1MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 06:43:43.26UETh2A.0 (1/31)

始めての禁書 
地の文ありのクソ文章だけど書いたから聖夜に書いたんで投下させてください 
設定とか時系列とか口調とか頭にないのであしからず 
 
 
科学によって超能力という現象を実現させた街。学園都市 
その異能なる力をすべて右手で打ち消す少年が今日も街を走る 
 
上条「くっそ!補習が予定よりも2分20秒も伸びちまった!」 
 
幻想殺しを持つ少年の計画ではこの2分20秒はあまりにも大きかった 
 
上条「全力で走れば間に合うか!!」 
 
目的地まで後1.5k、残りの時間は5分少々
生命力を燃焼させて少年は走る 
あらゆる不幸と穀潰しのシスターのせいで貧困にあえぐ少年は咆哮と共に点滅した交差点を渡る
 
上条「うおおおおおぉぉぉぉ!!タイムセエエエエエルウウウウ!!!」   
 
 
 
 



2MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 06:45:35.38UETh2A.0 (2/31)

不幸少年こと上条当麻の目的地であるスーパーの付近 
上条に好意を抱く電撃姫が自動販売機前に立っていた 
この電撃姫の目的は一つ上条へアタックする為だ 
だがいかんせん素直になれない、本音と裏腹な事ばかりの言動な為 
色恋的なアタックが攻撃的なアタックになってしまっている 
 
美琴「今日こそは…デートの約束を!」 
 
決意に満ちたその魂に一本の杭を打ち込み自分を奮い立たせる 
 
美琴「あいつは今日この道を通る、数週間のリサーチの結果間違いないんだけど…」 
 
ストーカーの枠に入る様な独り言をつぶやき、待てど未だにこない少年に美琴はイラ立ちを感じた  
美琴「おっと…。素直素直素直」 
 
目を閉じ自己暗示を掛けながら自らに理性を戻そうとする 


3MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 06:47:42.74UETh2A.0 (3/31)

上条「ハァハァ…もう少し」 
 
上条のゴールは目前、疲れは見えるものの勢いは未だに衰えていない走り 
視界の端にいつも絡んでくるビリビリ中学生を確認した 
美琴の心中など知る由もない上条は絡まれまいとスピードを上げ 
 
上条「おっすビリビリ中学生、急いでるからまた今度なー!」 
 
左手を振りながら後方へ美琴を置いていく 
まったくの逆恨みになるのか、鈍すぎる上条が悪いのか 
自分の決意をあっさりと空振りにさせた美琴は待たされたせいもあってイラ立ち、一気に帯電する 
 
美琴「ちょっと待てやああああああああ!!」 
 
迸る電撃の槍、いつもならば軽いショック程度には抑えてあるものの 
苛立ちも相まって若干強く放ってしまった 
しかしこの先の未来はすでに美琴によって予測されていた 
 
美琴(どうせ右手で打ち消すんでしょ!…でも足は止めてくれるわ) 
 
美琴(話聞いてくれるかな?) 
 
自分の思いを打ち明かすと決意した今日。どんな手を使っても美琴は上条と話たかったのだ 
それがちょっと非常識な手段でも 


4MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 06:49:01.30UETh2A.0 (4/31)

美琴の絶叫を耳にした時点で上条は確信していた。電撃がくる  
 
上条(右手で消すか…) 
 
上条(いや御坂も危険なもん撃たないだろ) 
 
上条の結論は打ち消す為に足を止めるよりも走る事を選んだ 
 
上条(ちょっとビリってくるの我慢するだけだ!) 
 
右手を使うだろうと思った美琴、対して電撃を身に受けても走る事を選んだ上条 
 
 
--------------------両者の思いが交差しなかった時、物語が始まる-------------------


5MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 06:51:50.69UETh2A.0 (5/31)

放つ美琴…追う電撃…走る上条 
電撃が上条に届いた瞬間 
 
上条「ギッ!」 
 
妙な奇声を上げ、上条が崩れ落ちた 
 
美琴「なんで右手使わないのよ!バッカじゃないの!!」 
 
美琴(なによなによ!!あたしに構えない様な大事な用事でもないでしょ!!) 
 
単純に上条が自分を気にも止めてなかった現実に腹を立てる 
 
美琴「この御坂美琴様をシカトした罰よ!いい気味だわ」 
 
ハンっと鼻で笑い上条が文句を言ってくるのを待つが、一向にその気配がない 
 
美琴「気絶してんの?だっらしな!」 
 
美琴自身としては正当な苛立ちが呆れに変わり、上条を公園のベンチに横たわらせる 
 
美琴(もう…ほんとバカなんだから) 
 
デートの約束をして一緒に買い物したりといった妄想も散ってしまった 


6MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 06:54:02.48UETh2A.0 (6/31)

pipipipi
突如携帯がなる。黒子の名前がディスプレイに表示されている
 
美琴「もしもし?」 
 
黒子「お姉様!今どこにいらっしゃいますの?」 
 
美琴「今公園にいるんだけど、何かあったの?」 
 
黒子「何かじゃありませんの、今日は寮の中庭掃除の日ですのよ?お忘れでしたの?」 
 
美琴「あっ!」 
 
黒子「やっぱりお忘れでしたのね。」 
 
黒子「寮監様にはわたくしから遅れると申しておきますので、お早めにお戻りになってくださいまし」 
 
美琴「恩に着るわ」 
 
美琴「あっ!黒子」 
 
黒子「…はい?」 
 
美琴「公園に倒れてる人いるから、救助呼んでくれる?…いや気絶してるだけ。 うんお願いね」 
 
黒子に事後処理を頼み急ぎ寮へと帰る 


7MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 06:59:00.19UETh2A.0 (7/31)

掃除に遅刻したものの、実際の働きでなんとか怒りを免れた美琴 
それから一夜明け、通学路から初夏の快晴を見上げ一日の始まりとしては最高だと胸中で思う 
 
御坂妹「お姉様とミサカは暢気に歩いているお姉様に声をかけます」 
 
ふいに声を掛けられ振り返る 
 
美琴「あら妹達じゃない、奇遇ね」 
 
御坂妹「いえ、奇遇ではありませんとミサカは暗に探していた事をお姉さまに知らせます」 
 
美琴「何かあったの?」 
 
御坂妹「それに関して説明がありますのでご一緒に来てくれますか?とミサカは断られた場合は引きずってでも連れて行く覚悟で言います」 
  
美琴「何よ?事情が全然つかめないn」 
 
御坂妹「早くきてください!…っとミサカは…」 
 
あまりにもおかしな妹の言動に美琴は眉を顰め追従する 
行き先は名医のいる病院だった 
一日の始まりとしては最高の天気だった…そう天気だけは最高だった


8MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:02:24.23UETh2A.0 (8/31)

病院で名医に説明を受けた 
結論から話されて耳を疑った 
経過などを聞ききながら呼吸が乱れ心拍数が上がる 
何?なんで?止めて!止めて!と何度頭で思ったことか 
途中で気づいた認めたくない事実…原因を聞いた時は緊張と興奮で嘔吐してしまった 
未消化の朝食が散らばる床を御坂妹が拭きあげるのが視界の端に映る 
 
 
 
冥土返し「…少しは落ち着いたかい?」 
 
冥土返し「僕も最善は尽くしたんだけどね。焼ききれて無くなった神経まで再生させるのは不可能だった」 
 
冥土返し「手は全くないわけじゃないんだけど、それは色んな許可がないとできないことなんだ。あっても完治する保障もないんだね」 
 
耳から入って耳から流れるとはこういうことなんだろうか…美琴は名医の言葉を聞きながら 
そんな事を考えていた 
アイツが下半身不随…自分の電撃が原因で…歩けない 
 
突きつけられた事実は最悪の一日の始まりと言うには十分すぎた


9MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:04:37.77UETh2A.0 (9/31)

冥土返し「彼に会っていくかい?」 
 
美琴は躊躇う…自分のせいで歩けなくなってしまった 
だからまず謝罪することだ、そうしないと前に進めない 
怒られても恨まれてもしかたがない 
許されない事をした。まずそれを詫びよう 
 
美琴「…はい」 
 
決意と真逆の沈とした返事 
冥土返しは静かな眼差しでふぅっと息を吐く 
 
冥土返し「彼の病室は6階だから、そこからはナースに案内してもらうといいよ」 
 
嘔吐物の処理をしてくれた御坂妹に軽い謝罪をいれ俯いたまま部屋を後にする  
自分のクローン体、姉妹としてみている御坂妹、紆余曲折あり色々話しだした関係だが 
 
目を合わせるのが怖かった 
どんな目で自分を見ているのか知るのが怖かった


10MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:07:01.66UETh2A.0 (10/31)

6F病室前 
上条と書かれたプレートの前に美琴が立っている 
心臓が早鐘を打つ 
軽い目眩も始まる 
胃の中には何もないのにまた吐き気が襲う 
 
美琴(怖い…) 
 
美琴(でも…いかなきゃ!) 
 
ガシッと取っ手を掴み勢いよく扉を開ける 
一歩…二歩…三歩… 
病室のベッドの上の上条がこちらを見る 
 
上条「ビリビリ…」 
 
上条の顔を見たとたんに言い知れぬ不安、闇が頭に渦巻く 
 
美琴(言わなきゃ…言わなきゃ!) 
 
美琴「すみませんでした!」 
 
腰を90°折り頭を下げる 
 
美琴「こんな事になるなんて思いもしませんでした。申し訳ありません!!」 
 
美琴「許してもらおうなんて思ってません、どんな形でも責任を取らせてください!」 
 
自分で言ってて愚かさに涙が出てきた 
なんであんなバカな事をしてしまったのか 
軽はずみなことでこんな… 
頭を下げたまま上条の答えを待つ 
 
上条「…あのさ」 


11MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:09:01.84UETh2A.0 (11/31)

上条は頭を下げたままの美琴に告げる 
 
上条「そんなに自分を責めるなよ」 
 
許しともとれる言葉だった 
 
上条「確かにお前の電撃が原因かもしれない。でもそれは俺がお前の話を聞かなかったからだろ?」 
 
美琴「っでも!!」 
 
上条「聞け! …だからさ、なんていうのかな、俺だって防ごうと思えばできたんだがしなかった。わかるか?」 
 
美琴「はい」 
 
流れる涙が床に落ちるのを見ながら美琴は返事をする 
 
上条「つまりお互いの不注意ってことだろ?」 
 
美琴「でも上条さんだけそんな目にっ」 
 
上条「つーかさ!なんなんですか?さっきからその敬語は!?新しいキャラ作りですか?」 
 
上条「お前が不安なのは分かるし、悪いと思ってる気持ちも分かる!それでも気がすまないっ!自分だけが悪いと思ってるならその幻想をぶち[ピーーー]っ!!」 
 
上条「…なんてな」 
 



12MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:11:08.58UETh2A.0 (12/31)

上条「顔上げてくれよ…」 
 
美琴は言われたままに顔を上げる 
目に飛び込んできた上条の顔は笑みを浮かべていた 
いつもの優しい笑み 
かつて自分や1万人もの妹達を救ってくれた優しいの男 
 
上条「泣かせちまってごめんな」 
 
美琴「ごめんなさい」 
 
上条「もういいって、ヘアピン取れかけてるぞ」 
 
上条の指摘でいつもの場所にあるヘアピンを探す 
 
上条「ああ、落ちて引っかかった こっちきてみ」 
 
覚束ない足取りで上条の下に近づき襟に引っかかったヘアピンを取ってもらう 
 
上条「ほら」 
 
美琴「あ…ありがと」 
 



13MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:13:01.57UETh2A.0 (13/31)

上条「そんな顔すんなよ、まだ怒ってる顔のがかわいいぜ?」 
 
言われながら頭を撫でられ、また涙が溢れる 
涙と一緒に自分の罪が一緒に流れる気がした 
さながら神に許しをもらった咎人の様な光景 
許されざる自分の罪に対しても優しさをぶつける男 
美琴は上条にしがみ付き声を上げて泣いた 
ごめんなさい、ごめんなさい と悪さをした子供が親に許しを求めるように 
しがみ付かれた本人はその純情さから躊躇いがちに体に腕を回し抱きしめる 
幾多の幻想を打ち破ってきたその右手で美琴の頭を撫でながら繰り返す 
 
上条「もういいんだ御坂、もういいんだ」  
 
美琴の泣き声だけが病室に響いた


14MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:15:23.41UETh2A.0 (14/31)

泣き止んだ美琴は病室を後にし、携帯を確認した 
同室の後輩から着信が15件、メールが8件入っていた 
時刻は昼を軽く回っていた 
連絡は後にしようとポケットに入れ、前を向く 
 
美琴(これからはずっとあいつについててあげよう。それくらいしかできないけど…) 
 
美琴(…一生かけてでも絶対一緒にいてやる!) 
 
新たな決意を胸に待合ロビーからエントランスへ歩く  
 
「このアイスも一緒に欲しいんだよ」 
 
聞き覚えのある声が売店から届く 
 
禁書「とーまは来れないから私ががんばっておつかいするんだよ」 
 
売店のおばちゃんと話している禁書目録だった 
 
美琴(あのシスターも来てたのね…) 
  
おばちゃんに手を振り袋を提げてこちらへ来る 
 
美琴「アンタもここに来てたのね」 
 
白衣のシスターは声の主を確認すると、恐ろしく冷たい目に変わる 
 
禁書「短髪はどうしてここにいるのかな」 
 
美琴「どうしてって、アイツの見舞いよあたしのせいなんだs」 
 
禁書「どの面下げてきてるのって意味なんだよ!?」 



15MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:18:45.43UETh2A.0 (15/31)

 
禁書の顔は全てを知っている顔だった 
 
美琴「分かってるわ…自分が許されないことをしたのは」 
 
美琴「でもこれからあいつをずっと支えようと思うの」 
 
禁書「そうやってとーまの優しさに甘えるんだね」 
 
禁書「とーまがどんな気持ちで許したのかも分からないくせに、甘えないで欲しいんだよ」 
 
美琴「なによ…それ、 アイツは… だって……」 
 
禁書「最初からとーまは短髪の為に許すつもりだったんだよ」 
 
禁書「とーまはもう歩けないんだよ。普通は許せる事じゃないんだよ。自分だけ背負えばいいと思ってるんだよ」 
 
美琴「なによ…それ」 
 
お互いが通じ合ったと思ったつい先ほどの出来事から数分 
自分の決意がこんなにも早く揺らぐとは思わなかった 
よく考えればそうだ 
自分がアイツと同じ立場になればどうする?許せるか? 
今はその自信はあるが、同じ状況になればどうだろうか 
歩けない体にされて、その人間が目の前に来て陳腐な謝罪をする 
許せないんじゃ……… 
美琴は踵を返し、上条の病室へと走る 
今日いくら涙を流したのだろう…未だに枯れず頬を伝う 
 
------------私はまだ許されて無い-------------


16MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:21:02.58UETh2A.0 (16/31)

御坂美琴がまだ寮を出て初夏の空気を味わう前  
上条は目を覚ました 
 
禁書「おはようとーま」 
 
上条「ああ おはよう」 
 
病院に運ばれ検診しそのまま手術を受けた上条 
左腕に繋がる点滴が痛々しくも恨めしくもある
沈黙がしばらく続いた後、上条が口を開いた 
 
上条「俺さ、御坂を許そうと思うんだ」 
 
禁書「…とーまはそう言うと思ったんだよ」 
 
禁書「でも私は許せないんだよ」 
 
上条「なんでインデックスが怒るんだよ?」 
 
禁書「とーまにこんな事してほったらかしにして…あんな奴ころs「インデックス!!」」 
 
ビクっとして上条の顔を見る 
 
上条「インデックスお前はシスターだろ?それから先を言っちゃいけません」 
 
上条「お前が俺の為に怒ってくれてるのは嬉しい」 
 
上条「でもな?インデックス。どこかで誰かが許さないと恨みってのは延々続いちまうんじゃないか?」 
 


17MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:22:06.08wNn7IgAO (1/1)

こんな感じの
残念な作品…以前もあったな
フレンダのやつで


18MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:25:07.60UETh2A.0 (17/31)

上条「そこに気づいたらお仕舞いにしないとこの先の人生までつまんないだろ?」 
 
わかるか?と年下のシスターに説き伏せる 
 
禁書「…わかるんだよ、神様も許すことを教えてるんだよ」 
 
禁書「でもインデックスはまだ修行中だからそれができないんだよ」 
 
禁書「とーまがどんなに短髪をかばってもインデックスは短髪が憎いんだよ」  
 
禁書「ごめん…ね とーまぁ」 
 
上条「泣くなよインデックス 上条さんはインデックスがそこまで考えてくれてたのが嬉しかったぞ」 
 
上条(インデックス泣かせちまったな…) 
  
病室の窓の外を見て赤髪黒衣の神父がいたら殴られてるだろうな等と物思いにふけるのだった 
動かない足 
そこにあるのは分かる 
力がまったく入らないというより伝達されて無い 
自分は歩けない体になってしまったんだなと実感させられる
 
禁書「インデックスはシスターとして一人の人間としてとーまのお世話を頑張るんだよ!」 
 
上条「……………ああ」 
 
涙をぬぐった禁書目録の決意に、消え入りそうな声で上条は返事をした 
 
上条(………お世話か) 


19MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:27:29.08UETh2A.0 (18/31)

美琴が病室へたどり着きドアを開ける 
 
美琴「あんた何してんの!?」 
 
上条「っ!!見るな!!」 
 
歩こうとしたのか、ベッドから落ちたのか上条が床に這いつくばった状態で叫ぶ 
 
上条「くっそ!見るなよ!御坂!頼む見ないでくれええええ!」 
 
二本の腕で必死に動こうとする、のたのたと床を這いずりまわりそれはまるで虫の様に… 
 
美琴「ちょっと落ち着いて?」 
 
上条「来るな!触らないでくれ!!」  
 
上条「頼むからこんな俺を見ないでくれよ…」 
 
顔を歪めて懇願する 
上条が許せなかったのはこんな体になって無様な姿を晒す自分だった 
当たり前の事もできず、こうして惨めにも床を這いずる姿  
 
禁書「とーま!」 
 
禁書「でていって!」 
 
禁書「出ていってっていってるんだよ!?」 
 
呆然として上条に視線を固定したままの美琴を病室から押し出すインデックス 
体格差を物ともしない押し、抗おうともしない体 
そのまま病室外に突き飛ばされ尻餅をつく 
バンっとドアを閉められる 
スカートを正し、上条の姿を脳内でリピートさせながらフラフラと帰途につく


20MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:29:01.03UETh2A.0 (19/31)

常盤台女子寮の一室 
ベッドに横たわりずっと再生され続ける上条の姿 
 
美琴「あたし、どうしたらいいの…」 
 
黒子「何がですの!?」 
 
美琴「ああ…黒子」 
 
美琴(そういえばずっとなんで休んだのかとかいろいろ聞かれてたっけか) 
 
質問からずっと生返事ばかりで小一時間、黒子も諦めて最後に何かありがたい話を述べていたが記憶にない 
 
黒子「やっと口を利いて下さって黒子は安心しましたの」 
 
黒子「日頃お姉様の露払いとして献身しているt~~~~~~~~~~~~~~~~~」 
 
美琴(心配させて悪かったな… はぁ~) 
  
美琴「あのさ、昨日の件でさ」 
 
いかに自分はお姉様に忠誠と愛を持ってるか語っているところを遮って語り始める 
 
美琴「大変なことになってさ…」 
 
美琴の語りと共に夜が更けていく、快晴だった昼間と変わり外は湿った風が吹いていた 
 
---------------後悔は一度すれば二度としなくていいわけではない----------------- 
--------------------きっかけはいつも些細な事から始まる------------------------


21MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:30:31.11UETh2A.0 (20/31)

目に涙を溜め美琴の説明が終わる  
黙って聞いていた黒子が口を開く 
 
黒子「その様なことが…」
 
黒子「あの殿方もお気の毒に」 
 
黒子「お姉様の今のお気持ちはあの殿方に何か力になりたいのでしょう?」 
 
黒子「わたくしの気持ちとしてはいい気はしませんが」 
 
黒子「先程から申しています様に、黒子はいつだって、何があっても美琴お姉様味方ですの」 
 
黒子「今日はお休みになられて、明日また殿方のところへお見舞いとお詫びに行ってはいかがでしょう?殿方もいろいろあって気持ちに整理がつかないのではないでしょうか?」 
 
黒子「なんでしたら黒子も一緒に参りますが?」 
 
美琴「い…いいわよ。自分で行けるから!」 
 
黒子「それでこそいつも前向きなお姉様ですの」 
 
黒子「さぁ、もうお休みになりましょう」 
 
美琴「そうね おやすみ」 
 
黒子「おやすみなさいですの」 
 
 
 
美琴「黒子ありがとね」 
 
「はいですの」とお互いの信頼を確かめ合い眠りにつく 


22MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:37:00.32UETh2A.0 (21/31)

ルート分岐点安価 
美琴の行動です 
1/4でハッピーエンド 
1/4でカオスエンド 
1/2でバッドエンド 
 
このレスから+1 数字以外なら安価↓ 
1)起きて真っ先に病院へ行き上条に会いにいく 
2)起きて学園都市第一位、一方通行を頼る 
3)やはり現実が怖いので諦める 
4)今から黒子を起こす

書き溜め終わったんで寝る 
明日終わります  
 
>>17こんな残念なのですまん 
お茶でも飲んでってくれ 



23MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:46:24.50LuvHOOc0 (1/1)

2


24MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 07:55:51.84gxjjh2I0 (1/1)

つか全部書いてくれ


25MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 08:12:12.68S4U85Uw0 (1/1)

読み手に結末を委ねるのはSSと言えど感心しないな。
自分がこれだと思った結末を選ぶか、イヤならマルチエンドでいいじゃないか。


26MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 08:19:58.80yFG6CcDO (1/1)

これは……

支援するしかないな

>>1乙


あと分岐点ってこれだけ?


27MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 09:16:11.90n93g.k6o (1/1)

2

てかハッピーエンド書いてくれよ


28MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 10:04:18.42P5dsxcSO (1/1)

バッドもハッピーもあるんなら最初はバッド読んでみたいかな


29MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 10:26:33.70ug6M.uI0 (1/1)

製速は安価はたまに見るくらいだなー
まあvipの方がこういうのは向いてるからだろう
だから全部書けばいいと思うよ


30MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 16:33:49.315oi9fwDO (1/2)

製作で安価はやめとけ


31MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 17:19:35.81T5GJPUAO (1/2)

これで美琴エンドとかならインデックス可哀想すぎるな


32MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 17:30:01.47NfvgI6DO (1/1)

好き勝手言うくせに、書き手には好きにやらせないとか頭わいてんのか


33MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 18:54:47.63g0M0lt60 (1/1)


 どんな結末になろうが見続けるつもり
本編の美琴も電撃自重しないといつかこうなっちまうかも……


34MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 19:10:37.89eLjv4fAo (1/1)

アレイスターが上条潰されて美琴殺しにくるとかないの


35MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 20:04:20.025oi9fwDO (2/2)

むしろ☆にとっちゃ上条さんが動けないほうが好都合なんじゃないの?


36MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 20:46:48.02xjgkHPIo (1/1)

マルチエンドで全部見たいです


37以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:00:07.99UETh2A.0 (22/31)

翌朝歯を磨いている最中ふと思いついた 
学園都市第一位、一方通行 
自分の知る限り最高の頭脳と能力を持つ 
絶望的な脳の損傷からも回復している経歴もある  
わだかまりが無いと言えば嘘だ、しかし拘っている場合でもない 
昨日はあんなに晴れていたのに、天気は最悪の土砂降りだった 
藁にでもすがる思いで打ち止めがいるマンションへ行く 
靴下が濡れて気持ち悪い 
 
ピンポン 
打ち止め「はーいってミサカはミサカは元気にどなたさま?」 
 
美琴「久しぶりね」 
 
打ち止め「お姉さま!?ってミカサはミサカはおどいてみる」 
 
美琴「あのさいきなりで悪いんだけど一方通行いる?」 
 
打ち止め「いるけどすごく機嫌が悪いからよした方がいいかもってミサカはミサカはお姉さまの行動を遮ってみる」 
 
美琴「んーちょっと相談があるからさ、あがらしてもらうわ」 
 
打ち止めの制止を聞かず部屋へはいる 
リビングのソファーで横になってバラエティを見ている白髪の男 
TVの音量がちょっと耳障りなくらい大きい 
打ち止めがダスキンモップで美琴の足跡を拭きあげる 
 
美琴「TVの音でかいわね、耳悪くするわよ」

一方「あァン?」


38以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:02:42.97UETh2A.0 (23/31)

方「人ンちに勝手にあがりこンで何なンですかァ?」 
 
後ろを一瞥してテレビに視線を戻す 
 
美琴「相談があるの」 
 
一方「どーせ三下のこったろ?クソガキが昨日から騒いでうるせェのなンの」 
 
美琴「じゃあ話が早いわ解決策はないの?」 
 
一方「なンか勘違いしてませンかァ?何で俺が三下助けなきャいけねェンだァ?」 
 
美琴「他に頼る人間がいないのよ!お願いだから力を貸して!」 
 
打ち止め「ミサカからもお願いってミサカはミサカはお姉さまの横で一緒に頼んでみたり」 
 
一方「チッ!」 
 
一方「甘い考えをぶっ壊して悪いがなァ、ご存知の通り俺ン能力はベクトル操作だァ」 
 
一方「能力使用は触れてなきゃならねェ、無くした神経のバイパス役で24時間介護なンざ御免こうむらァ。それに人体をいじりまわすなァ冥土返しの方が上手だ」 
 
一方「しかも三下の能力がある限り俺ら能力者にゃやるこたァねーよ」 
 
一方「できることはせーぜー身の回りの世話とヒーローの心のケアくれーなもんだ 俺じゃできねェよ」 
 
美琴「そうね…ありがと……」 
 
一方「……今回はテメーの責任だァ。どう落とし前つけるか知らねェけどよォ」 
 
一方「この件でこれ以上後悔すンじゃねーぞ」 
  
一方「それだけだァ、テレビ見てェからさっさと消えろクソレールガン」 
 
こちらを振り返らないまま第一位はテレビの音量をさらに少し上げた  
 
美琴「ありがとね、一方通行」 
 
打ち止めに見送られ玄関へ 
 
一方「テレビがうっせェから聞こえねェよ」 
 
リビングで一人つぶやく 
 
一方(こんな時に腐ってるしかできねェで何が第一位だ!クソッタレ) 
 
彼もまた自分の無力感に苛まれていた、超電磁砲に言った事は全て自分に言っていた様なものだった 
 
一方(三下みてェに上手く説教できねェなァ、あいつァやっぱスゲェわ)


39以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:03:57.08UETh2A.0 (24/31)

病室の前、決意を新たにドアに手を掛ける 
ここ数日何度決意を固めたか 
 
美琴(随分と安い決意よね、でもこれで終わらせる!) 
 
ドアを開けて上条の元へ 
 
美琴「おはよ、具合はどう?」 
 
上条「御坂か?おはよう、変わりは無いよ」 
 
「変わりはない」もこのケースだといい意味ではない 
   
上条「昨日は悪かったな、取り乱して…ほんと恥ずかしいです」 
 
美琴「ううん、アタシだってちょっとビックリしちゃってごめん。アンタの気持ち汲んでやれなくてさ」 
 
上条「美琴センセーに分かってもらえて上条さんは嬉しいですよ」 
 
美琴(ほのぼのとした気持ちになる、あぁやっぱりアタシはコイツ、上条当麻が好きなんだ) 
 
美琴(今しかない!) 
 
二日前の胸の内、そして今回のことに対して自分なりのケジメをつけるべく口を開いた 
 
-------------------しょせん人と人は他人同士、思いが重なるのは奇跡に等しい---------------


40以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:25:36.20UETh2A.0 (25/31)

美琴「私はあなたが好きです!!」 
 
時が止まった 
もう止まれない!このまま走りぬける!! 
恥ずかしさで俯きかちに話続ける 
 
美琴「あれから黒子に相談して、ほらあの子って実はあんたの事よく思ってないのよね」 
 
美琴「でもあの子だって今の状況分かってくれて応援してくれてさ」 
 
美琴「すごい怒られるかと思ったけど理解してくれて嬉しかった!」 
 
美琴「それにさっき一方通行のにも相談したの」 
 
美琴「打ち止めもアンタのこと心配してたわ」 
 
美琴「んで一方通行なんだけどさ、残念だけどアイツでもどうしようもないみたいでさ…」 
 
美琴「でも諦めないからアタシ!ずっとアンタと一緒にいて世話してあげるから」 
 
プロポーズとも取れる内容に顔が赤くなる 
しかしこの勢いを止めるわけにはいかない 
 
美琴「んで一方通行も『後悔だけはするな』って背中押してくれたの」 
 
美琴「あの一方通行がよ?こっち見ないまま相変わらず捨てセリフみたいだったけど」 
 
美琴「うれしかったわ」 
 
美琴「それで応援してくれる人もいるんだって…、アタシはとんでもないことしたけど、アンタが心から許してくれてまた一緒に笑えるように頑張るから!!」  
 
美琴「迷惑もいっぱい掛けたけど、それまで…ううんそれからもずっと一緒にいてあげるから!」 
 
完璧にプロポーズの言葉だ 
熱がドンドン上がり上条の顔が見れない


41以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:28:05.13UETh2A.0 (26/31)

上条「言いたい事はそれだけかよ」 
 
震えた上条の声を聞いて熱が急激に冷める 
 
上条「白井や一方通行に相談しただ?俺はもういいって言わなかったか?」 
 
上条「お前を許すからもうほっといてくれって意味だったけど、伝わらなかったみたいだな」 
 
上条「悲劇のヒロインよろしく友達と相談して、勇気付けられて、思いを打ち明けてハッピーエンドってか?」 
 
上条「ふざけんじゃねーぞ!!!!」 
 
心のどこかにヒビが入る 
足が振るえだした 
 
上条「俺の気持ちはどうすんだよ!歩けないんだぞ!トイレもままならねぇ!一生このままだ!」 
 
上条「それを無様に晒し上げて楽しいかよ?可哀想だから世話して『あげる』ってか!」 
 
上条「御坂、お前のせいでこの様だ、7人しかいないLEVEL5だかしらねーけどよ、どこまで上から目線なんだよ!」 
 
上条「知り合いに話題にされてる事実を知っただけでも、惨めな気持ちだ」 
 
上条「御坂、もう俺に近づくな。顔も見たくねぇよ!!」 
 
脳内砂嵐状態。何も考えられないが、上条の言葉だけはしっかりと受け止めてしまっている 
 
上条「さっさとでていけ!!」 
 
投げた携帯が御坂の額に当たる 
血がでてきたが不思議と痛みはない 
痛みを感じる心が折れてしまっているから 
 
--------------幻想殺しがまた一つ幻想を打ち砕いた時だった---------------



42以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:30:26.05UETh2A.0 (27/31)

禁書「とーま?元気ないけどなにかあったのかな?」  
 
上条「…別に」 
 
禁書「そう?インデックスはとーまにいっぱい迷惑を掛けたからお返しするんだよ。歩けなくても大丈夫!支えて『あげる』んだよ。」 
 
えへんと胸を張る禁書目録 
 
禁書「…とーま?」 
 
上条「お前もかよインデックス」 
 
禁書「え…?」 
 
上条「お前も哀れんで惨めな俺に施していい気になってんのかよ?」  
 
禁書「そんなことないんだよ!?ッッゥグッ!?」 
 
上条「お前も俺を見下してっ!!」 
 
首を絞める上条の手が強まる、ツメを立ててもがく幼いシスター 
 
上条「なんでっ!なんで俺がこんな目に会わなきゃいけないんだよおおおおおおおおおおお!!!!!!」 
 
上条心からの絶叫、涙を流しての絶叫 
不幸不幸不幸我慢我慢我慢 
今まで頑張ってこれた 
しかし年端もいかぬ若い人間、上条にはもう限界だった 
指が首に食い込む、細い首が折れる?折れそう…折れる…手前 
ブンっと腕を振り禁書をほうりやる 
 
禁書「ゲヴォッ!ゲホッ!ォオッ!」 
 
咽る禁書を涙が止まらない上条が言う 
 
上条「すまないインデックスしばらく一人にしてくれ」 
 
禁書「ッッ!ゲホッ!」 
 
何も言わなかったのか言えなかったのか足早に出て行く 
 
上条「………もうだめだ俺」 
 
全てに耐えられない、周囲の視線にも、今の自分の環境にも、今禁書にしたことにも、誰かの優しさにも…  
 

窓の外は大雨だった…雨粒が地面に吸い込まれるように落ちていく 
窓を叩く雨音は親しい友人がノックをしてるようだった…………


43以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:32:43.80UETh2A.0 (28/31)

数時間後 
禁書は経緯を説明して首の容態を冥土返しに診てもらった 
冥土返しは珍しく怒って上条に電話しようとしていたが禁書が大丈夫だからと収めた
首に痣が残ったので包帯は巻いてもらい病室へ戻る 
 
ドアを開けた瞬間ビュウッと風が吹き抜ける 
外は大雨なのに窓を開けたのだろうか 
車イスがベッドの脇に置いてあるが、上条の姿がない…… 

翌日学園都市LEVEL5の順位変更が行われた 
1位~6位までの発表を飛行船が空を悠然と漂い知らせていた 
 
 
 
 
 
シナリオ02 「愛してる」と言えないままに  
END


44以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:43:33.38D2WGCFso (1/1)

なんてこったい


45以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:45:33.44TcZZEHUo (1/2)

美琴さん自殺したか
このままバッドとカオスを消化して最後にハッピーでお願いします


46以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:48:44.66UETh2A.0 (29/31)

読んでくれた人ありがとう 
ここで書くの始めてだったんだが安価は少数なんだな 
まぁ次回があればその時の気分でって感じで 
 
全部のシナリオ書くと安価の意味がないので 
概要だけ 
1)起きて真っ先に病院へ ちょうど検診中に病室へ行くことになり美琴が冥土返しの前だけど告白、冥土返しの許可がいるという案は美琴の筋ジストロフィー話の応用で医術によって神経バイパスを作ることなんだかんだで美琴END 
 
3)諦める 夢の中で自問自答などの精神世界で白髪のバスケットボールを持った監督に諦めるなと言われ目が覚める 病室へ行き上条の分まで歩き続けるといい受験に向ける 上条はなぜか普通に歩いている 夢に見た監督のいる学校へ入学。美琴のバスケット人生が始まる  
 
4)何か予感がして黒子を起こし一緒に病院へ 病みまくった禁書と神裂と惨劇END 
 
ではでは


47以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 22:57:04.61UETh2A.0 (30/31)

>>45 
ああ締めちまったwwww 
自殺と書かなかったのは悲しみを乗り越えてLEVEL6になるとかいう救済パターン  
どう解釈するかは個人のご判断で 
両人が死んだと明確に書いてないのは好きに解釈してもらうためです


48以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 23:23:17.155qg6Rzw0 (1/1)

ま、まさか終わっちまったのか?乙


49以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 23:28:43.48TcZZEHUo (2/2)

む、このスレもう書かないの?
VIPと違って落ちないからもう一個くらいEND書いてもいいのよ?

もしくはHTML化依頼をだな

あと、製速での安価スレはじっくり腰を据えてやり直しや多パターンを書いて形式が多い印象


50以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/25(クリスマス) 23:36:17.67T5GJPUAO (2/2)

これはさすがの上条さんも…人間だものな

ただインデックスが可哀想だった…まあ状況が状況だから仕方ないが

なんだろな…やるせなくなるが、こういうのも悪くないね

>>1乙


51 ◆WhAN1m3JTg2010/12/25(クリスマス) 23:41:17.85UETh2A.0 (31/31)

>>49 
落ちないのか…ここ勉強になるわ 
やっぱこの話はここまでで、スレタイが通じるように別の話で書いてくるわ 
続きとか別ENDで誰か使っていいよ 
 
酉のこしときます 




52クリスマス終了のお知らせ2010/12/26(日) 00:22:25.47BwEU2zo0 (1/1)

上条さんが超人でゴッドだからこそ上条さんであることがわかった
ここぞというところで悪運がないと精神落ち着かないし見方偏るもんだぜい


53クリスマス終了のお知らせ2010/12/26(日) 02:57:36.61xZfZEwDO (1/2)

自分のしたことで相手に頼みにいく態度がおかしいだろ
とんだけ屑なの超電磁砲


54クリスマス終了のお知らせ2010/12/26(日) 03:08:00.01qPWi4HQo (1/2)

二次創作


55 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 03:53:46.55Qn.eWpc0 (1/9)

できたとこまで投下 
基本地の文無し 上のよりも若干明るい話です  
例によってキャラ崩壊、設定無視、時系列なにそれです 
 
上条「お、きたきた」 
 
神裂「お待たせして申し訳ありません」 
 
禁書「大丈夫なんだよ」 
 
上条「ステイルは今日来てないのか?」 
 
神裂「ステイルは何やら術式の新しい可能性を発見したとかで南米へ行っています」 
 
上条「南米?十字教とあんまり結びつかないな」 
 
禁書「南米と行っても十字教t」 
 
上条「まぁいいや。インデックス気をつけてな。神裂もインデックスのことよろしくな」 
 
神裂「はい。では行きましょうか」 
 
禁書「じゃあとーまはいい子にしてるんだよ~」 
 
上条「こっちのセリフだっつーの!」 



56クリスマス終了のお知らせ2010/12/26(日) 03:54:03.33MbFBtLw0 (1/1)

なんかここぞとばかり美琴叩きにきたなww二次創作でそんな必死になんなよ


57 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 03:55:00.83Qn.eWpc0 (2/9)

上条「さて久々にインデックスいないから一人を満喫しますかね~」 
 
スフィンクス「ニャー」 
 
上条「お前がいたな…。スマンスマンえさだぞー」 
 
ピンポーン 
 
上条「はーい」ガチャ 
 
一方「よォ…」 
 
上条「うお!なんだよお前」 
 
一方「いや…ちィっと上がっていいかァ?」 
 
上条「え~?…かまわねーけど、なんだいきなり」 
 
一方「座って話すか、まぁこっちこいよ」 
 
上条「いや上条さんちなんですけどここ」


58 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 03:56:37.38Qn.eWpc0 (3/9)

上条「んで、なんの用だ?遊びにきたとかじゃねーんだろ?」 
 
一方「あァ、三下オメー魔術とかメルヘン世界とつながりあったよな?」 
  
上条「メルヘンは同意だし、関わったのは不本意だがあるな」 
 
一方「今…まぁバイトみてーなもンなンだけどよ」 
 
一方「学園都市の警備員みてーな仕事してンだが」 
 
上条(こいつが治安維持ってなんか違和感ありまくりだなオイ) 
 
一方「なンか火の巨人が所々で暴れてるらしいンだわ」 
 
上条(イノケンティウス!?ステイルか?) 
 
一方「上からの情報が全然降りてこねェのに対処しろっていわれちまってよ」 
 
一方「ほンとは同僚のグラサン寄越すはずだったンだけど連絡がとれねーし、ストーカーとショタは拒否しやがるし」 
 
一方「しかたなく俺がきたンだわ」 
 
一方「ンで心あたりねェか?」 
 
上条「ちと待ってくれ」



59 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 03:58:29.10Qn.eWpc0 (4/9)

prrr prrr 
上条「神裂でないな」 
 
prrrr ガチャ 
上条「ああインデックスか?」  
 
上条「神裂はいないのか? ああ…ハハッ ちょっと代わってくれ」 
 
上条「ああもしもし?聞きたいんだけどステイルは今どこにいるか分かるか?」 
 
上条「そうか…んじゃインデックスにすまんが代わってくれ」 
 
上条「インデックスか?聞きたいんだけど、火の巨人ってイノケンティウス以外にいるのか?」 
 
上条「そうか、魔術師でイノケンティウスを扱える人間は多いのか? ああ、わかったありがとう」 
 
ガチャ 
 
上条「それ知り合いみたいだわ」 
 
一方「アァ!?」 
 
上条「専門家によると火の巨人は沢山いるんだけど、大規模な準備がいったり、消えたりできないものだったりとにかく不都合なもんが多いらしい」 
 
上条「んで比較的扱いやすいのがあるんだけど、使い手が限られてるらしい」 
 
上条「学園都市に関係してそうな術者は一人だけ、それが知り合いだ」 
 
一方「そうかァ…知り合いじゃオメェも気になって仕方ねェよなァ。止める義務ってのがあンじゃねーのかァ?」 
 
上条「えっ?なんでせうか?その邪悪な笑みは…。上条さんは鬼の居ぬ間に洗濯をしようとしてるのでして…」 
 
一方「テメェの知り合いが暴れてンのに暢気なことほざいてンじゃねェ!!」 
 
上条「ふ、不幸だあああああああああああああああああああああ!!!」


60 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 04:01:25.16Qn.eWpc0 (5/9)

上条「んで具体的にどんな事件になってんだ?」 
 
一方「おォ!乗り気じゃねェか三下。成功したら給料でるぞ」 
 
上条「なに!?時給いくらだ!?」 
 
一方「アァ?時給じゃねーよ。ガキの使いじゃねェンだ。成功報酬だァ」 
 
上条「まぁなんにしろ懐の寂しい上条さんには嬉しいのですよ。がんばるぜ」 
 
一方「成功報酬はこんくらいだァ」 
 
上条「」 
 
上条「怪しすぎる!!!!絶対警備員じゃないだろこれ!!そもそもお前の顔とその体格で警備員に採用されないし!!」 
 
一方「ケンカ売ってンのか!!」  
 
上条「あーあーあー騙されたおー」 
 
一方「つかそンなに高くねェし。やるって言った以上失敗は許されねェ上に死ンだらもらえねェからな。危険手当込みだ」 
 
上条「不幸だあああああああああああああああああああ!!」


61 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 04:02:55.80Qn.eWpc0 (6/9)

上条(事件のあらましとして、火の巨人が暴れている目撃情報、被害者は大体がスキルアウト、絡んで返り討ちにあったものばかり 
絡んだ対象から自分のことは誰にも喋るなといわれている、人間には軽い火傷で済んでるが建造物の延焼並びに焼失、火力は推定8.500度強、放火と器物破損、準テロ容疑などで捜査が行われている) 
 
一方「ンで、そいつァつえーのか?」 
 
上条「あー強いけどお前の反射でなんとかなるだろ」 
 
一方「メルヘンの反射はできねェこともねーが演算がめンどくせェ。お前の能力で消せよ」 
 
上条「いや8.500度とか触れないっての!3.000度でも熱いのに!第一位が演算頑張れよ!!」 
 
一方「3.000度もスゲェけどよ、俺は失敗したら丸焼けになっちまうだろォが!」 
  
上条「俺も熱波とかで死ぬわ!」 
 
一方「右手だけ残るな!ギャハハ」 
 
上条「笑えねえよ!!」  


62 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 04:03:59.78Qn.eWpc0 (7/9)

上条「んで結局俺が炎担当」 
 
一方「俺が熱波担当」 
 
上条「戦わずに済めばそれに越したことはないんだけどなー」 
 
一方「そン時も報酬は変わらねェが、まぁ安心して突っ込めよ」 
 
上条「戦うこと前提かよ!」 
 
ズドン 
 
上条「なんだ!?爆発?」 
 
一方「いいねいいねェ。こっちだ三下」 
 
上条「おう」 
 
ダッダッダ ハァハァ 
 
一方「ハァハァ ゲホッ!ちょっと三下クゥゥン?…テメェが足はえェのは分かったから休憩だァ」 
 
上条「体力無さすぎだろお前」 
 
一方「杖、ついて、早く、走れるかヴォケ!!」  
 
上条「あぁすまん、今思い出したわそれ」 
 
上条「お前と戦ったあの時の印象が強かったからな」 
 
一方「うっせェ…ハァハァ」 
 
ステイル「何をしているんだ君たち」 
 
上条「ステイル!!」 
 
一方「あァ?こいつかァ!?三下ァ!」 
 
上条「気をつけろ一方通行、雰囲気が何か前と違う…」


63 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 04:07:13.08Qn.eWpc0 (8/9)

ステイル「一方通行?学園都市第一位か!?」 
 
一方「人ン街でオイタしてくれてるメルヘン魔術師がいるってンで捕まえにきたのよ」 
 
上条「ステイルやっぱりお前なのか?騒ぎ起こしているのは」 
 
ステイル「フーッ。統括理事会から許可は得たんだけどねェ。ちょっとやりすぎたかな」 
 
上条「なんでこんなことしてるんだよ!?」 
 
ステイル「実験だよ、ちょっとしたね」 
 
一方「実験だァ?」 
 
上条「耳いたいだろお前」 
 
一方「るせェ!なんの実験だァ!?」 
 
ステイル「ちょっとここ日本の裏側まで修行の旅に出ていてね、その成果のさ」 
 
ステイル「他所でやるとイロイロと面倒だし、ここの統括理事会には多少貸しがあるんだ」 
 
ステイル「まぁ…許可したほうもここまで派手になるのは予想外だったようだけどね」 
 
一方「おもしれェじゃねーか…テメェの力試しでこの街を好きにするってンなら残念だがここまでだァ」 
 
一方「俺がきたからにゃァ!こっから先は一方通行だァ!!尻尾巻いて引き返しやがれェ!!」 
  
上条(あれ…今大事な何かを盗られた気がする)


64クリスマス終了のお知らせ2010/12/26(日) 04:12:23.00oy54buwo (1/2)

>>56
美琴アンチってか禁書アンチはこの手のキャラヘイト出来そうな隙見つけたら速攻食いつくからな
SS書く時にほんとめんどくさい


65 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 04:31:38.78Qn.eWpc0 (9/9)

>>64 
まぁ俺の御坂の書き方も悪いんだ 
あえて短絡スイーツ脳キャラで書いたからな 
俺は嫌いなキャラいないけど、上の御坂はムカツクわ 
御坂に批判いってくれて書いた身としては嬉しくもある 
続きはまた明日 



66以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 09:38:38.923dnom2AO (1/2)

美琴は努力でレベル5まで上がった人間だからな
努力すれば出来ない事はないって考えてると思うんだ

だから、このSSは美琴の性格上一歩間違えればあり得る未来だよな…努力すれば許されるって考えな所が良くも悪くも美琴らしい


67以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 10:07:07.21gpvfxGso (1/1)

まさに「死ぬ」ほど反省したんだから、許してやれよ。


68以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 10:08:36.127BBnpcDO (1/1)

8500℃か…
太陽の表面より凄いな


69以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 11:49:15.42oy54buwo (2/2)

美琴は超電磁砲のしかもアニメ版アレンジだと大体こんな感じだ>短絡スイーツ脳
そしてVIPでの認識は大体そっち
わざわざ原作読んでまで粘着するアンチはいないからな


70以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 12:27:11.283dnom2AO (2/2)

禁書の方も一方戦までは…


71以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 13:10:26.07VI1dlIDO (1/2)

原作読んでると美琴はキチガイだらけのキャラ達の中でも比較的まともな気はするがな


72以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 13:57:19.61NKMVfsSO (1/1)

原作学園都市は本当世紀末的に過酷な社会構造だよなww
深夜徘徊(と目した性的スリル堪能か?)でリフレッシュしてた御坂はマジ優秀
死にかけ上条の場面とかベツレヘムに飛び移ったりしない辺り残念なキャラ設定だけど


73以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 15:57:03.15qPWi4HQo (2/2)

原作ちゃんと読んでない人って多いんだな


74以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 18:15:32.49aK1QzQSO (1/1)

書き溜めてくるのは評価するがそれ以外は残念だな


75以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 18:24:32.17xZfZEwDO (2/2)

上琴厨と美琴アンチってどこでも発狂するよな


76以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 19:31:17.89VI1dlIDO (2/2)

二次創作って割り切れば楽しめるのにいちいちケチつけたりする人いるから
こうゆうとこでSS書くのってほんと大変だよな


77 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:33:59.95F9ZIY4Q0 (1/12)

ステイル「それは僕とやりあうって事でいいんだね?」 
 
一方「さっさと終わらせてやるから巨人だしやがれェ」 
 
ステイル「顕現せよ」 
 
上条(でた!! …でもこんなんだったか?何かおかしい) 
 
一方「噂ほどじゃねェなァ…さっさと全力ださねェと死ンじまったらだせねェぞォ!!」 
 
上条「一方通行まて!」 
 
一方「オラァ!!」 
 
一方(足場崩してビル倒壊の生き埋めENDだァ) 
  
上条(損害でて請求こないだろうな…ビル二件いくらするんだよ) 
 
一方「……終わっちまったかァ?」 
 
ステイル「勝手に終わらせないでくれよ第一位」 
 
一方「次で終わるけどなァ」 
 
上条「待てって!一方通行!!」 
 
一方「アァ?」 
 
上条「おかしい… ステイル、お前なんでルーンを必要としてないんだ?」 
 
ステイル「ん?」 
 
上条「それだけじゃねぇ、イノケンティウス呼び出した時もっと詠唱時間があったはずだ」 
 
ステイル「さすがだね幻想殺し。こちらの手の内を良くご存知だ」 
 
上条「それに…その黒衣の下何がある?どう考えても着膨れしすぎだ」 
 
ステイル「……」 
 
ステイル「そこまで見抜くとはね…いいよ 全力でいこうか」 
 
ステイル「Fortis931!!その意味は強者!!」 
 
一方「やっと楽しめるのかァ?」 
 
上条(931……クサイ……クスクス)


78 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:35:56.49F9ZIY4Q0 (2/12)

ステイル「この服の下だけどね」 
 
バサァ
 
ステイル「新しい霊装さ…」 
 
ステイル「あまりテレビなんて見るほうじゃないんだけどね、たまたま見た異国の祭りに強烈な印象を受けてね。天啓というものかもね」 
 
ステイル「現地に飛んでこの霊装入手とその使い方を極めてきたのさ」 
 
ステイル「ここからは本気だ。死んでくれるなよ能力者達!!」 
 
カポ 
  
世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ シャカシャカシャカシャカ
それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり シャカシャカシャカシャカ
それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり シャカシャカシャカシャカ
その名は炎、その役は剣 シャカシャカ
顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ シャカシャカシャカ シャカカン 
 
ステイル「出でよ!イノケンティウス!!」 
 
ゴヴァァ 
 
一方「こりゃあ…」上条「こいつ…」 
 
 
 
 
上一「「だっせええええwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」」 


79 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:39:36.31F9ZIY4Q0 (3/12)

一方「おいぃ!?お前の知り合いはなンなンですかァwwwwwwww?」 
 
上条「いやwwwwwwこんなやつじゃないんだけどwwwwwwwwwwww」 
 
一方「サンバの衣装でかっこつけられてもなァwwww帽子でけェwwwwwwwwww」 
  
上条「十字架のマラカスwwwwwwww厨ニかギャグかどっちだwwwwwwwwwwwwww」 
 
ステイル「おかしいかい?ここまで必死な僕が…」 
 
ステイル「僕はね、あの子を守る為の力があっても結果がない事にずっと不満だった」 
 
ステイル「いつだってそれなりの実力を発揮してきたはずなんだ…」 
 
一方「なんかwwwwwwww語りだしたぞwwwwwwwwwwww友達だろwwwwww止めろよwwwwwwwwww」 
 
上条「あんなやつ知らなねーよwwwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
ステイル「そうだ君は知らないだろうね…力を発揮してお気ながら、なぜか上条当麻!」 
 
ステイル「なぜか君の手柄になっている!」 
 
ステイル「上条勢力という枠組みにいつの間にか組み込まれて…」 
 
ステイル「僕は必死にやってきたんだ!自分を犠牲にして己の命を削ってもあの子の為に生き!あの子の為に殺し!あの子の為に死ぬ!!」 
 
一方「お前のせいじゃねーかwwwwwwwwwwww」バシ 
 
上条「いてえwwwwwwしらねってwwwwwwwwwwww俺も上条勢力とか変な言いがかりで御坂のストーカーに狙われてたしwwww被害者だwwww」


80 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:41:51.39F9ZIY4Q0 (4/12)

ステイル「君たちが僕の覚悟を笑うなら笑うがいい」 
 
上条「いやおかしいのはその服だけどwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
一方「だめだあいつ、はやくなンとかしねェとwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
ステイル「いくぞ!! サンバ!サンバ!サンバ!イノケンサンバ!!」シャカシャカシャカシャカ 
 
「「おどりだしたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」」 
 
ステイル「笑っていられるのも今の内だ能力者! サンバ!サンバ!サンバDEイノケン!!」シャカシャカシャカシャカ 
 
ステイル「この霊装には炎と情熱の意味がある、そして舞踊をとりいれ意味合いを増幅させ、わが身にルーンを刻む」シャカシャカ 
 
ステイル「僕自身が血の流れる魔方陣として機能する。その魔女狩りの王の最大火力は12.000度だ!!」シャカシャカシャカ クイックイッカクカクッククイ
 
上条「腰の動きが激しくなったwwwwwwwwwwくるぞwwwwwwww」 
 
一方「まてwwwwwwwwww演算できねェwwwwwwwwwwww」 
 
上条「おい!wwwwwwww」 
 
一方「ちょwwwwwwまてwwwwww一旦にげろwwwwwwww」 


81 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:44:55.61F9ZIY4Q0 (5/12)

ステイル「逃がすか!」シャカシャカ 
 
上条「踊りながらきたwwwwwwwwww」 
 
一方「こええwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
上条「つかあちぃwwwwwwww」 
 
一方「さんしたwwwwwwwwシャツもえてンぞwwwwww袖ンとこwwwwwwwwww」 
 
上条「ぶふwwwwwwww消してwwwwwwww消してwwwwwwww」 
 
一方「おkwwww消えたwwwwwwwwww」 
 
ステイル「生憎、統括理事会が暗に実験差し止めにきているんだ。あまり被害を出したくないんで移動は止めてくれるかな?」シャカシャカ 
 
上条「よしwwwwwwクールダウンだ一方通行wwwwwwww」 
 
一方「そうだなァwwwwwwシティボーイとしてクールに行くかァwwwwww」 
  
上条「演算いけるか?wwwwww」 
 
一方「アァ?wwww炎はちとまだだがwwww熱波は風で押し返すわwwwwww」 
 
上条「おkwwwwいくぜww」 
 
一方「おォwwww」 
 
ステイル「この圧倒的な火力の前には無駄だよ」シャカシャカシャカ 
 
一方「おるァ!!wwww」 
 
上条「うおおおおww」 
 
ブオッ 
 
上条「おいwwwwww風で押すなしwwwwwwww」 
 
一方「いやwwwwお前を取り巻くようにしてんだけど演算が上手くいかねェwwwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
上条「おいwwwwwwシティボーイwwwwクールダウンしろwwwwwwww」 
 
一方「そォだったなァwwww」 
 
パキィン 
 



82 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:46:45.43F9ZIY4Q0 (6/12)

一方「おいwwww消えねェじゃねーかwwww幻想殺しwwwwww」 
 
上条「やべwwwwwwこいつはルーン消さないとだめだったんだwwwwwwwwwwww」 
  
一方「今言うなしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 

ステイル「つまり僕自身に辿りつかないとダメってことなのさ…」シャカシャカシャカシャカ  
 
上条「やべえwwww一方通行助けてwwwwwwww」 
 
一方「まてwwww考えがまとまらねェwwww」 
 
ステイル「もう詰んでるよ君達」シャカシャカシャカ 
 
一方「おらァアアアアァァァ!!」 
 
ズゴゴゴオゴ 
 
ステイル「何!?」 
 
一方「地面に飲まれちまえやァ!!wwww」 
 
上条「おいいいいいいいいい!!」 
 
ステイル「くっ!幻想殺しごとっ!!」 
 
一方「三下ァ!捕まれェ!!風使って飛ぶぜ!wwwwww」 
 
上条「おう!」 
 
パキィン 
 
一方「ごひvhcくjhfぅg;h;h」 
 
上条「あ、すまん」  



83 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:49:29.49F9ZIY4Q0 (7/12)

上条「あぶなかったなww」 
 
一方「あぶねェどころじゃねェよクソ三下がァ」 
 
上条「いや必死だったんでwwスマンww」 
 
一方「笑い事じゃねェ!!」 
 
ステイル「いやほんと笑えないよ」シャカシャカ 
 
「「!!!」」 
 
ステイル「まったくこんな大穴開けて…まぁ僕じゃないからいいんだけどね」シャカシャカ 
 
一方「クソが、生きてやがったかァ」 
 
一方「テメェがやったって言えば俺らはお咎めなしのハッピーエンドだァ」 
 
上条「そこまで考えてたのかよ…」 
 
一方「奇麗事だけじゃァ生きてけねェからなァ」 
 
上条「まぁピンチになってクールダウンできた所で仕切りなおすか」 
 
ステイル「まだやるのかい?僕はもう新しい力の性能が出せただけでも満足なんだけどね」シャカ 
 
上条「ステイル、お前インデックスの為にこの力を手に入れたんだろ?」 
 
ステイル「究極の目標はそうだね」 
 
上条「じゃあさ、こんな関係ないところで力使ってんじゃねぇよ!
   お前は弱いものを虐げる為に修行したんじゃねぇだろ!インデックスを狙う危険から守る為だろうが!! 
   その目標を忘れてこんな所で悦に入ってる腐った幻想をまだ振りかざすってんなら 
   俺 が そ の 幻 想 を ぶ ち 殺 す!!」 
 
一方(決めやがったァ、さすがだぜ…ヒーローォ)


84 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:51:18.89F9ZIY4Q0 (8/12)

ステイル「君が僕の話を半分くらいしか聞いてないのは分かったよ」シャカシャカシャカ 
 
「「え?」」  
 
ステイル「その言葉一つでなんでも収まると思うなぁ!!」シャカシャカシャカシャカシャカシャカ 
 
「「ぎゃあああああああああああああああああああ」」 
 
 
ステイル「まぁ十分君たちに通用した時点で実験は成功だ」 
 
ステイル「禁書目録がイギリスにいるみたいだから僕は帰るよ」 
 
ステイル「事後処理よろしく頼むよ、土御門」 
 
土御門「気づいていたのか」 
 
土御門「関わらないようにしてたのに面倒だにゃー」 
 
 
炎と情熱の霊装の上に黒衣を纏い英国最強の魔術師ステイル=マグヌスは愛しいシスターの下へ向かった 
 
どや顔で新しい魔術を披露するも禁書目録にダサイからやめた方がいいかもと言われ、絶望を味わうのは翌日の話


85 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:54:38.45F9ZIY4Q0 (9/12)

後日 
 
土御門「一方通行こないだの報酬だ」 
 
一方「オォ、やけに厳重な包装だなァ」 
 
土御門「統括理事長から直々の品だそうだ 上条当麻と二人で開けろとさ」 
 
一方「へェ、一応認めてくれちゃァいンだなァ」 




86 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:55:08.59F9ZIY4Q0 (10/12)

上条「おお!それが報酬か!」 
 
一方「アァ、開けるぜェ」 
 
ガサガサ 
 
「「??」」 
 
上条「メモリースティック?」 
 
一方「ンだァ?音声かァ?再生すんぞ」 
 
「危険な任務ご苦労だった一方通行…そして幻想殺し」 
 
上条「おおなんか組織のボスっぽいなwwww」 
 
「こちらとの契約があったのだが、正直予想を上回る被害でね。今回はその文字通り火消し役だったのだよ」 
 
一方「ケッ!」 
 
「任務は成功だ。そこで報酬の件なのだが」 
 
上条(wwktk) 
 
「目標と接触してから建造物の破壊が著しい」 
 
「特に幹線道路に地の底まで届きそうな穴が一番の問題だ これは地球環境にも影響が予測される」 
 
「よって報酬はそこの復元に当てさせてもらう」 
 
「こちらも不手際を認め、それ以上の請求はしない」 
 
一方「…ォィ」 
 
「『テメェがやったって言えば俺らはお咎めなしのハッピーエンドだァ』」 
「『そこまで考えてたのかよ…』」  
「『奇麗事だけじゃァ生きてけねェからなァ」』」  
 
「一方通行、誰が聞いてるか分からない。もうちょっと正しい道を歩むといい ではこれからの活躍に期待する」 
 
一方「…………三下ァ  ごめンなァ」 
 
上条「不幸だああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 
 
                                    END   



87 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 21:59:06.35F9ZIY4Q0 (11/12)

しまったスレタイ絡めるの忘れた…… 
 
上条「じゃあさ、こんな関係ないところで力使ってんじゃねぇよ!
   お前は弱いものを虐げる為に修行したんじゃねぇだろ!インデックスを狙う危険から守る為だろうが!! 
   「愛してる」って言われたいんだろうが!大切にしたい奴を置き去りにして… 
   そいつの為の目標を忘れて!こんな所で悦に入ってる腐った幻想をまだ振りかざすってんなら 
   俺 が そ の 幻 想 を ぶ ち 殺 す!!」 
 
 
こう変換しといてください 無理やりすぎてすまぬ


88 ◆WhAN1m3JTg2010/12/26(日) 22:04:17.92F9ZIY4Q0 (12/12)

近頃のステイルがかませの扱いなので 
少しでも報われるといいなとおもいましたまる


89以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/26(日) 22:53:19.68tbsAIvIo (1/1)

イノケンサンバ~


90以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 00:47:30.325QQjCoSO (1/1)

クソワロタww
同じ書き手なのにギャップがありすぎるわwwww


91以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 01:01:02.15mQVhndMo (1/1)

>>69 別段いちいち噛み付く気は無いがアニメ見てなくても御坂は嫌いだ


92 ◆WhAN1m3JTg2010/12/27(月) 01:04:43.14bdOUTqA0 (1/2)

>>89 
ネタはマツケンから、サンバ衣装は現地のカーニバル画像ぐぐって参考にしてください 
サンバ 男性 衣装 だとアレがTOPででてきます 


93以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 01:56:52.87MCId94Ao (1/1)

どうしちゃったんだww


94以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 02:55:02.29mujnJpUo (1/1)

おおう・・・
最初は良い感じで読み進めてたらいつの間にかステイルが踊っていたでござる
上琴はもう完全におしまいなのかしら


95 ◆WhAN1m3JTg2010/12/27(月) 03:10:22.01bdOUTqA0 (2/2)

>>94 
今3個目を上琴で書いてるが投下は明日(今日)の夜 
誰か書いててもいいのよ


96以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 07:58:13.37kJzhBQE0 (1/1)

期待値上昇


97以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 11:46:53.01rvquG4E0 (1/1)

御坂アンチ最近がんばってるな


98以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 18:05:20.07XOdEkEDO (1/1)

それは上琴厨がメインヒロインとかダブルヒロインとかアニメとかで騒いだり、印象操作とかしたり、不買運動()とかやっちゃったり、かまちーアンチしたり、今まで自分達が中傷しまくってたのに自分達が叩かれ始めたら急に被害者面したり、今までアンチしてたのに最近立場危うくなってきたから他ヒロインにすり寄ってたりするからじゃね?

あ、俺は美琴アンチじゃなくて上琴厨美琴厨アンチなんで



99以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 18:25:02.70lGLHd3g0 (1/1)

・・・ごめん、それは流石の俺でもシャドーボクシング乙としかいいようが無いわ
まあ釣りなんだろうけどさ

もしマジなら禁書アンチの自演活動に躍らされ過ぎですよ


100以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 18:28:09.14iXcVBzgo (1/1)

何のアンチだか信者だか知らないけど、無駄な煽り合いならスレチだろ
話題が無いなら>>1の次の投下を楽しみに黙って待つがよかろ


101以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/27(月) 21:41:21.44jD8V2q.o (1/1)

アンチってのがどうゆう人間かよくわかるレスだな
勝手に見えない敵つくってこうゆう関係ないスレでも暴れてるし


102 ◆WhAN1m3JTg2010/12/27(月) 23:45:05.78Kh9wbsY0 (1/1)

思ったより長くて時間かかってる 
話がグダグダな上夜中投下になりますサーセン


103 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:15:29.90nFgxkaU0 (1/40)

~とあるホストの頂点踏破~ 
        ナンバーワン 
 
分岐安価とかではなく、良いも悪いも両パターンあります 
地の文は控えめ 原作読んでないのでアイテムとかメチャクチャな口調、矛盾あります こまけーことはの精神でヨロ 
とりあえずラスト前まで書いたので投下 
 
お 俺設定あり  
じ 時系列なにそれ
き キャラ崩壊 
 
上条「あー寒い」 
 
土御門「かみやん俺指名入ったから店戻るぜい」 
 
上条「まじかよ!ヘルプついていいか?」 
 
土御門「枝いないからタダのヘルプになっちまうぜい?」 
 
上条「それでもこんな寒空の下でキャッチよりましだっつの!」 
 
土御門「なら戻るかにゃー」 
 
不肖わたくし上条当麻は大学にも進学できず、学園都市の小さな歓楽街にてホスト業に勤しんでおります。 
指名客はさっぱり、比較的女子に人気だった感もあったけども、土御門曰く単にモテ期だったのではないかとの事…  
なんつーか毎日がだりぃ… 


104 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:22:18.74nFgxkaU0 (2/40)

上条「トイレ行ってから席つくわ」 
 
土御門「ほいよ」 
 
俺「上条さんがトイレいってる間に、あまり聞きなれない言葉を簡単に説明する 
  枝:担当のいるお客さんが連れてくる、指名ホストの居ないフリーのお客さん お客さんの前ではフリーというのが礼儀  
  幹:枝をつれてくる担当がすでにいるお客さん。あの子が幹だからといわれて、美紀さんとお客さんを呼ぶ新人が後を絶たない 
  ラブボックス:ホスト同士が使う言葉、ラブラブな雰囲気のテーブルやテーブル配置で死角になる様なテーブルつまり人目につかない 
         本命彼女だったり、ホストがボトル交渉したい日など案内されたりする 
  枕:お客さんとセクロスして店に引っ張る営業方法、表向きは卑下される行為だが、誰もが通る道 
  コール:一気飲みのコール、もしくはボトルをいただいたときに店内で叫ぶ事、マイクパフォーマンス 
  ヘルプ:メインの指名ホストを助ける者、担当ホストがいない間お客さんの相手をしたり、客数の多いテーブルに着いたりする 
      優秀なヘルプは担当がいなくてもボトルの交渉したり、担当のフォローまでこなす。NO.1がその立場にいるのはヘルプが居るからである 
  営業:普通の営業とはちょっと異なる。電話連絡などして店に誘ったりと…キャバに行かれる方はよくご存知だろう 
  先輩後輩などの上下関係は年齢による物では無く、店に入った順で決まる。先輩に口答えなどは許されません。絶対服従が鉄則」
  セリフの後ろの(  )は上条さんの心の声です 
 
上条「ちわー、女Aちゃんご一緒いいですか?」 
 
女A「おお、君はかみやん!どーぞー」(ノリよくて助かる) 
 
土御門「お、かみやんにもビールいいかにゃ?」(土御門GJすぎ) 
 
女A「おっけーです!」 
 
上条「ああ、んじゃ俺行ってくるわ」 
 
女A「かみやんダッシュぜよ!」 
 
土御門「人の真似しないでくれにゃー」  
 
「アハハハハハ」 


105 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:23:30.36nFgxkaU0 (3/40)

浜面「お、上条さん戻ってたんっスか?」 
 
上条「ああ、土御門のヘルプで戻ったわ」 
 
浜面「土御門さん客一人じゃないっスか?」 
 
上条「そーだけど」 
 
浜面「俺、今指名被ってるんでヘルプ欲しいんっスけど」(先輩にヘルプ付けってか) 
 
上条「誰かいねーの?つか俺ビールもらったばっかだし」 
 
浜面「ああ、マジスカ。マネージャーには言ったんすけど」 
 
上条「…後でよければいくわ」(だりぃ) 
 
浜面「早めにお願いします」(相手できねーなら客よぶんじゃねーよ)


106 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:25:06.99nFgxkaU0 (4/40)

上条「15番で生2です」 
 
マネージャー「おい上条」 
 
上条「…はい?」(…なんだよ) 
 
マネ「お前ヒマだろ?浜面が指名被ってんだ。ヘルプ周りしてくれ」 
 
上条「…でも、女Aさんとこで生貰いましたし。浜面には後で行くっていいました」 
 
マネ「また土御門の席で気楽な仕事かよ、だから客増えねーんだ」(黙れクソが!) 
 
マネ「美琴ちゃんも今じゃ月一だろ、まともな仕事は月一回だけじゃねーか」(月一でもデカイんだよこっちのは) 
 
マネ「浜面はお前の後輩なのにヘルプガンガンついて、客も今のお前より多いだろ」 
 
マネ「浜面の7番テーブルで3人のとこ枝が二人だからすぐいけよ?」 
 
上条「はい…」 
 
上条(なんだよ…!売上げは浜面より上なのにうるせーな、数多くても美琴一人に勝てねーじゃねーか)


107 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:26:11.78nFgxkaU0 (5/40)

上条「おまたせ」 
 
土女A「「遅いにゃー」」 
 
土御門「被るなぜよ」 
 
女A「えへへ」 
 
上条「すまん、上条さんなりに急いだんですけどね…」 
 
土御門「んじゃ乾杯するぜよ」 
 
女A「かんぱーい!ぜよ」 
 
上条「いただきます!」 
 
チン 
 
上条「さっそくだけどちょい浜面のとこに行ってくるわ」 
 
土御門「ん?いきなりだにゃ」 
 
上条「あっちのクセ悪そうなとこに付けってさ。いきたくねー」 
 
土御門「ああ同情するぜよ。まぁ浜面も頑張ってるからにゃー」 
 
女A「生きて帰ってきてねぜよ、かみやん」 
 
上条「がんばってきまーす」 


108 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:27:46.70nFgxkaU0 (6/40)

上条「ちわーッス!ご一緒よろしいでしょうか!」(お、青ピいんのか) 
 
青ピ「おお!かみやんきたでぇ!」 
 
絹旗「どーぞどーぞ」                           
          
青ピ「んじゃモアイちゃんとむぎのんの間に座ってー」  
       フレ 麦上 
こんな感じ  青■■絹  真ん中は姫神じゃありません
  
絹旗「モアイって超言わないでください!」 
 
麦野「バカ面まだ?アタシの酒残していきやがって」 
 
フレンダ「結局浜面はボトル2本目な訳よ」 
 
青ピ「ほなボク飲んでいいやろか~?」 
 
麦野「アンタは強いからおとこわりだなww」 
 
青ピ「おとこわりとか嫌やわ~!でもおことわりも嫌や~!」 
 
「アハハハハh」 
 
上条(あーついてけねー このテンションなんだよ…) 
 
青ピ「おお!?かみやんのグラスがまだないでぇ~?」(ナイス青ピ、飲んでテンション上げるか!) 
 
上条「おおっと!?うっかりしてたわ、いただいていいですか!」 
 
フレ「結局、麦野しだいな訳」 
 
麦野「なんか面白いことやってよ」 
 
上条「ええ!?まじでー?」(一番ウゼータイプだクソ!) 
 
絹旗「なんか超嫌そうなんですけど」 
 
上条「いやいやそんなことないですよ、ハハ」(黙ってろチビ)


109 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:32:26.47nFgxkaU0 (7/40)

席順ずれてるけど脳内補完頼む フレンダと麦野の間は 浜面がいたとこ 
下のもずれそうだからそっちも脳内で頼む 
 
上条「んじゃ… ミッキーマウス!!」  
   ●  ●←灰皿
 く(・д・)> 
麦野「…つまんねぇ」 
フレ「これはこれで…結局ないわ」 
絹旗「超死んでください」 
 
青ピ「毒舌!モアイちゃんそれはへこむわー」 
 
上条(クッソ、無茶振りすんじゃねーよ) 
 
絹旗「モアイって言わないでください超!」 
 
麦野「絹旗ww超のつけどころがおかしいってww」 
 
「アハハハハh」(かえりてー) 
 
青ピ「ちょっとボクお客さんとこ行ってくるわ」(はぁ!?俺一人かよ!!) 
 
フレ「えー、結局青ピが居なくなったらつまんない訳よ」(はいはい、俺ですみませんね) 
 
青ピ「んじゃフレンダちゃんからのご指名待っとるからね」(俺が指名すっからここに居てくれよ!!)


110 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:34:35.03nFgxkaU0 (8/40)

上条「まぁ…青ピ居なくなったけど盛り上がっていこうー!」(はぁ…) 
 
麦野「浜面まだ帰ってこないの?」(うるせー!盛り上がれっつってんだよ!) 
 
フレ「結局、他に客がきてるみたいね。あっちの角の方のテーブルに行ってた」 
 
絹旗「ここからは超死角ですね」 
 
上条「ああラブボックスかな」 
 
麦野「はぁ!?」(しまった!) 
 
絹旗「なんなんですか?ラブボックスって超気になります!」(気にしないでいいから!) 
 
上条「いや…お客さんがさ?死角にいるテーブルに…?」(やばいやばいやばい!) 
 
絹旗「超目が泳いでるんですけど」(お前は黙ってろ!チビ!) 
 
上条「いや…指名のお客さんがお互い視界に入らないように案内するんだよ」(いけるか!) 
 
麦野「そりゃ分かるけど、なんでラブボックスなんだよ?」(無理か!!) 
 
上条「え…?あー。喉が渇いてちょっと何か飲みたいなー」(逃げ切るぜ!) 
 
麦野「ふざけんな!!」ガチャン! (失敗!!)
 
麦野「飲みてぇなら飲ましてやんよ!!オラ!」ドン 
 
麦野「一気で飲めよ?」 
 
上条「いや…これはちょっと」(ボトル丸々じゃねーか!死ぬわ) 
 
黒服「上条さんお願いします」(いいタイミングだ!) 
 
麦野「今アタシがこいつとしゃべってんだ」(壁としゃべってろクソ女) 
 
上条「いやいや、ちょっとすぐ行ってすぐ帰ってきます!」(脱出!) 
 
麦野「チッ!」(くわばらくわばら) 


111 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:36:18.32nFgxkaU0 (9/40)

上条「はい」(マネージャーかよ) 
 
マネ「お客さん怒ってるけどなんだ?」 
 
上条「いえ…なんでも」(あーだりー) 
 
マネ「おい、浜面呼んできて」(もうあのテーブルに固定しとけよ) 
 
上条「なんか、浜面が遅いって言い出して機嫌悪いみたいなんですよ」 
 
マネ「遅いと感じさせない為にヘルプが盛り上げるんだろうが」(頑張ってるっつーの) 
 
浜面「はい?」 
 
マネ「7番がなんか遅いって怒ってるみたいだから戻ってくれ」 
 
「20番テーブルゥ、ヘネシーXOいただきましたァ!」「「「ありがとうございまーす」」」」 
 
浜面「マジスカ?さっきまで機嫌よかったのに…」(なんでこっち見んだよザコ助) 
 
マネ「上条は25番テーブル行ってくれ」 
 
上条「はい」(また浜面のヘルプか…)


112 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:37:46.02nFgxkaU0 (10/40)

上条「しつれーしまーす」(なんでジャージなんだよ。自分ち感覚か!)  
 
滝壺「こんばんわ、どーぞ」(でもおとなしめでかわいいな)
  
上条「こんばんわー」 
 
上条「上条って言いますよろしく、お名前は?」 
 
滝壺「りこう、かみじょーはいくつ?」 
 
上条「上条さんは25ですよ」(ああなんか癒されるわ)
 
滝壺「はまづらとあんまり変わらないね」 
 
上条「そうそう、一杯貰っていい?」 
 
滝壺「あ、ごめんね どーぞ」 
 
上条「いただきまーす」 
 
「1番テーブルさンからピンドンもらったンですけどー?」「「「うらやましー!!」」」 
 
滝壺「ドンペリだって、すごいね」 
 
上条「ああ、今のNO,1だな」(スゲーの分かってるから毎回コールすんなっつの)


113 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:40:11.28nFgxkaU0 (11/40)

滝壺「ドンペリ、いくら?」 
 
上条「安いので5万で真ん中で15万、16万高いのは50万、今日はもっと高いのは無いです」 
 
滝壺「そうなんだ…高いね」(安いので上条さんの10日分の日給ですよ) 
  
上条「いれてみる?浜面も喜ぶよ」(浜面に恩売っとくか。ジャージだから期待できねーけど) 
 
滝壺「うーん…せっかく初めてのボトルだから50万の方で」(ブーッ!!AA(ry )  
 
上条「50万の方!?いいの?」 
 
滝壺「うん、はまづらが喜んでくれるなら」(うわーおいしい客だなオイ!!ラブボックス納得だ) 
 
上条「りこうちゃんのあっちも初めてなのかな?ww」 
 
滝壺「いや…それは、はまづらが…///」(かわいい顔して店の外じゃすでに浜面のボトル入れてますってか!?) 
 
上条「まぁ持ってくるわ、浜面びっくりさせようぜ!」(そして俺に感謝するがよい) 
 
滝壺「うん…」


114 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:41:03.64nFgxkaU0 (12/40)

上条「マネージャー25番でゴルドンお願いします」 
 
マネージャー「はぁ?25番って浜面のとこだろ?」 
 
上条「NO.1のコールに引っ張られたみたいで、ちょっと押したらおkでました」(称えるがよい) 
 
マネージャー「あー、まぁ俺はかまわねんだけど、浜面呼んで来い」(なんで呼ぶんだよ!) 
 
上条「いえ、浜面をびっくりさせたくて入れるみたいなんで、それにあっちのテーブル大変そうですし」 
 
マネージャー「うんー、とりあえず浜面だ。あけれる様に準備だけしとけ」(浜面浜面うるせーなクソ) 
 
上条「…はい」 


115 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:42:15.73nFgxkaU0 (13/40)

上条「お待たせ、準備してようか」 
 
滝壺「うん、かみじょうはこれ飲むの、初めて?」 
 
上条「いや、月一回は飲んでるかな」 
 
滝壺「すごいね、かみじょうのお客さん?」 
 
上条「うん、月一回しかこなくなったけどね」 
 
滝壺「愛されてるんだね、その人に」 
 
上条「ああ、そうかもね? 浜面遅いな、注いで待ってようか」 
 
滝壺「うん」 
 
ポン… 
 
滝壺「いい音だね」 
 
上条「そうだね」(ヘルプ席で空けると空しいもんだな) 
 



116 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:44:11.03nFgxkaU0 (14/40)

上条「お、戻ってきたよ」 
 
浜面「ちょっと!!開けてるし!!」
 
滝壺「今開けたばかりだよ、はまづら」(そうだあせるなザコ助) 
 
浜面「いや、入れるなよこんなん、いくらすると思ってんだ!」(何言ってんだ?) 
 
滝壺「50万だけど…。気に入らない?」 
 
浜面「いやいやいやいや、50万あったら何ができるよ?考えようぜ?」 
 
上条「おいおいせっかく入れてくれたのに、そりゃないだろ」(何考えてんだこいつ) 
 
浜面「他人は黙っててくださいよ」 
 
上条「あ?」 
 
浜面「こいつ俺の彼女なんですわ、店くんのも俺の自腹で呼んでるんすよ」(………………え?) 
 
浜面「滝壺ものせられんなよ」(おいおい俺が悪者かよ、ざっけんな!) 
 
滝壺「これの分は私がだすから、はまづらは気にしないで」 
 
滝壺「私がはまづらの、喜ぶ顔みたかったから」(そうだそうだ!その女が入れるっていったんだ) 
 
浜面「っっ!   はぁ~~~」 
 
浜面「んじゃいいわ、上条さんちょっと外してもらえますかね?」(口の利き方なってねーなこいつ) 
 
上条「いいけど?  んじゃまたね」 


117 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:45:19.60nFgxkaU0 (15/40)

マネ「おい」(なんだよ) 
 
上条「はい?」 
 
マネ「お前今日帰っていいぞ。んで明日ちょい早めに来い」 
 
上条「え?」 
 
マネ「7番のとこでお前チョンボしただろ、浜面キレてんぞ」(チクリくんだな、あいつ) 
 
マネ「んで今のゴルドンは浜面の女だろ」 
 
上条「みたいっすね」(しらんかったし) 
 
マネ「ゴルドンは?」 
 
上条「注いだけど…まだ飲んでないみたいっすね」 
 
マネ「俺は準備だけっつっただろ!浜面待てっていったよな!?」(あーだりー) 
 
上条「いや…」 
 
マネ「もういい、帰れ。 明日早くこいよ!」 
 
上条「…はい」

「なンでもないようなことがァ~ しあわせだァったとおもォ~うゥ~ なンでもないよるのォこォとォ~ 二度とはもどれないよォるゥ~」


118 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:46:59.18nFgxkaU0 (16/40)

上条「ただいま」 
 
美琴「あら、おかえり。早いじゃない?」 
 
上条「…美琴」ギュ 
 
美琴「どうしたの?何かあった?」ナデナデ 
 
上条「…別に」チュ (イライラがおさまらねぇ) 
 
美琴「んっ…もうどうしたの? あ…、こら」 
 
上条「しようぜ」モゾモゾ 
 
美琴「もう、甘えんぼさんね」 
 
上条「美琴…」 
 
・ 
・ 
・ 
 


119 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:48:07.72nFgxkaU0 (17/40)

上条「…ふぅ」 
 
美琴「…ハァ …ハァ」 
 
上条「大丈夫か?」 
 
美琴「…ぅん、ちょっと激しかったかも 起きれないょ」 
 
上条「ハハッ、 ありがとな美琴」(なんか落ち着いたな 賢者モードってやつか) 
 
美琴「うん? どういたしまして?」(こいつが一番落ち着くなやっぱ) 
 
上条「今日いろいろあってさ… 明日ちょい早くでるわ」 
 
美琴「同伴?」 
 
上条「いや、ミーティングじゃねーかな?」 
 
美琴「そう…頑張ってねダーリン?」 
 
上条「頑張るよ、もう一回する?」 
 
美琴「いやムリムリ!」 
 
上条「しかし美琴さんの体は正直なのであった」クチュ 
 
美琴「あんっ…ちょっ…もう… んっ…」 
・ 
・ 
・ 
・ 



120 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:52:14.25nFgxkaU0 (18/40)

上条「おはようございます」(腰いてーな) 
 
マネ「おう、おせーぞ上条」(時間聞いてねーし) 
 
浜面「…ザース」(まじこいつ俺を舐めてるな)  
 
土御門「おはようにゃー」(こんだけしかきてねーって事は…ありがてー説教の始まりかよ) 
 
上条「すみません」 
 
マネ「お前の昨日の浜面のテーブルでのチョンボだがな」(あーかえりてー) 
 
マネ「経過は7番の3名は終始お前を呼べといってたが、浜面が納めて帰ってもらった、テーブル壊されたがな」(帰っててよかった…つか出禁にしろよ) 
 
マネ「25番のゴルドンの件、店は関知しない、浜面が払うそうだ」(だからなんだよ) 
 
マネ「新人の頃は鈍キャラで可愛がられてたが。お前、もう25だぞ気持ち切り替えなきゃタダの無神経なバカだ」(ひでーなおい)  
  
マネ「ちょっと気を回すだけで浜面も客に土下座する必要なかった」(痛客に土下座したのかよ、乙) 
 
マネ「ゴルドンも浜面待ちゃ、こいつが負担することもなかった。まぁ個人の意見だがな」(そういう事はあの女に言えよ、ちゃんと女の教育しとけバカ面) 
 
マネ「上条お前からなんかあるか?」(質問抽象的すぎなんだよ) 
 
上条「まぁちょっと不注意だったのはあります、浜面悪かったな」 
 
浜面「……」(なんか言えよボケ) 
 
マネ「幹部会での決定はこの際クビでもしかたないそうだ」 
 
上条「え!?」(なんで俺がクビになんだよ!売上げそれなりにあげてんだぞ!!) 
 
マネ「まぁ聞け、しかしお前がやる気がある、これから性根入れ替えて頑張るってんなら続投だそうだ」(青春ドラマかよ)  
 
上条「やる気もありますし、これからも頑張ります」(しか言えねーわな) 
 
マネ「まーそういうこった、お前らもいいか?」 
 
浜面「納得できませんよ」(あ!?) 



121 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:52:46.97nFgxkaU0 (19/40)

浜面「俺、上条さんより後に入って、追い抜く為に必死こいて頑張ってやってんスよ」(何言い出すんだこのバカ) 
  
浜面「この人たぶん分かってないと思います」(…) 
 
浜面「指名本数じゃ自信無くても、売上げじゃ自信あるでしょ」  
 
浜面「俺と勝負してください!」(漫画読みすぎだろこいつ) 
 
上条「いや俺ら常に勝負の世界だろ?、何が言いてーのかわからん」 
 
浜面「今月俺に負けたら辞めてください!」 
 
上条「はぁ!?浜面お前なめてんのか!?」 
 
マネ「はまづらぁ!!お前がスタッフ辞めさせるとかどんな権限でしゃべってんだコラァ!!」 
 
浜面「それくらいの覚悟で言ってます!」 
 
土御門「まぁまぁ ちょっと落ち着くぜよ」


122 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:55:14.79nFgxkaU0 (20/40)

土御門「確かにかみやんの最近の仕事ぶりは甘えがあると思うにゃー」 
 
土御門「でも、俺も幹部会でクビの意見に反対したし、チャンスを与えるべきだと思うぜよ」(さすが我が親友だ) 
 
土御門「俺らはライバル同士だけど、同じ店でやってる仲間ぜよ」 
 
土御門「浜面も今回50万直撃して怒るのもわかるが、その辺責任折半するなりして仲直りしないかにゃー?」(25万か美琴にいえば楽勝だな) 
 
上条「俺はそれで構わないぜ」 
 
浜面「納得できないッス」(!?) 
 
浜面「俺は銭金の問題で言ってるんじゃないっスよ、上条さんがここで働いてる時点で俺の負けだと思ってます」 
 
浜面「俺が負けたら俺は出て行きます。それくらいの覚悟で物言ってるつもりです」(こ…こいつ!!!) 
 
土御門「俺がここまで言っても収まらないのか?」 
 
浜面「はい」 
 
上条「おもしれぇじゃねーか」 
 
マネ「おい上条」 
 
上条「幹部会でクビの話まででてんだ、俺の覚悟も見せてやんよ、浜面」 
 
上条「お前が俺を気にいらねぇのは分かる、俺だって落ち度もあるさ。でもなぁそれでお前が俺に舐めた口きくってんなら話は別だ!! 
   俺に勝つ気でいるならおもしれぇ!!勝って追い出してみろよ!!でもなぁ、そう簡単にできるもんじゃねぇ 
   自分が主人公気取りで何でもできるって思ってんなら、 
   いいぜ俺が そ の 幻 想 を ぶ ち 殺 し て や る !!」 
 
浜面「じゃあそういうことでお願いします」 
 
マネ「まったく…解散だ」 
・ 
・ 
・ 
土御門「かみやんのアレ久しぶりに聞いたぜよ」 
 
上条「ああ、土御門も悪かったな。庇ってくれてさ。俺絶対負けねーから」 
 
土御門「今のかみやん目が輝いてるにゃー。俺も青ピも締め日までフォローするぜよ」 
 
上条「ああ、ありがとうな」 


123 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:57:01.93nFgxkaU0 (21/40)

上条「ただいまー」(美琴は寝てるか) 
 
上条(締め日まで後10日か、美琴は明日休みだから同伴だ、その後も仕事休ませてでも楽勝だな) 
 
上条(俺の売上げが14.000、浜面が6.200.000か。まぁその内50万は俺のおかげだけどな) 
 
上条(寝よう…かな 浜面くんさいなら~) 
 
美琴「う…ん?お帰りぃ」 
 
上条「ただいま」チュ 
 
上条「美琴?」 
 
美琴「うん…?」 
 
上条「アイシテルぜ?」ギュ 
 
美琴「エヘヘ」 


124 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 01:58:34.51nFgxkaU0 (22/40)

残り10日 
 
上条「ってことで店入る前になってだけど。残り10日、お願いします!」 
 
美琴「うーん、仕事も今、手空いてきたけど 売上げであまり頼らない様に、店の外での時間を二人でもっと大事にって事じゃなかったっけ?」 
 
上条「非常に耳が痛いです!ごめんなさい!」  
   
美琴「まぁしゃーないわね、完全に休むのは無理だけど。仕事時間と睡眠削れば同伴ラストも無理じゃないわ」 
 
上条「ありがとうございます!!」
 
上条(残り10日で6.186.000 楽勝だぜ) 
 


125 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 02:00:01.54nFgxkaU0 (23/40)

上条「では電撃姫どうぞ」ガチャ 
 
美琴「電撃は余計よバカ」 
 
上条「いらっしゃいませー!!」 
 
「「「いらっしゃいませー」」」 
 
マネ「美琴ちゃんいらっしゃい、今日はガンガンいってね!」(俺に対する扱いの違いはなんだ) 
 
美琴「なんかイロイロあったらしいから、締め日まで毎日くるわよ!」 
 
マネ「美琴ちゃんフィーバーだなそりゃ!毎度あり!!」  
 
土御門「おー嫁さん着たかにゃー ここは俺がご案内するぜよ」 
 
美琴「まだ嫁じゃないわよ」 
 
土御門「まだって事はそろそろかにゃー?」 
 
美琴「うっさいわね、早く案内しなさいよ!」 
 
土御門「おーおー こちらのラブラブシートへご案内するぜよ」 
 
美琴「なんか広いわね、一人なんだけど」 
 
土御門「話聞いたんだろ?かみやん一人じゃ酒飲みきれないにゃー ヘルプがガッツリくるから覚悟しとくぜよ」 
 
美琴「返り討ちにしてあげるわよ!」 
 
土御門「おーこわ。んじゃあとでにゃー」


126 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 02:02:50.40nFgxkaU0 (24/40)

上条「さて…何から飲むかね」 
 
美琴「とりあえず狼煙あげましょうか ゴルドン5本持ってきて」 
 
上条「ブフッ!マジデスカ美琴サン」 
 
美琴「こうなったらとことんやるわよ、というかまず土御門を潰す!」 
 
上条「んじゃコールで一気にいくわな」 
 
美琴「おっけー」 
・ 
・ 
・  
『よいしょォ~い!野郎ども今日から10日間全員二日酔いらしィからなァ!オリジナr 美琴姫に感謝しやがれェ~!!』 
『ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!今日はァ!姫様から王子にゴルドン!ゴルドン!一気に5本!!』   
『まずはァ!誰に!飲ませたい!?3.2.1. 』 
美琴「とうま!!」 
『でーわでわでわァ!上条くンがでかいグラスで、行くぜェ!快感!絶頂!エクスタシーィィ!!カンパァ~~~イ!』 
「「「かんぱーい!!」」」 
上条「ングングングッ…ン」(炭酸キっつい!) 
 
『ハイハイィ!ンじゃ残りがまだまだあるがァ、トドメは誰だァ!俺ァだめだぞ?』 
美琴「逃げるな、NO.1! んじゃ土御門!!」 
土御門「なんで俺なんだにゃー!?」 
「「「アハハハハハハ」」」 
『土御門ならコールいらねェな』 
土御門「してくれよ!!テンション上げてくれにゃー」 
『うるせェ、おら一気!一気!一気!一気!』 
土御門「古いぜよ」 
・ 
・ 
・ 
美琴「やっぱ楽しいわね~」 
 
上条「あんまりホストにハマっちゃだめですよ」 
 
美琴「お前がいうな!」 
 
黒服「上条さんお願いします」 
 
上条「ん?なんだ?」 
 
美琴「…いってらっしゃい!」


127 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 02:04:31.27nFgxkaU0 (25/40)

上条「はい」 
 
マネ「9番で指名だ、ダブル指名」 
 
上条「え?はい」(誰だ?) 
・ 
・ 
上条「おお!神裂に五和じゃねーか 久しぶりだなー」 
 
神裂「ご無沙汰しております」 
 
五和「おひさしぶりです!」サッ  
 
上条「いや、おしぼり出すのは上条さんの仕事ですから」 
 
神裂「一緒に来て別々に座るのもおかしいので、二人で指名してみました」 
 
上条「一人すれば上条さんは来ますよ」 
 
神裂「いえ、まぁいいじゃないですか。どーぞこちらへ」 
 
上条「なぜか上条さんが接客されてるような構図ですけど」 
 
五和「いいじゃないですか、久しぶりなんですから。女教皇様ちょっとずってもらえますか?角で座りにくいです」 
 
神裂「それですと私が角になります。そっちにずれると楽なのでは?」 
                                     五上神 
五和「それはずるいです!」                        ■■ 
                                    上神   ※姫神ではない
上条「ああ、じゃあ上条さんが角にいけば解決ですね…」          五■■ 
 
神裂「今日は土御門から連絡があって急ぎ駆けつけました。あなたには借りが大いにありますので」 
 
上条「まじかようれしいぜ」(土御門…ありがとう) 
 
青ピ「じゃじゃーん!キレイなお姉さん達がかみやん囲んどるでぇ~!これはご一緒して僕もあやかろ~」 
 
上条「同じ日に入った青ピだ、高校からの付き合いなんだ」 
 
五和「よろしくお願いしますね」 
 
神裂「今日はお金の事は気になさらずなんでも頼んでください。教会から資金もでてますので」 
 
上条「マジスカ」(激アツ!!) 
・ 
・ 
・ 
・ 



128 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 02:05:53.83nFgxkaU0 (26/40)

上条「ただいま~」 
 
美琴「あ、お帰り~///」

上条「なんだ?酔ってるのか?」 
 
土御門「ゲームに負けても挑んでくるから仕方なくだにゃー 俺全然飲めないぜよ」 
 
上条「ああ土御門ありがとうな、神裂達呼んでくれて」 
 
土御門「なーに、親友のクビが掛かってるなら安い仕事だにゃー」 
 
上条(美琴とあっちのテーブルで今日は450万くらいだな…) 
 
美琴「あーもう閉店だー///」 
 
土御門「んじゃ俺はテーブルに戻るにゃー」 
 
上条「ありがとな、土御門」 
 
美琴「あいついいやつね色々アンタの心配してたし。青髪だっけ?あの人も」 
 
上条「ああ、ずっと一緒にやってきた仲間だからな…」(浜面は今日30万くらいか、NO.1のテーブルに取り入ろうとしてたなクソが) 


129 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 02:09:16.56nFgxkaU0 (27/40)

日は飛んで締め日まで後3日 
 
浜面 8.640.500 
上条 7.801.000
 
上条(あれからちょこちょこ土御門が営業してくれて追い上げたな) 
 
上条(残り3日か、最終日にゴルドンラッシュで逆転もカッコいいな…フフ) 
 
美琴「何考えてるの?」 
 
上条「んー?別に」 
 
美琴「ねぇねぇ、土御門は?」 
 
上条「あいつはどっかテーブル持ってるんじゃないかな、一応NO.4だからな」 
 
「あいたかったァー あいたかったァー あいたかったァー きみにィー イエス!」 
「てめーの面見て歌チョイスしろNO.1!!」 
 
美琴「ふーんそうなんだ」 
 
「うるせェ!リクエストだァ!カラオケのジャマすんじゃねェ!NO.2にゃ常識はねーのかァ!」 
「俺に常識は通用しねーよ!!」 
「ミサカのリクエストなのに!ってミサカはミサカはNO.2に徹底抗議してみる!」 
  
上条「ああ…」(なんか元気ねーな、まぁ俺の勝ちはほぼ確定だ) 
 
「「「いらっしゃいませー!」」」
 
「おらバカ面きてやったぞ」 
 
上条(ん?この声は) 
 
麦野「とっとと案内しろよ」 
 
上条「あいつだ、よりによって後ろのテーブルかよ… こないだ話した痛客だ」 
 
美琴「あれって、元第4位じゃない?」 
 
上条「はぁ?あれもLEVEL5かよ!?」 
 
美琴「うん、原子崩しってやつだった」 
 
上条(…ちょっとやばいか?)


130 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 02:11:58.61nFgxkaU0 (28/40)

上条「なぁ美琴、またゴルドンいいか?」 
 
美琴「…うん、いいけど」 
 
上条「ん?どうした?」 
 
美琴「ううん…いい」(はっきりしないな、まぁいい) 
 
「お飲み物はいかがいたしますか?」 
麦野「店にあるだけのシャンパン持って来い」(!!!) 
 
上条「おい!!!ちょっと待て!!」 
 
麦野「あん?なによ」 
 
上条「こっちもシャンパンいれるんだそういうのやめろよ」 
 
麦野「はぁ?早いもの勝ちじゃねーの?チンタラしてるのが悪いんじゃない?なぁ?そうだろ?」 
 
黒服「はい」 
 
上条(クソ!!やられた!!!!、明日は日曜…店休日だ。月曜一日で勝負しなきゃならねぇ!!) 
 
『ァーァー テステス なンかシャンパン全部買い占めた姫がいるらしいンですけどォ』 
『それでもまだまだ飲み足りない!!王子浜面ァ!!今日は昇天するまで飲ンじゃってェ!!』 
 
麦野「おい飲むのはバカ面じゃなくて、こいつだ」(??) 
 
上条「え?なんで俺?」 
 
麦野「お前、こないだ酒飲むっつって帰ってこなかっただろ。利息付けて飲ましてやんよ」(!?なんだと!!クソクソクソクソクソ!!) 
 
『アイ!アイ!アイ!アイ!生贄指名の上条くン!テンション上げて、逝っちゃってェー!』(クソクソクソクソ!!誰か代打こいよ!) 
 
麦野 パクパク 
 
上条(ん?…なにか言ってる?) 
 
(ぶ・ち・こ・ろ・し・か・く・て・い・ね) 
・ 
・ 
・ 
・ 
・  



131 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 02:15:37.85nFgxkaU0 (29/40)

上条(クソ…動けネー) 
 
土御門「かみやんよくやったにゃー、聞えるかにゃ?」 
 
上条「ぁ”ー」(気分わりぃ) 
 
土御門「意識はあるみたいだが、動けないぜよ」 
 
美琴「どうなっちゃうんだろ…」(お前が頼りだ) 
 
土御門「幸運なのか不運なのか明日は店が休みぜよ、この状態なら二日酔いだろうからゆっくり休めるにゃ」 
 
美琴「え?店休みなの明日」(…しまった!!店休の事隠してたのが) 
 
土御門「ん?日曜は店自体休みだにゃー」(やめろ土御門!!しゃべるな!!) 
 
美琴「それっていつから?」(やばい!!休みなのに仕事っていって遊んでたのがバレル!) 
 
上条「あ”ヴァー オェッ」(ちょいお下品だがこれでどうだ!) 
 
美琴「わわ、大丈夫?」(やばいです、いろいろと) 
 
土御門「ちょっと。 かみやん気分悪そうだからトイレ連れてってやってくれにゃー」(お前が連れてけ!!) 
 
黒服「はい」(待て待て!!お前はお呼びでない!!) 
 
上条「んむ”ーオヴぉッ」ビチャ 
 
麦野「ギャハハ、きったねー。グロッキーだなこりゃ!」(クソクソ、黙れヤリマン!!)   
 
「それで店休みってどういうこと?」(やめろおおおおおおおおおおおお!!) 
・ 
・ 
・ 



132 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 02:49:06.60nFgxkaU0 (30/40)

ここまでで、続きの需要あるかわからんがまた夜に投下します 
ちなみに私は嫌いなキャラはいませんが一方通行は大好きです 
 
果たして上条さんは「愛してる」を言えるのか… 
美琴ENDは迎えられるのか… 
 
交互期待 



133 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 07:58:52.77nFgxkaU0 (31/40)

することなくて進んだ分だけ投下 
 
締め日まで後2日 店休日 
 
上条(気分わりー、結局どうなったんだ… 土御門にメールしよう)ピッピ 
 
上条(たぶん嘘ついてたのバレただろうなー) 
 
上条「おーい美琴ー」(しゃべるのもきつい) 
 
上条(…いないのか) 
 
上条(…起きるか) 
 
・ 
・ 
上条(仕事行ってきます、食事は適当に。帰ったら話があります。 んで5.000置いてるわけか) 
 
上条(今まで飯絶対作ってたのにな…)  
 
上条(メール帰ってきた)ピピ 
 
  昨日はお疲れ 
店休のこと言ってなかったんだな、うっかりしゃべっちまった。 
一応フォローは入れておいたから大丈夫だとは思うが…。ほんとスマン。 
 
売上げは上条 8.601.000 
    浜面 18.460.000 現在NO.4 
 
あの後嫁さんもボトル入れたんだが、ヘルプも後ろのテーブルにとられて空けれなかった。スマン。 
 
上条(一千万も差があるじゃねーか…!) 
 
上条(あの麦野とかいう女…ムカツクな) 
 
上条(開店と同時にいって、ボトルもシャンパンも全部買占めすりゃいけるか…) 
 
上条(つーか浜面もあの女がいたから、あんなこと言ったんだな…嵌められた) 
 
上条(まぁいい最後に泣くのはあいつらだ)


134 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 08:02:32.10nFgxkaU0 (32/40)

ガチャ 
 
上条(帰ってきたか、今日は全力で機嫌とるか) 
 
上条「美琴か?」 
 
美琴「…うん ただいま」 
 
上条「おかえり、美琴」 
 
美琴「寝てたの?ごはんは?」 
 
上条「さっき起きたんだけど、気分悪くて 飯は食ってないつか食えない」 
 
美琴「……そう」 (昨日のこと気にしてるのか?) 
 
上条「なんか…話あるんだろ?」 
 
美琴「…うん あのさ」 
 
美琴「店休とかはもう土御門から聞いてさ」 
 
美琴「まぁあんたも事情あるんだろうし、あそこの客層考えたら心配させまいとするのは分かるんだけど」 
 
美琴「嘘だけは止めてほしい」 
 
上条「ああ、ごめん」 (しまった土御門はこいつになんて言ったんだ…)
 
上条(客層…心配…。都市上層部絡みか? 全部NO.1.2の派閥の仕事なんだけどな) 
  
上条「まぁ色々あるんだ、仕事柄言いにくいこともあるからな」 
 
上条「まぁ仕事お疲れ様、シャワー浴びてこいよ」 
 
美琴「…うん」
 
上条(なんとかやりすごせたか、土御門にメールしとこ) 
・ 
・ 
・ 



135 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 08:07:45.41nFgxkaU0 (33/40)

上条「おお、温麺か。気が利くねぇ」 
 
美琴「二日酔いでも食べられるでしょ」 
 
上条「うんうん」 
 
美琴「そうそう今日さ「美琴」」  
 
上条「明日最終日なんだけどさ、浜面が昨日一千万くらい上げやがったんだ」 
 
美琴「………」 
 
上条「明日開店と同時に攻めるぜ!」 
 
美琴「…ぅん」 
 
上条「ん?どうした?」 
 
美琴「あのさ…アタシって何なのかな…?っとか最近思っちゃって」 
 
上条「何って?」 
 
美琴「なんだろ…よくわかんないんだけど、ちょっとおかしいのかなアタシ」 
 
上条「どうしたんだよ?言わなきゃわかんねーぞ」 
 
美琴「あの…、なんて言うか。アタシって当麻のなに!?」 
 
上条「何って何?抽象的でわかんねーよ。 彼女だろ?」 
 
美琴「だよね!…彼女だよね…。分かってるんだけどさ…」  
 



136 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 08:08:36.15nFgxkaU0 (34/40)

上条「何考えてるんだ? 疑問あるなら言えばいいだろ」 
 
美琴「分からないのよ!!なんか最近モヤモヤしたのがあるけど、言葉とかにできないのよ!!」 
 
上条「お前でわからない事、俺にわかるわけないだろ!」 
 
美琴「そんな言い方ないでしょ!!アタシだって不安なんだから!!」ポロポロ 
 
上条「美琴」ギュ 
 
上条「何を不安に思うことがあんだ?お前は綺麗だし、俺の前じゃ可愛い。仕事だって成功している」 
 
上条「しかも稀代の超能力者だ」 
 
上条「そんなお前が不安なんていったら世界中に安心なんてねーぞ。 ちょっと疲れてるんだよ」 
 
上条「泣くなよ、美琴」 
 
上条「愛してる」  
 
美琴「………わからなぃ、当麻がわからないよ…」 
 
美琴「愛してるが軽く聞えるよぉ… うぅっ…」 
 
--------何でも無いような事が幸せだったと思う 何でもない夜の事 二度とは戻れない夜------ 
 
俺はなぜか、以前誰かが歌っていたこの曲のフレーズを思い出した 
 
・ 
・ 
・ 



137 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 08:09:59.08nFgxkaU0 (35/40)

最終日 
 
美琴「仕事行って来るわ…」 
 
上条「おお、9時前には来てくれよ」 
 
美琴「…うん」 
 
美琴「ねぇ…当麻」 
 
上条「うん?」 
 
美琴「アタシの事愛してる?」 
 
上条「ああ、愛してるよ」 
 
美琴「……そう、ありがと」 
 
バタン 
・ 
・ 
ドアが閉まる音になぜか言いようの無い不安に駆られる 
なんなんだクソ!


138 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 08:11:04.09nFgxkaU0 (36/40)

最終日 20:45 とあるホストクラブ前 
  
上条(ちょっと早く来すぎたか) 
 
上条(浜面も同伴だな、残念だが出勤したら俺が抜いてるわ) 
 
上条(ボトル在庫も十二分だったしな) 
 
上条(そろそろ着てもいいころだが…。 …きたか) 
 
上条(ん?土御門と一緒?偶然かな) 
 
上条「おお、間に合ったな」 
 
土御門「時間にルーズはいかんぜよ」 
 
美琴「………」 
 
上条「どうした?」 
 
土御門「あのなかみやん、今日は俺もこの同伴に絡ませてもらうにゃー」 
 
上条「はぁ!?売上げ折半になるじゃねーか!!」 
 
土御門「あー、なんていうか…そこんとこ中で話すぜよ」


139 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 08:15:41.66nFgxkaU0 (37/40)

上条「どういうことだ土御門!説明しろよ!!」 
 
土御門「率直にいうぞかみやん、もうお前ここ辞めたほうがいいにゃー」 
 
上条「はぁ!?意味わかんねーし!!俺の味方じゃねーのかよ!!」 
 
土御門「味方だから!親友だから言わせてもらうぜよ!!」 
 
上条「訳わかんねーよ!!」 
 
土御門「落ち着こうか、…かみやん最近売上げの事ばっかり頭にあるんじゃないかにゃー?」 
 
上条「そりゃ当然だ。メンツ掛かってるからな」 
 
土御門「それで自分の女の気持ちにも気づいてやれないんだにゃー」 
 
上条「お前が何かいったのか!?」 
 
美琴「っ!」ビク 
 
上条「何なんだ?昨日からおかしいぞお前」 
 
土御門「昨日からじゃないぜよ?かみやん」 
 
土御門「俺はヘルプについててその子の様子も、かみやんの言動もおかしいと思ってたぜよ」 
 
土御門「店休の話があっただろ?実はあれ嘘なんだにゃ」 
 
上条「何?」 
 
土御門「かみやんにはフォロー入れたと言うから、それっぽく話合わせて聞いてみろってその子に言ったぜよ」 
 
上条「は? 嵌めやがったのか!!」 
 
土御門「聞け!!! かみやん言ったよな?性根入れ替えてやるって、甘えず、覚悟を決めるって」 
 
土御門「あれから今日まで、かみやんはその子以外誰かに営業したのか?」 
 
土御門「その子以外は全部俺の呼んだ客のはずだ!!」 
 
土御門「女の前でする話じゃないが、ホストなら自分の女裏切って枕営業してでも引っ張ってくる」 
 
土御門「土下座してでも機嫌をとる!それが覚悟だ!!」 
 
土御門「何も変わってない、甘えた口だけ野郎のまんまだろ!!」


140 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 08:19:18.23nFgxkaU0 (38/40)

上条「………んでどういう話になるんだ…」 
 
土御門「その子も思い悩んだんでたんだ、このままじゃいけないって」 
 
土御門「なんでも自分で切り開いてきたかみやんが、自分のせいで牙が抜けたんじゃないかとな」 
  
土御門「んで店休の話で、自分に対する気持ちにすら嘘があるんじゃないかと」 
 
土御門「それで悪いがかみやんを試してみればいいって教えたんだ」 
 
土御門「嘘を言わず、正直に話せば不問とし、ごまかせばその時また考えるとな」
 
土御門「騙したのは悪いと思う、しかしこのままじゃどう考えてもその子が不憫だ」 
 
土御門「わかってくれ…かみやん」 
 
上条「…美琴はどうしたいんだ?」 
 
美琴「…………距離を置いて考えたい」 
 
上条「……そうか」 
 
上条「すまなかった…。いつからかわかんねーけど。なんか毒に侵されてたのかもしれないな俺」 
 
上条「ほんといつからだろうな…。昔はあんなにあぶねー事にも必死になってたのに…」 
 
上条「うん…間違いなく俺が悪いな」 
 
上条「二人ともすまなかった!!」 
 
上条「浜面にも謝るよ」 
 
土御門「それがいいんだにゃー」 
 
上条「美琴、悪かったな。悩ませちまって」 
 
上条「俺がお前に甘えすぎてた。まぁそれだけ幸せだったからな」 
 
美琴「当麻…今でもアタシの事好き?」 
 
上条「ああ…愛してる」 
 
土御門「一件落着だにゃー」 
・ 
・ 
・  



141 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 08:30:51.39nFgxkaU0 (39/40)

その日は宴だった 
売上げとかどうでもいい、安い酒だろうが高い酒だろうが飲めや歌えの大騒ぎだ 
浜面は快く許してくれた 
「毒が抜けましたね」だとよ生意気なやつめ 
だがその通りだなとすんなり受け止めれたのは浜面の言うとおりなんだろう 
あの元第四位とも酒を飲んだ 
ちゃんと話したらいいやつじゃないか 
カラオケでデュエットまでした。若いのに居酒屋って… 
因みに浜面の彼女とは知り合いだったらしい 
マネージャーもいい目になったじゃねーかって仕事放って一緒に飲んだ 
酒は誰か勝手に持ってくればいいと黒服も一緒に飲んで歌った 
NO.2が自分専用の冷蔵庫からツマミを持ってくる 
何でも出てくるんだけど、どうなってんだ? 
今日で引退になるが、見送りの華もない 
でもいいじゃねーか、楽しい酒を笑って飲める 
ああ…俺はこの夜を一生忘れないだろう 
誰かの完全記憶能力なんかなくても絶対忘れない 
初めて皆で笑って、泣いて飲んだ酒だ   
絶対忘れてなるもんか 
いつか流れたカラオケがまた流れる 
----なンでもないよォな夜がァ~ しあわせだァったとおもォうゥ~ ---- 
よく聞いたら悲しい歌じゃねーか!NO.1 
 
まったく縁起でもねぇ 


142 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 08:56:03.44nFgxkaU0 (40/40)

ここまで読んでくれてありがとうございます 
かなり独特の世界観だったと思うので今更ですが解説いれます 
 
【作中の俺設定】  
とあるホストクラブ 
学園都市直轄で経営されている店 
要人接待等が目的で設立されたが、都市の性格上大人の娯楽が少ない為一般の客も多い 
 
時代は適当です大体みんな18以上になってるくらい 
暗部の抗争などは無かった完全パラレルのわがまま設定です 
 
LEVEL5達が元ってなってるのは、余り意味はないです 
それぞれ何かしらの職についてるってことが伝わればと思って 
 
マネージャーと黒服はオリキャラです 
 
美琴の仕事は能力生かして電子機器の発明、調整 新金属の精製など多岐に渡って活動してます 
特許などもあり、金は使い切れない状態です 
 
NO.1.2は作中セリフしかでないですが、第一位と二位です 
争いもなくお互い五体満足で働いてます 
学園都市直轄なのでそのまま使われっぱなしの状態 
要人警護と接待の仕事も兼ねてるので売上げは群を抜いています 
 
アイテムは扱いが難しいので矛盾はあると思います  
難しいというかSSで見てきた分とwiki見ながら書いたもんで、滝壺と滝壷どっちよ?とか…重ねて謝罪 
 
他に質問などあればお答えします 
サブタイトルの意味はこの後の後日談的結末に繋がるのですが、我ながらキレイにまとまったのでいいかなとも思ったり 
見たい方がいれば書きます 



143以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/28(火) 16:57:46.06nr8.MgSO (1/1)

>>1上条さんに主人公補正がまったくないがそれがまたいい
後日談希望


144 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 20:09:44.01rO8mAQg0 (1/10)

数レスなので書き溜め無しで 
   
>>143 
後日談というか結末というか、別の話への繋ぎというかよく分からんですたい 
 
数ヶ月後 
夜の商売から足を洗った俺は土御門の紹介でビルのリフォーム会社に就職した 
アパートを借りて美琴とは別居中、生活費に悩む日々だが高校時代はもっと苦しかったから全然余裕だ 
完全自活の為に援助も断った、美琴と対等な関係でいたい、あいつを安心させたい一念で頑張れる 
アウトドア作業がメインで不摂生な体には酷だが健康的で気持ちがいい  
体を動かした仕事後の飯が旨い 
こんな小さな事で感動できるなんてしばらく忘れていた俺は、やはりどうかしてたのだろう 
今日は元職場のビルの外壁を塗り替える見積もりにきた 
土御門の依頼で俺指名で仕事を回してくれた 
何から何まで親友に感謝だ  
 
土御門「どうかにゃー?」 
 
上条「おお、依頼ありがとな」 
 
土御門「どの道どこかに頼むんだから、気にする必要ないぜよ」 
  
上条「それでもまだ新人の上条さんに仕事がくるのはありがたいんですよ」 
 
土御門「…そうか」 
 
上条「なんだそのクーラーボックスは」 
 
土御門「肉を新鮮なまま運ぶ為にゃー」 
 
上条「ふーん」

 

 
 




145 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 20:25:47.62rO8mAQg0 (2/10)

ビルの屋上はフェンスも撤去されており、風が強い。 
四つん這いになり屋上から地上まで目測する。   
 
土御門「嫁さんとはどうかにゃー?」(65mか…? 50m以上っと)カキカキ 
 
上条「んー?前よりは会えないけど、仕方ないわな」  
 
上条「だけど今はお互い些細な事でも幸せ感じられるよ」 
 
上条「…なぁ、屋上のフェンスは美琴の作った丈夫で長持ちの金属でいいか?伝手で安くするぜ」 
 
土御門「お任せするぜよ」 
 
上条「りょーかい」(フェンス張替えと外壁の塗装っと)カキカキ 
  
土御門「すでに撤去したフェンスは外に置いてるから、回収もお願いしたいにゃー」 
 
上条「へいへい」(フェンス回収と)
 
土御門「なぁかみやん」 
 
上条「あん?」 
 
土御門「すまんな」


146 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 20:40:24.13rO8mAQg0 (3/10)

??が頭に浮かび、意図を確認する為に後ろを振り返る 
クーラーボックスを地面に置き、親友が肉包丁を振りかぶる 
 
ザシュ 
 
上条「!!!!!!!!???????」 
 
土御門「先にその右手いただくぜ」 
 
体から離れて地に落ちる右手 
吹き出る血液…理解ができない 
 
上条「は?ああぁぁぁぁああああああああああ!!!???」 
 
上条「なにすんだ!?」 
 
土御門「かみやん、お前が邪魔なんだわ」 
 
上条「な…なに?」 
 
どくっどくっと脈打ち血を垂れ流す右腕を握り締め、問う 
 
上条「なんで…お前、おい…」 
 
土御門「疑問たっぷりで死ぬのは可哀想だ、一応十字教徒だからな。慈悲としてその疑問を取り払ってやろう」 


147 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 21:08:08.95rO8mAQg0 (4/10)

土御門「原因は超電磁砲の能力によって起こされる経済効果だ」 
 
土御門「本人の性格を鑑みると欲をかかず広く役立ててほしい、学園都市外にも最新の技術を提供しだすだろう」 
 
土御門「粛清案もでたが、超電磁砲の進化の可能性やこれからの学園都市への恩恵を考慮するともったいない」 
 
土御門「そこで都市に繋ぎ止める為に超電磁砲に杭を打ち込むことにした」 
 
土御門「それがお前だ」 
 
土御門「惚れた男がホストになり、慢性的に府抜けていけば放っておけないだろ」  
 
土御門「都市に繋ぎ止め、ビジネスも好調だったが。問題がまた起きた」 
 
土御門「今度はお互いに依存し始めた事だ」 
 
土御門「超電磁砲は個人としての仕事は好調だが、新規開拓の足が止まった」 
 
土御門「まぁ働かないでも一生遊んで暮らせるからな」 
 
土御門「しかし、そこで足を止めてもらったら困る」 
 
土御門「ではどうするか」 
 
土御門「依存対象の杭を抜いてしまえばいい」 
 
土御門「すでに惚れた男との思い出の都市、愛した男が作業中に行方不明になっても、幸せだった思い出に縋って生き」 
 
土御門「新しい男が出来ればまた過去に縛られず歩き出すだろう」


148 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 21:23:12.71rO8mAQg0 (5/10)

土御門「腑抜けた生活が染み付いて、新しい仕事にも慣れず、仕事中無様に逃げ出した」 
 
土御門「こういうシナリオだ」 
 
土御門「超電磁砲の心のケアも心配しなくていい」 
 
土御門「かみやん居なくなった後、俺の言葉が心に届く様に信頼は築いたからな」 
 
土御門「俺が客を呼んで指名被らせたのも、超電磁砲に疑念を持たせる為だ」 
 
土御門「それから浜面はかみやんの事、最初は尊敬してたんだぞ」 
 
土御門「必死に追いつこうと頑張ったが、なぁなぁで過ごしている所に嫌気がさしてきた」 
 
土御門「そこを俺がもっと見せ付けて、ちょっと煽ったらあの様だ。扱い易くて便利な男だよな」 
 
土御門「さて…ネタバレはこんなもんかな」 
 
土御門「失血死する前に、何か質問はあるか?」 
 
上条「…色々聞きてぇが、一つだけ聞かせろよ」 
 
上条「お前は最初から裏切るつもりで俺に近づいたのか?」 
 
上条「友達とか親友ってのも嘘だったのか!!」


149 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 21:43:34.06rO8mAQg0 (6/10)

土御門「Fallere825」 
 
土御門「俺の魔法名だ、意味は覚えているか?」 
 
上条「…ハハ、背中刺す刃…だったか」 
 
土御門「そういうことだ」 
 
 
 
上条「…はぁ~。敵は学園都市全部かぁ… 今のこんな俺じゃ勝てないな」 
 
土御門「ああ、諦めてくれ」 
 
上条「美琴はどうなる」 
 
土御門「超電磁砲はなにも変わらない。お前が居なくなり、研究と開発に忙しくなるだけだ」 
 
上条「そうか……寂しいな」 
 
上条「美琴の事頼むぜ」 
 
土御門「任せろ。義妹同様この件も絶対裏切らないと誓う」 
 
上条「そりゃ安心だ」  
 
そろそろいいか?と裏切り者が幻想殺しを回収しクーラーボックスに入れ、蓋を閉める 
ああいいぜと右手を失った男が立ち上がり屋上の縁へ歩く 
 
上条「でも全部が好きにさせねぇよ」 
 
トン


150 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 22:03:28.00rO8mAQg0 (7/10)

土御門「なにをっ!!!!」 
 
屋上の縁に立ち、土御門を見据えて後ろに飛ぶ 
脱力し浮翌遊感が背中から沸きあがる 
 
 
行方不明だって?そんな都合のいい事させるかよ 
義理の妹級の誓いなら破らないし土御門は美琴をこれから守るだろう  
ああ美琴に会いたいな 
 
 
愛した女の温もりを脳裏で再生し涙が出る 
 
 
死ぬ前に泣くなんてホント情けないな俺   
懺悔でもなんでもするからもう一度美琴に会いたい 
俺も十分都合のいい人間だな、人の事言えねぇわ… 
ああ…でも美琴に会いたい、抱きしめたい、キスがしたい 
   
 
笑っている美琴、怒っている美琴、泣いている美琴、照れている美琴、自分の横で寝ている美琴、寝起きの美琴 
今までの美琴の顔が瞼を埋め尽くす 
 
美琴…美琴…美琴… 
 
上条「愛してる」 


151 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 22:18:21.47rO8mAQg0 (8/10)

上条の喪失から数日後 
 
土御門「かみやん、まだなんも連絡ないのかにゃー?」 
 
美琴「…うん」 
 
土御門「…そうか、なにかあったら連絡真っ先にほしいぜよ」 
 
美琴「うん…ありがと」 
 
ガチャ 
 
土御門「かみやん…どこにいったんだ」 
 
店のソファーに深く体を預けつぶやく 
あれから土御門がすぐに下を確認したところ、上条の遺体どころか何もなかった 
屋上に散った血液は処理したので、自分と上条のやり取りは間違いなくあった 
しかしあの高さでは助からないはず、万一助かっても超電磁砲に連絡が必ずいくはず 
あの傷では病院に行かなければ助からないはず、しかしどこの病院にも該当患者は無し 
超電磁砲の様子から嘘をついてる様には思えない 
 
上条当麻が神隠しにあった、そんな根拠のない非現実的な報告だけが学園都市上層部に報告された 


152 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 22:40:21.08rO8mAQg0 (9/10)

御坂美琴は冬の曇天の公園に居た 
自分がまだ学生の頃、上条との思い出の場所だ 
上条が失踪した後、仕事の合間を縫って思い出の場所を徘徊する毎日だった 
ここにいるとふっと目の前に上条が現れて 
心配してた自分がバカらしくなるような笑顔で声を掛けてくる様な気がする 
自分はそんな上条に怒って電撃を放ち、上条は右手でかき消して… 
若い頃のやり取りに縋っている自分にふふっと微笑を浮かべる 
この公園で素直になれなかった事が多数だが、二人が結ばれたのもこの公園だった 
あの時の気持ちが蘇り胸が温かくなる反面、喪失感とせめぎ合い涙が溢れる 
 
 
美琴(どこいっちゃったのよ…あのバカ) 
 
何でも無いような日常の幸せを胸の中で反芻し 
御坂美琴は今日も想いの人を待ち続ける… 
 
 
                   END


153 ◆WhAN1m3JTg2010/12/28(火) 22:58:23.15rO8mAQg0 (10/10)

なんでこんなやり切れないクソ文章になるんだろうか… 
王道が書けなくて、後悔[田島「チ○コ破裂するっ!」]すぎてすまん 
しかも今度はサブタイトル絡めるの忘れてた 
とあるホストの頂点踏破 これは土御門の事で友人を裏切ってでも成り上がる話でした 
>>151の土御門のセリフの中に混ぜるつもりが… 
 
※土御門は十字教じゃありませんでしたね、脳内改宗しといてください 
  
※上条さんは死んでません、生きています 
 
これの続きにもなる別の話はまた今度 
読んでくれてる人ありがとう 
構ってちゃんじゃないが、感想や評価、考察があると嬉しいです


154以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/28(火) 23:05:15.29kR2mRlAo (1/1)

乙!
いやいや綺麗で切ない余韻を感じさせる終わり方で俺は結構好きだぜこういうの
なんかいつの間にかスレタイを絡めたオムニバス形式のSSスレになってるな
毎回どの場面でこの台詞が出るのかって楽しみがあって面白いなぁ


155以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/28(火) 23:54:28.54IzE3QCY0 (1/1)



最初はブラックな感じがしたけど、後々上がってきたね。
 叩き落とされたけど面白かった。

続きにもwktk状態。


156以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/29(水) 00:19:28.69JTA4c.SO (1/1)


俺が後日談希望したばかりにまさかの超展開
ほのぼのエンドかと思ってたわ
>>1にも土御門にも色んな意味で裏切られた、上条の落下と御坂のラストでちょっと泣けたし
続きあるならぜひ幸せにしてやってくれ


157 ◆WhAN1m3JTg2010/12/29(水) 00:41:46.62vO3Rkw60 (1/2)

コメントありがとう
>>154 
しかし3話やって未だにハッピーエンドがないのだよ 
誰かが書いてくれるといんだけど誰も書いてくれない… 
禁書のネタはまだあるからいいけど 
スレタイと絡めるのが難ですたい 
 
>>155 
この結末がホントの終わりでした。 
続きは序章とラストのイメージしかまだないのだ 
 
>>156 
土御門の魔法名に因んだ両面的なキャラが使いたかったぜよ 
文章薄いけど書いてる方は感情移入しちまってちょっと泣いたじゃすまなかった 
そろそろハッピーエンドやらないとな。俺の性格が疑われるwwwwww 
  
あと批判コメントで叩いてもいいのよ、勉強になるから 
アイテムのとことか自分が知らないから全然表現できてないと思う  


158以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/29(水) 00:46:00.16UPjCHAoo (1/1)

上手い事強めのアレンジ入れて>>1の作品世界に引き込んでるから多少の違和感も「そういう世界なんだ」って思えて特に気にならないな
と言っても細かい所まで読み込んだのは三番目の話だけだけどwwww


159以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/29(水) 02:54:25.00hMc7pioo (1/1)

ハッピーエンドよりも最初のヤツのカオスエンドをみたい俺


160 ◆WhAN1m3JTg2010/12/29(水) 04:44:52.56vO3Rkw60 (2/2)

>>158 
割り切って読んでくれると書きやすいよ 
 
>>159 
それは…すまん! 
安価以外書かないのが俺のジャスティスなんだ スマン!! 
誰かが書くのはイイヨ☆俺も見たい 
 
続きは日が開きます 
絶賛遅筆なので明日は無理ぽ


161以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/30(木) 01:47:09.798oNMLiQ0 (1/1)

製速禁書sswikiに収録させて頂きました。
http://www35.atwiki.jp/seisoku-index/pages/21.html
>>1さんがんばってください!


162 ◆WhAN1m3JTg2010/12/30(木) 03:37:35.82Hd2jkFY0 (1/1)

>>161 
お恥ずかしい、ありがとです  
 
登場人物wikiでメインキャラが御坂しかいないんだけど…   
上条さんが錬金と戦ったときって、実際腕切り落とされてたよね? 
んで錬金の術が消えてたのって体全体が幻想殺しじゃなくて、単にイメージできなくて術が中断されたって感じだよね? 
詳しい人指摘お願い 
 
ちょい上げさせてもらいますサーセン


163以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/30(木) 20:15:05.59pK01NQDO (1/1)

登場人物WikiってWikipediaのことかな?
あれは美琴アンチがなぜか突然ノートに美琴外せって議論立ててその理由が不透明だって却下されたんだよ
そしたら勝手に編集し始めちゃって差し戻されたんだけど、今度は匿名ユーザーが編集合戦始めちゃって
対策のために保護しようとしたんだけど保護するタイミングが悪くてあんな状態になったってだけ
ちなみに保護したのは荒らし対策の依頼受けた事情も知らない第三者で一月はあのまま

アウレオスさんの能力は思った通りに世界をねじ曲げる能力で
腕チョン切られた上条さんの狂喜の演技にのせられて
「当然、こんなキチガイに勝てるわけない」って強く思っちゃったから負けたんじゃなかった?


164 ◆WhAN1m3JTg2010/12/30(木) 21:28:35.85ruPftUE0 (1/2)

>>163
ありがとう 
色んな争いがあんだな…ゴクリ 
 
投下は年内に、っと>>1は自戒の宣言をして作業に戻ります


165以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/30(木) 21:36:21.3188idB9M0 (1/2)

上条さんの落下にないた…


166以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/30(木) 21:40:59.2188idB9M0 (2/2)

上条さんの落下にないた…


167以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/30(木) 21:44:49.12Y0sixgIo (1/2)

色んな意見があるのは良いと思うんだが今回のことは議論もしないで
「勝手に」消したり変えたりしたのが問題なんだよね。
ルールも守らずあんなことした時点でどんなにそれらしい理由があろうと荒らしという名の屑だからな。

てゆうかWikipediaの人物の順番とか禁書ファンの大半がどうでもいいって状態だったのに
あんなとこにまで噛み付いてほんとキャラアンチって糞の集まりだな。
今回のことはキャラアンチの人間性が証明できて良かったんじゃないかな


168 ◆WhAN1m3JTg2010/12/30(木) 22:23:24.52ruPftUE0 (2/2)

>>167 
まぁ俺も昔キャラに対する強い愛情を持ってた事あるから 
気持ちは分からんでもないが許されることでもないのも確実 
 
今、なにが困るって禁書にわかの俺が困る  
回答してくれた人も、読んでくれてる人もありがと 


169以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/30(木) 22:49:28.84Y0sixgIo (2/2)

http://www12.atwiki.jp/index-index/

ここ見れば禁書をまったく知らない人じゃない限り時系列やら設定やらはだいたいわかるな


170 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 00:01:04.05cUeiO1s0 (1/17)

>>169  
wikipediaよりいいなァ 
勉強ンなります


171 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 05:52:11.84cUeiO1s0 (2/17)

>>169 
勉強しすぎちまったァ 
もうすぐ朝じゃねェか… 
全然書いてねェ 



172以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/31(金) 10:37:12.88uGsAaUSO (1/1)

続き気になるから書いたとこまで投下してほしいな
書き溜めがあるならね


173 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:07:57.58cUeiO1s0 (3/17)

上条「愛してる」 完結編
     ~とあるホストの頂点踏破~ 
             ナンバーワン   
 
>>103のおじきルールです、大風呂敷すぎて長くなります、無茶苦茶な展開になります 
こまけーことはの精神じゃ無理かもしれんが堪えてつかーさい 
gdgdを少しでも防止の為。作中で細かいところ、小難しいところは割愛してます ググるなり質問してくだし 
表現力がうんkなので地の文使います※かなり多いです 
PC推奨 (AAもあります) 
別作品のキャラもでてきます 
>>1から書いた駄文から読むとちょっとは面白みがでるかもしれません 
途中で注意書きもあります 
にわかが成り行きでやるもんじゃねーな、などと予防線張りまくって序章だけ投下開始


174 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:10:14.26cUeiO1s0 (4/17)

ぼんやり目を覚ますとそこは見覚えのある天井だった 
左腕を見ると腕から点滴が伸びている 
静かな部屋に心電図が一定のリズムでBGMの役を成している 
右腕を見ると包帯が巻きつけられていた 
だが腕から先、つまり右手が無かった 
 
記憶が次々と呼び起こされ、急速に意識が覚醒した 
心電図がアップテンポになり、肉体の些細な変化に感知する医療技術の粋を証明する 
 
上条(俺は……生きているのか?) 
 
上体を起こし周りを伺う 
完全に知った部屋だ 
学生の頃何度か世話になった名医の病院だ 
 
上条(生きている、生かされた?) 
 
上条(しかしなぜだ…土御門の言い分なら学園都市が俺を助ける理由がない) 
 
上条は思考する 
まずあの高さから飛び降りたのは間違いない、記憶にもある 
土御門に斬られた右手が証拠だ 
二つ名通り即死からも生還させるくらいあの医者がすごいのか? 
いやいくらなんでも死んだ人間を生き返らせることなんて不可能だ 
俺が実は俺じゃない?いや意味わからん。クローン?右手まで取る意味もわからん 
 
思考の結果わからないに至った 
 
確実に言えることは自分はまだ生きている 



175 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:11:33.28cUeiO1s0 (5/17)

ナースコールのボタンを見て上条は考える 
押すべきか… 
押したとしてどうだろう、もし都市の人間に引き渡される…いや、どの道ここに来てる理由がないな 
逃げるか…しかし探されている可能性もある 美琴に連絡が取れればなんとかなりそうなんだが  
 
上条は愛しい女の事を思い出し、連絡手段について考える 
携帯は無い様なので却下、公衆電話か…金がない 
となると病院の電話だ 
 
体に纏わり着く管を外し、自分が履いていた作業靴を履く 服は見当たらない 恐らく処分されたのだろう 
靴には血が付着していて、あの出来事が勘違いでないことを証明していた 
 
上条(外は誰もいないな) 
 
見張りがいないか確認する 
 
上条(このフロアのナースセンターは俺の顔分かりそうだから下に行くか) 
 
顔を隠すように俯き、廊下を早足で抜ける 



176 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:14:43.20cUeiO1s0 (6/17)

意外とあっさり電話は借りれた 
電話番号は覚えている 
以前、美琴から恋人の電話番号くらい覚えておけと言われ、電話番号の書き取りをさせられたからだ 
あの時のやり取りがまさか本当に役に立つとは、と幸せな苦笑いする 
 
番号をプッシュする 
美琴の声が聞きたい、心配してるだろう、早く声を聞かせたい 
しかし 
 
『おかけになった電話番号は、現在使われておりません』 
 
上条(あれ?間違えたか?) 
 
掛けなおす、同じ結果 
一つ一つ確認して再度掛けなおす、変わらない 
 
上条「なんでだよ!!」 
 
声に出てしまった、驚いた看護婦がこちらを見るが頭を下げて謝る 
 
上条(なぜでない、いや使われていないってなんだよ) 
 
澱みに似た不安が胸をよぎる 
 
上条(会社に掛けるか) 
 
番号案内を通し、事務所に転送してもらう 
 



177 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:15:57.65cUeiO1s0 (7/17)

『はい、とある会社でございます』 
 
上条「あの…開発戦略部の御坂をお願いしたいんですけど」 
 
『御坂ですね、少々お待ちください。…』 
 
『…。申し訳ございません、当社に御坂という社員は登録されておりませんが』 
 
上条「え?御坂ですよ御坂美琴」 
 
『御坂美琴でございますか?』  
 
『学園都市では常盤台中学の御坂美琴さんしかいらっしゃらないと思いますが…』 
 
上条「ですからその御坂美琴ですよ」 
 
『……』 
 
ガチャ 
 
上条「な!?」 
  
再度掛けなおす 
 
『はい、とある事務所で「おい!なんで切ったんだ!」』 
 
上条「何かあったのか?教えてくれよ!!…なぁ!」 
 
『これ以上イタズラをするなら通報します』 
 
上条「ふざけんなよ!!そこで働いてるだろうが!」 
 
『当社では中学生の採用などしておりませんが』 
 
上条「なんだっ…。え?」 
 
『ですから中学生の採用などしておりません!』 
 
ガチャ 
 
思考が止まる 
 
上条(………中学生?美琴が?)
 
受話器を置くと電話のディスプレイに日付が表示された 
土御門に裏切られ、自分がビルから飛び降りたあの日の… 
 
9年前だった 


178 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:18:57.05cUeiO1s0 (8/17)

どうなってる?カレンダーを見てみても9年前 
時計は正常に動いている 
廊下を歩きながら周囲に目を配る 
テレビは昔やってたカナミンとかいうアニメのCMをやっていた 
自販機の型が古い、もちろん売っている品も古い 
 
上条(これはドッキリでせうか?) 
 
学園都市に邪魔者扱いされると 
9年前を再現した世界につれていかれるという突拍子もない妄想まで納得してしまいそうだ 
自室へ戻る、腕が疼きだした 
ベッドに座ると一つの閃きが起きた 
 
上条(……タイムスリップ?) 
 
散々超常現象を見てきた、どんなベクトルでも操る人間、冷蔵庫から何でも取り出してくる人間 
炎の巨人を出す魔術師、瞬間移動するツインテール、愛しいビリビリ女  
 
上条(しかし流石にタイムスリップなんて……あんのか?) 
 
確かめる方法はある 
もう一度電話だ、常盤台に掛ければいい 
そこで答えがでる 
 



179 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:20:29.66cUeiO1s0 (9/17)

幸い時刻は昼時 
いくらお嬢様学校でも昼休みならとりついでくれるだろう 
 
先ほどの手順で転送してもらう 
 
prrr prr 
『はい、常盤台中学校でございます。お手数でございますが、ご用件とお名前をよろしいでしょうか』 
 
上条「あの…そちらの学生の御坂美琴の親類の上条と申します、ちょっと緊急の用事で取り次いでもらいたいんですが」 
 
『親類の方とは?どういった関係に当たる方でしょうか?』 
 
上条「えと…親類っというか………許婚です!」 
 
『え…?、しょ、少々お待ちください』 
  



180 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:21:29.95cUeiO1s0 (10/17)

数分後 
 
『も…ももももしもし?///』 
 
上条「もしもし!?美琴か!?」 
 
この世で最も愛しい人間の声、一度諦め、必死に会いたいと願った女の声 
上条は涙を滲ませて質問をする 
 
『そっそうだけど!?///』 
 
上条「お前大丈夫なのか?変わった事はないのか?」 
 
『かかか?変わった事!?にゃんにもないよ?///』
 
上条「そうか…よかったぁ…。お前が無事で」 
 
『なに?ど、どうしたのよ』 
 
上条「終わったらあの公園に来てくれよ。話があるから」 
 
『アンタ風邪でもひいたの?声がなんか変よ?///』 
 
上条「いや?ひいてないぞ」 
 
『そ、それならいいけど。いきなり電話してきてビックリするじゃない///』 
 
上条「すまん緊急だったし声が聞きたかったんだ」 
 
『こ、声って…別にいいけど///』 
 
『いきなり。い、い、許婚から電話なんていうから焦るわよ///』 
 
上条「いや、別にいいだろう?照れるなよ」 
 
『て、照れてなんてない!!///』 
 
上条「まぁ、早く会いたいから急いで来てくれよ。俺は今から行って待ってるから」 
 
『え?今から?あ、ぅん。急ぐね?///』 
 
ガチャ 
上条は失念していた。 
嬉しさの余りお互いの立場が違うことに 
今話した美琴は中学生の、まだ上条と付き合う前の純情な美琴だということに 
 
上条「あー早く会いてーなぁ…」


181 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:23:18.76cUeiO1s0 (11/17)

暖かい陽気だが平日昼間の公園は人もまばらだった 
しかし季節は冬 
 
上条「さ…寒い!痛い!」 
 
病院の寝巻きしか着る物がなく、人目を避けて公園が見渡せる茂みに座りつぶやく 
人が見たらトイレを我慢できなくなって、野に放っていると思われてもおかしくない 
 
上条「まじで寒い、痛い!でも美琴に会う為頑張る!」 
 
痛み止めが切れている右腕がジンジンと疼くが、美琴に再開して抱き合う妄想で心を暖めて耐え忍ぶ 
  
目の前を何かが超高速で通り過ぎる 
 
上条「ん?」 
 
目で追えないくらいのスピードだが、間違いなく美琴だった 
 
上条「美琴ぉおおおおおおおおおおお!!!!!」 
 
顔の赤い美琴が振り向き、また超高速で走ってくる 
 
上条と近づく…が、バックステップで距離をとり帯電する 
 
上条「おい!!どうした!!」 
 
美琴「あんた誰よ!」 
 
上条「ああ?俺だよ、当麻だよ!」 
 
美琴「近づくな!!」 
 
電撃が二人の間を薙ぐ 
 
美琴「似てるのは認めるわ、態度なんかもそっくり、顔も似てる、しゃべりも声も似てるわ」 
 
美琴「でもねアイツはアタシの能力じゃ補足できないし、そんな老けてないわよ!!」


182 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:25:35.16cUeiO1s0 (12/17)

上条(ん?美琴がなんか小さい気がする…) 
 
美琴「なんとか言ったらどうなのよ、偽者さん」 
 
上条「待て待て俺は俺だ…ああっ!!!」 
 
上条「お前っ!中学生じゃねーか!!」  
 
恋は盲目とはいうが上条の鈍さの相乗効果で手に負えない 
 
美琴「何言ってんのよ!?」 
 
上条「ああ、待て待て…ちょっとまて!!」 
 
上条は思考する 
そうだ9年前なんだから、美琴はまだ俺と付き合っても無いんだった 
つーことは何だ?抱きついてキスしたらビリビリの刑かよ! …不幸だ
いやいや待て待て、美琴はすでにこの頃から俺の事好きだったはずだ 
ああ…納得 
まだ初心な頃に許婚なんて言われて舞い上がって早退してきたのか、可愛いじゃねーか 
 
上条「お前ほんと可愛いな!」  
 
美琴「ふざけんじゃないわよ!!人をよくも騙してくれたわね!!」 
 
上条「ちょちょちょ待て待て!!!!まって!!」 
 
再度思考する 
あれ?なんだっけ?ああそうか俺偽者扱いだったんだ 
そりゃいきなり高校生が25になってたらビックリだわな 
それに右手が無いんだから能力で感知もできる、ああ納得した 
他人に見えて当然だわ 
 
上条「ああ、ちょっと説明させてもらっていいか?」 
 
愛しい女を目の前に、触れられないもどかしさを感じつつも話し合いを勧める


183 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:27:01.18cUeiO1s0 (13/17)

上条は先ず右手の状態を見せて説明を始めた 
 
自分がこの時代の人間でなく、9年後の未来から来た事、学園都市の未来の事、裏切られ右手を失った事 
二人は愛し合って同棲していた事、別居した経緯、そして今に至るまで 
この時代の上条が知り得ない事も話した 
美琴の体のとある場所のホクロのを言うと顔を真っ赤にして帯電するが、なんとか収める 
ただ都市の美琴を利用する陰謀だけは話さなかった 
右手を狙ってという風に話した、もちろん土御門の名前もださなかった 
時折美琴からも質問がくる、きちんと回答をし、疑念を晴らそうとする  
 
美琴「ふーん、よくできた話ねぇ」 
 
上条「やっぱり信じてもらえないんでせうか」 
 
美琴「どうだろ、わかんないわ」 
 
美琴「ただ言えるのはアンタ病院に戻った方がいいわ」 
 
上条「いや、学園都市から狙われてるかも…」 
 
美琴「都市のお偉いさんに、タイムスリップしてきましたって言ってみなさい?」 
 
美琴「じゃあ証明してみせろ、できないなら嘘をつくな。で終わりよ」 
 
美琴「そもそもアンタが言わなきゃ誰も思いもしないでしょ」 
 
上条「おお、流石美琴せんせーだな」 
 
美琴「な、なによ…///」 
 
反応が逐一上条と同一なので照れてしまう 
少なくとも、もう疑ってはいなかった 
しかし美琴には新たな疑問がでていた 
 
美琴「でも問題があるわ…」 
 
上条「問題?」 
 
美琴「そう、この時代のアンタはどうなっているのか?ってこと」


184 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:27:47.60cUeiO1s0 (14/17)

美琴「つまり、未来からのアンタがいるなら、この時代のアンタはどこにいるのか?」 
 
美琴「仮にこの時代と未来のアンタ両方がこの時代に存在するならどうなってしまうのか?」 
 
上条「すみません、せんせー。わかりません」 
 
美琴「アンタ早いわよ…」 
 
上条「伊達に大学滑ってないぜ!」 
 
美琴「自慢しないの、あとこの時期に滑るいうな!!」 
 
美琴のタイムトラベル論展開中、しばしお待ちを 
当SSのキャラ達は受験生を応援しております  
 
美琴「~~~~~~ってことなのよ」 
 
上条「ううーん、つまりタイムパラドックスに気をつければいいんだな」 
 
美琴「詳しくはアタシも専門じゃないし、まだ中学だから習ってないんだけど」 
 
上条「いやいや、十分スゲーよ。流石上条さんの嫁」 
 
美琴「な、ふ、ふにゃ~///」 
 
上条は付き合った頃の美琴の反応を思い出し、ノスタルジックな気持ちになる 
 
上条「うん…やっぱ美琴は可愛いな」  


185 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:29:25.93cUeiO1s0 (15/17)

上条「タイムパラドックスを起こさない様にするのはどうしたらいいんだ?」 
 
美琴「さっきもいったけど、ありえなかった事、起きてなかった事をやっちゃうことじゃないかな」 
 
美琴「詳しくは専門家に聞いてみるわ」 
 
上条「助かる、じゃあ先ず俺に会ったらまずいな」 
 
上条「俺を見てみたいけどなー。若いんだろうなー」 
 
美琴「そうね一番ありそうで怖いわ」 
 
上条「しばらく病院に引きこもりかな」 
 
美琴「そうね、それがいいと思うわ。この時代のアンタに会うと何が起きるか分からないから」 
 
上条16「何の話だ?ビリビリ」 
 
美琴「だから今のアンタがアイツに会うと…」 
 
美琴は目の前に居る上条とは逆の方向から聞えた上条の声に固まる 
 
上条25「ん?」 
 
美琴「見るなぁぁああああああああああああああああああ!!!」 
 
上条25「おわっ!」 
 
咄嗟に目の前にいる上条25の顔に抱きつく 
上条25の顔面に成長過程のさり気ない膨らみが押し付けられる 
 
上条25「んー!!んー!!!」 
 
上条16「おいおい、何してんだよ!?新しい技ですか?」 
 
美琴「いいからこっち見ないで!!あっち向きなさい!!」 
 
上条16「はぁ?なんでだよ?」 
 
上条25「んー!!んんーー!!」 
 
上条16「っておい!その人ケガしてんじゃねーか!!」 
 
まったくもって空気の読めない上条当麻16 
いや、この場合彼の方が正しいのであるが…


186 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:30:32.88cUeiO1s0 (16/17)

※上条25は大人の方 上条16はおなじみの高校生の方です 慣れるまで我慢してつかーさい 
 
上条16「おいっ!ビリビリ!!やめろ!!」 
 
しがみ付いてる美琴を引き離そうと引っ張る上条16 
顔を見せまいとしがみ付く美琴 
小ぶりとはいえ、胸を押し付けられ呼吸が限界に近く引き離そうとする上条25 
公園のど真ん中で混沌としたやり取りが行われる  
 
上条25「ぶはぁっ!!ゲフォッ!ゴホ!!」 
 
美琴「あわわわわわっ!」 
 
上条16「大丈夫ですか?」 
 
美琴「見るなぁああああああ!!」 
 
ズン メツブシ 
 
上条16「ぎゃあああああああああああああああああ!!!」 
 
上条16「何すんだお前ええええええええええ!!」 
 
上条25「マジで!!死ぬかと思ったわ」 
 
ズキズキと痛む目を押さえ訴える上条16 
ゲホゲホと咳き込み、疼く腕を我慢する上条25 
しかしこのお互いの声に… 
 
上条x2「「んん??」」 
 
美琴「あ、ああ…」 
 
 

 
--------------------二人の上条が交差する時物語は始まる------------------- 
 
 



187 ◆WhAN1m3JTg2010/12/31(金) 17:33:37.50cUeiO1s0 (17/17)

とりあえずここまでで 
 
それではよいお年を


188以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/31(金) 18:09:08.32P8Oq4MDO (1/1)


細かいけど、ら抜き言葉には気を付けた方がいいかも
地の文だと少し気になる


189以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/31(金) 21:51:56.22vymxD4ko (1/1)

まさかあそこからここまで興味をそそられる展開に持ってくとはすげーな・・・
また一つ更新が楽しみでたまらなくてごろごろするスレが増えたぜ!


190 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 03:10:25.296wY0kcI0 (1/26)

>>188 
ら抜きが分かンねェくらい定着しちまってンなァ。ググってきたわ 
意識してみっけどできなかったらごめンなァ 
 
>>189  
もっと斜め上になりますが、とミサカ10032号は前もって全ミサカに警告しておきます 
 
あ、あけましておめでとうございます 
後少しお付き合いお願いします


191あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 03:15:23.03t3Y6ElIo (1/1)

あけましておめでとうま
期待してるからがんばれ


192 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:10:33.476wY0kcI0 (2/26)

>>191  
そろそろ心が超折れてきました 
 
適当なところまで投下いたします、後々矛盾でたら思いっきり叩いてほしいんですの  

 



193 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:13:35.766wY0kcI0 (3/26)

上条達は考える 
俺の声?いや、え? んん? 
疑問がでるが、先に答えを導いたのは持っている情報の多い上条25だった 
 
上条25(まさか…俺がいるのか!!??) 
 
そう考えれば美琴の急な行動にも合点がいく 
 
上条25(いきなり出会っちまうとは…流石不幸体質x2) 
 
見ればツンツン頭が目を抑えて悶絶している 
 
美琴「なんでも無いわよ、ちょっとあっちに行って目を洗いましょう!?」 
 
美琴が右腕を指し、明後日の方を指さす、恐らく病院に行けというサインだろう 
 
左手で了解の合図、若い二人を遠い目で見る 
何か不安、胸がざわつく 
世界に独り取り残されたような虚無感…… 
 
良く分からない感情を振り切る様に踵を返し病院へと戻る 
 
 



194 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:18:22.276wY0kcI0 (4/26)

上条25「やべ…まじで痛い」 
 
自分の病室へと向かう 
 
上条25「あ」 
 
冥土返し「あー、君ダメじゃないか、勝手に出て行っちゃ」 
 
冥土返し「ちょっとこっちきなさい」 
 
上条25(この人ならなんか知ってるんだろうな) 
 
処置室で包帯を取られる、傷口は縫合されてたがさっき暴れたので痛みが半端じゃない 
消毒されてまた包帯を巻かれ、痛み止めの注射を打たれる  
 
冥土「この分だと問題はなさそうだね」 
  
冥土「話をいいかな?」 
 
上条25「はい、俺からもぜひ」 
 
冥土「まぁ、僕からいうけども、…君は誰なんだい?」 
  
いきなり核心を突かれドキッとする  
 



195 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:19:07.746wY0kcI0 (5/26)

上条25「えーーっと、……パス1でお願いします」 
 
冥土「3回までで頼むよ、じゃあ次の質問だ、なぜ君は上条当麻君と同じDNAを持ってるんだい?」 
 
一歩詰められた 
 
上条25「……パス2で…」 
 
ふぅっと息を吐く名医 
 
冥土「んじゃ、なんで右手が無くなったんだい?」
 
上条25(これは答えられるな) 
 
上条25「襲われて斬られました」 
 
冥土「ほう…じゃあ、警備員に通報しないといけないね?」 
 
上条25(しまった…) 
 
上条25「いえ!襲われてって言うかですね、なんなんでしょうねぇ!?ハハハ!…パス3でお願いします、ハイ」 
 
冥土「うんー、んじゃなんで病院の前で倒れていたか、覚えているかい?」 
 
上条25「…は?」 
 
冥土「君はこの病院の前で倒れていたんだよ、そして応急処置もしてあった」 
 
上条25「な…?ちょ、ちょっと待ってください?」 
 
上条25は頭をフル回転させた 
ここから落下したビルは数キロ離れている、まぁ時間を飛び越えたんだから場所も移動しても変ではないだろう。原理は知らんが 
問題は応急処置だ、これは誰か第三者がやらないと不可能だ、病院の前でやるか? 
いや、別のとこに俺はいたんだ。それで誰かが処置をして病院の前に置いていった…こう考えると納得だ 
 
自分の時間移動を除いた推測を冥土返しに言う 
 
冥土返し「誰だろうね?心辺りはあるのかい?」 
 
上条25「いえ…、その辺はまったく」 
 
死にかけの人間を応急処置のみならず、わざわざタイムスリップまでさせて病院の前に放置…都市伝説なんてあまり信じてないが 
そういう一種の神掛かった存在を信じてしまいそうになる   
上条25は冥土返しにする質問を考えながらそう思った 


196 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:21:16.046wY0kcI0 (6/26)

上条25「では次、俺が質問していいですか?」 
 
冥土「先にいうが、僕はパスしないからね?」 
 
上条25「ありがとうございます、先ず応急処置はどういったものでしたか?」 
 
冥土「止血はしてあったね、しかし薬品や器具ではなく自然治癒を活性化させたような感じだった」 
 
冥土「傷口は塞いでなかったが、血はほぼ止まっていた」 
 
上条25「ですか…この傷はどのくらいで治りますか?」 
 
冥土「そうだね、そのままなら全治一週間、義手を装着ならもう少しだけ伸びるかな」 
 
冥土「義手なら早めに着けることを勧めるよ」 
 
上条25(義手か…。って金無いぞ俺っ!) 
 
上条25「俺の所持品は!?」 
 
冥土「うーん、君の所持品ね…。僕がした質問に立ち戻ることになってしまうんだけど」 
 
冥土「服装はとあるリフォーム企業の作業着だったが、学園都市はおろか国内で該当する箇所はなかったんだね」 
 
冥土「そして、IDを持っていた。…今から9年後の学園都市で発行と記してあったんだね」 
 
冥土「偽造するのに9年後じゃ意味がない、それにICチップは今の技術よりも格段に進歩してて手が込んでるどころじゃない」 
 
冥土「あとIDの名前とここの病院で登録してたDNA情報…、君………上条当麻くんなんだろう?」 
 
上条25は目を伏せた、もう言い逃れができない 
 
上条25「…ハイ、未来から来たみたいです」   
 
冥土返しが学園都市理事会と繋がりがあるのは有名な話だった


197 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:23:52.796wY0kcI0 (7/26)

冥土返しは最初クローンかと思っていたようだ 
上条25は都市が美琴を利用する陰謀論は話さず 
ただ未来で襲われ、右手を持っていかれ、転落したらここにいたことまでを話した 
 
冥土「君は未来でも不思議な環境にいるねぇ…」 
 
冥土「この時代の君が聞いたらまた不幸だと叫ぶよ…?」 
 
そういえばここずっと不幸だと叫ばなくなったな… 
それだけ美琴といた時間が幸せだと感じていたのだろう 
美琴を想うとまた涙が出てきそうになる 
堪えてるつもりでも目の前の冥土返しにはバレバレだった 
 
冥土「君も色々大変な思いをして、成長したんだ。感慨深いものがあるよ」 
 
冥土「行くところが無いだろうからしばらくここにいるといいんだね」 
 
冥土「心配しなくても警備員に通報はしないよ、少なくともその怪我が治るまではね」 
 
冥土「僕の患者なんだ、僕は患者を見捨てたりは絶対しない」 
 
上条25は深々と頭を下げ、感謝をした 


198 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:27:16.876wY0kcI0 (8/26)

病室のベッドの上で上条25は窓の外を眺め、今後について考えていた 
現状、美琴は味方になってくれそうだ 
こっちの俺に伝えたいことがあるのに接触できないのは残念だ 
美琴に都市の陰謀を話して伝えてもらうか、いや粛清案がでていたから 美琴が危険になる
手紙…、しかし信じるか? 差出人は未来の自分から、内容は土御門に気をつけろ…なんて 
俺なら信じないし、土御門に聞きに行っちまうな。こっちは手詰まりだ 
じゃあどうする?…金と情報だ。 
タイムスリップなんて現象、科学になくて魔術の方にあるんじゃないのか 
心あたりはあるが、必然的に接触しないといけない人物がいる 
インデックスだ 
10万3000冊の魔導書の中に時間移動の記述があってもおかしくない 
だが…そもそもインデックスさんはこの時代の俺んちにいるんだよな…… 
どうしよう… 
そして金か、これこそIDも無いから借金も仕事もできない 
 
上条25「だめだ!!わかんねぇー!!」  
 
美琴「分からないならせんせーが教えようか?」 
 
上条25「おわっ!ノックくらいしろよ」 
 
美琴「したわよ!返事ないから入ったの!なんか文句あんの!?」 
 
上条25「いえ…ないです」 
 
自分よりも10以上離れた女の子に頭が上がらないのはなぜだろうか… 
 



199 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:28:01.536wY0kcI0 (9/26)

美琴「まーいいわ、アンタこれからどうすんの?」 
 
上条25「あぁ、今考えてたんだけど…とりあえず未来に帰る方法を探そうかと思って」 
 
美琴「そうねぇ…。手当たり次第なんか探してみるわ」 
 
美琴「あと、アンタお金無いんじゃないの?」 
 
上条25「……ハイ、無一文デス」 
 
美琴「いつの時代も金欠なのね、いいわ入用なものはおごったげる」 
 
上条25「いや!それはだめだ」 
 
上条25「俺はお前に頼らずに自立するって決めたんだ、お前に甘える訳にはいかねー」 
 
美琴「何よそれ、そんなん未来の話でしょ、そっちでやりなさいよ!」 
 
上条25「いや…、それでもだなー。大の大人が中学生に甘えるのはどうかと思うんだが…」 
 
美琴「こっちでもゴハンおごったりしてるんだから、いいじゃない?アンタはアンタでしょ」 
 
美琴「それにね、力になりたいの!」 
 
若さの溢れる笑顔で美琴に押される上条25  
 
上条25(ああ…年の差関係なく俺は美琴の尻にしかれるんだな…) 
 
運命というものを感じていた 


200 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:30:17.266wY0kcI0 (10/26)

上条25は美琴に自分が病院の前で倒れていたことなど、冥土返しに未来からきたことがバレた事を話した 
圧倒的に情報が足りないので、じっくり解決しようと結論に至る 
 
美琴「……なんか飲み物買ってくるわね」 
 
上条25「ああ」 
 
病室の外へ行く美琴 
 
上条25(うーん、しかし…どうするか) 
 
美琴「ちょっ!アンタなにしてんの!!」 
 
上条25「?どうした!?」 
 
上条16「後追って…盗み聞きも嫌だったが、どうしてもお前の行動が気になったんだ」 
 
上条16「俺が…未来の俺がいるんだろ…?」 
  
美琴「いないいないいない、何言ってるのよ!!バカじゃないの!?」 
 
上条25「うげ!?」 
 
布団の中に潜りこむ上条25 
 
上条16「どいてくれ御坂、…ってなんで隠れてんだ?」 
  
美琴「い、いろいろあんのよ!アンタに関係ないからあっち行きなさいよ!!」 
 
上条16「関係ねーって?未来の俺がいるのに俺が関係ねーのが分かんねーよ!!」
 
上条25「おいっ!!美琴にそんな言い方ねーだろ!!美琴は俺たちの事とか色々考えてんだぞっ!!」 
 
布団の中から怒声が響き、黙る学生二人 
 
上条25(しまった…しゃべっちまった) 
 
上条16「なんであんた…、俺?が隠れるのかは知らねーけど…説明してくんねーか?」 
 
上条16「困ってるんなら力になりてーんだけど」 
 
ほんとこいつらは…。と若かりし自分達に感動すら覚えてしまう 
得体の知れない状況に飛び込んでいく、そして切り開こうとする 
大人になって世間だのなんだののシガラミで忘れてた感情だ… 
 
上条25(傍からみたら、こんな素敵な大バカだったんだな俺) 
 
上条25(こりゃ美琴もインデックスも心配するわ)


201 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:32:08.446wY0kcI0 (11/26)

上条25「あー、あのだな 小難しい話だから先ず 美琴せんせーの話を聞いてくれ」 
 
布団に潜ったまま美琴に説明させる 
 
------美琴せんせー説明中----- 
未来で付き合ってる事は頬を染めつつ、省きました  
 
上条16「そうか…、なんとなくヤバイってのは分かった」 
 
美琴「はぁ…。もうそれでいいわ」 
 
上条25「せんせー、この段階でパラドックスは起きないんですか?」 
 
美琴「わからないわ、少なくとも歴史に影響を与える程のことじゃないとか?」 
 
美琴「早めに専門家を当たってみるわ」 
 
上条16「頭いい奴ならさっき一方通行がいたけどな、杖と打ち止めの調整だとよ」 
 
上条25「一方通行いんのか、この時代だと小生意気なんだろうな」 
 
美琴「一方通行か…、あんた仲いいんだから聞いてきなさいよ」 
 
上条16「ああ、いいぜ」 
 
上条25「ん?仲いいって?」 
 
上条16「冬前からあいつともつるむ様になっただろ?」 
 
上条16「バイト手伝って、ただ働きしてから」 
 
上条25「なに?…バイト?一方通行と遊ぶ?…なんだそりゃ?」


202 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:33:56.146wY0kcI0 (12/26)

上条16「いや…なにって、ステイルが暴れてた時。シティボーイと一緒に戦っただろ?」 
 
上条25「ステイルが?シティ…何? …いや、まったくわからん」 
 
上条16「まさか…すでに未来が変わって?」 
  
美琴「ううん、変わってるのは過去よ?未来から来る前からあった話よ?」 
 
上条25「…ちょっと一方通行を呼んでくれないか?」 
 
上条「わかった」 
 
上条25は状況を整理する 
過去が変わってるってことか? 
俺が体験していない過去を、この時代の俺がしてる 
わかんねーな… 
・ 
・ 
一方「なンだァ?こいつァ?布団にくるまって」 
 
上条16「未来から来た俺だ」 
 
一方「なにィ?ついに脳みそが素敵にキマっちまったンですかァ?」 
 
上条25「いや俺なんだよ」 
 
一方「………アァ?」 


203 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:35:47.706wY0kcI0 (13/26)

美琴せんせーの説明中 
上条16と同様の説明 
 
一方「アァ、パラレルだなそりゃ」 
 
上条25「どういうこった?」 
  
シティボーイのクールな説明中 
wikipedia タイムトラベル と内容は変わりません
 
上条25は理解した 
つまり、簡単に言うと別世界ってことか  
 
上条16「つまり簡単に言うと別世界ってことなんだな?」 
 
一方「まァそーなンだが、お前に理解できるたァ思ってねェからそれでいいよ」 
 
上条16「なんだよそれ、大体あってんだろ?」 
  
美琴「はいはい、ちょっと黙ってなさい」 

上条25(よかった喋らなくて…) 
 
上条25「んじゃ俺は隠れることもないし、この世界の歴史が変わるくらい大きく干渉しなければいいってことか」 
 
一方「ンまァそういうこったァ、別にしてもいンだが未来の知識ってなァ色んなところに影響与えちまうだろォからなァ」 
 
美琴「しかしすごいわねー、専門でもないのに、アタシも知らなかったわ」 
 
一方「テメェはまだ中二だろォが、専門じゃねェけど時間を操れねェか試したことあったからなァ」 
 
美琴「恐ろしいこと実験しないでよ」 
 
一方「変えてェ過去ってのがあンだよ……」 
 
美琴「あんた…、気にするなとは言わないけど、背負い過ぎよ」 
 
一方「るせェ…」 
 
上条25が布団からでる 
 
上条16「おお、大人の俺だ」 
 
上条25「よぉ!子供の俺」 
 
その時、病院内でアナウンスが流れる 
 
『変なシャツを着たモヤシ様、お連れ様が一階ロビーでお待ちです、とミサカは上位個体を目の前に伝えます』 
 
一方「あンのクソガキィィイ!!」 


204 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:37:31.126wY0kcI0 (14/26)

一方通行が妹達の上位個体を迎えに病室をでる 
その杖をついて歩く第一位と、五体満足のNO.1を重ね、別世界なんだなと確認をする 
 
上条25「ありがとな。一方通行」 
 
一方「うっせェジジイ。シティボーイはクールに去るンだよ」 
 
ピシャっとドアを閉め、カチッ カチッっと杖をつく音が廊下に響いていた
 
上条25(…ああいう態度は変わらないんだな) 
 
上条16「これからどうするんだ?」 
 
上条25「ああ、帰る方法を探す、それと義手だな」 
 
上条16「帰る方法とかあるのか?」 
 
上条25「科学じゃ無理だろうな、魔術をあたるしかない」 
 
上条16「魔術かぁ…。インデックスに聞いてみるか」 
 
上条25「頼むよ」 
 
美琴「義手はアタシが手配するわ」 
 
上条16「いやいや、俺なんだから俺がやるよ」 
 
美琴「アンタ義手が一個いくらするか知ってるの?」 
 
上条16「いや、知らないけど。なんとか生活費切り詰めてでも…」 
 
上条25「無理だろ、すまないが美琴お願いできるか?」 
 
美琴「まかせて!」 
 
美琴がさっそく冥土返しの元へ行く 


205 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:38:35.886wY0kcI0 (15/26)

上条16「なぁ!俺のことなんだから俺にさせてくれよ!」 
 
上条25「いや気持ちは分かるんだ、俺なんだから、すげーーー分かるんだ」 
 
上条16「じゃあなんで!」 
 
上条25「現実を見ろ!月末には千切りキャベツを丼ゴハンにのせて、マヨネーズと醤油で腹を膨らませる」 
 
上条25「たまに卵で栄養とろうとすれば、帰りに割れ、奇跡的に残った卵は暴食シスターの餌食になる!」 
 
上条25「こっちの俺も…、あんま変わらないんだろうが!!」 
 
上条16「流石大人の上条さん……。まったく言い返せない………。でも、だからって御坂に頼む事ねーだろ」 
 
上条25「あの子はな…。…!?」 
 
上条25はふと思う 
(俺がここで未来で付き合ってるって言うのはまずいのか?歴史に影響与える?いや待て待て? 
 この時の俺はすでに意識してるはずで、美琴が高校に上がる日に付き合ったんだ 
 いやいや…、一方通行の言うにはここは過去じゃないんだ。似てる世界。別もんだ。 
 そう考えれば…あーわけわかんねー どーにでもなーれ☆ 
 
上条25「あの子はな、詳しくは言えないが、夢は看護婦さんなんだ?」 
 
上条16「えっ…そうなのか?」 
 
上条25「そ、そうだ、だから早めにこういった環境に置いておくといいと思わないか?」 
 
上条16「いや、金の面は解決しないんじゃ?」 
 
上条25(するどいなこいつ、流石俺) 
 
上条25「その辺も大丈夫、大きな声で言えない事情があるが解決するだろう」 
 
上条25「無理だったら、借りにしといてくれ…ハハ」 
 
上条16「そうか、まぁ俺が言うんだからそうなんだろうな」 
 
上条16「インデックスに話してくるよ」 
 
上条25「ああ、頼むよ」 
 
上条25(お人よしすぎだな…9年でこんな変わっちまうのかね人は) 
 
基本的人格は上条25も変わらないのだが、酸いも甘いも噛み分けた年月の差だろう 
そう勝手に解釈をして横になった 
  


206 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:40:08.116wY0kcI0 (16/26)

冥土「ちょっといいかい?」 
 
横になってあっちの世界の美琴のことを考えていた時だった 
 
冥土「寝てたのかい?」 
 
上条25「いえ、どうしました?」 
 
冥土「義手の件を聞いてね、ちょっと説明にきたんだよ」 
 
何枚かの資料を見せながら、分かりやすく説明をしてくれる 
1)思考とリンクさせ、今まで通りの反応速度で動かせること 
2)精密作業も可能、骨格は金属だが重くもなく強度も高い 
3)爪は伸びたりはしない 
4)表面の質感は肌に限りなく近い  
5)1)が現時点の技術で製造不可である、しかし超電磁砲の協力があれば製造可能 
6)正規の商品ではないので、失敗しても責任を追及できない 
7)触覚再現率は97% 
 
上条25は真っ先に聞いた 
 
上条25「美琴に危険はないんですか?」 
 
冥土「ないね。彼女のやることは、ある能力使用状態の身体、神経伝達物質の解析と、完成してからの製品の調整、装着してからの微調整だね」 
 
冥土「必要な物は、君のサインと彼女の協力と都市理事会の許可がいるからね」 
 
冥土「彼女は即決だったよ、…理事会は僕から許可をすぐ取り付ける」 
 
冥土「後は君のサインだけなんだね」 
 
上条25「お願いします!!」 
 
冥土「じゃあここにサインを…」 
 
上条25「一つ変更をお願いしたいんですけど、皮膚感を出さなくてもいいんで固く丈夫にしてもらっていいですか?」 
  
冥土「できるけど、なんでだい?」 
 
上条25「ぶん殴りたいやつがいるんです」 
 
黒い感情と共に、裏切った親友の顔が脳裏を過ぎる 



207 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:46:07.846wY0kcI0 (17/26)

冥土「まぁ…色々あるのはわかるよ、君の手になるんだからね…考慮しておこう」 
 
冥土「それからお金なんだけど」 
 
上条25「ああ、手持ちがないんで、美琴に借りようかと」 
 
冥土「えっ?いや、こちらが払わないといけないんだね」 
 
上条25「えっ?」 
 
冥土「この技術が確立すれば、身体障害等にも応用が利く。医療の世界は恐ろしい進歩になるんだね」 
 
冥土「例えば歩けない人が、自分の意思で歩ける様になるってことなんだね」 
 
上条25「…え?」 
 
冥土「今までは仮に理事会の許可の取って被験者を募集しても、超電磁砲からの協力許可が取れなかったんだね」 
 
冥土「彼女も過去に色々あって悲惨な体験をしているから、拒んでいたんだろう」 
 
冥土「こちらとしては、許可を取るに至った君に感謝したいくらいだね」 
 
上条25「まじで解決しやがった…」 
 
冥土「ん?」 
 
上条25「い、いえ、なんでもないです」 
 
冥土「君の口座はないから、高校生の君の口座に振り込んでいいかね?」  
 
上条25「ああ、はい、えーっと、いえ、それでいいです」 
 
展開の速さに中々着いていけないが、結果オーライという形だろうか上条25は人事の様に考えていた 
続いて、歩けない人が歩けるようになる、御坂美琴という個体の副産物の偉大さに例の計画にも理解が深まった 
 
上条25(絶対ゆるさねーけどな) 
 



208 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:47:20.126wY0kcI0 (18/26)

 
 
 
冥土返しに義手の手続きを要請した後、美琴は風紀委員の177支部へ来ていた 
 
初春「あら美坂さんじゃないですか」 
  
美琴「やっほー、初春さん元気ー?」 
 
初春「はい、白井さんなら見回りに出てますけど、どうしたんですか?」 
 
美琴「ああ、ちょっと初春さんにお願いがあってきたのよ」 
 
初春「私にですかぁ?なんでしょう?」 
 
美琴「ちょっと学園都市の監視映像を…ね!」 
 
美琴は考えた 
アイツはビルから落下したと言っていたが、体にそんな傷はなかった。 
地表に叩きつけられる前にこっちの世界に飛んだことになる 
ならば腕の応急処置をした者、少なくとも運んできた者が病院の前に映るはずである 
 
言われた日時と座標を衛星から捉えた映像が映し出される 
病院の前がばっちり映し出されていた 
 
初春「最近、長時間のハッキングは怖いので早送りしますね」 
 
美琴「ごめんね、変なこと頼んじゃって」 
 
いえいえ、と映像自体に興味が無さそうに初春は早送りをする  
人が数倍速で流れていく、その中で異常な現象が流れた 
 
美琴「!!?止めて!!!」 
 
驚いた初春が映像を止める 
そこには作業着を着た男が病院の前に倒れている 
 
巻き戻してくれる…?微かに震える声で美琴がいう 
巻き戻し映像の倒れた男が消える  
再生をすると、現れる 
また数倍速で流れる  
病院の関係者が出てきて収容されていった…… 


209 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:49:48.756wY0kcI0 (19/26)

初春「なんなんですか!?今の!!」 
 
映像に興味を持ってしまった初春が興奮気味に尋ねてくる 
 
美琴「あぁ、なんだろ…。ちょっと待って、アタシもなんなんだか…」 
 
美琴はいくつかの可能性を思案する 
地表衝突前は確実、それは体のダメージを見れば分かる 
何者かに治療されたのは確定的 
映像では病院前に突然現れている 
つまり治療されたあと、テレポーターにでも転移されたのか 
しかしなんで…? 
そんな芸当ができる能力者は多くない、後輩の白井黒子を除けば一人しか浮かばない 
美琴は携帯を取り出し電話をかける 
妹達の上位個体が電話にでる 
 
美琴「ああ、一方通行に替わってもらえる?」 
 
打ち止め『はーい!お姉様からだよ!、ってミサカはミサカは不機嫌なあなたに華麗にバトンタッチしてみる』 
 
一方『あァ?なンか用かァ?クソ超電磁砲』 
 
美琴「あんたとは一回口の利き方について議論したいところね」 
 
一方『ケンカ売りにきたンですかァ?三下が二人いっから困らねェだろォがァ』 
 
美琴「いや、そうじゃなくて。あーもう! 用件を言うわ」 
 
美琴「座標移動は昨日から何をしてたかわかる?」 
 
一方『あン?知らねェよ』 
 
美琴「調べてもらえると嬉しいんだけど」 
 
一方『ジジイの三下に関わることかァ?』 
 
美琴「そうよ、病院前の映像を見たら倒れてるアイツが急に現れたの」 
 
一方『……わかったら知らせるわァ』 
 
美琴「うん、ありがとね。連絡はメールでも構わないわ。アドは打ち止めが知ってるし。一つ借りにしといて」 
 
一方『あァ…?、俺の返済分から引いといてくれやァ…』 
 
美琴「そうしとくわ…」 


210 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:51:06.386wY0kcI0 (20/26)

電話を切り、息を吐く。一方通行を妹達は許しても自分はまだ完全に許してはいない 
しかしああも気にしていられると調子が狂ってしまう  
 
初春「御坂さん事件なんですか!?」 
 
鼻息を荒くした初春が御坂に尋ねる 
 
美琴「うん、ちょっと複雑でね…」  
 
何か抱え込んでいるがいい難い様子を察した 
 
初春「私でできることでしたら、何でも言ってください!」 
 
初春「抱えこんじゃったら失敗しちゃいますよ」 
  
初春は興奮を押さえきれずに言う 
 
抱え込むと失敗する、いくつかの事件を一緒に解決したが 
その過程で初春が指摘した失敗が関係者に何度かあった 
 
美琴(歴史から学べって事かしらね) 
 
ふふっと笑い美琴は初春に仕事を依頼する 
その依頼は初春の想像の遥か斜め上だった 
からかわれているのかとも思った 
  
………異世界に行く方法を調べてちょうだい………  
 
だが真剣な顔で常盤台のLEVEL5は確かにそう告げた 
 
 
 
 
 
 


211 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:52:44.836wY0kcI0 (21/26)

上条16は自宅へ戻った 
ドアを開けた瞬間に飛び掛る白い影 
禁書目録だ 
 
禁書「と・う・まあああああああああああっ!!」 
 
上条16「おわっいてええええええ!!」 
 
禁書「早く帰るって行ったのに遅いんだよ!」  
 
上条16「いやいや、まてインデックス!これにはマリアナ海溝よりも深~い訳がっ!」 
 
禁書「言い訳はいいんだよ!」  
 
ガブ 
 
上条16「不幸だあああああああああああああ!!」 
 
禁書「おなかへったんだよ」 
 
上条16「へいへい…」 
 
上条16は冷蔵庫の中を見る、キャベツ1/4カットが一つポツンとあるのみ 
体温が急激に下がる感じがした 
 
上条16(しまった…買い物いくはずだったんだ……) 
 
上条16「イ、インデックスさん?」 
 
禁書「なーに?」 
 
上条16「あのー明日外食しませんか?お肉とか食べません?」 
 
禁書「え?お肉!?行くんだよ!!嬉しいんだよ!!」 
 
上条16「だから、その…今日はキャベツマヨご飯で…」 
 
そう言い切る間もなく白い影が牙をむいて飛び掛っていたのだった 


212 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 12:59:17.276wY0kcI0 (22/26)

食事を終えたあと禁書目録に今日あった出来事を相談する 
 
禁書「んー。魔道書の中にそういった記述はあるんだけど」 
 
禁書「実際に成功した、確立された術式っていうのは書いてないんだよ」  
 
禁書「それに異世界といっても目指す地点によって術式も変わってくるみたいなんだよ」 
 
禁書「ごめんねとーま」 
 
上条16「いや、まぁ成功してもこの世界にいないんだしな。いいんだ、でもそういった記述ってどんなもんなんだ?」 
 
禁書「神隠しとか、実行前の計画だけとか、失敗例なんかが多いんだよ」 
 
上条16「神隠しってのは消えたってことか?、その後の事は?」 ※ここでの神隠しは世間一般の意味の神隠しです
 
禁書「記述が途切れてるから、帰って来てないかも」 
 
上条16「それか失敗しちまったか…だな」 
 
禁書「でも術式の方向性はおかしくはないんだよ」 
 
上条16「どういうことだ?」 
 
禁書「同じ世界なら、印と印の間を飛んだりするんだけど、印から何もないところへの転移はあまり例がないんだよ」 
 
禁書「少ない実例だと大体が召喚、つまり呼び出す術の力の流れを逆にしてるんだよ」 
 
上条16「送り込むってことか」 
 
禁書「そう、でもどこに送り込むのかとか、何かの指針がないと次元の狭間を彷徨ってしまうんだよ」 
 
禁書「あとエネルギーだね、一瞬で空間に穴を開けきるくらいの大きな力がないと失敗しちゃうんだよ」


213 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 13:00:49.316wY0kcI0 (23/26)

上条16「その指針ってのはどういったものだ?」 
 
禁書「それがどういった形で、どうするのかは行き先で違うんだよ」 
 
上条16「それが分からないと…だな」 
 
禁書「そこの世界にしか無いものとかじゃないと、別の平行世界の同じところに飛んじゃうかも」 
 
上条16「向こうも学園都市だし、難しいな」 
  
禁書「明日大きいとーまに会わせてもらっていいかな?」 
 
上条16「俺も学校休んでいくから、朝飯食ってからいくか」 
 
禁書「うん!」 
 
 
上条16(そこにしか無いもの…か)



214 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 13:16:42.296wY0kcI0 (24/26)

部屋の寒さで目が覚める 
時刻は深夜2時を回った頃だった 
換気の為少し開けていた窓を閉めて再びベッドへ
ちょっとベッドから出ただけで寒い 
布団の中で丸まって何かできないか考えた 
帰る方法は分かったんだろうか? 
 
上条25は不安に駆られる 
分からなければずっとこのまま、存在が許されない世界で生きなければいけない 
それも死ぬまでずっと、自分の愛する女の下へ帰れぬまま… 
冷静に考える程不安で堪らない、一変して知ってるが知らない世界に放り込まれた 
物資を持たずに山奥に放置されるよりも恐ろしいことだ 
昨日はドタバタと興奮していたので、そこまで考えなかった  
幸いは顔の知った理解ある支援者がいたことだ。 
離れた学区や、学園都市の外だったらどんな目にあっていただろうか 
不安と恐怖で身が震えてくる 
自分の愛する女を心で強く想い描き、生み出された恐れに必死で耐える 
 
上条25(最後にあったのは5日前だったな…) 
 
6畳間の安アパートに美琴が遊びにきた時だった 
夕飯を二人で作って、テレビの音声をBGMに酒を飲み、夜中までたっぷり会話した 
風呂に入り、床で交わり果て、お互いが元々一つであったかの様に抱き合って寝た 
 
胸が温かくなる思い出 
だがその幻想から、現実の立ち居地を意識してしまうと気が狂いそうになる 
独りこの異世界で年を取って生き。想いの女の思い出に縋り、自分の存在すら認められてない世界の日陰で惰性に身を任せる 
そんな非生産的な自分と公園で見た若い上条と美琴二人 
取り残される様な感覚が蘇る 
 
 
生き地獄だ…… 
 
夜よりも暗い感情に支配され、何かの意図で生きながらえた事さえ諦めたくなる…。恐ろしくて堪らない……堪らない……  
 
 
上条25は幼い子供が独りの夜に怯える様に震え、眠りについた 
 
 
 
 
 
 



215 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 13:27:55.816wY0kcI0 (25/26)

とりあえずここまで、文章のチープさは置いといて 
帰る術式、方法、平行世界など小難しいものは適当に流していただけると嬉しいです 俺設定キモwwwwくらいで 
中盤が一番めんどくさいので次の投下は早くて明日だと思います 


216あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 15:47:24.92HIQwD1k0 (1/1)

乙です


217あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 16:35:54.36G7SQxBAo (1/1)

面白いです。乙
救済前提で、一旦大人上条を欝展開に叩き込んで欲しいなぁと思ったり。
美琴を見ていて、昔の自分に嫉妬するとか。


218あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/01(正月) 21:48:05.70DAnbyUSO (1/1)

上条25は二番目のSSの世界にいんの?
>>214以上に上条さん追い詰めようとする>>217が怖い


219 ◆WhAN1m3JTg2011/01/01(正月) 23:31:42.416wY0kcI0 (26/26)

>>217 
それはもう難しい試練ぜよ 
大体書き溜め10-15レスくらい残して投下してるので 
展開の希望には答えられないと思う シナリオもすでにラストまであるからね 
ただ肉付けしながら書く作業です 
細かい描写や説明を削っているので投下している範囲の質問は答えます 
 
>>218 
そうです 
今の世界はイノケンサンバの世界です 
サンバ世界では一方さんが杖ついてて、上条と仲がいいとか、もちろんこの世界のステイルはイノケンサンバできます、自ら黒歴史として封印した様ですが 
美琴の義手製作のくだりは最初の下半身不随の話と軽く交差してます 
分岐1だったらこんな感じの展開でしたみたいな 
しかし今思うと2を選んでもらってよかったかもしれません… 
それはまた後々


220 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:32:30.07iwgXhy.0 (1/10)

上条16「おはよーす」 
 
上条25「おはよう」 
 
禁書「おはようなんだよ」 
 
上条25「おおインデックス、ちっさいなーお前」 
 
禁書「む、大きいとーまはいきなりひどいんだよ!」 
 
上条25「ハハハっ!許してくれよ、久々にインデックスに会ったんだ。嬉しさの裏返しってことで」 
  
禁書「むー! そっちのインデックスも小さいのかな?」 
  
上条25「あっちのインデックスは数年前に………」 
 
上禁「「えっ……?」」 

上条25「イギリスに帰ったよ、びっくりした?」 
 
禁書「うぅうぅ~~~~~~~!!」 
 
ガブ 
 
上条25「ぎゃああああああああああああああああ」 
 
禁書「からかわないでほしいんだよ!!」 
 
上条25「久しぶりの感触だな…イテテ。あっちのインデックスも元気にしてるよ」 
 
上条16「今のは仕方ないと上条さんは思います、自業自得だ」 
 
美琴「朝っぱら病院で何騒いでんのよ、廊下までまる聞こえよ」 
 
禁書「むっ!短髪がきたんだよ!」 
 
美琴「来ちゃいけないの!?、これでも食べてなさい」 
 
禁書「物で釣ろうなんで短髪は浅ましいんだよ!」 
 
美琴「いらないの?焼きたてのパンよ?」 
 
禁書「あ…、インデックスはまだいらないとは言って無いんだよ?」 
 
美琴「ハイハイ、こっちの甘いのあげるわ」 
 
上条16「ほらインデックスお礼は?」 
 
禁書「ありがとなんだよ」モフモフ 
 
 


221 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:34:46.71iwgXhy.0 (2/10)

4人は状況を説明しあう 
美琴は義手の開発に今日から取り掛かる事 完成は数日も掛からない事 
そして映像の事、あの芸当ができそうな転移能力者、結標淡希にはアリバイがあった事 
初春に些細な手がかりでもいいから、探してもらっている事 
上条16と禁書は逆召喚つまり送り出しという手段の可能性を 
だがそれを成し遂げるには重要なピースが足りない事 
失敗すれば例外なく死のリスクがある事 
 
上条25は以上のことを踏まえ考える 
義手は思ったより早いな、美琴はやっぱりすごいわ 
映像の件は予想外だ…、いったい誰が… 
初春っていうと、あのサクっと物言う子だっけか…?あっちじゃまだ学生だったな。 
帰還は……やっぱ魔術か、しかしインデックスでも分からない事をどうしたらいいんだ? 
一旦は捨てた命だ…死ぬのは別に怖くねー 
もっと怖いのは……… 
 
昨晩考えていた事が身を震わせる 
 
上条25(子供の前で情けない…気合をいれろ!上条当麻!) 



222 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:36:25.08iwgXhy.0 (3/10)

美琴「んじゃアタシはちゃちゃと開発してくるわ」 
 
上条16「おう、がんばってな」 
 
上条25「頼りになります」 
 
美琴「あ、義手の話きいた?」  
 
上条25「ああ、ありがとな」 
 
美琴「ふふん、貸し1ね」 
 
上条25「怖いから出来るだけ早く返すよ」 
 
美琴「よろしい、んじゃーねー」 
 
手をフリフリ病室を後にする 
 
上条16「今日はどうするんだ?」 
 
上条25「うむー俺がすることってあんまないんだよな」 
 
上条16「じゃあ昼飯でも食いに行かないか?」 
 
禁書「お肉だね!!」 
 
上条25「何!?、肉だと?それで厳しい月末を戦い抜けるのか?」 
 
上条16「いや、昨日失敗してしまいまして…しかたなく」 
 
禁書「大きいとーまがなんと言おうと今日はお肉なんだよ!」 
 
上条25(こいつのせいか…) 
 
自分も似た経験した事を別世界の自分もしている事に笑みがこぼれる 
 
上条25(あ、着て行く服がねぇ…) 
 
 
 
 
  
 



223 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:37:55.29iwgXhy.0 (4/10)

服を取りに帰った上条16の苦労に感謝しつつ、3人で待ちを歩く 
 
禁書「おっにく!おっにく!おっにっく~♪」 
 
上条25「転移魔術のことイギリス清教にもきいてくれないか?」 
 
上条25「何かわかるかもしれない」 
 
上条16「ああ、ステイルなら明日こっちにくるらしい」 
 
上条25「インデックス大好きだからなあいつは」 
 
上条16「やっぱそうなのか?」 
 
上条25「あっちじゃ少なくとも…な」 
 
スキップしながら前を歩く禁書に上条16が声をかける 
 
上条16「インデックスー、ちょっとATM行ってくるから待っててくれ」 
 
禁書「はーいなんだよ!」 
 
上条25「つらいだろうがこれも試練だ若者よ」 
 
禁書「とーま、月末苦しくならない様に、残しておくんだよ!」 
 
自覚の無い禁書目録の言葉に、上条16はふらふらとコンビニに入っていく 
 
 
 
 



224 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:39:29.60iwgXhy.0 (5/10)

禁書「ねぇねぇ、大きいとーまぁ」 
 
上条25「ん?どーした?」 
 
禁書「あっちのインデックスは幸せにしてるのかな?」 
 
自分が夜の仕事に着いてしばらくした後に、故郷へと帰ったシスターを思い浮かべる 
自分は泣かないから、笑ってお別れをしようといいつつ顔をベチャベチャにして去ったシスターを 
 
上条25「ああ、幸せさ。インデックスの周りにはいいやつが多いからな」 
 
上条25「そいつらに囲まれて幸せに暮らしてるよ」 
 
禁書「そっかぁ、私もいつかとーまとお別れするのかなぁ…」 
 
上条25「それは分からねーよ。あっちはあっち、こっちはこっちだからな」 
 
上条25「全てはインデックスの想いひとつじゃねーかな」 
 
禁書「そうだね…」 
 
上条25は少し後悔した、やはり【未来】の比重が多い分確定事項の様に捉えてしまうのかと 
影響を与えてしまうのはよくない、一方通行の言うことが思い出された 
 
上条25「そう沈むなって、あっちのインデックスは今よりナイスバディだぜ?」 
 
禁書「え!?ホント!?」 
 
上条25「ああ、上条さんは嘘つきませんよ?」 
 
禁書「それが嘘なんだよ!」 
 
上条25「はは、でもナイスバディはほんとだ、17くらいからグングン成長したぞ」 
 
目に希望の明かり灯し自分の体をマジマジと見つめてモジモジしている 
 
上条25(かわいいやつめ、…つかおせーなアイツ)


225 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:40:47.69iwgXhy.0 (6/10)

上条25「どーした?」 
 
上条16「おかしいんだよ、何回やっても…」 
 
上条16「金が多すぎる」 
 
上条16はいつもどうりATMにカードを差込み、残高確認をした 
厳しい現実の数字を見て引き出し取引を押すのが慣習だ 
だが今日は違った、残高の数字が桁違いなのだ 
焦って取引を中断、カードを抜き名義を確認するが、刻まれている名前は上条当麻本人 
何度やっても同じ流れになる 
変な汗がドバドバ流れているところ、今に至る 
だが答えは意外なところからでた 
 
上条25「あ、言うの忘れてた」 
 
上条25説明中 
 
上条16「なんだ…。ついに暴食シスターに食い潰される、不幸な上条さんに神様が贈り物をしてくれたのかと」 
 
はっとして周りを警戒するが、当のシスターは外で待っていた 
 
上条25「現金振込みする神とかいやだなそれ…」 
 
上条16「んじゃこれ全額下ろした方がいいな」 
 
上条25「いや、そんな大金持ち歩きたくねーよ」 
 
上条25「1/10くらいで十分だ」 
 
上条16「そうか、またなんか入用になるだろうからな」 
 
上条25「だな」 
 
義手も無料なので余り使うこともないのだが、まぁ不幸なこっちの自分にあげてもいいなと思いコンビニを後にする 
 



226 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:43:55.48iwgXhy.0 (7/10)

土御門「よーかみやん」 
 
青ピ「ガッコさぼってシスターさんとデートかいなー」 
 
土青「「けしからん」」  
 
赤黒いどろっとした感情が一気に吹き上がる 
他人だと分かってる、でも抑えきれなかった、いや抑える気もなかったのかもしれない 
 
上条25「土御門おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 
 
髪を掴み右肘で顔面を殴打する、一発、二発、三発目は上条16と青ピに取り押さえられる 
押さえられた所を土御門に腹に一発入れられ、喉を掴まれる 
 
上条25「離せええええええ!!!」 
 
土御門「かみやん!なんだこいつは!!」 
 
青ピ「いきなりなにしよるんや」  
 
上条16「どうしたんだよ急に!!土御門!手を離してくれ!」 
 
上条25「離せおらっ!コロしてやるよクソがああああ!!」  
 
禁書目録は目を見開いて急な暴力に驚いていた 
 
上条25「おい俺、こいつを今殺せ!!」 
 
上条16「何言ってんだ!!土御門だぞ!」 
 
青ピ「ちょっと…、この人かみやんにそっくりやで!」  
 
土御門「右手…がない?」 
 
上条25「こいつは!…こいつはなぁっ!!」 
 
上条25は分かってる、自分のいた世界と違うのは。 
この土御門には、まだまったく罪はない 
しかしあの出来事が起こらないとは限らない 
だが行動を自ら起こしてしまった、全部話す決断の時だった 
 


 


227 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:49:37.15iwgXhy.0 (8/10)

上条25は語った 
まず自分が平行世界の未来から来たこと、そして大体上条16の知っている内容を説明する 
さらに自分を裏切った人間が土御門であること、その土御門が右手を切断したこと、その理由、陰謀… 
 
上条16は驚いていた、自分の親友が未来でそんなことをするかもしれない… 
疑いようもない親友だ、しかし上条25もそうだったはず… 
土御門… 
 
土御門「俺からの回答だが、その可能性は無い」 
 
上条25「どうだかねぇ…背中刺す刃さんよぉ…」 
 
疑心暗鬼の塊だった 
両脇は上条16と青ピに押さえられている 
 
土御門「確かにその話は耳にしたことがある、超電磁砲の利用は天井亜雄という男が提唱し、その利益をメリットにごり押ししていた」 
 
土御門「だが数ヶ月前に天井はこの街から消え、同時にそのプランも凍結された」 
 
土御門「疑うなら一方通行にも聞くといい、あいつが絡んだ事件だったからな」 
 
土御門「舞夏に誓ってもいい、俺はまったく関知してない上、計画は微塵も動いてない」 
 
上条16「…俺は信じるぜ」 
 
上条25「お人よしだな…」 
 
上条25「だがそうだったな…土御門元春は義理の妹に嘘はないのはあっちもこっちも同じか」 
 
土御門「そっちの俺も舞夏ラブなんだにゃー?」 
 
上条25「ああ…土御門、悪い!すまなかった」 
 
土御門「理由が理由だにゃー、構わないといいたいが、かなり痛いぜよ」 
 
青ピ「あかん…甘かったわ…」 
 
「「「ん?」」」 
 
青ピ「時をかける女の子もリストに追加しとかなあかんで~!!」 
 
上条25「青ピはいつでもどこでも青ピなんだな…」 
 
 
 



228 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:51:17.69iwgXhy.0 (9/10)

禁書「…ちょっと、いい雰囲気を邪魔して悪いんだけど」 
 
禁書「おなか減ったんだよ……」 
 
上条25「悪いインデックス、…ほんとごめんな」 
 
禁書「いいんだよ、大きいとーまの気持ちも分かるから」 
 
上条16「インデックスが成長してる…」 
 
禁書「とーまはもう少し人の気持ちを分かる様に気を配るといいんだよ」 
 
上条25「お前らも飯まだじゃないのか? よかったら詫びも兼ねて焼肉でもいかないか?」 
 
土御門「ファミレスなら許せんが、焼肉なら仕方ないぜよ」 
 
青ピ「かみやんからの奢りとか断ったら一生ないで~」 
 
上条16「どういう意味だよそれ!」 
 
禁書「なんでもいいから早くいくんだよ!お肉が待ってるんだよ!」 
 
上条25「ああ、腹いっぱい食っていいからな!」 
 
 
 
その後男4人は禁書目録の本気を見ることに…
上条16は叫びながら、ATMへ走る事となった


229 ◆WhAN1m3JTg2011/01/02(日) 23:53:14.85iwgXhy.0 (10/10)

食後、土御門、青ピと別れ必要なものを買いにいく 
禁書目録はカナミンの新作ゲームのPVに目を輝かせて見ていた 
振り込まれた額が多すぎて使いきれそうにない 
 
上条16「協力者にこれだけ金が入るってことは、御坂はどれだけ貰ってるんだ…?」 
 
上条25「その10倍は貰ってると思うぞ」 
 
別世界の美琴の給料明細を見たことのある上条25が答える 
 
上条16「10バイ…。住む世界が違いすぎる…。どうりであまり金に執着しないわけだ」 
 
上条25「まぁな。…あー」 
 
上条25「…これからもし何か、なんて言えばいいんだろうな」 
 
上条25「俺が偉そうに言えることじゃないんだが。例えばだ、仮に一緒に住むとかなっても頼り切ったらだめだぞ」 
 
上条16「はぁ!?なんで上条さんがビリビリと……、え?」 
 
上条16「まさか、そちらでは上条さんとビリビリが…?」 
 
上条25「あまり言ったらいけないんだろうけど、そうだな。お前もちょっと意識してるんだろ?」 
 
上条16「あー、まぁ…。でもこっちのビリビリは俺の事が嫌いみたいだからな…」  
 
上条16「しょっちゅう顔真っ赤にしてビリビリしてくるし、すぐ怒って追いかけてくるし」 
 
上条25(うっわ…。俺もこんなことほざいてたな、傍からみたら殴りてぇ) 
 
上条25「ま、なるようになるさ…悩め少年」 
 
上条16「なんだよそれ!」 
 
肩をぽんと叩き病院へ向かう 

-----新人の頃は鈍キャラで可愛がられてたが。お前、もう25だぞ気持ち切り替えなきゃタダの無神経なバカだ----- 
 
上条25(やっと意味が分かったわ…成長するってのは難しいね、まったく) 
 
  

 



230 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:17:06.26rIZHTrY0 (1/15)

病室に戻った三人 
荷物を置き一服すると程なく美琴がやってきた 
 
美琴「義手は明日できるわ」 
 
余りの仕事の速さに驚く上条x2 
  
美琴「午前で完成させて製品を持ってくるわ、午後に試着、微調整はすぐ終わるから楽しみにしてなさい」 
  
上条25「ありがとな、こっちでなんかやっとくことあるか?」 
 
美琴「特にはないわね、しっかり寝て体調整えておくことかしら」 
 
美琴「…ってなんかニンニクの臭いしない?」 
 
禁書「大きいとーまの奢りで焼肉いってきたんだよ」 
 
美琴「はぁああ!?アタシが一日頑張ってたのにアンタらは焼肉!?」 
 
上条x2(しゃべるな馬鹿ヤロー!!) 
 



231 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:17:39.20rIZHTrY0 (2/15)

上条25「美琴は誘えなかったからな……。あぁ!!、明日コイツと二人で行ってこいよ!!」 
 
上条25「な?最大功労者の美琴せんせーをハブるのはよくない!うんうん!そうだそうだイッテコイ!」 
 
上条25(我ながら見事な切り替えしだ) 
 
上条16「え??それならまたみんなで行けばいいんじゃ?」 
  
上条25(空気読めよ!!) 

上条25「若いな…。25にもなると二日連続焼肉はキツイのだよ」 
 
禁書「ならインデックスが大きいとーまの分も食べるんだよ!」 
 
上条25「いや、インデックスは明日ステイルがくるだろ」 
 
上条25「俺とステイルと一緒にメシ食いにいこうぜ」 
 
禁書「お肉がいいんだよ!」 
 
上条25「じゃぁお肉もあるところにいこうかねー」 
 
上条16「御坂せんせーはそれでいいんですか?」   
 
美琴「あ、アタシはアンタさえよければ、いってあげてもいいけど…アンタがいきたいって言うんナラネ」 
 
頬を染めてモジモジと必死にツンツンしている 
しかしこれで気付かないのが上条当麻16 
 
上条16「俺も御坂さえよければ…」 
 
上条25(うわー甘酸っぺぇなおい、他所でやれよ)  
 
上条25「預金好きなだけ使っていいからしっかりエスコートしろよ」 
 
上条16の耳元で囁き、背中をそっと押した 
少年と少女の恋心はこの世界でも結びつき始めていた 
 

 


232 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:20:51.25rIZHTrY0 (3/15)

明日の焼肉デートを妄想し、足取りも軽く美琴は風紀委員177支部へと向かう 
  
美琴「こんちわー」 
 
黒子「あらあらお姉様、なにやらご機嫌がよろしいようで」 
 
美琴「え?そうかな?そんなことないんだけどー?」 
 
顔が緩みっぱなしで否定をするが、食らいついてくる黒子 
 
黒子「は!!この反応はまさか…。類 人 猿!!」 
 
美琴「黒子ぉ?人を類人猿なんて言っちゃだめよー?」 
 
黒子「きいいいいいいい!!その余裕のある対応が黒子の嫉妬に火をつけますの!!」 
 
黒子「こうなったら類似猿の手にかかる前にっ!!」ヌギ  
 
黒子「お姉様の純潔をこの手でっ!!」
 
美琴「やめんか!!」  
 
暴走した黒子が服を脱ぎ飛び掛るがあっさりと撃沈される 
 
初春「こんにちわ御坂さん」 
 
佐天「こんちわー」 
 
美琴「やっほー」 
 
初春「ちょっと待ってください、佐天さんもうちょっと上目使いで」 
 
初春が携帯のカメラで佐天を撮り遊んでいた 
美琴は初春の調査報告を受ける 
その案件自体が非現実的なものなので、返ってきた内容も当然それに伴う回答だった 
魔法陣説、タイムマシーン説 
動力は雷  
移動するにはその世界の思い出等  
   



233 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:22:01.85rIZHTrY0 (4/15)

初春「ちょっと使えそうな文章だけなんで、断片的ですが」 
 
初春「雷っていうのは映画とか漫画で見られる描写みたいですね」 
 
初春「そこを調べたんですが、エネルギー媒体は雷や水素が有力だと思います」 
 
初春「ゲームの設定みたいですが、私にはそれが限界でした」
 
美琴「ううんありがとう初春さん」 
 
「お姉様は黒子と一緒に愛の世界へ旅立つんですの~」 
 
何か世迷いごとが聞えるが、上条16の携帯に結果を送信する 
 
佐天「でもなんでこんなこと調べてるんですか?」 
 
美琴「んー、なんか異世界からきたって人間が帰りたいらしくてね」  
 
佐天「なんですかそれ?wwww」 
 
美琴「まぁオカルトの世界よねー」 
 
佐天「ちょっと危ない電波がでてるんじゃないですか?白井さんみたいに」 
 
適当に話し佐天も笑って聞いているが、映像を見た初春だけは真剣な顔だった 
携帯が鳴りメールの返信が届く 
ひとつの宗教の神やそれに準じるものの力を借りて飛ぶことは不可能と書いてあった 
 
美琴「なんかひとつの宗教じゃ無理なんだって、よく分からないけど」 
 
佐天「本格的ですねーなんか」 
 
佐天「じゃあ色んな宗教を混ぜるといけるってことですかね?」 
 
黒子「日本人は宗教に馴染みがあまりないので、そういう発想もできるのでしょうが」 
 
黒子「外国の方は生活や文化に溶け込んでいるので、嫌悪されるのではないでしょうか?」 
 
初春「ゲームでも異教の神を合体させるのがありましたねー」 
 
初春「批判も多かったとかなんとか」 
 
佐天「悪魔呼ばわりしてるしねー」 
 
美琴「うーん、まぁいいわ」 
 
雑談に切り替わってきたので打ち切る 
風紀委員177支部はその後、悪魔を合体させるRPGの話で盛り上がる
透視能力者のif至高説が小一時間続いたのはまた別のお話 



234 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:25:08.04rIZHTrY0 (5/15)

翌日、天気は快晴 
禁書目録を病院へ送り、学校へと向かう 
 
上条16(今日御坂とデートか…、いやデートっていうかお礼だからな…) 
 
上条16(あんまり御坂も乗り気じゃない感じだしな…)
 
上条16(ああ、もう緊張してきた) 
   
上条16(なんかプレゼントとか買った方がいんだろうか…) 
 
妄想ばかりが加速し、授業が身に入らない 
我に返った時は担任からの休日補習の審判が下った時だった 
 


235 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:27:27.79rIZHTrY0 (6/15)

病室で禁書目録とテレビを見ているとドアがノックされた 
 
ステイル「お邪魔するよ」 
 
上条25「あ、どうも」 
 
禁書「遅いんだよ」 
 
ステイルは禁書に軽く頭を下げ、マジマジと上条25を見る 
 
ステイル「俄かに信じられなかったが、どうやら本当のようだね」 
 
ステイル「幻想殺しも無いのか、なんの取り得もない凡人に成り下がったね」 
 
上条25「凡人は普通にメシ食うけど、俺は不便で堪んねーよ」 
 
フンと鼻を鳴らしステイルは花束を渡す 
 
上条25「意外な贈り物だな、こっちのお前はこういう趣味なのか…」 
 
ステイル「勘違いして欲しくないね、それは来られなかった神裂からだ」 
 
ステイル「まぁ選んだのは僕だけどね」  
 
上条25(神裂か、俺の下らない意地に付き合わせちまったな) 
 
帯刀してホストクラブに来ていた聖人を思い出す 


236 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:28:40.90rIZHTrY0 (7/15)

ステイル「大体は高校生の上条当麻から聞いたんだけど、もう一度事情を説明してもらっていいかな?」 
 
上条25「ああ、お前からの意見もぜひ聞きてぇ」 
 
上条25説明中 
 
ステイル「土御門がね…」 
 
ステイル「まぁ、結論を言おう」 
 
ステイル「上条当麻、君は帰ることができるだろう」 
 
あっさりと言い放つステイルに驚く 
 
上条25「まじか!?」 
 
ステイル「僕を誰だと思っているんだい?この年でルーンを極めた天才だよ」 
 
ステイル「それに今回は禁書目録の知識をふんだんに使える」 
 
ステイル「魔術儀式の構成はそう難しいことじゃないよ」 
 
上条25「お、お前って実はすごい奴なんだな」 
 
ステイル「君はどういう目で僕を見ているんだ?」 
 
上条25は終始禁書目録に振り回されても笑っていられる黒衣の神父を思い出す 
 
ステイル「だが、構成を編み上げるのは簡単だが」 
 
ステイル「術の行使が難関だ」 
 
上条25「どういうことだ?」


237 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:33:17.80rIZHTrY0 (8/15)

ステイル「結論は術式を完成させて説明するよ」 
 
ステイル「理解できるとは思わないけどね」 
 
余計な一言を付け加える 
 
禁書「私の知識をどうするの?見るの?」 
 
ステイル「まさか、君が僕の質問に答えてくれるだけでいいんだ」 
 
ステイル「こっちへくる途中にすでに構想はあるからね」 
 
まさにステイル無双、あれだけ先の見えない状況をいとも簡単に突破する 
上条16の名義で購入した携帯が鳴る 
メモリは6件しか入っていない 
メールだった 
御坂からメール着てた、 
(佐天案)異教の力を混ぜるのはどうだろうか 
ステイルに伝える 



238 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:33:44.24rIZHTrY0 (9/15)

ステイル「ん?そうだよ、いい着眼点だね。魔術師かい?」  
 
上条25「いや、佐天さんって子だな。今はレベル0で悩んでる女の子だよ」 
 
上条25「こっちの佐天さんもすごい才能があると思うんだけどな…」  
 
別世界での学園都市の災厄と呼ばれる佐天涙子を思い浮かべる
 
ステイル「宗教を混ぜるだなんて、日本人の考えだね」 
 
ステイル「そういう特殊な発想は日本人のすごいところでもあるけどね」 
 
ステイル「僕のやろうとしてる事はまさにそれさ」 
 
ステイル「十字教の力だけでは次元の門を開け、君を送り飛ばすことは今の状況じゃ不可能だ」 
 
ステイル「今は暦の時点で悪いからね、半端な魔翌力に焼かれて死ぬだろう」 
 
ステイル「僕は北欧の魔術にも精通しててね、あちらの神の力を借りる」 
 
ステイル「後はまた説明するよ」 

禁書「じゃあどこか別の場所に行こうか」 
 
ステイル「ああ、そうだね」 
 
上条25「戻ってきたら右手で握手してやるよ」 
 
ステイル「男の手を握るなんて趣味じゃないよ」 


239 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:37:46.95rIZHTrY0 (10/15)

 
 
 
美琴「できたよー」 
 
上条25「おー、どれどれ」 
 
金属ケースを開けると自分の左手よりも若干大きいサイズの右手があった 
手に取る 
皮膚というより鱗のような手触りだった 
 
上条25「ちょっと大きいんだな」 
 
美琴「ああ、そこからまたアンタの左手サイズに合わせて、中の金属に電流送って調整するの」 
 
美琴「先生に丈夫にって注文したんでしょ、質感と触覚はだだ下がりよ」 
 
上条25「こんな質感でも触覚あるのか」 
 
美琴「がんばって34%から52%まで再現したわ」 
 
上条25「おつかれさん、今日はアイツとデートだからゆっくりしてくれよ」 
 
美琴「あ、アンタがあんなこと言うから、アタシが行かないといけないじゃない///」 
 
上条25「あれ?んじゃ断っておきましょうかね、電話電話と…」 
 
美琴「ちょっと!行かないなんて言ってないじゃない!!」 
 
上条25「素直になってくれよ、じゃないと高校生の上条さんは気づかないぞ」 
 
美琴「アンタはどうだったのよ?…その、あっちのアタシと///」 
 
上条25「上条さんはダメ元で告白したんだよ、美琴が高校入学式の時だな」 
 
上条25「なんか環境が変わって離れ離れになるドラマ見た影響でさ」 
 
上条25「このままじゃいけないって覚悟決めたな」 
 
上条25「美琴まで好きでいてくれたなんて気付きもしなかったわ」 
 
美琴「まぁ、善処するわ…///」 
  
上条25「がんばれ恋する乙女」 
 
美琴「うっさい!さっさと行くわよ!///」



240 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:40:45.15rIZHTrY0 (11/15)

手術室に入る前に滅菌を行い、手術着を被る 
看護婦に誘導された部屋にはすでに準備が整っているようだ 
横になり右腕と体を固定され、注射をする。麻酔らしい 
いよいよかという雰囲気に上条25も美琴も緊張してくる 
  
冥土「この拘束は暴れてしまって、失敗しないようにだからね?」 
 
冥土「神経を繋ぐ前にすごい痛みがある、繋いでから調整はそれを上回る痛みがくるんだね」 
 
冥土「軽く麻酔はしたが、ある程度の反応も見ないといけないから我慢してくれよ?」 
 
冥土「では、始めるね」 
 
麻酔のおかげで感覚がない、メスと言ったからには今切開されているんだろう 
美琴はずっと冥土返しの作業をみている
 
冥土「ふー、んじゃ痛いよ?」 
 
美琴と看護婦が体を押さえる 
 
グジュ 
 
上条25「っっっ!!!ァぁああああああああああああああああああああ!!」 
 
痛みで無意識に体が水揚げされた魚の様に跳ねる  
 
冥土「今、君の神経と義手を繋ぐトンネルみたいなものを作ったんだね」 
 
上条25の耳には届いてない 
美琴は動かさない様に、必死で右腕と肩を押さえている 
 
冥土「では、さらに痛いから我慢してくれるかね」 
 
麻酔をしているのに、腕の先に異物感がはっきり分かる 
ガチンっという装着音がする 
あまり痛みは無かったが…?と気を緩める 
 



241 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:41:14.09rIZHTrY0 (12/15)

冥土「君の出番だよ、慎重にね」 
 
美琴「はい」 
 
美琴の指先から電流が流れる 
気を緩めたあとにこの不意打ち 
 
上条25「ぐぁああああぁぁあああっ!!っつあああぎゃああああっあああああっ!!っああ!!」 
 
右手が高熱で潰される感覚 
熱い、痛い 
右腕を起点として右の首筋まで激痛が走る 
美琴は全神経を集中し、神経を焼かない程度の微弱な電流に意識を巡らせ超精密作業を行っていた 
義手の圧縮、思考神経系と運動神経系の回路接続 
切開した部分から血も漏れるが気にしていられない 
 
 
時間にして数分だったが、上条25と美琴にしてみれば数時間にも感じられた 
手術が終わり義手を外し、後処置を済ませ病室に移送される 
 
移送される上条25を見送り、美琴は術中に感じた違和感について考えた  
上条25に進入した自分の意識を絡めた電流が、ほんの少し、非常に微々たるものだが打ち消された気がした 
手術自体は成功したので、問題は無いのだが… 
いまいちすっきりしないままに、シャワー室へ行く 
 
美琴(今日、肉じゃなくて別のものにして貰おう) 
この後のデートに向けて気持ちを切り替える 


242 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:43:36.30rIZHTrY0 (13/15)

術後、憔悴した上条25は少し睡眠を取り 
太陽が沈みきる頃目が覚める 
 
禁書「大きいとーま気分はどう?」 
 
上条25「あーちょっとだるいけど大丈夫だ」 
 
ステイル「寝てた方がいいんじゃないかい?」 
 
ステイル「歩き回ると体に毒だ」 
 
上条25(なんだこいつの優しさは…) 
 
ステイル「君は体を労われ、代わりに禁書目録は僕が食事に連れていくよ」 
 
上条25(インデックスと二人になりたいだけかよ!!) 
 
はぁっとため息を吐きステイルに頼んだと告げる 
体がキツイのは間違いない 
それにステイルも日本にきたのは自分の為よりも、禁書目録の為だろうし 



243 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:45:12.99rIZHTrY0 (14/15)

 
 

独りの病室にはもう慣れた 
相変わらず夜は恐ろしいが、日々元の世界に帰れる手がかりが増えている 
ベッドの脇にある金属ケースを開ける 
中に手紙が入っていた 
美琴から使い方やメンテの注意事項などが書いていた 
ペンの色を変えどれだけ高性能なのか苦労したのかが大きな文字で書かれている 
驚くことに義手表面は電気を通さず避雷針の役までするそうだ 
幻想殺しがない上条25には大変ありがたい性能だった 
愛する美琴も大人げなくたまにビリビリするので重宝しそうだ  
 
右手義手を手に取り装着する 
金属の接続音がして、首筋まで痛みがくる 
神経が繋がったようだ 
数日ぶりに右手を動かす 
切開した部分に痛みがあるが手の動きは問題ない 
多少人体よりも重い 
ググっと握り拳を作る 
 
上条25(美琴…ありがとうな、絶対帰るからな美琴)  
 
上条25(待ってやがれ…土御門っ!!) 
 
尽力してくれた少女に礼を 
愛する女に誓いを 
そして裏切った親友に黒い感情を… 
 
 
それぞれが想いを胸に学園都市の夜は更けてゆく
 
 
 



244 ◆WhAN1m3JTg2011/01/03(月) 00:55:28.19rIZHTrY0 (15/15)

ここまでで 
次回は儀式まで投下の予定 
明後日にはしたいです 
 
もう話の起伏、心理描写が乏しいですが、カンベンしてつかーさい


245あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/03(月) 05:44:46.83VR6RSwSO (1/1)


前作見てるからどこかでいかなり鬱入って落とされるんじゃないかってスリルがある
このまま上手くいってくれ


246あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/03(月) 10:41:01.91ea3pUSEo (1/1)

面白い。



247あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/03(月) 12:01:53.89MRPsz.wo (1/1)

ハッピーにもバッドにもそれ以外にも転がりそうな先の読めなさが逆に期待感を煽るよなァ
ゆっくり続きを待ってるんだぜ


248 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:35:31.65k7M/zME0 (1/40)

翌日病室でステイルから説明が行われた 
病室には上条x2 美琴 禁書 ステイル 
禁書目録以外は魔術の知識が無いため、深くは説明しないし質問もするなと前置きがあった 
壁にもたれかかって赤毛の魔術師が語る 
 
ステイル「まず術式は複数の神の力を混ぜる」 
 
ステイル「アステカの神、北欧の神、ローマの神、ギリシアの神」 
 
ステイル「陣を描くのは僕がやるが、ローマとギリシアは異世界の上条当麻。君があるものを持ってるだけでいい」 
 
ステイル「アステカの魔術師と北欧の魔術師が必要だ」 
 
上条16「お前じゃだめなのか?」 
 
ステイル「質問をするなと言ったのが聞こえなかったかい?」 
 
ステイル「僕はこう見えて非常に優秀な魔術師なんだ」 
 
ステイル「自分の力を上げる為なら、異教の魔術も自分の力に取り込む」 
 
ステイル「しかしベースはあくまで、十字教だ。この儀式は信心が必要になる」 
 
ステイル「異教の神と自分の神、どちらに比重があるのは明確」 
 
ステイル「バランスの取れない儀式は失敗、つまりそこの彼の死だ」 
 
ステイル「神裂の伝手で優秀な北欧の魔術師を呼んでいる」 
 
ステイル「だがアステカの魔術師がいない」 
 
ステイル「魔術師によっては、異教の魔術と組み合わせる儀式を禁忌と思ってる輩もいるしねぇ」 
 
ステイル「まぁそれは置いておこう」 
 
 
 



249 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:36:50.25k7M/zME0 (2/40)

ステイル「先日の話だが、術式の発動に必要なエネルギーが足りない」 
 
ステイル「そこで君だ」 
 
美琴「アタシ?」 
 
ステイル「君の能力の最大出力は10億ボルトだそうだね、どのくらい連続で放出できるんだい?」 
 
美琴「んー?実際計ったことないからなんともだけど、放出だけなら3,4分はいけるかしら?」 
 
ステイル「ふむ、あとで正確に計っててくれるかな?」 
 
ステイル「そしてあのいけ好かない学園都市第一位、あの男を呼んでくれ」 
 
ステイル「科学の雷を陣の上で魔翌力に変換する際に力の流れを安定維持させる」 
 
ステイル「そして問題の指針だ、あっちの世界にしか無いような場所、人、強く印象に残ってる所はないかい?」 
 
ステイル「あっちの世界のこの子だけ、というのは止した方がいい」 
 
ステイル「別の平行世界のこの子の前に出てしまう危険がある」 
 
上条25「…ある!」 
 
上条25は確かに覚えている、自分が店を辞めた日のあの宴 
みんなの顔ひとつ、何を飲み、何を歌い、何を話したか明確に覚えている 
 
ステイル「術式が発動したらそれを強く思い浮かべるんだ」 
 
ステイル「きっとそこに出るさ」 
 
ステイル「その思いの場所が場所の指針、思いの人が時間の指針になるはずだ」 
 



250 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:37:56.50k7M/zME0 (3/40)

ステイル「最後に術式の使用者だ」 
 
ステイル「さっきも言ったけど、信仰のバランスが悪いと失敗してしまう」 
 
ステイル「だから信心が少なく、且つ能力開発を受けていない人間が必要だ」 
 
禁書「こもえにお願いするといいかも」 
 
上条16「小萌先生か…」 
 
上条16「その術式を使うのって危険なのか?」 
 
ステイル「いや…、やることはこちらのタイミングにあわせて詠唱してもらうだけだ」 
 
禁書「小萌は魔術の経験もあるからきっとできるんだよ」 
 
上条25「先生か、信仰心もバランス良く薄そうだな」 
 
上条16「いつやる予定だ?先生に予定聞いとかないと」 
 
ステイル「早ければ2日後の日曜だ、その次は大体28日後になるね」 
 
上条16「急だな…連絡してみる」 
 
ステイル「宛がないのがアステカの魔術師だ」  
 
上条25「アステカの神じゃないとダメなのか?」 
 
ステイル「トラロックという神がいるんだけどね、その神は雨と雷の意味を持つ」 
 
ステイル「科学の雷を魔翌力に変換する際に有効なんだよ」 
 
ステイル「他の雷の神よりも比較的信仰が浅く広い、力を使いやすいんだよ」 
 
上条25「ふーん、よくわかんねーな」 
 
ステイル「もう君たち二人は黙っててくれないか?」
 
禁書目録と同居しててなぜこんなに知識欲がないのか… 
ステイル=マグヌスがイラ立ち煙草に火をつけた 



251 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:39:42.77k7M/zME0 (4/40)

上条16「先生に電話してみる」 
 
上条25「まて、俺がしてみる」 
 
上条16「え?」 
 
上条25「久々に先生とも話してみたいし、予定だけなら気付かねーだろ」 
 
上条16から携帯を借りて発信する 
 
prrr 
 
『はいは~い』 
 
上条25「あ、先生ですか?俺です」 
 
『分かってますよ~』 
 
上条25「先生、急で申し訳ないんですが明後日の予定はあいてますか?」 
 
『明後日ですか~?』 
 
上条25「はい」 
 
『先生、明後日は不真面目な上条ちゃんの補習なのですよ~』 
 
上条25「えっ!?」 
 
『忘れやがったら先生怒りますよ~?』 
 
『ちゃんと出席してくださいね~』 
 
ガチャ 
 
上条25「おい…お前の補習だってよ」 
 
室内の全員から上条16に冷たい視線が向けられる 
 
上条16「ハハ…ふ、不幸だああああああああああああああ!!!」 
 



252 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:40:16.90k7M/zME0 (5/40)

美琴「自業自得よバカ!」 
 
上条25「どーすんだよ」 
 
上条16「直接説得してくる」 
 
禁書「インデックスも行くんだよ!」 
 
ステイル「じゃあ僕も同行しようかな」 
 
美琴「宿題ってやつにしてもらいなさい、それだったら手伝えるわよ?」 
 
上条16「助かるぜ」 
 
ばたばたと三人が出て行く 
 
美琴「ほんと何でああも要領悪いのかしらね」 
 
上条25「…スミマセン」 
 
美琴「あ、ち、違うわよ?アイツがよアイツ」 
 
上条25「ああ…美琴タンのその優しさが痛い」 


253 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:42:42.03k7M/zME0 (6/40)

上条25「美琴ありがとうな」 
 
美琴「ん?なにが?」 
 
上条25「この右手のこともだし、支えてくれて」 
 
美琴「別にいいわよ、そんくらい」 
 
美琴「アンタ一人じゃどうしようもないんだし」 
 
美琴「まったくの他人って訳じゃないじゃない?」 
 
上条25「それでもさ、…ありがとう」  
 
美琴「どーいたしまして」 
 
上条25「こっちの俺は、まだまだ子供で社会にでたら全然頼りないけど」 
 
上条25「甘やかさない程度に支えてやってくれよ」 
 
美琴「…ぅん」 
 
夕暮れの病室、窓から差し込む夕日のせいなのか、それとも… 
美琴の顔が赤らんで見える 
 
美琴「そろそろ寮に帰って早めに寝るわ」 
 
上条25「ああ、お疲れさん」 
 
 
 
 


254 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:44:24.71k7M/zME0 (7/40)

意外な人間が夕食を運んできた 
御坂妹だった 
 
御坂妹「こんばんは、とミサカは初対面として接するべきなのか分からないあなたに声を掛けます」 
 
上条25「うお!、…御坂妹か?」 
 
御坂妹「はい、とミサカは年を取っても今の時代のあなたと変わらないリアクションをとるあなたに辟易します」 
 
上条25「飯持ってきてくれたのか、さんきゅ」 
 
御坂妹「いえ、気にする必要はありません、とミサカは好奇心で様子を見に来た事を隠します」 
 
上条25「隠して無いぞ」 
 
御坂妹「どうぞ、とミサカはあなたに食事を提供しながらなぜかイヌという飼い猫を思い出します」 
 
上条25「ひでーなおい、それもどこかに配るのか?」 
 
御坂妹「いえ、これはミサカの分です、とミサカは自分の食料だと主張します」 
 
上条25「そうか、せっかくだから一緒に食わないか?」 
 
御坂妹「あなたさえ良ければ、とミサカは素直に答えます」 
 
 
 


255 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:47:02.86k7M/zME0 (8/40)

食事を終え横になる上条25 
御坂妹がじっと見つめている 
感情が希薄な為その意図が読めない 
 
上条25「どうした?」 
 
美坂妹「あの、そちらでミサカは何をしていますか?とミサカは自分の将来を聞いてみます」 
 
美坂妹「…御坂妹、先に言っておくけど、確定の未来じゃないし、この世界の未来でもないからな」 
 
一瞬言うか言うまいか躊躇ったが、黙ってるのも不安に感じると思い前置きする 
禁書目録に聞かれた時、【別の世界】よりも【未来】であることにウエイトが置かれて受け止められた為だ 
 
上条25「あっちのお前は元気だ、感情も今より活発になっている」 
  
上条25「たまに俺達の家に泊まりにきたりしてた」 
 
上条25「仕事は都市の役所事務方が表向き、裏で個人の店も持っている」  
 
上条25「そんなとこかな?」 
 
美坂妹「そうですか、とミサカは不安を拭います」 
  
上条25「不安?」 
 
美坂妹「はい、ミサカはお姉様のクローンです。今も調整を受けながら生きながらえているのですが、とミサカは一旦句切ります」 
 
美坂妹「ですが実際どこまで生きていられるのかが…不安だったもので、と胸にあった蟠りをあなたに打ち明けます」  
 
上条25「大丈夫だ、お前らは強いし美琴だっている」 
 
上条25「不安に思うことなんてねーよ」 
 
御坂妹「随分お姉様を信頼していますね、とミサカは軽く嫉妬します」 
 
御坂妹「そちらでもあなたとお姉様の間に付け入る可能性が無いのですね、とミサカは残念がります」 
 
上条25「付け入るも何も…あっちで彼氏いるんだけどお前」 
 
御坂妹「!?、とミサカは絶句します」 
 



256 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:47:54.64k7M/zME0 (9/40)

御坂妹「どういった方でしょうか?、とミサカは心拍数を上げて質問します」 
 
上条25「いや、それは言わねーよ。俺もつい最近知ったし」 
 
美坂妹「そうですか…、とミサカはまだ見ぬ恋人の影に夢を抱きます」 
 
上条25「まぁ、未来なんてひとつじゃないんだ」 
 
上条25「自分のやりたい様に、一生懸命にやればいいさ」 
 
美坂妹「はい、とミサカはあなたと話せてよかったと心から思い返事をします」 
 
御坂妹「では、一夜の過ちが起きる前に自分の病室に帰ります、とミサカはミサカネットワークで仕入れた知識を披露します」 
 
上条25「こらこら…」 
 
上条25「おやすみ、御坂妹」 
 
御坂妹「おやすみなさい、とミサカはあなたのやり取りをネットワークに保存します」


257 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:50:01.08k7M/zME0 (10/40)

朝日がカーテンの隙間から漏れ、そのわずかな眩しさに目を覚ました 
 
上条25(まだ6時か…)  
 
ベッドから起き上がり、右手の具合を見る 
手の動きには問題が無い 
ベッドのパイプを握る、手の触覚が若干鈍って常時痺れがある様な感覚だがいずれ慣れるだろう 
握っている右手に力を入れる 
ギギギっとパイプが潰れていく 
握力は大したものだ 
銃弾も耐えれるらしい 
腕の傷も無理をしなければ痛みはない 
 
床に立ち体を伸ばす 
そのまま軽く柔軟体操 
長い間の不摂生がたたり、筋肉は衰え、柔軟さが無くなったが昼間の仕事になってからだいぶ調子は戻った 
最近は寝たきりだったのでちょっとなまりを感じる 
 
あっちに戻り都市の闇の人間に見つかれば殺されるだろう 
即座に十分な後処理をされ、なにも無かった事になる 
そして学園都市にはいつもの日常が流れる 
 
上条25(そんな都合のいい展開は絶対認めねぇ!!) 
 
ステイルは場所の指針について語っていた 
絶対唯一だと言える指針、おそらく店に飛ぶはず… 
敵地のど真ん中だ 
 
上条25(運よく昼間であって欲しいな…) 
 
己の不幸体質に自重を求め、黙々と肉体を調整する


258 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:51:01.44k7M/zME0 (11/40)

冥土「朝から元気だね?」 
 
上条25「あ、おはようございます」 
 
上条25「帰ってから力及ばずで後悔したくないんで」  
 
冥土「そうかい、まぁまだ傷の手当ても終わってないんだから無理はしないでくれよ?」 
 
上条25「はい、担当医の腕がいいから傷の治りも早いんですよ」
 
冥土「褒めても何もでないよ、というより君の回復力がいつも異常なんだね?」 
 
上条25「入院に慣れてますからね」 
 
冥土「あまり褒められたものじゃないよ?」 
  
上条25「褒めてもなにも出ませんよ?」 
 
冥土「だから褒めてないんだけどね?」

冥土「では検診をしようかね?」  
 
 
 



259 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:53:15.99k7M/zME0 (12/40)

ステイルが禁書目録をつれて病室を訪れる 
今日北欧の魔術師が日本に到着するらしい 
 
上条25「なぁ、魔術師に報酬はいくら払えばいいんだ?」 
 
ステイル「いや、特にいらないと思うけど?なんでだい?」 
 
上条25「いやわざわざ俺の為にきてくれて礼もないのは…と思いまして」 
 
ステイル「随分と自分を高く評価してるね」  
 
上条25「え?」 
 
ステイル「一概には言えないが、誰もが君の為にやってることじゃないよ」 
 
ステイル「僕は禁書目録からの要請だからわざわざイギリスから来たんだ」 
 
禁書目録からのを強調し 
チラッっと禁書目録を見るステイル 
だが肝心のシスターはテレビに釘付けである 
彼の想いが届く日はいつになるのだろうか 
 
ステイル「それに異世界に人間を飛ばすなんて儀式だ」 
 
ステイル「魔術師ならば誰でも興味をもち、参加したいと思うよ」 
 
ステイル「術の方向性は違えど、僕らがやろうとしてる事は大魔術に匹敵する成果をもたらす」 
 
ステイル「参加できるチャンスがあるだけで非常に嬉しいものだ」 
 
上条25「そうなのか…。やっぱ変わってんな、魔術師って」 
 
ステイル「世界中の魔術師が君にだけには言われたくないと思うよ…」 
 


260 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:55:00.44k7M/zME0 (13/40)

ステイルと入れ違いで一方通行が尋ねてきた 
 
一方「よォ、ジジイ」  
 
禁書「あ、白い人なんだよ」 
 
一方「ゲェッ!出やがったなァ」 
 
禁書「むむ!人をバケモノみたいに言うのはヒドイかも!」 
 
一方「るせェ、ちったァ自分の常識外れを自覚しやがれェ!」 
 
打ち止め「ケンカはよくないよ!ってミサカはミサカは二人を仲裁して大人である事をアピール!」 
 
一方「すっこンでろクソガキィ」 
 
上条25「いやお前ら何しにきたんだよ…」 
 
一方「あァ?…ああ、テメェらクールになれ、クールだァ」 
 
一方「なンか帰るスケットで呼ばれたンだがァ…」 
  
上条25「ステイルなら今出て行ったぞ、他の人迎えに行ってる」 
 
一方「マジカヨ…無駄足じゃねーかァ」 
 
打ち止め「ついでだからゴハン食べに行こうよ!ってミサカはミサカは提案してみる」 
 
一方「さっき朝飯食ったばかりじゃねェか」 
 
一方「まぁ出直してくらァ」 
 




261 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:56:20.23k7M/zME0 (14/40)

昼を回り、禁書目録と食事に出かけ病室に戻る 
明日の打ち合わせなどやることが多いので遠出はできない 
もっとも白衣のシスターは不満たらたらだったが 
 
ステイル「いるかい?」 
 
禁書「おかえりー」 
 
ステイル「ただいま、禁書目録」 
 
オッレルス「始めまして、君が遠い世界からきた人か?」 
 
オッレルス「俺はオッレルスだ。こんな貴重な儀式に参加できてうれしいよ」 
 
ステイル「神裂の知り合いの聖人の相方だ、力は相当なものだよ」 
 
オッレルス「成り行きでそうなっただけさ」 
 
ステイル「第一位はまだきてないのか?」 
 
上条25「ああ、さっき来たんだけどな。出直してくるってよ」 
 
ステイル「まぁ上条当麻と第三位の学校が終わってから集合しようか」 
 
 
 



262 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 01:58:56.92k7M/zME0 (15/40)

一方通行と打ち止めが戻ってくる 
それともう一人 
 
海原「本当に大人の上条さんがいるんですね」 
 
上条25「お前は、海原だったっけ?」 
 
一方「あァ、三下がアステカの魔術師に心辺りねーかってメールしてきたから連れてきたァ」 
 
海原「僕にできることでしたら尽力しますよ」 
  
海原「ところで御坂さんは?」 
 
上条25「こっちの俺も美琴もまだ学校じゃねーかな?」 
 
海原「そうですか、残念ですね」 
 
一方「残念だったなァ、ストーカー」 
 
海原「失礼な!ただ純粋に御坂さんを想うが故の行動です」 
 
一方「ブレねェなお前…」 
 
ステイル「大人数になりそうだから場所を移動しようか」 
 
ステイル「どこか手ごろな場所はないかな?」 
 
打ち止め「ミサカの家においでよ!ってミサカはミサカは元気よく提案してみる!」 
 
一方「はァ!?ざけンな!なんでウチなンだよ!!」 
 
打ち止め「広さも十分だし、会話聞かれることもないよってミサカはミサカはあなたの疑問を解消してみる」 
 
一方「個室サロンでも借りればいいじゃねェか」 
 
打ち止め「ミサカの意見は、だめだったのかな…ってミサカはミサカはしょぼんとしてみる」 
 
一方「チッ!お前ら散らかすンじゃねーぞ!!」 
 
海原「貴方もブレないですね…」 
  
 
ぞろぞろと大人数が移動を始める 
その光景は知るものが見れば恐れ慄く行進である 
 
白衣のシスター、黒衣の神父、右手が義手の男、外人の優男 
変なシャツを着て杖をついた白髪の少年 
その一歩後ろをついて行く少女 
その少女をじっと見つめながら一定の距離を置いて後ろをついてゆく男 
 
知らないものが見れば珍妙な集団にしか見えなかった 


263 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:00:25.69k7M/zME0 (16/40)

夕方前上条16と美琴、月読小萌が到着する 
 
海原「こんにちは御坂さん」 
 
美琴「あ、…こんにちわ」 
 
海原「安心してください御坂さん。僕はもう彼にもあなたにも何かしようとは思っていませんから」 
 
美琴「…うん、ならいいんだけど」 
 
海原「この上条勢力のど真ん中ではどう足掻いてもバッドエンドオンリーですしね」 
  
ステイル「その上条勢力という言い方は止めてくれないかな?」 
 
ステイル「そういった括りで見られるなら、僕はこれ以上関与したくないね」 
 
禁書「ステイル機嫌直して欲しいんだよ」 
 
ステイル「さぁ!君たち早く座ってくれないか?説明を始めたいんだけど」  
 
 
小萌「本当に大人の上条ちゃんなのですね~」 
 
小萌「先生はまだ信じられないのですよ」 
 
オッレルス「先生?」 
 
上条16「えっと、我が校の七不思議にも数えられる合法ロリ先生です」 
 
小萌「上条ちゃんその紹介は先生悲しいのですよ」 
 
小萌「因みに先生がここで一番最年長なので敬いまくってくださいね~」 
 
オッレルス「北欧王座並みに説明できない何かだな…これは…」 
 



264 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:02:51.54k7M/zME0 (17/40)

ステイル「んじゃ説明するよ」 
 
      /´〉,、     | ̄|rヘ
  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|     

        _,、=:ニ;‐、、--――‐y、,_     ,,r;;;;''''=―--、、,_
       /´  ヽ,ヽ,.゙'l,.゙Y;--',r'゙'ヾ;'V.j   /∠,,.r_;'゙-‐-,<゙゙ヽ,'i、'‐、,
      ./_   .,,_j ゙l l,. Y/゙'ヾ、;、ノ,r;'|  /jフ,r-、ヽ、  _,,>.゙'ー;゙' ーi,. |'i,
      j.ヾ!  ト‐! | .| .|,_ ./,.〈. 〉| ./ .(゙   _>゙'゙ r''゙´'i,゙l, ,j レ! .|:|
      .|il,  __  j .j゙ .l  ト,゙',/ j.゙ r;| .レ'゙''‐ニ'''゙r''゙´ .゙l,ヽ,. ,ノ ゙ r''1.jノ     話
      .|.l,゙l, ゙ー゙.ノノ  / / ゙l ゙l,ヽr',r'l ゙;| .ト、,. /./´゙ヽ;.、 ノ ,゙rッ  .,Y';V        が
      | l,.゙ヽ--'゙ ,ノ  /  l, ゙'゙,,.l, ,j ゙| l,ヾ,、--、,,,、'_, r''゙ l   / li,;)      長
      l,. ゙'i,  /  ,rシ-、,ィ) l,゙i,V/゙j゙ /゙,,、、、,_  ゙\!.レ゙  .| Y゙          い
       ゙l゙i,・ヾi, ,/ィl、・_ノ ,;:: ゙シ'i.l,ノ ./゙    \  ゙Y:   .l /          !!
       | `ラ´゙'''´ ''"'´  .|  |:.r'`V'''" ̄`゙ヽ、  ゙'i,  |.   ' /      
       ゙'i,         .j  |./ ∧、, ゙̄ヽ、. \ ゙l. |\ ./
        ゙i,. r、,,,.、,_   / ノメ、 .j |ヾヽ,゙'ー---‐'''''ヾ-、,‐'
         .゙i,ヾ'-'ニワ.  / ./ノ .V j゙ |'i,. ヽ;-‐-、,_::::__ ::..>
        /:::l,〈`   //‐'´ ./.ヽ/ .j.ノ  .:ヾ、;:) ゙'i    `ヽ、
       /::::::::|ヾ‐;<;/__,、r'´ ./ .)='゙  ..::  ,ソ  .(:: _,,r‐''゙⌒`゙ヽ、,
      / l;::::::::::Y゙人゙l;:.    .,/,r'ニ゙   _,、r''´  ..:: ゙ヾ、     ::  ヽ,
     l  /,r:| j‐゙''l; ゙ニー‐'゙ (`l.(_,r‐'''゙´__,, ....:::::   .`ヽ、,....:::::..   ゙l,
     .!. .l゙l゙レ'>‐゙ | ト;゙i,l、ノ,r;;'ニ゙/´゙Y .,r'゙ ̄    .....::::::::::::::::::::::::.゙ヽ、:::    l,
     | 'ー;l.'i,.l゙  ,j 'シ'‐-ヘ;'V゙./  ゙l, ヽ, ......:::            ::::..ヽ,   ゙l
     .|._,rラl,.|  / ,i l,   .ノ , ゙i,   .゙ィ,.レ'                :.゙l,  .|
     / / ゙l l,゙l,/./ .l, l, ././ .゙l,゙l、  /.,ィ´ ,.r''ニ'' ヾ,            .:l, j゙
   .,rl´.'-‐ニ, .,、 L,,,,,゙l, V /   ヽ,゙'´/.|  .l゙/;=iミ;゙'i,. [        .:::::::::::::::Y゙
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 レ:'二i .i''゙゙´| .|:::::::)、V.l゙  ゙l,.゙'V /   ゙'i, ゙V゙ /ノ゙ /゙L,___,,,_   : : :: :::::l
..゙T´ .| |  ,.| .|::::::/ ゙'i,゙l,  `i , l,    〉,,.〈/  .ヽ、,,,,,、、-―‐-、ヽ、  ..:: .:/
 
      /´〉,、     | ̄|rヘ
  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
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265 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:05:14.90k7M/zME0 (18/40)

二時間後 
 
ステイル「というわけさ…」 
 
小萌「一字一句間違えずにゆっくり文章を読む」 
 
美琴「フルパワーで電撃をアステカの印に送り込む」 
 
海原「トラロックの印に魔翌力を込め、科学的雷を魔翌力的雷に変換」 
 
オッレルス「トールの印に魔翌力を込め、雷の出力増幅と観測」 
 
一方「変換が終わるまで、両方の雷を陣の上に滞空させ続けて巡回させるだァ?」 
 
オッレルス「変換終了を確認後、ノルニルの印に魔翌力を送る」 
 
一方「中央の三角形が光ったら、少しずつ中央に雷を寄せる」 
 
上条25「車輪が回り始めたら指針を思い浮かべる、時計が動き出したら発動」 
 
禁書「成功をお祈りするんだよ」 
 
上条16「邪魔なので遠くに離れておく…か、はぁ~」 
 
ステイル「僕は指示を送りながら、何かに備えて結界を張っておくからね」 
 
ステイル「因みにその【何か】が起きた場合、例外なく中心にいる大人の上条当麻は死ぬ」 
 
ステイル「質問はあるかい?」


266 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:06:55.88k7M/zME0 (19/40)

上条16「一方通行は魔術のベクトルは操れないぞ」 
  
ステイル「ん?こないだ少し僕の魔術の流れを変えてなかったかい?」  
 
一方「あれは風で押し返してただけだァ」 
 
一方「まァ、一度食らえば、この天才の頭脳で解析して何とかできるンだがなァ」 
 
上条16「食らったら死ぬぞお前」 
 
一方「いんや、弱いやつでいい」 
 
一方「公式さえ分かりゃ、後は数字がでかくなるだけだからなァ」 
 
一方「算数のレベルだァ」 
 
ステイル「じゃあここの屋上にいこうか」 
 
ステイル「幻想殺し、君もくるんだ」  
 
上条16「え?俺も?」 
 
ステイル「後処理要員だ」 
 
上条16「へいへい」 
 
上条16、美琴、ステイル、オッレルス、海原、一方通行が屋上へ行く 
 
禁書「こもえ!明日はがんばるんだよ!」 
 
小萌「うーん、簡単なんですけど緊張してしまうのですよー」 
 
上条25「先生、大丈夫ですよ」 
 
上条25「信頼してます」 
 
小萌「上条ちゃん…。…先生頑張っちゃいますね!」 


267 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:09:15.83k7M/zME0 (20/40)

黄泉川「ただいま~じゃんよー」 
 
打ち止め「黄泉川が帰ってきた、ってミサカはミサカはお出迎え」 
 
小萌「黄泉川先生おじゃましてますなのです」 
 
黄泉川「なんだ~?月読先生じゃんよ。みんなで何してるじゃん?」 
 
小萌「えっとー、どう説明したらいんでしょうかねぇ…」 
 
打ち止め、小萌 説明中 
 
 
目に涙を浮かべて上条25の両肩を掴む 
 
黄泉川「少年!苦労したじゃん!!」 
 
黄泉川「今日は上条の送別会じゃんよ!」 
 
禁書「ねぇねぇ。大きいとーま、送別会ってなーに?」 
 
上条25「上条さんが明日帰るから、その為にみんなで見送りしてくれるんだよ」 
 
禁書「そうなんだ」 
 
打ち止め「黄泉川、お買い物行かないと後6人いるんだよ、ってミサカはミサカは食料不足を報告してみる」 
 
黄泉川「大所帯じゃんよ、よし打ち止め買い物いくぞ」 
 
黄泉川「今日は宴会じゃん!」 
 
禁書「インデックスもお買い物お手伝いするんだよ」 
 
上条25「あ、金出しますよ」 
 
黄泉川「メインが金だしちゃダメじゃん」 
 
上条25「ああ、これこっちの俺の金になるから、それにこいつの食費だけでもバカにならないし」 
  
黄泉川「子供の食べる分くらいだすのが大人じゃん!」 
 
黄泉川「気にしないで座ってろ」 
 
上条25「はぁ、すみません…」 
 
小萌「いいんですよ上条ちゃん、甘えちゃってください!」 
 
上条25「ありがとうございます」 
 
上条25(こんな大人に今からでもなれるかな…) 


268 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:10:58.34k7M/zME0 (21/40)

美琴「はぁー疲れたぁ」 
 
海原「…………」 
 
ステイル「あれ禁書目録は?」 
 
上条25「買い物に行ってるよ、なんか送別会してくれるみたいでさ」 
 
上条25「残りの三人は?」 
 
美琴「まだ上でやってるわ」 
 
美琴「海原さんの力はすぐ解析できたみたいだけど」 
 
海原「!!………」 
 
美琴「オッレルスさんのが難しいみたい」 
 
ステイル「彼の力は特殊なんだよ、僕もあんなものは見たことがない」 
 
上条25「どんなもんなんだ?」 
 
ステイル「北欧王座というらしいんだが。とても説明できない、としか言い様がない」 
 
美琴「一方通行もムキになってボロボロよあいつ」 
 
海原「…………」  
 
美琴「すぐ解析されたからってそんな落ち込まないで?…それだけ早く解決したって事なんだからさ」 
 
海原「……御坂さんっ!ありがとうございます!」 
 
pipipi pipipi 
 
海原「失礼、 はい。 え?仕事? いえ…今から送別会なんで… ええっ? じゃあ一方通行も一緒に そんな!!」 
 
海原「………はい、わかりました…」 
 
海原「…シゴトイッテキマス」 
 
ステイル「明日は朝9:00集合なんで頼むよ」 
 
海原「…ハイ」 
 
上条25「よろしく頼むぜ!」 
 
海原は肩を落としたまま、軽く手をあげ答える 
その日の仕事は彼らしくなく荒れていた


269 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:15:12.45k7M/zME0 (22/40)

打ち止め「ただいまーってミサカはミサカは重い荷物を持ってくる」 
 
禁書「打ち止め早く入ってほしいんだよ!」 
 
黄泉川「こらこら慌てるな、転ぶと危ないじゃん」 
 
騒がしく買い物班が帰ってくる 
両手に荷物を持ち、玄関口でお互いせめぎあっていた 
 
美琴「ほら、渡しなさい」 
 
バケツリレーの要領でキッチンまで荷物を運ぶ 
 
一方「なにやってンだお前ら」 
 
一方「早く入れよ邪魔だ」 
 
黄泉川「ちょっと待つじゃんってあんたどーしたじゃん?その顔」 
 
一方「うっせェ、さっさと入りやがれ」 
 
左の頬が腫れていた 
後ろにいる上条16も左の頬が腫れている 
 
打ち止め「あなたたちケンカしたの?ってミサカはミサカは心配してみる」 
 
美琴「なにしてんのよ!?」 
 
上条16「いやケンカとかじゃないから安心してくれ」 
 
オッレルス「実に熱い展開だった…」 
 
美琴「…ならいいんだけどさ」 
 



270 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:17:29.11k7M/zME0 (23/40)

一方「あーうっせー、風呂だ風呂!」 
 
打ち止め「ミサカも一緒に入るー、ってミサカはミサカはお風呂の準備ー」 
 
美琴「は!?ちょっと待ちなさい打ち止め!」 
 
美琴「あんた一方通行と一緒にお風呂入ってるの!?」 
 
打ち止め「そーだよ?ってミサカはミサカはお姉様の驚きにビックリしてみる」 
 
美琴「一方通行!!あんたうちの妹になにしてんのよ!!!」 
 
一方「はァ!?なンもしてねェよ!!」 
 
一方「つーかそのクソガキが勝手に入ってくンだよ!!」 
 
黄泉川「まぁまぁいいじゃんか、打ち止めはまだ小さいんだし」 
 
一方「変な妄想してンじゃねェよ、ムッツリ超電磁砲」 
 
美琴「なっ!ムッツrっ…、とにかく絶対ダメ!!!」 
 
打ち止め「はーいってミサカはミサカはお姉様に怒られてしょんぼり」 
 
オッレルス「色んな事情があるんだなー」 
 
他人事のオッレルスがつぶやく 


271 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:19:20.59k7M/zME0 (24/40)

小萌「じゃあゴハンの準備しましょうか」 
  
小萌「シスターちゃんもお手伝いしてくださいなのです」 
 
禁書「はーいなんだよ」 

上条16「手伝いますよ」 
 
黄泉川「だからメインは座ってろって言ったじゃん」 
 
上条16「いえ…上条さんはこっちの世界の上条さんなんですが…」 
 
黄泉川「あ、すまん。紛らわしいから一緒に座ってろ」 
 
上条16「ハイ」 
 
オッレルス「何かしようか?」 
 
黄泉川「あんた誰じゃんよ?鍋だから特にすることねーじゃん」 
 
黄泉川「座ってろ」 
 
オッレルス「ハイ」 
 
ステイル「禁書目録包丁に気をつけてくれよ?」 
 
黄泉川「あんたも誰じゃんよ、タバコ咥えて台所に入るな」 
 
黄泉川「座ってろ」 
 
ステイル「ハイ」 
 



272 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:20:23.64k7M/zME0 (25/40)

黄泉川「月読先生、燗と冷どっちでいくじゃん?」 
 
小萌「うーん…迷いますねー」 
 
小萌「大人の上条ちゃんはどっちがいいですか?」 
 
上条25「え?冬だし、風情を楽しむのに燗でいいんじゃないでせうか」 
 
黄泉川「お、良い事言うじゃん!」 
 
小萌「ステイルちゃんもそれでいいですか?」 
 
ステイル「僕はお酒は飲まないよ、大体未成年だしね」 
 
小萌「ええ!?意外ですねー」 
 
ステイル「別にいいよ、慣れてるしね」 
 
小萌「んー?何か言おうとしたんですけど、忘れちゃいました」 
 
ステイル「たぶん大した事じゃないよ」 
 
タバコの煙を吐きステイルはキッチンに立っている白いシスターを見つめていた…


273 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:22:16.89k7M/zME0 (26/40)

一方「あがったぞ」プシュ 
 
一方「かァー、風呂上りのコーヒーはうめェ」 
 
黄泉川「一方通行さぼってないで運ぶじゃん」 
 
一方「なーンで俺がやらなきゃならねェンだババァ」 
 
黄泉川「手伝わなきゃお前だけ食わせねーじゃんよ」 
 
一方「勝手にしろ、外で食ってくるわァ」 
  
打ち止め「あなたと一緒に食べたいのに…ってミサカはミサカは涙が…」 
 
一方「チッ!どれ運びゃいいんだクソが」 
 
小萌「そこの飲み物と具材を運んでてほしいのですよ」 
 
一方「なンだこの量は…」  
 
禁書「こもえーゴハン炊けたよ」 
 
小萌「それはゴハンじゃなくてお出しが入ってるのですよ…。シスターちゃん」 
 
禁書「………?」 
 


274 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:23:40.98k7M/zME0 (27/40)

一方「おい、テーブル拭いとけ」ポイ 
 
美琴「はいはい」フキフキ 
 
上条25「一方通行が手伝ってるぞおい」 
 
美琴「全然似合わないわよね」 
 
上条16「いやいや、あいつ結構家庭的なんだぞ」 
 
上条16「前に土御門んちですき焼きした時、舞夏が褒めてた」 
 
上条25「すき焼きのどこで褒めるんだよ」 
 
上条16「なんか肉としらたきを離して入れろって言ってたな」 
 
美琴「ただの鍋奉行じゃない」 
 
上条25「そいえばあいつオッレルスさんの術、操作できたのか?」 
 
上条16「ああ、なんとかできたな」 
 
オッレルス「理解してやったというよりも感覚でやってる感じだな」 
 
オッレルス「しかしすごい才能だ、魔術師なら魔神になれたかもしれない」 
 
上条16「いや、そもそもが神とか信じてなさそうなんだけどあいつ」 
 
美琴「絶対信じてないわね」 
 
一方「おい、コンセントさして保温にしとけ」 
  
美琴「炊飯器?」 
 
卓上に並ぶ炊飯器に疑問の表情を禁じえない一同だった 



275 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:25:30.16k7M/zME0 (28/40)

黄泉川「ほんじゃ、いただくじゃんよ」 
 
オッレルス「俺まで成り行きで参加して悪いな」 
 
上条25「いやいや、明日お世話になるんだし、親睦深めようぜ」 
 
オッレルス「ありがとう」 
 
小萌「上条ちゃん飲んでますか?」 
 
上条25「まぁボチボチと」 
 
小萌「高校生の上条ちゃんも早く大人になって先生と飲みましょうね」 
 
黄泉川「月読先生と飲みにいったら帰れないじゃんよ」 

カパっと蓋の空いた炊飯器が四つ並び、鍋をつつく 
ふと見ると上条16、打ち止め、美琴とならんでいた  
 
上条25「打ち止めこっち来てみ、おもしろいもん見せてやる」 
 
上条25「お箸と茶碗もっておいで」 
 
打ち止め「なになにー?ってミサカはミサカは大人ゾーンへ移動してみる」
 
打ち止め「ちょっとずってもらっていいかな?ってミサカはミサカは割り込んでみたり」 
 
打ち止めに夜の仕事で培った小ネタを披露する 
箸袋で箸置きを作ったり、ふきんで鶴をつくったり 
 
視界の隅で顔を赤くして並ぶ二人を見て、酔いも相まって上条25は幸せな気持ちになっていた


276 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:26:44.26k7M/zME0 (29/40)

 
 
 
それぞれがそれぞれの想いを胸に宴は進む 
 
黄泉川「異世界人と記念撮影しようじゃん!」 
 
 
上条25を中心にデジカメで集合写真を撮る 
  
黄泉川「誰かプリントしてきてじゃーん」 
 
一方「言いだしっぺのお前がしろよ」 

黄泉川「もう酔っ払って無理じゃ~ん」 
 
美琴「明日でよければしてきますよ」 
 
 



277 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:28:37.04k7M/zME0 (30/40)

宴も終わり解散となった 
黄泉川が使い物にならない為、自然と一方通行と打ち止めが中心となり片付けをする 
 
打ち止め「お姉様は寮に帰っちゃうの?ってミサカはミサカは尋ねてみる」 
 
美琴「黄泉川先生が連絡してくれたから、時間はいいけど無断外泊はちょっとね」 
 
打ち止め「えー?残念…ってミサカはミサカは寂しがってみる」 
 
小萌「御坂ちゃん、先生が寮の方に連絡しましょうか?」 
 
美琴「いいんですか?」 
 
小萌「はい、今から帰るのも危ないので大丈夫ですよー」 
 
美琴「すみません」 
 
上条16「危ないのは襲った方なんですね、わかります」 
 
美琴「なんですって!?」ビリビリ 
  
上条16「なんでもないです、つか人んちでビリビリすんな!」パキィン 

打ち止め「やったー!ってミサカはミサカはこの事をミサカネットワークで妹達に自慢してみる!」 
 
上条16「大人の上条さんは病院帰るのか?」 
 
上条25「ああ、流石に泊まるのはだめだろ。家主寝てるし」 
 
上条16「うちに泊まっていかないか?」 
 
上条25「風呂場で男二人、寄り添って寝るのかよ…」 
 
小萌「シスターちゃんうちで預かりましょうか?」 
 
禁書「こもえのお家にお泊りするんだよ」 
 


278 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:31:11.39k7M/zME0 (31/40)

布団を敷いて横になる 
 
上条25「なぁ、残ってる金だけどさ」 
 
ベッドの上で上条16が返事をする 
 
上条16「うん?」 
 
上条25「関わった人に分配してもらっていいか?」 
 
上条16「いいぜ、俺の金じゃないんだし」 
 
上条25「適当でいいんだけど、遠方から来てくれた人にはちょっと多目に渡してくれ」 
 
上条25「余りはインデックスのゴハン代に使うといいよ」 
 
上条16「助かります」 
 
 
ここ数日いろいろあったなと思い上条25は回想をする 
状況が掴めなくてアタフタしてた初日が嘘の様に、今は進む道がしっかりしている 
ただいくつかの疑問が解消されてはいないのだが… 
右手と右腕の境を見て思い返す 
 
病院の前にいきなり現れた 
治療を受けた後がある 
関与した能力者はいない 
何が原因でこの世界に来たのか… 
 
考えても仕方のないことだと思い、枕に意識を沈める…


279 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:34:04.14k7M/zME0 (32/40)

朝早く起きて病院へ行き、冥土返しに礼を言う 
 
冥土「言い方は悪いけども、もう二度と来ることの無いようにね?」 
 
冥土「すべてが上手くいくことを心から願っているよ?」 
 
上条25は深く頭を下げ、病院を後にする 
 
少し早いが待ち合わせの場所である、小萌の家に行く 
 
 
小萌「おはようなのですー」 
 
上条25「おはようございます先生。あれ、あわきんじゃねーの?」 
 
結標「え?…幻想殺し?」 
 
事情が分かって無い結標淡希はポカンとした表情をしている  
ほとんど面識のない相手からあわきんと呼ばれ呆気にとられる 
 
上条25「ああ、あんま気にしないでくれ」 
 
結標「ええ?なによそれ…」 
 
上条25「おーい、インデックスさーん起きなさーい」 
 
禁書「ぅうん」 
 
禁書「んー。まだ眠いんだよ…」 
 
あれから小萌の晩酌が始まり、結標が帰宅した後も騒がしくてなかなか寝付けなかったのだ 
 
小萌「学生の上条ちゃんはどうしたんです?」  
 
上条25「俺病院にお礼言いに行ったんで早めにでたんですよ」 
 
上条25「出る前はまだ寝てましたけど」 
 
小萌「電話しといた方がいいですよ?上条ちゃん遅刻しちゃいますし」 
 
上条25「……携帯の電源落ちて、アラームが鳴らないってシナリオですかね?ハハ」 
 
pipi 

『お客様のおかけになった電話は、電波の届かないところ…』 
 
pi 
 
上条25「……起こしてきます」 
 


280 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:37:00.91k7M/zME0 (33/40)

上条25が男子寮に行くとまだ寝ていた上条16を叩き起こし準備をさせる 
 
上条16「電源切れてるし、久しぶりのベッドだから気持ちよくて起きれなかった…」 
 
上条25「痛いほど分かるなその気持ち。大丈夫だ…、遅刻で非難されても俺だけは味方だ」 
 
上条25「走るぞ!」 
 
小萌達は現地へ先に行ったので 
必然と車ではなくバスになる 
黄泉川の伝手で手配した 
儀式開始場所である第二学区、警備員訓練所へと走る  



281 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:38:49.21k7M/zME0 (34/40)

上条x2「「すんません遅れました!!」」 
 
ステイル「別にいいよ、大人の君は送られるだけだし、幻想殺しは離れて見送るだけだからね」 
 
上条x2「…ハイ」 
 
儀式の準備は着々と進められていた 
大きな円があり、その中に楕円が描かれ、いたるところに文字が書かれている 
さらにその中に三角形がその中心には歯車が置かれていた 
さながら大きな目の様な図だ 
円の周囲にルーンのカードがびっしりと置かれている 
失敗した場合、暴走するエネルギーを外に出さない為だとか… 
 
ステイル「これを持っていろ」 
 
懐中時計を渡される 
 
ステイル「先日も言ったが、今は止まっている。それが時を刻み始めたら術式はもう発動しているからね」 
 
ステイル「後は君次第だ」 
 
上条25「わかった」 
 
ステイル「準備がもうすぐ終わる、それまで気持ちを落ち着けておくことだね」 
 
 



282 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:43:55.13k7M/zME0 (35/40)

上条16「なぁ……あのさ」 
 
上条16と美琴が話しかけてくる 
二人の表情は何か思いつめている様な 
 
上条16「やっと掴んだ帰る方法だけどさ、成功するとは限らない儀式じゃんか」 
 
上条16「昨日美琴と話したんだけど、考え直してみないか?」 
 
上条25「考え直す?」 
 
上条16「ああ、成功する保障はどこにもねぇ」 
 
上条16「術が発動しても、ちゃんと帰れるか分からねぇ」 
 
上条16「こんな危ない橋渡るよりも、こっちの世界で、…この街で生きたらどうだ?」 
 
上条16「危険な道を突き進むだけじゃなくて、危険が無い方法もあるんじゃないか?」 
 
上条16「俺らも一緒に探すからさ!」 
 
上条25「………」 
 
 
上条25もそのことは考えていた 
術に対する不安、死の危険 
この世界で生きることに対しての恐怖 
 
学生の上条と美琴はその不安を汲んでくれたのか 
一緒に生きていこうと提案してくれた 
 
だが… 
 
上条25「ありがとうな、そこまで考えてくれて」 
 
上条25「確かに怖くないと言えば嘘になる」 
 
上条25「でもな…俺は決めたんだよ」 
 
上条25「美琴に…、あっちの御坂美琴に会いに戻るって」 
 
上条25「立ちはだかる壁があるなら迂回しねぇ」 
 
上条25「切り開いて絶対帰ってやるってな」 
 
上条25「美琴が待ってるだろうから帰るよ」 
 
上条25「急がないとお仕置きが怖いからな!」 
 
満面の笑みで答えを返した


283 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:45:56.15k7M/zME0 (36/40)

美琴「そう…んじゃもう引き止めるのは野暮ってもんね」 
 
上条16「そうだな」 
 
美琴「ひとつ約束して、あっちのアタシもアンタにすごく逢いたいはずだから」 
 
美琴「絶対帰ってあげて!」 
 
上条25「ああ、もちろんさ」 
 
上条25「…ぷぷっ…しかし…あっちのアタシも…ねぇ」ニヤニヤ 
 
美琴「ふぇ?…ち、違うわよ!?そ、そんな意味じゃないから!!///」 
 
上条16「え…?///」 
 
美琴「もう…バカ!!///」ビリビリ 
 
上条x2「「おわ!!」」パキィン  
 
ステイル「おいおい、今から頑張ってもらうのに余計な力使わないでくれよ?」 
  
上条25(こういったじゃれ合いも久しぶりだな) 
 
上条25(続きはあっちに帰ってからするか) 
 


284 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:47:58.68k7M/zME0 (37/40)

上条25「しかしちゃんと電撃無効化するんだな」 
 
新しい右手の性能に驚きマジマジと見つめる 
 
美琴「あったり前じゃない、この御坂美琴様の特別仕様よ」 
 
美琴「抜かりはないわ!」 
 
説明書きの手紙にかなりの衝撃にも耐えれることも書いていた 
ただし触覚がある為、痛みは伴うが 
 
美琴「あ、そだちょっと右手貸して」  
 
右手を差し出す 
 
美琴「違う違う外してもらっていい?」 
 
言われるがまま外して渡す 
なにやらポケットの中から取り出し、連結部分を開けて中に押し込んでいる 
 
美琴「はい、いいわよ」 
 
ガチンっという音と神経接合に伴う刹那の激痛 
なかなか慣れるものではない 
 
上条25「なにしたんだ?」 
 
美琴「設計図みたいなもんよ」 
 
美琴「あっちのアタシなら見て分かるだろうけど、あればあったで助かるだろうし」 
 
上条25「そっか、さんきゅな」
 
ステイル「そろそろ始めようか」 
 
儀式の準備が終わったようだ 
晴れた空を見上げ、数日間のこの異世界旅行の終わりを感じていた


285 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 02:49:46.01k7M/zME0 (38/40)

ステイル「第一位、用意はいいかい?」 
 
一方「あァ」 
 
ステイル「一番複雑な作業をやるんだからね、頼むよ」 
 
一方「るせェ、俺を誰だと思ってンだ。てめェはサンバの練習でもしてろや」 
 
ステイル「焼かれたいのかい?」 
 
禁書「もう!ケンカはやめるんだよ!」 
 
打ち止め「あなたの口の悪いのは今に始まった事じゃないけど」 
 
打ち止め「今のはあなたが悪いよ、ってミサカはミサカは柄にもなく緊張しているあなたを叱ってみる」 
 
一方「誰が緊張するってェ?くだらねェことほざいてンじゃねェよ!」 
 
ステイル「まぁいい、さっきのは聞かなかったことにするよ」 
 
一方「チッ!」 



286VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/05(水) 02:54:42.33xm7SYBgo (1/1)

面白いな


287 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 03:06:54.42k7M/zME0 (39/40)

 
 
 
ステイル「では、始めようか…」 
 
白衣のシスターが神に祈る 
幼く見える教師が紙を広げ、何度も読んだ文面を確認する 
超電磁砲が深呼吸をし集中力を高める 
学園都市第一位が首の電極のスイッチを入れ、妹達の上位個体が彼の裾をぎゅっと握る 
異世界人が魔方陣の中心に行き、幻想殺しは儀式の妨害しないよう離れる 
アステカの魔術師と魔神になり損ねた男が魔翌力を印に込め始める 
 
上条25(もう後戻りはできねぇ!!) 
 
動かない時計を見つめ覚悟を決める 
 
異世界に転移する…大魔術の儀式が今開始された 
 




---------科学と魔術が交差する時、物語は加速する---------






288 ◆WhAN1m3JTg2011/01/05(水) 04:01:03.32k7M/zME0 (40/40)

ここまででした 
 
オッレルスはまったく触れたことがないので非常にぼやけてます 
出した理由はなんとかつじつま合わせようと必死なためです 
参考にさせてもらった オッレルス「わがや家へようこそ!」 の作者さんに影ながら感謝を 
あまり出演させるとボロがでるので程ほどにですが  
ゲシュタルト崩壊起こしながら書いてるのでキャラに違和感あると思いますが、重ねてカンベン 
  
この後、大人の上条は無事に帰れるのか?、それとも儀式失敗するのか、誰かが犠牲になるのか… 
鬱エンド回避できるのか…交互期待  
 
書き溜めを吐き出したので次はまた明後日くらいだと思います


289VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/05(水) 08:26:51.52SPqzfgMo (1/1)

wktk


290VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/05(水) 12:03:45.98fCF.gFQo (1/1)




291VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/05(水) 22:40:36.54JgZZv.I0 (1/2)

天井そげぶしてハッピーエンドなんだよな?



な?


292VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/05(水) 22:41:02.24JgZZv.I0 (2/2)

天井そげぶしてハッピーエンドなんだよな?



な?


293VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/05(水) 22:58:09.53E4CxJ.so (1/1)

そこが分からないからこのお話はドキドキするんじゃないか


294VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/06(木) 02:21:46.15IvNAdgw0 (1/1)

何これおもしろい


295 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:35:24.64xt91SPs0 (1/26)

ステイル「では詠唱を始めてくれ」 
 
小萌「はいなのです」 
  
小萌が詠唱を始める 
小さな体からよく通る声が人払いを仕掛けた訓練所広場に響く  
 
ステイル「第三位始めてくれ」 
 
十二分に集中を高めた美琴が放電を開始する 
狙いはトラロックの印 
凄まじい電撃が印上に荒れ狂う 
 
ステイル「第一位、雷を巡回させろ」 
 
一方通行が雷に触れ、操作する  
科学の力と魔術の力 
二つの演算式を同時に解き、雷をトールの印へ誘導する 
 
一方「っっ!!」 
 
印に触れた瞬間に魔術の雷の数値の桁が格段に変わり操作が乱れる 
 
打ち止め「がんばって…!」 
 
届いたのか分からない少女の声、彼の服の裾をぎゅっと掴む 
揺らぎながらでも、なんとか安定に持ち込む 
 
ステイル「そのまま陣上で旋回だ、メビウスの輪をイメージしろ」 
 
随時放たれる雷、さらにトールの印の上で変動する雷 
繋ぎ合わせ力の循環を取り計らう 
  
ステイル「よし、いいぞ…ゆっくりでいい」 
 
輪が完成したこのまま規定値まで増幅させ続け、第二段階になる 


296 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:36:09.20xt91SPs0 (2/26)

苦しい時程、時間は長く感じる 
 
美琴(まだなの…!?) 
 
フルパワーで放出し続けどのくらい時間がたったのだろうか? 
眉間が熱い、しかしここで自分が放出を止めれば儀式は失敗してしまう 
時間にしてまだ2分も経っていないが美琴の限界が近づいてきた 
 
美琴(やばい、演算が…) 
 
美琴(早くして!!お願い!!) 
 


297 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:37:38.39xt91SPs0 (3/26)

オッレルスがブツブツと呟きながら計測をする 
彼の目算ではエネルギー必要量の85%を超えたところだった 
チラっとこの雷の発生源を見ると泣きそうな顔で放出している 
 
オッレルス(限界がきているな…) 
 
ステイルに合図すると彼も確認したようだ 
 
ステイル「第三位、まだいけるのか?」 
 
美琴「大丈夫よ…!」 
 
ステイル「危険になったら幻想殺しを呼ぶ」 
 
美琴「大丈夫って言ってんでしょ!!」 
 
きつい、苦しい、限界… 
 
でも諦めたくない 
 
美琴(限界なんて、自分で決めて…) 
 
美琴(勝手に無理だってあきらめる…) 
 
美琴(そんなのっ!絶対いや!!!!) 
 
美琴「ぁあああああああああああああああ!!!!!!」 
 
ここに来て放電量が更に上がる 
 
一方(っ!!!) 
 
難解な増幅後の雷の維持に集中を傾けていた一方通行に焦りがでる 
 
一方(余計な事してンじゃねェ!) 
 
一方(だがなァ…諦めねェのはいいことだぜ、第三位!!) 
 


298 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:39:20.11xt91SPs0 (4/26)

オッレルス「いいぞ!あと少しだ」 
 
美琴は叫び、放電し続ける 
 
------ 巡りくる景色が今流れてく ------
 
 
美琴「あああああああああああああああぁあああ!!!」 
 
 
------ 手繰り寄せた世界の先 ------ 
 
 
美琴(絶対諦めない!!) 
 
 
------ 降り注ぐシグナルを躰で感じて ------ 
 
 
今までの過酷な運命、関わった事件、悩み、苦しんだ 
心が折れそうになったこともある 
でも今ここにいるのは、それでも美琴自身が仲間と共に諦めることなく乗り越えてきたからだ 
LEVEL1から異例のLEVEL5へ昇格 
常に限界を超えてきた 
 
美琴(今回だってやり遂げてやるんだから!!) 
 
 
美琴「あああああああああああああああああああああああ!!!!!」 
 
 
------ 解き放つ今すべてを ------ 
  
 
 
 



299 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:41:18.49xt91SPs0 (5/26)

オッレルス「届いたぞ!!」  
 
ふっと足から崩れ、座り込む 
頭が割れそうなくらい痛い 
視界もぼやけて、熱い風呂でのぼせた様な感覚だ 
 
美琴「ちょっと張り切りすぎたかしらね…」
 
上条16「御坂!!大丈夫か!?」 
 
離れた位置から上条16が声を掛ける 
駆け寄りたいが幻想殺しで術を打ち消してしまう危険がある為、近寄れない 
もどかしい気持ちになる 
 
美琴は右手を上げて、拳を握る 
 
上条16はどこまでも意地を張り続ける少女に感動した 
 
上条16(いつも俺に勝ちたいとか言うけど、お前には勝てねーよ。御坂) 
  
オッレルスが中央、時の女神達の印に魔翌力を送る 
現在、過去、未来の印が淡い光が灯り、受け入れる準備が整う 

ステイル「第一位、中心の三角の頂点に合わせて圧縮するんだ」 
 
ステイル「…ゆっくりでいいからね」 
 
一方(ごちゃごちゃうるせェ…) 
 
一方通行も先ほどから変動し続ける数値の演算で限界が近づいていた 
 



300 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:45:33.68xt91SPs0 (6/26)

圧縮を試みるが、逆に膨れ上がりそうになる 
 
一方(くそったれ!) 
 
一方(…超電磁砲がここまでやったンだァ) 
 
一方(俺ができませンじゃカッコつかねェだろォが!!) 
 
打ち止め「あなた大丈夫なの!?ってミサカはミサカは…」 
 
一方「あァ!?ちっと黙ってろクソガキィ!」 
 
一方「俺はお前の前じゃ最強で居続けンだよ!!」 
 
本音を隠すゆとりもない程必死だった 
再び圧縮を試みる、ゆっくり、ゆっくり不可思議な法則が圧縮されていく 
 
一方(よーしこのままだ、落ち着け一方通行) 
 
ステイル「次の詠唱を」 
 
二節目の詠唱が始まり 
頂点に近づいた膨大なエネルギーを印が吸収し始める 
また演算式が変わり、乱れがでる 
 
一方(やべェ!!) 
 
即座に解析を始めるが、追いつかない 
 
エネルギーがほんの僅か漏れる  
 
轟音を立て、数十メートル先の地面に穴を開ける 
漏れた先が中心の上条25や陣を破壊すれば儀式は即座に失敗だ 
 
一方(くっそがァ!!!)
 
ステイルがルーンに魔翌力を送り、防御結界の準備に取り掛かる 
 



301 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:46:43.80xt91SPs0 (7/26)

一方「おい!クソサンバァ!!」 
 
視界の端でステイルが結界を張ろうとしているのを咎める 
 
ステイル「念のための保険さ」 
 
一方「余計なことすンじゃねェ!」 
 
口ではそういうものの解析ができない 
循環を表す綺麗なメビウスの輪だったエネルギーは、時折歪みを見せる 
 
ステイル「ならば集中しろ!僕の準備がいらぬお世話になる様にだ!!」 
 
一方(やってやんよ…クソがァ!) 
 
膨大すぎるエネルギーの為なのか、未だに印が吸いきれていない 
頭が割れそうなくらい響く 
歪みが一層激しくなる 
理解できない力の変動し続ける数値に、約一万人の演算補助を借りても追いつかない 
 
一方(ぐっ!…クソ!押さえきれねェ…) 
 
 


302 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:48:13.63xt91SPs0 (8/26)

さっきよりも激しい膨らみが生じるが 
 
押さえ込まれる 
 
打ち止め「お姉さま!!」 
 
美琴「魔術の雷でもなんとかなるもんねぇ…」  
 
御坂美琴だった 
 
名門常盤台中学が誇る、学園都市第三位【超電磁砲】の異名を持つ電撃使い 
 
一方「邪魔しに…きたのかよおい…」 
 
美琴「後でなんとでも言っていいわ…、アタシも限界近いから早く終わらせましょ…」 

一方「もう勝手にしろォ…」 
 
お互い声に覇気がない、限界が近いのだ
 
------ Just truth in my heart いつだって迷わないよ ------
  
美琴(こんな巨大な力を固定させてるなんて、流石第一位ね…) 
  
------ 消せない想いがあるから ------
 
膨らみが出るが一方通行の処理で戻る 
 
美琴(こいつのやってる事に比べたら、アタシのした事なんて単純作業ね…) 
  
------ 解き明かす真実から瞳を逸らさずに ------
 
圧縮が進む、エネルギーの奔流も不安定で弾けそうにもなるが、美琴がフォローして押し戻す 
 
美琴(こいつとは色々あって、まだ許せるものじゃないけど…) 
  
------ I`ll reach the next stage to realize all ------
 
美琴「もう少しよ!」 
 

美琴(こういうのも悪くないよね…?) 
 

------ 確かな絆信じて ------
 

一方(こういうのも悪かねェなァ…) 



303 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:49:50.02xt91SPs0 (9/26)

 
 
キィィィイイイインン 
 
甲高い音がして全てのエネルギーが印に吸収された 
中央の三角形の陣が先ほどより強い光を放つ 
 
上条25「成功したのか…?」 
 
膨大なエネルギーの中心にいて、視界も悪く、轟音の為状況が掴めなかった様だ 
 
一方通行はどっと座り込む、その彼を打ち止めが抱きしめ泣いていた 
 
美琴は朦朧とした意識の中立ち尽くし、中心に立つ上条25を見ていた 
 
ステイル「念じろ、自分の時代を」 
 
上条25は思い浮かべる 
腐ってたとしか言いようのない自分が洗い流されたあの場所 
初めてあんなに笑い、歌い、酒を飲んだあの場所 
そこに蟠りは無く、仲間達と飲んだ酒 
最高の宴 
 
自分を愛する余り、甘やかしてしまった女 
自分が愛する余り、甘えてしまった女 
お互い依存してしまい、前に進んでなかったのかもしれない 
でも二人で手を取り合ってまた… 
逢いたい、美琴…。お前を抱きしめたい 
最愛の女
 
二つの指針が時空に干渉する 
 



304 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:51:33.10xt91SPs0 (10/26)

上条16「おおーい!!」 
 
離れた場所で高校生の上条が叫ぶ 
 
上条16「俺も!美琴を幸せにするから!!」 
 
上条16「絶対自分の不幸に負けないで!幸せになるから!」 
 
上条16「お前も負けんなよ!!」 
 
強い眼差しで旅立つ異世界人に呼びかける 
本人は素直な気持ちで見送りたいのだろうが 
聞いてる人間が何を思ってるかは表情を見れば分かる 
意識が朦朧としている電撃姫の耳に入ってない様だが… 
 
幸運と運命の女神を象徴する歯車が静かに回り始める 
 
上条25「ああ!絶対負けんなよ!!」 
 
お互い右手を天高く突き上げ誓い合う 
 
「みんなありがとう!!」 
 
キィン! 
 
時が止まった


305 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:53:11.20xt91SPs0 (11/26)

停止した空間 
 
上条25は周りを見渡す 
  
カラカラと乾いた音を立てて歯車が回り続けている 
それ以外はまったくの無音 
誰も動いていない 
上条16を見ている者が多数だ 
その表情は様々 
微笑みと苦笑い、怒りと笑い涙 
一方通行が口を歪めて嬉しそうに笑っているのが印象的だった 
 
キィン!! 
キィン!! 
 
景色が黒く染まり、人が白く浮き上がる 
異様な光景に不安が過ぎる 
渡された時間と時空の神を象徴する時計を見ると時が動いていた 
懐中時計の針が徐々に加速していく 
 
横を見ると、美琴がぼーっした表情でこちらを見ていた 
 
上条25「美琴」 
 
上条25「ありがとう…」  
 
陣を灯す光が爆発的に発光する 
最後に世話になった少女へ礼を言い 
 
 
上条25は時空の壁を越えた 
 



306 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:56:33.29xt91SPs0 (12/26)

水中を高速で泳いでる様な感覚 
圧力を感じる様で、浮いてる様な… 
 
上条は心に思い浮かべ続ける 
念じ続ける、祈り続ける 
 
------ とある日常はparallel world 幾千もの時間に ------

9年後の別次元の学園都市

------ 同じものなどない傑作で織り成す 時空へ ------  
 
あの時の宴、笑いあった場所  

------ 書き殴って 白紙のシナリオにペン先が凍る ------
 
美琴との思い出、死の間際に瞼を埋め尽くした女の顔
 
美琴のいる景色が一瞬見えた 
公園で虚ろな目で涙を流していた… 
 
------ originality目指せ!どうせこの道を行くんだから ------
 
出口と思わしき光が見える 
 
その先には…土御門 
 
学生の頃の土御門ではなく、店内で座っているホストの土御門 
 
また熱く赤黒い、とても正常とは言えない泥の様な感情が吹き上がる 
 
怒りや嫉妬を超えた、禁忌の行動を伴わせる感情 
 
それを人は殺意という枠組みで呼んでいる 
 
------ 駆け抜けて 大地を蹴って ------
 
上条「土御門おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 
 
新しい右手の義手を硬く握り、振り上げる  
 




307 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 08:57:42.96xt91SPs0 (13/26)

上条の喪失から数日後 
 
土御門「かみやん、まだなんも連絡ないのかにゃー?」 
 
美琴「…うん」 
 
土御門「…そうか、なにかあったら連絡真っ先にほしいぜよ」 
 
美琴「うん…ありがと」 
 
ガチャ 
 
土御門「かみやん…どこにいったんだ」 
 
店のソファーに深く体を預けつぶやく 
 
「おおおおおおおおおおおおおお!!!」 
 
目の前に男が飛んできた  
 
土御門「っ!!!!!!!」 
 
振り上げたその右手が勢い良く土御門の顔面を打ち抜く 
 
上条「戻ってきたぜえええええええ!!!」 
 
勢いは死なず、そのままお互い揉み合いになる 
 
土御門「んな!!?か、かみやんか!?」 
 
上条は返事の変わりに馬乗りで何度も拳を叩き込む 
 
土御門「くっ!!」 
 
腰からナイフを取りだす 
 
上条は反射で後ろに跳ぶ 

ぺっと唾を吐き、土御門はふらついた足取りで立ち上がる


308 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:00:16.24xt91SPs0 (14/26)

二人が対峙する 
 
土御門「かみやん…、どこへ行っていた?」 
 
土御門「いや、まずどこから来た!」 
 
今の現れ方はテレポートだと土御門は考えた 
落下した後、捜索と同時にテレポーターの関与を調べた 
全員の身辺調査はもちろん 
レベル3は取調べ、レベル4は尋問、能力的に実行可能性が高い 
白井黒子、結標淡希の両名は自白剤まで投与されたが 
依然として関与が認められなかった為、神隠しという事になった 
目の前でこんな芸当をされては、捜査にどこかにミスがあったのではと思う 
だが上条からの返答はどれにも当てはまらなかった 
 
上条「別世界からだ、今から9年前のな」 
 
土御門「…ふざけるな!!」 
 
上条「ふざけてなんてねぇよ」 
 
土御門「まぁいい、無力化して作業をやり直すだけだ」 
 
これだけの騒ぎを起こしても誰も来ない、店内には誰もいない様だ 
開店前だろうか。 
時間は分からないが、営業中とは違う照明の明るさで判断する 
 
上条「おい、土御門」 
 
土御門を力強い目で見据え、言う 
 
上条「お前、目が濁ってるぞ」 
 
土御門「何を…」 
 
上条「俺は別世界のお前に会った、そこは9年前のお前と同じやつだった」 
 
上条「お前のせいで迷惑掛けちまったがな」 
 
上条「あの頃のお前はどこに行ったんだ!?」


309 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:01:54.84xt91SPs0 (15/26)

土御門「さっきから意味のわからん事を、ヤクでもキメてきたのか?」 
 
上条「今のお前に言っても分からないならいい」 
 
上条が距離を詰める 
 
土御門「殺してやるよ!上条当麻!!」 
 
ナイフを突き出す、半歩移動して避けるが、次の蹴りが上条の腹に入る 
 
上条「ぐっ!」 
 
土御門「お前じゃ俺に勝てないぜ!」 
 
上条「ほざけ!!」 
 
足を掴んで右手に力を入れる、メシっ!っという音が聞こえ土御門がナイフを突き出してくる 
掴んでた足を振り投げ距離をとる 
 
土御門「なんだその右手は…」 
 
足を痛めたのだろう、ヒビくらい入ったかもしれない 
庇いながら距離を詰めてくる 
 
上条「中学生の冬の工作だよ」 
 
土御門からしてみれば意味不明な回答ばかりで苛立つ 
 
土御門「もういい!!」 
 
苛立ちのあまり、ナイフを突き出してくるが、刃を右手で掴む 
 
上条「背中刺す刃さんが前からきちゃダメだろっ!!」 
 
力を込め握り砕く 
  
土御門「!!?」 

刹那、左手で押す 
土御門は驚愕したまま、足を庇いよろめく 
 
上条「俺の新しい右手はちっとばかし痛えぞ!!」 
 
渾身の力で顔面を殴りぬく 
土御門が背中から倒れ、鼻血を吹き出している 
 
上条「立てよ…」 



310 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:05:00.59xt91SPs0 (16/26)

土御門「ゴボっ!」 
 
喉に血液が入ったのか咽ている 
 
上条「なんでお前は変わっちまったんだ?」 
 
上条「俺も腑抜けてたから分からなかったが」 
 
上条「昔の俺達を見て思い出した」 
 
上条「どこで狂っちまったんだ俺達は!!」 
 
土御門「ガキの頃と比べるなよ…」 
 
土御門「いつまでも夢見てないで、現実を見ろ!!」 
 
土御門「社会にでれば金、権力だ!力だ!!」 
 
土御門「頂点を目指さなければ一生底辺で這いずり回る人生だ!!」 
 
土御門「お前も大人だろ!?上条当麻!!」 
 
土御門「この計画は完璧だ、それに乗って上を目指して何が悪い?」 
 
土御門「誘ってきたヤツは先に理事会に入った、時機を見て俺も理事会入りする事になる」 
 
土御門「この若さでだ!!」 
  
土御門「その為なら誰でも犠牲にする。親友であろうと裏切り、贄にする」 

土御門「大人の自覚がない低辺は、ただ俺に食われるだけの肥やしになっていろ!」 
 



311 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:06:46.93xt91SPs0 (17/26)

上条「いいぜ…、おもしれぇよ土御門」 
 
上条「上に登るのがそんなに好きならいいよ、猿みてーに勝手に登れよ」 
   でもなぁ、人間そう上手くいかねーんだよ 
   お前の計画が狂ったみてーにな!!
   あの頃のお前に立ち戻れない、分からない!近くにある当たり前の幸せ見失って! 
   そんまま外道に落ちた挙句!俺を犠牲にしてでも、頂点目指すって言い張るんなら!!」  
 
上条「そ の 身 勝 手 な 幻 想 を ぶ ち 殺 す !!」 
 
 
土御門「その言葉ひとつで収まると思うな!!」 
 
裏切り者が血塗られた右手を振り上げ 
 
上条「うおおおおお!!!」 
 
裏切られた者が血の通わぬ右手を振り上げる 
 
 
 
 
 
---- なぁ土御門…俺達どこで狂ったんだろうな… ----  
 
 
 




312 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:08:48.60xt91SPs0 (18/26)

 
倒れた土御門を見下ろし 
上条は肩で息をしていた 
 
動悸が治まらない 
まだ土御門は生きている 
殺そうと思った 
死の覚悟をするまで自分を追い詰め 
真の絶望、夜の恐怖、独りの不安を思い知らされた相手だ 
だが、時空の壁を突破する前に吹き上がったあの感情はもう無くなってた 
 
上条(思いっきり殴ってスッキリして、賢者タイムってとこか?) 
 
収まってしまった事に自嘲する 
土御門のやった事は許せることではないが 
しかしどこかで、何処かしら人生の分岐点で枝分かれし、上条が土御門の立場になっていたかもしれない 
平行世界を体験した人間にしか分からない感覚だ 
今回はそれがたまたまこいつだった… 
欲を囁かれ頂点踏破を目指し、身近な幸せを見失った 
 
上条(俺もまだまだ、人の事は言えないがな…) 
 
浜面とのいざこざ、あれも欲に捕らわれていた… 
 
 
土御門「ぐ、…まだいたのか…」 
 
上条「考え事しててな…」 
 
土御門「余裕だな…」 
 
自分がまだ生きているということは上条は生かしておく気だろう 
つくづく甘い男だ…と土御門は目の前に立つ男を見上げて思った 



313 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:10:25.71xt91SPs0 (19/26)

土御門「ここで俺に殺されないか?」 
 
上条「まだ言ってんのか…」 
 
土御門「お前が生きてると知られれば、暗部連中が狙う」 
 
土御門「超電磁砲と接触があれば、超電磁砲も粛清の対象だ」 
 
土御門「それはお前が最も嫌うところだ」 
 
上条「ああ、…俺も身勝手かもしれないけどな」 
 
上条「それでも逢いたいんだ」 
 
上条「あっちの世界の俺と美琴に約束しちまったし」 
 
上条「美琴は俺に逢いたいはずだろうってな」  
 
土御門「なら、もういい…」 
 
土御門「俺はこの計画から下ろされるだろうな」 
 
土御門「だが、謀反を起こすわけにもいかないんで報告はさせてもらう」 
 
上条「お別れ…か」 
 
土御門「本来ならどちらか死んでるんだ…」 
 
土御門「儲けもんぜよ…」 
 
  
 

 
------ じゃあな親友 ------


------ 元気でな、かみやん ------
 



 
 
上条が裏口から出て行く 
ドアの閉まる音が永遠の別れを告げた 
 
静かな店内、残った土御門が体を起こす 
  
土御門「かみやん、実は俺って嘘つきなんだぜい」 



314 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:12:02.68xt91SPs0 (20/26)

路地から見上げると鈍色の空が広がっていた 
9年前とは違う空気を胸いっぱい吸い込み帰ってきたという実感が沸く 
美琴… 
 
時空転移中一瞬だけ見えた美琴の顔 
場所は第七学区の公園だった 
 
上条(急がねーと!!) 
 
 
上条当麻は力の限り走った 
ここ第十五学区から第七学区までは結構な距離だ 
ここの状況はどうなってるか分からない上、土御門がいつ報告するか分からない 
時間は無いと思った方がいい 
 
大通りに出ると何も変わらない日常が流れていた 
 
とにかく走る 
無人運転のバスに乗り込む 
IDを試しに使ってみたらまだ生きていた 
記録が残ってしまうが構ってる暇はない 
 
バスが目指す先は第七学区とある公園前  



315 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:12:50.31xt91SPs0 (21/26)

御坂美琴は冬の曇天の公園に居た 
自分がまだ学生の頃、上条との思い出の場所だ 
上条が失踪した後、仕事の合間を縫って思い出の場所を徘徊する毎日だった 
ここにいるとふっと目の前に上条が現れて 
心配してた自分がバカらしくなるような笑顔で声を掛けてくる様な気がする 
自分はそんな上条に怒って電撃を放ち、上条は右手でかき消して… 
若い頃のやり取りに縋っている自分にふふっと微笑を浮かべる 
この公園で素直になれなかった事が多数だが、二人が結ばれたのもこの公園だった 
あの時の気持ちが蘇り胸が温かくなる反面、喪失感とせめぎ合い涙が溢れる 
 
 
美琴(どこいっちゃったのよ…あのバカ) 
 
何でも無いような日常の幸せを胸の中で反芻し 
御坂美琴は今日も想いの人を待ち続ける… 
 
上条「美琴おおおおお!!」 
 
美琴(幻聴まで聞こえてくるなんてもう末期ね…。病気だわ) 
  
ため息と同時に振り返る 
 
上条「美琴!!」 
 
目の前にアイツがいた  




316 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:13:42.89xt91SPs0 (22/26)

美琴「と、…っと…ぅ」 
 
声にならない 
幻なんじゃないか 
呼んだら消えるんじゃないか 
触ったら消えるんじゃないか 
嬉しくて嬉しくて涙はでるのに 
怖くて怖くて声がでない 
 
上条「美琴」 
 
抱かれた 
暖かい…当麻の匂いがする 
涙が止まらない 
名前を呼びたいのに喉が詰まる 
 
上条「ごめんな…。美琴逢いたかった」 
 
私も逢いたかったよ当麻 
言いたいのに言えない 
嗚咽ばかり 
しっかり伝えなきゃ 
心配したからって言わなきゃ 
そしてビリビリおしおきしなきゃ 
なのにどうして… 
 
私は愛しい男に抱かれ声を上げて泣いていた 



317 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:14:45.25xt91SPs0 (23/26)

上条「ごめんな」 
 
謝ってばっかりの俺は情け無い男になるんだろう 
絶望に叩き落されて 
身を投げて 
別世界に飛ばされて 
死ぬ思いで帰ってきた 
やっと愛しい女をこの手で抱くことができた 
 
ごめんな美琴泣かせて 
ごめんな美琴寂しい思いさせて 
ごめんな美琴生きる事諦めて  
 
髪から美琴の匂いがする 
使ってるシャンプーも変わってない 
俺の愛しいビリビリ女 
もう諦めたりしないから 
絶対離さないから 
謝ってばかりじゃなくてこういう事言わないといけないんだろうな 
 
でも出る言葉は謝りの言葉だけだ 
ごめんな美琴 
もう二度とこんな思いはさせないからな 
 



318 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:18:05.61xt91SPs0 (24/26)

 
 
 
 
上条と美琴は何も言わずキスをする 
  
長い口付け 
 
お互い力強く 
 
舌を絡め合い 
 
力強く抱きしめる
 
心の繋がりを確かめあう様に  
 
学園都市の鈍色の空から雪が舞い降りる 
 
頬に冷たい結晶が落ち、一瞬で解け筋を作る 
 
だがすでに二人の目尻からいくつも筋が流れていた 
 
 
---------- なぁ、学生の俺と美琴。俺は今幸せだぞ、これからもずっと ---------- 
  
 
 
 
雪の降るとある公園で二人はもう一度結ばれた 
 
 



319 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 09:28:38.01xt91SPs0 (25/26)

ここまでです 
 
途中にOPの歌詞が入ってますが、本来はつべのリンク貼って聞きながらって考えてました (それでPC推奨でした)
曲の時間と読む速度にあわせて書いてたんですが、読む速度は人それぞれだなと思って書き直しました 
ちょっと読みづらいって人いたら言ってください 
後一箇所考えているんで外します 
  
次回から超斜め上展開なので今の流れがいいと思う方は、ここでハッピーエンドにした方がいいかもしれません 
終章は別作品とのクロスになります  
好き嫌いの多い作品なので、付き合っていただける方はあしからず 
 
では…明後日?かな? 
ラストまで書いて投下します 
 
ではおやすみなさい 


320VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/06(木) 17:01:32.52KT0.ETMo (1/1)

アニメ見てない人間にとっては単なる意味不明のフレーズの羅列ですな。


321VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/06(木) 17:52:23.0595TPNYDO (1/1)

クロスに抵抗ないからどんな作品でもウェルカムかも!
ここまで感動的にやったんだから最後はちゃんとハッピーエンドにするんだよ!


322VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/06(木) 19:23:29.90jd7JAsSO (1/1)

>>316で泣いた
よかったね美琴たん(^ω^)ペロペロ

大人の二人の容姿とかを教えてほしい
絵書いてみたい


323 ◆WhAN1m3JTg2011/01/06(木) 21:35:40.24xt91SPs0 (26/26)

>>320 
なんかいきなり詩が始まった感じになるのか… 
考えときます 
 
>>321 
その幻想を(ry 
 
>>322 
黄泉川(^ω^)ペロペロ 
 
上条 
身長は175くらい? 
学生の上条を大人にした感じ 
チラっとみて、なんだ上条かと思い 二度見して気付く感じ
右手は肌色、質感は蛇の鱗っぽい ザラザラしてます 
体温はありません 体表は絶縁体 電熱はどうすんだ!?考えてませんでした 
ある程度耐熱加工ってことで…  
人口筋肉で握力はすごいです 触覚あるので痛覚もあります 
しかし強固に仕様変更した為、再現率が落ちて常時痺れがあるような感じです 
この二つの要素でダメージで右手に感じる痛みは余りないです 
銃で撃たれても「いてっ」くらいです 
 
美琴 
身長は上条の頭一個分低いくらい 
体は流石御坂美鈴の娘という感じに成長してます 
髪は今よりちょい長く、顔は美鈴の目を美琴にした感じ?美鈴の目を丸く? そんな感じです 
上のラストシーンは白いフワフワのコートを着ています 襟元にぼんぼんみたいなのが着いてるかわいい感じの 
 
 
上条と書きたいのに神所湯って書いてしまう人いませんか?


324 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:46:39.64YnY1CtI0 (1/38)

やっつけ感が半端ないけど一応ラストまで 
わいにクロスなんて難しすぎたんや 
 
二人は車で一路、美琴の家へ 
上条の説明だとすぐに捜索されるはずだ 
逃走も予測されて、都市の封鎖が敷かれるだろう 
その前にこの街を出なければ… 
  
二人はどこへ逃げるか話し合う 
海外の魔術組織…。例えば禁書目録もいるイギリス清教 
だめだ、内部に刺客がいてもおかしくない上、争いの口実になる 
他の魔術組織も同様 
都市の息が掛かってるかもしれない 
こちらから打って出る 
考えるまでも無く却下だ 
一方通行や垣根帝督がいる 
幻想殺しがないので戦いようもない 
その二強を抜いても、全能力者と戦えるはずもない 
結論はどこにでも行ける様に準備をすることだった 
 
家に到着し美琴はPCに電源を入れる 
ハッキング開始、都市の現状を確認する 
 
美琴(もう動いてる…!) 
 
都市のゲート封鎖、警備員が街中に出始めている 
上条との接触を都市の防犯カメラで確認したのだろう 
暗部へ粛清指令も出されている 
 
すぐさま田舎町が買えるくらいの預金を全額海外の銀行へ移動させる 
こちらは間に合ったようだ 
金さえあれば生活ができる 
研究資料のメモリとラップトップを持って行く 
 


325 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:48:40.64YnY1CtI0 (2/38)

マンションを出ると上条が女と話している 
普段なら上条にビリビリの刑だが今は状況が違う 
バッグを地面に置いて帯電する 
 
話している相手が麦野沈利だからだ 
 
麦野「待ちなよ」 
 
右手をひらひらさせて止める 
 
麦野「アンタ達を捕まえにきたんじゃないって」 
 
ここに来た真意が分からない 
 
麦野「私はただの強盗だよ」 
 
ますます分からない 
 
麦野「私達二人は今からこの車を盗むんだ、んで学園都市をドライブする」 
 



326 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:49:10.59YnY1CtI0 (3/38)

美琴「なんで…」 
 
麦野「アンタらに死なれっと、もう旨い酒が飲めなくなりそうなんだよ」 
 
美琴「あんた達が狙われるわよ!」 
 
麦野「関係ねーよ、ただの強盗だもん」 
 
麦野「だから痛い目見ない内にさっさとケツ振って逃げな」 
 
麦野「因みにうちらの乗ってきた車、もう要らないからどっか捨てといて」 
 
上条「美琴!」 
 
上条が運転席に乗り込み、浜面を見る 
 
上条「浜面、彼女大事にな」 
 
上条の顔を見て浜面は確信した 
 
浜面「…やっと分かってくれたみたいッスね」 
 
上条「偉そうに」  
 
麦野「また酒飲もうなー」 
 
お互い笑って分かれる 
大型のワンボックスが発進する 
その後ろを見送り、元第四位が目を輝かせ言う 
 
麦野「さて、このスーパーカーで都市を走り回ろうぜ」 
 
麦野「カーチェイスだぞ!浜面!!」 
 
浜面「帰りたい…滝壺…」 
  
麦野「さっさとしろォ!!」 
 
浜面「はいはい!!」


327 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:50:23.68YnY1CtI0 (4/38)

都市を走行中ラップトップにメールが来る 
 
送信者は打ち止め 
 
内容は学園都市が手を出せない、または出しにくい地域のリストだった 
恐らく役所勤めの妹達から情報共有でこの事態を知ったのだろう 
非常にありがたかった 
 
その中から有力な候補をピックアップする 
上条が高速を運転している横でいそいそと検証をする 
 
街の隆盛、治安、支配者、文化、宗教あらゆる視点から検証する 
世界最先端の科学を持ち、魔術の世界とも関係する学園都市ですら手の出せない場所 
 
  
検証終了 
タイにある非常に危険な街が最終候補に残った 
 
 
 

その街の名前は【ロアナプラ】と呼ばれている 
 



328 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:51:42.30YnY1CtI0 (5/38)

上条「ロアナプラ?」 
 
美琴「そうタイにある街よ」 
 
打ち止めに結果を送信し、街の残っている自分の資産など後処理をお願いする  
妹達が総力を挙げれば容易いだろう 
 
上条「タイかー、一年中暖かそうだな」 
 
美琴「まぁね、後この街が手を出せないくらい特殊な街だから」 
 
美琴「絶対言動に注意してよ!」 
 
上条「どういう意味でせうか…」 
 
美琴「そこを支配しているのは暴力よ」 
 
美琴「一般人が銃を持つもの当たり前、麻薬常習も売春も当たり前」 
 
上条「危険すぎるだろ!」 
 
美琴「今のアタシ達にとっては世界一安全な場所よ…」 
 
上条「……すまん美琴、俺が不甲斐無いばっかりに…」 
 
美琴「やめてよ、アタシは当麻と一緒じゃなきゃ嫌なんだから」 
  
美琴「しかも当麻は悪くないじゃない!」 

上条「美琴…」


329 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:52:24.88YnY1CtI0 (6/38)

美琴「でも、そんな街でも安全に過ごす方法もあるわ」 
 
上条「ん?」 
 
美琴「そこの支配者達にアタシが挨拶すれば…なんとかなるかもね」 
 
いくつかのマフィア勢力が均衡を保ち、暴力的な治安が構築されている 
願うのは平穏、だがひとつ間違えば死だ  
 
美琴「どの道ここにいても仕方ないわ、行きましょう!」 
 
上条「覚悟決めるしかねーってことか」 
 
車を飛ばし、二人は資材搬入ゲートがある第十一学区を目指す 
 
 



330 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:53:10.06YnY1CtI0 (7/38)

ゲートから数百メートル手前に検問所が見える 
完全に封鎖されている様だ 
 
上条がハンドルを急に切り歩道に乗り上げる 
刹那に轟音が響き路面が捲り上がる 
 
美琴「っ何!?」 
 
上条「なんか嫌な予感がしたんだが…」 
 
外を確認すると黒いスーツを来た男が反対車線に立っていた 
 
一方「おいおいおいおいィ、やっと見つけたってのに、俺に挨拶なしで街を出ようってのかァ?あァ?」 
 
学園都市最強の男 一方通行だった 
 
幻想殺しの無い今、勝率0%の相手だった  
 




331 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:54:31.92YnY1CtI0 (8/38)

美琴「あんたが来るとはね…」 
 
車から降りて美琴が話しかける 
危険な男だ、妹達を一万人殺した男過去もある 
今でこそ打ち止めや妹達から信頼を得ているものの 
美琴はまだこの男を許しきってはいなかった 
 
上条「美琴、逃げろ」 
  
右手を握り締め、美琴の前に立ちはだかり逃走を促す 
 
美琴「嫌よ!!アンタだけ残していけるわけないじゃない!!」 
 
上条「絶対大丈夫だ、俺はお前を守る!そして絶対お前の元に戻る!!」 
 
美琴「当麻…」 
 
一方「すンませーン、盛り上がってる所悪いンですけど…」 
 
一方「別にお前ら殺しに来た訳じゃねェからな」 
 
上琴「「え?」」 



332 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:55:53.44YnY1CtI0 (9/38)

一方「あンま信用ねーみてェだな、まァしょうがねェ…」 
 
一方「指令は受けてっけどよォ」 
 
一方「クソガキがうるせェから見送りだけだァ」  
 
上琴「「え?」」 
 
一方「だから!!俺じゃねーぞ!?クソガキの伝言だからな!!」 
 
一方「元気でやれよ三下ァ」 
 
美琴「あんた…」 
 
一方「そンだけだァ…さっさと行け」 
 
上条「一方通行、ありがとう」 
 
一方「勘違いすンな、そこのオリジナルと妹達にでけえ借り返してるだけだァ…」 
 
一方「辺鄙な場所に行くンだろ?治安ちっと良くしとけや」 
 
一方「クソガキがもう旅行に連れてけってせがンでっからなァ」 
  
一方「まぁ他の平和な観光地ならお断りなンだが」 

一方「悪党が悪党どもの街に行くのはおかしくねェだろ?」 
 
口を歪めてニヤっと笑う 
上条はこっちに戻ってくる前に見た一方通行を思い出した 
 
一方通行が足を路面に叩きつけ検問所を吹き飛ばす 
反対の街の中心部から警備員が大挙して向かってくる 
 
美琴「ありがと、連絡するから遊びにきなさい」 
 
一方「お互い生きてたらな、さっさといけ」 
 
一方「こっちはやることがあンだよ」  
 
最強の男が背を向け歩き出す 
 
二人の車が向かうはゲートへ 


333 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:56:58.24YnY1CtI0 (10/38)

一方通行に崩壊させられた検問所を抜け 
ゲートをくぐる 
ハッキングでロックをこじ開けようと車を止める 
しかし勝手にロックが解除され、ゲートが開く 
 
驚く二人がゲート横のモニターを見ると 
花の静止画に「お幸せに」の文字が映っている 
状況が理解できてない上条に一言 
  
美琴「大丈夫、行きましょ」  
 
電脳世界の守護神に心の中で礼をいい 
学園都市の外へと飛び出した 
 


334 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 11:59:25.51YnY1CtI0 (11/38)

一方「さァて、さっさとやることやりますかァ」 
 
一方通行は美琴達を追う警備員の隊列の前に立つ 
 
一方「お勤めご苦労さンでーす。残念だけどこの道は今から一方通行なンだよ」 
 
一方「さっさと引き返さねェと死ンじまうぞォ!!」 
 
この世界の五体満足の最強が吠える 
 
一歩踏めば地割れを起こし車両が沈む 
また一歩踏めば幹線道路が隆起し人が押し流される 
発砲してくるが全てあらぬ方向へ流される 
 
一方「おらおらァ!さっさと下がりやがれェ!!」 
 
ビルが倒壊を始め、クモの子を散らす様に退避する 
 
最強が進む先は第一学区、学園都市の行政を司る統括理事会本部 
 
携帯を触り、電話をする 
 
一方「おい黄泉川!!、第十一学区から第一学区まで住民も警備員も全員非難させろ!!」 
 
一方「イライラしてっから死人がでンぞォ!!」


335 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:01:02.12YnY1CtI0 (12/38)

統括理事会本部のとある一室で男は激昂していた 
 
天井「まだ片付かないのか!!」 
 
秘書「はい、都市の外に出てしまったという報告は受けていますが」 
 
天井「ぬぅううううう!!警備員を動員してすぐに追え!!空港、国道、駅全て封鎖しろ!」 
 
秘書「警備員は第十一学区からここまでの幹線道路近辺の住民の非難」 
 
秘書「それから都市高速を走り回る車両の追跡に向かっています」 
 
天井「なんだと!?どういう意味だ!」 
 
秘書「なにやら正体不明のテロ組織という報告を受けています」 
 
秘書「人的被害は微々たるものですが、建造物の破壊規模は凄まじいものです」 
 
天井「なんというタイミングだ…土御門はどうした!?」 
 
秘書「彼とは連絡が取れません」 
  
天井「クソったれ!!」 
 
天井「学園都市が最先端で…。私がその上に立っているのに…」
 
天井「幻想殺しまで手に入れて今からという時に…!!」 
 
一方「運勢が尽きたンじゃねェの?」 
 


336 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:02:01.11YnY1CtI0 (13/38)

天井「っっ!!!」 
 
一方「ビビリすぎだろォ?」 
 
天井「何しに来た一方通行、貴様は超電磁砲の追撃だろう!」 
 
一方「おお、追撃ならしてきたぜ?」 
 
天井「殺したのか?」 
 
一方「いンやァ?見送っただけだァ」 
 
天井「ふざけるな!なぜここにきている!!早く追え!!」 
 
一方「なンでここにいるのか教えてやろうか?」 
 
一方「ヒーローが悪者ぶっ倒すってのが王道だろォ?」 
 
天井「きっ貴様!!」 
 
天井「垣根!!」 
 
ソファーで横になっていた垣根帝督が起き上がりこちらを向く 
 
垣根「あん?」 
 
天井「こいつを始末しろ!」 


337 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:05:37.57YnY1CtI0 (14/38)

垣根「よいしょっと」 
 
ソファーから立ち上がりジャケットを羽織る 
ゆっくりと天井と一方通行の間に移動する 
 
垣根「お前一人か?」 
 
一方「ああ」 
 
垣根「んじゃ帰るわ」 
 
天井「おい!!何を言っている!」 
 
天井「反逆者を始末しろ!!」 
 
垣根「んん?なんか勘違いしてね?」 
 
垣根「俺が受けた指令は理事会本部の防衛だぞ」 
 
垣根「クズの護衛じゃねーよ」 
 
天井「なっ…なんだと…!!!」 
 
垣根「んじゃそういう事なんで建てもん壊すなよ? あ、それと俺、今日同伴だからよろしくNO.1」 
 
一方「あァ?ンじゃ俺も同伴だァ」 
 
垣根「んじゃってなんだよお前…」 
 
パンパン 
天井が発砲がするが、銃弾はあらぬ方向へ逸らされる 
 
一方「あ、反射に戻すの忘れてた。運が良かったなお前」 
 
天井「ヒっ!…おいお前でもいい!!ヤツを止めろ!!」 
 
秘書に縋る天井 
その必死な様に垣根が興味を持った様だ 
 
垣根「おうおう、秘書まで戦わせるつもりだぞあいつ」 
 
気が変わった、とニヤニヤしながらソファーに座る 
 
垣根「クズの末路を見届けて帰ろう」 
 
まるで映画のオマケシーンでも見るかの様な口ぶり


338 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:06:48.00YnY1CtI0 (15/38)

秘書は困惑した顔を一方通行に向けていた 
 
秘書「どうしましょう?」 
 
一方「いいんじゃねェの?もう」 
 
秘書「そうですね…」 
 
秘書の顔が捲れ上がる 
 
海原「ではこの外道に引導を渡しましょう…」 
 
垣根「っ!!!うおおおお!!熱い展開だなおい!!」 
 
垣根の中でオマケシーンからクライマックスに昇華した 
 
天井「だ…誰だお前…?」 
 
海原「ひどいですね、今まで秘書として頑張ってきたのに…」 
 
天井「………誰だ…?」 
 
余りの展開に思考がついてこないらしい 
垣根はその様を見て笑い転げている 
 
一方「お前はやっちゃなンねェとこまで踏み込ンだってこった」 
 



339 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:08:39.66YnY1CtI0 (16/38)

天井は少しだけ把握した、すでに追い詰められていうという所までは 
 
天井「分かった、要求はなんだ?」 
 
天井「金か?地位か?」 
  
天井「今なら交渉の余地があるぞ…そうだ理事会に興味はないか?」 
 
天井「超電磁砲の研究データを元に開発をすれば、また莫大な富が入る!」 
  
天井「まずは技術流出を防ごう!な?」
 
天井「成果を上げれば理事会に入れる!」  
 
天井「私が推薦するぞ!!」 
 
天井「ハハっ!どうだ?一方通行?それにお前たちも!一緒に科学の街の支配者にならないか!?」 
 
垣根の興味は天井の最初の一言で無くなり、代わりに一方通行に興味が向いている
 
一方「学園都市が最先端大いに結構ォ、それで超電磁砲の利用も大いに結構ォ」 
 
一方「俺もガキじゃねェ、奇麗事が大事なのも理解してる」 
 
一方「でもなァ、どンな理由を並べても、それでアイツらが殺されていい理由にはならねェだろうがァ!!」 
 



340 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:09:48.66YnY1CtI0 (17/38)

天井「ヒィっ!うわあああぁああ!!」 
 
一方「逃がすかァ!!!」 
 
咆哮と共に垣根の座るソファーが天井に飛んでいく 
 
垣根「おいいい!!!!」 
 
垣根を乗せたまま天井に激突する 
 
天井「うぐぐ…」 
 
垣根「なにしやがんだてめぇ!!」 
 
一方「メルヘンビームで悪党を成敗したンだよ」 
 
海原「では、後処理は僕がやっておきます」 
 
一方「あァ…好きにしな」 
 
垣根「おい、謝れてめぇ!!」 
 
学園都市NO.1とNO.2が並んで出て行く 
 
 
残された天井と海原 
海原は変身魔術を解き、素顔を晒す 
誰にも見せないその素顔を… 
 
 
エツァリは天井の襟を掴み上げ 
聞きなれない単語と数字を囁いた
そして怯える男に告げる 
  
 
 
-------- あの人の世界を狂わせた罪を贖わせてやる --------  
 

 



341 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:12:16.53YnY1CtI0 (18/38)

雪が降る学園都市 
打ち止めに全て終わった事を連絡し、一緒に食事を取ることになった 
 
一方「お前の同伴って誰?」 
 
垣根「あん?彼女だけど?」 
 
一方「一緒に飯いかね?」 
 
垣根「ええー?なんでお前と!?同じ派閥のやつ誘えよ」 
 
一方「俺も女となんだよ」 
 
垣根「打ち止めちゃんか、まぁいいか」 
 
垣根「さっきのNO.1の勇姿を教えてあげよ」 
 
一方「ヤメロ」 
 
一方通行は薄く積もる雪道の上で身を震わせる 
防寒性の高いジャケットだが、視覚で寒さを感じる人間味のある行動にふっと笑みを浮かべる 
  
一方(三下みてェに上手く説教できねェなァ…、練習するかァ) 
 
 
学園都市最強のNO.1ホストは新たな進化を模索していた 
 
 
 


342 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:13:59.49YnY1CtI0 (19/38)

国道を走行中に逃走ルートを模索する 
現地の業界なども調べ、運び屋を営んでる連中がいた 
金次第で何でも運ぶと書いてある 
 
連絡先にさっそく電話を掛ける 
 
『はい、ラグーン商会ですがー』 
 
覇気の無い男の声がする 
 
美琴「運んでもらいたいものがあるの」 
 
『なんでしょ?』 
 
美琴「人間二人を日本からロアナプラへ」 
 
『なに?…どちらさんですか?』 
 
美琴「訳あって逃亡生活になるのよ、お金は弾むわ」 
 
『あー、ちょっとボスに代わりますー』 
『ダッチ、なんか日本からだよ』 
『何?あいつらなんかやらかしたのか?』 
 
電話越しに会話が聞こえる 
 
『もしもし』 
 
低い男の声だ


343 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:15:12.27YnY1CtI0 (20/38)

上条は運転しながら美琴が英語で交渉しているのを聞いていた 
 
上条(コイツほんとすごいな…) 
 
年収十億は下らないと自慢する自分の恋人に畏敬の念を抱く 
 
thank youという言葉が聞き取れた 
上手くいったのだろうか 
 
美琴「おっけーよ、明日の夜、東京まで迎えに来るって」 
 
そういいながらラップトップを弄っている 
 
上条「そうか、随分早く来てくれるんだな」 
 
美琴「報酬がすごいからに決まってるでしょ」 
 
上条「いくらだよ?」 
 
美琴「百万ドルよ」 
 
ピンとこない上条は計算をする 
 
美琴「今の相場で一億三千万よ」 
 
上条「っええええええ!!」 
 
美琴「まぁホストに通って男に貢ぐよりは価値あるわ」 
 
上条「ぁぅぁぅ」  
 
上条の反応にケラケラと笑う 
 
美琴「冗談よ!…まぁ超危険手当込みだから安いと思うはずよ」 
 
美琴「あっちもこっちもね」 
 
上条「ソーデスカ」  
 
美琴「こうして愛しい男がそばにいてくれるなら、いくらお金積んでも積み足りないわよ」 
 
まだ気にしてる上条に呆れた顔でフォローを入れる
  
国道をひたすら走る 
 
目指すは東京


344 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:16:27.68YnY1CtI0 (21/38)

上条「まっすぐ東京いくのか?」 
 
美琴「そうね、人も多いし。給油してどこかで休みましょ」 
 
上条「そうだな」 
 
上条「そういえばさ、全然追っ手がこないな」 
 
美琴「そうねぇ、アタシも追ってくると思ってたんだけど」 
 
美琴「学園都市に情報封鎖がされてて、電波もネットも全部遮断されてるわ」 
 
上条「ハッキングできないのか?」 
 
美琴「守護神がそうさせてくれないわね」 
 
ゲートのロックを外した都市伝説となっていた存在を思い出す 
 
美琴「心配だけど、ちゃんとシステムが機能してるんだから問題ないでしょ」 
 
上条「お、スタンド発見」 
 
電撃使いが乗るんだからEVにしてくれれば良かったのに 
いや、あの女の性格上、あえてガソリン車にしたのかもしれないと美琴は邪推する 
  


345 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:18:28.70YnY1CtI0 (22/38)

結局、東京には入らず県境で車中泊となった  
後部座席を寝やすい様に回して簡易ベッドを作った  
コンビニ弁当を平らげ 
寒いのでエンジンは掛けたまま二人で横になる  
 
静かな気配 
夜の気配 
病院であんなに震えたのに  
今は怖くない 
状況で言えば今の方がずっと危険で怖いはずなのに 
怖くない  
隣で寝ている女がいるからだろう 
ずっと一緒にいたいと何度も願った女が
 
顔を向けると女はこっちを見ていた 
どうした? 
男が聞く 
ううん、見てただけ 
女が答える 
お互い何も言わずに 
唇を合わせ何度も舌を絡める 
淫靡な音が静かな空間に響く 
女の漏れる吐息 
男のざらついた右手が女の肌を撫でる 
体温の無い血の通わない手 
女は愛惜しそうに手を握る  
 
女が男を受け入れ 
二人の逃亡者が絡み合う 
何度も願った再開 
男の抱きしる腕に力が入る 
逃がすまいと女が爪を立ててしがみ付く 
 
 
 
----------- もう二度と離れない ------------ 
 



346 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:20:16.49YnY1CtI0 (23/38)

東京に着けば街中が混乱していた 
なにやらヤクザ同士の抗争があった様だ 
一般人も巻き込んでかなり大規模だったらしい  
都内を車で回りながら備え付けのテレビを見ていた 
 
美琴「せっかく東京きたんだから、最後の日本を楽しみましょうか」 
 
上条「大丈夫かね、歩き回って」 
 
美琴「道中に襲撃がないんだったら、街でもないわよ」 
 
美琴「あるとしたら海に出てからよ」 
 
逃走するには陸海空どこかを通らねばならない 
空は確実にマークされる上、逃げ場がないから使わないと踏むだろう 
陸なら昨夜の時点で何かあってもいい 
海を使うと思っているだろう、実際その通りだ 
 
一方通行のあの感じなら、高位能力者は追撃に参加しないだろう 
超電磁砲相手に陸だと迎撃される、しかし空、海なら乗っているものさえ沈めればいいのだ 
 
美琴「ま、デートでも楽しみますか」  



347 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:21:31.21YnY1CtI0 (24/38)

午前は朝食を食べ、街を歩く 
どこもかしこも慌しい 
事件現場は騒然としていた 
 
美琴の電話が鳴る 
 
美琴「もしもし? ああ、何この番号? …そうなの うん …うん うん 分かってる ありがと」 
 
美琴「打ち止めからよ。情報規制解除だって、理事会は粛清案可決したそうよ…」 
 
上条「そうか…」 
 
美琴「無断で研究機密を持ち出し、街を破壊したテロリストだってさ」 
 
上条「街を破壊?」 
 
美琴「一方通行と麦野沈利が暴れたらしいわ」 
 
上条「美琴のせいかよ!?」 
 
美琴「違うわ、追っ手が来なかったんじゃなくて、追っ手が来れなかったのよ」 
 
上条「あいつらに助けられたって事か…」 
 
美琴「天井は消息不明、理事会は特に追及せずに空いた席を埋めるみたいね」 
 
上条「んじゃとっとと逃げますかね」 
 
美琴「そうね…。でもその前に!」 
 
美琴「行きたいとこがあるの!!」 
 
目を輝かせて満面の笑みで提案する 
 
 



348 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:23:00.95YnY1CtI0 (25/38)

美琴「ああー!楽しかったあ!!」 
 
とある遊園地で思いっきり遊んだ後だった 
ネズミがメインのはずだったが、コラボ企画とやらでなぜかゲコ太までいた 
提案した本人も思わぬサプライズだった様で、来ている他の子供よりも興奮していた 
パレード中大声でネズミに負けるなゲコ太ー!!と必死に呼んでいた時は、上条ですら赤面したくらいだ 
 
上条「そうか、よかったな!」 
 
カエルの帽子を被り、大きめのぬいぐるみを抱いてご満悦の様だ 
上条も半ば無理やりカエルの帽子を被らされている 

電話が鳴る 
 
『ラグーン商会だ、思ったより早く着いた』 
 
『指定の場所に停めてあるから、いつでも来てくれていい』 
 
美琴「わかったわ」 
 
電話を切り深呼吸をする 
 
美琴「もう着いたらしいわ」 
 
上条「……はやいな」 
 
日本との別れ、家族や友人に満足に別れも言って無い 
犯罪者として、今から生きていく 
でも後悔はしていない 
何ものにも変えられないモノを手に入れたのだから


349 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:23:53.06YnY1CtI0 (26/38)

港に行くと一隻エンジンを掛けたままの船が停まっている 
 
美琴「ハロー?」 
 
英語の分からない上条は全面美琴に任せることにした 
 
ダッチ「アンタが依頼した御坂か?」 
 
美琴「そうよ、声がイメージ通りの人で安心したわ」 
 
ダッチ「長居はできないんだが、ウチの船員を二人回収しなきゃならん」 
 
ダッチ「中で待っててくれ」 
 
ダッチ「ベニー、案内してくれ」 

上条はやり取りを眺めて、必死に聞き取ろうとするがサッパリだった 
 
美琴「いきましょ」 
 
流れを見て問題はないんだろうと判断する 



350 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:27:42.92YnY1CtI0 (27/38)

船室に案内される 
 
ベニー「快適とは言えないが、まぁ好きにくつろいでくれ」 
 
ベニー「飲み物はそこの冷蔵庫に入ってる、好きに飲んでくれていい」 
 
美琴「至れり尽くせりね」 
 
ベニー「そりゃVIPだからさ。船員が帰ってきたからまた後で」 
 
欧米人特有の大げさなスマイルを残し、甲板に上がる 
上条は船室を見渡し、部屋の一角に積まれた木箱に目が止まる 
特に興味を持った訳ではないが、なんとなく開けてみた 
 
上条「っ!」 
 
美琴「ちょっと!何してんの!!勝手に触らないの!」 
  
レヴィ「へい、何やってんだ?」 
 
恐らく遅れてきた船員なのだろう、二挺拳銃を上条と美琴に向けている 
銃を向けられても美琴は別に怖くは無い 
この時怖いと感じたのは目だった 
銃を向ける女のどぶ川の澱みの様な、社会の負の側面を詰め込んだ目 
 



351 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:28:49.53YnY1CtI0 (28/38)

美琴「ごめんなさい、こいつにちゃんt」 
 
上条「おい、足怪我してんじゃねーか!!」 
 
上条が右手で足を指差し、前に一歩でる 
 
バンっと右手に向けて、なんの躊躇いも無く引き金が引かれる 
 
上条「いてっ!」 
 
美琴「ちょっと!あんた!!」 
 
上条「美琴!!」 
 
美琴が帯電するが上条が制する 
 
上条「大丈夫だ、怪我してないから、それより訳してくれ」 
 
上条「俺が甘く考えてた申し訳ないって」 
 
美琴はそのままの通り伝える、もちろん警戒を怠らずに 
 
レヴィは上条の右手を不思議そうに見ていたが 
美琴の言葉を聞き、上条の真っ直ぐな目を見た後、舌打ちをして銃をしまう 
ぼそっと、また平和ボケした日本人かと吐き捨て踵を返す 
 
船室のドアが空き黒人の大男が入ってくる 
 
ダッチ「レヴィ!何の騒ぎだ!?」 
 
レヴィ「何でもねーよ、ボス」 
 
美琴「ダッチ、こっちが悪いの。ごめんなさい」 
 
ダッチ「そうか、…ロックお前も休んでろ、ついでにこの人達の世話をしてやれ」 
 
ロック「…ああ」 
 
日本人が入ってきた  
疲れているのか、落ち込んでいるのかよく分からない表情をしている 
 


352 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:30:41.49YnY1CtI0 (29/38)

ニーが船室に来て、インカムが渡される 
 
ベニー「話は聞いたんだけど、どこまで準備すればいいか分からなくてね」 
 
ロック「準備?」 
 
ベニー「ロックにはまだだったな、この二人は狙われているのさ、世界最先端の科学の街からね」 
 
ベニー「情報得ようとしたけど、理事会?だっけ?あそこのセキュリティが硬くて無理だったよ 
     
ベニー「進入したのはいいけど、すぐ追い出されてしまった」 
 
美琴「入ったの!?」 
 
追い返されたとは言え、学園都市のセキュリティを一時的に突破した事に驚きを禁じえない 
今あの街の電脳世界を掌握している、花飾りの守護神を一瞬でも出し抜いたのだ  
 
ベニー「ああ、追い出されて追いかけられる嵌めになったけどね」 
  
降参だとばかりに腕を広げる 
 
ダッチ『そろそろ出るぞ、日本の領海越えるまで飛ばすからな』 
 
 
ラグーン号が西を目指し冬の海に出る 
 
上条と美琴の握り合っている手にぎゅっと力が入る 
もう後戻りはできない 
 
さようなら生まれた国 
 
さようなら学園都市


353 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:33:24.48YnY1CtI0 (30/38)

ロアナプラ沿岸、長い船旅の終着点 
港へ入る手前の顔の無い仏像、陸路からでは橋に誰の為か分からない首吊り用の縄がぶら下がっている 
それらがこの街の看板替わりだそうだ 
 
美琴「思ったより都会ね」 
 
レヴィ「悪党達が退屈しねぇ様に適度な娯楽はあるぜ」 
 
美琴「それは楽しみね、どっかいいとこ紹介してよ」 
 
レヴィ「あたしは観光案内じゃねーよ、うちのお人よしに聞きな 
     
レヴィ「ああ、あんたの連れの女遊びなら、街歩いてるだけで娼婦が寄ってくるさ」 
 
美琴「と、当麻はそんなとこ行かないもん!」 
 
レヴィ「わかんねーぞぉ?男ってなそんな複雑に考えてねーからなぁ…」 
 
ニヤニヤと笑いながら美琴をからかうレヴィ 
ここまでたどり着くまでのいざこざで多少ではあるが打ち解けたのだろう 
レヴィの悪戯な笑顔を見てベニーは思った 
  



354 ◆wgtXDfHaPLUF2011/01/08(土) 12:34:44.99YnY1CtI0 (31/38)

ホテルに到着しすぐに準備を整える 
この街の支配者たちの会合へ参加する為だ 
ただの流れ者ではないのでどういう反応なのかを確認する必要がある 
 
ダッチ「いいか、くれぐれも言葉に気をつけるんだ」  
 
レヴィ「なんかあってもうちらにゃ関係ないからな」 
 
有力なマフィアの頭目達【黄金夜会】の会合 
自分たちの経緯を話し、相互不介入 
つまり都市からアクションがあっても上条と美琴には関与しない 
そっとしておいてくれと言いたいのだ 
 
とあるビルに到着する 
  
美琴「いくわよ…」 
 
上条「ああ」