「いや、ハナっから出すつもりもねーよ……」

召喚士「う、うん……」

書家「くっく……そりゃ良かった!んじゃまたな!」

魔道士「……さ、さようならー」


639 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:17:18.59/UeaVr+Zo (33/35)



大軍師「いやはや、新聞社というのは賑やかな所です」

召喚士「大軍師さんも始めてですか?」

大軍師「先日、初めて訪れましたよ」

魔道士「そうなんですか~」

大軍師「私の場合、どちらかというと訪ねられる立場なので……」

召喚士「なるほど…」

大軍師「しかし、朱雀先生も一躍、時の人ですねぇ」

召喚士「まさかあんな大々的に載るとは思いませんでしたよ……」

大軍師「良い事ではありませんか。国軍付として我々も有難い話ですよ」

盗賊「……」

大軍師「それで、次はどうなさるおつもりで…?」

召喚士「思うところはありますが、まだ確定ではありません」

大軍師「何か話し難そうな事のようですねぇ」

召喚士「…すみません」


640 ◆1otsuV0WFc2011/02/17(木) 19:17:59.04/UeaVr+Zo (34/35)

大軍師「いえ。では私はこちらですので」

召喚士「あ、はいっ」

魔道士「お疲れ様でした!また…!」

テクテクテクテク…

戦士「何だ?話し難そうな事って……」

召喚士「うん。次に行く所をずっと考えてたんだけど…」

盗賊「…どこか…あるのか?」

召喚士「……お腹空いたね。食事でもしながら話そうか」

魔道士「そうしましょっか!」

戦士「だな。ついでにワークショップも回っておくか」

召喚士「うんっ!それじゃ俺は日用品の買い出しに行ってくるよ」

魔道士「私も行きますーっ!」

戦士「そんじゃ俺と盗賊がワークショップだな」

盗賊「…ああ」

召喚士「それじゃ、1時間後にここで!」


641VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 19:19:21.84/UeaVr+Zo (35/35)

投下中に他部署の人が「鬼やばい」とか「鬼便利!」とか連呼してて焦った…
では失礼致します!ご支援感謝感謝!ノシ


642VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 19:39:15.29a7pr2DsAO (1/1)

鬼乙っす!


643VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 19:50:21.61cPExwlrh0 (1/1)

鬼←これは乙じゃなくて地上最強の生物なんだからねっ!


644VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 19:57:59.19udiy3VHCo (1/1)

①鬼読者
②鬼バレてる
③鬼偶然


645VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 20:05:06.27Vrh//ADKo (1/1)

鬼乙


646VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 20:07:16.80ywajlKQDO (2/3)

おつおつ
これは>>1が書家で本を出版するフラグか……


647VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 20:37:35.38kUne4fPDO (1/1)

>>1乙一

しかし、あれだな
まとめから追いついた当初進みが遅くてちょっとイライラしたが……

最近は毎日少しずつ読むのが毎日の活力になってる。

これがいずれは終わる時がくるのが悲しくてしょうがないよ……


648VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 20:46:07.39ywajlKQDO (3/3)

あと975スレ残ってるんだろ?まだまだ安心できるな


649VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/17(木) 23:16:25.91E81QrbEDO (1/1)

あれ?
書家の出番あれだけなん?

あと、北で見つかった物が気になるわ。
占い師が反応したってことは…いや、書き込むのはやめとこう。


とにかく、毎日>>1乙!超乙!鬼乙!


650VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 00:35:14.09qSHfF9Q0o (1/1)

筮竹


651VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 03:28:09.72NncSuonDO (1/1)

これは乙じゃなくてポニテなんちゃらかんちゃら


652VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 06:56:38.29TGFK5cnZo (1/1)

おい…なんかキモいのが来たぞ…
          キモ…
   ( メ^ω^)_/\_
クノ*゚ー゚イチ U) (゚、゚ ソン         (^ν^) ……
| U | U| と ノ         /l_l\
 u-u  u-u   u-u          l <........
     `なんだあいつ…

懐かれちゃったよ、どうしよう

うぜぇ…
               お守りなどごめんだ!!           無視しろ無視…
 ∧∧            一人で十分だ!!       
(ω・` )            \(^ν^)/         ( メ^ω^) 付いて来んなよー…
| U                 l_l            (U  ノ
 u-u               / \            u-u
                              クノ*゚ー゚イチ なんなのあいつ…
                               (U  ノ
                                `u-u'

あいつの師匠もぼっち拗らせて死んだんだって~クスクス


('A`) ・・・・・・ドウモンクン・・・・・・トモダチニナレソウ


653VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 08:16:11.62avN/P/gS0 (1/1)

泣けるな
同門ぇ…


654VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 08:28:19.60Wx4XAtXOo (1/1)

おつー!
他の部署のヤツみてるんじゃね?

「最近面白いSS見つけたんすよww」

「行けっ!クリトr」

>>1「コカトリスだ!」

「何で知ってんすか?」


655 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:12:09.42YVo5ddWzo (1/23)

~郊外、あぜ道~

テクテクテク

皇太子「……」

右大臣「どうかなされたか?」

皇太子「いや、たまにはのんびりと歩くのも、悪くないものだ」

右大臣「うむ……」

皇太子「しかし、何も右大臣が直々に同行せずとも良かったものを」

右大臣「知己がおってな。南東国へのコンタクトもし易い」

皇太子「そうか」

右大臣「それに、エリートを王宮へ残した方が、色々と都合が良いのでは?」

皇太子「……流石だな。もう把握しているのか」

右大臣「総司令より一報貰ってな」

皇太子「そうであったか」

右大臣「殿下へ、例の件を話した……と」

皇太子「……」


656 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:13:20.27YVo5ddWzo (2/23)

ザッザッザッザ

皇太子「他に知る者は?」

右大臣「おらぬ。全て私と陛下……そして……」

皇太子「左大臣は関わってないのだな?」

右大臣「無論」

皇太子「ならば、この件は胸の内に秘めておこうではないか」

右大臣「殿下、私は……」

皇太子「構わぬ。事情が事情故にな……」

右大臣「……」

皇太子「ん?エリートも知らぬという事か?」

右大臣「勿論。あやつの事じゃ、知れば……」

皇太子「そうか。だからお前はエリートに……」

ザッ

皇太子「……おや、偶然…ではなさそうだな」

右大臣「此度の護衛じゃ。二人では心細かろうと想ってな」


657 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:14:12.46YVo5ddWzo (3/23)

皇太子「頼もしい限りだね」

ザッザッザ

天才「ちーっす。此度は殿下の護衛が務められて、光栄でありまーす」

皇太子「……はははっ。思ってもいない事を」

天才「しっかし、何とかならんのかその格好はよ」

皇太子「……?どこからどうみても一介のワーカーではないか」

天才「どーこにんな新品高級装備で固めたワーカーがいるんだよ!」

皇太子「……そうか。しまったな」

天才「やれやれ、何のためにカモフラってんだか……」

皇太子「仕方ないな。これは手土産にでもするとして……」

天才「途中の街で適当に揃えろ。見繕ってやる」

皇太子「流石、プロは違うね」

天才「お前がアマちゃんなだけだろ、世間離れ」

右大臣「さてと、ひとまず船で港街まで向かうぞ」

皇太子「うむ、行こうか」


658 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:14:53.99YVo5ddWzo (4/23)

~本国、食事処~

戦士「東方司令部!?」

魔道士「何か…ありましたっけ?」

盗賊「……まさか」

召喚士「ええ、青年兵くんに例の事を伝えようかと」

魔道士「……っ」

戦士「だがよ、あそこは左翼の巣窟だぞ?ヘタに行けば怪しまれないか?」

召喚士「そうなんだ。だから何かしら理由が欲しいんだよね」

盗賊「……」

戦士「青年兵に伝えるだけじゃなくて、何か理由があればなぁ……」

魔道士「理由ですかぁ……どうしましょう?」

盗賊「…何かあるか?」

召喚士「ないんですよね…それが……」

戦士「それじゃどうしようもねぇな」

召喚士「うん…」


659 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:18:29.03YVo5ddWzo (5/23)

魔道士「でも、早く伝えてあげないといけませんよね…?」

戦士「だからよ、その為の口実がないんだろ?」

魔道士「う~ん……」

召喚士「仕方ない。自力が無理なら……」

盗賊「…他力か?しかしどうやって……」

召喚士「誰かに便乗するか…もしくは……」

盗賊「…頼む、か。…誰が信用出来るのだ?」

戦士「この前も言ったけどよ、隊長は信用出来ると思うけどな」

魔道士「大軍師さんも大丈夫じゃないですか?」

戦士「確かにさっきの様子からすると……」

召喚士「……」

魔道士「召喚士さんは誰かいますか?」

召喚士「国軍ではありませんが…強いて言うならばエリートさんですかね?」

魔道士「なるほど…っ」

召喚士「殿下の側近であるエリートさんなら信用はおけると思いますが…」


660 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:19:11.20YVo5ddWzo (6/23)

戦士「あとは?」

盗賊「…司令かな」

魔道士「司令って、総司令さんですか?」

盗賊「…ああ。だが…確信を持てるわけではないな」

召喚士「…?」

盗賊「……とりあえずそんなものか」

戦士「出来れば国軍の人間は避けたいところなんだがな…」

召喚士「あとはうまく口実を作るしかないね」

戦士「だな。明日にでも本部へ行ってみようぜ」

魔道士「はいっ!」

盗賊「…うまく…タイミングが合えばいいな」

召喚士「そうですね…」

戦士「さーて、ぼちぼち宿へ戻るかね」

魔道士「はーいっ!盗賊さん、戻ったらすぐにお風呂ですよーっ!」

盗賊「……!?」


661 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:21:16.16YVo5ddWzo (7/23)

~次の日、国軍本部~

受付「特殊遊撃隊は現在、任務にて不在ですが……」

戦士「マジかよ……」

召喚士「それでは、大軍師さんは……」

受付「大軍師様は……同じく不在ですね」

盗賊「……」

召喚士「で、では…総司令さんは?」

受付「えぇと……不在です」

魔道士「……」

戦士「おいおい、誰もいねぇのかよ……」

召喚士「参ったな……」

カツカツカツカツ

副司令官「…ん?朱雀先生…か?」

召喚士「副司令さん!」

副司令官「今日はどうした?何か…用か?」


662 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:21:52.05YVo5ddWzo (8/23)

~応接室~

副司令官「そうか。すまんな……」

召喚士「いえ、皆さんお忙しそうですね」

副司令官「全く、困ったものだ。これでは本部も機能しておらぬも同然」

盗賊「……」

副司令官「それで、何用かな?良ければ伺うが……」

魔道士「え、えっとぉ……」

召喚士「五ヵ年計画の事で、ちょっと確認を…」

副司令官「…そうであったか」

召喚士「俺らもそろそろ、最後の準備に取り掛かろうかと思いまして」

副司令官「昨日の話では、あと半年程で準備を整えると…」

戦士「やっぱそんなもんか」

副司令官「個人的な見解では、半年は厳しいと思うがな」

魔道士「そうなんですか?」

副司令官「内部が混乱しておるというのに、戦争などと言っている場合ではない」


663 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:22:20.39YVo5ddWzo (9/23)

召喚士「確かに……」

副司令官「…まぁ、その為に今、あちこちと動き回っているのだがなぁ」

魔道士「大変ですねぇ…」

副司令官「まぁ仕方ない。これも仕事のうちよ」

盗賊「……」

副司令官「国軍付の君らにも、苦労をかけるな」

召喚士「いえ、俺らも出来る限りの協力は致しますので…」

副司令官「うむ。感謝するぞ」

召喚士「頑張ります」

戦士「さーてと、そんじゃ行くか」

召喚士「そうだね。では、俺らはこれで失礼致します」

副司令官「うむ」

盗賊「…では」

テクテクテクテク…

副司令官「……」


664 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:25:49.94YVo5ddWzo (10/23)



戦士「しかしこうも不在じゃ話にならんな」

召喚士「エリートさんの所にでも行ってみる?」

魔道士「そうですねぇ」

戦士「確かにあの人なら、青年兵に何かしら用件も作れそう……」

カツカツカツ…

占い師「あら、よく会うわね」

魔道士「占い師さんっ!」

占い師「今日はどうしたの?」

戦士「ちょっとな」

召喚士「隊長さんか大軍師さんに会いたかったんですが……」

占い師「隊長?特遊ならここのところずっといないわね」

盗賊「…そうなのか」

占い師「大軍師なら、朝方から新聞社へ行ったわよ」

魔道士「!?」


665 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:26:19.65YVo5ddWzo (11/23)

召喚士「……そうですか、ありがとうございます!」

占い師「へっ?」

戦士「いや、助かったよ!」

占い師「そ、そう……」

盗賊「…どこか…行くのか?」

占い師「うん。大軍師と入れ替わりで北へ行く事になったの」

魔道士「北へですかっ!?」

召喚士「それってまさか……」

占い師「うん、北の村。屯田の監督」

戦士「意外だな。あんたみたいな人でも行くのか……」

占い師「ほら、今は力もないしね」

盗賊「……」

占い師「別に落ち込んでいるわけじゃないのよ?安心して」

盗賊「……ああ」

占い師「いいリフレッシュになるかもしれないしね」


666 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:27:28.62YVo5ddWzo (12/23)

戦士「あそこの奴らはみんな、気さくでいい連中だよ」

占い師「本当?それをきいたらますます楽しみになっちゃった」

召喚士「気を付けて下さいね」

占い師「…ありがと。君達もねっ」

魔道士「はいっ!」

占い師「じゃあね」

盗賊「……また」

カツカツカツ…ピタッ

占い師「……あの、さ」

召喚士「…はい?」

占い師「多分また、会うと思うんだけど……」

戦士「……?」

占い師「その時は…よろしくね」

召喚士「え…っ?」

カツカツカツカツカツ…


667 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:28:02.32YVo5ddWzo (13/23)

戦士「…何だ?」

魔道士「さ、さぁ……」

盗賊「…どうする?」

召喚士「新聞社へ行ってみましょう」

戦士「だな!大軍師先生なら何かいい手立てがあるかも」

国軍本部を離れ、足早に新聞社へと向かう四人。

その頃、本国より南の地では、新たな出会いを迎えようとしていた。

~剣士の故郷~

皇太子「ほぉ、こんな所に村が……」

天才「これだから世を知らぬお坊ちゃんは……」

皇太子「……」

右大臣「仕方なかろう。殿下とてだな――」

天才「分かってるよ、冗談だろうが」

右大臣「……っ」

ザッザッザッザ


668 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:28:33.75YVo5ddWzo (14/23)

皇太子「それで、この村には一体……」

右大臣「……」

コンコン……カチャッ

村長「……!?」

右大臣「……」

村長「……其方は?」

右大臣「分からぬか?」

村長「……っ!!」

右大臣「中へ入るぞ?」

村長「……っ」

ザッザッザ…

皇太子「失礼する」

天才「ふぅん。なかなかいい家じゃねーか」

村長「殿下……なのか……っ!?」

驚き立ち尽くす村長を横目に、三人は家の中へと進む。


669 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:29:05.11YVo5ddWzo (15/23)



村長「……」

右大臣「すまんな。急な訪問で」

村長「……全くじゃ」

皇太子「申し訳ない」

村長「いえっ、殿下はお気になされず……っ」

天才「んで、このジジイが何だってんだ?」

右大臣「殿下はこれより、南東国を訪問する」

村長「……っ!!」

右大臣「文は出したが、一応繋ぎ役を務めては貰えんだろうか?」

村長「私がか…?」

右大臣「南東国と馴染みがあるのであろう?」

村長「……私より適任者が一人おります」

皇太子「ほう。ご紹介頂けるかな?」

村長「……はい。ご案内致しましょう」


670 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:29:34.15YVo5ddWzo (16/23)



ザッザッザッザ

皇太子「この村の者なのか」

右大臣「おぉ、もしや……」

村長「……」

コンコン……カチャッ

弓使い「あら、村長。なぁに?お客様?」

村長「剣士はいるかな?」

弓使い「え、ええ…っ。どうぞ……」

右大臣「失礼する」

ザッザッ…ツカツカツカ

弓使い「あな……け、剣士ーっ、村長がいらっしゃったわよー」

カチャッ…スタスタ

剣士「村長?……お客様かな?」

幼女「こんにちはーっ!」


671 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:29:59.20YVo5ddWzo (17/23)

皇太子「これはこれは。こんにちは」

幼女「だぁれ?」

剣士「えっと……?」

右大臣「結婚式以来だな。覚えておるかな?」

剣士「っ!!」

弓使い「あぁっ!た、確か……本国の……」

天才「こう見えても本国の右大臣。んで、こっちの若いのが……」

皇太子「本国第一王子、皇太子と申す」

剣士「――っ!?」

弓使い「嘘おおぉぉ-っ!?」

幼女「えっ、誰~?」

剣士「……こ、この国の…王子様……っ」

幼女「うそっ!?な、何で…っ!?」

右大臣「ご多忙のところ申し訳ない。まずは話を聞いて貰えるかな?」

皇太子「実は、君に頼みたい事があるのだ」


672 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:30:30.95YVo5ddWzo (18/23)



弓使い「……」

幼女「震えてる」

弓使い「しっ!静かにしてなさいっ!」

剣士「……つまり、僕が南東国への橋渡し役を?」

皇太子「うむ。事を円滑に進めたいのでな」

剣士「それは一向に構いませんが、僕で宜しいのでしょうか…?」

右大臣「お主は南東国の要人と面識があるのだろう?」

剣士「え、ええ…」

右大臣「ならばこれほど適任な事はない。頼めるかな?」

剣士「……僕で…宜しければ」

皇太子「助かる。無論ただとは言わぬ。後日、報酬ははずませて貰うぞ」

剣士「い、いえ…そんな……」

天才「いーから貰えるモンは貰っとけ!新婚なんだろ?」

弓使い「え!?あ、まぁ……そうよね!」


673 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:30:59.03YVo5ddWzo (19/23)

右大臣「急がせて済まんが、いつから発てる?」

剣士「えぇと、急ぎであれば直ぐにでも」

右大臣「そうか。では、一時間後に出発で宜しいかな?」

剣士「はい。……いいよね?」

弓使い「行ってらっしゃい!!」

幼女「お気を付けて~っ!」

天才「はーっはっはっは!!いい嫁と娘じゃねーか!!」

剣士「ど、どうも……」

右大臣「ではすまんな。剣士殿を借りるぞ」

村長「うむ」

皇太子「我々は外で待つとしよう」

弓使い「そんな悪いですよっ、どうぞ寛いで……」

皇太子「いやいや、長居も迷惑。お気遣いなく」

スクッ…スタスタスタ

弓使い「あ……っ」


674 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:31:24.26YVo5ddWzo (20/23)

パタン

天才「おいジジイ共、俺らも出てるぞ」

右大臣「う、うむ」

村長「それでは頼んだぞ」

剣士「はい」

テクテクテク…パタン

弓使い「……はぁ~っ、緊張したぁ……」

剣士「びっくりしたね。まさか…殿下が来られるとは……」

幼女「凄いねっ!」

弓使い「それにしても…よく出来た方ねぇ~」

剣士「流石は皇族だね。オーラというか、雰囲気が全然違うよ」

弓使い「それじゃ、頑張ってきてね!」

剣士「うん、行ってくるよ!」

弓使い「頑張って…稼いできてねっ!!」

剣士「…う、うんっ。よく出来た…嫁だね…ははっ」


675 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:32:04.18YVo5ddWzo (21/23)



剣士「お待たせ致しました」

皇太子「では、参ろうか」

剣士「徒歩なのですか!?」

皇太子「ああ。目立ちたくなかったものでな」

剣士「なるほど。それであれば馬を手配しましょう」

天才「あんのか?」

剣士「ええ。村の牧場に数頭おりますので……」

右大臣「ほぉ、そんなものまで」

剣士「南方馬を譲って頂いたので、配合なんかも出来るかなぁ…と」

皇太子「おぉ、名馬の産地になると良いな」

剣士「そうですね。いずれはそういうのも、面白いかもしれませんね」

ザッザッザッザ…

天才「おー、なかなかの馬が揃ってんじゃねぇか!」

剣士「お好きな馬をお選び下さい。準備出来次第、向かいましょう!」


676 ◆1otsuV0WFc2011/02/18(金) 18:32:35.23YVo5ddWzo (22/23)

~本国、新聞社~

テクテクテクテク

受付嬢「……っ!!」

召喚士「…す、すみません。今日はここで待たせて頂くだけなので」

受付嬢「……ふんっ」

戦士「…何だか、凄い嫌われてるな…ボソボソッ」

魔道士「み、みたいですね……ゴニョゴニョ」

受付嬢に睨まれつつ、四人はしばし出入り口で大軍師を待つ。

魔道士「……あっ」

カツカツカツ…コツ

大軍師「……おや?」

召喚士「大軍師さん」

大軍師「昨日はどうも。今日は如何致しましたか?」

召喚士「えぇ…実はですね……」

ドタバタ…ガッシャーン!!


677VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 18:33:18.21YVo5ddWzo (23/23)

ちょいここまでで抜けます!すみません!


678VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 18:47:55.26LRNDXTYDO (1/1)

>>1乙っす
受付嬢可愛いよ受付嬢


679VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 23:03:44.01MEYhKO7Wo (1/1)

嵐の前か。


680VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 23:16:26.70hwBoGF2AO (1/1)

剣士の人脈がすごいことになってるな


681VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 00:22:38.30EZiXwxXd0 (1/1)

剣士のポジションがどんどんよくなってく
最初はその辺のワーカーだったのに


682VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 00:25:49.65d21Iq1FAO (1/1)

裏切り者は剣士
弓使いさんを返せ


683VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 00:34:34.48+tfJV4vLo (1/4)

剣士のステータス
・美人の嫁、可愛い娘持ち
・超名馬である赤兎を乗りこなす
・強敵を屠って来た戦士と互角
・親代わりが国トップ3の友人
・自国の軍トップ4から勧誘
・他国の王の右腕からも勧誘
・魔物たちの頭
・世界各所で活躍中の召喚師らと深い交流
・皇太子と知り合い ←new!!


684VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 00:36:04.91Ll++rmYoo (1/1)

リア充ってレベルじゃねーぞ!


685VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 00:52:16.36wUIeu6eDO (1/1)

>>682
ざまぁwwwwwwwwwwww


686VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 03:02:46.954PDs1eADO (1/1)

つまり幼女ちゃんと結婚したらその人脈にあやかれるわけだな。
ブヒッ


687VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 03:07:33.72kdQiYzrAO (1/1)

剣士、青年兵、召喚士の3人は初登場時から相当出世したよなー
将棋でいうなら2回ぐらい駒がひっくり返ってるレベル


688VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 03:11:33.97+tfJV4vLo (2/4)

元に戻ってんじゃねーか


689VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 08:19:33.96MtSS8HGMo (1/1)

>>687
それ、元に戻ってないか?


690VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 09:49:46.65qfK0xiKAo (1/1)

>>683
そんな剣士以上にすごい召喚士のステータスも頼む


691VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 11:18:08.30n6OSd955o (1/1)

皇太子は40歳ぐらいって見た気がするんだが…意外と若いの?


692VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 18:15:28.053gYCWBEv0 (1/1)

そんなに年を食ってたら皇位譲られて皇帝になっちゃうよ


693VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 18:50:22.87+tfJV4vLo (3/4)

>>690
召喚師のステータス
・朱雀系召喚師のトップである朱雀先生を名乗る
・朱雀先生でありがなら青龍、白虎、玄武、おまけに式神まで使える
・召喚フェス二連覇という卓越した召喚スキルを持つ
・数対同時召喚して戦うことができる量の魔翌力を保有
・司令塔としても優秀
・本国の主要機関は大体顔パスできる
・西国の主要機関も顔パス余裕
・東方皇帝の右腕と顔パスで面会できる
・魔物の隠れ里へも顔パスで入れる
・パーティメンバーに英雄の息子、大商家の一人娘、東方の姫
・国軍付きワーカーである
・国軍付きでない場合パーティの功績ランク4位、個人で9位
・「再来」と呼ばれるほどの人物である前朱雀先生を親代わり、師に持つ
・その師から右腕とも呼べるコカトリスを譲り受ける
・さらに青龍先生からも教えを受ける
・皇太子を含む右翼の有力者と大体顔なじみ
・軍部の有力者とも大体顔なじみ
・五ヶ年計画の最重要人物である占い師と顔なじみ
・多くの退役した元軍人や英雄と顔なじみ
・各方面から将来を期待される青年兵と親友
・牛魔王の討伐に貢献
・西方の王族と親しく、寄る度に歓迎の宴を催される
・西方では危機を救った英雄として伝えられる
・南東国では牛魔王の討伐に貢献
・東方と本国との同盟に大きな影響を及ぼす
・東方の皇帝と顔なじみ
・数百年封印するしかなかったヤマタノオロチ討伐に貢献
・不死の伯爵を消滅させる
・世界各地の大きな戦いの多くに参戦、目覚ましい活躍を見せる
・女装が余裕で騙し通せるレベルの完成度
・新聞の一面に大きく掲載される ←new!!


694VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 19:01:04.33/mMAQnMAO (1/1)

>>693召喚士さんマジパねぇ!

でも女装~の部分はある意味バッドステータスじゃね?


695VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 19:10:25.84l5p9I1k+o (1/1)

ちょうど王子ウザい辺りから読んでなかったんだよな、ログはjaneで取ってたけど
読みなおそうと思うんだけど何スレ目くらいだっけアレ
最初から読むのもアリだけどどうするか……


696VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 19:12:34.34x63AI5rJo (1/1)

>>694
それだけ整った顔立ちと体、綺麗な声してるってことだろ言わせんな恥ずかしい


697VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 19:31:13.87D1LONkEvo (1/1)

次は戦士の凄さを教えてくれ


698VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 20:16:30.16hN1qSMaAo (1/1)

>>693
召喚フェス2連覇?
2回目は結局青年兵に負けたんじゃなかったか。


699VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 20:19:39.99+tfJV4vLo (4/4)

そういやそうだったな……両者ボロボロ程度にしか覚えてなかったぜちょっと読み直してくる


700VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 22:14:57.71lGO4ZYvDO (1/1)

しかもまだ召喚士には出生の秘密が残っているしな!


701VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 22:29:18.23aq4GmgRAO (1/1)

そんなにすごいのに何故か影のうすい召喚士が大好きです




702 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 22:50:07.93v+MHk7Xvo (1/16)

戦士「な、何だぁ!?」

女記者「痛ったあぁ……!!鬼痛たああぁぁ!!」

魔道士「あれって確か…女記者さん…?」

盗賊「…またか」

タッタッタ

召喚士「だ、大丈夫ですか?」

女記者「ああぁぁ!?こ、これは鬼お手数をををを!!」

召喚士「い、いえ…っ。立てますか?」

スタスタスタ

編集長「こりゃ朱雀先生、放っておいて下さい」

召喚士「編集長さん……」

編集長「ばっきゃろーっ!さっさと立たんか!!」

女記者「ひいぃぃ!!鬼すんませんっすううぅぅ!!」

戦士「前途多難どころじゃねぇな……」

魔道士「え、ええ……っ」


703 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 22:50:57.52v+MHk7Xvo (2/16)

編集長「ったく!そんなんで取材が務まると思ってんのかぁ!?」

女記者「ひいいぃぃっ!!お、鬼頑張るっすうぅ!!」

召喚士「どちらか、取材へ行かれるのですか?」

編集長「ええ、ちょーっと東方司令部までね」

召喚士「えっ!?」

魔道士「東方……司令部!?」

編集長「ええ。それが何か?」

戦士「そ、それって……」

召喚士「あ、あのっ!!俺達も一緒に同行出来ませんかね!?」

女記者「へ……っ?」

編集長「同行ですか?」

戦士「あの…っ、ほら!コイツって…方向音痴じゃん?」

召喚士「だ、だから馴染みのある俺らが、案内出来ないかなって……」

編集長「…いやっ、ありがたいがそこまでは流石に……」

召喚士「いやいやっ、是非今後の為にも!色々とっ、もちろん無償で!」


704 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 22:52:25.34v+MHk7Xvo (3/16)

編集長「……」

大軍師「……ほぉ」

編集長「コイツの為に…わざわざねぇ」

女記者「……っ」

大軍師「編集長、これはいい機会ですし、お願いしてみては?」

編集長「いやっ、しかしだなぁ……」

大軍師「朱雀先生方もこう仰っている事ですし、ここは甘えておきましょうよ」

編集長「……うーん」

召喚士「……是非!」

編集長「……まぁ、そこまで言って頂けるのなら」

戦士「いよっしゃあ!」

魔道士「やりましたねっ!!」

編集長「やりました?」

召喚士「いやっ、やりましょう!やってやりましょうっ!ははっ、ははは!」

編集長「…はぁ、気合入ってますね」


705 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 22:53:30.97v+MHk7Xvo (4/16)

女記者「朱雀先生が一緒なんて、鬼心強いっすよおぉ!」

変種長「ばっきゃろーっ!迷惑掛けんじゃねーぞ!」

女記者「は、はひいいぃぃ!!」

戦士「そうと決まれば、すぐに出発の準備だ!」

盗賊「……だな」

大軍師「……朱雀先生、ちょっと宜しいですか?」

召喚士「……はい」

魔道士「じゃあ私達、準備してきますねっ」

召喚士「は、はいっ。すいません」

テクテクテク

召喚士「あ、あの……何か…?」

大軍師「…ふっふ、東方司令部ですか」

召喚士「……」

大軍師「彼……青年兵殿の所ですね」

召喚士「……流石、察しがいいですね」


706 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 22:55:32.98v+MHk7Xvo (5/16)

大軍師「理由なくして訪れられない。……左翼ですか」

召喚士「……」

大軍師「お答えせずとも結構です」

召喚士「……すみません」

大軍師「私に、全幅の信頼を寄せろとは言いません。しかし……」

召喚士「……」

大軍師「彼を男にしてやって下さい」

召喚士「…もちろんです。手柄は全て青年兵くんへ……」

大軍師「それならば結構です。ふふふっ」

召喚士「…いずれ、時が来ればお話します」

大軍師「分かりました。しかし、こちらも動いております」

召喚士「…ええ」

大軍師「…邪魔だけはなさらぬように。それでは……」

スッ…テクテクテクテク…

召喚士「……」


707 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 22:57:26.78v+MHk7Xvo (6/16)



戦士「おーう、話は終わったか?」

召喚士「うん」

盗賊「こちらも手筈は整った。行くとしようか」

召喚士「ええ」

テクテクテク

魔道士「……あっ」

書家「んおっ!?……おぉーっ!!」

タッタッタッタ…ザッ

書家「昨日の件、考えてくれたのか!?」

召喚士「いえ、別件です。流石にそんな早く決められませんよ……」

書家「頼むぜ~。俺の金…いや、将来がかかってるんだからなっ!くっくっく!」

召喚士「はぁ……」

書家「ま、でかい戦もこれからなんだろ?終わるまで待ってるよ」

召喚士「……期待せずに待ってて下さい」


708 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 22:58:30.09v+MHk7Xvo (7/16)

タッタッタッタ

女記者「鬼お待たせしましたっす!それじゃあぁ、行きましょおおぉぉ!!」

魔道士「行きましょーっ!!」

編集長「先生、本当に宜しくお願いします」

召喚士「ええ。女記者さんは必ず、東方司令部へお連れしますよ!」

女記者「鬼宜しくっす!!」

編集長「ばっきゃろーっ!!甘ったれるな!!」

女記者「ひいいぃぃ!行ってくるっす!!」

魔道士「それでは、失礼しまーす!」

テクテクテクテク

戦士「まずは、船か?」

召喚士「そうだね。本国からターミナル経由が一番簡単だろうね」

盗賊「…だな」

女記者「おおぉぉ…!?鬼楽しみっす!!」

魔道士「さぁ、出発ですっ!えへへ!!」


709 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 22:59:01.11v+MHk7Xvo (8/16)



船員「どれでは、出航致します」

ザザーン

女記者「うおおぉぉ!!鬼広いっすううぅぅ!!」

戦士「海は初めてか?」

女記者「いえっ、何度もあるっすよおぉ!」

戦士「……」

召喚士「ターミナルまでしばらくありますから、食事を済ましておきましょうか」

魔道士「そうですね~」

女記者「おぉっ!?それなら私が鬼奢るっすよおぉ!!」

戦士「いいよ。無理すんな」

女記者「いやいやいやいやいやいや!!鬼お世話になるんすからこのくらい……」

召喚士「でも、それとこれとは別ですよ……」

女記者「いいから鬼任せるっすよおぉ!」

盗賊「……だってさ」


710 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 23:00:15.04v+MHk7Xvo (9/16)



船員「それでは、出航致します」

ザザーン

女記者「うおおぉぉ!!鬼広いっすううぅぅ!!」

戦士「海は初めてか?」

女記者「いえっ、何度もあるっすよおぉ!」

戦士「……」

召喚士「ターミナルまでしばらくありますから、食事を済ましておきましょうか」

魔道士「そうですね~」

女記者「おぉっ!?それなら私が鬼奢るっすよおぉ!!」

戦士「いいよ。無理すんな」

女記者「いやいやいやいやいやいや!!鬼お世話になるんすからこのくらい……」

召喚士「でも、それとこれとは別ですよ……」

女記者「いいから鬼任せるっすよおぉ!」

盗賊「……だってさ」


711 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 23:01:19.20v+MHk7Xvo (10/16)



戦士「…はぁ~食った食った」

魔道士「美味しかったですね」

戦士「でもよ、船内食ってのは、どうもボリュームが少なくてなぁ…」

召喚士「女記者さん、本当にありがとうございました」

女記者「鬼気にしないで下さいっす!どうせ領収書切るっすからあぁ!」

戦士「…なんだよ、結局お前の奢りじゃねーじゃんか」

女記者「いやいやっ、会社に出すまでは……鬼奢りっすよぉ!」

ヒラヒラッ

戦士「なんじゃその理論は……」

召喚士「ま、まぁ…ご馳走様って事で。ははっ」

ビュウウゥゥ

魔道士「きゃっ!」

女記者「ああああぁぁぁーっ!!」

ヒラヒラヒラッ


712 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 23:02:35.15v+MHk7Xvo (11/16)

女記者「領収書おおぉぉぉぉ!!」

盗賊「……海の藻屑となったな」

戦士「んな事してっからだよ」

女記者「……うぅ、鬼損失っす……っ」

召喚士「さ、さっきの分は払いますから……」

魔道士「そ、そうですよ…。元気出して下さい……」

女記者「……鬼…ご迷惑かけるっす」

トボトボトボ…

戦士「……元気なくなっちまったな」

盗賊「……うん」

戦士「なーんか、賑やかな奴だけど…しおらしくなるとそれはそれで寂しいな」

召喚士「うん。元気になってくれればいいけど……」

魔道士「私…あとで声かけてみます…っ」

召喚士「すみません、お願いします」

魔道士「はいっ!」


713 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 23:03:38.89v+MHk7Xvo (12/16)

~南東国、平野~

ドドッドドッドドッ…

剣士「もう間もなく……華国、東の街へ到着致しますっ!」

皇太子「うむ」

天才「……」

皇太子「どうした?」

天才「……ちょいと止まるぞ」

剣士「……?」

ドドォ…ザザッ

右大臣「何か…あったか?」

天才「……誰かいやがるな」

剣士「!?」

皇太子「しかし、街はあちらではないのかね?」

剣士「え、ええ……っ」

天才「……」


714 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 23:04:36.29v+MHk7Xvo (13/16)

バッ…ドドッドドッドドッ

右大臣「お、おい…っ!」

皇太子「我らも後を追うぞ」

剣士「は、はいっ!」

ドドッドドッドドッ…

天才「……複数いやがるな」

ドドッドドッドドッ…

天才「……こっちか!」

グイッ…ドドッドドッ…

皇太子「待てっ、魔物かもしれんぞ!」

天才「いーや。魔物の感じじゃねぇな、人間だ。それによ……」

チラッ

剣士「……?」

天才「この辺りの魔物は…襲ってきたりはしねぇだろ?」

剣士「……っ!!」


715 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 23:05:27.64v+MHk7Xvo (14/16)

右大臣「だ、誰かいるぞっ!?」

皇太子「むっ……?」

天才「……」

ババッ…ザッザッザッザッザ

右大臣「……っ!?」

皇太子「あれは……っ」

剣士「あ…貴方達は……っ!?」

兄者「……お主、確か先日の」

弟者「あぁん?何だ何だっ!?」

剣士「これは…一体……っ」

弟者「悪りぃな、ちょっと邪魔しねぇでくれや」

剣士「え…っ?」

ザッザッザ

天才「……なんだ、てめぇか」

兄者と弟者、その二人の背後に立つ男へ、天才は声をかける。


716 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 23:06:09.27v+MHk7Xvo (15/16)

右大臣「お……お前は!!」

ザッザッザ

戦士父「……殿下!?」

剣士「…!?」

天才「なーにしてんだよ、こんな所で。道場破りか?」

戦士父「おま……いや、いい」

右大臣「こ、これは一体…何が起きて……」

兄者「すまんが、邪魔をしないで頂けるか?」

剣士「あ、あの……」

弟者「コイツに決闘を申し込まれてな」

右大臣「決闘……!?」

兄者「うむ。……我らのこれを賭けてな」

ドスッ

剣士「武器…ですか?」

兄者「ああ、そうだ」


717 ◆1otsuV0WFc2011/02/19(土) 23:07:35.53v+MHk7Xvo (16/16)

天才「……なるほどな」

戦士父「……」

天才「いいぜ、手出しはしねぇ。その代わりだ」

テクテクテク…ドサッ

天才「ここで、見物させて貰うぜ」

戦士父「!?」

天才「いーじゃねぇか。邪魔しねぇって言ってんだろ」

剣士「し、しかし……っ」

天才「いいのか?」

剣士「…?」

天才「こんな一流同士の戦い、そう簡単に見られるもんじゃねーぞ?」

剣士「っ!!」

ザッザッザ…ドスッ

皇太子「それもそうだな。観戦させて貰おう」

剣士「で、殿下まで……っ」


718VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 23:28:57.65S3vBnhDLo (1/1)

>>魔道士「きゃっ!」
これって風で魔道士のスカートが、ってことだよな・・・


719VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 00:51:36.60hrvOZhGlo (1/1)

ゾディアック集めか…


720VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 00:53:11.4025eekI4E0 (1/1)

そんなことより変種長とは何者なのか


721VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 01:26:33.69WYPr5hSAO (1/1)

ゾディアックを集める方法が譲ってもらうじゃなくて決闘で手に入れようとするあたりが戦士の父らしいな


722VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 02:19:25.19kI6n94lSO (1/1)

戦士父にしても五虎将軍の兄弟にしろ
生き方と信念が噛み合ってるからこその
「決闘」なんだろうな。
そんな真の漢にしか手にすることを許されない「ゾディアック」

恐ロシア恐ロシア><


723VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 11:57:56.595zPSIr4vo (1/1)

ゾディアックなんて危ない代物
お願いしただけでホイホイ譲ってくれるわけ無いからな・・・


724VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 14:42:24.71g3kk3YHDO (1/1)

戦士の年齢からしたら戦士父は50代だろうに、とんだ化け物だな
前線で戦えるのなんて普通30代前半までだろう
もしやこの世界の人種はサイヤ人なのかもしれない


725VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 15:24:48.00ufzY0Jafo (1/1)

> 大軍師「彼を男にしてやって下さい」

召喚子ちゃんの出番だそうです


726VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 16:44:30.88FywWns3Yo (1/1)

AVでよくある展開か


727 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:08:29.933920g0A6o (1/24)



戦士父「……」

ザッザッザ

弟者「さーて、まずは俺っちからいくとするかい!」

戦士父「……」

弟者「何でこの蛇矛を狙ってんのか知らねーが……」

チャキッ

弟者「おいそれとくれてやるわけにゃーいかねぇぜ!」

蛇矛と呼ばれる弟者の得物。刀身部分が蛇腹状のようにうねっており、

突きというよりは、鋸のように引っ掻く事を得意とした武器である。

戦士父「……」

言わずもがな、戦士父が狙う理由は、蛇矛がゾディアックの一本であるからだ。

戦士父「……いくぞ」

弟者「……来なっ!!」

戦士父はゆっくりと、手にした二本の長得物を前方へと構えた。


728 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:09:15.293920g0A6o (2/24)

ズッ…

弟者「……槍の…二刀流だとぉ!?」

兄者「いやっ!それよりも……」

ザッザッザ

兄者「あれは……騎都尉の方天画戟!?」

戦士父「はあぁ!!」

バッ!!……ガイイイィィンッ!!

鈍い金属音が周囲に鳴り響く。

戦士父の右手より繰り出された槍の一撃が、弟者の蛇矛に阻まれ、

更にそれを利用し、弟者は戦士父の槍を軸に宙をくるりと回転する。

弟者「でりゃああぁぁ!!」

蛇矛が空中で激しい突きを無数に繰り出す。

スバババババッ!!…バシュウゥッ!!

それを戦士父は冷静に、その二本の槍において激しい連撃を受け流す。

両者共に決め手のないまま、この攻防は互いに間合いを取り、終了した。


729 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:09:54.093920g0A6o (3/24)

ザザッ

戦士「……」

弟者「…へっ」

右大臣「……全くの…互角だな」

兄者「…いや」

皇太子「……」

兄者「わが弟はまだ、本気を出してはおらん」

右大臣「な、何と……っ」

天才「はーっはっはっはっは!!」

兄者「……何が可笑しい?」

天才「そりゃ、アイツも同じだよ!」

兄者「何……?」

天才「どっちも互いの力量探ってんのさ。たかがしれてらぁ」

兄者「……貴公は侮辱しておるのか?」

天才「……アンタもたかがしれてんなぁ」


730 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:10:29.003920g0A6o (4/24)

スクッ…ザッ

天才「互いの手の内探って戦うなんざ、小物のやる事なんだよ」

兄者「……貴様」

スクッ

天才「おっ、やるかぁ?相手してやるぜ?」

戦士父「手を出さないで頂きたい」

あくまで弟者と対峙しつつも、こちらへ向けて声のみ発する戦士父。

天才「……ほらな、手加減もいいとこだわ」

ザッ…ドスッ

右大臣「ど、どういう…意味だ?」

天才「雑音が耳に入るなんざ、本気出してねぇ証拠だよ」

兄者「……っ」

ドスッ

減らず口を叩きながら再び座り込む天才を見て、

兄者もまた反論を飲み込み、その場に再び座り込んだ。


731 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:11:33.663920g0A6o (5/24)

ザザッ…スススッ

戦士父「……」

弟者「……」

皇太子「彼の言う事は、分からんでもない」

剣士「……?」

皇太子「己に絶対の自信を持ち、真なる強さを持つものであれば……」

戦士父「……はぁっ!!」

弟者「だっりゃああぁぁ!!」

皇太子「……相手の力量など、確かめる必要もない」

剣士「なるほど……」

ガキイイィィンッ!!

皇太子「分からんでもないが、到底…出来るものではない」

剣士「……ええ」

皇太子「それを為しえるからこそ、託され、頂点に立っているのだがな」

剣士「……っ」


732 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:12:37.243920g0A6o (6/24)

天才「ごちゃごちゃうっせーぞ。黙って見てやがれ!」

右大臣「お前な、殿下に向かって……」

皇太子「構わん」

右大臣「……っ」

外野の雑音を他所に、対峙する両者は互いに意識を集中させる。

戦士父「……」

弟者「……」

数合打ち合った末の競り合い。その至近状態において、

二人の視線は互いを見つめ、相手の次の動きを探りあう。

戦士父「……」

弟者「……へっ」

にやりと笑う弟者は重心をそのまま、両腕だけを引き、蛇矛を下げる。

戦士父「!?」

均衡を崩した動作に対し、戦士父は空いた左手の戟を突き出したが、

それに備え弟者は、今度は重心ごと身体を後ろへすっと引いた。


733 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:13:21.743920g0A6o (7/24)

グイッ…ブンッ!!

弟者「甘めぇ!!」

戦士父「ちぃっ!」

空振る戟へ重ねるように、戦士父の右手に握られた槍が薙ぎ払う。

弟者「……っ!!」

それを待ってたと言わんばかりに、弟者の蛇矛ガカウンターで突きを繰り出す。

ボシュッ!!

戦士父「……」

弟者「……」

戦士父の交差した腕へ、赤い血がぽとりぽとりと、数滴垂れ落ちる。

その直後、戦士父の左首筋から鮮血がほとばしる。

ブシュウウゥゥ…

戦士父「……はあぁっ!!」

交差した腕で振り払うように薙ぐと、弟者は跳躍でそれを逃れ間合いを取る。

一呼吸つくと、蛇矛を一振りし、先端へ付いた血を振り払った。


734 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:14:24.673920g0A6o (8/24)

天才「…ほぉ、なかなかのボディバランスだな」

皇太子「うむ。あの身に似合わずかなりの反応速度だ」

剣士「凄い……っ」

ブシュッ…ポタポタッ

弟者「かなり出てるが、まだ続けるかい?」

戦士父「……どうという事もない」

弟者「……言うねぇ!」

戦意を失わない眼前の敵に、間髪入れず追撃を仕掛ける弟者。

天才「いーい、判断だ。休ませる必要はねぇ」

右大臣「お、お前は……どちらの応援をしておるのだ!」

天才「あぁ?どっちが勝って、万が一どっちがおっ死のうと…俺様にゃ関係ねぇ」

右大臣「……っ」

頭上で数回蛇矛を振り回し、弟者の攻撃はそのまま乱れ突きへと移る。

ガインガインガインッ…チュインッ…キィンッ!!

戦士父が二本の得物でそれを防ぐ度、首筋から血飛沫が上がった。


735 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:15:15.843920g0A6o (9/24)

ガインッ…キィン…ギキイイィィンッ!!

兄者「そろそろ止めねば、出血多量で危ういぞ」

天才「アホか」

兄者「……」

天才「ギブアップして初めて敗北だろうが」

剣士「……しかし…っ」

天才「俺らに止められるんなら、初めからこんな勝負は起きてねぇ」

皇太子「……」

天才「そうだろ?ヒゲの旦那よ」

兄者「……ああ、お前の言う通りだな。失言であった」

右大臣「……っ」

ガインッ!!…ガキイィンッ!!…ブシュッ

弟者「おらおらおらぁ!どーしたよ!?そのまま出血多量で死ぬかぁ!?」

戦士父「……確かに……これ以上はマズイな」

弟者「!?」


736 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:16:28.753920g0A6o (10/24)

戦士父「はぁっ!!」

ゴゴゴゴゴゴ

弟者「――っ!!」

兄者「こ、これは……っ!?」

天才「やーっと本気モードかよ。遅せぇっつーの」

兄者「これ程の……威圧とは…っ」

弟者「てんめぇ……」

戦士父「悪いな。身体が鈍ってて……暖まりが遅いんだ」

バチィッ!!

弟者「!?」

蛇矛の乱れ突きを、戦士父は戟を回転させ弾き返す。

刹那の隙に空いた腹部へと、更に槍での一撃がカウンターを放つ。

ボッ!!

弟者「……だっりゃ!!」

その一振りをなんとか側宙で回避する弟者。その目に次なる一撃が飛び込んできた。


737 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:17:58.303920g0A6o (11/24)

戦士父「……ふんっ!!」

弟者「な……っ!?」

ドシュウウゥゥ!!

兄者「投擲だとぉ!?」

天才「やっと必殺技が出たぜ」

グオオォォッ!!……ギギギギイイィィ!!

弟者「……っ!!」

着地前に放たれた槍。弟者は迫るそれをかろうじて蛇矛の刀身で受け止める。

天才「はーっはっはっは!平たい刀身で助かったなぁ」

しかし威力が弱まったわけではない。投擲による一撃で弟者の身体は宙で押され、

後方にて着地せざるを得ない状況を生み出した。

弟者「……くっ!!」

歴戦の猛者である弟者は着地前、既に脳裏で結末を描き出していた。

目の前に走り迫る男の左手から突き出される戟。

着地点に寸分の狂いもなく繰り出されるそれを、回避する手立ては残っていなかった。


738 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:18:42.543920g0A6o (12/24)

オオオォォォォ…

戦士父「…………」

弟者「…………」

ザッ

戦士父「…こちらの勝ちだな」

首筋を押さえながら、地べたへ尻をつける弟者へ戦士父は問いかける。

弟者「……いやぁ、参ったね。まさか俺が負けるとは……っ」

鼻筋すれすれに迫った戟の先端を見つめ、弟者は苦笑で応答する。

スゥッ

弟者「……見事だ。仕方ねぇが…これはくれてやる」

ヒョイッ

戦士父「……有難く」

パシッ…ガクンッ

戦士父「……っ」

首筋を抑えた右掌が真っ赤に染まり、戦士父はその場に膝をついた。


739 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:19:19.773920g0A6o (13/24)

剣士「まずい……っ!!」

皇太子「……っ!」

タタッ…ザッザッザ

弟者「お、おい…っ!?」

戦士父「……大丈夫だ。すまん」

ググッ…

弟者「大丈夫…って、大丈夫じゃねぇだろ……っ」

ザッザッ…ザッザッ…

戦士父「……待たせた」

兄者「……」

戦士父「……さぁ」

ググッ…

右大臣「バ……バカな!?まだやるつもりなのか…っ!?」

戦士父「互いに時間がないのだろう?さぁ…っ!!」

兄者「……」


740 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:20:18.763920g0A6o (14/24)

スッ

戦士父「!?」

兄者「悪いが、手負いの者と仕合う心は持ち合わせておらぬ」

戦士父「……」

兄者「それに、手負いの者に勝利したとて、我が武功に上がらぬ」

ザッザッザ

兄者「むしろ恥として、生涯伝えられる事であろうぞ」

戦士父「……」

兄者「日を改め、必ずや弟の仇を討たせて貰おうではないか」

ザッザッザ

天才「いやぁ、漢だねぇ…ヒゲの旦那!」

戦士父「……?」

ザッザッザ…グイッ

戦士父「…っつ!!」

天才「動くな、ジッとしてろ!」


741 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:21:20.413920g0A6o (15/24)

キュイイィィ…パアアァァ

戦士父「……っ」

天才「…たくっ、無駄な魔力使わせやがって」

戦士父「……」

天才「いいか?あくまで止血と傷口を塞いだだけだ。失った血は戻らん」

ザッザッザ

天才「半日か一日は大人しくしてろよ」

剣士「回復…魔法……!?」

皇太子「ああ、そのようだ」

剣士「な……何者なんです…っ?」

皇太子「おや、君は知らないのか。てっきり知っているものかと思っていた」

剣士「……殿下の近衛…ではなさそうですね」

皇太子「国……」

天才「誰が護衛だコラ。ナンバーワンランカーの天才様だ、覚えとけ!」

剣士「天才……!?あ、あなたが……っ!!」


742 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:22:28.363920g0A6o (16/24)

兄者「剣士殿」

剣士「は、はいっ!」

兄者「もしやと思うが貴公ら、華国へ行かれるのか?」

剣士「ええ、実はですね……」

スッ

皇太子「南東国の将軍とお見受けするが?」

兄者「如何にも。貴公は?」

皇太子「これは失礼。私は本国第一王子、皇太子と申す」

弟者「――っ!?」

兄者「な、なんとっ!本国の……!?」

ズザッ

兄者「これは無礼を……失礼致しました」

皇太子「いやいや、気にしないでくれ」

兄者「……本国の殿下が、何故…華国に?」

皇太子「南東国の陛下と是非、話をと思ってね」


743 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:23:05.013920g0A6o (17/24)

右大臣「文は出したのだが、まだ届いておらぬようだな」

兄者「そうでありましたか」

弟者「話って……なんなんですかい?」

皇太子「以前、南方司令から聞いてね」

右大臣「南東国もわれ等と交友を深めたいと聞いたが……」

兄者「まさか…その為にわざわざご足労を…!?」

皇太子「たまにこうして外へ出ぬと、運動不足でな。ははっ」

兄者「……」

皇太子「もし戻るのであれば、我らを案内頂けないだろうか?」

剣士「僕からもお願い致します」

兄者「……」

弟者「兄者…っ」

兄者「まさかお断りなど出来ようはずがありますまい。それに……」

戦士父「…?」

兄者「某もまだ、為さねばならぬ事がありますので」


744 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:24:28.133920g0A6o (18/24)



ザッ…パッカパッカパッカ…

天才「……傷は?」

戦士父「お陰様で」

天才「ソディアック集めか。んで、成果は?」

戦士父「これで3本目……」

天才「全然増えてねーじゃねぇか」

戦士父「…いや、情報収集に手間取って」

天才「ったく。んで、全部分かったのか?」

戦士父「…いや。手元に3本、華国に残り2本……」

天才「あとは?」

戦士父「魔物が2本。国軍に2本」

天才「…あとは?」

戦士父「……さぁ」

天才「……っ」


745 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 18:25:34.923920g0A6o (19/24)

グイッ…ドンッ

天才「全っ然、じゃねーか!」

戦士父「おい、馬をぶつけるな」

天才「冷静に悟ってんじゃねぇよ」

戦士父「あと1年以上ある」

天才「1年しかねぇんだよ!」

戦士父「……」

天才「……ちっ。東方に1本、西方に1本だ。あとは知らん」

戦士父「…助かる」

天才「……けっ!」

剣士「お二方、少し飛ばしますよ。日が暮れてしまいますので…」

天才「…あぁ、いいぜ」

戦士父「……承知した」

グワッ…ドドッドドッドドッドドッ

間もなく皇太子ら一行は、南東国、東の街へと入国した。


746VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 19:00:03.76roIqsZ7DO (1/2)

>>1乙っす

相変わらず戦士父はかっこいいなあ


747VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 19:59:01.53e+Yts1vAo (1/1)

東方の槍は何となくゾディアックの候補になりそうな槍は想像出来るが
西方のモデル地区で有名な槍がわからん


748VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 20:05:15.03gmeyPecm0 (1/1)

よーやく追いついた
ここまで来るのに二日かかったぜ……

応援してまふ


749VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 20:15:11.12Lt6bpsmDO (1/1)

実は俺の股にゾディアックついてんだ。

これ持っていかれたら困るんだけど・・・


750VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 20:22:43.78DQplQ27JP (1/1)

ゾディアックって封印されていて
パーツ全部集まったら相手に勝てるんだっけ


751VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 20:24:53.92YXxoVBKDO (1/1)

華国に1本
スグリーヴァ軍に確か2本
国軍に1本
戦士が1本
戦士父が1本

まだ半分しか出てないよね?
てか、ゾディアックだけでも1つの話が出来るだろうに…。
まさか、ここの>>1は本気で1000スレ目指してるんだろうか?

胸熱


752VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 20:59:13.74roIqsZ7DO (2/2)

>>750
相手も倒せるけど自分も死ぬ諸刃の剣。素人にはお薦めできない


753VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 21:00:18.23VWgh1LKco (1/2)

>>750
DTの勝利条件だな


754VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 21:53:20.24h5MMpfTfo (1/1)

童貞・・・?


755VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 22:12:24.74VWgh1LKco (2/2)

>>754
遊戯王だよエクゾディアだよ


756 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 23:53:35.753920g0A6o (20/24)

~ターミナル~

魔道士「到着ーっ!」

女記者「おおぉぉ!?鬼凄いっすうぅ!!」

召喚士「ここからは馬車で東方司令部へ向かいます」

女記者「鬼お任せしまっすううぅぅ!!」

戦士「…元気になってよかったな」

召喚士「うん、そうだね。魔道士さん、ありがとうございました」

魔道士「えぅっ?私、なんにもしてないですよ?」

戦士「えっ!?じゃあ…盗賊か?」

盗賊「……いや」

魔道士「あの後、声をかけようと思ったんですが…見当たらなくて…」

召喚士「じ、じゃあ…自然に…?」

戦士「…ったく、心配して損したぜ」

女記者「…はれ?皆さん、どうしたっすかあぁ!?」

召喚士「…い、いえっ。それじゃあ行きましょうか」


757 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 23:54:10.353920g0A6o (21/24)

テクテクテク…

召喚士「えぇっと……」

御者「ふふんふ~ん」

ゴシゴシッ

召喚士「いたっ!御者さーん!」

御者「!?……旦那っ、旦那じゃあごぜぇやせんか!」

召喚士「ど、どうも…。お忙しいところ声をかけてすみません」

御者「いえいえ、丁度洗い終えたところですから!」

召喚士「あの、5人なんですが…東方司令部までお願い出来ますか?」

御者「モッチロンですよ!!」

魔道士「宜しくお願いしますねっ。えへへ!」

女記者「おぉっ!鬼宜しくっすううぅぅ!!」

戦士「ほれ、早く乗れ」

女記者「うっす!鬼失礼しますううぅぅ!!」

盗賊「……元気だなぁ」


758 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 23:54:43.963920g0A6o (22/24)

ガラガラガラッ…パッカパッカパッカ

御者「旦那、新聞見ましたぜ~!」

召喚士「……っ!?」

御者「あっしもねぇ、旦那を乗せたってんで鼻が高いってもんですよ!」

召喚士「は、はぁ…。どうも……」

御者「見て下さい!この新しいビラ!!」

魔道士「……?」

カサッ

戦士「…えーと。あの朱雀先生も乗った当、馬車……っておいおい!」

御者「いえね、勝手に旦那の名前を使うのも悪いかなぁとは思ったんですけどね」

召喚士「ち、ちょっと……」

御者「あ、いやっ!旦那が駄目だってんならもちろんやめますよ!?」

戦士「…まぁいいんじゃねーか?どうせ召喚士の名前だけだし」

召喚士「ちょっとお!?」

御者「いやぁ~良かった!旦那っ、ありがとうごぜぇます!!」


759 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 23:56:50.903920g0A6o (23/24)

ドドッドドッドドッ…ドドォ

御者「お待たせしやしたっ!東方司令部です!」

魔道士「ありがとうございましたーっ」

女記者「おおぉぉ!?ここが東方司令部…っ」

魔道士「そうですよ~」

女記者「おおお鬼でかいっすねええぇぇ!!」

戦士「感動してる場合か」

女記者「へ…っ?」

戦士「取材はいいのか取材は」

女記者「おおぉぉ!?そうっすよおぉ!鬼取材っすよおおぉぉ!!」

戦士「……はぁ」

盗賊「…大丈夫かな?」

召喚士「それじゃ、ありがとうございました」

御者「こちらこそっ!旦那、またお願いしますぜ!」

満面の笑みを浮かべ、御者は東方司令部を後にした。


760 ◆1otsuV0WFc2011/02/20(日) 23:58:45.913920g0A6o (24/24)

テクテクテクテク…

召喚士「こんばんはー」

門兵「……?」

召喚士「本国の新聞社より、取材に来た者なんですが……」

女記者「おおぉぉ……っ、中も鬼広いっすねええぇぇ!!」

戦士「……おい、お前が言わなきゃいかんだろ」

女記者「はえ!?あ、ああぁぁ!!鬼すんんませんっすううぅぅ!!」

門兵「……ちょっと待ってろ」

カツカツ…ザッザッザ…

女記者「……だだ大丈夫っすかねええぇぇ!?」

盗賊「…何が?」

戦士「別に悪い事してるわけでもねーし、アポ取ってんだろ?」

女記者「鬼とってるっすよおぉ!」

戦士「じゃあいいじゃねぇか。何を不安がってんだよ……」

召喚士「はは……っ」


761 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 00:01:04.75d1TnBB9Co (1/5)

ザッザッザ…カツカツカツ…

門兵「入っていいぞ」

女記者「おおぉぉ、鬼失礼しまっすううぅぅ!」

テクテクテク

東方兵「君達か。聞いていたより大人数だな」

召喚士「すみません。俺らは道案内の付き添いで……」

東方兵「……?まぁいい、応接室に案内する。ついて来たまえ」

女記者「おおお鬼宜しくっすううぅぅ!!」

カツカツカツカツ…コンコン

東方兵「新聞社の者らを連れてまいりました」

カチャッ

女記者「ははは始めましてええぇぇ!!」

――「……おや?」

召喚士「……東方副司令さん!」

東方副司令「やはり、朱雀先生か……っ!」


762 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 00:02:08.35d1TnBB9Co (2/5)

召喚士「なぜ、副司令さんが……?」

東方副司令「取材があると聞きましてね」

召喚士「なるほど。副司令さんがご担当というわけですね」

豆腐副司令「ええ。しかし、なぜ朱雀先生方が…?」

召喚士「実は……」

戦士「コイツ、すんげぇ方向音痴でさぁ」

東方副司令「……案内役を?」

盗賊「……そういう事だ」

女記者「お、鬼宜しくお願いしまっすうううぅぅ!!」

東方副司令「ど、どうも……」

召喚士「それじゃ、俺らは席を外してます」

東方副司令「…ん?同席していてくれて構いませんよ?」

召喚士「いえいえ、お邪魔になりますから」

戦士「そうそうっ!そんじゃ、終わったら声掛けてくれなっ!」

東方副司令「……は、はぁ」


763 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 00:02:55.22d1TnBB9Co (3/5)

女記者「そ、それじゃあ早速……鬼取材開始っすよおぉ!?」

東方副司令「は、はい。どうぞ……」

テクテクテク…パタン

戦士「…よーし、時間が作れたぜ」

召喚士「今のうちに青年兵くんを……」

カツカツカツ

――「青年兵がどうしたって?」

盗賊「!?」

魔道士「東方司令……さん…っ!」

東方司令「部外者が司令部内とうろうろと…捨て置けんな」

召喚士「す、すみません……っ」

東方司令「確か…国軍付だったか、まぁいい。それで何の用だ?」

召喚士「青年兵くん、いらっしゃいますか?」

東方司令「青年兵?あぁ、参謀あたりとその辺にでもいるだろう」

召喚士「そうですか。ありがとうございます」


764 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 00:03:56.94d1TnBB9Co (4/5)

クルッ…スタスタスタ

東方司令「……待てっ」

召喚士「……っ」

東方司令「…彼に、何の用だ?」

召喚士「いやっ、せっかくなんで…挨拶だけでもと…」

戦士「急に異動んなっちまって、会う機会もなかったからなぁ」

盗賊「…ああ」

東方司令「……ふぅん」

召喚士「それでは、失礼します…っ」

東方司令「あまりうろちょろするなよ」

魔道士「は、はい!気を付けます…っ!」

テクテクテクテク

東方司令「……変な奴らだな」

テクテクテク…

東方司令「……青年兵……まさか、な」


765VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 00:09:02.29d1TnBB9Co (5/5)

>>652>>683>>693
今更ですが、ありがとうございます!

~オマケ~

東方司令「……青年兵……まさか、な」

女剣士「まさか何です?」

東方司令「!?……いたのか」

女剣士「だから、まさか何です?」

東方司令「……いや、仲が良いなと思ってな」

女剣士「まさか、兄弟とでも…?」

東方司令「冗談はよせ、似ても似つかわん」

女剣士「それもそうですね……」

東方司令「問題は……どちらが『受け』……なのか」

女剣士「……は?」

東方司令「い…いやっ、何でもない!寝るぞ……っ!」

女剣士「は、はぁ……」


766VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 00:54:31.06PNI1B8DDO (1/1)

↓流石兄弟のAA


767VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 00:57:44.21tHL5PKj0o (1/1)

  /\___/\
/ /    ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 |
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |
|   ,;‐=‐ヽ   .:::::|
\  `ニニ´  .:::/      NO THANK YOU
/`ー‐--‐‐―´´\
       .n:n    nn
      nf|||    | | |^!n
      f|.| | ∩  ∩|..| |.|
      |: ::  ! }  {! ::: :|
      ヽ  ,イ   ヽ  :イ  



768VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 01:14:26.60bCQTYIR4o (1/1)

>>762
豆腐か…某ホラーゲームの猛者を思い出したw

まあそんなことより乙


769VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 01:19:22.19Qy/pZ11AO (1/1)

>>1おつ

青年兵は召喚士を尊敬してる感じだし受けは青年兵っぽいが、女装歴は召喚士のほうが上だし…


770VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 01:29:06.99538ng5sDO (1/2)

豆腐wwwwwwツボったwwwwww腹いてえwwwwww


771VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 01:36:42.06bCGWe/c9o (1/1)

>>768
ああ
あれかw
豆腐とか、イヌとかだったっけ?


772VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 01:41:53.067krkFUXO0 (1/1)

>>1乙!
豆腐ワロタww


773VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 05:38:44.68xONQDl0SO (1/1)

口調のせいか女記者がどうしても……


女記者「自分!子供の時から鬼ツイてなかったっすからあああああっ!!」
女記者「ひととおりの乗り物にはひかれ!ひととおりの食べ物にはあたってきたすうううううっ!!」
女記者「んでもって、今回の仕事で失敗したら鬼クビになっちゃうっすよおおおおおっ!!」
召喚士「よ、よく今まで無事に生きてこられましたね………」
戦士「むしろすげえ運いいんじゃねえか?」



774VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 06:16:47.38f8CaeLEDO (1/1)

ゾディアックって全部集まったら合体するんかな
きゅいーんって


775VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 06:53:15.74P1Yjdkce0 (1/2)

願いが必ず一つだけ(ry


776VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 07:10:26.38QQnK3zp6o (1/1)

聞き流されるのか


777VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 07:29:28.54AXuRCHLDO (1/1)

>>1先生長期連載お疲れ様であります!!

豆腐はナイフ1本でゾンビをバッタバッタとなぎ倒すアレですか、副司令にまで登り詰めるとは…


778VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 11:59:59.40I/JqFYSDO (1/1)

女記者が逆転裁判のマコくんに見える


779VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 16:12:12.49vdnwesTpo (1/1)

マンコくんに


780 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:09:56.48Z/Kv9xuUo (1/27)

~中庭~

東方参謀「……ふぅむ」

青年兵「ええ……」

テクテクテク

東方参謀「…むっ?」

青年兵「召喚士さん!」

召喚士「こんばんは」

魔道士「東方参謀さんも、お久し振りです」

青年兵「どうしたんですか、このような所まで……」

召喚士「えっと……」

東方参謀「……ふむ。青年兵、先に戻っておるぞ」

青年兵「え、あ…はい」

テクテクテク…

青年兵「すみません、それで…どうしました?」

召喚士「……うん」


781 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:10:33.65Z/Kv9xuUo (2/27)

青年兵「……何やら難しいお話のようですね。場所を変えましょうか」

召喚士「ありがとう」

~会議室~

青年兵「…どうぞ」

コトッ

魔道士「ありがとうございますっ」

青年兵「それで、僕に話とは…?」

召喚士「……盗賊さん」

盗賊「……北で…国軍の者を見た」

青年兵「…?」

盗賊「…おそらく…内通者だ」

青年兵「!?」

召喚士「海峡の大橋を北へ渡った所に森があるんだ」

青年兵「え、ええ……」

召喚士「そこには、何か分からない…得たいの知れない魔物が棲んでる」


782 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:11:06.78Z/Kv9xuUo (3/27)

青年兵「……報告書で拝見した事はありますね」

召喚士「こちらから踏み入らない限り、攻撃を仕掛けてはこないんだけれど…」

戦士「国軍の奴が単身、踏み入るとは思えねぇ」

青年兵「…まちがいなく一人だったのですか?」

盗賊「…確信は持てぬが、そやつは一人で行動していた」

青年兵「……」

召喚士「察するに、内通者だと思うんだ」

青年兵「…なるほど」

召喚士「うまくいけば、素性が掴めるかもしれないと思って…」

青年兵「そうですね。行動記録や軍内、周囲の人間をあたれば或いは……」

召喚士「ちなみに、この事は誰にも話してにから…」

青年兵「…そうですか」

戦士「軍の内通者だからな。おいそれと話せないさ」

青年兵「そこで……僕を?」

召喚士「うん。他の人が信用ないってわけではないんだけど……」


783 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:12:34.14Z/Kv9xuUo (4/27)

戦士「念には念を入れてな」

青年兵「ありがとうございます」

魔道士「…?」

青年兵「僕を信用してくれて、ありがとうございます」

召喚士「青年兵くんが内通者だなんて、想像もつかないよ」

戦士「そうそう!今まで共にやってきた事の説明がつかねーよ」

青年兵「ははっ、それもそうですね」

盗賊「…とにかく…託したぞ」

青年兵「はい」

戦士「やっと、肩の荷が降りたな」

召喚士「うん。でも、俺らも出来る限りのバックアップはしないとだね」

魔道士「そうですよっ、頑張りましょう!」

青年兵「そ、そんな…。申し訳ないですよ」

戦士「今更、みずくさい事言うなって!」

召喚士「そうだよっ!どこまで出来るか分からないけど、出来る事はするからさ!」


784 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:13:05.94Z/Kv9xuUo (5/27)

青年兵「……ありがとう…ございます」

コンコン…カチャッ

東方副司令「ここであったか?」

青年兵「副司令様…っ」

戦士「取材、終わったのか?」

東方副司令「いやいや、次は青年兵殿の番でしてな」

青年兵「僕の…?」

東方副司令「うむ。先日の件やら色々と聞きたいそうですよ」

青年兵「……っ」

戦士「ほぉ、アイツ…ちゃんと取材してんだなぁ!」

盗賊「…見直したな」

青年兵「…分かりました。すぎに伺います」

東方副司令「うむ。この奥の、応接室で待っていますよ」

パタン

召喚士「……」


785 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:13:44.40Z/Kv9xuUo (6/27)

青年兵「召喚士さん」

召喚士「…?」

青年兵「もしこの先、頼るならば……」

召喚士「……うん」

青年兵「大軍師さんは信用出来ます」

召喚士「……」

青年兵「つい先日、特殊遊撃の内通者が記事になりましたよね?」

召喚士「え、うん……」

青年兵「あれをリークしたのは、大軍師さんです」

魔道士「!?」

召喚士「…やっぱり」

青年兵「ご存知でしたか」

召喚士「最近、大軍師さんがやたらと新聞社に出入りしていたから…」

青年兵「目には目を…。この事だったんですね」

召喚士「……?」


786 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:14:24.31Z/Kv9xuUo (7/27)

青年兵「左大臣様の屯田視察の際、大軍師さんと話をしたんです」

戦士「そうだったのか」

青年兵「大軍師さんは、左翼に対し、反撃の芽を摘むつもりです」

戦士「容赦ないな…」

召喚士「それで、新聞社にリークを?

青年兵「先程も述べた通り、目には目を…つまり大衆を動かすつもりのようですね」

召喚士「…なるほど」

青年兵「軍内の構図はほとんど変わっておりませんから」

魔道士「…?」

戦士「右翼優勢って事だろ」

青年兵「ええ」

召喚士「しかも、東方司令部へ青年兵くんが直々に来た…」

戦士「これで奴らもヘタに手出しは出来ねぇって事だ」

青年兵「まぁ、結果的にはそういう事ですね」

盗賊「……?」


787 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:15:06.22Z/Kv9xuUo (8/27)

青年兵「僕は、自発的に東方司令部へと来たつもりでしたが…」

召喚士「まさか……大軍師さんの術中だったって事!?」

青年兵「分かりませんけどね。単なる偶然かもしれませんし…ははっ」

召喚士「……」

青年兵「あ、では…そろそろ行ってきます!」

召喚士「うんっ!頑張って!!」

戦士「記者はまぁ、アレだが…グッと堪えてくれ…」

青年兵「……?そ、それでは…!」

カツカツカツ…パタン

戦士「大丈夫かな?」

召喚士「青年兵くんなら…きっとやってくれるよ。内通者を……」

戦士「いや、そっちもだけどさ…」

盗賊「…ああ、青年兵ならきっと…やってくれるよ」

召喚士「……」

盗賊「…明確な…取材回答を」


788 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:15:41.36Z/Kv9xuUo (9/27)

~南東国、東の街~

パッカパッカパッカパッカ…

右大臣「ここが……南東国か」

剣士「いかがです?」

皇太子「何とも独特の雰囲気があり、心地良いな」

弟者「酒や食事も美味ですぜ!」

皇太子「それは楽しみだな」

兄者「あれが、我らの居城にござる」

右大臣「おぉっ、これは何とも立派な……」

皇太子「街全体を城壁で囲った上に、更に城を城壁で…」

右大臣「二段構えの構造というわけか……」

兄者「さぁ、着きましたぞ」

皇太子「……おぉ」

右大臣「これは凄いものだな……っ」

分厚い鉄のに模られた、一同を睨みつける龍が左右に開いた。


789 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:16:57.93Z/Kv9xuUo (10/27)

ゴゴオオォォン…ギイイィィィィ…

皇太子「……」

ザッザッザッザッザ

兄者「…白馬」

白馬騎士「ようこそお越し下さいました。華国大将軍、白馬騎士と申します」

皇太子「これはご丁寧に痛み入る。本国第一王子、皇太子だ」

右大臣「右大臣と申す。陛下側近ならび、右大臣を務めておりまする」

天才「護衛の天才でーす。こちつらは俺の下僕」

グイッ

剣士「!?」

戦士父「……」

白馬騎士「宮殿にて陛下がお待ちです。どうぞ」

皇太子「うむ、失礼するぞ」

弟者「馬はこちらで預かります。おいっ、頼んだぞ!」

門兵「ははっ!」


790 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:19:28.51Z/Kv9xuUo (11/27)

カツカツカツカツ

天才「大丈夫か?」

戦士父「……血が足らん」

天才「はーっはっは!ガッツリ食って回復するんだな!」

戦士父「……」

白馬騎士「もう少し早く言ってくれればよいものを」

兄者「すまんすまん。我等とて道中、偶然会ったものでな」

皇太子「すまんな、急な訪問で迷惑をかける」

白馬騎士「いえいえ。皆様のせいでは御座りませぬ」

カツカツカツ…

白馬騎士「こちらです。どうぞ」

ガチャッ…ギイイィィ

皇太子「……」

宮殿最奥部の扉が開くと、中では左右に人々が直立し、

その奥に潜む玉座には、若年と思われる少年がぽつりと腰を据える。


791VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 18:20:27.91P1Yjdkce0 (2/2)

ふむ
剣士の居ぬ間に弓使いちゃんをペロペロしておくかね


792 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:20:45.46Z/Kv9xuUo (12/27)

カツカツカツ…コツ

皇太子「初めてお目にかかる」

三男「本国の王子であられる皇太子様、ですね」

皇太子「如何にも。貴方が南東国の陛下とお見受けするが」

三男「はい。若輩ながら……。三男、と申します」

白馬騎士「どうぞ」

促されるように、皇太子は三男の横へ用意された玉座へと移る。

兄者「皆様はこちらへ」

右大臣「うむ」

天才「よっこらせ…っと」

側近「此度はわざわざのご足労、誠に恐悦至極……」

白馬騎士「こちらは側近。奥の老文官、若文官を含め国政を務めておりまする」

皇太子「宜しく」

白馬騎士「対して反対側が老将軍に錦将軍」

兄者「我ら兄弟、そして白馬騎士を含め五虎将軍とし、軍務を承っております」


793 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:22:09.42Z/Kv9xuUo (13/27)

錦将軍「よろしくお願い致します」

皇太子「うむ。宜しく」

老将軍「これっ、宴の用意を」

まもなく宮仕らが豪華な飲食物を運び込み、室内は鮮やかに彩られる。

若文官「ささ、遠慮なく楽しまれよ」

天才「うっひょう!待ってました!」

戦士父「いただきます」

側近「いきなりの本題で申し訳御座らぬが……」

右大臣「……」

側近「此度のご訪問、その意図とは如何に?」

皇太子「無論、南東国と我ら本国に於いて、親密な関係になりたいと考えての事」

三男「……」

皇太子「決して無理強いというわけではないが、南東国も同様の考えと伺うが?」

三男「……ええ。是非にと考えております」

皇太子「それは良かった」


794 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:22:46.21Z/Kv9xuUo (14/27)

右大臣「しかし、そんな簡単に……宜しいのか?」

白馬騎士「ご存知の通り、華国は然したる戦力も持ち合わせてはおりませぬ」

兄者「個々の武には秀でていても、率いる手数が少なくてはな……」

老将軍「その通りじゃ。これでは到底、魔王軍と当たるには乏しいものよ」

白馬騎士「甘えるつもりは無論ありませんが……」

皇太子「本国の力を借りたい、というわけだな?」

三男「その通りです」

皇太子「いや、実に分かりやすくて結構。有難い話だ」

白馬騎士「痛み入ります」

皇太子「既に本国は、西国、東方との同盟を結んでいる」

錦将軍「……おぉ」

皇太子「もしここで、南東国と盟約を取り付ければ……」

天才「世界中の国が一つになるわけだ」

右大臣「そういう事だな」

剣士「凄い……ですね」


795 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:30:13.66Z/Kv9xuUo (15/27)

天才「んま、今はただのぶら下がりだけどな」

剣士「…?」

天才「本国以外が結び付いてねぇってことだよ」

剣士「なるほど」

右大臣「その通りだ。本国を仲介として、他の国々も親交を深めねば意味はない」

弟者「西国ってのは気になるなぁ。こことは随分と離れてるんだろ?」

老将軍「若き頃に訪ねた事があるが、砂漠の多い暑い国であったのぉ」

皇太子「西国は今や、素晴らしい国となっておるぞ」

錦将軍「ほぉ」

右大臣「国政の手腕も素晴らしく、軍備も相当に蓄えておる」

天才「あそこも王は少年だったわな」

三男「……そうなのか」

天才「しかもかなりの戦好きで、自分からハナを切るって話だぜ」

兄者「大したものだな……」

皇太子「西国だけではない。東方の王も若年であるぞ」


796 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:31:11.14Z/Kv9xuUo (16/27)

若文官「っ!?」

老文官「なんと……っ」

天才「うちだけジジイだわな。はーっはっはっは!」

戦士父「…おい、幾らなんでも口を慎め」

天才「…おい」

戦士父「……」

天才「テメェとは一度、殺り合いてぇと思ってたんだよなぁ……」

戦士父「…やめておく」

天才「はっ!怖気づいたか!」

戦士父「ええ。怪我の身で勝てるとは思えん」

天才「だろうな。ま、怪我してなくても勝てねーけどよ」

戦士父「……ああ、そうだな」

天才「……けっ!」

ドスッ…ゴクゴクゴクッ

戦士父「……」


797 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:31:52.88Z/Kv9xuUo (17/27)

側近「では明日、改めて調印などをさせて頂くという事で」

右大臣「畏まった」

三男「……」

白馬騎士「宜しいですな、陛下?」

三男「…え、あ……うむ」

白馬騎士「……どうかなされましたか?」

三男「……いや」

皇太子「何か…問題でもあるか?」

三男「そうではありません。そうではありませんが……」

白馬騎士「……」

三男「実に不甲斐ない。他国の王は同じような年齢で励んでいるというのに」

錦将軍「そんな事はありませんよ!陛下は……」

三男「皆にも苦労をかける。すまぬ」

白馬騎士「……おやめ下され。私とて…怒りますぞ」

三男「……」


798 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:33:02.68Z/Kv9xuUo (18/27)

天才「あんだろ。華国にゃあ、ちゃーんと切り札がよ!」

右大臣「切り札……?」

天才「魔物の軍勢だよ」

皇太子「!?」

天才「……なぁ?」

剣士「え、えぇ。まぁ……」

皇太子「魔物の…っ、噂には聞いたが…既に整っているのか」

剣士「はい。ここより更に南の地、彼らは刻を待っております」

皇太子「是非、訪ねてみたいものだな」

右大臣「危険すぎますぞっ!」

皇太子「悪い輩ではないのだろう?それならば良いではないか」

天才「別の危険も絡んでるぜ?」

皇太子「…?」

天才「内通者だ裏切り者だ騒いでるんだろ?そんな中、魔物と接触してみろ」

戦士父「……どんな噂が立つか分からんな」


799 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:34:05.29Z/Kv9xuUo (19/27)

天才「そうそう。そーいう事は噂が立ちそうにもない奴にやらせる事だ」

皇太子「だがな、。いずれは本国として顔を合わさねば」

天才「そういうのは国軍に任しとけよ」

右大臣「国軍?奴らが動くのか?」

天才「お前さんらが無理なら、それっきゃねーだろ」

皇太子「……成程」

天才「…さーて、お開きなんだろ。先に寝させて貰うぜ~」

若文官「へ、部屋はこちらの突き当たりを右に……」

天才「はいよどうも。んじゃ、おやすみ~!」

テクテクテク…

右大臣「全く…。何とも勝手な男だ」

皇太子「君が連れてきたのであろう?」

右大臣「…うぐっ、それはそうですが……っ」

皇太子「…すまんな。今夜の持て成し、大変感謝するぞ」

白馬騎士「こちらこそ。有難う御座いまする」


800 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:34:58.17Z/Kv9xuUo (20/27)



ザワザワッ…テクテクテク

兄者「……戦士父殿」

戦士父「…?」

兄者「傷の具合は如何かな?」

戦士父「明日には大丈夫だろう」

兄者「……相分かった。正門前にて待つ」

戦士父「……」

ザッザッザッザ…

錦将軍「あれが弟者を負かしたって奴か」

老将軍「なぁに、弟者が弱いだけじゃわい。ひょっひょっひょ」

弟者「あぁん!?試してみるかぁ!?」

兄者「……明日、取り戻してやるさ。なぁ…白馬の」

白馬騎士「……」

五人の将軍は去りゆく戦士父の背中を見送った。


801 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:35:34.12Z/Kv9xuUo (21/27)

~東方司令部~

召喚士「いえっ、申し訳ないですよ……っ」

東方参謀「そうは言ってもな、今から戻っても深夜だぞ?」

青年兵「そうですよ。それに、この辺りには泊まる所もありませんし……」

戦士「でもなぁ……」

魔道士「あの、女記者さんは…?」

青年兵「疲れてしまったみたいで、仮眠をとってますよ」

東方参謀「仮眠というか、あれはもう泊まるつもりのようだがな」

盗賊「…どうする?」

召喚士「うーん……」

東方参謀「遠慮しても仕方ない。ほれっ、早く来い」

グイッ

召喚士「えっ!?」

青年兵「遅くなりましたが、夕食の用意も出来てますから」

魔道士「あ、あのぉ…っ」


802 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:36:13.96Z/Kv9xuUo (22/27)

東方参謀「司令直々の命令なんだ。連れて行かねば我らが潰されるわ」

戦士「潰される!?」

東方参謀「耳をだ。あの甲高い大声で怒鳴られては叶わん」

盗賊「……」

青年兵「さぁ、行きましょう」

戦士「…ここまで言われたら、拒否出来ねぇな」

召喚士「……仕方ないね」

テクテクテクテク…カチャッ

東方司令「遅いっ!!」

ダンッ!!

青年兵「っ!!」

東方副司令「まぁまぁ……っ、ここは穏便に……」

東方魔道長「……」

東方参謀「ワシに言うな!こやつらがモタついておるからだっ!」

召喚士「えぇ!?」


803 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:36:46.20Z/Kv9xuUo (23/27)

テクテクテク…ストッ

盗賊「……どうも」

女剣士「あれから、数段…腕を上げたようだな」

盗賊「……多分」

女剣士「…ふっ、同郷の出としては頼もしい限りだ」

盗賊「……」

女剣士「…少し、筋肉量も増えたか」

モニモニッ

盗賊「――っ!?」

ガタッ

東方司令「……何をしている?」

女剣士「お、お姉様……っ」

東方司令「どけ」

女剣士「あ、あの……まだ話を」

東方司令「すればしい。但し、真ん中にはボクが座る」


804 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:37:33.50Z/Kv9xuUo (24/27)

ドカッ

東方司令「さ、食べよう」

女剣士「……」

盗賊「……」

東方司令「それで、筋肉が何だって?」

ムニムニムニムニッ

盗賊「…あの…それは胸です」

東方司令「…おぉ、それは失礼」

ムニュムニュムニュ

盗賊「……そ、それは……太も……っもぉ」

東方司令「…キミ、感度いいね」

サワサワサワッ

盗賊「……そ、そこ……はぁ」

ダンッ!!

東方参謀「黙って食わんか!!貴様らっ!!」


805 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:38:13.40Z/Kv9xuUo (25/27)



戦士「ご馳走さん」

召喚士「ご馳走様でした」

青年兵「入浴時間と部屋はこちらの紙に書いておきました。どうぞ」

召喚士「ありがとう」

戦士「そういや女記者はまだ起きねーのか?」

カラカラカラッ

東方副司令「そのようだね。後で部屋へ食事を持っていくよ」

戦士「すいませんねぇ。面倒かけて……」

東方副司令「ははっ、全然大丈夫ですよ。では失礼」

東方参謀「ワシもひとっ風呂浴びてくるかな」

東方魔道長「……」

召喚士「……」

東方魔道長「……」

カツカツカツカツ…


806 ◆1otsuV0WFc2011/02/21(月) 18:40:32.25Z/Kv9xuUo (26/27)

戦士「みんな、悪い奴にゃ見えないんだがな」

召喚士「うん……」

青年兵「召喚士さん、俺らも先に入浴を済ませましょうか」

召喚士「そうだね」

戦士「んじゃ、行くか」

魔道士「行ってらっしゃーい」

東方司令「ボクらも行くぞ」

魔道士「えっ!?お風呂ですか……?」

東方司令「ああ。新調したからな。大人数でも問題ない」

女剣士「女性なんて…ほとんど居ないけど」

魔道士「楽しみ~っ!早速準備してきます!行きましょ、盗賊さんっ」

盗賊「…えぇ、後でいいよ」

魔道士「駄目ですよ~」

東方司令「ダメだっ!!」

盗賊「え…えぇっ!?」


807VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 18:42:28.60Z/Kv9xuUo (27/27)

ひえぇ、話が全然進まないぃ…!
豆腐ってwwこれはひどいwwww

ごめんなさい……

流石にこれは回収出来ない予感…
それでは失礼します。ご支援ありがとうございますた!ノシ


808VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 18:43:27.129O4LpDl1o (1/1)



ID:P1Yjdkce0はマナーがなってないな
これだから新参は疎まれる


809VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 18:50:54.89Xn+2YFgpo (1/2)

>>808
自分が好きなキャラクターぺろぺろされたからって
新参とかレッテル貼りやめなよ!よ!


810VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 18:51:53.41Xn+2YFgpo (2/2)

更新乙です

書いたつもりが無かった


811VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 18:59:14.85yOKKPSbIO (1/1)

乙です

マナーうんぬはたぶん投下中のレスをいってんだろ


812VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 21:07:58.39u5DNMiFWo (1/2)

マナーがなってない新参が勝手に押し付けたのに
投下中にレスしたらマナー違反って定着しちゃったの?
何人もの書き手のやる気を削いでいまだ学習しないのね


813VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 21:11:07.29HryWUvCdo (1/1)

別にそんなのどうだっていいだろ
そこだけ抜かして読めばいいのに何をぐだぐだ言ってるんだ
というかすべての責任は王子にある!全部王子が悪い!謝罪を要求する!


814VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 21:13:08.922LwBmHyr0 (1/1)

損害賠償を(ry


815VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 21:24:13.45TTffGr+No (1/1)

        ノ L____
       ⌒ \ / \   
      / (○) (○)\
     /    (__人__)   \  すべての責任は王子にある!
     |       |::::::|     |     全部王子が悪い! 
     \       l;;;;;;l    /l!| !..   .謝罪を要求する!
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ       ∑ l、E ノ <
               レY^V^ヽl

このAA思い浮かんだ俺はもうダメだな


816VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 21:34:04.96fZlzzah0o (1/1)

結論:王子タヒね


817VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 21:38:22.30538ng5sDO (2/2)

>>1乙っす

俺は悪くぬぇ!俺は悪くぬぇ!王子が悪いんだ!


818VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 21:59:42.22u5DNMiFWo (2/2)

全然関係ないけどフェニックス のAA発見した

      Μ
     ( ・)
    三| |三
      巛

天に昇るフェニックス


819VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 23:32:53.67WM75iA0AO (1/1)

>>818モンスターファームのダックンにしか見えん


820VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 23:39:43.89L+0KSHlSO (1/1)

>>1乙!さすがに豆腐を回収されたらクレームもんでっせwwwwww


821VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 23:41:32.49JUz4SIpAO (1/1)

天才がただのDQNに……
身勝手ってレベルじゃねぇ


822VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 00:10:41.648lLzDljAO (1/2)

これからは古参ぶるのはよせよ?

ちなみに女記者は俺が鬼ペロペロ。


823VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 02:30:56.02xwGfTBem0 (1/1)

>>1乙!
そうか、言われて気付いた。本国以外は全て幼い王なんだな
というか東方司令のセクハラがだんだん過激になってるww

リクエストしてもいいのか分からないけど、いいのであれば
天才がスマートに立ち振る舞う必要がある依頼を受けて、周囲からは無理だと思われるが
あっさりとこなすみたいなおまけを希望します。天才って天才だしどんなことでも天才的にこなせそうな
普段は粗暴な感じでも、紳士的にやろうとさえ思えば天才的にできそうな


824VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 04:49:53.44/tMheRqAO (1/2)

天才がゲシュタルト崩壊した


825VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 05:02:38.39pLOCuKyDO (1/1)

最近母親を人質にとられた青年兵がまで妄想してる


826VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 05:33:02.00Ko2oe0q40 (1/1)

女記者の台詞は某珍獣ハンターで再生される


827VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 07:16:02.27mCvZks4DO (1/1)

マナーのない読者も有名税かねぇ


828VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 07:22:48.906XbI/DjIO (1/1)

>>823
どこの世界のかぶき者ですか?


829VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 07:42:32.57wXI8LTeAo (1/2)

まとめサイトいくと明らかにVIPとノリがかわって普通に気持ち悪いな
でも読んじゃうびくんびくん


830VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 11:55:00.148lLzDljAO (2/2)

[田島「チ○コ破裂するっ!」]くらい自由にやらせてやれよ
>>1のペースだぜ?


831VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 12:04:32.44jUmVYJdAO (1/1)

自由すぎるwwww何が変換されたんだwwww


832VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 12:09:50.28LBo6FtgWo (1/1)

>>830
元がまったく分かんねぇ


833VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 12:49:17.81QO29Dpvmo (1/1)

[アジフライ王国(キリッのドボドボ王子こと荒巻スカルチノフwww ★]


834VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 12:51:05.24wXI8LTeAo (2/2)

使いこなしすぎてもうなんか気持ち悪い


835 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:10:41.14ye7R/o9xo (1/40)

カポーン

東方参謀「……ふううぅぅ~」

ガラッ…スタスタスタ

戦士「……」

東方参謀「…ほぉ、なかなかの筋肉」

戦士「…?」

東方参謀「どれ、やるかね?」

戦士「……遠慮します」

東方参謀「逃げるか?」

戦士「何をやるんだっ!何をっ!!」

東方参謀「決まっておろう、これをこれ!」

パンパン

戦士「……腕相撲?」

東方参謀「それとも、このワシには勝てぬかのぉ」

ピクッ


836 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:11:10.74ye7R/o9xo (2/40)

戦士「……言うじゃねぇか」

スタスタスタ…ドンッ!!

戦士「……来なっ!!」

東方参謀「ゆくぞっ!腕相撲ファイトオオォォ!!」

戦士「レディーッ、ゴオオォォ!!」

東方参謀「ふんぬりゃああぁぁ!!」

戦士「ぬぐぐぐぐおおおぉぉ!!」

ガラッ…スタスタスタ

召喚士「……な、何してんの!?」

青年兵「は、ははは……っ」

ザバァ

召喚士「……はーっ、気持ちいい」

青年兵「……」

召喚士「ど、どうかした?」

青年兵「い、いえ…っ」


837 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:11:41.01ye7R/o9xo (3/40)

……――

召喚士「でも、青年兵くんって前髪下ろすと……童顔だよね…っ」

青年兵「召喚士さんこそ……っ」

ススッ

召喚士「青年兵くん……?」

青年兵「髪の毛…サラサラですね」

召喚士「は、恥ずかしいよ……っ」

青年兵「す、すみません……」

召喚士「俺も…触って……いい?」

青年兵「……恥ずかしいけど…召喚士さんなら///」

召喚士「……うん///」

キュッ

青年兵「召喚士さんて……大胆なんですね……っ///」

召喚士「青年兵くんだからだよ……っ///」

――……


838 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:12:12.18ye7R/o9xo (4/40)

盗賊「……おい」

バシャッ

東方司令「――!?」

盗賊「……ボーッととして…大丈夫か?のぼせたか?」

東方司令「なっ、何でもない!」

ブクブクブク

東方司令(アホな想像している場合じゃない……っ)

魔道士「はぁ~。広くて気持ちいい~っ」

盗賊「…うん」

女剣士「ちょっと贅沢なくらいだな」

東方司令(……稟議で承認が降りず、ボクが私財を投じて作り上げた女湯)

魔道士「盗賊さーんっ!」

盗賊「や、やめんかっ!」

女剣士「…仲…いいな」

東方司令(全ては今日のような日の為ではないかっ!この目に焼き付けねばっ!)


839 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:12:47.29ye7R/o9xo (5/40)

~男湯~

戦士「……あぁー」

ザブザブザブ…バシャッ

召喚士「腕相撲終わったの?」

戦士「ん、ああ」

召喚士「勝った?」

戦士「結局、勝負付かずで引き分けだ」

召喚士「へぇ、東方参謀さんて強いんだね」

戦士「あれで文官とか……反則だろ」

青年兵「ええ…っ。戦う軍師というか……」

戦士「しかしお前も大変だったな」

青年兵「えっ?」

戦士「取材だよ。あの女記者……」

青年兵「い、いや…っ。まぁ大丈夫…でしたよ。はは…っ」

戦士「……そういう発言には見えん」


840 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:13:13.29ye7R/o9xo (6/40)

~客室~

女記者「……んんっ」

モゾッ……ノソッ

女記者「…ふあぁ~っ。鬼仮眠とったっす~」

コンコン

女記者「……?」

テクテクテク…カチャッ

東方副司令「夕飯をお持ちしましたよ」

女記者「おおぉぉ!?これは鬼感謝っすううぅぅ!!」

ガバッ…ガツガツガツ

東方副司令「は、はは……」

女記者「うーん!!鬼美味いっすねええぇぇ!!」

東方副司令「食べ終わりましたら食器は外に……」

女記者「ご馳走様っすううぅぅ!!鬼満足っすよおぉ!!」

東方副司令「……外に置くまでもなく…持って帰ります」


841 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:13:47.66ye7R/o9xo (7/40)

カチャカチャカチャッ

東方副司令「入浴も済まされてはどうです?」

女記者「おおお風呂っすかああぁぁ!?」

東方副司令「部屋のシャワーでも構いませんが、女湯もありますよ」

女記者「いやはやっ!至れり尽くせりで鬼感激っすううぅぅ!!」

東方副司令「今なら他の皆さんも入られている頃かと……」

女記者「行ってくるっすううぅぅ!!」

ダダッ!!

東方副司令「あっ!?」

ポトッ…バラバラッ

東方副司令「……手帳っ、落ちましたよ!」

女記者「!?……鬼危ないっすうぅ!なくしたら大変!!」

タタッ

女記者「鬼感謝っすうぅ!!ありがとうございますううぅぅ!!」

東方副司令「……い、いえっ」


842 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:14:15.87ye7R/o9xo (8/40)

~男湯~

青年兵「でも…そこまでひどいとは思いませんが……」

戦士「そうかぁ?」

召喚士「俺もそう思うけどなぁ」

戦士「へーへー寛大なお方達ですね」

青年兵「可愛らしい方じゃないですか」

戦士「……ほーっ。少佐殿はああいうのが好みか!」

召喚士「へぇ~っ」

青年兵「ちちっ、違いますって!!」

戦士「照れるなって!確かに大人しくしてりゃ、悪くない……」

青年兵「だから本当にっ、違うんですって!」

戦士「ふぅん……。でもよ、いねぇのか?」

青年兵「へ……っ?」

戦士「好きな奴とか…気になる奴とかよ」

青年兵「…い、いませんよっ!」


843 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:14:53.59ye7R/o9xo (9/40)

戦士「……まさか、既に居るとか…!?」

青年兵「いません!!」

召喚士「でも意外だよね。青年兵くんに彼女いないなんて」

青年兵「何が意外なんですかっ!」

戦士「確かになぁ。見た目も身分も良し」

召喚士「頭もいいし、性格だって……」

青年兵「ボクの事はもういいですからっ!」

召喚士「ご、ごめん」

戦士「ちょっと悪ノリしすぎたか…ははっ!」

青年兵「……お、お二人こそどうなんですかっ!?」

召喚士「!?」

戦士「……っと、そうきたか」

青年兵「僕ばっかりずるいですからね!さぁ、先輩方っ!!」

召喚士「ど、どうって……何も……」

戦士「…ああ、本当に何にもない。ビックリするぐらい何にもない」


844 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:15:43.07ye7R/o9xo (10/40)

~女湯~

ガララッ

盗賊「!?」

女記者「おおぉぉ!?鬼広いじゃないっすかああぁぁ!!」

東方司令「う、うるせーっ!!」

魔道士「この声は、女記者さんですかっ!?」

女記者「おぉ!?皆さんいらっしゃいますかあぁ!?」

タッタッタ

盗賊「…風呂で走ると危――」

女記者「ひゃああぁぁぁぁ!!」

ツルーン…ズザー

東方司令「……お約束な奴だな」

魔道士「大丈夫ですかっ!?」

盗賊「…た、立てるか?」

女記者「鬼痛いっすううぅぅ……」


845 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:16:24.66ye7R/o9xo (11/40)

ググッ……ムニュッ…フニッ

盗賊「っ!!」

魔道士「ひゃっ!?」

女記者「う、ううぅぅ……。鬼強打っすうぅ」

モミモミモミッ

盗賊「…や、やめ……っ!!」

魔道士「ひ、ひああぁぁ!!」

女記者「……ん?この両手の柔いモノは何……」

ドキドキドキドキ

東方司令「……っ」

女記者「左手は鬼豊満な……。でも、右手は鬼平たいっすねえぇ」

フルフルフルッ

魔道士「……っ」

盗賊「…いいから……離せ」

女記者「…おおぉぉ!?これは鬼失礼したっすううぅぅ!!」


846 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:17:23.72ye7R/o9xo (12/40)

カポーン

女記者「いやぁ、鬼申し訳ないっす。眼鏡外したら鬼見えなくてえぇ」

盗賊「……」

女記者「それに、鬼平たいなどと…鬼失礼な事を」

魔道士「それはもういいですっ!!」

女剣士「……お姉様?」

東方司令「…大丈夫だ。少しのぼせて鼻血が止まらんだけだから」

トントントン

女剣士「…それはいけませんね。上がり――」

東方司令「ません!!」

女剣士「!?」

盗賊「…でも、派手に転んでいたが大丈夫だったか?」

女記者「大丈夫っすよおおぉぉ!鬼巨乳なんで弾きましたからああぁぁ!!」

盗賊「……自分で言うなよ」

魔道士「……くぅーっ!!」


847 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:18:11.84ye7R/o9xo (13/40)

~男湯~

戦士「…何か騒がしいか?」

召喚士「そ、そう?」

青年兵「でも、女記者さんて凄いですよね」

戦士「はぁ!?」

召喚士「な、何が…?」

青年兵「ああ見えて、本当に熱心な取材というか……」

召喚士「へぇ~っ!」

青年兵「一字一句漏らす事なく、書き留めているんですよね」

戦士「アイツがか!?……少し見直したな」

召喚士「俺らも女記者さんの取材は見た事ないからね」

青年兵「皆さんの、馬車での他愛ない会話なんかも書き留めてましたよ」

召喚士「本当に!?」

青年兵「ええ。一字一句までしっかり書き留めていましたよ」

戦士「意外な才能だな……」


848 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:18:40.60ye7R/o9xo (14/40)

召喚士「でも、大丈夫かな」

青年兵「…?」

召喚士「落としてなくしたりしなければいいけど……」

戦士「全くだな。ていうか、なくすんだろうなぁ……」

青年兵「や、やめましょうよ…っ。そういう推測は……」

戦士「何にせよ、あとはアイツを連れて帰ればおしまいか」

青年兵「そうなんですか?」

召喚士「え…?」

青年兵「女記者さんは、しばらく滞在するって言ってましたよ?」

戦士「何ぃ!?聞いてねーぞ!」

召喚士「……そうだったんだ」

青年兵「ええ。いやまぁ、僕らは何日いて貰っても構いませんけど……」

戦士「……流石にそういうわけにゃいかんよなぁ」

召喚士「う、うん……。むしろ日帰りぐらいの勢いだったし」

青年兵「はは…っ」


849 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:19:22.67ye7R/o9xo (15/40)

~女湯~

魔道士「そうなんですかぁ!?」

女記者「そ、そうっすよおぉ!鬼滞在するっすよおおぉぉ」

盗賊「…聞いてない」

魔道士「え、ええ…っ」

東方司令「……べ、別にいつまでいても…構わんぞっ」

魔道士「私達、明日には帰るつもりだったのに~」

盗賊「…うん。置いて帰るしかないか」

ザブッ…ブクブクブク

東方司令「……っ」

女剣士「…お姉様?」

女記者「鬼お気にせずっすううぅぅ!!」

盗賊「…さて、そろそろ出るか」

魔道士「そうですね、出ましょうか!」

女記者「鬼あがるっすううぅぅ!!」


850 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:19:55.03ye7R/o9xo (16/40)

~男湯~

戦士「そろそろあがるか。長居しちまったな」

召喚士「そうだね、結構長々と――」

ガチャッ…モワアアァァ

青年兵「……っ!?」

戦士「何だこの湯気っ!?あっちぃ!!」

スタスタスタ…シュウウゥゥ

東方参謀「…ん、まだおったのか?」

戦士「こっちの台詞だ!!」

召喚士「な、何をなさってたんですかっ!?」

東方参謀「…サウナだが?」

召喚士「サ、サウナって……何分入ってたんですか……っ」

東方参謀「馬鹿者っ!サウナは長時間入ってこそであろう!!」

召喚士「ひえっ!」

東方参謀「なってない、本当になってないぞ貴様らっ!!」


851 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:20:22.46ye7R/o9xo (17/40)



ムワアアァァ

召喚士「…………」

青年兵「…………」

戦士「何で俺らまで……」

東方参謀「五月蝿い!大人しく腕を組み、目を瞑っておれ!!」

戦士「……っ」

ジリジリジリジリ…

東方参謀「……」

チョンチョン

召喚士「…?」

クイッ

戦士(出るぞ!これ以上付き合ってられっか!)

召喚士(で、でもぉ……)

戦士(放っておけ!それより青年兵が危ない!早く出るぞ!!)


852 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:21:16.17ye7R/o9xo (18/40)

ソローッ……ササッ

戦士「……ぶはぁー!!」

召喚士「青年兵くんっ!?大丈夫!?」

青年兵「……は、はひぃ…っ」

戦士「少し冷やしてやった方が良さそうだな」

召喚士「……仕方ないっ」

青年兵「……ふひぇ」

召喚士「行けっ、スキュラ!!」

シュイイィィン…キキイイィィン

召喚士「これで…少しは……」

戦士「なんつー無駄な召喚獣の使い方だ……」

召喚士「でも、こうでもしないと……」

青年兵「……んっ」

召喚士「ほらっ、気付いた!青年兵くんっ!?」

戦士「……マジかよ」


853 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:22:51.05ye7R/o9xo (19/40)



魔道士「いいお湯でしたー」

盗賊「…それじゃ、おやすみ」

東方司令「よ、良かったら…ボクの部屋で」

女記者「鬼お疲れ様っしたああぁぁ!!」

東方司令「耳元でうるせーっ!!」

女記者「明日は鬼取材、よろしくっすううぅぅ!!」

東方司令「…ああ、はいはい」

タッタッタ…ポトッ

女剣士「・・・おい、手帳」

女記者「はへっ!?ああぁぁ!鬼危ないっすううぅぅ!!」

パシッ

女記者「鬼感謝っすううぅぅ!!おやすみなさいいぃぃぃぃ!!」

東方司令「大丈夫か?あれ……」

女剣士「……私には…分かりかねます」


854 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:24:24.67ye7R/o9xo (20/40)

~次の日~

女記者「いやはやっ、鬼お世話になりましたああぁぁ!!」

戦士「…大丈夫か?」

青年兵「司令部にいる間は、僕らがいますんで」

召喚士「うん。よろしく」

戦士「きっかけは意外なところにあるもんだぜ?」

青年兵「何の話ですかっ!!」

盗賊「…それじゃ、行くか」

魔道士「では、失礼します!」

青年兵「ありがとうございました」

召喚士「うん。こちらこそ!」

テクテクテクテク

青年兵「……さぁ、司令部内へ戻りましょう」

女記者「はいっすうぅ!!今日も鬼頑張るっすよおおぉぉ!!」

青年兵「…あははっ。頑張りましょう!」


855 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:25:36.97ye7R/o9xo (21/40)

ザッザッザッザ…

戦士「……うまく馬車が来ればいいけどなぁ」

魔道士「まぁ、歩いて行ける所までは行きましょうか!」

召喚士「そうですね」

戦士「……青年兵、うまくやってくれるかな」

召喚士「…戦士、まだそんな事言って……っ」

戦士「そっちじゃねぇよ!本来の目的を忘れたのか!?」

召喚士「……だって、戦士が言うとさぁ」

戦士「どういう意味だっ!」

盗賊「…ふっ」

召喚士「あはははっ」

魔道士「えへへっ!!」

戦士「笑うな!!」

無事、女記者を東方司令部へと連れて行き、更には青年兵へ内通者の件を

伝えた召喚士一行。四人は再び、本国へと戻って行った。


856 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:26:55.33ye7R/o9xo (22/40)

~南東国、東の街~

戦士父「……」

ザッザッザッザ

戦士父「待たせたな」

兄者「……いや。では、参ろうか」

正門前にて立つ長い髭の大男。右手にはこれまた巨大な大刀を携える。

戦士父「……」

両者は無言のまま、正門前を後にし、街の外れへと移動した。

ザッザッザッザッザ

戦士父(……墓?)

兄者「この辺りで良かろう」

戦士父「……ああ」

ザッ

戦士父と兄者。長得物を手にした二人の男が向かい合い、表情を変える。

その背後には質素な、しかしながら手入れの行き届いた墓が佇んでいた。


857 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:27:41.59ye7R/o9xo (23/40)

~南東国、宮殿~

皇太子「……おはよう」

若文官「これはお早うございます。よく眠れましたかな?」

皇太子「ああ、お陰様でな」

若文官「それは何より、では朝食の支度など……」

皇太子「今朝は随分と人が少ないな」

老文官「皆、稽古や軍務で出ておりまする」

皇太子「熱心だな。良い事だ」

老文官「本国の方こそ、見かけませぬが……」

皇太子「言われてみればそうだな。……もしや」

老文官「……?」

皇太子「いやいや、何でもない。では朝食を頂くとしようか」

若文官「はっ。ご案内致します」

皇太子「……」

口惜しそうな表情を一瞬見せたが、皇太子は笑顔に戻り文官らの後に続いた。


858 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:29:40.70ye7R/o9xo (24/40)

ザザッ…ジャリッ…

戦士父「……」

兄者「…………」

弧を描くように、両者はじりじりと間合いを取り合う。

剣士「……」

ヒュンッ…スタッ

剣士「……天才…さん!?」

天才「なかなかの特等席じゃねーか!」

城壁の上から下で展開されている勝負を眺める剣士と天才。

剣士「……どちらも仕掛けませんね」

天才「ヒゲの旦那は昨日の勝負を見てるからな」

剣士「ええ。戦士父さんの動きを見れば、迂闊に踏み込めませんね」

天才「……だろうな」

剣士「…しかし…似ている……っ」

天才「あん?」


859 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:33:10.27ye7R/o9xo (25/40)

剣士「いえ…っ、動きが友人に似ていたので……」

天才「どっちだ?戦士父か?」

剣士「ええ。朱雀先生……ご存知ですか?」

天才「……ああ、そーいう事か。なるほどな」

剣士「……?」

天才「あれな、戦士の親父だぞ」

剣士「…………やはり」

天才「不思議なモンだなぁ。教わらずとも似るんだな!」

剣士「え…っ?」

天才「ほれ、余所見してんな!始まるぞ!」

剣士「……っ」

天才(……それにしても、コイツもコイツだ)

剣士「…………」

天才(……一見で早々、判別のつくようなモンじゃねぇぞ?)

二人の動向を見つめる剣士。その横顔を天才が見た瞬間、金属音が鳴り響く。


860 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:34:28.68ye7R/o9xo (26/40)

キィンッ!!

戦士父「……っ!!」

兄者「……!!」

剣士「初手は同時っ!」

天才「しかも互角。とは言っても、互いに挨拶みてぇなモンか」

真っ向から武器を振るい、激しくぶつけ合う二人。

しばらくその態勢で睨みあった後、後方へと飛び、またもや間合いを探り合う。

兄者「……どうした!?最初から全力で来るがいい!!」

戦士父「……」

兄者の言葉に呼応し、戦士父は突き刺した戟を左手で拾い上げた。

剣士「二刀流!いや…っ、二槍流とでも言うべきか……っ」

戦士父「は……あぁ!!」

兄者「……ふんっ!!」

戦士父の右手より十字槍が振り上げられ、そこへ合わせるかのように、

兄者の青龍偃月刀が唸りを上げながら、振り下ろされる。


861 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:37:29.46ye7R/o9xo (27/40)

ブオォッ!!……ガッギイイィィンッ!!

戦士父「!?」

兄者「分からぬかぁ!」

バランスを崩しよろける戦士父へ、大刀を振り上げながら兄者が叫ぶ。

兄者「初撃で互角だった貴公が、片手で某と打ち合えるはずもなかろう!」

天才「ま、正論だな」

剣士「でも、おかしくないですか?」

天才「アイツがそんな事も分からず仕掛けるかって話だわな」

剣士「……ええ…っ」

――「そりゃ、兄者だって分かってるさ」

剣士「……弟者さん」

ザッザッザ…ドスッ

弟者「誘ってんだよ。隙を作らせようってな」

天才「はーっはっはっは!」

剣士「……」


862 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:39:02.09ye7R/o9xo (28/40)

天才「そりゃ、アイツも同じ考えみてぇだな」

少し間を空け、兄者が青龍偃月刀を勢いよく振り下ろす。

グオッ!!

戦士父「……」

ドズウウゥゥンッ!!

剣士「地面が…っ!凄い一撃だな……っ」

舞い上がる土と岩。その影に両者はすかさず間合いを詰める。

ザザザザッ…ブオンッ!!

兄者「来たっ!!」

岩と岩の間から槍が兄者めがけ一直線に轟音を鳴らし、空を切る。

兄者(この投擲をかわせば…っ、その先に――」

クンッ

兄者「!?」

十字槍は突如軌道を変え、地面へとそのまま突き刺さる。

弟者「しくじったか!?」


863 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:39:53.80ye7R/o9xo (29/40)

天才「いんや、狙い通りだな!」

ビイイィィンッ

兄者(何が狙い――)

間髪入れず、躊躇する兄者の元へと、次なる投擲が放たれた。

兄者「――!?」

剣士「二発っ!?」

兄者「かわせ……ないか……っ」

止む無く飛び迫る劇を青龍偃月刀で受け止める兄者。

ザザッ…ザザザッ

兄者「……っ!?」

舞い散る地面すれすれの隙間、無表情の人影が走り寄る。

戦士父「……」

ザザザッ…パシッ

一投目に放った十字槍を地面から引き抜き、そのまま前進を続ける人影。

兄者「ちぃ……っ!!」


864 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:41:37.88ye7R/o9xo (30/40)

避けようにも間に合わない。そう判断した兄者は、

たまらず手にした得物を投げ捨て、宙に浮く戟を手に振り下ろした。

ブオンッ!!

戦士父「……勝手が違う得物では、どうしても鈍くなる」

兄者「……っ」

振り下ろした戟は十字槍の先端に絡め取られ、再び宙へと舞う。

ビタァ!!

戦士父「……」

兄者「……お……見事…っ」

首筋で寸止めされた十字槍をちらりと見つめ、兄者は声を振り絞った。

天才「終わったな」

剣士「……な、何が…何だか」

弟者「まさか……あの、兄者が……っ」

兄者「……完敗だ」

戦士父「いい勝負だった。感謝する」


865 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:42:32.70ye7R/o9xo (31/40)

スッ…ザッ

兄者「まさか、これ程の使い手が世に居ようとはな……」

戦士父「……まだまだ上へいる」

兄者「……」

戦士父「例えば、あの男とか…な」

兄者「……」

天才「……あん?」

ザッザッザ…スッ

戦士父「……では確かに、頂くぞ」

兄者「…約束は約束だ。仕方あるまい、好きにするがいい」

戦士父「……すまんな」

ザッザッザッザ

戦士父「さて、南東国最後の一本、貴方はどうする?」

兄者「……白馬、いたのか」

白馬騎士「……」


866 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:43:11.36ye7R/o9xo (32/40)

ザッザッザ

白馬騎士「とても、勝てそうにはありません」

戦士父「……」

白馬騎士「私のこの、白銀の槍。渡すのは結構ですが……」

戦士父「…何だろうか」

白馬騎士「せめて理由をお聞かせ頂けないでしょうか?」

戦士父「……」

白馬騎士「私利私欲…とは思えませんが、流石に納得出来ませんからね」

戦士父「仰る事、ごもっとも」

ザッザッザ

戦士父「魔王を倒す為、という理由では駄目かな?」

白馬騎士「魔王を……?」

バッ…スタッ…ザッザッザ

天才「ゾディアック…って知ってっか?」

白馬騎士「……いえ、存じませぬ」


867 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:44:56.59ye7R/o9xo (33/40)

天才「むかーし昔の大昔、一本の槍がありました」

戦士父「……」

天才「その槍はどこから来たとも知れず、天から降ってきたそうです」

白馬騎士「……」

天才「かつて、この世界を我が物としていた魔王……サタン」

剣士「……サタン」

天才「魔王サタンの元へ、一直線に天から突き刺さりました」

白馬騎士「……っ」

天才「サタンは魔力を半分以上失い、地上を離れました」

弟者「おとぎ話…か?」

天才「しかしその時の威力で、地上の大陸はブチ割れてしまいましたとさ」

兄者「それが……」

天才「あまりの威力に、目を付けた人間達が、こぞって自分の物にしようとした」

剣士「……」

天才「しかし使いこなす事は出来ず、永らくの間、行方不明となった」


868 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:45:51.61ye7R/o9xo (34/40)

白馬騎士「……」

天才「ところがだ。ちょいと前に、一人の人間が古代の文献に目を付けた」

戦士父「……」

天才「そいつは、その槍を手に入れて魔物を殲滅しようと考えた」

弟者「……ほぅ」

天才「だが、そいつはとんだ悪党でな。魔物どころか人間も殺し始めた」

兄者「ど、どういう事だ…!?」

天才「自分が地上の王になろうと目論んだんだよ」

剣士「……っ!!」

天才「まぁ、それも未遂で終わったけどな」

白馬騎士「どうなったのです……?」

天才「人間として生きられなくなったそいつは、魔物の所へ去って行った」

剣士「……なんて事を……っ」

天才「元々、魔物を使って色々してたみたいでな」

弟者「そ、それで…?」


869 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:46:35.08ye7R/o9xo (35/40)

天才「結局、そんなあぶねぇモンは封印しようって事になってな」

白馬騎士「……まさか」

天才「一人の鍛冶職人が1本の槍を解体し、12本の槍へと分裂させたのさ」

剣士「――っ!!」

兄者「な、なんと……っ!!」

白馬騎士「それが……この……」

天才「そういう事。お前らの持っていた3本の槍、それはゾディアックだ」

戦士父「…まぁ、そういう経緯だ」

白馬騎士「……っ」

天才「柄の部分に紋章が入ってんだろ。あれば本物だ」

スッ

白馬騎士「……紋章……確かに」

弟者「で…でもよっ、あんたらはそんな危ないモンをまた……」

天才「よーやく使い手が現れたのさ。……ここにな!」

戦士父「……」


870 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:47:16.06ye7R/o9xo (36/40)

剣士「戦士父…さんが……」

天才「それでも賭けだけどな」

戦士父「ああ。それにそれ以前の問題かもしれんしな」

弟者「それ以前?」

白馬騎士「…再構築の為の、鍛冶職人ですか」

天才「ビンゴ!やるね、アンタ」

兄者「確かにな。元ある1本の姿hwと戻せぬ限り……」

剣士「利用出来ない…ですね」

天才「……ま、なるようになるんじゃねーの?」

戦士父「…気楽に言わんで下さい」

天才「……はーっはっは!さーて、勝負も終わったし戻るかねぇ」

テクテクテク…

戦士父「では、失礼する」

ザッザッザ

剣士「……」


871 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:48:57.54ye7R/o9xo (37/40)

白馬騎士「……お待ち下さい」

戦士父「…?」

白馬騎士「…貴方達の意思は分かりました」

ザッザッザ

戦士父「……」

白馬騎士「……」

ズイッ

白馬騎士「……託します。お持ち下さい」

戦士父「……いいのか?」

白馬騎士「半ばおとぎ話で、そのような力があるとは信じられません」

天才「…はーっはっは!そりゃそうだわなっ!」

白馬騎士「しかし、嘘をついているとも思えません」

戦士父「……」

白馬騎士「この槍がお役に立つのでしたら、喜んでお渡し致します」

戦士父「……有難い」


872 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:50:02.05ye7R/o9xo (38/40)

パシッ

天才「……これで何本だっけか?」

戦士父「手持ちは5本だ」

天才「かぁ~。先の長い話だこと……」

ザッザッザ

剣士「あ、あの……っ」

兄者「先に戻っていてくれ。すぐに行く」

剣士「……失礼します!」

タッタッタッタッタ

弟者「…まさか、そんな物だったとはなぁ」

兄者「言い伝え通りの威力とは思えぬが、きっと素晴らしい得物なのだろう」

白馬騎士「ええ。そうでしょうね」

弟者「それが俺らじゃなくて、あの男を選んだわけか……」

兄者「使い手としては悔しい限りだが、実力を見る限り……仕方ない、か」

白馬騎士「ええ。きっと……騎都尉も納得してくれるでしょうね」


873 ◆1otsuV0WFc2011/02/22(火) 18:52:29.61ye7R/o9xo (39/40)

ザッザッザッザ

戦士父「そっちはどうなのだ?」

天才「あん?」

戦士父「集まっているのか?」

天才「ああ、もう余裕余裕」

剣士「…?」

天才「つーかよ、こっちは所在が明確なんだから難しくはねーよ」

戦士父「…確かにそうか」

天才「それに、まだ早い。きっかり五年目に仕上げるさ!」

戦士父「……」

天才「んな事より、これから悲願の同盟だろうが!見物に行くぞ!」

剣士「あ、ち…ちょっと…っ!?」

タッタッタッタッタ

南東国にて3本のゾディアックを手に入れた戦士父。

そしていよいよ、本国と南東国間における同盟が結ばれようとしていた。



~第三十八部、完~


874VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 18:55:51.36ye7R/o9xo (40/40)

なんだか長くなりそうなので一度切っておきますー
そして王子の人気は未だに安定……

>>818
こ、これは……

>>823
ありがとうございます!リクさえあればやるですよー!

それでは失礼をば!多数のご支援ありがとうございました!ノシ


875VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 19:42:43.44zh7e4lkjo (1/3)

五虎将の計4本(1本は偽戦士ので正規品ではなし)
北の村で戦士から渡された1本。
マーマンとオークの計2本。
国軍の騎士なんとかが1本。
天才の東方と西方にあるという1本ずつと国軍のまだ見ぬ1本。

残り1本が行方不明なのかな?


876VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 19:44:19.03LwbBa0XVo (1/1)

最後の一本は皆の心


877VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 19:50:10.15KdlL3sNQP (1/1)

 ヽ('A`)ノ トキハナテゾディアック!
  (.∩)
  ノω|
   ↑心


878VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 20:06:12.48XeauNBGIo (1/1)


 __[警]
  (  ) ('A`) 
  (  )Vノ )
   | |  | | 


879VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 20:34:03.38zh7e4lkjo (2/3)

十文字槍~第十二部~ 北方…国軍⇒戦士⇒戦士父
多股の槍~第十二部~ 北方…国軍⇒戦士⇒オーク
槍~第十三部~ 華国…白馬騎士⇒戦士父
戟~第十三部~ 華国…騎都尉⇒戦士(~第二十三部~ 偽(前)にて偽戦士⇒戦士父)
三叉の鉾~第十四部~ 火山…マーマン
形状不明~第二十二部~ 北戦役…騎士団長
青龍偃月刀~第三十部~ 南方華…兄者⇒戦士父
蛇矛~第三十部~ 南方華…弟者⇒戦士父
国軍1本(戦士父談)、西方1本(天才談)、東方1本(天才談)

騎都尉はそういや五虎将じゃなかった、錦将軍の槍はゾディアックじゃないのか。
結局1本は行方不明か。


880VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 20:51:35.06pemThkq50 (1/1)

>>879
GJ


881VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 21:18:18.11BU/rGmQXo (1/1)

騎士団長の槍と国軍の槍は同一じゃなくて?


882VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 21:51:31.3238CICdkSO (1/1)

議会編の時に タルウィの洞窟の近くにある 南西の砦 だかの 砦長が持ってたよな


883VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 22:06:57.72mZg74ScAO (1/1)

>>1おつ


884VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 22:17:05.83t72WqAsFo (1/1)
885VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 22:22:35.76/tMheRqAO (2/2)

>>839
秘技!! シビリアアアアァァァンコントロオオオォォオォオオル!!!


886VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/22(火) 23:47:48.33zh7e4lkjo (3/3)

>>881
戦士父が国軍に2本と言ってる。
1本が騎士団長でもう1本が>>884の南西砦長のトライデントか。


887VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 00:20:39.023SdGajkDO (1/1)

こういう武器集めとか召喚獣集めとかみたいな話は好きだ


888VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 00:38:45.39v/3SbvLro (1/1)

ついにこの世界の神話が出てきたな
そのまま過去編へ突入なんて


889VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 02:00:57.18x3Oq48wS0 (1/1)

>>885
また懐かしいネタをww


890 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:42:09.78bEqCD9QEo (1/31)

女記者「えっ、夢っすかあぁ?」

青年兵「ええ」

女記者「うーんと、いつかは鬼すっごいスクープとか取りたいっすねえぇ!!」

青年兵「スクープ…ですか?取材で?」

女記者「そうっすよおぉ!記者としては鬼憧れっすううぅぅ!!」

青年兵「なるほどっ。素敵な夢じゃないですか!」

女記者「そそそそうっすかああぁぁ!?鬼照れるっすねええぇぇ!!」

青年兵「ははっ!お互い頑張りましょう!」

女記者「鬼頑張りましょおおぉぉ!!」

青年兵「さてと、そろそろ……」

チョン

青年兵「あ、すすすみません……っ!」

女記者「ここここちらこそおおぉぉ!鬼すみません!!」

青年兵「そ、それでは…っ、おやすみなさい!」

女記者「おおおおやすみなさいっすううぅぅ!!」


891 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:42:50.76bEqCD9QEo (2/31)


召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    ~第三十九部~


892 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:43:21.41bEqCD9QEo (3/31)

~南東国、宮殿~

側近「どうぞ、お掛け下さいませ」

皇太子「うむ」

広間の中央、長机を挟み、皇太子と三男が顔を見合わせた。

その背後には、それぞれの護衛や重鎮が佇み、室内の空気を重くしている。

白銀騎士「形式上のものですので、ご容赦下さいませ」

場の空気を和らげようと、白馬騎士は口元を緩め声を発した。

皇太子「分かっている。お気遣いなく」

白馬騎士「……ははぁ」

老文官「ではこれより、本国、並びに華国における同盟の――」

テクテクテク

戦士父「……?」

剣士「どうしました?……ボソボソ」

戦士父「…失礼」

剣士「……?」


893 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:44:04.97bEqCD9QEo (4/31)

テクテクテクテク

戦士父「…どこへ?」

天才「あぁ?帰るんだよ、かったりぃ」

戦士父「自分で悲願の同盟とか、記念すべきとか……」

天才「もう結んだも同然だろ!十分だよ」

戦士父「だからとて途中退室など……」

天才「あんなクソだるい話、聞いてられっかってんだ」

戦士父「……」

天才「それに、まだやる事があるんでな」

戦士父「……はぁ」

天才「殿下の護衛、代わりに頼んだぜ!はーっはっは!」

戦士父「おいっ!?」

シュバッ

戦士父「……相変わらず…勝手な人だ」

腰に手を当てため息を吐くと、戦士父は広間へと戻って行った。


894 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:44:37.56bEqCD9QEo (5/31)



若文官「それでは、調印をお願い致します」

皇太子「……」

スクッ

右大臣「殿下…?」

皇太子「この内容、異議を唱えたいのだが」

ドヨッ

老将軍「……異議じゃと?」

側近「あの…っ、内容に何か問題でも……?」

皇太子「この内容によると、互いに無条件での同盟と相成っている」

白馬騎士「如何にも。それが…何か?」

皇太子「本当に良いのか?」

若文官「……と、申されますと?」

皇太子「これでは南東国にとって、メリットがないように思えるが」

ザワザワッ


895 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:45:05.74bEqCD9QEo (6/31)

右大臣「殿下っ、何を申しておるのです!?」

三男「私達は同盟を結ぶ事さえ出来れば、満足ですよ?」

白馬騎士「陛下の仰る通りです。何もそれ以上の事など……」

皇太子「しかし、それでは本国の勝手な都合のようにしか思えぬのだ」

側近「……では、どうしろと仰るのです?」

皇太子「そうだな……」

白馬騎士「……」

皇太子「我が国の技術を譲るというのはどうかな?」

右大臣「――っ!?」

白馬騎士「……軍事…技術という事ですか?」

皇太子「いや、それだけではない」

錦将軍「……っ」

皇太子「鍛冶や建築、必要な技術は包み隠す事なくお伝えしよう」

側近「しかしながら、それでは……っ」

皇太子「……ふむ。ならば交易ルートも切り拓こうではないか」


896 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:45:32.12bEqCD9QEo (7/31)

ザワザワザワッ

若文官「……」

皇太子「南東国は海に面しておらぬ分、陸路にはなってしまうが……」

三男「……」

皇太子「南方から街道を引けば、問題はなかろう」

白馬騎士「……何故」

皇太子「ん?」

白馬騎士「何故、そこまで…っ。これでは逆に華国が――」

皇太子「それだけ、この同盟には価値があるという事だ」

白馬騎士「……っ」

三男「本当に宜しいのですね?」

皇太子「うむ。こちらにとっても好都合だ」

三男「……では、お言葉に甘えると致しましょう」

皇太子「うむ」

三男「それと、もう一つ……」


897 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:45:59.67bEqCD9QEo (8/31)

皇太子「何かな?」

三男「ここより南の地、山を越えた遥か南の地です」

皇太子「……」

三男「その地を、本国の領土とは扱わないで頂きたいのです」

右大臣「……南東国の領土と、認めろと……?」

三男「そうではありません。誰も、どの国も統括しない地にして頂きたいのです」

皇太子「……成程。相分かった」

三男「ありがとうございます」

老文官「そ、それでは……以上の項目を追記する形で宜しいですかな?」

皇太子「異論はない」

三男「頼みます」

老文官「……では、追記の上で調印をお願い致します」

皇太子「うむ」

三男「はい」

たかが紙切れ一枚。されどそこに、人々の未来が詰まっていた。


898 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:46:30.60bEqCD9QEo (9/31)



側近「それでは、以上にて調印式を終了致します」

老文官「それでは会食の手筈を整えます故、今しばしお待ちを……」

ザワザワザワ

弟者「終わった終わった」

兄者「これで、我らの務めも終わりだな」

弟者「……?」

錦将軍「おいおい、武器奪われたくらいでそんな……」

兄者「そうではない。今後は本国主体の戦いとなる」

老将軍「そういう事じゃ。我らの戦い方では魔族にゃあ勝てん」

弟者「んな事ぁねーだろっ!」

兄者「では何故、華国は魔物の手に落ちたのだ?」

弟者「……っ」

老将軍「本国のような、新しい戦い方を持ってせねば…太刀打ちできんのじゃよ」

錦将軍「……ちっ!」


899 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:47:03.38bEqCD9QEo (10/31)

カツカツカツ…

白馬騎士「しかし、務めが終わり…というわけではありませんよ」

兄者「白馬の……」

白馬騎士「貴方達は個々の武を持っておられる」

弟者「……」

白馬騎士「それは他国にはなき力です」

兄者「…つまり、我らが指南役になれと?」

白馬騎士「一人一人が個々の武を高め、その上で近代戦術が用いられる…」

老将軍「成程のぉ。そうすればその威力は数倍にも増す、というわけじゃな?」

白馬騎士「それだけではありません」

弟者「…?」

白馬騎士「スグリーヴァ様の下に集う魔物達……」

兄者「まさか…っ。魔物らにも指南を…!?」

白馬騎士「彼らは既に、個々の武を有しております」

錦将軍「戦い方させ覚えりゃ、その力は更に……」


900 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:47:32.19bEqCD9QEo (11/31)

白馬騎士「ええ。そしてそれを率いるのも我らだと思っております」

弟者「魔物の軍勢を率いるってのか!?」

白馬騎士「おや、不服ですか?」

弟者「……まさか。楽しみでならねぇよ!」

錦将軍「……」

弟者「異形の奴らを従えて戦なんざぁ、想像にも及ばねぇ!」

白馬騎士「貴殿ならそう言ってくれると思ってましたよ」

錦将軍「でも、本当に魔物と……」

白馬騎士「私とて信じられませんよ。未だにね」

錦将軍「……っ」

白馬騎士「しかし、私は信じますよ。あの方が切り拓いてくれた道……」

兄者「……」

白馬騎士「次男様が切り拓いてくれた、新たな道を」

老将軍「……一介の、旅の法師ではなかったかの?」

白馬騎士「……ははっ、そうでしたね」


901 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:47:59.60bEqCD9QEo (12/31)



皇太子「……天才はどうした?」

戦士父「…去りました」

右大臣「あやつ、勝手な真似を……っ!」

皇太子「まぁ良い。ここまでくれば心配もなかろう」

戦士父「念の為、本国まで私が同行します」

皇太子「すまんな。世話をかける」

戦士父「キミはどうする?」

剣士「はい。折角ですので、華国へ少し滞在してから村へ帰ります」

皇太子「そうか。此度は本当にご苦労であった」

剣士「いえいえっ、結局お力にもなれず……」

右大臣「そのような事はない。大変、助かったぞ」

剣士「……あ、ありがとうございます」

皇太子「さて、皆がお待ちかねだ。我らも行こう」

剣士「はい!」


902 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:48:34.73bEqCD9QEo (13/31)

~東方司令部~

女記者「ささっ!鬼遠慮せずどうぞおおぉぉ!!」

東方司令「……」

女記者「……どうしたっすかああぁぁ!?」

東方司令「キミさ、ボクの取材じゃないの?」

女記者「そうっすよおおぉぉ!!」

東方司令「何でボクが自発的に喋らなきゃいけないんだよっ!」

女記者「鬼心配なくううぅぅ!!一字一句、鬼書き止めるっすよおぉ!」

東方司令「だからっ、違うだろ!!」

女記者「違くないっすよおぉ!さぁさぁどうぞおおぉぉ!!」

東方司令「……キミ、馬鹿にしてるだろ?」

女記者「鬼真面目っすよおぉぉ!!」

東方司令「…………」

女記者「まずは生い立ちから現在までどうぞおおぉぉ!!」

東方司令「何時間かけるつもりだ!!」


903 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:49:37.53bEqCD9QEo (14/31)

~ターミナル~

召喚士「いやぁ、助かりました。ありがとうございます」

御者「へへっ!虫の知らせってやつです!」

戦士「本当かよ……?」

御者「実はそろそろじゃないかと、張っていたんですよっ」

盗賊「…!?」

魔道士「そ、そうなんですか…!?」

召喚士「そんないつになるのか分からないのに…わざわざ……」

御者「いえいえっ、日の出とともにですから、そんな時間は……」

戦士「日の出!?何時間待ってたんだよ……っ」

御者「気にしないで下せぇ!旦那らが乗ってくれりゃあ、こっちも鼻が高い!」

召喚士「……はぁ」

戦士「どーせまた、宣伝に使おうって腹だろ」

御者「う…っ。ま、まぁ…持ちつ持たれつって事で!わははっ!」

盗賊「…貪欲だな」


904 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:50:11.06bEqCD9QEo (15/31)



船員「まもなく出航致します。お乗りの方は――」

召喚士「本当にありがとうございました」

御者「いえいえ、また宜しくお願いします!」

盗賊「…それじゃ」

スタスタスタ

御者「お気を付けて~っ!!」

魔道士「はーいっ!ありがとうございますー!」

戦士「これで懸念材料はスッキリしたワケだが……」

召喚士「次はどうしようかね?」

魔道士「召喚獣はもういいんですか?」

召喚士「ええ、今のところは大丈夫…ですかね」

戦士「とりあえず、本国に戻って考えるとしようか」

盗賊「…そうだな」

召喚士「うんっ!」


905 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:51:05.95bEqCD9QEo (16/31)

~南東国、宮殿~

皇太子「では、此度はまこと…感謝致す」

三男「こちらこそ。もっとゆっくりなされば良いのに……」

皇太子「いやいや、こちらもやらねばならぬ事があるのでな」

若文官「そうですか……」

皇太子「それに、いち早くこの事を皆に伝えたい」

右大臣「そうですな」

白馬騎士「では、落ち着きましたらまた後日、ゆっくりと……」

皇太子「ああ。そうさせて頂こう」

三男「必ずや」

皇太子「うむ。それに落ち着いたら、顔合わせもせねばならんな」

側近「……?」

皇太子「各国の首脳が集まり、一度話し合わねばならん」

三男「楽しみにしております」

皇太子「宜しく頼むぞ」


906 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:52:27.44bEqCD9QEo (17/31)

ザッザッザ

皇太子「待たせたな、行こうか」

戦士父「はっ」

右大臣「では剣士殿、我らはこれにて失礼するぞ」

剣士「はい。道中、お気を付けて」

門兵「馬をお連れ致しました!」

皇太子「ご苦労。では参ろうか」

ザザッ

皇太子「ご家族にも宜しく伝えてくれ」

剣士「ありがとうございますっ!」

皇太子「はぁっ!」

グイッ…ドドッドドッドドッ…

白馬騎士「……本国の殿下、器の大きいお方だな」

剣士「白馬騎士さん…。ええ、僕もそう思います」

二人は去りゆく馬が見えなくなるまで、その姿を見送った。


907 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:53:07.37bEqCD9QEo (18/31)

~東方司令部~

東方司令「……はぁ」

女剣士「お疲れのようですね」

コトッ

東方司令「ありがとう」

女剣士「食べる物もお持ちしますか?」

東方司令「要らない。食欲ない」

女剣士「珍しいですね、お姉様が食欲ないなんて」

東方司令「どういう意味だ。普段だってそんな食べてないだろ」

女剣士「……そういう事にしておきます」

東方司令「キミは食事、済ませたのか?」

女剣士「ええ。入浴も先に失礼致しました」

東方司令「そっか……。ボクももう寝るよ。おやすみ」

テクテクテク

女剣士「……本当に…珍しい」


908 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:53:37.75bEqCD9QEo (19/31)

テクテクテクテク

青年兵「……あっ」

女記者「おぉ!?お疲れ様っすうぅ!!鬼警備っすかああぁぁ!?」

青年兵「い、いや……っ。まぁそういう事にしておきます」

女記者「鬼流石っすねええぇぇ!!」

青年兵「ど、どうも。東方司令の取材は終わったのですか?」

女記者「もう鬼バッチリっすよおぉ!!」

青年兵「それは何より。いい記事かけそうですか?」

女記者「うぅん……それは鬼難しい質問っすねえぇ!」

青年兵「!?」

女記者「いやぁ、鬼頑張るっすよおぉ!」

青年兵「え、ええ…っ。頑張りましょう」

女記者「青年兵さんはっ、鬼頑張ってるっすよねえぇ?」

青年兵「ま、まぁ……一応……」

女記者「鬼偉いっすよおぉ!夢のために頑張ってるなんてええぇぇ!」


909 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:54:20.31bEqCD9QEo (20/31)

青年兵「あ、ありがとうございます」

女記者「将来は大元帥っすよねえぇぇ!?」

青年兵「いやっ、まぁ…なれたら…ですけどね。ははっ」

女記者「鬼志高いってのはあぁ、良い事っすよおおぉぉ!!」

青年兵「そうですね。手に届く夢より、もっと…遥かな高み……」

女記者「うんうんうんっ!!」

青年兵「でも、全ては一つの想いの為です」

女記者「ほうほうっ!!」

青年兵「人の為に生きろ。……小さい頃から母に言われてきた言葉です」

女記者「おおぉぉ!!良いお母様っすねええぇぇ!!」

青年兵「口煩いだけですよ。はははっ」

女記者「いやいやいやっ、そんな事ないっすよおぉぉ!」

青年兵「でも今は、僕もそう思ってます。本当にその通りだな…って」

女記者「人の為に……なかなか出来る事じゃないっすからねえぇ!」

青年兵「頑張りますよ!……女記者さんは夢、何ですか?」


910 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:55:12.57bEqCD9QEo (21/31)

女記者「えっ、夢っすかあぁ?」

青年兵「ええ」

女記者「うーんと、いつかは鬼すっごいスクープとか取りたいっすねえぇ!!」

青年兵「スクープ…ですか?取材で?」

女記者「そうっすよおぉ!記者としては鬼憧れっすううぅぅ!!」

青年兵「なるほどっ。素敵な夢じゃないですか!」

女記者「そそそそうっすかああぁぁ!?鬼照れるっすねええぇぇ!!」

青年兵「ははっ!お互い頑張りましょう!」

女記者「鬼頑張りましょおおぉぉ!!」

青年兵「さてと、そろそろ……」

チョン

青年兵「あ、すすすみません……っ!」

女記者「ここここちらこそおおぉぉ!鬼すみません!!」

青年兵「そ、それでは…っ、おやすみなさい!」

女記者「おおおおやすみなさいっすううぅぅ!!」


911 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:56:02.04bEqCD9QEo (22/31)

タッタッタッタッタ

青年兵「……」

触れた指先をじっと見つめると、少し震えていた。

青年兵「……」

別に意識を持ったつもりもなかったけど、昨晩の言葉が頭をよぎった。

戦士『……ほーっ。少佐殿はああいうのが好みか!』

召喚士『へぇ~っ』

青年兵「……あはは」

見つめた指先を折り曲げると、拳が出来た。震えは止まった。

青年兵「そんな事している場合じゃないだろっ、青年兵!」

……俺、何言ってんだろ。何考えてんだろう。

青年兵「……ばーか」

緩んだ口元を閉めなおし、右足を一歩前へと出した。

ドズウウゥゥンッ!!…グラグラグラッ

青年兵「――っ!?」


912 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:56:38.69bEqCD9QEo (23/31)

タッタッタッタッタ

東方兵「火災発生っ!!火災発生ーっ!!」

東方参謀「何事かぁ!?」

当方兵「西地区より火災発生!状況確認中ですっ!!」

東方参謀「……っ!!」

ババッ

東方参謀「魔道兵っ、消化班を作り、即座に西へ回れいっ!!」

魔道兵「ははっ!行くぞーっ!!」

タタタッ…スタッ

女剣士「何が起きているのだ……っ!?」

ドンドンドンッ

女剣士「お姉様ーっ!?」

ガチャッ

東方司令「何事かっ!?」

女剣士「分かりませんっ!爆発音と火の手が……」


913 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:57:18.65bEqCD9QEo (24/31)

ゴアオォッ!!…ドドオオォォ…

青年兵「……ぐ……うっ」

パチパチパチッ

青年兵(何が……起きた!?)

グッ

青年兵「痛……っ!!」

炎に包まれた四方。倒れた青年兵は痛みの走る足元を見つめる。

青年兵「……ちぃ……っ」

崩れた天井の破片が突き刺さる左足。

青年兵「……う……あぁーっ!」

ググッ…ブシュッ!!

青年兵「……はぁ……はぁ…はぁ…っ」

カランッ…ヨロヨロッ

青年兵「……誰かーっ!誰かいるかーっ!?」

足を引き摺りながら、青年兵は他に人が居ないか必死で叫んだ。


914 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:57:50.04bEqCD9QEo (25/31)

ゴウッ!!…バチバチバチバチッ

崩れた西の塔。その内部で一人の男が笑う。

東方魔道長「……くっくくく!」

パキッ…ザッザッザ

東方魔道長「!!」

ザッザッザ

――「…………」

東方魔道長「ご命令通りに――」

ザッザッザッ……ガシィッ

東方魔道長「――!?」

――「派手にやりすぎなんだよ」

東方魔道長「が……は……っ」

――「……確かに足はつかないが、美しくないんだよ」

東方魔道長「……ごあ……ぁ」

――「……」


915 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:58:16.94bEqCD9QEo (26/31)

東方魔道長「……ぐ……ぶ…ぁ」

ガクガクガクッ……ゴキイィ!!

――「……」

ドサッ

東方魔道長「…………」

首の骨をへし折られ、床へ崩れ落ちた東方魔道長が炎に包まれる。

――「……フン」

パキィ

――「……?」

クルッ…ザッザッザッザ

――「……何故、このような所へいる?」

ザッザッザッザッザ

――「見たからには……生かしてはおけないな」

女記者「あ……あぁ……っ!!」

――「……死ね」


916 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 18:58:51.60bEqCD9QEo (27/31)



ゴウッ!!

東方参謀「馬鹿者ぉーっ!!早く消化せんかぁー!!」

魔道兵「撃てぇーっ!!」

ドドオオォォン!!…ギキイイィィンッ!!

東方参謀「ええいっ、どけえぇい!!」

キュイイィィ…

右手を握り締め、東方参謀はそれを勢いよく突き出し開く。

東方参謀「かああぁぁーっ!!」

ドオオォォンッ!!…ガギギギギイイィィンッ!!

東方参謀「……爆発っ!!」

ドゴオオォォンッ!!

魔道兵「道が開けたぞっ!!」

東方兵「衛生兵っ、後に続けぇ!」

中央にぽっかりと出来た氷の道。救援の兵らが一斉になだれ込んだ。


917 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 19:00:07.25bEqCD9QEo (28/31)

ドガァッ!!…メラメラッ…バチッ

青年兵「……ぐっ」

ズリッ…ズリッ…

青年兵「――!?」

キラッ

青年兵「誰かっ!?……いるのか!?」

――「……ちっ」

タタッ…バッ

青年兵「そっちは危険だぞっ!!」

ガラガラガラッ…ゴウッ!!

青年兵「……っ!!」

窮地であるにも関わらず、青年兵は冷静に現状を把握していた。

青年兵(……何故、逃げる必要がある!?)

前方を走り去る影の正体。その結論を見出すと共に、既に行動は為されていた。

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」


918 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 19:01:28.56bEqCD9QEo (29/31)

シュイイィィン

ワイバーン「カアァァーッ!!」

ゴウウゥゥッ!!

ワイバーンの両翼より繰り出される突風が一瞬にして周囲の炎を吹き飛ばす。

青年兵「……」

一瞬、炎の中に垣間見えた、横たわる女性。

青年兵「…………」

炎は再び勢いを取り戻し、景色はまた戻る。

ワイバーン「青年兵っ、ターゲットが――」

ドドオオォォンッ!!…スガアアァァァァッ!!

ワイバーン「なっ――」

ドッゴオオォォンッ!!

青年兵「…………」

一撃の元に消滅するワイバーン。それと同時に膝をつく青年兵。

人影はにやりと笑い、炎の中へと姿を消した……。


919 ◆1otsuV0WFc2011/02/23(水) 19:03:53.71bEqCD9QEo (30/31)

タッタッタッタッタ

東方兵「青年兵様っ!!」

青年兵「…………」

東方参謀「無事かっ!?」

魔道兵「撃てぇ!!消化しろーっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

青年兵「…………」

東方参謀「衛生兵っ、こやつの足を……」

グイッ

東方参謀「……?」

青年兵「……だって、さっきまで……笑顔だったじゃないか」

東方参謀「青年兵……?」

青年兵「あんなに元気でさ……笑ってたじゃないか……」

東方兵「人が倒れているぞっ!!衛生兵ーっ!!」

青年兵「夢だって……言ってた……じゃ……」


920VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 19:06:25.14bEqCD9QEo (31/31)

うわぁ…凄い中途半端になっちまった……
絶対言われるんだろうなこれ。先に謝りますごめんなさい

>>879
ありがとうございます!
国軍は2本。一つは南東、もう一つは騎士団長の槍っす

では、失礼致します!ご支援ありがとうございました!ノシ


921VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 19:16:59.88tKKceyieo (1/1)

またいいところで区切ったなぁ……
乙!


922VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 19:17:35.05W/9m0m5DO (1/1)

寸止め>>1乙


923VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 20:04:24.25Bj8/B75DO (1/1)

>>1先生は焦らしの天才や!!


924VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 20:11:38.09cRP2WM6DO (1/1)

>>1乙!

なんて止め方するんだ・・・


925VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 20:22:41.84n9LC8/0AO (1/1)

>>1乙

まだ知らないんだ…
俺には寸止めは効かないって事。
止めても余力で結局イっちゃうんだぜ


926VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/23(水) 21:38:10.298GImv2HAO (1/1)

このドSめwwww

>>1乙


927 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 00:22:23.12WYQV+q5yo (1/13)



東方兵「いいぞ、そのまま束で担いでくれっ」

ガラガラッ…ゴトッ

魔道兵「こっち、まだ小火が残ってるからなぁ!」

ザッザッザ…パキッ

東方司令「酷いものだな……」

衛生兵「司令…っ!」

東方司令「状況は?」

東方参謀「西地区及び、塔はほぼ全壊」

女剣士「……っ」

東方司令「他は?」

東方参謀「副司令が確認しておるそうだ」

カラカラカラッ

東方副司令「被害はどうやら、西地区のみのようですね」

東方司令「……そうか」


928 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 00:23:02.50WYQV+q5yo (2/13)

ザッザッザッザ…

東方参謀「……青年兵」

青年兵「…………」

東方司令「…ん?どうした、どこかやられたか?」

東方参謀「…足を少々な。だがそれよりも……」

東方司令「……?」

クイッ

東方副司令「あれは……」

東方参謀「女記者……と言ったか」

東方司令「……っ」

東方参謀「……即死だ。駆けつけた時にはもう…な」

東方司令「……そうか」

東方副司令「何故……っ」

東方参謀「火事のせいではなさそうだ。手を加えた形跡がある」

東方司令「……」


929 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 00:23:32.67WYQV+q5yo (3/13)

ザッザッザッザ…スッ

東方司令「…………」

女剣士「……」

ザザッ…クルッ

東方司令「…キミは、黙祷したのか?」

青年兵「……」

東方司令「青年兵、キミに話しかけているのだが?」

東方副司令「…司令、今はそっと――」

スクッ…ザッザッザッザ

青年兵「……顔を」

衛生兵「し、しかし…っ、火傷や破損が酷く……」

青年兵「顔を」

衛生兵「は、はい……っ」

ファサ…

青年兵「…………」


930 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 00:24:17.38WYQV+q5yo (4/13)

スッ…クルッ…ザッザッザ

東方参謀「……大丈夫か?」

青年兵「ああ、足ですか?それならほら、衛生兵のお陰でこの通り」

プラプラ

東方参謀「そうではない。お前自身――」

青年兵「僕ですか?他には問題ありませんよ」

東方副司令「……っ」

青年兵「……たかが、記者が一人死んだだけではないですか」

女剣士「……」

青年兵「それ以上の何があるっていうんです?」

東方司令「……全員、司令室へ来い」

ザッザッザ

東方副司令「現場はそのまま保存、立ち入り禁止にするように」

東方兵「かしこまりました!」

東方参謀「消火班も完全に鎮火するまで急ぐのだぞ!」


931 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 00:24:56.93WYQV+q5yo (5/13)

~司令室~

東方司令「…つまり、何者かを見たというのだな?」

青年兵「はい、間違いありません。それが犯人でしょう」

東方参謀「ただの火事ではないな。故意に引き起こされたものだ」

女剣士「内部の…人間でしょうか?」

東方副司令「それは分かりませんが、人間である事は間違いないですね」

東方参謀「ああ。結界石の壁の……しかも内部だからな」

東方司令「一応聞くが、人型だな?」

青年兵「はい。シルエットからして女性ではないと思います」

東方副司令「か、顔は見ておられないのですか?」

青年兵「……残念ながら。フードのような物も被っていたようですし」

東方司令「損害は?」

東方副司令「人の少ない場所が幸いし、死者は2名。一人は身元確認中です」

東方参謀「あとは…全壊した西の塔に保管してある、内部資料のほぼ全てだな」

青年兵「内部資料……?」


932 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 00:25:33.45WYQV+q5yo (6/13)

東方参謀「うむ。それから軍馬と食料の一部といったところか」

青年兵「……」

東方司令「ところで、東方魔道長はどうした?」

東方副司令「それが、先程から行方不明でして……」

女剣士「まさか……犯人とは……」

東方参謀「もしくは身元不明のどちらかだな」

東方司令「前者なら見つけ次第拘束、無理なら処刑。後者なら丁重に葬れ」

東方副司令「はっ」

東方司令「本部への連絡はこちらで行う。キミ達は復旧作業に注力してくれ」

東方副司令「畏まりました」

東方参謀「ふむ、早速……行くとしようか」

カツカツカツカツ…カラカラカラッ…

東方司令「青年兵、キミはしばらく……」

青年兵「お気遣いなく。本当に大丈夫ですから」

東方司令「……そうか」


933 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 00:26:00.71WYQV+q5yo (7/13)

青年兵「では、失礼します」

カツカツカツ…パタン

女剣士「……大丈夫でしょうか?」

東方司令「本人が大丈夫だと言っているのだ。放っておくしかないだろう」

女剣士「……っ」

カツカツカツカツ…

青年兵「……」

カツカツ…ザッサッザ

東方兵「お疲れ様ですっ!」

青年兵「どうも」

ザッザッザ

東方兵「あ、あのっ……現場は立ち入り禁止……」

青年兵「……」

東方兵「あ、あの……っ」

青年兵「いいから」


934 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 00:26:36.21WYQV+q5yo (8/13)

グイッ…ザッザッザ

東方兵「お、怒られても……知りませんよっ」

青年兵「…………」

ザッザッザッザッザ

女記者『うーんと、いつかは鬼すっごいスクープとか取りたいっすねえぇ!!』

ザッザッザ

女記者『そそそそうっすかああぁぁ!?鬼照れるっすねええぇぇ!!』

ザッ…

青年兵「――!!」

ガァンッ!!……ポタポタポタッ

青年兵「うああああぁぁぁぁーっ!!」

ガァン!!…ドガァッ!!…ガスッ…ボタボタッ…ポタッ

青年兵「……う……ぐ…っ」

ドサッ…

両拳から流れる血に大粒の水滴が混じり、青年兵の座る地面へ零れ落ちた。


935VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 00:30:25.18WYQV+q5yo (9/13)

残りレス次第でオマケ挟むか考えるとします!
>>823を予定です!仕事量に余裕があればですが…

それではおやすみなさい!ご支援感謝!ノシ


936VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 00:34:16.43X8dVDXIlo (1/1)

おつ

シクシク


937VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 01:00:01.612MbfN0sDO (1/1)

>>1乙っす

女記者も簡単に死んじゃったなあ


938VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 01:02:18.25Jh/QZUdZo (1/1)



女記者がDTB並みにあっさり死んでなんか逆に笑えてくるレベル


939VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 01:29:01.09CxCjKk950 (1/2)

ああああああ


       ____
    /   \  /\
  /  し (>)  (<)\
  | ∪    (__人__)  J |  ________
.  \  u   `⌒´  / | |          |
   ノ            \ | |          |
       ____
    /  \    ─\   チラッ
  /  し (>)  (●)\
  | ∪    (__人__)  J |  ________
.  \  u   `⌒´  / | |          |
   ノ            \ | |          |
       ____
    /::::::─三三─\
  /:::::::: ( ○)三(○)\
  |::::::::::::::::::::(__人__)::::  |  ________
.  \::::::::   |r┬-|   / | |          |
   ノ::::::::::::  `ー'´  \ | |          |
       ____
     /:∪::─ニ三─ヾ
   /:::::::: ( ○)三(○)\
  (:::::∪:::::::::: (__人__)::::: i|  ________
   \:::::::::    |r┬-| ::::ノ  | |          |
   リ::::::::    `ー'´  ::\  | |          |
       ______
     /:∪::─ニjjニ─ヾ
   /:::li|.:( ○)三 (○)\
  (:::||!.:∪::::: (__人__)):::: i|  ________
    ):::::::::::::   |r┬-| li::::/  | |          |
  /:::::::::::::::   `ー ' ::::::ヽ  | |          |



940VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 01:29:13.00y7zuiWnAO (1/1)

この呆気ない死にっぷり…
エルフェンリート思い出したわ


941VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 01:34:13.50CH6uqCkAO (1/1)

>>1おつ

この時の青年兵は綺麗なレイプ目をしてそうだな


942VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 07:59:16.89D5vMzS38o (1/1)

死亡フラグ建ってたけど速攻だったなwwww


943VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 08:12:49.17GGEV72VAO (1/1)

>>940

また会えたね!


944VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 09:42:34.22eHFMGRQro (1/1)

女記者・・・はじめはうぜぇと思ったが、いなくなると寂しいな


945VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 10:20:27.22I5eZQOiDO (1/1)

なんという使い捨て…


946VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 10:26:16.85Ptkxo2JDO (1/1)

むしろ思い入れる前に速攻で逝ってもらったほうがナムナム出来るし

ただし鬼巨乳の情報は欲しくなかった…

ともかく>>1鬼乙っすよおおぉぉ!!


947VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 10:26:58.13zJxABxMKo (1/1)



うざかったからすっきりした


948VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 11:21:03.206dNVAifjo (1/2)

おまけはやぁああああく!!!
師匠達と女記者はやくあわせてあげてえええええええ



949VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 12:17:03.52UYCamwJIO (1/1)

女記者の鬼細かいメモが
きっと何かの役にたってくれるはずっす


950VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 13:48:54.37ihUeajTAO (1/2)

俺がペロペロしたせいなのか…?


951VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 14:09:17.91pFC2M8zZo (1/2)

そうだ、お前のせいだ


952VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 17:36:35.64jefxevWSO (1/1)

お前がわるい


953 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:45:05.43VUgZ7Dgao (1/29)



青年兵「…………」

フラッ…テクテク…テク…

青年兵「…?」

東方兵「これはどうする?」

魔道兵「何だ?手帳じゃないのか……?」

ザッザッザ

青年兵「どうしました?」

東方兵「青年兵様…。どうやら遺品か何かのようでして…」

青年兵「……」

東方兵「どう致しましょうか。半焼状態で良好とは言えませんし……」

青年兵「僕が預かりましょう」

魔道兵「宜しいのですか?」

青年兵「ええ。構いませんよ」

東方兵「……では、お願い致します」


954 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:45:34.78VUgZ7Dgao (2/29)

スッ

青年兵「確かに」

東方兵「……あ、あの…っ」

青年兵「…?」

東方兵「一体、どうなってしまうのですか…?」

青年兵「何も心配はいりませんよ。今、司令が動いてくれていますから」

魔道兵「俺達は言われた事をやるだけだ。そうだろ?」

東方兵「そ、そうだな。失礼しました…!」

タッタッタッタ…

青年兵「……」

カサッ…パラパラパラッ

青年兵「……」

煤けた手帳をそっと開く。所々消失しているものの、手帳の中には、

女記者が懸命に書きとめた取材の記録が羅列されている。

青年兵「……」


955 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:46:08.11VUgZ7Dgao (3/29)

……――

女記者『ほおおぉぉ!?困っている人を助ける為に軍人にいぃ!?』

青年兵『ええ。そうなんですよ』

女記者『鬼素晴らしいっすよおぉ!なかなか出来ないっすよおぉ!?』

青年兵『そ、そうですかね…。でも、大切な事ですよ』

女記者『鬼同感っすうぅ!!』

青年兵『一人でも多くの人を救ってあげたい。本当にそれだけなんです』

女記者『はぁ~っ、鬼感心するっすねええぇぇ!』

青年兵『女記者さんだって、偉いじゃないですか』

女記者『ええぇぇ!?そんな事は鬼全然ないっすよおぉぉ!』

青年兵『新聞という媒体だって、人助けじゃないですか』

女記者『そ、そういう鬼解釈もあるっすねえぇ!!』

青年兵『手段は違えど、志は同じだと思いますよ。ははっ』

女記者『鬼励みになるっすよおおぉぉ!ありがとうございますううぅぅ!!』

――……


956 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:46:53.93VUgZ7Dgao (4/29)

青年兵「…………」

余白をぱらぱらと捲り、最後のページに辿り着く。

そこに記された、女記者最後の取材。それはただ一言。

青年兵「……っ」

記された文面は半焼し欠落しているものの、完全に分からないわけではない。

パタン…ザッザッザ…

おそらくそれはダイイングメッセージ。彼は直感的にそう感じ取る。

青年兵「……」

死の間際、炎に包まれながら必死に書き記した事は筆跡から容易に想像がつく。

青年兵「…………」

普段から常に冷静さを欠かすことなく、怒りを抑えてきた青年兵。

その初めてと言っても過言ではない憤りを、どうして良いのか分からない。

青年兵「――っ!!」

ズガアァンッ!!……パラパラパラッ

青年兵「……必ず……殺してやる」


957 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:47:23.74VUgZ7Dgao (5/29)

~司令室~

東方副司令「小火も全て消し止められ、鎮火致しました」

東方司令「そっちは?」

東方参謀「刃物を扱った形跡はなかった」

東方司令「……他には?」

東方参謀「爆発直後に出火が起こり、そのしばらく後に閃光を見た者がいる」

東方司令「閃光?」

東方参謀「おそらく魔法だろう。推測するに犯人は魔法……」

カツカツカツ

青年兵「閃光は僕に向けられてのものですよ」

東方参謀「青年兵……っ」

青年兵「僕がワイバーンを召喚し、その閃光にて一撃で葬られました」

東方副司令「なんと……っ」

青年兵「油断していました。彼女に目を奪われていた隙に一撃です」

東方司令「…気にするな。そこで平静を保てていれば、もはや人間ではない」


958 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:48:02.18VUgZ7Dgao (6/29)

東方参謀「それで、結論は?」

東方司令「人間の手による犯行。しかしながら犯人、目的は不明」

コンコン

東方司令「何だ」

東方兵「失礼致します。焼死体の件ですが、やはり東方魔道長の可能性が…」

東方司令「…そうか。ご苦労」

東方兵「はっ。失礼します!」

パタン

東方司令「さて、どう見る?」

青年兵「おそらく、女記者さんと同様…口封じに殺されたものかと」

東方参謀「で、あろうな」

青年兵(……妙だな)

東方副司令「まずは内部の人間で失踪者がいないか調査致しましょう」

東方参謀「うむ、そうだな。それから――」

青年兵(何故東方魔道長が……。左翼の仕業ではないのか?)


959 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:48:45.31VUgZ7Dgao (7/29)

東方司令「青年兵?」

青年兵「……っ!!」

東方司令「大丈夫か?」

青年兵「え、ええ。失礼致しました」

東方副司令「それで、如何致しましょうか……?」

青年兵「調査の件ですか?」

東方参謀「その話はもう終わったわ馬鹿者。女記者の件だ」

青年兵「……」

東方司令「とりあえず、このままにしておくわけにもいかんだろう」

東方副司令「身内の者が分かれば良いのですが、最悪こちらで火葬……」

青年兵「本国の新聞社にお勤めだったようですし、一度本国へ移送しては?」

東方参謀「本国へか?しかし手間も……」

青年兵「僕が行きますよ。いや、行かせて貰えないでしょうか?」

東方副司令「し、しかしですね……っ」

東方司令「……構わん、行ってこい」


960 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:49:14.81VUgZ7Dgao (8/29)

青年兵「ありがとうございます」

東方司令「参謀、遺体を凍結保存しておくように」

東方参謀「うむ。相分かった」

東方副司令「客室の遺品も、すぐに準備させましょう」

東方司令「頼む。青年兵は準備が整い次第、本国へ向かえ」

青年兵「はい」

東方司令「西地区には今晩より警備を配置する。不要な者は立ち入らせるな」

女剣士「…はっ」

東方司令「以上、解散。青年兵はこのまま残れ」

青年兵「はっ」

ゾロゾロゾロ…パタン

東方司令「……キミ、何か知っているんじゃないのか?」

青年兵「……?」

東方司令「もしも、知っているのなら……」

青年兵「すみません」


961 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:49:54.53VUgZ7Dgao (9/29)

東方司令「……」

青年兵「今は何も言えません」

東方司令「……それは、司令であるボクにも言えないというのか?」

青年兵「申し上げられません」

東方司令「……」

青年兵「……」

東方司令「分かった、もういい」

青年兵「失礼致します」

クルッ…カツカツカツ…パタン

青年兵「……まぁ、違うとは思うけど」

カツカツカツカツ…

青年兵「…?」

東方副司令「おぉ、丁度良かった」

青年兵「これは…?」

東方副司令「亡き女記者さんの遺品だ」


962 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:50:22.52VUgZ7Dgao (10/29)

青年兵「これだけ…ですか?」

東方副司令「そのようですね。この量であれば……」

青年兵「ええ、一緒に運んでしまいますよ」

東方副司令「それでは、一緒に積んでおきます」

青年兵「お願いします」

東方副司令「……身内の方、見つかると良いですね」

青年兵「……ええ」

東方副司令「青年兵殿、君が気に病む必要はありませんよ」

青年兵「……」

東方副司令「貴方に責任がない…とは言いませんが…」

青年兵「……」

東方副司令「私も含め、皆の責任です」

青年兵「……はい」

東方副司令「…それでは、出発の準備を進めてきます」

悲しみに包まれる東方司令部を覆うかのように、夜の闇が訪れた。


963 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:50:53.29VUgZ7Dgao (11/29)

~本国~

魔道士「すっかり夜になっちゃいましたねぇ」

盗賊「…うん」

召喚士「ワークショップに寄って、そのあと食事にしましょうか」

戦士「おう!」

テクテクテク

召喚士「殿下はもう終えたのかな?」

魔道士「南東国との同盟へ行くって言ってましたよねっ」

召喚士「ええ、何事もなく終えればいいですけど…」

戦士「まぁ、問題ないんじゃねーか?」

召喚士「うん、俺もそう思うけどね」

戦士「これで、世界中が一つになるって事なんだよなぁ」

魔道士「でも、凄くないですかっ!?」

戦士「…?」

魔道士「だって、世界中の王様と、私達…知り合いなんですよっ!?」


964 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:51:47.47VUgZ7Dgao (12/29)

~ワークショップ~

店員「……はい。少々お待ち下さいませ」

テクテクテク

戦士「言われてみりゃ、そうだわなぁ」

盗賊「…?」

戦士「さっき、魔道士の言ってた話だよ」

魔道士「でしょでしょっ!?」

召喚士「何だか、いいのか悪いのかだよね…ははっ」

戦士「橋渡しに役立ちゃいいけど、利用されそうな気も……」

テクテクテク

店員「お待たせ致しました」

戦士「よっし、これで財布も潤って……」

店員「直接のご依頼が一件入っておりますが、いかが致しますか?」

盗賊「…依頼!?」

召喚士「誰からだろう…?」


965 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:52:29.95VUgZ7Dgao (13/29)

カサッ

召喚士「……っ!!」

魔道士「ど、どうしました!?」

召喚士「国軍……本部っ」

盗賊「!!」

召喚士「……総司令からです……っ」

戦士「何ぃ!?」

盗賊「…一体…何がっ」

召喚士「分かりません。とにかく来てくれと……」

戦士「どうする?」

召喚士「…行くしか、ないよね」

魔道士「ですよね…っ」

戦士「善は急げだ。この足で行ってみよう!」

召喚士「うん!」

四人はワークショップを離れ、そのまま国軍本部へと直行した。


966 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:53:13.35VUgZ7Dgao (14/29)

~国軍本部~

受付「総司令…ですか?」

召喚士「はい」

受付「生憎、不在ですが……っ」

戦士「はぁ!?」

受付「あ、明日には戻ると思いますけれど……」

召喚士「…分かりました。改めさせて頂きます」

受付「申し訳ございません」

テクテクテク

戦士「自分で依頼しといて、不在ってよ……」

召喚士「仕方ないよ、また明日来てみよう」

魔道士「それじゃ、食事にしましょっか!」

召喚士「そうしましょう。宿も近くのホテルで構わないですよね?」

戦士「おうっ!」

盗賊「…任せる」


967 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:54:19.29VUgZ7Dgao (15/29)



深夜遅く、その馬車は国軍本部へと到着した。

ドドッイドドッドドッ

門兵「いいぞーっ!!こっちへ回せー!!」

ドドォ…スタッ…ザッッザッザ

門兵「…ご苦労様であります!」

青年兵「積んでいるものを全て、地下へ運んで下さい」

ザッザッ…カツカツカツカツ

青年兵「……」

カツカツ……バンッ

扉を開く先、講堂の中央には一人の老人が座している。

青龍先生「……青年兵か」

青年兵「先生、お話が」

青龍先生「…ふむ、まぁ座りなさい」

青年兵「はい」


968 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:55:25.39VUgZ7Dgao (16/29)

カツカツカツカツ

青龍先生「険しい顔じゃな。東方司令部の火災と関係があるのかの?」

青年兵「既に伝令が届いておりましたか」

青龍先生「先程な。それで、どうしたのじゃ?」

青年兵「……これを」

青龍先生「手帳…?焼けた跡が残っておるな」

パラッ

青年兵「この文章、意味が分かりますか?」

青龍先生「東方司令部の……途中で途切れておるのぅ…」

青年兵「あれは魔物に内通する人間の仕業です」

青龍先生「……ふぅむ」

青年兵「僕は数日前、召喚士さんから内通者目撃の話を聞きました」

青龍先生「なんと…っ」

青年兵「北の海峡近く、しかし…素性までは分からないとの事でした」

青龍先生「国軍の者に間違いはないのだな?」


969 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:57:29.95VUgZ7Dgao (17/29)

青年兵「軍服を着ていたようなので、それは間違いありません」

青龍先生「そんな人目に付かぬ場所で、成りすます必要もないしのぉ」

青年兵「犯人などその日の行動記録を追えば分かるものです」

青龍先生「東方司令部に内通者がいると…?」

青年兵「いえ、そうとは限りませんが……」

青龍先生「……」

青年兵「あの日あの場所で、何か不都合があったのは確かかと」

青龍先生「成程のぅ。しかし何の為に……」

青年兵「一つ、気になる事が……」

青龍先生「…?」

青年兵「東方魔道長と思われる焼死体が発見されました」

青龍先生「……」

青年兵「彼は、左翼であったと思われます」

青龍先生「…ふむ、それで?」

青年兵「何故…東方魔道長が亡くなったのでしょうか」


970 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:58:17.07VUgZ7Dgao (18/29)

青龍先生「魔物と通じておる左翼の仕業であったとするならば……」

青年兵「はい。東方魔道長を巻き添えにする必要はないのではと…」

青龍先生「あくまで狙いは、東方魔道長を始末する事にあった…?」

青年兵「左翼の仕業に見せかけ、そういう手を使う事も出来なくはないです」

青龍先生「司令部を破壊までしてか?」

青年兵「……そうなんですよね。それが不思議で……」

青龍先生「……」

青年兵「でも、どうしても引っ掛かるんです」

青龍先生「……火災の原因は何じゃ?」

青年兵「爆発音が上がり、その後に出火が起きたと聞きます」

青龍先生「爆発音……。十中八九、魔法によるものじゃな」

青年兵「……やはり…そうですか」

青龍先生「犯行は東方魔道長ではないのかのぅ?」

青年兵「…犯行を起こして、己も死を選んだと?」

青龍先生「それは分からぬ」


971 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 17:59:26.06VUgZ7Dgao (19/29)

青年兵「ですが、僕が目撃した者は東方魔道長には見えませんでした」

青龍先生「……」

青年兵「それに……武器を使った形跡はないと……」

青龍先生「素手…か?」

青年兵「東方魔道長が西地区を魔法にて火災を起こした」

青龍先生「その上で、当人を素手で殺害した真犯人…」

青年兵「更には、女記者さんまで……っ」

青龍先生「……」

青年兵「そしてワイバーンをも一撃で葬る魔力……」

青龍先生「…ふぅむ。いまいち話が繋がらぬな」

青年兵「東方魔道長でないとすれば、考えられる犯人像は一つ」

青龍先生「腕力のある魔道士か?ひょっひょ、そんな奴おらんわい」

青年兵「……」

青龍先生「ところで、この話は他の者にもしたのか?」

青年兵「…いえ」


972 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 18:00:05.46VUgZ7Dgao (20/29)

青龍先生「何故、儂に話したのじゃ?」

青年兵「……」

青龍先生「誰が内通者か、分かっていらんのじゃろ?」

青年兵「はい…」

青龍先生「軽率すぎやせんか?命を落としかねん」

青年兵「青龍先生」

青龍先生「ん…?」

青年兵「貴方は僕の師であり、僕は貴方の教え子です」

青龍先生「……そうじゃの」

青年兵「そのような方まで信じられなくなっては、人間じゃありませんよ」

青龍先生「……」

青年兵「青龍先生だから話した。それでは理由になりませんか?」

青龍先生「……ひょっひょっひょ。とんだ大馬鹿者じゃ!」

青年兵「……っ」

青龍先生「……じゃが、嬉しい限りよの。ひょっひょ」


973 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 18:01:01.45VUgZ7Dgao (21/29)

ザッ

青龍先生「良いか?儂にはもう、お主を導いてやる程の力は持ち合わせておらぬ」

青年兵「先生…っ」

青龍先生「但しこれだけは言っておくぞ。儂を信じてくれたお主だからこそじゃ」

青年兵「……」

青龍先生「儂は内通者ではない。信じてくれ」

青年兵「もちろんです。先生が内通者なら、僕はもはや誰も信じられません」

青龍先生「ひょっひょ。そこでじゃ、儂が唯一信用出来る者を一人だけ言う」

青年兵「……はい」

青龍先生「…総司令じゃ。彼奴は内通者ではない」

青年兵「…は、はいっ」

青龍先生「もし、この件や内通者に対しては…彼奴に全て話せ。良いな?」

青年兵「…畏まりました」

青龍先生「…ホッとした表情じゃの」

青年兵「国軍のトップが内通者でなくて、一安心しておりますよ」


974 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 18:02:12.52VUgZ7Dgao (22/29)

青龍先生「ひょっひょっひょ!当たり前じゃろ、ほれ…行くがいい」

青年兵「ありがとうございました、先生!」

カツカツ…

青年兵「……先生」

青龍先生「む…?」

青年兵「……生きて下さいね」

青龍先生「何じゃ?儂をさっさと殺したいのか?」

青年兵「……っ」

青龍先生「冗談じゃよ、ひょっひょっひょ!」

青年兵「…では」

カツカツカツカツ…バタン

青龍先生「……察しが良いのも、困ったものじゃ」

カツカツカツカツ

青年兵「……」

秘書官「…おや、青年兵様」


975 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 18:04:01.31VUgZ7Dgao (23/29)

青年兵「司令はいらっしゃいますか?」

秘書官「つい先程戻られたばかりで…今は……」

青年兵「どうも」

秘書官「ちょっとっ!?」

カツカツカツ…バンッ

青年兵「…失礼します」

秘書官「青年兵様っ!!」

青年兵「司令、お話が……」

バサッ…スタスタスタ

司令官「ん、騒がしいな」

青年兵「ご、ご入浴中でしたか…っ。失礼致しました」

司令官「いーよ、今上がったとこだ」

スタスタ…バフッ

司令官「…流石に、レディーは出てってくんない?」

秘書官「し、失礼致しました…っ!!」


976 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 18:05:11.69VUgZ7Dgao (24/29)

司令官「それで、何の用だ?」

フキフキッ

青年兵「――っ!!」

司令官「……?」

青年兵「し、司令……っ」

司令官「あー、これか」

カポッ

司令官「……ん、これでいいかな?」

テクテクテク…ストッ

司令官「…それで、話って何?」

青年兵「あ、あの…ですね……」

司令官「東方司令部の話?」

青年兵「は、はいっ」

司令官「…すまないね。今しがた戻ったばかりでね」

青年兵「これを……」


977 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 18:05:53.21VUgZ7Dgao (25/29)

スッ

司令官「…ん。資料かい?」

青年兵「今回の件において、私が独自に纏めた見解です」

司令官「……ふむ」

パサッ

青年兵「……」

司令官「……この、手帳っての…今はあるの?」

青年兵「…ここに」

スッ

司令官「…これ、誰が知ってるの?」

青年兵「兵卒が…二人ほど」

司令官「…ん、分かった」

青年兵「……」

司令官「ところでさ、何でこれを?」

青年兵「青龍先生に、司令は内通者ではないとご助言を……」


978 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 18:06:49.38VUgZ7Dgao (26/29)

司令官「…そうか、君の先生だっけ?いい判断だね」

青年兵「いかが…思われますか?」

司令官「…ん。大体分かってきたよ」

青年兵「……!!」

司令官「パズルでいうと、最後のピースってやつ?」

青年兵「そ、そうでしたか…っ」

司令官「でも、まだ動くには少ないかな。もっと追い詰めないとね」

青年兵「…司令」

司令官「ん?」

青年兵「お願いがございます!」

司令官「…志願?」

青年兵「……はい」

司令官「…理由がありそうだね。まぁいいよ」

青年兵「あ、ありがとうございます!」

司令官「但し、勝手に動く事は許されない。いいね?」


979 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 18:07:54.97VUgZ7Dgao (27/29)

青年兵「……はい」

司令官「今ね、特遊とか大軍師が動いてるから。もうちょっと待ってて」

青年兵「!?……畏まりました」

司令官「でも、このまま東方司令部へ置いておくのは危険かな」

青年兵「……?」

司令官「悪いんだけどさ、本国に戻ってきてくれる?」

青年兵「…い、いつですか?」

司令官「すぐ」

青年兵「……な、なんとかしてみます」

司令官「頼んだよ」

青年兵「あ、あの……っ。司令、もう一つ…宜しいでしょうか?」

司令官「ん?」

青年兵「亡くなった女記者さんの身内を捜して頂きたく……」

司令官「…ん、いいよ」

青年兵「遺体や遺品類は全て、地下に保管しております」


980 ◆1otsuV0WFc2011/02/24(木) 18:08:35.34VUgZ7Dgao (28/29)

司令官「分かった。やっておくよ」

青年兵「ありがとうございます」

司令官「もう戻るの?」

青年兵「まだあちらで、やる事もありますので」

司令官「…気を付けてね」

青年兵「はっ!失礼致します!」

ザザッ…カツカツカツ

司令官「あ、そうそう」

青年兵「…?」

司令官「今日見た事、きっぱり忘れてね」

青年兵「……む、無論であります…っ」

司令官「ん、頼んだよ」

青年兵「ははっ!」

司令官「あと、この功績で二階級特進だから」

青年兵「ははっ!…………え、えぇ――!?」


981VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 18:19:55.08VUgZ7Dgao (29/29)

とりあえずここまで…結局オマケは駄目でした…
あとスマートな天才ってどんなのだろう…想像付かなくて…
「こんな感じ!」とかあればそれに沿って書かせて頂きます

では、ご支援ありがとうございました!ノシ


982VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 18:24:28.30Xp/EUQkDO (1/2)

>>1乙
青年兵大佐か
他に大佐って誰いたっけか


983VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 18:25:55.50CxCjKk950 (2/2)

この悲しみを怒りにかえて!
たてよ国民!



984VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 18:33:26.62pFC2M8zZo (2/2)

|            おらっしゃあぁぁ!!!
|             ∧ ∧
|            ( ゚Д゚)
└┐ (⌒⌒ヽ    /⊃_O
←┘(  プッ!! ゝ ~(  /
    丶~ '´    し∪


985VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 18:38:56.05Xp/EUQkDO (2/2)

そういやおまけで青年兵のかーちゃん登場させてやってください
なんだかんだ言って鼻高々だろうしお願いします


986VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 18:47:21.77GBhmaEZeo (1/1)

大分前にまとめられてた軍の階級一覧持ってる人いたら貼って欲しい


987VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 19:30:17.55XiyDDZEAO (1/1)

最近レス多いけど何かあった?いやいいんだけどさ


988VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 19:50:01.02CbfxALNSO (1/2)

青年兵二階級特進貰いまくりだなwwww


989VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/24(木) 21:22:58.00ihUeajTAO (2/2)

>>985
いちいち頼むなよ
>>1だってやりたいオマケがあるはずだろ