5091 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/12(金) 08:02:28.438v2XegIAO (4/5)


――――

少年「この位、ですかね」

少年「袋2つに鞄、よくこの位に減らせましたね……」

少年「本を持って行けないのが非常に残念ですが……」

「終わったら降りなさいよー。 もう夕方なんだから、早く行くよ」

少年「分かりましたー」

少年「……今までありがとうございました」ペコ

タタッ




510VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/08/12(金) 08:16:18.678v2XegIAO (5/5)

今回はここまでです。
次回も同様です。

終わりがちょっと見えてきました。
でもまだまだ続きます。

皆様、今回も読んでくださってありがとうございました。


511VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/08/12(金) 10:00:52.58XIp0Pzyh0 (1/1)


少年引っ越すのか…
はたしてこれから妖精さんや天降女子がどう絡んでくるか…


5121 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/14(日) 08:11:20.083jmI8d8AO (1/10)


ブロロロ…

――バス車内――

少年「……どこで降りますか」

少年母「んー? 駅前で降りる」

少年「それから、電車に乗る、と」

少年母「……まあ、そうね」

少年「そうですか」

少年母「ん……」


ブロロロ ガタン ブロロロ…


少年母「んー……やっぱり、運賃高くなるわね、気にしないけど」

少年(気になってるじゃないですか)


ツギハ、〇〇エキマエ ツギハ、〇〇エキマエ


少年「ここですか?」

少年母「着いたわね。 ほら、降りるよ」

少年「はい」

少年母「あ、大人1人子供1人で」

ピッ




5131 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/14(日) 08:25:39.933jmI8d8AO (2/10)


――都心部――

少年母「ありゃー、けっこう遅い時間ね」

少年「着くのは、かなり遅い時間になりそうですか?」

少年母「……まあ、そうね。 真夜中とか。 それでも大丈夫?」

少年「大丈夫です」

少年母「そう。 良かった。 じゃあお母さん、ちょっとお手洗い行ってくるね」

少年「あ、はい……」

少年母「……じゃあねー」ボソッ

少年「?」

タタッ

少年「? 何か言ったのでしょうか。 聞こえませんでした……」

少年「……行ったことも無い場所で、1人って、なかなか不安になりますね……」

少年「はあ……」




5141 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/14(日) 08:52:54.473jmI8d8AO (3/10)


――――

ワイワイガヤガヤ

少年「遅いですね……空が真っ暗ですよ」


ワーヒサシブリ! イマカラフタリデノミニイコウ!
イイネ、イコイコ!


少年「色んな人がいますね……」


ラフメーイカージョーダーンジャナィ!

ポアダポアダポアポアダポアダポアポアダポアダポア!


少年「あ、歌ってる人もいますね」


キョウモシゴトデヘマシタヨ…
マア、オツカレサマ

アソコノオンナノコタチヲツカマエヨーゼ
ア、アノコチョータイプ

ガッコーオワッター
ゲーセンイコウゼ


少年「……遅いですね」




5151 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/14(日) 11:11:19.683jmI8d8AO (4/10)


――――

少年「おかしいですね……いくら何でも……」

少年(遅い……)


ウワーモウコンナジカン!?
モウヒヅケカワッテルヨー シゴトアルノニー


少年(……嘘、でしょう……え、本当に?)




5161 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/14(日) 11:27:12.653jmI8d8AO (5/10)


――――

少年「……」ウトウト

「あれ、この子、夕方もいたよね?」

「え、そう?」

少年「……?」

OL1「ほら、あの時、久しぶりに会った時にも、ここにいたよ」

OL2「ああー、あの時。 確かに」

OL1「ねえ君。 こんな遅い時間まで、どうしたの?」

少年「人……母を待っています」

OL1「え、あの時から!?」

OL2「うわーお。 そして受け答えがよくできてる。 上司にタメ口使っちゃったアンタ、見習いなさい」

OL1「うるさい! それ、今言うことじゃないでしょ……」

OL2「はいはい……ていうか、待つにしても、さすがに遅いわ」

OL1「うん……君、この辺りの道、分かる?」

少年「恥ずかしながら……」

OL2「そりゃそうだ」

OL1「うーん……」




5171 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/14(日) 11:51:11.333jmI8d8AO (6/10)


OL2「これ、明らかに置いてけぼりじゃない?」

少年「……!」

OL1「それは、ない、と思う……」

OL2「そう?」


チャラ男A「あー今日は疲れたー」

チャラ男B「可愛かったなー」

チャラ男A「2人ともな」

チャラ男B「メアドゲットでも万々歳ー!」


OL1「あ、あの人たちもいたよね」

OL2「おーい、そこの若いの、ちょっと来ーい」


チャラ男A「うお、キレイな女の子」

チャラ男B「はいはい、何かー?」

OL1「今日の夕方にも、ここにいたよね?」

チャラ男A「いたけど、あれは夜と言うべきじゃね?」

OL1「あ、そうだっけ。 あはは」

チャラ男B「夕方にここに来て、暗くなった辺りで離れたけどな」

OL2「そう。 じゃあ、この子の母親、分かる?」

チャラ男A「いやいや、このガキ知らないのに、親なんて分かるわけないって」

OL1「どういう姿とか、分かる?」

少年「……えと、腰まである位の長髪に、上は白、下はかなり短い青ズボンで、バックは2つ……すみません、服の名称を知らなくて……」

OL1「いやいや、大丈夫大丈夫! 気にしないで」

チャラ男B「あー、あの人かな? A、駅の改札口で、そんな人いたよな?」

チャラ男A「ん? ……ああ、確かに一致するな。 あの人、子供いたのか……」

チャラ男B「……? この少年は、その人の子供?」

OL1「そうみたい」




5181 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/14(日) 12:06:33.763jmI8d8AO (7/10)


チャラ男B「その人、普通に改札抜けて、電車に乗ってたけど」

OL1「!」

OL2「嘘、信じらんない。 子供を置いて行くなんて」

チャラ男A「なあお前、どの辺りから来たか分かるか?」

少年「えと、●●のバス停からずっと……」

チャラ男A「うわ、結構遠いな……」

少年「あと、そのバス停まで、数十分程歩きました」

OL2「こいつはくまった……くまー」

OL1「ふざけてる場合じゃないんだけど……」

チャラ男B「これはかなり堪えるな……」

OL1「お父さんは?」

少年「つい最近離婚して、どこで何をしているか分かりません……」

チャラ男A「ガキ、泣いていいぞ……」

少年「いえ、あの人達ならやりかねない気がしていたので、大丈夫です」

OL2「胸糞悪いわね……ったく、最近の親は……」




5191 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/14(日) 12:41:30.013jmI8d8AO (8/10)


OL1「貴方達、この子を預かれる? 置いて行くのはどうかと思うし……」

チャラ男A「俺は無理だな……今日は帰らないつもりだったし」

チャラ男B「俺もだな。 こいつと同じ。 しかも電車で来たし、このガキの家と真逆だし」

OL1「うーん、私もちょっと……もう終電終わってるよね?」

OL2「だろうね。 あ、同じく私もアウト」


「……」


OL1「あ、そうだ! あの人なら……」パカ

OL2「どうしたのよ」

OL1「今日この人、飲みに連れて行かれてたから、きっとまだ大丈夫なはず」

チャラ男A「大丈夫な感じ?」

OL2「多分」

OL1「あ、もしもし? 今大丈夫? ……良かったー。 じゃあ、〇〇駅前に。 お願いしまーす」

チャラ男B「大丈夫的な?」

OL1「ん」グッ

OL2「おおー」

OL1「2人共ありがとねー。 わざわざ時間とっちゃって」

チャラ男A「いや、超余裕超余裕」

チャラ男B「あ、また何かあったとき用に、メアドでも……」

OL「「間に合ってまーす」」

チャラ男「「oh……」」




5201 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/14(日) 12:51:27.733jmI8d8AO (9/10)


――――

ブロロロ

OL1「あ、来た来た。 こっちこっちー」フリフリ

ヴゥー キッ

OL1「ごめんねー、こんな遅くに」

「いや……大丈夫。 ……かなり長い間あって、さっき終わったところ」

OL1「……飲酒運転?」

「飲酒運転ダメ、絶対。 ……飲んでませんって」

OL1「はいはーい。 じゃあこっち来て」

バタン

OL1「ちょっと、この子を泊めてあげて」

「どの子……? ……あれ」

少年「あれ、川男さん」

川男「……年君じゃないか」

OL1「ありゃ、知り合い?」

OL2「世間は狭いわね」




521VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/08/14(日) 12:57:34.793jmI8d8AO (10/10)

今回はここまでです。
遅くなり、申し訳ございません。
次回も同様に、今夜もしくは明日の予定です。

>>520の訂正
川男の発言、“少年”が“年”だけになってました。訂正します。
“川男「……少年君じゃないか」”です。
最後に、今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。


522VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/14(日) 13:00:03.42x8+2I4uSO (1/1)

乙!
チャラ男達普通に良い人だwwww


523VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/15(月) 01:59:43.88kyKb2XvSO (1/1)

チャラ男イケメン吹いた


5241 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/16(火) 00:03:54.98hVqggVvAO (1/2)


ブロロロ

――車内――

OL1「さすが川男くんだよ、こういう時も頼りになる」

川男「偶然だよ……今日は。 ……あと、普通は迷惑の部類に入るから」

OL1「はーい、気をつけまーす」

OL2「あの、私も乗せてもらって宜しかったのですか?」

川男「ああ……構いませんよ」

OL1「2人とも、堅苦しいのはナシね」

OL2「アンタは昔からそう……あーまあいいや」

川男「ははっ」

OL1「あ、そうだ、ついでだから川男くん、私達も泊めてちょーだい」

川男「……」

OL2「……」バシッ

OL1「あ痛っ」

OL2「アンタ……どんだけ甘えてんのよ。 配慮位しなさい」

川男「あー……いいや、別にいいよ……」

OL1「やったー! あ、襲わないでよ?」

OL2「……」ガッ

OL1「あ痛っ。 グーで来るか……」




5251 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/16(火) 00:12:18.07hVqggVvAO (2/2)


川男「あ……静かにね? ……少年君、寝てるから……」

少年「……」スー…

OL1「ごめんなさーい」ヒソ

OL2「にしても、この子も可哀相に。 置いてかれるなんて……」

川男「そういえば……事情を聞いてなかったね。 ……一体……どうしてかな?」

OL1「えっとね、」




5261 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/17(水) 00:12:44.02VHnTAl3AO (1/7)


――――

川男「……なるほどね」

OL1「状況証拠から推測した感じだけどね」

川男「……」

OL2「しっかし、何でなんだろうね。 実の息子を置いていくなんてさ」

川男「それは……本人にしか分からないことだから……」

OL1「ま、そりゃそうだよね」

川男「……ん、着いた。 ……ここから家まで少し歩くよ。 ……少年君は僕がおんぶして行くから」

OL1「はいはーい」

OL2「先導お願いしますね」

川男「うん……よっと」ノッシ




5271 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/17(水) 17:33:58.27VHnTAl3AO (2/7)


――川男宅――

ガチャ

川男「……ただいま」ボソッ

OL「「おじゃましまーす……」」ボソッ

垢嘗「誰もいないと思った?」

OL「「」」ビクッ

川男「やあ……垢嘗。 ……まだいたのかい」

垢嘗「いーや、今から。 ちょっち行ってきまーす」

川男「はいはい……」

バタン

OL1「……今の、どちらさま?」

川男「……垢嘗のことかな。 ……長い付き合いだよ。 ……昔からの馴染み。 ……勝手に住み着いてきたけど」

OL2「なるほど」ニヤ

川男「……付き合いって言っても……考えているようなものじゃないからね」

OL2「そういうことにしておきます」フフッ

川男「……誤解を招く表現だった」ハァ




5281 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/17(水) 17:45:39.54VHnTAl3AO (3/7)


川男「それじゃあ……2人はここ、居間に」

OL1「はいはーい」

OL2「ありがとうございます」

川男「僕は……少年君を空いた部屋に寝かすから……」

OL1「んー」

タッタッタッ

OL1「広いなーここ」ゴロン

OL2「失礼だけど、住めるのここ? って思ったけど……」

OL1「中はキレイ。 これだと劇的にビフォーアフターしそうにないね」

OL2「風情があって、いいんじゃない?」

OL1「だねー」




5291 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/17(水) 18:36:25.34VHnTAl3AO (4/7)


――部屋――

少年「……」スー… スー…

川男「それにしても……」

川男(状況証拠と言っても、故意に置いて行ったと確信出来る……のかな)

川男(今まで聞いてきた話でも、親が子を置いていく話は何度かあったけど……)

川男(大抵、山道や人気のない場所にするようだけど)

川男「何で、あんな風に……? つい置いてきたーなんて……有り得ないな」

川男(まあでも、少年君が無事で良かった……)

川男「……まあいいや……そんな事を考えても仕方ない。 ……少年君、おやすみ」

少年「……」スー… スー…




5301 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/17(水) 18:47:13.00VHnTAl3AO (5/7)


――居間――

OL1「ねえねえ、さっきの人。 綺麗な人だったよねー」

OL2「どうしたの唐突に。 何、嫉妬」

OL1「え? ち、違うよ! そうじゃなくて」

OL2「ん、さっき飲んでた時、気になってる人の話してたけど、もしかして……」

OL1「にゃー! 言わないで言わないで! ここ敵地! アウェイだよアウェイ! 聞こえちゃうー」カアッ

OL2「いいのいいの! 分かった以上、逃げ場はないわよー」ジリジリ

垢嘗「そうよそうよ、そういう話で盛り上がってこそよ!」ジリジリ


OL1「ひやあああ! い、いつの間にお帰りになりゃりゃりゃりゃ」

垢嘗「今今、居間に着いたの今」




5311 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/17(水) 19:04:41.44VHnTAl3AO (6/7)


川男「こら……静かに。 ……少年君が起きる」

垢嘗「あ、ただいまー。 少年?」

川男「おかえり。 ……ちょっと訳あり」

垢嘗「ふーん、で。 この2人は? 若いの侍らせて、何? 何かとんでもないことでもしようと?」

川男「……君の発想がとんでもない。 ……ヒモになる前にヒモで吊ることを推奨するよ」

垢嘗「誰がやるか、そんなこと。 で、そこのお二方、汗とか気になるでしょ」

OL1「え? た、確かに」

垢嘗「風呂でも入ってきなさいよ。 着ている服も、洗って乾かして、すぐに着れるようにするから」

OL2「いいのですか?」

垢嘗「女に二言は無ーい!」

OL1「ありがとうございます!」

川男「汗流したかったけど……我慢するか」ハァ

OL1「そ、そんな。 そこまで遠慮しなくても。 気にしませんから……」オロオロ

垢嘗「覗いたら駄目よ」

川男「するわけがないよ。 ……君の部屋の電化製品を廃棄するしかないね」

垢嘗「止めて、それは、冗談きついわ」




532VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/08/17(水) 19:08:07.28VHnTAl3AO (7/7)

今回の投下はここまでです。
時間取りすぎました。すみませんでした。
次回は明日、もしくは明後日の予定です。

今回も皆様、読んでくださってありがとうございました。


533VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/17(水) 19:40:55.06Ckg8YAwSO (1/1)




534VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2011/08/17(水) 21:22:10.05cqZlKaqM0 (1/1)

追い付いた乙!
果たして母は単なるクソ親なのか何か理由があるのか……


535VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/18(木) 09:50:22.40ytLf/b2IO (1/1)

追いついた~

面白い


5361 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/20(土) 17:40:15.87J2uUwAaAO (1/5)


――――

死神「あーあーあー、疲れた。 非常に疲れた」ドサッ

女死神「お疲れ様ですわ。 今回の仕事はいかがですの?」

死神「面倒臭い。 肩こりが激しく悪化して、何か、こう、ムキムキーってなる感じ」

女死神「ムキムキー、ですか

死神「そ。 終いには、両肩から硬い突起物が生えてきそう」

女死神「もうそれ只の化け物ですわ」

死神「だな。 とりあえず、その位面倒」

女死神「はあ……お疲れ様ですわ」

死神「まあ、性格げすいし周囲に悪影響しか及ぼしてないから、死は確定した」

女死神「あら? 面倒というのは、生死の判断では?」

死神「違う違う。 仕事始めに会ったが早々、絡まれたんだよ」

女死神「日頃の行いが悪いから……」

死神「違う、決してそんな事はないだろ。 で、いきなり訳も分からず計画に付き合ってなんて言い出すし」

女死神「計画?」

死神「らしい。 とりあえず、自分の家を夜間できれいに撤去しろなんて無茶振りしだしてな。 しようがないから色々協力呼びかけて、さっき終わったんだよ」

女死神「さっき終わった、って……もう朝ですの」

死神「うげ、まじかよ」




5371 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/20(土) 19:17:42.80J2uUwAaAO (2/5)


死神「とまあ、そんな感じで。 また行かなきゃなー、あー嫌だ」

女死神「そんな貴方にお知らせですの。 また妖精さんの反応がありましたわ」

死神「過労で殺す気かよ……」

女死神「まあまあ。 どうしても、という時は、手伝いますわ」

死神「あーりーがーとーよー」

女死神「……やっぱり止めましょう」

死神「ありがとうございますなので取り消さないでお願いします」

女死神「……本当に、大変なのですね……」

死神「それはそうだ。 変な馬鹿の付き添いに妖精さん、天降女子の馬鹿、その他諸々……うげえ」

女死神「お疲れ様ですの」




5381 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/20(土) 19:42:19.76J2uUwAaAO (3/5)


女死神「まだ時間はあります?」

死神「まあな。 そこまでバタバタする必要はなさそうだ」バタン

女死神「床で寝たら体痛めますわよ。 あ、そうですの」

死神「んあ?」

女死神「えっと、確かこの辺りに……あ、ありましたわ」

死神「何だそれ……マッサージに使うベッドじゃねーか。 誰だよ、職場に持ち込んだ奴は」

女死神「さあ。 一時期、誰かがマッサージ師を担当していて、頻繁にマッサージさせろーって言ってましたわね……誰でしたっけ」

死神「俺じゃあない」

女死神「同じく」

シーン

死神「……まあいいか。 よっと」ガチャ グテン

女死神「まさかのうつ伏せ」

死神「何言ってんだよ。 顔の位置に穴が空いてたら、そこに顔をうずめようとするのは、当然のことだろうが」

女死神「よく分かりませんわ」




5391 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/20(土) 20:37:44.16J2uUwAaAO (4/5)


女死神「折角ですし、マッサージしますわよ」

死神「おお、ありがとよ」

女死神「はいはーい」

スィー

死神「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ……」

女死神「ふふっ、呻き声が凄いですわね」ギュウウ…

死神「言うなよ、おおおお……」

女死神「脚、結構キてますわね……」ススーッ

死神「まあ゙あ゙あ゙なぁぁ……」

女死神「では、ちょっと上へ参りまーすの」ズズーッ

死神「おおおお……」




5401 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/20(土) 22:33:22.28J2uUwAaAO (5/5)


女死神「力加減はいかがですの?」

死神「……もう少しちよく」

女死神「ちよく?」ググッ

死神「強くぅぅあ」

女死神「……」グッグッ

死神「……あー」スー

女死神「指圧の心は母心ー」グーッ

死神「……何だよそのババア臭いの」

女死神「失礼ですわ」トントントントン

死神「……このベッド持ってきたの、お前だな」

女死神「何のことですの」トントントントン

死神「何か上手いし……さっきのは嘘だな」

女死神「ノーコメントですわ」

死神「その反応、図星だな」




5411 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/21(日) 06:53:59.06gHOEUPgAO (1/11)


女死神「はい、ここまでですわ」

死神「ん、ありがとうよ」グデー

女死神「そのベッド、気に入ってますわね」

死神「いや、何というか、落ち着くんだよ」

女死神「変な方ですわね」

死神「うるせえ。 ……そういえばよ、ここってさ、何で人間の会社みたいな見た目なんだ? ていうか完全にそうだよな」

女死神「人間を対象にしているからではないですの?」

死神「そういうことになっているのか……?」

女死神「いきなりどうしたのですの?」

死神「いや、何となくだ」

女死神「そうですか」

死神「んー、人間以外はどうなるのか……」

女死神「珍しいですわね。 考え込むなんて」

死神「……お前はさ、ここ、この職場について、分からないことは結構あるだろ?」

女死神「言われてみれば、そうですわね」

死神「周りで噂になっている様なんだが。 生物を対象にした死神はいるのかーとか、もし別の世界、所謂平行世界にも死神はいるのかーとか」

死神「もし死神がいたとして、こういう職場が存在するのかとか、本当に色々」

女死神「……ふむ」




5421 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/21(日) 07:06:19.08gHOEUPgAO (2/11)


ガチャ

死神同僚A「ちーっす」

死神同僚B「仕事終わったー。 って、死体がいる……」

死神「うるせえ。 俺は生きてるわ」

死神同僚B「分かってるよ」

死神同僚A「そんじゃ、報告書出してくる」

女死神「はいはい、いってらっしゃい」

死神「……今、上のアホ、寝てるよな」

女死神「アホ言わないように。 連日の激務で寝てなかったようで」




5431 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/21(日) 07:20:29.62gHOEUPgAO (3/11)


オラオキロ!

ガッシャアアアアアン

ギャー

死神「……やりやがった」

女死神「ご愁傷様ですわ」


死神同僚A「ただいまっす」

死神同僚B「ついでに上司を持ってきましたー。 そこの死体、これ寝かせるから退いてよ」

上司「」グデー

死神「これ呼ばわりしやがった……よっと」

死神同僚B「はいじゃあ寝かせまーす」

ガシャンガシャン

死神同僚A「これにて一件落着っすね」




5441 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/21(日) 09:07:33.17gHOEUPgAO (4/11)


死神「そういえばお前ら、噂、知ってるか?」

死神同僚A「もちろんっす」

死神同僚B「とりあえずは」

女死神「知っている方、多いですのね」

死神同僚A「まあ、そうっすね」

死神同僚B「それで、部屋の隅にある、あの開かずの扉」

死神「あの、人がギリギリ入りそうな奴か」

死神同僚A「あれも大概怪しいっす」

女死神「確かに。 何なのでしょう」

死神「お前覗け」

死神同僚A「お願いするっす」

死神同僚B「ほら、行った行った!」グイグイ

女死神「あー分かりましたわ! 行きます!」

ガバッ

死神上司「俺も気になるから早く!」

女死神「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙! 分かりましたから!」

ガチャ

死神「……普通に開きやがった」

死神同僚A「拍子抜けっす」

死神上司「ふぁ……で、どうだ?」

女死神「……一面、一面、扉だらけでした」

死神「はあ?」




545VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/08/21(日) 09:11:29.99gHOEUPgAO (5/11)

今回はここまでです。
次回は少し時間を置いてからです。

書こうとする度小さな予定が入ると悲しいですわ
時間が欲しいですの

今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。


546VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/21(日) 13:54:21.9797SAZLySO (1/1)


終わりが予想できねぇ


547VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/21(日) 14:12:43.94aWN3iievo (1/1)


予測できないどころかなにが起こってるのかついていけない
読み返してくる


548名無しNIPPER2011/08/21(日) 16:55:15.57iQk69yXAO (1/1)


死神達は平行世界に行くのか?


5491 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/21(日) 22:11:39.92gHOEUPgAO (6/11)


――木曜日・川男宅――

チュン  チュン

少年「ん、ふあぁ……」ムクリ

少年「あれ、ここは……?」

少年(確か、川男さんの車に乗って……)

少年「……川男さんの家、ですかね」

ススッ タン タン タン

少年「この部屋から出てみますか。 トイレにも行きたいですし」

タン タン タン

少年「廊下のフローリング、冷たいですね……3月ですし、まだ朝は肌寒いですね」




5501 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/21(日) 22:29:29.84gHOEUPgAO (7/11)


少年(やはり、ここは川男さんの家ですね)

コンコン

シーン

少年「入ります……よ……」



死神「……」

少年「……」

死神「……ん?」クル

少年「またですか。 つい最近も同じ展開でしたよ。 ふざけてますよね」

死神「いや、今回は違うと思うぞ? 朝だし、考え込んでるし」

少年「トイレでですか。 何でここに」

死神「俺のオフィスからこの世界に来ると、何故か毎回トイレにいるんだよな。 帰りはドアなのに」

少年「オフィス? この世界? 違う世界にオフィスがあるのですか?」

死神「ちょっと違うな。 違う次元、というか上の次元だな。 死神だし」

少年「はあ……」

死神「上の次元だから、この次元の奴らは見えないんだよ」

少年「見えてますけど」

死神「訂正する。 この次元の奴らの大半は分からない。 見えるのは霊や神などの存在と密接な関係にあるのと、仕事の対象者」

少年「ん……」

死神「説明しにくいんだよ。 こういうの。 漠然と、こんな感じかー、みたいに思っとけ」

少年「はい」




5511 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/21(日) 22:37:47.96gHOEUPgAO (8/11)


死神「そういうお前は、何でここにいるのだよ」

少年「トイレに行くためですよ」

死神「そうじゃねえよ。 何でこの家にいるのだよ」

少年「夜に1人で居たところを、川男さんに保護して貰いまして」

死神「1人? 何やってんだオメー」

少年「いや、置いていかれまして……親に」

死神「あーあ、何てこった」

少年「それはどういうことに対する発言ですか?」

死神「思い当たる話だったから」

少年「……教えて下さい」

死神「企業秘密だ。 あとプライバシーとか」

少年「適当な気がしますね、その言い方」

死神「しようがないだろ。 言えねえし」




5521 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/21(日) 23:43:24.89gHOEUPgAO (9/11)


少年「そういう貴方は、何の考え事を? 協力しますよ」

死神「いや、そういう悩みじゃない。 明け方だったか、ちょいと問題が出来てな。 同僚達と考えてたんだよ」

少年「協力、させてくれませんか?」

死神「無理だな。 俺達でしか解決出来ないかもしれないしな」

少年「そうですか……」

死神「……1つ聞く。 お前の経験の中に、この世界のものとは思えないような事はあったか?」

少年「いや、無かった……? ん?」

死神「どうだよ」

少年「……“妖精さん”、ですかね」

死神「!」ピク

死神「……少年、詳しく教えろ」

少年「いいですけど……えっと、小僧君は知ってます?」

死神「知ってる。 体育館裏の」

少年「はい。 なら、力のことは?」

死神「体育館裏」

少年「何故力を持っているか」

死神「大方、妖精さんだろ」

少年「なら簡単に説明できます。 小僧君は定期的に“妖精さん”の空間に行っているそうです」

死神「“妖精さん”の空間、だと?」

少年「はい。 小僧君が言うには、『僕たちの世界ともう1つの世界の中間』だそうです」

死神「……よく覚えてたな」

少年「印象深かったので」

死神「そうか。 ありがとよ、少年。 予想以上の答えだ」

少年「役に立てましたか?」

死神「いい感じにな」




5531 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/21(日) 23:46:39.59gHOEUPgAO (10/11)


死神「それじゃ、俺は現地で激務だからな。 おさらばだ」

少年「そうですか。 頑張って下さいね」

死神「おう。 じゃあな」

スタスタスタ

少年「……」

少年「あっと、トイレトイレ……」

バタン




554VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/08/21(日) 23:58:38.71gHOEUPgAO (11/11)

今回はここまでです。
次回は2、3日以内に。

すみません、状況説明が全然出来てませんね……精進します。

最後に、皆様、今回も読んでくださってありがとうございました。


555VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/22(月) 07:18:22.289bFRQrxW0 (1/1)

おつおつー


556VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)2011/08/26(金) 17:42:14.25IrgobX4fo (1/1)

待ってる


5571 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/26(金) 19:22:44.57kP+0ugkAO (1/1)

すみません、ここ最近(今週の週明け)ずっと徹夜作業で時間がありませんでした……

今晩、22:30あたりから投下します。


55822:30とか言いながら、寝てしまった…申し訳ありません… ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/27(土) 05:58:49.5598aakjiAO (1/5)


ジャー

バタン

少年「ふう。 すっきりしました」

少年「今は何時、でしょうか……」

イッチニー サンシー

少年「ラジオ体操? 庭を見てみますか」

タッタッタッ




5591 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/27(土) 06:15:33.3998aakjiAO (2/5)


――居間――

少年「川男さー……ん」ピタッ


OL1「」スースー

OL2「」スー


少年「……昨日の人達? いや、昨日という表現は相応しくないですかね」

タッタッタッ

OL1「」ガシッ

少年「! うっ、あ、足」ビクッ

OL1「……川男しゃーん……またミス……助けてー……」スースー

少年「……寝言ですか。 ……足、離してくれませんかね……」

OL1「」スースー パッ

少年「良かった、すぐに離してくれました」

少年「川男さーん」




5601 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/27(土) 06:41:32.8798aakjiAO (3/5)


――庭――

ガラガラ

少年「川男さん」

川男「ん? ……ああ、少年君。 ……おはよう」

少年「おはようございます。 泊めてもらって、ありがとうございました」ペコ

川男「いいよいいよ。 ……感謝すべきは……そこで寝ている2人だよ」

少年「そういえば、この2人が何故ここに?」

川男「泊めてーって……」

少年「そういうことですか」

川男「……よし、今から垢嘗起こして体操するけど……君はどうする?」

少年「体操?」

川男「ラジオ体操」

少年「……そうですね……やります!」

川男「そっか。 ……じゃあ、少し待ってて」




5611 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/27(土) 07:08:15.3898aakjiAO (4/5)


――――

垢嘗「……」ボー

川男「ほら……垢嘗。 ……どうせ碌に寝ていないだろうけど。 ……ラジオ体操しないと……身体が鈍るよ」

垢嘗「んー。 兄ちゃん私だいじょーぶぅ……」

少年「兄ちゃん?」

川男「いや……血の繋がりはないよ。 ……昔から一緒にいて……小さい頃はよくこんな感じに」

垢嘗「……んー。 兄ちゃん、眠いよー」ダキッ

川男「甘えてたけどね……」

少年「川男さんの方が年長なのですか?」

川男「……実はそう」

少年「へえ、そうなのですか」

川男「うん。 ……よし、そろそろ始めよう。 ……垢嘗、起きて」ペチペチ

垢嘗「……んんー、眠……い」

川男「やあ……起きた?」

垢嘗「あ、あれ、またやっちゃった?」

川男「目が覚めたかな?」

垢嘗「にゃにゃにゃ、め、目の前っち」アタフタ

川男「ラジオ体操するよ。 ……ほら、早く」

垢嘗「う、……うん」カアア

少年「……なんか、凄いですね」




5621 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/27(土) 07:57:13.6798aakjiAO (5/5)


――居間――

垢嘗「……」ズーン

少年「そこまで落ち込まなくても……」

垢嘗「なんたる失態……」ズーン

川男「少年君。 ……恐らくしばらくこのままだから……そっとしておいて」

少年「はあ。 分かりました」

川男「うん。 ……じゃあ、少年君は隅で寝ている方を起こして。 ……僕はソファーで寝ている方を起こすから」

少年「分かりました」




5631 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/28(日) 06:16:51.59sng7dfXAO (1/10)


少年「起きて下さーい」ユサユサ

OL2「……んー」

少年「起きて下さい」ユサユサ

OL2「……んん、ぅー」ムクリ

少年「あ、起きましたね」

OL2「あら、おはよう。 ……あ! 時間は!」

少年「えっと、6時……23分位です」

OL2「あー良かった。 起こしてくれて、ありがとう」

少年「どういたしまして」

OL2「で、向こうも起こしてるみたいだけど……」




5641 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/28(日) 06:35:49.64sng7dfXAO (2/10)


川男「ほら……起きなって」ペチペチ

OL1「んーん、ほっぺ……くすぐったいー」ムニャムニャ

川男「あー……全然起きない……」



少年「苦戦してますね」

OL2「昔も凄かったけど……治らないみたいね」



川男「……起きてー」ポンポン

OL1「……にゃー、頭はぁ……こども扱いしないでよぉ……」ムニャムニャ

川男「……幼児退行? ……おーい」パチン パチン

OL1「んもー、……驚かさないでよぉ……仕返しにゃー」ガバッ

ダキッ

川男「! ……ちょっと」

少年「大胆ですね」

垢嘗「……」

OL2「……」スクッ タッタッ

OL2「起きろ、馬鹿! チョップ!」ベシ

OL1「! 痛い……、ふぁ、おはよう……」パチ

川男「やっと起きた……おはよう」

OL1「あれ、近い……あれ、何で抱きついて……」

OL2「やっぱりアンタ、寝ぼけてたのね。 寝ぼけたアンタが川男さんに抱きついたのよ」

OL1「えっ……」

OL1「えええええーー!?」カアアア




5651 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/28(日) 07:02:21.35sng7dfXAO (3/10)


――――

OL1「……」ズーン

垢嘗「そこまで落ち込まなくてもいいじゃないの」

少年「ついさっきまで、同じように落ち込んでいた人が言うことではないですね」

垢嘗「う、うるさい!」

川男「こらこら……朝早くから騒がない」コトン

OL2「小学校の教科書に載ってた、理想的な朝食そのままだ……。 健康的」

OL1「朝いっつもバタバタで、食事に気を配れないんだよねー」

川男「早く起きなよ……」

OL1「それが難しいんですー」ムー

垢嘗「あははっ。 じゃあ、冷めない内にいただきます」

「いただきます」




566VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/28(日) 07:05:38.45gjZrpAjy0 (1/1)

リアルタイム…?


5671 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/28(日) 07:13:40.32sng7dfXAO (4/10)


OL1「ふおおお、凄くおいしい!」

OL2「羨ましいわ。 家事出来て頼りになって謙虚で……あー、そんな男性、私も欲しいわー」

垢嘗「でも、見た目はイマイチ」

OL1「ええー! そんなことないですよー」

OL2「上の……下あたり?」

垢嘗「えーそう?」

川男「どうでもいいじゃないか……」

少年「川男さん、モテますね」

川男「違うよ……絶対に違う」

少年「若いですねー、モテモテで」

川男「……年下に『若いですねー』なんて言われたのは初めてだよ」




568VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)2011/08/28(日) 07:14:45.64PA7dToUro (1/1)

朝からご苦労様です


5691 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/28(日) 07:37:16.31sng7dfXAO (5/10)


川男「少年君。 ……今日はこれから学校だよね」

少年「はい」

川男「今の内に……言っておくよ。 ここに住んでいいよ……というより、ここに住みなよ」

少年「え、でも……」

川男「引っ越し先が分からない以上……そうするしかないと思う。 ……元の家も引っ越ししたから……入れないだろうし」

少年「……ありがとうございます」

川男「勝手に決めてしまったけど……大丈夫?」

少年「はい。 これからも宜しくお願いします」

川男「そっか……よかった」


垢嘗「おいそこの男性2人!」

川男「何さ……早く食べないと冷めるよ」ズズッ
少年「僕もですか」

OL1「この中でお嫁さんにするなら!?」

川男「」ブボボッ

垢嘗「出すなー! 戻せー!」

少年「僕は未成年なので、黙秘権を行使します」ズズッ

OL2「霊能女ちゃん」

少年「」ブボボッ

垢嘗「出すなー! 戻せー!」

少年「ゲホッ ……貴女は霊能女の知り合いですか?」

OL2「知らない。 垢嘗さんからお手紙ついたのよ」

少年「そこは読まずに食べましょうよ」

OL2「ループするから駄目ー。 で、結局どうなのかな?」

少年「よく一緒にいる親友です。 いきなりその名前が出て、驚いただけです」

OL2「ほほう。 脈有りね」

少年「……」ハァ




5701 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/28(日) 07:52:56.79sng7dfXAO (6/10)


OL1「川男さん! 結局、どうなのかな?」

垢嘗「ハリー、ハリー」

川男「……ごちそうさま」ガチャ スタタタ

OL2「あ、逃げた。 しかも速い」

OL1「むむう」

垢嘗「残念」

少年「ごちそうさまでした。 皆さん、出勤時間は大丈夫ですか?」

OL1「大丈夫だよ。 いつもなら、まだ寝ている時間だし」

垢嘗「よく間に合うわね。 ちなみに私は、時間は気にしないでいいの」

川男「ヒモだから」スタスタ

OL2「あ、戦場に戻って来た」

垢嘗「ひ、ヒモじゃないわよ。 あ、何そこ、『勝った……』みたいな顔してこっち見んな」

OL1「えー何のことですかー?」

垢嘗「ぐぬぬ」

川男「そんなやり取りしてないで……早く準備終わらせて。 ……置いて行くよ?」

OL1「えっ、すみませーん」パクパク

OL2「私も車で送ってもらって、本当に良いのですか?」

川男「大丈夫。 ……車でパパっと」

OL2「ありがとうございます」ペコ

垢嘗「それじゃ、早めに言っておくわね。 行ってらっしゃーい」

少年「本当に早い……」

川男「ん。 ……行ってきます」




571VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/08/28(日) 07:54:31.75sng7dfXAO (7/10)

今回の投下ここまでです。
しばらく寝たり作業したら次回投下します。


5721 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/28(日) 09:37:38.10sng7dfXAO (8/10)


――学校――

霊能女「珍しく昨日休んだわね」

少年「ええ、すみません」

友人「明日金曜日だぜ? 卒業式だぜ? 休むなんてもったいない」

少年「前は面倒とか言ってましたよね」

友人「しらんなあー」

霊能女「誤魔化した……」




5731 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/28(日) 09:52:25.74sng7dfXAO (9/10)


幼馴染「でも、昨日休んだのはもったいないよー。 ホントに」

少年「何かあったのですか?」

霊能女「小僧君がまたやらかしたのよ」

少年「やらかした?」

友人「あいつ昨日、気弱をいじめてたグループをまたメッタメタにしてたんだよ」

幼馴染「『中学になっても気弱君をまだいじめるようなら、また僕が倒すからな』とか言ってたよー」

少年「ああ、小僧君は別の中学に進学でしたね」

幼馴染「うん。 頭いい人ってすごいねー」

霊能女「多分、妖精さんの力を持ったのって、気弱君を助けるためかなー、って思ったのだけど」ボソボソ

少年「確かにそうかもしれませんね」ボソボソ

友人「何ボソボソ話してるんだ?」

霊能女「き、気のせいよ」

幼馴染「気のせいに出来ないレベルだったよ」




574VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/28(日) 10:01:32.17X8aGvoTIO (1/1)

ふむ


5751 ◆SSsPX8jRvCIN2011/08/28(日) 12:20:14.40sng7dfXAO (10/10)


幼馴染「あ、そういえば。 子役ちゃんも小僧くんと同じ中学校に行くって」

友人「イチャイチャしやがって……」

霊能女「え、それは前々から分かってたことみたいよ? 偶然みたい」

少年「凄いですね……子役さん」

霊能女「学校と仕事を見事に両立してて、凄いわ」

幼馴染「あの2人がこのまま一緒だったら、小僧くんもテレビに出たりしてー」

友人「ないな」

霊能女「断るでしょうね」

少年「それはない気がします」

幼馴染「えー」




576VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/31(水) 21:57:30.10q5ssjikU0 (1/2)

続きはまだかなー自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/


577VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/08/31(水) 21:58:02.36q5ssjikU0 (2/2)

続きまだかなー自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/


578VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/09/17(土) 06:43:40.01uFF0P3xAO (1/2)

投下終了レス忘れてた!ごめんなさい!
時間が出来たので、今日ゆっくり投下します


5791 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/17(土) 23:38:16.50uFF0P3xAO (2/2)


――――

「「せんせーさよーなら」」

友人「終わったー! 卒業式の準備で早く帰れるっていいな」

同級男D「だな。 どうする? 昼ご飯食べてから、公園でサッカーするか?」

友人「おう。 何人か呼ぼう」

同級男D「分かったー」

友人「少年ー」

少年「はいー?」

友人「今の話聞いたなら、言いたいことは分かるかー?」

少年「大丈夫ですよ」

同級男C「以心伝心だ」




5801 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/18(日) 05:59:23.68AAdq36pAO (1/5)


同級男C「ああ、そうだ。 少年ー。 母、じゃなかった、先生が職員室に来てとか言っていたよ」

少年「えっ」

友人「少年、何をやっちゃったんだー?」ニヤニヤ

同級男C「そういうのじゃないみたいだったぞ」

友人「ちえっ、つまらないな」

少年「他人の不幸で喜ばないでくださいよ……」

友人「気をつけまーす」

少年「返事の時点で気をつけていないですよね」

友人「おう」

少年「そこは否定して下さいよ……」

同級男C「それじゃ、職員室に1人ご案内ー」

友人「後で来いよー」

少年「分かりました」




5811 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/18(日) 06:15:10.83AAdq36pAO (2/5)


――職員室――

先生「ん、ちゃんと来たわね」

同級男C「ちゃんと連れてきた」

少年「ちゃんと連れられてきました」

先生「よろしい。 それで、少年君。 昨日は何で休んだの?」

少年「え? 連絡があったはずですが」

先生「ええ。 確かに、連絡はあったわよ。 でも、ちょっと聞き取りにくくてねー」

同級男C「歳だよ」

先生「黙りなさい」

少年「そうですか。 昨日休んだのは、引っ越しするためで……」

先生「……!」




5821 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/18(日) 08:36:25.89AAdq36pAO (3/5)


先生「おかしいわね。 インフルエンザって聞いたのだけれど…」

少年「あれ、先程、聞き取りにくかったって……」

先生「確かに、聞き取りにくかったわ。 早口だったからね。 でも、全く聞こえなかったわけじゃないわ」

同級男C「これを、鎌をかける、と言う」

先生「いらないことは言わないの」

同級男C「はい」

先生「で、昨日の連絡と今言った理由が一致しないのだけれど……何かあったの?」

少年「特には……」

先生「本当に?」

少年「大したことは……」

同級男C「……」

先生「……そう。 分かった。 特に無いのならいいわ。 今から先生、明日の卒業式の準備するから、2人共帰っていいわよー」

少年「あ、分かりました。 先生、さようなら」ペコ

先生「気をつけて帰りなさいよー」




5831 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/18(日) 08:57:51.18AAdq36pAO (4/5)


バタン

同級男C「……母さん、知り合いを当たってみるよ」

先生「ん。 あの人あたりなら知ってるだろうから、話してみて」

同級男C「分かった」

先生「じゃあ、今から準備するから。 確か冷蔵庫に何品かあるから、好きに食べててね」

同級男C「ん」




584VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/09/18(日) 08:58:27.25AAdq36pAO (5/5)

一区切りします


585VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/18(日) 13:29:47.85vekxP/KSO (1/1)

ふむ


586VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)2011/09/23(金) 13:34:49.12/WMDQ1oWo (1/1)




5871 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/24(土) 10:51:32.13jYEkg4FAO (1/6)


――深夜・ファミレス――

サングラスA「遅くなったっすー」

サングラスC「遅いですよ先輩。 子供より時間を守れないなんて、駄目な大人だ」

サングラスA「可愛げのない子供っすね」

サングラスB「そんな事言ってないで、さっさと座りな」

サングラスA「子に甘い親! かーっ、こうして社会が悪くなって行くっすね!」ストン

サングラスC「強盗の方が社会の悪化に繋がるよ」

サングラスA「両方当てはまってるじゃないか! 何墓穴掘ってるっすか」

サングラスD「落ち着け。 よし、全員揃ったか」

サングラスB「見ての通り」

サングラスD「では、作戦会議を始める」
サングラスC「わー」




5881 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/24(土) 11:04:14.52jYEkg4FAO (2/6)


サングラスA「で、今回のターゲットは?」

サングラスD「……ここだ」スッ

サングラスC「お、もう把握してたんだ」

サングラスD「数分あれば特定できる」

サングラスB「仕事速いねー。 私が依頼してちょっとしたら、もう終わってた、と」

サングラスC「流石。 ……で」

サングラスA「地図から見ても分かる位、金持ちなんすね」

サングラスC「敷地広すぎ……」

サングラスB「へえ。 いいじゃない」

サングラスD「時刻は明日23時。 ここから普通通りだ。 車に乗り、面をつける」

サングラスABC「了解」




5891 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/24(土) 11:14:42.17jYEkg4FAO (3/6)


サングラスD「その前に、寄り道をしていいか?」

サングラスA「? どうしてっすか?」

サングラスB「構わないよ」

サングラスC「勿論」

サングラスA「?」

サングラスC「先輩。 リーダーと、ターゲットから察して」

サングラスA「えーっと。 ……ああ、なるほど」

サングラスD「A。 ……構わないか?」

サングラスA「そっすね。 大丈夫っす。 やっぱり、リーダーも親っすね」

サングラスD「そんな大層な親じゃあないさ。 ガキが誇れる、立派な親じゃあない」

サングラスB「……」

サングラスD「最後に、狙いの金品の場所は……」




5901 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/24(土) 11:27:21.30jYEkg4FAO (4/6)


――――

サングラスD「……以上だ。 もう一度、確認する事は無いな?」

サングラスABC「……」コク

サングラスD「よし、これにて、『おかめ強盗  作戦会議』を終了する」

サングラスA「お疲れ様っすー」

サングラスB「やば、明日仕事やばい」

サングラスC「明日と言うより今日だね。 ふあ、さっさと帰って寝よう……」フアー

サングラスB「じゃ、失礼ー」タッタッタ

サングラスC「母さん、速いよ」タッタッタ


サングラスA「ついでにここで何か食べよう。 リーダーは?」

サングラスD「いや、帰るとする」

サングラスA「了解っす」

タッタッタ

サングラスA「……ファミレスで何も頼まないで帰るのは、営業妨害じゃあないのかな? さて、何食べようか」




5911 ◆SSsPX8jRvCIN2011/09/24(土) 11:49:30.33jYEkg4FAO (5/6)


――――

サングラスD「……お前か」スタスタ

「誰でしょう?」

サングラスD「女死神」

女死神「御名答。 よくお分かりで」

サングラスD「父親はな、何でも知ってるものなんだよ。 お前の同僚に、うちの馬鹿と同じ様な喋り方をする奴がいるのもな」

女死神「それは貴方に限った事ですわ」

サングラスD「かもな。 それで、何用で?」

女死神「……貴方は予定通りに死にますわ」

サングラスD「当然。 そうなっているからな」

女死神「怖くはないのかしら?」

サングラスD「いや? そうでもないな。 流れに身を任せていれば、いずれ、死に辿り着くからな。 怖がるだけ無駄だ」

女死神「はあ……」

サングラスD「で、分かったか? 平行世界の存在」

女死神「あの光景は、平行世界の存在を裏付けるものと判断しかねますが」

サングラスD「そうか。 まあ、いずれ分かる」

女死神「……貴方、本当に何でも知ってますわね。 一体、何故ですの?」

サングラスD「いずれ分かる。 時期は、ガキが大学生のあたりだな」

女死神「ガキ……?」

サングラスD「あのガキだよ」

女死神「……少年君、ですの?」

サングラスD「いずれ分かる」スタスタ



女死神「……いずれ分かるばかり言って……腹立ちますわ」ムカ




592VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/09/24(土) 11:54:37.92jYEkg4FAO (6/6)

今回はここまでです。
次回は今夜または明日の予定です。

日に日に遅くなってますね…ごめんなさい、気をつけます…
忙しい時期が頻繁にあるので、投下できないことがありますが、必ず完結します。

最後に、今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。


593VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/09/24(土) 16:30:55.77uu2pYfkSO (1/1)

なんだなんだ何が起ころうとしてるんだ?



594VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)2011/09/25(日) 09:33:03.59BbHybbnJo (1/1)




595VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/09/26(月) 22:52:40.75fs3b9BKAO (1/1)

すみません、昨日今日と私事により投下できそうにないです…
明日は余裕があるので、明日投下します。


596VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/10/01(土) 10:30:03.499sQw6vhAO (1/5)

明日と言って何日経ってんだと自分に言いたい
今からちまちま投下します


5971 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/01(土) 10:43:17.079sQw6vhAO (2/5)

その前に訂正
>>588
サングラスD「時刻は明日23時。

サングラスD「時刻は明後日23時。
です。
なので、>>590は木曜日→金曜日に変わった時刻
訂正した“明後日”は土曜日となります。


5981 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/01(土) 10:55:35.329sQw6vhAO (3/5)


――金曜日・小学校体育館――

『一同、起立』

ガタガダガダ…

『只今より、○○年度、●●市立◎◎小学校、卒業証書授与式を行います』

『一同、礼』

スッ

『着席』

ガタガダガダ…

『学校長の言葉』

校長「えー、卒業生の皆さん。 卒業、おめでとう」










5991 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/01(土) 11:14:25.119sQw6vhAO (4/5)


――――

『卒業証書、授与』

~♪~♪

『1組、――――』

「はいっ!」

スッ

ペコリ

タン タン タン…

『―――――』

「はいっ」

スッ

ペコリ

タン タン タン…




6001 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/01(土) 15:28:49.189sQw6vhAO (5/5)


――――

『――――』

幼馴染「はいっ!」

スッ

幼馴染(卒業証書……もうここで勉強したり遊んだりできないんだ……)ウルッ

ペコリ

タン タン タン…

幼馴染両親「」ウッウッ

幼馴染(あっ、お父さんとお母さんだ! あはっ、泣いてるー)ウルウル




6011 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/02(日) 11:41:22.39GBgc7QfAO (1/1)


――――

『以上、1組、39名』

『2組、――――』

「はいっ」

スッ

ペコリ

タン タン タン…


――――

『―――――』

小僧「はい」

スッ

ペコリ

タン タン タン…

小僧(一昨日に、やっと気弱氏をいじめていたヤツらを裁けたし)

スタスタ

小僧(もう、心残りはないね)

スタスタ

子役「……」コソコソ

小僧(……?)

子役「……」フリフリ

小僧(ああ、手を振ってたのか)フリフリ

子役「!」パァ

小僧(分かりやすい)クス

スタスタ




6021 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/03(月) 04:23:08.06YB6WUAoAO (1/4)


スタスタ

小僧「?」ビク

ビュウウウー…

「ん、今の風」ヒソヒソ

「ちょっと強かったわねー。 今日は穏やかな天気だし、不思議」ヒソヒソ


小僧(今、勝手に力が……)

小僧(……まあ、大丈夫かな)

スタスタ




6031 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/03(月) 04:32:40.67YB6WUAoAO (2/4)


――――

『――――』

少年「はい」

スッ

ペコリ

タン タン タン…

少年(……思えば、色々ありましたね……。 特にここ最近では)

少年(この経験が、いつか活かされればいいですね)


――――

『―――』

友人「ゔうっす!!」

スッ

ペコ

タン タン タン…

友人(あー卒業だなー。 やっと卒業だー。 部活楽しみだな……)




6041 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/03(月) 04:45:19.27YB6WUAoAO (3/4)


――――

『―――――』

霊能女「はい」

スッ

ペコリ

タン タン タン…

霊能女(……緊張する。 うぅ……)

スタ スタ

霊能女(あああ、足がちょっと震える……よく皆平然と歩けるわね……)チラ


少年「……」シーン

幼馴染「ぅぅ……ひっく」グス

友人「ふう」ストン


霊能女(何というか、性格出てるわね)フフッ

霊能女(あ、落ち着いたわ。 勝手だけど、ありがと。 泣いてるのを考えたら、ごめんなさいの方がいいかもしれないけど)

スタスタ

――――

『以上、2組、38名』

『計77名』

――――




605VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/10/03(月) 04:59:12.75YB6WUAoAO (4/4)

今回の投下はここまでです。
次回は土曜日の予定です。

小学校の卒業式、全然思い出せない……友人みたいな態度で迎えるんじゃなかったと今更後悔
全く進まない!でもやってやんよへっへ

内容に関してですが、
『友人』や『幼馴染』と書くと違和感があったので、『――――』としました。
全体的に見て、日に日に分かり難くなっている気が……ごめんなさい。


最後に、読んでくださった皆様、ありがとうございました。


606VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/03(月) 07:46:15.21khrYJJpSO (1/1)




607VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)2011/10/03(月) 08:15:22.48sCe8d7Fmo (1/1)

おつですの!


608VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/06(木) 10:38:19.28UOnZ+AODO (1/1)

乙!!
一気読みしちまったぜ



609VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/10/09(日) 02:48:00.08hW0/WQJAO (1/2)

ちまちま投下
寝落ちしそうなので、そうなった時は朝に続けます



610VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/09(日) 07:27:20.76gYcBN+4IO (1/1)

いきなり寝落ちとは、お主できるな!?


6111 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/09(日) 09:15:42.37hW0/WQJAO (2/2)


――――

『卒業生のことば』

「起立!」

ガタガダガダ



「桜の花が咲き乱れ、耳をすませば、鳥の歌声がやさしく語りかける頃」

「僕たち」

「私たちは」

「◎◎小学校を」

「「「「卒業します!」」」」

♪~    ♪~


――――




6121 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/10(月) 16:00:11.30gvSXMWYAO (1/3)


――――




6131 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/10(月) 17:12:36.97gvSXMWYAO (2/3)


――教室――

グスッ ヒグッ エグッ

先生「みんな、卒業おめでとう」

先生「先生はっ、みんなの担任になれたことを誇りに思いますっ!」

「えぐっ、うわぁぁぁぁん……」

「せんせぇー……」

同級女A「ほ、ほらみんな! 泣いてばかりじゃなくて、笑おう? 笑顔で卒業だよ」ウルッ

「でも……」ヒグッ

同級女B「Aちゃんだって泣いてる……でしょ?」エグッ

同級女A「こ、これは目にホコリが入ったから……入ったからよ!」

同級男C「ベタな誤魔化しありがとうございますー」

同級女A「う、うるさい!」ゲシッ

同級男C「いってえ。 暴力反対だ馬鹿!」

同級女A「言葉の暴力反対!」

同級男C「ぐぬぬ」

アハハハ




6141 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/10(月) 17:19:44.05gvSXMWYAO (3/3)


霊能女「先生!」

先生「何? 霊能女さん」ウルウル

霊能女「皆が元気で卒業出来たのは、先生のおかげです。 せーのっ」

「「「「先生! ありがとうございました!」」」」

先生「」ブワッ

霊能女「はい先生」スッ

先生「こ、これは?」グスグス

霊能女「クラスの皆の寄せ書きです。 大事にしてくださいね!」

先生「みんな、みんな……ありがとう……!」

ウワァァァァァァァン…




6151 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/11(火) 08:42:08.40q0sqWcxAO (1/3)


――教室――

ガヤガヤ

友人「すげー、卒業アルバム」ペラペラ

同級女A「あっ、これ前に撮った写真じゃない? 授業中の」

同級男C「ぷっ。 友人寝てるじゃないか」

友人「いや、カメラマンが来た時は起きたけど、眠かったんだよ!」

霊能女「折角の機会だったのだから、意地でも起きておけばいいのに……」

友人「う、うっせー! 他の写真はしっかり撮れてるからいいだろ!」

少年「確かに、他はキレイに映ってますね」

友人「だろ?」

同級女B「本当だー……」




6161 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/11(火) 08:57:24.25q0sqWcxAO (2/3)


同級女B「あ、修学旅行のページ」

少年「見開き1ページですか。 たくさん撮ってますね」

同級女A「正直、ネズミの方に行きたかったなー……」

友人「まだ言ってるよこいつ」

霊能女「何だかんだで楽しんでたけどね」クスッ

同級男C「鍾乳洞のはしゃぎようは凄かったな」ゲラゲラ

同級女A「べ、別にいいじゃないのよ!」

同級女B「石を削って化石を見つける時なんて、アンモナイトの欠片があっただけで、1日中はしゃぎ回ってたよね」

同級女A「」カアアア

友人「あーあったな。 面白かったな、あれ」

霊能女「普段はクールぶっているけど、イベントではテンションが上がるタイプね」

同級女A「うー!」ポカポカ

霊能女「いたたっ」

少年「霊能女」

霊能女「え?」

少年「ブーメラン発言ですよ、それ」

霊能女「えっ」




6171 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/11(火) 09:07:23.15q0sqWcxAO (3/3)


友人「そういえば、小僧は?」

同級男C「また少年……友人かよ!」

同級女B「多分、子役さん待ち? 一緒にいた時に取材の人が来てたから……」

霊能女「大変ねー」

少年「それは誰に対してですか?」

霊能女「いろいろ、よ」




618VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/14(金) 00:32:16.47axURfDsDO (1/1)





6191 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/15(土) 13:56:55.62gmEf+sXAO (1/5)


ペラッ

少年「ああ、これ、以前書いた作文ですね」

友人「お、マジだ」

同級女A「みんないろいろ書いてるわね」

霊能女「まあ、一緒に書いていたし、内容についてこれといった驚きはないわ」

同級女B「忘れた頃に見たら、すごく懐かしく感じるかもねー」

同級男C「そもそも、この文集そのものを忘れたらどうしようもないだろー」

友人「それを言ったらおしまいじゃねえか」




6201 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/15(土) 14:05:39.25gmEf+sXAO (2/5)


トテトテ

幼馴染「みんな~」タタッ

気弱「……」タタッ

霊能女「ああ、幼馴染さん」

同級男C「よーっす。 と……」

友人「あ、お前……」

気弱「」ビク

友人「気弱。 小僧は今いないぞー」

気弱「えと……あっ……」

幼馴染「違うよー。 そうじゃなくて……」


少年「……あれ、既視感が……」

霊能女「奇遇ね、私もよ」




621VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/15(土) 15:17:20.46b9aNo5gJo (1/1)

うまく書き込めない?のでPCより確認


6221 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/15(土) 15:17:23.55gmEf+sXAO (3/5)


友人「最後のページ?」

幼馴染「うん。 最後のページって、空白でしょ?」

同級女B「あ、本当だー」

幼馴染「だからさ、ここにみんなでメッセージを書こうよ!」

同級女A「どういう風に?」

幼馴染「えっと、例えば私の卒業アルバムには、私以外のみんなが私に向けてメッセージを書いてー、って感じで」

少年「なるほど」

霊能女「それなら、本人は帰るまで自分の卒業アルバムを見ない、っていうのはどう?」

幼馴染「それいいね!」

同級男C「ナーイスアイディーア!」

友人「オーナーイスアイディーア!」

同級男C「ナナナナー」
友人「ナナナナー」

「……」

同級男C「イスアイディーアー!」サッ
友人「イスアイディーアー!」サッ

パチン

幼馴染「あははははっ!」

霊能女「また始まった……」ハア

同級女B「ただハイタッチしただけじゃん」クスッ




6231 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/15(土) 15:59:17.80gmEf+sXAO (4/5)


少年「では、小僧君を呼びますか」

友人「そうだなー。 人数多ければ多いほど面白そうだし」

同級男C「じゃ、少年よろしくなー」

少年「はい、行ってきます」

霊能女「あっ、ちょっと待って。 私も行くわ」

同級女A「おー行ったれ行ったれ!」

同級女B「Aちゃん……それ、おじさん臭い言い方だね」

同級女A「え゛」

気弱「い、いや……だいじょ……ぶだと」

同級女A「気弱くんナーイスフォロー!」ガッシ

気弱「ちょ……」カアア

同級女B「わざわざ抱きつかなくても……」

幼馴染「あはは……。 あっそうだ。 2人共、小僧くんもだけど、」

霊能女「子役さんもでしょ? もちろん呼んでくるわよ。 心配無用よ」

幼馴染「うん。 じゃあよろしくねー」

少年「はい、行ってきます。 すぐに戻りますよ」




624VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/10/15(土) 17:16:04.65gmEf+sXAO (5/5)

きりのいいところでここまで。
次の投下は明日。

最近日に日に忙しくて、ちょみちょみとしか書き込めませんでした。ごめんなさい。
だいぶ終わりが近いのに何故か遠い……。

あと、暖かかったり寒かったりする日が続いているので、体調の管理には十分気を配って下さいね。

では、今回も読んでくださって、ありがとうございました。
レスもありがとうございます。


625VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/15(土) 18:46:03.06WYmV8EMuo (1/1)




626VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/16(日) 17:38:41.40nLZhtss/o (1/1)




6271 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/17(月) 02:48:00.33UrLYVnGAO (1/3)


――校門前広間――

ワイワイガヤガヤ

少年「……だいぶ混雑してますねー」

霊能女「本当に。 見つけられるかしら?」

少年「子役さんに関しては、周辺にテレビ局の人が集まっていると思いますよ」

霊能女「それなら逆に目立って、分かりやすいかもね」

少年「じゃあ、軽く探しますか」

霊能女「ちょっと待って」

少年「どうしました?」

霊能女「手」

少年「手?」

霊能女「手をつないで行けば、はぐれないで済むでしょう?」

少年「肩掴んでも大丈夫でしょうに」

霊能女「肩は歩きにくいわよ。 手の方が、ら、楽だし、スムーズだし……手つなぎたいし」

少年「最後の方、ボソボソとして聞こえませんでしたよ。 とりあえず、はい、手」ニギッ

霊能女「あっ」カアッ

少年「じゃあパパっと見つけてしまいましょー」

霊能女「お、おー!」




6281 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/17(月) 02:52:15.41UrLYVnGAO (2/3)


少年「えーっと、小僧君ー。 子役さーん」

霊能女「うーん、大人の壁で把握が出来な……」

グイッ

霊能女「あ、あれ? あれれー」

少年「えっ、ちょっ、何で引っ張られて……?

グイグイ




629VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/10/17(月) 02:54:25.34UrLYVnGAO (3/3)

本気眠ので落ちすみません


630VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/17(月) 23:25:55.57w+gx2BlXo (1/1)


何を言わんとしているかは分かったが、相当眠いんだなww


631VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2011/10/20(木) 20:25:45.00nFtv/ys/0 (1/1)

ぶつ切りでちょいちょい投下するんじゃなくて、ある程度纏まってから投下したらどうだろう
まぁ>>1にまかせるけど


632VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/10/23(日) 10:06:59.25fcrXnCnMo (1/1)




633>>628の続きから ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/30(日) 21:28:57.60QzhyFADAO (1/7)


垢嘗「卒業おめでとーう」グイッ

霊能女「いたたたた……ちょ、離し……」ジタバタ

川男「垢嘗……離してあげなよ」

垢嘗「あー、もういいかな」パッ

霊能女「ふぅ。 あ!貴女は……」

濡女子「霊能女ちゃああああん! 卒業おめでとおおおおん!」ギュッ

霊能女「」ムギュ

濡女子「楽しく小学校生活を終えることが出来るか、本当に心配だったけどん!」

濡女子「あっはあああん、我が子の晴れ舞台を見れて、何年も生きた甲斐があったわあああん!」

霊能父「こらこら、離さないと霊能女が意識を離してしまうよ」

濡女子「うー……」パッ

霊能女「苦しかった……」




6341 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/30(日) 21:34:13.86QzhyFADAO (2/7)


霊能女「あ、少年君は!?」ハッ

霊能父「現在進行で手を繋いでいるじゃないか」

霊能女「あ」

少年「」ゼェーハァー

濡女子「うふふ、微笑ましいわねん」

垢嘗「片方はそれどころじゃないけど。 何でかしら?」

川男「垢嘗が強引に引っ張ったからでしょ……人が多いのに……」

霊能父「ぶつかり過ぎた、と」

少年「その通りです……」ゼェーハァー

川男「ほら」

霊能女「ごめんなさい……」ショボン

垢嘗「あー、ごめんね」

少年「だ、大丈夫ですよ」ゼェーハァー




6351 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/30(日) 21:38:24.58QzhyFADAO (3/7)


霊能女「それで、何で私たちを捕まえたの?」

濡女子「世間話していたらん、貴女達が視界に入ったからよん」

霊能女「それだけ?」

濡女子「それだけ。 垢嘗こき使って捕まえちゃったん」ウフフ

垢嘗「こき使われてお嬢誘拐しちゃいましたー」ヘラヘラ

霊能女「はあ、ふざけないでよ……。 今急いでるの」

濡女子「あーごめんねごめんね、興奮しないでん。 髪の毛濡れちゃうわよん?」

霊能女「それはお母さんの事でしょ」

濡女子「あ、本当ねー」ビチョ

霊能父「ちょ、濡れてる濡れてる! タオルで吸うぞー」

濡女子「あらありがとん」

川男「今の会話中に……興奮するような要素無かったんだけど」




6361 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/30(日) 21:41:59.98QzhyFADAO (4/7)


少年「そうだ、川男さん。 地域の人の祝辞で出てましたね。 とても感動しました。 ありがとうございました」ペコ

川男「そう言ってもらえると……うれしいね」

垢嘗「聞こえのいい言葉を羅列しただけじゃない」

濡女子「分かってないわねん……」ハア

霊能父「まあまあ……」ハハハ…

霊能女「それじゃ、私と少年君はまた行くから」

濡女子「あら残念。 帰ったら質問責めするからねん。 首を洗って待ってるわん」

霊能父「なぜ首を洗う」

濡女子「あとアルバムも見せてよん」

霊能女「はいはい分かったわよ。 帰ったらねー」タッタッ

少年「また手をつな……おっとっと」タッタッ



垢嘗「あー若いわねー。 はあ……」

濡女子「長い間生きてるくせに、処女な垢嘗も、まだまだ若いわよん」

垢嘗「褒めてるの? それとも遠まわしに『売れ残り』って言ってるの?」

濡女子「んー、ノーコメントなのら」ニヤニヤ

垢嘗「ド畜生殴らせろ!」

川男「くだらな……いや低レベルな挑発に乗らないの……」

霊能父「はははっ。 相変わらずの光景だ」

川男「暢気な事を言っているのも……相変わらずで」

霊能父「はははっ。 違いないな」




6371 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/30(日) 23:01:26.59QzhyFADAO (5/7)


霊能女「人が多くて、見通しが悪いわね」キョロキョロ

少年「校門前はどうですか?」

霊能女「そういえば行ってなかったわ。 行きましょ」

少年「それでは。 僕が先に行きますので、ちゃんとついて来て下さいね」

霊能女「いや、手繋いでるからついて来れるわよ」フフッ

少年「ですね」アハハ




6381 ◆SSsPX8jRvCIN2011/10/30(日) 23:06:46.82QzhyFADAO (6/7)


――校門前――

「どうもありがとうございましたー。 子役ちゃん、夕方頃に流れると思うから、楽しみにしててね」ペコ

子役「ありがとうございましたー」ペコ


少年「あ、いました」

霊能女「本当? ん、本当だ」

少年「ああ、近くに小僧君もいますね」

霊能女「ナイスね」

少年「ちょっと呼んでみましょう。 おーい」

クルッ フリフリ

霊能女「気づいたわ。 行きましょ」フリフリ

タッタッ




639VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/10/30(日) 23:08:37.08QzhyFADAO (7/7)

ここで切ります。
次回は水曜日の予定です。

確かにある程度纏まってから投下の方がいいですね……。読みにくいですし
以後、書きためて投下していきます。

読んで下さって、ありがとうございました。


640VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県)2011/10/31(月) 09:55:41.68mE0a0m860 (1/1)

水曜日かー
wktkしながら待ってるわ


6411 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/03(木) 06:21:13.68JpBCYXFAO (1/4)


少年「小僧君ー。 子役さーん」タッタッ

子役「少年君に、霊能女さんだ」

小僧「お二方、どうしたんだい?」

霊能女「えっと、教室のほうで、幼馴染さんの提案でちょっとやろうってことでね……」

子役「何をどうするのか全く分からないよ」

少年「ちゃんと説明しますね。 卒業アルバムの最後のページは空白になっていて、好きに書けるようなんです」

小僧「ああ、今袋に入れて……あったあった」ガサゴソ

子役「これの最後のページ?」ソソッ

小僧「えーっと……」ペラペラ

霊能女(うわっ、2人の距離が近い!近すぎる!)キャー

小僧「これ?」

少年「それです。 霊能女、どうしました?」

霊能女「あれ。 ちょっとおかしかった?」

子役「どれ、私が診断しよーではないかー」

小僧「いや、止めよう。 面倒になっちゃいそうだから」

霊能女「ていうか、何で医者みたいに?」

子役「今度あるドラマに影響されてまーす。 私も出るから見てね!」イエイ

少年「宣伝ですか」




6421 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/03(木) 06:26:20.88JpBCYXFAO (2/4)


小僧「で、最後のページ開いてどうするのかい?」

少年「ここに自分以外の参加者にメッセージを書いてもらいます」

子役「あ、分かった! それ書いてもらって、帰ってから見ましょー、って感じだよね?」

霊能女「あら、その通りよ」

小僧「なるほど。 面白そうだね」

子役「それを今から?」

少年「はい。 そのメンバーに2人も、という訳です」

子役「おっけい! で、その会場は?」

霊能女「教室よ」

子役「よーしっ! 善は急げだし、小僧君、ダッシュだよ!」ダダッ

小僧「あっ、速い……。 それじゃ、先に行くよ。 子役を見失いたくないから」ダダッ




6431 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/03(木) 06:31:20.80JpBCYXFAO (3/4)


霊能女「……いちゃいちゃして」

少年「すごいですね」

霊能女「いいなぁ」ボソボソ

少年「何か言いました?」

霊能女「え? いいいや、な何でもない……」

少年「では戻りましょうか。 ある程度は人も減りましたし……」

ギュッ

少年「……えと、別に手はもう必要では……」

霊能女「気分」

少年「はあ……。 いいですけど。 では戻りますか」

霊能女「ええ」




644VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(九州)2011/11/03(木) 06:36:36.20JpBCYXFAO (4/4)

少量ですがここまで。
祝日なので次回投下は今日にします。

子役の登場シーンを見直して叫びたくなりました。
あああああああああああ

今回も見てくださった皆様、ありがとうございました。


645VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西地方)2011/11/03(木) 08:36:56.28A58lVzAn0 (1/1)

乙です
霊能女ちゃんかわいい


646VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)2011/11/03(木) 11:08:17.02GmUckr5SO (1/1)

あああああああああ


647VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(鹿児島県)2011/11/03(木) 11:51:12.06dRaimW6A0 (1/1)

妹に真顔でキモいって言われた・・・・



648VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(茨城県)2011/11/03(木) 16:19:18.63qASsJ4mZo (1/1)




6491 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/05(土) 21:49:55.35GWHzSGuAO (1/8)


――教室――

少年「只今戻りましたー」

霊能女「ごめんなさい。 帰りにまた親に捕まって……」

幼馴染「遅ーい。 でもこの2人を連れてきて、ありがとう!」

友人「よーし。 じゃあ、始めるか?」

幼馴染「そうだね。 えーっと、今いるのは10人、だよね?」

同級女A「10人でする? 他に呼ぶ?」

友人「いやいいだろ。 書く数多くなると大変だしな」

同級男C「同じくそう思う」

幼馴染「よーし、始めよー。 おーい、そこのみんな、始めるよー」

子役「はいはーい」




6501 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/05(土) 22:12:23.79GWHzSGuAO (2/8)


――――

幼馴染「ここが私で、そこが気弱くん。 その右は同級女Bちゃんね」

同級女B「分かったよー」

友人「よし、これでいいかな。 ちゃんとそれぞれの机にアルバムをセットしたかー?」

子役「ひーふーみー……うん。 ちゃんとセットしてあるよ」

幼馴染「それじゃあ、位置についてー」

小僧「位置につかなくてもいいでしょ……競争じゃないんだから」

同級男C「小僧よー。 人生はいつだって競争なんだぜー? 少し遅ければ、お金を先取りされることだってあるんだよ」

同級女A「12歳が人生語り出した……」

少年「例えも分かりにくいですね」

同級男C「何でそんなに毒吐くの? そんな子に育てた覚えはない!」

同級女A「誰があんたの子だよ」




6511 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/05(土) 22:27:24.13GWHzSGuAO (3/8)


幼馴染「始めるよー?」

少年「C君。 大人しくしましょう」

同級男C「大丈夫だ、うん」

幼馴染「よーい……」

……

幼馴染「どんっ」パンッ

霊能女「わー」テクテク

子役「わー」テクテク

気弱「……わー……」テクテク

少年「え、何ですかこの気の抜けた一体感」




6521 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/05(土) 22:32:07.99GWHzSGuAO (4/8)


――――

友人「おいCの奴、同級女Aのアルバムに何書いてるんだよー」

同級男C「まだ書いてないから! 誤解を招く発言は止めてくれよ」

同級女A「ちょっとー、気になるじゃん」

同級男C「いやだからまだ書いてないって。 変にハードル上がったじゃないか!」

――――

気弱「……」カキカキ

幼馴染「気弱くんは何て書いてるのー?」

気弱「!」ビクッ

幼馴染「あ、ごめんね? 集中してたのに」

気弱「……だ、大丈夫。 小僧君に……ありがとう……って」ボソボソ

幼馴染「そっか。 小僧くん嬉しいだろうねー。 感謝って、言う方も言われる方も嬉しくなるからさ」

気弱「う、うん……」

幼馴染「へっへー。 気弱くん優しいねっ」

気弱「へ? あ……りがと……」




6531 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/05(土) 22:37:23.96GWHzSGuAO (5/8)


――――

霊能女「……」

小僧「どうしたのかい? 子役のところで」

霊能女「あ、いや。 小僧君、すごいこと書いてるなーって……」

小僧「なっ! ちょ、何見てるのさ!」アタフタ

霊能女「書いてたら視界に入ったのよ! どうしようもないわよ!」

小僧「よし、ならば内密に……」

霊能女「別にいいじゃない。 彼女、後で見るんだから」

小僧「子役に見られるのはいいけど、それをバラされるのはよくないから。 恥ずかしくてヤバいから」

霊能女「……分かったわ。 多分、内密にするわ」

小僧「多分ってなんだ。 せめて極力にしてくれよ」


――――

少年「うむむ……」

同級女B「ちょっと、少年君後が待ってるよ……」

子役「待ってまーす」

少年「ああ、すみません……。 ちょっと退きますね」ソソッ

子役「いや、まあ、横からでも書けるけどね」

同級女B「そもそもこれって、霊能女さんのアルバムだよね。 ぱぱーっと書けると思うけど……? いつも一緒にいるから」

少年「かえって書けないんですよ。 いつも一緒にいると、逆に文字で伝えると恥ずかしいですし、改めて伝える事がなくて、筆を起こすのが……」

子役(もうあなた達付き合っちゃいなよ……)




6541 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/05(土) 23:35:38.28GWHzSGuAO (6/8)


同級女B「それなら一言、ありがとう、とかはどうかな?」

少年「いや、それは薄情と思いますけど」

同級女B「んー、じゃあ、手紙書くみたいに色々書くのはどう?」

少年「そこまでスラスラ書けません……。 ちょっと気恥ずかしくて……」

子役「あーもーしゃらくさい! ぐちぐち言うなら無心でありのまま書け!」

少年「は、はい!」

カキカキ

同級女B「そういえば、子役ちゃん。 小僧くんの分は書いた?」

子役「え、ま、まだ、です。 最後に……」

同級女B「何で最後にしたの?」

子役「え、えと、実は……」

同級女B「実は?」

子役「あまりにも書きたい事伝えたい事が多すぎて、逆に何を選別して書けばいいのか分からないの……」ヒソヒソ

同級女B「なるほど。 ブーメラン発言とノロケ発言のダブルパンチだね。 すごくいらっと来た」

子役「と、どうすればいいの……かな?」

同級女B「とりあえずさっさと、無心でありのまま書けばいいと思うよ」ニコッ

子役「笑ってない、目が笑ってないよ」ビクビク




655VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(鹿児島県)2011/11/05(土) 23:38:32.955C/wOFlY0 (1/1)

そうだそうだ

付き合っちゃえリア充め

貴様は爆発させないでおいてやるから


6561 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/05(土) 23:40:05.94GWHzSGuAO (7/8)


――――

幼馴染「みんな書いた?」

友人「みたいだな」

幼馴染「りょうかい! 急いで閉じるー!」ダダッ

パパパパパッ

子役「は、走りながらアルバムを閉じた……!?」

同級女A「迫真の解説ありがとう」

少年「もうこれは持って行ってもいいですか?」

幼馴染「うん。 終わったからねー」

同級女B「さすがにおなかが空いてきた……」

小僧「紅白饅頭食べないのかい?」

同級女B「それは家に帰ってから。 ……ねえ、最後に写真撮っていこうよ。 校門で」

幼馴染「最後の思い出にいいねー。 賛成! みんなは?」

「賛成ー」

子役「決まりだね。 よし行こう!」タタッ

気弱「……」タタッ



少年「最後、ですか……」

霊能女「小学校最後ね。 何か未練でもあるの?」

少年「いえ……。 霊能女、僕は有意義な生活を送れたのでしょうか。 誰かを救えたのでしょうか」

霊能女「知らないわよ、そんなの。 私は貴方じゃないから。 でも、私は貴方に救われた。 貴方と、みんなといて有意義だったわ」

少年「そう……ですか」

霊能女「気負わないの。 ほら、行きましょ」

少年「……はい!」

タッタッタッ




657VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(九州)2011/11/05(土) 23:49:28.90GWHzSGuAO (8/8)

今回はここまでです。遅れてすみませんでした……。
次回投下は、明日は恐らく無理なので、火曜日に。

22:30から23:30は混雑する時間帯なのでしょうか?アクセス出来なかったのですが……。

次回は久しぶりに地の文メインの予定です。いつも以上に痛々しく進行していくと思われます。

今回も読んで下さった皆様、ありがとうございました。




658VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)2011/11/06(日) 22:43:45.15hk56reNMo (1/1)


次も楽しみだ


659VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区)2011/11/07(月) 21:05:44.697qe6AM5ko (1/1)




660VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(茨城県)2011/11/12(土) 13:40:04.91Wp1q5r8Co (1/1)




6611 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/16(水) 01:15:19.78VVpjgbJAO (1/1)

予想外に時間がなく書き溜めも出来ていないので、投下は木曜日にします。
すみません。


662VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/11/16(水) 20:43:13.59uY49VEUco (1/1)

待ってる


663VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越)2011/11/18(金) 14:57:17.013HiruYWAO (1/1)

金曜日!


664 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/19(土) 00:40:41.48knQuIJ2/0 (1/4)


「撮るわねーん」

霊能女のおばさんはそう言って、新品のようなデジタルカメラを構える。
俺の右には少年が、左には同級男Cが並んで立っている。
少年を挟んで向こう側には、小僧と気弱がいる。
また、前には女子達が屈んでいて、いつ撮られても大丈夫なように、目線をカメラに合わせて待っている。
皆、いつもと比べて表情が晴れやかだ。

はい、ポーズ!と聞こえた瞬間に、俺を含めた10人は各々好きなポーズをとった。
俺はピースだと面白みに欠けると思い、右手を正面に突き出すという、シンプルかつ格好いいポーズにした。

シャッター音が鳴り、無事に撮れたことを確認した時、隣のCの野郎が、
「あの構えをカッコイイと思うとか、まだまだ幼稚だなあ」
と小さく呟いたのを、俺は聞き逃さない。




665 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/19(土) 00:47:32.17knQuIJ2/0 (2/4)


幼馴染「今撮った写真、見せてもらえますかー?」

濡女子「いいわよん。 ほらこれ、ちゃんと撮れてるわよねん?」

同級女A「あ、見る見る。 おおー、きれいに撮れてる」

同級女B「私も見るー」

同級男C「横からどれどれ……あー、友人このポーズはないな」

友人「何だと!? いいじゃねーかこれ。 さっきも言ってたけど、これのどこが幼稚なんだよ」

同級男C「これアレだろ。 あの特撮アニメのポーズじゃん」

友人「お前は何も分かっていない。 あれを馬鹿にするのは中途半端にしか知らない奴だ! すっげーぞ、かっけーんだぞ!」ゲシッ

同級男C「あーあーすみませんー。 だから蹴るなお願い」


666 ◆SSsPX8jRvCIN2011/11/19(土) 00:56:04.05knQuIJ2/0 (3/4)


その後、少し離れた所で談笑していた保護者勢も来て、何枚も何枚も撮る羽目になった。
卒業式は子供の晴れ舞台なので、記念として形に残したいのは分かる。 母さんもそう言っていたし。

「写真もうちょっと撮らせてー」
「それじゃあ、小僧君と子役ちゃん、一緒に撮るわよー」

でもそろそろ終わって欲しい。 昼飯も未だに食べていない上、もう小さい針が2という数字にピントを合わせる時間だ。
子供勢は疲れの色が見え始めている一方、大人勢はまだまだやる気に満ちている。
我が子の大事な式のことを、何としても形に残しておきたいのだろう。 始めはまだ良かったが、今はしんどい。
あと、俺は昼飯を食べ次第、同級男D達とサッカーをする約束もしている。
熱を上げ続けているこの状況で、どう帰ろうか……。 空気を読めず、妙によそよそしい感じになるのは御免だ。

そんな風に迷っていると、
「ねえ、そろそろお腹すいたー」
「あらそうねえ。 もうこんな時間なの。 お昼ご飯が遅くなっちゃったわねえ。 すみません、私たちはこれで……」
という幼馴染親子のファインプレー。
これを機に、これで解散、ということになった。 わがままな言い方だけれど、助かった。

こうして、俺達は少し曖昧な感じで小学校から旅立っていった。
旅立ったと言うより、下校したの方が正しい言い方のように思える。



667VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/11/19(土) 01:07:03.05knQuIJ2/0 (4/4)

今回はここまでです。書きためる時間がない……
休日なら何とか出来るかなと思います。

地の文形式より台本形式の方がやりやすいのですが、次回も地の文入ります。

今回も読んでくださってありがとうございました。
今回少なかった分、出来るだけ早く投下できるよう、頑張ります。


668VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)2011/11/19(土) 01:12:18.32IKnR3SbSO (1/1)




669 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 20:13:57.811YztC9zAo (1/10)


皆と別れ、一人歩き慣れた道を進む。
川男さん達とは別々に帰ることにしたのは、単なる気まぐれだった。
ただ、歩いている途中、
「あの家に、まだ誰も居ないのだろうか」
とふと思い、元々の自宅の様子を見ることにした。

父は唐突に出ていって、消えた。
熱せられた水の粒のように、あっという間に。
母は引っ越しという名目で、家を捨て、僕を置いて、消えた。
コンロの炎のように、簡単に。

こんな状況で誰かがいるとは考えられないが、ありきたりなドラマのように、何事もなかったかのように二人が喧嘩でもしているのではと甘い期待を持っていた。

まだまだ子供だな、と思いながら、足を進めていった。




670 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 20:22:07.871YztC9zAo (2/10)


真っ白だった。
何も無かった。
嫌々ながらも描き続けた画用紙は、どうやら誰かに捨てられたらしい。
目の前に映るは、誰も手を付けていない、汚れさえ付いていない白の画用紙。

僕は今日、行き慣れた小学校を卒業した。

僕は今日、住み慣れた我が家を失った。




671SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/18(日) 21:25:00.63AI5QLKtU0 (1/1)

久しぶりすぎて言葉を失った


672SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/18(日) 21:26:17.51cF5J99aSO (1/1)

久しぶりだ
年内に帰ってこないつもりかと


673 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 21:41:05.601YztC9zAo (3/10)


ガチャ

垢嘗「ん?」

少年「……」

垢嘗「少年じゃん。 どうしたのよ。 とりあえず、上がりなさい」

少年「……すみません」

パタパタ



674 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 21:49:27.611YztC9zAo (4/10)


垢嘗「さて、どうしてそんなしけた顔をしているか話しなさい。 しけりすぎて不味そうよ」

少年「……帰り際、元々住んでいた家に行ったのです」

垢嘗「ふむ。 それで? 誰も居ないだろうに」

少年「……誰も居ないどころか、家さえ無くなっていました」

垢嘗「ふむふむ……。 ……え? 家が無い?」

少年「はい」

垢嘗「文字通り?」

少年「文字通り」

垢嘗「……」




675 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 21:55:55.441YztC9zAo (5/10)


垢嘗「……ごめんね、こういう時にどう言えばいいか分からなくて」

少年「いいですよ……変に励まされても、こちらが逆に気を使ってしまいますし」

垢嘗「……川男も言っていたけど。 あんたはここに住みなさい」

少年「……」

垢嘗「あと、気を使わない。 実の両親ではないけど、私たちを家族だと思って接して」

少年「……そう簡単には割り切れませんよ」

垢嘗「……ごめん」

少年「……」

垢嘗「……」

少年「……」ソソーッ

垢嘗「? 何を……」

少年「不束者ですが……よろしくお願い致します」

垢嘗「か、そんないきなり畏まらなくていいから!」アタフタ

少年「ですが……」

垢嘗「と、とにかく! これからよろしくね」

少年「はい。 よろしくお願いします!」




676SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/18(日) 22:16:00.306oxpPedWo (1/2)

少年…


677 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 22:49:25.291YztC9zAo (6/10)


少年「ところで、川男さんはどちらに?」

垢嘗「今買い物行ってるわよ」

少年「あ、そうなのですか」

垢嘗「うん。 ところで、そのアルバムは何?」

少年「これですか? これは卒業アルバムですよ」

垢嘗「ほう。 見せてよ」

少年「駄目です。 僕もまだ見ません」

垢嘗「どうしてよ」ブー



678 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 22:56:27.931YztC9zAo (7/10)


少年「元々していた約束に加えて、自分ルールです」

垢嘗「どういうことよ」

少年「約束は、“家に帰るまで見ない”です」

垢嘗「もしかして、家が無いからずっと見ないつもりじゃ……」

少年「違いますよ。 それに、ここが僕の家でしょう?」

垢嘗「……そうよね。 そうそう! ここが我が家! でも、何で見ないの?」

少年「そこで自分ルールです。 “明日まで見ない”と決めました」

垢嘗「なんと! どケチ!」

少年「いやいや……。 これ僕のですから、権限は僕にあります。 垢嘗さんにどケチと言われましても……」

垢嘗「ぐぬぬ」




679 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 23:07:30.501YztC9zAo (8/10)


少年「明日見るときに呼びますから……」

垢嘗「我慢ならない! うおー、見せろー!」ガバッ

少年「ちょ、危ないですって!」


川男「……ただいまー」ガチャ


少年「抱きついたって無駄ですー!」

垢嘗「あーっ! 当ててんのよ、当ててんのよ!」グイグイ

少年「何やってるんですかー!」

川男「……うるさいなあ……。 ……何やってんの」

少年「ちょ、川男、さん、助け」

垢嘗「私がアルバム一番乗りよ! にゃあああっ!」ギュー

川男「……垢嘗のパソコン、処分しようかな……」

垢嘗「あ、それは止めて。 ほんと止めて」パッ

少年「助かっ……」ガクッ

川男「あ、落ちた」




680 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 23:18:29.581YztC9zAo (9/10)


川男「……垢嘗、理由は後で、食事の時に聞くよ……」

垢嘗「……はい」

垢嘗(やばっ、微妙に怒ってるよ)ビクビク

川男「……今から料理するから……言い訳するならちゃんとしたものを用意するんだよ?……」

垢嘗「はい……。 少年にもちゃんと謝ります。 だからお願い許してパソコンだけは止めて」ビクビク

川男「……場合によるよ」

垢嘗「ちゃんと手伝います!」

川男「……助かるよ。 じゃあどんどんこき使うから……」

垢嘗「はい、喜んで!」アセアセ

垢嘗(アルバムで少年の赤裸々告白を聞いてニヤニヤするのは明日にお預けね……。 我慢……)




681 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/18(日) 23:29:08.171YztC9zAo (10/10)

今回の投下はここまでです。
次回は出来れば水曜日に。

お久しぶりで、遅くなりました。すみませんでした。
もしもしもネット接続も瀕死で時間もなかった……。危うくHTMLオチ

年が変わるまでに、出来るだけ多く投下出来ればと。

最後に、久しぶりながらも読んで下さった皆様、ありがとうございました。


682SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/18(日) 23:48:25.986oxpPedWo (2/2)

投下中にレスしてスマンかった
無理しない程度にじゃんじゃん投下してくだせえ!


683SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/18(日) 23:52:50.98ynGiS6zNo (1/1)

乙!!

落ちなくて良かったよぉ~

無理せずがんがれ
待ってるから


684SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/19(月) 14:11:03.83zR4XsWRSO (1/1)

久しぶりすぎワロタ


685 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/23(金) 18:07:18.94RUzuSB0Vo (1/9)


――――――――――――――――――――


――川男宅・部屋――

少年(何で僕は、ここで寝ているのでしょうか)

少年(二人の好意には感謝してもしきれないほどですが、何かが間違っていなければ……)

少年(皆のように、家族と一緒に成長していけた、はず、ですよね)

少年(……)




686 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/23(金) 18:18:07.17RUzuSB0Vo (2/9)


少年「どこから、何が間違っていたのでしょうか……」ボソ

少年「……」

少年「……あの人達の仲を良くしていけなかったから?」ボソボソ

少年「人を救うなんて決意をしたから? 中途半端な決意だったから?」ボソボソ

少年「もっと皆と親しくなれなかったから? 僕は見放されるような子供だったから?」グスッ

少年(何で……、何で?)

少年(別にあの人達がいようといなくとも、関係ないはずだったじゃないですか)

少年(別にあの人達が喧嘩しようが何しようが、どうでもいいって思ってたはずだったじゃないですか……)


少年(……でも、幼馴染みたいに、本当の家族として、楽しくしていきたかったですよ……)




687 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/23(金) 18:27:27.05RUzuSB0Vo (3/9)



――――――――――――――――――――


――川男宅・居間――

バタン

垢嘗「少年、寝てたかしら」

川男「……ん。 ……もう、寝てたよ……」

垢嘗「……それにしても、大丈夫かねぇ。 なんというか、色々と」

川男「……分からない。 ……多分、心の中に……溜め込んでいると思う」

垢嘗「勝手に自分なりの答えを出すと思っているけどねー。 私達が何と言おうと、あの子はその意見に納得しないだろうし」

川男「……」

垢嘗「酷だけど、あの子自身が乗り越えないといけない壁だと思ってるわ。 あ、立ってるついでにお茶よろしく」

川男「……はいはい……」スタスタ

垢嘗「……」

垢嘗「……あ゛あ゛ー」グテー



688 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/23(金) 18:33:06.50RUzuSB0Vo (4/9)


川男「……どうしたのさ、台に突っ伏して……」

垢嘗「いやー、正直分かんないわ。 人間のよくわからない微妙な感情なんて、妖怪の私にわかる訳がないわよ」

川男「……今の垢嘗の言いたいことも……ちょっと分かりにくかったよ」

垢嘗「気にしないで」

川男「……はいはい」

垢嘗「あー……人間の生活に適応しているとか、人間くさいとか言っても、結局妖怪は妖怪なのよねー」

川男「……そうだね。 ……人間の生活に適応しているとは 到 底 思えないけど……その通りだ」

垢嘗「何故到底を強調したのよ。 まあいいわ。 この話はお手上げ。 さっさと寝て、明日アルバムでいじるに尽きるわ」スクッ

川男「……変なこと言ったら駄目だからね」

垢嘗「大丈夫に決まってるわよ」

川男「……」

垢嘗「それじゃ、おやすみー」

バッチーン!


川男「……もうちょっと、優しく扉を閉めて欲しいね」




689 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/23(金) 18:38:21.65RUzuSB0Vo (5/9)



――――――――――――――――――――


――土曜日・朝――

ジュワァー シャッシャッ

川男「……朝食、出来た。 ……皆を起こそう」




690 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/23(金) 18:40:53.53RUzuSB0Vo (6/9)


――川男宅・部屋――

川男「……」スッ

カチッ

『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!』

少年「うわああっ!」ビクゥゥゥッ!!

川男「おお、強力……。 ……おはよう」

少年「あ、おはようございます。 って、今のは何ですか!? びっくりしましたよ!」

川男「……これ、会社の同僚に貰った目覚まし時計。 ……中々面白そうだったから……」

少年「奇声で起きるって、何か嫌ですね」

川男「……朝食出来たから……冷めないうちに食べてね」

少年「ああ、ありがとうございます」




691 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/23(金) 18:43:24.60RUzuSB0Vo (7/9)


――川男宅・垢嘗の部屋――

コンコン

川男「……ノック二回したから入るね」ガチャ

川男(ここに置いて……と)スッ

カチッ

『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!』

垢嘗「ふにゃああああああっ!?」ビクゥゥゥッ!!

川男「……二人とも、リアクションいいなあ……。 ……おはよう」

垢嘗「うっ、ううっ……」ビクビク

川男「……あれ。 ……おはよう?」

垢嘗「バカあああっ!!」ガバッ

川男(……怒って布団にこもっちゃった)




692 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/23(金) 18:53:49.22RUzuSB0Vo (8/9)


川男「……ごめんね?」

垢嘗「兄ちゃんの馬鹿兄ちゃんの馬鹿兄ちゃんの馬鹿……」グスッ ブツブツ

川男「……駄目だこれ……。 ……朝食出来てるから、冷めないうちにね……」

垢嘗「うーっ……」グスッ

川男「……ラジオ体操はもうしちゃったから……鈍りたくないなら、自分ですること。 ……いい?」

垢嘗「……」グスッ

川男(……今度は別の目覚まし時計にしよう……)




693 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/23(金) 19:16:04.62RUzuSB0Vo (9/9)

今回はここまでです。
次回は出来れば土日中に投下しようと思います。

何となく一日過ごしていると、自分の周りの至るところにネタがあるのは面白いです。
このSSにも時々そういうのを入れてたりするのですが、入りきらないことが多々あります。
でもそれで単独SS書こうとしたらこのSSが疎かになりそうで怖いです。
ていうか書く時間が欲しいです。頑張ります。

最後に、読んでくたさった皆様、ありがとうございました。
自分の分までクリスマスを 楽 し ん で くださいね。


694SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/23(金) 19:33:18.01HLsAdSOn0 (1/1)

少年…
川男と垢嘗が夫婦すぎるwwww


695SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/23(金) 23:40:50.55gi1DJG4DO (1/1)

>>693
クリスマス?
なにそれおいしいの?


696 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/31(土) 02:02:52.31R1Z3vIy6o (1/9)


――――――――――――

少年「……あれ、もうお昼ですか」

垢嘗「アルバム暴露大会よ!」

少年「あー……、分かりました。 今部屋から取ってきますね」

垢嘗「逃げようと思わないことね」

少年「そんなことしませんよ。 待っててください」

スタスタ

垢嘗「……そういえば川男、出勤かー。 昼ご飯、作ってくれてるかしら」

垢嘗「あらやだ何もない。 やっば……」アセ




697 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/31(土) 02:04:09.85R1Z3vIy6o (2/9)


少年「はい、持ってきました」

垢嘗「大儀である」

少年「何言っているのですか……。 ではまず最初のページからですね」ペラ

垢嘗「お、これは……」




698 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/31(土) 02:05:29.80R1Z3vIy6o (3/9)


少年「ああ、これは入学式の写真ですね」

垢嘗「皆ちっこいわね」

少年「それはそうですよ」

垢嘗「さて、どれが少年かなー? これかしら?」

少年「違いますよ」

垢嘗「これ?」

少年「それも違います。 ノーヒントで頑張ってくださいねー」

垢嘗「何だと」




699 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/31(土) 02:06:57.57R1Z3vIy6o (4/9)


――――――――――――

垢嘗「うわー、どれなのよー。 少年っぽい面影の子いないのだけれど」グデー

少年「時間、かかっていますね……。 面影あるはずなのですが」

垢嘗「テレフォン使用許可を……」

少年「……まあいいですかね。 許可します」

垢嘗「やった!」スタスタ

少年「……誰に電話するのでしょうか」




700 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/31(土) 02:07:58.53R1Z3vIy6o (5/9)


――――――――――――

濡女子「おじゃまするわよーん」

垢嘗「どうぞどうぞ上がってー」

霊能女「どうも、少年君」

少年「……な、なるほど」

霊能女「?」

少年「いえ、何でもないですよ」




701 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/31(土) 02:09:01.69R1Z3vIy6o (6/9)


垢嘗「それじゃ、濡女子さんはこちらでー……」

濡女子「家に上げてすぐキッチンに誘導。 ……事情は察したわん。 とりあえず、自分で作れるようになりなさいねん」

垢嘗「はい……」

濡女子「まあいいわん。 今は向こうへ行って、子供たちと遊んでいなさいねん」

垢嘗「はいはいー、ではではー」

濡女子「切り替え早いわねん……」




702 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/31(土) 02:09:59.78R1Z3vIy6o (7/9)



霊能女「それで、本題は?」

少年「ああ、垢嘗さんにノーヒントのクイズを出していて、垢嘗さんが一向に分からず満身創痍という有様で……」

霊能女「どんな?」

少年「入学時の僕はどれか、という問題ですよ」

垢嘗「そう! そういうことで、助太刀頼むわね」

霊能女「……答え、教えてあげなかったの?」

少年「言われてませんし」

霊能女「あー、そう……。 まあいいわ。 垢嘗さん、これが少年君よ」

垢嘗「は?」

少年「正解です」

垢嘗「は? は? 速くね? 驚きで昨晩の垢を戻しそうだわ」

霊能女「そんなこと報告しなくていいわよ……」




703 ◆SSsPX8jRvCIN2011/12/31(土) 02:10:57.24R1Z3vIy6o (8/9)


垢嘗「それにしても……へぇー、これが」

少年「はい、それが当時の僕です」

垢嘗「言われてみれば……あーなるほど」

霊能女「案外ぱっと見で分かったけど……」

垢嘗「さすがお嬢。 少年の正妻」

霊能女「な、なあっ!? ぶ、ふふ、ふざけないでよー!」カアッ

垢嘗「オーオーナイスリアクション」ブフッ

霊能女「ああああーもう!にゃあああああ!」ブンブン

少年「何言ってるのですか……」ベチン

垢嘗「痛ったあああ! ちょ、アルバムの角は冗談じゃないわよ!」ジンジン

霊能女「少年君! それ貸して! だぁあああっ!」ベキッ

垢嘗「づああああああああっ!」ズギャァァン




704SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/31(土) 02:22:01.30R1Z3vIy6o (9/9)

今回の投下はここまでです。
次回は年明け、5日までに投下出来れば。

全然投下できず、すみませんでした。
こんなペースで終わるのか本当に不安です。
天邪鬼の仕業なんだこれはきっと……。
とりあえず、楽しくやっとけば何とかなるかなと思いましたとさ。

最後に、今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。
良いお年を。


705SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)2011/12/31(土) 03:00:09.346JGxLp/+o (1/1)

おつつー!


706SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2011/12/31(土) 05:18:46.58z0V+NVTSO (1/1)




707SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b)2011/12/31(土) 09:44:42.340adAa/dSO (1/1)

乙した


708VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2012/01/24(火) 22:16:45.11p1SLs8cAO (1/1)

まだかなぁ


709 ◆SSsPX8jRvCIN2012/01/28(土) 18:47:25.073IQIbNeZo (1/1)

生存報告
5日どころか2月になりそうです。
申し訳ございません。


710VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/01/29(日) 21:10:18.58RsCNbjbAo (1/1)

待ちますぞ


711 ◆SSsPX8jRvCIN2012/02/05(日) 18:19:29.86Qhap1oPmo (1/2)


少年「歓迎遠足、運動会、修学旅行……」

霊能女「よくまあ、写真が残っているわね」

少年「凄いですね」

霊能女「私のところなんて、アルバムに保管しても、そのアルバム自体を無くすから……」

垢嘗「元も子もない。 あと、びちゃびちゃになったりとか?」ヒリヒリ

濡女子「何か言ったかしらん?」

垢嘗「いえ何も」

少年(図星ですか)

濡女子「しょうがないわよん。 そういう性質なのよん、私。 嫌ぁね、ホント」

垢嘗「自らのアイデンティティ否定してるよ……」

霊能女「前も言ってた、というより、いつも言ってるわ。 普段の状態なら制御出来てるのに、いちいちリアクション大きいのよ」

濡女子「親をいじめないで欲しいわん」




712 ◆SSsPX8jRvCIN2012/02/05(日) 18:24:34.56Qhap1oPmo (2/2)


垢嘗「へぇ、授業風景の写真もあるの」

霊能女「って言っても、これは皆意識しているから真面目に見えるのよ。 実際はうるさいの何の……」

少年「否定はしません」

垢嘗「そんなものかしらね」

濡女子「え? 授業参観の時はん?」

霊能女「同じよ。 いい子ぶっちゃうのよね」

垢嘗「ふーん」




713VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/05(日) 23:50:34.56i3/xNeyjo (1/1)


最近忙しそうね?


714 ◆SSsPX8jRvCIN2012/02/06(月) 19:42:06.34Q/Ig90Qfo (1/5)


濡女子「もうちょっとしたらできるから、待っててねーん」

垢嘗「はいはーい」

少年「それなら一旦片付けましょうか」

霊能女「待って。 天然ものの心霊写真があるわ、これ」

垢嘗「よく判ったわね。 まあ、当然かしらね、霊を見れるんだし」

少年「どれどれ……これ、ですか?」

霊能女「そう、これ。 いつも見るあの幽霊ね」

垢嘗「いつもいるって……なんじゃそりゃ」

霊能女「ご丁寧にピースサインして……」ハァ

垢嘗「愉快な幽霊ですこと。 ってこれ、よく見かける幽霊だし……」

少年「目立ちたがり屋ですね」アハハ




715 ◆SSsPX8jRvCIN2012/02/06(月) 19:54:48.14Q/Ig90Qfo (2/5)


「いただきます」

濡女子「今度からは自分で作りなさいよん? そんな何度も来れるわけじゃないんだからん」

垢嘗「気をつけまーすよー」

濡女子「ハァ……」

少年(僕も作れるようにしましょう……)

霊能女「……色々作れるようになりたいわ」

濡女子「手伝っている間に覚えると思うわよん。 大丈夫大丈夫」フフッ

垢嘗「へーなるほど」

濡女子(こっちはあまり大丈夫とは思えないわん……)



716 ◆SSsPX8jRvCIN2012/02/06(月) 19:58:08.50Q/Ig90Qfo (3/5)


――――

垢嘗「ありがとうねー、ワガママに付き合わせちゃって」

濡女子「全くよん。 でも、楽しかったしいいわよん」

垢嘗「お嬢の照れっぷりというか、恥ずかしっぷりは……」

霊能女「あああああ! 言わないで!」

垢嘗「別に本人の前で寄せ書きを見ようが構わないでしょうに」

少年「まあまあ……後で見ることにしますよ」

霊能女「少年君! 言ったら駄目だから! そこの人にだけは言わないでー!」

垢嘗「そこまで言わなくてもいいじゃないのよ……」

濡女子「まあ、確かにそうねん。 コイツがこれを知ったら、ずっとうちの子をからかい続けそうだしねん」

垢嘗「な……何ぃ……? 尚更気になる」

霊能女「じゃ、じゃあ帰るね! 少年君、じゃあね」

少年「はい、さよなら」



717 ◆SSsPX8jRvCIN2012/02/06(月) 20:27:35.09Q/Ig90Qfo (4/5)


垢嘗「よし、早速見ようか」

少年「その前に掃除などやりましょう」

垢嘗「あ、ぅ、うぐぅ……はい、やりますよー……」

少年「そろそろ川男さんが帰ってくるのでしょう? それに……」

垢嘗「あー言いたいことは分かったから。 うー、でも中身、気になるなあ」



718VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/06(月) 20:34:07.69Q/Ig90Qfo (5/5)

今回は中途半端ですがここまでです。
二月末までに1~2回出来ればと

今回もありがとうございました。


719VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/02/06(月) 21:51:06.58OdI7M8wvo (1/1)

なんかもう家族って感じだな


720VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/02/06(月) 22:26:42.11pT9gjbr50 (1/1)


自分に無理はさせたらいかんよ


721VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/04(日) 09:52:29.61blf0Fy3SO (1/1)

いつの間にやら3月


722 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 00:42:52.251yaamRmZo (1/9)

うわあっという間に3月
一度も投下できず、申し訳ありません。
今から投下します。


723 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 00:44:19.101yaamRmZo (2/9)


――――

川男「……ただいま」

垢嘗「おかえりおかえりー。 ご飯にする? お風呂にする? それとも」

川男「……それ全部……僕がすることだよね……。 ……垢嘗、何でもいいから……何かできるようになりなよ」

垢嘗「ふふふ……。 ところがどっこい、ご飯は出来ているのだよ!」

川男「は? ……すみません、家を間違えたようで……失礼します」

垢嘗「ホント失礼ね」

川男「いやいや、そんなことがあるわけがない。 何物だ」

垢嘗「私以外の何者でもないわよ、ふざけんな」

川男「そんな馬鹿な、そんな馬鹿な……」

垢嘗「落ち着きなさいよ。 黒い方みたいになってるわよ」

川男「おっと……危ない……」




724 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 00:46:41.431yaamRmZo (3/9)


――川男宅・居間――

少年「ああ、川男さん。 おかえりなさい」

川男「……うん、ただいま。 ……本当だ……夕飯が出来ている……」

垢嘗「ふふん、どうよ。 ほら、さっさと着替えて食べましょう」

川男「……う、うん」




725 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 00:49:06.291yaamRmZo (4/9)


――――

川男「……それで、これは何があったの?」

垢嘗「それはもちろん、私が本気出して……」

少年「昼間に霊能女と霊能女のお母さんを呼びまして、その際に作ってもらったんです」

垢嘗「はぅあ!」

少年「昼だけでなく、結局夜の分まで作ってもらいまして……申し訳ないです」

川男「……なるほど……今度、濡女子さんにお礼を言わないとね……。 ……で、垢嘗?」

垢嘗「あ、あははー……あー味噌汁おいしいなー」ヘラヘラ

川男「……自信満々に嘘をついて……平気で味噌汁啜ってる口はどの口だ……!」ガシッ

垢嘗「ふいいいい! いはいいはいほっへいはい!」アウアウ




726 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 00:50:19.461yaamRmZo (5/9)



少年「嘘って……。 あ、でも垢嘗さん、夕食作り手伝ってましたよ。 昼は任せっきりでしたけど」

川男「……」パッ

垢嘗「ふはっ。 痛い……」

少年「踏んだり蹴ったりですね。 そして、口は禍の門ですね」

垢嘗「殴られて鷲掴みされてもう散々よ。 あれ、肉……」

少年「大変美味しゅうございました」モグモグ

垢嘗「な、何……だと……?」




727 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 00:51:24.591yaamRmZo (6/9)



川男「……ああそうだ。 ……少年君、今日の夜……22時に公園前って……黒が」

少年「川男黒さんが、ですか?」

川男「……うん」

垢嘗「珍しいわね。 黒い方から少年って。 ていうか、接点あったのね」

少年「まあ、一応……」

川男「……夜遅いし、あまり行かせたくはないけど……」

垢嘗「私は夜道に慣れてるから平気だけど。 ま、確かに不安ね」

少年「いえ、大丈夫ですよ。 僕も慣れていますし」

垢嘗「こら」




728 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 00:52:17.641yaamRmZo (7/9)


――公園前――

少年「……ここで、いいのでしょうか?」

少年(川男黒さんが見当たりませんが……)

少年「……ちょっと、早かった……のでしょうか」


ブウゥゥゥゥ……ン


少年「……車、ですかね。 川男黒さんでしょうか」




729 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 00:55:28.821yaamRmZo (8/9)


少年「……違ったようですね。 そして、遅いですね」

少年「もしかしたら反対側の入口とか、ですかね。 見に行ってみますか」クルッ


「どうも」ガバッ


少年「!! ンーー、ンーーーー!」モガモガ

「ちょ、そっち持って」

「はいはい。 せっかく被せた袋、取れないようにしてくださいっすよ」

「大丈夫大丈夫。 さっさと連れて行くよ」

少年(な、何が、何が!? 見えない! え、え?)




730 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 00:56:36.861yaamRmZo (9/9)


――――

ガバッ

少年「」プハッ

「無事誘拐成功」

「あー疲れた。 疲れたっす」

「お疲れ様、二人とも」

「……」

少年「あ……え、え? ここは……」

「……車の中だ」

少年「……! あ、貴方たちは、誰なんですか」ビクッ

「何を言ってるのさ。 僕達の顔を見れば、分かるでしょ」



お面A「どうも、巷で有名な、おかめ強盗っす。 今回は趣向を変えて、お前を盗みに来たっすよ」




731 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/05(月) 01:20:27.44t5qjhJQZ0 (1/1)

今回の投下はここまでです。
身の回りが落ち着いたので、週末投下出来そうです。

やっとおかめ強盗までたどり着いて、満足です。
超亀でも、700越えたのは嬉しいな

最後に、今回も読んでくださった皆様、ありがとうございます


732VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/03/05(月) 09:25:42.8680EMHqGa0 (1/1)


大体一年ぐらいこのスレを見てる気がする


733VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/11(日) 18:54:51.2294jD6IC2o (1/1)

乙!
おかめ凄く久しぶりだな


734VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)2012/03/12(月) 09:17:49.36OwYEAjqAO (1/1)

乙です!
最後までついて行くぜ!


735 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/17(土) 19:35:45.23Ts2oITwoo (1/6)


少年「お……おかめ、強盗……」

お面A「どうもっす。 いきなり連れ去られた気分はいかがっすか?」

少年「は、え……あ……」

お面B「あっはは。 流石に驚きすぎて何を言えばいいか分かってないわねえ」

お面C「パニック起こしてるね。 落ち着くまで待っておこう」

お面A「おー優しい。 その間、勝手に自己紹介でもするっすか?」

お面B「意味わかんないわ馬鹿」

お面A「いいじゃないっすかー。 じゃあまず、マイネームイズお面A」

お面A「愉快な強盗団の先鋒、素顔はおしゃべり好きのお面Aでございます。 以後お見知りおきを」

お面B「ついて行けないからフォローはしないわ。 散らかした発言はちゃんと片付けなさいよ」

お面C「同じく」

お面A「ぐへっ」




736 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/17(土) 19:38:59.66Ts2oITwoo (2/6)



お面B「私はお面B。 そこのチビの母親ね」

お面C「チビ言うな母さん。 あ、そこのチビじゃないからね、お面Cだからね」

少年「は、はあ……」

お面C「駄目だ、ついて行けてない。 どうしてくれるんですか先輩」

お面A「知らないっすよ。 ガム食べてるから関係ないっす」クチャクチャ

お面B「ガムを今すぐ吐き出せ。 無関係装うんじゃないよ」

お面A「そこ拾ってくるっすか。 本当に都合のいい女っすね」

お面B「後で公園で決闘するわよ。 アンタのその腐れた口を銃弾でブチ抜くわよ」

お面A「あらやだ怖い。 助けてリーダー! ああ、この人がリーダーっす」

お面C「はいこれで自己紹介終わり。 お疲れさまでしたー」

お面D「……」ハァ…

少年「……」




737 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/17(土) 19:45:10.38Ts2oITwoo (3/6)


少年「あ、貴方たちは……何故僕を……」

お面A「『誘拐したのか?』っすか。 勿論、人質に……」

少年「!」ビクッ

お面B「ってのは冗談。 ただ、アンタに話があってね」

少年「話……?」

お面D「……お前、最近、親に捨てられて、家も失ったそうじゃないか?」

少年「!! なんで、それを」

お面A「ふっふふー。 リーダーはね、何でも知ってる、凄いリーダーなんすよー?」

お面D「ある程度は、な。 それで少年、親の居場所を知りたくないか?」

少年「し、知っているのですか!」

お面B「勿論。 なぜって? 今からそこに突撃するからよ」




738 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/17(土) 19:50:46.57Ts2oITwoo (4/6)


少年「!!」

お面C「おーおー、また驚いてるね。 いい反応で楽しいよ。 先輩、そこのガムの紙下さい」

お面A「紙? ちょっと待つっす。 今ガム吐くっすから」

お面C「いらねーよ馬鹿」

お面A「えー」チッ

お面C「と言いつつ紙をくれる先輩は面白い」

お面B「それで、よ。 アンタの親、ここからある程度距離のある所で悠悠自適に過ごしているわ」

お面A「しかも豪邸」

お面D「しかも実家」

お面C「しかもキナ臭い」オリオリ

少年「そう、ですか」




739 ◆SSsPX8jRvCIN2012/03/17(土) 19:55:05.87Ts2oITwoo (5/6)


お面A「あ、連れて行かないっすよ」

少年「え? さっき人質って……」

お面C「さっき、それは嘘だって言ったよ」

お面B「あと、あまり会わせたくはないわね。 特に今は」

お面A「夢は夢のまま、とっておかせるっすよ。 現実は非情、母親は異常」

少年「そんな」

お面D「……お前は、母親に関して色々な思いを持っている。 本人に言いたいことが沢山あるだろう」

少年「……そうです」

お面D「だからこそ、だ。 あれは……あまりにもどうしようもない。 あれは今、少年に居られると困るようでな」

お面D「少年、お前を母親に会わせることは、お前を殺すことと大差ないんだ」

少年「……それ、どういうことですか」




740VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/17(土) 20:01:55.42Ts2oITwoo (6/6)

すみません、今回はここまでです。
次はちょっとした説明回。 明日の予定です。

1年もかかってしまった

今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。


741VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/03/18(日) 02:14:58.6897gRmhuVo (1/1)

おおなんか急展開
続きに期待!


742VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/03/18(日) 13:30:14.44g9cu8nxy0 (1/1)




743VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2012/03/28(水) 20:46:42.47rf7RyFTAO (1/1)

もう明日だぜ


744 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/04(水) 15:02:09.79xboN3DC5o (1/9)

説明回なんて言うんじゃなかった…
手が止まってしま

遅れてしまい、すみませんでした。
投下します


745 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/04(水) 15:03:58.04xboN3DC5o (2/9)


お面D「少し長くはなるだろうが、聞いてくれ」

お面D「まず、お前の母親がどのような人間であるか、から話そうか」

少年「……分かりました」

お面D「はっきり言うと、結婚詐欺師だ」

お面A(本当にはっきり言ったっすね)

お面D「“母親”なのに“結婚詐欺師”というのは、矛盾していると感じるだろうが……事実だ」

お面B「騙されやすい男を狙っては関係を持ち、贅沢に贅沢を重ねて、最後は捨てる。 という感じ?」

お面D「そうだな。 被害に遭った男達は、数十人に上る」

お面D「中には、借金まみれとなって全てを失った者や行方不明になった者もいる」

お面A「どいつもこいつも騙されてオトされて、そして人生の階段からも落とされたっすか」

お面C「哀れなもんだね」




746 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/04(水) 15:13:58.17xboN3DC5o (3/9)


お面D「そんな中、お前の父親は、母親にしつこく迫り続けた結果、結婚にこぎつけた」

お面D「そしてお前が生まれた訳だが、母親にとって、結婚も出産も、非常にまずい話だったろう」

少年「何故、ですか?」

お面B「だって、今後、金を騙し取れなくなるし、下手すれば逮捕……なんて可能性だってあるわけよ。 馬鹿みたい」

お面D「……妊娠中に、腹の中のお前を使って、脅迫まがいのこともやっていたようだがな」

お面B「あら、そう」

お面D「まあ、頃合いを見て、時が来たらお前を捨てる、という感じだろうな」

少年「そんな……」




747 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/04(水) 15:23:58.21xboN3DC5o (4/9)


お面C「今話している限りだと、スキがあるし、バレやすいと思うけど」

お面D「いや、違う。 奴の母、つまり、お前の祖母もまた似たように、詐欺や恐喝を生業としている」

お面C「うわあ。 少年、心底同情するよ」

お面D「警察のお偉いさんの中で、そいつに弱みを握られている奴なんて普通にいるからな」

少年「それってつまり……」

お面D「どれだけ不審に思っても、明確な証拠があったとしても、警察は取り扱ってはくれない。 ってことだ」

お面C「というより、潰される?」




748 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/04(水) 15:34:13.01xboN3DC5o (5/9)


少年「僕が邪魔なのは、僕の存在があると、騙すことが出来ないからですか」

お面D「そうだろうな。 詐欺でなくとも、好きな女に子供がいたと知ったら、大概の奴は離れる」

お面B「それでもいいって言ってくれる男なら、本物ね」

お面C「その例え、すごく身近な話な気がする」

お面B「言わなくてよろしい」

少年「つまり、邪魔だから殺す、もしくは消す、ということですか」

お面D「……だな」

お面A「物騒っすねー」




749 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/04(水) 15:44:25.33xboN3DC5o (6/9)


少年「……昔、両親は仲が良くて、3人で公園に行ったり、遊園地で遊んたりしていました」

少年「しばらくしてから最近まで、ずっと仲が悪くなり、僕もうんざりしていました」

少年「家から抜け出したりもしていましたし……」

少年「それでも、心のどこかでは、また仲が良くなって、家族皆で楽しく暮らしたい。 という気持ちがありました」

少年「でも、今の話を聞くと……もう、……っ」

お面C「……初対面の強盗の話だよ? 別に信じなくとも……」

少年「いえ……。 リーダーさん、僕の母もしくは祖母は、裏社会みたいなものとも繋がっていますか?」

お面D「ああ。 立場が中々でかい奴らだからな。 裏の人間をこき使うことも出来るほど」

少年「そうですか。 それなら、一晩で家を消すことも出来ますよね?」

お面D「……場合によるが、出来ないこともないな」

お面A「そんなこと出来るんすか? やり方、凄く気になるっすね」

少年「……」




750 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/04(水) 15:53:58.20xboN3DC5o (7/9)


少年「……初対面でも、強盗でも、構いません。 僕は貴方たちを信じますよ」

お面C「え? まじで?」

少年「他にも色々と気になることはありますが……」

お面C「信じる分には構わないけど、君将来騙されるよ」

少年「ですね。 あー、本当に泣きたいですよ。 もう、何ででしょうね。 あー……」

お面A「……」

お面C「……ほい、バラ」ポイ

少年「え?」

お面C「ガムの包みで作ったバラ。 同情を込めて。 申し訳ないけど、こういう時、どう励ますかなんて知らないから」

少年「あ、ありがとうございます……」




751 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/04(水) 15:59:28.11xboN3DC5o (8/9)


お面A「うわ、それずっと作ってたんすか。 あんな話の中でも? 冷酷っすねー非情っすねー」

お面C「悔しいけど認める」

お面B「あはは! ん、それじゃあそろそろ……」

お面D「だな。 すまんな少年、勝手に誘拐して」

少年「……」

お面A「あれ、もういいんすかリーダー?」

お面D「……ああ」

お面B「それじゃあ、車停めて、降ろしますか」

お面A「おしまいおしまい。 チャンチャン」

少年「……」ジー

お面C「……? どうしたのさ、バラをじーっと見て」

少年「……お面C、でしたっけ」

お面C「ん、はいはい、何かな?」



少年「お面C、貴方は、同級男C……ですよね?」




752VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/04(水) 16:08:12.38xboN3DC5o (9/9)

今回の投下はここまでです。

説明となると手が全く動かないですね。
そしてあーだこーだしているうちにスレの3/4を使ってました。1年でって…

最後に、皆様、今回も読んでくださってありがとうございました。


753VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/04(水) 23:04:58.62DDh5p3SDO (1/1)


これからも舞ってるぜ


754VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)2012/04/04(水) 23:29:40.95wsHkMbmao (1/1)

乙!!

少年頭いいもんな?
バレるよな?


続きまってるよぉ?


755VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)2012/04/05(木) 12:34:31.269mprxECW0 (1/1)

乙!
ついに追いついた! そしてこれからも期待してる。


756 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/15(日) 18:58:24.08/0jw0n0Zo (1/5)


お面C「な、何を言っているのかな?初対面でしょ」

少年「本当に初対面ですか?」

お面A「……何でそういう考えを持ったのか、聞いてみたいっす」

少年「えっと、この……バラ。 僕の友達に、折り紙でバラを作る人がいるんです」

お面B「ふむふむ。 それで?」

少年「その友達のものとそっくりなんです。 よく見てるので何となく分かります。 形が綺麗ですし」

お面C「それだけ?」

少年「それだけです」

お面C「はあーぁー。 なんだそれ。 バラなんて作ろうと思えば出来るし、第一、そっくりってなんだよそっくりって」

お面C「どの位似ているかなんて知らないけど、それが根拠なんて馬鹿馬鹿しいね」




757 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/15(日) 19:18:07.80/0jw0n0Zo (2/5)


少年「……」

お面C「まだ納得しないの。 しつこいなあ」

少年「……僕は水曜日、どのような理由で学校を休みましたか?インフルエンザですか?」

お面C「何を唐突に。 建前はインフルエンザだろう」

お面A「え、よく知ってるっすね」

お面C「そりゃそうだよ。 だって調べたし」

少年「そうですか。 何故?」

お面C「は?」

お面B「え?」

少年「もしお面Cが同級男Cでなかった場合、つまり僕と接点がない場合」

少年「貴方達が知るべきことは、僕の母に関する情報くらいでしょう」

少年「僕は『ターゲットの子供』でしかないのですから、僕に関する情報なんて必要ないのでは?」

お面A「まあ、そうっすね」




758 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/15(日) 19:26:55.15/0jw0n0Zo (3/5)


少年「調べたということは、少なくとも僕の情報が欲しかったのでしょう」

少年「それでも、水曜日に・僕が・インフルエンザを理由に・休んだ、ということまで調べますか?」

少年「それも建前とまで言って」

お面B「……」

少年「そういえば、学校には欠席理由を疑っている人がいました」

少年「奇しくも疑った人物と今ここにいる人物は、『Cの母』という点で一致しています」

少年「でしょう、お面B“先生”?」

お面B「!」

お面C「!」

お面A「……なんか、すごいっすね」パチパチ




759 ◆SSsPX8jRvCIN2012/04/15(日) 19:37:46.45/0jw0n0Zo (4/5)


少年「……と、つらつらと推理していきましたが……」

少年「正直、取ったほうが早いです」ヒョイ

C「あっ」ペロン

少年「ほら、やっぱり」

同級男C「ち、ちくしょう、油断した……」タジ

お面A「……勇気あるっすねー、一歩間違ったら銃でドカンだったのに」

少年「えっ」

お面D「……」ハァ…

少年「えっと、そ、そういうことで、Bさんは先生で確定ですね」

お面B「あー、まさか素性がバレるなんて……」カパッ

先生「正解よ、少年君」

お面A「なんすかこの、同窓会での『私誰でしょう、あててごらん』『あちゃー正解』みたいな雰囲気」




760VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/15(日) 19:58:51.12/0jw0n0Zo (5/5)

今回はここまでです。
おかめ強盗のうち二人の正体がバレましたが、バラしかたが強引だな……
彼らの目的は?あとの二人の正体やいかに!とか恥ずかしい予告を言って、今回はおしまいです。

今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。


761VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/04/15(日) 21:00:46.62a0VJhHoSO (1/1)




762VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)2012/05/10(木) 18:02:56.82rvtDWbt/0 (1/1)

続きまだかな~


763 ◆SSsPX8jRvCIN2012/05/26(土) 23:06:07.54+FxXG5Ih0 (1/1)

明日投下します


764VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/05/26(土) 23:11:17.96ejNmbfmDO (1/1)

キタカッ!!


765 ◆SSsPX8jRvCIN2012/05/27(日) 18:02:12.98L6I7iqnQo (1/9)


お面A「で、わざわざ正体を当てて、どういうつもりっすか?」

少年「どうするも何も、ただ気になっただけです。 赤の他人のはずなのに、どうしてここまで干渉するのか」

同級男C「結局、他人じゃなかった訳だけどね」

少年「最初、おかめ強盗と知った時は、殺されると思っていました。 僕の人生はここでおしまいか、って」

お面A「親に捨てられ、家を失った時点でおしまいじゃないっすか?」

少年「確かにそうですね」ハハ…

先生「で、今はどうなの? 親の本当の姿を知って、私達の正体を知って」

少年「泣きたい気持ちがぶっ飛びましたよ。 最近、自分の周りで大暴露がありすぎな気がします」

同級男C「衝撃の事実とか大暴露って言葉、テレビでよく聞く陳腐な言葉だよね」

お面A「今言う事じゃないっすよ、それ」




766 ◆SSsPX8jRvCIN2012/05/27(日) 18:09:05.67L6I7iqnQo (2/9)


先生「とにかく、もう話は終わり。 もう、少年君が変に時間取るから、車を止める地点過ぎたじゃない」

少年「す、すみません……」

お面D「……」

お面A「んー、折角だから、この強盗一味の話でもするっすかね」

少年「え? いいのですか……?」

同級男C「どういう風の吹き回し?」

お面A「台風」

先生「何も上手くないわよ。 0点、落第、退学」

少年(今のご時世だと苦情が山のように来そうなことを……)

お面A「辛辣過ぎっすよ! 台風って風強いじゃないっすか!」

同級男C「確かに強いけど……それだけだよ。 季節も違うし」



767 ◆SSsPX8jRvCIN2012/05/27(日) 18:15:10.28L6I7iqnQo (3/9)


お面A「と、とにかく! 俺達の話を特別にしてやるっす。 異論無いっすよね?」

先生「え、い、いや、何もないけど……」

同級男C「さっきの推理に免じて」

お面D「……」

同級男C(いや、だって、なあ)チラ

少年「……」キラキラ

先生(この笑顔……初めて見たわ。 断れない……本当、好奇心強いのね)ウグ

お面A「よし、じゃあするっすよー」

少年「お、お願いします」



768 ◆SSsPX8jRvCIN2012/05/27(日) 18:22:01.65L6I7iqnQo (4/9)


お面A「まず、目的! 私腹を肥やす一部のあんぽんたんを痛い目に遭わすことっす」

少年「あれ、銀行を襲撃していたのはどうしてですか?」

先生「ん、銀行襲撃も豪邸襲撃も目的に則ってるわよ」

少年「そうなのですか。 ですが、元々地道に努力して、富を築いた人だっているのでは?」

お面A「見境なくやってる訳じゃないっす。 勿論ターゲットは限定してるっすよ」

同級男C「だから、“私腹を肥やす一部のあんぽんたん”ってこと」

少年「なるほど」

先生「ま、正義気取れるような身分じゃないけど。 私達がやっているのは犯罪だから」

お面A「っすね」



769 ◆SSsPX8jRvCIN2012/05/27(日) 18:28:40.19L6I7iqnQo (5/9)


お面A「次、動機!」

先生「授業の発表じゃないんだから、そんな『調べた理由』とか『感想』みたいに言わなくていいわよ」

同級男C「それ、伝わる?」

お面A「伝わったっす。 小学校の授業参観で遭遇したっす」

少年「……?」

お面A「まあ、そうは言っても、俺はロマンを求めて始めたもんなんすけどね。 テキトーな動機っす」

少年「えっ」

お面A「えっ」

少年「いや、あの、目的がはっきりしているのに? そんな動機ですか?」

同級男C「だって、なんとなく始めたし。 始めた上で、目的というか方針決めていったし」

先生「私はただスリルが欲しかったっていうので始めたし」

少年「え……」

先生(呆気にとられてる、というより拍子抜けしてる? いや、呆気にとられてるで合ってるか)



770 ◆SSsPX8jRvCIN2012/05/27(日) 18:37:31.23L6I7iqnQo (6/9)


お面D「……少年、現実はそんなもんだ。 小説みたいに、大層な動機を持っている奴なんてそんなにいない」

少年「は、はい」ビク

同級男C(いきなり喋ったから驚いたな、こいつ)ブフッ

お面A「で、いきなり喋ってどうしたっすか?」

お面D「……お前は俺が喋ってはいけないとでも言いたいのか」

お面A「滅相もございませんっす。 で?」

お面D「下ろす場所に着いた」

先生「到着? お疲れ様でしたー」ガチャ



771 ◆SSsPX8jRvCIN2012/05/27(日) 18:44:07.69L6I7iqnQo (7/9)


――公園前――

バタン

お面A「さっさと表の世界に帰るっすよ、片割れの家に直行するっすよ」

少年「そう言われましても、実は元々知人に呼ばれて、公園にいたんですよ。 だから待たないと」

同級男C「へぇ。 不運だったね、そんな中で捕まるなんて」

少年「いえ、逆にそれで真実を知れたので……」

先生「あ、感謝しないでよ。 誘拐されたのに感謝するっておかしいから」

少年「は、はぁ……」



772 ◆SSsPX8jRvCIN2012/05/27(日) 18:46:10.01L6I7iqnQo (8/9)


お面A「ほらほら、さっさと帰るっす」シッシッ

少年「あの、先程も言ったのですが……」

お面A「そんなの別にいいっすよ。 もう済んだことなんすから」

少年「? 何でですか?」

お面A「もうその“知人”に会ってるってことっす」

少年「え、ええ? 知人って……先生でも、同級男Cでもないですよ」

お面A「ヘヘッ……気づかなかったっすか。 推理はまだまだっすね」

少年「……!」

先生(あ、言っちゃうの)

お面A「お、察したっすか?」スッ



川男黒「お面A改め、川男黒だよ。 どうもどうもー、っす」ハハハッ




773VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/05/27(日) 19:00:38.66L6I7iqnQo (9/9)

今回はここまでです。

このSSは基本平和です。 作中の人物達の大体は退屈しています。
物騒な理由なんてないんです。
そんな感じです、今後はそうでもないけど

最後に、今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。


774VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/05/27(日) 21:36:09.76Ooiczmnlo (1/1)

乙!
てっきり父もいるかと思ってたけどそんなことはないのかも


775VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/05/27(日) 22:55:04.727JAETW+DO (1/1)



今後はそうでないとか言われると
構えてしまうじゃまいか


776VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)2012/05/28(月) 21:54:06.14GjMLdd0Zo (1/1)

乙乙!
一気に読み進んで追いついちゃったwww


777 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/23(土) 19:01:14.24ZgB3Hx9Ho (1/7)

15分位したら投下します


778 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/23(土) 19:17:08.27ZgB3Hx9Ho (2/7)


少年「え、な、何故……?」

川男黒「何故って……なってはダメなのかな?」

少年「いや、そうではなくてですね……」

川男黒「なったものはしょうがないね」

先生「なに他人事のように言ってんのよ」

同級男C「むしろ率先してなったけど。 もっと言えば、このグループ立ち上げたのも……」

川男黒「言うなよ、恥ずかしいじゃないっすかー」

少年「……」ポカーン

川男黒「と、いうわけで、帰るっすよー。 何回言わせるっすか」シッシッ

少年「そ、そんな勝手な……」

先生「全く以てその通り」

川男黒「何言ってんすか! 勝手じゃない強盗なんて強盗じゃないっすよー」

少年「落ち着いてください」

川男黒「おっと失敬」



779 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/23(土) 19:22:06.84ZgB3Hx9Ho (3/7)


お面D「……その前に、ほら」スッ

少年「あ、はい……これは、手紙ですか」

お面D「……お前の父親からだ」

少年「え? 何故これを持っていたのですか?」

お面D「それは……」



780 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/23(土) 19:29:20.12ZgB3Hx9Ho (4/7)


先生「はぁ。 少年君、私達が今から、少年君の母親の所へ突撃するっていうのは分かったわよね」

少年「はい」

先生「まあ、それで母親の身辺調査をしてたのよ」

同級男C「だからさっき、あんなブラックな事を暴露できたんだよね」

先生「で、その過程で、あなたの父親に行き着いたわけよ」

同級男C(ああ、そっちに持っていくの……)

同級男C「それで少年の父親からも情報を引き出そうとして色々と問い詰めたわけだ」

先生「そしたらたっぷり吐いてくれたわ。 そのついでに手紙を託されたのよ」

少年「そうだったのですか。 分かりました」

川男黒「よし、もう要件は無いっすね! 急がないと計画が狂うっすよー!」

お面D「大丈夫だ。 落ち着け」ガスッ

川男黒「あぐえっ」ゴンッ

同級男C「ん、じゃあなー少年」

少年「あ、はい、また今度」


ブロロロロロ…………




781 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/23(土) 19:32:04.76ZgB3Hx9Ho (5/7)


――――

川男黒「……はぁ。 リーダー、何で正体を明かさなかったのさ」

お面D「……あー」

同級男C「本来一番会うべき、いや、会いたがってたのはオメーだろ」

先生「とんだヘタレね。 カリスマも糞もないわ。 家庭訪問の時のあのヒョロヒョロに元通りね」

お面D「ここぞとばかりに畳み掛けんな」

同級男C「もうさ、じゃあいつやるの」

川男黒「今でしょ」

お面D「今正体明かしても意味無いだろうが……。 正体知り合ってる間柄だろう」

先生「just nowじゃないわよ。 この機会って事。 本当は分かって言ってるのだろうけど」



782 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/23(土) 19:35:16.82ZgB3Hx9Ho (6/7)


お面D「……確かに、今、だな」ボソッ

同級男C「? どうしたのさ」

お面D「いや、大したことじゃない」

川男黒「そうっすか。 それじゃ、行きますかね」

先生「どこに?」

同級男C「お、とうとうストレスで馬鹿になったね」

先生「なぁーに言っちゃってんのかなー?」グリグリ

同級男C「いだだだだだ、頭痛いから、そこはあかんて」ギャー

川男黒「じょ、冗談っすよね? 本当に忘れてたりは……」

先生「冗談に決まってるじゃない。 ボケたのよ、ボケ」

同級男C「え。 マジ? 今のが? ボケぇ?」

先生「親を馬鹿にするのも大概にしなさいよ?」

同級男C「はい」



783VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/06/23(土) 19:36:48.00ZgB3Hx9Ho (7/7)

すみません、中断します。
明日続きを投下します。


784VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)2012/06/23(土) 20:06:11.35UB7+tGb6o (1/1)

おつ


785VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/06/23(土) 22:06:10.18U/UQvGpDO (1/1)

乙!!


786 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/24(日) 18:38:09.93GKRQP9aJo (1/5)

18:45あたりで続きを投下します。


787VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/06/24(日) 18:45:25.26GKRQP9aJo (2/5)

投下予告をsageてどうすんの馬鹿
それでは投下します。


788 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/24(日) 18:46:28.70GKRQP9aJo (3/5)


――――

少年「」ポケー

少年「……嵐のように去って行きましたね」

少年「……あっ、手紙」スッ

少年(暗くて、よく見えないですね……)

少年「明かり……明かり……」スタスタ

少年「……あれは、トイレ、のようですね」

少年「……」スタスタ

少年(……あ、まさか)


少年(入口から覗いてみますか)チラ


死神「あーだりーめんどくせーよー。 何アレ面倒臭すぎだろー。 あー今日で終わりだけど行きたくねー。 隈やべ」ボソボソ


少年「ほらやっぱりいましたよ!」


死神「うわっ! 誰だ、ってお前……」ビク

少年(逃げますか)ダッ

死神「あっ、お前、ちょ、待てよ」ダッ




789 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/24(日) 19:48:08.19GKRQP9aJo (4/5)


ダッダッ

死神「おいこら待てよ」

少年「待てと言われて待つ奴がいますか、いや、いません」

死神「それじゃ、待つな」

少年「了解しました」

死神「てめ、都合良く解釈しやがって! ガキかお前」

少年「ガキですよ」

死神「そうだったな畜生め」



790 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/24(日) 19:48:39.49GKRQP9aJo (5/5)


ダッダッ

少年(一度トイレに逃げ込んで……)

少年「たあっ」バタン

死神「個室に逃げ込んだか。 おい、なんで俺を見て逃げた」ダンダン

少年「それは勿論、貴方に会うと碌な事がないからですよ」

死神「全くだ」

少年「あ、自覚はあったのですね」

死神「違う。 こっちのセリフだって事だ。 しかしまあ、こんな渋くて格好良い死神様を見て逃げるなんて……」

少年「“死神”を見たら逃げるでしょう。 だって“死神”ですよね?」

死神「あーそうだった」



791 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/25(月) 00:24:52.71r4D8gG2to (1/6)


少年「こちらも質問します。 何故ここにいるのですか?」

死神「仕事」

少年「そういえば以前、仕事があると言っていましたね。 何日目ですか?」

死神「最終日で、そろそろ終わりだ。 ん? お前、何で俺の仕事の期間を知っているんだ?」

少年「あ、えと、そういう小説を読んだことがありまして……」

死神「なんだその小説。 無駄にリアリティあるというか……。 うわなんか怖い」

少年「僕も自分で言ってぞわっとしました。 でも最終日って……まだ仕事中ですよね。 サボりですか」

死神「多分まだ大丈夫だ」



792 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/25(月) 00:31:11.80r4D8gG2to (2/6)


少年「と言われましても……本当に大丈夫なのですか?」

死神「要らない心配だ。 とりあえず、アレだ、今の時間は?」

少年「あそこです」スッ

死神「ドア越しで『あそこ』とか言われても、把握できるわけないだろうが!」

少年「そうでした。 確か、トイレ入口から見て、右奥にあると思います」

死神「そうか。 えーっと……」スタスタ

少年「……」

死神「見てきた。 只今、だいたい23時46分をお知らせしますー。 まだ日付は変わっていないな」

少年「そうでしたか」

少年(そういえば先程の……とても濃い時間でしたが、それだけしか経っていなかったのですね)

死神「……お、どうした?」

少年「いえ、何でもないです」



793 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/25(月) 00:34:02.68r4D8gG2to (3/6)


死神「逆に聞くが、少年は何でここにいるんだ」

少年「簡潔に言うと、知人の呼び出しで拉致未遂、です」

死神「は? もう一度言う。 は?」

少年「自分でも唖然としますよ。 でも事実なのです」

死神「っは。 本当にお前には碌な事がないな」

少年「……確かに、そうですね」

死神「ありゃ、言ったらいけない事言ってしまった? すまない」

少年「いえ、別にいいですよ」



794VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/06/25(月) 03:59:15.38/Y1GltT8o (1/1)

今追いついた



795VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/06/25(月) 07:46:21.08OY5uyQ5DO (1/2)




796 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/25(月) 19:54:35.07r4D8gG2to (4/6)


少年(……そうでした、手紙手紙……)ペラッ

シーン……

死神「お、死んだか」

少年「何物騒な事を言っているのですか」

死神「お、生きてた」

少年「はぁ……」ジッ

『やっほー元気? 絶望してない? 18歳宛ての手紙を読んでないよな? お前のことだし大丈夫だろうがな』

少年(うわっ、凄く軽いですね……)

『手紙越しとはいえ、恥ずかしいけど暴露する! 俺ことお前の元父親は、死にそうだ』

少年「はあ……え?」



797 ◆SSsPX8jRvCIN2012/06/25(月) 19:57:16.74r4D8gG2to (5/6)


『行方知れずだしどうでもいいだろうけど、事実なんだよなー。 分かりきってたことだがなー』

『本当はこの手紙を書くつもりなんて無かったけどな、やっぱり息子に隠し事して死ぬのは不本意だ』

『だから、例の手紙に関することも含めて、洗いざらい吐いてやる。 覚悟しろ』

少年「……」ゴクッ

『近くに知人がいるなら、そいつと一緒に読むといい。 人じゃなくてもいいぞ? 蛾でも犬でも、幽霊でもな』

少年(意味が分からないですが……)ガチャ

死神「出たな少年。 さあかく……お? どうした」

少年「この手紙……一緒に読んでもらえませんか?」

死神「お、おう……」




798VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/06/25(月) 20:14:51.38r4D8gG2to (6/6)

今回はここまでです。
昨日は投下直後に投下できない状況に陥ってしまいました。
簡単に言うと、[田島「チ○コ破裂するっ!」]中家族帰宅みたいな感じです。

投下がバラけてしまってすみませんでした。

最後に、今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。


799VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/06/25(月) 23:27:41.38OY5uyQ5DO (2/2)




800VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)2012/07/01(日) 22:50:36.83/bF62WXio (1/1)

まだかー


801VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)2012/07/01(日) 22:54:54.39SbunEKV4o (1/1)

まだ一週間だ


802VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2012/07/09(月) 00:51:09.47Ovhua68AO (1/1)

まだ慌てる時間じゃない


803 ◆SSsPX8jRvCIN2012/07/22(日) 01:59:11.166kTJIEeG0 (1/1)

申し訳ありません
もうしばらくお待ち下さい



804VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/07/22(日) 07:29:53.810QKNvKWUo (1/1)

わたしまつわ!


805VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)2012/07/22(日) 12:07:08.67hHPoK4Bvo (1/1)

いつまでも舞ってる


806VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2012/08/16(木) 06:22:26.75l//E5uKAO (1/1)

まだ慌てない


807 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 15:22:31.00WI8aEnJ3o (1/11)

――同時刻・少年の母の実家――

キィー…

バタン

少年母「はぁー。 ただいま」

祖母「おや、久方ぶりじゃないかい。 どういう風の吹き回しだい?」

少年母「そんなこと、どうだっていいでしょうが。 私がここに戻ってきたことを知らなかったの?」

祖母「ッハ。 知っているわけがないねぇ」

少年母「そう、ならいいか。 そんなことより、今日はあまり狙いやすい獲物がいなかったわ」

祖母「当たり前じゃろ。 今は休日だし、狙い目のやつなんざ、街から出て行っただろうに」

少年母「かしらね。 かといって、クソ性獣共からは何も出てこないし」

祖母「ハン。 まだまだ未熟だねえ」

少年母「だって私、まだ若いし。 心身共に皺くちゃなアンタとは違うのよ、クソババア」

祖母「ケツの青いなんちゃって売女には言われたくないわ。 脳みそあるか?」

少年母「ふん、言ってろノータリン」

祖母「ズル賢いと言え、下賤な便器め。 それで終わりか? 知識がノミ並みの大きさだな。だから口下手なんだ」




808 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 15:35:10.53WI8aEnJ3o (2/11)


祖母「それで? 意味なく戻ってきたわけではないのだろう?」

少年母「ん。 ほら、結構前、十数年前に半ば強引に結婚した男がいたでしょ?」

祖母「さあ、どうでもいいわいそんな奴」

少年母「はあ……それでさ、最近離婚したのよね」

祖母「金はどうした」

少年母「えーっと……」

祖母「馬鹿女め。 どうせ碌に取れなかったんだろうよ」

少年母「うるさい。 向こう側が予想外に策士で、全く奪えやしない」

祖母「……」

少年母「……何、そんな目で私を見るな」

祖母「救いようもない阿呆め。 大方、金は取られて、親権はお前に、完全に縁を切られ搾取は出来ない」

祖母「仕方なく餓鬼を捨ててここへ逃げ込んだ、じゃろ」

少年母「よくお分かりで、という訳で……」

祖母「ハン、誰が助けるかこんな精液溜まりをよ」スクッ



809 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 15:47:43.96WI8aEnJ3o (3/11)


祖母「それじゃ、今から仕事だから、当分帰ってこないから。 じゃあな」スタスタ

少年母「え、ちょっと……どこ行くのよ」

祖母「だから言ったろう、今から仕事だ、って」バタン

シー・・・ン

少年母「そ、そんなぁ……」



810 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 15:59:08.51WI8aEnJ3o (4/11)


――――

ブロロロロ…

川男黒「リーダー、まだ着かないっすか? と言うより、ゆっくり行ってる気が……」

お面D「いや、これでいい。 全て計画通りだ」

お面C「本来、23時って言っていたのに。 約1時間の遅刻だよ」

お面D「大丈夫だ。 むしろこれでいい。 ……ああ、これでいいんだ」

お面D(流石に記憶が曖昧になっているな……。 いや、記憶する必要は無いのか。 全ては予定調和なのだろう)



811 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 16:16:35.73WI8aEnJ3o (5/11)


お面B「ならいいけど。 ほら、さっさとお面を被りなさいよ。 仕事よ」

お面C「さーて、今回はちょっと私情混じりの仕事だけど。 真剣にやっていこう」

お面A「はい装着。 そしてC、ちゃっかり仕切ってんじゃないっすよ」

お面C「いいじゃないか」

お面B「二人のやり取りからは、全然真剣さが感じられないわ」

お面A「感じるのは不安、っすけどね」

お面D「……?」

お面C「なんだよ、ビビってる?」

お面A「違うっす。 何となく、今回の仕事はただで済むようなものではないような気がしたっす」

お面B「誰かさんにとっては、元々特別な仕事みたいなものでしょ」

お面D(やはり、聡いな。 そこは妖怪、だからか?)



812 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 16:41:15.62WI8aEnJ3o (6/11)


――――

『まず始めに、俺の事。 残念ながら、俺はお前のことをなんでも知っているわけじゃあない』

少年「知ってます」

『だが、大方当たっていたろう? お前の心を見透かした時なんて、お前驚いてたもんな』

死神「ほう、お前も驚くことがあるのだな」

少年「ありますよ。 人並みに」

死神「嘘つけ。 平均以下だろ」

『で、だ。ネタばらしをすると、元々聞いていたのさ。 何もかも』

少年「……?」

『今疑問に思っただろう。 だが事実なのさ、お前が2、3歳になる頃には今までの全てを聞かされた』

少年「……」

死神「うげ、気味悪ぃ。 なんだそれ、預言者か何かか? あんなもん、嘘っぱちだってのに」

『預言者じゃあない。 もっとデカイモノだ。 何よりも、何よりも』

死神(おいおい……、何で俺の発言に返答出来てんだ。 いやらしい偶然だ)



813 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 17:05:47.55WI8aEnJ3o (7/11)


『少年、お前が小さい頃、覚えていないだろうが、とある宿に泊まったことがあるんだ』

『そこには、宿主含めて少し変わった人々がいてな。 そいつらは宿の常連らしいが、その中でも特に変わった男がいた』

『スケッチブック片手にのんびり気ままに生活している青年でな、ぱっと見普通の男だ』

『しかし、周りからは“神様”なんて言われてた。 何を言ってんだこの常連は、と思ったよ』

『だから偶然同時期に泊まりに来た大学生と二人で、青年に会って話しかけようとした』

『するとそいつは開口一番に俺達の名前と、俺達にまつわるありとあらゆる事をペラペラ喋りやがった』

『何もかも言い当てられて、俺も大学生も、愕然とした。 「こいつはヤバイ」ってな』

『で、そいつは「何もかもが自分が導いたから。 全ては自分の描いた物語だ」と言った。 言い切りやがった』

『だから、未来の事も見通す事は出来るのかと聞いたら、俺達やお前の未来に関する事を事細かに話し始めた』

『最初は完全に疑っていた。 だが、それから数年間、俺にも例の大学生にも、奴が話したまさにその出来事が起こり続けた』

『そう、今もそれは続いている。 俺がこの手紙を書いていることも、お前がこの手紙をこの時間に読んでいることも』

『共に読んでいる奴がお前の母親の担当である死神であることも、現実・非現実の何もかも全て、神様とやらに聞かされたんだ



少年「」ゾワァ…!

死神「……はは、今まで幾度となく奇妙な事に巻き込まれたが……こいつは……」



814地味に改行ミス ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 17:25:54.31WI8aEnJ3o (8/11)


『少し話が偏ったな。 まあそれだけ大きな要件だったわけだが』

少年「……何もかも……作られていた……」

『少年に渡していた、ある年齢になれば見てもいい、という手紙も、この事があったから書けたんだ。 いや、書かされたのだろう』

少年「……あの手紙に、こんな背景があったのですか」

死神「この手紙に書いてあるのが本当なら、俺の今までの過程はそいつのシナリオ通り、ってか? ハハッ、笑えねえ冗談だ」

少年「笑っているじゃないですか」



815 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 17:48:12.30WI8aEnJ3o (9/11)


『次に、死にそうって事だが……。 簡単に書くなら、死神が憑いた、って事だ』

少年「し、死神ですか!?」

死神「!」

『死神は死神でも、そこにいる死神ではないぞ』

死神「そんな事はどうでもいい! おい少年、これを書いたお前の父親なんだろ? 今どこにいるんだ!」

少年「落ち着いてください。 あとどこにいるのかなんて分かりません」

死神「チッ、クソ……やべぇな」



816 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 17:48:58.79WI8aEnJ3o (10/11)


少年「先程からどうしたのですか? らしいといえばらしいですけど」

死神「馬鹿言ってる暇なんてないぞ……。 お前、天降女子を覚えているか?」

少年「はい、ある程度最近のことですし」

死神「言ったことは?」

少年「一応……覚えてはいますが……。 でも、以前捕まえていませんでしたか?」

死神「実はな……逃げられた。 それも今朝」

少年「そうですか……。 ちょっと待ってくださいどうしてですか大変な事じゃないですかそれ」

死神「同僚の不手際。 だからちゃんと縛って閉じ込めとけって言ったのにアイツは……」

少年「……」



817VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/26(日) 17:54:32.24WI8aEnJ3o (11/11)

今回はここまでです。

駆け足気味ですがご容赦ください。
終わりそうで終わらないまま一年半って

最後に、今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。


818VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/26(日) 22:00:18.88gRu3gxqi0 (1/1)




819VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/08/26(日) 22:01:26.09U3hNX9fNo (1/1)

おつ!


820 ◆SSsPX8jRvCIN2012/08/26(日) 23:58:17.34u7YnJkMk0 (1/1)

だいぶ前からssーwikiにこのスレのページがあったようなので
勝手にちょっと付け足しました。
読んでいる方も、暇があれば勝手にいじっちゃって下さい。


821VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/09/26(水) 19:26:48.83InoTB5cso (1/1)

待ってる


822VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/10/07(日) 01:12:59.07kBEhbToDO (1/1)

まだ~


823 ◆SSsPX8jRvCIN2012/10/07(日) 18:11:46.13KI3tSQH6o (1/1)

あかん、とうに1ヶ月過ぎてら
生存報告です。
今年度は受験が控えているので、これからも投下が少ないと思います。すみません。
あまり期待せずお待ちください……


824VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/10/07(日) 18:20:58.27BOCQWYfko (1/1)

だが期待する!
まってますよー


825VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/10/27(土) 19:32:28.38QAEnZkcp0 (1/1)

やっと追い付いたー。
去年から読むの楽しみにしてたんよ。
続きもまってるよー。


826 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/02(金) 17:34:02.77jPjoRhqTo (1/5)

ちょっと投下しますよ・・・


827 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/02(金) 17:41:45.88jPjoRhqTo (2/5)


――少年の祖母視点・車内――

ブロロロ…

祖母「あーあー、面倒見切れないわ、あれは。 我が娘ながら情けない……」

部下「とは言っても、追い出さないのですね」

祖母「本当にそう思うのか」

部下「一応は」

祖母「お前はまだまだ未熟じゃな」

部下「も、申し訳ございません……」

祖母「……残念だが、あれには身代わりになってもらうのさ」



828 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/02(金) 17:55:21.15jPjoRhqTo (3/5)


部下「身代わり……? 何故です?」

祖母「なあに、後であの家に強盗が襲撃するらしいからねぇ。 あれの存在で、どれほど被害が減らせるか試すのさ」

部下「実験、ですか」

祖母「そうじゃな。 倉庫の警備が大概戦闘部隊に流れるからねぇ……」

部下「最近は暴力団との抗争が多いですし、血気盛んな者はそちらに志願するそうですね」

祖母「それなら、孤児とか身寄りのない人間を拉致して教育して警備させるしかない、って訳じゃが。 経験が浅いのが、どれだけ使えるか試すのさ」

部下「その実験体は素人の女ですが、大丈夫ですか?」

祖母「まず最低ランクのを試しとけば、それを最低基準としてやっていけるだろうよ。 一応、別の部下を手配して結果を見る」



829 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/02(金) 18:00:17.72jPjoRhqTo (4/5)


ブロロロ…

祖母「ん、今の車……」

部下「珍しいですね、住宅地のはずれの道というのに、すれ違うなんて」

祖母「……あれが、強盗の車だったりしてな」

部下「かもしれませんね」

祖母「……まあいい。 見逃そう。 どうなるもんかね」



830 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/02(金) 18:10:03.12jPjoRhqTo (5/5)


――おかめ強盗視点・車内――

お面C「ん、今の車」

お面B「いいなー車。 今のご時世、高いものに手を出すって勇気がいるのよね」

お面A「持ってても使うっすか? そもそも使えます?」

お面B「バカにしないで欲しいわちくしょう。 移動手段はいつも徒歩。 だって仕事場近いし」

お面A「そしてペーパードライバー。 っすよね?」

お面B「おめでとう。 正解者には正義の鉄拳をプレゼント」ガスッ

お面A「何が正義だ。 不純すぎっす」ヒリヒリ

お面C「私が生きているのは近所の学校のおかげ。 さあ、皆で感謝をしようではないか」

お面B「大げさな……」

お面D「……着いたぞ」

お面C「! 了解」

お面B「よし、一丁やりますか」

お面A「気合入れていくっすよ。 陽気なギャングの愉快なパレードの始まりだー、ってね」



831VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/02(金) 19:55:51.41Jo/xpPZco (1/1)

乙!かしら
一緒にパレードしてえ


832 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/03(土) 07:41:17.81oEMIQjMBo (1/7)

もう少ししたらもう少し投下します
隠れてやっているので


833 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/03(土) 08:08:36.60oEMIQjMBo (2/7)


――――

死神「くそっ……。 もしお前の父親があいつの血を引いているのなら、確実に天降女子に狙われる」

少年「母方の可能性はどうなのですか?」

死神「それはない。 お前の母親のルートは関係ないはずだ。 もしそうなら、今頃その親は死んでるはずだ」

少年「逆に、死んでいないからその線は薄い、ということですか」

死神「ああ。 泣いて喜べ、お前の祖母は立派な裏社会の大物だ」

少年「泣いて悲しみますよ」

死神「それに……」ペラッ

『その通り、俺はその男の血を引いている』

死神「ほらな。 この野郎、俺が紙を変えるタイミングまで把握してやがる」



834 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/03(土) 08:33:21.42oEMIQjMBo (3/7)


『言っておくが、俺は色仕掛けに引っかかるほど馬鹿ではない』

少年「母にはしつこく迫ったのにですか?」

『それとこれとは話が違う、ということで』

少年「信用ならないことこの上ないですね」

『死ぬのが分かっていて、それも死ぬ直前で、尚性に拘る必要があるか? 俺はそう思わない、誰もそう思わない』

少年「自分の子孫を残そうと必死になって、性欲が増す、という事例はないのでしょうか」

死神「性欲だなんて……。 子供の若者離れか」

『性欲だなんて……若者の子供離れか』

少年「何だこの人達。 大真面目でその発言は苛立ちますよ」



835 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/03(土) 08:51:07.85oEMIQjMBo (4/7)


『ただ、恐らく俺が死んだ直後に、俺の魂を奪うつもりなのだろう。 死神よりも先にな』

死神「だろうな。 チッ、早く居場所を教えろってんだ」

『わざわざ色仕掛けで魂を抜き取ろうとする相手だ、やろうと思えば誘惑しなくとも魂を取れるだろう』

『そして俺の魂は贄とされ、災禍が起こる』

死神「つまり、これは防ぎようもない事実とでも言いたいのか。 神様ってやつも糞展開しか書けないのか、つまらないな」

少年「それに、災禍って……もしかして、僕の先祖が甦ると危険だと言うのですか」

死神「漸く察したか? 現場を見た俺だからこそ、やばいと指摘していたんだ。 あれはただ事じゃあなかったからな」

少年「なるほど」



836 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/03(土) 09:36:43.61oEMIQjMBo (5/7)


『……今更だが、本当に信じてくれているのだろうか? 書いている俺でさえ、ふと思ってしまう』

『事細かとはいえ、常識的に考えると“変人青年の戯言かもしれない”というのに。 出来すぎだとしても、偶然かもしれない……』

『通じてくれているのだろうか』

少年「……今更弱音吐き始めましたね」

死神「これも時間稼ぎに見えてしまうが……信じているぞ」

少年「よくまあ、見ず知らずの人間を信じれますね」

死神「伊達に“死神”やってねえよ。 裏切られるなんてよくあることだから、自然と目は肥えてくる」

少年「裏切り? “死神”内でもそういった事はあるのですか」

死神「違う。 対象者の監視で、7日間近くにいなければいけないのだが、その間にな。 人間に利用されたり道具にされたり」

少年「所詮人間はそんなものでしょう? 死神にとっては」

死神「子供っぽくない子供はお前くらいだろ」



837 ◆SSsPX8jRvCIN2012/11/03(土) 09:49:17.92oEMIQjMBo (6/7)


――――

少年母「あーもー! あのクソババア、娘に対して酷すぎない?! 助けてくれたっていいじゃない!」

少年母「その分私って凄いよね。 最後まで愛情たっぷりだもん」

少年母「捨てちゃったけどねー!」アッハハハ

カタカタッ

少年母「はははは……は……」

少年母「何今の物音……。 うええ……」

ダンッ!

少年母「ひぎっ!」

少年母「なによ……やだ、私の状況、ヤバすぎ? まさか幽霊、強盗?」ガタガタ

少年母「い、一応棚に立てかけてある棒と……」

少年母「何故かテーブルに置いてある銃……も、持っておこ」

少年母(この状況で銃があってラッキーだけど……)

少年母「もしかしてあのババア、知ってて……? 私、ハメられた? うえぇ」

少年母「やだぁ、もう……。 気のせいだったらいいのに、気のせいでありますように……」ソーッ



838VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2012/11/03(土) 09:59:29.35oEMIQjMBo (7/7)

今回はここまでです。
乙レス等ありがとうございます。
次いつ予定が空いて余裕ができるのかは分かりませんが、頑張ります。

今回も読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。


839VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/11/03(土) 11:53:30.02mTidW7jCo (1/1)

乙でしゅ
愛情は投げ捨てるもの


840VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)2012/11/03(土) 23:00:42.831ljAJ+WAO (1/1)

待ってるでしゅ

同じ受験生だけど


841VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/10(月) 23:00:43.06d9Ljs5Ako (1/1)

待ってるよ


842VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/11(火) 22:01:10.64FhRz3UEVo (1/1)

追いついた待ってる


843 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/23(日) 17:32:14.33mAt5uIlQ0 (1/1)

今年中に一度は投下します。
投下までしばらくお待ちください。
それまでクリスマスでも 楽 し ん で 下さいね。


844VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/23(日) 18:26:15.24ueNjixLIO (1/1)

た、楽しんでやるよ(強がり)


845 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/29(土) 23:45:24.948eJ3h7rro (1/1)


――少年の母の実家・二階外――

お面A「うっわ、何て無防備な豪邸っすか。 外壁登るも何もなし、敷地内に地雷があるわけでもなし」

お面C「加えて建物の二階に罠があるわけでもないし、窓の鍵は開けっ放し」

お面B「不気味ね……。 ここまでザル警備のはずがないのだけど」

お面D「……以前は警備がいたぞ」

お面A「いないってことは……ここを捨てた、って事すか」

お面B「ま、こんな場所は他にごまんとあるんでしょうよ。 庶民の敵」

お面C「犯罪者って、大抵の人にとって敵扱いされてるんだけど、それについて何かコメントは?」

お面B「……」

お面A「さっさと侵入するっすよ」



846 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/30(日) 00:00:22.68VHh8b3O6o (1/6)


――家内部――

お面D「この部屋は……」

お面A「物置部屋っすかね」

お面B「と言っても、ダンボール箱ばかりで興味はそそられないわね」

お面C「つまらないなあ」

お面A「つまらなくてなんぼっすよ、人生そんなものっす」

お面B「一丁前に人生悟ってんじゃないわよ」

お面D「……」カチャカチャ

お面A「リーダー、その扉、開かないっすか?」

お面D「そうだな」

お面C「強行突破一択でしょ。 漫画みたいにこう、ドーンと」

お面A「そんなうまくいかないっすよ。 人生もそんなも……」

ダンッ!

お面D「……ッう」ヨロッ

お面B「扉に突進するなんて、普通痛くてしようとは思わないけど。 蹴るとか鈍器とか……、まあ結果オーライ?」

お面C「うまくいったね」

お面A「……そうっすね」



847 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/30(日) 00:49:14.72VHh8b3O6o (2/6)


――――

少年母「さっきの音……。 に、二階から……よね」

少年母(怖いけど、い……行ってみよ。 行くしかない)ソー

少年母「ほんと、誰か引っ掛けとけば、様子を見に行かせたのに」

少年母(元夫も、一週間前から相手してるあの変な男も、なんでこういう時にいないの!?)

少年母「あーもー使えない奴ら! 金と使い勝手のない男なんて、ただの発情猿じゃない!」


「使えなくて悪かったな」


少年母「ひっ……!」ビクッ



848 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/30(日) 01:07:00.20VHh8b3O6o (3/6)


「あの頃は何も知らなかった。 何も知らず、他の男の例に漏れず、お前のケツを追っかけて」トン トン

「結婚し、子供をもうけて、幸せを謳歌するつもりだった。 はずだったんだ。 今となっては恨めしい」トン トン

少年母(階段から……誰?)

「俺は全てを知った。 あの日からだ、あの日から俺の人生から仮初の幸せが消えた。 そして真の事実だけが残った。 それ

も残酷な」トン トン

「あの男が悪いのか? お前が悪いのか? お前と逢引していた男が悪いのか? 違う、悪いのは俺だ」トン トン

「愚かな自分が悪い。 それで終わりだ。 ならば、何故俺はここにいる? この女に何の用がある?」トン トン

「未練か? 復讐か? いや、違う」トン…


少年父「久しぶりだな……。 清算しに来たぞ」


少年母「あ……アンタは……!」



849VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/30(日) 01:33:41.87VHh8b3O6o (4/6)

眠いのでここまでです。すみません。
午後か明日続きを投下できればいいのですが、場合によっては年を越すかもしれません。
その時は報告します。

読んでくださった皆様、ありがとうございました。


850VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/30(日) 02:27:28.12IoqWzsMDO (1/1)




851VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/30(日) 08:12:22.11lT9+/LvNo (1/2)

少年父かっこよすぎて濡れた!



852VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/30(日) 17:45:00.24eyo8GoR6o (1/1)




853 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/30(日) 23:38:32.96VHh8b3O6o (5/6)

ちょっとしてから投下します。


854VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/30(日) 23:49:56.16lT9+/LvNo (2/2)

よむよー


855 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/30(日) 23:57:55.06VHh8b3O6o (6/6)


――――

お面C「リーダーは、何でわざわざお面を外していったのかな」

お面B「おかめ強盗としてでなくて、少年の父親として、彼自身として決着をつけたかったんでしょ」

お面A「お面が邪魔なだけじゃないっすかね」

お面B「訂正。 それの方が納得できるわ」

お面C「そっか。 それじゃ、リーダーの言う通り、金目の物でもかっぱらっていこう」

お面B「まず二階を片っ端から調べていきましょう。 一階に行っても邪魔になりそうだし。 念押しされたし」

お面A「……」



856 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 00:09:54.19AhHclrsBo (1/13)


お面A(リーダーは、このお面を俺達に託して行った)

お面A(二人は分からないだろうけど、俺には解る)

お面A(リーダー、あんたからは死のオーラが出てる。 いつ死んでもおかしくないような予感がするんだ)

お面A(死神までいるんだろう。 ファミリーレストランでの会議の時に、近くで監視をしている死神がいたから……)

お面A(だが、あんたは自分が死ぬのを判っているんじゃないか? もっと言えば、この強盗団を結成した時には既に)

お面A(諦観そのもの……。 昔から近所付き合いをしていたけど、いつからか変わってしまった)

お面A(何があったのかは知らない。 何故あんたが俺達と強盗団を作ったのかも分からない)

お面A(お面を託した意味もあんたしか分からない。 俺達は……置いてけぼりだ)

お面A(『ロマンはどこだ』……。 俺達のロマンはここにある。 あんたのロマンはどこにあったんだ)

お面A「……」

お面A「なあ……あんたの視界には、何が映っているんだ?」



857 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 00:15:21.16AhHclrsBo (2/13)


――――

『そろそろこの手紙も終わりに近づいてきた。 流し読みしなかった事に感謝する』

死神「……時間稼ぎだったか……」

少年「裏切られましたね」

死神「分かりきってたことだ」

『機は熟した。 時は過ぎ、死神は仕事に向かい、女は終わりへと赴く』

『役者は舞台に上がる。 広大な舞台の中、人々は多大な我欲を胸に、見るに耐えない演技を続ける』

死神「これは……俺に行けって事か?」

少年「恐らく……。 場所は敷地が広い所だと思います」

死神「あの女……確か、実家の話をしていたな……。 あー、少年。 すまんが、俺は行く」

少年「はい、分かりました。 死神も気をつけて」

死神「気をつけるのはお前の方だ。 こんな遅くまでガキが外に出るんじゃあない。 もっと言えば、お前、変人だぞ」

少年「そのままお返ししますよ、変人さん」

死神「返せる立場かよ。 傍から見れば、夜中の公園で、手紙を読みながらぶつぶつつぶやく変な子供だぞ」

少年「あー……」



858 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 00:35:16.46AhHclrsBo (3/13)


死神「ま、冗談はこれだけとして。 じゃあな、少年」ザッ

少年「さようなら。 ……」ペラ

『少年、俺はじきに死ぬ。 だが、陳腐な物語は終わらない』

『手紙としてでしかないが、俺はお前と共にある』

『お前を置いていってしまって、すまない。 不甲斐ない俺を恨んでも憎んでも構わない』

『だが、お前は俺の大切な息子だ。 いつだって、お前がどう思ったって、これは変わらない』

『俺が伝えたいことは、前に渡した手紙に少しずつ書いておいた』

『さよならはいらない。 また会おう。 父親より』

少年「……」

少年「……」

少年「……また会いましょう」グシャッ



859 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 00:40:49.07AhHclrsBo (4/13)


――――

少年父「余計な会話は要らない。 早く終わらせよう」カチャ

少年母(じゅ、銃……!)ダッ

少年父「……やはり逃げるか。 死期を延ばして何になる」タッ



少年母「何で銃を持ってんの、アイツ! 信じられない!」ビクビク

少年母(リビング奥の部屋に入ったはいいけど……どうせ来る)

少年母(扉を開けた瞬間に近くの棚を倒して、こ、殺すしかない……!)グッ

少年母「う、後ろから押せば、扉に向かって倒れる……。 この棚が壁につけて置いてなくてよかった……!」



860 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 00:52:22.16AhHclrsBo (5/13)


――――

少年父「……」スッ

ガッ

少年父「ここなんだろ。 諦めて死んでしまえ」

ガチャッ

少年母「ああああああああああああああああああああっ!!」ドンッ

少年父「!!」ガラガラガラ

少年母「いったっ!」カシャ

少年父「ぐ……おおっ……」ググ…

少年母(棚のせいで身動きが取れない今なら……!)スッ

ダァン!!

少年父「ぐ、が……ぁ、あ……」フラ

ガシャァアアァァァ……



861 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 00:57:35.74AhHclrsBo (6/13)


少年母「」

少年母「っ、はあ、はあ……はあ」

少年母「はあ……。 ああ……」ヘタッ

少年母「こ、殺した……? ……終わった?」ハア ハア

少年母「あ、こ、腰が……抜け」



ダァン!!



少年母「                 え?  」

少年母「あ……血が」


ダァン!!
ダァン!!
ダァン!!

少年母「   」

バタッ……



862 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 01:11:00.35AhHclrsBo (7/13)


少年父「」コヒュー コヒュー

少年父「お。 終わり だ」コヒュー コヒュー

少年父「これで いいんだろう?  これ が  お前の 物語の  流れならば」コヒュー  コヒュー

少年父「  重いなあ。   痛いなあ。    ああ……。   死  か……」コヒュー

少年父「             ……少  年……。  」


少年父「   」



863 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 01:21:12.05AhHclrsBo (8/13)


――――


ダァン!!

お面C「やった……みたいだね」カチャカチャ

お面B「……ん。 こっちも漸く金庫を見つけられたし、任務完了かしら」

お面A「っすね」

カチャカチャ

カチッ

お面C「来た」

お面B「よくやったわ。 それじゃあ、さっさと中身かっ攫っていきましょ」

お面C「はいはい」ガチャ

お面A「……札束と……ファイル?」

お面B「Cはお金をこの袋に入れてて。 ……ファイルもついでに入れちゃいましょ」

お面A「いいんすかね。 これを持って行っても」

お面C「いいでしょ。 どうせ、捨てられた場所の金庫なんだから、これを取って行っても何も悪くないよ」

お面B「それじゃ、さっさとリーダーと合流して……」


ダァン!!
ダァン!!
ダァン!!

お面A「!!」



864 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 01:23:30.35AhHclrsBo (9/13)


お面B「……何で、何でまた銃声が鳴るの?」

お面C「……。 前か後かがリーダーが撃ったもの。 逆に……」

お面A「それって」

お面B「撃たれた……? リーダーがやばい! 行かないと!」

お面A「ちょっと待つっす! 他に敵がいたら……」

お面B「蹴散らすまでよ! もし返り討ちにあっても、旅は道連れよ」

お面C「死んでも構わないよ。 それだけのことはしているんだ。 それに、リーダーを見捨てる選択肢があると思ってるの?



お面A「……思うわけがないっす、あるわけがないっす。 分かった、行くっすよ!」ダッ



865 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 01:26:52.76AhHclrsBo (10/13)


――――

死神「ちっ、空を飛んでも、どっち方面に行けばいいのやら……」キョロキョロ

ダァン!

死神「ん、銃声か。 そこまで遠くない……。 もしかしたら……」

死神「行ってみるか」スゥーッ

――――

「……うへぇ。 血まみれだーここ」

「こっちが少年くんのお母様? 悲惨……、元は綺麗だったのかしら? あたし程じゃないけど」

「で、こっちの、下敷きになっている方が……お父様の方ね。 ビンゴ」

「何事も手順。 父親の方を優先して戴きましょ。 ていうか、少年くん、彼に似てるもん。 手をかけられない」

「初めて会った時、初めて淫欲を表さなかった彼。 格好良い彼。 情趣のわかる彼……。 あはぁ」

「あ、いけないいけない、早く魂を取って、彼にあげないと……」


雨降女子「ごめんねーお父様。 あたし、雨降女子のために使われちゃってー!」キャハハ




866 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 01:31:17.48AhHclrsBo (11/13)


――――

お面A「……せーのっ」

お面B「よいしょーっ」

お面C「ん、棚をどかしてくれてありがとう。 ……リーダー」

お面B「あれは少年君のお母さんね。 見たところ、四発受けたように見えるわ。 露出の多い服だから、判りやすい」

お面A「なら、リーダーは棚の下敷きになって撃たれて、その後、死ぬ前に撃ち殺したって事っすか」

お面B「……安らかに眠って。 ……この遺体はどうする」

お面C「持っていったところで、どうにもならないよ。 楽にしてあげよう」

お面A(魂が無い……?)

お面B「A、早く逃げましょう? さっきの銃声で、近所の人が警察に通報していたらまずいから……」

お面C「そうしよう。 ……」

お面A「……っ。 さようなら、リーダー……」



867 ◆SSsPX8jRvCIN2012/12/31(月) 01:33:16.74AhHclrsBo (12/13)


――――

女死神「これまた凄惨な最期ですわね。 その瞬間を見ていなかったので、どうとも言えませんが……」

女死神「随分不思議な方でしたわ。 経歴を見ると、ダメ人間なのかと思いましたが……」

女死神「……。 回想に耽る必要はないですわね。 さっさと魂を保管して……」

女死神「……! ない」

女死神「魂が無い! ど、どうしてですの?」

スタッ

死神「クソッ、間に合わなかったか……」

女死神「あ、貴方、何故ここに……!?」

死神「仕事だ。 お前も仕事のようだな」

女死神「そ、そうですわ……。 いや、そうじゃなく! 大変ですの、この方の魂が!」

死神「ああ、分かってる。 大方、雨降女子の所為だろう」

死神(さっきの手紙の、終わりへと赴く女ってのは、雨降女子の事か)

死神「……嫌な予感がプンプンするぜ……」



868VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/31(月) 01:41:21.46AhHclrsBo (13/13)

今回の投下はここまでです。
次回は2~3月になるかもしれません。 出来ればその間に少しでも投下したいですが……。

見直してみたら、少年父が悲惨な境遇になってら。 使われてばかりで。
雨降女子は一年半振りの登場です。 ですね。

最後に、読んでくださった皆様、ありがとうございました。
2012年、ありがとうございました。


869VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/31(月) 02:19:50.88eKHeTtcio (1/1)

いつ終わるんよ


870VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2012/12/31(月) 23:01:36.041iWNA66DO (1/1)



終わりかな?って思ったらまだ続いてた




871VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/02/05(火) 22:33:03.70SNChe6Ar0 (1/1)

はよはよ


872VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/02/23(土) 17:44:36.950gsYyxsno (1/1)

今35まで読んだ。伊坂幸太郎?


873 ◆SSsPX8jRvCIN2013/02/25(月) 06:41:16.42rxu0iG9O0 (1/1)

明けましておめでとうございます。
今日から書く余裕があるので、2月が終わるまでには投下します。

>>869ー870
もう少しだけ続きます。すみません

もう少しで終わる云々言ってから相当経ってるなあと感じられ


874VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/02/25(月) 19:15:08.48tKz73Wc8o (1/1)

まちます!


875VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/02/26(火) 00:04:59.52DzNWuOnDO (1/1)

待ってるぜ


876 ◆SSsPX8jRvCIN2013/02/28(木) 23:17:57.703XsnvwBQo (1/2)

2350あたりで投下します

>>872
死神や抜粋の多くは伊坂幸太郎作品からです。
書いてるうちにだいぶずれてきましたが……


877 ◆SSsPX8jRvCIN2013/02/28(木) 23:56:07.503XsnvwBQo (2/2)


――――

雨降女子「……これが少年くんのお父様の魂。 彼の血を引く魂、子孫の魂」

雨降女子「前回が何年前だったかは忘れたけど、『次で完成される』なんて変な事言ってたよね」

雨降女子「……とうとう会える。 終わるんだ。 終わって、始まるのね」

雨降女子「さ、早くあの魔法陣に供えないとね」




878 ◆SSsPX8jRvCIN2013/03/01(金) 00:07:58.12B6dWOUdto (1/3)


――とある山――

雨降女子「……ふう、相変わらずこの山は手入れがなってないなあ。 誰よ、管理者は。 ……ま、山なんて、手入れするものではないのだけど」

雨降女子「数十年周期の供えなのに、よくまあ魔法陣の場所を忘れないものだわ。 あたしすげえ」

雨降女子「あ、でも、機械みたいでなんか嫌だなー。 自然と覚えてるって」

雨降女子「それじゃ……」スッ

ズズズ……

雨降女子「な、何? 魔法陣の中から、ん……と、扉? 凄く、物々しい感じだけど……」

雨降女子「え、なにコレ、え?」

雨降女子「あ、怪しい……。 誰か出てくるとか?」



879 ◆SSsPX8jRvCIN2013/03/01(金) 00:13:07.81B6dWOUdto (2/3)


……

雨降女子「……何も変化なし。 となると……入れ、と?」

雨降女子「うわ、嫌だなー。 こういう、無謀なことをするのは、いたいけな少女のすることじゃないっての」

雨降女子「……いいわ、やってやろうじゃん、やってやろうじゃないのよ」

雨降女子「開けるわよー……、ってい!」ガチャ バン




880 ◆SSsPX8jRvCIN2013/03/01(金) 01:23:08.94B6dWOUdto (3/3)


――――


「……ついに完成した。 これこそが俺の求めていたものよ……」

「これは実験だ。 だが、過程と結果が解れば、期間の長さなど……関係のないことだ」

「その為には……あの世界を侵略せねばなるまい……」

「手駒はまだ十分な量ではないな……」

「……妖精をより多く使う。 これならば数日程度で量を稼げるな」

「楽しみにするがいい……!」



881VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/02(土) 00:27:46.10SsODJkqDO (1/1)

乙!


882VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/03/30(土) 16:09:33.02CFcTOypoo (1/1)

今更ですが追いつきました
強盗のモデルは陽気なギャングシリーズですね
『ロマンはどこだ』


883VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/04/29(月) 21:16:37.07HaeUyABqo (1/1)

ええい更新はまだか


884 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/02(木) 23:10:04.13Ckbudeqeo (1/1)

数年振りに吐いたのと久しぶりに時間に余裕が出来たというわけで
明日投下します


885VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/02(木) 23:33:34.85sS33Z+9Ko (1/1)

楽しみに待ってるぞ!


886 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/03(金) 23:08:49.698q5lqNXEo (1/5)


――数日後・川男宅――

少年「……」ボーッ

垢嘗(黒い方から呼び出された日から、というよりあの日帰ってから、ずっと呆然として……)

垢嘗「ねぇ、煎餅あるけど、食べる?」

少年「……あ、はい……」ボーッ

垢嘗「……また生返事」

垢嘗(黒い方に、変な事を少年にしたのかと問い詰めても、訳の解らない返事ばかり……)

垢嘗(二人共、自分の中から何かが抜け落ちたような、そんな感じ)

垢嘗「少年、気晴らしに散歩にでも行きな。 何があったか知らないけど、ずっと呆けているよりはいいでしょ」

少年「……はい」スッ スタスタ

垢嘗(動きはするのね)

垢嘗(……どんな言葉をかけるべきか、分からないわ。 あそこまで滅入ってる状態の人に)



887 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/03(金) 23:17:50.298q5lqNXEo (2/5)


スタスタ

「あ、少年君。 数日ぶりね」

少年「……あ、 」

霊能女「……どうしたの? そんな生気のない顔をして」

少年「……あ、いえ。 特にないですよ」

霊能女「嘘。 本当に『特にない』時は、そんな顔するはずがないもの……」

霊能女「……散歩してた、のかしら? それなら、一緒に歩かない?」

少年「……ん、いいですよ」



888 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/03(金) 23:22:25.548q5lqNXEo (3/5)


――公園――

霊能女「それで、どうしたの? 悩みか何か、あるんじゃないの」

少年「……いえ、大丈夫です。 僕は何もないですから」

霊能女「……」

少年「……」

霊能女「……そう、ならいいわ。 そういうことにするわ。 しつこく聞くのもどうかと思うし……」

霊能女「……でも、たまには頼って。 相談にも乗るわよ」

少年「……すみません」

霊能女「あ、いえ、謝らなくていいわ。 気にしないで、ね?」



889 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/03(金) 23:27:31.298q5lqNXEo (4/5)


友人「お、いつもの二人だ。 久しぶり」

霊能女「そうね、久しぶり。 卒業式以来……かしら」

友人「そうだなー。 俺、いっつも公園で友達と遊んでたから、頻繁に会えるもんだと思ってたけど」

霊能女「私はインドア派だから」

友人「インドア? 何だそれ」

霊能女「外で遊ぶよりも、家で過ごす方が好きってこと」

友人「あー、なるほどな。 でも、少年はどっちも好きだろ? 少年が来ないのは意外だ」

少年「それに関しては申し訳ありません……」

友人「ん、そうか。 仕方ないか、うん。 うん?」



890VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/03(金) 23:30:04.138q5lqNXEo (5/5)

腹痛
少し間を空けて続きを投下します。


891VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/04(土) 01:44:04.49WlSS2Iueo (1/1)

それは呪いです呪い


892 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/05(日) 02:18:10.07TYH0qwFro (1/5)


友人「なあ、少年からマイナスオーラが出てるけど……。 何かあったのか?」ヒソヒソ

霊能女「わ、分からないのよ……。 そっとしておいてるけど、大分深刻みたいで」ボソボソ

少年「……? どうか、しましたか?」

霊能女「な、何でもない何でもない! 確かに友人君が耳打ちしてきたけど、そんなに疑うようなことではないわ」

友人「そ、そうだそうだ」

少年「そ、そうですか」



893 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/05(日) 02:27:30.30TYH0qwFro (2/5)


友人「あー、えーっと。 少年、気晴らしに遊ぼうぜ! まだすることは決めてないけどさ」

少年「はい、いいですよ」

霊能女「いつものメンバーは? D君とかG君とか」

友人「大体のやつは用事があるって理由で駄目だったよ。 入学の準備じゃねーの」

霊能女「それってつまり、今まで一人で遊んでいたの?」

友人「違うに決まってるだろ! この公園のあっちの方、砂場とかアスレチックがある所で遊んでたんだよ」

霊能女「一人で?」

友人「一人から離れろ! 幼馴染達とだよ! 幼馴染と小僧と気弱の三人な」

少年「……珍しいですね」

霊能女「確かに」

友人「幼馴染は俺が誘って、幼馴染が気弱をどうにかして誘ってきたんだ。 小僧は先に公園に居たけどな」



894 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/05(日) 02:40:00.32TYH0qwFro (3/5)


霊能女「友人君、もしかしたら幼馴染さん達を待たせてるでしょ? じゃあ、早く行きましょうか」

友人「もしかしなくても、な。 そうだぞ二人共、ベンチでのんびりするのもいいけど、遊んた方が楽しいぞー」

少年「そうですね……」スクッ

ビュオオオオオオオ……

友人「おおっ」

霊能女「きゃっ、砂が……」

少年「いつっ……。 砂もですけど、落ち葉が結構飛んできましたね……」

友人「強い突風だったなー。 あー、びっくりした。 まあいいか、行こう」



895 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/05(日) 02:43:08.90TYH0qwFro (4/5)


友人「ん、幼馴染と気弱と……。 あれ、小僧がいない」

霊能女「本当ね。 って二人共どうしたの!? 何箇所も切り傷ができてるじゃないの!」

気弱「う、あああ……」フルフル

少年「さっきの突風に因るものでしょうか……。 気弱君、何故そこまで怯えて……?」

幼馴染「あ……皆」

友人「どうしたんだよ、幼馴染は幼馴染で呆然としてたみたいだし。 何があったんだよ」

幼馴染「えっと、ね。 小僧くんが突然頭抱えて、うううーーって言い出して……」

霊能女「うん、それで?」

幼馴染「それで、いきなり風が小僧くんから吹いてきて……消えちゃったの」

少年「消えた……!?」

幼馴染「消えちゃったの! ど、どうしよう……」

友人「……ま、マジかよ」



896VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 02:49:09.93TYH0qwFro (5/5)

今回はここまでです。
次回はこの連休中に。

受験後も終始忙しいなんて聞いていないです。 おかしい
疲労を披露する気はないですが

今回も読んでくださった皆様、ありがとうございました。


897VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 02:51:11.04GnZaPog8o (1/1)

乙!
腹痛はきっと疲労のせい


898VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/05(日) 09:48:57.47qQGVzPSdO (1/1)




899 ◆SSsPX8jRvCIN2013/05/07(火) 02:00:03.22SRYHti8qo (1/1)

あかん、無理やった
用意が出来次第また報告します


900VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/07(火) 18:57:35.64H79NR5Kxo (1/1)

待つし!


901VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/05/17(金) 14:22:12.10lLbie2oco (1/1)

このスレがいつの間にか速報で11番目に古いスレになってた事に驚愕


902VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/08(土) 23:33:44.80yhBXf65R0 (1/1)

6月になってこのスレの存在に気づくとは…
なんだこれ面白いぞ


903 ◆SSsPX8jRvCIN2013/06/12(水) 01:54:33.74h7ai8GNjo (1/1)

今週末に投下します


904VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/12(水) 23:01:43.33Qmvtk9GRo (1/1)

まつぞー


905 ◆SSsPX8jRvCIN2013/06/17(月) 01:28:06.25bcAnUwRNo (1/1)


――――

死神「困ったもんだ。 困ったもんだなあ」

女死神「そうですわね」

死神「何で罰を受ける羽目になったのだろうなあ。 辛いよなあ」

女死神「そうですわね」

死神「雨降女子が勝手に魂を持って行きやがったせいだよなあ。 ひでえよなあ」

女死神「そうですわね」

死神「公私共にダメージがあるわけなんだよなあ。 迷惑だよなあ」

女死神「そうですわね」

死神「私の方は雨降女子の脱走、公は失態を犯したんだよなあ。 面倒だなあ」

女死神「泣き面に蜂ですわね」

死神「な? という訳で、大目に見て、せめて罰は無しという……」

死神上司「辛いのは分かった。 だが、駄目ですー」



906 ◆SSsPX8jRvCIN2013/06/18(火) 01:56:48.25dgfUAh8do (1/3)


死神「辛いのは分かった? 分かってない、絶対分かってない」

女死神「本当にそう思いますわ」

死神上司「お? 何でだ?」

死神「顔、腹が立つ程に笑っているからだよ」

死神上司「え、マジで? ちょ、鏡貸せ鏡」

死神同僚A「ほいっす」スッ

死神上司「あらら、笑ってるねえ。 これ」

死神同僚B「他人事のように……」ガシッ

死神上司「あふ、おま、ほほわしづかみすんな」アフアフ



907 ◆SSsPX8jRvCIN2013/06/18(火) 02:10:39.50dgfUAh8do (2/3)


死神「それに……」コトッ

死神同僚A「お、ありがとうっす」

女死神「お茶を入れたり、印刷頼まれたり、マッサージしたり……。 いいようにこき使われる意味が解りませんわ」

死神上司「そりゃ、それが罰だからだよ。 いいじゃない、たまには」

女死神「罰? これが罰? ミスにかこつけて、雑用押し付けてるだけではありませんの?」

死神上司「……、……。 上からそうしろと……」

死神「おい今の間はどういうことだこら」



908 ◆SSsPX8jRvCIN2013/06/18(火) 02:11:39.90dgfUAh8do (3/3)


死神同僚B「まあ待て落ち着けひっひっふー」

女死神「落ち着かせるつもりなら、それなりの態度でやって欲しいですわね殴るぞ」

死神同僚B「はいはい聞いて聞いて。 一応言っておくと、今回やらかした件はさ、本来なら大失態ものなんだ」

死神「……、そうだな」

死神同僚B「場合によってはクビ。 まあ、消されてたわけだ」

女死神「例の女の脱走も含めたら、全員抹消されてもおかしくないですわね……」

死神同僚A「でもまあ、そこのがうまく上と掛け合ってくれたお陰で、何とか今も働けてるっすよ」

死神「え、そうだったのか!?」

死神上司「そうだぞー? 俺のミラクルな交渉で首が繋がったんだぞー? 感謝しろよ? 条件付きだけど」



909VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2013/06/19(水) 18:09:21.05NNAApiYfo (1/1)


無理せずに書いてくれよな