562修正 ◆tyuVXY5AEU2011/02/11(金) 20:51:09.78mhSADqsmo (15/20)

大統領の走る速度が格段に上がる
D・4・Cは『既に』発現している

「避けられるものなら避けてみろッ!
私はそれ以上の速度で貴様を[ピーーー]ッ!!」

一閃
ジョセフは体表の揺れを感知し避ける
だがさっきよりも確実にしなやかで、強靭であった

「くっ!」

胸を少し裂かれるが血は波紋で操作するッ!!

すかさずジョセフは噴水に手を付け横一文字に振るうッ!

「波紋疾走!!」

水がまるで『水圧カッター』のようにッ!!そしてそれよりも強力に大統領へッ!!

「こんなものッ!!」

D・4・Cでガードッ!だが衝撃で少し距離を取らざるを得ないッ!!

その間にジョセフは先ほど裂いた服を患部に巻いている

「そんなもんかヴァレンタイン!
来るなら……とことん来やがれ!」

「良かろうッ!そんなに死にたいのならなァーッ!!」


563修正出来てねえや ◆tyuVXY5AEU2011/02/11(金) 20:52:58.19mhSADqsmo (16/20)

「………!!」

ジョセフは目を見開く

「……ヴァレンタイン………てめーは越えちゃならねえ一線を越えた……」

目が、体が、心が、怒りに震える
静かにジョルノの死体を置く

「…もう……容赦はしねえ……!」

ジョセフは再び走り出す
ただしまたしても『大統領』のいない方向ではあるが

「フハハハハ!!容赦しないんじゃあなかったのか!?」

笑いながら追う大統領

追いつ追われつがしばらく続く
広場を『4周』はしたろうか

大統領は突然走りを止め、ジョルノの死体の近づく

「ジョセフ・ジョースター!!鬼ごっこは終わりだ!!
ゆっくりこっちに来いッ!さもないと!
ジョルノ・ジョバァーナの死体は無事じゃあなくなるぞッ!?」

ジョセフは動きを止める


564ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/11(金) 20:54:55.57mhSADqsmo (17/20)

「ゆっくりだ……時計の短針のようにゆっくりだ……!」

ジョセフは無言で従い、大統領に歩み寄る

「良い子だ…ジョセフ・ジョースター……そして…[ピーーー]!!」

「おぉーっとォ……?生憎死ぬのはてめーのようだぜ……?
気づかねえ?てめーはこの状況に気づかねえ?」

ジョセフは指揮者のように指を振る

「一流の指揮者は楽団員全員の癖を覚えてるというが……
てめーは『俺一人』の様子の違いにも気づかねえのか?」

「………!?……貴様…傷口に縛っていた…『服』はどうした…?」

「やぁ~っと気づいたのン?
じゃあさ、今度は俺に向かって近づけるか?」

動けない
いや、厳密に言えば『動いてはいけない』

なぜなら

「『糸』か……?」

大統領の体にはまるで『イバラ』のように糸が絡みつく

「そのとォ~りィ~俺がさっき指振ったろ?
あれで俺の攻撃は既に『完了』してたのよ……」

大統領がジョルノに手をかけた時、ジョセフの『心』は定まった

糸の始点はジョルノの『右手』
抱きかかえた時に既に結びつけておいたのだった

「さて、ヴァレンタイン?『賭け』は好きか……?
俺は割りと好きなんだがよォ~今からしようじゃあねーか?」

「ルールはこうだ
・1分間動いたら負け→波紋入りの糸でバラバラ死体の出来上がり
・スタンドを使うのが分かったら渾身の波紋疾走を顔面に叩き込む
簡単だろ?
そして、お前が勝ったら俺を『殺せ』
これでフェアだろ?」

ジョセフは大統領に指を指す



565ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/11(金) 20:56:23.85mhSADqsmo (18/20)

「受けるか?受けねーのなら今すぐ殺すが?」

「……受けるに決まっているだろう…!
だが、貴様は私に触れるなッ!いいかッ!?」

「グッド!!じゃあ始めよーぜ!」

静寂が訪れる

ジョセフは噴水に腰掛ける

「なあ?ヴァレンタイン?てめーは『呪い』って信じるか…?」

ジョセフは大統領の反応が無いのを気にせず話し続ける

「俺は結構信じてんだがなァ~?
ついさっき『実例』を見ちゃったのよ」

そういうとジョセフは大統領の後ろ、ジョルノの死体があるはずの場所を見る

「ほォーら来た来た来たァー!!おっかねえ~!」

衣擦れの音が急に起こる
それも大統領の後ろからだ

「(……何だ…?この音は…)」

チチチチチ、チチチチチ、チチチチチ

「(何かが歩いている…?それも『小動物』……?)」

チチチチチ、チチチチチ、チチチチチ、チチチチチ

「(気になる…!だが動くんじゃあないぞ……!
ここで動けば…………)」

「てめーの今考えてる事当ててやろうか?
今の音の主だろ?見てみな、てめーの足元をよ…!」

ちらり

だが足元にはいない
その代わり、『ズボンの上を何かが登って来ている』

「(うおおおおおお!!やめろ!!集中が途切れる!!)」

願えど従わず

『それ』はどんどん登ってくる

スルスルスル、スルスルスル、スルスルスル

「(うわあああああ!やめろ!もう首にまで……!)」

構わず『それ』は大統領の頭の上に。
『それ』の尻尾が大統領の顔に垂れ下がる

「(この尻尾……見覚えが…!)」

そう、それは



566ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/11(金) 20:59:44.83mhSADqsmo (19/20)

「(『鼠』か!?)」

白鼠は行動を起こす

ガジガジガジガジガジガジガジガジガジ

「(こいつ!噛むぞッ!!)」

「いたそうだなァ~?ヴァレンタイン~?
ちなみに後、『十秒』だぜ」

だが大統領にその言葉は届かない

「(やめろ!気が狂う!!痛みが!痒みが!私を襲うゥ!!)」

「ごーお、よーん、さーん」

鼠は齧るのをやめる

「(やっと飽きたか!早く失せろ!!)」

どうやらその通りだった
鼠は齧るのを飽きたようだった


---------飽きられない方がよかったが---------


とんっ

『鼠は大統領の額を蹴り、ジョセフの元へ』

小動物とはいえ、蹴られれば反動は有る訳で

「(や、やめろおおおお!!ふざけるな!!
このヴァレンタインがッ!!このヴァレンタインが死ぬのかッ!?)」

大統領の頭蓋が糸によって少しずつ裂かれる
それに比例するように意識が薄れていく
だが、彼は死ぬ前にしないといけない事が有る

「(でぃー…ふぉー………しーよ…
いど…う……するの……だ………)」

D・4・Cが『移動』し終わる頃には大統領はバラバラになっていた

ジョセフは波紋を込めるのをやめる
力を失った糸はヘナリと地に落ちる

「仇は……討ったぜ…ジョルノ………」

ジョセフはジョルノの顔を見る
心なしかその死に顔は少し微笑んだ気がした

鼠は何故かジョセフに懐いているようでジョセフの掌に乗る

片手でウリウリと撫ぜていると『世界』は『崩壊』を始めた

世界を作る元になった人と世界を構築した人が死んだのだ

大黒柱を失った家のように崩壊してゆく

だがジョセフは抗わない
愛おしそうに鼠を撫ぜている

何もないと思っていた空に『ヒビ』が入り始めたのを
ジョセフは薄れる視界のはしに捉え、そのまま倒れこんでいった


567ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/11(金) 21:01:34.40mhSADqsmo (20/20)

>>563
×ジョルノの死体の近づく
○ジョルノの死体に近づく

打ち止め
次は確実に来週になる
とうとうトリップに名前が付きました
当分これでやってこうと思います

それじゃ


568VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/11(金) 23:21:48.13Bz2GYJGAO (2/2)

乙!!!!
つーかジョセフかっけぇ


569VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/12(土) 05:43:57.25oUJbyCWAO (1/1)

乙!
スリリングな戦いだった


570 ◆K/7LL5shls2011/02/15(火) 00:55:39.028GXP6+Za0 (1/1)

乙!


571 ◆tyuVXY5AEU2011/02/18(金) 23:36:13.59Lp5hJZoqo (1/1)

出来れば今夜1時、無理なら日曜投下する


572VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 00:15:14.39yLSObglAO (1/3)

日曜日だッ!!!


573 ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 00:39:52.26dcdfnT6zo (1/15)

>>572
イエッサー!!

ゆっくりだが投下するッ!!


574 ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 00:48:53.14dcdfnT6zo (2/15)

ジョニィ・ジョースターは見逃さない

さっきから大統領が呼吸を荒げ、脂汗を垂らしているのを

空条承太郎は慌てない

来たるべき時を待っている

空条徐倫は定まらない

目の前の男を父とみるか、他人とみるか

ファニー・ヴァレンタインは落ち着かない

見くびっていたジョースターの血統共やその敵が全てにおいて予想以上すぎた

彼らの思いが交差する時、宣言された


575今、ちょっと先を書きながら投下してるから遅くなる ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 00:55:47.16dcdfnT6zo (3/15)

「……次だ…次の戦いを始める…次に出る奴を決めろ…」

覇気のない声の大統領であった
無理もない、さっきから共有されている情報で頭が一杯なのだ

「俺が行こう」

口火を切ったのは承太郎だった

「どーもここの空気は好きになれねえ、それに……」

チラリと徐倫の方を見る

「うっとおしい女もいるしな……」

徐倫は途端に真っ赤になり反論する

「何ですってッ!?ふっかけてきたのはあんたでしょーがッ!!
テキトーな事言ってんじゃあねーわよッ!」

「そういう所がうっとおしいって言ってんだぜ!黙って引っ込んでな」

ビシィ!と効果音が入りそうな言葉が発せられる
実の父が声を荒げたのに娘が驚かない訳がない
徐倫は冬のナマズのように大人しくなる

承太郎は大統領の前に歩を進める


576だから早めに寝たほうがいい、吉良さんも早寝を推奨してる ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 01:02:43.46dcdfnT6zo (4/15)

承太郎は大統領の前に歩を進める

「さあ…『飛ばしな』」

黙って大統領は懐から『テーブルクロス』を取り出す
それを承太郎にマジシャンが鳩にハンカチをかけるように被せる

その刹那、空条徐倫に電流が走る

『この機会を逃せば、二度と父に会えなくなるような気がする』

根拠は無い、確かに根拠は無いが彼女は行動する
己の直感を信じて、二度と後悔せぬように、あの父との脱走の時に感じた
『どうして父を大切にしなかったの?』という感覚を二度と感じたくはなかった

テーブルクロスが承太郎を覆う時、徐倫はとっさにその中に入る事に成功した

それを見送った大統領は口を開く


577VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 01:13:38.96yLSObglAO (2/3)

ネタで書き込んだんだかこれは嬉しい驚き
個人的には承太郎と徐倫の絡みが大好きだ

俺はここで寝るが、>>1よッ!この>>577の支援を受け取ってくれぇぇええ!!!


578>>577 読者から支援を受けることは最上である ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 01:17:03.02dcdfnT6zo (5/15)

「さて、ジョニィ・ジョースター………
正直に告白しよう…今私はまともに戦える状態じゃあないんだよ…
そんな私と戦って君は嬉しいかい?そんなことは…」

ジョニィも口を開く

「それはよかった」

瞬間、『爪』が大統領へ向かって飛ぶ

「貴様ッ!ジョースター!」

大統領はD・4・Cで爪を叩き落とす
まさか撃たれるとは、大統領は微塵も思っていなかった
大会『前』の彼のデータを見る限り、そんな非道な事をするような家庭環境じゃあなかったからだ

もっとも、大統領も人の事は言えないが

「公正にいこうとは思っちゃあいないさ…あんたには色々苦しめられたからな」


579ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 01:24:38.76dcdfnT6zo (6/15)

そういうジョニィの瞳には『漆黒の意思』が
リンゴォ・ロードアゲインに指摘された漆黒の意思があった

「公正にいこうじゃあないか…?
おそらく、今の私でも本気を出したら君を『卵』でも割るように殺せる
だが、それでは私の『利益』にはならんのだよ……
能力をキチンと説明し、お互い万全の状態で『その上で』勝つ
そういういったスポーツマンシップにも通じるような……やめろッ!!」

二発目の爪を手で弾こうとするが今度は傷が付く
深い切り傷ではないが大統領を焦らせるには十分だった

「(前ほど《タスクACT3》威力は無い……
だが問題はそれにも関わらず、このD・4・Cが傷を負っているという事だ……
しばらく休まねば……ひょっとすれば…ひょっとするかもしれないな……)」

「今度は当たったと思ったのにな、今度は『肺』を狙う…」

再び、再びジョニィは構える
全ての発端である大統領の命を終わらせる為に、元の世界に帰る為に

そこでジョニィは気づく

「(……仮に僕がこいつを殺したとする、もしそうなったとしたら……
どうやって『帰れば』いいんだ……?)」


580ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 01:30:58.28dcdfnT6zo (7/15)

構えを解くジョニィ
大統領はホッとしたように息を吐く

「大統領、取引だ、取引をしよう
今から僕はお前を『見逃す』
そして次にお前がここに来た時、お前が僕にやられた時
僕を『元の世界』に帰すと『約束』できるか?」

「『約束』……『約束』しよう…」

「いやに返事が早いな?」

「私は約束を破らなかったから信頼が得られた、『人気』を得る事が出来た……
だからこそ今の地位にいられる…ちがうか……?」

「………そうは思わないな…」


581VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 01:39:23.46TkqJu5fAO (1/1)

おお、来てた!
支援


582ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 01:53:08.38dcdfnT6zo (8/15)

かつてジョニィ・ジョースターには人気があった、栄誉もあった
名ジョッキーとしての地位も確立できていた

だが、彼が足を失ってからはどうだ?

かつて裸で迫ってきた女は消え、練習風景を見に来ていた名士達にも
いつしか見捨てられてしまった

父にもだ
父もとうとう病院に顔を見せる事すら無かった
死んだ兄の事をいつまでも弟であるジョニィと対比し、批判した

『死者を完全に乗り越える事は出来ない
なぜなら死者にはIfが通用するからだ』

仮に、ジョニィが1000mを馬でジャスト1分で走ったとしよう
だが、父はジョニィに出来るのならニコラスはさらに早くできるという『If』を信じただろう

そんな父の兄への盲信はジョニィに『ジンクス』とも言えるものを植え付けた

『過去がツケを払えと迫ってくる』

成功すれば、かならず後から失敗がやってくる
浮けば、その倍も沈む

彼、ジョニィ・ジョースターはそんな事を無意識的に信じるようになっていたのだ

果たして、今、彼は『浮いて』いるのか?『沈んで』いるのか?

『今』は誰にも分からない
.....
....
...
..
.



583ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 01:54:14.71dcdfnT6zo (9/15)

「なんでてめーがここにいるんだ…?」

「仕方ないでしょ…心配だからついて来てあげたのよ……」

「『心配』?てめー今『心配』って言ったか?
やれやれだぜ……こんなアマに心配されるとはな……」

「またアマ呼ばわりッ!?」

またも口喧嘩、いや、『親子ゲンカ』か

徐倫はまだ言いたりなさそうだったが
承太郎がいかにも『中世』って感じの通りを歩くのでついて行く

「………何か言いなさいよ…」

「……………」

「……ねえ………?」

霧が立ち込めてくる

少し前にいたはずの承太郎の姿がぼやけてくる

「あれ……どこ…?どこいったの………?」


584ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 01:59:08.40dcdfnT6zo (10/15)

完全に承太郎を見失う徐倫
スタンドを持ってるとはいえ、か弱い『女』だ
不安にならない訳がない

「お~い……もしもォ~し……?
いるんでしょ…?いるのよね……?」

足音さえ聞こえなくなる
大体、なぜ父は何かに『導かれ』でもしてるように歩けるのだろう

「返事ぐらいしなさいよッ!」

返事は無い

「聞いてるんでしょ……?」

返事は、無い

「………お願いだから返事してよ…」

返事は

「うるせーアマだな」

あった

その声にパァ!と表情を明るくする徐倫

「良かったッ!迷子になっちゃったかと……」

徐倫の言葉を聞いたか聞かずか知らないが承太郎は話を続ける

「着いたぜ……恐らくここに『奴』はいる…
油断するんじゃあねーぜ………」

ここは

「何なのよォ~!!ここって……!!そんな!ここって……!!」

『洋館』であったッ!

さらに!
さらにさらに!!
さらにさらにさらに!!!

「『人の家』じゃあないのよーッ!!」


さらにさらにさらにさらに!!!!
さらにさらにさらにさらにさらに!!!!!
さらにさらにさらにさらにさらにさらに!!!!!!

「表に『Joestar』って書いてあるのが見えないのォーッ!?」

「さっきからうるせーって言ってんのに……やれやれだぜ…」


585ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 02:00:15.28dcdfnT6zo (11/15)

スタープラチナが門をこじ開けようとする

とっさに徐倫は小声になり

「ちょっと…!まずいんじゃあないの……?
何もいきなり侵入しなくても……『インターホン』かなにか……」

「いや、こじ開ける必要はねーよーだぜ」

とん、と承太郎は門を押す

ばたん

┣¨┣¨┣¨┣¨

『門の鉄柵は既に何者かにネジ切られていたのであった』


┣¨┣¨┣¨┣¨

霧は『晴れ上がっていた』


586ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 02:01:55.91dcdfnT6zo (12/15)

「『何』よ……いや『誰』よ……?
こんな事が出来る…って!ねえ!ちょっと!!」

先に進む承太郎を徐倫は追う

「広い庭ね……『焼却炉』まであるわ……」

突然

ズキン!!徐倫の首筋の『アザ』に痛みが走る

「(何!?この感覚は…!?)」

酸素は見えないけど確かにそこにあると何となくわかる
戦争は見えないけどどこかで起こっていると何となくわかる

だがこの感覚は違う

『誰かがこの洋館で待ち構えている』

そうハッキリと分かる、分かってしまう

「どうした…?腹の調子でも悪いか…?」

気付けば何時の間にか目の前に承太郎がいる

「何でもないわ……早く中に入りましょ…」

徐倫は『Joestar邸』のドアを開ける


587ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 02:06:49.71dcdfnT6zo (13/15)

外から見てわかる様に中は『広い』
そして玄関は不思議なものばかりで満ちていた

「シャンデリア…?今どき……?」

二人は進む

居間に出る
居間の中央には大きな『女神像』があった

しかし

「!?」

『首は無かったが』

「中々……ヘヴィな趣味だぜ……」
承太郎は帽子を目深に被り直す

「オゲェェー!気味悪ゥ~!!」

徐倫はゴキブリの巣でも発見したかの様に口元を抑える

「これって意図的なのかしら…?ミロのヴィーナスも両手は無かったけど……」

女神像に近づこうとする徐倫

「待て」

制する承太郎

「お前……名前は…?」

自分が名付けたかもしれない娘に親が名前を聞くというのも
中々『奇妙』だが、徐倫は答える

「………徐倫……」

「そうか……徐倫か…良い名だな……
じゃあ……徐倫…静かに落ち着いて黙って俺の言う事を聞け、いいな?」

「何よ?ハッキリといいなさ……」

静まる、そして

承太郎は『吠える』

「今すぐそこから『逃げろォォォォオオォォォォ』!!」

そして『叫ぶ』

『スタープラチナ・ザ・ワールド!!』

世界は時を刻む事をしばらくやめる
今の承太郎は全盛期、5秒は止められるだろう

承太郎は見回す

止まった空間、止まった徐倫

そして

『止まった神父』が徐倫の首を狙い

『止まらない神』が『ジョースター邸の二階』に『君臨』していたのであった

「久しぶりだな……承太郎…?」

「野郎……!!………『DIO』……!!」


588ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 02:08:53.85dcdfnT6zo (14/15)

打ち止め

JoestarかJoesterか迷ったけど顎で星の意味があるって
究極生命体さんが言ってたからStarにしました

お休み


589ヌケサク ◆tyuVXY5AEU2011/02/20(日) 02:11:34.02dcdfnT6zo (15/15)

次回は恐らく一週間後かもうちょい後かな

とある×大統領スレが出来たからとかじゃあないぞ!!
ディアボロスレのバオーみてバオー見返したくなったからじゃあないぞッ!!


590VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 08:18:52.20yLSObglAO (3/3)

>>1乙!!

これは胸熱な展開wwwwwwww
1週間後だなッ理解したッ


591VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 11:03:33.23o5UtpA9jo (1/1)

あのスレ俺も見てたwwwwww

三部承太郎ってことは徐倫のが年上だよな・・・ゴクリ


592VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/20(日) 12:58:47.30+1D84cGL0 (1/1)

序盤の文体で敬遠してたけど休日利用して読破
>>1成長しすぎだろ… そして面白すぎ


593VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/02/21(月) 19:38:21.61knYD/c4AO (1/1)

乙!
DIOの館かと思ったら…!


594 ◆tyuVXY5AEU2011/03/03(木) 00:27:18.74b/W/+0k5o (1/18)

明日の12時ぐらいに投下します


595VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 02:40:07.01RKjMzVAAO (1/1)

了解
待ってるぜッ!!!


596 ◆tyuVXY5AEU2011/03/03(木) 21:09:21.48b/W/+0k5o (2/18)

早いけど投下します

あと、>>522の「当たり前だ~隣など存在しないぞッ!?までを消してください
このSSが破綻してしまうwww


597VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:11:38.14b/W/+0k5o (3/18)

「やはり生きてやがったか…最初に集められた時に
てめーらしい人影を見たが……やっぱりか…!」

殺したはずの宿敵が生きていた
どうやら悪い夢じゃあないらしい
貴方ならどうする?もう一度[ピーーー]?それとも見逃す?

彼、空条承太郎は『前者』を選びたい所である
だが、目の前の女、徐倫を助ける事を最優先にしなければならない『気』がする
いや、『気がする』というのは少し違うかもしれない
この承太郎をそう動かす『原動力』は一体なんなのだろう?

『脳』からの命令?『心』がそう訴える?
ナンセンス、残念ながらそうじゃあない

彼の原動力、それは『本能』だ
『駅のホーム』に人が落ちるのを『無意識』に防ぐように
『名も知らぬ車』が立ち往生している時に『自らの学ラン』を差し出すように
『本能』は人間らしい行動をするために必要不可欠なものである

彼は不良かもしれない、だが不良である前に一人の『人間』だ
『人間』は時として悪い行いをするだろう、過ちを犯すだろう
だが『人』なら『反省』出来るし『学習』も出来る
そうやって人は『優しく』なっていけるし『心』も『強く』なる事もできる
そうなってゆく事すら放棄した奴は『悪人』と呼ばれるようになる


598VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:12:50.35b/W/+0k5o (4/18)

だが目の前にいる男は違う、決定的な差が彼と『悪人』の間には存在する
彼、DIOは見た目こそ『人』かもしれない、『人』らしい振る舞いが出来るかもしれない

だが
人間の中の悪では言い尽くせないほどの『悪魔』だ

先ほど本能について話したが、この男の本能は人間など既に『超越』しているのだ

恩人の血を被り、その息子の肉体を奪う
これほどの事が人間に出来ようか?
彼には出来る、出来てしまうのだ

「どうした?承太郎?その娘を助けないのか?」

「黙ってなDIO、てめーが何で生きてるかは知らねーが再び地獄に叩き落とす事は確かだぜ…
それまでの猶予を伸ばしてーなら黙ってる事だな…」

そういうと承太郎は徐倫を抱き寄せる

「……時は動き出す……」

再び、ジョースター邸の大きな柱時計が時を紡ぎ出す


599VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:16:49.76b/W/+0k5o (5/18)

「ハッ!?」

徐倫は突然承太郎に抱きしめられている事に戸惑ってるようだ

「きゃッ!?なになに!?何で!?」

「落ち着きな……おい徐倫…お前の知り合いに聖職者はいるか…?」

承太郎は徐倫の肩をくるりと回す
すると目の前には奇襲に失敗し、手をついた状態で着地しているプッチ神父がいた

「貴様……!プッチ……!」

徐倫はギラギラとした視線をプッチに送る
だが彼は全く気にした様子はない

「やれやれだぜ……聖職者に喧嘩売るたあな…」

こちらで飽きれているのは承太郎だ
本当にやれやれといった様子で首を振っている

「DIO……すまない…失敗してしまったようだ…」

プッチ神父は階段を優雅に下りてくるDIOに報告する

「いいんだ…友よ…『人間』なら誰しも失敗をするものだ…」

「やーれやれだ、聖職者が『悪魔』に謝るとは…
世も末だな、そろそろ天使がラッパでも吹き鳴らすんじゃあねーか?」

「承太郎…まだ『若いな』……」

「『まだ』?まるで俺が若くねー頃を見てきたようなセリフだな…?」

「徐倫?承太郎に言ってないのか?
まさか……『信じて』もらえなかったんじゃあないだろうな?」

プッチはフフンと鼻で笑う
それとは対照的に徐倫は黙り込んでしまう

「図星のようだな…可哀想に…
『実の父親』に信じてもらえない娘か…まるで父親に同級生を彼氏と疑われた女子高生だな……
何を言っても聞く耳を持たれていないようだな…」

「黙りな」


600VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:18:29.83b/W/+0k5o (6/18)

承太郎がゆっくりと口を開く
これが高校生か?とばかりの威圧感がこの場を支配する
帽子のツバをグイ!と下げ、言う

「この女が俺の『娘』だろうがどうだろうが知ったこっちゃねえぜ……
だがな!傷ついてる女にまだぐちぐち言うつもりか……?
それ以上言ってみやがれ、てめーのツラに百発叩き込むぜ!!」

「やってみるか……?承太郎…?」

プッチも自身のスタンド『ホワイトスネイク』を発現させる
ホワイトスネイクは遠隔操作型だが、この距離である
100%の力を出す事が出来るだろう

一歩、また一歩、承太郎とプッチはお互い距離を詰めて行く

開戦は『突然』だった



601VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:19:51.40b/W/+0k5o (7/18)


「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァーッ!!」

「ウッシャアアアアアア!!」

突きの速さ比べ!
だがパワー、スピード共にスタープラチナが上ッ!
だがホワイトスネイクには秘策がある!!

「危ないわッ!!『父さん』ッ!そいつの手刀を食らっちゃあダメッ!!」

承太郎の右頬にはホワイトスネイクの手刀ッ!!

「うおおおおお!!」

スタープラチナの屈強な拳で弾く!!
ホワイトスネイクの拳にも大きなダメージッ!!

お互い一旦距離を取るッ!!

承太郎は徐倫の方を見ずに問う


602VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:22:10.16b/W/+0k5o (8/18)

「何が…どう……まずいんだ…?」

少し息を荒げながらだが彼にはまだ余裕があるように見えた

「ホワイトスネイクの能力は『DISC』を作るのよッ!
DISCっていうのは…んーと……えと…
とにかくッ!!頭に手刀を入れられればあなたの『記憶』や『スタンド』が奪われるッ!!」

「奪われても…すぐに俺自身が…とりかえしゃあ…いいじゃあねーか……」

「無理よ、奪われたら最後、『植物人間』になってしまうわ…」

それを聞くと承太郎は黙って立ち上がる
そしてまた、承太郎は徐倫の方を見ずに言う

「ありがとな…あぶねーからどっかに下がってろ……
すぐに終わらせてやるぜ………」

承太郎は再びプッチの元に向かおうとすると

「私も戦うわ」

徐倫がいつのまにか側に立っていた


603VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:23:52.90b/W/+0k5o (9/18)

「ふざけたこといってんじゃあねえぜッ!
次にそんなことを抜かしやがったら……」

承太郎は激昂する、だが徐倫は動じない
それどころか

「……知ってる…?この年頃の女の子はね…」

承太郎の顔を見つめ『ニッコリ』笑っている

「『反抗期』って奴なのよ」

「……やれやれだぜ…」

徐倫にはあの寡黙な父が『微笑んだ』気がしてやまなかった

だが、そんな幸せな時も続かないわけで

「ほう…楽しそうだな…?」

『悪魔』が、『吸血鬼』が、『帝王』が背後にいたのだった


604VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:24:57.44b/W/+0k5o (10/18)

「しまっ……!!」

振り向く承太郎!
だが『一手』遅い!遅かったッ!!

「WRYYYYYYYYY!!!!」

世界の強烈な回し蹴りが承太郎に炸裂ッ!
承太郎は衝撃に従いふっとぶッ!!

「父さァァァん!!!」

徐倫は吠える

「ストーン・フリー!!」

即座に発現!!即座に振り向き!即座に鉄拳!!即座に命中!!

だが

「ン~お若いお嬢さん……いきなり殴るとは乱暴だね…」

少し顔を傾けただけで、DIOは全く動じない

「だがいいパンチだ、賞賛に値するぞ……
DIOに、このDIOに褒められたのだ……栄誉に思え…」

ペロリ!と舌を出し、ストーン・フリーの拳をなめるDIO
ゾクリ!と冷や汗を垂らす徐倫


605VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:26:06.98b/W/+0k5o (11/18)

「う……ウオラアアアア!!!!」

もう一発!!もう一発!!もう一発!!
もう一発!!もう一発!!もう一発!!
もう一発!!もう一発!!もう一発!!

だが後10cm、いや5cmほどで世界に阻まれる

「フン……無駄無駄…何人たりともこの世界には及ばん…」

世界がストーン・フリーの片腕を捉える
脇で固め、右の手刀を振り上げ……

「お痛が過ぎたようだ……フン…!」

ズドン!
手刀は躊躇いもなく振り落とされ、ストーン・フリーの右腕は切り落とされる


606 ◆tyuVXY5AEU2011/03/03(木) 21:27:22.40b/W/+0k5o (12/18)

「あああああああ!!!」

右腕を抑え悶絶する徐倫
DIOはストーン・フリーの右腕……つまり、徐倫の右腕を弄ぶ

「ンッンー!何としなやかな腕だ!!余分な脂肪もなく!
かつ!!無駄な筋肉もないッ!!素晴らしいじゃあないかッ!!」

どこぞの殺人鬼のように興奮するDIO、器用に指で腕をクルクルと回している

「こんな綺麗な腕…捨てるには惜しいな……
そういえば君はジョースターの『血縁』だったね…なら薄いだろうが血も……あるんだろうなァ?」

そういうと、DIOは断ち切った徐倫の右腕を

『食べ始めた』

目の前で自分の体の一部分であったモノを食われる
一体どんな気分であろうか?どんな表情になるだろうか?
絶望?恐怖?悲しみ?普通の人ならそうだろう

だがこの空条徐倫の表情は違うッ!!
彼女の表情ッ!!それはッ!!
『ざまみろ&スカッとサワヤカ』な『ニヤリ顏』だったッ!!


607 ◆tyuVXY5AEU2011/03/03(木) 21:28:49.12b/W/+0k5o (13/18)

「んーと、こういう時なんて言えばいいのかしらァ?
テストで張ったヤマが見事に当たった時みたいな『ウププ』って感じの笑いが出てくんのよねェ!!」

徐倫の表情とは対照的にDIOの表情はどんどん悪くなっていく
まるで『胃』がひとりでに暴れているように腹を抑え出す

「女……何をしたァ!?」

「あなた……大物気取ってんのか知らないけど
相手の手の内も知らずに余裕カマしてんじゃあねーわよ……」

「私のストーン・フリーは『自由』になりたがってるようよ?」

その時、DIOの『口』からあるものが出てくる

「ウググ……これはッ!?まさか!まさかこれはッ!?」

口から一筋の『糸』が出ていた
薄い絹のようなしなやかさ、丈夫なワイヤーのような力強さ
それらを兼ね備えたような『糸』、
それがDIOの口から出ているのであった

「臓物!ハラワタァ!!引きずり出してやるゥーッ!!」

その糸は『意図』的にDIOの内臓を突き破り、胃に絡みつく


608 ◆tyuVXY5AEU2011/03/03(木) 21:30:07.46b/W/+0k5o (14/18)

「どうする?降参する?降参するなら再起不能で済ませてあげるけど?」

だが、形成逆転とはいかなかった

-----Looking To His Evil Eyes(見よ、彼の邪悪な目を)-----
-----He Feelin The VOODOO In His Eyes(彼は目に『邪悪なビート』を感じている)------

「やってみろ…女……」

彼の『目』からひしひしとプレッシャーを感じる徐倫
だが、彼女は引くわけにはいかない
彼女の中の誇り高きジョースターの血統がそうはさせない

「まさかやらないと思ってんじゃあないでしょうね?
私だってねえ、やる時にはやんのよッ!!」

ぶちり、ぬろろろろろと不気味な音を奏でながら『臓物』は引きずりだされ
DIOの口から鮮血がほとばしる
引き抜かれた勢いに比例して、辺りに血の雨が降り注ぐ

-------And He Walks In The Beatiful Rain(そして彼は降り注ぐ血の雨の中を歩く)------

DIOはまるでその怪我を口でも切ったかのように軽く唇を拭く
徐倫はその様子をどこか優雅で、そしてとても恐ろしいように感じてしまう
幼い頃、彼女は同じような恐怖を抱いたのを思い出していたのだった


609 ◆tyuVXY5AEU2011/03/03(木) 21:31:51.73b/W/+0k5o (15/18)


「(この感覚は…この感覚は小さい頃にお話か何かで読んだ時にもあったわ……
『人間』の姿をしているのに『人間』じゃあない……
真面目な『紳士』のように見えるのに実際は『悪鬼』……
あれは何のお話だったかしら……?)」

ゴボゴボと血泡を吐きながらDIOは静かに語り出す
まるで死者を神父が労わるように、胸の前で十字を切る時のゆっくりとした軌跡のように

「……女…貴様は今、このDIOを殺せたのだ……
貴様の糸が……スタンドが…もう4cmずれていたのなら…
間違いなく『心臓』ごと持っていかれていただろう……」

世界が発現する

世界の肉体にもう『ヒビ』は無い
いや、肉体だけではないのだろう、彼、DIOの『精神』にもまた『ヒビ』は無い
彼は承太郎に敗れ、散りゆく時に己の支配出来る時間が伸びた事に歓喜し
己の限界をさらに伸ばそうと『慢心』してしまった事を『反省』していたのだった
『反省』することによって、彼の『精神』は進化したのだった

この世界に来てプッチと話すにつれて、彼は『安心』を覚えた
どんなにくだらない話でも
『友』と話すならその時間はかけがえのないものとなる
そして彼はこの友を、自分が生きていられる時間を『失いたくはない』と思ったのだった

「(あの時間、友、失いたくはない……
あれを持ち続ける事が出来るのなら…!私は…私は何だってするぞ……!)」

こう思った時から、彼の中から『慢心』は消えた
『新しい能力に対する好奇心』も消えてしまったのだ


610 ◆tyuVXY5AEU2011/03/03(木) 21:33:42.19b/W/+0k5o (16/18)

『新しい能力に対する好奇心』が消える、一見するとマイナスのように思える
だがッ!!ある紳士曰くッ!『逆に考えるんだ』とッ!!
これが消えた事によりッ!DIOは『古きを学ぶ』という事を学んだのだ!!

「女…二度と貴様はこのDIOに致命傷を与える事は叶わん…
そのチャンスすらな……『目』にモノを見せてくれるわッ!!WRRRRYYYYYYY!!!」

DIOの『目』が『十字』に裂ける

「食らえッ!!空裂眼刺驚ッ!!(スペース・リパー・スティンギー・アイズ)」

彼女の『祖先』を殺した技が再び彼女に襲いかかるッ!!
狙うは左胸部ッ!!心臓だァーッ!!

「(まずいッ!糸はまだあいつの足元!引き寄せるには間に合わないッ!!
どうするッ!?どうするッ!?考えるんだ……そうだ!!)」

彼女!徐倫がとった行動はッ!!

「何…!?ノーガードだと!?なめた真似をッ!!
そんな事でこのDIOの技を弾けると思っているのかァーッ!?
甘い甘いッ!!脱出不可能よッ!貴様はもう逃れられん!!
将棋やチェスでいうところの『詰み』にハマったのよォーッ!」

「いくぞッ!!駄目押しの一発だッ……!」

-----The World Begin Stop Around He(世界は彼を中心として止まり始める)-----


「 『 世 界 』 ッ ! 」


611 ◆tyuVXY5AEU2011/03/03(木) 21:39:01.08b/W/+0k5o (17/18)

この世界の全てがDIOの命により止まり出す
DIOは徐倫の元に駆け寄る、そして『観察する』

「この女の余裕の源を見ておかんとな……
全ての芽は絶つ……完璧にな………
下手に行動してカウンターを食らえば…まずい…」

空裂眼刺驚の着弾点を確認するDIO、その顔には驚きの表情が浮かぶ

「ほう……!この女…!中々に侮れん……
避けれないと悟ったか…着弾点を予想し……」

彼女の胸には『穴』が空いていた
いや、穴というよりは『ほつれ』だった

彼女は糸を『固め』てスタンドを作り出すという概念を得た
だがこの状況でその発想を『逆転』させたのだ
あえて『緩める』、それも彼女に出来る限界までである
そうするとどうなる?答えは簡単、そこには『スキマ』が出来るのだ

「このDIOの空裂眼刺驚をスタンドでガードする事は簡単だろう…!
だがもし仮にッ!空裂眼刺驚が何でも『溶かす』物質なら!全てを『貫く』物質ならッ!!
この女は無事ではいられなかったろう……よくそこまでの判断を瞬時に…」

「認めてやろう……認めてやろうじゃあないか………!!
貴様は『恐怖』を支配したッ!!そうだ!その通りだ…!
ジョナサンの奴も私がどんな行動をしようと恐怖をおくびにも見せなかった…!
奴もまた『恐怖』を支配していた…あいつと同じ…か…」

DIOはそういうと何かを考えるように顎に手を添える
そして彼の中で何かが『納得』いったようだった

「これは『慢心』ではない…『敬意』だ……!
いくら虫けらとはいえこのDIOを感心させたのだからな……」

DIOはッ!何とッ!!憎き宿敵の『娘』をッ!!
自らの放った空裂眼刺驚から逃がしたのだったッ!!!
この時が帝王が下々の者を『容赦』した初めての時となる

「時よ…動くのだ……」

DIOは徐倫の燃え盛るような『瞳』を見ながらつぶやいたのだった



612 ◆tyuVXY5AEU2011/03/03(木) 21:40:36.50b/W/+0k5o (18/18)

打ち止め

上ボロスレにトリつけて書き込んでしまった……最悪だ…飛びてェーッ!!

それじゃーッ!!グリーンデイ発現してスカイダイビングしてくるッ!!

それじゃァァァァァァ……


613VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 21:52:04.69Vfpq/L/y0 (1/1)

行け!>>1  走るんだ!>>1  


614VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/03(木) 22:40:17.89N7eDPZPao (1/1)

このジョリーンになら抱かれてもいい


615VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/04(金) 00:57:17.80lk7PimDAO (1/1)

乙!
徐倫かっけえ!
しかし貫禄バリバリのDIO様は恐ろしいな


616VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/04(金) 01:14:18.94VlfOUdPAO (1/1)

最高にハイってやつにならないDIO様がこれほどまでに怖い存在とは‥‥


617VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/04(金) 15:18:48.05iicM9eiwo (1/1)

ルッキントゥーマイーボアー


618VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/04(金) 16:26:05.474Uo1BJ2z0 (1/1)

スィーソメティインサイドゥ ジダイヲモダイテェー


619VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/04(金) 17:58:53.14mAiU30TUo (1/1)

ォッマエヲアヤメンバッカリノマイマイン


620VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/05(土) 13:29:52.349+8VSMaAO (1/1)

コォルヨーナマィスパァイン


621VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/07(月) 15:56:37.63R7weOFL+0 (1/1)

トラワレタマッマワァズァワイ


622VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/08(火) 00:01:12.86rJCO8AY90 (1/1)

ユーワナラナウェーオアワナダイッ


623VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/08(火) 20:10:24.564CoPyKYp0 (1/1)

イーマサーディスティックナアイニシハイサレテ


624VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/09(水) 07:44:35.64ur1OyXal0 (1/1)

オージスワーァズソゥダンファイン


625VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/10(木) 07:43:40.20rkh7atGe0 (1/1)

ドウドウメグルサイゲツ コヨイヒビク オエツ クウニタツ


626 ◆tyuVXY5AEU2011/03/11(金) 01:08:08.446JofJ0Vko (1/1)

>>617->>625
ビビったわwwwwでもVOODOOは名曲だよォーッ!!

今日か明日投下するよっ!




627VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/12(土) 15:09:58.86fkB0R9Zf0 (1/1)

待ってるよッ!



628VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/12(土) 15:10:50.500iQsPxYSo (1/1)

舞ってるよッ!


629VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/12(土) 19:12:15.83KrCiLgoAO (1/1)

>>1無事か?待ってるが無理はするなよ


630 ◆tyuVXY5AEU2011/03/13(日) 22:09:55.54axrpuy33o (1/6)

流されたwwwwwww


631VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/13(日) 22:14:53.41zqeX+t5no (1/1)

今だけでいいからクラッシュ発現しろ
今なら流された>>1の所まで3秒で行ける気がする


632 ◆tyuVXY5AEU2011/03/13(日) 22:18:47.92axrpuy33o (2/6)

えーとですね……>>1はM県S市らへん住みなんですが
アパートと共に流されまして…はずかしながら気絶しまして……
運の良い事に住居が沿岸部から離れてた上に、貴重品入れたリュックが近くの門柱?に引っかかって助かりまして……
頬を叩かれた痛みで目覚めまして……ただいま近くの避難所にいまして……
あいぽんとジョジョ1部~2部と貴重品だけ生き残った次第です、ハイ
まともな思考が出来るかどうかここのジョジョSS設定資料?って所に書き込みした結果、一応まとも?な状態です

3G回線マジ感謝
配給?炊き出しっていうのか?それを今食べてます




633 ◆tyuVXY5AEU2011/03/13(日) 22:21:55.60axrpuy33o (3/6)

なので一応生きてます!!心配していただいたなら本当にありがとうございます!!

津波があれより強かったらマジ笑えなかったです……
今、一番痛いのは3部~7部を失った事ですかね
でも命あっての物種です、本当に自分を生かしてくれた全てに感謝です


634 ◆tyuVXY5AEU2011/03/13(日) 22:26:26.09axrpuy33o (4/6)

で、一応投下しようかなとは思ってます
いつもWi-Fiなんで色々遅いかもしれませんがすいません
投下時刻は……11時半ぐらいです


635VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/13(日) 22:38:07.69Dzyf7QoN0 (1/2)

>>632
マジヤバやないかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


636VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/13(日) 22:39:42.61Dzyf7QoN0 (2/2)

>>632
あのスレ立てたの一応俺だけど
ぶっちゃけ自分がSS書く時質問したいから立てたにすぎないと言うのは秘密だ


637 ◆tyuVXY5AEU2011/03/13(日) 23:32:36.78axrpuy33o (5/6)

すまん、手が震える
少し遅れる、波紋の呼吸整えてくる


638VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/13(日) 23:50:29.83CIhRP+9AO (1/1)

>>637
無事でよかった。くれぐれも無理はするなよ。
ずっと待ってるから、投下を焦らなくても構わないと思う。それより>>1の都合を優先するべき。


639 ◆tyuVXY5AEU2011/03/13(日) 23:54:37.05axrpuy33o (6/6)

>>638
書きたいんだ、頼む、書かせてくれ
不安でしょうがないんだ


640VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/14(月) 00:10:50.04xB2vCdcAO (1/2)

>>639
わかった。いつも通り投下楽しみにしている。


641VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/14(月) 00:49:42.48RQv2SuyAO (1/2)

>>1が無事でなにより

本当に良かった

投下待ってる!!!!


642 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:04:17.97P81HhEweo (1/14)

投下する


643 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:05:02.64P81HhEweo (2/14)

「う……!館の外に出ちまったか……」

DIOの一撃はあまりにも強力で館の壁を突き破るほどだった
だが彼、空条承太郎のスタンドであるスタープラチナは
館を突き破った際の衝撃を受け流していたのだった

「あいつ……止められる時は全く衰えちゃあいねえ……!!
『9秒』か…俺の止められる時間は約『5秒』……その差は『4秒』……か…
やれやれ…中々にヘヴィな戦いになりそうだぜ……」

学生服についた塵を払う
長い間あの館には誰も住んでいなかったようだ、どうもあの中は埃っぽい気がしてならない
2万円もしたズボンが年季の入ったような色合いになってしまっていた
そして、帽子の少し乱れてしまったツバを直そうとした時に気づく


644 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:06:02.14P81HhEweo (3/14)

「……どこか『奇妙』だ…な……?」

承太郎は『既視感』を覚えていたが、どうも思い出せない
この、まるで『粘土』で作った二つの別のモノを『むりやりくっつけた』ような違和感
小さな子が語る夢の内容のような『まとまりの無さ』

いつだったか、友である『花京院』が錯乱したようになった時があった
あの冷静沈着というイメージが強い花京院があそこまで乱れるとは誰が予想できたろうか?
ついには病気のため同乗していた『赤ん坊』を『敵』と呼び
彼のスタンドで攻撃しようとまでしたのであった
あの時は旅の途中で出会った友、『J・P・ポルナレフ』の機転で赤ん坊を傷つける事は免れた

この『既視感』はどうやらその前後なのだ
この世で当たり前と信じられている『法則』が全く通用しないような
そう、まるで『夢の中』のようなこの感じ
忘れてしまったのだろうか?いや、それはないだろう

少し話がそれてしまった
話を彼に『奇妙』と言わしめた違和感に戻そう



645 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:07:37.56P81HhEweo (4/14)

彼、承太郎が見た光景をありのまま記す

『ジョースター邸の近くには明らかに場違いである
【沼】とどこまでも広がっているような【草原】があったのだった』

「確か……ここの館の前庭は『砂地』だったな…
だが、こっちには草原か…それに『沼』……
金持ちの家ってのは大体、『池』があるって相場は決まってんだがな……」

その刹那、承太郎に向かって円盤が飛んでくる
大きさはレコード大といった所だろうか、ギュオンと風を切りながら承太郎の首を落とさんとばかりにこちらへ向かって来る



646 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:08:30.71P81HhEweo (5/14)

「スタープラチナ・ザ・ワールド!!」

まるで呼吸をするように時を止めるスタープラチナ
その姿はやはり雄々しく、しなやかさも兼ね備えている
その巨体に似合わぬ丁寧さをも持つこのスタンドは飛んできた物体を確認する

「CDか?いや、レコードってところか?
見たところ、武器のようには見えないが……
一応、叩き壊しておくのが賢明って所だぜ…」

そういうと承太郎はスタープラチナにそのDISCを破壊させる
いや、破壊させ『ようとした』

「!?……妙にやわらけえ…てっきりペッキリ折れちまうもんと思ったが
こうやわらかいと砕く事もできねえな……」

そろそろ時は動き出すようだ
承太郎は宣言する

「そして時は……ハッ!?」

自らの足元に『たまたま』目がいった承太郎は気づく

『足の影』が『四本』あるのだ

「クソッ!」

くるりと承太郎は振り向く

そこにはプッチが腕を振りかぶり、承太郎の『全て』を奪い取ろうとしていたのだった
.....
....
...
..
.


647 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:09:34.40P81HhEweo (6/14)

「どこから君達は来たんだ……!?」

ジョニィ・ジョースターは目の前の光景を信じる事が難しくなっていた

大統領が去ってから数時間は経っただろうか
ジョニィはただ静かに何か『変化』が起きるのを待っていた

彼は予想していた

「きっと次に来るのは大統領だろうな
奴が出て来た『瞬間』を狙おう、それも『心臓』か『脳』
確実に奴を『即死』させられる場所じゃあないとな」

淡々と計画を練る彼の瞳には再び『漆黒の意思』が宿っていた
この時の彼に『躊躇い』を求めるのは不可能だ
というより、求める事『自体』が不可能なのかもしれない


648 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:10:46.77P81HhEweo (7/14)

「それにしても…あの『不良君』の『バックル』……
無理やりにでも奪っておくべきだったか……今の僕には『黄金長方形』の軌跡は見出せない…」

この世界には何もない
大統領が現れる時はまるで『ホログラム』のように現れる
挟まれて出てくる以外の出現方法を確立出来たようだ

この世界に大統領は余分なモノを置く事を避けていた
黄金長方形は何を起こすか分からない、『ツェペリ家』ですらまだ完全には把握していないのだ
大統領からしてみればその謎はとても深淵なモノのように感じてしまう

そのせいでジョニィの『牙』は速射こそ出来るが
威力は以前と段違いとなってしまっていたのだった
だが無理なものを嘆いてもしかたが無い
別の事を考える事にした

「それにしてもジャイロは元気だろうか?また彼のいれてくれたコーヒーが飲みたいな……」

あのドロドロとしたコーヒーを思い出し、思わず喉が鳴る
寒い時にアレを飲むと疲れが吹っ飛ぶんだよなあ

そんな事を考えていた時だった


649 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:12:11.07P81HhEweo (8/14)

ぺりぺり
ぺりぺりぺりぺり
ぺりぺりぺりぺりぺりぺり
ぽろぽろ
ぽろぽろぽろぽろ
ぽろぽろぽろぽろぽろぽろ
ごごごご
ごごごごごごごご
ごごごごごごごごごごごご

ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅん

『軽い』音が響き渡る
『重い』音が響き渡る
『軽い』気持ちの人が現れる
『重い』気持ちの人が現れる

ここで冒頭へ戻ろう

ジョニィは牙を打ち込もうと思ったが
舞い上がる砂埃の様なモノの中に見た人影は『二つ』
それも明らかに『体格』が違いすぎるのだった

「(二人とも大統領ならシルエットは同じのはずだ……)」

さっきまでとはうってかわり静けさが訪れる

舞い上がっていたモノが忘れていたかの様に重力に従い始める

その全てが落ちきらない間に『片方の男』が口を開く

それはまるでここにいる事自体が日常の様な気軽さで
そして決して警戒心を与えないような優しさで

「ちょっといいかな…?」

『平穏』を愛する男は問う

「今何時かね?」

.
..
...
....
.....


650 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:13:32.79P81HhEweo (9/14)

「この腐れ神父ッ!聖職者が地獄に落ちる事になるぜッ!」

神父の体と交わる様に出ているスタンド、『ホワイトスネイク』に向かって殴りかかろうとする承太郎
距離はバッチリ射程距離内、目の前の男一人殴るぐらいの静止時間はある

「くらえッ!!この……ッ!?」

承太郎は踏みとどまる
何故?後『5cm』程度『拳』を押し込めば良いのだ
何故?神父は特に『防御』をしている様子はない
何故?神父が『隠し球』でも持っているというのか?

『その通り』
『隠し球』は存在していたのだった

「奴のスタンドに……『それだけ』に気をつけていたのが間違いだったぜ……
まさか本体自ら……『ナイフ』を持ち出してくるたあな…
やれやれだぜ……DIOに関わる奴は何でこうも『刃物』好きなんだ……?」

承太郎の左胸部、つまりは『心臓』の真上だ
そこには安っぽい『二時間ドラマ』の人質が如く、ナイフが突きつけられていた


651 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:14:44.88P81HhEweo (10/14)

「クソ……てめえの『命』と引き換えに…こいつの『顔面』は割に合わねえ…
かといって今から距離を取る事は『無理』だ……
やーれやれだぜ……しかたがねえ、『全力』で逃げ切ってやるっきゃねえようだ……」

『ギリギリ』射程距離内のナイフを掴み取り、お返しとばかりに投げ返す
だがいくらパワー溢れるスタープラチナでも『ゼロ距離』ではナイフに『速度』は付かない

「クソ……時は…動き出す……」

時が動き出す瞬間、全ては起こった

ザグゥ!!と神父の『左胸部』にナイフが突き刺さる
本体のダメージと共にホワイトスネイクものけぞる
スタンドの中でも珍しく『自我』を持つホワイトスネイクが苦悶の声を上げる


652 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:15:50.29P81HhEweo (11/14)

「ウォッ!このクソッタレがァーッ!!
時を止めたぐらいでイイ気になってんじゃあないぞッ!!」

勢いの衰えた手刀をそのまま振るホワイトスネイク
が、その手刀は承太郎を撫でるか撫でないかの距離で当たらない

「(良し!再びだッ!!再び拳を叩き込むぜッ!)」

承太郎がそう思った時だった

「マダダッ!マダオワッテナイゾ!」

あの冷静沈着と言わしめた承太郎、一つ、一つだけ『見落とし』を残してしまった

「『小指』だッ!オレの『小指』を見てみろォッ!!
『ジョォォースタァァァーーッッ!!』」

『蛇』、全ての始まりの少し後、人間を唆した『蛇』
『邪悪の化身』とも呼ばれる『蛇』には似つかわしくない『モノ』がそこには存在した

「ゴゾンジ!『十字架』だァァァ!!」

蛇の小指には十字架が突き刺さっていた
十字架の鋒が承太郎の『額』を抉るッ!!

だがその瞬間ッ!神は従順な自らの『子羊』ではなくッ!!
純粋な『正義』に味方したのだったッ!!


653 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:16:46.63P81HhEweo (12/14)

ポタリ
神父の胸からさっきナイフを刺した時の傷から『雫』が滴り落ちる

「クソッ!クソッ!!クソォォーッ!!あと一歩の所でェェーーッ!!」

ホワイトスネイクの攻撃は成功した
『DISC』も奪えた様だ、ならなぜこんなに悔しがる?
答えは簡単、かつて神父自身が自らの『弟』にしたように
『一部の能力』だけしか抜き取る事ができなかったからだ
恐らく、この世で『二人』しか扱えないであろう

『時を止められる』という能力をだ
.
..
...
....
.....


654 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:17:44.18P81HhEweo (13/14)

「いいかね?私は『時間』を聞いているんだよ?
何故君は疑問文に疑問文で返すんだ?学校でそう習ったのか?
もしもそうなら君はテスト0点ばかりだったんじゃあないか?」

吉良吉影はジョニィに質問する
期待はしてなかったがここまで頼りにならないとはと失望していたが

「だから!ここには時計が無いんだよ!!
そんな事よりどうやってここに来たッ!?教えてくれ!頼む!!」

吉良とジョニィが舌戦を繰り広げる中、もう一人の男は沈黙を貫いていた
いや、訂正しよう
完全な沈黙ではなく、時折、自らの『ポケット』に話しかけていた

「どう思うよ?なぁ?オイ?俺には逆転の秘策があんだよ
そうさ、あいつは蘇るぜ?『こいつ』を使えばな…
そうさ、俺はもう一度あいつと会えるんだぜ?
さっき飛ばされる時にお前も見たろ?『あの世界』を?
あれを応用すりゃあ、すぐにでも会えるさ
その為なら俺は……俺はなんだってするぜ………」

男はポケットを撫ぜ続ける
同時にもう片方のポケットに入った『鍵』を手で転がす
ゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりと

そんな事は意にかえさず、ジョニィと吉良の舌戦は止まらない

何か『キッカケ』でもないと止まらないだろう

そして『キッカケ』は向こうからやってきた
そう、豊かな髪を揺らしながら、そう、貴族のような歩き方で

『奴』はやってきた

「お集まりのようだな……良いニュースを持ってきてやった…
もっとも……私にとってだがな…
貴様らには計り知れんだろうがいっておこう
『世界は混ざりつつある』
もうこれを止める事はできない」

そういうと大統領は笑いだす
その笑いに終わりはないとでもいうように
その笑いはまるで『鎮魂歌』のようだった


655 ◆tyuVXY5AEU2011/03/14(月) 01:18:28.02P81HhEweo (14/14)

打ち止め

眠い

おやすみなさい


656VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/14(月) 01:20:34.03RQv2SuyAO (2/2)

お疲れさま
承太郎は時止め失うのか

お休み>>1


657VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/14(月) 02:07:16.16xB2vCdcAO (2/2)

乙!
承太郎とプッチ神父の駆け引きが熱いな。ジョニィサイドも気になる。

おやすみなさい。


658VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/14(月) 08:26:05.82vSyWiBIi0 (1/1)

時止め失ってもプッチには負ける気がしない!不思議!
それはそうと時止めできない状態で時止めに勝つのはロマンだよね
自分も今それ書いてるわ


659 ◆tyuVXY5AEU2011/03/15(火) 00:31:51.85+r4mbDK5o (1/1)

しばらく投下できない

それにしても何で末尾が0なんだろう
VIPに書き込みした時も島根県って出るし


660VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/03/15(火) 15:46:16.23LNTJTgkAO (1/1)

了解した。気長に待ってるよ。


661 ◆tyuVXY5AEU2011/03/19(土) 23:17:31.62qUXmapNGo (1/1)

田舎に帰省したのでWi-Fi環境ゥ!!
地震の心配もないのでゆっくり書き溜められる
そういえば続編に続くかもしれなくなった……といっても同じ世界観ってだけだけど……
それでも見てやるよと養豚場の豚を見るような目で
>>1を見てくれる方がいてくれるなら幸いです

それじゃ


662VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/03/20(日) 00:07:01.05JOecfzEl0 (1/1)

フゥー乙


663VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)2011/03/21(月) 20:30:59.32Dlme5k2AO (1/1)

おお!続編の可能性もあるのか
話が盛り上がっていて面白いんだが、終わりに近付いていそうで少し寂しくもあったので嬉しい。


664 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 21:34:43.42O5gj83fUo (1/21)

11時半ごろ投下

今回のでラストまで後、2、3手ぐらい


665VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/03/21(月) 22:13:51.23g40HejZt0 (1/1)

ほう


666 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:22:57.37O5gj83fUo (2/21)

投下する


667 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:24:14.82O5gj83fUo (3/21)

『知識』
それは生きて行く上で必要不可欠なものだろう
一般的な『知識』や学習面での『知識』
また、『身体』が記憶している『知識』といったものがある

この中で一番忘れがたいのは一体どれだろう?

それは『身体』の『知識』ではないだろうか?
『一度』自転車に乗れれば乗れた時の感覚を頼りにまた乗る事ができる
『一度』泳ぐ事が出来たなら再び泳げなくなる事は、ほぼ無いだろう
つまり比喩を使わせていただくならば、それは『布』に染み付いた『墨汁』のようなものだ
『一度』染み付いた汚れは、よっぽどの事がない限り
薄れる事はあるかもしれないが完全に取れる事は無いだろう


668 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:26:09.20O5gj83fUo (4/21)

だがその『一度』を奪われたらどうする?
『よっぽどの事』があったらどうする?

乗り方を覚えた少年は再びこける日々に逆戻りし、
泳げるようになった人も首を傾げながら
『ビート板』と再びお付き合いしていかねばならないのだ

そして彼、空条承太郎も『一度』を奪われた
それも『時を止められるようになった時の記憶』なら、まだ救いはある
彼が素晴らしい『幸運』の持ち主なら、運良く戦闘中に再び時を止められるかもしれないからだ
だが、残念ながら今回はそううまくはいかない

奪われたのは『時を止められる能力』であった

例えるなら、自転車をこぐ『足』、水を掻き分け泳ぐ『腕』
両者ともなければいくら素質はあっても再び泳いだり漕いだりする事はできないのだ………


669 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:27:25.99O5gj83fUo (5/21)

「てめぇ……今、何を奪いやがった……?」

さっき徐倫から目の前の男のスタンドの特性は聞いた
そして目の前の男は自分の身体から『何か』をDISCとして奪った
だが、承太郎が植物人間になる様子は全く無い

そしてプッチは表情を一切変えずに答える

「その質問に答える事は簡単だが、私はそうしない
出来の悪い子供のように尋ねる前に自分で考えてみたらどうだ?
今、君は何を『持っていて』何を持って『いない』のか
何が『出来て』何が『出来ない』のか……試してみたらどうだ?」

プッチの提案に承太郎は改めて考える

「(身体に異常は感じられねえ…強いて言うなら切り傷ぐらい……だな……)」

続いてスタンドを発現させる、やはり元のままだ
筋骨隆々という言葉がピッタリな肉体、常軌を逸したその視力
彼のスタープラチナはかなりシンプルなスタンドだ、それ故に確認もたやすかった


670 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:28:56.72O5gj83fUo (6/21)

「……下手なハッタリかましてんじゃあねえぜ…」

承太郎のその言葉にやれやれといった様子でプッチは首を振る

「なら確認はもういいんだな?私は『神』に仕える身だ
『慈悲』は極力与えるつもりだが………?」

「『慈悲』だ…?笑わせんじゃあねえぜ……!!
女に奇襲をかけたどこに『慈悲』があるって言うんだ…!?ああーーん!?
いいぜ…!俺も一つ、てめーに『慈悲』をかけてやるぜ…!」

「ほう?それはありがたいな、一体どんな『慈悲』だね?
ま、予想はつくがね……『やって』みろ……!」

「いくぜオイ!!『楽に逝かせてやるぜ』ッ!!」

即、距離を詰めてゆく承太郎、対してプッチは冷めた目で動こうともしない

「スタープラチナ!『ザ・ワールド』!!時は……ッ!?何ィ!?」

時を紡ぐ砂時計は変わらず働き続いていた


671 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:30:44.93O5gj83fUo (7/21)

めったに動揺を見せない承太郎もこれにはあせった!
そしてプッチはその時を心待ちにしていた様に飛びかかるッ!!

「そォうだ!!承太郎!!『時』だ!
貴様如きがDIOと同じ『世界』に存在してはならないのだッ!!
私は『歴史』を変えるッ!DIOの『天国』を見届けるッ!」

ホワイトスネイクの拳がスタープラチナの右胸を叩くッ!!
のけぞるスタープラチナ、だがこれだけでは終わらないッ!

ホワイトスネイクはその勢いに乗り、返す手で再び手刀一閃!!
だが辛うじてスタープラチナは右腕でガード!ホワイトスネイクの手刀を掴む!

だが!

「死二損ナイガァーッ!!黙ッテクタバレェーーッ!」

スタープラチナの脇腹にホワイトスネイクの丸太のような足がヒットォーッ!
再び吹き飛ぶ承太郎!そしてッ!その飛んだ先はッ!!

『沼』だったァーz__ッ!!!

だが、突っ込んで正解!
勢いは完璧に殺され、クッションとなるッ!!

「やーれやれだぜ、やられっぱなしじゃあいられねえな……!」



672 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:31:54.36O5gj83fUo (8/21)

顔についた泥を拭い、こちらに向かってくるプッチを見据える

「オラァ!!」

スタープラチナはその剛腕を振るう!
手の先についた泥はまるで『水圧カッター』の様に鋭く、プッチへと向かってゆくッ!!

「うおっ!?」

ホワイトスネイクは即座にガードしようとするが間に合わないッ!!

パァン!と鞭のような音が響く!
泥カッターはプッチの『顔面』に当たったようだ、右手で『右眼』を押さえている
そしてその手の下からは『鮮血』が滴り落ちるッ!!

「…ハァ……ハァ…『一手』……遅れてしまった……
だが……次は…………」

プッチが『反省』した直後、それは起こった

『ジョースター邸が唸るような音を立てながら崩れ落ちたのだった』
.....
....
...
..
.


673 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:33:11.27O5gj83fUo (9/21)

「世界が……『混ざる』…?」

全く理解の追いつかないジョニィ
さして興味も無い吉良吉影
話すら聞いていない『男』

彼らによく聞こえるようになのか、声を張り上げて大統領は語り始める

「そうだ、私は全ての世界を統治する」

まるで彼は大統領に就任した直後の演説のように語る

「そもそも……私は愚かだったのだ……
何故、視野があんなにせまかったんだろうな……

私の能力は『少し』違う世界に行き来出来る…それを『+1』としよう
そこから基本に帰るのは『-1』だ、つまり基本は『0』としよう
+1では基本とさほど違いは無い……

だがこれを+『100』まで繰り返したら?-100まで繰り返したら?
その世界に存在するのは、そう!基本とは全く違う世界だ!!
そして遺体が完全に私と同化してくださったならッ!!
-100から+100まで全てを『挟み』!『まとめ』られるだろう!!

そして私はその『まとめられた世界』を統治するッ!!
遺体の力で『歴史』すら変え!元よりこのファニー・ヴァレンタインが統治していた事にする!
統治に一切の疑念すら抱かせない『永遠の国』にしてみせる!!」


674 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:35:21.97O5gj83fUo (10/21)

沈黙が訪れる
だが吉良吉影はまるで支持者の様に手を叩きながら口を開く

「なるほど……なるほど…歴史を変えるね……
だが一ついいかね?ちょっと疑問があるんだ」

「なんだね?」

「私が気になるのは『記憶』なんだ……
歴史がそうだとしても人々の『記憶』と違う大統領だったらおかしくならないかい?」

「問題無い、既に世界のまとめは終わりつつある
そしてその世界の住人の記憶が変わりつつあるのを確認している」

「変だな?
私の記憶には歴代アメリカの大統領に君のようなイカれた髪型の人物はいないんだがね?」

「答えは簡単だ、元から貴様らは死ぬ予定だぞ?記憶を変える必要は無いだろう」

「なるほど……君もやはり私の『平穏』の敵か…」

返答を聞いた吉良はキラークイーンを発現させる

だが

「いいです……こいつは僕が片付ける…」

『見知らぬ男』によって歩けるようになった青年
ジョニィ・ジョースターは立ち上がる


675 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:36:52.06O5gj83fUo (11/21)

「ほぉ……?ジョニィ・ジョースター……
歩けるようになったのか……喜ばしいな…」

D・4・Cが現れる

「『贄』は貴様からか…ちょうどいい……因縁は早めに断ち切りたかった……」

ジョニィは『指』を構える

「おおっと……?今の貴様に足りない物を忘れたか…?」

「分かってる、確かに黄金の回転は無い……
だがその分『牙』は無限だ、お前の心臓を綺麗に切り刻むぐらいは出来る」

「……そうか………そうか………
……やってみろォォォーーーッ!!!!」

開戦の狼煙だと言わんばかりにジョニィは爪を連射ッ!!

「うぐゥ!」

大統領はすかさずD・4・Cの両の腕で牙を防ぐッ!
だが切れ味抜群の牙に食らいつかれて無事ではいられず、腕に裂傷を作ってしまう!!

だが、大統領はガードを固めながらジョニィの元へッ!!
そしてD・4・Cの射程距離にたどり着くッ!!!

「ウオシャアアアア!!」


676 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:39:27.08O5gj83fUo (12/21)

D・4・Cは右拳を叩きつけるッ!だがジョニィは『牙』でガード!
牙はD・4・Cの腕を削りとるッ!!

たまらず大統領は距離を取る
削られた腕がジクジクと血を垂らしている
この血をみた大統領はッ!!

「これでも食らってろォーッ!!」

大統領はジョニィに血の目潰しッ!!目にクリーンヒット!!

「うッ………!」

幸い、ジョニィの眼球は無事だった!だが!その時にも大統領は近づくッ!

「クズがッ!!身の程を思い知れ!!
貴様ごときのカススタンドがD・4・Cに敵うかァーッ!!」

ジョニィの鳩尾に拳がめり込む
彼のスタンドではガードが出来るはずもなく、なす術もなく吹き飛ばされてしまう

再び、大統領はジョニィを追いかけようと試みる!!
だがその前に彼の身体に異変が起こるとともに
彼は自らの身に起こった事の全てを理解した

吹き飛ばされて身を起こしたジョニィは大統領の方を向き、姿を見て唖然とする

元いた場所には大統領が地上から浮かび上がり『輝いていた』

「『力』だッ!!力が満ち溢れてくるぞッ!!
この力の増え方からみて……『二人』!他の世界で戦っている『二人』の犠牲者のお陰で私はさらに強くなる!!
もうすぐだッ!!もうすぐ私に遺体が完全に同化してくださるぞォォーーッ!!!」


677 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:40:57.32O5gj83fUo (13/21)

.
..
...
....
.....

「実に綺麗な瞳だ……決心に満ちている…素晴らしい」

徐倫は理解が追いつかない

目の前の男がビームのような物を撃ってきたかと思えば
瞬時に目の前で自分の瞳を褒めている
この感覚は彼女は以前味わったことがあるものだった

「あなた……まさか……あなたの能力は……」

「おっと……そこから先は私に言わせてもらおうか…?
私の能力、『世界』はあの空条承太郎と同じ……
そう、時を止められる能力だ………
さらに絶望的な事を言わせてもらえば『私の方が静止時間は長い』」

「……余裕ね…私の事をなめてるって言いたいのかしら……?」


678 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:42:07.76O5gj83fUo (14/21)

DIOはまるで中世の紳士のようにうやうやしく徐倫に頭を下げる

「ん~そんな事は無いよお嬢さん
私はただ『公平』さを求めているのだよ……公平さは強さにつながるからね……
嘘をつけば気づかぬ内に精神力が弱まっているものだ……
嘘をつく事ほど神経をすり減らす事はない……」

「じゃあ私も言わせてもらうわ……私の……」

そこまで言うとDIOは徐倫に一切の警戒を抱かせぬ程の優雅さで
徐倫の唇に自らの指を当てる

「そしてこういう言葉もある、『レディーファースト』というね……」

途端、徐倫のこめかみがビグンビグンと震え始める

「なめてんじゃあねーわよッ!!」


679 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:43:45.48O5gj83fUo (15/21)

ストーン・フリーの拳がDIOに炸裂!!……するかと思われたが
DIOは時を止めて、既に逃げていたッ!!

「どこに逃げたァーッ!?さっさと出てきやがれェーーッ!!
あんたの態度はオエーッって感じなのよォーッ!!」

徐倫は糸を蜘蛛のように館に張り巡らせる
糸が伝えるDIOの立てる音を調べているのだ
音は感じられない、さらに糸を張り巡らせる
しかし、音は全くと言っていい程感じられなかった

すると、その刹那!!西側に張り巡らせた糸が一斉に切れるッ!!

「そっちかァーッ!!オラオラオラオラオラオラ!!」

しかし!ストーン・フリーは空を叩く!!

「馬鹿な!確かにこっちの糸が……ハッ!!」


680 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:46:04.49O5gj83fUo (16/21)

『逆』だった!!西側の壁には『ナイフが刺さっていたのだ!!
DIOは予め、時を止めて『東』からナイフを投げておいたのだ!!

「(花京院の時と同じ様に『結界』を貼られるとはな……
だが今回決定的に厄介なのは『血統』…!土壇場であの娘が『入門』しないとも限らない………)」

DIOは思い出す、確認こそしたが安易に承太郎に近づき
こっぴどいカウンターを食らってしまった事を

「(そこでこのDIOは考える!時を止めるタイミングをだ!!
絶対に……!絶対に反撃できない時に攻撃してくれるッ!
その為に時間停止を決め手に使うのは少し危険だ………
よほどの事がない限り時間停止を攻撃に利用する訳にはいかない………!!)」

そしてDIOは徐倫が西を向いた時に行動を開始する

「後ろッ!?」

背後の糸が切れるのを身体で感じた徐倫は振り向きざまに殴ろうとする!!

だが!

「無駄無駄無駄無駄ァーッ!!世界に及びはしないッ!!」

右腕を蹴り飛ばされる徐倫ッ!!
壁に激突!……するかと思いきや糸に衝撃を吸収される

「……糸の強度を操作したのか…?」


681 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:47:14.83O5gj83fUo (17/21)

DIOは糸からゆっくり立ち上がる徐倫に向けて問いかける

「あなた知ってる……?世界中の『くたばりやがれ』って表現……
私が一番好きなのはジャパニーズスタイルなんだけど……」

そういうと徐倫は右拳をDIOの方にむかって突き出す
そしてゆっくりと中指を上げる

「やるんだったら……とことん来いッ!!」

この一連の動作をみたDIOは手を叩きながら笑い始める

「フハハハハハ!!気に入った!気に入ったぞ!女!!
良かろう!!いい度胸だ!このDIOに対してッ!!」

お互いに駆け寄るッ!!

そしてェーーッ!!


682 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:48:18.99O5gj83fUo (18/21)

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーッ!!」

突き比べッ!!両者互角!


683 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:49:45.11O5gj83fUo (19/21)

お互い同時に距離を取るッ!!

だがッ!!DIOだけ頭を垂れる形となるッ!!

「何ィィ!?」

DIOの首にはワイヤー程の強度を持った糸があった!
先のラッシュで何重にも巻きつけておいたのだッ!!

「来ォォォいッ!!」

徐倫はDIOを引き寄せ、その衝撃を利用しッ!!
『顔面飛び膝蹴り』だァーーーーッ!!!

「ガハッ!!」

だが彼は人間を超越した身ッ!!強度も半端じゃあないッ!!
即座に首の糸を引きちぎらんと腕に力を込めるッ!!

「(まずい……!!こいつの馬鹿力…!
やはり……人間じゃあないのね……!!)」

徐倫はワイヤーをほどき、自らの身に戻したッ!!

「(問題は…ッ!!奴が時を止める時がわからない事だ……!!
何か……何か『他に』私に出来る事………!!」

だが考える時間はもう無かった

「『世界』ッ!!!」

時は残酷にも止まってしまったのだった



684 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:56:38.61O5gj83fUo (20/21)

打ち止め

一応まとめとくと

大統領⇒遺体の力で全ての世界を統治したい

承太郎and徐倫withDIOandプッチ⇒戦いに夢中

ジョニィ⇒とりあえず大統領止めたい

吉良⇒自分に危害加えるんだったら容赦しない

みんな予想つくだろうが一応名前を伏せている男⇒世界を移動する際に、他の世界の『あるもの』に強烈な興味

他の世界ってのは……まあ、簡単に言ったら他の[ピーーー]の世界です


それじゃ


685 ◆tyuVXY5AEU2011/03/21(月) 23:57:50.06O5gj83fUo (21/21)

打ち止め

一応まとめとくと

大統領⇒遺体の力で全ての世界を統治したい

承太郎and徐倫withDIOandプッチ⇒戦いに夢中

ジョニィ⇒とりあえず大統領止めたい

吉良⇒自分に危害加えるんだったら容赦しない

みんな予想つくだろうが一応名前を伏せている男⇒世界を移動する際に、他の世界の『あるもの』に強烈な興味

他の世界ってのは……まあ、簡単に言ったら他の[ピーーー]の世界です


それじゃ


686 ◆tyuVXY5AEU2011/03/22(火) 00:04:49.46UPCjuEsBo (1/3)

二重投稿……その上にミス……

男⇒世界を移動する際にたまたま『見えた』他の世界の『あるもの』に強烈な興味を持つ


687 ◆tyuVXY5AEU2011/03/22(火) 00:05:21.99UPCjuEsBo (2/3)

二重投稿……その上にミス……

男⇒世界を移動する際にたまたま『見えた』他の世界の『あるもの』に強烈な興味を持つ


688 ◆tyuVXY5AEU2011/03/22(火) 00:06:21.07UPCjuEsBo (3/3)

エルメェスの兄貴wwwwやめてwww


689VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県)2011/03/22(火) 09:51:14.84k1Qi/A9So (1/1)

ヘイッ!私も出しなってことだぜッ!


690VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)2011/03/22(火) 13:06:08.54AxFDWua6o (1/1)

なんだかよくわかりませんがこのシール剥がしておきますね


691VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)2011/03/23(水) 01:40:53.08fl3xLxVAO (1/1)

乙!兄貴wwww
承太郎側も徐倫側も熱いな


692 ◆tyuVXY5AEU2011/03/23(水) 23:11:54.28EwRUNX9zo (1/1)

明日か明後日ぐらいに投下する

後、思ったんだけど登場人物の行動の説明足らないかな?
ちょっと登場人物の行動の理由が分かりにくいかなと……


693VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/03/29(火) 17:57:05.59n16Rknt/0 (1/1)

大丈夫だと思う


694VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)2011/03/30(水) 22:38:15.70ZxO+o4dAO (1/1)

同じく、特に問題はないと思うな


695 ◆tyuVXY5AEU2011/03/31(木) 00:43:09.43BThMSb6Xo (1/1)

すまん、無意識的に鬱ENDになってしなったから書き直させてくれ
鬱ENDは大嫌いだよォーーッ!!

何故か続編の案だけは一丁前に出るのに、肝心の本編のツメが甘いと言う……

それじゃ


696VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2011/03/31(木) 00:47:03.01LXYa+Opjo (1/1)

鬱ENDは許可しないィィィということか


697VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2011/03/31(木) 02:32:18.84iNNXc/VAO (1/1)

やっぱり承りが一番カッコイい


698VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)2011/03/31(木) 12:36:19.42ThNP5wtAO (1/1)

自分の予期しない方向に物語が転がることってあるよなあ
荒木先生はそれを『重力』だと言っていたけど


699 ◆tyuVXY5AEU2011/04/14(木) 20:30:26.75qBdO4KTXo (1/1)

遅れてすまない
日曜に投下する


700VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/14(木) 21:38:02.46DXAlMNz/o (1/1)

これほどまでに週末が待ち遠しいことが今までにあっただろうか?


701VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/04/17(日) 00:08:25.5873QTfFKAO (1/1)

日曜とはまさかッ!‥‥今日のことかッ!!


702 ◆tyuVXY5AEU2011/04/17(日) 22:54:17.67Lf7ZRdVFo (1/1)

おお……おお……ネタバレ食らって色々震えてた……
12時半ごろの投下になりそう……
なに…?ジョジョ、その頃は明日だって……?逆に考えるんだ……

そういう事で!


703 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:27:39.57ft2yzxpOo (1/25)

投下する


704 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:28:31.53ft2yzxpOo (2/25)

時の止まった世界、今は『帝王』であるDIOだけのものだ
だが彼は安易に徐倫に近づかない、接近が反撃に繋がる全ての要因の元になるかもしれないからだ

「(ナイフを取りに行くには時間が短すぎるな……
かといって直接攻撃するというのは危険だ……)」

顎をさすりながら思考するDIO
もっとも『安全』で、かつ、『効果的』にダメージを与えられる攻撃
それさえ見つかればこの戦いは彼が『勝者』となれるのだ

そして思い出す、かつて自らが編み出した『波紋対策』を

それはほとんどの場所でいともたやすく行う事が出来るものだった

「食らえィ!!天然のショットガンだッ!!」

テーブルを砕き、投げつける
徐倫へ唸りを上げて飛んで行くように見えた破片はその場に『静止』した

だが彼の策はもう『一段階』あるのだ

「まだだ……まだ終わらんぞ…」

『ある事』を完了後、宣言する

「時よ、再始動しろ………!」
.
..
...
....


705 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:29:28.35ft2yzxpOo (3/25)

ほとんどお決まりのような反応だが空条徐倫は息を呑む
目の前に銃弾と同等の速度で拳大の破片が飛んできたのだ

「オラオラオラァ!!」

だが伊達に『完成されたスタンドの持ち主』の娘では無い
難なくそれらをはじき飛ばす、一瞬何か仕掛けられているかと思ったが結果オーライという奴である

直ぐに意識を索敵に注ぐが見つからない
時が止まった世界は経験した事がないが
こうも痕跡を残さずに移動できるモノなのかと少し感心しつつ探す徐倫

「改めてみれば……なかなか良い雰囲気の家ね…」

年季の有りそうな壁や肖像画などが徐倫を監視するように掛けられていた

「こういう家って憧れるわよね……」

彼女は2011年に生きていたのだ
こんな館は映画か何かでしか見た事がないのだろう
イメージといったらシンデレラの舞踏会が行われる場所のようなモノしかない

そんな事に思いを馳せていた徐倫
この時だけは一般の女性のような気分でいられたのだ

そう、『この時』だけは


706 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:30:26.97ft2yzxpOo (4/25)

「待っていたぞ………貴様の『注意』が薄くなるこの時をな……」

柱の影から手を伸ばし徐倫の腕を握るDIO
彼は『吸血鬼』だ、呼吸を数分止めようが生命活動に支障はない
文字通り息を殺しこの時を待っていたのだ

「ッ!!このォ!!」

腕を振りほどこうとする徐倫だったが
生半可な力で握られたモノではない
全くと言っていいほど振りほどけそうな気配はなかった

「ところでお嬢さん……君は知らないだろうが……
世の中には『波紋』という『能力』……いや、『技術』があってね…
散々、私はそれに手を焼いたモノだった……
だが私はそれに対する対策を編み出した………」

話続けようとするDIOだったが徐倫はそれを許さない

「生憎だけど………私、お喋りな男って……タイプじゃあないのッ!!」

今度こそ振りほどかんと力を込めた徐倫の腕
同じ年代の女性の腕と比べるとかなり筋肉質な部類にはいる腕
彼女の父、空条承太郎が握ってくれた腕

その腕が一瞬にして『砕け散る』


707 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:31:41.30ft2yzxpOo (5/25)

「ううッ……!!きゃあああああ!!!」

「話は最後まで聞くモノだと言わなかったか……?」

手についた腕、いや、『結晶』と呼ぶべきだろうか
煩わしそうに結晶を振り払うDIO

「ふん……まずは片手だ…」

何時の間にか現れていたザ・ワールドの腕が
もう片方の徐倫の腕を狙うッ!!

「チッ……!!」

ストーン・フリーが地面を蹴り距離を取るッ!!
だがザ・ワールドの射程は10m!!まだ届かないわけではないッ!!

「逃げようとしているのか……?
このDIOがそんな事を簡単にさせてくれると思っているのかッ!?」

もう片方の腕を断とうと振り下ろした腕を返し、肘打ちを徐倫の腹部へッ!!
衝撃は少し殺されはしたが今の徐倫には大ダメージ!!

ズザァーッ!と派手に吹き飛ばされる徐倫!
柱の裏に一旦隠れッ!!『砕かれた』腕を確認!!

「ハァーッ、ハァーッ……!?
こ、これはッ!?私のッ!私の腕がッ!?


凍っているだとォォォーーーッ!?」


708 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:33:00.27ft2yzxpOo (6/25)

『気化冷凍法』をご存知だろうか
詳しい説明は省かせて頂くが、簡単に概要を説明させてもらうと
『触れた部分を凍らせる事が出来る』という能力だ

触れさえすれば一撃必殺という恐怖の能力である
かの実力ある波紋使い、『ダイアー』を手も足も出させずに惨殺したという

「片腕では……突きのラッシュも出来んなァ……?」

ゆっくりとこちらに歩を進めるDIO

「(どうする……!?触れられたらお終い……
かといって片腕で勝てる相手じゃあない………)」

柱の影から元いた場所を覗き込む
可哀想に、十年以上連れ添ってきた腕が『粉々』になってしまっている

「(幸い……といっていいのかしら……
凍らされたから出血は無いわね……)」

今、彼女が把握している情報は『時間停止』と『脅威の治癒力』と『さっきの力』ぐらいか

そして彼女は今、片腕という状況だ

今の彼女に残された選択肢は
①策もなく飛び出して行く
②諦めて命乞いをする、または逃げる

といったところだろう


709 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:34:39.49ft2yzxpOo (7/25)

「(②は選ばない……何が起ころうと…絶対に…)」

立ち上がる

柱から出る

対峙する

「ほう……感心したぞ……自害しなかっただけな……」

そう言ったあと、DIOは見つける
かつて彼が顔には見せなかったが怯えてしまったものを
彼が今まで欲さなかったもの、欲せなかったもの
そして

かつての友、『ジョナサン・ジョースター』が瞳に宿していたものを

「(この女ッ……あれだけの恐怖……苦痛を与えられながら……!!)」

空条徐倫の瞳には『覚悟』が生まれていた
これから何をされてもしょうがないという『負け犬的な覚悟』ではない
これから何かを乗り越えようとする『勇者の覚悟』をッ!!

「『ひとりの囚人は壁を見ていた』
『もうひとりの囚人は鉄格子からのぞく星を見ていた』
あたしはどっちだ?
もちろんあたしは星を見るわ……」

片腕ながら『凄み』のある構え
いわゆるファイティングポーズを取る

「来いッ!!吸血鬼ッ!!」

「WRRRRYYYYY!!!」

待てを解かれた犬のようにDIOが徐倫に駆け寄るッ!!
徐倫は残された腕を振り!!『引いた』!!

その時!!

「ザ・ワールド!!時よ止まれィ!!」


710 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:36:04.44ft2yzxpOo (8/25)

時は帝王に従い、その動きを止める
DIO以外に動くものは存在しない

「この小娘がァァァァ!!このDIOに勝てるとでも思ったかァー!!」

DIOが徐倫のすべてを断ち切ろうと腕を振り下ろすッ!!
狙うは首ッ!!遮るものはないッ!!

だが!

『空条徐倫がいきなり宙に上昇する』!!

「何ィィィィ!?」

振りかぶった腕を下ろした時には完全に二階へと登っていた徐倫!!

「やはり小娘!!貴様もこの『DIOの世界』に入門かァァァァ!!!」

かつてそうしたように壁に足を突き刺し登るDIO!!
逃げるように上昇して行く徐倫!!

ここでDIOは気づく!
時を止められる時間が限界な事をッ!!

「チィィィィ!!時は動き出すッ!!」

空条徐倫は蜘蛛のように天井に張り付き
肩についたゴミをを払うように腕を振る!

ぷちん

彼女が肩を払った時に音が鳴った

「!?何だ!?今の音はッ!?」

「さあ?お釈迦様が貴方を見捨てたのかもよ?」


711 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:38:15.05ft2yzxpOo (9/25)

彼女はテーブルを砕かれる直前に『策』を既に講じていた

彼女は肩の『ジョースター家の象徴』である『星』から糸を放出!!
真上の階上の手すりに引っ掛けるッ!!

そして時が再始動すると同時に
予想外ではあったが、DIOの捜索をするとともに手すりより垂れ下がった糸を
四方の柱にくくりつける!!

後はその糸を先ほどの振りかぶる時に
DIOの体(たまたま腕であったが)にくくりつける!

そうする事によりDIOが近づけば近づくほど
肩の糸が『滑車』のように引っ張られ持ち上げられるのだ!!

「私が時の止まった世界を動けないのなら……
あんたに動かしてもらうしかないじゃない……」

階段をまるで当たり前のように駆け上がりながらDIOは叫ぶ!

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァーーーッ!!」

「腕は一本しかないがッ!!『脚』はまだ二本あるぞォーッ!」

天井から飛び降り彼女もまた!!

叫ぶ!!

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

両者互角!……のように見えたが!!

「何ィィィィ!?
この!このDIOがァ!!押されているだとォーッ!!」

DIOの突きが徐倫の蹴りに押し返される!!
そして!!


712 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:39:46.45ft2yzxpOo (10/25)

「くたばりやがれェェーッ!!」

徐倫が打ち勝ったのだッ!!
だがッ!!蹴り飛ばされるDIOの顔にはまだ余裕がッ!!

「フン!だが後、数呼吸もすればッ!!再び時をッ!止めて……!?
NUUUUGAAAAAA!!!」

この時、DIOにも、そして徐倫にも予想の付かない『奇跡』が起きたッ!!

「UUGGYYYYAAAAAA!!!!
再びッ!!再びかァァァァ!!!
『また』してもかァァァーーーッ!!
またしても貴様が邪魔をするのか『ジョォォォスタァァァーーー』!!!」

DIOの腹部には!!かつてジョナサンと『ディオ』の戦いでジョナサンを救ったッ!!

『ジョースター家の守護神』である『慈愛の女神像』があった!!

「『JOJO』ォォォーーーッ!!貴様ァァァァ!!」

「(このチャンスを見逃す手は無いッ!!)」

空条徐倫ッ!!飛来する!!

そしてェェェェェ!!!

『手刀一閃』!!!


713 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:41:58.63ft2yzxpOo (11/25)

嗚々……何という皮肉だろうか……
DIO、いや、『ディオ』の身にとって再び……!!

『首と身体が分かれるという自体が起こったのだ』!!

「まだ終わらないッ!!完璧にケリをつける!!」

まだ止まらない空条徐倫!!
先ほど、父が吹き飛ばされて出来た穴に近づき!!

「結果的には……貴方のおかげね……
お陰で…脱出用の穴を作る手間が省けたわ……
そして…なにより……柱を『削って』くれたのも……ね…」

先ほど、空条徐倫が上昇したトリックの説明の際に!!
糸を柱にくくりつけたのはッ!!『このため』だったのだ!!
勢いよく降り抜かれるDIOの腕に巻きつかれた糸が
その勢いを利用し、まるで『ノコギリ』のように柱を削る!!
どんなに硬そうなものでも『切り傷』さえつけられば壊せないということはないッ!!

「これで身体もズタボロで元に戻れないわッ!!」

片腕のストーン・フリーで柱を殴る!!
ゴゴゴゴという小気味良い音にならうかのように館が壊れ始める!!

だが当のDIOはさっさとスタンドで像を破壊すれば良いものをッ!!
『破壊しようとはしなかったのだ』!!

徐倫は少し疑問に思いはしたが
今まで積み上げてきた『歴史』と共にあった館から脱出したのだった……


714 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:43:40.34ft2yzxpOo (12/25)

.....
....
...
..
.

「(抜けぬゥーーッ!!ハッ!そうだ!!
ザ・ワールドを使って像を壊せばッ!!)」

そう思い、行動に移そうとしたDIO

そのとき

---もういいんじゃあないかな?ディオ?---

声が聞こえた

『忌々しい』ようで『懐かしい』

そんな声を……

「(誰だ!?)」

目の前に白い霧のような輪郭を持った男が現れる

---僕だよディオ、忘れちゃうことはないだろ---

そこにいたのは

「(『ジョナサン』……!?ジョナサンか……!?)」

---思い出してくれて嬉しいよ……ディオ…---

「(何故貴様がッ!?この私が殺したはずじゃあ……!?)」

---確かに僕は君に殺された……だが君のボディは僕の身体だ
僕の心は常に君と共にあった………---

まるで旧友に久しぶりに出会えたかのように語るジョナサン

---君はいつか言ったね、人間は安心を得る為に生きると……---

---でも僕は君の身体で聞いていてとてもおかしかったよ……
そういう君が一番安心から程遠いところにいたんだからね---

---そして君が考えていた『天国』……
あれは君自身の為の安心を得る方法だ……---

---もっと簡単に安心なんか得られるというのに……
ずっとそうやって思っていたよ……---

---いいかい?方法を教えてあげるよ……
それはね……………---

その言葉を聞くと帝王は抗うことをやめた

.
..
...
....
.....



715 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 00:45:08.94ft2yzxpOo (13/25)

一旦打ち止め

今日か明日以内に終わらせる


716VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2011/04/18(月) 00:48:47.94mV5E5DbQo (1/1)

おお……ブラボー
終わってしまうのか



717VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/18(月) 01:39:06.49nIqZdo1p0 (1/1)

乙!
ついにジョナサンまで出てきたか……!


718 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:00:17.35ft2yzxpOo (14/25)

投下する


719 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:01:15.02ft2yzxpOo (15/25)

承太郎とプッチは戦っている最中ということも忘れ
二人揃ってジョースター邸を凝視する

邸宅が完全に崩れ落ち、後に残るは砂埃
もうもうとジョースター家の歴史が開放されたかのように煙が巻き起こった

崩壊する姿はどこか雄々しいようで物悲しいようで
様々な矛盾を孕んだ光景が彼らの目に映る

だんだんと煙は収まって行く
スタープラチナのような驚異的な『視力』が無くとも
中に見える『二つ』の『シルエット』は容易に確認できた


720 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:02:21.85ft2yzxpOo (16/25)

「決着は……つかず……か…」

神父はどこか残念そうで、そして、嬉しそうな口調で呟く

ひゅるり、と一陣の風が吹く
何も傷付けそうになく、何者だろうが受け入れそうな、そんな風が

『まさか神父に絶望をもたらす風だとは思いもしなかったろう』

風によって煙は吹き飛ばされて邸宅の全貌が明らかとなる

そこにはよろよろと今にも倒れてしまいそうな徐倫
そして『血塗られた女神像』があった

そして

神父の待ち人である『主』、DIOは君臨していなかった


721 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:03:29.28ft2yzxpOo (17/25)

神父の一瞬緩んだ唇が絶望に色塗られ
こわばっていた全身の力は抜け
その場へ思わずへたりこむ

「は、ははは……D…DIO?そこに……いるんだろう…?」

ふるふると子羊のように立ち上がる神父
ゆっくり、ゆっくり、邸宅跡へと歩を進める

途中で父の元へと向かっていた徐倫とすれ違うが
神父はまるで視界に入らないかのように流す

女神像に後、2m、そんな距離
神父の足に今まで踏みしめて来た瓦礫とは違った『感触』のものが触れた

神父は意に介さず進もうかと思ったが
『何故か』無償に気になり足元を見る

『DIOがいた』

正しくは、DIOの『首』が転がっていたのだ


722 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:04:39.45ft2yzxpOo (18/25)

「DIOオオオオオオオオオ!!!!!」

いつもの彼らしからぬ声量で叫ぶ
身体の中にある不純物を全て吐き出そうとするように
墓から蘇ったゾンビが声にならぬ声で唸る様に


だがDIOはまだ『生きていた』
DIOは吸血鬼持ち前の不死身さをこの時ほど『感謝』した時はないだろう

震える声で語り出す


723 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:06:00.26ft2yzxpOo (19/25)

震える声で語り出す

「プッチ……プッチ…すまないな……」

DIOは生涯二度目の『涙』を流しながら語る
いつかジョナサンに殴られた時に出たものとは
完全に違うと『心』で理解していた
初めて涙を流した時はいつだったろうか、思い出せない


724 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:06:50.17ft2yzxpOo (20/25)

「君と出会えた事は本当に嬉しかった……
初めて教会であった時は不思議な『神父』もいるもんだと思った……
そのときは……ただのそれしか思わなかった……」

涙、彼はどんな時に流すものかすら思い出せない
そういえばジョースター卿が死んだ時もジョナサンは泣いていたな
あの時にジョナサンが抱いていた感情は……一体…



725 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:08:07.89ft2yzxpOo (21/25)

「君から連絡して来た時は本当に驚いたよ……
そして君があの短期間で背負った覚悟にもな……
どこか私の境遇と似ているからじゃあなく
心から純粋に君を真の友だと思えた……」

ああ思い出せそうだ
初めて涙を流せた時の事を……

「プッチ…今、私は完全に理解した
私が自ら考えた『天国』についてだ……
あれは……『もう』………」


そうだ


初めての涙は『母』が死んだ時だ
あの時の自分には今持ってないモノで溢れていた…そんな気がする
溢れていたモノ、それはジョナサンが抱いていたモノも同じだろう
今ならそれの『正体』がわかる気がする


726 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:09:09.33ft2yzxpOo (22/25)








そう、その『正体』は












727 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:10:14.75ft2yzxpOo (23/25)










『愛』だったんじゃあないだろうか












728 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:11:34.40ft2yzxpOo (24/25)





紡ぎかけた言葉を結ぶ事をせずにディオ・ブランドーは息を引き取った


729 ◆tyuVXY5AEU2011/04/18(月) 23:12:01.18ft2yzxpOo (25/25)

いったん打ち止め

それじゃ


730VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)2011/04/19(火) 22:33:54.815GciBIcd0 (1/1)

オッチューン☆


731 ◆tyuVXY5AEU2011/04/19(火) 22:35:12.89Ov2k1AGQo (1/5)

本日の11時半より
最終回を投稿させていただきます


732VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/19(火) 22:37:58.076G0j4Q0SO (1/1)

投下了解!


733 ◆tyuVXY5AEU2011/04/19(火) 23:42:45.67Ov2k1AGQo (2/5)

ゆっくり投下する


734 ◆tyuVXY5AEU2011/04/19(火) 23:43:44.79Ov2k1AGQo (3/5)

「何をしているんだ……?」

承太郎は『肉眼』で憎き宿敵であるDIOの今際の時を見届けた
だが、DIOの唇は明らかに動いており、神父に何か話しかけていたのは明白だ

何かが視界を遮る

忘れていた、空条徐倫がこちらに向かってヨロヨロと歩いて来ていたのだ

無理もない
逃げ切るだけでも賞賛に値するのに、あのDIOに打ち勝ったのだ
相当の勇気が必要だっただろう

「やれやれだぜ……」

徐倫に手を差し伸べてやる
徐倫もそれに気づき手を伸ばす


735 ◆tyuVXY5AEU2011/04/19(火) 23:48:29.23Ov2k1AGQo (4/5)

「空ゥゥゥゥゥゥ条ォォォォォォォォ!!!!」

神父は叫んでいた

100m程は離れているはずの神父の声が、こんなにもはっきりと聞こえる

そう、まるで


『真後ろにいるかのようにだ』


「ホワイトスネエエエエエエイクッ!!!」

馬鹿な、遠距離型といっても100mもの射程距離が存在するわけが

『あった』

かつてポルナレフが怒りによってスタンドの基本性能が格段に上昇した時のように

今の神父の『心』はシンプルだ

『ただ純粋に空条徐倫を傷つける』
直接息の根を止めるのでは芸が無い、ならば『最愛』のモノを奪えばいいじゃないか
そう決まった時、神父の行動は早かった


736 ◆tyuVXY5AEU2011/04/19(火) 23:55:56.32Ov2k1AGQo (5/5)

「ウオシャアアアアアアア!!!」

手刀が空条承太郎の頭を抉る
すると1対の『DISC』がニュルリと出てくるではないか

とうとう神父は成功したのだ

空条承太郎の『全て』を奪う事に
空条徐倫の『全て』を奪う事に

『娘』へと伸ばされていた手が届かずに落ちた

「そんな……嘘よ……!」

届くべき場所を失った徐倫の腕は空を切る
そして、その掌は自らの唇に添えられる
今から自分の吐き出す言葉を止めようとしているかのようの

だが『無駄』だった

「父さァァァァァァァァァァァん!!!!」

空条承太郎は『死亡』した
『肉体』こそ生きているとはいえ『心』が無いのに『生きて』いると断言出来る者がいるだろうか?
植物人間は『生きては』いるかもしれない
だが徐倫の中での空条承太郎は『二度目』の『死』を迎えた

だが悲しんでいる暇はない

『不幸』とは待ってくれないから『不幸』なのだから

....
...
..
.


737 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 00:05:31.551Qnc+iewo (1/18)

「ついにッ!!ついにッ!!『同化』してくださったぞォーッ!!」

感激の声を上げる大統領
遺体による奇跡であろうか?発光しながら宙に『浮いている』のだ

「これでッ!全てを統治出来るッ!!
アメリカをルール無用のならず者どもの自由にはさせないッ!!
アメリカは『永遠』に栄えるのだァーッ!!」

ジョニィは抗う

「ふざけるなァーッ!!僕がお前の思い通りにさせると思うのかァーッ!!」

『牙』を乱射するッ!一発!一発!もいっぱぁぁぁぁつ!!
だが全ての牙は『世界の何処か』に消え去ってゆく!
そう!『害悪』としてッ!!

「いくらでもやるがいい!ジョニィ・ジョースター!!
今の私に叶うものなど存在はしないッ!!」

事実、今の大統領は『無敵』だ
遺体は大統領を『常時』光のスキマにいる状態にしているのだ
今の彼に届くものは存在しない


738 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 00:13:06.861Qnc+iewo (2/18)

「うおおおお!!力が!力が溢れるゥゥゥゥ!!」

吉良吉影は動かない
静かにその光景を眺めているだけだ

ポケットを撫でている男、『ジョセフ・ジョースター』は止まらない
笑いが、思考が、それらが彼の脳を止める事は無いだろう

ジョニィ・ジョースターは従わない
従ってなるものか、従えば再び『ゼロ』に戻れない
心の何処かでそんな確信が生まれていた

だが現実は非常だ
ジョニィの牙はこのままでは永遠に大統領に食らいつくことはない
『自然のスケール』が存在しない今、彼の牙は虚しく空を切る


739 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 00:22:21.121Qnc+iewo (3/18)

「クソオオオオオオオ!!!
まただ!また過去がツケを払えと迫ってくる!
余計なことに首を突っ込んだからだとッ!!
クソ!クソッ!!やはり……僕には『回転』なんか……ッ!!」

-----回転を信じろ-----

ふと、『師』の言葉が蘇る
そうだ、かつて、彼は回転を信じきることが出来なかった
結果的に命の危険まであった、あの時
師はこの言葉をかけてくれた

「(ああッ!ジャイロ!でも……『無い』んだ!!
ここには『黄金長方形』が無いんだッ!!)」

びしゅん、びしゅん、びしゅん
虚しく空を切りつづける牙

-----お前にもいつか出来るようになるさ-----

再び、誰かの言葉が蘇る
暖かい、優しい、そうだ、この声は僕が小さい頃『死んだ』……

「兄さァァァァァん!!」

憧れの兄、尊敬出来る兄、いつだって味方だった
いつだって自分の味方であってくれた
いつだって僕を『信じて』くれた

師や兄の声が心に響く
この時、ジョニィの『迷い』は消えた



740 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 00:42:35.121Qnc+iewo (4/18)

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん
びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん
びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん
びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん
びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん
びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん
びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん
びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん
びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅんびしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん


741 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 00:56:40.841Qnc+iewo (5/18)

ネズミはどこ吹く風で走っていく
傷など存在しないかに様に
隠れる場所などありはしないのに

「………!!…ッ!…だが…!だが!!
こちらから二度と攻撃しなければ良いだけの事ッ!!
ただそれだけの………ッ!!」

残念ながらそうはいかなかった

「大統領、ギャンブルは好きかい?」

ジョニィが口を開く

「僕は嫌いだが、今は『賭けて』みようと思う
今、僕は『自然のスケール』を手に入れた
そう、ご存知『ネズミ』だよ
今から僕はこのスケールで『黄金長方形の回転』を
地面に伝わらせてネズミに空いている傷に伝える

そこで『回転』が『お前の開けた』穴のを移動させたらどうなると思う?

『同じ』危害が加えられるというのなら、『同じ』回転によって危害が加えられるはずだ

それが回転を『作った』僕に来るのか
傷を『つけた』お前に帰って来るのか」

ジョニィは、構える

「『覚悟』はいいかッ!?大統領ッ!!」

「やめろおおおおおおお!!」

賽は投げられた

ジョニィは黄金の回転を発射した
穴はぐるぐるとネズミの元へ向かってゆく
ネズミに到着する
大統領の『傷』をジョニィの『穴』が動かし、ネズミの心臓に着弾した

倒れたのは

.
..
...
....



742 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 00:58:34.971Qnc+iewo (6/18)

倒れる父に寄り添う徐倫

「そんな……いや…」

涙が止まらない

「ねえ……へんじしてよ……」

涙が止まらない

「いやだよ……」

涙が

「嫌あああああああああああ!!!!」

DISCは抜かれ、何処かへ飛んでいった
取りに行けばその間に父は死ぬだろうし
取りに行こうにも足が動かないのだ

「いるのか……徐倫…?」

二度と口を開かないと思っていた父が口を開く

「父さん!!大丈夫なの!?」

答えの分かっている問いを投げかける

「……これが…大丈夫というのなら…
お前は………医者に行った方が…いいな………」

初めて聞く父のジョーク
こんな状況では聞きたくはなかった

「いいか……徐倫…」

次第に声が途切れ始める

「お前は……」

ポツリと

「俺の『娘』だ……」

突如、世界は暗闇となった
自らが『分解』されているように徐倫は感じる
どうだっていい、徐倫は薄れゆく意識の中でそう思った

....
...
..
.


743 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 00:59:44.751Qnc+iewo (7/18)

倒れたのは

「これで……満足か…?ジョニィ……ジョースター……?」

『両者』だった

大統領は物言わぬジョニィの亡骸に話しかける
その様子を黙って見守る吉良吉影とジョセフ・ジョースター

「貴様は……アメリカを…売った……売国奴だ…
恥を知れ……ちっぽけな……クソ…ガ………」

大統領は『死』を迎えた


744 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:00:35.671Qnc+iewo (8/18)











745 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:01:42.451Qnc+iewo (9/18)

「……キがァァァァァ!!聖なる遺体を忘れたかァァァァァ!!!」

皆さんはご存知だろうか?
『聖人』が『聖人』たる理由を
それは死後に奇跡を起こす事だけじゃない

『聖人は一度、蘇るのだ』

「ンッン~!!実にいい気分だぞッ!
蘇るというものはッ!!」

再び、発光を始める大統領

「どうしたッ!!貴様らはあのクズのように抵抗はせんのかッ!?」

今の大統領は嫌に『ハイ』だ
だがそれとは対照的に吉良吉影は『クール』に振舞っている

「その必要は無い」

吉良は黙らせるように一蹴する

「何故なら貴様は既にあの少年に『負けている』からだ」

ハイ!な気分を冷ます様な吉良に苛立つ大統領


746 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:02:44.891Qnc+iewo (10/18)

「ふん!あのジョニィ・ジョースターは死んだ!!
私は蘇った!!誰が見ても明らか………」

次の瞬間、大統領は消えた
主の消えた世界は暗闇となり崩壊を始める
残された二人は特に表情や態度を変えずに全てを『受け入れた』


747 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:03:54.271Qnc+iewo (11/18)

所変わり、大統領はどこか知らない場所にいた

声が聞こえる

「おお、ファニー……私のファニー…」

聞いた事は無い声だ

だが確信する

「あ……あなた様は…やはり……」

声の主が姿を表した

「おお…ファニー…私は嬉しい……
君は……私を愛しているか………?」

「は……はい……」


748 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:04:58.061Qnc+iewo (12/18)

「よろしい……あなたを私の『席』に座らせよう……」

「そ……!!そんな…!私めにはもったいなく……」

「いやいや……そんな事は無い…
私は嬉しいのだよ………私の役割を『おっ被って』くれるのだからね……」

大統領が今の言葉を聞き返そうとした瞬間
突然、その人の腕が裂けた

「ハッ!!大丈夫ですか!?」

その人は意に介さず目の前に『ある風景』を映し出す

「君は…ラッキーと思った事は……あるかね…?」

突然の質問にうろたえる大統領

「は……はぁ…ありますが……」


749 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:06:27.391Qnc+iewo (13/18)

「例えば……こういう時だろう?」

目の前の光景が動き始める

大工が家を作っている
資材となる木を切っていると『たまたま』ノコギリの刃が折れて
自分の耳めがけて飛んでくる
だが、自分のこめかみスレスレで当たらなかった

「まあ……平たくいえば……ッ!?」

その人の耳が鮮血と共に斬り落とされた
だが、瞬時に治っていくのだ

「どうなされたのですかッ!?」

「私の役割……それは………『全ての害悪をおっかぶせられる事』だ…」


750 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:08:02.001Qnc+iewo (14/18)

つまりはこうだった
例えばAさんが転落したが、たまたま無傷だったとしよう
だが、そこには転落して顔面がグチャグチャになってしまっていたという可能性も存在するのではないだろうか?

『このお方』はその悪い方の結果によって生じていたハズのモノを
全て代わりに請け負い、地球上の『マイナス』を減らしているのだ

そして、聖人はどうやら不老不死の上に傷が瞬時に治ってしまうらしい
だが、『苦痛』は残ってしまうのだ

「な……!ならば何故…!あなた様は遺体にッ!?」

「私は生きていたよ……生きたままパーツに別れただけだ……
だが、君は集めてしまった……
ならば君が全てをおっかぶせられるべきだと思わないかい?」

「そ…!!そんなッ!!」

「まあ………君は今まで自分が受けるべき傷を
他人に押し付けて来たじゃあないか………
君も言っていただろう………『罪には罰だ』


後 は 頼 ん だ よ 」

そういうと、その人は『灰』となり消えた

後に残されるは大統領ただ一人
不死身で瞬時に傷が治る、まさに『幸運』だ


世界中の人の『不幸』は受け取るが


751 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:09:07.021Qnc+iewo (15/18)

「い……嫌だ…」

大統領の腕が落ちる、だが治る

「わ……私は……」

首に穴が開く、だが治る

「こんな……つもりじゃあ……」

頭が真っ二つになる、だが治る


「殺してくれえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」


だが死なないし[ピーーー]ないのだ

大統領はどんなに辛くても[ピーーー]ないので考える事をやめた

と言いたいところだが聖人の力により
強制的に自我を保たされるので………ご想像にお任せする


752訂正 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:10:12.441Qnc+iewo (16/18)

「い……嫌だ…」

大統領の腕が落ちる、だが治る

「わ……私は……」

首に穴が開く、だが治る

「こんな……つもりじゃあ……」

頭が真っ二つになる、だが治る


「殺してくれええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」

だが死なないし死ねないのだ

大統領はどんなに辛くても死ねないので考える事をやめた

と言いたいところだが聖人の力により
強制的に自我を保たされるので………ご想像にお任せする


753人生訂正 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:13:40.051Qnc+iewo (17/18)

「ここは……?」

吉良吉影はとまどう
さっきまでの無機質な世界とは違いネオン輝く都市にいた

どこかの映画で見たような機械が掃除をしている
少なくともここは杜王町ではないが
ここは彼がかつて暮らしていた『日常』だった
人が生き、緑が生い茂る、そんな『平穏』な世界

目の前には大きな電光掲示板があった
日付が映し出されていたので確認する

「馬鹿な………!!バイツァダストを発動した日を……過ぎている…!?」

とすると
彼は今や自由の身となったのだ
あの憎き奴らは自分を見つける手がかりすらない

「フハハハハハハハ!!やった!!やったぞ!!
杜王町を失ったのは痛いが……命には変えられん!!
そしてあのクソったれ仗助は死んだ!私は勝ったのだ!!」

彼はこの都市でしばらく暮らしていけるのだろう
今の彼にはそれだけで十分な幸せだった

End.................?

NO!NO!NO!!

To!Be!Continued!!!




754人生訂正 ◆tyuVXY5AEU2011/04/20(水) 01:18:31.721Qnc+iewo (18/18)

終わりいいいいいいいい!!!!
終わったよおおおおお!!!!
色々聖人にひどい事させ過ぎたよおおおおおお!!!
こんな読みづらいSS読んでくれてありがとねええええええ!!

後、いつも必ず乙をくれたAUユーザーの方と
(東京都)の人は本当にありがとう
あんたらのお陰でエターナらずにすんだよ

この場を借りてお礼申し上げます
本当にありがとうね!!

続編書きたいと思います!
タイトルに絶対「吉良先生」を入れるつもりなんで
暇なら見てね!!

それでは、一年間ありがとうございました
厳しい意見で初期の自分の意識を変えてもらいました
でも厳しい意見があったからこそ色々変えていけたと思っています

それじゃあ


755VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)2011/04/20(水) 01:22:50.04CZkX5Qqpo (1/1)

続編来たッ!! 第一部完!!
リアルタイム遭遇できなかったからレスはあまりできなかったけど見てたよ
>>1の約一年に渡る書き込みッ!! 僕は乙を評する!!


756VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2011/04/20(水) 06:22:57.00I3d9LAkAO (1/1)

昔、ジョジョキャラをSSで対戦させるサイトあったよな
確かジョジョ魂とかなんとかって、あそこ面白かったけど今もまだやってるのかな?


757VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)2011/04/20(水) 06:49:44.29l7oh3QiAO (1/1)

ディ・モールト良い……
終わり際に違和感を持ったが、続くならばこんな嬉しい事は無いし……
見違える程に「成長」していた「君」の、そう…底力というべきか? 神々しさを感じるよ……ふふふ


758VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/21(木) 18:07:48.68xMTGAVmX0 (1/1)

イイッ非常にイイッ                                         乙でした!


759VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/22(金) 00:43:32.72ZYb9raxK0 (1/1)

乙!
次回の舞台は○○都市か?


760VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)2011/04/22(金) 01:22:10.17x/i+k40AO (1/1)

最後の最後に自分の好きなキャラに肩入れしちゃうのは感心しないけどまあ乙


761 ◆tyuVXY5AEU2011/04/22(金) 01:59:01.24lWLZw8Xwo (1/1)

HTML依頼してきます




762VIPにかわりましてNIPPERがお送りします2011/04/22(金) 02:08:01.33Cxw8Y31Co (1/1)

楽しかった 乙


763VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)2011/04/22(金) 06:48:53.27RmRooY1Zo (1/1)

乙ッ!せずにはいられない!


764VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県)2011/04/22(金) 13:26:35.33cR/9FMTg0 (1/1)

中々面白かったが「帝王」はディアボロだろう


765VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東)2011/04/23(土) 01:16:19.47/lE0fI0AO (1/1)

乙!
大統領皮肉な最期だな。
最後の最後でリアルタイムに見れなかったのが残念だけど、ずっと追いかけていてよかったよ。
続編も楽しみだ。


766VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)2011/04/23(土) 11:57:36.55K99lEUJAO (1/1)

乙!!!
最後をたった今読み終わった!!

ジョリーンと承太郎のその後が気になるな
続編見つけたらまた読みます