1VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/11/04(木) 23:20:46.62xmDiIkEo (1/4)

                  -─……‐-    __ノ}_
                   / : : : : : : : : : : : : : : `⌒\ : : : :}_
             . : : : : : : : : : : : : : : :\ : : : : : :\: : : :<
           _  /: : : : : : :/: : : :/: : : : : : :}: : : ヽ : : :ヽ: : : 〔
     <⌒: : : \{ : /: : : : : : : : : : : : : : : : :| : : : : : : : : ∨: :く
     / : : : : : : : : : |: : : : : |: : : :.|: : : : : : : :i∧: : :| : : : : | :/
    ∠: : : : : : : : : : :/:| :i : : : |i: : :/|: : : : : : : :⌒ヽ: :}: :|: : : : 〉
    ∨: : : : : : : :ヘ : | :i : : : |i: :/ V{: : L 八|   |:/∨ : : |/
     厶; : : : : : : : : ミ| :i : : : |∨    \|    x‐ミ  | :八|
      厶 : : : : : : : : :|从 : : :|    __       〃⌒  iイ
      く: : : : : : : : /´∧ : :|  x=ミ       ::::::: {ノ
       \/`ー'∨ { (\|   ::::::::      '     |
                    `ー-ヘ      _     人
                   \    ` ’  /}⌒>──-
               ___ /个:=-  .._ イ /        ヽ
              /   / /│ \  //    /
            /       〉 |    }/ /  |          }
                     〈  \/けト. /  | l {         |
              |      ハ. //L八∨  /   |         |
              |    ∨ _〉 // /| lい  〈   l |        ,′
               \  | | { {ノ/|│J |  〉  ∨ /      〈
            ∨   \|   しl |│_ノ  /    ∨      }
              〉   八  \く/|∧| /   ∨        

・純が主役です。
・ほのぼの日常系です。
・名無しキャラ(ジャズ研部員)が多数出ます。
・純ちゃんは最高です!

【前作】
純「ジャズけん!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282846948/


2VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/11/04(木) 23:26:13.05xmDiIkEo (2/4)

【ジャズ研 部員名簿】

先輩
・元部長、ジャズ研のOG。
・パートはベース。
・純曰く「かっこいい先輩」。
・純粋だが色々と迷走してる人。

先輩2
・元副部長、ジャズ研のOG。
・パートはピアノ。
・先輩とは小学校からの付き合い。
・アイスが好き。

先輩A
・三年生。
・パートはピアノ。
・優しいお姉さんみたいな人。
・純のモフモフした髪を気に入ってる。

先輩B
・三年生、ジャズ研部長。
・パートはギター。
・身長が高くて胸が大きい。
・マイペース。

先輩C
・三年生、副部長。
・パートはサックス。
・体育会系で厳格な性格をしている。
・妹がいる。


3VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/11/04(木) 23:29:28.77xmDiIkEo (3/4)

鈴木純
・二年生。
・パートはベース。
・このSSの主役。
・私の時代!

同級生
・二年生。
・パートはドラム。
・アホ。
・純のことは大切な友達だと思っている。

後輩A、B
・一年生。
・アニメで梓にギター教わってた子たち。

後輩C
・一年生。
・パートはベース、初心者。
・口数が少ない。

顧問
・顧問の女先生。
・顔がこわい。
・趣味は麻雀パチンコ競馬。
・音楽のことはよくわからない。


4VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/11/04(木) 23:32:21.26xmDiIkEo (4/4)

とりあえず誘導のために立てました。
再開は一週間後ぐらいになります。
すいません。


5VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/11/05(金) 02:38:37.87T80Vqg2o (1/1)

キターーーーーー!!
楽しみにまってるよ!


6VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/11/05(金) 08:35:24.68r55AuYAO (1/1)

きたあああああ
楽しみだ!


7 ◆eXN6fvAgkw2010/11/14(日) 20:46:10.30NC.nzMAO (1/1)

すいません
少し遅れそうです


8以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/14(日) 21:03:12.74.Qwg72Yo (1/1)

なんだってええええええ
いつまでも待つから必ず帰ってきておくれ


9以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:18:29.97qUUFn2AO (1/18)

##1

――純の部屋

純「ふぁ~……暇だなぁ」

純「春休みっていっても特にやることもないし…」

純「どっか遠くに遊びに行きたいな~……あぁでもやっぱそんな遠くには行きたくないや」

純「……」

純「……梓にでもメールしようかな」

純「『今日ひま? ひまだったらどこか遊びに行かない?』っと」ポチポチ

純「送信」

純「あっ、どこ遊びに行こう…」

純「買い物は……お金ないからダメか」

ヴーヴー

純「来た、返信はやっ」


―――――――――――
From:中野梓
Sub :今日?
―――――――――――
今日はちょっと…ごめん
ね。
明日は大丈夫だよ!
―――――――――――


純「明日か……明日は用事あるんだよね」

純「『残念、私は明日無理だった』。送信…」


10以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:19:16.30qUUFn2AO (2/18)

純「梓はダメかぁ…憂はどうかな」

純「送ってみよう」ポチポチ

純「そーしん」

ヴーヴー

純「おっと、梓からだ」


―――――――――――
From:中野梓
Sub :そっか・・・
―――――――――――
映画の試写会のチケット
があるから憂も誘って三
人で行こうと思ってたん
だけど…

だったらしょうがないね
。また今度。

―――――――――――


純「試写会!? なにそれいいなー」

純「私も行きたい…」

純「『ちなみに何の映画?』。送信っと」ポチポチ

ヴーヴー

純「憂からも来た」

―――――――――――
From:平沢憂
Sub :純ちゃんへ
―――――――――――
今日は用事があって遊べ
ないの。ごめんね。
明日なら遊べるよ。
―――――――――――



11以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:20:05.07qUUFn2AO (3/18)

純「憂も撃沈…なかなか都合があわないなぁ~」

純「あっ、ていうことは明日は二人で映画か…」

ヴーヴー

―――――――――――
From:中野梓
Sub :ハリポタ
―――――――――――
ハリーポッターの最新作
だよ!
―――――――――――

純「えっ、いいなー! うらやましい…」

純「『ずるいぞー! 私も見に行きたーい!』、っと。送信」ポチポチ

ヴーヴー

―――――――――――
From:平沢憂
Sub :試写会?
―――――――――――
ほんと!?ありがとう梓
ちゃん!
ところで何の映画見に行
くの?
―――――――――――


純「憂…間違って私に送信してる」

ヴーヴー


―――――――――――
From:中野梓
Sub :ハリポタ
―――――――――――
ハリーポッターの最新作

純は行けないんだって。
―――――――――――


純「梓も誤送信してる!?」


12以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:21:02.40qUUFn2AO (4/18)

純「何これ…二人して私にあてつけかー!!」

ヴーヴー


―――――――――――
From:平沢憂
Sub :間違ってた
―――――――――――
ごめんね、梓ちゃんへの
メール間違えて純ちゃん
に送っちゃってた。
―――――――――――


―――――――――――
From:中野梓
Sub :送信ミス
―――――――――――
ごめん。
―――――――――――


純「謝るなら映画見せてよー!!」


ヴーヴー


―――――――――――
From:中野梓
Sub :Re:私も行きたーい
―――――――――――
だったら一般公開された
らまた行こうよ。
―――――――――――


純「『了解! それならOK!』」ポチポチ


13以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:21:59.95qUUFn2AO (5/18)

純「ハリーポッターか、いいなー」

純「あっそういえば私、途中までしか見てなかったんだ」

純「今度行く時までに前のやつレンタルして見ようかな…」

ヴーヴー

純「ん?」


―――――――――――
From:平沢憂
Sub :次は
―――――――――――
純ちゃんも一緒に行こう
ね!
純ちゃんとも見たいし。
―――――――――――


純「憂…なんとも優しいお言葉で」

純「『ありがとう! 私も楽しみにしてるね!!』」ポチポチ

純「送信!」

純「………そうだ」

純「『チケット三枚あるみたいだけど、あと一人は誰を誘うの?』」ポチポチ

純「どうでもいいけど…なんとなく気になっちゃった。こっちは梓に送信」

純「あっ、どうせ暇なんだし今日のうちにレンタル行こうかな」



14以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:23:24.73qUUFn2AO (6/18)

純「んーと……どっから見てないんだっけ?」

純「確か三作品目までは見たような気が…」

ヴーヴー

純「来た」

―――――――――――
From:中野梓
Sub :えっとね
―――――――――――
たぶん唯先輩。
二人とも明日は暇だって
言ってたし。
―――――――――――


純「あ~、なるほど。唯先輩か」

純「『納得。梓は唯先輩のこと好きだもんね』。送信」

純「相変わらず仲良いねー…」

ヴーヴー

純「はやっ!!」

―――――――――――
From:中野梓
Sub :Re:もう一人は?
―――――――――――
なっ、なななに言ってる
の!?
別に好きってほどじゃ…

ただの先輩だよ!
―――――――――――


純「…強情だなぁ」

純「でも面白いからもうちょっといじってみよう」

純「『けど梓って唯先輩に憧れて軽音部に入ったんでしょ?』。送信」

純「さて、どう出るか」


15以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:26:10.29qUUFn2AO (7/18)

ヴーヴー

純「来た来た」

―――――――――――
From:中野梓
Sub :
―――――――――――
それは……
私は唯先輩のギターだけ
じゃなくて、軽音部全体
の演奏が気に入ったから
入ったの!

それに憧れの先輩なら唯
先輩じゃなくてどっちか
というと澪先輩だし。
―――――――――――


純「そうですかそうですか…」

純「『まぁ確かに良い演奏するよね。ちなみに私だって澪先輩に憧れてるよーだ』」

純「送信っと」

純「梓は面白いなー」

ヴーヴー

純「ん……憂からだ」

―――――――――――
From:平沢憂
Sub :お姉ちゃんから
―――――――――――
お姉ちゃんも純ちゃんと
行けなくて残念がってた
よー


―――――――――――

純「わざわざ唯先輩の写メまで撮ってる」

純「『私は気にせず楽しんでってね』」

純「んー……」

純「『そういえば、憂はお姉ちゃんのことどう思ってる?』。送信」


16以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:27:36.24qUUFn2AO (8/18)

ヴーヴー

純「これは…梓か」

―――――――――――
From:中野梓
Sub :私も
―――――――――――
私も澪先輩への気持ちは
負けないよ!

ところで純って今何して
るの?
―――――――――――

純「『今暇してる。何かいい暇潰しはない?』。送信」

ヴーヴー

純「憂からだ」


―――――――――――
From:平沢憂
Sub :もちろん…
―――――――――――
大好き!
―――――――――――


純「梓と違ってストレートだなぁ…憂は」

純「『前から気になってたんだけど、唯先輩のどこら辺が好きなの?』」

純「あそこまで溺愛できるなんて私には分からないなー……送信っ」

ヴーヴー

―――――――――――
From:中野梓
Sub :だったら
―――――――――――
ベースの練習とかは?

―――――――――――


純「『さっき少しやったけど、今はそんな気分じゃない。他にない?』」


17以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:29:11.74qUUFn2AO (9/18)

純「楽しいことないかな…何でもいいんだけど」

純「……お腹すいてきた」

ヴーヴー

―――――――――――
From:平沢憂
Sub :いっぱいあるよ!
―――――――――――
まずは笑顔!
かわいいんだよ~。
見てるだけで幸せになっ
ちゃう!なーんて、言い
過ぎかな?
それとギターの練習した
り頑張ってる姿は素敵だ
よ。私も応援したくなっ
ちゃう。
あとね、今二人で麻婆豆
腐食べてるんだけどお姉
ちゃんったら美味しそう
に食べてるから私もつい
嬉しくなって・・・


―――――――――――

純「ながっ!?」

純「凄まじいほどのお姉ちゃんラブ…」

純「さすがに全部読みきれないよ」

純「『麻婆豆腐食べてるんだ。私も食べたいなぁ』っと」

純「あーお腹すいた……何か食べよ」

純「お母さんはいないし、自分で作ろうかな」

ヴーヴー

純「お?」

―――――――――――
From:中野梓
Sub :じゃあさ
―――――――――――
今お昼だし料理でもすれ
ば?
―――――――――――


18以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:30:25.97qUUFn2AO (10/18)

純「今まさにそう思ってたところだよ、梓」

純「『ちょうど作ろうとしてた』」

純「うーん……何作ろうかな」

純「あっ、そうだ」

純「『メニューは麻婆豆腐!』。送信」

純「よし、作るぞー!」

純「……って、作り方分かんないや」

純「憂に聞こうかな…いやでも今食事中だし」

ヴーヴー

―――――――――――
From:中野梓
Sub :麻婆豆腐?
―――――――――――
作れるの?
難しいんじゃない。
―――――――――――

純「……『なんとかなるって』。送信」

ヴーヴー

―――――――――――
From:中野梓
Sub :写メで見せてね
―――――――――――
純がちゃんと作れるのか
な?

完成したやつ、後で見せ
てね。
―――――――――――

純「むっ、私だってやればできるんだからね」

純「『究極の麻婆豆腐を作ってあげるよ』っと。送信」


19以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:32:38.36qUUFn2AO (11/18)

――台所

純「ひき肉とか材料は…バッチリ」

純「それじゃあ作るとしますか!」

純「まずは――どうするんだろう」

純「とりあえず豆腐とか切ろう」ザッザッ

純「それと後は――…下味かな?」

純「味がついてないと美味しくないもんね」

純「ボールに材料を全部入れてーっと」ドバドバ

純「う~む……まず何を入れれば…」

純「確か料理の『さしすせそ』だか『あいうえお』があったはず…」

純「とりあえず『さ』は『お酒』だよね。お父さんの飲んでるやつ使おっと」

純「冷蔵庫の中に……あった」

純「……ビールでもいいかな」プシュッ

純「うわ、ビールのにおいがする」

純「入れるのは少しだけ、大さじ一杯くらい。これぐらいが多分いいんだよね」パッ

純「残ったのは……」ペロッ

純「まずっ! 捨てちゃおっと」




20以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:33:47.00qUUFn2AO (12/18)

純「次に『し』!」

純「『し』は――はっ、醤油か』

純「今日は冴えてるなー私」ドバッ

純「え~っと、『す』は…お酢」ドバッ

純「『せ』は………せ?」

純「…………せ!?」

純「せは…なんだろうな~」

純「石油?」

純「せ、せ、せ……」

純「……」

純「『せ』飛ばそう」

純「『そ』! これは間違いなくソース」ドバッ

純「…よし、こんなもんか」

純「あとは混ぜて焼いて…」

純「あっ、辛いもん入れないと」

純「唐辛子唐辛子…これでオッケー」パパッ

純「あとは焼くだけだよね」


21以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:34:37.68qUUFn2AO (13/18)

ジュージュー

純「……」

ジュージュー

純「……」

ジュージュー

純「ヤバい……臭い」

ジュージュー

純「これが…失敗ってやつかな」

ジュージュー

純「ど、どうしよう! なんでこんなことに!?」

純「『せ』を飛ばしたから!?」

ジュージュー

純「と、とにかく応急処置を…」

純「赤ワイン投入!」ザバッ

ジュバァァアアアアッ!!

純「あつっ!?」


22以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:35:49.94qUUFn2AO (14/18)

――――――――――
―――――――
――――


純「……」

純「完成したけどこれは…」パクッ

純「っ!?」

純「……………まずい」

純「ひどいまずさだ…」

純「やっぱり『せ』がないのはダメなのかな……ていうか『せ』ってなんなのよ」

純「あー! これじゃあ梓に見せられないよー!!」

純「究極の麻婆豆腐どころか地獄の麻婆豆腐だ…」

純「いや、麻婆豆腐でもないか」

純「……」

純「とりあえずこれどうしよう…」

純「むぅ~……しょうがない、憂に助けてもらうしかない。電話してみよう」

Prrrr、Prrrr

純「……」

Prrrr、Prrrr

純「出ないし…」


23以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:37:28.80qUUFn2AO (15/18)

純「どうしよう…どうすれば」

純「こんなの作っただなんてお母さんにバレたら怒られちゃうよぉ~…」

純「……あっ、そうだ」

Prrrr、Prrrr

先輩B『もしも~し』

純「出てくれた!!」

先輩B『何がだよ。いきなりどうしたんだ~?』

純「そ、そうだ。センパイって料理得意ですよね?」

先輩B『うん? まぁね~、そこそこできるよ』

純「実は折り入ってお願いしたいことがあるんですが――」

・・・・・

先輩B『――なるほど、麻婆ね~~』

純「どうにかなりませんか? せっかく作ったんだし捨てるのももったいないし…」

純「それにこのままじゃ餓死しちゃいますよ」

先輩B『餓死すんのか、そりゃ大変だな~』

先輩B『そうだな~~~……まぁなんとかしてやるよ』


24以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:39:00.29qUUFn2AO (16/18)

純「本当ですか!?」

先輩B『とりあえずカレーのルーはある?』

純「カレーですか? ………あっ、ありました」

先輩B『よし、じゃあ~鍋に水をたっぷり入れろ』

純「はい!」ジャー

先輩B『玉ねぎと人参とジャガイモ、お肉を切って。あと麻婆と一緒に鍋の中入れて』

先輩B『そんでカレーのルーを入れて煮れば完成~』

純「はぁ…?」

先輩B『じゃあ細かい下ごしらえを今から教えるぞ~。まずは玉ねぎを――』





純「できました!」

先輩B『味はどうだ~?』

純「美味しいです! まさかこんな美味しいのを自分で作れるなんて…驚きましたよ」モグモグ

先輩B『そうか、よかったな~』

先輩B『んじゃ私はこれで』ピッ

純「これなら梓も驚くだろうなー、うん」


25以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:39:48.00qUUFn2AO (17/18)

――中野家

梓「今のうちに明日の準備でもしよっと」

ヴーヴー

梓「あっ…純からメールだ」

梓(そういえば麻婆豆腐作るとか言ってたけど、どうなったんだろう?)

梓「ちゃんと作れたのかなー♪」

―――――――――――
From:鈴木純
Sub :これが私の実力よ
―――――――――――
すっごく美味しかった!
今度梓と憂にも作ってあ
げるね!!

写メで撮ったから見てみ
て↓


―――――――――――

梓「……」

梓「これカレーじゃん」



##1 おわり


26以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 20:40:49.75qUUFn2AO (18/18)

遅れてすいませんでした。
PCが逝ったり色々あって…
とりあえず今日から再開です。


27以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 21:25:59.792k1bLgYo (1/1)

乙!
毎日チェックしてて良かった・・・


カレーワロタ


28以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 22:03:52.835sqMxA.o (1/1)

乙!


29以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/19(金) 23:27:29.16fQa9SnMo (1/1)

石油ワロタ


30以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/20(土) 00:14:08.80erKdVcAO (1/1)

おつ!

それと前スレが百合ノートにまとめられたようですよ


31以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/20(土) 09:17:10.44ibpJB9oo (1/1)

再開ヤターーー!!

メール進行とはなかなか新鮮。
新スレも期待!




32以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/20(土) 13:33:57.93fSY17QEo (1/1)

再開きたああああああ
乙!


33以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/22(月) 23:55:21.03SV9pR.AO (1/5)

##2

純父「おい、俺のビール知らないか?」

純母「昼前からお酒? 勘弁してよね」

純父「いや、そうじゃなくて……買いだめしたやつを今確認したら一つないんだよ」

純母「どうせ飲んだんでしょ」

純父「そんな覚えはないんだが……。純、知らないか?」

純「……知らなーい」

純父「だよなぁ、純が飲むわけないし」

純「……」

純母「純、暇ならちょっと買い物行ってきてちょうだい」

純「えぇ~? 今超忙しいんだけど」

純母「音楽聴いてるだけじゃない」

純「これはジャズの勉強なの!」


34以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/22(月) 23:56:24.09SV9pR.AO (2/5)

純母「いいから行ってきなさい! 人参と玉ねぎ、ジャガイモね」

純母「はいこれお金」

純「……は~い」

純父「母さん、小腹が空いたから何か作って欲しいんだけど…うどんとか」

純母「今超忙しいの。後で」

純父「じゃあ純、何か買ってきてくれ…うどんとか」

純父「あれ、純? もう行ったのか?」

純父「おーい、純ー」

純父「父さんうどん食べたいなー、おーい」

純父「……」


35以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/22(月) 23:57:33.07SV9pR.AO (3/5)

――町中

純「めんどくさいな~…休みなのに」

純「さっさと買い物済ませよ…」

純「……ふぅ」

純「それにしても、春風が気持ちいいな~」

「ヘイ、そこのお嬢さん」

純「!!」

「暇そうだね。よかったら遊ばない?」

純(後ろから声…誰? ナンパ!?)

純(まいったなー、ナンパだなんて。私そんな軽い女じゃ…)チラッ

先輩B「やっほ」


36以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/22(月) 23:58:24.43SV9pR.AO (4/5)

純「……」

先輩B「なんで残念そうな顔してんだよ~」

純「いえ……どうしてセンパイがここに?」

先輩B「ん? 待ち合わせしててね。そんで純を見つけたから声かけたんだよ」

純「待ち合わせ?」

先輩B「もうそろそろ来るはずなんだけど~…」

<プップー

純(クラクション音?)

顧問「お待たせー」


37以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/22(月) 23:59:22.89SV9pR.AO (5/5)

純「あっ…先生」

顧問「お、なんで純がいるの?」

先輩B「さっき捕まえました~」

顧問「そうなんだ」

純「これ先生の車ですか? ていうか先生車持ってたんですね!」

顧問「親のお下がりだけどね」

顧問「…そうだ、純も一緒に来る?」

純「え? どこに…」

顧問「楽器買いにだよ」



38以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:00:47.97dVw0g6AO (1/32)

――車内

純「へぇ~、じゃあ先生とうとう楽器始めるんですか」

顧問「うん、やっぱ顧問として何かやっておかなくちゃなーと思ってね」

先生B「そんで私は買い出しに付き合わされたってわけ」

純「でも、なんでわざわざ車で遠出するんですか? 楽器店なら近くにあるのに」

顧問「ん? まぁ春休みだしこういうのもいいじゃない」

先輩B「アウトドア派ですね~……ふあぁ~ねむ」

純「私もちょっと眠いような…」

顧問「こんな時間に眠いって…アンタら昨日なにやってたの」

先輩B「ギターいじって本読んでた…ギターいじって」

純「テレビ見てインターネットして…」

顧問「はぁー、これだから若い奴らは。休みだからって怠けないで早く寝ろっての」

先輩B「いや、10時前には寝たんですけどね」

純「私も」

顧問「なんだそりゃ…」


39以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:01:45.14dVw0g6AO (2/32)

純「そういえば先生、なんの楽器やるんですか?」

顧問「うん? ん~……なにやろうかな」

先輩B「決めてないんですか」

顧問「迷っててねぇ…簡単なやつとかある?」

先輩B「全部それなりに難しいですよ」

顧問「そりゃ困ったなー。学生時代はリコーダーもろくにできない子だったのに」

純「…それでよくジャズ研の顧問になろうとしましたね」

顧問「どうしてもって頼まれてね。他に人もいなかったし」

先輩B「音楽やるような人にも見えませんしね~先生」

顧問「実際にできないから否定しないけどさ…。できる人は全員吹奏楽部や合唱部にいるからな」

顧問「まぁこれからは私もできる側の人間になるわけだけどね」


40以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:03:16.31dVw0g6AO (3/32)

純「で、なにやるんですか?」

顧問「……指揮者とかは?」

先輩B「一番難しいですよ、それ」

顧問「えぇ!? 棒振るだけの簡単な仕事じゃないの?」

先輩B「その発言は世界中の指揮者を敵に回しますよ~」

純「ジャズって指揮者いるんですか?」

先輩B「ビッグバンドならたま~にいたりするけど~……」

先輩B「まぁ、いらないな」


41以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:04:34.82dVw0g6AO (4/32)

先輩B「去年のコンテストも他校で指揮者なんていなかっただろ?」

純「コンテストかぁ…今年は私も出れるかな」

先輩B「……かもね。去年より上手くなったし」

純「やった!!」

先輩B「でもリズムセクションは人数枠限られてるから激戦だぞ~」

顧問「初心者多かったんだっけ? 去年」

先輩B「そうですよ~。一昨年は経験者と初心者が半分半分ぐらいだったかな」

先輩B「まぁかつては初心者だった子たちも、今では立派に演奏できるようになったし…」

純「いやーあははは」

先輩B「今年は去年よりさらに練習厳しくしようかな~」

純「えっ!?」



42以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:06:01.49dVw0g6AO (5/32)

先輩B「それぐらいしないと~、コンテストでグランプリは取れないんだよ」

純「うわ…急に憂鬱に」

先輩B「去年はレギュラーを重点的に練習してたけど、今年は全体的にレベルアップしないとね」

顧問「なんか知らんけど頑張りな。私もこれからはたまに練習参加するから」

先輩B「先生も?」

顧問「だって家じゃ練習できないんだしさ」

先輩B「それはいいんですけど~…」

純「顧問の先生って感じじゃないですよね、それ」

顧問「……すいません」


43以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:07:12.08dVw0g6AO (6/32)

――パーキングエリア

純「またずいぶん遠くまで来ちゃいましたね」

先輩B「だな」

純(そういえば買い物の途中だったような…)

純「怒られちゃうな~…これ」

先輩B「あっ、サルがいた」

純「えっ! どこですか!?」

先輩B「ほらあそこ」モコモコ

純「えー……見えないんですけど」

先輩B「あっちだって、ほら」モコモコ

純「……なにしてるんですか」

先輩B「噂に聞く純の髪をモコモコしてる」モコモコ



44以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:07:55.74dVw0g6AO (7/32)

純「噂?」

先輩B「あいつ(先輩A)が言ってたんだよね~…」モコモコ

先輩B「『純ちゃんの髪モコモコしてかわいいのよ~』って」モコモコ

純「か、かわいいって言われるのは嬉しいんですけど、それ以上やられると髪型が崩れ…」

先輩B「あ~~、これ確かにさわり心地いいな~」モコモコ

先輩B「ジャズ研の名物にしよっか? 純ちゃんモコモコ、って感じで」モコモコ

純「純ちゃんモコモコ……いいかも」

純「いやそうじゃなくて!! いい加減髪が~…」


45以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:09:28.27dVw0g6AO (8/32)

先輩B「おっと、失礼失礼~」

先輩B「髪の毛は女の命みたいなモンだもんね~……はい、整った」

純「癖毛は特に大変なんですよ。毎朝鏡の前で格闘してるし」

先輩B「ふ~ん、そうなんだ。純もちゃんと女子高生してるんだね」

純「今度ストレートに挑戦してみようかなぁ…」

先輩B「それはダ~~~メっ」

純「ウェイ(Why)!?」

先輩B「ストレートになったらモコモコできないだろ~、せっかく面白いもん見つけたのに」



46以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:10:31.99dVw0g6AO (9/32)

純(面白いもの…)

先輩B「純がストレートになったら大勢の人が悲しむぞ~、全米が泣くぞ~」

純「私としては大喜びなんですけど」

先輩B「とにかくストレートはダメ。これは部長命令だからナ」

純「職権濫用だー!!」

先輩B「あはは、じゃあ~来年は純が部長になって好き放題やればいいじゃん」

純「私が…部長!? 本当ですか!?」

先輩B「もしもの話だよ。もしも」

純「私が部長かぁ…部長になったら何しようかなぁ」

先輩B「聞いてねえ~」

男1「ねぇねぇ、君たち何してるの?」


47以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:12:40.40dVw0g6AO (10/32)

純「え…」

先輩B「ん?」

男2「あれっ! 君かわいいね~!!」

男1「なになに? 二人でドライブしに来たって感じ?」

先輩B「はあ…?」

純(こ、これって……ナンパ!? 本物のナンパだ!!)

先輩B「まぁ~~そうですね~、そんな感じです」

男1「ならさ、俺たちとも一緒にドライビングしない? 俺、ここら辺のオススメスポットとか詳しい感じなんだよね」

純(ど、どうしよう…こういう時どう対応すれば…)

先輩B「それは素敵な感じですね~」


48以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:14:02.56dVw0g6AO (11/32)

男2「な? いいべ? 一緒に行こうや」

先輩B「え~、どうしようかな~」

純(ヤバいよ~…このまま連れていかれたらどんなことされちゃうんだろう)

先輩B「私たち~、行くところあるんで~」

男1「そんなこと言わない感じでさぁ」

男2「行こうぜ、な?」

純「……」

純(ていうか…)

先輩B「困ります~」

男1「お姉ちゃんみたいな素敵な女の子と一緒にドライビングしたい感じなんだよ、お願い!」

男2「絶対後悔させないから、な?」

先輩B「無理で~す」

純(さっきから私はおもいっきりスルーされてるし!!)



49以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:15:09.13dVw0g6AO (12/32)

男1「そんな感じはやめてさぁー、もっと楽しい感じでいかない?」

先輩B「しつこいな~…しつこい人は嫌いですよ」

男2「つれないなー、俺たちとデートしようぜ?」

先輩B「ほら、行こう純」

純「あ、はい」

男1「あんな子ほっといてさぁー、俺たちと一緒に行こうよ」

純(むっ、あんな子って…)

先輩B「…言っときますけど、私にとったらあんた達より純といる方がよっぽど楽しいんで」

先輩B「私たちの邪魔しないでください」

男1「じゃあこの子も一緒に」ガッ

純「いたっ! 引っ張んないで!!」


50以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:15:57.71dVw0g6AO (13/32)

先輩B「っ!!」ドンッ

男1「うおっ!?」

先輩B「逃げよ、純」

純「は、はい!」

男2「おいコラ待てやぁ!!」

純「わわっ…」

先輩B「しつこいな~もう~~」

顧問「おーい、飲み物買ってきたぞー」

先輩B「あっ、お母さん助けて~!」


51以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:17:06.18dVw0g6AO (14/32)

男1「!?」

男1(母親…だと!?)

男2(親連れかよ! でも結構美人だヒャッホーイ!!)

顧問「あ? なに言ってんの」

先輩B「あの人たちがしつこいよお母さ~ん」

顧問「いや、お母さんって…」

先輩B(ほら純、お前もやれ)チラッ

純「あっ…」

純「た、助けてお母さーん」

先輩B「お母さ~ん」

純「ママー」

先輩B「マミ~」



52以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:18:31.76dVw0g6AO (15/32)

顧問「…なんかよく分からんが」

顧問「こいつらに手ぇ出したらタダじゃすまないよ?」ギロッ

男1・2「!!?」ビクッ

男1(ヤベぇ…マジヤベぇよパネェ…)ガクガク

男2(アレぜってー本物だよ。元族のベッドとかだよ…)ブルブル

顧問「ほら、はやく散れ」

男1「え…」

顧問「散れって言ってんのが分かんないんかい」

顧問「目の前から消えろって言ってんだよ!!」

男1「ご、ごめんなさい!!」

男2「すいませんでしたぁー!!!」

ダダダッ

純「す、すごい…逃げてった」

先輩B「作戦成功~、イぇい」


53以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:19:41.99dVw0g6AO (16/32)

顧問「なにがイぇいだ」ポカッ

先輩B「あだっ」

ポカッ

純「いたっ! どうして私も!?」

顧問「私のどこがお前たちの母親なんだよ。まだ全然若いんだろ」

先輩B「ヤンママに見えますね」

顧問「ヤンママ…」

純「怒った時はすごい迫力でしたよ。本物みたいでかっこよかったです」

顧問「あのな……はぁ」

先輩B「あっ、お母さ~ん、たこ焼き買って~」

顧問「…アンタだけここで降ろそうか?」

先輩B「やっぱたこ焼きはいいです」


54以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:20:59.86dVw0g6AO (17/32)

純「でも、先生のおかげで助かりました。ありがとうございます」

顧問「まったく…ナンパ断るにしても、もうちょいやんわりと断われっての」

先輩B「すいませ~ん」

純「結局私は声かけられなかったけど…」

先輩B「純の魅力に気づかないあの男たちがバカなのさ」

純「センパイ…!」ジーン

顧問「ほらなにやってんの、行くよ」

純「…センパイ」

先輩B「ん~?」

純「先生って、カッコいいですよね!」

先輩B「そうだな~、ワイルドだな」

純「ドラゴ○ボールの18号にも似てるし」

顧問(褒められてんのか…? これ)


55以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:22:03.28dVw0g6AO (18/32)

純「――それにしても、あんな所でナンパされるなんて大変でしたね」

純(ほとんどセンパイ目当てだったけど)

顧問「私も若い頃はよく声かけられたもんだよ」

先輩B「一応美人ですもんね」

顧問「一応ってなんだい。一応って」

純「先生、もうちょっと着飾ればいいのに。メイクとかも」

先輩B「Tシャツとジーンズじゃ色気ないよな~。様にはなってるけど」

顧問「自然体が一番なんだよ。ていうか休みの日ぐらい楽な格好させてくれよ」

先輩B「普通休みの日だからこそおしゃれするよな」

純「女捨ててるって感じですよね」

顧問「ひどいなお前ら」



56以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:22:54.52dVw0g6AO (19/32)

先輩B「でも私たちはそんな先生が大好きですよ」

純「私も、大好きです!」

顧問「えぇっ…な、なんだよ急に~。照れるじゃん///」

先輩B「本音言っただけだよな~」

純「そうですよねー」

顧問「…ったく、おだてたって何も出ないぞ」

顧問「はぁ……腹減ったしたこ焼きでも食べるか」

先輩B・純(やった!)


57以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:24:13.44dVw0g6AO (20/32)

――楽器店

先輩B「ようやく着いた~…こんな遠い楽器店来たの初めてだよ」

純「売ってるものは近所にあるやつと大して変わりませんね」

先輩B「何のためにここまで来たんだか」

顧問「気分だよ、気分。なんか新鮮な気分だろ?」

先輩B「疲れた~って気分です」

顧問「なら早く買って帰るか」

純「なにやるか決めたんですか?」

顧問「そうだな~…純は何やってるんだっけ?」

純「ベースですよ」

顧問「ベース? どれ?」



58以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:25:07.09dVw0g6AO (21/32)

純「ほら、ここに置いてある…」

顧問「へぇー、これがベースか。……あれ? 弦が四本しかないじゃん」

純「それがベースですから」

顧問「ベース……ベーシック…。なるほど、初心者用のギターか」

先輩B「先輩がいたら怒ってますよ」

純「ギターとベースは全然違いますって」

顧問「違うのか……よく分かんないなー」


59以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:26:18.87dVw0g6AO (22/32)

純「それで本当によく顧問やってこれましたね…」

顧問「ベースは…いいや」

顧問「あっ、これはいいかも」

先輩B「どれ?」

顧問「ラッパ」

先輩B「サックスです、それは」

顧問「これがサックスか…いいな」

先輩B「先生タバコ吸ってんでしょ? 吹奏楽器にタバコはあんまりオススメできないですよ」

顧問「そっか……いや、それもいいかもな」

顧問「これを機にタバコやめよう」

先輩B「あれ、やめるんだ」



60以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:27:27.53dVw0g6AO (23/32)

顧問「まぁー…ね。体にも財布にも悪いし。やめよう、うん」

顧問「どのサックスにしようかな…」

純「私、ベース見てますね」

先輩B「はいよ」

顧問「うーん…高いなぁどれも」

先輩B「このアルトサックスとかどうですか?」

顧問「おっ、いいな……。あっ、でもこれもいい」

顧問「どれにしよう……う~ん」



61以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:30:15.19dVw0g6AO (24/32)

純「ふむ……」

純(楽器店来るたびにベース見てるけど……良いのはやっぱどれも高いなぁ)

純(ま、私には愛用のベースがあるから別にいいけど)

先輩B「色々あるな~」

純「あっ、センパイ。先生ほっといていいんですか?」

先輩B「なんか~~、二つのうちどれか迷ってるみたいなんよ…」

先輩B「だから後は一人で決めさせる」

純「意外と優柔不断なんですね」







顧問「こっちにしようか…」

顧問「いや、肌触りはこっちの方が…」

顧問「あ、でもこれはあれだな、しっくりくる」

顧問「いや、これはこれで…」

顧問「……う~ん」


62以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:31:40.82dVw0g6AO (25/32)

先輩B「純はこの中で欲しいものある?」

純「私ですか? 弾いてみたいのはありますけど……これといって欲しいものは…」

純「それにやっぱ自分のベースが一番だし」

先輩B「そりゃいい心がけだね」

先輩B「自分で買ったの? そのベース」

純「はい、中古で」

先輩B「それじゃあ思い入れもあるはずだ」

純「てへへ…」

先輩B「純はベース好き?」

純「好きですよ」

先輩B「なんか目標とかある?」

純「えっ……目標?」


63以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:33:04.95dVw0g6AO (26/32)

先輩B「目標だよ、なんかあるだろ?」

先輩B「レギュラーになりたいとか、憧れのベーシストみたいになりたいとか…」

先輩B「部長にもなりたそうにしてたじゃん、さっき」

純「そうですねー……」

純「なれるんだったら全部なりたいかも」

先輩B「欲張りだな」

純「そっちの方がいいじゃないですか」

先輩B「…フッ」

純「なんか鼻で笑われたー…」

先輩B「まぁ…やりたいことが決まってる分、そっちの方が全然良いな」

純「…?」

顧問「おーい、決まったぞ! これにした」

先輩B「…決まったんだって。行こ」

純「あ…はい」



64以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:34:51.58dVw0g6AO (27/32)

・・・・・

顧問「いやー、いい買い物だった」

先輩B「三日坊主にはならないでくださいよ」

顧問「平気平気。さて、そろそろ帰ろっか」

純「すいません、ちょっとトイレ行ってきていいですか?」

顧問「うん、いってらっしゃい」

純「すぐ戻ってきまーす」タタタッ

先輩B「……」

顧問「あ~疲れた。こんな遠くまで来る必要なかったよ」

先輩B「今さらですか」

顧問「そういえばお前、進路とか決めたの?」

先輩B「いえ…ま~だですよ~~」

顧問「休日にこんなこと言いたかないけどさ、早めに決めておきなよ」

先輩B「は~い…」

先輩B「……」

顧問「ふぅ…」ガサゴソ


65以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:36:41.33dVw0g6AO (28/32)

先輩B「…先生~、なにやってるんですか?」

顧問「え? 何ってタバコを吸おうと……はっ」

顧問「危なっ!? いつの間に吸おうとしてたんだ私!!」

先輩B「もう捨てちゃえばいいのに」

顧問「けど…私にとっては長年付き合ってた彼氏みたいなもんなんだよ」

顧問「やっぱりそんな簡単には…」

先輩B「未練がましいな~…タバコさんは捨ててサックス君と付き合ってください」

顧問「くっ…」

純「お待たせしましたー」

顧問「タバコさん…ごめんなさい!」バッ

純「え? バタコさん?」


66以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:37:43.66dVw0g6AO (29/32)

――車内

顧問「そろそろ暗くなるなぁー」

先輩B「遠出した割には滞在時間短かったですね」

顧問「ドライブできたと思えばいいじゃん」

顧問「そうだ、なんか買うものとかある? せっかくこんな所に来たんだし」

先輩B「私は特にないです」

顧問「純は?」

純「私も特に…でもお腹すいたなぁ」

顧問「おっ、ならそばでも食べる?」

先輩B「そば?」

顧問「ほらあのお店。お土産のそばも売ってるんだって」

顧問「ついでに買いたいし、行こっか」

純「お土産かぁ…私も買っておこうかな」


67以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:39:17.31dVw0g6AO (30/32)

――鈴木家

純「すいません、わざわざうちの前まで」

顧問「いいっていいって、付き合わせたこっちも悪いんだし」

先輩B「純、ちゃんと自主トレやっておくんだぞ」

純「分かってますって」

先輩B「じゃ、また新学期にナ」

純「はい、お疲れ様でした」

顧問「じゃあねー」

純(ふぅ、疲れたー)

純(でも楽しかったなぁ)


68以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:42:34.98dVw0g6AO (31/32)

ガチャッ

純「ただい――…」

純母「遅い!! こんな時間までなにやってたの!?」

純「ごめん、ちょっとあってね…」

純「そうそう聞いてよ、ナンパされたんだよ私!」

純母「嘘おっしゃい」

純「嘘じゃない…ていうか即否定って」

純(まぁ、目当ては私じゃなかったけどさ)ゴソゴソ

純「はい、これお土産」

純母「……なにこれ?」

純「そば」

純母「頼んだものと違うわよね…」

純「いいじゃん、今日の夕飯はおそばで。おいしいよ?」

純母「はぁ…」

純父「うどん…」


##2 おわり


69以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 00:47:29.09dVw0g6AO (32/32)

ここまで、ということで。
とりあえずこのSSは二年生編で完結させようと思ってます。


70以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 02:15:01.01Xc81yUQ0 (1/1)

おつおつ!
顧問かっこいい


71以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 05:08:01.80H4FQR8Ao (1/1)

乙です!
ウェイって純ちゃん…


72以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/23(火) 11:59:12.95zZVJl.AO (1/1)

乙!
二年生で終わっちゃうのか…


73以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:26:40.19MewaqQAO (1/47)

##3-a

新学期
――通学路

唯「~♪」テクテク

先輩B「小さい頃は~神様がいて~♪」

先輩B「毎日愛を~届けてくれた~♪」

唯「お?」

先輩B「こ~ころの奥にしまい忘れた~♪」

先輩B「大切な箱~開く時はい――」

唯「いい歌だねぇー!」

先輩B「ん?」

唯「ねえねえ、その歌なんていうの?」



74以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:28:03.79MewaqQAO (2/47)

先輩B「…私の好きな歌」

唯「へぇー……あっ、いきなりごめんなさい」

唯「私は軽音部の平沢唯というケチな桜ヶ丘高生でして…」

先輩B「知ってるよ」

唯「え?」

先輩B「軽音部のライブ見たことあるし。可愛かったよ~」

唯「いやぁ~、かわいいなんて~」テレテレ

唯「あっ、えっとぉ……名前は」

先輩B「私? 私はジャズ研の――」


75以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:28:59.69MewaqQAO (3/47)

・・・・・

唯「学校と~ちゃくっ!」

唯「では私は部室に行ってくるので!」

唯「じゃあねー」タタタッ

先輩B「さいなら~」

唯「またねー!」タタタッ

先輩B「…パンくわえながら走ってる」

先輩B「漫画かありゃ」

先輩B「……ふぁあ~」

先輩B「始業式なのに朝早く学校来るなんて…」

先輩B「考えることは私と同じかナ」

先輩B「……」

先輩B「あれ? さっきどこまで歌ったっけ…」

先輩B「まぁいいか、最初からで」

先輩B「小さい頃は~神様がいて~♪」


76以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:29:44.05MewaqQAO (4/47)

――2年1組

純「憂!!」

憂「純ちゃん!!」

憂「やったね、また一緒のクラスだよ~!」

純「別々のクラスだったらどうしようかと思ったよ」

憂「私も私も」

純「梓は?」

憂「まだ来て――」

梓「おはよ、二人とも」

憂「あっ、梓ちゃん!」

純「おっはよー♪」


77以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:32:15.68MewaqQAO (5/47)

憂「同じクラスだよ、梓ちゃん!」

梓「うん、運いいよね」

純「また三人で一年間一緒なら、学校も楽しくなるよ」

梓「純ったら、調子いいんだから」

憂「梓ちゃん、さっきまで練習してたの?」

梓「えっ、よく分かったね」

憂「お姉ちゃん今朝早くに出ていったから」

梓「なんか目覚ましのセット間違えたんだって」

憂「もう、お姉ちゃんったら…」

純「なに? 軽音部って朝練したの?」

梓「うん、先輩たちもみんな来て」

純「スタートダッシュだねー、軽音部は」



78以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:33:01.29MewaqQAO (6/47)

梓「今年は一味違うよ! …たぶん」

純「おーおー、気合い入ってますなぁ」

憂「あっ、お姉ちゃんたちも同じクラスなんだって。メールきたよ~」

梓「本当だ…」

純「勢揃いだね……あっ、和先輩もいる」

憂「楽しそうだね」

純「なんか騒がしいクラスになりそうな気もするけど…」

梓「今日って始業式が終わったらそのまま下校だっけ?」

憂「うん、そうだよ」


79以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:34:34.94MewaqQAO (7/47)

梓「そっか…」

純「すぐ帰るの?」

梓「ううん、部活。新入部員を勧誘しないと」

純「あっ…そういえば」

憂「新入部員来るといいね」

梓「うん!」

純「去年を思い出すなー、色々とワクワクしてたよねこの時期」

憂「懐かしいねー。純ちゃんと軽音部見学しに行ったりしたっけ」

純「あの頃は何か怪しい部だと思って入らなかったけどね」

梓「もう一年かぁ…」

梓(今年は頑張らないと…)

梓(やるぞ私! おー!!)

純「なんか梓が気合い入った顔してる」

憂「ふふっ」



80以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:35:54.42MewaqQAO (8/47)

――3年1組

先輩A「私たちが同じクラスって、初めてだよね」

先輩B「そだっけ?」

先輩A「そうです。今年はよかった」

先輩C「何がだ?」

先輩A「だーかーらー、同じクラスになれたじゃない」

先輩C「この三人で仲良しグループなんて組んだ覚え、ないけどな」

先輩A「…照れてる」

先輩C「これっぽっちも照れてない!!」

先輩B「担任誰かな~」

先輩A「山中先生とかだったらいいなー」

ガラッ

顧問「おはー」

先輩B「残念だったね」

先輩A「私はどっちにしろ嬉しいけど?」


81以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:37:31.54MewaqQAO (9/47)

顧問「はい席ついてー」

顧問「今日から一年間、私が担任を務めるんでよろしく!」

顧問「いやー、見知りってる顔が多くてよかったよ」

顧問「山中先生と相談しといて正解だった」ボソッ

顧問「さて、アンタたちは気づけばあっという間に三年になったね」

顧問「新学期早々に説教じみたこと言いたかないが、もう三年なんだから気を引き締めるんだよ。毎日をしっかりこつこつと……」

顧問「あっヤバッ、名簿忘れた」

顧問「………別にいっか」

顧問「そんじゃそろそろ始業式始まるから講堂へ行くように」


82以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:39:33.37MewaqQAO (10/47)

先輩B「めんどいな~始業式。眠いのに」

先輩A「そういえば朝早かったね。どうしたの?」

先輩B「たまにはね。部室でギター弾いてただけだし」

先輩C「なんだそれ。朝練があるならそう言え」

先輩B「あり? 私と一緒に練習したかったのかい?」

先輩C「誰が! …そうじゃなくて、練習があるならちゃんと連絡しろって言いたんだ」

先輩C「部長だろ」

先輩B「練習じゃないよ、私の気まぐれ」

先輩C「…お前が部長で正直不安だよ」

先輩A「そこは副部長が支えてあげれば?」

先輩B「ね?」

先輩C「何がね?、だ! 真面目にやれ!!」


83以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:41:22.04MewaqQAO (11/47)

始業式、終了
――廊下

梓「なんとしても新入部員を獲得しなきゃ」

梓「よぉーし!」

純「さっきから気合い入ってるねー、梓」

憂「二年生、梓ちゃん一人だけだから」

純「大変だそりゃ」

後輩C「……」

ドンッ

純「わっ!?」ドサッ

後輩C「きゃっ!!」ドサッ



84以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:42:14.27MewaqQAO (12/47)

憂「じゅ、純ちゃん大丈夫?」

純「う、うん…平気」

後輩C「あっ――ご、ごめんなさい……私…」

純「ううん、よそ見して歩いてたこっちが悪いんだし」

後輩C「ごめんなさい…ごめんなさい…っ」タタタッ

純「あっ……行っちゃった」

純「……」

梓「純、どうしたの?」

純「これ…ハンカチ落ちてた。多分あの子のじゃないかな」

憂「えっ、じゃあ返さないと」

純「けどもういないし」

純「どうしようかなー、これ。せめてクラスでも分かればいいんだけど」

同級生「純ー!!」ガバッ

純「わわっ!?」


85以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:43:36.22MewaqQAO (13/47)

同級生「久しぶりー! 元気してた?」

純「久しぶりって、春休みに会ってたでしょ」

同級生「そうだったそうだった」

同級生「でもいいじゃん、休み明けなんだし。気分をバーっとするつもりで…」

梓「……」

憂「……」

同級生「あっ…」

純「私の友達、紹介するね。こっちが憂で、こっちが梓」

純「クラス一緒なの」

同級生「梓ちゃんは知ってるよ! 軽音部のギターだよね?」

梓「う、うん…」

同級生「よろしくー! 梓ちゃんってギターすごいよね」

梓「ありがとう…」



86以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:44:47.97MewaqQAO (14/47)

同級生「……」ジーッ

梓「……なに?」

同級生「ねぇ、純。私と梓ちゃんどっちが身長高いかな?」

純「……梓かな」

同級生「そんなー!!」

梓(な、何なの…?)

純「そんで、こっちの憂はなんと軽音部のもう一人のギター、唯先輩の妹だよ」

同級生「へぇー…」

憂「えへへ」

同級生「唯先輩って誰?」

憂「!?」ガーン

「なにやってんのー! 早く行こー!」

同級生「あっ、待って!」

同級生「じゃあね純、また後で」

純「うん、後でね」

梓「…元気な子だね」

純「元気だけが取り柄だから」


87以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:46:07.82MewaqQAO (15/47)

――2年1組

純「よし、ジャズ研行こうかな」

憂「純ちゃんも新入生勧誘?」

純「うん、そんなところ」

純「全校生徒引き込むつもりでやらないとね!」

憂「頑張ってね」

純「うん!」

憂「梓ちゃんも」

梓「他の部には負けないよ。絶対にいっぱい入部させるんだから!」

純「じゃあ勝負でもする?」

梓「うっ…」

純「…自信ないんだ」

梓「で、でもきっと…最低一人ぐらいは絶対入部させるもん!」

純「なんだか楽しくなってきたなー」



88以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:46:57.40MewaqQAO (16/47)

――ジャズ研 部室

先輩C「……」

ガチャッ

先輩A「あっ、やっぱり。一人で先に行くなんて」

先輩B「なんだ、まだ他の人来てないんだ」

先輩C「……」ジーッ

先輩A「どうしたの? 外なんか眺めて」

先輩C「…あれ、見てみろ」

先輩B「どれ?」

先輩C「あれだあれ。ほら…」

先輩A「あっ、着ぐるみ五人組」


89以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:48:25.25MewaqQAO (17/47)

先輩B「なんだありゃ。着ぐるみ流行ってんの? うちの学校」

先輩C「軽音部の勧誘だろ」

先輩B「あぁ…そういえば去年も似たようなの見た気が」

先輩C「まったく、あんなので人が来ると思ってるのか」

先輩B「そうだな~、ペンギンの着ぐるみだったら可愛かったのに」

先輩C「そうじゃないだろ…」

先輩A「でも、ここから見る分には面白いじゃない」

先輩C「…はぁ、アホらしい」

先輩B「軽音部のこと嫌いなん?」

先輩C「軽音部はどうでもいい。ただ…」


90以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:49:36.29MewaqQAO (18/47)

先輩A「ただ?」

先輩C「……なんでもない」

先輩A「?」

先輩B「あれ写メで撮っておこ~っと」パシャリ

先輩A「うちも早めにビラ配りした方がいいんじゃない?」

先輩B「うん? そだね~」パシャリ

ガチャッ

純「こんにちはー」

同級生「ちはー」

先輩B「グッドタイミングだ」

先輩A「二人とも、一緒にビラ配りに行こっか?」

純「へ?」



91以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:50:40.31MewaqQAO (19/47)

――校庭

先輩A「ジャズ研よろしくお願いしまーす!」

純「お願いしまーす」

同級生「お願いしまーす!!」

先輩A「あっ、ジャズ研どうぞ。よかったら見学だけでも」

先輩A「どうぞ、ジャズ研よろしくお願いします。よろしくねー」

純「…なにもセンパイがやらなくても。三年生なんですから」

同級生「ここは私たちだけでも大丈夫ですよ?」

先輩A「いいのいいの、やりたくてやってるんだから」

純「頑張るなー、センパイ」

純「よーし! 目指せ部員百人!!」

同級生「百人ー!!」

先輩A「百人もいると二人はレギュラー取れないかもね」

純「あっ」

同級生「はっ」



92以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:51:32.96MewaqQAO (20/47)

先輩A「ふふっ、なーんて気にしないでいいから。配ろっか」

先輩A「どうぞー、ジャズ研ですー」

純「ジャ、ジャズ研でーす」

純(なんか配りづらい…)

「センパーイ、副部長が呼んでます」

先輩A「あら?」

「ここは私が代わりますんで行ってください」

先輩A「えー…残念」

「手伝うよ」

純「さんきゅっ」


93以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:52:34.21MewaqQAO (21/47)

――校内

律「今度はどんな手を使って勧誘しようか」

唯「悩むねぇー…」

梓「あんまり無茶しないでくださいよ」

律「分かってるって」

唯「あっ! りっちゃん隊員、ターゲット発見です!!」

律「なにぃ!? どこだ!!」

唯「あそこに!」

後輩C「……」

梓(あれ? あの子…)



94以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:54:20.25MewaqQAO (22/47)

唯「あの子を誘おうよ」

律「ちょっと雰囲気暗いけど……いや、私たちで明るくしよう」

律「気に入ってもらえば即入部だ! 行くぞ唯!!」

唯「合点承知のすけ!!」

梓(二人とも何やるんだろう…)


後輩C「……」キョロキョロ

後輩C「ここ…どこだろう……」


律「ねえねえ知ってるぅ? 唯ちゃんってばぁ」

後輩C「!」ビクッ

唯「あ~ん、どうしたのりっちゅぅわ~ん」

律「軽音部ってぇ~、すんごいらしいのよぉ~」

後輩C「……」


95以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:55:35.54MewaqQAO (23/47)

唯「なになに? なにがすごいのぉ~???」

律「なんと軽音部に入るとぉ~、世界観が丸っきり変わるのよん!」

律「生まれ変われるっていうかぁ~、新しい自分になれるっていうかぁ~」

律「とにかく刺激的な毎日が過ごせるのん!」

唯「わぁお! すっごぉーい!!」

後輩C「……」

後輩C(な、なんだろう…この人たち…)

後輩C(……逃げよう)


96以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:56:34.39MewaqQAO (24/47)

律「やっぱ素敵でハッピーな高校ライフを過ごすには、軽音部しかないわよねー」

唯「そうだねー!」

律「さぁ、そこの君も軽音部に入部して明るく楽しく最高な青春を体験しないかい!?」

唯「しないかい!?」

律「………………って、あれ? あの子は?」

唯「あれぇ~…」

梓「不気味がって逃げちゃいましたよ」

律「なんと!?」

唯「そんなぁー!! 私たちバッチリだったよね? あずにゃん??」

梓「…なんか気持ち悪かったです」

唯・律「!?」ガーン


97以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:58:05.42MewaqQAO (25/47)

――校庭

純「どうぞ、ジャズ研よろしくね」

同級生「よろしくー」

「案外もらってくれるもんだね」

純「うん、この調子なら結構入ってくれるかも」




馬「ど、どうぞ、軽音部です」

猫「よろしくにゃーん♪」




同級生「出た! 謎の馬と猫!!」



98以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 22:59:07.24MewaqQAO (26/47)

「あの中って誰が入ってるんだろうね」

「まさか澪先輩だったりして」

純「ないない、澪先輩があんなことするわけないじゃん」

純「きっと別の人だよ」

「だよねー」

「澪先輩があんなことやってたら幻滅だよね」

同級生「あはは、あの馬変な顔ー」

「確かに、笑える」





馬「……」

猫「澪ちゃん、ファイトだにゃあ!」


99以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:00:37.16MewaqQAO (27/47)

――生徒会室

いちご「失礼しました」

ガチャッ、バタン

いちご「……」

先輩B「おっ」

いちご「!」

先輩B「久しぶり~」

いちご「……」

先輩B「え~~っと……ざくろちゃん」

いちご「…いちご」

先輩B「あっ…と、ごめんなさい。いちごちゃん」

先輩B「何してるの?」

いちご「バトン部の報告書、提出しただけ」

先輩B「そっか~、バトン部なんだっけ」

いちご「……じゃあ」

先輩B「またね~」

いちご「……」コクリ


100以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:01:40.14MewaqQAO (28/47)

コンコン

先輩B「失礼しま~す」

和「どうぞ」

ガチャッ

先輩B「ジャズ研の活動報告書を提出に来ました~」

和「わざわざありがとうね。そこに置いてもらえるかしら」

先輩B「はいは~い、えぇ~っと真鍋……」

先輩B「和(なごみ)ちゃん?」

和「和(のどか)って読むのよ」

先輩B「ありゃ…そりゃまた失敬」


101以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:03:20.44MewaqQAO (29/47)

和「気にしないでいいわよ、よく間違えられるから」

先輩B「どーも」

先輩B「よく間違えられるなんて大変ですね~」

和「ひどい時なんか…」

先輩B「和(かず)って呼ばれるでしょ?」

和「あとはそのまま、和(わ)とかね」

和「はいこれ、明日の新歓の資料」

先輩B「確かに受けとりました~、和生徒会長」

和「…そういえば、あなたの名前は?」

先輩B「私?」

和「あなただって聞いたんだから、私も聞いていいでしょ?」

先輩B「なんかこのやり取り既視感が……まぁいいけど」


102以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:04:59.90MewaqQAO (30/47)

――校内

梓「次はスパイ作戦ですか」

律「そう。色んな部に私たちが体験入部して、どうやって部員を集めてるのか調べるんだ」

唯「部活、いっぱいあるよ」

律「むぅ…ライバルだらけだな」

律「しかし、なんとかして他の部よりも多く新入生を確保しなければ!」

梓「で、どの部に行くんですか?」

唯「ここ行こうよ!」

唯「ジャズ研! 純ちゃんもいるし」


103以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:06:26.18MewaqQAO (31/47)

――ジャズ研 部室

ワイワイガヤガヤ

先輩C「遅いぞアイツ…なにやってるんだ」

先輩A「生徒会室、混んでるんじゃない?」

先輩C「見学者が来てるってのに…」

先輩A「こういう時こそ、副部長が仕切るんじゃないの?」

先輩C「私が? …し、仕方ないな」

先輩C「そこまで言うなら私がやろう。今は私が部長みたいなものだからな」

先輩A「結構ノリノリ」

先輩C「あー……コホン。全員静かに」

先輩C「今からジャズ研の――…ん?」



律「急げ唯、もう始まってるぞ」
梓「唯先輩早く!」

唯「待って二人とも~!」



104以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:07:50.35MewaqQAO (32/47)

先輩C「そこで何してる、部室に入るなら早く――…」

先輩C「あっ」

唯「あっ!」

先輩C「平沢……何でお前が」

律「知り合い?」

唯「一年の時同じクラスだったんだよ。久しぶり~!」

先輩C「……」

梓(向こうは歓迎してなさそう…)

先輩C「…で、何しに来たんだ」

律「いやー、是非ともジャズ研を見学したいと思いまして」

先輩C「見学? お前たちは軽音部だろ」

律「あっ、そうなんだけど…」

先輩C「ならどうして」

先輩A「いいじゃない、せっかく来てもらったんだし」

先輩A「見ていってもらっても構わないでしょ? ね?」

先輩C「……好きにしろ。まったく」

律「どうも、すいませーん」

唯「失礼しま~す!」



105以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:10:10.01MewaqQAO (33/47)

先輩C「なんで軽音部のやつらが…」

先輩A「ねえ、ちょっと聞きたいんだけど」

先輩C「…何をだ」

先輩A「あの子と…」

唯「人いっぱいだねー、りっちゃん」

先輩A「何かあったの? 顔合わせてから不機嫌そうにしてるけど」

先輩C「…苦手なだけだ。一年の時から」

先輩A「あんな優しそうな子なのに」

先輩C「私は、苦手だ。大嫌いな犬の次にな」

先輩C「言動も行動も気にくわない」

先輩A「ひっどーい。何もそこまで言わなくてもいいのに」

先輩C「私に言わせれば、アイツは人を怒らせる天才だぞ」


106以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:12:03.92MewaqQAO (34/47)

先輩A「それ、ただあなたが怒りっぽいだけじゃないの?」

先輩C「私のどこが怒りっぽいんだ!!」

先輩A「今怒ってる」

先輩C「お…怒ってない」

先輩A「怒ってる」

先輩C「怒ってないでございますー」

唯「あのー、まだ始まらないんですか?」

先輩C「うるさいな! お前は黙ってろ!!」

唯「ひぇ…なんか分からないけど怒られた…」

先輩A「何があったか知らないけど、とりあえず始めた方がいいんじゃない?」

先輩A「みんな待ってるよ?」

先輩C「……はぁ」

先輩C「遅れたが、これから再開します」


107以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:13:27.09MewaqQAO (35/47)

・・・・・


先輩C「――以上。何か質問があれば遠慮なくしてくれ」

後輩A「初心者でも入部して大丈夫ですか?」

先輩C「うちは初心者も大歓迎だ。ちゃんと指導するから安心して入っていいぞ」

唯「ちなみに私も初心者だったんだよ~」

後輩A「は、はぁ…」

先輩C「……」

先輩C「次、質問のある人」


108以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:14:17.64MewaqQAO (36/47)

後輩B「ギターはエレキギターでもいいですか?」

先輩C「あぁ、もちろん。構わないぞ」

唯「あっ、私もギターだよ~。ギー太ってギター使ってるの」

後輩B「そ、そうなんですか…」

先輩C「……」

先輩C「次、質問のある人」

後輩C「あ、あの……」

唯「はい! 私もジャズ研に入っていいですか?」

先輩C「お前は少し黙ってろ平沢ぁ!!」


109以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:15:55.64MewaqQAO (37/47)

唯「!?」ビクッ

後輩C「!!」ビクッ

唯「ご、ごめんなさい!」

先輩A「ほらほら、落ち着いて」

先輩C「ったく…」

梓「唯先輩、なに言ってるんですか」

唯「いやぁ~、なんかジャズに目覚めちゃって」

律「じゃあ今度、澪とムギに頼んでジャズ調の曲作ってもらおうな」

先輩C「だいたい、なんで軽音部がジャズ研の説明会に来てるんだ……ちゃんと訳を言え」

唯「それはスパイしに」


110以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:17:14.80MewaqQAO (38/47)

先輩C「スパイ?」

唯「あっ…」

律「馬鹿っ、それを言うな!」

先輩C「……なるほど、スパイか」

先輩C「ジャズ研の新入部員を軽音部に引きずり込もうとしたんだな…」

唯「そ、そうじゃなくて…」

先輩C「言い訳なんか聞くか! 出てけ!」

先輩C「出ていかないなら力づくでも追い出してやる!!」


111以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:18:30.07MewaqQAO (39/47)

律「いや、私たちはそういうわけじゃなくて! ジャズ研の活動を参考にしようと…」

先輩C「そんなの私が知るか!!」

唯「ひぇ~!!」

先輩C「待て平沢! 逃げるな!!」

唯「待てませーん!」

先輩A「ちょ、ちょっと落ち着いて!」

先輩C「私は逃がさないぞ!! 私から逃げられると思うな!!」

先輩A「あぁもう、平沢さん嫌がってるじゃない」

先輩C「あのな、ああいう甘ったれたやつは一回ガツンとやらないと治らないんだ!」

先輩C「だから――」

先輩A「いいから落ち着いてって!!」ガツンッ

先輩C「痛っ!?」


112以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:20:55.35MewaqQAO (40/47)

・・・・・

唯「ご、ごめんなさい!」

先輩A「いえいえ、私たちも悪いんで」

先輩C「お前…ゲンコツはちょっと…痛い…」

先輩A「あっ…ごめん、つい。大丈夫?」ナデナデ

唯「すいません…」

先輩A「そんな謝らなくても…
」ガサゴソ

先輩A「これお詫びにどうぞ、キャンディーです。よかったら皆さんで」

律「あっ、どうもどうも」

唯「やった~キャンディーだ!」

先輩C「そんなやつらに飴なんて渡すな!」

先輩C「塩でも撒け、塩!!」

先輩A「はいはい、落ち着きましょうね」

後輩C(……こわい)


113以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:23:55.03MewaqQAO (41/47)





先輩A「はい、見学に来たみんなもどうぞ。キャンディーです」

「す、すいません」
「ありがとうございます」



先輩C「……」

唯「あの~…」

先輩C「……」

唯「よかったら、軽音部も見学に来てね。ケーキとかご馳走するから」

先輩C「誰が行くか」

唯「そっか…」ショボーン

先輩C「むっ…」

先輩C「……」



114以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:25:25.46MewaqQAO (42/47)

・・・・・

――廊下

純「ふぅ、配り終わった」

同級生「全部配れたねー」

純「これなら新入部員もドカドカッと入ってくるに間違いなし!」

純「そして私たちはいよいよセンパイかぁ」

同級生「センパイ……なんか素敵な響き!」

純「あんたは一年より下に見えそうだけどね」

同級生「ひどいぞ純!!」

純「あはは……ん?」





後輩C「……」


115以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:26:31.11MewaqQAO (43/47)

同級生「どったの?」

純「あの子…ちょっと行ってくるね」

同級生「えっ、なになに??」

純「おーい!」

後輩C「!!」ビクッ

純「よかった、探してたんだよ」

後輩C「あ…えっ……」オドオド

純「はい、これ落としたでしょ?」

後輩C「……あっ、私のハンカチ」

純「さっきぶつかった時に拾ったの」

後輩C「さっき……ご、ごめんなさい」

純「謝んなくていいって。顔あげて」

後輩C「あっ…」

純「そういえば一年生だよね。部活とかは決まった?」



116以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:27:42.32MewaqQAO (44/47)

後輩C「いぇ……まだ、です…」

純「私、鈴木純。ジャズ研究部に入ってるの」

後輩C「ジャズ研の人…?」

純「うん、興味あれば覗いてみてね。初心者とかでも大歓迎だから」

後輩C「あ、あの…私……」

純「じゃあね」タタッ

後輩C「あっ……」

後輩C「……」

後輩C(ジャズ研の……鈴木、センンパイ…)

後輩C(優しいセンパイ…)

後輩C「……」

後輩C(けど、あそこには怖いセンパイもいるし…)

後輩C(どうしよう……)

後輩C「……」


117以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:29:15.80MewaqQAO (45/47)

同級生「あの子、知り合い?」

純「ちょっとだけね」

純「あっ――…名前聞いとけばよかった」

同級生「なんか暗そうな子だったね。前髪で顔見えなかったし」

純「声も小さかったけど…恥ずかしがり屋さんなんじゃない?」

純「でも良い子そうだったし、入ってくれると嬉しいかな」

同級生「後輩、かぁ…」

同級生「どうしよう…ちゃんと後輩に教えられるか不安になってきた」

純「私も」

純「今日から頑張らないとなー…」


118以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:31:03.42MewaqQAO (46/47)

――ジャズ研 部室

先輩B「ただいま~」

先輩C「遅い!!」

先輩B「なに怒ってんだヨ」

先輩C「怒ってない!!」

先輩B「…どうしたの?」

先輩A「色々あったの」

先輩B「ふ~ん……まぁいいや」

先輩B「部員集まった?」

先輩A「とりあえず9人くらい」

先輩B「初日で9人もかぁ~~…まだ増えそうだな~」

先輩B「名前覚えられる自信ないよ」

先輩C「く~っ……このやり場のない気持ちはどうすればい!!」

先輩B「だからどうしたんだよ~」

先輩C「私だって本当はケーキ食べたいんだ!」

先輩B「なに言ってんの」

先輩A「キャンディーで我慢して」

先輩B「ていうか甘いもの嫌いじゃないの?」

先輩C「大好きだ!!」


##3-a おわり


119以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:31:57.63MewaqQAO (47/47)

ここまで
今回は二期一話と無理やり繋げてみました


120以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/24(水) 23:38:28.87vWiksNAo (1/1)

乙!
途中ハラハラしたが
最後はいい感じになってよかったぜ


和ちゃんの名前ェ・・・


121以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/25(木) 16:14:17.49tDJD.EAO (1/2)

乙!
先輩Cがいよいよバルクホルンに見えてきた


122以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/25(木) 16:36:00.60mQD25/Eo (1/1)

先輩Bの語尾のカタカナが好きだ


123以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/25(木) 17:27:32.222Zt1h4oo (1/1)

>>1乙超乙
純ちゃんもいよいよ先輩か・・・・


124以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/25(木) 18:39:12.92Ma7ji6AO (1/2)

個人的に先輩Cにはこれから、もうちょっと丸くなってほしい…


125以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/25(木) 20:53:14.06MFWlChMP (1/1)

Cはこの調子でいいんじゃないかねぇ
唯は合わない人は絶対合わない人っぽいしさ


126以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/25(木) 22:51:57.91Ma7ji6AO (2/2)

まあ、ただの厳しい人だけじゃなく時々お茶目な所もみせてくれればよしだな


127以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/25(木) 22:56:13.21tDJD.EAO (2/2)

参考にしたキャラが名護さんだから大丈夫だろう


128以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/26(金) 02:26:49.184ak2BYAO (1/1)

律と唯の勧誘クソワロタ
やっぱり脳内再生率が圧倒的に高いな。
素晴らしいです。おつ


129以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/26(金) 23:51:14.66/DJ827wP (1/1)

>>127
うでふりなさーい ふりなさい


130以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/11/27(土) 12:24:08.94NYBUZQAO (1/1)

>>1乙
後輩9人も入ったのか
結構人気あるな


131以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 03:45:47.41WHPSkoAO (1/24)

##3-b


――ジャズ研 部室

先輩B「ふぁ…」

ガチャッ

先輩B「ふぁあ~…」

先輩C「遅いな」

先輩B「……ふぁ?」

先輩B「なにやってんの?」

先輩C「どうだ、私はお前より30分も早くここに来て練習してたんだぞ」

先輩C「私の勝ちだな」

先輩B「そりゃご苦労様」

先輩C「なんだ…張り合いがないな…」

先輩B「けど、なんで急に朝早くに来たりしてんの?」

先輩C「気まぐれだ」

先輩B「あっそ」

先輩C「…お前、毎朝来るつもりなのか?」

先輩B「先生は別にいいって言ってた」

先輩C「だったら私にもやらせろ! 一人でコソコソ練習するな」

先輩B「お好きにどうぞ~」

先輩C「じゃあ、好きにやるからな」


132以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 03:50:08.74WHPSkoAO (2/24)

先輩B「ふあぁ~……ねむ~」

先輩C「シャキっとしろ。今日は新歓ライブなんだぞ」

先輩B「そういえば、昨日唯ちゃんと何があったの?」

先輩C「……関係ないだろ。今それは」

先輩B「部長なんだから知っといてもいいだろ~?」

先輩C「…それよりお前、雰囲気変わったな」

先輩B「髪、ストレートに戻してみた」

先輩C「どうしたんだいきなり」

先輩B「新しく気分を入れ換えるため、とか」

先輩C「そうか…なるほどな」

先輩B「で、唯ちゃんと何があったの?」

先輩C「それより練習だ! 練習!!」

先輩C「お前も早く準備しろ!」

先輩B「…やれやれだナ~」


133以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 03:51:09.73WHPSkoAO (3/24)

――通学路

後輩C「……」

後輩C(昨日のセンパイ……優しかったな…)

後輩C(この学校に来て…初めて優しくされた……)

後輩C(鈴木先輩…ジャズ研の…)

後輩C「……」

後輩C(部活、どうしよう…)

後輩C(鈴木先輩のいるジャズ研に入ろうかな……)

後輩C(でも…音楽やったことないし…怖いセンパイもいるし…)

後輩C(自信ないな……)

後輩C「…――!!」ドキッ




純「……」


134以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 03:52:03.67WHPSkoAO (4/24)

後輩C(す、鈴木先輩だ!!)

純「ん?」

後輩C(はっ!?)ササッ

純「あれ…今誰かに見られた気がするけど…気のせい?」

純「まぁいっか」テクテク



後輩C「……」

後輩C(は、はぁ……気づかれなくてよかった)

後輩C「……」

後輩C(何で隠れちゃったんだろう…私……)

後輩C(もしかしたら昨日みたいに、話せるかもしれないのに…)

後輩C「……」

後輩C(ダメだなぁ…こんなんじゃ…)


135以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 03:53:30.06WHPSkoAO (5/24)

お昼休み
――2年 1組

純「じゃあ結局、昨日は来なかったんだ。新入部員」

梓「うん……なんでだろ」

梓「ビラもいっぱい配ったんだけどなぁ」

憂「まだ時間もあるし、大丈夫だよ梓ちゃん」

憂「それに今日は新歓ライブなんでしょ? ライブ見て軽音部に興味わく子が来ると思うよ」

純「そうそう。軽音部って初見じゃ何やってるか分からない部活なんだし、ちゃんとライブで魅せれば絶対来るって」

梓(何やってるか分かんないって…)

梓「……」

梓(確かに昨日の勧誘じゃそう思われて仕方ないかも…)

梓「うぅ…」

純「どうしたの?」

梓「…なんでもない」

純「よく分かんないけど…これ飲んで元気出して。飲みかけだけど」

梓「……」チュー

憂「新歓ライブ、見に行くねっ」

純「私も。ジャズ研のライブまで時間空いてるし」

梓「ありがとう、二人とも」

憂「そうだ、純ちゃんはジャズ研のライブで演奏するの?」


136以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 03:55:03.17WHPSkoAO (6/24)

純「それが私は出れなくてさ。出れるのは3年生」

憂「そっか…残念だね」

純「まぁそのおかげで、梓の演奏見に行く時間もあるんだけどね」

純「あっ、そういえば……梓」

梓「なに?」

純「昨日軽音部がジャズ研で騒いでたんだってね。聞いたよ、話」

梓「あ…ご、ごめん! 迷惑だったよね…」

純「大丈夫大丈夫、センパイ達は特になにも言ってなかったから」

純「でも私も現場にいたかったなー…面白そうだし」

憂「昨日なにがあったの?」

梓「唯先輩とジャズ研のセンパイでちょっとひと悶着があって…」

憂「お姉ちゃんが!?」

梓「そ、そんな大事じゃないから大丈夫だよ、憂」

梓「喧嘩とかじゃなくてなんと言うか……怒られただけだから」

憂「お、お姉ちゃん迷惑かけちゃった…?」

純「いやいや、大丈夫だって。たぶん」

梓「ごめん…唯先輩が」

憂「ごめんね純ちゃん」

純「そんな二人で私に謝られても…」


137以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 03:55:59.06WHPSkoAO (7/24)

純「そ、そんなことよりライブの準備はいいの? もうすぐ昼休み終わっちゃうよ」

梓「あっ、うん。これ食べ終わったら行く」

憂「今日は午前授業だから楽だね」

純「私も食べ終わったらジャズ研行かないとなー」

憂「じゃあ私、図書室で待ってる」

純「りょーかいっ。すぐ行くと思うから」

純「楽しみにしてるよ、梓」

憂「頑張ってね!」

梓「うん!」


138以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 03:57:01.71WHPSkoAO (8/24)

――1年1組

ワイワイガヤガヤ

後輩C「……」


「もう部活決めた?」
「え? うーん…バレー部にしようかな」
「私ソフト。カッコいいセンパイがいるんだ」

「ねぇ、一緒に合唱部入らない?」
「合唱部かぁ…いいかも!」


後輩C「……」

後輩C(みんなもう部活決めてるんだ……いいなぁ…)

ワイワイガヤガヤ

後輩C「……」

後輩C(ジャズ研に入る人はいないのかな…)


後輩A「ジャズ研の入部届け、もう出したの?」

後輩B「うん、早めがいいかなって思って」


後輩C「!!」


139以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 03:59:15.32WHPSkoAO (9/24)

後輩B「ジャズ研なら初心者の私でも大丈夫だし」

後輩A「あはは、なにそれ」

後輩B「だって他の部活は敷居が高いっていうか…」


後輩C「……」

後輩C(あの人たち…昨日の説明会にも来てた)

後輩C(ジャズ研に入るのかな…声かけてみようかな……)

後輩C「……」

後輩C(か、かけよう。友達を作らなきゃ…)

後輩C(でもなんて声かけよう………)

後輩C「……」

後輩C(『今日は良い天気ですね』……こ、これにしよう…)

後輩C(これなら自然…)

後輩C「ぁ……ぁのぅ…」


140以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:00:08.87WHPSkoAO (10/24)

後輩A「それでね、実は――」
後輩B「へー、すごいね!」


後輩C「ぁの……」


後輩A「でね――」
後輩B「本当!?」


後輩C「ぁ、ぇっと……」

後輩C(も、もっと大きな声で言わないきゃ……)

後輩C「ぁ…あのっ」


後輩A「そうだ、ちょっと学校回ってみない?」
後輩B「うん、行こ行こ」


後輩C「あっ……」

後輩C「……」

後輩C(行っちゃった…)

後輩C「……」


141以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:01:50.07WHPSkoAO (11/24)

――ジャズ研 部室

「よぃしょっ…!」

先輩C「待て、お前じゃ重くて運べないだろ。私が代わる」

「あぁ、ありがとうね」

先輩C「これぐらい気にしなくていいよ」




先輩B「ほぉ~、昨日そんなことがね~」

先輩A「なんであんなに嫌うんだろう。平沢さん、悪い人じゃなさそうなのに」

先輩B「生理的にムリなんじゃないの?」

先輩A「それは平沢さんがかわいそうよ」

先輩B「まぁ~…嫌いってはっきり言える分良いんじゃない?」

先輩B「ほら、女が女を嫌う時ってもっと……陰険じゃん」

先輩A「そーじゃなくてー…仲が悪いままじゃダメでしょ?」


142以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:04:52.14WHPSkoAO (12/24)

先輩B「私には関係ないからどうでもいいけど」

先輩A「あぁもー、これなんだから」

先輩B「アイツは怒った後に後悔するタイプだから…自分でも内心そのことを気にしてるはずでしょ」

先輩B「心配しなくてもそのうち解決するとは思うけど」

先輩A「そうかなぁ…そうだといいんだけど」

先輩B「…ま、今は新歓ライブに集中しようじゃない」

先輩B「それと飴ちゃんちょーだいな」

先輩A「…そういえば」

先輩B「ん?」

先輩A「朝練、今日あったんでしょ?」

先輩A「なんで私も誘ってくれなかったの。二人だけズルい!」

先輩B「朝練ってほどでも……それにお前は朝起きれないだろ~」

先輩A「明日から…がんばる! うん」

ガチャッ

純「こんにちはー」

先輩C「鈴木、来てすぐに悪いがスコアのコピー行ってきてくれないか?」

純「えっ、はい。分かりました」

先輩A「あっ、じゃあ私も行く。純ちゃん一人じゃ大変だろうし」


143以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:06:55.12WHPSkoAO (13/24)

――廊下

純「今年って、初心者が多いんですか?」

先輩A「うん、5人くらい。ジャズ研なら入りやすいと思ってるのかな」

純「でも実際は練習キツいですよね」

先輩A「たくさん入部してくれるのは嬉しいけど、途中で辞めないか心配」

純「そうですね…」

先輩A「純ちゃんは一年間頑張ったよね。えらいえらい」

純「いやー、でも…結構いっぱいいっぱいでしたよ?」

純「先輩がいたから――…」

純「あっ」




後輩C「!!」


144以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:08:47.62WHPSkoAO (14/24)

先輩A「あら?」

純「また会ったね。何してるの?」

後輩C「い、ぃぇ…」

先輩A「あなた、昨日ジャズ研の見学会に来てくれた子よね?」

後輩C「あっ…」

純「本当!? ジャズ研に入ってくれるんだ!」

後輩C「ぃゃ……」

純「えっ、なに?」

後輩C「…そ、その……」

純「?」

後輩C「……」

純「…ま、まぁそんな急いで決めなくていいから。無理強いしてるわけじゃないし、じっくり考えて」

後輩C「……す、すすいません」

先輩A「練習見たい時はいつでも来ていいからね」

後輩C「はい…」

純「じゃ、また」

後輩C「あ……」

後輩C「……」


145以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:10:39.27WHPSkoAO (15/24)

・・・・・

先輩A「今の子…なんだか怯えてたみたいだけど大丈夫かな?」

純「私、怖かったですか?」

先輩A「んーん、普通。ただ、いきなりだったから驚いたんじゃない?」

先輩A「それにあの様子だと、入ってくれそうにないね…」

純「はぁ~…ミスっちゃった。もうちょっと気つかえばよかったなぁ」

先輩A「大丈夫、純ちゃんはちゃんと気をつかえる子だから」モコモコ

純「あのセンパイ…頭…」

先輩A「あっ、ごめんなさい! つい目に入っちゃって…」

先輩A「……もう少しだけやっていい?」

純「かまわないですけど…」

先輩A「わー! やわらか~い♪」モコモコ

純(なんか恥ずかしい…)

先輩A「素敵な髪ね」モコモコ

純「こういう時は毎回言ってますけど……癖毛は大変なんですから」

純「言うほど素敵でもないし…」

先輩A「そう思ってるのは純ちゃんだけだって。もっと自分に自信持ってもいいんじゃない?」

先輩A「少なくとも私はかわいいと思うし」モコモコ

純「そ、そう言われると照れます」


146以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:14:47.04WHPSkoAO (16/24)

先輩A「ふふっ、けど普通は自分に自信を持つなんて難しいよね。自信家とかは別として」

純「センパイもそうなんですか?」

先輩A「とーぜん…」

先輩A「自分にないものを持ってる人を見ると特にそう思う」

先輩A「胸が大きかったり足が長かったり…」

純(なんか特定の人を指してるような…)

先輩A「…でも、ないものに憧れてもしょうがないし。私は私で、自分の持ってるものを磨かないと」

純「そういう考え…いいですね」

先輩A「だから純ちゃん」

純「はい!」

先輩A「髪型絶対に変えちゃダメだからね?」

純「センパイもそれですか…」


147以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:15:31.59WHPSkoAO (17/24)

――1年1組

後輩C「……」

後輩C「……はぁ」

後輩C(せっかく会えたのに…何も話せなかった…)

後輩C(あの時に入部しますって言えばよかった…)

後輩C「……」

後輩C(でも……私上手くやっていけるかな…)

後輩C(中学の頃部活やってなかったし…)

後輩C「……」

後輩C(どうしよう…)


148以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:16:28.71WHPSkoAO (18/24)

――ジャズ研 部室

先輩B「暇だ~…」

先輩C「なら練習してろ」

先輩B「レギュラーまだ揃ってないじゃん」

先輩C「一人でもできるだろ」

先輩B「今そういう気分ではにゃあでよ~」

同級生「あっ、じゃあ講堂行きません? 軽音部のライブとかあるし…」

先輩C「他のやつと行ってこい」

同級生「う…」

同級生(なんか怒ってる…)

同級生「じゃあ……行ってきまーす」


149以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:17:51.52WHPSkoAO (19/24)

先輩C「……お前は行かなくていいのか?」

先輩B「一緒に行ってくれるなら行ってもいいけど」

先輩C「私が行くわけないだろ」

先輩B「そりゃ残念」

先輩C「…私のことなんてほっとけ」

先輩B「言われなくても、最初からほっといてるし」

先輩C「なら終始ほっとけ」

先輩B「…アイツにもらった飴あるけど、食べる? 甘いもの好きなんでしょ?」

先輩C「……言うほど好きじゃないが、いらないならもらっておく」

先輩B「はっきり言わない子にはあげませんよ~だ」

先輩C「……ならいい」

先輩B「じゃあ食べちゃお」パクッ

先輩C「あっ…」

先輩B「ほら、素直に言わないからもう手遅れ」

先輩B「あま~い」

先輩C「くっ……」


150以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:19:22.46WHPSkoAO (20/24)

先輩B「お前が甘党とはね。そういえば私が淹れたコーヒーに砂糖入れまくって台無しにしたことあったっけ」

先輩C「コーヒーが苦すぎるからだ」

先輩B「コーヒーはみんな苦いんだよ」

先輩C「コーヒー牛乳は甘いだろ」

先輩B「あれはコーヒーじゃなくてコーヒー入りの乳飲料」

先輩C「そうなのか? 知らなかった…」

先輩B「もしかして、寿司もワサビ抜いて食べてる?」

先輩C「なっ、なんでそれを知ってるんだ!?」

先輩B「やーい、お子さま~」

先輩C「ワサビなんてあんなの必要ないだろ! つけて食べてる方が間違ってる!!」

先輩B「うわ…開き直った」

先輩C「悪かったな、お子さまな舌で!」

先輩B「そんな怒んなくてもいいだろ~」

先輩C「…怒ってるわけじゃない」

先輩C「声が大きくなっただけだ」
先輩B「声が大きくなっただけだ」

先輩C「なっ…」

先輩B「やった、的中~♪」

先輩C「人の言うことを被せるな!」

先輩B「お前は単純だから考えてることが丸わかりなんだヨ」

先輩C「馬鹿にするな!!」


151以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:22:11.82WHPSkoAO (21/24)

先輩B「馬鹿にはしてないけど…」

先輩C「お前の態度は明らかに人を馬鹿にしてる態度だろ」

先輩B「はいはい、すいませんでした~。反省しま~す」

先輩C「ったく…誰が単純だ」

先輩B「だって本当に単細胞じゃん」

先輩C「言い方が悪くなってるぞ!」

先輩B「単細胞ってだけじゃないし。頑固で融通が利かなくて小言がうるさくて怒りっぽくて…」

先輩C「お前な…これ以上私を馬鹿にするなら――!!」

先輩B「けど、私はお前のこと嫌いになったりしないよ」

先輩C「っ……は?」

先輩B「お前がどんなに怒ってもうるさくても」

先輩B「私はお前を嫌いになんかならないよ」

先輩C「な、なにを…」

先輩B「たぶん、嫌われてると思ってるのはお前だけなんじゃないの?」

先輩C「……」

先輩B「……」

先輩C「…なんの話だ」

先輩B「べっつにぃー…」

先輩B「思ったことを言っただけ」

先輩C「そんなことはいちいち口にするな」

先輩B「お前には言われたくないよ」

ガチャッ

純「戻りました」

先輩A「ただいま~」

先輩B「おかえり~」

先輩C「……」


152以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:26:18.26WHPSkoAO (22/24)

――図書室

純「おまたせっ」

憂「純ちゃん!」

純「時間空いたから来たよ。行こっか」

憂「うんっ。…あっ、もうすぐ始まっちゃう!」

純「うそっ!? 早く行かないと!」

「……コホン」
「……」ジーッ

憂「じゅ、純ちゃん…」

純「おっ…と。図書室では静かにしないとね」

憂「あっ純ちゃん、髪ちょっと崩れてるよ」

純「ほんと? 直してくれない?」

憂「うん」モコモコ

憂「あはっ、純ちゃんの髪やわらか~い」モコモコ

純「ちょ、くすぐったいよ憂」


153以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:27:20.74WHPSkoAO (23/24)

憂「だってやわらかいんだも~ん」モコモコ

「……ゲフン」

純「…憂、静かに」

憂「あ…ごめんね」

純「とりあえず早く…うわっ! もうこんな時間!?」

「…ゲフンゲフン」

憂「純ちゃん、静かに」

純「そ、そうだった。静かに静かに…」

純「あっ、携帯がない!?」

憂「えっ!?」

純「…あ、ごめん。ちゃんとあった」

憂「もう、純ちゃんったらそそっかしいんだから」

「……」ジーッ

純「す、すいません」

憂「ごめんなさい…」


154以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 04:29:58.03WHPSkoAO (24/24)

とりあえずここで中断
先輩の文字がゲシュタルト崩壊する…


155以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 07:40:47.91d/HfYAAO (1/1)

おつ


156以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 16:53:50.822m6dPI.0 (1/1)




157以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/01(水) 19:05:04.965eBm0qco (1/1)

もふもふ


158以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:12:09.86xQ3FTsAO (1/31)

――講堂

唯「ふわふわ時間~♪」



純「あちゃ、もう始まってた…」

憂「お姉ちゃーん!」

純「盛り上がってるね、ライブ」

憂「うん!」

純「おっ、梓も頑張ってる頑張ってる」

純「…いいなー、梓。ライブ出れて」

純「いつもより輝いて見える…」

純「……」

純(あの舞台に立つってどんな感じなんだろう…)

純(私もなんでもいいからステージに立ってみたいなぁ…)

純「……」

純(……よし、いつか立てるよう頑張るぞー!!)

:
:
:

純「さてと…ライブ終わったけど憂はどうする? 私はジャズ研の準備手伝いに行くけど」

憂「せっかくだからこのまま講堂で他の部活見てる」

純「分かった、じゃあ行ってくるね」

憂「ジャズ研も楽しみにしてるよ!」

純「お任せあれ! 行ってきまーす」


159以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:13:24.40xQ3FTsAO (2/31)

ワイワイガヤガヤ

「可愛かったねー、軽音部」
「うん。入るの?」
「入る…ってわけじゃないけど」
「だよね、なんか近寄りがたい雰囲気があるっていうか。昨日は着ぐるみとか着てたし」
「せっかくの高校生活なんだし、ちゃんとした部活にしよーっと」

ワイワイガヤガヤ

後輩C「……」

後輩C(すごかったなぁ軽音部)

後輩C(楽器ってああやって弾くんだ……)

後輩C「……」

後輩C(私にできるのかな、あんな風に…)

後輩C(無理…かな、……私に音楽なんて…)

後輩C「……」

後輩C(次は演劇部、吹奏楽部、合唱部、そして……ジャズ研究部)

後輩C(鈴木先輩がいるところ…)

後輩C「……」

後輩C(また会いたいな…鈴木先輩)

後輩C(あの人と話してると…安心する…)


160以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:14:25.64xQ3FTsAO (3/31)

――ジャズ研 部室

顧問「新しく買ったサックスのことなんだけどさ、音出ないのよ」

顧問「壊れた?」

先輩B「サックスのことはよく分かんないですけど…音出ないのは楽器のせいじゃなくて先生のせいですよ」

顧問「そうだったんですか」

先輩B「サックス君に謝った方がいいですよ~」

顧問「ごめんなさい、サッくん」

先輩B「まぁ、音は練習すればそのうち出ると思うんで」

顧問「練習か…真面目にコツコツが一番ってことかね」

顧問「せっかく私も今日のライブ出ようとしたのに」

先輩B「そんな無茶な」

先輩B「てか、サックスのことは私じゃなくてアイツに聞いてくださいよ~」




先輩C「……」


161以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:15:27.00xQ3FTsAO (4/31)

顧問「いや、だって…さっきからずっと考え事してるみたいだし、声かけられなくてさ」

先輩B「考え事、か…」

顧問「ま、若いうちにたくさん悩むのは良いことだよ。私は練習に戻ろっと」

先輩B「……」

先輩A「なに考えてるんだろう?」

先輩B「さぁ…今日の夕飯とかじゃないの?」

先輩A「そんな食いしん坊キャラじゃなかったはずだけど」

先輩B「じゃあ日本の行く末について考えてるんだよ」

先輩A「そんな頭もよくなかったはずだけど」

先輩B「なら分からんちん」

先輩A「平沢さんのことかな?」


162以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:16:48.84xQ3FTsAO (5/31)

先輩B「あ~…唯ちゃんね」

先輩A「そのことで、二人で話したりしたの?」

先輩B「私が?」

先輩A「だってさっき二人っきりだったじゃない」

先輩B「そんなことするわけないでしょ。少しからかったりはしたけど」

先輩A「ふーん…」

先輩B「……なんだよ~」

先輩A「自分には関係ないとか言ったくせに、ちゃんと構ってあげてるじゃない」

先輩B「身に覚えがありませんな~」

先輩A「ほんと…素直じゃないんだから二人とも」

先輩B「私とアイツを一緒にしないでよ」

ガチャッ

純「戻りましたー」


163以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:19:33.28xQ3FTsAO (6/31)

先輩B「よし、そろそろ集まろっか」

先輩A「あっ、ごまかした」

先輩B「ほら、ミーティング始めるよ」

先輩C「…分かってる」

同級生「純も講堂にいたの?」

純「うん。軽音部のライブ見てた」

同級生「なんだ…だったら私も誘ってよぉ」

先輩B「えーっと、演奏に出るメンバーは昨日発表した通りでいいとして…」

先輩B「補欠の人で誰かMCやってくれる人いない?」

先輩C「MC?」

先輩B「演奏前に部活紹介する役」

純「!」

先輩B「誰かいない?」


164以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:23:20.24xQ3FTsAO (7/31)

同級生「うへー…大勢の前で喋るのはちょっとなぁ」

純「……」

純(MC…舞台に上がれる…)

同級生「純、どうする? 私はパス」

純「はい! 私やります!!」

同級生「えっ」

先輩B「おっ、純か。いいよいいよ~」

先輩B「じゃあ今紹介分書くから、ちょいと待っててね」

先輩C「まだ書いてなかったのか……ていうかお前MCのこと忘れてただろ」

同級生「ほ、本当にやるの?」

純「うん、だってステージに上がれるチャンスじゃん!」

同級生「そうだけど…大勢の前で喋るんだよ?」

純「そんなことぐらい分かってるって」

純「……」

純「ごめん…ノリであんなこと言っちゃった」

同級生「私、知ーらないっと」

純「うわー…なんか緊張してきた…」


165以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:23:55.81xQ3FTsAO (8/31)

――講堂

ワイワイガヤガヤ

後輩C「……」

後輩C(もうそろそろジャズ研の番)

後輩C「……」

後輩C(どんな演奏なんだろう、ジャズって)

後輩C(鈴木先輩は出るのかな…)

後輩C「……」



166以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:25:21.70xQ3FTsAO (9/31)

――舞台裏

先輩A「機材配置の手伝い、お願いね」

純「は、はい!」

先輩B「緊張してるな~、純のやつ」

先輩A「まさか自分からやりたいって言うなんてね」

先輩B「私はああいう思い切りのいいところ、好きだけど」

先輩C「喋ってないで、お前たちも準備しろ」

先輩A「はーい」

先輩C「……ん?」

先輩A「どうしたの?」

先輩C「…こんなものが落ちてた」

先輩B「なにそれ、携帯?」

先輩C「誰のだ…」

先輩A「置いてあったんじゃないの?」

先輩C「いや…物陰にあったんだ。たぶん落としたんだと思う」

先輩C「まぁいい、演奏が終わった後で持ち主を見つけよう。困ってるだろうし」

「まもなく本番でーす!」

先輩B「は~い」

先輩B「ほれ、いくよ~」

純「いよいよかぁ…」


167以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:26:13.06xQ3FTsAO (10/31)

純「緊張するなぁ…」

先輩B「なら手に人って字を書くといいんじゃない? 昔からよく言うし」

純「人…人…」

純「……」

純「あのー…」

先輩B「どした?」

純「『人』じゃなくて、『入』って字じゃダメですか?」

先輩B「『入』? 『入』かぁ…」

先輩B「う~ん……」

先輩B「許可しよう。似てるし」

純「ですよね! 前からどっちでもいいと思ってたんですよ」

純「入…入…」

純「……」

純「やっぱしっくりこないんで『人』にします」

先輩B「そうしな」

『まもなく、ジャズ研究部による演奏発表が始まります』

先輩C「始まるぞ、準備はいいか?」

先輩A「いつでもどうぞ」

先輩B「そんじゃ、楽しくやりますか」

先輩B「純、出だし任せるよ」

純「は、はい!」


168以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:28:08.13xQ3FTsAO (11/31)

純「……」

純「すぅ…はー」

純(集中集中…)

純(ここまで来たらやるしか)
純「……」

純(そういえば、あの大人しそうな子も見に来てるのかな…)

純「!!」

純(うわ、幕が上がった!!)

パチパチパチパチパチ

純「……っ!?」

純(多っ!? こ、こんなにいたっけ?)

純(ヤバ…頭がたんだん真っ白に)

純(……そうだ、メモメモ)

純「…ぇっ…と」

純「…新入生の皆さま、ご入学おめでとうございます」

純「長い集会でお疲れのところ申し訳ありませんが、どうか私たちジャズ研究部の発表を最後までお聴きください」

純「…桜ヶ丘高校ジャズ研究部は、練習は楽しく時には厳しくの和気あいあいとした活気ある部活です」

純「創立当初は人数も二人と少なく、表立った活動をしてきませんでしたが」

純「先輩たちや周りの人たちと様々な苦楽を共にし、支え合うことにより」

純「昨年のコンテストで我が部には初となる賞――…準グランプリを取ることができました」

純「…そして今、大きく成長したジャズ研究部はこれからもさらに大きく成長するために、新しい風と音をふかせるために」

純「新入生のみなさんを迎え入れたいと思います」


169以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:30:12.63xQ3FTsAO (12/31)

純「初心者から上級者までジャズをやってみたいという方を大歓迎しているので、入部希望、見学希望の方は気軽に部員まで声をかけてください」

先輩B(いいぞ~、純)

純「あと顧問の先生は一見怖そうだけど、とても優しい人なので安心してください」

純「…――それと」

純「誰かと一緒に何かをやるといことは、とてもすごくて楽しいことです」

純「考え方や感じ方が違う人たちが大勢いる中、衝突することもあります」

純「しかしそれは逆に、自分の知らない新しい価値観に出会ういい機会にもなります」

純「これから先、様々な楽しいことや辛いことがあるでしょう」

純「新入生のみなさんにはそのの出来事一つ一つを大切に受けとめて、三年後には充実したと思える高校生活を送ってください」

先輩B「…じょーでき」ボソッ

純「…――い、以上、長くなりましたが演奏前の部活紹介を終わりにします」

純「それでは、私たちジャズ研究部の演奏をお聴きくだしゃい」

先輩B「……」

純「……」

純(かんじゃった…)




後輩C「……」


・・・・・・


170以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:31:18.27xQ3FTsAO (13/31)

演奏終了
――舞台裏

先輩C「ふぅ…」

先輩A「初めての演奏だから緊張しちゃった」

先輩C「いや、お前はよくやったと思うよ。私は不調だった…」

先輩C「あとで練習のやり直しだな」

先輩B「そんな時間は今日ないっての。この後に新入生が来るかもしれないんだし…」

先輩C「私一人でやるんだからいいだろ」

先輩B「熱心なことで」

先輩C「そうでもしないとダメなんだ、私の場合は」

先輩A「頑張るのね…私なんてもうピアノ弾く気力もないのに」

先輩B「そうだね~……」

先輩B「ん?」




純「……」


171以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:32:34.45xQ3FTsAO (14/31)

純(終わった…)

純「……」

純(恥ずかしくて誰にも顔合わせられないよ…)

純(憂からも励ましのメールきてるけど…開く気になるないし)

純「はぁ~……なんで最後の最後で噛んだりなんか」

純「タイムマシーンでもあればなぁ」

先輩B「そんなもんは存在しないから諦めな~」

純「!!」

先輩B「なに隅っこでしょげてんの」

純「センパイ…」

先輩B「ほら、もう部室に戻るよ」

純「…はぁい」

先輩B「……」ナデナデ

純「!?」

先輩B「よしよし、お疲れさま。よくやったよ純は」


172以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:33:44.25xQ3FTsAO (15/31)

純「センパぁイ…」

先輩B「ぶっつけ本番であれだけやれば十分だって。元気出しな」

純「……すいません、最後の最後で」

先輩B「そんなこと、気にしないでくだしゃい」

純「うわーん! 蒸し返されたー!」

先輩B「あははは、あれはあれでよかったと思うよ~?」

先輩B「堅苦しい挨拶も和らいだし」

純「私にとっては恥さらしになっちゃいましたけど…」

先輩B「自虐はその辺にしときなって」

先輩B「自分で恥だと思おうが周りがダサいと思おうが、私は純のやったことを褒めるよ」

純「センパイ…」

先輩B「さて、部室に戻るとしますか~」

先輩B「純もそろそろ元気だしな。私は元気な純の方が好きだよ」

純「……はい!」


173以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:35:25.90xQ3FTsAO (16/31)

――廊下

先輩C「……あっ、そういえば」

先輩A「どうしたの?」

先輩C「さっき拾った携帯のことを忘れてた。持ち主に届けないとな」

先輩A「誰の携帯なの?」

先輩C「…開いていいのか?」

先輩A「この場合は仕方ないじゃない」

先輩C「…それもそうだな」

ヴーヴー

先輩C「!?」

先輩C「な、鳴った!!」

先輩A「落とした人からかしら、出てみたら?」

先輩C「……」ピッ


174以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:36:47.06xQ3FTsAO (17/31)

先輩C「もしもし…」

『もしもし唯ちゃん?』

先輩C「も、もしもし、唯ちゃんです」

先輩C「あ、いや違う。違います。唯ちゃんじゃないです」

『え? あの~…どちら様ですか?」

先輩C「私は…この携帯を拾った者でして…」

『まぁそうだったんですか。わざわざすいません』

先輩C「いえ、気にしないでください」

先輩C「ところでこの携帯を返したいんですが、どこに届ければ…」

『あっ、じゃあ軽音部までお願いできますか?』

先輩C「あ、はい分かりました。では」

ピッ

先輩C「軽音部だと!?」

先輩A「なにが?」


175以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:39:48.40xQ3FTsAO (18/31)

先輩C「この携帯の持ち主だ! ていうかこれ平沢のか!?」

先輩C「なんで私はあんなやつの携帯を拾ったんだー!!」

先輩A「あっ、平沢さんのだったんだ。……ちょうどよかったじゃない!」

先輩C「な、なにが…」

先輩A「これを機会に平沢さんと友達になってくればいいのよ、ね?」

先輩C「…なに言ってるんだ」

先輩A「ほら、このキャンディ持って携帯と一緒に平沢さんに渡してくるの」

先輩A「それで『昨日は怒りすぎた、謝る。実を言うと私は心の中でお前とずっと友達になりたいと思ってたんだ。今からでも友達に…なってくれるか? これ、友達のしるしにキャンディ持ってきたんだけど…』って言えば…」

先輩C「馬鹿かお前は!! なんで私がそんなこと言わないといけないんだ!!」

先輩A「で、でも…携帯は返さないといけないし」

先輩C「っ…」

先輩A「それにこういうチャンスはめったにないんだから、素直にならないと」

先輩A「卒業までずっと仲が悪いままなんてイヤでしょ?」

先輩C「……」

先輩A「ね?」

先輩C「……あんなやつと仲良くするぐらいなら、死んだ方がましだ」


176以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:40:39.54xQ3FTsAO (19/31)

先輩A「そんなこと言わないで…」

先輩C「だいたいな、余計なお世話だ! 私が誰と仲良くしようが悪かろうが関係ないだろ!!」

先輩A「なんでそんなに…意地を張るの?」

先輩C「……」

先輩A「平沢さんだって、きっとあなたと仲良くなりと思って…」

先輩C「……」

先輩C「…知ったことじゃない」

先輩C「いいか、その話題はもうするな」

先輩A「あ、ちょっ…どこ行くの?」

先輩C「……」

先輩A「携帯返しに行かないのー?」

先輩C「そんなこと、私が知るか!」


177以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:41:40.52xQ3FTsAO (20/31)

――ジャズ研 部室

「すいません、入部希望なんですけど」

純「はいはーい!」

同級生「どうぞこちらの用紙に記入を!」




先輩A「でね、その後どこかに行っちゃって…」

先輩B「へぇー」

先輩A「なんか…悪いことしちゃったかな」

先輩B「あいつが悪いんだから、お前は気にしなくていいよ」

先輩B「それにしても、あいつも馬鹿だね」

先輩B「一年の時に唯ちゃんと同じクラスに子に聞いたんだけどさ…あいつ、何度か謝ろうとしたらしいよ」


178以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:45:00.02xQ3FTsAO (21/31)

先輩B「だけどすれ違いが何度もあって、結局まともに謝れず今日の今日まできたんだってさ」

先輩B「すれ違いって言っても、あいつが一方的に空回わっただけかもしれないけど」

先輩B「そんであいつもいつの間にか唯ちゃんに対して引き下がれなくなったんだろうね。意地っ張りだし」

先輩A「そうだったんだ…」

先輩B「ま~、あいつの言うとおりもう口出ししないくてもいいでしょ。口で言わなくても分かってるだろうし…」

先輩B「唯ちゃんも人を嫌うような子じゃないから大丈夫だよ」

先輩A「仲いいの?平沢さんと」

先輩B「喋ったのは少しだけだけど…なんとな~く分かる」

先輩B「それにあの子といるとなんか懐かしい感じがするんだよね…」

先輩A「懐かしい感じ?」

先輩B「なんだろうな~…あれ。なんていうか…」

先輩B「あっ、そうだ。昔飼ってた犬に似てるんだ」

同級生「センパイ、入部希望者だいたい揃いました」

先輩B「はいよ~」

先輩A「…はぁ」

先輩B「世話焼きすぎだって。大丈夫だよ」


179以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:45:52.98xQ3FTsAO (22/31)

純「今年は多いね」

同級生「だねー」

同級生「あーぁ、レギュラー取られないか不安だなぁ」

純「そもそもレギュラーじゃないでしょ」

同級生「そうでした」

純「…うーん」

同級生「どしたの? ため息して」

純「ううん…なんでもない」

純(あの子、結局来なかったなぁ…)

純(ちょっと残念…)


180以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:47:14.61xQ3FTsAO (23/31)

――ジャズ研 部室前

後輩C「……」

後輩C(は、入ろうかな…)

後輩C(……どうしようかな)

後輩C「……」

後輩C(よし…は、入ろう)

先輩C「そこで何してるんだ?」

後輩C「!!」ビクッ

先輩C「ん? 入部希望者か。中に入っていいんだぞ」

後輩C「あ、あの…わわ、わわわ私は…」

先輩C「ほら、遠慮するな」

後輩C「あ…」

ガチャッ

純「あっ、センパイ。お帰りなさ…」

純「あっ」

後輩C「……」


181以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:49:16.27xQ3FTsAO (24/31)

先輩C「入部希望の子だ。用紙はあるか?」

純「入部希望? じゃあ入ってくれるんだ!」

後輩C「あ…ぇっと…」

先輩C「知り合いなのか?」

純「はい、昨日知り合ったばかりですけど」

後輩C「……」モジモジ

純「来てくれるか不安だったんだけど、よかった」

後輩C「す、鈴木先輩…」

純「なに?」

後輩C「わ、わわ私…入部したいです!」

純「うん、ようこそジャズ研究部へ」

後輩C「あ、ああありがとうございましゅ!」

純(あっ、噛んだ)


182以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:51:19.03xQ3FTsAO (25/31)

純「あはは、そんな緊張しなくていいから」

後輩C「す、すいません…」

純「でもうち決めてくれて、本当に嬉しいよ」

後輩C「…その、鈴木先輩が舞台で話してたことを聞いたら、わ、私も何かやりたいと思って…」

純「舞台で話してたこと?」

同級生「純が噛んだやつだ」

純「それは言わないで」

後輩C「それで私…音楽とかまったく分からなくて自信はないんですけど…」

純「大丈夫!」

純「私も入部した時は初心者だったけど、今こうしてやってこれてるんだし」

純「きっと君も、頑張れるよ!」

純「信じてくれるなら、後悔はさせない!」

後輩C「鈴木先輩…」

先輩B「ずいぶんと言うねぇ~、純。ま、その通りだけど」

先輩B「音楽できようができまいが、やる気があるならうちは大歓迎だよ~」

純「よろしくね」

後輩C「!」

後輩C「は、はい…がんばります!」


183以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:52:30.55xQ3FTsAO (26/31)

先輩A「よかった、入ってくれるんだあの子」

先輩C「……」

先輩A「どうしたの?」

先輩C「いや…その…」

先輩C「さっきは悪かった、怒鳴って…」

先輩C「平沢のことになるとつい…」

先輩A「あぁ…気にしてないからいいわよ」

先輩A「ところで、携帯はどうしたの?」

先輩C「……落とした」

先輩A「はい?」

先輩C「どこかに落とした…」


184以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:53:34.21xQ3FTsAO (27/31)

先輩A「な、なにそれ!?」

先輩C「気づいたら落としてたんだ…誰かが拾って届けるだろうな」

先輩A「もぉ~…なにやってるの」

先輩C「……ごめん」

先輩A「……」

先輩C「…なんだ?」

先輩A「素直に謝ったところ、初めてみた」

先輩C「そ、そんなことないだろ」

先輩A「そんなことある」

先輩C「私はいつだって素直だぞ」

先輩A「さぁーて、どうかしら…ふふっ」

先輩C「なんだそれ…」


185以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:55:18.90xQ3FTsAO (28/31)

――軽音部 部室前

唯「はぁ~…ビラ配り疲れた」

梓「これで誰か来てくれるといいんですけど…」

唯「あっ!」

梓「ど、どうしたんですか?」

唯「見て見て私の携帯! こんなところに置いてあった!」

梓「なんでそんなところに…」

唯「分かんない、いつの間にか落としてたのかなぁ…?」

唯「――あっ!!」

梓「今度はなんですか?」

唯「飴! 飴もあったよあずにゃん!!」

梓「飴?」

唯「やった! 糖分補給~」

梓(なんで飴が…?)

梓「ていうか、食べちゃっていいんですかそれ」

唯「あずにゃんもなめる?」

梓「ゆ、唯先輩のなめかけなんていいです」

唯「ひどい!?」


186以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:56:58.56xQ3FTsAO (29/31)

翌日
――ジャズ研 部室

先輩B「前にさ~、穴の空いていないドーナツってのが売ってたんよ」

先輩B「あれってドーナツじゃないよね?」

先輩C「売ってる方がドーナツって言えばドーナツなんだろ」

先輩B「それじゃあただの菓子パンだよ~」

先輩B「穴が塞がってる分得した気にはなるけど」

ガチャッ

先輩A「お、おは…よう…」

先輩B「あっ、来た来た」

先輩C「つらそうだな」

先輩A「平気…大丈夫よお母さん…」

先輩C「私はお前のお母さんじゃない」

先輩A「お母さ~ん」

先輩B「よしよし、もう起きましょうね」

先輩C「子どもか…」

先輩B「さてと…じゃあ始めよっか」

先輩B「今日から本格的に、新生ジャズ研究部のスタートってことで」


187以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 19:58:45.83xQ3FTsAO (30/31)

――通学路

純「ふぁ~……」

後輩C「あ、あの…」

純「ふあぇ?」

後輩C「おはようございます…」

純「あっ、おはよ! 通学路一緒だったんだ」

後輩C「は、はい…」

純「そっか…あっじゃあさ、これからは一緒に登校できるね」

後輩C「え…いいんですか? 私なんかと…」

純「うん、友達は別の道だからずっと朝一人だったんだよね」

純「せっかく同じ道なんだし一緒に行こうよ」

後輩C「あ、ありがとうございます!」

後輩C(誰かと一緒に登校するなんて初めて…)

後輩C(嬉しい…)

純「そういえば、楽器は決まった?」

後輩C「は、はい。鈴木先輩と同じベースにしようかなって…」

純「おっ、そうなんだ。じゃあ私が教えることになるのかな」

後輩C「よ、よろしくお願いします…鈴木先輩」

純「なんか照れちゃうね、たはは……」

純「…ところで、名前なんていうんだっけ」

後輩C「あ…私の名前は――」


##3-b おわり


188以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 20:00:14.80xQ3FTsAO (31/31)

ここまで
今回は長引いてしまってすいませんでした


189以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 20:31:45.35kqfWUsAO (1/1)



素直になれない先輩Cちゃん可愛い
後輩Cちゃんもシャイ可愛い


190以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/04(土) 23:52:31.51sEynMAAO (1/1)

先輩Cを見てるとひだまりスケッチの夏目を思い出す…


191>>186訂正2010/12/05(日) 02:24:29.05Kl19EwAO (1/1)

翌日
――ジャズ研 部室

先輩B「前にさ~、穴の空いていないドーナツってのが売ってたんよ」

先輩B「あれってドーナツじゃないよね?」

先輩C「売ってる方がドーナツって言えばドーナツなんだろ」

先輩B「違うよ~、それじゃあただの菓子パンなんだよ~」

先輩B「穴が塞がってる分得した気にはなるけど」

ガチャッ

先輩A「お、おは…よう…」

先輩B「あっ、来た来た」

先輩C「つらそうだな」

先輩A「平気…大丈夫よお母さん…」

先輩C「私はお前のお母さんじゃない」

先輩A「お母さ~ん」

先輩B「よしよし、もう起きましょうね」

先輩C「子どもか…」

先輩B「さてと…じゃあ始めよっか」

先輩B「今日から本格的に、新生ジャズ研のスタートってことで」


192以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/05(日) 05:54:07.95cwJH8EUo (1/1)

ベースってことは2期5話に出てきた後輩とは違う子かな


193以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/05(日) 11:43:47.018SedxcAO (1/1)

ひだまりスケッチのキャラで例えると
先輩A→ヒロ
先輩B→宮子
先輩C→夏目
後輩C→なずな

こんな感じだろうか


194以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/06(月) 10:20:28.93/8/dB.DO (1/1)

そういや研究部になってたのか


195以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:30:05.93yN3EXboo (1/38)

##4

休み時間
――2年1組

純「あっ、また漏らしちゃった」

梓「えっ!?」

純「ん? どしたの梓」

憂「じゅ、純ちゃん…」

梓「いや…ちょっと、……大丈夫?」

純「なにがよ」

梓「今…も、漏らしたって…」

純「あぁ、…私なわけないでしょ! これよ、これ」

純「携帯で飼ってるペット」

梓「ペット?」

純「うん、そういうアプリがあるの」

憂「わぁ…かわいいね!」

梓「びっくりした…私はてっきり純が」

純「だからそんなわけないっての」



196以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:30:38.51yN3EXboo (2/38)

梓「でも純ってさ、猫飼ってるよね」

純「うん」

梓「なんでわざわざ携帯でも…」

純「それはそれ、これはこれ」

憂「ねぇねぇ純ちゃん、そのアプリどこにあるの?」

純「えっとね――…」

梓「ペットか…」

梓「本物飼うより携帯の方が楽かもね」

純「本物は本物で楽しいけどね。梓もなんか飼ってみれば?」

梓「私は…いいや。前に純から猫預かったときも大変だったし」

純「でも可愛かったでしょ?」

梓「それはまぁ、…可愛かった」


197以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:31:45.91yN3EXboo (3/38)

梓「可愛かったけど、やっぱり毎日面倒みるのは大変そう…」

憂「私は何か飼いたいなぁ」

憂「犬とか猫とか」

梓「憂ならちゃんと世話できそうだね」

純「ていうか、憂にとったらお姉ちゃんがペットみたいなもんじゃない?」

梓「言えてるかも」

憂「お、お姉ちゃんはペットじゃないよ!」

憂「あ…でも」

憂(もしお姉ちゃんがペットだったら…)

――――――――――――――――
―――――――――
―――――



198以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:32:24.54yN3EXboo (4/38)

憂『お姉ちゃん、お手!』

唯『わん!』

憂『お座り!』

唯『わん!』

憂『よーし、いい子いい子』ナデナデ

唯『くぅ~ん』ペロペロ

憂『きゃっ! お姉ちゃんくすぐったいよぉ』

唯『わん!』

―――――
―――――――――
――――――――――――――――


憂「えへ…えへへ///」

純「憂の考えることって、時々分からなくなるよね…」

梓「うん…」



199以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:33:33.97yN3EXboo (5/38)

梓「あっ、そういえば」

梓「軽音部で亀飼うことになったんだ」

純「亀?」

梓「うん、スッポンモドキのトンちゃん。結構かわいいんだよ」

純「へぇ~……」

純「…なんで部活で亀なんて飼ってるの?」

梓「いや…唯先輩たちが勝手に買ってきて…」

梓「……」

純「部室で飼うなんて、相変わらず奇想天外なことしてるね」

梓「ち、違うの! これは…」

梓「新入部員! そう、新入部員なの!」

純「えっ、新入部員? 亀が??」

梓「……なんでもない、忘れて」


200以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:34:30.02yN3EXboo (6/38)

憂「なんか話してたら、ペット欲しくなったなぁ」

純「じゃあ本格的に飼う?」

憂「う~ん…お母さんに聞かないと分からないけど…」

憂「どうだろう、難しいかな。でも飼ってみたいなぁ~」

純「あっ、なら帰りにペットショップ行く?」

梓「ペットショップ?」

純「うん。見てるだけでも楽しいと思うし、飼うとしたら参考にもなるかもしれないから」

憂「わぁ、いいかも!」

純「でしょっ」

梓「あっ、じゃあ私も行く。今日練習ないし」

純「よし、けってー!」


201以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:35:24.69yN3EXboo (7/38)

憂「どれぐらいの種類がいるんだろう」

純「私が猫買ったペットショップには、いろんな動物がいたよ」

純「犬や猫以外にも…ウサギとか鳥とか魚とか」

憂「ウサギ! いいな~」

純「おぉ…憂が珍しくはしゃいでる」

梓「よっぽど楽しみなんだね」

純「あっ、あと……ワニもいた気がする」

憂「ワニ!?」

純「ガブッと噛み付かれたりしてね」

憂「も~、変なこと言わないでよ純ちゃん」

純「あはは、ごめんごめん」


202以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:35:59.95yN3EXboo (8/38)

放課後
――2年1組

純「憂は?」

梓「まだ掃除」

純「そっか…美術室の掃除だっけ? それじゃあしばらくかかりそうだね」

梓「うん」

純「そういえばさ、結局部員来なかったの? 軽音部」

梓「…うん」

純「残念…だね」

梓「ううん、平気。しばらく五人のままでいいって決めたから」

梓「今は…まだこのままで」

純「そっか。でも来年は大変じゃない?」

梓「それは…その時になんとかする」

純「ふーん…まぁ軽音部なら大丈夫だろうね」

梓「うん…」




203以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:36:29.96yN3EXboo (9/38)

梓「…純」

純「うん?」

梓「ジャズ研は何人入ったの?」

純「うちは……何人だっけ、忘れちゃった」

純「でも結構入ったよ。入りやすいと思われてるのかな」

梓「結構入ったんだ…」

純「まぁね」

梓「ジャズ研か…私も去年見学に行ったなぁ」

純「どうして入部しなかったの?」

梓「え……なんていうか…」

梓「うーん…『これじゃない』って気がしたというか」

梓「あっ、別にジャズ研が悪いってわけじゃないよ!」

純「分かってる分かってる」



204以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:37:05.34yN3EXboo (10/38)

純「でもさ、私たまに考えるんだよね」

梓「なにを?」

純「もし梓がジャズ研に入ってたらなー…って」

梓「えっ…」

純「一緒に練習してたりするのかな」

梓「そう…なるのかな」

純「それとは逆にね、私が軽音部に入部してたらってことも考えた」

純「軽音部のハチャメチャにはついていける自信ないけど」

梓「…純なら対応できるよ」

純「そうかな」


205以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:37:59.97yN3EXboo (11/38)

純「でもどっちにしろ、梓と練習できたらなぁって思うよ」

梓「私と?」

純「うん」

梓「……」

純「あれ? …迷惑?」

梓「…ううん、嬉しいよ」

梓「今度一緒に練習しようね」

純「あっじゃあさ、ジャズ研と軽音部で合同練習ってのはどう?」

純「部長に掛け合ってみようかな…」

梓「そ、それはいいよ……たぶんうちが迷惑かけちゃうから」

憂「お待たせー!」

純「おっ、憂が来た」

憂「ごめんね、ちょっと時間かかちゃって」

梓「大丈夫だよ」

純「よし、三人そろったし行こっか」

憂「うんっ!」




206以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:38:38.89yN3EXboo (12/38)

――繁華街

純「結構大きなペットショップでさ、中も広くて色々あるんだよね」

憂「色々?」

純「ペット用品とか…あとグッズとかも」

憂「なんだか楽しそうだね」

純「ついでに猫のエサ買っておこうかなー」

梓「私もトンちゃんのエサ…はムギ先輩が持ってくるんだった」

純「…梓、前から聞きたかったんだけどさ」

梓「なに?」

純「紬先輩って、どれぐらいお金持ちなの?」

梓「え…ムギ先輩?」

純「そう、そのムギ先輩」




207以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:39:07.68yN3EXboo (13/38)

梓「どれぐらいって言われてもなぁ…」

梓「うーん……」

梓「とにかく…すごいお金持ちだよ」

純「もっと具体的に!」

純「通学の時は大きな車で来たりとか、純金のシャーペン使ってたりとか」

純「夜道を札束燃やして明るくしたりとか!」

梓「ムギ先輩はそんなことしないから!!」

憂「むしろ庶民的なことに憧れてるってイメージがあるよね」

梓「うん、些細なことでも興味持ったりとかして」

純「へー…そうなんだ。なんか意外」

純「もっとこう…豪勢な人だと思ってた」




208以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:40:52.02yN3EXboo (14/38)

純「ケーキいっぱい持ってきてるんでしょ?」

梓「そうだけど、全部もらい物って言ってた」

純「そんなにケーキもらえるなんて…どんな生活してるんだろう」

純「私だったら部活に持っていかないで一人で食べちゃうかなー」

憂「純ちゃんったら食いしん坊なんだから」

純「いやー、あはは」

純「でもいいよねー、紬先輩」

純「美人でお金持ちだし」

梓「なに考えてるか分からない時があるけど、基本的に優しいし…」

純「なんか…私みたいな庶民と比べるとすごい……なんていうか…」

梓「気持ちは分かるよ…」

憂「?」



209以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:41:49.48yN3EXboo (15/38)

――ペットショップ

純「さて、着いた着いた」

憂「わー! 犬がいっぱいいるー!」

純「とりあえず適当に見て回ろっか」

憂「かわいい~!」

梓「やっぱり小型犬がかわいいよね」

犬「わん!」

憂「あっ、今挨拶してくれた」

憂「こんにちわ」

犬「わん!」

憂「君のお名前は?」

犬「わん!」

憂「そうなんだ~」

純「本当に会話できてるのかな、アレ」

梓「さぁ…?」


210以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:42:38.36yN3EXboo (16/38)

憂「この子、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルっていう名前なんだって」

純「それ種類だし。上に書いてあるし」

憂「えへへ」

梓「聞いたことない種類…色んなのがいるんだね」

純「パグ、チワワ、トイプードル…」

梓「シー・ズー、チン…」

純「え? もう一回言って」

梓「だからシー・ズーとチン」

純「最後のほうだけもう一回」

梓「チン」

純「繰り返して」ニヤニヤ

梓「?」

梓「チンt」

梓「!?」

梓「こら純ーーー!!」

純「あはは!」

憂(チンを二回だから、チンチ……はっ!)

憂「うぅ…///」



211以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:43:06.57yN3EXboo (17/38)

純「あっ、見てみて。日本スピッツだって」

純「なんだかカッコいい名前だね」

梓「ごまかさないの! もう…」

純「ごめんごめん」

純「でもさっきの言葉だけどさ、犬のしつけでもあるじゃん」

憂「なにが?」

純「え? だからチンt…」

純「あぶなっ!?」

梓「おしい!」

憂「あとちょっとだったのにねー」

純「憂までひどい!?」

梓「ほら純、もう一度ちゃんと言って」

純「そんな手には乗らないもーんだ!」

梓「むっ、私をはめようとしたくせに」



212以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:44:10.98yN3EXboo (18/38)

純「それより、もっと見て回ろうよ」

純「この犬とかかわいいよ。なんだろコレ…」

映女「その犬はマルチーズね!」

純「へー……うん?」

映女「こんにちはー」

純「あれっ、なんで!?」

梓「だ、だれ…?」

純「映研の友達」

映女「まさかこんな所で純に会えるとは思わなかった」

純「それはこっちの台詞だって。なんでペットショップなんかに?」

映女「実は今度の映画に――」

憂「あのー…」

純「どうしたの? 憂」

憂「その犬…マルチーズじゃなくてポメラニアンって書いてありますよ」

映女「えっ」

映女「………あっ、本当だ」

純「……」

映女「……」

映女「まぁどれも似たようなもんじゃない。足4本だし」


213以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:44:49.24yN3EXboo (19/38)

映女「それより! 私がここに来た理由、知りたい?」

純「ううん、別に」

映女「実は今年の文化祭は、犬の映画を撮ろうと思ってるのよ!」

純「あれ? 去年も犬の映画じゃなかったけ?」

映女「違う違う! 去年はタヌキ!!」

純「あぁ…思い出した。確か着ぐるみの…」

映女「そう、『人類滅亡 エピソード・パラダイスロスト』」

純「そんなタイトルだったんだ…」

映女「でも今年の映画は一味違うの。着ぐるみじゃなくて本物の犬を使おうと思ってね」

映女「それでペットショップでモデルの犬をどれにしようか探してるってわけ」

純「へぇー、本物使うんだ。なんか本格的だね」

映女「そ、だから今年の文化祭は楽しみにしててね」

純「うん、期待はしないでおく」

映女「じゃあ私、もう行かなきゃいけないから。ばいばーい」

純「はいはい、さいならー」


214以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:45:39.27yN3EXboo (20/38)

憂「映研…なんだかすごそうだね」

純「そうでもないよ? 去年の作品とか…あんま覚えてないけど正直面白くはなかったし」

梓「映研ってもう文化祭の準備始めてるんだ…早いなぁ」

純「映研が大々的に発表できるのって文化祭ぐらいしかないからね」

梓「そっか…なるほど」

純「さてと、他も回ろっか」

純「猫とか、かわいいよ?」

梓「!」

憂「猫もいっぱい種類があるねー」

梓「かわいい…」

梓「ね、純が飼ってるやつってどれ?」

純「うちの? 確かねー…」

純「これ! …じゃない」

純「こっち! …でもない」

純「あれ…どれだっけ?」

梓「なんで覚えてないの…」



215以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:46:26.17yN3EXboo (21/38)

純「それよりあの猫、可愛くない?」

憂「しっぽ振っててかわいいね」

純「あれはイライラしてるのよ」

憂「そうなの?」

純「うん。しっぽを早く左右に振ってるときはそうなの」

憂「へー、さすが純ちゃん。猫に詳しいね」

純「まぁそれほどでもー」

純「猫ってしっぽを見ると気持ちが分かるんだよ」

梓「ねぇ純、あの猫は? ゆっくりしっぽ振ってるよ」

純「あれは…確かリラックスしてる証拠」

憂「じゃあ、あれは? しっぽが立ってる」

純「え? うーん…怒ってる…のかな」

梓「あのしっぽを曲げてる猫は?」

純「なんか…悲しい気分なんだと思う」

憂「あっちの猫は足の間にしっぽを入れてるね」

純「しっぽが痛いんじゃないかな」

梓「…だんだん適当になってない?」

純「そんなことないよ」



216以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:47:11.05yN3EXboo (22/38)

・・・・・

純「憂、なに飼うか決まった?」

憂「まだ飼うってわけじゃ……それに見ただけだ満足しちゃったかも」

純「そっか、満足しちゃったか」

憂「でもまだ見て回りたいな」

純「じゃあ別のフロア行こうよ。犬と猫以外もいるし」

梓「……」ジーッ

純「ほら梓、行くよ」

梓「……」ジーッ

純「梓?」

憂「どうしたの? 梓ちゃん」

梓「なんか…この猫がさっきから私のことジッと見つめてくる」

猫「……」ジーッ


217以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:48:26.71yN3EXboo (23/38)

純「梓のことが気になるんじゃない?」

梓「えっ」

憂「真っ白なかわいい猫さんだねっ」

猫「……」ジーッ

梓「……」ジーッ

純「ほんとだ…梓をひたすら見つめてる」

憂「好きなのかな?」

純「付き合っちゃえば?」

梓「猫だし!」

猫「……」ジーッ

梓「むむ…」ジーッ

純「ほら、それより早く行こ」

梓「ちょっと待って。ずっと見られてるとこっちも視線を外しづらくて…」

猫「……」ジーッ


218以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:48:56.48yN3EXboo (24/38)

梓「……」ジーッ

猫「……」ジーッ

梓「……」ジーッ

猫「……」ジーッ

梓「……」ジーッ

猫「……」ジーッ


純「いつまでやってんの…」

憂「本当に梓ちゃんのことが好きなんだね、あの猫さん」





219以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:49:28.00yN3EXboo (25/38)

梓「……」ジーッ

猫「……」ジーッ

純「はい、もう終了。行くよ梓」グイッ

梓「にゃっ!?」

純「そんな気に入ったんなら、飼えば?」

梓「気に入ったとかじゃなくて、なんというか目が離せないというか…」

猫「……」ジーッ

純「まだ梓のこと見てるね…」

猫「……」ジーッ

梓「……行こっか」

憂「いいの?」

梓「うん…ずっと見ててもしょうがないし」

梓「じゃあね」

猫「……」ジーッ




220以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:50:22.25yN3EXboo (26/38)

梓「あの猫、なんだったんだろう」

純「梓に惚れたか、もしくは梓に恨みがあるか」

梓「恨まれるようなことなんてしてないけど…」

憂「じゃあやっぱり梓ちゃんのことが好きだったんだね」

九官鳥「アズサ! スキ! スキ!!」

梓「うわっ、びっくりした」

憂「九官鳥だ!」

九官鳥「スキ! スキ!」

九官鳥「アズサスキ!」

純「モテモテだね、梓」

梓「うれしくなーい!」



221以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:51:09.91yN3EXboo (27/38)

九官鳥「アズサ! アズサ!」

純「九官鳥って本当に人の言葉真似するんだ」

憂「テレビで見たことある。舌の動きが人間に似てるんだって」

憂「意味は分かってないみたいだけど」

純「へぇー」

九官鳥「アズサ、スキ! アズサ、スキ!」

梓「どうでもいいけどやめさせてよこれ…すごい恥ずかしいんだけど…」

純「面白いじゃん」

梓「面白くない!」

九官鳥「アズサ、スキ!」

梓「はぁ…」




222以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:51:35.88yN3EXboo (28/38)

純「なんか適当に言ってみれば? そうしたら言葉変えるかも」

梓「うーん…」

憂「お姉ちゃん!」

九官鳥「オネエチャン! オネエチャン!」

梓「本当だ…」

純「ドーナツ!」

九官鳥「オネエチャン! ドーナツ!」

九官鳥「オネエチャンドーナツ!」

純「お姉ちゃんドーナツ? なにそれ」

憂「あは、おもしろい」

九官鳥「オネエチャンドーナツ!」

純「ほら、梓もなんか言ってみなよ」



223以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:52:20.01yN3EXboo (29/38)

梓「…じゃあ」

梓「唯先輩、ちゃんと練習してください」

純「長いって」

梓「えっと、それなら……唯先輩、練習して!」

九官鳥「ユイセンパイ! レンシュウシテ!」

梓「言った!」

純「それにしても、なんで唯先輩指定?」

梓「なんとなく思いついたから」

梓「それに、まじめに練習してないのは本当だし」

憂(お姉ちゃん…)

九官鳥「ユイセンパイ! レンシュウシテ!」

九官鳥「ユイセンパイ! レンシュウシテ!」

梓「…部室に置いておきたいかも」

純「もう動物園にしちゃいなよ、軽音部の部室」




224以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:52:52.19yN3EXboo (30/38)

・・・・・

純「結局、憂はどうするの? 飼う?」

憂「とりあえず今はいいかな。でもいつかは飼ってみたい」

純「私ももう一匹ネコ欲しくなっちゃった」

梓「猫か…」

梓(あの猫なんだったんだろう…)

憂「あっ、これ欲しいかも!」

純「どれ?」

憂「犬のストラップ!」

純「あぁ…グッズか」

憂「かわいいね~」

純「ストラップぐらいなら私も買おうかな。ちょうど携帯につけるやつ欲しかったし」

梓「あっ…私も買う」



225以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:53:26.24yN3EXboo (31/38)

純「憂はどれにする?」

憂「うーんとね…この犬のやつにしようかな」

純「ほうほう、じゃあ私は……どれにしよう」

梓「私は…猫のやつの」

純「え? 憂は犬で梓は猫…」

純「じゃあ私は……うーん」

純「…犬と猫二つとも買っちゃお!」

梓「二つも?」

純「だって二つとも可愛いんだもん」

純「二人のともお揃いだし」

憂「…じゃあ私も猫のやつ買おうかな」

純「え?」

梓「……私も。二つ買う」

純「なに、どうしたの二人とも?」

憂「猫もかわいいなーって思って」


226以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:54:04.24yN3EXboo (32/38)

――帰り道

純「結局、三人とも同じもの二つ買っちゃったね」

純「なんか変なの」

憂「でもかわいいよ~、これ」

純「まぁそうだけどさ」

梓「……」

純「梓、なに考えてるの?」

梓「さっきの猫のこと。ずっと頭から離れなくて」

梓「なんだったんだろうなー…」

純「まじめな話、梓に飼ってもらいたかったんじゃないの?」

梓「私に?」

純「きっとそうだって」

梓「そう言われてもなぁ…」

憂「あっ、私この辺で。買い物しなきゃいけないから」

純「うん、じゃあね憂。また明日」

梓「ばいばい」

憂「また明日ね!」




227以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:54:41.75yN3EXboo (33/38)

純「さてと、私もここら辺で」

梓「うん、またね」

純「そうだ…今度またうちの猫預かってみる?」

梓「え……いいの?」

純「梓が迷惑じゃなかったらいいよ」

梓「……」

梓「じゃあ…今度お願い」

純「おっけー、任せて」

純「それじゃ、ばいばい梓」

梓「ばいばい…また明日ね」



228以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:55:29.18yN3EXboo (34/38)

・・・・・

純「二つも買っちゃたけど、どうしよう」

純「二つとも携帯につけよっかな…」

純「あっ、バッグにつけてもいいかも」

純「どれどれ……うん、いい感じ!」

純「ふぅ…」

純「お腹すいたな…早く帰ろっと」

純「……」

純「……?」

純「あれ…なんか忘れてるような…」

純「なんだっけ…」

純「……」

純「あっ、猫のエサ買うの忘れてた」



229以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 19:56:42.52yN3EXboo (35/38)

翌日
――ペットショップ

唯「見てみて~! 犬や猫がいっぱいだよー!」

律「またなんで急にペットショップに行きたいとか言い出したんだ?」

唯「昨日憂が行って、楽しかったって聞いたから」

唯「みんなかわいいね~!」

澪「すごい数だな…」

律「…ワニとかいたりして」

澪「そ、そんなのいるわけないだろ!」

律「分かんないぞー」

律「こう…飼育箱から抜け出して澪を…」

律「ガブガブガブー!! っと」

澪「ひいぃぃ!?」

唯「あっ、ムギちゃーん。鳥さんがいるよ」

紬「それは九官鳥ね」

唯「へぇ~、これが九官鳥かぁ」

九官鳥「ユイセンパイ! レンシュウシテ!」

唯「!?」


##4 おわり



230以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 20:00:52.78yN3EXboo (36/38)

ここまで
二年で終わらせるということなので三年に持ち越そうと予定してたネタもやろうと思ってます。
なので一年の時と比べると若干長くなるかも。

あとPCが復活したので今日からこれで。


231以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 20:27:59.29Chovfiso (1/1)

おつ!
映研とかどんどんアニメ本編からネタをひっぱってきて良い感じだな


232以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 21:01:12.883ZfXlyAo (1/1)

おつ!
見つめ合うあずにゃんと猫にゃんにきゅんきゅい!

憂ちゃんの気持ちはよくわかるよ


233以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 21:21:07.170lDiwcDO (1/1)


いつ研究部になったんだっけ?


234以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 23:34:06.48yN3EXboo (37/38)

>>233
二年生から


235以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/07(火) 23:39:56.79yN3EXboo (38/38)

途中送信だった

>>233
コンテストで賞とか取ったので二年生から正式に部になったという設定です。
本編でも会から部になってたので何かしらジャズ研でアクションがあったのだと思います。
もしくは設定が曖昧だったのかと思います。
俺は後者だと思います。


236以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/08(水) 02:16:34.97Mluj66AO (1/1)

乙!


237以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/08(水) 07:55:44.13BkvZFcAO (1/1)

おつ


238以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/10(金) 19:18:22.78dPKNWlwP (1/1)
239以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/11(土) 15:00:33.75LZrFMYAO (1/1)

705:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りしますsage2010/12/11(土) 13:31:48.53 ID:cfVk/cDO (7)>>697
なぜ丁寧梧wwww
オリキャラの使い方がうまいなぁ、て思ったのは律(私じゃ、駄目なのか……?)かな
オリキャラがでしゃばってるわけじゃなく、律を引き立ててる そんな感じ

もっとも最悪なのはジャズけんだ


707:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りしますsage2010/12/11(土) 14:12:12.83 ID:cfVk/cDO (7)
批判っていうより「けいおん」の冠被った別物だろ、と言いたいだけ

RPGツクールは↑を認めてるけど、和がキレたらこうなるっていうキャラ崩壊レベルだと思うんだアレ
だからRPG>>ジャズけん


240 ◆eXN6fvAgkw2010/12/11(土) 17:59:51.11oQx9onoo (1/2)

>>239
これはどこのスレですか?


241以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/11(土) 18:24:16.37OA9k5YAO (1/1)

けいおんSS雑談スレ
オリキャラが活躍するSSは受けつけないって人もそりゃあいる。
でもそれはあくまでも個人的な意見だからまあ気にするな
全く批判されないSSなんてこの世にはないんだから


242 ◆eXN6fvAgkw2010/12/11(土) 18:29:43.20oQx9onoo (2/2)

雑談系のスレは見てないんでRPGとかよく分かんないんですが
批判はいいですよ。
確かにけいおんSSじゃなくてけいおんキャラがたまに出るSSになってるので


243以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/12(日) 10:12:28.05rz5WsIAO (1/1)

そりゃスピンオフ、けいおん外伝だしな。
本編では見れない純の高校生活を描いた話であって、軽音部の話じゃないから。
そういう外伝とかあんまり好まない人っているし。
でもそれだけ色んな人に評価されるのは幸せなことだと俺だったら思いたい。
とにかく楽しく読まさせていただいてます。


244 ◆eXN6fvAgkw2010/12/15(水) 16:26:45.44H4aUlrEo (1/1)

すいません、年末は忙しくて進行が遅くなりそうです。

>>241
>>243
ありがとうございます、これからもがんばっていきます。


245以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/15(水) 22:38:09.42zQCdZdko (1/1)

お気になさらず
けいおんだしまったりまったり書いてくだせえ


246以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/16(木) 01:16:04.055gTAJTw0 (1/1)

くだせぇ


247以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします2010/12/16(木) 05:30:31.57dgpmwkDO (1/1)

俺は大好きだぜ!ジャズけん!


248 ◆eXN6fvAgkw2010/12/25(クリスマス) 04:00:26.33X3WH3.AO (1/2)

#Aの可能性

純「もしも梓のツインテールがびよーんって自由自在に伸びたらどうなるんだろう」

純『梓、消しゴム落ちたから拾って』

梓『しょうがないなぁ』ビヨーン

純『さんきゅー』

憂『梓ちゃん、高枝バサミ壊れちゃったから代わりに木を切って』

梓『しょうがないなぁ』スパスパ

ザアアア

純『わっ!? 急に雨が降ってきた!!』

梓『しょうがないなぁ』ビュババババ

純『すごい! 梓の髪が高速に回転して水をはじいてる!!』

唯『うわーん、助けてぇー!!』

憂『大変! お姉ちゃんがビルの火災に巻き込まれてる!!』

唯『火がもうそこまで来てるよー! 助けてー!!』

純『あんな高い所にいたら救助できないよ!』

梓『しょうがないなぁ』シュルシュル

唯『あずにゃん!』

梓『私の髪につかまって下さい、唯先輩』

純『すごい! 梓の髪が唯先輩を助けた!』

唯『あーん! あずにゃんありがとー!!』ギュッ

憂『すごいよ梓ちゃん!』

純『ブラボー梓!!』

梓『えっへん』

純「――なぁんちゃって。そんなのあるわけないか」

憂「梓ちゃん、消しゴム落ちたから拾ってほしいな」

梓「いいよ」ビヨーン


249 ◆eXN6fvAgkw2010/12/25(クリスマス) 04:10:33.88X3WH3.AO (2/2)

最近書く時間がなく進みが遅くなって申し訳ないです。
間を埋めるために適当な1レスネタをちょこちょこと挟んでいきたいと思うんですが、どうでしょうか。
通常の話は近日投下します。


250MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!)2010/12/25(クリスマス) 05:40:27.03i/gEL2AO (1/1)

頑張ってくれ


251 ◆eXN6fvAgkw2010/12/27(月) 04:41:42.175jUEucAO (1/1)

憧れのB

今日はなんとあの澪先輩と一緒に練習をすることになりました。

純「よ、よろしくお願いします澪先輩」

澪「こちらこそ、よろしくな」

純(うぅ…澪先輩と一緒に練習だなんて頭がフットーしそうだよおっっ)

澪(そういえば後輩を指導するのって初めてかも……なんか緊張してきちゃった…)

澪(いけない…こういう時こそちゃんとした先輩の姿を見せないと!)

澪「そこはリズムを少し抑えたほうがいいかな」

純「は、はい!」

純(うわーミスったー! 澪先輩の前でミスっちゃったぁー!!)

澪(あれ? よく考えてみたらさっきのリズムでよかったかも…)

澪(いやしかし、今さら引き返せないし……でも間違ったことは教えられないし…)

澪(うわぁーどうしよー!!)

純「み、澪先輩大丈夫ですか?」

澪「あ…うん、ごめん。大丈夫」

澪(こんな時はどうすれば……はっ、そうだ!)

澪「純ちゃん、お茶にしよう!」

純「お茶!?」

澪「あぁ、お茶だ。お茶を飲めばなんとかなる!」

純「は、はい! 澪先輩となら喜んで!!」

純(なんでお茶?)

梓「もう、澪先輩ったら完全に軽音部に染まってますね。ちょっとがっかりです」モグモグ

律「なに食べてんだよ」

梓「ムギ先輩からもらった王室チョコレートです」モグモグ

おわり


252あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!2011/01/05(水) 00:31:02.74V5z4jkAO (1/1)

あけおめ支援


253 ◆eXN6fvAgkw2011/01/18(火) 04:18:33.07xT1ZlxVDo (1/2)

#Cの思い出

憂「え? 中学の頃ですか?」

紬「えぇ、二人はどんなお友達だったの?」

純「どんなって言われても…別に普通でしたよ。ね?」

憂「うん」

純「他にも友達がいて、普通に遊んだりして…」

憂「ふふ、そういえば純ちゃんって高校に入学してから大人っぽくなったよね」

純「えぇ? そんなことないよー。憂の方が成長したんじゃない?(主に胸が)」

憂「えー、そうかなぁ?」

純「そうだって。梓も羨ましがってたよ」

憂「えへへ…なんか照れちゃう」

紬「うふふ」

純「あれ? そういえば紬先輩はどうしてこんなこと私たちに聞くんですか?」

                -‐…‐- 
           ,. ´           ` 、
           /           `      \
          /     /    l     ヽ     ヽ
       /    /'     |       ’    
.       ′  ′,      ri        |   !   ',
        |    | |    /ハ  ヽ.  |!  |    i
        |    | |.   l {<彡ヽ   ト、. !ミ、 |    }
.           | |   从xぅォ \{ ヽ}  ヽ   ハ!
       }    ! 八 〃んハ     ィ笊ミ }.  //
      八  :|  .:ヽ{ 弋;:ソ     ら::;ソ从/イ/
       /   .: :| ,. '冫)、::.::.:.    ,  `¨ {: :  ′
.      / イ . : : Y / / ,ノ, 、       .::.:. ハ  ,′「趣味です」
     /〃} . : : : :{ '' ′レ ′ ` ´   ノ:   ;:l
.    / .x -─‐≦t    〈': 、     . :<」::   { |
  〃 /:::::‐-ミ::::::: ヽ   ∨ ` チ }:::: 、:|::   ト..、
  {{ {:::::::::::::::::ヽ::::rx}     } /⌒ 、|::::::::}|.:   |:::::: }
.  lしヘ::::::::::::::::::::::::|:::::`::=-..ミ、.八 ヽ:::::八  |:::'::::|
  ル }、:::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::: 〉|! ) )::\:ト  |/ :: |
/ | │:ヽ::::::::::::::::j:::::::::0:::::::::/} !彡:::::: /:;   |:::::: ′
  !  l::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::/::}ハ:::::::/:: |   |:::::::{、


おわり


254 ◆eXN6fvAgkw2011/01/18(火) 04:19:28.33xT1ZlxVDo (2/2)

最近ムギちゃんがかわいい。
移転したらボチボチ再開しましょうかね。


255VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2011/01/20(木) 09:25:20.74DRCb7MM9o (1/1)

再開キボン


256真真真・スレッドムーバー移転 ()

この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)


257VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/22(土) 02:43:42.32S7/tXrRAO (1/1)

無事移転したね
純ちゃんたちののほほん気長にまってるよー


258VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:38:37.191mvTn7x3o (1/27)

##5

放課後
――ジャズ研 部室

純「でさ、軽音部に梓っていうギターの上手い子がいるから、機会があれば今度教えてもらいなよ」

後輩B「いいんですか? 他の部活なのに」

純「たぶん大丈夫じゃない?」

ガチャッ

後輩C「……」オドオド

純「あっ、おはよ」

後輩C「お、おはようございます…」

純「…? どうしたの、元気ないね」

後輩C「い、いえ…元気です…」




259VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:39:19.721mvTn7x3o (2/27)

純「体調悪いなら無理しなくてもいいよ?」

後輩C「本当に、大丈夫です…」

純「そう…? ならいいんだけど…」

純「……なにかあったの?」ヒソヒソ

後輩B「え?」

純「ほら、あの子と同じクラスなんでしょ?」

後輩B「そうですけど…特に何があったというわけでも…」

後輩B「それにあの子、普段から暗いし影も薄いからよく分からないんですよね」

後輩B「前髪で表情も隠れちゃっているから何を考えてるのかも…」

純「そっか…なるほど」

後輩B「そのせいで周りの子も近づきづらいんですよねー」

ガチャッ

先輩A「おはよう」

純「あっ、おはようございます」




260VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:40:10.241mvTn7x3o (3/27)

後輩B「おはようございます」

純「あれ? 部長は…」

先輩A「今日は部長会議とかで遅れるんだって」

純「へぇ…なんか最近ドタバタしてますよね」

先輩A「この時期はしょうがないかな…来月は修学旅行もあるし」

純「忙しいんですね、3年生って」

先輩C「その通り.。だから部活は2年が率先して引っ張っていくんだぞ」

純「あっ…センパイ」

先輩C「鈴木、お前最近タルんでないか?」

純「えっ」

先輩C「そこに落ちているのは何だ?」

純「これは……え~っと、さっき食べた菓子パンの袋でして…」

先輩C「ゴミはゴミ箱に捨てろ!!」

純「ご、ごめんなさい!」




261VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:40:39.001mvTn7x3o (4/27)

先輩C「まったく…自分が上級生だってことを自覚しているのか」

純「すいません…」

先輩C「ジャズ研はただの仲良しクラブじゃないんだ。部活の時ぐらい少しはしっかりしろ」

純「はい…」

先輩A「まぁまぁ」

先輩C「…あと10分したら練習をはじめるから、早く準備するんだぞ」

「「「はーい」」」

先輩C「はぁ…全体的に気が緩んでる」

先輩A「春だからかな?」

先輩C「関係ないだろ」



262VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:41:26.321mvTn7x3o (5/27)

純「さーてと、準備準備…」

後輩C「あの……鈴木先輩」

純「なに?」

後輩C「その…えっと……」

純「?」

後輩C「私って……」

「なにしてるの、もうすぐ始めるよ?」

純「あっ、はーい!」

後輩C「……」

純「ほら、練習始まるって。いこっ」

後輩C「は、はい……」




263VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:42:16.921mvTn7x3o (6/27)

・・・・・

休憩時間

純「んーっ…疲れたぁ」

後輩C「お疲れ様です」

純「どう? ベース弾くの慣れた?」

後輩C「えっ…あ、はい。鈴木先輩に教えてもらったおかげで…」

純「い、いやだなー、私なんて基礎教えただけでたいした事してないって」ヘラヘラ

後輩C「……鈴木先輩」

純「ん? どうしたの?」

純「教えて欲しいことがあれば遠慮なく言っていいよ!」

後輩C「あの…私……」

ガラッ

先輩B「おろ? 練習終わったの?」

純「あっ、お疲れ様です。今は休憩中ですよ」

先輩B「あ~そう。もう休憩時間なんだ~」



264VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:42:51.681mvTn7x3o (7/27)

先輩A「お疲れ様」

先輩B「んっ。つかれた」

先輩A「結構長かったのね。部長会ってなにやってたの?」

先輩B「なんか~予算とか活動内容とか決めて~~」

先輩B「そんでぇ~……色々細かいこと話し合って~、めんどくさかった」

純「部長って大変なんですね」

先輩B「大変だよ~…」

先輩B「代わりにやってくれない?」

先輩A「いやーよ」

先輩B「じゃあ、純」

純「無理ですって」

先輩B「なんだよ~。じゃあ…そこの~……ん?」

後輩C「え…」




265VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:43:28.011mvTn7x3o (8/27)

先輩B「君は~…パートは純と同じベースだったけ?」

後輩C「は、はい」

先輩B「ふ~ん……」ジーッ

後輩C「あ、あの……」

先輩B「髪…切ったほうがいいんじゃない? かわいくなるよ」

後輩C「え…?」

先輩B「ね?」

純「へっ? ……うーん」ジーッ

後輩C「っ!?」ドキッ

後輩C(す、鈴木先輩に見つめられてる…!?)

純「確かに…このままより思い切ってバッサリ切っちゃったほうがいいかも」




266VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:43:57.491mvTn7x3o (9/27)

先輩A「でも、ここまで伸ばした髪を切るのって結構勇気いるんじゃない?」

先輩B「いやでも、ショートの方が似合うって~……ほら」サッ…

後輩C「きゃっ!?」

先輩B「おっと…ごめんごめん」

純「あっ、でも今一瞬ちょっと可愛かったかも」

後輩C「えっ…」ドキッ

純「そうだ! 私みたいに両サイドにまとめてみれば?」

後輩C「む、無理ですよ…鈴木先輩みたいにかわいくないし…」

先輩B「おっ、可愛いって言われたよ純」

純「な、なんだか生まれて初めてそんなこと言われたような…」




267VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:44:29.051mvTn7x3o (10/27)

先輩B「いやいや、私も純はかわいいと思うよ」

純「そ、そうですか~?」ニヘラ

先輩B「嘘だよ。調子に乗るなよ」

純「えぇっ!?」

先輩A「ほらほら、遊ばないの」

先輩B「ごめんごめん、冗談だから気にしなくていいよ~。かわいいかわいい」ナデナデ

純「…なんかうれしくない」

先輩B「まぁどっちにしろ、髪は…気が向いたら切ったほうがいい思うよ~。前髪だけでもさ」

後輩C「は、はい……」

先輩B「オススメの美容院とかも教えるよ~」

後輩C「ありがとうございます…」



268VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:45:03.911mvTn7x3o (11/27)

純「髪か……いい加減ストレートにしようと思ってるんだけど…」

純(部長にストレート禁止令を出されてるんだよね…)

先輩B「ん? どした?」

純「いえ…なんでもないです」

後輩C「……」

先輩B「さぁてと、私もそろそろ準備しよっかな~」

先輩A「今日はこの後どうするの?」

先輩B「ん~? パートごとに基礎練やって~、そんで軽くセッションして~…」

純「はぁ、まだまだ大変そうだね」

後輩C「は、はい」

純「……もっと気楽にやってもいいんだよ?」

後輩C「え?」

純「なんか顔がこわばってるしさ。部活まだ慣れない?」

後輩C「す、すいません……」

後輩C「……」

純「ほら、元気出して」

後輩C「はい……」




269VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:45:32.571mvTn7x3o (12/27)

・・・・・

後輩A「あー、疲れたー」

後輩B「ねー」

後輩A「そうだ、今日帰りのついでにさぁ…」

後輩C「あのぅ…」

後輩A「ひっ!?」

後輩B「っ!?」ビクッ

後輩C「こ、これ……ピック、落ちてましたよ…」

後輩A「あ、ありがとう…」

後輩C「…………それじゃあ」スタスタ

後輩B「び、びっくりしたー…いきなり話しかけられるんだもん」ヒソヒソ

後輩A「あの子、ちょっとこわいよね」ヒソヒソ

後輩B「うん、どうやって接すればいいか分からないっていうか…」ヒソヒソ




後輩C「……」



270VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:46:10.871mvTn7x3o (13/27)

純「ぷはぁ! 疲れたぁ…」

同級生「今年も練習キツいよねー…」

純「あっ、いたんだ」

同級生「さっきからいたよ! 補習で遅くなっただけだし…」

純「こんな時期に補習って……やばくない?」

同級生「ぅっ……」

同級生「…ま、まだ二年生だし、大丈夫だもん」

純「そう言って来年も二年生だったりしてね」

同級生「うぅ…勉強やだー! 勉強なんてする意味ないよ!!」

同級生「純もそう思うでしょ? ね??」

純「えー? 私はあれだよ、勉強についてはもう悟りを得たっていうか」

同級生「悟り?」

純「つまりね、勉強をする意味ってのは…………あれ、なんだっけ」

同級生「なんだ、純もダメじゃん」

純「そ、そんなことないって! 勉強は普通にできるし(憂のおかげで)」

純「うん…たぶん」



271VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:46:51.961mvTn7x3o (14/27)

同級生「ふーん…人は見かけによらないねぇ」

純「むっ、どういう意味?」

同級生「どういう意味もないでーす。あーぁ、頭のよくなる薬でも売ってないかなぁ」

同級生「あっ、それより世界中の人が私と同じくらいの頭になればいいかも…」

純「そんなことになったら人類滅ぶんじゃない?」

同級生「むっ、どういう意味?」

純「そういう意味です」

先輩C「鈴木、ちょっといいか?」

純「あっ、はい。なんですか?」

先輩C「ここにある譜面台を音楽室まで運んで行ってくれ」

純「えぇー…」

先輩C「ん? なんだその嫌そうな顔は」

純「いえ…嫌じゃないです」

先輩C「なら行けるな。他にも人手を…」

同級生「痛たた……お腹が…」

先輩C「二人か、もう一人ぐらい必要だな」

同級生「あっ、私もですか。やっぱり」



272VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:47:29.351mvTn7x3o (15/27)

・・・・・

純「あーぁ、めんどくさいなー」

同級生「はぁ…お腹すいた」

後輩C「……」

同級生「大丈夫? 重くない?」

後輩C「あ、はい。大丈夫です」

純「私は重いや」

同級生「ふーん」

純「いや、ふーんって…。普通少し持ってくれるんじゃないの?」

同級生「私だって重いし…」

後輩C「あ、私が持ちましょうか?」

純「いやいやいや」

同級生「後輩にそんなことさせられないし。カッコ悪いし」

純「でもまぁすでに私たちカッコ悪いと思うけどね」

同級生「気のせいだよ純さん」

純「あっ、純さんって呼び方カッコよくない?」

同級生「純さん」

純「フッ、悪いけどサインはしない主義なんだ。子猫ちゃん」

同級生「…どんなキャラ、それ」

純「え? 一応澪先輩のつもり」

同級生「秋山先輩ってそんななの?」

純「いや、私もよく分かんないけど…とりあえずカッコいいじゃん?」

後輩C「あの……秋山先輩って誰ですか?」



273VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:48:09.901mvTn7x3o (16/27)

同級生「知らないの?」

後輩C「す、すいません…」

純「軽音部の先輩。すごい美人でベース弾いててカッコいいんだよ」

後輩C「ベーシストなんですか…?」

純「そっ。私も澪先輩みたいになりたいなー」

同級生「無理無理、純には無理」

純「そ、そんなことない!」

後輩C「……」

純「あ、音楽室着いた」

同級生「早くこの譜面台中に入れ…あっ!?」

純「どうしたの」

同級生「きょ、教室の鍵もらってくるの忘れてた!」

純「えぇー…」

後輩C「じゃあ私が…」

同級生「ちょっと取ってくるね!」タタタッ

後輩C「あ……」


274VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:48:54.701mvTn7x3o (17/27)

純「しょうがないなー。まぁ…私も忘れっぽいから人のこと言えないけど」

後輩C「あの…本当に私じゃなくてセンパイに行かせてよかったんでしょうか?」

純「自分から行くって言ったんだし、いいんじゃない?」

後輩C「はぁ……」

純「そんな気をつかわなくてもいいよ」

後輩C「すいません……」

純「そういえばさ、この前ウチの飼い猫にお手を覚えさせようとしたんだけど中々覚えなくて…」

純「やっぱネコには無理なのかなぁ」

後輩C「どうなんでしょう…」

純「ネコ飼ってる?」

後輩C「犬なら…飼ってます」

純「へぇー、犬かぁ」

純「犬もいいなー…」

後輩C「はい…」

純「……」

後輩C「……」




275VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:49:25.331mvTn7x3o (18/27)

純「……」

後輩C「……」

純「なんか…暇だね」

後輩C「す、すいません…」

純「えっ、なんで謝るの」

後輩C「えっ…あ、その……その…私が……す、すいません」

純「ほら、また謝ったりして。悪いことしてないんだから謝らなくてもいいって」

後輩C「ご、ごめんなさ…」

純「ストップ! 謝っちゃダメ!」

後輩C「は、はいっ。すいませ…」

純「もー、ダメだって言ってるのに」

後輩C「……」

純「あ…べ、別に怒ってるわけじゃないからね? ただもうちょっと明るくなっても…」

後輩C「私……」

純「?」

後輩C「私…迷惑ですよね。みなさんといたら……」



276VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:50:32.091mvTn7x3o (19/27)

純「えっ…」

後輩C「暗いし…口下手だし……一緒にいるとつまんないし…」

純「そ、そんなこと誰も思ってないって」

後輩C「いいんです、自分でも分かってますから……。中学の時も…そうでしたし……」

純「……」

後輩C「部活動やるのも初めてで……これを機会に明るくなろうと思ったんですけど…」

後輩C「やっぱりダメで……せめて周りにも迷惑かけないようには…」

純「……」

後輩C「…………す、すいません。変な話しちゃって…」

純「…いいって、それぐらい。悩みがあるんだったらなんでも聞いてあげるよ?」

後輩C「センパイ…」

純「まぁ、私もあまり偉そうなことは言えないけどさ…もう少し周りの目を気にせず楽しんでみたら? 今の学校生活」

後輩C「え…」

純「ほら、人のことばっか気にしてるとさ…自分が分かんなくなっちゃうじゃん」

後輩C「……」

純「うーん、なんて言うか…なりたい自分にもっと突っ走っちゃおう! うん、これだ」

後輩C「……」

純「…ごめんね、よく分かんなくて」

純「でも三年間しかないんだからさ、やりたいことはバンバンやっていった方がいいんだよ。きっと」





277VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:51:10.441mvTn7x3o (20/27)

後輩C「……」

純「あはは…ごめん、えらそうだった?」

後輩C「いえ……」

後輩C「……」

後輩C「あ、あの…鈴木先輩」

純「なに?」

後輩C「さ、さっきの話なんですけど…」

純「?」

後輩C「あの……髪型のことで…」

同級生「おまたせー!」

後輩C「あ…」

純「鍵もらってきた?」

同級生「うん、ばっちし。早く片しちゃお」

純「うん。あっ、そういえばさっきの話って?」

後輩C「い、いえ……やっぱりいいです」

純「そう…? 言いたいことは遠慮なく言っていいんだからね?」

後輩C「は、はい…」

後輩C「……」

後輩C(自分の、やりたいこと……)



278VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:51:57.011mvTn7x3o (21/27)

・・・・・

純「さてと、片付けもすんだし戻ろっか」

同級生「はいはーい」

<キャッキャウフフ

同級生「あれ? なんか声がする…」

純「音楽準備室の方じゃない? 軽音部が使ってるし」

同級生「あぁ、そっか。なんだか賑やかだね」

純「楽しそうでいいなー」

同級生「でも何やってるか分からないからちょっと不気味だよ」

純「そうかなー…うちの部活もあれぐらい賑やかでもいいと思うけど」

同級生「…私は何だかんだで今のジャズ研で満足してるよ」

純「んー…まぁうちの部活もそれはそれでいいんだけど」

純「あーぁ、澪先輩とかジャズ研に入らないかなー」

同級生「結局それ?」

純「だって…憧れの先輩だし」

同級生「純以外にも憧れてる人たくさんいるけどね。ファンクラブだってあるんだし」

後輩C「……」

後輩C(憧れの先輩……)

純「それは…あれだけカッコいい人なんだから、たくさんいないとおかしいって」

後輩C「……」

後輩C(私も…純先輩みたいに……)



279VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:52:44.301mvTn7x3o (22/27)

翌日
――通学路

純「ふぁあ~…」

純「…………ねむ」

後輩C「あ、あの…鈴木先輩」

純「うん?」

純(後ろから後輩の声…?)

後輩C「お…おはようございます!」

純「あ、おはよ……!?」

後輩C「……」ドキドキ

純「えっ…えぇー!? な、なにその髪!!」

後輩C「あの…変ですか? ショ、ショートにしてみたんですけど……」

純「……」ジーッ

後輩C「……」ドキドキ

純「……」ジーッ

後輩C「……あ、あのぅ」

純「かっ、かわいいー!!」

後輩C「はぇっ!?」

純「似合ってるよ! すっごい似合ってる!!」

純「前より全然良い!!」

後輩C「ほ、本当ですか…?」

純「うん! ばっちし!!」

後輩C「あっ…ありがとうございます!」



280VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:53:19.311mvTn7x3o (23/27)

純「それにしても、思い切ったことしたね」

後輩C「は、はい。昨日鈴木先輩に言われてやってみようかなって…」

純「え? 私に?」

後輩C「その…髪が…」ゴニョゴニョ

純「???」

後輩C「い、いえ! やっぱりいいです!!」

純「まぁ…なんでもいいけど。その髪型すごい良いよ」

純「今までのイメージがガラッと変わって…明るくなったよね」

後輩C「ありがとうございます…まだ恥ずかしいけど…」

純「慣れれば平気だって。みんなもきっと可愛いって言ってくれるから」

後輩C「…はいっ」

純「それにしても、なんか…」

後輩C「?」

純(かわいすぎて羨ましい!!)

後輩C「鈴木先輩…?」

純「あ、ううん。なんでもない…」




281VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:53:54.021mvTn7x3o (24/27)

純「それじゃ行こっか、学校」

後輩C「はいっ」

純「きっと部活の人たちも驚くよー」

後輩C「あの…鈴木先輩」

純「ん?」

後輩C「その…迷惑じゃなかったら……」

後輩C「鈴木先輩のこと…純先輩って呼んでもいいですか……?」

純「え? 別にいいけど…」

後輩C「ほ、本当ですか!?」

純「う、うん」

後輩C「あ、ありがとうございます!!」

純(そこまで感激されることかな…)



282VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 18:55:02.601mvTn7x3o (25/27)

放課後
――廊下

後輩C「純先輩!」

純「あっ、部活行くの?」

後輩C「はいっ」

純「じゃあ一緒に行こっか」

純「そういえばさ、クラスの反応どうだった?」

後輩C「みんな驚いてました。けど、話したりするのはまだ難しくて…」

純「ふーん…。ま、これからだよ、これから」

後輩C「は、はいっ!」

純「ジャズ研のみんなが見たらどんな反応するのかなー…」

後輩C「……」ドキドキ

ガチャッ

純「おはようございます!」

後輩C「お、おはようございます…」

同級生「あ、おはよ」

同級生「あれ? ……誰その子」

後輩C「え…」

先輩A「転校生?」

先輩C「新入部員か! でかしたぞ鈴木、この時期によく勧誘してきた!」

後輩C「……」

純「まぁ…これからだよ、これから」


##5 おわり



283VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 19:00:17.711mvTn7x3o (26/27)

#お嬢様のD

  _
´     ` ヽ
     ヾ   ;,
  ハ    ハ , ,:
. /彡 、   ..|ミ、   i
/   vへ |  ヽィ ノ
'  ==     ミ i ノ 私、新作サロペットを着て来日外タレとデュエットするのが夢だったの~
ヽ::::::     :::::: { j
 "   ワ   ノ  \
  " ー―  ":: ミ  ハ
、  i rへ  「⌒Y / 丿
ハ j i  j  〉¨¨´i /
 |/ /¨¨' i  l   |"



  _
´     ` ヽ
     ヾ   ;,
  ハ    ハ , ,:
. /彡 、   ..|ミ、   i
/   vへ |  ヽィ ノ
'  ==     ミ i ノ 私、話題のドーナツを一口ずつ食べてコンプリートするのが夢だったの~
ヽ::::::     :::::: { j
 "   ワ   ノ  \
  " ー―  ":: ミ  ハ
、  i rへ  「⌒Y / 丿
ハ j i  j  〉¨¨´i /
 |/ /¨¨' i  l   |"



  _
´     ` ヽ
     ヾ   ;,
  ハ    ハ , ,:
. /彡 、   ..|ミ、   i
/   vへ |  ヽィ ノ
'  ==     ミ i ノ 夢を見るのは乙女の大事な仕事でしょ?
ヽ::::::     :::::: { j
 "   ワ   ノ  \
  " ー―  ":: ミ  ハ
、  i rへ  「⌒Y / 丿
ハ j i  j  〉¨¨´i /
 |/ /¨¨' i  l   |"



  _
´     ` ヽ
     ヾ   ;,
  ハ    ハ , ,:
. /彡 、   ..|ミ、   i
/   vへ |  ヽィ ノ
'  ==     ミ i ノ 止まらないのは情熱的な牡羊座のせいだわ~
ヽ::::::     :::::: { j
 "   ワ   ノ  \
  " ー―  ":: ミ  ハ
、  i rへ  「⌒Y / 丿
ハ j i  j  〉¨¨´i /
 |/ /¨¨' i  l   |"


  _
´     ` ヽ
     ヾ   ;,
  ハ    ハ , ,:
. /彡 、   ..|ミ、   i
/   vへ |  ヽィ ノ
'  ==     ミ i ノ 以上、純ちゃんのキャラソン宣伝でした。
ヽ::::::     :::::: { j
 "   ワ   ノ  \
  " ー―  ":: ミ  ハ
、  i rへ  「⌒Y / 丿
ハ j i  j  〉¨¨´i /
 |/ /¨¨' i  l   |"


#お嬢様のD おわり


284VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 19:02:06.701mvTn7x3o (27/27)

最近まとめサイトとか見るようになってから自分でも書いたのを忘れてたSSを発見してちょっとテンションあがりました。
マイペースですが頑張ります。


285VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 19:12:40.37c7/TDpxPo (1/1)

>>284
ほぉ興味深い
題名を教えてもらえないかな?


286VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 19:40:04.19f2JrzKFAO (1/1)

乙!!
待ってました!!!!


287VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/23(日) 22:14:11.68XjAfvI1AO (1/1)

乙でした!!
次も期待しております!!


288VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/24(月) 00:47:16.68gswqexrvo (1/1)

>>285
律「リング!」
唯「りゅうき!」
梓「純を殺そう」
梓「純ですか?ただの友達ですよ」

こんなんです


289VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/24(月) 00:53:35.748SdxMVARo (1/1)

龍騎の人だったのか!
あれ面白かったです。
これを機に他のも読んでみようかな


290VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/24(月) 10:01:09.601kp41AEAO (1/1)

ひますぎとかもこの人の作品だよ


291VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/24(月) 22:19:04.46sx/2F7rwo (1/1)

.              , - 、, - 、
            , - 、i'・e・ ヽ,,・ァ, - 、
           4 ・   ゝ - 、i'e・ ヽ、・ァ     , ‐、
        、_  ゝ   i e・  ヽ、 ,,.-''´|、ィ___,' ・e・,
.     , - 、i┘: > : "''-,,_i   ,,.-''>/: , - 、: :~゙'':ヾ
.    4 ・ .`/ゝ- 、: : : : : : : : : : : : : :Y: i'・e・ ヽ : : : :ゝ
.     7/:/: :i e・ 冫: :: : : : : : : : : : :{: : ~~: : : : :, - '、
    く/:/: : : :~ ´: : : : : : : : : : : : : :∨: : : : : : :ヽ、・ァ
    /:/: : : : : : : : :∨ : \: : |: : |: : : :∧ : : : : : : : : 〉
   '´|: |: : : |: : : : :|: :∨: : : \l: : |: : :/: :.Ⅳ: : |: : :r'´
    ∨: : : |!: : : : ト、 ∨: : : :|: |: :/: : : |: |!: ル'´
     |: : :|: レ: : : :|'ー、:ト、 : : |: :.|: :_: :/:/`´
     !イ: :|: | |!∨: !  _,ヾ ∨: |: :ハ/ィ ∨/ 
    / ∨:| .|<rミトゝ ´ィぅマミ、j: :! レ 丿
      ヽト.ヘ くj    ヽノ  |ノ _/         乙
       ``¨'.  ,   ''''''    八__   
          ヽ          ´  ヽ/ \__ 
            ` ァ; 、__   '´   /     ノ \
           .イ/|   ト、  /     /  -┴ 、
         .イV∧’.  | /    / /    i
         l .仆、 ’.  l ′  /  イ       |
   ブクブク r┴-仏_\ \∨ _ -'´ ィ´//     !
        |フア7ァァr' i トニ ィア´ l/ /     |


292VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/26(水) 02:38:19.87H0zo1/cAO (1/1)

>>1
ツイッターやってる?


293VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/01/28(金) 00:12:42.4017dAf7fAO (1/1)

てのひらサイズとかもだよね?


294VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:15:52.113ytXMo5Ro (1/29)

##6

――2年1組

憂「今日も雨だね…」

純「イヤになっちゃうよね。朝大変だし」

憂「洗濯物も乾きにくくなるし」

純「そこら辺を心配するとは……さすが憂」

梓「おはよ」

憂「あっ、おはよう梓ちゃん」

純「おはよー。どうしたの? 濡れちゃってるじゃん」

梓「うん…来る途中に車にひっかけられちゃって」

憂「風引いちゃうといけないし、タオル貸してあげる」

梓「ありがとう、憂」

純「梓も朝からご苦労なことで」

梓「ほんと、早くやんでほしい…」




295VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:16:39.363ytXMo5Ro (2/29)

純「あーあ、こういう日はなにもやる気が起きないなぁ」

梓「ふぅ…」ゴシゴシ

純「一時間目なんだっけ?」

憂「体育だよ」

純「うわ…めんどくさい」

憂「雨だから体育館だね」

純「体育館行くのもめんどくさいなぁ…」

梓「憂、タオルありがとう」

憂「どういたしまして」

純「はぁ~…動きたくない」

梓「こうもどんよりしてると…なんかイヤだよね」

純「今日休みだったらよかったのに…」



296VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:17:21.593ytXMo5Ro (3/29)

――体育館

カッ コーン
     パコーン パカッ


梓「卓球かぁ…」

純「……」ボケー

梓「どうしたの?」

純「なんか疲れた……」

梓「早っ…まだ授業始まったばかりなのに」

憂「二人とも、あっちの台空いてるからやろうよ」

梓「うん。いこっ、純」

純「は~い……私、審判でいいよ」

梓「いい加減、元気出しなよ」

純「なんかどうもね……今日は調子悪い」

憂「保健委員の人呼んでこよっか?」

純「あっ、ううん。そこまでじゃないから。大丈夫大丈夫、ごめん」



297VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:18:15.393ytXMo5Ro (4/29)

 カッ 
    パコッ

純「……」

憂「えいっ!」

パコーン!

梓「にゃっ!?」

憂「やったー!」

梓「はぁ…憂強いなぁ」

純「……」

梓「純、何対何?」

純「……」ボケー

梓「純ってば!」

純「え? あぁ…ごめん、なに?」

梓「私たちの点数聞いてるのっ」

純「あっ、えっと……何点だっけ?」

憂「10対2だよ」

純「あっ、そうそう」

梓「もう…純が覚えてなくてどうするの」

純「あはは……ごめんごめん」


298VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:18:42.803ytXMo5Ro (5/29)

放課後

純「じゃあ私、ジャズ研行ってくるね」

憂「うん、ばいばい純ちゃん」

梓「…今日の純、めずらしく元気ないね」

憂「そうだね…」

梓「風邪とかじゃないとは思うけど……あっ、私も軽音部行かなきゃ」

憂「うん、行ってらっしゃい梓ちゃん」

梓「じゃあまた明日ね」

憂「ばいばーい」

憂「……はぁ、帰ったらどうしようかな」

憂「……」

憂「雨かぁ」


299VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:19:20.393ytXMo5Ro (6/29)

――ジャズ研 部室

先輩B「っくしゅん」

先輩C「風邪か?」

先輩B「う゛ん……そうかも」ズズッ

先輩C「まったく、だらしない生活してるからそうなるんだぞ」

先輩B「だらしなくないよ~。…体弱いんだし仕方ないじゃん」

純「……」ボケー

先輩B「純も元気ないね」

純「へっ? あっ……はい」

先輩B「めずらしいね~、純が元気ないなんて。そりゃ雨も降るはずだ」

純「元気ないわけじゃないんですけど…」

先輩B「あ~……寝たいね~」

純「ですねー……」

先輩A「風邪なら今日は帰って休んだほうがいいんじゃない?」

先輩B「う~ん……そうしよっかな。誰かに移すといけないし」

純「はぁ……」ボケー

先輩C「なんだこの空気は…なんで今日はこんなどんよりしてるんだ……」


300VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:20:06.413ytXMo5Ro (7/29)

先輩B「んじゃぁ~~…あとは副部長よろしく」ズズッ

先輩C「明日には治しておくんだぞ」

先輩B「あ~い」

先輩C「はぁ…まったく」

純「……」

先輩A「純ちゃんも風邪?」

純「あっ…私は大丈夫です」

先輩C「だったらシャキっとしろ」

純「す、すいません…」

先輩C「全員集まったか?」

「まだです」

先輩C「もうすぐ練習時間だっていうのに…」イライラ

先輩A「みんな色々あるんだし、いいじゃない。まったりやりましょうよ」

先輩C「そんな余裕はないだろ……コンテストまであっという間なんだぞ?」

先輩C「とにかく私が仕切る以上、今日はいつもより厳しくやるかな」

先輩A「こわーい」

先輩B「ジャズ研絶対王政時代の到来だよ~」

先輩C「お前は早く帰れ!!」


301VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:20:40.573ytXMo5Ro (8/29)

後輩C「おはようございます」

純「あ、うん。おはよ」

後輩C「今日もじめじめしてますね…」

純「そうだねー…イヤになっちゃう」

純「早く夏にならないかなぁ」

後輩C「あのっ……純先輩」

純「ん~?」

後輩C「昨日練習したフレーズがまだできなくて……その、教えてもらえませんか…?」

純「うん……あとでね」

後輩C「あ…はい……」

純「……」ボケー

後輩C「……」

後輩C(センパイ大丈夫かな…調子悪そうだけど……)



302VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:21:53.813ytXMo5Ro (9/29)

・・・・・

ザアアアアア――――

先輩C「…こうも湿度が高いと、楽器の状態も心配になるな」

先輩A「雨、いつになったらやむんだろう…」

先輩C「今週末までずっとらしい……ん?」

純「……」ボケー

先輩C「……」

純「……」ボケー

先輩C「鈴木、なにをしてるんだ」

純「え? あ、はい……休憩です」

先輩C「そうじゃなくて…何でさっきから床をじっと見つめてるんだ」

純「マスを数えてて……」

先輩C「…お前、本当に風邪とかじゃないんだろうな?」

純「だ、大丈夫ですよ」

先輩A「でも見るからに元気ないし…」

先輩C「ほら、ちょっとおでこかしてみろ」

純「……」

先輩C「…熱はないみたいだな」

純「だから風邪じゃないですって」


303VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:22:36.673ytXMo5Ro (10/29)

先輩C「なら一体何が原因だ…?」

先輩A「…………お腹痛いの?」

純「いや、大丈夫ですけど…」

純「ていうか……今日の私ってそんなに変ですか?」

先輩A「うん」

先輩C「変だな」

純「そうですかぁー? ……確かにちょっとダルかもしれないけど」

後輩C「純先輩……よかったらこれどうぞ」

純「え?」

後輩C「純先輩が好きだって言ってたお菓子です…」

先輩C「今は部活中だぞ。そんなものは後にしろ」

後輩C「あっ…ご、ごめんなさい!」

先輩A「いいじゃない、一つぐらい。休憩時間なんだし」

先輩C「むぅ……」

純「じゃあ……一つもらうね」パクッ

先輩A「私もいい?」

後輩C「は、はい。どうぞ」


304VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:23:15.053ytXMo5Ro (11/29)

純「うん…おいしい」

先輩C「……」ジーッ

先輩A「食べないの?」

先輩C「わ、私は別に…」

先輩A「食べたかったらそう言えばいいのに」

先輩C「うっ……」

後輩C「…あ、あの、どうぞ」

先輩C「……じゃあ一つ」

純「……」ポリポリ

先輩A「……」ポリポリ

先輩C「……」ポリポリ

後輩C「……」

先輩C「…これどこに売ってたんだ?」

後輩C「えっ……駅前のコンビニですけど」

先輩C「そうか、なるほど」

先輩A(はまったんだ)


305VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:23:49.723ytXMo5Ro (12/29)

純「はぁ~……」ボケー

先輩A「疲れてるの?」

純「いえ…」

先輩C「やる気がないなら帰れ。そのままいても迷惑だ」

純「うっ……」

先輩A「そこまで言わなくても……あっ、分かった!」

先輩C「何が」

先輩A「ふふーん…純ちゃん、ズバリあなたは今……恋をしてるのね!」

純「…………え?」

先輩C「恋?」

先輩A「そう! これはきっと恋煩いの症状よ!」

先輩A「そうでしょ純ちゃん? 恋してるんでしょ?」ズイッ

先輩C「してるのか?」

純「いやいやいや、してませんって! 何でそうなるんですか!?」

先輩A「だってずっとボケーッとしてるし、それしかないじゃない」

先輩C「そうなのか?」

先輩A「そういうものなの、恋っていうのは」

先輩C「よく分からないな…」

純「あの……私の話聞いてます?」




306VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:24:22.703ytXMo5Ro (13/29)

先輩A「恋したことないの?」

先輩C「そういうものは……ずっと女学校だったし…」

先輩A「へー以外」

先輩C「…って、私のことはどうでもいいだろ! 問題は鈴木だ」

先輩A「あっ、そうだった。相手はどういう人?」

純「もー! だから違いますってー!!」

先輩A「えー、でもこの様子は間違いなく…」

純「なんか…今日のセンパイはノリノリですね…」

先輩A「そう? でもこういう話は盛り上がるよねー」

先輩C「どうでもいいから…とりあえず鈴木はもう少し部活に集中しろ。そんな状態で練習しても身にならないぞ」

純「ご、ごめんなさい…。気をつけます」

先輩C「ん…それでいい。いつまでもそんな調子だったら外周させてるところだ」

純「あはは…勘弁してください。雨なのに」

先輩C「ならしっかりやるんだぞ。もう二年生なんだからな」

純「はい…」

後輩C「……」




307VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:24:57.733ytXMo5Ro (14/29)

部活終了

先輩C「よし、今日はここまで。帰ったらちゃんと楽器の手入れをしておくんだぞ」

先輩A「お疲れ様」

純「ふぅ……」

同級生「純、帰ろっ」

「待って、あなたは私と残って居残り特訓よ」

同級生「えぇ!?」

「いいでしょ?」

先輩C「あまり遅くならないようにな。先生には私から言っておく」

「ありがとう。じゃあ早速はじめようね」

同級生「そんな~!!」

純「ご愁傷様……私たちは行こっか」

後輩C「はいっ」




308VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:25:31.043ytXMo5Ro (15/29)

――帰り道

ザアアアアアアアアア

純「うわー…さっきよりもすごい降ってる」

後輩C「あっ…純先輩、肩濡れちゃってます」

純「え? …ほんとだ」

後輩C「タオル使いますか?」

純「ありがとう…ごめんね」

後輩C「いえ、そんな……あ、あのっ」

純「なに?」

後輩C「私がふいてもいいですか?」

純「え…? そこまでしなくても」

後輩C「でも…手がふさがってますし」

純「大丈夫だって、一人でなんとかできるから」

後輩C「あ…はい」


309VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:26:05.793ytXMo5Ro (16/29)

純「……」ゴシゴシ

後輩C「……」

純「そういえば今日はできたね、あのフレーズ」

後輩C「はい。純先輩のおかげで…」

純「私じゃないって。練習した自分のおかげだよ」

後輩C「あ、ありがとうございます」

純「これ、タオルありがとうね」

後輩C「あ、はい」

純「もっとこっち来なよ。車に水溜り引っかけられちゃうかもしれないし」

後輩C「いいんですか…?」

純「うん。そうだ、相合傘でもする?」

後輩C「いいんですか!?」

純「なんて、それじゃあ二人とも濡れちゃうよね」

後輩C「あ…そ、そうですね……」

純「早くやまないかなー、雨。もううんざりー!」

純「……はぁ」

後輩C「……」

後輩C「雨……」

純「あーぁ、最悪……」

後輩C「……」

後輩C「……純先輩」

純「んー?」

後輩C「私、今日てるてる坊主を作ってみます!」

純「……どうしたの急に」



310VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:26:48.833ytXMo5Ro (17/29)

後輩C「あ…いえ。それで晴れたら純先輩も元気になるかなって…」

純「……」

後輩C「す、すいません……変なこと言って」

後輩C「でも、てるてる坊主を作れば雨もやむって言われてるし……そうすれば…」

純「……ぷっ」

後輩C「じゅ、純先輩…?」

純「ごめん……あまりにも唐突だったから面白くて」クスクス

後輩C「そ、そうですか…?」

純「あははっ、そっかー…てるてる坊主って手があったんだ。100個ぐらい作ればやむかもね」

後輩C「はいっ、がんばります!」

純「え? 本当に作るの?」

後輩C「え?」

純「だって…100個だよ?」

後輩C「純先輩のためなら!」

純「いや、そこまでしなくても…」

後輩C「で、でも……」

純「……じゃあ、50個ずつで分けよっか。私も今日50個作るから、そっちでもう50個お願いね」

純「100個も作らせるのは悪いし」

後輩C「は、はいっ! 分かりました!」

純「てるてる坊主かー…作るのなんて小さいころ以来かも」

純(それにしても、50個も作れるかなー…)




311VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:27:20.213ytXMo5Ro (18/29)

後輩C「私は小さい頃によくおばあちゃんと一緒に作ってて…得意なんです、てるてる坊主作り」

純「へー」

後輩C「人に誇れることの一つです」

純(そりゃまた微妙な……)

後輩C「だから…絶対に作りますね、50個」

純「うん、私もがんばってみる」

後輩C「えへへ…」

純「あっ、じゃあ私こっちだから」

後輩C「あ…はい。お疲れ様でした」

純「うん、ばいばい。作るのはいいけど、あんまり無茶しないでね。風邪引いちゃうといけないし」

後輩C「はいっ、分かりました」

純「じゃあねー」

後輩C「お疲れ様です」

後輩C「……」

後輩C(やった…純先輩に面白いって言われちゃった)

後輩C「今日は頑張らなきゃ…てるてる坊主」



312VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:27:47.363ytXMo5Ro (19/29)

――純の部屋

prrr, prrr

憂『はい、もしもし』

純「あっ、憂」

憂『純ちゃん? どうしたの?』

純「うん? なんとなく…今大丈夫?」

憂『うん、大丈夫だよ』

純「ごめんね、急に電話なんてしちゃって。なんか憂の声が聞きたくて」

憂『ふふっ、なにそれ』

純「まぁいいじゃん。憂は今なにしてるの?」

憂『お風呂から上がったところ。純ちゃんは?』

純「てるてる坊主作り」

憂『え?』

純「明日晴れるために、てるてる坊主作ってるの」

憂『へー…私も作ってみようかなぁ』

純「ちなみに50個」

憂『えぇっ!? ……なんでそんなに?』

純「約束したからね、後輩と」

憂『?』


313VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:28:52.613ytXMo5Ro (20/29)

純「それよりもさ、今日の私ってやっぱ元気なかった?」

憂『え? ……うん』

純「そっか……まぁそうだよね」

憂『体調は大丈夫?』

純「平気平気、風邪とかじゃないから。でもみんなには迷惑かけちゃったみたい」

憂『迷惑?』

純「部活のとき集中できなくて…センパイには怒られちゃったし、後輩には心配されちゃうしで…」

純「なんか今日はみんなに申し訳ないなーって思っちゃった」

憂『そっかぁ…』

純「私も、もう二年生だからしっかりしないといけないのは分かってるんだけどね……でもまだ実感がないって言うか」

憂『うん…』

純「去年と何も変わってない気がするんだよね。成長…っていうのかな、なんかそんな感じのことしてないなぁって」

憂『成長かぁ…』

純「このままでいいのかなぁ、私」

純「……このままダラーっとして、あっという間に卒業して、大学入って、就職して結婚して…普通に生きていくのかなぁ」

純「私としてはね、もっと活躍したいっていうか…こう、スター? そう、スターみたいになりたいんだよね!」

憂『スター?』

純「そうそう! 澪先輩みたいな感じでみんなにキャーキャー言われちゃって、スーパーベーシストとして芸能界に鮮烈デビュー!」

純「それでオリコン1位取ったり紅白出ちゃったりしてさ、大金持ちになって豪邸に住むの!」



314VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:29:37.923ytXMo5Ro (21/29)

憂『楽しそうだねぇ~』

純「あっ、でもバンドとしてデビューした方が注目されるかも…」

純「よしっ、憂と私と梓でバンド組んじゃおう!」

憂『えぇっ!?』

純「ほら、前も雨の日にセッションしたじゃん。あんな感じでさ」

純「私たち三人で練習すれば絶対いいところまでいけると思うんだよね」

憂『そうかなぁ』

純「そうだって! そして将来は海外でライブしたりして!」

憂『ふふっ』

純「さらにミュージシャンだけじゃなくてハリウッドデビューとか!」

憂『じゃあ演技の勉強しないとねっ』

純「あはははっ。……本当にそうなったらいいんだけどね」

憂『頑張ればなれるかもしれないよ?』

純「どうだろう……英語だって話せないし。それに私なんかじゃ無理だなってことも分かってるし」

純「まぁ……だから先輩たちに憧れたりしてるのかな」

憂『……』

純「私も先輩たちみたいになりたいなー…」

憂『純ちゃんならなれるよ!』

純「……本当にそう思ってる?」

憂『うんっ!』

純「本当に?」

憂『本当にっ!』

純「……あははっ、憂が言うならそうかもね。よしっ、がんばるぞー!」

憂『ふふっ』



315VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:30:23.833ytXMo5Ro (22/29)

・・・・・

純「今日はなんかごめんね、変な話につき合わせちゃって」

憂『ううん、そんなこと全然…楽しかったよ。それに純ちゃんが愚痴とか言うの珍しかったし』

純「あー…今日だけで珍しいとか変とか何回言われたんだろう」

憂『でも、そういう日もあるよ……あってもいいんじゃないかな』

憂『なかったら疲れちゃうし』

純「…………そうかも」

憂『うんっ』

純「…今日はありがとうね、憂と話してたら気が楽になった」

憂『私も、純ちゃんと話せて良かった』

純「うん…また明日」

憂『おやすみ、純ちゃん』

ピッ

純「ふぅ……」

純「……」

純「……とりあえず、てるてる坊主がんばろうかな」



316VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:30:51.283ytXMo5Ro (23/29)

――憂の部屋

こんこんっ

憂「はーい」

ガチャッ

唯「憂ー、借りてた漫画返しに来たよ」

憂「ありがとう、お姉ちゃん」

唯「あれ? なにしてるの?」

憂「てるてる坊主作ってるの、明日晴れればなぁって」

唯「なるほど! 私もやります!」

憂「ふふっ、じゃあ一緒にやろっか」

唯「よーし、いっぱい作っちゃおう!」フンス

憂「雨なんかには負けないぞー! おー!」

唯「おぉ!? なんか今日の憂はノリノリだね~」

憂「えへへ」

唯「よーし、私も…負けないぞー! おー!」



317VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:31:36.613ytXMo5Ro (24/29)

翌日
――2年1組

純「晴れた! 晴れたよ梓!」

梓「そんなこと言わなくても分かってるって」

純「やっぱりてるてる坊主って効果あるんだね」

梓「てるてる坊主?」

純「実は、昨日密かに作ってたの」

憂「私も、お姉ちゃんといっぱい作ったんだよ」

梓「へぇ……」

純「こうしてお日様を拝めるのも、てるてる坊主のおかげだね」

梓「……普通に梅雨晴れしただけなんじゃ」

純「もう! 梓にはロマンってものがないの!?」

憂「そうだよ梓ちゃん!」

梓「えぇっ、憂まで!?」

憂「えへへー」

純「私たちが頑張ったおかげだもんね」

憂「うんっ!」

梓「……?」


318VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:32:30.143ytXMo5Ro (25/29)

放課後
――ジャズ研

後輩C「純先輩! 私、昨日なんとか作れました」

純「私も。作ったやつ携帯で撮ったんだよ、ほら」

後輩C「わぁ…!」

純「今日晴れたのは、私たちのおかげだね」

後輩C「は、はいっ!」

純「だけど、一つ問題が……」

後輩C「なんですか?」

純「作ったてるてる坊主、どうしよう……」

純「置く場所ないし、捨てるとなんか呪われそうだし…」

後輩C「あっ、そうですね…」

先輩C「ん? どうしたんだ?」




319VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:34:44.703ytXMo5Ro (26/29)

純「あっ、センパイ。実は昨日作ったてるてる坊主の処分に困ってて…」

先輩C「てるてる坊主か。私も昨日妹と作ったけど……普通に燃えるゴミに捨てたぞ」

先輩B「捨てたら呪われるよ~」

先輩C「そうなのかっ!?」

純「あっ、おはようございます。風邪はもう大丈夫なんですか?」

先輩B「うん、バッチリ~」

先輩C「ど、どういうことだ!? てるてる坊主って捨てたら呪われるのか!?」

先輩B「だって元をたどれば雛人形と同じだし……ちゃんと供養しないと、てるてる坊主に恨まれちゃうよ~?」

純「そんな大げさな……」

先輩C「大変だ…なんてことだ。そうとも知らず私は……はっ!」

先輩C「妹が! 妹が危ない!!」

純「え?」

先輩C「帰って供養しないと!!」

純「あの…部活は?」

先輩C「すぐ戻る!!」ダダダッ

純「……」

先輩B「かわいそうに……ほんとに信じちゃってる」

純「電話して引き戻したほうがいいですよ」

先輩B「そうだね~」


##6 おわり


320VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:35:55.563ytXMo5Ro (27/29)

ここまで
後輩のアルファベット表記って読みづらいですか?
読みづらかったら次からは小文字にしてみようかと思ってます。


321VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:37:16.55iAZ8DF/Uo (1/1)

乙!
別に気にならないけど
先輩は大文字、後輩は小文字でも良いかもしれないね


322VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 05:43:28.643ytXMo5Ro (28/29)

>>292
やってないです。なぜにツイッター?
>>293
懐かしい、書きました。


323VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 08:19:52.145JgZA52AO (1/1)

>>1はカルアや雑談スレで晒したり、雑談する事はないのかな?


324VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 19:08:44.86TFryH6VAO (1/1)

けいおんSS書いてる人はツイッターやってる人多いから>>1もやっているかと


325VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/02(水) 21:36:44.323ytXMo5Ro (29/29)

>>323
雑談スレは正月に少し行きましたけど普段は見てないです。



326VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:49:42.62UjtvWlbAo (1/24)

##7

調理実習
――家庭科室

純「やっぱり玉子焼きは甘いやつにかぎるよね。というわけで砂糖たっぷりと…」

梓「それ入れすぎじゃない?」

純「平気平気、死ぬわけじゃないし」

梓「そういう問題じゃ……味おかしくなるよ、それ」

純「大丈夫だって、こっちには憂もいるんだし」

純「ねー、憂。大丈夫だよね?」

憂「えっ? うん……入れすぎじゃないかな」

梓「ほら」

純「えぇっ……じゃあ少し減らして」

憂「……」

梓「憂、そっちのスープできた?」

憂「う、うん」

梓「憂ができたって言うならバッチリだね」

憂「あはは…」


327VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:50:17.98UjtvWlbAo (2/24)

純「うーん……なんかトッピングしたいなぁ」

梓「なにを?」

純「チョコとか?」

梓「本気で言ってる?」

純「冗談です。でも玉子焼きってだけじゃなにか寂しいなー…」

純「ねぇ憂。憂も何か入れたほうがいいと思う?」

憂「えっ……そのままでもいいんじゃないかな」

純「そう?」

梓「憂もそう言ってるんだから、早く焼いちゃいなよ」

純「はーい」

ジュージュー

純「難しい……梓、ちょっと箸持って。私フライパンやるから」

梓「なにそれっ、どうやるの!?」

純「だからここをこう…」

憂「……」



328VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:50:48.75UjtvWlbAo (3/24)

純「できたっ、ちょっと焦げたけど」

梓「純が変なことするから」

純「梓だってしっかりサポートしてよ」

梓「…私のせい?」

純「ねぇ憂、どう?」

憂「いいんじゃないかな」

純「よしっ、じゃあ完成したし先生に見せに行こっか」

梓「うんっ」

憂「……」ゴクリ

純「憂? どうしたの?」

梓「早く行こうよ」

憂「あっ、うん。今行くね」






329VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:51:18.53UjtvWlbAo (4/24)

・・・・・

純「今日は実習で作った料理食べれるから、購買行かなくて楽だよね」

梓「いただきます」パクッ

純「いただきます」パクッ

憂「……」

純「うんっ! ……うん」

梓「感想なし?」

純「いや、だって……」

梓「まぁ…微妙だよね」

純「やっぱ砂糖多目のほうがよかったんじゃない?」モグモグ

梓「うーん……ていうか純」

純「ん?」モグモグ

梓「微妙とか言いながら……食べすぎじゃない?」

純「あはは…憂は食べないの?」

憂「あ、うん。私は……」

梓「憂のスープはどうかな」ズズッ

梓「っ!?」



330VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:51:49.22UjtvWlbAo (5/24)

純「どうしたの?」

梓「うっ……」

純「?」ズズッ

純「…っ!?」

憂「え? どうしたの二人とも」

梓「いや、その……」

純「ねぇ、これ…憂が作ったにしては味がちょっと変じゃない?」ヒソヒソ

梓「う、うん」ヒソヒソ

純「ちゃんと憂が作ったんだよね、これ」ヒソヒソ

梓「そう言ってたけど」ヒソヒソ

憂「?」



331VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:52:45.50UjtvWlbAo (6/24)

純「…憂、とりあえず飲んでみなよ」

憂「あ…私はいいや」

梓「え?」

憂「その…食欲がないって言うか、あはは。ちょっと購買で飲み物買ってくるね」

梓「いってらっしゃい…」

梓「……」

純「な、なに? 憂どうしたの?」

梓「わかんない…」

純「料理は失敗するし、しかも食欲ないみたいだし…」

梓「うーん…おかしい」

純「憂になにが……はっ、分かった!」

梓「なに?」

純「恋よ、恋!!」

梓「こっ…!?」

純「ジャズ研のセンパイも言ってた、あの症状はきっと恋煩い!」




332VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:53:25.00UjtvWlbAo (7/24)

梓「いくらなんでもそれは…」

純「他に何があるの?」

梓「……」

純「あれきっとそうに間違いない!」

梓「でも……憂が?」

純「もう、梓のニブチン。梓は恋したことないから分からないの」

梓「…そういう純は恋したことあるの?」

純「私? ないけど」

梓「ダメじゃん」

純「とにかく、憂の様子がおかしいのはきっと何か原因があるはず」

純「私はそれが恋だと思う!」

梓「本当かな…」



333VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:53:56.04UjtvWlbAo (8/24)

放課後

憂「じゃあ私、今日は買い物あるから先に帰るね」

梓「うん、バイバイ」

純「……どうする?」

梓「どうするって?」

純「憂の後、追いかけてみる?」

梓「えっ…なんで?」

純「決まってるじゃない、憂の追跡調査!」

梓「それって…」

純「もしかしたら、憂の好きな人も分かるかもね」

梓「や、やめた方がいいんじゃない…?」

純「でも……気になるでしょ?」

梓「……」





334VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:54:23.66UjtvWlbAo (9/24)

商店街

憂「……」テクテク





純「今のところ、異常なし」

梓「ていうか憂は買い物いくって言ったんだから、それ以外用事なんてないんじゃ…」

純「まだ分かんないよ? あっ、見て」




憂「……」ジーッ




梓「なに見てるの? あれ」

純「ケーキ…だね」




憂「はぁ…」



梓「あっ、ため息ついた」

純「分かった、憂の好きな人はケーキが好きなんだよ」

梓「なんでそうなるの」


335VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:54:54.06UjtvWlbAo (10/24)

・・・・・


憂「……」テクテク




純「うーん…今のところ買い物を済ませてるだけだね」

梓「だから言ったじゃん、買い物するだけだって」

純「じゃあなんであんなに様子が変なの? さっきから上の空だし」

梓「普通に調子悪いだけじゃないの?」

純「それならそれで心配だなぁ…」

「あー!」

純「ん?」

「ずー!」

梓「えっ…」

唯「にゃんっ!!」ダキッ

梓「んにゃっ!


336VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:55:30.84UjtvWlbAo (11/24)

唯「こんなところで会えるなんて奇遇だねぇー!」スリスリ

梓「なっ、なんで唯先輩がここに!? ていうか離れてください!!」

唯「あ~ん、せっかく会えたのにぃ」

純「唯先輩、こんにちは」

唯「あっ、純ちゃんこんにちは。二人ともなにやってるの?」

梓「実は憂の尾行をしてて…」

唯「憂?」

純「なんか今日の憂、様子が変なんですよね」

唯「憂が!?」

梓「唯先輩、なにか知りませんか?」

唯「そういえば…朝ごはんあんまり食べてなかったかも」

唯「あっ! それにね、今日のご飯はなんか美味しくなかった」

純「やっぱり…」



337VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:56:17.40UjtvWlbAo (12/24)

梓「じゃあ朝から変だったんだ…」

純「これも恋のしわざかな…」

唯「恋!?」

梓「だから飛躍しすぎだって、それ」

唯「こ、恋って? 恋ってなんの話!?」

純「憂が恋してるから様子が変なんじゃないかなー、って話してたんです」

唯「憂が恋!?」

梓「ゆ、唯先輩、落ち着いてください」

唯「ど、どうしよう、どうしたらいいのかな? 挨拶しに行ったほうがいいのかな?」

梓「誰にですか!?」

純「あっ、憂が行っちゃう」

唯「私も追いかける!」

梓(なんかめんどくさいことに…)



338VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:57:02.92UjtvWlbAo (13/24)

・・・・・

憂「……」テクテク






唯「異常なしっ」

梓「心配しすぎな気が…」

純「でもそろそろ何かあっても…」

梓「もう、二人とも憂に何かあったほうがいいんですか?」

唯「なにかって?」

梓「例えば……本当に彼氏がいるとか」

唯「彼氏!!?」

純「まさか憂が…」

梓「さっきまでそういう話だったじゃないですか!」

唯「でも…でもでも、もし憂にそういう人がいたら……」

唯「私…これから一人で暮らさなきゃいけないのかな?」

梓「え?」

唯「だって、憂は彼氏の人の家に毎日ご飯作りに行くんだよ? そうしたら私はほったらかしにされて…」

唯「あっ、そうだ! あずにゃんが作りに来てくれればいいんだ~!」

梓「なんでそうなるんですか!?」



339VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:57:52.20UjtvWlbAo (14/24)

純「相変わらず仲良いね」

梓「純もやめてよ…」



憂「……」



唯「あっ、憂が止まった!」

梓「唯先輩、静かに」

唯「なんだろう…買い物袋の中見てる」



憂「……」

憂「……~っ」



梓「何か取り出した…」

唯「あっ、あれ憂が好きなお菓子だ。すごく美味しいんだよ~」

唯「純ちゃんも食べたことある?」

純「あ、はい。私も好きですよ」



340VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:58:36.40UjtvWlbAo (15/24)

梓「二人ともそんなこと話してないで、憂に注目しててください!」

純「なんか梓もノリノリになってるじゃん…」



憂「……」

憂「……」テクテク



唯「あっ、引き返してきた」

梓「か、隠れて!」ササッ



憂「……」



唯「お店に戻って…」

梓「さっきのお菓子返品した…」



341VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:59:09.40UjtvWlbAo (16/24)

憂「……」テクテク



梓「もう終わり? 帰るのかな」

唯「……」

純「なんだったんだろう…?」

唯「二人とも、ちょっとそこで待ってて」

梓「え?」

唯「すぐ戻るから!」

梓「唯先輩?」

純「結局、予想は外れちゃったのかな」

梓「だから言ったじゃん。そんなわけないって」

純「…じゃあ憂、なんで様子が変なんだろう」

梓「うーん…」

純「うーん…」

唯「おまたせー」

梓「あっ、唯先輩。何か買ったんですか?」

唯「うん、さっきのお菓子」

梓「え?」


342VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 00:59:40.05UjtvWlbAo (17/24)

――平沢家

憂「……」

憂「……」

憂「はぁ…」

唯「ただいま~!」

憂「あっ…お姉ちゃんおかえりなさい」

唯「えへへ~」

憂「?」

唯「はいこれ、憂の好きなお菓子」

憂「あっ……」

唯「一緒に食べない?」

憂「私は…いいや、お姉ちゃん食べて」

唯「え~、憂と食べたいよ~」

憂「でも……」


343VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 01:00:07.53UjtvWlbAo (18/24)

唯「憂…ひょっとして今日なにも食べてない?」

憂「……」

唯「やっぱり、ちゃんと食べなきゃダメだよ!」プンスカ

憂「でも……」

唯「どうしたの?」

憂「……実はね」

唯「うん」

憂「……他の人には内緒だよ?」

唯「はい!」

憂「……体重が」

唯「?」

憂「体重が……増えちゃった」



344VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 01:00:39.78UjtvWlbAo (19/24)

唯「体重が…?」

憂「うぅ……」

唯「そんな…私は太らない体質なのに」

憂「……」ズーン

唯「あっ!? で、でもっ、体重計が壊れてただけだったり…」

憂「ううん……壊れてなかった」

唯「そうなんだ……」

憂「うん…だからね、食事も控えてたりしてたの。料理する時も味見とかしないで…」

唯「あっ、だから味がいつもと違ってたんだ」

憂「ごめんね…」

唯「ううん、全然いいよ! でも…本当に太ったの? 見た目とか変わってないし」

憂「でもねでもね……増えてたの」

唯「そっか…」



345VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 01:01:12.25UjtvWlbAo (20/24)

唯「けど、ちゃんと食べなきゃダメだよ」

憂「うん…そうだよね。ごめんなさい」

憂「だけど、やっぱりショックで……はぁ」

唯「憂……」

憂「……これからは、カロリー抑え目にしないとなぁ」

唯「よしっ、じゃあ私も憂と同じメニューを食べるよ!」

憂「え?」

唯「だって憂ばかりに辛い思いはさせられないもん!」

憂「お姉ちゃん…!」

唯「大丈夫、すぐやせられるよ! 見た目だってそんな変わってないんだし」

憂「う、うんっ…ありがとうお姉ちゃん!」

唯「えへへ。よかった、元気出たみたいで」

憂「じゃあ今日はカレーにしようかと思ったんだけど、やめておくね」

唯「あ……うん」




346VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 01:01:38.95UjtvWlbAo (21/24)

――MAXバーガー

梓「唯先輩からメール来たっ」

純「なんだって?」モグモグ

梓「憂…元気になったって」

純「へぇ…よかった」モグモグ

梓「結局原因は何だったんだろう…」

純「さぁ? でも元気になったんだからいいじゃん」モグモグ

梓「まぁそうだけど…ていうか純、食べすぎじゃない?」

純「だってお腹すいたんだもん」モグモグ

梓「もう…」




347VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 01:02:16.60UjtvWlbAo (22/24)


――鈴木家

純「あー、お風呂気持ちよかった」

純「あとでも牛乳でも飲もっかなー……あっ、そうだ」

純「久しぶりに体重でも量ってみよっと」

純「もうすぐ夏だし、チェックしておかないとね」

純「どれどれ……」

純「……」

純「……」

純「……故障かな」

純「……」

純「あ、壊れてなかった」

純「……」

純「……」



348VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 01:04:36.02UjtvWlbAo (23/24)

翌日
お昼休み
――学校

梓「あっ、今日の憂のお弁当箱ちっちゃくてかわいいね」

憂「えへへ」

純「……」

梓「純? どうしたの?」

純「……」

梓「じゅーん」

純「お腹すいた…」

梓「食べればいいじゃん。ていうか…購買行かないの?」

純「だってぇ…」

梓「?」

純「はぁ……美味しいものなんてなくなればいいのに」グテー

「今日たまたまゴールデンチョコパンが余ってたの」
「えっ、いいなー。うらやましいー」

純「!?」


##7 おわり


349VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 01:05:11.78UjtvWlbAo (24/24)

ここまで
できれば今月中には完結させたい


350VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/06(日) 03:33:50.79GueCz2OBo (1/1)

おつ!
純ちゃんは体重増加しても一日ぐらいで気にならなくなってそう
唯みたいに食べてもあんま太らない的な感じで

完結したら唯純書いて欲しいなあ


351VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/07(月) 07:53:17.00mrEqbKNJ0 (1/1)

安心の純ちゃん


352VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:09:16.359EC3M9ZUo (1/23)

##8

――中野家

ピンポーン

梓「はーい」

ガチャッ

純「おいっす」

梓「純、いらっしゃい」

純「いらっしゃいました」

純「憂は?」

梓「まだ来てない。少し遅れるんだって」

純「ふーん…じゃあ先にお邪魔しまーす」



353VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:09:43.709EC3M9ZUo (2/23)

純「家の人はいないの?」

梓「お父さんとお母さんは出かけてる」

純「じゃあずっと一人だったんだ」

梓「うん、そんなところ」

純「へー…」ニヤニヤ

梓「……なに?」

純「寂しかった? よしよし」ナデナデ

梓「さ、寂しくない!!」

純「強がっちゃって」

梓「…子供じゃないんだからそんなわけないでしょ」

純「さてと、じゃあ憂を待つとしますか」

梓「うん。飲みもの持ってくるね」

純「さんきゅ」



354VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:10:19.979EC3M9ZUo (3/23)

純「……」キョロキョロ

梓「お待たせ」

純「ねぇ、これ何の雑誌?」

梓「え? ジャズの専門誌だけど…」

純「へー、読んでもいい?」

梓「うん」

純「じゃ、お借りします」

梓「その雑誌、今は廃刊になっちゃったけどお父さんが残してて」

純「へー」

梓「有名な演奏者の特集とかあるんだよ。純は誰が好き?」

純「ふーん」

梓「……純、聞いてる?」

純「聞いてる聞いてる」

梓「本当かな……」

純「レッド・ミッチェルってなんかカッコいいよねー」

梓「あ…私もそう思う」


355VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:10:48.219EC3M9ZUo (4/23)

・・・・・

純「……」

純「ふぅ、一通り読み終えた」

梓「憂…まだ来ないね」

純「そういえば。どうしたのかな?」

梓「メールしてみる」

純「ん~……」

梓「『憂へ、何かあった?……』」ポチポチ

純「……」

梓「……送信っと」

純「んーっ……暇だー」

梓「ジュースおかわりする?」

純「するー」

梓「じゃあ、持ってくるね」



356VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:11:28.559EC3M9ZUo (5/23)

純「……」ゴロゴロ

純「……ふわぁ」

梓「純?」

純「んー?」

梓「寝てるかと思った」

純「寝てないよー、ちゃんと起きてるって」

梓「でも純ってどこでも寝るし」

純「人を何だと思ってるの…」

梓「なんでも…はい、ジュース」

ヴーヴー

梓「あっ、憂からだ……」

純「……」ゴクゴク

梓「……」

純「なんだって?」

梓「まだ遅れるって。なんか唯先輩と一緒の用事があるだとか」

純「お姉さんの…お世話かな?」

梓「……そうかも」



357VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:12:08.539EC3M9ZUo (6/23)

梓「まったく、唯先輩ったら…」

純「憂も大変だね……来るまで何してよっか?」

梓「なんでもいいけど…純が決めて」

純「私? うーん……」

梓「……」

純「寝よっかな」

梓「寝るんかい」

純「だってねぇー…………ん? これなに?」

梓「あっ、中学の卒業アルバム…」

純「見たい!」

梓「えぇっ!? 恥ずかしいよ…」

純「いいじゃんいいじゃん、減るもんじゃないし!」

梓「……まぁいいけど」





358VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:12:38.919EC3M9ZUo (7/23)

純「ふーん……へー…」

梓「あんまりジロジロ見ないで…」

純「若いね! なんか」

梓「それは…もう二年も前だし」

純「二年かぁ…変わるもんだね。あっ、これかわいい」

梓「うっ…///」

純「ほー…違う中学ってなんか新鮮」

梓「純は憂と同じ中学なんだっけ?」

純「うん」

梓「へー…なんか羨ましいな」ボソッ

純「へ? なに?」

梓「ううん…なんでもない」




359VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:13:10.929EC3M9ZUo (8/23)

梓「ねぇ純、暇だし中学のときの話とか聞かせてよ」

純「中学? 中学ねー…憂が来てからね」

梓「えー、なんで?」

純「だって今はそんな気分じゃないし」

梓「なにそれ…」

純「あっ、憂まだ家にいるならアルバムとか持ってこれるかな?」

梓「メールしてみる」

純「これいつの写真?」

梓「それは…修学旅行のとき」

純「ふーん…この周りにいる子達はうちの学校じゃないの?」

梓「あ、うん。他の学校」

純「そっか」



360VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:13:42.319EC3M9ZUo (9/23)

純「そういえば、梓って中学のときは部活入ってた?」

梓「ううん、特には」

純「あれ? 梓のことだから音楽の部活でもやってるかと思った」

梓「うちの中学は吹奏楽部しかなかったから」

純「なるほど。それで高校に入って念願の軽音部に入部したってことね」

梓「念願ってほどでも…」

純「あはは、でも楽しそうにやってていいじゃん」

梓「…うんっ」

純「あっ、これは?」

梓「文化祭の。こっちは体育祭かな」

純「けっこうあるね、写真」

梓「なんか恥ずかしい…」

純「私としては面白いけど」

梓「面白いってなに!?」

純「悪い意味じゃないって」



361VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:14:10.039EC3M9ZUo (10/23)

純「あはは…へー」クスクス

梓「もう! アルバム見ながら笑わないでよ!」

純「ごめんごめん、悪気はないって」

梓「没収」ムスッ

純「あぁ、もっと見せてよー」

梓「後でね」

純「けちー……ん?」

梓「どうしたの?」

純「梓の部屋ってさ、よく見ると……女の子っぽくないよね」

梓「えっ…」

純「だって音楽グッズばっかじゃん」

梓「へ、変かな?」

純「んー…まぁ梓らしいっちゃ、らしいけど」

純「それにしても、よくこんな色々集めてるね。オーディオやレコードいっぱい」

梓「集めてるっていうか…これぐらい当然じゃない?」

純「当然なんだ…」



362VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:14:36.569EC3M9ZUo (11/23)

梓「あっ、そうだ。純にこれあげよっか?」

純「なになに?」

梓「キーホルダー、懸賞で当たったの。ほら、クマの人形がベース持ってるんだよ」

純「わ…かわいい! もらっていいの?」

梓「うん」

純「では、遠慮なく頂戴します」

梓「こういうのって数だけ増えてどんどん余っちゃうんだよね」

純「梓って懸賞とかよくするの?」

梓「うん、欲しいものがあるから」

純「なに?」

梓「えっと…まって、雑誌に載ってる……」バサバサ

梓「あった、これ」

純「エフェクター…?」

梓「買うとしたら八万ぐらいになるのかな」

純「八万!? そんなのどうするの!?」

梓「え? 使うんだけど」

純「……プロだね、梓」


363VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:16:06.679EC3M9ZUo (12/23)

梓「そんな大げさな」

純「私にはそんなもの買う勇気ないなぁ、使ってはみたいけど」

梓「だから私だって懸賞で当てようとしてるんだって」

純「そうだ、当たったら私にも貸して。エフェクター」

梓「貸してって……別にいいけど」

純「やった!」

ヴーヴー

梓「あっ、憂からだ」

純「なんだって?」

梓「えぇっと…………アルバム探すからもうちょっと遅れそうだって」

純「えー、そうなんだ…」

梓「憂が来るまでなにしてる?」

純「うー…ん。梓が決めて」

梓「私が? って言われても……っていうか、さっきもこんなやり取りがあったような」

純「だから今度は梓が決めてよ」

梓「……じゃあゲームでもやる?」

純「ゲームあるの!? 梓の家に!?」

梓「そんな驚くこと!?」





364VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:16:51.589EC3M9ZUo (13/23)

純「だってレコードしかないと思ってたから」

梓「そんなわけないって…」

純「まぁいいや、とにかくやろうよ。なんのゲーム?」

梓「えっと、RPGや育成ゲームとか」

純「それ全部一人用のゲームじゃん」

梓「あ……」

純「対戦ゲームとかないの?」

梓「……ないかも」

純「なんだ、それじゃあゲームもなしだね」

梓「ごめん…」

純「え? 別に謝らなくてもいいけど……そうだ、トラプンある?」

梓「あ、うん。それならある」

純「じゃあポーカーでもやろっか」

梓「えっ、ポーカーのルールしらない」

純「えっ」


365VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:17:25.999EC3M9ZUo (14/23)

純「梓ってさぁ……」

梓「うん」

純「音楽以外の趣味あるの?」

梓「音楽以外? うーん……」

梓「音楽以外の趣味って必要なの?」

純「うわっ、なにそのアーティストっぽい発言!!」

梓「だ、だって…特に思い当たらないし」

純「ふーん…まぁ梓は音楽だけあればいいんだろうけど」

純「でも他になにかあってもいいんじゃない? ほら、見解が広がりそうじゃん」

梓「じゃあ…例えばどんなのがいい?」

純「え? えーっと……」

純「スポーツとかは?」

梓「スポーツ?」

純「そう。テニスとかよくない?」

梓「テニスかぁ……あっ、じゃあ純も一緒にやろうよ!」

純「私はできないからパス」

梓「えー……」



366VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:18:15.469EC3M9ZUo (15/23)

梓「なんかもうどうでもよくなっちゃった」

純「なに? もういいの?」

梓「…ていうか、純にはあるの? 趣味」

純「私はね…梓をいじることかな」

梓「えぇっ!?」

純「冗談冗談」

梓「冗談でもやめてよ…唯先輩にだって散々いじられてるのに」

純「でも梓っていじりがいがあるから、唯先輩がいじる気持ちも分かるなぁ」

梓「そんなのうれしくないって」ムスッ

純「そうやってむくれてる顔見るとまたいじめたくなっちゃうんだって」

梓「……純のイジワル」

純「よしよし、ごめんごめん」ナデナデ

梓「なでなでしない!」



367VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:19:27.749EC3M9ZUo (16/23)

純「あっ、そうだ。私一度だけやってみたいことがあったんだけど」

梓「なに?」

純「唯先輩みたいに、梓のこと抱きしめてみてもいい?」

梓「……え?」

純「いや…なんかやってみたくて」

梓「だ、ダメ! 絶対にやだ!!」

純「えーいいじゃーん。減るもんじゃないんだし」

梓「いきなりなに言ってるの!?」

純「だって興味あるんだもん。抱き心地とか」

梓「もー! 純まで唯先輩みたいなことしないでよ!!」

純「えー…抱きしめちゃダメ?」

梓「ダメだって」

純「ケチ」

梓「抱きつかれるのって、結構疲れるんだからね」

純「でも楽しそうじゃん、唯先輩に抱きつかれる梓」

梓「えぇっ……そんな風に見えるの?」

純「うん、仲いいなぁって感じで」

梓「た、楽しくなんかない!!」



368VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:19:55.139EC3M9ZUo (17/23)

純「でもさ、寂しくなるね」

梓「え?」

純「だって唯先輩が卒業したら抱きついてくれる人いないんだよ?」

梓「あ…」

純「だから、来年は私が代わりに抱きついてあげよっか?」

梓「なんでそうなるの!?」

純「順番的に」

梓「そんな順番決まってないから!!」

純「あははっ、そっか」

梓「むー……」

梓「……」

梓(まさか今、純に遊ばれてるじゃ…)

梓「…純」

純「なに?」

梓「私をあまりなめないこと!」ビシッ

純「……なにそれ?」

梓「……言ってみただけ」


369VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:20:21.249EC3M9ZUo (18/23)

梓「で、でも、純は私のことバカにしてるでしょ?」

純「してないよー」

梓「してる!」

純「そんな怒んなくても」

梓「別に怒ってはないけど…」

純「それに梓のことは尊敬してるよ?」

梓「えっ…」

純「だって音楽に対しては真剣だしギター上手いし、ライブではすっごい輝いてたし」

純「カッコよかったなー、ライブの梓。私もあんな風に弾いてみたい」

梓「…っ///」

純「……や、まぁ何ていうか…」

純(なんか……言った私も急に恥ずかしくなってきた…)



370VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:20:49.789EC3M9ZUo (19/23)

梓「えっと…あ、ありがとう」

純「あ、うん。…大丈夫、梓はやればできる子だから」

梓「そのフォローはなに?」

純「いや…なんでもない。あはは」

純「とにかく、梓は私にとって誇れる友人ってことかな!」

梓「う、うん…」

純(あれ? すべった…?)

梓「…私も」

純「うん?」

梓「私も純のこと…」

ピンポーン

梓「あっ」

純「憂かな?」

梓「たぶん…迎えに行ってくる」

純「うん、いってらっしゃーい」



371VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:21:43.339EC3M9ZUo (20/23)

ガチャッ

憂「こんにちは、梓ちゃん」

梓「いらっしゃい、憂」

憂「ごめんね、アルバム探すのに手間取って遅れちゃった」

梓「気にしないで、私の方から無理やり頼んじゃったんだし」

憂「でも急にどうしたの? アルバム持ってきてだなんて」

梓「なんか二人の中学時代の写真が見たくて…」

憂「えー、恥ずかしいよ」

梓「でも知りたいな、二人の中学時代。私は別の学校だったし」

憂「別に普通の学校生活だったよ?」

梓「でも興味あるんだもん」

憂「そっか…私も梓ちゃんの中学の写真見たいなぁ」

梓「あがって。中でお茶でも飲みながら見よっ」

憂「あ、うん。おじゃましまーす」


372VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:22:09.469EC3M9ZUo (21/23)

梓「外暑かった?」

憂「少し。もうそろそろ夏だねえ」

梓「うん……夏はどうしよっかなぁ」

憂「プールとか行きたいね」

梓「あ、いいかも」

憂「じゃあ夏休みに三人で行こっか」

梓「うんっ」

純「あ、いらっしゃーい」

憂「純ちゃーん!」

梓「純、なにして……あっ」

純「へ?」

梓「ちょ、ちょっと! なんで勝手にアルバム見てるの!!」

純「だって見たくなったんだもーん」

梓「勝手に見ないの!」

純「いいじゃん、どうせ三人で見るんだし」

憂「ふふっ」




373VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:23:23.689EC3M9ZUo (22/23)

梓「もう、純ったら…」

憂「私も見たーい」

純「いいよ、一緒に見よっ」

梓「あっ…もー」

純「ねぇ、見てこれ」

憂「あっ、梓ちゃんかわいいー」

純「でしょ?」

梓「……」

純「なにしてるの梓? 本人がいないと盛り上がんないんだし、一緒に見ようよ」

梓「うん…」

梓「……」

梓「…あのね、二人とも」

純「なに?」

憂「梓ちゃん?」

梓「……やっぱいい。なんでもない」

純「なによー、気になるー」

梓「なんでもないって……」

梓「それより、後で二人のアルバムもちゃんと見せてねっ!」


##8 おわり


374VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 03:24:49.269EC3M9ZUo (23/23)

ここまで


375VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/08(火) 18:12:18.29cyzIRN4Wo (1/1)

あーもう たまらんな おつ


376VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/09(水) 01:42:55.27qp2gNW6AO (1/1)

ちゃんと…言えよ!!


377VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:29:42.32z2qznvHio (1/37)

##9

――ジャズ研 部室

純「夏は暑い、なぜだか分かる?」

後輩c「えっと……」

純「答えはズバリ、〝夏だから〟!」

後輩c「あっ、そっか。なるほど」

先輩C「なに言ってるんだお前たちは」

先輩B「今年はクーラーがあるから良いよね~」

後輩c「去年はなかったんですか?」

先輩B「そうだよ~。今年から生徒会でつけてくれるよう決まったの」

先輩C「そんなことはどうでもいい。もう夏休みなんだから、練習に集中するぞ」

純「はぁ…うちは合宿とかしないんですか?」




378VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:30:14.19z2qznvHio (2/37)

先輩C「合宿?」

純「だって他の部活はやってるじゃないですか。軽音部ですらどこか行ってるって言うし…」

先輩C「他は他だ。うちには関係ない」

純「そうですか…」

先輩B「でも合宿は行きたいね~。ハワイとか」

先輩A「私はニューヨーク行きたいなー、ジャズの本場だし」

先輩C「合宿の域を超えてるだろ…」

純「行きたいなー、合宿」

後輩c「純先輩はどこに行きたいんですか?」

純「私? 私はねー…ロシアかな」

後輩c「ロシア?」

純「うん、ロシア料理が食べたい。この前テレビでやってたし」

先輩C「はぁ……くだらないこと言ってないで早く練習の準備をしろ」





379VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:30:39.39z2qznvHio (3/37)

・・・・・

後輩c「うーん……難しいなぁ」

後輩a「あれ? 休憩時間なのに練習?」

後輩c「ひぇっ!? あ、は、はい」

後輩a「そんな驚かなくてもいいのに…」

後輩c「ご、ごめんなさい…」

後輩b「でも偉いねー、休憩中でも練習って」

後輩c「わ、私…少しでも純先輩みたいに弾きたくて…」

後輩a「純先輩?」

後輩c「は、はい。私、純先輩に憧れてて…」

後輩a「へー、純先輩に……珍しいね」

後輩c「え?」

後輩a「だって普通うちの学校のベーシストなら、軽音部の澪先輩に憧れるものじゃない?」




380VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:31:10.38z2qznvHio (4/37)

後輩c「澪…先輩?」

後輩b「私、ベーシストじゃないけど澪先輩に憧れてる。美人でかっこいいもんねー」

後輩a「私は梓先輩かな。かわいいし、それでいてギター上手いし」

後輩c「梓先輩…」

後輩a「そうそう、軽音部ってなんか凄そうでしょ? だから憧れちゃうんだよね」

後輩c「で、でも…私はジャズ研だし……それに純先輩だって……」

後輩a「あー、確かにうちの部長もギター上手いけど…なんか掴みどころがなくてよく分かんない人なんだよね」

後輩b「純先輩は接しやすいけど…憧れの先輩ってほどでもないかなぁ」

後輩b「たまに変なギャグ言ってすべってるし…」

後輩c「……」

後輩b「あっ…別に悪口言ってるつもりじゃないよ? ただ、そういうのとは違うかなーって思って」

後輩c「でも…純先輩は……」

後輩a「あははっ。けどほんと変わってるよね、純先輩に憧れるなんて」

後輩b「だよねー。まぁそういう所に着目するってのはあなたらしいけど」

後輩c「……」

後輩c(だったら…最初から軽音部に入ればいいのに……)





381VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:31:39.11z2qznvHio (5/37)

純「へっくしょん!」

同級生「どうしたの? 風邪?」

純「誰かが私の噂してるんじゃない?」

同級生「まっさかー、純の噂なんて誰がするの」

純「ひどっ!?」

同級生「それより聞いてよー。私さ、最近スランプ気味なんだよね」

純「スランプじゃない日なんてあるの?」

同級生「ひどっ!? すごい悩んでるのに……」

純「はいはい、聞いてあげる聞いてあげる」

同級生「あのね、なんかさぁー……最近モチベーション上がらないんだよね」

純「モチベーションねえ…」

同級生「練習しててもなんかつまんないし、舞台には上がれないし…」

同級生「私なんのために部活やってるのかなぁ……」



先輩C「……」


382VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:32:17.58z2qznvHio (6/37)

純「ふーん……」

同級生「なんか疲れちゃった。もっと気楽にやれる部活に入ればよかったかも」

同級生「例えば…軽音部とか。どうかな?」

純「私もそういうの思ったりするけどさ……もうちょっと頑張ってみれば?」

同級生「だってさー…努力しても努力してもレギュラーにはなれないし、なんだかなぁ……」

純「でもさ…」

先輩C「さっきから話を聞いてれば…何なんだお前は」

同級生「え?」

純「あっ、センパ…」

先輩C「努力した? 口に出した努力は努力じゃない。自分が何のために練習してるのか少しは考えろ!」

先輩C「それでもやりたくないなら帰れ!! 邪魔だ!!」

同級生「ご、ごめんなさい!!」





383VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:32:57.12z2qznvHio (7/37)

先輩C「まったく……部活を何だと思ってるんだ…」

先輩A「ちょ、ちょっと…いくらなんでも怒りすぎじゃない?」

先輩B「そうそう、暑いからってイライラしすぎ。クーラーも効いてるんだしクールにいこうよ~」

先輩C「そういう問題じゃない!! 部長のお前がしっかりしないから周りがだらけるんだぞ!!」

先輩B「怒られた…部長なのに」

ガチャッ

顧問「みんなー、お疲れ。これアイスの差し入れ持ってきたんだけど…」

先輩C「今は部活中です!!」

顧問「怒られた…先生なのに」

先輩A「まぁまぁ、せっかく先生が持ってきてくれたんだし」

先輩B「そうだよ~、アイスでも食べて少しはクールダウンしよなよ~」

先輩C「っ……はぁ」



384VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:33:24.75z2qznvHio (8/37)

純「今日のセンパイ…熱いね。夏だからかな?」

同級生「うわぁ~ん! 怖かったぁ!!」

純「いいじゃん、どうせ怒られ慣れてるんでしょ?」

同級生「慣れてないから!!」

純「それより、アイスもらいに行こ?」



385VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:34:00.87z2qznvHio (9/37)

後輩c「……」

後輩b「こわいね…センパイ」

後輩a「私、正直あの人苦手かな」

後輩c「で、でも…優しいところもあるし……」

後輩a「そう? いつも怒ってるじゃん」

後輩c「それは……たぶんみんなのために…」

後輩a「けどあんなに怒鳴られちゃったらね…」

純「はい、アイス持ってきたよ」

後輩c「あ…」

後輩a「すいません、ありがとうございます」

純「いいっていいって。はい」

後輩c「あ、ありがとうございます」

純「センパイはああ言ってたけど、ちゃんと部活のこと思って言ってるの」

純「だからそんな怖がらなくても大丈夫」



386VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:34:27.29z2qznvHio (10/37)

後輩b「はあ…」

純「ほら、アイス食べてやる気出そう!」

後輩c「はいっ」

純「じゃ、がんばってねー」

後輩a「……」

後輩c「どうしたんですか?」

後輩a「なんか…純先輩の前だと明るくなるよね」

後輩c「え? 私がですか…?」

後輩b「うん、声もハキハキとしてたし」

後輩c「そうですか…?」

後輩a「私たちともそう接してくれればいいなー」

後輩c「ご、ごめんなさい…」

後輩b「あぁ、いいのいいの。これでも最初のころより結構打ち解けてるんだしね」

後輩a「ねっ」

後輩c「は、はい……」

後輩c「あの、一つ聞きたい事があるんですけどいいですか?」




387VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:34:58.30z2qznvHio (11/37)

後輩a「なに?」

後輩c「二人はその…なんでジャズ研に入ったんですか?」

後輩a「え?」

後輩b「何でって言われても……うーん」

後輩b「なんとなくかな、入りやすそうだったし」

後輩a「でも実際は練習厳しいよね」

後輩b「うん、ちょっと後悔したかも」

後輩c「……」

後輩a「あっ、そろそろ練習再開しないと」

後輩b「そうだね。私も怒られない程度にがんばろっと」

後輩c「……私は」

後輩a「なに?」

後輩c「いえ……なんでもないです…」




388VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:35:26.79z2qznvHio (12/37)

部活終了

純「ふぅ…終わったー」

後輩c「お疲れ様です」

純「あっ、お疲れー。一緒に帰ろっか」

後輩c「はいっ!」

同級生「……」

純「あれ、帰らないの?」

同級生「私…もう少し練習してから帰る」

純「えっ」

同級生「なんかさ…もう少し頑張ったほうがいいかなって思って。だから…」

純「そっか、分かった。頑張ってね」

同級生「うんっ…バッチリやってみる」




389VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:35:52.98z2qznvHio (13/37)

純「それじゃあ、二人で帰ろっか」

後輩c「はいっ」

純「それにしてもお腹すいたね。なんか食べて帰る?」

後輩c「そうですね…」

先輩B「そこのお二人さん。暇なら私のお店に来るかい~?」

純「え? センパイのお店…?」

先輩B「そ、バイト先の喫茶店。今日は店長もいないし、お客さんも来ないだろうから暇なんだよね~」

純「じゃあ…そうます!」

純「いいよね?」

後輩c「はい、分かりました」

先輩B「んじゃ、出発~」



390VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:36:23.44z2qznvHio (14/37)

――喫茶店

純「私、センパイのバイト先初めて来ました」

先輩B「そうだっけ? そういえばそうだったね~」

先輩B「とりあえず何か飲む?」

純「あ、はい。じゃあメロンソーダで」

後輩c「私は…オレンジジュースを」

先輩B「なんだよ~、誰もコーヒー頼まないのかよ~。淹れるの得意なのに~」

後輩c「あ、じゃあ…」

先輩B「冗談冗談、無理して頼まなくていいヨ」

後輩c「す、すいません」

先輩B「マジメだね~、そういうの好きだよ」

後輩c「すっ、好きって…えぇっ!?」

純「そのまんまの意味じゃないって」

後輩c「あ…す、すいません!」

先輩B「あはは~…面白い子だね~」




391VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:36:51.56z2qznvHio (15/37)

先輩B「はい、おまちどう」

純「あっ、アイスクリーム」

先輩B「サービスサービス。はい、後輩ちゃんも」

後輩c「ありがとうございます」

先輩B「ついでに今料理作っちゃうから~、なんか注文しといて」

純「ロシア料理ってありますか?」

先輩B「ロシア行きな」

後輩c「私は…カレーライスで」

先輩B「あ~い、了解~」

後輩c「あの…で、できれば甘口でお願いします」

先輩B「ん? いいよ~。それで純は?」

純「ロシア料理は……」

先輩B「しょうがないな~、ボルシチなら作ってみるよ」

純「やった!」


392VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:37:32.11z2qznvHio (16/37)

・・・・・

先輩B「はい、できた。私も食べよっと」

純「すご…本場のボルシチみたい。センパイって料理上手なんですね」

先輩B「得意だよ~、店長より上手いしね。どう? 辛くない?」

後輩c「は、はい。美味しいです」

純「憂とどっちが美味しいんだろう…」

先輩B「うい?」

純「あっ、友達です。その子も料理上手なんですよ」

先輩B「へぇ~…純って色んな友達いるよね。この前も映研の手伝いしてたし」

純「あれは…頼まれて仕方なく」

純「そ、それより! 今日の副部長かなり怒ってましたけど、あの後どうでしたか?」

先輩B「ん? ん~~……どうだろうな~~」

先輩B「いつも通りじゃない? 純は気にしないでいいよ」

純「そっか、そうですね」




393VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:38:04.67z2qznvHio (17/37)

純「でもなんか今日の副部長の言葉はグサッときたなー」

純「あとどれくらい練習頑張ればいいんだろう……」

先輩B「そうだね~」

純「頑張りすぎてプロになってたりして」

先輩B「プロか~、いいね~。なれるんじゃないの?」

純「じゃあ私がプロになったらCD買ってくれますか?」

先輩B「中古でね」

純「えぇー、そこは新品で買ってくださいよ」

後輩c「わ、私は買います! 五枚くらい…」

純「五枚も!? 一人当たり五枚も買ってくれれば…十億ぐらい稼げますよね?」

先輩B「普通の人は五枚も買わないだろ~。純のCDならレンタルで済ませちゃうんじゃない?」

純「買ってくれますもん!」

先輩B「そうだね~、買う人もいるかもね~」

純「可能性ありますよね!?」

先輩B「可能性か~…まぁそれぐらいなら、世の中どうなるか分からないからあるかもね」





394VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:38:30.80z2qznvHio (18/37)

純「つまり私のCDは世の中がどうにかならないと売れないってことですか…」

先輩B「ま、何事もやってみれば分かるんじゃない?」

先輩B「とりあえず純はプロとか言う前にレギュラー取らないとな~」

純「…はーい」

後輩c「……」

先輩B「…そういえば純は覚えてる? 去年の文化祭」

純「え?」

先輩B「文化祭が終わったあとさ、居残り練習したじゃん」

純「…あ、しましたね」

先輩B「あの時、なんで居残り練習したのか覚えてるかい~?」

純「私は…えっと……」

先輩B「……」

純「……あっ、軽音部の演奏見て」

先輩B「同じ学年の子が舞台に上がってるのが羨ましくて、自分も頑張ろうと思ったんでしょ?」




395VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:38:57.95z2qznvHio (19/37)

純「そうだ…梓」

後輩c「……」

後輩c(また梓先輩……どういう人なんだろう)

先輩B「ま、初心を思い出したなら引き続き頑張りな~。困った時はさ、いつでも助けてあげるから」

純「あははっ…はい」

後輩c「……」

純「あ、お手洗い行ってきていいですか?」

先輩B「うん、いいよ~。いってらっしゃい」

後輩c「……」

先輩B「ジュースおかわりする?」

後輩c「あっ……お願いします」

先輩B「おっけ~。おかわりは特別サービスでタダにしてあげる」





396VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:39:28.66z2qznvHio (20/37)

後輩c「……」

先輩B「はい、おかわり」

後輩c「あ、ありがとうございます」

先輩B「いえいえ、どういたしまして」

後輩c「……あの」

先輩B「うん?」

後輩c「部長は……軽音部のことどう思いますか?」

先輩B「え?」

後輩c「いえ…その……」

先輩B「軽音部ねぇ~……よく分かんないけど、向こうは向こうで楽しくやってるんじゃない?」

後輩c「……」

先輩B「急にどうした~?」


397VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:39:55.20z2qznvHio (21/37)

後輩c「いえ…なんか変だと思って……」

先輩B「?」

後輩c「だって…ジャズ研なのに……みんな軽音部のこと話題にして…」

後輩c「純先輩まで……」

先輩B「う~~ん……そりゃまぁ、同じ音楽部で注目の的だしな~」

後輩c「で、ですけど……それじゃあジャズ研は…」

先輩B「…好きなんだ、ジャズ研のこと」

後輩c「え?」

先輩B「軽音部に嫉妬するぐらい、大切に想ってるじゃん」

後輩c「……」

先輩B「私の憧れの人もさ、ジャズ研のこと大切に想ってんだよね」

先輩B「軽音部に嫉妬というかそいうの通り越してるぐらい」

後輩c「部長の、憧れている人…?」




398VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:40:39.27z2qznvHio (22/37)

先輩B「その人はね、もともと音楽の才能があるわけじゃなくて本当に普通の人だったんだけど」

先輩B「努力することに関しては…たぶん、誰よりも凄かった」

先輩B「一人でジャズ研作って、一人で部員をまとめようとして、一人で全部がんばろうとして…」

先輩B「バカなくらい無理してるから、見てるこっちも結構心配してたんだよね~」

先輩B「それでいて強がりだから余計ほっとけなくて」

先輩B「でもさ、あの人は最後まで頑張り通したんだ。高校三年間…ほんと凄いな~って思った」

後輩c「……」

先輩B「辛いことがあっても、そんなの乗り越えられるぐらい頑張れるものって…そういうのは意外と見つからないもんだよね」

先輩B「なんでも楽しめればいいんだろうけど…それだけじゃたぶんダメだろうし」

先輩B「だから、そういうことを見つけて成し遂げたあの人は、私にとって憧れなんだよね」

後輩c「……」

先輩B「とと、なんか関係ない話になっちゃったかな~…」

先輩B「まぁ、周りが軽音部とか何だろうとか言っててもどうでもいいじゃん」

先輩B「ジャズ研のことが好きな自分がいれば、それで十分だよ」




399VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:41:13.58z2qznvHio (23/37)

後輩c「……」

先輩B「ん~~…久しぶりに長々と喋ったから顎が痛いナ~」

後輩c「私は…」

先輩B「お?」

後輩c「私は…純先輩に憧れてるんです」

後輩c「純先輩は明るくて、友達もいっぱいで、私にはないものをたくさん持ってて…」

後輩c「ジャズ研に入った理由も、純先輩がいたからで……でも、練習してるうちにベースも好きになって」

先輩B「……」

後輩c「ずっと一人ぼっちだったけど、純先輩がいたから…私は変われて、ジャズ研にも居場所ができたようで……」

後輩c「だから…純先輩は私にとって、特別な存在で……私も純先輩みたいになりたくて…」

先輩B「へぇ~、そうなんだ」

後輩c「これって……変なことですか?」




400VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:41:54.68z2qznvHio (24/37)

先輩B「なんで?」

後輩c「同級生の子に…純先輩に憧れてるって言ったら変だって言われて……」

先輩B「別に変じゃないよ? まぁ本人が聞いたら驚くだろうけど」

後輩c「変じゃ…ないですか?」

先輩B「うん、変じゃない」

後輩c「グズッ……ヒッグ…」

先輩B「えっ、なんで泣いちゃうの」

後輩c「私゛…ぐやじくで……ヒッグ」

後輩c「純先輩だっていい先輩なのに……誰も気づいでぐれなぐで…」

後輩c「みんな゛…純先輩もジャズ研もどうでも゛よぐで……」

先輩B「…ほらほら、とりあえず鼻かみな~」

後輩c「グスッ……」




401VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:42:26.94z2qznvHio (25/37)

先輩B「考えすぎだって、みんなそこまで思ってないから」

先輩B「そうじゃなきゃ今日まで部活やってこれなかったはずだよ?」

後輩c「……」

先輩B「はい、涙ふいて。かわいい顔してるんだから泣いてちゃもったいないよ~?」

後輩c「すいません……私…」

先輩B「いいって、たまには本音言ってスッキリするのも大切だし」

後輩c「……」

先輩B「落ち着いた?」

後輩c「はい…」

先輩B「純のことが好きならさ、いつも笑うようにしないと」

先輩B「暗い顔や泣いてる顔ばっかだと、嫌われちゃうぞ~?」

後輩c「は、はいっ」

先輩B「じゃあ笑顔の練習。はいどうぞ、笑って」

後輩c「え、えっと……」

純「戻りましたー…って何してるんですか?」




402VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:42:54.34z2qznvHio (26/37)

先輩B「長かったね、食べ過ぎた?」

純「いや、そうじゃないですけど…」

後輩c「あ…おかえりなさい、純先輩」」

純「どうしたの? 目真っ赤じゃん」

後輩c「いえ……」

先輩B「ちょと練習のしすぎでね~」

純「練習?」

先輩B「笑顔の練習。純もやるかい~?」ギュ~ッ

純「いたたっ!? そんな無理やり顔の形変えても!!」

先輩B「あはは、変な顔~!」

純「もー…ひどいじゃないですか」

後輩c「純先輩…」

純「なに?」

後輩c「…いえ、なんでもないです」クスッ

純「?」



403VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:43:20.41z2qznvHio (27/37)

・・・・・

先輩B「でさぁ~、商店街の人たちに頼まれてジャズ研で演奏して欲しいんだって~」

純「私も出れますか!?」

先輩B「う~ん…チャンスがあればね~」

純「よしっ! 華麗な商店街デビューできるようがんばります!」

先輩B「商店街デビューって…なんか間抜けなデビューだな~」

純「そうですか?」

ガチャッ

先輩B「あ、いらっしゃ――」

先輩「あら、よかった。いたのね」


404VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:43:49.66z2qznvHio (28/37)

先輩B「あっ」

純「せ、先輩!?」

先輩「純も、久しぶり」

後輩c「え……えっと」

先輩B「来るなら連絡ぐらいくれればいいのに~」

先輩「ごめんごめん」

先輩B「言っておきますけど、先輩の好きなドクターペッパーは品切れですからね~」

先輩「えっ…じゃあ適当にコーヒー淹れてちょうだい」

先輩B「はいはい、先輩用に変な味のやつ作っておきます」

純「先輩…なんかすごくキレイになりましたね」

先輩「そ、そう?」

先輩B「バッグは高いの持ってるくせに靴は安いやつはいてますね」

先輩「く、靴は今度買うの!!」




405VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:44:52.57z2qznvHio (29/37)

純「大学はどんな感じですか?」

先輩「うん…まぁまぁかな。新しくバンドも始めたし」

純「へぇ、すごいですね!」

後輩c「……」

先輩「えっと…」

純「あ、この子は今年から入った一年生で」

先輩「そうなんだ、なるほどね」

後輩c「は、初めまして。先輩のことは純先輩から聞いています」

後輩c「すごくカッコいい先輩だって…」

先輩「あ…あはは、そうかしら?」

先輩B「見てくれがカッコいいだけだよ~」

先輩「むっ」

先輩B「はい、特製コーヒー先輩帰省記念バージョン」

純(くさっ!?)

先輩「あら、良い匂い」

純「えっ」



406VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:46:12.87z2qznvHio (30/37)

・・・・・

先輩「このお店、配置変わった?」

先輩B「春にちょこっと」

先輩「へぇ~…」

純「…それじゃあ私はそろそろ帰ります」

先輩「え? もう帰っちゃうの?」

純「はい、用事もあるんで」

先輩「そう……明日私もジャズ研の練習見に行くから、またね」

純「ほ、本当ですか!? やった!」

先輩「ふふっ」

純「じゃあ失礼します、また明日」

後輩c「あ、私も…失礼します」

ガチャッ バタン

先輩「……相変わらずね」

先輩B「そうでもないですよ~、みんな日々変わってますって」

先輩B「コーヒーのブレンドも日々研究して変わってるし…それと同じですよ」

先輩「そっか…そうね」



407VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:51:40.92z2qznvHio (31/37)

先輩「それよりどう? 部長は。やれてる?」

先輩B「う~ん…周りの支えのおかげでぼちぼちと」

先輩B「先輩のほうは?」

先輩「周りのおかげでぼちぼちと」

先輩B「なんだ、変わってないですね~」

先輩「うーる-さーいー」

先輩B「うーるーさーくーなーいー」

先輩「はぁ……まったくあんたは」

先輩B「それで、今日はこの後どうするんですか?」

先輩「そうね……あんたの家に泊まってもいい?」

先輩B「え? うち?」

先輩「ダメ?」

先輩B「別にいいですけど…なんでうち?」

先輩「いいじゃない、お互い積もり積もった話とかあるでしょ?」



408VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:52:18.72z2qznvHio (32/37)

先輩B「…要するに先輩の愚痴を聞けってことですか~?」

先輩「うっ……土産話とかもあるわよ?」

先輩B「どんなの? 彼氏ができたとか?」

先輩「……」

先輩B「…まぁ期待はしないでおきますけど」

先輩「そうだ、勉強みてあげる。あんた今年受験でしょ?」

先輩B「あ、大丈夫です。先輩より偏差値の高い大学行くんで」

先輩「……憎たらしいとこは変わってないわね」

先輩B「チャームポイントですからね」

先輩「はぁ……ま、いいけど」

先輩「コーヒー、おかわり」

先輩B「はいは~い」

先輩「ん…」




409VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:53:39.63z2qznvHio (33/37)

・・・・・

後輩c「あの、純先輩…」

純「なに?」

後輩c「よかったんですか? せっかく先輩が来てたのに…」

純「うん、また明日会えるし。それになんか二人の邪魔しちゃいけないかなーって」

後輩c「?」

純「それと今は……あっ、あそこいいかも」

後輩c「え?」

純「ほら、あそこの河原。行こっ」

後輩c「え? あ、はいっ」


410VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:54:38.60z2qznvHio (34/37)

純「よいしょっと、ここら辺に座って…」

純「ふぅ、草のにおいがするね」

後輩c「あの…ここで何をするんですか?」

純「ベースの練習」

後輩c「えっ…こ、ここでですか?」

純「うん、ちょうどいいじゃん」

純「それに河原でベース弾くなんてなんかカッコよくない?」

後輩c「そうですけど…」

純「私さ、もっともっと練習してベース上手くなって…いつか舞台の上で満足できるような演奏したいの」

純「先輩や梓、澪先輩やジャズ研のみんなが感動するような演奏…」

純「ようやくまた、はっきりとした目標見つかったかなー」

後輩c「……」

純「だから今は練習あるのみ!」

後輩c「純先輩…」

純「あははっ…なんかこんな所でこんなこと語るのって青春っぽいね」

純「あっ、用事があるんだったら先に帰っても…」

後輩c「いえ、私も純先輩と一緒に練習します」



411VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 08:55:49.72z2qznvHio (35/37)

純「あ…本当に?」

後輩c「はいっ、一緒にさせてください」

純「ありがとう…よかったぁ。本当はこんな所で一人ぼっちじゃ寂しいと思ってたんだよね」

後輩c「ふふっ」

純「あはは…じゃあ早速やろっか」

後輩c「はいっ!」

純「ほら、横座って」

純「とりあえず課題の曲を…」

後輩c「純先輩」

純「なに?」

後輩c「私も頑張りますね!」


##9 おわり



412VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 09:05:28.57z2qznvHio (36/37)

純が三年になって軽音部に入るときに
「ジャズ研はつまんないから軽音部に行く」という動機が個人的にあってほしくなかったので
名無しに色々とキャラ付けをしてジャズ研の描写を書いいます、が
まぁ逆に軽音部に転部させずらくなったような。なんか純の志向も妙に高くなったような。
一応アニメ・原作からは脱線させないつもりなんですけどね・・・

というわけでここまで。



413VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 09:15:36.29z2qznvHio (37/37)

あっ、なんか誤字脱字がひどい
すいません


414VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 15:33:34.94V2hkkT5DO (1/1)

遅ればせながら乙


415VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/10(木) 17:44:11.21UZxYMcrHo (1/1)

乙なり


416VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/12(土) 14:30:37.42xiqYXx8AO (1/1)

兼部でいいんじゃない?


417VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/12(土) 15:18:38.425wzzF4wAO (1/1)

アニメは入部確定だっけ?


418VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/12(土) 18:14:47.95WOOjLOhFP (1/1)

アニメは明確には言ってないけど梓に協力的だからほぼ確定
原作は明言してるので転部あるいは兼任確定


419VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:18:26.98IXZ0zYDIo (1/30)

##10

顧問「じゃあこれ、夏休み最後のスケジュール表。みんなに渡しといて」

純「はーい。…あ、先生」

顧問「どうした?」

純「なんか雰囲気やわらかくなりましたね」

顧問「分かる?」

純「はい、女の人っぽくなったっていうか」

顧問「お酒とタバコやめたからかな……今は彼に夢中なの」

純「彼氏いるんですか!?」

顧問「サックス♪」

純「あ…そっちですか」

顧問「やっぱ趣味があると人生が充実するものね。うふふ」

純「うふふって…」


420VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:19:25.04IXZ0zYDIo (2/30)

――ジャズ研 部室

先輩A「二人とも、もう進路決めた?」

先輩B「ん~? まだ~」

先輩C「まだ決めてないのか」

先輩A「私もまだなの」

先輩C「私は保育士の学校に…」

先輩B「えっ」

先輩A「うそっ、幼稚園の先生になるの!?」

先輩C「わ、私がなったらいけないのか…?」

先輩A「ううん、全然。案外似合ってると思う」

先輩C「そ、そうか」

先輩A「でもいいなー、夢があって。私なんてまだ夢とか決まってないし…」

先輩B「夢か~」

先輩A「そっちも決まってない?」

先輩B「ん~~…夢ね~…………あえて言うなら世界平和かな」

先輩C「そうか、なら軍隊にでも入るしかないな」

先輩B「やっぱやめた」

ガチャッ

純「センパイ、スケジュール表持ってきました」


421VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:20:14.85IXZ0zYDIo (3/30)

先輩B「ご苦労様~。そこに置いたらもう帰っていいよ~」

純「はーい」

先輩B「あっ、そうだ純。ちょいと聞きたいことが」

純「なんですか?」

先輩B「純は将来の夢とかある?」

純「夢? 夢……」
純「色々ありますよ、とりあえず目下の夢は宝くじで三億円当てる事とか」

先輩B「そっか~……当たるといいね~。これからどこ行くの?」

純「友達と遊びに行きます」

先輩B「車には気をつけるんだぞ~」

純「はーい!」

ガチャッ バタン

先輩B「……いいな~二年生は余裕があって」

先輩A「私も二年に戻りたい」

先輩C「やれやれ…まったく」


422VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:20:52.90IXZ0zYDIo (4/30)

――プール

純「で、プールに来たわけだけど」

【本日休館】

純「なぜ!?」

憂「プールで事故があったんだって」

純「そんなぁ~…」

梓「仕方ないよ。諦めよ?」

憂「これからどうしよっか」

梓「他のとこ行く?」

純「うん……そうだ! せっかくだから海行かない?」

憂「海?」

純「そう、プールより海!」

梓「海かぁ…」

純「ねーいいでしょー、行こうよ。時間はあるんだし」

憂「私も久しぶりに海で泳ぎたいかも」

純「よし、じゃあ決定ー!」


423VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:21:19.32IXZ0zYDIo (5/30)

――海

憂「わぁー! 潮のかおりがするね」

純「これぞ海!! 来てよかったでしょ?」

憂「うん!」

梓「あついねー」

純「それが海だから!!」

梓「海関係なくない? それ」

憂「私、パラソルのレンタルしてくる」

純「じゃあ私と梓は場所の確保しておくね」

純「行こ、梓」

梓「あ、うん」


424VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:21:49.43IXZ0zYDIo (6/30)

純「ここら辺でいいかな」

梓「純、シートひくからそっち持って」

純「りょーかい」

梓「よいしょっ…これでよしと」

純「ふぅ、座ろっか?」

梓「うん」

純「はぁ~、なんかいいねー。海に来たって感じで」
純「景色も良いし、最高」

梓「うーん……」

純「どうしたの?」

梓「あ、ううん。なんでもない」

梓(言えない…合宿で行ったビーチのほうがキレイでここは物足りないだなんて……)


425VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:22:18.38IXZ0zYDIo (7/30)

純「こうやって女の子二人で座ってるとさ」

梓「うん」

純「ナンパとかされるのかな」

梓「うん?」

純「一度ぐらいされたいと思わない?」

梓「私は別に…」

純「でもなんか憧れるじゃん」

梓「というより、私たちに声かける人なんているのかな」

純「……」

梓「……」

純「誰も来ないね」

梓「うん」


426VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:22:46.42IXZ0zYDIo (8/30)

純「なんかつまんなーい」

梓「私は純と憂の三人でいるだけでいいけど」

純「おっと、嬉しいこと言ってくれますなー」

男「すいません、ちょっといいですか?」

純梓「!?」

純(あ、あああ梓!! 声かけられちゃったよ!?)

梓(わ、私に!?)

梓「い、いや、あの…えっと……」

男「あ、ごめんなさい。人違いでした」

梓「……え?」

女の子「お父さーん!」

男「そんなところにいたのか! ほら、行くぞ」

梓「……」

純「小学生ぐらいかな。確かにパッと見梓に似てる」

梓「うぅ…小学生と間違えられるなんて……」


427VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:23:14.42IXZ0zYDIo (9/30)

憂「パラソル借りてきたよー」

純「あっ、ありがと。手伝うよ」

梓「……」ジーッ

梓(憂…けっこうある。純も)
梓(私は……小学生)ペタン

梓「……不幸だ」

憂「? どうしたの梓ちゃん」

純「熱中症? あっ、そうだついでに……」
純「日焼け止め塗っておく? 黒くなりやすいんだし」

梓「いいよ、どうせすぐ海入るから」

純「そっか、それもそうだね。じゃあ早速泳ごっか」

純「泳ぐと胸も大きくなるって言うし」

梓「お、泳いでくる!」ダダッ

純「はやっ!?」


428VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:23:48.71IXZ0zYDIo (10/30)

憂「梓ちゃん、どうしたのかな」

純「あー…たぶん胸のことじゃない? さっき小学生と間違えられてたし」

憂「でも、泳いで大きくなるのって胸じゃなくて筋肉じゃないの?」

純「えっ、そうなの?」

憂「だって、大胸筋が鍛えられるっていうし」

純「じゃあ、あのまま梓が泳ぎ続けると……」

梓『みてみて、この胸! すごく大きくなったでしょ!!』ムキッ

純「梓がボディービルダーになっちゃう!!」

憂「は、はやく梓ちゃんを止めないと!」

ザパーンッ!!

梓「にゃぁっ!?」

憂「あっ、梓ちゃんが波にさらわれてる!!

純「ていうか泳げてないじゃん!!」


429VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:24:37.43IXZ0zYDIo (11/30)

梓「けほっ、こほっ」

憂「大丈夫?」

梓「う、うん……海水ちょっと飲んじゃった」

純「もう、そそっかしいんだから」

梓「むっ、純に言われたくない」

純「そんなこと言って、波に遊ばれてたのは誰…」

ザパーンッ!!

純「ぶわっ!?」
梓「にゃっ!?」

憂「ふ、二人とも大丈夫…?」

梓「……」

純「海なめてた…」


430VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:25:03.49IXZ0zYDIo (12/30)

憂「今日は波強いね……クラゲもいるし、気をつけないと」

純「泳ぐのやめてビーチボールで遊ぼうよ」

梓「うん、そっちがいいかも」

純「じゃいくよー、ほいっ」ポンッ

憂「それーっ」ポンッ

梓「よっ、と」ポンッ

純「お、うまいうまい」ポンッ

憂「えいっ」ポンッ

梓「とうっ」ピューッ

梓「あっ…海の方に行っちゃった」

純「もー、なにやってるの梓」

梓「ごめん、取ってくるね」タタッ

ザパーンッ!!

梓「んにゃっ!?」

憂「梓ちゃん!?」

純「そしてまた流される、と…」


431VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:25:48.88IXZ0zYDIo (13/30)

梓「はぁ…プールのほうがよかったかも」

純「今日は海のほうのご機嫌がイマイチだね。せっかく来てあげたのに」

憂「日焼けでもする?」

純「よし、今こそ日焼け止めを使うとき」

憂「私、梓ちゃんに塗ってあげる♪」

純「じゃあ私が憂ね。梓は私によろしく」

梓「うん、わかった」

ピチャピチャ

憂「きゃっ、純ちゃんくすぐったいよぉ…」

純「なに言ってるの憂、これくらいやらないと」

ピチャペチャ

憂「ひゃぅっ…」

純「憂の体って柔らかいねー」

ピチャッペチャッ

憂「じゅ、純ちゃぁん…」

純「憂の体、塗り応えがあるね」

梓「あの…もうちょっと声を控えめに……」

純「あれ? どうしたの梓、鼻なんておさえて」

憂「大丈夫? 梓ちゃん」

梓「な、なんでもない!!」


432VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:26:15.95IXZ0zYDIo (14/30)

純「はー、太陽あったかい。潮風きもちいい」

憂「お姉ちゃんとも一緒に来たかったなー」

梓「唯先輩は夏期講習だっけ?」

憂「うん、そうだよ」

純「あっ、思いついた。太陽があったかいよー、なんちゃって」

梓「それ微妙」

純「えっ、そう?」

憂「でも本当にあったかいねー。なんだか眠くなってきちゃった」

純「うん、ほんと………zZZ」

梓「寝つき良すぎだって、純…」

憂「ふふっ、でも純ちゃんじゃなくても……ふわぁ~」

梓「私も…なんだか……」


433VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:26:42.97IXZ0zYDIo (15/30)

・・・・・

梓「う、う~ん……」

梓「寝ちゃったのかな……」

梓「ふあぁ~……純、憂、起きてる?」

梓「……」

梓「純? 憂?」

梓「あれ……?」

梓「……」キョロキョロ

梓「純ー! 憂ー!」

梓「いない……」

梓「うそ……」

梓「……」

梓(……どこ行ったの?)


434VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:27:09.02IXZ0zYDIo (16/30)

梓「……」

梓(一人ぼっち……)

梓「……」

梓「二人とも…どこ行ったの……」

梓「……」

梓(どこかで遊んでるのかな…それとも……)

梓「……」

梓(なんか…急にさびしくなって……)

ワイワイ       キャーキャー
   キャーキャー

梓(みんな楽しそう……)

梓「……」

梓「グスッ……純…憂…」

梓「こんな所で一人にしないでよぉ……」

梓「一緒にいてよぉ……グズッ」

純「あれ、起きてたんだ」

梓「っ!?」

憂「おはよ、梓ちゃん。ちょっと飲み物買いに純ちゃんと…」

梓「うわああああんっ!! ばかー!!」

純「な、なに? どうしたの」


435VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:27:43.86IXZ0zYDIo (17/30)

・・・・・

純「あははっ、じゃあ私と憂が梓を置いてどこか行っちゃったと思ったの?」

梓「うぅ……」

純「そして急に孤独感に襲われたと」

梓「だ、だって二人ともいなくなるから…」

純「もう、私たちが梓を置いて帰るわけないでしょ」

憂「そうだよ梓ちゃん、私たち三人一緒だよ」

梓「純…憂…」

純「それにしても、私たちがいなくなるだけで泣いちゃうだなんて…」

憂「梓ちゃんかわいいーっ!」ギュッ

梓「ち、ちがう! 泣いたんじゃないの!!」
梓「目に海水が入っただけなんだから!!」

純「はいはい、そんな典型的な嘘をつかなくちゃいけないとこまで追い詰めらてるのね」ニヤニヤ

梓「にゃーっ!! 違うんだからー!!」


436VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:28:33.09IXZ0zYDIo (18/30)

純「そろそろ時間だし、最後に泳いでおく?」

憂「賛成!」

梓「もう時間なんだ。なんか早いなー」

純「それぐらい楽しかったってことでしょ。プールもいいけど海もいいよね」

梓「うんっ」

純「よーし、最後にじゃんじゃん泳ごー!」

憂「おー!」

梓「お、おー!」

純「それっ」バシャーン

憂「冷たくて気持ちいいねー!」

梓「えいっ」バシャッ

純「あっ、やったなー梓……この!」バシャバシャ

梓「反撃!」バシャバシャ

憂「私も!!」バシャーン

梓「にゃっ!?」

純「あはははっ! 梓ずぶ濡れ!」

憂「えへへーっ」

梓「…クスッ。もう憂ったら許さないんだからねっ」

ザパーンッ!!

純「わぷっ!?」
憂「きゃっ!?」
梓「にゃっ!!」


437VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:29:22.62IXZ0zYDIo (19/30)


―――――――――――――――
―――――――――
―――――

ガタゴトン ガタンゴトン



純「あー、疲れた。もう動けない」

憂「いっぱい遊んだもんね」

梓「うん…ふあ~」

純「次寝たらほんとに置いてっちゃおうかなー」

梓「ね、眠くないけど…」

純「冗談冗談♪」

梓「もう……」

憂「でも今日はほんとに楽しかったなぁ。また来年も行こうね、純ちゃん、梓ちゃん」

梓「うん、来年も……あっ」

純「どうしたの?」

梓「来年は私たち三年だから……受験」


438VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:30:09.61IXZ0zYDIo (20/30)

純「そっか、来年は三年生だから受験勉強しなくちゃね」

憂「お姉ちゃんたちも今がんばってるもんね」

梓「うん…」
梓「……」

憂「梓ちゃん?」

梓「もう今年で最後かな、夏にこうやって三人で遊んだりするの」

純「なーにしょげてんの」ガバッ

梓「にゃっ!?」

純「来年の夏は来年の夏で、三人一緒に受験勉強でもすればいいじゃん」

梓「純……」

憂「そうだよ。それに遊べるときはいつでも遊べるんだし」

純「だからそんなしょんぼりした顔しないのっ」

梓「二人とも……うんっ」

梓「今日は私、楽しかったよ。二人と遊べて」

憂「ふふっ」

梓(本当に…楽しかった)

純「あっ、じゃあ来年は海で受験勉強でもする?」

梓「いや、それはさすがに……」

##10 おわり


439VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:30:36.09IXZ0zYDIo (21/30)

##バレンタイン

――1年2組

憂「はい梓ちゃん、バレンタインのチョコレート」

梓「えっ」ドキッ

憂「昨日作ったの。よかったら食べて」

梓「わ、わわ私に!? 憂から!?」

憂「うん、そうだよ?」

梓「あ、ありがとう…」ドキドキ

梓(誰かにチョコもらうなんて初めて……)

梓「あっ」

憂「なに?」

梓「お、お返し! 私もチョコ!!」

憂「別に気にしなくていいよ、梓ちゃん」

憂「あっ、純ちゃーん!」


440VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:31:06.50IXZ0zYDIo (22/30)

純「なに? 憂」

憂「はいこれ、バレンタイン」

純「わぁ、ありがと! あっ、じゃあ私からも……」

純「はいこれ。昨日買ったんだけど、けっこう美味しいお店のところのやつなの」

憂「ありがとう、純ちゃん!」

梓「……」

純「どうしたの梓? 梓も食べる?」

梓「いや、その…女の子同士で普通にチョコ交換するんだ」

純「うん、友チョコだよ友チョコ」

梓「へぇ…」

梓(私も持ってくればよかったかな…)


441VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:31:32.86IXZ0zYDIo (23/30)

ほうかご!

唯「あーずにゃんっ! はいこれ」

梓「え?」

唯「バレンタインのチョコだよ」

梓「唯先輩から!?」

唯「私が作ったんだよ、えっへん」

梓「……ってこれ、憂のやつと同じじゃないですか」
梓「憂が作ったやつですよね?」

唯「えへへ、ばれちゃったか」

紬「私も今日はみんなにチョコ持ってきたの。はい、どうぞ」

唯「おぉっ!? おいしそうだねムギちゃん! 」
唯「これは間違いなくおいしいものだよ!」

澪「興奮しすぎだ…」

律「たっかいんだろうなー、これ。ありがたやありがたや」

紬「言うほど高級でもないわよ? ××××円くらいかしら」

律「ぶふっ!?」

澪「ムギ……十分高いって」

紬「そう?」


442VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:32:20.55IXZ0zYDIo (24/30)

律「値段聞いた後だと…なんか食べるのがもったいなくなるな」

唯「おいし~」モグモグ

梓「唯先輩、よくそんな食べれますね」

唯「え~? だっておいしいんだもん。食べなきゃもったいないよー」

律「まぁ…唯の言うことも正しいな」

紬「いっぱいあるから遠慮しないでいいのよ」

澪「おいしい…」モグモグ

唯「おかわり!」

律「こっちも!」

澪「って早っ!?」

梓「……あっ、そうだ」
梓「ムギ先輩、私ももう少しもらってもいいですか?」

紬「えぇ、いいわよ梓ちゃん」

梓「それと…もう一つ頼みが」

紬「?」


443VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:33:09.13IXZ0zYDIo (25/30)

・・・・・

唯「ふぅ、部活おわったー」

梓「唯先輩」

唯「どうしたの? あずにゃん」

梓「今日唯先輩の家に行ってもいいですか?」

唯「私の家?」

梓「はい、憂にこれを渡したくて」

唯「憂に?」

梓「さっきムギ先輩からもらたチョコなんですけど…」

唯「あれ、でもさっきのとちょっと形違うね」

紬「プレゼント用にラッピングしたの。梓ちゃんがどうしても友達にあげたいって言うから」

唯「あ、なるほど!」

梓「私だけもらってばかりじゃあれですし…こんなおいしいチョコなら憂にも食べて欲しいと思って」
梓「ムギ先輩からのもらい物を渡す形になっちゃいましたが…」

紬「そんなことないわ。梓ちゃんの気持ち、憂ちゃんもきっと喜ぶと思う」

唯「そうだよ~、あずにゃんえらいっ!」ナデナデ

梓「まぁ…唯先輩は憂の分も考えてなかったみたいですし、私があげないと……」モジモジ

唯「あうっ!? す、すいません…」

紬「うふふっ」

梓(あっ、純にはどうやって渡そう…)


444VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:33:53.29IXZ0zYDIo (26/30)

・・・・・

純「ようやく部活終わった…」

同級生「寒いねー」

純「早く帰ろ。下駄箱下駄箱…」

同級生「ねぇ純、今日チョコもらった?」

純「うん、友達から」

同級生「友チョコじゃなくて、本命だよ」

純「本命? だってここ女子高だよ? 本命なんて……」

同級生「ふっふっふ、それがいるんだよねー、本命を渡す人たち」

純「うそ!?」

同級生「噂では一組の○○さん。あと三組の××さんと△△は両思いなんだって」
同級生「それにジャズ研のセンパイにもいるらしいって聞いた」

純「ほんとに? あくまで噂レベルの話でしょ?」

同級生「でも分かんないよー、こういう話は。純ももらったりしてね」

純「あははっ、ないな…………ん?」


445VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:34:19.65IXZ0zYDIo (27/30)

同級生「もらえるんだったら私は部長にもらいたいかなー。あっ、センパイにも…」

純「……」

同級生「ねぇ、純は誰にもらいたい?」

純「……」

同級生「純?」

純「……」

同級生「どうしたのさっきから、下駄箱の中じーっと見て」

純「……入ってた」

同級生「え?」

純「これ……」

同級生「……そ、それって」ゴクリ

純「……チョコ」

同級生「えぇっ!?」


446VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:34:47.27IXZ0zYDIo (28/30)

純「な、なんかの間違いだよね!?」

同級生「で、でもちゃんと〝純へ〟って書いてあるよ!!」

純「と、友チョコだよきっと……」

同級生「下駄箱の中にわざわざ友チョコ入れると思ってるの?」

純「うっ……」

同級生「これは間違いなく…」

純「……」

同級生「……本命」

純「え…えぇーーっ!? ど、どどどどうしよう!?」

同級生「純、とりあえず落ち着いて」

純「わ、私は同性には…で、でも……あーどうしよう!!」ジタバタ

同級生「落ち着いてって! 差出人は?」

純「えっと……書いてない」


447VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:35:29.80IXZ0zYDIo (29/30)

純「そうだ、イタズラ! これはきっとイタズラに違いない!!」

同級生「イタズラ?」

純「だって差出人の名前書いてないんだもん、そうとしか考えられないじゃない」

同級生「でも恥ずかしがって書けなかったという可能性も…」

純「そ、それは…」

同級生「純…現実を受け止めて。あなたは間違いなく誰かに惚れられている!!」

純「!?」ズッキューン!!

同級生「そうじゃなかったら、こんな高そうなチョコまで用意しないはず」

純「わ、私が…?」

同級生「頑張って、青春は一度きりだよ」

純「わ、わわわわ!! どうしよー!!!」


・・・・・


梓(あっ、純のチョコに私の名前書き忘れてた…)

梓(まぁいっか)



次の日、梓から話を聞いた純は安心したようながっかりしったような
複雑な心境だったという。


##バレンタイン おわり


448VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 05:43:26.83IXZ0zYDIo (30/30)

ここまで


449VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 11:00:49.30J7M/53ta0 (1/1)

乙モッフモフ


450VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/14(月) 12:26:36.38CTdf3IlAO (1/1)

確かにこのジャズ研からは辞めづらいな…
C先輩にシバかれそうだし…
個人的には原作もアニメも純ちゃんは兼部であってほしい


451VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/15(火) 02:00:19.1306rDhF+AO (1/1)

あれ、原作もジャズ研あったっけ?


452VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 23:43:26.68eoHTbWHQo (1/3)

このSSの純って今日発表された公式のキャラ設定とけっこう近いな


453VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 23:44:18.57eoHTbWHQo (2/3)

このSSの純って今日発表された公式のキャラ設定とけっこう近いな


454VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/18(金) 23:45:05.32eoHTbWHQo (3/3)

連投誤爆


455VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 18:36:07.41V0kNhfVVo (1/4)

#恒例のE

純「そういえばうちの学校って文化祭はあるけどさ」

梓「うん」

純「体育祭はないの?」

律「そこに気づくとは、さすが佐々木さんだ」

梓「あっ、律先輩。私服はパンツルック派の律先輩こんにちは」

律「ところで体育祭の件だけど…」

純「おかしいですよね、普通の学校なら毎年の恒例行事なのに! 何でなんですか律先輩」

律「佐々木さんはそんなに体育祭をやりたいのか?」

純「鈴木です。〝木〟しかあってませんよ」

律「私も体育祭やりたーい!!」

梓「私はやりたくないです」

律「ノリが悪いぞ中野ー!!」

純「ところでなんでうちの学校は……」

律「マラソンなんてクソ食らえ!! マラソンやるなら体育祭やれー!!」

梓「それは同感です」

純「あの、だからなんでうちの学校は体育祭をやらないんですか」

律「それは知りません」

純「あ、そうですか」

おわり



456VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 18:37:03.20V0kNhfVVo (2/4)

#Fの侵食

純「な、何このポスター!?」

後輩b「澪先輩のファンクラブ入会特典として等身大ポスターをもらってきました」

後輩a「なので部室に張っておきました」

純「最高! って、そうじゃないでしょ……流石にこれはまずいって」

先輩C「何だこのポスターは!? はがせ!! ジャズ研の風紀が乱れる!!」

先輩A「それくらいいいじゃないのミオ」

先輩C「ミ、ミオ? 何だその語尾…」

先輩B「お前も澪ちゃんファンクラブに入るミオ」

純「セ、センパイたちがファンクラブに洗脳されてるミオ!?」

先輩C「お前も洗脳されてるぞ!?」

先輩A「さぁ、入るミオ」

先輩B「お前もこっちにくるミオ」

先輩C「や、やめろ…私はそんな趣味は……いやぁぁあああああ!!」





先輩C「という夢を見たのでジャズ研ではあのファンクラブに入ることを禁止する」

後輩b「そんなー!!」

純「ファンクラブぐらい入らせてあげればいいじゃないですか」

先輩C「ダメだ! どうしても入りたいなら私のファンクラブでも作ってそこに入れ!!」

純「無理です」

おわり



457VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/19(土) 18:38:59.29V0kNhfVVo (3/4)

#Gで遊ぼう

純「部長ってゲームするんですか?」

先輩B「するよ~、DS大好き」

先輩C「私もよくWiiを買おうと思ってる」

純「センパイもゲームやるんですか? なんか以外…」

先輩C「妹が欲しいって言うから…ほら、今日はそのwiiを持ってきたぞ」ゴトッ

先輩B「……」

純「……なんですかそれ」

先輩C「なにって、wiiだろ?」

先輩B「それはwiiじゃなくてエキサイトピンポン」

先輩C「wiiじゃないのか!?」

先輩B「あはは~馬鹿だね~、間違えてエキサイトピンポンなんて買ってるよ~」

純「あはは……(エキサイトピンポンってなに……)」

先輩C「いいや、これはwiiだ! 私がwiiって言えばwiiなんだ!!」

先輩B「そんな無茶苦茶な……」

先輩C「いいからWiiで遊ぶぞ、Wiiで」

数十分後

純(なにこれ楽しい…)

先輩B(意外と面白い…)

先輩C(さすがWii…)

先輩B(だからエキサイトピンポンだって)

先輩C(いや、もうWiiでいいだろうこれ)

純(そうですね、Wiiでいいですよもう)

先輩B(そっかじゃあこれWiiでいいや)

おわり