518以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/08(水) 07:43:54.55yzlhxKAo (1/1)

くそわろたwwww乙wwwwww
>>517
アッシュはツインテが気になってるみたいな描写があったから
分かってないみたい


519以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/09(木) 10:42:05.566zGNUcSO (1/1)

なんつー誤爆wwwwww

てかまさかの姉DVDネタwwwwww


520以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/11(土) 23:56:11.14.cc4vMDO (1/1)

ツインテはなんでわざわざ男湯に入ったんだ?
部屋の風呂に入ればいいものを…


521以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/12(日) 02:54:16.90lBX8N0oo (1/1)

部屋にないんだろ


522以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/12(日) 15:08:20.19ABkQ5MDO (1/1)

あれ、なかったっけ?


523以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/16(木) 19:46:24.495.3cMwDO (1/1)

そろそろ来るかな?


524以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/16(木) 23:49:13.32XEHn8Yoo (1/1)

また予言発動なのか


525Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 00:18:57.9109IEzis0 (1/22)

……………………
まことにお久しぶりです。預言者がいると聞いて……。
その、あまりにびっくりしたので、その書きこみを見たから投下しに来たのでは?なんて取られそうでちょっと待機しておりました。
それではまた少量ですが書いていきますね!どうぞよろしくおねがいします。


526Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 00:20:10.1509IEzis0 (2/22)

361

--宿屋--

ポニテ「はぁ~いいお湯だった!!」

レン「きもちよかった」

ツインテ「……」

風呂上がりの三人は自室で寛いでいる。

ツインテ(一体どういうことなのでしょう……世界が規制をかけてきたということなの?……もうボクのパオーンはあれなの?シュレディンガーなの?シュレディンガーのパオーンなの?)

ツインテはベッドに突っ伏して、世界について考えていた。
否、ちんこについて考えていた。



527Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 00:25:58.9709IEzis0 (3/22)

362

--宿屋--

ポニテ「いやぁでもやっぱりツインテちゃんはすべすべでいいなぁ!触りがいがあるってもんよ!おっぱいは残念仕様だったけどね!!」

ツインテ(あ、あってたまるかー……)

レン「レンも同じくらいよ。気にしないでっ」

レンの方向性を間違えた気遣い。

ツインテ(気をつかわないで欲しいですー……胸板は欲しいけど)

ツインテは自分の胸に手を当てた。

ポニテ「!!ほっほう!!揉んで大きくしようって魂胆だね!?よかろう、レンちゃん手伝ってあげようぜ!!」

レン「はぁはぁ」

とたんに手をわきわきし始める二人。

ツインテ「ひっ!?こっ、こっちにくるなァァァァァ」

そんな感じで夜は更けていくのでした。


528Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 00:31:56.9509IEzis0 (4/22)

363

--コロシアム--

翌日。

実況「さぁ二回戦も終盤にさしかかりました!途中、観客を守るための防御障壁が破れ、観客が蒸発しかけるといったトラブルもありましたが、概ね予想の範疇と言えましょう。ではここでゲストを紹介しましょう。先ほどの血湧き肉踊る戦いは皆様の心にまだ焼き付いているのではないでしょうか!?チーム機動六花より、リーダーの魔導長さんです!!」

魔導長「どうもなの~」

わーきゃー

実況「まずは三回戦進出おめでとうございます」

魔導長「ありがとうなのっ!」

実況「いやぁ、凄い試合でした。事実上の決勝戦だったのでは、という意見もちらほらと……」

魔導長「うんっ。あの子達凄く強かったの!」

実況「ですね。チーム帰郷組、あっと驚く秘策を用意してきました。まさかあんな方法で中距離魔法攻撃を防いでくるなんて……そして大会会場の都合上、遠距離攻撃が出来ないのを良いことに、素晴らしい戦術を見せてくれました」

魔導長「わたし遠距離攻撃大好きだからすごく困ったの!!でも雷魔法使いちゃんが頑張ってくれたの!」

実況「そう、チーム機動六花には近距離を得意とする雷魔法使い選手がいました!凄かったですね、一人で三人相手にしてましたからねぇ」


529Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 00:37:32.5309IEzis0 (5/22)

364

--コロシアム--

魔導長「疾風魔法使いちゃんの召喚術も凄かったの!」

実況「守護騎士を召喚したあれですね。事実上の6人+1匹対3人になりましたからねぇ。チーム帰郷組もここまでかと思ったのですが、……いやはや、そこはただでは終わりませんでした」

魔導長「あんな奥の手を残してたなんて、ビックリだったの!」

実況「ま・さ・に奥の手!一般的に弱いとされるあの魔法とスキル、こんな相乗効果があったのかと専門家を唸らせました!」

魔導長「うんっ。それであまりにうざかったからキレちゃったの!てひひ」

実況「もうどうなろうと構うものか、と言いたげな魔翌力砲撃でした!皆様お馴染み、星・光・破・壊・砲!!これにはさすがのチーム帰郷組も耐えられませんでした」

魔導長「ちょっとだけ本気出しちゃったの☆」

実況「リングが消滅するほどの一撃を耐えただけでも私は彼らに拍手を送りたい!!」


530Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 00:45:22.1209IEzis0 (6/22)

365

--コロシアム--

ポニテ「?なんで実況の人がずっとお喋りしてるの?次私達の試合でしょ?」

スタッフ「もう少しだけ待って下さい。今リングを固定しているので」

ツインテ「そういえば……さっきリングが消滅、とかなんとか言っていましたけどあそこにはちゃんとリングありますよね?それに会場はなんだか騒がしいですし」

スタッフ「あぁ、いえさっきね、我が国の変化師がちょっとしたパフォーマンスをやったんですよ」

ポニテ「パフォーマンス?」

スタッフ「変化師が前の闘技場からリングを運んで来たんですよ。魔導長へのお礼だと言って」

ツインテ「……お礼?」

スタッフ「いいものを見せてもらったお礼だそうですよ」





531Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 00:55:50.8709IEzis0 (7/22)

366

--コロシアム--

実況「さぁ!!やっと準備は整いました!!いよいよ、解説さんも注目しているチームユーシャーズの試合が始まります。対するは古豪の呼び声高い、昔話ーズ!!それでは二回戦、第五試合です!!」

わーきゃー

ときじぃ「えー天気じゃぁ」

いちばぁ「ほーじゃのぉ」

ツインテ達の前に立っているのは二人の老人。

ツインテ「……ボク、あの人達昔みたことがありますよ」

ポニテ「おじーさんとおばーさんだね!!」

レン「二人しかいない」

実況「おっとぉ!?確かに昔話ーズには二人しか見当たらないようですが……これは」

ポニテ「ねーねー、この大会って三人一組じゃないと駄目なんじゃないの?」


532Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:01:14.6809IEzis0 (8/22)

367

--コロシアム--

ときじぃ「おみゃーさんらには見えんのかね?あそこで小さく蹲ってる坊が」

ときじぃはリングの端を指さす。

いちばぁ「わしとじっちゃと坊の三人チームじゃぁ」

リングの端には

?「……」

何か影のようなものがいるようないないような……。

実況「……………………見えますか?」

解説「私シャーマンじゃないんで」

魔導長「私も見えないなのっ☆」

ポニテ「なんでこんなチーム、大会登録する時に許可だした!!」

ツインテ「嘘なんですよね!?幽霊とかいないですよね!?」


533Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:06:45.9409IEzis0 (9/22)

368

--コロシアム--

ときじぃ「ばかぁいっちゃいかん。わしらは強いんじゃぞ。なぁばぁさんや」

いちばぁ「はいな、じいさん」

ツインテ「……」

実況「一回戦の時には三人いたのでしょうか?なぜか覚えていません!!それではとっとと始めたいとおもいます!!試合開始ぃぃ!!」

ドッ

レン「ぐみゅっ!?」

ドッガアアアアン!!

いちばぁ「あれぇ。りーだーはあの子じゃなかったのかい?」

試合開始とほぼ同時、いちばぁは一瞬で距離を詰めてレンを場外に弾き飛ばした。


534Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:07:42.1309IEzis0 (10/22)

369

--コロシアム--

実況「こ、これはあああああああ!!まさに電光石火!!いちばぁ選手、一撃でレン選手をリングアウトに追いやったああ!!」

レン「う、うそにゃ」

ポニテ「っ!!てや!!」

ポニテはいちばぁに向かって全力で剣を振り下ろすも、

ブン!

いちばぁ「ほっほっ」

いちばぁは身軽なフットワークでかわす。

ポニテ「……やっかいだね。ツインテちゃん、下がってて!!」

ツインテ「あわわ、もも、もう二体二になっちゃいました!!」


535Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:08:30.9209IEzis0 (11/22)

370

--コロシアム--

ときじぃ「まだまだぁわかいもんには負けんよぉ」

そう言ってときじぃが腕をまくると、

ぼごっ、メキキッ

岩のように盛り上がった筋肉が姿を露わした。

ざわわ

実況「おぉぉおおっと!!すごい筋肉だあああ!!」

ときじぃ「ほっほ」

シュン

ポニテ「?!」

ガギィィン!!

ポニテ(っ!!なんて重い一撃!!ただの蹴りがここまで!!)


536Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:09:43.0409IEzis0 (12/22)

371

--コロシアム--

ツインテ「ポニテさん!!」

ポニテ「来ちゃ駄目だよ!!ツインテちゃんはリーダーなんだから!!」

ツインテ「で、でも出来ることは……」

ガンガンキィンっ!ドガっ!!

ポニテは二振りの剣で老人達の攻撃を捌く。

しおばぁ「なかなかやるわねぇおじょうちゃん」

しおばぁはポニテの首筋目がけ、手刀を繰り出した。

ドシュ!!

ポニテ「ぐあっ!!」

ポニテはそれを避けきることができず、頬を裂かれてしまう。

魔導長「私の知ってる日本昔話じゃないなー☆」


537Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:10:37.2109IEzis0 (13/22)

372

--過去、墓地--

闘士「その代わり、一個条件がある」

ポニテ「条件?なになに?」

闘士「そ、それはだ」

闘士はズボンの中から参加票を取りだした。

闘士「き、きみがその子たちをまもること、だ」

ポニテ「なんだー!そんなの簡単だよー!だからそれ早くちょーだい!」

闘士「ず、ずっとだ」

ポニテ「ふぇ?」

闘士「ずっとまもりつづけるんだ」

ポニテ「ずっと……」

闘士「そ、そう、ずっと。だ、だから君は、君自身も守らなくてはならない」

ポニテ「!!」


538Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:11:48.6009IEzis0 (14/22)

373

--過去、墓地--

闘士「き、きみがやられちゃったら、その子たちを守ることができないから」

ポニテ「う、うー」

闘士はポニテの手にそっと手を重ねて参加賞を渡す。

闘士「だ、だから、無理はしちゃだめ。ぜ、絶対にしちゃダメ」

闘士は真剣な顔でポニテを見つめていた。

ポニテ「……わかった。約束するよ!」


--コロシアム--

ポニテ(くぅっ!!自分も守りながら闘うってのは結構辛いよ!!)

変化師「あ、あいつ。さ、さっそく約束やぶってる……猫ちゃんが」




539Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:12:51.7009IEzis0 (15/22)

374

--コロシアム--

ときじぃ「ぽうっ!!」

ダンっ!!

ときじぃは気合とともに地面を踏みこむ。

ポニテ「!!」

ときじぃの右手に集約された魔力。その危険度を瞬時に認識したポニテは、そこから離れようと駆けだした。

いちばぁ「ほっほー」

しかし、いちばぁが逃げ道を塞ぐ。

ツインテ「ポニテさん!!」

ときじぃ、いちばぁ「ときじぃ&いちばぁ、クロスレボリューション!!」

魂を乗せた二つの拳が、前後同時にポニテを襲う。


540Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:14:19.2009IEzis0 (16/22)

375

--コロシアム--

ドグシャアア!!

ポニテ「っっっづ!!」

ポニテは剣で防御するのを諦め、腕を畳んで受け止めた。

いちばぁ「……ほぉ、止めおった。まだ幼いというのにようやるねぇ」

変化師「!!!!」

ポニテ「いっつー……こんなに痛いのママと遊んでた時以来だよー」

ときじぃ「……まだ意識があるのか。やりおるの」

ボッ

いちばぁ「!?」

突然ポニテの体から炎が噴き出し、闘技場全体を支配する。

ツインテ「あちっ!?」

ポニテ「ちょっと、本気、だす」


541Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:15:51.0709IEzis0 (17/22)

376

--コロシアム--

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

実況「お、おおおおっと!!これはどうしたことか!!ポニテ選手、火属性魔法を使ったのはいいが、これは……」

魔導長「!!……へぇ、中々やるじゃない……」

実況「お、おおっと。今魔導長の顔が一瞬暗くなって怖かったですよーー!!」

ゴオオオオオオオオオオオオ!!

ツインテ「あ、あちっ!!ボ、ボクもいるの知ってますかーー!!ポニテさーーん!!」

そういいながらも、ツインテは水魔法の防御壁でなんとかしのいでいる。

レン「……すごい魔力量……」

ツインテ(でも、ポニテさんて……こんなに持っていたの?)

ゴオオオオオオオオオオオオオオ!!

いちばぁ「ひっ、ひいい!!あ、あついよじいさん!」

ときじぃ「わしもじゃばぁさん!」

ポニテ「……ひひー」


542Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:18:21.9209IEzis0 (18/22)

377

--コロシアム--

解説「多分これは特殊なスキルからなるものでしょう」

実況「解説さんが遂に喋ったーーー!!特殊なスキルというと!?」

解説「ポニテ選手のデータを見てみますと、彼女は非常に大食漢らしいです。でもそんなに食べるような体型をしていませんよね」

実況「は、はぁ。痩せの大食いという言葉もありますが……というかそれとどういった関係が?」

解説「彼女の大食いと、あの恐ろしい魔力量、二つを繋ぎ合わせて説明することができるスキルが一つだけあるんです」

ポニテ「ふあー。久しぶりに放出できたよー!おしっこをずっと我慢して我慢して出す感じに似てるから好きー!」

魔導長「常時発動型レアスキル、魔力変換炉……」

実況「レアスキル!?それはどういう能力なのでしょうか!?」

解説「体の維持に使う以外のエネルギーを、全て魔力に変換するスキルです」

実況「な、なんだってー!?」



543Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:20:44.6809IEzis0 (19/22)

378

--コロシアム--

実況「聞きましたか皆さん!!これはポニテ選手!恐ろしいスキルを隠し持っていました!!彼女は食べた物のエネルギーを魔力として使えるそうです!!それは老廃物も全て魔力に変換できるということ……つまり、うんこしない!!」

魔導長「さっきおしっこがどうとか言ってたの☆」

ゴオオオオオオオオ!

ツインテ「そ、そうか……だからポニテさんあんなにご飯ばっかり食べてて……ってあれ?そりゃあ溜めこんでおくのに越したことはないけれど……ポニテさんの食事の仕方、それを理由とするには……」

いちばぁ「れ、れあしゅきるー?お、おそろしいもんがあったもんじゃ」

ときじぃ「う、うむ。まるでこれじゃ、太陽が二つあるようなもんじゃ……」

急激な温度の上昇による脱水症状。老体にはあまりに酷である。

ポニテ「そういえば……あったね、そんな昔話が」

ざりっ

ポニテはゆっくりと老人たちに近づいていく。

ポニテ「ヤタガラスがさ、太陽に変身してさ、村を日照りにしちゃう話っ」

ゴオオオオオオオオオ!!


544以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/17(金) 01:22:19.86/p0.1Bko (1/2)

うんこしないww


545Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:23:40.7909IEzis0 (20/22)

379

--コロシアム--

ゴオオオオオオオオオお!!

いちばぁ「ひ、ひい!!あ、熱い!!」

ポニテ「魔力を火属性に変換してるだけだよ?特殊なことは何もしてないのにっ」

実況「ま、まるで火の化身!!太陽が二つあるようだーーー!!魔力障壁があるにもかかわらず、こちらにもその熱さが伝わってきています!!」

魔導長「温度自体は障壁関係ないの☆」

レン(これはすでに地形変更レベル……)

ジュッ!!

ときじぃ「……ひっ」

ときじぃ達の体が火に触れるたびに、二人は苦しそうに呻いた。

実況「こ、これは決定でしょう!!手足を焼かれては動くことすらできません!!」

ときじぃ「ま、……まいった」

実況「決まりましたー!!今降参が宣言されました!!勝者、チームユーシャアアアアアアアアアアズ!!」


546Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:24:59.7809IEzis0 (21/22)

380

--コロシアム--

スタッフ「消化班急げ!!」

ブシュー

実況「それにしてもまたもや主人公らしからぬ戦い方で勝利を決めましたチームユーシャーズ。果たしてこの快進撃はどこまで続くのか!?皆さん、もう一度盛大な拍手を彼らにー!!!」

わーきゃー

ブシュー

ポニテ「ふぅ。ちょっとやりすぎちゃったwwでもこれでツインテちゃんを守ることが出来たんだし、オーライだよねっ!ねっ!ツインテちゃんっ!」

振りかえったポニテが見た物とは、

ツインテ「……」

レン「……ツインテ氏また死亡」

ヤムチャのような姿で倒れているツインテだった……。



547Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/17(金) 01:28:32.7609IEzis0 (22/22)

>>517
現在ツインテが男の子だという事実を知っているのは、ツインテの両親とツインテのみです!!
ポニテはちんちんを見た筈なんですけど、勘違いだったと勝手に決め込んでいます。

>>520
すいません描写不足でした。
この世界の宿屋は、自分の部屋にシャワーとかはありませんので。



それでは本日はこれにて終わりにしたいと思います。
疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。

読んでいただきありがとうございました。m(__)m次回更新にご期待下さい!


548以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/17(金) 01:32:48.52/p0.1Bko (2/2)

乙!
なんだかんだで2人ともわりと強いなー
アッシュ、もっとがんばれ。今出番ねーけど


549以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/17(金) 01:59:01.70LSXA1kDO (1/1)

乙!
ツインテが全く働いてねぇw


550以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/17(金) 03:11:18.46abqvIsDO (1/1)

乙です。
うんちしないなんて、アイドルですかw


551Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 00:59:18.47EonPqDo0 (1/23)

こんばんはー。
突然ですがゲリラ投下いたします。それでは始めますー。


552Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 00:59:59.62EonPqDo0 (2/23)

381

--食事ロード--

アッシュ「ほれ買ってきてやったぞ雌」

アッシュは手に持っているたい焼きを金髪に差し出した。

金髪「ななっ!?言うに事欠いて雌犬ですって!?ひどすぎるっす!!やり直しを申請するっす!!」

犬とは言って無いしとアッシュ。

アッシュ「ならどんな呼び方ならいんだよ」

金髪「執事みたいにやって欲しいっす!!」

アッシュ「……呼び方じゃないの?作法のほうに問題があったの?」

金髪は真剣なまなざしでアッシュを見つめている。

アッシュ「……はぁ。じゃあなんだ、黒執事みたいにやればいいのか?」

金髪「いやデスノのワタリで」

アッシュ「しっぶ!!」


553Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:00:34.33EonPqDo0 (3/23)

382

--食事ロード--

アッシュ「なぁ」

金髪「あい?なんでふ?」

金髪はおいしそうにたい焼きを頬張っている。

アッシュ「お前、追われてるんじゃなかったか?」

金髪「ごくん。はい。追われてるっすよ?」

アッシュ「……随分と余裕だな。とてもそうは見えないんだが」

金髪は手を合わせてごちそうさまと呟く。

金髪「そんなずっと逃げてられないっすよ。それに今はアッシュ君といるのが楽しいっすからw」

アッシュ「俺は迷惑だがなっっ!!」

金髪「えぇ!?今の切れるとこっすか!?仮にも女の子から、一緒にいると楽しい発言をされたのにっ!?」

アッシュ「……………………初めてだったのに」

ツインテを思いながらボソリと呟くアッシュだった。


554Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:01:18.44EonPqDo0 (4/23)

383

--食事ロード、和食屋--

ポニテ「ね~え~!いい加減機嫌直してよーw」

ツインテ「いやですっ!!ポニテさんはボク達のことなんてどうでもいいんですよっ!!わかりますか!?肺の中から焼けるんですよ!?

その苦しみが……う、うぅ」

ポニテ「死んで無かったんだからいーじゃない細かいことはw」

ツインテ「その考えはおかしいと思います!!世界で問題になってるほとんどのことは細かいことになっちゃいますよ!!」

ツインテは珍しくプチギレていた。

レン「ツインテ、この魚おいしいよ?あーん」

ツインテ「うぅ……あむ」

弓女「まーまー。そんな怒んなよツインテ。せっかくお互い三回戦進出を決めたんだ。ぱっといこうぜぱっと」

斧女「比較的私達のブロックは楽でよかったですね」

盾男「……俺を盾にしてやりたい放題だからだとおもうんだ」

弓女「職業柄仕方ないだろが」


555Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:01:56.56EonPqDo0 (5/23)

384

--食事ロード、和食屋--

賭博師「よっ、お邪魔するぜ」

調教師「ぺこり」

ツインテ達の食事の席に賭博師達があらわれた。

弓女「あ、船のやつ!」

斧女「だれも同席していいとは言ってませんけれど」

賭博師は近くのテーブルから椅子を持ってきて、勝手に座りだした。

賭博師「まぁまぁ。全員三回戦行きのチームらしく、仲良くしようや」

ツインテ「あ、賭博師さん達も勝ち上がったんですか?」

賭博師「おいおいチェックしてないわけ?残念だなぁ」

調教師「……」

レン「じー」

レンは調教師をガン見している。


556Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:03:37.56EonPqDo0 (6/23)

385

--食事ロード、和食屋--

弓女「んで何の用だよ。あたしらの作戦でも聞きにきたのかー?」

賭博師「なんだ、作戦会議してたのか?そりゃ聞きてぇぜ。でもまぁ今回は違う話だ。ただ一緒に飯を食おうと思ってさ」

斧女「……うさんくさいですね。盾男の次に信用できません」

盾男「そんなにランク下がってるの今!?」

賭博師「信じてくれよ。こいつの作る料理ひでぇんだぜ!?この前なんてミミズでハンバーグ作りやがってさ!!」

調教師「新妻の知恵です」

ポニテ「どっかの都市伝説みたいだね!」

弓女「味はどうだったんだよ」

賭博師「それを聞くかぁ~?ふつー。……まぁ食用とかあるくらいだし、悪くなかったよ。原料知った後吐いたけど」

調教師「あの木はゲロを栄養にすくすくと育っています」




557Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:04:14.00EonPqDo0 (7/23)

386

--食事ロード、和食屋--

弓女「てか食事中にミミズとかゲロの話をしにきたんなら帰れこの野郎!!」

賭博師「ちゃうちゃう!頼むからまともな料理食わせてくれよ。あ、お姉さん、これ二つ頼むわ」

給仕「はい、野菜テンプレ定食二つですね?かしこまりましたー」

ツインテ(噛んだ)

ポニテ(言い間違えた)

弓女(テンプレ?)

賭博師(天ぷら定食ちゃんと来るかな……)

そんな中、斧女は賭博師を不思議そうな顔で見ている。

斧女「……前から思っていたのですが、貴方の顔、どこかで見た気がするんですよ」

賭博師「んー?何?俺ってば有名人だったのか?モテル男はつらいねーw」

斧女「……勘違いかもしれません。貴方のような下品な顔はどこにでもいそうですし」

賭博師「ひでぇ!!」


558Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:04:50.23EonPqDo0 (8/23)

387

--食事ロード、和食屋--

ポニテ「おねーさんっ!!この定食とこれ、ダースで持ってきて!!」

ツインテ「きょ、今日はいつになく食べますね……」

レン「にゃー」

弓女「……」

盾男「まぁその理由も明かされたわけだ。まさかレアスキルだったとは……」

ポニテ「えへへへ」

賭博師「あー!あー!でもあれだぞ、あぶねえぞ?レアスキル持ちだなんてのがばれちまうのは」

ポニテ「へ?なんで?」

ポニテは賭博師の所に運ばれてきた野菜の天ぷらを食い入るように見つめている。

賭博師「そら貴重だからだよお譲ちゃん。よくてどっかの国のスカウトに連れてかれるか、秘密の研究所に拉致られるか、どっかの金持ち

にさらわれるか、変な組織がetc……」

ツインテ「え、えぇ!?」


559Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:05:55.88EonPqDo0 (9/23)

388

--食事ロード、和食屋--

賭博師「大体本気で強いやつや特殊な能力を持っているやつが、公の大会に出ること自体間違ってる……なぜか今回は魔導長出てるけどな。三本角候補の二人は、どうせ三本角になったらデータが公開されちまうからあんまし関係ないのかもしれないけれどよ」

ポニテ「なんで?なんで大会とか出ちゃだめなの?自分の強さがどんなものか試してみたくなふじゃんもふもふ」

ポニテは光速の手さばきで野菜の天ぷらをかすめ取り口に入れた。

賭博師「あ、こらー!!……はぁ。だって考えてもみろよ。大会なんてみんなに手の打ちばらしてるようなもんだぜ?どんな職業についてるのかにもよるけど、今後の人生で確実に不利にならぁな」

ツインテ「!!な、なるほど確かに……」

賭博師「武術大会なんてのは人材発掘の儀式みたいなもんだ。色んな国のスカウトが会場にいるぜ。もっとも西の王国はそれを見越してやってるんだろうけど、残念ながら表の組織だけが狙ってくるわけじゃないしな」

弓女「……」

ポニテ「別にそんなの倒しちゃえばいいだけだしw」

賭博師「……身も蓋もねぇな」


560Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:06:35.97EonPqDo0 (10/23)

389

--食事ロード、和食屋--

賭博師「さてそう上手くいくかな、だって手の打ちをばらしたということは、自分の価値をさらすだけでなく、自分の弱点をさらしているんだぜ?」

ポニテ「弱点なんてないもん!」

賭博師「そっか?例えば……うーん。お譲ちゃんは燃費悪いみたいだから、飢餓の魔法とか打たれたら速攻で自滅するんじゃないか?」

レン「!!」

盾男「飢餓の魔法ってたしか」

斧女「相手の身体エネルギーを減少させる部類の魔法です。空腹にさせることで行動を制限します」

賭博師「そーそー。見た所お譲ちゃん、そのスキルを扱いきれてるようには見えないしな」

ポニテ「っ」

ツインテ(そうだ……ただ溜めこむだけの能力ならこんなにも食事を取ろうとは思わないはず。ポニテさんは計算で戦えるタイプじゃないし……ということはポニテさんは純粋に空腹なんだ……それは)

賭博師「お譲ちゃんはそのスキルに食われてるんだろ」


561Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:08:34.99EonPqDo0 (11/23)

390

--食事ロード、和食屋--

ポニテ「……そんなことないもん」

ポニテはそう言ってご飯をかきこんだ。

ツインテ(そうだ……ポニテさんのスキルは恐らく、生命維持に必要な分以外のエネルギーだけを魔力に変換してるわけじゃない。必要なエネルギーも自動で変換されてるんだ。次から次へと食事しないと生命を維持できない程に……)

レン「……」

弓女「でもポニテ結構胸あるよな」

斧女「確かに。生命維持に不必要なエネルギーを魔力に変えるというのなら真っ先に無くなるのは二つの膨らみでしょう」

賭博師「む……確かにそうだな。あれ?俺間違えちゃったか?」

調教師(それほど大事な部分なのだという解釈もありますが)

盾男「なんだよ、無駄に不安を煽るなんてなんてやつだ。楽しく食事を出来ないのなら離席してもらおう」

弓女「そうだそうだ!!盾男と一緒にどっかいけ!!」

盾男「俺も!?」


562Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:09:15.00EonPqDo0 (12/23)

391

--食事ロード、和食屋--

斧女「いやむしろ私達がここを離れましょう」

すっと立ちあがる斧女。

弓女「へ?」

斧女「私達はもう食事を取り終えましたし、これからはスウィーツタイムです。では賭博師、調教師、ごきげんよう。大会で当たった時は容赦しませんのでそのつもりで」

ツインテ「え?ぼ、ボク達もですか?あ、じゃ、じゃあお先に失礼します」

ポニテ「えー!ご飯終わりー?」

弓女「今度はデザート食えデザート」

レン「にゃー。おいも食べたい」

ツインテ、ポニテ、レン、弓女、斧女が離席した。

盾男「……」

賭博師「……なんか、あんた大変だな」

盾男「……わかって、くれるか?」

盾男は一筋の涙を流す。

賭博師「てかあいつら金払わないで出ていきやがった!!ひでぇ!!」


563Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:09:57.83EonPqDo0 (13/23)

392

--酒場--

包帯女「ぷはーー!!おやじーー!!もう一杯ー!!」

義足「おい包帯女ー、もうやめろよ体に悪いぞ?……大体昼間だってのに」

包帯女「うるしゃいうるしゃーい!!何よ!悔しくないの!?わらひ達闘ってる所をカットされたのよ!?あんなに頑張ったのに!!しかも負けたし!!」

義足「仕方ねぇよ……ばけもんだもん」

包帯女「くそーー!!しかもあいつら本気じゃなかったわよ絶対!!見下してたもんっ!!きーーー!!」

テンテン「ががぴー」

かつてテンテンと呼ばれていたもの……それは今、アシモにクリソツな物体と化していた。

義足「……はぁ。回復魔法では機械直せないしよ……構造わかってないと修復魔法使えないし……どうしよこれから」

義足は深いため息とともにテーブルに突っ伏した。



564Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:11:27.88EonPqDo0 (14/23)

393

--食事ロード--

ポニテ「あっ!!」

アッシュ「む!」

ポニテは前から歩いてくるアッシュを発見し指差した。

弓女「おぉ。そういや船に乗ってる時にはもう一人仲間いたんだっけか」

ポニテ「アッシュ君久しぶりっ!!……ってその隣の女の子……誰?」

金髪「はえ?アッシュ君、この人達はお知り合いっすか??」

アッシュ(くっ!!面倒くさいことに……ここはさっさと場所を変えた方がよさそうだ)

ポニテ「はわわ、ま、まさかアッシュ君……その子……現地妻?」

アッシュ「ばっ!何を言ってやがる!!」

ツインテ「お待たせしましたー皆さんクレープ買ってきましたよー。って、アッシュ君?」

アッシュ「な、なな!」


565Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:12:41.90EonPqDo0 (15/23)

394

--食事ロード--

ツインテ「うわーお久しぶりです。まだ二、三日しかたってないですけど……なぜかそんな風に感じちゃいましたwお元気でしたか?ご飯食べてますか?あれ?その人は……」

アッシュ「ち、ちちちちち違うぞ!?こ、ここここここれはご、ごごごごかいだ!!」

残像が出来るほど動揺しだすアッシュ。

ポニテ「私の眼でもとらえきれないよ!!」

金髪「……ふーん」

金髪はツインテを一瞥するとアッシュの左腕に自分の腕をからませていった。

アッシュ「!?ば、ばか何してんだお前!!」

金髪「わたくし達、見ての通りお付き合いしているんですのことよ?」

ポニテ「な、なんだってー!!」

アッシュ「なにいいいいいいいいい!?」

レン「にゃー」

ツインテ「……」


566Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:13:20.64EonPqDo0 (16/23)

395

--食事ロード--

アッシュ「ち、ちち違うんだツインテ!こいつの言ってることは全部ウソだ!!」

金髪「毎日一緒に温め合って寝ていますのことよw」

ポニテ「な、なんだってー!!」

レン「にゃー」

ツインテ「……」

アッシュ「き、きさま!!……せっかく今まで面倒みてやったというのに、どういうこと」

金髪「ずっと一緒にいてやる。とか言われたんですのことよ!」

ポニテ「プロポーズだとおおお!?」

金髪「昨晩だって腕を広げてこっちに来い、って誘われて……キャッ」

ポニテ「破廉恥過ぎるぞこの野郎!!」


567Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:13:51.08EonPqDo0 (17/23)

396

--食事ロード--

アッシュ「ち、ちが、ちがうんだ、し、しんじてくれ、ツインテ……」

アッシュは白眼をむいて、口からあわを噴き出しながら痙攣していた。

斧女「……壮絶ですね」

ポニテ「ちゅーは!?ちゅーはしたのか!!」

金髪「しましたw」

アッシュ「かはっ!!」

アッシュは体の穴という穴から血を垂れ流し始める。

弓女「……どこの屍人だ」

ポニテ「アッシュ君のその反応……どうやら嘘ではないようだね!!」

アッシュ「ひゅー、ひゅー……つ、ツインテ……」

アッシュは震えながら腕を伸ばした。

金髪「……」

そして金髪はとどめとばかりにアッシュの頬に


568Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:14:23.85EonPqDo0 (18/23)

397

--食事ロード--

弓女「ひゅ~!見せつけてくれんねぇww」

ポニテ「あ、あがが!!は、破廉恥だよっ!!」

レン「にゃー」

アッシュの垂れ流す液体の色がどす黒い何かに変色する。

斧女「……この子人間ですか?」

最もな疑問を口にする斧女。

ツインテ「……そうですか。そういうことだったんですね」

アッシュ「!!!!!!!!!ツイ」

ツインテ「なんでアッシュ君がこの国に入りたくないのか。今わかりました……この西の王国はアッシュ君の出身国なんですね」

ポニテ「?それと今の状況にどう関係があるのっ!?」

ツインテ「多分アッシュ君は、昔の知り合いに今の知り合いといる所を見られたくなかったんですよ……」

アッシュ「!?」


569Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:15:09.69EonPqDo0 (19/23)

398

--食事ロード--

斧女「あー、ありますね。グループによってノリを使い分けていたりしますし」

弓女「そっかぁ?あたしはそんなことないけどなー」

アッシュ「ち、違う!!違うぞツインテ!!」

ツインテ「そりゃぁ男の子ですもん。母国に愛する人の一人や二人、いない方がおかしいですよね……」

弓女「おい、なんか10代前半がすごいこと言いだしたぞ」

アッシュ「ツインテ……」

ツインテ「そこは別に何もおかしくないですよ……でも、アッシュ君が、そこまで、ぼく、達と、一緒に、いるところを、見られたくない、だなんて……思ってただなんて……」

徐々に顔を歪め、ポロポロと涙を零し始めるツインテ。

アッシュ「!!!!」

ツインテ(それほどまでに、ボクは役立たずだったんだ……今までの旅でも、この大会でだって……ボクは、ボクは何の役にも立っていない。アッシュ君達からしたら、一緒にいるのすら恥ずかしい存在だったんだ!)

レン「ツインテ……」

レンはツインテの傍に近寄っていく。

ポニテ「ツインテちゃん……そんなにもアッシュ君のことを……」


570Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:15:52.39EonPqDo0 (20/23)

399

--食事ロード--

アッシュ「」

ツインテの涙を見たアッシュは石と化した。

弓女「ツインテ……よしよし、辛かったな」

弓女はそんなツインテを抱きしめてやる。

ツインテ「ひぐっ!う、ううぅ」

ポニテ「最低だよアッシュ君!!こんなにもツインテちゃんはアッシュ君のことを想っているのにこれみよがしに!!」

アッシュ「な、なに!?想っているだと!?」

アッシュはおまわぬ言葉で石化が解除されるが、目の前に広がっていたのは地獄だった。

斧女「理由はどうあれ、女を泣かせるのはかっこよくないですね」

アッシュ「な、なぜだ……俺はどこをどう間違えた!?」

金髪(さすがにちょっと……やり過ぎたっすかね)



571Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:17:03.46EonPqDo0 (21/23)

400

--船着き場--

ザザーン

アッシュ「……」

まるで廃人のようになって、小さく佇んでいるアッシュ。
アッシュはぼーっと海を眺めていた。

金髪「あ、あのー……ドリンクを買ってきたっすよー?」

アッシュ「……ぐす」

そしてときたま、昼間のことを思い出しては啜りあげていた。

金髪(ま、まさかあのドSなアッシュ君がここまで落ち込むだなんて……そんなにもあのツインテールの子のことが好きだったんすか……)

金髪は少しだけ顔を曇らせるのも、

金髪「あ、アッシュ君!本当~~~~に申し訳なかったす!!だから、元気出して下さいっすよ!!」

アッシュ「……」

金髪「あ、あのツインテールの女の子が泣いていたのは所謂SHITなんすよ!!それはつまり、それだけアッシュ君のことを想っていたってことなんす!!」

アッシュ「!!」

金髪「だからアッシュ君、気を取り直して元気に行こうっす!!チャンスをピンチに!!」

アッシュ「……逆だろ」


572Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:19:17.06EonPqDo0 (22/23)

401

--路地裏--

金髪「ささ、ついたっすよ!あたしらのマイホームっす!」

アッシュ(……くそ。いつまでもへこんでたってしかたないな……よし)

アッシュは深呼吸をして気分を入れ替えた。

アッシュ「……ふん、今度はこっちの番だ」

金髪「はい?」

アッシュ「メイドのように出迎えろ」

金髪「……いやっす」

アッシュ「な、なんでだ!!さっき俺が執事らしくやったんだから等価交換すべきだろ!?」

金髪「ワタリの執事と等価交換するのなら、それ町のばあちゃんのメイドが一番釣り合うと思うっすが」

アッシュ「墓穴を掘った!!」

アッシュは頭を抱えてしゃがみこむ。

アッシュ「……いやいやなにをまじに残念がってるんだ俺は。それはそれで面白そうだし……よしやってみろ」

金髪「え……まじでやるっす?」

アッシュ「まじ。少なくともお前は俺に多大な借りがあるはずだ」

金髪(……口調とかわからねーっすよ。まぁメイドなんてこんな感じにしときゃ大丈夫すよね)

金髪はスカートを持ち上げてお辞儀した。

金髪「おかえりなさいませご主人様。お風呂にします?ご飯にします?それとも……」

金髪は頬を赤らめた。

アッシュ「ごくっ」

金髪「ワ・タ・リ?」

アッシュ「どういう選択肢だ!!」



573Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/18(土) 01:20:57.91EonPqDo0 (23/23)

というわけで中途半端な番号になってしまいましたが、今日はこの辺でおいとまします。
疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。

読んでいただきありがとうございました!!m(__)m
次回更新にご期待下さい~!


574以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/18(土) 01:26:11.33b3XItgDO (1/1)

乙!
アッシュ君とツインテが可愛すぎて生きるのが辛い


575以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/18(土) 02:12:51.462pjDphwo (1/1)

今日は予言者出なかったのかww



576以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/18(土) 05:20:51.09OTzpycDO (1/1)

乙です。
更新、感謝


577以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/18(土) 17:06:56.60pGNdrfAo (1/1)

おつー
今回も面白かった


578以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/19(日) 07:48:00.91Lx5Vsyko (1/1)


朝からコーヒーぶちまけた


579Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/20(月) 14:18:18.99PKSXIkDO (1/1)

~楽屋裏なんでもかんでも~

踊子「はい~唐突に始まりました無駄コーナ~。これはQw0が書き込みにこれない時のための場つなぎ&裏の解説をするためのコーナーらしいです~。一回目はわたし、踊子が担当させていただきます~」

・テーマ:船上で選んだ本について・

踊子「まずはこれですね~。あの黄色とか色のついた本を選ぶ選択肢のことです~。あれは本来、本編の物語に非常に関係してくる選択肢でした~。どっちの番外編を選ぶかによって、そこで登場したキャラがピー」

《しばらくお待ちください》

踊子「……結局禁止なんですか~?だめ?……はぁ。まぁいいです~。とにかくどっちの本のキャラが本編に出るかを決めるものでした~。ちなみに選んだ本の方のキャラとは限りません~。選ばれなかった本のキャラが本編に出てきたのかもしれません~。てか言い回しが面倒くさいですね。ぶっちゃけテンテン達と研究員」

《スタッフに取り押さえられる踊子》

踊子「ちょ、汚い手で触らないで下さい!!セクハラで訴えますよ!?はぁ!?……はいはい真面目にやりますよ~。まぁ選択肢どうこうって言っても、あのアフォが結局両方書いちゃいましたからね、今後どうなるのかわからないみたいですよ~W本当マヌ」

《ザー》



580以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/20(月) 16:08:22.86phPeqgSO (1/1)

つまりご飯にはタラコってことでおk?


581以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/21(火) 08:13:38.80bpnZKEDO (1/1)

いや、真の答えは「海苔の佃煮」だ


582以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/21(火) 10:23:26.65065el2DO (1/1)

何を言っている
ちりめんじゃこに決まってるだろう?


583以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/21(火) 15:43:41.821ZrySlM0 (1/1)

シャケほぐしに熱々ごはん+ゴマ これぞ黄金比 !!


584以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/22(水) 07:43:43.50tb6yw6DO (1/1)

なら梅干しは貰っていくぞ


585以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/22(水) 19:58:57.75RKQZekAO (1/1)

タマゴちゃん(;´Д`)ハァハァ


586Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 17:52:15.90VsNBzCk0 (1/21)

えと……ご飯のおかずスレになってしまいましたけど、続きを投下したいと思います。


587以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/23(木) 17:53:05.42TyCvpSAo (1/1)

わほー!


588Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:21:00.52VsNBzCk0 (2/21)

402

--宿屋--

ツインテは誰もいない部屋の中で、枕を抱いて寝っ転がっている。

ツインテ(なんでボク泣いちゃったんだろ……足手まといになってることがこんなにも辛く感じるだなんて……昔のボクならそんなことなんとも思わなかったのに)

足をパタパタ。

ツインテ(駄目ならすぐにでも旅をやめて帰ろうと思ってたのに……おかしいね)

ぼふっ

ツインテ(そっか……ボク……みんなとずっと一緒にいたいんだ)



その様子をドアの隙間から見ているポニテとレン。

ポニテ「は、はわわわ!!かわいいよぉお!!乙女かっ!!」

レン「……」

その日の夜、レンはアッシュを暗殺する計画を立てたとか立てないとか。


589Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:22:00.11VsNBzCk0 (3/21)

403

--コロシアム--

翌日。

実況「三回戦はダイジェストでお送りいたします」

解説「まじですか」

実況「三回戦第一試合は、チームギャンブラーがチームカイジを焼き土下座させて勝利しました!」

解説「金は命より重い・・・・!」

実況「第二試合はチーム機動六花が勝ちました」

解説「説明すらない」

実況「第三試合はチームユーシャーズがPK戦のすえ、辛くも勝利!!」

解説「中に誰か入ってればよかったんですけどね」

実況「そして第四試合の勝者は今決まりました……チィィィム、ウィンドォォ!!」

わーきゃー

実況「ここに準決勝へとコマを進める四チームが出揃いました!!」


590Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:22:38.53VsNBzCk0 (4/21)

404

--コロシアム、特別部屋--

西の王「この度はわざわざ出向いていただきありがとうございます」

??「別にいいのよぉ。西の王国は海産物がおいしいしねぇ」

秘書「お茶でございます」

??「あらありがとう。この人……あなたのこれかしら?」

西の王「御冗談を」

秘書「私なんかでは陛下とはつり合いません」

??「ほほほ。それは本当なの~?」

老齢の淑女は口に手を当てて笑う。

西の王「それより予言者様、今年の予言を」

??改め予言者「そうねぇ」


591Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:23:29.27VsNBzCk0 (5/21)

405

--宿屋、食堂--

その夜、宿屋の食堂で無言で食事をする六人。

ツインテ「……」

ポニテ「はむほむっ。がぶがふっ」

レン「あむ」

カチャカチャ

弓女「……」

斧女「……」

盾男「……」

ツインテ(き、気まずい……)

弓女「まぁ……お互い勝ち続けてるんだから当然ちゃぁ当然だけどよ。明日はついにうちらが闘うことになるんだな」



592Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:24:13.69VsNBzCk0 (6/21)

406

--宿屋、食堂--

あの後行われた抽選の結果、準決勝第一試合の組み合わせはチームユーシャーズ対チームウィンドとなったのだ。

ツインテ「は、はい……」

斧女「ツインテ、食事が進んでいませんよ?それとも明日の敵とは一緒に食事は取れませんか?」

ツインテ「そ、そんなんじゃないんです!!……でも、出来たら弓女さん達とは、戦いたくなかった、です。だって、二人ともとてもいい人ですから」

盾男「なんで三人じゃないの!?また俺だけはぶられた!?」

弓女「私らは本気でいくぜ」

ツインテ「!!」

斧女「ええ当然です。私達は優勝するためにこの大会に参加したのですから」

ツインテ「っ……」

弓女「……後腐れないように言っておく。私達はな、この大会の団体戦の優勝賞品を取りにきたんだ」

ツインテ「優勝……商品?」

盾男「サタンボーン……所謂魔王の骨と言われているアレだ」


593Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:25:11.09VsNBzCk0 (7/21)

407

--宿屋、食堂--

レン「!!」

ツインテ「魔王の骨……まるで魔王の一部分で作られているかの如く、異常な力を持った構築物のことですよね?……」

弓女「そうだ。私達はあれが欲しいんだ。だから明日はお前たちを倒す」

ツインテ「っ!!」

斧女「えぇ。ですから痛い目にあいたくないのであれば棄権することをお勧めします」

ツインテ「そ、そんな……」

盾男「悪いが、これも役目なんでね……ごちそうさま」

ガタガタ

三人は立ちあがる。

ポニテ「ふふんっ!こっちのセリフだよ!!明日は私達がお姉さん達を倒して見せるよっ!!」

ポニテはニコニコ笑いながら箸を振り回す。

弓女「ふっ。その意気だ」

三人は食堂から姿を消した。


594Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:26:26.14VsNBzCk0 (8/21)

408

--宿屋、女子露天風呂--

カポーン

ツインテ「はぁ」

ポニテ「どうしたのツインテちゃん、ため息なんかついちゃって、さっ」

バシャっ

ツインテ「わぷっ!や、やめてくださいポニテさん!……ため息だってつきたくもなりますよ。だって……」

ポニテ「あんなに仲良くなった人達と戦わなくちゃならないから?」

ツインテ「……はい。それに弓女さん達はちゃんとした目的があってこの大会に参加しています。それに比べてボク達は……単なるノリで参加しているだけじゃないですか。もし勝ってしまったらあの人達に申し訳ないです……」

ポニテ(さりげなく勝つ方向で考えているのがツインテちゃんの結構すごいところだよね)

レン(にゃー)

ポニテ「でもさツインテちゃん、私は優勝したいんだよ」

ツインテ「……したいだけじゃないですか」

ポニテ「うん。それはちゃんとした目的にはならないのかな?」


595Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:27:26.79VsNBzCk0 (9/21)

409

--宿屋、女子露天風呂--

ツインテ「わかりません……でも」

ポニテ「私はこの仲間だから優勝したいの」

ポニテはズイっと顔を近づけて言った。

ポニテ「私の仲間はこんなにすごいんだよって、世界中に知らしめてやりたいのっ!!」

ツインテ「ぽ、ポニテさん何言って、っていうか顔ちかっ!」

ポニテ「それに弓女さん達だって全力で戦ってくれることを望んでいるよ!!さっきのは私達を突き放すために言ってたんじゃない、発破をかけてたんだよ!!」

ツインテ「……っ」

レン「ツインテ、しっかりたたかおう」

ツインテ「うぅ……」

ポニテ「それにツインテちゃん、これはアッシュ君を見返すいい機会だとは思わないかっ!?」

ツインテ「!?」



596Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:28:25.04VsNBzCk0 (10/21)

410

--宿屋、女子露天風呂--

ポニテ「この大会で優勝したらきっといいアピールになるよっ!!(女性の魅力的に)そしたらあっちからごめんなさいしてくるよ!!」

ツインテ「そ、そっか……これで優勝したら、アッシュ君も見直してくれるかもしれない……(戦力的に)」

レン「ぶくぶくぶく」

レンは湯の中で爪を研いでいた。

レン(アッシュコロスアッシュコロスアッシュコロス……)

ツインテ「そうですね……確かに全力で戦わないのは失礼にあたります……わかりました!明日は、明日は絶対に勝ちましょう!!」

ポニテ「おー!!」

レン「アッシュはぁはぁ」

月の出る夜の露天風呂にて、三人は目標、優勝を掲げる。

ツインテ(はっ!!……もう女子露天風呂に入るのが当たり前になってしまった)

ツインテの大事な所は、もはや自分でさえ確認出来ない。


597Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:29:06.97VsNBzCk0 (11/21)

411

--コロシアム--

実況「さぁこの夢の祭典も残すところ今日を含め二日間のみとなりました!!それでは早速、準決勝第一試合のチームを発表させていただきたいと思います!!」

わーきゃー

実況「まずはバランスの取れたチーム構成、華は無くとも安定感はある!!チーム、ウィィィンドォォォォォ!!!!」

わーきゃー!!

弓女「てんめっ!!華が無いとはなんだ華が無いとは!!」

斧女「そういう意味で言ったのではないのでしょうが、多少腹が立ちますね」

盾男「……」

実況「そしてもう一チームは若き新星、チーム、ユウウウウウウウウウシャアアアアアアアアアズ!!!!」

ツインテ「う、うわ。今までより観客の数が多い……」

ポニテ「ふっふっふー!!」

レン「にゃー」

弓女「よぉ、昨日はよく眠れたかよ」


598Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:30:09.75VsNBzCk0 (12/21)

412

--コロシアム--

ポニテ「うんっ!!」

ツインテ「正直……よくは」

レン「にゃー」

斧女「三者三様ですね」

ツインテ「でも」

弓女「?」

ツインテ「ボクは、ボク達は全力で戦います。全力で戦って、貴方たちに絶対に勝ちます!!」

弓女「…………へっ!!そうこなくっちゃ!!」

ポニテ(あんなに内気だったツインテちゃんがよくぞここまで……これが愛の力なのかなー!)

実況「それでは両チーム、準備は大丈夫でしょうか!?」

6人は静かに頷いた。

実況「それではあああああああああ、準決勝第一試合いぃぃぃぃ始め!!!」



599Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:30:47.71VsNBzCk0 (13/21)

413

--コロシアム--

ダンっ!!

斧女「!!」

斧女は斧を構えて一番に駆けだす。

ガギィィイン!!

ポニテ「くぅ!!結構重いよぉ!!」

それを二つの剣で受け止めるポニテ。

斧女「ふっ!!」

ギシッ

斧女は斧に自分の体重を乗せ、更に圧力をかける。

ポニテ「ぐっ!!」

レン「錬金ツール、起動」

レンは道具を取り出し一瞬でゴーレムを作りだす。

ゴーレム「まぎょまぎょまぎょ!!」


600Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:31:37.29VsNBzCk0 (14/21)

414

--コロシアム--

ゴーレム「まぎょぉぉ!!」

ゴーレムは斧女に向かって拳を振り下ろす。

弓女「おいおい、これは団体戦だっつの」

バキィン!!

レン「!!……氷矢」

ゴーレムの体には弓女が放った矢が刺さっており、ゴーレムは氷の彫像となっていた。

弓女「一人に複数で構ってたら、他のがフリーになっちまうぞ?」

ツインテ「はっ!!盾男さんがいない!?」

盾男「上だ」

ポニテ「!?」

ドグシャアア!!


601Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:32:26.12VsNBzCk0 (15/21)

415

--コロシアム--

解説「盾落とし。重量のある盾を下にして落下する、盾兵の数少ない攻撃技ですね。これはツインテ選手、まずいかもしれませんよ」

レン「ツインテー!!」

ポニテ「よくもっツインテちゃん、をー!!」

ギャリン!!

ポニテは斧女を弾き飛ばす。

斧女「ぐっ!」

弓女「どきな斧女、盾男!!」

斧女「!!」

盾男「!!」

弓女が何をしようとしているのか察したのか、二人はさっとその場を離れた。

弓女「氷属性付加、十連矢射」

ドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュ!!




602Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:33:18.05VsNBzCk0 (16/21)

416

--コロシアム--

ポニテ「!!氷の矢がいっぱい!私の後ろに!」

ポニテは剣を構え迎撃しようとするが、

ブゥン

ポニテ(!?魔力が出ない!?)

斧女「スキル、魔力一時停止。私と接触したものは一時的に魔力が使えなくなります。こういうのもあると参考までに」

ヒュンッ

ポニテ「やば」

バッキャアーーーーン!!

ざわざわ

弓女「全弾……命中」

リングの上には巨大な氷の構築物が出来あがっていた。



603Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:34:44.36VsNBzCk0 (17/21)

417

--コロシアム--

実況「ま、まさに瞬殺!!チームユーシャーズ、一瞬の油断から氷漬けになってしまったぁぁぁぁーー!!」

弓女「手ごたえは?」

盾男「あった。ろくなものも装備していないツインテでは耐えられないだろう」

弓女「……そっか」

斧女「あの子達にもきっといい教訓になったことでしょう。あの歳で戦いの場に出てくるのはいささか早い」

弓女「はぁ。だな」

じゅぅうう

弓女「……?なんだ?」

じゅううううううう

斧女「!!まさかあの氷を中から溶かして!」

じゅううううううううううううう

盾男「馬鹿な!!凍った状態からなんて魔法が使えるか!!」

?「なら答えは簡単、凍ってないんだよっ」

どばぁあああん!!

氷をぶち破って、ポニテが飛び出す。


604Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:35:27.17VsNBzCk0 (18/21)

418

--コロシアム--

弓女「な、にぃ!!」

ポニテは両手の剣をリングに突き刺して魔法を唱える。

ポニテ「範囲殲滅、火属性魔法、レベル2!!」

とぐろを巻く炎がポニテの両手から発射される。

ゴオオオオオオオオオ!!!!

斧女「!!水属性防御魔法レベル3!!」

ドバシャアン!!

斧女が作りだした水の障壁と、ポニテの放った炎がリングで押し合っている。

斧女「ぐ!相性がいいはずなのに!!」

ゴオオオオオオオオ!!

実況「ポニテ選手は未だけんざああああい!!しかしリーダーであるツインテ選手は大丈夫なのでしょうか!?ねぇ解説さん!!」

解説「あの歳で殲滅系まで使えるとは恐ろしい才能ですね。通常、対単体、範囲、範囲殲滅と後になればなるほど習得は難しいのですが」


605Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:36:12.21VsNBzCk0 (19/21)

419

--コロシアム--

盾男「俺がやる!」

盾男は斧女の前にまで行くと、盾を構えて炎に特攻した。

ジュヨオオオオオオオオ!!

弓女「!?盾男!!」

斧女「盾男さん!」

盾男「スキル、魔力相殺!!」

パキュィイン

盾男が魔力を放出すると、ポニテの火の魔法は消え去った。

ポニテ「う、うそ。結構魔力練り込んだんだけどなぁ今の!」

盾男「くそ、随分持ってかれたぜ。たった一発でこのざまか」

解説「魔力相殺は、相手が使った魔力量と同じ分の魔力を払うことにより1:1交換で相殺できる便利なスキルですね。肉体系はこのくらいしか魔法対策が無いので必須扱いです」


606Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:36:59.21VsNBzCk0 (20/21)

420

--コロシアム--

弓女「……どうやって私の矢から」

ガラっ

氷の壁が崩れて、中から二人が姿を現す。

ツインテ「ボクが水魔法で全弾受け止めました。いてて」

盾男「!?確実に潰したはずだが……」

ツインテ(回復持続……よかったかけておいて。体力が全開なら一撃死することはないってのは本当だった)

レン「ポニテ」

レンはポニテにブローチを投げて渡した。

ポニテ「?これなに?」

レン「今から30分間だけ、付けてる物はスキルの対象にならない。魔力一時停止はもう気にしないでいい」

斧女「!?」

ツインテ「範囲回復、水属性魔法、レベル3!!」

青く澄み切った魔力がツインテ、ポニテ、レンの体を癒していく。

ツインテ「さぁ、反撃開始です!!」


607Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/23(木) 18:40:56.17VsNBzCk0 (21/21)

前半戦終了というわけでまた書き溜め&休憩に入ります



また今日のうちに来たいと思います。もしこれなかったらごめんなさい。m(__)m
それでは!!


608以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/23(木) 19:21:05.23sNxFt0Yo (1/1)

乙乙
ついに女の子になっちゃうか


609以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/23(木) 19:44:56.432AxpwGs0 (1/1)

寧ろ今までツインテは、自分の性別を勘違いしていたのでは。


610以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/23(木) 20:58:05.60S2ioEEE0 (1/1)

乙です。


611Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:01:03.47AZSD4bQ0 (1/23)

後半戦です。
書き溜めは終わらなかったので書きながらいきたいとおもいます!


612Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:02:32.18AZSD4bQ0 (2/23)

421

--コロシアム--

弓女「ちっ……容赦無く問答無用でやったのによ……」

弓女は矢籠から新たに矢を取りだす。

弓女(まて、ツインテは水魔法で受け止めたって言ったな……。どんな魔法だ?それを凍らせられたことには変わりないんだが……)

盾男「弓女!!お前はツインテに矢を打ち続けろ!!斧女!!お前はレンをやれ!!あのチームは前線で戦えるやつはポニテしかいない。必然的に守りは薄いはずだ!!」

ツインテ「!!」

弓女「オッケー!!」

斧女「了解です!!」

チームウィンドの三人はツインテ達目がけ走り出す。

ツインテ(確かにそうだ。ボクやレンさんは本来は補助系の職業なんだ。ガチ前線系で固められた三人に突っ込んでこられたら……くっ!)

ツインテは思考を巡らしている間にゴーレムは氷の呪縛から抜け出すことに成功する。

ツインテ(どうしよう、どうしたらいい!)

レン「錬成、爆弾」



613Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:18:01.27AZSD4bQ0 (3/23)

422

--コロシアム--

盾男「ぎょっ!?」

レン「ツインテ、気にしないでいい。ツインテが戦い苦手なのはわかってる。だから、レン達がまもってあげる」

ツインテ「レンさん……っ!!駄目なんですそれじゃ!!ぼ、ボクは、ボクはみんなの役に立ちたいんだ!!」

弓女「っ!とりあえず言われた通りに撃ちまくる、っかっと!!」

ドシュドシュ!!

ツインテ「水属性魔法、触手!!」

うにょろん

ツインテは水でできた触手でもって氷の矢を受け止めていく。

どぷん、パキパキ

弓女「なーる。あれで受け止めてたのか。凍っちまっても切り離せばいいだけだしな。中々うまくかんがえられてやがる」


614以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/24(金) 00:18:14.08ZuAbZXko (1/1)

間に合わなかったかと思ったらそんなことはなかった


615Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:23:52.38AZSD4bQ0 (4/23)

423

--コロシアム--

斧女「っ!!」

ドォン!!

斧女は投げつけられた爆弾をなんとか回避するも、その威力を目の当たりにして驚く。

斧女(十分な殺傷力を持っている……まさかこんなのをいくつも作れるとか言わないでしょうね?……)

レン「……避けられた。錬成、爆弾×20」

斧女「!?!?」

レン「ゴーレム、投げて」

ゴーレム「まぎょおお!!」

ヒュンッ、ヒュンっ

斧女「ちょっ!!」

ドドドドドゴオオン!!!!


616Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:29:42.52AZSD4bQ0 (5/23)

424

--コロシアム--

実況「おぉっと激しい展開になってきました!!さすがに準決勝ともなると違いますね!!……というか斧女さん大丈夫でしょうか。死んでいたとして、死体が残って無いと復活が……」

ボフッ

黒煙を抜け、猛スピードでレンに突っ込んでくる斧女。

斧女「やりますね!!でも私達は飛び交う砲撃の中を前進したことだってあるんですから!!」

レン「!!ゴーレム!!」

ゴーレム「まぎょおお!!」

スッ

振りまわすその腕の力に決して逆らうことなく、斧女は攻撃を受け流す。
そしてがら空きになったレン。

斧女「もらいました!!」

レン「!!」

ドシュッ!!


617Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:35:22.30AZSD4bQ0 (6/23)

425

--コロシアム--

斧女が切り裂いた物は、レンの形をした土塊だった。

斧女「!?これは、土人形!!」

レン「忍法変わり身の術……なんちゃって」

斧女「!?」

ゴーレムの顔が崩れ、中から本物の顔が現れる。

斧女(ゴーレムと一体化していた!?そんな時間なんて無いはず!!まさか、最初から本物は)

ドゴシッ!!

ゴーレムを纏ったレンの一撃が斧女を弾き飛ばす。

斧女「がはっ!!」

レン「シュレディンガー……攻撃してみなければ本物かどうかわからないにゃ」


618Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:37:14.85AZSD4bQ0 (7/23)

426

--コロシアム--

斧女「ばかっ……な!!」

斧女はリングの端で悶えている。

斧女(いや……多分そうだ……レンは、『錬成できる錬成物』を錬成していた!!)


ポニテ「くあっ!!」

ギィンガキィン!!

盾男「ほっ、ほっ!!」

ポニテ「か、硬いぃぃ!!なんで突破できないのー!!」

解説「あの勇者討伐戦争以前は攻撃的な魔法やスキルがもてはやされましたが、これも時代の流れというのでしょうか。現在は回復系魔法や防御系に重きが置かれています。モンスターを相手にするより、人間を相手にすることが多くなった結果だと言われています」

実況「そしてモンスターよりも人間の方がやっかいだと……」


619Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:38:02.08AZSD4bQ0 (8/23)

427

--コロシアム--

ギィン!!

ポニテ「あっ!!」

盾に弾かれバランスが崩れたポニテ、それを盾男は見逃さなかった。

盾男「盾アタック!!」

ドゲシっ!!

ポニテ「いった!!」

ポニテは衝撃でリングの外にまで飛ばされそうになるが、剣を突き立ててブレーキをかける。

ギギギギギギい!!

ポニテ「あっぶなぁ!!」


620Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:39:13.04AZSD4bQ0 (9/23)

428

--コロシアム--

弓女「撃ち続けろったって、こっちは無限に撃てるわけじゃねぇんだぞ!!」

バシュバシュ

ツインテ「きつい、けれど耐えられないレベルじゃない!!」

うにょれろん


レン「斧女には寝てもらう」

斧女(っつ!!さっきの一撃でアバラがやられてる!!レンの攻撃を捌き切れるかしら!)

ドンッ、ズドン!!

レンの攻撃をかわし、時にはハルバートで弾く斧女。だが、徐々にリングの端へと追いやられていく。


621Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:39:59.45AZSD4bQ0 (10/23)

429

--コロシアム--

弓女「おい!斧女がやべぇぞ!!」

盾男「!!」

盾男はポニテを一瞥すると斧女の元へと走る。

ポニテ「わ、私を無視だとぉ!?うがー!!」

ポニテは急いで立ち上がり、自身の魔力を爆発させた。

ボッ!!

盾男「!?」

ゴオオオオオオオオオオオ!!

炎の渦が盾男を襲い、盾男は盾で防ぐしかなくなった。

盾男「ぐっ!!今度は相殺しきれん!!斧女!!」


622Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:40:43.85AZSD4bQ0 (11/23)

430

--コロシアム--

斧女「は、そんなに私は頼りないですか?こんな子供に負けるほど、私は生ぬるく生きちゃいません、よっ!!」

レン「っ!」

ズドンッ!!

レンの攻撃をバク転で交わし距離を取ると、ハルバートに魔力を込め始める。

ぎゅぃぃぃん

ツインテ「!!」

ポニテ「!!」

レン「!!」

弓女「ば、馬鹿野郎!!マジになってんじゃねぇ!!」

ぎち、ぎちぎちぎち

斧女のハルバートはまるで生き物のように動き始めた。


623Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:41:51.13AZSD4bQ0 (12/23)

431

--コロシアム--

解説「これは、魔斧!!」

実況「斧女選手のハルバートがおかしいことになっているぞおおー!?解説さん、魔斧とは一体!?」

解説「所謂魔剣の類です。悪魔が取り付いた呪具、生きた武器……通常の武装とはわけが違いますよ」

実況「なんと!!これは斧女選手!とんだ隠し玉を持っていました!!」

斧女「この子の情報が完全にばれてはまずいので本気はだしません。でも、しっかりガードしたほうがいですよ?」

魔斧「ぎちぎちぎちぎちぎち」

レン(何これ……ひどく気持ち悪い感じがする!!)

ツインテ「レンさん!!」

ヒュッ

パキィィィン!!

ツインテ「!?しまった!!」

弓女「ふぅ、やっと隙だしたか」

ツインテは両足を凍らされてしまう。


624Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:42:40.24AZSD4bQ0 (13/23)

432

--コロシアム--

レン(怖い怖い怖い、これは)

斧女「申し訳ありませんレン。貴女はそれほどまでに私を追い詰めたのです。誇ってください」

ポニテ「レンちゃん!!」

ポニテは盾男への攻撃を止めて、斧女へと矛先を変える。

盾男「っ!移動速度上昇、レベル4」

盾男は全身のばねをギリギリまで溜め、

ポニテ「対単体、炎属性魔法、れべ」

ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

ポニテ「がはっ!!」

瞬間的に盾男の突進を感知して避けようとするが、盾でリングに叩きつけられてしまう。


625Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:43:44.29AZSD4bQ0 (14/23)

433

--コロシアム--

レン(何がくる?あれは何?今から妨害に行って間に合う?いや多分無理にゃ。返り討ちにされる。じゃあどうすればいい?せめてあの攻撃の種類が何かわかれば)

レンは思考の渦に飲まれ、勝手に身動きができなくなっていた。

斧女「」

斧女が腕に力を込めたその刹那、レンは弾かれるように錬成を開始する。

レン「錬成、魔力ブロ」

ドジャッ


ツインテ「……え」

振り抜かれた斧女のハルバート。しかしレンは切り裂かれてはいなかった。

斧女「そんなことは、ありません」

レン「ごぼっ」

斧女(私の魔斧は肉だけを切る。そして肉しか切れない)


626Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:44:32.50AZSD4bQ0 (15/23)

434

--コロシアム--

レンは力を失ったように倒れると、ゴーレムの体の維持ができなくなったのか砂のように消えた。

ツインテ「!?」

砂煙の中から現れたのは、

ポニテ「れ、んちゃん」

胴体を両断されたレンの体だった。

ポニテ「うわああああああああ!!」

冷静を欠いたポニテは盾の下でもがき暴れ、炎を噴き出す。

盾男「うわ!あちっ!!ポニテめ、まだこんな魔力が!!」

ポニテ「ああああああああああああ!!」

ドオオオオン!!

全身を炎で纏った突撃、しかしそれすらも盾男は防ぎきってしまう。

盾男「冷静を失っちゃおしまいだぜ。……すまねぇなポニテ」

ドッ

ポニテ「!?」

盾男はポニテを押し上げて宙へと吹き飛ばした。

盾男「盾正拳」

ドギャッっ!!


627Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:45:40.17AZSD4bQ0 (16/23)

435

--コロシアム--

ドシャっ

盾男の攻撃をまともに受けたポニテはそのまま場外へと飛んでいきリングアウト。

ポニテ「あっぐ……」

そして立ちあがろうと試みるも、そのまま気絶してしまう。

ツインテ「っっ!!」

実況「こ、これは決まってしまったか!?チームユーシャーズ、開始10分で仲間を二人失ってしまったーー!!さらにチームウィンドの三人はほぼ無傷です!!実力差的にもこれはきつい!!」

解説「えぇ、これは棄権したほうがいいでしょう。ツインテ選手は両足を凍らされているわけですしね」

ツインテ「ポニテさん、レンさん……」

弓女「……わりぃなツインテ。だがお前達の本気、見せてもらった。その歳にしちゃ大したもんだよ。武術大会の準決勝にまで来たんだ。誰も弱いなんていいやぁしないよ」

ツインテ「……」

盾男「ツインテ。頼む、棄権しろ」


628Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:46:17.80AZSD4bQ0 (17/23)

436

--研究室--

薄暗い部屋の中に蛙顔の男がフラスコをいじっている。そしてその横には三人の女性が立っていた。

研究員「やれやれー。さすがにちょっと飽きて来ましたねー」

ウーノ「?何が飽きたのでしょうかマスター」

ドゥーエ「えー?パパのことだよー?きっとこの退屈で平穏な日々に飽きたに違いないよっ」

研究員「ほほー。さすがドゥーエちゃんー。よくわたしのことがわかっていますねーw」

トーレ「でも、そんなこと言ってどうする気なんですか?」

研究員「そうですねー」

研究員はひときわでかいカプセルの元へと近づいていく。
そのカプセルの中には尻尾の生えた筋肉質な青年が入っていた。

???「ゴポッ」

研究員「この子を起こしてめちゃくちゃにしてもらっちゃいましょうかねー。私が手塩にかけた人造魔王ちゃんに」

???改め人造魔王「ゴポポッ」


629Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:47:12.88AZSD4bQ0 (18/23)

437

--コロシアム--

実況「三時間半に渡る大激戦から、約二時間。リングの整備も完全に整いました。十分後より、準決勝第二試合を始めたいと思います!!」

わーきゃー

実況「しかしやはり強かったチームウィンド!!経歴不詳なれどその力は本物、安定した力を見せつけて準決勝進出を見事決めました!!そこでお疲れのところでしょうが、チームウィンドのリーダー、盾男さんに来てもらっています!!よろしくお願いします!!」

わーきゃー

盾男「……」

実況「……あ、あの盾男さん?まだどこか具合が悪いのなら医療部隊が」

盾男「いや、そういうんじゃない。違うんだ」

解説「……」

実況「あー……話は聞いています。チームウィンドとチームユーシャーズは同じ宿に宿泊し、食事を共にされたこともあると……」

盾男「あぁ、そういうのもあるが、今は、違うんだ」

盾男は自分の両手をじっと眺めている。

盾男「俺達は、……本当に勝ったのか?」


630Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:47:50.19AZSD4bQ0 (19/23)

438

--宿屋、食堂--

ポニテ「あうー!!負けちゃったよー!!うわーん!!」

ツインテ「ごめんなさい……また足をひっぱってしまいました」

レン「そんなことない、ツインテはよくがんばったよ」

ツインテは涙ぐみながらレンのお腹に手を当てる。

ツインテ「大丈夫ですか?痛くないですか?」

レン「うぅん大丈夫。ツインテが治してくれたんでしょ?」

ツインテ「……はい。だから、なおさら」

レン「ツインテの魔力の余韻を感じるの。とても温かい」

ツインテ「レンさん……ぐすっ」

ポニテ「え、私邪魔?」


631Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:49:09.35AZSD4bQ0 (20/23)

439

--宿屋、食堂--

ポニテ「はぁ、でも負けてショックだ……みんなで優勝したかったうー」

ツインテ「ポニテさん……」

ポニテ「ん……。体力は元通りだけど、魔力とか精神的疲れまで治ってるわけじゃないからちょっとだるいやw私先に部屋で寝ててもいい?」

ツインテ「あ、はいわかりました。ボク達はここでお茶でも飲んでるのでゆっくりしてください」

ポニテ「うん、ありがとー。じゃぁまた晩御飯で!」

ポニテはひらひらと手を振って階段を上がっていく。

ツインテ「……やっぱり相当ショックだったんでしょうね。優勝できなくて」

レン「それもそうだろうけど、違うと思う」

ツインテ「え?」

レン「多分ポニテは、レン達が」

ガシャァン

その時、二階のほうからガラスの割れる音が聞こえてきた。

ツインテ「!!もしかしてポニテさんが倒れたのかも!?」

レン「行こう!!」

急いで階段を駆け上り、自分たちの部屋のドアを開ける。

バンっ!!

ツインテ「大丈夫ですかポニテさん!!……え?」


632Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:50:20.78AZSD4bQ0 (21/23)

440

--コロシアム--

実況「あれ?……一体どうしたことでしょうか?チーム機動六花はちゃんと三人いるのですが……チームギャンブラー、変化師選手しかいません!!」

変化師「……?」

解説「賭博師選手と調教師選手はどうしたのでしょうか」


--宿屋、自室--

ツインテ「な、何を……しているんですか……」

自室は窓ガラスの破片が散乱し、予期せぬ人物が立っていた。

調教師「……」

レン「調教師……」

そして調教師は気を失っているであろうポニテを横に抱えていた。

ツインテ「な、何をしているかと聞いているんです!!」



ゾクッ

その時ツインテとレンはおぞましい悪寒と寒気を感じた。

調教師「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっは」

調教師の顔が初めて変化した、
とてもとても恐ろしく
とてもとても気味の悪い
笑顔。


633Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:52:04.04AZSD4bQ0 (22/23)

クリスマスイヴというやつですね。……へへへ。

本日はここで終わりにします。
疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。

読んでいただきありがとうございましたm(__)m
次回更新にご期待下さい!


634以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/24(金) 00:54:05.53mm.9BA.0 (1/1)

乙!
いいところで切るなぁ


635Qw0 ◆7b3JfpIY/22010/12/24(金) 00:54:12.48AZSD4bQ0 (23/23)

ぎゃあー

ストーリー番号437、
準決勝進出 と書いてありますが 決勝進出 です。
深くお詫びいたします。。。



636以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/24(金) 00:57:34.430tIYvIMo (1/1)

>>633 乙!
ツインテ一人で三時間以上戦った上にレンの蘇生もやったのか
ツインテやるじゃん


637以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/24(金) 02:07:34.62Cz6nnsDO (1/1)


ツインテさんこの前ニートとか言って本当にスンマセンっした!
ってか触手って……ゴクリ…


638Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/01(正月) 00:19:49.662POEQsDO (1/1)

あけましておめでとうございます。今年もがんばります。よろしくお願いしますm(__)m


639あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 00:21:39.07XnO10rso (1/1)

おめでと!


640あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 00:25:54.600fi2vbMo (1/1)

>>638
あけおめ!


641あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 00:27:28.34PwY7y6DO (1/1)

あけおめっ!
今年も更新ゆっくり楽しみに待ってるぜっ!


642あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 01:02:54.698KLSfeYo (1/1)

あけおめー


643あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 01:26:31.22.eDlZMgo (1/1)

あけましておめでとうございます。
今年も>>1の作品楽しみにしています。


644あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 02:17:11.66bldWPO.0 (1/1)

あけおめええええええ!!!


645あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 21:52:07.82QeZKqfko (1/1)

あけおめー


646あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/02(日) 00:19:27.55aSp.rkSO (1/1)

あけおめこ


647VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/07(金) 21:22:03.72cVZnMMDO (1/1)

大変お待たせいたしました。帰宅次第投下したいとおもいます。日付が変わるかは微妙なとこです……。

お待たせしましたと言っておいてなんですが、今しばらくお待ちください!


648VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/07(金) 21:22:47.77UWQBEeco (1/1)

wwktk


649VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/07(金) 22:24:46.58fgRieSIo (1/1)

コテ忘れてるよww
投下承知


650VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/07(金) 22:48:49.33syxaJlk0 (1/1)

NOW LOADING………


651Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:03:52.05ZabB3xM0 (1/43)

お待たせしました!!投下します!!


652Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:05:00.37ZabB3xM0 (2/43)

441

--コロシアム、秘密通路--

カツンカツン

うす暗い通路を秘書が歩いている。

秘書「仕事です、出て来なさい」

ザっ!!

秘書の一言に呼応し、黒づくめの集団が出現する。

黒づくめの男「どんな任務でしょうか、黒の女王」

秘書「その名はやめなさい。今はただの秘書です」

黒づくめの女「はっ」

秘書「……予言者様の予言が出ました。この一年で我が国に襲いかかるであろう災厄の日がわかりました」

黒づくめの少年「それはいつなのですか?」

秘書「タイミングの悪いことに今日です。こんなことであればもっと早く予言をしてもらうのでした。しかし今更それを言っても仕方がありません」



653Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:05:58.44ZabB3xM0 (3/43)

442

--コロシアム、秘密通路--

黒づくめの老人「なるほど、それで我らの出番なのですな」

秘書「そうです。疑わしきもの、反乱分子を見つけ次第始末して下さい。あぁ、蘇生は可能なようにしてくださいね」

黒づくめの仮面「了解しました。黒の女王」

秘書「……。それにしても貴方たちも物好きですね。組織から抜けた私の下にわざわざ来るだなんて」

黒づくめの少女「歴史の裏で暗躍してきた暗殺者集団、月の手袋。その長い歴史の中でも異彩を放った黒の女王。貴女以上の暗殺者は二度と登場しますまい。我らの頭領は永久に貴女だけです」

秘書「そうですか……では勝手にしなさい」

黒づくめの醜男「はっ。それでは我ら椿組。任務に出向きます」

シュバッ!!

秘書「……やれやれ。一体どんなことが起こるというのでしょうね」

秘書は踵を返し、暗い通路を進んでいく。


654Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:07:52.12ZabB3xM0 (4/43)

443

--宿屋、自室--

調教師「なにを?なにをですって?おめでたい貴女達にはきっと想像もつかないのでしょうねぇえ」

ツインテ「な、なにを、言って」

ツインテはガクガクと震えていた。
今だ味わったことの無い恐怖の中にいる。

レン「ポニテをどうするつもり?」

調教師「あははははは。言ってもいいですけど、言いません」

レン「……そう、わかった!!」

レンが錬金ツールを取りだそうとした瞬間、

ドガシッ!!

レンはいきなり後ろに吹っ飛んだ。

レン「!?」

ツインテ「!!レンさんっ!?」

?「しゅしゅしゅしゅる」

調教師「あはははは。スケレオン、次はそっちの女を」


655Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:08:34.12ZabB3xM0 (5/43)

444

--宿屋、自室--

?改めスケレオン「しゅしゅる」

ツインテ(!!み、見えないけれど、この部屋には何かいる!!)

シュル

ツインテ「っ!!が、がへっ!!」

見えない縄のようなものがツインテの首に絡みつく。

調教師「あははははは。苦しい?それとも気持ちいい?スケレオン、もっとしてあげて頂戴」

スケレオン「しゅしゅるる」

ギシシ

ツインテ「がっ、ひゅあー、ひゃう」

ツインテは宙に浮き始める。

ツインテ(くるし、く、首がしまって!!)


656Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:09:23.60ZabB3xM0 (6/43)

445

--宿屋、自室--

レン「いたにゃにゃ……っ!?ツインテっ!」

レンは宙に浮かぶツインテを見て状況を察し、即座に鎌を錬成する。

レン「そこ……だっ!」

レンが思い切り鎌を振り下ろすと、

ザシュ

カクレオン「ぎしゃー!!」

何も無い場所から緑色の血が噴き出した。

調教師「あぁ、そうか。においでわかっちゃいますか。亜人ですものね」

おいでカクレオン、と調教師。

ツインテ「げほえほっ!!……な、何を」

調教師「いけない、あまり時間をかけるなと言われておりました。では皆さんご機嫌よう」

シュタッ

ツインテ「!!」

言うが早いか、調教師は窓から飛び降りた。


657Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:10:19.53ZabB3xM0 (7/43)

446

--宿屋、自室--

レン「っ」

レンは慌てて窓に駆け寄り、家々の屋根を走っている調教師を確認した。

ツインテ「そんな……なんでポニテさんが……お、追い掛けなきゃ!!」

レン「ツインテ、アッシュをさがしてきて!」

ツインテ「!?」

レン「ポニテ達はレンが追う」

ツインテ「そ、そんな!一人じゃ危ないですよ!」

レン「でもレンじゃなきゃおいつけない。亜人のレンじゃなきゃ」

ツインテ「っ……」

レン「たぶん賭博師も敵。だからほかにも呼べるだけ呼んできて!」

そしてレンも窓から飛び出した。

ツインテ「あ、あわわわわ!た、大変なことに!あ、アッシュ君や弓女さん達を探さなきゃ!!」


658Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:11:17.77ZabB3xM0 (8/43)

447

--コロシアム--

実況「これは……試合放棄なのでしょうか?規定では試合時間を10分過ぎた場合、自動的に不戦敗になってしまいますが……」

解説「準決勝にまできたのに、もったいないですねぇ」

変化師(……な、何かしら企んでいるとは思ったが……このタイミングでいなくなって何になる?)

実況「……残念ですが時間です。チームギャンブラーは不戦敗。よって、チーム機動六花が決勝に駒を進めます!!」

わーきゃー

???『ちょおっとまったぁー』

ブゥン

実況「?そ、空に映像が映し出されています!!……蛙面?」

西の王「!!あいつ、なにを……」

???『どーもですー皆様ー。こーんにーちわー』

ざわざわ

秘書「……嫌な予感がしますね……研究員め」


659Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:12:07.10ZabB3xM0 (9/43)

448

--コロシアム--

???改め研究員『むふー。随分お強い人が集まっているようですねー』

魔導長「これはなんのイベントなの?」

変化師「……」

研究員『あ、西の王ー、今まで色々とお世話になりましたー。なりましたけどそろそろつまんなくなってきたんで出てこうとおもうんですよー』

ざわざわ

研究員『やっぱねー飽きちゃったんですよー。代わり映えしない毎日なんて暇以外のなにものでもない。やっぱりね、人間は戦いをしてなきゃいけない生物なんですよー』

ざわざわ

研究員『戦いの中でこそ技術は研かれ、戦いの中でこそ作られる物語があるー。……そして戦いの中でこそ得られる研究がある』

細身の兵士「……あ、う……」

秘書「……兵士達の様子がおかしい?」

闘技場の至る所に配置された兵士達が奇怪な行動を取り始めた。

研究員『だからこれは平和ボケした貴方たちに送る、私なりのプレゼントですー』

たくましい兵士「が、があああああ!!」

兵士達は咆哮とともに人に襲い掛かった。



660Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:13:29.35ZabB3xM0 (10/43)

449

--コロシアム、特別部屋--

キャーワー!!

老練の兵士「ぐしゅるる!」

秘書「!?貴方まで!」

西の王「っ!!」

西の王の傍らで待機していた兵士の一人が、剣を片手に襲い掛かった。

秘書「主人に触れるな!!」

ズバシャ!

老練の兵士「ご、ひゅー……」

ドサ

喉笛をかききられた兵士は床に突っ伏した。

秘書(いつかは何かしらやるとは思っていましたが……しかし研究員が今好きかってやっているということは、見張りにつけた彼はやられましたか)

秘書はナイフについた血を払うと、

秘書「主人様、早く安全な場所にご避難を……と言いたい所ですが、そんな場所は無さそうですね」

西の王「……だな。あいつめ、この前の健康診断で兵士達に何か細工でもしたのか」

秘書「わかりません。ただ今は誰一人として信じられません。私から離れないようについてきて下さい」


661Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:14:09.76ZabB3xM0 (11/43)

450

--コロシアム、特別部屋--

西の王「……」

バタン!!

勢いよく開かれる特別室の扉。

槍兵「王さまぁ!生きてっかぁ!?」

変化師「お、おうさま!」

駆け込んできたのは二人。

秘書「貴方たち……」

秘書は無言でナイフを構える。

槍兵「待て秘書さん、俺達は変になっちゃあいねぇぜ!王を守りにきただけさ」

変化師「お、おで」

秘書「……信じられる状況ではありません」

槍兵「だろうけどよ、そんなこと言ってる場合じゃないだろ。このままじゃまた国がやられるぞ!」

秘書「……」


662Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:15:40.18ZabB3xM0 (12/43)

451

--コロシアム、特別部屋--

西の王「動ける奴らは全部で何人いる?」

変化師「お、おで達の他に数人」

西の王「ち、少ないな……」

西の王はそう呟くと特別部屋の外のバルコニーに向かう。

ギィ

秘書「西の王様、何をなさるつもりですか」

わーきゃー

赤い服の観客「や、やめてきゃー!!」

ズブシュッ!!

西の王「……っく!!」

ワーキャーワーキャー

闘技場全体が地獄絵図と化していた。


663Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:16:43.43ZabB3xM0 (13/43)

451続き

--コロシアム--

魔導長「うわわ~。次から次へとなの!」

雷魔法使い「これは一旦引いた方がいい、危険だ」

盾男「何が起きてるんだ……おらぁ!!」

ガイン!

筋骨兵士「げべふ!」

弓女「はー!はー!私らは連戦で疲れてるってのに!!」

斧女「肉体の疲労は癒されてるはずですが?」

弓女「うっさいわね!精神的によ!」

どげし!

はげ兵士「あべし!」


664Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:17:50.12ZabB3xM0 (14/43)

452

--コロシアム--

盾男「……ふむ。しかしチャンスっちゃあチャンスだな」

弓女「あぁ!?何がよっ!!死ぬチャンス!?」

盾男「獲物を取るチャンスだ」

斧女「!!……確かに。どのみち私達ではあのチームには勝てないでしょうしね」

弓女「ふん、なら最初から力付くでやっちまえばよかったんだ。それならあんな嫌な想いしなくて……」

斧女「……割り切りなさい弓女」

弓女「わかってるよ!」

盾男「じゃあ王国の外で待機してる本隊に知らせないとな」

わーきゃー

女観客「ひ、ひぃ!!誰か助けてー!」

眼鏡観客「寄るな寄るなー!」

兵士達は片っ端から観客を斬り付けている。逃げ惑う血塗れの人々。

西の王「我が声を聞け!!皆のもの!!」

ざわ

太眉観客「……お、王様!」



665Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:18:30.21ZabB3xM0 (15/43)

453

--コロシアム--

西の王「何をしている、それでも西の王国の民か!!戦え!!生き残れ!!手段などいくらでもある!!」

ざわ……ざわ

西の王「予期せぬ出来事に混乱するのも無理は無い、戦いを全く経験したことがない者も中にはいろう」

ざわざわ

西の王「だがそんな泣きごとが許される時ではないとわかるはずだろう!!原因は必ず俺らが発見し、なんとかしてみよう。だからそれまで生き延びよ!!またあの時のように国を好きかってされてはいけないのだ!!」

ざわざわ!

西の王「戦え、そして生き残れ!!これは王の命令であるっ!!」

ざわわー!!

入歯観客「……ふ、ふふ!こんなのは久しぶりじゃい。筋力強化レベル1」

入歯観客は観客席を引き剥がして装備した。

犬顔観客「そうだよ、逃げる必要なんてない、こいつらだって人間じゃねえか」

犬顔観客は上着を脱ぎ捨てた。

ほくろ観客「……そうよ、うちの店の娘が斬られちゃったっていうのに、なんで私が逃げてるのよ!」

ほくろ観客はメリケンサックを装備した。

赤い観客「負けてらんないのよぉぉアンタたちにぃぃ!!」

赤い観客は兵士をけたぐり吠える。


666Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:21:37.29ZabB3xM0 (16/43)

454

--コロシアム、特別部屋--

秘書(……相変わらずの効力ね。王クラススキル、王の言。王の言ったことに絶大な説得力を持たせるスキル。例え王を良く思って無かったとしても、絶対に間違っていることであろうとも、その言葉は人々の心の奥深くを支配する……)

西の王「よし、少し予定より早まったが」

西の王は槍兵と変化師に短い角のペンダントを渡す。

槍兵「これは?」

西の王「三本角の証だ」

変化師「!!」

西の王「これをもってお前達二人を、西の王国の最大戦力『三本角』に配属する!!今この瞬間からお前達は三本角となった!その名に恥じぬよう、ありったけの民を救ってみせよ!!」

槍兵と変化師は勢いよく跪く。

槍兵、変化師「は!!」

西の王「うむ。そしてお前も行け秘書」

秘書「!何をおっしゃいますか。私は貴方を護るためだけに傍にいるのですよ」

西の王「自分の身くらい自分で守れる」

ズラッ

そういって西の王は壁のツインソードに手を伸ばした。

西の王「あれから鍛練を欠かしたことはない……余計な心配というものだ」

秘書「お言葉ですが、あの男がこれだけで終わらせるとは思えません。きっと」

西の王「わかっている……わかっていて抱え込んだのだあの男を。いいからゆけ、行って早くに終わらせてこい」

秘書「……わかりました。ご武運を……」


667Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:22:35.56ZabB3xM0 (17/43)

455

--港町--

レン「っ!にがさ、にゃい!!」

レンは一度に八本の剣を錬成し、調教師の進路に落とした。

ガガガン!!

調教師「……やれやれ。この子を抱えたままでは逃げ切れないようです」

レンは屋根を飛び降りて調教師と対峙する。

レン「なんでこんなことするの?冗談ならやめて」

調教師「……冗談?はっ、冗談でこんなことするわけないでしょ……?」

レン「……」

調教師の表情の変化を見て、レンは無意識に恐怖を感じてしまう。

調教師「……この子はね、売るんです。金と権力しか持ってないどっかのアホに」

レン「……人身売買」



668Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:25:17.09ZabB3xM0 (18/43)

456

--港町--

調教師「容姿は悪くないですし、レアスキル持ちだからさぞいい値段がつくでしょう。しかも仮とはいえ勇者ですし」

レン「……レン達のチーム名をそのまま信じたわけじゃないよね……なら勇者証明書を取ったのは、調教師達なの?」

調教師「ふふふ」

調教師はずっとニヤニヤと笑っていた。まるでそれしか表情を知らないかのよいに。

レン「……そんなことやめて。いまならゆるす」

調教師「?やめませんよ。幸せそうな奴は嫌いですから」

調教師は自分の帽子を取って見せた。

調教師「貴女はわかっていたとおもいますが、私も猫亜人です。しかも特別な、三大希少種の……ね」

レン「……」

調教師「雪のような純白『白雪』、燃えるな鮮紅『紅蓮』そして……『蒼天』」

レン「……猫亜人、三大希少種。別名生ける宝石……だね」


669Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:26:03.85ZabB3xM0 (19/43)

457

--港町--

調教師「さすがに少しは調べていますか。そりゃそうですよね。貴女はその内の一つ、白雪種なのですから」

レン「……」

調教師「まぁ何が言いたいかって言うと、私は最初、同じ希少種に会ってみたかったんですよ。希少種。同じ希少種ならきっと、私の苦しみもわかってくれると思っていたから」

レン「やっぱり……辛い目にあっていたの?」

調教師「……さぁ?良いとは言えないでしょう」

レンはうつむいた。歪んでしまった同族を直視出来なかったのだ。

レン「……わかる。レンも辛かった。もしパパが拾ってくれなかったら」

調教師「あぁ?」

調教師の顔の筋肉に力が入った。決して変わることはないが、その内に秘めた感情は間違いなく、

調教師「お前に何がわかるっ!!仲間達と幸せそうに生きてるくせしやがって!!お前にわかるはずがない!!わかるのならそんな顔して生きられるものかッ!!」

調教師は燃えるように激怒した。


670Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:26:40.57ZabB3xM0 (20/43)

458

--コロシアム外--

ツインテ「はっ、はっ……あれ?コロシアムが凄く騒がしい……試合に興奮しているのとは違うような……」

盾男「じゃあさっそく用意をする。あのいかれた兵士達が来ないように見張っててくれ」

弓女、斧女「了解」

ツインテ「あ!弓女さん達!!」

弓女「!?ツインテ!?」

ツインテ「よかった……!探してたんです、アッシュ君はどこにもいなかったから!あのっ!」

斧女「っ!何があったのか知りませんが早くここから立ち去りなさい!ここは今戦場になっています!」

ツインテ「え!?い、いやそれはよくわからないけど、助けてください!!ポニテさんがさらわれたんです!」

弓女「!?」

ツインテ「それで今、レンさんが追ってくれてますけど、多分他にも仲間がいると思うんです!!お願いします、力を貸して下さい!!」

弓女「……っ」

斧女「……」

盾男「……」

沈黙。それはツインテが予想していたのとは違う反応だった。


671Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:27:54.42ZabB3xM0 (21/43)

459

--コロシアム外--

ツインテ「え……あ、あの」

盾男「ツインテすまない。君達が今非常にまずい状況にいるだろうことは理解できた。だが力を貸すことはできない」

ツインテ「……え……」

弓女「……ごめんな、本当にごめん」

斧女「他の人を……いや、それも無理ですね。この騒ぎで皆手一杯でしょう」

ツインテ「な、なんでですか!?あ、あんなに仲良くしてくれていたのに!!……た、戦ったからですか!?」

弓女「違う!!お前達のことは……本当に……友達だと思ってる。この数日間だって、任務中だってのに凄い楽しかった!」

弓女は拳を握りしめている。

ツインテ「だ、だったらどうして!!」

ツインテは既に涙ぐんでいる。
もう何を言おうと聞こうとも、彼女らの意志が変わらないことを理解していたから。



任務中。



盾男「今任務の大詰めを迎えようとしていて手を離せない……。何にでも優先順位があるように、俺達にとって任務は一番優先しなくてはならない……。ツインテ……俺達はな……砂漠の風の一員なんだ」


672Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 00:28:54.47ZabB3xM0 (22/43)

460

--コロシアム外--

魔導長「おりゃー」

ちゅどーん

変化師「し、身体変化、右腕を剣に!」

変化師の右腕が巨大な剣に姿を変えたかと思うと、迫りくる兵士を根こそぎ薙ぎ倒した。

槍兵「ちぃ、やりづれぇ!!結局こいつら操られてるだけだもんな!!なるべく綺麗に殺さねえと!!」

シュ

槍兵の前を一筋の影が横切った。そして、

ドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュドシュ!!

一瞬で血の海と化すコロシアム。

秘書「何をやっているのですか槍兵。さっさと殺していかねば日が暮れてしまいますよ」

槍兵「……相変わらずおっそろしい腕だ」


673VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 00:48:32.184XG97sDO (1/1)

久しぶりにきたー!


674VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 01:12:39.00R.Il5J6o (1/2)

ありゃ?中断?


675Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:22:00.63ZabB3xM0 (23/43)

461

--コロシアム外--

大柄な兵士「ぐおお!!」

秘書「!」

ズバシュ!!

全身鎧で固めているはずなのだが、いとも簡単に人体だけを切り裂かれて倒れる兵士。

槍兵「おいおい前に出すぎじゃねぇか?秘書さんよ」

ズバッ

秘書「問題ありません。護る対象が無いのなら百人を同時に相手取ろうともいけます」

ズバズバ

言ってる間も斬り続ける秘書。

槍兵「……そうかい。ばけもんだな」

秘書「いえ、純百パーセント人間ですよ」


676Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:23:12.54ZabB3xM0 (24/43)

462

--宿屋--

ツインテ「どうしよう!どうしよう!!」

ツインテは泣きながら力を貸してくれそうな人を探していた。
だがほとんどの人間がコロシアムに集まっている今、戦えそうな人物は町にはいないのだ。

ツインテ「う、うぅ!!」

ツインテは涙を拭いながら町を走る。そしていつしか宿屋に戻ってきていた。

ツインテ「……結局、ボクは……何も出来てない」

宿屋の店主「あっ!帰ってきた!!どうかしたんですか!?」

ツインテ「あ、……あう。店主さん……」

宿屋の前で泣きじゃくるツインテ。

宿屋の店主「さっきなにやら騒がしかったから、心配になって部屋を覗いてみたら荒らされているじゃないですか。しかも貴女たちは誰もいないですし。何かの事件に巻き込まれたのかと思ったのですが……」

ツインテ「うっ、うあぁ」

宿屋の店主「……やっぱり何かあったんですね?」


677Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:23:59.75ZabB3xM0 (25/43)

463

--宿屋--

ツインテはことの経緯を宿屋の店主に話した。

宿屋の店主「なるほど……事情はわかりました。困りましたね……」

ツインテ「はい……ひっく」

宿屋の店主「コロシアムでも今大変なことが起きているようですし、事態は最悪だ……」

ツインテ「うぅ……」

宿屋の店主「……何が最悪って、それは貴女が今ここで泣いていることです」

ツインテ「……え?」

宿屋の店主「頼れる人はいない。でもそれは本当ですか?」

ツインテ「……て、店主さんが、力を貸して、くれるんですか?」

店主を首を横に振る。

宿屋の店主「いいえ、私は完全に無力です。若いときならいざ知らず、今の私は客からお金を巻き上げることしか考えていない悪徳店主ですから」

ツインテ「あうぅ……」


678Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:24:44.82ZabB3xM0 (26/43)

464

--宿屋--

宿屋の店主「まだ……一人いますよ、頼りになる人が」

ツインテ「……ぐす」

店主はそっとツインテの手を握った。

宿屋の店主「貴女がいる!!」

ツインテ「!?」

ツインテはあまりに驚いたため涙が止まった。

ツインテ「だ、駄目です、ボクは、ボクなんかじゃ……」

宿屋の店主「駄目なことなんてありませんよ。私はたったの数日間ですが貴女たちの戦いを見てきています。そして準決勝、貴女が最後に見せたがんばりを!!」

きょとんとするツインテ。

ツインテ「て、店主さん大会なんて興味無かったのかと思ってました。コロシアムに足を運んでくれてたのですか?」

宿屋の店主「こ、こほん。とにかく、貴女は力を持っている。それは確かです。持っていないのは自信だけだ!今持ちなさい!!そして貴女が仲間を助けるのです!!」


679Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:25:46.34ZabB3xM0 (27/43)

465

--宿屋--

ツインテ「ボクが……ボクだけでみんなを?」

宿屋の店主「はは。はたから見たら、危ない場所に子供が行くように促している悪い大人ですねwwでも……後悔させたくないんですよ」

ツインテ「……」

宿屋の店主「仲間の命がかかっている。そして今力を持っているのは貴女だけだ……自分の命をかける理由としては不足だと思いますか?」

ツインテは涙を拭いた。

ツインテ「……思いません。だって、みんな、みんな大事な人らからっ!!」

でも結局涙がでちゃう。

ツインテ「行きます……ボク、行きます!命をかけて助けだします!!」

ツインテはすっくと立ち上がった。


680Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:26:35.46ZabB3xM0 (28/43)

466

--宿屋--

宿屋の店主「あ、待ってください。確か玄関に……」

宿屋の店主は玄関に入り、なにやら棚をまさぐり始めた。

宿屋の店主「あぁありました。武器を今装備していないようですからこれを」

店主が差し出したものは古びたナックルグローブ。

ツインテ「これ……」

宿屋の店主「いやぁ恥ずかしい。私が昔夢を追っていた時のものです。お古なんで申し訳ないんですが……準決勝の試合内容を見るからに、今の貴女にはこれが一番合うような気がして……」

ツインテ「……」

ツインテはグローブを装備した。

ぐっぱぐっぱ

ツインテ「うん、ありがとうございます!!頂いていきますね!!」

宿屋の店主「いえいえ礼には及びません。特別料金として、既に宿代に追加してますからw」

ツインテ「悪徳だー!」

そしてツインテは走りだす。レンの向かった方向へと。


681Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:27:14.21ZabB3xM0 (29/43)

467

--コロシアム--

ズバズバズバ

槍兵「おいおい……結局ほとんど秘書さんだけで倒しちまったよ」

変化師「ふ、ふご」

秘書(ぬるい……あの男がこんなにぬるいわけがない!)

ブ、ブブ

再び空に研究員の顔が映し出された。

研究員『第一ステージ完了ー。お疲れさまでーすー。あ、でも休憩は無いんですよ残念ー』

秘書「……あいつ」

研究員『とゆわけでー、さっそくですが第二ステージに移りたいと思いますー。ポチっとな』

ガー
ガー
ガー
ガー

コロシアムの四方から箱のようなものが盛り上がり、中から四体の、

秘書「!?ま、まさか!!」

槍兵「……おいおい冗談きついぜ」

変化師「お、おで」

研究員『第二ステージの相手は人造魔族ですー。本邦初公開ですよー!?』

サキュバス「ぎしゃー」

ワーウルフ「がうがう」

ミイラ「まみまみ」

ヴァンパイア「ちゅー」

四体の魔族が人々に襲い掛かる!


682Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:27:41.76ZabB3xM0 (30/43)

468

--屋台道--

アッシュ「白いたいやきうめぇwwうぇww」

金髪「アッシュ君……やっぱしショックだったんすね」


683Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:28:27.12ZabB3xM0 (31/43)

469

--港町--

レン「……に……ぁ」

ツインテ「……はっ、はっ……」

あれから走りまわったツインテは、結果的にレンを見つけることが出来た。

レン「……に」

ツインテ「はっ、はっ……あ、あぁ……」

辺りには至るところに剣や斧などの武器が散乱し、かなりの血痕が飛び散っていた。

レン「……みぃ……」

一目でわかる。
レンはここで調教師(or調教師達)と戦闘になり、

レン「……にゃ……にゃああ」

無残にも敗北したのだ。

ツインテ「れ、レンさん!!」


684Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:29:08.87ZabB3xM0 (32/43)

470

--港町--

ツインテ「レンさん!!レンさんしっかりしてください!!大丈夫ですか!?レンさん!!」

ツインテは急いでレンに駆け寄り上半身を起こした。

ツインテ(血だらけだ……)

レンの体はレンの物と思しき血液で濡れている。

レン「にっ……にあ」

ツインテ「調教師さんにやられたんですか!?一体どんな攻撃を!!」

レン「……にゃ……」

ツインテ「……」

ツインテは奇妙さを感じ取った。

ツインテ「れ、レンさん!?聞こえてますよね!?」

レン「にゃぁ」

レンは力無さげに鳴いた。


685Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:29:48.91ZabB3xM0 (33/43)

471

--港町--

ツインテ「だ、誰にやられた……んですか?」

レン「……にゃあ」

ツインテがもう一度同じ質問をしても、レンはか細く鳴くばかり。

ツインテ「……うっ」

ツインテはたまらなくなって、せき止めたはずの涙がまたこぼれ始めた。

ツインテ「うっ、うぅ……レンさん……」

レン「に、にあ……」

レンもツインテの顔を見て鳴く。


ツインテ「……レンさん…………喋って……下さい……よ」


686Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:30:54.70ZabB3xM0 (34/43)

472

--港町--

ツインテはまた涙を拭う。

ツインテ(駄目だ、泣いてちゃだめだ!!さっき誓ったばかりじゃないか!!)

ツインテはレンに回復魔法をかけた。
青白い光がレンの体を覆う。

ツインテ「ど、どうですか?レンさん?」

レン「……」

見た限りの外傷は消え去った。
しばらくの沈黙の後レンは、

レン「……にあ」

またか細く鳴いた。

ツインテ「っ!!!」

レンの傷は大方治ったはずだった。
しかしそれでも

レン「……に」

レンは人語を口にしなかった。


687Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:32:01.57ZabB3xM0 (35/43)

473

--港町--

ツインテ「どうして……どうして!!??回復魔法をかけたのに!!どうしてレンさんを治せないの!?なんで」

こんなにつらそうなの

ツインテは頭を抱えて思考を巡らした。

ツインテ(どうしよどうしよどうして?なんで!!なんで治らないの!!どうにかして原因を探さなくちゃ。こういう時どんな魔法が使えるんだっけ。考えろツインテ思い出せツインテ。ボクは確か全部読んだはずだ!!)

ツインテはしばらくの沈黙の後、

ツインテ「!!そうだ!!ダメージ履歴を見ればいい!!確かそんな魔法があったはずだ!!」

ツインテは記憶の隅から魔法を引っ張りだした。

ツインテ「ダメージ履歴観覧、対象レンさん!!」

ツインテはレンに向けて魔法を唱えた。

ツインテ(最後のダメージは7分前……箇所は頭部……!?)

ツインテの頭の中を、理解したくない文字の羅列が駆け巡る。

ツインテ「……ひどい。そんな……脳を、素手、で」

ツインテは嘔吐する。
奮い立たせた心は、ただの一撃で折れたのだ。


688Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:33:04.05ZabB3xM0 (36/43)

474

--港町--

レン「に……あ」

ツインテ「げふっ!!っぐ!!だ、駄目だ!!諦めちゃ駄目だ!!」

ツインテは自分の顔を両手で叩く。

ツインテ(破壊……持ち去られたのは一部分。一部分だろうと無いものを治すことはできない。医学に精通していない素人が行ったんだ、今のレンさんが大丈夫なはずがない!!それに消毒もしていない手でやられたのなら黴菌も入ってるはず……どうしたらいいの!?)

ツインテは再び頭を抱えた。

レン「……」

レンはツインテの行動を見て何を感じたのか、ツインテの服を引っ張った。

レン「……にあ」

ツインテ「っ……?」


レン「だいじょうぶ、だから」


まるでそう言いたいかのように、
ツインテを困らせないように
レンは笑った。


689Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:34:02.98ZabB3xM0 (37/43)

475

--港町--

ツインテ「だめです、助けます。絶対に助けるんです」

ツインテの瞳には狂喜が宿っていた。

ツインテ「駄目です絶対助けます。何を犠牲にしても絶対に!!」

レン「に、にあ……」

ツインテはぶつぶつ言いながらレンを助けるための方法を考え出そうとしている。

ツインテ(高度な医療の魔法本も一応読んだんだ。何か思い出せ、思い出せツインテ!!出ないと、レンさんが死んじゃうかもしれないよぉ!!)

レン「にあ……」

レンはそんなツインテを見て、静かに涙を流した。


690Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:34:42.69ZabB3xM0 (38/43)

476

--コロシアム--

ワーウルフ「がうがー!!」

魔導長「人造魔族だなんて……とんでもないものを研究していたようなの!!無属性攻撃魔法、レベル4!!」

ドンっ!!

ワーウルフ「がぁああ!!」

雷魔法使い「うん。これは後で調べてみる必要がありそうだ……でも今は!!」

ズシャッ!!

ミイラ「まみー!!」

雷魔法使いは雷で作った鎌でミイラを斬る。

槍使い「ちぃ!!うちのお抱え研究者があんなもん操ってるってことはやっぱり」

変化師「お、おで」


691Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:35:15.71ZabB3xM0 (39/43)

477

--コロシアム--

サキュバス「もっきゅもっきゅ!」

氷属性魔法がコロシアム全体に注がれる。

ビュオオオオオ!!

変化師「!!し、身体変化、ドラゴン!!」

変化師はドラゴンに変化すると口から炎を吐きだした。

ボオオオオオオオ!!

秘書(くっ!!人以外が相手では私には何もできない!!)

ヴァンパイア「ちゅーちゅー」

ヴァンパイアの放つ無数の蝙蝠が一斉に起爆する。

ドゴオオオン!!

変化師『グオオオオオ!!』

蝙蝠の爆発にやられてコロシアムに倒れる変化師。


692Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:36:14.87ZabB3xM0 (40/43)

478

--港町--

ツインテ「無いなら……作るしかない」

ツインテは右手の親指の爪を噛みながらぶつぶつと呟いている。

ツインテ「材料は?動物を捕まえて脳を、駄目だ。レンさんの体に合うかわからないしそんなもので代用できるかわからない。なら人間には人間の材料を使えばいいのかな、駄目だ。人を犠牲にしたってレンさんが悲しむだけだ。じゃあボクのを使えば、駄目だ。そうしたら治す人がいなくなってしまう」

レン「に、にあ」

レンはツインテの言葉を理解することができない。
が、その普段からは想像もつかない姿に不安を感じていた。

ツインテ「レンさんの体に合うにはやっぱりレンさんの体を使うしかない。でも脳の一部を再現するなんてことができるのかな、一体どれだけの体を使っちゃうかわからない。そんなことはしたくない。それじゃあ助けてることにはならない。やっぱり専門家に、駄目だ。そんな時間があるとは思えない。今やらないと本当にまずいんだ」

ツインテは強く爪を噛み続けている。


693Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:37:55.30ZabB3xM0 (41/43)

479

--港町--

ツインテ「レンさんのこの血から遺伝子情報を読み取って再現するしかないけれど、でもやっぱり材料がいる。血だけじゃ圧倒的に足りない。やっぱり肉が必要なんだ肉肉肉肉肉……あ」

ツインテは何かに気がついた。
そしてほっとした感じの笑みを浮かべる。

ツインテ「よかった、その手なら上手くいけそうだ……レンさん!大丈夫です、ボクが絶対に治して見せます!!上手くできるかどうか……いえ、絶対にうまくやってみせます。だから、レンさんの命、ボクに預けてくれませんか?」

ツインテは言葉が通じないレンに訴えた。
強く、濁りの無い純粋なまなざしで。

レン「にあ、にあ」

レンは何かをしようとするツインテが心配でしきりに鳴くのだけれど、ツインテは

ツインテ「人体パーツを作るのなら、人体パーツを素材にするのが一番です!レンさんの血を設計図に、そして」

ツインテは微力ながら自分の左腕に肉体強化をかけた。

ブチ

レン「!!」

そしてツインテは自分の右腕を引きちぎった。


694Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:38:40.77ZabB3xM0 (42/43)

480

--菓子屋道--

アッシュ「ふがしうめぇwwww」

金髪「おいたわしや……」


695Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/08(土) 01:42:23.79ZabB3xM0 (43/43)

新年しょっぱながこんなのでよいのかしら……。
随分と間を開けてしまってすみません!改めましてあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたしますm(__)m

あ、途中の空きはですね、新年一発目だし、引きのいいところまでやろうと思って書き足していました。

ちょっとダークになり過ぎた感が否めませんが、本日はここで終わりにします。また早いうちに書きに来たいと思います。

それでは疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございましたm(__)m
次回に続く。


696VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 01:43:07.85R.Il5J6o (2/2)

乙!
重い新年一発目だぜ……
だが、それがいい(キリッ


697VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 01:45:21.50HVVFGMAO (1/1)

超乙かれぃ。舞ってたぜ


698VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 01:53:54.73s1azg6I0 (1/1)

アッシュがんばれよwwwwwwww


699VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 02:30:29.12B7T9/gSO (1/1)

アッシュwwwwww


700VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 03:14:11.29z5IcYIAO (1/1)

超乙!

捕らわれの身ということで、ポニテがやっとメインヒロインらしくなってきたな。


701VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 03:30:13.79n1ZJtkYo (1/1)


一気に重い話になったのにアッシュのせいでいろいろと台無しだww


702VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 05:04:26.4650EJmO2o (1/1)

>>695 乙!
ツインテが覚醒しそだな~
アッシュは仕事しろww


703VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/08(土) 17:33:46.54Bmwmnxg0 (1/1)


所で斧女と弓女って初代スレの隊員1と隊員2?


704Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/09(日) 00:49:12.49JU6bj260 (1/2)

こんばんは。ちょっと挨拶にだけ来ました。
えとですね、随分前のことなのですが、
このスレの番外編ss・isの踊子を見直してたらですね、あまりに不自然な個所がありました。どうも一つ抜けていたようです。
それでメールBOXを探してみたら……リク○ビとかのメールで埋もれていました……。今更ですけれど、せっかくなので置いておこうと思います。

あ、リクナ○で思い出しました。就活について少し話しておきます(無駄情報)。
皆さんにご心配をおかけしました、(したかもしれない)私の就活ですが、この度、晴れて!


……茨の道を行くことを決めました。orz
あ、敢えてですからねっ!?敢えてなんだからっ!!

……詳しくは伏せさせていただきますが、またその影響で空いてしまうかもしれません。どうかご了承頂けると幸いですm(__)m

>>703
そうです!!やー、そこに気付いてくれるとは嬉しいですー。



705Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/09(日) 00:50:03.78JU6bj260 (2/2)

これ忘れてました。レス174、ストーリー番号93の続きです。

93,5

--施設--

白猫亜人「……」

白猫実験体「ぎゅる……り…よ」

しかし、白猫実験体は明らかに動きが鈍くなっていた。

白猫亜人(常時発動スキル。分類、蓄積攻撃。効果、移動速度低下……やっと効いてきたのかにゃ)

白猫実験体「ぎゅる、るり」

今度は白猫亜人の方から、白猫実験体に近づいた。

白猫亜人「今までお世話になりました。ご苦労様……でしたにゃ」

白猫実験体「ぎゅ……らり……」

白猫実験体はゆっくりと手をのばして、

白猫亜人「!!」

白猫亜人のお腹を、愛でるように撫でた。

白猫亜人「っ……………………………………………………………………………スキル、鋼爪っ!!」

ザシュ


706VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/09(日) 01:59:40.60503cgM60 (1/1)

なんという今さら


707VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/09(日) 01:59:44.43kCA89o6o (1/1)

氷河期だもんなー…
乙です


708VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/10(月) 12:36:27.72CHe05kiDO (1/1)

ん? どうなったんだ?


709VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/10(月) 14:33:00.84hIDwUu7io (1/1)

逆境の中、茨の道を進むとか
なんと漢らしいと褒めればいいのか、ドMめがと褒めればいいのか難しいところww

なにはともあれ、頑張ってくださいませ


710VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/11(火) 20:52:43.700ab57knDO (1/1)

ポニテを買ったヤツは地獄を見るだろうな、食費的な意味で


711Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 22:52:19.52OzVNifVp0 (1/22)

こんばんはー。
お久しぶりでございます。あ、色々とありがとうございます。今後も頑張らせていただきます。m(__)m

では少量ですが投下していきたいと思いますです。


712Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 22:53:59.20OzVNifVp0 (2/22)

481

--コロシアム外--

盾男達は狼煙をあげることに成功し、今は三人とも武器の手入れをしていた。

シャッシャッシャッ

弓女「……」

盾男「……」

斧女「……ポニテ達、大丈夫でしょうか……」

盾男「さぁ……。今は忘れた方がいい。これからあの中に入って魔王の骨を奪うんだ。迷いは捨てておけ」

斧女「……でも!」

盾男「お前の気持ちはわかってる。……副部隊長命令だ。忘れろ」

斧女「……はい」

弓女「……」


713Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 22:54:38.05OzVNifVp0 (3/22)

482

--菓子屋道--

アッシュ「ヒャッハー!!アイスもうめー!」

金髪「あ、アッシュ君、やけぐいはその辺でやめといたほうがいいっすよ。おなかピーピーになってしまうっすよ」

五段重ねのアイスを頬張るアッシュに注意する金髪。

アッシュ「うるさい。寝て起きた昨日のことを考えたらやっぱり不安になったんだ!!食わずにいられるか!!」

金髪「もう……。そんなに大事な人ならコロシアムに試合を見に行ってあげたらよかったのにっす」

アッシュ「……それとこれとは別だ」

アッシュはガリガリとコーンを噛み砕く。

金髪(毎試合コロシアムの近くまで行ってウロウロしてたくせにっす……)

わーきゃー

金髪「ん、さっきからなんか慌ただしくなってきたっすね?」

アッシュ「む」

金髪「コロシアムで何かあったのかもっすね」


714Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 22:55:09.22OzVNifVp0 (4/22)

483

--菓子屋道--

アッシュ「むむ」

それを聞いたアッシュはさっと立ち上がる。

アッシュ(あいつらの試合はもう終わったんだからコロシアムにいるとは限らないが……)

金髪「……いくっすか?」

アッシュ「……野次馬心に火が点いただけだ」

金髪「ふふ。相変わらず意地っ張りっすね~。素直にあの子達が心配なんだ、って言っちゃえばいいっすのに」

アッシュ「うっせ!!」

そう言ってアッシュは歩きだした。

金髪「あぁ待ってくださいっす……ん?狼煙?」

コロシアムの方に、赤い煙が昇っているのを確認する金髪。

金髪「……」


715Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 22:56:12.50OzVNifVp0 (5/22)

484

--コロシアム--

ヴァンパイア「こいつら大したことないね」

サキュバス「全くだな」

ミイラ「せっかくフルパワーでやれるとおもったのにー」

ワーウルフ「所詮ただの人間ということでしょうか」

変化師「ぐっ!!」

崩壊寸前のコロシアムの中で四人の魔族は怪しく笑う。

槍兵「……はっ、化物どもめ、血がたぎるってぇもんだぜ」

槍兵は強がって見たものの、満足に立ちあがることもできないほどにダメージを受けていた。

魔導長「……私の魔砲でも倒せないなんて恐れいったの」

秘書(あの五柱なら魔族と単体で渡り合えるはず……だが四体も一度に現れては!!)

実況「実況は続けるべきなんでしょうか」


716Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 22:57:17.66OzVNifVp0 (6/22)

485

--コロシアム--

サキュバス「さぁ凍れ人間ども!!範囲攻撃氷属性魔法レベル4!!」

バッキャーン!

疾風魔法使い「あかん!範囲防御風属性魔法、レベル4!!」

ビュオオオオ!

二つの魔法がコロシアムの中心で激突する。

サキュバス「っむ!風には押し戻されるか!」

雷魔法使い「今のうちに私が斬ります!雷属性移動速度上昇、レベル4!!」

シュンっ!!

雷魔法使いは雷の鎌を掲げてサキュバスへと走る。

ワーウルフ「移動速度上昇、レベル1」

雷魔法使い「!?」

ガギィイン!!

雷魔法使いはワーウルフの爪を弾いて逸らす。

雷魔法使い(レベル1の移動速度上昇で同等のスピードだなんて!)


717Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 22:58:26.66OzVNifVp0 (7/22)

486

--コロシアム--

ミイラ「スキル、縛りプレイ!!」

バシュルル

ミイラの放つ包帯が変化師の体を締め付ける。

変化師「う、うおおおおおおおおおお!!ちょーきもちEいいいいいいいいいい!!!!!」

解説「なぜその技を女に使わない!!」

実況「解説さん……」

槍兵「変化師!!さっさと抜けやがれ!!」

変化師「ぬ、ぬぅ……。し、身体変化、スライム!!」

ぬるるる

変化師はぬるりと包帯をすり抜けてミイラの体に纏わりつく。

ぬるるる

ミイラ「う、うおおおおおおおおおお!!同類だったのかあああああああ!!!」

解説「だからなぜ(ry」


718Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 22:59:34.17OzVNifVp0 (8/22)

487

--コロシアム--

槍兵「ぐはっ!!」

ヴァンパイア「ふほほほほ!!弱いね!!弱すぎるよ人間!!」

ヴァンパイアの放つ無数の蝙蝠の攻撃を受け続ける槍兵。

ドドドドドド!!

槍兵「っっちぇぇい!!」

ドシュッ!

蝙蝠「ぎぃ!」

一匹の蝙蝠を貫くも、それは瞬時に再生してしまう。

槍兵(くそ、対多戦が苦手な俺とは相性がわりぃぜ、おまけに)

槍兵「おおおおおおおおお!!」

ヴァンパイア「っ!」

ズシャッ!!

槍兵は槍でヴァンパイアを突き刺してみるが、まるで効果がない。

ヴァンパイア「ふふふ。無駄なことだよ」

槍兵「てーか日光駄目じゃなかったかよ吸血鬼ってよ!!」


719Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:00:18.30OzVNifVp0 (9/22)

488

--コロシアム--

ワーウルフ「おおおおお!!」

雷魔法使い「はあああああ!!」

ギャリンギギガギン!!

ワーウルフと雷魔法使いによる高速の撃ちあい。

ワーウルフ「ほぉ。ただの人が魔族である私と渡り合うとは」

雷魔法使い「っっく!!」(これで渡りあえてなど、あ!!)

ズブシュッ!!

弾き損じた爪が雷魔法使いの腹部を引き裂く。

雷魔法使い「っっ!!、あっ、が……」

魔導長「雷魔法使いちゃん!!無属性攻撃魔法、レベル3!!」

ワーウルフ「!!」

ドゴオオオオオン!!


720Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:01:08.85OzVNifVp0 (10/22)

489

--コロシアム--

魔導長の魔法攻撃は氷の壁によって阻まれる。

サキュバス「……無属性?聞かない属性だねぇ」

魔導長「くっ!」

疾風魔法使い「アンタの相手は私やで!!」

サキュバス「!!上か!」

いつのまにか上空で待機していた疾風魔法使いは無数の風の刃を生成していた。

疾風魔法使い「範囲殲滅風属性魔法レベル4!!」

ビュオオオオオ!!

ミイラ「!!ここは俺が!炎属性防御魔法レベル4!!」

ミイラは空中に炎の壁を作りだした。そして風を受けた炎の壁は、その姿を巨大化させる。

疾風魔法使い「しまっ!!」

ミイラ「自分で肥え太らせた魔法で焼け死ぬといい!!」

ゴオオオオオオオオ!!


721Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:02:51.96OzVNifVp0 (11/22)

490

--コロシアム--

槍兵「げはっ、ごほっ!……」(くそ、やるしかねぇ。奥の手だから誰かが見てる前でやりたくなかったんだけどよぉ)

ボロボロになった槍兵はそれでも槍を構える。

ヴァンパイア「やれやれまだやるのかい?君のただ鋭いだけの槍じゃどうにもならないというのに」

槍兵「はんっ。こいつを喰らってからもう一度言ってくれぇ!!」

ギィン

槍兵は槍に魔力を込める。

サキュバス「!!これは……」

サキュバスは槍兵のやろうとしていることを理解した。

サキュバス「ヴァンパイア、避けろ!!」

ヴァンパイア「何を言ってるんだいサキュバス。僕にそんなものが」

槍兵「奥義、呪いの槍!!」


722Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:03:39.44OzVNifVp0 (12/22)

491

--コロシアム--

サキュバス「あれは元々私の奥義だ!!本来は投擲して使うもんなんだが……って」

ヴァンパイア「……ぐふ」

ヴァンパイアの胸部には槍兵の槍が貫通していた。そしてボロボロと崩れ始める体。

ヴァンパイア「ば、馬鹿な!!体が、不死の体が!!……これは波紋!?」

サキュバス(ちぃ。接近戦に独自に改良したのか……中々出来るやつだ)

サキュバスは大きな羽を羽ばたかせて槍兵に接近する。

サキュバス「はんっ、人間の魔力量じゃぁ一回撃ったらガス欠だろう!?」

槍兵「!!俺のこの技を知ってるやつがいるとは驚きだなぁ、っ!!」

ガギィイン!!

サキュバス「どうした?槍に力がのってないぞ?」

槍兵「うるせぇえ!!ごがっ」

ゴシャッ

サキュバスの手刀が槍兵の頭を叩き割る。


723Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:04:26.70OzVNifVp0 (13/22)

492

--コロシアム--

魔導長「魔族を一体落とせたのは大きかったけど、槍兵君が!」

魔導長は雷魔法使いと疾風魔法使いを回収し、魔力による防壁を張っていた。

ワーウルフ「後は貴女を倒せば怖い人物はいなくなりますね」

ドガッドガガッ

ワーウルフは魔法障壁に攻撃し続ける。

ミイラ「しゃー!!」

ボコッ

秘書「っがはっ!!」

ミイラのかかと落としが秘書の背中に落ちる。

ミイラ「随分と動きが鈍いじゃねぇか。やっぱり人相手じゃないと満足に動けないっての?」

秘書「っぐっ!!」


724Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:05:05.88OzVNifVp0 (14/22)

493

--コロシアム--

変化師「お、お前の相手はおでだ!!」

左腕を折られた変化師は後ろからミイラに掴みかかった。

ミイラ「ぬおっ!!……しぶといな。筋肉男」

ドガっ!!

変化師「がふっ!!」

ミイラの肘鉄が変化師のアバラを粉砕した。

ミイラ「今度こそ確実に息の根をとめてくれる」

ミイラは変化師の首を握りしめた。

変化師「が、がげっ!!」

秘書「へ、変化師!!」

バキっ

変化師「……」


725Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:06:33.62OzVNifVp0 (15/22)

494

--コロシアム--

秘書(……なんてこと。このメンツでも魔族四人相手では叶わないの!?)

ヴァンパイア「あー死ぬかと思った」

秘書「!?」

頭をぼりぼりとかきながら、少し小柄になったヴァンパイアが姿を現した。

サキュバス「ん、なんだ、生きてたのかい」

ヴァンパイア「なんだとはひどいね。実際危なかったよ、本体の蝙蝠を逃がしておかなかったら削りきられていたとおもう」

秘書「!!」

魔導長「……一人も、倒せていないの」

秘書(……まだか!!もう、待てない!!)

バヂィイイ!!

ワーウルフの腕が魔導長の魔法障壁を貫通する。

ワーウルフ「やっと障壁に穴があきましたか」

ミイラは秘書の頭部を掴み、持ち上げた。

ミイラ「絶望したか?人間よぉ」

秘書「……っぐ!!」


726Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:07:29.94OzVNifVp0 (16/22)

495

--コロシアム--

ミイラは秘書を掴んでいる手に力を込める。

ぎしっ

秘書「あぐあああああ!!」

ミイラ「ふん!他の奴らは少しは抵抗したというのに、お前はそんなものなのかい」

秘書「がっぐっ!!……つ、ば……」

ミイラ「あん?」

変化師「ひ、秘書さん……」

変化師は地面を這いずってミイラの足首を掴んだ。

ミイラ「けっ、恐ろしい生命力だな、首の骨折ったはずなのに……大人しく待ってろ、順番にやってやるから」

ドオオン!!

ヴァンパイア「ふっ」

ワーウルフ「さすがに私達三人の攻撃の前には持たなかったようですね」

魔導長「魔法障壁が!!」

サキュバス「はっ!死にな!!」

ザっ

黒づくめの仮面「ヘイ!黒の女王!!準備が整いました!!」


727Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:08:14.36OzVNifVp0 (17/22)

496

--コロシアム--

ミイラ「なんだあいつ、まだ動ける兵がいたのか」

黒づくめの醜男「黒の女王、いつでも行けますぞ!!」

秘書「……やれやれ。今頃研究員の首を持ってくる頃かと期待していたのに……私の命令とは違うことをしているとは」

黒づくめの仮面「残りの者は依然として命令をこなしております。違反しているのは私達だけ……どうか罰を」

秘書「いえ、ファインプレーというやつですよ。特別に許しましょう」

ミイラ「……なんだこいつ、何を喋ってやがんのだ」

ミイラは自分の掌の中で喋る秘書を気味悪く感じていた。

黒づくめの醜男「では行きますぞ!結界魔法、」

黒づくめの仮面「種族変換領域、人間!!」

ぶぅぅぅぅぅぅん

魔導長「これ……は」

サキュバス「なんだいこの魔法は……なんか、変な感じが」

秘書「……」

秘書は人知れずニヤリと笑った。


728Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:08:53.51OzVNifVp0 (18/22)

497

--コロシアム--

ミイラ「なんだかよくわからないが、ぐちゃしとくか」

ミイラは腕に力を込め

ミイラ「……ん?」

ることが出来なかった。

ドサリ

ミイラ「!!??な、なに!!俺の腕が斬られてる!!」

秘書「……ふー……」

秘書がナイフを構える。

ミイラ「て、てめぇ!!」

ズバシャッ!!

秘書「……少ないですね、八等分止まりとは」

ミイラ「え」

ミイラは八つの肉塊にされて地面に転がった。


729Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:09:48.42OzVNifVp0 (19/22)

498

--コロシアム--

サキュバス「なにぃ!!」

ワーウルフ「馬鹿な!!魔族を一瞬で!!」

ヴァンパイア「!?あの女はどこへ行った?」

秘書「貴方の」

ブシッ

秘書のナイフがヴァンパイアを解剖した。

秘書「後ろです」

ヴァンパイア「ごふ」

ドサっ

サキュバスとワーウルフは弾かれるように、秘書との距離を開ける。

サキュバス「ワーウルフ!!」

ワーウルフ「わかっています!!物質生成、小月!!」


730Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:11:20.07OzVNifVp0 (20/22)

499

--コロシアム--

ワーウルフは小さな月を作りだし、その光を浴びたことにより変貌が始まる。

秘書「よくわかりませんが、もう何をやっても無駄ですよ」

高速で接近する秘書。

サキュバス「氷属性攻撃魔法、レベル2乱れ打ち!!」

バキバキバキバキバキ!!

秘書「!」

空中に逃げていたサキュバスは上空から氷の弾丸を連射する。

秘書「」

しかし秘書はスピードを殺すことなく全て避け、ワーウルフに向かう。

サキュバス「まずい!!ワーウルフ!!」

ワーウルフ「ワオーーン!!」

四足形態になったワーウルフの頭部に

ドブシュッッッ!!

深々とナイフが突き立てられる。

秘書「……三つめ」

サキュバス「くっ!!この短時間で三人も!!」

魔導長「す、すごい……」


731Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:14:08.91OzVNifVp0 (21/22)

500

--??--

その様子をモニター越しに眺めている研究員。

研究員「はーなるほどー。対人最強の力を持つ秘書さんは、人外との戦闘では実力が発揮できないですからねー……。人間としか相性がよくないのなら、相手を人間に変えてしまえばいい、と」

研究員はにたにたと笑っている。

研究員「やっぱり君の出番は来るかもしれませんねー」

ゴポッ


--コロシアム--

ギャリン、ズバシャッ!!

サキュバス「ぐはっ!!」

右の羽を斬り取られたサキュバスは地面へと降下する。

ドシイイン!!

サキュバス「う、ぐう、人間如きにいいいいい!!」

秘書「……ふふふ」

すたすたと歩み寄る秘書は、眼にもとまらぬ速さでサキュバスの首を跳ねた。

ドッ

秘書(ふふふふふ。気分がいいですね。弱点を克服して無敵になるというのは……。ここまで気分が高揚したのは久しぶりです)


732Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/12(水) 23:16:38.30OzVNifVp0 (22/22)

わーい二部500行ったよー……長すぎだ!!orz ごめんなさい。

本日はここで終わりにします。また近いうちにこれればなと。

それでは疑問質問などがございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございましたm(__)m

次回、アッシュ遂に働く!の巻


733VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/12(水) 23:29:38.82R7+E5leno (1/1)

乙でした


734VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/12(水) 23:44:42.51s1e7UFTgo (1/1)

>>732 乙!
500か……
そういえば、前作から含めるとそろそろ1周年なんだな

アッシュがようやく働くのか……
けど、秘書とかに比べると主人公パーティーはまだまだ弱いよな?
勇者としてまだ覚醒してないよな?



735VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/12(水) 23:51:57.77e1tqzIEs0 (1/1)

元から最強ぽかった秘書が、公式チートになってらっしゃるww

乙でしたー!


736VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/13(木) 00:07:45.803f7ADIgDO (1/1)

乙です

秘書頑張りすぎてベジータの予感


737VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/13(木) 00:23:29.6270wgIudZ0 (1/1)

サキュバスを相手にするならそれ相応のなんていうかアレな展開をですね


738VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/13(木) 01:36:40.06qsuGlP1to (1/1)

おつ
長くても私は一行に構わんッ


739VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/13(木) 22:15:21.81/MnTI0rf0 (1/1)

乙です。
楽しいなーSS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/




740真・スレッドムーバー移転 ()

この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)


741Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/14(金) 00:35:44.11hQKY8gPZ0 (1/1)

な…なんなんですか?ここ、どこですか?

……なんちゃって。


本当にすいません!!依頼する前に書きこんでおくべきでした……orz
……あぁあ数少ない見ている方が更に減少……。

ま、それでも新世界でがんばって行きたいと思います!!
よかったらこれからも見てってやってくださいm(__)m


P.S.
サキュバスはしっかりサキュバスしないといけないよねッ!
サキュバス番外編でもまた……いつか……


742VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/14(金) 01:03:39.32Err6391Yo (1/1)

見てますよー


743VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/14(金) 01:30:54.68lYb7D4qyo (1/1)

>>741
ちょっと驚いたけど移転してもついてくぜ


744VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/14(金) 07:44:57.37+Bnw6KZdo (1/1)

みてますよん


745VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/14(金) 08:11:59.69Ql1SqF7AO (1/1)

5分くらいかかった


746Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:27:13.17czxnqYs00 (1/22)

こんばんはー!
ありがとうございます、一生懸命書かせていただきます。
それでは移転一発目行きたいと思います。

なうろーでぃんぐ・・・


747Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:32:14.07czxnqYs00 (2/22)

501

--コロシアム--

研究員『ブラボー!さすが秘書さんですー。そのコンボがある限り、もしかしたらもしかしたら、モノホンの魔王でさえ倒せてしまうかもしれませんですねー』

夕日が差し込み始めたコロシアムに響く研究員の声。

秘書「……次は貴方の番です研究員。今に私の部下が貴方の居場所を突き止めるでしょう」

研究員『えええー!それは怖いですねー。じゃあ第三ステージ始めてもいいですかねー?』

秘書「!?」

その言動には一切の焦りが感じられなかった。
それどころか恐るべき言葉を口にしたのだ。

魔導長「第三……ステージ。!!秘書?さん!今のうちに倒れた人の回復を!!」

秘書「わかっています!!」

秘書は内ポケットから回復アイテムを取り出して変化師に渡す。

秘書「大丈夫ですか?飲み薬ですが根性で飲んで下さい。やはり中から治療する方が効果が強いですから」

変化師「お、おで」

秘書(あとは……槍兵を蘇生させる!!)


748Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:38:31.06czxnqYs00 (3/22)

502

--コロシアム--

魔導長「雷魔法使いちゃんと疾風魔法使いちゃんも蘇生アイテムで」

魔導長は取り出したアイテムで二人の蘇生を図る。

変化師「ごくっ、ん……お、おで!!」

変化師の体力が全快した。

雷魔法使い「う、うぅん……あ、魔導長……おはよぅ」

疾風魔法使い「ぷあっ!!死ぬかとおもったわ~……ってあれ、もしかして私、死んでた?……」

槍兵「あー、頭が軽い気がするぜ……ありがとな秘書さんよ」

雷魔法使いと疾風魔法使いと槍兵の蘇生が成功した。

秘書(……よし、次に来るのは恐らく……)

研究員『えー、お待たせいたしましたー。それでは我が国の誇るアイドルグループの登場ですーw』

ドオオオオオオン!!

轟音とともに地面を突き破って飛び出してきた三つの影。

ウーノ「それではよろしくお願いいたしますわ皆さん」

ドゥーエ「手加減しちゃいやだよー!?」

トーレ「……うん、いくよっ」

発光する飛行物体が三体現れた。


749Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:39:18.21czxnqYs00 (4/22)

503

--コロシアム--

秘書(やはりあれらか……だがこのコロシアムに、種族変換領域の中にいる限りあれらすら人間扱いとなる。私の敵ではないです)

秘書はナイフを構えると変化師に向かって駆けだした。

秘書「変化師!」

変化師は無言で頷くと、指を組んで秘書を待った。

槍兵「はっ、人間カタパルトってか?」

秘書は跳躍して変化師の腕に乗る。

変化師「お、おでええええええええええええ!!」

そして変化師は力の限り秘書を吹っ飛ばした。
空中で待機しているトーレの元へと。

秘書「まずは一つ!」

秘書は振り被って

トーレ「ね、姉さん」

ウーノ「あ、ごめんなさい、忘れていましたわ。アンチマジックフィールド展開ですわ」

ぐにゃり

秘書「え」


750Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:39:58.33czxnqYs00 (5/22)

504

--コロシアム--

キィン!

秘書「!!」

秘書の攻撃はトーレの左手によって防がれてしまう。

秘書「なっ!!」

魔導長「あの子、今なんて……」

雷魔法使い「アンチマジックフィールドって……!?まずいよ魔導長!私、魔法を使うことができないよ!」

湿布魔法使い「……私もや……。そんな、こんなことがありうるんか?」

ヒュルルルル、ドサっ

落下してきた秘書を変化師が受け止める。

秘書「…………こんな機能まで積みこんでいたのかっ!!」

ウーノ「あらあらっ。なんだか恥ずかしいですわ」

照れながら顔を隠すウーノ。


751Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:41:13.31czxnqYs00 (6/22)

505

--コロシアム--

槍兵「けっ!!魔力依存の連中は下がってな!あとは俺と変化師がやってやる」

槍兵は長い槍を二、三度回すとウーノに向かって構える。

変化師「お、おで!!」

秘書(……確かに体力消費系のスキルでなら対抗できる……でもそれだけでどうにかできる相手じゃない。やはり魔法は必須、どうにかしてこれを解除しないことには……)

ドゥーエ「あ、ごっめーん、おにーちゃん!!やる気出してるところ悪いんだけどさっ、アンチスキルフィールド展開っ!」

ぐにゃぐにゃ

秘書「……」

魔導長「……」

雷魔法使い「……」

疾風魔法使い「……」

槍兵「……」

変化師「お、おで」


752Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:47:03.58czxnqYs00 (7/22)

506

--コロシアム--

実況「な、なんとおおおおおおおお!!三技のうちの二つが使用不能になってしまったあああああああああ!!これは絶対絶命だあああああああああああ!!!!!」

トーレ「あ、はい」

申し訳なさそうに手をあげるトーレ。
そんなトーレはみんなの注目を自分に集めると、

トーレ「……アンチオーギフィールド」

ぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃん



西の王「ば、かな!!」

ダンっ!!

テラスの柵を叩く西の王。

西の王「馬鹿な!!人の持つ技を全て使用不能にしただと!?……なら人間は通常攻撃のみで、あの機械兵士と戦わねばならないというのか!?」

研究員『あ、ちなみに第四ステージまであるので、さっさと突破して見せてくだしあー』

場の空気に似つかわしくない、能天気な声が響く。

ウーノ「さて、二人とも?戦闘準備をしましょうか」

ガシャンガシャガシャ

ウーノの右腕はみるみるうちに形状が変わっていき、

ウーノ「右腕攻撃パーツ、M134、準備完了ですわ」


753Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:47:48.40czxnqYs00 (8/22)

507

--東道--


その頃、コロシアムに向けて集結しつつある集団があった。

ザザザザッ

細身の盗賊「こっちの道でいいんですか?」

?「えぇ、占いによるとこのルートが一番人と接触しないハズです」

赤顔の盗賊「うちの部隊長の占いは世界一ィィィ!!」

?「そ、そんなことありませんよぉ。予言者様に比べたら私なんて」

鶏盗賊「そうコケッ。占隊長にそこまでの力はないコケッ」

?改め占隊長「……」

ぶちっ

鶏盗賊「い、痛!?我輩のとさか、あ、……あれ?」


754Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:48:40.24czxnqYs00 (9/22)

508

--西道--

ザザザザッ

四、五人から構成される少数グループ。
それらが各方面から、一挙に中央のコロシアムへと駆けている。

ザザザザッ

??「私達が最初に魔王の骨を奪い、あの方に献上します。わかりましたか?」

刺青盗賊「いわずもがなっ!忍隊長!!」

サングラス盗賊「忍び隊長率いるこの部隊こそが最強であると知らしめてやりましょう!!」

??改め忍隊長「……よろしい。全てあの方のために」


--南町の上空--

バサバサッ

???「……憎き西の王国……」

西の王国上空を、筋骨隆々な鷲の亜人が部下を連れて飛んでいた。

???「……行きますよ、飛行部隊……」

雀亜人「了解ちゅん!鷲隊長!」

???改め鷲隊長「……ふしゅるぅ~」


755Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:49:08.64czxnqYs00 (10/22)

509

--骨董通り--

金髪「アッシュ君、アッシュ君。なんか私、嫌な予感するっす」

アッシュ「あ?……縁起でもないこと言うな、シネ」

金髪「し、死ねとかひどいっす!!……あ、あのコロシアムに、なんかすごいのがいる気がするんす」

アッシュ(すごいの?……亜人の感覚で何かを感じ取ったのか?)

ぎゅっ

金髪はアッシュの腕をつかんだ。

金髪「い、行っちゃいけないす!」

アッシュ「あ、こら!離せ!」

金髪「離さないっす!……行ったら死んじゃうっすよ。アッシュ君の手に負えるレベルじゃないんす!!」

アッシュ「金髪……」

フードが頭からずり落ちるほど必死に懇願する金髪を見て、アッシュは立ち止まった。


756Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:50:39.29czxnqYs00 (11/22)

510

--骨董通り--

アッシュ「……バカか」

金髪「へ……?」

アッシュ「なら尚更俺が行かなきゃいけないだろ」

金髪「な、なんでっすか!?」

アッシュ「だってあいつらがもしあそこにいたらピンチだろ。強い俺が助けてやらなきゃあな」

金髪「……」

アッシュ「……っち、心配するな、お前も一応守ってやる。こ、この数日間一緒にいた間柄だからな!!」

か、勘違いしないでよねッ!?とアッシュ。

金髪「……うぅ。本当に危ないんすよぉ」

ザザザザッ

そこに、

伊達男「うむん?……あれは……」

顔長盗賊「どうしましたか副部隊長?……子供?」

アッシュ「!?」(なんだこいつら……こんなに近くに来るまで気配を感じなかった!?)

金髪「あっ!!」

伊達男「……こんなところにいたのか」

伊達男は金髪を見て苦々しくつぶやく。

アッシュ「お前ら……なんか用か?」

伊達男「いや少年、君には用が無い。用があるのはそっちの少女の方なのだ」

アッシュ達は砂漠の風構成員達と接触した。


757Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:52:13.28czxnqYs00 (12/22)

511

--骨董通り--

アッシュ「金髪に、用……だと?……ッ!」

金髪「……」

金髪はそっとアッシュの後ろに隠れた。

アッシュ(まるでこいつを知っている見たいな言い草じゃないか)

金髪はアッシュの後ろで、フードを深く深く被り直した。

アッシュ(……そうか見られたのか。亜人を差別する団体……ではないだろう。そんな奴らがここまで肉体を鍛えているものか……それに金髪のこの態度……)

金髪「……ッ」

アッシュ(十中八九、砂漠の風!!)

伊達男「なぁ少年、君が後ろに匿っている少女は俺の知り合いなのだ。いやよかった。無事で何より。知り合いの家から突然いなくなったと聞いて捜し回っていたんだ」

伊達男は人当たりの良さそうな顔で、アッシュ達に近づいていく。


758Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:53:24.29czxnqYs00 (13/22)

512

--骨董通り--

黒肌盗賊「副部隊長……?」

伊達男「今までずっと一緒にいてくれたみたいでご苦労。迷惑をかけたな。後は俺が引き受けよう」

伊達男は腕を広げてアッシュにアピールする。

アッシュ「……ごくっ」

伊達男「ん、そうか……面倒をかけた礼をせねばな。多少少ないが取っておいて欲しい」

伊達男は財布を取り出した。

アッシュ「……金髪、こいつらなんだな」

金髪「……」

伊達男「そうさ。俺はその子の知り合いで」

アッシュ「こいつらが砂漠の風なんだな?」

伊達男「っ!!」

爺盗賊「こやつ、わしらのことを!」


759Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:55:37.62czxnqYs00 (14/22)

513

--骨董通り--

伊達男「……まさか後ろの少女から聞いたのかな?」

アッシュ「どうなんだ、金髪!」

金髪「そ、そうっす!!こいつらが砂漠の風っす!!」

シャキイン

アッシュは腰からナイフを引き抜くと構えた。

アッシュ「……まさかこんなガキの自由まで奪うような組織だとはな……」

伊達男「?何を言ってるんだ、俺は」

アッシュ「悪党の言葉など聞かず!こいつは……渡さない!!」

金髪「アッシュ……君。砂漠の風なんかと関わりあいになりたくない、って言ってたのに……」

伊達男はナイフを構えるアッシュを見てため息をついた。

伊達男「……はぁ。ならばよろしい。なに、こんなことになるんじゃあないかと予想していたよ……。じゃあ力付くで行かせてもらうとしよう。正義吐く力無き少年よ!!」

伊達男はステッキを取り出した。

伊達男「お前達は手を出すなよ?」


760Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:57:09.95czxnqYs00 (15/22)

514

--骨董通り--

キィンガキィン!!

アッシュ「ぐっ!」

伊達男「遅い、遅いよ少年!!」

数度の打ち合いの後、弾き飛ばされるアッシュ。

ドガッ!

アッシュ「がはっ!!」

伊達男「ほらほらほら、休んでいたら追撃がくるぞ!」

アッシュ「!!」

ドズ!

振り下ろされたステッキを紙一重で交わすアッシュ。
そのステッキが地面に刺さっているのを見て恐怖を感じる。

アッシュ「ああああああああああああ!!!!」

アッシュは立ちあがると、伊達男に向かって突進した。


761Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:58:06.82czxnqYs00 (16/22)

515

--骨董通り--

アッシュ(副部隊長でこれか!!)

ギィン!!

アッシュの渾身の一撃をいともたやすく防いで見せる。

伊達男「ふむ。土属性攻撃魔法、レベル2」

もこもこ

アッシュ「!?がはっ!」

ドゴ!

盛り上がった地面がアッシュの腹部を強打する。
衝撃で蹲りそうになるアッシュの顔面を伊達男の右足が蹴りあげた。

ゲシ!

金髪「アッシュ君!!」

その勢いを利用してバク転で距離を開けたアッシュは、口元の血を拭った。


762Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 00:58:52.03czxnqYs00 (17/22)

516

--骨董通り--

アッシュ「……ぐ」

伊達男「どうしたのだ少年、魔法は使わないのかね?スキルもだ」

伊達男はステッキを回しながら歩み寄る。

アッシュ「……使っていいのかよ」

伊達男「無論。むしろ使わなければ君に勝ち目は無いと思うが?」

アッシュは横目で金髪を見る。

金髪「?あ、アッシュ君?」

アッシュ(金髪がいなけりゃ……)

伊達男「……ふむ。どうやら使う気がないようだ」

伊達男はステッキに魔力を込めた。

伊達男「ならば、君にステッキな一撃をプレゼントしよう」


763Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 01:00:02.49czxnqYs00 (18/22)

517

--骨董通り--

伊達男がステッキを上段に構える。

金髪「!!それは、アッシュ君逃げてっす!」

アッシュ(バカ野郎、逃げたらお前捕まっちまうじゃねえかよ)

金髪「アッシュ君!!……もしかしてあたしがいるから力出せないっすか!?そんで防戦一方だったすか!?なら大丈夫っすよ!!だってあたし亜人す!たいていのことには耐性あるっすよ!!」

アッシュ「!!……そういやそうか……まぁただ負けちまうのもいやだしそうするしかなさそうだな……」

そう呟いたアッシュの両手が紫色に変色し始めた。

伊達男「?……これは……」

アッシュ「毒属性攻撃魔法、レベル2!!」

ドジュウ!!

アッシュの手のひらから打ち出されたものは、ヘドロ状の猛毒だった。


764Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 01:01:05.68czxnqYs00 (19/22)

518

--骨董通り--

伊達男「っ!!」

伊達男はかろうじてその攻撃を避けた。

伊達男「……少年。この属性は……」

黒肌盗賊「毒……属性?」

金髪「アッシュ……君……」

アッシュ「……」

黒肌盗賊「……はは。毒属性なんてそんな属性あるわけないよ、なぁ爺。火水風土氷雷の六属性だもんな」

爺盗賊「……」

伊達男「……欠陥属性遺伝者《ラッカー》か……」

顔長盗賊「??ラッカー、って、なんですかそれ」

爺盗賊「……人類が昔扱っていた属性は六つ以上だと言われておるんじゃ。ただ今残っている六属性以外はな、人類の進化の過程で不要とされたのか、自然に無くなっていったという説がある……」

アッシュ「……」


765Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 01:04:17.73czxnqYs00 (20/22)

519

--骨董通り--

爺盗賊「だが今の世になっても、極稀にそれらの属性を持って生まれてくる子がいるんじゃよ。悲しいかな」

伊達男「その確率はおよそ千人に一人。……なるほど、君はどうやらこちら側に属すべき人間のようだね」

アッシュ「……なに?」

伊達男「我らはユートピアを作ろうとしているのだよ。何の差別も無い国をね」

アッシュ「!!」

伊達男「君の生い立ちを知るわけではないが、君も差別されて生きてきた口ではないか?ラッカーの社会での地位は亜人並なのだし」

金髪「アッシュ君……」

アッシュ「余計な心配だな、そんな差別など受けていない……」

伊達男「……本当かい?」

アッシュ「くどい!」

ガキィン!

アッシュ「何を思うところがある!?こんな強い属性、他にはない!」

ドジュルル

伊達男「っ」


766Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 01:06:35.93czxnqYs00 (21/22)

520

--骨董通り--

黒肌盗賊「あいつ!水属性攻撃魔法、レベル1!」

横から放たれた水の弾丸。

アッシュ「!?」

アッシュはなすすべも無く吹き飛ばされる。

バシャッ!

アッシュ「ぐ!」

伊達男「手を出すなと言っただろう!」

黒肌盗賊「!!す、すいませんつい……」

アッシュ「……ち」

アッシュは立ち上がり、再度臨戦態勢を取る。

伊達男「……しかしやはり不便なものだ。そんな欠陥属性じゃなければ、この程度の魔法攻撃を防ぐこともできたろうに」

アッシュ「ッッ!」

伊達男「六属性は例え相性が悪かろうと、ある程度は闘うことができる。更に欠陥属性はサイクルに含まれていない……故にどの属性の弱点も突くことができないのだ」

伊達男は無表情で語る。

伊達男「毒で水の攻撃は防げまい。毒で土の攻撃は防げまい」



767Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/15(土) 01:08:52.38czxnqYs00 (22/22)

本日はここで終わりにしたいと思います。
また近いうちに来る予定です。

それでは疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

次回、ツインテ……?の巻


768VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/15(土) 01:20:03.88H6Yamk7+0 (1/1)

前勇者パーティは三本角とかと比べたらどのくらい強いんだ?


769VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/15(土) 07:05:53.978t+i/kd9o (1/1)

湿布魔法使い「……私もや……。そんな、こんなことがありうるんか?」

ちょっと笑った


770VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/15(土) 12:10:08.95pN9fRY+SO (1/1)

ああこれが前言ってた特殊な属性か

>伊達男「?何を言ってるんだ、俺は」
本当に何を言ってるんだよwwwwww


771VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/15(土) 16:37:50.70GSINx/yno (1/1)

乙!GEPの一覧になくなってたから驚いてこっち検索したぜ;

>>770
アッシュにセリフを遮られただけだろww


772Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/17(月) 01:12:11.94TCMNVtoDO (1/1)

お返事だけしにきました。大体な感じで表しますと、

勇者〉〉越えられない壁〉〉五柱(平均値)〉盗賊王≧疑似魔王踊子〉三強系(平均値)=魔法使い≧闘士≧踊子〉盗賊〉〉〉賢者


な感じですが、貧乳さんは精神に枷があるので、常にフルパワー出せない感じです。
前勇者パーティは一応死線を幾度か越えているためなんだかんだで強い方です。三部終盤状態です。


773VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/19(水) 20:16:21.20xnIlXJKAO (1/1)

もうすぐ最初のスレから一年かぁ
毎日更新してないか見に来てるぜ!
ってか、賢者とか盗賊の再出演がないのか気になる


774Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:03:31.58yLUH+LPn0 (1/22)

もう一年……懐かしいような早いような。もうそんなに経ったのですね……
とりあえず今までのキャラは全員出す予定ではあります。どんな形であれ……ね!

あ、こんばんは。ちと遅い時間帯ですが投下しに来ました。それではいきまーす!


775Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:04:08.15yLUH+LPn0 (2/22)

521

--骨董通り--

アッシュ「……まぁそうだな。お前の言うとおりだ。俺の属性では魔法攻撃を防御することなんてできはしない。物理攻撃ならまだ対策はあるがな」

金髪「じゃ、じゃあなぶり殺しにされちゃうっす!!」

アッシュ「だけどお前ら、毒属性を使うやつと戦ったことがあるか?」

伊達男「いや。ただでさえ数の少ないラッカーだ。この時代で、他に毒属性ラッカーが存在するかどうかすら怪しい……」

アッシュ「そうだ。一生に一度会うか会わないかってレベルの属性なんだ。そんな属性の対策なんてとるか?」

シュー

伊達男「む」

アッシュ「得意な属性には万全を期した闘い方を、優劣無しの属性には工夫が必要だ、弱点属性には他よりも重点的に思考を巡らす必要がある。だが、ラッカーなら?」

爺盗賊「……」

アッシュ「所詮ラッカー、無対策でもどうとでもなる、そんな考えを持ってはいないか?」

シュー

伊達男「……そこに付けいる隙がある、と」

アッシュ「そうだ、弱者故に、弱者過ぎるがゆえに無警戒。だから俺は最強なんだ」

黒肌男「うっ……」

バタリ

黒肌男が突然ふらつき始めて、ついには倒れてしまう。


776Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:05:09.74yLUH+LPn0 (3/22)

522

--骨董通り--

伊達男「!?どうしたのだ!?おい!」

シュー

アッシュ「そして俺は勇者候補だ」

アッシュはお構いなしに話を続ける。

アッシュ「勇者として覚醒した暁には、六属性が解放されるという……そうしたら俺は、人類史上初の、七属性を持つ勇者となる」

爺盗賊「ら、ラッカーが勇者になれるわけ、ぐっ」

バタリ

金髪「……」

その光景をアッシュの後ろから見ている金髪。

伊達男「!……ぐ、な、なんだ、俺も視界が」

顔長盗賊「ふ、副隊長」

バタリ

アッシュ「馬鹿め……」

伊達男「しょ、少年、時間稼ぎ、だったのか……長々と、喋っていたのは……」

シュー

アッシュ「当たり前だ。そんなペラペラと戦闘中に喋ってたまるか。毒属性範囲攻撃魔法、レベル3」

伊達男「毒ガス、こうげk」

バタリ


777Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:06:07.82yLUH+LPn0 (4/22)

523

--骨董通り--

金髪「え?ど、毒ガス攻撃!?こ、怖いっす!!……今はなんともないっすけど」

アッシュ「安心しろ、お前は風上だから大丈夫だ。解除」

シュー……

金髪「す、すごいっす!!砂漠の風の副部隊長達をやっつけちゃったっす!!」

アッシュ「まだ死んじゃいねぇよ」

アッシュはナイフを持ち直して、伊達男達のもとに近づいた。

金髪「!?あ、アッシュ君!!何をするつもりっすか!?」

アッシュ「何って、殺す」

金髪「!!」

アッシュ「俺の属性もばれた、今の攻撃方法もばれた。次はこんな手を喰らう連中じゃない、今やっとかないと俺が危ない」

金髪「だ、駄目っす!!」

がばっ

アッシュ「どわ!!な、何をする!!HA☆NA☆SE!!」

金髪「もうやめてアッシュ君!とっくに伊達男達のライフは0よ!」

アッシュ「いや残ってるし!だからこれから止めを!」

金髪「アッシュ君が人殺しなんてしちゃダメっす!!」


778Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:06:34.08yLUH+LPn0 (5/22)

524

--骨董通り--

アッシュ「金髪……」

金髪「あ、アッシュ君、いい人っす。こんなあたしにもやさしくしてくれたっす。それに、さっき言ってたじゃないっすか!勇者になるって!勇者が人殺しだなんて駄目っす!!」

アッシュ「……っく」

アッシュはなぜか金髪の腕を振り払えずにいた。

アッシュ「だが、今後自分の身が」(仲間の命も危うくなっちまう!)

金髪「それなら、それならまた返り討ちにできるくらい強くなったらいいっすよ!!」

アッシュ「!!」

金髪「誰も殺さず、誰よりも強くなればいいんす!!」

アッシュ「……出来るかそんなこと」

金髪「出来るっす!!アッシュ君らしくないっすよ!!」

アッシュ「……はぁ」

アッシュはナイフを鞘に戻す。

チン

アッシュ「やる気無くなった。仕方ないからやめてやる」

金髪「アッシュ君!」


779Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:10:02.54yLUH+LPn0 (6/22)

525

--骨董通り--

ガバッ!

金髪はアッシュに飛びついた。

金髪「えへへー!やっぱりアッシュ君はかっこいいっす!!」

アッシュ「うるせえ!当たり前だ!!そして離せ!!」

タタタタタッ

二人がリア充しているとそこに、

レン「はっ、はっ……!!」

血濡れの服をきたレンが駆けてきた。
それを見たアッシュは驚きを隠せない。

アッシュ「れ、レン!!お前どうしたんだそれ……何があった?」

レン「あ、あっ詩ゅ。あっしゅ」

アッシュはふらついたレンの肩を抱く。

アッシュ「どうした!?何があった!!ツインテとポニテは!?」

レン「はっ、はっ……アッシュ、つ、ツインテ達を、助けて」

アッシュ「!?」


780Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:10:36.34yLUH+LPn0 (7/22)

526

--骨董通り--

アッシュ「一体何が……」

金髪「この子相当弱ってるっス……それなのにここまで走って……」

アッシュ「っ……」

レン「はぁっ、はぁっ」

レンは辛そうに息をしながらアッシュの服を掴んだ。

アッシュ「レン!」

レン「ポニテが、さらわれたの」

アッシュ「!!」

レン「レンは、やられた……それで今ツインテが、追ってる……けど」

レンはポロポロと涙を流す。

レン「ツインテも、やられちゃうよ……!!お願い、アッシュ、ツインテを助けて……。ツインテは今、右腕がない」

アッシュ「……な」


781Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:11:03.61yLUH+LPn0 (8/22)

527

--骨董通り--

レン「ツインテは、レンを助けるために、自分の右手を犠牲にしたの……早く、港町へ……」

アッシュ「……」

金髪「アッシュ君、いってあげるっす」

アッシュ「金髪……」

金髪「あたしはもう大丈夫っす。風の砂漠もあたしを探しにきているわけじゃなさそうっすから、路地裏に隠れてればきっと大丈夫っス」

アッシュ「……」

アッシュは倒れている伊達男達を見る。

アッシュ「悪いがそうさせてもらう。戦いが終わったら、路地裏でまた会おう」

アッシュはそう告げるとレンを抱えた。

金髪「……うん、待ってるっすよ」

金髪は笑顔で手を振った。

タタタタ!

アッシュ「レン、とりあえずお前を宿屋に運ぶ!」


782Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:12:31.68yLUH+LPn0 (9/22)

528

--骨董通り--

金髪「……」

金髪はアッシュ達が見えなくなるまで手を振っていた。

伊達男「げほっ、ごほっ」

と、その時、伊達男が咳をしながら立ちあがった。

金髪「……」

伊達男「やれやれ……毒ガス攻撃とはね。奥歯に仕込んだ中和剤が無かったら俺までやられていたところだ……部下にも薬を飲ませてやらなければね」

伊達男はいそいそと薬を取り出して部下たちの口元に持っていく。

伊達男「あんな感じでよかったでしょうか?」

金髪「まぁまぁの演技だったっすよ。咄嗟にしては上出来っす」

伊達男「やれやれ……まさか抜け出したと思ったらこんな所にいるとは……」

伊達男は頭を抱えるポーズ。

金髪「だが色々とおもしろかったっす。この数日間は」

人間というのもまだまだ捨てたものでは、と金髪。


783Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:13:24.58yLUH+LPn0 (10/22)

529

--コロシアム--

バルルルルルルル!!

眼帯観客「ひぃ!!げっ!」

バルルルルルルル!!

裸観客「こ、こんなことがっ!!」

バルルルルルルル!!

槍兵「ちっ、くしょおおおおおおおおお!!」

血まみれの槍兵は槍を抱えてウーノ達に突進する。

ドゥーエ「あれー!お兄ちゃん死んで無かったんだ?死んだふりしとけばいいのにっ!ばっかだなー!w」

ドゥーエの銃口が槍兵に向いた瞬間に、槍兵は走りの角度を

ドゥーエ「ロックオーン、バキューン!」

バルルルルルルル!!

抵抗空しく、槍兵は一瞬でミンチにされてしまう。

秘書「魔法も、スキルも、奥義も封じられて……勝てるはずがない……」

ドバッ!

流れ弾に当たった秘書の頭部は吹き飛んだ。


784Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:14:02.43yLUH+LPn0 (11/22)

530

--コロシアム--

盾男「ちぃ!すげぇことになってやがる!!」

チュンチュンチュン!!

再びコロシアム内部に戻ってきた盾男達は地獄を見た。

弓女「っつ!!しかもここでは魔法も使えないようだしよぉ!!どうすんだ!!」

斧女「どうもしませんよ、私達は西の王が持っている魔王の骨を奪うのみ」

トーレ「あれ?まだピンピンしてる人間がいる」

彼らの頭上に現れたトーレ。

盾男「!!」

トーレ「私お掃除が得意なんだよ?家庭的でしょ?」

トーレが銃口を向けた。

ドジュウウ!!

トーレ「あっ!?」

その時トーレの肩を光線が撃ち抜いた。

ウーノ「なにやつですわ!?」


785Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:14:51.85yLUH+LPn0 (12/22)

531

--コロシアム--

ウーノ「あれは……」

ドゥーエ「かっくいー!!」

トーレ「……アセモ先輩?」

包帯女「ちょっと、皮膚疾患みたいな名前で呼ばれてるわよ?」

テンテン「偉大なるアシモ先輩の名を間違えるとはとんだスクラップだ」

義足「やれやれひどい状況に出くわしちゃったな……まぁでも不謹慎だが俺達にとっちゃ仕官のいいチャンス。てかテンテン喋れたの!?」

二階観客席からの砲撃、それを放ったのはテンテンだった。

テンテン「修復モード終了、通常モードに移行する」

バキャッ

アシモの殻を破り、中からテンテンが姿を現す。

ウーノ「!……私達と同じ機械兵士?」

ドゥーエ「検索終了ー、該当無しだってー!ってことは」

トーレ「私達より後に作られた機体?」

魔導長「仲間……なの?」


786Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:15:41.91yLUH+LPn0 (13/22)

532

--コロシアム--

盾男(今の攻撃、俺達を守ってくれたと考えていいのか?)

弓女「盾男」

盾男「しっ……不意を突くチャンスはきっとくる。今は協力してこいつらを倒したほうがいいかもしれない」

斧女「既に私達も標的としてカウントされていそうですし。妥当でしょう」

トーレ「……勝てる気でいるんですか?」

研究員『あららー。まさかまだ機械兵士が残ってただなんてー。しかもちゃんと稼動してるなんてすごいですねー。誰かが直したんですかねー?』

義足「西の王様!!お願いがございます!!」

西の王「……ん?なんだ」

義足「もし我々がこの者達を打倒した暁には、我ら三人を三本角にしていただきたい!!」

変化師「!!」

魔導長「倒す……?そんなこと……」

西の王「あ~……さっき二人決めちゃったから後一枠しか空いてないんよ。だから一人でよければ」

包帯女「えぇ!?」


787Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:16:46.05yLUH+LPn0 (14/22)

533

--コロシアム--

義足「ってか軽いな!!……それに一人だけかぁ……」

西の王「……それよりも本当になんとかできるのか?こいつらは我が国の最高戦力で挑んでも太刀打ち出来なかったのだぞ?」

包帯女「そのことでしたらお任せ下さい。そのためのテンテンです」

いつのまにかサングラスをかけていた義足と包帯女。

テンテン「結局私まかせか。やれやれ。だがまぁ、私としてもアシモ先輩を侮辱されて黙っていることはできない」

ジャキジャキィン

テンテン「戦闘モードに移行完了、テンテン、出撃する」

シュイー

宣言したテンテンが発光したかと思うと、

ガっ

ウーノ「!?」

一瞬で移動したテンテンはウーノの頭部を掴んでいて、

テンテン「どっせえええええええええええい!!!!」

ブンっ!!

遥か彼方に向かって放り投げた。

ウーノ(くっ、早いっ!!)


788Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:17:31.87yLUH+LPn0 (15/22)

534

--コロシアム--

バシュッ

それを追って飛び立つテンテン。

トーレ「姉さん!!」

ドゥーエ「ブン投げられたー!!」

りゃにぐ

魔導長「!!常時発動魔法が動いてるなの!!」

雷魔法使い「魔法が使える!魔導長」

疾風魔法使い「アンチマジックフィールドとかいうセコ技の範囲圏外になったんや!!」

変化師「お、おで!!どのみち魔法むり!」

ドゥーエ「どうする?トーレちゃん。ウーノちゃん飛んでっちゃったけど」

トーレ「……後を追おう。姉さんだけじゃまずいかもしれない。私達対機械兵士用の装備じゃないもの」

ドゥーエ「そうだね!じゃあ一時休戦だよ!!」

バシュバシュっ!!

西の王「なに?」

二人はウーノ達を追って飛んでいく。


789Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:18:12.63yLUH+LPn0 (16/22)

535

--港--

賭博師「ふぃ~。ネムレシアの粉をこれだけ嗅がせとけば一日くらい持つだろ」

調教師「……くちゃっくちゃっ」

人気が少なくなった港で、小さな船にポニテを乗せている賭博師達。

賭博師「……しっかし驚いたぜ。まさかお前が血だらけで帰ってくるとはよ。まぁ相手の血なんだろうが……」

調教師「……くっちゃくっちゃ」

調教師は無表情で何かを噛んでいる。

賭博師「……ポニテをさらう時に止められたのか?ヤッたのか?どいつをだ?」

調教師「……猫です」

賭博師「なるほど、そうか」

賭博師は調教師の頭に手を乗せる。

ぽん

賭博師「うし……夜になる前に出るぞ」

調教師「……くちゃくちゃ」


790Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:19:04.22yLUH+LPn0 (17/22)

536

--港--

賭博師「ほれ、手伝ってくれ調教師、モンスター使ってもいいからさ」

調教師「……」

賭博師「おいこら、返事しやがれ。お前だって早いとここっから出てきたいだろう?」

調教師「……ご主人様」

賭博師「なんだよ、ほら手を……お」

ツインテ「……」

二人は港の入口付近にいるツインテを見つけた。
距離にしておよそ100メートル。

賭博師「追って来たのか……って右腕……なんだお前、レンだけじゃなくてツインテも壊してたのか?」

調教師「いいえ……」

賭博師「となると……まぁいいか。あれも売払うか?それとも撃退するか?」

ツインテ「……」

調教師「……!pきゅあらうあいう9!!」

調教師が超音波を発すると、

ゴオッ!!

空から羽の生えたゴリラが降ってきた。

ツインテ「……」


791Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:19:31.25yLUH+LPn0 (18/22)

537

--港--

羽ゴリラ「うほほほー!!」

賭博師「つっ!……ちっ、まさかあいつ呼ぶとは思わなかったぜ。胸糞悪くなるもん見ることになるのはぁ……。俺は船ん中入って準備してるからな」

賭博師はそう言うと船の操縦室に入って行った。

ツインテ「……」

ズシ、ズシッ

羽ゴリラの巨大な腕で行うナックルウォーキング、その凶悪な重量は、通った道をでこぼこにへこませていく。

調教師「……やっちゃってくださいまし」

羽ゴリラ「うほほほー!!」

ボコボコボコボコ!

羽ゴリラはドラミングをした後、構えもしていないツインテに飛びかかった。

ツインテ「……」

バギっ!!!!



賭博師「ほれ調教師、もう行くぞ?あのゴリラならもう終わってんだろ?あのアホゴリラの死体で遊ぶ癖はやめさせてくれって……あ?」

操縦室から顔を出した賭博師の上を越えて、

バッシャーーーーン!!

羽ゴリラが海に着水した。


792Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:20:15.96yLUH+LPn0 (19/22)

538

--港--

調教師「っ!」

賭博師「なっ……嘘だろ?まさかツインテが吹き飛ばしたのか?体重1tもある羽ゴリラを!?」

ツインテ「……」

カッカッ

ツインテは、ゆっくりとした歩調で賭博師達に近づいていく。

残り80メートル。

賭博師「……才能はあると思ってたがよ。羽ゴリラをこの短時間でどうにかするのは簡単じゃねぇぞ?」

調教師「ぁ8479あ3874うhg29!!!!」

ツインテ「……!」

調教師は再び超音波を発する。
すると現れたのは、

デカモグラ「もぎゅー!!」

四足金魚「ぎょえええ!!」

ドッ!!ゴッ!!

賭博師「!?」

ツインテに飛びかかった瞬間、二体のモンスターは吹き飛ばされる。

バシャバシャーン!!

残り60メートル。


793Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:21:27.25yLUH+LPn0 (20/22)

539

--港--

賭博師「……見えたぜ。賭博師の目はごまかせねぇ……ツインテ、あいつグローブつけた拳でぶん殴ってやがる。どっからあの破壊力が生まれるんだ?」

調教師「あ、あ、あああ!!08いうれhんが9うぃうじぇkjlk2あ!!!!」

三度超音波、主人のピンチと駆け付けたのは羽を持つ四体のモンスター。

右牛「ぐもおおおお!!」

左牛「ふもおおおお!!」

赤コンドル「ぴやあああ!!」

屍コンドル「あ;0489がおい!!」

ツインテ「……」

ドッ!ガっ!ズガっ!ゴンっ!

バシャバシャバシャバシャーン!

賭博師「……っ!!」

調教師「はぁ、はぁっ!!……ぐぅ!」

賭博師「なるほど……自身の魔力をわざと暴発させることにより破壊力を手に入れてるわけか……それによって損傷した箇所も瞬時に修復させてやがる……」

ツインテ「……」

残り40メートル。


794Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:24:42.18yLUH+LPn0 (21/22)

540

--港--

調教師「うああああああ!!来て!!バジリスク!!」

バサッ

バジリスク「ギャオオオオオオオ!!」

調教師の悲鳴をかけつけ、天空より小型の竜種が飛来する。

賭博師「!!いきなり切り札のバジリスクかよ!!あいつはまだお前も使いこなせて」

メギッ

ツインテ目がけ落下してきたバジリスク、それに合わせたツインテの拳は見事バジリスクの顔面を捉え、

バッシャーン!!

ツインテ「……」

残り20メートル。

賭博師「な、りゅ、竜種すら退けるだと?」

調教師「そ、そんな……」

ツインテ「……なんで……こんなことをするんですか」

賭博師「っ!!」

ツインテ「どうして、ポニテさんをさらったり、レンさんを……レンさんをあんな目に合わせたりしたんですか……!」

残り、

ツインテ「なんでこんなことになっちゃったんですかっ!!」

ドッ

ツインテは一足で船の上空にまで跳ぶと、膨大な魔力を込めた左の拳を船に叩きつけた。

バガアアアアアアアアアアン!!!!

賭博師「ぐあぁ!?」

調教師「きゃあああ!!」

ツインテ「貴方達は……」

舞い散る船の破片は次々に海へと落ちていく。

ツインテ「……お前達は『俺』が殺す」


795Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/20(木) 02:28:51.94yLUH+LPn0 (22/22)

本日はここで終わりにしたいと思います。
今度こそ近いうちに……!

それでは疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

次回、人の造りし××?の巻


796VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/20(木) 03:30:17.22fPYeyoJho (1/1)

ツインテ…女の子が俺なんて使っちゃ…
あ、乙です


797VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/20(木) 10:49:40.13iTTQfRZAO (1/1)

ツインテ△
乙です


798VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/20(木) 11:17:58.91CCi4TmyFo (1/1)

ツインテ△


799VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/20(木) 18:07:52.567EnQgPcJo (1/1)

乙乙!
まったくwwktkさせてくれるぜ


800VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/20(木) 21:48:44.90evYA/tyAO (1/1)

乙!ツインテかっこよすぎ!


801VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/21(金) 00:17:33.49aVOtVJaxo (1/1)

>>795 乙!
調教師がくちゃくちゃしてたのはまさか……
次も楽しみだ~!


802VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/21(金) 17:11:31.99SK8sSjmHo (1/1)

スキルと奥義の詳しい説明が欲しいです


803VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/21(金) 20:03:52.51RDSy7knAO (1/1)

魔法は【属性】に応じて、魔翌力を消費して使える技。『単体』『範囲』『範囲せん滅』など。レベル4が最高。レベル5が最強。
スキルは【職業】に応じて魔翌力や体力を消費して使える技。
奥義は【個人】に応じて体力や魔翌力を消費して使える技。自分で編み出すか、伝授される以外では習得できない。奥義が使えないと半人前。

以上ウソつきました。正しい回答は過去のスレに書いてありますよ。


804Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 02:12:46.33NCzNCRs/0 (1/25)

>>802

○スキル:体力消費のものが大半です(魔法の魔力消費と差別化したかったというのが本音。実際は出来ていない)。実際は魔力消費のものばかり出てきていますね。あと常時発動スキルとかあります。これは名前の通りずっと発動してます。これで魔力消費し続けたせいで死亡、というのはないです。危険域までいくと自動でスキルが止まります。スキルもレベル制にしようかな、今更過ぎるですよね。

魔法:魔法です。魔力消費のしかないです。説明不要。new 常時発動魔法もあるよ!
あと魔法は魔力を属性細胞に通すと属性が発現うんちゃら。なので属性細胞を通さないというめんどくさいわりにはメリットが少ない手順を踏む(むしろ骨の折れる荒業)と無属性になります。

奥義:その人個人しか使えない必殺技。編み出すか、誰かから伝授(この場合複数人使える)、もしくはパク(ryオマージュする。基本的に体力か魔力(あるいは両方)を大量消費して発動します。その変わり威力、効力は絶大(ホントニー?)。奥義を習得すると一人前とみなされます(ホントニー?)。

という過去レスからの引用です、が!
803さんの説明が素晴らしいのでそちらの方が十二分にわかっていただけるかと。
803さん、ありがとうございました!嘘なんですか!?


805Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 02:14:02.18NCzNCRs/0 (2/25)

初期(没)設定お披露目コーナー

Qw0「今回のコンセプトは萌え!」



ツインテ「絶対嘘だ……」


806Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 02:15:23.98NCzNCRs/0 (3/25)

こんばんは!日本やりました!
日本代表があんなにがんばったのに私が頑張らないわけにはいきません!

完全に書き終わってないので少しづついきたいとおもいます。
なうろーでぃんぐ


807Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 02:21:04.98NCzNCRs/0 (4/25)

あ、ちょっと設定がみっかったので投下。

魔力というエネルギーを、属性細胞に通すことで属性が発現する。これは空気を吸うのと同じように当たり前で自動的に行われる。無属性魔法は属性細胞に魔力を通さずに体外へ出す高等技術。ただしえらく面倒くさいわりにはメリットが無いに等しい。属性耐性で軽減されなくなるが、弱点をつくことは出来ないし、追加効果も得られない。


808VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/22(土) 02:23:49.29axzVLGbxo (1/1)

まだかなまだかなwwwwww


809Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 02:31:02.16NCzNCRs/0 (5/25)

541

--港--

バチィ!!

突如、ツインテの髪を結わえていたリボンが弾け飛ぶ。

バサッ

ツインテの髪型がロングヘアに変わる。

ほくろ通行人「拘束具が!」

短髪通行人「拘束具?」

ほくろ通行人「そうよ。あれはリボンではないの。ツインテ本来の力を私たちが押え込むための拘束具なのよ」

港の通行人がなんか喋りだした。

ほくろ通行人「その呪縛が今、自らの力で解かれていく…私たちには、もうツインテを止めることはできないわ…」

調教師「誰ですかあなた達……」


810Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 02:37:24.60NCzNCRs/0 (6/25)

542

--港--

ツインテ「はぁ~……さいっあく。さしもの俺でも無からは作りだせねぇってのによ」

ツインテは自分の右腕があった場所を見て、憎々しげに吐き捨てる。

賭博師「お前……お譲ちゃん、ツインテだよな?」

ツインテ「はぁ?見て分かんねぇのかよ?あと呼び捨てにすんじゃあねぇ。ツインテ様だ。さ、ま!!」

賭博師「……」

調教師「……」

二人は変貌したツインテを見て驚いた。

賭博師「二重人格者か……」

ツインテ「ちげぇよタコ。教えてやる気もねぇけど」

賭博師「く、口悪いなぁ……あの大人しくておしとやかで幼くて、妹にして可愛がってやりたくなるようなツインテが……好きな奴がいたら泣くぞ?」

ツインテ「はっ、あめぇ。ドMの変態豚野郎が泣いて喜ぶ仕様だろ?」

ツインテはいい感じの見下した表情。

賭博師「……世も末だ……天使が悪魔に変わろうとは……断じて言うが、前の方が需要は多いぞ?」

調教師「ご主人様、なんですかその姿。いつのまにそんな格好になったんですか」

気付けば賭博師は裸で、縄+変なマスクをつけて正座していた。


811Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 02:43:06.47NCzNCRs/0 (7/25)

543

--港--

賭博師「はぁはぁ!!」

ツインテ「……いや引くわ」

ツインテのゴミを見る目攻撃。

賭博師「ふぉぉぉ!!」

賭博師のテンションが上がった。涎をまき散らしながら。
いわゆる我々の業界ではご褒美です。

調教師「……」

賭博師は知らないことだが、ゴミを見る目だったのでは一人では無い。



その頃水面を漂うポニテ。

ちゃぷちゃぷ

ポニテ「むにゃむにゃ。レンちゃんおいしーぬ」


812Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 02:48:09.14NCzNCRs/0 (8/25)

544

--港--

ツインテ「……なにはともあれ、だ。俺の右腕が無くなったのは、お前達が原因なわけだ」

ズズズ

賭博師「!!」

調教師「!!」

凶悪な敵意を持った魔力が空間を支配していく。

ツインテ「ポニテがさらわれたのも、レンが脳みそいじくりまわされたのもどーでもいい。そんなこたぁどーでもいい。ただ俺の右腕が無くなっちまったのがっ、むしょーに腹が立つ!」

ぎちぎちぎち

魔力がまるで意志があるかのように動きだす。

ツインテ「だからお前ら……万回死ね」

ズズン!

ツインテの魔力が空間を完全に制圧した。

賭博師「なんだ……生暖かい感じが」

調教師「……これは……」

ツインテ「奥義、絶対回復領域」


813Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 02:54:10.40NCzNCRs/0 (9/25)

545

--港--

賭博師「回復……領域?」

ツインテ「……そうだな、説明してやるか。絶対回復領域は、俺を中心にした、半径一キロ以内で起こる全てのダメージを瞬時に回復させる」

賭博師「?治療用の奥義とは珍しいな……だが」

ツインテ「これは心優しーーい俺様が密かに考えて作り出した奥義。誰も傷つけない、傷つけさせないための力」

ツインテは船の残骸から陸地にジャンプする。

ツインテ「だが本来は、だ。ものは使い用って言うだろ?悪用してやるよ」

ドッ

ツインテは自分の足元で魔力を暴発させ、目にもとまらぬ早さで移動した。

メギャッ!!

そしてツインテの拳をモロに受けた賭博師の顔は、一切抵抗すること無く破裂した。

じゅる

調教師「!!」

しかし一瞬で再生される。


814Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:01:35.52NCzNCRs/0 (10/25)

546

--港--

調教師「……回復魔法や蘇生魔法が技術革新で革命的に早くなったと言っても……これは早すぎる」

賭博師「はっ、はっ……俺は、今」

グシャ

再び潰れる賭博師の頭部。そして瞬時に治る。

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

修復されては破壊される顔。殺されては生き返らせられる賭博師。

賭博師「がぼっ!?こ、こんな!」

ツインテ「はっ!自分の脳汁で溺れかけるとかイカしてんなぁお前!!」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

調教師(死んでいる間はもちろん思考出来ない。思考出来るのは再生されて意識が繋がる一瞬だけ。そんな短時間で何かできるの……?その意識は断続的に繋がっているの?)

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

調教師「パターン入った」


815VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/22(土) 03:10:42.05457HuOOVo (1/2)

乙です
ツインテ△


816Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:11:12.10NCzNCRs/0 (11/25)

547

--港--

アッシュ「はっ、はっ……は?」

やっとのことでツインテを発見したアッシュは自分の目を疑った。
なにせあの可愛らしい、花も恥じらうようなツインテが、

ツインテ「ひゃははは!!」

とか言いながらマウントで賭博師の頭部を破壊し続けているのだ。

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

アッシュ「……人違いカナー?」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「あぁーすっきりするぜ!どうだ?俺の拳の味は!!」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

アッシュ「……人違いだといいナー」


817VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/22(土) 03:11:16.36457HuOOVo (2/2)

ぼーっと読んでる間に投下が始まっていただと・・・
いろいろと申し訳ない


818Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:14:43.65NCzNCRs/0 (12/25)

548

--港--

ツインテ「もう一個教えてやんぜ。この奥義の悪用ってのはよ、相手に死ぬほどの苦痛を何度も味わわせるためだけにあるんじゃあない。知ってっか?回復魔法の原理ってやつを」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「まぁ知らないよな。知るはずがない。ごく一部の魔導書や、偉い奴くらいしか知らないことだ。世間には公表されない秘密の一つってやつ?」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「回復とか蘇生っておかしいよなぁ。簡単すぎねぇか?そんな簡単に治らねぇだろ普通。簡単に人が生き返るわけねぇだろ」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「だからこれも当たり前。回復とか蘇生魔法ってのはな、そいつの残りの寿命削ってんだよ」

調教師「!?」

アッシュ「!?」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!


819Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:22:55.15NCzNCRs/0 (13/25)

549

--港--

ツインテ「魔法なんて魔の法って書くくらいなんだ、魂を代価に発動しててもおかしかねぇだろ?それ以上の見返りは貰ってるはずだ。ただ攻撃よりも回復のほうが魔法は不得意だった、って話だ」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

ツインテ「攻撃魔法を使う時も回復魔法を使う時も、少量だが寿命は削られる。まぁ許容範囲だ。生きてりゃ寿命は削れてくもんだ。ただ回復魔法は、対象者の寿命も削るのさ。怪我のレベルによって変わってくるが……蘇生なんてしたら寿命がどれだけ縮むのか……なっ!」

ドゴッ!バシャッ!グチャッ!メギャッ!

調教師「や、やめろー!!」

その説明を聞いた調教師は目の前の状況を理解し、ツインテに飛び掛かる。

アッシュ「!ツインテ!!」

ツインテ「おっと、そういやレンをいじくったのはお前だったんだっけ?つい殴りやすそうな顔してたからこっちをやっちまったが」

シュルル

ツインテの右腕があった部分から水の触手が伸びる。その数、八本。

調教師「あっ!!」

調教師は触手に巻き付かれてしまい、なんとか抜け出そうと藻掻く。

ツインテ「水属性拘束魔法、レベル3。お前も見てるだけじゃ退屈だったか?世界でここでしか味わえないアトラクションだもんな。いいよ、お前にも死の味を教えてやるよ」


820Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:23:34.34NCzNCRs/0 (14/25)

550

--港--

ミチッ

調教師「!!っぎ!!」

ツインテ「なんだよ。ただちょっと、上と下に引っ張っただけじゃねぇか」

ぎち、みちち

アッシュ「つ、ツインテ……」

ツインテ「あ?なんだいたのかお前。何しにきたんだ?」

賭博師「はっ、はっ……」

ツインテ「おっと、手を休めちまった……ってお前どっかでみたことあるツラだと思ってたが、あれか、東の王国の第一王子じゃねぇか」

アッシュ「!?」

調教師「……ごしゅ、じんさ……」

ゴシャッ!

ツインテ「高貴な血筋をもってるくせに何してんだか。王族の面汚しが」

ゴシャッ!

調教師「や、……め」


821Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:24:27.94NCzNCRs/0 (15/25)

551

--港--

アッシュ「ツインテ、もう十分だ……やめろ」

ゴシャッ

ツインテ「あ?……何言ってんだお前。随分甘いこと言うようになったじゃねぇか。お前なら確実に命取りに行くだろ?」

ゴシャッ!

アッシュ「……せめて一撃で楽にしてやれ」

ツインテ「ファック」

ゴシャッ!

ツインテ「よりによってこの俺様にたてついたんだ。万回死ぬしかねぇ」

ゴシャッ!

アッシュはツインテの左腕を掴む。

ツインテ「……なんだよこの手」

アッシュ「そういう役は俺の役だ……でもツインテ、お前はしちゃ駄目だ……駄目だ」

ツインテ「……意味わかんねー」


822Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:25:09.55NCzNCRs/0 (16/25)

552

--港--

賭博師「っ!!」

アッシュがツインテを止めたこの一瞬、賭博師は最後のチャンスとばかりに、

賭博師「奥義、上位地形変化、賭博場!」

ぎゅわわ!!

賭博師の奥義が発動し、空間の色を変えていく。

アッシュ「これは……」

ツインテ「ちっ、お前が余計なことすっから反撃させちまったじゃねぇか!」

ゴイン

ツインテの拳は賭博師に当たる寸前で止まる。

賭博師「はっ、はっ……これからは攻撃をするにもサイコロを振ってもらおうかい、お嬢ちゃん」

ツインテ「……ち。なにが上位地形変化だよ。俺が出した魔力を上書きして使いやがって……ただの便乗野郎じゃねぇか。賭博師なら自分のベットくらい出しやがれ」

賭博師は上に乗ったツインテを押し退けた。


823Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:25:56.82NCzNCRs/0 (17/25)

553

--港--

賭博師「さて、この賭博場は1対1専門なんだ。出てってもらおうか」

グン

調教師「!?」

アッシュ「な!?」

アッシュ達は見えない力で、フィールド外にまで投げ飛ばされた。

ツインテ「サシだぁ?生意気だなぁ……だがまぁ受けてやるよ、そういや船での借りをまだ返して無かったしよ」

賭博師「グッド!」

投げ飛ばされたアッシュは体勢を立て直してツインテのもとに行こうとするが、

ヴヴヴ

特殊な力でさえぎられてしまう。

アッシュ「ツインテ!!くそ!中に入れない!!」

調教師「……っ、バジリスク!!」

バジリスク「ぎゅああ!!」

バシャッ

海から牙の欠けたバジリスクが飛び出した。


824Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:26:45.55NCzNCRs/0 (18/25)

554

--港--

調教師「よかった……バジリスクは耐えてた!」

アッシュ「げっ!?竜種!?」

アッシュはあからさまにビビった。

アッシュ(調教師って竜まで操れるのか?……いやいや無いだろ、階級が上の奴は操れない!!竜種なんて第一階級、頂点捕食者じゃねぇか……)

調教師「……なんで、って顔しています、ね」

調教師はバジリスクの頭を撫でながらアッシュに話し掛ける。

調教師「人は竜種を操ることは出来ない、それが通説です。私だって竜種はきついです。なんてったって捕食者と被食者の関係なんですから」

アッシュ「亜人だから……いやそれじゃ理由としては弱いか」

アッシュは、話を伸ばして対抗手段を考える時間を稼ぎに入る。

調教師「えぇ……でも当たらからずも遠からず。正解は私が特別な猫亜人だから」

アッシュ「なるほど……聞いたことがある。猫亜人の三大稀少種は、それぞれ特別な力を持っている、と」

アッシュはばれないように掌に毒を溜め始めた。

調教師「詳しいですね。そう、私はその一つ、紅蓮。有する力は、言葉を使わない相手とも会話が成り立つ」

アッシュ「痛い妄想とかじゃなくて?」

調教師「妄想じゃなくて」


825Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:27:54.16NCzNCRs/0 (19/25)

ファファファ555

--港--

調教師「だからこの子も私に従ってくれてるわけではないんです。私を理解して……友達になってくれてる」

アッシュ(一瞬痛い子かと思ったけど……それが本当なら、やばい。竜とさえ仲良くなれるだなんて)

アッシュは焦りを感じ、次なる話題を探す。

アッシュ「……なんでポニテをさらったんだ。レンにだってなぜあそこまで」

調教師はアッシュの質問を聞くと、目を見開いた。

調教師「あの子は私のことがわからなかった。いや本来ならわかるはずだった。あの子は私。稀少種がどんな扱いを受けるか。誰かの保護が無かったら、私達なんて路傍に落ちた宝石。宝石と例えてはいるけどそんなにいいもんじゃない。綺麗じゃない」

ぶつぶつと呟き始める調教師。

アッシュ「あ、やばいこいつ」

調教師「……。なんでこんなことするかって?アタリマエ。ご主人様のためだから。……というのはタテマエ。本当はね、私みたいな生き物をたくさん作りたかったから」

ケタケタと笑い始める調教師。

調教師「私達紅蓮種はモンスターや動物と意志疎通が出来る。でも、その中でも私は特に力を貸してもらえる!すごいでしょ!えへへ!!みんな言うんだよ、誰も何もそんなこと喋ってないのに!!カワイソウカワイソウっていつも言って!」

ケタケタケタケタ


826Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:28:54.42NCzNCRs/0 (20/25)

556

--港--

バジリスク「ギャオ?」

調教師「うん、大丈夫です!じゃあバジリスク、あの人を殺して」

アッシュ(遂に来るか……!とりあえず目を見ちゃ駄目だったんだよな!?バジリスクってのはよぉ!)

バジリスク「ギャオオオオオオオオオオオオ!!」

バサッ

バジリスクは羽ばたくと、アッシュ目がけ飛翔する。

ゴォオオオ!

アッシュ「う、おおおおおおおお!!」

アッシュはなんとか転がってその攻撃を避ける。

アッシュ「移動速度上昇、レベル3」

アッシュは転がりながら魔法を唱え、立ち上がると同時に調教師に向かって駆けだす。

アッシュ(竜種なんかと戦えるか!このまま本体を叩く!!)

アッシュはナイフで調教師を切り裂いた。

ズバッ!!

調教師「……!」


827Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:29:36.63NCzNCRs/0 (21/25)

557

--港--

切り裂かれた調教師はよろめくと、人のものとは思えない奇声を発した。

調教師「ぎみゃああああああああ!!」

アッシュ「くっ!?これは確か移動速度を低下させる奴!!」

うにょうにょ

調教師の姿が変貌していく。

幻覚使い「ぎみゃぎみゃ」

アッシュ「!?」

調教師「ごめんね幻覚使い……後でちゃんと治療してあげるから。バジリスク」

幻覚使いの後ろから出てくる調教師。

アッシュ(しまった!こいつ、全然冷静だった!影武者なんて作ってやがった!!)

振り向こうとしたアッシュの背中を、バジリスクの紫色の爪が切り裂いた。

ズバシャッ

アッシュ「がはっ!!」


828Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:30:41.49NCzNCRs/0 (22/25)

558

--港--

賭博師「では賭けをしよう」

ツインテ「だりぃ。やだね」

賭博師「……」

ツインテ「それよりここのルールを教えろよ。賭博場って言うからには相手にちゃんと説明するんだろうなぁ?」

賭博師「やれやれ、まぁその通りだ。ルールは簡単、賭けをしよう」

ツインテ「……結局か」

賭博師「お譲ちゃんが勝負に勝てばポニテは返す。だが負けた場合はあの猫亜人ちゃんをもらう」

ツインテ「はっ、そんな賭けかよ。やれやれいいぜ」

ゴイン!

ツインテの拳は賭博師の眼前で止まる。

賭博師「いきなりかよ……もうちょいとルール聞いてくれねぇかな」

ツインテ「だっりぃな……早くしろ」

賭博師「う、うん」


829Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:31:49.18NCzNCRs/0 (23/25)

559

--港--

賭博師「ここ賭博場での戦闘は完全ターン制になる。そして毎ターン一度だけダイスを振って攻撃の成否を判定する。失敗したら何があっても攻撃出来ない」

ツインテ「まじかよ……」

ツインテは心底めんどくさそうな表情で賭博師を見る。

賭博師「おっふぅ!……で、それとは別に二つ特殊サイコロがある。これは自分のターンでのみ使用できるサイコロと、相手ターンのみ使用できるサイコロだ。ここまでは大丈夫かな?」

ブルブルと震える賭博師は勢い余って尿が出る。

ぼわん

ツインテの前に三つのサイコロが出現した。そしてツインテはそのダイスに書かれていることを把握する。

ツインテ(こざかしい手だな。だが自分の領域で戦えるというのは非常によくできてやがる)

賭博師「サイコロに何が書かれているかも理解したな?」

ツインテ「あぁ、とっとと始めようぜ」

賭博師「む……ちゃんと聞いとかないと損をするのはお譲ちゃんだぜ?まぁいいやじゃぁ先攻後攻を決めるコイントスだ」

ピン

賭博師「表or裏?」

ツインテ「うらぁ」

賭博師がゆっくりと手をどけると、コインは表をさしていた。

ツインテ「よし、ずっと俺のターン!」

ゴイン!

賭博師「めちゃくちゃだこの子!!」


830Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:33:01.99NCzNCRs/0 (24/25)

560

--港--

賭博師「まずは先攻俺のターン、ダイス1をダイスロール」

カラコロン

賭博師「出た目は2。ちなみに偶数なら攻撃できて奇数は出来ない。6なら3ターン振らずに攻撃できて、1なら3ターン攻撃できない。オーライ?」

ツインテ「見りゃわかる。書いてあるもん」

賭博師「じゃあ自分のターン中なのでダイス2をダイスロール」

カラコロン

賭博師「出た目は4。ちなみに偶数なら戦闘力が2倍になって、奇数は2分の1。6なら最大強化、1なら最弱低下。オーライ?」

ツインテ「……ピキピキ」

賭博師「ふぅ。まぁ女子供を殴る趣味は無いんだがよ、いっきまーす」

賭博師は振り被った。
ツインテはそれを見てとっさにガードするが、

バギっ!!

ツインテ「っ!!」

賭博師「ガードは出来ない。確実にHITするからな」

ツインテは口の血を拭う。

ツインテ(ってぇ……こいつ!!)



831Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/22(土) 03:40:25.96NCzNCRs/0 (25/25)

人造魔王「ふざけんな!!予告詐欺、いくない!!」


そんな叫びが聞こえてきたとかなんとか。
本日はここで終わりにしたいと思います。

それでは疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

予告

女の子と交わした約束を果たすために東京大学合格を狙うアッシュ。しかしそう簡単に上手くいくはずが無く二浪。そんな彼が行き着いた場所は女子寮だった。

ツインテ「新しい管理人さんですか?」

新たな出会いに心弾むアッシュ。この女子寮は彼にとっての楽園になるのか?

次回「不法侵入」


ツインテ「当たり前のようにボクは女子寮にいるんですね」


832VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/22(土) 03:48:55.25Wyhw3KY1o (1/1)


ツインテええええええええええ俺をなぶってくれえええええええええええ


833VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/22(土) 04:16:22.14jYNXbotA0 (1/1)

終わりがないのが終わり
それが絶対・回復・領域!
おつ


834VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/22(土) 04:25:44.20fuOZMYTdo (1/1)

>>831 乙!
始めのころはポニテ>レン>アッシュ>ツインテだったのに
暴走ツインテ>>アッシュになったのか……アッシュ頑張れ

そういえばレン以外の過去は出て来てないな。ツインテは身分高そう


835VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/22(土) 11:00:40.33Wbfq7aZSO (1/1)

人造魔王がやさしくて萌えた


836VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/22(土) 14:32:49.5944D2lL8Eo (1/1)

乙!!
アッシュも少しずつ過去を見せてきたね


837VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 04:39:05.90KOJdFg4go (1/1)

乙!暴走ツインテもこれはこれ好きだぜ・・・

>>836
今回アッシュの過去に触れる様なのあったっけ?
「東の国の第一王子」の事なら賭博師の事だと思うが・・・


838VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 13:18:10.02+ZNgNAlDO (1/1)

乙乙

やっと見つかったw
続きが読めて良かったw


839VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/24(月) 00:34:19.59czzCM5be0 (1/1)

ツインテが元のキャラに戻れるかが心配だ…。

乙でしたー!


840VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/26(水) 22:06:25.837TB0ix+e0 (1/1)

ツインテ・・・



841VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/26(水) 23:30:14.19lPfLsdf1P (1/1)

ツィンテェ…


842VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/27(木) 18:12:50.05076Wcd150 (1/1)

盾男達と戦った時って、
ツインテは今みたいな状態だったのか?


843VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/28(金) 03:58:11.83abkA+y7a0 (1/1)

>>1
今回出てきた人造魔族って、大勇者のパーテイーが魔族になってたら・・・みたいな感じ?
サキュバス=大魔法使い ワーウルフ=大盗賊 ミイラ&ヴァンパイア=大剣士or大賢者みたいな


844VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/28(金) 15:12:29.40+II7v0Tp0 (1/1)

人造魔族のサイズがわからん
秘書がミイラの掌の上に乗るってミイラどんだけでかいん?


845VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/28(金) 21:17:59.329eRnGSwj0 (1/1)

前回もサキュバスとか出て来たけど
強さどう?同じくらい??
同じくらいなんだとしたら、品乳パーティつええな


846VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/28(金) 21:24:41.53EVCO3bkAO (1/1)

サキュバスとワーウルフって[勇者募集してたから王様に会いに行った]のキャラと一緒?あと、受付と秘書って同じではないの?


847Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 00:47:02.83IGZfHZM80 (1/23)

皆さんこんばんは!お久しぶりです……本当に。
日本代表やりました!すごいですね!ぜひ優勝してもらいたいです!
現在ssは編集作業中です。1時までには随時投下していきたいと思います。よろしくお願いいたします。m(__)m


>>836
東の国の第一王子 という説明に関してでしたら、837さんのおっしゃっている通りでございます。ちょっとわかりづらかったです。申し訳ないです。

>>842
ちょっと濁します。でも俺モードでは無かったですよ。暴走モードか。

>>843
そうです!全員分の死体回収した研究員がいじくりまわしてできました。

>>844
ミイラの掌の大きさは、秘書の頭部をすっぽり包めるくらいの大きさです。ちょっと大男な感じです。あれ!?描写ミス!?

>>845
大体同じくらいです。ただ記憶とか人格とかちょっといじってるので完全に同じとは言えないですね。

>>846
サキュバスとワーウルフは同じ死体から作ったものですね。ほぼ一緒です。
受付はジョブチェンジして秘書になりましたので、同一です。




848Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 00:59:42.52IGZfHZM80 (2/23)

561

--港--

賭博師「さぁ次はお嬢ちゃんの番だ。振りな、サイコロを」

ツインテ「……」

ツインテは無言でサイコロを手に取った。

ツインテ(だりー。この空間維持に使われてる魔力を暴発させてやろうかと思ってんだが、一度勝負を受けたらそういうことはできないらしいな)

カラコロン

出た目は4。

賭博師「50%とはいえ引きが強いな」

ツインテ(なんとか途中で見つけるしかねぇ)

続いて二つ目のダイスを振った。

カラコロン

出た目は3。

ツインテ「!」


849Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:10:21.65IGZfHZM80 (3/23)

562

--港--

賭博師「残念、攻撃力は二分の一、だ。さぁいつでもいいぜ?きな」

賭博師は右の頬っぺたを突き出した。

ツインテ「ってめぇ!」

ツインテが激昂し、左腕を振りかぶった瞬間、

賭博師「……いややっぱり怖いな。ダイス3を振らせてもらうぜ」

賭博師はツインテのターンにサイコロを振った。

ツインテ「なにっ!?」

カラコロン

出た目は6。

ツインテの確実にヒットするはずの攻撃は空振りした。


850Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:17:53.51IGZfHZM80 (4/23)

563

--港--

賭博師「ダイス3は相手ターンのみ振れるダイスさ。偶数なら回避できるって寸法よ」

ツインテ「……!」

賭博師「まぁ奇数だと受けるダメージが倍になっちまうんだけどな」

ツインテ「汚ねぇぞ、さっきいいやがれ!!」

賭博師「やれやれ、説明を切り上げさせたのはお嬢ちゃんだぜ?それにダイス2とダイス3は必ず振らなきゃいけないわけじゃないからなぁ」

ツインテ「……」

賭博師「じゃあ俺のターン。同時に振るか」

カラコロンカラコロン

賭博師「ダイス1は6。ついてるぜ、これで俺は3ターン必ず攻撃出来るわけだ。ダイス2は2。威力も倍でハッピー」

ツインテ「……ダイス3」

カラコロン

ツインテ「っ……5かよ」

賭博師「あらら。じゃあ倍の倍で4倍ってことで。いくぜ?」

ドバギッ!!


851Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:21:35.51IGZfHZM80 (5/23)

564

--港--

ツインテは強烈な一撃を受け、フィールドの壁まで吹き飛ばされた。

ダンッ

ツインテ「がはっ!」

壁にぶつかり崩れ落ちるツインテ。

賭博師「ほらお嬢ちゃんさっさと立ちな。自分のターンは1分しかないんだぜ?」

ツインテ「ぐっ……」

ツインテはふらふらと立ち上がる。
顔面への一打はツインテの脳を揺らしていた。

ツインテ(賭博師自体は攻撃力が低い……だが攻撃力を上げてのノーガードアタック……そして)

ツインテはダイスを振る。

カラコロンカラコロン

賭博師「お!あー惜しい。ダイス2は6だけど、肝心なダイス1が1とはな。これでお嬢ちゃんは3ターン攻撃出来ない」

ツインテ「……っ」

カラコロン

賭博師「連続攻撃中なのでダイス2しか振らないわけだが……出た目は6、悪いなお嬢ちゃん」


852Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:22:30.30IGZfHZM80 (6/23)

565

--港--

賭博師の右腕が筋肉ムキムキに変貌した。
体との比率がアンバランス過ぎて非常に気持ち悪い。

ツインテ「……ダイス3」

カラコロン

出た目は1。

賭博師「……これはちょっときついぜ?4倍に2倍で夢の8倍って奴よ。……まぁこれで意識は無くなっちまうだろうな」

ツインテ「……この賭博場とやらは、運まで操作してやがるみてぇだな」

賭博師「気付いた?さすが。これは俺の運を上昇させて相手の運を下降させる力もあるのさ。だから」

ジリ

賭博師「この中に引きずり込めば、例え勇者だろうが魔王だろうが、俺の敵じゃないのよ」

ジリ

ツインテ「はっ。お前じゃ勝てねぇよ」

バグシャッ

ツインテの頭部は砕け散った。


853Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:24:01.24IGZfHZM80 (7/23)

コロロ

--港--

調教師「……ご主人様の方は決着がついたのでしょうか。外からでは確認できませんから……」

バジリスク「ぎゃお」

調教師はバジリスクの首に寄り添うように立っている。そして足下には倒れたアッシュが。

調教師「……そういえば名前も知らなかったですね。ふふ。でも中々素敵な死に様だと思いますよ?」

アッシュ「……」

調教師「バジリスクの毒を受けると体は麻痺して動けなくなり、徐々に体が溶けて死に至るんです……ふふ。蘇生魔法も効かないんですから」

アッシュ「……」

調教師「……行こう、バジリスク」

バジリスク「ぎゃお」

調教師とバジリスクが賭博師の方へと向かう。


854Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:25:39.50IGZfHZM80 (8/23)

567

--港--

調教師「……?そういえばあれだけ時間が立っているのに、少しも溶けて」

振り返った調教師は、

アッシュ「!!」

ガシッ!

アッシュに捕まり盾にされる。

調教師「!?な、なんで動けて!!」

アッシュは毒を帯びたナイフを調教師の首元に。

アッシュ「俺にはどんな毒も効かない(嘘だけど)。俺の体に流れてるのは血じゃなくて毒だからな!(嘘だけど)」

調教師「そ、そんな」

バジリスク「ぎゃお!」

アッシュ「ばっ!やめろくんな!!こいつの命がどうなってもいいのか!?」

アッシュの勇者らしからぬ脅し。


855Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:27:35.46IGZfHZM80 (9/23)

568

--港--

バジリスク「ぎゃ、ぎゃお!」(訳・お、おのれ卑怯だぞ人間!!)

アッシュ「卑怯でケッコー、コケコッコー!!」

バジリスク「ぎゃおぎゃお!!」(訳・おにゃのこを人質にするなんて……それでも男として恥ずかしくないのか!!)

アッシュ「うるせー!!俺に取って自分の命以上に大事なおにゃのこなんてツインテしかいないんだよ!!」

バジリスク「ぎゃおーん」(訳・なにをー!?何開き直ってんだよ、ばーかばーか!!調教師ちゃんだって負けず劣らずいい子なんだぞ!?可愛いし!!)

アッシュ「は~?こいつのどこがいい子なんだよ!?知ってんだぞ、こいつのやったこと!!それに可愛いってのは今関係無いだろ!!しかし猫亜人のロングヘアーって見たことなかったけど、ヤバイ可愛いな!!」

調教師「なんでバジリスクと普通に会話出来てんですか!?紅蓮種でもないのに!!」

バジリスク「ぎゃぎゃお!」(訳・でしょ!?可愛いよね!!毎日しっかり手入れしてるからさらさらだよ!!)

アッシュ「なんだと!?どれ……」

チン

アッシュはナイフをしまって、調教師の髪の毛を指で味わった。

アジアンー

アッシュ「……やばこれ……指先が幸せ。すっげさらさら……」


856Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:28:29.21IGZfHZM80 (10/23)

569

--港--

バジリスク「しかもすごい良い匂いするんだよ!」

調教師「普通に人語喋っちゃった!?」

驚きの連続、ギャグパート。

アッシュ「ど、どれどれ」

アッシュは調教師の髪の毛に顔を埋めた。

アッシュ「すーはーすーはー!!」

調教師「ひゃああん!!やだぁー!!な、なんですかこの人!!ちゃんと私のこと人質として扱って下さい!!」

カオスなセリフが飛び出す。

バジリスク「ぎゃお?」(訳・どや?)

バジリスクのどや顔も飛び出す。

アッシュ「……やばい。なんか匂いだけでぼっ○する」

調教師「シリーズ最高レベルの変態だー!!」



857Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:29:25.76IGZfHZM80 (11/23)

570

--港--

バジリスク「ぎゃこうがにんぽうちょー」(訳・わかるわかるwwしかも着痩せするタイプだからわからないだろうけど、中々ナイスバディなんだよ調教師ちゃんは!)

アッシュ「……ごくり」

アッシュは調教師の背筋を伸ばして、胸を強調させてみた。それを調教師の顔横から見下ろすアッシュ。

調教師「ち、ちょっと貴方たち」

アッシュ「……いーい張り具合だ……む!?こ、これで着痩せしているだと!?ばかなっ!!」

バジリスク「ぎゃおす」(訳・にやり)

アッシュ「あ、ありえん……これが大人のお姉さんの魅力ということか……いくらポニテが多少あると言っても所詮は子供……」

調教師「!?鼻血がどばどば出てる!!死ぬよ!?」

アッシュを横から見ると、徐々に



の形になっていく。男の悲しい定めである。


858Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:30:21.00IGZfHZM80 (12/23)

571

--港--

バジリスク「ぎゃれおん」(訳・くっそー!調教師ちゃん人質にされちゃあ手を出せないよ!僕の大事な人だしね!!くっそー。それでもしおっぱいをポロリなんてされようものなら、僕は完全に手出しが出来なくなっちゃうぜ!!)

調教師「意味わかんない意味わかんない!!何言ってるのか全然わかんない!あとわざとらしく振るなー!!」

アッシュ「くそ!!本当はこんな人間の屑のような行いはしたくないんだが、竜種と戦わずにすむのならやるしかねぇ!!ホント仕方ない!!仕方なさすぎてヨダレがでる」

アッシュはおもむろに調教師のメイドエプロンに手を伸ばす。

調教師「えっ、えっ!?こんな下らないことでR-18化!?やめた方がいいよ!?今作ってるらしいSS-WikiにR-18タグついちゃうよ!?」

アッシュ「むしろ本望」

むしろこのSSの項目は作られない可能性すらある。

アッシュ「はぁ、はぁ」

バジリスク「はぁ、はぁ」

調教師「ひぃぃ!!ら、らめえええええええええ!!」


859Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:31:50.52IGZfHZM80 (13/23)

572

--港--

アッシュ「……という夢を見たのさ」

調教師「…………」

アッシュ「長い三点リーダーはやめてください。まるで夢じゃなかったように思われるじゃないですか」

調教師「……………………」

アッシュ「な、なんもしてないだろ!?さもなにかがあったような無言はやめてください!!」

調教師「胸、尻、太もも……」

アッシュ「意味深にそういうキーワード言うのやめて!!」

バジリスク「ぎゃおん」(訳・横島……)

調教師「……バジリスク、貴方は貴方で、普段私と話している時とは全く違う性格でしたね」

バジリスク「ぎゃおぎゃお!!」(訳・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!)


860Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:32:49.58IGZfHZM80 (14/23)

573

--港--

調教師「……」

ビリ

アッシュに解放された調教師だったが、今、彼女は体の自由が効かない。拘束された際に麻痺毒を流し込まれたのだ。
そして……

調教師「あんなものを飲ませるだなんて……」

アッシュ「的確に言ってくれないと俺の立場が本気で危うい」

アッシュは調教師に毒の玉を飲ませたのだ。毒の玉は遠隔操作で外隔を壊すことができ、そうなれば中の毒液は……。

調教師(っく、行動が封じられた……)

アッシュ「あとは大人しく見てな。警備隊に引き渡すまでな」

バリン

その時、賭博場のフィールドが破壊された。それはつまり、賭博場内での決闘が終わったと言うこと。

アッシュ「ツインテ!?」

中から現われたのは無傷の賭博師。
そして

賭博師「やれやれ。無意味な殺生は好きじゃないんだが」

頭部を破壊されたツインテが地面に横たわっていた。

アッシュ「!!!!」


861Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:34:37.74IGZfHZM80 (15/23)

574

--港--

ぺた

アッシュは亡骸になったツインテを見た瞬間、膝をついた。
まだ蘇生の余地はあるにもかかわらず。

調教師(それだけショックが大きかったってことですか……)

調教師はバジリスクに目で指示を出した。

調教師(今なら、やれる)

バジリスク「ぎゃお」

バジリスクはアッシュの後ろから近づいていく。

賭博師「なんだ。そっちも決着がつきそうだな」

あ゛あ゛

調教師(?一体なんの音?)

あ゛あ゛あ゛あ゛

賭博師「……これは」

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

アッシュ「……ツイ……ンテ」

ツインテ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

賭博師「なにぃぃ!?」

ツインテの死体が賭博師の後ろに立っていた。
その姿は異様。
上顎から上が無いのにかかわらず立っている。


862Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:35:26.73IGZfHZM80 (16/23)

575

--港--

賭博師「なん……だこりゃ」

ありえない光景に賭博師は息をのむ。

バシュン

そしてなんと、

ツインテ「ひゃははは!!」

ツインテの飛び散った肉片が一瞬で集まり、元の状態に戻ったのだ。

賭博師「!?なっ、か、確実に殺したはずだ!?賭博場は片方が死なない限り解除されない……!」

ツインテ「あ?死んだよ。死んださ。盛大に脳漿ぶちまけた」

賭博師(そうだ、幻覚などでごまかしたりは出来ない。賭博場で詐欺は出来ない!なら、どうやって)

ツインテ「なんでもかんでも喋るかよ、ちったぁてめえで考えやがれ」

ツインテは左拳を突き出した。

ツインテ「……お前に勝ちは最初から無いわけだが?まぁせいぜい俺を楽しませるためにもがけ。第二……いや第三ラウンドだぜ詐欺野郎!!」


863Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:35:59.37IGZfHZM80 (17/23)

576

--コロシアム--

研究員『あれまー、ウーノさん達どっか行っちゃいましたねー。仕方の無い子達だなー全くー。帰ったらお仕置きしなくちゃー』

研究員の声が響く中、生き残った者達は死者の蘇生と負傷者の治療をしていた。

研究員『いいですよー。段々治療行為も早くなってきましたねー。せめてそれくらいでないと実践じゃ意味無しですものねー』

西の王「こいつ……」

研究員『戦いの最中に休憩なんて無いんですよー。自分で時間を作ってやらないとねー』

秘書(……楽しんでやっているだけなのか?それとも本当に)

秘書はまだ生き返ったばかりの回らない頭で思考する。

槍兵「くそ。生き返って1ターン目は行動ができねぇぜ!」

魔導長「なんの話なのかなっ?」


864Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:37:09.89IGZfHZM80 (18/23)

577

--コロシアム--

研究員『それではさびしい限りですが、これが最後ですー。どうか乗り切ってみてくださいー』

ごごご

盾男「!地震か?いや」

ごごごごご

義足「これだけの騒ぎを引き起こした、あのマッドサイエンティストの切り札……怖いな」

ごごごごごごごごご!

雷魔法使い「この震動……まさか下から!?」

どがぁぁぁん!

リングを破壊して現われたのは、

人造魔王「きゅいーん」

二面、四腕、四脚、三尾の化け物だった。

研究員『本邦初公開、人造魔王ちゃんですー』


865Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:38:08.49IGZfHZM80 (19/23)

578

--コロシアム--

秘書(!!まさか……まだ試験段階だったはず!!……強引に動かしたのね)

秘書は自分の知る人造魔王と、似ても似つかない今の姿にショックを受ける。

研究員『それではラスト、第四ステージの開始ー』

変化師、槍兵、盾男、弓女、斧女、義足、包帯女、秘書は身構えた。

包帯女「消耗してるとはいえ、八対一!楽勝だわね!!」

包帯女は、言うが早いか二階席から飛び降りた。

人造魔王「きゅいーん?」

それを察知してか、人造魔王の左の顔が包帯女を捉える。

変化師「あ、危ない!!」

何かを感じ取った変化師は、人造魔王目がけて猛然と走りだした。

変化師「し、身体変化、象の腕!!」

人造魔王「スキルシヨウ、ロクショクホウ」


866VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/29(土) 01:39:01.18gRbGYRtz0 (1/1)

来てるじゃないか、続けてくれ


867Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:39:51.13IGZfHZM80 (20/23)

579

--コロシアム--

がばぁっ!!

人造魔王の口が大きく開いたかと思うと、そこに恐ろしいまでの魔力が発現する。

ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ!!

魔導長「!!」

秘書「!!」

盾男「!!」

包帯女「……え?」

変化師「ま、間に合えぇぇ!!」

変化師の象種の腕が人造魔王の顎を捉える。

ドガっ!!!!

人造魔王「きゅいーん」

全身全霊の一撃だったにもかかわらず、人造魔王の口を閉じさせることすら叶わない。
ほんの少しだけ射線をずらすのが精一杯だった。

どぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!

発射された六色砲は紙一重で包帯女の真横を擦り抜けていった。


868Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:42:03.52IGZfHZM80 (21/23)

580

--コロシアム--

包帯女「きゃあああああ!!」

直接当たってはいないのだが、その威力は凄まじいものがあり、包帯女の体は流血とともに吹き飛ばされた。

義足「包帯女!!」

義足は飛び出して包帯女を受け止めた。

ガシッ

義足「包帯女!!今回復魔法をかけてやるから!!」

人造魔王「……きゅいーん。はずしちった」

変化師「はっ!はっ!はっ!はっ!」

変化師はすぐさま距離を取る……が。

斧女「ま、まともにあたっていたら……蘇生すら出来なかったでしょうね」

盾男「まさかこんなボス戦が用意されていようとは……」

肉片一つ残すことなく、全てを消し去るだろう威力。
それを目の当たりにして、コロシアムのメンバーは人造魔王に恐怖した。

人造魔王「きゅいーん」

そして夜の帳が下りる。


869Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 01:49:23.91IGZfHZM80 (22/23)

クールキャラだったはずのアッシュはどこへ……(´;ω;`)

それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


予告(嘘)

果てしなく巨大な階層都市の中を、探索者盗賊は何千フロアも放浪する。求めるものは「感染前」の「ネット端末遺伝子」。そしてついに見つけた保有者は、

闘士「遺伝子が欲しいならベッドに横たわればいいじゃない」

盗賊はネット端末遺伝子を諦めることにした。

次回「珪素生物、踊子」




870VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/29(土) 01:54:59.91lSAXuLSpo (1/1)

>>869 乙!
まさかのギャグパートwwそしてツインテのイリュージョン


871VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/29(土) 03:36:09.33C831HJkgo (1/1)

乙!
相変わらず面白いなww

ギャグだからアッシュがバジリスクと会話できたのか、本気でできるのかは気になるところww


872VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/29(土) 07:00:29.84tS1aGJ560 (1/1)

乙!
アッシュwwwwww


873VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/29(土) 14:53:52.04rDf2paBAO (1/2)

今さらでわるいんだが、
Qw0の書き物書き物の 第二部110~120の中のサキュバス「……同胞サキュバスの仇です。御覚悟を」と、 第三部31~40(C:0)の王様「私がお前の……乳だ」は書き換えないのかい?


874Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/29(土) 16:25:22.61IGZfHZM80 (23/23)

>>873
ありがとうございます!サキュバスのは全然気付いて無かったです。
乳はもう、それはそれでいいかなぁとか思ってましたwいや直した方がいいというのならすぐにでも直します。

他にもなにかありましたらよろしくお願いいたしますー



875VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/29(土) 17:00:17.84rDf2paBAO (2/2)

勇者=貧乳だからそのままでいいと思うわ


876VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/29(土) 19:18:51.34kUuiR6iyo (1/1)

王様ちっちぇーな


877VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/29(土) 23:00:17.29kZjOvg5DO (1/1)

今更だがツインテってゴムの髪止めじゃなくてリボン装備だと知って俺の脳内がデストロイ
さて、早くリボンの色を教えるんだ


878Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/01/31(月) 12:32:06.14yszhiZ9DO (1/1)

友人と話し合ったらこんなカラーになりました。 

ツインテ
髪色・水色
リボン・白

アッシュ
髪色・暗い紫
ブリーフ・白(部分により黄色)

ポニテ
髪色・赤
ゴム・黒

皆さんはどんな感じで想像していましたか?



879VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/31(月) 13:50:15.65WluzbSxAO (1/1)

髪色はツインテ=白桃、ポニテ=茶、アッシュ=灰、くらいに想像してた。

ていうか、アッシュって名前だからてっきり灰色かと思ってたんだぜ……。


880VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/31(月) 14:23:16.948A0aD0MDO (1/1)

アッシュとポニテはぴったり当たってた
ツインテは金髪で妄想してたぜ


881VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/31(月) 14:43:26.01Mci9mKMKo (1/1)

ツインテ
髪色・茶色
リボン・白

アッシュ
髪色・赤

ポニテ
髪色・黄色
ゴム・オレンジ

こんな感じかな


882VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/31(月) 15:08:21.15y0lDVh7Ro (1/1)

>>878
アッシュの髪は名前から白とか銀系想像してた
あとはそのまんまかなぁ


883VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/31(月) 15:11:05.25ERPZrXzgo (1/1)

ツインテのリボンが赤でアッシュは紫だと思ってた
あとは予想と同じ


884VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/31(月) 16:02:00.578XJVwPEl0 (1/1)

ツインテ
髪・黒
リボン・赤

アッシュ
髪・銀

ポニテはまんま同じ


885VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/31(月) 18:23:02.34rLvXuosSO (1/1)

ツインテ
髪色:栗毛
リボン:水色

アッシュ
髪色・黒
ブリーフ・白(部分により黄色、または茶色)

ポニテ
イメージ:
髪色・やや茶色
ゴム・赤


886VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/31(月) 19:29:23.74yNKCaHcHo (1/1)

勝手なイメージ
ツインテ 黒髪、色白、水色リボン、青地に白縁の服
アッシュ 青髪、色黒、服は濃い青、黒のマント
ポニテ  赤っぽい髪、小麦色の肌、黄色いリボン、赤系の服


887VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/31(月) 21:59:13.66vOJ3VfM+o (1/1)

ツインテ:金髪・赤か緑眼・赤リボン
アッシュ:銀に近い亜麻色髪・アンバーか灰眼・むしろトランクス
ポニテ:金髪・青眼・茶ゴム

描写読み落としとかありそうだけどこんなイメージだった
やっべえ全然擦ってねえwwwwww


888VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/01(火) 00:59:26.50qRWDVzUx0 (1/1)

くそっ・・・ブリーフには突っ込んだら負けなのかっ……!


889VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/01(火) 07:24:44.91iJ5HRmzDO (1/1)

>>888
なんだお前、そんなにツインテのパンツの色が知りたいのか?


890VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 01:30:26.032jYdHT9DO (1/1)

乙乙!
カラー談義が白熱してたが…

次回もサービスサービスが無いぞ!(>_<。)




891Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/04(金) 22:47:50.07GjAYZKQDO (1/1)

ご無沙汰でした。今日投下したいとおもいます。しばしお待ち下さいm(__)m
なうろーでぃんぐ


892VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/04(金) 22:48:50.5447kIBjp9o (1/1)

ktkr



893Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/04(金) 23:56:52.32MZree3o90 (1/2)

あ、皆様の予想が嬉しかったので、本編の前にちょっとこれを

2011年、2月改訂版

○ツインテ
髪色:水色
リボン:白
備考:シリーズ一可愛い

○アッシュ
髪色:暗い紫ところにより灰(場所によって色が違うというわけではない) new
ブリーフ:茶(全部) new
備考:イケメン

○ポニテ
髪色:赤
ゴム:黒
備考:将来有望

他のイメージについては今は保留と言うことでお願いいたします。いいなと思ったアイデアは随時取り入れさせていただきます。m(__)m


894Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/04(金) 23:58:48.14MZree3o90 (2/2)

581

--コロシアム、上空--

ビュン、ビュン

西の王国上空で、赤い色のレーザーが飛び交う。

テンテン(くっ、私のほうが何世代も新型のはずだが……)

ビュン

ウーノの放つレーザーがテンテンの服に穴を開ける。

テンテン(アレとの戦闘用に作られた私と、汎用型のこいつらとでは分が悪いか!)

ビュンビュンビュン

三機のレーザー攻撃が次第にテンテンを追い詰めていく。

ウーノ<どうやら向こう様は局所特化らしいですわね>

ウーノは回線で連絡を取り合っている。

トーレ<そうみたいね。新型だからといって絶対に強いわけじゃないよ>

ドゥーエ<まー、私達は汎用型の最高傑作だからね!多分!>

ウーノ<とはいえ新型は新型、びっくり兵器を搭載している可能性もあります。気を引き締めてかかりましょう>



895Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:08:55.78qEL3aq+n0 (1/22)

582

--コロシアム、上空--

ビュン、ジジジ

テンテン(シールドに回していられるエネルギーも馬鹿にならない……)

バシャッ

テンテンはソードを展開するとウーノに特攻した。

ウーノ「ひゃっ!?」

ジィウン

ウーノは辛うじて攻撃を回避。

トーレ「接近専用兵装!?そんな古くさい武器私達でさえ装備してない」

ウーノにかわされたテンテンは空中で方向転換しトーレを襲う。

バヂィッ

トーレはレーザーシールドでそれを弾く。

テンテン「先輩方はご存知無かろうが、人類最後の敵にはほとんどの射撃攻撃が効かなかったのだ。屈折されてな!」

バヂィッバヂィッバヂィッ


896Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:14:46.92qEL3aq+n0 (2/22)

583

--コロシアム、上空--

トーレ「ぐ!押し切られる!?」

ドゥーエ「ドゥーエちゃぁぁん、キィィック!!」

テンテン「っ!?」

ドギィン

急降下してきたドゥーエの一撃を受けたテンテン、体勢を立て直すこともできず、地面に激突した。

ドォォン!

トーレ「しょ、小姉さん」

ドゥーエ「ふふん!近接兵装が無くたって、パンチとキックで応戦だ!」

ドゥーエは腰に手を当て笑っている。

ウーノ「相手が近接だからってこちらも戦い方を合わせる必要は無いですわ、おもいっきり射撃しましょ?」

トーレ「あ、そうか」

ドゥーエ「え、えぇ?近接には近接で答えるのがロボットものの宿命じゃないの!?」

ウーノ「勝てればなんでもいいですわ」

ウーノはにこりと笑って射撃する。


897Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:20:30.36qEL3aq+n0 (3/22)

584

--市街地--

テンテン「いたた……シールド無しでは通常攻撃ですらダメージがでかい」

テンテンは瓦礫を押し退けて立ち上がる。

ガラガラ

部屋着の女性「ひっ!!」

部屋着の男性「な、なんだ?……何が起きて」

テンテン「……」

テンテンはカップルの部屋に落下したようだ。

テンテン「……リア充共め」

カップルの服装は一緒、マグカップの形も一緒。それのなにがテンテンにそうさせたのかわからないが、

バシャっ

テンテンはおぞましい武装を

ドオオン


898Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:21:45.67qEL3aq+n0 (4/22)

585

--コロシアム、上空--

ウーノ「?な、なぜか下で爆発が起きましたですわ。一体なにが」

ドゥーエ「何が起きたのっ!?何が起きたの!?」

トーレ「あ」

ヒュンッ

テンテンが再び浮上してくる。

テンテン「……」

ウーノ「貴女……一体何をしたのですか?」

テンテン「私は私達ロボットの使命を遂行したまでだ」

ウーノ「……使命?そんなものは仕える主人によって変わってくるものでは……?」

テンテン「確かに、一理ある」

ドゥーエ「君の使命はさっきの爆発と関係があるの??」

テンテン「むろん。私の使命はリア充を爆発させるためだけに存在する」

ウーノ「……」

トーレ「……可哀そうな子。敢えて『誰が』とは言わないけれど」


899Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:23:07.41qEL3aq+n0 (5/22)

586

--コロシアム、上空--

トーレ「そういや貴女、番外編で強力な兵装使ってなかった?」

テンテン「……」

ウーノ「たしか重力どうたらこうたら」

テンテン「なぜそれを知っている」

ドゥーエ「前スレだっけ?それっ」

テンテン「どうしてそういうことを言うの!?」

ウーノ「で、どうしたのですか?」

テンテン「……諸事情から使えなくなった」

トーレ「諸事情というのはどういう部類の事情?」

テンテン「大人の事情」

ドゥーエ「……」

大人は汚い。

テンテン「表向きは弾が無くなった、ということらしい」

ウーノ「とんだ裏事情ですわ」


900Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:23:57.65qEL3aq+n0 (6/22)

587

--港--

ドォン!!

賭博師「くはっ!!」

ツインテ「ひゃはははは!!どうしたよ賭博師ぃ、さっきまでの強気な姿勢はどこへ行ったあぁあ!!」

ドゴッ!!

ツインテに腹部を強打された賭博師は海にまで吹っ飛ばされる。

ヨロッ

ツインテ「と」

攻撃の反動でかよろけてしまうツインテ。

ツインテ(……ち。腕一本の重みがここまで重要とはな。注意しなけりゃまっすぐ歩くこともできねぇ)

アッシュ「……」

アッシュは複雑そうな顔でツインテを見ていた。

ぶるっ

その横で、調教師が震えた。


901Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:24:54.12qEL3aq+n0 (7/22)

588

--港--

調教師「ひっ……く、暗いよ……暗いよおおおおおお!!」

調教師は頭を抱えてしゃがみ込んだ。

バジリスク「ぎゃ、ぎゃお!!」

調教師「暗いよ、怖いよぉ、やだやだやだやだ!!」

調教師は目を見開いて、涙と涎と鼻水を垂らしながら震える。

アッシュ「なっ、ど、どうしたんだよ!!おい!!」

アッシュは調教師のあまりの変貌っぷりに動揺してしまう。
そしてアッシュが調教師の肩に触れた瞬間。

調教師「!?うっ」


バシャバシャ

調教師は胃の中のものを吐き出した。


902Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:25:40.12qEL3aq+n0 (8/22)

589

--港--

アッシュ「!!ご懐妊!?まさかあの時のが……って言ってる場合じゃねぇ、しっかりしろ!!」

調教師「っ!!げぇえ!!」

バシャバシャ

調教師は戻し続ける。

賭博師「はぁ……だから早く行きたかったのによ。おい少年、この薬飲ませてやってくれねぇか?」

海から上がってきた賭博師はアッシュに錠剤を投げて渡した。

パシッ

アッシュ「……お、おう」

アッシュが調教師の口に手を近づけると、

調教師「ひぃい!!ち、近づかないで!!やめて、触らないで!!」

調教師は自分の吐瀉物で汚れることも厭わずに暴れだした。

バジリスク「ぎゃお……」


903Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:26:39.58qEL3aq+n0 (9/22)

590

--港--

ツインテ「なんだあいつ。おかしな奴だな」

賭博師「……なぁ、もう俺らの負けだ。勘弁してくれねぇかな」

ツインテ「……は?」

予想だにしない賭博師の提案。

賭博師「俺らの負けだって言ってんのさ。もちろんポニテのお譲ちゃんも返す。どうだい?」

賭博師はすっかりびしょ濡れになった服を絞りながらツインテに問うた。

ツインテ「ふざけんじゃねぇ。ここまで好き放題やっておいて、虫が良すぎだろうが!!」

ツインテの握った拳からは魔力が迸っている。

賭博師「……だよな。劣勢ならともかく、押してる相手にそんなこと言われても、って話だよな。しかも相手は憎い仇……」

ツインテ「……」

賭博師「仕方ないよなぁ。俺だってこれ以上危ない賭けはしたくないんだが……仕方ねぇ」

賭博師はそう言うと懐からまたサイコロを取りだした。



904Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:27:30.85qEL3aq+n0 (10/22)

591

--港--

ツインテ「はっ。またサイコロか。もうインチキ空間は無くなったんだ、お前の詐欺くせぇルールはもう意味ねぇぜ?」

賭博師「あれはもうできねぇよ?お譲ちゃんと違って俺にゃあそんなに魔力ないからねぇ。だからこれが最後のダイスロールよ」

ツインテ「……」

ツインテは一瞬身構えるも、すぐに普通の体勢に戻った。

ツインテ(……嫌な感じがした気が……気のせいか?)

賭博師「運力上昇、レベル4。さらにスキル、一か八か!!」

ギュイイン

賭博師は魔法とスキルを唱え、サイコロを振るった。

カラコロン

出た数値は、6。

ツインテ「?それがなんだというんだ……!!」

ゴゴゴゴゴゴ

ツインテは目を疑った。

賭博師「ふぅ。こえぇこえぇ。何回やってもこのスキルはこえぇわ」

賭博師の体は変化師並の筋骨隆々とした逞しい体つきになり、魔力量はツインテを上回っている。



905Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:28:21.84qEL3aq+n0 (11/22)

592

--港--

ツインテ「な……なにしやがった」

賭博師「ただのスキルさ。奥義ですらねぇ。ただたんに6が出れば目の前の相手以上の戦闘力が手に入る」

ツインテ「!!」

ツインテは一歩後ずさる。

ツインテ(簡単すぎるだろ……そう簡単にここまでの力は手に入らねぇ……。釣りあうリスクとしては、1から5が出た場合は……死ってとこか?)

賭博師「運を最大上昇させても確実じゃないからなぁ。全くどうしようもねぇスキルよ」

ツインテ(絶体絶命の奥の手として残しておく分には優秀なスキルだな……)

ツインテは拳に力をこm

ドンっ!!

ツインテ「!!」

ツインテは賭博師の蹴りを受け吹き飛ばされた。

賭博師「ファイナルラウンドだ、お譲ちゃん」


906Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:29:03.79qEL3aq+n0 (12/22)

593

--港--

アッシュ「ツインテ!!」

バジリスク「ぎゃお」

アッシュが視線がツインテに向いている間に、接近したバジリスクはアッシュの腕を切り裂いた。

ザブッ

アッシュ「がっ!?き、きさま!!」

アッシュの左腕は切断される寸前でなんとか繋がっている状態だった。
そしてバジリスクは、アッシュの掌からこぼれおちた薬を舌で回収すると調教師に渡す。

調教師「はぁ、はぁ!!んぐっ」

アッシュ「てめぇ……お前の主には俺が毒を仕込んだってこと忘れてんのか!?」

アッシュはナイフを引き抜いた。

アッシュ「あ」

調教師の吐瀉物の中には毒の玉があった。

調教師「はぁ、はぁ、おえ……貴方を……殺します」


907Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:29:36.27qEL3aq+n0 (13/22)

594

--コロシアム--

人造魔王「きゅいーん」

槍兵「くそ……」

盾男「……まるで歯が立たない」

包帯女「……ぐっ!」

西の王(能力を制限されていたさっきとは違う……なのにこの有様か……!)

人造魔王「もっと遊ぼうよ、お兄ちゃん達ィ。もっと激しく。ちゅみみーん」

少年と少女の顔が同時に喋る。人造魔王の声がコロシアムに絶望を与えた。

変化師「つ、土属性攻撃魔法、レベル2!!」

ドゴゴ

人造魔王「コオリゾクセイコウゲキマホウ、レベル4」

バキャャャャン!!

変化師「ぐはぁぁ!!」

土の攻撃を氷で押し戻された変化師は観客席まで吹き飛ばされる。

秘書(どんな魔法を使おうと、ノータイムで弱点属性を放ってくる……六属性を相手にするのがこんなにやっかいだったとは)

秘書は焼けただれた左腕を押さえている。


908Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:30:24.65qEL3aq+n0 (14/22)

595

--コロシアム--

人造魔王「もっと遊ぼうよォちゅみ……きゅいーん」

疾風魔法使い(さっきも間違えてたな)

人造魔王「僕にもっと経験値を頂戴きゅいーん」

義足「経験値ねだる魔王とか笑えないよね」

これ以上強くなる気?と義足。

雷魔法使い「!!そうだみんな、複属性合成魔法攻撃なら押し負けずにいける!」

弓女「なるほど……試してみる価値はありそうですね……。この中に雷か風属性の人はいますか!?」

雷魔法使い「あ、私はかみな」

疾風魔法使い「うちは風属性やでぇ!!」

弓女「私は水属性です。ではいきますよ!!水と風の複合攻撃魔法、レベル4!!」

疾風魔法使い「おりゃー!!」

小規模の嵐が発生し、人造魔王を襲う。

人造魔王「水?風?きゅいーん?」

ドオオン!!

雷魔法使い「……う」


909Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:31:15.51qEL3aq+n0 (15/22)

596

--コロシアム--

秘書「!!やつは今判断に迷いが生じていました!!次行って下さい!!」

次に手を挙げたのは槍兵。

槍兵「俺もそっちのねーちゃんと一緒で風属性なんだけどよ、俺とぶちこみてぇ奴はいねぇか??」

魔導長(複合魔法において風属性は便利なの。なにとでも相性がいいからなのっ)

雷魔法使い「あ、じゃ、じゃあ私と」

弓女「しっかたねぇなぁ。じゃあ私が組んでやるよ。氷と風の複合攻撃魔法レベル4!!」

槍兵「しゃー!!」

コロシアム内で吹雪が発生し、人造魔王を襲う。

人造魔王「氷?風?こ、こなあああああああゆきいいいいいいいいいいいねええ!!」

ビュオオオ!!

雷魔法使い「う、うぅ」


910Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:32:12.33qEL3aq+n0 (16/22)

597

--コロシアム--

変化師「お、おで土属性」

雷魔法使い(うっ。雷と土じゃ相性がよくない……また私何もできないよ……)

がっくりとうなだれる雷魔法使い。

変化師「そ、槍兵、やるぞ」

変化師が槍兵の背後から近寄った。

槍兵「はっ、はっ。って、ちょ、ちょっとまて。俺ァ元々魔法行使するタイプじゃねぇんだから少し休ませろよ。それにあっちのねーちゃんだって風属性なんだから、あっちとやれあっちと。あっちと合体しろ」

疾風魔法使い「うわ、最低な下ネタやなー」

その言葉を聞いてワナワナと震えだす変化師。

変化師「俺はっっ、男がいいんだっっ!!いくぞ!!土と風の複合攻撃魔法、レベルふぉおおおおおおお!!」

槍兵「どもる設定を無視してまで!!アッー!!」

全てを削る砂嵐が人造魔王を襲う。

人造魔王「神砂嵐ィィ!!」

オパウ!

雷魔法使い「あ!!雷と土で電磁砲できたんじゃなかったっけ……」


911Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:33:58.10qEL3aq+n0 (17/22)

598

--コロシアム--

人造魔王「ヴヴヴ……こいつらの攻撃、相性有利とれないきゅいーん」

秘書「いくら六属性を使えようと、一人では複合魔法が作れない!!勝った!!」

魔導長「え?一人じゃ出来ないの?」

秘書「え?」

魔導長「いや前ね。体が氷と火で出来てるモンスターが出てる漫画を見てね、思ったの。個人でも複数の属性使えるなら、複合魔法使えるんじゃないかなっ?」

秘書「……」

そんなやつもいたなぁ、と秘書はしみじみと思いだした。

人造魔王「右手に火きゅいーん。左手に風きゅいーん」

雷魔法使い「!?ま、まさか!!」

人造魔王「ヒトカゼノフクゴウコウゲキマホウ、レベル4」

灼熱の熱風がコロシアムを襲う。

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


912Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:36:01.05qEL3aq+n0 (18/22)

599

--コロシアム--

ゴオオ!!

義足「づっ……まさか、学習したのか?俺達の行動を参考にして……」

槍兵「元々の魔力量がケタ違いだから、威力もやべぇぜ……一撃でこれかよ……ついてねぇ」

秘書「はぁっ、はぁっ!!」

秘書は盾にした瓦礫に背を預ける。

秘書(化物だ……こんなまがいものでさえこれなのに……あの少女は)

ジュッ

秘書「!?しまった……感覚が無くなっているとはいえ迂闊だった……」

秘書は熱した岩に触れてしまったということになる。

べりっ

秘書「!!……」

秘書の背中がべろりと剥がれた。

西の王「湿った天ぷらの衣がはがれたみたいになっとるね」

包帯女「最悪な例えだ……」


913Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:36:43.93qEL3aq+n0 (19/22)

600

--コロシアム--

人造魔王「きゅいーんきゅいーん」

ズシンズシン

人造魔王は死に体となった秘書達のもとへと近づいてきた。

魔導長「どうしようか……私の全力前回の魔砲なら、無属性だし軽減はさせない。それでも倒せる気はしないけど」

雷魔法使い「魔導長……。それでも諦めないでやってみよう。時間は、私が稼ぐ!!」

雷魔法使いは鎌を担ぎ直す。

雷魔法使い「……ごめんね。帰ったらちゃんと整備してあげるから」

槍兵「イエッサー」

疾風魔法使い「あんたが答えるんかい」

疾風魔法使いは無い左腕でツッコミを入れた。

疾風魔法使い「あかんよ雷魔法使いちゃん。一人でやらせるわけにはあかん。うちも一緒にいく」

雷魔法使い「疾風……」

ザっ

そこに新たな人影が。

金髪「あれ~?なんか変なのがいるっすよ」


914Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:50:07.40qEL3aq+n0 (20/22)

600……二部でこれなの……?

もう少しで二部終わると思います。そろそろです。そろそろ。

それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


次回予告。

ラオシャン○ン亜種を一人で倒せずレンに手伝ってもらっていたポニテだったが、そのレンだけに目当ての天鱗が出てしまい関係が悪化してしまう。

ポニテ「理不尽だけどなんかむかつく。だって私はがんばってたし、レンちゃん二死してるんだよ!?」

しかしポニテにとって一緒に狩ってくれる仲間はレンだけだった。

賭博師「お譲ちゃん。いいのがあるよ」

そしてついにポニテは、天鱗欲しさに悪魔猫という禁断の技に手を出してしまう。

次回「友達なんていらない」


ポニテ「ラオのクエに連れてけないじゃん」


915Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 00:52:03.35qEL3aq+n0 (21/22)

ちなみに今ツインテは、ポニテとレンのせいで女の子用パンツ穿いてます。
色は


いや、そんな! あの手は何だ! 窓に! 窓に!


916VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/05(土) 00:57:48.04d8RRJIHxo (1/1)

>>915 乙!
かなり急な展開で次が楽しみだ
待ってるよ!
そういえばレンの設定は?


917Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/05(土) 01:29:55.32qEL3aq+n0 (22/22)

>>916
あ、忘れてました!



2011年、2月真改訂版

○ツインテ
髪色:水色。
リボン:白。
備考:長めのツインテール。シリーズ一可愛い(現在)。

○アッシュ
髪色:暗い紫ところにより灰(場所によって色が違うというわけではない)。
ブリーフ:茶(全部) 。
備考:ちょっと前髪長い。イケメン。

○ポニテ
髪色:赤。
ゴム:黒。
備考:肩にかかるくらいの尻尾。将来有望。

○レン new
髪色:白。
眼鏡:赤フレーム。
備考:ショートヘア。つるぺったん。


全員の平均年齢は14くらいかなぁ……かなぁ

※なお、コメントの説得力次第によっては変更させていただく場合がございます。ご了承くださひ。m(__)m



918VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/05(土) 01:45:00.49GkQ2b63AO (1/1)

乙!


レンは黒ングだと信じてたが玉砕した


919VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/05(土) 01:57:52.46ziCr1ESFo (1/1)

乙!
次回予告ワロタww
賭博士との戦いは形勢逆転の連続だなー


920VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/05(土) 02:10:56.85qLxNnLG00 (1/1)

レンは眼鏡の色ブロンズの髪が黄緑色
ロングヘアを想像してた…かすりもしないorz


921VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/05(土) 02:20:33.52XQ4XQFYj0 (1/1)

>>918
同士よ…


922VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/05(土) 02:39:27.28sb7jXq0DO (1/1)

レンはクロネコヤマトじゃないのか
それとツインテェ…


923VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/05(土) 13:26:49.42Qq3PI/goo (1/1)

レンが白毛の設定は>>669で出ているぞ
まぁ、自分もレンが眼鏡だったの忘れてたけど
平均14歳だと前作のパーティーよりだいぶ若いな
前作は平均25歳くらいかな?


924VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 23:59:36.57O2Mp+1ZDO (1/1)

前作ってパーティの年齢設定でてきてたっけ?
勇者が27歳で盗賊が高卒5年ニートだから23歳か?

それ以外は勝手に
賢者:盗賊と同じ
闘士&踊り子:盗賊より上で勇者より下 25歳くらい
魔法使い:20歳くらい
って感じで想像してたけど
実際どうなんだろ?


925Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:23:18.12Vq7dVhD60 (1/23)

お久しぶりです。
えと、レンは白雪だから白……ですねぇ。
もっとどかっとやりたかったのですが、まだ書き途中なので、いつもの如く20投下ということで一つお願いいたします。


926Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:26:09.76Vq7dVhD60 (2/23)

年齢設定は一応、

盗賊23
勇者27
賢者24
魔法使い25
闘士21
踊子25
受付17
こんな感じであります。


927Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:31:01.92Vq7dVhD60 (3/23)

601

--南の漁村--

南の王国の外れに位置するこの漁村には、様々な人達が海産物を買いに訪れる。

肌黒漁師「おう嬢ちゃん、べっぴんさんだねー!!魚食ってかないか!?」

肌黒漁師は、野菜をどっさり入れた手提げ袋を持った女性を呼び止めた。

ブラ「あ、ありがとうございます。でも家に人を待たせているので……」

肌黒漁師「ありゃ残念!!待たせてる人って嬢ちゃんのこれかい!?」

肌黒漁師は小指を立たせた。

ブラ「ち、違います!!」

肌黒漁師「あはは!!そうかそうか!ほれこれもってきな!!」

そう言って肌黒漁師はバケツにいっぱいの魚を渡した。

ブラ「え、え!こ、こんなにいっぱい悪いです」

肌黒漁師「なーに、それどうせ売り物にならねー奴だからいーの!いっぱい食いな!!せっかくのべっぴんさんもやつれてちゃあなぁ!!がはは!!」

ブラ「あ……」


928Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:31:57.07Vq7dVhD60 (4/23)

602

--南の漁村--

ブラは深く頭を下げて礼を述べると家路を急いだ。

ブラ(……全然痛んでる部分なんて無いじゃない。商品にならないなんて嘘……本当にここの人達は優しいのね。私が同じ肌の色だからかな?)

ブラは自然と頬が緩んだ。

ブラ(ここは私の両親の故郷なのかな……?私何も知らないからな……私の生まれ故郷は一体どこなんだろう)

ブラは掘立小屋の戸を開けた。

ガララ

ロリメイド「あ、やっと帰ってきたでございましゅ!どこほっつき歩いていたんでしゅか!!」

ブラ「あ、ごめんなさい……安く食料が手に入る所がすごく遠かったので……」

ロリメイド「口答えするとは人間のくしぇに生意気な!!」

べビメイド「あうー」

ブラ「あはは……」


929Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:33:25.79Vq7dVhD60 (5/23)

603

--南の漁村--

ブラ(あの後私達は命からがら逃げました。しかしアンシュ様は何か思いつめていたようで……安全な場所についた途端、彼女達を作り始めました)

べビメイド「あうあうー」

よちよち

ブラ(赤ちゃんの体にメイドの格好というのも新しいですね……)

ブラは足元にはいよるべビメイドを抱き上げた。

ブラ(アンシュ様は瀕死の番犬さんを取りこんで……ご自身の残り少ないエネルギーで彼女達をつくりあげて……そして)

アンシュ改めヤミ「おー、かえったかブラ。はらがへった。なんかつくれ」

ブラ(こんなに……ちっちゃくなってしまわれた)

掘立小屋の中には、幼児化したヤミとメイド×2と小さな犬がいた。

ブラ(どうしてこんなことになってしまったのでしょうか……まるでここは保育所で、私は保母さんのよう……)

番犬改めパピー「へっへっへっへっ!!きゃんきゃん!!」

パピーはブラの足元にすり寄っている。


930Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:34:24.99Vq7dVhD60 (6/23)

604

--コロシアム--

槍兵「ガキが迷い込んで来やがった……おい、今あぶねぇぞ!!さっさとコロシアムからでてけ!!」

金髪「ふんふ~ん!ご忠告感謝っす!」

ニコニコと笑う金髪。しかしその歩みは止まらない。

包帯女「ちょ、ちょっと本当に危ないんだって!!」

人造魔王「きゅいーん?」

人造魔王は金髪の存在に気付き、体をそちらに向けた。

義足「!!くそ!!」

義足は右足についているカバーのようなものを開け、腰に指していた黄色の棒を引き抜き、右足の空洞の中に差し込んだ。

ジャカッ

義足「雷属性攻撃魔法、レベル2!!」

バヂイイ!!

人造魔王「きゅいーん」

不意打ちを食らってもなんともない人造魔王。

義足(だろうとは思ったよ、でもまぁ、せめて俺に注意が向けば)



931Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:35:35.73Vq7dVhD60 (7/23)

605

--コロシアム--

盾男「弓女!!」

弓女「くっ!!わかったわよ!」

弓女は右足を引きづりながら金髪のもとへ。

弓女(あの子を一端コロシアムの外に連れていく。それまで死ぬんじゃないわよ!!っていうか他の砂漠の風はどうしたのよ!!)

弓女はここでやっと気付いた。

弓女「?あ、あんたアッシュと一緒にいた子じゃないか。なんでこんな所に一人で」

金髪「……」

金髪はジー、と弓女の顔を凝視する。

金髪「はぁ。やっぱりそうなんじゃないかと思ってたけど、気付いてなかったんすね」

大げさにがっかりしてみせる金髪。

弓女「は、はぁ?よくわかんないけど話してる場合じゃないんだって!!ほら」

金髪の腕を掴もうとした弓女は

弓女「うっ!!」

金髪「そこで見ているがいいっす」

弓女(この、プレッシャー……まさか)


932Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:36:31.25Vq7dVhD60 (8/23)

606

--コロシアム--

金髪はスタスタと人造魔王に近づいていく。

人造魔王「きゅいーん?」

義足「なっ!?せっかくこっちに引きつけたのになにやってんだよあの子!!」

金髪「すごいっすね。まさか人為的に魔王を作りだしてしまうだなんて。まぁ本物に及ぶべくもないデッドコピーみたいすけど」

その様子をモニター越しに見ている研究員。

研究員「なんですかーあの子ー。……ん?金色の……髪?」

スタスタ

なおも歩き続ける金髪。

盾男「そ、そこの少女!!止まれ!!死ぬぞ!!」

金髪「……?」

ゆらり、と金髪の少女は振り返った。

金髪「……はぁ。まだ気付かないっすか?盾男君もまだまだっすねぇ。そんなんじゃ部隊長の座は遠いっすよ?」



933Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:37:44.03Vq7dVhD60 (9/23)

607

--コロシアム--

盾男「!?……な……まさか君は……いや貴女様は……!!」

ぞわぞわ

金髪の体が蜃気楼のように揺れている。
そして

雷魔法使い「髪の毛が伸びて……背も」

ぞわぞわ

斧女「!!……まさか直々に出向いてくるとは」

金髪「……盾男君、弓女ちゃん、斧女ちゃん、給料二割カットっす!!」

そこにはすらりと伸びた手足、長い金色の髪を靡かせた女性がいた。

ざっ!!

盾男、弓女、斧女は勢いよく跪いた。

盾男、弓女、斧女「はっ!!」

重力が狂うほどの存在感を持つ何かが立っていた。


934Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:38:47.31Vq7dVhD60 (10/23)

608

--コロシアム--

金髪「お初にお目にかかるっす西の王」

西の王「む……」

金髪「あたしは現、砂漠の風が頭領、鬼姫というもんす」

西の王「!?」

秘書「!!」

魔導長「!!」

包帯女「なっ!?」


バンっ!!

モニターを叩きつける研究員。

研究員「う、うひひひひひひひひひ!!砂漠の風の頭が鬼だっていう話を噂には聞いてましたけど、伝説の鬼亜人、いや本当に鬼が生きてたんですかー!?うひゃひゃひゃひゃ!!」

げらげらと笑う研究員。


935Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:41:10.38Vq7dVhD60 (11/23)

609

--コロシアム--

西の王「……盗人がなんのようだ?」

金髪改め鬼姫「ひひ。盗人って言ってるならわかるんじゃないすか?盗人は盗みを生業としてるんすよ?」

西の王「何を目的に……何を盗みに来た」

鬼姫「全てを……なんちゃって。盗みにきたとか言っておきながら、実はこの国をぶっ壊すつもりだったんすよ。我らが同胞達を使い捨てるこのいかれた国をね」

西の王「!?」

秘書(国を……潰す?)

鬼姫「だからまぁ……いややめとくっす。今は少なくともそんなことはしないっす。今は、ね」

西の王「……」

鬼姫「西の王、取引っす。この怪物ぶっ倒すっすから、魔王の骨をくれっす」

西の王「!?人造魔王を倒すだと!?」

鬼姫「どうっす?考える必要あるっすか?」

西の王「いやしかし」

鬼姫「今貴方が一番恐れなきゃいけないケースは、あたしに殺されて魔王の骨を奪われたあげく人造魔王が暴れまわってこの国が滅亡する、ってことじゃないすか?」


936Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:43:14.21Vq7dVhD60 (12/23)

610

--コロシアム--

西の王「……………………そうだな。人造魔王を倒してくれるというのなら安いもんだ。お願いする」

鬼姫「ははは。若いだけあって結構柔軟すね。他の国の王様じゃそうはいかないかもっすよ。じゃあ」

人造魔王「スキルシヨウ、ロクショクホウ」

ドギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

疾風魔法使い「!?あかん!!」

待ちくたびれた人造魔王は、鬼姫目がけ六色砲を放つ。

盾男「!!鬼姫様!!」

斧女「ぼ、ボス!!」

バヂィン!!

魔導長「!?」

その砲撃を右手の甲で弾いて見せる鬼姫。

ゆらり

鬼姫「魔王退治といくっすか」

盾男「濡れた」


937Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:44:26.24Vq7dVhD60 (13/23)

611

--港--

ドガドガドガドガドガっ!!

息もつかせぬ速さで殴りあうツインテと賭博師。

ツインテ(っ!!ここへきて右腕が無いのが響いてきやがる!!っち!!)

ツインテは背中から生やした触手を地面に突き刺し、その反動で賭博師との距離を開ける。

賭博師(よく闘うぜ……ってか魔力ってそんなに個人差あるものなのかって言いたくなるわ)

賭博師は大木のような足で地面を蹴る。

ドッ!!

ツインテ「!?はえっ!!」

賭博師「明日に向かって!!」

ツインテ(まずい、ガードを!)

賭博師「打つべし!!」

ボゴっ!!


938Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:45:24.06Vq7dVhD60 (14/23)

612

--港--

ツインテは港に停泊している船に突っ込んだ。

どっ、がっ、ごっ!!

賭博師(これで終わりだろ……いや終われ!!)

ツインテ「……ち。また服が汚れた」

船の瓦礫の中からツインテは立ちあがる。そして服についた埃をはたいている。

ぱんぱん

賭博師(……ダイヤモンドで出来てんのかよ……全然傷つかない……ん?おかしいな?)

賭博師は賭博場でのことを思い出す。

賭博師(俺は一度お譲ちゃんの頭部を砕いてる。今はあの時ほどのパワーは無いけど、お譲ちゃんに致命打を与えるくらいの威力はあるはずだ……まるっきりノーダメってことはないだろ?)

賭博師は自分の右腕を見る。

賭博師(今だってガードごとアバラを軒並み砕いたはずだろ。ってことはだ)

賭博師は一筋の汗を垂らす。

賭博師「お譲ちゃん、もしかして不死身か?」

ツインテ「んなわけないだろ」


939Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:46:20.33Vq7dVhD60 (15/23)

613

--港--

ツインテ「……ふーん。だがちっとは気付いてるみてぇじゃん。おもしれぇ。絶望を味わってもらうために教えておこうかな」

賭博師「ひゅー。自分で手の打ちばらしてくれちゃうわけ?優しいねぇ」

ツインテ「バーカ、そんなことするわけねぇだろ」

賭博師「!?」

遠くのツインテと喋っていた賭博師だったが、その時なぜか背後からツインテの声を聞いた。

ドガっ!!

賭博師「ぐあっ!?」

ツインテ「お返しだインチキヤロー」

ツインテの左拳が賭博師の脇腹に陥没する。

賭博師(ぐうう!!残骸の上に立ってるのは……)

船の上のツインテの姿はゆらゆらと揺れると、

パシャっ

水になって消えた。


940Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:47:21.91Vq7dVhD60 (16/23)

614

--港--

賭博師(こっちのツインテは直球タイプかとおもったらそうでもねぇ……っくそ、俺はまともな回復魔法使えないってのによ)

賭博師は脇腹を押えながらふらふらと立っている。

ツインテ(ち、さすがの俺様も今日は魔力を使いすぎた。早めに決着をつけなきゃな)

ツインテはじりじりと賭博師の近くに、

賭博師「俺には故郷に腹を空かした兄弟が八人いる」

ツインテ「!」

賭博師「……とか言ったら見逃してくれないか?」

ツインテ「王子が何言ってやがる」

賭博師「はは……だよなぁ。実際駄目なもんは正当な理由があったってやっちゃあ駄目だしな」

ツインテの拳が賭博師の顔面を打ちすえる。

ドッ

賭博師「ごふっ!!」


941Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:49:14.69Vq7dVhD60 (17/23)

615

--港--

賭博師「へ、へへ……効くぜぇ。こんだけ強くなってもダメージを無効にできるわけじゃねぇしなぁ」

賭博師は再び構えた。

ドガっ!!

賭博師の蹴りをツインテは左腕で受ける。

ゴッ!!

ツインテの触手攻撃を賭博師は足で弾く。

賭博師「……」

ツインテ「……」

ドガドガゴッバキッタカトラッズガッバッタッドガッ!!

二人の拳が幾度も交差する乱打戦。

ツインテ「ぐっ!」

賭博師「がっ!」

口を切っては血を吐いて、それでもなおまた相手に向かっていく二人。
そして

ツインテ「はっ、はっ……」

ツインテは全ての触手を解除し、その分の魔力を左拳に込めた。

賭博師「俺も疲れちまった……やるか、最後の」

賭博師は右拳を引いた。


942Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:50:16.41Vq7dVhD60 (18/23)

616

--港--

調教師「はぁ、はぁ」

アッシュ「……もうやめろ。お前、ふらふらじゃないかよ。その症状も重けりゃ、多分その薬の副作用もでかいんじゃないのか?」

調教師「黙れ!!分かった風な口をきくな!!」

調教師の顔は、涙や鼻水でぐしゃぐしゃだった。

調教師「みんな分かったみたいな顔して、わかるはずなんてないのに!!私を理解してくれる人なんて、いやしないのに!!」

バジリスク「ぎゃお」

バジリスクはアッシュと調教師の間に入った。
まるで調教師を守るかのように。

アッシュ「よくわからないけど……じゃあ賭博師も違うのかよ」

調教師「」

アッシュ「俺はなんも知らないけどよ、船で見た限りじゃ、お前達のやりとり……すごく仲がよさそうに見えたぜ?」

調教師(ご主人……様?)


943Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:51:20.88Vq7dVhD60 (19/23)

617

--港--

賭博師「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ツインテ「はああああああああああああああああああああああああああ!!」

その横で、賭博師とツインテの戦いに決着がつこうとしていた。

ツインテ「攻撃力上昇レベル2&魔力暴発レベル3!!」

ドッっ!!

ツインテの左拳と賭博師の右拳がぶつかり合う。

賭博師「ぐうううう!!!!」

ツインテ「ああああああ!!」

ブチブチブチブチ!!

お互いの腕の至る所に切れ目が発生、血しぶきが飛び散った。

賭博師「……ちぇ」

ほんの一瞬早く、賭博師の拳は限界を迎えた。

ブシャッ!!


944Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:52:07.79Vq7dVhD60 (20/23)

618

--過去、東の下町--

ある館の主「これはこれは遠い所からわざわざ出向いて頂きまして、ありがとうございます!!ささ、こちらでお食事を用意しております。どうぞ!!」

??「いや、いい。それより早く視察を済ませたいのです」

初老の男性は、若い男性のマントを受け取った。

ある館の主「はぁ、仕事熱心でございますなぁ。時期国王様となると、私なんぞとはおっしゃることが違いなさる!!」

??「俺が次の王になるかはまだ決まったわけではありません」

ある館の主「またまたご謙遜を!国の皆が思っていることですよ?あのたわけた第二王子が第一王子より先に生まれなくて本当によかったと」

??改め第一王子「……弟の悪口はやめていただきたい」

ある館の主「あ!!も、申し訳ございません!!口が過ぎました!!」

第一王子「いえ。それよりも……」

ある館の主「あ、あ!そうでしたな!!ではさっそくご案内させていただきます!!」


6年前の冬のある日。


945Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:53:46.56Vq7dVhD60 (21/23)

619

--過去、東の下町--

ある館の主「――――で、あるわけでして」

第一王子「ちょ、ちょっと待って下さい」

初老の男性から説明を受けていた第一王子はこめかみを押さえた。

第一王子「……それは、それでは彼らに人権はあるのですか?」

ある館の主「はぁ……おかしなことをおっしゃいますな第一王子様はw」

初老の男性はかかかと笑う。

ある館の主「もちろんあります。ただ、この世界の誰しもが安定して生きることは出来ないのですよ」

第一王子「っ!」

ある館の主「これは彼らが皆望んでやっていることなのです。そうすることで彼らは対価として居場所や地位を手に入れているんです」

生まれながらに恵まれた人にはわからないでしょうが、とある館の主。

第一王子「……皆、納得している……のですね?」

初老の男性はにこりと笑って、

ある館の主「もちろんですとも」


946Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:54:43.42Vq7dVhD60 (22/23)

620

--過去、東の下町--

第一王子「はぁ……」

第一王子は用意された部屋のベッドで横になる。

第一王子「これが……現実なのか」

ある程度予想はしていた。が、それを上回った真実がそこにはあった。

第一王子「……綺麗に取り繕っていても結局……くそ!父上はこのことを知っているのか?」

コンコン

その時誰かがドアをノックする。

第一王子「はい、どなたですか?」

??「……主にこの部屋に来るように言われたのですが……」

第一王子「はぁ」(……まさかとは思うが暗殺者では……?)

第一王子は机の上に置いていた短剣を胸に忍ばせてドアの所へ。

第一王子「今、あけます」

ガチャリ
ギィ

??「……」

そこには

第一王子「……君は?……!」

燃えるような赤い色の頭髪を持つ猫亜人の少女が立っていた。

ジャラッ

金色の首輪をして。


947Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/11(金) 22:57:23.82Vq7dVhD60 (23/23)

なんで過去にいったの……

もう少しで終わり……たいです。そろそr

それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
疑問、質問等がございましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

   次回予告


???「お前たちは何故現れる」

???「何故、邪魔をする」

???「王国、ニート、そして勇者」

???「すべては私が作り上げたもの」

???「荒廃した世界を、人類を再生する」

???「それが私の使命」

???「力を持ちすぎたもの」

???「秩序を破壊するもの」

???「プログラムには、不要だ」

???「私は守るために生み出された 私の使命を守り、この世界を守る」

???「修正プログラム 最終レベル」

???「全システムチェック終了」

???「戦闘モード起動」

???改めトリガー「ターゲット 確認 排除開始」

次回「開始して早々に強化手術を受けたレイヴン」


テンテン「私がやるべきだったろ今回の配役」



948VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/11(金) 23:28:55.20tzrRV94Qo (1/1)

>>947 乙!


949VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/12(土) 00:35:24.575aPg8sUko (1/1)




950VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/12(土) 13:09:58.34uNC2s4IG0 (1/1)




951VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/12(土) 14:06:31.48a8B21M2N0 (1/1)




952VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/12(土) 17:28:38.05ompZHuwco (1/1)

乙乙
魔法使いは10代かと思ってた
今作では皆けっこういってるんだな


953VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/12(土) 18:36:28.36RadOs2Juo (1/1)

乙!

なんで過去にいったのて、あんたがそうしたんだろー!ww


954VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/13(日) 23:10:37.04mAy66JlDO (1/1)

アッシュの片想いがこの先どうなるのか凄く楽しみ


955VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 00:01:08.80kfM1CgaD0 (1/1)

人造魔王とisの踊り子の『羽と尻尾の生えた胎児』とは別物?


956Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/18(金) 23:20:56.96uzNl35Rl0 (1/5)

もう何も恐くない

お久しぶりでございます。更新したいと思います。今回はリアルタイムなので多少時間がかかってしまうと思われますがご了承ください。

>>955
どうでしょうか。難しいラインですw



957Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/18(金) 23:28:45.99uzNl35Rl0 (2/5)

621

--過去、東の下町--

第一王子「何しにここへ……」

??「主に……この部屋に来るように、言われたのです」

第一王子「っ!!」

つまりはそういうこと。

??「……ふっ、う」

赤い髪の少女は震えている、

第一王子「……とりあえず中へ入りなさい」

??「……」

バタン

第一王子(……こんな子が……)

第一王子はどうしたものかと考えるが、何ができるわけでもない。
とりあえずこの部屋に置いておくことにした。

第一王子「そこのベッドに腰掛けていいよ」

そして第一王子は食事を取って無いことを思い出し、鞄の中から缶詰を取りだした。

??「……?」

第一王子「これかい?王族の嗜みとでも言うべきか、私は外出する際は外で何かを口にしないことにしているんだ。だから缶詰を持ち歩いている」



958Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/18(金) 23:37:44.73uzNl35Rl0 (3/5)

622

--過去、東の下町--

??「……王子様が……缶詰?」

第一王子「わ、笑うなよ?正直僕は城で出される料理よりもこういった食べ物のほうが美味しいと思うんだ。栄養バランスもすばらしいし」

??「僕って……」

第一王子「え」

第一王子はつい、普段一人のときに使っている一人称が出てしまった。

??「……くすくす」

第一王子「くっ!仕方ないだろ、治らないんだから……よく本当の性格は子供っぽいって言われるけど」

??「……くすくす。よかった」

第一王子「なにが?」

??「怖そうな人じゃ無くて」

少女は不安と安堵が入り混じったような表情を見せる。

第一王子「……心配するな、僕はそういうことはしない」

??「え?」

第一王子「だから、しない。僕は今から鯖缶を食べる」


959Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/18(金) 23:48:08.58uzNl35Rl0 (4/5)

623

--過去、東の下町--

??「でも、主が」

第一王子「あいつはこの部屋に来るように言っただけだろ?別に何もおかしいことはないさ。あのじじい、僕にごますってもっとおいしい汁を吸おうとか考えてんだぜ」

もしくは共犯にしようと考えてるのかな、と第一王子。

??「……う」

第一王子「?どうした?」

??「……それ、いい匂いがする」

少女は第一王子が頬張る鯖の味噌煮に目が釘付けになっている。

第一王子「……もう一缶あるけど、食べる?」

??「え!いいの!?」

第一王子「すげぇ喰いついた!!」

そりゃもう尻尾がビーンってなるくらい。

第一王子(やっぱり、あまりろくな物を食べさせてもらっていないのかな?いやそれも違うか?)

パキャッ


960Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/18(金) 23:57:36.46uzNl35Rl0 (5/5)

624

--過去、東の下町--

第一王子は缶をあけると少女の前に、

第一王子「あ、待った」

??「にゃ!?」

ベッドの上の少女は涎を垂らして第一王子の顔を見つめた。

??「な、なんで」

第一王子「これだって僕の夕飯なわけなんだし、ただであげるのはなー。何か一芸を見せてもらおうかな」

??「……一芸?」

少女は可愛らしく首を傾げる。

第一王子「そう一芸!僕を楽しませてくれたならこれを進呈しよう」

??「……なんだ、結局そっち方面にいくんじゃない」

少女はいそいそと第一王子の傍にまでいくとおもむろに

第一王子「だめー!!!!そういうんじゃなくて!!もっと!ちがくて!!なんか違うの!!」



961Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 00:11:57.636ugweEVF0 (1/34)

625

--過去、東の下町--

??「……でも私こういうのしか自信ない。逆にこういうのなら自信ある」

第一王子「そういうセリフはやめてくれ……首を絞めることになる」

??「……誰の?」

第一王子「キーを叩いてる人の」

??「じゃあ、どうしたらいいの……」

第一王子「そうだな……じゃあ、笑って見せてくれ!」

??「にゃ?」

第一王子「笑顔だよ笑顔。君はまだ一度も僕に笑顔を見せてくれていない」

先ほどの笑っている時でさえ無表情だった。

??「……笑えない」

第一王子「え」

??「笑う、ってことがわからない」


962Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 00:17:20.026ugweEVF0 (2/34)

626

--過去、東の下町--

第一王子「……う」

??「り、りろんはしってる」

第一王子「理論知ってんのかすごいな」

第一王子は頭をかく。

第一王子(……弱ったな。別に缶詰めの一つや二つ素直にくれてやればいいのだけれど、こういう展開にもっていった以上今更な……)

??「じゅる」

そうこう悩んでいる間も、少女は涎を垂らし続ける。

第一王子(駄目だ。このままじゃシーツが汚れて寝れなくなる!……ん)

第一王子はメトロノームのように動く少女の尻尾に目を奪われる。

第一王子「……」

ぎゅっ

??「ふにゃああ!!」

予想以上の反応を見せ、ベッドに倒れこむ少女。


963Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 00:28:12.486ugweEVF0 (3/34)

627

--過去、東の下町--

??「にゃ、にゃにするの……?」

少女は身をよじらせて悶える。目線は尻尾を握る手と第一王子の顔をいったりきたり。

第一王子「いや、うねうね動いてたからちょっと気になって」

??「そんなちょっとコンビニ言ってくるみたいな口ぶりで……。というかいくら気になったからっていきなり女の体の一部を」

ぐにゅぐにゅ

??「にゃあっ!?や、やめ!!ぐにゅぐにゅやめめっ!!」

少女は力なくベッドの上で暴れている。

第一王子(ほほう……これはこれは)

第一王子はねこじゃらしをいじるかのように上下にさすったりしてみる。

??「あっ、あっ!!」

第一王子「ふふふ。いいさわり心地じゃないか……」

シュッシュッ


964Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 00:35:52.046ugweEVF0 (4/34)

628

--過去、東の下町--

第一王子「いい毛並みだね。このサラサラ加減がたまらない」

??「ふっ、ふんっ……」

第一王子「あむ」

??「食べたー!?」

第一王子は少女の尻尾の先を口に含んだ。

じゅるる

??「や、やめてにゃぁ、あ」

第一王子「ふももも?」

??「しゃ、喋っちゃだめっ!!にゃん!」

少女は息も絶え絶え、涙で溢れた瞳でこちらを見てくる。

第一王子「……」

嗜虐性をくすぐるその表情。

がぶ

??「あにゃっ!?かんじゃ、患者だめぇ!!」

少女は患者の受け入れを拒否した。


965Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 00:42:49.136ugweEVF0 (5/34)

629

--過去、東の下町--

第一王子(……何してんだ僕。これではまるで変態のようじゃないか。いけないいけない)

ちゅぽん

??「はっ、はっ……?」

少女はびくびくしながら第一王子の顔をうかがってくる。

??「お、終わ……り?」

第一王子「あぁ、終わり。悪ふざけは終わり。ほら」

パッと尻尾から手を離す。

??「あう」

少女は解放された自分の尻尾を顔元に近付けて確認する。

??「……」

第一王子「よし。ご飯食べよう。あ、その缶は君にあげるから。食べていいよ」

第一王子はベッドから降りてテーブルに向かう。

??「……」


966Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 00:48:22.666ugweEVF0 (6/34)

630

--過去、東の下町--

つん

第一王子「ん?」

少女に背中を向けてテーブルに向かっていた第一王子の背中を何かがつついた。

第一王子「今なんか」

??「!!」

少女は第一王子が振り向いた瞬間にベッドの端にまで移動してドアの方に視線をやる。

第一王子「……んん?」

??「……」≪自分じゃないですョ。関係無いですョ。という表情≫

第一王子「……気のせいか?あ、缶詰、ベッド汚さないように降りて食べてくれよ?」

そして第一王子は再びテーブルに向き直す。

??「……」

そろりそろりと少女はベッドの上を移動して

つん

第一王子「……」


967Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 00:56:20.346ugweEVF0 (7/34)

631

--過去、東の下町--

今度は反応しないで見る。

つん、つん

第一王子(なんだ?構って欲しいのか?)

サッ

勢いよく振り返ると、

??「!!」

また慌ててベッドの上を移動する。

??「……」≪違いますョ?自分はずっとここにいましたョ?という表情≫

第一王子「……はぁ、こっちで食うか」

第一王子は椅子をベッドの方向に向けて鯖を口に入れた。

もぐもぐ


968Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:08:13.616ugweEVF0 (8/34)

632

--過去、東の下町--

??「……」

自分の缶詰に手を出さず、じーっと第一王子を見つめている少女。

第一王子「……ん?どうした?食べないの?」

??「っ」

少女はそろそろ缶詰の前にまで行くと指で取って口に運ぶ。

もぐもぐ

??「……おいしい」

第一王子「だろ?やっぱり鯖を味噌で煮込んだもの、って言ったらこれだよね」

??「やまのてせんげーむ」

しばらくの間二人無言で鯖を食う。

??「……」


969Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:09:15.146ugweEVF0 (9/34)

633

--過去、東の下町--

第一王子「ちょっと量は少ないけれど、まぁしょうがないよね。君も我慢してくれ」

??「……」

少女は口の周りにとろっとした味噌をつけたまま第一王子を見ていた。

第一王子「どうしたんださっきから……ほら口も噴いて」

??「ぶっ!!」

第一王子「すまん違う、拭いて」

少女は自分の口周りを舌でなめた後、まるで猫のようにぺろぺろと自分の指をなめ始めた。

第一王子(……こうして見ると、本当に猫なんだな。可愛い顔してるけど)

いや猫もカワイイ顔してるけど。

つん

第一王子の甲を少女の尻尾が触れた。

第一王子(さっきもこんなふうにつついてきたのか)

つん、つん


970Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:10:54.396ugweEVF0 (10/34)

634

--過去、東の下町--

第一王子「どうし」

しゅる

開いた掌の中に尻尾が潜りこんだ。

第一王子「……え?」

??「……」

第一王子「……さっき見たいに、しろってこと?これ」

第一王子が握ろうとすると

しゅる

逃げる尻尾。

??「……」

第一王子「??違うのか?」

しかしまた第一王子の手の中に。

第一王子「……」

ぎゅっ

??「あっ!」


971Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:12:23.516ugweEVF0 (11/34)

635

--過去、東の下町--

第一王子(……もしかして)

??「ふ、うんっ」

ベッドの上で体を捩じらせる少女。

第一王子「(※このコメントは不適切な表現があったため削除されました)?」

??「……」

恥ずかしげにコクンと頷く少女。

第一王子「……ごく」

※この文章は不適切な表現があったため削除されました。

??「にゃっ」

※この文章は不適切な表現があったため削除されました。

第一王子「でも(※このコメントは不適切な表現があったため削除されました。)」

??「……」

※この文章は不適切な表現があったため削除されました。


972Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:13:22.936ugweEVF0 (12/34)

636

--過去、東の下町--

※この文章は不適切な表現があったため削除されました。
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973Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:14:21.146ugweEVF0 (13/34)

637

--過去、東の下町--

第一王子「なんだこれは!!まるで僕が何か不適切な何かを行ったみたいじゃないか!!」

??「……ぽ」

第一王子「えぇい!遊んであげただろ!顔を赤らめるな!離せ!」

??「……わたしとのことはあそびだったの?」

第一王子「あぁそうだ、勘違いするな!!僕は君だから気になって接していたわけじゃない!!ただボクがロリコンだっただけの話さ!」

??「ひどい!」

第一王子「くそう!第一ちょっと透け気味の薄い部屋着なんか来やがって!!こうしてやる!!」

第一王子は少女の脇に手をやるとくすぐり始めた。

こちょこちょこちょ

??「にゃっ!?にゃははははは!!や、やめ!!」

第一王子「ほらほらほら!!」

??「にゃははは!や、やめてやめて!!にゃははは!!」

第一王子「そらそらそらそら!!」

??「や、やめ、おろろろろろろろろろろろろろ」

第一王子「!?」


974Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:15:42.476ugweEVF0 (14/34)

638

--過去、東の下町--

第一王子「お、おい!!私の部屋を訪ねてきた少女が!!」

ある館の主「おや、昨晩はお楽しみでしたね」

第一王子「お約束言ってる場合ですか!!いきなり戻したかと思うとそのまま……」

ある館の主「あー……随分長い間使用されていたみたいですからねぇ。薬が切れてしまったのでしょう」

第一王子「……?なんだ薬って」

ある館の主「あの子はちょっと、夜を苦手としていましてね。暗くなるだけで不安になってしまうのですよ。それを薬で抑えているのですが……」

第一王子「夜が怖い?猫亜人の特性……なのか?」

ある館の主「さぁ。私にはわかりません。まだ続けるのでしたらこの薬をお持ちください」

第一王子はあえて館の主の言葉には取りあわず薬を持って部屋に戻った。

第一王子「……」

第一王子は自分の部屋に戻るまでの通路で考え事をする。

第一王子(……ふざけるなよ。あのおびえ方は、歪だ。元々の特性じゃないことくらい、僕自身わかっているだろうが!)


975Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:16:17.366ugweEVF0 (15/34)

639

--過去、東の下町--

ギィ

??「ひいいい!!」

第一王子「……」

第一王子が部屋に入ると、少女は部屋の隅で蹲っていた。
シーツやカーテンで巣を作るように丸まっている。

第一王子「……お薬、持ってきたんだ。大丈夫だから」

??「にゃああああああああ!!」

少女は首だけだした状態で第一王子を威嚇する。
涙を流し、ガタガタと怯えながら。

第一王子「……ほら、何もしないから。これを飲んで」

??「しゃあああああああああああ!!」

バリっ!!

第一王子「つっ!!」


976Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:17:14.396ugweEVF0 (16/34)

640

--過去、東の下町--

整えられたと言っても所詮亜人の爪。たやすく第一王子の腕は引き裂かれる。

第一王子「っっ!!だ、大丈夫、ほら」

??「にゃあー!にゃあー!!」

鳴きながら吐きながら、少女は自分の巣から出てこようとしない。

ボタボタ

第一王子は少女の口に薬を押しこみ、水を飲ませた。

??「んー!!んー!!」

ガシャン!!

バタバタと暴れるせいで、持っていたガラスのコップは落ちて割れてしまう。

??「……はー、はー……」

第一王子「大丈夫……だから」

??「はー、はー……」

次第に落ち着いていく少女の息。


977Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:18:04.896ugweEVF0 (17/34)

641

--過去、東の下町--

??「すー、すー」

やっと寝静まった少女の傍らで、第一王子は水の鏡ようなものと会話をしていた。

東の王『なんだ息子。こんな時間に連絡を取ってくるとは』

第一王子「是非父上にお聞きしたいことがありまして」

東の王『……ふん、聞こう』

第一王子「この町の、裏のシステムについて知っていますか?そしてそれは国が絡んでいるのですか?是非お聞かせ願いたい」

東の王『……』

東の王は鏡の向こうであごひげをさすっている。

東の王『やはり、といえばやはりか。正義感の強いお前のことだ。必ずこうなるとは思っていた』

第一王子「っ!!……父上!!ではやはり」

東の王『話してやるから変な気をおこすなよ?』

東の王は語り始めた。


978Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:19:28.976ugweEVF0 (18/34)

642

--過去、東の下町--

??「すー、すー」

十数分の王の説明。
第一王子の拳を握りしめる力は徐々に強くなっていった。

第一王子「っ……!!」

東の王『……なぁ、息子。もう少し広い視野で物事を見ろ。いつも言っているだろ?お前の視野はせまい。目先の正義しか見ていない。だから誰も救えない』

第一王子「!!父上!!人の上に立つ者として、そのような行為を黙認していいのですか!?人道的とは思えない!!」

東の王『……戯け。適材適所というやつだ。いや適所すら無い奴を無理やり組み込んでやっているんだ。何も無かった者は色んな物を手にし、彼らが喉から手が出るほど欲していた居場所を与えてやっている。そして結果的に国の発展にもつながっているだけのこと』

第一王子「違う!!そうせざるを得ないように貴方達が追い込んだのだ!!金が絡むとすぐこれだ!!貴方達大人はひどい言い訳で世界を言いくるめている!!」

東の王『お前がガキなだけだ。すぐにわかる。人の生きる世界はどうしようもないんだ、と』

第一王子「……わかりました」

東の王『?やけに聞きわけがいいな』

第一王子「いえ、その意味ではありません、父上と分かりあうことができない、というのを理解しました」

東の王『……ならばどうする?』

第一王子は王族の証である指輪を放り投げた。

第一王子「僕は……自分の道を行く!!!!」


979Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 01:22:19.686ugweEVF0 (19/34)

もう少しで終わり(ry

それでは本日はここで終わりにしたいと思います。
※このコメントは不適切な表現があったため削除されました。
読んでいただき※このコメントは不適切な表現があったため削除されました。



     次回予告

勇者「私、勇者17歳。親友は男友達の盗賊とトリガー。いつまでもずっと三人一緒だと思ってた。私がその不思議な力を手に入れるまでは」

女子高生・勇者は、ある日踏切事故にあったのをきっかけに、時間を過去に遡ってやり直せるタイムリープ能力に目覚めてしまう。

次回「やり直したい過去がある」

トリガー「俺・・・未来から来たって言ったら 笑う?」

勇者「頭を憐れむ」


980VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 01:24:50.95yHKdw9aSo (1/1)

乙!
鯖缶食べたくなってきた…


981VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 01:26:01.47g5lU2KsAo (1/1)

>>979 乙!


982VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 01:46:15.96V/Gi37y/o (1/1)

おつつ!


983VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 08:00:45.33Z2k0eHF6o (1/1)

おつ
色々ひっでぇwwwwww


984VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 08:50:34.98yWTFd+7AO (1/1)

乙です

>>972
SSの削除は止めて下さい


985VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 10:22:38.22aoB7AS0b0 (1/1)

乙乙
一瞬スレ間違えたと思った


986Qw0 ◆7b3JfpIY/22011/02/19(土) 20:16:51.726ugweEVF0 (20/34)

643

--港--

賭博師「……はっ、そのありさまがこれかよ……」

右腕を無くしたツインテと、右腕が破壊された賭博師が対峙していた。

ツインテ「はっ、はっ、はっ……あ?何言ってんだオマエ」

賭博師「くくくく。いやぁ、なるほど。走馬灯ってやつか。たった数年前のことだっつーのに、随分と前のことのように思えるぜ」

まるで自分じゃないかのようだ、と賭博師は呟く。

ツインテ「?……衝撃で頭いかれたか?」

ツインテは再び触手を展開し、ゆっくり賭博師へと近づいていく。

調教師「!?」

その様子を横から見ている調教師。
またガタガタと震えだす。

調教師「ご、ごしゅ……」

アッシュ(止めをさすつもりか?)

賭博師「……あいつはさ」

ツインテ「?」

賭博師は力なく俯いたまま喋りだした。

賭博師「あいつは悲しい奴なんだよ……あいつはいつまでたっても一人なんだ。仲間がいないから……同じ目に合ったやつが他にいないから、傷をなめあうことすら出来ない」

ツインテ「……は?」(あいつ?調教師のことか?)